JP2014010907A - El素子、並びにel素子を用いた照明装置、ディスプレイ装置及び液晶ディスプレイ装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】光の外部取り出し効率の向上、及び光の利用効率を低下させずに色ズレの解消を実施するEL素子を提供する。
【解決手段】透光性基板と、陽極と陰極に挟まれた状態で透光性基板の一方の面に設けられた発光層とを備えたEL素子であって、透光性基板の他方の面に接着層を介して設けられた色補正シートと、発光層に隣接して色補正シートと反対側に設けられた光反射層とを備え、色補正シートは第1〜第3の色補正構造を有し、第1の色補正構造は断面形状が略半円形状の一部でTM(高さ)/PM(底辺の幅)が0.5未満、第2の色補正構造は断面形状が多角形プリズムの一部で、TL(高さ)/PL(底辺の幅)が0.5以上1以内で裾の傾斜角度θが45度以上80度以内、第3の色補正構造は略平坦面内に形成された略半円形状の一部でTS(高さ)/PS(底辺の幅)が0.5未満である微少構造を有する。
【選択図】図1
【解決手段】透光性基板と、陽極と陰極に挟まれた状態で透光性基板の一方の面に設けられた発光層とを備えたEL素子であって、透光性基板の他方の面に接着層を介して設けられた色補正シートと、発光層に隣接して色補正シートと反対側に設けられた光反射層とを備え、色補正シートは第1〜第3の色補正構造を有し、第1の色補正構造は断面形状が略半円形状の一部でTM(高さ)/PM(底辺の幅)が0.5未満、第2の色補正構造は断面形状が多角形プリズムの一部で、TL(高さ)/PL(底辺の幅)が0.5以上1以内で裾の傾斜角度θが45度以上80度以内、第3の色補正構造は略平坦面内に形成された略半円形状の一部でTS(高さ)/PS(底辺の幅)が0.5未満である微少構造を有する。
【選択図】図1
Description
本発明は、フラットパネルディスプレイ、液晶用バックライト、照明用光源、電飾、サイン用光源等に用いられるEL素子(エレクトロ・ルミネッセンス素子)、並びにEL素子を用いた表示装置、ディスプレイ装置及び液晶ディスプレイ装置に関するものである。
一般に、有機ELは、透光性基板上に、蛍光有機化合物を含む発光層を、陽極と陰極とで挟んだ構造を有する。そして、陽極と陰極に直流電圧を印加し、発光層に電子および正孔を注入して再結合させることにより、励起子を生成し、この励起子の失活する際の光の放出を利用して発光に至る。
従来、これらEL素子において、発光層から射出した光線が、透光性基板から射出する際、透光性基板上において全反射し、光線がロスするという問題があった。このときの光の外部取り出し効率は、一般に20%程度と言われている。そのため、高輝度が必要となればなるほど、より多くの投入電力が必要となるという問題があり、また、この場合、素子に及ぼす負荷が増大し、素子自体の信頼性を低下させる。
この光の外部取り出し効率を向上させる目的で素子基板に微細な凹凸を形成し、全反射によりロスしている光線を外部に取り出すという方法が提案されている。例えば、透光性基板の一方の面に、複数のマイクロレンズエレメントを平面的に配列して成るマイクロレンズアレイを形成することが提案されている(特許文献1参照)。
またEL素子には、発光色の角度依存性の課題がある。
これは、EL素子の観察する角度によって、観察者が視認する色が変化する課題である(以下、前記課題を色ズレとする)。とくにマルチユニット構造のように発光層を積層する構成では、大きな課題となる(特許文献2、非特許文献1参照)。
これは、EL素子の観察する角度によって、観察者が視認する色が変化する課題である(以下、前記課題を色ズレとする)。とくにマルチユニット構造のように発光層を積層する構成では、大きな課題となる(特許文献2、非特許文献1参照)。
パナソニック電工技報 Vol.57 No.4 「照明用の高演色有機ELデバイス」
有機ELを、照明用途で使用する場合は、上述の光の外部取り出し効率と他に、色ズレの解消も重要な要素となる。
有機EL素子の色ズレの解消を実施する場合、一般的に光源を拡散板で覆って色ズレの解消を実施する方法がよく提案されている。しかし、このような方法では、光源を拡散板で覆ってしまうため、拡散板で光の吸収が生じ、光の損失が発生し、結果として光の利用効率が低下してしまう。
有機EL素子の色ズレの解消を実施する場合、一般的に光源を拡散板で覆って色ズレの解消を実施する方法がよく提案されている。しかし、このような方法では、光源を拡散板で覆ってしまうため、拡散板で光の吸収が生じ、光の損失が発生し、結果として光の利用効率が低下してしまう。
そのため、光の利用効率を低下させずに、色ズレの解消を付与する方法が求められている。
本発明はこのような事情に鑑みてなされたものであり、光の外部取り出し効率の向上、及び光の利用効率を低下させずに、色ズレの解消を実施するEL素子、並びにEL素子を用いた照明装置、ディスプレイ装置及び液晶ディスプレイ装置を提供することを目的とする。
本発明はこのような事情に鑑みてなされたものであり、光の外部取り出し効率の向上、及び光の利用効率を低下させずに、色ズレの解消を実施するEL素子、並びにEL素子を用いた照明装置、ディスプレイ装置及び液晶ディスプレイ装置を提供することを目的とする。
上述の課題を解決するため、請求項1に係る発明は、透光性基板と、陽極と陰極に挟まれた状態で前記透光性基板の一方の面に設けられた発光層とを備えたEL素子であって、前記透光性基板の他方の面に接着層を介して設けられた色補正シートと、前記発光層に隣接して前記色補正シートと反対側に設けられた光反射層とを備えており、前記色補正シートは、少なくとも第1の色補正構造、第2の色補正構造、第3の色補正構造の3種類以上の色補正構造を有し、前記第1の色補正構造の断面形状は、略半円形状の一部でかつ、前記第1の色補正構造の高さをTM、底辺の幅をPMとした際に、TM/PMが0.5未満であり、前記第2の色補正構造の断面形状は、三角形などの多角形プリズムあるいは略楕円形状の一部であり、かつ前記第2の色補正構造の高さをTL、底辺の幅をPLとした際に、TL/PLが0.5以上1以内で、かつ裾の傾斜角度θが45度以上80度以内であり、前記第3の色補正構造は、略平坦面内に形成された略半円形状の一部でかつ、高さをTS、底辺の幅をPSとした際に、TS/PSが0.5未満である微少構造を有していることを特徴とするEL素子である。
請求項2に係る発明は、前記色補正シートが、前記発光層が設けられた一方の面とは反対側の他方の面に互いに間隔を空けて配列する複数の第1の色補正構造と、第3の色補正構造とを有し、前記第1の色補正構造および前記第3の色補正構造同士の間を埋めるように配列されていて前記第1の色補正構造より高さが低く、かつ前記第3の色補正構造より高さが高いレンズを構成する複数の第2の色補正構造とを有していることを特徴とする請求項1に記載のEL素子である。
