JP2013536843A - スキンケアとしてのカーボネート誘導体 - Google Patents

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Abstract

アンチエイジング含有成分、特に抗酸化剤およびスキンイルミネイティングフェノール含有成分のカーボネートは、向上した物理特性を有するこれらの含有成分の誘導体として製造されてきた。これらのカーボネートが酵素触媒下で加水分解して母体含有成分を放出することが示されてきた。一方、多くの場合のフェノール性基のエステルは同じ条件下で加水分解しない。

Description

関連出願の相互参照
本件は、仮出願U.S.整理番号第61/379,929(2010年9月3日出願)(本開示の記載と矛盾しない限りにおいて参照により本開示に組入れる)の優先権を主張する本出願である。
発明の分野
本発明は、アンチエイジング含有成分,例えば抗酸化剤およびスキンイルミネイティングフェノール含有成分のアルキルカーボネートの分野に属する。本発明はまた、アルキルカーボネートの製造方法に属する。
発明の背景
多数のアンチエイジングスキンケア含有成分は本来的にフェノール性である。これらの多くは抗酸化剤またはスキンイルミネイティング含有成分として機能し、遊離水酸基はこれらの種のレドックス活性の鍵である。残念ながらこれらの物質の多くは、化粧用含有成分に用いるのに良く適してはいない物理特性を有し、これらが有する溶解性は殆どの化粧用溶媒(油および水の両者)中で最低レベルである傾向があり、化粧配合物中で不安定である可能性がある(特に酸化に対して)。フェノール性基の誘導体化はこれらの物質を安定化する可能性がある。しかしこれらの誘導体は生理学的条件下で容易に外れてフェノール性基を遊離して所望のアンチエイジング活性を与えることができなければならない(Grassoら,Bioorganic Chem.2007,35,137−152)。
フェノール性基の誘導体化はこれらの物質の物理特性を大いに改善できる。ヒドロキシルまたはカルボキシル含有物質の誘導体化のための1つの有用な方法はこれらの物質のエステルを調製することである。この手法の有用性はしばしば、皮膚中の酵素がこれらのエステルを加水分解して母体活性物質を遊離する能力に左右される。この方策は脂肪族アルコールを含有する多くの活性含有成分の誘導体化には有効であるが、フェノールに由来するエステルはしばしば、屈折性であり、または酵素加水分解に対して遅い反応性を有するに過ぎない。これにも関わらず、フェノール性活性成分,例えばレスベラトロール(関連する組成物の特許:米国特許第6,572,882号および米国特許出願公開第2009/0068132 A1;配合物特許:米国特許出願公開第2009/0035236 A1,米国特許出願公開第2009/0035237 A1,米国特許出願公開第2009/0035240 A1,米国特許出願公開第2009/0035242 A1,および米国特許出願公開第2009/0035243 A1)ならびにヒドロキシチロソール(米国特許第7,098,246号および米国特許出願公開第2003/0225160)のエステル誘導体への関心がある(加水分解して母体フェノール性活性含有成分を放出することには疑問があるとしても)。事実、ヒドロキシチロソールでは、しばしば脂肪族水酸基のみがエステル化される官能基であって(Grassoら,Bioorganic Chem.2007,35,137−152;Trujilloら,J.Agric.Food Chem.2006,54,3779−3785;Mateosら,J.Agric.Food Chem.2008,56,10960−10966;Gordonら,J.Agric.Food Chem.2001,49,2480−2485;Buismanら, Biotechnology Lett.1998,20,131−136;米国特許出願公開第2005/015058 A1;Fr.Demande 2,919,800;ES 2,233,208;ES 2,246,603)誘導体されていないフェノール性基は残り、これはカテコール官能性の安定性を改善しない。これらのフェノール性スキンケア活性含有成分のアルキルカーボネート誘導体は説明されてこなかった。
生理的(酵素的)条件下で加水分解するフェノール性活性成分の新規な誘導体には大きな有用性および関心がある。
発明の要約
本発明の一態様において、一般構造1:
Figure 2013536843
(式中、Rは、置換および非置換、分岐鎖および直鎖、飽和、不飽和および多価不飽和のC1−C22アルキルから選択され、そしてR1、R2、R3、R4およびR5は独立に、水素、置換および非置換、分岐鎖および直鎖、飽和のC4−C22アルキル、置換および非置換、分岐鎖および直鎖のC2−C22アルケニル、置換および非置換、分岐鎖および直鎖のC2−C22アルキニル、置換および非置換、分岐鎖および直鎖のC4−C22ジエニル、置換および非置換、分岐鎖および直鎖のC6−C22トリエニル、C1−C6アルコキシ、カルボキシル、C1−C15アミノカルボニル、C1−C15アミド、シアノ、C2−C15アルコキシカルボニル、C2−C15アルコキシカルボニルオキシ、C2−C15アルカノイルオキシ、ヒドロキシル、アリール、ヘテロアリール、チオール、チオエーテル、ならびにハロゲンから選択される)
を有するアルキルカーボネートが提供される。
本発明の別の態様において、一般構造1:
Figure 2013536843
