JP2014007564A - 光クロスコネクト装置、および、光レベル制御方法 - Google Patents

光クロスコネクト装置、および、光レベル制御方法 Download PDF

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Abstract

【課題】複数の方路を収容する光クロスコネクト装置へ入力される光信号の信号レベルにばらつきがあっても、光クロスコネクト装置から出力される信号レベルを適切に制御すること。
【解決手段】4方路OXC装置102は、受信した光信号が通過する接続用インタフェースからWSS420までの装置内経路上に位置し、通過する光信号の信号レベルを測定するOCM430と、測定された受信方路ごとの信号レベルを格納するカード制御部440と、受信方路ごとの信号レベルを、所定の信号レベルの目標値へと補正するための信号レベル補正値を計算するデバイス制御部450と、を有するOXCラインカード400を同一筐体内に少なくとも方路数分を収容する。
【選択図】図6

Description

本発明は、光クロスコネクト装置、および、光レベル制御方法に関する。
インターネットに代表されるデータトラフィックの急増に伴う通信ネットワークの伝送容量の大容量化に対応するため、1本の光ファイバに多数の波長を束ねて伝送する波長多重伝送装置が実用化されている。今後の伝送容量需要のさらなる増加や、ネットワークサービスの多様化などの要求に低コストに対応していくため、途中ノード内で主信号の電気・光変換をせずに光信号のままノード間を伝送させる光伝送システムが注目されている。
特許文献1には、光伝送システムを構成する伝送装置として、波長多重された光信号の分岐・挿入を行ってトランスポンダなどのクライアント側装置と接続する光分岐挿入装置が記載されている。
特許文献2には、光伝送システムを構成する伝送装置として、複数の伝送路が接続された中で所望の経路への切替を行う光クロスコネクト(OXC: Optical Cross Connect)装置が記載されている。
特開2008−288768号公報 特開2011−19165号公報
光クロスコネクト装置には、複数の伝送路(方路)が接続されている。同じ光クロスコネクト装置に接続される各方路の光信号の信号レベルは、他方路の信号レベルと揃っていないことも多い。そのため、複数種別の光信号が1台の光クロスコネクト装置の筐体内で合流することにより、それらの光信号間で漏話が発生する。光信号間の漏話とは、例えば、互いに近い周波数間の2つの信号のうち、強い信号Aが弱い信号Bを打ち消してしまう事象である。
よって、漏話の発生した信号を測定しても、低精度の測定データしか得られないので、光クロスコネクト装置から出力される光信号の信号レベルを適切な信号レベルに変更(増幅、減衰)できない。
例えば、特許文献2では、光信号間の漏話が発生する要因である「WSS105」の後段に、信号レベルの測定手段である「MON113」が配置されているので、MON113は、低精度の測定データしか得られない。
そこで、本発明は、前記した問題を解決し、複数の方路を収容する光クロスコネクト装置へ入力される光信号の信号レベルにばらつきがあっても、光クロスコネクト装置から出力される信号レベルを適切に制御することを、主な目的とする。
前記課題を解決するために、本発明の光クロスコネクト装置は、
外部装置からの光信号を受信するためのファイバ伝送路が接続される受信方路ごとの接続用インタフェースと、
複数の受信方路からそれぞれ受信する光信号の入力をもとに、1つの送信方路から出力する光信号を選択するWSS(Wavelength Selective Switch)と、
受信した光信号が通過する前記接続用インタフェースから前記WSSまでの装置内経路上に位置し、通過する光信号の信号レベルを測定するOCM(Optical Channel Monitor)と、
前記OCMにより測定された受信方路ごとの信号レベルを格納するカード制御部と、
前記カード制御部から通知される受信方路ごとの信号レベルを、所定の信号レベルの目標値へと補正するための信号レベル補正値を計算するとともに、その計算した信号レベル補正値を前記WSSに設定することで、前記WSSを通過する光信号の信号レベルを前記信号レベル補正値分だけ増幅又は減衰させるデバイス制御部と、を有するOXCラインカードを同一筐体内に少なくとも方路数分を収容することを特徴とする。
その他の手段は、後記する。
本発明によれば、複数の方路を収容する光クロスコネクト装置へ入力される光信号の信号レベルにばらつきがあっても、光クロスコネクト装置から出力される信号レベルを適切に制御することができる。
