JP2014009787A - 動力伝達チェーンおよび動力伝達装置 - Google Patents

動力伝達チェーンおよび動力伝達装置 Download PDF

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Abstract

【課題】 プーリの挟持力および遠心力による影響をリンクが受けても、リンクの耐久性をより向上させることができる技術を提供する。
【解決手段】 第2ピン15の長手方向中央部のチェーン径方向外側に、凹部21が形成されている。これにより、チェーン幅方向の中央にあるリンク11Aの挿通孔の縁部と第2ピン15の長手方向中央部のチェーン径方向外側の縁部との間に予め余裕が設けられている。したがって、プーリのシーブ面2c,2d間に挟持されることによって、第1ピン14が変形したときでも、リンク11Aの挿通孔の縁部19aと第2ピン15の長手方向中央部とが干渉しないようになっている。
【選択図】 図5

Description

この発明は、動力伝達チェーン、さらに詳しくは、自動車等の無段変速機(CVT:Continuously Variable Transmission)に好適な動力伝達チェーンおよびこれを用いた動力伝達装置に関する。
自動車の無段変速機などの動力伝達装置として、円錐面状のシーブ面を有するプライマリプーリと、円錐面状のシーブ面を有するセカンダリプーリと、プライマリプーリとセカンダリプーリとに巻き掛けられた動力伝達チェーンとを備えているものがある。
動力伝達チェーンとしては、複数のリンクと、複数のリンクを屈曲可能に連結する複数の第1ピンおよび複数の第2ピンとを備えているものが知られている(特許文献1)。
第1ピンおよび第2ピンには、ピンが挿通される前挿通部および後挿通部がそれぞれ形成されている。そして、一のリンクの前挿通部と他のリンクの後挿通部とが対応するように、チェーン幅方向に並ぶリンク同士が前後に並ぶ複数の第1ピンおよび複数の第2ピンによって連結されている。
第2ピンは、第1ピンよりも短くなされて、第1ピンが動力伝達装置のプーリの一対のシーブ面間に挟持される。
特許文献1には、このような動力伝達チェーンにおいて、第1ピンおよび第2ピンの転がり接触面と反対側の面に、凹部が形成されているものが開示されている。
特開2008−275007号公報
上記特許文献1の動力伝達チェーンでは、チェーン進行方向の牽引力について考慮されているが、チェーン進行方向に直交する方向の力、すなわち、プーリの挟持力(チェーン幅方向の力)および遠心力(円錐面状シーブ面の回転軸を中心とする円の半径方向に相当するチェーン径方向の力)については考慮はされていない。
プーリのシーブ面間に挟持されている第1ピンは、挟持力によってその中央部がチェーン径方向内側の方向に凸形状に変形する。第1ピンに固定されているリンクは、第1ピンの変形に従って変形する。一方、動力伝達チェーンの速度が増加するに連れて、動力伝達チェーンに作用する遠心力も増加する。遠心力を考えた場合、プーリに挟持されていない第2ピンは、第1ピンと比較して遠心力の影響を大きく受ける。つまり、リンクは第1ピンの変形によってチェーン径方向内側に力を受けつつ、遠心力の影響を大きく受ける第2ピンによるチェーン径方向外側へも力を受ける。反対方向の力を受けるため、第2ピンとリンクとが強く干渉して、リンクは破断しやすくなる。
この発明の目的は、プーリの挟持力および遠心力による影響をリンクが受けても、リンクの耐久性をより向上させることができる技術を提供することにある。