請求項3に係る発明は、前記第2の色補正構造が、断面凸状のレンズまたはプリズム形状であると共に一方向に柱状に延在し、前記第1の色補正構造および前記第3の色補正構造同士の間を埋めるように互いに交差して配列されていることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載されたEL素子である。
請求項4に係る発明は、前記第2の色補正構造が、底部が多角形の多角凸レンズ部または頂部が多角形の多角凹レンズ部が、前記第1の色補正構造、および前記第3の色補正構造同士の間を埋めるように隙間無く配列されていることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載のEL素子である。
請求項5に係る発明は、前記色補正シートに光拡散機能を有することを特徴とする請求項1乃至請求項4のいずれかに記載のEL素子である。
請求項6に係る発明は、前記接着層に光拡散機能を有することを特徴とする請求項1乃至請求項5のいずれかに記載のEL素子である。
請求項6に係る発明は、前記接着層に光拡散機能を有することを特徴とする請求項1乃至請求項5のいずれかに記載のEL素子である。
請求項7に係る発明は、透光性基材の一方の表面に活性エネルギー線硬化性樹脂を用いて表面に前記第1の色補正構造、前記第2の色補正構造、および前記第3の色補正構造が付与された色補正シートにおいて、
前記第1の色補正構造、前記第2の色補正構造、および前記第3の色補正構造が前記活性エネルギー線硬化性樹脂を介して前記透光性基材表面に前記第1の色補正構造、前記第2の色補正構造、および前記第3の色補正構造が付与された金型を圧着させ、活性エネルギー線を照射することにより前記活性エネルギー線硬化性樹脂を硬化させ、前記第1の色補正構造、前記第2の色補正構造、および前記第3の色補正構造を形成することを特徴とする色補正シートの製造方法である。
前記第1の色補正構造、前記第2の色補正構造、および前記第3の色補正構造が前記活性エネルギー線硬化性樹脂を介して前記透光性基材表面に前記第1の色補正構造、前記第2の色補正構造、および前記第3の色補正構造が付与された金型を圧着させ、活性エネルギー線を照射することにより前記活性エネルギー線硬化性樹脂を硬化させ、前記第1の色補正構造、前記第2の色補正構造、および前記第3の色補正構造を形成することを特徴とする色補正シートの製造方法である。
請求項8に係る発明は、請求項1乃至請求項6のいずれかに記載のEL素子を発光手段として備えていることを特徴とする照明装置である。
請求項9に係る発明は、請求項1乃至請求項6のいずれかに記載のEL素子を備え、該EL素子が画素駆動されるように構成されていることを特徴とするディスプレイ装置である。
請求項9に係る発明は、請求項1乃至請求項6のいずれかに記載のEL素子を備え、該EL素子が画素駆動されるように構成されていることを特徴とするディスプレイ装置である。
請求項10に係る発明は、画像表示素子を備えてなる液晶ディスプレイ装置であって、前記画像表示素子の背面に、請求項1乃至請求項6のいずれかに記載のEL素子を配設して構成されていることを特徴とする液晶ディスプレイ装置である。
請求項11に係る発明は、画像表示素子を備えてなる液晶ディスプレイ装置であって、前記画像表示素子の背面に、請求項8に記載の照明装置を配設して構成されていることを特徴とする液晶ディスプレイ装置である。
本発明は、透光性基板と、陽極と陰極に挟まれた状態で前記透光性基板の一方の面に設けられた発光層とを備えたEL素子であって、前記透光性基板の他方の面に、接着層を介して設けられた色補正シートと、前記発光層を間にして前記色補正シートと反対側に設けられた光反射層とを備えており、前記色補正シートは、少なくとも第1の色補正構造、第2の色補正構造、第3の色補正構造の3種類以上の色補正構造を有し、前記第1の色補正構造の断面形状は、略半円形状の一部でかつ、前記第1の色補正構造の高さをTM、底辺の幅をPMとした際に、TM/PMが0.5未満であり、前記第2の色補正構造の断面形状は、三角形などの多角形プリズムあるいは略楕円形状の一部であり、かつ前記第2の色補正構造の高さをTL、底辺の幅をPLとした際に、TL/PLが0.5以上1以内で、かつ裾の傾斜角度θが45度以上80度以内であり、前記第3の色補正構造は、略平坦面であり、前記略平坦面内に略半円形状の一部でかつ、高さをTS、底辺の幅をPSとした際に、TS/PSが0.5未満である微少構造を有していることを特徴とするEL素子を採用することにより、光の外部取り出し効率が高く、色ズレのないEL素子を提供することが可能となる。
以下、本発明の実施の形態について図面を参照しながら説明する。
図1は本発明の実施形態であるEL素子(エレクトロ・ルミネッセンス素子)101の構成を示す図である。図1に示すように、EL素子101は、第1の基板1Aと、第2の基板1Bと、発光層2と、陽極3と、陰極4と、色補正シート7などを含んで構成されている。なお、色補正シート7において、発光層2が設置されている面と反対側を照射方向Fとする。
図1は本発明の実施形態であるEL素子(エレクトロ・ルミネッセンス素子)101の構成を示す図である。図1に示すように、EL素子101は、第1の基板1Aと、第2の基板1Bと、発光層2と、陽極3と、陰極4と、色補正シート7などを含んで構成されている。なお、色補正シート7において、発光層2が設置されている面と反対側を照射方向Fとする。
発光層2の一方の面には陽極3が形成され、他方の面には陰極4が形成されている。発光層2は、陽極3と陰極4に電圧を印加することにより発光するものである。これら発光層2と陽極3と陰極4を含んで発光構造体100が構成されている。発光構造体100としては、従来公知のさまざまな構成が採用可能である。
発光層2は、白色発光層とすることもあり、或いは、青色、赤色、黄色、緑色などの発光層とすることもある。白色発光層とする場合には、この発光層2の構成を、例えば、ITO/CuPc(銅フタロシアニン)/α−NPDにルブレン1%ドープ/ジナクチルアントラセンにペリレン1%ドープ/Alq3/フッ化リチウム/陰極としてAl、という構成とすればよい。
ただし、この構成に限定されるものではなく、発光層2から射出する光線の波長をR(赤色)、G(緑色)、B(青色)とすることのできる適宜材料を用いた任意の構成を採用することが可能である。また、フルカラーディスプレイ用途で使用する場合には、R、G、Bに対応した3種類の発光材料の塗り分けとすることや、白色光にカラーフィルターを重ねることによりフルカラー表示が可能となる。
第1の基板1Aは、陽極3が発光層2に臨む面と反対側の面とに形成されている。第2の基板1Bは、陰極4が発光層2に臨む面と反対側の面とに形成されている。
第1の基板1A及び第2の基板1Bの材料としては、種々のガラス材料を用いることができる他に、PMMA、ポリカーボネート、ポリスチレン等のプラスチック材料、あるいはアルミニウムなどの金属材料を用いることもでき、更にその他の様々な材料を用いることができるが、特に好ましいのは、シクロオレフィン系のポリマーであり、このポリマーは、加工性、及び、耐熱、耐水性、光学透光性等の材料特性の全てにおいて優れたものである。
