JP2013544377A - 光学顕微鏡において空間光学モジュレータを較正するための方法とシステム - Google Patents

光学顕微鏡において空間光学モジュレータを較正するための方法とシステム Download PDF

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Abstract

本発明は、空間光学モジュレータ(6)を備えている光学装置を較正するための方法とシステムに関し、入射ビームを受け、および/またはサンプルが反射した光学ビームを集めることが可能な大きな開口数の光学レンズ(8)と、このレンズ(8)と光学的に共役な面に設置されるカメラ(14)と、さらに、カメラ(14)の上流で光学ビームに設置してある空間光学モジュレータ(6)とを備えている。本発明による方法は、以下の工程:レンズ(8)の焦点面と共役な面に強度でPSFの3次元像を獲得する工程;位相ダイバーシティアルゴリズムを用いてビームの振幅および/または位相との両方でプロファイルを再構築する工程;さらに、プロファイル上の空間光学モジュレータ(6)の複数の要素(P、・・・・P)のそれぞれの影響関数を、ビームの振幅Aおよび/または位相φで決定する工程を備えている。
【選択図】図1

Description

本発明は、空間光学モジュレータを備えている光学機器の較正のための方法とシステムに関する。より正確には、本発明は、光学顕微鏡の中にあるいはその上流に配設されている空間光学モジュレータが、その顕微鏡で得られる像の品質に及ぼす影響を較正するための方法と装置に関する。
光学顕微鏡検査(構造化した照明による共焦点顕微鏡検査、走査蛍光顕微鏡検査、誘導放出減損(STED)、非直線光学技術等)における新しい作像技術の発展と、生物学や遺伝学の作像における新しい応用の発展とには、高品質の像を作成する光学顕微鏡が必要である。平面状であるか空気中に位置している対象物は、顕微鏡で見ると極めて高解像度の像が一般的に得られる。にもかかわらず、肉厚の生物サンプルを光学顕微鏡で見ると、像の空間解像度を制限する光学収差の問題に遭遇する。こうした光学収差は、顕微鏡の対物レンズから、すなわち、屈折率の局所的内部変化を起こす、対物レンズ、液浸材およびサンプル(サンプル自体の性質)間の屈折率のミスマッチからもたらされる可能性がある。
顕微鏡に空間光学モジュレータを使用することは、すでに提案されており、光学ビームを振幅および/または位相で空間的に変調することや光学的収差を訂正することが行われている。一般的に空間光学モジュレータは、入射場の空間プロファイルを変調する振幅および/または位相のための装置である。空間光学モジュレータの中でも特筆すべきは、アクチュエータおよび液晶の空間光学モジュレータ(SLM)を備えた変形可能ミラーである。本明細書の以下の記載では、空間光学モジュレータは、光ビームの振幅および/または位相を変調するための制御手段にリンクされた複数の要素を備えた光学部品を意味している。空間光学変調の異なる技術によって、空間解像度、応答時間および波長応答に関して種々の性能で、反射や伝達が動作できる。たとえば、液晶の空間モジュレータは、各ピクセルがそれぞれ制御できる非常に良好な空間解像度でビームを変調できる。
表面がアクチュエータで変形できるミラーを使用は、光学器具が生成する像の質を改善する能動光学と、高い時間周波数で波面を変調する補償光学とに応用される。補償光学は、大気の乱れが引き起こす像のゆがみをリアルタイムで補正する天体観測のために意図された大型望遠鏡として特に実施される。顕微鏡の作像においては、光学収差は、サンプルごとに変動する可能性があるが、多くの応用例では、ある像における収差の変動は、時間に関して比較的ゆっくりである。しかしながら、顕微鏡のある応用においては、検知像の品質を急速に最適化することも必要である場合がある。従って、補償光学は、顕微鏡の光学収差を補償することと、特に、生物学の応用において顕微鏡作像における解像度の限界を改良する解決策として提案されている。
補償光学の顕微鏡では、励起光ビームの波面の変調とまた顕微鏡の対物レンズを通して集めた信号の変調とを行う変形可能ミラーが一般的に使用されている。この変調は、顕微鏡の対物レンズの入口のところで振幅と位相のプロファイルを変動させる。この変動自体、顕微鏡の励起パルス応答(ポイント−スプレッド−ファンクションすなわちPSF)の変動を誘起する。このPSFは、光学システムのソースポイントに対する応答を表すとともに、強度として観察される結果像を形成するため、対象物の各点がどのようにして光学システムにより改変されるのかを記述する。
顕微鏡で観察される見本のタイプによれば、たとえば、ビームの非点収差や脱焦点を補償するため、正確な変形が適用できることが望ましい。従って、D.Debarre等の出版物「2−光子顕微鏡検査のための像に基づく補償光学」、オプティクスレターズ(Optics Letters)、第34巻、N16、2495−2497pには、組み合わせたZernikeモード型の予め特定された機能で制御される変形可能ミラーを用いて、顕微鏡の像を改良することが記載されている。
液晶の空間モジュレータの場合、各ピクセルの制御は、ピクセルごとを基準とする既知の位相変調を発生する。しかしながら、ビームに対してSLMを正確に位置決めすることは一般的には未知である。さて、光ビームに対する振幅および/または位相の空間光学モジュレータの厳密な影響は、空間光学モジュレータに関する光ビームの位置と寸法の両方に依存している。この影響、モジュレータが光学装置の焦点面にあるかどうか、すなわち、光ビームがどこに合焦するか、または光ビームが広がっている場合、モジュレータが瞳の面にあるかどうかは、一般に前もって知ることはできない。
実際、たとえば、変形可能なミラーを望遠鏡や顕微鏡の中で較正する方法がある。
較正技術の第1グループは、変形可能なミラーで反射した後、瞳の面における波面位相の分析に基づいている。第1の解決策は、波面分析器、たとえば、シャック−ハートマン(Shack−Hartmann)型のものを使用することに基づいている。この分析器によって、光ビームの波面の場所ごとの変形を測定することが可能になる。しかしながら、波面分析器は、高価で幾何学的な制限もある。SHSを顕微鏡に結合することには制限がある。なぜなら、検出したビームの直径には制限(約5mmまで)があるので、顕微鏡の入射瞳と各顕微鏡の対物レンズに対する波面分析器との間にビームの倍率を合わせる必要がある。その対物レンズに対しては、変形可能なミラーを較正しておかなければならない。さらに、シャック−ハートマン型の分析器による位相の空間解像度は、約30×30ピクセルに制限されている。
