JP2013530829A - 流体ディスペンサ装置用のスプレーヘッド - Google Patents

Abstract

流体ディスペンサ装置用のスプレーヘッド（１０）であって、縦軸（Ａ）に沿って延びた円筒形のスリーブ（１２）と、スプレーオリフィス（１５）を備えた円形状（radial）の端壁部（１３）と、から成る中空本体（１１）と、前記スプレーオリフィス（１５）の上流に位置し、前記縦軸（Ａ）に関して非径方向又は非軸方向である1以上の流路（２５）を有するスプレー加工部（２０）と、を有し、前記スプレーヘッド（１０）と、前記スプレーオリフィス（１５）と、前記スプレー加工部（２０）とは単一部品として作られており、前記スプレー加工部（２０）は中央ピン（２１）を有し、前記中空本体（１１）の内部に配された、前記中央ピン（２１）の内側端部（２２）は円錐形又は円錐台形であり、それによって、前記１以上の非径方向又は非軸方向である1以上の流路（２５）に流体を導き、そして、前記内側端部（２２）が出口弁を形成している、というスプレーヘッド。
【選択図】図８

Description

本発明は、流体ディスペンサ装置用のスプレーヘッドに関する。

流体ディスペンサ装置用のスプレーヘッドは公知であり、こうしたヘッドは通常、複数の部品から成る。それら部品とは、ヘッドを形成する本体、ノズルを形成する１個又は２個の部品である。ノズルを形成する部品とは、すなわち、流体の投与の際に流体に渦を巻かせることでスプレーを生成する部分である。外部ノズルの場合、小型のスリーブが、ヘッドの下流側端部に外部から嵌め込まれることで、ヘッドと係合して前記スプレー加工部を形作る。内部ノズルの場合は、ヘッドの内部から挿入される挿入部材が、ヘッドの端壁部と係合してスプレー加工部を形作る。いずれにせよ、スプレー加工部は通常、複数（特に３つ）の非径方向の流路が、ヘッドの端壁部、外部ノズルを形成するスリーブ、内部ノズルを形成する挿入部材のいずれかに形成される。しかしながら、いかなる場合でも、スプレーは、２つ以上の部品の間（すなわち、ヘッドと外部ノズル又は内部ノズルとの間）の係合によって実現される。既存のスプレーヘッドでは、少なくとも１つの部分を他の部品に組み入れる組立作業が必要となる。このような組立によって製造されるスプレーヘッドは、１つ１つ性能が異なったものとなる。これは、必ずしも望ましくない。更に、２つ又は３つの部品でヘッドを作る場合、製造及び組立の作業は複雑になり、そうして作られる組立製品のコストは高くなる。一般に、スプレーヘッドは、ピストンロッド又は弁部材に組み付けられて、ポンプ又は弁から放出される流体をスプレーオリフィスに導く。しかし、注射器型の貯蔵容器の出口にスプレーヘッドを直接配置して、前記注射器の内容物を、針を通して注入するのではなくてスプレーする、という構成も提案されている。こうした配置は特許文献１に記載されている。そこでもやはり、スプレーヘッドは２つ又は３つの部品を一体に組み立てて作られる。

国際公開第００／７１２６３号 欧州特許第１ ４７５ １５７号明細書 仏国特許発明第２ ８６２ ００９号明細書 国際公開第２００７／０１２８５３号

本発明は、上記の問題が生じない流体ディスペンサ装置用スプレーヘッドを提供することを目的とする。
また、本発明は、製造及び組立が簡単かつ低コストで行える流体ディスペンサ装置用スプレーヘッドを提供することを目的とする。
本発明は更に、適正かつ再現可能な形でスプレーを生成することの可能な流体ディスペンサ装置用スプレーヘッドを提供することを目的とする。

そこで、本発明は、流体ディスペンサ装置用のスプレーヘッドであって、縦軸に沿って延びた円筒形のスリーブと、スプレーオリフィスを備えた円形状（radial）の端壁部と、から成る中空本体と、前記スプレーオリフィスの上流に位置し、前記縦軸に関して非径方向又は非軸方向である1以上の流路を有するスプレー加工部と、を有し、前記スプレーヘッドと、前記スプレーオリフィスと、前記スプレー加工部とは単一部品として作られており、前記スプレー加工部は中央ピンを有し、前記中空本体の内部に配された、前記中央ピンの内側端部は円錐形又は円錐台形であり、それによって、前記１以上の非径方向又は非軸方向である1以上の流路に流体を導き、そして、前記内側端部が出口弁を形成している、というスプレーヘッドを提供する。

