JP2013524911A - 大腿骨インプラント - Google Patents

Abstract

大腿骨インプラント（１０）は、遠位端、及び近位端を含む。ステム（１２）が、インプラント（１０）の遠位端において提供され、使用中の、大腿骨内への挿入のための、丸みを帯びた先端（１６）と、ベースから、前記先端（１６）への、遠位方向に延在する、概して先細りの形状のボディ（１８）とを含む。大腿骨頭（１４）が、インプラント（１０）の近位端において提供され、ステム（１２）のベース（２０）から延在する。ステム（１２）のボディ（１８）は、先端（１６）とベース（２０）との間に配置された、複数の別個のステップ（２２、２４、２６、２８、３０）を含み、ここで、ステップ（２２、２４、２６、２８、３０）は、先端（１６）に向かうにつれてよりも、ステム（１２）のベース（２０）に向かうにつれて、より集中する。

Description

本発明は、大腿骨インプラントに関する。特に、本発明は、部分的に切除された大腿骨頭を表面再建（ｒｅｓｕｒｆａｃｅ）するために使用される大腿骨インプラントに関するが、但し、これに限定されない。

従来の完全股関節置換（ｔｏｔａｌ ｈｉｐ ｒｅｐｌａｃｅｍｅｎｔ）は、大腿骨インプラントのステムを、患者の大腿骨の髄管内に、大腿骨が大腿骨頸部の遠位端において切除された後に挿入することを含む。ステムは通常、その側面が、より広い近位端からより狭い遠位端まで徐々に集束するように先細りになっている。この構成は、大腿骨が遠位方向で徐々に狭くなるため、ステムが髄管の大部分を満たすことを可能にし、これは、インプラントを大腿骨内に固定するために役立つ。丸みを帯びた先端が、ステムの遠位端において提供され、大腿骨頸部及び大腿骨頭が、近位端において提供される。大腿骨頭は、対応する寛骨臼カップ内での配置のために構成された、球状のボールによって構成される。

近年では、上述の完全股関節置換ではなく、股関節表面再建などの、より控え目なアプローチが採用されている。この場合、目的はできるだけ多くの健康な骨を救うことであり、従って、大腿骨は、好ましくは大腿骨頸部の近位端の近くで、又は更には大腿骨頭の下部を通して切除される。後の場合における、インプラントの大腿骨頭は、（対応する寛骨臼カップ内での配置のために構成された）部分球形外面と、大腿骨の残りの切除された骨の上に大腿骨頭を配置するために形成された内面とを含む。これは、ステムを所定の位置に固定するために、十分な健康な骨が大腿骨頭の外形内に受け入れられるための空間があるように、ステムがその近位端において比較的狭いことを概して必要とする。しかし、この構成は、インプラントを大腿骨内に固定するためにステムが髄管の大部分を満たすことを可能にしない。

付与された英国特許第２３８８３２１号明細書では、本発明者によって着想された、改良されたステム外形が開示されており、これは股関節表面再建手術における使用のために好適であり、かつ、これは上述の問題に対処することを目的としている。このステム外形は、その近位端において円錐台形、又は概して円錐台形の形状の外面を有するセクションを有する。ベース部分が、このセクションの最大直径において提供され、これは、切除された頭部の端（使用中に、この中にステムが挿入される）から、実質的に軸方向に離れたところまで延在し、かつ、その端と実質的に同じ直径である。このステムの形状は、円錐台形セクションの多孔質コーティング内への骨成長（ｂｏｎｅ ｉｎ−ｇｒｏｗｔｈ）が発生した後（通常、手術の週間後）に、縦方向の荷重を大腿骨を通して伝達することにおいて有利であるが、多孔質領域内に骨が成長する前に荷重をかけることは、問題となることが判明している。より具体的には、股関節を通した荷重を減らすために手術の直後２か月間はクラッチを使用するようにとの指示を、患者が無視した場合、円錐台形セクションが薪割り機のように作用して、大腿骨頭及び大腿骨頸部の、ベースを打ち砕く可能性がある。そのような場合、上述の、従来の完全股関節置換技術を使用した修正手術が必要とされる可能性がある。

本発明者は、骨成長が発生する前に患者が過大な荷重をかけた場合に、ステムが大腿骨頭のベースに打ち込まれるのを、止めることを試みるために、英国特許第２３８８３２１号明細書で開示されたステム外形に対する改良を案出した。この改良は、切除された大腿骨の周縁部に接するように、円錐台形セクションのベースの周囲に円周方向に延在する、フランジからなる。しかし、手術後の最初の２か月間の、部分荷重支持クラッチ（ｐａｒｔｉａｌ ｗｅｉｇｈｔ−ｂｅａｒｉｎｇ ｃｒｕｔｃｈｅｓ）の使用が、予防措置として、依然として主張されている。

上記に加えて、英国特許第２３８８３２１号明細書で開示されたインプラントの太いステムは、大腿骨頸部皮質の骨に、特に内側（ｉｎｎｅｒ（ｍｅｄｉａｌ）ｓｉｄｅ）において触れるか又は接近する可能性がある、ということが判明している。これは、この接触領域内の骨がステム上に優先的にロックされて、荷重が、大腿骨頭及び大腿骨頸部の上部内の近位骨を迂回してステムを通して伝えられ、大腿骨頸部の更に下の接触領域に伝達されることを引き起こす。骨は、それにかけられる荷重に反応し、正常に荷重がかけられない場合には衰弱するため、大腿骨頭及び大腿骨頸部の上部のベース内の骨は、この場合、細くかつ弱くなる。この現象は、応力遮蔽として一般に知られており、明らかに望ましくない影響である。