第1の基板1A及び第2の基板1Bの材料としては、種々のガラス材料を用いることができる他に、PMMA、ポリカーボネート、ポリスチレン等のプラスチック材料、あるいはアルミニウムなどの金属材料を用いることもでき、更にその他の様々な材料を用いることができるが、特に好ましいのは、シクロオレフィン系のポリマーであり、このポリマーは、加工性、及び、耐熱、耐水性、光学透光性等の材料特性の全てにおいて優れたものである。
また、第1の基板1Aは、発光構造体100(発光層2)からの光をできるだけ透過させることができるように、全光線透過率を50%以上とすることのできる材料で形成することが好ましい。
色補正シート7は、光拡散機能を有し、第1の基板1Aが陽極3に臨む面と反対側の面に接着層6を介して設けられている。このような接着層6を構成する粘・接着剤としては、例えば、アクリル系、ウレタン系、ゴム系、シリコーン系の粘・接着剤が挙げられる。いずれの場合も、高温である光源に隣接して使用されるため、100℃で貯蔵弾性率G’が1.0E+04(Pa)以上であることが望ましい。これより値が低いと、使用中に色補正シート7と第1の基板1Aがずれてしまう可能性がある。色補正シート7と第1の基板1Aが大きくずれてしまうと、色補正シート7に発光層2からの光が効率よく入射しないため、光の利用効率が低下してしまう。
また、安定的に発光層2と色補正シート7との間隙を確保するために、接着層6を構成する接・粘着剤層の中に透明の微粒子、例えば、ビーズ等を混ぜて光拡散機能を持たせても良い。また、粘・接着剤は両面テープ状のものでも良いし、単層のものでもよい。
色補正シート7は、発光層2からの光を偏向して、照射方向Fに出射して光の外部取り出し効率を向上する機能を有する。色補正シート7は、第1の基板1Aと反対側に臨む表面と、この表面に並べられた色補正構造層5とを有している。言い換えれば、EL素子101は、第1の基板1Aと、この基板1Aの一方の面に設けられ、陽極3と陰極4とに挟まれた発光層2とを備えている。第1の基板1Aの他方の面に色補正シート7が設けられ、色補正シート7は、表面と、この表面に並べられた色補正構造層5とを有している。
発光層2から出射した光B0は、第1の基板1Aを透過し(光B1)、色補正構造層5に入射する。色補正構造層5に入射した光B1は、図1に示すように、一部は、色補正構造層5の出射面から外部へ出射される光B2となる。
もし、図2に示すように色補正構造層5がなく平坦面であった場合は、光B1の大部分は、平坦面で反射し、再度発光層2に入射する光B12となる。光B12は、照射方向Fに偏向されないため、光B12は損失してしまう。
このため、EL素子101の光の外部取り出し効率を向上するには、光B12を減少させ、光B1を増加することが重要である。
また発光層2からの光は、射出角度が大きくなるにつれて、発光色の角度依存性が大きくなる。特に射出角度50度以上の光B101が、正面方向の近傍の光B100(射出角度0〜30度)に対して、大きく発光色が異なるため、色ズレが発生する。
また発光層2からの光は、射出角度が大きくなるにつれて、発光色の角度依存性が大きくなる。特に射出角度50度以上の光B101が、正面方向の近傍の光B100(射出角度0〜30度)に対して、大きく発光色が異なるため、色ズレが発生する。
光の外部取り出し効率を向上する従来の方法としては、プリズムなどの構造を形成する方法や、略半球状のマイクロレンズを形成する方法などがある。
また、色ズレの問題を解消する方法としては、透明基材にフィラーを塗布して凹凸面を形成した拡散フィルムを設置する方法がある。
また、色ズレの問題を解消する方法としては、透明基材にフィラーを塗布して凹凸面を形成した拡散フィルムを設置する方法がある。
しかし、プリズムなどの構造を形成する方法や、略半球状のマイクロレンズを形成する方法では、以下の問題がある。
プリズムや、マイクロレンズなどの構造を単純に設けるだけでは、色ズレは解消されない。それは、単一形状のプリズムや、マイクロレンズでは、射出角度50度以上の光B101と、正面方向近傍の光B100を十分に混ぜることが出来ないためである。
プリズムや、マイクロレンズなどの構造を単純に設けるだけでは、色ズレは解消されない。それは、単一形状のプリズムや、マイクロレンズでは、射出角度50度以上の光B101と、正面方向近傍の光B100を十分に混ぜることが出来ないためである。
例えば、マイクロレンズ形状では、正面方向近傍の光B100は大きく偏向されずにEL素子101の正面方向に射出され、射出角度50度以上の光B101も大きく偏向されずにEL素子101の射出角度50度以上の方向に射出される。そのため、EL素子101から発光する光は射出角度が大きくなるほど発光色が異なり、正面方向と、射出角度50以上の方向では観察される色が異なってしまう色ズレの問題が生じる。
透明基材にフィラーを塗布して凹凸面を形成した拡散フィルムを設置する方法では、以下の問題がある。
上述の色ズレを解消するためには、拡散度を大きくする必要があり、単純に表面を凹凸面にする表面拡散では、拡散度が不十分である。
上述の色ズレを解消するためには、拡散度を大きくする必要があり、単純に表面を凹凸面にする表面拡散では、拡散度が不十分である。
また、フィルム内部に拡散粒子を設ける方法もあるが、拡散粒子を添加して色ズレを解消するには多量に拡散粒子を添加する必要がある。拡散粒子を多量に添加すると光の吸収が発生し、光の外部取り出し効率が低下する問題が発生してしまう。
そのため、EL素子101の光の外部取り出し効率を向上し、かつ色ズレを解消するため、図3に示す色補正シート7をEL素子101の表面に設ける。図3は色補正シート7の構成を示し、(a)は斜視図、(b)は側面図である。
この色補正シート7の色補正構造層5は、発光層2から出射される光B0を偏向して照射方向Fに偏向するための少なくとも3種類以上の色補正構造、例えば第1の色補正構造40と第2の色補正構造50と第3の色補正構造60から構成されている。これら第1の色補正構造40と第2の色補正構造50と第3の色補正構造60は基材8上に別体として配置したものであってもよいし、第1の色補正構造40と第2の色補正構造50と第3の色補正構造60と基材8を一体成型したものであってもよい。
図4は、本発明の第1の色補正構造40の概略図である。
第1の色補正構造40の断面形状は、略半円形状の一部でかつ、前記第1の色補正構造40の高さをTM、底辺の幅をPMとした際に、TM/PMが0.5未満である。
第1の色補正構造40の断面形状は、略半円形状の一部でかつ、前記第1の色補正構造40の高さをTM、底辺の幅をPMとした際に、TM/PMが0.5未満である。
上述の形状を満たすことで、正面方向近傍の光B100は大きく偏向されずに第1の色補正構造40の正面方向に射出する光B200となる。
上述の現象は、正面方向近傍の光B100を大きく偏向するために必要な傾斜角度が少ないために起こる。
上述の現象は、正面方向近傍の光B100を大きく偏向するために必要な傾斜角度が少ないために起こる。
