JP2014019251A - 空気巻き込み防止装置及び摩擦抵抗低減船 - Google Patents

空気巻き込み防止装置及び摩擦抵抗低減船 Download PDF

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Abstract

【課題】船体構造に与える影響が少なく、水中に吹き出された空気のプロペラへの巻き込みを抑制することができる、空気巻き込み防止装置及び摩擦抵抗低減船を提供する。
【解決手段】船底11の両舷側に回動可能に配置された一対の可動フィン41と、可動フィン41を船底11に垂直な回動軸Lの周りに回動させる駆動モータ42と、駆動モータ42により可動フィン41の回動角度を調整する制御部43と、を有し、可動フィン41は、船底11から離隔する方向に突出した第一フィン部41aと、船底11に沿う方向に延設された第二フィン部41bと、を有し、制御部43は、船体の揺動低減時に第一フィン部41aに生じる揚力が船体の揺動を抑制するように可動フィン41を回動させ、船体の摩擦抵抗低減時に第二フィン部41bがプロペラ3の前方を塞ぐように可動フィン41を回動させるように構成されている。
【選択図】図1

Description

本発明は、空気巻き込み防止装置及び摩擦抵抗低減船に関し、特に、船体の摩擦抵抗を低減するために水中に吹き出された空気のプロペラへの巻き込みを抑制する空気巻き込み防止装置及び該空気巻き込み防止装置を備えた摩擦抵抗低減船に関する。
従来から、水中に空気を吹き出すことにより船体の摩擦抵抗を低減する摩擦抵抗低減船が種々提案されている。一般に、摩擦抵抗低減船においては、船底から空気を水中に吹き出し、船底に沿って空気を流すことによって船底に空気層を形成し、船体の摩擦抵抗を低減するように構成されている。しかしながら、船尾部には船体に推進力を与えるプロペラが配置されており、かかるプロペラに空気が巻き込まれると、プロペラが空回りしてしまい推進効率を低下させてしまうこととなる。そこで、船体の摩擦抵抗を低減するために水中に吹き出された空気のプロペラへの巻き込みを抑制するために、既にいくつかの方法が提案されている(例えば、特許文献1及び特許文献2参照)。
例えば、特許文献1に記載された摩擦抵抗低減船は、船底に開口したチャンバー群と、プロペラの前方に位置する第一チャンバーの後端に船尾部に向かって左右方向に広がるV字形状に形成された空気排除板と、を有している。
また、特許文献2に記載された摩擦抵抗低減船は、気体噴出口の後方の船尾部側の船底にプロペラへの気泡の巻き込みを防止する巻き込み防止構造を有し、巻き込み防止構造としては、気泡を分離できる曲面を有した隆起部、船体の平面中心線を中心として左右に広がるV字型のマウンド、プロペラ近傍に設けた気泡防護体、プロペラの前方に配置された気泡を吸い込む気泡吸込み手段等が開示されている。
特開2011−136609号公報 特開2009−248831号公報
特許文献1に記載された摩擦抵抗低減船では、船底を凹ませたチャンバーを有することから船体構造が複雑になってしまう、チャンバーから船底に吹き出た空気が水流の関係で再びプロペラに向かって流れてしまうおそれがある等の問題がある。
特許文献2に記載された摩擦抵抗低減船では、船底に隆起部やマウンドを形成する場合には船底を構成する鋼板を所望の形状に加工しなければならず船体構造が複雑になってしまう、気泡防護体を設置した場合には多孔板形状を有する気泡防護体が常設されることから少なからず水流に対して抵抗を形成し推進効率を低下させる要因となってしまう、気泡吸い込み手段を配置した場合には限られた船体空間内に気液分離装置やブロワを追加しなければならず船体構造が複雑になってしまう、という問題がある。
本発明は、上述した問題点に鑑み創案されたものであり、船体構造に与える影響が少なく、水中に吹き出された空気のプロペラへの巻き込みを抑制することができる、空気巻き込み防止装置及び摩擦抵抗低減船を提供することを目的とする。