本発明の一実施形態に関する光伝送システムを示す構成図である。 本発明の一実施形態に関する4方路OXC装置を示す構成図である。 本発明の一実施形態に関する下流側の測定値を用いた信号レベル調整処理を示す説明図である。 本発明の一実施形態に関する下流側の測定値を用いた信号レベル調整処理の問題点を示す説明図である。 本発明の一実施形態に関するWSS(Wavelength Selective Switch)を示す構成図である。 本発明の一実施形態に関する分散形態の光伝送システムを示す構成図である。 本発明の一実施形態に関する分散形態において、上流側の測定値を用いた信号レベル調整処理を示すフローチャートである。 本発明の一実施形態に関する図7の信号レベル調整処理に用いられるデータ構造を示す構成図である。 本発明の一実施形態に関する図7の信号レベル調整処理に用いられるデータ構造を示す構成図である。 本発明の一実施形態に関する集約形態の光伝送システムを示す構成図である。 本発明の一実施形態に関する集約形態において、上流側の測定値を用いた信号レベル調整処理を示すフローチャートである。 本発明の一実施形態に関する図11の信号レベル調整処理に用いられるデータ構造を示す構成図である。
以下、本発明の一実施形態を、図面を参照して詳細に説明する。
図1は、光伝送システムを示す構成図である。光伝送システムは、光伝送装置であるノードA〜ノードGが、それぞれファイバ伝送路100で接続されて構成される。
光伝送システムのうちのノードCは、複数の伝送路が接続された中で所望の経路への切替を行う4方路OXC装置102である。
光伝送システムのうちのノードC以外の各ノードは、波長多重された光信号の分岐・挿入を行ってトランスポンダなどのクライアント側装置と接続するROADM(Reconfigurable Optical Add-Drop Multiplexer)装置101である。
各ノードは、DCN(Data Communication Network)103で接続されるOSS(Operation Support System)104により、集中管理されている。
図1の光伝送システムは、各ノードが2つのリングを形成するマルチリング型ネットワークを構成している。第1のリングは、「ノードA→ノードB→ノードC→ノードF」により構成される。第2のリングは、「ノードC→ノードG→ノードE→ノードD」により構成される。よって、ノードCは、2つのリングを接続する中継点に位置する。
以下、各ノードについて、そのノードにファイバ伝送路100を接続するための接続用インタフェースは、方路(ポート)ごとに存在する。ROADM装置101(ノードA,B,D〜G)は、1装置あたり2つの方路A,Bに接続され、4方路OXC装置102(ノードC)は、1装置あたり4方路A〜Dに接続される。
図2(a)は、4方路OXC装置102を示す構成図である。4方路OXC装置102は、方路ごとのOXCラインカード400が、装置内配線330で接続されている。OXCラインカード400は、光カプラ410およびWSS420が具備されている。
上流側(受信方路側)のOXCラインカード400は、ファイバ伝送路100から入力された信号光を、光カプラ410により分岐して、装置内配線330を介して下流側のOXCラインカード400へと振り分ける。
下流側(送信方路側)のOXCラインカード400は、上流側から振り分けられた信号光をWSS420で集約し、WSS420のスイッチ切替機能により波長単位でのファイバ伝送路100への転送処理を行う。WSS420は、光信号を所望の方路へと切り替える動作を波長単位で実施する波長選択スイッチである。
つまり、1つの方路に対して、1枚のOXCラインカード400が収容され、その1枚のOXCラインカード400内には、受信用の接続用インタフェースと、送信用の接続用インタフェースとが備えられている。
図2(b)は、4方路OXC装置102内の信号光の光レベルを示すパラメータを説明する図である。
光レベル「P_mon1」は、上流側のOXCラインカード400が隣接ノードから受信した時の信号光の光レベルを示す。
光レベル「P_in_rx」は、P_mon1に対して、光カプラ410を通過するときの損失値「IL(coupler)」を減じたものである。
光レベル「P_in_wss」は、下流側のOXCラインカード400が上流側のOXCラインカード400から受信した時の信号光の光レベルを示す。装置内配線330を通過するときの損失値は微少であるため、P_in_rx≒P_in_wssである。
光レベル「P_mon2」は、P_in_wssに対して、WSS420を通過するときの損失値「IL(fixed)またはIL(ALC)」を減じたものである。なお、IL(fixed)は、現在の光レベル値にかかわらず設定される損失値の固定値である。一方、IL(ALC)は、現在の光レベル値(P_mon1またはP_mon2)をもとにALC(Automatic Level Control)制御のための計算がされた損失値である。ALC制御とは、OXC装置から出力される信号光レベルを、波長チャネルそれぞれについて、一定値に制御するものである。
