JP2014016432A - 駆動装置及び画像形成装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】第1、第2の被駆動部材を1つの駆動源で駆動し、第2の被駆動部材の駆動系にクラッチを設けた構成で、クラッチの連結又は解除時の衝撃による第1の被駆動部材の駆動への影響を抑制できる駆動装置及び画像形成装置を提供する。
【解決手段】第1の被駆動部材1と第2の被駆動部材40とを1つの駆動源で回転駆動し、第2の被駆動部材40への駆動を連結又は解除するクラッチCLを有する駆動装置100は、クラッチCLが、駆動部材111と、駆動側係合部材113と、従動側係合部材114と、付勢手段112と、駆動側係合部材113と従動側係合部材114との係合又は解除を行う、カム面が設けられた解除部材115と、解除部材115のカム面と係合するカム面が設けられたカム部材116と、を有し、解除部材115とカム部材116の少なくとも一方において、少なくとも解除部材115とカム部材116とが互いに近づくように解除部材115が軸方向に移動した際に衝突する箇所が、弾性部材で構成されている構成とする。
【選択図】図13
【解決手段】第1の被駆動部材1と第2の被駆動部材40とを1つの駆動源で回転駆動し、第2の被駆動部材40への駆動を連結又は解除するクラッチCLを有する駆動装置100は、クラッチCLが、駆動部材111と、駆動側係合部材113と、従動側係合部材114と、付勢手段112と、駆動側係合部材113と従動側係合部材114との係合又は解除を行う、カム面が設けられた解除部材115と、解除部材115のカム面と係合するカム面が設けられたカム部材116と、を有し、解除部材115とカム部材116の少なくとも一方において、少なくとも解除部材115とカム部材116とが互いに近づくように解除部材115が軸方向に移動した際に衝突する箇所が、弾性部材で構成されている構成とする。
【選択図】図13
Description
本発明は、複写機やプリンタなどに用いられる駆動装置及びこれを具備した画像形成装置に関するものである。
従来、例えば電子写真方式を利用したインライン型のカラー画像形成装置において、現像剤の消耗や劣化の問題を解消するため、電子写真感光体(感光体)と現像装置の回転を別々に制御して現像装置の回転を最低限に抑える方法が考えられている。
又、低コストや小型化を実現するために、1つのモータで感光体と現像装置を駆動し、現像装置の駆動系に回転又は停止の状態を制御するクラッチを設ける方法が考えられている。
従来の画像形成装置の現像装置の駆動系では、電磁クラッチやバネクラッチを用いることが多い。しかし、この構成は、コストが比較的高い、形状が限られる、スリップによる動作不良が発生する可能性があるなどの問題があった。
これに対して、特許文献1は、現像装置の駆動系に設ける機械式クラッチを開示する。この機械式クラッチは、カム面が設けられたレバー部材の回転によって、レバー部材のカム面と係合するカム面が設けられた解除部材と、解除部材によって移動させられる駆動側係合部品とを、軸方向に移動させる。これにより、駆動側係合部品と従動側係合部品との間での駆動の連結及び解除を行う。駆動側係合部品は、従動側係合部品とかみ合う方向にコイルバネによって付勢されており、解除部材は、レバー部材によって軸方向に移動させられると、コイルバネの力に抗して駆動側係合部品を従動側係合部品から解除する方向に移動させる。
ここで、上記機械式クラッチでは、現像剤の消耗や劣化をより抑制するために、素早い連結と解除の切り替えが求められる。そのため、上記カム面の斜面をできるだけ急にすることが求められる。
しかしながら、上記機械式クラッチでは、次のような改善すべき課題がある。
即ち、上記機械式クラッチでは、解除部材とレバー部材のそれぞれのカムの頂点同士が接している状態が、駆動の連結が解除されている状態である。そして、この状態から、レバー部材を回転させることによって駆動の連結状態に変化させる際には、コイルバネの付勢力によってカム面に沿って軸方向に解除部材が移動する。そのため、例えば素早い連結のためにカム面が急な角度で設けられている場合などには、解除部材とレバー部材との衝突が発生し、画像形成上もっとも重要な感光体の回転が不安定になり、カムの衝突のタイミングで画像上に筋を発生させる可能性がある。
このように、上述のような機械式クラッチは、1つのモータで感光体と現像装置とを同時に駆動する構成に適さない場合がある。そのため、従来、1つのモータで感光体と現像装置とを駆動する構成において、感光体を回転している最中でも感光体の回転の安定性に影響せずに現像装置への駆動の断続が可能な、コストや画像安定性に優れた機械式クラッチはなかった。
本発明の目的は、第1、第2の被駆動部材を1つの駆動源で駆動し、第2の被駆動部材の駆動系にクラッチを設けた構成で、クラッチの連結又は解除時の衝撃による第1の被駆動部材の駆動への影響を抑制できる駆動装置及び画像形成装置を提供することである。
上記目的は本発明に係る駆動装置及び画像形成装置にて達成される。要約すれば、第1の本発明によれば、第1の被駆動部材と第2の被駆動部材とを1つの駆動源で回転駆動し、前記第2の被駆動部材への駆動を連結又は解除するクラッチを有する駆動装置において、前記クラッチは、従動側の回転軸に対し前記駆動源側からの駆動を伝達する駆動部材と、前記駆動部材と同期して回転し、軸方向に移動可能な駆動側係合部材と、従動側の回転軸に固定され、前記駆動側係合部材と係合する従動側係合部材と、前記駆動側係合部材を前記従動側係合部材とかみ合う方向に付勢する付勢手段と、前記駆動側係合部材を軸方向に移動させて前記駆動側係合部材と前記従動側係合部材との係合又は解除を行う、カム面が設けられた解除部材と、前記解除部材のカム面と係合するカム面が設けられたカム部材と、を有し、前記解除部材と前記カム部材の少なくとも一方において、少なくとも前記解除部材と前記カム部材とが互いに近づくように前記解除部材が軸方向に移動した際に衝突する箇所が、弾性部材で構成されていることを特徴とする駆動装置が提供される。
