JP2014012253A - 塔用充填材 - Google Patents

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Abstract

【課題】エレメントの重ね合わせ部分での液体や気体の移動量速度の過剰低下を抑制し、液体の降下量や気体の上昇量が増加しても、塔の分離能を確保する。
【解決手段】上方から液体を、下方から気体を供給して気液を接触させることにより、両者間における物質交換及び/又は熱交換を行う塔の内部に、この気体及び液体の流れが通るように充填材12が配置され、充填材は、波状に折り曲げられたシート状基材21を積層したエレメントを複数段積層したものであり、積層体は、隣接するシート状基材の折り目の稜線方向が交差するように積層され、各シート状基材の折り目の稜線方向は、塔の軸線に対して傾きを有し、積層体の一方又は両方の端面部において、各シート状基材のうち、1つおきのシート状基材の端縁が揃えて配されると共に、残りのシート状基材は、それらの端縁を、上記の揃えられたシート状基材の端縁から内側にずらして配する。
【選択図】図3

Description

この発明は、物質及び/又は熱交換を行う塔用の充填材に関する。
物質及び/又は熱交換塔用の液体と気体との接触用媒体として蒸留塔、吸収塔および放散塔等に広く利用されている充填材としては、波板状に折り曲げたシート材(メッシュ材を含む)の複数を、それらの波の方向が交差するように積層した積層体からなるエレメントで構成される充填材が知られている(特許文献1)。
特開平06−319989号公報
ところで、特許文献1に記載の充填材は、塔内で、複数のエレメントを液体及び気体の流れ方向(垂直方向)に重ねて構成される。このエレメントを重ねる際、液体や気体の流れに変化を与え、混合をよくするため、シートの面方向を交差させるように配置されるのが一般的である。
この場合、液体や気体の流れに変化が生じるので、シートの面方向を交差させる効果は十分に生じる。しかし、このエレメントの重ね合わせ部分で、液体と気体の流れ状態が大きく変わり、液体の降下量や気体の上昇量が増加していくと、徐々に液体の保有量が増加し、最終的にはこの部分でフラッディングが生じる。これが生じると、塔の分離能及び処理能力が低下することとなり、好ましくない。
また、充填材を積み重ねて充填層高を高くしていくと、所定の高さ以上に積み重ねた場合、降下液が下部から上昇してくる気体の影響を受けて、徐々に塔壁側に押しやられる。そのため、気液の接触効率が悪くなる傾向が生じる。
そこで、この発明は、エレメントの重ね合わせ部分での液体の保有量の増加を抑制し、液体の降下量や気体の上昇量が増加しても、塔の運転操作範囲を拡大し、かつ、気液の接触効率を向上させ、かつ、分離能を保持することを目的とする。
この発明は、上方から液体を供給すると共に、下方から気体を供給して、内部にて気液を接触させることにより、両者間における物質交換及び/又は熱交換を行う塔の内部に、この気体及び液体の流れが通るように充填材が配置され、上記充填材は、シート状基材を積層した積層体の1つ又は複数から構成される充填材エレメントを複数段積み重ねたものであり、上記シート状基材は、波状に折り曲げられて波板を形成し、上記積層体は、隣接する互いのシート状基材同士が、互いの折り目の稜線方向が交差するように積層されたものであり、上記積層体を構成する各シート状基材の折り目の稜線方向は、上記塔の軸線に対して傾きを有し、上記充填材エレメントが隣接する充填材エレメントと接する一方又は両方の端面部において、構成される各シート状基材のうち、1つおきのシート状基材の端縁が揃えて配されると共に、残りのシート状基材は、それらの端縁を、上記の揃えられたシート状基材の端縁から内側にずらして配した塔用充填材を用いることにより、上記課題を解決したのである。
上記の1つおきのシート状基材の端縁と、上記の残りのシート状基材の端縁との距離を5mm以上30mm以下としてもよい。
また、上記シート状基材の表面に突起を形成してもよい。
