JP2014017575A - 容量性負荷の駆動回路、容量性負荷の駆動方法、及び、カメラモジュール - Google Patents
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Abstract
【課題】温度変動に対して非線形に容量値が変動する容量性負荷について、環境温度の状態に合わせて最適な状態で駆動することが可能な容量性負荷の駆動回路、容量性負荷の駆動方法、及び、当該容量性負荷の駆動回路を有するカメラモジュールを提供する。
【解決手段】本開示の容量性負荷の駆動回路は、温度に対して非線形に容量値が変化する容量性負荷を駆動対象とし、容量性負荷を駆動する駆動力のキャリブレーションが可能であり、容量性負荷の使用環境の温度領域を検出する温度領域検出部と、温度領域検出部が検出した温度領域に応じて、容量性負荷の駆動力をキャリブレーションする頻度を制御する制御部とを備える。
【選択図】 図1
【解決手段】本開示の容量性負荷の駆動回路は、温度に対して非線形に容量値が変化する容量性負荷を駆動対象とし、容量性負荷を駆動する駆動力のキャリブレーションが可能であり、容量性負荷の使用環境の温度領域を検出する温度領域検出部と、温度領域検出部が検出した温度領域に応じて、容量性負荷の駆動力をキャリブレーションする頻度を制御する制御部とを備える。
【選択図】 図1
Description
本開示は、容量性負荷(容量性リアクタンスを有する負荷)の駆動回路、容量性負荷の駆動方法、及び、カメラモジュールに関する。
容量性負荷の駆動回路の駆動対象として、CCDイメージセンサに代表される電荷転送型固体撮像装置における垂直転送部や水平転送部の転送電極、あるいは、液晶パネル等のフラットパネル型表示装置における画素用信号線の配線などを挙げることができる。そして、駆動対象が例えば転送電極の場合には、転送電極と半導体基板との間に設けられるSiO2等の絶縁膜が容量性リアクタンスを有する負荷(容量性負荷)となる。
従来、容量性負荷を駆動する駆動回路の技術においては、駆動波形の品質の向上を意図して、アンダーシュートやオーバーシュートの低減、スルーレートの変動の調整機能、伝搬遅延の均一化などを図る技術が提案されてきた(例えば、特許文献1,2参照)。
ところで、先に例示した容量性負荷にあっては、容量値の変動が主に製造ばらつきによるものであった。従って、上記の従来技術は、製造ばらつきによって容量値が変動する事象を、更には、環境変動については、温度変動に対して緩やかに(線形に)容量値が変動する事象を対象としていた。
本開示は、温度変動に対して非線形(急激)に容量値が変動する容量性負荷について、環境温度の状態に合わせて最適な状態で駆動することが可能な容量性負荷の駆動回路、容量性負荷の駆動方法、及び、当該容量性負荷の駆動回路を有するカメラモジュールを提供することを目的とする。
上記の目的を達成するための本開示の容量性負荷の駆動回路は、
温度に対して非線形に容量値が変化する容量性負荷を駆動対象とし、容量性負荷を駆動する駆動力のキャリブレーションが可能であり、
容量性負荷の使用環境の温度領域を検出する温度領域検出部と、
温度領域検出部が検出した温度領域に応じて、容量性負荷の駆動力をキャリブレーションする頻度を制御する制御部とを備える容量性負荷の駆動回路である。
温度に対して非線形に容量値が変化する容量性負荷を駆動対象とし、容量性負荷を駆動する駆動力のキャリブレーションが可能であり、
容量性負荷の使用環境の温度領域を検出する温度領域検出部と、
温度領域検出部が検出した温度領域に応じて、容量性負荷の駆動力をキャリブレーションする頻度を制御する制御部とを備える容量性負荷の駆動回路である。
また、上記の目的を達成するための本開示の容量性負荷の駆動方法は、
温度に対して非線形に容量値が変化する容量性負荷を駆動対象とし、容量性負荷を駆動する駆動力のキャリブレーションが可能であり、
容量性負荷の使用環境の温度領域に応じて、容量性負荷の駆動力をキャリブレーションする頻度を制御し、
このキャリブレーションした駆動力にて容量性負荷を駆動する容量性負荷の駆動方法である。
温度に対して非線形に容量値が変化する容量性負荷を駆動対象とし、容量性負荷を駆動する駆動力のキャリブレーションが可能であり、
容量性負荷の使用環境の温度領域に応じて、容量性負荷の駆動力をキャリブレーションする頻度を制御し、
このキャリブレーションした駆動力にて容量性負荷を駆動する容量性負荷の駆動方法である。
また、上記の目的を達成するための本開示のカメラモジュールは、
温度に対して非線形に容量値が変化する容量性負荷となる部材により、レンズをその光軸方向において変位させるアクチュエータと、
容量性負荷を駆動する駆動回路とを備え、
駆動回路は、
容量性負荷を駆動する駆動力のキャリブレーションが可能であり、
容量性負荷の使用環境の温度領域に応じて、容量性負荷の駆動力をキャリブレーションする頻度を制御し、このキャリブレーションした駆動力にて高分子化合物を駆動するカメラモジュールである。
温度に対して非線形に容量値が変化する容量性負荷となる部材により、レンズをその光軸方向において変位させるアクチュエータと、
容量性負荷を駆動する駆動回路とを備え、
駆動回路は、
容量性負荷を駆動する駆動力のキャリブレーションが可能であり、
容量性負荷の使用環境の温度領域に応じて、容量性負荷の駆動力をキャリブレーションする頻度を制御し、このキャリブレーションした駆動力にて高分子化合物を駆動するカメラモジュールである。
本開示によれば、容量性負荷の使用環境の温度領域に応じて、容量性負荷の駆動力をキャリブレーションする頻度を制御することで、環境温度の状態に合わせて、駆動力のキャリブレーションを適応的に制御できるため、容量性負荷を最適な状態で駆動することができる。
以下、本開示の技術を実施するための形態(以下、「実施形態」と記述する)について図面を用いて詳細に説明する。本開示は実施形態に限定されるものではなく、実施形態における種々の数値や材料などは例示である。以下の説明において、同一要素又は同一機能を有する要素には同一符号を用いることとし、重複する説明は省略する。尚、説明は以下の順序で行う。
1.本開示の容量性負荷の駆動回路、容量性負荷の駆動方法、及び、カメラモジュール、全般に関する説明
2.実施形態に係る容量性負荷の駆動回路
2−1.実施例1
2−2.実施例2
2−3.実施例3
2−4.実施例4
3.カメラモジュール
4.本開示の構成
1.本開示の容量性負荷の駆動回路、容量性負荷の駆動方法、及び、カメラモジュール、全般に関する説明
2.実施形態に係る容量性負荷の駆動回路
2−1.実施例1
2−2.実施例2
2−3.実施例3
2−4.実施例4
3.カメラモジュール
4.本開示の構成
<1.本開示の容量性負荷の駆動回路、容量性負荷の駆動方法、及び、カメラモジュール、全般に関する説明>
本開示の容量性負荷の駆動回路、容量性負荷の駆動方法は、温度に対して非線形に容量値が変化(変動)する、換言すれば、温度に対して容量値が急激に変化する容量性負荷を駆動対象とする。また、本開示のカメラモジュールは、レンズをその光軸方向において変位(移動)させるアクチュエータにおいて、レンズを変位させる部材として、温度に対して非線形に容量値が変化する容量性負荷を用いる。
本開示の容量性負荷の駆動回路、容量性負荷の駆動方法は、温度に対して非線形に容量値が変化(変動)する、換言すれば、温度に対して容量値が急激に変化する容量性負荷を駆動対象とする。また、本開示のカメラモジュールは、レンズをその光軸方向において変位(移動)させるアクチュエータにおいて、レンズを変位させる部材として、温度に対して非線形に容量値が変化する容量性負荷を用いる。
駆動対象となる容量性負荷として、CCDイメージセンサに代表される電荷転送型固体撮像装置における垂直転送部や水平転送部の転送電極、あるいは、液晶パネル等のフラットパネル型表示装置における画素用信号線の配線などを例示することができる。但し、これらの容量性負荷は、温度に対して容量値が急激に変動しない。換言すれば、温度に対して容量値が線形に変動する。