一般に遭遇する更なる問題は、骨（この中にステムが挿入される）が均一ではないということである。これは、関節炎の患者に対処する場合には特にそうである。通常、大腿骨の一方の側における骨は、反対側におけるはるかに柔らかい骨より高密度である。これは、インプラントのステムが一般的な締り嵌め（ｉｎｔｅｒｆｅｒｅｎｃｅ）又は圧入（ｐｒｅｓｓ−ｆｉｔ）技術を使用して挿入される場合、より高密度の骨がより柔らかい骨と同程度には圧縮されず、インプラントの挿入の経路が、より高密度の骨から離れて、より柔らかい骨に向けて移動するように変わるという影響を有する。これは、ステムの近位端が、そのために準備された溝の中に、意図された通りに位置しないという、スキュー挿入（ミス）アライメント（ｓｋｅｗ ｉｎｓｅｒｔｉｏｎ （ｍｉｓ）ａｌｉｇｎｍｅｎｔ）をもたらす。これは、破断又はインプラントのゆるみという危険を有する隣接骨内での応力集中につながる。

英国特許第２３８８３２１号明細書

従って、本発明の目的は、改良された大腿骨インプラントを提供することである。

本発明の第１の態様によれば、遠位端及び近位端を含む大腿骨インプラントが提供され、インプラントの遠位端においてステムが提供され、ステムは、使用中の、大腿骨内への挿入のための丸みを帯びた先端と、ベースから前記先端への遠位方向に延在する、概して先細りの形状のボディとを含み、大腿骨頭がインプラントの近位端において提供され、ステムのベースから延在し、ここで、ステムのボディは前記先端と前記ベースとの間に配置された複数の別個のステップを含み、ここで、ステップは先端に向かうにつれてよりもステムのベースに向かうにつれて、より集中する。

本発明の実施形態は、従って、使用時に、実質的にステム軸に沿ってかけられる荷重を、隣接する海綿質骨により良く分散させるように構成された、大腿骨インプラントを提供する。荷重は、各ステップの遠位面を通して伝達される。ステムのベースに向かうにつれてのステップのより高い集中は、大腿骨の内側のより深くの海綿質骨よりもベースの周囲の海綿質骨に、より多くの荷重が分散させられるという効果を有する。これは、手術中にインプラントが挿入される場合、又は骨成長が発生してインプラントが所定の位置にロックされる前に高い荷重がかけられた場合に、ステムが大腿骨内に意図されたよりも更に押し込まれる危険を減少させる。従って、本発明のステップは、インプラントの遠位移動（ｄｉｓｔａｌ ｍｉｇｒａｔｉｏｎ）を防止するための、一連の止め具（ｓｔｏｐ）を提供する。本構成は、ステムに沿った荷重を、より集中した領域に、又は、大腿骨の外側領域におけるより硬い皮質骨に導くのとは対照的に、ステムを取り囲む海綿質骨に、荷重をより均一に分散させるために役立つため、応力遮蔽の危険も減少させる。更に、本発明のステップは、ステムが所望の位置に挿入されること、及び挿入の経路内で異なる骨密度に遭遇した結果として、大腿骨内でミスアライメントされることがないことを保証するために役立つ可能性がある。より具体的には、ステップの集中の増加は、大腿骨内へのステムの挿入の間の、ステムのアライメントに対するセルフライティング（ｓｅｌｆ−ｒｉｇｈｔｉｎｇ）又はセルフセンタリング（ｓｅｌｆ−ｃｅｎｔｅｒｉｎｇ）作用を誘起する。

ステップは、先端に隣接する領域においてよりも、ベースに隣接する領域において、ステムと大腿骨との間の、（遠位方向でのステムの実質的な動きに対する）より高度な抵抗を提供する、ということが理解されるであろう。

ステップは、各隣接するステップの間の距離が、ベースに向かうにつれて減少するように、ボディに沿って分散させられてもよい。従って、ステップは、ステムのベースに向かうにつれて、徐々により集中するようになってもよい。提供されるステップの数は、ステムの長さ及び／又は幅に応じて様々であってもよい。特定の実施形態では、３〜１０ステップが提供されてもよい。

ステップのいくつか又は全ては、ステムのベースの近くに配置されてもよい。これは、ベースの領域内でステムと周囲の骨との間の抵抗を更に増加させる働きをし、これにより、骨成長が発生する前にベースにおいて高い荷重がかけられた場合に、ステムが大腿骨内に所望されるよりも更に押し込まれる危険が減少する。

ステップの幅は、ベースに向かうにつれて増加してもよい。これも、大腿骨への嵌合（ｆｉｔｔｉｎｇ）後の、ステムの移動に対する抵抗を増加させる働きをする。ステップは、大腿骨への荷重の伝達のための適切な表面積を提供するために、２ｍｍ以上の幅を有してもよい。いくつかの実施形態では、ステップは、約２ｍｍの最小幅を有してもよい。ステップの幅は、（例えば，１ｍｍ又は２ｍｍ間隔で）最大約１０ｍｍまで増加してもよい。より大きなステムでは、より大きなステップサイズが必要とされる可能性がある、ということが理解されるであろう。例えば、小さなステムは、そのベースにおいて３２ｍｍの幅を有してもよく、より大きなステムは、そのベースにおいて５８ｍｍの幅を有してもよい。

