JP2013542163A5 - - Google Patents
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(背景技術)
開示の技術分野は、シラン含有流の精製(purification)に関し、特に、蒸留操作及び/又は凝縮操作を用いることにより、不純物流(impurity streams)中でのシラン損失が比較的少ないシラン精製方法に関する。
開示の技術分野は、シラン含有流の精製(purification)に関し、特に、蒸留操作及び/又は凝縮操作を用いることにより、不純物流(impurity streams)中でのシラン損失が比較的少ないシラン精製方法に関する。
シランは、多くの工業的用途を有する多用途の化合物である。半導体産業において、シランは、半導体ウェーハ上のエピタキシャルシリコン層の析出、及び多結晶シリコンの生成に利用することができる。多結晶シリコンは、例えば、集積回路及び光起電性のセル(つまり、太陽電池)を含む多くの市販製品の重要な原料である。多結晶シリコンは、流動床リアクター(fluidized bed reactor)内においてシリコン粒子上でシランを熱分解することによって製造することができる。
米国特許第4,632,816号(すべての関連し一致した目的のために、参照して本明細書に組込む)に開示されているように、シランは、四フッ化ケイ素をアルカリ又はアルカリ土類金属のアルミニウム水素化物(例えば、四水素化アルミニウムナトリウム(sodium aluminum tetrahydride))と反応させることにより精製することができる。代わりとして、「シラン製造のための反応蒸留プロセスの開発及び経済的評価」、蒸留と吸着:統合プロセス2002("Development and Economic Evaluation of a Reactive Distillation Process for Silane Production," Distillation and Adsorption: Integrated Processes, 2002)(すべての関連し一致した目的のために、参照して本明細書に組込む)の中でMiillerらによって記載されているように、シランは、冶金学グレードのシリコンを水素及び四塩化ケイ素で反応させて、トリクロロシランを生成する、いわゆる「ユニオン・カーバイド・プロセス」によって製造することができる。トリクロロシランは、その後に、最終生成物のシランを製造するための一連の不均化及び蒸留の工程を通して得られる。
シランが製造された後、使用前に(例えばエピタキシャル層の形成又は多結晶シリコンの製造の前に)、精製プロセスを通して不純物を除去することが従来から行われている。シラン含有プロセス流(silane-containing process streams)中に存在しうる不純物の例には、例えば、窒素、メタン、水素、エタン、エチレン、エチルシラン、ジエチルシラン、トルエン、ジメトキシエタン及びそられ不純物の組み合わせを含んでいる。そのような精製プロセスの例は、米国特許第5,206,004号、4,554,141号及び5,211,931号に開示されたものを含んでおり、それらの各々を、すべての関連し一致した目的のために、参照して本明細書に組込む。そのような従来のプロセスは、十分に、シラン含有プロセス流を精製することができるだろう。しかしながら、それらは、回収不能な(unrecoverable)シランの割合が比較的高いという特徴がある。
したがって、比較的高いシラン純度(silane purity)と比較的高いシラン回収率(rate of silane recovery)とを達成するシラン含有プロセス流を精製するプロセスの継続的な必要性が存在する。さらに、そのような方法のためのシステムの必要性も存在する。
本願開示のある態様は、シラン含有流(silane-containing stream)を精製する方法を対象とする。シラン含有流は、シランと、シランより沸点の高い1つ以上の化合物とを含んでいる。方法は、シラン含有流を重質末端蒸留塔(又は重質成分蒸留塔、若しくは重質残分蒸留塔:heavy-ends distillation column)に導入して、シラン含有流に比べてシランの増加した(又はシラン富化した若しくはシランの多い)塔頂留分(silane-enriched overhead fraction)とシランの減少した(又はシラン欠乏した若しくはシランの少ない)塔底留分(silane-depleted bottoms fraction)とを生成する工程を含んでいる。シランの減少した塔底留分は、シランを含み、シラン含有流に比べるとシランより沸点の高い1つ以上の化合物が増加している。シランの減少した塔底留分を、シラン回収分離ユニット(silane-recovery separation unit)に導入して、重質末端蒸留塔から生成されて成るシランの減少した塔底留分に比べてシランの増加した(又はシラン富化した若しくはシランの多い)留分(silane-enriched fraction)とシランの減少した(又はシラン欠乏した若しくはシランの少ない)留分(silane-depleted fraction)とを生成する。
本願開示の別の態様は、シランと、シランより沸点の高い1つ以上の化合物とを含んで成るシラン含有流を精製するためのシステムを対象とする。システムは、シラン含有流に比べてシランの増加した塔頂留分とシランの減少した塔底留分とを生成するための重質末端蒸留塔を含んでおり、シランの減少した塔底留分は、シランを含み、シラン含有流に比べるとシランより沸点の高い1つ以上の化合物が増加している。システムはさらに、重質末端蒸留塔から生成されて成るシランの減少した塔底留分に比べてシランの増加した塔頂留分とシランの減少した塔底留分とを生成するためのシラン回収蒸留塔を含んでいる。
本願開示のさらなる態様は、シラン含有流を精製する方法を対象とする。シラン含有流は、シランと、シランより沸点の低い1つ以上の化合物とを含んでいる。シラン含有流を軽質末端蒸留塔 (又は軽質成分蒸留塔、若しくは軽質残分蒸留塔:light-ends distillation column)に導入して、シラン含有流に比べてシランの減少した塔頂留分とシランの増加した塔底留分とを生成する。シランの減少した塔頂留分は、シランと、シランより沸点の低い化合物とを含んでいる。シランの減少した塔頂留分をシラン回収分離ユニットに導入して、軽質末端蒸留塔から生成されて成るシランの減少した塔頂留分に比べてシランの増加した留分とシランの減少した留分とを生成する。
本願開示のさらに別の態様は、シラン含有流を精製する方法を対象とする。シラン含有流は、シランと、シランより沸点の低い1つ以上の化合物と、シランより沸点の高い1つ以上の化合物とを含んでいる。シラン含有流を軽質末端蒸留塔に導入して、シラン含有流に比べてシランの減少した塔頂留分とシランの増加した塔底留分とを生成する。シランの減少した塔頂留分は、シランを含んでおり、シランより沸点の低い化合物が増加している。軽質末端蒸留塔から生成されて成るシランの減少した塔頂留分を冷却して、その中のシランの一部を凝縮させる。軽質末端蒸留塔から生成されて成るシランの増加した塔底留分を重質末端蒸留塔に導入して、軽質末端蒸留塔から生成されて成るシランの増加した塔底留分に比べてシランの増加した塔頂留分とシランの減少した塔底留分とを生成する。シランの減少した塔底留分は、シランを含んでおり、軽質末端蒸留塔から生成されて成るシランの増加した塔底留分に比べるとシランより沸点の高い1つ以上の化合物中が増加している。重質末端蒸留塔から生成されて成るシランの減少した塔底留分をシラン回収分離ユニットに導入して、重質末端蒸留塔から生成されて成るシランの減少した塔底留分に比べてシランの増加した留分とシランの減少した留分とを生成する。
本願開示のまた別の態様は、シランと、シランより沸点の低い1つ以上の化合物とを含んで成るシラン含有流を精製するためのシステムを対象とする。システムは、軽質末端蒸留塔と、コンデンサーと、気液セパレーターとを含んでいる。軽質末端蒸留塔は、シラン含有流に比べてシランの減少した塔頂留分とシランの増加した塔底留分とを生成し、シランの減少した塔頂留分は、シランと、シランより沸点の低い化合物とを含んでいる。コンデンサーは、軽質末端蒸留塔から生成されて成るシランの減少した塔頂留分中のシランの一部を凝縮する。気液セパレーターは、ガス流と、凝縮(又は濃縮:condensed)したシランを含む液体流とを生成する。
本願開示の追加の態様は、シランと、シランより沸点の高い1つ以上の化合物と、シランより沸点の低い1つ以上の化合物とを含んで成るシラン含有流を精製するためにシステムを対象とする。システムは、軽質末端蒸留塔と、コンデンサーと、重質末端蒸留塔と、シラン回収蒸留塔とを含んでいる。軽質末端蒸留塔は、シラン含有流に比べてシランの減少した塔頂留分とシランの増加した塔底留分とを生成し、シランの減少した塔頂留分は、シランと、シランより沸点の低い化合物とを含んでいる。コンデンサーは、軽質末端蒸留塔から生成されて成るシランの減少した塔頂留分中のシランの一部を凝縮する。重質末端蒸留塔は、軽質末端蒸留塔から生成されて成るシランの増加した塔底留分に比べてシランの増加した塔頂留分とシランの減少した塔底留分とを生成し、重質末端蒸留塔から生成されて成るシランの減少した塔底留分は、シランを含んでおり、シラン含有流に比べるとシランより沸点の高い1つ以上の化合物が増加している。シラン回収蒸留塔は、重質末端蒸留塔から生成されて成るシランの減少した塔底留分に比べて、シランの増加した塔頂留分と、シランの減少した塔底留分とを生成する。
様々な精製は、本願開示の上述した態様に関して顕著な特徴が存在する。さらなる特徴もまた、本願開示の上述した態様に組み込まれてもよい。これらの精製及び追加の特徴は、個々に又は任意の組み合わせで存在してもよい。例えば、本願開示において図示して説明された実施形態のいずれかに関して以下に検討する様々な特徴は、本願開示の上述した態様のうちのいずれかに、単独で又は任意の組み合わせで、組み込まれてもよい。
全図にわたって、対応する符号は対応する部分を示す。
<詳細な説明>
本願開示の様々な実施形態によれば、蒸留操作を含み、従来のプロセスに比べて高い純度と高いシラン回収とを達成するシラン精製方法を、本明細書において開示する。さらに、そのような方法を実施するための精製システムを提供する。そのような方法及びシステムの実施形態は、シラン含有流から分離されたプロセス流(process streams)(例えば、精製されるシラン含有流に比べるとシランより沸点の低い化合物を比較的大量に含むプロセス流及び/又はシランより沸点の高い化合物を比較的大量に含む流れ)からのシランの回収を含んでいてもよい。以下でさらに検討されるように、シランは、蒸留操作又は凝縮操作を用いることにより、これらの不純物流から取り除かれるだろう。
本願開示の様々な実施形態によれば、蒸留操作を含み、従来のプロセスに比べて高い純度と高いシラン回収とを達成するシラン精製方法を、本明細書において開示する。さらに、そのような方法を実施するための精製システムを提供する。そのような方法及びシステムの実施形態は、シラン含有流から分離されたプロセス流(process streams)(例えば、精製されるシラン含有流に比べるとシランより沸点の低い化合物を比較的大量に含むプロセス流及び/又はシランより沸点の高い化合物を比較的大量に含む流れ)からのシランの回収を含んでいてもよい。以下でさらに検討されるように、シランは、蒸留操作又は凝縮操作を用いることにより、これらの不純物流から取り除かれるだろう。
精製することのできるシラン含有流(Silane-Containing Streams that may be Purified)
