JP2014001411A - 金属短線の洗浄装置および金属短線の洗浄方法 - Google Patents

金属短線の洗浄装置および金属短線の洗浄方法 Download PDF

Info

Publication number
JP2014001411A
JP2014001411A JP2012135676A JP2012135676A JP2014001411A JP 2014001411 A JP2014001411 A JP 2014001411A JP 2012135676 A JP2012135676 A JP 2012135676A JP 2012135676 A JP2012135676 A JP 2012135676A JP 2014001411 A JP2014001411 A JP 2014001411A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
cleaning
wire
short
metal
short metal
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2012135676A
Other languages
English (en)
Other versions
JP5900961B2 (ja
Inventor
Hideki Chiba
秀輝 千葉
Masayoshi Masuda
雅芳 増田
Koichi Miyazaki
幸一 宮崎
Toshinori Miura
俊範 三浦
Hitoshi Soyama
均 祖山
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
KITA NIPPON ELECTRIC CABLE CO
Tohoku University NUC
Tohoku Electric Power Co Inc
Kitanihon Electric Cable Co Ltd
Original Assignee
KITA NIPPON ELECTRIC CABLE CO
Tohoku University NUC
Tohoku Electric Power Co Inc
Kitanihon Electric Cable Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by KITA NIPPON ELECTRIC CABLE CO, Tohoku University NUC, Tohoku Electric Power Co Inc, Kitanihon Electric Cable Co Ltd filed Critical KITA NIPPON ELECTRIC CABLE CO
Priority to JP2012135676A priority Critical patent/JP5900961B2/ja
Publication of JP2014001411A publication Critical patent/JP2014001411A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP5900961B2 publication Critical patent/JP5900961B2/ja
Expired - Fee Related legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Landscapes

  • Cleaning By Liquid Or Steam (AREA)
  • Cleaning And De-Greasing Of Metallic Materials By Chemical Methods (AREA)

Abstract

【課題】排液処理が容易で、洗浄効率を高めることができる金属短線の洗浄装置および金属短線の洗浄方法を提供する。
【解決手段】内部に貯水可能な洗浄槽11が、少なくとも下部に、下方に向かって内空断面積が徐々に小さくなるよう設けられたテーパー状の傾斜面11aを有している。噴射ノズル14が、洗浄槽11の内部に向かってキャビテーション噴流14aを噴射するよう、洗浄槽11の下部に取り付けられている。噴射ノズル14は、洗浄槽11の内部に水と多数の金属短線とを入れたとき、洗浄槽11の内部で多数の金属短線を撹拌可能に構成されている。傾斜面11aは、その最大傾斜方向と鉛直線との成す角が30度乃至60度であることが好ましい。各金属短線は、直径が2mm乃至5mmの電線を、30mm乃至60mmの長さに切断したものから成ることが好ましい。
【選択図】図1

