JP2014009276A - 粉末状セルロース - Google Patents
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Abstract
【課題】 本発明は、原料木材の制限、環境へ悪影響のないパルプを原料にした粉末状セルロースであって、粉末状セルロース中のの不純物(特に、ヘミセルロース)を低減させた、粉末状セルロースを提供することを目的とする。
【解決手段】 パルプを鉱酸にて酸加水分解処理して得られる粉末状セルロースにおいて、該パルプが加水分解処理した後にクラフト蒸解を行うことによって得られるパルプであることを特徴とする粉末状セルロース。
【選択図】 なし
【解決手段】 パルプを鉱酸にて酸加水分解処理して得られる粉末状セルロースにおいて、該パルプが加水分解処理した後にクラフト蒸解を行うことによって得られるパルプであることを特徴とする粉末状セルロース。
【選択図】 なし
Description
本発明は、パルプを鉱酸にて酸加水分解処理して得られる粉末状セルロースに関する。より具体的には加水分解処理した後にクラフト蒸解を行うことによって得られるパルプを鉱酸にて酸加水分解処理して得られる粉末状セルロースに関する。
粉末状セルロースは、増粘性、乳化安定性、保水性、吸油性、保形性等の特徴を有することから、食品添加剤、錠剤賦形剤、分散剤、保形剤、保水剤、濾過助剤、充填剤、塗料・接着剤用添加剤等として、食品、医薬品、化粧品、建材、窯業、ゴム・プラスチック等の幅広い分野で使用されている。
一般的な粉末状セルロースは、平均粒子径5〜50μm、見掛け比重0.10〜0.50g/cm3程度であり、平均粒子径が大きくなるにつれて、見掛け比重が小さくなる白色粒子である。
一般的な粉末状セルロースは、平均粒子径5〜50μm、見掛け比重0.10〜0.50g/cm3程度であり、平均粒子径が大きくなるにつれて、見掛け比重が小さくなる白色粒子である。
この粉末状セルロースを得る方法としては、化学的処理と機械的処理による方法が知られている。化学的処理としてはセルロース原料に硫酸または塩酸等の鉱酸を作用させ加水分解反応を行い、粉末状セルロースを得る方法が公知である。例えば、120〜160℃という高温下、20〜45分間希酸で酸加水分解し、粉末状セルロースを得る方法(特許文献1参照)。2.5規定(以下、規定はNと省略)の塩酸で約15分間酸加水分解し、粉末状セルロースを得る方法(特許文献2参照)。各種濃度の塩酸水溶液で高温処理し、粉末状セルロースを得る方法(特許文献3参照)等がある。
酸加水分解法で得られる粉末状セルロースの特徴としては、酸濃度を適宜コントロールすることで、粉末状セルロースの重合度および平均粒子径を容易に調節できる。したがって、酸濃度を変化させることにより、見掛け比重や粉体流動性を変更することが可能であるという、利点を有する。
また、機械的処理としては公知の分級および/または粉砕技術が利用されている。機械的処理では原料のロスが殆ど無いために高収率であること、薬品コストが生じないこと等の利点を有している。
また、機械的処理としては公知の分級および/または粉砕技術が利用されている。機械的処理では原料のロスが殆ど無いために高収率であること、薬品コストが生じないこと等の利点を有している。
しかしながら、粉末状セルロースが様々な分野で利用されるに伴い、粉末状セルロース中の不純物が問題となることがある。特に、この不純物の問題は、粉末状セルロースがアルカリ性条件下で使用される場合に発生することが多い。例えば、粉末状セルロースを濾過助剤として、アルカリ性溶液の濾過を行った場合、粉末状セルロース中のヘミセルロースが溶出してしまう問題が発生する。