本願開示の実施形態によって精製することのできるシラン含有流は、本願開示の範囲から外れることなしに、多種多様な不純物を含んでいてもよく、また、それらの不純物を幅広い含有量で含んでいてもよい。シラン含有流は、本願開示の実施形態の精製プロセスを受ける前に、1つ以上の精製ステップを受けていてもよい(例えば、シランより沸点の低い又はシランより沸点の高い不純物の量の除去)。本願開示の精製プロセスを受ける前のシラン含有流のシランの量は、少なくとも約10wt%、少なくとも約30wt%、少なくとも約50wt%、少なくとも約70wt%、少なくとも約85wt%、少なくとも約95wt%、さらには少なくとも約99wt%(例えば約50wt%〜約99wt%、又は約70wt%〜約99wt%)であってもよい。シラン含有流は、アルカリ又はアルカリ土類金属のシランを実質的に含まなくてもよく(例えば、約0.1mol%未満、又は約0.01mol%未満だけ含んでいる)、代わりに又はそれに加えて、トリクロロシラン、テトラクロロシラン及びテトラフルオロシランを実質的に含まなくてもよい。いくつかの実施形態において、これらの化合物は、本願開示の方法を実施する前にシラン含有流から実質的に取り除かれる。
本願開示の実施形態によって精製することのできるシラン含有流は、本願開示の範囲から外れることなしに、多種多様な不純物を含んでいてもよく、また、それらの不純物を幅広い含有量で含んでいてもよい。シラン含有流は、本願開示の実施形態の精製プロセスを受ける前に、1つ以上の精製ステップを受けていてもよい(例えば、シランより沸点の低い又はシランより沸点の高い不純物の量の除去)。本願開示の精製プロセスを受ける前のシラン含有流のシランの量は、少なくとも約10wt%、少なくとも約30wt%、少なくとも約50wt%、少なくとも約70wt%、少なくとも約85wt%、少なくとも約95wt%、さらには少なくとも約99wt%(例えば約50wt%〜約99wt%、又は約70wt%〜約99wt%)であってもよい。シラン含有流は、アルカリ又はアルカリ土類金属のシランを実質的に含まなくてもよく(例えば、約0.1mol%未満、又は約0.01mol%未満だけ含んでいる)、代わりに又はそれに加えて、トリクロロシラン、テトラクロロシラン及びテトラフルオロシランを実質的に含まなくてもよい。いくつかの実施形態において、これらの化合物は、本願開示の方法を実施する前にシラン含有流から実質的に取り除かれる。
本願開示の方法を受けるシラン含有流は、シランより沸点の高い1つ以上の不純物及び/又はシランより沸点の低い1つ以上の不純物を含んでいてもよい。この点に関して、シランの沸点は約-112℃である。シランより沸点の高い不純物は、例えば、エタン、エチレン、エチルシラン、ジエチルシラン、トルエン及びジメトキシエタンを含んでいる。シランより沸点の低い不純物は、例えば、水素、窒素及びメタンを含んでいる。
開始時のシラン含有流は、気体であってもよく、本願開示の範囲から逸脱することなしに、液体であってもよい。この点に関して、シラン含有流は、これらに限定されないが、典型的なシランの生成及び/又は処理の圧力及び温度を含んでいる温度及び圧力の範囲内にあってもよい。
軽質末端流からの回収を含むシランの精製方法
(Processes for Purifying Silane that include Recovery from Light-ends Streams)
ここで、シランの精製方法を、本願開示の実施形態に従って概略的に示している図1を参照すると、シラン含有流3を軽質末端蒸留塔(又は軽質成分蒸留塔、若しくは軽質残分蒸留塔:light-ends distillation column)5に導入して、シラン含有流3に比べてシランの増加した塔底留分6とシランの減少した塔頂留分11とを生成する。シラン含有流3は、シランと、シランより沸点の低い1つ以上の化合物(例えば水素、窒素及び/又はメタン)を含んでいる。軽質末端蒸留塔5中に導入する前に、シラン含有流3は、凝縮され圧縮されてもよい(condensed and compressed)。本明細書において、「軽質末端蒸留塔」とは、軽質末端蒸留塔の供給流(又は、2つ以上の供給流を用いる場合は(複数の)供給流)から、シランより沸点の低い化合物の少なくとも約50 wt%を分離する蒸留塔を指す。通常は、これらの分離された化合物は、蒸留塔5からシランの減少した塔頂留分11に移動される(又は取り除かれる:removed)。本願開示のいくつかの実施形態では、塔頂留分11は、シラン含有流3中におけるシランより沸点の低い化合物の少なくとも約50wt%を含み、他の実施形態では、シラン含有流3中におけるシランより沸点の低い化合物の少なくとも約60wt%、少なくとも約75wt%、少なくとも約90wt%、さらには少なくとも約95wt%を含んでいる。シランの減少した塔頂留分11は、少なくとも約40wt%シランを含んでいてもよく、他の実施形態では、少なくとも約50wt%、少なくとも約60wt%、少なくとも約70wt%、又は少なくとも約75wt%シランを含んでいてもよい。
(Processes for Purifying Silane that include Recovery from Light-ends Streams)
ここで、シランの精製方法を、本願開示の実施形態に従って概略的に示している図1を参照すると、シラン含有流3を軽質末端蒸留塔(又は軽質成分蒸留塔、若しくは軽質残分蒸留塔:light-ends distillation column)5に導入して、シラン含有流3に比べてシランの増加した塔底留分6とシランの減少した塔頂留分11とを生成する。シラン含有流3は、シランと、シランより沸点の低い1つ以上の化合物(例えば水素、窒素及び/又はメタン)を含んでいる。軽質末端蒸留塔5中に導入する前に、シラン含有流3は、凝縮され圧縮されてもよい(condensed and compressed)。本明細書において、「軽質末端蒸留塔」とは、軽質末端蒸留塔の供給流(又は、2つ以上の供給流を用いる場合は(複数の)供給流)から、シランより沸点の低い化合物の少なくとも約50 wt%を分離する蒸留塔を指す。通常は、これらの分離された化合物は、蒸留塔5からシランの減少した塔頂留分11に移動される(又は取り除かれる:removed)。本願開示のいくつかの実施形態では、塔頂留分11は、シラン含有流3中におけるシランより沸点の低い化合物の少なくとも約50wt%を含み、他の実施形態では、シラン含有流3中におけるシランより沸点の低い化合物の少なくとも約60wt%、少なくとも約75wt%、少なくとも約90wt%、さらには少なくとも約95wt%を含んでいる。シランの減少した塔頂留分11は、少なくとも約40wt%シランを含んでいてもよく、他の実施形態では、少なくとも約50wt%、少なくとも約60wt%、少なくとも約70wt%、又は少なくとも約75wt%シランを含んでいてもよい。
通常は、塔頂留分11には、シランより沸点の低い化合物が増加している。シラン含有流3がシランより沸点の高い化合物を含む実施形態では、塔底留分6ではこれらの化合物が増加し、塔頂留分11ではこれらの化合物中が減少する。
軽質末端蒸留塔5は、当業者に認識されているように、シランから、シランより沸点の低い化合物を分離するのに適した温度及び圧力で操作することができる。例えば、軽質末端蒸留塔5は、約-130℃〜約-50℃、又は約-110℃〜-約70℃の塔頂留分11の温度で、そして約1100kPa〜約2500kPa(約160psig〜約360psig)、又は約1400kPa〜約2200kPa(約200psig〜約320psig)の塔頂留分の圧力で操作してもよい。塔底留分6の温度は、約-50℃〜約-120℃であってもよい。
軽質末端蒸留塔5から放出する際に、シランの減少した塔頂留分11は、慣例通りに中和されて、廃棄流(waste stream)として処分(disposed)される。本願開示によれば、塔頂留分11を処理して、かなりの量のシランを回収できることが分かった。本願開示のいくつかの実施形態では、軽質末端蒸留塔5から生成されて成るシランの減少した塔頂留分11をシラン回収分離ユニット30に導入して、軽質末端蒸留塔5から生成されて成るシランの減少した塔頂留分11に比べてシランの増加した留分32とシランの減少した留分35とを生成する。シランの増加した留分32は、シランの増加した留分を軽質末端蒸留塔5に戻して再利用 (又は再循環:recycling)して使用するために、回収されてもよい。
シラン回収分離ユニット30は、シランより沸点の低い化合物からシランを分離するのに適したいずれかの(1つの)ユニット(さらには、2つ以上のユニット)であってもよい。例えば、ユニット30は、軽質末端蒸留塔5から生成されて成るシランの減少した塔頂留分11を、シランの減少した塔頂留分11に比べてシランの増加した塔底留分32とシランの減少した塔頂留分35とに分離する1つ以上の蒸留塔であってもよい。代わりに、図2に示されるように、軽質末端蒸留塔5(図1)から生成されて成るシランの減少した塔頂留分11を冷却してその中のシランの一部を凝縮してもよく、それにより、シランより沸点が低く、より揮発性の(又は、揮発性の高い)化合物からシランを分離する。塔頂留分11をコンデンサー37に導入して、シランを凝縮してもよい。シラン凝縮した(silane-condensed)塔頂留分42を気液セパレーター(gas-liquid separator)38に導入して、軽質末端蒸留塔5から生成されて成るシランの減少した塔頂留分11に比べてシランの減少したガス流35とシランの増加した液体流51とを生成してもよい。シランの増加した液体流51は、使用するために再循環され得る凝縮シランを含んでいる。
任意で、図2に示されるように、軽質末端蒸留塔5から生成されて成るシランの減少した塔頂留分11を、冷却して将来的に(又は潜在的に:potentially)部分的に凝縮するために、塔頂留分11を、最初に熱交換器36(例えば交換器(interchanger))に導入してもよい。軽質末端蒸留塔5から生成されて成るシランの減少した塔頂留分11中のシランの一部を凝縮するために、塔頂留分11を気液セパレーター38から生成された液体流51と熱的に接触させてもよい。
熱交換器36は、シラン含有流を冷却及び/又は凝縮するのに適したいずれの装置であってもよく、例えば、シェル−チューブ熱交換器(shell and tube heat exchanger)であって、シェル側にシラン含有ガス流11が存在し、チューブ側に凝縮シラン流51が存在するものがある。コンデンサー37はさらに、シェル−チューブ交換器(shell and tube exchanger)であって、シェル側に、冷却した及び/又は部分的に凝縮したシラン含有ガス流41は存在し、チューブ側に、冷却液(例えば液体窒素)が存在するものであってもよい。気液セパレーター38は、流入する流れ42の圧力、温度及び/又は速度を下げて、同伴した液体(entrained liquid)をガスから分離するための容器(vessel)を含んでいてもよい。気液セパレーター38は、ガス流から除去するのに、同伴した液体をさらに小滴に凝集させるデミスターを含んでいてもよい。
この点に関して、任意で、そして本願開示のいくつかの実施形態において、プロセスは熱交換器36なしで行なわれ、塔頂留分11はコンデンサー37に直接導入されると理解されるべきである。熱交換器36を使用するか否かにかかわらず、塔頂留分11はコンデンサー37中で、(例えば、約1100kPa〜約2500kPa(約160psia〜約360psia)の圧力、又は約1400kPa〜約2200kPa(約200psia〜約320psia)の圧力において)約-100℃未満、約-115℃未満、約-130℃未満、約-145℃未満、さらには約-160℃未満に冷却されてもよい。
熱交換器36を使用する実施形態では、塔頂留分11は熱交換器中で、(例えば、約1100kPa〜約2500kPa(約160psia〜約360psia)の圧力、又は約1400kPa〜約2000kPa(約200psia〜約290psia)の圧力において)約-50℃未満、約-70℃未満、約-85℃未満、さらには約-100℃未満に冷却されてもよい。
熱交換器36がコンデンサー37と共に使用されるかどうかにかかわらず、軽質末端蒸留塔5から生成され、コンデンサー37によって、そして任意で熱交換器36によって凝縮されるシランの減少した塔頂留分11中のシランの量は、少なくとも約60%であり、他の実施形態では、シランの減少した塔頂留分11中のシランの少なくとも約75%、少なくとも約85%、少なくとも約90%、又は少なくとも約95%が凝縮される。