Description

本発明は、金属短線の洗浄装置および金属短線の洗浄方法に関する。
架空送電線(ACSR系電線)は、大気中に暴露されて使用されるため、種々の金属不純物が表面に付着している。また、架線中の電線の動揺(微風振動、温度による伸縮など)や腐食により、構造上、アルミ部と亜鉛部との接触部あるいはその腐食部に亜鉛や鉄が付着しやすい。これらの金属不純物を除去することなく電線のアルミ部を取り出して再溶解すると、アルミニウムに金属不純物が固溶するため、電線としてリサイクルする場合、従来のアルミニウムの品質よりも悪いものとなってしまう。このため、このようにしてリサイクルされたアルミニウムは、電線よりも純度の低いアルミニウム鋳物やサッシなどに使用されることが多くなっていた。
なお、使用済みではなく、製造されたばかりの電線などの線条材を洗浄する装置として、洗浄剤を使用して、線条材の表面に付着した液体や固体を除去するものがある(例えば、特許文献1参照)。
特開2011−256450号公報
資源の有効利用の観点から、使用済みの電線を電線として再利用することが期待されている。そのためには、使用済みの電線に付着した金属不純物を、再溶解前に効率良く除去する必要がある。
特許文献1に記載のような洗浄剤を使用して洗浄する装置は、線条材が製造されたばかりであるため、洗浄剤に通過させるだけで、線条材の表面に付着した液体や固体を容易に除去することができる。しかし、使用済みの電線などの金属線材には、容易には除去できない金属不純物が付着しているため、この装置では洗浄効率が非常に悪いという課題があった。仮に洗浄剤として金属不純物を分解可能な化学薬品を使用すれば、使用済みの電線などの金属線材を洗浄することができるが、洗浄後の洗浄剤の排液処理が必要となり、そのコストが嵩むという課題があった。
本発明は、このような課題に着目してなされたもので、排液処理が容易で、洗浄効率を高めることができる金属短線の洗浄装置および金属短線の洗浄方法を提供することを目的としている。
本発明に係る金属短線の洗浄装置は、貯水可能であり、少なくとも下部に、下方に向かって内空断面積が徐々に小さくなるよう設けられたテーパー状の傾斜面を有する洗浄槽と、前記洗浄槽の内部に向かってキャビテーション噴流を噴射するよう前記洗浄槽の下部に取り付けられ、前記洗浄槽の内部に水と多数の金属短線とを入れたとき、前記洗浄槽の内部で前記多数の金属短線を撹拌可能に構成された噴射ノズルとを、有することを特徴とする。
本発明に係る金属短線の洗浄装置は、噴射ノズルからキャビテーション噴流を噴射して、洗浄槽の内部で多数の金属短線を撹拌することにより、金属短線同士が衝突して擦れ合うため、金属短線の表面に付着した金属不純物を擦り落とすことができる。これにより、金属短線を効率良く洗浄することができる。また、洗浄槽が、下方に向かって内空断面積が徐々に小さくなるよう設けられたテーパー状の傾斜面を有しているため、撹拌されて下方に落下してきた金属短線を寄せ集めて擦れ合う機会を増やすことができ、洗浄効率を高めることができる。また、キャビテーション噴流が金属短線に直接当たることによる洗浄効果も得られるため、さらに洗浄効率を高めることができる。
本発明に係る金属短線の洗浄装置は、洗浄には水を使用し、化学薬品などを使用しないため、金属短線から除去されて排水に含まれる金属不純物をフィルタなどで回収すればよく、排液処理が容易である。
本発明に係る金属短線の洗浄装置で、洗浄槽は、少なくとも下部に、下方に向かって内空断面積が徐々に小さくなるよう設けられたテーパー状の傾斜面を有していれば、いかなる形状であってもよく、例えば、下部が円錐形状や角錐形状を成していてもよい。噴射ノズルは、洗浄槽の内部で多数の金属短線を撹拌可能に配置されていればよく、1つだけ取り付けられていても、複数取り付けられていてもよい。また、洗浄槽の底部に設けられていても、洗浄槽の傾斜面に設けられていても、底部および傾斜面の双方に設けられていてもよい。それらに加えて、洗浄槽の上部に設けられていてもよい。噴射ノズルは、例えば、洗浄槽の底部から上方に向かって噴射するものや、洗浄槽の傾斜面の下部から水平方向または水平よりやや上向きに噴射するもの、それらを複数組み合わせたものなどで構成されていてもよい。
