JP2014001773A - 発泡樹脂積層金属板の構造体及びその製造方法、並びに、発泡樹脂積層金属板の構造体の継手及びその製造方法 - Google Patents

発泡樹脂積層金属板の構造体及びその製造方法、並びに、発泡樹脂積層金属板の構造体の継手及びその製造方法 Download PDF

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美速 今村
Satoru Iwase
哲 岩瀬
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Abstract

【課題】発泡樹脂積層金属板に締結した際の締結具の軸力を向上させ、締結具を容易に締結する。
【解決手段】発泡樹脂積層金属板の構造体102は、発泡樹脂が一対の金属板12の間に配置されて発泡樹脂層11が形成された発泡樹脂積層金属板10と、一対の金属板12の両面に設けられた凹部14と、凹部14を貫通して形成されたパイロット孔13と、貫通孔21のあいた一対の当て板20と、を備える。凹部14において、発泡樹脂が存在しないかあるいは溶融した発泡樹脂が薄い層の状態で存在する溶融排除領域15を設けて一対の金属板12が当接され、凹部14のパイロット孔13と重なる位置に、貫通孔21のあいた一対の当て板20が配置される。当て板20には締結具としてリベット30が固定される。
【選択図】図2

Description

本発明は、対向する一対の金属板の間に熱可塑性樹脂発泡材を挟み込んだ発泡樹脂積層金属板の構造体及びその製造方法、並びに、発泡樹脂積層金属板の構造体の継手及びその製造方法に関する。
アルミニウムなどからなる一対の金属板を対向させ、その間にPPやPEなどの熱可塑性樹脂発泡材を挟み込んだ複合パネルは、軽量ながら強度や耐熱性に優れており、これを所望の形状に成形加工した複合パネル成形体が建築部材や機械部材などとして広く利用されている。
このような複合パネル成形体を被固定部材上に取り付けようとするとき、一般的なパネル成形体のように、成形体の厚さ方向に貫通する貫通孔を設けて被固定部材との間でボルト締めをしようとしても、熱可塑性樹脂発泡材が軟質材料であるため、締め付け部において金属板がたわんでしまい、締め付け軸力を十分に得ることができない。そこで、締め付け軸方向の熱可塑性樹脂発泡材を取り除いた上で、一対の金属板のうちの一方と被固定部材との間をボルト締めしてパネル成形体を被固定部材上に固定する技術が開発されている。
例えば、特許文献1には、樹脂を取り除くようにして座繰り穴を設けて、一対の金属板のうちの一方と被固定部材との間をボルト締めする複合パネル成形体の固定構造が開示されている。特許文献1に示す技術では、複合パネルの一対の金属板を貫通する貫通孔を設けるとともに、一対の金属板のうちの一方から熱可塑性樹脂に達する座繰り穴を設けて樹脂を取り除き、該座繰り穴から貫通孔にボルトを入れて、一対の金属板のうちの他方と被固定部材との間をボルト締めするものである。
また、特許文献2には、締結具を用いた複合パネル成形体の固定構造が開示されている。特許文献2に示す技術では、複合パネルの一対の金属板を貫通する貫通孔を設けるとともに、この貫通孔に一対の金属板のうちの一方の表側からフランジを端部に有する管状の締結具を挿入する。一端部のフランジが該金属板の表側に当接した状態で、他端部から該締結具を軸線方向に圧縮せしめると、フランジ近傍の軸部が径方向に拡がるように塑性変形し、該金属板がフランジと塑性変形部との間に挟み込まれるようにして締結具と該金属板が固着される。この締結具をさらに被固定部材にボルトなどで固定することで、締結具を介して複合パネル成形体を被固定部材上に固定できるものである。
また、特許文献3には、締結具(締結具としての被固定部材上に設けられた締結部)を用いた複合パネル成形体の固定構造が開示されている。特許文献3に示す技術では、一対の金属板の両方と締結具(ボルトとナット)8とを固着させている。詳細には、複合パネルの一対の金属板を貫通する貫通孔を設けるとともに、この貫通孔に一対の金属板のうちの一方の表側からつば部を端部に有する管状の締結具を挿入する。被固定部材につば部を該金属板の表側に当接させた状態で、管状の締結具の内部につば部側からボルトを挿通しナットを締め込む。これにより締結具のつば部と反対側の端部にもフランジが形成される。更に、ナットを締め込むと、締結具の胴部が一対の金属板の間で径方向に拡がるように「樽型」に塑性変形する。かかる樽型変形部の側端部が一対の金属板にそれぞれに当接し、締結具のつば部及びフランジとの間で一対の金属板のそれぞれを挟み込み、締結具と一対の金属板が固着せしめられるものである。
特開2007−130772号公報 特開2007−176018号公報 特開2011−133088号公報
しかしながら、特許文献1〜3に示す技術では、締結時の軸力の低下が改善され、締結具の緩みが抑えられたものの、複合パネルに形成した貫通孔に締結具を締め込み、締結具は複合パネルに締結されている為、締結時の軸力が十分にとれず、多少の緩みが生じてしまう問題点があった。また、特許文献1〜3等従来から用いられる締結具は、ボルトナットによる締結構造のため、締結箇所が増えてくると、孔の数だけ、ねじ及びボルトのセッティング並びに締め付け作業が必要となり、工数が増加するという問題があった。
そこで、本発明が解決しようとする課題は、締結が難しい発泡樹脂積層金属板において、締結具を発泡樹脂積層金属板に締結した時の軸力が十分にとれると共に、容易に締結具を締結することができる発泡樹脂積層金属板の構造体及びその製造方法、並びに、発泡樹脂積層金属板の構造体の継手及びその製造方法を提供することである。