シランの減少した塔頂留分11中のシランの一部を凝縮するために、気液セパレーター38から生成された液体流51を、熱交換器36に導入してもよい。シランの増加した液体流51の一部は、熱交換器36内で部分的に蒸発してもよく、液体流は-125℃〜約10℃の範囲の温度まで加熱されてもよい。いくつかの実施形態では、シランの増加した液体流51は、熱交換器36内で完全に蒸発する。
熱交換器36を出たシラン流32は、任意で周囲温度(ambient temperature)まで加熱されて、軽質末端蒸留塔5に導入するために加圧され得る処理前のシラン(crude silane)3(図1)に結合されてもよい。好適なヒーター(図示せず)は、例えば、外気を用いてシラン流32を加熱するフィン型交換器(finned exchangers)を含んでいる。蒸発したシラン流32は、再び凝縮されて、軽質末端蒸留塔5に再循環されてもよい。シラン流32は比較的純粋であってもよく、いくつかの実施形態では、少なくとも約90wt%のシランを含み、他の実施形態では、少なくとも約92wt%、少なくとも約95wt%、又は少なくとも約97wt%のシラン(例えば、約90wt%〜99.9wt%、又は約95wt%〜約99.9wt%)を含んでいる。代わりに又はそれに加えて、軽質末端蒸留塔5から生成された塔頂留分11中のシランの少なくとも約80wt%は、シラン流32中に回収され、他の実施形態では、塔頂留分11中のシランの少なくとも約75wt%、少なくとも約85wt%、少なくとも約90wt%、少なくとも約93wt%、少なくとも約96wt%、さらには約98wt%(例えば、約75wt%〜約99.9wt%、約85wt%〜約99.9wt%、又は約93wt%〜約99.9wt%)がシラン流32中に回収される。
シラン回収分離ユニット30から生成されて成るシランの減少した塔頂留分35は、処理され(例えば中和され)、そして環境中に排出することにより処分されてもよい塔頂留分35は、処分する前に、例えば自然対流フィン型熱交換器(a natural convection finned heat exchanger)(図示せず)を用いて加熱されてもよい。本願開示の実施形態によれば、シラン回収分離ユニット30の使用により、シラン回収分離ユニット30を使用していない従来の方法に比べて、中和されて処分される廃棄ガスの量を低減することができる。例えば、塔頂留分11の少なくとも約60wt%がシラン流32中に回収されてもよく、他の実施形態では、塔頂留分11の少なくとも約65wt%、少なくとも約70wt%、さらには少なくとも約75wt%(例えば、約65wt%〜約90wt%、又は約65wt%〜約80wt%)がシラン流32中に回収される。
塔頂留分35は、最小量のシランを含んでいるのが好ましく、いくつかの実施形態では、軽質末端蒸留塔5から生成されて成るシランの減少した塔頂留分11中に約10wt%未満のシランを含んでいる。他の実施形態では、塔頂留分35は、軽質末端蒸留塔5から生成されて成るシランの減少した塔頂留分11中に、約8wt%未満、約6wt%未満又は約4wt%未満のシランを含んでいる。
本願開示のいくつかの実施形態によれば、処理前のシランは、シランより沸点の高い化合物をさらに含んでいてもよい。シラン含有流3(図1)が、シランより沸点の高いそのような化合物を含んでいる場合、軽質末端蒸留塔5から生成されて成るシランの増加した塔底留分6は、典型的には、シラン含有流3に比べるとシランより沸点の高い化合物が増加している。これらの比較的高い沸点の化合物からシランを分離するために、図3に示すように、シランの増加した塔底留分6を重質末端蒸留塔(又は重質成分蒸留塔、若しくは重質残分蒸留塔:heavy-ends distillation column)15に導入して(「重質末端流からの回収を含むシラン精製方法」とタイトルを付けたセクションにおいて後述するパラメーターに従って操作されてもよい)、軽質末端蒸留塔5から生成されて成るシランの増加した塔底留分6に比べてシランの増加した塔頂留分43とシランの減少した塔底留分31とを生成することができる。シランの減少した塔底留分31は、シランより沸点の高い化合物が増加しており、処理されて(例えば、中和されて)処分されてもよい。代わりに、後述するように、シランの減少した塔底留分31は、シランを回収するために処理されてもよい。
軽質末端蒸留塔5と、シラン回収分離ユニット30と、重質末端蒸留塔15とは、従来の方法に比べてシランの損失量の少ないシランの精製が可能である。例えば、本願開示のいくつかの実施形態によれば、図3の方法での廃棄流(すなわち、シラン回収分離ユニット30から分離されたシランの減少したガス流35と、重質末端蒸留塔15から生成されたシランの減少した塔底留分31)の中のシランの合計量は、シラン含有流3中のシランの約15wt%未満であり、他の実施形態では、シラン含有流3中のシランの約11wt%未満、約8wt%未満、約4wt%未満であってもよい。
一般的に、トリクロロシランがシランの最終生成物を生成する一連の不均化(disproportionation)と蒸留の工程を通じて得られる方法とは対照的に、シランを精製するための本願開示の実施形態において、シラン含有流3の成分は、軽質末端蒸留塔5から生成された塔頂留分11として、重質末端蒸留塔15から生成されて成るシランの増加した塔頂留分43として、又は重質末端蒸留塔15から生成されて成るシランの減少した塔底留分31として放出されるまで、実質的にどんな反応も受けない。
いくつかの実施形態では、シラン含有流3は、重質末端蒸留塔15からシランの増加した塔頂留分43中に出るエチレンの量を含んでいる。以下に詳述するように、エチレンとシランは、吸着器(又は吸着材:adsorber)(例えばモレキュラーシーブ)及び/又はエチルシラン蒸留塔(ethylsilane distillation column)を用いて分離されてもよい。
本願開示のとある他の実施形態では、シラン含有流3は、軽質末端蒸留塔5に導入される前に除去される、シランより沸点の高い化合物を有して形成されてもよい。図4に示すように、シランと、シランより沸点の高い1つ以上の化合物と、シランより沸点の低い1つ以上の化合物とを含む供給流7を、重質末端蒸留塔15'に導入して、塔頂留分3'と塔底留分31'とを生成する。塔頂留分3'は、供給流7に比べると、シランが増加し、且つシランより沸点の低い化合物が増加している。塔頂留分3'の一部は、軽質末端蒸留塔5に供給されるシラン含有流3を形成する。塔底留分31'は、シランが減少し、シランより沸点の高い化合物が増加しており、中和されて処分されてもよく、又は後述するようにシランを回収するために処理されてもよい。
この点に関して、下流蒸留(すなわち図3の重質末端蒸留と図4の軽質末端蒸留)の低い圧力は、軽質末端蒸留操作に比べて重質末端蒸留操作での回収においてより好ましいので、軽質末端蒸留5が重質末端蒸留15より前に行われる図3の方法は、重質末端蒸留15'が軽質末端蒸留5より前に行われる図4の方法より好ましいだろう。
重質末端流からの回収を含むシラン精製方法(Processes for Purifying Silane that include Recovery from Heavy-ends Streams)
次に図5を参照すると、本願開示の実施形態に係るシランを精製するための別の方法が概略的に示されており、シラン含有流7を重質末端蒸留塔15に導入して、シラン含有流7に比べてシランの増加した塔頂留分43とシランの減少した塔底留分31とを生成する。シラン含有流7は、シランと、シランより沸点の高い1つ以上の化合物(例えばエタン、エチレン、エチルシラン、ジエチルシラン、トルエン及び/又はジメトキシエタン)を含んでいる。重質末端蒸留塔15中に導入する前に、シラン含有流7は、凝縮され圧縮されてもよい。本明細書において、「重質末端蒸留塔」とは、重質末端蒸留塔の供給流(又は、2つ以上の供給流を用いる場合は(複数の)供給流)から、シランより沸点の高い化合物の少なくとも約50wt%を分離する蒸留塔を指す。通常は、これらの分離された化合物は、重質末端蒸留塔15からシランの減少した塔底留分31に取り除かれる。シランの減少した塔底留分31は、シランの量を含んでおり、シラン含有流7に比べるとシランより沸点の高い1つ以上の化合物が増加している。本願開示のいくつかの実施形態では、塔底留分31は、シラン含有流7中におけるシランより沸点の高い化合物の少なくとも約50wt%を含み、他の実施形態中では、シラン含有流7中におけるシランより沸点の高い化合物の少なくとも約60wt%、少なくとも約75wt%、少なくとも約90wt%、さらには少なくとも約95wt%を含んでいる。シランの減少した塔底留分31は、少なくとも約20wt%のシランを含んでいてもよく、他の実施形態では、少なくとも約40wt%、少なくとも約60wt%、少なくとも約80wt%、少なくとも約90wt%又は少なくとも約93wt%のシランを含んでいる。
次に図5を参照すると、本願開示の実施形態に係るシランを精製するための別の方法が概略的に示されており、シラン含有流7を重質末端蒸留塔15に導入して、シラン含有流7に比べてシランの増加した塔頂留分43とシランの減少した塔底留分31とを生成する。シラン含有流7は、シランと、シランより沸点の高い1つ以上の化合物(例えばエタン、エチレン、エチルシラン、ジエチルシラン、トルエン及び/又はジメトキシエタン)を含んでいる。重質末端蒸留塔15中に導入する前に、シラン含有流7は、凝縮され圧縮されてもよい。本明細書において、「重質末端蒸留塔」とは、重質末端蒸留塔の供給流(又は、2つ以上の供給流を用いる場合は(複数の)供給流)から、シランより沸点の高い化合物の少なくとも約50wt%を分離する蒸留塔を指す。通常は、これらの分離された化合物は、重質末端蒸留塔15からシランの減少した塔底留分31に取り除かれる。シランの減少した塔底留分31は、シランの量を含んでおり、シラン含有流7に比べるとシランより沸点の高い1つ以上の化合物が増加している。本願開示のいくつかの実施形態では、塔底留分31は、シラン含有流7中におけるシランより沸点の高い化合物の少なくとも約50wt%を含み、他の実施形態中では、シラン含有流7中におけるシランより沸点の高い化合物の少なくとも約60wt%、少なくとも約75wt%、少なくとも約90wt%、さらには少なくとも約95wt%を含んでいる。シランの減少した塔底留分31は、少なくとも約20wt%のシランを含んでいてもよく、他の実施形態では、少なくとも約40wt%、少なくとも約60wt%、少なくとも約80wt%、少なくとも約90wt%又は少なくとも約93wt%のシランを含んでいる。
通常に、塔底留分31は、シランより沸点の高い化合物が増加している。シラン含有流7がシランより沸点の低い化合物を含む実施形態では、塔頂留分43は、これらの化合物が増加し、塔底留分31は、これらの化合物が減少する。
重質末端蒸留塔15は、当業者に認識されているように、シランから、シランより沸点の高い化合物を分離するのに適した温度及び圧力で操作することができる。この点に関して、塔底留分31の比較的高い温度は、通常は塔底留分31中のシランの量を低減するが、シランの増加した塔頂留分43中の不純物の量を増加させる。従って、蒸留塔15は、塔頂留分43中の不純物の量が精製操作において許容できないような温度未満で操作されてもよい。例えば、重質末端蒸留塔15は、約10℃未満の塔底留分31の温度において操作されてもよく、他の実施形態では、約0℃未満、約-10℃未満で、約-20℃未満、約-30℃未満、さらには約-40℃未満(例えば、約-50℃〜約10℃、約-50℃〜0℃、又は-40℃〜0℃)の温度で操作されてもよい。蒸留塔15は、約1250kPa〜約3000kPa(約180psia〜約440psia)、又は約1500kPaから約2500kPa(約220psia〜約360psia)の圧力で操作されてもよい。