本発明に係る金属短線の洗浄装置で、前記傾斜面は、その最大傾斜方向と鉛直線との成す角が30度乃至60度であることが好ましい。この場合、金属短線を効率良く撹拌することができるとともに、金属短線同士を効率良く擦れ合わせることができ、特に洗浄効率が高い。
本発明に係る金属短線の洗浄装置で、各金属短線は、直径が2mm乃至5mmの電線を、30mm乃至60mmの長さに切断したものから成ることが好ましい。この場合、主に銅(Cu)やアルミニウム(Al)から成る電線から成る金属短線を効率良く撹拌することができるとともに、金属短線同士を効率良く擦れ合わせることができ、特に洗浄効率が高い。直径が2mmより小さい金属短線や長さが30mmより短い金属短線では、質量が小さいため、衝突したときのエネルギーが小さく、金属短線同士が擦れ合って洗浄する効果が小さくなる。また、直径が5mmより大きい金属短線や長さが60mmより長い金属短線では、質量が大きいため、洗浄槽の内部で攪拌するためのエネルギーが大きくなり、洗浄のためのエネルギー効率が低下する。また、長さが60mmより長い金属短線では、金属短線同士が絡みやすくなるため、撹拌効率が低下する。
本発明に係る金属短線の洗浄方法は、本発明に係る金属短線の洗浄装置を用いる金属短線の洗浄方法であって、前記噴射ノズルから噴射するキャビテーション噴流の1分間当たりの質量流量の、10%乃至40%の質量の前記多数の金属短線と、水とを前記洗浄槽の内部に入れ、2MPa乃至11MPaの噴射圧力で、前記噴射ノズルからキャビテーション噴流を噴射することを特徴とする。
本発明に係る金属短線の洗浄方法は、本発明に係る金属短線の洗浄装置を用いるため、排液処理が容易で、洗浄効率を高めることができる。各金属短線が、直径が2mm乃至5mmの電線を、30mm乃至60mmの長さに切断したものから成る場合には、特に洗浄効率を高めることができる。例えば、口径が1.5mmの噴射ノズルで、10MPaの噴射圧力でキャビテーション噴流を噴射すると、1分間当たりの質量流量は、約10kg/分となるため、高い洗浄効率が得られる金属短線の質量は、1kg〜4kgとなる。また、噴射圧力が2MPaのときは、質量流量が4.5kg/分となるため、高い洗浄効率が得られる金属短線の質量は、0.45kg〜1.8kgとなる。
本発明によれば、排液処理が容易で、洗浄効率を高めることができる金属短線の洗浄装置および金属短線の洗浄方法を提供することができる。
本発明の実施の形態の金属短線の洗浄装置を示す側面図である。 本発明の実施の形態の金属短線の洗浄装置の、洗浄槽および噴射ノズルの変形例を示す平面図である。 本発明の実施の形態の金属短線の洗浄装置の、洗浄槽および噴射ノズルの変形例を示す側面図である。 本発明の実施の形態の金属短線の洗浄装置の、洗浄槽および噴射ノズルの他の変形例を示す側面図である。 本発明の実施の形態の金属短線の洗浄装置による(a)洗浄前、(b)12分間洗浄後のアルミ電線の金属短線表面の、X線分析顕微鏡による元素分析結果を示す画像である。 本発明の実施の形態の金属短線の洗浄装置によりアルミ電線の金属短線を洗浄したときの、金属短線に付着した(a)Fe、(b)Cu、(c)Mn、(d)Zn、(e)Mgの付着量の、洗浄時間による変化を示すグラフである。 本発明の実施の形態の金属短線の洗浄装置によりアルミ電線の金属短線を12分間洗浄した後の、金属短線表面の(a)SEM画像、(b)EDSによる亜鉛(Zn)の分析画像、(c)EDSによる酸素(O)の分析画像である。
以下、図面に基づき、本発明の実施の形態について説明する。
図1乃至図7は、本発明の実施の形態の金属短線の洗浄装置および金属短線の洗浄方法を示している。
図1に示すように、金属短線の洗浄装置10は、洗浄槽11と水槽12とポンプ13と噴射ノズル14とを有している。
洗浄槽11は、円筒の下部に、下方に向かって内空断面積が徐々に小さくなる円錐を取り付けた形状を成し、内部に貯水可能になっている。洗浄槽11は、下部の円錐形状の内面が、テーパー状の傾斜面11aとなっている。傾斜面11aは、その最大傾斜方向と鉛直線との成す角が30度乃至60度、すなわち頂角が60度乃至120度である。洗浄槽11は、上部が天板11bで覆われており、天板11bには排水孔11cが設けられている。