正面方向近傍の光B100を大きく偏向するためには、傾斜角度45度以上の角度が必要となる。例えば断面形状がTM/PMが0.5である半円形状として考えると、傾斜角度が45度以上の領域は、幅PMに対して3割未満となる。そのため、TM/PMが0.5未満であれば、傾斜角度が45度以上の領域はより減少し、正面方向近傍の光B100を大きく偏向することは困難になる。
さらに、第1の色補正構造40の断面形状は、射出角度50度以上の光B101も大きく偏向されずにEL素子101の射出角度50度以上の方向に射出する光201となる。そのため、第1の色補正構造40から発光する光は射出角度が大きくなるほど発光色が異なる色の分布となる。
図5は、本発明の第2の色補正構造50の概略図である。
第2の色補正構造50の断面形状は、三角形などの多角形プリズムあるいは略楕円形状の一部であり、かつ前記第2の色補正構造50の高さをTL、底辺の幅をPLとした際に、TL/PLが0.5以上1以内で、かつ裾の傾斜角度θが45度以上80度以内である。
第2の色補正構造50の断面形状は、三角形などの多角形プリズムあるいは略楕円形状の一部であり、かつ前記第2の色補正構造50の高さをTL、底辺の幅をPLとした際に、TL/PLが0.5以上1以内で、かつ裾の傾斜角度θが45度以上80度以内である。
上述の形状を満たすことで、正面方向近傍の光B100は大きく偏向し、大きな射出角度を有した光B301となる。
正面方向近傍の光B100が第2の色補正構造50の斜面に入射し、透過せずに全反射し光B300となる。光B300は最初に入射した斜面と対をなす斜面に入射し、屈折して透過し大きな射出角度を有した光B301となる。
正面方向近傍の光B100が第2の色補正構造50の斜面に入射し、透過せずに全反射し光B300となる。光B300は最初に入射した斜面と対をなす斜面に入射し、屈折して透過し大きな射出角度を有した光B301となる。
このように、正面方向近傍の光B100を大きく偏向し、大きな射出角度を有した光B301とするには、TL/PLが0.5以上で、かつ裾の傾斜角度θが45度以上である必要がある。裾の傾斜角度θが45度未満では、全反射による光B300の発生が少なくなる。
また、TL/PLが0.5未満では、光B300が最初に入射した斜面と対をなす斜面に入射することができずに、全反射を繰り返し、発光層側に戻るか、あるいは色補正シートを導波する光となり外部に取り出せず損失となってしまう。
さらに、第2の色補正構造50の断面形状は、裾の傾斜角度θが80度以内で、かつTL/PLが1以内である必要がある。
裾の傾斜角度θが80度を超えると、全反射による光B300が正面方向に対して十分な角度を有して偏向しない。そのため、最初に入射した斜面と対をなす斜面に入射することができずに、全反射を繰り返し、発光層側に戻るか、あるいは色補正シートを導波する光となり外部に取り出せず損失となってしまう。
裾の傾斜角度θが80度を超えると、全反射による光B300が正面方向に対して十分な角度を有して偏向しない。そのため、最初に入射した斜面と対をなす斜面に入射することができずに、全反射を繰り返し、発光層側に戻るか、あるいは色補正シートを導波する光となり外部に取り出せず損失となってしまう。
また、TL/PLが1を超えると、大きな射出角度を有した光B301が隣接する第2の色補正構造50に入射して、発光層側に戻るか、あるいは色補正シートを導波する光となり外部に取り出せず損失となってしまう。
そのため、第2の色補正構造50の断面形状は、TL/PLが0.5以上1以内で、かつ裾の傾斜角度θが45度以上80度以内である必要がある。
さらに、第2の色補正構造50の断面形状は、射出角度50度以上の光B101も大きく偏向されずに第2の色補正構造50の射出角度50度以上の方向に射出する光302となる。
さらに、第2の色補正構造50の断面形状は、射出角度50度以上の光B101も大きく偏向されずに第2の色補正構造50の射出角度50度以上の方向に射出する光302となる。
光301の射出角度は、光302の射出角度よりも大きいか、ほぼ同等の角度となる。
そのため、第2の色補正構造50から発光する光は、射出角度が大きくなると光B100と、光B101の混合した発光色となる色の分布となる。
そのため、第2の色補正構造50から発光する光は、射出角度が大きくなると光B100と、光B101の混合した発光色となる色の分布となる。
図6は、本発明の第3の色補正構造60の概略図である。図6(a)は第3の色補正構造60の側面図、図6(b)、(c)は第3の色補正構造60に関する説明図である。
第3の色補正構造60は、図6(a)に示すように微少構造70を有する略平坦面である。微少構造70の高さをTS、底辺の幅をPSとした際に、TS/PSが0.5未満である。
図6(b)に示すように、第2の色補正構造50の単位構造が隙間なく隣接していると、大きな射出角度を有した光B301は、隣接する第2の色補正構造50に入射し、発光層側に戻るか、あるいは色補正シートを導波する光となり外部に取り出せず損失となってしまう。
図6(c)に示すように、第3の色補正構造60を設けることで、第2の色補正構造50間に設けることで、大きな射出角度を有した光B301が、隣接する第2の色補正構造に入射することなく外部に射出される。そのため、第2の色補正構造に色補正効果が大きくなる利点がある。
しかし、単純な略平坦面では、図2に示すように光の全反射が発生し光の損失が生じてしまう。そのため、微少構造を有することで、全反射による光の損失を低減することが可能となる。上述の微少構造の高さをTS、底辺の幅をPSとした際に、TS/PSは0.5未満が好ましい。
上述の形状を満たすことで、微少構造に入射する正面方向近傍の光は大きく偏向されずに微少構造の正面方向に射出するとなる。
上述の現象は、正面方向近傍の光を大きく偏向するために必要な傾斜角度が少ないために起こる。
上述の現象は、正面方向近傍の光を大きく偏向するために必要な傾斜角度が少ないために起こる。
正面方向近傍の光を大きく偏向するためには、傾斜角度45度以上の角度が必要となる。例えば断面形状がTS/PSが0.5である半円形状として考えると、傾斜角度が45度以上の領域は、幅PSに対して3割未満となる。そのため、TS/PSが0.5未満であれば、傾斜角度が45度以上の領域はより減少し、正面方向近傍の光大きく偏向することは困難になる。
上述の光の偏向特性を微少構造が有することで、正面方向近傍の光が大きく偏向しないため、微少構造から射出した光は、隣接する第1の色補正構造、あるいは第2の色補正構造に入射することなく、外部に射出することが可能となる。
TS/PSが0.5以上の場合、正面方向近傍の光B100が微少構造の斜面に入射し、透過せずに全反射する光となる。全反射した光は最初に入射した斜面と対をなす斜面に入射し、屈折して透過し大きな射出角度を有した光となる。この大きな射出角度を有した光は、隣接する第1の色補正構造、あるいは第2の色補正構造に入射し、発光層側に戻るか、あるいは色補正シートを導波する光となり外部に取り出せず損失となってしまう。
そのため、TS/PSは0.5未満である必要がある。
また第3の色補正構造は、第2の色補正構造50の間に必ず設置するのが好ましい。
