JP2014000210A - 放射線治療システム - Google Patents

放射線治療システム Download PDF

Info

Publication number
JP2014000210A
JP2014000210A JP2012137061A JP2012137061A JP2014000210A JP 2014000210 A JP2014000210 A JP 2014000210A JP 2012137061 A JP2012137061 A JP 2012137061A JP 2012137061 A JP2012137061 A JP 2012137061A JP 2014000210 A JP2014000210 A JP 2014000210A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
radiation
radiation source
subject
absorber
collimator
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2012137061A
Other languages
English (en)
Inventor
Michitaka Sugawara
通孝 菅原
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Toshiba Corp
Canon Medical Systems Corp
Original Assignee
Toshiba Corp
Toshiba Medical Systems Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Toshiba Corp, Toshiba Medical Systems Corp filed Critical Toshiba Corp
Priority to JP2012137061A priority Critical patent/JP2014000210A/ja
Publication of JP2014000210A publication Critical patent/JP2014000210A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Images

Landscapes

  • Radiation-Therapy Devices (AREA)

Abstract

【課題】放射線治療において、患者の拘束時間を短縮し、装置のコストパフォーマンスを向上させることが可能な放射線治療システムを提供する。
【解決手段】天板31には被検体が載置される。放射線源53は、被検体の体軸回りに回転するように構成され、被検体に対して放射線を照射する。コリメータ54は、放射線源と一体的に回転され、被検体の所定範囲の外側に放射線が通り抜けるのを防止する。放射線吸収体60は、天板31とコリメータ54との間に移動可能に配置され、放射線源53と一体的に回転され、所定範囲内における被検体の一部に向けて照射される放射線を吸収することにより、被検体上に一部を含む放射線が照射されない非照射領域を設ける。第1移動手段は、放射線吸収体の位置を移動させる。制御手段730は、放射線源の回転角度に応じて非照射領域に一部が含まれるように第1移動手段を制御する。
【選択図】図2