また、後記する光レベル「ALC_target」は、ALC制御におけるP_mon2の目標値である。
以下、ALC制御の計算に使用する現在の光レベル値について、WSS420の後段で測定されるP_mon2を用いる形態とその問題点について、図4,図5で説明し、WSS420の前段で測定されるP_mon1を用いる形態について、図6以降で説明する。
図3は、下流側の測定値を用いた信号レベル調整処理を示す説明図である。図3(a)に示す各時刻t1〜t4での光レベルを参照しつつ、図3(b)に示す信号レベル調整処理を以下で説明する。図3(b)のフローチャートは、各下流側のOXCラインカード400において、それぞれ実行される。
まず、フローチャート実行前の初期状態では、WSS420は、すべてのチャネルに対して、スイッチの接続先はどの方路にも接続されていないOFF状態になっているので、光信号は出力されない。
S101において、各OXCラインカード400は、WSS420の損失値をIL(fixed)に設定して、WSS420のスイッチ切替動作を実施する。スイッチ切替動作により、下流側のOXCラインカード400は、上流側のOXCラインカード400から受信した光信号を、別装置(例えば、方路Dの接続先のノード)へと通過させる。
S102において、各OXCラインカード400は、OCM(Optical Channel Monitor)430(詳細は、図6参照)で信号レベル「P_mon2」を計測する。例えば、時刻t1のP_in_wssからIL(fixed)分だけ減衰させた時刻t2のP_mon2が計測される。
S103において、各OXCラインカード400は、信号レベル「P_mon2」を目標値「ALC_target」にするための新たな損失値「IL(ALC)」を計算する。つまり、ALC_target=P_mon2+IL(fixed)-IL(ALC)なので、IL(ALC)=-ALC_target+P_mon2+IL(fixed)である。
S104において、各OXCラインカード400は、WSS420の損失値を、S101で設定されたIL(fixed)からS103で計算されたIL(ALC)へと変更する。これにより、時刻t4のP_mon2=P_in_wss-IL(ALC)となり、P_mon2≒ALC_targetが実現される。
例えば、以下のように計算される。
時刻t1のP_in_wss = -10[dBm]、IL(fixed)=15[dB]、ALC_target=-20[dBm]
時刻t2のP_mon2 = -25[dBm](= -10-15)
時刻t3のP_in_wss = -10[dBm]、IL(ALC)=10[dB](=-20+25-15)
時刻t4のP_mon2 = -20[dBm](=-10-10)=ALC_target
図4は、下流側の測定値を用いた信号レベル調整処理の問題点を示す説明図である。
図4(a)は、P_mon2の信号レベルが目標値ALC_targetだけでなく、受信可能レベルを超えて過大状態になってしまった例を示す。図3のS101で設定されたWSS420の固定値IL(fixed)は、現在のP_mon2にかかわらず設定される固定値であるため、過大なP_in_wssをALC_targetにまで減衰させるには、不足である。
過大なP_mon2の光信号をファイバ伝送路100へと出力すると、波長パスの終端点のトランスポンダの受信可能レベル範囲を逸脱し、トランスポンダの破壊につながる恐れがある他、ファイバ中の四光波混合や相互位相変調の非線形光学効果を誘発して、増設動作とは無関係な開通済み波長パスの伝送特性に影響を及ぼす危険性がある。
一方、過大信号対策として、固定値IL(fixed)を単に大きくしてマージンを取っただけでは、信号レベルが小さいP_in_wssを減衰させてしまい、P_mon2として出力されなくなってしまうという副作用がある。
図4(b)は、同じWSS420に入力される2つの信号(チャネルch1のP_in_wssと、チャネルch2のP_in_wss)とを波長チャネルごとに示したグラフである。チャネルch1のP_in_wssがチャネルch2のP_in_wssに対して光レベル偏差が大きくなってしまう場合がある。
WSS420に入力される信号は、例えば、途中伝送路における中継光増幅器の利得や光学部品損失の個体間・波長間不均一性などの理由から波長単位、ポート単位でのばらつきが生じることもある。
まず、ch1の波長パスは開通済みであるため、IL(ALC)によるALC制御により制御目標値へと調整されていて、信号レベルは大きい。一方、ch2の波長パスは増設動作中であるため、IL(fixed)による固定制御により、信号レベルは小さい。
このように、隣接するch1,ch2間でレベル偏差が生じてしまうと、それらの波長のうち低レベル側波長のモニタ値が、正常に取得できなくなってしまうことが一般的に知られている。よって、波長増設動作において、増設波長であるチャネル2の波長チャネルごと光レベル(P_mon2)が正常に取得できなくなり、ALC制御自体も正常に実行できなくなってしまう。