水槽12は、洗浄槽11に供給するための水が溜められている。水槽12は、ポンプ13と噴射ノズル14とを介して、洗浄槽11の底部から洗浄槽11に水を供給可能に設けられている。また、水槽12は、洗浄槽11に水を供給することにより洗浄槽11の排水孔11cからあふれる水を、排水配管15を通して回収可能になっている。このように、水槽12は、洗浄槽11との間で、水を循環可能に構成されている。
ポンプ13は、水槽12と噴射ノズル14との間に設けられ、水槽12の水を任意の圧力で噴射ノズル14に供給するよう構成されている。噴射ノズル14は、洗浄槽11の底部に取り付けられている。噴射ノズル14は、ポンプ13により供給された水を、貯水された洗浄槽11の内部に向かって噴射し、キャビテーション噴流14aを発生可能になっている。噴射ノズル14は、洗浄槽11の上方に向かって、キャビテーション噴流14aを噴射するよう取り付けられている。
本発明の実施の形態の金属短線の洗浄方法は、金属短線の洗浄装置10を用いて好適に実施される。本発明の実施の形態の金属短線の洗浄方法は、まず、洗浄槽11の内部に、水と、洗浄対象である多数の金属短線とを入れる。次に、洗浄槽11の内部で各金属短線が撹拌されるよう、所定の噴射圧力で、洗浄槽11の内部に向かって、噴射ノズル14からキャビテーション噴流14aを噴射する。なお、具体的な一例では、1kg乃至4kgの金属短線を洗浄槽11の内部に入れ、口径が1.5mmの噴射ノズル14から、10MPaの噴射圧力でキャビテーション噴流14aを噴射して洗浄を行う。各金属短線は、直径が2mm乃至5mmの電線を、30mm乃至60mmの長さに切断したものから成っている。
これにより、洗浄槽11の内部で撹拌される金属短線同士が衝突して擦れ合うため、金属短線の表面に付着した金属不純物を擦り落とすことができ、金属短線を効率良く洗浄することができる。また、洗浄槽11が、下方に向かって内空断面積が徐々に小さくなるよう設けられたテーパー状の傾斜面11aを有しているため、撹拌されて下方に落下してきた金属短線を寄せ集めて擦れ合う機会を増やすことができ、洗浄効率を高めることができる。また、キャビテーション噴流14aが金属短線に直接当たることによる洗浄効果も得られるため、さらに洗浄効率を高めることができる。
所定の時間、撹拌を行った後、洗浄槽11の内部から各金属短線を回収する。回収された各金属短線は、金属不純物が除去されて品質が高いため、この各金属短線を溶解して加工することにより、電線として再利用することができる。
本発明の実施の形態の金属短線の洗浄装置10および金属短線の洗浄方法は、洗浄には水を使用し、化学薬品などを使用しないため、金属短線から除去されて排水に含まれる金属不純物をフィルタなどで回収すればよく、排液処理が容易である。また、金属不純物を回収した後の水を、再度洗浄槽11に循環して洗浄に用いることもできる。
なお、本発明の実施の形態の金属短線の洗浄装置10および金属短線の洗浄方法では、金属短線同士が擦れ合って金属短線の表面に付着した金属不純物を擦り落とすよう、洗浄槽11および噴射ノズル14が、洗浄槽11の内部で多数の金属短線を効率良く撹拌できる構成を有していることが好ましい。例えば、洗浄槽11は、図2(a)〜(d)に示すように、下部が円錐形状であってもよく、図2(e)および(f)に示すように、下部が四角錐形状であってもよく、図2(g)に示すように、細長い四角錐を十字に組み合わせた形状であってもよい。また、図3(e)に示すように、下部または全体が円錐形状や四角錐形状であってもよい。図3(a)〜(d)、(f)〜(h)、図4(a)〜(c)に示すように、下部または全体が、下端の底部が平らに形成された円錐台や四角錐台形状であってもよい。また、このとき、図3(g)に示すように、底部の平坦面に、上方に向かって盛り上がるよう形成された円錐、四角錐、円錐台、四角錐台が設けられていてもよい。図3(f)および図4(b)に示すように、上部に円筒や円錐台、四角錐台、また円錐、四角錐などが取り付けられた形状を成していてもよい。
