JP2013541538A - 再生不良性貧血と関連しているモエシン断片 - Google Patents

再生不良性貧血と関連しているモエシン断片 Download PDF

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Abstract

本願は、後天性再生不良性貧血を検出およびモニタリングするのに有用な組成物および方法を提供する。

Description

本願は、概して、自己免疫疾患に関する分子生物学および医薬の研究の分野に関する。より具体的には、本願は、再生不良性貧血と関連している特異的自己抗体の独特の存在に基づく方法および組成物に関する。
自己免疫疾患は、自身の物質および組織に対する免疫系の異常な応答に起因する疾患である。80を超える種々の種類の自己免疫疾患があり、まとめると、慢性疾患の2番目の原因になっており、64歳までのすべての年齢層の女性において上位10の死因のうちの1つである。
自己免疫疾患の機序を理解し、それに対する効果的な診断および治療を見出すために、かなりの医学研究努力が費やされてきた。今では、多数の自己免疫疾患が、自己抗体の存在および望ましくない活性によって特徴付けられている。これらの自己抗体は、正常な、健康な自己抗原を認識し、それらに結合することも多く、それによって、関連組織および臓器の重大な損傷および不全を引き起こす。
再生不良性貧血(AA)としても知られる後天性再生不良性貧血は、稀であるが、骨髄による血液細胞の産生の減少または消滅を特徴とする致命的な血液疾患である。骨髄が血液細胞を補充できないことは、造血細胞−普通、3種類の血液細胞−赤血球、白血球および血小板すべてを生成する多能性幹細胞の破壊に起因すると考えられている。結果として、AAの患者は、早期の診断に失敗した場合には重篤な症状を発症し、未治療のまま放置した場合には命に関わる場合もある。貧血、赤血球数の減少は、ヘモグロビン欠乏症および低酸素症(酸素の不足)につながり;白血球減少症、白血球数の減少は、個体を感染に対してより感受性にし;血小板減少症、血小板数の減少は、血液を容易に凝固しないようにし、出血、挫傷および全身の脱力感のリスクの増大につながる。
再生不良性貧血は、遺伝的欠損、毒性化学物質に対する曝露、化学療法およびその他の薬物、放射線照射、ウイルスおよびさらには妊娠など、多数の内因性因子および環境因子によって引き起こされ得る。外部因子によって引き起こされるもの、すなわち、後天性再生不良性貧血がより一般的である。AAの1つの重要な病態生理学的機序は、身体の免疫系が、骨髄中の造血細胞を攻撃し、破壊するよう誤って誘発される自己免疫応答と関連していると考えられている。Youngら、Blood、108:2509〜19頁(2006年)。近年、免疫抑制は、幹細胞移植とともに主なAA治療の1つとなった。
多数の自己免疫抗原が、自己免疫疾患の患者から得た血清を用いるイムノアッセイによって同定されている。このような標的抗原の1種として、関節リウマチ(RA)の患者において自己抗体に対して反応性であるとわかっているモエシン−膜組織化伸張スパイクタンパク質(membrane−organizing extension spike protein)がある。Wagatsumaら、Mol.Immuol.、33:1171〜6頁(1996年)。モエシンは最初、ウシ子宮において同定され、ヘパリンの可能性ある受容体として特性決定された。Lankesら、Biochem J.251:831〜42頁(1988年)。さらなる研究によって、モエシンは、エズリン−ラディキシン−モエシン(ERM)タンパク質ファミリーのメンバーとして特性決定された。これらは、主に細胞質において発現され、アクチンリッチな細胞表面構造において濃縮されるタンパク質である。それらは、細胞膜とアクチン細胞骨格間の構造的リンカーとして作用し、微絨毛の形成、細胞間接着、細胞形状の維持、細胞移動度および膜輸送において役割を果たす。その後の研究によって、それらが、生理的および病的シグナル伝達にも関与していることが示された。Louvet−Vallee、Biol.Cell92:305〜16頁(2000年)。
ERMタンパク質の配列および構造解析によって、それらが高度の種間および分子間相同性を共有することが示された。ERMタンパク質は、3つのドメイン:バンド4.1タンパク質とのその相同性のためにFERMドメイン(バンド4.1、エズリン、ラディキシン、モエシン(band four−point−one, ezrin, radixin, moesin)相同性ドメイン)と呼ばれるN末端ドメインと、中央のヘリックスドメインと、C末端のテールドメインとを有する。C末端テールドメインが、F−アクチンと結合する一方で、C末端テールドメインは、細胞膜において接着分子との結合に関与している。Louvet−Vallee(2000年)。
Wagatsumaら(1996年)は、RA患者における抗ERM自己抗体の検出を報告した。試験された71人の患者の血清のうち、24サンプル(33.8%)が、組換えERM抗原のうち少なくとも1種と反応し、10サンプル(14%)が、組換えモエシンだけと反応した。しかし、その研究は、抗ERM抗体の存在と、疾患の期間またはステージなどの臨床症状の間に有意な相関を見出さなかった。さらに、原発性シェーグレン症候群(PSS)および全身性紅斑性狼瘡(SLE)などのその他の自己免疫疾患の患者から得た血清は、3種のERMタンパク質との反応性を全く示さなかった。
Shcherbinaらは、血液細胞中のERMタンパク質の発現パターンおよび機能特性を研究した。Shcherbinaら、FEBS Letters 443:31〜6頁(1999年)。モエシンが、種々の種類の血液細胞において発現される主要なERMタンパク質であるとわかった。プロテアーゼカルパインを使用する切断実験によって、モエシンが、無傷の刺激されたリンパ球におけるカルパイン処理に対して耐性であるが、一方で、エズリンは、カルパインに対して感受性であることが示された。カルパインに対するこのような異なった感受性は、血液細胞中のこれらのERMタンパク質の異なる、特殊化した機能を暗示する。血小板では、モエシンは、検出される唯一のERMタンパク質であり、その発現は、血小板の活性に従って変わる。循環状態では、モエシンは、滑面血小板の周囲に発現されることがわかっている。血小板が活性化されると、モエシンは、新規に形成された微絨毛(micorvilli)で発現されるとわかっており、これは、血小板機能のモジュレーションにおけるその積極的役割を示唆する。
Takamatsuらは、後天性再生不良性貧血(AA)の患者の血清におけるモエシンに対する特異的抗体の検出を報告した。Takamatsuら、Blood 109:2514〜20頁(2007年)。ELISAを使用して、67人中25人(37%)のAA患者において、高力価の抗モエシン抗体が示された。さらなるin vitro研究によって、AA患者から得た抗モエシン抗体が、TNF−αおよびIFN−γなどの炎症性サイトカインを誘導することが示され、このことは、疾患の病態生理におけるその役割を示唆した。Espinozaら、Intl.Immu.21:913〜23頁(2009年);Takamatsuら、J.Immunol.182:703頁(2009年)。
自己免疫疾患の臨床的対応における課題の1つは、患者における疾患の正確な、早期の同定である。AAのすべての患者が免疫媒介性ではないので、非免疫媒介性AAと免疫媒介性AAを区別するための信頼できるマーカーを同定することは重要である。このような区別のための手段は、免疫抑制療法を用いて標的とされるAA患者を選択的に治療することにとって有用である。さらに、抗体力価を測定することによって、疾患のステージおよび治療の進行の有効なモニタリングが提供される。本明細書に記載された本願は、これらのツールおよびその他の利益を提供する。
本願は、少なくとも幾分かは特定のモエシン機能的ドメインからのモエシン断片の作製に基づいて、AAを診断およびモニタリングするための組成物および方法ならびにその存在およびレベルがAAの患者における疾患の種類およびステージと相関する、特異的な抗モエシン自己抗体を検出するためのその使用を提供する。
一態様では、本願は、抗モエシン自己抗体と結合できるモエシン断片を含む組成物であって、モエシン断片が、ヒトモエシンタンパク質のC末端テールドメインの少なくとも10個の連続したアミノ酸残基を含む。
ある特定の実施形態では、本願のモエシン断片は、ヒトモエシンタンパク質のC末端テールドメインの少なくとも10、20、30、40、50、60、70、80、90または100個の連続したアミノ酸残基を含む。ある特定の実施形態では、モエシン断片は、ヒトモエシンタンパク質のC末端テールドメインの少なくとも9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29または30個の連続したアミノ酸残基を含む。
ある特定の実施形態では、C末端テールドメインは、ヒトモエシンタンパク質のアミノ酸残基471〜577からなる。ある特定の実施形態では、本願のモエシン断片は、ヒトモエシンタンパク質のアミノ酸残基471〜574、471〜576、471〜575、471〜577、472〜574、472〜575、472〜576、472〜577、473〜574、473〜575、473〜576、473〜577、474〜574、474〜575、474〜576、474〜577、471〜487、488〜501または502〜577の間の領域に由来する少なくとも10個の連続したアミノ酸残基を含む。一実施形態では、モエシン断片は、ヒトモエシンタンパク質の全C末端テールドメインを含む。
ある特定の実施形態では、本願のモエシン断片は、ヒトモエシンタンパク質のC末端テールドメインまたはその断片と、少なくとも70%、75%、80%、85%、90%、95%、96%、97%、98%または99%のアミノ酸配列同一性を共有する。ある特定の実施形態では、モエシン断片は、ヒトモエシンタンパク質のアミノ酸残基471〜487、488〜501、502〜577および471〜577からなる群から選択されるアミノ酸配列のうち1種と、少なくとも70%、75%、80%、85%、90%、95%、96%、97%、98%または99%のアミノ酸配列同一性を共有する。
ある特定の実施形態では、本願のモエシン断片は、本質的に、ヒトモエシンタンパク質のC末端テールドメインまたはその断片からなる。ある特定の実施形態では、本願のモエシン断片は、本質的に、ヒトモエシンタンパク質のアミノ酸残基471〜487、488〜501、502〜577および471〜577からなる。ある特定の実施形態では、本願のモエシン断片は、ヒトモエシンタンパク質のヘリックスドメインおよびN末端FERMドメインの実質的な部分を全く含有しない。用語「実質的な部分」とは、全関連ドメイン(ヘリックスドメインまたはN末端FERMドメインまたはC末端テールドメイン)と結合できる抗体との特異的結合について、関連ドメイン(ヘリックスドメインまたはN末端FERMドメインまたはC末端テールドメイン)と競合できる、関連ドメイン(ヘリックスドメインまたはN末端FERMドメインまたはC末端テールドメイン)の一部を指す。ある特定の実施形態では、本願のモエシン断片は、ヒトモエシンタンパク質のN末端FERMドメインの実質的な部分を全く含有しない。ある特定の実施形態では、本願のモエシン断片は、ヒトモエシンタンパク質のヘリックスドメインの実質的な部分を全く含有しない。