本発明によれば、船底から水中に空気を吹き出すことにより船体の摩擦抵抗を低減する摩擦抵抗低減船のプロペラの前方に配置される空気巻き込み防止装置において、前記船底の両舷側に回動可能に配置された一対の可動フィンと、該可動フィンを前記船底の表面上で回動させる駆動モータと、該駆動モータにより前記可動フィンの回動角度を調整する制御部と、を有し、前記可動フィンは、前記船底から離隔する方向に突出した第一フィン部と、前記船底に沿う方向に延設された第二フィン部と、を有し、前記制御部は、前記船体の揺動低減時に前記第一フィン部に生じる揚力が前記船体の揺動を抑制するように前記可動フィンを回動させ、前記船体の摩擦抵抗低減時に前記第二フィン部が前記プロペラの前方を塞ぐように前記可動フィンを回動させるように構成されている、ことを特徴とする空気巻き込み防止装置が提供される。
また、本発明によれば、船底から水中に空気を吹き出すことにより船体の摩擦抵抗を低減する摩擦抵抗低減船において、船首部側に配置され水中に空気を吹き出す空気吹き出し口と、船尾部側に配置され船体に推進力を付与するプロペラと、前記空気吹き出し口と前記プロペラとの間に配置された空気巻き込み防止装置と、を有し、前記空気巻き込み防止装置は、前記船底の両舷側に回動可能に配置された一対の可動フィンと、該可動フィンを前記船底の表面上で回動させる駆動モータと、該駆動モータにより前記可動フィンの回動角度を調整する制御部と、を有し、前記可動フィンは、前記船底から離隔する方向に突出した第一フィン部と、前記船底に沿う方向に延設された第二フィン部と、を有し、前記制御部は、前記船体の揺動低減時に前記第一フィン部に生じる揚力が前記船体の揺動を抑制するように前記可動フィンを回動させ、前記船体の摩擦抵抗低減時に前記第二フィン部が前記プロペラの前方を塞ぐように前記可動フィンを回動させるように構成されている、ことを特徴とする摩擦抵抗低減船が提供される。
上述した空気巻き込み防止装置及び摩擦抵抗低減船において、前記空気巻き込み防止装置は、前記可動フィンの前方に配置され、前記船底を流れる空気流量を検出する空気流量センサを有し、前記制御部は、前記空気流量が閾値を超えた場合に前記可動フィンを回動させて前記プロペラの前方を塞ぐように構成されていてもよい。
また、前記空気巻き込み防止装置は、前記船体の横揺れを検出する横揺れセンサを有し、前記制御部は、前記横揺れが閾値を超えた場合に前記可動フィンを回動させて前記船体の揺動を抑制するように構成されていてもよい。
さらに、前記制御部は、前記空気流量及び前記横揺れが前記閾値を超えない場合に、前記可動フィンを回動させて前記第二フィン部を水流に沿った方向に配置するように構成されていてもよい。
また、上述した摩擦抵抗低減船において、前記制御部は、前記船体の揺動低減時に空気の吹き出しを停止させるように構成されていてもよい。
上述した本発明に係る空気巻き込み防止装置及び摩擦抵抗低減船によれば、船底に回動可能な可動フィンを配置したことにより、船底を凹ませたり隆起させたりする必要がなく、空気巻き込み防止装置を船体に設置する際に船体構造に与える影響を少なくすることができる。特に、可動フィンの第一フィン部は従来から船舶に使用されているフィンスタビライザーに相当する部分であり、従来の船体構造の延長線上で摩擦抵抗低減船を設計及び建造することができる。
また、第二フィン部を有する可動フィンを回動可能に構成したことにより、摩擦抵抗低減時に第二フィン部によってプロペラの前方を塞ぐことができ、水中に吹き出された空気のプロペラへの巻き込みを抑制することができ、推進効率の低下を抑制することができる。さらに、空気の吹き出しをしていない場合や船体の横揺れが激しい場合のように、プロペラに空気が巻き込まれる可能性が低い場合には、可動フィンを回動させてプロペラの前方を塞ぐ位置から第二フィン部を退避させることができ、推進効率の低下を抑制することもできる。