又、第2の本発明によれば、第1の被駆動部材と第2の被駆動部材とを1つの駆動源で回転駆動し、前記第2の被駆動部材への駆動を連結又は解除するクラッチを有する駆動装置において、前記クラッチは、従動側の回転軸に対し前記駆動源側からの駆動を伝達する駆動部材と、前記駆動部材と同期して回転し、軸方向に移動可能な駆動側係合部材と、従動側の回転軸に固定され、前記駆動側係合部材と係合する従動側係合部材と、前記駆動側係合部材を前記従動側係合部材とかみ合う方向に付勢する付勢手段と、前記駆動側係合部材を軸方向に移動させて前記駆動側係合部材と前記従動側係合部材との係合又は解除を行う、カム面が設けられた解除部材と、前記解除部材のカム面と係合するカム面が設けられたカム部材と、を有し、前記解除部材と前記カム部材の少なくとも一方において、少なくとも前記解除部材と前記カム部材とが互いに近づくように前記解除部材が軸方向に移動した際に衝突する箇所の前記近づく方向における後方に空壁が設けられていることを特徴とする駆動装置が提供される。
又、第3の本発明によれば、第1の被駆動部材と第2の被駆動部材とを1つの駆動源で回転駆動し、前記第2の被駆動部材への駆動を連結又は解除するクラッチを有する駆動装置において、前記クラッチは、従動側の回転軸に対し前記駆動源側からの駆動を伝達する駆動部材と、前記駆動部材と同期して回転し、軸方向に移動可能な駆動側係合部材と、従動側の回転軸に固定され、前記駆動側係合部材と係合する従動側係合部材と、前記駆動側係合部材を前記従動側係合部材とかみ合う方向に付勢する第1の付勢手段と、前記駆動側係合部材を軸方向に移動させて前記駆動側係合部材と前記従動側係合部材との係合又は解除を行う、カム面が設けられた解除部材と、前記解除部材のカム面と係合するカム面が設けられたカム部材と、前記解除部材とカム部材との間に設けられた第2の付勢手段であって、前記第1の付勢手段の付勢方向と反対方向に前記解除部材を付勢し、その付勢力が前記第1の付勢手段の付勢力よりも小さい第2の付勢手段と、を有することを特徴とする駆動装置が提供される。
第4の本発明によれば、上記各本発明の駆動装置を有することを特徴とする画像形成装置が提供される。
本発明によれば、第1、第2の被駆動部材を1つの駆動源で駆動し、第2の被駆動部材の駆動系にクラッチを設けた構成で、クラッチの連結又は解除時の衝撃による第1の被駆動部材の駆動への影響を抑制できる。
以下、本発明に係る駆動装置及び画像形成装置を図面に則して更に詳しく説明する。
実施例1
1.画像形成装置の全体構成
先ず、本発明の一実施例に係る画像形成装置の全体構成について説明する。図1は、フルカラーレーザービームプリンタとされる本実施例の画像形成装置Aの全体構成を示す縦断面図である。図2は、画像形成装置Aが備えるプロセスカートリッジ7の主断面図である。
1.画像形成装置の全体構成
先ず、本発明の一実施例に係る画像形成装置の全体構成について説明する。図1は、フルカラーレーザービームプリンタとされる本実施例の画像形成装置Aの全体構成を示す縦断面図である。図2は、画像形成装置Aが備えるプロセスカートリッジ7の主断面図である。
本実施例の画像形成装置Aは、複数の画像形成部として、それぞれイエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、ブラック(K)の画像を形成するための第1、第2、第3、第4の画像形成部Pa、Pb、Pc、Pdを有する。本実施例では、第1、第2、第3、第4の画像形成部Pa、Pb、Pc、Pdの構成及び動作は共通する部分が多い。従って、以下、各色用について特に区別せずに説明する場合は、いずれかの色用に設けられた要素であることを表す符号の末尾のa、b、c、dを省略して説明することがある。
図1に示すように、カラー画像形成装置Aは、垂直方向に並設された4個の回転可能な像担持体としての感光体ドラム1a、1b、1c、1dを備えている。感光体ドラム1は、後述する駆動手段としての駆動装置(図10)によって、図2中の矢印X方向(反時計回り)に回転駆動される。
感光体ドラム1の周囲には、その回転方向に従って順に、次の各手段が配設されている。先ず、感光体ドラム1の表面を均一に帯電する帯電手段としての帯電装置2(2a、2b、2c、2d)である。次に、画像情報に基づいてレーザービームを照射し感光体ドラム1上に静電潜像を形成する露光手段としてのスキャナユニット3(3a、3b、3c、3d)である。次に、静電潜像にトナーを付着させてトナー像として現像する現像手段としての現像装置(現像ユニット)4(4a、4b、4c、4d)である。次に、感光体ドラム1上のトナー像を転写材Sに転写させる転写手段としての静電転写装置5である。次に、転写後の感光体ドラム1の表面に残った転写残トナーを除去するクリーニング手段としてのクリーニング装置6(6a、6b、6c、6d)である。
ここで、感光体ドラム1と、帯電装置2、現像ユニット4及びクリーニング装置6とは、一体的にカートリッジ化されプロセスカートリッジ7を形成している。
感光体ドラム1は、例えば直径30mmのアルミシリンダの外周面に、有機光導伝体層(OPC感光体)を塗布して構成したものである。感光体ドラム1は、その長手方向(回転軸線方向)の両端部を支持部材によって回転自在に支持されている。感光体ドラム1は、その長手方向の一方の端部に、後述する駆動装置が備える駆動源としての駆動モータ(図示せず)からの駆動力が伝達されることにより、図2中の矢印X方向(反時計回り)に回転駆動される。
帯電装置2としては、接触帯電方式のものを使用することができる。本実施例では、帯電装置2は、ローラ状に形成された導電性部材(導電性ローラ)である帯電ローラである。この帯電ローラ2を感光体ドラム1の表面に当接させるとともに、この帯電ローラ2に帯電バイアス電圧を印加する。これにより、感光体ドラム1の表面が一様に帯電される。
スキャナユニット3は、感光体ドラム1の略水平方向に配置される。スキャナユニット3では、レーザーダイオード(図示せず)からの画像信号に対応する画像光が、スキャナモーター(図示せず)によって高速回転されるポリゴンミラー9(9a、9b、9c、9d)に照射される。ポリゴンミラー9によって反射された画像光は、結像レンズ10(10a、10b、10c、10d)を介して、帯電済みの感光体ドラム1の表面を選択的に露光する。こうして、感光体ドラム1上に静電潜像(静電像)が形成される。又、スキャナユニット3は、図4に示すように、感光体ドラム1の長手方向(回転軸線方向)の両端側に配置された左右側板32、32間のピッチより長く形成されている。そして、図5に示すように、該左右側板32、32にそれぞれ設けられた開口穴35から突起部33が外側に飛び出すように取り付けられる。その際、スキャナユニット3は、圧縮コイルバネで構成されたスキャナ付勢バネ36によって矢印で示す約45°下方に約10Nの力で押圧され、開口穴35に設けられた突き当てに押し付けられている。これにより、スキャナユニット3を確実に上記突き当てに押し付け、位置決めがされている。
