JP2014001415A - 光学機能体 - Google Patents

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Abstract

【課題】微細凹凸パタンの凹部内の充填層の剥離がないナノメートルサイズで高アスペクト比の光学機能体、及びこの光学機能体を安価に得ることができる製造方法を提供する。
【解決手段】光学機能体は、凹部B及び凸部Aを有する微細凹凸パタンを有する基材101と、前記凹部の幅よりも小さい粒径を有する粒子103aで構成され、前記凹部を充填するようにして無電解メッキ法で形成された充填層と、を具備する。
【選択図】図3

Description

本発明は、メッキ法を用いて作製した光学機能体及びその製造方法に関する。
特定方向に沿って延在する凹部及び凸部で構成された高アスペクト比の微細凹凸パタンのピッチを可視光波長と同程度、もしくは可視光波長以下にすることにより、多様な光学機能体として作用することが知られ、近年盛んに研究されている。例えば、円錐形状のサブミクロン構造体を2次元方向に配列したモスアイ構造は、光反射防止体として機能する。また、LED表面に、サブミクロン構造体を形成することで、光取り出し効率向上機能が発現する。このようなサブミクロン構造体を安価にかつ効率よく形成する手法としてナノインプリント法がある。このナノインプリント法は、目的の構造体の反転形状を持つナノインプリント用モールドからその形状を光硬化性樹脂に転写して目的の構造体を得る方法である。さらに、基材上に、得られた構造体を配置し、この構造体をマスクとして基材をエッチングして、基材上に直接微細凹凸形状をパターニングする方法がある。
上記のナノインプリントモールドとしては、半導体製造において用いられるステッパー露光法により得られたモールド、石英基板をエッチングすることにより得られたモールド、光干渉露光やエッチングにより作製されたレジストパタンモールドなど、マスタースタンパと呼ばれるモールドがいくつか提案されている。しかしながら、これらは一般的に高価であるため、このマスタースタンパから複製されたスタンパを用いて、目的の構造体を大量に作製するのが一般的である。マスタースタンパからスタンパを複製する方法としては、マスタースタンパから転写された微細凹凸パタンの凹部に、電気メッキなどにより金属を充填してスタンパを作製する手法が知られている。
また、基材上に設けられた高アスペクト比の微細凹凸パタンの凹部に特定の光吸収性材料を充填することにより、光学機能体であるワイヤグリッド偏光子として機能することが見出されている。ワイヤグリッド偏光子は、直線状の金属ワイヤ(細線)をガラスやフィルムなどの基材上に一定方向に規則的に配列した構造を有する偏光子である。ワイヤの太さやワイヤ間隔をナノメートルスケールで制御することで高い偏光性と光透過率性が得られる。例えば、可視波長域において十分な偏光性能を付与したワイヤグリッド偏光子を作製する場合は、ワイヤと空隙を加えた幅(ピッチ)を150nm以下の極微細構造の必要性が知られている。
高アスペクト比の微細凹凸パタンの凹部内に金属を充填させた構造体を得る先行技術として、ビアフィルメッキを適用した高密度配線技術が知られている。これは、微細凹凸パタン上に金属薄膜からなる導通層を形成した後、CuやAgなどの金属を電気メッキにより被着させて配線とする技術である。
しかしながら、この方法をナノメートルサイズの高アスペクト比の微細凹凸パタンに適用する際には、高い密着性の導通層を微細凹凸パタン上に均一に形成する技術が必要となる。例えば、導通層の形成に物理蒸着法や化学蒸着法など(特許文献1)を用いると、高い密着性を有する金属薄膜を形成することが難しく、電気メッキの際に、金属薄膜が微細凹凸パタンから剥離するという課題があった。
また、高アスペクト比の微細凹凸パタンの凹部内に金属を充填させた構造体を得る他の方法として、無電解メッキ法を用いる方法がある。これを適用する際には、微細凹凸パタンの凹部に触媒粒子を付与しなければならず、従来技術では触媒粒子が微細凹凸パタンよりも大きいマイクロメートルサイズのコロイドであること、触媒粒子の微細凹凸パタンへの密着力が弱く金属ワイヤ形成過程で微細粒子が基材表面から剥離・脱落すること、により、適用が困難であるという課題があった。また、一般的な無電解メッキ浴では、金属の生成速度が、基材のいかなる箇所においても均一になる特徴があり、凹部への優先的な充填が困難であるという課題があった。
国際公開第2008/084856号パンフレット
本発明はかかる点に鑑みてなされたものであり、微細凹凸パタンの凹部内の充填層の剥離がないナノメートルサイズで高アスペクト比の光学機能体、及びこの光学機能体を安価に得ることができる製造方法を提供することを目的とする。
本発明の光学機能体は、凹部及び凸部を有する微細凹凸パタンを有する基材と、前記凹部の幅よりも小さい粒径を有する粒子で構成され、前記凹部を充填するように無電解メッキ法で形成された充填層と、を具備することを特徴とする。
本発明の光学機能体においては、前記粒子の平均粒径をRとし、前記微細凹凸パタンのピッチをPとし、前記凹部の底部からの充填高さをH2としたとき、0.01≦R/P≦0.4、P≦150nm、H2/P≧1であることが好ましい。
本発明の光学機能体においては、前記充填層を構成する材料は、Co、Ni、Fe、Cu又はこれらの金属を含有する組成物であることが好ましい。
本発明の光学機能体においては、前記充填層を構成する材料は、Co、Ni、Fe、Cu、P、WもしくはBの組み合わせからなる合金、又はこれら合金を含有する組成物であることが好ましい。
本発明の光学機能体の製造方法は、凹部及び凸部を有する微細凹凸パタンを有する基材を準備する準備工程と、前記凹部の幅よりも小さい粒径を有する粒子を前記凹部に充填するようにして無電解メッキ法により充填層を形成する形成工程と、を具備することを特徴とする。
本発明の光学機能体の製造方法においては、前記形成工程は、前記基材表面に金属ナノ粒子を与える工程と、前記基材に対して無電解メッキ膜を形成するメッキ工程と、を含むことが好ましい。
本発明の光学機能体の製造方法においては、前記メッキ工程において、ポリエチレングリコール、チオ尿素、エチレンチオ尿素、及びサッカリン酸ナトリウムを含有するメッキ浴を用いることが好ましい。
本発明の光学機能体の製造方法においては、前記粒子の平均粒径をRとし、前記微細凹凸パタンのピッチをPとし、前記凹部の底部からの充填高さをH2としたとき、0.01≦R/P≦0.4、P≦150nm、H2/P≧1であることが好ましい。
本発明のワイヤグリッド偏光板は、特定の方向に沿って凹部及び凸部が延在する微細凹凸パタンを有する基材と、前記凹部の幅よりも小さい粒径を有する金属又は金属化合物の粒子で構成され、前記凹部を充填するように形成された金属層と、を具備し、前記凸部の高さをH1とし、前記凹部の底部からの充填高さをH2としたときに、0.3≦H2/H1≦1であることを特徴とする。
本発明によれば、凹部及び凸部を有する微細凹凸パタンを有する基材と、前記凹部の幅よりも小さい粒径を有する粒子で構成され、前記凹部を充填するように無電解メッキ法で形成された充填層と、を具備するので、微細凹凸パタンの凹部内の充填層の剥離がないナノメートルサイズで高アスペクト比の光学機能体を得ることができる。
本発明の実施の形態に係る微細凹凸パタンを説明するための図である。 本発明の実施の形態に係る光学機能体を示す図である。 本発明の実施の形態に係る光学機能体の拡大図である。 本発明の実施の形態に係る光学機能体の微細凹凸パターニング用モールドを示す図である。 本発明の実施の形態に係るワイヤグリッド偏光板を示す図である。 比較例における光学機能体を示す図である。
以下、本発明の実施の形態について添付図面を参照して詳細に説明する。
本発明の光学機能体は、凹部及び凸部を有する微細凹凸パタンを有する基材と、前記凹部の幅よりも小さい粒径を有する粒子で構成され、前記凹部を充填するように無電解メッキ法で形成された充填層と、を具備することを特徴とする。
図1は、本発明の実施の形態に係る微細凹凸パタンを説明するための図である。
図1に示す構造体1は基材101を有する。基材101上には、微細凹凸パタン102aを有するパタン層102が設けられている。パタン層102の微細凹凸パタン102aは、図1において(断面視において)複数の凸部Aが所定の間隔をおいて形成されており、凸部A間に凹部Bが存在している。これにより、凸部Aが周期的に配列された微細凹凸構造となっている。この微細凹凸パタン102aは、ナノメートルサイズで高アスペクト比を有する。図1においては、凸部A及び凹部Bが特定の方向(紙面手前側−奥側)に沿って延在している。図1において、微細凹凸パタン102aのピッチ(凸部A幅+凹部Bの幅)をPで示しており、凸部Aの高さ(凹部Bの底部から凸部Aの頂部までの高さ)をH1で示している。
図1においては、1層の基材101上に微細凹凸パタン102aを有するパタン層102が積層された構造について示しているが、本発明においては、2層以上の基材上に微細凹凸パタン102aを有するパタン層102が積層された構造でも良く、微細凹凸パタンが直接設けられた基材でも良い。本明細書において「凹部及び凸部を有する微細凹凸パタンを有する基材」とは、これらすべての態様を含むものとする。
図1においては、微細凹凸パタン102aが周期的に配列された微細凹凸構造であって、凸部A及び凹部Bが特定の方向(1次元方向)に沿って延在している格子状凹凸構造を示しているが、本発明においては、微細凹凸パタン102aが周期的に配列された微細凹凸構造であって、凸部A及び凹部Bが特定の方向(2次元方向)に沿って延在している凹凸構造であっても良い。
図1においては、凸部Aの断面形状が矩形である場合を示しているが、本発明においては、凸部Aの断面形状に制限はなく、例えば、台形、矩形、方形、三角形、柱形、錐形、プリズム状、半円状などの正弦波形状などであっても良い。
基材101の材料としては、例えば、ガラスなどの無機材料や樹脂材料を用いることができる。樹脂材料としては、ポリメタクリル酸メチル樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリスチレン樹脂、シクロオレフィン樹脂(COP)、架橋ポリエチレン樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂、ポリアクリレート樹脂、ポリフェニレンエーテル樹脂、変性ポリフェニレンエーテル樹脂、ポリエーテルイミド樹脂、ポリエーテルサルフォン樹脂、ポリサルフォン樹脂、ポリエーテルケトン樹脂などの非晶性熱可塑性樹脂;ポリエチレンテレフタレート(PET)樹脂、ポリエチレンナフタレート樹脂、ポリエチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂、ポリブチレンテレフタレート樹脂、芳香族ポリエステル樹脂、ポリアセタール樹脂、ポリアミド樹脂などの結晶性熱可塑性樹脂;アクリル系、エポキシ系、ウレタン系などの紫外線(UV)硬化性樹脂や熱硬化性樹脂が挙げられる。これらの材料で構成された基材に別の材料で構成された基材とを組み合わせて積層体としても良い。例えば、紫外線硬化性樹脂や熱硬化性樹脂で構成された基材と、ガラスなどの無機材料、熱可塑性樹脂、トリアセテート樹脂で構成された基材とを組み合わせて積層体としても良い。
パタン層102を構成する材料としては、微細凹凸パタンを忠実に転写できる樹脂組成物、例えば、アクリル系、エポキシ系、ウレタン系、シリコーン系などの紫外線(UV)硬化性樹脂や熱硬化性樹脂などが挙げられる。紫外線硬化性樹脂や熱硬化性樹脂などの樹脂組成物は、基材101上に塗布した後に、硬化させることで好適に使用することができる。
基材101又はパタン層102に微細凹凸パタンを形成する方法としては、例えば、レジストパタンを利用したドライエッチング及びウエットエッチング法で形成する方法や、ナノインプリント法などが挙げられる。レジストパタンとしては、光硬化性樹脂、X線硬化性樹脂、電子線硬化性樹脂を用いて形成したレジストパタンや、熱リソグラフィなどの手法で形成されたレジストパタンを用いることができる。ナノインプリント法としては、前記パタン層102を、紫外線硬化樹脂や熱硬化樹脂を用いてパターニングする方法や、熱可塑性樹脂基材101をガラス転移付近の温度で加熱した状態で金型に転写し、パターニングする方法などが挙げられる。
図2は、本発明の実施の形態に係る光学機能体を示す図である。
図2に示す光学機能体2は、図1に示す構造体における微細凹凸パタン102aの凹部Bを充填するように形成された充填層である金属層103を有する。すなわち、図2に示す光学機能体2は、基材101と、基材101上に設けられ、微細凹凸パタン102aを有するパタン層102と、微細凹凸パタン102aの凹部Bを充填するように形成された金属層103とから主に構成されている。
金属層103は、凹部Bの幅よりも小さい粒径を有する粒子で構成されている。特に、図3に示すように、粒子103aの平均粒径をRとし、微細凹凸パタン102aのピッチをPとし、凹部Bの底部からの充填高さ(金属層103の高さ)をH2としたとき、0.01≦R/P≦0.4であり、P≦150nmであり、H2/P≧1であることが好ましい。平均粒径がこの範囲であれば、このような関係を満足することにより、微細凹凸パタン102aの凹部Bに粒子が完全に充填される。なお、この金属層103は、ワイヤグリッド偏光板においては、金属ワイヤとして機能する。また、ピッチと高さがこの範囲であれば、狭ピッチかつ十分なアスペクト比を有するナノインプリント用金型として用いることができ、ワイヤグリッド偏光板として十分な偏光分離能を発現させることができる。
金属層103を構成する金属としては、Co、Ni、Fe、Cu又はこれらの金属を主成分とするもしくはこれらの金属を含有する組成物や、Co、Ni、Fe、Cu、P、W、Bの組み合わせからなる合金もしくはこれら合金を含有する組成物を挙げることができる。このように、金属又は金属化合物の結晶粒子で形成された金属層を、金属ワイヤとして光学機能体(ワイヤグリッド偏光板)に用いると可視の領域での偏光反射率を低下させ、特定の光学装置の中で使用した場合、反射により生じる迷光を抑制することが出来る。
金属層103は、微細凹凸パタン102aの凹部Bのみに形成されても良く、また、凹部Bが完全に充填され、さらに凸部Aの上方に形成されても良い。
本発明の光学機能体の製造方法は、凹部B及び凸部Aを有する微細凹凸パタン102aを有する基材102を準備し、凹部Bの幅よりも小さい粒径を有する粒子103aを凹部Bに充填するようにして無電解メッキ法により充填層(図2においては金属層103)を形成することを特徴とする。
充填層を形成する工程は、基材101の表面に金属ナノ粒子を与える工程と、基材101に対して無電解メッキ膜を形成するメッキ工程と、を含む。すなわち、まず基材101の表面に金属ナノ粒子を付与しておき、その金属ナノ粒子を導電層として用いて導電層上に無電解メッキを行う。