また、噴射ノズル14は、図4(b)および(c)に示すように、洗浄槽11の底部から上方に向かって噴射するものだけでなく、図3(a)、(c)、(e)〜(g)および図4(a)に示すように、洗浄槽11の傾斜面11aの下部から水平方向または水平よりやや上向きに噴射するものや、図3(b)および(d)に示すように、それらを複数組み合わせたもの、さらに図3(h)に示すように、洗浄槽11の上部から下方に向かって噴射するものを組み合わせたものなどで構成されていてもよい。また、図2(a)〜(g)に示すように、水平方向または水平よりやや上向きに噴射するものが、洗浄槽11の中心線に対して対称の位置に、1対または複数対設けられていてもよい。水平方向または水平よりやや上向きに噴射するものが、図2(a)、(b)、(e)〜(g)に示すように、洗浄槽11の中心線に向かって噴射するものであっても、図2(c)および(d)に示すように、洗浄槽11の中心線からずれた方向に噴射するものであってもよい。
図1に示す洗浄槽11および噴射ノズル14を用いて、直径2.6mmのアルミ電線から成る多数の金属短線の洗浄試験を行った。各金属短線は、アルミ電線を約40〜50mmの長さに切断したものから成っている。また、洗浄効果を観察しやすくするために、投入する金属短線のうちの20本に、青ペイントを塗布した。試験では、まず、洗浄槽11の円錐部の頂角θ、高さH、上部の直径Dを、表1に示すように変えて、金属短線を1〜4kg投入したときの、金属短線が撹拌され始めるときの噴射圧力を調べた。その結果を、表2に示す。なお、頂角が30度(deg)のときには、上部の円筒部を使用せず、円錐部のみで試験を行っている。噴射ノズル14の口径は1.5mmである。
表2に示すように、頂角が30degのときには、各金属短線をほとんど撹拌できなかった。また、頂角が60〜120degのときには、噴射圧力を2〜10MPaに調整することにより、各金属短線を撹拌することができた。次に、表2に示す結果に基づいて、各場合について、噴射圧力を10MPaとして2分間の洗浄を行い、そのときの青ペイントを塗布した金属短線の洗浄後の状態を調べた。なお、表2に示すように、頂角が30degで、金属短線の投入量が3kgおよび4kgのときには、金属短線を撹拌できなかったため、本洗浄は行っていない。
洗浄後の状態を調べた結果、頂角が60〜120degのときに、青ペイントが剥がれている面積が大きくなっており、効率良く洗浄されていることが確認できた。特に、頂角が90degのときに、最も洗浄効率が良いことが確認できた。
図4(c)に示す円錐部のみから成る洗浄槽11および噴射ノズル14を用いて、直径4mmのアルミ電線から成る多数の金属短線の洗浄試験を行った。各金属短線は、アルミ電線を約40〜50mmの長さに切断したものから成っている。また、洗浄効果を観察しやすくするために、投入する金属短線のうちの20本に、青ペイントを塗布した。試験では、まず、洗浄槽11の円錐部の頂角θ、高さH、上部の直径Dを、表3に示すように変えて、金属短線を1〜2kg投入したときの、金属短線が撹拌され始めるときの噴射圧力を調べた。その結果を、表4に示す。なお、噴射ノズル14の口径は1.5mmである。
表4に示すように、頂角が30degのときには、噴射圧力が11MPaであっても、各金属短線を撹拌することができなかった。また、頂角が60〜90degのときには、5MPaの噴射圧力で、各金属短線を撹拌することができた。次に、表4に示す頂角60degおよび90degの各場合について、噴射圧力を10MPaとして2分間の洗浄を行い、そのときの青ペイントを塗布した金属短線の洗浄後の状態を調べた。その結果、頂角が60〜90degのときには、青ペイントが剥がれている面積が大きく、効率良く洗浄されていることが確認できた。特に、頂角が90degのときに、最も洗浄効率が良いことが確認できた。
同じ洗浄槽11を用いて、直径2.6mmの金属短線を用いて洗浄を行った。洗浄槽11の頂角を90deg、金属短線の投入量を1.5kg、2kgとし、10MPaの噴射圧力で2分間の洗浄を行い、そのときの青ペイントを塗布した金属短線の洗浄後の状態を調べた。その結果、直径4mmの金属短線を洗浄したときと比べると、青ペイントが若干残っているが、洗浄できていることが確認できた。洗浄効率が若干低下した原因として、各金属短線の質量が小さくなったことにより、衝突したときのエネルギーが小さくなり、金属短線同士が擦れ合って洗浄する効果が低下したためであると考えられる。なお、直径2.6mmの金属短線を重くするために、金属短線の長さを60mmより長くして洗浄を行ったところ、金属短線同士が絡まって撹拌できず、ほとんど洗浄できなかった。