重質末端蒸留塔15から放出する際に、シランの減少した塔底留分31は、慣例通りに中和されて、廃棄流として処分される。本願開示によれば、塔底留分31を処理して、かなりの量のシランを回収できることが分かった。本願開示のいくつかの実施形態では、重質末端蒸留塔15から生成されて成るシランの減少した塔底留分31は、シラン回収分離ユニット10に導入されて、重質末端蒸留塔15から生成されて成るシランの減少した塔底留分31に比べてシランの増加した留分13とシランの減少した留分8とを生成する。シランの増加した留分13は、シランの増加した留分13を重質末端蒸留塔15に戻して再循環することによって、使用するために回収されてもよく、後述するように、重質末端蒸留塔15に加えて、軽質末端蒸留塔(図示せず)が使用される実施形態では、軽質末端蒸留塔に再循環するのでもよい。さらに後述するように、シランの増加した留分13は、さらに処理されかつ/又は精製されてもよい(例えばエチレンとその派生物の除去)。
シラン回収分離ユニット10は、シランより沸点の高い化合物からシランを分離するのに適したいずれかの(1つの)ユニット(さらには、2つ以上のユニット)であってもよい。例えば、ユニット10は、重質末端蒸留塔15から生成されて成るシランの減少した塔底留分31を、重質末端蒸留塔15から生成されて成るシランの減少した塔底留分8に比べてシランの増加した塔頂留分13とシランの減少した塔底留分31とに分離する、1つ以上の蒸留塔であってもよい。シラン回収分離ユニット10が蒸留塔である実施形態では、蒸留塔は、シラン回収蒸留塔10からの放出の際に、シランの減少した塔底留分8の温度が約10℃〜約80℃又は約20℃〜約50℃となるように操作されてもよい。蒸留塔10は、塔頂の圧力が約1500kPa〜約2600kPa(約220psig〜約380psig)、又は約1700kPa〜約2200kPa(約250psig〜約320psig)で操作されてもよい。
シラン回収分離ユニット10から生成されて成り、使用するために回収されるシランの増加した塔頂留分13は、少量の不純物を含んでいてもよい。しかしながら、塔頂留分13は、少なくとも約90wt%のシランを含んでいてもよく、他の実施形態では、少なくとも約92wt%、少なくとも約95wt%、又は少なくとも約97wt%のシラン(例えば、約90wt%〜約99.9wt%、又は約95wt%〜約99.9wt%)を含んでいてもよい。代わりに又はそれに加えて、重質末端蒸留塔15から生成された塔底留分31中のシランの少なくとも約80wt%は、シラン回収分離ユニット10から生成された塔頂留分13中に回収され、他の実施形態では、塔底留分31中のシランの少なくとも約75wt%、少なくとも約85wt%、少なくとも約90wt%、少なくとも約93wt%、少なくとも約96wt%、さらには約98wt%(例えば、約75wt%〜約99.9wt%、約85wt%〜約99.9wt%、又は約93wt%〜約99.9wt%)が塔頂留分13中に回収される。
シラン回収分離ユニット10から生成されて成るシランの減少した塔底留分8は、処理され(例えば中和され)、そして環境中に排出することにより処分されてもよい。本願開示の実施形態によれば、シラン回収分離ユニット10の使用により、シラン回収分離ユニット10を使用していない従来の方法に比べて、中和されて処分される廃棄ガスの量を低減することができる。例えば、塔底留分31の少なくとも約30wt%は、シラン回収分離ユニット10から生成された塔頂留分13中に回収されてもよく、他の実施形態では、重質末端蒸留塔15から生成された塔底留分31の少なくとも約40%、少なくとも約50%、少なくとも約60%、さらには少なくとも約70%(例えば、約30%〜約90%、約30%〜約80%、又は約40%〜約80%)が、塔頂留分13中に回収されてもよい。
塔底留分8は、最小量のシランを含んでいるのが好ましく、いくつかの実施形態では、重質末端蒸留塔15から生成されて成るシランの減少した塔底留分31中のシランの約10wt%未満を含んでいる。他の実施形態では、塔底留分8は、重質末端蒸留塔15から生成されて成るシランの減少した塔底留分31中のシランの約7.5wt%未満、約5wt%未満、約2.5wt%未満、又は約1%未満を含んでいる。
本願開示のいくつかの実施形態では、処理前のシランはまた、シランより沸点の低い化合物を含んでいてもよい。処理前のシランが、シランより沸点の低いそのような化合物を含んでいる場合、軽質末端蒸留塔5(「軽質末端流からの回収を含むシラン精製方法」とタイトルを付けたセクションにおいて上述したパラメーターに従って操作されてもよい)は、これらの化合物を分離するために使用されてもよい。1つ以上の典型的な実施形態は、図6に示されるように、供給流3を軽質末端蒸留塔5に導入して、塔頂留分11と、重質末端蒸留塔15に導入されるシラン含有流の一部を形成する塔底留分7と、を生成する。供給流3は、シランと、シランより沸点の高い1つ以上の化合物と、シランより沸点の低い1つ以上の化合物とを含んでいる。重質末端蒸留塔15に導入される塔底留分7は、シランが増加し、シランより沸点の低い化合物中が減少している。塔頂留分11は、シランが減少し、シランより沸点の低い化合物が増加している。塔頂留分11は、処理されて(例えば、中和されて)処分されてもよい。代わりに、上述したように、軽質末端蒸留塔5から生成されて成るシランの減少した塔頂留分11は、シランを回収するために処理されてもよい。シラン回収分離ユニット10から生成された塔頂留分13は、留分を軽質末端蒸留塔5に再循環して回収されてもよい。
重質末端蒸留塔15と、シラン回収分離ユニット10と、軽質末端蒸留塔5とは、従来の方法に比べてシランの損失量の少ないシランの精製が可能である。また、例えば本願開示のいくつかの実施例によれば、図6の方法での廃棄流(すなわち、軽質末端蒸留塔5から生成された塔頂留分11と、シラン回収分離ユニット10から生成されたシランの減少した塔底留分8)の中のシランの合計量は、シラン含有流3のシランの約15wt%未満であり、他の実施形態では約10wt%未満、約5wt%未満、又は約3wt%未満である。
一般的に、トリクロロシランがシランの最終生成物を生成する一連の不均化と蒸留の工程を通じて得られる方法とは対照的に、シランを精製するための本願開示の実施形態において、供給流3の成分は、軽質末端蒸留塔5から生成された塔頂留分11として、重質末端蒸留塔15から生成されて成るシランの増加した塔頂留分43として、シラン回収分離ユニット10から生成されて成るシランの増加した塔頂留分13として、又はシラン回収分離ユニット10から生成されたシランの減少した塔底留分8として放出されるまで、実質的にどんな反応も受けない。
いくつかの実施形態では、供給流3はエチレンの量を含んでおり、その大部分は、軽質末端蒸留塔5から生成される塔底留分7内に分離され、そして軽質末端蒸留塔15から生成されるシランの増加した塔頂留分43に分離される。ここで図7を参照すると、米国特許第4,554,141号、第5,206,004号及び第5,211,931号に開示されているように(その各々は、すべての関連し一致した目的のために、参照して本明細書に組込む)、塔頂留分43を吸着器52に導入してエチレンの一部を除去し(例えば、より容易にシランから分離可能な別の化合物に変換し)、エチレン減少排出流(ethylene-depleted effluent stream)54を形成することにより、エチレンをシランから分離することができる。吸着器52は、エチレンの一部をシランと反応させてエチルシランを形成するモレキュラーシーブであってもよい。吸着器52は、約10℃〜約-100℃又は約0℃〜約60℃の温度において、約1500kPa〜約2600kPa(約220psia〜約380psia)又は約1700kPa〜約2200kPa(約250psia〜約320psia)の圧力下で操作してもよい。
エチルシランを含んで成るエチレンの減少した排出流54(エチレンが減少している排出流: ethylene-depleted effluent stream)をエチルシラン蒸留塔60に導入して、吸着器から生成されて成るエチレンの減少した排出流に比べると、精製されたシラン生成物を含むエチルシランの減少した塔頂留分(ethylsilane-depleted overhead fraction)62と、エチルシランの増加した塔底留分(ethylsilane-enriched bottoms fraction)64と、を生成する。エチルシラン増加塔底留分64は、そのエチルシラン増加塔底留分64を軽質末端蒸留塔5に導入することによって再利用されてもよい。エチルシラン減少塔頂留分62は、重量で約10ppm未満のエチレン及びエタンを含んでもよく、さらには約1ppm未満、約0.1ppm未満、そしてさらには約0.01ppm未満のエチレン及びエタンを含んでもよい。エチルシラン蒸留塔60は、約10℃〜約-100℃、又は約0℃〜約60℃の温度において、約1500kPa〜約2600kPa(約220psig〜約380psig)、又は約1700kPa〜約2200kPa(約250psig〜約320psig)の圧力下で操作してもよい。
本願開示のとある他の実施例では、軽質末端蒸留塔5は、シラン含有流7を重質末端蒸留塔15に導入した後に、シランより沸点の低い化合物を取り除いてもよい。図8に示すように、重質末端蒸留塔15から生成されて成るシランの増加した塔頂留分43を軽質末端蒸留塔5'に導入して、重質末端蒸留塔15から生成されて成るシランの増加した塔頂留分43に比べて、シランより沸点の低い化合物を含んでいるシランの減少した塔頂留分11'と、シランの増加した塔底留分6'と、を生成する。シラン含有流7がエチレンを含む実施形態では、ほとんどのエチレンは、軽質末端蒸留塔5'から生成されて成るシランの増加した塔底留分6'に分離されてもよい。図7に示し且つ上述したような方法及びシステムにおいて、シランの増加した塔底留分6'を、吸着器(図示せず)とエチルシラン蒸留塔(図示せず)とに導入してもよい。この点に関して、また上で検討したように、軽質末端蒸留5が重質末端蒸留15より前に行われる図6及び図7の方法は、重質末端蒸留15が軽質末端蒸留5'より前に行われる図8の方法より好ましいだろう。
軽質末端流及び重質末端流の両方からの回収を含むシラン精製方法(Processes for Purifying Silane that include Recovery from both Light-ends and Heavy-ends Streams)
上述の(複数の)方法(例えば、軽質末端流からの回収と重質末端流からの回収)は、廃棄流からさらにシランを回収するために、組み合わせて操作されてもよい。図9に示すように、シランより沸点の高い1つ以上の化合物と、シランより沸点の低い1つ以上の化合物とを含むシラン含有流3を、軽質末端蒸留塔5に導入して、シラン含有流3に比べてシランの減少した塔頂留分11とシランの増加した塔底留分6とを生成する。シランの減少した塔頂留分11は、シランを含み、シランより沸点の低い化合物が増加している。軽質末端蒸留塔5から生成されて成るシランの減少した塔頂留分11は、コンデンサー37内で冷却されて、シランの一部がそこで凝縮される。シラン凝縮した塔頂留分42を気液セパレーター38に導入して、ガス流35と、凝縮したシランを含む液体流51とを生成する。軽質末端蒸留塔5から生成されて成るシランの減少した塔頂留分11中のシランの一部を凝縮するために、熱交換器36(例えば交換器)中で、液体流51を、シランの減少した塔頂留分11と熱的に接触させてもよい。蒸発流32は、およそ周囲温度まで(例えば加熱装置(図示せず)中で)加熱して、軽質末端蒸留塔5に導入されてもよい。
上述の(複数の)方法(例えば、軽質末端流からの回収と重質末端流からの回収)は、廃棄流からさらにシランを回収するために、組み合わせて操作されてもよい。図9に示すように、シランより沸点の高い1つ以上の化合物と、シランより沸点の低い1つ以上の化合物とを含むシラン含有流3を、軽質末端蒸留塔5に導入して、シラン含有流3に比べてシランの減少した塔頂留分11とシランの増加した塔底留分6とを生成する。シランの減少した塔頂留分11は、シランを含み、シランより沸点の低い化合物が増加している。軽質末端蒸留塔5から生成されて成るシランの減少した塔頂留分11は、コンデンサー37内で冷却されて、シランの一部がそこで凝縮される。シラン凝縮した塔頂留分42を気液セパレーター38に導入して、ガス流35と、凝縮したシランを含む液体流51とを生成する。軽質末端蒸留塔5から生成されて成るシランの減少した塔頂留分11中のシランの一部を凝縮するために、熱交換器36(例えば交換器)中で、液体流51を、シランの減少した塔頂留分11と熱的に接触させてもよい。蒸発流32は、およそ周囲温度まで(例えば加熱装置(図示せず)中で)加熱して、軽質末端蒸留塔5に導入されてもよい。