金属ナノ粒子を与える工程において、基材101の表面に付与する金属ナノ粒子としては、Pd,Sn,Au,Pt,Cuなどを挙げることができる。また、金属ナノ粒子の粒径としては、凹部Bの幅にも起因するが、1nm〜10nm程度であることが望ましい。実際に基材101の表面に金属ナノ粒子を付与する際には、Snの塩化物、硫化物又は硝化物0.0001〜0.002モル/リットル、塩酸0.0002〜0.01モル/リットルの濃度で含有する溶液と、Pdの塩化物又は硫化物0.0001〜0.001モル/リットル、塩酸0.001〜0.05モル/リットルの濃度で含有する溶液とを用いる。この混合溶液に基材101を浸漬することにより基材101の表面に金属ナノ粒子を与えることができる。
無電解メッキを行う際のメッキ浴には、ポリエチレングリコール(PEG)、チオ尿素(TU)、エチレンチオ尿素(ETU)、及びサッカリン酸ナトリウムを含有する。メッキ浴にこのような化合物を添加することにより、メッキ液に含まれる還元剤の化学反応が、微細凹凸パタンの凸部で局部的に抑制される。これにより、微細凹凸パタンの凸部に形成される金属層の不要部の厚さが薄くなる。また、化学反応の副反応として基材の表面に生じる気泡の離脱を促進することで、金属層を構成する結晶の粒径が小さくなる。
無電解メッキ浴の組成は、例えば、0.1〜1.0モル/リットルのコハク酸ナトリウム、0.1〜1.0モル/リットルのDL−りんご酸、0.1〜1.0モル/リットルCo,Ni,Fe,Cuの塩化物、硫化物、又はスルファミン酸化物、0.1〜1.0モル/リットルのホスフィン酸ナトリウム、0.1〜1.0モル/リットルのタングステン酸ナトリウム、0.1〜1.0モル/リットルのホウ酸ナトリウム、1.0〜1000ppmのポリエチレングリコール(PEG)(添加剤)を含有する。なお、無電解メッキ浴の組成については、これに限定されず、適宜変更することができる。
例えば、無電解メッキ法により金属層103を形成する場合、pH4〜9、323〜358Kの無電解めっき浴に、金属ナノ粒子を与えた基材を浸漬する。これにより、基材上に形成された金属ナノ粒子と無電解メッキ液に含まれる還元剤との化学反応により、基材表面に金属層103が形成される。このようにして形成された金属層を金属ワイヤとするワイヤグリッド偏光板は、偏光反射率を低下させる効果を奏する。
このように、特定の添加剤を加えた無電解メッキにより、析出物の結晶成長を抑制して、高アスペクト比を有する微細凹凸パタンの凹部に目的物を充填させることができる。したがって、本発明によれば、微細凹凸パタンの凹部内の充填層の剥離がないナノメートルサイズで高アスペクト比の光学機能体を得ることができる。
上述したような光学機能体を用いて微細凹凸パタンを転写するためのモールドを作製することができる。図4は、本発明の実施の形態に係る光学機能体の微細凹凸パターニング用モールドを示す図である。まず、図4Aに示すように、微細凹凸パタン102aの凸部Aを完全に覆うように金属層103を形成する。次いで、Ni電鋳法などにより金属層103上にスタンパ金属層104を形成する。その後、光学機能体を剥離して除去することにより、図4Bに示すような、微細凹凸パタンの凸部に対応する空隙103dを有する微細凹凸パターニング用モールドを作製することができる。
上記光学機能体は、金属層を金属ワイヤとして用いることにより低反射吸収型のワイヤグリッド偏光板として用いることができる。図5は、本発明の実施の形態に係るワイヤグリッド偏光板を示す図である。図5に示すように、上記光学機能体をワイヤグリッド偏光板として使用する場合、金属層を形成した後に不要な金属層を除去する必要がある。金属層を除去する方法としては、エッチング法、CMP(化学的機械的研磨)法、イオンミリング法などが挙げられる。なお、図5において、H2は、凹部の底部からの金属層103の高さを示す。
低反射吸収型のワイヤグリッド偏光板の断面形状について、金属層103の幅の平均値がピッチPの0.01倍〜0.4倍であることが好ましい。特に、金属層103の幅の平均値がピッチPの0.01倍〜0.2倍であると、全光反射率を抑制できるので好ましい。また、凸部Aの高さをH1とし、凹部Bの底部からの充填高さをH2としたときに、0.3≦H2/H1≦1.0の範囲であることが全光反射率を抑制できるという観点から好ましく、より好ましくは、0.3≦H2/H1≦0.8である。
低反射吸収型のワイヤグリッド偏光板においては、金属層の両側に屈折率1.0を越える物質が存在していることが、反射率を抑制できるという観点から望ましいので、凸部を構成する材料の屈折率が1.4以上であることが好ましい。また、低反射吸収型ワイヤグリッドの光学性能は、実用上、偏光反射率のP波成分Rp,S波成分Rsともに反射率10%以下であるのが望ましい。