ある特定の実施形態では、本願のモエシン断片は、担体ポリペプチドをさらに含む。用語「担体ポリペプチド」とは、本願のペプチドのモエシン断片にコンジュゲートされ得る任意のペプチドまたはポリペプチドを指す。担体ポリペプチドは、例えば、本願のペプチドの安定性、溶解度、特異的もしくは非特異的結合親和性および/または機能を促進するために、本願のペプチドにとって有益であり得る。しかし、本願のペプチドに任意の利益を、または生体機能でさえも付与するのに、担体ポリペプチドは必要ではない。よく使用される担体ポリペプチドとして、ヒト血清アルブミン、ウシ血清アルブミン、抗体定常領域などの抗体断片が挙げられる。
一態様では、本願は、対象から得たサンプルにおける抗モエシン自己抗体の検出のための診断用組成物の製造における、モエシン断片またはその抗体の使用を提供する。サンプルは、例えば、物理的、生化学的、化学的および/または生理学的特徴に基づいて特性決定および/または同定されるべき細胞実体および/またはその他の分子実体を含有する注目する対象から得たかまたはそれに由来する任意の生体組成物であり得る。ある特定の実施形態では、サンプルは、対象から得られた全血、血清または血漿を含む血液サンプルである。対象は、ヒトまたは動物対象であり得る。ある特定の態様では、ヒト対象は、AAを有するか、または有すると疑われている。検出は、in vitroで実施しても、in vivoで実施しても、ex vivoで実施してもよい。
一態様では、本願によって診断されるべきAAは、異常なTリンパ球活性と関連している。ある特定の実施形態では、疾患関連Tリンパ球は、異常な増殖を起こす。ある特定の実施形態では、本願によって診断されるべきAAは、異常なT細胞によって放出されたサイトカイン、例えば、INF−γおよびTNF−βと関連している。
一態様では、自己抗体は、血漿または血清を含めたさまざまな組織およびサンプルをアッセイするためのウエスタンブロッティングおよびELISA手順によってなど、いくつかの方法で検出され得る。このようなアッセイ形式を使用する広範なイムノアッセイ技術が利用可能である。これらは、非競合タイプの、ならびに伝統的な競合結合アッセイにおける単一部位および2つの部位のまたは「サンドイッチ」アッセイの両方を含む。これらのアッセイはまた、標識された抗原の標的自己抗体との直接結合を含む。
一態様では、本願は、サンプル中の抗モエシン自己抗体を検出するためのキットであって、a)ヒトモエシンタンパク質のC末端テールドメインの少なくとも10個の連続したアミノ酸残基を含むモエシン断片と、b)抗モエシン自己抗体と結合できる検出抗体と、c)固相とを含む、キットを提供する。ある特定の実施形態では、モエシン断片は、固相に結合されている。ある特定の実施形態では、検出抗体は、化学的に標識される。
別の態様では、検出剤として二次抗体を使用せずに、自己抗体を検出できる。抗原−抗体結合を直接検出するための多数の公知の技術が利用可能であり、本願を実施するために使用できる。抗体の存在を、検出してもよい。
一態様では、本願は、上記のモエシン断片と結合できる抗モエシン抗体を提供する。このような抗体は、対象において特異的モエシン断片との結合についてモエシン自己抗体と競合できる。このような抗体は、競合結合アッセイにおいて使用でき、ここで、結合シグナルの低減は、対応する自己抗体の存在および力価を示し得る。
一態様では、本願は、サンプル中の抗モエシン自己抗体を検出する方法であって、a)ヒトモエシンタンパク質のC末端テールドメインの少なくとも10個の連続したアミノ酸残基を含むモエシン断片を提供するステップと、b)前記モエシン断片を、前記サンプルと反応させるステップであり、ここで、前記モエシン断片が、前記抗モエシン自己抗体と結合するステップと、c)モエシン断片と結合している抗モエシン自己抗体を検出するステップとを含む、方法を提供する。
一態様では、本願は、対象においてAAを診断する方法であって、以下のステップ:a)ヒトモエシンタンパク質のC末端テールドメインの少なくとも10個の連続したアミノ酸残基を含むモエシン断片を提供するステップと、b)in vitroで前記モエシン断片を、前記対象から得られたサンプルと反応させるステップであり、ここで、前記モエシン断片が、前記抗モエシン自己抗体と結合するステップと、c)抗モエシン自己抗体が、前記サンプル中に、正常参照サンプル中の前記抗モエシン自己抗体のレベルよりも高いレベルで存在するかどうかを決定し、それによって、対象がAAを有することを示すステップとを含む、方法を提供する。抗モエシン自己抗体の異なるレベルは、対象におけるAAの異なるステージおよび重症度の程度と相関させることができる。
一態様では、本願は、AAを有する患者の病的状態を決定する方法であって、以下のステップ:a)ヒトモエシンタンパク質のC末端テールドメイの少なくとも10個のアミノ酸残基を含むモエシン断片を提供するステップと、b)in vitroで前記モエシン断片を、前記対象から得られたサンプルと反応させるステップであり、ここで、前記モエシン断片が、前記抗モエシン自己抗体と結合するステップと、c)抗モエシン自己抗体の力価を測定するステップと、d)抗モエシン自己抗体の力価をAAの病的状態と相関させる参照データベースに対する、ステップc)から得た力価の比較に従って、患者の病的状態を決定するステップとを含む、方法を提供する。
一態様では、本願は、AA療法を受けている対象において治療の進行をモニタリングする方法であって、以下のステップ:a)ヒトモエシンタンパク質のC末端テールドメインの少なくとも10個のアミノ酸残基を含むモエシン断片を提供するステップと、b)in vitroで前記モエシン断片を、前記対象から得られたサンプルと反応させるステップであり、ここで、前記モエシン断片が、前記抗モエシン自己抗体と結合するステップと、c)抗モエシン自己抗体の力価を測定するステップと、d)ステップc)から得た力価を、療法前の同一対象から得られた抗モエシン自己抗体の力価と比較するステップであり、ここで、力価の低下が、治療に対する対象の陽性応答を示すステップとを含む、方法を提供する。
全長ヒトモエシンタンパク質のアミノ酸配列を示す図である(配列番号1、本明細書ではモエシン−5とも呼ばれる)。 モエシン断片:モエシン−1(配列番号2)、モエシン−2(配列番号3)、モエシン−3(配列番号4)、およびモエシン−4(配列番号5)のアミノ酸配列を示す図である。 全長ヒトモエシンタンパク質をコードするcDNA配列を示す図である(配列番号6)。 pET32a(+)発現ベクターのクローニングマップを示す図である。 pET28a(+)発現ベクターのクローニングマップを示す図である。
本願の実施では、別段に示されない限り、当技術分野の技術の範囲内である、分子生物学(組換え技術を含む)、微生物学、細胞生物学、生化学および免疫学の従来技術を使用する。このような技術は、「Molecular Cloning:A Laboratory Manual」、第2版(Sambrookら、1989年);「Oligonucleotide Synthesis」(M.J.Gait編、1984年);「Animal Cell Culture」(R.I.Freshney編、1987年);「Methods in Enzymology」シリーズ(Academic Press,Inc.);「Current Protocols in Molecular Biology」(F.M.Ausubelら編、1987年および定期的更新);「PCR:The Polymerase Chain Reaction」(Mullisら編、1994年)などの文献において十分に説明されている。本願において使用されるプライマー、ポリヌクレオチドおよびポリペプチドは、当技術分野で公知の標準技術を使用して作製できる。
別段の定義のない限り、本明細書において使用される技術用語および科学用語は、本発明が属する技術分野において当業者によって一般に理解されるものと同一の意味を有する。Singletonら、Dictionary of Microbiology and Molecular Biology第2版、J.Wiley & Sons(New York、N.Y.1994年)およびMarch、Advanced Organic Chemistry Reactions,Mechanisms and Structure第4版、John Wiley & Sons(New York、N.Y.1992年)は、当業者に、本願において使用される用語の多くの一般指針を提供する。
定義
用語「モエシン」は、LankesおよびFurthmayr(1991年)Proc.Natl.Acad.Sci.、88:8297〜8301頁に記載されるように、membrane−organizing extension spike proteinを表す。全長ヒトモエシンタンパク質は、図1に示されるアミノ酸配列(配列番号1)を有する577個のアミノ酸のポリペプチドである。ヒトモエシンタンパク質は、以下に詳細に定義される、3つのドメイン:N末端FERMドメイン、ヘリックスドメインおよびC末端テールドメインからなる。それは、ERM(エズリン−ラディキシン−モエシン)ファミリーに属する。3種のERMタンパク質は、細胞膜のすぐ下の細胞質において主に発現され、高度の配列相同性を共有し、細胞膜とアクチン細胞骨格間を連結するタンパク質として作用する。さらに、ヒトモエシンタンパク質は、マウスおよびウシモエシンなどのその他の種に由来するモエシンと高度の配列相同性を共有する。Satoら(1992年)J.Cell Sci.103:131〜143頁。
用語「モエシン断片」とは、全長野生型モエシンタンパク質よりも短いモエシンポリペプチドの一部を指す。特に、この用語は、モエシンの特別なドメイン(以下にさらに定義される、C末端テールドメイン、ヘリックスドメインまたはC末端テールドメイン)内のアミノ酸配列を有する、10個のアミノ酸またはそれ以上のポリペプチドを包含する。ドメイン特異的抗モエシン自己抗体と結合できるこのようなモエシン断片は、本願において有用である。モエシン断片の「断片」とは、抗モエシン自己抗体と結合する能力を保持する、このようなモエシン断片よりも短いモエシン断片の一部を意味する。