ステップのうちの１つ以上は、大腿骨の準備された骨の中に圧入係合（ｐｒｅｓｓ−ｆｉｔ ｅｎｇａｇｅｍｅｎｔ）されるように構成されてもよい。複数のステップが圧入係合されるように構成される場合、前記ステップのそれぞれは、各圧入係合のために必要とされる力が、ステムのベースに向かうにつれて減少するように構成されてもよい。代替として又は加えて、ステップのうちの１つ以上は、大腿骨の準備された骨の中にライン間フィット係合（ｌｉｎｅ−ｔｏ−ｌｉｎｅ ｆｉｔ ｅｎｇａｇｅｍｅｎｔ）されるように構成されてもよい。

特定の実施形態では、少なくとも最遠位ステップは圧入係合を有し、少なくとも最近位ステップはライン間フィット係合を有するように構成される。

一実施形態では、ステップのうちの１つ以上は、ステムの縦軸から実質的に半径方向外向きに延在する平面状遠位停止面を含んでもよい。前記ステップのそれぞれは、ステムの縦軸に概して平行に延在する実質的に円筒状の側面も含んでもよい。従って、ステップのうちの１つ以上は実質的に円筒形状であってもよい。

他の実施形態では、ステップのうちの１つ以上は、傾斜し、湾曲し、又は不規則な形状の遠位停止面、及び／又は傾斜し、湾曲し、又は不規則な形状の側面を含んでもよい。

最遠位ステップは、先端とベースとの間のほぼ中間に提供されてもよい。

先端と最遠位ステップとの間で、ステムの幅はベースの幅の５分の１以下であってもよい。インプラントの遠位端において、細いステムを採用することは、ステムが大腿骨頸部の皮質骨の内側面に触れるか又は接近する危険を大幅に減少させ、従って、応力遮蔽の危険を更に減少させる、ということが理解されるであろう。

別の実施形態では、先端と最遠位ステップとの間で、ステムの幅はベースの幅の４分の１以下であってもよい。更に他の実施形態では、先端と最遠位ステップとの間で、ステムの幅はベースの幅の３分の１以下であってもよい。

特定の実施形態では、先端と最遠位ステップとの間で、ステムは、約５ｍｍ〜１２ｍｍ（例えば、６ｍｍ、８ｍｍ、又は１０ｍｍ）の幅を有してもよい。

先端から最遠位ステップまでのステムの表面は、骨がこの領域上にロックされて圧力遮蔽を引き起こす危険を最小化するために、非孔質であってもよい。更に、先端から最遠位ステップまでのステムの表面は、骨がこの領域上にロックされて圧力遮蔽を引き起こす危険を更に最小化するために、研磨されてもよい。

ステムの１つ以上の部分は、使用中に、大腿骨に接着される（ｃｅｍｅｎｔｅｄ）ように構成されてもよく、又は、それらは、骨成長がステムを所定の位置に固定するように構成されてもよい。従って、ステムの１つ以上の部分は多孔質表面を含んでもよい。多孔質表面は、多孔質コーティングによって、例えば、（流延又は焼結）ビード又はビード部分を表面上に提供することによって、又は、チタンなどの材料を表面上にプラズマ溶射することによって、提供されてもよい。いくつかの実施形態では、多孔質表面は、（例えば、本出願人の同時係属中の英国特許出願第０９２２３３９．７号明細書及び英国特許出願第１０００７４４．１号明細書に記載されているように）多孔質格子によって構成されてもよい。特定の実施形態では、最遠位ステップから、ベースまでの、ステムの部分は、骨がこの領域上にロックされることを可能にするために、多孔質表面を備える。ステムの多孔質表面は、特に、圧入係合が採用される場合、インプラントと骨との間の摩擦抵抗の増加によって、インプラントの回転を防止するために役立つ可能性がある、ということも理解されるであろう。

ステムは、実質的にまっすぐであってもよく、又は湾曲していてもよい。

ステムのベースは、準備された大腿骨の近位端（使用中に、この中にステムが挿入される）と、実質的に同じ直径であってもよい。

インプラントの大腿骨頭は、対応する寛骨臼カップ内に受け入れられるように構成された、部分球形外面を含んでもよい。部分球形面の自由周縁部（ｆｒｅｅ ｐｅｒｉｐｈｅｒｙ）は、ステムのベースの周囲に延在する環状スカートを形成してもよい。従って、内部チャネルが、環状スカートと、ステムの近位領域との間に提供されてもよい。内部チャネルは、準備された大腿骨頭の近位端と圧入（付着（ａｐｐｏｓｉｔｉｏｎａｌ））係合するように構成されてもよい。この配置は、インプラント内への骨成長が発生する前に、患者が股関節に完全に荷重をかけた場合に、準備された大腿骨頭が破裂又は分裂するのを防止する働きをする。

一実施形態では、内部チャネルは、上述のもののような、多孔質表面によって実質的に取り囲まれてもよい。従って、環状スカートの内面は、多孔質表面と、ステムの近位領域とを含んでもよい。

インプラントの大腿骨頭は、実質的に中空である中央部を含んでもよい。これは、特に、インプラントが実質的に金属から形成される場合に、大腿骨インプラントの重量を減らすために有利である。

中空部の形成は、ステムのベースにおいて提供される半径方向フランジと、フランジの外周から遠位方向に垂れ下がる、大腿骨頭の環状スカートとを有するステムを含む第１の部分、及び大腿骨頭の部分球形外面を含む第２の部分を鋳造し（第１又は第２の部分のうちの少なくとも１つは、その中にキャビティを有し）、第１及び第２の部分を、大腿骨頭の外面がフランジの外周から近位方向に延在するように、一緒に溶接することによって達成されてもよい。第１及び第２の部分を一緒に溶接する工程は、ｅビーム溶接を含んでもよい。

