JP2014001124A - 化学強化ガラス板、カバーガラスおよびディスプレイ装置 - Google Patents

化学強化ガラス板、カバーガラスおよびディスプレイ装置 Download PDF

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政行 石丸
Hiroyuki Okawa
博之 大川
shusaku Akiba
周作 秋葉
Shigeki Sawamura
茂輝 澤村
Kazutaka Ono
和孝 小野
Tetsuya Nakajima
哲也 中島
Izuru Kashima
出 鹿島
Yusuke Kobayashi
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Abstract

【課題】多様な破損状況に耐え得る化学強化ガラス板を提供する。
【解決手段】表裏の主面と、該表裏の主面間の端面とを有し、化学強化処理された概略矩形を呈する化学強化ガラス板であって、表面圧縮応力が850MPa以上、内部引張応力が42MPa以下、表面圧縮応力層の厚さが20〜35μm、板厚が0.5mm以上であることを特徴とする化学強化ガラス板。
【選択図】図1

Description

本発明は、携帯電話、携帯情報端末(PDA)、タブレットPCなどのモバイル機器、タッチパネル、大型液晶テレビなどの大型薄型テレビ、車載メータ表示装置等のディスプレイ装置のカバーガラスなどに好適な、化学強化ガラス板に関する。
近年、携帯電話、PDA、タブレットPC等のモバイル機器やタッチパネル、液晶テレビなどのディスプレイ装置に対しては、ディスプレイの保護ならびに美観を高めるためのカバーガラス(保護ガラス)が用いられることが多くなっている。また、液晶テレビなど薄型テレビのカバーガラスなどには、例えば反射防止、衝撃破損防止、電磁波遮蔽、近赤外線遮蔽、色調補正などの機能を有する膜の形成、など表面加工が行われることがある。
このようなディスプレイ装置に対しては、薄型デザインによる差異化や移動のための負担の減少のため、軽量・薄型化が要求されている。そのため、ディスプレイ保護用に使用されるカバーガラスも薄くすることが要求されている。しかし、カバーガラスの厚さを薄くしていくと、強度が低下し、据え置き型の場合には物体の飛来や落下による衝撃、または携帯機器の場合には使用中の落下などによりカバーガラス自身が割れてしまうことがあり、ディスプレイ装置を保護するという本来の役割を果たすことができなくなるという問題があった。
上記問題を解決するためには、カバーガラスの強度を高めることが考えられ、その方法としてガラス表面に圧縮応力層を形成させる手法が一般的に知られている。
ガラス表面に圧縮応力層を形成させる手法としては、軟化点付近まで加熱したガラス板表面を風冷などにより急速に冷却する風冷強化法(物理強化法)と、ガラス転移点以下の温度でイオン交換によりガラス板表面のイオン半径が小さなアルカリ金属イオン(典型的にはLiイオン、Naイオン)をイオン半径のより大きいアルカリイオン(典型的にはKイオン)に交換する化学強化法が代表的である。
前述したようにカバーガラスの厚さは薄いことが要求されている。しかしながら、カバーガラスとして要求される、厚みが2mmを下回るような薄いガラス板に対して風冷強化法を適用すると、表面と内部の温度差がつきにくいために圧縮応力層を形成することが困難であり、目的の高強度という特性を得ることができない。そのため、化学強化法によって強化されたカバーガラスが通常用いられている。
このようなカバーガラスとしてはソーダライムガラスを化学強化したものが広く用いられている(例えば特許文献1参照)。
ソーダライムガラスは安価であり、また化学強化によってガラス表面に形成した圧縮応力層の表面圧縮応力Sを550MPa以上にできるという特徴があるが、圧縮応力層の厚みDOL(以下、圧縮応力層深さということもある。)を20μm以上にすることが容易ではないという問題があった。なお、後述する例28のガラスはソーダライムガラスである。
そこで、ソーダライムガラスとは異なるSiO−Al−NaO系ガラスを化学強化したものがこのようなカバーガラスとして提案されている(例えば特許文献2、3参照)。
前記SiO−Al−NaO系ガラスには前記Sを550MPa以上にできるだけでなく、前記DOLを20μm以上にすることも可能であるという特徴がある。
特開2007−11210号公報 米国特許出願公開第2009/0298669号明細書 米国特許出願公開第2008/0286548号明細書
モバイル機器は、手やポケットやカバンから落としてしまいそのカバーガラスに傷(圧痕)がつく機会が多く、また、落としたモバイル機器を踏んだりモバイル機器をポケットに入れたままその上に座ってしまうこともあるのでカバーガラスに大きな負荷がかかる機会も多い。
従来用いられているカバーガラスの表面圧縮応力Sは650〜750MPaであるが、上記のように大きな負荷がかかる可能性をふまえて、近年はSがそれよりも大きいカバーガラスが求められている。
このようにカバーガラスにかかる負荷は、様々な状況で発生する。その結果カバーガラスが破損することがあるが、破損の仕方はそれぞれの状況で異なる。これらの破損の仕方を分析した結果、本発明者らは破損の仕方が次の4つに分類できることを見出した。
(1)カバーガラスの表面側周縁
この現象は、モバイル機器の地面等への落下の際に、モバイル機器の周縁が小さな物に衝突することで発生しやすい。
(2)カバーガラスの裏面側周縁
この現象は、モバイル機器の地面等への落下の際に、モバイル機器の周縁が大きな物に衝突することで発生しやすい。
(3)カバーガラスの表面側主面
この現象は、モバイル機器の地面等への落下の際に、モバイル機器の主面が地面等にある鋭利な砂や石等に衝突することで発生しやすい。
(4)カバーガラスの裏面側主面
この現象は、モバイル機器の地面等への落下の際に、モバイル機器の主面が曲率半径の大きな概略球面状の物体に衝突することで発生しやすい。
そのうち、(3)にかかる破損について本発明者らは、次のことを見出した。すなわち、カバーガラスの表面側主面からの破損は、当該主面が鋭利な物に衝突する際に発生しやすいことから、表面圧縮応力層を突き抜けて内部引張応力層まで割れが到達した結果生ずる。そのため、上述のように提案されている表面圧縮応力Sの値を大きくしても(3)の破損を低減しづらい。また、表面圧縮応力層の厚さDOLを大きくしても、DOLの値はせいぜい100μm程度であり、鋭利な物との衝突によって生ずる割れの表面圧縮応力層の突き抜けを防止しきれない。
このような大小のディスプレイ装置がより広く利用されるようになってくると、利用数が少なかったときに比べてカバーガラスが破損する状況が多様化する。
本発明は、このような多様化に対し破損しにくい化学強化ガラス板の提供を目的とする。なお、多様な破損状況を説明するために一例としてカバーガラスの例を挙げたが本発明はそれに限定されるものではない。