ヒトモエシンタンパク質の「N末端FERMドメイン」とは、タンパク質のアミノ末端に構造的に近接し、タンパク質の細胞膜への局在化および接着分子との相互作用に機能的に関与する野生型ヒトモエシンタンパク質の球状部分を指す。FERMドメインは、バンド4.1タンパク質とのその相同性のために、band our−point−one,zrin,adixin,oesin相同性ドメインを表し、バンド4.1スーパーファミリーのメンバーを定義し、これは、赤血球バンド4.1、タリンおよびエズリン−ラディキシン−モエシン(ERM)タンパク質ファミリーなどの細胞骨格タンパク質ならびにいくつかのチロシンキナーゼおよびホスファターゼおよび腫瘍抑制タンパク質マーリンを含む。具体的には、この用語は、成熟型のヒトモエシンタンパク質の最初の約297個のアミノ酸残基(例えば、アミノ酸残基1〜297(配列番号2))を指す。ある特定の文献では、同じドメインが、N−ERM関連ドメイン(N−ERMAD)としても知られており、これは本明細書における定義に含まれる。Bretscherら(1995年)Biochem.34、16830〜7頁。
ヒトモエシンタンパク質の「C末端テールドメイン」とは、タンパク質のカルボキシ末端に構造的に近接し、アクチンフィラメントとの結合およびそれとの相互作用に機能的に関与している野生型ヒトモエシンタンパク質の一部を指す。モエシンのテールドメインは、正に帯電しており、伸びた、メアンダー(meandering)構造をとる。具体的には、この用語は、ヒトモエシンタンパク質の最後の約107個のアミノ酸残基(例えば、アミノ酸残基471〜577(配列番号5))を指す。ある特定の文献では、同じドメインが、C−ERM関連ドメイン(C−ERMAD)としても知られており、これは本明細書における定義に含まれる。Bretscherら(1995年)。C末端テールドメインの最後の34個のアミノ酸残基は、ERMタンパク質の中で高度に保存されており、F−アクチンとの結合のための領域を形成する。F−アクチン結合領域内には、タンパク質の活性化の間にリン酸化されるトレオニン残基が存在する(野生型ヒトモエシン中のThr558)。
ヒトモエシンタンパク質の「ヘリックスドメイン」とは、N末端FERMドメインとC末端テールドメインの間に存在する野生型ヒトモエシンの中央部分を指す。伸びたαヘリックス構造をとり、2つの末端ドメインの間のリンカーとして作用する。具体的には、この用語は、ヒトモエシンタンパク質のおよそアミノ酸残基298〜470(配列番号4)を包含する領域を指す。
用語「抗モエシン自己抗体」とは、このような個体自身のモエシンタンパク質またはその断片を認識し、それらに結合する個体の免疫系によって産生される抗モエシン抗体を指す。抗モエシン自己抗体の存在は、AAと関連していることがあり、身体におけるこのような抗モエシン自己抗体の力価は、AAの病的状態と相関し得る。
用語「診断」は、本明細書において、分子状態もしくは病的状態、疾患または状態の同定、例えば、自己免疫疾患の同定を指すか、または特定の治療レジメンから利益を受け得る自己免疫疾患の患者の同定を指すよう使用される。一実施形態では、診断とは、特定の種類のAAの同定を指す。さらに別の実施形態では、診断とは、対象における抗モエシン自己抗体の、正常よりも高い存在と関連しているAAの同定を指す。
用語「予後」は、本明細書において、例えば、疾患の再発、再燃および薬物抵抗性を含めた疾患症状の結果の見込みの予測を指すよう使用される。この用語はまた、療法から得る臨床上の利益の見込みの予測も指す。
用語「予測」は、本明細書において、患者が、薬物または薬物セットまたは特定の療法経過に対して有利にまたは不利にのいずれかで応答する見込みを指すよう使用される。一実施形態では、予測は、それらの応答の程度に関する。一実施形態では、予測は、治療、例えば、特定の治療薬を用いる治療後に、疾患の再発を伴わずにある特定の期間、患者が生存するか、または改善するかどうか、および/またはその確率に関する。本願の予測方法を臨床的に使用して、任意の特定の患者にとって、最も適当な治療様式を選択することによって治療の決定を行うことができる。本願の予測方法は、患者が、例えば、所与の治療薬または組合せの投与、外科的介入、ステロイド治療などを含めた所与の治療レジメンなどの治療レジメンに対して有利に応答する可能性が高いかどうか、または治療レジメン後に患者の長期の生存の可能性が高いかどうかの予測において価値あるツールである。
本明細書において、「サンプル」または「試験サンプル」とは、例えば、物理的、生化学的、化学的および/または生理学的特徴に基づいて、特性決定および/または同定されるべき細胞実体および/またはその他の分子実体を含有する注目する対象から得られたか、またはそれに由来する組成物を指す。一実施形態では、この定義は、血液および生体起源のその他の液体サンプルおよび生検検体などの組織サンプルまたは組織培養物またはそれに由来する細胞または細胞培養物を包含する。組織サンプルの供給源は、新鮮な、凍結された、および/または保存された臓器または組織サンプルまたは生検または吸引物から得たような固体組織;血液または血漿もしくは血清などの任意の血液成分;体液;および対象の妊娠または発達における任意の時点から得た細胞または血漿であり得る。別の実施形態では、サンプルは、対象から得られた全血、血清または血漿である。対象は、ヒトまたは動物対象であり得る。別の実施形態では、対象は、AAを有するか、または有すると疑われている。別の実施形態では、この定義は、試薬での処理、可溶化またはタンパク質もしくはポリヌクレオチドなどのある特定の成分の濃縮などによって、その獲得後に任意の方法で操作された生体サンプルを含む。
一実施形態では、サンプルを、任意の治療の前に対象または患者から得る。別の実施形態では、試験サンプルを、AA療法などの治療の間または治療後に得る。一実施形態では、試験サンプルは、臨床サンプルである。別の実施形態では、試験サンプルを、診断アッセイにおいて使用する。別の実施形態では、サンプルを、本願の方法で試験する前に、その他の公知の臨床技術(例えば、血液試験方法)を用いて事前に試験する。ある特定の実施形態では、サンプルを、全血球数、肝臓酵素、腎機能、ビタミンB12レベル、葉酸レベル、赤血球沈降速度、末梢血スメア、骨髄生検などのために事前に試験する。
本明細書において使用される場合、「参照サンプル」とは、同定するために本願の方法または組成物が使用されている疾患または状態に苦しんでいないことが知られているか、そう考えられる供給源から得られたサンプルを指す。一実施形態では、参照サンプルは、疾患または状態が本願の組成物または方法を使用して同定されている同一対象または患者の身体の健康な部分から得る。一実施形態では、参照サンプルは、疾患または状態が本願の組成物または方法を使用して同定されている対象または患者ではない個体の身体の健康な部分から得る。一実施形態では、参照サンプルは、正常な血小板数を有する健康な個体から得たサンプルである。
本明細書において使用される場合、「疾患参照サンプル」とは、同定するために本願の方法または組成物が使用されている疾患または状態に苦しんでいると臨床的に同定された供給源に由来するサンプルを指す。一実施形態では、疾患参照サンプルは、AAと臨床的に診断された対象または患者から得られたサンプルである。一実施形態では、AAと臨床的に診断された対象または患者は、AAの治療下にある。
本明細書において使用される場合、「参照データベース」とは、1種または複数の参照サンプルまたは疾患参照サンプルから得たデータ、標準またはレベルの収集物を指す。一実施形態では、データ、標準またはレベルのこのような収集物を、それらを、1種または複数のサンプルから得たデータと比較する目的で使用できるよう正規化する。「正規化する」または「正規化」は、測定生データを、その他のそのように正規化されたデータと直接比較できるデータに変換するプロセスである。正規化は、アッセイ毎に変わり得る因子によって引き起こされるアッセイ特異的エラー、例えば、負荷される量、結合効率、検出感度の変動およびその他の種々のエラーを克服するために使用される。一実施形態では、参照データベースは、1種または複数の参照サンプルまたは疾患参照サンプルから得た、抗モエシン自己抗体の力価、血小板数、血液細胞数および/またはその他の実験室および臨床データを含む。一実施形態では、参照データベースは、参照サンプルまたは疾患参照サンプルと同一条件下で試験される、対照サンプルの抗モエシン自己抗体のレベル(例えば、既知量の抗モエシン自己抗体)のパーセントとして各々正規化される抗モエシン自己抗体のレベルを含む。抗モエシン自己抗体のこのような正規化されたレベルと比較するために、試験サンプルの抗モエシン自己抗体のレベルもまた、測定され、試験サンプルと同一条件下で試験された対照サンプルの抗モエシン自己抗体のレベルのパーセントとして算出される。一実施形態では、参照データベースは、健康な対象および/または疾患もしくは状態が本願の組成物もしくは方法を使用して同定されている同一対象または患者の身体の非疾患部分から得た参照サンプルデータをコンパイルすることによって確立される。一実施形態では、参照データベースは、AAの治療下にある個体から得た疾患参照サンプルから得たデータをコンパイルすることによって確立される。一実施形態では、参照データベースは、例えば、種々のレベルの血小板数およびその他の臨床指標によって証明されるようなAAの種々のステージの個体から得た疾患参照サンプルから得たデータをコンパイルすることによって確立される。
ある特定の実施形態では、用語「増大する」とは、参照サンプルと比較して、本明細書に記載されたものなどの標準的な技術分野で公知の方法によって検出される、自己抗体のレベルの5%、10%、15%、20%、25%、30%、40%、50%、60%、70%、80%、85%、90%、95%、96%、97%、98%、99%またはそれ以上の全体的な増大を指す。ある特定の実施形態では、用語増大は、サンプル中の自己抗体のレベルの増大を指し、ここで、増大は、参照サンプル中の自己抗体のレベルの少なくとも約1.25×、1.5×、1.75×、2×、3×、4×、5×、6×、7×、8×、9×、10×、25×、50×、75×または100×である。
ある特定の実施形態では、本明細書において、用語「低減する」とは、参照サンプルと比較して、本明細書に記載されたものなどの標準的な技術分野で公知の方法によって検出される、自己抗体のレベルの5%、10%、15%、20%、25%、30%、35%、40%、45%、50%、55%、60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%、95%、96%、97%、98%、99%またはそれ以上の全体的な低減を指す。ある特定の実施形態では、用語低減は、サンプル中の自己抗体のレベルの低減を指し、ここで、低減は、参照サンプル中の自己抗体のレベルの少なくとも約0.9×、0.8×、0.7×、0.6×、0.5×、0.4×、0.3×、0.2×、0.1×、0.05×または0.01×である。
用語「検出抗体」とは、検出手段によって増幅された標識を介して直接的にか、または例えば、標識されている別の抗体を介して間接的にのいずれかで検出され得る抗体を指す。直接標識のためには、抗体は、通常、何らかの手段によって検出可能である部分にコンジュゲートされる。一実施形態では、検出可能な抗体は、ビオチン化抗体である。
用語「検出手段」とは、本明細書においてELISAにおいて検出可能な抗体の存在を検出するために使用される部分または技術を指し、マイクロタイタープレート上に捕獲された標識などの固定された標識を増幅する検出剤を含む。一実施形態では、検出手段は、アビジンまたはストレプトアビジン−HRPなどの比色検出剤である。別の実施形態では、検出手段は、H22/TMB呈色システムである。
用語「捕獲試薬」とは、適した条件下で、捕獲試薬−標的分子複合体を、サンプルの残部から分離できるような、サンプル中の標的分子と結合し、捕獲できる試薬を指す。通常、捕獲試薬は、固定されるか、または固定可能である。サンドイッチイムノアッセイでは、捕獲試薬は、標的抗原に対する抗体または種々の抗体の混合物であることが好ましい。
「相関させる(correlate)」または「相関させる(correlating)」とは、第1の分析またはプロトコールの性能および/または結果を、第2の分析またはプロトコールの性能および/または結果と任意の方法で比較することを意味する。例えば、第2のプロトコールの実施において第1の分析またはプロトコールの結果を使用してもよく、かつ/または、第1の分析またはプロトコールの結果を使用して、第2の分析またはプロトコールが実施されるべきかどうかを決定してもよい。自己抗体検出の実施形態に関しては、検出分析またはプロトコールの結果を使用して、特定の治療レジメンが実施されるべきかどうかを決定してもよい。
単語「標識」とは、本明細書において使用される場合、核酸プローブまたは抗体などの試薬に直接的または間接的にコンジュゲートまたは融合されており、それがコンジュゲートまたは融合されている試薬の検出を容易にする化合物または組成物を指す。標識は、それ自体が検出可能である場合もあり(例えば、放射性同位元素標識または蛍光標識)、または、酵素標識の場合には、検出可能である基質化合物または組成物の化学的変化を触媒し得る。
「単離」ポリペプチドは、同定され、その天然の環境の混入成分から分離および/または回収されたものである。その天然の環境の混入成分は、ポリペプチドの診断的または治療的使用に干渉するであろう材料であり、酵素、ホルモンおよびその他のタンパク質性または非タンパク質性溶質を含み得る。ある特定の実施形態では、ポリペプチドは、(1)ローリー法によって決定される、95重量%超のポリペプチドに、または99重量%超に、(2)スピニングカップシークエネーターの使用によってN末端または内部アミノ酸配列の少なくとも15個の残基を得るのに十分な程度に、または(3)クーマシーブルーまたは銀染色を使用する還元または非還元条件下でのSDS−PAGEによって均一性に精製される。単離ポリペプチドは、組換え細胞内の原位置にポリペプチドを含むが、これは、ポリペプチドの天然環境の少なくとも1種の混入成分が存在しないからである。しかし、通常、単離ポリペプチドは、少なくとも1つの精製ステップによって調製される。
本願のモエシンドメインまたは断片に関して、「アミノ酸配列同一性パーセント(%)」とは、配列をアラインし、必要に応じて、最大の配列同一性パーセントを達成するようギャップを導入した後に、保存的アミノ酸置換はいずれも配列同一性の一部として考慮せずに、モエシンドメインまたは断片中のアミノ酸残基と同一である、注目する配列中のアミノ酸残基のパーセンテージとして定義される。アミノ酸配列同一性パーセントを決定することを目的としたアラインメントは、例えば、BLAST、BLAST−2、ALIGNまたはMegalign(DNASTAR)ソフトウェアなどの公的に入手可能なコンピュータソフトウェアを使用して当技術分野の技術の範囲内の種々の方法で達成できる。例えば、Altschulら、Nucleic Acids Res.25:3389〜3402頁(1997年);Altschulら、Methods in Enzymology 266:460〜480頁(1996年)参照のこと。当業者ならば、比較されている配列の全長にわたって最大アラインメントを達成するために必要な任意のアルゴリズムを含め、アラインメントを測定するための適当なパラメータを決定できる。
用語「抗体」は、広い意味で使用され、具体的には、モノクローナル抗体(全長またはインタクトなモノクローナル抗体を含む)、ポリクローナル抗体、多価抗体、少なくとも2つのインタクトな抗体から形成される多重特異性抗体(例えば、二重特異性抗体)および所望の抗原結合活性を示す限り、抗体断片(下記参照)に及ぶ。
「治療」とは、治療的治療および予防的(prophylactic)または予防的(preventative)処置の両方を指す。治療を必要とするものとして、すでに障害を有するものならびに障害が予防されるべきものが挙げられる。
患者の応答性は、限定するものではないが、(1)減速および完全停止を含めた疾患進行の、ある程度までの阻害、(2)疾患のエピソードおよび/または症状の数の低減、(3)病変の大きさの低減、(4)隣接する末梢臓器および/または組織への疾患細胞浸潤の阻害(すなわち、低減、減速または完全停止)、(5)疾患拡大の阻害(すなわち、低減、減速または完全停止)、(6)障害と関連している1種または複数の症状の、ある程度までの軽減、(7)治療後に疾患がないことを提示する長さの増大、(8)疾患の病変の退縮または消失、例えば、無増悪生存期間をもたらすことがあるが、もたらさなければならないわけではない自己免疫応答の低減、(9)全生存期間の増大、(10)より高い応答率および/または(11)治療後の所与の時点での死亡率の低減を含めた患者への利益を示す任意のエンドポイントを使用して評価できる。
用語「利益」は、広い意味で使用され、任意の望ましい効果を指し、具体的には、臨床上の利益を含む。
本発明の典型的な方法および材料
本願は、抗モエシン自己抗体の存在および力価と関連しているAAを診断およびモニタリングするための組成物および方法を提供する。当業者に公知の従来方法を使用して、本願を実施できる。
ベクター、宿主細胞および組換え方法
本願のポリペプチドは、容易に入手可能である技術および材料を使用して組換えによって製造され得る。本願のポリペプチドの組換え製造のためには、それをコードする核酸を単離し、さらなるクローニング(DNAの増幅)のためまたは発現のために複製可能ベクターへ挿入する。本願のポリペプチドをコードするDNAは、従来手順を使用して容易に単離され、配列決定される。例えば、タンパク質をコードする遺伝子と特異的に結合できるオリゴヌクレオチドプローブを使用することによって、ヒトモエシンタンパク質をコードするDNAを単離し、配列決定する。多数のベクターが利用可能である。ベクター構成要素は、一般に、それだけには限らないが、以下:シグナル配列、複製起点、1種または複数の選択遺伝子、エンハンサーエレメント、プロモーターおよび転写終結配列のうち1種または複数を含む。
シグナル配列成分
本願のポリペプチドは、直接的だけでなく、通常、成熟タンパク質またはポリペプチドのN末端に特定の切断部位を有するシグナル配列またはその他のポリペプチドである異種ポリペプチドとの融合ポリペプチドとして組換えによって製造され得る。通常選択される異種シグナル配列は、宿主細胞によって認識され、プロセシングされる(すなわち、シグナルペプチダーゼによって切断される)ものである。原核生物の宿主細胞に対しては、シグナル配列は、例えば、アルカリホスファターゼ、ペニシリナーゼ、lppまたは熱安定性エンテロトキシンIIリーダーの群から選択される原核生物のシグナル配列であり得る。酵母分泌のためには、シグナル配列は、例えば、酵母インベルターゼリーダー、α因子リーダー(サッカロミセス(Saccharomyces)およびクルイベロマイセス(Kluyveromyces)α因子リーダーを含む)または酸性ホスファターゼリーダー、C.アルビカンス(albicans)グルコアミラーゼリーダーまたはWO90/13646に記載されたシグナルであり得る。哺乳類細胞発現では、哺乳類シグナル配列ならびにウイルス分泌リーダー、例えば、単純ヘルペスgDシグナルが利用可能である。
このような前駆体領域のDNAは、リーディングフレームで、本願のポリペプチドをコードするDNAにライゲーションされる。
複製起点成分
発現およびクローニングベクターの両方とも、ベクターが、1種または複数の選択された宿主細胞において複製するのを可能にする核酸配列を含有する。一般に、クローニングベクターでは、この配列は、ベクターが、宿主染色体DNAとは独立に複製するのを可能にするものであり、複製起点または自立複製配列を含む。このような配列は、種々の細菌、酵母およびウイルスについて周知である。プラスミドpBR322に由来する複製起点が、ほとんどのグラム陰性菌に適しており、2μプラスミド起点は、酵母に適しており、種々のウイルス起点(SV40、ポリオーマ、アデノウイルス、VSVまたはBPV)は、哺乳類細胞におけるクローニングベクターにとって有用である。一般に、複製起点成分は、哺乳類発現ベクターには必要ではない(SV40起点は、ただ初期プロモーターを含有するので、通常、使用され得る)。
選択遺伝子成分
発現およびクローニングベクターは、選択マーカーとも呼ばれる、選択遺伝子を含有し得る。典型的な選択遺伝子は、(a)抗生物質またはその他の毒素、例えば、アンピシリン、ネオマイシン、メトトレキサートまたはテトラサイクリンに対する耐性を付与するか、(b)栄養要求性欠乏を補完するか、または(c)複合培地から得られない重大な栄養素を供給するタンパク質をコードする、例えば、遺伝子は、バチルスのためのD−アラニンラセマーゼをコードする。
選択スキームの一例では、薬物を利用して宿主細胞の増殖を停止する。異種遺伝子で成功裏に形質転換された細胞は、薬物抵抗性を付与するタンパク質を産生し、したがって、選択レジメンを生き残る。このような優性選択の例では、薬物ネオマイシン、ミコフェノール酸およびハイグロマイシンを使用する。
哺乳類細胞のための適した選択マーカーの別の例として、DHFR、チミジンキナーゼ、メタロチオネイン−Iおよび−II、通常、霊長類メタロチオネイン遺伝子、アデノシンデアミナーゼ、オルニチンデカルボキシラーゼなどの核酸を取り込む能力のある細胞の同定を可能にするものがある。
例えば、メトトレキサート(Mtx)、DHFRの競合的拮抗薬を含有する培養培地において形質転換体のすべてを培養することによって、DHFR選択遺伝子で形質転換された細胞をまず同定する。野生型DHFRが使用される場合には、適当な宿主細胞として、DHFR活性が欠損したチャイニーズハムスター卵巣(CHO)細胞株がある。
あるいは、本願のポリペプチド、野生型DHFRタンパク質およびアミノグリコシド3’−ホスホトランスフェラーゼ(APH)などの別の選択マーカーをコードするDNA配列で形質転換または同時形質転換された宿主細胞(特に、内因性DHFRを含有する野生型宿主)は、アミノグリコシド系抗生物質、例えば、カナマイシン、ネオマイシンまたはG418などの選択マーカーの選択剤を含有する培地での細胞増殖によって選択され得る。米国特許第4,965,199号参照のこと。
