JP2014004821A - 印刷方法及び印刷装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】硬化するインクを用いた転写印刷において、安定、且つ、高画質の印刷結果が得られる印刷方法を提供する。
【解決手段】本発明に係る印刷方法は、インクを転写シート10に塗布する塗布工程と、上記インクに放射線を照射しながら上記インクを加熱することによって、完全に硬化しない程度に硬化させる仮硬化工程と、印刷対象物15に上記インクを転写する転写工程と、印刷対象物15に転写されたインクを硬化させる硬化工程と、を含む。
【選択図】図1

Description

本発明は、印刷方法及び印刷装置に関する。
インクジェット方式によるオフセット印刷方法を記載した文献として、特許文献1がある。特許文献1には、UVインキを使用したインクジェットにより平面原板にUVインキ画像を印刷する第1工程と、UVインキ画像を印刷しながら、または印刷直後にUV又は電子ビームによる照射を行いUVインキ画像を半乾燥状態とする第2工程と、該半乾燥状態のUVインキ画像を弾性ブランケット表面に写しとる第3工程と、該弾性ブランケットに写しとった前記UVインキ画像を被印刷体にオフセット印刷する第4工程と、オフセット印刷されたUVインキ画像を乾燥定着する工程とを有する方法が記載されている。
特開2006−130725号公報(2006年5月25日公開)
上記従来の技術では、印刷直後にUVインクを半乾燥状態とするための第2工程において、UV照射を行なうことにより、標準UVインク25℃にて0.1〜300Pa・sec相当の粘度にしている。
平面原板にUVインク画像を印刷する第1工程を、マルチパスプリントによって印刷を行なう場合であり、且つ、UVインク画像を印刷しながら第2工程を行なう場合、オフセット印刷(パッド印刷)では、印刷物の画質に限界があった。
本発明者らはこの原因を鋭意検討した。その結果、次のことを突き止めた。特許文献1に記載の技術はマルチパスによって印刷する場合、プリントする順番が先の印刷部位の方がUV光の照射光量が多くなる。そのため、パス毎にプリントされるUVインクの硬化度が異なり、インクの転写特性のばらつきが大きくなる。よって、安定、且つ、高画質の印刷結果が得られないことを、本発明者らは突き止めた。
本発明は、UVインク等の硬化性インクを用いた転写印刷において、安定、且つ、高画質の印刷結果が得られる印刷方法を提供することにある。
上記の課題を解決するために、本発明に係る印刷方法は、転写媒体に塗布したインクを印刷対象物に転写する印刷方法であって、溶剤を含有し、かつ、放射線が照射されることによって硬化するインクを転写媒体に塗布する塗布工程と、上記インクに当該放射線を照射しながら上記インクを加熱することによって、上記インクを増粘させ、完全に硬化しない程度に硬化させる仮硬化工程と、上記仮硬化工程の後に、上記インクを印刷対象物に接着させ、上記印刷対象物に上記インクを転写する転写工程と、上記印刷対象物に接着した上記インクを硬化させる硬化工程と、を含むことを特徴としている。
インクが溶剤を含んでいるため、加熱により溶剤が蒸発し、インクの粘度が上昇しやすい。また、インクは溶剤で希釈されているため、従来のUVインクほど硬化せず、紫外線等の放射線の照射によるインクの硬化度合いの調整が容易である。
また、仮硬化工程において、放射線照射と加熱とを併用することにより、転写媒体に塗布したインクの粘度を自在に制御することができる。このため、インクの粘度を、転写するインクの特性、インクから形成する画像の種類、印刷対象物の立体面の形状等に応じた適切な値に調整することができ、転写媒体に塗布した後のインクの粘度を意図した値に調整することができる。
また、転写媒体に塗布したインクを加熱するだけでは、インクの粘度上昇に時間がかかるが、本発明においては、放射線照射と加熱とを組み合わせているため、より短時間で所望の程度までインクを硬化することができる。
本発明に係る印刷方法は、上記仮硬化工程では、上記インクの粘度を、25℃において、500mPa・sec以上、100,000mPa・sec以下にすることが好ましい。
インクの粘度を上記範囲まで上昇させることによって、転写工程において、インクが滲むことなく、印刷対象物にインクを良好に転写することができる。その結果、高画質の画像が転写された印刷対象物を得ることができる。
本発明に係る印刷方法では、上記インクは、上記溶剤を10重量%以上含むことが好ましい。
溶剤の含有量が上記範囲であることにより、加熱によりインクの粘度が上昇しやすい。
本発明に係る印刷方法では、上記溶剤は、プロピレングリコールモノメチルエーテル、γ−ブチロラクトン及びプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテートよりなる群から選ばれる少なくとも一種であることが好ましい。
上記溶剤を用いることにより、加熱時の溶剤の蒸発を効率的に行うことができる。
本発明に係る印刷方法では、上記転写媒体は弾性を有するシートであり、上記転写工程は、上記インクが形成されている上記転写媒体の面の反対側から弾性体を用いて上記転写媒体を押圧することで、上記転写媒体を上記印刷対象物に密着させて、転写を行うことが好ましい。