本発明の一態様の化学強化ガラス板は、表裏の主面と、該表裏の主面間の端面とを有し、化学強化処理された概略矩形を呈する化学強化ガラス板であって、表面圧縮応力が850MPa以上、内部引張応力が42MPa以下、表面圧縮応力層の厚さが20〜35μm、板厚が0.5mm以上であることを特徴とする。
また、本発明の別態様の化学強化ガラス板は、表裏の主面と、該表裏の主面間の端面とを有し、化学強化処理された概略矩形を呈する化学強化ガラス板であって、表面圧縮応力層の厚さDOLに対する前記端面に設けられた面取り部に隣接する主面からの板厚方向における距離が板厚の1/5以内の部分に存在する潜傷の深さの比が0.9以下であることを特徴とする。
本発明によれば、多様な破損状況に耐え得る化学強化ガラス板が得られる。
本発明の化学強化ガラス板の一態様を示す側断面図である。 本発明の化学強化ガラス板の一態様を示す側断面図である。 本発明の化学強化ガラス板の一態様を示す側断面図である。 本発明の第2の実施形態による化学強化ガラス板の製造方法を示す側断面図である。 本発明の第2の実施形態による化学強化ガラス板の製造方法を示す側断面図である。 本発明の第2の実施形態による化学強化ガラス板の製造方法を示す側断面図である。 本発明の第3の実施形態による化学強化ガラス板の製造方法を示す側断面図である。 本発明の第3の実施形態による化学強化ガラス板の製造方法を示す側断面図である。 本発明の第3の実施形態による化学強化ガラス板の製造方法を示す側断面図である。 本発明の第4の実施形態による化学強化ガラス板の製造方法を示す側断面図である。 本発明の第4の実施形態による化学強化ガラス板の製造方法を示す側断面図である。 四角錐圧子圧入試験による内部引張応力Tと荷重F50との関係性を表したグラフである。 4点曲げ試験による表面圧縮応力Sと曲げ強度との関係性を表したグラフである。 落球試験による表面圧縮応力Sと破壊エネルギーとの関係性を表したグラフである。 4点曲げ試験による表面圧縮応力層の厚さDOLと曲げ強度との関係性を表したグラフである。 本発明の一態様に係る化学強化ガラス板の4点曲げ強度を表したワイブルプロットである。
上述のように、本発明者らは、カバーガラスの破損の仕方が次の4つに分類できることを見出し、(1)カバーガラスの表面側周縁、(2)カバーガラスの裏面側周縁、(3)カバーガラスの表面側主面、(4)カバーガラスの裏面側主面の4つの破損の仕方のいずれにも高強度な化学強化ガラスを見出した。
初めに、本発明者らは、(3)の破損は鋭利な物体が表面主面に衝突し表面圧縮応力層をクラックが突き抜けることに起因することも見出した。クラックが表面圧縮応力層を突き抜けないほどの厚さにすることは、工業的に現実的でない。そこで、万が一クラックが表面圧縮層を突き抜けた場合でも、内部引張応力Tを42MPa以下にすることによって、破損の程度を小さくできる。(3)の破損の観点からすると内部引張応力Tは40MPa以下が好ましく、35MPaがより好ましく、30MPaが特に好ましい。
(3)の破損の観点からするとガラスの耐性に関しては、どのような物質がガラスと接触するかが、ガラス表面に傷が残るかという観点で重要である。特に(主にSiOなどから形成される)砂などの硬い物質と接触するとガラス表面が押し込まれ圧痕およびそれから発生するクラック、または削られた傷が残る。その時に接触する物質の角度が、その傷からクラックが発生するかどうかという点で重要である。
これまでは、カバーガラス等のクラック発生の耐性に関してはビッカース圧子を用いて試験されていたが、我々はより鋭角な圧子を用いた場合にクラック発生の優劣をつけるべきであるということを考え、内部引張応力Tが異なるように化学強化処理を行った複数のサンプルを用いて、ビッカース硬度計に対稜角110°のピラミッド型ダイヤモンド圧子を用いて荷重をかけた時の破壊が生じる確率が50%となる荷重F50(単位:kgf)を測定した。なお、この測定はFuture−tech製ビッカース硬度計FLC−50Vを用いて実施した。
前記した四角錐圧子圧入試験による内部引張応力TとF50との関係性を表したグラフを図12に示す。内部引張応力Tが大きくなればなるほど小さい荷重で破壊が生じている。この測定結果より、(3)の破損を抑制するためには内部引張応力Tはより低いことが好ましいことが確認された。
また、(1)、(2)、(4)の破損は、できるだけ表面圧縮応力Sの値を大きくすることで低減できると考えられるため、本発明のガラス板の表面圧縮応力Sは850MPa以上としている。(1)、(2)、(4)の破損の観点からすると表面圧縮応力Sはより高い方が好ましい。
(1)、(2)の破損の観点からのガラスの耐性と表面圧縮応力Sとの関連性を調べるために、表面圧縮応力Sが異なるように化学強化処理を行った複数のサンプルを用いて2つの支持点の間隔を40mm、2つの荷重点の間隔を10mmとして4点曲げ試験(JIS R1601)を行い曲げ強度を測定した。なお、この測定は島津製作所製オートグラフAGS−Xを用いて実施した。
前記した4点曲げ試験による表面圧縮応力Sと曲げ強度との関係性を表したグラフを図13に示す。表面圧縮応力Sが高くなればなるほど曲げ強度も増加している。この測定結果より、(1)、(2)の破損を抑制するためには表面圧縮応力Sはより高いことが好ましいことが確認された。
次に(4)の破損の観点からのガラスの耐性と表面圧縮応力Sとの関連性を調べるために、表面圧縮応力Sが異なるように化学強化処理を行った複数のサンプルを用いて落球試験による破壊エネルギー測定を行った。落球試験は、サイズ50mm×50mm×0.7mmのサンプルを固定し、130gのステンレス鋼をサンプル上に落下させることにより実施した。
前記した落球試験による表面圧縮応力Sと破壊エネルギーとの関係性を表したグラフを図14に示す。表面圧縮応力Sが高くなればなるほど破壊エネルギーも増加している。この測定結果より、(4)の破損を抑制するためには表面圧縮応力Sはより高いことが好ましいことが確認された。
さらに本発明者らは、(1)、(2)の破損、すなわちガラス板の周縁での破損が、当該周縁、特に端面に残存する傷により顕著になることを見出した。そこで本発明のガラス板は、ガラス板の端面に面取り部を設け、この面取り部に隣接する主面からの板厚方向における距離が板厚の1/5以内の部分において、エッチングした際にエッチング面に深さ10μm以上のピットがないことによりさらに強度が向上することを見出した。
また、表面圧縮応力層の厚さDOLに対し、ガラス板の破損の起点となる面取り部の潜傷の深さの比を0.9以下にすることによっても強度が向上することを見出した。
ところで、原理的に化学強化ガラス板は、内部引張応力T、表面圧縮応力S、表面圧縮応力層の厚さDOL、板厚tとの関係が、T=S*DOL/(t−2DOL)であると知られている。そこで、できるだけSの値を大きくして(1)、(2)、(4)の破損を低減しようとすると、Tの値が増大し(3)の破損を低減しにくくなる。
そこで、本発明の一態様のガラス基板の表面圧縮応力Sは850〜1200MPaであり、表面圧縮応力層の厚さDOLは20〜35μmであり、内部引張応力Tは3〜42MPaであり、板厚は0.6mm以上である。内部引張応力Tは強化条件に応じて他の形態として10〜42MPaとしても良く、また20〜42MPaとしても、25〜42MPaとしても構わない。カバーガラス等の用途の場合には板厚が1.5mm以下とすると重量の観点からより好ましい。
