JP2014015365A - 医薬品容器用ガラス及びこれを用いたガラス管 - Google Patents

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Abstract

【課題】アルカリ金属成分の溶出がなく、尚且つ、傷が付き難く、割れにくいガラスを提供する。
【解決手段】本発明の医薬品容器用ガラスは、アルカリ金属成分を含有することなく、ガラス組成として、質量%で、SiO 50〜70%、B 0〜15%、Al 10〜20%、MgO 0〜5%、CaO 0〜10%、SrO 0〜10%、BaO 0〜10%を含有することを特徴とする。
【選択図】なし

Description

本発明は、医薬品容器を製造するために用いられるガラスおよびガラス管に関する。
従来、医薬品を保管する充填容器の材料として種々のガラスが用いられている。医薬品は大別して経口剤と注射剤とに区分され、その充填容器に用いられるガラスの種別は当該区分に応じて選択されている。
経口剤は、ドリンク剤、錠剤等種々の形態で容器に充填される。これらの経口剤は、消化器官を経て体内へ吸収されるものであるため、多くの場合、要求される管理品質が注射剤ほど高くなく、保存容器に求められる品位も高くない。したがって、経口剤の充填容器は、経口剤と空気中の水分や酸素、あるいは紫外線を遮断できれば良く、一般的に、安価なソーダ石灰ガラスが用いられている。
一方、注射剤は、血管等から直接体内へ投与されるため、その充填容器には非常に厳しい品位が要求される。具体的には、充填された薬剤の変質等を防ぐため、空気中の水分や酸素、紫外線を遮断するだけでなく、容器を構成するアルカリ金属等の成分が薬剤へ溶出し難いことが求められる。このような要求から、注射剤の充填容器の材料としては、従来、ホウケイ酸ガラスが多く用いられている(例えば、特許文献1)。特許文献1に開示されるホウケイ酸ガラスは、ソーダ石灰ガラス等に比べてガラス中のアルカリ金属成分が溶出し難く、充填される薬剤を変質させ難い。
特開平7−206472号公報
医薬品容器用ガラスには、上記要件以外にも高い性能が要求されている。例えば、安全性や破損時の損失コスト等の観点から、医薬品容器用ガラスは高い機械的強度を有することが好ましい。一般的にガラスは、傷が入ると機械的強度が著しく低下することが知られている。そして、従来のアンプル、バイアル、プレフィルドシリンジ、カートリッジ等の注射剤容器には、容器加工、検査、輸送、薬剤充填等の各工程で傷が付くことがあり、容器の強度低下原因となっている。
このような問題を鑑み、本発明の目的は、充填された薬剤に影響を与えるアルカリ金属成分の溶出量が少なく、尚且つ、傷が付き難く、割れにくいガラスおよびガラス管を提供することである。
本発明者等は、鋭意検討を行なった結果、ガラス組成を所定範囲に規制することにより、上記技術的課題を解決し得ることを見出し、本発明として提案するものである。すなわち、本発明の医薬容器用ガラスは、ガラス組成として、質量%で、SiO 50〜70%、B 0〜15%、Al 10〜20%、MgO 0〜5%、CaO 0〜10%、SrO 0〜10%、BaO 0〜10%を含み、アルカリ金属成分を含有しないことを特徴とする。なお、「アルカリ金属成分を含有しない」とは、含有するアルカリ金属成分の合量LiO+NaO+KOが0.1%未満であることを指す。
第二に、本発明の医薬容器用ガラスは、クラック抵抗の値が700gf以上であることが好ましい。クラック抵抗とは、ガラスの傷つきやすさの指標である。より詳細には、クラック抵抗とはビッカ−ス圧子を種々の荷重で15秒間押し付け、ダイアモンド圧子を除いて15秒までに圧痕の四隅から発生するクラック数をカウントした場合に、最大発生しうるクラック数(4ケ)に対する割合が50%になるときの荷重を示す。