各現像ユニット4(4a、4b、4c、4d)は、それぞれイエロー、マゼンタ、シアン、ブラックの各色のトナーを収納したトナー容器41(41a、41b、41c、41d)を有する。トナー容器41内のトナーは、送り機構42によってトナー供給ローラ43へ送り込まれる。そして、トナー供給部材としてのトナー供給ローラ43及び現像剤規制部材としての現像ブレード44によって、現像剤担持体としての現像ローラ40の外周にトナーが塗布され、且つ、トナーに電荷が付与される。このとき、トナー供給ローラ43は、図2中の矢印Z方向(時計回り)に回転し、現像ブレード44は現像ローラ40の外周に圧接され、現像ローラ40は図2中の矢印Y方向(時計回り)に回転する。そして、静電潜像が形成された感光体ドラム1と対向した現像ローラ40に現像バイアスを印加することにより、静電潜像に応じて感光体ドラム1上にトナーが供給され、該静電潜像はトナー像として現像される。
又、画像形成装置Aには、全ての感光体ドラム1a、1b、1c、1dに対向するように、循環移動する転写材担持体としての静電転写ベルト11が配設される。静電転写ベルト11は、全ての感光体ドラム1a、1b、1c、1dに接触する。静電転写ベルト11は1011〜1014Ω・cmの体積固有抵抗を持たせた厚さ約150μmのフィルム状部材で構成される。この静電転写ベルト11は、垂直方向に4軸でローラに支持され、図1中の左側の外周面に転写材Sを静電吸着して各感光体ドラム1に転写材Sを接触させるべく循環移動する。これにより、転写材Sは、静電転写ベルト11により転写部(転写位置)まで搬送され、感光体ドラム1上のトナー像が転写される。
各感光体ドラム1(1a、1b、1c、1d)のそれぞれに対向した位置で静電転写ベルト11の内側に当接するように、ローラ型の転写部材である転写ローラ12(12a、12b、12c、12d)が設けられている。そして、各転写ローラ12(12a、12b、12c、12d)から正極性の電荷が静電転写ベルト11を介して転写材Sに印加される。この電荷による電界により、感光体ドラム1に接触中の転写材Sに、感光体ドラム1上の負極性のトナー像が転写される。
本実施例では、静電転写ベルト11は、周長約700mm、厚さ150μmのベルトであり、駆動ローラ13、従動ローラ14A、14B、テンションローラ15の4本のローラに掛け渡されている。静電転写ベルト11は、駆動ローラ13が回転駆動されることによって、図1中の矢印R方向(時計回り)に回転(周回移動)する。これにより、静電転写ベルト11が循環移動して転写材Sが従動ローラ14A側から駆動ローラ13側へ搬送される間に、その転写材S上にトナー像が転写される。
給送部16は、転写材Sを給送して、画像形成部に搬送するものである。給送部16において、複数枚の転写材Sが、給送カセット17に収納されている。画像形成時には給送ローラ(半月ローラ)18、レジストローラ対19が、画像形成動作に応じて回転駆動され、給送カセット17内の転写材Sを1枚毎に分離給送する。転写材Sは、その先端がレジストローラ対19に突き当たり一旦停止し、ループを形成した後、画像書出し位置との同期をとって、レジストローラ対19によって回転する静電転写ベルト11上へと給送される。
定着部20は、転写材Sに転写されたトナー像を定着させるものである。定着部20は、回転する加熱ローラ21Aと、これに圧接して転写材Sに熱及び圧力を与える加圧ローラ21Bとを有する。即ち、感光体ドラム1上のトナー像が転写された転写材Sは、定着部20を通過する際に、定着ローラ対21(加熱ローラ21A及び加圧ローラ21B)によって搬送されるとともに、該定着ローラ対21によって熱及び圧力が与えられる。これによってトナー像が転写材Sの表面に定着される。
フルカラー画像形成時を例として画像形成動作を説明すると、概略、次の通りである。
各プロセスカートリッジ7(7a、7b、7c、7d)が、それぞれの記録タイミングに合わせて順次駆動される。その駆動に応じて、各感光体ドラム1(1a、1b、1c、1d)が回転駆動される。そして、各プロセスカートリッジ7(7a、7b、7c、7d)に対応するスキャナユニット3(3a、3b、3c、3d)が順次駆動される。この駆動により、各帯電ローラ2(2a、2b、2c、2d)は各感光体ドラム1(1a、1b、1c、1d)の周面に一様な電荷を付与する。各スキャナユニット3(3a、3b、3c、3d)は、各感光体ドラム1(1a、1b、1c、1d)の周面を、対応する画像信号に応じて露光して、各感光体ドラム1(1a、1b、1c、1d)の周面上に静電潜像を形成する。各現像ユニット4(4a、4b、4c、4d)の現像ローラ40は、静電潜像の露光部(低電位部)にトナーを転移させて、各感光体ドラム1(1a、1b、1c、1d)の周面上にトナー像を形成(現像)する。
一方、レジストローラ対19によって所定のタイミングで給送された転写材Sが、静電転写搬送ベルト11によって各感光体ドラム1(1a、1b、1c、1d)との接触部である転写部に搬送される。レジストローラ対19は、次のようにして回転を開始し、転写材Sを静電転写ベルト11へ給送する。即ち、転写材Sの搬送方向の最上流側の感光体ドラム1aの周面上に形成されたトナー像の先端が静電転写ベルト11との対向部である転写部に搬送されてくるタイミングと、その転写部に転写材Sの記録開始位置が搬送されるタイミングとが一致するようにする。又、転写材Sは、静電吸着ローラ22と静電転写ベルト11とによって挟み込まれるようにして、静電転写ベルト11の外周に圧接させられる。このとき、静電転写ベルト11と静電吸着ローラ22との間には電圧が印加される。これにより、誘電体である転写材Sと静電転写ベルト11の誘電体層とに電荷を誘起し、転写材Sを静電転写ベルト11の外周に静電吸着させる。従って、転写材Sは静電転写ベルト11に安定して吸着され、転写材Sの搬送方向の最下流の転写部まで搬送される。転写材Sは、このように搬送されながら、各感光体ドラム1と転写ローラ12との間に形成される電界によって、各感光体ドラム1のトナー像が順次に重ね合わせて転写される。
4色のトナー像が転写された転写材Sは、ベルト駆動ローラ13の曲率により静電転写ベルト11から分離され、定着部20に搬入される。転写材S上の複数色のトナー像は、定着部20において溶融、混合されて、転写材S上に定着される。