図1に示す頂角90degの洗浄槽11および噴射ノズル14を用いて、直径2.6mmおよび4mmのアルミ電線から成る多数の金属短線の洗浄試験を行った。各金属短線は、アルミ電線を約40〜50mmの長さに切断したものから成っている。また、洗浄効果を観察しやすくするために、投入する金属短線のうちの20本に、青ペイントを塗布した。直径4mmの金属短線1kgと直径2.6mmの金属短線1kgとを投入した場合、直径4mmの金属短線1.5kgと直径2.6mmの金属短線0.5kgとを投入した場合について、噴射圧力を10MPaとして2分間の洗浄を行い、そのときの青ペイントを塗布した金属短線の洗浄後の状態を調べた。なお、噴射ノズル14の口径は1.5mmである。
洗浄後の金属短線の状態を調べた結果、いずれも場合でも、直径4mmの金属細線は良く洗浄できているが、それと比べて、直径2.6mmの金属細線は青ペイントが若干多く残っていることが確認できた。この原因も、金属短線の質量が小さいことにより、金属短線同士が擦れ合って洗浄する効果が低下したためであると考えられる
実際に電線として使用されていた鋼芯アルミより線のACSR 160mm(36年使用、内部腐食あり)からアルミ電線を回収し、図1に示す洗浄槽11および噴射ノズル14を用いて洗浄を行った。アルミ電線の直径は、2.6mmである。回収したアルミ電線を、約40〜50mmの長さに切断し、金属短線とした。洗浄槽11の頂角を90deg、金属短線の投入量を1kg、噴射圧力を11MPaとして洗浄を行った。洗浄は12分間行い、3分ごとに洗浄を停止し、その都度サンプルを10本ずつ採取した。なお、噴射ノズル14の口径は1.5mmである。
洗浄前および洗浄3分ごとに採取した金属短線サンプルの外観を観察した結果を、表5に示す。表5に示すように、洗浄時間が長くなるほど、金属短線の付着物等が除去されていることが確認できる。
次に、X線分析顕微鏡(XGT;堀場製作所製「XGT−5000」)を用いて、洗浄前および12分間洗浄後のサンプルの金属短線表面の元素分析を行った。その結果を、図5に示す。図5に示すように、洗浄前の金属短線表面には、Zn等の不純物(図5(a)中の明るい部分)が付着していることが確認された。また、12分間洗浄後には、金属短線表面の窪みの部分(ニッキング部)に僅かにZn(図5(b)中の明るい部分)が残留しているものの、他の表面部分のZnはほぼ除去されていることが確認された。
次に、高周波誘導結合プラズマ(ICP)発光分光分析装置(Varian社製「720−ES」)を用いて、洗浄前および洗浄3分ごとに採取した金属短線サンプルの成分量分析を行った。分析では、各金属短線を硝酸に溶かし、溶出した金属元素の種類と溶出量とを測定した。洗浄時間ごとの測定結果を、表6および図6に示す。なお、着目した元素は、JIS H 2110「電気用アルミニウム地金」にて規格値が定められているFe,Cu,Mn、および比較的付着量の多いZn,Mgの計5元素とした。
表6および図6に示すように、FeおよびMnは、洗浄前後でほとんど差がなく、元々付着していなかったと考えられる。Cuは、洗浄前に付着していたものが、3分間の洗浄で除去されており、洗浄性が高いといえる。ZnおよびMgは、洗浄時間が長くなるほど、付着量が除去されていることが確認できる。これは、ZnやMgを含む腐食生成物が、アルミ電線の孔食部に入り込んでいるためであると考えられる。ZnおよびMgの12分洗浄後の除去率は、洗浄前と比べて、それぞれ約88%、約81%であった。
次に、走査型電子顕微鏡(SEM)およびエネルギー分散型X線分光分析装置(EDS)(いずれも日本電子製「JCM−5700」)を用いて、12分間洗浄後の金属短線表面の付着物の残留状況の観察、および付着物の定性分析を行った。その結果を、図7に示す。図7に示すように、12分間洗浄後には、金属短線表面の付着物はほぼ除去されているが、窪みの部分(ニッキング部)に僅かに付着物が残留していることが確認された。また、この付着物は、亜鉛(図7(b)中の明るい部分)と酸素(図7(c)中の明るい部分)とを含むことが確認された。このことから、付着物の主成分は、酸化亜鉛(ZnO)であると考えられる。
10 金属短線の洗浄装置
11 洗浄槽
11a 傾斜面
11b 天板
11c 排水孔
12 水槽
13 ポンプ
14 噴射ノズル
14a キャビテーション噴流
15 排水配管