軽質末端蒸留塔5から生成して成るシランの増加した塔底留分6は、重質末端蒸留塔15に導入されて、軽質末端蒸留塔5から生成されて成るシランの増加した塔底留分31に比べてシランの増加した塔頂留分43とシランの減少した塔底留分6とを生成する。シランの減少した塔底留分31は、シランを含み、軽質末端蒸留塔5から生成されて成るシランの増加した塔底留分6に比べるとシランより沸点の高い1つ以上の化合物が増加している。重質末端蒸留塔15から生成して成るシランの減少した塔底留分31をシラン回収分離ユニット10(例えば蒸留塔)に導入して、重質末端蒸留塔15から生成されて成るシランの減少した塔底留分31に比べてシランの増加した塔頂留分13とシランの減少した塔底留分8とを生成する。
シラン含有流3がエチレンを含むいくつかの実施形態では、大部分のエチレンは、重質末端蒸留塔15から生成されて成るシランの増加した塔頂留分43に分離されてもよい。シランからエチレンを分離するために、図7に示し且つ上述したような方法及びシステムにおいて、塔頂留分43を、吸着器(図示せず)とエチルシラン蒸留塔 (図示せず)とに導入してもよい。
この点に関して、図9に示す装置(例えば、軽質末端蒸留、重質末端蒸留、コンデンサー、シラン回収ユニットなど)は、先に説明したように操作してもよいと理解されるべきである。
通常は、シラン含有流3の成分は、軽質末端蒸留塔5から生成された塔頂留分11として、重質末端蒸留塔15から生成されて成るシランの増加した塔頂留分43として、又はシラン回収分離ユニット10から生成されて成るシランの減少した塔底留分8として放出されるまで、実質的にどんな反応も受けない。
図9に示す方法は、廃棄流中のシランを回収するのを可能にする。凝縮したシラン51から分離されたガス流35中のシランの量は、軽質末端蒸留塔5から生成されて成るシランの減少した塔頂留分中のシランの約10wt%未満であってもよく、他の実施形態では、軽質末端蒸留塔5から生成されて成るシランの減少した塔頂留分11中のシランの約8wt%未満、約6wt%未満、又は約4wt%未満であってもよい。
これら及び他の実施形態では、シラン回収分離ユニット10から生成されて成るシランの減少した塔底留分8中のシランの量は、重質末端蒸留塔15から生成されて成るシランの減少した塔底留分31中のシランの約10wt%未満であってもよく、他の実施形態では、シラン回収分離ユニット10から生成されて成るシランの減少した塔底留分8中のシランの量は、重質末端蒸留塔15から生成されて成るシランの減少した塔底留分31中のシランの約7.5wt%未満、約5wt%未満、約2.5wt%未満、又は約1%未満であってもよい。
図9の方法及びシステムにおいて損失したシランの合計量に関して、ガス流35と、シラン回収分離ユニット10から生成されて成るシランの減少した塔底留分8との中のシランの量の合計は、シラン含有流3中のシランの約10wt%未満であてもよく、又は
シラン含有流3中のシランの約5wt%未満、約3wt%未満、約1wt%未満、約0.5wt%未満、さらには約0.3wt%未満であってもよい。
シラン含有流3中のシランの約5wt%未満、約3wt%未満、約1wt%未満、約0.5wt%未満、さらには約0.3wt%未満であってもよい。
この点に関して、上述した方法は並列的に操作されてもよく(例えば、並列的にシランを精製する装置の2つのトレインを使用してもよい)、様々なトレインからの(複数の)フローを組み合わせてもよく、及び/又は処理フロー(process flows)を方法のどの時点で分離してもよい、と理解されるべきである。さらに、この点に関して、上述の装置(例えば蒸留塔又はセパレーター)は、並列に又は直列に操作される1つ以上のユニットを含んでもよい(例えば、蒸留操作は、直列又は並列に操作される2つの蒸留塔の使用を含んでいてもよい)、と理解されるべきであり、そして、単一ピース(single piece)の装置への言及は、限定する意味として見なされるべきではない。図1〜図9に示したシステム及び方法は典型例であり、図説されたシステム及び方法は、制限されることなしに、任意の組み合わせの中で使用されてもよい、と理解されるべきである。
軽質末端流、重質末端流、又は軽質末端流と重質末端流との両方からシランを精製するシステム(Systems for Purifying Silane from Light-ends Streams, Heavy-ends Streams or both Light-ends Streams and Heavy-ends Streams)
本願開示の方法は、例えば図1〜図9に示し且つ上述したシステムなど、シランを精製するためのシステム内で実施されるだろう。いくつかの実施形態において、図1に示すように、システムは、シランとシランより沸点の低い1つ以上の化合物とを含むシラン含有流3を精製する。システムは、シラン含有流3に比べてシランの減少した塔頂留分11とシランの増加した塔底留分6とを生成するための軽質末端蒸留塔5を含んでおり、シランの減少した塔頂留分11は、シランとシランより沸点の低い化合物とを含む。システムはまた、軽質末端蒸留塔5から生成されて成るシランの減少した塔頂留分11中のシランの一部を凝縮するためのコンデンサー37(図2)と、ガス流35と凝縮したシランを含む液体流51とを生成するための気液セパレーター38と、を含んでいる。
本願開示の方法は、例えば図1〜図9に示し且つ上述したシステムなど、シランを精製するためのシステム内で実施されるだろう。いくつかの実施形態において、図1に示すように、システムは、シランとシランより沸点の低い1つ以上の化合物とを含むシラン含有流3を精製する。システムは、シラン含有流3に比べてシランの減少した塔頂留分11とシランの増加した塔底留分6とを生成するための軽質末端蒸留塔5を含んでおり、シランの減少した塔頂留分11は、シランとシランより沸点の低い化合物とを含む。システムはまた、軽質末端蒸留塔5から生成されて成るシランの減少した塔頂留分11中のシランの一部を凝縮するためのコンデンサー37(図2)と、ガス流35と凝縮したシランを含む液体流51とを生成するための気液セパレーター38と、を含んでいる。
システムはまた、軽質末端蒸留塔5(図1)から生成されて成るシランの減少した塔頂留分11をコンデンサー37(図2)に搬送するための搬送装置(conveying apparatus)と、シラン凝縮された塔頂留分42を気液セパレーター38に搬送するための搬送装置とを含んでいる。熱交換器36は、軽質末端蒸留塔5から生成されて成るシランの減少した塔頂留分11中のシランの一部を凝縮するために、液体流51を、軽質末端蒸留塔5(図1)から生成されて成るシランの減少した塔頂留分11と熱的に接触させるために使用されてもよい。搬送装置は、軽質末端蒸留塔5から生成されて成るシランの減少した塔頂留分11を、熱交換器36(図2)に搬送し、また、搬送装置は、熱交換器36内で生成されて成る部分的に凝縮したシランの減少した塔頂留分41を、コンデンサー37に搬送する。搬送装置は、液体流32又はその蒸発生成物を、軽質末端蒸留塔5(図1)内に搬送する。
いくつかの実施形態では、システム(図3)は、軽質末端蒸留塔5から生成されて成るシランの増加した塔底留分6に比べてシランの増加した塔頂留分43とシランの減少した塔底留分31とを生成するために、重質末端蒸留塔15を含んでおり、シランの減少した塔底留分は、シランより沸点の高い化合物が増加している。搬送装置は、シランの増加した塔底留分6を、軽質末端蒸留塔5から重質末端蒸留塔15に搬送する。代わりに、図4に示すように、重質末端蒸留塔15'は、軽質末端蒸留塔5に分離する前に材料を分離してもよく、搬送装置は、重質末端蒸留塔15'から生成されて成るシランの増加した塔頂留分3'を、軽質末端蒸留塔5に搬送する。
シラン含有流3がエチレンを含む実施形態では、さらに後述するように、重質末端蒸留塔から生成されて成るシランの増加した塔頂留分に比べると、精製されたシラン生成物を含むエチルシランの減少した塔頂留分と、エチルシランの増加した塔底留分と、を生成するために、システムは吸着器(例えばモレキュラーシーブ)とエチルシラン蒸留塔とを含んでいてもよい。
処理前のシランがシランより沸点の高い化合物を含んでいる本願開示の実施形態では、図5に示すように、システムは、シラン含有流7に比べてシランの増加した塔頂留分43とシランの減少した塔底留分31とを生成するための重質末端蒸留塔15を含み、シランの減少した塔底留分31は、シランを含み、シラン含有流7に比べるとシランより沸点の高い1つ以上の化合物が増加している。システムはまた、重質末端蒸留塔15から生成されて成るシランの減少した塔底留分31に比べてシランの増加した塔頂留分13とシランの減少した塔底留分8とを生成するための、シラン回収分離ユニット10(例えば蒸留塔)を含んでいる。搬送装置は、重質末端蒸留塔15から生成されたシランの減少した塔底留分31を、シラン回収分離ユニット10に搬送する。
図6を参照すると、システムはまた、軽質末端蒸留塔5に導入されるシラン含有供給流3に比べて、シランより沸点の低い化合物が増加しているシランの減少した塔頂留分11と、シランより沸点の低い化合物が減少しているシランの増加した塔底留分7と、を生成するための軽質末端蒸留塔5を含んでいてもよい。搬送装置は、シランの増加した塔底留分7を重質末端蒸留塔15に搬送する。搬送装置は、シラン回収分離ユニット10から生成されて成るシランの増加した塔頂留分13を、軽質末端蒸留塔5に搬送する。代わりに、図8に示すように、重質末端蒸留塔15は、軽質末端蒸留塔5'に分離する前に材料を分離してもよく、搬送装置は、重質末端蒸留塔15から生成されて成るシランの増加した塔頂留分43を、軽質末端蒸留塔5'に搬送する。
図7を参照すると、シラン含有流3がエチレンを含む実施形態では、重質末端蒸留塔15から生成されて成るシランの増加した塔頂留分43からエチレンの一部を取り除くために、そしてエチレンの減少した排出流54を形成するために、システムは吸着器52(例えばモレキュラーシーブ)を含んでいてもよい。搬送装置は、重質末端蒸留塔15から生成されて成るシランの増加した塔頂留分43を、吸着器52に搬送する。吸着器52は、エチレンの一部をシランと反応させてエチルシランを形成するモレキュラーシーブであってもよい。システムは、エチルシラン蒸留塔60を含み、搬送装置は、エチレンの減少した排出流54をエチルシラン蒸留塔60に搬送する。エチルシラン蒸留塔60は、吸着器52から生成されたエチレンの減少した排出流54に比べて、精製されたシラン生成物を含みエチルシランの減少した塔頂留分62と、エチルシランの増加した塔底留分64と、を生成する。搬送装置は、エチルシランの増加した塔底留分64を、軽質末端蒸留塔5内に搬送する。
いくつかの実施形態において、図9に示すように、システムは、シラン含有流の精製方法において、軽質末端流と重質末端流との両方からシランを回収してもよい。図9に示すように、システムは、シラン含有流3に比べてシランの減少した塔頂留分11とシランの増加した塔底留分6とを生成するための軽質末端蒸留塔5を含み、シランの減少した塔頂留分11は、シランと、シランより沸点の低い化合物とを含む。コンデンサー37は、軽質末端蒸留塔5から生成されて成るシランの減少した塔頂留分11中のシランの一部を凝縮する。システムは、ガス流35と凝縮したシランを含む液体流51とを生成するための気液セパレーター38を含んでいる。搬送装置は、シラン凝縮した塔頂留分42を、コンデンサーから気液セパレーター38まで搬送する。軽質末端蒸留塔5から生成されて成るシランの減少した塔頂留分11中のシランの一部を凝縮するために、液体流51を、軽質末端蒸留塔5から生成されて成るシランの減少した塔頂留分11と熱的に接触させるための熱交換器36を、システムは含んでいる。
