JP2013529222A - 香料組成物及びそれらの使用 - Google Patents

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Abstract

本発明は、香料の分野に関する。より詳述すれば、本発明は、体表面に適用される場合に周囲環境中に付香成分の放出を延長できる付香組成物を提供する。該組成物は、多量のエタノールの存在でフレグランス蒸発変調剤としてイソセチルアルコールを含む。本発明は、かかる組成物を接触する消費者物品にも関する。最終的に、体表面の付香のための方法、及びこれらの組成物を使用する付香成分の長い持続性を高めるための方法を提供する。

Description

本発明は、香料の分野に関する。より詳述すれば、本発明は、特定のフレグランスの放出を、特定量の変調剤の使用によって変調する、組成物を提供する。本発明の組成物は、多量のエタノールの存在でイソセチルアルコールを含む。本発明は、該組成物の使用の方法に、及びこれらの組成物を皮膚又は髪に適用することによって、フレグランス成分の長期持続性の増加のための方法にも関する。
先行技術
香料産業において、時間外の香料の知覚を持続するための新たな技術を見出す一定の要求がある。かかる要求は、特に、急速に蒸発する高揮発性化合物において豊富な香料を取り扱う場合に特徴付けられ、使用者及び彼らの環境における他者によって知覚されるフレグランス強度は、急速に経時減少する。この減少の知覚された範囲は、さらに、エタノールの急速な蒸発によって高められる。フレグランス及び"オードトワレ"(コロン)において、並びにボディスプラッシュにおいて高い量で存在する。時間を超えた持続強度は、市販のフレグランスに関する鍵となる。実際に、消費者は、一日中続くフレグランスを期待している。フレグランスは、この消費者の要求を満たすために少なくとも8時間良好な強度を維持するべきであり、その際主な挑戦は、時間を超えて高い揮発性化合物の許容できる強度を維持することである。本発明は、時間を超えて改良された強度のトップノート及びミドルノートを有する香料組成物を提供することである。
フレグランスにおいて存在する高い揮発性成分の蒸発の遅延は、したがって、フレグランスの設計及び製造における研究の主な目的の1つであり、かつこの問題を解決するための多くのアプローチが先行技術に記載されている。フレグランス成分及びフレグランスの蒸発の特徴を改質することができる種々の性質の作用剤の使用は、ここでは網羅的に挙げられていない大量の先行技術をもたらす。かかる先行技術の作用剤は、重い香料材料及び香料増量剤(においを有し、かつ溶解性及びにおいに関して、より効果な又は入手しにくい香料油と相容性であり、かつそれらと共に混合又は使用される場合に該油の有用性を拡張する化合物であるべきと解される)から、香料を捕らえるフィルム状の又は構造化された配列、例えばミセルを形成することができる種々のポリマー又はゲル状材料まで、キャリヤー材料を封入するフレグランスまで、又は制御された条件下で表面に適用される場合に、さらにいわゆる副香料(pro−perfume)、すなわち化学的分解もしくは開裂によって付香成分を放出する化学物質まで変動する。
多くの以前の研究者は、いわゆる"固定液"の使用を提案しているが、しかし、我々の知る限り、かかる先行技術の提案は、フレグランスの性質に関して見境が無く、すなわち彼らは、全ての成分が同様の手法である固定液によって影響を及ぼされることを前提として、固定液とあらゆる付香成分又はフレグランスとの使用を擁護している。
我々は、驚くべきことに、これが事実では無いことを確立しており、かつ本発明は、特定の蒸気圧で定義された量の付香成分を含むフレグランスと使用されるべき、特定の性質の調節剤、イソセチルアルコール又はそれらの形成されたフレグランス調節剤混合物の選択から利益を得ようとする、異なる選択的なアプローチを提供する。我々は、実際に、かかる溶液が、フレグランスの沈澱を延期することが最も要求される場合に長く持続するフレグランスを提供する一方で、さらに彼らの処理で付香成分の選択における香料製造者に対する自由を可能にして、特に香料製造者のパレットのより高い蒸気圧範囲での成分の中での所望の快楽効果を達することを確立している。さらに、我々は、多くの以前に提案された固定液とは異なる本発明による固定液が、45℃で2ヶ月の貯蔵後にフレグランスのにおい安定性に影響しないことも確立している。
本発明の組成物は、先行技術から公知ではない。イソセチルアルコールが、我々の知る限り、含量分散剤としても作用する、特にリップスティックにおいて、粘着性を低減し、かつ他のよりグリース状の緩和剤のグリース状効果を軽くすることができるために評価される、化粧品組成物において公知の緩和剤である一方で、フレグランスにおいて付香成分の蒸発を遅延すること及び特定の範囲のより揮発性の成分の蒸発プロフィールを変調することにおいて使用するために報告又は示唆されておらず、その際後者は、典型的に脂質状成分ではない。特定の性質のフレグランスの蒸発プロフィールの調節剤としてのその使用は、完全に期待されて折らず、かつ香料技術に有利な寄与である。
本発明は、著しい量の最も揮発性の付香成分、及び市販の香料において通常使用される多量のエタノール又は他のアルコールを含む長く持続するフレグランスを持続する問題に対して新規及び有利な溶液をもたらす。
発明の詳細
本発明は、付香成分のにおい付与が、香料蒸発調節剤としてイソセチルアルコールを含む香料で効率的に改良されることができることが驚くべきことに確立されている。
したがって、本発明は、以下
a)組成物の質量の3〜40質量%の量でのフレグランス成分(その際、該フレグランス成分の合計質量の少なくとも40質量%は、付香成分で形成され、0.05≦V≦300Paの範囲で含まれる算出された蒸気圧Vを有する)
b)組成物の合計質量に対して、エタノールの40〜90質量%、
c)組成物の合計に対して、イソセチルアルコールで形成されたフレグランス調節剤の0.01〜20質量%、