この発明による動力伝達チェーンは、相対向する一対の円錐面状のシーブ面を各々有する第1のプーリと第2のプーリとのそれぞれで前記一対のシーブ面により挟持される動力伝達チェーンであって、第1挿通部と第2挿通部とを各々有し、チェーン進行方向に並ぶ複数のリンクと、一のリンクの第1挿通部と他のリンクの第2挿通部とが対応するようにして前記チェーン進行方向に直交するチェーン幅方向に並ぶ前記リンク同士を、前記第1挿通部と前記第2挿通部とに嵌め合わされることで屈曲可能に連結する連結部材と、を備え、前記連結部材は、互いに転がり接触する第1ピンと第2ピンとを備え、前記第2ピンが前記第1ピンよりも短くなされて、前記第1ピンが前記第1のプーリおよび前記第2のプーリのそれぞれの前記一対のシーブ面間に挟持され、前記第2ピンの長手方向中央部のチェーン径方向外側に凹部が形成されているものである。
この発明の動力伝達チェーンによると、動力伝達チェーンにプーリの挟持力および遠心力が作用した際に生じる第2ピンとリンクとの強い干渉が防止される。したがって、リンクの耐久性を向上させることができる。
図1は、この発明による動力伝達チェーンの1実施形態の一部を示す平面図である。 図2は、リンク、第1ピンおよび第2ピンの形状を示す拡大側面図である。 図3は、動力伝達チェーンがプーリに取り付けられた状態を示す正面図である。 図4は、この発明による動力伝達チェーンの第1実施形態で使用されている第2ピンを模式的に示す正面図である。 図5は、この発明による動力伝達チェーンの第1実施形態の要部を模式的に示す正面図である。 図6(a)は、第1ピンおよび第2ピンとリンクとの相対位置関係を説明する図で、第1ピンにプーリからの挟持力が作用していない状態を模式的に示すものである。 図6(b)は、第1ピンおよび第2ピンとリンクとの相対位置関係を説明する図で、第1ピンにプーリからの挟持力が作用している状態を模式的に示すものである。 図6(c)は、第1ピンおよび第2ピンとリンクとの相対位置関係を説明する図で、第1ピンにプーリからの挟持力が作用している状態で、遠心力が作用した状態を模式的に示すものである。 図7は、この発明による動力伝達チェーンの第2実施形態で使用されている第2ピンを模式的に示す正面図である。
以下、図面を参照して、この発明の実施形態について説明する。以下の説明において、前後については、図1の右を前、左を後というものとし、上下については、図2の上下をいうものとする。前後方向は、チェーン進行方向に一致し、上は、チェーン径方向外側に一致し、下は、チェーン径方向内側に一致する。
図1は、第1実施形態の動力伝達チェーンの一部を示している。動力伝達チェーン(1)は、チェーン進行方向に所定間隔をおいて設けられた前挿通部(第1挿通部)(12)および後挿通部(第2挿通部)(13)を有する複数のリンク(11)と、複数のリンク(11)を屈曲可能に連結する複数の第1ピン(14)および第2ピン(15)とを備えている。第2ピン(15)は、第1ピン(14)よりも短くなされ、両者は、第2ピン(15)が前側に、第1ピン(14)が後側に配置された状態で当接している。この第1ピン(14)と第2ピン(15)との対が連結部材に相当する。
動力伝達チェーン(1)は、幅方向同位相の複数のリンクで構成されるリンク列(3a)(3b)(3c)を進行方向(前後方向)に3つ並べて1つのリンクユニット(3)とし、この3列のリンク列(3a)(3b)(3c)からなるリンクユニット(3)を進行方向に複数連結して形成されている。この実施形態では、リンク枚数が9枚のリンク列(3a)とリンク枚数が8枚のリンク列(3b)(3c)2つとが1つのリンクユニット(3)とされている。
図2に示すように、リンク(11)の前挿通部(12)は、第1ピン(14)が回転可能に嵌め合わせられる摺動部(16)と、第2ピン(15)が固定される固定部(17)とからなる。また、リンク(11)の後挿通部(13)は、第1ピン(14)が固定される固定部(18)と、第2ピン(15)が回転可能に嵌め合わせられる摺動部(19)とからなる。
