JP2014003067A - 流動装置および電子部品の取り外し装置 - Google Patents

流動装置および電子部品の取り外し装置 Download PDF

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裕稔 古川
Satoru Emoto
哲 江本
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Abstract

【課題】はんだにより接合された電子部品の取り外しに対し、プリント基板や電子部品の損傷を防止するとともに、プリント基板に接合された電子部品の取り外し処理の迅速化を図る。
【解決手段】複数の供給管路(20、76)と、媒体(8)を流動させる流路(接触流路22、80)と、排出口(24、84)が含まれる。供給管路は、基板(プリント基板4)に接合された電子部品(6)の端部側に向けて、加熱された前記媒体を導く。流路は、基板の設置により閉塞される開口部(28、81)を備えるとともに、供給管路間を連通させて供給管路から導かれた媒体を基板と電子部品との接合部分に沿って流動させる。排出口は、流路に流れる媒体を外部に排出させる。そして、流路では、開口部内で接合部分に媒体を接触させる。
【選択図】 図1

Description

本発明は、媒体を利用して加熱することにより基板から電子部品を取り外す流動装置および電子部品の取り外し装置に関する。
プリント基板に接合された電子部品の取り外しでは、たとえば電子部品の端子などに対する接合部材であるはんだに対し、同等のはんだを高温状態にして接触させることで、はんだを溶融させるものがある。このような電子部品の取り外しでは、ノズルなどで高温のはんだを噴流させ、この噴流部分に対して、はんだ付けされた電子部品やその端子部分などを接触させることで、はんだに熱を伝えている。
このようにはんだを噴流させる構成に関し、ノズル本体の外周部に設けたはんだ噴出部からはんだを噴出させ、はんだ噴出部の中央部分に設定されたはんだ落とし口内で、集積回路をはんだに接触させるものがある(例えば、特許文献1)。また、媒体を供給する供給ノズルの先端に開口部が形成され、その開口部をプリント基板の背面側に設置させて不活性液体を噴出させるものがある(たとえば特許文献2)。
特開昭62−275567号公報 特開2010−205980号公報
ところで、電子部品を実装するプリント基板は、たとえば電子部品の端子部分を挿入させてはんだ接合させるスルーホール(Through-Hole)が形成されている。このスルーホールの内壁には、たとえば実装された電子部品の端子と電気的に接触させるための銅配線が形成されている。この銅配線ははんだに含まれる錫などによって溶解する、いわゆる銅食われが生じる可能性がある。そのため噴流はんだを利用した電子部品の取り外しでは、長時間に亘りプリント基板を噴流はんだに接触させることができない。電子部品の取り外し処理では、銅食われを回避するためにプリント基板と噴流はんだとを接触させる時間として、たとえば30〔秒〕が設定されている。
しかし、たとえば厚板プリント基板を用いた場合や、融点の高い鉛フリーのはんだを利用して接合された電子部品は、短時間の加熱ではんだを溶融させることは困難である。このような電子部品は、たとえば噴流はんだにプリント基板を30〔秒〕以上接触させても接合したはんだが融点に達せず溶融しない部分が生じ、プリント基板からの取り外しが困難である。
また、接合した電子部品の中央部分に対して加熱したはんだを噴流させるはんだ取り外し方法では、たとえば噴流位置に近い部分に最も熱が伝わり易い。そのため噴流はんだにより加熱された電子部品は、中央部分と両端部との間で昇温速度が相違し、温度差が生じる。この昇温速度の違いや温度差は、プリント基板に実装される電子部品が長いほど大きくなる。
電子部品の取り外し処理では、電子部品の両端部が中央部に対して昇温速度が遅くなり、温度差が生じるため、両端部側のはんだを融点に達するためには長時間加熱させることになる。したがって、長い電子部品が接合されたプリント基板は、たとえば30〔秒〕以内に取り外すことが困難となる。
電子部品の取り外し処理では、錫を含まない媒体を利用してはんだを溶融させることで銅食われを防止することができる。しかし、この錫を含まない媒体が従来のはんだに対して熱伝導率が低い場合、接合したはんだやプリント基板、または電子部品の端子の昇温速度が低くなり、電子部品の取り外し作業に多大な時間を要するという課題がある。
また、電子部品の取り外し処理では、たとえば電子部品の端部側に対して所定時間以内にはんだを溶融させるために、噴流はんだや媒体の温度を増加させた場合、電子部品に対して熱による影響を与えるおそれがあるという課題がある。
そこで、本発明の目的は、上記課題に鑑み、はんだにより接合された電子部品の取り外しに対し、プリント基板や電子部品の損傷を防止することにある。
また、本発明の他の目的は、プリント基板に接合された電子部品の取り外し処理の迅速化にある。
上記目的を達成するため、本開示の構成の一観点によれば、複数の供給管路と、媒体を流動させる流路と、排出口が含まれる。供給管路は、基板に接合された電子部品の端部側に向けて、加熱された前記媒体を導く。流路は、基板の設置により閉塞される開口部を備えるとともに、供給管路間を連通させて供給管路から導かれた媒体を基板と電子部品との接合部分に沿って流動させる。排出口は、流路に流れる媒体を外部に排出させる。そして、流路では、開口部内で接合部分に媒体を接触させる。
本開示の流動装置または電子部品の取り外し装置によれば、次のいずれかの効果を奏する。
(1) 電子部品の複数の端部側から中央部に向けて所定の流速で媒体を流し、複数の端部側を初めに加熱し、中央部分に向けて熱伝達させることで、はんだによる接合部分の全体を効率よく加熱できる。