このため、濾過助剤用途の粉末状セルロースには、ヘミセルロース含有量の少ないサルファイトパルプを用いた方が好ましいが、サルファイトパルプは、原料木材が限定されること、環境への対応(排液処理)などの課題がある。一方、クラフトパルプは、サルファイトパルプが抱えている問題(原料木材、環境への対応)はないものの、クラフトパルプはヘミセルロース含有量が多く、クラフトパルプを原料とした粉末状セルロースは、上記したヘミセルロースの溶出といった問題が発生する。
そこで、本発明は、上記したサルファイトパルプが抱えている問題(原料木材、環境への対応)がないパルプを原料にした粉末状セルロースであって、粉末状セルロースの不純物(特に、ヘミセルロース)を低減させた粉末状セルロースを提供することを目的とする。
本発明は下記[1]を提供する。
[1] パルプを鉱酸にて酸加水分解処理して得られる粉末状セルロースにおいて、該パルプが加水分解処理した後にクラフト蒸解を行うことによって得られるパルプであることを特徴とする粉末状セルロース。
[1] パルプを鉱酸にて酸加水分解処理して得られる粉末状セルロースにおいて、該パルプが加水分解処理した後にクラフト蒸解を行うことによって得られるパルプであることを特徴とする粉末状セルロース。
本発明によれば、原料木材の制限、環境へ悪影響のないパルプを原料にした粉末状セルロースであって、粉末状セルロース中の不純物(特に、ヘミセルロース)を低減させた、食品添加剤、錠剤賦形剤、分散剤、保形剤、保水剤、濾過助剤、充填剤、塗料・接着剤用添加剤等として、食品、医薬品、化粧品、建材、窯業、ゴム・プラスチック等の幅広い分野での使用することが可能な粉末状セルロースを提供することができる。
本発明は、パルプを鉱酸にて酸加水分解処理して得られる粉末状セルロースにおいて、該パルプが加水分解処理した後にクラフト蒸解を行うことによって得られるパルプ(以下、DKPと略すことがある。)であることを特徴とする粉末状セルロースに関する。
本発明において、「加水分解処理した後にクラフト蒸解を行なうことにより得られるパルプ(DKP)」とは、加水分解処理を施した木材チップ、ケナフ、麻、イネ、バカス、竹等の植物原料に対して通常の条件でクラフト蒸解を行うことにより得ることができるパルプをいう。
クラフト蒸解を行なう前の植物原料に加水分解処理を施すことによって、植物原料中のヘミセルロースを水溶性の糖にして遊離させることができるため、得られるDKPは、加水分解処理を施さない通常のクラフトパルプ(KP)に比べて、ヘミセルロースの含有量が極めて低くなる。通常のクラフトパルプ(KP)のヘミセルロース含有量は、10〜30質量%程度であるが、本発明に用いる加水分解処理をした後にクラフト蒸解を行なって得たパルプ(DKP)のヘミセルロース含有量は、用いる植物原料の種類にもよるが、1〜5質量%程度である。なお、サルファイトパルプのヘミセルロース含有量は、3〜5質量%程度である。
セルロース系原料のヘミセルロース含有量は次のようにして測定することが出来る。300mgの凍結乾燥したパルプを72%硫酸3mL中で室温下で2時間反応させた後、硫酸濃度が2.5%になるよう希釈し、さらに105℃で1時間加熱し、加水分解反応によって単糖溶液を得る。得られた溶液を適宜希釈し、イオンクロマトグラフィー(Dionex社製 DX−500、カラム:AS−7、溶離液:水、流速1.1ml/分)にて単糖を定量する。酸加水分解溶液に含まれるキシロースおよびマンノース量から、下式によってヘミセルロース量を求める。
ヘミセルロース含有量(%)=(キシロース量(mg)×0.88+マンノース量(mg)×0.9)/パルプ量(mg)×100(%)。
ヘミセルロース含有量(%)=(キシロース量(mg)×0.88+マンノース量(mg)×0.9)/パルプ量(mg)×100(%)。