Description

本発明の実施形態は、放射線治療システムに関する。
従来の放射線治療システムでは、被検体が載置される天板と、被検体の体軸回りに回転するように構成され、放射線を照射する放射線源と、放射線源と一体的に回転され、放射線が被検体の患部に照射され、患部外には照射されないように開口を生成するコリメータ(collimator)とを有している。ここで、放射線には、例えば、X線、電子線、中性子線、陽子線、又は、重粒子線が含まれる。なお、コリメータを絞りという場合がある。
近年、コリメータとして、複数の可動リーフにより複雑な患部の形状に対応した線量分布を形成することができるマルチリーフコリメータ(Multi−Leaf−Collomator:MLC)が多く用いられている。
放射線の照射方向が変わると、その方向からの患部の外形が変わるため、放射線源の回転角度に応じて、コリメータの開口形状を変化させ、放射線が開口を通って照射される被検体上の所定範囲を患部の外形に合わせる必要がある。放射線照射治療システムでは、所定範囲の位置及び大きさなどに応じて放射線の照射量を調整し、患部の全部を消滅させ、又は患部の大きさを縮小させる。
コリメータの開口形状を工夫し、また、照射角度を工夫することにより、被検体の一部を含む放射線が照射されない領域である非照射領域を設けるようにして、被ばくを極力回避している。それにより、治療後の被検体の生活の質(Quality of Life:QOL)が確保される。ここで、「被検体の一部」の一例としては、正常な眼球などの組織を含む。
放射線治療においては、頭部内の患部を所定範囲とし、所定範囲内に正常な眼球を含む非照射領域が設けられるときがある。
特開2002−345982号公報
図14は、従来例において、所定範囲内に非照射領域が設けられる場合、コリメータ54の開口形状を変化させたときの図である。図14にコリメータ54の開口形状を“C11”、“C12”で示し、所定範囲を“R1”、“R11”、“R12”で示し、非照射領域を“A1”で示す。
図14に示すように、所定範囲R1内に非照射領域A1が設けられる場合に、第1回目において、コリメータ54の開口形状を“C11”にすることにより、所定範囲を“R11”にして、放射線を照射する。第2回目において、コリメータ54の開口形状を“C12”にすることにより、所定範囲を“R12”にして、放射線を照射する。このように放射線の照射を2回に分割することにより、所定範囲R11、R12を組み合わせて、所定範囲R1内に非照射領域A1を設けることが可能となる。
しかし、放射線の照射を2回に分割して実施する必要があるため、放射線の治療において、患者の拘束時間が長くなるとともに、装置のコストパフォーマンスを低下させる。
図15は、従来例において、所定範囲内に非照射領域が設けられる場合、X線管である放射線源53の回転角度に応じてコリメータ54の開口形状を変化させたときの図である。
図15に、放射線源53の回転角度を“θ1”、“θ2”、“θ3”で示し、放射線源53の回転角度に応じた所定範囲を“R1”、“R11”、“R12”で示し、放射線源53の回転角度θ2に応じた所定範囲を“R2”、“R21”、“R22”で示し、放射線源53の回転角度θ3に応じた所定範囲を“R3”、“R31”、“R32”で示す。
回転角度θ1のとき、所定範囲R11、R12を組み合わせることにより所定範囲R1が設けられる。また、回転角度θ2のとき、所定範囲R21、R22を組み合わせることにより所定範囲R2が設けられる。さらに、回転角度θ3のとき、所定範囲R31、R32を組み合わせることにより所定範囲R3が設けられる。
図15に示すように、所定範囲内に非照射領域が設けられる場合、放射線源53の一つの回転角度につき、放射線の照射を2回に分割して実施する必要があるため、放射線治療において、患者の拘束時間がさらに長くなるとともに、装置のコストパフォーマンスをさらに低下させるという問題点があった。
この実施形態は、上記の問題を解決するものであり、放射線治療において、患者の拘束時間を短縮し、装置のコストパフォーマンスを向上させることが可能な放射線治療システムを提供することを目的とする。
上記課題を解決するために、実施形態の放射線治療システムは、天板、放射線源、コリメータ、第1移動手段、放射線吸収体、及び、制御手段を有する。天板には被検体が載置される。放射線源は、被検体の体軸回りに回転するように構成され、被検体に対して放射線を照射する。コリメータは、放射線源と一体的に回転され、被検体の所定範囲の外側に放射線が通り抜けるのを防止する。放射線吸収体は、天板とコリメータとの間に移動可能に配置され、放射線源と一体的に回転され、所定範囲内における被検体の一部に向けて照射される放射線を吸収することにより、被検体上に一部を含む放射線が照射されない非照射領域を設ける。第1移動手段は、放射線吸収体の位置を移動させる。制御手段は、放射線源の回転角度に応じて非照射領域に一部が含まれるように第1移動手段を制御する。
第1の実施形態に係る放射線治療システムの構成ブロック図。 放射線照射装置の構成ブロック図。 コリメータを示す図。 第1移動手段の正面図。 図4のA−A線断面図。 放射線源が所定角度に回転されたときの放射線吸収体を、体軸に直交する平面上に表した図。 放射線源が所定角度に回転されたときのリーフブロックを、体軸に直交する平面上に表した図。 患部の位置、眼球の中心位置を求めてから放射線を照射するまでの一連の動作を示すフローチャート。 眼球の中心位置を求めるときの一連の動作を示すフローチャート。 第2の実施形態に係る第1移動手段の正面図。 放射線源が所定角度に回転されたときの放射線吸収体を、体軸に直交する平面上に表した図。 第1移動手段を示す図。 仮想の枢支軸と実際の枢支軸との位置関係を概念的に示す図。 従来例において、コリメータの開口形状を変化させたときの図。 従来例において、放射線源の回転角度に応じてコリメータの開口形状を変化させたときの図。
[第1の実施形態]
放射線治療システム1の第1実施形態について各図を参照して説明する。図1は放射線治療システム1の構成ブロック図である。
図1に示すように、放射線治療システム1は、例えば、患部を撮影することにより取得された画像データを基に照射計画を生成し、照射計画に基づいて、患部に向けて放射線を照射させるものである。
以下の説明において、照射計画では、頭部内の患部に向けて放射線を照射させる所定範囲が定められる。また、所定範囲のうち、正常な眼球に向けて照射される放射線を吸収することにより、被検体上に眼球を含む放射線を照射させない非照射領域が定められるものとする。なお、照射計画を治療計画という場合がある。
また、被検体の体軸に直交する水平方向をX方向、上下方向をY方向、被検体の体軸方向をZ方向という場合がある(図2、図3参照)。また、放射線源53から体軸に直角をなすように下ろした直線の軸を放射軸という場合がある。さらに、放射軸の方向をR方向、体軸に直交する平面に沿いかつR方向に直交する方向をS方向または第1軸方向という場合がある(図2、図3参照)。なお、S方向または第1軸方向は、放射線源53の回転軌跡における回転位置での接線の方向でもある。
放射線治療システム1は、コンソール10、撮像装置20、寝台装置30、治療計画装置40、及び、放射線照射装置50を有している。以下、寝台装置30、放射線照射装置50、撮像装置20、コンソール10、治療計画装置40の順に説明する。
〔寝台装置30〕
図1に示すように、寝台装置30は、基台(図示省略)と、天板31と、寝台コントローラ32とを有する。天板31は、被検体が載置されるもので、基台に対してX方向、Y方向、及びZ方向に移動可能に、かつ、Y方向に傾動可能に、かつ、垂直軸回りに回転可能に配置されている。天板31に載置された被検体の頭部は、固定手段(図示省略)を用いて天板31に対して固定される。
寝台コントローラ32は、照射計画に基づく、コンソール10の制御を受けて、天板31をX方向、Y方向、Z方向のいずれか一以上の方向に移動させるとともに、Y方向に傾動させ、さらに、垂直軸回りに回転させる。
寝台装置30は、撮像装置20により被検体を撮影するとき、及び、放射線照射装置50により患部を放射線治療するときの両方に兼用されるが、別々の専用であってもよい。いずれにおいても、放射線治療時に基準とする位置と撮影時に基準とした位置とが一致するように、天板31上に載置された被検体の位置合わせが行われる。位置合わせの方法としては種々の公知技術を用いればよい。例えば、眼球の位置を基準に行えばよい。
〔放射線照射装置50〕
放射線照射装置50について図2を参照して簡単に説明する。図2は、放射線照射装置50の構成ブロック図である。