第2の解決策は、ミケルソンかトイマン−グリーン(Michelson or Twyman−Green)タイプの干渉計において干渉縞を測定したり分析したりして、波面の位相変化を導出することに基づく。それゆえ、デー.ドバレ等(D.Debarre et al.)の出版物「2−光子顕微鏡検査のための像に基づく補償光学」、オプティクスレターズ(Optics Letters)、第34巻、N16、2495−2497pでは、対物レンズの射出瞳に写されるミラーの領域を精細に較正するために、対物レンズの焦点面に位置しているミラーを使用する。しかしながら、干渉計測定には、精密な心合わせのプロセスを要し、大きな可干渉距離の光源が必要になる。パルスレーザービームを使用する顕微鏡検査の応用例においては、干渉計は別の光源が必要となる。この光源は、ターゲット応用例のものとは異なった位置に概ね配置され、また前記応用例のものとは異なった周波数である。さらに、干渉計は、顕微鏡のものとは容易に比肩できない寸法をもっている。
技術の別のグループは、「位相ダイバーシティ」として参照する方法によれば、装置の焦点面における強度パルス応答(またはPSF)の測定と、振幅の計算および/または波面の位相再構築の計算とに基づいている。パルス応答の測定は、装置の焦点面に位置している点光源の像を、特徴づける光学装置を介して獲得することである。位相ダイバーシティ法は、第1には、同じ対象物の少なくとも2つの像をその像間の既知の位相シフトで測定する工程と、第2には、多くは、ゼルニケ(Zernike)の多項式に基づいて位相を分解することにより、各像のフーリエ(Fourier)面に複素領域をモデル化する工程と、最後に、最小化アルゴリズムを2つの像に対応する視野に適用して、波面の振幅および/または位相の空間再構築をそのフィールドから抽出する工程とから構成される。
天体用の補償光学望遠鏡の場合、レーフダール(Lofdahl)等は、位相ダイバーシティ法(レーフダール等の「位相ダイバーシティを用いる変形可能なミラーとストレール比の測定の較正方法」、Appl.Opt.39、pp.94−103、2000)に基づく、変形可能なミラーの較正のための装置と方法を提案している。このPSF測定の実験装置は、入力光ビームの点光源発生器と、均一被照射の瞳と、ほぼゼロの数値開口でのビームを反射する変形可能なミラーと、さらに、この変形可能なミラーによって高解像度のカメラに反射されたビームの像を形成する大焦点レンズとから構成される。2枚の位相シフトPSF像がカメラの前方にプリズムを挿入することで得られる。このカメラによって、互いに軸方向に焦点を外した2枚の像が形成される。そして、波面における変形可能なミラーの影響の較正は、ゼルニケ(Zernike)の多項式に基づく分解に従い波面を推定しおよび最小化する従来の方法により行われる。しかしながら、レーフダール等の方法によれば、変形可能なミラーの較正のマトリックスは、ノイズが入るだけでなく不完全でもある。なぜなら、この方法では、独立した方法で較正しなければならない変形可能なミラーが誘起する「欠落」と「傾斜」とが測定できないからである。さらに、望遠鏡は点光源の像を拡大するが、顕微鏡はその小さい像を形成する。それゆえ、レーフダールの較正方法は、顕微鏡では直接使用することができない。すなわち、顕微鏡の対物レンズは、微小で直接目視できないスポットにビームを絞る場合と、対物レンズの開口数が総体的に高い場合とである。
顕微鏡検査の場合は、位相ダイバーシティによる波面再構築を改変して、大きな開口数をもつ装置に応用している(ハンセル(Hanser)等の「広分野の蛍光顕微鏡検査における位相回復の瞳関数」、J.Microscopy 216、pp32〜48、(2004); および(ハンセル等の「高数値開口の光学システムのための位相回復」、Opt.Lett.28 pp.801−803(2003))。特に、大きい開口数をもつ装置において、システムの瞳の機能はもはや一定であるとは考えられない。
理論的に言えば、PSFは、波長λで対物レンズの焦点面の中心に位置している極めて小さい点光源の像に対応している。実験的に言えば、光学顕微鏡のPSFを測定するため、ハンセル等は、サイズが顕微鏡の光学解像度の限界より小さい蛍光ボールで形成された点光源を選択する。蛍光ボールは、顕微鏡の焦点面に配置され、励起ビームで照射される。しかしながら、これらボールの蛍光の信号は、強度と時間の両方が制限され、PSF測定で得られるS/N比を制限する。信号の弱さは、非常に高感度のカメラの使用を要求し、従って、装置のコストが高くなる。他方、分析を改良するために、再構築アルゴリズムの複雑さを増す試みも行われてきた。これは、得られる成果の精度を低下させる。さらに、使用するボールは所定のサイズがあるため、PSF測定にエラーが生じ、そのため顕微鏡検査には致命的になる可能性がある。最後に、ハンセル2003とハンセル2004の出版物は、空間光学モジュレータを備える顕微鏡には関連していない。
補償光学顕微鏡検査においては、ツラガ等(Turaga et al.)の出版物は、位相ダイバーシティの変動による、変形可能なミラーの較正方法を記載している(「広視野の顕微鏡検査における変形可能ミラーの像に基づく較正」、ツラガ等、Appl.Opt.49、pp.2030〜2040、2010)。本例においては、蛍光ボールのPSF測定を対物レンズ(位相シフトのない像)の単一焦点面で行う。再構築のアルゴリズムは、変形可能なミラーの異なるアクチュエータ上で、送られた異なるコマンドに対して行われる全ての測定を使用する。これによって、対物レンズの出口の所でビームの位相プロファイルが決定される。この方法には2つの大きな制限がある。一方では、ビームの強度プロファイルが、(一般例ではないが)既知のものと仮定され、また変動しないものと仮定されるので、対物レンズの入射瞳と共役の変形可能ミラーの較正に、方法の応用を限定してしまう。他方では、位相プロファイルの再構築に必要な計算時間は、非常に長い(32MBRAMのシステムに対しては、アクティブ要素当たり3分、すなわち52アクチュエータをもつ変形可能ミラーに対しては、約2時間30分である)。
最後に、より基本的なことであるが、レフダール(Lofdahl)等、ハンセル(Hanser)等およびツラガ(Turaga)等の出版物では、実施した測定の数を減少したため(1または2)、極小化アルゴリズムの信頼性を、調査される波面を先験的にモデル化することで与えられる補償をしなければならない。この波面は、ゼルニケ(Zernike)モードか関数の別ベースに従って分解され、直交と仮定されるか、変形可能なミラーに幾何学的によりよく適合すると仮定される。これにより、位相の再構築の精度を本質的に減少させるとともに、較正方法を、対物レンズの入射瞳と共役の面内に位置しているミラーが位相の純粋な変調を誘起する場合と、射出瞳における視野振幅が一定と考えられる場合とに限定してしまう。
本明細書では、「射出瞳」と「入射瞳」は、同義的に用いられており、対物レンズの焦点面と共役な面として参照する。