温度に対して容量値が急激に変動しない主たる理由は、これらの容量性負荷が固体の状態であり、使用環境において、状態が安定しているからである。例えば、電荷転送型固体撮像装置において、転送電極と半導体基板との間に設けられるSiO2などを容量性負荷としている場合、機器の使用環境である−50℃〜150℃程度の範囲では、固体の状態であり、容量値が安定している。
一方、ポリマーのような高分子化合物においては、物体内部に水分を含有しており、機器の使用環境である−50℃〜150℃程度の範囲では、固体、液体、気体の3つの様態をとる。特に、水の凝固点である0℃付近では、高分子化合物の等価インピーダンスは急激に変動する。例えば、耐熱高分子材料の低誘電率化に際して、水分などの極性物質を含むと、誘電特性の温度依存性や周波数依存性が悪化することが報告されている(例えば、特開2006−176645号公報参照)。
本開示の容量性負荷の駆動回路、容量性負荷の駆動方法、及び、カメラモジュールにあっては、このような温度に対して容量値が急激に変化する容量性負荷を駆動対象とし、また、容量性負荷を駆動する駆動力のキャリブレーション(調整/較正)が可能である。そして、本開示の容量性負荷の駆動回路は、容量性負荷の使用環境の温度領域を検出する温度領域検出部と、温度領域検出部が検出した温度領域に応じて、容量性負荷の駆動力をキャリブレーションする頻度を制御する制御部とを備える。本開示の容量性負荷の駆動方法、及び、カメラモジュールにおける容量性負荷の駆動回路では、容量性負荷の使用環境の温度領域に応じて、容量性負荷の駆動力をキャリブレーションする頻度を制御し、このキャリブレーションした駆動力にて容量性負荷を駆動する。
このように、容量性負荷の使用環境の温度領域に応じて、容量性負荷の駆動力をキャリブレーションする頻度を制御することにより、環境温度の状態に合わせて、駆動力のキャリブレーションを適応的に制御できるため、容量性負荷を最適な状態で駆動することができる。
温度に対して非線形に容量値が変化する容量性負荷としては、レンズをその光軸方向において変位させるアクチュエータにおいて、レンズを変位させる部材の他にも、有機EL(electro luminescence)表示装置において、有機EL素子を駆動するための配線などを例示することができる。但し、容量性負荷としてはこれらに限られるものではない。
上述した好ましい構成を含む本開示の容量性負荷の駆動回路、容量性負荷の駆動方法、及び、カメラモジュールにあっては、高分子化合物を容量性負荷として用いることができる。高分子化合物は、水の凝固点(0℃)付近で等価インピーダンスが急激に変動する、即ち、温度に対して非線形に等価インピーダンスが変化する。
上述した好ましい構成を含む本開示の容量性負荷の駆動回路、容量性負荷の駆動方法、及び、カメラモジュールにあっては、温度領域検出部について、温度測定部、複数の比較器、及び、判定部を有する構成とすることができる。温度測定部は、容量性負荷の使用環境の温度を測定する。複数の比較器は、温度測定部の出力電圧を、容量性負荷の使用環境の温度領域を規定する複数の規定温度に対応する複数の規定電圧と比較する。判定部は、複数の比較器の比較結果を基に容量性負荷の使用環境の温度領域を判定する。
温度測定部については、使用環境の範囲において、リファレンス電圧が温度に対して線形性を保つバンドギャップリファレンス回路によって構成することができる。また、温度領域検出部が上記の構成を採る場合において、キャリブレーションの頻度を複数の規定温度に対応して制御する構成とすることができる。
また、温度領域検出部について、所定の周波数のクロック信号を、異なる分周比で分周する分周回路を有し、分周回路で分周された異なる周波数のクロック信号のいずれかを、温度領域検出部が検出した温度領域に応じて選択し、この選択したクロック信号をキャリブレーションの頻度を決める信号として用いる構成とすることができる。
制御部については、2つの比較器、時間差検出部、及び、差分検出部を有する構成とすることができる。2つの比較器は、駆動回路の出力電圧を第1基準電圧及び第2基準電圧とそれぞれ比較する。時間差検出部は、2つの比較器の出力の遷移タイミング間の時間差を検出する。差分検出部は、時間差検出部が検出した時間差と、あらかじめ設定した時間差との差分を検出する。このとき、第1基準電圧及び第2基準電圧について、複数の出力段回路の出力電圧の最大振幅を基準に設定するのが好ましい。
時間差検出部については、2つの比較器の出力の遷移タイミング間の期間において、所定の周波数のクロック信号をカウントするカウンタ回路を有し、そのカウント値を時間差とする構成とすることができる。具体的には、時間差検出部について、第1の論理回路、第2の論理回路、及び、第3の論理回路の3つの論理回路を有する構成とすることができる。第1の論理回路は、2つの比較器の出力の排他的論理和をとる。第2の論理回路は、第1の論理回路の出力と制御部の頻度情報との論理積をとり、その論理積結果をカウンタ回路のイネーブル入力とする。第3の論理回路は、所定の周波数のクロック信号と制御部の頻度情報との論理積をとり、その論理積結果をカウンタ回路のカウント入力とする。
また、上述した好ましい構成を含む本開示の容量性負荷の駆動回路、容量性負荷の駆動方法、及び、カメラモジュールにあっては、駆動力が異なる複数の出力段回路を有し、制御部は、複数の出力段回路を切り替えることによって容量性負荷を駆動する駆動力を制御する構成とすることができる。
あるいは又、上述した好ましい構成を含む本開示の容量性負荷の駆動回路、容量性負荷の駆動方法、及び、カメラモジュールにあっては、出力段回路が単一(1つ)の構成とすることもできる。このとき、入力段回路については、単一の出力段回路を模したレプリカ回路、レプリカ回路を出力段側とするカレントミラー回路、及び、カレントミラー回路の入力側に挿入された可変電流源を含み、可変電流源の電流量によって容量性負荷を駆動する駆動力を制御する構成とすることができる。
あるいは又、上述した好ましい構成を含む本開示の容量性負荷の駆動回路、容量性負荷の駆動方法、及び、カメラモジュールにあっては、単一の出力段回路を用いる場合において、入力段回路、分流経路、及び、カレントミラー回路を有し、分流経路に流れる分流量によって容量性負荷を駆動する駆動力を制御する構成とすることができる。入力段回路は、差動回路及びテール電流源を含み、単一の出力段回路を駆動する。分流経路は、テール電流源に流れる電流を差動回路の入力段との間で分流する。カレントミラー回路は、テール電流源を出力段側とし、入力段側に直列に挿入された定電流源を含む。
ここで、定電流源の電流をI1、分流経路に流れる電流をI2とするとき、差動回路の出力段側に流れる電流I3を、
I3=I1−I2
で与えることができる。一方、単一の出力段回路について、出力段回路の入力端と出力端との間に接続された容量素子を有する構成とすることができる。このとき、容量性負荷を駆動する駆動力は、容量素子の充放電の程度によって変わることとなる。
I3=I1−I2
で与えることができる。一方、単一の出力段回路について、出力段回路の入力端と出力端との間に接続された容量素子を有する構成とすることができる。このとき、容量性負荷を駆動する駆動力は、容量素子の充放電の程度によって変わることとなる。
また、上述した好ましい構成を含む本開示の容量性負荷の駆動回路、及び、容量性負荷の駆動方法にあっては、容量性負荷の容量値が温度に対して線形に変化する温度領域では、本駆動回路を用いるシステムの起動時に1回でキャリブレーションを完了する構成とすることができる。また、上述した好ましい構成を含む本開示のカメラモジュールにあっては、容量性負荷の容量値が温度に対して線形に変化する温度領域では、シャッタを切ったときに1回でキャリブレーションを完了する構成とすることができる。
<2.実施形態に係る容量性負荷の駆動回路>
本開示の実施形態に係る容量性負荷の駆動回路(以下、単に「駆動回路」と記述する場合もある)は、水の凝固点付近で等価インピーダンスが急激に変化する高分子化合物のような、温度に対して非線形に容量値が変化する容量性負荷を駆動対象とする。そして、本実施形態に係る駆動回路は、容量性負荷を駆動する駆動力のキャリブレーション(調整/較正)が可能であり、容量性負荷の使用環境の温度領域に応じて、容量性負荷の駆動力をキャリブレーションする頻度(キャリブレーションの頻度)を制御することを特徴としている。