あるいは、中空部の形成は、インプラントの残りより高い融点を有する材料の、かつ、インプラントのためのモールド内に組み込まれる少なくとも１つの脚部を含む、中空内部コンポーネントを（例えば、それらのうちの少なくとも１つは、その中にキャビティを有する２つの部分を一緒に溶接することによって）形成し、インプラントの残りを鋳造してモールドから除去し、次に、インプラントが所望の外部構造を有するように、脚部の突出部分を除去することによって達成されてもよい。

脚部の突出部分は、インプラントの周囲表面と面一にされるように、切断され、削り取られてもよい。

２つ、３つ、４つ、又はより多くの脚部が、内部コンポーネントをモールド内に配置するために提供されてもよい。脚部は、内部構造の周囲に均一に配置されてもよい。脚部（１つ又は複数）は、ステムを環状スカートに接続する、インプラントのフランジを通して突出するように構成されてもよい。

内部コンポーネントは、チタン合金を含んでもよい。インプラントの残りは、コバルトクロムを含んでもよい。モールドは、セラミックスラリーから形成されてもよい。

インプラントの大腿骨頭は、ステムと一体であってもよく、又はステムから分離可能であってもよい。大腿骨頭がステムから分離可能である場合、大腿骨頭及びステムの両方が、それぞれの嵌合部（ｉｎｔｅｒｆｉｔｔｉｎｇ ｐａｒｔ）を含んでもよい。一実施形態では、円錐台形のスピゴットが、患者内へのインプラントの挿入に先立って、大腿骨頭の内部内の相補的形状のキャビティ内に受け入れられるように、ステムのベースの近位端から延在してもよい。スピゴットは、（例えば、いわゆるモールステーパーを含むことによって）キャビティ内での緊密な摩擦嵌合のために構成されてもよく、かつ／又はキャビティ内に接着されてもよい。

大腿骨インプラントは、コバルトクロムを含む材料、あるいは、チタン、ステンレス鋼、又はセラミックなどの任意のその他の生体受容可能な材料（ｂｉｏ−ａｃｃｅｐｔａｂｌｅ ｍａｔｅｒｉａｌ）から形成されてもよい。

本発明の第２の態様によれば、使用中の、大腿骨内への挿入のための丸みを帯びた先端と、ベースから前記先端への遠位方向に延在する、概して先細りの形状のボディとを含む大腿骨インプラントのためのステムが提供され、ここで、ステムのボディは、前記先端と前記ベースとの間に配置された複数の別個のステップを含み、ここで、ステップは、先端に向かうにつれてよりもステムのベースに向かうにつれて、より集中する。

本発明の第３の態様によれば、本発明の第１の態様による大腿骨インプラントと、前記大腿骨インプラントの大腿骨頭を受け入れるように構成された寛骨臼カップとを含む、股関節プロテーゼが提供される。

本発明の第４の態様によれば、大腿骨インプラントを大腿骨内に挿入する方法が提供され、この方法は、
大腿骨の頭部を切除し、
インプラントのステムを受け入れるためのキャビティを、大腿骨内に準備し、
インプラントのステムを、キャビティ内に挿入し、
インプラントの頭部を、大腿骨の切除された頭部上に押し込むこと
を含み、ここで大腿骨を準備する工程は、インプラントのステム上に提供される対応する複数のステップと嵌合する（ｍａｔｉｎｇ）ための複数の別個のレッジを、キャビティ壁内に形成することを含む。

大腿骨インプラントは、本発明の第１の態様によるものであってもよい。

特定の実施形態では、レッジは、大腿骨の（柔らかい）海綿質骨内に、リーマによって形成される。リーマは、サイズ固有の回転ミルを含み、これは、動力駆動であってもよく、かつ、ステムの正確な嵌合のために海綿質骨内に正確なカットを生成するためのガイドを含んでもよい。海綿質骨内にレッジを形成することによって、ステムのステップは、大腿骨の周縁部の皮質骨に接触（又は接近）することを許可されなくなる、ということが理解されるであろう。これは、応力遮蔽の危険を減少させるために有利である。反対に、特定の従来技術のプロテーゼは、海綿質骨を粉砕し、硬い皮質骨上でひっかかりを得るように設計された、小さなギザギザのエッジを含むことに留意されたい。

大腿骨の頭部を切除する工程は、切除された頭部の外周を、インプラントの頭部のスカートとの圧入係合のために形成することを含んでもよい。切除された頭部の外周は、スカートの大部分が、大腿骨頭の海綿質骨と接触するように形成されてもよく、但し、スカートの自由端は、皮質骨の小さな領域に接してもよい。

特定の従来技術の器具は、大腿骨頭のスカートが、大腿骨の、切除された端と完全には嵌合しないように意図的に設計されている、ということに留意されたい。代わりに、そのような器具のステムが、第１の手順において挿入され、次に、頭部が、ステム上に、頭部スカートと頭部の準備された骨との間に明白な隙間を残すように押し込まれ、これにより、ステム上への頭部の係合の間にもたらされるいかなる損傷も防止される（例えば、先細り係合メカニズムのいかなるファウリング（ｆｏｕｌｉｎｇ）も阻止される）。

本発明に関連して、インプラントの頭部及びステムは一体で形成されてもよく、又は、大腿骨上にインプラントが押し込まれる前に頭部がステムに嵌合されてもよい。従って、インプラントの頭部とステムとの間のインタフェースに損傷が発生する危険のない破裂防止（すなわち、封じ込め）効果を提供するために、インプラントの頭部は、切除された大腿骨頭上に圧入係合されるように構成されたスカートを含んでもよい。