(式中、Rは、置換および非置換、分岐鎖および直鎖、飽和、不飽和および多価不飽和のC1−C22アルキルから選択され、そしてR1、R2、R3、R4およびR5は独立に、水素、置換および非置換、分岐鎖および直鎖、飽和のC4−C22アルキル、置換および非置換、分岐鎖および直鎖のC2−C22アルケニル、置換および非置換、分岐鎖および直鎖のC2−C22アルキニル、置換および非置換、分岐鎖および直鎖のC4−C22ジエニル、置換および非置換、分岐鎖および直鎖のC6−C22トリエニル、C1−C6アルコキシ、カルボキシル、C1−C15アミノカルボニル、C1−C15アミド、シアノ、C2−C15アルコキシカルボニル、C2−C15アルコキシカルボニルオキシ、C2−C15アルカノイルオキシ、ヒドロキシル、アリール、ヘテロアリール、チオール、チオエーテル、ならびにハロゲンから選択される)
を有するアルキルカーボネートの製造方法であって、式4:
Figure 2013536843
の少なくとも1種のアルコールを、クロロホルメート、ブロモホルメート、またはジカーボネートと反応させて該式1のアルキルカーボネートを生成することを含む、方法が提供される。
詳細な説明
本発明において、一般構造1:
Figure 2013536843
(式中、Rは、置換および非置換、分岐鎖および直鎖、飽和、不飽和および多価不飽和のC1−C22アルキルから選択され、そしてR1、R2、R3、R4およびR5は独立に、水素、置換および非置換、分岐鎖および直鎖、飽和のC4−C22アルキル、置換および非置換、分岐鎖および直鎖のC2−C22アルケニル、置換および非置換、分岐鎖および直鎖のC2−C22アルキニル、置換および非置換、分岐鎖および直鎖のC4−C22ジエニル、置換および非置換、分岐鎖および直鎖のC6−C22トリエニル、C1−C6アルコキシ、カルボキシル、C1−C15アミノカルボニル、C1−C15アミド、シアノ、C2−C15アルコキシカルボニル、C2−C15アルコキシカルボニルオキシ、C2−C15アルカノイルオキシ、ヒドロキシル、アリール、ヘテロアリール、チオール、チオエーテル、ならびにハロゲンから選択される)
を有するフェノール性アンチエイジングスキンケア含有成分の新規なアルキルカーボネートが見出された。用語「C1−C6アルコキシ」、「C2−C15アルコキシカルボニル」、「C2−C15アルコキシカルボニルオキシ」および「C2−C6アルカノイルオキシ」は、構造 −OR6,−CO27,−OCO27および−OCOR7に対応する基をそれぞれ意味するのに用いる。ここで、R6はC1−C6の直鎖または分岐鎖、置換または非置換のアルキルであり、R7は、C1−C14の直鎖または分岐鎖、置換または非置換のアルキルである。用語「C1−C15アミノカルボニル」および「C1−C15アミド」は、構造 −NHCOR8,−CONHR8に対応する基をそれぞれ意味するのに用いる。ここでR8はC1−C15の直鎖または分岐鎖、置換または非置換のアルキルである。隣接するR1、R2、R3、R4およびR5の任意の2つ以上が接続されて1つ以上の縮合環を形成できる。
飽和、不飽和および多価不飽和の基(これはRで表すことができる)は、約22個以下の炭素原子を含有する直鎖または分岐鎖の脂肪族炭化水素基であることができ、そして例えば、C1−C6アルコキシ、カルボキシル、C1−C15アミノカルボニル、C1−C15アミド、シアノ、C2−C15アルコキシカルボニル、C2−C15アルコキシカルボニルオキシ、C2−C15アルコキシカルボニルオキシアリール、C2−C15アルカノイルオキシ、ヒドロキシ、アリール、置換アリール、ヘテロアリール、置換ヘテロアリール、チオール、チオエーテル、およびハロゲンから選択される1〜3の基で置換されていることができる。用語「C1−C6アルコキシ」、「C2−C15アルコキシカルボニル」、「C2−C15アルコキシカルボニルオキシ」および「C2−C6アルカノイルオキシ」は、構造 −OR6,−CO27,−OCO27および−OCOR7に対応する基をそれぞれ意味するのに用いる。ここで、R6はC1−C6の直鎖または分岐鎖、置換または非置換のアルキルであり、R7は、C1−C14の直鎖または分岐鎖、置換または非置換のアルキルである。用語「C1−C15アミノカルボニル」および「C1−C15アミド」は、構造 −NHCOR8,−CONHR8に対応する基をそれぞれ意味するのに用いる。ここでR8はC1−C15の直鎖または分岐鎖、置換または非置換のアルキルである。用語「C2−C15アルコキシカルボニルオキシアリール」は、構造 −Ar−OCOOR9に対応する基を意味するのに用いる。ここでR9はC1−C14アルキルまたは置換C1−C14アルキルである。
1、R2、R3、R4およびR5で表すことができるアルキル基、アルケニル基、アルキニル基、ジエニル基、およびトリエニル基は、約22個以下の炭素原子を含有する直鎖または分岐鎖の脂肪族炭化水素基であることができ、そして例えば、C1−C6アルコキシ、カルボキシル、C1−C15アミノカルボニル、C1−C15アミド、シアノ、C2−C15アルコキシカルボニル、C2−C15アルコキシカルボニルオキシ、C2−C15アルコキシカルボニルオキシアリール、C2−C15アルカノイルオキシ、ヒドロキシ、アリール、置換アリール、ヘテロアリール、置換ヘテロアリール、チオール、チオエーテル、およびハロゲンから選択される1〜3の基で置換されていることができる。用語「C1−C6アルコキシ」、「C2−C15アルコキシカルボニル」、「C2−C15アルコキシカルボニルオキシ」および「C2−C6アルカノイルオキシ」は、構造 −OR6,−CO27,−OCO27および−OCOR7に対応する基をそれぞれ意味するのに用いる。ここで、R6はC1−C6の直鎖または分岐鎖、置換または非置換のアルキルであり、R7は、C1−C14の直鎖または分岐鎖、置換または非置換のアルキルである。用語「C1−C15アミノカルボニル」および「C1−C15アミド」は、構造 −NHCOR8,−CONHR8に対応する基をそれぞれ意味するのに用いる。ここでR8はC1−C15の直鎖または分岐鎖、置換または非置換のアルキルである。用語「C2−C15アルコキシカルボニルオキシアリール」は、構造 −Ar−OCOOR9に対応する基を意味するのに用いる。ここでR9はC1−C14アルキルまたは置換C1−C14アルキルである。