第１の変形例では、前記スプレーオリフィスは、前記縦軸を中心とした環状の形状を有する。
第２の変形例では、前記スプレーオリフィスは、前記縦軸に関して対称形であるボウル形状を有する。
効果的な構成として、前記スプレー加工部は、縦軸に対して傾斜した状態で、かつ当該縦軸を囲む状態で延びている流路を少なくとも１つ有し、当該流路は、前記中空本体の内部を前記スプレーオリフィスに連通させること、とする。

また、変形例として、前記スプレー加工部は、径方向及び軸方向の両方向において傾斜した螺旋状の流路を少なくとも１つ有し、当該流路は、前記中空本体の内部を前記スプレーオリフィスに連通させること、とする。
また、効果的な構成として、前記中央ピンは、変形可能なダイヤフラムを介して前記スリーブに接続されており、当該ダイヤフラムは前記スリーブと一体の形で形成されており、前記中央ピンが軸方向にわずかに移動することを可能にすること、とする。

本発明は更に、貯蔵容器と、前記貯蔵容器に格納された流体を投与するためのディスペンサ手段と、上述したいずれかのスプレーヘッドと、を有する流体ディスペンサ装置を提供する。
また、効果的な構成として、前記貯蔵容器は注射器であり、前記ディスペンサ手段は、前記注射器内で摺動するピストンから成り、前記スプレーヘッドは、前記注射器に直接組み付けられていること、とする。

また、効果的な構成として、前記スプレーヘッドは、前記注射器と係合する出口弁を有すること、とする。
また、変形例として、前記ディスペンサ手段は前記貯蔵容器に組み付けられるポンプ又は弁から成り、前記スプレーヘッドは前記ポンプ又は弁に組み付けられること、とする。
本発明の上記及び上記以外の効果及び特徴は、添付図面を参照しながら、非限定的な例として示す以下の詳細な説明を読むことで、より明らかになるであろう。

効果的な実施の形態におけるスプレーヘッドを注射器型貯蔵容器に組み付けられた状態で示す概略断面図である。 図１の装置の一部を示す拡大詳細図である。 図１、２に示す装置のディスペンサヘッドの概略断面図である。 図３に示すディスペンサヘッドを示す平面図である。 図３と同様の図であり、別の実施の形態を示す図である。 図５に示すディスペンサヘッドを示す平面図である。 図１と同様の図であり、本発明の別の実施の形態を示す図である。 図７の装置の一部を示す拡大詳細図である。

以下、３つの異なる実施の形態を参照しながら、本発明に関して説明する。ただし、当然のことながら、これら以外の実施の形態を考えることも可能であろう。
図１乃至４は、第1の効果的な実施の形態を示す。図１は、注射器型の貯蔵容器２に組み付けられたスプレーヘッド１０を示す。従来の形では、前記注射器２内には、内容物を投与するための適当なディスペンサ手段が設けられる。通常、ディスペンサ手段はピストンから成り、当該ピストンは、投与時にユーザによって駆動される駆動ロッドに固定されている。当然のことながら、様々なディスペンサ手段が考えられ、例としては、自動注入型の自動ディスペンサ手段がある。しかしながら、これらのディスペンサ手段は本発明に直接的には関係しないため、これ以上、ディスペンサ手段について詳細な説明はしない。更に、図１は、ディスペンサヘッド１０が貯蔵容器２に直接組み付けられた状態で示しているが、ディスペンサヘッド１０をディスペンサ部材（例：ポンプ、弁）に組み付け、その上で、ディスペンサ部材を貯蔵容器に組み付ける、という構成も可能であろう。

ここで特に図３を参照する。留意すべきは、ディスペンサヘッド１０が、スプレーオリフィス１５を備えた中空本体１１から成ることである。効果的な構成として、中空本体１１はスリーブ１２から成り、当該スリーブ１２は、実質的に円筒形であって、端壁部１３に接続されている。端壁部１３は実質的に円形状（radial）であって、前記スプレーオリフィス１５を中央に備えて、前記中空本体１１の縦軸Ａ上にスプレーオリフィス１５の中心が位置することが好ましい。加えて、スプレー加工部２０が設けられているが、これも同様に前記端壁部１３に設けるのが好ましい。

本発明では、前記ディスペンサヘッドは、単一部材として作られている。すなわち、流体は単一部材によってスプレー化される。よって、スプレーの生成のために前記ヘッド上又はヘッド内で、１又は複数の部品を一体に組み立てる必要がない。
図１乃至４に示す実施の形態において、スプレー加工部２０は、流路を少なくとも１つ有し、当該流路は、中空本体１１の縦軸Ａによって規定される軸方向において傾斜した状態で延びている。図４に見られる通り、好ましい構成としては、この型の流路を３つ、縦軸Ａを囲む形で分散配置する。流路２５は、前記縦軸Ａを囲む形で、そして軸方向において傾斜した状態で前記端壁部１３内を延びて、中空本体１１の内部を前記スプレーオリフィス１５に連通させている。流路２５が円周の一部分を有し、軸方向に傾斜した形となっていることで、圧力を加えられて放出される際の流体は、前記流路２５を通過する時に渦を巻くことになる。つまり、流体は、スプレーオリフィス１５に達した時点ですでに渦を巻いており、それによってスプレーの形で放出される。図３に示す実施の形態では、スプレーオリフィス１５は、前記縦軸Ａを囲んで環状の形状となっている。こうした環状の形状によって、噴出時の流体の渦巻きは更に強くなる。