搬送装置は、液体流51又はその蒸発生成物を、軽質末端蒸留塔5に搬送する。搬送装置は、軽質末端蒸留塔5から生成されて成るシランの減少した塔頂留分11を、熱交換器36に搬送する。搬送装置は、熱交換器36内で生成されて成る部分的に凝縮したシランの減少した塔頂留分41をコンデンサー37に搬送する。
システムは、軽質末端蒸留塔5から生成されて成るシランの増加した塔底留分6に比べてシランの増加した塔頂留分43とシランの減少した塔底留分31とを生成するための、重質末端蒸留塔15を含み、シランの減少した塔底留分31は、シランを含み、シランの増加した塔底留分6に比べるとシランより沸点の高い1つ以上の化合物が増加している。システムは、重質末端蒸留塔15から生成されて成るシランの減少した塔底留分31に比べてシランの増加した塔頂留分13とシランの減少した塔底留分8とを生成するために、シラン回収分離ユニット10(例えば蒸留塔)を含んでいる。
図9に示したシステムによれば、搬送装置は、軽質末端蒸留塔5から生成されたシランの減少した塔頂留分11を、コンデンサー37に搬送する。
搬送装置は、軽質末端蒸留塔5から生成されて成るシランの増加した塔底留分6を、重質末端蒸留塔15に搬送する。搬送装置は、重質末端蒸留塔15から生成されて成るシランの減少した塔底留分31を、シラン回収分離ユニット10に搬送する。搬送装置は、シラン回収分離ユニット10から生成されて成るシランの増加した塔頂留分13を、軽質末端蒸留塔5に搬送する。
搬送装置は、軽質末端蒸留塔5から生成されて成るシランの増加した塔底留分6を、重質末端蒸留塔15に搬送する。搬送装置は、重質末端蒸留塔15から生成されて成るシランの減少した塔底留分31を、シラン回収分離ユニット10に搬送する。搬送装置は、シラン回収分離ユニット10から生成されて成るシランの増加した塔頂留分13を、軽質末端蒸留塔5に搬送する。
シラン含有流3がエチレンを含む実施形態では、さらに上述したように、システムは、重質末端蒸留塔15から生成されて成る塔頂留分43からエチレンを取り除くために、吸着器(例えばモレキュラーシーブ)とエチルシラン蒸留塔(両方とも図示せず)とを含んでいてもよい。
この点に関して、図1〜図9のシステムで使用される好適な搬送装置は、本技術分野で周知である。ガス移転に適した搬送装置は、例えば、再循環ファン又は送風機(ブロワー:blower)を含んでいる。液体搬送に適した搬送装置は、例えば、ポンプ及びコンプレッサを含んでいる。この点に関して、本明細書における「搬送装置("conveying apparatus")」の表現の使用は、システムのあるユニットから別のユニットに直接に移動することを意味することを意図するものではなく、どちらかといえば、単に材料が、あるユニットから別のユニットに、多数の間接的な移転部分及び/又は機構によって移動される、と理解されるべきである。例えば、材料が、あるユニットから別の処理ユニット(例えば精製)に搬送され、そして第2のユニットに搬送されてもよい。この例において、中間処理装置自体を含む運搬ユニットの各々は「搬送装置」と見なすことができ、「搬送装置」の表現は、限定する意味として見なされるべきではない。
好ましくは、シラン精製用のシステムに利用される装置はすべて、システム内で使用される化合物及び生成される化合物に露出されることを含む環境中での腐食に強い。構造(construction)に適した材料は、従来のもので且つ本願開示の分野で周知のものであり、例えば、炭素鋼、ステンレス鋼、モネル合金、インコネル合金、ハステロイ合金、ニッケル、グラファイト(例えば、押し出ししたもの又はイソ成型(iso-molded)されたもの)、及び炭化ケイ素(例えば、転換グラファイト(converted graphite)又は押し出ししたもの)を含んでいる。
軽質末端蒸留操作からのシラン回収のモデル化(Modeling the Recovery of Silane from Light-ends Distillation Operations)
軽質末端蒸留塔の塔頂留分からのシラン回収は、ASPENモデリングソフトウェアを用いてモデル化された。軽質末端蒸留操作からの塔頂留分は、1825kPa(250psig)で-94℃(137°F)に冷却された交換器に導入される。凝縮した液体(供給の55wt%)と蒸気(供給の45wt%)とを含んで成る部分的に凝縮した塔頂留分は、液体窒素で冷却されたコンデンサーに導入される。コンデンサーは、1825kPa(250psig)よりわずかに低い圧力において、部分的に凝縮した塔頂留分を-129℃(200°F)に冷却する。シラン凝縮した塔頂留分は、98wt%の純粋さの液体シラン(供給の77wt%)と、蒸気(供給の23wt%)とを含んでいる。液体シラン流は、窒素(2wt%)、メタン(0.5wt%)、水素(0.06wt%)、エタン(0.004wt%)及びエチレン(0.001wt%)を含んでいてもよい。
軽質末端蒸留塔の塔頂留分からのシラン回収は、ASPENモデリングソフトウェアを用いてモデル化された。軽質末端蒸留操作からの塔頂留分は、1825kPa(250psig)で-94℃(137°F)に冷却された交換器に導入される。凝縮した液体(供給の55wt%)と蒸気(供給の45wt%)とを含んで成る部分的に凝縮した塔頂留分は、液体窒素で冷却されたコンデンサーに導入される。コンデンサーは、1825kPa(250psig)よりわずかに低い圧力において、部分的に凝縮した塔頂留分を-129℃(200°F)に冷却する。シラン凝縮した塔頂留分は、98wt%の純粋さの液体シラン(供給の77wt%)と、蒸気(供給の23wt%)とを含んでいる。液体シラン流は、窒素(2wt%)、メタン(0.5wt%)、水素(0.06wt%)、エタン(0.004wt%)及びエチレン(0.001wt%)を含んでいてもよい。
圧縮流は、デミスター(又は霜取り装置:demister)を含み1825kPa(250psig)よりわずかに低い圧力で作動する気液セパレーターに導入されて、軽質末端蒸留塔から生成されたシランの減少した塔頂留分に比べてシランの減少したガス流(軽質末端蒸留塔から生成された塔頂留分の23wt%)とシランの増加した液体流(軽質末端蒸留塔から生成された塔頂留分の77wt%)とを生成する。ガス流は、中和及び処分の前に、自然対流フィン型交換器によって暖められる。コンデンサーのエネルギー必要量を低減するために、液体流(-129℃(200°F))を交換器に導入して、軽質末端蒸留塔から生成された塔頂留分と熱を交換させる。液体流は、交換器内で完全に蒸発し、そして対流フィン型交換器(convection finned exchanger)内でさらに暖められる。蒸発した液体流は、新鮮な(又は未使用の:fresh)処理前のシランと結合され、2170kPa(300psig)に圧縮されて、軽質末端蒸留操作に導入される。
重質末端蒸留操作からのシラン回収のモデル化(Modeling the Recovery of Silane from Heavy-ends Distillation Operations)
重質末端蒸留塔の塔頂留分からのシラン回収は、ASPENモデリングソフトウェアを用いてモデル化された。軽質末端蒸留と重質末端蒸留とを含みシラン回収蒸留を含まないシステムが、最初にモデル化された。システムは、処理前のシラン(シランより沸点の低い化合物0.8wt%と、シランより沸点の高い化合物1.8wt%とを含む97.4wt%シラン)が、軽質末端蒸留塔に導入される2つの操作トレイン(two operating trains)を含んでいる。第1及び第2トレインの軽質末端蒸留塔の各々は、処理前のシランに比べてシランの増加した塔底留分とシランの減少した塔頂留分とを生成する。塔頂留分は、供給内の(又は供給材料内の:in the feed)シランの3%を含んでいた。軽質末端蒸留塔からの塔底留分は、各々が重質末端蒸留塔に導入されて、軽質末端蒸留塔で生成された塔底留分に比べてシランの増加した塔頂留分とシランの減少した塔底留分とを生成した。重質末端蒸留塔から生成された塔底留分は、供給からのシランの3.4wt%を含み、塔頂留分は、供給内のシランの96.6wt%を含んでいた。塔頂留分は、温度-26℃(14°F)、2032kPa(280psig)であった。シランの収率は93.8wt%であり、シランの3.3wt%は重質末端蒸留塔の塔底留分中に失われた。
重質末端蒸留塔の塔頂留分からのシラン回収は、ASPENモデリングソフトウェアを用いてモデル化された。軽質末端蒸留と重質末端蒸留とを含みシラン回収蒸留を含まないシステムが、最初にモデル化された。システムは、処理前のシラン(シランより沸点の低い化合物0.8wt%と、シランより沸点の高い化合物1.8wt%とを含む97.4wt%シラン)が、軽質末端蒸留塔に導入される2つの操作トレイン(two operating trains)を含んでいる。第1及び第2トレインの軽質末端蒸留塔の各々は、処理前のシランに比べてシランの増加した塔底留分とシランの減少した塔頂留分とを生成する。塔頂留分は、供給内の(又は供給材料内の:in the feed)シランの3%を含んでいた。軽質末端蒸留塔からの塔底留分は、各々が重質末端蒸留塔に導入されて、軽質末端蒸留塔で生成された塔底留分に比べてシランの増加した塔頂留分とシランの減少した塔底留分とを生成した。重質末端蒸留塔から生成された塔底留分は、供給からのシランの3.4wt%を含み、塔頂留分は、供給内のシランの96.6wt%を含んでいた。塔頂留分は、温度-26℃(14°F)、2032kPa(280psig)であった。シランの収率は93.8wt%であり、シランの3.3wt%は重質末端蒸留塔の塔底留分中に失われた。
上述のシステムは、重質末端蒸留塔から生成された塔底留分に比べてシランの増加した塔頂留分とシランの減少した塔底留分とを生成するために、シラン回収蒸留塔に導入される各トレイン(each train)の重質末端蒸留塔から生成された塔底留分によって、モデル化された。シラン回収蒸留塔から生成された塔底留分は、中和されて処分されてもよく、塔頂留分は、軽質末端蒸留塔に戻して再利用される。シラン回収蒸留塔の塔底留分は、温度36℃(97°F)、1793kPa(260psig)である。このシステムでは、重質末端蒸留塔から生成された塔底留分は、供給内のシランの3.7wt%を含んでおり、重質末端蒸留塔から生成された塔頂留分(それは、シラン生成物として使用されてもよく、任意で、例えばエチレンの除去などのさらなる処理の後であってもよい)は、供給内のシランの96.3wt%を含んでいる。シランの収率は97.1wt%であり、シラン回収蒸留塔を含んでいなかったシステムより3wt%の増加である。
重質末端蒸留操作からの商業規模のシラン回収(Commercial-Scale Recovery of Silane from Heavy-ends Distillation Operations)
商業規模のシステムは、処理前のシランが軽質末端蒸留塔に導入される2つの操作トレインを含んでいた。第1及び第2トレインの軽質末端蒸留塔は、各々が、処理前のシランに比べてシランの増加した塔底留分とシランの減少した塔頂留分とを生成した。軽質末端蒸留塔からの塔底留分は、各々が重質末端蒸留塔に導入されて、軽質末端蒸留塔で生成された塔底留分に比べてシランの増加した塔頂留分とシランの減少した塔底留分とを生成した。各トレインの重質末端蒸留塔から生成された塔底留分は、シラン約60wt%に濃縮され、温度40℃(104°F)、圧力2000kPa(275psig)でシラン回収蒸留塔に導入されて、重質末端蒸留塔から生成された塔底留分に比べてシランの増加した塔頂留分とシランの減少した塔底留分とを生成した。
商業規模のシステムは、処理前のシランが軽質末端蒸留塔に導入される2つの操作トレインを含んでいた。第1及び第2トレインの軽質末端蒸留塔は、各々が、処理前のシランに比べてシランの増加した塔底留分とシランの減少した塔頂留分とを生成した。軽質末端蒸留塔からの塔底留分は、各々が重質末端蒸留塔に導入されて、軽質末端蒸留塔で生成された塔底留分に比べてシランの増加した塔頂留分とシランの減少した塔底留分とを生成した。各トレインの重質末端蒸留塔から生成された塔底留分は、シラン約60wt%に濃縮され、温度40℃(104°F)、圧力2000kPa(275psig)でシラン回収蒸留塔に導入されて、重質末端蒸留塔から生成された塔底留分に比べてシランの増加した塔頂留分とシランの減少した塔底留分とを生成した。
