JP2014010398A - 表示装置 - Google Patents

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一義 櫻木
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豪 鎌田
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Abstract

【課題】優れた正面コントラスト比を有する蛍光励起型の表示装置を提供する。
【解決手段】本発明の表示装置1は、バックライト2と、液晶光変調素子6と、液晶光変調素子6を透過した光を吸収し、バックライト2から射出された光の波長域とは異なる波長域の蛍光を発光する蛍光体層8と、バックライト2と液晶光変調素子6との間、液晶光変調素子6と蛍光体層8との間の少なくとも一方に設けられ、バックライト2から射出された光のうち、コントラスト比が相対的に低い方位角方向の光を選択的にカットする遮光フィルター40と、を備えている。
【選択図】図1

Description

本発明は表示装置に関する。
X線、紫外線、青色光等のエネルギー線によって蛍光体を励起させ、蛍光発光させた光を用いて表示を行う表示装置が従来から知られている。一例として、液晶パネルに蛍光体を組み合わせた形の表示装置が下記の特許文献1に開示されている。この表示装置では、通常の液晶表示装置に用いられるカラーフィルターに代えて、液晶パネルの観察者側に蛍光体層が備えられている。液晶パネルを透過した光は蛍光体層に入射し、蛍光体を励起させる。このとき、蛍光体で発光が生じ、蛍光による表示が行われる。以下、本明細書では、この種の表示装置を蛍光励起型液晶表示装置と称することもある。
特開2009−134275号公報
蛍光励起型液晶表示装置は、コントラスト視野角が広く、色変化の少ないディスプレイとして期待されている。その反面、蛍光励起型液晶表示装置は、画面の正面方向から見たコントラスト比、いわゆる正面コントラスト比が低い、という問題を有している。
本発明は、上記の課題を解決するためになされたものであって、優れた正面コントラスト比を有する蛍光励起型の表示装置を提供することを目的とする。
上記の目的を達成するために、本発明の一実施態様の表示装置は、発光スペクトルにおける490nm以下の波長域内に少なくとも一つのピーク波長を有する光を射出する光源と、入射側偏光板と射出側偏光板と垂直配向モードの液晶層とを含み、前記液晶層の配向状態を電気的に制御することで前記光源から射出された光の透過光量を変調する液晶光変調素子と、前記液晶光変調素子を透過した光を吸収し、前記光源から射出された光の波長域とは異なる波長域の蛍光を発光する蛍光体と、前記光源と前記液晶光変調素子との間、前記液晶光変調素子と前記蛍光体との間の少なくとも一方に設けられ、前記光源から射出された光のうち、前記液晶光変調素子を法線方向から見たときにコントラスト比が相対的に低い方位角方向の光を選択的にカットする遮光フィルターと、を備えたことを特徴とする。
本発明の一実施態様の表示装置は、前記入射側偏光板もしくは前記射出側偏光板の光軸が、0°−180°方向もしくは90°−270°方向に配置され、前記コントラスト比が相対的に低い方位角方向が、45°−225°方向および135°−315°方向であることを特徴とする。
本発明の一実施態様の表示装置は、前記遮光フィルターが、光入射側から順に配置された第1偏光板と、位相差板と、第2偏光板と、で構成されたことを特徴とする。
本発明の一実施態様の表示装置は、前記遮光フィルターを複数備えたことを特徴とする。
本発明の一実施態様の表示装置は、前記複数の遮光フィルターが、前記光源と前記液晶光変調素子との間、前記液晶光変調素子と前記蛍光体との間のいずれか一方に配置され、前記複数の遮光フィルターを構成する第1遮光フィルターの前記第2偏光板と第2遮光フィルターの前記第1偏光板とが、1枚の共通の偏光板であることを特徴とする。
本発明の一実施態様の表示装置は、前記位相差板が、ポジティブAプレートで構成されたことを特徴とする。
本発明の一実施態様の表示装置は、前記第1偏光板と前記第2偏光板との配置がクロスニコルであり、前記第1偏光板および前記第2偏光板の光軸と前記位相差板の光軸とが略45°の角度をなし、前記位相差板のNZ係数が略1であり、前記位相差板の面内位相差をR0、前記光源から射出された光の波長をλとしたとき、R0=λ/2+nλ(n:自然数(1,2,3,…))の条件を満たすことを特徴とする。
本発明の一実施態様の表示装置は、前記第1偏光板と前記第2偏光板との配置がパラレルニコルであり、前記第1偏光板および前記第2偏光板の光軸と前記位相差板の光軸とが略45°の角度をなし、前記位相差板のNZ係数が略1であり、前記位相差板の面内位相差をR0、前記光源から射出された光の波長をλとしたとき、R0=λ+nλ(n:自然数(1,2,3,…))の条件を満たすことを特徴とする。
本発明の一実施態様の表示装置は、前記位相差板が、ネガティブCプレートで構成されたことを特徴とする。
本発明の一実施態様の表示装置は、前記第1偏光板と前記第2偏光板との配置がパラレルニコルであることを特徴とする。
本発明の一実施態様の表示装置は、前記位相差板が、2軸位相差板で構成されたことを特徴とする。
本発明の一実施態様の表示装置は、前記第1偏光板および前記第2偏光板の光軸と前記位相差板の光軸とが、略0°もしくは略90°の角度をなすことを特徴とする。
本発明の一実施態様の表示装置は、前記第1偏光板および前記第2偏光板のいずれか一方が、反射型偏光板で構成されたことを特徴とする。
本発明によれば、優れた正面コントラスト比を有する蛍光励起型の表示装置を提供することができる。
第1実施形態の表示装置を示す概略構成図である。 表示装置に用いる液晶パネルを示す断面図である。 表示装置に用いるバックライトの断面図である。 本実施形態の液晶光変調素子のコントラスト比分布を示す図である。 (A)本実施形態のバックライトの配光分布を示す図、(B)(A)のX1−X2線に沿う配光分布において極角−強度の関係を示すグラフである。 (A)課題を解決するのに必要なバックライトの配光分布を示す図、(B)(A)のX1−X2線に沿う配光分布において極角−強度の関係を示すグラフである。 本実施形態の位相差板の屈折率楕円体を示す図である。 本実施形態の遮光フィルターの作用を説明するための図である。 本実施形態の位相差板の面内位相差と正面透過強度との関係を示すグラフである。 (A)〜(E)位相差板の面内位相差を変化させたときの遮光フィルターを透過する光の輝度分布(透過率分布)を示す図である。 図10のX1−X2線に沿う透過率分布において極角−透過率の関係を示すグラフである。 第2実施形態の表示装置を示す概略構成図である。 本実施形態の遮光フィルターを透過する光の輝度分布(透過率分布)を示す図である。 図13のX1−X2線に沿う透過率分布において極角−透過率の関係を示すグラフである。 正面コントラスト比のシミュレーションに用いた比較例1〜2、実施例1〜5の表示装置の構成を示す図である。 図15に示した表示装置の正面コントラスト比を比較した図である。 第3実施形態の表示装置を示す概略構成図である。 本実施形態の遮光フィルターの作用を説明するための図である。 本実施形態の位相差板の面内位相差と正面透過強度との関係を示すグラフである。 (A)〜(E)位相差板の面内位相差を変化させたときの遮光フィルターを透過する光の輝度分布(透過率分布)を示す図である。 図20のX1−X2線に沿う透過率分布において極角−透過率の関係を示すグラフである。 第4実施形態の表示装置を示す概略構成図である。 正面コントラスト比のシミュレーションに用いた比較例1〜2、実施例6〜10の表示装置の構成を示す図である。 図23に示した表示装置の正面コントラスト比を比較した図である。 第5実施形態の表示装置を示す概略構成図である。 第6実施形態の表示装置を示す概略構成図である。 第7実施形態の表示装置を示す概略構成図である。 第8実施形態の表示装置を示す概略構成図である。 第9実施形態の表示装置を示す概略構成図である。 第10実施形態の表示装置を示す概略構成図である。 第11実施形態の表示装置を示す概略構成図である。 本実施形態の位相差板の屈折率楕円体を示す図である。 (A)〜(E)位相差板の面内位相差を変化させたときの遮光フィルターを透過する光の輝度分布(透過率分布)を示す図である。 図33のX1−X2線に沿う透過率分布において極角−透過率の関係を示すグラフである。 第12実施形態の表示装置を示す概略構成図である。 正面コントラスト比のシミュレーションに用いた比較例1〜2、実施例11〜15の表示装置の構成を示す図である。 図36に示した表示装置の正面コントラスト比を比較した図である。 (A)〜(E)第1実施形態の遮光フィルターに波長550nmの光を入射させた場合、位相差板の面内位相差を変化させたときの遮光フィルターを透過する光の輝度分布(透過率分布)を示す図である。 図38のX1−X2線に沿う透過率分布において極角−透過率の関係を示すグラフである。
[第1実施形態]
以下、本発明の第1実施形態について、図1〜図11を用いて説明する。
本実施形態の表示装置は、1組の遮光フィルターを備えた蛍光励起型液晶表示装置の一例である。
なお、以下の各図面においては各構成要素を見やすくするため、構成要素によって寸法の縮尺を異ならせて示すことがある。
図1は、本実施形態の表示装置1を斜め上方(視認側)から見た斜視図である。
本実施形態の表示装置1は、図1に示すように、バックライト2(光源)と、第1偏光板3と、位相差板4と、第2偏光板5と、液晶光変調素子6と、第3偏光板7と、蛍光体層8と、を備えている。図1では、液晶光変調素子6のうち、TFT基板9、カラーフィルター基板10と液晶層11のみを図示しているが、その詳細な構造については後述する。
観察者は、蛍光体層8が配置された図1の表示装置1の上側から表示を見ることになる。以下の説明では、蛍光体層8が配置された側を視認側と称し、バックライト2が配置された側を背面側と称する。また、以下の説明において、x軸は表示装置1の画面の水平方向、y軸は表示装置1の画面の垂直方向、z軸は表示装置1の厚さ方向、と定義する。
本実施形態の表示装置1においては、互いに異なる色の表示を行う3つのドットが隣り合うように配置されている。3つのドットは、赤色光による表示を行う赤色ドットDR、緑色光による表示を行う緑色ドットDG、および青色光による表示を行う青色ドットDB、である。表示の最小単位である1つの画素は、赤色ドットDR、緑色ドットDG、および青色ドットDBの3つのドットで構成される。図1では、1個の画素に対応する部分のみを図示するが、実際の表示装置1は多数の画素を有している。