放射線照射装置50は、アーム部51、放射線源53、コリメータ54、高電圧供給装置740、第1移動手段710、第2移動手段720、回転駆動機構750、及び、照射コントローラ730を有している。コリメータ54の治療実行コントローラ17及び/または照射コントローラ730を制御手段という場合がある。
(アーム部51)
図2に示すように、アーム部51は、回転可能に架台(図示省略)に軸支されている。回転駆動機構750は、照射計画に基づく制御手段からの制御情報を受けて、アーム部51を回転させることで、放射線源53を所定の回転角度に回転させる。
アーム部51の先端部にはヘッド52が設けられている。ヘッド52の内部には、放射線源53、絞りブロック57、マルチリーフコリメータ55、及び、放射線吸収体60等(後述する)が順に天板31の方へ並べられて配設されている。
放射線治療においては、放射線源53が体軸回りに回転するように、すなわち、アーム部51の回転軸と体軸とが一致するように、寝台コントローラ32により、天板31の位置及び傾きが調整される。
(放射線源53)
放射線源53は、アーム部51が回転すると、被検体の体軸回りに回転するように構成され、高電圧供給装置740から供給された管電圧に応じて放射線を発生させる。放射線源53から照射される放射線は、放射軸を中心にしてS方向及びZ方向に広がるビーム光である。
(コリメータ54)
図3はコリメータ54を示す図である。図2及び図3に示すように、コリメータ54は、マルチリーフコリメータ55及び絞りブロック57を有し、アーム部51が回転すると、放射線源53と一体的に回転するように構成される。
この実施形態では、所定範囲の内部に非照射領域が設けられる場合、患者の拘束時間を短縮し、装置のコストパフォーマンスを向上させるために、次のように、コリメータ54と放射線吸収体60等とを使い分ける。すなわち、所定範囲を画成する手段として、コリメータ54が用いられ、コリメータ54の開口形状が患部の外形に合わせられる。一方で、所定範囲の内部に非照射領域を設ける手段として、放射線吸収体60等が用いられる。放射線吸収体60等の詳細については、後述する。
図3に示すように、マルチリーフコリメータ55は、多数のリーフブロック56を有している。リーフブロック56は、板形状を有し、放射線を遮蔽する素材(例えば、鉛、タングステン等)で組成されている。一対のリーフブロック56の組がZ方向に多数並べられている。一対のリーフブロック56が、体軸と平行な線を中心として対称に配置さている。各リーフブロック56はS方向に移動可能に構成されている。一対のリーフブロック56を互いに接近させると、両者間に狭い隙間が形成され、互いに離間させると、両者間に広い隙間が形成される。
図3に示すように、絞りブロック57は、一対設けられ、Z方向に沿って並べられ、かつ、Z方向に沿って移動可能に構成されている。一対の絞りブロック57を互いに接近させると、両者間に狭い隙間が形成され、互いに離間させると、両者間に広い隙間が形成される。各絞りブロック57は、一対のリーフブロックを互いに近接させたときの両者間の隙間を塞ぐように構成されている。
各リーフブロック56により形成される隙間及び一対の絞りブロック57により形成される隙間がコリメータ54の開口となる。コリメータ54は、マルチリーフコリメータ55及び絞りブロック57を開口形状を患部の外形に合わることにより、所定範囲を画成するように構成される。
(放射線吸収体60)
図2に示すように、放射線吸収体60は、天板31とコリメータ54との間に移動可能に配置され、アーム部51が回転すると、放射線源53及びコリメータ54と一体的に回転されるように構成されている。
放射線吸収体60は、「被検体の一部」に相当する左右の眼球に対応して一つずつ配置されている。各放射線吸収体60は同じ構成をしており、以下に、放射線吸収体60の一つを代表して説明する。
放射線源53からの放射線を受けたときの放射線吸収体60の影が左右の眼球にできるように配置構成されている。
放射線吸収体60は、放射線を遮蔽する素材(例えば、鉛、タングステン等)で組成されている。放射線吸収体60は、所定の厚みを有する円板状の部材である。なお、円板状の大きさは、眼球の標準的な形状及び大きさに応じて定めればよい。
放射線吸収体60は、厚み方向で一部または全部がプレート65の所定位置に埋め込まれるように配置されている。プレート65は放射線透過性を有している。なお、放射線吸収体60はプレート65と一体的に移動可能に構成されていればよい。また、放射線吸収体60が配置されるプレート65の位置は、眼球の標準的な位置に応じて定めればよい。
放射線吸収体60は、所定範囲内に向けて照射された放射線のうち、正常な眼球に向けて照射される放射線を吸収することにより、被検体上に眼球を含む放射線が照射されない非照射領域を設ける。
(第1移動手段710)
図4は第1移動手段710の正面図、図5は図4のA−A線断面図である。図4及び図5に示すように、第1移動手段710は、放射線吸収体60を含むプレート65をS方向に案内する第1ガイド機構711、動力源であるモータ713、ピニオン714、及び、ラックギア715を有している。図5では、凸断面形状を有するガイドレールと凹断面形状を有するガイドレールとを嵌め合わせたものとして、第1ガイド機構711を概念的に示す。
図4及び図5において、上側にベース64、中央にプレート65、下側にプレート65が配置されている。中央及び下側のプレート65には放射線吸収体60が設けられている。例えば、中央に配置された放射線吸収体60及びプレート65が左右の眼球の一方に対して設けられ、上側に配置された放射線吸収体60及びプレート65が左右の眼球の他方に対して設けられている。
中央のプレート65及び下側のプレート65をZ方向に移動させるもの、中央のプレート65を方向に移動させるもの、及び、下側のプレート65をS方向に移動させるものとして、モータ713、ピニオン714、及びラックギア715がそれぞれ設けられている。ラックギア715は、中央のプレート65の側壁部(Z方向に沿った側壁部及びS方向に沿った側壁部)、並びに、下側のプレート65の側壁部(S方向に沿った側壁部)にそれぞれ設けられている。
中央のプレート65用のモータ713の動力がピニオン714を介してラックギア715に伝達されることで、中央のプレート65及び放射線吸収体60がS方向に一体的に移動する。下側のプレート65用のモータ713の動力がピニオン714を介してラックギア715に伝達されることで、下側のプレート65及び放射線吸収体60がS方向に沿って一体的に移動する。
第1移動手段710は、照射計画に基づく、制御手段からの制御情報を受けて、中央のプレート65上の放射線吸収体60及び下側のプレート65上の放射線吸収体60をS方向上の所定の位置に移動させる。ここで、所定の位置とは、放射線源53の回転角度に対応する放射線吸収体60の位置である。
中央のプレート65上の放射線吸収体60及び下側のプレート65上の放射線吸収体60をS方向上の所定の位置に移動させるには、例えば、中央のプレート65を移動させ、中央のプレート65上の放射線吸収体60を所定位置に移動させた後、下側のプレート65を移動させ、下側のプレート65上の放射線吸収体60を所定位置に移動さればよい。
(放射線吸収体60の位置を求める方法)
次に、放射線源53の回転角度に対応する放射線吸収体60の位置を求める方法について図6を参照して説明する。なお、左右の眼球に対応して放射線吸収体60が設けられているが、放射線吸収体60の位置を求める方法は、左右の眼球で違いがないため、説明の都合上、図6では、左側の眼球に対応して設けられる放射線吸収体60のみを示し、右側の眼球に対応するものを省略している。
図6は、放射線源53が所定角度に回転されたときの放射線吸収体60を、体軸に直交する平面上に表した図である。図6に、体軸の位置を“O”、頭部を“HD”、眼球を“EB”、眼球の中心位置を“E”、Y軸と直線OEとの間の角度を“α”、放射線源53の位置を“A”、Y軸と直線OAとの間の角度である放射線源53の回転角度を“θ”、直線OAと放射線吸収体60の移動軌跡(S方向)との交点を“B”、放射線吸収体60の位置を“C”で示す。
また、位置Eから直線OAに直交するように下ろした線と直線OAとの交点を“D”、直線EDの長さを“ld”、 直線OEの長さを“le”で示す。それにより、ldは、次の式で表される。
Figure 2014000210
また、直線ODの長さを“ld’”で示すと、ld’は、次の式で表される。
Figure 2014000210
さらに、直線OAの長さを“Lo”、 直線ADの長さを“Ld”で示すと、Ldは、次式で表される。
Figure 2014000210
さらに、式(2)を用いて、次式で表される。
Figure 2014000210