転写材Sは、定着部20でトナー像が定着された後、排出ローラ対23によって、排出部24から画像面を下にした状態で画像形成装置Aの装置本体Bの外部に排出される。
2.プロセスカートリッジ
次に、プロセスカートリッジ7について説明する。図3は、プロセスカートリッジ7の部分分解斜視図である。
次に、プロセスカートリッジ7について説明する。図3は、プロセスカートリッジ7の部分分解斜視図である。
尚、イエロー、マゼンダ、シアン、ブラックの各プロセスカートリッジ7a、7b、7c、7dは同一構成である。
プロセスカートリッジ7は、像担持体としての回転可能なドラム状の電子写真感光体、即ち、感光体ドラム1と、帯電手段としての帯電ローラ2と、クリーニング手段としてのクリーニング装置6とを備えた感光体ドラムユニット50を有する。又、プロセスカートリッジ7は、感光体ドラム1上の静電潜像を現像する現像剤担持体としての現像ローラ40を有する現像手段としての現像ユニット4を有する。プロセスカートリッジ7は、大別して、これら感光体ドラムユニット50と現像ユニット4とに分かれている。
感光体ドラムユニット50は、クリーニング枠体51を有する。感光体ドラム1は、軸受31(31A、31B)を介してクリーニング枠体51に回転自在に取り付けられている。感光体ドラム1の外周面上には、感光体ドラム1の表面を一様に帯電させるための帯電ローラ2と、感光体ドラム上に残った現像剤(トナー)を除去するためのクリーニングブレード60とが、それぞれ接触させられている。クリーニングブレード60の近傍には、トナー送り機構52が設けられている。トナー送り機構52は、図2中の左側(プロセスカートリッジ7を装置本体Bに装着する方向に見て後方)の一端部に駆動モータからの駆動力が伝達されることにより、画像形成動作に応じて図2中の矢印X方向(反時計回り)に回転駆動される。感光体ドラム1の表面の残留トナーは、クリーニングブレード60によって感光体ドラム1の表面から除去される。この除去された残留トナーは、トナー送り機構52によって、クリーニング枠体51の図2中の左側(プロセスカートリッジ7を装置本体Bに装着する方向に見て後方)に設けられた廃トナー室53に順次送られる。
現像ユニット4は、トナーが収容されたトナー容器41と、現像枠体45とを有する。トナー容器41と現像枠体45とは、一体的に結合されている。現像ローラ40は、軸受部材を介して回転自在に現像枠体45に支持されている。現像ローラ40は、感光体ドラム1と接触して、図2中の矢印Y方向(時計回り)に回転する。現像ローラ40の外周面上には、トナー供給ローラ43と現像ブレード44とが、それぞれ接触させられている。トナー供給ローラ43は、現像ローラ40と接触して図2中の矢印Z方向に回転する。トナー容器41内には、その中に収容されたトナーを撹拌するとともにトナー供給ローラ43に搬送するための送り機構42が設けられている。そして、現像ユニット4は、その全体が、現像ユニット4の両端に取り付けられた軸受部材47、48にそれぞれ設けられた支持軸49を中心に、ピン49Aによって感光体ドラムユニット50に対して揺動自在に支持された、吊り構造となっている。
現像ユニット4は、プロセスカートリッジ7が単体状態(装置本体Bに装着されていない状態)にあるときは、現像ローラ40が感光体ドラム1に接触するように、支持軸49を中心に回転させられている。即ち、現像枠体45とクリーニング枠体51との間に、圧縮コイルバネで構成された加圧バネ54が設けられており、回転モーメントにより現像ローラ40が感光体ドラム1に接触するように、この加圧バネ54によって現像ユニット4は常に付勢されている。
現像ユニット4のトナー容器41には、現像ローラ40を感光体ドラム1から離間させる際に装置本体Bに設けられた後述する離間手段が当接する離間作用受部としてのリブ46が一体的に設けられている。リブ46は、トナー容器41の図2中の左側(プロセスカートリッジ7を装置本体Bに装着する方向に見て後方)の側面から突出して設けられている。
3.プロセスカートリッジの装着動作及び離間手段
次に、プロセスカートリッジ7を装置本体Bに装着した際の動作機構について説明する。
次に、プロセスカートリッジ7を装置本体Bに装着した際の動作機構について説明する。
図4は、プロセスカートリッジ7を装置本体Bに装着する動作を説明するための模式図である。図4では、理解を容易とするために、プロセスカートリッジ7は、感光体ドラム1と軸受31(31A、31B)のみで簡略化して示している。
前述したように、プロセスカートリッジ7は、単体の状態では、図2に示すように現像ローラ40が感光体ドラム1に常に接触した状態になっている。プロセスカートリッジ7の装置本体Bへの装着は、図4中の矢印方向から第1のガイド溝34(34a1〜34d1、34a2〜34d2)に沿って、感光体ドラム1を支持する軸受31(31A、31B)を挿入することによって行なわれる。そして、図6に示すように、軸受31がガイド溝34の突き当て面37、38に押しつけられることでプロセスカートリッジ7の位置が決まる。
図5に示すように、感光体ドラム1の長手方向(回転軸線方向)の両端部側に配置された左右側板32、32には、それぞれ軸39が加締められており、この軸39にねじりコイルバネ30が支持されている。そして、そのねじりコイルバネ30の端部30Aが、左右側板32、32にそれぞれ形成された穴32Aにはまり込み固定されている。プロセスカートリッジ7がない状態では、ねじりコイルバネ30は、左右側板32、32からの曲げ起こし32Bにより、その弾性力による回転方向の移動が規制されている。そして、プロセスカートリッジ7が挿入されると、ねじりコイルバネ30は図5中の反時計回りに、その弾性力に反しながら回転し、軸受31を乗り越えたとき、図5のように位置する。この状態で、図5中の矢印方向(時計回り)に約10Nの力で装置本体B内にプロセスカートリッジ7を押圧する。
装置本体Bのプロセスカートリッジ7の挿入方向奥側には、図1、図7及び図8に示すように、現像ローラ40を感光体ドラム1から離間させるための離間手段としての離間板80(80a、80b、80c、80d)が配置されている。イエロー、マゼンダ、シアン、ブラックの各色の現像ユニット4(4a、4b、4c、4d)に設けられたリブ46a、46b、46c、46dを押し上げるために、離間板80a、80b、80c、80dがそれぞれ設けられている。離間板80は、現像ユニット4の加圧バネ54の付勢力に抗して、現像ユニット4を感光体ドラムユニット50に対して揺動させて、現像ローラ40を感光体ドラム1から離間させる。