第1ピン(14)は、第2ピン(15)に比べて前後方向の幅が広くなされており、第2ピン(15)の上下縁部には、第1ピン(14)側にのびる突出縁部(15a)(15b)が設けられている。
チェーン幅方向に並ぶリンク(11)を連結するに際しては、一のリンク(11)の前挿通部(12)と他のリンク(11)の後挿通部(13)とが対応するようにリンク(11)同士が重ねられる。第1ピン(14)は、一のリンク(11)の後挿通部(13)に固定されかつ他のリンク(11)の前挿通部(12)に摺動可能に嵌め合わせられる。第2ピン(15)は、一のリンク(11)の後挿通部(13)に摺動可能に嵌め合わせられかつ他のリンク(11)の前挿通部(12)に固定される。そして、この第1ピン(14)と第2ピン(15)とが相対的に転がり接触移動することにより、リンク(11)同士の屈曲が可能とされる。
第1ピン(14)は、第2ピン(15)に比べて前後方向の幅が広くなされており、第2ピン(15)の上下縁部には、各第1ピン(14)側にのびる突出縁部(15a)(15b)が設けられている。
チェーン幅方向に並ぶリンク(11)を連結するに際しては、一のリンク(11)の前挿通部(12)と他のリンク(11)の後挿通部(13)とが対応するようにリンク(11)同士が重ねられ、第1ピン(14)が一のリンク(11)の後挿通部(13)に固定されかつ他のリンク(11)の前挿通部(12)に移動可能に嵌め合わせられ、第2ピン(15)が一のリンク(11)の後挿通部(13)に移動可能に嵌め合わせられかつ他のリンク(11)の前挿通部(12)に固定される。そして、この第1ピン(14)と第2ピン(15)とが相対的に転がり接触移動することにより、リンク(11)同士の長さ方向(前後方向)の屈曲が可能とされる。
後挿通部(13)の固定部(18)と摺動部(19)との境界部分には、摺動部(19)の上下の凹円弧状案内部(19a)(19b)にそれぞれ連なり固定部(18)に固定されている第1ピン(14)を保持する上下の凸円弧状保持部(18a)(18b)が設けられている。同様に、前挿通部(12)の固定部(17)と摺動部(16)との境界部分には、摺動部(16)の上下の凹円弧状案内部(16a)(16b)にそれぞれ連なり固定部(17)に固定されている第2ピン(15)を保持する上下の凸円弧状保持部(17a)(17b)が設けられている。
第1ピン(14)を基準とした第1ピン(14)と第2ピン(15)との接触位置の軌跡は、円のインボリュートとされている。この実施形態では、第1ピン(14)の転がり接触面(14a)がインボリュート曲線とされ、第2ピン(15)の転がり接触面(15c)が平坦面(断面形状が直線)とされている。これにより、各リンク(11)(11A)がチェーン(1)の直線領域から曲線領域へまたは曲線領域から直線領域へと移行する際、第1ピン(14)と第2ピン(15)とが相対的に転がり接触移動する。具体的には、前挿通部(12)においては、第1ピン(14)が固定状態の第2ピン(15)に対してその転がり接触面(14a)が第2ピン(15)の転がり接触面(15c)に転がり接触(若干のすべり接触を含む)しながら摺動部(16)内を移動する。また、後挿通部(13)においては、第2ピン(15)が摺動部(19)内を固定状態の第1ピン(14)に対してその転がり接触面(15c)が第1ピン(14)の転がり接触面(14a)に転がり接触(若干のすべり接触を含む)しながら移動する。
リンク(11)は、例えば、ばね鋼や炭素工具鋼製とされる。リンク(11)の材質は、ばね鋼や炭素工具鋼に限られるものではなく、軸受鋼などの他の鋼でももちろんよい。リンク(11)は、前後挿通部(12)(13)がそれぞれ独立の貫通孔(柱有りリンク)とされていてもよく、前後挿通部(12)(13)が1つの貫通孔(柱無しリンク)とされていてもよい。第1ピン(14)および第2ピン(15)の材質としては、軸受鋼などの適宜な鋼が使用される。