ボッチェヴィ(Botcheby)等の「顕微鏡検査におけるリモート焦点合わせ用の光学技術」、Opt.Comm、pp.281、880〜887(2008)は、顕微鏡の対物レンズのPSF測定の別の方法を記載している。この方法では、顕微鏡の対物レンズの焦点面の近傍に置いたミラーと、対物レンズの焦点面と共役の面に位置するCCDカメラとを用いている。像は、平面鏡またはカメラの異なった軸方向オフセット位置に対して得られ、3次元の強度PSFが得られる。それでもこのPSF測定は、視野プロファイルの振幅や位相再構築のためには、まして変形可能なミラーの較正のためには使用されていない。
本発明の一つの目的は、顕微鏡内蔵の空間光学モジュレータの正確かつ信頼できる較正のための装置と方法を提供することにある。
本発明の他の目的は、対物レンズの交換ごとに機器を適合させる必要無く、異なった顕微鏡の対物レンズと適合する空間光学モジュレータを較正する装置を提供することにある。
本発明のさらに他の目的は、光学ビームの強度が比較的低い場合における、高い空間解像力と高精度の較正を可能にし、射出瞳の視野の周辺点を備えた較正方法を提供することにある。
本発明の目的は、空間光学モジュレータが挿入された場所かその上流にある顕微鏡の光学特性に対する、空間光学モジュレータの要素に与える指令の影響を較正する方法を提供することにある。
そうした目的のために、本発明は、空間光学モジュレータを有する光学装置を較正するための方法に関し、該光学装置は、点光源と、入射ビームを受け、および/またはサンプルが反射する光学ビームを収集するようにされている大開口数の光学対物レンズと、この対物レンズの焦点面と光学的に共役な面におかれたカメラと、カメラの上流の光学ビームにおかれる空間光学モジュレータとを備える。本発明によれば、前記方法は以下の工程を備える:
(a)対物レンズの焦点面の近傍に反射面サンプルを配設する工程と;
(b)サンプルに入射し、および/またはサンプルにより反射される光学ビームを変調するように、空間光学モジュレータの要素Pに振幅R の指令を与える工程と;
(c)対物レンズの焦点面と共役な面に強度PSFの像を得る工程と;
(d)対物レンズと反射サンプル間の相対軸方向距離を既知量Zで改変する工程と;
(e)サンプルと対物レンズの焦点面との間の複数の相対軸方向距離に対して、工程(c)と工程(d)を繰り返す工程と;
(f)要素Piの値R に対する位相ダイバーシティアルゴリズムによって、対物レンズの焦点面と共役な面において、振幅および/または位相のプロファイルを再構築する工程と;
(g)空間光学モジュレータの要素Piに対する複数の振幅値R に対して工程(b)から(f)までを繰り返す工程と;
(h)要素Piの影響関数Eiを、ビームの振幅プロファイルAおよび/または位相プロファイルφに基づいて決定する工程と;
(i)空間光学モジュレータの異なる要素Pi(i=1、・・・・、N)に対して工程(b)ないし(h)を繰り返す工程;さらに
(j)ビームの振幅プロファイルAおよび/または位相プロファイルφに基づいて、空間光学モジュレータのすべての要素(P、・・・・P)の影響関数(E、・・・・、E)を決定する工程。
本発明の特定の実施の形態によれば、PSF測定は、対物レンズとサンプルとの間の3つの相対軸方向距離に対して行われ、対物レンズの焦点面におけるサンプルの位置に関してZ=(−Z、0、+Z)のようにして特定される。
本発明の好ましい実施の形態によれば、位相ダイバーシティによるビームの振幅および/または位相プロファイルの再構築工程(f)は、以下の工程を備える:
初期設定
−相対的な3位置−Z、0、+Zに対応する脱焦点項を推定する工程;
−対物レンズの入射瞳内で視野プロファイルを最初に推定する工程;
−対物レンズの入射瞳の透過プロファイルを推定する工程;
計算のアルゴリズム
−3つの脱焦点項それぞれにより、対物レンズの入射瞳で推定される視野プロファイルを掛け合わせて、3つの視野プロファイルを計算する工程;
−フーリエ変換を適応して3つの相対位置−Z、0、+Zに対して推定PSFを計算する工程;
−Z(−Z、0、+Z)の各値のそれぞれに対して測定されたPSFの値で、計算したPSFの振幅を置換する工程;
−得られた3視野に対して逆フーリエ変換を適応する工程;
−各位置Z(−Z、0、+Z)にそれぞれ対応する脱焦点項で割算する工程;
−得られた3複素数視野を平均化する工程;
−対物レンズの入射瞳の透過プロファイルで視野平均を掛け合わせて、対物レンズの射出瞳で視野プロファイルの新規推定を得る工程;および
−1終結条件が充足されるまで振幅計算のアルゴリズムおよび/または位相プロファイル再構築の計算アルゴリズムの全工程を繰り返す工程;
最終段階
−計算され、測定された3つのPSFの間の振幅の2乗偏差を計算する工程。値が収束基準(相対偏差で10−6オーダーが代表的)より低い場合には、アルゴリズムを終了する;
−フーリエ変換アルゴリズムにより、プロファイル位相を抽出し表す工程。
本発明の特定の実施の形態によれば、工程(j)の前に追加の工程をさらに含み、この追加の工程は、空間光学モジュレータの複数の要素に対するコマンドの異なった同時の組み合わせのために、工程(b)ないし(i)を繰り返す。
実施の形態の特定の態様によれば、本発明の較正方法は、工程(c)に続いて、測定したPSF像をデジタル濾波して、空間解像度を低下することおよび/または像の寸法を対物レンズの瞳の寸法に適合させることを行う追加の工程を備える。
特定の実施の形態によれば、本発明の較正方法は、工程(j)に続いて、空間光学モジュレータの全要素(P1、・・・・P)の影響関数を線形回帰アルゴリズムで逆変換して、変形可能ミラーの較正を振幅A(x,y)=M(R )および/またはR =M −1(A(x,y))と位相φ(x,y)=Mφ(R )および/またはR =Mφ −1(φ(x,y))のそれぞれに関して、線形回帰アルゴリズムから導出する追加の工程を備えている。
本発明はまた、空間光学モジュレータをもつ光学装置を較正するためのシステムに関する。前記装置は、入射ビームを発生する点光源と、入射ビームを受け、および/またはサンプルが反射した光学ビームを集めるようになっている大きな開口数の光学対物レンズと、対物レンズの焦点面に形成される点光源の像と、複数の要素(P、・・・・P)を備えた空間光学モジュレータと、前記空間光学モジュレータのこれらの要素(P、・・・・P)を制御するための手段を備え、前記空間光学モジュレータは、光学ビーム上に配置されて、入射および/または反射光学ビームを変調し、
前記較正システムは、
・対物レンズの焦点面の近傍におかれた反射平面サンプルと、
・対物レンズの焦点面と前記サンプルの間の距離Zの調整手段と、
・前記サンプルが反射したビームの一部を受けるとともに対物レンズの焦点面の像を共役面に形成するようになっている光学システムと、
・対物レンズの焦点面と光学的に共役な前記面におかれるカメラと、さらに
・距離Zの調整手段を制御するためのユニット、空間光学モジュレータの要素(P、・・・・P)を制御するためのユニット、複数の距離Zに対して、カメラによって獲得された複数の像を処理し、これらから装置のPSFの測定を導出するようになっているユニット、さらに、距離Zの調整手段と空間光学モジュレータの要素とにそれぞれ与えられるコマンドの値を、PSF測定の関数として決定するようになっている計算手段を備えた制御システムを備えている。