本発明の第一実施形態に係る摩擦抵抗低減船を示す図であり、(a)は側面図、(b)は底面図、(c)は巻込防止モードにおける底面図、である。 図1に示した可動フィンを示す図であり、(a)は側面図、(b)は底面図、(c)は変形例の側面図、である。 図1に示した空気巻き込み防止装置の処理フローを示すフローチャートである。 空気流量分布と可動フィンの回転量との関係を示す図であり、(a)は第一例、(b)は第二例、を示している。 本発明の他の実施形態に係る摩擦抵抗低減船を示す底面図であり、(a)は第二実施形態における通常運転モード、(b)は第二実施形態における巻込防止モード、(c)は第三実施形態における通常運転モード、(d)は第三実施形態における巻込防止モード、を示している。
以下、本発明の実施形態について図1〜図5を用いて説明する。ここで、図1は、本発明の第一実施形態に係る摩擦抵抗低減船を示す図であり、(a)は側面図、(b)は底面図、(c)は巻込防止モードにおける底面図、である。図2は、図1に示した可動フィンを示す図であり、(a)は側面図、(b)は底面図、(c)は変形例の側面図、である。
本発明の第一実施形態に係る摩擦抵抗低減船1は、図1及び図2に示したように、船底11から水中に空気を吹き出すことにより船体の摩擦抵抗を低減する摩擦抵抗低減船であって、船首部12側に配置され水中に空気を吹き出す空気吹き出し口2と、船尾部13側に配置され船体に推進力を付与するプロペラ3と、空気吹き出し口2とプロペラ3との間に配置された空気巻き込み防止装置4と、を有し、空気巻き込み防止装置4は、船底11の両舷側に回動可能に配置された一対の可動フィン41と、可動フィン41を船底11の表面上で回動させる駆動モータ42と、駆動モータ42により可動フィン41の回動角度を調整する制御部43と、を有し、可動フィン41は、船底11から離隔する方向に突出した第一フィン部41aと、船底11に沿う方向に延設された第二フィン部41bと、を有し、制御部43は、船体の揺動低減時に第一フィン部41aに生じる揚力が船体の揺動を抑制するように可動フィン41を回動させ、船体の摩擦抵抗低減時に第二フィン部41bがプロペラ3の前方を塞ぐように可動フィン41を回動させるように構成されている。
前記摩擦抵抗低減船1は、例えば、フェリー等の比較的船速の速い船舶であって、船底11の船尾部13側の部分に傾斜した平面を構成する傾斜面11a(巨視的に平面と同一視できる曲面を含む)を有している。また、船底11は、ボトムタンジェンシーラインBLによって囲まれた水平な平面を構成する平底面11bを有している。なお、ボトムタンジェンシーラインBLの形状は、船種、船型、排水量等の条件によって適宜変更されるものである。
前記空気吹き出し口2は、船底11に形成された開口部であり、例えば、図1(b)に示したように、平底面11bの船首部12寄りの部分に、船幅方向に複数配置されている。空気吹き出し口2には空気供給ライン21を介してブロワ22が接続されている。ブロワ22は、制御部43と電気的に接続されており、制御部43からの指令に基づいて作動される。ブロワ22を作動させると、ブロワ22は空気を吸い込み、空気供給ライン21に空気を送り込む。空気供給ライン21に供給された空気は、最終的に空気吹き出し口2から水中に吹き出される。空気吹き出し口2は、空気を気泡として吹き出すことができるように多孔板や分岐管を有していてもよい。
また、図示しないが、空気供給ライン21には、一時的に空気を貯蔵して、圧力を均一化したり、各空気吹き出し口2に均等に空気を分散させたりするためのバッファタンクを配置するようにしてもよい。なお、空気吹き出し口2の構成は上述したものに限定されず、従来から摩擦抵抗低減船において使用されているものを適宜選択して使用することができる。
前記プロペラ3は、いわゆるスクリュープロペラであり、二重反転プロペラや可変ピッチプロペラであってもよい。プロペラ3は、例えば、プロペラシャフトを介して船体に搭載されたディーゼルエンジン(図示せず)に接続されており、回転駆動される。プロペラシャフトは、船底11に形成されたプロペラシャフト挿通部11c内に回転可能に支持されている。図1(a)及び(b)に示したように、プロペラシャフト挿通部11cは、傾斜面11aから隆起した形状に形成されており、プロペラシャフトを船長方向に水平に支持できるように構成されている。