簡易的にP_in_wssの入力レベル範囲を制限する場合、光学部品などの部品選別が必要となり、装置全体のコスト上昇につながる。
図5は、WSS420を示す構成図である。WSS420は、パス開通動作により、入力ポートから入力される主信号を、出力ポートへと出力させる。WSS420は、MEMS(Micro Electro Mechanical System)やLCOS(Liquid Crystal On Silicon)などの技術を利用した小型集積化が進んでおり、装置の省スペース化に寄与している。
WSS420は、入力側(上流側)から順に、波長分離部425、光スイッチ部426、信号レベル調節部427、および、波長多重部428がそれぞれ接続されて構成される。
波長分離部425は、複数の波長(チャネル)が多重化された入力信号を、波長ごとの信号へと分離する。
光スイッチ部426は、波長ごとの信号が波長分離部425から入力されると、それらの信号ごとに出力ポートへと出力させるか否かをスイッチの接続先を切り替えることで制御する。
信号レベル調節部427は、出力ポートへと出力させる信号に対して、減衰量の設定値(IL(fixed)、IL(ALC))分の可変光減衰を実施するVOA(Variable Optical Attenuator)を備え、入力ポートの光レベルP_in_wssを出力ポートの光レベルP_mon2へと調節する。また、必要に応じEDFA(Erbium-doped Fiber Amplifier)などの光増幅器を備え、光学損失を補償してもよい。
つまり、信号レベル調節部427は、WSS420の後段で測定されるP_mon2を、目標値ALC_targetへと近づけるように、減衰量の設定値IL(ALC)をフィードバック制御する。これにより、出力光レベルが波長単位を調整することで、中継伝送中の光SN比劣化が軽減し、長距離伝送を可能とさせる。
波長多重部428は、複数の信号レベル調節部427でそれぞれ出力される信号を多重化して出力ポートへと出力する。
図6は、分散形態の光伝送システムを示す構成図である。
分散形態とは、個々のOXCラインカード400から別のOXCラインカード400へと、光レベル情報を直接やりとりする形態である。
一方、図10から後記する集約形態は、OXCラインカード400間の光レベル情報のやりとりが、OXCラインカード400とは独立した構成要素を中継して行われる形態である。
4方路OXC装置102は、方路ごとのOXCラインカード400に加え、ノード監視制御部200を有している。ノード監視制御部200は、DCN103やカード間通信線310を介した通信を行う通信線インタフェース320とCPU210とから構成される。
CPU210内部は、OSS104との情報のやり取りを行うOSS通信部211と各ラインカードへの動作指示やパス情報の送信を行ったり、OXCラインカード400から通知される動作完了通知を集約したりするカード個別動作指示部212で構成される。
通信線インタフェース320は、DCN103を介してOSS104と接続する。通信線インタフェース320は、OSS104からの波長パスの開通指示およびパス情報を、同一筐体内の各OXCラインカード400へと送信するときに利用される。
OXCラインカード400は、図2で説明した光カプラ410や、図5で説明したWSS420に加え、さらに、OCM430、カード制御部440、および、デバイス制御部450を有する。
OCM430は、回折格子や波長可変フィルタなどの波長分離デバイスおよびフォトダイオードなどの受光デバイスを用いることで、波長チャネルごとの光レベル(P_mon1)をモニタする。測定値P_mon1は、性能監視、警報生成などに用いられている。なお、OCM430の配置位置を変えることによって、様々な光レベル(例えば、P_mon1、P_mon2、P_in_rx、P_in_wss)を測定してもよい。
カード制御部440は、通信線インタフェース320と、カード構成管理情報格納部441と、光レベル情報格納部442と、光レベル情報送信部443と、WSS光入力レベル情報処理部444と、WSS光入力レベル情報格納部445とから構成される。
通信線インタフェース320は、ノード監視制御部200内のカード間通信線310との間で装置内ファイバを接続するためのインタフェースである。なお、カード間通信線310は、ノード監視制御部200内の通信線インタフェース320に接続される。
カード構成管理情報格納部441は、自身のOXCラインカード400の方路IDや、各損失値(IL(coupler)、IL(fixed)、IL(ALC))などの自身のOXCラインカード400に関する情報を格納する。
光レベル情報格納部442は、図8(a)にて詳細を説明する。