Claims (4)

  1. 貯水可能であり、少なくとも下部に、下方に向かって内空断面積が徐々に小さくなるよう設けられたテーパー状の傾斜面を有する洗浄槽と、
    前記洗浄槽の内部に向かってキャビテーション噴流を噴射するよう前記洗浄槽の下部に取り付けられ、前記洗浄槽の内部に水と多数の金属短線とを入れたとき、前記洗浄槽の内部で前記多数の金属短線を撹拌可能に構成された噴射ノズルとを、
    有することを特徴とする金属短線の洗浄装置。
  2. 前記傾斜面は、その最大傾斜方向と鉛直線との成す角が30度乃至60度であることを特徴とする請求項1記載の金属短線の洗浄装置。
  3. 各金属短線は、直径が2mm乃至5mmの電線を、30mm乃至60mmの長さに切断したものから成ることを特徴とする請求項1または2記載の金属短線の洗浄装置。
  4. 請求項1乃至3のいずれか1項に記載の金属短線の洗浄装置を用いる金属短線の洗浄方法であって、
    前記噴射ノズルから噴射するキャビテーション噴流の1分間当たりの質量流量の、10%乃至40%の質量の前記多数の金属短線と、水とを前記洗浄槽の内部に入れ、2MPa乃至11MPaの噴射圧力で、前記噴射ノズルからキャビテーション噴流を噴射することを特徴とする金属短線の洗浄方法。
JP2012135676A 2012-06-15 2012-06-15 金属短線の洗浄装置および金属短線の洗浄方法 Expired - Fee Related JP5900961B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2012135676A JP5900961B2 (ja) 2012-06-15 2012-06-15 金属短線の洗浄装置および金属短線の洗浄方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2012135676A JP5900961B2 (ja) 2012-06-15 2012-06-15 金属短線の洗浄装置および金属短線の洗浄方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2014001411A true JP2014001411A (ja) 2014-01-09
JP5900961B2 JP5900961B2 (ja) 2016-04-06