図9に示す切替駆動手段としての切替モータ(ステッピングモータ)90により、切替部材としての切替板91を図9中の上下に移動させる。これにより、切替板91に形成されたギアと噛み合うギアが固定された駆動軸92に固定されたカム93が回転する。そして、カム93によって離間板80が押し上げられた状態では、リブ46が押し上げられて、現像ユニット4は、現像ローラ40が感光体ドラム1から離間させられた離間位置に配置される。又、カム93による離間板80の押し上げを解除した状態では、リブ46の押し上げが解除されて、現像ユニット4は、現像ローラ40が感光体ドラム1に接触させられた現像位置(接触位置)に配置される。このように、現像ユニット4は、上記離間位置と現像位置との間で移動可能とれている。そして、現像作動時のみ、離間板80の押し上げを解除して、現像ユニット4を現像位置に移動させる。
ここで、離間板80の押し上げ、解除の動作モードを限定することにより、構造を比較的簡単にすることができる。即ち、第1に、イエロー、マゼンダ、シアン、ブラックの全色の離間板80が押し上げられる待機状態(図1)である。第2に、イエロー、マゼンダ、シアン、ブラックの全色の離間板80の押し上げが解除されたフルカラー状態(図7)である。第3に、イエロー、マゼンダ、シアンの3色のみ離間板80が押し上げられるモノカラー状態(図8)である。本実施例では、この3つの状態を選択できるようにする。
そのため、本実施例では、図9に示すように、離間板80は、ブラック用離間板80dと、イエロー、マゼンタ及びシアンの各色用の離間板80a、80b、80cを一体化したカラー用離間板80zと、の2種類とした。そして、これらブラック用離間板80dとカラー用離間板80zとを動かす各カム93に、各々の離間板に対応する2種類のプロフィールを持たせることにより、前述のモード切り替えが可能となる。
4.駆動装置
図10に示すように、画像形成装置Aは、装置本体Bに、カートリッジ7を駆動する駆動手段としての駆動装置(駆動ユニット)100(100a、100b、100c、100d)を有する。本実施例では、駆動装置100は、各色毎に1つずつ設けた駆動源としての駆動モータ110を有する。そして、この駆動モータ110から、第1の被駆動部材としての感光体ドラム1を駆動する第1の系列101と、第2の被駆動部材としての現像ローラ40を駆動する第2の系列102とに分岐して駆動を伝達する。又、駆動装置100は、第2の系列102においてモータ110側にクラッチCLを有し、感光体ドラム1の回転時に現像ローラ40の回転又は停止の状態を切り替えられるようにしている。
図10に示すように、画像形成装置Aは、装置本体Bに、カートリッジ7を駆動する駆動手段としての駆動装置(駆動ユニット)100(100a、100b、100c、100d)を有する。本実施例では、駆動装置100は、各色毎に1つずつ設けた駆動源としての駆動モータ110を有する。そして、この駆動モータ110から、第1の被駆動部材としての感光体ドラム1を駆動する第1の系列101と、第2の被駆動部材としての現像ローラ40を駆動する第2の系列102とに分岐して駆動を伝達する。又、駆動装置100は、第2の系列102においてモータ110側にクラッチCLを有し、感光体ドラム1の回転時に現像ローラ40の回転又は停止の状態を切り替えられるようにしている。
次に、駆動装置100のクラッチCLについて更に詳しく説明する。図11は、本実施例に係る駆動装置100が備える機械式クラッチCLの一具体例の分解斜視図である。図12は、本実施例に係る駆動装置100が備える機械式クラッチCLの連結又は解除時の状態を示す模式的な断面図である。図13は、本実施例に係る駆動装置100が備える機械式クラッチの他の具体例の分解斜視図(図11とは反対方向から見たもの)である。尚、図12、図13では、図11において表されている後述するカム部材116のレバー部116Aは省略している。
モータ110とかみ合う駆動部材としての歯車111は、図示しない固定部材により従動側の回転軸118に対して回転可能かつ軸方向の位置を決められている。歯車111の内側は大きく肉抜きされており、中心近傍の摺動ボス111Aの内周は従動側の回転軸118に対する位置決め及び摺動面となり、外周は駆動側係合部材113の位置決め及び摺動面となる。同じく歯車111の内側の外周近傍には4ヶ所の回り止め111Bがあり、駆動側係合部材113の回り止めとなっている。
駆動側係合部材113は、内周面113Aが歯車111の摺動ボス111Aの外周部とはめ合うことにより摺動可能に支持される。それと同時に、駆動側係合部材113は、外周部に設けた回り止め113Bが歯車111の回り止め111Bとかみ合うことにより歯車111と同期して回転(同一回転)する。一方、駆動側係合部材113には4ヶ所の突起113Cがあり、これが従動側係合部材114の突起114Cとかみ合うと回転を伝達することができる。
突起113Cの駆動伝達面は、回転により相手部材と食い込む方向に傾けて形成している。これにより、回転中にクラッチをつなげても確実にかみ合い、大きなトルクが加わっても歯飛びが生じない。又、突起113Cの駆動伝達面の間を緩やかな斜面でつなげることにより、回転中にクラッチを接続させるときでもスムーズに係合することができる。
駆動側係合部材113の従動側の端面には、後述する解除部材115と回転摺動する摺動部113Dを有している。又、駆動側係合部材113は、付勢手段としての弾性部材である圧縮コイルバネで構成された係合部材付勢バネ112により常に従動側係合部材114の方向に付勢されている。
従動側係合部材114は、内周面114A及び溝114Bに回転軸118及び平行ピン119がはめ合い固定される。又、4ヶ所の突起114Cがあり、これが駆動側係合部材113の突起113Cとかみ合うと回転を伝達する。突起114Cの駆動伝達面は、相手部材113Cと同様に食い込む方向に傾けており、又、駆動伝達面の間を緩やかな斜面でつないでいる。
このように駆動側係合部材113と従動側係合部材114は、係合するとお互いに食い込む方向に傾いた複数の駆動伝達面を有しており、又該駆動伝達面は回転中心に対して対称に配置されている。
