JP2013540200A - プラズマビームからマクロ粒子を除去するためのフィルタ - Google Patents

プラズマビームからマクロ粒子を除去するためのフィルタ Download PDF

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Abstract

プラズマビームからマクロ粒子をフィルタリングするフィルタである。フィルタは、前記プラズマビームが移送される屈曲ダクトを備える。屈曲ダクトは、一端において、流入平面上に配された長手軸を有する流入部分と接続され、反対側の他の一端において、流出平面上に配された長手軸を有する流出部分と接続された中間部分を有する。前記流入部分では、マクロ粒子を含む前記プラズマビームが、前記中間部分へ向かって、入射方向に進行可能である。前記流出部分では、前記プラズマビームが、前記中間部分から、放射方向に進行可能である。前記中間部分は、入射方向を、放射方向へと、90°より大きな角度で逸脱させることで、前記プラズマビームが前記中間部分を通過する時に、前記プラズマビームからマクロ粒子を除去するよう構成される。前記流入平面と前記流出平面とは、互いにオフセット角で配される。
【選択図】図1A

Description

本発明は、概して、プラズマビームからマクロ粒子を除去するためのフィルタに関する。また、本発明は、アーク蒸着装置、および、プラズマビームからマクロ粒子を除去する方法に関する。
アーク蒸着技術は、超高硬度被覆や、ナノ複合被覆を生成するために一般的に用いられている。しかしながら, アーク蒸着技術では、プラズマビームの中に、マクロ粒子が発生することが知られている。これらのマクロ粒子は、得られる被覆の品質に悪影響を与えるため、最終的に基材の表面を被覆するプラズマビームの中に存在するマクロ粒子の数量は低減されることが望ましい。
当該技術分野では、プラズマビームからマクロ粒子をフィルタリングする既知の方法が知られている。例えば、既知の方法の1つでは、プラズマビームから、マクロ粒子をフィルタして取り除くために、プラズマビームは、緩やか且つなだらかな、ダクトのベンド(bend)を通過するように導かれる。他の既知の方法の1つにおいては、同じくプラズマビームからマクロ粒子を取り除くために、プラズマビームは、少なくとも2つの、相異なる緩やかなベンドであって、その両方が異なる平面内に存在するベンドを通過するように導かれる。全てのこれらの既知の方法では、発生源から基材へと進行するプラズマビームの方向を滑らかに変化させるために、使用されるベンドは、緩やか且つなだらかである。これらの方法では、ある程度、基材に到達するプラズマビームから一定割合のマクロ粒子を除去するが、全てのこれら既知の方法は、結果として得られる被覆中のマクロ粒子のレベルを、ある種のマクロ粒子の影響を受けやすい用途において求められる所望の低さにするには程遠い。
例えば、ハードディスクドライブの製造のようなある種の用途では、ハードディスクドライブの機能を損なうことがないように、内部部品は、清浄(clean)でなくてはならず、ハードディスクドライブのケーシング内の環境において、実質上マクロ粒子が存在していてはならない。そのため、組み立てに際しては、ハードディスクドライブの組み立てに用いられる各々の部品は、とても清浄(clean)でなくてはならず、部品上には、結果としてハードディスクドライブの動作を妨げる可能性のあるマクロ粒子が、実質上存在してはならない。そのため、ハードディスクの部品の被覆のような用途では、これらの被覆中に存在するマクロ粒子の数量を、基材1cmに対してマクロ粒子(サイズが0.2ミクロン以上のもの)が2個より少ないレベルまで、低減することが望ましい。しかしながら、上述のように、既知のアーク蒸着技術には、この所望の結果を達成することができるものがなく、いずれのアーク蒸着技術も、事実上、ハードディスクの部品を被覆するために用いることができない。
それゆえ、上述した短所を1つ以上解消するような、あるいは、少なくとも、上述した短所を1つ以上改善するような、アーク蒸着技術において使用されるフィルタを提供する必要がある。
また、上述した短所を1つ以上解消するような、あるいは、少なくとも、上述した短所を1つ以上改善するような、アーク蒸着装置、および、プラズマビームからマクロ粒子を除去する方法を提供する必要がある。
第1観点によれば、プラズマビームからマクロ粒子をフィルタリングするフィルタが提供される。フィルタは、前記プラズマビームが移送される屈曲ダクトを備える。屈曲ダクトは、中間部分を有する。中間部分は、一端において、流入平面上に配される長手軸を有する流入部分と接続され、反対側の他の一端において、流出平面上に配される長手軸を有する流出部分と接続される。前記流入部分では、マクロ粒子を含む前記プラズマビームが、前記中間部分へ向かって、入射方向に進行可能である。前記流出部分では、前記プラズマビームが、前記中間部分から、放射方向に進行可能である。前記中間部分は、前記入射方向を、前記放射方向へと、90°より大きな角度で逸脱させることで、前記プラズマビームが前記中間部分を通過する時に、前記プラズマビームからマクロ粒子を除去するよう構成される。流入平面と流出平面とは、互いにオフセット角で配される。
開示のフィルタは3次元形状を有し、流入側と流出側とは、90°より大きな第1ベンド(bend)を含む中間部分により区切られている。流入側と流出側とは互いに同一平面上には配置されていない。
効果として、中間部分における方向の急な変化が、入射するプラズマビームを90°より大きな角度で逸脱させ、その結果、入射方向に進行する、プラズマビーム中の他のイオンよりも大きな慣性を有するマクロ粒子が取り除かれる。さらにまた、流入平面と流出平面との方向があるオフセット角で変化するため、プラズマビームは逸脱し、その結果、流入平面に沿って進行するマクロ粒子を除去する。
その結果、プラズマビームは異なる平面上のベンドを通過するので、マクロ粒子は、中間部分のベンドと、流入部分と中間部分との間のベンド、および、中間部分と流出部分との間のベンドと、の両方により、都合よく取り除かれる。その結果、シングルベンド型のフィルタや、さらに、流入側と流出側との間で同一平面上に配されたダブルベンド型のフィルタに比べ、マクロ粒子の除去量が増大する。それ故、開示されたフィルタは、フィルタのダクトが共通平面上に配される、シングルベンド型又はダブルベンド型のフィルタに比べ、マクロ粒子の除去効率が高い。
更に、入射するプラズマビームと、放射されるプラズマビームとの間の全体の角度変化が、異なる平面内にベンドがあることで、都合よく拡大する。その結果、流入部分と中間部分との間のベンドの角度、中間部分のベンドの角度、および、中間部分と流出部分とのベンドの角度は、あまり顕著でない。開示のフィルタは、プラズマビーム中の所望のイオンを、所望されない、より大きなマクロ粒子と同じ割合では除去しないので、同一平面上に連続してベンドを有するフィルタや、1つだけ顕著なベンド角度を持たせたフィルタに比べ、より高速に、被覆1cmあたりのマクロ粒子の数を削減しながら、より高効率に、被覆を行うことができ、都合がよい。効果として、これにより、被覆のために準備されるターゲットアーク源の利用を減らすことができ、その結果、コストを削減することができる。