d)場合により水
を含む組成物に関し、その際、成分a)〜d)の質量の合計は、組成物の質量の少なくとも98%まで添加される。
"からなる"に関して、これは、組成物が、実質的に列挙された成分からなるが、しかし、フレグランス成分の放出に対する影響を有さない少量(それらの2質量%以下)の他の成分を含んでよいことを意味する。組成物は、例えば、香料における現在の使用の安定剤もしくは抗酸化剤、UVフィルターもしくは急冷剤、又はさらに着色剤を含んでよい。しかしながら、変動する性質の化粧品成分、例えば緩和剤、皮膚軟化剤、殺菌剤、制汗塩、消臭剤、防腐剤、スキンケア活性剤、湿潤剤、界面活性剤、無痛化剤、毛髪固定剤、皮膚コンディショナー、推進剤及び化粧品において最新のあらゆる他のタイプの物質、石鹸、皮膚及び髪への適用のために意図されたクリーム及びゲル、並びにフレグランスの蒸発速度及び放出に対する影響を有することが可能な性質のものが全くない。組成物は、したがって、フレグランス成分中に存在する付香成分の放出に影響を与えることができる挙げられたフレグランス変調剤以外のあらゆる成分が全くない。
これらの少量(組成物の2質量%以下)の前記の許容できる成分を除いて、成分a)〜d)は、組成物の合計質量の少なくとも98%を形成し、その際それぞれの成分a)〜c)は、挙げられたそれぞれの範囲で含まれる量で存在する。これは、組成物が水を含む場合に、成分a)〜c)が、それら質量の合計が、合計の組成物量の少なくとも98%まで添加する方法で、それぞれ前記範囲内で含まれる量で存在する。
本発明による組成物は、いわゆる実質的に皮膚又は髪を付香することを意図する、すなわちそれらに快いにおいを付与する、又はそれらの悪臭を覆う、エタノールを基礎とする組成物を意味する、細かいフレグランス組成物(香料又はフレグランス)である。それらは、一般的に、香料濃縮物、香料、オードパルファン、オードトワレ、又はコロン及びボディスプラッシュの形である。
"香料"及び"フレグランス"は、付香成分、すなわち皮膚又は髪のにおいを付与又は改質することができる成分から形成される組成物における成分を設計するために使用される。
"付香成分"に関しては、ここでは、実質的に、心地よいにおいがするその能力のために使用され、心地よいにおいをそれらに組み込む製品に又は表面、例えば皮膚又は髪に、それ自体上で、又はにおいとの混合物、例えば成分中で付与することができる香料における最新の使用の化合物を意味する。言い換えれば、付香成分は、ポジティブな又は心地よい方法で、組成物もしくは表面のにおいを付与又は改質する能力を有する。後者が悪臭を有する場合に、付香成分は、全体に知覚されるにおいを心地よくするために、かかる悪臭を覆うこともできてよい。
"調節剤"に関しては、ここでは、該調節剤を封入する組成物のにおい、特に蒸発速度及び強度が、時間を超えて、調節剤の不在で同様の知覚と比較して、それらの観察者又は使用者によって知覚されることができる挙動に影響を与える能力を有する作用剤と理解すべきである。特に、本発明によって、イソセチルアルコールは、本発明による組成物の知覚強さの変調剤であり、すなわちイソセチルアルコールが組成物中で使用されない場合の知覚と比較して、それらのフレグランスが許容できる強度を有して知覚される間の時間を延長するために使用される。
"イソセチルアルコールで形成されるフレグランス変調剤"は、ここでは、イソセチルアルコールを基礎とするフレグランス変調剤を意味するが、しかし、同様の条件下で、フレグランスの蒸発に対する同様の変調剤効果を有する他の1つ又は複数の物質も含んでよい。ここで定義されているフレグランス変調剤は、フレグランス変調剤の不在におけるその持続性と比較して、フレグランス成分の、及びしたがって組成物の持続性を高めることができる物質からなり、かつ少なくとも20%のイソセチルアルコール、より有利には、大部分の量(フレグランス変調剤の合計質量の50質量%より多く)のイソセチルアルコールを含む。
付香成分の、又はフレグランス成分を形成する付香成分の混合物の知覚又は影響は、ここでは、変調剤の存在で延長又は遅延されるべき、すなわち、そのトップノート及びボディノートは、それらが、フレグランスがそれ自体に、調節剤の不在で皮膚又は髪に適用されている場合よりも長い時間、周囲で、使用者及びあらゆる他の個人によって、知覚されうることを意味する"持ちのよい"状態になると解される。
前記定義は、ここで、前記の本発明のあらゆる及び全ての実施態様に、及び特に本発明による組成物のあらゆる及び全ての実施態様に適用する。
本発明の組成物において存在する香料又はフレグランス成分は、心地よい効果を付与するために使用される化合物としてここで定義される。言い換えれば、かかる付香成分は、それ自体考慮されるために、ポジティブに、所望される又は心地よい方法で組成物の、又は適用される物品もしくは表面のにおいを紆余又は改質することができる当業者によって認識される必要がある。化合物は、においの消費者による知覚を改質することができ、かつ前記化合物の付与は、本発明の組成物におけるフレグランス成分としても考慮される。
典型的に、組成物のフレグランス成分は、可能であれば最新の香料キャリヤーと共に付香成分の混合物である。
"香料キャリヤー"に関しては、ここでは、香料の観点から事実上中性である、すなわち付香成分の感覚刺激性の特性を著しく変更しない材料を意味する。該キャリヤーは、有利には、液体であってよく、典型的に、溶剤、例えばジプロピレングリコール、ジエチルフタレート、イソプロピルミリステート、ベンジルベンゾエート、2−(2−エトキシエトキシ)−1−エタノール又はクエン酸エチル(クエン酸トリエチル)が最も一般的に使用される。
本発明の特定の一実施態様によって、組成物は、フレグランス成分を含み、その際その質量の50〜70%、またはそれ以上は、0.05≦V≦300Paの範囲で含まれる算出された蒸気圧Vを有する付香成分で形成される。