駆動側係合部材113、従動側係合部材114、係合部材付勢バネ112は、歯車111の内側に内包されている。これにより、スペースを有効に利用してコンパクトにできるとともに、歯面から伝えられた駆動力をそのまま内側に伝えるため係合部材にねじれや倒れの力が発生せず、部材強度を確保しやすく大トルクの伝達が可能となる。
回転軸118は、軸受部材117を介して駆動装置100のフレーム120に対して回転自由に支持され、端部に固定した歯車121からプロセスカートリッジ7の現像駆動部(本実施例では現像ローラ40)へ回転を伝達する。軸受部材117は駆動装置100のフレーム120に固定されており、外周部に、回り止めと位置決め機能を有し軸方向に摺動可能な摺動部117Cと、回転方向に摺動可能な円筒面117Bの2つの摺動部を有する。
軸受部材117の円筒面117Bとはめ合い回動するのがカム部材116であり、レバー部116Aを切替部材としての切替板91により操作する。カム部材116にはカム部116Cがあり、これが解除部材115のカム部115Cと当接して解除部材115の軸方向位置を制御している。又、カム部115C、116Cは、それぞれ回転中心に対して対称に複数(本実施例では2個)設けられている。これにより、解除部材115が傾くことによる動作不良や動作抵抗の増加を防ぐことができる。
解除部材115は、内側の摺動部115Aが軸受部材117の摺動部117Cとはめ合い、回転を規制され軸方向に移動可能に支持される。解除部材115のカム部115Cはカム部材116のカム部116Cに対応した形状となっている。解除部材115のカム部115Cがカム部材116のカム部116Cと当接して、解除部材115の軸方向位置が決まる。それと同時に、解除部材115のカム部115Cとは反対側の摺動部115Bが駆動側係合部材113と当接して、駆動側係合部材113の位置が決まる。
即ち、カム部材116のカム部116Cと解除部材115のカム部115Cの山と山とが合わさった状態においては、解除部材115は歯車111の方向に押し出される。これにより、摺動部115Bが駆動側係合部材113の摺動部113Dと当接して、係合部材付勢バネ112に反して駆動側係合部材113を従動側係合部材114から引き離す。従って、いわゆるクラッチが切れた状態となる。
この状態でモータ110が回転すると摺動部113D、115Bが摺動するが、クラッチが切れて従動側の負荷が無いので、摺動抵抗による損失は問題とならない。
一方、カム部材116を回してカム部材116のカム部116Cと解除部材115のカム部115Cの山と谷とが合わさった状態においては、解除部材115は従動側の歯車121の方向に移動する。これにより、駆動側係合部材113が係合部材付勢バネ112の弾性力により押圧され、従動側係合部材114とかみ合う。従って、クラッチがつながり、回転が伝達される。
尚、例えば上述の待機状態、フルカラー状態、モノカラー状態の3つの状態に切り替えるのと連動して、使用する現像装置の現像ローラ40を回転させ、使用しない現像装置の現像ローラ40を停止させることができる。この場合、カム部材116及び解除部材115のカム形状を、ブラック用と他の色用とで異ならせることができる。例えば、ブラック用のカムは、図11に示すように、カム部材116、解除部材115のカム形状はいずれも、1つの頂点に向けて高さが徐々に高くなる形状とする。斯かる形状とすることにより、ホームポジションにおいては山の頂点と頂点とが当接してクラッチが切れ、そこからカム部材116をどちらの方向に回してもクラッチがつながる。他の色のカム形状については、図13に示すように、例えば、カム部材116のカム形状はブラック用と同じとしつつ、解除部材115のカム形状は次のようにする。即ち、片側はブラック用と同様の斜面を有するが、もう片側は頂点と同じ高さの平坦部とする。斯かる形状とすることにより、ホームポジションではクラッチが切れており、そこからカムの山と谷とが当接する方向にカム部材116を回すとクラッチがつながるが、反対側に回してもクラッチは切れたままである。このような構成にすれば、ホームポジションを基準として、全てのクラッチCLをつなげたフルカラープリント状態、ブラックのクラッチCLdだけをつなげたモノカラー状態を簡単に設定することが可能となる。
又、図9に示すように、現像装置4の駆動系のクラッチCLと離間板80を動かすカム93との切替動作は、切替板91を1つの切替モータ90で上下動させて行うことができる。これにより、切替モータ90の回転方向及び回転量、カム93のプロフィールを適宜設定することで、現像ローラ40の感光体ドラム1に対する当接又は離間の状態、現像ユニット4の駆動又は停止の状態を連動して切り替えることができる。本発明においては、この切替動作自体は適宜任意に行うことができるので、これ以上の説明は省略する。
ここで、カム部材116のカム部116Cと解除部材115のカム部115Cの山と山とが合わさった状態が、クラッチが切れた状態である。そして、この状態から、カム部材116が回転して、カム部材116のカム部116Cと解除部材115のカム部115Cの山と谷とが合わさった状態とすることで、クラッチがつながった状態に切り替わる。このときに、解除部材115は、係合部材付勢バネ112の付勢力によってカム部材116に衝突する。その衝撃によって、画像形成上もっとも重要な感光体ドラム1の回転を不安定にさせる可能性がある。
従って、本実施例の目的の一つは、感光体ドラム1と現像装置4とを1つのモータ110で駆動し、現像装置4の駆動系に機械式クラッチCLを設けた構成で、機械式クラッチCLの連結又は解除時の衝撃による感光体ドラム1の駆動への影響を抑制することである。又、本実施例の他の目的の一つは、インラインカラー画像形成装置において特に有効な、駆動側が回転中であっても安定した回転を伝達することが可能な、小型で低コストな機械式クラッチCLを採用した駆動装置100を提供することである。
そこで、本実施例では、解除部材115とカム部材116の少なくとも一方において、少なくとも解除部材115とカム部材116とが互いに近づくように解除部材115が軸方向に移動した際に衝突する箇所を、弾性部材で構成する。