また、驚くべきことに、中間部分が入射方向を放射方向へ90°より大きな角度で逸脱させるように構成された場合、マクロ粒子の多くをプラズマビームから除去でき、被覆1cmあたりのマクロ粒子(直径が0.2ミクロン以上のもの)の数を10個より少なくできることが認められた。効果として、一端において流入部分と接続され、反対側の他の一端において流出部分と接続された中間部分を有する、屈曲ダクトの構成は、方向を急激に変化させることができ、それによりマクロ粒子の大半を阻む。マクロ粒子は、方向の変化に追従する、プラズマビーム中の他のイオンより、大きな慣性を有する。さらなる効果として、前記中間部分を通過し、放射方向に放射されるブラズマビームには、実質的にマクロ粒子は含まれていない。
1の実施形態では、中間部分は、入射方向を放射方向へと、90°より大きく、180°より小さな角度で逸脱させるように構成される。1の実施形態では、流入部分と流出部分とは、同一平面内に存在する。
1の実施形態では、流入平面と流出平面とのオフセット角は20°より大きい。他の1の実施形態では、流入平面と流出平面とのオフセット角は、20°から60°の間、好ましくは30°から45°の間である。
他の1の実施形態では、流入部分は、一端が中間部分と接続される上流部分を更に有する。上流部分には、アーク源から前記中間部分に向かって前記ブラズマビームが通過する。上流部分および流入部分は、アーク源から中間部分、更には流出部分へと連続する経路を提供することができる。上流部分は、アーク源からのプラズマビームの方向を、前記中間方向へと向かう入射方向へと、90°より小さな角度で逸脱させるよう構成されてもよい。1の実施形態では、上流部分は、中間部分によりフィルタされたマクロ粒子の少なくとも一部が、アーク源へと逆戻りすることを防止するよう構成される。効果として、そのような構成では、流出部分に入らなかったマクロ粒子が、アーク源に直接落下して戻り、アーク源を汚染することがない。それどころか、マクロ粒子を上流部分に蓄積できる。さらなる効果として、上流部分は、アーク源からのプラズマビームの方向を、前記中間部分に向かう入射方向へと、比較的緩やかに変化させ、前記上流部分を通過した後のプラズマビーム中に存在するプラズマイオンについて、不必要な損失を最小限とすることができる。
1の実施形態では、中間部分は第1延伸部を有し、前記入射方向に沿って、第1延伸部に向かってマクロ粒子を進行させる。第1延伸部の長手軸は、流入部分の長手軸と実質的に平行であってもよい。その結果、第1延伸部により、流出部分へと通過しなかったマクロ粒子は、第1延伸部を通過でき、例えば、第1延伸部に付加的に設けられた除去ユニットにより除去される。さらにより効果的には、第1延伸部を設けることで、清掃の際や、ダクト内にバッフルのような付属品を取り付ける際に、流入部分および中間部分にアクセスすることが可能となる。
1の実施形態では、中間部分は、流出部分の長手軸と実質的に平行な長手軸を有する第2延伸部を更に有する。効果として、第2延伸部を設けることで、清掃の際や、ダクト内にバッフルのような付属品を取り付ける際に、中間部分および流出部分にアクセスすることが可能となる。
1の実施形態では、流入部分の長手軸、第1延伸部の長手軸、流出部分の長手軸、および第2延伸部の長手軸が、単一の点で交差する。そのような構造を有することで、相対的に製造を容易にできる。すなわち、そのような流入部分、第1延伸部、流出部分、および第2延伸部を組み合わせた構成では、第1および第2延伸部が存在しないような構成に比べて製造が容易になり、その結果、製造費用が低減される。
1の実施形態では、流出部分は、一端が中間部分と接続される下流部分を更に有する。下流部分には、前記プラズマビームが、前記中間部分から基材へと通過する。1の実施形態では、下流部分は、中間部分から前記基材へと連続する経路を提供するよう構成される。効果として、下流部分は、流出部分と、被覆される基材とを接続する接続管を提供する。
1の実施形態では、上流部分を有する流入部分の流入平面と、下流部分を有する流出部分の流出平面と、のオフセット角は、20°より大きい。他の1の実施形態では、流入平面と流出平面とのオフセット角は、20°と60°との間、好ましくは30°と45°の間である。
下流部分は、プラズマビームの方向を、放射方向から、前記基材へと向かう方向へと、90°より小さな角度で逸脱させる。下流部分は、中間部分でフィルタされなかった、残留するマクロ粒子の少なくとも一部を更にフィルタし、それにより、マクロ粒子が基材に向かって下流へと通過することを防止するよう構成されてもよい。効果として、そのような構成により、下流部分は、放射方向から前記基材へ向かう方向へと、方向を比較的緩やかに変化させ、前記下流部分を通過した後のプラズマビーム中に存在するプラズマイオンについて、不必要な損失を最小限とすることができ、その一方で、流出部分に思いがけず入り込んだマクロ粒子をフィルタして取り除くことができる。
第2観点によれば、基材を被覆するためのアーク蒸着装置が提供される。アーク蒸着装置は、プラズマビームを発生するアーク源と、プラズマビームからマクロ粒子をフィルタリングするフィルタと、磁界源と、を備える。フィルタは、前記プラズマビームが移送される屈曲ダクトを有する。屈曲ダクトは、中間部分を有する。中間部分は、一端において、流入平面上に配された長手軸を有する流入部分と接続され、反対側の他の一端において、流出平面上に配された長手軸を有する流出部分と接続される。前記流入部分では、マクロ粒子を含む前記プラズマビームが、前記中間部分に向かって、入射方向に進行可能である。前記流出部分では、前記プラズマビームが、前記中間部分から放射方向に進行可能である。前記中間部分は、入射方向を放射方向へと90°より大きな角度で逸脱させることで、前記ブラズマビームが前記中間部分を通過する時に、前記プラズマビームからマクロ粒子を除去するよう構成される。前記流入平面と、前記流出平面とは、互いにオフセット角で配される。磁界源は、プラズマビームを入射方向から放射方向へと導く磁界を供給する。
磁界は、プラズマビームを入射方向から放射方向へと1の平面においてx−y軸上を進行させるだけではなく、磁界は、プラズマビームを1の平面から他の1の平面へとx−y−z軸に沿ってドリフトさせ、プラズマビームを3次元的に進行させる。それゆえ、磁界によるドリフトを相殺することができるように、開示のフィルタの流入平面と流出平面とは、プラズマビームの3次元的な屈曲に従った方向に都合よくオフセットしている。
それゆえ、開示のアーク蒸着装置は、プラズマビーム中の所望のイオンの損失を最小限とし、アーク蒸着装置の処理能力を向上させ、ターゲットアーク源の利用を約1〜2倍にすることができる。効果として、フィルタの形状がプラズマビームの屈曲に従っているため、プラズマは基材へと効率的に移送される。
さらに、プラズマビームが開示のフィルタのベンドを通過することで、プラズマビーム中のマクロ粒子が効果的に除去される。
効果として、第2観点に係るアーク蒸着装置は、実質的にマクロ粒子を含まない被覆を生成することができる。1の実施形態では、第2観点に係るアーク蒸着装置は、被覆1cmあたりのマクロ粒子が10個よりも少ない被覆、被覆1cmあたりのマクロ粒子が8個よりも少ない被覆、被覆1cmあたりのマクロ粒子が6個よりも少ない被覆、被覆1cmあたりのマクロ粒子が4個よりも少ない被覆、被覆1cmあたりのマクロ粒子が2個よりも少ない被覆、又は、被覆1cmあたりのマクロ粒子が1.8個よりも少ない被覆を生成できる。ここでは、マクロ粒子は、0.2ミクロン以上の大きさである。