また、組成物の持続性の変調剤としてのイソセチルアルコールの使用は、フレグランス成分が前記量の特定の揮発性成分、すなわち0.4≦V≦200Paの蒸気圧を有する成分を含む場合に、さらにより有利であることが証明されている。
本発明による組成物のあらゆるフレグランス成分における付香成分の性質及びタイプは、ここで含まれる教示と共に一般の知識に基づいて、並びに意図された使用又は適用及び所望の付香効果によって当業者に選択されてよい。一般的な用語で、これらの付香成分は、アルコール、アルデヒド、ケトン、エステル、エーテル、アセトン、ニトリル、テルペン系炭化水素、窒素又は硫黄の複素環化合物及び精油と多様な化学品種に属し、かつ天然源又は合成源であってよい。これらの成分の多くは、あらゆる場合において、参考文献、例えばS. ArctanderによるPerfume and Flavor Chemicals, 1969, Montclair, New Jersey, USA、又はその最新版において、及び同様の種類の他の著作及び参考書において、並びに香料の分野における豊富な特許文献において挙げられている。
該付香成分は、調整された方法で種々の付香成分を放出するため、すなわち化学的反応による高分子量の前駆体の化学結合の開裂に公知の化合物と混合されてよい。かかる化学的な放出分子は、一般に"プロフレグランス(profragrance)"又は"香料放出システム"として設定され、かつそれらは、一般に、それ自体使用される場合にそれぞれのかかるにおい物質が製造することができ、かつそれらのより重い前駆体の形での嗅覚効果と比較して、時間を超えて特定のにおい物質及びそれらの嗅覚への影響の時間で放出を延長するためにフレグランス中で使用される。
フレグランス成分が、0.05≦V≦300Paの範囲で蒸気圧を有する付香成分の、その質量の少なくとも40質量%、及びより有利には少なくとも50質量%、及び典型的に50〜70質量%又はそれ以上を含む条件で、フレグランス成分の残りは、異性体の混合物としてもしくは他の付香成分を有する、又は前記香料放出システムの形で、単独の化学物質として使用されるあらゆる通常又は最新の1つ又は複数の付香成分で形成されてよい。かかる放出システムの例は、例えばWO 95/04809、EP 0971021、WO 03/049666、EP 0936211、WO 99/60990、WO 01/28980、WO 08/093272、WO 98/47477、US 2004/0102357、DE 30 03 494及びWO 95/08976において見出され、かかるシステムが詳細に記載されているいくつかの文献を挙げる。
フレグランス成分少なくとも40質量%を形成するために、所望の算出された蒸気圧(参照プログラムEPI suite v4.00, 2000−2008 U.S. Environmental Protection Agency)を有する好ましい付香成分を、以下の表1において挙げる。
Figure 2013529222
Figure 2013529222
*出所:Firmenich SA、Geneva、Switzerland
1)4−(2,2,c−3,t−6−テトラメチル−R−1−シクロヘキシル)−3−ブテン−2−オン
2)テトラヒドロ−2−イソブチル−4−メチル−4(2H)−ピラノール
3)3−(4−tert−ブチルフェニル)プロパナル;出所:Givaudan SA、Vernier、Switzerland
4)3−(4−tert−ブチルフェニル)−2−メチルプロパナル;出所:Givaudan SA、Vernier、Switzerland
5)(1S,1’R)−[1−(3’,3’−ジメチル−1’−シクロヘキシル)エトキシカルボニル]メチルプロパノエート
6)出所:International Flavors & Fragrances、USA
7)3−メチル−5−(2,2,3−トリメチル−3−シクロペンテン−1−イル)−2−ペンタノール;出所:Givaudan SA、Vernier、Switzerland
8)3−(3,3/1,1−ジメチル−5−インダニル)プロパナル
9)3−(4/2−エチルフェニル)−2,2−ジメチルプロパナル;出所:Givaudan SA、Vernier、Switzerland
10)7−メチル−2H,4H−1,5−ベンゾジオキセピン−3−オン。
本発明の全ての組成物の中で、該フレグランス成分を、前記表において挙げられている成分からなる群において選択される付香成分の、少なくとも35質量%、40質量%、又はさらにより有利には少なくとも50質量%を含むものが好ましい。
前記に示したように、フレグランス成分は、組成物の質量の3〜40質量%を形成する。本発明の組成物のより特定の実施態様は、組成物の合計質量に対して、フレグランス成分の3〜25質量%及びより特に5〜20質量%を含む。
したがって、より特定の性質の組成物である本発明の組成物の中で、フレグランス成分の3質量%以上25質量%まで、又は5質量%以上及び20質量%まで、少なくとも40質量%、及びより有利には50〜70質量%を含む挙げられた組成物を挙げてよく、0.05≦V≦300Paの範囲で含まれる算出された蒸気圧V、及びより有利には0.4≦V≦200Paの算出された蒸気圧Vを有する成分で形成される。
本発明の組成物のあらゆる実施態様の成分c)は、組成物の質量の0.01〜20質量%、及びより特定の実施態様において、0.5〜10質量%の量で存在する、本明細書において以前に定義されたようなフレグランス変調剤である。あらゆるかかる組成物におけるフレグランス変調剤のより好ましい量は、組成物の合計質量の0.5〜6質量%、又はさらに1〜5質量%で変動する。有利には、フレグランス変調剤の質量の少なくとも50質量%、及びより有利には少なくとも70質量%は、イソセチルアルコールであり、100%までの残りは、1つ以上の他の変調剤又は共変調剤である。
したがって、本発明は、フレグランス変調剤として、イソセチルアルコール、又はイソセチルアルコールと他の変調剤との混合物、すなわちTegosoftTM APM及び/又はSchercemolTM NGDOを含む前記組成物に関する。