インクが形成されている転写媒体の面とは反対側から弾性体を押しつけることによって、均一な力で転写媒体を印刷対象物に密着させる。弾性体を用いて転写媒体を印刷対象物に押しつければ、印刷対象物が立体であったとしても転写媒体が印刷対象物に沿って変形し、印刷対象物に密着するため、転写媒体から印刷対象物に画像を良好に転写することができる。
本発明に係る印刷装置は、転写媒体に塗布したインクを印刷対象物に転写する印刷装置であって、溶剤を含有し、かつ、放射線を照射することによって硬化するインクを転写媒体に塗布する塗布手段と、上記インクに当該放射線を照射する第1硬化手段と、上記第1硬化手段により、上記インクに放射線を照射しながら上記インクを加熱することによって、上記インクを増粘させ、完全に硬化しない程度に硬化させる加熱手段と、完全に硬化しない程度に硬化した上記インクを上記印刷対象物に接着させ、上記印刷対象物に上記インクを転写する転写手段と、上記印刷対象物に接着した上記インクを硬化させる第2硬化手段と、を備えることを特徴としている。
インクが溶剤を含んでいるため、加熱により溶剤が蒸発し、インクの粘度が上昇しやすい。また、インクは溶剤で希釈されているため、従来のUVインクほど硬化せず、紫外線等の放射線の照射によるインクの硬化度合いの調整が容易である。
また、第1硬化手段と加熱手段とを併用することにより、転写媒体に塗布したインクの粘度を自在に制御することができる。このため、インクの粘度を、転写するインクの特性、インクから形成する画像の種類、印刷対象物の立体面の形状等に応じた適切な値に調整することができ、転写媒体に塗布した後のインクの粘度を意図した値に調整することができる。
また、転写媒体に塗布したインクを加熱手段により加熱するだけでは、インクの粘度上昇に時間がかかるが、本発明においては、第1硬化手段と加熱手段とを併用しているため、より短時間で所望の程度までインクを硬化することができる。
本発明は、UVインク等の硬化性インクを用いた転写印刷において、安定、且つ、高画質の印刷結果が得られるという効果を奏する。
本発明の一実施形態に係る印刷方法を模式的に示す図である。 本発明の別の実施形態に係る印刷方法を模式的に示す図である。 本発明の別の実施形態に係る印刷方法を模式的に示す図である。 本発明の別の実施形態に係る印刷方法を模式的に示す図である。
以下、本発明の実施の形態について、詳細に説明する。
本発明に係る印刷方法は、転写媒体に塗布したインクを印刷対象物に転写する印刷方法であって、溶剤を含有し、かつ、放射線が照射されることによって硬化するインクを転写媒体に塗布する塗布工程と、上記インクに当該放射線を照射しながら上記インクを加熱することによって、上記インクを増粘させ、完全に硬化しない程度に硬化させる仮硬化工程と、上記仮硬化工程の後に、上記インクを印刷対象物に接着させ、上記印刷対象物に上記インクを転写する転写工程と、上記印刷対象物に接着した上記インクを硬化させる硬化工程と、を含む。
本発明においては、原板(転写媒体)上のプリント画像(インク)を乾燥状態にし、硬化するために、原板を加熱し、原板上のプリント画像に放射線を照射する。即ち、従来技術では、UVインクを半乾燥状態とするためにUVインクを照射しているが、本発明では加熱し、乾燥させながら、紫外線等の放射線をプリント画像に照射することにより行なう点で従来技術と異なる。
本発明に係る印刷方法に用いるインクは、放射線が照射されることによって硬化するインクである。例えば、当該インクは、放射線が照射されることによって重合する、硬化型モノマー及び硬化型オリゴマーのうち少なくとも1種を含んでいる。
つまり、インクに放射線を照射することによって、硬化型モノマー及び硬化型オリゴマーのうち少なくとも1種が重合する。本明細書において「放射線」は、様々な粒子線又は電磁波の総称であり、粒子線としては、例えば、電子線が挙げられ、電磁波としては、例えば、紫外線が挙げられる。
なお、本明細書において「硬化型モノマー」は、外部から刺激を与えることによって、重合し、硬化した樹脂を形成するモノマーをいい、「硬化型オリゴマー」は、外部から刺激を与えることによって、重合し、硬化した樹脂を形成するオリゴマーをいう。例えば、紫外線の照射により硬化する紫外線硬化型モノマー、又は、紫外線硬化型オリゴマー(以下、「紫外線」を「UV」ともいう。)、電子線の照射により硬化する電子線硬化型モノマー、又は、電子線硬化型オリゴマーが挙げられる。硬化型モノマー又は硬化型オリゴマーは重合し、硬化することにより、粘度が上昇する。
本発明に係る印刷方法に用いるインクは、溶剤を含んでいる。インクが溶剤を含んでいるため、インクを加熱し、溶剤を蒸発させることにより、粘度が上昇する。また、インクが溶剤で希釈されていることで、インクを加熱しながらUVを照射した場合であっても、従来のUVインクほど硬化せず、紫外線等の放射線によるインクの硬化度合いの調整が容易である。