本発明の第１の態様に関連する、上述の省略可能な特徴は、適用可能な場合、本発明の第２及び第３の態様にも適用されてもよい。

本発明の特定の実施形態について、添付の図面を参照して、以下により詳細に説明する。

本発明の第１の実施形態による大腿骨インプラントを通る中央断面図を示し、ここで、大腿骨ステムは、大腿骨頭と一体である。 図１に示すものと類似しているが、別個の中空内部コンポーネントを含む、本発明の第２の実施形態による大腿骨インプラントを通る中央断面図を示す。 本発明の第３の実施形態による大腿骨インプラントを通る中央断面図を示し、ここで、大腿骨ステムは、大腿骨頭から分離可能である。 切除された大腿骨上にインプラントされた場合の、図２の大腿骨コンポーネントの中央断面図を示す。

図１を参照すると、本発明の第１の実施形態による大腿骨インプラント１０が示されている。大腿骨インプラント１０は、ステム１２と大腿骨頭１４とを含む。ステム１２は、使用時に、大腿骨インプラント１０の遠位端において提供される。ステム１２は、使用中の、準備された大腿骨内への挿入のために構成された丸みを帯びた先端１６を含む。ステム１２は、準備された大腿骨の近位端において使用中に配置可能なベース２０から先端１６への遠位方向に延在する、概して先細りの形状のボディ１８も含む。本実施形態におけるボディ１８は、ベース２０と先端１６との間に配置された、５つの別個のステップ２２、２４、２６、２８、３０を含み、但し、ステップ２２、２４、２６、２８、３０は、ベース２０に向かうにつれてより集中する。

より具体的には、ステップ２２、２４、２６、２８、３０は、最遠位ステップ３０が、ベース２０から先端１６までの距離の約６０％において配置され、次の最遠位ステップ２８が、ベース２０から先端１６までの距離の約４０％において配置され、次の最遠位ステップ２６が、ベース２０から先端１６までの距離の約２０％において配置され、次の最遠位ステップ２４が、ベース２０から先端１６までの距離の約１２％において配置され、最後の最近位ステップ２２が、ベース２０から先端１６までの距離の約５％において配置されるように並べられる。従って、ステップ２２、２４、２６、２８、３０は、各隣接するステップ２２、２４、２６、２８、３０の間の距離が、ベース２０に向かうにつれて減少するように、ボディ１８に沿って分散させられる。

この特定の実施形態では、各ステップ２２、２４、２６、２８、３０は、概して円筒状であり、ステム１２の縦軸から実質的に半径方向外向きに延在する平面状停止面２２Ａ、２４Ａ、２６Ａ、２８Ａ、３０Ａと、ステム１２の縦軸に概して平行に延在する実質的に円筒状の側面２２Ｂ、２４Ｂ、３６Ｂ、２８Ｂ、３０Ｂとを有する。

最遠位ステップ３０の幅は、３つの、次の最遠位ステップ２８、２６、２４の幅より小さく、それらのステップのそれぞれの幅は最近位ステップ２２の幅より小さい。更に、ベース２０は、最近位ステップ２２の周囲を外側に延在して更なる平面状停止面３２を形成し、これは、準備された大腿骨の近位端と実質的に同じ直径であり、かつ、使用中に、準備された大腿骨の近位端と嵌合するように構成される。停止面３２の幅は、最近位ステップ２２の幅より大きい。

本実施形態では、２つの最遠位ステップ３０、２８は、大腿骨の準備された骨の中に圧入係合されるように構成される。しかし、最遠位ステップ３０の圧入のために必要とされる力は、次の最遠位ステップ２８の圧入のために必要とされる力より大きい。次のステップ２６、２４、２２は、大腿骨の準備された骨の中にライン間フィット係合されるように構成される。

ステップ２２、２４、２６、２８、３０の上述の構成は、大腿骨内での配置後の、遠位方向でのステム１２の実質的な動きが最小化されることを保証する。この理由は、平面状停止面２２Ａ、２４Ａ、２６Ａ、２８Ａ、３０Ａ、及び３２が、ステム１２のベース２０にかけられる荷重を、単にそれらの力をステム１２を通して先端１６に導いて、ステムが意図されたよりも深く骨の中に埋め込まれることを発生させるのではなく、周囲の骨に伝達する働きをするからである。更に、ステップ２２、２４、２６、２８、３０は、大腿骨内への挿入の間の、ステム１２のアライメントに対するセルフライティング作用を誘起する働きをし、これは、ステップの角張った性質が挿入の間のガイドとしての機能を果たすからである。

先端１６と最遠位ステップ３０との間で、ステム１２の幅は、ベース２０の幅の１４％にほぼ等しい。遠位端において、そのような細いステム１２を採用することは、ステム１２が大腿骨頸部の皮質骨の内側面に触れるか又は接近する危険を大幅に減少させ、従って、応力遮蔽の危険を減少させると考えられる。加えて、先端１６から第３の最遠位の平面状停止面２６Ａまでのステム１２の表面は、骨がこの領域上にロックされて圧力遮蔽を引き起こす危険を更に最小化するために、非孔質であり、かつ、研磨される。しかし、第３の最遠位の円筒状側面２６Ｂからベース２０までのステム１２の表面は、骨がこの領域上にロックされることを可能にするために、多孔質である。これは、この領域における骨成長がステム１２を所定の位置に固定するために役立ち、高い荷重がかけられた場合の大腿骨インプラント１０の遠位移動の危険を減少させるため、有利である。図１の実施形態では、多孔質表面は多孔質格子３３によって提供される。

図１に示す実施形態では、ステム１２は実質的にまっすぐである。しかし、他の実施形態では、ステム１２は大腿骨（この中にステム１２が配置される）の髄管の方向に湾曲してもよい。