(2) 本開示の構成により、基板のスルーホールに対する銅食われを防止するために熱伝導率の低い媒体を利用した場合に、基板の接合部分の全体を効率よく加熱でき、はんだの溶融が可能となる。
(3) 本開示の構成により、厚板のプリント基板や融点の高い鉛フリーはんだが利用された場合でも接合部分の全体を効率的に加熱でき、電子部品の取り外し処理の迅速化が図れる。
(4) 流路に流れる媒体によって電子部品の全体を均一に加熱することで、媒体の加熱温度を過大に高温にさせずに電子部品の接合部分の全体を所定温度に加熱することができ、電子部品の端子やプリント基板が熱により破損するのを防止できる。
(5) プリント基板に接合した電子部品に沿って流路が設定されることで、流路内において接合部分に対し、設定した流量で確実に媒体を接触させることができる。
そして、本発明の他の目的、特徴および利点は、添付図面および各実施の形態を参照することにより、一層明確になるであろう。
第1の実施の形態に係る流動装置の構成例を示す図である。 流路内を流れる媒体による熱の伝わり状態例を示す図である。 スルーホール内の熱の伝わり状態例を示す図である。 ノズルに対する基板の設置例を示す図である。 媒体によるはんだの溶融状態例を示す図である。 電子部品の取りはずし状態例を示す図である。 第2の実施の形態に係る電子部品の取りはずし装置の構成例を示す図である。 電子部品の取りはずし装置にプリント基板を設置した状態例を示す図である。 ノズルの構成例を示す図である。 接触流路の構成例を示す平面図である。 図10のXI−XI線断面の構成例を示す図である。 図11のXII−XII線断面の構成例を示す図である。 媒体の流速とコネクタ端子の昇温速度の関係を示す図である。 ノズル内に媒体を流動させた状態例を示す図である。 電子部品の取りはずし処理の一例を示すフローチャートである。 第3の実施の形態に係るノズルの構成例を示す図である。 図16のXVIIA−XVIIA、XVIIB−XVIIB線断面の構成例を示す図である。 ノズルの断面構成例を示す図である。 コネクタ端子の温度状態例を示す図である。 第4の実施の形態に係るノズルの構成例を示す図である。 図20のXXIA−XXIA、XXIB−XXIB線断面の構成例を示す図である。 流路幅の設定例を示す図である。
〔第1の実施の形態〕
図1は、第1の実施の形態に係る流動装置の構成例を示している。図1に示す構成は一例であり、斯かる構成に本発明が限定されるものではない。
図1に示すノズル2は、本開示の流動装置の一例である。ノズル2は、加熱対象であるはんだなどの接合部材、またはプリント基板4や電子部品6の端子に対して高温の媒体8を流して接触させる。接合部材は、プリント基板4に電子部品6を接合させており、所定の温度に加熱することで溶融する。電子部品6は、プリント基板4の一部に設置されて機能する機能部品の一例である。電子部品6は、たとえばプリント基板4に開口されたスルーホール10の内部に端子12が挿入され、プリント基板4の導電壁14に対してはんだ16を介して金属接合されている。導電壁14は、たとえば銅などの導通物質で構成されている。
媒体8は、熱エネルギをプリント基板4と電子部品6との接合部分の一部または全部に伝達させる熱媒として機能する。媒体8は、たとえば錫を含まない液体シリコンやイオン液体などを利用すればよい。この液体シリコンやイオン液体は、たとえばはんだよりも熱伝導率が低い物性であってもよい。
ノズル2は、たとえばステンレスなどの金属部材で構成され、内部に媒体8を流すように中空に形成されている。ノズル2には、たとえば供給管路20、接触流路22、排出口24などが形成されている。
<供給管路の構成例>
供給管路20は、所定の流量で取り込んだ媒体8をプリント基板4に実装された電子部品6の端部側に導く管路の一例である。供給管路20は、たとえばプリント基板4に対し、電子部品6の両端またはその周辺に合わせて複数配置されている。供給管路20は、それぞれ上方に向けて媒体8を流出させる流出口26が形成されている。流出口26は、たとえば電子部品6の最も外側に形成された端子12が挿入されるスルーホール10の下方付近または外周側に配置される。供給管路20は、流出口26を通じて接触流路22に連通している。
供給管路20は、たとえば上流側に図示しない圧送手段が連結されており、設定流量で媒体8が供給される。そして流出口26を通過した媒体8は、たとえば水平方向に配置されたプリント基板4の下面側に向けて噴流され、接触流路22内に流される。
<接触流路の構成例>
接触流路22は、流動する媒体8にプリント基板4と電子部品6との接合部分を接触させる手段の一例である。接触流路22は、たとえば電子部品6、またはプリント基板4と電子部品6との接合部分の両端部側に配置された供給管路20同士を連通させるとともに、プリント基板4に接合された電子部品6や端子12に沿って形成されている。これにより接触流路22には、電子部品6の端子12およびプリント基板4のスルーホール10が流出口26から一定の方向に配置されている。これにより供給管路20から供給された媒体8は、流出口26を通じて接触流路22の中央部側、すなわち接合された電子部品4の中央側に流入する。
また、接触流路22は、たとえばノズル2内に一定の流量で供給された媒体8に対し、設定した流速で流れるように断面積が設定されている。端子12やはんだ16の昇温速度は、接触流路22内に流れる媒体8の流速に影響を受ける。そのため接触流路22内を流す流速は、たとえばノズル2内に圧送される媒体8の流量やプリント基板4の厚さ、もしくはスルーホール10の深さなどに基づいて設定される。