充填材エレメントの少なくとも一方の端面部のシート状基材の端縁を交互に縦方向(垂直方向)にずらして配するので、この充填材エレメントが構成するシート状基材の面方向と、この充填材エレメントと上又は下に重ねられる充填材エレメントが構成するシート状基材の面方向とを、互いに異なるようにして重ね合わせた場合、この充填材エレメントの重ね合わせ部分に、シート状基材の面方向に間隙が生じることとなる。この間隙は、下降する液体の流下の妨げにならず、局部的な液体保有量が増加しない。しいては、気液の流れの緩衝帯となり、フラッディングを生じるのを防止でき、液体の降下量や気体の上昇量が増加しても、塔の分離能を確保することができる。
さらに、この隙間を有するので、上昇する気体の横断面方向への移動が、このエレメント交差部において、自由に行うことができる。このため、塔横断面のどの部分においても、上昇気流の圧力は、降下液に対してほぼ均等となり、降下液が塔壁側に移動するのを抑制することができる。これにより、気液の接触効率を向上させることが可能となる。
また、この緩衝帯は、充填材エレメントの直径方向を貫通しているので、塔の横断面方向に圧力差が生じるのを防止できる。このため、塔内部全体に生じるエレメント交差部の圧力損失を低減させることが可能となり、かつ、気液比が塔の横断面方向で均一となるので、塔の分離能を保持することが可能となる。
この発明にかかる塔の例を示す模式図 図1の部分拡大断面斜視図 充填材エレメントの例を示す斜視図 (a)充填材エレメントを構成するシート状基材の積層方法の例を示す斜視図、(b)(a)のシート状基材を積層した状態の例を示す斜視図、(c)〜(f)シート状基材の積層体の例を示す側面図 充填材エレメントを積み重ねる状態を示す模式図 得られたFの値と充填層1m当たりの差圧(mmHg)との関係を示すグラフ Fの値と1理論段数あたりの充填層高さ(m)との関係との関係を示すグラフ (a)図5に示す一方の充填材エレメントを構成するシート状基材に突起を設けた状態を示す一部斜視図(突起は、部分的に記載)、(b)(a)の充填材エレメントを構成するシート状基材の1枚を取り出し、折り曲げ部を延ばした状態を示す拡大正面図、(c)(b)のc−c断面図
この発明にかかる塔用充填材は、上方から液体を供給すると共に、下方から気体を供給して、内部にて気液を接触させることにより、両者間における物質交換及び/又は熱交換を行う塔の内部に使用される充填材である。
この塔用充填材12は、例えば、図1に示すように、塔11の内部に配される。この塔用充填材12は、塔11の内周壁に接するように配され、上記した気体の流れ(以下、「気流」と称することがある)及び液体の流れ(以下、「液流」と称することがある。)が通るように充填材が配置される。気流及び液流が塔用充填材12を均等に通らないと、塔11の能力、すなわち、物質交換による物質の分離能や、熱交換による熱の有効利用度が低下してしまう。
この塔用充填材12を構成する材料としては、金属、プラスチック、カーボン等があげられる。この金属としては、ステンレス、チタン、アルミニウム、ハステロイ(登録商標、ニッケル、モリブデン、クロム等の合金)、ジリコニウム等があげられる。また、このプラスチックとしては、ポリプロピレン(PP)、ポリエチレン(PE)、ポリ塩化ビニル(PVC)、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE、テフロン(登録商標))、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)、パーフルオロアルコシキシアルカン樹脂(PFA)等があげられる。
図1に示す塔11の内部に配される塔用充填材12は、図2に示すように、複数の充填材エレメント13を複数段積み重ねたものである。この塔用充填材12は、塔11内に1つの塔用充填材12を配してもよく、図2に示すように、複数の塔用充填材12を配してもよい。複数の塔用充填材12を配する場合、所定の塔用充填材12と隣の塔用充填材12との間に、図2に示すように、サポートグリッド14、コレクター15及びディストリビューター16を配してもよい。このサポートグリッド14は、上段の塔用充填材12の支持材であり、コレクター15は、上段の塔用充填材12から下方に流れ出る液体の回収部材であり、ディストリビューター16は、集液した液体を下方の塔用充填材12に均等に供給する供給部材である。