大腿骨頭１４は、大腿骨インプラント１０の近位端において提供され、ステム１２のベース２０から延在し、かつ、ステム１２のベース２０と一体に溶接される。大腿骨頭１４は、寛骨臼カップ（図示せず）の相補的内面内に受け入れられるように構成された部分球形外面３４を含む。本実施形態では、大腿骨頭１４の中央部３６は中空である。

部分球形面３４の自由周縁部は、ステム１２のベース２０の周囲に延在する環状スカート３８を形成する。従って、内部チャネル４０が、環状スカート３８とステム１２の近位領域との間に提供される。内部チャネル４０は、準備された大腿骨頭の近位端と圧入係合するように構成される。この配置は、インプラント１０内への骨成長が発生する前に患者が股関節に完全に荷重をかけた場合に、準備された大腿骨頭が破裂又は分裂するのを防止する働きをする。

加えて、多孔質格子３３は、平面状停止面３２から環状スカート３８の内面４２を下る距離の約７０％まで延在し、これにより、内部チャネル４０は、骨成長のために、多孔質表面によって実質的に取り囲まれる。

本実施形態の大腿骨インプラント１０は、コバルトクロムから製造されるが、その他の好適な金属材料が採用されてもよい。

中央中空部３６の形成は、この特定の実施形態では、ステム１２を含み、かつ、（ステム１２のベース２０における半径方向フランジ４６上に提供される）平面状停止面３２と、（フランジ４６の外周から遠位方向に垂れ下がる）大腿骨頭１４の環状スカート３８とを含む、第１の部分４４、及び、大腿骨頭１４の部分球形外面３４の残りを含む、第２の部分４８を鋳造することによって達成される。この場合、第１及び第２の部分４４、４８の両方が、それらの中にキャビティを有する。第１及び第２の部分４４、４８は、次に、大腿骨頭１４の外面３４の残りがフランジ４６の外周から近位方向に延在するように、インタフェース５０において一緒に溶接される。

大腿骨インプラント１０は、大腿骨頭１４が、患者の正常な寛骨臼軟骨又は人工寛骨臼カップに連接する（ａｒｔｉｃｕｌａｔｅ ａｇａｉｎｓｔ）ように配置される状況において採用されてもよい。

人工寛骨臼カップが使用される場合、カップ自体は、コバルトクロム、セラミック、又はポリエチレン材料から製造されてもよい。

図２は、本発明の第２の実施形態による大腿骨インプラント６０を通る中央断面図を示す。大腿骨インプラント６０は、図１に示すものと類似しており、従って、適切な場合、同様の参照番号が使用される。しかし、図１とは異なり、大腿骨インプラント６０は、別個の中空内部コンポーネント６２を含む。

中空コンポーネント６２は、第１のコンポーネント６４と、第２のコンポーネント６６とを一緒に溶接することによって形成される。第１及び第２のコンポーネント６４、６６は、それぞれチタン合金から形成され、その中にキャビティを有する。実際には、第１のコンポーネント６４は、大腿骨頭１４の部分球形外面３４の内部凹面と嵌合するように構成され、第２のコンポーネント６６は、ステム１２内のキャビティを規定する表面と嵌合するように構成される。中空コンポーネント６２の内面は、結果として得られる中空部分３６が図１に示すものと実質的に同じ形状であるように、中空コンポーネント６２の外嵌合面の形状に対応するように構成される。より具体的には、中空部分３６は、上部の、凹型部分球形面６８と、キャビティの概して円錐形の部分を形成する、下部の、下方に向けて先細る曲面７０とによって囲まれる。

大腿骨インプラント１０の残りの鋳造の間、中空コンポーネント６２をモールド内に配置するための、４つの円錐台形の脚部７２が、第２のコンポーネント６６上に提供される。脚部７２は、第２のコンポーネント６６の周縁部に均一に配置され、ステム１２のベース２０において、ステム１２の縦軸に実質的に平行な方向に、フランジ４６を通して突出するように構成される。従って、脚部７２は、最初、内部チャネル４０を形成するように構成された領域内で、モールドのセラミックスラリー内に突出するように構成される。

モールドが固まったら、インプラントの残りが、モールド内で、コバルトクロムから鋳造される。モールドは、次に、除去され、各脚部７２の突出部分は、それらがインプラントの周囲表面（すなわち、平面状停止面３２の隣接部分）と面一にされるまで切断され、削り取られる。

図３は、本発明の第３の実施形態による大腿骨インプラント８０を通る中央断面図を示す。大腿骨インプラント８０は、再び、図１に示すものと類似しており、従って、適切な場合、同様の参照番号が使用される。しかし、この場合、大腿骨ステム１２は、大腿骨頭１４から分離可能である。従って、ステム１２は、ベース２０の近位端から延在する中央の円錐台形のスピゴット８２を含み、これは、患者内へのインプラント８０の挿入に先立って、大腿骨頭１４の内部内に提供される相補的形状のキャビティ８４内に受け入れられるように構成される。スピゴット８２は、キャビティ８４内での緊密な摩擦嵌合のために好都合に構成される。

図３から、この実施形態では、スピゴット８２及びキャビティ８４が大腿骨頭１４の中央を占め、従って、インプラント８０の重量を減らすための内部中空部は、特に提供されないということがわかるであろう。平面状停止面３２は、大腿骨頭１４の平面状内面によって提供されること、及び、多孔質格子３３は、２つの部分（環状スカート３８の内面４２上、及び大腿骨頭１４の平面状内面に沿って提供される第１の部分３３Ａと、第１の円筒状側面２２Ｂから第３の円筒状側面２６Ｂまでのステム１２の近位面上で提供される第２の部分３３Ｂと）において提供されることにも留意されたい。