本発明に係る発泡樹脂積層金属板の構造体は、発泡樹脂が一対の金属板の間に配置されて発泡樹脂層が形成された発泡樹脂積層金属板の構造体であって、一対の金属板の片面又は両面に設けられた凹部と、前記凹部を貫通して形成されたパイロット孔と、を備え、前記凹部において、前記発泡樹脂が存在しないかあるいは溶融した前記発泡樹脂が薄い層の状態で存在する溶融排除領域を設けて前記一対の金属板が当接され、前記凹部の前記パイロット孔と重なる位置に、貫通孔のあいた一つまたは一対の当て板が配置されていることを特徴とする。
ここで、本発明に係る発泡樹脂積層金属板の構造体は、前記当て板に締結具が固定されて良い。
これによると、発泡樹脂積層金属板の構造体は、一対の金属板の片面又は両面に凹部を形成し、凹部において、発泡樹脂が存在しないかあるいは溶融した発泡樹脂が薄い層の状態で存在する溶融排除領域が形成され、一対の金属板同士が当接して略密着した状態となっている。そのため、発泡樹脂層が柔軟なため、締結具の軸力が十分とれず、締結が難しかった発泡樹脂積層金属板において、一対の金属板同士を略密着させた凹部に配置された当て板に対して締結具を締結することにより、締結具を発泡樹脂積層金属板に締結する時に、高い軸力を得ることができる。また、一対の金属板の凹部に配置された当て板に対して締結具を締結する構造であるため、一対の金属板が薄い場合であっても、締結具の締結時の軸力を確保するための面積確保が可能となる。尚、溶融排除領域では、溶融した発泡樹脂が完全に排除することが望ましいが、極薄い溶融層(発泡樹脂が溶融後に固化してできた層)として一部薄く残っていても差し支えない。ごく薄い溶融層では、締結具の締結後の軸力の低下が生じないからである。
本発明に係る発泡樹脂積層金属板の構造体の製造方法は、一対の金属板の間に、加熱により所定の発泡温度に達することで発泡する未発泡状態の発泡樹脂を発泡樹脂層として配置し、前記発泡樹脂層を所定の発泡温度で発泡させて発泡樹脂積層金属板を形成し、前記一対の金属板を貫通するようにパイロット孔を形成し、前記パイロット孔に貫通孔を対向して配置させた一つまたは一対の当て板を、前記一対の金属板が互いに当接するまで加熱しながら押し当て、前記パイロット孔及び前記貫通孔から前記発泡樹脂を排除して、前記一対の金属板の片面又は両面に凹部と当該凹部に前記発泡樹脂が存在しないかあるいは溶融した前記発泡樹脂が薄い層の状態で存在する溶融排除領域とを形成することを特徴とする。
また、本発明に係る発泡樹脂積層金属板の構造体の製造方法は、一対の金属板の間に、加熱により所定の発泡温度に達することで発泡する未発泡状態の発泡樹脂を発泡樹脂層として配置し、前記発泡樹脂層を所定の発泡温度で発泡させて発泡樹脂積層金属板を形成し、前記一対の金属板を貫通するようにパイロット孔を形成し、前記パイロット孔に貫通孔を対向して配置させた一つまたは一対の当て板を、前記一対の金属板が互いに当接するまで加熱しながら押し当て、前記パイロット孔及び前記貫通孔から前記発泡樹脂を排除して、前記一対の金属板の片面又は両面に凹部と当該凹部に前記発泡樹脂が存在しないかあるいは溶融した前記発泡樹脂が薄い層の状態で存在する溶融排除領域とを形成し、前記当て板に締結具を固定することを特徴とする。
これによると、発泡樹脂積層金属板に対して、当て板を一対の金属板が互いに当接するまで加熱しながら押し当ることにより、一対の金属板の片面又は両面に凹部を形成し、溶融された発泡樹脂がパイロット孔及び貫通孔から排除されることで、凹部に発泡樹脂が存在しないかあるいは溶融した発泡樹脂が薄い層の状態で存在する溶融排除領域が形成され、一対の金属板同士が当接して略密着した状態となって、発泡樹脂積層金属板の構造体が製造される。そして、一対の金属板同士を当接させて略密着させた凹部に配置された当て板に対して締結具を締結している。そのため、発泡樹脂層が柔軟なため、締結具の軸力が十分とれず、締結が難しかった発泡樹脂積層金属板において、一対の金属板の凹部に配置された当て板に対して締結具を締結しているため、締結具を発泡樹脂積層金属板に締結する時に、高い軸力を得ることができる。また、一対の金属板の凹部に配置された当て板に対して締結具を締結する構造であるため、一対の金属板が薄い場合であっても、締結具の締結時の軸力を確保するための面積確保が可能となる。尚、溶融排除領域では、溶融した発泡樹脂が完全に排除することが望ましいが、極薄い溶融層(発泡樹脂が溶融後に固化してできた層)として一部薄く残っていても差し支えない。ごく薄い溶融層では、締結具の締結後の軸力の低下が生じないからである。
また、本発明に係る発泡樹脂積層金属板の構造体は、前記締結具が、ボルト、ナット、かしめ締結ボルト、クリップ付きスタッドボルト、ピアスナット、又は、リベットであって良い。
そして、本発明に係る発泡樹脂積層金属板の構造体の製造方法は、前記締結具が、ボルト、ナット、かしめ締結ボルト、クリップ付きスタッドボルト、ピアスナット、又は、リベットであって良い。
これによると、一対の金属板の凹部に配置された当て板に対して締結具を締結する構造であるため、締結具の締結時の軸力を確保するための面積が十分に確保されているため、様々な種類の締結具を容易に締結することができる。また、ピアスナットやリベットは、打ち込むだけで締結が可能であるため、締結箇所が増えても締結具の締結を容易に行うことができる。
更に、本発明に係る発泡樹脂積層金属板の構造体の継手は、前記リベットが鋼材からなる本発明に係る発泡樹脂積層金属板の構造体と、鋼材からなる被締結部材とを、前記リベットの端部においてスポット溶接により締結することを特徴とする。