R、R1、R2、R3、R4およびR5上の置換基として存在できるアリール基としては、フェニル、ナフチルまたはアントラセニル、ならびに、C1−C6アルキル、置換C1−C6アルキル、C6−C10アリール、置換C6−C10アリール、C1−C6アルコキシ、ハロゲン、カルボキシ、シアノ、C1−C15アルカノイルオキシ、C1−C6アルキルチオ、C1−C6アルキルスルホニル、トリフルオロメチル、ヒドロキシ、C2−C15アルコキシカルボニル、C2−C15アルコキシカルボニルオキシ、C2−C15アルカノイルアミノおよび−O−R10、−S−R10、−SO2−R10、−NHSO210、および−NHCO210から選択される1〜3の置換基で置換されたフェニル、ナフチルまたはアントラセニルであり、R10がフェニル、ナフチル、または、C1−C6アルキル、C6−C10アリール、C1−C6アルコキシおよびハロゲンから選択される1〜3の置換基で置換されたフェニルもしくはナフチルであるものを挙げることができる。
R、R1、R2、R3、R4およびR5上の置換基として存在できるヘテロアリール基としては、酸素、硫黄および窒素から選択される1〜3のヘテロ原子を含有する5−または6−員芳香環が挙げられる。そのようなヘテロアリール基の例は、チエニル、フリル、ピロリル、イミダゾリル、ピラゾリル、チアゾリル、イソチアゾリル、オキサゾリル、イソオキサゾリル、トリアゾリル、チアジアゾリル、オキサジアゾリル、テトラゾリル、ピリジル、ピリミジル、ベンズオキサゾリル、ベンゾチアゾリル、ベンズイミダゾリル、インドリル等である。ヘテロアリール基は、例えば、C1−C6アルキル、C1−C6アルコキシ、置換C1−C6アルキル、ハロゲン、C1−C6アルキルチオ、アリール、アリールチオ、アリールオキシ、C2−C15アルコキシカルボニル、C2−C15アルコキシカルボニルオキシ、およびC2−C6アルカノイルアミノ等の3つ以下の基で置換されていることができる。ヘテロアリール基はまた、縮合環系,例えばベンゾ残基またはナフト残基で置換されていることができる。これらは非置換または置換(例えば、先の文に記載する3つ以下の基で)であることができる。用語「ハロゲン」はフッ素、塩素、臭素およびヨウ素を包含する意味で用いる。
アルキルカーボネートの例としては、これらに限定するものではないが、構造2 レスベラトロールトリス(アルキルカーボネート)、構造3 ヒドロキシチロソールトリス(アルキルカーボネート)、構造4 4−ヒドロキシベンジルアルコールジ(アルキルカーボネート)、および構造5 4−(アルコキシカルボニルオキシ)−2−フェニルエタノールのエステル、が挙げられる。
Figure 2013536843
Figure 2013536843
我々の発明の新規な方法は、アルコール6:
Figure 2013536843
を、クロロホルメート、ブロモホルメート、またはジカーボネートと反応させて、式1のアルキルカーボネートを生成することを含む。
該方法は、溶媒なし、または、環状もしくは非環状のエーテル溶媒,例えばジエチルエーテル、ジイソプロピルエーテル、tert−ブチルメチルエーテル、もしくはテトラヒドロフラン;芳香族炭化水素,例えばベンゼン、トルエンもしくはキシレン;脂肪族もしくは脂環式の飽和もしくは不飽和の炭化水素,例えばヘキサン、ヘプタン、シクロヘキサンもしくはリモネン;ハロゲン化炭化水素,例えばジクロロメタン、ジクロロエタン、ジブロモエタン、テトラクロロエチレン、もしくはクロロベンゼン;極性非プロトン性溶媒,例えばアセトニトリル、ジメチルホルムアミドもしくはジメチルスルホキシド;またはこれらの混合物から選択される不活性溶媒中で行う。本発明の一態様において、溶媒は用いない。別の態様において、ジクロロメタン、トルエン、またはこれらの混合物を用いる。
該方法は、約−100℃〜約100℃の間の温度で行うことができる。別の態様において、該方法は約−100℃から溶媒の沸点までの間の温度で行うことができる。他の温度範囲は、約0℃〜60℃、および約0℃〜約50℃である。
クロロホルメート、ブロモホルメート、またはジカーボネートの量は、式6の化合物の各水酸基に対して約0.85〜約20当量の範囲であることができる。他の態様において、クロロホルメート、ブロモホルメート、またはジカーボネートの量は、式6の化合物の誘導体化される各水酸基に対して約1〜約10当量、または約1〜約1.5当量であることができる。反応は、酸受容体の存在下で行うことができる。酸受容体の例としては、これらに限定するものではないが、3〜15個の炭素原子を有するトリアルキルアミン、または置換もしくは非置換のピリジンが挙げられる。該方法はまた、触媒の存在下で行うことができる。触媒は、超求核性、例えばN,N−ジアルキルアミノピリジンまたはアルコキシピリジン、であることができる。反応のための圧力は約1torr〜約10atom圧の範囲であることができる。別の範囲は約200torrから常圧である。
本発明のカーボネートは、酵素加水分解するという予期しない性質を示す。これは特に、類似のフェノール性エステル(これらの酵素的条件下で開裂しないもの、または極めてゆっくり加水分解されるもののいずれも)として驚くべきものである。例えば、レスベラトールのトリス(ブチルカーボネート)およびトリス(メチルカーボネート)(2,ここでRはそれぞれn−ブチルまたはメチルである)の両者は、トルエンおよび水性pH7バッファーの二相混合物中でのリパーゼでの処理時に、カーボネートの加水分解にあずかってジカーボネート、モノカーボネート、および母体トリフェノールを与える。酵素の不存在下では、加水分解は観測されない。一方、レスベラトロールのトリパルミテートエステルは、同条件下で最低レベルの加水分解を示した。母体含有成分のアンチエイジング特性は、フェノール性構造による抗酸化剤としてのこれらの挙動に連動すると考えられ、よって含有成分の任意の誘導体は皮膚中で開裂して有効になることが可能であることが必要である。酵素的な結果はカーボネートが対応するエステルよりも大幅により有効であるであろうことを示す。