アーク蒸着装置の屈曲ダクトは、さらに、上記のような、その他の付加的な、部分および/又は部品を有していてもよい。その結果、ダクトが上記のような他の部分を有する場合、上流部分、流入部分、中間部分、流出部分、および下流部分は、プラズマビームがアーク源から基材へと進行することが可能な、連続した経路を形成できる。
第3観点によれば、プラズマビームからマクロ粒子をフィルタリングする方法が提供される。マクロ粒子をフィルタリングする方法は、内部にマクロ粒子を含むプラズマビームを発生させるステップと、プラズマビームからマクロ粒子をフィルタリングするためのフィルタに、内部にマクロ粒子を含むプラズマビームを通すステップと、プラズマビームに磁界を作用させるステップと、を備える。フィルタは、前記プラズマビームが移送される屈曲ダクトを有する。屈曲ダクトは、中間部分を有する。中間部分は、一端において、流入平面上に配された長手軸を有する流入部分と接続され、他の反対側の一端において、流出平面上に配された長手軸を有する流出部分と接続される。前記流入部分では、マクロ粒子を含む前記プラズマビームが、前記中間部分に向かって、入射方向に進行可能である。前記流出部分では、前記プラズマビームが、前記中間部分から、放射方向に進行可能である。前記中間部分は、入射方向を放射方向へと90°より大きな角度で逸脱させることで、前記プラズマビームが前記中間部分を通過する時に、前記プラズマビームからマクロ粒子を除去するように構成される。前記流入平面と前記流出平面とは、互いにオフセット角で配される。プラズマビームに磁界を作用させるステップでは、前記流出部分のマクロ粒子の数が、前記流入部分のマクロ粒子の数より少なくなるよう、プラズマビームを入射方向から放射方向へと導くために、プラズマビームに磁界を作用させる。
第4観点では、0.2ミクロン以上の直径のマクロ粒子の数が、被覆1cmあたり2個より少ない被覆の生成方法を提供する。被覆の生成方法は、内部にマクロ粒子を含むプラズマビームを発生させるステップと、プラズマビームからマクロ粒子をフィルタリングするためのフィルタに、内部にマクロ粒子を含むプラズマビームを通すステップと、プラズマビームに磁界を作用させるステップと、基材を被覆するステップと、を備える。フィルタは、前記プラズマビームが移送される屈曲ダクトを有する。屈曲ダクトは、中間部分を有する。中間部分は、一端において、流入平面上に配された長手軸を有する流入部分と接続され、他の反対側の一端において、流出平面上に配された長手軸を有する流出部分と接続される。前記流入部分では、マクロ粒子を含む前記プラズマビームが、前記中間部分に向かって、入射方向に進行可能である。前記流出部分では、前記プラズマビームが、前記中間部分から、放射方向に進行可能である。前記中間部分は、入射方向を放射方向へと90°より大きな角度で逸脱させることで、前記プラズマビームが前記中間部分を通過する時に、前記プラズマビームからマクロ粒子を除去するように構成される。前記流入平面と前記流出平面とは、互いにオフセット角で配される。プラズマビームに磁界を作用させるステップでは、前記流出部分のマクロ粒子の数が、前記流入部分のマクロ粒子の数より少なくなるよう、プラズマビームを入射方向から放射方向へと導くために、プラズマビームに磁界を作用させる。基材を被覆するステップでは、放射方向に進行するプラズマビームで基材を被覆し、0.2ミクロン以上の直径のマクロ粒子の数が、被覆1cmあたり2個より少ない被覆を生成する。
第6観点では、ここで開示された、フィルタ、アーク蒸着装置、および方法の、ハードディスクの部品の被覆のための使用が提供される。
第7観点では、プラズマビームからマクロ粒子をフィルタリングするためのダクトが提供される。ダクトは、プラズマビームが通過可能な連続した経路を有する部分と、前記部分内に配されたシングルベンドとを有する。前記部分では、プラズマビームがシングルベンドに向かって、連続する経路に沿って第1方向に進行可能であり、前記ベンドを通過した後は、連続する経路に沿って第2方向に進行する。第2方向は第1方向から90°より大きな角度で逸脱する。
<定義>
本願では、次の用語は以下に示された意味を持つ。
本願では、“マクロ粒子”の語は、200ナノメータ以上の、サイズもしくは直径を有する粒子を意味する。
本願では、“逸脱(deviate)”の語は、所定の基準点からそれることを意味する。例えば、“第1方向を第2方向へ逸脱させる”とは、第2方向を第1方向からそらすことを意味する。それ故に、逸脱の角度は、方向が第1方向から第2方向へと変化する際の角度を意味することが、結果的に理解されるであろう。
“実質的に”の語は、“完全に”の意味を除外するものではない。例えば、Yが“実質的に含まれていない”組成物は、Yを完全に含んでいなくてもよい。必要ならば、“実質的に”の語は、本発明の定義から除外されてもよい。
特に定めが無い限り、“comprising,comprise(有する、含む、備えるなど)”、および、それらの文法上の変化形は、“オープン”ランゲージ(open language)または“包含的”ランゲージ(inclusive language)を示すことを意図しており、列挙された要素を含むだけではなく、追加の、列挙されていない要素を含むことを許容する。
本願において、“約”の語は、製剤の成分の濃度に関する文脈の中で使用される場合には、一般的には記載値の±5%を、より一般的には記載値の±4%を、より一般的には記載値の±3%を、より一般的には記載値の±2%を、より一般的には記載値の±1%を、より一般的には記載値の±0.5%を、意味する。
本開示を通して、ある実施形態は、範囲の形式(range format)で開示されることがある。範囲の形式(range format)の記載は、単に利便性および簡潔性のためのものであり、開示の範囲の領域を柔軟性なく制限すると解釈されるものであると理解すべきでない。すなわち、範囲の記載は、全ての取り得る下位の範囲(sub-range)と、その範囲内に含まれる個々の数値と、を具体的に開示していると考えるべきである。例えば、1〜6という範囲の記載は、1〜3,1〜4,1〜5,2〜4,2〜6,3〜6というような下位の範囲を具体的に開示しており、また、例えば1,2,3,4,5および6のようなその範囲内の個別の数字を具体的に開示していると考えるべきである。これは、範囲の広さに関係なく当てはまる。
例示として、プラズマビームからマクロ粒子をフィルタリングするフィルタ、アーク蒸着装置、およびプラズマビームからマクロ粒子をフィルタリングする方法の、非制限的な実施形態が以下に開示される。
プラズマビームからマクロ粒子をフィルタリングするフィルタが提供される。フィルタは、前記プラズマビームが移送される屈曲ダクトを備える。屈曲ダクトは、中間部分を有する。中間部分は、一端において、流入平面上に配された長手軸を有する流入部分と接続され、反対側の他の一端において、流出平面上に配された長手軸を有する流出部分と接続される。前記流入部分では、マクロ粒子を含む前記プラズマビームが、前記中間部分に向かって、入射方向に進行可能である。前記流出部分では、前記プラズマビームが、前記中間部分から、放射方向に進行可能である。前記中間部分は、入射方向を放射方向へと90°より大きな角度で逸脱させることで、前記プラズマビームが前記中間部分を通過する時に、前記プラズマビームからマクロ粒子を除去するよう構成される。前記流入平面と、前記流出平面とは、互いにオフセット角で配される。放射方向は、90°<X<180°、100°≦X≦170°、110°≦X≦160°、120°≦X≦150°、および130°≦X≦140°からなるグループから選択される1の角度Xだけ、入射方向から逸脱していてもよい。1の実施形態では、角度Xは、約135°である。他の1の実施形態では、角度Xは、149°、120°、および160°からなるグループから選択される。また他の1の実施形態では、角度Xは、約120°である。