動力伝達チェーン(1)は、所要数の第1ピン(14)および第2ピン(15)を保持した後、所要数のリンク(11)を順次圧入していくことにより製造される。圧入は、第1ピン(14)の上下縁部とリンク(11)の後挿通部(13)の固定部(18)の上下縁部との間および第2ピン(15)の上下縁部と前挿通部(12)の固定部(17)の上下縁部との間において行われている。
上記動力伝達チェーン(1)は、動力伝達装置としての無段変速機(10)で使用される。無段変速機(10)は、図3に示すように、一対のプーリ(図示は一方のプーリだけ)(2)と、両プーリ(2)に巻き掛けられた動力伝達チェーン(1)とを備えている。
プーリ(2)は、プーリ軸(2e)に固定された固定シーブ(2a)と、プーリ軸(2e)上に軸方向移動可能に支持された可動シーブ(2b)とを備えている。固定シーブ(2a)および可動シーブ(2b)は、それぞれ相対向する円錐面状のシーブ面(2c)(2d)を有している。
第1ピン(14)の両端面は、プーリ(2)の相対向する一対のシーブ面(2c)(2d)間に挟持され、第1ピン(14)の両端面と各シーブ面(2c)(2d)との間の力により、動力伝達チェーン(1)とプーリ(2)との間で動力が伝達される。可動シーブ(2b)は、油圧アクチュエータ(図示略)によって、固定シーブ(2a)側に押圧されており、これにより、動力伝達チェーン(1)を挟持するための挟持力がプーリ(2)に与えられる。第2ピン(15)の両端面は、プーリ(2)のシーブ面(2c)(2d)に接触しないものとされる。
図3において、実線で示した位置にあるプーリ(2)の可動シーブ(2b)を固定シーブ(2a)に対して接近または離隔させると、プーリ(2)における動力伝達チェーン(1)の巻き掛け径は、同図に鎖線で示すように、接近時には大きく、離隔時には小さくなる。
一対のプーリ(2)のうち図示省略した他方のプーリでは、その固定シーブが図示した固定シーブ(2a)とは、動力伝達チェーン(1)を間にして、軸方向反対側に配置されている。そして、その可動シーブが図示したプーリ(2)の可動シーブ(2b)とは逆向きに移動する。これにより、無段変速機(10)の変速比が無段階に変化する。
この実施形態においては、図3に示されるように、第2ピン(15)の凹部(21)が形成されている点に特徴がある。ここで、凹部(21)の大きさ(深さ)は、0.01mm〜0.5mm程度であり、図3には表れない大きさであるので、図4から図6に示す凹部(21)を誇張した図を用いて、その具体的な実施形態を説明する。
図4に示すように、この発明の動力伝達チェーン(1)で使用されている第2ピン(15)には、その長手方向中央部のチェーン径方向外側およびチェーン径方向内側に凹部(21)が形成されている。第2ピン(15)の両端部(22)は、リンク(11)の固定部(17)に固定可能な形状、すなわち、従来と同じ形状とされている。第2ピン(15)の長手方向中央部では、凹部(21)が形成されていることにより、リンク(11)の固定部(17)に固定されていない。
図5には、第1ピン(14)が円錐状シーブ面(2c)(2d)間に挟持された状態を、リンク(11)としてチェーン幅方向中央にある2枚のリンク(11A)だけを図示して示している。
シーブ面(2c)(2d)間に挟持されている第1ピン(14)は、挟持力によってその中央部がチェーン径方向内側(図の下方)に凸形状に変形する。第1ピン(14)に固定されているリンク(11)は、第1ピン(14)の変形に従って変形するので、チェーン幅方向に並ぶリンク列も、チェーン径方向内側に凸となるように並ぶ。この際、チェーン幅方向の中央にあるリンク(11A)のチェーン径方向移動量が最も大きいものとなる。