また、より好ましくは表面圧縮応力が900〜1100MPa、表面圧縮応力層の厚さが25〜30μm、内部引張応力が30〜40MPa、板厚が0.7〜1.1mm、である。
また、従来ガラス板の破損低減のためには、一般的にDOLの値を大きくすることがよいと考えられていた。ところが、特に(1)、(2)の破損を低減しようとしてDOLの値を大きくしたところ、図15に示すように、特定の値以上ではDOLの値を大きくしてもその破損の程度を著しく向上することはなかった。なお、図15は、室温で測定した4点曲げ試験(JIS R1601)による表面圧縮応力層の厚さDOLと曲げ強度との関係性を表したグラフである。サンプルにはサイズ50mm×50mm×1.0mmであり、端面をCNC研磨したものを用いた。2つの支持点の間隔は40mm、2つの荷重点の間隔は10mmとした。曲げ強度としては、10個の試験片の平均値をとった。4点曲げ試験には島津製作所製オートグラフAGS−Xを用いて実施した。
そこで、(1)、(2)の破損を低減し、なおかつ(3)の破損低減のためにTの値を小さくするために、本発明のガラス板のDOLは、35μm以下としている。また、20μm以下にするとよりTの値が小さくなるが、図15より曲げ強度が低下してしまうため、(1)、(2)の破損も低減するために20μm以上としている。
このようなガラス板について、図面を用いてさらに詳細に説明する。
[第1の実施形態]
ガラス板10は、表裏の主面11、12と、2つの主面11、12に隣接する端面13とを有する。2つの主面11、12は互いに平行な平坦面である。
端面13は、2つの主面11、12に対して垂直な平坦部14と、各主面11、12と平坦部14との間に形成される面取り部15、16とで構成される。平坦部14は、ガラス板10よりも大面積の板ガラスを切断して得られる切断面のままでもよいし、切断面を加工して得られる加工面でもよい。
面取り部15、16は、例えば矩形状の主面11、12の4辺に対応して4つ設けられてもよいし、1つのみ設けられてもよく、その設置数は特に限定されない。(1)、(2)の破損を好適に低減するためには、すべての辺において設けられることが好ましい。
面取り部15、16は、切断面或いは加工面と主面の角部を除去してなる。面取り部15、16は、例えば主面11、12に対して斜めの平坦面である。図1において面取り部15、16は、同じ寸法形状を有するが、異なる寸法形状を有してもよい。
なお、本実施形態の面取り部15、16は、主面11、12に対して斜めの平坦面であるが、板厚方向視(X方向視)において主面11、12から平坦部14にかけて外方に徐々に突出する面であればよく、湾曲面であってもよい。この場合、平坦部14がなく、面取り部15、16同士がつながっていてもよく、面取り部15、16は略同じ曲率半径を有してもよい。
ガラス板10は、両主面11、12に各主面11、12から所定の深さで形成される化学強化層(圧縮応力層)21、22を有する。圧縮応力層は、ガラスをイオン交換用の処理液に浸漬して形成される。ガラス表面に含まれる小さなイオン半径のイオン(例えば、Liイオン、Naイオン)が大きなイオン半径のイオン(例えば、Kイオン)に置換され、ガラス表面に表面から所定の深さで圧縮応力層が形成される。応力の釣り合いのため、引張応力層がガラスの内部に形成される。
なお、本実施形態の2つの圧縮応力層21、22は、同じ表面圧縮応力、および同じ厚さを有するが、異なる表面圧縮応力、異なる厚さを有してもよい。
図2は、本発明の一実施形態によるガラス板のエッチング後の状態を示す概略図である。図2において、ガラス板10のエッチング後の状態を実線で示し、ガラス板10のエッチング前の状態を2点鎖線で示す。図3は、図2の一部拡大図であって、エッチング面17と、エッチング面17に形成されるピット18と、エッチング面17の理想面19との関係を示す。
本実施形態では、端面13の所定部分13a、13bをエッチングしたとき、エッチング面17に深さ10μm以上(好ましくは深さ8μm以上、より好ましくは深さ6μm以上)のピット18がない。所定部分13a、13bは、側面13のうち、面取り部15、16に隣接する主平面11、12からの板厚方向における距離Hが板厚Eの1/5以内(H≦1/5×E)の部分のことである。
「エッチング」は、ガラス板10の全体をエッチング液に浸漬して室温(25℃)で行われる。エッチング液としては、5質量%のフッ酸(HF)と、95質量%の純水を含む水溶液が用いられる。エッチング液はガラス板10の表面や内部に形成される潜傷に浸入し、潜傷を拡げて明瞭化する。
「エッチング量」は、浸漬時間で制御される。具体的には、あらかじめ同一組成のガラスを用いて所定時間エッチングを行ってエッチングレートを算出した後、所望のエッチング量となるように浸漬時間を調整してエッチングを行う。なお、ガラスの種類によっては、前記エッチングレートを調整するためにフッ酸濃度を変更することがある。
「ピットの深さ」とは、JIS B0671−2:2002に定められる突出谷部深さRvkの測定法に基づいて求める。
ここで、深さ10μm以上のピット18の有無を調べる対象を、側面13の上記部分13a、13bに限定したのは、上記部分13a、13bに微小傷が存在した場合、該微小傷を基点としてガラス板10が破損することがあるからである。
本実施形態では、上記部分13a、13bを例えば深さ10μmエッチングした際のエッチング面17の表面のピット18を測定している。エッチングは潜傷を明瞭化するために実施され、深さは10μmに限定されない。
また、エッチングの有無にかかわらず上記部分13a、13bにおける潜傷を測定し、その潜傷深さの測定を行った。
ここで、「潜傷深さ」は以下のような工程により測定を行った。まずガラス板10をエッチングした後、ガラス基板の主平面を所定量研磨して洗浄と乾燥を行い、エッチング処理により円形状ピットまたは楕円形状ピットとなった加工変質層を光学顕微鏡で観察する。ここで、「加工変質層」とは、形状付与や面取りおよび研削等の加工工程において、ガラス基板に生じたキズやクラック等が存在する層をいう。例えば、光学顕微鏡の対物レンズは20倍を使用し、観察視野635μm×480μmで観察を行った。この工程を複数回繰り返し、円形状ピットまたは楕円形状ピットが観察されなくなった時点におけるガラス板10のエッチング量を、「潜傷深さ」とした。
本実施形態のガラス板10において、DOLに対し潜傷深さが0.9以下となるように化学強化を行うことで、面取り部に潜傷が存在していたとしても圧縮応力層の効果を得ることができるため好ましい。より好適な実施形態としてはDOLに対し潜傷深さが0.7以下であり、さらに好ましくは0.5以下である。ここでのDOLは面取り部におけるDOLを測定することが好ましいが、面取り部と主面との境界領域から10mm内側のDOLを測定しても構わない。その領域のDOLが面取り部の潜傷深さに対して0.9以下であれば同様の効果を得ることができる。より詳細な評価として、ガラス板の4辺の各辺の中央において面取り部と主面との境界領域から10mm内側のDOLと面取り部の潜傷深さがそれぞれ0.9以下となるようにしても構わない。