シラン回収カラムは、塔頂の圧力1320kPa(177psig)、カラムを横切る圧力差2.2kPa(0.32psi)で操作された。塔底の温度は1.7℃(35°F)だった。シラン回収カラムは、シラン濃度98.8wt%の塔頂留分と、シラン濃度7.7wt%の塔底留分とを生成し、塔底留分に対する塔頂留分の重量比は1.3:1であった。塔頂留分は、軽質末端蒸留塔に再循環され、塔底留分は、中和されて処分された。シランの約94%は、シラン回収蒸留塔によって回収された。
この点に関して、実施例1〜3に記載された操作条件は典型的であり、他の条件を用いてもよいと理解されるべきである。
本願開示又は好ましい実施形態の要素を導入するときに、「1つの(a)」、「1つの(an)」、「その(the)」及び「前記(said)」という記載は、1つ以上の要素があることを意味している。「含んでなる(comprising)」、「含む(including)」、及び「有する(having)」という語句は、包括的な意味であって、言及した要素以外の要素が存在してもよいことを意味することを意図している。
上記の装置及び方法において、本願開示の範囲から逸脱することなしに様々な変更を行なうことが可能であるので、上記の説明に含まれ且つ添付の図面に図示された全ての事項が例示であると解釈されるべきであり、限定する意味としては解釈されるべきではないことを意図するものである。
Claims (68)
- シラン含有流を精製する方法であって、前記シラン含有流は、シランと、シランより沸点の高い1つ以上の化合物と、を含んでおり、前記方法は、
前記シラン含有流を重質末端蒸留塔に導入して、前記シラン含有流よりもシランの増加した塔頂留分とシランの減少した塔底留分とを生成する工程であって、前記シランの減少した塔底留分は、シランを含み、前記シラン含有流と比べるとシランより沸点の高い1つ以上の化合物が増加している、シラン含有流を導入する工程と、
前記シランの減少した塔底留分をシラン回収分離ユニットに導入して、前記重質末端蒸留塔で生成された前記シランの減少した塔底留分よりもシランの増加した留分とシランの減少した留分とを生成する工程と、を含むことを特徴とする方法。 - 前記シラン回収分離ユニットは、前記重質末端蒸留塔で生成された前記シランの減少した塔底留分よりもシランの増加した塔頂留分とシランの減少した塔底留分とを生成する蒸留塔であることを特徴とする請求項1に記載の方法。
- 軽質末端蒸留塔に供給流を導入して、塔頂留分と塔底留分とを生成する工程を含み、前記供給流は、シランと、シランより沸点の高い1つ以上の化合物と、シランより沸点の低い1つ以上の化合物とを含み、前記塔頂留分は、シランが減少し、シランより沸点の低い化合物が増加しており、前記塔底留分は、シランが増加し、シランより沸点の低い化合物が減少しており、前記塔底留分の一部が、前記重質末端蒸留塔に供給される前記シラン含有流を形成することを特徴とする請求項1又は2に記載の方法。
- 前記重質末端蒸留塔で生成された前記シランの増加した塔頂留分は、シランより沸点の低い化合物を含み、前記シランの増加した塔頂留分が軽質末端蒸留塔に導入されて、シランより沸点の低い化合物を含むシランの減少した塔頂留分と、前記重質末端蒸留塔で生成された前記シランの増加した塔頂留分よりもシランの増加した塔底留分とが形成されることを特徴とする請求項1又は2に記載の方法。
- シランより沸点の高い前記1つ以上の化合物は、エタン、エチレン、エチルシラン、ジエチルシラン、トルエン、ジメトキシエタン及びその混合物から成る群から選ばれることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の方法。
- 前記シラン回収分離ユニットで生成された前記シランの増加した塔頂留分は、前記軽質末端蒸留塔に導入することによって再利用されることを特徴とする請求項3に記載の方法。
- 前記シラン回収分離ユニットで生成された前記シランの減少した塔底留分中のシランの量は、前記重質末端蒸留塔で生成された前記シランの減少した塔底留分中のシランの約10wt%未満であることを特徴とする請求項3に記載の方法。
- 前記軽質末端蒸留塔で生成された前記塔頂留分中のシランと前記シラン回収分離ユニットで生成された前記シランの減少された塔底留分中のシランとの合計量は、前記シラン含有流中のシランの約15wt%未満であることを特徴とする請求項3に記載の方法。
- 前記供給流と、前記重質末端蒸留塔で生成された前記シランの増加した塔頂留分とはエチレンを含み、
前記エチレンの一部を除去してエチレンの減少した排出流を形成するために、前記重質末端蒸留塔で生成された前記シランの増加した塔頂留分を吸収器に導入することを特徴とする請求項3に記載の方法。 - 前記吸着器は、前記エチレンの一部をシランと反応させてエチルシランを形成するモレキュラーシーブを含み、前記方法は、エチルシランを含む前記エチレンの減少した排出流をエチルシラン蒸留塔に導入して、前記吸着器で生成された前記エチレンの減少した排出流に比べると、精製されたシラン生成物を含むエチルシランの減少した塔頂留分と、エチルシランの増加した塔底留分とを生成する工程をさらに含むことを特徴とする請求項9に記載の方法。
- 前記エチルシランの増加した塔底留分は、前記エチルシランの増加した塔底留分を前記軽質末端蒸留塔に導入することによって再利用されることを特徴とする請求項10に記載の方法。
- 前記シラン回収蒸留塔で生成された前記シランの減少した塔底留分の温度は、前記シラン回収蒸留塔からの放出の際に約70℃〜約130℃であることを特徴とする請求項2〜11のいずれか1項に記載の方法。
- 前記シラン回収蒸留塔は、約1500kPa〜約2600kPa(約220psia〜約380psia)の塔頂の圧力で操作することを特徴とする請求項2〜12のいずれか1項に記載の方法。
- 前記供給流の前記成分は、前記軽質末端蒸留塔から生成された前記塔頂留分として、前記重質末端蒸留塔で生成された前記シランの増加した塔頂留分、前記シラン回収分離ユニットで生成されたシランの増加した塔頂留分、及び前記シラン回収分離ユニットで生成された前記シランの減少した塔底留分として放出されるまで、実質的にどんな反応も受けないことを特徴とする請求項3に記載の方法。
- 前記シラン含有流が、アルカリ又はアルカリ土類金属のシランを実質的に含まないことを特徴とする請求項1〜14のいずれか1項に記載の方法。
- 前記シラン含有流が、トリクロロシラン、テトラクロロシラン及びテトラフルオロシランを実質的に含まないことを特徴とする請求項1〜14のいずれか1項に記載の方法。
- シランと、シランより沸点の高い1つ以上の化合物とを含んで成るシラン含有流を精製するためのシステムであって、
前記シラン含有流よりもシランの増加した塔頂留分とシランの減少した塔底留分とを生成するための重質末端蒸留塔であって、前記シランの減少した塔底留分は、シランを含み、前記シラン含有流に比べるとシランより沸点の高い1つ以上の化合物が増加している、重質末端蒸留塔と、
前記重質末端蒸留塔で生成された前記シランの減少した塔底留分よりもシランの増加した塔頂留分とシランの減少した塔底留分を生成するためのシラン回収蒸留塔と、を含むことを特徴とするシステム。 - 前記重質末端蒸留塔で生成された前記シランの減少した塔底留分を、前記シラン回収蒸留塔に搬送するための搬送装置を含むことを特徴とする請求項17に記載のシステム。
- 前記軽質末端蒸留塔に導入されたシラン含有供給流に比べて、シランより沸点の低い化合物が増加しているシランの減少した塔頂留分と、シランより沸点の低い化合物が減少しているシランの増加した塔底留分と、を生成するための軽質末端蒸留塔と、
前記軽質末端蒸留塔で生成された前記シランの増加した塔底留分を、前記重質末端蒸留塔に搬送するための搬送装置と、を含むことを特徴とする請求項17又は18に記載のシステム。 - シラン含有流を精製する方法であって、前記シラン含有流は、シランと、シランより沸点の低い1つ以上の化合物とを含んでおり、前記方法は、
前記シラン含有流を軽質末端蒸留塔に導入して、前記シラン含有流よりもシランの減少した塔頂留分とシランの増加した塔底留分とを生成する工程であって、前記シランの減少した塔頂留分は、シランと、シランより沸点の低い化合物とを含む、シラン含有流を導入する工程と、
前記シランの減少した塔頂留分をシラン回収分離ユニットに導入して、前記軽質末端蒸留塔で生成された前記シランの減少した塔頂留分よりもシランの増加した留分とシランの減少した留分とを生成する工程と、を含むことを特徴とする方法。 - 前記軽質末端蒸留塔で生成された前記シランの減少した塔頂留分を冷却して、その中の前記シランの一部を凝縮させる工程と、
シランを凝縮させた塔頂留分を気液セパレーターに導入して、前記軽質末端蒸留塔で生成された前記シランの減少した塔頂留分よりもシランの減少したガス流とシランの増加した液体流とを生成する工程であって、前記シランの増加した液体流は凝縮されたシランを含む、シランを凝縮させた塔頂留分を導入する工程と、を含むことを特徴とする請求項20に記載の方法。 - 前記軽質末端蒸留塔で生成された前記シランの減少した塔頂留分をコンデンサーに導入して、前記シランの減少した塔頂留分中の前記シランの一部を凝縮させることを特徴とする請求項21に記載の方法。
- 前記液体流を、前記軽質末端蒸留塔で生成された前記シランの減少した塔頂留分と熱的に接触させて、前記軽質末端蒸留塔で生成された前記シランの減少した塔頂留分中の前記シランの一部を凝縮させることを特徴とする請求項21又は22に記載の方法。
- 前記軽質末端蒸留塔で生成された前記液体流と前記シランの減少した塔頂留分とを交換器に導入して、前記シランの一部を凝縮させることを特徴とする請求項23に記載の方法。
- 前記液体流を前記軽質末端蒸留塔に導入することを特徴とする請求項21〜24のいずれか1項に記載の方法。
- 前記軽質末端蒸留塔に導入する前に、前記液体流を蒸発させることを特徴とする請求項25に記載の方法。
- 前記軽質末端蒸留塔で生成された前記シランの減少した塔頂留分中の前記シランのうち少なくとも約60%が凝縮されることを特徴とする請求項21〜26のいずれか1項に記載の方法。
- 前記軽質末端蒸留塔で生成された前記シランの減少した塔頂留分は、少なくとも約40wt%のシランを含むことを特徴とする請求項20〜27のいずれか1項に記載の方法。
- 前記シランは、前記軽質末端蒸留塔で生成された前記シランの減少した塔頂留分を約-100℃未満の温度まで冷却することにより凝縮されることを特徴とする請求項27又は28に記載の方法。
- 前記シラン含有流は、シランより沸点の高い化合物を含み、前記軽質末端蒸留塔で生成された前記シランの増加した塔底留分は、前記シラン含有流に比べて、シランより沸点の高い1つ以上の化合物が増加しており、前記シランの増加した塔底留分を前記重質末端蒸留塔に導入して、前記軽質末端蒸留塔で生成された前記シランの増加した塔底留分よりもシランの増加した塔頂留分とシランの減少した塔底留分とを生成し、前記シランの減少した塔底留分は、シランより沸点の高い化合物が増加していることを特徴とする請求項20〜29のいずれか1項に記載の方法。
- 供給流を重質末端蒸留塔に導入して、塔頂留分と塔底留分とを生成する工程を含み、前記供給流は、シランと、シランより沸点の高い1つ以上の化合物と、シランより沸点の低い化合物とを含み、前記塔頂留分は、シランが増加し、且つシランより沸点の低い化合物が増加しており、前記塔底留分は、シランが減少し、且つシランより沸点の高い化合物が増加しており、前記塔頂留分の一部が、前記軽質末端蒸留塔に供給される前記シラン含有流を形成することを特徴とする請求項20〜29のいずれか1項に記載の方法。
- シランより沸点の高い前記1つ以上の化合物は、エタン、エチレン、エチルシラン、ジエチルシラン、トルエン、ジメトキシエタン及びその混合物から成る群から選ばれることを特徴とする請求項30又は31のいずれか1項に記載の方法。
- 前記シラン含有流と、前記重質末端蒸留塔で生成された前記シランの増加した塔頂留分は、エチレンを含み、