本開示の実施形態に係る容量性負荷の駆動回路(以下、単に「駆動回路」と記述する場合もある)は、水の凝固点付近で等価インピーダンスが急激に変化する高分子化合物のような、温度に対して非線形に容量値が変化する容量性負荷を駆動対象とする。そして、本実施形態に係る駆動回路は、容量性負荷を駆動する駆動力のキャリブレーション(調整/較正)が可能であり、容量性負荷の使用環境の温度領域に応じて、容量性負荷の駆動力をキャリブレーションする頻度(キャリブレーションの頻度)を制御することを特徴としている。
具体的には、本実施形態に係る駆動回路は、容量性負荷の使用環境の温度領域を検出する温度領域検出部と、温度領域検出部が検出した温度領域に応じて、容量性負荷の駆動力をキャリブレーションする頻度を制御する制御部とを備え、キャリブレーションした駆動力にて容量性負荷を駆動する。キャリブレーションの頻度については、高分子化合物の等価インピーダンスの変動が大きい水の凝固点(0℃)付近の温度領域では相対的に高い頻度のキャリブレーションを行い、水の凝固点付近以外の温度領域では相対的に低い頻度のキャリブレーションにとどめるような制御を行う。
この容量性負荷の使用環境の温度領域に応じてキャリブレーションの頻度を制御する、容量性負荷の駆動回路の具体的な実施例について以下に説明する。
[2−1.実施例1]
図1は、実施例1に係る容量性負荷の駆動回路の回路構成を示すブロック図である。図1に示すように、実施例1に係る駆動回路10Aは、駆動力が異なる複数の出力段回路、本例では、2つの出力段回路201,202を有するアンプ形式の駆動回路である。出力段回路201は、一例として、第1電源と第2電源との間にPchトランジスタQ11及びNchトランジスタQ12が直列に接続された構成となっている。出力段回路202も同様に、第1電源と第2電源との間にPchトランジスタQ21及びNchトランジスタQ22が直列に接続された構成となっている。
図1は、実施例1に係る容量性負荷の駆動回路の回路構成を示すブロック図である。図1に示すように、実施例1に係る駆動回路10Aは、駆動力が異なる複数の出力段回路、本例では、2つの出力段回路201,202を有するアンプ形式の駆動回路である。出力段回路201は、一例として、第1電源と第2電源との間にPchトランジスタQ11及びNchトランジスタQ12が直列に接続された構成となっている。出力段回路202も同様に、第1電源と第2電源との間にPchトランジスタQ21及びNchトランジスタQ22が直列に接続された構成となっている。
本駆動回路10Aは、2つの出力段回路201,202の出力端の共通接続ノード、即ち、当該駆動回路10Aの出力ノード(出力端)Noutに接続された容量性負荷Cを、出力段回路201の駆動力、あるいは、出力段回路202の駆動力によって駆動する。出力段回路201,202の駆動力は、トランジスタQ11,Q12やトランジスタQ21,Q22のサイズなどによって決まる。出力段回路201,202の回路形式は、特に限定されるものではなく、ソースフォロア形式であってもよいし、ソース接地形式であってもよい。
実施例1に係る駆動回路10Aは、駆動力を切り替える際に、2つの出力段回路201,202を切り替えるためのスイッチSW11,SW12,SW21,SW22を、出力段回路201,202の入力段に有している。駆動回路10Aは更に、容量性負荷Cの使用環境の温度領域を検出する温度領域検出部30と、温度領域検出部30が検出した温度領域に応じて、容量性負荷の駆動力をキャリブレーションする頻度を制御する制御部40とを備えている。制御部40は、キャリブレーションの頻度を制御する機能に加えて、2つの出力段回路201,202を切り替える機能を持つ。
(温度領域検出部)
温度領域検出部30は、温度測定部としての温度計回路31、複数(本例では、2つ)の比較器321,322、及び、判定部としてのEXOR(排他的論理和)回路33を有する構成となっている。温度計回路31は、容量性負荷の使用環境の温度を測定する。温度計回路31については、一例として、バンドギャップリファレンス回路で実現できる。
温度領域検出部30は、温度測定部としての温度計回路31、複数(本例では、2つ)の比較器321,322、及び、判定部としてのEXOR(排他的論理和)回路33を有する構成となっている。温度計回路31は、容量性負荷の使用環境の温度を測定する。温度計回路31については、一例として、バンドギャップリファレンス回路で実現できる。
温度計回路31の別の例として、抵抗素子の温度依存性に着目し、定電流回路からの定電流を利用して、抵抗素子の端部に発生する電圧を利用する構成のものや、ダイオードの負性抵抗特性を利用する構成ものなどを例示することができる。温度計回路31の出力電圧は、リファレンス電圧Vrefとして2つの比較器321,322に与えられる。
従来のバンドギャップリファレンス回路は、常温(25℃付近)にリファレンス電圧Vrefの温度勾配がなくなるように設計される。これに対して、温度計回路31においては、低温から高温に至るまで、即ち、使用環境の範囲において、リファレンス電圧Vrefが概ね単調に増加(もしくは、減少)するようにし、可能な限り温度に対して線形性が保てるようにする。これにより、リファレンス電圧Vrefと温度を一対一に関連付けることができる。
2つの比較器321,322は、温度計回路31の出力電圧であるリファレンス電圧Vrefを正相(+)入力とし、複数(本例では、2つ)の規定温度V1,V2を逆相(−)入力とする。2つの規定温度V1,V2は、容量性負荷Cの使用環境の温度領域を規定する電圧であり、一例として、規定温度V1が−5℃に対応するように、規定温度V2が+5℃に対応するように設定される。
EXOR回路33は、2つの比較器321,322の各出力を2入力とし、両入力の極性が不一致のとき、即ち、−5℃〜+5℃の温度領域で正論理、それ以外の温度領域については負論理を出力する。すなわち、EXOR回路33は、2つの比較器321,322の比較結果を基に容量性負荷Cの使用環境の温度領域を判定する。
温度領域検出部30は、温度計回路31、2つの比較器321,322、及び、EXOR回路33の他に、発振(OSC)回路34、分周回路35、及び、マルチプレクサ回路36を有する。発振回路34は、所定の周波数のクロック信号を出力する。分周回路35は、所定の周波数のクロック信号を、互いに離れた(異なる)分周比、例えば、1/2の分周比と1/16384の分周比で分周する。これにより、分周回路35からは分周比の離れた2つのクロック信号、即ち、1/2分周された高速のクロック信号と、1/16384分周された低速のクロック信号とが出力される。この分周比の離れた2つのクロック信号は、マルチプレクサ回路36の2入力となる。
マルチプレクサ回路36は、EXOR回路33の出力の論理に応じて、2つのクロック信号の一方を選択する。具体的には、マルチプレクサ回路36は、EXOR回路33の出力が正論理のときは低速のクロック信号を選択し、負論理のときは高速のクロック信号を選択する。マルチプレクサ回路36で選択された低速/高速のクロック信号は、キャリブレーションの頻度を決める信号として制御部40に供給される。
(制御部)
制御部40は、2つの比較器411,412、時間差検出部42、及び、差分検出部43を有し、温度領域検出部30が検出した温度領域に応じて、容量性負荷Cの駆動力をキャリブレーションする頻度を制御する。
制御部40は、2つの比較器411,412、時間差検出部42、及び、差分検出部43を有し、温度領域検出部30が検出した温度領域に応じて、容量性負荷Cの駆動力をキャリブレーションする頻度を制御する。
この制御部40において、2つの比較器411,412は、2つの出力段回路201,202の出力電圧を正相(+)入力とし、第1基準電圧である高電位側基準電圧VHと第2基準電圧である低電位側基準電圧VLとを逆相(−)入力としている。比較器411は、出力段回路201,202の出力電圧が高電位側基準電圧VH以上になると、出力が低レベルから高レベルに遷移する。比較器412は、出力段回路201,202の出力電圧が低電位側基準電圧VL以上になると、出力が低レベルから高レベルに遷移する。
