以下、本発明の実施の形態について、図面を参照しながら説明する。
(実施の形態)
以下、図面を参照して、本発明による遊技機の実施形態について説明する。なお、実施形態の説明における前後左右とは、遊技盤に向かって見た方向(遊技者から見た方向)を指すものとする。ここでは、前後方向、左右方向、及び上下方向をそれぞれZ軸、X軸、及びY軸とする。Z軸は前向きをプラス方向とし、X軸は右向きをプラス方向とし、Y軸は上向きをプラス方向とする。XYZ軸は直交座標軸である。
図1を参照して、本発明の実施の形態における遊技機1について説明する。
遊技機1は、島設備に固定される本体枠2にヒンジ3を介して右側部が開閉回動自在に取り付けられる開閉枠4を備える。開閉枠4は、前面枠5及びガラス枠6によって構成される。
前面枠5には、遊技盤30(図2参照)が配設されるとともに、遊技盤30の前面を覆うカバーガラス6aを備えたガラス枠6が取り付けられる。前面枠5及びガラス枠6は、それぞれ個別に開放することが可能となっている。例えば、ガラス枠6のみを開放して遊技盤30の遊技領域31(図2参照)にアクセスすることができる。また、前面枠5をガラス枠6が開放されていない状態で開放することによって、遊技盤30の裏側に配置された遊技制御装置600(図3参照)等にアクセスすることができる。
ガラス枠6のカバーガラス6aの周囲には、装飾部材7が配設されている。装飾部材7の内部にはLED等によって構成された枠装飾装置21(図4参照)が収容されており、枠装飾装置21を制御することによって装飾部材7における発光状態を調整することができる。
ガラス枠6の上部には照明ユニット8が配設され、照明ユニット8の左右両側には可動式照明9が配設される。照明ユニット8は、内部にLED等の照明部材を収容しており、遊技状態に応じて発光演出を行う。可動式照明9は、LED等の照明部材と、照明部材を駆動する照明駆動モータ等から構成される枠演出装置22(図4参照)とを備える。可動式照明9の枠演出装置22は、遊技状態に応じて照明部材を駆動(例えば回転駆動)するように制御される。なお、照明ユニット8及び可動式照明9の内部に配設される照明部材も、枠装飾装置21(図4参照)の一部を構成している。
遊技機1は、効果音や警報音、報知音等を発する上スピーカ10a及び下スピーカ10bを備える。上スピーカ10aはガラス枠6の上両側部に配置され、下スピーカ10bは上皿ユニット11を構成する上皿11aの下方に配置される。
左側部に配設される可動式照明9の右上方には、遊技機1における異常を報知するための遊技状態報知LED12が設けられている。遊技機1において異常が発生した場合には、遊技状態報知LED12が点灯又は点滅するとともに、上スピーカ10a及び下スピーカ10bから異常を報知するための報知音が出力される。
遊技機1で発生する異常には、遊技機1の故障及び不正行為の実施等が含まれる。不正行為には、例えば、発射された遊技球の軌道を磁石によって不正に操作する行為や遊技機1を振動させる行為等が含まれる。これらの不正行為は、磁気センサスイッチ23(図3参照)によって磁気を検出したり、振動センサスイッチ24(図3参照)によって振動を検出したりすることで検知される。
また、不正に開閉枠4を開放する行為も不正行為に含まれる。前面枠5の開閉状態は前面枠開放検出スイッチ25(図3参照)によって検出され、ガラス枠6の開閉状態はガラス枠開放検出スイッチ26(図3参照)によって検出される。
ガラス枠6の下部には、上皿11aを含む上皿ユニット11が備えられる。上皿11aに貯留された遊技球は、前面枠5の下部に設けられた打球発射装置(図示省略)に供給される。
ガラス枠6の下方位置であって前面枠5に固定される固定パネル13には、下皿14と、打球発射装置を駆動するための操作部15とが備えられる。遊技者が操作部15を回動操作することによって、打球発射装置は上皿11aから供給された遊技球を遊技盤30の遊技領域31(図2参照)に発射する。下皿14には、当該下皿14に貯留された遊技球を外部へ排出するための球抜き機構16が設けられる。
上皿ユニット11には、遊技者からの操作入力を受け付けるための演出ボタン17が上皿11aの手前側に配設されている。遊技者が演出ボタン17を操作することによって、表示装置35(図2参照)での変動表示ゲームにおいて遊技者の操作を介入させた演出を行うことができ、また通常遊技状態においては演出パターン(演出態様)を変更することができる。変動表示ゲームには、特図変動表示ゲームと普図変動表示ゲームが含まれ、本明細書では単に変動表示ゲームとした場合には特図変動表示ゲームを指すものとする。
なお、通常遊技状態とは、特定の遊技状態が発生していない遊技状態である。特定の遊技状態とは、例えば変動表示ゲームの抽選確率が高い確率の確変状態、変動表示ゲームの単位時間当たりの実行数を向上させることが可能な時短状態、大当り遊技状態(特別遊技状態)、又は小当り遊技状態等である。
また、変動表示ゲームが開始された後、演出ボタン17の操作を促進するための操作促進演出が実行され、操作促進演出が実行されている間に演出ボタン17を操作することによって、始動記憶に対応する変動表示ゲームの結果を事前に予告する予告演出等を実行することができる。本実施形態では、演出ボタン17の操作内容を反映させた演出を実行する。
ガラス枠6の装飾部材7の下部には、遊技者が遊技球を借りる場合に操作する球貸ボタン18と、カードユニット(図示省略)からプリペイドカード等を排出させるために操作される排出ボタン19とが配設される。また、球貸ボタン18及び排出ボタン19の間には、プリペイドカード等の残高を表示する残高表示部20が設けられる。
図2を参照して、遊技機1に配設される遊技盤30について説明する。図2は、本発明の実施の形態の遊技機1に備えられる遊技盤30の正面図である。
遊技盤30は、合板やプラスチック等からなる矩形状の遊技盤本体32の表面に、区画部材としてのガイドレール33を設けることで、略円形状の遊技領域31を区画形成している。そして、このガイドレール33で囲まれた遊技領域31内に打球発射装置から遊技球を発射して遊技を行うようになっている。遊技領域31には、打球方向変換部材としての風車や多数の障害釘などが配設されており、発射された遊技球はこれらの打球方向変換部材により転動方向を変えながら遊技領域31を流下する。
遊技領域31の略中央には、変動表示ゲームの表示領域となる窓部を形成するセンターケース34が取り付けられている。センターケース34に形成された窓部の後方には、複数の識別情報を変動表示(可変表示)する変動表示ゲームの演出を実行可能な演出表示装置としての表示装置35が配置されている。表示装置35は、例えば、液晶ディスプレイを備え、センターケース34の窓部を介して遊技盤30の前面側から表示内容が視認可能となるように配置される。なお、表示装置35は、液晶ディスプレイを備えるものに限らず、EL、CRT等のディスプレイを備えるものであってもよい。
表示画面の画像を表示可能な領域(表示領域、表示部)35aには、複数の変動表示領域が設けられており、各変動表示領域に識別情報(特別図柄)や変動表示ゲームを演出するキャラクタが表示される。その他、表示画面には遊技の進行に基づく画像(例えば、大当り表示、ファンファーレ表示、エンディング表示等)が表示される。
センターケース34の窓部の縁裏には、複数の可動役物510が格納されている。可動役物510が可動して表示領域35aの前面に移動することで、表示領域35aの分割を画面表示上だけでなく、立体的に表すことができる。すなわち、可動役物510によって表示領域35aが複数の表示領域に区分けされているように見せることができる。
センターケース34の右上方の遊技領域31には、遊技球が通過した場合に普通図柄(普図)変動表示ゲームの始動条件を成立させる普図始動ゲート36が配設される。
センターケース34の下方の遊技領域31には、遊技球の入賞に基づき第1特別図柄(第1特図)変動表示ゲームの始動条件を付与可能な第1始動入賞口37が配設される。なお、センターケース34には、遊技領域31を流下する遊技球をセンターケース34の内側に導くためのワープ通路200と、ワープ通路200を通過した遊技球が転動可能であって、転動した遊技球を第1始動入賞口37の上方の遊技領域31へと流下させるステージ部80とが設けられる。
センターケース34の右下方の遊技領域31には、遊技球の入賞に基づき第2特別図柄(第2特図)変動表示ゲームの始動条件を付与可能な第2始動入賞口(図示省略)が配設される。第2始動入賞口は装飾板39の後方に位置している。第2始動入賞口は、普図変動表示ゲームの結果が当りの場合に遊技領域31の前方に突出して、流下してくる遊技球を第2始動入賞口へと導くことが可能な可動受入部(図示省略)を備えている。可動受入部は、通常状態においては遊技盤30の裏面側に収納され、装飾板39の後方を通過する遊技球が第2始動入賞口に入賞不能な状態(遊技者にとって不利な状態)となり、遊技球は第2始動入賞口に入賞することなく下方に流下する。一方、普図変動表示ゲームの結果が当りとなった場合には、可動受入部は、普電ソレノイド27(図3参照)の駆動力に基づいて遊技領域31の前方に突出し、装飾板39の後方を通過する遊技球が第2始動入賞口に流入しやすい状態(遊技者にとって有利な状態)となる。第2始動入賞口に備えられる可動受入部は、遊技制御装置600(図3参照)によって制御される。遊技制御装置600は、入賞容易状態の発生頻度を高めたり、入賞容易状態の発生時間を長くしたりすることで、特定遊技状態としての時短状態(普電サポート状態)を発生させる。
第1始動入賞口37の左右両側の遊技領域31には、遊技球が入賞した場合に賞球を払い出す条件だけが成立する一般入賞口40が複数配設される。
第1始動入賞口37の右側方の遊技領域31には、大入賞口ソレノイド28(図3参照)によって上端側が手前側に倒れる方向に回動して開放可能になっているアタッカ形式の開閉扉41aを有する大入賞口を備えた第1変動入賞装置41が設けられる。第1変動入賞装置41は、第1特図変動表示ゲームの結果が大当りになると、大入賞口を閉じた状態(遊技者にとって不利な閉塞状態)から開放状態(遊技者にとって有利な状態)に変換し、大入賞口内への遊技球の流入を容易にさせることで、遊技者に賞球を付与するようになっている。
なお、遊技領域31には、上記した始動入賞口等のほかに、入賞せずに流下した遊技球を回収するアウト口42が配設される。
センターケース34の右側部には、第2変動入賞装置100が設けられる。第2変動入賞装置100は、装置内に受け入れた遊技球を図示しない特別入賞口又は一般入賞口に振り分け、振り分けられた遊技球が入賞した入賞口に応じて所定の遊技状態を発生可能な装置である。第2変動入賞装置100は、遊技球を受け入れる受入口101と、受入口101を開閉する開閉部102とを備える。第2変動入賞装置100の受入口101は、上下方向において、装飾板39の後方に設けられる第2始動入賞口と、普図始動ゲート36との間に位置するように配設される。
第2変動入賞装置100は、第2特図変動表示ゲームの結果に基づいて、小当り遊技を実行可能に構成されている。第2特図変動表示ゲームの結果がはずれの場合には、開閉部102は、受入口101を閉じており、遊技球が第2変動入賞装置100内に流入不能な状態(遊技者にとって不利な状態)となる。一方、特図2変動表示ゲームの結果が当りとなった場合には、開閉部102は、受入口101を開いて、遊技球が第2変動入賞装置100内に流入しやすい状態(遊技者にとって有利な状態)となる。第2変動入賞装置100内に流入した遊技球は、特別入賞口又は一般入賞口に振り分けられる。
なお、遊技盤30の右下部には、特図変動表示ゲーム(第1特図変動表示ゲーム及び第2特図変動表示ゲーム)の特図の変動表示、特図入賞記憶数(第1特図変動表示ゲーム及び第2特図変動表示ゲームの始動記憶数)、普図変動表示ゲームの普図の変動表示、普図入賞記憶数(普図変動表示ゲームの始動記憶数)、及び大当たりの決定ラウンド数等を表示する状態表示器50が配設される。
本実施形態の遊技機1は、遊技状態に応じて遊技者が左打ち又は右打ちを行うように構成されており、遊技開始直後等の通常遊技状態や大当り遊技状態後に時短状態が発生しない場合には遊技者によって左打ちが行われる。なお、遊技者が遊技状態に応じた打ち分けをしやすいように、表示装置35の表示部35aには左打ち又は右打ちの指示が表示されてもよい。
左打ちが行われる場合には、遊技球はセンターケース34の左側方の遊技領域31を流下して、第1始動入賞口37や第1始動入賞口37の左側に配設された一般入賞口40に入賞するか、遊技領域31の最下部に設けられたアウト口42から遊技機1の外部に排出される。ワープ通路200を通ってステージ部80に導かれた遊技球も第1始動入賞口37に入賞したり、第1始動入賞口37の左側の一般入賞口40に入賞したりする。なお、一般入賞口40や第1始動入賞口37に遊技球が入賞すると、入賞した入賞口の種類に応じた数の遊技球が賞球として遊技者に払い出される。
第1始動入賞口37に遊技球が入賞すると、状態表示器50で第1特図変動表示ゲームが実行されるとともに、第1特図変動表示ゲームに対応する飾り特図変動表示ゲームが表示装置35で実行される。表示装置35では、三つの数字等で構成される識別情報が順に変動表示する飾り特図変動表示ゲームが開始され、飾り特図変動表示ゲームに関する画像が表示部35aに表示される。第1始動入賞口37への遊技球の入賞が所定タイミングでなされた場合には、第1特図変動表示ゲームの結果が特別結果態様(大当り)となり、飾り特図変動表示ゲームでは三つの表示図柄が揃った状態で停止する。この場合には、第1変動入賞装置41の開閉扉41aが開いて、大当り遊技状態(特別遊技状態)となる。
大当り遊技状態中は、遊技球を第1変動入賞装置41の大入賞口へ入賞させるために、遊技者は右打ちを行うことになる。右打ちが行われる場合には、遊技球はセンターケース34の右側方の遊技領域31を流下する。第1変動入賞装置41の大入賞口は、所定時間経過するまで又は所定数の遊技球が大入賞口に入賞するまで、遊技球を受け入れない閉状態(遊技者に不利な状態)から遊技球を受け入れやすい開状態(遊技者に有利な状態)となる。大入賞口に遊技球が入賞することによって、遊技者には多くの遊技球を獲得可能な遊技価値が付与される。大入賞口に所定個数の遊技球が入賞するか、大入賞口の開放から所定時間が経過するかの何れかの条件が達成されるまで大入賞口を開放することを1ラウンドとし、これが所定ラウンド数(例えば、15回又は2回)継続される。
ところで、大当り時の停止図柄が特定の図柄等である場合には、大当り遊技状態後の遊技状態が時短状態となる。時短状態は、特図変動表示ゲーム(第1特図変動表示ゲーム又は第2特図変動表示ゲーム)が所定回数(例えば100回)行われるまで継続される。時短状態中においては、遊技機1は、遊技者が右打ちを行うように設定されている。なお、大当り遊技状態後に時短状態が発生しない場合には、表示装置35の表示部35aに左打ちの指示が表示されてもよい。これにより、遊技者は左打ちを行えばよいことがわかる。