第三に、本発明の医薬容器用ガラスは、液相粘度が104.5dPa・s以上であることが好ましい。ここで、液相粘度とは、液相温度におけるガラスの粘度を白金球引き上げ法で測定した値を指す。液相温度とは、標準篩30メッシュ(500μm)を通過し、50メッシュ(300μm)に残るガラス粉末を白金ボートに入れ、温度勾配炉中に24時間保持した後、結晶の析出する温度を測定した値を指す。
第四に、本発明の医薬容器用ガラスは、30〜380℃における熱膨張係数が30〜45×10−7/℃であることが好ましい。
第五に、本発明の医薬容器用ガラスは、ヨーロッパ薬局方第7.0版 3.2に記載の耐水性試験方法に基づいて測定したアルカリ溶出試験における中和滴定で使用される塩酸消費量が0.03ml/g・glass以下であることが好ましい。当該塩酸消費量はガラスのアルカリ溶出量に比例し、塩酸消費量が少ないほどガラスのアルカリ溶出量が少ないと言える。
第六に、本発明の医薬容器用ガラスSnOを0.1〜1%さらに含有することが好ましい。
第七に、本発明のガラス管は上記医薬容器用ガラスから成ることが好ましい。
本発明の医薬容器用ガラスによれば、アルカリ金属成分の溶出量を抑制しつつ、従来品に比べて傷が付き難く、割れ難いガラスを得ることができる。より詳細には、本発明の医薬容器用ガラスは、実質的にアルカリ金属酸化物を含まないため、薬剤へのアルカリ溶出を抑制することができる。したがって、本発明の医薬容器用ガラスを薬剤充填容器として用いた場合、アルカリ溶出による薬剤の変質を抑制し、薬剤の品質を良好に保つことができる。さらに、本発明の医薬容器用ガラスは、上記組成を有することから高いクラック抵抗を有する。したがって、本発明の医薬容器用ガラスは、傷がつきにくく、破損し難い。
本発明の医薬容器用ガラスは、ガラス組成として、質量%で、SiO 50〜70%、B 0〜15%、Al 10〜20%、MgO 0〜5%、CaO 0〜10%、SrO 0〜10%、BaO 0〜10%を含み、実質的にアルカリ金属酸化物を含まない。上記のように各成分の含有範囲を限定した理由を以下に説明する。なお、以下の組成範囲の説明において、%表示は、特に断りがある場合を除き、質量%を表す。
SiOは、ガラスのネットワークを形成する成分であり、SiOの含有量は50〜70%である。SiOの含有量が50%より少ないと、ガラスの耐水性が悪くなったりクラック抵抗が低くなったりする傾向がある。SiOの含有量が70%より多くなると、溶融性、成形性が低下し易くなる。SiOの含有量の好ましい範囲は55〜70%、更に好ましくは、55〜68%、もっとも好ましくは57〜65%である。
は、ガラスのネットワークを形成する成分であり、Bの含有量は0〜15%である。Bの含有量が15%より多くなると、温度変化量に対する粘度変化量が大きくなり、ガラスを成形し難くなる。また、Bの含有量が15%より多くなると、ガラス原料を溶融する際に溶融窯表面から揮発する成分量が増加してガラスにブツ等の欠陥が発生し易くなる。Bの含有量の好ましい範囲は0〜13%、更に好ましくは3〜13%、もっとも好ましくは5〜12%である。
Alも、ガラスのネットワークを形成する成分であり、Alの含有量は10〜25%である。Alの含有量が10%より少ないと、ガラスの耐水性が悪くなる傾向がある。Alの含有量が25%より多くなるとガラスの粘度が上昇し、ガラスを溶融する温度や成形する温度が高くなるため、製造エネルギーコストが高くなるという問題が生じる。Alの含有量の好ましい範囲は12〜23%、更に好ましくは13〜22%、もっとも好ましくは15〜20%である。
MgOは、ガラスの熱膨張係数を調整し、また、高温粘度を低下させる成分である。MgOの含有量は0〜5%である。MgOの含有量が5%より多くなると、クラック抵抗が低くなり、ガラスが割れ易くなる。また、MgOの含有量が5%より多くなると、熱膨張係数が高くなるため、ガラスの製造工程等でサーマルショックにより破損する可能性が高くなる。MgOの含有量の好ましい範囲は0〜4%、更に好ましくは0〜3%である。