動力伝達チェーン(1)の速度が増加するに連れて、動力伝達チェーン(1)に作用する遠心力(チェーン(1)の径方向内側から外側に向かう方向の力)も増加する。遠心力を考えた場合、プーリ(2)に挟持されていない第2ピン(15)は、第1ピン(14)と比較して遠心力の影響を大きく受ける。
図6(a)(b)(c)に、チェーン幅方向の中央にあるリンク(11A)と第1ピン(14)および第2ピン(15)との相対位置関係を模式的に示している。
図6(a)は、第1ピン(14)がシーブ面間に挟持されていない状態を示している。この場合、第2ピン(15)の長手方向中央部に凹部(21)が形成されているので、第2ピン(15)の長手方向中央部におけるチェーン径方向外側の縁部(212)とリンク(11A)の可動部(19)のチェーン径方向外側の縁部(19a)との間に、間隙Daが存在している。同図に二点鎖線(31)で示す位置は、第2ピン(15)に凹部(21)が形成されていないとした場合の第2ピン(15)の上縁部(チェーン径方向外側の縁部)である。
図6(b)は、第1ピン(14)に挟持力が作用した状態を示している。この場合、挟持力が作用することで、第1ピン(14)の中央部は、チェーン径方向内側に凸となる方向に変形する。第1ピン(14)の長手方向中央部に固定されているリンク(11A)は、第1ピン(14)の変形に従って変形する。このため、第1ピン(14)の長手方向中央部とリンク(11A)との相対位置関係は、図6(a)と同じになっている。
第2ピン(15)は、シーブ面(2c)(2d)間に挟持されていないので、第1ピン(14)に挟持力が作用した際、中央部がチェーン径方向内側に凸となる方向の変形は、第1ピン(14)に比べて小さい。したがって、第2ピン(15)の長手方向中央部とリンク(11A)の可動部(19)との間の相対位置関係は、第2ピン(15)の長手方向中央部がリンク(11A)の可動部(19)内で相対的に上方に(チェーン径方向外側に)移動する。すなわち、第2ピン(15)の長手方向中央部におけるチェーン径方向外側の縁部(212)とリンク(11A)の可動部(19)のチェーン径方向外側の縁部(19a)との間隙Dbが小さくなる。したがって、第2ピン(15)の長手方向中央部の上縁部が凹部無しの上縁部(31)とされていると、凹部無しの上縁部(31)と可動部(19)の上縁部とが干渉して、可動部(19)の上縁部に傷が入る恐れがある。
図6(c)は、第1ピン(14)に挟持力が作用した状態で、さらに、遠心力が作用した状態を示している。この場合、第1ピン(14)は、シーブ面(2c)(2d)間に挟持されていることから、第1ピン(14)の両端部に固定されているリンク(11)の動きが抑制されている。これに伴って、第2ピン(15)の両端部の動きも抑制されている。したがって、第2ピン(15)は、遠心力の作用時には、その長手方向中央部がチェーン径方向外側に凸となる方向に変形する。すなわち、第1ピン(14)にプーリ(2)からの挟持力が作用した状態で、遠心力が作用すると、第2ピン(15)の長手方向中央部におけるチェーン径方向外側の縁部(212)が図6(b)に示す状態からさらに相対的に上方に移動する。これにより、第2ピン(15)の長手方向中央部におけるチェーン径方向外側の縁部(212)とリンク(11A)の可動部(19)のチェーン径方向外側の縁部(19a)との間隙Dcがさらに小さくなる。したがって、第2ピン(15)の長手方向中央部の上縁部が凹部無しの上縁部(31)とされていると、凹部無しの上縁部(31)と可動部(19)の上縁部とが強く干渉して、可動部(19)の上縁部に傷が入るおそれが増大する。このように、図6(c)においては、チェーン幅方向の中央にあるリンク(11A)は、第1ピン(14)の変形によってチェーン径方向内側に力を受けつつ、遠心力の影響を大きく受ける第2ピン(15)によるチェーン径方向外側へも力を受ける。この反対方向の力を受けるため、チェーン幅方向の中央にあるリンク(11A)は破断しやすくなる。