酵母における使用に適した選択遺伝子として、酵母プラスミドYrp7中に存在するtrp1遺伝子がある(Stinchcombら、Nature、282:39(1979年))。trp1遺伝子は、トリプトファンにおいて増殖する能力を欠く酵母の突然変異体株、例えば、ATCC番号44076またはPEP4−1の選択マーカーを提供する。Jones、Genetics、85:12(1977)。酵母宿主細胞ゲノム中にtrp1損傷が存在すると、トリプトファンの不在下で増殖させることによって形質転換を検出するのに有効な環境を提供する。同様に、Leu2欠損酵母株(ATCC20,622または38,626)は、Leu2遺伝子を有する公知のプラスミドによって補完される。
プロモーター成分
発現およびクローニングベクターは、普通、宿主生物によって認識され、本願のポリペプチドをコードする核酸と作動可能に連結されているプロモーターを含有する。原核生物の宿主とともに使用するのに適したプロモーターとして、phoAプロモーター、β−ラクタマーゼおよびラクトースプロモーター系、アルカリホスファターゼ、トリプトファン(trp)プロモーター系およびtacプロモーターなどのハイブリッドプロモーターが挙げられる。しかし、その他の公知の細菌プロモーターは適している。細菌系において使用するためのプロモーターはまた、本願のポリペプチドをコードするDNAに作動可能に連結されたシャイン・ダルガーノ(S.D.)配列を含有する。
真核生物については、プロモーター配列は公知である。事実上すべての真核性遺伝子が、転写が開始される部位からおよそ25〜30塩基上流に位置するATリッチ領域を有する。多数の遺伝子の転写の開始から70〜80塩基上流に見られる別の配列として、CNCAAT領域(ここで、Nは任意のヌクレオチドであり得る)がある。ほとんどの真核性遺伝子の3’末端には、コード配列の3’末端へのポリAテールの付加のシグナルであり得るAATAAA配列がある。これらの配列のすべてが、真核細胞の発現ベクター中に適宜挿入されている。
酵母宿主とともに使用するための適したプロモーティング配列の例として、3−ホスホグリセリン酸キナーゼまたはその他の解糖酵素、例えば、エノラーゼ、グリセルアルデヒド−3−リン酸脱水素酵素、ヘキソキナーゼ、ピルビン酸デカルボキシラーゼ、ホスホフルクトキナーゼ、グルコース−6−リン酸イソメラーゼ、3−ホスホグリセリン酸ムターゼ、ピルビン酸キナーゼ、トリオースリン酸イソメラーゼ、ホスホグルコースイソメラーゼおよびグルコキナーゼのプロモーターが挙げられる。
増殖条件によって制御される転写という追加の利点を有する、誘導プロモーターであるその他の酵母プロモーターとして、アルコール脱水素酵素2、イソシトクロムC、酸性ホスファターゼ、窒素代謝と関連している分解性酵素、メタロチオネイン、グリセルアルデヒド−3−リン酸脱水素酵素ならびにマルトースおよびガラクトース利用に関与している酵素のプロモーター領域がある。酵母発現において使用するための適したベクターおよびプロモーターは、EP73,657にさらに記載されている。酵母エンハンサーもまた、酵母プロモーターとともに有利に使用される。
哺乳類宿主細胞においてベクターからの本願のポリペプチドの転写は、例えば、ポリオーマウイルス、鶏痘ウイルス、アデノウイルス(アデノウイルス2など)、ウシパピローマウイルス、トリ肉腫ウイルス、サイトメガロウイルス、レトロウイルス、B型肝炎ウイルスおよびシミアンウイルス40(SV40)などのウイルスのゲノムから得られたプロモーターによって、異種哺乳類プロモーター、例えば、アクチンプロモーターまたは免疫グロブリンプロモーターから、熱ショックプロモーターから、このようなプロモーターが、宿主細胞系と適合するという条件で制御される。
SV40ウイルスの初期および後期プロモーターは、SV40ウイルスの複製起点も含有するSV40制限断片として好都合に得られる。ヒトサイトメガロウイルスの前初期プロモーターは、HindIII E制限断片として好都合に得られる。ベクターとしてウシパピローマウイルスを使用して哺乳類宿主においてDNAを発現させる系が、米国特許第4,419,446号に開示されている。この系の改変は、米国特許第4,601,978号に記載されている。単純ヘルペスウイルス由来のチミジンキナーゼプロモーターの制御下での、マウス細胞におけるヒトβ−インターフェロンcDNAの発現に関しては、Reyesら、Nature 297:598〜601頁(1982年)も参照のこと。あるいは、ラウス肉腫ウイルスの長い末端反復配列を、プロモーターとして使用してもよい。
エンハンサーエレメント成分
高等真核生物による、本発明のポリペプチドをコードするDNAの転写は、ベクター中にエンハンサー配列を挿入することによって増大されることが多い。今では、哺乳類遺伝子(グロビン、エラスターゼ、アルブミン、α−フェトプロテインおよびインスリン)由来の多数のエンハンサー配列が、公知である。通常、真核細胞ウイルス由来のエンハンサーを使用する。例として、複製起点の後側にある(bp100〜270)SV40エンハンサー、サイトメガロウイルス初期プロモーターエンハンサー、複製起点の後側にあるポリオーマエンハンサーおよびアデノウイルスエンハンサーが挙げられる。真核細胞プロモーターの活性化のためのエンハンシングエレメントに関しては、Yaniv、Nature 297:17〜18頁(1982年)も参照のこと。エンハンサーは、ポリペプチドをコードする配列の5’または3’位置でベクター中にスプライシングされ得るが、通常、プロモーターから5’側に位置する。
転写終結成分
真核細胞の宿主細胞(酵母、真菌、昆虫、植物、動物、ヒトまたはその他の多細胞生物由来の有核細胞)において使用される発現ベクターはまた、転写の終結およびmRNAの安定化に必要な配列も含有する。このような配列は、真核生物またはウイルスのDNAまたはcDNAの5’および、場合により、3’非翻訳領域から一般に入手可能である。これらの領域は、本願のポリペプチドをコードするmRNAの非翻訳部分にポリアデニル化断片として転写されるヌクレオチドセグメントを含有する。1つの有用転写終結成分として、ウシ成長ホルモンポリアデニル化領域がある。WO94/11026およびそれに開示される発現ベクターを参照のこと。
宿主細胞の選択および形質転換
本明細書におけるベクターにおける本願のポリペプチドをコードするDNAのクローニングまたは発現に適した宿主細胞として、上記の原核生物、酵母または高等真核生物細胞がある。この目的に適した原核生物として、グラム陰性またはグラム陽性生物などの真正細菌、例えば、エシェリキア属(Escherichia)、例えば、大腸菌(E.coli)、エンテロバクター(Enterobacter)、エルウィニア(Erwinia)、クレブシエラ(Klebsiella)、プロテウス(Proteus)、サルモネラ属(Salmonella)、例えば、サルモネラ・チフィムリウム(Salmonella typhimurium)、セラチア属(Serratia)、例えば、セラチア・マルセセンス(Serratia marcescans)および赤痢菌属(Shigella)ならびにバチルス属(Bacilli)、例えば、枯草菌(B.subtilis)およびB.リケニフォルミス(B.licheniformis)(例えば、1989年4月12日に公開されたDD266,710に開示されたB.リケニフォルミス41P)など、シュードモナス属(Pseudomonas)、例えば、緑膿菌(P.aeruginosa)およびストレプトマイセス属(Streptomyces)などの腸内細菌科が挙げられる。一般に、大腸菌クローニング宿主として、大腸菌294(ATCC31,446)があるが、大腸菌B、大腸菌BL21(DE3)、大腸菌X1776(ATCC31,537)および大腸菌W3110(ATCC27,325)などのその他の株が適している。これらの例は、制限ではなく例示である。
原核生物に加えて、糸状菌または酵母などの真核生物微生物が、本願のポリペプチドをコードするベクターの適したクローニングまたは発現宿主である。サッカロミセス・セレビシエ(Saccharomyces cerevisiae)または一般的なパン酵母は、下等真核細胞宿主微生物の中で最もよく使用される。しかし、シゾサッカロミセス・ポンベ(Schizosaccharomyces pombe);クリベロマイセス属(Kluyveromyces)宿主、例えば、K.ラクチス(lactis)、K.フラギリス(fragilis)(ATCC12,424)、K.ブルガリクス(bulgaricus)(ATCC16,045)、K.ウィッケラミイ(wickeramii)(ATCC24,178)、K.ワルティイ(waltii)(ATCC56,500)、K.ドロソフィラルム(drosophilarum)(ATCC36,906)、K.サーモトレランス(thermotolerans)およびK.マルキシアヌス(marxianus)など;ヤロウィア属(yarrowia)(EP402,226);ピキア・パストリス(Pichia pastoris)(EP183,070);カンジダ属;トリコデルマ・リーシア(Trichoderma reesia)(EP244,234);アカパンカビ(Neurospora crassa);シュワニオミセス属(Schwanniomyces)、例えば、シュワニオミセス・オキシデンタリス(Schwanniomyces occidentalis);および糸状菌、例えば、アカパンカビ属(Neurospora)、アオカビ属(Penicillium)、トリポクラジウム属(Tolypocladium)およびアスペルギルス属(Aspergillus)宿主、例えば、A.ニデュランス(nidulans)およびA.ニガー(niger)などの、いくつかのその他の属、種および株が、一般に利用可能であり、本明細書において有用である。
本願のポリペプチドの発現に適した宿主細胞は、多細胞生物に由来する場合もある。無脊椎動物細胞の例として、植物および昆虫細胞が挙げられる。多数のバキュロウイルス株および変異体ならびにスポドプテラ・フルギペルダ(Spodoptera frugiperda)(イモムシ)、ネッタイシマカ(Aedes aegypti)(蚊)、ヒトスジシマカ(Aedes albopictus)(蚊)、キイロショウジョウバエ(Drosophila melanogaster)(ショウジョウバエ)およびカイコ(Bombyx mori)などの宿主に由来する対応する許容昆虫宿主細胞が同定されている。トランスフェクションのための種々のウイルス株が公的に入手可能である。例えば、オートグラファ・カリフォルニカ(Autographa californica)NPVのL−1変異体およびカイコNPVのBm−5株およびこのようなウイルスが、特に、スポドプテラ・フルギペルダ細胞のトランスフェクションのための、本願に従う本明細書におけるウイルスとして使用され得る。綿、トウモロコシ、ジャガイモ、ダイズ、ペチュニア、トマトおよびタバコの植物細胞培養物も、宿主として利用され得る。