母体フェノールはメタノール以外の殆どの有機溶媒中で不溶である。一方、カーボネートは大幅に広い溶解性プロファイルを示し、これは配合および皮膚中への浸透を助けることができる。加えて、母体フェノールは幾らか不安定であり、貯蔵時に茶色になる傾向がある。これはフェノールの酸化的不安定性に起因すると考えられ、カーボネート誘導体化はこの不安定性を改善することになる。
該方法のアルキルカーボネート生成物は、当業者に公知の方法,例えば抽出、ろ過、または結晶化を用いて単離できる。式1のアルキルカーボネート生成物は、当業者に公知の方法,例えば抽出、クロマトグラフィ、蒸留または結晶化を用いて必要に応じて精製できる。
本発明に係るアルキルカーボネートは、化粧組成物、スキンケア組成物等の組成物中で使用できる。該組成物は、例えば、皮膚の粗さ、小皺および皺の低減、光ダメージを受けた皮膚の改善、皮膚再生、皮膚の色素沈着の低減、ならびに皮膚における刺激および/または炎症反応の低減、に有用であることができる。
本発明の典型的な化粧用および/またはスキンケア用の組成物は、少なくとも0.001質量%の本発明に係るカーボネートを含有する。例えば、該組成物は、約0.001〜約20.0質量%、または約0.01〜約10.0質量%の本発明に係るカーボネートを含有できる。より低い濃度は、より緩やかな条件で使用でき、より高濃度はより強い条件で使用できる。推奨される範囲はまた、組成物中で用いる任意の補助含有成分に左右される。
本発明の化粧用およびスキンケア用の組成物はまた、カーボネートに加えて他のスキンコンディショニング含有成分を含有できる。そのような組成物はまた、他のスキン含有成分,例えばレチノール、レチニルエステル、テトロン酸、テトロン酸誘導体、ハイドロキノン、コウジ酸、没食子酸、アルブチン、α−ヒドロキシ酸、およびアスコルビン酸の脂肪酸エステルを含有できる。このような他の含有成分は当業者に公知である。
典型的には、皮膚部位への局所適用は、キャリアと共同して実現する。採用する場合、キャリアは、1種または複数種の活性成分または補助成分の非活性化または酸化を引き起こさないという意味で、そしてこれが適用される皮膚領域へのいずれの不利な作用も引き起こさないという意味で、不活性である。例えば、本発明に係る化合物は、皮膚科学的に許容可能なキャリアまたは媒体との混合物(例えば、ローション、クリーム、軟膏、ソープ、スティック等)中で、局所適用を容易にするようにして、そして幾つかの場合には、追加的な有利な効果(例えば作用させる皮膚領域の保湿によってもたらすことができるような)を与えるようにして、適用する。多くの調合物が当該分野で公知であり、そして、油および/またはアルコールならびにエモリエント,例えばオリーブオイル、炭化水素油およびワックス、シリコーンオイル、他の植物、動物または海洋の脂肪または油、グリセリド誘導体、脂肪酸または脂肪酸エステルまたはアルコールまたはアルコールエーテル、レシチン、ラノリンおよび誘導体、多価アルコールまたはエステル、ワックスエステル、ステロール、リン脂質等、およびまた一般的には乳化剤(ノニオン性、カチオン性またはアニオン性)、を含有するローションが挙げられる。これらの同じ一般的な含有成分は、ローションよりむしろクリーム中に、またはゲル中に、または固体スティック中に、含有成分の種々の割合を用いることによって、および/または増粘剤(例えばゴムもしくは他の形の親水コロイド)を含ませることによって、配合できる。
本発明によって提供される新規な方法を、以下の例によって更に例示する。
例1:レスベラトロールトリス(メチルカーボネート)(式2,R=Me)の調製
レスベラトロール(15g;65.7mmol)をジクロロメタン(80mL)と組合わせ、ピリジン(18.8g;236mmol;3.6当量)を滴下添加した。メチルクロロホルメート(26.2g;278mmol;4.2当量)を添加し、反応混合物を加熱して1時間還流させ、その時点でHPLC分析は5つの主要なピークを示した。ピリジン(6.3g;79.6mmol;1.2当量)およびメチルクロロホルメート(8.8g;93.1mmol;1.4当量)を添加して1時間還流させた。HPLC分析で単一ピークが観測されるようになるまでこれを更に2回繰り返した。混合物を酢酸エチル(250mL)で希釈し、3M HCl(3x250mL)および5%炭酸水素ナトリウム(3x250mL)で洗浄した。有機溶液を硫酸ナトリウムで乾燥させ、濃縮して、26.6gの粗ヒドロキシチロソールトリス(メチルカーボネート)(式2、R=Me)を得た。該粗生成物を、160gのイソプロピルアルコールから結晶化させて21.4gのレスベラトロールトリス(メチルカーボネート)(81%)を得た。これはHPLC分析で>99%の純度であった。
1HNMR(水素−1核磁気共鳴)(DMSO−d6)δ7.66(d,2H,J=8.7Hz);7.46(d,2H,J=2.2Hz);7.40(d,1H,J=16.4Hz);7.27(d,2H,J=8.7Hz);7.25(d,1H,J=16.6Hz);7.16(t,1H;J=2.1Hz);3.86(brs,6H);3.84(brs,3H)
