JP2013540848A - ゲル粒子を含む多糖コーティング - Google Patents

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Abstract

水溶液中の少なくとも1種の多糖又はその誘導体と複数の多糖ゲル粒子との混合物を含む、水性コーティング組成物が提供され、前記組成物は、支持体に塗布されると、フィルムを形成することができる。また、汚染から支持体を保護すると共に、支持体からの汚染物の除去を容易にするために、水性コーティング組成物を用いる方法及び使用も提供される。

Description

本発明は、少なくとも1種の多糖又はその誘導体を含む、水性コーティング組成物に関する。本発明はまた、汚染及び/又は分解から支持体を一時的に保護するための水性コーティング組成物の使用に関する。さらに、本発明は、水性コーティング組成物の製造方法に関し、また、本発明は、汚染及び/又は分解から支持体を保護すると共に、支持体からの汚染物の除去を容易にするための方法にも関する。
多糖を含む保護フィルム又はコーティングは、多くの様々な用途、例えば、いわゆる落書き、交通公害、鳥の糞などからのあらゆるタイプの表面の保護において有用である。こうしたコーティングの別の用途は、例えば、輸送及び出荷時の、車両、例えば、乗用車の外部の一時的保護である。今日、車両の外部の保護のために保護テープが一般に用いられている。テープは保護しようとする表面に手で貼るため、この方法は困難で、しかも高価である。
例えば、欧州特許出願第0751836号明細書に記載されている近年の開発では、耐候性多糖の安定性を、コーティング系を形成することによって改善することができることを示しており、このコーティング系において、保護フィルムコーティングに乾燥する工程で、多糖を基材とするコーティング物質は液体からゲルへと変化する。
欧州特許第0365584B1号明細書には、表面に保護コーティングを形成するための多糖及び溶剤を含む溶液の使用による汚染物の除去方法が記載されている。汚染を被った後、コーティングされた表面を液体で処理することにより、表面から容易に汚染物を除去することができ、この液体は、保護コーティングを再溶解させることができるものである。多糖を含む上記の溶液に伴う問題は、溶液中の多糖の濃度が限定され得ることである。多糖の濃度を増加させると、溶液の粘度が急速に高まる。溶液の粘度が高いと、従来の技法、例えば、吹付けを用いて、溶液を表面に塗布するのが困難になり得る。
米国特許第5948545号明細書には、少なくとも1種の多糖と第2の多糖の溶液を用いて、表面を汚染から保護すると共に、汚染物の除去を容易にするための方法が記載されており、この方法では、第2多糖、又は第1及び第2多糖の混合物が、ゲルを形成することができる。早期ゲル形成を防止しながら、組成物中に、より高い多糖濃度を達成するために、第1多糖を溶液に添加して、ゲル形成を阻害する。この方法の問題点は、こうした溶液から形成されたフィルムが湿気にさらされると、安定性が低下しうることである。
従って、従来の方法に伴う高い粘度、早期ゲル形成及びフィルムの低い安定性などの問題を呈することなく、十分な厚さの保護コーティングを形成する、多糖を含む新規の水性組成物が求められる。
本発明の目的は、従来の技法に伴う問題の少なくともいくつかを軽減することである。
本発明の別の目的は、多糖を含む従来の組成物と比較して、湿気、例えば、雨に対して安定性が改善された保護フィルム、又はコーティングを提供することである。
本発明のまた別の目的は、塗布された表面から容易に除去することができる保護フィルム、又はコーティングを提供することである。
前述の目的、並びに本開示によって提示された時点で当業者には明らかな他の目的は、本発明の様々な形態によって達成される。
本発明の第1の形態では、
(i)水溶液中の少なくとも1種の多糖又はその誘導体と、
(ii)複数の多糖ゲル粒子と
の混合物を含む水性コーティング組成物であって、支持体に塗布されると、フィルムを形成することができる組成物が提供される。
本明細書において「多糖」という用語は、グリコシド結合によって結合した少なくとも3つの単糖反復単位を含むポリマー分子を意味し、単糖反復は、同じ(すなわち、ホモ多糖)であっても、異なる(すなわち、ヘテロ多糖)ものであってもよい。ポリマー鎖は、直鎖状又は分枝鎖状のいずれであってもよい。
本明細書において「ゲル」という用語は、実質的に希薄な架橋系を意味する。架橋結合は、例えば、物理的(例えば、静電)、化学的(例えば、共有)、微結晶又はその他の結合であり得る。重量に関して、ゲルはほぼ液体であるが、液体内の3次元の架橋網のために固体と同様の挙動をする。
本明細書において「多糖ゲル」という用語は、1種以上の多糖又はその誘導体によって形成されるゲルを意味する。
本明細書において「多糖ゲル粒子」という用語は、多糖ゲルを含む粒子を意味する。
本発明は、耐水性保護多糖コーティング又はフィルムを得る方法における中間ステップとして多糖のゲル形成の利点を利用する。
本発明の水性コーティング組成物により形成されるフィルムは、水性溶媒の蒸発によって形成することができる。本発明の組成物を表面に塗布すると、水性溶媒、例えば、水はフィルムから蒸発し、これより、フィルム中の多糖の濃度が増加するが、この濃度は、最終的にゲル形成が起こる臨界点に達する。この臨界点は、多糖コーティングの製造及び使用において重要である。ゲル形成によって、フィルムの安定性が有意に高くなる。水の蒸発は、フィルム中の平衡含水率に到達するまで進行しうる。ゲル形成は、固体フィルムが表面上に形成される前に、コーティング中の残留溶媒の蒸発中に起こるのが好ましい。ゲル形成が起こるのが早すぎる、すなわち、支持体の十分な湿潤前に起こると、保護フィルムの特性は、被覆及び接着に関して、悪影響を受けることがある。ゲル形成がフィルムの形成前に起こらなければ、保護フィルムの耐水性及び機械的性質が悪影響を受けることがある。
保護多糖フィルムを有効にするために、フィルムの厚さは、十分でなければならない。十分なフィルムの厚さは、一般的には、2つの方法で達成することができる。第1の方法は、表面に溶液を繰り返し塗布して、十分な厚さのフィルムの連続的付着層を形成することによるものである。こうした方法には、溶液を数回塗布しなければならず、塗布の間にフィルムを乾燥させ、コーティング工程を、時間がかかる上に、高価なものにするという明らかな欠点がある。第2の方法は、十分な乾燥重量の多糖を含有する溶液を1回塗布することにより、十分な厚さのフィルムを提供するものである。しかし、多糖の乾燥重量が増加すると、溶液の粘度が増大し、従来のコーティング技法を用いた溶液のコーティングを困難にし得る。
溶液中にゲル形成タイプの多糖を単独で用いる場合、高粘度及び/又は早期ゲル形成による問題を起こすことなく、支持体表面に塗布することができる溶液を得るためには、その濃度は非常に低く、一般には、3〜4重量%未満、好ましくは1重量%未満でなければならない。溶液を支持体に塗布したとき十分なフィルム厚さが得られるレベルまで、多糖の濃度を増加すると、ゲル形成が起こって、吹付けなどによる塗布は大きな問題を呈する恐れがある。複数の多糖ゲル粒子を含む本発明のコーティング組成物は、この問題に対する解決策を提供する。
本発明の組成物は、組成物の粘度が非常に高いという欠点を伴わずに、組成物中の多糖の総濃度を高くすることを可能にする。本発明の多糖ゲル粒子は、水溶液中の同等量の多糖と比較して、溶液の総粘度に対する寄与が有意に低いという利点を有する。従って、組成物の粘度が全体的に比較的わずかに増加するだけで、比較的高い量の多糖ゲル粒子を溶液に添加することができる。本発明は、一般に、溶液中の許容粘度を維持するために3〜4%未満の濃度に限定されていた従来の多糖溶液と比較して、多糖の乾量に基づき、合計多糖濃度を30%(w/v)まで可能にすることができる。
従来の組成物及び方法と比較して、本発明の利点は、室温の水に対するフィルムの安定性を損なうことなく、1回の塗布だけで厚いフィルムの取得を可能にすることである。
多糖を含む組成物から形成される保護フィルム、又はコーティングの水に対する安定性は、フィルム中のゲル形成の程度によって変動しうる。発明者は、予備成形多糖ゲル粒子の存在により、保護フィルム中のゲル形成の程度、従って、水に対するフィルムの安定性を改善できることをみいだした。溶液中の多糖のみを含む組成物を用いた場合、均質かつ高度のゲル形成を達成するのは難しいと考えられる。予備成形多糖ゲル粒子の形態をした成分を組成物に添加すると、フィルムにおいて、より高度のゲル形成を達成することができる。フィルムは、往々にして、湿気、雨又は通常の使用時の結露を被りやすいため、水に対する安定性は、保護多糖フィルムの重要な特性である。
発明者は、驚くことに、機械的強度及び/又は水に対する安定性に関して固体保護フィルムの特性を損なうことなく、高い量の多糖ゲル粒子を組成物に添加できることをみいだした。それどころか、本発明の水性コーティング組成物から形成されるフィルムは、従来技術に存在する多糖組成物から形成されるフィルムと比較して、水に対し高い安定性を有しうる。フィルムの乾燥後、乾燥した多糖ゲル粒子は、溶液中の多糖によって形成される多糖フィルム中に埋め込まれると考えられる。多糖と多糖ゲル粒子の両方を含むこのタイプの混合フィルムは、膨潤の低減及び乾燥ゲル粒子の不溶性によって、湿気、例えば、雨に対してより耐性となりうる。
さらに別の利点は、組成物中の含水率が低いため、組成物中の多糖の乾燥重量が高く、これにより、形成されるコーティングの乾燥時間を短縮できることである。これは、多糖フィルムを含む製品を製造する場合、並びにコーティング又は含浸表面の乾燥が製造工程の完全な1ステップを形成する場合、特に有利である。コーティング又は含浸表面の乾燥にかかる時間及び/又はエネルギーは、本発明によって可能になった高濃度多糖組成物の使用により実質的に低減することができる。
多糖ゲル粒子と混合した多糖溶液から形成されるフィルムをさらに安定化するために、フィルムを高温に付して、多糖ゲル粒子を少なくとも部分的に溶解又は融解させて、溶液中の多糖と混合してもよい。高温は、コーティングの乾燥前、乾燥中又は乾燥後のいずれに用いてもよいが、コーティングの乾燥中が好ましい。混合した多糖ゲル粒子と多糖溶液の乾燥を、多糖ゲル粒子が少なくとも部分的に溶解又は融解する温度より高い温度で実施すれば、得られるフィルムは、さらに強くなりうる。
一実施形態では、水性コーティング組成物は、表面に塗布すると、少なくとも部分的ゲル形成によりフィルムを形成することができる。別の実施形態では、溶液中の少なくとも1種の多糖とその誘導体は、少なくとも部分的ゲル形成によりフィルムを形成することができる。ゲル形成は、いくつかの異なるメカニズムによって起こりうるが、ゲル形成の正確なメカニズムは本発明の主旨ではない。ゲル形成はまた、組成物中の多糖、例えば、水溶液中の多糖の温度及び濃度に応じて異なる。当業者であれば、ゲル形成に供することができる多糖及び様々な多糖の混合物を認識されよう。
水溶液中の多糖と多糖ゲル粒子を含む水性組成物によって形成されるフィルムは、多糖ゲル粒子を添加せずに、水溶液中の多糖を含む組成物により形成されるフィルムと比較して、雨、例えば、温かい雨又は激しく降る温かい雨に対してさらに安定性を高めることができる。他方で、本明細書で開示する組成物を用いて支持体上に形成されるフィルムは、温水、例えば、温度40℃以上の水を用いて、任意選択で、高圧で、又はこすり落とし若しくはブラッシングと組み合わせて、支持体から除去できるのが好ましい。この特性の組合せは、フィルム中に多糖の少なくとも部分的ゲル形成をもたらすことによって達成することができる。ゲル形成によって、より低い温度では不溶性になり得るが、より高い温度では依然として溶解すし得るように、フィルムの溶解度が低下する。
本発明の組成物において、多糖、すなわち水溶液中の多糖と多糖ゲル粒子の総濃度は、組成物によって形成されるフィルムの厚さに影響を与える。濃度が高いほど、保護フィルムの厚さも厚くなる。溶液中の多糖の総濃度は、好ましくは、溶液の粘度が、従来のコーティング方法、例えば、吹付けを用いて、支持体への溶液の塗布を可能にすると同時に、十分な厚さの多糖保護フィルムの形成を達成するように、選択すべきである。本明細書の教示内容によれば、それぞれの具体的組成物に必要な溶液中の多糖と多糖ゲル粒子の濃度は、常用の実験によって決定することができる。様々なゲル形成多糖についてのゲル化濃度は、当業者には公知であるか、又は容易に入手可能である。
いくつかの実施形態では、組成物の水溶液中の多糖の濃度は、0.1〜10%(w/v)の範囲である。例えば、この濃度は、1〜5%(w/v)の範囲とし得る。水溶液中の多糖の濃度の上限は、用いる多糖のゲル形成特性に応じて変動しうる。
いくつかの実施形態では、組成物中の多糖ゲル粒子の量は、多糖ゲル粒子が完全に膨潤したとき、組成物の総量の10%〜90%を占める。例えば、多糖ゲル粒子の量は、多糖ゲル粒子が完全に膨潤したとき、組成物の総量の20%〜80%、例えば30%〜70%、例えば40%〜60%の範囲とすることができる。さらに別の例では、多糖ゲル粒子の量は、ゲル粒子が完全に膨潤したとき、組成物の総量の50%である。
いくつかの実施形態では、組成物の完全に膨潤した多糖ゲル粒子中の多糖の濃度は、0.1〜5%(w/v)の範囲である。例えば、この濃度は、1〜2%(w/v)の範囲とすることができる。多糖ゲル粒子は、主として水から構成される。例えば、多糖ゲル粒子は、少なくとも95%の水、例えば少なくとも97%の水、例えば少なくとも99%の水を含み得る。
本発明の組成物中の水溶液中の少なくとも1種の多糖としての使用に適した多糖の例として、限定するものではないが、微生物及び植物由来の多糖、並びにこれらの混合物がある。一実施形態では、水溶液中の多糖又はその誘導体は、寒天、カラゲナン、ゲランガム、ペクチン、ローカストビーンガム、グアーガム、エスパルトキシラン、アラビノキシラン、コンニャクマンナン、デンプン又はその誘導体、ヒドロキシエチルセルロース、アルギン酸、キトサン、キチン、メチルカルボキシメチルセルロース及びアセチルセルロース並びにこれらの混合物からなる群から選択する。一実施形態では、水溶液中の多糖又はその誘導体は、寒天とグアーガム、ローカストビーンガム及び/又はキサンタンガムの混合物である。別の実施形態では、水溶液中の多糖又はその誘導体は、寒天とグアーガム、及び/又はローカストビーンガムの混合物である。
多糖ゲル粒子は、水又は水溶液中で膨潤したとき、ゲルを形成する少なくとも1種の多糖又は多糖の混合物を含む。ゲルは、多糖鎖間の架橋結合の存在によって形成される。架橋結合は、例えば、物理的(例えば、静電)、化学的(例えば、共有)、微結晶又はその他の結合であってよい。
多糖ゲル粒子に用いることができる多糖の例としては、藻類、微生物及び植物由来の多糖、並びにこれらの混合物からなる群から選択される多糖がある。
一実施形態では、ゲル粒子に用いられる多糖は、寒天、カラゲナン、ゲランガム、ペクチン、ローカストビーンガム、グアーガム、エスパルトキシラン、アラビノキシラン、コンニャクマンナン、ヒドロキシエチルセルロース、デンプン又はその誘導体、アルギン酸カルシウム、キトサン、キチン、メチルカルボキシメチルセルロース、アセチルセルロース、及びこれらの混合物からなる群から選択する。別の実施形態では、ゲル粒子に用いる多糖は、寒天とグアーガム、及び/又はローカストビーンガムの混合物である。ゲル粒子は、一般に、5mm以下の平均粒径を有し得る。しかし、実用目的の場合には、1mm以下、例えば、500マイクロメートル以下の平均粒径が好ましい。ゲル粒子の平均粒径の下限は、一般に、約1マイクロメートル以上であるが、実用上の理由から、10マイクロメートル以上、例えば、50マイクロメートル以上の平均粒径がより好ましい。例えば、多糖ゲル粒子は、1マイクロメートル〜5mmの範囲、例えば、10マイクロメートル〜1mmの範囲、又は50マイクロメートル〜500マイクロメートルの範囲にある平均粒径を有していてよい。