前記空気巻き込み防止装置4は、プロペラ3の前方に配置され、空気吹き出し口2から水中に吹き出された空気がプロペラ3に巻き込まれないようにする整流手段である。一般に、空気吹き出し口2から水中に吹き出された空気(気泡)は、船底11に沿って流れる水流によって、平底面11b及び傾斜面11aを経由して船尾部13方向に抜けることとなる。船尾部13には、プロペラ3が配置されており、このプロペラ3に空気が巻き込まれると、プロペラ3が空回りしてしまい推進効率を低下させてしまうこととなる。
そこで、本実施形態では、空気巻き込み防止装置4により、例えば、図1(c)に示したように可動フィン41を回動させて、一対の第二フィン部41bを船体中心部で合掌させ、プロペラ3の前方で「く」の字状の堰を形成することにより、空気吹き出し口2から船尾部13方向に流れる空気を左舷方向及び右舷方向に方向転換させるようにしている。
ここで、可動フィン41の構成について説明する。図2に示した可動フィン41は、右舷側に配置される可動フィン41を示したものである。図2(a)及び(b)に示したように、可動フィン41は、一方向に延びた平板状の第二フィン部41bと、第二フィン部41bの下面から略垂直方向に延びた翼形状の第一フィン部41aと、第二フィン部41bの上面に接続された回動シャフト41cと、を有する。かかる可動フィン41は、第二フィン部41bが、船底11の傾斜面11aに沿うように斜めに配置される。
第一フィン部41aは、いわゆるフィンスタビライザーに相当する部分である。フィンスタビライザーは、船底11の両舷から斜め下方に向かって鰭のように張り出した小翼であり、翼部に作用する揚力によって船体の横揺れを軽減する装置である。また、フィンスタビライザーは、船体の揺動(横揺れ)に応じて翼部の角度を変化させることによって、生じる揚力を調整することができ、効果的に横揺れを減衰させることができる。第一フィン部41aは、かかるフィンスタビライザーの翼部を構成し、回動シャフト41c及び駆動モータ42は、翼部(第一フィン部41a)の角度を変化させる駆動手段を構成する。したがって、第一フィン部41aは、従来のフィンスタビライザーの翼部と同じ設計思想によって製作することができ、図示した形状に限定されるものではない。
第二フィン部41bは、水中に吹き出された空気をプロペラ3の前方から排除して左舷方向及び右舷方向に受け流す部分であることから、少なくとも、空気吹き出し口2から吹き出された空気によって形成される空気層の厚さ以上の高さを有することが好ましい。また、第二フィン部41bの長さは、可動フィン41が配置される位置、プロペラ3やプロペラシャフト挿通部11cとの相対的な位置関係等の条件によって設定される。また、第二フィン部41bの船首部12側の先端部は、水流に対する抵抗を小さくするために曲面状に形成されていてもよいし、肉厚を徐々に薄くした尖突状に形成されていてもよい。
また、第二フィン部41bは、図2(c)に示したように、回動軸Lに対して予め傾斜した状態で回動シャフト41cに接続されていてもよい。かかる構成によれば、回動シャフト41c及び第一フィン部41aを鉛直方向に維持したまま、第二フィン部41bの傾斜角度を変更するだけで、容易に船底11の傾斜面11aに沿って配置することができる。
回動シャフト41cは、駆動モータ42に接続されており、回動軸Lを形成する。回動シャフト41cは、船体の揺動低減時に第一フィン部41aの角度を変化させる駆動手段であることから、第一フィン部41aに生じる揚力を調整しやすくするために、第一フィン部41aが形成された範囲内の第二フィン部41bの上面に接続される。
また、回動シャフト41cは、第二フィン部41bを回動軸Lの周りに回動させる駆動手段でもある。第二フィン部41bは、船底11の長手方向に延びた構成部品であることから、回動シャフト41cの取り付け位置によって、回動軸Lよりも船首部12側の部分と回動軸Lよりも船尾部13側の部分との回動範囲が異なる。