1の実施形態では、流入部分は、一端において前記中間部分と接続される上流部分を有する。上流部分では、アーク源から前記中間部分に向かって前記プラズマビームが通過する。上流部分は、アーク源からのプラズマビームの方向を、前記中間部分の入射方向へ、90°より小さな角度で逸脱させるよう構成されていてもよい。流入方向は、0°<Y<90°、10°≦Y≦80°、20°≦Y≦70°、30°≦Y≦60°、および40°≦Y≦50°からなるグループから選択される1の角度Yだけ、アーク源からのプラズマビームの方向から逸脱していてもよい。1の実施形態では、角度Yは、約45°である。
流入部分が上流部分を有する実施形態では、上流部分を有する流入部分の流入平面と、流出平面との間のオフセット角Aは、オフセットしていてもよい。1の実施形態では、平面間のオフセット角Aは、20より大きい。他の1の実施形態では、オフセット角Aは、20°<A<90°、20°<A<80°、20°<A<70°、20°<A≦60°、30°≦A≦60°、30°≦A≦50°、および30°≦A≦45°からなるグループから選択される。1の実施形態では、角度Aは、約30°と約45°との間である。
1の実施形態では、中間部分は、第1延伸部を有し、前記入射方向に沿って、延伸部に向かってマクロ粒子を進行させる。第1延伸部の長手軸は、前記流入部分の長手軸と、実質的に平行である。1の実施形態では、マクロ粒子は、流入部分から第1延伸部へと、直線経路を進行可能である。第1延伸部は、中間部分および流入部分にアクセスすることが望まれる時に、任意に開放可能な閉管部を有していてもよい。
1の実施形態では、中間部分は、前記流出部分の長手軸と実質的に平行な長手軸を有する第2延伸部を更に有していてもよい。1の実施形態では、第2延伸部から流出部分へと直線経路が存在する。第2延伸部は、中間部分および流出部分にアクセスすることが望まれる時に、任意に開放可能な閉管部を有していてもよい。
1の実施形態では、流入部分の長手軸、第1延伸部の長手軸、流出部分の長手軸、および第2延伸部の長手軸が単一の点で交わり、“X”形状の屈曲ダクトが得られる。流入部分、中間部分、および流出部分だけが存在する他の1の実施形態では、流入部分の長手軸と流出部分の長手軸とが一点で交わり、“>”形状の屈曲ダクトを形成する。流入部分、第1延伸部、中間部分、および流出部分だけが存在する他の1の実施形態では、流入部分の長手軸と、第1延伸部の長手軸と、流出部分の長手軸とが一点で交わり、“Y”形状の屈曲ダクトを形成する。“X”、“>”および“Y”の記号は、一般的な説明のためだけに提示したものであり、“X”、“>”および“Y”の記号で示される直線のなす角度を制限又は定義するものでは全くない。
1の実施形態では、流出部分は、一端において中間部分と接続される下流部分を更に有する。下流部分では、前記中間部分から基材に向かって前記プラズマビームが通過する。下流部分は、プラズマビームの方向を、放射方向から、前記基材に向かう方向へと、90°より小さな角度Zで逸脱させるよう構成される。角度Zは、0°<Z<90°、10°≦Z≦80°、20°≦Z≦70°、30°≦Z≦60°、および40°≦Z≦50°からなるグループから選択されてもよい。1の実施形態では、角度Zは、約45°である。
流出部分が下流部分を有する実施形態では、流入平面と、下流部分を有する流出部分の流出平面との間のオフセット角Bは、オフセットしていてもよい。1の実施形態では、平面間のオフセット角Bは20°より大きい。他の1の実施形態では、オフセット角Bは、20°<B<90°、20°<B<80°、20°<B<70°、20°<B≦60°、30°≦B≦60°、30°≦B≦50°、および30°≦B≦45°からなるグループから選択される。1の実施形態では、角度Bは、約30°と約45°との間である。
流入部分が上流部分を有し、流出部分が下流部分を有する実施形態では、上流部分を有する流入部分の流入平面と、下流部分を有する流出部分の流出平面との間のオフセット角は、20°より大きい。他の1の実施形態では、流入平面と流出平面との間のオフセット角は、20°と60°との間であり、好ましくは30°と45°との間である。
ここで記載される屈曲ダクトは、トロイダル状であってもよい。1の実施形態では、流入部分から流出部分まで、1つも見通し線が無くてもよい。1の実施形態では、アーク蒸着源から上流部分へとプラズマビームが進行する平面と、流入部分から流出部分へとプラズマビームが進行する平面とが、平行でない。他の1の実施形態では、流入部分から流出部分へと進行するプラズマビームと、下流部分から基材へと進行するプラズマビームとが、同一平面上にあってもよい。上流部分と、流入部分と、中間部分と、流出部分と、下流部分とは、実質的に同一の直径、又は、完全に異なる直径であってもよい。屈曲ダクトの、上流部分の直径、流入部分の直径、中間部分の直径、流出部分の直径、および下流部分の直径は、約50mm〜約250mm、約60mm〜約240mm、約70mm〜約230mm、約80mm〜約220mm、約90mm〜約210mm、約100mm〜約200mm、約120mm〜約180mm、約140mm〜約160mm、又は約140mm〜約150mmの範囲の直径からなるグループから、独立して選択されてもよい。
屈曲ダクトおよびその個々の部分は、磁界遮へい効果の低い、又は、磁界遮へい効果のない任意の材料から構成されてもよい。好ましくは、アーク蒸着中のプラズマビームの汚染を避けるために、屈曲ダクトおよびその個々の部分は、イオン化に実質的に不活性である材料から構成される。屈曲ダクトおよびその個々の部分は、アルミニウム、銅、その他の金属、又は、その合金のような、真空状態を維持することができる材料で構成されてもよい。1の実施形態では、屈曲ダクトおよびその個々の部分は、ステンレス鋼から構成される。
屈曲ダクト内には、ライナが存在してもよい。1の実施形態では、ライナは、清掃時に取り外し可能で、ダクトの管壁に、長期間、蒸着物が堆積することを防止できる。ライナとプラズマビーム中の陽イオンとの間に反発力を与え、それにより屈曲ダクトを通過するプラズマの流量を増加させるように、ライナは、一般的には約10Vから約30Vの間で、正にバイアスされていてもよい。さらに、ライナは、プラズマビームからのマクロ粒子のフィルタリングを向上させるのに適していてもよい。1の実施形態では、ライナは、ダクトの内部に向かって突き出し、ターゲットに向かって後方へ折り曲げられているフランジ、を有する一連のリングから構成されている。ライナは、外縁周辺で1つおきに、例えば12時および6時と、3時および9時とで、リンクされた一連のリングから構成されてもよい。1の実施形態では、ライナは、柔軟性があり、ダクト内およびダクトのベンド周りに押し込むことに適するものであってもよい。
また、基材を被覆するためのアーク蒸着装置が提供される。アーク蒸着装置は、プラズマビームを発生するアーク源と、上に定義したフィルタと、プラズマビームを、入射方向から放射方向へと誘くための磁界を供給する磁界源とを備える。
開示のアーク蒸着装置では、処理能力を増加、あるいはアーク源のターゲットの利用を、約1〜2倍にすることができる。ターゲットアーク源は、高価なクロミウム、又は、グラファイトである可能性があるため、これは有利である。その結果、比類のない、開示のベンドは、よりコスト効率がよい。