これらの好ましい態様において、板厚0.6〜1.5mmのガラス板で、内部引張応力Tが47MPa以下、好ましくは45MPa以下、さらに好ましくは40MPa以下、特に好ましくは35MPa以下であるとよい。この場合の内部引張応力Tの下限は20MPa、好ましくは25MPaであるとよい。
[第2の実施形態]
本実施形態は、面取り部を有するガラス板の製造方法に関する。
図4〜図6は、本発明の第2の実施形態によるガラス板の製造方法の説明図である。図4は、素板(もといた)であるガラス板110を含む積層体130と、積層体130の外縁部を研磨するブラシ140とを示す。図5は、積層体130の外縁部をブラシ140で研磨している状態を拡大して示す。図6はブラシ研磨後のガラス板110Aを実線で示し、ブラシ研磨前のガラス板110を2点鎖線で示す。
ガラス板の製造方法は、ガラス板110同士の間にスペーサ120を介在させて、積層体130を作製する積層工程と、積層体130の外縁部をブラシ140で研磨する研磨工程とを有する。また、ガラス板の製造方法は、ガラス板110をブラシ140で研磨して得られるガラス板110Aとスペーサ120とを分離する分離工程をさらに有する。
積層体130は、図4に示すように、複数のガラス板110と、ガラス板110同士の間に介在される板状のスペーサ120とを有する。ガラス板110と、スペーサ120とは交互に重ねられたうえで、クランプなどの治具で挟んで固定される。ガラス板110とスペーサ120との間に、ガラス板110の損傷を防止するための保護シートが配設されてもよい。保護シートは、樹脂などで構成される。
なお、本実施形態のガラス板110とスペーサ120とは治具で固定されるとしたが、固定方法は特に限定されない。例えば、固定方法はガラス板110とスペーサ120とを接着する方法であってもよい。接着剤としては、研磨工程後の分離工程において除去可能なものが用いられ、例えば熱軟化性の樹脂が用いられる。ガラス板110とスペーサ120の間に接着剤層を形成する代わりに、スペーサ120自体を接着剤層として用いてもよい。
各ガラス板110は、例えばガラス板110よりも大面積の板ガラスを化学強化した後、切断して複数枚取りされることがある。板ガラスの種類、化学強化方法、切断方法については、第1の実施形態と同様であるので説明を省略する。
各ガラス板110は、図5に示すように、2つの主平面111、112と、2つの主平面111、112に隣接する側面113とを有する。2つの主平面111、112は、互いに平行な平坦面である。側面113は切断面であって、主平面111、112と垂直な平坦面である。
各ガラス板110は、図1に示すガラス板10と同様に、両主平面111、112に各主平面111、112から所定の深さで形成される圧縮応力層を有する。圧縮応力層の間には、応力の釣り合いのため、引張応力層が形成される。また、各ガラス板110は、図1に示すガラス板10と同様に、側面113に、化学強化による引張応力が残留する領域が存在する。
各ガラス板110は、図4に示すように、略同じ寸法形状を有し、積層方向視(図中、矢印X方向)において互いに外縁が重なるように積層されている。よって、各ガラス板110の外縁部が均等に研磨される。
各スペーサ120は、ガラス板よりも軟質の材料が用いられ、例えば、ポリプロピレン樹脂や発泡ウレタン樹脂などで構成される。
各スペーサ120は、略同じ寸法形状を有する。各スペーサ120は、積層方向視(図中、矢印X方向視)においてガラス板110の外縁よりも内側に配置され、ガラス板110同士の間に溝状の隙間160を形成する。
ブラシ140は、図4に示すようにロールブラシであって、積層体130の積層方向と平行な回転軸141、回転軸141に対して略垂直に保持されるブラシ毛142などで構成される。ブラシ140は、回転軸141を中心に回転されながら、積層体130の外縁に沿って相対的に移動され、積層体130の外縁に向かって研磨材を含有するスラリーを吐出し、積層体130の外縁部をブラシ研磨する。研磨材としては、酸化セリウム、ジルコニアなどが用いられる。研磨材の粒径(D50)は、例えば5μm以下であり、好ましくは2μm以下である。
ブラシ140は、チャンネルブラシであって、複数のブラシ毛142が植毛された長尺の部材(チャンネル)を回転軸141に螺旋状に巻き付けてなる。
ブラシ毛142は、ポリアミドなどの樹脂で主に構成され、アルミナ(Al)や炭化ケイ素(SiC)、ダイヤモンドなどの研磨材を含んでもよい。ブラシ毛142は、線状に形成され、先細り状の先端部を有してもよい。
本実施形態では、隙間160の幅W1が、ブラシ毛142の最大直径Aの1.25倍以上(W1≧1.25×A)である。そのため、図5に示すように、ブラシ毛142が隙間160内に滑らかに挿入され、ガラス板110の主平面111、112と側面113との角部がブラシ毛142で曲面に面取りされる。
隙間160の幅W1は、好ましくは1.33×A以上、さらに好ましくは1.5×A以上である。隙間160の幅W1は、ブラシ研磨の効率を向上するため、ガラス板110の板厚Eよりも小さくてよい。
ブラシ140で研磨されたガラス板110Aは、図6に実線で示すように、2つの主平面111A、112Aと、2つの主平面111A、112Aに隣接する側面113Aとを有する。2つの主平面111A、112Aは互いに平行な平坦面である。側面113Aは、主平面111A、112Aに対して垂直な平坦部114Aと、各主平面111A、112Aと平坦部114Aとの間に形成される面取り部115A、116Aとで構成される。面取り部115A、116Aは、板厚方向視(X方向視)において主平面111A、112Aから平坦部114Aにかけて外方に徐々に突出する曲面である。
平坦部114Aは、図6に2点鎖線で示すガラス板110の側面を柔らかいブラシ毛142で研磨してなる。面取り部115A、116Aは、図6に2点鎖線で示すガラス板110の主平面と側面との角部をブラシ毛142の外周面で研磨してなる。
ガラス板110Aの側面113Aは、スペーサ120によって調整された隙間にブラシ毛142を挿入し、粒径が5μm以下の研磨材を含むスラリーを用いて研磨されているので、側面113Aの所定部分を深さ10μmエッチングしたとき、エッチング面に深さ1μm以上のピットがない。所定部分は、側面113Aのうち、面取り部115A、116Aに隣接する主平面111A、112Aからの板厚方向における距離が板厚の1/5以内の部分のことである。よって、第1の実施形態と同様の曲げ強度に優れたガラス板110Aが得られる。
[第3の実施形態]
本実施形態は、面取り部を有するガラス板の製造方法に関する。本実施形態は、積層体を作製する前に、ガラス板の外縁部を研削する工程をさらに有する。
図7〜図9は、本発明の第3の実施形態によるガラス板の製造方法の説明図である。図7は、素板(もといた)であるガラス板110およびガラス板110の外縁部を研削する回転砥石240を示す。図8は、回転砥石240で研削されたガラス板110Bを含む積層体130Bの外縁部をブラシ140(図4参照)で研磨している状態を拡大して示す。図9は、ブラシ研磨後のガラス板110Cを実線で示し、ブラシ研磨前のガラス板110Bを2点鎖線で示す。