バックライト2は、450nmにピーク波長を有する青色光を射出する。バックライト2から射出された青色光は、液晶光変調素子6のドット毎に透過量が変調される。液晶光変調素子6によって透過量が変調された青色光は、蛍光体層8に入射し、R,Gの各蛍光体層8R,8Gでは青色光の入射量に見合った蛍光が発光し、画像や文字等が表示される。表示装置1は、バックライト2から射出された青色光と、青色光が蛍光体層8R,8Gにより波長変換されて生じた赤色光および緑色光と、を用いてフルカラーの表示を行う。
以下、液晶光変調素子6の具体的な構成について説明する。
ここでは、アクティブマトリクス方式の透過型液晶光変調素子を一例に挙げて説明する。本実施形態に適用可能な液晶光変調素子6はアクティブマトリクス方式の透過型液晶光変調素子に限るものではない。本実施形態に適用可能な液晶光変調素子6は、例えば半透過型(透過・反射兼用型)液晶光変調素子であっても良い。更には、各画素がスイッチング用薄膜トランジスタ(Thin Film Transistor, 以下、TFTと略記する)を備えていない単純マトリクス方式の液晶光変調素子であっても良い。
図2は、液晶光変調素子6の縦断面図である。
液晶光変調素子6は、図2に示すように、スイッチング素子基板としてのTFT基板9と、TFT基板9に対向して配置されたカラーフィルター基板10と、TFT基板9とカラーフィルター基板10との間に挟持された液晶層11と、を有している。液晶層11は、TFT基板9と、カラーフィルター基板10と、TFT基板9とカラーフィルター基板10とを所定の間隔をおいて貼り合わせる枠状のシール部材(図示せず)と、によって囲まれた空間内に封入されている。液晶光変調素子6は、垂直配向(Vertical Alien, VA)モードで表示を行う。液晶層11の材料には誘電率異方性が負の液晶が用いられる。TFT基板9とカラーフィルター基板10との間には、スペーサー12が配置されている。TFT基板9とカラーフィルター基板10との間隔は、スペーサー12により一定に保持される。
TFT基板9には、前述のドットがマトリクス状に複数配置されている。TFT基板9には、複数のソースバスライン(図示せず)が、互いに平行に延在するように形成されている。TFT基板9には、複数のゲートバスライン(図示せず)が、互いに平行に延在し、かつ、複数のソースバスラインと直交するように形成されている。すなわち、TFT基板9上には、複数のソースバスラインと複数のゲートバスラインとが格子状に形成されている。隣接するソースバスラインと隣接するゲートバスラインとによって区画された矩形状の領域は、一つのドットを構成する。ソースバスラインは、TFT19のソース電極に接続されている。ゲートバスラインは、TFT19のゲート電極に接続されている。
TFT基板9を構成する透明基板14の液晶層11側の面に、TFT19が形成されている。TFT19は、半導体層15、ゲート電極16、ソース電極17、ドレイン電極18等を有する。透明基板14には、例えばガラス基板を用いることができる。透明基板14上に、例えばCGS(Continuous Grain Silicon:連続粒界シリコン)、LPS(Low-temperature Poly-Silicon:低温多結晶シリコン)、α−Si(Amorphous Silicon:非結晶シリコン)等の半導体材料からなる半導体層15が形成されている。
透明基板14上に、半導体層15を覆うようにゲート絶縁膜20が形成されている。ゲート絶縁膜20の材料としては、例えばシリコン酸化膜、シリコン窒化膜、もしくはこれらの積層膜等が用いられる。ゲート絶縁膜20上には、半導体層15と対向するようにゲート電極16が形成されている。ゲート電極16の材料としては、例えばW(タングステン)/TaN(窒化タンタル)の積層膜、Mo(モリブデン)、Ti(チタン)、Al(アルミニウム)等が用いられる。
ゲート絶縁膜20上に、ゲート電極16を覆うように第1層間絶縁膜21が形成されている。第1層間絶縁膜21の材料としては、例えばシリコン酸化膜、シリコン窒化膜、もしくはこれらの積層膜等が用いられる。第1層間絶縁膜21上に、ソース電極17およびドレイン電極18が形成されている。ソース電極17は、第1層間絶縁膜21とゲート絶縁膜20とを貫通するコンタクトホール22を介して半導体層15のソース領域に接続されている。
ドレイン電極18は、第1層間絶縁膜21とゲート絶縁膜20とを貫通するコンタクトホール23を介して半導体層15のドレイン領域に接続されている。ソース電極17およびドレイン電極18の材料としては、ゲート電極16と同様の導電性材料が用いられる。第1層間絶縁膜21上に、ソース電極17およびドレイン電極18を覆うように第2層間絶縁膜24が形成されている。第2層間絶縁膜24の材料としては、上述の第1層間絶縁膜21と同様の材料、もしくは有機絶縁性材料が用いられる。
第2層間絶縁膜24上に、画素電極25が形成されている。画素電極25は、第2層間絶縁膜24を貫通するコンタクトホール26を介してドレイン電極18に接続されている。よって、画素電極25は、ドレイン電極18を中継用電極として半導体層15のドレイン領域に接続されている。画素電極25の材料としては、例えばITO(Indium Tin Oxide、インジウム錫酸化物)、IZO(Indium Zinc Oxide、インジウム亜鉛酸化物)等の透明導電性材料が用いられる。
上記の構成により、ゲートバスラインを通じて走査信号が供給され、TFT19がオン状態となったときに、ソースバスラインを通じてソース電極17に供給された画像信号が、半導体層15、ドレイン電極18を経て画素電極25に供給される。第2層間絶縁膜24上の全面に、配向膜27が画素電極25を覆うように形成されている。配向膜27は、液晶層11を構成する液晶分子を垂直配向させる配向規制力を有している。TFTの形態としては、図2に示したトップゲート型TFTであっても良いし、ボトムゲート型TFTであっても良い。
一方、カラーフィルター基板10を構成する透明基板29の液晶層11側の面には、ブラックマトリクス30、平坦化層32、対向電極33、配向膜34が順次形成されている。ブラックマトリクス30は、隣り合うドット間の領域において光を遮断する機能を有している。ブラックマトリクス30は、Cr(クロム)やCr/酸化Crの多層膜等の金属、もしくはカーボン粒子を感光性樹脂に分散させたフォトレジストで形成されている。
平坦化層32は、ブラックマトリクス30を覆う絶縁膜で構成されている。平坦化層32は、ブラックマトリクス30によってできる段差を緩和して平坦化する機能を有している。平坦化層32上には、対向電極33が形成されている。共通電極33の材料としては、画素電極25と同様の透明導電性材料が用いられる。共通電極33上の全面に、配向膜34が形成されている。配向膜34は、液晶層11を構成する液晶分子を垂直配向させる配向規制力を有している。
図1に示す蛍光体層8は、液晶光変調素子6から入射した青色光により励起されて青色光の波長帯域とは異なる波長帯域の蛍光を発する蛍光体を含んでいる。赤色ドットDRにおいては、蛍光体層として、青色光により励起されて赤色の波長帯域の蛍光を発する蛍光体を含む赤色蛍光体層8Rが設けられている。緑色ドットDGにおいては、蛍光体層として、青色光により励起されて緑色の波長帯域の蛍光を発する蛍光体を含む緑色蛍光体層8Gが設けられている。
これに対し、青色ドットDBにおいては、赤色ドットDRおよび緑色ドットDGで用いられる蛍光体層に代えて、青色光を散乱させる散乱体を含む散乱体層31が設けられている。すなわち、青色ドットDBにおいては、バックライト2からの青色光を波長変換することなく表示に利用するため、蛍光体層に代えて散乱体層31を用いる。散乱体層31により青色光を散乱させることで、等方発光を生じる赤色蛍光体層8Rおよび緑色蛍光体層8Gから射出される光と散乱体層31から射出される光との拡散特性を合わせ込むことができる。
上記の蛍光体層8R,8Gは、以下に例示する蛍光体のみから構成されていても良いし、任意に添加剤等を含んでいても良い。もしくは、これらの蛍光体が樹脂材料や無機材料等の結合材中に分散された構成であっても良い。本実施形態の蛍光体として、公知の蛍光体材料を用いることができる。この種の蛍光体材料は、有機系蛍光体材料と無機系蛍光体材料に分類することができる。これらの具体的な化合物を以下に例示するが、本実施形態はこれらの材料に限定されるものではない。
有機系蛍光体材料では、青色光を緑色光に変換する蛍光材として、クマリン系色素:2,3,5,6−1H、4H−テトラヒドロ−8−トリフロメチルキノリジン(9,9a、1−gh)クマリン(クマリン153)、3−(2′−ベンゾチアゾリル)―7−ジエチルアミノクマリン(クマリン6)、3−(2′−ベンゾイミダゾリル)―7−N,N−ジエチルアミノクマリン(クマリン7)、ナフタルイミド系色素:ベーシックイエロー51、ソルベントイエロー11、ソルベントイエロー116等が挙げられる。青色光を赤色光に変換する蛍光材として、シアニン系色素:4−ジシアノメチレン−2−メチル−6−(p−ジメチルアミノスチルリル)−4H−ピラン、ピリジン系色素:1−エチル−2−[4−(p−ジメチルアミノフェニル)−1,3−ブタジエニル]−ピリジニウム−パークロレート、およびローダミン系色素:ローダミンB、ローダミン6G、ローダミン3B、ローダミン101、ローダミン110、ベーシックバイオレット11、スルホローダミン101等が挙げられる。
無機系蛍光体材料では、青色光を緑色光に変換する蛍光材として、(BaMg)Al1627:Eu2+,Mn2+、Sr4Al1425:Eu2+、(SrBa)Al12Si28:Eu2+、(BaMg)2SiO4:Eu2+、Y2SiO5:Ce3+,Tb3+、Sr227−Sr225:Eu2+、(BaCaMg)5(PO43Cl:Eu2+、Sr2Si38−2SrCl2:Eu2+、Zr2SiO4、MgAl1119:Ce3+,Tb3+、Ba2SiO4:Eu2+、Sr2SiO4:Eu2+、(BaSr)SiO4:Eu2+等が挙げられる。青色光を赤色光に変換する蛍光材として、Y22S:Eu3+、YAlO3:Eu3+、Ca22(SiO46:Eu3+、LiY9(SiO462:Eu3+、YVO4:Eu3+、CaS:Eu3+、Gd23:Eu3+、Gd22S:Eu3+、Y(P,V)O4:Eu3+、Mg4GeO5.5F:Mn4+、Mg4GeO6:Mn4+、K5Eu2.5(WO46.25、Na5Eu2.5(WO46.25、K5Eu2.5(MoO46.25、Na5Eu2.5(MoO46.25等が挙げられる。
さらに、CdSe、ZnSe、InPやSiなどの半導体材料をナノサイズまで微細化することで蛍光発光することが知られている。2〜8nm程度のサイズで可視光発光するが、粒子径が小さい程、発光波長が短くなる。