プラズマビームは、ダクトの長さ方向に沿った曲線磁界によって誘導される。あるいは、プラズマビームは、交差する電磁界によって誘導されてもよい。また、屈曲ダクトには、プラズマビームに誘導磁界を供給するため、コイルが設けられてもよい。コイルは、水冷されてもよい。あるいは、永久磁石が使用されてもよい。負荷される磁界の強さは、約20〜約100ガウス、約30〜約90ガウス、約30〜約80ガウス、約30〜約70ガウス、約40〜約60ガウス、約30〜約60ガウス、あるいは約30〜約50ガウスの範囲であってもよい。
1の実施形態では、アーク源、フィルタ、および基材は、真空条件下にある。アーク蒸着装置は、 アーク源、フィルタ、および基材を流体でシールする真空チャンバを更に備えていてもよい。アーク蒸着装置において真空状態を生成するために、真空手段が設けられてもよい。生成される真空圧は、10−6〜10−5Torrのオーダであってもよい。
アーク蒸着装置は、基材を保持するための基材保持部を更に備えていてもよい。アーク蒸着装置が陰極アーク蒸着装置である1の実施形態では、陰極を冷却するための手段があってもよい。他の1の実施形態では、アーク蒸着装置は、フィルタダクトに正のバイアスを加えるための手段を有していてもよい。
アーク電源供給部は、アーク源に接続され、真空チャンバ内に配置された可動式のストライカを用いて得られる、アークのための電力とアークストライク(スパーク)のための電力との両方を供給する。1の実施形態では、アーク電流は、20〜約200アンペア、30〜約150アンペア、40〜約100アンペア、又は50〜約80アンペアであり、電流の変化は、基材上のイオンの蒸着速度によって変化する。アーク電圧も材料に依存し、アーク電圧は、アーク源の設定によらず、極めて狭い範囲を外れて変化することはない。カーボンターゲットでは、アーク電圧は、通常約29Vである。
1の実施形態では、アーク蒸着装置は、プラズマビーム中のマクロ粒子およびイオンがあらゆる(無差別な)方向に進行することを減らすために、アーク蒸着装置の真空チャンバの壁部、又は壁部近傍、および、陰極ターゲットとプラズマダクトの間に、バッフルを更に備える。1の実施形態では、バッフルは不導体であり、例えばセラミック製や、PTFE製である。バッフルは、非金属、例えばグラファイト製やセラミック製であってもよい。他の1の実施形態では、バッフルは、清掃のため取り外し可能である。
このアーク蒸着装置は、アークにおいてガスイオン化を生じさせることが可能であってもよい。その結果、1の実施形態では、ガスの吸気口を有するガス導入手段が、真空チャンバ内に存在する。
また、プラズマビームからマクロ粒子をフィルタリングする方法が提供される。フィルタリングする方法は、内部にマクロ粒子を含むプラズマビームを発生させるステップと、上で規定されたフィルタに、内部にマクロ粒子を含むプラズマビームを通すステップと、前記流出部分のマクロ粒子の数が、前記流入部分のマクロ粒子の数よりも少なくなるよう、プラズマビームを入射方向から放射方向へと導くために、プラズマビームに磁界を作用させるステップと、を含む。
1の実施形態では、本願に記載された、フィルタ、アーク蒸着装置および方法を用いて、被覆1cmあたりのマクロ粒子の数が約10個よりも少ない被覆、被覆1cmあたりのマクロ粒子の数が約8個よりも少ない被覆、被覆1cmあたりのマクロ粒子の数が約6個よりも少ない被覆、被覆1cmあたりのマクロ粒子の数が約4個よりも少ない被覆、被覆1cmあたりのマクロ粒子の数が約2個よりも少ない被覆、又は、被覆1cmあたりのマクロ粒子の数が約1.8個よりも少ない被覆、を生成できる。マクロ粒子は、約0.2ミクロン以上、約0.5ミクロン以上、約0.8ミクロン以上、約1ミクロン以上、約2ミクロン以上、約3ミクロン以上、約4ミクロン以上、約5ミクロン以上、約6ミクロン以上、約7ミクロン以上、約8ミクロン以上、約9ミクロン以上、又は、約10ミクロン以上の大きさである。1の実施形態では、本願に記載されたフィルタ、アーク蒸着装置および方法を用いて、約0.2ミクロン以上の大きさのマクロ粒子について、被覆1cmあたりのマクロ粒子の数が約1.8個よりも少ない被覆を生成できる。
比較として、入射方向を放射方向に90°より大きな角度で逸脱させる中間部分を有しない、例えばWO96/26531に開示されるような、既知の、ダブルベント型フィルタを用いると、約0.2ミクロン以上の大きさのマクロ粒子について、被覆1cmあたりのマクロ粒子の数量が約10倍多い被覆が生成される。
添付の図面は、開示された1の実施形態を図示しており、開示された実施形態の原理の説明に寄与する。しかしながら、図面は説明のみを目的としたものであり、発明の範囲を規定するものではない。
本願で開示される一実施形態に係るフィルタの側面図である。 図1Aのフィルタを、要素114の端部側から見た断面図である。A−A線に沿っている。 図1Aのフィルタの立面図である。 図1Aのフィルタの斜視図である。 図1Cのフィルタの磁界の配置を示している。 本願で開示される他の一実施形態に係るフィルタの側面図である。 図2Aのフィルタを、要素214の端部側から見た断面図である。A−A線に沿っている。 図2Aのフィルタの磁界の配置を示している。 本願で開示される更に他の一実施形態に係るフィルタの側面図である。 本願で開示される一実施形態に係るアーク蒸着装置の側面図である。 要素414の端部側から見た図4Aのアーク蒸着装置の他の図である。
<図面の詳細な説明>
図1A,1B,1Cおよび1Dには、本願で開示される、プラズマビームからマクロ粒子をフィルタリングするフィルタ100の一実施形態を示している。フィルタ100は、第2部分104と第3部分106との間に規定される第1部分102を有する、屈曲ダクトを備える。第1部分102は、第2部分104に沿って第1方向(矢印A)に進行するプラズマビームを、第3部分106に沿って第2方向(矢印B)に向かわせ、第2方向(矢印B)は第1方向(矢印A)から120°(角度X)逸脱する。
また、屈曲ダクトは、第5部分110と第2部分104との間に規定される第4部分108を有する。図からわかるように、第5部分110の長手軸は、第2部分104の長手軸と平行ではなく、互いに30°の角度(角度Y)を成す。第4部分108は、矢印Eに沿って侵入し、第5部分110に沿って第3方向(矢印C)に進行するプラズマビームを、第2部分104に沿って第1方向(矢印A)に進行させるように構成され、第1方向(矢印A)は第3方向(矢印C)から30°(角度Y)逸脱する。
A−A線に沿った、図1Bの断面図から分かるように、第5部分110が存在する平面109と、第2部分104が存在する平面111と、はオフセットしており、互いに30°の角度をなす。フィルタ100の3次元構成は、図1Dからも明らかである。
屈曲ダクトは、また、第1部分102に接続される第6部分112を有し、マクロ粒子を、第2部分104から第6部分112へと進行させる。図から分かるように、第6部分112の長手軸と、第2部分104の長手軸は、互いに平行である。より具体的には、第6部分112と第2部分104は、同一の長手軸を共有する。
屈曲ダクトは、また、第1部分102と接続される第7部分114を有し、第7部分114の長手軸と第3部分106の長手軸とは、互いに平行である。より具体的には、第7部分114と第3部分106とは、同一の長手軸を共有している。また、図から、第2部分104、第3部分106、第6部分112および第7部分114の長手軸は、単一の点で交わることが分かる。