上記構成の光学機能体において、パタン層102の微細凹凸パタン102a(あるいは基材101)と金属層103との間に密着性を高めるために適宜誘電体層を設けても良い。この場合において、誘電体層を構成する材料としては、例えば、珪素(Si)の酸化物、窒化物、ハロゲン化物、炭化物の単体またはその複合物(誘電体単体に他の元素、単体又は化合物が混ざった誘電体)や、アルミニウム(Al)、クロム(Cr)、イットリウム(Y)、ジルコニア(Zr)、タンタル(Ta)、チタン(Ti)、バリウム(Ba)、インジウム(In)、錫(Sn)、亜鉛(Zn)、マグネシウム(Mg)、カルシウム(Ca)、セリウム(Ce)、銅(Cu)などの金属の酸化物、窒化物、ハロゲン化物、炭化物の単体又はそれらの複合物を用いることができる。誘電体材料は、透過偏光性能を得ようとする波長領域において実質的に透明であればよい。
次に、本発明の効果を明確にするために行った実施例について説明する。
(実施例1)
石英基板上にドライエッチングにより格子状微細凹凸パタンを形成した。なお、この微細凹凸パタンの形状は矩形形状であり、凸部の半値幅は60nmであり、ピッチは100nmであり、高さは160nmであった。
微細凹凸パタンを有する石英基板を、0.002モル/リットルの塩化スズ、0.0009モル/リットルの塩酸を含有する溶液に300Kで30秒間浸漬した後、0.0006モル/リットルの塩化パラジウム、0.012モル/リットルの塩酸を含有する溶液に300Kで30秒間浸漬した。このようにして、石英基板上に金属ナノ粒子を与えた。
金属ナノ粒子を与えた石英基板を、0.1モル/リットルの硫酸ニッケル、0.1モル/リットルのコハク酸ナトリウム、0.1モル/リットルのDL−リンゴ酸、0.3モル/リットルのホスフィン酸ナトリウム、及び100ppmのポリエチレングリコール(PEG)を含有する浴温343Kの無電解メッキ浴(pH4.8)に60秒間浸漬した。このようにして、石英基板の微細凹凸パタンの凹部を充填するようにして金属層を形成した。なお、pHの調整には水酸化ナトリウム水溶液を用いた。また、浴温の維持のために恒温槽を用いた。
金属層まで形成した石英基板の微細凹凸パタンを電界放出型走査型電子顕微鏡で観察したところ、微細凹凸パタンの凹部分に金属が充填されており、ボイドは見られなかった。これは、無電解メッキで形成した金属層を構成する粒子の粒径が小さいために微細凹凸パタンの凹部に十分に粒子が充填されたためであると考えられる。また、X線回折法により金属結晶粒子の平均粒径を測定したところ28nmであった。なお、平均粒径は以下のようにして測定した。
平均粒径は、X線回折(XRD)の回折ピークから求めた。具体的には、下記式(1)に示すXRDのθ/2θ測定における回折角の半値幅とシェラーの式を用い、得られた回折ピークについて、Kα1、Kα2ピーク分離を行い、Kα1のピークの積分幅(βs)より結晶の平均粒径を算出した。なお、この場合、2θ=45°の(111面の回折ピーク)の半値幅から算出した。
Figure 2014001415
また、測定装置及び条件は以下の通りである。
測定装置:リガク Ultima IV
X線源:Cu(0.15406nm)
測定範囲:40.0〜50.0deg(0.005deg/step)
走査速度:1.0deg/min
光学系:集中法(ゴニオ半径285mm)
検出器 高速1次元検出器 D_tex
光学スリット:0.5°
測定モード:2θ/ωスキャン
(比較例1)
石英基板上にドライエッチングにより格子状微細凹凸パタンを形成した。なお、この微細凹凸パタンの形状は矩形形状であり、凸部の半値幅は60nmであり、ピッチは100nmであり、高さは160nmであった。
微細凹凸パタンを有する石英基板を、0.002モル/リットルの塩化スズ、0.0009モル/リットルの塩酸を含有する溶液に300Kで30秒間浸漬した後、0.0006モル/リットルの塩化パラジウム、0.012モル/リットルの塩酸を含有する溶液に300Kで30秒間浸漬した。このようにして、石英基板上に金属ナノ粒子を与えた。
金属ナノ粒子を与えた石英基板を、0.1モル/リットルの硫酸ニッケル、0.1モル/リットルのコハク酸ナトリウム、0.1モル/リットルのDL−リンゴ酸、1.5モル/リットルのホスフィン酸ナトリウム及び0.006モル/リットルのサッカリン酸ナトリウムを含有する浴温343Kの無電解メッキ浴(pH4.8)に60秒間浸漬した。このようにして、石英基板の微細凹凸パタンの凹部を充填するようにして金属層を形成した。なお、pHの調整には水酸化ナトリウム水溶液を用いた。また、浴温の維持のために恒温槽を用いた。
金属層まで形成した石英基板の微細凹凸パタンを電界放出型走査型電子顕微鏡で観察したところ、微細凹凸パタンの凹部に金属が完全に充填されておらず、数多くのボイドが確認された。これは、無電解メッキで形成した金属層を構成する粒子の粒径が大きいために微細凹凸パタンの凹部に十分に粒子が充填されなかったためであると考えられる。また、実施例1と同様にしてX線回折法により金属結晶粒子の平均粒径を測定したところ85nmであった。
(比較例2)
石英基板上にドライエッチングにより格子状微細凹凸パタンを形成した。なお、この微細凹凸パタンの形状は矩形形状であり、凸部の半値幅は60nmであり、ピッチは100nmであり、高さは160nmであった。