CaOは、ガラスの熱膨張係数を調整し、また、高温粘度を低下させる成分である。CaOの含有量は0〜10%である。CaOの含有量が10%より多くなると、クラック抵抗が低くなり、ガラスが割れ易くなる。また、CaOの含有量が10%より多くなると、熱膨張係数が高くなるため、ガラス製造工程でのサーマルショックにより破損する可能性が高くなる。CaOの含有量の好ましい範囲は2〜10%、更に好ましくは3〜10%、もっとも好ましくは3〜8%である。
SrOは、ガラスの熱膨張係数を調整し、また、高温粘度を低下させる成分である。SrOの含有量は0〜10%である。SrOの含有量が10%より多くなると、クラック抵抗が低くなり、ガラスが割れ易くなる。また、SrOの含有量が10%より多くなると、熱膨張係数が高くなるため、ガラス製造工程でのサーマルショックにより破損する可能性が高くなる。SrOの含有量の好ましい範囲は0〜8%、更に好ましくは0.5〜8%である。
BaOは、ガラスの熱膨張係数を調整し、また、高温粘度を低下させる成分である。BaOの含有量は0〜10%である。BaOの含有量が10%より多くなると、クラック抵抗が低くなり、ガラスが割れ易くなる。また、BaOの含有量が10%より多くなると、熱膨張係数が高くなるため、ガラス製造工程でのサーマルショックにより破損する可能性が高くなる。BaOの含有量の好ましい範囲は0〜8%、更に好ましくは0〜7%、もっとも好ましくは0.5〜6%である。
本発明の医薬品用ガラスは、上記成分以外に、ZnO、Sb、As、SnO、Cl、F等の成分をさらに含有して良い。
ZnOは、ガラスの熱膨張係数を調整し、また、高温粘度を低下させる成分であり、ZnOの含有量は好ましくは0〜5%である。ZnOの含有量が5%より多くなると、クラック抵抗が低くなり、ガラスが割れ易くなる。また、ZnOの含有量が5%より多くなると、熱膨張係数が高くなるため、ガラス製造工程でのサーマルショックにより破損する可能性が高くなる。ZnOの含有量の、より好ましい範囲は0〜4%、更に好ましくは0〜3%、もっとも好ましくは0〜2%である。
SbとAsは、ガラス溶融時の清澄性(泡切れ)を向上する成分であり、SbとAsの含有量は各々好ましくは0〜1%である。SbとAsの含有量が1%より多くなると、ガラスの加工時にSbやAsが還元してコロイドとして析出し、ガラスが着色してしまうおそれがある。SbとAsの含有量の、より好ましい範囲は0〜0.8%、更に好ましくは0〜0.6%、もっとも好ましくは0〜0.5%である。
SnOは、ガラス溶融時の清澄性を向上する成分であり、SnOの含有量は好ましくは0〜1%である。SnOの含有量が1%より多くなると、ガラスの加工時にSnが還元してコロイドとして析出し、ガラスが着色してしまうおそれがある。SnOの含有量の、より好ましい範囲は0.1〜0.5%、更に好ましくは0.1〜0.3%、もっとも好ましくは0.1〜0.3%である。
Clは、ガラス製造時の清澄性を向上する成分であり、Clの含有量は好ましくは0〜1%である。Clの含有量が1%より多くなると、ガラスの生産時に蒸発したClが水分と反応して、生産設備の金属を侵食する可能性がある。Clの含有量の、より好ましい範囲は0〜0.5%、更に好ましくは0〜0.3%、もっとも好ましくは0.01〜0.3%である。
Fは、ガラス溶融時の清澄性を向上する成分であり、Fの含有量は好ましくは0〜1%である。Fは、環境負荷が高い物質であるため、できる限り使用量を抑制することが好ましい。Fの含有量の、より好ましい範囲は0〜0.5%、更に好ましくは0〜0.3%、もっとも好ましくは0〜0.2%である。
上記の成分以外にも、本発明の効果を大幅に損なわない限り、他の成分を添加しても良い。例えば耐熱性を向上させるためにZrOを0〜5%、紫外線を遮蔽するためにTiOを0〜5%添加してもよい。