図3に示すように、バックライト2は、光源36と、導光体37と、リフレクター35と、反射シート38と、プリズムシート39と、を備えている。光源36は、発光ダイオード、冷陰極管等から構成される。導光体37は、例えばアクリル樹脂等から構成された板状の部材である。光源36は、平面形状が矩形状の導光体37の一つの端面37aに配置されている。光源36は、導光体37の端面37aに向けて光を射出する。導光体37は、端面37aから入射した光を内部で伝搬させつつ、前面37bから射出させる。
リフレクター35は、光源36から射出される光のうち、導光体37の端面37a以外の方向に向けて射出される光を、導光体37の端面37aに向けて反射させる。反射シート38は、導光体37の背面37cから射出される光を反射させ、導光体37の背面37cから再入射させる。プリズムシート39は、互いに平行に配置された複数の三角柱状のプリズム構造体42aを備えている。プリズムシート39は、導光体37の前面37bからの光が入射したとき、光の進行方向を液晶光変調素子6の法線方向に近い方向に変えて射出させる。バックライト2は、光源36が導光体37の端面37aに配置されたエッジライト型のバックライトである。
本実施形態のバックライト2は、光の射出方向を制御して指向性を持たせたバックライト、いわゆる指向性バックライトである。具体的には、導光体37の厚みは光源36が配置された端面37aから反対側の端面37dに向けて漸次薄くなっている。すなわち、導光体37の前面37bと背面37cとは互いに平行でなく、導光体37を側面から見た形状は楔状である。導光体37の端面37aから入射した光は、導光体37の前面37bと背面37cとの間で反射を繰り返しつつ内部をy軸方向に進行する。仮に導光板が平行平板であったとすると、導光板の前面および背面に対する光の入射角は何回反射を繰り返しても一定である。これに対して、本実施形態のように、導光体37が楔状である場合、導光体37の前面37bおよび背面37cで光が1回反射する毎に入射角が小さくなる。
例えば導光体37を構成するアクリル樹脂の屈折率が1.5、空気の屈折率を1.0とすると、導光体37の前面37bにおける臨界角、すなわち導光体37を構成するアクリル樹脂と空気との界面における臨界角は、Snellの法則から約42°となる。導光体37に入射した直後の光が前面37bに入射した際、前面37bへの光Lの入射角が臨界角である42°よりも大きい間は全反射条件を満たすため、光Lは前面37bで全反射する。
その後、光Lが前面37bと背面37cとの間で全反射を繰り返すうち、前面37bへの光Lの入射角が臨界角である42°よりも小さくなる。その時点で全反射条件を満たさなくなり、光Lは外部空間に射出される。したがって、光Lは導光体37の前面37bに対して略一定の射出角度をもって射出する。このように、バックライト2は、導光体37の作用によりxz平面内において狭い配光分布を有し、xz平面内での指向性を持つ。さらに、光源36自体に指向性を持たせれば、バックライト2は、yz平面内において狭い配光分布を有し、yz平面内で指向性を持つ。その結果、全方位に指向性を有するバックライトを実現できる。
図1に示すように、バックライト2と液晶光変調素子6との間には、バックライト2側から順に第1偏光板3、位相差板4、第2偏光板5が設けられている。第1偏光板3、位相差板4、および第2偏光板5は、後述する遮光フィルター40を構成する。第2偏光板5は、遮光フィルター40を構成するとともに、液晶光変調素子6の入射側偏光板としても機能する。すなわち、遮光フィルター40のうち、液晶光変調素子6側の1枚の偏光板と液晶光変調素子6の入射側偏光板とは、1枚の共通の偏光板で構成されている。蛍光体層8と液晶光変調素子6との間には、第3偏光板7が設けられている。第3偏光板7は、液晶光変調素子6の射出側偏光板としても機能する。
第1偏光板3、第2偏光板5、および第3偏光板7は、所定の偏光方向の第1の直線偏光を透過し、第1の直線偏光の偏光方向と直交する偏光方向の第2の直線偏光を吸収する特性を有する吸収型の偏光板である。第1偏光板3、第2偏光板5、および第3偏光板7は、青色光の波長帯域に対応した偏光特性を有することが望ましい。これら偏光板3,5,7の具体的な構成の一例として、I 、I 等のヨウ素錯体を樹脂基材中に含む偏光板、いわゆるヨウ素偏光板が挙げられる。特にI のヨウ素錯体の含有比率を増やすと、短波長領域(青色領域)の光吸収量を増大させることができる。樹脂基材の材料としては、液晶ディスプレイ用偏光板に通常用いられるポリビニルアルコールなどが挙げられる。ただし、第1偏光板3、第2偏光板5、および第3偏光板7として、染料偏光板を用いてもよい。
ここで、x軸方向の正方向を基準として反時計回りに角度を表すとすると、第2偏光板5の透過軸P2は90°−270°方向に設定されている。第3偏光板7の透過軸P3は、第2偏光板5の透過軸P2と直交するように配置されており、0°−180°方向に設定されている。すなわち、液晶光変調素子6を挟んで配置された第2偏光板5の透過軸P2と第3偏光板7の透過軸P3とは、クロスニコルの配置となっている。第1偏光板3の透過軸P1は0°−180°方向に設定されている。
垂直配向モードの液晶光変調素子6において、電圧無印加状態での液晶層11は垂直配向の状態である。したがって、電圧無印加状態において第2偏光板5を透過した直線偏光は、液晶層11を透過しても偏光状態が変化しないため、第3偏光板7を透過することはできない。すなわち、本実施形態の表示装置1は、電圧無印加状態で黒表示であり、原理的には高い正面コントラスト比が得られるはずである。しかしながら、電圧無印加状態であっても、液晶光変調素子6を斜めに透過する光が存在し、この光は第3偏光板7を透過する漏れ光となる。
図4は、垂直配向モードの液晶光変調素子6のコントラスト比の角度分布について、本発明者らが行ったシミュレーションの結果を示す図である。
図4の円周方向に液晶光変調素子6を法線方向から見たときの方位角(°)を示し、図4の径方向に極角(°)を示す。シミュレーションでは、本実施形態の光軸配置と同様、入射側偏光板の透過軸を方位角で90°−270°方向に設定し、射出側偏光板の透過軸を方位角で0°−180°方向に設定した。シミュレーションソフトは、LCDMasterを用いた。
図4に示すように、入射側偏光板および射出側偏光板の透過軸方向に沿う0°−180°方向および90°−270°方向ではコントラスト比が高い領域が相対的に広い。その一方、45°−225°方向および135°−315°方向ではコントラスト比が高い領域が相対的に狭い傾向を示すことがわかった。このようなコントラスト比の角度分布は、黒表示の際に45°−225°方向および135°−315°方向で光が漏れやすいことに起因すると考えられる。
図5(A)は、全方位に指向性を有するバックライトの配光特性について、本発明者らが行ったシミュレーションの結果を示す図である。白く見える箇所は光強度が高く、黒く見える箇所は光強度が低いことを示している。図5(B)は、図5(A)のx1−x2線に沿う配光分布において極角−強度の関係を示したグラフである。図5(B)の横軸は極角(°)であり、図5(B)の横軸は光の強度である。光の強度は、ピーク強度値を1としたときの相対値で示した。
図5(A)、(B)に示すように、バックライトを単体で見ると、十分高い指向性を有しているように見える。ところが、極角が大きい側(広角側)にもある程度の強度を持つ光は射出されており、このような光を全て極角が小さい側(正面側)に立ち上げることは極めて困難である。この場合、極角が大きい側にそのまま射出された光は、黒表示時に、図4に示したコントラスト比の低い方向(45°−225°方向および135°−315°方向)から漏れてしまう。特に、蛍光励起型液晶表示装置の場合、液晶光変調素子からの漏れ光は蛍光体層で等方発光するため、蛍光体層から正面に向けて射出される光が存在する。このように、蛍光体層に入射する漏れ光は、斜め方向からの光であっても、正面コントラスト比を低下させる要因となる。
この課題を解決するため、本発明者らは、液晶光変調素子を透過したときに最も光利用効率が高く、コントラスト比を損なわないためのバックライトの理想的な配光分布は、図6(A)、(B)のようであればよいと考えた。図6(A)は、理想的なバックライトの配光分布を示す図である。図5(B)は、図6(A)の45°−225°方向に沿う配光分布において極角−強度の関係を示すグラフである。図6(B)の横軸は極角(°)であり、図6(B)の横軸は強度である。強度はピーク強度値を1としたときの相対値で示した。
図4に示したように、黒表示においては、斜め方向(45°−225°方向および135°−315°方向)の光が漏れやすいため、この方向の光を重点的に遮断する必要がある。これに対して、偏光板の透過軸方向(0°−180°方向および90°−270°方向)については、常に偏光板の透過軸がクロスニコルの関係であるため、光が漏れることはない。したがって、偏光板の透過軸方向に進行する光は遮断する必要はない。
漏れ光を遮断する手段として、例えばルーバーを有する視角制限フィルムなどを用いることも考えられる。しかしながら、視角制限フィルムはコントラスト比の低下要因とならない偏光板の透過軸方向に進行する光まで遮断してしまう。そのため、白表示時の光利用効率が低下する。したがって、白表示の場合を考慮したとしても、偏光板の透過軸方向に進行する光は遮断する必要はない。
以上の点を考慮すると、図6(A)、(B)に示す配光分布が理想的である。
そこで、光利用効率を低下させることなく、理想的な配光分布を得るための手段として、第1偏光板3、位相差板4、および第2偏光板5からなる遮光フィルター40を用いる。本実施形態では、第1偏光板3の透過軸P1が0°−180°方向に設定され、第2偏光板5の透過軸P2が90°−270°方向に設定されている。したがって、第1偏光板3の透過軸P1と第2偏光板5の透過軸P2とは、クロスニコルの関係となっている。
本実施形態では、位相差板4として、ポジティブAプレートが用いられる。位相差板4の面内屈折率をnx,nyとし、厚み方向屈折率をnzとしたとき、ポジティブAプレートは、図7に示すように、各屈折率nx,ny,nzの関係がnx>ny=nzとなるような屈折率楕円体Aで表される。
図8に示すように、第1偏光板3は、透過軸P1が0°−180°方向に向くように配置されている。第2偏光板5は、透過軸P2が90°−270°方向に向くように配置されている。これに対して、位相差板4は、屈折率楕円体Aの長軸方向(図7のnx方向)が45°−225°方向に向くように配置されている。言い換えると、位相差板4は、遅相軸H1が45°−225°方向に向くように配置されている。