時短状態中に右打ちが行われ、遊技球が普図始動ゲート36を通過すると、状態表示器50で普図変動表示ゲームが開始される。普図始動ゲート36への遊技球の通過が所定のタイミングでなされた場合には普図変動表示ゲームの結果が当りとなる。この場合には、装飾板39の後方に位置する第2始動入賞口の可動受入部が普電ソレノイド27(図3参照)の駆動力に基づいて遊技領域31の前方に突出し、第2始動入賞口への遊技球の入賞可能性が高められる。
第2始動入賞口に遊技球が入賞すると、状態表示器50で第2特図変動表示ゲームが実行される。第2始動入賞口への遊技球の入賞が所定タイミングでなされた場合には、第2特図変動表示ゲームの結果が当り(小当り)となる。この場合には、第2変動入賞装置100の開閉部102が開いて、小当り遊技状態となる。なお、第2始動入賞口に遊技球が入賞した時に、状態表示器50において第2特図変動表示ゲームを実行し、第2特図変動表示ゲームに対応する飾り特図変動表示ゲームを表示装置35で実行して、第2特図変動表示ゲームの結果が当り(小当り)となった場合は飾り特図変動表示ゲームで対応する結果(例えば、三つの表示図柄が「1、2、3」等、特定の並び順で揃った状態で停止)を表示するようにしてもよい。
小当り遊技状態では、第2変動入賞装置100の開閉部102が受入口101を開いて、遊技球が第2変動入賞装置100内に流入しやすい状態となる。第2変動入賞装置100内に流入した遊技球は、特別入賞口103又は一般入賞口104に振り分けられる。振り分けられた遊技球が特別入賞口に入賞した場合には、第1変動入賞装置41の開閉扉41aが開いて、大当り遊技状態(特別遊技状態)となる。これに対して、遊技球が一般入賞口に入賞した場合には、大当り遊技状態は発生しない。このように第2変動入賞装置100は、遊技球が特別入賞口に入賞した場合に、一般入賞口に入賞した場合よりも遊技者に有利な遊技状態を発生させる。
なお、時短状態終了後には、表示装置35の表示部35aに左打ちの指示が表示され、遊技者によって左打ちが行われる。上記の通り、本実施形態の遊技機1では、遊技者が左打ち又は右打ちを行いながら遊技が進行する。
次に、図3〜図5を参照して、遊技機1に備えられる遊技制御装置600、演出制御装置700、及び操作制御装置900について説明する。
図3は、本発明の実施の形態の遊技制御装置の構成を示すブロック図である。図4は、本発明の実施の形態の演出制御装置の構成を示すブロック図である。図5は、本発明の実施の形態の操作制御装置の構成を示すブロック図である。
図3に示す遊技制御装置600は、遊技機1における遊技を統括的に制御する主制御装置(主基板)である。遊技制御装置600には、電源装置800、払出制御装置640、及び演出制御装置700が接続される。遊技制御装置600は、払出制御装置640や演出制御装置700に制御信号(コマンド)を送信し、各種処理の実行を指示する。さらに、遊技制御装置600には、各種スイッチや制御対象のソレノイド等が接続される。
遊技制御装置600は、各種演算処理を行うCPU部610と、各種信号の入力を受け付ける入力部620と、各種信号や制御信号を出力する出力部630とを備える。CPU部610、入力部620及び出力部630は、互いにデータバス680によって接続される。
入力部620は、遊技盤30等に設けられた各種スイッチから出力される信号や払出制御装置640から出力される信号を受け付ける。この入力部620は、近接インターフェース(I/F)621及び入力ポート622、623を備える。
入力ポート622、623は、近接I/F621を介して入力される信号を受け付けたり、外部から入力される信号を直接受け付けたりする。入力ポート622、623に入力した情報は、データバス680を介してCPU部610等に提供される。
近接I/F621は、各種スイッチから出力された信号を受け付け、それら入力信号を変換して入力ポート622に出力するインターフェースである。近接I/F621には、第1始動口スイッチ601、第2始動口スイッチ602、ゲートスイッチ603、入賞口スイッチ604a〜604n、及びカウントスイッチ605が接続される。
第1始動口スイッチ601は、遊技球が第1始動入賞口37に入賞したことを検出するスイッチである。第2始動口スイッチ602は、遊技球が第2始動入賞口に入賞したことを検出するスイッチである。ゲートスイッチ603は、遊技球が普図始動ゲート36を通過したことを検出するスイッチである。入賞口スイッチ604a〜604nは、遊技球が一般入賞口40に入賞したことを検出するスイッチである。
第1始動口スイッチ601及び第2始動口スイッチ602の検出信号は、入力ポート622に出力されるとともに、CPU部610の反転回路612を介して遊技用マイコン611に出力される。これは、遊技用マイコン611の信号入力端子がロウレベルを有効レベルとして検知するように設計されているためである。
カウントスイッチ605は、遊技球が大入賞口に入賞したことを検出するスイッチである。カウントスイッチ605によって遊技球の入賞が検出されると、入賞した遊技球の数がカウントされ、カウントされた遊技球の数が遊技制御装置600に備えられたメモリに記憶される。
近接I/F621への入力信号の電圧は、通常時には所定範囲内となっているため、近接I/F621によれば、各種スイッチからの信号の電圧値に基づいて各種スイッチにおけるリード線の断線、ショート、電圧値異常等を検出できる。このような異常を検出すると、近接I/F621は、異常検知出力端子から異常を示す信号を出力する。
なお、近接I/F621に接続されるスイッチのコネクタの着脱によって、近接I/F621に入力される信号の出力値(ON/OFF)が切り替わるため、近接I/F621はスイッチが接続されていない場合であっても出力を一定に維持するように構成されている。
また、入力ポート622には磁気センサスイッチ23及び振動センサスイッチ24からの信号が直接入力され、入力ポート623には前面枠開放検出スイッチ(SW)25及びガラス枠開放検出スイッチ(SW)26からの信号が直接入力される。入力ポート623には、払出制御装置640からの各種信号も入力される。
磁気センサスイッチ23は、発射された遊技球の軌道を磁石によって操作する不正行為を検出するために磁力を検出する。振動センサスイッチ24は、遊技機1を振動させる不正行為を検出するために遊技機1の振動を検出する。
前面枠開放検出SW25は、前面枠5が開放されたことを検出する。前面枠開放検出SW25は、前面枠5が本体枠2から開放されるとオンに設定され、前面枠5が本体枠2に閉止されるとオフに設定される。
ガラス枠開放検出SW26は、ガラス枠6が開放されたことを検出する。ガラス枠開放検出SW26は、ガラス枠6が前面枠5から開放されるとオンに設定され、ガラス枠6が前面枠5に閉止されるとオフに設定される。
遊技制御装置600のCPU部610は、遊技用マイコン611と、反転回路612と、水晶発振器613とを備える。
遊技用マイコン611は、CPU611a、ROM611b、及びRAM611cを有しており、入力部620を介して入力された信号に基づいてROM611bに記憶されたプログラムを実行して大当り抽選等の各種処理を実行する。遊技用マイコン611は、出力部630を介して、遊技状態報知LED12や状態表示器50等から構成される一括表示装置、普電ソレノイド27、大入賞口ソレノイド28、演出制御装置700、及び払出制御装置640に制御信号を送信し、遊技機1を統括的に制御する。遊技用マイコン611は、チップセレクトで、信号を入力又は出力するポートを選択している。
ROM611bは、不揮発性の記憶媒体であり、遊技制御のためのプログラムやデータ等を記憶する。ROM611bは、例えば、特図変動表示ゲームの総変動表示時間(実行時間)、演出内容、リーチ発生の有無等を規定する変動パターンを決定するための変動パターン振り分け情報を記憶している。
ここで、リーチとは、表示状態が変化可能な表示装置35を有し、表示装置35が時期を異ならせて複数の表示結果を導出表示し、該複数の表示結果が予め定められた特別結果態様となった場合に、遊技状態が遊技者にとって有利な遊技状態(特別遊技状態)となる遊技機1において、複数の表示結果の一部がまだ導出表示されていない段階で、既に導出表示されている表示結果が特別結果態様となる条件を満たしている表示状態(例えば、最後に停止する識別情報を除く複数の識別情報が特別遊技状態となる特別結果を発生可能な識別情報で停止し、最後に停止する識別情報が変動表示している状態)をいう。
また、別の表現をすれば、リーチとは、表示装置35の変動表示制御が進行して表示結果が導出表示される前段階にまで達した時点でも、特別結果態様となる表示条件からはずれていない表示態様をいう。そして、例えば特別結果態様が揃った状態を維持しながら複数の変動表示領域による変動表示を行う状態(いわゆる全回転リーチ)もリーチに含まれる。また、リーチ状態とは、表示装置35の表示制御が進行して表示結果が導出表示される前段階にまで達した時点での表示状態であって、表示結果が導出表示される以前に決定されている複数の変動表示領域の表示結果の少なくとも一部が特別結果態様となる条件を満たしている場合の表示状態をいう。
よって、例えば、特図変動表示ゲームに対応して表示装置35に表示される飾り特図変動表示ゲームが、表示部35aにおける左、中、右の変動表示領域の各々で所定時間複数の識別情報を変動表示した後、左、右、中の順で変動表示を停止して結果態様を表示するものである場合、左、右の変動表示領域で、特別結果態様となる条件を満たした状態(例えば同一の識別情報)で変動表示が停止した状態がリーチ(リーチ状態)となる。この他に、すべての変動表示領域の変動表示を一旦停止した時点で、左、中、右のうち何れか二つの変動表示領域で特別結果態様となる条件を満たした状態(例えば、同一の識別情報となった状態、ただし特別結果態様は除く)をリーチ状態とし、このリーチ状態から残りの一つの変動表示領域を変動表示するようにしてもよい。
RAM611cは、揮発性の記憶媒体であり、遊技制御に必要な情報(例えば、乱数値など)を一時的に記憶するワークエリアとして利用される。
反転回路612は、近接I/F621を介して入力された信号(第1始動口スイッチ601及び第2始動口スイッチ602からの信号)の論理値を反転させて遊技用マイコン611に出力する。
水晶発振器613は、タイマ割込み、システムクロック信号、大当り抽選等を行うためのハード乱数の動作クロック源として構成されている。
遊技制御装置600の出力部630は、ポート631a〜631eと、バッファ632a、632bと、ドライバ633a〜633dと、フォトカプラ634とを備える。
ポート631a〜631eは、データバス680を介して入力された信号を受け付ける。
バッファ632a、632bは、データバス680やポート631a、631bを介して入力された信号を一時的に保持する。
ドライバ633a〜633dは、ポート631c〜631eを介して入力される信号から各種駆動信号を生成して各装置に出力する。
フォトカプラ634は、外部の検査装置670に接続可能に構成されており、入出力される各種信号からノイズを除去して各種信号の波形を整形する。フォトカプラ634と検査装置670との間は、シリアル通信によって情報が送受信される。
払出制御装置640には、ポート631aを介してパラレル通信によってCPU部610から出力された情報が送信される。払出制御装置640に対しては片方向通信を担保する必要がないため、ポート631aから払出制御装置640の払出制御基板に制御信号が直接送信される。
払出制御装置640は、遊技制御装置600からの賞球指令信号に基づいて払出ユニット(図示省略)から賞球を排出させたり、カードユニット(図示省略)からの貸球要求信号に基づいて払出ユニットから貸球を排出させたりする。払出制御装置640は、球切れや故障等の障害が発生した場合に、払出異常ステータス信号やシュート球切れスイッチ信号、オーバーフロースイッチ信号を遊技制御装置600に出力する。また、カードユニットと接続されていることを条件に、払出制御装置640が遊技球の発射許可信号を出すことで、発射制御装置641が発射可能状態になる。
払出異常ステータス信号は、遊技球の払い出しが正常に行われていない場合に出力される信号である。払出シュート球切れスイッチ信号は、払い出し前の遊技球が不足している場合に出力される信号である。オーバーフロースイッチ信号は、下皿14(図1参照)に所定量以上の遊技球が貯留されている場合に出力される信号である。
演出制御装置700には、出力部630のポート631aからのデータストローブ信号(SSTB)及びポート631bからの8bitのデータ信号がバッファ632aを介して入力する。データストローブ信号(SSTB)は、データの有効又は無効を示す1bitの信号である。バッファ632aからの8+1bitの信号(サブコマンド)は、パラレル通信で出力される。バッファ632aは、演出制御装置700から遊技制御装置600に信号を送信できないようにして片方向通信を担保するために設けられている。演出制御装置700に送信されるサブコマンドには、変動開始コマンド、客待ちデモコマンド、ファンファーレコマンド、確率情報コマンド、及びエラー指定コマンド等の演出制御指令信号が含まれる。
大入賞口ソレノイド28及び普電ソレノイド27には、ポート631c及びドライバ633aを介して、CPU部610から出力された信号が入力する。大入賞口ソレノイド28は第1変動入賞装置41の開閉扉41a(図2参照)を回動させ、普電ソレノイド27は装飾板39の後方に配置される第2始動入賞口の可動受入部を前後方向に移動させる。
一括表示装置は、遊技状態報知LED12及び状態表示器50等から構成されている。一括表示装置のLEDのアノード端子はセグメント線を介してドライバ633cに接続し、このドライバ633cとポート631dとが接続している。一括表示装置のLEDのカソード端子はデジット線を介してドライバ633bと接続し、このドライバ633bとポート631cとが接続している。一括表示装置のLEDのアノード端子にはドライバ633cからのオン/オフ駆動信号が入力され、一括表示装置のLEDのカソード端子からはドライバ633bにオン/オフ駆動信号が出力される。
外部情報端子660は、変動表示ゲームの開始を示すスタート信号や大当り遊技状態の発生を示す特賞信号等の遊技データを情報収集端末装置に出力するための端子である。遊技データは、ポート631e及びドライバ633dを介して外部情報端子660に出力される。