さらに、直線ABの長さを“Lb”、交点Bからの放射線吸収体60の位置までの距離である直線BCの長さを“lc”で示すと、Lb、Ld、ld、lcの関係は、次の式で表される。
Figure 2014000210
式(5)からlcは、Lb、Ld、ldを用いて次の式で表される。
Figure 2014000210
さらに、式(1)、式(4)を用いて、次式で表される。
Figure 2014000210
以上により、3次元画像データにより求められる既知の長さであるLo、Lb、le、及び既知の角度であるαを基に、放射線源53の回転角度θ(照射計画により放射線源53を回転制御する情報)に対応する放射線吸収体60の位置(長さlc)を求めることができる。なお、照射計画としては、求められた放射線吸収体60の位置情報を含むものであってもよい。また、照射計画の一例としては、放射線源53の回転角度θと放射線吸収体60の位置情報(後述するコリメータ54の位置情報を含む)とが対応付けられて記憶されたテーブルであってもよい。
図4及び図5に示すように、第1移動手段710は、さらに、プレート65をZ方向に沿って案内する第2ガイド機構712及び動力源であるモータ713を有している。中央のプレート65用のモータ713の動力がピニオン714を介してラックギア715に伝達されることで、中央のプレート65及び下側のプレート65がZ方向に沿って一体的に移動する。なお、Z方向に沿う方向を第2軸方向という場合がある。図4では、凸断面形状を有するガイドレールと凹断面形状を有するガイドレールとを嵌め合わせたものとして、第2ガイド機構712を概念的に示す。
第1移動手段710は、照射計画に基づく、制御手段からの制御情報を受けて、中央のプレート65及び下側のプレート65を一体的に移動させることで、中央のプレート65上の放射線吸収体60及び下側のプレート65上の放射線吸収体60をZ方向上の所定の位置に一体的に移動させる。なお、第1移動手段710に代えて、また、第1移動手段710と共に、寝台装置30を用いて、天板31をZ方向上の所定の位置に移動させることで、中央のプレート65上の放射線吸収体60及び下側のプレート65上の放射線吸収体60をZ方向上の所定の位置に一体的に移動させてもよい。なお、中央のプレート65と下側のプレート65とを相対移動するように構成してもよい。それにより、中央のプレート65上の放射線吸収体60と下側のプレート65上の放射線吸収体60とをZ方向上の所定の位置に相対移動させることが可能となる。
第1移動手段710においては、第1ガイド機構711及び第2ガイド機構712により、放射線吸収体60を含むプレートが放射軸に直交する平面内で2軸方向(第1軸方向(S方向)及び第2軸方向(Z方向に沿う方向))に案内されることで、放射線吸収体60を所定の位置に移動させることが可能となる。
以上の放射線吸収体60の位置を求める方法により、照射計画に基づき制御手段が放射線照射装置50に出力する制御情報(放射線源53の回転角度に対応する非照射領域)を求めることができる。
(第2移動手段720)
図2及び図3に示すように、第2移動手段720は、照射計画に基づく、制御手段からの制御信号を受けて、各リーフブロック56、及び、絞りブロック57をS方向上の所定の各位置に移動させることにより、コリメータ54の開口形状を変化させる。ここで、所定の位置とは、放射線源53の回転角度に対応するコリメータ54の位置(各リーフブロック56、及び、絞りブロック57の各位置)であって、放射線源53の回転角度毎に変化する所定範囲の外形に合致する位置である。
(コリメータ54の位置を求める方法)
次に、放射線源53の回転角度に対応するコリメータ54の位置(各リーフブロック56、及び、絞りブロック57の各位置)を求める方法について説明する。
(各リーフブロック56の位置を求める方法)
先ず、放射線源53の回転角度に対応する各リーフブロック56の位置を求める方法について図7を参照して説明する。図7は、放射線源53が所定角度に回転されたときのリーフブロック56を、体軸に直交する平面上に表した図である。なお、一対のリーフブロック56はZ方向に沿って多数配置されているが、各リーフブロック56の位置を求める方法は、その配置が異なることでは違いがないため、説明の都合上、図7では、一対のリーフブロック56のみを示し、他のリーフブロック56を省略している。
また、放射線は放射線源53からS方向に広がって、一対のリーフブロック56の間の隙間を通って患部の一端の位置から他端の位置までの区間に照射されるが、患部の端の位置に対応するようにリーフブロックの位置が定められることは、一対のリーフブロック56で違いがないため、説明の都合上、図7では、一方のリーフブロック56の位置を求める方法について代表して説明し、他方のリーフブロック56の位置を求める方法については省略する。
図7に、体軸の位置を“O”、頭部を“HD”、患部を”P1”、患部の外縁の位置を“K”、Y軸と直線OKとの間の角度を“β”、放射線源53の位置を“A”、放射線源53の回転角度を“θ”、リーフブロック56の移動位置を“F”、直線OAとリーフブロック56の移動軌跡(S方向)との交点を“G”で示す。
また、直線OAの長さを“Lo”、直線AGの長さを“Lg”、直線FGの長さを“lf”、直線OKの長さを“lk”、直線OAの延長線と、その延長線に対して位置Kから直角をなすように下した線との交点を“M”、直線KMの長さを“lm”、直線OMの長さを“Ln”で示す。
直線OMと直線OKとの間の角度∠KOMを“γ”とすると、γは、次の式で表される。
Figure 2014000210
また、lm、Lnは、次の式で表される。
Figure 2014000210
Figure 2014000210
さらに、三角形△AKMと三角形△AFGとは相似の関係にあるから、次の式が成り立つ。
Figure 2014000210
したがって、lfは、次の式で表される。
Figure 2014000210
また、式(8)から(10)により、lfは、次の式で表される。
Figure 2014000210
以上により、既知の長さであるLo、Lg、lk、及び既知の角度であるβを基に、放射線源53の回転角度θ(照射計画により放射線源53を回転制御する情報)に対応するリーフブロック56の位置(長さlf)を求めることができる。
(絞りブロック57の位置を求める方法)
次に、放射線源53の回転角度に対応する絞りブロック57の位置を求める方法について説明する。絞りブロック57は、放射線源53の回転角度に対応するZ方向上の所定位置に移動される。
一対の絞りブロック57のZ方向上の位置(例えば、Z1、Z2)は、互いに最も接近した一対のリーフブロック56の位置であって、コリメータ54の開口の両端のZ方向上の位置(例えば、z1、z2)に対応する。対応の一例としては、コリメータ54の開口の両端の位置と、その位置に所定長さ(0を含む)を加算または減算することにより求められる絞りブロックの位置との対応である。その対応関係をf、gとする。
放射線源53の回転角度に対応するリーフブロック56の位置については、前述するように、既知の長さであるLo、Lb、le、及び既知の角度であるαを基に、放射線源53の回転角度θから求めることができる。それにより、両端の位置(z1、z2)を求めることができる。
対応関係f、g、及び、両端の位置(z1、z2)を用いて、一対の絞りブロック57の位置(例えば、Z1、Z2)は、次の式で表される。
Figure 2014000210
Figure 2014000210
すなわち、対応関係f、g及び求められた位置(z1、z2)を用いて、一対の絞りブロック57の位置を求めることができる。
以上のコリメータ54の位置を求める方法により、照射計画に基づき制御手段が放射線照射装置50に出力する制御情報(放射線源53の回転角度に対応する所定範囲)を求めることができる。
(制御手段)
制御手段は、照射計画に基づいて、放射線源53の回転角度に対応するS方向上の所定の位置に放射線吸収体60を移動させることにより、眼球が非照射領域に含まれるように第1移動手段710を制御する。
また、制御手段は、照射計画に基づいて、放射線源53の回転角度に対応するS方向上の所定の各位置に各リーフブロック及び一対の絞りブロック57を移動させることにより、放射線が照射される所定範囲を患部の外形に合致させるように第2移動手段720を制御する。
〔撮像装置20〕
図1に示すように、撮像装置20は、患者(被検体)の患部の治療部位を含む領域を撮影し、生データを生成するものであり、代表的な例としては、X線CT装置、MRI(magnetic resonance imaging)装置、X線装置等が挙げられる。
例えば、X線を照射し、回転軸回りに回転可能に構成されたX線源を有するX線CT装置には、寝台装置30が用いられる。