特に図３に見られるように、スプレー加工部２０は中央ピン２１を有する。この実施の形態では、スプレーオリフィス１５の前記の環状の形状は、この中央ピンの外側部分によって形作られている。中空本体１１の内部に配された前記中央ピン２１の内側端部２２は、円錐形又は円錐台形の形状を有し、この形状は、流体を前記流路２５の入口に導くのに役立つ。こうした構成により、特に図２に見られるように、ヘッド１０が貯蔵容器２に組み付けられている時、前記貯蔵容器２から放出される流体は前記スプレー流路に送られ、スプレーオリフィス１５からスプレーの形で放出される。言うまでもないが、同じことは、ディスペンサヘッド１０がピストンロッド又は弁部材に組み付けられる場合にもあてはまる。

図５、６は、別の実施の形態を示す。この第２の実施の形態と、図１乃至４に示した第１の実施の形態との主要な相違は、流路２５及びスプレーオリフィス１５の形状である。そこで、図５、６を参照する。ここで注目すべき点は、本実施の形態では、スプレーオリフィス１５は縦軸Ａに実質的に対称形のボウル形状に作られており、中空本体１１の内部を前記スプレーオリフィス１５に連通させる経路２５（やはり、数は３つとするのが好ましい）は、螺旋状に傾斜した流路から成る。この例では、前記流路２５は縦方向だけではなく径方向にも傾斜した形で延びている。すなわち、これら流路は、前記縦軸の周囲を囲む形ではなく、むしろ螺旋状（すなわち、径方向に見て前記縦軸に徐々に近づく形）となっている。ここでもやはり、流路の特別な形状によって、投与時の流体がスプレーオリフィス１５の中で渦を巻くことになる。当然のことながら、この第２の実施の形態の流路を、図３に示した環状スプレーオリフィスと組み合わせることも可能である。更に、図５におけるボウル形状のスプレーオリフィスを、図１乃至４の第１の実施の形態の流路と組み合わせることも可能である。必須ではないが、上述の２つの実施の形態に従って作られる流路は、組み合わせ及び／又は一体化が可能である。

図７、８は、本発明の更に別の実施の形態を示す。本実施の形態では、スプレー加工部２０の中央ピン２１の下端部２２が出口弁を形成している。よって、図８に見られる通り、下端部は貯蔵容器２の出口開口部と嵌合する。従って、図８に示す休止位置では、前記中央ピン２１が貯蔵容器２の出口を閉じている。他方、前記中央ピン２１は、流体の放出される際には、好ましくは流体の放出が可能となるように、軸方向に多少変形できなければならない。図７、８に示す実施の形態では、前記中央ピン２１（より広く言えば、中空本体１１の端壁部１３）は、変形可能なダイヤフラム１４を介してスリーブ１２に接続されている。そのため、投与時には、端壁部１３全体が多少変形し、それによって、ピン２１が軸方向に移動し、出口弁２２が開かれる。図７、８の実施の形態では、スプレー流路２５とスプレーオリフィス１５とは、図５、６の実施の形態の場合と同様に作られる。しかしながら、これらは当然、図１乃至４を参照しながら説明した第１の実施の形態と同様に作る構成に限らず、それ以外の形に作ることも可能である。特に図８に見られるように、ダイヤフラム１４は中空本体１１と一体の形となっており、スプレーヘッド１０はやはり単一部材として作られている。効果的な構成として、ダイヤフラム１４は、中空本体１１の端壁部１３に窪み１９を形成して厚さを薄くする、という形で形成されている。図７、８に示す実施の形態によれば、休止状態の注射器２の出口を閉じるだけでなくプレ圧縮（pre-compression）の臨界を生じさせることもできる。弁を開くためには、注射器内に所定の圧力が存在する必要がある。そうすることで、スプレー品質に悪影響を及ぼすおそれのある低速又は低圧での放出の危険が回避されるのである。スプレーの形成に充分な液体の渦を確実に発生させるためには、液体がスプレー加工部に進入する時点で充分な圧力に達していなければならず、弁の存在によって、この最小限必要な圧力を確実に生じさせることができる。