本発明の較正システムの種々の特定の態様によれば、計算手段は、
・位相ダイバーシティアルゴリズムを用いてビームの振幅および/または位相プロファイルを再構築する手段;
・空間光学モジュレータのすべての要素P、・・・・Pの影響関数(E、・・・・E)を振幅プロファイルAおよび/または位相プロファイルφにおいて決定するための手段;および/または
・空間光学モジュレータの全要素P、・・・・Pの影響関数を線形回帰アルゴリズムで反転する手段と、空間光学モジュレータの較正を推定する最小化手段とを備えている。
本発明は、以下の記載から証明され、また単独であるいは技術的に可能ないかなる組み合わせでも考慮されねばならない特徴にも関している。
添付の図面を参照して非限定的な実施例に対して行う以下の説明により、本発明をどのように実施できるかをより良く理解できるであろう。
本発明の第1実施例による較正装置の概要を図示している。 本発明の第2実施例による較正装置の概要を図示している。 本発明の第3実施例による較正装置の概要を図示している。 本発明の方法の主工程の概要を図示している。 位相ダイバーシティアルゴリズムの初期設定の工程の変形例の概要を図示している。 発明の実施例による位相ダイバーシティアルゴリズムの変形例を概要的に図示している。 空間光学モジュレータの要素Pの影響関数の決定工程の変形例を概要的に図示している。
図1は、顕微鏡中の空間光学モジュレータ6の較正の実験装置の第1例を図示している。図示の例では、空間光学モジュレータは、複数のアクチュエータを備えている変形可能なミラーである。しかしながら、空間光学モジュレータは、発明の範囲から逸脱しないで、別のタイプの空間モジュレータ(たとえば液晶のSLM)でありうる。顕微鏡の構成要素の極一部だけが図1に図示してある。特に、顕微鏡の鏡筒は図1には図示していない。
光源1は、サンプル10を照射するよう意図された励起ビーム1aを発生する。光源は、顕微鏡の一部であるか、あるいは顕微鏡の入力ポートに連結されていてもよい。光源は、連続光源や、パルスレーザーのようなパルス光源であってもよい。光源1は、後にターゲット応用に用いるよう意図した光源であるのが有利である。レーザー光源の場合、光源の空間程度は非常に制限されるので、入口ダイアフラムは必要でない。空間に広げた光源の場合、点と考えてもよいほど十分小さいダイアフラムを、対物レンズの焦点面と光学的に共役な面内の入射ビームに配置しなければならない(実際には、ダイアフラムのサイズは、システムの理想的な励起PSFに対応するエアリー(Airy)スポットの幅のせいぜい半分でなければならない)。この明細書の以下の記載では、光源1は点光源を例としている。
光源ビーム1aは光学システム2によって顕微鏡の光路に合わせられている。
偏光分極キューブ3は、(λ/4板タイプの)プレート4と無限焦点光学システム5a、5bとに向って入射ビームを送って、変形可能ミラー6を照明する。この変形可能ミラー6は、顕微鏡の内部か上流におかれて、励起光ビームの波面の変調を誘起する。変形可能ミラー6は、アクチュエータP・・・P・・・Pで変形され得る反射表面を備えている。異なった技術のアクチュエータ(磁気の、圧電の・・・)が存在する。アクチュエータは、制御システム15で制御するが、この制御システムはコマンドを1台だけのアクチュエータにあるいは数台のアクチュエータに同時に送ってもよい。入射ビームの反射に用いる変形可能ミラー6は、顕微鏡の対物レンズ8の入射瞳9と共役になっている。
偏光分極キューブ3は、変形可能ミラー6により反射され、変調されたビームを受光する。入射分極に関して45°に配向されたλ/4板を2回通過した後、ビームの分極状態は90°回転させられ、キューブ3を始めに透過したビームは、出力ロスなく反射される。キューブ3は、変調したビームを光学システム7に向って送り返す。この光学システム7は、変調ビームを、入射瞳9の視野をカバーするように顕微鏡対物レンズ8に向ける。入射瞳9の直径が顕微鏡対物レンズ8の開口数を決定する。顕微鏡対物レンズの開口数は、一般的に0.2と1.45の間にある。
顕微鏡は、顕微鏡対物レンズ8の焦点近傍に位置するサンプル10を配設するサンプルキャリヤを備えている。サンプル10は平面鏡であることが好ましい。使用する対物レンズ8がサンプルを覆うスライドと共に使用されるようになっているのであれば、要求される厚さをもつスライドは、対物レンズ用の光学接着剤や一滴のオイルでミラーに接着される。ある光学指数をもつ媒体に浸漬する液浸顕微鏡の対物レンズの場合、液浸材料(たとえば、空気、水、グリセロール、油)は、ミラーおよび/またはスライドと対物レンズとの間に添加されるが、これは、対物レンズ使用上の通常の条件である。
サンプルキャリヤは、たとえば圧電式の位置決めシステム11に設けられており、使用した対物レンズによっては、対物レンズ8とたぶんスライドを覆っているサンプル10との間に相対軸方向位置ずれをもたらす。
図1の較正装置は、対物レンズ8の上流においた分離板12(たとえば、半反射板)を備えている。分離板12は、サンプル10で反射されるビームを取り込む。ビームは次に光学システム13によってカメラ14で焦点合わせがされるので、カメラ14の検知面は対物レンズ8の焦点面と光学的に共役になっている。
制御システム15は、変形可能ミラー6のアクチュエータP・・・P・・・Pを制御するためのユニットと、対物レンズ−サンプル位置決めシステム11を制御するためのユニットと、カメラ14で獲得した像を処理するための像処理ユニットと、さらに、変形可能ミラー6のアクチュエータP・・・P・・・Pと対物レンズ−サンプルの軸方向距離を位置決めするためのシステム11とに与えるコマンドの値を、それぞれ、以下詳細に述べるアルゴリズムによる像PSFの測定の関数として決定するための計算ユニットとを備えている。
本発明の較正装置で得られる測定を既知の波面センサーで直接得られるものと比較するために、サンプルと、シャック−ハートマン(Shack−Hartmann(SHS))タイプの波面分析器17と、光学結合レンズ18とが反射したビームの光路に、着脱可能なミラー16が配置されている。レンズ18は、ビームプロファイルのサイズを波面センサー17のものに適合する対物レンズ8の関数として選定されている。数個のレンズ18を使用するかわりに、可変焦点距離の望遠鏡を用いてもよい。その場合、波面分析器17を用いて瞳9の面において波面の空間分布の基準測定をしてもよい。しかしながら、SHS17、レンズ18および脱着ミラー16は、発明の較正装置のパーツではない。