ここで、高電位側基準電圧VHと低電位側基準電圧VLとを、本駆動回路10Aの出力波形のスルーレートをとらえられるように、出力段回路201,202の出力電圧の最大振幅を基準に設定することとする。一例として、高電位側基準電圧VHと低電位側基準電圧VLとを、最大振幅の80%、20%に相当するレベル(電圧値)に設定するようにする。
時間差検出部42は、EXOR回路421、AND回路422、発振(OSC)回路423、AND回路424、及び、カウンタ回路425を有し、2つの比較器411,412の出力の遷移タイミング間の時間差を検出する構成となっている。
時間差検出部42において、EXOR回路421は、2つの比較器411,412の出力の排他的論理和をとる第1の論理回路である。AND回路422は、EXOR回路421の出力信号と、温度領域検出部30から与えられるキャリブレーションの頻度を決める信号との論理積をとり、その論理積出力をカウンタ回路425のイネーブル入力とする第2の論理回路である。
発振回路423は、所定の周波数のクロック信号を出力する。AND回路424は、発振回路423から与えられるクロック信号と、温度領域検出部30から与えられるキャリブレーションの頻度を決める信号との論理積をとり、その論理積出力をカウンタ回路425のカウント入力とする第3の論理回路である。
このように、環境温度の温度領域に応じて、駆動力のキャリブレーションの頻度を変える意味合いから、制御部40では、EXOR回路421の出力信号及び発振回路423から与えられるクロック信号のそれぞれに対して、キャリブレーションの頻度を決める信号との論理処理が行われる。
カウンタ回路425は、AND回路422の論理積出力がイネーブル入力として与えられるとき、AND回路424から与えられるクロック信号をカウントする。すなわち、カウンタ回路425は、2つの比較器411,412の出力の遷移タイミング間の期間において、発振回路423からAND回路424を通して与えられる所定の周波数のクロック信号をカウントする。そして、カウンタ回路425のカウント値は、2つの比較器411,412の出力の遷移タイミング間の時間差を表わす情報となる。
差分検出部43は、ロジック回路431及び時間差データ格納部432から成り、時間差検出部42が検出した時間差と、あらかじめ設定した時間差との差分を検出する。この差分検出部43において、ロジック回路431は、時間差検出部42が検出した時間差と、時間差データ格納部432に格納されている、あらかじめ決められた理想の時間差データとを比較し、その差分を検出する。そして、ロジック回路431は、検出した差分に応じて、出力段回路201,202内のスイッチSW11,SW12,SW21,SW22を切り替えることにより、本駆動回路10Aの駆動力を調整する(切り替える)。
上述したシステム構成を採る実施例1に係る容量性負荷の駆動回路10Aによれば、水分を含むポリマーのような急激に等価インピーダンスが変化する容量性負荷Cに対して、適宜、駆動回路10Aの駆動力をキャリブレーションすることが可能になる。そして、容量性負荷Cの使用環境の温度領域に応じて駆動力のキャリブレーションの頻度を制御することで、環境温度の状態に合わせて、駆動回路10Aの駆動力のキャリブレーションを適応的に制御することができる。
(温度領域検出部の他の構成例)
実施例1に係る容量性負荷の駆動回路10Aでは、温度領域検出部30について、2つの比較器321,322を用いて、例えば−5℃〜+5℃の温度領域とそれ以外の温度領域とを検出する構成とし、駆動力のキャリブレーションの頻度を2段階で調整するようにしている。しかし、高分子化合物の材料によっては、段階的に等価容量値が変化するものも予想される。この場合、駆動力のキャリブレーションの頻度を3段階以上段階的に調整するようにすればよい。
実施例1に係る容量性負荷の駆動回路10Aでは、温度領域検出部30について、2つの比較器321,322を用いて、例えば−5℃〜+5℃の温度領域とそれ以外の温度領域とを検出する構成とし、駆動力のキャリブレーションの頻度を2段階で調整するようにしている。しかし、高分子化合物の材料によっては、段階的に等価容量値が変化するものも予想される。この場合、駆動力のキャリブレーションの頻度を3段階以上段階的に調整するようにすればよい。
図2は、駆動力のキャリブレーションの頻度を段階的に調整可能とする温度領域検出部の他の構成例を示すブロック図である。
図2に示すように、本構成例に係る温度領域検出部30Aは、温度計回路31の出力電圧であるリファレンス電圧Vrefを正相入力とする例えば3つの比較器321,322,323を有する。これら3つの比較器321,322,323のうち、比較器321は例えば−5℃に対応する規定温度V1を逆相入力とし、比較器322は例えば+5℃に対応する規定温度V2を逆相入力とし、比較器323は例えば+15℃に対応する規定温度V3を逆相入力としている。
3つの比較器321,322,323の後段には、これら比較器321,322,323の比較結果を基に容量性負荷の使用環境の温度領域を判定する判定部としてロジック回路37が設けられている。ロジック回路37は、比較器321,322,323の比較結果を基に温度領域を多段階に判定できる構成のものであればよく、例えば、周知の論理ゲートを組み合わせることによって構成できる。
一方、発振回路34から供給される所定の周波数のクロック信号を分周する分周回路35は、ロジック回路37の多段階の判定結果に対応して、例えば、1/2の分周比と1/16384の分周比に加えて、1/256の分周比にて分周動作を行う。これにより、分周回路35からは、1/2分周された高速のクロック信号と、1/256分周された中速のクロック信号と、1/16384分周された低速のクロック信号とが出力される。
これら3つのクロック信号は、マルチプレクサ回路36の3入力となる。マルチプレクサ回路36には、3つのクロック信号以外に、基準電位、例えば接地電位が他の1入力として与えられる。マルチプレクサ回路36は、容量性負荷の使用環境の温度領域についての判定結果、即ち、ロジック回路37の出力に基づいて、高分子化合物の等価容量値の温度状態に合わせて、高速、中速、低速のクロック信号を切り替える。
本構成例に係る温度領域検出部30Aによれば、高分子化合物の等価容量値の温度状態に合わせて、複数のバリエーションのキャリブレーションの頻度を選択できるようになるため、キャリブレーションの頻度についてよりきめ細やかな制御を行うことができる。
[2−2.実施例2]
図3は、実施例2に係る容量性負荷の駆動回路の回路構成を示す回路図である。図3に示すように、実施例2に係る駆動回路10Bは、単一の出力段回路20を有するアンプ形式の駆動回路である。出力段回路20は、一例として、第1電源と第2電源との間にNchトランジスタQ1及びPchトランジスタQ2が直列に接続された構成となっている。
図3は、実施例2に係る容量性負荷の駆動回路の回路構成を示す回路図である。図3に示すように、実施例2に係る駆動回路10Bは、単一の出力段回路20を有するアンプ形式の駆動回路である。出力段回路20は、一例として、第1電源と第2電源との間にNchトランジスタQ1及びPchトランジスタQ2が直列に接続された構成となっている。
本駆動回路10Bは、当該駆動回路10Bの出力ノード(出力端)Noutに接続された容量性負荷Cを、後述するようにして制御される出力段回路20の駆動力によって駆動する。出力段回路20の駆動力は、トランジスタQ1,Q2のサイズに加えて、これらトランジスタQ1,Q2に流れる電流値によって決まる。出力段回路20の回路形式は、特に限定されるものではなく、ソースフォロア形式であってもよいし、ソース接地形式であってもよい。
実施例2に係る駆動回路10Bは、単一の出力段回路20に加えて、当該出力段回路20を駆動する入力段回路50を有する構成となっている。入力段回路50は、出力段回路20を模したレプリカ回路51、当該レプリカ回路51を出力段側とするカレントミラー回路52,53、及び、カレントミラー回路52,53の入力段側に挿入された可変電流源54を有している。
レプリカ回路51は、互いに直列に接続されたNchトランジスタQ31及びPchトランジスタQ32から成り、これらトランジスタQ31,Q32のソース共通接続ノードを本駆動回路10Bの入力ノード(入力端)Ninとしている。トランジスタQ31,Q32は共に、ドレイン電極とゲート電極とが共通に接続されたダイオード接続となっている。入力ノードNinには、バッファ回路55を介して本駆動回路10Bの駆動信号が供給される。