溶剤としては、例えば、プロピレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノメチルエーテルアセテート、エチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、エチレングリコールモノブチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノメチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノブチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、ジプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、エチレングリコールモノメチルエーテルプロピオネート、エチレングリコールモノエチルエーテルプロピオネート、エチレングリコールモノブチルエーテルプロピオネート、ジエチレングリコールモノメチルエーテルプロピオネート、ジエチレングリコールモノエチルエーテルプロピオネート、ジエチレングリコールモノブチルエーテルプロピオネート、プロピレングリコールモノメチルエーテルプロピオネート、ジプロピレングリコールモノメチルエーテルプロピオネート、エチレングリコールモノメチルエーテルブチレート、エチレングリコールモノエチルエーテルブチレート、エチレングリコールモノブチルエーテルブチレート、ジエチレングリコールモノメチルエーテルブチレート、ジエチレングリコールモノエチルエーテルブチレート、ジエチレングリコールモノブチルエーテルブチレート、プロピレングリコールモノメチルエーテルブチレート、ジプロピレングリコールモノメチルエーテルブチレート等のグリコールエーテル類、グリコールエーテルアセテート類が挙げられる。
また、上記の他に、溶剤は、炭化水素系溶剤であってもよい。炭化水素系溶剤としては、例えば、n−ヘキサン、n−ヘプタン、n−オクタン、イソオクタン、シクロヘキサン、メチルシクロヘキサン、ベンゼン、トルエン、o−キシレン、m−キシレン、p−キシレン、エチルベンゼンなどが挙げられる。
また、上記の他に、溶剤は、エステル系溶剤であってもよい。エステル系溶剤としては、例えば、ギ酸プロピル、ギ酸−n−ブチル、ギ酸イソブチル、ギ酸アミル、酢酸エチル、酢酸−n−プロピル、酢酸イソプロピル、酢酸−n−ブチル、酢酸イソブチル、酢酸第二ブチル、酢酸−n−アミル、酢酸イソアミル、酢酸メチルイソアミル、酢酸第二ヘキシル、プロピオン酸メチル、プロピオン酸エチル、プロピオン酸−n−ブチル、酪酸メチル、酪酸エチル、乳酸メチル、γ−ブチロラクトンなどが挙げられる。
また、上記の他に、溶剤は、ケトン系溶剤であってもよい。ケトン系溶剤としては、例えば、メチルエチルケトン、メチル−n−プロピルケトン、メチル−n−ブチルケトン、メチルイソブチルケトン、ジエチルケトン、エチル−n−ブチルケトン、ジ−n−プロピルケトン、メシチルオキシドなどが挙げられる。
本発明に用いる溶剤は、以上の溶剤の群から選ばれる少なくとも一つであることが好ましい。上記溶剤を用いることにより、加熱時の溶剤の蒸発を効率的に行うことができる。
インクの粘度としては、目的に応じた粘度のものを使用すればよいが、下記に説明する仮硬化工程を行なう前の状態で、25℃において、3mPa・sec以上、20mPa・sec以下であるものが好ましい。インクジェットヘッドからの吐出を容易にすることができ、かつ印刷対象物上でインクが滲むことを防止できる。
また、仮硬化工程により、インクを増粘させ、完全に硬化しない程度に硬化させる。このとき、インクは、500mPa・sec以上の粘度に増粘することが好ましく、1,000mPa・sec以上の粘度に増粘することがより好ましく、4,000mPa・sec以上の粘度に増粘することがさらに好ましい。また、このとき、インクは、100,000mPa・sec以下の粘度まで増粘することが好ましく、20,000mPa・sec以下の粘度までに増粘することがより好ましく、5,000mPa・sec以下の粘度までに増粘することがさらに好ましい。インクの粘度を上記範囲内で上昇させることによって、転写工程において、インクが滲むことなく、印刷対象物にインクを良好に転写することができ、その結果、高画質の画像が転写された印刷対象物を得ることができる。本明細書において、「仮硬化」とは、転写媒体上のインクに放射線を照射して、転写媒体から印刷対象物に画像を転写する際に画像が劣化しない程度にインクを硬化させることをいう。また、インクの加熱により溶剤が蒸発してインクの粘度が高くなり、かつ転写媒体上のインクに放射線を照射して、完全に硬化しない程度にインクを硬化させることをいう。
インクの全量に対する溶剤の含有量は、目的に応じて適宜設定すればよいが、10重量%以上であることが好ましく、55重量%以下であることがより好ましい。この範囲であれば、加熱によりインクの粘度が上昇しやすい。
インクの色としては、例えば、Y(イエロー)、M(マゼンダ)、C(シアン)、K(ブラック)の通常色、これら通常色の淡色、白、メタリック、クリア等の特定色、これらの組み合わせ等、様々な色を挙げることができ、限定されるものではない。
転写媒体としては、目的に応じて様々なものを利用できるが、印刷対象物が平面ではなく、曲面等の場合に転写を容易にするために弾性があるシート状の部材であることがより好ましく、印刷対象物の印刷対象面の形状に沿って変形可能なものであることがより好ましい。転写媒体の材質としては、例えば、耐熱性があり、インクジェット印刷が可能な素材であれば限定されず、シリコンゴム、シリコン樹脂コートされた柔軟性のあるフィルム又は本発明で用いるインクに対して強い接着性を持たないフィルムが挙げられる。また、シリコンゴム以外にも、フッ素ゴム、ブチルゴム、クロロプレンゴム、ウレタンゴム、ブタジエンゴム、ネオプレン、EPDM等のゴム、エラストラマー樹脂の単体又はこれらの組み合わせた複合材料等を例示でき、この中から目的に応じて選択すればよい。このような転写媒体であれば、転写媒体のインクがある面を印刷対象物に、直接、押さえつけて密着させることで転写できるため、転写工程を容易に実行できる。
また、転写媒体を使い捨てにする場合には、ゴムのように圧力を取り除いたときに原型に復帰する物でなく、形状が復帰しない物であってもよい。形状が復帰しない物としては、例えばラミネートフィルム等の熱可塑性の薄い樹脂フィルムが挙げられる。
転写媒体の硬度及び厚みは印刷対象物の形状により適宜変更してもよい。印刷対象物の形状が複雑であればあるほど、硬度が低く、膜厚が薄いものを採用することが好ましい。印刷対象物が平板の場合には、転写媒体は、ゴム板状のものであってもよい。
転写媒体を印刷対象物に直接押さえつける際には、インクがある面とは逆の面からパッドで押すことが、満遍なく、より均一な力で押さえつけて転写を行なえることからより好ましい。
溶剤により希釈されたUV硬化型インクを用いる場合、転写媒体からブラケットに転写させて、当該ブラケットを印刷対象物に印刷させる方法も採用し得る。しかし、転写媒体で温められたインクがブラケットに転写された後に冷却され、その後、ブラケットから印刷対象物に転写する際にインクが低温になる場合がある。換言すれば、インクの転写温度が、ブラケットに転写するときと、印刷対象物に転写するときとで変化し、これに伴い転写率も変化する場合がある。しかし、転写媒体から、直接印刷対象物に転写を行なえば、このような場合を回避することができるため、より好ましい。
転写工程では、転写媒体から印刷対象物に、直接に転写しても、間接に転写してもよいが、以上の理由から直接に転写することが好ましい。なお、「直接に転写する」とは転写媒体を印刷対象物に直接押さえつけて密着させて転写することをいい、「間接に転写する」とは、転写媒体から、一旦ブラケット等の別のものに転写して、その後、当該別のものから印刷対象物に転写することをいう。当該別のものは目的に応じて複数であってもよいが、転写率の観点で考えると、少ない方がより好ましい。
また、転写工程は、室温でも実施できるが、転写条件をより安定にするために、転写を行なう環境が一定温度になるように保温、加温等して温度を人為的に調整して行なってもよい。
転写は一色ずつ順番に行なってもよく、例えば、2色ずつ、4色ずつ、6色ずつ一斉に行なってもよい。
転写工程の前の仮硬化工程において、インクの表面から乾燥していくため粘度の勾配が生じる。つまり、インクが塗布された面の方のインクより、転写媒体に接するインク表面との接面の方が、粘度が高くなる。よって、インクが転写媒体に好適に転写される。
硬化工程では、インクの種類に応じた方法を適宜採用して、当該インクを硬化させればよい。例えばインクがUV硬化型インクの場合、インクの内部までUVが届くようにUV照射器等でUVを照射すればよい。
〔実施形態1〕
本発明に係る印刷方法の一実施形態について、図1を用いて説明する。図1は本実施の形態に係る印刷方法を模式的に示す図である。
本実施形態ではインクとしてUV硬化型樹脂を溶剤で希釈したUV硬化型インクを用いる場合について説明する。
図1の(a)に示すように、まず、平板上のシリコンゴム等からなる転写シート10上にインクジェットヘッド(塗布手段)12を用いてUV硬化型インクを塗布する(塗布工程)。転写シート10は形状を平面上に保ち、且つ、操作性を改善するために、ホルダ14に装着されている。
次に、UV照射装置(第1硬化手段)20で転写シート10上のインクに紫外線を照射しながら、加熱ヒータ(加熱手段)13で転写シート10上のインクを加熱して溶剤を蒸発させることにより、インクを増粘させ、完全に硬化しない程度に硬化させる(仮硬化工程)。このとき、インクが滲まず、且つ、転写が可能な程度の粘着性を維持できる程度に溶剤を蒸発させ、かつ硬化性ポリマー及び硬化性オリゴマーのうち少なくとも1種を硬化させて粘度を調整する。これにより転写シート10上に仮硬化プリント画像11が形成される。
加熱ヒータ13としては、様々な加熱手段を用いることができ、例えば、セラミックヒータ、タングステンヒータ、シーズ線ヒータ、遠赤外線ヒータ、IHヒータ、温風ヒータ及びこれらを組み合わせたものが挙げられる。
加熱ヒータ13による加熱の温度は、例えば40℃〜70℃で、5秒以上、5分以下加熱することが好ましく、より好ましくは1分以下である。
UV硬化型インクの粘度は、ヘッドからの吐出を容易にするという観点から本実施形態では室温で3mPa・sec以上、20mPa・sec以下の物を用いるとよい。そして、加熱ヒータ13とUV照射装置20と併用した仮硬化工程によって、例えば、500mPa・sec以上、100,000mPa・sec以下にインクを増粘するとよい。この範囲であれば、UV硬化型インクは滲みの無い程度に高粘度な液状又はペースト状であり、転写に好適な粘着性を有している。
次に、図1の(b)に示すように転写シート10を印刷対象物15とパッド(転写手段、弾性体)16との間に移動させる。本実施形態では印刷対象物15は球状であるが、本発明に係る印刷方法にて印刷の対象となる印刷対象物の形状はこれに限定されず、様々な形状の印刷対象物に対して印刷することができる。
次に、図1の(c)に示すようにパッド16を矢印Aの方向に押して転写シート10の仮硬化プリント画像11のある面を印刷対象物15の印刷面に押さえつける。これにより仮硬化プリント画像11が印刷対象物15上に転写される(転写工程)。
また、押さえつけたときの圧力により、仮硬化プリント画像11が平坦化する。そのため、UV硬化型インクを用いたインクジェットプリントの欠点である、表面の艶が消えるマット化の問題を解決でき、高光沢のインク画像を得ることができる。逆に、マット感を残したい場合は、転写シート10の表面をマット状にすればよい。
パッドの材質としては、弾性のあるものが好ましく、押さえつける対象物に圧力を均一に与えるものであることがより好ましい。例えば、柔らかいゴム、硬いゴム、スポンジ、袋に液体、粉体、気体を入れた物であってもよい。また、後述の実施形態4のように転写シートが平板状である場合には、パッドは金属、従事、木材、フエルトであってもよい。
また、図1の(c)に示すように、パッド16で転写シート10を押さえつけた状態で、UV照射装置(第2硬化手段)17を図中の矢印X方向に走査しつつ、UVを印刷対象物15に照射する。このような構成であっても、印刷対象物15がUVに対して透過性を有している場合には、仮硬化プリント画像11に接着している印刷対象物15の反対側から印刷対象物15を介して、UVを仮硬化プリント画像11に照射し、当該画像を硬化することができる(硬化工程)。よって、硬化工程終了後に、転写シート10と印刷対象物15とを離間することで、図1の(d)に示すように、硬化した画像が転写された印刷対象物15を得ることができる。
このとき、転写シート10と印刷対象物15とを離間することなく、UVを仮硬化プリント画像11に照射することができる。よって、硬化した画像を転写シート10から剥離することができ、画像が乱れることなく、高画質の画像が転写された印刷対象物15を得ることができる。
UV照射装置17、20の具体的な構成としては、例えば、UV−LEDランプ、メタルハライドランプ、ブラックライト、殺菌灯、キセノンランプ等及びこれらを組み合わせたものが挙げられる。UVの波長としては、例えば350nm以上、410nm以下の波長が挙げられる。
引き続き印刷を行なう場合には、図1の(e)に示すように、クリーニングシート18を用いて転写シート10上をクリーニングする。例えば、パッド16を矢印Aの方向に押し付けながらクリーニングシート18をスライドさせることにより転写シート10を拭き取ることで、転写シート10に残留したインク及び付着したゴミなどを拭き取ることにより、クリーニングする。また、アルコール等を用いて転写シート10及びパッド16を洗浄してもよい。
本実施形態は、転写率を制御しやすいという利点を有している。上述のように、溶剤により希釈されたUV硬化型インクを用いる場合、転写媒体からブラケットに転写させて、当該ブラケットを印刷対象物に印刷させる方法も採用し得る。この方法を採用した場合には、計2回の転写が必要であるが、本実施形態によれば、転写を1回行なうのみであるので、転写による画質の劣化が低減できる。
また、本実施形態によれば印刷用の版の製作が不要であり、少量多品種の曲面印刷を短時間且つ低コストで行なうことができる。また、従来のパッド印刷で2回転写を行なう(転写媒体から印刷対象物への転写が間接的となる)ことに比べて転写を1回行なうのみであるので、色ずれ及び転写による滲みを少なくすることができる。
さらに、仮硬化工程において、放射線照射と加熱とを併用することにより、転写媒体に塗布したインクの粘度を自在に制御することができる。このため、インクの粘度を、転写するインクの特性、インクから形成する画像の種類、印刷対象物の立体面の形状等に応じた適切な値に調整することができ、転写媒体に塗布した後のインクの粘度を意図した値に調整することができる。
また、転写媒体に塗布したインクを加熱するだけでは、インクの粘度上昇に時間がかかるが、本発明においては、放射線照射と加熱とを組み合わせているため、より短時間で所望の程度までインクを硬化することができる。
〔実施形態2〕
本発明に係る印刷方法の別の実施形態について、図2に基づいて説明すれば、以下のとおりである。なお、説明の便宜上、実施形態1にて説明した図面と同じ機能を有する部材については、同じ符号を付記し、その説明を省略する。また、本実施形態では主に実施形態1と相違する点について説明する。
まず、図2の(a)に示すように、ホルダ14で平面状に固定された転写シート10上にインクジェットヘッド12を用いてUV硬化型インクを塗布する(塗布工程)。
次に、UV照射装置(第1硬化手段)20で転写シート10上のインクに紫外線を照射しながら、加熱ヒータ13で転写シート10上のインクを加熱して溶剤を蒸発させることにより、インクを増粘させ、完全に硬化しない程度に硬化させる(仮硬化工程)。これにより転写シート10上に仮硬化プリント画像11が形成される。
次に、図2の(b)に示すように真空チャンバ(筐体)21中に印刷対象物15を入れる。また、仮硬化プリント画像11が真空チャンバ21内に位置するように転写シート10の向きを調整した上で、真空チャンバ21の開口部を転写シート10で覆う。具体的にはホルダ14を開口部の淵にセットする。これにより真空チャンバ21を密閉する。なお、真空チャンバ21は排気口22を備えている。
次に、図2の(c)に示すように、排気口22から真空チャンバ21内の空気を抜いて、真空チャンバ21内を減圧する。これにより、転写シート10は真空チャンバ内に向かって撓む。一方、印刷対象物15は、印刷対象物15を支持する部材(図示せず)に持ち上げられることにより矢印Aの方向に動き、転写シート10に密着する。これにより印刷対象物15上に仮硬化プリント画像11が転写される(転写工程)。また、真空チャンバ21の形状を調整して、真空チャンバ21の外側から転写シート10に加わる圧力により、転写シート10が自ずと印刷対象物15に密着して空気の力で押さえつけられるようにしてもよい。
また、図2の(c)に示すように、転写シート10が自ずと印刷対象物15に密着して押さえつけられている状態で、UV照射装置17を図中の矢印X方向に走査しつつ、UVを転写シート10に照射する。このような構成であっても、転写シート10がUVに対して透過性を有している場合には、仮硬化プリント画像11が形成されている転写シート10の面の反対側から転写シート10を介して、UVを仮硬化プリント画像11に照射し、当該画像を硬化することができる(硬化工程)。よって、硬化工程終了後に、転写シート10と印刷対象物15とを離間することで、図2の(d)に示すように、硬化した画像が転写された印刷対象物15を得ることができる。
このとき、転写シート10と印刷対象物15とを離間することなく、UVを仮硬化プリント画像11に照射することができる。よって、硬化した画像を転写シート10から剥離することができ、画像が乱れることなく、高画質の画像が転写された印刷対象物15を得ることができる。
なお、転写シート10がUVに対して透過性を有していない場合には、転写工程後に、転写シート10と印刷対象物15とを離間し、印刷対象物15上の仮硬化プリント画像11に直接UVを照射し、仮硬化プリント画像11を硬化すればよい。
引き続き印刷を行なう場合には、図2の(e)に示すように、クリーニングシート18を用いて転写シート10上をクリーニングする。
本実施形態は、実施形態1と同様に転写率を制御しやすいという利点を有している。
また、本実施形態によれば印刷用の版の製作が不要であり、少量多品種の曲面印刷を短時間且つ低コストで行なうことができる。また、従来のパッド印刷で2回転写を行なう(転写媒体から印刷対象物への転写が間接的となる)ことに比べて転写を一回行なうのみであるので、色ずれ及び転写による滲みを少なくすることができる。
また、本実施形態によれば、パッドを用いずに、転写媒体から直接印刷対象物に転写することができる。さらに、大面積、凹凸の大きい対象物への転写を容易に行なうことができる。これは、大気圧の利用により圧力が均一にかかり易くなるためである。
さらに、仮硬化工程において、放射線照射と加熱とを併用することにより、転写媒体に塗布したインクの粘度を自在に制御することができる。
また、本発明においては、放射線照射と加熱とを組み合わせているため、より短時間で所望の程度までインクを硬化することができる。
〔実施形態3〕
本発明に係る印刷方法の別の実施形態について、図3に基づいて説明すれば、以下のとおりである。なお、説明の便宜上、実施形態1にて説明した図面と同じ機能を有する部材については、同じ符号を付記し、その説明を省略する。また、本実施形態では主に実施形態1と相違する点について説明する。
本実施形態では、実施形態1と異なり、転写工程後に、転写シート10と印刷対象物15とを離間し、印刷対象物15上の仮硬化プリント画像11に直接UVを照射し、仮硬化プリント画像11を硬化する。
まず、図3の(a)、(b)に示すように、仮硬化プリント画像11を転写シート10に形成(塗布工程)した後に、矢印Cの方向に転写シート10を反転させる。
そして、図3の(c)に示すようにパッド16を矢印Dの方向に押して転写シート10の仮硬化プリント画像11のある面を印刷対象物15の印刷面に押さえつける。これにより仮硬化プリント画像11が印刷対象物15上に転写される(転写工程)。
次に、図3の(d)に示すように、転写工程後に、転写シート10と印刷対象物15とを離間した後、UV照射装置17を矢印Xの方向に走査しつつ、印刷対象物15上の仮硬化プリント画像11に直接UVを照射し、仮硬化プリント画像11を硬化する。
そして、引き続き印刷を行なう場合には、図3の(e)に示すように、クリーニングシート18を用いて転写シート10上をクリーニングする。
また、本実施形態によれば印刷用の版の製作が不要であり、少量多品種の曲面印刷を短時間且つ低コストで行なうことができる。また、従来のパッド印刷で2回転写を行なう(転写媒体から印刷対象物への転写が間接的となる)ことに比べて転写を一回行なうのみであるので、色ずれ及び転写による滲みを少なくすることができる。
さらに、仮硬化工程において、放射線照射と加熱とを併用することにより、転写媒体に塗布したインクの粘度を自在に制御することができる。
また、本発明においては、放射線照射と加熱とを組み合わせているため、より短時間で所望の程度までインクを硬化することができる。
〔実施形態4〕
本発明に係る印刷方法の別の実施形態について、図4に基づいて説明すれば、以下のとおりである。なお、説明の便宜上、実施形態1にて説明した図面と同じ機能を有する部材については、同じ符号を付記し、その説明を省略する。また、本実施形態では主に実施形態1と相違する点について説明する。
本実施形態では、実施形態1〜3と異なり、転写シート(転写媒体)30から印刷対象物15に間接的に転写が行なわれる。つまり、転写シート30からパッド16に一旦転写した後に、パッド16から印刷対象物15に転写が行なわれる。
まず、図4の(a)に示すように、平板状の転写シート30上にインクジェットヘッド12を用いてUV硬化型インクを塗布する(塗布工程)。転写シート30は実施形態1及び2の転写シート10と異なり、平板状であり、弾性を有しておらず、印刷対象物の形状に応じて変形することができないものである。
次に、UV照射装置(第1硬化手段)20で転写シート30上のインクに紫外線を照射しながら、加熱ヒータ13で転写シート30上のインクを加熱して溶剤を蒸発させることにより、インクを増粘させ、完全に硬化しない程度に硬化させる(仮硬化工程)。これにより転写シート30上に仮硬化プリント画像11が形成される。
次に、図4の(b)に示すように、パッド16を矢印Dの方向に動かして、転写シート30上の仮硬化プリント画像11に押さえつける。これにより、パッド16上に仮硬化プリント画像11を転写する(転写工程)。この1回目の転写が終わった様子が図4の(c)に示されている。
次に、図4の(d)に示すように、パッド16を矢印Dの方向に押し、印刷対象物15に押さえつけることにより圧接させて、仮硬化プリント画像11を印刷対象物15に圧力によって転写する。なお、印刷対象物15とパッド16との接着性を向上させるために、パッド16に転写させる前又は後に加熱しておいてもよい。
最後に、図4の(e)に示すように印刷対象物15上の仮硬化プリント画像11に、UV照射装置17を矢印Xの方向に走査しつつ、UVを照射する。これにより、印刷対象物15上の仮硬化プリント画像11全体が硬化する(硬化工程)。
仮硬化工程において、放射線照射と加熱とを併用することにより、転写媒体に塗布したインクの粘度を自在に制御することができる。
また、本発明においては、放射線照射と加熱とを組み合わせているため、より短時間で所望の程度までインクを硬化することができる。
〔付記事項〕
本発明の一実施形態に係る印刷方法は、転写シート10に塗布したインクを印刷対象物15に転写する印刷方法であって、溶剤を含有し、かつ、放射線が照射されることによって硬化するインクを転写シート10に塗布する塗布工程と、上記インクに当該放射線を照射しながら上記インクを加熱することによって、上記インクを増粘させ、完全に硬化しない程度に硬化させる仮硬化工程と、上記仮硬化工程の後に、上記インクを印刷対象物15に接着させ、印刷対象物15に上記インクを転写する転写工程と、印刷対象物15に接着した上記インクを硬化させる硬化工程と、を含む。
インクが溶剤を含んでいるため、加熱により溶剤が蒸発し、インクの粘度が上昇しやすい。また、インクは溶剤で希釈されているため、従来のUVインクほど硬化せず、紫外線等の放射線の照射によるインクの硬化度合いの調整が容易である。
また、仮硬化工程において、放射線照射と加熱とを併用することにより、転写シート10に塗布したインクの粘度を自在に制御することができる。このため、インクの粘度を、転写するインクの特性、インクから形成する画像の種類、印刷対象物15の立体面の形状等に応じた適切な値に調整することができ、転写シート10に塗布した後のインクの粘度を意図した値に調整することができる。
また、転写シート10に塗布したインクを加熱するだけでは、インクの粘度上昇に時間がかかるが、本実施形態においては、放射線照射と加熱とを組み合わせているため、より短時間で所望の程度までインクを硬化することができる。
また、上記仮硬化工程では、上記インクの粘度を、25℃において、500mPa・sec以上、100,000mPa・sec以下にする。
インクの粘度を上記範囲まで上昇させることによって、転写工程において、インクが滲むことなく、印刷対象物15にインクを良好に転写することができる。その結果、高画質の画像が転写された印刷対象物15を得ることができる。
また、上記インクは、上記溶剤を10重量%以上含む。
溶剤の含有量が上記範囲であることにより、加熱によりインクの粘度が上昇しやすい。
また、上記溶剤は、プロピレングリコールモノメチルエーテル、γ−ブチロラクトン及びプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテートよりなる群から選ばれる少なくとも一種である。
上記溶剤を用いることにより、加熱時の溶剤の蒸発を効率的に行うことができる。
また、転写シート10は弾性を有するシートであり、上記転写工程は、上記インクが形成されている転写シート10の面の反対側からパッド16を用いて転写シート10を押圧することで、転写シート10を印刷対象物15に密着させて、転写を行うことが好ましい。