流速は、たとえば設定時間で電子部品6を取り外すために、この設定時間以内ではんだ16を融点まで達する昇温速度となるように設定される。流速と昇温速度との関係は、たとえば媒体8の熱伝導率などに基づき、予め実験などで得られた情報テーブルなどを参照してもよい。これにより、接触流路22に流す媒体8は、熱伝導率が低い場合には、はんだ16を溶融可能な流速に設定される。
なお、ノズル2内に流れる媒体8の温度は、はんだ16を溶融可能な温度に加熱されていることはいうまでもない。また接触流路22は、各供給管路20間に対して直線状に形成される場合に限られず、電子部品6の端子12の配列状態に応じて形成されてもよい。
接触流路22は、上部側に開口部28(図4)が形成されており、その開口部28の位置に合わせてプリント基板4が載置される。開口部28は、たとえばプリント基板4の裏面側の設置により閉塞され、接触流路22内から媒体8が流出することが防止される。接触流路22内は、媒体8によって満たされており、電子部品6の端子12やプリント基板4の背面部分、または接合したはんだ16の一部が接触流路22内または開口部28とプリント基板4の境界部分で媒体8に接触し、加熱される。
排出口24は、接触流路22内を流動した媒体8をノズル2の外部に排出する手段の一例である。排出口24は、たとえば接触流路22の一部に形成され、接触流路22に接続された各供給管路20までの長さが同等な距離になる位置に形成されている。すなわち接触流路22に流れる媒体8は、たとえば直線状に形成された電子部品6の中央部分においてノズル2から外部に排出される。これにより接触流路22内の媒体8は、たとえば各流出口26から排出口24までの距離を同等にすることで、接触流路22の距離に応じて流速の状態が同様となる。排出口24は、たとえば接触流路22の底面に開口されている。
また、排出口24の開口径は、たとえば接触流路22内に流す媒体8の流速などに基づいて設定してもよい。排出口24は、たとえば大きく形成されることで排出量が多くなることから媒体8の流速が速められ、また小さく形成されることで、媒体8の流速を低下させる。なお、このノズル2では、接触流路22の内部において、媒体8が電子部品6の端子12または基板4に接触させるための高さまで媒体8が満たされなければならない。そこで、接触流路22内に媒体8を満たすために、排出口24は、たとえば接触流路22の内径よりも小さく形成してもよい。
図2および図3は、媒体による伝熱の状態例を示している。図2、図3に示す構成は一例である。また図3は、図2のIII−III線断面を示している。
図2に示すプリント基板4は、たとえばノズル2の端部側に配置された加熱面部30が流出口26から流出した媒体8と接触して加熱される。この加熱面部30において媒体8から受けとった熱エネルギHaは、たとえばプリント基板4や端子12間を通じて電子部品6の中央側に熱伝達される。電子部品6の各端子12やはんだ16は、たとえば接触流路22内に流れる媒体8から熱エネルギHbをそれぞれ受ける。各端子12が受けた熱エネルギHbは、たとえば接触流路22の上流側から下流側に向けて小さくなる。そして、各端子12ではたとえば端部側から中央に向けて熱エネルギHbが伝達されている。
接触流路22内で媒体8から伝達された熱エネルギHbは、たとえば図3に示すように、接合したはんだ16や端子12を通じてスルーホール10内を上昇する。そして、熱エネルギHbは、スルーホール10内の端子12やはんだ16を加熱する。
図4、図5、図6は、基板に接合した電子部品の取り外し処理の一例を示している。図4〜図6に示す構成や図示するはんだの状態は一例である。
<ノズルに対するプリント基板の設置処理>
図4に示すノズル2は、たとえばプリント基板4の背面側に対して接触流路22の開口部28を向けて配置される。プリント基板4は、たとえばノズル2の端部の流出口26の直上に端子12が設置されないように配置位置が調整される。すなわち流出口26は、供給管路20を通過した媒体8を直接にはんだ16や端子12に向けて噴出させず、プリント基板4の一部に向けて噴出させるように配置される。そして、プリント基板4は、ノズル2の開口部28に向けて下降させて設置され、接触流路22内にはんだ16や端子12、導電壁14などが配置される。
ノズル2に対するプリント基板4の配置では、たとえば電子部品6の中心位置とノズル2の中心位置とを合わせてもよく、またはプリント基板4に接合した電子部品6の外形位置を基準に設置位置が設定されてもよい。また予めプリント基板4側にマーキングなどを施し、ノズル2との接続位置が設定されてもよい。
<媒体の流動処理>
プリント基板4が設置されたノズル2は、図5に示すように、図示しない圧送手段によって供給管路20内に加熱された媒体8が供給される。供給された媒体8は、接触流路22においてプリント基板4の加熱面部30で熱交換した後、排出口24に向けて流動しながら各端子12やはんだ16と熱交換を行う。
電子部品6では、たとえば最も高温の媒体8が接触する外側のはんだ16から融点に達して溶融する。溶融したはんだ16は、それぞれスルーホール10内を下降して接触流路22内に流出し、媒体8によって排出口24側に排出される。
<電子部品の取り外し処理>
スルーホール10からはんだ16が流出した後、図6に示すように電子部品6は、プリント基板4から持上げられて取り外される。電子部品6の取り外し処理は、たとえば予め設定した溶融時間が経過したのち、または電子部品6がプリント基板4から離脱可能になったタイミングで行われる。
そして、プリント基板4は、たとえば電子部品6を取り外しが可能となった後に、ノズル2との接続を解除される。またはプリント基板4は、電子部品6がスルーホール10内に挿入された状態でノズル2から取り外されてもよい。