遊技制御装置600は、中継基板650を介して、外部の試射試験装置に接続可能に構成されている。試射試験装置は、所定機関において遊技機1の型式試験を行うための装置である。試射試験装置には、第1始動口スイッチ601、第2始動口スイッチ602、ゲートスイッチ603、入賞口スイッチ604a〜604n、及びカウントスイッチ605からの信号や、大入賞口ソレノイド28及び普電ソレノイド27に出力される信号等、試射試験に必要な信号が入力される。
遊技制御装置600は、入力部620に設けられるシュミット回路624を介して、電源装置800に接続している。シュミット回路624は、電源の立ち上がり時や電源遮断時において遊技機1の動作が不安定になることを防ぐために、入力信号の揺らぎ(ノイズ)を除去する回路である。シュミット回路624には、電源装置800からの停電監視信号や初期化スイッチ信号、リセット信号が入力される。
電源装置800は、24Vの交流電源からDC32Vの直流電圧を生成するAC−DCコンバータや、DC32Vの電圧からDC12V、DC5V等のより低いレベルの直流電圧を生成するDC−DCコンバータを有する通常電源部810と、遊技用マイコン611の内部のRAM611cに対して停電時に電源電圧を供給するバックアップ電源部820と、停電監視回路や初期化スイッチを有し、遊技制御装置600に停電の発生、回復を知らせる停電監視信号や初期化スイッチ信号、リセット信号等の制御信号を生成して出力する制御信号生成部830とを備える。
バックアップ電源部820は、遊技用マイコン611のRAM611cに記憶された遊技データをバックアップするための電源である。遊技制御装置600は、停電復旧後、RAM611cに保持された遊技データに基づいて、停電前の遊技状態に復旧させる。
制御信号生成部830は、DC12V及びDC5Vを生成するスイッチングレギュレータの入力電圧(保証DC32V)を監視する。検出電圧がDC17.2V〜DC20.0Vのときに停電と判定し、制御信号生成部830から停電監視信号が出力される。停電監視信号は、シュミット回路624を経由して、入力部620の入力ポート623に入力する。停電監視信号の出力後には、停電監視回路はリセット信号を出力する。リセット信号は、シュミット回路624を経由して、遊技用マイコン611及び出力部630の各ポート631a〜631eに入力する。遊技制御装置600は、停電監視信号を受け付けると所定の停電処理を行い、リセット信号を受け付けた後にCPU部610の動作を停止させる。
制御信号生成部830は初期化スイッチ(図示省略)を備えており、電源投入時に初期化スイッチがON状態となっている場合に、制御信号生成部830から初期化スイッチ信号が出力される。初期化スイッチ信号は、シュミット回路624を介して、入力部620の入力ポート623に入力する。初期化スイッチ信号は、遊技用マイコン611のRAM611c及び払出制御装置640のRAMに記憶されている情報を強制的に初期化する信号である。
図4に示す演出制御装置700は、遊技制御装置600の遊技用マイコン611と同様にアミューズメントチップ(IC)からなる主制御用マイコン(1stCPU)710と、主制御用マイコン710の制御下で映像制御等を行う映像制御用マイコン(2ndCPU)720と、映像制御用マイコン720からのコマンドやデータに従って表示装置35(図2参照)への映像表示のための画像処理を行うVDP(Video Display Processor)730と、各種メロディや効果音等を上スピーカ10a及び下スピーカ10bから再生させる音源LSI705とを備える。
主制御用マイコン710と映像制御用マイコン720には、各CPUが実行するプログラムを格納したPROM(Programmable Read Only Memory)702、703がそれぞれ接続され、VDP730にはキャラクタ画像や映像データが記憶された画像ROM704が接続され、音源LSI705には音声データが記憶された音声ROM706が接続されている。主制御用マイコン710は、遊技制御装置600の遊技用マイコン611からのコマンドを解析し、映像制御用マイコン720へ出力映像の内容を指示したり、音源LSI705への再生音の指示、LED等の点灯、モータの駆動制御、演出時間の管理等の処理を実行したりする。
主制御用マイコン710と映像制御用マイコン720の作業領域を提供するRAM711、721は、それぞれのチップ内部に設けられている。なお、作業領域を提供するRAM711、721はチップの外部に設けるようにしてもよい。
主制御用マイコン710と映像制御用マイコン720との間、主制御用マイコン710と音源LSI705との間は、それぞれシリアル方式でデータの送受信が行われるように構成されている。これに対して、主制御用マイコン710とVDP730との間は、パラレル方式でデータの送受信が行われるように構成されている。パラレル方式でデータを送受信することで、シリアル方式の場合よりも短時間にコマンドやデータを送信することができる。
VDP730には、画像ROM704から読み出されたキャラクタ等の画像データを展開したり加工したりするのに使用される超高速なVRAM(ビデオRAM)731、画像を拡大、縮小処理するためのスケーラ732、及びLVDS(小振幅信号伝送)方式で表示装置35へ送信する映像信号を生成する信号変換回路733が設けられる。
VDP730から主制御用マイコン710へは、表示装置35の映像と、前面枠5や遊技盤30に設けられるLED等の点灯とを同期させるために垂直同期信号VSYNCが出力される。また、VDP730から映像制御用マイコン720へは、VRAM731への描画の終了等処理状況を知らせるため割込み信号INT0〜n及び映像制御用マイコン720からのコマンドやデータの受信待ちの状態にあることを知らせるためのウェイト信号WAITが出力される。
映像制御用マイコン720から主制御用マイコン710へは、映像制御用マイコン720が正常に動作していることを知らせるとともにコマンドの送信タイミングを与える同期信号SYNCが出力される。
主制御用マイコン710と音源LSI705との間においては、ハンドシェイク方式でコマンドやデータの送受信を行うために、呼び掛け信号CTSと応答信号RTSが交換される。
なお、映像制御用マイコン720には、主制御用マイコン710よりも高速なCPUが使用されている。主制御用マイコン710とは別に映像制御用マイコン720を設けて処理を分担させることによって、主制御用マイコン710のみでは実現困難な大画面で動きの速い映像を表示装置35に表示させることが可能となるとともに、映像制御用マイコン720と同等な処理能力を有するCPUを2個使用する場合に比べてコストの上昇を抑制することができる。
演出制御装置700は、遊技制御装置600から送信されるコマンドを受信するためのインタフェースチップ(コマンドI/F)701を備えている。演出制御装置700は、コマンドI/F701を介して、遊技制御装置600から送信された変動開始コマンド、客待ちデモコマンド、ファンファーレコマンド、確率情報コマンド、及びエラー指定コマンド等を演出制御指令信号として受信する。遊技制御装置600の遊技用マイコン611はDC5Vで動作し、演出制御装置700の主制御用マイコン710はDC3.3Vで動作するため、コマンドI/F701には信号のレベル変換の機能が設けられている。
演出制御装置700には、センターケース34や遊技盤30に設けられるLED等を含む盤装飾装置760を制御する盤装飾LED制御回路741、前面枠5等に設けられるLED等を含む枠装飾装置21を制御する枠装飾LED制御回路742、表示装置35における演出表示と協働して演出効果を高める電動役物や演出装置等を含む盤演出装置770を駆動制御する盤演出モータ/SOL(ソレノイド)/スイッチ制御回路743、可動式照明9の照明駆動モータ等を含む枠演出装置22を駆動制御する枠演出モータ制御回路744が設けられている。これら制御回路741〜744は、アドレス/データバス740を介して主制御用マイコン710に接続されている。
また、演出制御装置700には、各種駆動モータが駆動されたことを検知する演出モータスイッチ(SW)751a〜751nのオン/オフ状態を検出したり、演出ボタン17(図1参照)の操作を制御する操作制御装置900から送信される信号(操作信号)を検出したりして、検出した信号を主制御用マイコン710に送信するスイッチ(SW)入力回路750、上スピーカ10a及び下スピーカ10bを駆動するオーディオパワーアンプ等からなるアンプ回路707、708が設けられている。
電源装置800の通常電源部810は、演出制御装置700及び当該演出制御装置700によって制御される電子部品に対して所定レベルの直流電圧を供給するために、複数種類の電圧を生成可能に構成されている。具体的には、駆動モータやソレノイドを駆動するためのDC32V、液晶パネル等からなる表示装置35を駆動するためのDC12V、コマンドI/F701の電源電圧となるDC5Vの他に、上スピーカ10a及び下スピーカ10bを駆動するためのDC18Vや、これらの直流電圧の基準としたり、電源モニタランプを点灯させたりするのに使用するNDC24Vの電圧を生成することが可能となっている。
電源装置800の制御信号生成部830により生成されたリセット信号RSTは、主制御用マイコン710、映像制御用マイコン720、VDP730、音源LSI705、各種制御回路741〜744、707、708に供給され、これらをリセット状態にする。電源装置800は、映像制御用マイコン720の有する汎用のポートを利用して、VDP730に対するリセット信号を生成して供給する機能を有している。これにより、映像制御用マイコン720とVDP730の動作の連携性を向上させることができる。
図5に示す操作制御装置900は、演出ボタン17(図1参照)の操作を統括的に制御する制御装置である。操作制御装置900は、操作制御用マイコン910と、バッファ901と、水晶発振器902と、A/D変換器903〜905とを備える。
操作制御装置900の操作制御用マイコン910は、CPU911、ROM912、及びRAM913を有しており、バッファ901を介して演出制御装置700から受信した信号(コマンド)に基づいて、ROM912に記憶されたプログラムを実行して演出ボタン17の操作に係る各種演算処理を実行する。
また、操作制御用マイコン910は、演出ボタン17の操作態様別(PUSHボタンSW920、タッチパネル930、及び姿勢センサ940)に検出された入力信号を、各A/D変換器903〜905を介して受け付け、CPU911で各種演算処理を実行し、バッファ901を介して演出制御装置700に操作情報(操作信号)を送信する。
PUSHボタンSW920にはメインボタンSW921及びサブボタンSW922が設けられており、タッチパネル930には複数のタッチセンサ931a〜931nが設けられており、姿勢センサ940には加速度センサ941及び角速度センサ942が設けられている。また、姿勢センサ940は、操作制御用マイコン910からのリセット信号RSTを受けると、リセット状態になる。
ROM912は、不揮発性の記憶媒体であり、操作制御のためのプログラムやデータ等を記憶する。
RAM913は、揮発性の記憶媒体であり、操作制御に必要な情報(例えば、操作信号など)を一時的に記憶するワークエリアとして利用される。
バッファ901は、演出制御装置700と操作制御用マイコン910との間で入出力される信号を一時的に保持する。
水晶発振器902は、演出ボタン17の操作有効期間のカウント等を行うための動作クロック源として構成されている。
以下、図6〜図8を参照して、遊技制御装置600による制御について具体的な処理を説明する。
〔メイン処理(遊技制御装置)〕
まず、遊技制御装置600による制御のうちメイン処理について説明する。図6Aは、本発明の実施の形態の遊技制御装置によって実行されるメイン処理の前半部のフローチャートである。図6Bは、本発明の実施の形態の遊技制御装置によって実行されるメイン処理の後半部のフローチャートである。
メイン処理は、遊技機1の電源投入時に実行される。例えば、遊技場で営業を開始するために遊技機の電源を投入する場合や停電から復帰した場合に実行される。
遊技制御装置600は、メイン処理の実行が開始されると、まず、割込み禁止する(S601)。次いで、割込みが発生した場合に実行されるジャンプ先を示すベクタアドレスを設定する割込みベクタ設定処理を実行する(S602)。さらに、割込みが発生したときにレジスタ等の値を退避する領域の先頭アドレスであるスタックポインタを設定する(S603)。さらに、割込み処理のモードを設定する(S604)。
次に、遊技制御装置600は、払出制御装置(払出基板)640のプログラムが正常に起動するまで待機する(S605)。例えば、4ミリ秒間待機する。このように制御することによって、電源投入の際に、遊技制御装置600が先に起動してしまい、払出制御装置640の起動が完了する前に、コマンドを当該払出制御装置640に送信してしまい、払出制御装置640が送信されたコマンドを取りこぼすのを回避することができる。
その後、遊技制御装置600は、RAMやEEPROM等の読出し書込み可能なRWM(リードライトメモリ)に対するアクセスを許可する(S606)。さらに、全出力ポートをオフ(出力が無い状態)に設定する(S607)。また、遊技用マイコン611に予め搭載されているシリアルポートを使用しない状態に設定する(S608)。本実施形態では、払出制御装置640や演出制御装置700とパラレル通信を行っているため、シリアルポートを使用しないためである。
続いて、遊技制御装置600は、電源装置800内の初期化スイッチ信号がオンに設定されているか否か判定する(S609)。初期化スイッチ信号は、遊技機1に電源が投入された場合に、初期化された状態で遊技を開始するか否かを設定するための信号である。例えば、閉店時などに正常に電源が切断され、翌日の開店時に電源が投入された場合には、初期化された状態で遊技が開始されるように、初期化スイッチ信号がオンに設定される。一方、停電発生後に再度電源が投入された場合には、遊技を可能な限り停電前の遊技状態に近い状態で再開するために、遊技機が初期化されないように、初期化スイッチ信号がオフに設定される。
遊技制御装置600は、初期化スイッチ信号がオフに設定されている場合には(S609の結果が「N」)、RWM内の停電検査領域のデータが正常であるか否かをチェックする(S610〜S613)。さらに詳しく説明すると、停電検査領域には、停電検査領域1及び停電検査領域2が含まれている。そして、停電検査領域1には停電検査領域チェックデータ1、停電検査領域2には停電検査領域チェックデータ2が記憶される。S610及びS611の処理では停電検査領域1に記憶された停電検査領域チェックデータ1が正常であるか否かをチェックする。同様に、S612及びS613の処理では停電検査領域2に記憶された停電検査領域チェックデータ2が正常であるか否かをチェックする。