本発明の医薬容器用ガラスのクラック抵抗の値は、好ましくは700gf以上、より好ましくは800gf以上、更に好ましくは900gf以上、もっとも好ましくは1000gf以上である。クラック抵抗の値は、ガラスの傷つきやすさを表す数値である。クラック抵抗値が700gfより低いとガラスを成形する際、および、ガラスからアンプル、バイアル、プレフィルドシリンジ等の容器を加工ならびに製造する際に傷がつき易くなり、ガラスの機械的強度が低下し易くなる。
本発明の医薬容器用ガラスの液相粘度は104.5dPa・s以上であることが好ましい。液相粘度は、より好ましくは104.8dPa・s以上、更に好ましくは105.0dPa・s以上、もっとも好ましくは105.3dPa・s以上である。液相粘度が104.5dPa・sより低いとダンナー法等を用いたガラスの成形が困難となるため、本発明の医薬容器用ガラス管を大量且つ安価に製造することが困難となる。
本発明の医薬容器用ガラスは、30〜380℃における熱膨張係数が30〜45×10−7/℃であることが好ましい。熱膨張係数はディラトメーターを使用して測定を行った値を指す。熱膨張係数は、より好ましくは30〜40×10−7/℃、さらに好ましくは30〜38×10−7/℃、もっとも好ましくは32〜38×10−7/℃である。熱膨張係数が30×10−7/℃より低くなると、ガラスの粘度が上昇する傾向があり、溶融温度や成形温度が上昇してガラスを製造し難くなる。また、熱膨張係数が45×10−7/℃より高くなると、ガラスの製造工程、加工工程、滅菌工程等でサーマルショックにより破損する可能性が高くなる。
本発明の医薬容器用ガラスは、ヨーロッパ薬局方第7.0版 3.2(European Pharmacopeia 7.0 3.2 Containers, 3.2.1 Glass containers for pharmaceutical us, Test B. Hydrolytic resistance of glass grains)に記載の耐水性試験における中和滴定で使用される塩酸消費量が0.03ml/g・glass以下であることが好ましい。塩酸消費量が0.03ml/g・glassより多いと、すなわちガラスからのアルカリ溶出量が多いと、医薬容器用ガラスを医薬品容器として用いた場合に、充填された薬剤が変質し易くなる傾向がある。したがって、上記塩酸消費量は、より好ましくは、0.02ml/g・glass以下、もっとも好ましくは0.01ml/g・glass以下である。
本発明の医薬容器用ガラス管の製造方法を例示する。本発明の医薬容器用ガラス管の製造方法としてはダンナー法が好適である。先ず、上記ガラス組成になるように、ガラス原料を調合して、ガラスバッチを作製する。次いで、このガラスバッチを1550〜1700℃の溶融窯に連続投入して溶融、清澄した後、得られた溶融ガラスを回転する耐火物上に巻きつけながら、耐火物先端部からエアを吹き出しつつ、当該先端部からガラス管を引き出す。なお、本発明の医薬容器用ガラス管の製造方法はダンナー法に限らず、従来周知の任意の手法を用いて良い。例えば、ベロー法も本発明の医薬容器用ガラス管の製造方法として有効な方法である。
以下、実施例に基づいて、本発明を詳細に説明する。なお、以下の実施例は単なる例示であり、本発明は、以下の実施例に何ら限定されない。表1は、本発明の実施例(試料No.1〜7)及び比較例(試料No.8)を示している。
まず表1に記載のガラス組成になるように、ガラス原料を調合した後、得られたガラスバッチを白金坩堝に入れて1600〜1700℃で4時間溶融した。次に、得られた溶融ガラスをカーボン板の上に流し出して板状に成形した後、所定のアニール処理(650℃に設定した電気炉内で炉冷)を行った。最後に、得られたガラス試料について、種々の特性を評価した。
熱膨張係数は、ディラトメーターを用いて、30〜380℃の温度範囲における平均線熱膨張係数を測定した値である。