これは、第2の色補正構造間を十分か間隔を有することで、図6(c)に示すように、大きな射出角度を有した光B301が、隣接する第2の色補正構造に入射することなく外部に射出される。そのため、第2の色補正構造に色補正効果が大きくなる利点がある。
また第3の色補正構造は、第2の色補正構造50の間に必ず設置するのが好ましい。
これは、第2の色補正構造間を十分か間隔を有することで、図6(c)に示すように、大きな射出角度を有した光B301が、隣接する第2の色補正構造に入射することなく外部に射出される。そのため、第2の色補正構造に色補正効果が大きくなる利点がある。
微少構造の高さをTSは、第2の色補正構造の高さTLよりも小さいことが好ましい。
より好ましくは、0.2TL≧TSである。
上述の範囲を満たすことで、第2の色補正構造から射出した光が微少構造に入射することを防止することが可能となり、第2の色補正構造に色補正効果が大きくなる利点がある。
より好ましくは、0.2TL≧TSである。
上述の範囲を満たすことで、第2の色補正構造から射出した光が微少構造に入射することを防止することが可能となり、第2の色補正構造に色補正効果が大きくなる利点がある。
第3の色補正構造の色補正シート上における面積率は、20%以下で、かつ1%以上が好ましい。
第3の色補正構造の面積率が20%を超える場合、第1の色補正構造および、第2の色補正構造の面積率が低下し、色補正シート全体の色補正効果が低減してしまう。
第3の色補正構造の面積率が20%を超える場合、第1の色補正構造および、第2の色補正構造の面積率が低下し、色補正シート全体の色補正効果が低減してしまう。
第3の色補正構造の面積率が1%未満の場合、第2の色補正構造間に十分な空間が確保されずに、図6(b)に示すように隣接する第2の色補正構造に光が入射し損失となってしまうため、色補正シート全体の光取出効果が低減してしまう。
第1の色補正構造40と、第2の色補正構造50は正面方向近傍の光B100の偏向方向が異なるため、対称的な色分布を有する。
それぞれ単独の構造では、色ズレの問題が生じるが、対照的な色分布を有する2種類の色補正構造を有することで、互いの色分布の特性を打ち消しあうことが可能となり、結果として色ズレの問題を解消することが可能となる。
それぞれ単独の構造では、色ズレの問題が生じるが、対照的な色分布を有する2種類の色補正構造を有することで、互いの色分布の特性を打ち消しあうことが可能となり、結果として色ズレの問題を解消することが可能となる。
第2の色補正構造50の傾斜角度θを60度以上80度以内にすることがより好ましい。これは、光B301の射出角度がより大きくなり、第1の色補正構造40と、第2の色補正構造50の色分布が、より対称的になるためである。
色補正構造層5は、図3に一例を示すように、例えばシート状の透光性の基材8の一方の面、即ち照射方向Fの面(この面を表面という)8aに例えば第1の色補正構造40として略半球形状のマイクロレンズが一部の領域に分散して複数個形成されている。なお、図3において、8bは基材8の裏面を示している。
第1の色補正構造40の隙間を埋めるように、第2の色補正構造50は、例えば図3(b)に示すように、断面が凸状のレンズまたはプリズム形状を形成し、かつ一方向に延在する帯状を呈し、当該帯状の凸状のレンズまたはプリズム形状が、第1の色補正構造40、第3の色補正構造60の間を互いに交差するように配列してもよい。
例えば一次元方向に延在する略柱状の凸部材として、例えば断面三角形柱状のプリズムレンズが第2の色補正構造50として基材8の表面8a全域に同一方向に複数本配列して形成される。また、第1の色補正構造40のマイクロレンズは第2の色補正構造50のプリズムレンズの一部に重なって形成される。
また微少構造70を有する略平坦面の第3の色補正構造60は、第2の色補正構造に囲まれて形成されている。
第2の色補正構造50は、例えば図3(b)に示すように、断面が凸状のレンズまたはプリズム形状を形成し、かつ一方向に延在する帯状を呈し、当該帯状の凸状のレンズまたはプリズム形状が、第1の色補正構造40の間を互いに交差するように配列することが好ましい。
第2の色補正構造50は、例えば図3(b)に示すように、断面が凸状のレンズまたはプリズム形状を形成し、かつ一方向に延在する帯状を呈し、当該帯状の凸状のレンズまたはプリズム形状が、第1の色補正構造40の間を互いに交差するように配列することが好ましい。
もし、第1の色補正構造40の間を互いに交差することなく一方向に延在する帯状を呈した場合と、延在する一方向に関しては、第1の色補正構造40は傾斜角を有していない、すなわち平面状の効果と同等となり、図2に示す光B12のように、外部に取り出すことが出来ない光となり、光の外部取り出し効率が小さくなる課題が生じる。
そのため、断面が凸状のレンズまたはプリズム形状を形成し、かつ一方向に延在する帯状を呈し、当該帯状の凸状のレンズまたはプリズム形状が、第1の色補正構造40の間を互いに交差するように配列することで、2次元方向に対して、傾斜角を設けることが可能となるため、光の外部取り出し効率が大きくなり、好ましい。
さらに、上述のように配列することで、第2の色補正構造50が照射方向Fに出射する光の配光分布を2次元方向に調整することが可能となる。そのため、第2の色補正構造50を任意の形状にすることで、第2の色補正構造50の出射光を対称な配光分布にしたり、あるいは、非対称な配光分布にすることが可能となるため好ましい。
図3において、第1の色補正構造40は、基材8の表面8aに接する径をPMとし、基材8の表面8aを基準とした高さをTMとする。また、第2の色補正構造50は基材8の表面8aに接触する底部の幅をPLとし、表面8aから頂部までの高さをTMとし、裾の傾斜角度をθとする。
第1の色補正構造40は、マイクロレンズ形状をなしており、複数等間隔をあけて規則的に、又は、不等間隔を空けて不規則に配列されている。この第1の色補正構造40の形状としては、略半円球形状のものが挙げられる。
また、第1の色補正構造40の基材8の片面に沿った幅のうち最も長い幅である最長直径PMは、20μm以上200μm以内に設定される。最長直径PMが20μm未満では、第1の色補正構造40で回折光が発生し、第1の色補正構造40に入射した光B1を照射方向Fに偏向する効率が低下してしまうため好ましくない。最長直径PMが200μmを超える場合は、第1の色補正構造40が大きくなり観察者に視認されるため好ましくない。
隣接する第1の色補正構造40の中心同士の距離は、50μm以上5000μm以下が好ましい。
第3の色補正構造60は、略平坦面であり、微少構造70を有する。
第3の色補正構造60は、略平坦面であり、微少構造70を有する。
微少構造70は、マイクロレンズ形状をなしており、複数等間隔をあけて規則的に、又は、不等間隔を空けて不規則に配列されている。この微少構造70の形状としては、略半円球形状あるいは、略半楕円形状のものが挙げられる。