DKPの調製に用いる植物原料の種類は、特に限定されるものではなく、パルプの製造に通常用いられる針葉樹または広葉樹の木材チップや、ケナフ、麻、イネ、バカス、竹等を用いることができる。
本発明に用いるDKPの特徴は、クラフト蒸解の前処理として加水分解処理が施されていることである。加水分解処理方法の一つに、直接蒸気吹込み法がある。この方法では、高温の蒸気が植物原料に吹き込まれることにより、植物原料中の有機酸が遊離し、次にこの酸の作用で加水分解が起こると考えられる。
加水分解処理の条件は特に限定されるものではないが、例えば、オートクレーブ装置などを用いて、水あるいは2質量%以下の鉱酸の液体相あるいは蒸気相を木材チップ等の植物原料と接触させ、140〜200℃、好ましくは150〜170℃の処理温度で、15〜120分間、好ましくは20〜90分間処理することにより行なうことができる。この際、鉱酸または二酸化硫黄を触媒として添加してもよい。液体相または蒸気相のpHは、pH2〜5、好ましくはpH3〜4程度が好ましい。植物原料の質量(絶乾量)に対する液体相または蒸気相の液比は、反応効率の観点から、0.5〜5.0L/kg程度が好ましく、1.2〜3.5L/kgがより好ましい。
加水分解処理の後に、水酸化ナトリウムと硫化ナトリウムとの混合物や、蒸解白液などをもちいて、中和処理を行なうことが好ましい。中和処理を行なうことにより、次のクラフト蒸解におけるアルカリの消費を低減することができる。中和液としては、例えば、活性アルカリ(対植物原料質量)が5〜20%、硫化度が15〜35%となるように、水酸化ナトリウム、硫化ナトリウム等を混合した液を、植物原料(絶乾量)に対する液比1.0〜5.0L/kg程度で用いることができる。中和処理は、140〜170℃で、10〜120分間程度行なうことが好ましい。
加水分解処理の後に、水酸化ナトリウムと硫化ナトリウムとの混合物や、蒸解白液などをもちいて、中和処理を行なうことが好ましい。中和処理を行なうことにより、次のクラフト蒸解におけるアルカリの消費を低減することができる。中和液としては、例えば、活性アルカリ(対植物原料質量)が5〜20%、硫化度が15〜35%となるように、水酸化ナトリウム、硫化ナトリウム等を混合した液を、植物原料(絶乾量)に対する液比1.0〜5.0L/kg程度で用いることができる。中和処理は、140〜170℃で、10〜120分間程度行なうことが好ましい。
本発明に用いるDKPの調製において、加水分解処理の後に行なわれるクラフト蒸解の条件は特に限定されるものではなく、通常のクラフトパルプの調製に用いられる方法を使用することができる。例えば、蒸解釜において、植物原料に苛性ソーダと硫化ソーダを主成分とする蒸解薬液(白液)を加え、一般に110から120℃程度の温度で植物原料に蒸解薬液を浸透させたのち、160℃から170℃で約2〜10時間保持し、Hファクター350〜2000程度になるまで蒸解することができる。蒸解液としては、例えば、活性アルカリ(対植物原料質量)が5〜30%、硫化度が20〜40%となるように、水酸化ナトリウム、硫化ナトリウム等を混合した液を、植物原料(絶乾量)に対する液比2.0〜4.0L/kg程度で用いることができる。
本発明では、クラフト蒸解における植物原料として、加水分解処理を施した植物原料を用いることを特徴とする。
本発明では、クラフト蒸解における植物原料として、加水分解処理を施した植物原料を用いることを特徴とする。