光レベル情報送信部443は、光レベル情報格納部442の情報を下流側のOXCラインカード400へと送信する。
WSS光入力レベル情報処理部444は、上流側のOXCラインカード400から受信した光レベル情報格納部442をもとに、WSS光入力レベル情報格納部445を作成する。
WSS光入力レベル情報格納部445は、図9(b)にて詳細を説明する。
デバイス制御部450は、パス開通処理制御部451と、スイッチ駆動部452と、VOA駆動部453と、ALC損失量算出部454とから構成される。
パス開通処理制御部451は、通信線インタフェース320を介して受信したパス開通動作指示とパス情報とをもとに、スイッチ駆動部452に対し、WSS420のスイッチ接続先方路設定の更新を指示し、ALC損失量算出部454に対してはALC制御によるVOA損失量の算出処理開始を指示する。
そして、パス開通処理制御部451は、スイッチ駆動部452を介して光スイッチ部426のデバイス動作開始を指示するとともに、VOA駆動部453を介して信号レベル調節部427のデバイス動作開始を指示する。
さらに、パス開通処理制御部451は、これらのデバイス動作開始の完了通知を、両デバイスから受信すると、ノード監視制御部200を介して、波長パス開通動作の完了をOSS104へ通知して、波長パス開通の処理を完了する。
スイッチ駆動部452は、パス開通処理制御部451から通知されたスイッチ接続先方路設定をもとに、光スイッチ部426の動作を制御する。
VOA駆動部453は、ALC損失量算出部454から通知された損失量を元に、信号レベル調節部427の動作を制御する。
ALC損失量算出部454は、計算式「IL(ALC)=P_in_wss−ALC_target」により、ALC損失量であるIL(ALC)を計算する。なお、ALC損失量算出部454は、P_in_wssが図4(a)の受信可能レベルなどの所定閾値を超過するまでは、IL(ALC)を計算する代わりに、IL(fixed)を用いてもよい。そして、ALC損失量算出部454は、計算したIL(ALC)や、取得したIL(fixed)をVOA駆動部453に通知する。
図7は、分散形態において、上流側の測定値を用いた信号レベル調整処理を示すフローチャートである。以下、図7の処理を実行する過程で更新される図8,図9の各データ内容を参照しつつ、図7の処理を説明する。
S201において、光レベル情報送信部443は、新たな波長パス開通指示を通信線インタフェース320から受信したときには、その波長パス開通指示で指定されるパス情報、および、転送先方路IDを光レベル情報格納部442内に反映(更新)する。
図8(a)は、光レベル情報格納部442を示す。光レベル情報格納部442には、パス情報と、光レベルP_in_rxと、転送先方路IDとが対応付けられている。
パス情報は、パス開通を実施する際にOSSからノードに対して送出されるもので、全方路で同じ情報である。パス情報は、波長パス「ID」と、チャネル番号「ch」と、受信方路を示す方路ID「Rx」と、送信方路を示す方路ID「Tx」とから構成される。
パス情報は、スイッチ駆動部452が光スイッチ部426のスイッチ切替動作を実行するときに参照される。例えば、スイッチ駆動部452は、パスID「#a」のパスについて、以下の送信経路になるように光スイッチ部426を設定する。
方路Aのファイバ伝送路100→OXCラインカード400→光カプラ410→装置内配線330→方路D上のOXCラインカード400→方路Dのファイバ伝送路100
図7に戻り、S202において、OCM430は、入力された信号の波長チャネルごと光レベル(P_mon1)を計測する。
S203において、光レベル情報送信部443は、「P_in_rx=P_mon1−IL(coupler)」によりP_in_rxを求め、S201で新たな新たな波長パス開通指示に該当する光レベル情報格納部442内のP_in_rxへと反映する。なお、IL(coupler)は、カード構成管理情報格納部441内にあらかじめ設定されている。
ここで、4つのOXCラインカード400それぞれにS201の新たな波長パス開通指示が通知されるが、受信方路を示す方路ID「Rx」が他のOXCラインカード400であるときには、その波長パスを受信しない(換言すると、P_mon1を計測できない)ので、そのときはS202,S203を省略してもよい。
S204において、光レベル情報送信部443は、S201〜S203で更新される光レベル情報格納部442の各情報(「P_in_rx」を含む)を、他のOXCラインカード400へと通知する。なお、他のOXCラインカード400とは、自身と同じ筐体内の全てのOXCラインカード400としてもよいし、光レベル情報格納部442のレコードごとに、そのレコード内のTxが示すOXCラインカード400(=下流側のOXCラインカード400)だけに送信してもよい。
このS204の送信処理は、送信内容の更新時だけに行ってもよいし、送信内容の更新有無にかかわらず、所定契機(例えば1分ごと)に行ってもよい。