HPLC(高性能液体クロマトグラフィ)(4.6x150mm Zorbax SB−C8カラム[Agilent],3.5μ厚,50:50 メタノール:水(0.1%トリフルオロ酢酸を含有)で5分間、100%メタノールまで徐々に1分間かけ、100%メタノールで11分間保持、294nmで検出):t 8.65分(2,R=Me);t 3.3分(レスベラトロール) LCMS:402(2のM+,R=Me)
例2:レスベラトロールトリス(ブチルカーボネート)の調製(2,R=n−Bu)
レスベラトロール(10.0g;43.8mmol)を50mL(618mmol;14.1当量)のピリジン中に溶解させた。混合物をトルエン(75mL)で希釈し、25mLのトルエン中に溶解させたn−ブチルクロロホルメート(19.15g;140mmol;3.2当量)で処理した。添加中に発熱がみられ、冷却を適用した(最高温度は37℃であった)。得られた白色の撹拌可能なスラリーを1晩室温で撹拌した。この時点でHPLC分析は1つの主要な生成物を示したが幾つかの副次的なピークを示した(モノ−およびジ−カーボネートと推測される)。追加の20%のブチルクロロホルメート(3.8g)を添加し、混合物を1晩撹拌した。この時点でHPLC分析は>94%の単一ピークを示した。混合物を150mLの酢酸エチルおよび100mLの水の間で分離した。水層はデカンテーションした。有機層を3M HCl(200mL)および5%炭酸水素ナトリウム(100mL)で洗浄し、乾燥させ(MgSO4)、次いで減圧中、穏やかに加熱して濃縮して、22.96g(99%)の式2,R=n−Buを得た。1H NMRは予測される構造と一致しており、HPLC分析は97.1%の純度、および0.7%のレスベラトロールを示した。
1HNMR(CDCl3)δ7.49(dt,2H,J=8.7,2.0Hz);7.22(d,2H,J=2.1Hz);7.19(dt,2H,J=8.7,1.9Hz);7.08(d,1H,J=16.3Hz);7.01(t,1H,J= 2.2Hz);6.97(t,1H;J=16.3Hz);4.275(t,4H,J=6.6Hz);4.265(t,2H,J=6.7Hz);1.8−1.65(m,6H);1.53−1.37(m,6H);0.98(t,9H,J=7.5Hz)
HPLC−MS(4.6x150mm Zorbax SB−C8カラム[Agilent],3.5μ厚,50:50 メタノール:水(0.1%トリフルオロ酢酸を含有)で5分間、100%メタノールまで徐々に1分間かけ、100%メタノールで11分間保持、294nmで検出):t 9.18分(2,R=n−Bu,M+ 528);t 8.8分(レスベラトロールビス[ブチルカーボネート],M+ 428);t 8.5分(レスベラトロールモノ[ブチルカーボネート],M+ 328);t 3.3分(レスベラトロール,M+ 228)
比較例1:レスベラトロールトリパルミテートの調製
レスベラトロール(100mg;0.44mmol)を1mLのピリジン中に溶解させた。パルミトイルクロリド(425μL;1.40mmol;3.2当量)を添加し、直ちに固体の形成がみられた。この混合物を室温で12時間撹拌し、この時点でHPLC分析はレスベラトロールの存在を示さなかった。混合物を酢酸エチルおよび水に分離し、水層をデカンテーションした。上部有機層を1.5M HCl(10mL)および5%炭酸水素ナトリウム(10mL)で順に洗浄し、乾燥させ(MgSO4)、濃縮して、0.45g(99%)のレスベラトロールトリパルミテートを得た。
1HNMR(CDCl3)δ7.49(br d,2H,J=8.6Hz);7.15−6.95(m,6H);6.80(t,1H;J=2.0Hz);2.55(t,6H,J=7.3Hz);1.5−1.2(m,78H);0.88(t,9H,J=6.5Hz)
HPLC(4.6x150mm Zorbax SB−C8カラム[Agilent],3.5μ厚,50:50 メタノール:水(0.1%トリフルオロ酢酸を含有)で5分間、100%メタノールまで徐々に1分間かけ、100%メタノールで24分間保持、294nmで検出):t 25.0分(レスベラトロールトリパルミテート);t 3.3分(レスベラトロール)
例3:レスベラトロールトリス(メチルカーボネート)の酵素加水分解
レスベラトロールトリス(メチルカーボネート)(100mg;0.249mmol)を2mLのトルエン中に溶解させた。2mLのpH7バッファーを添加し、次いで100mgのNovozym 435(固定化されたCandida Antarctica リパーゼB)を添加した。混合物を室温で22時間激しく撹拌し、この時点でHPLC分析(両層で等体積)は23.75%レスベラトロール、52.9%レスベラトロールモノ(メチルカーボネート)、15.8%レスベラトロールビス(メチルカーボネート)および7.0%レスベラトロールトリス(メチルカーボネート)を示した。室温で3日後、HPLC分析は63.8%レスベラトロール、35.1 %レスベラトロールモノ(メチルカーボネート)、0.6%レスベラトロールビス(メチルカーボネート)を示し、検出可能なレスベラトロールトリス(ブチルカーボネート)は示さなかった。酵素不存在下での同様の反応の実施では、3日後の検出可能な加水分解は示さなかった。
例4:レスベラトロールトリス(ブチルカーボネート)の酵素加水分解
レスベラトロールトリス(ブチルカーボネート)(100mg;0.189mmol)を2mLのトルエン中に溶解させた。2mLのpH7バッファーを添加し、次いで100mgのNovozym 435(固定化されたCandida Antarctica リパーゼB)を添加した。混合物を室温で1日間激しく撹拌し、この時点で上層は41%レスベラトロールビス(ブチルカーボネート)および59%レスベラトロールトリス(ブチルカーボネート)を示した。室温で3日後、等体積の上層および下層をHPLCで分析し、35%レスベラトロール、5%レスベラトロールモノ(ブチルカーボネート)、41%レスベラトロールジ(ブチルカーボネート)、および19%レスベラトロールトリス(ブチルカーボネート)を示した。
比較例2:レスベラトロールトリパルミテートの酵素加水分解
レスベラトロールトリパルミテート(100mg;0.11mmol)を2mLのトルエン中に溶解させた。2mLのpH7バッファーを添加し、次いで100mgのNovozym 435(固定化されたCandida Antarctica リパーゼB)を添加した。混合物を室温で3日間激しく撹拌し、得られたのは最低レベルの加水分解であり、HPLC分析では、レスベラトロールは殆どなく:89%レスベラトロールトリパルミテート、6.4%レスベラトロールジパルミテート、および0.9%レスベラトロールであった。
例5:4−ヒドロキシベンジルアルコールビス(ブチルカーボネート)の調製
4−ヒドロキシベンジルアルコール(1.0g;8.06mmol)を2mL(24.7mmol;3当量)のピリジン中に溶解させた。トルエン(9mL)を添加して曇った溶液を得た。これを氷水中で冷却した。ブチルクロロホルメート(2.42g;17.72mmol;2.2当量)を添加し、直ちに固体の形成があった。混合物を0℃で1時間撹拌し、この時点でHPLC分析は、4−ヒドロキシベンジルアルコールを示さず、1つの主要なピークであった。混合物を酢酸エチルで希釈し、次いで水、1.5M HCl(20ml)、および5%炭酸水素ナトリウム(20mL)で洗浄した。有機溶液を硫酸マグネシウムで乾燥させて濃縮し、2.52g(96%)の4−ヒドロキシベンジルアルコールビス(ブチルカーボネート)を得た。
1HNMR(CDCl3)δ7.41(dt,2H,J=8.7,2.7Hz);7.19(dt,2H,J=8.7,2.6Hz);5.14(s,2H);4.26(t,2H,J=6.7Hz);4.15(t,2H;J=6.6Hz);1.8−1.6(m,4H);1.52−1.32(m,4H);0.97(t,3H,J=7.3Hz);0.93(t,3H,J=7.3Hz)
HPLC(4.6x150mm Zorbax SB−C8カラム[Agilent],3.5μ厚,3:97 メタノール:水(0.1%トリフルオロ酢酸を含有)、40:60 メタノール:水(0.1%トリフルオロ酢酸を含有)まで徐々に20分間かけ、100%メタノールまで徐々に5分間かけ、100%メタノールで5分間保持、294nmおよび225nmで検出):t 27.1分(4−ヒドロキシベンジルアルコールビス[ブチルカーボネート];t 8.5分(ヒドロキシベンジルアルコール)
例6:4−ヒドロキシベンジルアルコールビス(ブチルカーボネート)の酵素加水分解
4−ヒドロキシベンジルアルコールビス(ブチルカーボネート)(100mg;0.308mmol)を1mLのトルエン中に溶解させた。1mLのpH7バッファーを添加し、次いで100mgのNovozym 435(固定化されたCandida Antarctica リパーゼB)を添加した。混合物を室温で1.5時間激しく撹拌し、この時点でHPLC分析(両層の等体積)は、1.5%4−ヒドロキシベンジルアルコール、各々40および14%の4−ヒドロキシベンジルアルコールモノ(ブチルカーボネート)、ならびに41%4−ヒドロキシベンジルアルコールビス(ブチルカーボネート)を示した。4−ヒドロキシベンジルアルコールの分析は、トルエン中および水中の両者でのその不溶性に起因して不正確であることに留意されたい。室温で21時間後、HPLC分析は、極めて少ないモノ−およびビス−カーボネートを示した。酵素の不存在下での同様の反応の実施は、3日後に検出可能な加水分解を示さなかった。
例7:ヒドロキシチロソールトリス(メチルカーボネート)(3,R=Me)の調製
ヒドロキシチロソール(1.0g;6.49mmol)を2.3mL(24.7mmol;4.4当量)のピリジン中に溶解させた。トルエン(9mL)を添加して曇った溶液を得た。これを氷水中で冷却した。メチルクロロホルメート(2.45g;25.9mmol;4当量)を添加し、直ちに固体の形成があった。混合物を0℃で45分間撹拌し、6時間かけて室温まで温めた。この時点でHPLC分析は、ヒドロキシチロソールを示さず、1つの主要なピークであった。混合物を酢酸エチルで希釈し、次いで水、1.5M HCl(20ml)、および5%炭酸水素ナトリウム(20mL)で洗浄した。有機溶液を硫酸マグネシウムで乾燥させて濃縮し、1.64g(77%)の3,R=Meを得た。これは1H NMR分析により純粋であった。
1HNMR(CDCl3)δ7.24−7.11(m,3H);4.34(t,2H,J=7.0Hz);3.905(s,3H);3.90(s,3H);3.77(s,3H);2.96(t,2H,J=6.9Hz)
HPLC(4.6x150mm Zorbax SB−C8カラム[Agilent],3.5μ厚,3:97 メタノール:水(0.1%トリフルオロ酢酸を含有)、40:60 メタノール:水(0.1%トリフルオロ酢酸を含有)まで徐々に20分間かけ、100%メタノールまで徐々に5分間かけ、100%メタノールで5分間保持、294nmおよび225nmで検出):t 25.2分(3,R=Me);t 8.5分(ヒドロキシチロソール)
比較例3:ヒドロキシチロソールトリヘキサノエートの調製
ヒドロキシチロソール(1.00g;6.49mmol)を2.3mL(28.4mmol;4.4当量)のピリジン中に溶解させた。混合物をトルエン(9mL)で希釈し、氷水中で冷却した。ヘキサノイルクロリド(2.99mL;21.4mmol;3.3当量)を添加し、直ちに固体の形成があった。混合物を1晩かけて室温まで温めた。この時点でHPLC分析は、存在するヒドロキシチロソールを示さず、1つの主要なピークであった。混合物を酢酸エチル中および水中に分離し水層をデカンテーションした。上部有機層を、1.5M HCl(20mL)、および5%炭酸水素ナトリウム(20mL)で順に洗浄し、乾燥(MgSO4)、濃縮し、2.86g(98%)のヒドロキシチロソールトリヘキサノエートを得た。これは1.9%の残存ヒドロキシチロソールを含有していた。