例えば、解除部材115のカム部115Cがカム部材116のカム部116Cのカム面に沿って滑り下り、解除部材115のカム部115Cの山の頂点115Dが、カム部材116Cのカム部116Cの隆起開始点近傍の基底部116Eに衝突する。この場合、少なくとも解除部材115のカム部115Cの上記頂点115D、カム部材116の上記基底部116Eの少なくとも一方を弾性部材で構成する。これにより、解除部材115とカム部材116との衝突による衝撃を緩和することができる。或いは、カム部材116のカム部116Cが解除部材115のカム部115Cのカム面に沿って滑り下り、カム部材116のカム部116Cの山の頂点116Dが、解除部材115のカム部115Cの隆起開始点近傍の基底部115Eに衝突する。この場合、少なくともカム部材116のカム部116Cの上記頂点116D、解除部材115の上記基底部115Eの少なくとも一方を弾性部材で構成する。これにより、解除部材115とカム部材116との衝突による衝撃を緩和することができる。典型的には、カム部材116と解除部材115の少なくとも一方の全体を弾性部材で形成することができる。カム部材116と解除部材115の両方の全体を弾性部材で形成してもよい。
弾性部材の材料としては、エラストマー、例えば、熱可塑性ポリエーテルエステルエラストマーなどの熱可塑性エラストマーなどを用いることができる。
このように、本実施例では、駆動装置100は、第1の被駆動部材1と第2の被駆動部材40とを1つの駆動源で回転駆動し、第2の被駆動部材40への駆動を連結又は解除するクラッチCLを有する。そして、クラッチCLは、従動側の回転軸に対し駆動源側からの駆動を伝達する駆動部材111と、駆動部材111と同期して回転し、軸方向に移動可能な駆動側係合部材113と、を有する。又、クラッチCLは、従動側の回転軸に固定され、駆動側係合部材113と係合する従動側係合部材114と、駆動側係合部材113を従動側係合部材114とかみ合う方向に付勢する付勢手段112と、を有する。又、クラッチCLは、駆動側係合部材113を軸方向に移動させて駆動側係合部材113と従動側係合部材114との係合又は解除を行う、カム面が設けられた解除部材115と、解除部材115のカム面と係合するカム面が設けられたカム部材116と、を有する。そして、本実施例では、解除部材115とカム部材116の少なくとも一方において、少なくとも解除部材115とカム部材116とが互いに近づくように解除部材115が軸方向に移動した際に衝突する箇所が、弾性部材で構成されている。
これにより、簡易な構成で、解除部材115とカム部材116との衝突による衝撃を緩和し、安定した状態で感光体ドラム1の回転駆動を行うことができる。従って、画像上の筋などの不具合の発生の可能性を低減することが可能になる。
以上、本実施例によれば、感光体ドラム1と現像装置4を1つのモータ110で駆動させ、機械式クラッチCLで現像装置4の回転及び停止を制御する。これにより、低コストで小型で現像剤の消耗や劣化をより抑制することを実現することができる。しかも、本実施例によれば、機械式クラッチCLの連結又は解除時の衝突に衝撃を緩和して、その衝突に起因する画像不良の発生の可能性を低減することができる。
実施例2
次に、本発明の他の実施例について説明する。本実施例の駆動装置及び画像形成装置において、実施例1のものと同一又はそれに相当する機能、構成を有する要素には同一符号を付して、詳しい説明は省略する。
次に、本発明の他の実施例について説明する。本実施例の駆動装置及び画像形成装置において、実施例1のものと同一又はそれに相当する機能、構成を有する要素には同一符号を付して、詳しい説明は省略する。
図14は、本実施例に係る駆動装置100が備える機械式クラッチCLの連結又は解除時の状態を示す模式的な断面図である。図15は、本実施例に係る駆動装置100が備える機械式クラッチCLの一具体例の分解斜視図である。
本実施例では、カム部材116と解除部材115との衝突による衝撃を緩和する別の方法を用いる。
本実施例では、解除部材115とカム部材116の少なくとも一方において、少なくとも解除部材115とカム部材116とが互いに近づくように解除部材115が軸方向に移動した際に衝突する箇所の上記近づく方向における後方に空壁を設ける。即ち、上記衝突する箇所の上記近づく方向における後方の壁に開口部(肉抜き部)を設けて中空とする。
例えば、解除部材115のカム部115Cがカム部材116のカム部116Cのカム面に沿って滑り下り、解除部材115のカム部115Cの山の頂点115Dが、カム部材116Cのカム部116Cの隆起開始点近傍の基底部116Eに衝突する。この場合、少なくとも解除部材115のカム部115Cの上記頂点115D、カム部材116の上記基底部116Eの少なくとも一方の後方に空壁を設ける。これにより、その空壁の前方の上記頂点115Dや上記基底部116Eが衝突により撓む(弾性変形する)ことによって、解除部材115とカム部材116との衝突による衝撃を緩和することができる。或いは、カム部材116のカム部116Cが解除部材115のカム部115Cのカム面に沿って滑り下り、カム部材116のカム部116Cの山の頂点116Dが、解除部材115Cのカム部115Cの隆起開始点近傍の基底部115Eに衝突する。この場合、少なくともカム部材116のカム部116Cの上記頂点116D、解除部材115の上記基底部115Eの少なくとも一方の後方に空壁を設ける。これにより、その空壁の前方の上記頂点116Dや上記基底部115Eが衝突により撓む(弾性変形する)ことによって、解除部材115とカム部材116との衝突による衝撃を緩和することができる。
即ち、本実施例では、解除部材115とカム部材116の少なくとも一方において、少なくとも解除部材115とカム部材116とが互いに近づくように解除部材115が軸方向に移動した際に衝突する箇所の上記近づく方向における後方に空壁が設けられている。
図14、図15に示すように、本実施例では、解除部材115のカム部115Cの頂点115Dの後方を空壁、即ち、開口部(肉抜き部)115Fが設けられた中空の壁とする。
このように、カム部材116と解除部材115の少なくとも一方に空壁を設けることで、簡易な構成で、解除部材115とカム部材116との衝突による衝撃を緩和し、安定した状態で感光体ドラム1の回転駆動を行うことができる。従って、画像上の筋などの不具合の発生の可能性を低減することが可能になる。
実施例3
次に、本発明の更に他の実施例について説明する。本実施例の駆動装置及び画像形成装置において、実施例1のものと同一又はそれに相当する機能、構成を有する要素には同一符号を付して、詳しい説明は省略する。