上記のようにして得たDKPに対し、さらに漂白処理を施すことは好ましい。漂白処理方法としては、特に限定されるものではなく、一般的に使用される方法を用いることができる。例えば、任意に通常の方法で酸素脱リグニンしたDKPに対し、塩素処理(C)、二酸化塩素漂白(D)、アルカリ抽出(E)、次亜塩素酸塩漂白(H)、過酸化水素漂白(P)、アルカリ性過酸化水素処理段(Ep)、アルカリ性過酸化水素・酸素処理段(Eop)、オゾン処理(Z)、キレート処理(Q)などを組み合わせて、D−E/P−D、C/D−E−H−D、Z−E−D−P、Z/D−Ep−D、Z/D−Ep−D−P、D−Ep−D、D−Ep−D−P、D−Ep−P−D、Z−Eop−D−D、Z/D−Eop−D、Z/D−Eop−D−E−Dなどのシーケンスで行うことができる(シーケンス中の「/」は、「/」の前後の処理を洗浄なしで連続して行なうことを意味する)。クラフト蒸解によりパルプ中の着色物質であるリグニンが溶解して取り除かれるが、さらにこうした漂白処理を行なうことにより、より白色度の高いセルロース系原料を得ることができる。セルロース系原料の白色度は、ISO 2470に基づいて、65%以上、好ましくは80%以上であることが望ましい。
本発明において、DKPの酸加水分解処理としては、公知の方法を用いることができ、その一例としてパルプセルロース100重量部に対し、鉱酸にて酸加水分解を行う、粉末状セルロースの製造方法について説明する。粉末状セルロースは、原料パルプスラリー調製工程、酸加水分解反応工程、中和・洗浄・脱液工程、乾燥工程、粉砕工程、分級工程を経て製造される。
本発明で使用できるパルプ原料は、流動状態でもシート状でも可能である。パルプ漂白工程からの流動パルプを原料とする場合は、加水分解反応槽へ投入する前に濃度を高める必要があり、スクリュープレスやベルトフィルターなどの脱水機で濃縮され、反応槽へ所定量が投入される。パルプのドライシートを原料とする場合は、ロールクラッシャーなどの解砕機などでパルプをほぐした後、反応槽へ投入する。
パルプの酸加水分解反応は公知の反応条件で実施可能であり、具体的には、パルプ濃度3〜10固形分重量%、酸濃度5〜30重量%、反応温度80〜100℃、反応時間30分間〜3時間である。
パルプの加水分解反応終了後、脱水工程でパルプ加水分解物と廃酸とに固液分離される。パルプ加水分解物はアルカリ剤を添加して中和し、洗浄される。その後、乾燥機で乾燥され、粉砕機で機械的に粉砕され、分級により所定の平均粒度の製品とする。
本発明で使用できるパルプ原料は、流動状態でもシート状でも可能である。パルプ漂白工程からの流動パルプを原料とする場合は、加水分解反応槽へ投入する前に濃度を高める必要があり、スクリュープレスやベルトフィルターなどの脱水機で濃縮され、反応槽へ所定量が投入される。パルプのドライシートを原料とする場合は、ロールクラッシャーなどの解砕機などでパルプをほぐした後、反応槽へ投入する。
パルプの酸加水分解反応は公知の反応条件で実施可能であり、具体的には、パルプ濃度3〜10固形分重量%、酸濃度5〜30重量%、反応温度80〜100℃、反応時間30分間〜3時間である。
パルプの加水分解反応終了後、脱水工程でパルプ加水分解物と廃酸とに固液分離される。パルプ加水分解物はアルカリ剤を添加して中和し、洗浄される。その後、乾燥機で乾燥され、粉砕機で機械的に粉砕され、分級により所定の平均粒度の製品とする。
以下に実施例を挙げて本発明を具体的に示すが、本願は勿論、かかる実施例に限定されるものではない。本願の実施例における試験方法と、セルロース粉末や結晶性セルロース粉末の品質測定方法を、次に示す。
<アルカリ可溶分の測定>
各種粉末状セルロース5gをマヨネーズ瓶の中に入れ、苛性ソーダを用いてpH13に調整した溶液を100mlずつ、マヨネーズ瓶に分注する。ブランクとして、pH13の溶液のみを入れたマヨネーズ瓶も用意し、その後、50℃に設定した孵卵器の中で5日間放置した。
一定期間経過後の濾液50mlを採取し、粉末状セルロースを加えた液を蒸発乾固させた後の重量から、ブランクの苛性ソーダのみの液を蒸発乾固させた後の重量を引き、溶出率を計算した。