ガラス板の製造方法は、ガラス板110の外縁部を円盤状の回転砥石240で研削する研削工程と、ガラス板110を研削して得られるガラス板110B同士の間にスペーサ120を介在させて、積層体130Bを作製する積層工程と、積層体130Bの外縁部をブラシ140で研磨する研磨工程とを有する。また、ガラス板の製造方法は、ガラス板110Bをブラシ140で研磨して得られるガラス板110Cとスペーサ120とを分離する分離工程をさらに有する。
回転砥石240の外周面241には、周方向に延びる環状の研削溝242が形成されている。研削溝242の壁面は、アルミナや炭化ケイ素、ダイヤモンドなどの砥粒を含む。砥粒の粒度(JIS R6001)は、例えば#300〜#2000である。粒度はJIS R6002に基づいて測定される。粒度が小さくなるほど、粒径が大きくなるので、研削効率がよい。
回転砥石240は、回転砥石240の中心線を中心に回転されながら、ガラス板110の外縁に沿って相対的に移動され、ガラス板110の外縁部を研削溝242の壁面で研削する。研削時に水などの冷却液が用いられてよい。
回転砥石240で研削されたガラス板110Bは、図8に示すように、2つの主平面111B、112Bと、2つの主平面111B、112Bに隣接する側面113Bとを有する。側面113Bは、回転砥石240で研削された研削面であって、主平面111B、112Bに対して垂直な平坦部114Bと、各主平面111B、112Bと平坦部114Bとの間に形成される面取り部115B、116Bとで構成される。面取り部115B、116Bは、例えば主平面111B、112Bに対して斜めの平坦面である。
なお、本実施形態の面取り部115B、116Bは、主平面111B、112Bに対して斜めの平坦面であるが、板厚方向視(X方向視)において主平面111B、112Bから平坦部114Bにかけて外方に徐々に突出する面であればよく、湾曲面であってもよい。この場合、平坦部114Bがなく、面取り部115B、116B同士がつながっていてもよく、面取り部115B、116Bは略同じ曲率半径を有してもよい。
積層体130Bは、回転砥石240で研削された複数のガラス板110Bと、ガラス板110B同士の間に介在される板状のスペーサ120とを有する。ガラス板110Bと、スペーサ120とは、交互に重ねられたうえで、クランプなどの治具で挟んで固定される。ガラス板110Bとスペーサ120との間に、ガラス板110Bの損傷を防止するための保護シートが配設されてもよい。保護シートは、樹脂などで構成される。なお、ガラス板110Bとスペーサ120とを固定する方法として、第2の実施形態と同様に、別の固定方法が用いられてもよい。
回転砥石240で研削された各ガラス板110Bは、略同じ寸法形状を有し、積層方向視(図中、矢印X方向)において互いに外縁が重なるように積層されている。よって、各ガラス板110Bの外縁部が均等に研磨される。研磨時に水などの冷却液が用いられてよい。
各スペーサ120は、略同じ寸法形状を有し、積層方向視(図中、矢印X方向視)において、各ガラス板110Bの研削面(平坦部114Bおよび面取り部115B、116B)よりも内側に配置され、ガラス板110B同士の間に隙間160Bを形成する。
本実施形態では、第2の実施形態と同様に、隙間160Bの幅W2がブラシ毛142の最大直径Aの1.25倍以上(W2≧1.25×A)である。そのため、図8に示すように、ブラシ毛142が隙間160B内に滑らかに挿入され、ガラス板110Bの主平面111B、112Bと面取り部115B、116Bとの境界部がブラシ毛142で曲面に面取りされる。このとき、面取り部115B、116Bと平坦部114Bとの境界部もブラシ毛142で曲面に面取りされる。
隙間160Bの幅W2は、好ましくは1.33×A以上、さらに好ましくは1.5×A以上である。隙間160Bの幅W2は、ブラシ研磨の効率を向上するため、ガラス板110Bの板厚Eよりも小さくてよい。
ブラシ140(図4参照)で研磨されたガラス板110Cは、図9に実線で示すように、2つの主平面111C、112Cと、2つの主平面111C、112Cに隣接する側面113Cとを有する。2つの主平面111C、112Cは互いに平行な平坦面である。側面113Cは、主平面111C、112Cに対して垂直な平坦部114Cと、各主平面111C、112Cと平坦部114Cとの間に形成される面取り部115C、116Cとで構成される。面取り部115C、116Cは、板厚方向視(X方向視)において主平面111C、112Cから平坦部114Cにかけて外方に徐々に突出する面である。
ガラス板110Cの側面113Cは、スペーサ120によって調整された隙間にブラシ毛を挿入し、粒径5μm以下の研磨材を含むスラリーを用いて研磨されているので、側面113Cの所定部分をエッチングした際にエッチング面に深さ10μm以上のピットがない。所定部分は、側面113Cのうち、面取り部115C、116Cに隣接する主平面111C、112Cからの板厚方向における距離が板厚の1/5以内の部分のことである。よって、第1の実施形態と同様の曲げ強度に優れたガラス板110Cが得られる。
[第4の実施形態]
本実施形態は、面取り部を有するガラス板の製造方法に関する。本実施形態は、ブラシでガラス板を研磨する工程の代わりに、砥粒付きのシートでガラス板を研磨する工程を有する。
図10〜図11は、本発明の第4の実施形態によるガラス板の製造方法の説明図である。図10は、素板(もといた)であるガラス板110と、ガラス板110を研磨するシート340とを示す。図11は、シート研磨後のガラス板110Dを実線で示し、シート研磨前のガラス板110を2点鎖線で示す。
ガラス板の製造方法は、砥粒を含むシート340で、ガラス板110の外縁部を研磨する研磨工程を有する。シート340は、樹脂や紙などからなるシート基材上に、砥粒を均一に接着したものや、樹脂製のシート基材中に砥粒が埋設され、該砥粒の一部が露出するように構成したものが用いられる。
シート340は、基台350の固定面351に固定され、固定面351に沿った形状となる。固定面351は、例えば図10に示すように平坦面であってもよいし、湾曲面であってもよい。
シート340は、固定面351と反対側の面に砥粒を含む。この砥粒を含む面にガラス板110を押し付けて摺動させることで、ガラス板110が研磨される。研磨時に水などの潤滑液が用いられてよい。
なお、本実施形態のシート340は基台350上に固定され、シート340の砥粒を含む面にガラス板110を押し付けて摺動させるが、テンションをかけた状態のシート340の砥粒を含む面をガラス板110に押し付けて摺動させてもよい。
シート340の砥粒としては、例えばアルミナや炭化ケイ素、ダイヤモンドの粉末が用いられ、#6000以上の粒度(JIS R6001)の砥粒が用いられる。粒度が大きくなるほど、粒径が小さくなる。砥粒の粒度はJIS R6002に基づいて測定される。砥粒の粒度は好ましくは#8000以上、より好ましくは#10000以上である。