イソセチルアルコールは、International Speciality Productsによって、例えばCERAPHYL(登録商標) ICAの商標名で市販されている。それらは、しかしながら、他の市販の名称でも売られている、この材料の他の供給者である。イソセチルアルコールのあらゆるかかる市販の形は、本発明の組成物の成分c)における使用のために適している。
本発明による好ましい共変調剤は、TegosoftTM APM(PPG−3ミリスチルエーテル;Evonik Industries(Germany)社製)及びSchercemolTM NGDOエステル(ネオペンチルグリコールジエチルヘキサノエート;Lubrizol Advanced Materials(USA)社製)として市販されている公知の化合物である。本発明によるあらゆる組成物のフレグランス変調剤は、したがってイソセチルアルコールから構成されるか、又は後者と1つ又は双方のこれら2つの共変調剤との混合物であってよく、その際イソセチルアルコールは、フレグランス変調剤混合物の質量の50質量%以上を形成する。本記載内容において、TegosoftTM APM及び/又はSchercemolTM NGDOエステルと共にイソセチルアルコールから形成されるフレグランス変調剤を含んだ本発明による組成物(その際イソセチルアルコールの質量濃度は、変調剤混合物の合計質量の50質量%であり、かつ1つ又は複数の他のフレグランス変調剤は、本発明による組成物における成分b)の残りの50質量%を形成する)が、非常に評価される結果をもたらすことを確立することができた。
イソセチルアルコールとTegosoftTM APM及びSchercemolTM NGDOエステルとのフレグランス変調剤混合物(その際イソセチルアルコールの質量濃度は、混合物の合計質量の50%であり、かつそれらの他の2つの成分は、混合物で等しい質量%の量で存在した)は、時間を超えて知覚されるフレグランスの強度も有利に改良した。特に、1:1の質量比でのイソセチルアルコールとTegosoftTM APMとの混合物は、皮膚上での組成物の適用の4時間後及び8時間後に、最適なフレグランス放出の結果を得た。
したがって、少なくとも50質量%のイソセチルアルコールと、TegosoftTM APM及び/又はSchercemolTM NGDOエステルとの混合物を含む本発明による全ての組成物は、あらゆる変調剤を有さない又はさらにイソセチルアルコールのみを変調剤として使用する場合のフレグランスの使用と比較して、本発明の目的(すなわち適用される表面からのフレグランスの知覚を延長すること)のための最良の組成物であると証明した。
エタノールは、40〜90%(w/w)の濃度であらゆる組成物中で存在してよく、より詳述すれば、組成物の合計質量の50〜80質量%、又はさらに60〜85質量%である。局所適用における使用のための要求と相容性のあるエタノールのあらゆる許容できる品質は、本発明による組成物における使用に都合がよい。
本発明の組成物のあらゆる実施態様において存在する水の量は、組成物の質量に対して、20質量%より多くてはならず、及びより有利には、10質量%以下である。この量は、組成物において使用されるエタノールに存在する水の量から得られてよく、又は状況次第である。
本発明は、本記載内容における前記の成分a)〜c)又はa)〜d)を含むあらゆる組成物を含み、あらゆる実施態様において、それぞれかかる成分が、3つの他の成分のいずれか1つの量とは無関係に、本記載内容において定義されたこれらの相対的なあらゆる適した量で存在する。多くのかかる組成物は、したがって、より広い又はより特定の濃度範囲で合される1つ以上のかかる成分が含まれてよい。
かかる組成物の中で、
a)組成物の質量の5〜20質量%の量でのフレグランス成分(その際フレグランス成分の合計質量の少なくとも50質量%は0.05≦V≦300Paの範囲で含まれる算出された蒸気圧Vを有する付香成分から形成される)、
b)組成物の合計質量に対して、60〜85質量%のエタノール、
c)組成物の質量に対して、0.5〜6質量%のイソセチルアルコール又はイソセチルアルコールとTegosoftTM APM及び/又はSchercemolTM NGDOエステルとの混合物、並びに
d)組成物の質量に対して、0〜10質量%の水、
からなるものが、持続性能の改良に関して、良好な結果を観察した、本発明による特定の調合物であることが突き止められている。
他の好ましい実施態様によって、
a)組成物の質量の5〜10質量%の量でのフレグランス成分(その際フレグランス成分の合計質量の少なくとも50質量%は、0.05≦V≦300Paの範囲で含まれる蒸気圧Vを有する付香成分から形成される)、
b)組成物の合計質量に対して、70〜85質量%のエタノール、
c)組成物の質量に対して、2〜6質量%のイソセチルアルコール又はイソセチルアルコールとTegosoftTM APM及び/又はSchercemolTM NGDOエステルとの混合物、並びに
d)組成物の質量に対して、0〜5質量%の水、
からなる組成物が提供される。
本発明の開示において定義された本発明の全ての組成物は、フレグランス変調剤がなく、かつエタノール又は水によって置き換えられていることのみが異なる同様の組成物と比較した場合に、フレグランス成分の知覚を効率的に延長することができる。さらに、イソセチルアルコールを基礎とする本発明によるフレグランス変調剤は、フレグランスの嗅覚的品質及び安定性に負に影響せず、さらに、組成物が長い貯蔵期間、すなわち2時間45℃で処理される場合に、いくつかの従来の固定液が使用される場合に観察されたものと異なる。
あらゆる前記実施態様による組成物は、皮膚及び髪を着香することを意図した製品のための優れた香料において有利に使用されるべき有用な付香材料である。実際に、かかる組成物は、有利には、香料のより制御された付着及び続く放出を達成するために使用されてよい。