上記実施形態によると、第2ピン(15)の長手方向中央部のチェーン径方向外側に凹部(21)が形成されている。したがって、第1ピン(14)がプーリ(2)からの挟持力によって変形した状態において、遠心力が作用したときにおいても、チェーン幅方向の中央にあるリンク(11A)に作用する力が大きくなることが防止される。これにより、リンク(11)(11A)の耐久性をより向上させることができる。
凹部(21)は、テーパ状に限定されるものではなく、図7に示すように、全体が円弧状の凹部(23)とされてもよい。図7においても、両端部(24)は、従来と同じ形状とされて、リンク(11)の固定部(17)に固定されるものとされる。第2ピン(15)に固定されるリンク(11)は、少なくとも最外側のものとされるが、最外側を含んで2〜5枚程度とされてもよい。凹部(21)(23)の長手方向の長さは、少なくとも中央にあるリンク(11A)を含めばよい。凹部(21)(23)の大きさは、0.01mm以上あればよい。
また、耐久性向上の点からは、チェーン径方向内側の凹部(21)(23)は不要であるが、両側に設けておくことで、第2ピン(15)は、第2ピン(15)の長手方向に直交する面(チェーン幅方向の中央にある面)に対して対称(図4および図7で左右対称)形状となるとともに、この面に直交する面(チェーン径方向の中央にある面)に対しても対称(図4および図7で上下対称)形状となる。したがって、第2ピン(15)の左右および上下(チェーン径方向外側と径方向内側)の区別が不要となり、組立て時の手間を増加させないで済む。
凹部(21)(23)が形成された第2ピン(15)は、ダイ形状をこれに対応させることで、従来と同じ打ち抜きで得ることができる。また、従来と同様の凹部無し品を先に製作した後、削るようにしてもよい。
(1):動力伝達チェーン、(2):プーリ、(2c)(2d):シーブ面、(11):リンク、(12):前挿通部(第1挿通部)、(13):後挿通部(第2挿通部)、(14):第1ピン、(15):第2ピン、(21):凹部、(23):凹部

Claims (3)

  1. 相対向する一対の円錐面状のシーブ面を各々有する第1のプーリと第2のプーリとのそれぞれで前記一対のシーブ面により挟持される動力伝達チェーンであって、
    第1挿通部と第2挿通部とを各々有し、チェーン進行方向に並ぶ複数のリンクと、
    一のリンクの第1挿通部と他のリンクの第2挿通部とが対応するようにして前記チェーン進行方向に直交するチェーン幅方向に並ぶ前記リンク同士を、前記第1挿通部と前記第2挿通部とに嵌め合わされることで屈曲可能に連結する連結部材と、
    を備え、
    前記連結部材は、互いに転がり接触する第1ピンと第2ピンとを備え、
    前記第2ピンが前記第1ピンよりも短くなされて、前記第1ピンが前記第1のプーリおよび前記第2のプーリのそれぞれの前記一対のシーブ面間に挟持され、
    前記第2ピンの長手方向中央部のチェーン径方向外側に凹部が形成されている動力伝達チェーン。
  2. 前記第2ピンの長手方向中央部のチェーン径方向内側にも凹部が形成されており、長手方向に直交する面およびこの面に直交する面の両方に対して前記第2ピンが対称形状とされている請求項1の動力伝達チェーン。
  3. 相対向する一対の円錐面状のシーブ面を各々有する第1のプーリおよび第2のプーリと、前記第1のプーリおよび前記第2のプーリのそれぞれで前記一対のシーブ面により挟持される動力伝達チェーンとを備え、動力伝達チェーンが請求項1または2に記載のものである動力伝達装置。
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