カレントミラー回路52は、ドレイン電極とゲート電極とが共通に接続されたダイオード接続のPchトランジスタQ33と、当該トランジスタQ33とゲート電極が共通に接続されたPchトランジスタQ34とから構成されている。ミラー先側(出力段側)のトランジスタQ34は、レプリカ回路51に対してトランジスタQ31のドレイン側に直列に接続されている。
カレントミラー回路53は、ドレイン電極とゲート電極とが共通に接続されたダイオード接続のNchトランジスタQ35と、当該トランジスタQ35とゲート電極が共通に接続されたNchトランジスタQ36,Q37とから構成されている。ミラー先側の一方のトランジスタQ36は、カレントミラー回路52のミラー元側(入力段側)のトランジスタQ33に対して直列に接続されている。ミラー先側の他方のトランジスタQ37は、レプリカ回路51に対してトランジスタQ32のドレイン側に直列に接続されている。
可変電流源54は、カレントミラー回路53のミラー元側(入力段側)のトランジスタQ35に対して直列に接続されている。
上記の構成の実施例2に係る駆動回路10Bにおいて、可変電流源54の電流量を変えることで、入力段回路50のレプリカ回路51に流れる電流量が変わる。レプリカ回路51に流れる電流量が変わると、これに比例して出力段回路20に流れる電流量も変わるため、出力段回路20の駆動力、即ち、本駆動回路10Bの駆動力が変わる。この実施例2に係る駆動回路10Bによれば、出力段回路20が単一であるため、実施例1に比べて、回路レイアウト面積小さくて済むという利点がある。
そして、実施例2に係る駆動回路10Bにおいても、実施例1と同様に、容量性負荷Cの使用環境の温度領域に応じて、駆動力のキャリブレーションの頻度を制御することで、環境温度の状態に合わせて、駆動力のキャリブレーションを適応的に制御することができる。尚、上述したことから明らかなように、駆動力のキャリブレーションは、可変電流源54の電流量を調整することによって実行される。
[2−3.実施例3]
図4は、実施例3に係る容量性負荷の駆動回路の回路構成を示す回路図である。図4に示すように、実施例3に係る駆動回路10Cは、実施例2に係る駆動回路10Bと同様に、単一の出力段回路20を有するアンプ形式の駆動回路である。出力段回路20は、一例として、第1電源と第2電源との間にPchトランジスタQ2及びNchトランジスタQ1が直列に接続された構成となっている。
図4は、実施例3に係る容量性負荷の駆動回路の回路構成を示す回路図である。図4に示すように、実施例3に係る駆動回路10Cは、実施例2に係る駆動回路10Bと同様に、単一の出力段回路20を有するアンプ形式の駆動回路である。出力段回路20は、一例として、第1電源と第2電源との間にPchトランジスタQ2及びNchトランジスタQ1が直列に接続された構成となっている。
出力段回路20において、PchトランジスタQ2及びNchトランジスタQ1のドレイン共通接続ノードが、本駆動回路10Cの出力ノード(出力端)Noutとなっている。そして、この出力ノードNoutに、本駆動回路10Cの駆動対象である容量性負荷Cが接続されている。出力段回路20は、トランジスタQ2のゲート電極(入力端)と出力ノード(出力端)Noutとの間に接続され、位相補償を為す容量素子C1を有する。
実施例3に係る駆動回路10Cは、単一の出力段回路20に加えて、入力段回路60、分流経路70、及び、カレントミラー回路80を有する構成となっている。
入力段回路60は、差動回路61及びテール電流源62を含み、単一の出力段回路20を駆動する。差動回路61は、例えば、ソース電極が共通に接続されたNchの差動対トランジスタQ41,Q42と、これら差動対トランジスタQ41,Q42のドレイン電極に対して直列に接続されたPchトランジスタQ43,Q44とから構成されている。
この差動回路61において、トランジスタQ43,Q44は、ドレイン電極とゲート電極とが共通に接続されたダイオード接続となっている。トランジスタQ44のゲート電極は、出力段回路20のトランジスタQ2のゲート電極に接続されている。また、差動対トランジスタQ41,Q42のソース共通接続ノードには、テール電流源62としてのNchトランジスタQ45が接続されている。
分流経路70は、可変電流源71及び当該可変電流源71に対して直列に接続されたダイオード接続のNchトランジスタQ46から成り、差動回路61に対して並列に接続されている。より具体的には、トランジスタQ46のソース電極が差動対トランジスタQ41,Q42のソース共通接続ノードに接続されている。この分流経路70は、テール電流源62に流れる電流を差動回路61との間で分流する。
カレントミラー回路80は、テール電流源62としてのNchトランジスタQ45を出力段側(ミラー先側)とし、ダイオード接続のNchトランジスタQ47を入力段側(ミラー元側)とするとともに、当該トランジスタQ47に対して直列に接続された定電流源81を有する構成となっている。
上記の構成の実施例3に係る駆動回路10Cにおいて、カレントミラー回路80のミラー先であるテール電流源62の電流量は、ミラー元であるトランジスタQ47に対して直列に接続された定電流源81の電流量I1によって決まる。そして、テール電流源62の電流を差動回路61との間で分流する分流経路70の分流量(電流量)を、可変電流源71の電流量I2の調整によって変えることにより、差動回路61の出力段側に流入する電流量が変わる。
より具体的には、分流経路70の分流量を増やせば、差動回路61の出力段側に流入する電流量I3が減少する。その結果、出力段回路20に流れる電流量が減少するため、出力段回路20の駆動力、即ち、本駆動回路10Cの駆動力が低下する。逆に、分流経路70の分流量を減らせば、差動回路61の出力段側に流入する電流量I3が増加する。その結果、出力段回路20に流れる電流量が増加するため、出力段回路20の駆動力が増大する。
このとき、差動回路61の出力段側に流れる電流量I3は、
I3=I1−I2
で与えられる。ここで、分流経路70の分流量(電流量)の調整によって出力段回路20に流れる電流量、ひいては、出力段回路20の駆動力が変わるということは、出力段回路20が有する容量素子C1の充放電の程度によって出力段回路20の駆動力が変わるということでもある。
I3=I1−I2
で与えられる。ここで、分流経路70の分流量(電流量)の調整によって出力段回路20に流れる電流量、ひいては、出力段回路20の駆動力が変わるということは、出力段回路20が有する容量素子C1の充放電の程度によって出力段回路20の駆動力が変わるということでもある。
そして、実施例3に係る駆動回路10Cにおいても、実施例1と同様に、容量性負荷Cの使用環境の温度領域に応じて、駆動力のキャリブレーションの頻度を制御することで、環境温度の状態に合わせて、駆動力のキャリブレーションを適応的に制御することができる。尚、上述したことから明らかなように、駆動力のキャリブレーションは、可変電流源71の電流量I2を調整することによって実行される。また、実施例2と同様に出力段回路20が単一であるため、実施例1に比べて、回路レイアウト面積小さくて済むという利点がある。
[2−4.実施例4]
水の凝固点付近の温度領域以外の温度領域では、高分子化合物の等価容量値(等価インピーダンス)の温度変動が一般的に緩やかである。このように、容量性負荷の容量値が温度に対して線形に変化する温度領域では、駆動力のキャリブレーションの頻度は少なくて済み、最小1回のキャリブレーションで十分である可能性がある。かかる点に鑑み為されたのが、実施例4に係る容量性負荷の駆動回路である。
水の凝固点付近の温度領域以外の温度領域では、高分子化合物の等価容量値(等価インピーダンス)の温度変動が一般的に緩やかである。このように、容量性負荷の容量値が温度に対して線形に変化する温度領域では、駆動力のキャリブレーションの頻度は少なくて済み、最小1回のキャリブレーションで十分である可能性がある。かかる点に鑑み為されたのが、実施例4に係る容量性負荷の駆動回路である。