研磨されたガラス板110Dは、図11に実線で示すように、2つの主平面111D、112Dと、2つの主平面111D、112Dに隣接する側面113Dとを有する。2つの主平面111D、112Dは互いに平行な平坦面である。側面113Dは、主平面111D、112Dに対して垂直な平坦部114Dと、各主平面111D、112Dと平坦部114Dとの間に形成される面取り部115D、116Dとで構成される。面取り部115D、116Dは、板厚方向視(X方向視)において主平面111D、112Dから平坦部114Dにかけて外方に徐々に突出する面であり、主平面111D、112Dに対して斜めの平坦面である。
平坦部114Dは、切断面のままであるので、潜傷が形成されない。なお、平坦部114Dはシート340で研磨してなるものであってもよい。
面取り部115D、116Dは、従来よりも粒度の大きい(粒径の小さい)砥粒を含むシート340で研磨してなる。
ガラス板110Dの側面113Dは、従来よりも粒度の大きい(粒径の小さい)砥粒を含むシート340で研磨されているので、側面113Dの所定部分をエッチングした際にエッチング面に深さ10μm以上のピットがない。所定部分は、側面113Dのうち、面取り部115D、116Dに隣接する主平面111D、112Dからの板厚方向における距離が板厚の1/5以内の部分のことである。よって、第1の実施形態と同様の曲げ強度に優れたガラス板110Dが得られる。
以上、本発明の第1〜第4の実施形態について説明したが、本発明は、上記の実施形態に制限されることはなく、本発明の範囲を逸脱することなく、上記の実施形態に種々の変形や置換を加えることができる。
例えば、第3の実施形態の回転砥石の外周面には、研削溝が形成されているが、形成されてなくてもよい。研削溝がない場合、回転砥石の外周面で研削されたガラス板の側面は主平面に垂直な面となる。そのため、研削溝がない場合、研削によって図6に2点鎖線で示す素板110と略同じ形状のガラス板が得られ、その後のブラシ研磨で図6に実線で示すガラス板110Aと略同じ形状のガラス板が得られる。
また、第3の実施形態において、研削溝のある回転砥石で研削する代わりに、ガラス板の角部をシートで研磨してもよい。シート研磨によって図9に2点鎖線で示すガラス板110Bと略同じ形状のガラス板が得られ、その後のブラシ研磨によって図9に実線で示すガラス板110Cと略同じ形状のガラス板が得られる。この場合のシートに含まれる砥粒の粒度は、第4の実施形態と異なり#1000以上であればよい。
また、第3の実施形態において、研削溝のある回転砥石で研削する代わりに、研削溝のない回転砥石で研削した後に、研削されたガラス板の角部をシートで研磨してもよい。シート研磨によって図9に2点鎖線で示すガラス板110Bと略同じ形状のガラス板が得られ、その後のブラシ研磨によって図9に実線で示すガラス板110Cと略同じ形状のガラス板が得られる。この場合のシートに含まれる砥粒の粒度は、第4の実施形態と異なり#1000以上であればよい。
本発明の強化ガラス板を得るための化学強化処理の方法としては、ガラス表層のNaと溶融塩中のKとをイオン交換できるものであれば特に限定されないが、例えば加熱された硝酸カリウム溶融塩にガラスを浸漬する方法が挙げられる。なお、本発明において硝酸カリウム溶融塩または硝酸カリウム塩はKNOの他、KNOと10質量%以下のNaNOを含有するものなどを含む。
ガラスに所望の表面圧縮応力を有する化学強化層(圧縮応力層)を形成するための化学強化処理条件はガラス板であればその厚みなどによっても異なるが、350〜550℃の硝酸カリウム溶融塩に2〜20時間ガラス基板を浸漬させることが典型的である。経済的な観点からは350〜500℃、2〜16時間の条件で浸漬させることが好ましく、より好ましい浸漬時間は2〜10時間である。
本発明のガラス板は概略矩形を呈しているが、正面視においてコーナーが曲線状になっていても、辺部において面方向外側または内側に突出またはくぼみを有していてもよい。
本発明におけるガラス板の製造方法に特に制限はないが、例えば種々の原料を適量調合し、約1400〜1800℃に加熱し溶融した後、脱泡、攪拌などにより均質化し、周知のフロート法、ダウンドロー法、プレス法などによって板状に成形し、徐冷後所望のサイズに切断して製造される。
本発明のガラス板のガラスのガラス転移点Tgは400℃以上であることが好ましい。400℃未満ではイオン交換時に表面圧縮応力が緩和してしまい、十分な応力を得られないおそれがある。より好ましくは550℃以上である。
本発明のガラス板のガラスの粘度が10dPa・sとなる温度T2は好ましくは1800℃以下、より好ましくは1750℃以下である。
本発明のガラスの粘度が10dPa・sとなる温度T4は1350℃以下であることが好ましい。
本発明のガラス板のガラスの比重ρは2.37〜2.55であることが好ましい。
本発明のガラス板のガラスのヤング率Eは65GPa以上であることが好ましい。68GPa未満ではガラスのカバーガラスとしての剛性や破壊強度が不十分となるおそれがある。
本発明のガラス板のガラスのポアソン比σは0.25以下であることが好ましい。0.25超ではガラスの耐クラック性が不十分となるおそれがある。
次に、本発明のガラス板のガラス組成について、特に断らない限りモル百分率表示含有量を用いて説明する。
SiOはガラスの骨格を構成する成分であり必須であり、また、ガラス表面に傷(圧痕)がついた時のクラックの発生を低減させる、または化学強化後に圧痕をつけた時の破壊率を小さくする成分である。SiOが56%未満ではガラスとしての安定性や耐候性またはチッピング耐性が低下する。SiOは好ましくは58%以上、より好ましくは60%以上である。SiOが75%超ではガラスの粘性が増大して溶融性が低下する。
Alはイオン交換性能およびチッピング耐性を向上させるために有効な成分であり、表面圧縮応力を大きくする成分であり、または110°圧子で圧痕をつけた時のクラック発生率を小さくする成分であり、必須である。Alが5%未満ではイオン交換により、所望の表面圧縮応力値または圧縮応力層厚みが得られなくなる。好ましくは9%以上である。Alが20%超ではガラスの粘性が高くなり均質な溶融が困難になる。Alは好ましくは15%以下、典型的には14%以下である。
SiOおよびAlの含有量の合計SiO+Alは80%以下であることが好ましい。80%超では高温でのガラスの粘性が増大し、溶融が困難となるおそれがあり、好ましくは79%以下、より好ましくは78%以下である。また、SiO+Alは70%以上であることが好ましい。70%未満では圧痕がついた時のクラック耐性が低下し、より好ましくは72%以上である。
NaOはイオン交換により表面圧縮応力層を形成させ、またガラスの溶融性を向上させる成分であり、必須である。NaOが8%未満ではイオン交換により所望の表面圧縮応力層を形成することが困難となり、好ましくは10%以上、より好ましくは11%以上である。NaOが22%超では耐候性が低下する、または圧痕からクラックが発生しやすくなる。好ましくは21%以下である。