位相差板4の厚さをdとしたとき、位相差板4の面内位相差R0は、R0=(nx−ny)dと表される。図9に示すように、位相差板4の面内位相差R0を変えると、遮光フィルター40の正面方向への透過光の強度(正面透過強度)は周期的に変化する。図9の横軸は位相差板4の面内位相差R0を示し、バックライト2からの光の波長をλとすると、λ=450(nm)とする。図9の縦軸は正面透過強度を示し、最大強度を1としたときの相対値で示している。
本実施形態の遮光フィルター40においては、位相差板4の面内位相差R0が、下記の(1)式を満たすように設定されている。
R0=λ/2+nλ …(1)
(n:自然数(1,2,3,…))
すなわち、位相差板4の面内位相差R0は、図9に示す正面透過強度が最大値となる値に設定されている。具体的には、バックライト2から射出される光の波長λを450(nm)としたとき、位相差板4の面内位相差R0は、例えば675nm、1125nm、1575nm、…等の値に設定されている。
上記構成の遮光フィルター40は、図8に示すように、遮光フィルター40の法線方向(極角が0°方向)、および方位角が0°−180°方向もしくは90°−270°方向、かつ極角が0°以外の方向の光に対しては、透過率を低下させない。なぜならば、ポジティブAプレートからなる位相差板4が上記の(1)式の条件を満たすように配置されているため、第1偏光板3を透過した直線偏光L1が位相差板4を透過したときに、直線偏光L1の偏光方向が90°回転するからである。その結果、直線偏光L2の偏光方向が第2偏光板5の透過軸P2と平行になり、直線偏光L2が第2偏光板5を透過する。
これに対し、遮光フィルター40は、方位角が0°−180°方向および90°−270°方向以外の方向の光に対しては、透過率を低下させる。なぜならば、第1偏光板3を透過した直線偏光L1が位相差板4に対して方位角0°−180°方向および90°−270°方向以外の方向から斜めに入射すると、楕円偏光に変化するからである。楕円偏光が第2偏光板5に入射するため、透過軸P2に平行な直線偏光L2が入射する場合に比べて透過率が低くなる。
本発明者らは、位相差板4の面内位相差R0を変化させたときの遮光フィルター40の透過率の角度分布をシミュレーションによって検証した。シミュレーション結果を図10(A)〜(E)に示す。
シミュレーション条件として、第1偏光板3および第2偏光板5としてヨウ素偏光板を用い、第1偏光板3の透過軸P1は0°−180°方向、第2偏光板5の透過軸P2は90°−270°方向、位相差板4の遅相軸は45°−225°方向に設定した。位相差板4の面内位相差R0は上記の(1)式を満足する値を採用し、R0=225nm〜6975nmの範囲内で変化させた。光の波長λは450nmとした。シミュレーションソフトは、LCDMasterを用いた。
図10(A)はR0=225nm((1)式中のn=0)の透過率角度分布、図10(B)はR0=675nm((1)式中のn=1)の透過率角度分布、図10(C)はR0=1575nm((1)式中のn=3)の透過率角度分布、図10(D)はR0=3825nm((1)式中のn=8)の透過率角度分布、図10(E)はR0=6975nm((1)式中のn=15)の透過率角度分布、をそれぞれ示している。図中白く見える部分が相対的に透過率の高い部分、黒く見える部分が相対的に透過率の低い部分を示している。
(1)式においてn=0に相当するR0=225nmの場合、図10(A)に示すように、45°−225°方向および135°−315°方向の透過率が低下する効果はほとんど見られなかった。これに対し、(1)式においてn=1,3,8,15に相当するR0=675nm、1575nm、3825nm、6975nmの場合、図10(B)〜(E)に示すように、45°−225°方向および135°−315°方向の透過率が低下する効果が確認された。特に、R0=3825nm以上の場合、透過率を低下させる効果が顕著であった。
図11は、図10(A)〜(E)の透過率角度分布における45°−225°方向の透過率をグラフにしたものである。図11の横軸は極角(°)を示し、図11の縦軸は波長450nmの光に対する透過率(%)である。縦軸の透過率は極角が0°のときの最大値を1としたときの相対値で示した。図11に示すように、R0=225nmの場合、透過率が低下する効果はほとんど見られないが、例えばR0=3825nm以上の場合、光が極角略30°の範囲内に絞られていることが判った。
本実施形態の表示装置1によれば、垂直配向モードの液晶光変調素子6を用いたことで偏光板の透過軸に対して45°の方位角をなす方向で漏れ光が生じる傾向がある。一方、上述の遮光フィルター40の作用により、バックライト2から射出される光のうち、各偏光板の透過軸に対して45°の方位角をなす方向に射出される光の量を低下させることができる。その結果、液晶光変調素子6から特定の方位角方向に射出される漏れ光が抑えられるため、黒表示時に蛍光体層8で生じる発光を抑えることができる。このようにして、正面コントラスト比の高い蛍光励起型液晶表示装置を実現することができる。
なお、本実施形態では、450nmにピーク波長を有する青色光を射出するバックライト2を用いた。したがって、図10(A)〜(E)に結果を示したシミュレーションにおいても、光の波長を450nmとして位相差板4の面内位相差R0を最適化した。これに対し、従来の一般的な液晶表示装置においては、波長域が可視域全域の光を射出するバックライトを用いる。そのため、位相差板の光学設計を行う際には、光の波長を550nm(緑色光)に設定することが一般的である。
そこで、光の波長を550nmとして本実施形態のシミュレーションを行った結果を図38(A)〜(E)に示す。光の波長以外のシミュレーション条件は上記のシミュレーションと同じである。
図39は、図38(A)〜(E)の透過率角度分布における45°−225°方向の透過率をグラフにしたものである。
図38(A)〜(E)に示すように、光の波長を550nmとしたときのシミュレーション結果は、光の波長を450nmとしたときの図10(A)〜(E)に示すシミュレーション結果と明らかに異なる。
図39に示すように、波長が450nmの場合は好ましい条件である面内位相差R0が675nm以上のとき、極角0°における透過率(正面透過率)は低下する。すなわち、波長450nmの光に対して面内位相差R0を最適化した位相差板に波長550nmの光を入射させると、正面透過率が確保できなくなる。逆に言えば、波長550nmの光にとって最適な位相差板は、波長450nmの光にとって最適ではない。したがって、本実施形態の場合、一般的な液晶表示装置の場合と異なり、光の波長を短波長側に設定して位相差板の光学設計を行うことが必要である。
[第2実施形態]
以下、本発明の第2実施形態について、図12〜図16を用いて説明する。
本実施形態の表示装置の基本構成は第1実施形態と同様であり、3組の遮光フィルターを備えた点が第1実施形態と異なる。
図12は、本実施形態の表示装置の概略構成を示す斜視図である。
図12において第1実施形態の図1と共通の構成要素には同一の符号を付し、説明は省略する。
図12に示すように、本実施形態の表示装置41は、バックライト2と、第1偏光板42と、第1位相差板43と、第2偏光板44と、第2位相差板45と、第3偏光板46と、第3位相差板47と、第4偏光板48と、液晶光変調素子6と、第5偏光板49と、蛍光体層8と、を備えている。第1偏光板42、第1位相差板43、および第2偏光板44が第1遮光フィルター50を構成する。第2偏光板44、第2位相差板45、および第3偏光板46が第2遮光フィルター51を構成する。第3偏光板46、第3位相差板47、および第4偏光板48が第3遮光フィルター52を構成する。このように、表示装置41は、バックライト2と液晶光変調素子6との間に3組の遮光フィルター50,51,52を備えている。
第2偏光板44は、第1遮光フィルター50の一方の偏光板と第2遮光フィルター51の一方の偏光板とを兼ねている。同様に、第3偏光板46は、第2遮光フィルター51の一方の偏光板と第3遮光フィルター52の一方の偏光板とを兼ねている。全ての偏光板42,44,46,48,49には、ヨウ素偏光板もしくは染料偏光板が用いられる。全ての位相差板43,45,47にはポジティブAプレートが用いられる。
第1偏光板42は、透過軸P1が0°−180°方向に向くように配置されている。第2偏光板44は、透過軸P2が90°−270°方向に向くように配置されている。第3偏光板46は、透過軸P3が0°−180°方向に向くように配置されている。第4偏光板48は、透過軸P4が90°−270°方向に向くように配置されている。したがって、全ての遮光フィルター50,51,52において、位相差板を挟む一対の偏光板は互いにクロスニコルの配置となっている。第5偏光板49は、透過軸P5が0°−180°方向に向くように配置されている。
全ての位相差板43,45,47は、遅相軸H1,H2,H3が45°−225°方向に向くように配置されている。全ての位相差板43,45,47の面内位相差R0は、下記の(1)式を満たすように設定されている。
R0=λ/2+nλ …(1)
(n:自然数(1,2,3,…))
(1)式中のnについては、全ての位相差板43,45,47においてnが共通でもよいし、一部の位相差板43,45,47のnが他と異なっていてもよい。
本発明者らは、第1実施形態と同様、3組の遮光フィルターを備えた本実施形態の構成において、遮光フィルターの透過率角度分布をシミュレーションによって検証した。
シミュレーション結果を図13に示す。図14は、図13の透過率角度分布における45°−225°方向の透過率をグラフにしたものである。図14の横軸は極角(°)を示し、図14の縦軸は波長450nmの光に対する透過率(%)である。縦軸の透過率は極角が0°のときの最大値を1としたときの相対値で示した。
シミュレーション条件として、遮光フィルターを構成する一対の偏光板にはヨウ素偏光板を用い、一対の偏光板の透過軸は0°−180°方向および90°−270°方向、全ての位相差板の遅相軸は45°−225°方向に設定した。位相差板の面内位相差R0は、第1位相差板43の面内位相差R0をR0=6975nm、第2位相差板45の面内位相差R0をR0=5175nm、第3位相差板47の面内位相差R0をR0=3875nm、に設定した。シミュレーションソフトは、LCDMasterを用いた。
図13に示すように、45°−225°方向および135°−315°方向の透過率が十分に低下する効果が確認された。図14に示すように、光は略±20°以内に絞られていることが判った。本実施形態では3組の遮光フィルターを用いたが、 用いる遮光フィルターの数や面内位相差R0は、どのような透過率角度分布が欲しいかによって適宜決定すればよい。