次に、本発明の更に他の実施例について説明する。本実施例の駆動装置及び画像形成装置において、実施例1のものと同一又はそれに相当する機能、構成を有する要素には同一符号を付して、詳しい説明は省略する。
図16は、本実施例に係る駆動装置100が備える機械式クラッチCLの連結又は解除時の状態を示す模式的な断面図である。図17は、本実施例に係る駆動装置100が備える機械式クラッチCLの一具体例の分解斜視図である。
本実施例では、カム部材116と解除部材115との衝突による衝撃を緩和する更に別の方法を用いる。
本実施例では、解除部材115とカム部材116との間に、第2の付勢手段としての弾性部材である圧縮コイルバネで構成された緩衝バネ123を設ける。緩衝バネ123は、第1の付勢手段としての係合部材付勢バネ112の付勢方向と反対方向に解除部材115を付勢し、その付勢力は係合部材付勢バネ112の付勢力よりも小さい。
例えば、図17に示すように、解除部材115、カム部材116のカム部115C、116Cの半径方向内側に緩衝バネ123を設けることができる。或いは、解除部材115、カム部材116のカム部115C、116Cの半径方向外側に緩衝バネ123を設けることもできる。
即ち、本実施例では、クラッチCLは、駆動側係合部材113を従動側係合部材114とかみ合う方向に付勢する第1の付勢手段112と、解除部材115とカム部材116との間に設けられた第2の付勢手段123と、を有する。第2の付勢手段123は、第1の付勢手段112の付勢方向と反対方向に解除部材115を付勢し、その付勢力が第1の付勢手段112の付勢力よりも小さい。
このように、カム部材116と解除部材115との間に係合部材付勢バネ112の付勢力と反対方向の付勢力が働くように緩衝バネ123を設け、その緩衝バネ123の付勢力を係合部材付勢バネ112の付勢力よりも小さくする。これにより、緩衝バネ123が、解除部材115のカム部115Cがカム部材116のカム部16Cのカム斜面に常に沿って移動することを阻害することはない。そのため、本実施例の構成によっても、簡易な構成で、解除部材115とカム部材116との衝突による衝撃を緩和し、安定した状態で感光体ドラム1の回転駆動を行うことができる。従って、画像上の筋などの不具合の発生の可能性を低減することが可能になる。
1 感光体ドラム
4 現像装置(現像ユニット)
100 駆動装置
110 モータ(駆動源)
112 係合部材付勢バネ(第1の付勢手段)
115 解除部材
115C 解除部材のカム部
115F 開口部(肉抜き部)
123 緩衝バネ(第2の付勢手段)
116 カム部材
116C カム部材のカム部
A 画像形成装置
B 装置本体
4 現像装置(現像ユニット)
100 駆動装置
110 モータ(駆動源)
112 係合部材付勢バネ(第1の付勢手段)
115 解除部材
115C 解除部材のカム部
115F 開口部(肉抜き部)
123 緩衝バネ(第2の付勢手段)
116 カム部材
116C カム部材のカム部
A 画像形成装置
B 装置本体
Claims (5)
- 第1の被駆動部材と第2の被駆動部材とを1つの駆動源で回転駆動し、前記第2の被駆動部材への駆動を連結又は解除するクラッチを有する駆動装置において、
前記クラッチは、
従動側の回転軸に対し前記駆動源側からの駆動を伝達する駆動部材と、
前記駆動部材と同期して回転し、軸方向に移動可能な駆動側係合部材と、
従動側の回転軸に固定され、前記駆動側係合部材と係合する従動側係合部材と、
前記駆動側係合部材を前記従動側係合部材とかみ合う方向に付勢する付勢手段と、
前記駆動側係合部材を軸方向に移動させて前記駆動側係合部材と前記従動側係合部材との係合又は解除を行う、カム面が設けられた解除部材と、
前記解除部材のカム面と係合するカム面が設けられたカム部材と、
を有し、
前記解除部材と前記カム部材の少なくとも一方において、少なくとも前記解除部材と前記カム部材とが互いに近づくように前記解除部材が軸方向に移動した際に衝突する箇所が、弾性部材で構成されていることを特徴とする駆動装置。 - 第1の被駆動部材と第2の被駆動部材とを1つの駆動源で回転駆動し、前記第2の被駆動部材への駆動を連結又は解除するクラッチを有する駆動装置において、
前記クラッチは、
従動側の回転軸に対し前記駆動源側からの駆動を伝達する駆動部材と、
前記駆動部材と同期して回転し、軸方向に移動可能な駆動側係合部材と、
従動側の回転軸に固定され、前記駆動側係合部材と係合する従動側係合部材と、
前記駆動側係合部材を前記従動側係合部材とかみ合う方向に付勢する付勢手段と、
前記駆動側係合部材を軸方向に移動させて前記駆動側係合部材と前記従動側係合部材との係合又は解除を行う、カム面が設けられた解除部材と、
前記解除部材のカム面と係合するカム面が設けられたカム部材と、
を有し、
前記解除部材と前記カム部材の少なくとも一方において、少なくとも前記解除部材と前記カム部材とが互いに近づくように前記解除部材が軸方向に移動した際に衝突する箇所の前記近づく方向における後方に空壁が設けられていることを特徴とする駆動装置。 - 第1の被駆動部材と第2の被駆動部材とを1つの駆動源で回転駆動し、前記第2の被駆動部材への駆動を連結又は解除するクラッチを有する駆動装置において、
前記クラッチは、
従動側の回転軸に対し前記駆動源側からの駆動を伝達する駆動部材と、
前記駆動部材と同期して回転し、軸方向に移動可能な駆動側係合部材と、
従動側の回転軸に固定され、前記駆動側係合部材と係合する従動側係合部材と、
前記駆動側係合部材を前記従動側係合部材とかみ合う方向に付勢する第1の付勢手段と、
前記駆動側係合部材を軸方向に移動させて前記駆動側係合部材と前記従動側係合部材との係合又は解除を行う、カム面が設けられた解除部材と、
前記解除部材のカム面と係合するカム面が設けられたカム部材と、
前記解除部材とカム部材との間に設けられた第2の付勢手段であって、前記第1の付勢手段の付勢方向と反対方向に前記解除部材を付勢し、その付勢力が前記第1の付勢手段の付勢力よりも小さい第2の付勢手段と、
を有することを特徴とする駆動装置。 - 前記第1の被駆動部材は感光体であり、前記第2の被駆動部材は現像剤担持体であることを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載の駆動装置。
- 請求項1〜4のいずれか一項に記載の駆動装置を有することを特徴とする画像形成装置。
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