遊技制御装置600は、RWM内の停電検査領域の停電検査領域チェックデータが正常であると判定された場合には(S613の結果が「Y」)、チェックサムと呼ばれる検証用データを算出するチェックサム算出処理を実行する(S614)。
そして、遊技制御装置600は、チェックサム算出処理で算出されたチェックサムの値と、電源切断時に算出されたチェックサムの値とを比較し(S615)、これらの値が一致するか否かを判定する(S616)。
一方、遊技制御装置600は、初期化スイッチ信号がオンに設定されている場合(S609の結果が「Y」)、停電検査領域の値が正常でない場合(S611又はS613の結果が「N」)、電源切断時のチェックサムの値とS614の処理で算出されたチェックサムの値とが一致しない場合には(S616の結果が「N」)、図6BのS641〜S645の初期化処理を実行する。初期化処理の詳細については後述する。
遊技制御装置600は、算出されたチェックサムの値と電源切断時のチェックサムの値とが一致する場合には(S616の結果が「Y」)、停電処理が正常に実行されたため、停電前の状態に復旧させるための処理を実行する(図6BのS617〜S623)。まず、停電時の情報が正常に記憶されていたか否かを判定するための情報が記憶されていた、RWM(リードライトメモリ:実施例ではRAM)内の領域をクリア(初期化)する。具体的には、すべての停電検査領域をクリアし(S617)、チェックサムが記憶されていた領域をクリアする(S618)。さらに、エラー関連の情報、及び不正行為を監視するための情報を記憶する領域をリセットする(S619)。
次に、遊技制御装置600は、RWM内の遊技状態を記憶する領域から停電発生時の遊技状態が高確率状態であったか否かを判定する(S620)。高確率でないと判定された場合には(S620の結果が「N」)、S623以降の処理を実行する。
また、遊技制御装置600は、停電発生時の遊技状態が高確率状態であったと判定された場合には(S620の結果が「Y」)、高確率報知フラグをオンに設定して高確率報知フラグ領域にセーブ(保存)する(S621)。続いて、状態表示器50に設けられる高確率報知LED(エラー表示器)をオン(点灯)に設定する(S622)。
さらに、遊技制御装置600は、特図ゲーム処理番号に対応する停電復旧時のコマンドを演出制御装置700に送信する(S623)。特図ゲーム処理番号は、特図ゲームの状態を示す番号であり、停電発生時にRWMの所定の領域に記憶されている。このように、特図ゲーム処理番号に対応する停電復旧時のコマンドを演出制御装置700に送信することによって、可能な限り停電発生前に近い状態で遊技を再開することができるのである。
ここで、初期化処理を実行する場合について説明する。前述のように、初期化処理は、正常に電源が切断された遊技機を起動する場合や停電発生前の状態に復帰できない場合に実行される。
遊技制御装置600は、初期化処理において、まず、アクセス禁止領域よりも前の全作業領域をクリアする(S641)。さらに、アクセス禁止領域よりも後の全スタック領域をクリアする(S642)。そして、初期化すべき領域に電源投入時用の初期値をセーブ(保存)する(S643)。
続いて、遊技制御装置600は、RWMクリアに関する外部情報(セキュリティ信号)を出力する出力タイマ初期値をセキュリティ信号制御タイマ領域にセーブする(S644)。そして、初期化処理の最後に電源投入時のコマンドを演出制御装置700に送信し(S645)、S624以降の処理を実行する。
遊技制御装置600は、S623又はS645の処理が終了すると、遊技用マイコン611(クロックジェネレータ)内のタイマ割込み信号及び乱数更新トリガ信号(CTC)を発生するCTC(Counter/Timer Circuit)回路を起動させる(S624)。
なお、CTC回路は、遊技用マイコン611内のクロックジェネレータに設けられている。クロックジェネレータは、水晶発振器613からの発振信号(原クロック信号)を分周する分周回路と、前述したCTC回路とを備えている。タイマ割込み信号は、分周された信号に基づいてCPU611aに所定周期(例えば、4ミリ秒)のタイマ割込みを発生させるための信号である。乱数更新トリガ信号(CTC)は、分周された信号に基づいて乱数生成回路に供給され、乱数生成回路が乱数を更新するトリガとなる。
遊技制御装置600は、CTC回路を起動すると、乱数生成回路の起動設定を行う(S625)。具体的には、CPU611aが乱数生成回路内の所定のレジスタ(CTC更新許可レジスタ)に乱数生成回路を起動させるためのコード(指定値)を設定するなどの処理を実行する。さらに、電源投入時の乱数生成回路内の所定のレジスタ(ソフト乱数レジスタ1〜n)の値を、対応する各種初期値乱数の初期値(スタート値)としてRWMの所定領域にセーブする(S626)。その後、遊技制御装置600は、割込みを許可する(S627)。
なお、本実施形態のCPU611a内の乱数生成回路では、電源投入毎にソフト乱数レジスタの初期値が変更されるように構成されており、ソフト乱数レジスタの初期値に基づいて各種初期値乱数の初期値(スタート値)を設定することによって、ソフトウェアで生成される乱数の規則性を崩すことが可能となり、遊技者による不正な乱数の取得を困難にすることができる。各種初期値乱数には、例えば、大当り図柄を決定する乱数(大当り図柄乱数1、大当り図柄乱数2)、普図変動表示ゲームの当りを決定する乱数(当り乱数)が含まれる。
続いて、遊技制御装置600は、各種初期値乱数の値を更新して乱数の規則性を崩すための初期値乱数更新処理を実行する(S628)。また、本実施形態では、大当り乱数は乱数生成回路において生成される乱数を使用して生成するように構成されている。すなわち、大当り乱数はハードウェアで生成されるハード乱数であり、大当り図柄乱数、当り乱数、変動パターン乱数はソフトウェアで生成されるソフト乱数である。なお、各種乱数の発生源は前述の態様に限定されるわけではなく、大当り乱数がソフトウェア乱数であってもよいし、大当り図柄乱数、当り乱数、変動パターン乱数がハードウェア乱数であってもよい。
さらに、初期値乱数更新処理が実行された後、遊技制御装置600は、電源装置800から入力され、ポート及びデータバスを介して読み込まれる停電監視信号をチェックする回数を設定する(S629)。チェック回数には、通常、2以上の値が設定される。停電監視信号をチェックすることによって停電が発生したか否かを判定することができる。遊技制御装置600は、停電監視信号がオンであるか否かを判定する(S630)。停電監視信号がオンでない場合、すなわち、停電していない場合には(S630の結果が「N」)、S628の初期値乱数更新処理を再び実行し、S628からS630までの処理を繰り返し実行する(ループ処理)。
また、初期値乱数更新処理(S628)の前に割り込みを許可(S627)することによって、初期値乱数更新処理中にタイマ割込みが発生した場合に、割込み処理を優先して実行することが可能となる。したがって、初期値乱数更新処理の実行が完了するまでタイマ割込み処理を実行できないために、割込み処理に含まれる各種処理を実行する時間が不足してしまうことを回避できる。
なお、初期値乱数更新処理(S628)は、メイン処理の他に、タイマ割込み処理で初期値乱数更新処理を実行してもよい。ただし、タイマ割込み処理で初期値乱数更新処理を実行する場合には、両方の処理で初期値乱数更新処理が実行されることを回避するため、メイン処理における初期値乱数更新処理の実行時に割込みを禁止し、初期値乱数を更新後に割込みを解除する必要がある。しかし、本実施形態のようにタイマ割込み処理で初期値乱数更新処理を実行せず、メイン処理でのみ初期値乱数更新処理を実行すれば、初期値乱数更新処理の前に割込みを解除しても問題が生じることはなく、さらに、メイン処理が簡素化されるという利点がある。
一方、遊技制御装置600は、停電監視信号がオンに設定されている場合には(S630の結果が「Y」)、停電監視信号がオンに設定されていることを連続して検出した回数がS629の処理で設定したチェック回数に到達したか否かを判定する(S631)。停電監視信号がオンに設定されていることを連続して検出した回数がチェック回数に到達していない場合には(S631の結果が「N」)、再度、停電監視信号がオンであるか否かを判定する(S630)。すなわち、停電監視信号がオンである場合にはチェック回数分だけ停電監視信号がオンであるか否かを判定する。
遊技制御装置600は、停電監視信号がオンに設定されていることを連続して検出した回数がチェック回数に到達した場合には(S631の結果が「Y」)、停電が発生したものと見なして停電発生時の処理を実行する(S632〜S638)。
遊技制御装置600は、割込みを禁止し(S632)、全出力ポートをオフに設定する(S633)。その後、停電復旧検査領域1に停電復旧検査領域チェックデータ1をセーブし(S634)、さらに、停電復旧検査領域2に停電復旧検査領域チェックデータ2をセーブする(S635)。
さらに、遊技制御装置600は、RWMの電源遮断時のチェックサムを算出するチェックサム算出処理を実行し(S636)、算出されたチェックサムの値をRWMのチェックサム領域にセーブ(保存)する(S637)。最後に、RWMの内容が変更されないように、RWMへのアクセスを禁止し(S638)、遊技機1の電源が遮断されるまで待機する。このように、停電復旧検査領域にチェック用のデータをセーブするとともに、電源遮断時のチェックサムを算出して記憶させることで、電源の遮断の前にRWMに記憶されていた情報が正しくバックアップされているか否かを電源再投入時に判定することが可能となる。
〔タイマ割込み処理(遊技制御装置)〕
次に、タイマ割込み処理について説明する。図7は、本発明の実施の形態のタイマ割込み処理の手順を示すフローチャートである。
タイマ割込み処理は、クロックジェネレータ内のCTC回路によって生成される周期的(例えば、1ミリ秒周期)なタイマ割込み信号がCPU611aに入力されることによって開始される。
タイマ割込み処理が開始されると、遊技制御装置600は、まず、所定のレジスタに保持されている値をRWMに移すことによってレジスタを退避させる(S701)。なお、本実施形態では遊技用マイコンとしてZ80系のマイコンを使用している。Z80系のマイコンには、表レジスタと裏レジスタが備えられており、表レジスタに保持されている値を裏レジスタに退避させることでS701の処理を実装することが可能である。
次に、遊技制御装置600は、入力部620を介して入力される各種センサやスイッチなどからの入力信号を取り込み、各入力ポートの状態を読み込む入力処理を実行する(S702)。各種センサには、第1始動口スイッチ601、第2始動口スイッチ602、普図のゲートスイッチ603、カウントスイッチ605などが含まれる。また、入力処理では、入力信号にチャタリング除去等を行って入力情報を確定させる。
さらに、遊技制御装置600は、各種処理でセットされた遊技制御に関する出力データを、演出制御装置700及び払出制御装置640に送信するための出力処理を実行する(S703)。出力データは、ソレノイド等のアクチュエータの駆動制御などを行うための情報であり、制御対象となるソレノイドには、例えば、大入賞口ソレノイド(SOL)28、普電ソレノイド(SOL)27が含まれる。また、出力処理では、遊技機における遊技データを収集する情報収集端末装置(図示せず)に遊技データを出力するも含まれる。
次に、遊技制御装置600は、各種処理で送信バッファにセットされたコマンドを演出制御装置700や払出制御装置640等に送信(出力)するコマンド送信処理を実行する(S704)。具体的には、特図変動表示ゲームにおける識別情報の変動パターンを指定する変動パターン指定コマンド、及び停電から復旧した場合に演出制御装置700に停電復旧処理を実行させる停電復旧コマンドを演出制御装置700に送信したり、払出装置から払い出す賞球数を指定する賞球コマンドを払出制御装置640に送信したりする。
さらに、遊技制御装置600は、大当り図柄乱数1及び大当り図柄乱数2を更新する乱数更新処理1を実行し(S705)、続いて特図変動表示ゲームにおける変動パターンを決定するための変動パターン乱数を更新する乱数更新処理2を実行する(S706)。乱数更新処理1及び乱数更新処理2では、各種乱数にランダム性を付与するために、各種乱数に対応するカウンタ(大当り乱数カウンタ、当り乱数カウンタ、演出決定用乱数カウンタなど)の値を1ずつ加算する。
その後、遊技制御装置600は、各種入賞口スイッチなどを監視したり、枠の不正な開放などのエラーを監視したりする入賞口スイッチ/エラー監視処理が実行される(S707)。各種入賞口スイッチには、例えば、第1始動口スイッチ601、第2始動口スイッチ602、ゲートスイッチ603、入賞口スイッチ604a〜604n、カウントスイッチ605が含まれる。入賞口スイッチ/エラー監視処理では、これらのスイッチから正常な信号が入力されているか否かを監視したりする。エラーの監視としては、前面枠5やガラス枠6が不正に開放されていないかなどを対象としている。
さらに、遊技制御装置600は、特図変動表示ゲームに関する処理を行う特図ゲーム処理を実行する(S708)。なお、特図ゲーム処理の詳細については、図8にて後述する。続いて、普図変動表示ゲームに関する処理を行う普図ゲーム処理を実行する(S709)。
次に、遊技制御装置600は、特図変動ゲームの表示や遊技に関する各種情報を表示するセグメントLEDの表示内容を制御するセグメントLED編集処理を実行する(S710)。具体的には、特図変動表示ゲーム及び普図変動表示ゲームの結果をセグメントLED(例えば、状態表示器50)に出力するためのパラメータを編集する。
遊技制御装置600は、磁気センサスイッチ23や振動センサスイッチ24からの検出信号をチェックし、異常があるか否かを判定する磁気エラー監視処理を実行する(S711)。異常の発生を検出した場合には、上スピーカ10aや下スピーカ10bから報知音を出力したり、遊技状態報知LED12を点灯させたりするなどして外部に報知する。
次に、遊技制御装置600は、外部情報端子660から出力する各種信号を編集する外部情報編集処理を実行する(S712)。
そして、遊技制御装置600は、割込み要求をクリアして割込みの終了を宣言する(S713)。その後、S701の処理で一時退避されていたレジスタを復帰させ(S714)、禁止設定されていた外部機器による割込み及びタイマ割込みを許可し(S715)、タイマ割込み処理を終了し、メイン処理に復帰する。
〔特図ゲーム処理〕
次に、前述したタイマ割込み処理における特図ゲーム処理(S708)の詳細について説明する。図8は、本発明の実施の形態の特図ゲーム処理の手順を示すフローチャートである。
特図ゲーム処理では、第1始動口スイッチ601及び第2始動口スイッチ602による入力信号の監視、特図変動表示ゲームに関する処理全体の制御、特図(特別図柄、識別情報)の表示の設定を行う。
特図ゲーム処理が開始されると、遊技制御装置600は、まず、第1始動口スイッチ601及び第2始動口スイッチ602の入賞を監視する始動スイッチ監視処理を実行する(S801)。始動口スイッチ監視処理では、第1始動入賞口37、第2始動入賞口38に遊技球の入賞があると、各種乱数(大当り乱数など)の抽出を行い、当該入賞に基づく特図変動表示ゲームの開始前の段階で入賞に基づく遊技結果を事前に判定する遊技結果事前判定を行う。
次に、遊技制御装置600は、カウントスイッチ監視処理を実行する(S802)。カウントスイッチ監視処理では、開放される第1変動入賞装置41内に設けられたカウントスイッチ605によって入賞した遊技球を検出し、入賞した遊技球の数を監視する。
次に、遊技制御装置600は、特図ゲーム処理タイマが既にタイムアップしているか、又は、特図ゲーム処理タイマを更新(−1)した結果、当該特図ゲーム処理タイマがタイムアップしたか否かをチェックする(S803)。なお、特図ゲーム処理タイマは、後述する特図ゲーム処理番号に応じて分岐させる各処理(S809〜S815)を実行するときに初期値がセットされ、S803の処理で当該特図ゲーム処理タイマの値を1減じる。この初期値としてセットされる値は、当該特図ゲーム処理番号に応じた処理を終了させるまでの時間値であり、例えば、特図普段処理(S809;特図ゲーム処理番号「0」)においてセットされる値は、特図変動表示ゲームにおいて特別図柄が変動表示されている時間値がセットされる。そして、特図ゲーム処理タイマの値が0になると、タイムアップしたと判断される。
遊技制御装置600は、特図ゲーム処理タイマがタイムアップしていない場合には(S804の結果が「N」)、S816以降の処理を実行する。
一方、遊技制御装置600は、特図ゲーム処理タイマがタイムアップした場合には(S804の結果が「Y」)、特図ゲーム処理番号に対応する処理に分岐させるために参照する特図ゲームシーケンス分岐テーブルをレジスタに設定する(S805)。さらに、当該テーブルに基づいて特図ゲーム処理番号に対応する処理の分岐先アドレスを取得する(S806)。そして、分岐処理終了後のリターンアドレスをスタック領域に退避させ(S807)、ゲーム処理番号に応じて処理を分岐させる(S808)。
遊技制御装置600は、ゲーム処理番号が「0」の場合には(S808の結果が「0」)、特図普段処理を実行する(S809)。特図普段処理は、特図変動表示ゲームの変動開始を監視し、特図変動表示ゲームの変動開始の設定や演出の設定、特図変動中処理を実行するために必要な情報の設定等を行う。
遊技制御装置600は、ゲーム処理番号が「1」の場合には(S808の結果が「1」)、特図変動中処理を実行する(S810)。特図変動中処理は、特図変動表示ゲームにおける識別情報の停止表示時間の設定や、特図表示中処理を行うために必要な情報の設定等を行う。
遊技制御装置600は、ゲーム処理番号が「2」の場合には(S808の結果が「2」)、特図表示中処理を実行する(S811)。特図表示中処理は、特図変動表示ゲームの結果が大当りであれば、大当りの種類に応じたファンファーレコマンドの設定や、各大当りの大入賞口開放パターンに応じたファンファーレ時間を設定したり、ファンファーレ/インターバル中処理を行うために必要な情報の設定等を行ったりする。
遊技制御装置600は、ゲーム処理番号が「3」の場合には(S808の結果が「3」)、ファンファーレ/インターバル中処理を実行する(S812)。ファンファーレ/インターバル中処理は、大入賞口の開放時間の設定や開放回数の更新、大入賞口開放中処理を行うために必要な情報の設定等を行う。
遊技制御装置600は、ゲーム処理番号が「4」の場合には(S808の結果が「4」)、大入賞口開放中処理を実行する(S813)。大入賞口開放中処理は、大当りラウンドが最終ラウンドでなければインターバルコマンドを設定する一方で最終ラウンドであれば大当り終了画面のコマンドを設定したり、大入賞口残存球処理を行うために必要な情報を設定したりする。
また、大入賞口開放中処理は、特図変動表示ゲームの結果が特別結果になった場合に大入賞口の開放時間に基づいて第1変動入賞装置41の開閉扉41aを開放して遊技者に遊技価値を付与する特別遊技状態を発生させるものであるため、遊技制御装置600が特別遊技状態制御手段をなす。
遊技制御装置600は、ゲーム処理番号が「5」の場合には(S808の結果が「5」)、大入賞口残存球処理を実行する(S814)。大入賞口残存球処理は、大当りラウンドが最終ラウンドの場合に大入賞口内にある残存球が排出されるための時間を設定したり、大当り終了処理を行うために必要な情報の設定等を行ったりする。
大入賞口残存球処理では、特別図柄の処理タイマの更新とファンファーレ/インターバル中処理、又は大当り終了処理を行うために必要な情報を設定する。また、大入賞口の最大開放時間が経過したか、又は大入賞口に遊技球が規定数(所定数)だけ入賞したかを判定し、いずれかの条件が成立した場合に開閉扉41aを閉鎖する。これが所定ラウンド数繰り返し実行された後、特図ゲーム処理番号を6に設定する。
遊技制御装置600は、ゲーム処理番号が「6」の場合には(S808の結果が「6」)、大当り終了処理を実行する(S815)。大当り終了処理は、S809の特図普段処理を行うために必要な情報の設定等を行う。
その後、遊技制御装置600は、状態表示器50における図柄の変動を制御するためのテーブルを準備する(S816)。続いて、状態表示器50に係る図柄変動制御処理を実行する(S817)。
次に、図9〜図17を参照して、演出制御装置700による制御について具体的な処理を説明する。
〔1stCPUメイン処理(演出制御装置)〕
次に、演出制御装置700によって実行されるメイン処理の詳細を説明する。図9は、本発明の実施の形態の演出制御装置700の主制御用マイコン(1stCPU)710によって実行されるメイン処理の手順を示すフローチャートである。メイン処理は、遊技機1に電源が投入されると実行される。
主制御用マイコン(1stCPU)710は、メイン処理の実行が開始されると、まず、割込みを禁止する(S901)。次に作業領域であるRAM711を0クリアする(S902)。そしてCPU初期化処理を実行する(S903)。その後、各種処理の実行に必要な初期値をRAM711に設定し(S904)、乱数初期化処理を実行する(S905)。続いて所定のタイミング(例えば、1ミリ秒)で割込みを発生させるための各種割込みタイマを起動させる(S906)。そして割込みを許可する(S907)。
ここで、主制御用マイコン(1stCPU)710は、WDT(ウォッチドックタイマ)をクリアする(S908)。WDTは、上述したCPU初期化処理(S903)で起動され、CPUが正常に動作しているかどうかを監視する。WDTが一定周期を経過してもクリアされない場合は、WDTがタイムアップしてCPUがリセットされる。
そして、主制御用マイコン(1stCPU)710は、遊技者による演出ボタン17の操作信号を検出し、検出した信号に応じた処理を行う演出SW入力処理を実行する(S909)。さらに、遊技者による演出ボタン17の操作が有効である期間は演出ボタン17のLEDを点灯する処理を行う演出SW制御処理を実行する(S910)。なお、演出SW入力処理についての詳細は、図10を参照して後述する。演出SW制御処理についての詳細は、図15を参照して後述する。
また、主制御用マイコン(1stCPU)710は、遊技制御装置600から受信した遊技制御コマンドを特定する遊技制御コマンド解析処理を実行する(S911)。遊技制御コマンド解析処理は、割込みで遊技制御装置600のバッファ632aにセットされた情報を正しく受信できたか否かを判断し、受信できた場合に後のシーン制御処理のためのコマンド区分けなどを行う。
次に、主制御用マイコン(1stCPU)710は、テストモード処理を実行する(S912)。テストモード処理は、工場出荷時の検査の際に検査用のコマンドを受信して表示や役物の動作等を検査する。そして、表示や音、LEDの点灯等が必要な場合は後述するS916〜S918の処理において制御され、検査が終了して電源が落とされると処理が終了する。テストモード処理は、工場出荷時にCPUを検査するときに実行される。
続いて、主制御用マイコン(1stCPU)710は、遊技制御コマンド解析処理(S911)において解析された制御コマンドに基づき、表示装置35に表示させるシーン(表示内容)を制御する1stシーン制御処理を実行する(S913)。なお、1stシーン制御処理についての詳細は、図17を参照して後述する。
さらに、主制御用マイコン(1stCPU)710は、遊技機1における異常の発生を監視する遊技機エラー監視処理を実行する(S914)。演出制御装置700に関わる異常の他に、遊技制御装置600からエラー報知を指示するコマンドを受信した場合などに、警報音の報知を行う情報の設定など所定の処理を実行する。ここで、実際に遊技状態報知LED12を点灯したり、上スピーカ10aや下スピーカ10bから警報音を発する制御は、後述するS916〜S918の処理において行われる。
そして、主制御用マイコン(1stCPU)710は、映像制御用マイコン(2ndCPU)720に送信するコマンドを編集する演出コマンド編集処理を実行する(S915)。演出コマンド編集処理においてレジスタに書き込まれたコマンドは、映像制御用マイコン(2ndCPU)720に出力される。
また、主制御用マイコン(1stCPU)710は、上スピーカ10aや下スピーカ10bから出力される音を制御するサウンド制御処理を実行する(S916)。また、LED等の装飾装置(盤装飾装置760、枠装飾装置21)を制御する装飾制御処理を実行し(S917)、さらにモータ及びソレノイドで駆動される電動役物や可動式照明などの演出装置(盤演出装置770、枠演出装置22)を制御するモータ/SOL制御処理を実行する(S918)。
最後に、主制御用マイコン(1stCPU)551は、乱数を更新するための乱数更新処理を実行して(S919)、S908の処理に戻る。以降、S908からS919までの処理を繰り返す。
〔演出SW入力処理〕
次に、前述した1stメイン処理(図9)における演出SW入力処理(S909)の詳細について説明する。図10は、本発明の実施の形態の演出SW入力処理の手順を示すフローチャートである。本処理では、演出ボタン17の操作信号を検出し、検出した信号に応じた処理を行う。
演出制御装置700の主制御用マイコン(1stCPU)710は、まず、演出ボタン17の操作があるか否かを判定する(S1001)。そして、操作があった場合には(S1001の結果が「Y」)、その操作が演出ボタン17の操作有効時間内であるか否かを判定する(S1002)。
主制御用マイコン(1stCPU)710は、演出ボタン17が操作有効時間内に操作された場合には(S1002の結果が「Y」)、操作時の演出ボタン17の有効SW(有効な操作態様)に応じて処理を分岐する(S1003)。有効な操作態様は、遊技状態に応じて設定されており、このとき有効な操作態様の制御フラグも設定されている。そして、PUSHボタンが有効である場合はPUSHボタン制御処理を実行し(S1004)、タッチパネルが有効である場合はタッチパネル制御処理1を実行し(S1005)、姿勢センサが有効である場合は姿勢センサ制御処理を実行する(S1006)。なお、PUSHボタン制御処理、タッチパネル制御処理1、及び姿勢センサ制御処理についての詳細は、図11〜図14を参照して後述する。
一方、主制御用マイコン(1stCPU)710は、演出ボタン17が操作有効時間内に操作されていない場合には(S1002の結果が「N」)、タッチパネル制御フラグが設定されているか否かを判定する(S1007)。タッチパネル制御フラグは、演出ボタン17の有効SWがタッチパネルである場合に設定されるフラグであり、タッチパネルの操作有効時間が終了した直後は設定された状態である。
主制御用マイコン(1stCPU)710は、タッチパネル制御フラグが設定されている場合には(S1007の結果が「Y」)、タッチパネルの操作情報に対応して演出を設定するタッチパネル制御処理2を実行する(S1008)。タッチパネル制御処理2についての詳細は、図12Bを参照して後述する。次に、演出ボタン17の操作情報を記憶するSW検出用領域をクリアし(S1014)、演出SW入力処理を終了する。なお、S1014の処理において有効な操作態様の制御フラグが設定されていれば一緒にクリアする。前述のS1008のタッチパネル制御処理2を実行した後のS1014の処理では、必ずタッチパネル制御フラグのクリアが実行される。
主制御用マイコン(1stCPU)710は、タッチパネル制御フラグが設定されていない場合には(S1007の結果が「N」)、遊技状態が客待ちデモ状態等の特定モード中であるか否かを判定する(S1009)。
そして、主制御用マイコン(1stCPU)710は、特定モード中である場合には(S1009の結果が「Y」)、時間外SW検出回数を1加算して更新する(S1010)。次に、時間外SW検出回数が所定回数以上になったか否かを判定する(S1011)。
主制御用マイコン(1stCPU)710は、時間外SW検出回数が所定回数以上である場合には(S1011の結果が「Y」)、不要な操作を繰り返したペナルティとして演出モードを下位モードに切り替え(S1012)、時間外SW検出回数をクリアする(S1013)。さらに、演出ボタン17の操作情報を記憶するSW検出用領域をクリアして(S1014)、演出SW入力処理を終了する。
一方、主制御用マイコン(1stCPU)710は、S1009の処理で特定モード中でない場合(S1009の結果が「N」)やS1011の処理で時間外SW検出回数が所定回数に満たない場合には(S1011の結果が「N」)、S1014の処理を実行した後、演出SW入力処理を終了する。
また、主制御用マイコン(1stCPU)710は、S1001の処理で演出ボタン17の操作がないと判定された場合には(S1001の結果が「N」)、S1014の処理を実行した後、演出SW入力処理を終了する。
〔PUSHボタン制御処理〕
次に、前述した演出SW入力処理(図10)におけるPUSHボタン制御処理(S1004)の詳細について説明する。図11は、本発明の実施の形態のPUSHボタン制御処理の手順を示すフローチャートである。
演出制御装置700の主制御用マイコン(1stCPU)710は、まず、演出ボタン17の操作をPUSHボタンSW920により検出したことを送信するためのPUSHボタン入力コマンドの準備を行い(S1101)、操作回数を1加算して更新する(S1102)。そして、操作回数が指定回数になったか否かを判定する(S1103)。なお、S1102及びS1103の処理では、演出ボタン17を押した回数(操作回数)だけでなく押した量などの操作情報も含めてもよい。
主制御用マイコン(1stCPU)710は、操作回数が指定回数である場合には(S1103の結果が「Y」)、PUSHボタン演出確定フラグをオンにし(S1104)、PUSHボタン演出確定コマンドをセットする(S1105)。また、演出ボタン17の操作は達成されたので、操作有効中を報知する演出ボタン17のLED点灯を消灯するためのPUSHボタン演出用LED消灯コマンドを操作制御装置900に送信する準備をして(S1106)、PUSHボタン制御処理を終了する。
一方、主制御用マイコン(1stCPU)710は、操作回数が指定回数でない場合には(S1103の結果が「N」)、PUSHボタン演出は行わないので、そのままPUSHボタン制御処理を終了する。
〔タッチパネル制御処理〕
次に、前述した演出SW入力処理(図10)におけるタッチパネル制御処理1(S1005)及びタッチパネル制御処理2(S1008)の詳細について説明する。図12Aは、本発明の実施の形態のタッチパネル制御処理1の手順を示すフローチャートである。図12Bは、本発明の実施の形態のタッチパネル制御処理2の手順を示すフローチャートである。まず、図12Aを参照して、遊技者による演出ボタン17の操作によって検出されたタッチセンサを順番に記憶する処理であるタッチパネル制御処理1について説明する。
演出制御装置700の主制御用マイコン(1stCPU)710は、まず、演出ボタン17がタッチパネル930として働き、遊技者の操作領域に応じてタッチセンサ931a〜931nのいずれかが反応したことを送信するためのタッチパネル操作コマンドをセットし(S1201)、検出されたSW(タッチセンサ)に応じて処理を分岐する(S1202)。
本実施形態では、演出ボタン17に9つのタッチセンサ931a〜931iが設けられ、それぞれに対応するA〜Iの領域に遊技者が触れることでSW検出される。ここでは、遊技者による所定期間に亘るタッチ操作により、1回の操作有効時間中に1又は複数のSW検出が順になされる。このとき要求されるタッチパネル操作は、表示装置35で示唆される。タッチパネルの操作態様についての詳細は、図20及び図21を参照して後述する。
主制御用マイコン(1stCPU)710は、領域AのSW931aを検出した場合には検出領域に(A)SW検出をセットする(S1203)。また、領域BのSW931bを検出した場合には検出領域に(B)SW検出をセットする(S1204)。また、領域CのSW931cを検出した場合には検出領域に(C)SW検出をセットする(S1205)。また、領域DのSW931dを検出した場合には検出領域に(D)SW検出をセットする(S1206)。また、領域EのSW931eを検出した場合には検出領域に(E)SW検出をセットする(S1207)。また、領域FのSW931fを検出した場合には検出領域に(F)SW検出をセットする(S1208)。また、領域GのSW931gを検出した場合には検出領域に(G)SW検出をセットする(S1209)。また、領域HのSW931hを検出した場合には検出領域に(H)SW検出をセットする(S1210)。また、領域IのSW931iを検出した場合には検出領域に(I)SW検出をセットする(S1211)。検出領域についての詳細は、図13(A)を参照して後述する。
主制御用マイコン(1stCPU)710は、SW検出されたタッチセンサを順にSW検出領域に記憶してタッチパネル制御処理1を終了する。
続いて、図12Bを参照してタッチパネル制御処理1で記憶されたタッチパネルの操作履歴に対応する演出を設定するタッチパネル制御処理2について説明する。タッチパネル制御処理2は、タッチパネルの操作が有効である場合に操作有効期間が終了したら必ず実行される。
主制御用マイコン(1stCPU)710は、SW検出領域を確認し(S1212)、SWコマンドテーブル(図13(B)参照)と比較する(S1213)。そして、SW検出領域に記憶されているタッチセンサ順がSWコマンドテーブルに設定されたタッチ順と一致するか否かの比較結果により処理を分岐する(S1214)。
主制御用マイコン(1stCPU)710は、一致する場合は、対応する演出を行うためのコマンドを送信するSWコマンド実行処理を実行して(S1215)、タッチパネル制御処理2を終了する。
一方、主制御用マイコン(1stCPU)710は、一致しない場合には、タッチパネル制御処理2を終了する。
ここで、図13を参照して、図12Aのタッチパネル制御処理1及び図12Bのタッチパネル制御処理2で用いられるSW検出領域及びSWコマンドテーブルについて説明する。図13は、本発明の実施の形態のSW検出領域及びSWコマンドテーブルについて説明する図である。
図13(A)は、SW検出領域の一例を示す図である。SW検出領域は、主制御用マイコン(1stCPU)710の作業領域RAM711に設けられる。SW検出領域には、例えば1番〜9番までの記憶領域があり、演出ボタン17に設けられた9つのタッチセンサ931a〜931iはSW検出された順に1番の記憶領域から順次記憶される。演出ボタン17の領域A、B、C、D,Eの順に遊技者が操作した場合は、図中に示すように順に1番〜5番の記憶領域に記憶される。
図13(B)は、SWコマンドテーブルの一例を示す図である。SWコマンドテーブルは、表示装置35における演出内容を決定するSW検出の並び順を示したテーブルである。図13(A)に示すようにA→B→C→D→Eの順にSW検出された場合についてみると、テーブルの5段目にはタッチ順序1〜5の枠にA〜Eが記載されているので、対応する演出(SWコマンド)が設定されていることがわかる。この場合、前述のタッチパネル制御処理2のS1214の結果が「一致」となる。
また、SW検出がE→A→B→C→Dの場合には、EのSW検出を除くA→B→C→Dのタッチ順序がSWコマンドテーブルの4段目と一致する。そこで、テーブルのタッチ順序1〜4の枠にA〜Dが記載されているSWコマンドを設定し、対応する演出を表示装置35にて実行する。
上述では、所定期間に亘る一連のSW検出がSWコマンドテーブルのいずれかの段のタッチ順序と一致するか否かを判断しているが、最初のSW検出のみで判断してもよい。すなわち、図13(B)のSWコマンドテーブルはどの段も一番目のタッチ操作が領域Aなので、このテーブルを用いて決定される演出はどれも同じ演出となる。このとき、表示装置35では複数のSW検出を示唆するタッチ操作促進演出を実行してもよいが、実際は二番目以降のSW検出は演出の決定に関係ない。このように一番目のSW検出のみで演出が決まるので、SW検出のミスを減らすことができる。また、SW検出領域やSWコマンドテーブルも簡易化できるので、タッチパネル制御処理の負荷が減る。
本実施形態では、所定期間に亘るタッチ操作の動作に対応した演出が表示装置35で行われるので、遊技の興趣を高めることができる。なお、具体的な演出例についての詳細は、図26及び図27を参照して後述する。
〔姿勢センサ制御処理〕
次に、前述した演出SW入力処理(図10)における姿勢センサ制御処理(S1006)の詳細について説明する。図14は、本発明の実施の形態の姿勢センサ制御処理の手順を示すフローチャートである。
演出制御装置700の主制御用マイコン(1stCPU)710は、まず、演出ボタン17が姿勢センサ940として働き、演出ボタン17の動作姿勢を検出するように設定する姿勢センサ開始コマンドをセットする(S1401)。そして、演出ボタン17の操作前の姿勢情報(旧)を取得した後(S1402)、操作後の姿勢情報(新)を取得する(S1403)。本実施形態の姿勢センサには、直交座標の仮想軸XYZの各軸方向の動きを検出する加速度センサ941と、各軸周りの回転を検出する角速度センサ942と、が設けられる。ここで、姿勢情報には、加速度センサ941によって検出される演出ボタン17の傾き、振動、動き、衝撃等の検出結果や角速度センサ942によって計測される仮想軸周りの回転速度が含まれる。姿勢センサの操作態様についての詳細は、図22〜図24を参照して後述する。
主制御用マイコン(1stCPU)710は、新旧の姿勢情報からX方向(左右方向)の加速度に変化があったか否かを判定する(S1404)。そして、変化があった場合には(S1404の結果が「Y」)、X方向に動いたことを示すX方向加速コマンドをセットする(S1405)。変化がなかった場合は(S1404の結果が「N」)、コマンドをセットしない。
次に、主制御用マイコン(1stCPU)710は、新旧の姿勢情報からX方向(左右方向)の回転速度に変化があったか否かを判定する(S1406)。そして、変化があった場合には(S1406の結果が「Y」)、X軸周りに回転したことを示すX方向回転コマンドをセットする(S1407)。変化がなかった場合は(S1406の結果が「N」)、コマンドをセットしない。
同様に、主制御用マイコン(1stCPU)710は、新旧の姿勢情報からY方向(上下方向)の加速度に変化があったか否かを判定する(S1408)。そして、変化があった場合には(S1408の結果が「Y」)、Y方向に動いたことを示すY方向加速コマンドをセットする(S1409)。変化がなかった場合は(S1408の結果が「N」)、コマンドをセットしない。
次に、主制御用マイコン(1stCPU)710は、新旧の姿勢情報からY方向(上下方向)の回転速度に変化があったか否かを判定する(S1410)。そして、変化があった場合には(S1410の結果が「Y」)、Y軸周りに回転したことを示すY方向回転コマンドをセットする(S1411)。変化がなかった場合は(S1410の結果が「N」)、コマンドをセットしない。
さらに、主制御用マイコン(1stCPU)710は、新旧の姿勢情報からZ方向(前後方向)の加速度に変化があったか否かを判定する(S1412)。そして、変化があった場合には(S1412の結果が「Y」)、Z方向に動いたことを示すZ方向加速コマンドをセットする(S1413)。変化がなかった場合は(S1412の結果が「N」)、コマンドをセットしない。
次に、主制御用マイコン(1stCPU)710は、新旧の姿勢情報からZ方向(前後方向)の回転速度に変化があったか否かを判定する(S1414)。そして、変化があった場合には(S1414の結果が「Y」)、Z軸周りに回転したことを示すZ方向回転コマンドをセットし(S1415)、姿勢センサ制御処理を終了する。変化がなかった場合は(S1414の結果が「N」)、コマンドをセットせずに姿勢センサ制御処理を終了する。
なお、演出ボタン17は、加速度センサ941及び角速度センサ942のいずれか一方を備えて姿勢センサ940としてもよい。
〔演出SW制御処理〕
続いて、前述した1stメイン処理(図9)における演出SW制御処理(S910)の詳細について説明する。図15は、本発明の実施の形態の演出SW制御処理の手順を示すフローチャートである。本処理では、演出ボタン17の操作が有効である間は演出ボタン17のLED(発光手段)を点灯し、有効でなくなったら消灯することで遊技者に操作の有効及び無効を報知する処理を行う。
演出制御装置700の主制御用マイコン(1stCPU)710は、まず、演出ボタン17の操作を有効とする操作有効時間が開始となったか否かを判定する(S1501)。そして、開始していない場合には(S1501の結果が「N」)、操作有効時間が終了したか否かを判定する(S1502)。
主制御用マイコン(1stCPU)710は、操作有効時間が終了した場合には(S1502の結果が「Y」)、演出ボタン17のLEDが点灯中であるか否かを判定する(S1503)。そして、LEDが点灯中である場合には(S1503の結果が「Y」)、遊技者に演出ボタン17の操作が有効でなくなったことを報知するために点灯していたLEDを消灯する演出SW用LED消灯コマンドをセットして(S1504)、演出SW制御処理を終了する。
なお、主制御用マイコン(1stCPU)710は、操作有効時間が終了していない場合(S1502の結果が「N」)やLEDが点灯していない場合(S1503の結果が「N」)には、コマンドをセットすることなく演出SW制御処理を終了する。
一方、主制御用マイコン(1stCPU)710は、操作有効時間が開始となった場合には(S1501の結果が「Y」)、演出ボタン17の有効な操作態様に応じたLED点灯を設定する演出SW用LED点灯処理を実行する(S1505)。その後、演出SW制御処理を終了する。なお、演出SW用LED点灯処理についての詳細は、図16を参照して後述する。
〔演出SW用LED点灯処理〕
次に、前述した演出SW制御処理(図15)における演出SW用LED点灯処理(S1505)の詳細について説明する。図16は、本発明の実施の形態の演出SW用LED点灯処理の手順を示すフローチャートである。
演出制御装置700の主制御用マイコン(1stCPU)710は、有効となっている演出ボタン17の操作態様に応じて処理を分岐する(S1601)。
主制御用マイコン(1stCPU)710は、PUSHボタンSW920が有効である場合にはPUSHボタン用のLEDを点灯させるPUSHボタンLED点灯コマンドをセットして(S1602)、演出SW用LED点灯処理を終了する。
主制御用マイコン(1stCPU)710は、タッチパネル930が有効である場合にはタッチパネル用のLEDを点灯させるタッチパネルLED点灯コマンドをセットして(S1603)、演出SW用LED点灯処理を終了する。
主制御用マイコン(1stCPU)710は、姿勢センサ940が有効である場合には姿勢センサ用のLEDを点灯させる姿勢センサLED点灯コマンドをセットして(S1604)、演出SW用LED点灯処理を終了する。
〔1stシーン制御処理(1stCPU)〕
続いて、前述した1stメイン処理(図9)における1stシーン制御処理(S913)の詳細について説明する。図17は、本発明の実施の形態の1stシーン制御処理の手順を示すフローチャートである。
演出制御装置700の主制御用マイコン(1stCPU)710は、まず、テストモード中であるか否かを判定する(S1701)。テストモードは、工場出荷時などCPUを検査するときに実行されるモードである。テストモード中である場合には(S1701の結果が「Y」)、1stシーン制御処理を終了する。
そして、主制御用マイコン(1stCPU)710は、テストモード中でない場合には(S1701の結果が「N」)、表示装置35に表示させるシーン(表示内容全て)を変更するシーン変更コマンドを受信したか否かを判定し(S1702)、シーン変更コマンドを受信していない場合には(S1702の結果が「N」)、S1703〜S1706の処理を実行せずにS1707の処理に移行する。シーン変更コマンドとは、後述するS1708〜S1716の処理実行に対応するコマンドのことであり、例えば、電源投入コマンド、停電復旧コマンド等を示す。
一方、主制御用マイコン(1stCPU)710は、シーン変更コマンドを受信した場合には(S1702の結果が「Y」)、更新する遊技状態、すなわち、現在の遊技状態を取得する(S1703)。そして、受信したシーン変更コマンドが、遊技制御装置600から送信され、前述した遊技制御コマンド解析処理(S911)において解析された現在の遊技状態に対応した有効なコマンドであるか否かを判定する(S1704)。
そして、主制御用マイコン(1stCPU)710は、受信したシーン変更コマンドが有効である場合には(S1704の結果が「Y」)、作業領域であるRAM711に受信したシーン変更コマンドをセーブする(S1705)。そして、シーン(表示内容)を変更するタイミングであることを示す演出リクエストフラグをセットする(S1706)。
なお、主制御用マイコン(1stCPU)710は、受信したシーン変更コマンドが有効でない場合には(S1704の結果が「N」)、S1705及びS1706の処理を実行せずにS1707の処理に移行する。
次に、主制御用マイコン(1stCPU)710は、前述した遊技制御コマンド解析処理(S911)において解析されたコマンド識別子に対応する処理に分岐する(S1707)。
主制御用マイコン(1stCPU)710は、コマンド識別子が「電源投入コマンド」に設定されている場合には、電源投入処理を実行する(S1708)。
主制御用マイコン(1stCPU)710は、コマンド識別子が「停電復旧コマンド」に設定されている場合には、後述する客待ち処理以外の停電復旧処理を実行する(S1709)。
主制御用マイコン(1stCPU)710は、コマンド識別子が「客待ちデモコマンド」に設定されている場合には、客待ち処理を実行する(S1710)。
主制御用マイコン(1stCPU)710は、コマンド識別子が「変動パターンコマンド」に設定されている場合には、変動中処理を実行する(S1711)。変動中処理では、設定された変動パターンに応じたシーンを表示するために必要な情報を取得し、設定された変動パターンに対応した演出制御を行う。
主制御用マイコン(1stCPU)710は、コマンド識別子が「図柄停止コマンド」に設定されている場合には、図柄停止処理を実行する(S1712)。
主制御用マイコン(1stCPU)710は、コマンド識別子が「ファンファーレコマンド」に設定されている場合には、大当りファンファーレ処理を実行する(S1713)。
主制御用マイコン(1stCPU)710は、コマンド識別子が「大入開放n回目コマンド」に設定されている場合には、大当りラウンド中処理を実行する(S1714)。ラウンド中処理は、大当りラウンドが最終ラウンドでなければインターバルコマンドを設定する一方で最終ラウンドであればエンディングコマンドを設定するために必要な情報を設定したりする。
主制御用マイコン(1stCPU)710は、コマンド識別子が「インターバルコマンド」に設定されている場合には、大当りインターバル処理を実行する(S1715)。
主制御用マイコン(1stCPU)710は、コマンド識別子が「エンディングコマンド」に設定されている場合には、大当りエンディング処理を実行する(S1716)。
次に、主制御用マイコン(1stCPU)710は、変動開始時に変動パターンコマンドより先に遊技制御装置600から送信される飾り特図コマンドを受信する図柄コマンド受信処理を実行する(S1717)。また、始動入賞時及び変動開始時に遊技制御装置600から送信される保留数コマンドを受信して、当該保留数コマンドにより始動記憶の保留数の更新を行う保留数コマンド受信処理を実行する(S1718)。さらに、変動表示ゲームが大当りとなるか否かの図柄情報コマンドや実行される変動パターンを特定可能な変動パターン乱数コマンドを含む先読みコマンドにより保留表示の演出等を設定する先読みコマンド受信処理を実行する(S1719)。
そして、主制御用マイコン(1stCPU)710は、確率情報コマンドに応じた値を内部設定するとともに、背景コマンドを映像制御用マイコン(2ndCPU)720に送信する確率情報コマンド受信処理を実行する(S1720)。その後、1stシーン制御処理を終了する。
〔演出ボタン(操作手段)の操作態様〕
次に、図18〜図24を参照して、演出ボタン17の操作態様について説明する。
図18は、本発明の実施の形態の遊技機に備えられる演出ボタンの斜視図である。図18(A)は、上皿ユニット11に配設された状態を示した図であり、図18(B)は、拡大図である。
演出ボタン17(操作手段)は、上皿ユニット11の中央、上皿11aの手前側に配設される。演出ボタン17は、中心に大きなメインボタンと、該メインボタンの左側にサブボタンとを備える。本実施形態では、演出ボタン17とはメインボタンを示す。演出ボタン17は、遊技者が直接接触可能な操作カバーで表面が覆われており、内部に遊技者の操作による動作を検出する操作検出手段や光を照射する発光手段を含む。発光手段は、図示を省略するが、LEDや液晶を含んで操作検出手段の下方に配置される。発光手段は、操作検出手段が検出したタイミングで発光してもよいし、遊技の演出や遊技状態に応じて発光してもよい。本実施形態の演出ボタン17は、操作カバーを設けて遊技者が操作検出手段に直接接触しないようにしているので、耐久性に優れている。
本実施形態では、図5に示したように演出ボタン17は、遊技モードもしくは遊技者の選択に応じてPUSH(押圧)ボタン920、タッチパネル930及び姿勢センサ940のうちいずれかの操作態様を用いて遊技者の操作を受け付けることが可能である。そして、PUSHボタン920として演出ボタン17を用いる場合にはメインボタンSW921及びサブボタンSW922を操作検出手段とし、タッチパネル930として演出ボタン17を用いる場合にはタッチセンサ931a〜931iを操作検出手段とし、姿勢センサ940として演出ボタン17を用いる場合には加速度センサ941及び角速度センサ942を操作検出手段とする。
〔PUSH操作〕
図19は、本発明の実施の形態の演出ボタンのPUSH操作を説明する図である。図19(A)は、演出ボタン17を正面上方から見た拡大斜視図であり、図19(B)は、演出ボタン17のPUSH操作を説明するための演出ボタン断面図である。
図19(A)に示すように演出ボタン17は、遊技者が操作しやすいように土台から突起して配設されている。また、演出ボタン17は、図19(B)に示すように正面視の断面を楕円形状とする球面体構造である。演出ボタン17は静止状態で略上半分(上下方向に距離L1)が土台から突出しており、突出部分の楕円球表面を覆う操作カバーは中央部が最も隆起する。
そして、遊技者が演出ボタン17をPUSH(押圧)すると、演出ボタン17は下方に沈み、土台からの突出部分が小さくなる(L2<L1)。この操作により、内部に設けられたメインボタンSW921がPUSH操作を検出する。なお、PUSH操作を反映させた表示装置35の演出表示についての詳細は、図25を参照して後述する。
〔タッチパネル操作〕
次に、図20及び図21を参照して、タッチパネル操作を説明する。図20及び図21は、本発明の実施の形態の演出ボタンのタッチパネル操作を説明する図である。
図20(A)は演出ボタン17の上面図であり、図20(B)は上面簡易図にタッチセンサ931a〜931iの配置を示した図である。演出ボタン17には、最も隆起した中央部にタッチセンサ931eが配設され、円周に沿ってタッチセンサ931eを中心に放射状に8個のタッチセンサ931a〜931d及び931f〜931iが均等に配設される。このように演出ボタン17は最も隆起した部分に対応してタッチセンサ931eが配設されるので遊技者はタッチセンサ931eの位置がわかりやすい。また、タッチセンサ931eの位置を基準に他のタッチセンサとの位置関係も計りやすいので、遊技者はタッチセンサを正確に操作することができる。
なお、演出ボタン17の操作面(操作カバー)は、タッチセンサ931eが配設される中央部を窪ませてもよい。また、タッチセンサ931a〜931iの検出領域に相当する部分を窪ませて、遊技者が触感で位置を把握しやすくしてもよい。
図21はタッチパネル操作の例を4つ挙げた図である。ここでは上面視の演出ボタン17を基準に説明する。(1)は、演出ボタン17を領域C、E、Gの順に遊技者が摺るようにしてタッチする操作動線である。このとき、各領域に対応して配設されているタッチセンサ931c、931e、931gによって操作入力が検出され、検出順に前述したSW検出領域(図13(A))に記憶される。そして、遊技者の操作(演出ボタン17上の動作)の検出信号(検出結果)に対応した演出が行われる。なお、表示装置35における具体的な演出内容についての詳細は、図26及び図27を参照して後述する。
(2)は、演出ボタン17を領域F、I、Hの順に遊技者がタッチする操作動線である。(3)は、演出ボタン17を領域D、E、Fの順に遊技者がタッチする操作動線である。(4)は、演出ボタン17を領域H、E、B、A、D、Gの順に遊技者がタッチする操作動線である。これらについても(1)と同様に、対応するタッチセンサによって操作入力が検出され、検出結果に対応した演出(例えば、操作動線と同じ動きを取り入れた演出)が行われる。
〔姿勢センサ操作〕
続いて、図22〜図24を参照して、姿勢センサ操作を説明する。図22〜図24は、本発明の実施の形態の演出ボタンの姿勢センサ操作を説明する図である。
図22(A)は演出ボタン17の拡大斜視図であり、図22(B)は上面簡易図に姿勢測定基準位置を示した図である。ここでは、演出ボタン17にも前述した全体図(図1参照)における3方向(X方向、Y方向、Z方向)の直交座標軸(仮想軸)を、基点を変えて適用する。そして、図22(B)及び図23に示すように演出ボタン17における前後左右方向の中心であって上下方向には頂点となるところを軸方向及び軸回転の動作測定の基点として軸中心にする。演出ボタン17には仮想軸に基づいて3軸方向の動作速度を測定する加速度センサ941及び各軸周りの回転速度を測定する角速度センサ942が設けられ、遊技者の操作による演出ボタン17の変化量から加速度及び角速度が算出される。そして、各センサによる検出結果に対応した演出が行われる。なお、表示装置35における具体的な演出内容についての詳細は、図28を参照して後述する。
図23(A)は、演出ボタン17がZ軸(前後方向軸)の正方向(前方向)に10だけ動かされた場合に、演出ボタン17を右側面から見たイメージ断面図である。演出ボタン17は、遊技者側が沈降し、反対側(後方側)が隆起する。このときX軸周りには負回転が生じている。そして、加速度センサ941はZ軸方向の正加速度を検出し、角速度センサ942はX軸周りの負回転速度を検出する。
図23(B)は、演出ボタン17がZ軸(前後方向軸)の負方向(後方向)に10だけ動かされた場合に、演出ボタン17を右側面から見たイメージ断面図である。演出ボタン17は、遊技者側が隆起し、反対側(後方側)が沈降する。このときX軸周りには正回転が生じている。そして、加速度センサ941はZ軸方向の負加速度を検出し、角速度センサ942はX軸周りの正回転速度を検出する。
図23(C)は、演出ボタン17がX軸(左右方向軸)の正方向(右方向)に10だけ動かされた場合に、演出ボタン17を前面から見たイメージ断面図である。演出ボタン17は、右側が沈降し、左側が隆起する。このときZ軸周りには正回転が生じている。そして、加速度センサ941はX軸方向の正加速度を検出し、角速度センサ942はZ軸周りの正回転速度を検出する。
なお、演出ボタン17は、図24に示すように下方の軸受部17aから延びるジョイスティック17bの操作部として設けられてもよい。これにより演出ボタン17は、3軸操作の多方向スイッチとして操作の自由度が増し、操作性が向上する。
〔画面遷移例〕
このように本実施形態では、遊技者の操作(演出ボタン17上の動作)の検出信号(検出結果)に対応して演出装置における演出が実行される。ここで、演出装置とは遊技の演出を実行可能な装置であり、盤装飾装置760、枠装飾装置21、盤演出装置770、枠演出装置22及び表示装置35が含まれる。以下では、図25〜図31を参照して、表示装置35に表示される演出について、演出ボタン17の動作の検出結果を反映する演出例を説明する。
〔押し演出(PUSH操作)〕
図25は、本発明の実施の形態の演出ボタンのPUSH操作を用いた押し演出の画面遷移の一例を説明する図である。
図25(A)は、1回(単発)の操作を要求する場合の画面遷移例である。まず、表示装置35に、遊技者に演出ボタン17を押すよう促す「PUSH!」とのメッセージが表示される。そこで、遊技者が演出ボタン17を押す。遊技者の押し操作によって、表示装置35には、実行中の変動表示ゲームに係る遊技情報(ここでは「リーチ!」)が表示される。
図25(B)は、複数回(連続)の操作を要求する場合の画面遷移例である。まず、表示装置35に、遊技者に演出ボタン17を連続して押すよう促す「連打!」とのメッセージが表示される。そこで、遊技者が演出ボタン17を連打する。このとき表示装置35にはゲージ枠が表示され、ゲージ枠には遊技情報として下から順に「リーチ」、「発展」、「激熱」及び「大当り」が表示されている。ここでは、遊技者の連打によってゲージが下から上に向かって上がる演出が行われ、実行中の変動表示ゲームに係る遊技情報のところでとまる。そして、遊技者に遊技情報が報知される。
〔ライン選択演出(タッチパネル操作)〕
図26は、本発明の実施の形態の演出ボタンのタッチパネル操作を用いたライン選択演出の画面遷移の一例を説明する図である。ライン選択演出は、変動表示ゲームでリーチが発生する際に行われる演出である。遊技者は3つの識別情報のうち、リーチとなる2つの識別情報を選ぶことができる。
図26(A)は、ライン選択演出の開始画面である。表示装置35には3列2行に並べられた6つの識別情報が表示される。また、表示装置35の画面中央には「ラインを引け!」とのメッセージが表示され、遊技者に演出ボタン17を摺るようにして表示装置35の画面上に描きたいラインと同じ操作動線を演出ボタン17上に描くよう促す。
図26(B1)は、演出ボタン17を領域A、E、Iの順にタッチ操作した場合の表示画面である。このときの遊技者による操作は左上から右下に向かって一直線にラインを引く動作となるので、表示装置35では、画面に表示されていた6つの識別情報のうち左上に表示される識別情報「2」から右下に表示される識別情報「2」に向かってラインが引かれる。そして他の4つの識別情報は非表示される。
図26(B2)は、演出ボタン17を領域B、E、Hの順にタッチ操作した場合の表示画面である。このときの遊技者による操作は中央上から中央下に向かって一直線にラインを引く動作となるので、表示装置35では、画面に表示されていた6つの識別情報のうち中央上に表示される識別情報「3」から中央下に表示される識別情報「3」に向かってラインが引かれる。そして他の4つの識別情報は非表示される。