本実施形態においては、液晶光変調素子から特定の方位角方向に射出される漏れ光が抑えられることで、正面コントラスト比の高い蛍光励起型液晶表示装置を実現できる、という第1実施形態と同様の効果が得られる。
本発明者らは、構成がそれぞれ異なる比較例1,2、実施例1〜5の表示装置を想定し、シミュレーションにより正面コントラスト比を算出した。シミュレーションソフトは、LCDMasterを用いた。比較例1,2、実施例1〜5の表示装置の構成は以下の通りである。なお、全ての表示装置において、液晶光変調素子には垂直配向モードの液晶パネルを用いた。
[比較例1]
図15(A)に示すように、比較例1の表示装置は遮光フィルターを備えていない。比較例1の表示装置は、バックライト(図示略)側から第1偏光板55、液晶光変調素子56、第2偏光板57、蛍光体層58を備えている。第1偏光板55の透過軸は方位角90°−270°に設定し、第2偏光板57の透過軸は方位角0°−180°に設定した。
[比較例2]
図15(B)に示すように、比較例2の表示装置は遮光フィルターを備えていない。比較例2の表示装置は、バックライト(図示略)側から第1偏光板55、第1位相差板59、液晶光変調素子56、第2位相差板60、第2偏光板57、蛍光体層58を備えている。第1位相差板59および第2位相差板60は、遮光フィルターを構成するものではなく、液晶光変調素子56の位相差を補償するための2軸位相差板である。第1位相差板59および第2位相差板60は、ともに面内位相差R0が35nmであり、NZ係数が3.7である。第1偏光板55の透過軸は方位角90°−270°に設定し、第2偏光板57の透過軸は方位角0°−180°に設定した。
[実施例1]
図15(C)に示すように、実施例6の表示装置は、比較例2の表示装置における第1位相差板59の下側(バックライト側)に、偏光板55、位相差板61、偏光板62からなる遮光フィルターを1組備えている。遮光フィルターを構成する下側の偏光板62の透過軸は方位角0°−180°に設定した。位相差板61の面内位相差R0は1575nmに設定した。
[実施例2]
図15(D)に示すように、実施例2の表示装置の基本構成は実施例1の表示装置と同じであり、位相差板63のみを変更した。位相差板63の面内位相差R0は、実施例1と異なり、3825nmに設定した。
[実施例3]
図15(E)に示すように、実施例3の表示装置の基本構成は実施例1の表示装置と同じであり、位相差板64のみを変更した。位相差板64の面内位相差R0は、実施例1と異なり、6975nmに設定した。
[実施例4]
図15(F)に示すように、実施例4の表示装置は、実施例1の表示装置における位相差板61の下側(バックライト側)に、偏光板62、位相差板65、偏光板66からなる遮光フィルターをさらに1組備えている。下層側の遮光フィルターを構成する下側の偏光板66の透過軸は方位角90°−270°に設定した。下層側の遮光フィルターを構成する位相差板65の面内位相差R0は3825nmに設定した。
[実施例5]
図15(G)に示すように、実施例5の表示装置は、実施例4の表示装置における位相差板65の下側(バックライト側)に、偏光板66、位相差板67、偏光板68からなる遮光フィルターをさらに1組備えている。最下層の遮光フィルターを構成する下側の偏光板68の透過軸は方位角0°−180°に設定した。最下層の遮光フィルターを構成する位相差板67の面内位相差R0は6975nmに設定した。
正面コントラスト比の算出結果を図16に示す。
比較例1の表示装置においては、正面コントラスト比が358であった。また、液晶位相差補償用の位相差板59,60を追加した比較例2の表示装置においては、正面コントラスト比は759であった。これに対し、1〜3組の遮光フィルターを追加した実施例1〜5の表示装置においては、正面コントラスト比は概ね1050〜1150程度に向上することが実証された。
[第3実施形態]
以下、本発明の第3実施形態について、図17〜図21を用いて説明する。
本実施形態の表示装置の基本構成は第1実施形態と同様であり、遮光フィルターを構成する偏光板の配置が第1実施形態と異なる。
図17は、本実施形態の表示装置の概略構成を示す斜視図である。
図17において第1実施形態の図1と共通の構成要素には同一の符号を付し、説明は省略する。
図17に示すように、本実施形態の表示装置71は、バックライト2と、第1偏光板3と、位相差板72と、第2偏光板5と、液晶光変調素子6と、第3偏光板7と、蛍光体層8と、を備えている。第1偏光板3、位相差板72、および第2偏光板5が遮光フィルター73を構成する。表示装置71は、バックライト2と液晶光変調素子6との間に1組の遮光フィルター73を備えている。全ての偏光板3,5,7には、ヨウ素偏光板もしくは染料偏光板が用いられる。位相差板72には、ポジティブAプレートが用いられる。
第1実施形態においては、遮光フィルター40を構成する第1偏光板3と第2偏光板5とはクロスニコルの配置であった。これに対して、本実施形態においては、遮光フィルター73を構成する第1偏光板3と第2偏光板5とはパラレルニコルの配置である。具体的には、第1偏光板3および第2偏光板5は、ともに透過軸が90°−270°方向に向くように配置されている。位相差板72は、遅相軸H1が45°−225°方向に向くように配置されている。
図19に示すように、位相差板72の面内位相差R0を変えると、遮光フィルター73の正面方向への透過光の強度(正面透過強度)は周期的に変化する。図19の横軸は位相差板72の面内位相差R0(nm)を示し、バックライト2からの光の波長λを450(nm)としている。図19の縦軸は正面透過強度を示し、最大強度を1としたときの相対値で示している。
位相差板72については、好ましい面内位相差R0が第1実施形態の場合と異なる。本実施形態の遮光フィルター73においては、位相差板72の面内位相差R0が、下記の(2)式を満たすように設定されている。
R0=λ+nλ …(2)
(n:自然数(1,2,3,…))
すなわち、位相差板72の面内位相差R0は、図19に示す正面透過強度が最大となる値に設定されている。具体的には、バックライト2からの光の波長λを450(nm)としたとき、位相差板72の面内位相差R0は、900nm、1350nm、1800nm、…等の値に設定されている。
上記構成の遮光フィルター73は、図18に示すように、遮光フィルター73の法線方向(極角が0°方向)、および方位角が0°−180°方向もしくは90°−270°方向、かつ極角が0°以外の方向の光に対しては、透過率を低下させない。なぜならば、ポジティブAプレートからなる位相差板72が上記の(2)式の条件を満たすように配置されているため、第1偏光板3を透過した直線偏光L1が位相差板72を透過したときに、直線偏光L1の偏光方向が180°回転するからである。その結果、直線偏光L2の偏光方向が第2偏光板5の透過軸P2と平行になり、直線偏光L2が第2偏光板5を透過する。
これに対し、遮光フィルター73は、方位角が0°−180°方向および90°−270°方向以外の方向の光に対しては、透過率を低下させる。なぜならば、第1偏光板3を透過した直線偏光L1が位相差板72に対して方位角0°−180°方向および90°−270°方向以外の方向から斜めに入射すると、楕円偏光に変化するからである。楕円偏光が第2偏光板5に入射するため、透過軸P2に平行な直線偏光L2が入射する場合に比べて透過率が低くなる。
本発明者らは、位相差板72の面内位相差R0を変化させたときの遮光フィルター73の透過率の角度分布をシミュレーションによって検証した。シミュレーション結果を図20(A)〜(E)に示す。
シミュレーション条件として、第1偏光板3および第2偏光板5としてヨウ素偏光板を用い、第1偏光板3および第2偏光板5の透過軸は90°−270°方向、位相差板72の遅相軸は45°−225°方向に設定した。位相差板72の面内位相差R0は上記の(2)式を満足する値に設定し、R0=0nm〜7200nmの範囲内で変化させた。シミュレーションソフトは、LCDMasterを用いた。
図20(A)はR0=0nm((2)式中のn=−1)の透過率角度分布、図20(B)はR0=900nm((2)式中のn=1)の透過率角度分布、図20(C)はR0=3150nm((2)式中のn=6)の透過率角度分布、図20(D)はR0=4950nm((2)式中のn=10)の透過率角度分布、図20(E)はR0=7200nm((2)式中のn=15)の透過率角度分布、をそれぞれ示している。図中白く見える部分が透過率の高い部分、黒く見える部分が透過率の低い部分を示している。
(2)式においてn=−1としたR0=0nmの場合、図20(A)に示すように、45°−225°方向および135°−315°方向の透過率が低下する効果はほとんど見られなかった。これに対し、(2)式においてn=1,6,10,15としたR0=900nm、3150nm、4950nm、7200nmの場合、図20(B)〜(E)に示すように、45°−225°方向および135°−315°方向の透過率が低下する効果が確認された。特に、R0=3150nm以上では、透過率が低下する効果が顕著であった。
図21は、図20(A)〜(E)の透過率角度分布における45°−225°方向の透過率をグラフにしたものである。図21の横軸は極角(°)を示し、図21の縦軸は波長450nmの光に対する透過率(%)である。縦軸の透過率は極角が0°のときの最大値を1としたときの相対値で示した。図21に示すように、例えばR0=3150nm以上では、光が極角略30°の範囲内に絞られていることが判った。
本実施形態においては、液晶光変調素子6から特定の方位角方向に射出される漏れ光が抑えられることで、正面コントラスト比の高い蛍光励起型液晶表示装置を実現できる、という第1、第2実施形態と同様の効果が得られる。また、本実施形態では、遮光フィルター73を構成する第1偏光板3および第2偏光板5がパラレルニコルの配置であるため、第1実施形態のクロスニコルの場合よりも、位相差板72の角度ズレによる透過率低下の影響を受けにくい。
[第4実施形態]
以下、本発明の第4実施形態について、図22〜図24を用いて説明する。
本実施形態の表示装置の基本構成は第2実施形態と同様であり、遮光フィルターを構成する偏光板の配置が第2実施形態と異なる。
図22は、本実施形態の表示装置の概略構成を示す斜視図である。
図22において第2実施形態の図12と共通の構成要素には同一の符号を付し、説明は省略する。