1HNMR(CDCl3)δ7.1−7.0(m,3H);4.27(t,2H,J=7.0Hz);2.92(t,2H,J=6.9Hz);2.52(t,2H,J=7.4Hz);2.44(t,2H,J=7.4Hz);2.28(t,2H,J=7.3Hz);1.8−1.55(m,6H);1.45−1.25(m,12H),0.97−0.85(m,9H)
HPLC(4.6x150mm Zorbax SB−C8カラム[Agilent],3.5μ厚,3:97 メタノール:水(0.1%トリフルオロ酢酸を含有)、40:60 メタノール:水(0.1%トリフルオロ酢酸を含有)まで徐々に20分間かけ、100%メタノールまで徐々に5分間かけ、100%メタノールで5分間保持、294nmおよび225nmで検出):t 27.8分(ヒドロキシチロソールトリヘキサノエート);t 8.5分(ヒドロキシチロソール)
例8:ヒドロキシチロソールトリス(メチルカーボネート)の酵素加水分解
ヒドロキシチロソールトリス(メチルカーボネート)(3,R=Me,100mg;0.305mmol)を2mLのトルエン中に溶解させた。2mLのpH7バッファーを添加し、次いで100mgのNovozym 435(固定化されたCandida Antarctica リパーゼB)を添加した。混合物を室温で24時間激しく撹拌し、この時点でHPLC分析(両層の等体積)は、74%のヒドロキシチロソール、1.5%のモノ−およびジ−カーボネート、ならびに17%の3(R=Me)を示した。室温で48時間後、HPLC分析は、92%のヒドロキシチロソール、5%のモノ−およびジ−カーボネート、ならびに3%の3(R=Me)を示した。酵素の不存在下での同様の反応の実施は、2日後に検出可能なヒドロキシチロソールへの加水分解を示さなかった。
比較例4:ヒドロキシチロソールトリヘキサノエートの酵素加水分解
ヒドロキシチロソールトリヘキサノエート(HPLC分析で1.9%のドロキシチロソールを含有)(100mg;0.22mmol)を2mLのトルエン中に溶解させた。2mLのpH7バッファーを添加し、次いで100mgのNovozym 435(固定化されたCandida Antarctica リパーゼB)を添加した。混合物を室温で48時間激しく撹拌し、72.3%ヒドロキシチロソールトリヘキサノエート、18.7%の3,4−ジ(ヘキサノイル)フェニルエタノール、および2.5%のヒドロキシチロソールを得た。
例9:4−(n−ブトキシカルボニルオキシ)−2−フェネチルリノレエートの調製
チロソールリノレエート(4−ヒドロキシ−2−フェネチルリノレエート)(2.0g;4.99mmol)を2mL(24.7mmol;3当量)のピリジン中に溶解させた。トルエン(9mL)を添加して曇った溶液を得た。これを氷水中で冷却した。ブチルクロロホルメート(2.42g;17.72mmol;2.2当量)を添加し、直ちに固体の形成があった。混合物を室温まで温め、6時間撹拌した。この時点でHPLC分析は、<2%のチロソールリノレエートを示し、1つの主要なピークであった。混合物を酢酸エチルで希釈し、次いで水、1.5M HCl(20ml)、および5%炭酸水素ナトリウム(20mL)で順に洗浄した。有機溶液を硫酸マグネシウムで乾燥させ、濃縮して、2.75gの4−(n−ブトキシカルボニルオキシ)−2−フェネチルリノレエートを得た。
1HNMR(CDCl3)δ7.22(d,2H,J=8.5Hz);7.10(d,2H,J=8.5Hz);5.35(m,4H);4.27(t,2H,J=6.9Hz);4.24(t,2H;J=6.7Hz);2.93(t,2H,J=7.0Hz);2.77(t,2H,J=5.8Hz);2.28(t,2H,J=7.4Hz);2.1−2.0(m,4H);1.8−1.65(m,2H);1.65−1.25(m,20H);0.97(t,3H,J=7.3Hz);0.89(t,3H,J=6.9Hz)
HPLC(4.6x150mm Zorbax SB−C8カラム[Agilent],3.5μ厚,10:90 メタノール:水(0.1%トリフルオロ酢酸を含有)で20分間、225nmで検出):t 10.8分(4−(n−ブトキシカルボニルオキシ)−2−フェネチルリノレエート);t 5.2分(チロソールリノレエート)

Claims (17)

  1. 一般構造1:
    Figure 2013536843
    (式中、Rは、置換および非置換、分岐鎖および直鎖、飽和、不飽和および多価不飽和のC1−C22アルキルから選択され、そしてR1、R2、R3、R4およびR5は独立に、水素、置換および非置換、分岐鎖および直鎖、飽和のC4−C22アルキル、置換および非置換、分岐鎖および直鎖のC2−C22アルケニル、置換および非置換、分岐鎖および直鎖のC2−C22アルキニル、置換および非置換、分岐鎖および直鎖のC4−C22ジエニル、置換および非置換、分岐鎖および直鎖のC6−C22トリエニル、C1−C6アルコキシ、カルボキシル、C1−C15アミノカルボニル、C1−C15アミド、シアノ、C2−C15アルコキシカルボニル、C2−C15アルコキシカルボニルオキシ、C2−C15アルカノイルオキシ、ヒドロキシル、アリール、ヘテロアリール、チオール、チオエーテル、ならびにハロゲンから選択される)
    を有する、アルキルカーボネート。