本発明の他の目的は、皮膚又は髪を着香するための方法、又は皮膚又は髪上にフレグランス成分の特徴的なフレグランスの拡散を強める又は延長するための方法であって、体表面が、該フレグランス成分の放出を可能にする条件下で、公知の香料(その際フレグランス変調剤が存在しない)とよりもより良好な実施方法で、本記載内容において定義されている組成物のいずれか1つで処理されることを特徴とする、方法に関する。
本発明による組成物は、一般に公知の方法でそれらの成分の単純な混合物によって製造されうる。
フレグランス変調剤を含まないブランクと比較した、適用の約8時間後の、本発明の組成物Aのにおい強度を示す図。 フレグランス変調剤を含まないブランクと比較した、及び組成物適用から経過した時間の関数としての、本発明の組成物Bのにおい強度を示す図。 フレグランス変調剤を含まないブランクと比較した、及び組成物適用から経過した時間の関数としての、本発明の組成物Cのにおい強度を示す図。 フレグランス変調剤を含まないブランクと比較した、時間を超えての適用後の、本発明の組成物Dのにおい強度を示す図。 フレグランス変調剤を含まないブランクと比較した、及び組成物適用から経過した時間の関数としての、本発明の組成物Eのにおい強度を示す図。 フレグランス変調剤を含まないブランクと比較した、及び組成物適用から経過した時間の関数としての、本発明の組成物Fのにおい強度を示す図。 フレグランス変調剤を含まないブランクと比較した、及び組成物適用から経過した時間の関数としての、本発明の組成物Gのにおい強度を示す図。 フレグランス変調剤を含まないブランクと比較した、及び組成物適用から経過した時間の関数としての、本発明の組成物Hのにおい強度を示す図。 フレグランス変調剤を含まないブランクと比較した、及び組成物適用から経過した時間の関数としての、本発明の組成物Iのにおい強度を示す図。 フレグランス変調剤を含まないブランクと比較した、及び組成物適用から経過した時間の関数としての、本発明の組成物Jのにおい強度を示す図。 フレグランス変調剤を含まないブランクと比較した、及び組成物適用から経過した時間の関数としての、本発明の組成物Kのにおい強度を示す図。 変調剤としてイソセチルアルコールのみを合した同様のフレグランスを含む比較Lのにおい強度と比較して、組成物の適用後の2つの時点で、種々の相対濃度でイソセチルアルコールとTegosoftTM APM及び/又はSchercemolTM NGDOエステルとの混合物と合したフレグランスIを含む本発明による組成物M〜Sのにおい強度を示す図。 イソセチルアルコールのみを合した場合の同様のにおい強度と比較して、組成物の適用後の2つの時点で、イソセチルアルコールとTegosoftTM APM及び/又はSchercemolTM NGDOエステルとの混合物からなる種々のフレグランス変調剤と合した場合のフレグランスIのにおい強度を示す図。
実施例
本発明は、次の実施例の方法によってさらに詳細に記載され、その際略語は、技術において通常の意味を有する。パネリストの使用を含む、以下に記載されている全ての評価試験において、評価を、パネリストが評価される使用の組成を知らないことを意味するブラインド試験で実施した。
実施例1〜3
本発明による組成物及びそれらの使用
本発明の組成物のフレグランス成分を形成することを意図した香料を、以下の表2において示された量で、次の成分を混合することによって製造した。
Figure 2013529222
1)出所:Firmenich SA、Geneva、Switzerland
2)出所:International Flavors & Fragrances、USA
3)2,4−ジメチル−3−シクロヘキセン−1−カルバルデヒド;出所:Firmenich SA、Geneva、Switzerland
4)3−(4−tert−ブチルフェニル)−2−メチルプロパナル;出所:Givaudan SA、Vernier、Switzerland。
フレグランスIに関しては、示された割合で、表3において記載した成分の混合物によって、本発明による3つの組成物を製造した。
Figure 2013529222
平行して、ブランク組成物を、フレグランス変調剤Ceraphyl(登録商標) ICAをそれぞれ組成物A、B、Cに関する表において示された量と同様の量の脱塩水で置き換えることによって製造した。
そして、それぞれの組成物A、B、Cを、30人のパネルによって、ブランクに対するブラインド試験で評価した。そして、試料のそれぞれのペア、すなわち本発明による組成物及びブランクのペアから1〜10のスケールで知覚されたにおい強度を評価した。1〜10のスケールに対して、0はにおいを検出することができないことを示し、かつ10は、非常に強いにおいを示した。
試料を、所望の量の時間で、ガラススライド上に適用後に評価し、そして32℃の一定の温度でホットプレート上に置いた。そして実施したブラインド試験の結果を評価し、そしてDuncanの事後分析に続く分散に関して処理した(a=0.05)。
図1は、ブランクに対して組成物Aの、32℃で約8時間後の、ブラインド試験評価の結果を示す。この図から、フレグランス変調剤Ceraphyl(登録商標) ICAが、5質量%の濃度で、プレート上の組成物Aの適用の8時間後に、使用者によるフレグランス濃度の知覚を強く高めることが明らかに見いだせる。
図2及び3は、低い濃度で使用した場合(組成物B及びC)に、同様のフレグランス変調剤の時間を超えた効果を示す。イソセチルアルコールの効果は、特に、キャリヤープレート上で本発明による2つの挙げられた組成物の適用の4及び8時間後に、示される。
実施例4
本発明による組成物及びそれらの使用
本発明の組成物のフレグランス成分を形成することを意図した香料を、以下の表4において示された量で、次の成分を混合することによって製造した。
Figure 2013529222
フレグランスIIに関して、示された割合で、表5において記載した成分の混合物によって、本発明による組成物を製造した。
Figure 2013529222
