本願の主題によれば、媒体から熱を取り出し前記熱を電気エネルギー生成プロセスで利用するように構成された発電機が提供される。特に、前記熱を利用して、前記電気の生成のために機械要素を往復運動/回転させることができる。
本願の主題の一態様によれば、第1のリザーバおよび第2のリザーバをそれらの間に温度差を有する状態で設けるように構成された差熱モジュールと、差熱モジュールのリザーバとの交互の熱交換プロセスをその温度を変動させるように実行するように構成された、圧力媒体を収容する圧力モジュールと、エネルギー生成のために圧力モジュールの変動を利用するように構成された変換モジュールとを備える発電機が提供される。
特に、前記発電機は:
差熱モジュールであって、少なくとも:
高温の作動媒体を収容し前記圧力モジュールの圧力媒体と選択的に熱連絡する第1の高温リザーバと;
低温の作動媒体を収容し前記圧力モジュールの圧力媒体と選択的に熱連絡する第2の低温リザーバと;
リザーバ間の温度差を維持するように構成された加熱装置と;を備える、差熱モジュールと、
リザーバの高温および低温に対応する最低動作温度と最高動作温度との間でその温度を変動させるように、高温/低温の作動媒体との熱交換プロセスを交互に実行するように構成された、圧力媒体を備える圧力モジュールであって;圧力媒体が変換モジュールを動作させるように変換モジュールと機械連絡する、圧力モジュールと、
圧力媒体の温度変動を出力エネルギーに変換するように構成された変換モジュールと、
圧力モジュールから熱を伝達し差熱モジュールまたは圧力モジュールに戻すように構成された熱回収機構と
を備えることができる。
用語「媒体」は本明細書では以下のうちのいずれかを説明するために用いられることが理解される:固体、流体−液体および気体。例えば、圧力媒体は、固体であってもよく、または例えば、圧力下で固化する物質であってもよい。
用語「高」温および「低」温は、異なる2つの温度、TH>TCになるようなTHおよびTC(本明細書ではTLと呼ぶことがある)を指す。様々な例によれば、温度THおよびTCは以下のように変化できることも理解される:
・THおよびTCの両方が周囲温度よりも高い;
・THおよびTCの両方が周囲温度よりも低い;
・THは周囲温度よりも高く、TCは周囲温度よりも低い。
用語「周囲(ambient)」は、本明細書では、少なくとも発電機の差熱モジュールが位置する外部周囲環境の平均温度を定義するために使用される。特に、通常こうした周囲環境は単に周囲の空気であるが、発電機は、任意の所望の媒体に浸漬されるように構成することもでき、それにより、用語「周囲」はその媒体の平均温度を指すことになる。
差熱モジュールは、高温リザーバおよび低温リザーバを備えた作動媒体サブシステムから構成することができる。特に、高温/低温リザーバはそれぞれ、圧力モジュールのリザーバと入口アクセス端部との間を選択的に流体連絡させるように構成された入口ラインと、圧力モジュールの出口アクセス端部とリザーバとの間を選択的に流体連絡させるように構成された出口ラインとを備えることができる。
差熱モジュールのそれぞれの入口/出口ラインは、圧力媒体との熱交換プロセスを実行するように、高温/低温の作動媒体を圧力モジュールに交互に供給するように構成されている。
作動媒体サブシステムは、蒸発器端部および凝縮器端部を有する熱ポンプを備えることができ、その熱ポンプは、入力電力Wの供給下で蒸発器端部から凝縮器端部に熱量Qをを引き抜くように構成されている。熱ポンプの動作の結果、凝縮器端部には、常に、凝縮器端部の温度が蒸発器端部の温度を超えるように熱が供給される。
その機構は、高温リザーバおよび低温リザーバのうちの少なくとも一方が、熱ポンプの前記蒸発器端部および凝縮器端部のうちの一方と熱的に関連するようになっている。例えば、高温リザーバを熱ポンプの凝縮器端部と熱的に関連させることができ、かつ/または、低温リザーバを熱ポンプの蒸発器端部と関連させることができる。したがって、熱ポンプは、低温リザーバを所望の「低い」温度に維持する冷却ユニットとして動作することができ、冷却中に空気熱ポンプから追い出された熱は、高温リザーバを所望の「高い」温度に維持するために使用される。
熱ポンプの蒸発器/凝縮器端部と高温/低温リザーバとの間の熱的な関連は、熱ポンプの蒸発器/凝縮器端部と高温/低温リザーバ内に収容された作動媒体との間を直接/間接的に接触させて前者と後者との間の熱交換プロセスを可能にすることによって実現することができる。特有の例によれば、こうした接触は、高温/低温作動媒体内の熱ポンプを蒸発器/凝縮器端部に浸漬することによって実現される。
ある特定の設計によれば、高温リザーバは、熱ポンプの凝縮器側と直接熱連絡しており、低温リザーバは、外部周囲環境と関連している(すなわち、周囲温度に曝露されている)。この設計の特有の例によれば、低温リザーバは、外部周囲環境に曝露されているが、低温リザーバを熱ポンプの蒸発器端部と熱的に関連付ける要素を具備することもできる。
別の設計によれば、高温リザーバは、熱ポンプの凝縮器側と直接熱連絡しており、低温リザーバは、熱ポンプの蒸発器側と直接熱連絡している。
圧力モジュールは、圧力媒体を収容する容器と、少なくとも1つの導管(本明細書では「導管」または「コア」と呼ぶ)とを備えることができる。その導管は、圧力モジュールの入口アクセス端部および出口アクセス端部をそれぞれ構成する、入口端部および出口端部を有する。したがって、前記導管を、前記高温/低温リザーバと選択的に流体連絡して高温/低温の作動媒体が導管を貫通できるように構成することができる。
発電機は、圧力媒体との熱交換プロセスを実行するように高温/低温の作動媒体が(リザーバの選択的な流体連絡を使用して)容器の導管を交互に貫通することができるように構成される。したがって、高温の作動媒体は、圧力媒体を前記最高動作温度にするために使用され、前記低温の作動媒体は、前記圧力媒体を前記最低動作温度にするために使用される。
その結果、圧力媒体は、その最高動作温度と最低動作温度と間を変動するように構成されており、前記変動により、前記圧力媒体の体積がそれぞれ増大/減少し、エネルギー発生のための変換モジュールによってこれを利用することができる。
圧力モジュールに関しては、以下の特性を(個別にまたは互いに組み合わせて)用いることができる:
・容器は、高圧の媒体を構成するように圧力媒体が予め導入された圧力容器とすることができる。圧力媒体を予め導入する利点は、以下でさらに詳細に発電機の動作を論じるときに明らかになるであろう;
・容器は、それを貫通する2以上のコアを備えることができ、各コアは、差熱モジュールのリザーバと選択的に流体連絡するように構成される;
・コアは、コアが作動媒体のための長い単一の流路を形成する少なくとも第1の線形の構成と、作動媒体が同時に内部を流れるようにコアが構成された第2の平行構成とを有することが可能になるように、互いに選択的に流体連絡することができる;
・1つまたは複数のコアは、圧縮力/圧力に対する抵抗が高く、熱容量が低く、熱伝達係数が高い材料から作製することができる。例えば、こうした材料は、炭化ケイ素、炭化タングステン、チタンなどとすることができる;
・圧力容器の長さLは、その直径Dよりもずっと長くすることができ、それにより、内部を貫通するコアを支持するいくつかの支持体が圧力容器内に必要になる場合がある;
・圧力容器は、コアを1つまたは複数備えることができ、それらのコアは、支持体に連結点を有することで互いに位置合わせされる;
・コアのうちの少なくとも1つに放散機構を具備することができ、その放散機構は、圧力媒体と接触しており、圧力媒体内の熱伝達の効率を向上させるように構成されており、その結果、作動媒体と圧力媒体との間の熱交換プロセスの効率が向上する;
・放散機構は、コアと一体にすることもでき、別個の機構にしてコアが具備することもできる。前者の場合には、コアは、リブ/スパイクなどの形態で表面積を増大させて形成することができ、後者の場合は、コアは、その上に装着された少なくとも1つ放散部材(例えば、リブ/ウイング/ブレードなど)を具備することができる;
・1つまたは複数のコアを、それ自体の軸を中心に回転するように構成することもでき、全てのコアを、共通の軸(例えば、圧力容器の中心軸)を中心に回転するように構成することもできる;
・別個の放散機構は、それが装着されたコアを中心に回転するように構成することもできる;
・別個の放散機構は、モータによって駆動されるように構成することができる。その機構は、いくつかのコアの放散機構が単一のモータによって同時に駆動するようにしてもよい;
・放散機構を駆動するモータは、圧力容器の外側に配置することができる;
・モータのドライブ・シャフトは、圧力容器の両側から延在するように構成することができ、2つのモータによって駆動するように構成することもでき、一方のモータが各端部でドライブ・シャフトと係合する。ドライブ・シャフトが圧力容器の一方の端部からのみ突出し、すなわち、圧力容器内に第2の端部を有し、容器内の圧力により、ドライブ・シャフトに大きい荷重を加えることができ、それにより、圧力容器の外に押し出そうとすることが理解される。この影響は非常に過酷なのでドライブ・シャフトが容器から「飛び出す」危険がある場合がある;
・コアはそれぞれ内側機構を具備することもでき、その内側機構は、作動媒体内の熱伝達を向上するように構成され、それにより、圧力媒体と作動媒体との間の熱交換プロセスの効率が向上する;
・一例によれば、内側機構は、静的な機構、すなわち、単にコア内に配置された機構とすることができる。別の例によれば、その内側機構は、コアを貫通する作動媒体を循環させるようにコア内で変位/回転するように構成された動的な機構とすることができる;
・内側機構は、(例えば、アルキメデスのねじポンプと同様に)コアに沿って作動媒体を能動的に変位させるように構成することもできる;
・圧力容器が比較的長い場合は、その圧力容器は、コアを2つ以上備えることができ、それらのコアは、互いに同一線形に連結され、隣接する2つのコア間の接合点にシール済みの支持体も備える;
・前記容器内の圧力媒体を、2000〜8000気圧、より具体的には3000〜7500気圧、さらに具体的には4000〜7000気圧、さらにより具体的には5000〜6500気圧の範囲にある圧力の下で予め導入および収容することができる。圧力容器がそれから作製される材料が適切な場合は、予め導入する圧力媒体をさらに多くすることが可能であると理解される;
・圧力媒体は、100〜1200、より具体的には250〜1100、さらに具体的には500〜1000、さらにより具体的には600〜900の範囲にある熱膨張係数を有することができる;
・圧力媒体を、臭化エチル、水、N−ペンテン、ジエチルエーテル、メタノール、エタノール、水銀、および酸からなる群から選択することができる。
さらに、熱伝達プロセスがそれを通して行われる発電機の構成要素(例えば、シリンダ、チューブ、表面など)のうちの少なくとも1つまたは複数を、表面積を増大させる熱伝達面を有するように形成することができる。具体的には、前記表面は、その表面積を増大させる複数の要素、例えば、隆起、突起などを有するように形成することができる。特定の一例によれば、その要素は、立方体、ピラミッド、円錐などの形状を有する微細構造とすることができる。別の例によれば、要素は(平行またはらせん状の)リッジとすることができる。
後者の場合には、こうしたリッジ要素は、その中心軸に沿ったパイプの断面では表面が(頂点と溝との間で)起伏する。パイプの内面と外面の両方にリッジが形成される場合は、その機構は、内面の頂点が外面の溝を向き、その逆も同様であり、それにより、中心軸に垂直な各断面において概して一様の材料厚さが維持されるようにすることができる。
(上記で言及したように)前記微細構造を有する円筒形の構成要素の外面を予備形成することは非常に単純であるが、前記円筒形の構成要素の内面を予備形成することはより複雑な問題を生じることが理解される。そのために、微細構造を有するように円筒形の構成要素の内面を予備形成する方法のステップを以下に提示する:
(a)第1の面および反対側の第2の面を有する概して平坦なプレートを設けるステップ;
(b)前記第1の面上に前記微細構造を予備形成するステップ;
(c)サイズおよび形状が前記プレートに対応する貫通していない空隙Cを有するように形成されたモールド型を設けるステップであって、前記空隙が、ベース面と、モールド型の表面の開口部とを有する、ステップ;
(d)前記第2の面が前記ベース面と噛み合い前記第1の面と前記開口部との間に空間が残るように前記第1の面が空隙の開口部を向くように、前記空隙内に前記プレートを配置するステップ;
(e)微細構造間に形成された空間を含むように、前記空間を充填するようにフィラ材料を空隙中に導入するステップ;
(f)前記フィラ材料から構成された第1の面と、元のプレートの第2の面から構成された第2の面とを有する、前記プレートおよび固化されたフィラ材料から構成された単一のプレートを形成するように前記フィラ材料を固化させるステップ;
(g)前記単一のプレートの第2の面が前記シリンダの外面を構成し前記単一のプレートの第1の面前記シリンダの内面をを構成するように、少なくとも部分的に円筒形の形状を得るように前記単一のプレートを変形するステップ;
(h)前記フィラ材料を前記単一のプレートから除去し、それにより、元のプレートがその内面に微細構造が形成されるステップ;
(i)微細構造を有する内面に最終仕上げを行うステップ。
発電機の変換モジュールは、圧力媒体よって駆動されるようにそれと機械連絡した動的な機構を備えることができる。特に、動的な機構は可動部材を備えることができ、その可動部材は、前記最高動作温度および前記最低動作温度からの圧力媒体の変動に関連付けられて往復運動するように構成されている。
特有の例によれば、動的な機構を、ピストン・アセンブリから構成することができ、そのピストン・アセンブリは、ピストンが内部に配置されたハウジングを備える。そのピストンは、ハウジングを、圧力媒体と機械連絡した第1の入力チャンバと、出力エネルギーを生成するように構成されたモータ・アセンブリと機械連絡した第2の出力チャンバとに、シールして分割する。
変換モジュールのピストンは、圧力媒体の体積の変動に応答してハウジング内で往復運動するように構成することができる。具体的には、圧力媒体の温度が上昇すると、その体積はそれに応じて増大し、それにより、入力チャンバの体積が増大し出力チャンバの体積が減少するようにピストンを変位させる。さらに、圧力媒体の温度が低下すると、その体積はそれに応じて減少し、それにより、入力チャンバの体積が減少し出力チャンバの体積が増大するようにピストンを変位させる。こうした往復運動を、出力エネルギーを発生させるモータ・アセンブリによって使用することができる。
一例によれば、モータ・アセンブリは、ピストンの往復運動がその軸を中心にクランク・シャフトを回転させるようなクランク・シャフト機構を備える。こうした回転を、出力エネルギーの発生のために既知の手段によって変換することができる。
別の例によれば、ピストンを、ギア・アセンブリと噛み合うように構成された線形のシャフトに関連付けることができ、そのギア・アセンブリはシャフトの線形の往復運動を回転運動に変換するように構成されている。こうした回転運動を、出力エネルギーの発生のために既知の手段によって変換することができる。
特定の設計の実施形態によれば、ピストンとモータとの間に中間のデバイスを設けることができ、例えば、ピストンを、油などの中間物質上で、圧力によってユーティリティ・ピストンを駆動するように適合させることができる。
本願の発電機はさらに、副次的熱交換器を少なくとも1つ備えることができ、その副次的熱交換器は、高温リザーバの出口ラインおよび低温リザーバの出口ラインのうちの少なくとも一方と熱連絡している。熱交換器を、前記出口ライン内の作動媒体と、外部周囲環境および/または熱交換器が浸漬された媒体との間の熱交換プロセスを実行するように構成することができる。
したがって、熱交換器を、圧力容器から出る際に、圧力モジュールの圧力媒体との熱交換プロセス中に加熱/冷却された作動媒体をそれぞれ冷却/加熱するように構成することができる。
次に、発電機の様々な構造上の構成ならびに各構成の動作方法のいくつかの例を説明する。それらの構成のうちのいくつかでは、発電機は、追加の要素、部材、モジュール、および/または機構を備えることができる。各構成を独立に使用できるが、様々な構成の異なる特性を互いに組み合わせて発電機の新しい構成を生み出すこともできると理解されたい。
基本構成
上記で説明した発電機の基本構成によれば、差熱モジュールは、熱ポンプの凝縮器端部と熱連絡した高温リザーバと、外部周囲環境と熱連絡した低温リザーバとを備える。
こうした構成では、熱ポンプの蒸発器端部も外部周囲環境に曝露され、そのため、動作の際には、蒸発器端部が常に周囲環境から熱を引き抜き、熱ポンプが常に蒸発器端部から凝縮器端部に熱を引き抜くことが理解される。
圧力モジュールは単一の圧力容器を備え、その圧力容器は、内部に予め高圧(約6000気圧)にした圧力媒体を収容し、それを貫通する少なくとも1つ導管を有する。圧力容器はさらに、導管の入口端部と関連する入口弁と、導管の出口端部と関連する出口弁とを備える。圧力容器は、変換モジュールの動的な機構と流体連絡した出力ラインを備えることもできる。
高温/低温リザーバはそれぞれ、リザーバと入口弁との間を選択的に流体連絡させる入口ラインと、リザーバと出口弁との間を選択的に流体連絡させる出口ラインとを備える。
したがって、上記の例の発電機を使用して出力エネルギーを生成する方法が提供される。前記方法は、以下のステップを含む:
a)入口弁および出口弁を選択的に開いて、高温リザーバと圧力容器との間を流体連絡し、高温の作動媒体を高温リザーバから入口弁中に通し、導管を通して出口弁から出して高温リザーバ中に戻す。高温の作動媒体と圧力媒体との間の熱交換プロセスの結果、高温作動媒体は冷却され、圧力媒体はその最高動作温度まで加熱される。加熱されるときに、圧力媒体はその体積が増大し、ピストンをある方向に変位させる;
b)入口弁および出口弁を選択的に開いて、低温リザーバと圧力容器との間を流体連絡し、低温の作動媒体を低温リザーバから入口弁中に通し、導管を通して出口弁から出して低温リザーバ中に戻す。低温の作動媒体と圧力媒体との間の熱交換プロセスの結果、低温作動媒体は加熱され、圧力媒体は最低動作温度まで冷却される。冷却されるときに、圧力媒体はその体積が減少し、ピストンを反対方向に変位させる。
上記のステップを繰り返し実行することにより、ピストンが左右に往復運動し、それにより、発電機による電気の生成が可能になる。
(発電機の機械的な完全性が維持される場合は)高圧力媒体の圧力が高いほど、発電機の熱力学的動作の効率が向上することが指摘されている。より具体的には、ピストンは、所定の抵抗を有し、これは、この抵抗を克服しピストンを変位させるのに高圧力媒体の所定の閾値圧力を必要とする。低圧力媒体が使用される場合は、その低圧力媒体を加熱するとまず、低圧力媒体の圧力が閾値圧力まで上昇し、その次にのみピストンが変位する。
上記の観点から、圧力容器内の媒体を予め(閾値圧力を超える)高い圧力にすることにより、圧力媒体の加熱が直接ピストンの変位を伴い、媒体を閾値圧力まで加圧することが無駄にならないことが保証される。
以下の事柄にも留意されたい:
・高温リザーバに戻るときは、冷却された高温作動媒体は、その元の高温に戻るように熱ポンプの凝縮器端部からさらに熱を自由に吸収することができる;
・低温リザーバに戻るときは、加熱された低温作動媒体は、その温度を冷却し元の低温に戻すように少なくとも一部の熱を外部周囲環境に放出することができる;
・ステップ(a)からステップ(b)に切り替えるときに、導管の長さに応じて、入口弁の位置を選択的に切り替えて低温リザーバと流体連絡させた後に、遅れて出口弁の位置を選択的に切り替えて低温リザーバと流体連絡させることが有益な場合がある。このようにして、ステップ(b)の実行を開始する際には、導管内に収容された高温の作動媒体を、まずその出口ラインを通して高温リザーバ中に押し出し、その次にのみ、出口弁を選択的に切り替えて低温リザーバと流体連絡させることができる。ステップ(b)からステップ(a)に切り替えるときにも同じことが言える;
上記の方法はさらに、作動媒体から外部周囲環境に放熱する効率を向上可能にするために加熱された低温作動媒体が副次的熱交換器を貫通する、追加のステップ(c)を含むことができる。
直接回収構成
上記の構成によれば、低温リザーバの出口ラインは、圧力容器から出る際に直接低温リザーバに戻っていないが、最初に熱ポンプの蒸発器端部を貫通する。このようにして、その熱を周囲環境に放出し熱ポンプによって蒸発器端部において再吸収する代わりに、熱ポンプの蒸発器端部に直接戻し、それにより、発電機の動作効率が向上する。
冷却リザーバ構成
発電機の上記の構成によれば、(上記の例のように)第1の高温リザーバが熱ポンプの凝縮器端部と熱連絡しており、低温リザーバが熱ポンプの蒸発器端部と熱連絡した、冷却リザーバ機構が示されている。
上記の機構では、低温の作動媒体は、圧力媒体との熱交換プロセスの際に、圧力媒体からは部分的な量の熱を、周囲環境からは残りの量の熱を回収して、全熱量を蒸発器端部から熱ポンプHPの凝縮器端部に供給する。
2重動作
発電機は、圧力容器を2つ備えることができ、各圧力容器は、対応する入口弁/出口弁を介して高温リザーバおよび低温リザーバに連結されている。さらに、各圧力容器の圧力媒体は、それぞれのピストンと流体機械連絡している。
圧力容器を2つ使用することにより、発電機の少なくとも2つの動作モードが可能になる:
a)同時サイクル−両方の圧力容器が並行して上記のステップ(a)および(b)を実行する。言い換えると、発電機サイクル全体のどの点においても、一方の圧力容器内の圧力媒体の温度が、他方の圧力容器内の圧力媒体の温度と同様であり、すなわち、圧力媒体が両方とも、同時に加熱され、同時に冷却される。この機構の下では、発電機は、モータ・アセンブリを2つ備えることができ、各モータ・アセンブリはそれぞれのピストンによって駆動される;
b)交互サイクル−圧力容器は、ステップ(a)および(b)をずらして実行する。例えば、一方の圧力容器がそのサイクルのステップ(a)を実行するときは、他方の圧力容器そのサイクルのステップ(b)を実行する。言い換えると、一方の圧力容器内の圧力媒体が加熱を受けるときは、他方の圧力容器内の圧力媒体は冷却を受け、その逆も同様である。この機構の下では、発電機はモータ・アセンブリを1つ備えることができ、そのモータ・アセンブリは、2つのピストンによって駆動される(すなわち、両方のピストンが、互いに同期して往復運動することができる)。
中間リザーバ構成
上記の構成の下では、発電機はリザーバを3つを備えることができる:高温リザーバ、低温リザーバ、および中温リザーバ。この機構は冷却リザーバ構成に基づいており、そこでは中温作動媒体を収容する追加の中間リザーバが追加される。中温リザーバは、中温作動媒体を収容するように構成される。用語「中間」は前記高温と前記低温との間の温度を指す。高温/中温/低温リザーバはそれぞれ、圧力容器と選択的に流体連絡する。