また、微少構造70の基材8の片面に沿った幅のうち最も長い幅である最長直径PSは、1μm以上100μm以内に設定される。最長直径PSが1μm未満では、微少構造70で回折光が発生し、微少構造70に入射した光を照射方向Fに偏向する効率が低下してしまうため好ましくない。最長直径PMが100μmを超える場合は、微少構造70が大きくなり観察者に視認されるため好ましくない。
そして、このように配列された第1の色補正構造40と、第3の色補正構造60の間を埋めるようにして第2の色補正構造50を複数設ける。なお、第1の色補正構造40、第3の色補正構造60はそれぞれが隣り合う第1の色補正構造40同士、あるいは第3の色補正構造60同士で互いに接したものでないのに対し、第2の色補正構造50は第1の色補正構造40と、第3の色補正構造60の間に複数が互いに接した状態で配列されている。
上述のような第2の色補正構造50の形状は、図7(a)に示すように、所定のピッチで形成された凸状の第1のプリズム61と、該第1のプリズム61と略直交する方向に形成された凸状の第2のプリズム62を有している。図7(a)は第2の色補正構造50を示す斜視図、(b)は色補正シート7の構成を示す平面図及び側面図、(c)は色補正シート7の基材の裏面図である。
プリズムが一方向に並んだプリズムシートは、プリズムの斜面により、色補正構造層5の第2の色補正構造50に入射した光B1をレンズの配列している方向に配光分布を制御することが可能である。そのため、第2凹凸部に一方向に並んだプリズムを用いた場合、1次元的に配光分布の調整が可能となる。しかし、EL素子101を照明用途して用いる場合は、少なくとも2次元的に配光分布を調整する必要がある。その理由として、例えば照明装置の設置場所によっては、ある特定方向は、照射する必要がなく、広い配光分布ではなく正面方向の輝度向上を要求することがある。あるいは、色補正構造層5の第2の色補正構造50に入射した光B1は非対称な配光分布になる場合で、かつ照明装置から出射される光の配光分布が、対称な配光分布であることが要求される場合、照明装置から出射される光の配光分布を1次元方向のみの調整で対称な配光分布にすることは困難であるため、2次元方向の調整が可能な本発明の構成が好ましい。
また、本発明の構成のように、プリズムが略直行して配列したクロスプリズムでは、光を2次元的に広げるために、新たにレンズシートを追加することなく、適切な配光分布に調整することが可能となり、照明装置の軽量化、薄型化、低コスト化を図ることも可能である。
第1のプリズム61、及び第2のプリズム62の斜面は、直線形状であることが好ましい。直線形状であることで、色補正構造層5の第2の色補正構造50に入射した光B1を略同一方向に偏向することが可能となるため、任意の方向に光を集光することが可能となる。また、第1のプリズム61、及び第2のプリズム62の形状は同じでも良いし、異なっていても良い。
あるいは、図8(a)に示すように、第2の色補正構造50は、所定のピッチで形成された凸状の第1のシリンドリカルレンズ61aと、該第1のシリンドリカルレンズ61aと略直交する方向に形成された凸状の第2のシリンドリカルレンズ62aを有する形状にしてもよい。図8(a)は第2の色補正構造50の他の構成例を示す斜視図、(b)は色補正シート7の構成を示す平面図及び側面図、(c)は色補正シート7の基材の裏面図である。
シリンドリカルレンズが一方向に並んだレンチキュラーレンズシートは、レンズの曲面により、色補正構造層5の第2の色補正構造50に入射した光B1をレンズの配列している方向に配光分布を制御することが可能である。そのため、第2の色補正構造50にレンチキュラーレンズシートを用いた場合、1次元的に配光分布の調整が可能となる。しかし、照明用途して用いる場合は、少なくとも2次元的に配光分布を調整する必要がある。その理由として、例えば照明装置の設置場所によっては、ある特定方向は、照射する必要がなく、広い配光分布ではなく正面方向の輝度向上を要求することがある。あるいは、色補正構造層5の第2の色補正構造50に入射した光B1は非対称な配光分布になる場合で、かつ照明装置から出射される光の配光分布が、対称な配光分布であることが要求される場合、1次元方向のみの調整では困難であるため、2次元方向の調整が可能な本発明の構成が好ましい。
また、本発明の構成のように、シリンドリカルレンズが略直行して配列したクロスレンチキュラーレンズシートでは、光を2次元的に広げるために、新たにレンズシートを追加することなく、適切な配光分布に調整することが可能となり、照明装置の軽量化、薄型化、低コスト化を図ることも可能である。
第1のシリンドリカルレンズ61a、及び第2のシリンドリカルレンズ62aの断面形状は、完全な半円形(球面レンズ)ではなく、半楕円形(楕円面レンズ)、放物線形(放物面レンズ)などの、いわゆる非半円形(いわゆる2次の非球面形状)のもの、さらには、2次以降の項を有する高次非球面形状のものなどが好ましい。
非球面形状のレンズを用いることで、レンズ側面に適切な傾きをもった領域の面積を調節することができ、完全な半円形レンズに比べ、より出射する光線を調整することができる。
また、第1のシリンドリカルレンズ61a、第2のシリンドリカルレンズ62aの形状は同じでも良いし、異なっていても良い。
また、第2の色補正構造50は、例えば図9〜図11に示すように、基材8の片面に隙間無く配置された底辺が多角形である多角錐凸レンズ、あるいは多角錐凹レンズでもよい。
また、第2の色補正構造50は、例えば図9〜図11に示すように、基材8の片面に隙間無く配置された底辺が多角形である多角錐凸レンズ、あるいは多角錐凹レンズでもよい。
図9は色補正シート7の基材8の片面に第2の色補正構造50を隙間無く配置した場合の構成例を示す平面図である。図10(a)は、第2の色補正構造50を底面9が四角形の四角錐凸レンズ52により構成した場合の例を示す斜視図、(b)は同例における色補正シート7の構成を示す平面図及び側面図、(c)は色補正シート基材の裏面図である。図11(a)は、第2の色補正構造50を四角錐凹レンズ54により構成した場合の例を示す斜視図、(b)は同例における色補正シート7の構成を示す平面図及び側面図、(c)は色補正シート基材の裏面図である。
EL素子101から出射する光の配光分布を対称にする要求がある場合は、底面9を略正方形にし、四角錐凸レンズ52の4つある斜面の傾斜角度を略同一とすることが好ましい。
EL素子101から出射する光の配光分布を非対称にする要求がある場合は、底面9を長辺と短辺を有する長方形とした四角錐凸レンズ52にしてもよい。底面9を長方形とすることで、短辺方向の四角錐凸レンズ52の傾斜角度と、長辺方向の四角錐凸レンズ52の傾斜角度とが異なるため、EL素子101から出射する光の配光分布を長辺方向と短辺方向とで非対称にすることが可能となる。
図11は、第2の色補正構造50を、底面が四角形の四角錐凹レンズ形状として隙間無く配置したものである。この四角錐凹レンズ形状の第2の色補正構造50は、色補正構造層5の第2の色補正構造50に入射した光B1を照射方向Fに出射するように取り出すためのものである。なお、第2の色補正構造50において、四角錐凹レンズ形状が、図9に示す第2の色補正構造50の最も高い位置の形状が点である四角錐凸レンズ形状より、第2の色補正構造50の最も高い位置の形状が線であるので耐擦性が向上するため、より好ましい。