歪点、徐冷点は、ASTM C336の方法に基づいて測定した値である。
軟化点は、ASTM C338の方法に基づいて測定した値である。
高温粘度104.0dPa・sにおける温度T104.0、103.0dPa・sにおける温度T103.0、102.5dPa・sにおける温度102.5は、各々白金球引き上げ法で測定した値である。
液相温度は、標準篩30メッシュ(500μm)を通過し、50メッシュ(300μm)に残るガラス粉末を白金ボートに入れ、温度勾配炉中に24時間保持した後、結晶の析出する温度を測定した値を指す。
液相粘度は、液相温度におけるガラスの粘度を白金球引き上げ法を用いて測定した値である。
耐水性試験における塩酸消費量は、ヨーロッパ薬局方第7.0版 3.2(European Pharmacopeia 7.0 3.2 Containers, 3.2.1 Glass containers for pharmaceutical us, Test B. Hydrolytic resistance of glass grains)に基づいて測定した。
ガラスのクラック抵抗は、和田らが提案した方法(M.Wada et al. Proc.,the Xth ICG,vol. 11, Ceram. Soc., Japan, Kyoto, 1974, p39)によって求めた。この方法は、ビッカ−ス硬度計のステージに板状の試料ガラスを置き、この試料ガラスの表面に菱形状のダイアモンド圧子を種々の荷重で15秒間押し付けるものである。そして、ダイアモンド圧子を除いて15秒までに圧痕の四隅から発生するクラック数をカウントし、最大発生しうるクラック数(4ケ)に対する割合を求めクラック発生率とした。また、クラック発生率が50%になるときの荷重を「クラック抵抗」とした。クラック抵抗が大きいほどクラックが発生しにくく、ガラスに傷がつきにくいことを示す。なお、クラック発生率は、同一荷重で20回測定し、その平均値から求めた。また、クラック抵抗は、湿度の影響を受けるため、気温25℃、湿度30%の条件で測定を行った。
表1に示すように、試料No.1〜7は、塩酸消費量が0.01ml/g・glass以下であり、アルカリ溶出が少ないガラスであった。一方、試料No.8は、塩酸消費量が0.04ml/g・glassであり、アルカリ溶出が多いガラスであった。また、試料No.1〜7は、クラック抵抗が1000gf以上であり、傷が付き難いガラスであった。一方、試料No.8は、クラック抵抗が600gfであり、傷がつき易いガラスであった。
本発明の医薬品容器用ガラス管は、医薬品容器の材料等として有用である。

Claims (7)

  1. 質量%で、SiO 50〜70%、B 0〜15%、Al 10〜20%、MgO 0〜5%、CaO 0〜10%、SrO 0〜10%、BaO 0〜10%を含有し、アルカリ金属酸化物を実質的に含まないことを特徴とする医薬品容器用ガラス。
  2. クラック抵抗値が700gf以上であることを特徴とする、請求項1に記載の医薬品容器用ガラス。
  3. 液相粘度が104.5dPa・s以上であることを特徴とする、請求項1または2に記載の医薬品容器用ガラス。
  4. 30〜380℃における熱膨張係数が30〜45×10−7/℃であることを特徴とする請求項1〜3の何れかに記載の医薬品用ガラス。
  5. ヨーロッパ薬局方第7.0版 3.2に記載の耐水性試験における中和滴定で使用される塩酸消費量が0.03ml/g・glass以下であることを特徴とする、請求項1〜4の何れかに記載の医薬品用ガラス。
  6. さらにSnOを0.1〜1%含有することを特徴とする請求項1〜5の何れかに記載の医薬品容器用ガラス。
  7. 請求項1から6の何れかに記載の医薬品容器用ガラスからなるガラス管。
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