図４は、切除された大腿骨９０上にインプラントされた場合の、図２の大腿骨コンポーネント６０の中央断面図を示す。しかし、図１及び図３に示すものを含む、本発明の他の実施形態が、大腿骨９０上にインプラントされたものとして同様に示されてもよいということが理解されるであろう。従って、使用中に、患者の大腿骨９０の近位端９２が大腿骨頭９４の遠位端の近くで切除されることが好ましく、かつ、ステム１２を受け入れるのに好適なキャビティ９６が、切除された頭部９４から大腿骨９０を通して機械加工（例えば、ミリング）によって作製される、ということが理解されるであろう。大腿骨コンポーネント６０のステム１２上に提供される対応するステップ２２、２４、２６、２８、３０と嵌合するための複数の別個のレッジ１００が、大腿骨９０の柔らかい海綿質骨１０２内のキャビティ壁内に形成される。大腿骨インプラント６０が、次に、切除された大腿骨頭９４の最上部が平面状停止面３２に接するまで、キャビティ９６に嵌入される。この位置において、切除された大腿骨頭９４の最上部は、内部チャネル４０内に、スカート３８との圧入係合で受け入れられ、これは、多孔質格子３３内への骨成長が発生する前に患者が股関節に完全に荷重をかけた場合に、準備された大腿骨頭９４が破裂又は分裂するのを防止する働きをする。但し、図４に描かれているように、大腿骨９０と大腿骨コンポーネント６０との間にギャップ１０４を見ることができるが、大腿骨９０と大腿骨コンポーネント６０とは正確に付着フィットするように構成されるため、そのようなギャップ１０４は実際には提供されない、ということに留意されたい。

図４から、大腿骨コンポーネント６０のステム１２は、硬い皮質骨１０６が存在する大腿骨９０の端から、その長さの全体にわたって間隔を置かれ、これは、応力遮蔽の可能性を減少させるために更に役立つ、ということも明らかである。

本発明の実施形態は、従来の股関節置換及び股関節表面再建技術に関連して遭遇される問題の多くを克服する、改良された大腿骨インプラント１０を様々に提供する、ということが理解されるであろう。特に、本発明の態様は、大腿骨内でのインプラントの改良された固定と、ステムの改良されたアライメントと、応力遮蔽の危険の減少とを提供する。

上記の実施形態に対する様々な修正が、本発明の範囲から逸脱することなく行われてもよいということが、当業者によって理解されるであろう。

Claims (40)