以下図1の装置の動作を説明する。光源ビーム1aは、光学システム5a、5bにより変形可能ミラー6に合わせられる。変形可能ミラー6は、励起光ビームの波面の変調を誘起する。この変調の結果、顕微鏡の対物レンズ8の入射瞳9の面に位相と振幅のプロファイルが変動する。こうした波面プロファイルの変動により、カメラ14が検出した顕微鏡の強度励起パルス応答(PSF)の変動が誘起される。すなわち、波面プロファイルの変化を用いて、顕微鏡やサンプル自体が誘起する収差を訂正したり、作像、光活性、光アブレーション等のためにPSFを形成したりする。検知した信号が変形可能ミラー6(図2か図3の装置を参照)で再反射される場合、検知パルス応答の変調も起こる。
一般的に、変形可能ミラー6が誘起するすべての変調を較正するため、以下のこの明細書では、検知器が位置する平面で得られる励起PSFだけでなく結果PSFが考慮される。PSFは、光路に存在する異なる要素、すなわち、変形可能ミラー6、顕微鏡の光学要素、対物レンズ8やこれらの要素の相対位置に本来的に依存している。変形可能ミラー6の各能動的要素、(すなわちアクチュエータP・・・P・・・P)の影響は、実現する光学組立体に依存している。正確にいえば、ミラーの較正は、目標となる応用の測定の構成で本来の場所で行わなければならない。
図2は、斜めの入射下で反射で作用する別タイプの顕微鏡において、変形可能ミラーの較正の実験装置の第2の実施例を図示している。図2の装置は、図1の装置と同様な要素を備えている。変形可能ミラーは、励起ビームの光路ではなく、サンプル10が反射するビームの光路に位置している。光学システム13は、サンプルが反射し、カメラ14の変形可能ミラー6が変調するビームの像を形成する。図1の装置と同様に、制御システム15は、変形可能ミラー6のアクチュエータP・・・P・・・Pを制御するためのユニットと、対物レンズ−サンプル位置決めシステム11を制御するためのユニットと、カメラ14が獲得した像を処理するためのユニットと、変形可能ミラー6のアクチュエータと位置決めシステム11に、それぞれ以下に詳述するアルゴリズムによる像PSFの測定関数として適用されるコマンドの値を決定する計算ユニットとを備えている。
図1に図示した装置は、分離板12が対物レンズ8のすぐ上流に配置されており、励起PSFを測定するのに理想的である。しかしながら、分離板12、レンズ13およびカメラ14のユニットは、ビームの光路のどこに配置してもよい。ただし、カメラ14が対物レンズ8の焦点面と共役であること、カメラに到達する前に対物レンズの前後にビームが空間モジュレータで反射されないことが条件である。たとえば、共焦点顕微鏡の全PSF(励起+検知)に及ぼす変形可能ミラーの影響を測定したい場合、2つのPSF(すなわち励起と検知)の測定が成功しなければならない。しかしながら、励起と検知は、波長が同一か近似であれば、一般的に可能であり、装置の幾何学によれば最も実用的な測定だけが実現できる。したがって、図3は、顕微鏡内の変形可能ミラー6の較正用実験装置の第3実施例を示している。図3の装置は、図1と図2の装置と同様な要素を備えている。変形可能ミラー6は、励起ビームの光路と撮像するサンプルが反射したり生成するビームの光路との両方に撮像中に配置されている。そうした顕微鏡を較正するためには、入射ビームの光路を改変したり、カメラ14を通常の検知器のところに配置したりすることで、検知PSF(図3a)を測定することが可能になる。また、分離板12、レンズ13およびカメラ14のユニットを対物レンズの直後に配置することで励起PSF(図3b)を測定することが可能になる。一例として、図3に図示した装置は、レーザービームをサンプルに走査することが可能なXYスキャナとも呼ぶビーム走査器19と、共焦点信号を検知するためのポイント検知器(たとえば、ピンホール+フォトマルチプライヤ)とから構成される。
本発明の較正方法も、直立反転または水平の顕微鏡の場合に該当する。すべての場合、平面鏡を焦点の近くで用いており、必要なら、顕微鏡のスライドをその上におき、顕微鏡用オイルか光学接着剤の一滴で固定してよい。
較正方法
図4は、位相ダイバーシティアルゴリズムに基づく本発明の較正方法の主な工程を示している。
変形可能ミラー6の較正は以下の工程に従って実行される。
・システムの初期設定(工程20)、平面ミラー10は、このミラーと対物レンズ8の焦点面との間の距離Zで特定される、対物レンズの焦点面近傍の第1位置に位置付けられている工程と、
・コマンドベクトルを変形可能ミラー6に送信(工程30)して、励起および/または反射の光学ビームを変調する工程(工程40)と、
・全光学装置の三次元PSFを測定する工程(工程50〜60)と、
・三次元PSF測定に基づいて顕微鏡の入射瞳のレベルで位相および/または強度を再構築する工程(工程70)と、
・各アクチュエータ(変形可能ミラー6が線形の場合)あるいはアクチュエータのコマンドの各可能な組み合わせ(変形可能ミラー6が線形でない場合)の影響が既知になるまで、異なるコマンドベクトルを繰り返す工程(工程80〜90)と、さらに
・影響関数を逆変換してそこから変形可能なミラーの較正を推定する工程(工程100)である。
本発明の好ましい実施の形態によれば、較正方法は以下の工程を備える。
・励起ビームを反射する対物レンズ8の焦点面の近傍に配置された平面鏡10と、対物レンズの焦点面と共役な面におかれるカメラ14とにより実施される顕微鏡の強度PSFの測定工程と、
・サンプルキャリヤか対物レンズの軸方向ずれの装置を用いて、平面ミラーの3つの異なる既知の軸方向位置の3つPSF測定を獲得する工程(工程50〜60)と、
・対物レンズ8の瞳9の面における励起ビームの位相および振幅のプロファイルを、反復アルゴリズムを用いる3軸PSF測定から、係数内に再構築する工程(工程70)と、
・変形可能ミラーの各アクチュエータの異なる位置に対して先行する工程を反復する工程(工程30〜70)と、
・(三次元PSFを決定する)対物レンズの入口において、光学視野に対する変形可能ミラーのアクチュエータの複素数影響関数を計算する工程(工程80〜90)と、さらに、
・PSFが決定した顕微鏡の光学特性に対する変形可能ミラーの影響を、そのまま完全かつ本来的に決定する工程(工程100)である。
較正方法の詳細な工程
工程毎に以下詳細に説明する。
I−PSFの測定
たとえば、図1に示した配置を考察してみる。ここでの仮定は、対物レンズ8の透過が入射瞳9の全体にわたって均一であること、対物レンズ8、半反射板12およびレンズ13はビームの波面で何も収差を生じないことである。CCDカメラ14では、対の対物レンズ8とレンズ13の倍率で拡大したPSFの像が、直接的に対物レンズ8の焦点面に関して軸方向位置2×Zで測定されることを示すことができる。したがって、平面ミラー10と顕微鏡対物レンズ8との間の距離Zを変化させることになり、システムのPSFの三次元像を再構築できる。
対物レンズ8、レンズ13および/または反射板12が誘起する収差が無視できない場合、あるいは、対物レンズ8の透過プロファイルが均一でない場合、(ビームの位相と強度のプロファイルの改変を記述している)光学移送関数のさらなる変調が存在する。したがって、測定したPSFは焦点面のレベルで得られたものと同じではなくなっている。しかしながら、この変調は、変形可能ミラー6の形状が変わっても一定であり、変形可能ミラー6にリンクしたビームの位相と強度のプロファイルの変動は、それでも同じ精度で決定される。