例えば、回動シャフト41cを船首部12側に配置した場合には、一対の第二フィン部41bを合掌させるための回動角度αが大きくなってしまい、第二フィン部41bの船尾部13側の部分が左右に大きく振れてしまうことから、プロペラ3と干渉したり、船体から左右方向にはみ出したりしてしまう可能性がある。そこで、回動シャフト41cは、第二フィン部41bの船尾部13側に配置されることが好ましい。したがって、第一フィン部41aも第二フィン部41bの船尾部13側に配置されることとなる。
図2(b)に示したように可動フィン41は、船体中心側に回動される回動角度αと右舷側に回動される回動角度βとの範囲内で回動される。例えば、回動角度αは0〜45°の範囲に設定され、回動角度βは0〜30°の範囲に設定される。かかる回動角度α,βは、可動フィン41が配置される位置、プロペラ3との相対的な位置関係等の条件によって設定される。
駆動モータ42は、船体の揺動低減時や摩擦抵抗低減時に可動フィン41を回動させる駆動手段である。駆動モータ42は、例えば、電動モータにより構成される。図1(a)に示したように、駆動モータ42は、制御部43と電気的に接続されており、制御部43からの指令に基づいて駆動される。
制御部43は、主として、空気巻き込み防止装置4を制御するコンピュータである。制御部43は、例えば、操舵室等に配置される。船底11の平底面11bには、図1(b)に示したように、空気吹き出し口2と可動フィン41との間に空気流量センサ44が配置されており、制御部43と電気的に接続されている。制御部43は、空気流量センサ44から計測値を受信し、その計測値が所定の閾値εを超えている場合に、可動フィン41(第二フィン部41b)を回動させる。すなわち、空気巻き込み防止装置4は、可動フィン41の前方に配置され、船底11を流れる空気流量を検出する空気流量センサ44を有し、制御部43は、空気流量が閾値εを超えた場合に可動フィン41を回動させてプロペラ3の前方を塞ぐように構成されている。
空気流量センサ44は、例えば、反射光量によって空気流量を計測可能な、レーザセンサ、光センサ、赤外線センサ等によって構成される。また、船幅方向に複数の空気流量センサ44を配置することによって、船幅方向に空気流量の分布を計測することができ、最も空気流量の多い箇所に第二フィン部41bが配置されるように可動フィン41を回動させることができる。
また、図1(a)に示したように、摩擦抵抗低減船1の船体には、船体の横揺れを検出する横揺れセンサ45が配置されており、制御部43と電気的に接続されている。制御部43は、横揺れセンサ45から計測値を受信し、その計測値が所定の閾値γを超えている場合に、可動フィン41(第一フィン部41a)を回動させる。すなわち、空気巻き込み防止装置4は、船体の横揺れを検出する横揺れセンサ45を有し、制御部43は、横揺れが閾値γを超えた場合に可動フィン41を回動させて船体の揺動を抑制するように構成されている。
横揺れセンサ45は、例えば、加速度センサや傾斜センサにより構成される。また、横揺れセンサ45の計測値が所定の閾値γを超えている場合、横揺れが激しいことから、水中に空気を吹き出しても船底11に空気層が形成され難く、摩擦抵抗低減効果が得られ難いことから、制御部43からの指令によって、空気吹き出し口2からの空気吹き出しを停止させるようにしてもよい。すなわち、制御部43は、船体の揺動低減時に空気の吹き出しを停止させるように構成されていてもよい。
続いて、上述した制御部43の処理フローについて説明する。ここで、図3は、図1に示した空気巻き込み防止装置の処理フローを示すフローチャートである。
図3に示したように、制御部43は、横揺れセンサ45及び空気流量センサ44の計測値に基づいて、通常運転モード、巻込防止モード及び減揺運転モードのいずれのモードを選択すべきかを決定することができる処理フローを有している。