  2. Rが、C1−C6アルコキシ、カルボキシル、C1−C15アミノカルボニル、C1−C15アミド、シアノ、C2−C15アルコキシカルボニル、C2−C15アルコキシカルボニルオキシ、C2−C15アルカノイルオキシ、ヒドロキシル、アリール、置換アリール、ヘテロアリール、置換ヘテロアリール、チオール、チオエーテル、およびハロゲンから選択される1〜3の基で置換されている、請求項1に記載のアルキルカーボネート。
  3. 1、R2、R3、R4およびR5で表されることができるアルキル基、アルケニル基、アルキニル基、ジエニル基およびトリエニル基が、C1−C6アルコキシ、カルボキシル、C1−C15アミノカルボニル、C1−C15アミド、シアノ、C2−C15アルコキシカルボニル、C2−C15アルコキシカルボニルオキシ、C2−C15アルコキシカルボニルオキシアリール、C2−C15アルカノイルオキシ、ヒドロキシ、アリール、置換アリール、ヘテロアリール、置換ヘテロアリール、チオール、チオエーテル、およびハロゲンから選択される1〜3の基で置換されている、請求項1に記載のアルキルカーボネート。
  4. 該アリール基が、フェニル、ナフチル、アントラセニル、および、1〜3の置換基で置換されたフェニル、ナフチルまたはアントラセニルからなる群から選択される、請求項1に記載のアルキルカーボネート。
  5. 該置換基が、C1−C6アルキル、置換C1−C6アルキル、C6−C10アリール、置換C6−C10アリール、C1−C6アルコキシ、ハロゲン、カルボキシ、シアノ、C1−C15アルカノイルオキシ、C1−C6アルキルチオ、C1−C6アルキルスルホニル、トリフルオロメチル、ヒドロキシ、C2−C15アルコキシカルボニル、C2−C15アルコキシカルボニルオキシ、C2−C15アルカノイルアミノおよび−O−R10、−S−R10、−SO2−R10、−NHSO210、および−NHCO210からなる群から選択され、R10が、フェニル、ナフチル、または、C1−C6アルキル、C6−C10アリール、C1−C6アルコキシおよびハロゲンから選択される1〜3の基で置換されたフェニルもしくはナフチルである、請求項4に記載のアルキルカーボネート。
  6. 該ヘテロアリール基が、チエニル、フリル、ピロリル、イミダゾリル、ピラゾリル、チアゾリル、イソチアゾリル、オキサゾリル、イソオキサゾリル、トリアゾリル、チアジアゾリル、オキサジアゾリル、テトラゾリル、ピリジル、ピリミジル、ベンズオキサゾリル、ベンゾチアゾリル、ベンズイミダゾリルおよびインドリルからなる群から選択される、請求項1に記載のアルキルカーボネート。
  7. 該ヘテロアリール基が、C1−C6アルキル、C1−C6アルコキシ、置換C1−C6アルキル、ハロゲン、C1−C6アルキルチオ、アリール、アリールチオ、アリールオキシ、C2−C15アルコキシカルボニル、C2−C15アルコキシカルボニルオキシ、C2−C6アルカノイルアミノ、および縮合環系からなる群から独立に選択される3つ以下の基で置換されている、請求項1に記載のアルキルカーボネート。
  8. 該アルキルカーボネートが、レスベラトロールトリス(アルキルカーボネート)、ヒドロキシチロソールトリス(アルキルカーボネート)、4−ヒドロキシベンジルアルコールジ(アルキルカーボネート)、または4−(アルコキシカルボニルオキシ)−2−フェニルエタノールのC2−C22の飽和、不飽和もしくは多価不飽和のエステルである、請求項1に記載のアルキルカーボネート。
  9. 一般構造1:
    Figure 2013536843
    (式中、Rは、置換および非置換、分岐鎖および直鎖、飽和、不飽和および多価不飽和のC1−C22アルキルから選択され、そしてR1、R2、R3、R4およびR5は独立に、水素、置換および非置換、分岐鎖および直鎖、飽和のC4−C22アルキル、置換および非置換、分岐鎖および直鎖のC2−C22アルケニル、置換および非置換、分岐鎖および直鎖のC2−C22アルキニル、置換および非置換、分岐鎖および直鎖のC4−C22ジエニル、置換および非置換、分岐鎖および直鎖のC6−C22トリエニル、C1−C6アルコキシ、カルボキシル、C1−C15アミノカルボニル、C1−C15アミド、シアノ、C2−C15アルコキシカルボニル、C2−C15アルコキシカルボニルオキシ、C2−C15アルカノイルオキシ、ヒドロキシ、アリール、ヘテロアリール、チオール、チオエーテル、ならびにハロゲンから選択される)
    を有するアルキルカーボネートの製造方法であって、
    式4:
    Figure 2013536843
    の少なくとも1種のアルコールを、クロロホルメート、ブロモホルメート、またはジカーボネートと反応させて該式1のアルキルカーボネートを生成することを含む、方法。
  10. 該方法を、溶媒なし、または、環状エーテルもしくは非環状エーテル、芳香族炭化水素、脂肪族もしくは脂環式の飽和もしくは不飽和の炭化水素、ハロゲン化炭化水素、極性非プロトン性溶媒、もしくはこれらの混合物からなる群から選択される不活性溶媒中で行う、請求項9に記載の方法。
  11. 該方法を、約−100℃〜約100℃の間の温度で行う、請求項9に記載の方法。
  12. クロロホルメート、ブロモホルメート、またはジカーボネートの量が、式4の化合物の各水酸基に対して約0.85〜約20当量の範囲である、請求項9に記載の方法。
  13. 該反応を酸受容体の存在下で行う、請求項9に記載の方法。
  14. 該反応を触媒の存在下で行う、請求項9に記載の方法。
  15. 請求項1に記載のアルキルカーボネートを含む、組成物。
  16. 請求項15に記載のアルキルカーボネートを含む、化粧組成物。
  17. 該アルキルカーボネートの量が少なくとも0.001質量%である、請求項16に記載の化粧組成物。
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