斯かる構成によれば、電子部品の複数の端部側から中央部に向けて所定の流速で媒体を流し、複数の端部側を最も高温で加熱するとともに中央部分に向けて熱伝達させることで、はんだによる接合部分の全体を効率よく加熱できる。また、熱伝導率の低い媒体を利用してはんだを溶融させることで、基板のスルーホールに対する銅食われを防止できる。電子部品6の接合部分を均等に加熱し、厚板のプリント基板4や融点の高い鉛フリーはんだが利用された電子部品6の取り外し処理の迅速化が図れる。媒体の加熱温度を過大に高温にさせることがなく、電子部品6の端子12やプリント基板4に対する熱による破損を防止できる。プリント基板4に接合した電子部品6に沿って接触流路22が設定され、接触流路22内において接合部分に対し、設定した流量で確実に媒体8を接触させることができる。
〔第2の実施の形態〕
図7および図8は、第2の実施の形態に係る電子部品の取りはずし装置の構成例を示している。図7、図8に示す構成は一例である。
<媒体流動装置の構成例>
図7に示す媒体流動装置40は、本開示の電子部品の取りはずし装置の一例である。媒体流動装置40は、電子部品が接合されたプリント基板の接合部分に対して媒体8を流動させ、熱交換により加熱させるノズル42を備える。また媒体流動装置40は、媒体槽44、ヒータ46、圧送手段48を備える。
ノズル42は、たとえば媒体槽44の内部に配置され、貯留された媒体8の水面よりも高い位置で流動させるように配置されている。ノズル42は、たとえば媒体槽44内に配置された取り込み管路56に流入口58が連結され、圧送された媒体8を取り込んでいる。この取り込み管路56は、たとえば一端をノズル42に連結するとともに、他端側の取り込み口60から媒体槽44内の媒体8を取り込んでいる。
なお、ノズル42は、媒体槽44の内部に配置される構成に限られず、たとえば媒体槽44の外部に配置されてもよい。すなわち媒体槽44の内部に配置されたノズル42は、排出口84(図9)から排出された媒体8を直接媒体槽44内に流すことができる。これに対し媒体槽44の外部に配置されたノズル42には、たとえば排出口84から排出される媒体8を媒体槽44に流すための流路が設置されてもよい。
媒体槽44は、媒体8を貯留する手段の一例である。媒体槽44は、たとえば内部に配置されるノズル42の長辺側の長さと同等以上に開口されており、ノズル42から流出した媒体8を収集可能に形成されている。媒体槽44は、たとえば底面部側に設置した取り込み管路56を介してノズル42を保持している。取り込み管路56は、たとえば媒体槽44の底部に別部材の管路を設置してもよく、または媒体槽44と一体に成形してもよい。 媒体槽44には、たとえば取り込み管路56の取り込み口60よりも水位が高くなるように媒体8が貯留されている。
その他、媒体槽44には、たとえば媒体8の温度を一定に維持させるための攪拌手段や、媒体8の温度を管理するための温度検出手段などを備えてもよい。
ヒータ46は、媒体8を加熱する手段の一例である。ヒータ46は、たとえば電熱ヒータなどが媒体槽44の一部に設置され、媒体槽44内部の媒体8を加熱している。ヒータ46は、たとえば媒体槽44内の媒体8の温度が所定の温度になるように加熱温度や加熱時間が設定されて加熱制御が行われている。ヒータ46の加熱制御は、予め設定された温度や時間に基づいて行われてもよく、または媒体槽44内部の媒体8の温度に応じてON/OFF制御が行われてもよい。
圧送手段48は、取り込み管路56を通じて媒体8をノズル42側に供給する手段の一例である。圧送手段48は、たとえば動力を発生するモータ50、媒体8を送出させるプロペラ52、モータ50の駆動力をプロペラ52に伝達する伝達機構54を備えている。プロペラ52は、たとえば取り込み管路56の一部に設置されており、伝達機構54によって伝達されたモータ50の駆動力によって回転する。これにより媒体8を取り込み口60からノズル42の流入口58側に圧送する。この圧送手段48は、たとえばプロペラ52の回転遠心力を利用した所謂渦巻きポンプを構成している。
圧送手段48は、たとえばモータ50やプロペラ52の回転数を制御する図示しない回転検出手段や制御手段を備えてもよい。また圧送手段48は、取り込み管路56内の流量を計測する図示しない流量検出手段を利用し、ノズル42に対する供給流量を制御してもよい。
媒体流動装置40は、図8に示すようにノズル42の上部側に対し、電子部品の一例であるコネクタ62を取り外すプリント基板4が載置される。そして、媒体流動装置40は、ヒータ46によって加熱された高温の媒体8が圧送手段48によってノズル42に流され、媒体8に接触したプリント基板4の一部、端子12、はんだ16などを加熱する。ノズル42は、たとえばコネクタ62の中央部より先に両端部側を加熱するために媒体8を左右側に流し、左右の流出口からノズル中央部の排出口に向けて媒体8を流す構成となっている。
ノズル42に流れる媒体8の流量Q、Qa、Qbは、たとえば圧送手段48の圧送力やノズル42内の管路断面積などによって設定される。そしてノズル42内の媒体8は、たとえば供給される流量と管路断面積に基づき、流入管路72、分岐管路74、供給管路76、接触管路80内の流速が設定される。そのため圧送手段48では、たとえばノズル42内の媒体8を所定の流速で流すために、モータ50の駆動制御が行われてもよい。
<ノズル42の構成例>
図9は、ノズルの構成例を示している。図9に示す構成は一例である。
図9に示すノズル42は、たとえば下部側に取り込み管路56に固定させる係止手段70が設置されている。ノズル42は、たとえば流入管路72、分岐管路74が形成されているとともに、供給管路76、接触流路80、開口部81、載置部82、排出口84などを備えている。