屈曲ダクトは、また、第3部分106と第9部分118との間に規定される、第8部分116を有する。図から分かるように、第9部分118の長手軸は、第3部分106の長手軸と平行ではなく、互いに40°の角度(角度Z)をなす。第8部分116は、第3部分106に沿って第2方向(矢印B)に進行するプラズマビームを、第9部分118に沿って第4方向(矢印D)に向かわせるように構成され、第4方向(矢印D)は、第2方向(矢印A)から40°(角度Z)逸脱する。バッフル120は、必要に応じて、ダクトのあらゆる場所で、異なる部分に存在していてもよい。バッフル120は、部分112,114の端部の開口から、屈曲ダクトの異なる部分に挿入可能である。
使用時には、マクロ粒子を含むプラズマビームは、矢印Eに沿ってフィルタ100に入り、初めに、平面109上の第5部分110に沿って第3方向(矢印C)に進行し、第4部分108を通過する。そして、プラズマビームは、平面111上の第2部分104に沿って第1方向(矢印A)に進行し、同じく平面111上の第3部分106に沿って第2方向(矢印B)に進行するように再び方向を替える前に、第1部分102を通過する。第1部分102は、プラズマビームの方向の、急激な(90°より大きな)変化をもたらす。方向の変化が急激なので、プラズマビーム中の陽イオンより重量が大きく、それゆえ慣性も陽イオンより大きなマクロ粒子は、実質上、方向を逸脱することなく、第6部分112に向かって進み続ける。その結果、マクロ粒子の大半はプラズマビームから取り除かれ、第3部分106に沿って第2方向(矢印B)に進行するプラズマビームには、ほとんど又は全くマクロ粒子が含まれなくなる。その後、プラズマビームは第3部分106から、第8部分116に向かって進行し、第4方向(矢印D)に進行方向を替え、第9部分118に沿って進む。第9部分118の端部に配置された基材(図示されない)は、実質的にマクロ粒子を含まないプラズマビームにより被覆される。第9部分118は、プラズマビームを第3部分106から固定された基材へと導く接続アームとして機能する。第8部分116も、第3部分106に思いがけず入り込んだ、残留するマクロ粒子を除去することができる。
図1Eには、図1Cのフィルタの磁界の配置が図示されている。磁界は、矢印Aで示される第1方向から、矢印Bで示される第2方向へと、プラズマビームを導く必要がある。記号
Figure 2013540200
は、磁界の向きが紙面から外に進行する方向であること示し、一方で、記号
Figure 2013540200
は、磁界の向きが紙面内に進行する方向であることを示す。囲みで図示されたエリア1,2,3,4の磁界強度は、20〜100ガウスの範囲である。
図2A,図2Bには、本願で開示される、プラズマビームからマクロ粒子をフィルタリングするフィルタ200の他の一実施形態が図示されている。フィルタ200は、第2部分204と第3部分206との間に規定される第1部分202を有する屈曲ダクトを備える。第1部分202は、第2部分204に沿って第1方向(矢印A)に進行するプラズマビームを、第3部分206に沿って第2方向(矢印B)に向かわせ、第2方向(矢印B)は、第1方向(矢印A)から121.6°(角度X)逸脱する。
また、屈曲ダクトは、第5部分210と第2部分204との間に規定される第4部分208を有する。図からわかるように、平面209上の第5部分210の長手軸は、平面211上の第2部分204の長手軸と、オフセットしており、互いに20°の角度(角度Y)をなす。第4部分208は、第5部分210に沿って第3方向(矢印C)に進行するプラズマビームを、第2部分204に沿って第1方向(矢印A)に向かわせるよう構成され、第1方向(矢印A)は、第3方向(矢印C)から20°(角度Y)逸脱する。
図2Bからわかるように、フィルタ200の三次元構造は明確である。第5部分210が存在する平面209と、第2部分204が存在する平面211とは、オフセットしており、互いに20°の角度をなす。
また、屈曲ダクトは、第1部分202に接続される第6部分212を有し、マクロ粒子を、第2部分204から第6部分212へと進行させる。図から分かる様に、第6部分212の長手軸と、第2部分204の長手軸とは、互いに平行である。より具体的には、第6部分212と第2部分204とは、同一の長手軸を共有している。
また、屈曲ダクトは、第1部分202と接続される第7部分214を有し、第7部分214の長手軸と、第3部分206の長手軸とは互いに平行である。より具体的には、第7部分214と第3部分206とは、同一の長手軸を共有する.図から、第2部分204,第3部分206,第6部分212,および第7部分214の長手軸は、単一の点で交わることも分かる。
使用時には、マクロ粒子を含むプラズマビームは、矢印Eに沿ってフィルタに入り、初めに、平面209上の第5部分210に沿って第3方向(矢印C)に進行し、第4部分208を通過する。そして、プラズマビームは、平面211上の第2部分204に沿って第1方向(矢印A)に進行し、同じく平面211上の第3部分206に沿って第2方向(矢印B)に進行するように再び方向を替える前に、第1部分202を通過する。第1部分202は、プラズマビームの方向の、急激な(90°より大きな)変化をもたらす。方向の変化が急激なので、プラズマビーム中の陽イオンより重量が大きく、それゆえ慣性も陽イオンより大きなマクロ粒子は、実質上、方向を逸脱することなく、第6部分212に向かって進み続ける。その結果、マクロ粒子の大半はプラズマビームから取り除かれ、第3部分206に沿って第2方向(矢印B)に進行するプラズマビームには、ほとんど又は全くマクロ粒子は含まれなくなる。
図2Cには、図2Aのフィルタの磁界の配置が図示されている。磁界は、図2Aにおいて矢印Aで示される第1方向から、図2Aにおいて矢印Bで示される第2方向へと、プラズマビームを導く必要がある。記号
Figure 2013540200
は、磁界の向きが紙面から外に進行する方向であること示し、一方で、記号
Figure 2013540200
は、磁界の向きが紙面内に進行する方向であることを示す。囲みで図示されたエリア1,2,3の磁界強度は、20〜100ガウスの範囲である。
図3には、本願で開示される、プラズマビームからマクロ粒子をフィルタリングするフィルタ300の、更に他の一実施形態が図示されている。フィルタ300は、第2部分304と第3部分306との間に規定される第1部分302を有する屈曲ダクトを備える。第1部分302は、第2部分304に沿って第1方向(矢印A)に進行するプラズマビームを、第3部分306に沿って第2方向(矢印B)に向かわせ、第2方向(矢印B)は、第1方向(矢印A)から120°(角度X)逸脱する。
また、屈曲ダクトは、第5部分310と第2部分304との間に規定される第4部分308を有する。図からわかるように、第5部分310の長手軸は、第2部分304の長手軸とは平行ではなく、互いに90°より小さな、ある角度をなす。第4部分308は、第5部分310に沿って第3方向(矢印C)に進行するプラズマビームを、第2部分304に沿って第1方向(矢印A)に向かわせるよう構成され、第1方向(矢印A)は、第3方向(矢印C)から90°より小さな、ある角度で逸脱する。
また、屈曲ダクトは、第1部分302に接続される第6部分312を有し、マクロ粒子を、第2部分304から第6部分312へと進行させる。図から分かる様に、第6部分312の長手軸と、第2部分304の長手軸とは、互いに平行である。より具体的には、第6部分312と第2部分304とは、同一の長手軸を共有している。