したがって、変形可能ミラー6が励起ビームに配置される場合、測定するのは励起PSF(図1の場合)である。同様に、変形可能ミラー6をサンプルが反射するビームに配置すると、測定されるのは、検知PSFである(図2の場合)。最後に、変形可能ミラー6を励起ビームと反射ビームの光路におくと(図3の場合)、ビームの一方か他方あるいは両方が測定されて、顕微鏡の全PSF(励起+検出)に対する変形可能ミラーの影響が得られる。
II−ビームの位相と強度のプロファイルの再構築
図5ないし図7は、位相ダイバーシティアルゴリズムによる三次元PSFからビームの振幅および/または位相プロファイルを再構築するアルゴリズムを実施する一例を模式的に図示している。
図5は計算アルゴリズムの初期設定の工程を、図6は再構築の反復の工程を図示している。
アルゴリズム(図5)の初期設定は、入射瞳9の視野にわたって、たとえば一定の関数φikによって入射位相のプロファイルを初期設定(工程20a)することが最初である。同様に、入射瞳9上の視野の振幅Aikが初期化される(工程20b)。この振幅Aikはたとえば一定と仮定してある。対物レンズの入射瞳9の伝達プロファイルは、たとえばゲート関数のような関数Пikで推定する(工程20c)。積AikПikexp[jφik]に等しい視野プロファイルの最初の推定は、それから演繹される(工程20d)。他方、信号上のノイズの代表的条件において位相ダイバーシティアルゴリズムが良好に収束するためには、異なる面Z上でPSFの3つの像が必要である。収束は、工程20dで得られる視野プロファイルの最初の推定から開始される。脱収束項は、exp(−jZδ)、1そしてexp(+jZδ)に等しいが、3相対位置に対してそれぞれ、−Z、0、+Zと見積もられる(工程20e〜20f)。
図6は、位相ダイバーシティによる三次元プロファイルの再構築アルゴリズムを模式的に図示している。初期設定(工程70a、たとえば、図5に関連して工程20a、20b、20c、20dにしたがって表示したように)後は、視野プロファイルの初期推定と、(たとえば図5の工程20e〜20fにしたがって表示した)3つの相対位置:−Z、0、および+Zに対する脱焦点項δの初期推定が得られる。工程70bでは、初期視野プロファイルにそれぞれ3つの脱焦点項、exp(−jZδ)、1およびexp(+jZδ)を掛け合わせることにより、3つの視野プロファイルが計算される。フーリエ交換(TF)を適用して、3相対位置−Z、0、+Zに対して、推定したPSFを計算する(工程70c)。次に、計算したPSFの振幅を、Zの各値に対して測定したPSFの値で置換する(工程70d)。逆フーリエ交換(TF−1)の操作を、得られた3視野に適用する(工程70e)。各位置−Z、0、+Zに対応する脱焦点項で割算を実行する(工程70f)。得られた3複素視野の平均を計算する(工程70g)。平均の1つは、3視野の平均に、対物レンズの入射瞳の伝達プロファイルを掛けるものである(工程70g)。このようにして得られるプロファイルは、対物レンズの射出瞳のレベルで、視野の新しい推定として作用する。工程70b〜70gは、1つの終了条件が充足されるまで繰り返す(工程70h)。
終了工程は、たとえば、計算し測定した3つのPSF値間の振幅2乗偏差を計算することである。その値が収束基準(相対偏差で10−6のオーダーが代表的)より低いと、アルゴリズムは終了する。この段階で、視野プロファイルの推定が得られており、視野プロファイルは、一方では、視野の振幅から、他方では、視野のほぼ丸めた位相(法2π)からなる(工程70i)。追加の工程(工程70j)によって、プロファイルの丸めていない位相をフーリエ変換アルゴリズムで取り出すことができる。位相を丸めないアルゴリズムの一例が、D.C.GHIGLIA M.D.PRITTの出版物「Two dimensional phase unwrapping:theory,algorithms,&software”,ed.Wiley(1998)」に記載されている。
用いたアルゴリズムによって、位相と振幅のプロファイルがパラメータだけで完全に再構築できるようになる。パラメータは、カメラ画素の寸法、ビームの波長、焦点面とカメラの面間の光学倍率、用いた3つの位置Z間の軸方向ずれ、対物レンズの開口数、用いた浸漬媒体の指標である。これらのパラメータの値によれば、アルゴリズムの収束を加速化するために、出発像を切り取ったり(得られる位相と強度のプロファイルにおける最終解像度の低下)、あるいは「封印」(再構築したプロファイルを過剰なマージンを避けるため、顕微鏡の入射瞳の寸法に調節すること)することができる。最近のコンピュータ(2MB RAM、2GHのプロセッサ)を用いる本例では、再構築には位相プロファイル当たり約2秒かかる。
III−変形可能ミラーの較正
変形可能ミラー6の動作が線形である最新の事例では、較正は、各アクチュエータRの(ビームのプロファイルに関する)影響関数Eiを決定することによって得られる。この方法は、図7の工程ダイヤグラムによって模式的に示されている。各アクチュエータRは次から次へと較正される。すなわち、(線形範囲に対して少なくとも2つの値の)一連のコマンドがアクチュエータRに送信されて、対応するプロファイルが各コマンド値に対して測定される。最終的に得られる異なるプロファイルの調整によって、各要素Rの影響関数Eが決定できる
線形のふるまいをするミラーの場合、ミラーの実働要素に、位相が異なったコマンド値で得られると、線形回帰の工程を用いて、各実働要素の影響関数を算定する。次に、与えられた位相と振幅のプロファイルを得るためミラーに送るコマンドベクトルを決定したいならば、追加の工程を用いてコマンドマトリックスを得る。このマトリックスは、(モード当たり1係数ベクトルで記述してある)獲得したいモード(ゼルニケまたは他の)の組み合わせを、実働要素のそれぞれに送るコマンドベクトルと直接リンクする。たとえば、ゼルニケモードを作りたいならば、各影響関数Eを、作りたいゼルニケモードに基づいて分解して、このように得られたマトリックスを疑似的に反転してコマンドマトリックスを得る。
滅多にないケースであるが、変形可能ミラー6の動作が直線的で無いでないという頻度が少ない場合、すなわちアクチュエータの応答が互いに独立していないときには、変形可能ミラー6のアクチュエータに送られたコマンドの起こり得るあらゆる組み合わせに対してビームのプロファイル変動を測定する必要がある。
実験的測定の例
図1に模式的に図示してあるような組立体によるテストスタンドで、測定を行ってきた。反射に用いた変形可能ミラー6は、顕微鏡対物レンズ8の入射瞳9と共役になっている。変形可能ミラーは52台のアクチュエータを備えている。用いる対物レンズ8によるスライドでおそらく覆われた平面鏡10は、対物レンズ8と平面鏡10との間に相対移動を与える圧電型の位置決めシステム11に設けられている。PSFの検知は、1200×800画素のマトリックスをもつ8−ビットのCCDカメラで行われる。