微細凹凸パタンを有する石英基板上に、マグネトロンスパッタを用いてNiを蒸着して、Ni膜(金属層)を形成した。このとき、スパッタリング条件は、Arガス圧力0.2Pa、ターゲット印加電圧350V、成膜速度20nm/分とした。成膜後の膜厚は平膜換算で100nmであった。
Ni膜を形成した石英基板の微細凹凸パタンを電界放出型走査型電子顕微鏡で観察したところ、微細凹凸パタンの凹部に金属が完全に充填されておらず、数多くのボイドが確認された。これは、図6に示すように、スパッタリングで形成した金属層を構成する粒子103bの粒径が大きいために微細凹凸パタンの凹部に十分に粒子が充填されなかったためであると考えられる。また、微細凹凸パタンの凸部に形成されたNi膜103cが接合していた。また、実施例1と同様にしてX線回折法により金属結晶粒子の平均粒径を測定したところ60nmであった。
(実施例2)
ナノインプリント法で作製された微細凹凸パタンを有するTAC(トリアセチルセルロース)基材上にアクリレートを主成分とする紫外線硬化樹脂を塗布し、紫外線硬化させてフィルム状の格子状凹凸基材を作製した。なお、この微細凹凸パタンの形状は矩形形状であり、凸部の半値幅は115nmであり、ピッチは145nmであり、高さは160nmであった。
この格子状凹凸基材(原反ロール)を乾燥機の真空槽中に12時間放置したところ、格子状凹凸基材の温度は23℃まで下がった。その後、格子状凹凸基材の微細凹凸パタン面(微細凹凸パタン転写面)を誘電体形成用及び金属ワイヤ形成用の真空チャンバに移した。
誘電体形成には反応性ACマグネトロンスパッタリング法を用いた。反応性ACマグネトロンスパッタリング装置においては、ターゲットサイズ127mm×750mm×10mmtのシリコンターゲットが2枚並設され、被処理体からターゲットの距離が80mmである。この装置において、アルゴンガス流量200sccm、窒素ガス流量300sccm、出力11kW、周波数37.5kHzの条件で、走行速度5m/分で原反ロールをほどきながらフィルム搬送用ロール(メインローラー)で巻取ロール側に送りながら反応性スパッタリングして格子状凹凸基材上に窒化珪素層を設け、その後ロール状に巻き取った。このとき、スパッタリングの際の張力は30Nであり、メインローラー温度は30℃であり、スパッタリング開始前のバックグラウンドの真空度は0.005Paであり、スパッタリング中の真空度は0.38Paであった。前記と同じ条件でSiチップに窒化珪素層を形成し、エリプソメーターで窒化珪素層の厚みを算出したところ3nmであった。
誘電体層である窒化珪素層が形成された格子状凹凸基材を、0.002モル/リットルの塩化スズ、0.0009モル/リットルの塩酸を含有する溶液に300Kで30秒間浸漬した後、0.0006モル/リットルの塩化パラジウム、0.012モル/リットルの塩酸を含有する溶液に300Kで30秒間浸漬した。このようにして、格子状凹凸基材の誘電体層上に金属ナノ粒子を与えた。
金属ナノ粒子を与えた格子状凹凸基材を、0.1モル/リットルの硫酸ニッケル、0.1モル/リットルのコハク酸ナトリウム、0.1モル/リットルのDL−リンゴ酸、0.3モル/リットルのホスフィン酸ナトリウム、及び100ppmのポリエチレングリコール(PEG)を含有する浴温343Kの無電解メッキ浴(pH4.8)に60秒間浸漬した。このようにして、格子状凹凸基材の微細凹凸パタンの凹部を充填するようにして金属層を形成した。なお、pHの調整には水酸化ナトリウム水溶液を用いた。また、浴温の維持のために恒温槽を用いた。
格子状凹凸基材に形成された金属層の不要部分をニッケル選択エッチング液(NC(日本化学産業社製))を用いて除去した。具体的には、NC−A(主剤)1リットルに対し、NC−B(添加剤)5ミリリットルを添加し、十分に攪拌した後40℃に調整した。このエッチング浴に格子状凹凸基材を50秒間浸漬した。その後、付着した薬液を十分に洗浄し、エアブローで水分を除去した後、室温にて風乾した。このようにして、低反射吸収型ワイヤグリッド偏光板を作製した。
低反射吸収型ワイヤグリッド偏光板の微細凹凸パタンを電界放出型走査型電子顕微鏡で観察したところ、微細凹凸パタンの凹部分に金属が充填されており、ボイドは見られなかった。これは、無電解メッキで形成した金属層を構成する粒子の粒径が小さいために微細凹凸パタンの凹部に十分に粒子が充填されたためであると考えられる。また、金属ワイヤの高さは140nmであった。また、低反射吸収型ワイヤグリッド偏光板の光学性能を測定したところ、550nmにおける、S偏光反射率が10.1%であり、S偏光透過率が10.1%であり、P偏光反射率が5.1%であり、P偏光透過率が78.8%であり、低反射吸収型ワイヤグリッド偏光板として好適なものであった。
(実施例3)
ナノインプリント法で作製された微細凹凸パタンを有するTAC(トリアセチルセルロース)基材上にアクリレートを主成分とする紫外線硬化樹脂を塗布し、紫外線硬化させてフィルム状の格子状凹凸基材を作製した。なお、この微細凹凸パタンの形状は矩形形状であり、凸部の半値幅は70nmであり、ピッチは100nmであり、高さは150nmであった。