まず、制御部43は、横揺れ判定(Step1)を行う。具体的には、横揺れセンサ45の計測値が閾値γを超えているか否かを判定する。横揺れが閾値γを超えている場合(Y)には、直ちに減揺運転モードに移行する(Step2)。減揺運転モードでは、常時又は定期的に横揺れ判定(Step1)を繰り返し、減揺運転モードを継続すべきか否かを判断する。
減揺運転モードでは、フィンスタビライザーを構成する第一フィン部41aに生じる揚力が揺動を低減するように、可動フィン41を回動させる。閾値γや可動フィン41の回動角度等の諸条件は、従来のフィンスタビライザーと同じように設定することができるため、ここでは詳細な説明を省略する。
横揺れが閾値γを超えていない場合(N)には、空気吹き出しを開始する(Step3)。具体的には、制御部43は、ブロワ22を作動させ、空気吹き出し口2から水中に空気を吹き出させる。
次に、制御部43は、空気流量監視(Step4)を行う。具体的には、空気流量センサ44の計測値が閾値εを超えているか否かを判定する。空気流量が閾値εを超えている場合(Y)には、巻込防止モードに移行し(Step5)、空気流量が閾値εを超えていない場合(N)には、通常運転モードに移行する(Step6)。
巻込防止モードでは、第二フィン部41bがプロペラ3の前方を塞ぐように可動フィン41を回動させる。ここで、図4は、空気流量分布と可動フィンの回転量との関係を示す図であり、(a)は第一例、(b)は第二例、を示している。各図において、縦軸は空気流量、横軸は船幅方向位置、を示している。
水中に吹き出された空気は、浮力によって水面に上昇しようとすることから、一般に、両舷側に吹き出された空気は船底11から抜けやすいという性質を有している。したがって、船幅方向の空気流量分布は、図4(a)に示したように、船体中心部で最も多く、左舷側及び右舷側で最も少ない数値を取ることが多い。図中、一点鎖線で示したように、全体の空気流量が閾値εを超えていない場合には、水中に吹き込まれた空気がプロペラ3に巻き込まれる可能性が少ないか、プロペラ3に巻き込まれたとしても推進効率に与える影響が少ない。
一方、図中、実線で示したように、空気流量が閾値εを超えた場合には、水中に吹き出された空気がプロペラ3に巻き込まれる可能性が高く、プロペラ3の推進効率を低下させるおそれがある。そこで、空気流量が閾値εを超えた場合には、図1(c)に示したように、左右一対の可動フィン41を回動させて、第二フィン部41bどうしを合掌させ、プロペラ3の前方を塞ぐ堰を形成させる。このように、船体中心部の空気流量が閾値εを超えている場合には、第二フィン部41bどうしを合掌させてプロペラ3の前方の略全域を塞ぐようにすることが好ましい。
ところで、船底11の形状や水流の影響によって、空気流量分布が、図4(b)に示したように、船体中心部と左舷又は右舷との間で最大値を取る場合もあり得る。この場合、船体中心部の空気流量は閾値εを超えておらず、船体中心部よりも左舷側にずれた位置XLから外側の範囲及び船体中心部よりも右舷側にずれた位置XRから外側の範囲において、空気流量が閾値εを超えることとなる。
かかる場合、第二フィン部41bどうしを合掌させて船体中心部を塞ぐ必要がないことから、第二フィン部41bの先端部(船首部12側)が位置XL又は位置XRに達するまで、「ハ」の字状に可動フィン41を回動させるようにすればよい。すなわち、制御部43は、空気流量分布を監視しながら、閾値εを超えた部分を第二フィン部41bで塞ぐことができるように、可動フィン41を回動させる。このとき、左舷側の可動フィン41と右舷側の可動フィン41とで回動角度が異なっていてもよい。
通常運転モードは、減揺運転モードでもなく巻込防止モードでもないことから、可動フィン41を大きく回動させる必要がない。したがって、通常運転モードでは、可動フィン41は、水流に与える抵抗が最も少なくなる位置に配置される。例えば、図1(b)に示したように、可動フィン41は、第二フィン部41bが船長方向に沿って配置される位置に回動される。また、可動フィン41に生じる水流の抵抗を検知するロードセルを配置し、抵抗値が最も少なくなるように可動フィン41を微小角度で回動させるように制御してもよい。