本発明での使用に好適なゲル粒子は、いくつかの異なる方法によって得ることができる。例えば、ゲル粒子は、好適なミキサーを用いて、より大きなゲル片を破砕又は微粉砕することにより、又は好適な直径の開口部を有する篩又はフィルターにゲルを押し通すことによって形成することができる。ゲル粒子は、例えば、吹付け乾燥によって、又は好適な溶媒、例えば、エタノール中の多糖溶液の液体粒子の沈殿によって、多糖溶液から直接形成してもよい。
組成物への多糖ゲル粒子の含有によって、形成されたコーティングの湿気及び水に対する安定性が驚くほど増加することがわかった。特定の科学的理論に束縛される意図はないが、安定性の増加は、一部には、組成物が乾燥したとき、水溶液中の多糖が多糖ゲル粒子中に吸収されたためであると考え得る。多糖又は他の高分子量成分は多糖ゲル粒子中に閉じ込めることができる。この作用によって、乾燥時に、多糖ゲル粒子と、溶液中の少なくとも1種の多糖から形成される連続相との間に強力な結合が起こりうる。溶液中の多糖を乾燥すると、乾燥多糖ゲル粒子の結合マトリックスを形成することができる。
また、溶液中の多糖と多糖ゲル粒子が、互いに引力相互作用することができれば、本発明の水性コーティング組成物により形成されるフィルムの安定性をさらに改善することができることがわかった。多糖ゲル粒子は、物理的、化学的及び/又は生理化学的相互作用により、溶液中の多糖と相互作用しうる。互いに引力相互作用することができる溶液中の多糖と多糖ゲル粒子を選択することにより、得られるフィルムの機械的強度及び安定性を増大することができる。溶液中の多糖が、例えば、静電又は水素結合によって、多糖ゲル粒子に結合することができれば、得られるフィルムはより強くなりうる。
一実施形態では、水溶液中の少なくとも1種の多糖又はその誘導体と、多糖ゲル粒子は、互いに引力相互作用することができる。例えば、引力相互作用は、共有結合、イオン結合、静電力、二極−二極相互作用、ロンドン分散力、及び水素結合であってよい。一実施形態では、引力相互作用は、静電力又は水素結合である。引力相互作用は、溶液中の少なくとも1種の多糖と、ゲル粒子の多糖との間に存在しうる。例えば、多糖ゲル粒子又はその化合物が、陰実効電荷を有する場合には、陽荷電ポリマーの水溶液を添加することができる。別の例では、多糖ゲル粒子又はその化合物が、陽実効電荷を有する場合には、陰荷電ポリマーの水溶液を添加することができる。
いくつかの実施形態では、溶液中の多糖と多糖ゲル粒子間の引力相互作用能力は、多糖ゲル粒子への別の成分、例えば、キトサン、ポリエチレンイミドなどの導入によって増大させることができ、この成分は、溶液中の多糖と引力相互作用することができる。別の実施形態では、多糖ゲル粒子と引力相互作用することができる別の成分を水溶液に導入することにより、溶液中の多糖と多糖ゲル粒子間の引力相互作用の能力を増大させる。
一実施形態では、水性コーティング組成物は、表面とのより優れた接着をもたらすために、少なくとも1種のポリマーポリアミノ化合物をさらに含んでもよい。例えば、ポリマーポリアミノ化合物は、タンパク質、アミノ官能基を含む多糖及びその誘導体、並びにアミノ官能基を含む脂肪族ポリマーから選択してもよい。別の実施形態では、ポリマーポリアミノ化合物は、アミノ官能基を含む可溶性セルロース又はデンプン誘導体である。さらに別の実施形態では、ポリマーポリアミノ化合物は、キトサン、又はアミノ官能基を含む脂肪族ポリマーである。好ましくは、ポリマーポリアミノ化合物は、ポリエチレンイミンである。
ポリマーポリアミノ化合物は、水溶液、多糖ゲル粒子、又はその両方に存在してよい。
組成物中のポリマーポリアミノ化合物の濃度は、1〜10%(w/v)、好ましくは1〜5%(w/v)の範囲であってよい。
溶液中の多糖を含む組成物にゲル粒子を導入する利点は、形成された多糖フィルムの収縮及び膨張性を軽減できることである。フィルムの収縮及び膨張性は、多糖組成物を支持体に塗布して、フィルムを形成させるとき、感受性支持体に損傷を引き起こし得る。収縮及び膨張は、多糖フィルムが乾燥したり、湿潤したりするときに起こる。
本発明の一実施形態では、水性コーティング組成物はさらに、撥水性物質を含む。本明細書で用いる「撥水性物質」という用語は、少なくとも部分的に疎水性で、少なくとも部分的に不水溶性である物質を意味する。撥水性物質は、好ましくは20℃で半固体又は固体である。撥水性物質は、30℃以上、例えば、40℃以上、50℃以上又は60℃以上の融点を有する。本発明の水性組成物は、30%(w/v)までの撥水性物質を含んでもよい。撥水性物質の濃度は、例えば、1〜30%(w/v)の範囲、例えば、1〜20%(w/v)の範囲、又は1〜10%(w/v)の範囲であってよい。一実施形態では、撥水性物質の濃度は、1〜10%(w/v)の範囲である。
水性コーティング組成物の実施形態に撥水性物質を導入すると、恐らく乾燥及び再湿潤時の収縮及び膨張のために、多糖フィルムの形成により発生する感受性表面への損傷が軽減することがわかっている。この知見は、驚くべきことであり、感受性表面、例えば、新しく塗装した表面又はワニスを塗布した表面に対する多糖保護フィルムの有用性を大幅に改善することができる。
溶液中の多糖、多糖ゲル粒子及び撥水性物質を含む、本発明の実施形態の組成物を用いることにより、多糖フィルムを強化する利点と、同時に、組成物を塗布する感受性表面を損傷する危険性を低減する利点の両方を備えることができる。例えば、このタイプの組成物は、車両、例えば、乗用車の外部の一時的保護(例えば、輸送及び出荷時)に用いることができる。
撥水性物質は、蝋及び脂肪からなる群から選択することができる。蝋又は脂肪は、水性コーティング組成物、例えば、多糖溶液中に懸濁又は乳化させてよい。好ましくは、撥水性物質は、蝋である。
本発明で用いる「蝋」という用語は、蝋稠度を有する物質を意味する。蝋は、20℃で半固体又は固体のものとすることができ、分解することなく、30℃以上、例えば、40℃以上、50℃以上、又は例えば、60℃以上の融点を有するものとすることもできる。
撥水性物質は、例えば、動物蝋、植物蝋、鉱蝋又は合成蝋、これらの混合物であってよい。動物蝋の例として、限定するものではないが、蜜蝋、ラノリン、ラノセリン、セラック及びオゾケライト、及びこれらの混合物がある。植物蝋の例として、限定するものではないが、カルナバ、カンデリラ、ホホバ、オウリキュリー、及びこれらの混合物がある。鉱蝋の例としては、限定するものではないが、モンタン、パラフィン、微結晶蝋及びセレシン、並びにこれらの混合物がある。合成蝋の例としては、限定するものではないが、ポリプロピレン(PP)、ポリエチレン(PE)及びポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、フィッシャー・トロプシュ・ワックス、置換アミドワックス、重合α−オレフィン及び化学的変性蝋、並びにこれらの混合物がある。化学的変性蝋は、エステル化又は鹸化したものであってよい。PP、PE及びPTFEは、厳密には蝋ではないが、類似した作用及び性能をもたらすことから、往々にしてこのクラスの物質と関連している。例えば、撥水性物質は、微結晶蝋であってよい。
撥水性物質は、一般に、少なくとも部分的に不水溶性であることから、水性コーティング組成物中に分散又は懸濁させるのが好ましい。一実施形態では、撥水性物質は、水性コーティング組成物中の分散粒子として存在させることができる。前記撥水性物質の粒子は、好ましくは、水性組成物中で、約1nm〜1000μm、例えば、約10nm〜10μm、例えば、約50nm〜1μm又は例えば、約100nm〜500nmの平均粒径を有し得る。いくつかの実施形態において、撥水性物質の粒子の平均粒径は、これより大きくてもよく、例えば、10μm〜1000μm又は100μm〜500μmの範囲であってもよい。高温で、撥水性物質は、水相中の撥水性物質の液体粒子のエマルションを形成してもよい。
水中の撥水性物質の懸濁液又は分散液は、当業者には認識されるように様々な方法で達成することができる。例として、激しく撹拌しながら、微粉化した蝋又は脂肪を水又は多糖溶液に添加して、懸濁液を調製し、次に、蝋又は脂肪を融解した後、激しく撹拌しながら、蝋又は脂肪の融点より高い温度で、水又は多糖溶液に溶融液を添加するか、又は水と混和性の溶媒に蝋又は脂肪を溶解させた後、激しく撹拌しながら、水又は多糖溶液に、溶解した蝋又は脂肪を添加して懸濁液を形成するものがある。