Oは必須ではないがイオン交換速度を増大させるため、10%以下の範囲で含有してもよい。10%超では圧痕からクラックが発生しやすくなる、または硝酸カリウム溶融塩中のNaNO濃度による表面圧縮応力の変化が大きくなるおそれがある。KOは5%以下、より好ましくは0.8%以下、さらに好ましくは0.5%以下、典型的には0.3%以下である。硝酸カリウム溶融塩中のNaNO濃度による表面圧縮応力の変化を小さくしたい場合にはKOは含有しないことが好ましい。
MgOは表面圧縮応力を大きくする成分であり、また溶融性を向上させる成分であり、必須である。応力緩和を抑制したい場合などにはMgOを含有させることが好ましい。MgOを含有しない場合は化学強化処理を行う際に溶融塩温度のばらつきに起因して応力緩和の度合いが化学強化処理槽の場所により変化しやすくなり、その結果安定した圧縮応力値を得ることが困難になるおそれがある。また、MgOが14%超ではガラスが失透しやすくなり、または硝酸カリウム溶融塩中のNaNO濃度による表面圧縮応力の変化が大きくなるおそれがあり、好ましくは13%以下である。
前記SiO−MgOは、好ましくは64%以下、より好ましくは62%以下、典型的には61%以下である。
前記Al−MgOは、好ましくは9%以下、より好ましくは8%以下である。
SiO、Al、NaOおよびMgOの含有量の合計は98%以上であることが好ましい。当該合計が98%未満ではクラック耐性を維持しつつ所望の圧縮応力層を得ることが困難になるおそれがある。典型的には98.3%以上である。
ZrOは必須ではないが、高温での粘性を低下させるために、または表面圧縮応力を大きくするために5%までの範囲で含有してもよい。ZrOが5%超では圧痕からクラックが発生する可能性が高まるおそれがある。そのため、2%以下が好ましく、1%以下がさらに好ましく、典型的にはZrOは含有しない。
は必須ではないが、高温での溶融性またはガラス強度の向上等のために6%以下の範囲で含有してもよい。Bが6%超では均質なガラスを得にくくなり、ガラスの成型が困難になるおそれがある、またはクラック耐性が低下するおそれがある。典型的にはBは含有しない。
SiO、Al、NaOおよびMgOの含有量の合計は好ましくは98%以上である。
本発明のガラス板の好ましいガラス成分は本質的に以上で説明した成分からなるが、本発明の目的を損なわない範囲でその他の成分を含有してもよい。そのような成分を含有する場合、それら成分の含有量の合計は2%未満であることが好ましく、より好ましくは1%以下である。以下、上記その他成分について例示的に説明する。
ZnOはガラスの高温での溶融性を向上するために例えば2%まで含有してもよい場合があるが、好ましくは1%以下であり、フロート法で製造する場合などには0.5%以下にすることが好ましい。ZnOが0.5%超ではフロート成型時に還元し製品欠点となるおそれがある。典型的にはZnOは含有しない。
TiOはガラス中に存在するFeイオンと共存することにより、可視光透過率を低下させ、ガラスを褐色に着色するおそれがあるので、含有するとしても1%以下であることが好ましく、典型的には含有しない。
LiOは歪点を低くして応力緩和を起こりやすくし、その結果安定した表面圧縮応力層を得られなくする成分であるので含有しないことが好ましく、含有する場合であってもその含有量は1%未満であることが好ましく、より好ましくは0.05%以下、特に好ましくは0.01%未満である。
また、LiOは化学強化処理時にKNOなどの溶融塩中に溶出することがあるが、Liを含有する溶融塩を用いて化学強化処理を行うと表面圧縮応力が著しく低下する。LiOはこの観点からは含有しないことが好ましい。
CaOは高温での溶融性を向上させる、または失透を起こりにくくするために5%以下の範囲で含有してもよい。CaOが5%超ではイオン交換速度またはクラック発生に対する耐性が低下する。典型的にはCaOは含有しない。
SrOは必要に応じて含有してもよいが、MgO、CaOに比べてイオン交換速度を低下させる効果が大きいので含有する場合であってもその含有量は1%未満であることが好ましい。典型的にはSrOは含有しない。
BaOはアルカリ土類金属酸化物の中でイオン交換速度を低下させる効果が最も大きいので、BaOは含有しないこととするか、含有する場合であってもその含有量は1%未満とすることが好ましい。
SrOまたはBaOを含有する場合それらの含有量の合計は1%以下であることが好ましく、より好ましくは0.3%未満である。
CaO、SrO、BaOおよびZrOのいずれか1以上を含有する場合それら4成分の含有量の合計は1.5%未満であることが好ましい。当該合計が1.5%以上ではイオン交換速度が低下するおそれがあり、典型的には1%以下である。
ガラスの溶融の際の清澄剤として、SO、塩化物、フッ化物などを適宜含有してもよい。ただし、タッチパネルなどディスプレイ装置の視認性を上げるため、可視域に吸収をもつFe、NiO、Crなど原料中の不純物として混入するような成分はできるだけ減らすことが好ましく、各々質量百分率表示で0.15%以下であることが好ましく、より好ましくは0.05%以下である。
表1〜7の例1〜45についてSiOからKOまでの欄にモル百分率表示(質量百分率表示)で示す組成になるように、酸化物、水酸化物、炭酸塩または硝酸塩等一般に使用されているガラス原料を適宜選択し、ガラスとして400gとなるように秤量した。この秤量したものにその質量の0.2%に相当する質量の硫酸ナトリウムを添加したものについて混合した。ついで、混合した原料を白金製るつぼに入れ、1650℃の抵抗加熱式電気炉に投入し、6時間溶融し、脱泡、均質化した。得られた溶融ガラスを型材に流し込み、Tg+50℃の温度で1時間保持した後、0.5℃/分の速度で室温まで冷却し、ガラスブロックを得た。
表1〜7において、例1〜40は実施例、例41〜45は比較例である。
これらガラスのヤング率E(単位:GPa)、比重d、ガラス転移点Tg(単位:℃)、粘度が10dPa・sとなる温度T2(単位:℃)、粘度が10dPa・sとなる温度T4(単位:℃)、50〜350℃における平均線膨張係数α(単位:−7/℃)を表に示す。
ガラスブロックを切断、研削し、最後に両面を鏡面に加工して、サイズが30mm×30mm、厚みが1.0mmである板状ガラスを得た。鏡面研磨に至る工程は、板状のガラスを#1000の砥石を用いて300〜1000μm研削して板状ガラスを得、その後、酸化セリウムを用いて研磨してその表面を鏡面とした。
次に、例1〜45の板状ガラスについて次のような化学強化処理を行った。それぞれの化学強化条件は以下の通りである。例1、2、11〜14、16、18、20、42は95質量%のKNOと5質量%のNaNOを含有する425℃の溶融塩にそれぞれ6時間浸漬し、化学強化処理を行ったものである。例3、4、6、15、31、44は95質量%のKNOと5質量%のNaNOを含有する425℃の溶融塩にそれぞれ10時間浸漬し、化学強化処理を行ったものである。例5、7、8、10、33、43は95質量%のKNOと5質量%のNaNOを含有する450℃の溶融塩にそれぞれ6時間浸漬し、化学強化処理を行ったものである。例9、45は95質量%のKNOと5質量%のNaNOを含有する450℃の溶融塩にそれぞれ10時間浸漬し、化学強化処理を行ったものである。例17、19、21、24、27、30、32、34〜38、40は425℃の100%のKNO溶融塩にそれぞれ6時間浸漬し、化学強化処理を行ったものである。例22、25、28、41は450℃の100%のKNO溶融塩にそれぞれ6時間浸漬し、化学強化処理を行ったものである。例23、26、29、39は425℃の100%のKNO溶融塩にそれぞれ10時間浸漬し、化学強化処理を行ったものである。