係止手段70は、たとえば取り込み管路56の周縁側を包囲させるとともに、図示しない係止ピンに係合させる係合溝71を備えている。係止手段70は、たとえばノズル42に媒体8を取り込む流入管路72の先端側に設置されている。この係止手段70は、流入管路72とは別の部材が設置されてもよく、または流入管路72と一体に成形してもよい。
流入管路72の先端には、既述のように媒体槽44の取り込み管路56と接続する流入口58が形成されている。また流入管路72の上側端部には、たとえば横方向に向けて複数の管路に分岐した分岐管路74が形成されている。
分岐管路74は、たとえば流入管路72から連通させた供給管路76側に媒体8を導く手段の一例である。分岐管路74の分岐数は、たとえば取りはずし対象であるコネクタ62の端部側に媒体8を流す供給管路76の数に応じて設定される。分岐管路74は、たとえば同等の断面積で形成されるとともに、流入管路72から供給管路76までの距離が同等に設定されている。これにより流入管路72から分岐管路74を通じて供給管路76に達する各流路は、たとえば対称に形成される。
供給管路76は、たとえば分岐管路74から流入した媒体8を流出口78からノズル42に設置されるプリント基板4の一面に噴流させて、接触流路80側に導く。
接触流路80は、既述のように上部側を開口させており、プリント基板4を載置させる載置部82が形成されている。接触流路80は、たとえば分岐管路74と平行に構成されている。図10に示すように、接触流路80は、たとえば左右両端部側に形成された流出口78と中央に形成された排出口84とを直線状に連結し、左右から中央に流れる媒体8の流量または流速を同等にしている。
<媒体の流速設定について>
図11および図12は、ノズルの断面構成例を示している。また図13は、媒体の流速とコネクタ端子の昇温速度の関係例を示す図である。図11および図12に示す構成は一例である。また、図13に示す結果は一例であり、測定条件によってその値は変化する。
供給管路76は、図11に示すように、たとえば長方形管路で形成され、左右で同等の管路幅L1に設定されている。また接触流路80は、たとえば所定の流路深さdが設定されているとともに、排出口84に所定の開口径L2が設定されている。また図12に示すように、接触流路80には、所定の流路幅L3が設定されている。
管路内を流れる媒体8の流速Vは、媒体8の流量Qと管路の断面積Aによって決まり、その関係は、以下の式で導かれる。
V〔m/s〕= Q〔m3/s〕/ A〔m2〕 ・・・(1)
また、図13に示すように媒体8との接触により加熱されるコネクタ62の端子12の昇温速度は、接触流路80を流れる媒体8の流速Vに影響を受ける。錫を含まない液体シリコン材料として切削オイルを利用した媒体8では、たとえば静止状態での昇温速度がはんだよりも低い。この媒体8を利用した場合の昇温速度P〔℃/s〕は、たとえば流速Vが0.1〔m/s〕以上になると大きく増加する。したがって短時間ではんだを融点まで加熱するには、たとえば媒体8の流速を上げてプリント基板4や端子12を加熱する昇温速度を高めればよい。ノズル42は、たとえば接触流路80に供給される流量Qb(図8)に対し、所定の流速Vが得られるように流路幅L3や流路深さdが設定される。
また供給管路76は、たとえば連通する接触流路80内を媒体8で満たすために、接触流路80の断面積と同等またはそれ以上の断面積で形成すればよい。また、供給管路76内に流す媒体8の流量または流速は、たとえば接触流路80内の媒体8の流速Vに基づいて設定されてもよい。
その他、接触流路80に流れる媒体8の流量は、たとえば排出口84の開口径L2によって調整してもよい。
なお、ノズル42を形成する各管路は、長方形管路に限られず、たとえば円形管路またはその他の多角形管路であってもよい。
図14は、ノズル内に媒体を流動させた状態例を示している。
図14に示す媒体流動装置40は、たとえばノズル42にプリント基板4を載置させずに媒体8を流動させている。媒体8は、たとえば両端の供給管路76から流入して接触流路80内を満たした状態で排出口84側に流動する。接触流路80内の媒体8は、たとえば図13に示すデータに基づき、所定の昇温速度Pが得られる流速Vで流動している。媒体流動装置40は、たとえば接触流路80に対して設定した流速Vおよび管路断面積Aの情報に基づき、圧送手段48の駆動制御を行ってもよい。
接触流路80を流れる媒体8は、排出口84からノズル42の外部に排出され、たとえば分岐管路74上を伝って媒体槽44内に流れる。コネクタ62の取りはずし処理では、排出された媒体8とともに溶融したはんだ16が媒体槽44内部に排出される。そして、媒体槽44に流れた媒体8は、ヒータ46で加熱され、再び圧送手段48によってノズル42側へと循環される。
なお、圧送手段48や取り込み管路56の取り込み口60には、媒体槽44に排出されたはんだ16の混入を防止するフィルタなどを設置してもよい。
<電子部品の取りはずし処理について>
図15は、電子部品の取りはずし処理の一例を示している。図15に示す処理内容、処理手順などは一例であり、斯かる構成に本発明が限定されるものではない。
電子部品6の一例であるコネクタ62の取りはずし処理では、媒体流動装置40にノズル42を設置する(S1)。ノズル42は、たとえばコネクタ62の端子12の接合部分の幅や接合しているはんだ16の融点などの情報に基づいて、流路幅や排出口84の開口径、接触流路80の断面積などが設定されている。ノズル42は、係止手段70によって取り込み管路56に固定される。
プリント基板4は、ノズル42の上面に設置される(S2)。プリント基板4は、取りはずすコネクタ62の接合部分とノズル42の開口位置とを位置合わせして設置され、プリント基板4の裏面側の一部やはんだ16、端子12が接触流路80内に配置される。接触流路80は、上面の開口部81に載置されたプリント基板4によって閉塞状態となる。