また、屈曲ダクトは、第1部分302と接続される第7部分314を有し、第7部分314の長手軸と、第3部分306の長手軸とは互いに平行である。より具体的には、第7部分314と第3部分306とは、同一の長手軸を共有する. 図から、第2部分304,第3部分306,第6部分312,および第7部分314の長手軸は、単一の点で交わることも分かる。
使用時には、マクロ粒子を含むプラズマビームは、矢印Eに沿ってフィルタ300に入り、初めに、第5部分310に沿って第3方向(矢印C)に進行し、第4部分308を通過する。そして、プラズマビームは、第2部分304に沿って第1方向(矢印A)に進行し、第3部分306に沿って第2方向(矢印B)に進行するように再び方向を替える前に、第1部分302を通過する。第1部分302は、プラズマビームの方向の、急激な(90°より大きな)変化をもたらす。方向の変化が急激なので、プラズマビーム中の陽イオンより重量が大きく、それゆえ慣性も陽イオンより大きなマクロ粒子は、実質上、方向を逸脱することなく、第6部分312に向かって進み続ける。その結果、マクロ粒子の大半はプラズマビームから取り除かれ、第3部分306に沿って第2方向(矢印B)に進行するプラズマビームには、ほとんど又は全くマクロ粒子は含まれなくなる。
図4Aおよび図4Bには、本願で開示されるアーク蒸着装置400の一実施形態が図示されている。アーク蒸着装置は、上記の屈曲ダクトと構造的に同様で、同様の動作原理に基づく屈曲ダクトを有するフィルタを備える。参照符号402,404,406,408,410,412および414は、それぞれ、第1部分、第2部分、第3部分、第4部分、第5部分、第6部分、および第7部分に対応している。第5部分410は、陽イオンを含むプラズマビームを発生する陰極アーク源420に直接取り付けられている。使用される陰極アーク源420は、当該分野において一般的に使用されているものであってもよい。陰極アーク源の例は、WO96/26531およびUS6,736,949に開示されており、参照することにより、両文献は本願に援用される。
<適用>
本願に開示されるフィルタ、アーク蒸着装置および方法は、シンプルであるが、プラズマビームからマクロ粒子の大半を取り除く上で効率的である。効果として、本願に開示されるフィルタ、アーク蒸着装置および方法により、被覆1cmあたりの、直径0.2ミクロン以上のマクロ粒子の数が、1.8個より少ない被覆を生成できる。したがって、開示されたフィルタ、アーク蒸着装置および方法は、マクロ粒子が多数存在することが許容されない、ハードディスクの部品の被覆の様な、超清浄用途に用いることができる。アーク蒸着装置および方法は、他の被覆方法と比べ比較的高い蒸着速度を達成可能で、2ナノメータより薄い被覆膜を生成できる。そのような特徴は、産業規模でのハードディスクの部品の被覆をする際に利用する上で、特に有用である。
更に、開示されたフィルタ、アーク蒸着装置および方法に使用されるアーク電流の動作範囲は、通常約50〜約80アンペアの間であり、現在知られているフィルタの通常の動作範囲(約20〜35アンペア)より大きく、従来のフィルタ、アーク蒸着装置、およびアーク蒸着方法に比べアークの安定性が大きく改善される。
本願発明と同等の実施形態を記載するために合理的な努力がなされたが、本願発明の精神と範囲から離れることなく、本願発明に対して様々な他の変更および適用を加えることができ、全てのそのような変更および適用が添付した特許請求の範囲の範囲内に含まれることを意図していることは、前述の開示を読んだ当業者にとって明らかである。

Claims (32)

  1. プラズマビームからマクロ粒子をフィルタリングするフィルタであって、
    前記プラズマビームが移送される屈曲ダクト、を備え、
    前記屈曲ダクトは、一端において流入平面上に配された長手軸を有する流入部分と接続され、反対側の他の一端において流出平面上に配された長手軸を有する流出部分と接続された、中間部分を有し、
    前記流入部分では、マクロ粒子を含む前記プラズマビームが、前記中間部分へ向かって、入射方向に進行可能であり、
    前記流出部分では、前記プラズマビームが、前記中間部分から、放射方向に進行可能であり、
    前記中間部分は、前記入射方向を、前記放射方向へと、90°より大きな角度で逸脱させることで、前記プラズマビームが前記中間部分を通過する時に、前記プラズマビームからマクロ粒子を除去するよう構成され、
    前記流入平面と前記流出平面とは、互いにオフセット角で配される、
    フィルタ。
  2. 前記流入平面と前記流出平面との間の前記オフセット角は、20°より大きい、
    請求項1に記載のフィルタ。
  3. 前記流入平面と前記流出平面との間の前記オフセット角は、20°と60°との間である、
    請求項2に記載のフィルタ。
  4. 前記流入平面と前記流出平面との間の前記オフセット角は、30°と45°との間である、
    請求項3に記載のフィルタ。
  5. 前記中間部分は、前記入射方向を、前記放射方向へと、90°より大きく、180°より小さな角度で逸脱させるように構成される、
    前記いずれかの請求項に記載のフィルタ。
  6. 前記流入部分と前記流出部分とは同一平面内にある、
    前記いずれかの請求項に記載のフィルタ。
  7. 前記流入部分は、一端において前記中間部分と接続され、アーク源から前記中間部分に向かって前記プラズマビームが通過する、上流部分を有する、
    前記いずれかの請求項に記載のフィルタ。
  8. 前記上流部分は、前記アーク源からの前記プラズマビームの方向を、前記中間部分の前記入射方向へと、90°より小さな角度で逸脱させるように構成される、
    請求項7に記載のフィルタ。
  9. 前記上流部分は、前記中間部分によりフィルタされたマクロ粒子の少なくとも一部が、前記アーク源に戻ることを防止するように構成される、
    請求項7又は請求項8に記載のフィルタ。
  10. 前記中間部分は、第1延伸部を有し、前記入射方向に沿って、前記延伸部に向かってマクロ粒子を進行させる、
    前記いずれかの請求項に記載のフィルタ。
  11. 前記第1延伸部の長手軸は、前記流入部分の長手軸と実質的に平行である、
    請求項10に記載のフィルタ。
  12. 前記中間部分は、前記流出部分の長手軸と実質的に平行な長手軸を有する第2延伸部を更に有する、
    請求項10又は請求項11に記載のフィルタ。
  13. 前記流出部分は、一端において前記中間部分と接続され、前記中間部分から基材に向かって前記プラズマビームが通過する、下流部分を更に有する、
    前記いずれかの請求項に記載のフィルタ。
  14. 前記下流部分は、前記プラズマビームの方向を、前記放射方向から、前記基材に向かう方向へと、90°より小さな角度で逸脱させるように構成される、
    請求項13に記載のフィルタ。
  15. 前記下流部分は、前記中間部分によってフィルタされなかった残留するマクロ粒子の少なくとも一部を更にフィルタし、それによりマクロ粒子が前記基材に向かって下流に通過するのを防止するよう構成される、
    請求項13又は請求項14に記載のフィルタ。
  16. 基材を被覆するアーク蒸着装置であって、
    プラズマビームを発生するアーク源と、
    プラズマビームからマクロ粒子をフィルタリングするフィルタと、