平行して、ブランク組成物を、フレグランス変調剤Ceraphyl(登録商標) ICAをそれぞれ組成物Dに関する表において示された量と同様の量の脱塩水で置き換えることによって製造した。
そして、組成物Dを、におい評価における5人のエキスパートのパネルによって、ブランクに対するブラインド試験で評価した。そして、試料のペア、すなわち本発明による組成物及びブランクのペアから1〜10のスケールで知覚されたにおい強度を評価した。1〜10のスケールに対して、0はにおいを検出することができないことを示し、かつ10は、非常に強いにおいを示した。
試料を、所望の量の時間で、ガラススライド上に適用後に評価し、そして32℃の一定の温度でホットプレート上に置いた。実施したブラインド試験の結果を平均化した。
図4は、表5において示された濃度で使用した場合の、フレグランス変調剤の時間を超えた効果を示す。イソセチルアルコールの効果は、組成物の適用の35分後から示され、かつ特にキャリヤープレート上での本発明による組成物の適用の8時間後に示される。
実施例5
本発明による組成物及びそれらの使用
本発明の組成物のフレグランス成分を形成することを意図した香料を、以下の表6において示された量で、次の成分を混合することによって製造した。
Figure 2013529222
フレグランスIIIに関して、示された割合で、表7において記載した成分の混合物によって、本発明による組成物を製造した。
Figure 2013529222
平行して、ブランク組成物を、フレグランス変調剤Ceraphyl(登録商標) ICAをそれぞれ組成物Eに関する表において示された量と同様の量の脱塩水で置き換えることによって製造した。
そして、組成物Eを、におい評価における5人のエキスパートのパネルによって、ブランクに対するブラインド試験で評価した。そして、試料のペア、すなわち本発明による組成物及びブランクのペアから1〜10のスケールで知覚されたにおい強度を評価した。1〜10のスケールに対して、0はにおいを検出することができないことを示し、かつ10は、非常に強いにおいを示した。
試料を、所望の量の時間で、ガラススライド上に適用後に評価し、そして32℃の一定の温度でホットプレート上に置いた。実施したブラインド試験の結果を平均化した。
図5は、表7において示された濃度で使用した場合の、フレグランス変調剤の時間を超えた効果を示す。イソセチルアルコールの効果は、組成物の適用の15分後から示され、かつ特にキャリヤープレート上での本発明による組成物の適用の4時間後に示される。
実施例6〜11
本発明の組成物のフレグランス成分を形成することを意図した6つの香料を、以下の表8において示された量で、次の成分を混合することによって製造した。
Figure 2013529222
*出所:Firmenich SA、Geneva、Switzerland
1)プロピル(S)−2−(1,1−ジメチルプロポキシ)プロパノエート
2)8−メトキシ−2,6,6,8−テトラメチル−トリシクロ[5.3.1.0(1,5)]ウンデカン
3)7−メチル−2H,4H−1,5−ベンゾジオキセピン−3−オン
4)2−エチル−4−(2,2,3−トリメチル−3−シクロペンテン−1−イル)−2−ブテン−1−オール;出所:International Flavors & Fragrances
5)1−(3,3−ジメチル−1−シクロヘキシル)エチルホルメート;出所:International Flavors & Fragrances。
フレグランスIVは、蒸気圧0.4〜200Paを有する付香成分の97.4質量%を含み、成分の100%が、蒸気圧0.05〜300Paを有した。
フレグランスVは、蒸気圧0.4〜200Paを有する付香成分の67.95質量%からなり、フレグランスの残りは、蒸気圧0.4Pa未満を有する付香成分で形成された。それは、蒸気圧0.05〜300Paを有する成分89.92%から構成された。
フレグランスVIは、蒸気圧0.4〜200Paを有する付香成分の48.4質量%からなり、蒸気圧0.4Pa未満を有する付香成分を有した。それは、蒸気圧0.05〜300Paを有する成分79.89質量%から構成された。
フレグランスVIIは、蒸気圧0.4〜200Paを有する付香成分の33.89質量%からなり、蒸気圧0.4Pa未満を有する付香成分を有した。それは、蒸気圧0.05〜300Paを有する成分74.92質量%から構成された。
フレグランスVIIIは、蒸気圧0.05〜300Paを有する付香成分の50質量%からなり、蒸気圧0.05Pa未満を有する付香成分を有した。
フレグランスIXは、蒸気圧0.05〜300Paを有する付香成分の35質量%からなり、蒸気圧0.05Pa未満を有する付香成分を有した。
前記全ての質量%は、フレグランスの合計質量に対する。
本発明による組成物を、表9において記載された成分の混合によって、示した割合で、フレグランスIV〜IXで製造した。
Figure 2013529222
平行して、ブランク組成物を、フレグランス変調剤Ceraphyl(登録商標) ICAをそれぞれ組成物Fに関する前記表において示された量と同様の量の脱塩水で置き換えることによって製造した。
そして、組成物F〜Kを、におい評価における5人のエキスパートのパネルによって、ブランクに対するブラインド試験で評価した。そして、試料の連続するペア、すなわちブランクに対する本発明によるそれぞれの組成物のペアから1〜10のスケールで知覚されたにおい強度を評価した。1〜10のスケールに対して、0はにおいを検出することができないことを示し、かつ10は、非常に強いにおいの知覚を示した。
試料を、所望の量の時間で、ガラススライド上に適用後に評価し、そして32℃の一定の温度でホットプレート上に置いた。実施したブラインド試験の結果を平均化した。
図6〜11は、表9において示された濃度で使用した場合の、フレグランス変調剤の時間を超えた効果を示す。
組成物Fに関して、イソセチルアルコールの効果は、組成物の適用の15分後から示され、かつ特にキャリヤープレート上での本発明による組成物の適用の4時間後に示される(図6)。