1. 遠位端、及び近位端を備える、大腿骨インプラントであって、前記インプラントの前記遠位端においてステムが提供され、前記ステムは使用中の、大腿骨内への挿入のための、丸みを帯びた先端と、ベースから前記先端への遠位方向に延在する概して先細りの形状のボディとを備え、大腿骨頭が前記インプラントの前記近位端において提供され、前記ステムの前記ベースから延在し、
   前記ステムの前記ボディは、前記先端と前記ベースとの間に配置された複数の別個のステップを含み、
   前記ステップは、前記先端に向かうにつれてよりも、前記ステムの前記ベースに向かうにつれてより集中し、
   前記ステップは、各隣接するステップの間の距離が前記ベースに向かうにつれて徐々に減少するように前記ボディに沿って分散させられ、前記ステップは、前記ベースに向かうにつれて増加する幅を有する、大腿骨インプラント。
2. 前記ステップは、前記大腿骨への荷重の伝達のための適切な表面積を提供するために、２ｍｍ以上の幅を有する、請求項１に記載の大腿骨インプラント。
3. 前記ステップの全てが、前記ステムの前記ベースの近くに配置される、請求項１又は２に記載の大腿骨インプラント。
4. 前記ステップのうちの１つ以上が、前記ステムの縦軸から実質的に半径方向外向きに延在する平面状遠位停止面を含む、請求項１〜３のいずれか一項に記載の大腿骨インプラント。
5. 前記ステップのうちの１つ以上が、前記ステムの前記縦軸に概して平行に延在する実質的に円筒状の側面を含む、請求項１〜４のいずれか一項に記載の大腿骨インプラント。
6. 前記ステップのうちの１つ以上が、傾斜し、湾曲し、又は不規則な形状の遠位停止面、及び／又は傾斜し、湾曲し、又は不規則な形状の側面を含む、請求項１〜３のいずれか一項に記載の大腿骨インプラント。
7. 前記先端と最遠位ステップとの間で、前記ステムの幅は前記ベースの幅の５分の１以下である、請求項１〜６のいずれか一項に記載の大腿骨インプラント。
8. 前記先端から前記最遠位ステップまでの前記ステムの表面は非孔質である、請求項１〜７のいずれか一項に記載の大腿骨インプラント。
9. 前記ステムの１つ以上の部分は多孔質表面を備える、請求項１〜８のいずれか一項に記載の大腿骨インプラント。
10. 前記多孔質表面は、多孔質コーティング、又は多孔質格子によって提供される、請求項９に記載の大腿骨インプラント。
11. 最遠位ステップから前記ベースまでの前記ステムの部分は、骨がこの領域上にロックされることを可能にするために多孔質表面を備える、請求項９又は１０に記載の大腿骨インプラント。
12. 前記大腿骨頭は、対応する寛骨臼カップ内に受け入れられるように構成された、部分球形外面を備える、請求項１〜１１のいずれか一項に記載の大腿骨インプラント。
13. 前記部分球形面の自由周縁部は、前記ステムの前記ベースの周囲に延在する環状スカートを形成し、これにより、前記環状スカートと前記ステムの近位領域との間に内部チャネルを作成する、請求項１２に記載の大腿骨インプラント。
14. 前記内部チャネルは、準備された大腿骨頭の近位端と圧入係合するように構成される、請求項１３に記載の大腿骨インプラント。
15. 前記内部チャネルは、多孔質表面によって実質的に取り囲まれる、請求項１４に記載の大腿骨インプラント。
16. 前記大腿骨頭は、実質的に中空である中央部を備える、請求項１〜１５のいずれか一項に記載の大腿骨インプラント。
17. 前記大腿骨頭は、前記ステムから分離可能である、請求項１〜１６のいずれか一項に記載の大腿骨インプラント。
18. 前記大腿骨頭及び前記ステムは、それぞれの嵌合部を備える、請求項１７に記載の大腿骨インプラント。
19. 円錐台形のスピゴットが、前記大腿骨頭の内部内の相補的形状のキャビティ内に受け入れられるように、前記ステムの前記ベースの近位端から延在する、請求項１８に記載の大腿骨インプラント。
20. コバルトクロム、チタン、ステンレス鋼、又はセラミックを含む材料から形成される、請求項１〜１９のいずれか一項に記載の大腿骨インプラント。
21. 前記インプラントの残りより高い融点を有する材料の、かつ、前記インプラントのためのモールド内に組み込まれる、突出部分を有する少なくとも１つの脚部を含む、中空内部コンポーネントを形成し、
    前記インプラントの前記残りを、モールド内で鋳造し、
    前記インプラントを、前記モールドから除去し、
    前記インプラントが所望の外部構造を有するように、前記少なくとも１つの脚部の前記突出部分を除去すること
    を含む、請求項１〜２０のいずれか一項に記載の大腿骨インプラントを製造する方法。
22. 前記少なくとも１つの脚部の前記突出部分は、前記インプラントの周囲表面と面一にされるように切断され、削り取られる、請求項２１に記載の方法。
23. 請求項２１又は２２に記載の方法によって製造可能な大腿骨インプラント。
24. ４つの脚部が、前記内部コンポーネントを前記モールド内に配置するために提供される、請求項２３に記載の大腿骨インプラント。
25. 前記脚部は、内部構造の周囲に均一に配置される、請求項２４に記載の大腿骨インプラント。
26. 前記少なくとも１つの脚部は、前記ステムを前記環状スカートに接続する前記インプラントのフランジを通して突出するように構成される、請求項２３〜２５のいずれか一項に記載の大腿骨インプラント。
27. 前記内部コンポーネントは、チタン合金を含み、前記インプラントの前記残りは、コバルトクロムを含み、前記モールドは、セラミックスラリーから形成される、請求項２３〜２６のいずれか一項に記載の大腿骨インプラント。
28. 使用中の、大腿骨内への挿入のための丸みを帯びた先端と、ベースから前記先端への遠位方向に延在する、概して先細りの形状のボディとを含む、大腿骨インプラントのためのステムであって、
    前記ステムの前記ボディは、前記先端と前記ベースとの間に配置された、複数の別個のステップを含み、
    前記ステップは、前記先端に向かうにつれてよりも前記ステムの前記ベースに向かうにつれて、より集中し、
    前記ステップは、各隣接するステップの間の距離が前記ベースに向かうにつれて徐々に減少するように前記ボディに沿って分散させられ、前記ステップは、前記ベースに向かうにつれて増加する幅を有する、ステム。
29. 請求項１〜２０、又は請求項２３〜２７のいずれか一項に記載の大腿骨インプラントと、前記大腿骨インプラントの前記大腿骨頭を受け入れるように構成された寛骨臼カップとを備える、股関節プロテーゼ。
30. 大腿骨インプラントを大腿骨内に挿入する方法であって、
    前記大腿骨の頭部を切除し、
    前記インプラントのステムを受け入れるためのキャビティを前記大腿骨内に準備し、
    前記インプラントの前記ステムを、前記キャビティ内に挿入し、
    前記インプラントの頭部を、前記大腿骨の、切除された頭部上に押し込むこと
    を含み、
    前記大腿骨を準備する工程は、前記インプラントの前記ステム上に提供される対応する複数のステップと嵌合するための複数の別個のレッジを、キャビティ壁内に形成することを含む、方法。
31. 前記大腿骨インプラントは、請求項１〜２０のいずれか一項に記載のものである、請求項３０に記載の方法。
32. 前記レッジは、前記大腿骨の海綿質骨内に、リーマによって形成される、請求項３０又は３１に記載の方法。
33. 前記リーマは、サイズ固有の回転ミルと、前記ステムの正確な嵌合のために前記海綿質骨内に正確なカットを生成するためのガイドとを備える、請求項３２に記載の方法。
34. 前記大腿骨の前記頭部を切除する工程は、前記切除された頭部の外周を、前記インプラントの前記頭部のスカートとの圧入係合のために形成することを含む、請求項３０〜３３のいずれか一項に記載の方法。
35. 前記切除された頭部の前記外周は、前記スカートの大部分が大腿骨頭の海綿質骨と接触するように形成される、請求項３４に記載の方法。
36. 前記インプラントの前記頭部及び前記ステムは、一体で形成されるか、又は前記大腿骨上に前記インプラントが押し込まれる前に前記頭部が前記ステムに嵌合される、請求項３０〜３５のいずれか一項に記載の方法。
37. 実質的に、添付の図面を参照して本明細書で説明した通りである、大腿骨インプラント。
38. 実質的に、添付の図面を参照して本明細書で説明した通りである、大腿骨インプラントを製造する方法。
39. 実質的に、添付の図面を参照して本明細書で説明した通りである、大腿骨インプラントのためのステム。
40. 実質的に、添付の図面を参照して本明細書で説明した通りである、股関節プロテーゼ。

Images