上記塔用充填材12内で、上記の降下する液流と、上昇する気流とが、後述する充填材エレメント13を構成するシート状基材21の表面で接触するが、このとき、気流の勢いが大きい場合(後述するFファクターが大きい場合)、液流は上記塔用充填材12の中央部でなく周縁部に移動していく傾向がある。この場合、気液の接触効率が悪くなり、物質交換や熱交換が生じにくくなっていく。このため、塔用充填材12を適度な高さで分けて、その間に、上記サポートグリッド14、コレクター15及びディストリビューター16を配することにより、液流を均等に次の塔用充填材12に供給することが可能となり、物質の分離能や熱の有効利用度を向上させることができる。
ところで、後述するように、本発明の上記塔用充填材12は、その内部に液体が周縁部に移動するのを防止できる機能を有する。この機能により、この発明にかかる塔用充填材12の高さは、従来より高くすることができ、場合によっては、上記サポートグリッド14、コレクター15及びディストリビューター16を配することなく、1層の塔用充填材12とすることができる場合がある。
上記充填材エレメント13には、図3に示すように、その両端部の側周縁に、ガイド17を設けてもよい。このガイド17は、その上端部17aが外方向に広げられ、塔11の内周面に接触する。これにより、塔11の内周面を伝って降下する液体を塔用充填材12の内部に取り込むことが可能となる。
次に、上記塔用充填材12を構成する充填材エレメント13について説明する。
上記充填材エレメント13は、図3に示すように、シート状基材21を複数枚積層したものであり、その側周面は、塔11の内周面に沿う形を有する積層体である。この充填材エレメント13が大きくて塔への組み込みが困難な場合、積層体を複数のピースに分割してもよい。この場合、複数の積層体を組み合わせることにより、充填材エレメント13を構成することができる。
このシート状基材21は、図4(a)に示すように、波状に折り曲げられて波板を形成されたものである。波板状とするので、波の方向、すなわち、シート状基材の折り目の稜線方向(図4(a)のL1方向)に気流及び液流を誘導することができる。
そして、図4(a)に示すように、隣接する互いのシート状基材21同士は、それらの折り目の稜線方向(L1方向)が、互いに交差するように積層する。さらに、上記シート状基材21の折り目の稜線方向(L1方向)を、上記塔11の軸線(図3のL2方向)に対して傾きを設けて配する。これにより、気流や液流が、単に上昇したり下降したりするのを防止し、屈曲した流れを取らせることができ、気流や液流の移動速度を抑制することができる。また、特に気流の移動速度を抑制することで、液流が塔用充填材12の周縁部に流れてしまうのを防止できる。さらに、シート状基材21の折り目の稜線方向に従って、塔用充填材12の周縁部の液流を、内部に移動させることも可能となる。これらにより、気流及び液流の接触時間を長くすることができ、物質の分離能や熱の有効利用度をより向上させることができる。
さらに、充填材エレメント13を構成する各シート状基材21は、次のような特徴を有する。
すなわち、図4(b)〜(f)に示すように、隣接する充填材エレメント13と接する一方又は両方の端面部、すなわち、充填材エレメント13の一端面又は両端面において、構成される各シート状基材21のうち、1つおきのシート状基材21aを「第1シート状基材」21aと称し、残りのシート状基材21bを「第2シート状基材」21bと称したとき、第1シート状基材21aのそれぞれの端縁を揃えて配すると共に、第2シート状基材21bの端縁を、上記第1シート状基材21aの端縁から内側にずらして配する。すなわち、第1シート状基材21aの端縁と第2シート状基材21bの端縁とを、第1シート状基材21aの端縁が出っ張る状態となるように段差を設けて配する。第2シート状基材21bの端縁を第1シート状基材21aの端縁から内側にずらすので、この端面部において、第1シート状基材21aの端縁と第2シート状基材21bの端縁との間に間隙部22が生じる。