図5は、実施例4に係る容量性負荷の駆動回路の回路構成を示すブロック図である。図5に示すように、実施例4に係る駆動回路10Dは、当該駆動回路10Dを用いるシステムの起動、例えば、システムの電源(Power)ONをトリガとして回路動作する構成を採っている。具体的には、発振回路423及びカウンタ回路425がシステムの電源ONをトリガとして回路動作を開始する。
実施例4に係る駆動回路10Dでは、発振回路423が出力するクロック信号の、例えば10クロックから1000クロックの期間をキャリブレーション期間に割り当てる。そして、本駆動回路10D(即ち、出力段回路20)の出力波形のスルーレートをカウンタ回路425で計測し、実測値と時間差データ格納部432に格納されている理想値との差分をロジック回路431で算出し、出力段回路20の駆動力をキャリブレーションする。駆動力のキャリブレーションに寄与する制御については、先述した実施例1、実施例2、及び、実施例3のいずれでもよい。
上述したように、実施例4に係る駆動回路10Dによれば、キャリブレーションを常時行う必要がなく、容量性負荷Cの容量値が温度に対して線形に変化する温度領域では、システムの起動時に1回でキャリブレーションを完了するため、低消費電力化を図ることができる。
尚、本駆動回路10Dを例えば後述するようにカメラモジュールのアクチュエータの駆動回路として用いる場合にあっては、カメラのシャッタの起動をトリガとして上述した回路動作を行う、即ち、シャッタを切ったときに1回でキャリブレーションを完了する構成とすることができる。また、カムコーダのように、動画撮影する場合においては、システムの起動時に一瞬でキャリブレーションが完了することで、低消費電力化の効果は更に大きくなる。
以上説明した実施例1乃至実施例4に係る容量性負荷の駆動回路10A〜10Dは、温度変動に対して非線形(急激)に容量値が変動する容量性負荷を駆動するのに用いて好適なものである。温度に対して非線形に容量値が変化する容量性負荷としては、レンズをその光軸方向において変位(移動)させるアクチュエータにおいて、レンズを変位させる部材を例示することができる。それ以外にも、有機EL表示装置において、有機EL素子を駆動するための配線などを例示することができる。但し、容量性負荷としてはこれらに限られるものではない。
<3.カメラモジュール>
以下に、実施例1乃至実施例4に係る容量性負荷の駆動回路を、レンズをその光軸方向において変位させるアクチュエータの駆動回路として用いるカメラモジュールについて説明する。
以下に、実施例1乃至実施例4に係る容量性負荷の駆動回路を、レンズをその光軸方向において変位させるアクチュエータの駆動回路として用いるカメラモジュールについて説明する。
図6は、本開示に係るカメラモジュールを横から見たときのアクチュエータ部の断面図である。
本開示に係るカメラモジュール90は、レンズをその光軸方向において変位させる部材として、ポリマーのような高分子化合物を用いる。具体的には、図6に示すように、ポリマー92と、当該ポリマー92を挟んで対向して設けられた正極(陽極)93及び負極(陰極)94から成るアクチュエータ95が、レンズバレル91を囲むように当該レンズバレル91の上下に配置されている。アクチュエータ95の端部はヒンジ96によって支持されている。そして、正極93及び負極94に対して、駆動回路10(10A〜10D)から駆動信号が与えられる。
ここで、ポリマー92の挙動について、図7を用いて説明する。正極93及び負極94間に電圧を印加しない初期状態では、ポリマー92は変位しない(変位ゼロ)。正極93及び負極94間に電圧を印加することで、ポリマー92に変位が発生する。具体的には、動きの遅い陰イオンが遅れて移動することで、ポリマー92がたわむ。
このポリマー92を用いるアクチュエータ95においては、アクチュエータ95の腕の長さに対して、アクチュエータ95の長さ方向の中央部の上下の移動量が十分に小さいので、レンズバレル91、ひいては、レンズ(フォーカスレンズ)が上下に並行に移動できることになる。
このように、レンズをその光軸方向において変位させる部材としてポリマー92を用いるアクチュエータ95を備えるカメラモジュール90において、アクチュエータ95の駆動に実施例1乃至実施例4に係る駆動回路10A〜10Dを用いることで、次のような作用、効果を得ることができる。
すなわち、実施例1乃至実施例4に係る駆動回路10A〜10Dは、容量性負荷の使用環境の温度領域に応じて、容量性負荷の駆動力をキャリブレーションする頻度を制御することで、環境温度の状態に合わせて、駆動力のキャリブレーションを適応的に制御できる。従って、これら駆動回路10A〜10Dを用いることで、カメラモジュール90の使用環境の温度に応じて、ポリマー92を含むアクチュエータ95を最適な状態で駆動できるため、環境温度に関係なく最適なフォーカス状態を提供することができる。
<4.本開示の構成>
尚、本開示は以下のような構成を採ることができる。
[1]温度に対して非線形に容量値が変化する容量性負荷を駆動対象とし、容量性負荷を駆動する駆動力のキャリブレーションが可能であり、
容量性負荷の使用環境の温度領域を検出する温度領域検出部と、
温度領域検出部が検出した温度領域に応じて、容量性負荷の駆動力をキャリブレーションする頻度を制御する制御部とを備える容量性負荷の駆動回路。
[2]容量性負荷は、高分子化合物である上記[1]に記載の容量性負荷の駆動回路。
[3]高分子化合物は、水の凝固点付近で等価インピーダンスが急激に変動する上記[2]に記載の容量性負荷の駆動回路。
[4]温度領域検出部は、
容量性負荷の使用環境の温度を測定する温度測定部と、
温度測定部の出力電圧を、容量性負荷の使用環境の温度領域を規定する複数の規定温度に対応する複数の規定電圧と比較する複数の比較器と、
複数の比較器の比較結果を基に容量性負荷の使用環境の温度領域を判定する判定部とを有する上記[1]から上記[3]のいずれかに記載の容量性負荷の駆動回路。
[5]温度測定部は、バンドギャップリファレンス回路によって構成されており、使用環境の範囲において、リファレンス電圧が温度に対して線形性を保つ上記[4]に記載の容量性負荷の駆動回路。
[6]制御部は、キャリブレーションの頻度を複数の規定温度に対応して制御する上記[4]または上記[5]に記載の容量性負荷の駆動回路。
[7]温度領域検出部は、
所定の周波数のクロック信号を、異なる分周比で分周する分周回路を有し、
分周回路で分周された異なる周波数のクロック信号のいずれかを、温度領域検出部が検出した温度領域に応じて選択し、この選択したクロック信号をキャリブレーションの頻度を決める信号とする上記[1]から上記[6]のいずれかに記載の容量性負荷の駆動回路。
[8]制御部は、
駆動回路の出力電圧を第1基準電圧及び第2基準電圧とそれぞれ比較する2つの比較器と、
2つの比較器の出力の遷移タイミング間の時間差を検出する時間差検出部と、
時間差検出部が検出した時間差と、あらかじめ設定した時間差との差分を検出する差分検出部とを有する上記[1]から上記[7]のいずれかに記載の容量性負荷の駆動回路。
[9]第1基準電圧及び第2基準電圧は、複数の出力段回路の出力電圧の最大振幅を基準に設定される上記[8]に記載の容量性負荷の駆動回路。
[10]時間差検出部は、2つの比較器の出力の遷移タイミング間の期間において、所定の周波数のクロック信号をカウントするカウンタ回路を有し、そのカウント値を2つの比較器の出力の遷移タイミング間の時間差とする上記[8]または上記[9]に記載の容量性負荷の駆動回路。
[11]時間差検出部は、
2つの比較器の出力の排他的論理和をとる第1の論理回路と、
第1の論理回路の出力信号とキャリブレーションの頻度を決める信号との論理積をとり、その論理積出力をカウンタ回路のイネーブル入力とする第2の論理回路と、
所定の周波数のクロック信号とキャリブレーションの頻度を決める信号との論理積をとり、その論理積出力をカウンタ回路のカウント入力とする第3の論理回路とを有する上記[10]に記載の容量性負荷の駆動回路。
[12]駆動力が異なる複数の出力段回路を有し、
制御部は、複数の出力段回路を切り替えることによって容量性負荷を駆動する駆動力を制御する上記[1]から上記[11]のいずれかに記載の容量性負荷の駆動回路。
[13]単一の出力段回路と、