組成物Gに関して、イソセチルアルコールの効果は、既に組成物の適用の15分後、そしてキャリヤープレート上での本発明による組成物の適用の1時間〜8時間後で示される(図7)。
組成物Hに関して、イソセチルアルコールの効果は、組成物の適用の15分後から示され、そしてキャリヤープレート上での本発明による組成物の適用の1時間、4時間及び8時間後に示される(図8)。
組成物Iに関して、イソセチルアルコールの効果は、組成物の適用の15分後で示され、そしてキャリヤープレート上での本発明による組成物の適用の4時間及び8時間後に示される(図9)。
組成物Jに関して、イソセチルアルコールの効果は、15分後で、及びキャリヤープレート上での組成物の適用の8時間後で示される。
組成物Kに関して、イソセチルアルコールの効果は、15分後で、及びキャリヤープレート上での組成物の適用の8時間後で示される。
全ての場合において、Ceraphyl(登録商標)ICAは、組成物が実質的に強い揮発性物質から製造された場合でさえ、適用の短時間後に観察され、かつ数時間強いにおいの知覚を延長することができた、放出されたフレグランスに対する影響を有した。フレグランス変調剤の不在は、フレグランスの効果を、はるかにより急速に失わせた。
実施例12〜19
本発明の組成物のフレグランス成分を形成することを意図した香料を、前記表2において示された量で、次の成分を混合することによって製造した。
フレグランスIに関しては、示された割合で、以下の表10において記載した成分の混合物によって、本発明による8つの組成物を製造した。
Figure 2013529222
平行して、ブランク組成物を、フレグランス変調剤Ceraphyl(登録商標) ICAをそれぞれ組成物Lに関する表において示された量と同様の量の脱塩水で置き換えることによって製造した。
そして、それぞれの比較L〜Sを、30人のパネルによって、ブランクに対するブラインド試験で評価した。後者は、試料のそれぞれのペア、すなわち本発明による組成物及びブランクのペアから1〜10のスケールで知覚されたにおい強度を評価した。1〜10のスケールに対して、0はにおいを検出することができないことを示し、かつ10は、非常に強いにおいを示した。
試料を、所望の量の時間で、ガラススライド上に適用後に評価し、そして32℃の一定の温度でホットプレート上に置いた。そして実施したブラインド試験の結果を評価し、そしてDuncanの事後分析に続く分散に関して処理した(a=0.05)。
図12は、ブランクに対して組成物L〜Sの、32℃で約15分後及び1時間後の、ブラインド試験評価の結果を示す。この図から、フレグランス変調剤とCeraphyl(登録商標)ICAとの種々の混合物が、組成物の質量に対して5質量%の合計変調剤の質量濃度で、プレート上の組成物L〜Sの適用の1時間後に、使用者によるフレグランス濃度の知覚を強く高めたことが明らかに見いだせる。この時点で、フレグランス変調剤の良好な実施混合物は、組成物の合計質量に対して、等量、すなわち2.5質量%のCeraphyl(登録商標)ICA及びSchercemolTM NGDOエステルを含んだ。
図13は、ブランクに対して組成物L〜Sの、32℃で約4時間及び8時間後の、ブラインド試験評価の結果を示す。この図から、フレグランス変調剤とCeraphyl(登録商標)ICAとの種々の混合物が、組成物の質量に対して5質量%の合計変調剤濃度で、プレート上の組成物L〜Sの適用の4時間及び8時間後に、使用者によるフレグランス濃度の知覚を強く高めたことが明らかに見いだせる。
4時間後に、フレグランス変調剤の良好な実施混合物は、等量のCeraphyl(登録商標)ICA及びTegosoftTM APM、続いて等量のCeraphyl(登録商標)ICAとSchercemolTM NGDOエステルとの混合物を含んだ。これらの混合物は、許容できるフレグランス強度が、5%のCeraphyl(登録商標)ICAのみよりも使用者によって知覚できる時間中に延長することで改良された効果を有する。
8時間後に、組成物中で等量で存在する、フレグランス変調剤Ceraphyl(登録商標)ICAとTegosoftTM APMとの混合物が、良好な性能を有することを証明したことを観察した。本発明の組成物の合計質量に対して、3.5質量%のCeraphyl(登録商標)ICA及び1.5質量%のTegosoftTM APMの濃度を示す、及び4.5質量%のCeraphyl(登録商標)ICA及び0.5質量%のSchercemolTM NGDOエステルの濃度を示す混合物であった。組成物の合計質量に対して、2.5質量%の濃度のCeraphyl(登録商標)ICAと、1.25質量%の濃度のSchercemolTM NGDOと、1.25質量%の濃度のTegosoftTM APMとの組合せが非常に有用であるとも証明されている。全てのこれら混合物は、5%の質量濃度のCeraphyl(登録商標)ICAのみが、同様の組成物中で及び同様のフレグランスで使用される場合よりも良好な結果を得た。
実施例20
Ceraphyl(登録商標)ICAの5質量%を含むオードトワレ(EDT)の、45℃で8週間後のフレグランス安定性の結果
フレグランスI及び5質量%のCeraphyl(登録商標)ICAを含む組成物のにおい、並びに5質量%のCeraphyl(登録商標)ICAを含む種々の市販のオードトワレのにおい(その際フレグランス成分は、以下の表11において示された濃度で使用される)を、45℃で8週間の貯蔵後に、同様のEDTの対応する文献と、それぞれのフレグランスに関して、ブラインド試験で比較したが、Ceraphyl(登録商標)ICAを水で置換した。
示された貯蔵期間後のこれらのブラインド評価の結果を、以下の表12にまとめる。
Figure 2013529222
Figure 2013529222
表12において要約された結果は、明らかに、フレグランス変調剤の存在が、高い貯蔵温度でさえ、フレグランスの品質及び時間を超えたにおい安定性に全く影響しないことを示す。