図22に示すように、本実施形態の表示装置76は、バックライト2と、第1偏光板42と、第1位相差板77と、第2偏光板44と、第2位相差板78と、第3偏光板46と、第3位相差板79と、第4偏光板48と、液晶光変調素子6と、第5偏光板49と、蛍光体層8と、を備えている。第1偏光板42、第1位相差板77、および第2偏光板44が第1遮光フィルター80を構成する。第2偏光板44、第2位相差板78、および第3偏光板46が第2遮光フィルター81を構成する。第3偏光板46、第3位相差板79、および第4偏光板48が第3遮光フィルター82を構成する。このように、表示装置76は、バックライト2と液晶光変調素子6との間に3組の遮光フィルター80,81,82を備えている。
第2実施形態においては、遮光フィルター50,51,52を構成する一対の偏光板は全てクロスニコルの配置であった。これに対して、本実施形態においては、遮光フィルター80,81,82を構成する一対の偏光板は全てパラレルニコルの配置である。具体的には、第1偏光板42、第2偏光板44、第3偏光板46、および第4偏光板48は、透過軸P1,P2,P3,P4が全て90°−270°方向に向くように配置されている。
全ての位相差板77,78,79は、遅相軸H1,H2,H3が45°−225°方向に向くように配置されている。全ての位相差板77,78,79の面内位相差R0は、下記の(2)式を満たすように設定されている。
R0=λ+nλ …(2)
(n:自然数(1,2,3,…))
(2)式中のnについては、全ての位相差板77,78,79においてnが共通でもよいし、一部の位相差板77,78,79のnが他と異なっていてもよい。
本実施形態においても、液晶光変調素子6から特定の方位角方向に射出される漏れ光が抑えられることで、正面コントラスト比の高い蛍光励起型液晶表示装置を実現できる、という第1〜第3実施形態と同様の効果が得られる。
本発明者らは、構成がそれぞれ異なる比較例1,2、実施例6〜10の表示装置を想定し、シミュレーションにより正面コントラスト比を算出した。シミュレーションソフトは、LCDMasterを用いた。比較例1,2、実施例6〜10の表示装置の構成は以下の通りである。なお、全ての表示装置において、液晶光変調素子には垂直配向モードの液晶パネルを用いた。
[比較例1]
図23(A)に示すように、比較例1の表示装置は遮光フィルターを備えていない。比較例1の表示装置は、バックライト(図示略)側から第1偏光板55、液晶光変調素子56、第2偏光板57、蛍光体層58を備えている。第1偏光板55の透過軸は方位角90°−270°に設定し、第2偏光板57の透過軸は方位角0°−180°に設定した。
[比較例2]
図23(B)に示すように、比較例2の表示装置は遮光フィルターを備えていない。比較例2の表示装置は、バックライト(図示略)側から第1偏光板55、第1位相差板59、液晶光変調素子56、第2位相差板60、第2偏光板57、蛍光体層58を備えている。第1位相差板59および第2位相差板60は、遮光フィルターを構成するものではなく、液晶光変調素子56の位相差を補償するための2軸位相差板である。第1位相差板59および第2位相差板60は、ともに面内位相差R0が35nmであり、NZ係数が3.7である。第1偏光板55の透過軸は方位角90°−270°に設定し、第2偏光板57の透過軸は方位角0°−180°に設定した。
[実施例6]
図23(C)に示すように、実施例6の表示装置は、比較例2の表示装置における第1位相差板59の下側(バックライト側)に、偏光板55、位相差板85、偏光板86からなる遮光フィルターを1組備えている。遮光フィルターを構成する下側の偏光板86の透過軸は方位角90°−270°に設定した。位相差板85の面内位相差R0は1350nmに設定した。
[実施例7]
図23(D)に示すように、実施例7の表示装置の基本構成は実施例6の表示装置と同じであり、位相差板87のみを変更した。位相差板87の面内位相差R0は、実施例6と異なり、3150nmに設定した。
[実施例8]
図23(E)に示すように、実施例8の表示装置の基本構成は実施例6の表示装置と同じであり、位相差板88のみを変更した。位相差板88の面内位相差R0は、実施例6と異なり、7200nmに設定した。
[実施例9]
図23(F)に示すように、実施例9の表示装置は、実施例6の表示装置における位相差板85の下側(バックライト側)に、偏光板86、位相差板89、偏光板90からなる遮光フィルターをさらに1組備えている。下層側の遮光フィルターを構成する下側の偏光板90の透過軸は方位角90°−270°に設定した。下層側の遮光フィルターを構成する位相差板89の面内位相差R0は3150nmに設定した。
[実施例10]
図23(G)に示すように、実施例10の表示装置は、実施例9の表示装置における位相差板89の下側(バックライト側)に、偏光板90、位相差板91、偏光板92からなる遮光フィルターをさらに1組備えている。最下層の遮光フィルターを構成する下側の偏光板92の透過軸は方位角90°−270°に設定した。最下層の遮光フィルターを構成する位相差板91の面内位相差R0は7200nmに設定した。
正面コントラスト比の算出結果を図24に示す。
比較例1の表示装置においては、正面コントラスト比が358であった。また、液晶位相差補償用の位相差板59,60を追加した比較例2の表示装置においては、正面コントラスト比は759であった。これに対し、1〜3組の遮光フィルターを追加した実施例6〜10の表示装置においては、正面コントラスト比は概ね1050〜1150程度に向上することが実証された。
[第5実施形態]
以下、本発明の第5実施形態について、図25を用いて説明する。
本実施形態の表示装置の基本構成は第1実施形態と同様であり、液晶光変調素子の視認側にも遮光フィルターを追加した点が第1実施形態と異なる。
図25は、本実施形態の表示装置の概略構成を示す斜視図である。
図25において第1実施形態の図1と共通の構成要素には同一の符号を付し、説明は省略する。
図25に示すように、本実施形態の表示装置96は、バックライト2と、第1偏光板3と、第1位相差板4と、第2偏光板5と、液晶光変調素子6と、第3偏光板97と、第2位相差板98と、第4偏光板99と、蛍光体層8と、を備えている。第1偏光板3、第1位相差板4、および第2偏光板5が第1遮光フィルター40を構成する。第3偏光板97、第2位相差板98、および第4偏光板99が第2遮光フィルター100を構成する。
第1実施形態の表示装置1は、バックライト2と液晶光変調素子6との間にのみ遮光フィルター40を備えていた。これに対し、本実施形態の表示装置96は、バックライト2と液晶光変調素子6との間に加え、液晶光変調素子6と蛍光体層8との間にも第2遮光フィルター100を備えている。全ての偏光板3,5,97,99には、ヨウ素偏光板もしくは染料偏光板が用いられる。全ての位相差板4,98にはポジティブAプレートが用いられる。
本実施形態においては、第1遮光フィルター40を構成する第1偏光板3と第2偏光板5とはクロスニコルの配置である。具体的には、第1偏光板3は、透過軸P1が0°−180°方向に向くように配置されている。第2偏光板5は、透過軸P2が90°−270°方向に向くように配置されている。第1位相差板4は、遅相軸H1が45°−225°方向に向くように配置されている。第2遮光フィルター100を構成する第3偏光板97と第4偏光板99とはクロスニコルの配置である。具体的には、第3偏光板97は、透過軸P3が0°−180°方向に向くように配置されている。第4偏光板99は、透過軸P4が90°−270°方向に向くように配置されている。第2位相差板98は、遅相軸H2が45°−225°方向に向くように配置されている。
本実施形態においても、液晶光変調素子6から特定の方位角方向に射出される漏れ光が抑えられることで、正面コントラスト比の高い蛍光励起型液晶表示装置を実現できる、という第1〜第4実施形態と同様の効果が得られる。
なお、本実施形態の表示装置96の構成から、第1遮光フィルター40を削除し、液晶光変調素子6と蛍光体層8との間の第2遮光フィルター100のみを備えた構成としてもよい。
[第6実施形態]
以下、本発明の第6実施形態について、図26を用いて説明する。
本実施形態の表示装置の基本構成は第5実施形態と同様であり、遮光フィルターを構成する偏光板の種類を一部変更した点が第5実施形態と異なる。
図26は、本実施形態の表示装置の概略構成を示す斜視図である。
図26において第5実施形態の図25と共通の構成要素には同一の符号を付し、説明は省略する。
第5実施形態では、遮光フィルター40,100を構成する全ての偏光板3,5,97,99が吸収型偏光板であった。これに対して、本実施形態の表示装置103においては、図26に示すように、第1偏光板3、第2偏光板5、および第3偏光板97は吸収型偏光板である。蛍光体層8の直下に配置される第4偏光板104は、所定の偏光方向を有する第1の直線偏光を透過し、第1の直線偏光の偏光方向と直交する偏光方向を有する第2の直線偏光を反射する特性を有する反射型の偏光板である。図26では、第4偏光板104の透過軸を符号P4tで示し、第4偏光板104の反射軸を符号P4rで示した。第3偏光板97、第2位相差板98、および第4偏光板104が第2遮光フィルター105を構成する。その他の構成は第5実施形態と同様である。
本実施形態においても、液晶光変調素子6から特定の方位角方向に射出される漏れ光が抑えられることで、正面コントラスト比の高い蛍光励起型液晶表示装置を実現できる、という第1〜第5実施形態と同様の効果が得られる。
また、蛍光体層8の直下に反射型の第4偏光板104が備えられているため、蛍光体層8で発光した光のうち、反射軸P4rに平行な直線偏光が第4偏光板104で反射して視認側に射出される。その結果、蛍光体層8で発光した光の利用効率を高めることができる。
[第7実施形態]
以下、本発明の第7実施形態について、図27を用いて説明する。
本実施形態の表示装置の基本構成は第6実施形態と同様であり、遮光フィルターを構成する偏光板の種類を一部変更した点が第6実施形態と異なる。
図27は、本実施形態の表示装置の概略構成を示す斜視図である。
図27において第6実施形態の図26と共通の構成要素には同一の符号を付し、説明は省略する。
第6実施形態では、第1偏光板3は吸収型偏光板であった。これに対して、本実施形態の表示装置108においては、図27に示すように、第4偏光板104に加えて、第1偏光板109も吸収型偏光板である。図27では、第1偏光板109の透過軸を符号P1tで示し、第1偏光板109の反射軸を符号P1rで示した。第1偏光板109、第1位相差板4、および第2偏光板5が第1遮光フィルター110を構成する。その他の構成は第6実施形態と同様である。
本実施形態においても、液晶光変調素子6から特定の方位角方向に射出される漏れ光が抑えられることで、正面コントラスト比の高い蛍光励起型液晶表示装置を実現できる、という第1〜第6実施形態と同様の効果が得られる。