本発明に係る発泡樹脂積層金属板の構造体の継手の製造方法は、前記リベットが鋼材からなり、本発明に係る発泡樹脂積層金属板の構造体の製造方法で製造された発泡樹脂積層金属板の構造体と、鋼材からなる被締結部材とを、前記リベットの端部においてスポット溶接により締結することを特徴とする。
これによると、締結具であるリベットと被締結部材とが鋼材から形成されており、スポット溶接により、リベットの端部と被締結部材とを締結することができるため、発泡樹脂積層金属板の金属板がどのような材料で形成されていても、リベットを介して、発泡樹脂積層金属板と被締結部材とを締結した発泡樹脂積層金属板の構造体の継手を製造することができる。
本発明の発泡樹脂積層金属板の構造体及びその製造方法、並びに、発泡樹脂積層金属板の構造体の継手及びその製造方法では、締結が難しい発泡樹脂積層金属板において、締結具を発泡樹脂積層金属板に締結した時の軸力が十分にとれると共に、容易に締結具を締結することが可能になる。
第一の実施形態に係る発泡樹脂積層金属板の構造体を示す断面図である。 第二の実施形態に係る発泡樹脂積層金属板の構造体を示す断面図である。 第一の実施形態及び第二の実施形態に係る発泡樹脂積層金属板の構造体の製造方法の工程の手順を示す断面図である。 第三の実施形態に係る発泡樹脂積層金属板の構造体を示す断面図である。 第四の実施形態に係る発泡樹脂積層金属板の構造体を示す断面図である。 第三の実施形態及び第四の実施形態に係る発泡樹脂積層金属板の構造体に用いる当て板を示す斜視図である。 第三の実施形態及び第四の実施形態に係る発泡樹脂積層金属板の構造体の製造方法の工程の手順を示す断面図である。 第四の実施形態に係る発泡樹脂積層金属板の構造体の変形例を示す断面図である。 本実施形態に係る発泡樹脂積層金属板の構造体の継手の製造方法の工程の手順を示す断面図である。 本実施形態に係る発泡樹脂積層金属板の構造体の継手を示す断面図である。 当て板に締結具としてかしめ締結ボルトを固定した場合の第二の実施形態に係る発泡樹脂積層金属板の構造体の変形例を示す断面図である。 当て板に締結具としてピアスナットを固定した場合の第二の実施形態に係る発泡樹脂積層金属板の構造体の変形例を示す断面図である。 当て板に締結具としてボルトを固定した場合の第二の実施形態に係る発泡樹脂積層金属板の構造体の変形例を示す断面図である。 当て板に締結具としてナットを固定した場合の第二の実施形態に係る発泡樹脂積層金属板の構造体の変形例を示す断面図である。 当て板に締結具としてクリップ付きスタッドボルトを固定した場合の第二の実施形態に係る発泡樹脂積層金属板の構造体の変形例を示す断面図である。
以下、図面を参照しつつ、本発明に係る発泡樹脂積層金属板の構造体及びその製造方法、並びに、発泡樹脂積層金属板の構造体の継手及びその製造方法を実施するための形態について、具体的な一例に即して説明する。尚、以下に説明するものは、例示したものにすぎず、本発明に係る発泡樹脂積層金属板の構造体及びその製造方法、並びに、発泡樹脂積層金属板の構造体の継手及びその製造方法の適用限界を示すものではない。すなわち、本発明に係る発泡樹脂積層金属板の構造体及びその製造方法、並びに、発泡樹脂積層金属板の構造体の継手及びその製造方法は、下記の実施形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載した限りにおいてさまざまな変更が可能なものである。
[第一の実施形態に係る発泡樹脂積層金属板の構造体]
第一の実施形態に係る発泡樹脂積層金属板の構造体について、図1に基づいて説明する。図1は、第一の実施形態に係る発泡樹脂積層金属板の構造体を示す断面図である。
図1に示すように、発泡樹脂積層金属板の構造体101は、発泡樹脂が一対の金属板12の間に配置されて発泡樹脂層11が形成された発泡樹脂積層金属板10と、一対の金属板12の両面に設けられた凹部14と、凹部14を貫通して形成されたパイロット孔13と、貫通孔21のあいた一対の当て板20と、を備えている。
ここで、一対の金属板12は、例えば、鋼板、アルミ合金板、工業用プラスチックまたはそれらの積層板などで形成される。また、一対の金属板12と発泡樹脂層11とは、接着剤により接着されてもよいし、加熱・加圧することで熱融着されても良い。発泡樹脂積層金属板10は、発泡樹脂層11を所定の発泡温度で発泡させて形成される。
パイロット孔13は、ドリルなどの貫通孔加工工具により、一対の金属板12及び発泡樹脂層11を貫通するように、例えば円形状に形成される。尚、パイロット孔13は、一対の金属板12及び発泡樹脂層11の双方を貫通していなくても良く、一対の金属板12の少なくとも一方が発泡樹脂層11まで貫通するように設けられれば良い。
また、一対の金属板12は、凹部14において互いに当接している。そして、凹部14において、発泡樹脂層11は、発泡樹脂が存在しないかあるいは溶融した発泡樹脂が薄い層の状態で存在する溶融排除領域15を設けている。ここで、溶融排除領域15では、溶融した発泡樹脂が完全に排除することが望ましいが、極薄い溶融層(発泡樹脂が溶融後に固化してできた層)として一部薄く残っていても差し支えない。ごく薄い溶融層では、締結具の締結後の軸力の低下が生じないからである。
また、凹部14は、一対の金属板12の両面に設けられるのに限らず、一対の金属板12の片面に設けられてもう一方の面は平面であっても良い。