図8(b)で示すように、下流側のOXCラインカード400は、他の上流側OXCラインカード400からそれぞれ通知される光レベル情報格納部442のレコードを集約する。図8(b)の「送信元方路」は、図8(a)の「Rx」であり、その他の表の情報は、図8(a)と図8(b)とで同じ情報が同じ名前である。
以下、下流側のOXCラインカード400内のWSS光入力レベル情報処理部444の処理内容を、S211〜S213で説明する。
S211において、WSS光入力レベル情報処理部444は、通知された図8(b)の光レベル情報格納部442内の「P_in_rx」から、自身が処理する「P_in_wss」を選択する。自身が処理するとは、通知されたパス情報内のTxが自身を示すレコードである。
図9(a)は、図8(b)と同じ光レベル情報格納部442であり、図9(b)は、図9(a)の光レベル情報格納部442から、S211の処理によってそれぞれの方路のOXCラインカード400によって選択されたWSS光入力レベル情報格納部445のレコードを示す。
図9(b)に示すWSS光入力レベル情報格納部445は、自身が下流側として処理するパス情報(ch,パスID)ごとに、そのパスの光レベルP_in_wssを示すテーブルである。
例えば、方路DのWSS光入力レベル情報処理部444は、光レベル情報格納部442内の転送先方路IDが自身と一致する光レベル情報格納部442内の1行目のレコードの「ch」、「パスID」、光レベル「P_in_rx=P_in_wss」が、順に抽出されてWSS光入力レベル情報格納部445の1行目のレコードへと抽出されている。
一方、方路A〜CのWSS光入力レベル情報処理部444は、光レベル情報格納部442内の転送先方路IDが自身と一致しないので、光レベル情報格納部442の1行目のレコードを、自身のWSS光入力レベル情報格納部445には書き込まない。
図7に戻り、S212において、ALC損失量算出部454は、S211で更新される各WSS光入力レベル情報格納部445内のP_in_wssについて、計算式「IL(ALC)=P_in_wss−ALC_target」により、ALC損失量であるIL(ALC)を計算する。
このIL(ALC)とは、現状のP_in_wssを目標のALC_targetへ近づけるための光レベルの補正量である。P_in_wssがALC_targetより小さいときには、増幅補正量となり、P_in_wssがALC_targetより大きいときには、減衰補正量となる。
S213において、VOA駆動部453は、S212の計算結果であるIL(ALC)を、信号レベル調節部427に設定することで、現状のP_in_wssを目標のALC_targetへ近づけるためのALC制御を実行する。
図10は、集約形態の光伝送システムを示す構成図である。図6で示した分散形態との違いに着目して、図10を説明する。
図10のノード監視制御部200は、各OXCラインカード400間でやりとりする光レベル情報(P_in_rx)を中継するために、図6のノード監視制御部200の構成に加えて、CPU210内の光レベル情報集約機能部213と光レベル情報送信部214とが追加され、かつ、ノード構成管理情報格納部221と、光レベル情報格納部222と、光レベル情報集約格納部223とを格納する情報格納部220が追加されている。
光レベル情報集約機能部213は、各OXCラインカード400から光レベル情報格納部442の情報(特に、光レベル値P_in_rx)を受信して、光レベル情報格納部222へと格納し、かつ、光レベル情報格納部222から光レベル情報集約格納部223を生成する(図12(a)参照)。
光レベル情報送信部214は、光レベル情報集約格納部223を方路ごとのレコードに分割した情報を、各方路のOXCラインカード400に対して、P_in_wssとして送信する(図12(b)参照)。
ノード構成管理情報格納部221は、各OXCラインカード400内のカード構成管理情報格納部441に該当する情報を、1つに集約したものを格納する。
なお、図10の各OXCラインカード400には、図6と異なり、WSS光入力レベル情報処理部444が省略されている。光レベル情報送信部214は、WSS光入力レベル情報処理部444の処理をOXCラインカード400から代行する。
図11は、集約形態において、上流側の測定値を用いた信号レベル調整処理を示すフローチャートである。以下、図7で示した分散形態との違いに着目して、図11の各処理を説明する。
まず、S201の波長パス開通指示で指定されるパス情報の更新処理について、図7では、上流側の各OXCラインカード400が自身で保持する光レベル情報格納部442を更新していたのに対し、図11では、S221においてノード監視制御部200が光レベル情報格納部222を更新する。S221の処理の後、S202の処理が起動する。