巻込防止モード及び通常運転モードでは、常時又は定期的に横揺れ判定(Step7)を行い、減揺運転モードに移行すべきか否かを判断する。横揺れが閾値γを超えていない場合(N)には、続いて、空気流量監視(Step4)を行い、巻込防止モード又は通常運転モードを継続するか否かを判断する。また、横揺れが閾値γを超えている場合(Y)には、空気吹き出しを停止した後(Step8)、減揺運転モードに移行する(Step2)。なお、空気吹き出し停止ステップ(Step8)は、必要に応じて省略するようにしてもよいし、横揺れセンサ45の計測値が異なる閾値γ′を超えているか否かを基準にして、空気吹き出しを停止させるようにしてもよい。
上述した本実施形態に係る空気巻き込み防止装置4及び摩擦抵抗低減船1によれば、船底11に可動フィン41及び駆動モータ42を配置する構成としたことから、船底11を凹ませたり隆起させたりする必要がなく、空気巻き込み防止装置4を船体に設置する際に船体構造に与える影響を少なくすることができる。特に、可動フィン41の第一フィン部41aはいわゆるフィンスタビライザーに相当する部分であり、従来の船体構造の延長線上で設計及び建造することができる。
また、第二フィン部41bを有する可動フィン41を回動可能に構成したことにより、摩擦抵抗低減時に第二フィン部41bによってプロペラ3の前方を塞ぐことができ、水中に吹き出された空気のプロペラ3への巻き込みを抑制することができ、プロペラ3の推進効率の低下を抑制することができる。さらに、空気の吹き出しをしていない場合や船体の横揺れが激しい場合のように、プロペラ3に空気が巻き込まれる可能性が低い場合には、可動フィン41を回動させてプロペラ3の前方を塞ぐ位置から第二フィン部41bを退避させることができ、推進効率の低下を抑制することもできる。
また、空気巻き込み防止装置4は、フィンスタビライザーとしての機能も有することから、通常運転モード、巻込防止モード及び減揺運転モードのいずれのモードにも対応することができ、機能性に優れている。
最後に、本発明の他の実施形態に係る摩擦抵抗低減船1について、図5を参照しつつ説明する。ここで、図5は、本発明の他の実施形態に係る摩擦抵抗低減船を示す底面図であり、(a)は第二実施形態における通常運転モード、(b)は第二実施形態における巻込防止モード、(c)は第三実施形態における通常運転モード、(d)は第三実施形態における巻込防止モード、を示している。なお、各図において、上述した第一実施形態に係る摩擦抵抗低減船1と同じ構成部品については、同じ符号を付して重複した説明を省略する。
図5(a)及び(b)に示した第二実施形態に係る摩擦抵抗低減船1は、平底面11bが船底11に大きく形成されており、プロペラシャフト挿通部11cまで連設された船体構造を有している。かかる船体構造を有する摩擦抵抗低減船1では、平底面11bに可動フィン41を配置するようにしてもよいし、図示したように、プロペラシャフト挿通部11cの両脇に形成された傾斜面11aに可動フィン41を配置するようにしてもよい。
かかる第二実施形態に係る摩擦抵抗低減船1では、図5(b)に示したように、第二フィン部41bどうしを合掌させるように回動させることができず、プロペラシャフト挿通部11cの側面に接する位置までしか回動させることができない。しかしながら、船体中心部には、プロペラシャフト挿通部11cが形成されており、プロペラシャフト挿通部11cは一般に下面がラウンドした曲面を有していることから、平底面11bから下流に流れる空気がそのまま直進してプロペラ3に巻き込まれる可能性は少ない。
したがって、図示した位置に可動フィン41を配置した場合であっても、傾斜面11aからプロペラ3に巻き込まれようとする空気を阻止することができ、実質的に、第一実施形態と同様の効果を有する。