一対の当て板20は、貫通孔21が凹部14のパイロット孔13と重なる位置に配置されている。即ち、パイロット孔13と貫通孔21とが同軸となるように配置される。尚、当て板20は一対でなくてもよく、一つだけであっても良い。当て板20が一つの場合は、パイロット孔13と貫通孔21とが同軸となるように、一つの当て板20が凹部14の片面に配置される。また、凹部14が一対の金属板12の片面のみに設けられ、当て板20が一つである場合は、当て板20は必ず一対の金属板12の片面のみに設けられる凹部14に配置される。
ここで、一対の当て板20は、例えば、鋼板、アルミ合金板、工業用プラスチックまたはそれらの積層板などで、例えば、円形状の平板として形成される。また、貫通孔21は、ドリルなどの貫通孔加工工具により当て板20に予め貫通するように形成される。また、貫通孔21は、パイロット孔13とほぼ同じかそれ以上の大きさで形成されることが好ましい。
一対の当て板20と一対の金属板12の凹部14とが接触する面には、それぞれ、予め、図示しない熱硬化性樹脂層と加熱により熱硬化性樹脂層と一体となる粘着層が形成されて良い(図示せず)。これにより、一対の当て板20と凹部14とが、加熱されて硬化して一体となり、一対の当て板20と凹部14とが強力に接合される。
[第二の実施形態に係る発泡樹脂積層金属板の構造体]
次に、第一の実施形態に係る発泡樹脂積層金属板の構造体について、図2に基づいて説明する。図2は、第二の実施形態に係る発泡樹脂積層金属板の構造体を示す断面図である。尚、図1に示す第一の実施形態に係る発泡樹脂積層金属板の構造体と同じ部材については、同じ符号を付してその説明を省略する。
図2に示すように、第二の実施形態に係る発泡樹脂積層金属板の構造体102は、図1に示す第一の実施形態に係る発泡樹脂積層金属板の構造体101の一対の当て板20の貫通孔21に対し、一対の当て板20及び凹部14を板厚方向に貫通するように、締結具であるフランジを有する鋼材のリベット30を固定して構成される。
ここで、リベット30の一対の当て板20と対向する面の断面は、パイロット孔13及び貫通孔21と同じかパイロット孔13及び貫通孔21よりも大きく形成される。また、リベット30のパイロット孔13及び貫通孔21と対向する軸部の径は、パイロット孔13及び貫通孔21よりも大きい径となるように形成される。リベット30は、一対の当て板20の貫通孔21に対して打ち込み、一対の当て板20及び凹部14を板厚方向に貫通して、リベット30がかしめ締結される。締結具として用いるリベット30は、例えば、特開2009−285678号公報に示すリベットを適用することができる。
また、締結具は、リベット30の他、かしめ締結ボルト、ピアスナット、ボルト、ナット、クリップ付きスタッドボルト等を用いることができる。ここで、締結具として、かしめ締結ボルト、ピアスナット、ボルト、ナット、クリップ付きスタッドボルトを用いた場合の第二の実施形態に係る発泡樹脂積層金属板の構造体の変形例について、図11〜図15に基づいて説明する。図11〜図15は、それぞれ、締結具として、かしめ締結ボルト、ピアスナット、ボルト、ナット、クリップ付きスタッドボルトを固定した場合の第二の実施形態に係る発泡樹脂積層金属板の構造体の変形例を示す断面図である。
締結具としてかしめ締結ボルト31を用いる場合は、図11に示すように、ボルト頭部の裏面に形成された格子状の溝が、当て板20に強固に喰い込まれることにより、当て板20にかしめ締結して固定して、発泡樹脂積層金属板の構造体103を形成する。
また、締結具としてピアスナット32を用いる場合は、図12に示すように、パンチとダイス(図示せず)を用いてピアスナット32を当て板20に取り付ける際に、ダイスの突起部により当て板20をピアスナット32の懐に充填されて強固に固着させることで、当て板20に固定して、発泡樹脂積層金属板の構造体104を形成する。
また、締結具としてボルト33またはナット34を用いる場合は、図13及び図14に示すように、当て板20との接着面に接着剤又は接着シート等を用いることにより、ボルト33またはナット34を当て板20に固定して、発泡樹脂積層金属板の構造体105,106を形成する。
また、締結具としてクリップ付きスタッドボルト35を用いる場合は、図15に示すように、クリップとボルトのヘッド部とで当て板20を挟みこみことにより、クリップ付きスタッドボルト35を当て板20に固定して、発泡樹脂積層金属板の構造体107を形成する。クリップ付きスタッドボルト35は、例えば、特2012−87848号公報に示すスタッドボルトを適用することができる。
尚、必要であれば、締結具を取り付ける際、締結具の種類に応じて、一対の当て板20の貫通孔21及び凹部14のパイロット孔13に対して加工を行う。また、上記締結具は例示に過ぎず、本発明に適用できる締結具は、リベット、かしめ締結ボルト、ピアスナット、ボルト、ナット、クリップ付きスタッドボルトに限定されない。
[第一の実施形態及び第二の実施形態に係る発泡樹脂積層金属板の構造体の製造方法]
次に、図3に基づいて、第一の実施形態及び第二の実施形態に係る発泡樹脂積層金属板の構造体の製造方法について説明する。図3は、第一の実施形態及び第二の実施形態に係る発泡樹脂積層金属板の構造体の製造方法の工程の手順を示す断面図である。尚、図1に示す第一の実施形態に係る発泡樹脂積層金属板の構造体及び図2に示す第二の実施形態に係る発泡樹脂積層金属板の構造体と同じ部材については、同じ符号を付してその説明を省略する。
図3(a)に示すように、一対の金属板12の間に、未発泡状態の発泡樹脂を発泡樹脂層11として、一対の金属板12と一体に配置する。そして、発泡樹脂層11を所定の発泡温度で発泡させ、発泡樹脂積層金属板10を形成する。
次に、図3(b)に示すように、発泡樹脂積層金属板10に、一対の金属板12及び発泡樹脂層11を貫通する円形状のパイロット孔13を、ドリルなどの貫通孔加工工具により形成する。