各種粉末状セルロース5gをマヨネーズ瓶の中に入れ、苛性ソーダを用いてpH13に調整した溶液を100mlずつ、マヨネーズ瓶に分注する。ブランクとして、pH13の溶液のみを入れたマヨネーズ瓶も用意し、その後、50℃に設定した孵卵器の中で5日間放置した。
一定期間経過後の濾液50mlを採取し、粉末状セルロースを加えた液を蒸発乾固させた後の重量から、ブランクの苛性ソーダのみの液を蒸発乾固させた後の重量を引き、溶出率を計算した。
<平均粒子径測定>
マイクロトラック粒度分析計(日機装株式会社製)を用いて測定した。測定原理としてはレーザー散乱法を用いており、粒度分布を蓄積分布として表し、蓄積分布が50%となる値を平均粒子径とした。
マイクロトラック粒度分析計(日機装株式会社製)を用いて測定した。測定原理としてはレーザー散乱法を用いており、粒度分布を蓄積分布として表し、蓄積分布が50%となる値を平均粒子径とした。
<粉末セルロースの調整>
無塩素漂白パルプを、パルプ濃度5.5%、塩酸濃度0.3Nにおいて95℃で2時間反応させた。反応が終了した後、水酸化ナトリウムで中和し、十分に水洗した後、60℃の温度条件化で約1日、送風乾燥した。乾燥後のサンプルを、ハンマーミル(ホソカワミクロン社製、AP-S型)を用いて機械的に粉砕を行い、平均粒子径30μm粉末状セルロースを得た。
無塩素漂白パルプを、パルプ濃度5.5%、塩酸濃度0.3Nにおいて95℃で2時間反応させた。反応が終了した後、水酸化ナトリウムで中和し、十分に水洗した後、60℃の温度条件化で約1日、送風乾燥した。乾燥後のサンプルを、ハンマーミル(ホソカワミクロン社製、AP-S型)を用いて機械的に粉砕を行い、平均粒子径30μm粉末状セルロースを得た。
<実施例1>
2.4L容の回転型オートクレーブに広葉樹チップ絶乾量300gを入れ、水を加えて液比を2L/kgとした。170℃で30分間保持して加水分解処理した後、中和液を加えて155℃で15分間中和処理した。中和液は活性アルカリ11%(対チップ質量)、硫化度25%、液比2.5L/kgとなるように水酸化ナトリウムと硫化ナトリウムを混合して調製した。中和処理後にオートクレーブより液を抜き取り、蒸解液(活性アルカリ9%(対チップ質量)、硫化度25%、液比2.5L/kgとなるように水酸化ナトリウムと硫化ナトリウムを混合して調製した)を添加して160℃でHファクターが830になるまで蒸解した(DKPの調製)。蒸解後の未晒しパルプを酸素脱リグニンした後、ECF漂白としてD0−E/P−D1のシーケンスで漂白処理した。酸素脱リグニンはQuantum high intensity mini mixerを用いて行い、反応後、パルプを十分に洗浄した。漂白はすべてプラスチックバッグにパルプスラリー(パルプ濃度10%)を入れてウォーターバス内で行った。漂白後、パルプ濃度1.5%まで清水で希釈し、搾水を用いて数回洗浄した。続く漂白段では前段の搾水を用いてパルプ濃度を15%とした後、パルプ濃度が10%となるように漂白薬品を所定量添加して漂白した。ただしD0段に限り、前段の酸素脱リグニンの排水は持ち込んでいない。酸素脱リグニン:パルプ濃度10%、水酸化ナトリウム添加量4.0%、酸素初期圧6.0kg/cm2、反応温度98℃、反応時間60分。D0:パルプ濃度10%、二酸化塩素添加量10kg/ADTP、反応温度55℃、反応時間40分。E/P:パルプ濃度10%、水酸化ナトリウム添加量7.0kg/ADTP、過酸化水素添加量2.7g/ADTP、反応温度65℃、反応時間90分。D1:パルプ濃度10%、二酸化塩素添加量1.5kg/ADTP、反応温度65℃、反応時間180分。以上の漂白処理により、漂白済み未叩解パルプ(白色度86%、ヘミセルロース量3%)であった。
得られたパルプを用い上記のようにして粉末状セルロースを調整した。アルカリ可溶分は3.00%であった。