図5(c)及び(d)に示した第三実施形態に係る摩擦抵抗低減船1は、プロペラ3がポッド推進器31の場合を示している。ポッド推進器31は、繭型をしたケーシング内に電動モータを内蔵させてプロペラ3を回転させるようにした推進器である。ポッド推進器31の場合、船体から延出された長いプロペラシャフトが不要であることから、船尾部13の船底11から水中に鉛直に延出されたストラット(図示せず)により支持されることが多い。
かかる第三実施形態に係る摩擦抵抗低減船1では、図示したように、平底面11bとポッド推進器31との間に比較的広い面積の傾斜面11aが形成されることから、この範囲内で任意の位置に可動フィン41を配置することができる。このように、可動フィン41の配置位置の自由度が高い場合には、可動フィン41はできるだけプロペラ3に近い位置、すなわち、船尾部13寄りに配置することが好ましい。可動フィン41を船尾部13寄りに配置することにより、空気層が船底11を覆う面積を大きくすることができ、摩擦低減効果を向上させることができる。
本発明は上述した実施形態に限定されず、フェリー以外の船舶(例えば、コンテナ船やタンカー等)にも適用することができる等、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で種々変更が可能であることは勿論である。
1 摩擦抵抗低減船
2 空気吹き出し口
3 プロペラ
4 空気巻き込み防止装置
11 船底
12 船首部
13 船尾部
41 可動フィン
41a 第一フィン部
41b 第二フィン部
42 駆動モータ
43 制御部
44 空気流量センサ
45 横揺れセンサ

Claims (6)

  1. 船底から水中に空気を吹き出すことにより船体の摩擦抵抗を低減する摩擦抵抗低減船のプロペラの前方に配置される空気巻き込み防止装置において、
    前記船底の両舷側に回動可能に配置された一対の可動フィンと、該可動フィンを前記船底の表面上で回動させる駆動モータと、該駆動モータにより前記可動フィンの回動角度を調整する制御部と、を有し、
    前記可動フィンは、前記船底から離隔する方向に突出した第一フィン部と、前記船底に沿う方向に延設された第二フィン部と、を有し、
    前記制御部は、前記船体の揺動低減時に前記第一フィン部に生じる揚力が前記船体の揺動を抑制するように前記可動フィンを回動させ、前記船体の摩擦抵抗低減時に前記第二フィン部が前記プロペラの前方を塞ぐように前記可動フィンを回動させるように構成されている、
    ことを特徴とする空気巻き込み防止装置。
  2. 前記可動フィンの前方に配置され、前記船底を流れる空気流量を検出する空気流量センサを有し、前記制御部は、前記空気流量が閾値を超えた場合に前記可動フィンを回動させて前記プロペラの前方を塞ぐように構成されている、ことを特徴とする請求項1に記載の空気巻き込み防止装置。
  3. 前記船体の横揺れを検出する横揺れセンサを有し、前記制御部は、前記横揺れが閾値を超えた場合に前記可動フィンを回動させて前記船体の揺動を抑制するように構成されている、ことを特徴とする請求項2に記載の空気巻き込み防止装置。
  4. 前記制御部は、前記空気流量及び前記横揺れが前記閾値を超えない場合に、前記可動フィンを回動させて前記第二フィン部を水流に沿った方向に配置するように構成されている、ことを特徴とする請求項3に記載の空気巻き込み防止装置。
  5. 船底から水中に空気を吹き出すことにより船体の摩擦抵抗を低減する摩擦抵抗低減船において、
    船首部側に配置され水中に空気を吹き出す空気吹き出し口と、船尾部側に配置され船体に推進力を付与するプロペラと、前記空気吹き出し口と前記プロペラとの間に配置された空気巻き込み防止装置と、を有し、前記空気巻き込み防止装置は、請求項1〜請求項4のいずれかに記載の空気巻き込み防止装置である、ことを特徴とする摩擦抵抗低減船。
  6. 前記制御部は、前記船体の揺動低減時に空気の吹き出しを停止させるように構成されている、ことを特徴とする請求項5に記載の摩擦抵抗低減船。
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