較正の装置と方法を推定するために、着脱可能ミラー16も用いてシャック−ハートマン(Shack−Hartmann)(SHS)タイプの波面分析器17上で波面を測定する。追加の光学結合レンズ18を、対物レンズ8に従って選定して、ビームプロファイルのサイズを波面分析器17のものに合わせる。
この実施の形態では、変形可能ミラー6は、顕微鏡の対物レンズ8の入射瞳9と共役になっている。これは使用が最頻度の場合であって、ミラーが誘起する変調が位相プロファイルだけに関連し励起ビームの強度プロファイルには関連しない。位相に対する影響の再構築された強度のプロファイルと関数は、開口数0.75で20×空中対物レンズの入射瞳と共役の変形可能ミラーの52の能動要素1つに対して計算してある。得られた結果は、シャック−ハートマン(Shack−Hartmann)波面測定装置で得られる測定と比較してある。
用いた方法の確固さを推定するため、同じ変形可能ミラー6の影響関数は、非常に異なる3つの顕微鏡対物レンズ8に対して測定する。すなわち、
・開口数0.75(入射瞳13.5mm)の滑り補正した空中20×倍率の対物レンズ、
・スライドなしで開口数0.4(入射瞳9mm)の空中10×倍率の対物レンズ、および
・開口数1.2(入射瞳5.4mm)滑り補正した水中60×倍率の対物レンズ。
本発明の方法による対物レンズの瞳の平面における位相再構築は、3枚の対物レンズに対して、シャック−ハートマン(Shack−Hartmann)波面センサーで得られる直接測定と完全に比肩できる結果を与える。さらに、1メガピクセルの解像度を示す標準のCCDカメラでもってさえ、シャック−ハートマンが与えるものより優れた空中解像度で位相の測定を可能にすることが観測される。
他方、現在入手可能なSHSセンサーは、約30×30画素に制限される。さらに、SHSは、ビームの明るさが低い像の端での精度が欠けている。これに反して、本発明の方法は、像の周辺であってもよい感度を位相プロファイルに与える。したがって、本発明の方法は、広範囲の応用を包含する非常に多様な特性の顕微鏡の対物レンズに対する確かさを強調している。
測定した影響関数の正確さを証明する別の方法は、変形可能ミラー6に送られてゼルニケ(Zernike)モードを生ずるようにするコマンドベクトルを計算するために発明の方法により決定される影響関数を用いることである。既知のゼルニケモードは、60×の対物レンズで、たとえば非点収差を修正するために選定される。結果となるPSF測定は、望んだゼルニケモードが、使用されるコマンドベクトルで正しく作れたことを示している。このことも、シャック−ハートマン(Shack−Hartmann)の波面センサーを用いて波面測定によって確認される。
この出願で意図した主範囲は、波面成形(すなわち、収差の修正および/またはパルス応答の成形)を備えた光学顕微鏡検査であって、特に、
・作像:共焦点顕微鏡検査、多光子、超解像度等
・レーザーフォト−アブレーション;および
・光学操作:フォトアクティベーション、フォト誘起アンケージング。
本発明の較正方法と装置は、同様に、光ビームの振幅および/または位相を変調する変形可能ミラーとは別のタイプの空間光学モジュレータを備える顕微鏡に適合する。空間光学モジュレータの一般的な場合、モジュレータの各要素は、制御手段で制御されるので、光ビームの振幅および/または位相を変調する。したがって、液晶モジュレータに対しては、要素は、各画素に電圧を付与できる電極が制御する画素であって、各画素は、振幅および/または位相の所定の場所ごとの変動を生ずる。
波面測定法(直接的または干渉的)と比べると、本発明によって提案される方法と装置は、任意のタイプの光源(連続、パルス状、波長がどうあれ)、既存の少ないかあるいは何も改変しなくとも、空間光学モジュレータ、対物レンズや顕微鏡に適用され得る。さらに、本発明は、使用を意図する厳密な条件における、完全にアクティブな光学システムユニット(光源+空間光学モジュレータ+顕微鏡+対物レンズ)の較正を提供する。最後に、本発明は、空間光学モジュレータの要素に与えられる異なるコマンドに対して励起パルス応答を直接実験的に測定することもできる。
既存の方法とは異なり、提案した方法は、先験的に、波面の変調を何も用いない。本発明は、三次元PSFの直接測定に基づいているが、これにより近似をしなくとも位相と強度のプロファイルを再構築できる。したがって、空間光学モジュレータ、顕微鏡および対物レンズからなる全体がアクティブな光学装置が、システムの全体の光学応答に対する1セットのコマンドの影響の関数として直接較正される。システムにおける空間光学モジュレータの厳密な位置決めは、このようにして本来的に考慮されている。
さらに、位相プロファイルの再構築に必要な計算時間は従来の方法に比べてはるかに短縮される。本発明の方法では、アクティブな要素の較正が2MBのRAMをもつシステムで20〜50秒以内で得られる。
本発明の方法と装置では、現存の顕微鏡の変形可能ミラーを効果的に統合することによって光学顕微鏡の解像度を著しく改善でき、そこでの収差を矯正できる。
較正品質の改良により、空間光学モジュレータに結合した光学顕微鏡の3D解像度が、特に、以下の点で改良できる。
・容量で均質でない生物学的サンプル、
・ミスマッチの指標の媒質に液浸したサンプル、および/または
・光学収差が残っている光学システムをもつ顕微鏡。
既存の顕微鏡を改変して、コスト的に工夫を要することなく、空間光学モジュレータとそれの較正システムと結合できる。実際、ほとんどの顕微鏡は、共通にポートを備えているが、このポートは、カメラを受け入れて対物レンズの焦点面の拡大像を形成するためのものである。
本発明の方法と装置によって、既存の顕微鏡の作像性能を、適度なコストと複雑さで著しく改善できる。
1 光源
2 光学システム
3 偏光分極キューブ
4 プレート
5a、5b 無限焦点光学システム
6 空間光学モジュレータ
7 光学システム
8 顕微鏡対物レンズ
9 入射瞳
10 サンプル
11 位置決めシステム
12 分離板
13 光学システム
14 カメラ
15 制御システム
16 脱着ミラー
17 波面分析器
18 光学結合レンズ
19 ビーム走査器
〜P〜P アクチュエータ

Claims (10)

  1. 空間光学モジュレータ(6)をもつ光学装置を較正するための方法であって、該光学装置は、点光源(1)と、入射ビームを受け、および/またはサンプルが反射する光学ビームを収集するようにされている大開口数の光学対物レンズ(8)と、この対物レンズ(8)の焦点面と光学的に共役な面におかれたカメラ(14)と、カメラ(14)の上流の光学ビームにおかれる空間光学モジュレータとを備え、前記方法は以下の工程を備える:
    (a)対物レンズ(8)の焦点面の近傍に反射平面サンプル(10)を配設する工程と;
    (b)サンプル(10)に入射し、および/またはサンプルにより反射される光学ビームを変調するように、空間光学モジュレータ(6)の要素Pに振幅R のコマンドを与える工程と;
    (c)対物レンズ(8)の焦点面と共役な面に強度PSFの像を得る工程と;
    (d)対物レンズ(8)と反射サンプル(10)間の相対軸方向距離を既知量Zで改変する工程と;
    (e)サンプル(10)と対物レンズ(8)の焦点面との間の複数の相対軸方向距離に対して、工程(c)と工程(d)を繰り返す工程と;
    (f)要素Piの値R に対する位相ダイバーシティアルゴリズムによって、対物レンズの焦点面と共役な面において、振幅および/または位相のプロファイルを再構築する工程と;
    (g)空間光学モジュレータ(6)の要素Piに対する複数の振幅値R に対して工程(b)から(f)までを繰り返す工程と;
    (h)要素Piの影響関数Eiを、ビームの振幅プロファイルAおよび/または位相プロファイルφに基づいて決定する工程と;
    (i)空間光学モジュレータ(6)の異なる要素Pi(i=1、・・・・、N)に対して工程(b)ないし(h)を繰り返す工程;さらに
    (j)ビームの振幅プロファイルAおよび/または位相プロファイルφに基づいて、空間光学モジュレータ(6)のすべての要素(P、・・・・P)の影響関数(E、・・・・、E)を決定する工程。
  2. PSF測定は、対物レンズ(8)とサンプル(10)との間の3つの相対軸方向距離に対して行われ、対物レンズの焦点面におけるサンプルの位置に関して、Z=(−Z、0、+Z)のようにして特定されることを特徴とする請求項1に記載の較正方法。
  3. 請求項2に記載の較正方法であって、ビームの振幅プロファイルおよび/または位相プロファイルの再構築工程(f)は、以下の工程を備えていることを特徴とする:
    −相対的な3位置−Z、0、+Zに対応する脱焦点項を推定する工程;
    −対物レンズの入射瞳内で視野プロファイルを最初に推定する工程;
    −対物レンズの入射瞳の透過プロファイルを推定する工程;
    −3つの脱焦点項それぞれにより、対物レンズの入射瞳で推定される視野プロファイルを掛け合わせて、3つの視野プロファイルを計算する工程;
    −フーリエ変換を適応して3つの相対位置−Z、0、+Zに対して推定PSFを計算する工程;
    −Z(−Z、0、+Z)の各値のそれぞれに対して測定されたPSFの値で、計算したPSFの振幅を置換する工程;
    −得られた3視野に対して逆フーリエ変換を適応する工程;
    −各位置Z(−Z、0、+Z)にそれぞれ対応する脱焦点項で割算する工程;
    −得られた3複素数視野を平均化する工程;
    −対物レンズの入射瞳の透過プロファイルで視野平均を掛け合わせて、対物レンズの射出瞳で視野プロファイルの新規推定を得る工程;
    −1終結条件が充足されるまで振幅計算のアルゴリズムおよび/または位相プロファイル再構築の計算アルゴリズムの全工程を繰り返す工程。
  4. 請求項1ないし3の1項に記載の較正方法であって、工程(j)の前に追加の工程を備え、この追加の工程は、複数の要素に対するコマンドの異なった同時の組み合わせのために、工程(b)ないし(i)を繰り返すことを特徴とする較正方法。
  5. 請求項1ないし4の1項に記載の較正方法であって、工程(c)に続いて、測定したPSF像をデジタル濾波して、空間解像度を低下することおよび/または像の寸法を対物レンズ(8)の瞳(9)の寸法に適合させることを行う追加の工程からなることを特徴とする較正方法。
  6. 請求項1ないし5の1項に記載の較正方法であって、工程(j)に続いて、空間光学モジュレータ(6)の全要素P1、・・・・Pの影響関数を線形回帰アルゴリズムで逆変換する追加の工程を備え、それにより空間光学モジュレータ(6)の較正を、振幅A(x,y)=M(R )および/またはR =M −1(A(x,y))と位相φ(x,y)=Mφ(R )および/またはR =Mφ −1(φ(x,y))のそれぞれにおいて、線形回帰アルゴリズムから導出することを特徴とする較正方法。
  7. 空間光学モジュレータ(6)をもつ光学装置を較正するためのシステムであって、前記光学装置は、入射ビーム(1a)を発生する点光源(1)と、入射ビームを受け、および/またはサンプルが反射した光学ビームを集めるようになっている大きな開口数の光学対物レンズ(8)と、点光源(1)の像は対物レンズ(8)の焦点面に形成されており、複数の要素(P、・・・・P)を備えた空間光学モジュレータ(6)と、これらの要素(P、・・・・P)を制御するための手段を備え、空間光学モジュレータ(6)は光学ビーム上に置かれて入射および/または反射光学ビームを変調するようになっており、
    前記較正システムは、
    ・対物レンズ(8)の焦点面の近傍におかれる反射平面サンプル(10)と、
    ・対物レンズ(8)の焦点面と前記サンプル(10)との間の距離Zの調整手段(11)と、
    ・前記サンプル(10)が反射したビームの一部を受けるとともに対物レンズ(8)の焦点面の像を共役面に形成するようになっている光学システム(8、12、13)と、
    ・対物レンズ(8)の焦点面と光学的に共役の前記面に配置されたカメラ(14)と、さらに
    ・距離Zの調整手段(11)を制御するためのユニット、空間光学モジュレータ(6)の要素(P、・・・Pi・・・P)を制御するためのユニット、複数の距離Zに対して、カメラ(14)によって獲得された像を処理し、これらから装置のPSFの測定を導出するようになっているユニット、さらに、距離Zの調整手段(11)と空間光学モジュレータ(6)の要素とにそれぞれ与えられるコマンドの値を、それぞれPSF測定の関数として決定するようになっている計算手段からなる制御システム(15)と備えていることを特徴とするシステム。
  8. 請求項7によるシステムであって、計算手段は、位相ダイバーシティアルゴリズムを用いてビームの振幅プロファイルおよび/または位相プロファイルを再構築する手段を備えていることを特徴とする較正システム。
  9. 請求項8によるシステムであって、計算手段は、空間光学モジュレータ(6)のすべての要素(P、・・・・P)の影響関数(E、・・・・E)を、ビームの振幅プロファイルAおよび位相プロファイルφにおいて決定するための手段を備えていることを特徴とする較正システム。
  10. 請求項9によるシステムであって、計算手段は、空間光学モジュレータ(6)の全要素(P、・・・・P)の影響関数を線形回帰アルゴリズムで反転する手段と、これらにより空間光学モジュレータ(6)の較正を推定する最小化手段とを備えていることを特徴とする較正システム。

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