この格子状凹凸基材(原反ロール)を乾燥機の真空槽中に12時間放置したところ、格子状凹凸基材の温度は23℃まで下がった。その後、格子状凹凸基材の微細凹凸パタン面(微細凹凸パタン転写面)を誘電体形成用及び金属ワイヤ形成用の真空チャンバに移した。
誘電体形成には反応性ACマグネトロンスパッタリング法を用いた。反応性ACマグネトロンスパッタリング装置においては、ターゲットサイズ127mm×750mm×10mmtのシリコンターゲットが2枚並設され、被処理体からターゲットの距離が80mmである。この装置において、アルゴンガス流量200sccm、窒素ガス流量300sccm、出力11kW、周波数37.5kHzの条件で、走行速度5m/分で原反ロールをほどきながらフィルム搬送用ロール(メインローラー)で巻取ロール側に送りながら反応性スパッタリングして格子状凹凸基材上に窒化珪素層を設け、その後ロール状に巻き取った。このとき、スパッタリングの際の張力は30Nであり、メインローラー温度は30℃であり、スパッタリング開始前のバックグラウンドの真空度は0.005Paであり、スパッタリング中の真空度は0.38Paであった。前記と同じ条件でSiチップに窒化珪素層を形成し、エリプソメーターで窒化珪素層の厚みを算出したところ3nmであった。
誘電体層である窒化珪素層が形成された格子状凹凸基材を、0.002モル/リットルの塩化スズ、0.0009モル/リットルの塩酸を含有する溶液に300Kで30秒間浸漬した後、0.0006モル/リットルの塩化パラジウム、0.012モル/リットルの塩酸を含有する溶液に300Kで30秒間浸漬した。このようにして、格子状凹凸基材の誘電体層上に金属ナノ粒子を与えた。
金属ナノ粒子を与えた格子状凹凸基材を、0.1モル/リットルの硫酸ニッケル、0.1モル/リットルのコハク酸ナトリウム、0.1モル/リットルのDL−リンゴ酸、0.3モル/リットルのホスフィン酸ナトリウム、及び100ppmのポリエチレングリコール(PEG)を含有する浴温343Kの無電解メッキ浴(pH4.8)に60秒間浸漬した。このようにして、格子状凹凸基材の微細凹凸パタンの凹部を充填するようにして金属層を形成した。なお、pHの調整には水酸化ナトリウム水溶液を用いた。また、浴温の維持のために恒温槽を用いた。
格子状凹凸基材に形成された金属層の不要部分をニッケル選択エッチング液(NC(日本化学産業社製))を用いて除去した。具体的には、NC−A(主剤)1リットルに対し、NC−B(添加剤)5ミリリットルを添加し、十分に攪拌した後40℃に調整した。このエッチング浴に格子状凹凸基材を50秒間浸漬した。その後、付着した薬液を十分に洗浄し、エアブローで水分を除去した後、室温にて風乾した。このようにして、低反射吸収型ワイヤグリッド偏光板を作製した。
低反射吸収型ワイヤグリッド偏光板の微細凹凸パタンを電界放出型走査型電子顕微鏡で観察したところ、微細凹凸パタンの凹部分に金属が充填されており、ボイドは見られなかった。これは、無電解メッキで形成した金属層を構成する粒子の粒径が小さいために微細凹凸パタンの凹部に十分に粒子が充填されたためであると考えられる。また、金属ワイヤの高さは135nmであった。また、低反射吸収型ワイヤグリッド偏光板の光学性能を測定したところ、550nmにおける、S偏光反射率が4.3%であり、S偏光透過率が19.0%であり、P偏光反射率が4.1%であり、P偏光透過率が91.3%であり、低反射吸収型ワイヤグリッド偏光板として好適なものであった。
(比較例3)
ナノインプリント法で作製された微細凹凸パタンを有するTAC(トリアセチルセルロース)基材上にアクリレートを主成分とする紫外線硬化樹脂を塗布し、紫外線硬化させてフィルム状の格子状凹凸基材を作製した。なお、この微細凹凸パタンの形状は矩形形状であり、凸部の半値幅は70nmであり、ピッチは100nmであり、高さは150nmであった。
この格子状凹凸基材(原反ロール)を乾燥機の真空槽中に12時間放置したところ、格子状凹凸基材の温度は23℃まで下がった。その後、格子状凹凸基材の微細凹凸パタン面(微細凹凸パタン転写面)を誘電体形成用及び金属ワイヤ形成用の真空チャンバに移した。
誘電体形成には反応性ACマグネトロンスパッタリング法を用いた。反応性ACマグネトロンスパッタリング装置においては、ターゲットサイズ127mm×750mm×10mmtのシリコンターゲットが2枚並設され、被処理体からターゲットの距離が80mmである。この装置において、アルゴンガス流量200sccm、窒素ガス流量300sccm、出力11kW、周波数37.5kHzの条件で、走行速度5m/分で原反ロールをほどきながらフィルム搬送用ロール(メインローラー)で巻取ロール側に送りながら反応性スパッタリングして格子状凹凸基材上に窒化珪素層を設け、その後ロール状に巻き取った。このとき、スパッタリングの際の張力は30Nであり、メインローラー温度は30℃であり、スパッタリング開始前のバックグラウンドの真空度は0.005Paであり、スパッタリング中の真空度は0.38Paであった。前記と同じ条件でSiチップに窒化珪素層を形成し、エリプソメーターで窒化珪素層の厚みを算出したところ3nmであった。