被検体の撮影においては、X線源が被検体の体軸回りに回転するように、すなわち、回転軸と体軸とが一致するように、寝台コントローラ32により、天板31の位置及び傾きが調整される。
〔コンソール10〕
図1に示すように、コンソール10は、撮像装置20、寝台装置30、治療計画装置40、及び、放射線照射装置50の動作を制御する。コンソール10は、画像処理部11、画像記憶装置12、入力部13、表示部14、所定範囲設定部15、非照射領域設定部16、治療実行コントローラ17、を有している。
画像処理部11は、撮像装置20により生成された生データを基に投影データを生成し、さらに、投影データを基に2次元画像データ(スライスデータ)や3次元画像データ(ボリュームデータ)を生成する。
画像記憶装置12は、画像処理部11により生成された2次元画像データ及び3次元画像データを記憶する。2次元画像データ及び3次元画像データは、治療計画装置40が、照射計画(例えば、放射線源53の回転角度に対応する所定範囲及び非照射領域を作成するときに用いられる。所定範囲の一例としては、図7に示す位置Oから患部の外縁の位置Kまでの長さ“lk”、Y軸と直線OKとの間の角度“β”である。また、非照射領域の一例としては、図6に示す位置Oから眼球の中心位置Eまでの長さ“le”、Y軸と直線OEとの間の角度“α”である。
所定範囲設定部15は、照射計画に基づいて、放射線源53の回転角度に対応するコリメータ54の位置を求める。コリメータ54の位置を求める方法の一例としては、前述する各リーフブロック56の位置を求める方法、及び、絞りブロック57の位置を求める方法による。
非照射領域設定部16は、照射計画に基づいて、放射線源53の回転角度に対応する放射線吸収体60の位置を求める。放射線吸収体60の位置を求める方法の一例としては、前述する放射線吸収体60の位置を求める方法による。
照射計画に基づいて求められた各位置にコリメータ54及び放射線吸収体60が移動されるので、それぞれを移動させるまでの待ち時間が少なくて済み、ひいては、患者の拘束時間を短縮させることができる。
治療実行コントローラ17は、所定範囲設定部15及び非照射領域設定部16により求められた所定範囲及び非照射領域に基づいて、放射線照射装置50を制御する。
〔治療計画装置40〕
治療計画装置40は、計画生成部41及び照射計画メモリ42を有している。治療計画装置40は、コンソール10により生成された2次元画像データ及び3次元画像データを基に、患部の位置、患部の形状を求め、患部に照射すべき放射線や、そのエネルギー、及び、放射線が照射される所定範囲、及び、放射線が照射されない非照射領域を含む照射計画を生成する。照射計画では、放射線源53の回転角度に対応して所定範囲及び非照射領域が定められる。
治療計画装置40では、照射計画を生成する際に、コンソール10により生成された2次元画像データ及び3次元の画像データとの比較を行う。すなわち、2次元画像データ及び3次元の画像データにおける比較点と、照射計画における比較点とを一致させる。
2次元画像データ及び3次元の画像データにおける比較点の一例としては、X線源の回転軸とX線源から回転軸に下ろした直線との交点が挙げられる。照射計画における比較点の一例としては、体軸と放射軸との交点が挙げられる。治療計画装置40、これらの比較点を一致させた上で、照射計画を生成する。
(動作)
次に、放射線治療における一連の動作について図8及び図9を参照して説明する。図8は患部の位置、形状、眼球の中心位置を求めてから放射線を照射するまでの一連の動作を示すフローチャートである。なお、この放射線治療では、頭部内に患部があって、眼球を含む放射線が照射されない非照射領域が所定範囲内に設けられる場合について説明するが、所定範囲内に非照射領域が設けられない場合については、以下に示す工程において、眼球の中心位置や非照射領域を求める工程が省略され、また、放射線吸収体60を用いる工程が省略されることはいうまでもない。放射線吸収体60が用いられないときは、放射線吸収体60は、コリメータ54の開口により絞られた放射線の所定範囲の外の位置に退避して置かれる。
図8に示すように、放射線治療においては、先ず、患部の位置、形状、及び、眼球の中心位置を求める(S101)。
患部の位置、形状を求めるには、コンソール10により生成された2次元画像データ及び3次元画像データを基に、患部の位置、患部の形状を求める。
眼球の中心位置を求める方法について図9を参照して説明する。図9は、眼球の中心位置を求めるときの一連の動作を示すフローチャートである。
図9に示すように、眼球の中心位置を求めるには、先ず、2次元画像データに基づいて、3次元画像データを作成する(S201)。
次に、眼球の中心位置を探索する(S202)。その探索には、3次元画像データを基に作られたアキシャル画像(体軸に対して直交する断層画像)が用いられる。アキシャル画像において、眼球の画素値が2cm以上続く領域の中央位置を求める。求められた中央位置のX座標、Y座標の値を例えば“x1、y1”とする。次に、X座標、Y座標“x1、y1”におけるサジタル画像(体軸に対して平行な断層画像)を用いて、眼球の画素値が2cm以上続く領域の中央値を求める。求められた中央位置のZ座標を例えばz1とする。このようにして、眼球の中心位置(x1、y1、z1)を決定する(S203)。
以上のように、患部の位置、患部の形状、及び、眼球の中心位置を求めた後に、照射計画の作成をする(S102)。照射計画では、患部の位置、形状に基づき所定範囲を求め、眼球の中心位置に基づき非照射領域を求める。
次に、照射の準備をする(S103)。例えば、X線管電圧、MU値(病巣投与線量[Gy])、照射位置(放射線源53の回転角度を含む)、所定範囲に基づくコリメータ54の位置、非照射領域に基づく放射線吸収体60の位置を設定する。
次に、コンソール10から放射線照射装置50に対して放射線源53の回転角度を指示する(S104)。
次に、アーム部51を回転させることで、放射線源53を所定の回転角度に回転させる(S105)。
次に、ステップS103で求めたコリメータ54の位置に基づいて、コリメータ54を移動させる(S106)。それにより、コリメータ54の開口形状を患部の外形に合わることができ、所定範囲を画成することができる。また、ステップS103で求めた放射線吸収体60の位置に基づいて、放射線吸収体60を含むプレート65を移動させる(S106)。それにより、所定範囲内に非照射領域を設けることができる。
次に、放射線の照射を実行する(S107)。それにより、放射線源53からの放射線を受けたときの放射線吸収体60の影が左右の眼球にできるようになる。そして、全ての照射位置(放射線源53の回転角度)における放射線の照射が終了するまで、ステップS104からステップS107を繰り返す。
以上に、第1の実施形態に係る放射線治療システム1を説明した。第1の実施形態に係る放射線照射装置50は、放射線吸収体60を含むプレート65をS方向上の所定の位置に移動することにより、患部に向けて照射される放射線が眼球に照射されずに、所定範囲内に非照射領域が設けられるように構成されたものである。
この構成により、所定範囲内に非照射領域が設けられる場合、放射線源53の一つの回転角度につき、放射線の照射を1回だけ実施すれば済むため、放射線治療において、患者の拘束時間を短縮させることが可能となる。さらに、拘束時間が短縮するので、装置のコストパフォーマンスを向上させることが可能となる。
[第2の実施形態]
次に、放射線治療システム1の第2実施形態について図10を参照して説明する。図10は第1移動手段710の正面図である。第2実施形態においては、第1実施形態と異なる構成について主に説明し、同じ構成についてはその説明を省略する。
第1の実施形態では、放射線吸収体60を含むプレート65をS方向に沿って案内する第1ガイド機構711を設け、放射線吸収体60をS方向に移動させることで、放射線源53の回転角度に応じて非照射領域に被検体の一部(例えば、眼球)が含まれるようにした。これに対して、第2実施形態では、図10に示すように、放射線吸収体60、第1移動手段710、放射線源53の回転角度に対応する放射線吸収体60の位置を求める方法、及び、制御手段が第1実施形態と異なる。以下、異なる点を順に説明する。
(放射線吸収体60)
図10に示すように、放射線吸収体60は、球体状の部材である。放射線吸収体60は、放射線を遮蔽する素材(例えば、鉛、タングステン等)で組成されている。放射線吸収体60は、球体状の大きさが眼球の標準的な形状及び大きさに応じて定めればよい。また、放射線吸収体60が配置される位置は、眼球の標準的な位置に応じて定めればよい。
(第1移動手段710)