次に、図3(c)に示すように、パイロット孔13とほぼ同じかそれ以上の大きさの円形状で形成された貫通孔21を有する一対の当て板20を、一対の金属板12のパイロット孔13に貫通孔21を対向させて、一対の金属板12の両面に配置する。即ち、パイロット孔13と貫通孔21とが同軸となるように、一対の当て板20が発泡樹脂積層金属板10の両面に配置される。
また、一対の当て板20の一対の金属板12と接触する面には、予め、図示しない熱硬化性樹脂層が形成される。そして、一対の金属板12の一対の当て板20と接触する面には、予め、加熱により熱硬化性樹脂層と一体となる粘着層が形成される(図示せず)。
次に、図3(d)に示すように、一対の金属板12が互いに当接するまで、一対の当て板20を加熱しながら挟み込むように押し当て、一対の金属板12に凹部14を形成するとともに、パイロット孔13及び貫通孔21から溶融された発泡樹脂を排除して、発泡樹脂が存在しないかあるいは溶融した発泡樹脂が薄い層の状態で存在する溶融排除領域15を形成する。
ここで、一対の金属板12の凹部14と一対の当て板20の接触面には、一対の当て板20に設けられた熱硬化性樹脂層と、一対の金属板12に設けられた粘着層とが加熱により硬化して一体となり、一対の当て板20が一対の金属板12の凹部14に接着する。これにより、一対の当て板20と一対の金属板12の凹部14とが強力に接合されるため、当て板12全体の強度が向上するため、締結具を発泡樹脂積層金属板1に締結する時に、更に高い軸力を得ることができる。
また、貫通孔21は、パイロット孔13と同じかそれ以上の大きさで形成されているため、発泡樹脂層11からパイロット孔13を介して排除される発泡樹脂がパイロット孔13に滞留することを防止することができる。
以上の図3(a)から図3(d)までの工程により、図1に示す第一の実施形態に係る発泡樹脂積層金属板の構造体101が製造される。
更に、図3(d)までの工程で製造された図1に示す第一の実施形態に係る発泡樹脂積層金属板の構造体101において、図3(e)に示すように、一対の当て板20の貫通孔21に対し、一対の当て板20及び凹部14を板厚方向に貫通するように、締結具であるフランジを有する鋼材のリベット30を取り付けて固定する。ここで、リベット30の一対の当て板20と対向する面の断面は、パイロット孔13及び貫通孔21と同じかパイロット孔13及び貫通孔21よりも大きく形成される。
そして、図3(f)に示すように、リベット30は、一対の当て板20の貫通孔21に対して打ち込まれ、一対の当て板20及び凹部14を板厚方向に貫通して、一対の当て板20にかしめ締結される。
以上の図3(d)から図3(f)までの工程により、図2に示す第二の実施形態に係る発泡樹脂積層金属板の構造体102が製造される。
[第三の実施形態に係る発泡樹脂積層金属板の構造体]
ここで、第三の実施形態に係る発泡樹脂積層金属板の構造体について、図4及び図6に基づいて、説明する。図4は、第三の実施形態に係る発泡樹脂積層金属板の構造体を示す断面図である。図6は、第三の実施形態に係る発泡樹脂積層金属板の構造体に用いる当て板を示す斜視図である。尚、図1に示す第一の実施形態に係る発泡樹脂積層金属板の構造体及び第二の実施形態に係る発泡樹脂積層金属板の構造体と同じ部材については、同じ符号を付してその説明を省略する。
図4に示すように、発泡樹脂積層金属板の構造体201は、発泡樹脂が一対の金属板12の間に配置されて発泡樹脂層11が形成された発泡樹脂積層金属板10と、一対の金属板12の両面に設けられた凹部14と、凹部14を貫通して形成されたパイロット孔13と、貫通孔21のあいた一対の当て板24と、を備えている。
ここで、一対の当て板24は、例えば、鋼板、アルミ合金板、工業用プラスチックまたはそれらの積層板などで形成され、図6に示すように、絞り加工等により、平らな底面を有する凹部22と、凹部22を覆うように形成されたフランジ23と、を有するカップ状に形成される。
カップ状の一対の当て板24は、各々の底面が一対の金属板12に対面し、且つ、貫通孔21が凹部14のパイロット孔13と重なる位置に配置されている。即ち、パイロット孔13と貫通孔21とが同軸となるように配置される。尚、当て板24は一対でなくてもよく、一つだけであっても良い。当て板24が一つの場合は、パイロット孔13と貫通孔21とが同軸となるように、一つのカップ状の当て板24が凹部14の片面に配置される。
また、一対の当て板24の凹部22は、一対の金属板12の凹部14と互いに当接した状態で、フランジ23が一対の金属板12に面接触する深さで形成される。
また、一対の当て板24と凹部14が接触する面には、それぞれ、予め、図示しない熱硬化性樹脂層と加熱により熱硬化性樹脂層と一体となる粘着層が形成されて良い(図示せず)。これにより、一対の当て板24と凹部14とが、加熱されて硬化して一体となり、一対の当て板24と凹部14とが強力に接合される。
尚、カップ状の一対の当て板24は、図6に示すように、絞り加工等により、平らな底面を有する凹部22と、凹部22を覆うように形成されたフランジ23と、を有するカップ状に形成されているがそれに限らない。フランジ23が形成されず、平らな底面を有する凹部22を有するカップ状に形成されても良い。
[第四の実施形態に係る発泡樹脂積層金属板の構造体]
次に、第四の実施形態に係る発泡樹脂積層金属板の構造体ついて、図5に基づいて、説明する。図5は、第四の実施形態に係る発泡樹脂積層金属板の構造体を示す断面図である。尚、図4に示す第三の実施形態に係る発泡樹脂積層金属板の構造体と同じ部材については、同じ符号を付してその説明を省略する。