なお、ノズル42は、プリント基板4を接触流路80に設置した後に媒体流動装置40に接続させてもよい。
圧送手段48を駆動させ、ノズル42内に流す媒体8の流量の設定および調整が行われる(S3)。圧送手段48の駆動制御は、たとえばノズル42に設定された流速Vや断面積Aに基づいて行えばよい。
そして、圧送手段48は、設定された流量で媒体8を圧送し、ノズル42側に媒体8を供給する(S4)。
圧送処理を開始してからたとえば所定時間が経過した場合、またはコネクタ62に接合されていたはんだ16が全て端子12から取り除かれた場合は、コネクタ62をプリント基板4から取り外す(S5)。このとき、圧送手段48を停止させてもよい。
コネクタ62が取りはずされると、プリント基板4は、ノズル42から取り外される(S6)。
なお、コネクタ62は、プリント基板4とノズル42との接続が解除された後に、プリント基板4から分離させてもよい。
斯かる構成によれば、プリント基板4によって閉塞された接触流路80内に加熱された媒体8を流動させることで、媒体8が外気に晒されず、端子12やはんだ16またはプリント基板4に接触させるので、媒体8の温度が変化せず、加熱効率が高められる。またノズル42は、コネクタ62、プリント基板4の端部側を高温媒体によって加熱させ、媒体8を接合部分の中央側に向けて流して加熱させる。これにより、コネクタの端部側が最も高温に加熱され、その熱が中央部分に向けて集まることで、電子部品の全ての接合部分を効率よく加熱できる。また、一部のはんだ16が融点に達しない状態となるのを防止できる。
〔第3の実施の形態〕
図16は、第3の実施の形態に係るノズルの構成例を示している。図16に示す構成は一例である。
この実施の形態に係るノズル42bは、プリント基板4に接合したコネクタ62の端部側と中央部との温度差を低減させる構成である。コネクタ62の端子12などの接合部分には、たとえば中央部と端部側との間に昇温速度差が生じている。この昇温速度差は、たとえば隣接する端子12間やはんだ16、プリント基板4の伝熱状態などにより生じる。既述のように媒体8との接触により加熱されるコネクタ62の端子12の昇温速度は、接触流路80を流れる媒体8の流速Vに影響を受ける。そこで、図16に示すノズル42bは、たとえば接触流路80に配置されたコネクタ62の両端側から中央側に向けて媒体8を流動させるとともに、接触流路80内の位置に応じて媒体8の流速Vを変化させている。
ノズル42bの接触流路80には、たとえば流出口78側から排出口84側に向けて低く傾斜させた傾斜底面92が形成されている。これにより接触流路80は、たとえば流出口78から排出口84に向けた距離に応じて深くなり、断面積を異ならせている。流出口78の周辺の接触流路80の断面積A1は、たとえば図17Aに示すように、流路幅L3および深さd1で形成される。また排出口84周辺の接触管路80の断面積A2は、たとえば図17Bに示すように、流路幅L3および深さd2で構成される。接触流路80は、傾斜底面92により深さd2が深さd1よりも大きく形成されている。これにより流出口78側の流路断面積A1は、排出口84側の流路断面積A2よりも小さく形成される。
媒体8の流速Vは、既述の式(1)により接触流路80を流れる流量Qbと流路断面積Aにより設定されることから、たとえば図18に示すように接触流路80の断面積の変化に伴って、流速Vaから流速Vbに変化する。コネクタ62の端部側の流速Vaは、コネクタ62の中央側の流速Vbよりも速くなる。すなわちノズル42bは、流出口78が形成された供給管路76側と排出口84側との間で媒体8の流速差が生じるように流路断面積を異ならせている。そしてコネクタ62の端部側の昇温速度は、中央側の昇温速度と均等になる。
傾斜底面92による断面積の変更は、たとえば実装されたコネクタ62の長辺方向の長さとともに、流出口78と排出口84との間に対して設定したい流速の速度差または、昇温速度差などに基づいて設定される。また流速差によって生じる昇温速度差は、たとえば図14に示すように予め実験などにより得られる情報などを利用すればよい。
<コネクタ端子の温度状態>
図19は、コネクタ端子の温度状態例を示している。図19に示す温度結果は、一例である。
この温度検出結果は、媒体8をコネクタ62の中央部分にのみ噴射させるノズルを利用した場合と、傾斜底面92が形成されたノズル42bを利用した場合に対し、コネクタ62の両端と中央部の結果例を示している。このノズル42bは、接触流路80の長さがたとえば140〔mm〕、深さがたとえば10〔mm〕であって、端部側の昇温速度を中央部よりもたとえば2〔℃/s〕高くするように構成している。媒体8の流速は、たとえば図13に示す値から、コネクタ62の端部側の昇温速度が2〔℃/s〕の差を生じるように設定すればよい。接触流路80の深さd1、d2は、たとえば供給される流量、および設定した流速から設定すればよい。
このような構成において、図19に示すように、コネクタ62の中央部にのみ媒体8を噴射させた場合は、中央部と端部側との間に大きな温度差が生じている。これに対し、ノズル42bを利用した場合は、コネクタ62の中央部と両端側との間で同等の温度に加熱される。
斯かる構成によれば、コネクタ62の接合部分に応じて流動させる流速を変化させることで、コネクタ62を均等に加熱することができる。これにより全ての端子12をはんだ16が溶融する温度まで加熱させるために、コネクタ62やプリント基板4の一部が異常加熱されて破損するのを防止できる。また、コネクタ全体を均等に加熱できるので、媒体8の加熱温度が抑えられ、効率的にコネクタ62電子部品の取り外しを行うことができる。
〔第4の実施の形態〕
図20は、第4の実施の形態に係るノズルの構成例を示している。