しかし、脊椎動物細胞が最も注目されてきており、培養(組織培養)における脊椎動物細胞の増殖は、日常的な手順となった。有用な哺乳類宿主細胞株の例として、SV40によって形質転換されたサル腎臓CV1株(COS−7、ATCC CRL 1651);ヒト胎児由来腎臓株(293または懸濁培養における増殖のためにサブクローニングされた293細胞、Grahamら、J.Gen Virol.36:59(1977年));ベビーハムスター腎臓細胞(BHK、ATCC CCL 10);チャイニーズハムスター卵巣細胞/−DHFR(CHO、Urlaubら、Proc.Natl.Acad.Sci.USA 77:4216(1980年));マウスセルトリ細胞(TM4、Mather、Biol.Reprod.23:243〜251頁(1980年);サル腎臓細胞(CV1 ATCC CCL 70);アフリカミドリサル腎臓細胞(VERO−76、ATCC CRL−1587);ヒト子宮頸癌細胞(HELA、ATCC CCL 2);イヌ腎臓細胞(MDCK、ATCC CCL 34);バッファローラット肝臓細胞(BRL 3A、ATCC CRL 1442);ヒト肺細胞(W138、ATCC CCL 75);ヒト肝臓細胞(Hep G2、HB 8065);マウス乳房腫瘍(MMT 060562、ATCC CCL51);TRI細胞(Matherら、Annals N.Y.Acad.Sci.383:44〜68頁(1982年));MRC 5細胞;FS4細胞;およびヒト肝細胞腫株(Hep G2)が挙げられる。
本願のポリペプチドの製造のために、宿主細胞を、上記の発現またはクローニングベクターで形質転換し、プロモーターを誘導し、形質転換体を選択し、または所望の配列をコードする遺伝子を増幅するのに適当なように改変された従来の栄養培地中で培養する。
宿主細胞の培養
本願のポリペプチドを製造するために使用される宿主細胞は、種々の培地中で培養できる。宿主細胞の培養には、ハムF10(Sigma)、最小必須培地((MEM)、(Sigma)、RPMI−1640(Sigma)およびダルベッコ改変イーグル培地((DMEM)、Sigma)などの市販の培地が適している。さらに、Hamら、Meth.Enz.58:44(1979年)、Barnesら、Anal.Biochem.102:255(1980年)、米国特許第4,767,704号;同4,657,866号;同4,927,762号;同4,560,655号;または同5,122,469号;WO90/03430;WO87/00195;または米国再発行特許第30,985号に記載された培地のいずれも、宿主細胞のための培養培地として使用してもよい。これらの培地のいずれも、必要に応じて、ホルモンおよび/またはその他の増殖因子(インスリン、トランスフェリンまたは上皮成長因子など)、塩(塩化ナトリウム、カルシウム、マグネシウムおよびリン酸塩など)、バッファー(HEPESなど)、ヌクレオチド(アデノシンおよびチミジンなど)、抗生物質(GENTAMYCIN(商標)薬など)、微量元素(普通、マイクロモル範囲の終濃度で存在する無機化合物として定義される)およびグルコースまたは同等のエネルギー供給源で補給され得る。任意のその他の必要な栄養補助剤も、当業者に公知であろう適当な濃度で含まれ得る。温度、pHなどの培養条件は、発現のために選択された宿主細胞とともにこれまでに使用されたものであり、当業者には明らかであろう。
ペプチドの化学的合成
本願のペプチドはまた、化学的合成、例えば、J.A.C.S.85:2149〜2154頁(1963年)においてMerrifieldによって記載された固相合成法によって、または、Bodanszkyらによる「Peptide Synthesis」、第2版、John Wiley and Sons、1976年に記載された標準溶液合成法によっても製造され得る。これらの書籍は、参照により全文が本明細書に組み込まれる。
ペプチドの固相合成法の一般的な手順は、最初に、ペプチドの保護されたC末端アミノ酸を樹脂に付着させることを含む。付着後、樹脂を濾過し、洗浄し、C末端アミノ酸のαアミノ基上の保護基(例えば、t−ブチルオキシカルボニル)を除去する。この保護基の除去は、当然、アミノ酸と樹脂の間の結合を破壊することなく行われなくてはならない。次いで、得られた樹脂ペプチドに、最後から2番目のC末端保護されたアミノ酸をカップリングする。このカップリングは、第2のアミノ酸の遊離カルボキシ基と、樹脂に付着した第1のアミノ酸のアミノ基の間のアミド結合の形成によって起こる。ペプチドのすべてのアミノ酸が樹脂に付着するまで、連続するアミノ酸を用いてこの一連の事象を反復する。最後に、保護されたペプチドを、樹脂から切断し、保護基を除去して所望のペプチドを得る。ペプチドを樹脂から分離するために、また保護基を除去するために使用する切断技術は、樹脂および保護基の選択に応じて変わり、ペプチド合成の技術に精通している人には公知である。
上記の樹脂は、任意の適したポリマーであり得、第1の保護されたアミノ酸が共有結合によって堅く連結され得る官能基を含有しなくてはならない。セルロース、ポリビニルアルコール、ポリメチルメタクリレートおよびポリスチレンなど、種々のポリマーが、この目的に適している。固相合成において使用できる適当な保護基として、t−ブチルオキシカルボニル(BOC)、ベンジル(BZL)、t−アミルオキシカルボニル(AOC)、トシル(TOS)、o−ブロモフェニルメトキシカルボニル(BrZ)、2,6−ジクロロベンジル(BZLCl.sub.2)およびフェニルメトキシカルボニル(ZまたはCBZ)が挙げられる。さらなる保護基はまた、J.F.W.McOmie、「Protective Groups in Organic Chemistry」、Plenum Press、New York、1973年に記載されている。この書籍は、参照により全文が本明細書に組み込まれる。
標準溶液合成法は、アミド結合形成の化学的または酵素的方法を使用する、アミノ酸またはペプチド断片の段階的またはブロックカップリングのいずれかによって実施できる。これらの溶液合成法は、当技術分野で周知である。
ポリペプチド精製
本願のポリペプチドまたはタンパク質は、対象から回収してもよい。組換え技術を使用する場合には、本願のポリペプチドは、細胞膜周辺腔において細胞内で製造されるか、または培地中に直接的に分泌され得る。本願のポリペプチドは、培養培地からか、または宿主細胞溶解物から回収してもよい。膜結合型の場合には、適した界面活性剤溶液(例えば、Triton−X100)を使用してか、または酵素的切断によって膜から放出され得る。本願のポリペプチドの発現において使用される細胞は、凍結−解凍サイクル、音波処理、機械的破壊または細胞溶解剤などの種々の物理的または化学的手段によって破壊され得る。
ペプチドが化学的に合成される場合には、本願のペプチドは、培地中のその他の成分から所望のペプチドを分離できる任意の適した技術によって反応培地から回収され得る。固相合成のためには、適した切断溶液を使用して、樹脂から保護されたペプチドをまず切断する。切断溶液の選択は、樹脂およびそれに結合しているアミノ酸(FMOC法のためのトリフルオロ酢酸など)の特性に応じて変わる。切断は、普通、酸性条件下で実施される。切断が完了すると、次いで、解離性ペプチドが得られ、任意の適した技術(以下に記載される方法など)を使用してさらに精製される。
以下の手順は、適したタンパク質精製手順の例示である:イオン交換カラムでの分画;エタノール沈殿法;逆相HPLC;シリカでのクロマトグラフィー、ヘパリンSEPHAROSE(商標)でのクロマトグラフィー、陰イオンまたは陽イオン交換樹脂(例えば、ポリアスパラギン酸カラム、DEAE等)でのクロマトグラフィー;クロマトフォーカシング;SDS−PAGE;硫酸アンモニウム沈殿;例えば、セファデックスG−75;IgGなどの混入物を除去するためのプロテインAセファロースカラム;およびエピトープタグが付いた形態の本願のポリペプチドと結合するための金属キレート化カラムを使用するゲル濾過によるもの。タンパク質精製の種々の方法を使用してもよく、このような方法は、当技術分野で公知であり、例えば、Deutscher、Methods in Enzymology、182(1990年);Scopes, Protein Purification:Principles and Practice、Springer−Verlag、New York(1982年)に記載されている。選択される精製ステップ(複数可)は、例えば、使用される製造プロセスおよび製造される本願の特定のポリペプチドの性質に応じて変わる。
検出方法
本願の方法では、AAと疑われる対象から、生体サンプルを得、1種または複数の抗モエシン自己抗体の発現について調べる。サンプル中の種々の抗モエシン自己抗体の発現は、いくつかの方法論によって分析でき、それだけには限らないが、酵素結合免疫測定法(ELISA)、酵素結合イムノフローアッセイ(ELIFA)、免疫ブロット法、ウエスタンブロット解析、免疫組織化学分析法、免疫沈降法、分子結合アッセイなどを含め、その多くは当技術分野で公知であり、当業者によって理解されている。Rules Based MedicineまたはMeso Scale Discovery(MSD)から入手できるものなどのマルチプレックスイムノアッセイを使用してもよい。これらの方法は、非競合タイプの、ならびに伝統的な競合結合アッセイにおける単一部位および2つの部位のまたは「サンドイッチ」アッセイの両方を含む。検出は、in vitroで実施しても、in vivoで実施しても、ex vivoで実施してもよい。
サンドイッチアッセイは、最も有用な、よく使用されるアッセイの1つである。サンドイッチアッセイ技術のいくつかの変法が存在し、すべて本願に包含されるものとする。手短には、典型的なフォワードサンドイッチアッセイでは、標識されていない捕獲試薬(例えば、モエシン断片)が、固体基板上に固定されており、標的タンパク質(例えば、抗モエシン自己抗体)について試験されるサンプルを、結合している分子と接触させる。適したインキュベーション期間の後、抗体−抗原複合体の形成を可能にするのに十分な期間、検出可能なシグナルを生じることができるリポーター分子で標識された、標的タンパク質に対して特異的な検出抗体(例えば、抗モエシン自己抗体のFc領域との結合によって)を加え、インキュベートし、捕獲試薬−標的タンパク質−検出抗体の別の複合体の形成に十分な時間を与える。反応していない材料はいずれも洗浄除去し、リポーター分子によって生じたシグナルの観察によって、標的タンパク質の存在を決定する。結果は、可視シグナルの簡単な観察による定性的なものである場合も、既知量のリポーター分子を含有する対照サンプルとの比較によって定量化される場合もある。
典型的なフォワードサンドイッチアッセイでは、標的タンパク質に対して特異性を有する捕獲試薬は、固体支持体に共有結合によってか、または受動的にのいずれかで結合される。固体支持体は、通常、ガラスまたはポリマーであり、最もよく使用されるポリマーは、セルロース、ポリアクリルアミド、ナイロン、ポリスチレン、ポリ塩化ビニルまたはポリプロピレンである。固体支持体は、チューブ、ビーズ、マイクロプレートのディスクまたはイムノアッセイの実施に適した任意のその他の支持体の形態であり得る。