インクが形成されている転写シート10の面とは反対側からパッド16を押しつけることによって、均一な力で転写シート10を印刷対象物15に密着させる。パッド16を用いて転写シート10を印刷対象物15に押しつければ、印刷対象物15が立体であったとしても転写シート10が印刷対象物15に沿って変形し、印刷対象物15に密着するため、転写シート10から印刷対象物15に画像を良好に転写することができる。
本発明の一実施形態に係る印刷装置は、転写シート10に塗布したインクを印刷対象物15に転写する印刷装置であって、溶剤を含有し、かつ、放射線を照射することによって硬化するインクを転写シート10に塗布するインクジェットヘッド12と、上記インクに当該放射線を照射するUV照射装置20と、UV照射装置20により、上記インクに放射線を照射しながら上記インクを加熱することによって、上記インクを増粘させ、完全に硬化しない程度に硬化させる加熱ヒータ13と、完全に硬化しない程度に硬化した上記インクを印刷対象物15に接着させ、印刷対象物15に上記インクを転写するパッド16と、印刷対象物15に接着した上記インクを硬化させるUV照射装置17と、を備える。
インクが溶剤を含んでいるため、加熱により溶剤が蒸発し、インクの粘度が上昇しやすい。また、インクは溶剤で希釈されているため、従来のUVインクほど硬化せず、紫外線等の放射線の照射によるインクの硬化度合いの調整が容易である。
UV照射装置20と加熱ヒータ13とを併用することにより、転写シート10に塗布したインクの粘度を自在に制御することができる。このため、インクの粘度を、転写するインクの特性、インクから形成する画像の種類、印刷対象物15の立体面の形状等に応じた適切な値に調整することができ、転写シート10に塗布した後のインクの粘度を意図した値に調整することができる。
また、転写シート10に塗布したインクを加熱ヒータ13により加熱するだけでは、インクの粘度上昇に時間がかかるが、本実施形態においては、UV照射装置20と加熱ヒータ13とを併用しているため、より短時間で所望の程度までインクを硬化することができる。
本発明は上述した各実施形態に限定されるものではなく、請求項に示した範囲で種々の変更が可能であり、異なる実施形態にそれぞれ開示された技術的手段を適宜組み合わせて得られる実施形態についても本発明の技術的範囲に含まれる。
本発明は、マルチパスプリント等の印刷分野に利用することができる。
10、30 転写シート(転写媒体)
11 仮硬化プリント画像
12 インクジェットヘッド(塗布手段)
13 加熱ヒータ(加熱手段)
15 印刷対象物
16 パッド(転写手段、弾性体)
17 UV照射装置(第2硬化手段)
20 UV照射装置(第1硬化手段)
21 真空チャンバ(筐体)
22 排気口

Claims (6)

  1. 転写媒体に塗布したインクを印刷対象物に転写する印刷方法であって、
    溶剤を含有し、かつ、放射線が照射されることによって硬化するインクを転写媒体に塗布する塗布工程と、
    上記インクに当該放射線を照射しながら上記インクを加熱することによって、上記インクを増粘させ、完全に硬化しない程度に硬化させる仮硬化工程と、
    上記仮硬化工程の後に、上記インクを印刷対象物に接着させ、上記印刷対象物に上記インクを転写する転写工程と、
    上記印刷対象物に接着した上記インクを硬化させる硬化工程と、を含むことを特徴とする印刷方法。
  2. 上記仮硬化工程では、上記インクの粘度を、25℃において、500mPa・sec以上、100,000mPa・sec以下にすることを特徴とする請求項1に記載の印刷方法。
  3. 上記インクは、上記溶剤を10重量%以上含むことを特徴とする請求項1又は2に記載の印刷方法。
  4. 上記溶剤は、プロピレングリコールモノメチルエーテル、γ−ブチロラクトン及びプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテートよりなる群から選ばれる少なくとも一種であることを特徴とする請求項1〜3の何れか一項に記載の印刷方法。
  5. 上記転写媒体は弾性を有するシートであり、上記転写工程は、上記インクが形成されている上記転写媒体の面の反対側から弾性体を用いて上記転写媒体を押圧することで、上記転写媒体を上記印刷対象物に密着させて、転写を行うことを特徴とする請求項1〜4の何れか一項に記載の印刷方法。
  6. 転写媒体に塗布したインクを印刷対象物に転写する印刷装置であって、
    溶剤を含有し、かつ、放射線を照射することによって硬化するインクを転写媒体に塗布する塗布手段と、
    上記インクに当該放射線を照射する第1硬化手段と、
    上記第1硬化手段により、上記インクに放射線を照射しながら上記インクを加熱することによって、上記インクを増粘させ、完全に硬化しない程度に硬化させる加熱手段と、
    完全に硬化しない程度に硬化した上記インクを上記印刷対象物に接着させ、上記印刷対象物に上記インクを転写する転写手段と、
    上記印刷対象物に接着した上記インクを硬化させる第2硬化手段と、を備えることを特徴とする印刷装置。
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