図20に示すノズル42cは、接触流路80内の位置に応じて設定した流速Vで媒体を流動させる構成として、たとえば接触流路80の流路幅を変化させている。これによりノズル42cは、コネクタ62の中央部と端部側との間で昇温速度を均一にし、加熱による温度差を低減させている。
ノズル42cは、たとえば流出口78側から排出口84側に向けて接触流路80の流路幅を拡大させる流路壁100および底面部102を備えている。流路壁100は、たとえば接触流路80の中心位置で最も流路幅が大きくなるように形成されている。接触流路80は、たとえば設定される媒体8の流速に基づいて、流出口78側と排出口84側との流路幅の拡大率が設定されてもよい。
流出口78の周辺の接触管路80の断面積A3は、たとえば図21Aに示すように、流路幅L4および深さdで形成される。また排出口84周辺の接触管路80の断面積A4は、たとえば図21Bに示すように、流路幅L5および深さdで構成される。流路幅L5は、流路幅L4よりも大きく形成されることで、流出口78側の流路断面積A3は、排出口84側の流路断面積A4よりも小さく形成される。すなわち接触流路80は、流出口78から排出口84に向けた距離に応じて断面積が拡大されている。
このように接触流路80の断面積が形成されることで、媒体8は、たとえば図22に示すように接触流路80の位置によって流速Vcから流速Vdに変化して流動する。この流速Vcは、流速Vdよりも高速となっている。これによりコネクタ62の端部側の昇温速度は、中央側の昇温速度と均等になる。
また既述のように、流路断面積の変化は、たとえば実装されたコネクタ62の長辺方向の長さとともに、設定したい流速の速度差または、昇温速度差などに基づいて設定される。また流速差によって生じる昇温速度差は、たとえば図13に示すように予め実験などにより得られる情報などを利用すればよい。
斯かる構成によれば、たとえば図19に示すノズル42bの温度分布と同等の結果が得られる。そしてコネクタ全体を均等に加熱できるので、媒体8の加熱温度が抑えられ、効率的にコネクタ62の取り外しを行うことができる。
以上説明した各実施形態について、その特徴事項を以下に列挙する。
(1) 本開示のノズルは、接触流路22、80内の端部側から排出口側に向けて媒体8を所定流量で流動させて電子部品の一部や接合部材に媒体を接触させることで、媒体8を確実に電子部品の接合部材に接触させることができる。
(2) また、ノズル42は、設定した流量、流速で媒体を流動させ、電子部品や接合部材に接触させることができ、熱伝達の効率性が高められる。
(3) 熱伝達し難い電子部品の端部側から中央部分に向けて媒体を接触させることで、電子部品やその接合部分を均一に加熱させることができる。
(4) ノズル42は、媒体8の流動位置に応じて流速を設定する構造により、電子部品の全体を均一に加熱できるので、媒体8に対する加熱温度が抑えられる。さらにノズル42は、加熱効率性を高められるとともに、電子部品の温度が部分的に高温にならないので、熱による電子部品に対する影響を抑えることができる。
(5) 本開示のノズル42は、接触流路80において、設定した流速で媒体8を流して昇温速度が高められるので、伝熱効率の低い液体材料を媒体8として利用することができる。
〔他の実施の形態〕
(1) 上記実施の形態では、流路断面積の設定に関し、流出口78から排出口84までの位置に応じて流路幅を拡大させる構成、または傾斜底面92を形成する構成を示したがこれらをいずれか一方のみを利用する場合に限られない。この流路幅の拡大と傾斜底面92の形成を組み合わせて流路断面積が設定されてもよい。
(2) 上記実施の形態では、流路幅の設定について、排出口84に向けて拡大させた流路壁100および底面部102を用いる場合を示したがこれに限られない。接触流路80は、たとえば流路内に流路幅を調整するオリフィスを形成する堰を設置してもよい。斯かる構成によっても、媒体8は、接触流路80内の位置に応じて流速を調整することができる。
(3) 上記実施の形態では、接触流路80内の断面積の設定に関し、流出口78から排出口84に向けて連続的に断面積を変化させる構成を示したが、これに限られない。接触流路80は、たとえば流出口78からの位置に応じて、段階的に断面積を変化させる構成としてもよい。この場合接触流路80は、たとえば所定の位置毎に設定される媒体8の流速に応じて断面積を変化させてもよい。
(4) 上記実施の形態では、接触流路80内に流動させる媒体8の流速は、流路幅や流路深さの調整による断面積によって設定されたがこれに限られない。接触流路80内の媒体8の流速は、たとえば排出口84の開口面積に基づいて調整してもよい。この場合、媒体流動装置40は、たとえば接触流路80内に媒体8が満たされるように流量が調整されればよい。
(5) 上記実施の形態では、接触流路80は、断面が四角形状の場合を示したがこれに限られない。接触流路80は、たとえば断面の下方が凸形状の三角形や台形などで構成されてもよい。この場合、接触流路80の上部の開口部は、たとえばプリント基板4によって閉塞可能にするために、平面形状に形成すればよい。
(6) 媒体8は、液体シリコンまたはイオン液体に限られず、たとえばはんだを利用してもよい。
(7) 上記実施の形態では、プリント基板4に接合された電子部品6の1つにノズル2を配置する構成を示したがこれに限られない。ノズル2は、たとえば2以上の電子部品6の接合部分に対して配置させてもよい。これにより複数の電子部品6が密集して接合されたプリント基板4では、前後または左右に連続的に配置された電子部品6に対して取り外し処理の迅速化を図ることができる。
次に、以上述べた実施例を含む構成に関し、更に以下の付記を開示する。以下の付記に本発明が限定されるものではない。
(付記1)媒体を流動させる流動装置であって、
基板に接合された電子部品の端部側に向けて、加熱された前記媒体を導く複数の供給管路と、