また、本実施形態によれば、蛍光体層8で発光した光の利用効率を高めることができる、という第6実施形態と同様の効果が得られる。さらに、本実施形態によれば、バックライト2の直上に反射型の第1偏光板109が備えられているため、バックライト2から射出された光のうち、反射軸P1rに平行な直線偏光が第1偏光板109で反射してバックライト2に戻る。その結果、バックライト2から射出された光がリサイクルされ、光利用効率を高めることができる。
[第8実施形態]
以下、本発明の第8実施形態について、図28を用いて説明する。
本実施形態の表示装置の基本構成は第5実施形態と同様であり、遮光フィルターを構成する偏光板の配置が第5実施形態と異なる。
図28は、本実施形態の表示装置の概略構成を示す斜視図である。
図28において第5実施形態の図25と共通の構成要素には同一の符号を付し、説明は省略する。
第5実施形態では、各遮光フィルターを構成する一対の偏光板はクロスニコルの配置であった。これに対して、図28に示すように、本実施形態の表示装置113においては、第1遮光フィルター114を構成する第1偏光板3と第2偏光板5とはパラレルニコルの配置である。同様に、第2遮光フィルター115を構成する第3偏光板97と第4偏光板99とはパラレルニコルの配置である。
具体的には、第1遮光フィルター114を構成する第1偏光板3および第2偏光板5は、ともに透過軸が90°−270°方向に向くように配置されている。第2遮光フィルター115を構成する第3偏光板97および第4偏光板99は、ともに透過軸が0°−180°方向に向くように配置されている。第1遮光フィルター114を構成する第1位相差板116の面内位相差R0は、パラレルニコルの第1偏光板3および第2偏光板5に合わせて最適化されている。第2遮光フィルター115を構成する第2位相差板117の面内位相差R0は、パラレルニコルの第3偏光板97および第4偏光板99に合わせて最適化されている。その他の構成は第5実施形態と同様である。
本実施形態においても、液晶光変調素子6から特定の方位角方向に射出される漏れ光が抑えられることで、正面コントラスト比の高い蛍光励起型液晶表示装置を実現できる、という第1〜第7実施形態と同様の効果が得られる。
[第9実施形態]
以下、本発明の第9実施形態について、図29を用いて説明する。
本実施形態の表示装置の基本構成は第6実施形態と同様であり、遮光フィルターを構成する一部の偏光板の配置が第6実施形態と異なる。
図29は、本実施形態の表示装置の概略構成を示す斜視図である。
図29において第6実施形態の図26と共通の構成要素には同一の符号を付し、説明は省略する。
第6実施形態では、各遮光フィルターを構成する一対の偏光板はクロスニコルの配置であった。これに対して、図29に示すように、本実施形態の表示装置120においては、第1遮光フィルター121を構成する第1偏光板3と第2偏光板5とはパラレルニコルの配置である。同様に、第2遮光フィルター122を構成する第3偏光板97と第4偏光板104とはパラレルニコルの配置である。
具体的には、第1遮光フィルター121を構成する第1偏光板3および第2偏光板5は、ともに透過軸P1,P2が90°−270°方向に向くように配置されている。第2遮光フィルター122を構成する第3偏光板97および第4偏光板104は、ともに透過軸P3,P4tが0°−180°方向に向くように配置されている。第4偏光板104は、反射型偏光板であり、反射軸P4rは90°−270°方向に向くように配置されている。
第1遮光フィルター121を構成する第1位相差板123の面内位相差R0は、パラレルニコルの第1偏光板3および第2偏光板5に合わせて最適化されている。第2遮光フィルター122を構成する第2位相差板124の面内位相差R0は、パラレルニコルの第3偏光板97および第4偏光板104に合わせて最適化されている。その他の構成は第6実施形態と同様である。
本実施形態においても、液晶光変調素子6から特定の方位角方向に射出される漏れ光が抑えられることで、正面コントラスト比の高い蛍光励起型液晶表示装置を実現できる、という第1〜第8実施形態と同様の効果が得られる。
[第10実施形態]
以下、本発明の第10実施形態について、図30を用いて説明する。
本実施形態の表示装置の基本構成は第7実施形態と同様であり、遮光フィルターを構成する一部の偏光板の配置が第7実施形態と異なる。
図30は、本実施形態の表示装置の概略構成を示す斜視図である。
図30において第7実施形態の図27と共通の構成要素には同一の符号を付し、説明は省略する。
第7実施形態では、各遮光フィルターを構成する一対の偏光板はクロスニコルの配置であった。これに対して、図30に示すように、本実施形態の表示装置127においては、第1遮光フィルター128を構成する第1偏光板109と第2偏光板5とはパラレルニコルの配置である。同様に、第2遮光フィルター129を構成する第3偏光板97と第4偏光板104とはパラレルニコルの配置である。
具体的には、第1遮光フィルター128を構成する第1偏光板109および第2偏光板5は、ともに透過軸P1t,P2が90°−270°方向に向くように配置されている。第1偏光板109は、反射型偏光板であり、反射軸P1rは0°−180°方向に向くように配置されている。第2遮光フィルター129を構成する第3偏光板97および第4偏光板104は、ともに透過軸P3,P4tが0°−180°方向に向くように配置されている。第4偏光板104は、反射型偏光板であり、反射軸P4rは90°−270°方向に向くように配置されている。
第1遮光フィルター128を構成する第1位相差板130の面内位相差R0は、パラレルニコルの第1偏光板109および第2偏光板5に合わせて最適化されている。第2遮光フィルター129を構成する第2位相差板131の面内位相差R0は、パラレルニコルの第3偏光板97および第4偏光板104に合わせて最適化されている。その他の構成は第7実施形態と同様である。
本実施形態においても、液晶光変調素子6から特定の方位角方向に射出される漏れ光が抑えられることで、正面コントラスト比の高い蛍光励起型液晶表示装置を実現できる、という第1〜第9実施形態と同様の効果が得られる。
[第11実施形態]
以下、本発明の第11実施形態について、図31〜図34を用いて説明する。
本実施形態の表示装置の基本構成は第1実施形態と同様であり、遮光フィルターを構成する位相差板の種類が第1実施形態と異なる。
図31は、本実施形態の表示装置の概略構成を示す斜視図である。
図31において第1実施形態の図1と共通の構成要素には同一の符号を付し、説明は省略する。
第1〜第10実施形態では、各遮光フィルターを構成する位相差板はポジティブAプレートであった。これに対して、図31に示すように、本実施形態の表示装置134においては、遮光フィルター135を構成する位相差板136として、ネガティブCプレートが用いられる。位相差板136の面内屈折率をnx,nyとし、厚み方向屈折率をnzとしたとき、ネガティブCプレートは、図32に示すように、各屈折率nx,ny,nzの関係がnx=ny>nzとなるような屈折率楕円体Cで表される。第1偏光板3と第2偏光板5とはパラレルニコルの配置である。
本実施形態の遮光フィルター135においても、第1〜第10実施形態と同様の作用が得られる。すなわち、遮光フィルター135の法線方向(極角が0°方向)、および方位角が0°−180°方向もしくは90°−270°方向、かつ極角が0°以外の方向の光に対しては、位相差板136が本来の機能を発揮しないため、第1偏光板3を透過した直線偏光はそのまま第2偏光板5を透過する。したがって、透過率は低下しない。
これに対し、方位角が0°−180°方向および90°−270°方向以外の方向の光に対しては、位相差板136がネガティブCプレートとして機能するため、第1偏光板3を透過した直線偏光が楕円偏光に変化する。楕円偏光が第2偏光板5に入射するため、透過率が低下する。
本発明者らは、ネガティブCプレートからなる位相差板136の厚さ方向位相差Rthを変化させたときの遮光フィルター135の透過率角度分布を、シミュレーションにより検証した。シミュレーション結果を図33(A)〜(E)に示す。
シミュレーション条件として、第1偏光板3および第2偏光板5としてヨウ素偏光板を用い、第1偏光板3および第2偏光板5の透過軸は90°−270°方向に設定した。位相差板136の厚さ方向位相差Rthは、Rth=0nm〜4000nmの範囲内で変化させた。シミュレーションソフトは、LCDMasterを用いた。
図33(A)はRth=0nmの透過率角度分布、図33(B)はRth=1000nmの透過率角度分布、図33(C)はRth=2000nmの透過率角度分布、図33(D)はRth=3000nmの透過率角度分布、図33(E)はRth=4000nmの透過率角度分布、をそれぞれ示している。図中白く見える部分が透過率の高い部分、黒く見える部分が透過率の低い部分を示している。
Rth=0nmの場合、図33(A)に示すように、45°−225°方向および135°−315°方向の透過率が低下する効果はほとんど見られなかった。これに対し、R0=1000nm、2000nm、3000nm、4000nmの場合、図33(B)〜(E)に示すように、45°−225°方向および135°−315°方向の透過率が低下する効果が確認された。
図34は、図33(A)〜(E)の透過率角度分布における45°−225°方向の透過率をグラフにしたものである。図34の横軸は極角(°)を示し、図34の縦軸は波長450nmの光に対する透過率(%)である。縦軸の透過率は極角が0°のときの最大値を1としたときの相対値で示した。図34に示すように、Rthを1000以上の値に設定することにより、広角側の光を遮断できることが判った。
本実施形態のように位相差板136にネガティブCプレートを用いた場合でも、液晶光変調素子6から特定の方位角方向に射出される漏れ光が抑えられ、正面コントラスト比の高い蛍光励起型液晶表示装置を実現できる、という第1〜第10実施形態と同様の効果が得られる。
[第12実施形態]
以下、本発明の第12実施形態について、図35〜図37を用いて説明する。
本実施形態の表示装置の基本構成は第11実施形態と同様であり、3組の遮光フィルターを備えた点が第11実施形態と異なる。
図35は、本実施形態の表示装置の概略構成を示す斜視図である。
図35において第11実施形態の図31と共通の構成要素には同一の符号を付し、説明は省略する。