EL素子101から出射する光の配光分布を対称にする要求がある場合は、底面を略正方形にし、四角錐凹レンズの4つある斜面の傾斜角度を略同一とすることが好ましい。
EL素子101から出射する光の配光分布を非対称にする要求がある場合は、底面を長辺と短辺を有する長方形とした四角錐凹レンズ54にしてもよい。底面を長方形とすることで、短辺方向の四角錐凹レンズ54の傾斜角度と、長辺方向の四角錐凹レンズの傾斜角度とが異なるため、EL素子101から出射する光の配光分布を長辺方向と短辺方向とで非対称にすることが可能となる。
第2の色補正構造50がプリズムレンズ又は四角錐形状をなす場合、その先端頂部をカットして平坦状にしたり、又は丸みをつけて曲面状にしたものであってもよい。さらに、プリズム形状をなす2つの側面又は四角錐形状をなす4つの斜面を、凸曲面状又は凹曲面状に湾曲させたものであってもよい。
第2の色補正構造50の基材8の片面に沿った幅PL、即ち、プリズムレンズの場合は断面三角形の底辺の幅、シリンドリカルレンズの場合は断面半楕円形状の直線部の幅、四角錐形状の場合は底面の一辺の幅は、第2の色補正構造50で回折光が発生しにくく、照射方向から視認されにくいように20μm以上、200μm以内に設定される。
色補正シート7の所望の光の外部取り出し効率を向上するために、第1の色補正構造40と第2の色補正構造50の高さ比や、第1の色補正構造40と第2の色補正構造50の基材8に対する比率は、適宜調整することが可能である。
色補正シート7は、図12、図13に示すように、第1の色補正構造40の配置パターンを設けることが可能である。
図12に示すように、第1の色補正構造40を略均一に配置して、ムラを発生させないような配置パターンを設けてもよい。この場合、第1の色補正構造40の配列は、図12(a)に示すように正方格子を形成していてもよく、図12(b)に示すように三角格子を形成していてもよい。三角格子に形成した場合、正方格子と比較して、隣接する第1の色補正構造40間の最短距離をより小さくして配置することが可能となり、第1の色補正構造40の密度の最大値を大きくすることが可能となるため好ましい。
図12に示すように、第1の色補正構造40を略均一に配置して、ムラを発生させないような配置パターンを設けてもよい。この場合、第1の色補正構造40の配列は、図12(a)に示すように正方格子を形成していてもよく、図12(b)に示すように三角格子を形成していてもよい。三角格子に形成した場合、正方格子と比較して、隣接する第1の色補正構造40間の最短距離をより小さくして配置することが可能となり、第1の色補正構造40の密度の最大値を大きくすることが可能となるため好ましい。
また図12(c)のように、第1の色補正構造40を全体的に不規則に配置してもよい。不規則に配置することで、EL素子101に画素パターンを設けた場合、第1の色補正構造40の配置パターンと、EL素子101に画素パターンを間との干渉で発生するモアレを防ぐことが可能となるので、より好ましい。
また第1の色補正構造40を均一に配置する配置パターンとして、図13に示すように、第1の色補正構造40の傾斜角度などの形状が相似しており、大きさが異なるものを配列してもよい。
この色補正シート7を成型する材料としては、発光層2から出射される光の波長に対して光透過性を有するものが使用され、例えば、光学用部材に使用可能なプラスチック材料を使用することができる。
この材料の例としては、ポリエステル樹脂、アクリル樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリスチレン樹脂、MS(アクリルとスチレンの共重合体)樹脂、ポリメチルペンテン樹脂、シクロオレフィンポリマー等の熱可塑性樹脂、あるいはポリエステルアクリレート、ウレタンアクリレート、エポキシアクリレート等のオリゴマー又はアクリレート系等からなる活性エネルギー線(放射線)硬化性樹脂などの透明樹脂が挙げられる。また、用途により、透明樹脂中に微粒子を分散させて使用してもよい。
この微粒子としては無機酸化物からなる粒子又は樹脂からなる粒子が使用できる。例えば、無機酸化物からなる透明粒子としてはシリカやアルミナ、酸化チタン等からなる粒子を挙げることができる。また、樹脂からなる透明粒子としては、アクリル粒子、スチレン粒子、スチレンアクリル粒子及びその架橋体、メラミン−ホルマリン縮合物の粒子、PTFE(ポリテトラフルオロエチレン)、PFA(ペルフルオロアルコキシ樹脂)、FEP(テトラフルオロエチレン−ヘキサフルオロプロピレン共重合体)、PVDF(ポリフルオロビニリデン)、及びETFE(エチレン−テトラフルオロエチレン共重合体)等の含フッ素ポリマー粒子、シリコーン樹脂粒子等を挙げることができる。これら微粒子は、2種類以上を混合して使用してもよい。
そして、色補正シート7は、このような材料を金型に流し込み凝固されることで成型される。この金型の作製方法としては、まず、銅メッキを施した金型にカーボンブラックを樹脂に分散させたラッカーをスプレー方式で約5μm塗布した後、1060nm波長の赤外線レーザーを照射し、ラッカーを昇華させる。その後、塩化鉄クロム酸溶液に金型をつけ、深さ方向と幅方向を等方状に銅を腐食させ、第1の色補正構造40と、微少構造70に対応する部分が作製される。
あるいは、ラッカーを塗布する前に、微粒子を金型に散布し、ラッカー塗布後に、微粒子を取り除くことで、ラッカーに微少な穴を生成する。その後、塩化鉄クロム酸溶液に金型を漬け、深さ方向と幅方向を等方状に銅を腐食させ、微少構造70に対応する部分を作成可能である。
次に、この金型に対して各種レンズ形状を有するダイヤモンドバイトを用いて、断面形状が三角形状を切削し第2の色補正構造50に対応する部分を作製する。
また、このような金型で色補正シート7を作製する方法の他、第1の色補正構造40や第2の色補正構造50、基材8の形成法としては熱可塑性樹脂や紫外線硬化性樹脂と上記の形状が賦形した金型を用いて、押出し成型や射出成型、UV成型法などで成型することができる。この際、第1の色補正構造40、第2の色補正構造50及び基材8を別体として成型してもよいし、一体品として成型してもよい。また第1の色補正構造40、第2の色補正構造50及び基材8を成型する場合には、内部にフィラーなど拡散剤を分散させ、成型することもできる。
また、このような金型で色補正シート7を作製する方法の他、第1の色補正構造40や第2の色補正構造50、基材8の形成法としては熱可塑性樹脂や紫外線硬化性樹脂と上記の形状が賦形した金型を用いて、押出し成型や射出成型、UV成型法などで成型することができる。この際、第1の色補正構造40、第2の色補正構造50及び基材8を別体として成型してもよいし、一体品として成型してもよい。また第1の色補正構造40、第2の色補正構造50及び基材8を成型する場合には、内部にフィラーなど拡散剤を分散させ、成型することもできる。
また帯電防止剤として、 導電性微粒子のアンチモン含有酸化スズ(以下、ATO)や、スズ含有酸化インジウム(ITO)等の超微粒子を分散させてもよい。帯電防止剤を分散することで、色補正シート7の防汚性を向上することが可能となる。
UV成型法のような、色補正構造層5が基材8を別体にて成型する場合は、基材8は透明なフィルムであり、セルローストリアセテート、ポリエステル、ポリアミド、ポリイミド、ポリプロピレン、ポリメチルペンテン、ポリ塩化ビニル、ポリビニルアセタール、ポリメタアクリル酸メチル、ポリカーボネート、ポリウレタン等の熱可塑性樹脂の延伸又は未延伸フィルムを使用することができる。
基材8の厚みは、基材8がもつ剛性にもよるが、50〜300μmのものが、加工性等の取扱い面から見て好ましい。
また、色補正構造層5が基材8と強固に接着しなかったり、寒熱、吸脱湿等の外的影響で接着力が低下したりするときは、色補正構造層5が基材8との間に、両材料に対して接着性の高いプライマ層を設けてもよいし、色補正構造層5にプライマ層の作用を付加してもよい。
また、色補正構造層5が基材8と強固に接着しなかったり、寒熱、吸脱湿等の外的影響で接着力が低下したりするときは、色補正構造層5が基材8との間に、両材料に対して接着性の高いプライマ層を設けてもよいし、色補正構造層5にプライマ層の作用を付加してもよい。
あるいは、コロナ放電処理等の易接着処理を施してもよい。
なお、色補正シート7についての代表的な例を説明してきたが、本実施形態の光学特性を達成することができれば上記以外の材料や構造、プロセスなどを使用して作製することも可能である。
なお、色補正シート7についての代表的な例を説明してきたが、本実施形態の光学特性を達成することができれば上記以外の材料や構造、プロセスなどを使用して作製することも可能である。
1A…第1の基板、1B…第2の基板、2…発光層、3…陽極、4…陰極、5…色補正構造層、6…接着層、7…色補正シート、8…基材、8a…基材の表面、8b…基材の裏面、9…底面、40…第1の色補正構造、50…第2の色補正構造、52…四角錐凸レンズ、54…四角錐凹レンズ、60…第3の色補正構造、61…第1のプリズム、61a…第1のシリンドリカルレンズ、62…第2のプリズム、62a…第2のシリンドリカルレンズ、70…微少構造、100…発光構造体、101…EL素子、θ…傾斜角度、B0、B1、B2、B3、B4、B5、B12、B100、B101、B200、B201、B300、B301、302…光、PM…第1の色補正構造の幅、PL…第2の色補正構造の幅、PS…微少構造の底辺の幅、TM…第1の色補正構造の高さ、TL…第2の色補正構造の高さ、TS…微少構造の高さ。
Claims (11)
- 透光性基板と、陽極と陰極に挟まれた状態で前記透光性基板の一方の面に設けられた発光層とを備えたEL素子であって、
前記透光性基板の他方の面に接着層を介して設けられた色補正シートと、前記発光層に隣接して前記色補正シートと反対側に設けられた光反射層とを備えており、
前記色補正シートは、少なくとも第1の色補正構造、第2の色補正構造、第3の色補正構造の3種類以上の色補正構造を有し、
前記第1の色補正構造の断面形状は、略半円形状の一部で、かつ前記第1の色補正構造の高さをTM、底辺の幅をPMとした際に、TM/PMが0.5未満であり、
前記第2の色補正構造の断面形状は、三角形などの多角形プリズムあるいは略楕円形状の一部であり、かつ前記第2の色補正構造の高さをTL、底辺の幅をPLとした際に、TL/PLが0.5以上1以内で、かつ裾の傾斜角度θが45度以上80度以内であり、
前記第3の色補正構造は、略平坦面内に形成された略半円形状の一部で、かつ高さをTS、底辺の幅をPSとした際に、TS/PSが0.5未満である微少構造を有していることを特徴とするEL素子。 - 前記色補正シートは、前記発光層が設けられた一方の面とは反対側の他方の面に互いに間隔を空けて配列する複数の第1の色補正構造と、第3の色補正構造とを有し、
前記第1の色補正構造および前記第3の色補正構造同士の間を埋めるように配列されていて前記第1の色補正構造より高さが低く、かつ前記第3の色補正構造より高さが高いレンズを構成する複数の第2の色補正構造とを有していることを特徴とする請求項1に記載のEL素子。 - 前記第2の色補正構造は、断面凸状のレンズまたはプリズム形状であると共に一方向に柱状に延在し、前記第1の色補正構造および前記第3の色補正構造同士の間を埋めるように互いに交差して配列されていることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載のEL素子。
- 前記第2の色補正構造は、底部が多角形の多角凸レンズ部または頂部が多角形の多角凹レンズ部が、前記第1の色補正構造、および前記第3の色補正構造同士の間を埋めるように隙間無く配列されていることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載のEL素子。
- 前記色補正シートは、光拡散機能を有することを特徴とする請求項1乃至請求項4のいずれかに記載のEL素子。
- 前記接着層は、光拡散機能を有することを特徴とする請求項1乃至請求項5のいずれかに記載のEL素子。
- 透光性基材の一方の表面に活性エネルギー線硬化性樹脂を用いて表面に前記第1の色補正構造、前記第2の色補正構造、および前記第3の色補正構造が付与された色補正シートにおいて、
前記第1の色補正構造、前記第2の色補正構造、および前記第3の色補正構造が前記活性エネルギー線硬化性樹脂を介して前記透光性基材表面に前記第1の色補正構造、前記第2の色補正構造、および前記第3の色補正構造が付与された金型を圧着させ、活性エネルギー線を照射することにより前記活性エネルギー線硬化性樹脂を硬化させ、前記第1の色補正構造、前記第2の色補正構造、および前記第3の色補正構造を形成することを特徴とする色補正シートの製造方法。 - 請求項1乃至請求項6のいずれかに記載のEL素子を発光手段として備えていることを特徴とする照明装置。
- 請求項1乃至請求項6のいずれかに記載のEL素子を備え、該EL素子が画素駆動されるように構成されていることを特徴とするディスプレイ装置。
- 画像表示素子を備えてなる液晶ディスプレイ装置であって、
前記画像表示素子の背面に、請求項1乃至請求項6のいずれかに記載のEL素子を配設して構成されていることを特徴とする液晶ディスプレイ装置。 - 画像表示素子を備えてなる液晶ディスプレイ装置であって、
前記画像表示素子の背面に、請求項8に記載の照明装置を配設して構成されていることを特徴とする液晶ディスプレイ装置。
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JP2012144531A JP2014010907A (ja) | 2012-06-27 | 2012-06-27 | El素子、並びにel素子を用いた照明装置、ディスプレイ装置及び液晶ディスプレイ装置 |
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