S202,S203のP_in_rxを求める処理は、図7と図11とで共通する。
S204bにおいて、図7のS204と異なり、S203で求めたP_in_rxを、ノード監視制御部200へと通知する。光レベル情報集約機能部213は、通知された各OXCラインカード400内のカード構成管理情報格納部441に該当する情報を、1つの光レベル情報格納部222に集約する。
さらに、図12(a)に示すように、光レベル情報集約機能部213は、光レベル情報格納部222から光レベル情報集約格納部223を生成する。以下がその生成処理である。光レベル情報格納部222の選択した行を、以下で「選択行」とする。
(手順1)光レベル情報格納部222のパス情報内の選択行の「ch」を読み込み、光レベル情報集約格納部223の第1列から該当する「ch」の行を特定する。
(手順2)光レベル情報格納部222の選択行の転送先方路IDを読み込み、光レベル情報集約格納部223の第2列以降の該当する方路の列を特定する。
(手順3)光レベル情報格納部222の選択行の「光レベルP_in_rx」を書き込み、(手順1)の特定した行と、(手順2)の特定した列との交差位置のセルに書き込む。
S222において、光レベル情報集約機能部213は、通知された「P_in_rx」から各ラインカードが処理する「P_in_wss」を選択する。ここでの選択とは、図7のS211と異なり、自身が処理する「P_in_wss」か否かを取捨選択するのではなく、通知された各「P_in_wss」について、図12(b)に示すように、方路ごとの光レベル情報集約格納部223へと振り分ける処理である。
つまり、図12(a)の光レベル情報集約格納部223は、方路ごとの列が含まれる1つのテーブルであるが、このテーブルを列ごとに分離したテーブルが図12(b)の光レベル情報集約格納部223である。
S223において、光レベル情報送信部214は、図12(b)の光レベル情報集約格納部223を、各下流側のOXCラインカード400に通知する。例えば、光レベル情報送信部214は、第1レコードの光レベルP_in_wssが「A_01」である方路Dの光レベル情報集約格納部223を、方路DのOXCラインカード400に通知する。
以下、S212,S213の処理は、図7と同じ処理である。
以上説明した集約形態では、分散形態において各OXCラインカード400で行われる処理の一部をノード監視制御部200が代行することにより、各OXCラインカード400の処理負荷が軽減するとともに、OXCラインカード400間通信トラヒック量の削減が図れ、カード間通信線や同インタフェースの簡略化など、装置全体のコスト削減に寄与する。
以上説明した本実施形態により、WSS420の後段での測定値P_mon2の代わりに、WSS420の前段での測定値P_mon1を用いてALC制御を実行する。
これにより、図4で示すような問題が発生する要因となるWSS420よりも前に測定値P_mon1を取得することで、各方路のOXCラインカード400への外部装置(ファイバ伝送路100)からの信号光の光レベルが過剰に高かったり、各方路間での光レベル偏差が大きかったりする状況下でも、高精度に測定値P_mon1を取得でき、かつ、その測定値P_mon1をもとに、高精度にIL(ALC)を計算できる。
よって、レベル偏差という困難な環境下においても、OCM430が測定する信号レベルの精度を保つことで、ALC制御が実行不可になるのを防止することができ、レベル偏差縮小のための光信号入力レベル制限や光学部品選別が不要となる。
また、波長パス開通時は光スイッチ部426のスイッチ切替動作と、信号レベル調節部427のVOA制御動作とを同時に実行することができ、合計制御時間の削減にも寄与する。
なお、本発明は前記した実施例に限定されるものではなく、様々な変形例が含まれる。例えば、前記した実施例は本発明を分かりやすく説明するために詳細に説明したものであり、必ずしも説明した全ての構成を備えるものに限定されるものではない。
また、ある実施例の構成の一部を他の実施例の構成に置き換えることが可能であり、また、ある実施例の構成に他の実施例の構成を加えることも可能である。
また、各実施例の構成の一部について、他の構成の追加・削除・置換をすることが可能である。また、上記の各構成、機能、処理部、処理手段などは、それらの一部または全部を、例えば集積回路で設計するなどによりハードウェアで実現してもよい。
また、前記の各構成、機能などは、プロセッサがそれぞれの機能を実現するプログラムを解釈し、実行することによりソフトウェアで実現してもよい。
各機能を実現するプログラム、テーブル、ファイルなどの情報は、メモリや、ハードディスク、SSD(Solid State Drive)などの記録装置、または、IC(Integrated Circuit)カード、SDカード、DVDなどの記録媒体に置くことができる。