Claims (18)

  1. 以下、
    a)組成物の質量の3〜40質量%の量でのフレグランス成分(その際、該フレグランス成分の合計質量の少なくとも40質量%は、0.05≦V≦300Paの範囲で含まれる算出された蒸気圧Vを有する付香成分から形成される)、
    b)組成物の合計質量に対して、エタノール40〜90質量%、
    c)組成物の合計質量に対して、イソセチルアルコールから形成されたフレグランス変調剤0.01〜20質量%、並びに
    d)場合により水
    からなる組成物であって、該組成物における成分a)〜d)の質量の合計が、組成物の質量の少なくとも98%までである、組成物。
  2. 前記フレグランス成分が、0.05≦V≦300Paの範囲で含まれる算出された蒸気圧Vを有する付香成分50質量%以上を含むことを特徴とする、請求項1に記載の組成物。
  3. 前記付香成分が、0.4≦V≦200Paで含まれる算出された蒸気圧Vを有することを特徴とする、請求項1又は2に記載の組成物。
  4. 前記フレグランス成分の40質量%、あるいは50質量%もしくはそれより多くを形成する付香成分が、表1において挙げられた成分からなる群から選択されることを特徴とする、請求項1又は2に記載の組成物。
  5. イソセチルアルコールから形成される前記フレグランス変調剤が、組成物の合計質量に対して、0.05〜10質量%、及び有利には0.5〜6質量%の量で存在することを特徴とする、請求項1から4までのいずれか1項に記載の組成物。
  6. 水20質量%までを含むことを特徴とする、請求項5に記載の組成物。
  7. 前記フレグランス変調剤が、フレグランス変調剤の合計質量に対して、少なくとも50質量%、及びより有利には70〜100質量%のイソセチルアルコールから形成されることを特徴とする、請求項1から6までのいずれか1項に記載の組成物。
  8. 前記フレグランス変調剤が、フレグランス変調剤の質量に対して、100質量%のイソセチルアルコールから形成されることを特徴とする、請求項7に記載の組成物。
  9. 前記フレグランス変調剤が、さらに、PPG−3ミリスチルエーテル、ネオペンチルグリコールジエチルヘキサノエート及びそれらの混合物からなる群から選択される共変調剤を含むことを特徴とする、請求項7に記載の組成物。
  10. イソセチルアルコールとPPG−3ミリスチルエーテル及び/又はネオペンチルグリコールジエチルヘキサノエートとから形成されるフレグランス変調剤を含み、イソセチルアルコールの質量濃度が、変調剤混合物の合計質量の50%であり、かつ1種又は複数の他のフレグランス変調剤が、変調剤混合物の残りの50質量%を形成することを特徴とする、請求項9に記載の組成物。
  11. イソセチルアルコールとPPG−3ミリスチルエーテルとネオペンチルグリコールジエチルヘキサノエートとの混合物を含み、イソセチルアルコールの質量濃度が、混合物の合計質量の50%であり、かつそれらの他の2成分が、混合物中で等しい質量%の量で存在することを特徴とする、請求項10に記載の組成物。
  12. 前記フレグランス変調剤が、質量比1:1で存在する、イソセチルアルコールとPPG−3ミリスチルエーテルとの混合物から構成されることを特徴とする、請求項7に記載の組成物。
  13. 以下、
    a)組成物の質量の5〜20質量%の量でのフレグランス成分、(その際フレグランス成分の合計質量の少なくとも50質量%は、0.05≦V≦300Paの範囲で含まれる算出された蒸気圧Vを有する付香成分から形成される)、
    b)組成物の合計質量に対して、60〜85質量%のエタノール、
    c)組成物の合計質量に対して、0.5〜6質量%のイソセチルアルコール又はイソセチルアルコールとPPG−3ミリスチルエーテル及び/又はネオペンチルグリコールジエチルヘキサノエートとの混合物、並びに
    d)組成物の合計質量に対して、0〜10質量%の水、
    からなることを特徴とする、請求項1に記載の組成物。
  14. 以下、
    a)組成物の質量の5〜10質量%の量でのフレグランス成分(その際フレグランス成分の合計質量の少なくとも50質量%は、0.05≦V≦300Paの範囲で含まれる算出された蒸気圧Vを有する付香成分から形成される)、
    b)組成物の合計質量に対して、70〜85質量%のエタノール、
    c)組成物の合計質量に対して、2〜6質量%のイソセチルアルコール又はイソセチルアルコールとPPG−3ミリスチルエーテル及び/又はネオペンチルグリコールジエチルヘキサノエートとの混合物、並びに
    d)組成物の合計質量に対して、0〜5質量%の水、
    からなることを特徴とする、請求項1に記載の組成物。
  15. 香料、オードトワレ、オードパルファン、コロン又はボディスプラッシュ又はスプレーの形での、請求項1から14までのいずれか1項に記載の組成物。
  16. 体表面のにおい特性を付与する、高める、改良する又は改質するための方法であって、該体表面を、公知の方法で、請求項1から14までのいずれか1項に記載の組成物と接触する、又は該組成物で処理することを含む方法。
  17. 組成物の知覚された嗅覚効果を変調するための方法であって、該方法が、前記の相対的な割合で、イソセチルアルコールから形成された変調剤を請求項1から14までのいずれか1項に記載のフレグランス成分に添加すること、並びにエタノール及び場合により水を用いて組成物を仕上げることを含む方法。
  18. エタノールを基礎とする組成物中でフレグランス成分の長い持続性を高めるための方法であって、請求項1から14までのいずれか1項に記載の相対的な割合で、イソセチルアルコールから形成されるフレグランス変調剤と共に該フレグランス成分を使用して、請求項1から14までのいずれか1項に記載の組成物を製造することを含む方法。
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