単一の出力段回路を模したレプリカ回路、レプリカ回路を出力段側とするカレントミラー回路、及び、カレントミラー回路の入力側に挿入された可変電流源を含み、単一の出力段回路を駆動する入力段回路とを有し、
可変電流源の電流量によって容量性負荷を駆動する駆動力を制御する上記[1]から上記[11]のいずれかに記載の容量性負荷の駆動回路。
[14]単一の出力段回路と、
差動回路及びテール電流源を含み、単一の出力段回路を駆動する入力段回路と、
テール電流源に流れる電流を差動回路との間で分流する分流経路と、
テール電流源を出力段側とし、入力段側に直列に挿入された定電流源を含むカレントミラー回路とを有し、
分流経路に流れる電流量によって容量性負荷を駆動する駆動力を制御する上記[1]から上記[11]のいずれかに記載の容量性負荷の駆動回路。
[15]定電流源の電流量をI1、分流経路に流れる電流量をI2とするとき、差動回路の出力段側に流れる電流量I3は、
I3=I1−I2
で与えられる上記[14]に記載の容量性負荷の駆動回路。
[16]単一の出力段回路は、この出力段回路の入力端と出力端との間に接続された容量素子を有し、容量素子の充放電の程度によって駆動力が変わる上記[14]または上記[15]に記載の容量性負荷の駆動回路。
[17]制御部は、容量性負荷の容量値が温度に対して線形に変化する温度領域では、容量性負荷の駆動回路を用いるシステムの起動時に1回でキャリブレーションを完了する上記[1]から上記[16]のいずれかに記載の容量性負荷の駆動回路。
[18]温度に対して非線形に容量値が変化する容量性負荷を駆動対象とし、容量性負荷を駆動する駆動力のキャリブレーションが可能であり、
容量性負荷の使用環境の温度領域に応じて、容量性負荷の駆動力をキャリブレーションする頻度を制御し、
このキャリブレーションした駆動力にて容量性負荷を駆動する容量性負荷の駆動方法。
[19]温度に対して非線形に容量値が変化する容量性負荷となる部材により、レンズをその光軸方向において変位させるアクチュエータと、
容量性負荷を駆動する駆動回路とを備え、
駆動回路は、
容量性負荷を駆動する駆動力のキャリブレーションが可能であり、
容量性負荷の使用環境の温度領域に応じて、容量性負荷の駆動力をキャリブレーションする頻度を制御し、このキャリブレーションした駆動力にて容量性負荷を駆動するカメラモジュール。
[20]容量性負荷の容量値が温度に対して線形に変化する温度領域では、シャッタを切ったときに1回でキャリブレーションを完了する上記[19]に記載のカメラモジュール。
尚、本開示は以下のような構成を採ることができる。
[1]温度に対して非線形に容量値が変化する容量性負荷を駆動対象とし、容量性負荷を駆動する駆動力のキャリブレーションが可能であり、
容量性負荷の使用環境の温度領域を検出する温度領域検出部と、
温度領域検出部が検出した温度領域に応じて、容量性負荷の駆動力をキャリブレーションする頻度を制御する制御部とを備える容量性負荷の駆動回路。
[2]容量性負荷は、高分子化合物である上記[1]に記載の容量性負荷の駆動回路。
[3]高分子化合物は、水の凝固点付近で等価インピーダンスが急激に変動する上記[2]に記載の容量性負荷の駆動回路。
[4]温度領域検出部は、
容量性負荷の使用環境の温度を測定する温度測定部と、
温度測定部の出力電圧を、容量性負荷の使用環境の温度領域を規定する複数の規定温度に対応する複数の規定電圧と比較する複数の比較器と、
複数の比較器の比較結果を基に容量性負荷の使用環境の温度領域を判定する判定部とを有する上記[1]から上記[3]のいずれかに記載の容量性負荷の駆動回路。
[5]温度測定部は、バンドギャップリファレンス回路によって構成されており、使用環境の範囲において、リファレンス電圧が温度に対して線形性を保つ上記[4]に記載の容量性負荷の駆動回路。
[6]制御部は、キャリブレーションの頻度を複数の規定温度に対応して制御する上記[4]または上記[5]に記載の容量性負荷の駆動回路。
[7]温度領域検出部は、
所定の周波数のクロック信号を、異なる分周比で分周する分周回路を有し、
分周回路で分周された異なる周波数のクロック信号のいずれかを、温度領域検出部が検出した温度領域に応じて選択し、この選択したクロック信号をキャリブレーションの頻度を決める信号とする上記[1]から上記[6]のいずれかに記載の容量性負荷の駆動回路。
[8]制御部は、
駆動回路の出力電圧を第1基準電圧及び第2基準電圧とそれぞれ比較する2つの比較器と、
2つの比較器の出力の遷移タイミング間の時間差を検出する時間差検出部と、
時間差検出部が検出した時間差と、あらかじめ設定した時間差との差分を検出する差分検出部とを有する上記[1]から上記[7]のいずれかに記載の容量性負荷の駆動回路。
[9]第1基準電圧及び第2基準電圧は、複数の出力段回路の出力電圧の最大振幅を基準に設定される上記[8]に記載の容量性負荷の駆動回路。
[10]時間差検出部は、2つの比較器の出力の遷移タイミング間の期間において、所定の周波数のクロック信号をカウントするカウンタ回路を有し、そのカウント値を2つの比較器の出力の遷移タイミング間の時間差とする上記[8]または上記[9]に記載の容量性負荷の駆動回路。
[11]時間差検出部は、
2つの比較器の出力の排他的論理和をとる第1の論理回路と、
第1の論理回路の出力信号とキャリブレーションの頻度を決める信号との論理積をとり、その論理積出力をカウンタ回路のイネーブル入力とする第2の論理回路と、
所定の周波数のクロック信号とキャリブレーションの頻度を決める信号との論理積をとり、その論理積出力をカウンタ回路のカウント入力とする第3の論理回路とを有する上記[10]に記載の容量性負荷の駆動回路。
[12]駆動力が異なる複数の出力段回路を有し、
制御部は、複数の出力段回路を切り替えることによって容量性負荷を駆動する駆動力を制御する上記[1]から上記[11]のいずれかに記載の容量性負荷の駆動回路。
[13]単一の出力段回路と、
単一の出力段回路を模したレプリカ回路、レプリカ回路を出力段側とするカレントミラー回路、及び、カレントミラー回路の入力側に挿入された可変電流源を含み、単一の出力段回路を駆動する入力段回路とを有し、
可変電流源の電流量によって容量性負荷を駆動する駆動力を制御する上記[1]から上記[11]のいずれかに記載の容量性負荷の駆動回路。
[14]単一の出力段回路と、
差動回路及びテール電流源を含み、単一の出力段回路を駆動する入力段回路と、
テール電流源に流れる電流を差動回路との間で分流する分流経路と、
テール電流源を出力段側とし、入力段側に直列に挿入された定電流源を含むカレントミラー回路とを有し、
分流経路に流れる電流量によって容量性負荷を駆動する駆動力を制御する上記[1]から上記[11]のいずれかに記載の容量性負荷の駆動回路。
[15]定電流源の電流量をI1、分流経路に流れる電流量をI2とするとき、差動回路の出力段側に流れる電流量I3は、
I3=I1−I2
で与えられる上記[14]に記載の容量性負荷の駆動回路。
[16]単一の出力段回路は、この出力段回路の入力端と出力端との間に接続された容量素子を有し、容量素子の充放電の程度によって駆動力が変わる上記[14]または上記[15]に記載の容量性負荷の駆動回路。
[17]制御部は、容量性負荷の容量値が温度に対して線形に変化する温度領域では、容量性負荷の駆動回路を用いるシステムの起動時に1回でキャリブレーションを完了する上記[1]から上記[16]のいずれかに記載の容量性負荷の駆動回路。
[18]温度に対して非線形に容量値が変化する容量性負荷を駆動対象とし、容量性負荷を駆動する駆動力のキャリブレーションが可能であり、
容量性負荷の使用環境の温度領域に応じて、容量性負荷の駆動力をキャリブレーションする頻度を制御し、
このキャリブレーションした駆動力にて容量性負荷を駆動する容量性負荷の駆動方法。
[19]温度に対して非線形に容量値が変化する容量性負荷となる部材により、レンズをその光軸方向において変位させるアクチュエータと、
容量性負荷を駆動する駆動回路とを備え、
駆動回路は、
容量性負荷を駆動する駆動力のキャリブレーションが可能であり、
容量性負荷の使用環境の温度領域に応じて、容量性負荷の駆動力をキャリブレーションする頻度を制御し、このキャリブレーションした駆動力にて容量性負荷を駆動するカメラモジュール。