    磁界源と、
    を備え、
    前記フィルタは、前記プラズマビームが移送される屈曲ダクトを有し、
    前記屈曲ダクトは、一端において流入平面上に配された長手軸を有する流入部分と接続され、反対側の他の一端において流出平面上に配された長手軸を有する流出部分と接続された、中間部分を有し、
    前記流入部分では、マクロ粒子を含む前記プラズマビームが、前記中間部分へ向かって、入射方向に進行可能であり、
    前記流出部分では、前記プラズマビームが、前記中間部分から、放射方向に進行可能であり、
    前記中間部分は、前記入射方向を、前記放射方向へと、90°より大きな角度で逸脱させることで、前記プラズマビームが前記中間部分を通過する時に、前記プラズマビームからマクロ粒子を除去するよう構成され、
    前記流入平面と前記流出平面とは、互いにオフセット角で配され、
    前記磁界源は、前記プラズマビームを、前記入射方向から前記放射方向へと導く磁界を供給する、
    アーク蒸着装置。
  17. 前記流入平面と前記流出平面との間の前記オフセット角は、20°より大きい、
    請求項16に記載のアーク蒸着装置。
  18. 前記中間部分は、前記入射方向を、前記放射方向へと、90°より大きく、180°より小さな角度で逸脱させるよう構成される、
    請求項16又は請求項17に記載のアーク蒸着装置。
  19. 前記流入部分と前記流出部分とは同一平面内にある、
    請求項16から請求項18のいずれかに記載のアーク蒸着装置。
  20. 前記流入部分は、一端において前記中間部分と接続され、アーク源から前記中間部分に向かって前記プラズマビームが通過する、上流部分を有する、
    請求項16から請求項19のいずれかに記載のアーク蒸着装置。
  21. 前記上流部分は、前記アーク源からの前記プラズマビームの方向を、前記中間部分の前記入射方向へと、90°より小さな角度で逸脱させるように構成される、
    請求項20に記載のアーク蒸着装置。
  22. 前記上流部分は、前記中間部分によりフィルタされたマクロ粒子の少なくとも一部が、前記アーク源に戻ることを防止するように構成される、
    請求項20又は請求項21に記載のアーク蒸着装置。
  23. 前記中間部分は、第1延伸部を有し、前記入射方向に沿って、前記延伸部に向かってマクロ粒子を進行させる、
    請求項16から請求項22のいずれかに記載のアーク蒸着装置。
  24. 前記第1延伸部の長手軸は、前記流入部分の長手軸と実質的に平行である、
    請求項23に記載のアーク蒸着装置。
  25. 前記中間部分は、前記流出部分の長手軸と実質的に平行な長手軸を有する第2延伸部を更に有する、
    請求項16から請求項24のいずれかに記載のアーク蒸着装置。
  26. 前記屈曲ダクトは、一端において前記流出部分と接続され、前記流出部分から基材に向かって前記プラズマビームが通過する、下流部分を更に有する、
    請求項16から請求項25のいずれかに記載のアーク蒸着装置。
  27. 前記下流部分は、前記プラズマビームの方向を、前記放射方向から、前記基材に向かう方向へと、90°より小さな角度で逸脱させるように構成される、
    請求項26に記載のアーク蒸着装置。
  28. 前記下流部分は、前記中間部分によってフィルタされなかった残留するマクロ粒子の少なくとも一部を更にフィルタし、それによりマクロ粒子が前記基材に向かって下流に通過するのを防止するよう構成される、
    請求項26又は請求項27に記載のアーク蒸着装置。
  29. 前記上流部分、前記流入部分、前記中間部分、前記流出部分、および前記下流部分は、前記アーク源から前記基材へと前記プラズマビームが進行可能な、連続する経路を形成する、
    請求項26から請求項28のいずれかに記載のアーク蒸着装置。
  30. 内部にマクロ粒子を含むプラズマビームを発生させるステップと、
    プラズマビームからマクロ粒子をフィルタリングするためのフィルタに、内部にマクロ粒子を含む前記プラズマビームを通すステップと、
    磁界を作用させるステップと、
    を備え、
    前記フィルタは、前記プラズマビームが移送される屈曲ダクトを有し、
    前記屈曲ダクトは、一端において流入平面上に配された長手軸を有する流入部分と接続され、反対側の他の一端において流出平面上に配された長手軸を有する流出部分と接続された、中間部分を有し、
    前記流入部分では、マクロ粒子を含む前記プラズマビームが、前記中間部分へ向かって、入射方向に進行可能であり、
    前記流出部分では、前記プラズマビームが、前記中間部分から、放射方向に進行可能であり、
    前記中間部分は、前記入射方向を、前記放射方向へと、90°より大きな角度で逸脱させることで、前記プラズマビームが前記中間部分を通過する時に、前記プラズマビームからマクロ粒子を除去するよう構成され、
    前記流入平面と前記流出平面とは、互いにオフセット角で配され、
    前記磁界を作用させるステップでは、前記流出部分のマクロ粒子の数が、前記流入部分のマクロ粒子の数よりも少なくなるよう、前記プラズマビームを前記入射方向から前記放射方向へと導くために、前記プラズマビームに磁界を作用させる、
    プラズマビームからマクロ粒子をフィルタリングする方法。
  31. 0.2ミクロン以上の直径のマクロ粒子の数が、被覆1cmあたり2個より少ない被覆の生成方法であって、
    内部にマクロ粒子を含むプラズマビームを発生させるステップと、
    プラズマビームからマクロ粒子をフィルタリングするためのフィルタに、内部にマクロ粒子を含む前記プラズマビームを通すステップと、
    磁界を作用させるステップと、
    基材を被覆するステップと、
    を備え、
    前記フィルタは、前記プラズマビームが移送される屈曲ダクトを有し、
    前記屈曲ダクトは、一端において流入平面上に配された長手軸を有する流入部分と接続され、反対側の他の一端において流出平面上に配された長手軸を有する流出部分と接続された、中間部分を有し、
    前記流入部分では、マクロ粒子を含む前記プラズマビームが、前記中間部分へ向かって、入射方向に進行可能であり、
    前記流出部分では、前記プラズマビームが、前記中間部分から、放射方向に進行可能であり、
    前記中間部分は、前記入射方向を、前記放射方向へと、90°より大きな角度で逸脱させることで、前記プラズマビームが前記中間部分を通過する時に、前記プラズマビームからマクロ粒子を除去するよう構成され、
    前記流入平面と前記流出平面とは、互いにオフセット角で配され、
    前記磁界を作用させるステップでは、前記流出部分のマクロ粒子の数が、前記流入部分のマクロ粒子の数よりも少なくなるよう、前記プラズマビームを前記入射方向から前記放射方向へと導くために、前記プラズマビームに磁界を作用させ、
    基材を被覆するステップでは、前記放射方向に進行する前記プラズマビームで基材を被覆し、0.2ミクロン以上の直径のマクロ粒子の数が、被覆1cmあたり2個より少ない被覆を生成する、
    被覆の生成方法。
  32. 請求項1から請求項15のいずれかのフィルタ、請求項16から請求項29のいずれかのアーク蒸着装置、又は、請求項30から請求項31の方法の、ハードディスクの部品を被覆するための使用。
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