前記基板の設置により閉塞される開口部を備えるとともに、前記供給管路間を連通させて前記供給管路から導かれた前記媒体を前記基板と前記電子部品との接合部分に沿って流動させる流路と、
前記流路に流れる前記媒体を外部に排出させる排出口と、
を備え、
前記流路は、前記開口部内で前記接合部分に前記媒体を接触させることを特徴とする、流動装置。
(付記2)前記流路は、前記供給管路側と前記排出口側との間で前記媒体の流速に速度差を設定するように流路断面積を異ならせたことを特徴とする、付記1に記載の流動装置。
(付記3)前記流路は、前記供給管路側から前記排出口側に向けて、流路幅の拡大または底面部の傾斜のいずれか一方または両方を備えることを特徴とする、付記1または付記2に記載の流動装置。
(付記4)前記供給管路は、取り込んだ前記媒体を前記基板に接合した前記電子部品の複数の端部側に向けて分岐させる分岐路を備えることを特徴とする、付記1ないし付記3のいずれかに記載の流動装置。
(付記5)前記媒体は、液体シリコンまたはイオン液体であることを特徴とする、付記1ないし付記4のいずれかに記載の流動装置。
(付記6)前記流路内に流す前記媒体の流速は、前記媒体の熱伝導率または昇温速度に基づいて設定されることを特徴とする、付記1ないし付記5のいずれかに記載の流動装置。
(付記7)媒体を貯める媒体槽と、
前記媒体を加熱する加熱手段と、
前記媒体槽に貯められた前記媒体を圧送する圧送手段と、
圧送された前記媒体を基板側に流動させる流動手段と、
を備え、
前記流動手段は、
前記基板に接合された電子部品の端部側に向けて、加熱された前記媒体を導く複数の供給管路と、
前記基板の設置により閉塞される開口部を備えるとともに、前記供給管路間を連通させて前記供給管路から導かれた前記媒体を前記基板と前記電子部品との接合部分に沿って流動させる流路と、
前記流路に流れる前記媒体を外部に排出させる排出口と、
を備え、
前記流路は、前記開口部内で前記接合部分に前記媒体を接触させることを特徴とする、電子部品の取り外し装置。
(付記8)前記流路は、前記供給管路側と前記排出口側との間で前記媒体の流速に速度差を設定するように流路断面積を異ならせたことを特徴とする、付記7に記載の電子部品の取り外し装置。
(付記9)前記媒体槽は、前記排出口から排出された前記媒体を貯留することを特徴とする、付記7または付記8に記載の電子部品の取り外し装置。
(付記10)前記圧送手段は、前記流路に流す前記媒体の流速および前記流路の断面積に基づいて設定された流量で前記媒体を圧送することを特徴とする、付記7ないし付記9のいずれかに記載の電子部品の取り外し装置。
以上説明したように、本発明の好ましい実施形態等について説明したが、本発明は、上記記載に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載され、又は明細書に開示された発明の要旨に基づき、当業者において様々な変形や変更が可能であることは勿論であり、斯かる変形や変更が、本発明の範囲に含まれることは言うまでもない。
2、42、42b、42c ノズル
4 プリント基板
6 電子部品
8 媒体
10 スルーホール
12 端子
14 導電壁
16 はんだ
20、76 供給管路
22、80 接触流路
24、84 排出口
26、78 流出口
28、81 開口部
30 加熱面部
40 媒体流動装置
44 媒体槽
46 ヒータ
48 圧送手段
50 モータ
52 プロペラ
54 伝達機構
56 取り込み管路
62 コネクタ
72 流入管路
74 分岐管路
82 載置部
92 傾斜底面
100 流路壁
102 底面部

Claims (5)

  1. 媒体を流動させる流動装置であって、
    基板に接合された電子部品の端部側に向けて、加熱された前記媒体を導く複数の供給管路と、
    前記基板の設置により閉塞される開口部を備えるとともに、前記供給管路間を連通させて前記供給管路から導かれた前記媒体を前記基板と前記電子部品との接合部分に沿って流動させる流路と、
    前記流路に流れる前記媒体を外部に排出させる排出口と、
    を備え、
    前記流路は、前記開口部内で前記接合部分に前記媒体を接触させることを特徴とする、流動装置。
  2. 前記流路は、前記供給管路側と前記排出口側との間で前記媒体の流速に速度差を設定するように流路断面積を異ならせたことを特徴とする、請求項1に記載の流動装置。
  3. 前記流路は、前記供給管路側から前記排出口側に向けて、流路幅の拡大または底面部の傾斜のいずれか一方または両方を備えることを特徴とする、請求項1または2に記載の流動装置。
  4. 前記供給管路は、取り込んだ前記媒体を前記基板に接合した前記電子部品の複数の端部側に向けて分岐させる分岐路を備えることを特徴とする、請求項1ないし請求項3のいずれかに記載の流動装置。
  5. 媒体を貯める媒体槽と、
    前記媒体を加熱する加熱手段と、
    前記媒体槽に貯められた前記媒体を圧送する圧送手段と、
    圧送された前記媒体を基板側に流動させる流動手段と、
    を備え、
    前記流動手段は、
    前記基板に接合された電子部品の端部側に向けて、加熱された前記媒体を導く複数の供給管路と、
    前記基板の設置により閉塞される開口部を備えるとともに、前記供給管路間を連通させて前記供給管路から導かれた前記媒体を前記基板と前記電子部品との接合部分に沿って流動させる流路と、
    前記流路に流れる前記媒体を外部に排出させる排出口と、
    を備え、
    前記流路は、前記開口部内で前記接合部分に前記媒体を接触させることを特徴とする、電子部品の取り外し装置。

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