こうした機構の下では、基本構成に関して説明したステップ(a)および(b)に加えて、追加の2つのステップ(a’)および(b’)が以下のように実行される:
(a’)[ステップ(a)の後に実行される]中温作動媒体が中温リザーバから圧力容器の導管を貫通し、それにより、圧力媒体の温度が(中温作動媒体との熱交換プロセスによって)最高動作温度から(最高動作温度と最低動作温度との間の)中間動作温度に低下する;
(b’)[ステップ(b)の後に実行される]中温作動媒体が中温リザーバから圧力容器の導管を貫通し、それにより、圧力媒体の温度が(中温作動媒体との熱交換プロセスによって)最低動作温度から(最高動作温度と最低動作温度との間の)中間動作温度に上昇する。
具体的には、上記のステップ(a’)および(b’)中には、中温作動媒体は、それぞれ高温/低温の作動媒体による圧力媒体の冷却と加熱との間に、圧力媒体を冷却/加熱するために使用される。したがって、冷却/加熱ステップはそれぞれ、2つの段階に分割され、第1の段階は中間の作動媒体によって実行され、第2の段階は高温/低温の作動媒体によって実行される。
上記の機構の下では、高温/低温の作動媒体が実際には狭い温度範囲内(すなわち、中温と高温との間、および/または中温と低温との間)で加熱/冷却するために使用され、それにより、発電機の動作がより効率的になることが理解される。
上記の機構に関しては、中温リザーバは外部周囲環境と熱連絡でき、高温/低温リザーバはそれぞれ熱ポンプの凝縮器/蒸発器端部と熱連絡することが理解される。
さらに、高温/中温/低温リザーバの出口ラインのうちのいずれか1つが、圧力容器を出る際に副次的熱交換器を貫通することができる。この機構の特定の例によれば、そのリザーバに戻る前に圧力媒体との熱交換プロセス中に得る/失う必要な量の熱を、それぞれ空気に運ぶ/空気から吸収するように、中間の出口ラインは副次的熱交換器を貫通することができる。それとは反対に、高温/低温リザーバの出口ラインは、必ずしも熱交換器を貫通せず、作動媒体を直接そのそれぞれのリザーバに戻すことができる。
交差構成
上記の構成によれば、発電機は(2重動作機構と同様の)圧力容器を2つ備え、出口弁はそれぞれ、入口弁とも選択的に流体連絡する。
具体的には、出口弁Oはそれぞれ、一方の圧力容器の出口弁と他方の圧力容器の入口弁との間を流体連絡させる交差ラインCOLも備える。こうした機構の下では、以下に説明するような追加の交差ステップを実行することが可能である:
(a’’)[ステップ(a’)の後に実行される]内部の圧力媒体を加熱開始しその次にのみ他方の出口弁を介して中温リザーバに戻すために、中間作動媒体WMは、一方の圧力容器PVの導管から出る際に、交差ラインCOLを介して他方の圧力容器PVの入口弁に供給される;
(b’’)[ステップ(b’)の後に実行される]内部の圧力媒体を冷却を開始し、その次にのみ他方の出口弁を介して中温リザーバに戻すために、中間作動媒体WMは、一方の圧力容器PVの導管から出る際に、交差ラインCOLを介して他方の圧力容器PVの入口弁に供給される。
上記の機構により、圧力媒体からのより多くの熱回収が行われる。より具体的には、熱を中温リザーバに戻す間にある特定の量の熱を周囲環境に放出する/から引き抜く代わりに、中温作動媒体は、ここでは、圧力媒体との熱交換の際にその量の一部を放出し/引き抜き、それにより、発電機の効率が向上する。
熱勾配回収構成
上記の構成の下では、発電機は、(基本機構と同様の)圧力容器1つと、出口弁と関連する少なくとも1つの勾配タンクも備える。
勾配タンクは、内部に収容された作動媒体の一部が互いに混合されないように構成された機構を備えることができ、それにより、それらの部分の間の熱伝達およびそれらの部分が熱平衡に達する速度が大幅に低減される。特に、勾配タンクは、本発電機で使用されるときは、T1≠T2≠他の温度になるように、作動媒体の第1の部分を温度T1で、作動媒体の第2の部分を温度T2で収容することができ、以下同様に行うことができる。
具体的には、次に説明するような発電機の動作の下で、勾配タンクにより、T1>T2>....>TnあるいはT1<T2<....<Tnになるように、内部に収容された作動媒体を、ある温度勾配に維持することが可能になる。
したがって、加熱/冷却された中温作動媒体のうちの勾配タンクに入る部分は、互いに異なる温度を有し、以下で詳細に説明するように、勾配タンク内のそれらの部分の間の温度の勾配を維持することが有益な場合がある。そのために、勾配タンクはさらに、作動媒体の異なる部分が互いに混合されるのを防止することによってリザーバ内の温度の勾配を維持するように構成された非混合機構を備えることができる。言い換えると、非混合機構は、勾配タンク内で受容される作動媒体が一様の温度に達するのを遅らせるように構成されている。
非混合機構は、作動媒体のうちの勾配タンクに入る連続した部分の間の熱伝達のための断面積が熱伝達を大幅に遅らせるのに十分に小さくなるような流路を有するように形成された任意の機構とすることができる。用語「十分に小さい」とは、通路の長さLよりもずっと小さい公称断面寸法Dによって画定された断面積を指す。
こうした非混合機構の例は、:
・長いチューブの長さLおよび断面積D<<L;
・同様の特徴を有するらせん状のチューブ;
・上記の特性の流路を形成するようにリザーバ内に位置するらせん状の表面;および
・上記の特性にそれぞれ準拠した複数の流路を有するように形成された限定ラビリンス
とすることができる。
上記の例全てにおいて、流路は、断熱特性を有する、すなわち、熱伝導が低い材料から作製することができる。こうした材料の一例はプラスチックとすることができる。
動作の際には、いくつかの追加のステップが、基本構成に関して説明したような基本動作ステップ(a)および(b)に以下のように追加される:
(b’’’)[ステップ(b)の前に実行される]低温の作動媒体は、圧力容器の導管を貫通して圧力媒体との熱交換プロセスによって加熱されるが、低温リザーバに戻る代わりに勾配タンク中に導入される。低温の作動媒体のうちの圧力容器から最初に出る部分が(圧力媒体がこの熱交換プロセス中に徐々に冷却されるので)最後の部分よりも高い温度の勾配に達することが理解される。勾配タンクの設計により、これらの各部分をそれぞれ独自の温度に維持することが可能になり、そのため、最後には、勾配タンク内の最も上にある部分が最も高い温度になり、勾配タンク内の最も低い部分が最も低い温度になる。
(b’’’’)[ステップ(b)の後に実行される]勾配タンク内の作動媒体が再度循環してLIFO(後入れ先出し)の順序で圧力容器を通って戻り、それにより、徐々に圧力媒体を中温に加熱し、その次にのみ動作ステップ(a)を始める。
本質的には、発電機のこれらの動作ステップは「閉じ込める(stall)」動作を説明し、その動作では、勾配タンク内の作動媒体WMが適切な時刻まで内部に保持され(閉じ込められ(stalled))、次いで、発電機の配管中に放出して必要な熱交換プロセスを実行する。
加熱/冷却された圧力容器を貫通する中温作動媒体の各部分がその圧力容器から放出されて、異なる温度になることが理解される。例えば、システムの動作が定量化して確認される場合は、温度TINTERMEDIATEの中温作動媒体が高温THOT>TINTERMEDIATEの圧力媒体を収容する加熱された圧力容器を通って循環しているときは、圧力容器から中温作動媒体の第1の部分が温度THOT’(TINTERMEDIATE<THOT’<THOT)で放出され、圧力容器から作動媒体の第2の部分が温度THOT’’(TINTERMEDIATE<THOT’’<THOT’<THOT)で放出され、以下同様である。同様のプロセスが、単にTINTERMEDIATE>TCOLD’’>TCOLD’>TCOLDになるだけで、冷却された圧力容器を貫通する中温作動媒体に起きる。温度THOT、TINTERMEDIATE、およびTCOLDは、各高温/中温/低温リザーバ内の作動媒体の高温/中温/低温に対応する。
上記の機構により、発電機内で熱回収を実行する別の手法が与えられ、それにより、その効率がさらに向上する。LIFO構成の利用により、(最低温度部分から先に開始して)圧力媒体を徐々に加熱することが可能になって、作動媒体の各部分の熱量がより良好に使用されることも理解される。
加熱された低温作動媒体と冷却された高温作動媒体の両方に勾配タンクを使用できることも理解される。以下に詳細に説明する特有の例によれば、発電機は、勾配タンクを2つ以上備えることができる。例えば、圧力容器はそれぞれ、その独自の勾配タンクを備えることができ、かつ/または勾配タンクは高温/低温の作動媒体のために設けられる。
特定の機構によれば、熱勾配回収構成を、2重動作構成と組み合わせることができ、その際の発電機の動作を以下のように説明することができる:
第1の段階では、上記で説明した(勾配タンクなしの)例と同様に、温度THOTの高温の作動媒体は、内部に収容された圧力媒体を加熱するために一方の圧力容器を貫通し、同時に、温度TCOLDの低温の作動媒体は、内部に収容された圧力媒体を冷却するために他方の圧力容器を貫通する。この段階の後に、一方の圧力容器内の圧力媒体は、温度THOT’<THOTまで加熱され、他方の圧力容器内の圧力媒体は、温度TCOLD’>TCOLDまで冷却される。
その後、返還ステップが実行され、その返還ステップ中に、温度TINTERMEDIATEの中温作動媒体が、内部の圧力媒体を冷却/加熱するために両方の圧力容器を貫通する。具体的には、加熱された圧力容器を貫通する中温作動媒体は、後者との熱伝達プロセスを実行し、それをTINTERMEDIATEに近い温度まで冷却し、冷却された圧力容器を貫通する中温作動媒体は、後者との熱伝達プロセスを実行し、それをTINTERMEDIATEに近い(がTINTERMEDIATEには達しない)温度まで加熱する。
しかし、中温作動媒体が圧力容器を貫通した後にラジエータを介して中間リザーバに戻る上記の例とは対照的に、本例では、中温作動媒体は2ビートの連続動作で勾配タンクに流入する。
その連続動作の第1のビート中には、加熱された中温作動媒体のうちの圧力容器を出る第1の部分は、温度THEATED(TINTERMEDIATE<THEATED<THOT’)であり、作動媒体の第2の部分は、温度THOT’(TINTERMEDIATE<THEATED’<THEATED<THOT’)で圧力容器から放出され、以下同様である。加熱された作動媒体は、加熱された作動媒体の異なる部分を勾配タンクが内部に収容しそれらの間の温度の勾配を維持するようにその独自の圧力容器の勾配タンク内を通る。
同時に、冷却された中温作動媒体のうちの圧力容器を出る第1の部分は、温度TCOOLED(TINTERMEDIATE>TCOOLED>TCOOL’)であり、作動媒体の第2の部分は、温度TCOOLED’(TINTERMEDIATE>TCOOLED’>TCOOLED>TCOOL’)で圧力容器から放出され、以下同様である。冷却された作動媒体は、冷却された作動媒体の異なる部分を勾配タンクが内部に収容しそれらの間の温度の勾配を維持するようにその独自の圧力容器の勾配タンク内に通る。
いずれの場合にも、加熱された圧力容器内の加熱された圧力媒体がこのステップ中には決してTINTERMEDIATEに達しないので、それを貫通する中温作動媒体も温度TINTERMEDIATEで圧力容器を離れることは決してなく、常にわずかに高い温度であることに留意することが重要である。言い換えると、加熱された中温作動媒体の各部分は、温度THEATED n(TINTERMEDIATE<THEATED n<THOT)である。同時に、冷却された圧力容器内の冷却された圧力媒体もこのステップ中に決してTINTERMEDIATEに達しないので、それを貫通する中温作動媒体も温度TINTERMEDIATEで圧力容器を離れることは決してなく、常にわずかに低い温度である。言い換えると、冷却された中温作動媒体の各部分は、温度TCOOLED n(TINTERMEDIATE>TCOOLED n>TCOOL)ある。
各勾配タンクの非混合機構により、各勾配タンク内の作動媒体は、温度勾配を有するように維持されて、加熱/冷却された中温作動媒体の異なる部分の混合を遅らせる。
連続動作の第1のビートが完了すると、各勾配タンクの大部分が、リザーバの両端で温度が変わる加熱/冷却された中温作動媒体で充填される。この時点で、交差ステップとも呼ばれる連続動作の第2のビートが実行される:
加熱された圧力容器の勾配タンク(すなわち、第1のビート中に使用された、加熱された中温作動媒体を収容する勾配タンク)からの作動媒体は、低温作動媒体によって以前に温度TCOLDまで冷却された圧力媒体を収容する反対側の(冷却された)圧力容器を貫通し、冷却された圧力容器勾配タンク(すなわち、第1のビート中に使用された、冷却された中温作動媒体を収容する勾配タンク)からの作動媒体は、高温の作動媒体によって以前に温度THOT’まで加熱された圧力媒体を収容する反対側の圧力容器を貫通する。
さらに、勾配タンクからの作動媒体は、先入れ後出し(FILO)順序で、すなわち、加熱された中温作動媒体のうちの勾配タンクに最後に入る部分(加熱された中温作動媒体のうちの最も低温の部分でもある)が、反対側の圧力容器を貫通する最初の部分になるようにして、反対側の圧力容器に流れる。このようにして、交差ステップ中にここで低温/高温圧力容器を貫通する作動媒体の温度が、常に徐々に上昇/低下する。
加熱された作動媒体のうちの最も低温の部分でさえ温度THOT n>TINTERMEDIATE>TCOLD’であり、冷却された中温作動媒体も最も高温の部分でさえ温度TCOLD n<TINTERMEDIATE<THOT’であることが留意される。したがって、冷却された圧力媒体TCOLD’/加熱された圧力媒体THOT’と、加熱された中温作動媒体THOT n/冷却された中温作動媒体TCOLD nのうちの最も低温/高温の部分との間の温度差が、前者とTINTERMEDIATEの中温作動媒体と間の上記の温度差よりもずっと大きいことが理解される。
交差ステップをLIFO順序で実行する理由の1つは、先入れ先出し(FIFO)順序を使用した場合に、加熱/冷却された中温作動媒体のうちの最も高温の部分/最も低温の部分が、加熱/冷却された中温作動媒体の最も低温/最も高温の部分が熱伝達プロセスへの影響をほとんど有しない、圧力媒体とのこうした強力な熱伝達プロセスを実行することであることも留意される。LIFO順序を用いると、作動媒体の各部分を良好に利用することが可能になる。
上記のステップ(切り替えステップ)中に、加熱された中温作動媒体と冷却された圧力媒体との間で熱伝達が行われ、その結果、冷却された圧力媒体の平均温度になり、その温度は、相対的にTAV_C=(TCOLD’+THEATED n)/2である。同時に、冷却された中温作動媒体と加熱された圧力媒体との間で熱伝達が行われ、その結果、冷却された圧力媒体の平均温度になり、その温度は、相対的にTAV_H=(THOT’+TCOOLED n)/2である。
上記で論じた温度差(すなわち、TINTERMEDIATE<THEATED n<THOT’およびTINTERMEDIATE>TCOOLED n>TCOLD’)により、温度TAV_CおよびTAV_Hは、TINTERMEDIATEの中温作動媒体のみが圧力媒体を冷却/加熱するために使用された場合に実現される、対応する平均温度TAV_C’およびTAV_H’よりも高温/低温であることに留意されたい。
両方の圧力容器の圧力媒体が熱伝達プロセスを終了し温度TAV_CおよびTAV_Hに達した後で、主要サイクル(ステップ(I)および(III))が繰り返されるが、ここで高温の作動媒体が以前に冷却された圧力容器に流れ、ここで低温の作動媒体が以前に加熱した圧力容器に流れる。
したがって、切り替えステップは、発電機の上記で説明した例を改善することができ、圧力媒体とのより効率的な熱伝達プロセスが可能になり、その結果、加熱/冷却された圧力媒体は、TINTERMEDIATEにずっと近い温度まで加熱/冷却した後に戻り、TINTERMEDIATEよりも低い/高いの温度に達することもできる。
連続動作の両方のビートで、中温作動媒体(必ずしも温度TINTERMEDIATEではないが)は、ラジエータを貫通して、外部周囲環境(通常外気であるが、ラジエータが浸漬される他の任意の媒体とすることもできる)との熱伝達プロセスを行うことが可能になる。
発電機の動作中はずっと、作動媒体および圧力媒体の熱力学的な働きによって、発電機は常に熱を発生させ、その熱は、ラジエータを通して周囲環境に放出される。より具体的には、その機構は、加熱された中温作動媒体の温度上昇が、冷却された中温作動媒体の温度低下よりもわずかに大きくなるようになっている。上昇/低下のこの差は、中温作動媒体のわずかな過熱によって現れ、すなわち、過剰な熱が生成される。しかし、これは、ラジエータを介してそうした過剰な熱を追い出すことによって補償される。
発電機全体、より具体的には、高温/低温/中温作動媒体を通すように構成された発電機の配管全てが、常に、一定の圧力下にある(すなわち、循環させるかさせないかに関わらずパイプの各部分に存在する作動媒体が常にある)ことにも留意されたい。したがって、システムの初期の位置では、勾配タンクは、内部に中温水(すなわち、温度TINTERMEDIATEの水)を収容している。この連続動作の第1のビート中には、加熱/冷却された中温作動媒体が勾配タンクに入るときに、以前に内部に収容されていた作動媒体は、放出され再循環して温度TINTERMEDIATEの中温作動媒体を収容する副次的格納リザーバに戻る。
切り替えステップ(この連続動作の第2のビート)中には、勾配タンク内に収容された作動媒体を適切な圧力容器中にポンプ輸送するために、中温作動媒体が勾配タンクに循環し、したがって、加熱/冷却された中温作動媒体がリザーバから押し出され、所望の圧力容器に押し込まれる。この連続動作の第2のビート中には、実際には中温作動媒体のみが発電機の配管を通って循環するようにリザーバ(高温/低温/中温)が循環する流体から遮断されることが留意される。
発電機は、高温/低温/中温作動媒体ならびに加熱/冷却された圧力媒体に対して制御を行うように構成されたサーモスタットを1つまたは複数備えることもできる。例えば、1つまたは複数のサーモスタットを、発電機がそれに囲まれる周囲環境(空気、水など)と概して同じ温度に中温作動媒体を維持するように構成することができる。
アキュムレータの構成
上記の構成によれば、発電機はさらに、格納作動媒体を収容するアキュムレータ・ユニットを備えることができる。アキュムレータ・ユニットは加熱機構を備え、その加熱機構は、発電機が供給する出力電力によって動作するように構成されている。
アキュムレータ・ユニットは、それぞれ入口弁および出口弁に連結した対応する入口ラインおよび出口ラインを介して、圧力容器と選択的に流体連絡することができる。
動作の際には、発電機の出力電力の一部を使用して、加熱機構を動作させ、それにより、アキュムレータ・ユニット内に収容された作動媒体を加熱することができる。したがって、必要な瞬間に、高温リザーバを止めることができ、アキュムレータ・ユニットは必要な高温作動媒体を供給することができる。こうした機構下では、使用されない過剰な出力電力をアキュムレータ・ユニットに供給することができ、それにより、事実上アキュムレータとして動作する。
特有の例によれば、加熱要素は、加熱コイルまたは他の任意の要素とすることができ、その要素を加熱して格納作動媒体を加熱するように構成される。あるいは、加熱機構は、副次的熱ポンプ(図示せず)から構成することができ、アキュムレータ・ユニットは、コンパートメントを2つ備えることができ、それらのコンパートメントの一方が副次的熱ポンプの蒸発器側と熱連絡し他方が副次的熱ポンプの凝縮器側と熱連絡する。
特に、各コンパートメントは、対応する入口ラインおよび出口ラインがそれぞれ取り付けられたそれぞれの入口を有することができる。その機構を、出口が高温コンパートメントの上端部に配置され、入口が高温コンパートメントの底端部に配置されるようにすることができる。対照的に、低温コンパートメントの出口を、コンパートメントの底端部に配置することができ、その入口を、コンパートメントの上端部に配置することができる。
上記の機構により、高温の作動媒体を高温コンパートメントの高温領域から引き抜き、その作動媒体を高温コンパートメントの低温領域に戻すことが可能になる。それに応じて、この機構により、低温の作動媒体を低温コンパートメントの低温領域から引き抜き、その温度の作動媒体を低温コンパートメントの高温領域に戻すことが可能になる。
動作の際には、コンパートメント内の副次的作動媒体がそれぞれ高温/低温リザーバの媒体と同様の温度に達すると、主要熱ポンプが一時的にその動作を中止している間に、その副次的作動媒体を発電機の動作において使用することができる。
アキュムレータが、熱ポンプと直接加熱要素(例えば、コイル)の両方を備え、その両方と組み合わせて働くことができる。具体的には、高温コンパートメントは、コンパートメント内に収容された格納流体を直接加熱するように構成されたヒータを備えることができることが理解される。副次的熱ポンプの動作中には、高温/低温コンパートメント内の格納媒体は、加熱限度/冷却限度に達する(すなわち、最大/最小の温度限界に達する)ことができると理解される。こうした場合には、副次的熱ポンプの動作を中断することができ、次いで、ヒータを使用して高温コンパートメント内の格納媒体をさらに加熱することができる。
上記の機構の下では、副次的熱ポンプが中断されると、高温コンパートメント内の作動媒体を高温の作動媒体として使用でき、低温コンパートメント内の作動媒体が低温/中温の作動媒体として使用される。
本願の主題の上記の全ての態様において、それぞれの高温/低温リザーバのための熱源/冷却源を生成するために使用されるA/Cユニットは、いくつかのグレードを備えるカスケード機構の形態とすることができ、各グレードは基本A/C圧縮/膨張方式で動作する。
特に、カスケード機構は、高温リザーバに熱を供給する第1の末端グレードと、低温リザーバに必要な冷却源を供給するように構成された第2の末端グレードとを備えることができる。
グレードはそれぞれ、蒸発器部分、圧縮機、膨張部材、および凝縮器部分を備え、本質的に知られている凝縮器に高温源および蒸発器に低温源を供給するように、対応する圧縮および膨張を受けるように構成された流体(気体または液体)を収容する。
具体的には、各グレードの流体は、蒸発器温度TEVAP(n)および凝縮器温度TCOND(n)を有するように構成されており、ここでTCOND(n)>TEVAP(n)であり、nはグレードの数を指す。
カスケード機構は、あるグレードの凝縮器部分が後続のグレードの蒸発器部分との熱交換プロセスを実行するように設計されている。特に、その設計は、あるグレードの凝縮器の圧縮された流体の温度が、熱交換プロセスが行われる後続のグレードの蒸発器の膨張した流体の温度よりも高くなるようにすることができる。
各グレードは、閉ループで動作することができ、すなわち、各グレードの流体は、後続のグレードの流体と接触しない。具体的には、後続の2つのグレード間の熱交換プロセスを中間の部材、例えば、熱を伝導する面を介して実行することができる。
特有の例によれば、後続の2つのグレード間の熱交換プロセスは、直径D2<D1の外側チューブを貫通する直径D1の内側チューブを備える熱交換器内で起きる。内側チューブはあるグレードの凝縮器を構成し、外側チューブは後続のグレードの蒸発器を構成する。
したがって、動作の際には、その圧縮によって温度TCOND(n)まで加熱されたあるグレードの圧縮された流体は、内側チューブを通って流れ、その膨張によって温度TEVAP(n+1)<TCOND(n)まで冷却された後続のグレードの膨張した流体は、(内側チューブの周りを流れるように)外側チューブを通って流れる。その結果、熱交換プロセスは内側チューブの壁を介して行われ、加熱された流体は内側チューブの内面と接触し、冷却された流体は内側チューブの外面と接触する。この熱交換プロセスでは、熱は、内側チューブ内部を流れる流体から外側チューブを流れる流体に放出される。
熱交換器の設計を、内側チューブによって画定された体積が内側チューブの外面と外側チューブの内面との間に画定された体積よりも小さくなるようにできることに留意されたい。特に、外側チューブの内面はチューブの長手軸に垂直にとった断面が本質的に丸く、内側チューブの内面および/または外面は同じ断面を渦巻状にすることができる。
圧縮部分および蒸発器部分内の流動方向は、平行、すなわち、圧縮された流体と膨張された流体の両方が同じ方向に流れることができる(平行熱交換器の場合のように)。あるいは、流動方向は、反対にすることができ、すなわち、圧縮された流体および膨張した流体が(向流形熱交換器の場合のように)反対方向に流れる。
各グレードは、異なる流体を収容することができ、異なる温度範囲で動作するように構成される。特に、同じグレード内では、凝縮器内の流体の高温TCONDと、蒸発器内の流体の低温TEVAPとの間の差は、全てのグレード間で概して同様にすることができる。例えば、温度差を約30℃にすることができる。
特有の例によれば、カスケード機構はグレードを7つ備えることができ、各グレードが約30℃の温度範囲Δで動作し、第1のグレードの蒸発器における流体の温度TEVAP(1)は0℃と同程度に低く、凝縮器における流体の温度TEVAP(7)は245℃と同程度に高い。
全てのグレードにおいて、あるグレードの蒸発器内の膨張した流体の温度は、常に、後続のグレードの凝縮器内の圧縮された流体の凝結温度よりも低いことが留意される。言い換えると、TEVAP(n)<TCOND(n+1)。
発電機はコントローラを備えることもでき、そのコントローラは、あるグレードの流体の圧縮温度と、後続のグレードの流体の膨張温度との間の所望の差を維持するように、各グレードの圧縮機および/または膨張バルブの動作を調整するように構成されている。
上記で説明したように、各グレードは、蒸発器から凝縮器の間で前進する間にそのグレードで循環する流体を圧縮するように構成された圧縮機を備えることができる。凝縮器と蒸発器との間の温度範囲を各グレード内で概して同様に維持するためには、そのグレードの圧縮機は、各グレードが異なるCOPで動作するように構成されるように異なる電力消費を有することができる。
その理由は、加熱/冷却の場合のCOPが高温/低温によって割る温度差として計算されることである。したがって、27℃と57℃との間の30℃の凝縮器/蒸発器の差を有するグレードは、COPが90℃と120℃との間の30℃の凝縮器/蒸発器の差を有するグレードとは異なる。
あるいは、各グレードは、同じ圧縮機を具備することができる(すなわち、同じ電力を供給する)。しかし、こうした機構の下では、各グレード内の凝縮器/蒸発器の(低温から高温の)温度差は、徐々に低減される。例えば、第1のグレードの場合のΔは、第1のグレードでは30℃、第2のグレードでは24℃、第3のグレードでは20℃、以下同様にすることができる。
グレードを複数有するカスケード機構を使用すると、それぞれ全体の温度差が高温リザーバTHOTと低温リザーバTCOLDとの間になることが理解される。上記の例のように、7つのグレードはそれぞれ、約30℃をもたらすことができ、それにより、温度差が240℃になる。
温度差240℃の単一の圧縮/膨張サイクルは、COPが7つの圧縮機よりもずっと低くなり、それぞれ特有の圧縮/膨張サイクルをもたらすことを理解されたい。その結果、単一の圧縮/膨張サイクルで廃棄されることになるエネルギーは、カスケード機構よりも大きく、後者はここで説明する発電機に関してより効率的になる。
上記で説明したように、発電機は、圧力容器内の圧力流体の加熱/冷却の後に作動媒体が周囲環境との熱交換プロセスを実行できるように構成されたラジエータを備えることができる。
特定の設計によれば、高温作動媒体は、圧力流体を加熱し(次いで冷却し)た後で高温リザーバに直接戻され、低温の作動媒体は、圧力流体を冷却し(次いで加熱し)た後で周囲環境によって冷却されるためにラジエータを貫通する。
ラジエータ・ユニットは、周囲環境の温度および結果として生じる低温作動媒体の温度に従って制御されるように構成することができ、したがって、低温作動媒体が概して一定かつ所定の温度ラジエータ・ユニットを離れる。
より具体的には、ラジエータ・ユニットは、ラジエータによって行われる冷却速度を決定するように構成され制御要素と、一方でラジエータ・ユニットを離れる低温作動媒体の温度を測定し、他方で制御ユニットにそのデータを提供するように構成された感知ユニットとを備えることができる。
例えば、低温の作動媒体がラジエータ・ユニットを離れ所定の温度Tで低温リザーバに入ることが望ましい場合は、その感知ユニットは、ラジエータ・ユニットを離れる低温作動媒体の温度T’を測定する:
(a)T’>Tの場合は、感知ユニットは、この示度を制御ユニットに提供し、その制御ユニットにより、(例えば、冷却ファンの回転速度を上昇させることによって)ラジエータ・ユニットの冷却速度が上昇して、温度T’が低下する;
(b)T’<Tの場合は、感知ユニットは、この示度を制御ユニットに提供し、その制御ユニットにより(例えば、冷却ファンの回転速度を低下させることによって)ラジエータ・ユニットの冷却速度が低下して、温度T’が上昇する
上記をを参照すると、カスケード機構を使用するときは、その構成は、ラジエータ内の熱交換プロセスが、低温リザーバに関連するカスケード機構の第1のグレードに入る低温の作動媒体との間で起きるようになっている。特に、こうした熱交換プロセスにより、低温の作動媒体が(ここでは圧力容器を貫通した後で加熱され)温度T’≒TENV、TCOND>TENV>TEVAPになり、ここでTCONDは、第1のグレードの凝縮器において圧縮された流体の高い温度であり、TEVAPは、第1のグレードの蒸発器において膨張した流体の低い温度である。
各グレードは(その圧縮機に応じて)所定の温度範囲に対して設計され、すなわち、低温の端部(蒸発器)から所定の量の熱を除去するように構成されていることに留意されたい。蒸発器が圧縮機がそのグレードの圧縮/膨張サイクルにおいて引き抜くことができるよりも多くの熱を供給する周囲環境に配置される場合は、そのグレードは効率が下がる(すなわち、圧縮機は蒸発器から熱をうまく除去することができない)。
したがって、カスケード機構はさらに、周囲環境の温度に従って、その動作および温度範囲全体を調節するように構成することができる。より具体的には、周囲環境の温度がTENV>TCOND>TEVAPになるように上昇し、カスケード機構の第1のグレードの効率が(上記で説明したように)下がる場合は第1のグレードを回避し低温リザーバを第2のグレードにつなげるようにカスケード機構を構成することができる。
上記の機構の下では、低温TEVAP(1)と高温TCOND(7)との間で動作する代わりに、カスケード機構は、ここでは、低温TEVAP(2)と高温TCOND(7)の間で動作する。したがって、高温リザーバと低温リザーバとの間の温度差全体は低下するが、カスケード機構の効率は概して同じままである。
上記の調節を実行するためには、カスケード機構はバイパス・モジュールを有することができ、そのバイパス・モジュールは、第2のグレードに関連し低温リザーバ内に配置された蒸発器を備える。そのバイパス・モジュールはさらに、バルブを備えることができ、そのバルブは、第1のグレードを完全に停止することを可能にし、第2のグレードの圧縮された流体を第2のグレードの元の蒸発器の代わりにバイパス・モジュールの蒸発器内で膨張させる。
発電機の特定の設計によれば、発電機は以下の特性を含むことができる:
・複数の圧力容器−発電機の側部(左/右)はそれぞれ、圧力容器を4つ備え、各圧力容器が、上記の例に関連して説明した圧力容器と同様の構造のものである;
・線形のコア連結−各容器が、コアを6つ備えるが、上記の例とは対照的に、それらのコアは、長い(上記で説明した平行の連結と比べて6倍長い)作動媒体流路を形成するように互いに線形に連結される;
・線形の容器連結(作動媒体)−各側の4つの圧力容器のコアは、さらに長い作動媒体流路を形成するように互いに線形に連結される;
・線形の容器連結(圧力媒体)−高い圧力の媒体を収容する各側の4つの圧力容器のコンパートメントも、高圧の連結部を介して互いに流体連絡しており、それにより、長い圧力媒体流路が形成される;
・外部の低温リザーバ−A/Cユニットの蒸発器から構成された低温リザーバは、周囲環境に曝露され、それを通る作動媒体の循環には使用されない。
動作の際には、発電機の一方の側の全サイクルは、以下のステップを含むことができる(反対側は単にずれているだけで同じステップを受けることを考慮にいれる):
a)高温作動媒体が、A/Cユニットの凝縮器端部から24個のコア(4つの圧力容器それぞれに6つのコア)の長さに沿って通り、それにより、圧力媒体の温度がその最高動作温度まで上昇し、同時にその高温作動媒体がより低い温度に冷却されるステップ;
b)4番目の圧力容器の最後のコアから、冷却された高温作動媒体が、内部に残った熱の少なくとも他の一部をそこから追い出すために、ラジエータを貫通した後にA/Cユニットの凝縮器端部に戻されるステップ;
c)中間リザーバからの周囲温度の中温作動媒体が、4つの圧力容器の24個のコアを全て貫通し、それにより、圧力媒体の温度が最大動作温度よりも低い温度に低下し、同時にその中温作動媒体がより高い温度に加熱されるステップ;
d)最後のコアから、中間の作動媒体が、勾配タンク中に流れて、勾配タンクに入る中温作動媒体の第1の部分が最高の温度であり勾配タンクに入る最後の部分が最低の温度であるように、そこに格納されるステップ;
e)中間リザーバからの周囲温度の中温作動媒体が、4つの圧力容器の24個のコアを全て貫通し、それにより、圧力媒体の温度をさらに最低動作温度まで低下させ、同時にその中温作動媒体がより高い温度に加熱されるステップ;
f)最後のコアからは、中間の作動媒体が、中間作動リザーバに戻るように流れて、ラジエータを貫通して、さらに他に熱がある場合はそれを周囲環境に追い出すステップ;
g)勾配タンクからの加熱された中温作動媒体は、4つの圧力容器のコアを貫通し、それにより、圧力媒体を最低動作温度を超えるが最高動作温度よりも低い温度に徐々に加熱するステップ。徐々に加熱することは、勾配タンクに入る最後の部分(やはり最低温度である)が最初にコアを通って流れるLIFO機構を使用して実行される;
h)最後のコアから、中温作動媒体が、中間リザーバ中に流れ、その間に、ラジエータ・ユニットを貫通してさらに他に熱があればそれを周囲環境に追い出すステップ;
i)ステップ(a)から繰り返すステップ。
特に、ステップ(a)および(b)、ならびに(e)および(f)は、第1の期間の間継続することができ、ステップ(c)および(d)、ならびに(g)および(h)は、第1の期間よりも長い第2の期間の間継続することができる。具体的には、第2の期間は、第1の期間よりの2倍の長さとすることができる。特定の例では、第1の期間を約5秒とすることができ、第2の期間を約10秒とすることができる。
発電機を、様々な電力を必要とするシステム、例えば、家庭用、乗り物(例えば、車両、船舶、航空機、潜水艦など)、工業システムなどで利用することができる。特に、外気でなく媒体に少なくとも部分的に浸漬されるときに動作するように構成されたシステムの例では、発電機を、こうした特定の媒体を作動媒体として使用するように構成することができる。例えば、発電機が海上を航行する船舶で使用される場合は、作動媒体を海水とすることができる。
圧力媒体に関しては、以下のことに留意されたい:
・圧力媒体を予め導入するときに、その熱伝達係数が上昇する;
・圧力媒体を予め導入するときに、圧力媒体の体積膨張係数が低下する;
・圧力媒体を予め導入するときに、圧力媒体の濃度が上昇する;
・圧力媒体の濃度が高いほど、圧力下での体積の変化の影響が小さくなる;
・圧力媒体を予め導入するときに、圧力媒体の濃度が上昇する;
・圧力媒体を予め導入するときに、熱容量が低下する;
・圧力媒体を予め導入するときに、圧力媒体の粘度が上昇する。
上記に加えて、本願の発電機は、以下の特性を組み込むことができる:
・発電機の動作中に、ある動作ステップから後続のステップに切り替えるときに、入口弁を選択的に開くことに対して出口弁を選択的な開くのを遅らせることが有益な場合がある。例えば、ステップ(a)では、高温の作動媒体が入口弁と出口弁の両方が高温リザーバと流体連絡するようにコアを貫通し、ステップ(b)では、低温の作動媒体が、入口弁と出口弁の両方が低温リザーバと流体連絡するようにコアを貫通する。(a)から(b)に切り替えるときには、出口弁が高温リザーバと流体連絡したままになるように、コア内に収容された高温作動媒体が全て完全に高温リザーバに戻るまで出口弁の選択的な切り替えを遅らせて、その次にのみ、低温リザーバと流体連絡するように出口弁を切り替えることが有益な場合がある;
・コア内の静的ならせんを、作動媒体から熱を吸収しないように熱伝達係数が非常に低い材料から作製することができる。こうした材料の例は、熱伝達係数が約0.1の繊維ガラスとすることができる;
・発電機は、複数の勾配タンクを備えることができ、その一部は、高温の作動媒体とのみ使用するように指定されており、その他は低温の作動媒体とのみ使用されるように指定されている;
・コアは、圧力に対してコアの抵抗を増大させる補強リブ有するように形成することができる。抵抗が増大すると、コアの壁の厚さを低減することが可能になり、それにより、作動媒体と圧力媒体との間の熱伝達が上昇する;
・内部に収容された作動媒体の沸点を上昇させ、それにより、熱をさらに吸収する可能にするように、アキュムレータを予め導入することもできる;
・アキュムレータ自体を、作動媒体サブシステムのためのバックアップとして使用することができる;
・発電機は、圧縮機の制御、それによる、空気調整ユニットのCOPの制御、バルブの動作の制御などを含む、発電機の動作を最適化するように構成されたコントローラを備えることができる;
・アキュムレータは、コンパートメントを2つ備えることができ、一方は高温格納媒体を収容し、他方は低温格納媒体を収容する;
・アキュムレータのコンパートメントは、勾配タンクと同様に内部の熱勾配が可能になるような垂直方向を有することができる;
・約1MWを発生させる発電機は、約30トンの重さを有することができる。さらに、約100平方メートルの面積を占有する;
・アキュムレータは、住宅/事務所/工場のための直接的な温水供給源/冷水供給源として使用することができる;
・アキュムレータ・ユニットを使用すると、(アキュムレータが熱ポンプを使用して動作するときに)発電機全体を電力容量を66%程度だけ低減することができ、それにより、発電機システムの寸法を2/3程度縮小することが可能になる。
次に、本発明を理解し、実際にどのように実行できるかを理解するために、いくつかの実施形態を、添付の図面を参照しながら単なる非限定的な例によって説明する。
図Aを参照すると、差熱モジュール、圧力モジュール、および変換モジュールを備えた本発明の発電機の基本的な機構を表示する概略図が示されている。
差熱モジュールは、第1の高温リザーバおよび第2の低温リザーバを備え、それらの各リザーバは、内部にそれぞれ高温/低温の作動媒体WM(図示せず)を収容している。第1の高温リザーバは、熱ポンプHPの凝縮器端部CEと熱的に関連し、そのため、(電力W1の供給下で)熱ポンプHPが動作すると、第1のリザーバ内の作動媒体WMを高温に維持するように熱Qが凝縮器端部に供給される。第2の低温リザーバは、周囲環境と熱的に関連している。
リザーバはそれぞれ、入口弁Iを介して圧力モジュールの圧力容器PVの入口と選択的に流体連絡する入口ラインILと、出口弁Oを介して圧力容器PVの出口と選択的に流体連絡する出口ラインOLと備える。
圧力容器PVは、その内部に圧力媒体PMを収容し、中心導管Cが内部を貫通するように形成されている。その中心導管Cが入口弁Iおよび出口弁Oと流体連絡して、作動媒体WMがリザーバから中心導管C中を通ることが可能になる。
圧力容器PVは、圧力媒体PMと流体連絡した圧力ラインPLを備え、その圧力ラインPLは、変換モジュールと流体連絡している。さらに、変換モジュールは、圧力ラインPLと流体連絡したピストンPと、発電機とを備える。ピストンは、往復運動するように構成されており、その往復運動は、出力電力W2の生成のために発電機によって利用される。
動作の際には、高温/低温の作動媒体WMは、圧力容器中に選択的に供給されて、圧力媒体PMの膨張および収縮が起き、その結果、ピストンPが往復運動する。具体的には、以下のステップが実行される:
a)高温の作動媒体WMを、高温リザーバから入口弁I中に通し、導管Cを通して出口弁Oから出して高温リザーバ中に戻すステップ。高温の作動媒体WMと圧力媒体PMとの間の熱交換プロセスの結果、高温の作動媒体WMが冷却され圧力媒体PMが最高動作温度まで加熱される。加熱されるときは、圧力媒体PMはその体積が増大し、ピストンPを右に変位させる。
b)低温の作動媒体WMを、低温リザーバから入口弁I中に通し、導管Cを通して出口弁Oから出して低温リザーバに戻すステップ。低温の作動媒体WMと圧力媒体PMとの間の熱交換プロセスの結果、作動媒体WMが加熱され、圧力媒体PMが最低動作温度まで冷却される。冷却されるときは、圧力媒体PMはその体積が減少し、ピストンPを左に変位させる。
上記のステップを繰り返し実行すると、ピストンPが左右に往復運動し、それにより、発電機による電気の生成が可能になる。
以下のことに留意されたい:
冷却された高温作動媒体WMは、高温リザーバに戻ったときに、元の高温に戻るように、熱ポンプの凝縮器端部から熱を自由に吸収する;
加熱された低温作動媒体WMは、低温リザーバに戻ったときに、冷却されてその温度が元の低温に戻るように、少なくとも一部の熱を周囲環境に放出する;
導管Cの長さに応じて、入口弁Iの位置を選択的に切り替えて低温リザーバと流体連絡させた後に、遅れて出口弁Oの位置を選択的に切り替えて低温リザーバと流体連絡させることが有益な場合がある。このようにして、ステップ(b)を実行開始する際は、導管C内に収容された高温の作動媒体WMを、まずその出口ラインOLを通して高温リザーバ中に押し出し、その次にのみ、出口弁Oを選択的に切り替えて低温リザーバと流体連絡させる。ステップ(b)からステップ(a)に切り替えるときにも同じことが言える;
熱力学の動作の点から、熱ポンプHPは、ある量の仕事W1を加えることによって、ある量の熱Q’(蒸発器が熱連絡した周囲環境から吸収した熱)をその蒸発器端部から凝縮器端部中に引き抜く。したがって、高温リザーバの高温作動媒体WM内に収容される熱量Qは、Q=Q’+W1である。
動作の際には、熱量Qは、熱交換プロセスによって圧力媒体PMに供給され、そのため、熱量Qの一部Q1はピストンPを変位させるために使用され、少なくとも一部の熱量Q2は圧力媒体PMとの熱交換によって低温の作動媒体WMに吸収される。
加熱された低温作動媒体WMが出口ラインOLを介して通る間に、ある量の熱Q2が放出されて外部周囲環境に戻され、その周囲環境から、熱ポンプHPの蒸発器端部に自由に再度引き込まれる。こうした機構により、ある特定の量の熱Q2を発電機によって回収する(すなわち、回収機構)。
熱量Q2が、熱ポンプHPの熱力学プロセスに関与する熱量Q’よりも小さく、したがって、熱ポンプが、常に(Q2に加えて)追加の熱を周囲環境から引き抜いて、凝縮器端部に全熱量Q’を供給可能であることが理解される。
変換ユニットの発電機によって供給される出力仕事量W2は、それによりエネルギーに変換される熱量Q1に応じて変わる。その機構により、熱量Q1がQ’+W1よりも大きく、そのため、供給される出力エネルギーW2がW1よりも大きくなるようになっている。
具体的には、熱ポンプHPが発電機内で熱を循環させるために使用されるので、入力仕事量W1が、熱ポンプのCOP(成績係数)に応じて、ある量の熱Q’>W1を排出するのに十分であることが理解される。例えば、COP=3の下では、熱ポンプは、W1=1KWの印加の下で、熱Q’=2KWを蒸発器から凝縮器に引き抜く。したがって、熱量Q1は、W1よりも大きくすることができ、それにより、出力エネルギーW2>W1を発生させることができる。
次に図Bを参照すると、直接熱回収機構を表示する代替の機構が示されている。この機構下では、低温リザーバの出口ラインLOは、圧力容器から出る際に直接低温リザーバには戻らないが、そうではなく、最初に熱ポンプHPの蒸発器端部を貫通する。このようにして、熱Q2は、周囲環境に放出され蒸発器端部から熱ポンプによって再吸収される代わりに、熱ポンプHPの蒸発器端部に直接戻り、それにより、発電機の動作効率が向上する。
次に図Cを参照すると、(上記の例のように)第1の高温リザーバが熱ポンプHPの凝縮器端部と熱連絡し、低温リザーバが熱ポンプHPの蒸発器端部と熱連絡している、冷却リザーバ機構を表示する、発電機のさらに別の代替機構が示されている。
上記の機構下では、低温の作動媒体WMは、圧力媒体PMとの熱交換プロセスの際に、圧力媒体PMからは部分的な量の熱Q2を、周囲環境からは残りの量のqを回収して、熱量Q’を蒸発器端部から熱ポンプHPの凝縮器端部に供給する。
次に図Dを参照すると、圧力容器の2重の動作を表示する発電機の別の機構が示されている。具体的には、圧力モジュールが圧力容器を2つ備え、各圧力容器は一方で高温/低温リザーバと選択的に流体連絡し、他方でその所有のピストン機構と流体連絡することが確認される。こうした機構はさらに、各ピストンが発電機と機械的に連結して両方のピストンの往復運動が出力電力の生成のために発電機によって使用されるようになっている。
上記の機構下では、一方の圧力容器が高温リザーバと流体連絡するときは、他方の圧力容器が低温リザーバと流体連絡し、その逆も同様である。したがって、一方の圧力容器内の圧力媒体PMが加熱されるときは、他方の圧力容器内の圧力媒体PMが冷却され、その逆も同様である。
上記の機構下では、ピストンの往復運動は、両方のピストンが概して同じ方向に概して同時に変位するように調整される。言い換えると、下側の圧力容器の圧力媒体PMの体積が増大しそのピストンを右に押すときは、上側の圧力容器の圧力媒体PMの体積は減少しピストンを左に変位させ、その逆も同様である。用語「上側(top)」および「下側(bottom)」は単に説明のために用いられことが留意され、以下の機構に示すように、ピストンを横に並べて配置することもできる。上記の機構により、互いに相互連結された(2つのみではない)複数の圧力容器の使用が可能になることも理解される。
次に図Eに注目すると、図には、発電機が3つのリザーバ:高温/中温/低温リザーバを備えた、中間リザーバ機構を表示する発電機のさらに別の例が示されている。この機構は、図Cに示す冷却リザーバ機構の組み合わせであり、中温の作動媒体を収容する追加の中間リザーバが追加されている。高温/中温/低温リザーバはそれぞれ、圧力容器と選択的に流体連絡されている。
この機構下では、図Aに関して説明したステップ(a)および(b)に加えて2つの追加のステップ(a’)および(b’)が以下のように実行される:
(a’)[ステップ(a)の後に実行される]その間に、中温作動媒体WMが中温リザーバから圧力容器の導管を貫通し、それにより、圧力媒体PMの温度が(中温作動媒体WMとの熱交換プロセスによって)最高動作温度から(最高動作温度と最低動作温度との間の)中間動作温度に低下する;
(b’)[ステップ(b)の後に実行される]その間に、中温作動媒体WMが中温リザーバから圧力容器の導管を貫通し、それにより、圧力媒体PMの温度が(中温作動媒体WMとの熱交換プロセスによって)最低動作温度から(最高動作温度と最低動作温度との間の)中間動作温度に上昇する。
上記の機構に関して、中温リザーバを外部周囲環境と熱連絡させることができ、高温/低温リザーバがそれぞれ熱ポンプHPの凝縮器/蒸発器端部と熱連絡することが理解される。
次に図Fに移ると、発電機が(2重動作機構と同様に)圧力容器を2つ備え、出口弁がそれぞれ入口弁とも選択的に流体連絡する交差機構を表示する、発電機のさらに別の例が示されている。
具体的には、出口弁Oはそれぞれ、一方の圧力容器の出口弁と他方の圧力容器の入口弁との間を流体連絡させる交差ラインCOLも備える。こうした機構の下では、以下に説明するような追加の交差ステップを実行することが可能である:
(a’’)[ステップ(a’)の後に実行される]内部の圧力媒体を加熱開始しその次にのみ他方の出口弁を介して中温リザーバに戻すために、中間作動媒体WMは、一方の圧力容器PVの導管から出る際に、交差ラインCOLを介して他方の圧力容器PVの入口弁に供給される;
(b’’)[ステップ(b’)の後に実行される]内部の圧力媒体を冷却し、その次にのみ他方の出口弁を介して中温リザーバに戻すために、中間作動媒体WMは、一方の圧力容器PVの導管から出る際に、交差ラインCOLを介して他方の圧力容器PVの入口弁に供給される。
上記の機構により、圧力媒体PMからのより多くの熱回収が可能になる。より具体的には、熱を中温リザーバに戻す間にある特定の量の熱を周囲環境に放出する/から引き抜く代わりに、中温の作動媒体WMは、ここでは、圧力媒体PMとの熱交換の際にその量の一部を放出し/引き抜き、それにより、発電機の効率が向上する。
次に図Gに移ると、発電機が(基本の機構と同様に)圧力容器を1つと、出口弁Oと関連した勾配タンクとを備える熱勾配機構を表示する、発電機のさらに他の例が示されている。
勾配タンクは、内部に収容された作動媒体の一部が互いに混合されないように構成された機構を備え、それにより、それらの部分の間の熱伝達およびそれらの部分が熱平衡に達する速度が大幅に低減される。特に、勾配タンクは、本発電機で使用されるときは、T1≠T2≠他の温度になるように、作動媒体の第1の部分を温度T1で、作動媒体の第2の部分を温度T2で収容することができ、以下同様に行うことができる。
具体的には、次に説明するような発電機の動作の下で、勾配タンクにより、T1>T2>....>TnあるいはT1<T2<....<Tnになるように、内部に収容された作動媒体を、ある温度勾配に維持することが可能になる。
動作の際には、図Aに関して説明した基本の動作ステップ(a)および(b)にいくつかの追加のステップが以下のように追加される:
(b’’’)[ステップ(b)の前に実行される]低温の作動媒体WMは、圧力容器PVの導管を貫通して圧力媒体との熱交換プロセスによって加熱されるが、低温リザーバに戻る代わりに勾配タンク中に導入される。低温の作動媒体のうちの圧力容器から最初に出る部分が(圧力媒体PMがこの熱交換プロセス中に徐々に冷却されるので)最後の部分よりも高い温度の勾配に達することが理解される。勾配タンクの設計により、これらの各部分をそれぞれ独自の温度に維持することが可能になり、そのため、最後には、勾配タンク内の最も上にある部分が最も高い温度になり、勾配タンク内の最も低い部分が最も低い温度になる。
(b’’’)[ステップ(b)の後に実行される]勾配タンク内の作動媒体が再度循環してLIFO(後入れ先出し)の順序で圧力容器を通って戻り、それにより、徐々に圧力媒体を中温に加熱し、その次にのみ動作ステップ(a)を始める。
本質的には、発電機のこれらの動作ステップは「閉じ込める(stall)」動作を説明し、その動作では、勾配タンク内の作動媒体WMが適切な時刻まで内部に保持され(閉じ込められ(stalled))、次いで、発電機の配管中に放出して必要な熱交換プロセスを実行する。
上記の機構により、発電機内の熱回収を実行する別の手法が可能になり、それにより、さらにその効率が向上する。LIFO構成を使用すると、圧力媒体を(最低温度の部分を最初に始めて)徐々に加熱できて、作動媒体の各部分の熱量がより良く使用されることも理解される。
加熱された低温作動媒体WMと冷却された高温作動媒体WMとの両方の場合に勾配タンクを使用できることも理解される。以下に詳細に説明する特有の例によれば、発電機は、勾配タンクを2つ以上備えることができる。例えば、圧力容器はそれぞれ、それぞれ勾配タンクを備えることができ、かつ/または勾配タンクは、高温/低温の作動媒体のために設けられる。
次に図Hに移ると、発電機がさらに、格納作動媒体を収容するアキュムレータ・ユニットを備えたアキュムレータ(グリーンバッテリ)機構を表示する、発電機のさらに他の例が示されている。アキュムレータ・ユニットは、発電機から供給される出力電力W2によって動作するように構成された加熱機構を備える。
アキュムレータ・ユニットは、対応する入口ラインおよび出口ラインを介して圧力容器PVと選択的に流体連絡しており、それらの入口ラインおよび出口ラインは、それぞれ入口弁および出口弁に連結されている。
動作の際には、発電機の出力電力の一部を使用して加熱機構を動作させ、それにより、アキュムレータ・ユニット内に収容された作動媒体を加熱する。したがって、必要な瞬間に、高温リザーバを止めることができ、アキュムレータ・ユニットは必要な高温作動媒体を供給することができる。
上記の機構下では、使用されない過剰な出力電力をアキュムレータ・ユニットに供給することができ、それにより、事実上アキュムレータとして動作する。
特有の例によれば、加熱要素は、加熱コイルまたは他の任意の要素とすることができ、その要素を加熱して格納作動媒体を加熱するように構成される。あるいは、加熱機構は、副次的熱ポンプ(図示せず)から構成することができ、アキュムレータ・ユニットは、コンパートメントを2つ備えることができ、それらのコンパートメントの一方が副次的熱ポンプの蒸発器側と熱連絡し他方が副次的熱ポンプの凝縮器側と熱連絡する。
図1Aを参照すると、全体を1で示す発電機が示されており、その発電機1は空気調整ユニット10を備え、その空気調整ユニット10は、作動媒体サブシステム100と、2つの圧力容器200と、機械動力アセンブリ300と、ラジエータ・ユニット400と、発電ユニット500と、アキュムレータ・ユニット50と、出力とに連結されている。
概して、容器200はそれぞれ、与圧流体を収容し、発電機は、電気を生成するためにピストンを左右に機械式に変位させるのに使用される、与圧された液体の体積を周期的に増大/減少させる原理で動作する。
さらに図3Cを参照すると、圧力容器200は、中空の円筒体210と、その円筒体210を貫通する中空の中心コア240とを有し、中心コア240の外面242と円筒体210の内面214との間に、与圧流体を収容するように適合された空隙が形成されるようになっている。中空の中心コア240の内側空間243は、与圧された流体の温度を操作するために、作動媒体サブシステム100から高温/中温/低温の作動媒体を内部を通して受容するように適合されている。
図1Aから図1Dを参照すると、作動媒体サブシステム100は、高温リザーバ110と、低温リザーバ120と、室温の中温水用のリザーバ130とを備える。用語「高温(high)」、「低温(low)」、および「中温(intermediate)」は、この特有の例では、対応する温度:約40℃、約10℃、および約25℃を指す。作動媒体サブシステムは、一方の側部では空気調整ユニット10と、他方の側部では圧力容器200と流体連絡している。
リザーバ110、120、および130はそれぞれ、分配弁140を介して両方の圧力容器200と連結されている。発電機1が2つの圧力容器200を備え、それを通る中心平面を中心に概して対称なので、該当する場合は左(L)および右(R)の名称を用いる。次に、作動媒体サブシステム100と右の圧力容器200Rとの間の連結様式を詳細に説明する(第2の圧力容器200との連結様式は本質的に同様であることに留意されたい):
高温リザーバ110は、入口111Rを介して分配弁140Rに連結されており、ライン112Rを介して圧力容器200Rの出口に連結されている。それに応じて、低温リザーバ120は、入口121Rを介して分配弁140Rに連結されており、ライン122Rを介して圧力容器200Rの出口に連結されている。リザーバ130は、入口131Rを介して分配弁140Rに連結されており、ライン132Rを介して圧力容器200Rの出口に連結されている。そのとき、ライン132Rは、ラジエータ・ユニット400の冷却要素410Rに連結されており、冷却要素410の出口は、ライン133Rを介してリザーバ130に戻るように連結されている。
リザーバ110および120ならびにそれらを圧力容器200L、200R、およびラジエータ・ユニット400に連結する配管には、配管自体に対する熱損失を防止するために断熱材を貼付することができる。同様に、分配弁140L、140Rは、低導電材料(例えば、チタンまたはプラスチック)から作製することもでき、断熱材でカバーすることもできる。
それとは反対に、リザーバ130を圧力容器200L、200R、およびラジエータ・ユニット400に連結する配管は、熱伝達係数が高い材料(例えば、銅)から作製し周囲環境に曝露することができ、「中温」水の温度をできるだけそれを囲む周囲環境の温度と等しくすることが可能になる。
概して、上記で説明した配管を、固有の水圧を有する(空気を含まない)ように構築することができ、その水圧は発電機1の動作の間はずっと維持される。さらに、中温水リザーバ130は、システム中の圧力が降下するときには圧力を再構築するためにそのシステムに追加の水を供給できるように、水栓135(図1C)を介して家庭用の水圧(消費者の圧力)につなぐことができる。
次に、発電機1の全体の動作を説明する(本明細書では容器200Rに関して動作を説明するが、容器200Lでも同様の動作が同時に行われることに留意されたい)。
初期の位置では、容器200は、圧力媒体で充填されており、約5000気圧まで与圧される。コア240ならびに上記の連結ライン全てが、標準的な家庭用圧力(消費者圧力)の作動媒体で充填されている。この位置では、圧力媒体の温度は、室温(例えば約25℃)に等しく、それに応じて、モータのピストンは中間の位置にある。
動作の最初の段階では、分配弁140Rはライン111R用のポートを開き、高温リザーバからの高温水が容器200Rのコア240を通って循環し始める。コア240を通る間に、(約40℃の)高温水と(約25℃の)圧力媒体との間で熱交換プロセスが行われて、圧力媒体が加熱される。加熱の結果、圧力媒体はその体積が増大し(膨張し)、その結果、ピストンをその第1の端部点に向かって変位させる。
高温水は、ここではわずかに温度が下がっており、次に、ライン112Rを介して圧力容器200Rから出、高温リザーバに戻る。このプロセスは、圧力媒体が加熱(および膨張)されて所望の/十分な量になるまで、すなわち、ピストンがその所望の第1の端部の位置に変位するまで行われる。典型的には、圧力媒体は、高温水と同じ温度には加熱されないが、そうではなく、数度低い温度、例えば32〜35℃まで加熱される。
その後、分配弁140Rは、高温水の入り口用のポートを閉じ、中温水リザーバのライン131R用のポートを開く。次いで、中温(すなわち、25℃の)水が、圧力容器200Rを通って流れて、加熱された圧力媒体(約32〜35℃)はその熱を中温の水に与える、逆の熱伝達プロセスが起きる。その結果、圧力媒体が冷却され、中温水が加熱される。
圧力媒体を冷却すると、その結果その体積が減少して、ピストンがその初期の位置に向かって機械式に変位する。このプロセスは、圧力媒体が冷却されて所望の/十分な量になるまで、すなわち、ピストンが変位して初期の(中間の)位置に戻るまで続く。
加熱された中温水は、圧力容器200Rを離れ、ライン132Rを介して、ラジエータ・ユニット400の冷却要素410Rに入る。冷却要素410Rでは、加熱された中温水が別の熱交換プロセスを受け、その熱交換プロセスでは、その中温水が、加熱された圧力媒体から吸収された熱を周りの空気に放出する。したがって、中温水は、リザーバ内のその初期の温度(約25℃)に近い温度で、ライン133Rを介して中温水リザーバ130に戻る。
上記により、発電機サイクルの第1の部分が終わる。
サイクルの第1の部分に続いて、以下のように低温水を用いて同様の動作が実行される第2の部分が行われる:分配弁140Rは、中温水リザーバ130からの水を遮断し、ライン121Rと流体連絡するために開き、そのため、低温リザーバから入ってくる。次いで、低温水は、容器200Rのコア240を貫通する。コア240を貫通する間に、低温水(約10℃)と圧力媒体(ここではサイクルの第1の部分の後では約25℃に戻っている)との間に熱交換プロセスが起きて、圧力媒体が冷却される。冷却の結果、圧力媒体は、その体積が減少し(収縮し)、その結果、ピストンをその第1の端部点に向かって変位させる。
低温水は、ここではわずかに温度が上昇しており、ライン122Rを介して圧力容器200Rから出、低温リザーバに戻る。このプロセスは、圧力媒体が冷却され(収縮し)て所望の/十分な量になる、すなわち、ピストンがその所望の第2の端部位置に変位するまで生じる。典型的には、圧力媒体は、低温水と同じ温度になるまで冷却されないが、そうではなく、数度低く、例えば15〜18℃になる。
その後、分配弁140Rは、低温水の入口用のポートを閉じ、中温水リザーバのライン131R用のポートを再度開く。次いで、中温(すなわち、25℃の)水が、圧力容器200Rを貫通して、冷却された(約15〜18℃の)圧力媒体が中温水から熱を吸収する、逆の熱伝達プロセスが起きる。その結果、圧力媒体が加熱され、中温水が冷却される。
圧力媒体を加熱すると、その結果その体積が増大して、ピストンがその初期の位置に向かって機械式に変位する。このプロセスは、圧力媒体が加熱されて所望の/十分な量になるまで、すなわち、ピストンが変位して初期の(中間の)位置に戻るまで続く。
冷却された中温水は、圧力容器200Rを離れ、ライン132Rを介して、ラジエータ・ユニット400の冷却要素410Rに入る。冷却要素410Rでは、冷却された中温水が別の熱交換プロセスを受け、その熱交換プロセスでは、その中温水が周りの空気から、加熱された圧力媒体が失った熱を吸収する。したがって、中温水は、リザーバ内のその初期の温度(約25℃)に近い温度で、ライン133Rを介して中温水リザーバ130に戻る。
上記により、発電機サイクルの第2の部分が終わる。
要約すると、発電機サイクル全体を以下のように説明することができる:
I)まず(高温リザーバ110からの高温水によって)圧力媒体を約25℃から約32〜35℃に加熱し、ピストンをその初期の位置から第1の端部位置に変位させる;
II)(中温水リザーバ130からの中温水によって)圧力媒体を32〜35℃から約25℃に再度冷却し、ピストンを変位させてその初期の位置に戻す;
III)(低温リザーバ120からの低温水によって)圧力媒体を約25℃から約15〜18℃に冷却し、ピストンをその初期の位置から第2の端部位置にを変位させる;
IV)(中温水リザーバ130からの中温水によって)圧力媒体を15〜18℃から約25℃に再度加熱し、ピストンをを変位させてその初期の位置に戻す;
低温水/高温水は圧力容器200Rを貫通した後にそれぞれのリザーバ120、110に直接戻るが、中温水は、圧力媒体との熱交換プロセス中に得た/失った必要な量の熱を、それぞれ空気に運ぶ/空気から吸収するために、圧力容器200Rを貫通した後にラジエータ・ユニット400の冷却要素410を貫通することに留意されたい。
構造に関しては、高温リザーバ110および低温リザーバ120は、図1Dから確認されるように、空気調整ユニット10の一部を構成する。リザーバ110、120はそれぞれ、内部に完全に埋もれたチューブの配列を有し、そのチューブの配列は、空気調整ユニット10の作動流体、例えば、フレオンガスを受容するように適合されている。
特に、空気調整ユニット10は圧縮機(図示せず)を有し、その圧縮機は、加熱したフレオンガスが高温リザーバの水に熱を運ぶように、ライン12を通して高温リザーバ110のチューブにフレオンガスを押し込むように適合されている。次いで、冷却されたフレオンガスは、高温リザーバ110を離れ、ライン14を介して、空気調整ユニット10に戻る。次いで、冷却されたフレオンガスは、入口22を介して低温リザーバ120に供給され、その低温リザーバ120のチューブ内で、膨張することができ、それにより、低温リザーバ120の水が冷却され、低温リザーバ120を離れライン24を介して空気調整ユニット10に戻る。このプロセスは、高温リザーバ110に高温水リザーバおよび低温リザーバ120に低温水リザーバを設けるために繰り返し起きる。
上記の動作を右の圧力容器200Rについてのみ説明したが、同様の動作を同時に左の圧力容器200Lに実行できることが理解される。したがって、2つの主な動作サイクルを以下のように実行することができる:
a)同時に起きるサイクル−左の圧力容器200Lと右の圧力容器200Rの両方が並行して上記のステップ(I)から(IV)を実行する。言い換えると、発電機サイクル全体のどの時点でも、右の圧力容器200R内の圧力媒体の温度が左の圧力容器200L内の圧力媒体の温度と同様であり、すなわち、両方の圧力媒体が同時に加熱され、同時に冷却される;
b)交互サイクル−圧力容器200L、200Rは、ステップ(I)から(IV)をずらして実行する。例えば、右の圧力容器200Rがサイクルのステップ(I)を実行するときに、左の圧力容器200Lがサイクルのステップ(III)を実行する。言い換えると、右の圧力容器200R内の圧力媒体が加熱されるときに、左の圧力容器200L内の圧力媒体が冷却され、逆の場合も同様である。
通常、圧力容器200L、200R内の与圧流体は、良好な熱膨張特性(加熱下で大幅に膨張する)ならびに十分な熱伝達性能を有するように選択すべきである。与圧流体に使用される材料の例には、(限定されるものではないが):水、N−ペンテン、ジエチルエーテル、臭化エチル、メタノール、エタノール、水銀、酸、および他のものが含まれてよい。与圧流体が液体の媒体に限定されず、気体材料からも構成できることも理解されたい。
コア240を貫通する作動媒体は、十分な熱伝達特性および発電機1を通って容易に推進できる濃度を有するように選択すべきである。与圧流体に使用される材料の例には、(限定されるものではないが):水、水銀、フレオン、および他のものが含まれてよい。作動媒体が液体の媒体に限定されず、気体材料(例えば、気体の形態のフレオン)からも構成できることも理解されたい。
次に図2Aから図4Aから図4Fに移ると、独特な構造の圧力容器200およびコア240が詳細に説明されている。
圧力容器200L、200Rはそれぞれ外側のシェル210を備え、そのシェル210は、与圧流体の圧力、すなわち約5000気圧に十分に耐えるのに十分に強くかつ十分に厚い材料から作製されている。こうした材料の一例はスチールとすることができる。
圧力容器200L、200R内にはコア240が通っており、作動媒体はコア240を貫通するように適合されている。コア240は、一方では圧力容器200L、200R内の高い圧力に耐えることもでき、他方では、作動媒体と与圧流体との間の熱伝達プロセスを効率的にするために十分な熱容量および熱伝達特性を有する材料から作製することができる。こうした材料の例は、銅−ベリリウム、4340スチールなどとすることができる。
図4Bを特に参照すると、コア240の一部が示されている。コアの内面および外面はピラミッドの形態の表面要素247を有するように形成されていることが確認される。表面要素247の目的は、作動媒体および与圧流体との接触面積を増大させることであり、それにより、コア240と作動媒体/与圧流体との間の熱伝達の効率が向上する。要素247の形成は、外側には段階的な吹き付けを行うことで、内側には指定の仕上げヘッド(図示せず)を用いて実行することができる。このようにして、コア240の表面積を(滑らかな内面/外面と比べて)約20倍に増大させることができる。
特にコアに関して図4Fを参照すると、混合ユニット220が装着されており、その混合ユニット220は、効率を上げるために発電機の動作中に与圧流体を混合するように適合されている。混合ユニット220は、コア240の方向に延在する中心軸Xを有し、ファン・ブレード224を複数枚備え、それらのファン・ブレード224は、中心軸Xを中心に広がっており、リング225を使用して互いに連結されている。混合ユニット220は、制限リング223によって各側部の境界が定められている。ファン・ブレード224は、ブレード224自体への熱損失を低減するように十分な断熱特性を有する材料から作製することができ、熱の吸収を低減するために熱容量が低く必要な駆動力を最小限に抑えるために軽量である。こうした材料は、例えばチタンとすることができる。
制限リング223は、スパーギア229を具備しており、そのスパーギア229は、ドライブ・ロッド226に装着されたギア228aと噛み合うように適合されている。ドライブ・ロッド226は、外付けのモータ205L、250Rによって駆動され、ドライブ・ロッド226に装着されたギア228bと、駆動モータ250Rの対応するギア254との間が連結されている。
特定の設計によれば、モータを圧力容器内に配置でき、必ずしも容器の外側に配置するとは限らず、シャフトの動的な抵抗およびシールに関連して作用する力を克服するのに必要なエネルギーが軽減されることに留意されたい。別の選択肢は、磁気装置を使用してシャフトを回転させて、複雑な動的シールの必要性をなくすことである。
上記で説明した混合ユニット220の代替として、図7Aから図7Cに注目すると、3つの変更形態であるパッシブ放熱ユニット280、290、および290’が示されている。放熱ユニット280はスリーブ282の形態であり、そのスリーブ282から複数の放熱要素284が径方向に延在し、それらの放熱要素284は、コア240と与圧流体との間の熱伝達が増大するように適合されている。放熱ユニット290は、径方向の放熱要素294がそこから延在する中心スリーブ292を有する。放熱ユニット290’は、概して同様であるが、各放熱要素294’が熱伝達を増大させるために追加の延長部分296’を有するように形成される点が異なる。
放熱ユニット280、290、および290’は、コア240との接触面積を最大にして熱伝達を良好にすることができるように、コア240にしっかりと取り付けられる。
特に図5Aを参照すると、圧力容器200L、200Rはさらに内側のシェル230を備え、そのシェル230の直径は、シェル210の内面214の直径よりも小さく、混合ユニット220の直径よりも大きい。したがって、シェル230により、圧力容器200L、200Rの内側空間が分割されて、圧力容器200L、200Rのシェル230と混合ユニット220との間の内側チャンバ232と、シェル230と内面214との間の外側チャンバ234とになる。シェル230を、シェル230自体への熱損失を低減するように十分な断熱特性を有する材料から、例えば、チタンから作製することができる。
シェル230が両端で開いているので内側チャンバ232および外側チャンバ234が互いに流体連絡していることに留意されたい。発電機1の動作の際には、内側チャンバ232と外側チャンバ234とを分離することにより、(互いに流体連絡した面にも関わらず)外側チャンバ234内の与圧流体による内側チャンバ232の与圧流体の断熱が容易になる。与圧流体を断熱すると、外部のスチールシェル210への熱損失を低減することによって発電機1の効率が向上する。混合ユニット240によって生じる循環がシェル230とシェル210の内面との間に収容された与圧流体にはあまり影響しないことにも留意されたい。
図4Fを参照すると、コア240の内部は打ち込みねじ248を具備しており、その打ち込みねじ248は、コア240を通して作動媒体を前進させるためにそれ自体を中心に回転するように適合されている(アルキメデスのねじポンプと同様の原理に基づいて作用する)。打ち込みねじ248は、外付けのモータ260L、260Rによって駆動され、ギア246がモータ260L、260Rのギア264と噛み合うことによってそれらのモータ260L、260Rに連結されている。打ち込みねじ248は、打ち込みねじ248自体への熱損失を低減するように十分な断熱特性を有する材料から作製することができる。こうした材料の例はチタンまたは高強度プラスチックとすることができる。以下で論じる図14Fおよび図14Gから明らかになるように打ち込みねじ248の他の変更形態を使用できることが留意される。
図3Cおよび図4Eを参照すると、圧力容器200R、200Lはそれぞれ、その両端にシーリング・アセンブリ270が具備しており、そのシーリング・アセンブリ270は、ボルトによって固定されたヘッド・シール272と、3つのシーリング部材274がその上に装着される主シール体273と、副次的シール・アセンブリ276と、軟質シーリング部材278とを備える。さらに、主シール体273とコア240との間の空間をシーリングするために使用される(図3Cに示す)同様の設計のシール276’、278’が2つ設けられている。
次に図3Aから図3Eに移ると、ここで機械動力アセンブリ300および発電ユニット500が詳細に説明されている。圧力容器200L、200Rはそれぞれ、その一端で機械動力アセンブリ300L、300Rを具備する。機械動力アセンブリ300L、300Rが両方とも本質的に同様なので、次にそれらのうちの一方のみを詳細に説明するが、その説明は他方のアセンブリにも同様のことが言えると理解される。
機械動力アセンブリ300Rは、出口ポート216Rを介して圧力容器200Rと流体連絡した状態に維持される。機械動力アセンブリ300Rは、ピストンユニット320Rおよび圧力レギュレータ340Rを備える。
ピストンユニット320Rは、中空のハウジング322と、圧力容器200Rのポート216に関節結合されたネック部324とを有する。ネック部324は、入口オリフィス326を有するように形成されて、圧力容器200Rとネック部324との間を流体連絡させる。
ハウジング322内には、可動式ピストン330が収容されており、そのピストン330は、Oリング333によってハウジング322内にぴったりとシールして受容されたヘッド部332と、ネック部324内にぴったりと受容されたネック部334とを有する。したがって、ハウジング322は、内部に圧力媒体を受容するように圧力容器200Rと流体連絡した入口チャンバ323Iと、出口チャンバ323Oとに分割され、それらのチャンバは、ヘッド部332によって互いに孤立している。
ピストンユニット320の設計は、入口チャンバ323Iが、内部に圧力媒体の一部を収容するように適合され、出口チャンバ323Oが、発電機ユニット500を動作させるように適合された副次的作動媒体を内部に収容するように適合されるようになっている。こうした流体は、例えば、マシン油などとすることができる。ハウジング322はさらに、出口ポート325を有するように形成され、その出口ポート325を通って、副次的流体がピストンユニットを離れて発電機ユニット500に向かうことができる。
動作の際には、発電機サイクルの段階(I)中に、圧力媒体が加熱され、その体積が増大し、それにより、入口チャンバ323Iに流入して、ピストン330のヘッド部332をハウジング322の底部328に向かって押しやる。その結果、出口チャンバ323O内に収容された副次的作動媒体は、出口ポート325を通して圧力をかけられライン302に入る。
そのサイクルの段階(II)および(III)中に、圧力媒体は冷却されその体積が減少し、それにより、入口チャンバ323Iから流れて圧力容器200Rに戻って、ピストン330のヘッド部332がハウジング322のネック部324に向かって引っ張られる。その結果、副次的作動媒体が吸引されて、出口チャンバ323O中に戻る。
ピストン330は、ヘッド部322の断面積がネック部324の断面積よりも20倍大きく、それにより、出口チャンバ323O内の圧力が5000気圧から約250気圧に低減されるように設計される。副次的流体の左右の移動は、モータ520のピストン(図6Aおよび図6B)を動作させ、これが電気の生成に使用されるように用いられる。
さらに、副次的作動媒体は、ピストンユニット320と発電機ユニット500との間に配置された圧力レギュレータ340とも流体連絡している。圧力レギュレータ340は、圧縮ばね360によって付勢されたピストン350をハウジング342が内部に保持するように形成される。代替の例によれば、ピストン350を圧縮ガス、例えば、窒素によって付勢することができる。圧力レギュレータ340は、T字形の接合部材343が、ライン302を受容するように適合された入口ポート345と、ハウジング入口346と、ライン304に連結された出口ポート347とを有するように形成される。
動作の際には、ライン302を介してピストンユニット320の出口チャンバ323Oを離れる副次的流体のほとんどが、出口345を介してT字形の接合部343を通ってライン304中に直接流入し、副次的流体の残りは圧力レギュレータ340中に流入する。したがって、望ましくなく圧力が上昇する際には、圧力レギュレータ340のピストン350が、ばね360の付勢力に対抗して押され、それにより、発電機ユニット500に至るライン304内の副次的流体の圧力が所望の圧力に維持される。
圧力レギュレータはまた、以下のようにしてピストンの運動の同期装置として機能する:一方の圧力容器内の圧力媒体の膨張が過度に大きく、他方の圧力容器のピストンが「後退」する余裕がない場合に、ガス・ピストンが余分の圧力を吸収し、装置の往復運動の際にそれを戻す。より具体的には、反対側のピストンの移動となって現れるべきではない、ピストンに与えられる余分な圧力がある場合はそれがガス・ピストン340によって吸収されるか、あるいは、圧力不足の際には、ガス・ピストン340が上記の不足を補償する。
次に図6Aおよび図6Cに移ると、ここで発電機ユニット500が以下に詳細に説明されている。発電機ユニット500は、運動変換器520および動力ユニット540を備える。運動変換器520は、ベース・ハウジング510と、2つのピストン・ハウジング522R、522Lとを備え、それらは、一方の端部で主変換ユニットに、他方の端部でライン304にそれぞれ連結されている。
ベース・ハウジングは、(同様の設計の)上側部材512および下側部材514から形成され、各部材は、2つの部材が互いに取り付けられるときに、中心プレート513がその中で往復運動するように適合された空間518(図示せず)が形成されるようなチャネル516を有するように形成される。
中心プレート513は、スタッド515を介してカム・フォロア517を具備する。カム・フォロア517は、中心プレート513の往復運動下で第2のスタッド519を中心に回転するように適合されている。カム・フォロア517は、スタッド519を中心にカム・フォロア517が回転するとプレート511がその中心軸Xを中心に回転するようにプレート511に固定して取り付けられる。上部/底部の「死点」を克服するためにギアと発電機との間にはずみ車(図示せず)を設けることもできる。
ハウジング522R(両方とも同様の設計なので一方のみを説明する)は、内部で往復運動するように適合されたピストン530Rを備えて、ハウジング522R内に入口チャンバ524Rが形成される。ハウジング522Rは、入口526Rが入口チャンバ524Rとライン304から入ってくる副次的作動媒体との間を流体連絡させるように形成される。ピストン530Rおよび530Lは、一端部ではそれぞれ入口526R、526Lの近くに位置するヘッド部532R、532Lを有するように形成され、他方の反対側端部では、中心プレート513と一体形成される。
動作の際には、例えば、上記で説明した交互サイクルの下では、サイクルの段階I中に、右のチャンバ200R内の与圧流体は、加熱されその体積が増大し、左のチャンバ200L内の与圧流体は、冷却されその体積が減少する。その結果、右のピストンユニット320R内の副次的作動媒体は、ピストン530Rに向かって押しやられてそのピストン530Rを押し、左のピストンユニット320R内の副次的作動媒体は、吸引されて、ピストン530Lを引っ張る。この段階中には、ピストン530R、530Lが移動すると、中心プレート513が一方の方向に変位する。
その後、サイクルの段階IIおよびIII中には、逆の動作が起き、すなわち、左のチャンバ200L内の与圧流体は、加熱され、その体積が増大し、右のチャンバ200R内の与圧流体は、冷却され、その体積が減少する。その結果、左のピストンユニット320R内の副次的作動媒体は、ピストン530Lに向かって押しやられて、そのピストン530Lを押す。ピストン530R、530Lが移動すると、図6Bおよび図6Cから分かるように中心プレート513が他方の方向に変位する。
中心プレート513が往復運動するとカム・フォロア517が回転し、その結果、プレート511がその中心軸を中心に回転する。このような回転移動は、動力ユニット540によって電気エネルギーに変換される。
図1Bに戻ると、動力ユニット540によって生成された電力の一部は、出力、つまり空気調整ユニット10の一部に供給することができ、残りはバッテリ50に供給される。バッテリ50は、システムをジャンプ・スタートさせるために使用することができる。
上記で説明したシステム1は、その動作に使用される電気の少なくとも最大4倍の量の電気を発生させることができ、すなわち、発電機1がその動作に1kwh(キロワット/時間)必要な場合は、少なくとも最大4kwhの電気を発生させることができることが理解されよう。ラジエータ400を通って流れる水から熱を吸収する/水に熱を運ぶために、周囲環境を利用して、すなわち、周りの媒体(空気、水)を使用して、熱交換プロセスを実行することによって電気がこのように増えることも理解されたい。
特に、空気調整ユニット10を使用すると、電気の発生を大幅に増やすことが可能になる。本発電機における、空間(例えば、部屋)の冷却中に発生した熱が外部周囲環境に追い出される(熱が空調システムによって部屋の外側に放出される)中間空調システムとは対照的に、この熱は、廃棄にまわされるのではなく、高温リザーバ内の水を加熱するために使用される。
発電機1の実験による分析を図8Aから図8Fに開示し、様々なサイクル時間の下での作動媒体および与圧流体の温度変動の図を示す。
図9に移ると、発電機1は、格納媒体、例えば、水で充填されたアキュムレータ機構590を備えることもでき、発電機1によって過剰な量の電気が発生する場合は、この過剰な量はアキュムレータ機構590内の水を加熱するために使用される加熱体に流用される。このようにして、アキュムレータ機構590はバッテリとして機能することができる。
例えば、アキュムレータ機構590内の水が所望の温度、例えば、高温リザーバ110の温度と同様の温度に加熱されるときは、発電機1の動作のための高温水は、高温リザーバ110の代わりに、アキュムレータ機構590によって供給することができる。その結果、空気調整ユニット10の動作を低減する(または、さらに完全に遮断する)ことができて、消費する電気を少なくすることが可能である。
発電機1によって発生する電気の量が所望の消費に適したものになると、空気調整ユニット10は通常の動作に戻り、アキュムレータ機構590内の水は徐々に冷却される。さらに、アキュムレータ機構内の圧力が上昇すると、より多くの熱を蓄積するために、作動媒体の沸点よりも高い温度に加熱可能にすることができる。例えば:5気圧(標準的な家庭用圧力)の水は150℃で沸騰させることが可能である。
さらに、アキュムレータ機構590は加熱要素を備えることができ、その加熱要素は、内部で所望の温度を維持するためにアキュムレータ機構内の水を直接加熱するように構成されている。
発電機1はコントローラ(図示せず)を備えることもでき、そのコントローラは、与圧流体、作動媒体の温度、アキュムレータ機構590内の水温、ピストン330R、330L、530R、530Lの変位、圧力レギュレータ340内の圧力、中心プレート513の変位などをモニタリングするように適合されている。コントローラを使用して、分配弁140の動作、モータ250、260の動作、ピストンの変位などを制御することができる。
次に図11Aおよび図11Bに移ると、全体を1’で示す発電機の別の例が示されており、その発電機は空気調整ユニット10を備え、その空気調整ユニット10は、作動媒体サブシステム100’と、2つの圧力容器200’と、機械動力アセンブリ300と、ラジエータ・ユニット400と、発電ユニット500と、勾配アセンブリ600と、アキュムレータ・ユニット50と、出力とに連結されている。
基本的には、発電機1’は、上記で説明した発電機1と設計が同様であり、違いは、圧力容器200’を貫通するコアの設計および数と、ラジエータ・ユニット400’の異なる設計と、追加の勾配アセンブリ600と、互いに発電機の様々な構成要素に関連する対応するバルブおよび配管である。
まず、発電機1’の勾配アセンブリ600およびその利用を図12Aから図12Dに関して詳細に説明する:
発電機の初期(発電機が休止しているとき)の位置では、発電機の配管は所定の圧力の作動媒体で充填されており、その作動媒体は中温である。その結果、圧力媒体も中温である。
発電機の動作の第1の段階の間には、空気調整ユニットACはその動作を開始して、高温リザーバ110’内の作動媒体が加熱され、低温リザーバ120’内の作動媒体が冷却される。中間リザーバ130’は、中温のままの作動媒体を有する。高温/低温リザーバ110’、120’内の作動媒体がそれぞれその所望の温度に達すると、駆動装置250’、260’が以下のように動作し始める:
(a)(i)高温リザーバ110’からの高温作動媒体は、圧力媒体を加熱するように右の圧力容器200Rを貫通し、ラインPHRを通って再循環し高温リザーバ110’中に戻る(ラインL1、L2);
(ii)同時に、高温リザーバ120’からの低温の作動媒体は、圧力媒体を冷却するように左の圧力容器200Lを貫通し、ラインPCRを通って再循環し低温リザーバ120’に戻る(ラインL1、L3);
(iii)ステップ(a)が、各圧力容器200R’、200L’内の圧力媒体がそれぞれ所望の高温THOT/TCOLDに達するまで続く;
(b)(i)中間リザーバ130’からの中温の作動媒体は、高温の圧力媒体によって加熱され、それにより、それから熱を除去するように、圧力容器200R’を貫通する;
(ii)同時に、中間リザーバ130’からの中温の作動媒体は、低温の圧力媒体によって冷却され、それにより、それに熱を供給するように、圧力容器200L’を貫通する;
(c)(i)加熱された中温作動媒体は、勾配タンク600Rの上部分が勾配タンク600Rの底部分よりも温度の高い加熱中温作動媒体を収容するように、内部に温度勾配を有する勾配タンク600R(ラインL1、L4)中に至る;
(ii)同時に、冷却された中温作動媒体は、勾配タンク600Rの上部分が勾配タンク600Lの底部分よりも温度の低い冷却中温作動媒体を収容するように、内部に温度勾配を有する勾配タンク600L(ラインL1、L4)に至る;
(iii)この段階は、中温作動媒体が各勾配タンク600R、600Lの所望の温度に達するまで続く;
(d)(i)加熱された中温作動媒体は、勾配タンク600Rから発電機の前方に至り、そこで、左の圧力容器200L’(図17aのラインL6H、L7C参照)に再度入り、それにより、さらに低温の圧力媒体に熱を供給しその圧力媒体を加熱してTINTERMEDIATEに近い温度に戻る;
(ii)同時に、冷却された中温作動媒体は、勾配タンク600Lから発電機の前方に至り、そこで、右の圧力容器200R’(図17aのラインL6C、L7H参照)に再度入り、それにより、さらに高温の圧力媒体から熱を除去しその圧力媒体を冷却してTINTERMEDIATEに近い温度に戻る;
(iii)このステップは、両方の圧力容器200R’および200L’内の圧力媒体が温度TINTERMEDIATEになるまで続く;
次いでステップ(a)から(d)は繰り返すが、反対の様式で繰り返し、すなわち、高温の作動媒体はここでは左の圧力容器200L’を貫通し、低温の作動媒体は右の圧力容器200R’を貫通し、以下同様である。
勾配タンク600Rに入る加熱された中温作動媒体の第1の部分は、勾配タンク600Rを通る中温作動媒体の次の部分よりも高温であり、さらに、勾配タンク600Lに入る冷却された中温作動媒体の第1の部分は、勾配タンク600Lを通る中温作動媒体の次の部分よりも低温であることが理解される。
この交差ステップにより多くの利点が与えられる。それらのうちの1つは、圧力媒体との熱伝達プロセスが良好なことである。特に、各容器内で圧力媒体はまず温度TINTERMEDIATEの中温作動媒体との熱伝達プロセスを(ステップ(b)(i)および(b)(ii))、その後、加熱/冷却された中温作動媒体との追加の熱伝達プロセス(ステップ(c)(i)および(c)(ii))を実行することが留意される。
ステップ(b)(i)および(b)(ii)中に、勾配タンク600R、600L内に収容された中温作動媒体がラインL5R、L5L、およびLL5を貫通してラジエータに至り、そこで、発電機の蓄積された熱があればそれは外部周囲環境との熱伝達プロセスを介して除去されることが留意される。
図12Cを特に参照すると、勾配タンク600R、600Lはらせん構造620R、620Lを有するように構成されており、そのらせん構造620R、620Lは、加熱/冷却された中間作動媒体の異なる部分が互いに熱交換プロセスを実行しないように、したがって、リザーバ600R、600L内で温度の勾配を維持するようにように構成されている。
次に図13Aに移ると、発電機の他の配管機構が示されており、具体的には:
L3−圧力容器を貫通して低温リザーバ120’に戻る低温水を導く;
L5’、L5R’、L5L’−ラジエータを貫通して中間リザーバ130’に戻った後の中温水を導く;
L8−中間リザーバ130に戻る中温作動媒体を導く;
L9−発電機の背後を勾配タンク600R、600Lに向かって戻る中温水を導く。
図13Bを参照すると、低温リザーバ120’が熱伝達要素124’を備え、その熱伝達要素124’は、空気調整ユニットACの凝縮器を構成することによって、リザーバ120’内の作動媒体を冷却するように構成されていることが確認される。リザーバ120’はさらにファン128’を備え、そのファン128’は、外付けのモータ126’によって駆動され、リザーバ120’内を一定の温度に維持するように構成されている。
次に図14Aから図14Dに移ると、作動媒体および圧力容器200R’、200L’のコアの駆動装置を説明する:
上記で説明した発電機1は1つの容器につき1つのコア240しか有しないが、ここで説明する発電機1’は1つの容器につき6つのコア240’を有し、それぞれ、上記で説明したコア240と同様の設計であることが確認される。
全てのコア240を同時に通して作動媒体を循環させるために、モータ250’が設けられる。このモータ250’は、ギア254’がギア256’と噛み合うように構成され、ギア256’は共通のギア259’を動かし、ギア259’は各コア240のそれぞれのギア242’と噛み合う。ギア242’は打ち込みねじ(図示せず)の回転を担い、その打ち込みねじの回転により、発電機配管システム全体を通して作動媒体を前進させる。
さらに、第2の駆動モータ260’が設けられており、その駆動モータ260’は、コアの軸を中心にコア240’および各コア240’のファン機構220’を回転させるように構成される(用途によってはコア自体もその軸を中心に回転することができることが留意される)。駆動モータ260’は、共通の駆動輪269’と噛み合うように構成されており、その駆動輪269’は、ファン機構220’のギア222’と噛み合う。
発電機がさらに、発電機の後方側に、すなわち、圧力容器200R’、200L’の他方の端部に位置する追加の配列の駆動モータ250’、260’を備えることが留意される。このようにして、駆動負荷は、モータの前方の配列と後方の配列との間に分配される。
特に図14Eおよび図14Fを参照すると、ここで説明する発電機で使用される打ち込みねじの設計が互いに異なるものとすることができ、ねじのピッチ角(70度)が異なり、これにより、さらに、コア240’を通して作動媒体を循環させ、コア240’の内面に向けて作動媒体を押しやる。
次に図15Aから図15Cに移ると、全体を700で示す発電機1’のコントローラが示されている。コントローラ700は、圧力容器200’から出るラインL0と、バルブ140’に導くラインL1との間に挿入されるように配置される。コントローラ700の目的は、作動媒体が内部を貫通する断面積を制御することによって圧力容器200’からの流量Qを調整することである。
特に図15Cを参照すると、コントローラ700はケーシング720を備え、そのケーシング720は、ラインL0と流体連絡する入口孔722と、ラインL1と流体連絡する出口孔724とを有するように形成される。コントローラ700はさらにプランジャ740を備え、そのプランジャ740は、上部分742と、ネック部744と、主なブロック746とを有するように形成される。主なブロック746は通路748を有するように形成され、ネック部744にはばねが装着され、プランジャ740を下方向に付勢するようにケーシングを押圧する。
したがって、通路748が入口孔722/出口孔744と位置合わせされるときは、最大の流動断面積が設けられる。プランジャがずれ、通路748が位置合わせ不良になると、流動断面積が縮小する。ばね荷重を制御することによって、例えば、ねじ(図示せず)などの任意の従来の手段によって、発電機1’を通る流量を調整可能にすることができる。
次に図16Aおよび図16Bに移ると、上記で説明した発電機1’で使用されるときのアキュムレータ機構590が示されている。リザーバ590は、それに導くラインL10を2つ、各圧力容器200’から1つずつ有する。さらに、アキュムレータ機構590はさらに、発電機1’の背後側からそれに導くラインL11を有する。格納リザーバは、ユーザのポート(図示せず)に導く出口ライン592も有する。アキュムレータ機構590は、上記で説明したように、内部に加熱要素を備えることができ、その加熱要素は、内部に収容された作動媒体を加熱するように構成されている。
概して、アキュムレータ機構590を使用して、発電機1’によって発生した過剰なエネルギーを蓄積することができる。より具体的には、発電機1’によって生成される(すなわち、ユーザが消費しないエネルギー)を、アキュムレータ機構590内に収容された作動媒体を加熱するのに流用することができる。アキュムレータ機構590の加熱された作動媒体は、空気調整ユニットACによって高温リザーバ110’内に発生した高温の作動媒体の代わりに使用することができ、それにより、ACの動力を節約することができる。
あるいは、アキュムレータ機構590内の作動媒体の圧力を(ライン592のエンド・ユーザに必要な圧力よりも大きくなるように)上昇させることができ、その結果、作動媒体の沸点は上昇し、それにより、アキュムレータ機構内の作動媒体がより多くのエネルギーを吸収できるようになる。
次に図17Aから図17Dに移ると、発電機1’、バルブおよび配管システムが示されている:
V1−以下のラインへの入口/出口を有する主な前方バルブ:
LH−高温リザーバ110’からの出口パイプ;
LC−低温リザーバ120’からの出口パイプ;
L10−アキュムレータ機構590に導く出口パイプ;
L−作動媒体を圧力容器200’に導く主なコアライン;および
L6C、L6H−作動媒体を勾配タンク600から反対側の圧力容器200’に導く交差ライン。
V2−以下のラインへの入口/出口を有する副次的な前方バルブ:
L5L’、L5R’(L5’から分岐している)−勾配タンク600から中温の中温作動媒体を導くライン;
L8−中間リザーバ130’に戻すように中温作動媒体を導く;および
L9−圧力を与えるために発電機1’の背後に中温作動媒体を導く。
V3−以下のラインへの入口/出口を有する主な背後バルブ:
L1−圧力容器200’のコアから作動媒体を導く;
L2−高温リザーバ110’に戻すように高温の作動媒体をを導く;
L3−低温リザーバ120’に戻すように低温の作動媒体をを導く;
L4−中温作動媒体を勾配タンク600に導く;および
L9−圧力を与えるために中温作動媒体を発電機1’の背後に導く。
V4−以下のラインへの入口/出口を有する副次的な背後バルブ:
L4−中温作動媒体を勾配タンク600に導く;
L5−中温作動媒体を勾配タンク600に導く;および
L6C、L6H−交差ライン、作動媒体を勾配タンク600から反対側の圧力容器200’に導く。
次に図17Eに移ると、各圧力容器200R’、200L’につき1つあるコアを貫通する作動媒体の温度の概略的なグラフが示されている。グラフは以下のセクションに分割することができる:
S1−上記で説明した前半のサイクルのステップ(a)(i)と同等である−温度THOT15℃の高温作動媒体は、t≒10秒からt=15秒にコアを貫通する;
S2−上記で説明した前半のサイクルのステップ(b)(i)と同等である−温度TINTERMEDIATEの中温作動媒体は、t=15秒からt≒20秒にコアを貫通する;
S3−上記で説明した前半のサイクルのステップ(d)(i)と同等である−勾配のある温度の冷却された中温作動媒体は、反対側の圧力容器200’の勾配タンク600から、t≒20秒からt≒25秒にコアを貫通する;
S4−上記で説明した後半のサイクルのステップ(a)(i)と同等であり、ここで圧力容器が場所を交換する−TCOLDの低温の作動媒体は、t≒25秒からt≒30秒にコアを貫通する;
S5−上記で説明した後半のサイクルのステップ(b)(i)と同等である−TINTERMEDIATEの中温作動媒体は、圧力容器200’をt≒30秒からt≒35秒に貫通する;および
S6−上記で説明した後半のサイクルのステップ(d)(i)と同等である−勾配のある温度の加熱された中温作動媒体は、反対側の圧力容器200’の勾配タンク600から、t≒35秒からt≒40秒にコアを貫通する;
これにより、発電機1’の全サイクルが完結する。下側のグラフは、反対側の圧力容器のコアを貫通する作動媒体の温度を示すことが理解される。したがって、上記の段階は、見出しを(i)から(ii)に変更して、例えば、ステップ(b)(i)の代わりにステップ(b)(ii)に変更して、下側のグラフに応用可能である。
次に図18Aから図18Gに移ると、全体を800で示す車両が示されており、概して1’’で示す発電機1’の修正版が採用されている。作動媒体の入れ物は車両800のフロントFに配置され、動きを生成する装置は全て、車両800のリアRに配置されることが確認される。圧力容器200’は、車両のシャーシ820に沿って水平に配設されて、フロントFとリアRとをつなぐ。
上記で説明した発電機1’とは異なり、本発電機では、勾配タンク600は、圧力容器200’のうちの作動媒体リザーバ110’、120’、および130’と同じ側に配置される。
圧力容器200’の配設により、圧力容器200’の重さのせいで車両800がさらに安定することも理解される。発電機1’が動作しているときは車両800は通常移動しているので、移動する車両800と周りの空気との間の熱伝達係数が上昇することでラジエータ400の動作効率は大幅に改善できることも理解される。
次に図19Aから図19Fに移ると、全体を900で示す船舶が示されており、全体を1’’’で示す上記で説明した発電機1’の修正版を備える。
発電機1’’’では中間リザーバ130’がないことが留意される。その理由は、発電機1’’’がその主な作動媒体として、これがその中で潜水する水を使用し、したがって、これがその中で潜水する水(湖、海、プール)保持するリザーバをリザーバ130’の代わりに使うことである。その媒体を利用するために、ラインL9’が2つ設けられて、発電機が上記の媒体から発電機1’’’に水を引き抜くことが可能になる。
次に図20Aおよび図20Bに移ると、圧力容器200’のコアの、圧力が無いときの断面と、圧力がそれに加えられたときの断面がそれぞれ示されている。コアの内面には内側の層1000が付けられており、その層1000は、微細構造1100がその上に形成されることで表面積が増大していることが確認される。表面積が増大することは、内側の層とコアを通って流れる作動媒体との間の熱伝達係数を上昇させるためには望ましい。
図20Cに、らせん240’が内部を通る容器200’のコアを示す。そのらせん240’は、圧力容器200’および発電機システム1全体を通して作動媒体を前進させるように構成される。
次に図21Aから図21Gに移ると、以下のステップを含む、内側の層を生み出す方法が示されている:
(a)第1の面F1および反対側の第2の面F2を有する概して平坦なプレート1000’を設けるステップ;
(b)2つの押圧ホイールW1、W2を使用して第1の面F1上に微細構造1100を予備形成するステップであって、2つの押圧ホイールW1、W2のうちの一方が、微細構造1100を形成するための対応する表面MSを有するように形成されているステップ;
(c)サイズおよび形状がプレート1000’に対応する貫通していない空隙Cを有するように形成されたモールド型Mを設けるステップであって、その空隙Cが、ベース面と、モールド型Mの表面の開口部とを有する、ステップ;
(d)第2の面F2がベース面と噛み合い、第1の面F1と開口部との間に空間が残るように第1の面F1が空隙Cの開口部を向くように、空隙内にプレート1000’を配置するステップ;
(e)微細構造MS間に形成された空間を含むように、その空間を充填するようにフィラ材料Fを空隙C中に導入するステップ;
(f)フィラ材料から構成された第1の面と、元のプレート1000’の第2の面から構成された第2の面F2とを有する、プレート1000’および固化されたフィラ材料Fから構成された単一のプレートを形成するようにフィラ材料Fを固化させるステップ;
(g)単一のプレート1000’の第2の面F2がシリンダの外面を構成し単一のプレートの第1の面がシリンダの内面を構成するように、少なくとも部分的に直径Dmの円筒形の形状を得るように、圧力ブロックPBおよび変形モールド型Dによって単一のプレートを変形するステップ;
(h)フィラ材料Fを単一のプレート1000’から除去し、それにより、元のプレート1000がその内面に微細構造MSが形成されるステップ;
(i)微細構造を有する内面に最終仕上げを行うステップ。
図20Dおよび図20Eを参照すると、全体を240’’で示すコアの別の例が示されており、そのコアは、その内面および外面の両方にそれぞれリッジ246’’および247’’を有するように形成されいる。このコア240’’は、タングステンまたは他の材料から作製することができ(図26A、図26B参照)、その設計により、コア240’’がより頑丈になる。
リッジ246’’および247’’は、中心軸Xに沿った各点の厚さが概して同じ(n)になるように、一方の頂点がもう一方の溝の反対側にあり、その逆も同様であるように設計されることが留意される。
リッジ246’’、247’’は、本例のように平行とすることもでき、あるいは、(ねじ山のように)らせん状の1本のリッジの形態とすることもできる。後者の例の一利点は、外部リッジ247’’を旋削によって作製することができ内部リッジ246’’をねじ立てによって形成することができるという単純性である。
次に図22Aおよび図22Bに移ると、全体を2000で示す発電機のさらに別の例が示されており、その発電機2000は概して、上記で説明した発電機1と構造が同様であるが、(作動媒体サブシステム100とは対照的に)主に作動媒体サブシステム2100の設計が異なる。
作動媒体サブシステム2100は、カスケード機構2150の形態であり、そのカスケード機構2150は、高温リザーバ2110および低温リザーバ2120を備え、上記の例にあるような中間の作動媒体リザーバがない。
圧力容器2200R、2200Lはそれぞれ、その入口端部にある各バルブ2140Bおよび2140Aによって調整されるそれぞれの入口ライン2136R、2136Lと、その出口端部にあるそれぞれのバルブ2140Dおよび2140Cによって調整されるそれぞれの入口ライン2146R、2146Lとを備える。
高温リザーバ2110の出口端部は、それぞれライン2134R、2134Lを介してバルブ2140Bおよび2140Aに連結されており、高温リザーバ2110の入口端部は、それぞれライン2144R、2144Lを介してバルブ2140Dおよび2140Cに連結されている。
低温リザーバ2120の出口端部は、それぞれライン2132R、2132Lを介してバルブ2140Bおよび2140Aに連結されており、低温リザーバ2120の入口端部は、それぞれライン2142R、2142Lを介してバルブ2140Dおよび2140Cに連結されている。
(上記で説明した例にあるような)本発電機において、初期の位置では、圧力容器内の圧力流体は、ほぼ周囲環境の温度である温度TENVである。ここで説明する発電機の動作サイクルの初期のステップを以下のように説明することができる:
(a)内部に収容された圧力流体を加熱するように、高温水を温度THで高温リザーバ2110から圧力容器を通す。それにより、圧力流体が温度Thot>TENV(ただしThot<TH)まで加熱され、同時に高温の作動媒体が温度TH−Cooled<THに冷却される;
(b)内部に収容された加熱された圧力流体を冷却するように、低温の作動媒体を、低温リザーバ2120から温度TC<TENVで圧力容器を通す。それにより、圧力流体が温度Thotから温度Tcold>TCに冷却され、同時に低温水が温度TC−Heated>TCに加熱される。
その後、ステップ(a)および(b)が繰り返されるが、違いは、圧力流体がここでは常に温度ThotとTcoldとの間を変動することである。
ステップ(a)の実行と同時に、加熱された低温作動媒体は、ここでは温度TC−Heated>TCであり、温度TENV<TC−Heatedの周囲環境との熱交換プロセスを実行することによって冷却される。このプロセスは、(図22A、図22Bに示す)ラジエータ・ユニット2400によって調整される。さらに、ステップ(b)の実行と同時に、冷却された高温作動媒体は、ここでは温度TH−Cooled<THであり、A/Cシステムによって加熱されて、温度THに戻る。
ステップ(a)が一方の圧力容器(例えば、容器2200R)内で起き、第2の圧力容器2200Lがステップ(b)を受けることが理解される。したがって、圧力容器は交互になるように維持され、一方の圧力流体が加熱され、他方の圧力流体が冷却され、逆も同様である。
次に図23Aから図23Fに移ると、作動媒体サブシステム2100の設計の主な違いは、A/Cの各凝縮器/蒸発器セクションに高温/低温リザーバを設けるために上記で使用したA/Cの代わりに、ここではカスケード機構2150を使用することであり、そのカスケード機構2150はいくつかのグレードG1からG7を有し、各グレードは、次に説明する基本A/C収縮/膨張装置として動作する。その機構は、カスケード2150が、低温リザーバ2120に「低温」を供給する第1の末端グレードG1と、高温リザーバ2110に熱を供給する第2の末端グレードG7とを有するようになっている。
グレードG(n)はそれぞれ、圧縮機C(n)と、凝縮器部分2152(n)と、膨張バルブ2154(n)と、蒸発器部分2156(n)と、圧縮機C(n)へのリターン・パイプ2158(n)とを備え、ここで(n)はグレードGの番号を指す。
グレードG1からG7はそれぞれ、圧縮可能な流体(気体または液体)を備え、それぞれの凝縮器部分2152(n)における高い流体温度H(n)と、それぞれの蒸発器部分2156(n)の低温TC(n)との間で動作するように設計されている。
その機構は、あるグレードG(n)の凝縮器部分2152(n)および後続のグレードG(n+1)の蒸発器部分2156(n)は、熱的に接続されており、熱交換プロセスが行われるようになっている。具体的にはその機構は、凝縮器部分2152(n)が内側チューブから構成され蒸発器部分2156(n)が外側チューブから構成された、同心のチューブになっている。
この機構の下では、あるグレードG(n)の圧縮された流体は、内側チューブ内で流動し、後続のグレードG(n+1)の膨張した流体との熱交換プロセスを実行する。その膨張した流体は、外側チューブの内面と内側チューブの外面との間を流れる(図23E参照)。
カスケード機構2150は、あるグレードG(n)の蒸発器部分2156(n)の流体の温度TC(n)が、後続のグレードG(n+1)を流れる流体の凝結温度よりも低く、グレードG(n+1)の凝縮器部分2152(n+1)内の流体の温度TH(n+1)よりも必ず低くなるように設計されている。その結果、熱交換プロセスが起き、あるグレードG(n)の膨張した流体が、後続のグレードG(n+1)の圧縮された流体から熱を取る。
しかし、後続のグレードG(n+1)の冷却された流体の温度TC(n+1)が理解される。
温度T
C(n)、T
H(n)、およびT
CONDの例を以下に示す:
実際には、第1グレードG1の蒸発器部分21561は、低温リザーバ2120内に浸漬されており、低温水の温度が約3℃であり、7番目のグレードの凝縮器部分21527は、高温リザーバ2110内に浸漬されており、高温水の温度が約242℃である。高温リザーバ2110/低温リザーバ2120の高温/低温は決してそれぞれの凝縮器部分21527/蒸発器部分21561の温度に達することはなく、それぞれ常にわずかに低い/高いことが理解される。
図22Aおよび図22Bから、発電機2000が、それぞれ圧力容器2200のコアを駆動するように構成されたフロント駆動モータ2250Fおよびリア駆動モータ2250Rを具備することが確認される。それらのフロント駆動モータ2250Fおよびリア駆動モータ2250Rは、発電機2000内の作動媒体を循環させるようにらせんを駆動させるように構成されている。
同じ要素を駆動させるのにフロントおよびリアのモータを使用すると、高圧の周囲環境内に配置された回転要素(コアまたはらせん部品)にかかる負荷が小さくなる。モータを1つのみ使用する場合は、コアおよび/またはらせん部品は、圧力容器内で曲がる傾向があり、これはシステムの機械的な完全性を損傷させる恐れがある。
次に図22Dに戻ると、圧力容器2200R、2200Lから低温リザーバ2120に導くライン2146R、2146Lに沿って配置されたラジエータ・ユニット2400が示されている。ラジエータ・ユニット2400の目的は、これらのラインを流れる加熱された(温度TC−Heatedの)低温水と周囲環境の外気との間で熱交換プロセスを行わせることである。
ラジエータ・ユニットは、ファン(図示せず)および制御装置(図示せず)とを具備し、その制御装置は、ラジエータから離れる低温水が本質的に一定の温度のままになるようにファンの動作を調整するように構成されている。例えば、TC−Heatedが約50℃の場合は、第1のグレードG1が効率的に実行できるようにこの温度を約20℃まで下げることが必要である。したがって、制御装置は、ラジエータから離れる低温水を温度約20℃に維持するために使用される。
制御装置は、センサを備えることができ、そのセンサは、ラジエータから放出される低温水のライン2149と関連し、その温度を測定するように構成されている。この温度が所定の温度(この特定の例では20℃)を超える場合は、制御装置により、ラジエータ・ユニット2400との熱交換速度を上昇させるためにファンがより速く回転する。あるいは、この温度が所定の温度(この特定の例では20℃)よりも低い場合は、制御装置により、ラジエータ・ユニット2400との熱交換速度を低下させるためにファンがより遅く回転する。
次に図24Aから図24Dに移ると、全体を2150’で示すカスケード機構の別の例が示されており、そのカスケード機構は、外部周囲環境の周囲温度に対してその動作モードを調節するように構成されている。
ここで説明するカスケード機構2150’と図23Aから図23Fに関して上記で説明したカスケード機構2150との間の違いは、第1のグレードG1および第2のグレードG2の設計、特に、それに関連したバイパス機構2170の設計にある。
概して、異なる時刻に、周囲環境の周囲温度が、第2のグレードG2の圧縮部分21522内の圧縮された流体の温度を超える範囲まで上昇することがある。こうした場合には、それと熱交換プロセスを行った後にラジエータ・ユニットから放出される低温水も、第2のグレードG2の凝縮部分21522内の圧縮された流体の温度を超える温度になる。
その結果、第1のグレードG1の蒸発器部分21561は、非常に高温の周囲環境に浸漬される。各グレードが所定の動力の圧縮機を具備し所定の温度差Δになるように設計されているので、圧縮機Cは、単に、蒸発器部分21561からあまり多くの熱を除去することができず、第1のグレードG1の動作が非効率的になる。
これを克服するために、バイパス機構2170が使用され、そのバイパス機構2170は、第1のグレードG1を回避して低温リザーバ2120を第2のグレードG2の蒸発器と連結するように構成されている。
具体的には、バイパス機構2170は、第2のグレードG2の蒸発器部分および第2のグレードの圧縮機C2にそれぞれ関連する、2つのバルブ2172A、2172Bを備える。バイパス機構2170は、低温リザーバ2120に導くチューブの形態の蒸発器部分2176に導く膨張バルブ2174と、低温リザーバ2120の外に導く出口ライン2178とを有する。
通常の動作モードでは、周囲環境の温度が第2のグレードG2の圧縮された流体の温度よりも低いときは、ポートA1およびB1は開き、ポートA2およびB2は閉じており、カスケード機構2150は、カスケード機構2150の場合と同一に動作する。
外部周囲環境の外気の温度が上昇して第2のグレードG2の圧縮された流体の温度を超えると、ポートA1およびB1は閉じ、ポートA2およびB2は開いて、以下のことが可能になる:
第2のグレードG2の凝縮器部分21522からの圧縮された流体は、膨張バルブ2174に至り、流体が膨張し冷却されることが可能になる。膨張バルブ2174を貫通した後は、膨張した流体は、ライン2176に沿って前進し低温リザーバ2120内に入る。その低温リザーバ2120では、水を冷却し、圧縮機C2に導くライン2178を通って(わずかに加熱されて)放出される。
通常の動作モードでは、低温リザーバ2120と高温リザーバ2110との間の温度差が(0℃の第1のグレードの蒸発器21561によってもたらされる3℃と、242℃の第7のグレードの凝縮器21527によってもたらされる242℃との間の)約240℃であり、ここでは温度差は、27℃の第2のグレードの蒸発器21562によってもたらされる30℃と、242℃の第7のグレードの凝縮器21527によってもたらされる242℃との間の約210℃であることが理解される。
言い換えると、カスケード機構2150’全体の温度差が小さくなる間は、効率は、プロセスからカスケード機構2150’の第1のグレードG1の動作を省略することにより概して同じままである。
次に図25Aおよび図25Bに移ると、全体を2150’’で示すカスケード機構の別の例が示されており、そのカスケード機構は、上記で説明したカスケード機構2150と同様であるが、違いは、各グレードの熱交換器内の流体の流れがここでは(上記で説明した例の平行な流れとは対照的に)互いに反対の方向であることである。
具体的には、第1のグレードG1の圧縮された流体は、それぞれの凝縮器部分21521’’を通ってある方向に流れ、第2のグレードG2の膨張した流体は、それぞれの蒸発器部分21562’’を反対方向に流れる。周知の通り、向流形熱交換器は、熱交換器の効率を高め、その結果、カスケード機構2150’’の動作がより効率的になる。
本例のカスケード機構2150’’をバイパス機構2170なしで示している(図24Aから図24D参照)が、上記の例のカスケード機構2150’の通り、こうしたバイパス機構2170を、ここで説明するカスケード機構2150’’に取り付けることができることも留意される。
次に図27Aから図27Eに移ると、全体を3000で示す発電機のさらに別の例が示されている。概して、発電機3000の構造は上記で説明した発電機と概して同様であるが、以下の点が異なる:
・複数の圧力容器−発電機の側部(左/右)はそれぞれ、圧力容器を4つ備え、各圧力容器が、上記の例に関連して説明した圧力容器と同様の構造のものである;
・線形のコア連結−各容器が、コアを6つ備えるが、上記の例とは対照的に、それらのコアは、長い(上記で説明した平行の連結と比べて6倍長い)作動媒体流路を形成するように互いに線形に連結される;
・線形の容器連結(作動媒体)−各側の4つの圧力容器のコアは、さらに長い作動媒体流路を形成するように互いに線形に連結される;
・線形の容器連結(圧力媒体)−高い圧力の媒体を収容する各側の4つの圧力容器のコンパートメントも、高圧の連結部を介して互いに流体連絡しており、それにより、長い圧力媒体流路が形成される;
・外部の低温リザーバ−A/Cユニットの蒸発器から構成された低温リザーバは、周囲環境に曝露され、それを通る作動媒体の循環には使用されない。
動作の際には、発電機の一方の側の全サイクルは、以下のステップを含むことができる(反対側は単にずれているだけで同じステップを受けることを考慮にいれる):
a)高温作動媒体が、A/Cユニットの凝縮器端部から24個のコア(4つの圧力容器それぞれに6つのコア)の長さに沿って通り、それにより、圧力媒体の温度がその最高動作温度まで上昇し、同時にその高温作動媒体がより低い温度に冷却されるステップ;
b)4番目の圧力容器の最後のコアから、冷却された高温作動媒体が、内部に残った熱の少なくとも他の一部をそこから追い出すために、ラジエータを貫通した後にA/Cユニットの凝縮器端部に戻されるステップ;
c)中間リザーバからの周囲温度の中温作動媒体が、4つの圧力容器の24個のコアを全て貫通し、それにより、圧力媒体の温度が最大動作温度よりも低い温度に低下し、同時にその中温作動媒体がより高い温度に加熱されるステップ;
d)最後のコアから、中間の作動媒体が、勾配タンク中に流れて、勾配タンクに入る中温作動媒体の第1の部分が最高の温度であり勾配タンクに入る最後の部分が最低の温度であるように、そこに格納されるステップ;
e)中間リザーバからの周囲温度の中温作動媒体が、4つの圧力容器の24個のコアを全て貫通し、それにより、圧力媒体の温度をさらに最低動作温度まで低下させ、同時にその中温作動媒体がより高い温度に加熱されるステップ;
f)最後のコアから、中間の作動媒体が、中間作動リザーバに戻るように流れて、ラジエータを貫通して、さらに他に熱がある場合はそれを周囲環境に追い出すステップ;
g)勾配タンクからの加熱された中温作動媒体が、4つの圧力容器のコアを貫通し、それにより、圧力媒体を最低動作温度を超えるが最高動作温度よりも低い温度に徐々に加熱するステップ。徐々に加熱することは、勾配タンクに入る最後の部分(やはり最低温度である)が最初にコアを通って流れるLIFO機構を使用して実行される;
h)最後のコアから、中温作動媒体が、中間リザーバ中に流れ、その間に、ラジエータ・ユニットを貫通してさらに他に熱があればそれを周囲環境に追い出すステップ;
i)ステップ(a)から繰り返すステップ。
特に、ステップ(a)および(b)、ならびに(e)および(f)は、第1の期間の間継続することができ、ステップ(c)および(d)、ならびに(g)および(h)は、第1の期間よりも長い第2の期間の間継続することができる。具体的には、第2の期間は、第1の期間よりの2倍の長さとすることができる。特定の例では、第1の期間を約5秒とすることができ、第2の期間を約10秒とすることができる。
図28Aおよび図28Bを特に参照すると、以下のようにステップが実行される:
ステップ(a)および(b):高温作動媒体が高温リザーバからバルブEに流れる:E2を介して入り、EおよびラインLEを介して出、→ラインLB2からバルブBに至る:B2を介して入り、BおよびラインLRIを介して出、→コアを出てラインLR0を介してバルブDに入る:Dを介して入り、D3およびラインLD3を介して出、→ラインLFからバルブFに入る:Fを介して入り、F1およびラインLF1を介して出、高温水リザーバに戻る。
ステップ(c)および(d):中温の作動媒体が、中温リザーバからラインLMを介して流れバルブBに至る:B3を介して入り、BおよびラインLBを介して出、→コアを出、ラインLR0を介してバルブDに入る:Dを介して入り、D1およびラインLD1を介して出、→ラインLHからバルブHに入る:H1を介して入り、Hを介して出、勾配タンクに至る。上記で勾配タンクに格納した水を、(図27Aに示す)ラインLPおよびラジエータ3400を通して押し出し、中間リザーバに戻す。
ステップ(e)および(f):中温の作動媒体が、中温リザーバからラインLMを介して流れバルブBに至る:B3を介して入り、BおよびラインLRIを介して出、→コアを出、ラインLR0を介してバルブDに至る:Dを介して入り、D2およびラインLD2を介して出、→ラインLNからラジエータ・ユニット3400に入り中間リザーバに戻る。
ステップ(g)および(h):中温の作動媒体が、勾配タンクから流れてバルブHに至る:Hを介して入り、H2およびラインLB1を介して出、バルブBに入る:B1を介して入り、BおよびラインLRIを介して出、→コアを出てラインLR0を介してバルブDに入る:Dを介して入り、D2およびラインLD2を介して出、→ラインLNからラジエータ・ユニット3400に入り、中間リザーバに戻る。
バルブAがバルブBと等価であり、バルブCがDと等価であり、バルブGがHと等価であることが理解される。バルブEとFは等価ではなく、それぞれ異なるリザーバに関与する−高温の作動媒体リザーバ用のバルブE、および中温作動媒体リザーバ用のバルブF。
図29Aから図29Cを参照すると、発電機3000が圧力容器3200を4つ備え、各圧力容器3200が6つのコアC1からC6を備えることが確認される。それらのコアは、単一の流路を形成するように相互連結されていることも留意される。特に、コアは、以下のように連結されている:
・圧力容器3200の前方端部では、コアC1とC2とは、コネクタCC1−2を介して互いに流体連絡し、コアC3とC4とは、コネクタCC3−4を介して互いに流体連絡し、コアC5とC6とは、コネクタCC5−6を介して流体連絡する;
・圧力容器3200の後方端部では、コアは反対に連結され:コアC2とC3とは、コネクタCC2−3を介して流体連絡し、コアC4とC5とは、コネクタCC4−5を介して流体連絡し、コアC6とC1とは、コネクタCC6−1を介して流体連絡する(図30Aに示す);
次に図30Aから図30Cに移ると、中間点の供給を有する発電機3000が示されており、すなわち、作動媒体が、上記で説明した例のように第1の圧力容器3200の前方ではなく、連続した2つの圧力容器3200の間の領域で圧力容器に入る。つのコア3200Iから3200IV全てがパイプW1−2、W2−3、およびW3−4を介して相互連絡していることも確認される。
特に、ラインLR1は、第1の圧力容器3200Iの第1のコアC1に連結されている。その結果、作動媒体の流路は以下の通りである:
・第1の圧力容器3200Iの第1のコアC1に入り、その全てのコアC1からC6を貫通し、6番目のコアC6から出てコネクタパイプW1−2に入る;
・第2の圧力容器3200IIの第1のコアC1に入り、その全てのコアC1からC6を貫通し、6番目のコアC6から出てコネクタパイプW2−3に入る;
・第3の圧力容器3200IIIの第1のコアC1に入り、その全てのコアC1からC6を貫通し、6番目のコアC6から出てコネクタパイプW3−4に入る;
・第4の圧力容器3200IVの第1のコアC1に入り、その全てのコアC1からC6を貫通し、6番目のコアC6から出てラインLR0に入る。
上記の機構では、圧力容器3200Iから3200IVの24個のコア全てが、互いに流体連絡して、長い流路が形成される。
次に図31Aおよび図31Bに移ると、圧力容器3200Iから3200IVも互いに流体連絡しており、すなわち、これらのそれぞれ一方の容器内の圧力流体は、他方の容器内の圧力流体と流体連絡していることが確認される。流体連絡は、高圧コネクタP1−2、P2−3、およびP4−1によって行われる。4つの圧力容器のうちの1つが、出口高圧コネクタPENDを具備し、その出口高圧コネクタPENDを通って、高圧媒体がピストン・ユニット3270R、3270Lに供給される。
次に図32Aおよび図32Bに移ると、2つの勾配タンク3600L、3600Rを備える発電機3000が示されており、それらの勾配タンクはそれぞれ、適切な配管を介して圧力容器3200と流体連絡する。特に、勾配タンク3600R、3600Lはそれぞれ、対応するバルブH、Gを具備し、それらのバルブは、上記のステップ(c)および(d)に関して上記で説明したように勾配タンク3600R、3600Lに加熱/冷却された作動媒体を供給するように構成されている。
勾配タンク3600L、3600Rはそれぞれ、上記で説明した勾配タンク600、1600、および2600と概して同様の構造のものである。特に、勾配タンクに入る作動媒体の連続した部分の間の温度差を維持するように構成されたフロー・ラビリンス3610を有するように形成されている。
さらに、勾配タンク3600R、3600Lはそれぞれ、上部でパイプラインLGOに連結されており、作動媒体がバルブHおよびGを介して勾配タンクに入るときに勾配タンク内に収容された媒体を押し出すことができるように構成されていることが確認される。
図33Aおよび図33Bを参照すると、全体を3900で示すアキュムレータ機構が開示されており、そのアキュムレータ機構は、上記の発電機によって発生したエネルギーの一部を格納するように構成されている。アキュムレータ機構3900はケーシング3910を備え、そのケーシング3910は、ケーシング3910内に配置された加熱要素3920によって加熱されるように構成された格納媒体(図示せず)を収容する。具体的には、加熱要素3920は、格納媒体を加熱するように、発電機3000によって生成した電力の一部を使用して動作する。
その結果、所与の長さの時間にわたって、ケーシング3910内の格納媒体は、徐々に高温リザーバ3110内の高温作動媒体の温度と同様の温度まで加熱される。こうした温度に達する際に、発電機3000のバルブAからGは、高温リザーバ3110からの高温作動媒体の代わりにケーシング3910からの高温格納媒体が発電機3000を通して循環するように選択的に切り替えられて、副次的動作モードが定義される。
特に、その機構は、副次的モードではステップ(a)および(b)が以下のように実行されるようになっている:
ステップ(a)および(b):高温格納媒体が、アキュムレータ機構3900のケーシング3910出口GBOUTからバルブE中に流れ:E1を介して入り、EおよびラインLKを介して出、→ラインLB2からバルブBに至り:B2を介して入り、BおよびラインLRIを介して出、→コアを出てラインLR0を介してバルブDに入り:Dを介して入り、D3およびラインLD3を介して出、→ラインLFからバルブFに至り:Fを介して入り、F1およびラインLF1を介して出てGBINを通ってケーシング3910に戻る。
発電機3000が副次的モードで動作し、高温リザーバ3110が上記で説明したように配管によって回避され、したがって、発電機3000の動作に参加しないことが理解される。これにより、A/Cユニットを一時的に停止し、それにより、発電機3000の全体の電力消費を低減することが可能になる。
次に図34に移ると、A/Cユニットは作動媒体サブシステム3100の形態であり、その作動媒体サブシステム3100は、凝縮器端部3112と、蒸発器端部3122と、圧縮機機構CPと、膨張バルブ機構EVとを有する。蒸発器端部3122は、周囲環境と熱連絡しそこから熱を吸収するように周囲環境に曝露される。凝縮器端部3112は、高温の作動媒体を収容した高温リザーバ3110を構成するハウジング内に配置される(図示せず)。
圧縮機機構CPおよび膨張バルブ機構EVは、凝縮器端部3112および蒸発器端部3122の両方と流体連絡しており、標準的な冷却サイクルを生み出すように動作する。その標準的な冷却サイクルでは、キャリア媒体(図示せず)が、圧縮機機構CPによって圧縮され、凝縮器端部3112を貫通し、膨張バルブ機構EVによって膨張し蒸発器端部3122に至る。
圧縮機機構CPが圧縮機(CP1からCP4)を4つを備え、膨張バルブ機構EVが対応する膨張バルブ(EV1からEV4)を4つを備えて、4つの作動カプレットCP1−EV1、CP2−EV2、CP3−EV3、およびCP4−EV4が形成されることが確認される。圧縮機CP1からCP4はそれぞれ、電力消費量が異なり、圧縮比が異なり、膨張バルブEV1からEV4はそれぞれ、膨張率がそれぞれ異なるように構成されている。
その機構は、作動媒体サブシステム3100が少なくとも1つのカプレットによって一度に動作し、カプレットは高温リザーバと低温リザーバとの間の必要な温度差に応じてかつ外部周囲環境の温度に従って選択されるようになっている。
CP−EVカプレットを、特定の日/年の間に動作するように構成することができる。より具体的には、1つのカプレットは夏の昼間に、別のカプレットは夏の夜に、第3のカプレットは冬の昼間に、第4のカプレットは冬の夜に動作するように構成することができ、発電機3000の動作がより効率的になる。
さらに、上記の機構により、4つの圧縮機のうちの1つが機能不全になったときの少なくとも3つのバックアップ用圧縮機が提供される。例えば、夏の夜用の圧縮機が機能不全になった場合は、夏の夜用の圧縮機を修理に出している間に冬の昼間用の圧縮機を使用することができる。
次に図35Aから図35Eに移ると、全体を3300で示す線形ギア装置が示されており、これは、上記で説明した動力アセンブリ300の代わりに用いられる。線形ギア3300はハウジング3310を備え、そのハウジング3310内には、ラック3320が、ギア装置3300のピニオン機構3340R、3340Lと係合するように構成されている。
端部3310R、3310Lはそれぞれ、対応する開口部3312R、3312Lをそれぞれ有するように形成されており、それらの開口部3312R、3312Lは副次的作動媒体と流体連絡しており、その副次的作動媒体は、圧力容器3200R、3200L内に収容された圧力媒体の圧力が変化する結果、発電機300の動作中にハウジング3310の内外にポンプ輸送される。その結果、ラック3320は、ハウジング3310の第1の端部3310Rと第2の端部3310Lとの間の変化する圧力の下で往復運動する。
ラック3320のねじ山部分3324がピニオン機構3340R、3340Lのピニオン3348R、3348Lと係合するので、ハウジング3310内のラック3320の往復運動により、ピニオン3348R、3348Lがその軸を中心に回転し、それにより、直線運動を回転運動に変換し、これは最後にはドライブ・シャフト3332に伝達される。
ピニオン3348R、3348Lを担持するシャフト3342L、3342Rがそれぞれ、ピニオン3348R、3348Lの回転が一方向のみになるように、その両端にベアリング3345L、3345Rも具備することが確認される。具体的には、特に図35Cを参照すると、ラック3320が左に変位すると、ピニオン3348Rがその上に装着されたシャフト3342Rは、その軸を中心に回転して、ピニオン3348Rが回転する。しかし、同時に、ピニオン3348Lがその上に装着されたシャフト3342Lもその軸を中心に回転し、ピニオン3348L自体はベアリング3345Lによって静止したままである。同様に、ラック3320が反対方向に変位する間に、ピニオン3348Lは回転し、ピニオン3348Rは静止したままである。
シャフト3342L、3342Rを安定させ、さらに、ラック3320が変位する間にそれらを自由に回転可能にするために、追加のベアリング3344L、3344Rが各シャフト3342L、3342Rに取り付けられている。
したがって、両方のピニオン3348R、3348Lが発電機シャフトのギア3338と係合するので、2つの方向のうちのいずれかにラック3320が変位すると、ギア3338が回転し、その結果、シャフト3332が回転する。シャフト3332の回転を、既知の手法で電気に変換することができる。
さらに、ハウジング内で往復運動する際にラック3320を安定させるために、ギア装置3300が2つの区切りローラ3350R、3350Lを有するように設けられ、それらの各ローラは、それぞれのピニオン機構3340L、3340Rの前方にそれぞれ配置される。それらのローラ3350R、3350Lは、軸方向にしか移動しないように区切るように、ラックに係合するように構成されている。
区切りローラ3350R、3350Lはそれぞれ、シャフト3352R、3352Lをそれぞれ備え、それらのシャフト3352R、3352L上には、ローラ部材3356R、3356Lが装着されている。さらに、シャフト3352R、3352Lの各端部は、ベアリング3354R、3354Lをそれぞれ具備し、それらのベアリング3354R、3354Lは、ピニオン機構3340R、3340Lのベアリング3344L、3344Rと同様である。組み立ての際には、ローラ部材3356R、3356Lは、軸方向の移動のみ可能になるように、ラック3320のねじ山のない部分3322と係合する。
ドライブ・シャフト3332自体もベアリング3335を備え、そのため、ラック3320がすでに往復運動を止めた場合でも慣性によって自由に回転できることも留意される。
線形ギア・アセンブリ3300のラック・アンド・ピニオン機構によりいくつかの大きな利点がもたらされることが理解される:
・一方向におけるストロークの長さが反対方向におけるストロークの長さと同様でない場合でも、ラック3320が変位すると、ドライブ・シャフト3332が回転する;
・ドライブ・シャフト3332のベアリング3335によって、一方向におけるラック3320の単一のストロークの際、かつラックがその方向の動きを終えた後で、ドライブ・シャフトはさらに回転を続け、したがって、ラックの移動内でも追加の電力を生成することが可能になる;
・線形ギア機構3300は、その単純な構造および単一のラック3320の使用により、上記で説明した動力アセンブリよりも正確である;
・上記で説明した動力アセンブリよりも伝達比をずっと高くする;
次に図36Aから図36Dに移ると、全体を4000で示す発電機のさらに別の例が示されている。本質的には、発電機4000は、上記で説明した発電機3000と同様であるが、いくつかの違いがあり、その一部は以下の通りである:
・圧力容器4200R、4200Lを2つしか備えず(8つではなく)、それぞれ圧力容器3200よりも長いこと;
・前方の供給および後方の出現(front feed and rear egress)、すなわち、作動媒体が圧力容器4200R、4200Lにその前方端部から入り、その後方端部から出ること;
・発電機を通る作動媒体の推進はポンプによって行われること;
・動作モードを2つ有するように構成されたバルブ4140R、4140Lの組み合わせを備えること;
・2つのコンパートメントに分割されそれらの間で動作する熱ポンプを有するアキュムレータ機構4900を備えること;および
・そのギア装置4300が、通常のギアの代わりにローラ・ギアを備えること。
図36Aを参照すると、発電機4000が作動媒体サブシステム4100と、圧力容器4200と、発電機アセンブリ4300と、ラジエータ4400と、勾配タンク4600L、4600Rと、アキュムレータ機構4900とを備えることが確認される。
次に図37Aから図37Dに移ると、発電機4000は、4つ(それぞれ2つ)のコア分配機構4140L、4140Rを備え、圧力容器4200はそれぞれ、その各端部にコア分配機構4140L、4140Rを具備する。圧力容器4200L、4200Rはそれぞれ、5つのコア4220を備え、バルブ4140L、4140Rはそれぞれ、5つの分配ライン(例えば、図37Bに示す左の圧力容器4200Lの前方端部のLA6からLA10)および対応する5つのレギュレータ・バルブ(例えば、A6からA10)を介してコア4220に連結されていることが留意される。
各圧力容器4200L、4200Rのコア4220は、相互連結されて、コネクタを介して単一の流路が形成されることも留意される(例えば、図37Bに示す左の圧力容器4200Lの前方端部のLAC7−8およびLAC9−10、ならびに左の圧力容器4200Lの後方端部のLDC8−9およびLDC10−6)。
分配機構4140L、4140Rおよびレギュレータ・バルブは、コア4220を通る選択的な平行/線形の流れを可能にするように設計されている。言い換えると、コア4200は、平行に動作することができ、すなわち、作動媒体が、全てのコア4220を取って圧力容器4200の一方の端部から他方の端部に単一方向に流れるか、あるいは、作動媒体がそれを通って前進する単一の(かつ非常に長い)流路が形成される。
発電機4000の動作に関して明らかになるように、ある特定の動作段階では、平行な流れの構成を使用することが有益な場合があり、他の段階では、線形の流れの構成を使用することが有益な場合がある。
図37Aから図37Dを参照しながら発電機の動作の様々な段階を次に説明する圧力容器4200L、4200Rの初期の位置から開始するいくつかのステップを以下に提示する。その初期の位置では、右の圧力容器4200R内の圧力媒体は、その最高温度(例えば、42.5℃)に達し、左の圧力容器4200L内の圧力媒体は、その最低温度(例えば、7.5℃)に達している。それらの段階を右の圧力容器4200Rに関して以下に説明するが、左の圧力容器4200Lにフェーズをずらして同じことを応用することが理解される:
高温エネルギー吸収および格納:中温作動媒体(例えば25℃)は、中温リザーバからラインLIIを介して流れバルブBに入る:B2を介して入り、Bを介して出てポンプ4150Rに入り、そこを通って分配機構4140Rに至りラインLB6に入る→全てのコア(線形の流れの構成)を貫通し→コアを出、ラインLC10を介してバルブCに入る:Cを介して入り、C1およびラインLC1を介して出、→バルブGに入る:G2を介して入り勾配タンクに至る。勾配タンクに前に格納した水は、(図37Dに示す)ラインLHGLを通して押しやられ、ラジエータ4400を介して中間リザーバ4130中に入る。その点で、勾配タンク4600R内の中間の作動媒体の最も高温の部分(タンクの上部)を約40℃とすることができ、勾配タンク4600R内の中間の作動媒体の最も低温の部分(タンクの底部)を約27.5℃とすることができる。圧力媒体の温度はこの点で約30℃とすることができる。
高温エネルギー回収:中温作動媒体は、勾配タンク4600Rから流れてバルブGに入る:Gを介して入り、G1およびラインLG1(LA1)を介して出てバルブAに入る:A1を介して入り、Aを介して出、ポンプ4150Lに入り、そこを通って分配機構4140Lに至りラインLA6に入り、→全てのコア(線形の流れの構成)を貫通し、→ラインLD10を介してコアを出、バルブDに入る:Dを介して入り、D2およびラインLD2を介して出、→ラジエータ・ユニットに入り、勾配タンク4600Lに戻る。このステップ中には、右の勾配タンク4600R内の作動媒体は、左の圧力容器4200L内の圧力媒体を徐々に加熱し、左の勾配タンク4600L内の(約22.5℃から10℃の範囲にある)中間の作動媒体は、右の圧力容器4200R内の圧力媒体を徐々に約15℃まで冷却する。
大幅な冷却:低温の作動媒体(例えば0℃)は、低温リザーバから流れ、ラインLCIを介してバルブBに入る:B4を介して入り、Bを介して出、ポンプ4150Rに入り、そこを通って分配機構4140Rに至りラインLB6に入る、→全てのコアを同時に貫通する(平行な流れの構成)→全てのラインLC6−10を介してコアを出、バルブCに入る:Cを介して入り、C3およびラインLC3を介して出、→任意選択でラジエータ4400を(部分的にでも)通って、低温リザーバ4120に戻る。それにより、右の圧力容器4200R内の圧力媒体の温度を約7.5℃に低下させることができる。
低温エネルギーの吸収および格納:中温作動媒体(例えば25℃)は、中温リザーバからラインLIIを介して流れバルブBに入る:B2を介して入り、Bを介して出、ポンプ4150Rに入り、そこを通って分配機構4140Rに至りラインLB6に入る、→全てのコア(線形の流れの構成)を貫通し、→ラインLC10を介してコアを出、バルブCに入る:Cを介して入り、C1およびラインLC1を介して出、→バルブGに入る:G2を介して入り、勾配タンクに入る。勾配タンクに前に格納した水は、(図37Cに示す)ラインLHGLを通して押しやられ、ラジエータ4400を介して中間リザーバ4130中に戻る。その点で、勾配タンク4600R内の中間の作動媒体の最も低温の部分(タンクの上部)を約10℃とすることができ、勾配タンク4600R内の中間の作動媒体の最も高温の部分(タンクの底部)を約22.5℃とすることができる。圧力媒体の温度はこの点で約30℃とすることができる。圧力媒体の温度をその点で約20℃とすることができる。
低温エネルギーの回収:中温作動媒体は、タンク4600Rから流れバルブGに入る:Gを介して入り、G1およびラインLG1(LA1)を介して出、バルブAに入る:A1を介して入り、Aを介して出、ポンプ4150Lに入り、そこを通って分配機構4140Lに至りラインLA6に入る、→全てのコア(線形の流れの構成)を貫通し、→ラインLD6−10を介してコアを出、バルブDに入る:Dを介して入り、D2およびラインLD2を介して出、→ラインLIOからラジエータ・ユニットに入り勾配タンク4600Lに戻る。このステップ中には、左の勾配タンク4600L内の作動媒体は、右の圧力容器4200R内の圧力媒体を約35℃まで徐々に加熱し、右の勾配タンク4600R内の(約22.5℃から10℃の範囲にある)中間の作動媒体は、左の圧力容器4200L内の圧力媒体を約15℃まで徐々に冷却する。
大幅な加熱:高温の作動媒体(例えば50℃)は、高温リザーバ4110からラインLHIを介して流れバルブBに入る:B3を介して入り、Bを介して出、ポンプ4150Rに入り、そこを通って分配機構4140Rに至りラインLB6に入る、→全てのコア(平行な流れの構成)を同時に貫通する、→ラインLC10を介してコアを出、バルブCに入る:Cを介して入り、C4およびラインLC4を介して出る、→任意選択でラジエータ4400を(部分的にでも)通って、高温リザーバ4110に戻る。それにより、右の圧力容器4200R内の圧力媒体の温度を約42.5℃に上昇させることができる。
上記で説明した6つのステップはそれぞれ、所定の期間にわたって、例えば5秒間、継続することができる。しかし、他の機構では、各ステップが異なる期間にわたって継続することが有益なことがある。
発電機の動作を制御するために、以下のうちいずれか1つを監視するように構成されたコントローラを設けることができる:
・発電機4000の配管を通る流量;
・バルブの動作モード(開/閉、平行/線形の構成など);および
・各ステップの長さ。
図38を参照すると、発電機4000は圧力システムを備え、その圧力システムは、発電機3000に関して上記で説明したものと同様である。圧力容器4200L、4200Rはそれぞれ、ワーク・ピストン4270L、4270Rと補償ピストン4280L、4280Rとをそれぞれ具備する。ワーク・ピストン4270L、4270Rはそれぞれ、最後には(図47に示す)ラック4320が内部で往復運動するように、ライン4274L、4274Rを介してギア装置4300のハウジングに取り付けられる。
図39に移ると、作動媒体サブシステム4100が熱ポンプの形態で示されている。これは、上記で説明したサブシステム3100と概して同様であるが、違いは、4つの異なる圧縮機を利用しないが、変化する圧縮比および電力消費の下で動作できる単一のスクリュ・圧縮機を利用し、したがって、周囲環境の状況に対してその動作を調節できることである。
次に図40Aから図40Dに移ると、発電機4200はさらにアキュムレータ機構4900を備え、そのアキュムレータ機構4900は、上記で説明したアキュムレータ30機構3900と目的が同様である。しかし、アキュムレータ機構4900が高温コンパートメント4910Hおよび低温コンパートメント4910Cを備え、副次的熱ポンプ4930に連結されていることが確認される。その副次的熱ポンプ4930の凝縮器端部4932は、第1のコンパートメント4910H内に配置され、蒸発器端部4934は、第1のコンパートメント4910C内に配置される。
特に、コンパートメント4910H、4910Cはそれぞれ、入口GHI、GCIと、出口GHO、GCOをとそれぞれ有し、それらに、対応する入口ラインLGHI、LGCIおよび出口ラインLGHO、LGCOがそれぞれ取り付けられる。出口GHOはコンパートメント4910Hの上端部に配置され、入口GHIはコンパートメント4910Hの底端部に配置されることが確認される。対照的に、出口GCOはコンパートメント4910Cの底端部に配置され、入口GCIはコンパートメント4910Cの上端部に配置される。
上記の機構により、高温の作動媒体を高温コンパートメント4910Hの高温領域から引き抜き、その作動媒体を高温コンパートメント4910Hの低温領域に戻すことが可能になる。それに応じて、この機構により、低温の作動媒体を低温コンパートメント4910Cの低温領域から引き抜き、その温度の作動媒体を低温コンパートメント4910Cの高温領域に戻すことが可能になる。
したがって、発電機によって供給されるエネルギーの一部を、(上記で説明した例のように)単純なヒータの代わりに、選択的に副次的熱ポンプ4930に供給することができ、それにより、4910Hにおける副次的高温リザーバに供給するだけでなく、4910Cにおいて低温リザーバにも与える。
動作の際には、コンパートメント4910Hおよび4910C内の副次的作動媒体がそれぞれ高温/低温リザーバと同様の温度に達すると、主要な熱ポンプが一時的にその動作を中止している間に発電機の動作に使用することができる。
さらに、高温コンパートメント4910Hは、コンパートメント4910H内に収容された格納流体を直接加熱するように構成されたヒータを備える。副次的熱ポンプ4930の動作中には、高温/低温コンパートメント内の格納媒体が加熱/冷却の限界に到達できる(すなわち、最高/最低の温度限界に到達する)ことが理解される。そのような場合には、副次的熱ポンプ4930の動作を中断することができ、次いで、ヒータを使用して高温コンパートメント4910H内の格納媒体をさらに加熱する。
上記の機構の下では、副次的熱ポンプ4930が中断されると、高温コンパートメント4910H内の作動媒体は高温の作動媒体として使用することができ、低温コンパートメント4910C内の作動媒体は低温/中温の作動媒体として使用される。
次に図41Aから図41Eに移ると、圧力容器4200およびその内部のコアの構造を説明する。圧力容器4200は、5つのコア4220を内部に収容する外部ハウジング4222を備える。圧力容器4200はシーリング機構も備え、そのシーリング機構は、圧力容器4200からの漏出を防止し圧力媒体の高い圧力を維持するように構成されたシール4242、4244、および4246を備える。
コア4220はそれぞれ、圧力容器4200内に撹拌アセンブリ4230を具備し、その撹拌アセンブリ4230は、圧力媒体をより良好に混合するためにコア4220を中心に回転するように構成され、それにより、圧力媒体と、発電機4200の動作中にコア4220内を流れる作動媒体との間の熱伝達がより効率的になる。
撹拌アセンブリ4230は、概して上記で説明したものと同様であり、中心シャフト4235上に装着され外付けのモータによって駆動する、中心ギア4232と係合したドライブ・ギア4234を備える。
圧力容器4200が非常に長い(その長さはその公称直径よりもずっと長い)ので、圧力容器4200に沿って、コア4220を支持するように構成された支持機構4290が設けられることも確認される。本質的には、これらの支持機構4290は支持ディスク4293を備え、その支持ディスク4293は、その中を通してコア4220を受容する孔を有するように形成される。こうした支持機構4290はそれぞれ、望ましくない漏出を防止するためのシーリング部材4295、4297も具備する。
次に、図42Aから図45Cを参照すると、図にはコアの構造の様々な例が示されている。これらの例はコアの前方端部の構造を示すことが留意される。
特に図42Aから図42Eを参照するとコア4220’示されており、そのコア4220’は、コア本体4221’と、静的な流れ軸を収容する中心コア空隙4222’とを備える。
前方端部の近くでは、流れ軸の第1の部分4223’が滑らかであり、空隙4222’の断面全体を占有しないことが確認される。さらに、ことが確認されるコア本体4221’は前方部分で、その内面にのみ粗面4226’を有するように形成されている。それとは反対に、流れ軸の第2の部分4224’は、空隙4222’の断面全体を占有するらせんとして形成される。さらに、コア本体4221’が第2の部分で、その内面と外面の両方に粗面4226’を有するように形成されていることが確認される。流れ軸は中空であり、内側チャネル4223Oを有するように形成されることも確認される。
内面と外面の両方に粗面4226’が形成されたリッジは、外面にあるリッジの頂点が内面にある溝に位置合わせされるように、互いに位置合わせされることが留意される。それにより、コアの軸に垂直にとった任意の所与の断面においてコアの厚さが均一になる。
上記の設計の一利点は、圧力容器内における第1の部分の位置にある。図41Aから41Eから確認できるように、コアの第1の部分は、シール4242、4244、4246の領域に配置され、それにより、圧力媒体との熱交換プロセスに関与しない。したがって、第2の部分と同じ構造を有する必要はなく、図示のような単純化した設計に維持することによってコストを削減することができる。
特に図42Dを参照すると、粗面4226’がコアの中心から完全に径方向に延在しない歯の形態であることが確認される。そうではなく、歯は、コア4220中を流れる作動媒体が歯の方向に旋回するようにわずかに角度をもって延在し、歯と歯の間を貫いて、熱交換プロセスを良好にすることが可能である。
次に図43に注目すると、図42Aから図42Eに示すのと同様の設計を有するコア4220’’が示されており、その違いは、第1の部分を貫通する作動媒体がコアのうちの熱交換プロセスに参加しない部分を加熱/冷却する際にそのエネルギーを浪費しないように、隔離スリーブ4227’’を使用して、コア4220’’の第1の部分が隔離されていることである。
次に図44Aから図45Cに移ると、2つの追加のコア4220’’’および4220IVが示されており、これらは、上記で説明したコア4220’および4220’’と同様の設計である(同様の要素は、対応するプライム符号を付けた同様の参照番号で示している)。コア4220’’および4220IVと上記で説明したコアとの間の主な違いは、円錐/ピラミッド形の突起の形態ではなくリングの形態の粗面の設計にある。こうした設計は、製造がわずかに簡単であり、製造コストが低い。
次に図46Aから図46Dに移ると、圧力容器4200のアセンブリが示されている。コア4220およびそれに関係する全ての機械要素(ファン機構、ギア、ドライブ・シャフトなど、本明細書では「コア・アセンブリ」)が全てスリーブ部材4200に囲繞されることを確認することができる。スリーブ部材4200は、硬い材料から形成され、コア・アセンブリ全体を機械式に支持するのに十分な厚さを有する。例えば、スリーブ部材4200は、スチールから作製することができ、数ミリメートルの厚さを有することができる。
上記の機構の下では、まずコア・アセンブリ全体を完全に組み立て、それをスリーブ部材4200で囲繞し、その次にのみ、囲繞されたアセンブリを圧力容器ケーシング4200中にスライドすることが可能である。さらに、修理およびメンテナンスのためには、囲繞されたコア・アセンブリを圧力容器4200から(例えば、引き出して)取り外し、適切なスリーブ部材4200を取り外し、必要なメンテナンスを行うことが可能である。
スリーブ部材4200の断面が半円形(すなわち、パイプを半分にした形状)であり、こうした2つの部材がコア・アセンブリの一部を囲繞するときにそれらの間に隙間Gが残る(図46C、図46D参照)ことも確認される。隙間Gにより、スリーブ部材4200Sとコア・アセンブリとの間に画定された内側領域と、スリーブ部材4200Sと圧力容器4200のケーシング4222との間の外側領域との間に、圧力媒体が流体連絡する。
シール機構がシール4244を備え、そのシール4244は本質的に3つの別々の部品から作製されており、スリーブ4220S中に挿入されコア4220上に装着されると、これらは互いに近くに押圧されて、圧力容器4200に必要なシールが設けられることも留意される。
次に図47に移ると、改良型のギア装置4300が示されており、そのギア装置4300は、ラック4320と係合したローラ・ピン・ピニオン4348R、4348Lと、ドライブ・シャフト4332と係合したギア3349R、3349Lとを備える。ローラ・ピン・ピニオン3348R、3348Lは、接触面積が増大し歯の形状を単純にしたことにより、通常のギアの係合に対してずっと高い効率をもたらす。他の全ての面で、ギア装置4300はほぼ同じ様に動作する。
しかし、ローラ・ピン・ピニオン4348R、4348Lは、その軸を中心に自由に回転するので、ギアに低摩擦の利点をもたらす。
図48Aから図48Cに移ると、作動媒体サブシステム4100’の別の例が示されており、図では、各高温/低温リザーバ4110、4120がそれぞれ複数のコンパートメントに分割されている。コンパートメントは、互いに流体連絡しているが、サブシステム4100を出て圧力容器4200L、4200Rに向かう作動媒体と、熱交換プロセスを行った後にサブシステム4100に入る作動媒体との間の混合を依然として遅らせる。こうした機構は、発電機の構成をより効率的にすることができる。
次に図49Aから図49Hに移ると、直径Dよりもずっと長い長さLの圧力容器4200’が示されている。圧力容器4200’は、図41Aから図41Dに関して上記で説明したような支持アセンブリ4920’も備えるが、それとは対照的に、本例では、各コア4220’は単一のコアではなく、コア・セグメントから形成されている。連続した2つのセグメントはそれぞれ、それらの間に配置された支持アセンブリ4290’において互いに隣接している。
2つのコア・セグメントが隣接するためには、それらのセグメントの間にインサートが導入され、それらの間で流体連絡するようにそれぞれコア内で受容される。コア・セグメントが圧力容器内に完全に収容され、圧力容器の端部ではインサートのみが突出することも図49Bから確認される。インサート4299’自体は、高い熱伝達係数を必要としない材料、例えば、プラスチックから作製することができる。
支持アセンブリ4290’においてインサートによって隣接するときは、連続した2つのコア・セグメントは、互いに対してある特定の移動の自由度を有する。互いに対するコアの変位を低減するためには、支持アセンブリ4290’は、コアのファン機構がそれを中心に自由に回転できるようにするベアリング4293’を備える。
特に図49Dを参照すると、ベアリング4293’は自己整列タイプのものであり、ベアリング・ボール4295’のハウジング4294’が湾曲した形状であり、コアが設けられ、ファン機構が装着され、ある特定の制御可能な自由度を有する。
図49Fおよび図49Gを参照すると、支持アセンブリ4290’がより明確に示されている。その支持アセンブリ4290’は、ディスク形であり、コアおよびドライブ・シャフトDSの数と同じ数の複数の開口部を有するように形成されている。
次に図49Hに注目すると、開口部4287を介してボルト4285によってコア・アセンブリに取り付けられたスリーブ部材4200’が示されている。開口部4287が円形でなく、わずかに長くなっていることが確認される。囲繞されたコア・アセンブリがまず圧力容器4200’中に導入され、その次にのみ圧力容器が高圧(例えば、6000気圧)で予め導入されることを理解されたい。こうした圧力下では、圧力容器は、わずかに長くなってよく、したがって、ボルトを保持する開口部はは、ある特定の自由度をもたらすはずである。こうした機構は、スリーブ部材4200’のボルトに関してだけでなく、圧力容器内の他のボルトで留められた要素にも有効である。
さらに、少なくとも圧力容器内のほとんどのボルト取り付け具(すなわち、ねじ孔にねじ込まれるボルトまたはねじを有する取り付け具)の場合には、せん断力を低減するためにボルトの両側(その頭部および端部)の負荷を等しくするように、ねじ孔のうちのボルトに占有されない部分の間と流体連絡させるねじ山内に孔を形成することが有益な場合がある。
本願の発電機の構成および機構の上記の例全てに関して、以下の計算を適用することができる:
基本データ:
・概して、発電機4000を、入力電力の約2.24倍を供給する、すなわちWOUTPUT=2.24WINPUTになるように構成することができる。当然、出力電力の一部を発電機の動作に戻すように供給する場合は、有効出力電力は、約1.24WINPUT(2.24WINPUT−WINPUT)である;
・標準的な熱ポンプの平均的効率は、50〜70%の範囲とすることができ、すなわち、理論上WOUTPUT=10WINPUTをもたらすはずであるCOP10の場合は、実際の出力が5〜7WINPUTの範囲にある。この計算のために、効率を55%に仮定する;
・本計算のために選択されたCOPは8であり、高温作動媒体と低温作動媒体との間の温度差は約40℃である;
・発電機は、圧力媒体に供給される熱の約30%を、モータ・アセンブリを介して出力エネルギーに変換することができ、すなわち、圧力媒体に供給される熱量Qの場合は、(予め導入する約6000気圧の下での臭化エチルの特性に基づいて)約0.3Qが実際の出力に変換される;
・エネルギー回収機構により、圧力媒体内の残りの熱量の約50〜66%の回収が可能になる;
上記のパラメータ下では、発電機は以下のように動作することができる:
発電機の熱ポンプ内で(高温リザーバと低温リザーバとの間に40℃の差を生み出すように)1.00kWhの電気エネルギーを供給すると、4.40kWhの熱エネルギーが供給され、これは圧力媒体に供給される熱量である。理論上、適切な温度およびCOP8において40℃の温度範囲はより多くの電力を生成するはずであるが、熱ポンプの効率が55%なので出力は1kWh×8×55%=4.40kWhになる。
最終的に圧力媒体に供給される熱のうちの30%しか出力エネルギーに変換されないので、上記の計算によると約1.32kWhの電気エネルギーを生み出す。これは、圧力媒体内の残りの熱が約4.40−1.40=3.00kWhである(システム内の様々な熱損失を考慮して1.32の代わりに1.4を使用している)。
圧力媒体内の残りの熱量の60%を回復すると、1.80kWhが回収される(3.00×0.6=1.80kWh)。したがって、圧力媒体に供給される4.40kWhのうちの1.80が回収され、それにより、発電機の各動作サイクルで圧力媒体に供給されるべき追加の熱は4.40−1.80=2.60になる。
言い換えると、各サイクルにおいて、熱量約2.60kWhが差熱モジュールによって供給され、熱量約1.80が回収機構によって供給されて、1.32kWhを生み出す際に発電機の動作に必要な熱量4.40kWhが生み出される。
上記の機構の下では、必要な熱2.60kWhを供給するために、差熱モジュールの熱ポンプは、上記で提案したようなCOP=8の場合に、ここでは(1kWhではなく)0.59kWhしか必要としない。これにより、発電機の動作の開始時に、すなわち、その動作の最初のサイクルでは、入力電力として1kWhが供給されるが、回収機構が実行されると、発電機の連続動作の間にすぐに0.59kWhになる。
要約すると、発電機の連続動作の際に(起動後に)、出力エネルギー1.32kWhを供給するには、発電機は、0.59kWhの一定の供給を必要とし、それにより、入力/出力比1.32/0.59=2.24:1が生み出される。
低温範囲で、例えば、40℃でなく30℃で発電機を動作させ、それにより、場合によっては発電機の各動作サイクルの有効出力を増大させる(1.32kWhの代わりに1.67kWh)ことが可能であると留意されたい。しかし、これにより、時間当たりのサイクル数が低下することにもなり、それにより、発電機の発生エネルギー全体が減少する。
上記の計算は、材料、COP、温度範囲などに依存する特定のパラメータに関して、様々な損失、熱放散、補償因子などを考慮に入れて提供される。これらのパラメータは、発電機の動作による最終結果を異なるものにするために変えることができ、その最終結果は、上記で提示した結果を超えることができる(それより低くすることも可能である)。
本願の主題が属する分野の当業者は、本願の主題の範囲から逸脱することなく、必要な変更を加えて多数の改変、変更、および修正を実行できると容易に理解するであろう。