図10に示すように、第1移動手段710は、放射線源53から体軸に直角をなすように下ろした直線の軸である放射軸上に配置され、体軸と平行な枢支軸66と、枢支軸66を軸として回転するように配置され、枢支軸66に対し近接/離間する方向に放射線吸収体60を案内する直進ガイド69と、を有している。これらの第1移動手段710を構成する部品は、放射線透過性を有している。
枢支軸66は、回転軸または軸受け部材の一方により構成されている。直進ガイド69は、長尺形状を有する棒状のガイドレールと、その長手方向に沿って移動可能なスライダとから構成されている。ガイドレールの基端部に回転軸または軸受け部材の他方が設けられている。スライダに放射線吸収体60が設けられている。
枢支軸66及び直進ガイド69は、放射線透過性を有している。放射線源53の回転角度に応じて、放射線吸収体60を枢支軸66回りに回転させ、及び/または、枢支軸66に対し近接/離間する方向に移動させ、放射軸を含む体軸に直交する平面内で放射線吸収体60を2軸方向に案内することにより、放射線吸収体60を所定の位置に移動させることが可能となる。第1移動手段710は、照射計画に基づく、制御手段からの制御情報を受けて、放射線吸収体60を所定の位置に移動させる。
(放射線吸収体60の位置を求める方法)
次に、放射線源53の回転角度に対応する放射線吸収体60の位置を求める方法について図11を参照して説明する。なお、説明の都合上、図11では、左側の眼球に対応して設けられる放射線吸収体60のみを示し、右側の眼球に対応するものを省略していることは、第1実施形態と同様である。
図11は、放射線源53が所定角度に回転されたときの放射線吸収体60を、体軸に直交する平面上に表した図である。図11に、体軸の位置を“O”、頭部を“HD”、眼球を“EB”、眼球の位置を“E”、Y軸と直線OEとの間の角度を“α”、放射線源53の位置を“A”、放射線源53の回転角度を“θ”、放射線吸収体60の位置を“H”で示す。
ここで、説明を簡単にするため、枢支軸66が直線OA(放射軸)上に配置されているものとする。直線OA上の枢支軸66の位置を“J”で示す。
さらに、直線OAの長さを“Lo”、直線AJの長さを“Lj”、直線OEの長さを“le”、直線HJの長さを“lh”で示す。
眼球を含む非照射領域が設けられるためには、三角形ΔAOEと三角形ΔAJHが相似形であることが条件となる。
それにより、次の関係式が成り立つ。
Figure 2014000210
Lo:Lj=le:lh
また、長さlhは、次の式で表される。
Figure 2014000210
また、直線OA(放射軸)と直線OEとの間の角度を∠AOE、直線OAと直線HJとの間の角度を∠AJHとすると、∠AOE及び∠AJHは、次の式で表される。
Figure 2014000210
以上により、既知の長さであるLo、Lj、le、及び既知の角度であるαを基に、放射線源53の回転角度θ(照射計画により放射線源53を回転制御する情報)に対応する放射線吸収体60の位置(位置Jにおける角度α+θ、位置Jからの距離lh)を求めることができる。
上記の説明では、眼球を含む非照射領域が設けられるように、三角形ΔAOEと三角形ΔAJHが相似形であることが条件とした。そこで、枢支軸66が直線OA(放射軸)上に配置されているものとした(仮想の枢支軸66)。実際に、枢支軸66は直線OA上に配置されていない。しかし、仮想の枢支軸66と実際の枢支軸66との位置関係がわかっているので、既知の長さ及び既知の角度を基に、放射線源53の回転角度θに対応する放射線吸収体60の位置を求めることができる。
仮想の枢支軸66と実際の枢支軸66との位置関係について、図12及び図13を参照して説明する。図12は、枢支軸66が直線OA上に配置されていない第1移動手段710を示す図、図13は、仮想の枢支軸66と実際の枢支軸66との位置関係を概念的に示す図である。
図12では、実際の枢支軸66の配置の一例を示したものであるが、三角形ΔAOEと三角形ΔAJHが相似形になるように、実際の枢支軸66が配置されることはいういまでもない。図12では、仮想の枢支軸66の位置を“J”、実際の枢支軸66の位置を“P”、放射線吸収体60の位置を“H”で示す。
図12に示すように、実際の枢支軸66は、一対の支持ロット68に沿って移動可能に配置されている。一対の支持ロット68は、直線OA(R方向)と平行になるように、マルチリーフコリメータ55(MCL)の本体である絞り本体67に設けられている。直進ガイド69は、放射軸(R方向の軸)を含む体軸に直交する平面内において、枢支軸66を軸として回転するように構成されている。直進ガイド69はガイドレール及びスライダを有し、ガイドレールに沿って移動可能なスライダに放射線吸収体60が設けられている。なお、仮想の枢支軸66と実際の枢支軸66との位置関係は、一対の支持ロット68に移動可能な各枢支軸66について同じであるため、一方の枢支軸66についての位置関係を代表して説明し、他方の枢支軸66についての位置関係の説明を省略する。
図13に、支持ロット68に沿って移動する実際の枢支軸66の軌跡とその軌跡に対し直角をなすように位置Aから下ろした直線との交点を“A’”、軌跡上の実際の枢支軸66の位置を“P”、で示す。軌跡とその軌跡に対し直角をなすように位置Hから下ろした直線との交点を“Q”、直線OAとその直線OAに対し直角をなすように位置Hから下ろした直線との交点を”T”で示す。また、直線AA’の長さを“la”、直線PA’の長さを“Lp”、直線HJの長さを“lh”、直線HPの長さを“lq”で示す。さらに、角度∠HPQを“δ”で示す。
直線HQの長さは、長さlaから直線HTの長さを減じたものであるから、これらの関係は、次の式で表される。
Figure 2014000210
また、直線A’Qの長さと直線ATの長さは等しいことから、これらの関係は、次の式で表される。
Figure 2014000210
既知の長さであるla、lh、Lp、Lj、及び既知の角度であるα、並びに、放射線源53の回転角度θを上式(19)、(20)に代入すれば、未知の長さであるlq、及び、未知の角度であるγを求めることができる。すなわち、放射線源53の回転角度θに対応する放射線吸収体60の位置を求めることができる。
以上のように、実際の枢支軸66が直線OA上に配置されてなくても、仮想の枢支軸66と実際の枢支軸66との位置関係、及び、既知の長さ及び既知の角度を基に、放射線源53の回転角度θ(照射計画により放射線源53を回転制御する情報)に対応する放射線吸収体60の位置を求めることができる。
(制御手段)
制御手段は、枢支軸66及び直進ガイド69を用い、照射計画に基づいて、放射線吸収体60を枢支軸66に対し接近/離間する方向に移動させ、及び/または枢支軸66回りに回転させることにより、放射線源53の回転角度に応じて非照射領域に被検体の一部(正常な眼球)が含まれるように第1移動手段710を制御する。
第2実施形態においても、所定範囲内に非照射領域が設けられない場合には、眼球の中心位置や非照射領域を求める工程が省略され、また、放射線吸収体60を用いる工程が省略されることはいうまでもない。放射線吸収体60が用いられないときは、放射線吸収体60は、例えば、直進ガイド69のスライドから外され、コリメータ54の開口により絞られた放射線の所定範囲の外の位置に退避して置かれる。放射線吸収体60が用いられるとき、スライドに装着される。
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、書き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるととともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
1 放射線治療システム
10 コンソール
11 画像処理部
12 画像記憶装置
13 入力部
14 表示部
15 所定範囲設定部
16 非照射領域設定部
17 治療実行コントローラ(制御手段)
20 撮像装置
30 寝台装置
31 天板
32 寝台コントローラ
40 治療計画装置
41 計画生成部
42 照射計画メモリ
50 放射線照射装置
51 アーム部
52 ヘッド
53 放射線源
54 コリメータ
55 マルチリーフコリメータ
56 リーフブロック
57 絞りブロック
60 放射線吸収体
64 ベース
65 プレート
66 枢支軸
67 絞り本体
68 支持ロット
69 直進ガイド
710 第1移動手段
711 第1ガイド機構
712 第2ガイド機構
713 モータ
714 ピニオン
715 ラックギア
720 第2移動手段
730 照射コントローラ(制御手段)
740 高電圧供給装置
750 回転駆動機構