化学強化処理後の各ガラスについて、折原製作所社製表面応力計FSM−6000にて表面圧縮応力S(単位:MPa)および圧縮応力層深さDOL(単位:μm)を測定し、内部引張応力T(単位:MPa)計算した。結果を表の該当欄に示す。
Figure 2014001124
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図16は本発明の一態様に係る化学強化ガラス板の4点曲げ強度を表したワイブルプロットである。化学強化ガラス板のサンプルには、実施例19および20と同じ組成のものを強化し、CSが905MPa、DOLが22.7μm、板厚が1.1mmのものを使用した。化学強化後、粒度の異なる砥石を用いてそれぞれ面取り処理を行った。ここで、♯400の砥石は砥粒の平均粒径44〜37μm(最大粒径75μm)であり、♯600の砥石は砥粒の平均粒径26〜31μm(最大粒径53μ)のものである。
前述したように、4つの破損の仕方の全てを抑制しようとするとCSの値は高ければ高い方が好ましく、一方、CTの値は低ければ低い方が好ましい。本態様の化学強化ガラスはCSとCTの値を適切な値に調整しつつ、ガラス板端面を研磨することによりさらに曲げ強度を高めている。
図16から分かるように♯400の砥石で研磨した化学強化ガラス板は曲げ強度が500MPa以下となったサンプルが複数見られるが、♯600の砥石で研磨した化学強化ガラス板は曲げ強度が500MPa以下となったサンプルは見られなかった。化学強化ガラス板は一般的に実用的な曲げ強度として500MPa以上が求められているため、♯600の砥石で研磨を行うことによりCTを所定の値より低くしながら500MPa以上の曲げ強度を確保することができる。また、外観上の観点からも♯600以上の粒度の砥石で研磨することが好ましい。
各ガラス板の面取り部の潜傷(ピット)深さを測定したところ、♯400の砥石で研磨した化学強化ガラス板は最大25μm、♯600の砥石で研磨した化学強化ガラス板は最大20μmであった。従って、面取り部、特に面取り部に隣接する主面からの板厚方向における距離が板厚の1/5以内の部分において潜傷(ピット)深さを20μm以下とすることによって、さらに多様な破損状況に耐え得る化学強化ガラス板を提供することができる。図16より、♯400の砥石で研磨した化学強化ガラス板すなわち最大25μmの潜傷(ピット)深さを有する場合、500MPa以下の曲げ強度で破損してしまう確率がおよそ20%程度あることが分かった。一方で、潜傷(ピット)深さを最大20μmとすることで500MPa以下の曲げ強度で破損する確率を極端に低くすることができる。なお、潜傷深さは前述したようにエッチング処理を繰り返すことによって測定した。また、♯400の砥石で研磨した化学強化ガラス板の表面粗さRaは0.43μm、♯600の砥石で研磨した化学強化ガラス板の表面粗さRaは0.26μmであった。
以上に示したように、CSおよびCTの値を所定の値に調整しつつ、端面を研磨することにより多様な破損状況に対して破損しにくい化学強化ガラス板を提供することができる。
ディスプレイ装置のカバーガラスなどに利用できる。また、太陽電池基板や航空機用窓ガラスなどにも利用することができる。
10 ガラス板
11、12 主面
13 端面
13a、13b 端面の所定部分
15、16 面取り部
17 エッチング面
18 ピット
21、22 化学強化層(圧縮応力層)
23 引張応力層
24 化学強化による引張応力が残留する領域
110 ガラス板
120 スペーサ
130 積層体
140 ブラシ
142 ブラシ毛
240 回転砥石
340 シート

Claims (14)

  1. 表裏の主面と、該表裏の主面間の端面とを有し、化学強化処理された概略矩形を呈する化学強化ガラス板であって、表面圧縮応力が850MPa以上、内部引張応力が42MPa以下、表面圧縮応力層の厚さが20〜35μm、板厚が0.5mm以上であることを特徴とする化学強化ガラス板。
  2. 表面圧縮応力が850〜1200MPa、表面圧縮応力層の厚さが20〜35μm、内部引張応力が25〜42MPa、板厚が0.5〜1.5mmであることを特徴とする請求項1に記載の化学強化ガラス板。
  3. 表面圧縮応力が900〜1100MPa、表面圧縮応力層の厚さが25〜30μm、内部引張応力が30〜40MPa、板厚が0.7〜1.1mmであることを特徴とする請求項2に記載の化学強化ガラス板。
  4. 前記端面には面取り部が設けられており、前記面取り部に隣接する主面からの板厚方向における距離が板厚の1/5以内の部分において、エッチングした際にエッチング面に深さ20μm超のピットがないことを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の化学強化ガラス板。
  5. 表裏の主面と、該表裏の主面間の端面とを有し、化学強化処理された概略矩形を呈する化学強化ガラス板であって、表面圧縮応力層の厚さDOLに対する前記端面に設けられた面取り部に隣接する主面からの板厚方向における距離が板厚の1/5以内の部分に存在する潜傷の深さの比が0.9以下であることを特徴とする化学強化ガラス板。
  6. 表面圧縮応力が850MPa以上、内部引張応力が42MPa以下である請求項5に記載の化学強化ガラス板。
  7. 下記酸化物基準のモル百分率表示で、SiOを56〜75%、Alを5〜20%、NaOを8〜22%、KOを0〜10%、MgOを0〜14%、ZrOを0〜5%、CaOを0〜5%含有する請求項1〜6のいずれか1項に記載の化学強化ガラス板。
  8. SiO含有量からMgO含有量を減じた差が64%以下である請求項7に記載の化学強化ガラス板。
  9. Al含有量からMgO含有量を減じた差が9%以下である請求項7または8に記載の化学強化ガラス板。
  10. NaO含有量からAl含有量を減じた差が5%未満である請求項7〜9のいずれか1項に記載の化学強化ガラス板。
  11. SiO、Al、NaO、MgOおよびBの含有量の合計が98%以上である請求項7〜10のいずれか1項に記載の化学強化ガラス板。
  12. SiO、Al、NaOおよびMgOの含有量の合計が98%以上である請求項7〜11のいずれかに記載の化学強化ガラス板。
  13. 請求項1〜12のいずれかの化学強化ガラス板からなるカバーガラス。
  14. 請求項13のカバーガラスを有するディスプレイ装置。
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