誘電体層である窒化珪素層が形成された格子状凹凸基材を、0.002モル/リットルの塩化スズ、0.0009モル/リットルの塩酸を含有する溶液に300Kで30秒間浸漬した後、0.0006モル/リットルの塩化パラジウム、0.012モル/リットルの塩酸を含有する溶液に300Kで30秒間浸漬した。このようにして、格子状凹凸基材の誘電体層上に金属ナノ粒子を与えた。
金属ナノ粒子を与えた格子状凹凸基材を、0.1モル/リットルの硫酸ニッケル、0.1モル/リットルのコハク酸ナトリウム、0.1モル/リットルのDL−リンゴ酸及び0.3モル/リットルのホスフィン酸ナトリウムを含有する浴温343Kの無電解メッキ浴(pH4.8)に60秒間浸漬した。このようにして、格子状凹凸基材の微細凹凸パタンの凹部を充填するようにして金属層を形成した。なお、pHの調整には水酸化ナトリウム水溶液を用いた。また、浴温の維持のために恒温槽を用いた。
格子状凹凸基材に形成された金属層の不要部分をニッケル選択エッチング液(NC(日本化学産業社製))を用いて除去した。具体的には、NC−A(主剤)1リットルに対し、NC−B(添加剤)5ミリリットルを添加し、十分に攪拌した後40℃に調整した。このエッチング浴に格子状凹凸基材を50秒間浸漬した。その後、付着した薬液を十分に洗浄し、エアブローで水分を除去した後、室温にて風乾した。このようにして、低反射吸収型ワイヤグリッド偏光板を作製した。
低反射吸収型ワイヤグリッド偏光板の微細凹凸パタンを電界放出型走査型電子顕微鏡で観察したところ、微細凹凸パタンの凹部に金属が完全に充填されておらず、数多くのボイドが確認された。これは、これは、無電解メッキで形成した金属層を構成する粒子の粒径が大きいために微細凹凸パタンの凹部に十分に粒子が充填されなかったためであると考えられる。また、金属ワイヤの高さは135nmであった。また、低反射吸収型ワイヤグリッド偏光板の光学性能を測定したところ、550nmにおける、S偏光反射率が16.1%であり、S偏光透過率が12.1%であり、P偏光反射率が15.1%であり、P偏光透過率が69.8%であり、低反射吸収型ワイヤグリッド偏光板として好適なものであった。
本発明の光学機能体は、各種光学機器、表示機器、光源などの広い分野で好適に利用できる。
101 基材
102 パタン層
102a 微細凹凸パタン
103 金属層
103a,103b 粒子
103c Ni膜
103d 空隙
104 スタンパ金属層
A 凸部
B 凹部

Claims (9)

  1. 凹部及び凸部を有する微細凹凸パタンを有する基材と、前記凹部の幅よりも小さい粒径を有する粒子で構成され、前記凹部を充填するようにして無電解メッキ法で形成された充填層と、を具備することを特徴とする光学機能体。
  2. 前記粒子の平均粒径をRとし、前記微細凹凸パタンのピッチをPとし、前記凹部の底部からの充填高さをH2としたとき、0.01≦R/P≦0.4、P≦150nm、H2/P≧1であることを特徴とする請求項1記載の光学機能体。
  3. 前記充填層を構成する材料は、Co、Ni、Fe、Cu又はこれらの金属を含有する組成物であることを特徴とする請求項1又は請求項2記載の光学機能体。
  4. 前記充填層を構成する材料は、Co、Ni、Fe、Cu、P、WもしくはBの組み合わせからなる合金、又はこれら合金を含有する組成物であることを特徴とする請求項1又は請求項2記載の光学機能体。
  5. 凹部及び凸部を有する微細凹凸パタンを有する基材を準備する準備工程と、前記凹部の幅よりも小さい粒径を有する粒子を前記凹部に充填するようにして無電解メッキ法により充填層を形成する形成工程と、を具備することを特徴とする光学機能体の製造方法。
  6. 前記形成工程は、前記基材表面に金属ナノ粒子を与える工程と、前記基材に対して無電解メッキ膜を形成するメッキ工程と、を含むことを特徴とする請求項5記載の光学機能体の製造方法。
  7. 前記メッキ工程において、ポリエチレングリコール、チオ尿素、エチレンチオ尿素、及びサッカリン酸ナトリウムを含有するメッキ浴を用いることを特徴とする請求項6記載の光学機能体の製造方法。
  8. 前記粒子の平均粒径をRとし、前記微細凹凸パタンのピッチをPとし、前記凹部の底部からの充填高さをH2としたとき、0.01≦R/P≦0.4、P≦150nm、H2/P≧1であることを特徴とする請求項5から請求項7のいずれかに記載の光学機能体の製造方法。
  9. 特定の方向に沿って凹部及び凸部が延在する微細凹凸パタンを有する基材と、前記凹部の幅よりも小さい粒径を有する金属又は金属化合物の粒子で構成され、前記凹部を充填するようにして形成された金属層と、を具備し、前記凸部の高さをH1とし、前記凹部の底部からの充填高さをH2としたときに、0.3≦H2/H1≦1であることを特徴とするワイヤグリッド偏光板。
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