前記エチレンの一部を除去してエチレンの減少した排出流を形成するために、前記重質末端蒸留塔で生成された前記シランの増加した塔頂留分を前記吸着器に導入することを特徴とする請求項30に記載の方法。 - 前記吸着器は、前記エチレンの一部をシランと反応させてエチルシランを形成するモレキュラーシーブを含み、前記方法は、エチルシランを含む前記エチレンの減少した排出流をエチルシラン蒸留塔に導入して、前記吸着器で生成された前記エチレンの減少した排出流よりも、エチルシランの減少した精製シラン生成物含有の塔頂留分と、エチルシランの増加した塔底留分とを生成する工程をさらに含むことを特徴とする請求項33に記載の方法。
- 前記エチルシランの増加した塔底留分は、前記エチルシランの増加した塔底留分を前記軽質末端蒸留塔に導入することによって再利用されることを特徴とする請求項34に記載の方法。
- 前記供給流の前記成分は、前記軽質末端蒸留塔で生成された前記塔頂留分として、前記重質末端蒸留塔で生成された前記シランの増加した塔頂留分として、又は前記重質末端蒸留塔で生成された前記シランの減少した塔底留分として放出されるまで、実質的にどんな反応も受けないことを特徴とする請求項31に記載の方法。
- 前記シラン含有流が、アルカリ又はアルカリ土類金属のシランを実質的に含まないことを特徴とする請求項20〜36のいずれか1項に記載の方法。
- 前記シラン含有流が、トリクロロシラン、テトラクロロシラン及びテトラフルオロシランを実質的に含まないことを特徴とする請求項20〜36のいずれか1項に記載の方法。
- 前記気液セパレーター内で分離された前記シランの減少したガス流中のシランの量が、前記軽質末端蒸留塔で生成された前記シランの減少した塔頂留分中のシランの約10wt%未満であることを特徴とする請求項27〜38のいずれか1項に記載の方法。
- 前記軽質末端蒸留塔で生成された前記シランの減少した塔頂留分を冷却して、その中の前記シランの一部を凝縮させる工程と、
シランを凝縮させた塔頂留分を気液セパレーターに導入して、前記軽質末端蒸留塔で生成された前記シランの減少した塔頂留分よりもシランの減少したガス流とシランの増加した液体流とを生成する工程と、を含み、前記シランの増加した液体流は凝縮されたシランを含み、前記気液セパレーター内で分離された前記シランの減少したガス流中のシランと前記重質末端蒸留塔で生成された前記シランの減少した塔底留分中のシランとの合計量は、前記シラン含有流中のシランの15wt%未満であることを特徴とする請求項30に記載の方法。 - シラン含有流を精製する方法であって、前記シラン含有流は、シランと、シランより沸点の低い1つ以上の化合物と、シランより沸点の高い1つ以上の化合物と、を含んでおり、前記方法は、
前記シラン含有流を軽質末端蒸留塔に導入して、前記シラン含有流よりもシランの減少した塔頂留分とシランの増加した塔底留分とを生成する工程であって、前記シランの減少した塔頂留分は、シランを含み、シランより沸点の低い化合物が増加している、シラン含有流を導入する工程と、
前記軽質末端蒸留塔で生成された前記シランの減少した塔頂留分を冷却して、その中の前記シランの一部を凝縮させる工程と、
前記軽質末端蒸留塔で生成された前記シランの増加した塔底留分を、重質末端蒸留塔に導入して、前記軽質末端蒸留塔で生成された前記シランの増加した塔底留分よりもシランの増加した塔頂留分とシランの減少した塔底留分とを生成する工程であって、前記シランの減少した塔底留分は、シラン含み、前記軽質末端蒸留塔で生成された前記シランの増加した塔底留分と比べるとシランより沸点の高い1つ以上の化合物が増加している、シランの増加した塔底留分を導入する工程と、
前記重質末端蒸留塔で生成された前記シランの減少した塔底留分をシラン回収分離ユニット中に導入して、前記重質末端蒸留塔から生成して成る前記シランの減少した塔底留分よりもシランの増加した留分とシランの減少した留分とを生成する工程と、を含むことを特徴とする方法。 - シランを凝縮させた塔頂留分を気液セパレーターに導入して、ガス流と凝縮されたシランを含む液体流とを生成することを特徴とする請求項41に記載の方法。
- 前記液体流が前記軽質末端蒸留塔に導入されることを特徴とする請求項42に記載の方法。
- 前記軽質末端蒸留塔に導入する前に、前記液体流を蒸発させることを特徴とする請求項43に記載の方法。
- 前記シラン回収蒸留塔で生成された前記シランの増加した塔頂留分は、前記軽質末端蒸留塔に導入することによって再利用されることを特徴とする請求項41〜44のいずれか1項に記載の方法。
- 前記軽質末端蒸留塔で生成された前記シランの減少した塔頂留分をコンデンサーに導入して、前記シランの減少した塔頂留分中の前記シランの一部を凝縮させることを特徴とする請求項41〜45のいずれか1項に記載の方法。
- 前記液体流は、前記軽質末端蒸留塔で生成された前記シランの減少した塔頂留分と熱的に接触して、前記軽質末端蒸留塔で生成された前記シランの減少した塔頂留分中の前記シランの一部を凝縮させることを特徴とする請求項42〜46のいずれか1項に記載の方法。
- 前記軽質末端蒸留塔で生成された前記液体流と前記シランの減少した塔頂留分とを交換器に導入して、前記シランの一部を凝縮させることを特徴とする請求項47に記載の方法。
- 前記シラン回収分離ユニットは、前記重質末端蒸留塔で生成された前記シランの減少した塔底留分よりもシランの増加した塔頂留分とシランの減少した塔底留分とを生成する蒸留塔であることを特徴とする請求項41〜48のいずれか1項に記載の方法。
- シランより沸点の低い前記1つ以上の化合物は、水素、窒素及びメタンから成る群から選ばれることを特徴とする請求項41〜49のいずれか1項に記載の方法。
- シランより沸点の高い前記1つ以上の化合物は、エタン、エチレン、エチルシラン、ジエチルシラン、トルエン、ジメトキシエタン及びその混合物から成る群から選ばれることを特徴とする請求項41〜50のいずれか1項に記載の方法。
- 前記シラン含有流と、前記重質末端蒸留塔で生成された前記シランの増加した塔頂留分とはエチレンを含み、前記エチレンの一部を除去してエチレンの減少した排出流を形成するために、前記重質末端蒸留塔で生成された前記シランの増加した塔頂留分を前記吸着器に導入することを特徴とする請求項41〜51のいずれか1項に記載の方法。
- 前記吸着器は、前記エチレンの一部をシランと反応させてエチルシランを形成するモレキュラーシーブを含み、前記方法は、エチルシランを含む前記エチレンの減少した排出流をエチルシラン蒸留塔に導入して、前記吸着器で生成された前記エチレンの減少した排出流よりもエチルシランの減少した精製シラン生成物含有の塔頂留分と、エチルシランの増加した塔底留分とを生成する工程をさらに含むことを特徴とする請求項52に記載の方法。
- 前記エチルシランの増加した塔底留分は、前記エチルシランの増加した塔底留分を前記軽質末端蒸留塔に導入することによって再利用されることを特徴とする請求項53に記載の方法。
- 前記シラン含有流の前記成分は、前記軽質末端蒸留塔から生成された前記塔頂留分として、前記重質末端蒸留塔で生成された前記シランの増加した塔頂留分、又は前記重質末端蒸留塔で生成された前記シランの減少した塔底留分として放出されるまで、実質的にどんな反応も受けないことを特徴とする請求項54に記載の方法。
- 前記シラン含有流が、アルカリ又はアルカリ土類金属のシランを実質的に含まないことを特徴とする請求項41〜55のいずれか1項に記載の方法。
- 前記シラン含有流が、トリクロロシラン、テトラクロロシラン及びテトラフルオロシランを実質的に含まないことを特徴とする請求項41〜56のいずれか1項に記載の方法。
- 前記軽質末端蒸留塔で生成された前記シランの減少した塔頂留分中の前記シランのうち少なくとも約85%が凝縮されることを特徴とする請求項41〜57のいずれか1項に記載の方法。
- 前記シラン回収分離ユニットで生成された前記シランの減少した塔底留分中のシランの量は、前記重質末端蒸留塔で生成された前記シランの減少した塔底留分中のシランの約5wt%未満であることを特徴とする請求項41〜58のいずれか1項に記載の方法。
- 前記ガス流中のシランの量が、前記軽質末端蒸留塔で生成された前記シランの減少した塔頂留分中のシランの約6wt%未満であることを特徴とする請求項42〜59のいずれか1項に記載の方法。
- 前記ガス流中のシランと前記シラン回収分離ユニットで生成された前記シランの減少した塔底留分のシランとの合計量は、前記シラン含有流中のシランの約1wt%未満であることを特徴とする請求項42〜60のいずれか1項に記載の方法。
- シランと、シランより沸点の低い1つ以上の化合物とを含んで成るシラン含有流を精製するためのシステムであって、
前記シラン含有流よりもシランの減少した塔頂留分とシランの増加した塔底留分とを生成するための軽質末端蒸留塔であって、前記シランの減少した塔頂留分は、シランと、シランより沸点の低い化合物とを含む、軽質末端蒸留塔と、
前記軽質末端蒸留塔で生成された前記シランの減少した塔頂留分中の前記シランの一部を凝縮させるためのコンデンサーと、
ガス流と凝縮されたシランを含む液体流とを生成するための気液セパレーターと、を含むことを特徴とするシステム。 - 前記軽質末端蒸留塔で生成された前記シランの減少した塔頂留分を、前記コンデンサーに搬送するための搬送装置と、
前記シランを凝縮させた塔頂留分を、前記気液セパレーターに搬送するための搬送装置と、を含むことを特徴とする請求項62に記載のシステム。 - 前記軽質末端蒸留塔で生成された前記シランの減少した塔頂留分中の前記シランの一部を凝縮させるために、前記液体流を、前記軽質末端蒸留塔で生成された前記シランの減少した塔頂留分と熱的に接触させるための交換器と、
前記軽質末端蒸留塔で生成された前記シランの減少した塔頂留分を、前記交換器に搬送するための搬送装置と、
前記交換器内で生成されて成る前記部分的に凝縮されたシランの減少した塔頂留分を、前記コンデンサーに搬送するための搬送装置と、を含むことを特徴とする請求項62又は63に記載のシステム。 - 前記液体流又はその蒸発生成物を、前記軽質末端蒸留塔内に搬送するための搬送装置を含むことを特徴とする請求項62〜64のいずれか1項に記載のシステム。
- シランと、シランより沸点の高い1つ以上の化合物と、シランより沸点の低い1つ以上の化合物とを含んで成るシラン含有流を精製するためのシステムであって、
前記シラン含有流よりもシランの減少した塔頂留分とシランの増加した塔底留分とを生成するための軽質末端蒸留塔であって、前記シランの減少した塔頂留分は、シランと、シランより沸点の低い化合物とを含む、軽質末端蒸留塔と、
前記軽質末端蒸留塔で生成された前記シランの減少した塔頂留分中の前記シランの一部を凝縮させるためのコンデンサーと、
前記軽質末端蒸留塔で生成された前記シランの増加した塔頂留分よりもシランの増加した塔頂留分とシランの減少した塔底留分とを生成するための重質末端蒸留塔であって、前記重質末端蒸留塔で生成された前記シランの減少した塔底留分は、シランを含み、前記シラン含有流に比べるとシランより沸点の高い1つ以上の化合物が増加している、重質末端蒸留塔と、
重質末端蒸留塔で生成された前記シランの減少した塔底留分よりもシランの増加した塔頂留分とシランの減少した塔底留分を生成するためのシラン回収蒸留塔と、を含むことを特徴とするシステム。 - 前記軽質末端蒸留塔で生成された前記シランの減少した塔頂留分を、前記コンデンサーまで搬送するための搬送装置と、
前記軽質末端蒸留塔で生成された前記シランの増加した塔底留分を、前記重質末端蒸留塔に搬送するための搬送装置と、
前記重質末端蒸留塔で生成された前記シランの減少した塔底留分を、前記シラン回収蒸留塔に搬送するための搬送装置と、を含むことを特徴とする請求項66に記載のシステム。 - ガス流と凝縮されたシランを含む液体流とを生成するための気液セパレーターと、
前記コンデンサーで生成された前記シランを凝縮させた塔頂留分を、前記気液セパレーターに搬送するための搬送装置と、を含むことを特徴とする請求項66又は67に記載のシステム。
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