上記充填材エレメント13は、図2に示すように、複数の充填材エレメント13を積み重ねることにより、塔用充填材12が形成される。1つの充填材エレメント13にもう1つの充填材エレメント13を積み重ねる際、1つの充填材エレメント13のシート状基材21の面方向(図4(a)のL3方向)は、図5に示すように、積層される充填材エレメント13のシート状基材21の面方向と異なった方向とする。特に、これらの面方向が90°近く異なっていることがより好ましい。
積み重ねる2つの充填材エレメント13のシート状基材21の面方向(L3方向)が互いに異なるので、この接触部分(交差部分)で、液流の保有量が増大する虞が生じる。これに対し、上記の通り、充填材エレメント13の端面部に間隙部22を設けるので、ここを緩衝地帯として、液流の保有量増大を抑制することが可能となり、気流及び液流の物質及び熱の移動速度の低下を抑制でき、フラッディングが生じるのを防止できる。
上記の間隙部22の幅、すなわち、第1シート状基材21aの端縁と第2シート状基材21bの端縁との距離は、5mm以上がよく、10mm以上がより好ましい。5mmより短いと、この間隙部22を設ける効果を得にくくなる。一方、この距離の上限は、30mmがよく、25mmがより好ましい。30mmより大きいと、逆に気流と液流の接触面積が低下し、物質及び熱の移動速度の低下という問題を生じる場合がある。
この間隙部22を設ける方法としては、図4(c)に示すように、同じ大きさのシート状基材を交互にずらす方法、図4(d)に示すような、長さの異なるシート状基材を用い、両端面部に上記間隙部22を設ける方法、図4(e)(f)に示すような、長さの異なるシート状基材を用い、一方の端面部に上記間隙部22を設ける方法等があげられる。
ところで、上記の間隙部22は、塔用充填材12全体から見たとき、塔用充填材12の内部を、塔の高さ方向と直角方向に貫通する通路となる。このため、塔11内の気流部の圧力調整が可能となり、塔11内の塔の高さ方向と直角方向に圧力損失が生じるのを抑制することができる。
さらに、2つの充填材エレメント13の積み重ね部分では、上記の通り保有量が増大するので、気流及び液流が重合性化合物の場合、ここで重合を生成するか、重合物が蓄積する虞がある。これに対し、上記の間隙部22を設けることにより、気流や液流の移動気体ムーズになり、重合の発生も抑制でき、生成物の流下の促進となり得る。
ところで、この発明に使用されるシート状基材21の表面は、平滑性を有していてもよいが、気流や液流の移動速度は早すぎると、物質の分離能や熱の有効利用度が低下してしまう場合がある。このため、気流や液流に移動の抵抗を与える目的で、シート状基材21の表面に突起を形成してもよい。
この突起としては、波状の凸部、ギザギザ状の凸部、筋状の凸部、独立した凸状物を複数並べたもの、針状物でシート状基材21を突き刺した状態の凸部を複数並べたもの、V字状に折り曲げた凸部を複数並べたもの等があげられる。上記のV字状の突起は、屈曲部が塔軸の上部に向かった突起や、屈曲部が塔軸の下部に向かった突起がある。
波状の凸部、ギザギザ状の凸部の好ましい並べ方は、隣り合う互いの凸部の屈曲部同士が近接したものが好ましい。
このような突起の例として、図8(a)〜(c)に示すような突起があげられる。図8(a)は、図5に示されるような充填材エレメントの一部を書き出した図であり、この充填材エレメントを構成するシート状基材21に、細かく波状の凸部である突起23が形成されている。この図8(a)には、凸部23は、一部分にしか設けられていないが、これは、全面に凸部23を設けた状態を図で表すと、図そのものが見にくくなるので、一部のみに記載したものであり、この凸部23は、シート状基材21の全面に設けられるのが好ましい。
図8(a)に示す充填材エレメントを構成するシート状基材21を取り出し、その折り曲げ部24を延ばした状態を拡大して示したのが図8(b)である。この図8(b)に示されるように、波状の凸部である突起23は、シート状基材21の上端縁から下端縁にかけて、水平に形成された突起23を、一定間隔を開けて設けられる。そして、2本の波状の凸部である突起23を1組とし、この1組の突起23と隣の1組の突起23とを、互いの屈曲部同士が近接した状態とすることが好ましい。
ところで、図8(a)(b)に示す突起23は、図8(c)に示すように、屈曲部が丸みを帯びたU字状又はV字状の断面を有する。
次に、上記したV字状に折り曲げた凸部を複数並べる場合は、屈曲部が塔軸の上部に向かった突起と、屈曲部が塔軸の下部に向かった突起とを交互に配して千鳥状とし、かつ、隣り合う互いの凸部の屈曲部同士が近接したものが好ましい。
上記V字状の突起において、この突起高さ、すなわち、V字状の屈曲部と両端部との間の塔軸面垂直方向の距離は、2mm以下が好ましい。2mm以上では段差が高くなっている突起の頂部分にまで液体が達することがなく、液体の均一な分散に支障が生じるおそれがある。
上記V字状の突起において、1つの突起の横幅、すなわち、1つの突起の両端間の距離は、この突起と同方向に向かって凸型となっている隣接する突起列の隣接する突起の頂部間の寸法の1/2よりも大きいことが好ましい。突起の横幅が、その下部の突起列の2つの突起の頂部の間隔の1/2よりも狭いと、1つの突起からしたたり落ちる液体がそのすぐ下の突起に落ちないので液体の十分な横方向への広がりがなくなる。すなわち液体の拡散能力が減ずることとなる。好ましくは、突起の横幅は、10mm以下が好ましい。同方向を有する上部及び下部突起間は実施上は10mm以下が好ましい。
上記V字状の突起は、塔軸の上部に向かわせた突起と、下部に向かわせた突起とを、それぞれ千鳥状に配列するので、液体及び気体をそれぞれにシート状表面に分散させる事を可能とし、また、突起の中央部で液体及び気体を左右に振り分ける際に、液体及び気体の接触に於いて障害となる、液体境膜及び気体境膜の破壊を促進し、気液接触の向上を図ることができる。
また、このシート状基材21には、個々の充填材エレメント13内に生じる圧力損失をより低減するため、孔を複数設けてもよい。通常、これは均圧孔と呼ばれ、適当数設けられている。
[試験方法]
試験塔として、内径が208mmφ、充填高さが約2880mmの塔を用い、図1に示すような原料投入ライン31、加熱装置32、還流ライン33、及び排出ライン34を設け、かつ、塔内部に還流ライン33に接続される塔内部上端にディストリビューター16b、充填材エレメント13間にサポートグリッド14、コレクター15及びディストリビューター16を設けた塔を用いた。
これに、所定の充填材エレメントをディストリビューター16の下部に8段、サポートグリッド14の上部に8段積み重ねて充填した。
圧力10Torr下において、トランスデカリン(トランス−デカヒドロナフタレン、沸点:185℃(常圧下))とシスデカリン(シス−デカヒドロナフタレン、沸点:193℃(常圧下))の35wt%:65wt%の混合液を供給し、バッチ蒸留全還流方式で蒸留操作を行った。
上記蒸留操作を行ったときの、所定の温度での気体の空塔ベース線速度(m/sec)をUG、その時の気体密度(kg/m)をρGとしたとき、UG×(ρG)1/2をFファクター(以下、単に「F」と称する。)として、Fの値を変更しながら、上記試験塔の圧損及び理論段数を下記の方法で測定した。そして、Fの値と充填層1m当たりの差圧(Torr)との関係、及びFの値と1理論段数あたりの充填層高さ(m)との関係を調べた。
[差圧の測定法]
充填層の最上部の空間部と最下部の空間部に導圧配管を接続し、その各導圧配管の端部にそれぞれU字管を接続する。そのU字管内部に上記混合液を入れ、U字部分の液位差をそれぞれ読み取る。そして、密度換算を行って、充填層の最上部の空間部及び最下部の空間部の圧力を算出し、その差から、充填層の差圧を算出した。
[理論段数の測定法]
トランスデカリン/シスデカリンの操作圧力(運転圧力)による気液平衡線図を用いて、階段作図法又は下記のフェンスケの式によって理論段数を導き出した。
N+1=[log{(LKtop/HKtop)×(HKbtm/LKbtm)}]/[log(αav)]
なお、Nは理論段数を示す。また、LKtopは充填層の最上部におけるトランスデカリンの濃度、LKbtmは充填層の最下部におけるトランスデカリンの濃度を示す。さらに、HKtopは充填層の最上部におけるシスデカリンの濃度、HKbtmは充填層の最下部におけるシスデカリンの濃度を示す。さらにまた、αavはトランスデカリン及びシスデカリンの平均比揮発度を示す。
(比較例1)
充填材エレメントとして、マツイマシン(株)製:MCパック MC250S(エレメント高さ:180mm、比表面積:250m/m、空間率:98%、材質:SUS304、図8(a)〜(c)に示す突起を有する。)を用いた。さらに、充填材エレメント13のシート状基材の端縁の長さ方向(L3)と、隣接する充填材エレメント13のシート状基材の端縁の長さ方向(L3)を直交させた。
得られたFの値と充填層1m当たりの差圧(mmHg)との関係、及びFの値と1理論段数あたりの充填層高さ(m)との関係を図6及び7に示す。なお、図6及び7において、比較例1の結果は、破線で示す。
(実施例1)
充填材エレメントとして、マツイマシン(株)製:MCパック MC250Sに用いられているシート状基材(材質:SUS304、図8(a)〜(c)に示す突起を有する。)を用い、図4(a)(b)に示されているように、第2シート状基材の端縁を第1シート状基材の端縁から10mmずらしたものを用いた。この充填材エレメントのエレメント高さは200mm、比表面積は225m/m、空間率は99%であった。
得られたFの値と充填層1m当たりの差圧(mmHg)との関係、及びFの値と1理論段数あたりの充填層高さ(m)との関係を図6及び7に示す。なお、図6及び7において、実施例1の結果は、実線で示す。
(結果)
比較例1と実施例1との対比から、Fの値が大きくなったとき、すなわち、温度が上昇して、気流及び液流の流量が増大したとき、充填層1mあたりの差圧の上昇は、本願発明を用いた実施例1の場合の方が小さいことが明らかとなった。また、1理論段数当たりの充填層の高さは、本願発明を用いた実施例1と比較例1とでは、ほぼ差はなく、より高Fファクター領域まで、使用範囲が広がることが明らかとなった。
11 塔
12 塔用充填材
13 充填材エレメント
14 サポートグリッド
15 コレクター
16 ディストリビューター
17 ガイド
17a ガイド上端部
21 シート状基材
21a 第1シート状基材
21b 第2シート状基材
22 間隙部
31 原料投入ライン
32 加熱装置
33 還流ライン
34 排出ライン
L1 シート状基材の折り目の稜線方向
L2 塔の軸線
L3 シート状基材の面方向

Claims (4)

  1. 上方から液体を供給すると共に、下方から気体を供給して、内部にて気液を接触させることにより、両者間における物質交換及び/又は熱交換を行う塔の内部に、この気体及び液体の流れが通るように充填材が配置され、
    上記充填材は、シート状基材を積層した積層体の1つ又は複数から構成される充填材エレメントを複数段積み重ねたものであり、
    上記シート状基材は、波状に折り曲げられて波板を形成し、
    上記積層体は、隣接する互いのシート状基材同士が、互いの折り目の稜線方向が交差するように積層されたものであり、
    上記積層体を構成する各シート状基材の折り目の稜線方向は、上記塔の軸線に対して傾きを有し、
    上記充填材エレメントが隣接する充填材エレメントと接する一方又は両方の端面部において、構成される各シート状基材のうち、1つおきのシート状基材の端縁が揃えて配されると共に、残りのシート状基材は、それらの端縁を、上記の揃えられたシート状基材の端縁から内側にずらして配した、塔用充填材。
  2. 上記の1つおきのシート状基材の端縁と、上記の残りのシート状基材の端縁との距離は、5mm以上30mm以下である請求項1に記載の塔用充填材。
  3. 上記シート状基材の表面は、突起が形成された請求項1又は2に記載の塔用充填材。
  4. 請求項1乃至3のいずれか1項に記載の塔用充填材を内部に配した塔。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN109908757A (zh) * 2019-04-18 2019-06-21 国电环境保护研究院有限公司 一种炭基催化剂再生装置及再生方法
CN109999614A (zh) * 2019-05-20 2019-07-12 深圳特力自动化工程有限公司 有机物气体回收系统及吸附装置和吸附模块的生产工艺
CN113167556A (zh) * 2018-09-25 2021-07-23 布伦特伍德工业公司 交叉波纹状介质及相关方法

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