本発明は、単一部品として作られるスプレーヘッドを提供し、本発明のスプレーヘッドは、毎回の駆動において確実に、流体を適正な形でスプレー化することができる。加えて、スプレーヘッドが単一部品であり、部品同士を組み立てる作業が必要ないという事実により、同じ型から製造される全てのスプレーヘッドが実質的に同じ性能を示すことが保証され、複数の部品から成るスプレーヘッドで通常生じる、組立作業に関連した性能のばらつきの問題を解消することができる。ヘッドの単一部材構造によって、更に、放出モード、吸入モードのいずれでも注射器を使用することができる。これは、具体的には、ヘッド内に可動部品やバネが存在しないことの結果である。

以上、本発明について、いくつかの実施の形態を挙げて説明したが、当然のことながら、本発明は、図示し上述した実施の形態には限定されない。それどころか、当業者であれば、本発明の添付の特許請求の範囲に定義された範囲を逸脱しない形で、これら実施の形態に有用な変形を施すことが可能であろう。具体的には、３つの実施の形態に関して述べた各種の特徴は、何らかの望ましい形で組み合わせることが可能であろう。

Claims (10)

1. 流体ディスペンサ装置用のスプレーヘッド（１０）であって、
   縦軸（Ａ）に沿って延びた円筒形のスリーブ（１２）と、スプレーオリフィス（１５）を備えた円形状（radial）の端壁部（１３）と、から成る中空本体（１１）と、
   前記スプレーオリフィス（１５）の上流に位置し、前記縦軸（Ａ）に関して非径方向又は非軸方向である1以上の流路（２５）を有するスプレー加工部（２０）と、を有し、
   前記スプレーヘッド（１０）と、前記スプレーオリフィス（１５）と、前記スプレー加工部（２０）とは単一部品として作られており、前記スプレー加工部（２０）は中央ピン（２１）を有し、前記中空本体（１１）の内部に配された、前記中央ピン（２１）の内側端部（２２）は円錐形又は円錐台形であり、それによって、前記１以上の非径方向又は非軸方向である1以上の流路（２５）に流体を導き、そして、前記内側端部（２２）が出口弁を形成していること、
   を特徴とするスプレーヘッド。
2. 前記スプレーオリフィス（１５）は、前記縦軸（Ａ）を中心とした環状の形状を有すること、
   を特徴とする請求項１に記載のスプレーヘッド。
3. 前記スプレーオリフィス（１５）は、前記縦軸（Ａ）に関して対称形であるボウル形状を有すること、
   を特徴とする請求項１に記載のスプレーヘッド。
4. 前記スプレー加工部（２０）は、縦軸（Ａ）に対して傾斜した状態で、かつ当該縦軸（Ａ）を囲む状態で延びている流路（２５）を少なくとも１つ有し、当該流路は、前記中空本体（１１）の内部を前記スプレーオリフィス（１５）に連通させること、
   を特徴とする請求項１乃至３のいずれか一項に記載のスプレーヘッド。
5. 前記スプレー加工部（２０）は、径方向及び軸方向の両方向において傾斜した螺旋状の流路（２５）を少なくとも１つ有し、当該流路は、前記中空本体（１１）の内部を前記スプレーオリフィス（１５）に連通させること、
   を特徴とする請求項１乃至４のいずれか一項に記載のスプレーヘッド。
6. 前記中央ピン（２１）は、変形可能なダイヤフラム（１４）を介して前記スリーブ（１２）に接続されており、当該ダイヤフラム（１４）は前記スリーブと一体の形で形成されており、前記中央ピン（２１）が軸方向にわずかに移動することを可能にすること、
   を特徴とする請求項１乃至５のいずれか一項に記載のスプレーヘッド。
7. 貯蔵容器（２）と、前記貯蔵容器に格納された流体を投与するためのディスペンサ手段と、請求項１乃至６のいずれか一項に記載のスプレーヘッド（１０）と、を有することを特徴とする流体ディスペンサ装置（１）。
8. 前記貯蔵容器（２）は注射器であり、
   前記ディスペンサ手段は、前記注射器（２）内で摺動するピストンから成り、
   前記スプレーヘッド（１０）は、前記注射器（２）に直接組み付けられていること、
   を特徴とする請求項７に記載の流体ディスペンサ装置。
9. 前記スプレーヘッド（１０）は、前記注射器（２）と係合する出口弁（２２）を有すること、
   を特徴とする請求項８に記載の流体ディスペンサ装置。
10. 前記ディスペンサ手段は前記貯蔵容器（２）に組み付けられるポンプ又は弁から成り、
    前記スプレーヘッド（１０）は前記ポンプ又は弁に組み付けられること、
    を特徴とする請求項７に記載の流体ディスペンサ装置。

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