2.4L容の回転型オートクレーブに広葉樹チップ絶乾量300gを入れ、水を加えて液比を2L/kgとした。170℃で30分間保持して加水分解処理した後、中和液を加えて155℃で15分間中和処理した。中和液は活性アルカリ11%(対チップ質量)、硫化度25%、液比2.5L/kgとなるように水酸化ナトリウムと硫化ナトリウムを混合して調製した。中和処理後にオートクレーブより液を抜き取り、蒸解液(活性アルカリ9%(対チップ質量)、硫化度25%、液比2.5L/kgとなるように水酸化ナトリウムと硫化ナトリウムを混合して調製した)を添加して160℃でHファクターが830になるまで蒸解した(DKPの調製)。蒸解後の未晒しパルプを酸素脱リグニンした後、ECF漂白としてD0−E/P−D1のシーケンスで漂白処理した。酸素脱リグニンはQuantum high intensity mini mixerを用いて行い、反応後、パルプを十分に洗浄した。漂白はすべてプラスチックバッグにパルプスラリー(パルプ濃度10%)を入れてウォーターバス内で行った。漂白後、パルプ濃度1.5%まで清水で希釈し、搾水を用いて数回洗浄した。続く漂白段では前段の搾水を用いてパルプ濃度を15%とした後、パルプ濃度が10%となるように漂白薬品を所定量添加して漂白した。ただしD0段に限り、前段の酸素脱リグニンの排水は持ち込んでいない。酸素脱リグニン:パルプ濃度10%、水酸化ナトリウム添加量4.0%、酸素初期圧6.0kg/cm2、反応温度98℃、反応時間60分。D0:パルプ濃度10%、二酸化塩素添加量10kg/ADTP、反応温度55℃、反応時間40分。E/P:パルプ濃度10%、水酸化ナトリウム添加量7.0kg/ADTP、過酸化水素添加量2.7g/ADTP、反応温度65℃、反応時間90分。D1:パルプ濃度10%、二酸化塩素添加量1.5kg/ADTP、反応温度65℃、反応時間180分。以上の漂白処理により、漂白済み未叩解パルプ(白色度86%、ヘミセルロース量3%)であった。
得られたパルプを用い上記のようにして粉末状セルロースを調整した。アルカリ可溶分は3.00%であった。
<比較例1>
日本製紙(株)社製のLBKPを用い、上記手法で調整した。粉末状セルロースのアルカリ可溶分は4.52%であった。
日本製紙(株)社製のLBKPを用い、上記手法で調整した。粉末状セルロースのアルカリ可溶分は4.52%であった。
<参考例>
日本製紙ケミカル(株)社製のLDSP(サルファイトパルプ)を用い、上記手法で調整した。粉末状セルロースのアルカリ可溶分は2.91%であった。
日本製紙ケミカル(株)社製のLDSP(サルファイトパルプ)を用い、上記手法で調整した。粉末状セルロースのアルカリ可溶分は2.91%であった。
Claims (1)
- パルプを鉱酸にて酸加水分解処理して得られる粉末状セルロースにおいて、該パルプが加水分解処理した後にクラフト蒸解を行うことによって得られるパルプであることを特徴とする粉末状セルロース。
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Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2017184621A (ja) * | 2016-03-31 | 2017-10-12 | 旭化成株式会社 | とろみを有する半固形食品及び調理食品 |
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2012
- 2012-06-29 JP JP2012146207A patent/JP2014009276A/ja active Pending
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