本明細書に記載する様々な実施形態による水性コーティング組成物は、溶液中の少なくとも1種の多糖、複数のゲル粒子、及び任意選択で、撥水性物質、例えば、微結晶粒子を含むが、この組成物はさらに、水溶性添加物、例えばバッファー系と、親油性添加剤、例えば親油性酸化防止剤、殺虫剤又は殺真菌剤、の両方を含んでもよい。
本発明の水性コーティング組成物はさらに、アルカリ性又は酸性汚染物質からコーティング表面を保護する作用をする少なくとも1種の緩衝系を含んでもよい。好適な緩衝系は、外部の影響により引き起こされるフィルムのpHの変化を阻止する。これは、環境条件の影響、例えば、酸性雨、鳥の糞、及び酸性又は塩基性pHに関与するその他の条件の影響に耐える上で特に好適である。他の例として、自然汚濁、粒子、ブレーキダスト、酸性雨、酸性すす及び有機溶剤などがある。緩衝系は、多糖及び多糖ゲル粒子、並びに任意選択で、撥水性物質及びその他の成分を含む水性コーティング組成物に添加することができる。緩衝系は、多糖溶液及び/又は多糖ゲル粒子に存在させてもよい。
例えば、緩衝系は、低分子量緩衝化合物を含んでよい。例えば、低分子量緩衝化合物は、グリシン又は無機バッファー、例えば、リン酸バッファーとすることができる。緩衝系の量は、約2%(w/v)〜約5%(w/v)の範囲内とすることができる。組成物のpHは、約5〜約9の範囲内でよい。
様々な実施形態では、組成物は、組成物の特性及び組成物から形成される保護フィルムの特性を改善するための添加剤を含んでもよい。一実施形態では、水性コーティング組成物は、消泡剤、可塑剤、界面活性剤及び抗菌剤からなる群から選択される少なくとも1種の添加剤をさらに含んでもよい。消泡剤の添加は、高濃度の多糖を含む組成物において、こうした組成物は、支持体に塗布されると比較的厚いフィルムとなることから、特に有利である。溶媒が蒸発した後にフィルム中に残る泡は、固体フィルム内にピンホールの形成を引き起こし得る。ピンホールは、汚染に対するフィルムの透過性を増大する。この問題は、フィルムが1回の塗布で施される場合に特に悪化する。消泡剤の添加により、厚い多糖フィルム内のピンホール形成が低減する。好適な消泡剤の例としては、n−オクタノール又は類似の高級脂肪アルコールが挙げられるが、あらゆる好適な消泡剤を用いてよい。
本発明の実施形態では、水性コーティング組成物は、さらに可塑剤を含む。可塑剤は、得られるフィルムを柔軟にするのを助ける。これは、乾燥工程中にフィルムにひび割れが形成されるのを防止するために重要である。ひび割れは、汚染に対するフィルムの透過性を増大する。可塑剤の添加は、高濃度の多糖を含む組成物において、こうした組成物は、比較的厚いフィルムとなり、乾燥中にひび割れを形成しやすくなる恐れがあることから、特に有利である。好適な可塑剤の例としては、グリセロール、ポリグリセロール、ジメチルスルホキシド、及びジメチルホルムアミドが挙げられるが、あらゆる好適な可塑剤を用いてよい。
一実施形態では、水性コーティング組成物は、さらに界面活性剤を含む。界面活性剤は、水性コーティング組成物の表面張力を低下させ、支持体上での組成物の塗布及び支持体中に存在する孔の充填を容易にする。当業者であれば、本発明での使用に好適な界面活性剤を選択することができよう。
一実施形態では、水性コーティング組成物は、さらに、抗菌剤及び/又は防腐剤を含む。抗菌剤は、微生物の活性による組成物又はそのフィルムの腐敗を抑制することができる。好適な抗菌剤の例としては、安息香酸塩、例えば、メチルパラベンがある。
一実施形態では、水性コーティング組成物はさらに、除草剤、殺虫剤、殺菌剤、及び/又は殺真菌剤を含む。除草剤、殺虫剤、殺菌剤、及び/又は殺真菌剤は、残りの組成物と混合することができ、多糖溶液、多糖ゲル粒子及び/又は撥水性物質に導入することができる。
本発明の組成物は、微生物(例えば、細菌及び真菌)及び昆虫から植物部分を保護する方法にも用いることができる。組成物は、関連植物部分(根、茎、葉又は果実)に塗布し、室温で乾燥させることができる。植物の食用部分については、高温の水を用いて、保護コーティングを除去する必要があり得、この洗浄手順で、植物部分の保護に用いた化学薬品を除去することもできる。
一実施形態では、組成物に存在する添加剤、例えば、顔料、殺虫剤、除草剤、殺真菌剤又は酸化防止剤は、多糖ゲル粒子中に含有させる。ゲル粒子は、一般に、溶液中の少なくとも1種の多糖により形成された連続相と比較して、膨潤及び/又は溶解しにくいため、ゲル粒子に含まれる別の成分は、コーティングの洗い流しに対して感受性が低くなりうる。また、ゲル粒子に別の成分を含有させれば、保護しようとする支持体と組成物の直接接触を低減することもできる。
一実施形態では、本発明の組成物は、濃縮物の形態をしていてもよく、これは、使用前に、好適な溶媒、例えば水を用いて、所望の最終濃度に希釈することができる。組成物の濃縮物は、製品の包装及び輸送を容易にすることができ、それらにかかる費用を削減するという利点をもたらすことができる。
本発明の組成物は、不要な汚染(例えば、いわゆる落書き、交通公害、鳥の糞などによるもの)から表面を保護するのに有利に用いることができる。従って、本発明の第2の形態では、本発明は、支持体を汚染から保護すると共に、そこから汚染物を除去するための本発明の水性コーティング組成物の使用を提供する。本発明の第2の形態の組成物の使用によって、1回のコーティングの塗布で、室温での水分に対し十分な厚さ及び安定性を有する保護フィルムの支持体上への形成が可能になり、これにより、表面の保護にかかる費用が有意に削減される。
本発明の水性コーティング組成物によって形成されるフィルムは、例えば、温水又は蒸気を用いると、除去することができ、表面への永久結合をもたらすことができないものでもよい。これにより、効率的な一時的保護及び迅速な除去が可能になる。本発明の水性コーティング組成物は、例えば、出荷及び輸送時に車両の外部の一時的保護に用いることができる。フィルムの除去は、例えば、支持体表面が損傷を受けない限定的な温度、圧力及び時間などの条件下で実施することができる。ゲルは、環境に配慮した方法、例えば、高温の水を用いて、除去することができる。考えられる別の方法は、高圧で水を用いるものであり、これは、一般に、水蒸気による高圧洗浄を含む。
本発明はまた、微生物又は昆虫による攻撃から幼植物を保護することを目的とする本発明の組成物の使用を提供する。こうした使用のための組成物は、有利には、除草剤、殺虫剤、殺菌剤、及び/又は殺真菌剤をさらに含んでよい。
第3の形態では、本発明は、
a)少なくとも1種の多糖又はその誘導体を水溶液に溶解させるステップと、
b)複数の多糖ゲル粒子を調製するステップと、
c)少なくとも1種の多糖又はその誘導体の水溶液に、複数の多糖ゲル粒子を添加するステップと、
d)水溶液中の少なくとも1種の多糖又はその誘導体を複数の多糖ゲル粒子、及び任意選択で他の成分と混合するステップと
を含む、表面の保護に好適な水性コーティング組成物の製造方法を提供する。
第3の形態の組成物は、本発明の第1形態の組成物に関して本明細書で述べたあらゆる特徴を含みうる。複数の多糖ゲル粒子は、いくつかの異なる方法で調製することができる。例えば、ゲル粒子は、好適なミキサーを用いて、より大きなゲル片を破砕若しくは微粉砕することにより、又は好適な直径の開口部を有する篩若しくはフィルターにゲルを押し通すことによって形成することができる。また、ゲル粒子は、例えば、吹付け乾燥によって、又は好適な溶媒、例えば、エタノール中の多糖溶液の液体粒子の沈殿によって、多糖溶液から直接形成してもよい。
第4の形態では、本発明は、汚染から支持体を保護すると共に、そこから汚染物の除去を容易にするための方法を提供し、この方法は、
a)水溶液中の少なくとも1種の多糖又はその誘導体と複数の多糖ゲル粒子を含む水性コーティング組成物を用意するステップと、
b)a)の水性コーティング組成物を支持体表面に塗布するステップと、
c)塗布した組成物を乾燥させて、支持体表面上に保護フィルムを形成するステップと
を含む。
上に概略を述べた方法は、主として、多糖溶液から、中間ゲル、そして固体フィルムへと進行させるものである。
本方法のステップa)で用意される組成物は、本発明の第1の形態に関して既述したようにさらに詳しく定義することができる。
本方法は、表面上の保護フィルムの形成に、本発明の組成物に固有の有利な特徴を利用する。本発明の第4の形態による方法は、2、3回のコーティング塗布、又は1回のコーティング塗布で、室温での水に対する十分な厚さ及び安定性を有する保護フィルムを支持体上に形成することを可能にし、表面の保護にかかる費用を有意に削減する。
本方法のステップa)では、本発明の第1の形態で記載した組成物が提供される。ステップb)では、汚染から保護しようとする表面に組成物を塗布する。表面に塗布した組成物から溶媒を蒸発させると、ゲルが形成され、これは最終的に固体フィルムに変化し得る。得られたフィルムは、温度が上昇してゲルが溶解しない限り、室温での水による溶解に耐えうる。というのは、水による処理は、ゲルにフィルムの膨潤をもたらすにすぎないからである。
本発明の方法の特定の実施形態では、ステップb)における溶液の塗布は、1ステップで実施する。1ステップ塗布は、表面保護に関連する費用及び労力を低減する。別の実施形態では、ステップb)における溶液の塗布は、吹付けによって実施する。別の例では、ステップb)における溶液の塗布は、ブラッシングにより実施することができる。
本発明の方法に従い形成される保護フィルムの厚さは、フィルムの保護性能に重要である。一般に、滑らかな平面を被覆するには、1μmのフィルム厚さで十分であり得る。しかし、ほとんどの表面は大小のでこぼこ、欠損又は細孔があり、これらはフィルムに影響を及ぼし得るため、薄いフィルムの表面被覆では不十分である。さらに、例えば、屋外の環境にさらされる表面の場合、保護フィルムは、雨、風及び粒子、並びに通行人による接触によって浸食され得るため、フィルム厚さは時間の経過と共に減少する。従って、一般に、より厚い保護フィルムを有するのが望ましいことがある。フィルムが厚ければ、塗料が保護フィルムを介して分散し、その下の支持体に到達するのに必要な時間が増加することから、例えば、落書きから、より優れた保護がもたらされる。
本発明は、1回の塗布ステップで少なくとも20μmの厚さを有するフィルムの塗布を可能にする。従って、本発明の方法の一実施形態では、ステップc)から得られる保護フィルムは、支持体表面上で、少なくとも10μm、好ましくは少なくとも20μmの厚さを有する。
一実施形態では、ステップc)の乾燥は、塗布した組成物の加熱を含む。加熱は、好ましくは、組成物中の多糖ゲル粒子が少なくとも部分的に融解又は溶解する温度で実施する。組成物は、例えば、50℃以上の温度、例えば、60℃以上の温度、例えば、70℃以上の温度、例えば、80℃以上の温度に加熱することができる。温度は一般に、100℃より低く、又は少なくとも組成物の成分が分解しうる温度より低く維持する。加熱は、塗布した組成物の乾燥ステップの前、その間、又はその後に実施することができる。好ましくは、加熱は、塗布した組成物の乾燥中に実施する。多糖ゲル粒子が1融点を有する場合には、加熱温度は、多糖ゲル粒子の融点より高いことが好ましい。そうすると、ゲル粒子は完全又は部分的に融解し得るため、組成物を部分的又は実質的に均質化することができる。
水性コーティング組成物が撥水性物質、例えば、蝋を含む実施形態では、撥水性物質の融点より高く組成物を加熱するのが有利である。
フィルムの乾燥方法は、時間及び温度の両方によって調節することができる。フィルムを短時間、例えば、4分で乾燥させるのが好ましい場合には、温度は、時間遅延が問題ない場合より高くてもよい。
本発明の第4の形態による方法は、
d)フィルムを再溶解及び/又は膨潤させることができる液体で、ステップc)で形成したフィルムを処理するステップと、
e)支持体表面からのフィルムの完全又は部分的除去により、フィルムに付着した汚染物を除去するステップ
をさらに含んでもよい。
一実施形態では、除去ステップ(d及びe)での除去は、吹付け、ブラッシング、拭い取り、こすり落とし、洗浄などによって実施される。液体は、室温より高い温度であってよい。一実施形態では、液体の温度は少なくとも30℃、好ましくは少なくとも40℃である。別の実施形態では、液体の温度は、少なくとも50℃、例えば少なくとも60℃である。好ましい実施形態では、フィルムを再溶解及び/又は膨潤させることができる液体は、温度約40〜60℃の水である。
多糖保護フィルムが被覆している表面からのこの保護フィルムを完全又は部分的に除去することによって、フィルムが塗布された後にフィルムに付着した汚染物も除去することができる。
フィルムの除去をさらに容易にするために、例えば、高圧洗浄装置を用いて、高温で液体を塗布してもよい。本発明の一実施形態では、圧力は、少なくとも10バール、例えば、少なくとも20バールである。液体の圧力は、保護フィルムが付着している表面に応じて、一般に10〜200バールの範囲であってよい。一般的には、乗用車の表面を保護するフィルムを除去する場合には、液体の圧力は150バールより低い。
フィルムを再溶解及び/又は膨潤させることができる液体は、好ましくは水を基材とし、例えば、水である。
好ましくは、前述した方法により得られた保護フィルムで支持体をコーティングしてもよい。保護フィルムの厚さは、好ましくは少なくとも20μmである。支持体は、コンクリート、金属、石、ガラス、紙又は木材からなる群から選択することができる。例えば、支持体は、車両のウォール又は外部であってよい。別の例では、支持体は植物である。支持体はまた、ラッカー、塗料又はワニスを塗布した表面、例えば、車体であってもよい。
本発明の組成物を塗布する表面が多孔性である場合には、組成物は、支持体の孔に入り込み、含浸支持体を形成してもよい。本発明の組成物は、多孔性クロス、ティッシュ又は組織、例えば、セルロースを基材とするもの、例えば、紙を含浸するのに、本発明の組成物を用いて、耐水性が改善された製品を得ることができる。多孔性材料は、好ましくは生分解しやすいものでよい。こうした多糖含浸クロス、ティッシュ又は組織は、分解性材料として、例えば、雑草の成長を抑制する目的で栽培場において所望の植物同士の間の土壌を被覆するためのいわゆるマルチフィルムとして、有用である。含浸材料の寿命は、地面の上方に材料が浮き上るようにして、含浸材料と土壌との接触を減少又は排除することによって、延長させることができる。材料が必要なくなったら、含浸材料と土壌との接触を増加させることにより、分解を加速させてよい。本発明の材料は、このように、除草剤に代わる、効率的かつ環境に配慮した代替物を提供する。含浸材料の別の利点は、水(例えば、雨又は人工的灌漑からの)が材料を通過できるようにすることである。多くの従来の材料は、プラスチックを基材とし、水を通過させない。含浸材料中の多糖の量は、含浸材料及び用いる特定の組成物の必要な特性に応じて広範囲で変動しうる。含浸材料は、乾量基準で、多孔性材料の量より多い若しくは少ない、又はこれにほぼ等しい量の多糖を含みうる。
従って、本発明の別の実施形態では、本発明は、多糖ゲル、及び任意選択で蝋粒子を含む、前述した水性コーティング組成物で含浸した多孔性材料を提供する。多孔性材料は、好ましくはセルロースを基材とするものでよい。一実施形態では、多孔性材料は紙である。より具体的実施形態では、含浸材料は、水溶液中の少なくとも1種の多糖又はその誘導体と、複数の多糖ゲル粒子と、20℃で半固体又は固体の少なくとも1種の撥水性物質とを含む、本発明の組成物で含浸したティッシュペーパーである。一実施形態では、多孔性材料と、含浸材料中の固形分との乾燥重量比は、10:1〜1:10、好ましくは10:1〜1:2の範囲にある。より具体的実施形態では、多多孔性材料と固形分との乾燥重量比は、2:1〜1:2の範囲にある。多孔性材料を含浸するのに用いる組成物は、材料の直射日光に対する透明性を低減するために、顔料、例えば、カーボンブラックをさらに含んでもよい。
実施形態の項目別一覧
以下は、本発明の実施形態の非制限的な項目別一覧であり、これは、本発明の形態のいくつかにおいて本発明が提供する様々な特徴及び組合せを記載する目的で示すものである。
項目:
1.
(i)水溶液中の少なくとも1種の多糖又はその誘導体と、
(ii)複数の多糖ゲル粒子と
の混合物を含む水性コーティング組成物であって、支持体に塗布されると、フィルムを形成することができる組成物。
2.少なくとも部分的なゲル形成により、前記フィルムを形成することができる、項目1に記載の水性コーティング組成物。
3.水性溶剤の蒸発によって前記フィルムを形成することができる、項目1又は2に記載の水性コーティング組成物。
4.前記フィルムが、少なくとも40℃の温度及び/又は高圧の水蒸気により除去することができる、項目1〜3のいずれか一項目に記載の水性コーティング組成物。
5.水溶液中の少なくとも1種の多糖又はその誘導体と複数の多糖ゲル粒子が、互いに引力相互作用することができる、項目1〜4のいずれか一項目に記載の水性コーティング組成物。
6.前記引力相互作用が、共有結合、イオン結合、静電力、双極子−双極子相互作用、ロンドン分散力、及び水素結合からなる群から選択される、項目5に記載の水性コーティング組成物。
7.前記引力相互作用が、静電力及び水素結合からなる群から選択される、項目4又は5に記載の水性コーティング組成物。
8.水溶液中の多糖の濃度が、0.1〜10%(w/v)、好ましくは1〜5%(w/v)の範囲である、項目1〜7のいずれか一項目に記載の水性コーティング組成物。
9.組成物中の多糖ゲル粒子の量が、多糖ゲル粒子が完全に膨潤しているとき、組成物の総量の10%〜90%を占める、項目1〜8のいずれか一項目に記載の水性コーティング組成物。
10.複数の多糖粒子中の多糖の濃度が、0.1〜5%(w/v)、好ましくは1〜2%(w/v)の範囲である、項目1〜9のいずれか一項目に記載の水性コーティング組成物。
11.水溶液中の多糖又はその誘導体が、藻類、微生物及び植物由来の多糖、並びにこれらの混合物からなる群から選択される、項目1〜10のいずれか一項目に記載の水性コーティング組成物。
12.水溶液中の多糖又はその誘導体が、寒天、カラゲナン、ゲランガム、ペクチン、ローカストビーンガム、グアーガム、エスパルトキシラン、アラビノキシラン、コンニャクマンナン、ヒドロキシエチルセルロース、デンプン又はその誘導体、アルギン酸、キトサン、キチン、メチルカルボキシメチルセルロース及びアセチルセルロース、並びにこれらの混合物からなる群から選択される、項目10に記載の水性コーティング組成物。
13.水溶液中の多糖又はその誘導体が、寒天とグアーガム、ローカストビーンガム及び/又はキサンタンガムの混合物である、項目11又は12のいずれか一項目に記載の水性コーティング組成物。
14.水溶液中の多糖又はその誘導体が、寒天とグアーガム及び/又はローカストビーンガムの混合物である、項目12又は13のいずれか一項目に記載の水性コーティング組成物。
15.多糖ゲル粒子が、藻類、微生物及び植物由来の多糖、並びにこれらの混合物からなる群から選択される、項目1〜14のいずれか一項目に記載の水性コーティング組成物。
16.多糖ゲル粒子が、寒天、カラゲナン、ゲランガム、ペクチン、ローカストビーンガム、グアーガム、エスパルトキシラン、アラビノキシラン、コンニャクマンナン、ヒドロキシエチルセルロース、デンプン又はその誘導体、アルギン酸カルシウム、キトサン、キチン、メチルカルボキシメチルセルロース、アセチルセルロース、及びこれらの混合物のゲル粒子からなる群から選択される、項目15に記載の水性コーティング組成物。
17.多糖ゲル粒子が、寒天とグアーガム及び/又はローカストビーンガムの混合物である、項目15又は16のいずれか一項目に記載の水性コーティング組成物。
18.多糖ゲル粒子が、水性組成物において、約1μm〜5mm、例えば、約10μm〜1mm、又は例えば、約50μm〜500μmの平均粒径を有する、項目1〜17のいずれか一項目に記載の水性コーティング組成物。
19.少なくとも1種のポリマーポリアミノ化合物をさらに含む、項目1〜18のいずれか一項目に記載の水性コーティング組成物。
20.前記ポリマーポリアミノ化合物が、タンパク質、アミノ官能基を含む多糖及びその誘導体、並びにアミノ官能基を含む脂肪族ポリマーから選択される、項目19に記載の水性コーティング組成物。
21.前記ポリマーポリアミノ化合物が、アミノ官能基を含む可溶性セルロース又はデンプン誘導体である、項目19又は20のいずれか一項目に記載の水性コーティング組成物。
22.前記ポリマーポリアミノ化合物が、キトサン、又はアミノ官能基を含む脂肪族ポリマーである、項目19〜21のいずれか一項目に記載の水性コーティング組成物。
23.前記ポリマーポリアミノ化合物が、ポリエチレンイミンである、項目19〜22のいずれか一項目に記載の水性コーティング組成物。
24.組成物中のポリマーポリアミノ化合物の濃度が、1〜10%(w/v)、好ましくは1〜5%(w/v)の範囲である、項目19〜23のいずれか一項目に記載の水性コーティング組成物。
25.20℃で半固体又は固体である撥水性物質をさらに含む、項目1〜24のいずれか一項目に記載の水性コーティング組成物。
26.前記撥水性物質が、30℃以上、例えば、40℃以上、例えば、50℃以上、例えば、60℃以上の融点を有する、項目25に記載の水性コーティング組成物。
27.前記撥水性物質が、蝋及び脂肪からなる群から選択され、好ましくは蝋である、項目25又は26のいずれか一項目に記載の水性コーティング組成物。
28.撥水性物質が、動物蝋、植物蝋、鉱蝋及び合成蝋、並びにこれらの混合物から選択される、項目25〜27のいずれか一項目に記載の水性コーティング組成物。
29.撥水性物質が微結晶蝋である、項目25〜28のいずれか一項目に記載の水性コーティング組成物。
30.撥水性物質が、組成物中に分散粒子として存在する、項目25〜29のいずれか一項目に記載の水性コーティング組成物。
31.さらに緩衝系を含む、項目1〜30のいずれか一項目に記載の水性コーティング組成物。
32.前記緩衝系が、低分子量緩衝化合物を含む、項目31に記載の水性コーティング組成物。
33.前記緩衝系の量が、約2%(w/v)〜約5%(w/v)の範囲内である、項目31又は32のいずれか一項目に記載の水性コーティング組成物。
34.組成物のpHが、約5〜約9の範囲内である、項目31〜33のいずれか一項目に記載の水性コーティング組成物。
35.さらに、消泡剤、可塑剤、界面活性剤及び抗菌剤からなる群から選択される少なくとも1種の添加剤を含む、項目1〜34のいずれか一項目に記載の水性コーティング組成物。
36.前記可塑剤が、グリセロール、ポリグリセロール、ジメチルスルホキシド、及びホルムアミドからなる群から選択される、項目35に記載の水性コーティング組成物。
37.さらに、除草剤、殺虫剤、殺菌剤、及び/又は殺真菌剤を含む、項目1〜36のいずれか一項目に記載の水性コーティング組成物。
38.汚染から支持体を保護し、そこからの汚染物の除去を容易にするための、項目1〜37のいずれか一項目に記載の水性コーティング組成物の使用。
39.出荷及び輸送中の車両の外部の一時的保護のための、項目1〜37のいずれか1項目に記載の水性コーティング組成物の使用。
40.微生物又は昆虫の攻撃から幼植物を保護するための、項目1〜37のいずれか一項目に記載の水性コーティング組成物の使用。
41.
a)少なくとも1種の多糖又はその誘導体を水溶液に溶解させるステップと、
b)複数の多糖ゲル粒子を調製するステップと、
c)少なくとも1種の多糖又はその誘導体の水溶液に、複数の多糖ゲル粒子を添加するステップと、
d)水溶液中の少なくとも1種の多糖又はその誘導体を複数の多糖ゲル粒子、及び任意選択で他の成分と混合するステップと
を含む、表面の保護に好適な水性コーティング組成物の製造方法。
42.水性コーティング組成物が、項目1〜37のいずれか一項目にさらに記載されている、項目41に記載の方法。
43.汚染から支持体を保護し、そこからの汚染物の除去を容易にするための方法において、
a)項目1〜37のいずれか1項目に記載の水性コーティング組成物を用意するステップと、
b)a)の水性コーティング組成物を支持体表面に塗布するステップと、
c)塗布した組成物を乾燥させて、前記支持体表面上に保護フィルムを形成するステップと
を含む方法。
44.ステップb)における溶液の塗布が1回の塗布として実施される、項目43に記載の方法。
45.ステップb)における溶液の塗布が、吹付けによって実施される、項目43又は44のいずれか一項目に記載の方法。
46.ステップc)から得られる保護フィルムが、前記支持体表面上で少なくとも20μmの厚さを有する、項目43〜45のいずれか一項目に記載の方法。
47.ステップc)の乾燥が、多糖ゲル粒子が少なくとも部分的に溶解又は融解する温度に、塗布した組成物を加熱することを含む、項目43〜46のいずれか一項目に記載の方法。
48.ステップc)の乾燥が、50℃以上の温度に塗布組成物を加熱することを含む、項目43〜47のいずれか一項目に記載の方法。
49.ステップc)の温度が、60℃以上、例えば、70℃以上、例えば80℃以上の温度である、項目48に記載の方法。
50.
d)フィルムを再溶解及び/又は膨潤させることができる液体で、ステップc)で形成したフィルムを処理するステップと、
e)支持体表面からのフィルムの完全又は部分的除去により、フィルムに付着した汚染物を除去するステップ
をさらに含む、項目43〜49のいずれか1項目に記載の方法。
51.除去ステップ(d及びe)において、前記除去が、吹付け、ブラッシング、拭い取り、こすり落とし、洗浄などによって実施される、項目50に記載の方法。
52.ステップd)における前記液体が、少なくとも30℃、例えば、少なくとも40℃、例えば、少なくとも50℃、例えば、少なくとも60℃である、項目50又は51のいずれか一項目に記載の方法。
53.ステップd)における前記液体が、高圧で提供される、項目50〜52のいずれか一項目に記載の方法。
54.前記圧力が、少なくとも10バール、例えば、少なくとも20バールである、項目53に記載の方法。
55.前記液体が水である、項目50〜54のいずれか一項目に記載の方法。
56.項目1〜37のいずれか一項目に記載の組成物でコーティングされる表面を有する支持体。
57.保護フィルムの厚さが、少なくとも20μmである、項目56に記載の支持体。
58.支持体が、コンクリート、金属、石、ガラス、紙、木材又はラッカー、塗料若しくはワニスを塗布された表面からなる群から選択される、項目56又は57のいずれか一項に記載の支持体。
59.項目1〜37のいずれか一項目に記載の組成物で含浸した多孔性支持体。
以下に本発明を非制限的例によってさらに詳しく説明するが、ここで、パーセンテージは、別途記載のない限り、容量当たりの重量で表示するものとする。
以下の非制限的例において、本発明の実施形態の組成物を調製し、試験する。
実施例1.多糖ゲル粒子を含む多糖溶液
グアーガム(15g)とローカストビーンガム(5g)の粉末混合物に、エタノール(50ml)を混合しながら添加した。得られた濃いスラリーに、水(1000ml)を激しく撹拌しながら添加した。得られた混合物を、随時混合しながら、電子オーブン内で90℃に加熱した。得られた濃い溶液を60℃に冷却した後、Polymin P(BASF AG)(水中25%w/v)(75ml)を撹拌しながら添加した。グリシン(10g)、グリセロール(40g)、メチルパラベン(1g)及び中性界面活性剤(1g)を撹拌しながら添加した。得られた溶液を室温に冷却した。得られた多糖溶液のpHは、7.0であった。
これとは別に、多糖ゲル粒子を以下のようにして調製した。寒天(30g)を水(1000ml)中に懸濁させて、懸濁液を90℃に加熱し、得られた溶液を60℃に冷却してから、グリシン(40g)を撹拌しながら添加した。得られた溶液を4℃に18時間維持した。得られた多糖ゲルのブロックを高速カッターで細断して小粒子にすることにより、平均粒径が約100μmの多糖粒子を取得した。
次に、多糖粒子を室温で多糖溶液に添加し、多糖溶液中の多糖粒子の懸濁液を得た。懸濁液を以下の方法a〜eに従って評価した。
a.
懸濁液をコンクリート表面に吹き付け(0.25L/m)、室温で乾燥させた(4時間)。フィルムの安定性について、人工気候室内で室温にて降雨(4時間、200mm)と乾燥期間(8時間)のシーケンスを用いて試験した。このシーケンスを50回繰り返した。降雨シーケンス後も、コーティングはほぼ無傷のままであった。
b.
懸濁液をコンクリート表面に吹き付け(0.25L/m)、室温で乾燥させた(4時間)。スプレー塗料とフェルトペンでの落書きをコーティング表面に施し、1週間乾燥させた。圧力60バールで50℃の水を用いて、施した落書きをコーティングと一緒に容易に除去することができた。
c.
懸濁液に、植物油中1%のシペルメトリン(10%w/v)を激しく撹拌しながら添加した。得られた懸濁液を針葉樹幼植物に塗布し、乾燥させた後、マツクイムシ(Hylobius abietis)に重度に寄生された区画に植えた。6か月後、処理した幼植物はほとんど無傷であったのに対し、非処理の対照幼植物の70%は枯れた(マツクイムシによる環状剥皮)。
d.
2%(w/v)炭素粉末と混合した懸濁液をTAD(貫通空気乾燥)ティッシュ(SCA,Sweden)に吹き付けた(20.5g/m)。乾燥後、黒色の複合紙ティッシュをマルチフィルムとして用いた。懸濁液を乾燥させると、フィルムの収縮が幾分みとめられた。マルチフィルムを温室庭園内の床土の上に載せた。雑草はフィルムを貫通することはできなかったが、フィルムの開口部に配置した植物は正常に成長した。灌漑水は容易にフィルムを通過した。フィルムを土の中に埋めると、フィルムは1か月以内に完全に分解した。
e.
新しくラッカーを塗布した試験プレート(0.25L/m)に懸濁液を塗布し、コーティングしたプレートを、赤外線加熱装置を用いて、80〜90℃で5分間強制乾燥させた。得られたフィルムは、強靭かつ耐水性になった。
Ford社により指定された試験(水のシャワー、酸性及びアルカリ性試験、並びに石油、油及びワッシャー液からの保護に関する試験)に従って、コーティングを試験したところ、高圧水(50℃、圧力60バール)によるコーティングの除去後、ラッカー塗布表面には何の損傷もみとめられなかったため、保護コーティングが十分に機能したことがわかった。
実施例2.多糖ゲル粒子を含む多糖溶液
実施例2は、実施例1と同様に実施するが、多糖溶液において以下の点が異なる。
ローカストビーンガム(15g)と寒天(0.1g)の粉末混合物に、50mlのエタノールを添加し、スラリーを混合した。水(1L)を撹拌しながら添加し、混合物を95℃に加熱した。得られた溶液を室温に冷却した。60℃でメチルパラベン(1g)と亜硫酸水素ナトリウム(0.12g)を添加した。40℃でLupasol SK,BASF AG(水中24%、pH7.0、25g)と中性界面活性剤(10g)を添加した。
これとは別に、寒天ゲル粒子(1L)を製造し(実施例1参照)、上記の溶液と混合した。
得られた生成物を実施例1の手順(a〜e)に従い試験した。結果は、実施例1で得られた結果と同様であった。
実施例3.多糖ゲル粒子と蝋粒子を含む多糖溶液
実施例1から得られた1Lの生成物を、融点60〜80℃の微結晶質蝋(10%w/v)の水性懸濁液(1L)と混合した。次に、得られた懸濁液を実施例1に記載した試験(a〜e)に従い試験した。
結果は、コーティングが撥水性になったことを除けば、実施例1の結果と同様であった。さらに、実施例1d及びeでみとめられたフィルムの収縮は大幅に低減した。
実施例4.多糖ゲル粒子と蝋粒子を含む多糖溶液
実施例1から得られた生成物(1L)を65℃に加熱した。温かい溶液に、融解した蜜蝋(50g)を激しく撹拌しながら添加した。得られたエマルションを室温まで冷却し、懸濁液を形成した。
得られた懸濁液を実施例1に記載した手順(a〜e)に従い試験した。結果は、コーティングが疎水性になったことを除けば、実施例3で得られた結果と同様であった。
実施例5.多糖ゲル粒子を含む多糖溶液
ジャガイモアミロペクチン(PAP)の溶液(1リットル、6%、w/v)にPolymin P(BASF AG)(水中25%w/v)(75ml)を撹拌しながら添加した。次に、グリシン(10g)、グリセロール(40g)、メチルパラベン(1g)及び中性界面活性剤(1g)を撹拌しながら添加した。得られた溶液を室温に冷却した。得られた多糖溶液のpHは、7.0であった。
多糖溶液にアルギン酸ゲルから調製した多糖ゲル粒子の粒子(1:1、v/v)を添加した。アルギン酸ゲルは、アルギン酸ナトリウムの水溶液と塩化カルシウムの水溶液(1%w/w)を混合することにより調製した。
得られた混合物を実施例1に記載した方法に従い試験した。結果は、実施例1とほとんど同じであった。
実施例6.多糖ゲル粒子と蝋粒子を含む多糖溶液
実施例5に従い調製した1Lの組成物を65℃に加熱し、融解した蜜蝋(50g)を激しく撹拌しながら添加した。得られたエマルションを室温に冷却し、懸濁液を形成した。
得られた調製物を実施例1に記載した方法に従い試験した。結果は、実施例4の調製物について記載したものと実質的に同じであった。

Claims (19)

  1. (i)水溶液中の少なくとも1種の多糖又はその誘導体と、
    (ii)複数の多糖ゲル粒子と
    の混合物を含み、支持体に塗布されると、フィルムを形成することができることを特徴とする水性コーティング組成物。
  2. 請求項1に記載の水性コーティング組成物において、少なくとも部分的なゲル形成により、前記フィルムを形成することができることを特徴とする水性コーティング組成物。
  3. 請求項1又は2に記載の水性コーティング組成物において、前記フィルムが、少なくとも40℃の温度及び/又は高圧の水蒸気により除去することができることを特徴とする水性コーティング組成物。
  4. 請求項1〜3のいずれか一項に記載の水性コーティング組成物において、水溶液中の多糖の濃度が、0.1〜10%(w/v)、好ましくは1〜5%(w/v)の範囲であることを特徴とする水性コーティング組成物。
  5. 請求項1〜4のいずれか一項に記載の水性コーティング組成物において、前記組成物中の多糖ゲル粒子の量が、前記多糖ゲル粒子が完全に膨潤しているとき、前記組成物の総量の10%〜90%を占めることを特徴とする水性コーティング組成物。
  6. 請求項1〜5のいずれか一項に記載の水性コーティング組成物において、複数の多糖粒子中の多糖の濃度が、0.1〜5%(w/v)、好ましくは1〜2%(w/v)の範囲であることを特徴とする水性コーティング組成物。
  7. 請求項1〜6のいずれか一項に記載の水性コーティング組成物において、水溶液中の多糖又はその誘導体が、藻類、微生物及び植物由来の多糖、並びにこれらの混合物からなる群から選択されることを特徴とする水性コーティング組成物。
  8. 請求項1〜7のいずれか一項に記載の水性コーティング組成物において、前記複数の多糖ゲル粒子が、藻類、微生物及び植物由来の多糖、並びにこれらの混合物のゲル粒子からなる群から選択されることを特徴とする水性コーティング組成物。
  9. 請求項1〜8のいずれか一項に記載の水性コーティング組成物において、20℃で半固体又は固体である撥水性物質をさらに含むことを特徴とする水性コーティング組成物。
  10. 請求項9に記載の水性コーティング組成物において、前記物質が、蝋及び脂肪からなる群から選択されることを特徴とする水性コーティング組成物。
  11. 請求項1〜10のいずれか一項に記載の水性コーティング組成物において、さらに緩衝系を含むことを特徴とする水性コーティング組成物。
  12. 汚染から支持体を保護し、そこからの汚染物の除去を容易にするための、請求項1〜11のいずれか一項に記載の水性コーティング組成物の使用。
  13. 出荷及び輸送中の車両の外部の一時的保護のための、請求項1〜11のいずれか一項に記載の水性コーティング組成物の使用。
  14. 表面の保護に好適な水性コーティング組成物の製造方法において、
    a)少なくとも1種の多糖又はその誘導体を水溶液に溶解させるステップと、
    b)複数の多糖ゲル粒子を調製するステップと、
    c)少なくとも1種の多糖又はその誘導体の水溶液に、複数の多糖ゲル粒子を添加するステップと、
    d)水溶液中の少なくとも1種の多糖又はその誘導体を複数の多糖ゲル粒子、及び任意選択で他の成分と混合するステップと
    を含むことを特徴とする方法。
  15. 汚染から支持体を保護し、そこからの汚染物の除去を容易にする方法において、
    a)請求項1〜11のいずれか一項に記載の水性コーティング組成物を用意するステップと、
    b)a)の水性コーティング組成物を支持体表面に塗布するステップと、
    c)塗布した前記組成物を乾燥させて、前記支持体表面上に保護フィルムを形成するステップと
    を含むことを特徴とする方法。
  16. 請求項15に記載の方法において、ステップb)における溶液の塗布が、1回の塗布として実施されることを特徴とする方法。
  17. 請求項15又は16に記載の方法において、
    d)前記フィルムを再溶解及び/又は膨潤させることができる液体で、ステップc)で形成したフィルムを処理するステップと、
    e)前記支持体表面からの前記フィルムの完全又は部分的除去により、前記フィルムに付着した汚染物を除去するステップと
    をさらに含むことを特徴とする方法。
  18. 支持体において、請求項1〜11のいずれか一項に記載の組成物でコーティングされる表面を有することを特徴とする支持体。
  19. 多孔性支持体において、請求項1〜11のいずれか一項に記載の組成物で含浸されることを特徴とする多孔性支持体。
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