Claims (6)

  1. 被検体が載置される天板と、
    被検体の体軸回りに回転するように構成され、被検体に対して放射線を照射する放射線源と、
    前記放射線源と一体的に回転され、被検体の所定範囲の外側に放射線が通り抜けるのを防止するコリメータと、
    前記天板と前記コリメータとの間に移動可能に配置され、前記放射線源と一体的に回転され、前記所定範囲内における被検体の一部に向けて照射される放射線を吸収することにより、前記被検体上に前記一部を含む放射線が照射されない非照射領域を設ける放射線吸収体と、
    前記放射線吸収体の位置を移動させる第1移動手段と、
    前記放射線源の回転角度に応じて前記非照射領域に前記一部が含まれるように前記第1移動手段を制御する制御手段と、
    を有すること、
    を特徴とする放射線治療システム。
  2. 前記制御手段による前記第1移動手段の制御は、前記放射線源の前記回転角度に対応して、前記放射線吸収体の位置を求め、前記求められた位置になるよう制御すること、
    を特徴とする請求項1に記載の放射線治療システム。
  3. 前記放射線吸収体は、所定の厚みを有する円板状の部材であり、
    前記第1移動手段は、前記放射線吸収体を含むプレートを、体軸に直交する平面に沿いかつ前記放射線源から前記体軸に直角をなすように下ろした直線と略直交する方向である第1軸方向に案内する第1ガイド機構を有し、
    前記制御手段は、前記第1ガイド機構を用いて前記放射線吸収体を前記第1軸方向に移動させることにより、前記放射線源の前記回転角度に応じて前記非照射領域に前記一部が含まれるように前記第1移動手段を制御すること、
    を特徴とする請求項2に記載の放射線治療システム。
  4. 前記第1移動手段は、さらに、前記プレートを前記体軸方向に沿って案内する第2ガイド機構を有すること、
    を特徴とする請求項3に記載の放射線治療システム。
  5. 前記放射線吸収体は、球体状の部材であり、
    前記第1移動手段は、前記放射線源から前記体軸に直角をなすように下ろした直線上に配置され、前記体軸と平行な枢支軸と、前記枢支軸を軸として回転するように配置され、前記枢支軸に対し接離する方向に前記放射線吸収体を案内する直進ガイドと、を有し、
    前記制御手段は、前記枢支軸及び前記直進ガイドを用いて、前記放射線吸収体を前記接離する方向に移動させ、及び/または前記枢支軸回りに回転させることにより、前記放射線源の前記回転角度に応じて前記非照射領域に前記一部が含まれるように前記第1移動手段を制御すること、
    を特徴とする請求項2に記載の放射線治療システム。
  6. 前記コリメータを移動させることにより、前記所定範囲の外形を変化させる第2移動手段をさらに有し、
    前記制御手段は、前記コリメータを前記放射線源の前記回転角度に対応する位置に移動させるように前記第2移動手段を制御すること、
    を特徴とする請求項2に記載の放射線治療システム。
JP2012137061A 2012-06-18 2012-06-18 放射線治療システム Pending JP2014000210A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2012137061A JP2014000210A (ja) 2012-06-18 2012-06-18 放射線治療システム

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2012137061A JP2014000210A (ja) 2012-06-18 2012-06-18 放射線治療システム

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2014000210A true JP2014000210A (ja) 2014-01-09

Family

ID=50034023

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2012137061A Pending JP2014000210A (ja) 2012-06-18 2012-06-18 放射線治療システム

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2014000210A (ja)

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN113457023A (zh) * 2020-03-31 2021-10-01 株式会社日立制作所 放射线治疗系统及放射线治疗装置的运转方法
CN114177542A (zh) * 2020-09-15 2022-03-15 西安大医集团股份有限公司 放射治疗中的剂量控制方法、装置、控制器、系统
WO2023003189A1 (ko) * 2021-07-21 2023-01-26 국립암센터 대상체의 병변을 치료하기 위한 치료빔을 변환시키는 변환장치

Citations (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS49112167U (ja) * 1973-01-24 1974-09-25
JPS50152574U (ja) * 1974-06-05 1975-12-18
JPS5725865A (en) * 1980-07-24 1982-02-10 Tokyo Shibaura Electric Co Punching device in radiation irradiating device
JPS6182763A (ja) * 1984-10-01 1986-04-26 株式会社東芝 放射線治療装置における打抜装置
JP2004073404A (ja) * 2002-08-14 2004-03-11 Toshiba Corp 集中照射型放射線治療装置

Patent Citations (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS49112167U (ja) * 1973-01-24 1974-09-25
JPS50152574U (ja) * 1974-06-05 1975-12-18
JPS5725865A (en) * 1980-07-24 1982-02-10 Tokyo Shibaura Electric Co Punching device in radiation irradiating device
JPS6182763A (ja) * 1984-10-01 1986-04-26 株式会社東芝 放射線治療装置における打抜装置
JP2004073404A (ja) * 2002-08-14 2004-03-11 Toshiba Corp 集中照射型放射線治療装置

Cited By (8)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN113457023A (zh) * 2020-03-31 2021-10-01 株式会社日立制作所 放射线治疗系统及放射线治疗装置的运转方法
CN113457023B (zh) * 2020-03-31 2024-05-14 株式会社日立制作所 放射线治疗系统及放射线治疗装置的运转方法
CN114177542A (zh) * 2020-09-15 2022-03-15 西安大医集团股份有限公司 放射治疗中的剂量控制方法、装置、控制器、系统
US11918829B2 (en) 2020-09-15 2024-03-05 Our United Corporation Method, controller and system for controlling dose in radiotherapy
CN114177542B (zh) * 2020-09-15 2024-06-11 西安大医集团股份有限公司 放射治疗中的剂量控制方法、装置、控制器、系统
WO2023003189A1 (ko) * 2021-07-21 2023-01-26 국립암센터 대상체의 병변을 치료하기 위한 치료빔을 변환시키는 변환장치
KR20230014567A (ko) * 2021-07-21 2023-01-30 국립암센터 대상체의 병변을 치료하기 위한 치료빔을 변환시키는 변환장치
KR102577452B1 (ko) * 2021-07-21 2023-09-12 국립암센터 대상체의 병변을 치료하기 위한 치료빔을 변환시키는 변환장치

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US11673004B2 (en) X-ray imaging system with a combined filter and collimator positioning mechanism
US11931602B2 (en) Radiation therapy systems and methods
EP3300770B1 (en) Portal imaging during radiotherapy
US9511242B2 (en) Therapeutic apparatus comprising a radiotherapy apparatus, a mechanical positioning system, and a magnetic resonance imaging system
EP1796543B1 (en) X-ray apparatus
CN112546458B (zh) 一种调节多叶准直器的系统和方法
CN108290051B (zh) 粒子线治疗装置
US9795805B2 (en) Proton therapy multi-leaf collimator beam shaping
JP2008173299A (ja) 荷電粒子線照射装置、及び荷電粒子線照射方法
JP2014000210A (ja) 放射線治療システム
US20140070115A1 (en) Multi-axis dynamic tracking for radiation therapy
US10071263B1 (en) Pivoting multileaf collimator and method for large field coverage
CN113082552B (zh) 一种调节多叶准直器的系统和方法
CN203736724U (zh) 在辐照系统中使用的调制器
US20170197094A1 (en) Systems and methods for providing radiotherapy treatment
US20230015121A1 (en) Systems and Methods for Dynamic Control of Radiation Dose in Radiation Therapy
JP2014136053A (ja) 放射線治療システム
CN116782983A (zh) 用于递送非共面放射治疗的设备和方法
US20140169519A1 (en) Cone-beam CT Scanning
JP7005137B2 (ja) 放射線治療装置
JP2013013613A (ja) 荷電粒子線照射装置
JP2011194243A (ja) 荷電粒子線照射装置
JP6937196B2 (ja) 放射線治療装置及び患者位置決め装置
JP2021027848A (ja) 中性子捕捉療法システム
KR20150059238A (ko) 개선된 고주파 코일을 포함하는 자기공명영상 장치를 이용한 방사선 치료 시스템

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20150508

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20160308

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20160311

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20160427

A711 Notification of change in applicant

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A711

Effective date: 20160527

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20160712