フォワードアッセイに関する変法として、サンプルおよび検出抗体の両方が捕獲試薬に同時に添加される同時アッセイが挙げられる。これらの技術は、当業者に周知であり、容易に明らかとなるように、任意のわずかな変法を含む。別の代替法は、サンプル中の標的タンパク質を固定すること、次いで、固定された標的タンパク質を、リポーター分子で標識されている場合も、されていない場合もある本願のペプチドに曝露することを含む。標的タンパク質の量およびリポーター分子シグナルの強度に応じて、結合している標的タンパク質が、捕獲試薬(例えば、モエシン断片)で直接標識することによって検出され得る。あるいは、捕獲試薬に特異的な第2の検出抗体が、標的タンパク質−捕獲試薬複合体に曝露され、標的タンパク質−捕獲試薬−検出抗体三次複合体を形成する。複合体は、リポーター分子によって発せられるシグナルによって検出される。
本明細書において使用される場合、用語「リポーター分子」は、その化学的性質によって、分析的に同定可能なシグナルを提供し、それによって、抗原と結合している抗体の検出が可能となる分子を意味する。この種のアッセイにおいて最もよく使用されるリポーター分子は、酵素、フルオロフォアまたは放射性核種を含有する分子(すなわち、放射性同位元素)および化学発光分子のいずれかである。
ある特定の実施形態では、リポーター分子は、検出抗体にコンジュゲートされた酵素である。酵素は、一般に、種々の技術を使用して測定され得る発色基質の化学的変化を触媒する。例えば、酵素は、分光光度的に測定され得る基質の色の変化を触媒し得る。あるいは、酵素は、基質の蛍光または化学発光を変更し得る。蛍光色素は、特定の波長の光の照射によって活性化されると、光エネルギーを吸収し(adsorbs)、分子において興奮性へ状態を誘導し、続いて、光学顕微鏡を用いて可視的に検出可能な特徴的な色で光を放出する。化学発光基質は、化学反応によって電子的に励起されたようになり、次いで、測定できる(例えば、ケミルミノメーターを使用して)光を発し得るか、またはエネルギーを蛍光アクセプターへ供与し得る。酵素標識の例として、ルシフェラーゼ(例えば、ホタルルシフェラーゼおよび細菌ルシフェラーゼ;米国特許第4,737,456号)、ルシフェリン、2,3−ジヒドロフタラジンジオン、リンゴ酸脱水素酵素、ウレアーゼ、ペルオキシダーゼ、例えば、西洋ワサビペルオキシダーゼ(HRPO)、アルカリホスファターゼ、β−ガラクトシダーゼ、グルコアミラーゼ、リゾチーム、糖オキシダーゼ(例えば、グルコースオキシダーゼ、ガラクトースオキシダーゼおよびグルコース−6−リン酸脱水素酵素)、複素環式オキシダーゼ(ウリカーゼおよびキサンチンオキシダーゼなど)、ラクトペルオキシダーゼ、マイクロペルオキシダーゼなどが挙げられる。酵素を抗体へコンジュゲートするための技術は、Methods in Enzym.(J.Langone & H.Van Vunakis編)、Academic press、New York、73:147〜166頁(1981年)中の、O’Sullivanら、Methods for the Preparation of Enzyme−Antibody Conjugates for use in Enzyme Immunoassayに記載されている。
酵素−基質の組合せの例として、例えば、(i)西洋ワサビペルオキシダーゼ(HRPO)と基質としての水素ペルオキシダーゼ(ここでは、水素ペルオキシダーゼが、色素前駆体(例えば、オルトフェニレンジアミン(OPD)または3,3’,5,5’−テトラメチルベンジジンヒドロクロリド(TMB))を酸化する)、(ii)アルカリホスファターゼ(AP)と発色基質としてのパラ−ニトフェニルホスフェート、(iii)β−D−ガラクトシダーゼ(β−D−Gal)と発色基質(例えば、p−ニトロフェニル−β−D−ガラクトシダーゼ)または蛍光基質(例えば、4−メチルウンベリフェリル−β−D−ガラクトシダーゼ)が挙げられる。多数のその他の酵素−基質の組合せが、当業者に利用可能である。これらの総説については、米国特許第4,275,149号および同4,318,980号を参照のこと。
ある特定の実施形態では、リポーター分子は、それだけには限らないが、希土類キレート(ユウロピウムキレート)、テキサスレッド、ローダミン、フルオレセイン、ダンシル、リサミン、ウンベリフェロン、フィコクリセリン(phycocrytherin)、フィコシアニンまたはSPECTRUM ORANGE7およびSPECTRUM GREEN7などの市販のフルオロフォアおよび/または上記のうちの任意の1種または複数の誘導体を含めたフルオロフォアである。フルオロフォアは、例えば、Current Protocols in Immunology、第1および2巻、Coligenら編Wiley−Interscience、New York、Pubs.(1991年)に開示された技術を使用して抗体にコンジュゲートできる。蛍光は、蛍光光度計を使用して定量化できる。
ある特定の実施形態では、レポート分子は、35S、14C、1251、3Hおよび131Iなどの放射性同位元素である。検出抗体または捕獲試薬は、例えば、Current Protocols in Immunology、前掲に記載された技術を使用して放射性同位元素で標識でき、放射活性は、シンチレーション計数を使用して測定できる。
標識は、検出抗体または捕獲試薬と間接的にコンジュゲートされることもある。当業者ならば、これを達成するための種々の技術を承知している。例えば、検出抗体をビオチンとコンジュゲートでき、標識をアビジンとコンジュゲートできる、またはその逆も同様である。ビオチンは、アビジンと選択的に結合し、したがって、標識はこの間接的な方法で検出抗体とコンジュゲートできる。あるいは、標識の検出抗体との間接的なコンジュゲーションを達成するために、検出抗体を小ハプテンとコンジュゲートし、標識を抗ハプテン抗体とコンジュゲートする。このようにして、標識の抗体との間接的コンジュゲーションが達成できる。
ある特定の実施形態では、検出方法は、競合抗モエシン抗体が使用される競合結合アッセイである。このような競合抗体は、本願のペプチドとの結合について、モエシン自己抗体と競合できる。競合結合アッセイでは、結合シグナルの低減は、対応する自己抗体の存在および力価を示し得る。
診断キット
上記で記載され、または示唆される用途において使用するために、本願によって製造のキットまたは物品も提供される。このようなキットは、厳重な制限で1種または複数のバイアル、チューブなどの容器手段を受け取るよう区分されているキャリア手段を含むことができ、各容器手段は、方法において使用される別個の要素のうち1つを含む。例えば、容器手段の1つは、検出可能に標識されているか、標識され得るプローブを含み得る。このようなプローブは、抗モエシン自己抗体に特異的なモエシン断片であり得る。
本願のキットは、通常、上記の容器、およびバッファー、希釈剤、フィルター、ニードル、シリンジおよび使用説明書を含む添付文書を含めた、商業上の観点からおよびユーザーの観点から望ましい材料を含む、1種または複数のその他の容器を含む。組成物が特定の治療または非治療的用途のために使用されることを示すよう、ラベルが容器上に存在し得、ラベルはまた、上記のものなどのin vivoまたはin vitro使用法も示し得る。
本願のキットは、いくつかの実施形態を有する。典型的な実施形態は、容器と、前記容器上のラベルと、前記容器内に含有される組成物とを含み、ここで、組成物は、抗モエシン自己抗体と結合できる本願のペプチドを含み、前記容器上のラベルは、サンプル中の抗モエシン自己抗体の存在を評価するために組成物を使用できることを示し、サンプル中の抗モエシン自己抗体の存在を評価するために本願のペプチドを使用するための使用説明書を含むキットである。キットは、サンプルを調製し、本願のペプチドをサンプルに適用するための使用説明書および材料のセットをさらに含み得る。キットは、二次抗体を含むことがあり、ここで、二次抗体は標識、例えば、酵素標識にコンジュゲートされている。
キット中のその他の任意選択の構成要素として、1種または複数のバッファー(例えば、ブロッキングバッファー、洗浄バッファー、基質バッファーなど)、酵素標識によって化学的に変更される基質(例えば、色素原)などのその他の試薬、エピトープ回収溶液、対照サンプル(陽性および/または陰性対照)、対照スライド(複数可)などが挙げられる。
以下は、本願の方法および組成物の実施例である。上記で提供された一般的な説明を考えると、種々のその他の実施形態が実施され得ることは理解される。
[実施例1]
モエシン断片シリーズの作製
以下の5種のモエシン断片が製造される:
a.モエシン−1、ヒトモエシンタンパク質のアミノ酸1〜297(配列番号2)を含有、ヒトモエシンタンパク質のN末端ドメイン付近;
b.モエシン−2、ヒトモエシンタンパク質のアミノ酸298〜577(配列番号3)を含有、ヒトモエシンタンパク質のヘリックスおよびC末端テールドメイン付近;
c.モエシン−3、ヒトモエシンタンパク質のアミノ酸298〜470(配列番号4)を含有、ヒトモエシンタンパク質のヘリックスドメイン付近;
d.モエシン−4、ヒトモエシンタンパク質のアミノ酸471〜577(配列番号5)を含有、ヒトモエシンタンパク質のC末端テールドメイン付近;および
e.モエシン−5:全長ヒトモエシンタンパク質、アミノ酸1〜577(配列番号1)。
全長モエシンcDNA配列(1〜1743bp)は、Genebank(Genebank受託番号AB527296.1)から入手し、図3に配列番号6として示されている。上記の所望のモエシン断片を作製するために、PCRを使用して上記の種々のアミノ酸断片に対応するcDNA断片を増幅した。
PCRによって増幅されたモエシンDNA断片を、pET32a(+)およびpET28a(+)から選択された発現ベクター中にクローニングした。次いで、構築されたベクターを使用して、培養および発現のために大腸菌宿主細胞株BL21(DE3)を形質転換した。pET32a(+)およびpET28a(+)の制限およびクローニングマップは、それぞれ、図4および5に示されている。種々のモエシン断片のための構築された発現系は、制限酵素消化を用いて検証し、それに続いて配列決定して、モエシン断片の発現のための正しいリーディングフレームを確認した。
十分に培養した後、標準タンパク質発現プロトコールに従って、発現されたモエシン断片を有する宿主細胞を、モエシン断片を収集および精製するために回収した。得られたタンパク質断片を、SDS−PAGEを用いてアッセイして、その同一性および純度を確認した。
[実施例2]
AAの患者の血清における特異的抗モエシン自己抗体の検出および測定
種々のステージのAAの患者から血清または血漿サンプルを集め、モエシンタンパク質の特定の領域を認識し、それらに結合する抗モエシン自己抗体の存在について試験した。患者のプロフィールおよび臨床情報を使用して、その疾患の種類およびステージに基づいてそれらを分類した。