図35に示すように、本実施形態の表示装置139は、バックライト2と、第1偏光板42と、第1位相差板140と、第2偏光板44と、第2位相差板141と、第3偏光板46と、第3位相差板142と、第4偏光板48と、液晶光変調素子6と、第5偏光板49と、蛍光体層8と、を備えている。第1偏光板42、第1位相差板140、および第2偏光板44が第1遮光フィルター143を構成する。第2偏光板44、第2位相差板141、および第3偏光板46が第2遮光フィルター144を構成する。第3偏光板46、第3位相差板142、および第4偏光板48が第3遮光フィルター145を構成する。
このように、表示装置139は、バックライト2と液晶光変調素子6との間に3組の遮光フィルター143,144,145を備えている。各遮光フィルター143,144,145の一対の偏光板はパラレルニコルの配置となっている。全ての位相差板140,141,142にはネガティブCプレートが用いられる。
本発明者らは、構成がそれぞれ異なる比較例1,2、ネガティブCプレートを備えた実施例11〜15の表示装置を想定し、シミュレーションにより正面コントラスト比を算出した。シミュレーションソフトは、LCDMasterを用いた。比較例1,2、実施例11〜15の表示装置の構成は以下の通りである。なお、全ての表示装置において、液晶光変調素子には垂直配向モードの液晶パネルを用いた。
[比較例1]
図36(A)に示すように、比較例1の表示装置は遮光フィルターを備えていない。比較例1の表示装置は、バックライト(図示略)側から第1偏光板55、液晶光変調素子56、第2偏光板57、蛍光体層58を備えている。第1偏光板55の透過軸は方位角90°−270°に設定し、第2偏光板57の透過軸は方位角0°−180°に設定した。
[比較例2]
図36(B)に示すように、比較例2の表示装置は遮光フィルターを備えていない。比較例2の表示装置は、バックライト(図示略)側から第1偏光板55、第1位相差板59、液晶光変調素子56、第2位相差板60、第2偏光板57、蛍光体層58を備えている。第1位相差板59および第2位相差板60は、遮光フィルターを構成するものではなく、液晶光変調素子56の位相差を補償するための2軸位相差板である。第1位相差板59および第2位相差板60は、ともに面内位相差R0が35nmであり、NZ係数が3.7である。第1偏光板55の透過軸は方位角90°−270°に設定し、第2偏光板57の透過軸は方位角0°−180°に設定した。
[実施例11]
図36(C)に示すように、実施例11の表示装置は、比較例2の表示装置における第1位相差板59の下側(バックライト側)に、偏光板55、位相差板148、偏光板149からなる遮光フィルターを1組備えている。遮光フィルターを構成する下側偏光板149の透過軸は方位角90°−270°に設定した。位相差板148の厚さ方向位相差Rthは1000nmに設定した。
[実施例12]
図36(D)に示すように、実施例12の表示装置の基本構成は実施例11の表示装置と同じであり、位相差板150のみを変更した。位相差板150の厚さ方向位相差Rthは、実施例1と異なり、2000nmに設定した。
[実施例13]
図36(E)に示すように、実施例13の表示装置の基本構成は実施例11の表示装置と同じであり、位相差板151のみを変更した。位相差板151の厚さ方向位相差Rthは、実施例1と異なり、3000nmに設定した。
[実施例14]
図36(F)に示すように、実施例14の表示装置は、実施例11の表示装置における位相差板148の下側(バックライト側)に、偏光板149、位相差板152、偏光板153からなる遮光フィルターをさらに1組備えている。下層側の遮光フィルターを構成する下側の偏光板153の透過軸は方位角90°−270°に設定した。下層側の遮光フィルターを構成する位相差板152の厚さ方向位相差Rthは2000nmに設定した。
[実施例15]
図36(G)に示すように、実施例15の表示装置は、実施例14の表示装置における位相差板152の下側(バックライト側)に、偏光板153、位相差板154、偏光板155からなる遮光フィルターをさらに1組備えている。最下層の遮光フィルターを構成する下側の偏光板155の透過軸は方位角90°−270°に設定した。最下層の遮光フィルターを構成する位相差板154の厚さ方向位相差Rthは3000nmに設定した。
正面コントラスト比の算出結果を図37に示す。
比較例1の表示装置においては、正面コントラスト比が358であった。また、液晶位相差補償用の位相差板を追加した比較例2の表示装置においては、正面コントラスト比は759であった。これに対し、ネガティブCプレートを備えた1〜3組の遮光フィルターを追加した実施例11〜15の表示装置においては、正面コントラスト比は概ね1100〜1150程度に向上することが実証された。
上記第1〜第12実施形態では、遮光フィルターを構成する位相差板として、ポジティブAプレートもしくはネガティブCプレートを用いる例を挙げた。その他、遮光フィルターを構成する位相差板として、2軸位相差板を用いてもよい。2軸位相差板を用いる場合、遮光フィルターを構成する一対の偏光板の透過軸と2軸位相差板の遅相軸とは、略0°もしくは略90°の角度をなすようにする。
なお、本発明の技術範囲は上記実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において種々の変更を加えることが可能である。
例えば上記実施形態では、バックライトから青色光を射出し、緑色ドットおよび赤色ドットでは蛍光体層により青色光を波長変換して緑色光もしくは赤色光を発光させ、青色ドットでは青色光を波長変換させずに表示に用いる構成とした。この構成に代えて、紫外光を射出するバックライトを用い、赤色ドットには紫外光を励起光として赤色光を発する蛍光体を用い、緑色ドットには紫外光を励起光として緑色光を発する蛍光体を用い、青色ドットには紫外光を励起光として青色光を発する蛍光体を用いる構成としてもよい。その他、表示装置の各構成要素の数、配置、材料等の具体的な構成については、適宜変更が可能である。
本発明は、各種表示装置に利用が可能である。
1,41,71,76,96,103,108,113,120,127,134,139…表示装置、3,42,55,109…第1偏光板、4,61,63,64,65,67,72,85,87,88,89,91,136,148,150,151,152,154…位相差板、5,44,57…第2偏光板、6,56…液晶光変調素子、7,46,97…第3偏光板、8,8R,8G,58…蛍光体層、11…液晶層、40,73,135…遮光フィルター、43,59,77,116,123,130,140…第1位相差板、45,60,78,98,117,124,131,141…第2位相差板、47,79,142…第3位相差板、48,99,104…第4偏光板、49…第5偏光板、50,80,110,114,121,128,143…第1遮光フィルター、51,81,100,105,115,122,129,144…第2遮光フィルター、52,82,145…第3遮光フィルター、62,66,68,86,90,92,149,153,155…偏光板。

Claims (13)

  1. 発光スペクトルにおける490nm以下の波長域内に少なくとも一つのピーク波長を有する光を射出する光源と、
    入射側偏光板と射出側偏光板と垂直配向モードの液晶層とを含み、前記液晶層の配向状態を電気的に制御することで前記光源から射出された光の透過光量を変調する液晶光変調素子と、
    前記液晶光変調素子を透過した光を吸収し、前記光源から射出された光の波長域とは異なる波長域の蛍光を発光する蛍光体と、
    前記光源と前記液晶光変調素子との間、前記液晶光変調素子と前記蛍光体との間の少なくとも一方に設けられ、前記光源から射出された光のうち、前記液晶光変調素子を法線方向から見たときにコントラスト比が相対的に低い方位角方向の光を選択的にカットする遮光フィルターと、
    を備えたことを特徴とする表示装置。
  2. 前記入射側偏光板もしくは前記射出側偏光板の光軸が、0°−180°方向もしくは90°−270°方向に配置され、
    前記コントラスト比が相対的に低い方位角方向が、45°−225°方向および135°−315°方向であることを特徴とする請求項1に記載の表示装置。
  3. 前記遮光フィルターが、光入射側から順に配置された第1偏光板と、位相差板と、第2偏光板と、で構成されたことを特徴とする請求項1または2に記載の表示装置。
  4. 前記遮光フィルターを複数備えたことを特徴とする請求項3に記載の表示装置。
  5. 前記複数の遮光フィルターが、前記光源と前記液晶光変調素子との間、前記液晶光変調素子と前記蛍光体との間のいずれか一方に配置され、
    前記複数の遮光フィルターを構成する第1遮光フィルターの前記第2偏光板と第2遮光フィルターの前記第1偏光板とが、1枚の共通の偏光板であることを特徴とする請求項4に記載の表示装置。
  6. 前記位相差板が、ポジティブAプレートで構成されたことを特徴とする請求項3ないし5のいずれか一項に記載の表示装置。
  7. 前記第1偏光板と前記第2偏光板との配置がクロスニコルであり、
    前記第1偏光板および前記第2偏光板の光軸と前記位相差板の光軸とが略45°の角度をなし、
    前記位相差板のNZ係数が略1であり、
    前記位相差板の面内位相差をR0、前記光源から射出された光の波長をλとしたとき、
    R0=λ/2+nλ(n:自然数(1,2,3,…))の条件を満たすことを特徴とする請求項6に記載の表示装置。
  8. 前記第1偏光板と前記第2偏光板との配置がパラレルニコルであり、
    前記第1偏光板および前記第2偏光板の光軸と前記位相差板の光軸とが略45°の角度をなし、
    前記位相差板のNZ係数が略1であり、
    前記位相差板の面内位相差をR0、前記光源から射出された光の波長をλとしたとき、
    R0=λ+nλ(n:自然数(1,2,3,…))の条件を満たすことを特徴とする請求項6に記載の表示装置。
  9. 前記位相差板が、ネガティブCプレートで構成されたことを特徴とする請求項3ないし5のいずれか一項に記載の表示装置。
  10. 前記第1偏光板と前記第2偏光板との配置がパラレルニコルであることを特徴とする請求項9に記載の表示装置。
  11. 前記位相差板が、2軸位相差板で構成されたことを特徴とする請求項3ないし5のいずれか一項に記載の表示装置。
  12. 前記第1偏光板および前記第2偏光板の光軸と前記位相差板の光軸とが、略0°もしくは略90°の角度をなすことを特徴とする請求項11に記載の表示装置。
  13. 前記第1偏光板および前記第2偏光板のいずれか一方が、反射型偏光板で構成されたことを特徴とする請求項3ないし12のいずれか一項に記載の表示装置。
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