また、制御線や情報線は説明上必要と考えられるものを示しており、製品上必ずしも全ての制御線や情報線を示しているとは限らない。実際にはほとんど全ての構成が相互に接続されていると考えてもよい。
100 ファイバ伝送路
101 ROADM装置
102 4方路OXC装置
103 DCN
104 OSS
200 ノード監視制御部
210 CPU
211 OSS通信部
212 カード個別動作指示部
213 光レベル情報集約機能部
214 光レベル情報送信部
220 情報格納部
221 ノード構成管理情報格納部
222 光レベル情報格納部
223 光レベル情報集約格納部
310 カード間通信線
320 通信線インタフェース
330 装置内配線
400 OXCラインカード
410 光カプラ
420 WSS
425 波長分離部
426 光スイッチ部
427 信号レベル調節部
428 波長多重部
430 OCM
440 カード制御部
441 カード構成管理情報格納部
442 光レベル情報格納部
443 光レベル情報送信部
444 WSS光入力レベル情報処理部
445 WSS光入力レベル情報格納部
450 デバイス制御部
451 パス開通処理制御部
452 スイッチ駆動部
453 VOA駆動部
454 ALC損失量算出部

Claims (5)

  1. 外部装置からの光信号を受信するためのファイバ伝送路が接続される受信方路ごとの接続用インタフェースと、
    複数の受信方路からそれぞれ受信する光信号の入力をもとに、1つの送信方路から出力する光信号を選択するWSS(Wavelength Selective Switch)と、
    受信した光信号が通過する前記接続用インタフェースから前記WSSまでの装置内経路上に位置し、通過する光信号の信号レベルを測定するOCM(Optical Channel Monitor)と、
    前記OCMにより測定された受信方路ごとの信号レベルを格納するカード制御部と、
    前記カード制御部から通知される受信方路ごとの信号レベルを、所定の信号レベルの目標値へと補正するための信号レベル補正値を計算するとともに、その計算した信号レベル補正値を前記WSSに設定することで、前記WSSを通過する光信号の信号レベルを前記信号レベル補正値分だけ増幅又は減衰させるデバイス制御部と、を有するOXCラインカードを同一筐体内に少なくとも方路数分を収容することを特徴とする
    光クロスコネクト装置。
  2. 前記外部装置からの光信号を受信する受信方路側の前記OXCラインカード内の前記カード制御部は、外部装置へ光信号を送信する送信方路側の前記OXCラインカード内の前記デバイス制御部に対して、受信方路側の前記OXCラインカード内の前記OCMで測定された信号レベルを通知することを特徴とする
    請求項1に記載の光クロスコネクト装置。
  3. 送信方路側の前記OXCラインカード内の前記デバイス制御部は、通知された信号レベルのうち、送信方路側の前記OXCラインカード内の前記WSSで出力する光信号の信号レベルを選択して、その選択した信号レベル補正値を計算することを特徴とする
    請求項2に記載の光クロスコネクト装置。
  4. 前記光クロスコネクト装置は、複数枚の前記OXCラインカードとは別にノード監視制御部を有しており、
    前記ノード監視制御部は、各前記OXCラインカードの前記カード制御部から通知される受信方路ごとの信号レベルを受信すると、前記WSSで出力する送信方路ごとに信号レベルを集約し、その集約した信号レベルを送信方路ごとの前記OXCラインカード内の前記デバイス制御部へ通知することを特徴とする
    請求項1に記載の光クロスコネクト装置。
  5. 外部装置からの光信号を受信するためのファイバ伝送路が接続される受信方路ごとの接続用インタフェースと、
    複数の受信方路からそれぞれ受信する光信号の入力をもとに、1つの送信方路から出力する光信号を選択するWSS(Wavelength Selective Switch)と、
    受信した光信号が通過する前記接続用インタフェースから前記WSSまでの装置内経路上に位置し、通過する光信号の信号レベルを測定するOCM(Optical Channel Monitor)と、
    前記OCMにより測定された受信方路ごとの信号レベルを格納するカード制御部と、
    前記カード制御部から通知される受信方路ごとの信号レベルを、所定の信号レベルの目標値へと補正するための信号レベル補正値を計算するデバイス制御部と、を有するOXCラインカードが同一筐体内に少なくとも方路数分を収容されている光クロスコネクト装置において、
    前記デバイス制御部が計算した信号レベル補正値を前記WSSに設定することで、前記WSSを通過する光信号の信号レベルを前記信号レベル補正値分だけ増幅又は減衰させることを特徴とする
    光レベル制御方法。
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