実施例1から得られたモエシン断片を、抗モエシン抗体に対するELISAアッセイにおける抗原として使用した。具体的には、ELISAプレートの各マイクロウェルを、約400ngのモエシン断片を用いて、2℃〜8℃で12〜16時間コーティングし、次いで、PBSを用いて1回洗浄し、その後、ブロッキング溶液を用いてブロッキングし、保存および後の使用のために真空乾燥させた。そのように高度に精製されたモエシン断片抗原を、抗原をその天然状態で保存する条件下でポリスチレンマイクロウェルプレートのウェルに結合させた。
後のELISA試験のために、血清サンプルを、AAと臨床的に診断された45人の患者(患者群)から集め、調製した。比較目的で、肺疾患と臨床的に診断された83人の患者(対照−1)、腫瘍と臨床的に診断された65人の患者(対照−2)、CTDと臨床的に診断された300人の患者(対照−4)および150人の健康な個体(対照−3)を含む4つの対照群もまた提供し、それらからもまた、後のELISA試験のために、血清サンプルを集め、調製した。
対照および患者血清を、PBS−Tバッファー(すなわち、0.05%(v/v)のTween−20を含有するPBSバッファー)を使用して希釈し、次いで、100μlのこのような希釈した対照および希釈した患者血清を別個のウェルに添加し、存在する任意の抗モエシン抗体を固定された抗原と結合させた。PBS−Tバッファーを使用して結合していないサンプルを洗浄除去し、各ウェルに酵素標識した抗ヒトIgGコンジュゲートを添加した。第2のインキュベーションによって、酵素標識した抗ヒトIgGを、マイクロウェルに付着するようになった任意の抗モエシン抗体と結合させた。結合していない酵素標識された抗ヒトIgGをいずれも洗浄除去した後、発色基質(H22/TMB)を添加することおよび生じる色の強度を測定することによって残存する酵素活性を測定した。次いで、各ウェルに100μlのHRP停止溶液(例えば、2M H2SO4)を添加した。HRP停止溶液を添加および維持することの順序およびタイミングは、TMB色素原に従った。各ELISAプレートを指で穏やかにたたき、ウェルを完全に混合した。
アッセイは、分光光度計を使用して評価し、患者のウェルにおいて生じた色の強度を測定し、対照ウェルにおける色と比較した。具体的には、2色測定値を使用して色の強度を測定および比較し、ここで、各ウェルのOD450値およびOD630値(参照として)の両方とも反応の停止の15分内に読み取った。OD630値を用いてOD450値を差し引くことによって各試験または対照サンプルのOD値を算出した。
サンプルのどのバッチとも、ELISA低陽性対照、ELISA高陽性対照およびELISA陰性対照を実施し、すべての試薬および手順が適切に実施されたことを確実にした。ELISA陰性対照は、健康な個体から集めた血清であった。50人の健康な個体から集めた血清のOD値を各々測定し、それら50サンプルから平均OD値(「対照OD値」)および標準偏差(「対照標準偏差」)を算出した。このような対照OD値および対照標準偏差を使用して、ELISA低陽性対照および高陽性対照の濃度を求めた。ELISA低陽性対照は、対照OD値プラス3倍の対象標準偏差に匹敵するOD値を示すよう十分に希釈した、免疫血小板減少症の患者から得た血清を含有する。ELISA高陽性対照は、ELISA低陽性対照の3倍のOD値に匹敵するOD値を示すよう希釈した、免疫血小板減少症の患者から得た血清を含有する。希釈は、0.01M PBS−Tバッファーを使用して行った。
2連のサンプルの各セットの平均OD値をまず決定し、平均OD値が、ELISA低陽性対照の平均OD値よりも高い場合に、サンプルを陽性と決定した。各サンプルの力価は、サンプルの平均OD値として測定した。
当業者には明らかであろうが、マーカーレベルを、AAの有無と相関させるステップは、種々の方法で実施し、達成できる。一般に、参照集団を選択し、正常範囲を確立する。適当な参照集団を使用して両方の抗モエシン抗体の正常範囲を確立することは、ほぼ日常的なことである。正常範囲が、ある特定のではあるが限定された範囲まで、それが確立される参照集団に応じて変わることは一般に認められている。一態様では、参照集団は、数が多く、例えば、数百から数千、年齢、性別および場合により、その他の注目する変数について一致している。所与の濃度のような絶対値の観点から正常範囲はまた、使用されるアッセイおよびアッセイの作成において使用される標準化に応じて変わる。
抗モエシンのレベルは、実施例の節において示されたアッセイ手順を用いて測定し、確立できる。異なるアッセイが、異なるカットオフ値をもたらし得るということは理解されなければならない。
実験室試験の臨床性能は、その診断精度または対象を臨床的に関連するサブグループに正しく分類する能力に応じて変わる。診断精度は、試験の、調べられる対象の2つの異なる状態を正しく区別する能力を評価するものである。このような状態は、例えば、健康および疾患または良性対悪性疾患である。
すなわち、ある特定の患者集団から得られた有意により高い値は、対応する抗モエシン自己抗体の陽性の存在を示す。
以下の表に、ある特定のモエシン断片に対して特異的な種々の抗モエシン抗体の陽性の存在について種々の患者群を比較する、実験の結果を列挙する(表1):
表1.患者群の血清における特定のモエシン断片に対する抗モエシン自己抗体の陽性の存在の比較
表1に示されるように、モエシンのC末端テールドメインを特異的に認識し、それらに結合する抗モエシン自己抗体の正常より高い存在は、AAの発生率(約42.2%)と有意に相関している。
AA患者において、種々のモエシン断片の自己抗体力価も測定した。各断片の平均力価値を算出し、その他の断片のものと比較した。表2および3中の結果を参照のこと。
表2.AA患者の血清における特定のモエシン断片に対する抗自己抗体の力価
表3.表2中の自己抗体力価間の差の統計的有意性
力価分析によって、モエシンのC末端テールドメインは、AA患者において、最高パーセンテージの存在を有するだけでなく、最高力価(したがって、感受性)も有することが示される。したがって、C末端テールドメインのアミノ酸を含むモエシン断片を、AAを有するか、または有すると疑われる患者の診断手段または予後手段として使用できる。

Claims (18)

  1. 抗モエシン自己抗体と結合できるモエシン断片を含む組成物であって、
    モエシン断片が、ヒトモエシンタンパク質のC末端テールドメインの少なくとも10個の連続したアミノ酸残基を含む、組成物。
  2. C末端テールドメインが、ヒトモエシンタンパク質のアミノ酸残基471〜577からなる、請求項1に記載の組成物。
  3. モエシン断片が、ヒトモエシンタンパク質のアミノ酸残基471〜487の間の領域に由来する少なくとも10個の連続したアミノ酸残基を含む、請求項1に記載の組成物。
  4. モエシン断片が、ヒトモエシンタンパク質のアミノ酸領域488〜501の間の領域に由来する少なくとも10個の連続したアミノ酸残基を含む、請求項1に記載の組成物。
  5. モエシン断片が、ヒトモエシンタンパク質のアミノ酸領域502〜577の間の領域に由来する少なくとも10個の連続したアミノ酸残基を含む、請求項1に記載の組成物。
  6. モエシン断片が、ヒトモエシンタンパク質の全C末端テールドメインを含む、請求項1に記載の組成物。
  7. サンプル中の抗モエシン自己抗体をin vitro検出するための診断用組成物の製造におけるモエシン断片の使用であって、モエシン断片が、抗モエシン自己抗体と結合でき、ヒトモエシンタンパク質のC末端テールドメインの少なくとも10個の連続したアミノ酸残基を含む、使用。
  8. サンプルが、ヒト対象から得られた全血、血清または血漿である、請求項7に記載の使用。
  9. 対象が、再生不良性貧血(AA)を有するか、または有すると疑われる、請求項8に記載の使用。
  10. AAが、免疫媒介性である、請求項9に記載の使用。
  11. AAが、異常なTリンパ球活性と関連している、請求項10に記載の使用。
  12. AAが、異常な腫瘍壊死因子(TNF)−α活性と関連している、請求項11に記載の使用。
  13. AAが、異常なインターフェロン(IFN)−γ活性と関連している、請求項11に記載の使用。
  14. サンプル中の抗モエシン自己抗体を検出するためのキットであって、a)ヒトモエシンタンパク質のC末端テールドメインの少なくとも10個の連続したアミノ酸残基を含むモエシン断片と、b)抗モエシン自己抗体と結合できる検出抗体と、c)固相とを含み、ここで、モエシン断片が、固相に結合されている、キット。
  15. サンプル中の抗モエシン自己抗体を検出する方法であって、a)ヒトモエシンタンパク質のC末端テールドメインの少なくとも10個の連続したアミノ酸残基を含むモエシン断片を提供するステップと、b)前記モエシン断片を、前記サンプルと反応させるステップと、c)前記モエシン断片と結合している抗モエシン自己抗体を検出するステップとを含む、方法。
  16. 対象においてAAを診断する方法であって、以下のステップ:
    a)ヒトモエシンタンパク質のC末端テールドメインの少なくとも10個の連続したアミノ酸残基を含むモエシン断片を提供するステップと、
    b)in vitroで前記モエシン断片を、前記対象から得られたサンプルと反応させるステップであり、ここで、前記モエシン断片が、前記抗モエシン自己抗体と結合するステップと、
    c)抗モエシン自己抗体が、前記サンプル中に、正常参照サンプル中の前記抗モエシン自己抗体のレベルよりも高いレベルで存在するかどうかを決定し、それによって、対象がAAを有することを示すステップと
    を含む、方法。
  17. AAを有する患者の病的状態を決定する方法であって、以下のステップ:
    a)ヒトモエシンタンパク質のC末端テールドメインの少なくとも10個の連続したアミノ酸残基を含むモエシン断片を提供するステップと、
    b)in vitroで前記モエシン断片を、前記患者から得られたサンプルと反応させるステップであり、ここで、前記モエシン断片が、前記抗モエシン自己抗体と結合するステップと、
    c)抗モエシン自己抗体のレベルを測定するステップと、
    d)抗モエシン自己抗体の力価をAAの病的状態と相関させる参照データベースに対する、ステップc)から得たレベルの比較に従って、患者の病的状態を決定するステップと
    を含む、方法。
  18. AA療法を受けている対象において、治療応答をモニタリングする方法であって、以下のステップ:
    a)ヒトモエシンタンパク質のC末端テールドメインの少なくとも10個の連続したアミノ酸残基を含むモエシン断片を提供するステップと、
    b)in vitroで前記モエシン断片を、前記対象から得られたサンプルと反応させるステップであり、ここで、前記モエシン断片が、前記抗モエシン自己抗体と結合するステップと、
    c)抗モエシン自己抗体のレベルを測定するステップと、
    d)ステップc)から得たレベルを、療法前の同一対象から得られた抗モエシン自己抗体のレベルと比較するステップであり、ここで、力価の低下が、治療に対する対象の陽性応答を示すステップと
    を含む、方法。
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