図26(B3)は、演出ボタン17を領域C、E、Gの順にタッチ操作した場合の表示画面である。このときの遊技者による操作は右上から左下に向かって一直線にラインを引く動作となるので、表示装置35では、画面に表示されていた6つの識別情報のうち右上に表示される識別情報「4」から左下に表示される識別情報「4」に向かってラインが引かれる。そして他の4つの識別情報は非表示される。
〔図柄切演出(タッチパネル操作)〕
図27は、本発明の実施の形態の演出ボタンのタッチパネル操作を用いた図柄切演出の画面遷移の一例を説明する図である。図柄切演出は、リーチとなった変動表示ゲームにおいて、最後に停止する識別情報(図柄)に対して行われる演出である。遊技者は、最後に停止する識別情報をリーチの識別情報で停止させたい。そこで、異なる識別情報が表示される場合に表示中の識別情報を斬り、他の識別情報が表示されるようにして3つの識別情報がぞろ目で揃うようにする。
図27(A)は、図柄切演出の開始画面である。表示装置35の画面中央には3つの識別情報のうちまだ停止していない識別情報「2」が表示される。また、表示装置35には「図柄を斬れ!」とのメッセージが表示され、遊技者に演出ボタン17を摺るようにして表示装置35の識別情報の斬り方と同じ操作動線を演出ボタン17上に描くよう促す。
図27(B1)は、演出ボタン17を領域A、E、Iの順にタッチ操作した場合の表示画面である。このときの遊技者による操作は左上から右下に向かって一直線に斬る動作となるので、表示装置35では、画面に表示されていた識別情報「2」が左上から右下に向かって斬られる。
図27(B2)は、演出ボタン17を領域H、E、Bの順にタッチ操作した場合の表示画面である。このときの遊技者による操作は中央下から中央上に向かって一直線に斬る動作となるので、表示装置35では、画面に表示されていた識別情報「2」が中央下から中央上に向かって斬られる。
図27(B3)は、演出ボタン17を領域C、E、Gの順にタッチ操作した場合の表示画面である。このときの遊技者による操作は右上から左下に向かって一直線に斬る動作となるので、表示装置35では、画面に表示されていた識別情報「2」が右上から左下に向かって斬られる。
このように、遊技者自身が演出ボタン17を操作することで描いた動線が表示装置35での演出に用いられるので、遊技の興趣を高めるとともに遊技者に自分が演出を構築している満足感を与えることができる。
前述の図26及び図27では変動表示ゲームの演出に演出ボタン17の摺り動作を反映している。リーチ前後の演出で遊技者に要求する動作内容が変わらないが、変えてもよい。特定のリーチや特定のモードなど遊技の状態に応じて要求する動作内容を変えれば、単調な遊技にならず遊技の興趣を高めることができる。また、遊技の状態に適した動作内容を設定することが可能であり、ある一定の遊技の状態のときは同じ動作が要求されるので遊技者は演出ボタン17の操作に慣れることができる。
〔図柄変形演出(姿勢センサ操作)〕
図28は、本発明の実施の形態の演出ボタンの姿勢センサ操作を用いた図柄変形演出の画面遷移の一例を説明する図である。図柄変形演出は、変動表示ゲームで3つの識別情報が停止態様となったときに識別情報の姿勢を演出ボタン17の姿勢に応じて変化させる演出であり、遊技情報を報知することも可能である。
図28(A)は、通常時の画面表示であり、画面中央に3つの識別情報が停止した状態で表示される。
図28(B)は、演出ボタン17がX軸の正方向(右側)に傾動した場合の画面表示である。このとき図28(A)の表示態様であった3つの識別情報は、演出ボタン17の所定期間の操作に合わせて変化する。ここでは、加速度センサ941により右方向(X軸)への加速度が検出され、角速度センサ942により前後方向軸(Z軸)周りの回転速度が検出される。そして、回転速度により識別情報の態様変化の種別が決定され、加速度により態様変化速度が決定される。具体的には、3つの識別情報は画面右側に吸い込まれるように左から右にいくほど上下に潰れた形状となり、このときの変化速度は、X軸方向の加速度に依存する。
図28(C)は、演出ボタン17がX軸の負方向(左側)に傾動した場合の画面表示である。このとき図28(A)の表示態様であった3つの識別情報は、演出ボタン17の所定期間の操作に合わせて変化する。ここでは、加速度センサ941により左方向(X軸)への加速度が検出され、角速度センサ942により前後方向軸(Z軸)周りの回転速度が検出される。そして、回転速度により識別情報の態様変化の種別が決定され、加速度により態様変化速度が決定される。具体的には、3つの識別情報は画面左側に吸い込まれるように右から左にいくほど上下に潰れた形状となり、このときの変化速度は、X軸方向の加速度に依存する。
図28(D)は、演出ボタン17がZ軸の負方向(後側)に傾動した場合の画面表示である。このとき図28(A)の表示態様であった3つの識別情報は、演出ボタン17の所定期間の操作に合わせて変化する。ここでは、加速度センサ941により後方向(Z軸)への加速度が検出され、角速度センサ942により左右方向軸(X軸)周りの回転速度が検出される。そして、回転速度により識別情報の態様変化の種別が決定され、加速度により態様変化速度が決定される。具体的には、3つの識別情報は下端を基点に画面奥に倒れる込むように下から上にいくほど左右に潰れた形状となり、このときの変化速度は、Z軸方向の加速度に依存する。
図28(E)は、図28(D)の状態からさらに演出ボタン17がZ軸の負方向(後側)に傾動し続けた場合の画面表示である。この場合、3つの識別情報の態様変化がさらに進んで後方に倒れ、識別情報の底部が画面表示される。このとき底部には遊技情報(ここでは「激熱」が表示されている。
図28(F)は、図28(D)と同様に演出ボタン17がZ軸の負方向(後側)に傾動した場合の画面表示であり、別パターンである。図28(D)では識別情報の姿勢を変化させたが、ここでは保留表示の姿勢を変化させる。具体的には、保留表示は、画面奥に転動して吸い込まれるように拡縮表示される。保留表示は、位置移動とともに徐々に大きさも縮小変化する。また、保留表示の変化速度は、Z軸方向の加速度に依存する。
このように、遊技者の操作による演出ボタン17の姿勢変化に応じて識別情報や保留表示の姿勢も変化させることができる。また、姿勢変化は所定期間経過前後の姿勢から求められるので、時間経過を伴って継続的に演出に反映される。このため、演出ボタン17を押動して、その押動回数を演出に反映させる従来の演出よりもより遊技者の操作に連動した演出にすることができる。これにより、遊技者の操作により演出の態様が多様化するとともに、遊技者自身が構築したかのような演出が行われるので、遊技の興趣を高めることができる。なお、遊技者の操作により保留表示の態様が変化対象となる場合には、遊技者は、まず、打ち出した遊技球を始動記憶として記憶させて保留状態を作り出さなければならない。このため、より一層演出の構築に遊技者が関わることになり、遊技の興趣を高めることができる。
また、演出制御装置700は、演出ボタン17の動作を演出に反映することが可能な反映可能期間と、反映することが不可能な反映不可能期間とを設定している。そして、反映可能期間中に検出した演出ボタン17の姿勢変化のみを演出に反映する。電動役物の可動演出や遊技球発射時の操作部15の操作等で振動が発生する可能性がある期間を反映不可能期間とすることで、遊技者が演出ボタン17を操作していないにもかかわらず姿勢センサ940が操作を誤検出してしまうのを防止することができる。
〔表示内容スライド演出〕
図29〜図31は、本発明の実施の形態の演出ボタンを用いた表示位置スライド演出の画面表示の一例を説明する図である。表示位置スライド演出は、遊技者が演出ボタン17を操作して表示装置35に表示する表示内容を選択する演出である。このとき演出ボタン17の操作態様は、PUSHボタン920、タッチパネル930、及び姿勢センサ940のいずれでもよい。
図29(A)は、表示装置35の表示部35aのサイズ及び表示部35aに表示される第4図柄及び保留表示の表示位置を示す図である。これらの表示位置は固定されており、第4図柄は常に表示される。また、始動記憶がある場合には保留表示も遊技進行に応じて所定期間表示される。ここでの所定期間とは、例えば、変動表示ゲームが始まってリーチが発生する直前までの前半変動中、待機時間中、変動表示ゲームのリーチ演出終了後に識別情報が停止態様となって次の変動表示ゲームが始まるまでの間を示す。
すなわち、第4図柄及び保留表示は表示位置スライド演出とは関係ない。ここで、第4図柄は、表示装置35で変動表示ゲームの遊技結果を表示する図柄である。なお、図中の表示部35aのサイズは、後述する背景表示データのサイズと比較可能である。
図29(B)は、表示装置35の表示内容として用意されている背景表示データを示す図である。背景表示データは、図29(A)に示した表示装置35の表示部35aに表示可能なデータに比べてサイズが大きい。背景表示データの前面には、3つの識別情報を1セットとして4セット分の図柄データが表示可能である。すなわち、背景表示データは表示部35aに表示可能なデータ領域の4倍のデータを有している。なお、背景表示データや図柄データは、演出制御装置700の画像ROM704(演出データ記憶手段)に変動表示ゲームに利用する演出データとして記憶されている。
図29(C)は、表示装置35の表示部35aと背景表示データの領域とを比較した図である。背景表示データのうち表示装置35に表示されるデータは表示部35aの枠内のデータのみであり、網掛け領域のデータは表示されない。
遊技機1に電源が投入されると表示装置35の表示部35aに背景表示データの一部が表示されるが、このとき表示される表示データ領域を開始領域とする。前述の図29(C)の表示部35aに表示されている表示データ領域が開始領域に相当する。
そして、遊技者が演出ボタン17を操作することにより、図30(A)に示すように表示装置35の表示部35aに表示される表示データ領域が変化し始める。ここで、遊技者の操作によって表示データ領域が変化し始めたときの領域、すなわち開始領域のデータを一部含んだ表示データ領域を始動領域とする。図30(A)の表示部35aに表示されている表示データ領域が始動領域に相当する。
その後も遊技者が演出ボタン17の操作を続けることにより、図30(B)に示すように、表示装置35の表示部35aに表示される表示データ領域は、開始領域のデータを含まない移動領域へと移動する。これにより遊技者は、移動領域の背景表示データに対応した図柄データ(3つの識別情報)による変動表示ゲームを楽しむことができる。また、遊技者は自分の選択によって様々な領域における変動表示ゲームを楽しむことができるので、遊技の興趣を高めることができる。
また、遊技者による演出ボタン17の操作により、表示装置35の表示部35aに表示される表示内容が変化しても、表示部35aには必ず第4図柄が表示され、始動記憶がある場合には保留表示も行われる。このため、演出ボタン17を操作して表示部35aの表示内容を変更しても、遊技者は変動表示ゲームの結果を表示部35aで見ることができる。変動表示ゲームが実行中であるか否かも確認しながら演出ボタン17を操作することが可能なので、遊技者は安心して演出ボタン17の操作及び球発射を行うことができる。
図31は、表示位置スライド演出において遊技者がリーチを探す演出の一例を説明する図である。
図31(A)に示すように開始領域には3列3行に並んだ9つの識別情報が表示され、続いて図31(B)に示すように一斉に識別情報の変動が開始される。そして、図31(C)に示すように開始領域の四隅の識別情報がそれぞれ異なる数字で停止する。このとき開始領域でリーチの可能性があるラインは中央横ライン及び中央縦ラインの2ラインのみである。
そこで、図31(D)に示すように、遊技者は演出ボタン17を操作して、表示装置35の表示部35aに表示される背景表示データの表示データ領域を動かしてリーチラインを有するデータ領域を探す。図中の表示データ領域は始動領域に相当する。なお、表示データ領域にリーチラインが発生すると、それ以降、表示データ領域は変更できない。
ここでは、表示部35aに表示される表示データ領域の周りの非表示データ領域(網掛け領域)であっても対応する識別情報が変動している。そして、図中の表示データ領域を右に図柄2列分移動するとリーチラインが両対角線に発生する。しかし、遊技者には非表示データ領域における変動表示ゲームの状況はわからない。そこで、非表示データ領域におけるリーチの発生を所定条件の成立要件として、所定条件が成立したら表示部35aにてリーチラインを有するデータ領域に誘導する表示を行ってもよい。具体的には、演出ボタン17を右方向に操作することを表示部35aにて促す演出を行う。
このように遊技者にむやみやたらにデータ領域を探させるのではなく、遊技者に有益な操作示唆を行うことで、遊技者はリーチ演出が見つからないストレスを抱えることなく、演出を探す楽しみを味わうことができる。
一方、所定条件が成立しても遊技者に操作を示唆しない場合や遊技者が操作有効時間内にリーチラインを有するデータ領域に辿りつけない場合に、非表示データ領域の図柄データが特別結果となって特定条件(大当り条件)を満たしたときは、表示部35aで特定条件が成立しなくても遊技状態は特別遊技状態に移行する。なお、特定条件を成立させる図柄データは、非表示データ領域の図柄データと表示データ領域の図柄データとで構成されていてもよい。
この場合、遊技者は表示部35aにおける変動表示ゲームの結果から特別遊技状態になるとは思いもよらない。突発的に大当りが発生したようにみせることができるので、遊技の興趣を高めることができる。
上述したように表示内容スライド演出では、遊技者が演出ボタン17を操作することで表示装置35の表示部35aに表示される識別情報(図柄データ)が変更される。遊技者は、リーチとなる図柄データを探したり、独自に多種多様な捜索方法(操作方法)を攻略したりする楽しみを得ることができるので、遊技の興趣を高めることができる。
なお、本図では表示を省略しているが、表示部35aには第4図柄と始動記憶に対応する保留とが表示されている。
上述した図25〜図31では演出装置として表示装置35を挙げて説明したが、例えば盤演出装置770の電動役物に適用する場合には、演出ボタン17の操作検出結果に対応して電動役物の可動速度や可動方向といった動作態様を設定すればよい。また、枠装飾装置21や盤装飾装置760のLEDに適用する場合には、演出ボタン17の操作中はLEDを点灯し、操作時間や操作回数に合わせて点灯と消灯を繰り返せばよい。遊技者の操作に連動して演出装置が動作するので、遊技者が演出を構築することができ、遊技の興趣を高めることができる。
なお、今回開示した実施の形態は、すべての点で例示であって制限的なものではない。また、本発明の範囲は前述した発明の説明ではなく特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味及び内容の範囲でのすべての変更が含まれることが意図される。