[20]容量性負荷の容量値が温度に対して線形に変化する温度領域では、シャッタを切ったときに1回でキャリブレーションを完了する上記[19]に記載のカメラモジュール。
10A〜10D・・・容量性負荷の駆動回路、20,201,202・・・出力段回路、30,30A・・・温度領域検出部、31・・・温度計回路、321,322・・・比較器、33・・・EXOR(排他的論理和)回路、34・・・発振(OSC)回路、35・・・分周回路、36・・・マルチプレクサ回路、40・・・制御部、50,60・・・入力段回路、51・・・レプリカ回路、52,53,80・・・カレントミラー回路、54,71・・・可変電流源、61・・・差動回路、62・・・テール電流源、70・・・分流経路、81・・・定電流源、90・・・カメラモジュール、91・・・レンズバレル、92・・・ポリマー、93・・・正極(陽極)、94・・・負極(陰極)、95・・・アクチュエータ、96・・・ヒンジ
Claims (20)
- 温度に対して非線形に容量値が変化する容量性負荷を駆動対象とし、容量性負荷を駆動する駆動力のキャリブレーションが可能であり、
容量性負荷の使用環境の温度領域を検出する温度領域検出部と、
温度領域検出部が検出した温度領域に応じて、容量性負荷の駆動力をキャリブレーションする頻度を制御する制御部とを備える容量性負荷の駆動回路。 - 容量性負荷は、高分子化合物である請求項1に記載の容量性負荷の駆動回路。
- 高分子化合物は、水の凝固点付近で等価インピーダンスが急激に変動する請求項2に記載の容量性負荷の駆動回路。
- 温度領域検出部は、
容量性負荷の使用環境の温度を測定する温度測定部と、
温度測定部の出力電圧を、容量性負荷の使用環境の温度領域を規定する複数の規定温度に対応する複数の規定電圧と比較する複数の比較器と、
複数の比較器の比較結果を基に容量性負荷の使用環境の温度領域を判定する判定部とを有する請求項1に記載の容量性負荷の駆動回路。 - 温度測定部は、バンドギャップリファレンス回路によって構成されており、使用環境の範囲において、リファレンス電圧が温度に対して線形性を保つ請求項4に記載の容量性負荷の駆動回路。
- 制御部は、キャリブレーションの頻度を複数の規定温度に対応して制御する請求項4に記載の容量性負荷の駆動回路。
- 温度領域検出部は、
所定の周波数のクロック信号を、異なる分周比で分周する分周回路を有し、
分周回路で分周された異なる周波数のクロック信号のいずれかを、温度領域検出部が検出した温度領域に応じて選択し、この選択したクロック信号をキャリブレーションの頻度を決める信号とする請求項1に記載の容量性負荷の駆動回路。 - 制御部は、
駆動回路の出力電圧を第1基準電圧及び第2基準電圧とそれぞれ比較する2つの比較器と、
2つの比較器の出力の遷移タイミング間の時間差を検出する時間差検出部と、
時間差検出部が検出した時間差と、あらかじめ設定した時間差との差分を検出する差分検出部とを有する請求項1に記載の容量性負荷の駆動回路。 - 第1基準電圧及び第2基準電圧は、複数の出力段回路の出力電圧の最大振幅を基準に設定される請求項8に記載の容量性負荷の駆動回路。
- 時間差検出部は、2つの比較器の出力の遷移タイミング間の期間において、所定の周波数のクロック信号をカウントするカウンタ回路を有し、そのカウント値を2つの比較器の出力の遷移タイミング間の時間差とする請求項8に記載の容量性負荷の駆動回路。
- 時間差検出部は、
2つの比較器の出力の排他的論理和をとる第1の論理回路と、
第1の論理回路の出力信号とキャリブレーションの頻度を決める信号との論理積をとり、その論理積出力をカウンタ回路のイネーブル入力とする第2の論理回路と、
所定の周波数のクロック信号とキャリブレーションの頻度を決める信号との論理積をとり、その論理積出力をカウンタ回路のカウント入力とする第3の論理回路とを有する請求項10に記載の容量性負荷の駆動回路。 - 駆動力が異なる複数の出力段回路を有し、
制御部は、複数の出力段回路を切り替えることによって容量性負荷を駆動する駆動力を制御する請求項1に記載の容量性負荷の駆動回路。 - 単一の出力段回路と、
単一の出力段回路を模したレプリカ回路、レプリカ回路を出力段側とするカレントミラー回路、及び、カレントミラー回路の入力側に挿入された可変電流源を含み、単一の出力段回路を駆動する入力段回路とを有し、
可変電流源の電流量によって容量性負荷を駆動する駆動力を制御する請求項1に記載の容量性負荷の駆動回路。 - 単一の出力段回路と、
差動回路及びテール電流源を含み、単一の出力段回路を駆動する入力段回路と、
テール電流源に流れる電流を差動回路との間で分流する分流経路と、
テール電流源を出力段側とし、入力段側に直列に挿入された定電流源を含むカレントミラー回路とを有し、
分流経路に流れる電流量によって容量性負荷を駆動する駆動力を制御する請求項1に記載の容量性負荷の駆動回路。 - 定電流源の電流量をI1、分流経路に流れる電流量をI2とするとき、差動回路の出力段側に流れる電流量I3は、
I3=I1−I2
で与えられる請求項14に記載の容量性負荷の駆動回路。 - 単一の出力段回路は、この出力段回路の入力端と出力端との間に接続された容量素子を有し、容量素子の充放電の程度によって駆動力が変わる請求項14に記載の容量性負荷の駆動回路。
- 制御部は、容量性負荷の容量値が温度に対して線形に変化する温度領域では、容量性負荷の駆動回路を用いるシステムの起動時に1回でキャリブレーションを完了する請求項1に記載の容量性負荷の駆動回路。
- 温度に対して非線形に容量値が変化する容量性負荷を駆動対象とし、容量性負荷を駆動する駆動力のキャリブレーションが可能であり、
容量性負荷の使用環境の温度領域に応じて、容量性負荷の駆動力をキャリブレーションする頻度を制御し、
このキャリブレーションした駆動力にて容量性負荷を駆動する容量性負荷の駆動方法。 - 温度に対して非線形に容量値が変化する容量性負荷となる部材により、レンズをその光軸方向において変位させるアクチュエータと、
容量性負荷を駆動する駆動回路とを備え、
駆動回路は、
容量性負荷を駆動する駆動力のキャリブレーションが可能であり、
容量性負荷の使用環境の温度領域に応じて、容量性負荷の駆動力をキャリブレーションする頻度を制御し、このキャリブレーションした駆動力にて容量性負荷を駆動するカメラモジュール。 - 容量性負荷の容量値が温度に対して線形に変化する温度領域では、シャッタを切ったときに1回でキャリブレーションを完了する請求項19に記載のカメラモジュール。
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---|---|---|---|
JP2012152173A JP2014017575A (ja) | 2012-07-06 | 2012-07-06 | 容量性負荷の駆動回路、容量性負荷の駆動方法、及び、カメラモジュール |
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---|---|---|---|---|
WO2020013226A1 (ja) * | 2018-07-11 | 2020-01-16 | ソニー株式会社 | 信号処理回路、信号処理装置及び信号処理方法 |
-
2012
- 2012-07-06 JP JP2012152173A patent/JP2014017575A/ja active Pending
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WO2020013226A1 (ja) * | 2018-07-11 | 2020-01-16 | ソニー株式会社 | 信号処理回路、信号処理装置及び信号処理方法 |
US12001810B2 (en) | 2018-07-11 | 2024-06-04 | Sony Corporation | Signal processing circuit, signal processing device, and signal processing method to suppress power consumption |
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