図5に示すように、第四の実施形態に係る発泡樹脂積層金属板の構造体202は、図4に示す第三の実施形態に係る発泡樹脂積層金属板の構造体201の一対の当て板24の貫通孔21に対し、一対の当て板24及び凹部14を板厚方向に貫通するように、締結具であるフランジを有する鋼材のリベット30を取り付けて固定して形成される。
ここで、リベット30の一対の当て板24と対向する面の断面は、パイロット孔13及び貫通孔21と同じかパイロット孔13及び貫通孔21よりも大きく形成される。また、リベット30のパイロット孔13及び貫通孔21と対向する軸部の径は、パイロット孔13及び貫通孔21よりも大きい径となるように形成される。リベット30は、一対の当て板24の貫通孔21に対して打ち込み、一対の当て板24及び凹部14を板厚方向に貫通して、リベットがかしめ締結される。
尚、第三の実施形態及び第四の実施形態に係る発泡樹脂積層金属板の構造体201,202では、カップ状の一対の当て板24の各々の底面が一対の金属板12に対面するように配置されているがそれに限らない。カップ状の一対の当て板24の一方の凹部22の底面側が一対の金属板12に対面し、他方のフランジ23側が一対の金属板12に対面するように配置されても良い。この場合は、第四の実施形態に係る発泡樹脂積層金属板の構造体202の変形例として、図8に示すような発泡樹脂積層金属板の構造体302が製造される。
更に、一対の当て板は、一つがカップ状の当て板24であって、一つが円形状の平板の当て板20であっても良い。かかる場合は、カップ状の一対の当て板24の凹部22の底面側が一方の金属板12に対面し、円形状の平板の当て板20が他方の金属板12に対面するように配置する。
[第三の実施形態及び第四の実施形態に係る発泡樹脂積層金属板の構造体の製造方法]
次に、第三の実施形態及び第四の実施形態に係る発泡樹脂積層金属板の構造体の製造方法について、図7に基づいて、説明する。尚、そして、図4に示す第三実施形態に係る発泡樹脂積層金属板の構造体及び図5に示す第四の実施形態に係る発泡樹脂積層金属板の構造体と同じ部材については、同じ符号を付してその説明を省略する。
図7(a)(b)の工程は、図3に示す第一の実施形態及び第二の実施形態に係る発泡樹脂積層金属板の構造体の製造方法の図3(a)(b)と同じ工程であって、その説明を省略する。
次に、図7(c)に示すように、パイロット孔13とほぼ同じ大きさの円形状で形成された貫通孔21を有する一対の当て板24を、一対の金属板12のパイロット孔13に貫通孔21を対向させて、一対の金属板12の両面に配置する。即ち、パイロット孔13と貫通孔21とが同軸となるように、一対の当て板24が一対の金属板12の両面に配置される。
また、一対の当て板24の一対の金属板12と接触する面には、予め、図示しない熱硬化性樹脂層が形成される。そして、一対の金属板12の一対の当て板20と接触する面には、予め、加熱により熱硬化性樹脂層と一体となる粘着層が形成される(図示せず)。
次に、図7(d)に示すように、フランジ23が一対の金属板12に面接触するまで、一対の当て板24を加熱しながら挟み込むように押し当て、一対の金属板12に凹部14を形成するとともに、パイロット孔13及び貫通孔21から溶融された発泡樹脂を排除して、発泡樹脂が存在しないかあるいは溶融した発泡樹脂が薄い層の状態で存在する溶融排除領域15を形成する。
ここで、一対の金属板12の凹部14と一対の当て板24の接触面には、一対の当て板24に設けられた熱硬化性樹脂層と、一対の金属板12に設けられた粘着層とが加熱により硬化して一体となり、一対の当て板24が一対の金属板12の凹部14に接着する。これにより、一対の当て板24と一対の金属板12の凹部14とが強力に接合されるため、当て板24全体の強度が向上するため、締結具を発泡樹脂積層金属板1に締結する時に、更に高い軸力を得ることができる。
以上の図7(a)から図7(d)までの工程により、図4に示す第三の実施形態に係る発泡樹脂積層金属板の構造体201が製造される。
更に、図7(d)までの工程で製造された図4に示す第三の実施形態に係る発泡樹脂積層金属板の構造体201において、図7(e)に示すように、一対の当て板24の貫通孔21に対し、一対の当て板24及び凹部14を板厚方向に貫通するように、締結具であるフランジを有する鋼材のリベット30を取り付けて固定する。ここで、リベット30の一対の当て板24と対向する面の断面は、パイロット孔13及び貫通孔21と同じかパイロット孔13及び貫通孔21よりも大きく形成される。
そして、図7(f)に示すように、リベット30は、一対の当て板24の貫通孔21に対して打ち込まれ、一対の当て板24及び凹部14を板厚方向に貫通して、一対の当て板24にかしめ締結される。
以上の図7(d)から図7(f)までの工程により、図5に示す第四の実施形態に係る発泡樹脂積層金属板の構造体202が製造される。
[本実施形態に係る発泡樹脂積層金属板の構造体の継手及びその製造方法]
ここで、本実施形態に係る発泡樹脂積層金属板の構造体の継手及びその製造方法ついて、図9及び図10に基づいて、説明する。図9は、本実施形態に係る発泡樹脂積層金属板の構造体の継手の製造方法の工程の手順を示す断面図である。図10は、本実施形態に係る発泡樹脂積層金属板の構造体の継手を示す断面図である。
まず、図10に基づいて、本実施形態に係る発泡樹脂積層金属板の構造体の継手について説明する。
図10に示すように、本実施形態に係る発泡樹脂積層金属板の構造体の継手40は、上述の当て板に締結具としてリベット30を固定した状態の第二の実施形態に係る発泡樹脂積層金属板の構造体102と、被締結部材である鋼板41と、を備えている。
ここで、リベット30及び鋼材41は鋼材からなる。そして、リベット30及び鋼板41は、リベット30の端部においてスポット溶接により溶接ナゲット43が形成されて締結されている。
次に、図9に基づいて、本実施形態に係る発泡樹脂積層金属板の構造体の継手40の製造方法について説明する。
図9(a)に示すように、上述の第二の実施形態に係る発泡樹脂積層金属板の構造体の製造方法により製造された発泡樹脂積層金属板の構造体102(図3参照)と被締結部材である鋼板41とを、鋼材のリベット30の位置にて重ね合わせ、鋼板41の側(図9(a)の上面側)と、リベット30側(図9(a)の下面側)の各々を、スポット溶接電極42で挟持して、加圧する。そして、スポット溶接電極42同士を、鋼材のリベット30を介して通電する。
図9(b)に示すように、スポット溶接電極42同士を、鋼材のリベット30を介して通電することによって、リベット30と鋼板41との界面範囲において溶接ナゲット43が形成される。以上により、図9(b)及び図10に示すように、発泡樹脂積層金属板の構造体102の当て板20に固定されたリベット30の端部と、鋼板41と、がスポット溶接により溶接ナゲット32で締結されて、本実施形態に係る発泡樹脂積層金属板の構造体の継手40が製造される。
このように、第一〜第四の実施形態に係る発泡樹脂積層金属板の構造体101〜107,201,202,302によれば、発泡樹脂積層金属板10に対して、一対の金属板12の両面に凹部14を形成し、凹部14において、発泡樹脂が存在しないかあるいは溶融した発泡樹脂が薄い層の状態で存在する溶融排除領域15が形成され、一対の金属板12同士が当接して略密着した状態となっている。そのため、発泡樹脂層11が柔軟なため、締結具の軸力が十分とれず、締結が難しかった発泡樹脂積層金属板10において、一対の金属板12同士を略密着させた凹部14に配置された当て板20,24に対して締結具を締結することにより、締結具を発泡樹脂積層金属板10に締結する時に、高い軸力を得ることができる。また、一対の金属板12の凹部15に配置された当て板20,24に対して締結具を締結する構造であるため、一対の金属板12が薄い場合であっても、締結具の締結時の軸力を確保するための面積確保が可能となる。
また、第一〜第四の実施形態に係る発泡樹脂積層金属板の構造体の製造方法によれば、当て板20,24を一対の金属板12が互いに当接するまで加熱しながら押し当ることにより、一対の金属板12の両面に凹部14を形成し、溶融された発泡樹脂がパイロット孔13及び貫通孔21から排除されることで、凹部14に発泡樹脂が存在しないかあるいは溶融した発泡樹脂が薄い層の状態で存在する溶融排除領域15が形成され、一対の金属板同士12が略密着した状態となって、発泡樹脂積層金属板の構造体が製造される。そして、一対の金属板12同士を略密着させた凹部14に配置された当て板20,24に対して締結具であるリベット30を締結している。そのため、発泡樹脂層11が柔軟なため、締結具の軸力が十分とれず、締結が難しかった発泡樹脂積層金属板10において、一対の金属板12同士を当接させてが略密着させた当て板20,24に対してリベット30を締結しているため、締結具を発泡樹脂積層金属板10に締結する時に、高い軸力を得ることができる。また、一対の金属板12の凹部15に配置された当て板20,24に対して締結具を締結する構造であるため、一対の金属板12が薄い場合であっても、締結具の締結時の軸力を確保するための面積確保が可能となる。
また、第一〜第四の実施形態に係る発泡樹脂積層金属板の構造体及びその製造方法によれば、発泡樹脂積層金属板10の一対の金属板12の当て板20,24と接触する面には、予め、加熱により熱硬化性樹脂層と一体となる粘着層が形成されることより、当て板20,24を加熱しながら押し当ててパイロット孔13及び貫通孔21から発泡樹脂を排除して、一対の金属板12に凹部14と発泡樹脂層11に溶融排除領域15とを形成させる際に、当て板20,24と凹部14との接触面の粘着層と熱硬化性樹脂層とが同時に加熱されて硬化して一体となり、当て板20,24と凹部14とが強力に接合されるため、当て板20,24全体の強度が向上する。そのため、発泡樹脂積層金属板10に締結具を締結する時に、更に高い軸力を得ることができる。
更に、第一〜第四の実施形態に係る発泡樹脂積層金属板の構造体及びその製造方法によれば、一対の金属板12の凹部14に配置された当て板20,24に対して締結具を締結する構造であるため、締結具の締結時の軸力を確保するための面積が十分に確保されているため、リベット30、かしめ締結ボルト31、ピアスナット32、ボルト33、ナット34、クリップ付きスタッドボルト35等、様々な種類の締結具を容易に締結することができる。また、締結具としてリベット30、かしめ締結ボルト31、ピアスナット32を用いた場合、打ち込むだけで締結が可能であるため、締結箇所が増えても締結具の締結を容易に行うことができる。
また、第三及び第四の実施形態に係る発泡樹脂積層金属板の構造体及びその製造方法によれば、当て板24をカップ状に形成し、一対の金属板に設けられた凹部14と溶融排除領域15とを凹部22に沿った形状とすることにより、当て板24が局部的な曲げ荷重にも耐えられる構造となり、締結具であるリベット30の強度が向上する。
また、本実施形態に係る発泡樹脂積層金属板の構造体の継手及びその製造方法によれば、締結具であるリベット30と被締結部材である鋼板41とが鋼材から形成されており、スポット溶接により、リベット30の端部と鋼板41とを締結することができるため、発泡樹脂積層金属板10の一対の金属板12がどのような材料で形成されていても、リベット30を介して、発泡樹脂積層金属板10と被締結部材である鋼板41とを締結した発泡樹脂積層金属板の構造体の継手40を製造することができる。
以上、本発明の好適な実施の形態について説明したが、本発明は、前記実施の形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載した限りにおいてさまざまな変更が可能なものである。
上述の第一〜第四の実施形態に係る発泡樹脂積層金属板の構造体とその製造方法では、一対の当て板20,24の発泡樹脂積層金属板10と接触する面には、予め、図示しない熱硬化性樹脂層が形成され、発泡樹脂積層金属板10の一対の金属板12の一対の当て板20,24と接触する面には、予め、加熱により熱硬化性樹脂層と一体となる粘着層が形成されるがそれに限らない。例えば、当て板20,24の一対の金属板12と接触する面の表面に、予め、粘着層を有する樹脂シートが装着されていても良い。これによると、当て板20,24を加熱しながら押し当ててパイロット孔13及び貫通孔21から発泡樹脂を排除して、凹部14と溶融排除領域15とを形成させる際に、当て板20,24と一対の金属板12との接触面の表面に装着された粘着層を有する樹脂シートも同時に加熱されて圧力がかかり、当て板20,24と一対の金属板12とが接着するため、当て板20,24が一対の金属板12と接着した領域に対して締結具を締結することになり、より高い軸力を得ることができる。
10 発泡樹脂積層金属板
11 発泡樹脂層
12 一対の金属板
13 パイロット孔
14 凹部
15 溶融排除領域
20 当て板
21 貫通孔
22 凹部
23 フランジ
24 当て板
30 リベット(締結具)
31 かしめ締結ボルト(締結具)
32 ピアスナット(締結具)
33 ボルト(締結具)
34 ナット(締結具)
35 クリップ付きスタッドボルト(締結具)
40 発泡樹脂積層金属板の構造体の継手
41 鋼板(被締結部材)
101,102,103,104,105,106,107,201,202,302 発泡樹脂積層金属板の構造体

Claims (8)

  1. 発泡樹脂が一対の金属板の間に配置されて発泡樹脂層が形成された発泡樹脂積層金属板の構造体であって、
    一対の金属板の片面又は両面に設けられた凹部と、
    前記凹部を貫通して形成されたパイロット孔と、を備え、
    前記凹部において、前記発泡樹脂が存在しないかあるいは溶融した前記発泡樹脂が薄い層の状態で存在する溶融排除領域を設けて前記一対の金属板が当接され、
    前記凹部の前記パイロット孔と重なる位置に、貫通孔のあいた一つまたは一対の当て板が配置されていることを特徴とする発泡樹脂積層金属板の構造体。
  2. 前記当て板に締結具が固定されていることを特徴とする請求項1に記載の発泡樹脂積層金属板の構造体。
  3. 前記締結具が、ボルト、ナット、かしめ締結ボルト、クリップ付きスタッドボルト、ピアスナット、又は、リベットであることを特徴とする請求項2に記載の発泡樹脂積層金属板の構造体。
  4. 前記リベットが鋼材からなる請求項3に記載の発泡樹脂積層金属板の構造体と、鋼材からなる被締結部材とを、前記リベットの端部においてスポット溶接により締結することを特徴とする発泡樹脂積層金属板の構造体の継手。
  5. 一対の金属板の間に、加熱により所定の発泡温度に達することで発泡する未発泡状態の発泡樹脂を発泡樹脂層として配置し、
    前記発泡樹脂層を所定の発泡温度で発泡させて発泡樹脂積層金属板を形成し、
    前記一対の金属板を貫通するようにパイロット孔を形成し、
    前記パイロット孔に貫通孔を対向して配置させた一つまたは一対の当て板を、前記一対の金属板が互いに当接するまで加熱しながら押し当て、前記パイロット孔及び前記貫通孔から前記発泡樹脂を排除して、前記一対の金属板の片面又は両面に凹部と当該凹部に前記発泡樹脂が存在しないかあるいは溶融した前記発泡樹脂が薄い層の状態で存在する溶融排除領域とを形成することを特徴とする発泡樹脂積層金属板の構造体の製造方法。
  6. 一対の金属板の間に、加熱により所定の発泡温度に達することで発泡する未発泡状態の発泡樹脂を発泡樹脂層として配置し、
    前記発泡樹脂層を所定の発泡温度で発泡させて発泡樹脂積層金属板を形成し、
    前記一対の金属板を貫通するようにパイロット孔を形成し、
    前記パイロット孔に貫通孔を対向して配置させた一つまたは一対の当て板を、前記一対の金属板が互いに当接するまで加熱しながら押し当て、前記パイロット孔及び前記貫通孔から前記発泡樹脂を排除して、前記一対の金属板の片面又は両面に凹部と当該凹部に前記発泡樹脂が存在しないかあるいは溶融した前記発泡樹脂が薄い層の状態で存在する溶融排除領域とを形成し、
    前記当て板に締結具を固定することを特徴とする発泡樹脂積層金属板の構造体の製造方法。
  7. 前記締結具が、ボルト、ナット、かしめ締結ボルト、クリップ付きスタッドボルト、ピアスナット、又は、リベットであることを特徴とする請求項6に記載の発泡樹脂積層金属板の構造体の製造方法。
  8. 前記リベットが鋼材からなり、請求項7に記載の発泡樹脂積層金属板の構造体の製造方法で製造された発泡樹脂積層金属板の構造体と、鋼材からなる被締結部材とを、前記リベットの端部においてスポット溶接により締結することを特徴とする発泡樹脂積層金属板の構造体の継手の製造方法。
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