Family

ID=50034852

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2012135676A Expired - Fee Related JP5900961B2 (ja) 2012-06-15 2012-06-15 金属短線の洗浄装置および金属短線の洗浄方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP5900961B2 (ja)

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN106181100A (zh) * 2016-07-26 2016-12-07 江苏大学 一种空蚀累积加工方法及其装置
CN109047161A (zh) * 2018-09-30 2018-12-21 湖州金业电镀有限公司 一种电镀前预处理用浸泡装置

Citations (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS5169426A (ja) * 1974-12-13 1976-06-16 Nitsuko Seiki Seisakusho Kk Imonozunasaiseihoho
JPH04198432A (ja) * 1990-11-29 1992-07-17 Fujikura Ltd 高純度アルミ電線のリサイクル方法
JP2002234030A (ja) * 2000-09-19 2002-08-20 Fuji Photo Film Co Ltd プラスチック製品のリサイクル方法と破砕プラスチックの洗浄方法及び装置

Patent Citations (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS5169426A (ja) * 1974-12-13 1976-06-16 Nitsuko Seiki Seisakusho Kk Imonozunasaiseihoho
JPH04198432A (ja) * 1990-11-29 1992-07-17 Fujikura Ltd 高純度アルミ電線のリサイクル方法
JP2002234030A (ja) * 2000-09-19 2002-08-20 Fuji Photo Film Co Ltd プラスチック製品のリサイクル方法と破砕プラスチックの洗浄方法及び装置

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN106181100A (zh) * 2016-07-26 2016-12-07 江苏大学 一种空蚀累积加工方法及其装置
CN106181100B (zh) * 2016-07-26 2019-05-31 江苏大学 一种空蚀累积加工方法及其装置
CN109047161A (zh) * 2018-09-30 2018-12-21 湖州金业电镀有限公司 一种电镀前预处理用浸泡装置

Also Published As

Publication number Publication date
JP5900961B2 (ja) 2016-04-06

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US20100095980A1 (en) Method of cleaning steel sheet and continous cleaning system of steel sheet
CZ298698A3 (cs) Elektrolytický způsob čištění elektricky vodivých povrchů
US20190112728A1 (en) Plating apparatus and plating method
EP2383049A1 (en) Apparatus for cleaning deposition chamber parts using selective spray etch
JP2005344210A (ja) 金型洗浄液、金型洗浄方法および金型洗浄装置
JP5900961B2 (ja) 金属短線の洗浄装置および金属短線の洗浄方法
JP2010082591A (ja) 金属部品の洗浄方法および洗浄装置
US9399828B2 (en) Method and apparatus for extracting and removing rare earth metal ions from plating solution
JP2008087103A (ja) スケール除去装置及びスケール除去方法
CN103526146A (zh) 一种热镀锌钢丝的镀前表面处理工艺
JP2015174032A (ja) Pcb汚染廃電気機器の洗浄装置
JP2019010633A (ja) 係留ロープ用洗浄装置
JP2013056326A (ja) 配管洗浄方法
CN101622099A (zh) 金属制构件的焊接部的表面处理方法
KR101791388B1 (ko) 도금용 바스켓
JP2015182064A (ja) Pcb汚染廃電気機器の洗浄装置
KR100827481B1 (ko) 웨이퍼의 도금장치
JP4871089B2 (ja) 金属線材のスケール除去方法と装置
JP2006241652A (ja) ワイヤロープの端末ソケット加工方法
JPH09314142A (ja) メッキ加工の前処理脱脂工程における油分離装置
JP6970884B2 (ja) アルミニウム箔の製造方法およびアルミニウム箔の製造装置
KR101271791B1 (ko) 오존 마이크로 버블을 이용한 강판 표면 청정방법
KR101124552B1 (ko) 기판도금장치
CN201287154Y (zh) 一种铝漆包线清洗装置
CN102965702A (zh) 一种改善电镀镍层厚度均匀性的方法

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20150401

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A821

Effective date: 20150402

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20150401

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20151217

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20151222

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20160126

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A821

Effective date: 20160127

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20160301

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20160303

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 5900961

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees