JP2013523782A - 放射線防護剤化合物および方法 - Google Patents

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Abstract

本発明は、新規化合物、それらを調製するための方法、および放射線損傷からの生物材料の防護(放射線防護)におけるそれらの使用に関する。本発明の好ましい化合物は、下記の通りの、式(II)の化合物および薬学的に許容できるそれらの誘導体であり、式中、Wは、-N(R1R2)(式中、R1およびR2は、同時に水素ではなく、それらは、一緒になって5、6または7員の環構造を形成していてもよい)、-NHN(R1R2)、NHR3N(R1R2)、-NHR3OR2、-N(R3)R3OR2、-N(R1)R3OR3OR3、OR3NR1R2、-OR3を表すか、あるいは、Wは、ピペリジル、ピペラジニル、モルホリニル、チオモルホリニルまたはジアゼパニルを表し、これらはそれぞれ、C1〜C4アルキル、C2〜C4アルケニル、-N(CO)N(R1R2)、-N(CO)OR1、-N(CO)OR3OH、-(CO)NR1R2、-R3(CO)NR1R2、-R3OR1、-OR1、-N(R1R2)または-NH-により場合により置換されていてもよく、R1およびR2は、同じであるかまたは異なり、水素、C1〜C4アルキルまたはC2〜C4アルケニルから選択され、R3は、C1〜C4アルキルまたはC2〜C4アルケニルの基または鎖であり、Zは、同じであるかまたは異なり、NまたはCHを表し、Z'は、同じであるかまたは異なり、NまたはCを表し、Xは、CH、NまたはNHを表し、点線が付された結合は、XがCHまたはNの場合は二重結合であり、XがNHの場合は単結合であり、X'は、NまたはNHを表し、XがCHまたはNの場合は、X'は、NHであり、XとX'は異なり、さらに、波線が付された結合は、X'がNの場合は二重結合であり、X'がNHの場合は単結合であり、Qは、H、アルコキシル、-NR1R2、FまたはClを表し、Q1は、Z'がNの場合は存在せず、Z'がCの場合はH、アルコキシル、-NR1R2、FまたはClを表し、Aは、複素環のNまたはOがオルト位に位置する5〜10員の単環構造または多環構造を表し、前記環は、任意選択で二重結合、置換基および/または他のヘテロ原子を含んでいてよい。

Description

本発明は、新規化合物、それらを調製するための方法および放射線損傷からの生物材料の防護(放射線防護)におけるそれらの使用に関する。診断放射線医学および治療放射線医学、特に、癌放射線治療において、放射線防護剤を使用し、放射線損傷から、ある種の正常な組織または構造を防護することができる。放射線防護剤は、民事的と軍事的の両方の非医学的シナリオにおける照射の効果を低下させることにおける用途も有する。本発明は、特に、複素環のNまたはOがオルト位に位置する5〜10員の単環構造または多環構造を、分子の「右手側」と見なすことができるところに有することにより特徴付けられるビベンズイミダゾール骨格から誘導される新規化合物に関する。本発明の化合物は、知られている放射線防護剤化合物と比較して低下した細胞毒性および/または改善された放射線防護剤活性を示すことがある。
DNAが、電離放射線の細胞毒性効果において重要な標的であることは一般的に認められている。DNA二本鎖(ds)破壊が特に重要であるという見解を支持するかなりの証拠がある。DNA損傷は、DNA分子における直接電離(直接効果)と水の放射線分解生成物により仲介される間接効果の両方から生じる。DNAのデオキシリボース部分上の炭素中心ラジカルは、鎖破壊の重要な前駆体であると考えられている。電離放射線は、DNA塩基における損傷も誘発する。細胞のDNA損傷のレベルが十分であれば、照射の結果は、細胞殺傷であることから、電離放射線は、癌治療の様式として使用される。照射された正常細胞については、細胞殺傷が、組織機能および器官機能の一時的または永久的な障害をもたらすことがある。そのような効果の程度は、放射線量によって決まり、十分であれば、有機体にとって致命的となることがある。ヒトおよび他の動物については、造血が、最も放射線感受性の器官/機能であり、胃腸粘膜がそれらに続く。たとえ放射線誘発DNA損傷が亜致死性であっても、突然変異誘発性病変は、発癌を包含する重篤な長期結果を有することがある。
放射線誘発効果の程度を軽減することを目的としている医学的戦略または対抗手段は、放射線防護剤(有効であるために、一般的に、放射線被曝の前に投与されることを必要とする)、緩和剤(mitigants)/緩和剤(mitigators)(照射後であるが、症状の出現前に投与されれば有効であることがある)、および一般的に症状の出現後に投与される処置法として広く記載されている。予防的放射線防護剤のサブクラスは、初期の放射線誘発DNA損傷の程度を軽減する薬物であり、本発明の主要な焦点は、このサブクラスである。
放射線防護剤の商業的可能性は、主として、2つの異なる活動領域に存在する。これらのうちの1つは、癌放射線治療患者において正常組織を防護する必要性に関し、他の1つは、放射線事故および放射線テロリズムなどの民事的シナリオに関係する計画外の照射、ならびに軍事的状況における照射の結果を和らげる必要性に関する。この第二のシナリオは、放射線防護剤の投与が、診断的イメージングプロセスを妨害することなく、低いか適度の放射線量に関係する健康リスクを改善するかもしれない、医学的診断手順における電離放射線による計画された被曝も包含するであろう。
電離放射線による腫瘍の処置(以下、「癌放射線治療」と呼ぶ)は、癌治療で広範囲に使用されている。そのような処置の目標は、非腫瘍細胞および組織への損傷を最小限に抑えながらの、恐らくDNA損傷を通じての腫瘍細胞の破壊および腫瘍細胞成長の阻害である。腫瘍に近い非腫瘍細胞への損傷の可能性は、投与することができる放射線量を制限し、ある種の腫瘍に対する放射線治療の有効性を制限することが多い。これは、特に、脳腫瘍および腹腔の腫瘍に関する場合である。
癌放射線治療は、極めて重要な公衆衛生活動である。集団における癌の発生率および50%を超える癌患者が、それらの処置において放射線治療の採用から利益を受けるという国際的評価を考えると、集団の10%超が、彼らの生涯において癌放射線治療を経験しそうである。
癌放射線治療について放射線量を決める際の主要な考慮事項は、処置野における最も放射線感受性の正常な組織/器官の耐容性の評価である。この評価は、腫瘍を根絶するのに必要とされる予想放射線量と共に、治療戦略が、治癒を目的としているのか緩和を目的としているのかを決定することが多い。多くの場合に、最大耐容線量は、腫瘍を根絶するのには不十分である。このジレンマは、腫瘍管理対正常組織罹患率の確率の比を表す治療比の概念で具体化される。治療比を改善することへのアプローチは、
(a)腫瘍に対する放射線の身体的標的化を最適化すること、
(b)放射線量の分割、および
(c)放射線修飾剤(放射線防護剤と放射線増感剤の両方を包含し、後者を使用し、放射線量単位当たりの細胞殺傷のレベルを高めることができる)の使用を包含する。
放射線の物理的送達を改善することは、放射線治療の実施に対してかなりの影響を有してきた。例えば、数百キロボルトから今日のメガボルテージビームまでx線光子のエネルギーを高めることは、数センチメートルの深さに最大放射線量域を設定することを可能にし、一方、旧来の機械では、最大線量は皮膚表面近くであった。開発および実施の様々な段階において処置ビームを「調整すること」への多くのより洗練されたアプローチがある。密封小線源治療、外部ビームよりはむしろ埋め込み放射線源の使用は、物理的線量分布を改善することへのさらなるアプローチである。
ほとんど例外なく、治癒的外部ビーム放射線治療には、放射線量の分割が関わる。従来のスケジュールの例は、30の2グレイ分割で与えられる合計60グレイであろう。細胞は、分割の間に放射線損傷を修復する能力を有することから、分割された処置は、60グレイの単一線量よりはずっと少ない細胞殺傷をもたらす。しかしながら、正常細胞は、一般的に、腫瘍細胞がそうであるよりも大きい修復能を有するので、分割の「節約」効果は、正常組織についてより顕著である。要するに、分割は、治療比を改善する。
放射線防護剤および放射線増感剤などの放射線修飾剤の探索は、メトロニダゾールおよびミソニダゾールなどの低酸素細胞増感剤に集中してきた。放射線防護剤は、臨床レベルにおいて放射線増感剤よりはずっと少ない注目を集めてきた。核時代は、放射線防護剤の開発にかなりの努力を生み、4000を超える化合物が、1960年代に米国のウォルター・リード陸軍研究所において合成および試験された。WR2728と呼ばれた(後に、エチオールと呼ばれ、現在は、アミフォスチンとして知られている)化合物を除いて、化合物のどれも、癌放射線治療に有用であるとは立証されず、WR2728さえ、軍事的状況かまたは産業的状況での投与(すなわち、全身照射に対する防護)には毒性が高すぎると考えられた。より最近では、例えば、Metzおよび共同研究者(Metz et al, Clin Cancer Res. 10, 6411-17, 2004)(15)は、極めて高い濃度においてさえ制限された有効性を示すに過ぎないTEMPOLとして知られている放射線防護化合物を開発し、Burdelyaおよび同僚(Burdelya et al Science 320, 226-30, 2008)(16)は、それが全身的に投与されるという必要性に悩むTOLL受容体アゴニストとして知られる化合物を開発した。
治療比を改善することへの、上の3つのアプローチ(a)〜(c)間の相互作用に注目することが重要である。改善された身体的標的化、分割および放射線修飾剤の組合せは、緩和的から治癒的に一部の放射線治療状況における意図を転換するかもしれない。治癒的スケジュールについては、放射線修飾剤の成功した適用は、分割の要件を緩和し、それ故に、かなりの程度まで、患者当たりの処置分割数に比例する処置の総経費を軽減するであろう。
放射線防護剤にとって特に重要な役割は、放射線治療中の腫瘍細胞の加速再増殖が、処置の有効性を著しく損なうことがあるという認識から現れてきた。これの主な結果は、下記の通りである:
(i)放射線治療処置の総時間を低減するための、加速された処置スケジュールの開発。そのような加速されたスケジュールにおいて、急性反応は、特定の問題である。例えば、頭頸部癌患者における急性口腔粘膜炎は、放射線防護剤の明確な必要性を示す。
(ii)正常組織反応に起因する放射線治療処置の中断は、腫瘍管理の確率を低下させるであろうという認識。したがって、毒性により誘発される処置中断を防ぐための放射線防護剤の使用は、明らかに有益であろう。
2001年9月11日の事件は、多くのタイプのテロリズムシナリオに対する脆弱性の評価を促した。その中の1つは、放射線医学的テロリズムとして記載される一群である。ある例は、従来の爆発物による一部の形態の放射能の飛散が関わる、いわゆる「ダーティーボム」である。1Gyを超える放射線量による全身被曝の結果について説明する急性放射線症候群(ARS;「放射線宿酔」とも呼ばれる)に注意を集中されるが、低線量の長期効果、すなわち、放射線誘発突然変異生成および発癌についての懸念もある(1)。この一般的状況、および電離放射線による被曝に対する防護を提供するための予防的薬剤が入手できないという認識は、飛躍的研究および政治的活動を生んできた。
全身照射の60日後にヒトの50%を殺傷するために必要とされる放射線の平均致死線量(LD50/60)は、支持ケアなしで3.25〜4Gyであり、抗生物質および輸血サポートが提供される場合に6〜7Gyである(1)。死亡率は、造血症候群、骨髄の形成不全または無形成の結果に大きく依存する。血球減少症は、造血幹細胞および前駆細胞の放射線誘発枯渇が原因の置換不全と相まって、成熟機能細胞の放射線誘発性および正常な減少の結果として発症する。血球減少症の時間および程度は、一般的に、放射線量および予後と相関するが、血液細胞の枯渇および回復の速度も、赤血球生成系統、骨髄造血系統および血小板産生系統の間で異なり、血小板産生が最も遅い。
胃腸症候群は、腸陰窩における幹細胞のアブレーションから生じ、腸粘膜の露出につながる。この傷害は、3〜15Gyの範囲で全身線量後に起こり、齧歯類では、この範囲の上端における線量は、通常、照射後約1週間以内に死をもたらす。
計画外の照射に対する対抗手段は、広範囲の可能な分子介入および細胞介入を包含する。しかしながら、化学的放射線防護の機構的単純性、すなわち、放射線誘発DNA損傷の軽減は、その幅広い可能性の故に魅力的である。この状況において、低放射線線量による被曝の危険性のある個人の防護、それによって突然変異生成および発癌などの長期の放射線効果を最小限に抑えるための可能な必要性が特に重要である。そのような個人は、計画外の被曝への対応に関与する救急要員、ならびに電離放射線による職業的被曝を受ける者を包含する。
さらなるグループは、診断放射線医学ならびに病院および外来患者用施設の核医学部門において行われる診断医学的手順中に電離放射線に被曝する患者であろう。
副溝結合性DNAリガンドHoechst 33342の放射線防護特性は、照射された培養細胞のクローン原性生存率アッセイを使用したSmith,P.J.およびAnderson,C.O.(2)により最初に記載された。Young,S.D.およびHill,R.P.(3)は、培養細胞において同様の効果を報告したが、それらの研究をインビボ実験に拡大した。彼らは、それらのインビボ実験における放射線防護の欠如は、静脈内注射に続いて標的細胞に送達されているHoechst 33342の不十分なレベルに起因すると結論付けた。HillおよびYoungの知見は、有効な放射線防護剤、すなわち効力についての重要要件を強調している。放射線防護剤が、より強力であれば、インビボ設定において必要濃度を達成する可能性はより高い。
効力は別として、考えねばならない別の側面がある。放射線防護のために必要とされる濃度は、放射線防護剤の効力にかかわらず無毒性でなければならない。放射線防護剤が、全身的に送達されれば、毒性要件のこの欠如は、放射線から防護されるべき細胞および組織を包含するだけでなく、全体として対象への毒性に拡大する。Hoechst 33342の場合、毒性は、放射線防護剤として有用である程度を制限している。
癌放射線治療において放射線防護剤を使用する際の実質的で概念的な問題もある。放射線防護剤の適用により正常組織に対する放射線の効果を低下させることを試みる際に、放射線防護剤の一部が腫瘍に到達し、それによって腫瘍細胞殺傷を損なう恐れがある。既存の放射線防護剤、例えば、WR2721(アミフォスチン)およびその活性代謝産物WR1065は、組織構成成分と激しく結合することはない比較的小さい拡散性の分子であり、したがって、細胞層を効果的に通って透過し、循環を介して腫瘍に到達することがある。
細胞層を通る制限された透過を有する放射線防護剤の必要性がある。そのような特性は、放射線防護剤を、腫瘍に近い重要な放射線感受性の正常組織に局所的に(locally)または局所的に(topically)適用することを可能にする。制限された透過は、放射線防護剤が、毛細血管床に到達し、循環中に取り込まれ、それによって、腫瘍に有意な放射線防護を与えるのに十分な濃度で全身的送達により腫瘍に到達する程度を制限する。
細胞層を通してのHoechst 33342などのDNA結合性リガンドの制限された拡散は、知られており、灌流に関して、多細胞スフェロイドおよびインビボにおいて細胞の位置をマッピングする際に利用されてきた。このように、Hoechst 33342の灌流は、酸素の灌流のための代用マーカーと見なされている。正常組織への局所(local)適用または局所(topical)適用に続く全身性取り込みによる腫瘍へのアクセスを制限することに加えて、癌放射線治療の状況における制限された透過のさらなる潜在的利点がある。この利点は、脈管構造、特に、内皮細胞が、放射線の損傷効果を決定する重要な標的であるという見解から生じる。さらに、腫瘍における最も放射線抵抗性の細胞は、毛細血管から最も遠い生存細胞である。これらの細胞の放射線抵抗性は、それらの低酸素状態に起因しており、毛細血管からのそれらの遠隔性を反映している。
結果的に、制限された拡散を有する放射線防護剤は、静脈内に投与された場合に、一般に放射線治療の有効性を制限する腫瘍中の細胞の低酸素亜集団へよりも、正常組織中の重要な放射線感受性細胞へより効率的に送達されるであろう。このように、そのような放射線防護剤の使用は、腫瘍中の低酸素細胞を殺傷する確率の増加と共に、より高い放射線量が使用されることを可能にすることが期待されるであろう。
しかしながら、これらの放射線生物学的特徴とDNA結合性放射線防護剤の特徴との組合せの可能性は、放射線防護剤の最優先でかつ必要な要件が存在すること、すなわち、放射線防護剤が、局所的または全身的に適用された場合に、無毒性の濃度で明らかな放射線防護を付与するために十分強力であることを条件とする場合に、癌放射線治療で有用であるに過ぎないことがある。さらなる実際的要件は、局所(topical)適用または局所(local)適用により、制限された透過の程度が、局所適用に続く有意な全身性取り込みを防ぐのに十分であるが、電離放射線の効果から防護されるべき組織の放射線感受性を決定する細胞に到達することから十分な濃度を防ぐほど顕著ではないことである。
放射線防護の程度(癌放射線治療と計画外の放射線被曝からの防護の両方の状況において)は、一般的に、放射線防護剤の存在下および非存在下で等価な放射線誘発性効果(分子エンドポイント、細胞エンドポイントまたはインビボエンドポイント)を生み出すために必要とされる放射線量の比と定義される線量修飾係数(DMF)の観点から記載される。放射線防護効果が、インビボエンドポイントに基づいて観察される場合、初期の放射線誘発性損傷の修飾以外の機構が関わることがある。例えば、造血性症候群と胃腸症候群の両方について、感染症は、それぞれ好中球減少症および腸粘膜関門の破損の結果として、最終死亡率において重要な役割を果たす。このように、一部の免疫刺激剤は、放射線応答の緩和剤としての可能性を有する。免疫刺激剤は、照射後に有効であることもある。
Martinらによる国際特許公開第WO97/04776号およびその後の刊行物(4)は、立体的に込み合っておりかつ電子供与性である基による置換により特徴付けられるある種のビベンズイミダゾール化合物を開示している。これらの化合物は、強い放射線防護活性を示すが、この一般クラスの化合物の固有の細胞毒性を軽減する余地がある。しかしながら、挑戦は、放射線防護活性(線量修飾係数として測定される)を維持しながら、好ましくは、放射線防護活性を改善しながら細胞毒性を軽減することである。WO97/04776の開示は、参照によりそれらの全体が本明細書に包含される。
国際特許公開第WO97/04776号 国際特許公開第WO/2008/074091号
Metz et al, Clin Cancer Res. 10, 6411-17, 2004 Burdelya et al Science 320, 226-30, 2008 Remington's Pharmaceutical Sciences、18th Edition、Mack Publishing Co.、Easton、PA、USA
国際特許公開第WO/2008/074091号も、フッ素および/または塩素で置換され、国際特許公開第WO97/04776号のものなどの知られている放射線防護剤と比較して、軽減された細胞毒活性を示すビベンズイミダゾール化合物を開示している。フッ素および塩素置換ビベンズイミダゾール化合物の細胞毒性は改善されたものの、依然として、代替の放射線防護化合物、好ましくは、癌放射線治療において、放射線被曝の効果からの生物材料の防護においておよび/または計画外の照射の効果からのヒトまたは動物の防護において使用することができ、低い細胞毒性を示すが、放射線防護効力を維持し、好ましくは、制限された程度まで細胞層を通って透過する化合物の開発の必要性がある。特に、一部の状況において、そのような化合物は、皮膚、口腔粘膜、食道粘膜、直腸粘膜、膣粘膜および膀胱上皮などの組織を防護するために局所的に、ならびに肺および脳などの器官を防護するために非経口的に投与することができることが望ましい。
本発明の一実施形態によれば、式Iの放射線防護剤化合物
(式中、Xは、NまたはNHを表し、ここで、
は、XがNの場合は二重結合であり、XがNHの場合は単結合であり、
X'は、NまたはNHを表し、ここで、XとX'は異なり、
は、X'がNの場合は二重結合であり、X'がNHの場合は単結合であり、
Qは、メトキシルまたはHを表し、
Yは、O、メチレン、ヒドロキシメチルまたはメチルアミノを表し、
Aは、場合により置換されていてもよい2-ピリジル、場合により置換されていてもよい2-ピリミジル、場合により置換されていてもよい2-ピラジニル、場合により置換されていてもよい3-ピラゾリル、場合により置換されていてもよい5-ピラゾリル、場合により置換されていてもよい2-フラニル、場合により置換されていてもよい2-キノリニル、場合により置換されていてもよい1-イソキノリニルまたは場合により置換されていてもよい3-イソキノリニルを表す)
および薬学的に許容できるその誘導体が提供される。
一態様において、Yは、メチルアミノまたはヒドロキシメチルを表し、別の態様において、Aは、場合により置換されていてもよい2-ピリジルを表す。
本発明の別の実施形態によれば、式IIの放射線防護剤化合物
[式中、Wは、-N(R1R2)(式中、R1およびR2は、同時に水素ではなく、それらは、一緒になって5、6または7員の環構造を形成していてもよい)、-NHN(R1R2)、-NHR3N(R1R2)、-NHR3OR2、-N(R3)R3OR2、-N(R1)R3OR3OR3、-OR3NR1R2、-OR3を表すか、Wは、ピペリジル、ピペラジニル、モルホリニル、チオモルホリニルまたはジアゼパニルを表し、これらはそれぞれ、C1〜C4アルキル、C2〜C4アルケニル、-N(CO)N(R1R2)、-N(CO)OR1、-N(CO)OR3OH、-(CO)NR1R2、-R3(CO)NR1R2、-R3OR1、-OR1、-N(R1R2)または-NH-により場合により置換されていてもよく、
R1およびR2は、同じであるかまたは異なり、水素、C1〜C4アルキルまたはC2〜C4アルケニルから選択され、
R3は、C1〜C4アルキルまたはC2〜C4アルケニルの基または鎖であり、
Zは、同じであるかまたは異なり、NまたはCHを表し、
Z'は、同じであるかまたは異なり、NまたはCを表し、
Xは、CH、NまたはNHを表し、ここで、
は、XがCHまたはNの場合は二重結合であり、XがNHの場合は単結合であり、
X'は、NまたはNHを表し、ここで、XがCHまたはNの場合は、X'はNHであり、XとX'は異なり、さらに、
は、X'がNの場合は二重結合であり、X'がNHの場合は単結合であり、
Qは、H、アルコキシル、-NR1R2、FまたはClを表し、
Q1は、Z'がNの場合は存在せず、Z'がCの場合はH、アルコキシル、-NR1R2、FまたはClを表し、
Aは、複素環のNまたはOがオルト位に位置する5〜10員の単環構造または多環構造を表し、前記環は、任意選択で二重結合、置換および/または他のヘテロ原子を含んでいてよい]
および薬学的に許容できるその誘導体が提供される。
一態様において、Aは、場合により置換されていてもよい2-ピリジル、場合により置換されていてもよい2-ピリミジル、場合により置換されていてもよい2-ピラジニル、場合により置換されていてもよい3-ピラゾリル、場合により置換されていてもよい5-ピラゾリル、場合により置換されていてもよい2-フラニル、場合により置換されていてもよい2-キノリニル、場合により置換されていてもよい1-イソキノリニルまたは場合により置換されていてもよい3-イソキノリニルを表す。
別の態様において、Aの任意選択の置換は、クロロ、フルオロ、C1〜C4フルオロアルキル、C1〜C4アルキル、C2〜C4アルケニル、C1〜C4アルコキシ、C1〜C4アルコキシアルキル、C1〜C4アルキルアミノ、C2〜C4ジ-アルキルアミノまたはC1〜C4アミノアルキルによる。
別の態様において、少なくとも1つのQは、メトキシルを表す。
本発明の別の実施形態によれば、電離放射線の損傷効果から生物材料を防護する方法であって、電離放射線による材料の被曝の前またはそれと同時に、前記材料に有効量の式Iかまたは式IIの化合物を投与することを含む方法が提供される。
本発明の別の実施形態によれば、電離放射線の損傷効果からの生物材料の防護における式Iかまたは式IIの化合物の使用が提供される。
本発明の別の実施形態によれば、電離放射線の損傷効果からの生物材料を防護するための医薬品の調製における式Iかまたは式IIの化合物の使用が提供される。
一態様において、生物材料は、放射線治療を受けているヒト患者または動物患者を含む。
下記の詳細な説明および実施例内で、図面に言及するであろう。
図1は、様々な濃度の放射線防護剤とのインキュベーションに続くケラチノサイトのクローン原性生存率を示す図である。これは、細胞毒性パラメーターC50が、50%クローン原性生存率をもたらす薬物の濃度と定義されることを示すのに役立つ。 図2は、防護係数(PF)および線量修飾係数(DMF)の計算を示すのに有用なグラフを示す図である。様々な線量にて(左パネル)および様々な濃度の放射線防護剤の存在下での12Gyの線量(右パネル)にて照射されたケラチノサイトのクローン原性生存率。PFは、最大防護における生存率Smと照射単独後の生存率Soの比と定義される:PF = Sm/So。DMFは、放射線防護剤の存在下Dpおよび非存在下DcでSmの生存率レベルをもたらす線量の比と定義される:DMF = Dp/Dc。DMF10は、Smの代わりに、放射線防護剤10μMにおける生存率が使用されることを除いて、同様に定義される。 図3は、ビヒクル単独製剤で処置されたマウスと比較した、製剤1中の10mM M2PB(実施例19)で処置されたマウスについての線量(Gy)/効果(潰瘍マウスの割合)曲線を示す図である。それぞれのED50値は、14.3および12.0であり、1.19の線量減少係数が得られた。 図4は、製剤2中の30mM M2PB(実施例19)および対応するビヒクルについての線量(Gy)/効果(潰瘍マウスの割合)曲線を示す図である。それぞれのED50値は、15.2および12.9であり、1.18の線量減少係数が得られた。 図5は、製剤1中の10mM 2PH(実施例2)についての線量(Gy)/効果(潰瘍マウスの割合)曲線を示す図である。それぞれのED50値は、14.4および12.0であり、1.20の線量減少係数が得られた。 図6は、製剤3中の60mM HOIQ(実施例23)および対応するブランク製剤についての線量(Gy)/効果(潰瘍マウスの割合)曲線を示す図である。それぞれのED50値は、14.6および12.9であり、1.13の線量減少係数が得られた。 図7は、製剤2中の30mM 2P5MH(実施例6)についての線量(Gy)/効果(潰瘍マウスの割合)曲線を示す図である。それぞれのED50値は、14.6および12.9であり、1.13の線量減少係数が得られた。 図8は、放射線単独対照と比較した再生性陰窩クロノゲン(clonogens)についての線量(Gy)/効果(生存陰窩)曲線およびマウスへの2PH(実施例2)の事前静脈内投与の放射線防護効果を示す図である。 図9は、放射線単独対照と比較した再生性陰窩クロノゲンについての線量(Gy)/効果(生存陰窩)曲線およびマウスへの、2-ヒドロキシプロピル-β-シクロデキストリンとの錯体として製剤化されたM2PB(実施例19)の事前皮下投与の放射線防護効果を示す図である。
本明細書を通じて、状況が他の意味を要求しない限り、「含む(comprise)」という単語、または「含む(comprises)」または「含む(comprising)」などの変形形態は、いかなる他の整数または整数群の排除でもなく、述べられている整数または整数群の包含を意味すると理解されるであろう。
本明細書におけるいかなる従来技術への言及も、従来技術が、オーストラリアにおける共通一般知識を形成するという承認でもいかなる形態の示唆として受け止められるべきではない。
本明細書を通じて、「本発明の化合物」、「化合物」、「放射線防護剤」、「放射線防護化合物」、「放射線防護剤化合物」「活性薬剤」、「活性成分」という用語またはそれらの単数形は、放射線防護活性を示す式(I)または(II)による化合物を示すために同意語として使用される。化合物は、一般的に、複素環のNまたはOが、化合物の右手側に位置するAの接続点に対してオルト位に位置する単環構造または多環構造(式(II)で「A」として示されている)を持つビベンズイミダゾール基本構造または骨格(基本ビベンズイミダゾール骨格の元素は、置換、追加または除去されていてもよいが)を有するか、それから誘導される。基本骨格への他の置換は、式(I)および(II)に示されている構造から明らかである。本発明の化合物は、化合物が、放射線被曝から生じる生物材料への損傷のレベルを軽減するのに有効であるという点で、放射線防護活性を示す。
理論により制限されることは望まないが、本発明による化合物により与えられる放射線防護は、放射線防護剤からのプロトン供与を伴う、DNA上の一過性放射線誘発性酸化種の放射線防護剤による電子供与(還元)により達成されると考えられる。このプロトン供与は、例えば、放射線防護剤化合物のベンズイミダゾールまたは同様のユニット内のNH基からDNAへの供与かもしれないが、プロトン移動が、分子内プロセスであることも可能である。式IおよびIIにおける「A」として知られている5〜10員環構造のオルト位(分子の主骨格への環構造の接続点に対して)におけるヘテロ環式の酸素または窒素の役割は、主骨格上のいずれかの隣接NH基の酸性度も高めるかまたはプロトン受容体として役割を果たすことかもしれない。
本明細書において、「場合により置換されていてもよい」とは、ある基が、アルキル、アルケニル、アルキニル、アリール、ハロ、ハロアルキル、ハロアルケニル、ハロアルキニル、ハロアリール、ヒドロキシ、アルコキシ、アルケニルオキシ、アルキニルオキシ、アリールオキシ、カルボキシ、ベンジルオキシ、ハロアルコキシ、ハロアルケニルオキシ、ハロアルキニルオキシ、ハロアリールオキシ、ニトロ、ニトロアルキル、ニトロアルケニル、ニトロアルキニル、ニトロアリール、ニトロヘテロシクリル、アジド、アミノ、アルキルアミノ、アルケニルアミノ、アルキニルアミノ、アリールアミノ、ベンジルアミノ、アシル、アルケニルアシル、アルキニルアシル、アリールアシル、アシルアミノ、アシルオキシ、アルデヒド、アルキルスルホニル、アリールスルホニル、アルキルスルホニルアミノ、アリールスルホニルアミノ、アルキルスルホニルオキシ、アリールスルホニルオキシ、ヘテロシクリル、ヘテロシクロキシ(heterocycloxy)、ヘテロシクリルアミノ、ハロヘテロシクリル、アルキルスルフェニル、アリールスルフェニル、カルボアルコキシ、カルボアリールオキシ、メルカプト、アルキルチオ、アリールチオ、アシルチオなどから選択される1つまたは複数の基でさらに置換されていてもよいか置換されていなくてもよいことを意味する。
単独でかまたは「場合により置換されていてもよいアルキル」、「場合により置換されていてもよいアルキルアミノ」または「場合により置換されていてもよいアルキレン」などの語句で使用される「アルキル」という用語は、好ましくは、C1〜C30アルキルまたはシクロアルキル、例えば、C1〜C10アルキルもしくはシクロアルキルまたはC1〜C4アルキルもしくはシクロアルキルである、直鎖アルキル、分岐アルキルまたは単環式アルキルもしくは多環式アルキルを包含するものとする。直鎖アルキルおよび分岐アルキルの例は、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、イソブチル、sec-ブチル、tert-ブチル、アミル、イソアミル、sec-アミル、1,2-ジメチルプロピル、1,1-ジメチルプロピル、ヘキシル、4-メチルペンチル、1-メチルペンチル、2-メチルペンチル、3-メチルペンチル、1,1-ジメチルブチル、2,2-ジメチルブチル、3,3-ジメチルブチル、1,2-ジメチルブチル、1,3-ジメチルブチル、1,2,2-トリメチルプロピル、1,1,2-トリメチルプロピル、ヘプチル、5-メチルヘキシル、1-メチルヘキシル、2,2-ジメチルペンチル、3,3-ジメチルペンチル、4,4-ジメチルペンチル、1,2-ジメチルペンチル、1,3-ジメチルペンチル、1,4-ジメチルペンチル、1,2,3-トリメチルブチル、1,1,2-トリメチルブチル、1,1,3-トリメチルブチル、オクチル、6-メチルヘプチル、1-メチルヘプチル、1,1,3,3-テトラメチルブチル、ノニル、1-、2-、3-、4-、5-、6-または7-メチルオクチル、1-、2-、3-、4-または5-エチルヘプチル、1-、2-または3-プロピルヘキシル、デシル、1-、2-、3-、4-、5-、6-、7-および8-メチルノニル、1-、2-、3-、4-、5-または6-エチルオクチル、1-、2-、3-または4-プロピルヘプチル、ウンデシル、1-、2-、3-、4-、5-、6-、7-、8-または9-メチルデシル、1-、2-、3-、4-、5-、6-または7-エチルノニル、1-、2-、3-、4-または5-プロピルオクチル、1-、2-または3-ブチルヘプチル、1-ペンチルヘキシル、ドデシル、1-、2-、3-、4-、5-、6-、7-、8-、9-または10-メチルウンデシル、1-、2-、3-、4-、5-、6-、7-または8-エチルデシル、1-、2-、3-、4-、5-または6-プロピルノニル、1-、2-、3-または4-ブチルオクチル、1-または2-ペンチルヘプチルなどを包含する。環式アルキルの例は、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、シクロヘプチル、シクロオクチル、シクロノニルおよびシクロデシルなどを包含する。
単独でかまたは「場合により置換されていてもよいアルケニル」などの化合物単語で使用される「アルケニル」という用語は、エチレン性の一価不飽和または多価不飽和の上で定義されているようなアルキルまたはシクロアルキル基を包含する、直鎖アルケン、分岐アルケンまたは単環式もしくは多環式アルケンから形成される基、好ましくは、C2〜30アルケニル、例えば、C2〜10アルケニルまたはC2〜4アルケニルを示す。アルケニルの例は、ビニル、アリル、1-メチルビニル、ブテニル、iso-ブテニル、3-メチル-2-ブテニル、1-ペンテニル、シクロペンテニル、1-メチル-シクロペンテニル、1-ヘキセニル、3-ヘキセニル、シクロヘキセニル、1-ヘプテニル、3-ヘプテニル、1-オクテニル、シクロオクテニル、1-ノネニル、2-ノネニル、3-ノネニル、1-デセニル、3-デセニル、1,3-ブタジエニル、1,4-ペンタジエニル、1,3-シクロペンタジエニル、1,3-ヘキサジエニル、1,4-ヘキサジエニル、1,3-シクロヘキサジエニル、1,4-シクロヘキサジエニル、1,3-シクロヘプタジエニル、1,3,5-シクロヘプタトリエニル、1,3,5,7-シクロオクタ-テトラエニルなどを包含する。
「複素環のNまたはOがAの接続点に対してオルト位に位置する5〜10員の単環構造または多環構造を表し、前記環は、任意選択で二重結合、置換および/または他のヘテロ原子を含んでいてよい」(式(II)で「A」により表される)という用語は、5個から最大で10個までの原子を含有し、少なくとも、放射線防護剤分子の主骨格と環構造の接続点に対してオルト位に酸素および/または窒素ヘテロ原子を含む、シクロアルキル、シクロアルケニル、シクロアルキニル、アリールまたは混合基などの1、2または3個の連結したまたは縮合した、飽和または不飽和の環式基を含む構造を示すために使用される。そのような環構造は、酸素、窒素または硫黄などの1つまたは複数の追加ヘテロ原子を含んでいてもよい。シクロアルキルおよびシクロアルケニルの例は、上に記載されている。アリール基は、フェニル、ビフェニル、ナフチルなどの芳香族炭化水素の単一、多核、共役および縮合残基を含む。
式(II)における「A」の要件を満たすヘテロ環式基の例は、ピロリル、ピロリニル、イミダゾリル、ピラゾリル、ピリジル、ピリミジニル、ピラジニル、ピリダジニル、トリアゾリルまたはテトラゾリル;ピロリジニル、イミダゾリジニル、ピペリジノまたはピペラジニルなどの1〜4個の窒素原子を含有する飽和3〜6員ヘテロ単環式基;インドリル、イソインドリル、インドリジニル、ベンゾイミダゾリル、キノリル、イソキノリル、インダゾリル、ベンゾトリアゾリルまたはテトラゾロピリダジニルなどの1〜5個の窒素原子を含有する不飽和縮合ヘテロ環式基;ピラニルまたはフリルなどの酸素原子を含有する不飽和3〜6員ヘテロ単環式基;オキサゾリル、イソオキサゾリルまたはオキサジアゾリルなどの1〜2個の酸素原子および1〜3個の窒素原子を含有する不飽和3〜6員ヘテロ単環式基;モルホリニルなどの1〜2個の酸素原子および1〜3個の窒素原子を含有する飽和3〜6員ヘテロ単環式基;ベンゾオキサゾリルまたはベンゾオキサジアゾリルなどの1〜2個の酸素原子および1〜3個の窒素原子を含有する不飽和縮合ヘテロ環式基;チアゾリルまたはチアジアゾリルなどの1〜2個の硫黄原子および1〜3個の窒素原子を含有する不飽和3〜6員ヘテロ単環式基;チアゾリジニルなどの1〜2個の硫黄原子および1〜3個の窒素原子を含有する飽和3〜6員ヘテロ単環式基;ならびにベンゾチアゾリルまたはベンゾチアジアゾリルなどの1〜2個の硫黄原子および1〜3個の窒素原子を含有する不飽和縮合ヘテロ環式基を包含し、これらはそれぞれ、場合により置換されていてもよい。式(II)における「A」の要件を満たす好ましいヘテロ環式基は、場合により置換されていてもよい2-ピリジル、場合により置換されていてもよい2-ピリミジル、場合により置換されていてもよい2-ピラジニル、場合により置換されていてもよい3-ピラゾリル、場合により置換されていてもよい5-ピラゾリル、場合により置換されていてもよい2-フラニル、場合により置換されていてもよい2-キノリニル、場合により置換されていてもよい1-イソキノリニルまたは場合により置換されていてもよい3-イソキノリニルを包含する。置換基例は、クロロ、フルオロ、C1〜C4フルオロアルキル、C1〜C4アルキル、C2〜C4アルケニル、C1〜C4アルコキシ、C1〜C4アルコキシアルキル、C1〜C4アルキルアミノ、C2〜C4ジ-アルキルアミノまたはC1〜C4アミノアルキル、特に、メチルおよびメトキシルを包含する。
式(I)および(II)の化合物の塩は、薬学的に許容できることが好ましいが、薬学的に許容できない塩も、それらが、薬学的に許容できる塩の調製における中間体として有用であることから、本発明の範囲内にあることが理解されるであろう。薬学的に許容できる塩の例は、ナトリウム、カリウム、リチウム、カルシウム、マグネシウム、アンモニウムおよびアルキルアンモニウムなどの薬学的に許容できるカチオンの塩;塩酸、オルトリン酸、硫酸、リン酸、硝酸、炭酸、ホウ酸、スルファミン酸および臭化水素酸などの薬学的に許容できる無機酸の酸付加塩;または酢酸、プロピオン酸、酪酸、酒石酸、マレイン酸、ヒドロキシマレイン酸、フマル酸、クエン酸、乳酸、粘液酸、グルコン酸、安息香酸、コハク酸、シュウ酸、フェニル酢酸、メタンスルホン酸、トリハロメタンスルホン酸、トルエンスルホン酸、ベンゼンスルホン酸、サリチル酸、スルファニル酸、アスパラギン酸、グルタミン酸、エデト酸、ステアリン酸、パルミチン酸、オレイン酸、ラウリン酸、パントテン酸、タンニン酸、アスコルビン酸および吉草酸などの薬学的に許容できる有機酸の塩を包含する。
「薬学的に許容できる誘導体」とは、対象への投与で、式(I)もしくは(II)の化合物またはその活性代謝産物もしくは残基を(直接的または間接的に)提供する能力のある、いかなる薬学的に許容できる塩、水和物、溶媒和物、プロドラッグもいかなる他の化合物も意味する。
「プロドラッグ」という用語は、その最も広い意味で、本明細書において、式(I)または(II)の化合物へインビボで変換される化合物を包含するために使用される。
「互変異性体」という用語は、その最も広い意味で、本明細書において、2つの異性形態間の平衡の状態で存在する能力のある式(I)または(II)の化合物を包含するために使用される。そのような化合物は、2つの原子または基を連結する結合および化合物中のそれらの原子または基の位置が異なっていてもよい。この用語は、特に、ケト-エノール互変異性体を包含する。
本発明の化合物は、電気的に中性であるか、電気的中性のための会合アニオンを伴うポリカチオンの形態であってよい。適当な会合アニオンは、硫酸アニオン、酒石酸アニオン、クエン酸アニオン、塩素アニオン、硝酸アニオン、亜硝酸アニオン、リン酸アニオン、過塩素酸アニオン、ハロスルホン酸アニオンまたはトリハロメチルスルホン酸アニオンを包含する。
式(I)および/または(II)の好ましい化合物は、Aが、場合により置換されていてもよい2-ピリジル、場合により置換されていてもよい2-ピリミジル、場合により置換されていてもよい2-ピラジニル、場合により置換されていてもよい3-ピラゾリル、場合により置換されていてもよい5-ピラゾリル、場合により置換されていてもよい2-フラニル、場合により置換されていてもよい2-キノリニル、場合により置換されていてもよい1-イソキノリニルまたは場合により置換されていてもよい3-イソキノリニルを表す化合物である。Aは、場合により置換されていてもよい2-ピリジルを表すことが最も好ましい。
本発明の他の好ましい態様において、Aは、クロロ、フルオロ、C1〜C4フルオロアルキル、C1〜C4アルキル、C2〜C4アルケニル、C1〜C4アルコキシ、C1〜C4アルコキシアルキル、C1〜C4アルキルアミノ、C2〜C4ジ-アルキルアミノまたはC1〜C4アミノアルキルにより場合により置換されていてもよい。
本発明のさらなる好ましい態様において、Wは、ピペリジル、ピペラジニル、モルホリニル、チオモルホリニルまたはジアゼパニルを表し、これらはそれぞれ、C1〜C4アルキル、C2〜C4アルケニル、-OR1、-N(R1R2)(例えば、-NH2およびN(CH3)2を包含する)または-NH-(式中、R1は、水素またはC1〜C4アルキルである)により場合により置換されていてもよい。
本発明の特に好ましい態様において、放射線防護剤は、下の式(III)であり、
式中、Yは、O、メチレン、ヒドロキシメチルまたはメチルアミノを表し、
Aは、場合により置換されていてもよい2-ピリジル、場合により置換されていてもよい2-ピリミジル、場合により置換されていてもよい2-ピラジニル、場合により置換されていてもよい3-ピラゾリル、場合により置換されていてもよい5-ピラゾリル、場合により置換されていてもよい2-フラニル、場合により置換されていてもよい2-キノリニル、場合により置換されていてもよい1-イソキノリニルまたは場合により置換されていてもよい3-イソキノリニルを表す。
本発明の好ましい化合物の具体例は、
2-(5'-(5''-(4'''-メチルピペラジン-1'''-イル)ベンズイミダゾール2''-イル)ベンズイミダゾール2'-イル)ピリジン
4-メチル-2-(5'-(5''-(4'''-メチルピペラジン-1'''-イル)ベンズイミダゾール2''-イル)ベンズイミダゾール2'-イル)ピリジン
4-クロロ-2-(5'-(5''-(4'''-メチルピペラジン-1'''-イル)ベンズイミダゾール2''-イル)ベンズイミダゾール2'-イル)ピリジン
4-メトキシ-2-(5'-(5''-(4'''-メチルピペラジン-1'''-イル)ベンズイミダゾール2''-イル)ベンズイミダゾール2'-イル)ピリジン
1-(5'-(5''-(4'''-メチルピペラジン-1'''-イル)ベンズイミダゾール2''-イル)ベンズイミダゾール2'-イル)イソキノリン
3-(5'-(5''-(4'''-メチルピペラジン-1'''-イル)ベンズイミダゾール2''-イル)ベンズイミダゾール2'-イル)イソキノリン
3-(5'-(5''-(4'''-メチルピペラジン-1'''-イル)ベンズイミダゾール2''-イル)ベンズイミダゾール2'-イル)インダゾール
2-(5'-(5''-モルホリノベンズイミダゾール2''-イル)ベンズイミダゾール2'-イル)ピリジン
2-(5'-(5''-モルホリノベンズイミダゾール2''-イル)ベンズイミダゾール2'-イル)-4-メチルピリジン
2-(5'-(5''-(4'''-メチル-1''',4'''-ジアゼパン-1'''-イル)ベンズイミダゾール2''-イル)ベンズイミダゾール2'-イル)ピリジン
2-(5'-(5''-(4'''-メトキシピペリジン-1'''-イル)ベンズイミダゾール2''-イル)ベンズイミダゾール2'-イル)ピリジン
2-(4'-メトキシ-6'-(5''-(4'''-メチルピペラジン-1'''-イル)ベンズイミダゾール2''-イル)ベンズイミダゾール2'-イル)ピリジン
2-(6'-(5''-(4'''-メチルピペラジン-1'''-イル)ベンズイミダゾール2''-イル)インドール-2'-イル)ピリジン
2-(5'-(5''-(モルホリノアミノ)ベンズイミダゾール2''-イル)ベンズイミダゾール2'-イル)ピリジン
2-(5'-(5''-(4'''-イソプロピルピペラジン-1'''-イル)ベンズイミダゾール2''-イル)ベンズイミダゾール2'-イル)ピリジン
2-(5'-(5''-(4'''-ブチルピペラジン-1'''-イル)ベンズイミダゾール2''-イル)ベンズイミダゾール2'-イル)ピリジン
2-(5'-(5''-((2'''-メトキシエチル)(メチル)アミノ)ベンズイミダゾール2''-イル)ベンズイミダゾール2'-イル)ピリジン
5-メチル-2-(5'-(5''-(4'''-メチルピペラジン-1'''-イル)ベンズイミダゾール2''-イル)ベンズイミダゾール2'-イル)ピリジン
2-(5'-メトキシ-6'-(5''-(4'''-メチルピペラジン-1'''-イル)ベンズイミダゾール2''-イル)ベンズイミダゾール2'-イル)ピリジン
3-(5'-(5''-(4'''-ヒドロキシピペリジン-1'''-イル)ベンズイミダゾール2''-イル)ベンズイミダゾール2'-イル)イソキノリン
3-(5'-(5''-モルホリノベンズイミダゾール2''-イル)ベンズイミダゾール2'-イル)イソキノリン
2-(5'-(5''-(4'''-(2''''-メトキシエチル)ピペラジン-1'''-イル)ベンズイミダゾール2''-イル)ベンズイミダゾール2'-イル)ピリジン
2-(5'-(5''-(2'''-(2''''-メトキシエトキシ)エチルアミノ)ベンズイミダゾール2''-イル)ベンズイミダゾール2'-イル)ピリジン
5-フルオロ-2-(5'-(5''-(4'''-メチルピペラジン-1'''-イル)ベンズイミダゾール2''-イル)ベンズイミダゾール2'-イル)ピリジン
2-(5'-(5''-(4'''-ヒドロキシピペリジン-1'''-イル)ベンズイミダゾール2''-イル)ベンズイミダゾール2'-イル)-5-メチルピリジン
を包含する。
特に好ましい化合物の具体例は、
2-(5'-(5''-(4'''-メチルピペラジン-1'''-イル)ベンズイミダゾール2''-イル)ベンズイミダゾール2'-イル)ピリジン
4-クロロ-2-(5'-(5''-(4'''-メチルピペラジン-1'''-イル)ベンズイミダゾール2''-イル)ベンズイミダゾール2'-イル)ピリジン
2-(5'-(5''-モルホリノベンズイミダゾール2''-イル)ベンズイミダゾール2'-イル)ピリジン
2-(4'-メトキシ-6'-(5''-(4'''-メチルピペラジン-1'''-イル)ベンズイミダゾール2''-イル)ベンズイミダゾール2'-イル)ピリジン
2-(5'-(5''-(4'''-ブチルピペラジン-1'''-イル)ベンズイミダゾール2''-イル)ベンズイミダゾール2'-イル)ピリジン
2-(5'-メトキシ-6'-(5''-(4'''-メチルピペラジン-1'''-イル)ベンズイミダゾール2''-イル)ベンズイミダゾール2'-イル)ピリジン
4-メトキシ-2-(5'-(5''-(4'''-メチルピペラジン-1'''-イル)ベンズイミダゾール2''-イル)ベンズイミダゾール2'-イル)ピリジン
3-(5'-(5''-(4'''-ヒドロキシピペリジン-1'''-イル)ベンズイミダゾール2''-イル)ベンズイミダゾール2'-イル)イソキノリン
2-(5'-(5''-(2'''-(2''''-メトキシエトキシ)エチルアミノ)ベンズイミダゾール2''-イル)ベンズイミダゾール2'-イル)ピリジン
2-(5'-(5''-(4'''-イソプロピルピペラジン-1'''-イル)ベンズイミダゾール2''-イル)ベンズイミダゾール2'-イル)ピリジン
5-フルオロ-2-(5'-(5''-(4'''-メチルピペラジン-1'''-イル)ベンズイミダゾール2''-イル)ベンズイミダゾール2'-イル)ピリジン
を包含する。
本発明は、放射線損傷から対象もしくは生物材料を防護する方法、または対象への放射線損傷を軽減する方法であって、有効量の、式(I)および/または式(II)に含まれるような本発明による放射線防護剤化合物を対象に投与すること、またはこの放射線防護剤化合物へ生物材料を曝露することを含む方法も提供する。
「放射線損傷から防護すること」(または、「放射線の損傷効果からの予防」)という語句は、所与の量の放射線(例えば、電離放射線、赤外放射線または紫外放射線)による被曝に続いて対象内または生物材料内の組織または細胞に課されると予想される損傷と比較して、損傷が、放射線防護剤化合物の存在によって予防され、最小限に抑えられ、または軽減されることを意味する。「線量修飾係数」(DMF)という用語は、防護剤の存在下で所与の効果を生ずるために必要とされる放射線量の、放射線防護剤の非存在下で等価な効果を生ずるために必要とされる放射線量に対する比を指す。
図1に示されているように、細胞毒性パラメーターC50は、50%クローン原性生存率をもたらす薬物の濃度と定義される。
様々な線量にて(左パネル)および様々な濃度の放射線防護剤の存在下での12Gyの線量(右パネル)にて照射されたケラチノサイトのクローン原性生存率は、図2に示されている。PF(防護係数)は、最大防護における生存率Smと照射単独後の生存率Soの比と定義される:PF = Sm/So。DMF(線量修飾係数)は、放射線防護剤の存在下(Dp)および非存在下(Dc)でSmの生存率レベルをもたらす線量の比と定義される:DMF = Dp/Dc。DMF10は、Smの代わりに、放射線防護剤10μMにおける生存率が使用されることを除いて、同様に定義される。
本発明の放射線防護剤化合物は、少なくとも1.10の、少なくとも1.2の、少なくとも1.4の、少なくとも1.8のまたは少なくとも2.0のDMF10を示すことが好ましい。
放射線損傷は、電離放射線などの放射線源による被曝から生じることがある。本明細書で使用されるような「電離放射線」という用語は、結合を電離するのに十分なエネルギーを有する光子または粒子を指し、放射性核由来のα、β、およびγ線ならびにx線を包含する。
「生物材料」という用語は、本明細書において、その最も広い意味で使用され、少なくとも1つの生物学的に誘導されるか誘導可能な構成成分を含む物質のいかなる組成物も包含する。本発明により企図されている生物材料は、タンパク質ならびにタンパク質および化学修飾タンパク質を包含する他のタンパク性材料またはそれらの抽出物;組織液、組織抽出物または器官;動物、植物または微生物の組織、液またはそれらからの産物を包含する抽出物;それらの抽出物および誘導体を包含する脂質、炭化水素、ホルモンおよびビタミンなどであるがそれらに限定されない生物由来の非タンパク性材料;染色体材料、ゲノムDNA、cDNA、mRNA、tRNA、リボソームおよび核材料などの遺伝材料を包含する組み換え産物;ならびに全動物細胞、全植物細胞もしくは全微生物細胞またはそれらの抽出物を包含する。
示されているように、本発明の生物材料は、細胞、組織もしくは器官、または、実際には、植物源、動物源もしくは微生物源に由来するペプチド、タンパク質もしくは核酸(例えば)、ならびに天然由来の材料を模倣するか天然由来の材料と似ている合成的に製造されるものの形態をとることができる。放射線防護剤化合物を使用し、例えば、実験系において、全生細胞もしくは全死細胞において、または治療後に元の宿主に戻すか、新たな宿主に移植することができるエクスビボの細胞、組織もしくは器官上で放射線損傷から防護することができる。
例えば、生物材料は、ヒトまたは実験動物(例えば、マウス、ラット、モルモット、ウサギ)、コンパニオンアニマル(例えば、ネコ、イヌ)、農業動物(例えば、ウマ、ウシ、ヒツジ、ロバ、ヤギ、ブタ)、爬虫類、鳥類もしくは捕獲野生動物などの動物対象の形態をとることができる。対象は、哺乳動物であることが好ましく、対象は、ヒトであることが最も好ましい。本発明の放射線防護剤化合物の重要な適用は、ヒト対象における放射線治療と併せて使用するためである。しかしながら、化合物を使用して、テロリズム、軍事的状況もしくは職業的状況におけるなどの計画外の放射線、または診断放射線医学手順に伴う計画された被曝による、被曝から、または継続的被曝からの防護を提供することもできる。
生物材料(ヒトまたは動物対象を包含する)は、約1分と約3日の間、好ましくは、約10分と約6時間の間、より好ましくは、約20分と約4時間の間、最も好ましくは、約30分と約2時間の間などの、予想される放射線被曝または継続的放射線被曝の前に十分な時間にわたって放射線防護剤化合物に曝露されることが好ましい。放射線被曝に先立つ放射線防護剤化合物の投与時間は、化合物の生物材料中のDNAとの会合を可能にするのに十分であることが好ましい。放射線防護剤化合物は、放射線に被曝する可能性はあるが、そのような放射線被曝から防護されることが意図されている細胞、組織または器官へ優先的に投与されることが好ましい。例えば、癌放射線治療と併せた投与の場合、化合物は、放射線治療の過程で放射線に被曝する可能性が高い腫瘍または病変を取り囲む正常な(非腫瘍の)組織または細胞へ優先的に投与されることが好ましい。優先的な投与は、望ましい腫瘍または細胞への直接適用によって、または、例えば、具体的な細胞または組織を標的にするためのシステムを利用することにより達成することができる。例えば、化合物を、関係している特定の細胞または組織において上方制御される受容体などの具体的な細胞または組織と優先的に結合する薬剤とコンジュゲートさせることが可能である。
本発明の化合物は、例えば、相互作用基を介して、本発明の化合物を望ましい腫瘍部位へ特異的に送達する薬剤とコンジュゲートさせることができる。適当な薬剤は、抗体または成長因子、例えば、造血幹細胞の優先的な放射線防護が全身照射および骨髄移植の状況において起こることを可能にする造血成長因子などのタンパク質を包含してもよい。「相互作用基」という用語は、本明細書において、その最も広い意味で使用され、標的分子またはタンパク質もしくはその誘導体などの薬剤上の具体的な基との結合を形成する能力のある基を指す。相互作用基の例は、N(CH2)nCOOH、N(CH2)nCO(CH2)mR、N(CH2)n-SH、N(CH2)n-NH2、CH(CH2)nCOOH、CH(CH2)nCO(CH2)mR、CH(CH2)n-SHおよびCH(CH2)n-NH2(式中、nは、1〜10であり、mは、0〜10であり、Rは、場合により置換されていてもよいアルキルである)を包含する。
本発明は、癌放射線治療の方法であって、有効量の本発明の放射線防護剤化合物を、そのような治療を必要としている対象に投与すること、および放射線源に腫瘍の所在場所を当てることを含む方法をさらに提供する。「癌放射線治療」という用語は、本明細書において、その最も広い意味で使用され、良性かまたは悪性であってもよい腫瘍または病変が関わる放射線治療を包含する。
本発明の化合物は、有利には、化学療法剤、例えば、DNA中に生じた病変が、電離放射線から生じるものと類似しているようにして、DNAを損傷する細胞毒性薬剤である放射線類似薬剤などの他の医薬品との組合せで治療において使用することができる。DNA鎖破壊を引き起こす放射線類似薬剤の例は、ブレオマイシン、ドキソルビシン、アドリアマイシン、5FU、ネオカルチノスタチン、アルキル化剤およびDNA付加物を生じる他の薬剤を包含する。本発明の放射線防護剤は、電離放射線の効果に対して防護するのと同じように、これらの薬剤の一部による損傷からDNAを防護することが予想される。臨床適用において、放射線防護剤は、腫瘍に対するこの薬剤の作用を損なうかもしれないことから、化学療法剤と一緒に全身的に投与されることはありそうにない。しかしながら、問題の組織への局所適用が有利であるかもしれない環境がある。例えば、口腔粘膜炎は、ドキソルビシンなどの細胞毒性薬剤にとって問題の副作用であり、化学療法剤の投与前の含漱剤としての本放射線防護剤の投与は、口腔内に位置しない腫瘍に対するこの薬剤の作用を損なうことなく、この副作用を改善するかもしれない。同様に、胃腸管は、経口投与により防護され、肺は、エアロゾル吸入により防護され、または膀胱は、例えば、放射線防護剤のカテーテルを介する膀胱内送達により防護されるかもしれない。それ故に、本発明による好ましい方法は、放射線類似薬剤などの別の医薬品と併せて式(I)または(II)の化合物を利用する。
前に述べられているように、本発明の化合物またはコンジュゲートのエクスビボ適用があり、1つの例は、骨髄移植の状況におけるものである。骨髄移植は、一般的に、患者の状態の悪化を見越して対象から骨髄サンプルを入手および貯蔵するものである。次いで、かなり強烈な形態の化学療法(すなわち、高用量)が投与される。この化学療法は、通常は、正常幹細胞の破壊によって致死性であるが、対象は、対象自身の造血幹細胞の投与により救われるようになっている。この手順に関連する問題は、幹細胞の初期サンプルが、腫瘍細胞で汚染されやすいことであり、そのため、骨髄調製物から腫瘍細胞を取り除くために様々な手順が使用される。この状況において、例えば、造血成長因子とコンジュゲートされた放射線防護剤を、骨髄細胞の懸濁液に添加することにより使用することができる。次いで、懸濁液に、腫瘍細胞ではなく正常骨髄細胞が放射線の細胞殺傷効果から優先的に防護されるであろうことに期待して照射することができる。
癌放射線治療設定において、式(I)および(II)の化合物は、経口、直腸、鼻腔内、局所(頬側および舌下を包含する)、膣内、膀胱内および非経口(皮下、筋肉内、静脈内、胸骨内および皮内)を包含する、いかなる適当な経路によっても治療のために投与することができる。投与は、直腸、局所、膣内または非経口経路によることが好ましい。しかしながら、好ましい経路は、対象の状態および年齢、処置されている組織/腫瘍、対象内のその位置および医師または獣医師の判断によって変わることは理解されるであろう。本発明の化合物は、照射されるべき腫瘍を取り囲むか照射されるべき腫瘍に近接した組織内へ直接投与することができる。
放射線防護剤が、計画されたまたは計画外の放射線被曝と関係する有用性を有する他の設定において、式(I)および(II)の化合物は、いかなる適当な局所経路または全身経路によっても投与することができるが、非経口および腸内を包含する全身経路によることが好ましい。
本発明は、薬学的に許容できるまたは獣医学的に許容できる担体と併せて式(I)または(II)の化合物を含む放射線防護組成物にまでも及ぶ。
本発明の組成物は、1つまたは複数の薬学的に許容できる担体、希釈剤、アジュバントおよび/または賦形剤と、場合により、他の医薬品と一緒に少なくとも1つの放射線防護剤化合物を含む。各々の担体、希釈剤、アジュバントおよび/または賦形剤は、組成物の他の成分と適合し、対象に有害ではないという意味で薬学的に「許容できる」ものでなければならない。組成物は、経口、直腸、鼻腔内、局所(頬側および舌下を包含する)、膣内、膀胱内または非経口(皮下、筋肉内、静脈内および皮内を包含する)投与に適しているものを包含する。組成物は、好都合には、単位剤形で提供することができ、薬学の技術分野においてよく知られている方法により調製することができる。そのような方法は、活性成分を、1つまたは複数の副成分を構成する担体と一緒にする工程を包含する。一般に、組成物は、活性成分を、液体担体、希釈剤、アジュバントおよび/または賦形剤または微粉化した固体担体または両方と均一にかつ密に一緒にし、次いで、必要ならば、生成物を成形することにより調製される。担体は、放射線防護剤化合物と分子錯体を形成し、遊離化合物の濃度を低下させ、経口製剤については味、局所または皮下、筋肉内、静脈内または皮内製剤については投与部位における局所毒性などの有害効果を抑制する薬剤も包含する。そのような錯化剤は、2-ヒドロキシプロピル-β-シクロデキストリンおよびスルホブチルエーテル-β-シクロデキストリンなどのシクロデキストリンを包含する。従来の医薬組成物についてのさらなる詳細は、Remington's Pharmaceutical Sciences、18th Edition、Mack Publishing Co.、Easton、PA、USAで説明されており、その開示は、参照によりそれらの全体が包含される。
局所投与または全身投与に適している本発明の組成物は、ナノメートル〜マイクロメートル次元のミセルまたはリポソームなどの小胞の形態であってもよい水中油型液体乳剤または油中水型液体乳剤として提供される少なくとも1つの放射線防護剤を含むことができる。
経口投与に適している本発明の組成物は、所定量の活性成分をそれぞれが含有する、カプセル剤、サシェ剤もしくは錠剤などの個別単位として、散剤もしくは顆粒剤として、水性もしくは非水性液体中の液剤もしくは懸濁剤として、または水中油型液体乳剤もしくは油中水型液体乳剤として提供することができる。活性成分は、ボーラス、舐剤またはペーストとして提供することもできる。
錠剤は、場合により、1つまたは複数の副成分と共に、圧縮または成型により作成することができる。圧縮錠剤は、場合により、結合剤(例えば、架橋ポビドン、架橋カルボキシメチルセルロースナトリウム)、不活性希釈剤、保存剤、崩壊剤(例えば、デンプングリコール酸ナトリウム)、界面活性剤および/または分散剤と混合された散剤または顆粒剤などの自由流動形態で活性成分を適当な機械において圧縮することにより調製することができる。成型錠剤は、不活性液体希釈剤で湿らせた粉末化合物の混合物を適当な機械において成型することにより作成することができる。錠剤は、場合により、コーティングされるか刻み目をつけられてもよく、様々な割合で、例えば、ヒドロキシプロピルメチルセルロースを使用してその中の活性成分の持続放出または制御放出を提供するために製剤化し、望ましい放出プロファイルを提供することができる。錠剤は、場合により、腸溶コーティングと共に提供し、胃以外の腸の部分での放出を提供することができる。
口における局所投与に適している組成物は、味の付いた基剤、通常は、スクロースおよびアカシアガムまたはトラガカントガム中に活性成分を含むロゼンジ剤;ゼラチンおよびグリセリン、またはスクロースおよびアカシアガムなどの不活性基剤中に活性成分を含む芳香錠;および適当な液体担体中に活性成分を含む含漱剤または噴霧剤を包含する。
皮膚への局所適用については、活性成分は、クリーム、軟膏、ゼリー、液剤または懸濁剤の形態であってよい。
眼への局所適用については、活性成分は、適当な無菌の水性または非水性のビヒクル中の液剤または懸濁剤の形態であってよい。添加剤、例えば、緩衝剤、酢酸フェニル水銀または硝酸フェニル水銀、塩化ベンザルコニウムまたはクロロヘキシジンなどの殺菌剤および殺真菌剤を包含する保存剤ならびにヒプロメロースなどの増粘剤も包含することができる。
直腸投与のための組成物は、常温では固体であるが直腸温度では液体であり、したがって、直腸において融解し、活性成分を放出する適当な非刺激性賦形剤と共に坐剤として提供することができる。そのような賦形剤は、ココアバターまたはサリチレートを包含する。
鼻用組成物は、点鼻剤または噴霧剤として局所的に、または鼻粘膜および/または肺の肺胞細胞を通しての吸収に適している形態で全身的に提供することができる。
膣内投与に適している組成物は、活性成分に加えて、当技術分野において適切であることが知られている担体を含有する膣坐剤、タンポン剤、クリーム剤、ゲル剤、ペースト剤、フォーム剤または噴霧製剤として提供することができる。
非経口投与に適している組成物は、抗酸化剤、緩衝剤、静菌剤および組成物を意図されている対象の血液と等張性にする溶質を含有してもよい水性および非水性の等張無菌注射液;ならびに懸濁剤および増粘剤を包含してもよい水性および非水性の無菌懸濁液剤を包含する。組成物は、ユニットドーズまたはマルチドーズの密封容器、例えば、アンプルおよびバイアルで提供することができ、使用の直前に、無菌液体担体、例えば、注射用水の添加のみを必要とする凍結乾燥した(freeze-dried)(凍結乾燥した(lyophilized))状態で貯蔵することができる。準備なしの注射液および懸濁液剤は、前に記載されている種類の無菌の散剤、顆粒剤および錠剤から調製することができる。
好ましい単位用量組成物は、活性成分の、上に記載されているような1日の投与量もしくは単位、1日の部分投与量を、または適切なその分画を含有する組成物である。本発明の化合物は、例えば、1日毎に(または、好ましくは、放射線被曝の発生毎に)対象の体重1kg当たり約0.01mg〜約500mg、1日毎にまたは放射線被曝の発生毎に対象の体重1kg当たり、好ましくは、約0.1mg〜約100mg、より好ましくは、約1.0mg〜約10mgの量で投与することができる。
式(I)の化合物は、例えば、当技術分野において従来通りである方法により製造することができる獣医用組成物の形態で使用するために提供することもできる。そのような獣医用組成物の例は:
(a)経口投与、外部適用、例えば、ドレンチ剤(例えば、水性または非水性の液剤または懸濁液剤);錠剤またはボーラス剤;飼料と混合するための散剤、顆粒剤またはペレット剤;舌への適用のためのペースト剤;
(b)例えば、無菌の液剤もしくは懸濁剤として、例えば皮下、筋肉内もしくは静脈内注射による;または(適切な場合に)懸濁液剤もしくは液剤が、乳頭を介して乳房中に導入される乳房内注射による非経口投与;
(c)例えば、皮膚に適用されるクリーム、軟膏またはスプレーとしての局所適用;または
(d)例えば、ペッサリー、クリームまたはフォームとして膣内に
に適合しているものを包含する。
上で特に述べられている成分に加えて、本発明の組成物は、問題の組成物のタイプを考慮して当技術分野において従来通りの他の薬剤を包含することができ、例えば、経口投与に適している組成物は、結合剤、甘味料、増粘剤、香味剤、崩壊剤、コーティング剤、保存剤、滑沢剤および/または時間遅延剤などのさらなる薬剤を包含することができる。
適当な甘味料は、スクロース、ラクトース、グルコース、アスパルテームまたはサッカリンを包含する。適当な崩壊剤は、コーンスターチ、メチルセルロース、ポリビニルピロリドン、キサンタンガム、ベントナイト、アルギン酸または寒天を包含する。適当な香味剤は、ペパーミント油、ウィンターグリーン油、サクランボ、オレンジまたはラズベリー香料を包含する。適当なコーティング剤は、アクリル酸および/またはメタクリル酸および/またはそれらのエステルのポリマーまたはコポリマー、ワックス、脂肪アルコール、ゼイン、シェラックまたはグルテンを包含する。適当な保存剤は、安息香酸ナトリウム、ビタミンE、アルファ-トコフェロール、アスコルビン酸、メチルパラベン、プロピルパラベンまたは重亜硫酸ナトリウムを包含する。適当な滑沢剤は、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸、オレイン酸ナトリウム、塩化ナトリウムまたはタルクを包含する。適当な時間遅延剤は、モノステアリン酸グリセリルまたはジステアリン酸グリセリルを包含する。
本発明の放射線防護剤の重要な適用は、癌放射線治療におけるものである。皮膚、口腔粘膜、食道粘膜、直腸粘膜、膣粘膜および膀胱上皮などの放射線治療における問題である正常組織の多くは、本発明の放射線防護剤により局所的に防護することができる。
そのような局所放射線防護剤について2つの異なる設定がある。第一に、上で注目されている正常組織において起こることが多い悲惨な急性反応を減少させる可能性がある。これらの急性反応は、一過性であることもあるが、それらの改善は、対象にとって明らかに有益であろう。異なる設定は、急性反応が、腫瘍に送達することができる放射線量を制限する状況である。ある例は、急性反応が、線量制限的であってよい加速分割レジメンにおける例である。このように、放射線防護剤の適用は、高めの放射線量の使用を可能にし、それ故に、治癒の見込みを改善する。
局所適用はさておき、本発明の放射線防護剤の薬物分布(pharmaco-distribution)特性は、改善された治療比を達成する他の方法を提供する。例は、脳および肺の腫瘍を包含する。
脳の場合、内皮細胞は、正常脳組織に対する放射線の有害効果の点で重要な放射線感受性標的であると考えられている。本発明の放射線防護剤の投与は、正常脳において重要な内皮細胞を防護するであろう。対応する腫瘍中の細胞も防護されるであろうが、これらの細胞は、十分に酸化されており、したがって、腫瘍中の最も放射線感受性の細胞である。したがって、腫瘍中のより遠い細胞は、低酸素性であり、照射の前に適切な間隔で投与されるならば、放射線防護剤の到達圏外であろう。このことは、正常内皮細胞および腫瘍の有酸素性(放射線感受性)細胞が等しく防護されるであろうことを意味している。その場合、この放射線防護は、腫瘍中の低酸素細胞を殺傷する機会を高めるであろう高めの放射線量が使用されることを可能にするであろう。腫瘍組織と正常組織の両方の内皮細胞が等しく影響を受けるという事実は、治療比にまったく影響はない。治療比の増加は、正常組織損傷の点でいかなる負担もなしに、低酸素性腫瘍細胞の殺傷の増加によって生じるかもしれない。
肺の腫瘍の場合、本発明の放射線防護剤は、肺胞細胞に送達されるであろう。肺腫瘍の内皮細胞も防護されるであろうが、腫瘍中のより遠い細胞は防護されないであろう。さらに、一部の肺腫瘍の循環は、肺動脈によってではなく、循環中の放射線防護剤の次の通過、それ故、低めの濃度に曝露されるまでアクセスされないであろう気管支循環から提供される。
放射線防護剤の標的化も、放射線治療における改善された治療比を達成することができる。適当な例は、全身照射および骨髄移植の状況における造血幹細胞の優先的な放射線防護を達成するための本発明の放射線防護剤の造血成長因子へのコンジュゲーションである。
癌放射線治療の状況外で、本発明の放射線防護剤は、危険性の高い照射状況において予防薬として使用することができる。例えば、上に記載されている造血成長因子コンジュゲートは、この目的のために投与することができる。より一般的に、式(I)および(II)により表される放射線防護剤は、放射線による被曝の危険性がある状況に予防薬として、または継続的被曝の効果を軽減するために使用することができる。そのような状況において、化合物は、癌放射線治療設定に伴う懸念、すなわち、腫瘍への放射線防護剤の送達についていかなる考慮もせずに、非経口的に(好ましくは、皮下に)または経口的に投与することができる。皮下投与の場合、シクロデキストリン錯体としての放射線防護剤の製剤は、注射部位における高い局所濃度の錯化されていない放射線防護剤による組織の一過性曝露の細胞毒性に起因する局所毒性反応を回避することができる。
上で言及されているような式(I)および(II)の化合物は、例えば下のように、合成スキーム1〜4のうちの1つを採用することにより調製することができる。合成スキーム中の変数は、式(II)(およびYの場合は式(I))に関して提供されている通りである。
当業者は、本明細書に記載されている本発明が、具体的に記載されているもの以外の変形形態および変更形態を受け入れることができることを理解しているであろう。本発明は、すべてのそのような変形形態および変更形態を包含することが理解されるべきである。本発明は、本明細書に言及されているか本明細書で指示されている工程、特徴、組成物および化合物のすべて、ならびに前記工程または特徴のうちのいずれか2つ以上のいかなるおよびすべての組合せも包含する。
次に、本発明は、下記の実施例を参照して説明されるであろう。これらの実施例は、決して本発明を制限すると解釈されるべきではない。
(実施例に関する備考)
i.実施例における命名では、一般に、分子の右端に描いた複素環系を優先し、それに続く環系に順次番号付けした。適切な場合には、互変異性体を、DNAの副溝に水素結合によって配位し得る配向に描く。
ii.2-アミノ-4-(5’-(4”-メチルピペラジン-1”-イル)ベンズイミダゾール-2’-イル)アニリンは、KellyらのAust. J. Chem. 1994, 47, 247-262 (参考文献 7)の変形法を用いて、4-(5’-(4”-メチルピペラジン-1”-イル)ベンズイミダゾール-2’-イル)-2-ニトロアニリンの水素化によって調製した。
iii.2-アミノ-4-(5’-(ピペリジン-1”-イル)ベンズイミダゾール-2’-イル)アニリンは、KellyらのAust. J. Chem. 1994, 47, 247-262 (参考文献 7)の変形法を用いて、2-ニトロ-4-(5’-(ピペリジン-1”-イル)ベンズイミダゾール-2’-イル)アニリンの水素化によって調製した。
iv.エチル 4-アミノ-3-ニトロベンゼンカルボキシイミダート塩酸塩は、KellyらのAust. J. Chem. 1994, 47, 247-262 (参考文献 7)の方法を用いて、エタノール中、4-アミノ-3-ニトロベンゾニトリルと無水HClガスとの反応によって調製した。
v.4-アミノ-3-メトキシ-5-ニトロベンゾニトリルは、WO 2005/070906 A1 (参考文献 11)に記載された方法によって調製した。
vi.5-(4’-メチルピペラジン-1’-イル)-2-ニトロアニリンは、KellyらのAust. J. Chem. 1994, 47, 247-262 (参考文献 7)の変形法を用いて調製した。
vii.2,4-ジクロロ-5-ニトロピリミジンは、WhittakerのJ. Chem. Soc., 1565, 1951 (参考文献 12)に記載された方法を用いて調製した。
viii.以下の化学物質は、以下に示した供給元から入手した:2-フルアルデヒド (Aldrich)、2-ピリジンカルボキシアルデヒド (Aldrich)、3-フルオロピリジン-2-カルバルアルデヒド (Maybridge)、3-トリフルオロメチルピリジン-2-カルボキシアルデヒド (Apollo Scientific)、6-メチル-2-ピリジンカルボキシアルデヒド (Matrix Scientific)、5-メチルピリジン-2-カルボニトリル (Apollo Scientific)、4-メチル-2-ピリジンカルボニトリル (Aldrich)、4-クロロ-2-ピリジンカルボニトリル (Aldrich)、4-メトキシピコリノニトリル (Combi-Blocks)、ピラジンカルボニトリル (Aldrich)、2-キノリンカルボニトリル (Aldrich)、3-イソキノリンカルボニトリル (Aldrich)、1-イソキノリンカルボン酸 (Aldrich)、インダゾール-3-カルボン酸 (Aldrich)、2-ヒドロキシニコチン酸 (Aldrich)、4-ヒドロキシピペリジン (Aldrich)、1-メチルホモピペラジン (Aldrich)、3-ヒドロキシピペリジン (Aldrich)、4-(N-BOC-アミノ)ピペリジン (Aldrich)、4-メトキシピペリジン (Acros)、4-メチル-3-ニトロベンゾニトリル (Aldrich)、5-クロロ-2-ニトロアニリン (Aldrich)、2-シアノピリジン (Aldrich)、メチル 4-アミノ-2-メトキシ安息香酸 (Aldrich)、4-(トリフルオロメチル)-2-ピリジンカルボニトリル (Matrix Scientific)、cis-2,6-ジメチルモルホリン (Acros)、5-(トリフルオロメチル)-2-ピリジンカルボニトリル (Advanced Chemical Intermediates)、および5-フルオロ-2-ピリジンカルボニトリル (Advanced Chemical Intermediates)。
ix.以下の略号を使用した:BOC (tert-ブトキシカルボニル)、obs (隠蔽されている)、MeOH (メタノール)、TFA (トリフルオロ酢酸)、HOAc (酢酸)、TLC (薄層クロマトグラフィー)、C50 (50%のクロノゲン(clonogen)生存率をもたらす放射線防護物質の濃度、PF (防護係数)、DMF (線量修飾係数)、DMF10 (放射線防護物質10μM濃度での線量修飾係数)。
実施例番号は、以下に基づいて付与した。
1〜5 アルデヒド/メタ重亜硫酸塩法を用いて調製したN-メチルピペラジン
6〜14 ニトリル/メトキシド法を用いて調製したN-メチルピペラジン
14〜18 カルボン酸/PPA法を用いて調製したN-メチルピペラジン
19〜21 モルホリノ類似体
22〜23 4-ヒドロキシピペリジン類似体
24〜29 他の5''-置換2-ピリジル類似体
30〜32 4'-メトキシおよびインドール/プリン類似体
33〜44 ピペラジニル、アミン、チオモルホリノ、およびモルホリノ類似体
45〜53 さまざまな化合物
x.融点は、電子融点測定装置を用いて測定し、未較正である。プロトン(1H)および炭素(13C)核磁気共鳴(nmr)スペクトルは、記載した溶媒の溶液中で、Varian Inova 400またはVarian Inova 500スペクトロメータを使用して記録した(1Hについてはそれぞれ399.77または499.69 MHz、13Cについてはそれぞれ100.52または125.66 MHz)。1H nmrスペクトルは、テトラメチルシランからの100万分の1(ppm)単位の化学シフトとして測定し、多重性、カップリング定数、等価な原子核の数、および帰属を記載した。略号sは一重線、dは二重線、tは三重線、qは四重線、brはブロード(幅広)、mは多重線を、多重度の帰属に用いた。多重線の中央のおよその値を記載した。メタノール-d4溶液に数滴のトリフルオロ酢酸-d (d-TFA)を添加する方法を、ピークのブロード化を軽減し、芳香族領域の多重度の解析を向上させるために用いた。メタノール-d4溶液に数滴の酢酸-d (d-TFA)を添加する方法を、13C nmrスペクトルの取得のための溶解性を向上させるために用いた。マススペクトルは、Micromass Quattro II質量分析計で記録し、精密な質量分析を、University of MelbourneのSchool of Chemistryにて、Finnigan LTQ-FTモデルの高解像度質量分析計で記録した。薄層クロマトグラフィー(TLC)は、Merckシリカゲル60 F254アルミニウムシートまたはMerck中性酸化アルミニウム150 F254シートで行った。フラッシュカラムクロマトグラフィーは、Ajaxシリカゲル230-400メッシュを用いて行った。
xi.細胞毒性および放射線防護性のためのクロノゲン生存細胞培養アッセイ
このアッセイは、形質転換ヒトケラチン生成細胞系列(FP 1811)(Smithらの(6)に記載されているとおりのもの)と、クロノゲン(clonogen)生存の評価項目(endpoint)とを用いる細胞毒性および放射線防護性の評価からなる。詳細は、Martinらの(4)に詳しく記載されている(この開示を、参照により本明細書に組み込む)が、要約すると、対数増殖期中期の単層培養物を、さまざまな濃度の試験薬物と共に1時間インキュベートした後、単層を洗浄し、プロナーゼを用いて分散させて単独細胞懸濁液とし、最後に適切な数の細胞をペトリ皿に分配する。8日間インキュベートした後、コロニーの数を測定する。放射線防護研究のために、単層培養物を、137Cs-γ-細胞照射源中で、12Gyの線量まで照射する。(1分間に0.6Gyの線量率での)照射を、試験薬物の添加の30分後に開始する。照射が完了した後、培養物のインキュベーションを、薬物への曝露時間の合計が60分となるまで継続する。次いで、培養物を洗浄し、細胞毒性試験として記載するとおりに、クロノゲン生存評価のためのプレート化を行う。試験には、未処理の培養物を対照として含め、これらの対照のプレート化効率を用いて試験培養物のプレート化効率を適合させて、総合的なクロノゲン生存率の算出に用いる。
一般に、各試験には、試験する薬物についての4〜5の異なる試験濃度を、照射ありおよび照射なしの場合について含める。未照射細胞を用いた試験データの分析によって、細胞生存率と薬物濃度との関係を示す曲線が得られ(図1)、この図から、50%生存率(C50)に相当する薬物濃度を決定する。
[実施例1]:2-(5’-(5”-(4’’’-メチルピペラジン-1’’’-イル)ベンズイミダゾール-2”-イル)ベンズイミダゾール-2’-イル)フラン
蒸留した新鮮な2-フルアルデヒド(100 mg, 1.04 mmol)のエタノール(4 ml)の溶液に、水(1 ml)中のメタ重亜硫酸ナトリウム(209 mg, 1.10 mmol)の溶液をゆっくりと添加した。次いで、得られた混合物を、2-アミノ-4-(5’-(4”-メチルピペラジン-1”-イル)ベンズイミダゾール-2’-イル)アニリン(7)(0.87 mmolの4-(5’-(4”-メチルピペラジン-1”-イル)ベンズイミダゾール-2’-イル)-2-ニトロアニリンを水素化することによって調製したもの)のエタノール(6 ml)の溶液に、移すために用いる追加のエタノール(3 ml)と共に、添加した。この混合物を、窒素下で18時間還流させた後、冷却し、溶媒をロータリーエバポレーターによって除去した。残渣を、希アンモニア溶液(6%, 2 x 15 ml)およびアセトニトリル(2 x 10 ml)で処理し、各処理後において遠心分離して上清を除去した。得られた固体を減圧下で乾燥して、2-(5’-(5”-(4’’’-メチルピペラジン-1’’’-イル)ベンズイミダゾール-2”-イル)ベンズイミダゾール-2’-イル)フランを、黄色粉末(331 mg, 94%)として得た。mp 202-224 ℃ (分解)。
1H nmr (400 MHz, d4-MeOH + 4滴のd-TFA) δ 3.00, s, 3H, 4’’’-MeN; 3.20, t (J = 13.2 Hz), 2H, NCH2; 3.34, m (obs), NCH2; 3.68, d (J = 12.0 Hz), 2H, NCH2; 3.97, d (J = 12.8 Hz), 2H, NCH2; 6.90, ddd (J = 3.6, 1.6, 0.4 Hz), 1H, H4; 7.35, d (J = 2.4 Hz), 1H, H4"; 7.44, dd (J = 9.2, 2.0 Hz), 1H, H6"; 7.69, d (J = 3.6 Hz), 1H, H3; 7.75, d (J = 9.2 Hz), 1H, H7"; 8.04, d, (J = 8.8 Hz), 1H, H7'; 8.07, d (J = 1.6 Hz), 1H, H5; 8.21, dd (J = 8.4, 1.6 Hz), 1H, H6'; 8.54, d (J = 1.6 Hz), 1H, H4'. 13C nmr (100 MHz, d4-MeOH + 4滴のHOAc) δ 43.6, 4’’’-MeN; ~ 49.2 (obs), C2’’’/6’’’; 54.6, C3’’’/5’’’; 102.4, C4”; 113.0, 113.4, C3, C4; 114.4, C4’; 116.2, 116.6, 116.9, C6”, C7’, C7”; 122.8, C6’; 123.6, C5’; 133.8, 138.6, 139.7, 141.6, C3a’, C3a”, C7a’, C7a”; 145.8, 146.3, 147.1, C2, C2’, C5; 148.6, C5”; 152.4, C2”. MS (ESI +ve) m/z 399 (MH+, 100%). HRMS (ESI +ve) m/z 399.19289, C23H23N6Oの理論質量:399.19279 (△= 0.3 ppm).
細胞毒性および放射線防護性の結果
C50 = 57.3
PF = 7.7
DMFm = 1.37
DMF10 = 1.14
[実施例2]:2-(5’-(5”-(4’’’-メチルピペラジン-1’’’-イル)ベンズイミダゾール-2”-イル)ベンズイミダゾール-2’-イル)ピリジン
2-ピリジンカルボキシアルデヒド(0.11 g, 1.02 mmol)を、2-アミノ-4-(5’-(4”-メチルピペラジン-1”-イル)ベンズイミダゾール-2’-イル)アニリン(7)(0.85 mmolの4-(5’-(4”-メチルピペラジン-1”-イル)ベンズイミダゾール-2’-イル)-2-ニトロアニリンの水素化によって調製したもの)のエタノール(20 ml)の溶液に添加し、混合物を窒素下で15分間乾留させた後、冷却した。次いで、メタ重亜硫酸ナトリウム(162 mg, 0.85 mmol)の水(2 ml)の溶液を添加し、窒素下で撹拌をさらに16時間継続させた。冷却した後、反応混合物を遠心分離し、上清を分離し、固体残渣を、メタノールメタノール(2 x 5 ml)を用いて粒状化させた。次いで、メタノールを前記上清と合わせた後、溶媒を蒸発させて、ガラス状の橙色固体を得た。この物質を、アルミナ(中性、35 x 120 mm)を用い、50:3:1 酢酸エチル/メタノール/トリエチルアミンで溶出させるカラムクロマトグラフィーにかけて、-(5’-(5”-(4’’’-メチルピペラジン-1’’’-イル)ベンズイミダゾール-2”-イル)ベンズイミダゾール-2’-イル)ピリジンを、として淡黄色粉末として得た(0.116 g, 33%)。mp 178-180 ℃ (分解)。
1H nmr (400 MHz, d4-MeOH + 4滴のd-TFA) δ 3.00, s, 3H, 4’’’-MeN; 3.21, t (J = 11.6 Hz), 2H, NCH2; 3.34, m (obs), NCH2; 3.68, d (J = 11.6 Hz), 2H, NCH2; 3.96, d (J = 13.2 Hz), 2H, NCH2; 7.33, d (J = 2.4 Hz), 1H, H4"; 7.41, dd (J = 2.0, 8.8 Hz), 1H, H6"; 7.67, dd (J = 4.8, 7.6 Hz), 1H, H5; 7.73, d (J = 8.8 Hz), 1H, H7"; 8.06, d (J = 8.8 Hz), 1H, H7'; 8.13, dt (J = 1.6, 8.0 Hz), 1H, H4; 8.19, dd (J = 1.6, 8.8 Hz), 1H, H6'; 8.40, d (J = 8.0 Hz), 1H, H3; 8.58, d (J = 1.6 Hz), 1H, H4'; 8.87, d (J = 4.8 Hz), 1H, H6. 13C nmr (100 MHz, d4-MeOH + 3滴のHOAc) δ 43.6, 4’’’-MeN; 49.4, C2’’’/6’’’; 54.6, C3’’’/5’’’; 102.6, C4”; 115.1, C4’; 116.4, 116.7, 116.9, C6”, C7’, C7”; 122.7, C3 or C6’; 123.0, C6’ or C3; 124.6, C5’; 126.1, C5; 134.7, C7a”; 138.4, C4; 139.2, 140.4, C3a’, C3a”; 141.5, C7a’; 148.5, C5”; 148.7, C2; 150.8, C6; 153.1, 154.1, C2’, C2”. MS (ESI +ve) m/z 410 (MH+, 100%). HRMS (ESI +ve) m/z 410.20859, C24H24N7の理論質量:410.20877 (△= 0.4 ppm).
細胞毒性および放射線防護性の結果
C50 = 101.0
PF = 18.2
DMFm = 2.10
DMF10 = 1.93
[実施例3]:3-フルオロ-2-(5’-(5”-(4’’’-メチルピペラジン-1’’’-イル)ベンズイミダゾール-2”-イル)ベンズイミダゾール-2’-イル)ピリジン
3-フルオロピリジン-2-カルバルアルデヒド(95 mg, 0.76 mmol)のエタノール(10 ml)の溶液に、メタ重亜硫酸ナトリウム(159 mg, 0.84 mmol, 1.1 eq)の水(1 ml)中の溶液を添加し、混合物を40〜50℃に5分間加熱した。次いで、この混合物を、2-アミノ-4-(5’-(4”-メチルピペラジン-1”-イル)ベンズイミダゾール-2’-イル)アニリン(7)(0.635 mmolの4-(5’-(4”-メチルピペラジン-1”-イル)ベンズイミダゾール-2’-イル)-2-ニトロアニリンの水素化によって調製したもの)のエタノール(10 ml)中の懸濁液に添加し、合わせた混合物を、窒素下で18時間穏やかに還流させた。冷却した後、溶媒をロータリーエバポレーターで除去し、残渣を、n-ブタノール(20 ml)と希アンモニア溶液(2.7 M, 15 ml)との間で分配させた。ブタノール抽出物を塩水(20 ml)で洗浄し、乾燥(Na2SO4) し、蒸発させて、ガラス状の橙色固体(285 mg)を得た。この物質を、メタノール (3 ml)に溶解させ、シリカゲル(30 x 70 mm)のプラグに担持させ、メタノールで溶出させて、3-フルオロ-2-(5’-(5”-(4’’’-メチルピペラジン-1’’’-イル)ベンズイミダゾール-2”-イル)ベンズイミダゾール-2’-イル)ピリジンを、橙色粉末として得た(177 mg, 65%)。mp 201-214 ℃。
1H nmr (500 MHz, d4-MeOH + 4滴のd-TFA) δ 3.01, s, 3H, 4’’’-MeN; 3.21, t (J = 11.8 Hz), 2H, NCH2; 3.35, m (obs), NCH2; 3.69, d (J = 11.5 Hz), 2H, NCH2; 3.97, d (J = 13.5 Hz), 2H, NCH2; 7.35, d (J = 2.0 Hz), 1H, H4"; 7.44, dd (J = 2.0, 9.0 Hz), 1H, H6"; 7.76, d (J = 9.0 Hz), 1H, H7"; 7.80, ddd (J = 4.3, 4.3, 8.6 Hz), 1H, H5; 7.99, ddd (J = 1.0, 8.5, 10.1 Hz), 1H, H4; 8.10, d (J = 8.5 Hz), 1H, H7'; 8.22, dd (J = 1.7, 9.0 Hz), 1H, H6'; 8.62, d (J = 1.5 Hz), 1H, H4'; 8.75, dt (J = 4.8, 1.5 Hz), 1H, H6. 13C nmr (100 MHz, d4-MeOH + 4滴のHOAc) δ 43.6, 4’’’-MeN; 49.4, C2’’’/6’’’; 54.7, C3’’’/5’’’; 102.7, C4”; 115.4, C4’; 116.4, 116.8, 117.2, C6”, C7’, C7”; 123.3, C6’; 124.9, C5’; 126.4, d (2JCF = 19 Hz), C4; 127.8, d (3JCF = 4 Hz), C5; 134.8, C7a”; 136.7, d (2JCF = 9 Hz), C2; 139.4, 140.3, C3a’, C3a”; 141.4, C7a’; 146.9, d (4JCF = 5 Hz), C6; 148.5, C5”; 150.6, d (3JCF = 8 Hz), C2’; 153.1, C2”; 159.1, d (1JCF = 266 Hz), C3. MS (ESI +ve) m/z 428 (MH+, 100%). HRMS (ESI +ve) m/z 428.19938, C24H23FN7の理論質量:428.19935 (△= 0.1 ppm).
細胞毒性および放射線防護性の結果
C50 = 93.1
PF = 15.3
DMFm = 1.80
DMF10 = 1.40
[実施例4]:2-(5’-(5”-(4’’’-メチルピペラジン-1’’’-イル)ベンズイミダゾール-2”-イル)ベンズイミダゾール-2’-イル)-3-トリフルオロメチルピリジン
3-トリフルオロメチルピリジン-2-カルボキシアルデヒド(150 mg, 0.85 mmol)のエタノール(10 ml)溶液に、メタ重亜硫酸ナトリウム(180 mg, 0.94 mmol, 1.1 eq.)の水(1 ml)中の溶液を添加し、混合物を40〜50℃に5分間加熱した。次いで、この混合物を、2-アミノ-4-(5’-(4”-メチルピペラジン-1”-イル)ベンズイミダゾール-2’-イル)アニリン(7)(0.775 mmolの4-(5’-(4”-メチルピペラジン-1”-イル)ベンズイミダゾール-2’-イル)-2-ニトロアニリンの水素化によって調製したもの)のエタノール(15 ml)溶液に5分間かけて添加し、合わせた混合物を、窒素下で16時間穏やかに還流させた。冷却後、ロータリーエバポレーターによって溶媒を除去し、残渣を希アンモニア溶液(2.7 M, 10 ml)で処理した(15分間撹拌して均一な懸濁液を得た後、遠心分離し、上清を除去した)。この固体を、再び希アンモニア溶液(2.7 M, 5 ml)、次いでアセトニトリル(3 x 5 ml)で処理した(各処理において遠心分離し、上清を除去した)。残った固体を減圧下で乾燥させて、2-(5’-(5”-(4’’’-メチルピペラジン-1’’’-イル)ベンズイミダゾール-2”-イル)ベンズイミダゾール-2’-イル)-3-トリフルオロメチルピリジンを、黄色粉末として得た(178 mg, 48%)。mp 189-191℃。
1H nmr (400 MHz, d4-MeOH + 4滴のd-TFA) δ 3.00, s, 3H, 4’’’-MeN; 3.20, t (J = 11.8 Hz), 2H, NCH2; 3.35, m (obs), NCH2; 3.68, d (J = 12.0 Hz), 2H, NCH2; 3.96, d (J = 13.6 Hz), 2H, NCH2; 7.32, d (J = 2.0 Hz), 1H, H4”; 7.42, dd (J = 2.2, 9.0 Hz), 1H, H6”; 7.73, d (J = 9.2 Hz), 1H, H7”; 7.80, dd (J = 4.8, 8.4 Hz), 1H, H5; 8.00, dd (J = 0.8, 8.8 Hz), 1H, H7’; 8.07, dd (J = 1.8, 8.6 Hz), 1H, H6’; 8.41, dd (J = 0.8, 8.0 Hz), 1H, H4; 8.53, dd (J = 0.6, 1.4 Hz), 1H, H4’; 9.00, d (J = 4.7 Hz), 1H, H6. 13C nmr (125 MHz, d4-MeOH + 4滴のHOAc) δ 43.6, 4’’’-MeN; 49.5, C2’’’/6’’’; 54.7, C3’’’/5’’’; 103.0, C4”; 115.8, 116.5, 117.0, 117.4, C4’, C6”, C7’, C7”; 123.4, C6’; 124.5, q (1JCF = 266 Hz), 3-CF3; 125.2, C5’; 125.9, C5; 126.9, q (2JCF = 34 Hz), C3; 134.9, C7a”; 137.3, d (3JCF = 5 Hz), C4; 139.6, 140.6, C3a’, C3a”; 141.4, C7a’; 148.1, C2; 148.6, C5”; 152.0, C2’; 153.4, C2” and C6 (overlap). MS (ESI +ve) m/z 478 (MH+, 100%), 239.7 (MH2 2+, 60). HRMS (ESI +ve) m/z 478.19617, C25H23F3N7の理論質量:478.19615 (△= 0.04 ppm).
細胞毒性および放射線防護性の結果
C50 = 190.0
PF = 30.5
DMFm = 1.99
DMF10 = 1.41
[実施例5]:6-メチル-2-(5’-(5”-(4’’’-メチルピペラジン-1’’’-イル)ベンズイミダゾール-2”-イル)ベンズイミダゾール-2’-イル)ピリジン
6-メチル-2-ピリジンカルボキシアルデヒド (125 mg, 1.03 mmol)のエタノール(5 ml)の溶液に、メタ重亜硫酸ナトリウム(211 mg, 1.11 mmol)の水(3 ml)中の溶液を添加し、合わせた混合物を5分間撹拌した後、2-アミノ-4-(5’-(4”-メチルピペラジン-1”-イル)ベンズイミダゾール-2’-イル)アニリン(7)(0.956 mmolの4-(5’-(4”-メチルピペラジン-1”-イル)ベンズイミダゾール-2’-イル)-2-ニトロアニリンの水素化によって調製したもの)のエタノール(20 ml)中の溶液に添加した。次いで、この混合物を、窒素下で22時間還流させた後、冷却し、溶媒をロータリーエバポレーターによる蒸発によって除去した。残渣を、希アンモニア溶液(2.7 M, 15 ml)と、n-ブタノール(40 ml)との間で分配させた後、n-ブタノール抽出物を希アンモニア(2.7 M, 30 ml)、塩水(30 ml)で洗浄し、乾燥(Na2SO4) し、蒸発させて、ガラス状の緑〜褐色の固体(402 mg)を得た。この物質(200 mg)を、アルミナ(中性、33 x 270 mm)を用い、50:3:1 酢酸エチル/メタノール/トリエチルアミンで溶出させるカラムクロマトグラフィーにかけて、6-メチル-2-(5’-(5”-(4’’’-メチルピペラジン-1’’’-イル)ベンズイミダゾール-2”-イル)ベンズイミダゾール-2’-イル)ピリジンを、オリーブ色のガラス状物質として得た(37 mg, 18%)。
さらなる物質が、同じクロマトグラフィー条件を用いて混合フラクションを再カラム精製することによって得られた(50 mg, 合計収率43%)。
1H nmr (400 MHz, d4-MeOH + 5滴のd-TFA) δ 2.67, s, 3H, 6-Me; 3.00, s, 3H, 4’’’-MeN; 3.22, m (obs), NCH2; 3.32, m (obs), NCH2; 3.68, d (J = 11.6 Hz), 2H, NCH2; 3.94, d (J = 12.8 Hz), 2H, NCH2; 7.28, d (J = 2.0 Hz), 1H, H4"; 7.36, dd (J = 2.4, 9.2 Hz), 1H, H6"; 7.49, d (J = 8.0 Hz), 1H, H5; 7.68, d (J = 9.2 Hz), 1H, H7"; 7.96, t (J = 7.8 Hz), 1H, H4; 8.00, d (J = 8.8 Hz), 1H, H7'; 8.14, m, 2H, H3, H6'; 8.49, d (J = 1.2 Hz), 1H, H4'. 13C nmr (100 MHz, d4-MeOH + 3滴のHOAc) δ 24.4, 6-Me; 43.6, 4’’’-MeN; 49.3, C2’’’/6’’’; 54.7, C3’’’/5’’’; 102.6, C4”; 115.3, C4’; 116.3, 116.9, 117.1, C6”, C7’, C7”; 119.9, C3; 123.0, C6’; 123.9, C5’; 125.8, C5; 134.0, C7a”; 138.6, C4; 138.8, 140.5, C3a’, C3a”; 141.6, C7a’; 147.9, C2; 148.7, C5”; 152.9, 154.5, C2’, C2”; 160.1, C6. MS (ESI +ve) m/z 424 (MH+, 100%), 213 (MH2 2+, 45). HRMS (ESI +ve) m/z 424.22433, C25H26N7の理論質量:424.22442 (△= 0.2 ppm).
細胞毒性および放射線防護性の結果
C50 = 73.3
PF = 2.5
DMFm= 1.22
DMF10 = 1.12
[実施例6]:5-メチル-2-(5’-(5”-(4’’’-メチルピペラジン-1’’’-イル)ベンズイミダゾール-2”-イル)ベンズイミダゾール-2’-イル)ピリジン
5-メチルピリジン-2-カルボニトリル(107 mg, 0.90 mmol)に、ナトリウムメトキシドのメタノール溶液(0.087 M, 1.0 ml, 0.1 eq)を添加し、溶液を、窒素下、40℃の油浴中、2時間加熱した。次いで、2-アミノ-4-(5’-(4”-メチルピペラジン-1”-イル)ベンズイミダゾール-2’-イル)アニリン(7) (193 mg, 0.60 mmol)の無水メタノール(10 ml)溶液および氷酢酸(0.10 ml, 1.75 mmol)を添加し、混合物を窒素下で16時間穏やかに還流させた。冷却後、ロータリーエバポレーターによって溶媒を除去し、残渣を希アンモニア溶液(2.7 M, 8 ml)で処理して30分撹拌してもろい物質の均一な懸濁液を得た。この懸濁液を遠心分離し、上清を除去し、残渣をさらなる希アンモニア(2.7 M, 8 ml)、次いでアセトニトリル(3 x 3 ml)で処理した(各処理において、遠心分離し、上清を除去した)。残った固体を減圧下で乾燥させて、灰白色粉末(209 mg)を得た。次いで、この物質を、シリカゲルの短いプラグ(30 x 110 mm)に担持させ、メタノールで溶出させて、5-メチル-2-(5’-(5”-(4’’’-メチルピペラジン-1’’’-イル)ベンズイミダゾール-2”-イル)ベンズイミダゾール-2’-イル)ピリジンを、黄緑色粉末として得た(148 mg, 58%)。mp 200〜204℃。
1H nmr (500 MHz, d4-MeOH + 4滴のd-TFA) δ 2.50, s, 3H, 5-Me; 3.00, s, 3H, 4’’’-MeN; 3.21, t (J = 12.0 Hz), 2H, NCH2; 3.34, m (obs), NCH2; 3.68, d (J = 11.5 Hz), 2H, NCH2; 3.97, d (J = 13.5 Hz), 2H, NCH2; 7.34, d (J = 2.0 Hz), 1H, H4"; 7.43, dd (J = 2.5, 9.0 Hz), 1H, H6"; 7.75, d (J = 9.5 Hz), 1H, H7"; 7.97, m, 1H, H4; 8.06, d (J = 9.0 Hz), 1H, H7'; 8.20, dd (J = 1.5, 8.5 Hz), 1H, H6'; 8.30, d (J = 8.0 Hz), 1H, H3; 8.58, d (J =1.5 Hz), 1H, H4'; 8.73, m, 1H, H6. 13C nmr (125 MHz, d4-MeOH + 4滴のHOAc) δ 18.4, 5-Me; 43.6, 4’’’-MeN; 49.4, C2’’’/6’’’; 54.6, C3’’’/5’’’; 102.6, C4”; 114.9, C4’; 116.3, 116.7 (overlap), C6”, C7’, C7”; 122.3. 122.9, C3, C6’; 124.2, C5’; 134.4, C7a”; 136.6, C5; 138.6, C4; 139.1, 140.3, C3a’, C3a”; 141.4, C7a’; 145.9, C2; 148.5, C5”; 151.1, C6; 153.0, 154.3, C2’, C2”. MS (ESI +ve) m/z 424 (MH+, 100%). HRMS (ESI +ve) m/z 424.22406, C25H26N7の理論質量:424.22442 (△= 0.8 ppm).
細胞毒性および放射線防護性の結果
C50 = 58.4
PF = 26.2
DMFm = 2.52
DMF10 = 2.43
[実施例7]:4-メチル-2-(5’-(5”-(4’’’-メチルピペラジン-1’’’-イル)ベンズイミダゾール-2”-イル)ベンズイミダゾール-2’-イル)ピリジン
4-メチル-2-ピリジンカルボニトリル(142 mg, 1.2 mmol)に、ナトリウムメトキシドのメタノール溶液(0.087 M, 1.4 ml, 0.1 eq)を添加し、溶液を、窒素下、40℃の油浴中、2時間加熱した。次いで、2-アミノ-4-(5’-(4”-メチルピペラジン-1”-イル)ベンズイミダゾール-2’-イル)アニリン(7) (264 mg, 0.82 mmol)の無水メタノール(13 ml)中の溶液、次いで氷酢酸(0.14 ml, 2.4 mmol)を添加し、混合物を窒素下で21時間穏やかに還流させた。冷却後、ロータリーエバポレーターによって溶媒を除去し、残渣を希アンモニア溶液(2.7 M, 10 ml)で処理して45分撹拌してもろい物質の均一な懸濁液を得た。この懸濁液を遠心分離し、上清を除去し、残渣をさらなる希アンモニア(2.7 M, 5 ml)、次いでアセトニトリル(2 x 5 ml)で処理した(各処理において、遠心分離し、上清を除去した)。残った固体をアルミナの短いプラグ(塩基性, Act I, 30 x 110 mm)に担持させ、50:3:1 酢酸エチル/メタノール/トリエチルアミンで溶出させて、4-メチル-2-(5’-(5”-(4’’’-メチルピペラジン-1’’’-イル)ベンズイミダゾール-2”-イル)ベンズイミダゾール-2’-イル)ピリジンを、黄色粉末として得た(281 mg, 83%)。mp 200 ℃ (分解)。
1H nmr (400 MHz, d4-MeOH + 4滴のd-TFA) δ 2.58, s, 3H, 4-Me; 3.01, s, 3H, 4’’’-MeN; 3.21, m (obs), NCH2; 3.34, m (obs), NCH2; 3.68, d (J = 12.0 Hz), 2H, NCH2; 3.97, d (J = 12.4 Hz), 2H, NCH2; 7.34, d (J = 2.4 Hz), 1H, H4"; 7.43, dd (J = 2.2, 9.0 Hz), 1H, H6"; 7.58, d (J = 4.0 Hz), 1H, H5; 7.75, d (J = 9.2 Hz), 1H, H7"; 8.08, d (J = 8.8 Hz), 1H, H7'; 8.20, dd (J = 1.6, 8.4 Hz), 1H, H6'; 8.29, s, 1H, H3; 8.60, d (J =1.6 Hz), 1H, H4'; 8.73, d (J = 4.8 Hz), 1H, H6. 13C nmr (125 MHz, d4-MeOH + 4滴のHOAc) δ 21.1, 4-Me*; 43.6, 4’’’-MeN; 49.3, C2’’’/6’’’; 54.6, C3’’’/5’’’; 102.4, C4”; 115.1, C4’; 116.3, C7”; 116.9 (overlap), C6”, C7’; 123.0, C6’; 123.5, C3; 123.9, C5’; 127.0, C5; 134.0, C7a”; 138.8, 140.3, 141.5, C3a’, C3a”, C7a’; 148.4, 148.6, C2, C5”; 150.1, C4; 150.5, C6; 152.8, 154.2, C2’, C2”. MS (ESI +ve) m/z 847 (M2H+, 8%), 424 (MH+, 100), 213 (MH2 2+, 14). HRMS (ESI +ve) m/z 424.22433, C25H26N7の理論質量:424.22442 (△= 0.2 ppm).
*HOAcによって隠されているシグナルは、gHSQC実験によって間接的に観測された。
細胞毒性および放射線防護性の結果
C50 = 130.5
PF = 183.8
DMFm = 2.55
DMF10 = 2.36
[実施例8]:4-クロロ-2-(5’-(5”-(4’’’-メチルピペラジン-1’’’-イル)ベンズイミダゾール-2”-イル)ベンズイミダゾール-2’-イル)ピリジン
4-クロロ-2-ピリジンカルボニトリル(154 mg, 1.11 mmol)に、ナトリウムメトキシドのメタノール溶液(0.087 M, 1.2 ml, 0.1 eq)を添加し、懸濁液を、窒素下、40℃の油浴中、2時間加熱した。次いで、2-アミノ-4-(5’-(4”-メチルピペラジン-1”-イル)ベンズイミダゾール-2’-イル)アニリン(7)(0.74 mmolの4-(5’-(4”-メチルピペラジン-1”-イル)ベンズイミダゾール-2’-イル)-2-ニトロアニリンの水素化によって調製したもの)の無水メタノール(15 ml)中の溶液、次いで氷酢酸(0.13 ml, 2.3 mmol)を添加し、混合物を窒素下で72時間穏やかに還流させた。冷却後、ロータリーエバポレーターによって溶媒を除去し、残渣を希アンモニア溶液(2.7 M, 20 ml)で処理した後、n-ブタノール(2 x 20 ml)で抽出した。ブタノール抽出物を、塩水(20 ml)で洗浄した後、蒸発させて、ガラス状の固体を得た。メタノールで溶出させるカラムクロマトグラフィー(シリカゲル)によって、4-クロロ-2-(5’-(5”-(4’’’-メチルピペラジン-1’’’-イル)ベンズイミダゾール-2”-イル)ベンズイミダゾール-2’-イル)ピリジンを、黄色粉末として得た(245 mg, 75%)。mp 195 ℃ (分解)。
1H nmr (500 MHz, d4-MeOH + 4滴のd-TFA) δ 3.00, s, 3H, 4’’’-MeN; 3.19, t (J = 12.0 Hz), 2H, NCH2; 3.32, m (obs), NCH2; 3.67, d (J = 12.5 Hz), 2H, NCH2; 3.89, d (J = 12.0 Hz), 2H, NCH2; 7.17, d (J = 1.5 Hz), 1H, H4"; 7.27, dd (J = 2.0, 9.0 Hz), 1H, H6"; 7.46, dd (J = 1.8, 5.3 Hz), 1H, H5; 7.58, d (J = 9.5 Hz), 1H, H7"; 7.78, d (J = 8.5 Hz), 1H, H7'; 7.86, dd (J = 1.5, 8.5 Hz), 1H, H6'; 8.17, d (J =1.5 Hz), 1H, H3 or H4'; 8.20, br s, 1H, H4' or H3; 8.56, d (J = 5.0 Hz), 1H, H6. 13C nmr (125 MHz, d4-MeOH + 4滴のHOAc) δ 44.0, 4’’’-MeN; 49.9, C2’’’/6’’’; 54.9, C3’’’/5’’’; 102.7, C4”; 114.9, C4’; 116.49, 116.55, 116.9, C6”, C7’, C7”; 122.5, 123.1, C3, C6’; 125.5, C5’; 125.7, C5; 135.5, C7a”; 139.8, 140.3, 141.3, C3a’, C3a”, C7a’; 146.0, C2 or C4; 148.5, C5”; 150.2, C4 or C2; 151.8, C6; 152.6, 153.2, C2’, C2”. MS (ESI +ve) m/z 444/446 (MH+, 100/35%), 223/224 (MH2 2+, 60/20). HRMS (ESI +ve) m/z 444.16977, C24H23ClN7の理論質量:444.16980 (△= 0.1 ppm).
細胞毒性および放射線防護性の結果
C50 = 80.0
PF = 39.6
DMFm = 2.20
DMF10 = 2.12
[実施例9]:4-メチルアミノ-2-(5’-(5”-(4’’’-メチルピペラジン-1’’’-イル)ベンズイミダゾール-2”-イル)ベンズイミダゾール-2’-イル)ピリジン
4-クロロ-2-(5’-(5”-(4’’’-メチルピペラジン-1’’’-イル)ベンズイミダゾール-2”-イル)ベンズイミダゾール-2’-イル)ピリジン(48 mg, 0.11 mmol) (調製法については実施例8を参照されたい)のエタノール(2 ml)中の溶液に、炭酸カリウム(20 mg, 0.145 mmol)、次いでメチルアミン水溶液(30%, 3.0 ml, 26.1 mmol)を添加し、混合物を、100℃の油浴中の密封管内で加熱した(高圧に注意)。次いで、反応混合物を冷却し、水(10 ml)で希釈し、n-ブタノール(10 ml)で抽出した。n-ブタノール抽出液を、水(3 x 10 ml)で洗浄し、蒸発させて、4-メチルアミノ-2-(5’-(5”-(4’’’-メチルピペラジン-1’’’-イル)ベンズイミダゾール-2”-イル)ベンズイミダゾール-2’-イル)ピリジンを、黄色ガラス状固体(41 mg, 67%)として得た。mp 220℃(分解)。
1H nmr (400 MHz, d4-MeOH + 4滴のd-TFA) δ 3.00, s, 3H, 4’’’-MeN; 3.08, br s, 4-MeN (minor); 3.14, br s, 4-MeN (major); 3.21, t (J = 12.6 Hz), 2H, NCH2; 3.34, m (obs), NCH2; 3.69, d (J = 12.4 Hz), 2H, NCH2; 3.97, d (J = 13.6 Hz), 2H, NCH2; 6.94, m, 1H, H5; 7.33, d (J = 2.4 Hz), 1H, H4”; 7.41, dd (J = 2.4, 9.2 Hz), 1H, H6”; 7.56, br s, 0.4H, H3 (minor); 7.64, br s, 0.6H, H3 (major); 7.73, d (J = 9.2 Hz), 1H, H7”; 8.00-8.26, m, 3H, H6, H6’, H7’; 8.58, br s, 1H, H4’. 13C nmr (100 MHz, d4-MeOH + 4滴のHOAc) δ 29.7, 4-MeNH; 43.6, 4’’’-MeN; 49.4, C2'''/6'''; 54.7, C3'''/5'''; 102.7, C4"; 105.5, br, C3 or C5; 108.6, br, C5 or C3; 115.5, 116.5, 116.9, 117.5, C4', C6", C7', C7"; 123.6, C6'; 125.2, C5'; 134.8, C7a"; 139.4, 140.6, 141.7, 142.7, C2 or C4, C3a', C3a", C7a'; 143.4, C6; 148.6, C5"; 148.7, C4 or C2; 152.8, C2"; 159.5, C2'. MS (ESI +ve) m/z 877 (M2H+, 8%), 439 (MH+, 100), 220 (MH2 2+, 25). HRMS (ESI +ve) m/z 439.23526, C25H27N8の理論質量:439.23532 (△= 0.1 ppm).
細胞毒性および放射線防護性の結果
C50 = 59.9
PF = 7.1
DMFm = 1.55
DMF10 = 1.14
[実施例10]:4-ジメチルアミノ-2-(5’-(5”-(4’’’-メチルピペラジン-1’’’-イル)ベンズイミダゾール-2”-イル)ベンズイミダゾール-2’-イル)ピリジン
4-クロロ-2-(5’-(5”-(4’’’-メチルピペラジン-1’’’-イル)ベンズイミダゾール-2”-イル)ベンズイミダゾール-2’-イル)ピリジン(50 mg, 0.113 mmol) (調製法については実施例8を参照されたい)のエタノール(2 ml)中の溶液に、炭酸カリウム(20 mg, 0.145 mmol)、次いでジメチルアミン水溶液(40%, 1.0 ml, 9.9 mmol)を添加し、混合物を、100℃の油浴中の密封管内で加熱した(高圧に注意)。次いで、反応混合物を冷却し、水(10 ml)で希釈し、n-ブタノール(10 ml)で抽出した。n-ブタノール抽出液を、水(3 x 10 ml)で洗浄し、蒸発させて、4-ジメチルアミノ-2-(5’-(5”-(4’’’-メチルピペラジン-1’’’-イル)ベンズイミダゾール-2”-イル)ベンズイミダゾール-2’-イル)ピリジンを、黄色粉末(48 mg, 94%)として得た。mp 216〜220 ℃。
1H nmr (400 MHz, d4-MeOH + 5滴のd-TFA) δ 3.00, s, 3H, 4’’’-MeN; 3.20, t (J = 12.4 Hz), 2H, NCH2; 3.38, br m (obs.), 4-Me2N and NCH2; 3.68, d (J = 12.0 Hz), 2H, NCH2; 3.95, d (J = 13.2 Hz), 2H, NCH2; 7.07, dd (J = 3.0, 7.4 Hz), 1H, H5; 7.33, d (J = 2.0 Hz), 1H, H4"; 7.41, dd (J = 2.2, 9.0 Hz), 1H, H6"; 7.73, d (J = 8.8 Hz), 1H, H7"; 7.77, d (J = 2.8 Hz), 1H, H3; 8.02, d (J = 8.8 Hz), 1H, H7'; 8.08, dd (J = 1.6, 8.8 Hz), 1H, H6'; 8.18, d (J =7.6 Hz), 1H, H6; 8.57, d (J = 0.8 Hz), 1H, H4'. 13C nmr (100 MHz, d4-MeOH + 4滴のHOAc) δ 39.9, 4-Me2N; 43.6, 4’’’-MeN; 49.4, C2’’’/6’’’; 54.7, C3’’’/5’’’; 102.6, C4”; 105.5, 107.8, C3, C5; 115.1, C4’; 116.5, 116.8, 117.3, C6”, C7’, C7”; 123.3, C6’; 125.0, C5’; 134.9, C7a”; 139.4, 140.3, 141.4, 142.6, C2 or C4, C3a’, C3a”, C7a’; 143.9, C6; 148.5, C5”; 149.3, C4 or C2; 152.8, C2”; 157.6, C2’. MS (ESI +ve) m/z 453 (MH+, 100%), 227 (MH2 2+, 34). HRMS (ESI +ve) m/z 453.25107, C26H29N8の理論質量:453.25097 (△= 0.2 ppm).
細胞毒性および放射線防護性の結果
C50 = 18.6
PF = 10.1
DMFm = 1.51
DMF10 = 1.39
[実施例11]:4-メトキシ-2-(5’-(5”-(4’’’-メチルピペラジン-1’’’-イル)ベンズイミダゾール-2”-イル)ベンズイミダゾール-2’-イル)ピリジン
4-メトキシピコリノニトリル(172 mg, 1.28 mmol)に、ナトリウムメトキシドのメタノール溶液(0.087 M, 1.5 ml, 0.1 eq)を添加し、懸濁液を窒素下、40℃の油浴中、105分間撹拌した。次いで、2-アミノ-4-(5’-(4”-メチルピペラジン-1”-イル)ベンズイミダゾール-2’-イル)アニリン(7)(0.87 mmolの4-(5’-(4”-メチルピペラジン-1”-イル)ベンズイミダゾール-2’-イル)-2-ニトロアニリンの水素化によって調製したもの)の無水メタノール(10 ml)中の溶液、次いで氷酢酸(0.15 ml, 2.6 mmol)を添加し、混合物を窒素下で20時間穏やかに還流させた。冷却後、ロータリーエバポレーターによって溶媒を除去し、残渣を希アンモニア溶液(2.7 M, 23 ml)で処理した後、n-ブタノール(3 x 6 ml)で抽出した。ブタノール抽出物を、水(2 x 20 ml)で洗浄した後、ブタノール層に黄褐色の沈殿物が形成された。この懸濁液を遠心分離し、ブタノールの上清を除去し、固体をアセトニトリル(2 x 4 ml)で処理した(各処理において遠心分離し、上清を除去した)。残った固体を減圧下で乾燥させて、4-メトキシ-2-(5’-(5”-(4’’’-メチルピペラジン-1’’’-イル)ベンズイミダゾール-2”-イル)ベンズイミダゾール-2’-イル)ピリジンを、淡黄褐色粉末として得た(174 mg, 46%)。mp 190℃(分解)。
さらなる物質を、n-ブタノール上清を蒸発させ、残渣をアセトニトリル(2 x 6 ml)で処理する(各処理において遠心分離し、上清を除去する)ことによって得た。減圧下で乾燥させた後、さらなる153 mgの純粋な物質が得られた(合計収率86%)。
1H nmr (500 MHz, d4-MeOH + 4滴のd-TFA) δ 3.00, s, 3H, 4’’’-MeN; 3.21, t (J = 12.3 Hz), 2H, NCH2; 3.34, m (obs), NCH2; 3.68, d (J = 12.5 Hz), 2H, NCH2; 3.96, d (J = 11.5 Hz), 2H, NCH2; 4.17, s, 3H, 4-OMe; 7.34, d (J = 2.0 Hz), 1H, H4"; 7.42, dd (J = 2.5, 9.0 Hz), 1H, H6"; 7.45, dd (J = 2.5, 6.5 Hz), 1H, H5; 7.74, d (J = 9.0 Hz), 1H, H7"; 8.07, d (J = 8.5 Hz), 1H, H7'; 8.13, d (J = 2.5 Hz), 1H, H3; 8.15, dd (J = 2.0, 8.5 Hz), 1H, H6'; 8.61, d (J =1.0 Hz), 1H, H4'; 8.69, d (J = 6.5 Hz), 1H, H6. 13C nmr (125 MHz, d4-MeOH + 4滴のHOAc) δ 43.6, 4’’’-MeN; 49.4, C2’’’/6’’’; 54.6, C3’’’/5’’’; 56.1, 4-OMe; 102.5, C4”; 108.5, 112.4, C3, C5; 115.1, C4’; 116.3, 116.8 (overlap), C6”, C7’, C7”; 123.0, C6’; 124.3, C5’; 134.4, C7a”; 139.0, 140.3, 141.4, C3a’, C3a”, C7a’; 148.5, C5”; 150.1, C2; 151.9, C6; 152.9, 154.0, C2’, C2”; 168.0, C4. MS (ESI +ve) m/z 879 (M2H+, 10%), 440 (MH+, 100), 221 (MH2 2+, 7). HRMS (ESI +ve) m/z 440.21918, C25H26N7Oの理論質量:440.21933 (△= 0.3 ppm).
細胞毒性および放射線防護性の結果
C50 = 53.6
PF = 51.4
DMFm = 2.28
DMF10 = 1.95
[実施例12]:2-(5’-(5”-(4’’’-メチルピペラジン-1’’’-イル)ベンズイミダゾール-2”-イル)ベンズイミダゾール-2’-イル)ピラジン
(A) エチル ピラジン-2-カルボイミダート塩酸塩の調製
ピラジンカルボニトリル(1.00 g, 9.5 mmol)の無水エタノール(30 ml)中の溶液に、撹拌しながら、無水HClガスの気体流を、溶液にバブルさせることによって導入した。HClを導入した直後に、温度が急速に上昇し、氷/水浴を用いて冷却する必要があった。この時点で、重い白色沈殿が形成され、2時間後に、ガスの導入管を塩化カルシウム管に置き換えて、反応混合物を一晩撹拌した。この反応混合物に、HClガス流を再び2時間導入した後、ガスの導入管を塩化カルシウム管に再び置き換えて、1時間撹拌した。次いで、無水ジエチルエーテル(45 ml)を、混合物に添加し、撹拌を10分続けた後、Schlenk管を用いて窒素下で濾過した。集めた物質を無水ジエチルエーテルで洗浄(3 x 20 ml)し、減圧下で乾燥させて、非常に吸湿性の白色粉末を1.59 g得た。1H nmrによって、この固体が、所望のエチル ピラジン-2-カルボイミダート塩酸塩 (65%)と、2つの加水分解生成物であるピラジン-2-カルボキサミド(30%)およびエチル ピラジン-2-カルボキシレート(5%)との混合物であることが明らかとなった。
1H nmr (400 MHz, d6-dmso) δ 1.49, t (J = 7.0 Hz), 3H, OEt; 4.73, q (J = 6.9 Hz), 2H, OEt; 7.85, br, 1H, C=NH2 +; 8.24, br, 1H, C=NH2 +; 8.93, dd (J = 1.6, 2.4 Hz), 1H, H6; 9.06, d (J = 2.4 Hz), 1H, H5; 9.33, d (J = 1.2 Hz), 1H, H3.
(B) 2-(5’-(5”-(4’’’-メチルピペラジン-1’’’-イル)ベンズイミダゾール-2”-イル)ベンズイミダゾール-2’-イル)ピラジンの調製
2-アミノ-4-(5’-(4”-メチルピペラジン-1”-イル)ベンズイミダゾール-2’-イル)アニリン(7)(1.42 mmolの4-(5’-(4”-メチルピペラジン-1”-イル)ベンズイミダゾール-2’-イル)-2-ニトロアニリンの水素化によって調製したもの)に、粗製のエチル ピラジン-2-カルボキシイミダート塩酸塩(0.632 g, 65% pure, 2.2 mmol)、次いで無水エタノール(10 ml)および氷酢酸(5 ml)を添加し、合わせた混合物を、窒素下で2時間穏やかに還流させた。冷却し、室温で60時間した後、さらに5時間撹拌を続けた。次いで、溶媒をロータリーエバポレーターによって除去し、黄褐色の残渣を希アンモニア溶液(2.7 M, 15 ml)で処理し、16時間撹拌して均一な得懸濁液を得、その後遠心分離し、上清を除去した。固体を再び希アンモニア溶液(2.7 M, 15 ml)、次いでアセトニトリル(3 x 15 ml)で処理した(各処理後に、遠心分離し、上清を除去した)。残った固体を減圧下で乾燥させて、黄褐色の粉末を得た(379 mg)。この粉末は、1H nmrにより、所望の生成物とジアミンとの1:3の混合物であることが分かった。この物質を粗エチル ピラジン-2-carbimidate塩酸塩 (0.94 g, 65% pure, 3.3 mmol)を用いて再び処理し、窒素下、2:1のエタノール/氷酢酸(15 ml)中で23時間再び還流させた。同様の後処理により、等量の所望の生成物およびジアミンからなる褐色粉末(180 mg)が得られた。これをアルミナのプラグ(塩基性, Act I, 70 x 30 mm)に担持させ、4:1:1 酢酸エチル/メタノール/トリエチルアミンで溶出させて、2-(5’-(5”-(4’’’-メチルピペラジン-1’’’-イル)ベンズイミダゾール-2”-イル)ベンズイミダゾール-2’-イル)ピラジンを、橙〜褐色の固体として得た(71 mg, 12%)。mp 175 ℃ (分解)。
1H nmr (400 MHz, d4-MeOH + 4滴のd-TFA) δ 3.01, s, 3H, 4’’’-MeN; 3.20, t (J = 13.0 Hz), 2H, NCH2; 3.35, m (obs), NCH2; 3.68, d (J = 12.0 Hz), 2H, NCH2; 3.97, d (J = 13.6 Hz), 2H, NCH2; 7.32, d (J = 2.0 Hz), 1H, H4"; 7.41, dd (J = 2.4, 9.2 Hz), 1H, H6"; 7.73, d (J = 8.8 Hz), 1H, H7"; 8.01, d (J = 8.8 Hz), 1H, H7'; 8.09, dd (J = 1.6, 8.4 Hz), 1H, H6'; 8.53, d (J = 1.6 Hz), 1H, H4'; 8.79, d (J = 2.8 Hz), 1H, H5; 8.84, dd (J = 1.6, 2.4 Hz), 1H, H6; 9.55, d (J = 1.2 Hz), 1H, H3. 13C nmr (100 MHz, d4-MeOH + 4滴のHOAc) δ 43.6, 4’’’-MeN; 49.2, C2’’’/6’’’; 54.6, C3’’’/5’’’; 102.4, C4”; 115.2, C4’; 116.3, 116.7, 117.1, C6”, C7’, C7”; 123.2, C6’; 124.5, C5’; 134.3, C7a”; 138.9, 140.4, C3a’, C3a”; 141.4, C7a’; 143.7, C3, C5 or C6; 144.7, C2; 145.6, 146.1, C3, C5 or C6; 148.4, C5”; 151.5, 152.5, C2’, C2”. MS (ESI +ve) m/z 411 (MH+, 100%), 206 (MH2 +, 15). HRMS (ESI +ve) m/z 411.20373, C23H23N8の理論質量:411.20402 (△= 0.7 ppm).
細胞毒性および放射線防護性の結果
C50 = 54.2
PF = 6.5
DMFm = 1.29
DMF10 = 1.15
[実施例13]:2-(5’-(5”-(4’’’-メチルピペラジン-1’’’-イル)ベンズイミダゾール-2”-イル)ベンズイミダゾール-2’-イル)キノリン
2-キノリンカルボニトリル(95 mg, 0.61 mmol)に、ナトリウムメトキシドのメタノール溶液(0.060 M, 1.0 ml, 0.1 eq)を添加し、溶液を、窒素下、40℃の油浴中、2時間加熱した。次いで、2-アミノ-4-(5’-(4”-メチルピペラジン-1”-イル)ベンズイミダゾール-2’-イル)アニリン(7) (126 mg, 0.39 mmol)の無水メタノール(10 ml)中の懸濁液、次いで氷酢酸(0.07 ml, 1.2 mmol)を添加し、混合物を窒素下で20時間穏やかに還流させた。冷却後、ロータリーエバポレーターによって溶媒を除去し、残渣を希アンモニア溶液(2.7 M, 5 ml)で処理し、得られたガム状物を、n-ブタノール(20 ml)と、さらなる希アンモニア溶液(2.7 M, 15 ml)との間で分配させた。ブタノール抽出液を、水(3 x 20 ml)で洗浄し、蒸発させた。残渣をメタノール (2 ml)で処理すると、重い黄色沈殿が得られ、これを遠心分離および上清の除去によって単離した。この固体を、アセトニトリル(2 ml)でさらに処理し、遠心分離し、上清を除去し、固体を減圧下で乾燥させて、2-(5’-(5”-(4’’’-メチルピペラジン-1’’’-イル)ベンズイミダゾール-2”-イル)ベンズイミダゾール-2’-イル)キノリンを、黄色粉末として得た(52 mg, 29%)。mp > 300℃。
さらなる物質を、メタノールの上清をシリカゲルの短いプラグ(45 x 30 mm)に担持させ、メタノールで溶出させることによってさらに87 mg得た(合計収率78%)。
1H nmr (500 MHz, d4-MeOH + 4滴のd-TFA) δ 3.01, s, 3H, 4'''-MeN; 3.20, t (J = 12.0 Hz), 2H, NCH2; 3.35, m (obs), NCH2; 3.68, d (J = 12.0 Hz), 2H, NCH2; 3.94, d (J = 13.0 Hz), 2H, NCH2; 7.25, d (J = 1.5 Hz), 1H, H4"; 7.36, dd (J = 2.0, 9.5 Hz), 1H, H6"; 7.67, m, 2H, H6 or H7, H7"; 7.85, t (J = 7.5 Hz), 1H, H7 or H6; 7.97, d (J = 9.0 Hz), 1H, H5 or H8; 8.03, d (J = 8.5 Hz), 1H, H7'; 8.10, br d (J = 8.5 Hz), 1H, H6'; 8.22, d (J = 8.5 Hz), 1H, H8 or H5; 8.38, d (J = 8.5 Hz), 1H, H3 or H4; 8.49, s, 1H, H4'; 8.54, d (J = 8.5 Hz), 1H, H4 or H3. 13C nmr (125 MHz, d4-MeOH + 4滴のHOAc) δ 43.6, 4’’’-MeN; 49.1, C2’’’/6’’’; 54.6, C3’’’/5’’’; 102.0, C4”; 115.1, 116.0, 116.6, 116.8, C4’, C6”, C7’, C7”; 119.6, C3; 122.8, C6’; 123.4, C5’; 128.3, 128.8, C5, C6, C7 or C8; 129.5, C4a; 130.2, 131.0, C5, C6, C7 or C8; 133.5, C7a”; 138.0, C4; 138.3, 140.2, 141.4, C3a’, C3a”, C7a’; 148.1, 148.4, 148.6, C2, C5”, C8a; 152.2, 153.8, C2’, C2”. MS (ESI +ve) m/z 460 (MH+, 100). HRMS (ESI +ve) m/z 460.22437, C28H26N7の理論質量:460.22442 (△= 0.1 ppm).
細胞毒性および放射線防護性の結果
C50 = 14.0
PF = 11.0
DMFm = 1.66
DMF10 = 1.65
[実施例14]:3-(5’-(5”-(4’’’-メチルピペラジン-1’’’-イル)ベンズイミダゾール-2”-イル)ベンズイミダゾール-2’-イル)イソキノリン
3-イソキノリンカルボニトリル(154 mg, 1.0 mmol)に、ナトリウムメトキシドのメタノール溶液(0.087 M, 1.2 ml, 0.1 mmol, 0.1 eq)を添加し、懸濁液を、窒素下、室温で3時間加熱した。追加のメタノール(1.5 ml)を添加した後、40℃の油浴中で1時間加熱して、透明な溶液を得た。次いで、2-アミノ-4-(5’-(4”-メチルピペラジン-1”-イル)ベンズイミダゾール-2’-イル)アニリン(7)(0.72 mmolの4-(5’-(4”-メチルピペラジン-1”-イル)ベンズイミダゾール-2’-イル)-2-ニトロアニリンの水素化によって調製したもの)の無水メタノール(13 ml)中の懸濁液、次いで氷酢酸(0.12 ml, 2.1 mmol)を添加し、混合物を窒素下で18時間穏やかに還流させた。冷却後、ロータリーエバポレーターによって溶媒を除去し、残渣を希アンモニア溶液(2.7 M, 10 ml)で処理した後、混合物を1時間撹拌して、泡状の黄色懸濁液を得た。この懸濁液を、遠心分離し、上清を除去した。この固体を、さらなる希アンモニア溶液(2.7 M, 10 ml)、次いでアセトニトリル(3 x 3 ml)で処理した(各処理において、遠心分離し、上清を除去した)。残った固体を減圧下で乾燥させて、粗生成物を黄色粉末として得た(201 mg)。この物質を、シリカゲルのプラグに担持させ(60 x 30 mm)、メタノールで溶出させて、3-(5’-(5”-(4’’’-メチルピペラジン-1’’’-イル)ベンズイミダゾール-2”-イル)ベンズイミダゾール-2’-イル)イソキノリンを、淡い黄色〜緑色の粉末として得た(138 mg, 42%)。mp 224-229℃。
1H nmr (400 MHz, d4-MeOH + 4滴のd-TFA) δ 3.01, s, 3H, 4’’’-MeN; 3.20, t (J = 12.0 Hz), 2H, NCH2; 3.34, m (obs), NCH2; 3.69, d (J = 12.0 Hz), 2H, NCH2; 3.96, d (J = 13.6 Hz), 2H, NCH2; 7.31, d (J = 1.6 Hz), 1H, H4"; 7.41, dd (J = 2.0, 9.2 Hz), 1H, H6"; 7.73, d (J = 9.2 Hz), 1H, H7"; 7.88, app. t (J = 7.0 Hz), 1H, H6 or H7; 7.95, app. t (J = 7.0 Hz), 1H, H7 or H6; 8.10, d (J = 8.4 Hz), 1H, H7'; 8.15, d (J = 8.0 Hz), 1H, H5 or H8; 8.22, m, 2H, H6' and H8 or H5; 8.59, br s, 1H, H4'; 8.85, s, 1H, H1 or H4; 9.50, s, 1H, H4 or H1. 13C nmr (125 MHz, d4-MeOH + 4滴のHOAc) δ 43.6, 4’’’-MeN; 49.0, C2’’’/6’’’; 54.5, C3’’’/5’’’; 101.8, C4”; 114.4, C4’; 115.9, 116.6 (重複), C6”, C7’, C7”; 119.6, C4; 122.5, C6’; 122.7, C5’; 128.3, 128.6, 129.4, C5, C7, C8; 129.9, C8a; 132.0, C6; 133.1, C7a”; 136.7, 138.0, 139.6, 141.5 (overlap), C3, C3a’, C3a”, C4a, C7a’; 148.5, C5”; 152.1, C2’ or C2”; C2; 153.4, C6; 154.2, C2” or C2’. MS (ESI +ve) m/z 919 (M2H+, 3%), 460 (MH+, 100), 231 (MH2 2+, 45). HRMS (ESI +ve) m/z 460.22436, C28H26N7の理論質量:460.22442 (△= 0.1 ppm).
細胞毒性および放射線防護性の結果
C50 = 26.0
PF = 25.1
DMFm = 2.45
DMF10 = 2.34
[実施例15]:1-(5’-(5”-(4’’’-メチルピペラジン-1’’’-イル)ベンズイミダゾール-2”-イル)ベンズイミダゾール-2’-イル)イソキノリン
2-アミノ-4-(5’-(4”-メチルピペラジン-1”-イル)ベンズイミダゾール-2’-イル)アニリン(7) (86 mg, 0.27 mmol)、1-イソキノリンカルボン酸(83 mg, 0.48 mmol, 1.8 eq)、ポリリン酸(3 g)、および五酸化リン(0.6 g)の混合物を、窒素下、180℃の油浴中で、10時間撹拌した。冷却後、氷-水(30 ml)を添加し、得られた重い懸濁液を、濃アンモニア溶液(6-8 ml).で塩基性(pH 8)にした。次いで、この懸濁液を、n-ブタノール(2 x 30 ml)で抽出し、抽出液を水(2 x 45 ml)で洗浄し、蒸発させて、茶色のガラス状固体を得た。この物質を、を用い、15:1の酢酸エチル/メタノールで溶出させるアルミナ(塩基性, act. I, 22 x 200 mm)のカラムクロマトグラフィーにかけて、1-(5’-(5”-(4’’’-メチルピペラジン-1’’’-イル)ベンズイミダゾール-2”-イル)ベンズイミダゾール-2’-イル)イソキノリンをくすんだ黄色の固体として得た(70 mg)。これをメタノールからの再結晶によりさらに精製した(51 mg, 42%)。mp 214〜217 ℃。
1H nmr (500 MHz, d4-MeOH + 4滴のd-TFA) δ 3.01, s, 3H, 4’’’-MeN; 3.19, t (J = 11.9 Hz), 2H, NCH2; 3.33, m (obs), NCH2; 3.68, d (J = 12.0 Hz), 2H, NCH2; 3.94, d (J = 13.0 Hz), 2H, NCH2; 7.25, d (J = 2.0 Hz), 1H, H4"; 7.36, dd (J = 2.0, 9.0 Hz), 1H, H6"; 7.67, d (J = 9.0 Hz), 1H, H7"; 7.85, m, 2H, H6, H7; 7.97-8.06, m, 4H, H4, H5, H6', H7'; 8.50, d (J = 1.0 Hz), 1H, H4'; 8.70, d (J = 5.0 Hz), 1H, H3; 9.53, dd (J = 1.0, 8.5 Hz), 1H, H8. 13C nmr (125 MHz, d4-MeOH + 5滴のHOAc) δ 43.5, 4’’’-MeN; 49.1, C2’’’/6’’’; 54.5, C3’’’/5’’’; 102.1, C4”; 115.6, 116.1, 116.8, 117.0, C4’, C6”, C7’, C7”; 122.8, C4 or C6’; 123.3, C5’; 123.7, C6’ or C4; 127.6, C8a; 128.1, 128.7, 129.5, 131.6, C5, C6, C7, C8; 133.4, C7a”; 138.29, 138.34, 140.5, 141.5, C3a’, C3a”, C4a, C7a’; 142.7, C3; 147.6, 148.5, C1, C5”; 152.6, 154.3, C2’, C2”. MS (ESI +ve) m/z 919 (M2H+, 7%), 460 (MH+, 100). HRMS (ESI +ve) m/z 460.22445, C28H26N7の理論質量:460.22442 (△= 0.1 ppm).
細胞毒性および放射線防護性の結果
C50 = 26.9
PF = 36.9
DMFm = 1.85
DMF10 = 1.70
[実施例16および17]:それぞれ、3-(5’-(5”-(4’’’-メチルピペラジン-1’’’-イル)ベンズイミダゾール-2”-イル)ベンズイミダゾール-2’-イル)インダゾールおよび1-メチル-3-(5’-(5”-(4’’’-メチルピペラジン-1’’’-イル)ベンズイミダゾール-2”-イル)ベンズイミダゾール-2’-イル)インダゾール
2-アミノ-4-(5’-(4”-メチルピペラジン-1”-イル)ベンズイミダゾール-2’-イル)アニリン(7)(0.71 mmolの4-(5’-(4”-メチルピペラジン-1”-イル)ベンズイミダゾール-2’-イル)-2-ニトロアニリンの水素化によって調製したもの)、インダゾール-3-カルボン酸 (115 mg, 0.71 mmol)、ポリリン酸(2.4 g)、および五酸化リン(0.7 g)の混合物を、窒素下、150℃の油浴中で、6時間撹拌した。冷却後、氷-水(20 ml)を添加し、得られた重い懸濁液を、濃アンモニア溶液(3-4 ml)で塩基性(pH 12)にした。20分撹拌した後、重い黄褐色の懸濁液を遠心分離し、上清を除去し、残渣を水(2 x 10 ml)、次いでアセトニトリル(2 x 4 ml)で処理した(各処理において、遠心分離し、上清を除去した)。残った固体を減圧下で乾燥させて、粗生成物を黄褐色粉末(216 mg)として得た。ついで、この粉末を、50:3のメタノール/トリエチルアミンで溶出させるシリカゲルカラムクロマトグラフィー (26 x 300 mm)にかけて、3-(5’-(5”-(4’’’-メチルピペラジン-1’’’-イル)ベンズイミダゾール-2”-イル)ベンズイミダゾール-2’-イル)インダゾールを、淡黄褐色のガラス状固体として得た(111 mg, 35%)。mp 235 ℃ (分解)。
1H nmr (500 MHz, d4-MeOH + 4滴のd-TFA) δ 3.00, s, 3H, 4’’’-MeN; 3.20, m (obs), NCH2; 3.32, m (obs), NCH2; 3.68, d (J = 12.0 Hz), 2H, NCH2; 3.94, d (J = 12.0 Hz), 2H, NCH2; 7.29, d (J = 2.0 Hz), 1H, H4”; 7.38, dd (J = 2.5, 9.0 Hz), 1H, H6”; 7.45, m, 1H, H5 or H6; 7.54, m, 1H, H6 or H5; 7.70, m, 2H, H7, H7”; 8.03, d (J = 8.5 Hz), 1H, H7’; 8.16, dd (J = 2.0, 8.5 Hz), 1H, H6’; 8.40, d (J = 8.5 Hz), 1H, H4; 8.53, d (J = 1.5 Hz), 1H, H4’. 13C nmr (125 MHz, d4-MeOH + 5滴のHOAc) δ 43.5, 4’’’-MeN; 48.9, C2’’’/6’’’; 54.4, C3'''/5'''; 101.7, C4"; 111.5, C7; 114.6, 115.8, 116.6, 117.0, C4', C6", C7', C7"; 122.0, 122.2, C3a, C5'; 122.4, 122.5, 123.2, C4, C5, C6'; 128.1, C6; 132.5, 136.4, 137.6, 140.0, 142.0, 142.9, C3, C3a', C3a", C7a, C7a', C7a"; 148.7, C5"; 150.7, 152.2, C2', C2". MS (ESI +ve) m/z 449 (MH+, 100%). HRMS (ESI +ve) m/z 449.21947, C26H25N8の理論質量:449.21967 (△= 0.4 ppm).
より速く溶出されるフラクションが、おそらく強酸性反応混合物中に存在する痕跡量のメタノール(水素化溶媒)に起因して生じる、1-メチル-3-(5’-(5”-(4’’’-メチルピペラジン-1’’’-イル)ベンズイミダゾール-2”-イル)ベンズイミダゾール-2’-イル)インダゾール(53 mg, 16%)を含有することがわかった。
1H nmr (500 MHz, d4-MeOH + 4滴のd-TFA) δ 3.00, s, 3H, 4’’’-MeN; 3.20, m (obs), NCH2; 3.32, m (obs), NCH2; 3.68, d (J = 11.5 Hz), 2H, NCH2; 3.94, d (J = 13.5 Hz), 2H, NCH2; 4.58, s, 3H, 1-Me; 7.29, d (J = 2.5 Hz), 1H, H4"; 7.33, ddd (J = 1.0, 6.5, 8.5 Hz), 1H, H5 or H6; 7.38, dd (J = 2.5, 9.0 Hz), 1H, H6"; 7.42, ddd (J = 1.0, 7.0, 8.5 Hz), 1H, H6 or H5; 7.70, d (J = 9.0 Hz), 1H, H7"; 7.73, m, 1H, H7; 7.99, d (J = 8.5 Hz), 1H, H7'; 8.02, m, 1H, H4; 8.04, dd (J = 1.5, 8.5 Hz), 1H, H6'; 8.49, d (J = 1.5 Hz), 1H, H4'. MS (ESI +ve) m/z 925 (M2H+, 6%), 463 (MH+, 100). HRMS (ESI +ve) m/z 463.23511, C27H27N8の理論質量:463.23587 (△= 1.6 ppm).
実施例16の細胞毒性および放射線防護性の結果
C50 = 40.9
PF = 18.3
DMFm = 2.16
DMF10 = 1.78
実施例17の細胞毒性および放射線防護性の結果
C50 = 76.5
PF = 10.9
DMFm = 1.68
DMF10 = 1.27
[実施例18]:3-(5’-(5”-(4’’’-メチルピペラジン-1’’’-イル)ベンズイミダゾール-2”-イル)ベンズイミダゾール-2’-イル)ピリジン-2(1H)-オン
2-アミノ-4-(5’-(4”-メチルピペラジン-1”-イル)ベンズイミダゾール-2’-イル)アニリン(7) (86 mg, 0.27 mmol)、2-ヒドロキシニコチン酸(69.5 mg, 0.50 mmol, 1.9 eq)、ポリリン酸(3 g)および五酸化リン(0.6 g)の混合物を、窒素下、180℃の油浴中で12時間撹拌した。冷却後、氷-水(45 ml)を添加し、得られた重い懸濁液を、0.8 Mの重炭酸ナトリウム溶液で塩基性(pH 7)にした。次いで、この水性ガムを、n-ブタノール(2 x 50 ml)で抽出し、抽出液を水で洗浄し(2 x 80 ml)、蒸発させて、ガラス状物質を得た。この物質を、メタノール(3 ml)に溶解させて18時間静置した所、この間に結晶性物質が析出した。結晶を集め、アセトニトリルで洗浄し(2 x 2 ml)、減圧下で乾燥させて、3-(5’-(5”-(4’’’-メチルピペラジン-1’’’-イル)ベンズイミダゾール-2”-イル)ベンズイミダゾール-2’-イル)ピリジン-2(1H)-オン (17 mg, 15%)を、黄色結晶性粉末として得た。mp 244〜248℃。
さらなる物質が、メタノール濾液からの物質とアセトニトリルとを混合し、アルミナのカラムクロマトグラフィー(塩基性, act. I, 22 x 170 mm)にかけ、1:1の酢酸エチル/メタノール、メタノール、最後に5:1のメタノール/酢酸を用いて溶出させることによって得られた。適切なフラクション(TLC)を、濃縮し、その物質を0.8 Mの重炭酸ナトリウム溶液(12 ml)で処理し、n-ブタノール(3 x 5 ml)で抽出した。このn-ブタノール抽出液を、水で洗浄し(2 x 10 ml)、蒸発させて、さらなる36 mgの黄色粉末を得た(合計収率47%)。

1H nmr (500 MHz, d4-MeOH + 5滴のd-TFA) δ 3.00, s, 3H, 4’’’-MeN; 3.21, t (J = 12.0 Hz), 2H, NCH2; 3.32, m (obs), NCH2; 3.68, d (J = 12.0 Hz), 2H, NCH2; 3.97, d (J = 13.5 Hz), 2H, NCH2; 6.75, dd (J = 6.5, 7.5 Hz), 1H, H5; 7.35, d (J = 2.0 Hz), 1H, H4"; 7.44, dd (J = 1.8, 9.3 Hz), 1H, H6"; 7.76, d (J = 9.0 Hz), 1H, H7"; 7.96, dd (J = 2.0, 6.5 Hz), 1H, H4; 8.14, dd (J = 0.8, 8.8 Hz), 1H, H7'; 8.24, dd (J = 1.8, 8.8 Hz), 1H, H6'; 8.60, dd (J = 0.8, 1.8 Hz), 1H, H4'; 8.71, dd (J = 2.0, 7.5 Hz), 1H, H6. 13C nmr (100 MHz, d4-MeOH + 5滴のHOAc) δ 43.6, 4’’’-MeN; 49.2, C2’’’/6’’’; 54.6, C3’’’/5’’’; 102.3, C4”; 108.5, C5; 114.6, C4’; 116.1, 116.6, 116.9, C6”, C7’, C7”; 118.8, C3; 122.7, C6’; 123.1, C5’; 133.4, C7a”; 138.4, C3a’, C3a” or C7a’; 138.7, C4; 139.0, 140.6, C3a’, C3a” or C7a’; 142.4, C6; 148.6, C5”; 151.8, 152.7, C2’, C2”; 162.9, C2. MS (ESI +ve) m/z 426 (MH+, 100%), 214 (MH2 2+, 79). HRMS (ESI +ve) m/z 426.20367, C24H24N7Oの理論質量:426.20368 (△= 0.0 ppm).
細胞毒性および放射線防護性の結果
C50 = 66.8
PF = 1.1
DMFm = 1.01
DMF10 = 1.00
[実施例19]:2-(5’-(5”-モルホリノベンズイミダゾール-2”-イル)ベンズイミダゾール-2’-イル)ピリジン
(A) 5-モルホリノ-2-ニトロアニリンの調製
5-クロロ-2-ニトロアニリン(4.0 g, 2.3 mmol)、モルホリン(3.45 ml, 41 mmol)、および無水炭酸カリウム(3.2 g, 23 mmol)のN,N-ジメチルアセトアミド(40 ml)中の混合物を、窒素下、130〜140℃にて一晩撹拌した。次いで、この反応混合物を、室温に冷却し、氷に注ぎ、2〜3時間静置した。黄色〜茶色の沈殿物を濾過によって集めて、5-モルホリノ-2-ニトロアニリンを得た(3.0 g, 58%)。mp 183-185℃(文献(8)ではmp 187.5℃)。
1H nmr (500 MHz, CDCl3) δ 3.31, m, 4H, 2 x CH2N; 3.82, m, 4H, 2 x CH2O; 5.95, d (J = 2.7 Hz), 1H, H6; 6.16, br, 2H, NH2; 6.27, dd (J = 9.5, 2.7 Hz), 1H, H4; 8.03, d (J = 9.8 Hz), 1H, H3. 13C nmr (125 MHz, CDCl3) δ 47.3, 2 x CH2N; 66.6, 2 x CH2O; 98.7, 105.6, C4, C6; 125.4, C2; 128.5, C3; 147.2, 155.9, C1, C5.
(B) 4-(5’-モルホリノベンズイミダゾール-2’-イル)-2-ニトロアニリンの調製
(i) 水素化
5-モルホリノ-2-ニトロアニリン(0.50 g, 2.2 mmol)の4:1 酢酸エチル/メタノール(25 ml)中の溶液に、5%の活性炭担持パラジウム(0.11 g)を添加し、この反応混合物を、水素雰囲気下で一晩撹拌した。次いで、この反応混合物を、セライトを通してろ過し、濾過された固体をメタノールで洗浄し、合わせた濾液および洗液を減圧下で濃縮して、粗2-アミノ-4-モルホリノアニリンを得た。この粗生成物を、即座に次の工程に用いた。
(ii) カップリング反応
2-アミノ-4-モルホリノアニリン(上記(i)で調製したもの)を、エタノール(10 ml)および氷酢酸(5 ml)に溶解し、エチル 4-アミノ-3-ニトロベンゼンカルボキシイミダート塩酸塩(7) (0.58 g, 2.4 mmol)で処理した後、混合物を窒素下で16時間還流させた。冷却し、減圧下で濃縮した後、残渣を水に溶解させ、激しく撹拌しながら濃アンモニア水を用いて塩基性(pH 12)にした。形成された赤い沈殿物を濾過により集め、水で洗浄した後、減圧下で乾燥させて、4-(5’-モルホリノベンズイミダゾール-2’-イル)-2-ニトロアニリン (0.67 g, 88%)を得た。mp 265〜267℃。
1H nmr (500 MHz, d4-MeOH + 4滴のd-TFA) δ 3.34, m (obs), 2 x CH2N; 3.91, m, 4H, 2 x CH2O; 7.25, d ( J = 9.0 Hz), 1H, H6; 7.28, d (J = 1.5 Hz), 1H, H4’; 7.41, dd (J = 2.2, 9.0 Hz), 1H, H6’; 7.66, d (J = 9.0 Hz), 1H, H7’; 7.99, dd (J = 2.2, 9.0 Hz), 1H, H5; 8.95, d (J = 2.0Hz), 1H, H3. 13C nmr (125 MHz, d4-MeOH + 4滴のd-TFA) δ 50.9, 2 x CH2N; 67.8, 2 x CH2O; 99.1, C4’; 110.6, C4; 114.9, 118.2, C6’, C7’; 121.8, C6; 126.7, C2, C3a’ or C7a’; 127.7, C3; 132.4, C2, C3a’ or C7a’; 133.4, C5; 134.2, C2, C3a’ or C7a’; 148.6, 150.1, 152.3, C1, C2’ and C5’. MS (ESI +ve) m/z 340 (MH+, 100%). HRMS (ESI +ve) m/z 340.14047, C17H18N5O3の理論質量:340.14042 (△= 0.1 ppm).
(C) 2-(5’-(5”-モルホリノベンズイミダゾール-2”-イル)ベンズイミダゾール-2’-イル)ピリジンの調製
(i) 水素化
4-(5’-モルホリノベンズイミダゾール-2’-イル)-2-ニトロアニリン(0.25 g, 0.74 mmol)の4:1の酢酸エチル/メタノール(17.5 ml)中の溶液に、5%の活性炭担持パラジウム(70 mg)を添加し、この反応混合物を、水素雰囲気下で一晩撹拌した。次いで、この反応混合物を、セライトを通してろ過し、濾過された固体をメタノールで洗浄し、合わせた濾液および洗浄液を減圧下で濃縮して粗2-アミノ-4-(5’-モルホリノベンズイミダゾール-2’-イル)アニリンを得た。これを即座に次の工程に用いた。
1H nmr (400 MHz, d4-MeOH + 4滴のd-TFA) δ 3.32, m (obs), H3”/5”; 3.90, m, 4H, H2”/6”; 7.13, d (J = 8.8 Hz), 1H, H6; 7.27, d (J = 2.0 Hz), 1H, H4’; 7.37, dd (J = 2.4, 9.2 Hz), 1H, H6’; 7.65, d (J = 9.2 Hz), 1H, H7’; 7.81, dd (J = 2.4, 8.8 Hz), 1H, H5; 7.89, d (J = 2.4 Hz), 1H, H3.
(ii) カップリング反応
粗2-アミノ-4-(5’-モルホリノベンズイミダゾール-2’-イル)アニリン(180 mg, 0.58 mmol、上記(i)で調製したもの)のエタノール(10 ml)の溶液に、2-ピリジンカルボキシアルデヒド(79 mg, 0.74 mmol, 1.25 eq)のエタノール(3 ml)中の溶液を添加し、この混合物を、窒素下で穏やかに10分還流させた。冷却後、メタ重亜硫酸ナトリウム(113 mg, 0.59 mmol)の水(1 ml)中の溶液を添加し、窒素下で、還流を20時間継続させた。次いで、反応混合物を冷却し、ロータリーエバポレーターで溶媒を除去した。この油状の茶色半固体を、希アンモニア溶液(2.7 M, 10 ml)で処理し、20分間撹拌した。得られた懸濁液を、遠心分離し、上清を除去し、残渣を希アンモニア(2.7 M, 10 ml)で再び処理し、遠心分離し、上清を除去した。得られた暗赤色固体(乾燥後221 mg)を、メタノール (2 ml)に溶解し、シリカゲルのプラグ(30 x 75 mm)に担持させ、酢酸エチル(3 x 50 ml)、次いで5、10、および20%の酢酸エチル中のメタノールで溶出させて、2-(5’-(5”-モルホリノベンズイミダゾール-2”-イル)ベンズイミダゾール-2’-イル)ピリジンを、明るい黄褐色粉末として得た(95 mg, 41%)。mp 206〜209℃。
1H nmr (400 MHz, d4-MeOH + 5滴のd-TFA) δ 3.31, m (obs), H3’’’/5’’’; 3.90, m, 4H, H2’’’/6’’’; 7.26, d (J = 2.0 Hz), 1H, H4"; 7.41, dd (J = 2.4, 9.2 Hz), 1H, H6"; 7.70, m, 2H, H5, H7"; 8.08, dd (J = 0.8, 8.8 Hz), 1H, H7'; 8.15, dt (J = 1.2, 8.0 Hz), 1H, H4; 8.19, dd (J =1.8, 8.6 Hz), 1H, H6'; 8.41, br d (J = 8.0 Hz), 1H, H3; 8.57, br d (J = 1.2 Hz), 1H, H4'; 8.89, br d (J = 4.4 Hz), 1H, H6. 13C nmr (100 MHz, d4-MeOH + 4滴のHOAc) δ 51.7, C3’’’/5’’’; 67.9, C2’’’/6’’’; 100.6, C4”; 115.4, 116.0, 116.5, 116.9, C4’, C6”, C7’, C7”; 122.8, 122.9, C3 and C6’; 123.2, C5’; 126.2, C5; 132.5, C7a”; 137.9, C3a’, C3a” or C7a’; 138.4, C4; 140.6, 141.6, C3a’, C3a” or C7a’; 148.6, 150.6, C2, C5” and C2’ or C2”; 150.9, C6; 151.9, C2, C5” and C2’ or C2”; 154.4, C2” or C2’. MS (ESI +ve) m/z 397 (MH+, 100%). HRMS (ESI +ve) m/z 397.17719, C23H21N6Oの理論質量:397.17714 (△= 0.1 ppm).
細胞毒性および放射線防護性の結果
C50 = 149.9
PF = 69.6
DMFm = 2.26
DMF10 = 1.66
[実施例20]:3-(5’-(5”-モルホリノベンズイミダゾール-2”-イル)ベンズイミダゾール-2’-イル)イソキノリン
3-イソキノリンカルボニトリル(178 mg, 1.15 mmol)に、ナトリウムメトキシドのメタノール溶液(1.65 ml, 0.115 mmol, 0.07 M)を添加し、得られた透明な溶液を、窒素下で2時間、40℃に加熱した。次いで、2-アミノ-4-(5’-モルホリノベンズイミダゾール-2’-イル)アニリン(0.775 mmolの4-(5’-モルホリノベンズイミダゾール-2’-イル)-2-ニトロアニリン(調製については実施例19のC(i)の部分を参照)の水素化によって調製したもの)の無水メタノール(10 ml)および酢酸(0.13 ml, 2.3 mmol)中の溶液を添加し、得られた暗褐色溶液を、窒素下で16時間還流させた。次いで、溶媒を減圧下で除去し、希アンモニア(2.7 M, 20 ml)を添加した後、n-ブタノールで抽出した(2 x 20 ml)。次いで、抽出液を、塩水で洗浄(2 x 10 ml)し、蒸発させて、ガラス状の物質を得た。この物質を、メタノールで溶出させるフラッシュクロマトグラフィーによって精製して、3-(5’-(5”-モルホリノベンズイミダゾール-2”-イル)ベンズイミダゾール-2’-イル)イソキノリンを、黄色粉末として得た(235 mg, 68%)。mp 202℃ (分解)。
1H NMR (400 MHz, d4-MeOH + 4滴のd-TFA) δ 3.16, m, 4H, H3’’’/5’’’; 3.83, m, 4H, H2’’’/6’’’; 6.96, d (J = 2.0 Hz), 1H, H4’’; 7.18, dd (J = 2.2, 9.0 Hz), 1H, H6’’; 7.49, d (J = 8.8 Hz), 1H, H7''; 7.65, t (J = 7.6 Hz), 1H, H6 or H7; 7.76, t (J = 7.6 Hz), 1H, H7 or H6; 7.85, d (J = 8.8 Hz), 1H, H7', 7.90, dd (J = 1.8. 8.6 Hz), 1H, H6'; 7.95, d (J = 8.4 Hz), 1H, H5 or H8; 7.97, d (J = 8.0Hz), 1H, H8 or H5; 8.19, m, 1H, H4'; 8.52, s, 1H, H1 or H4; 9.24, s, 1H, H4 or H1. 13C NMR (125 MHz, d4-MeOH + 4滴のHOAc) δ 51.4, C3’’’/5’’’; 67.9, C2’’’/6’’’; 100.1, C4’’; 114.4, C4’; 115.7, 116.0, 116.6, C6”, C7’, C7’’; 119.5, C4; 122.1, C5’; 122.2, C6’; 128.3, 128.6, 129.4, C5, C7, C8; 129.9, C8a; 132.0 (overlap), C6, C7a’’; 136.7, 137.4, 139.7, 141.4 (overlap), C3, C3a’, C3a’’, C4a, C7a’; 150.2, C5’’; 151.2, C2’ or C2’’; 153.4, C1; 154.3, C2’’ or C2’. MS (ESI +ve) m/z 447 (MH+, 100%). HRMS (ESI +ve) m/z 447.19276, C27H23N6Oの理論質量:447.19279 (△= 0.1 ppm).
細胞毒性および放射線防護性の結果
C50 = 171.9
PF = 11.4
DMFm = 1.57
DMF10 = 1.52
[実施例21]:2-(5’-(5”-モルホリノベンズイミダゾール-2”-イル)ベンズイミダゾール-2’-イル)-4-メチルピリジン
4-メチル-2-ピリジンカルボニトリル(105 mg, 0.89 mmol)を、ナトリウムメトキシドのメタノール溶液(0.087 M, 1.1 ml, 0.09 mmol)を添加し、混合物を、窒素下で90分間、40℃に加熱した。次いで、2-アミノ-4-(5’-モルホリノベンズイミダゾール-2’-イル)アニリン (121 mg, 0.39 mmol)(調製については実施例19のC(i)の部分を参照)の無水メタノール(13 ml)および氷酢酸(0.11 ml, 1.9 mmol)中の溶液を添加し、混合物を窒素下で18時間穏やかに還流させた。次いで、溶媒を減圧下で除去し、希アンモニア(3.0 M, 10 ml)を添加した後、水(10 ml)で希釈し、n-ブタノール(20 ml)で抽出した。このn-ブタノール抽出液を、水で洗浄(2 x 15 ml)した後、蒸発させて、橙色のガラス状固体を得た。この物質を、アセトニトリル(4 x 3 ml)で粒状化して、黄褐色粉末(90 mg)を得た。この粉末を、9:1の酢酸エチル/メタノールで溶出させるカラムクロマトグラフィー(シリカゲル, 20 x 150 mm)によってさらに精製して、2-(5’-(5”-モルホリノベンズイミダゾール-2”-イル)ベンズイミダゾール-2’-イル)-4-メチルピリジンを、黄色粉末として得た(67 mg, 42%)。mp 214〜230℃。
さらなる物質を、アセトニトリル可溶性物質のカラムクロマトグラフィーによってさらに51 mg得た(合計収率73%)。
1H nmr (500 MHz, d4-MeOH + 4滴のd-TFA) δ 2.58, s, 3H, 4-Me; 3.30, m (obs), H3'''/5'''; 3.90, m, 4H, H2'''/6'''; 7.24, d (J = 2.0 Hz), 1H, H4"; 7.41, dd (J = 2.5, 9.0 Hz), 1H, H6"; 7.57, br d (J = 5.0 Hz), 1H, H5; 7.70, d (J = 9.0 Hz), 1H, H7"; 8.06, d (J = 8.5 Hz), 1H, H7'; 8.16, dd (J = 1.8, 8.8 Hz), 1H, H6'; 8.27, br s, 1H, H3; 8.55, d (J = 1.5 Hz), 1H, H4'; 8.72, d (J = 5.5 Hz), 1H, H6. 13C nmr (125 MHz, d4-MeOH + 4滴のHOAc) δ 21.1, 4-Me; 51.3, C3’’’/5’’’; 67.8, C2’’’/6’’’; 100.1, C4”; 115.1, 115.7, 116.3, 116.9, C4’, C6”, C7’, C7”; 122.0, C5’; 122.6, 123.4, C3, C6’; 126.9, C5; 131.5, C7a”; 137.2, 140.1, 141.6, C3a’, C3a”, C7a’; 150.0, C2”, C4 or C5”; 150.4, C6; 150.5, 151.2, C2”, C4 or C5”; 154.3, C2’. MS (ESI +ve) m/z 821 (M2H+, 8%), 411 (MH+, 100). HRMS (ESI +ve) m/z 411.19274, C24H23N6Oの理論質量:411.19279 (△= 0.1 ppm).
細胞毒性および放射線防護性の結果
C50 = 213.4
PF = 18.2
DMFm = 1.77
DMF10 = 1.47
[実施例22]:2-(5’-(5”-(4’’’-ヒドロキシピペリジン-1’’’-イル)ベンズイミダゾール-2”-イル)ベンズイミダゾール-2’-イル)ピリジン
(A) 5-(4’-ヒドロキシピペリジン-1’-イル)-2-ニトロアニリンの調製
5-クロロ-2-ニトロアニリン(1.0 g, 5.8 mmol)、4-ヒドロキシピペリジン(1.06 g, 10.5 mmol)、および無水炭酸カリウム(0.8 g, 6.0 mmol)の、無水N,N-ジメチルアセトアミド(12 ml)中の混合物を、窒素下、130〜140℃にて一晩撹拌した。得られた混合物を、室温に冷却し、氷に注ぎ、激しく3時間撹拌した。黄色〜茶色の沈殿物を、濾過によって集め、水で注意深く洗浄した後、乾燥させて、5-(4’-ヒドロキシピペリジン-1’-イル)-2-ニトロアニリン (0.86 g, 62%)を得、さらに精製することなく次の工程に用いた。
1H nmr (500 MHz, d4-MeOH) δ 1.53, m, 2H, H3’/H5’; 1.91, m, 2H, H3’/5’; 3.12, m, 2H, H2’/6’; 3.78, m, 2H, H2’/6’; 3.84, m, 1H, H4’; 6.17, d (J = 2.5 Hz), 1H, H6; 6.35, dd (J = 2.3, 9.5 Hz), 1H, H4; 7.89, d (J = 9.5 Hz), 1H, H3.
(B) 4-(5’-(4”-ヒドロキシピペリジン-1”-イル)ベンズイミダゾール-2’-イル)-2-ニトロアニリンの調製
(i) 水素化
5-(4’-ヒドロキシピペリジン-1’-イル)-2-ニトロアニリン(0.37 g, 1.6 mmol)の4:1の酢酸エチル/メタノール(20 ml)中の溶液に、5%の活性炭担持パラジウム(0.15 g)を添加し、混合物を、水素雰囲気下、室温で撹拌した。次いで、この反応混合物を、セライトを通してろ過し、濾過された固体をメタノールで洗浄し、合わせた濾液および洗浄液を蒸発させて、粗2-アミノ-4-(4’-ヒドロキシピペリジン-1’-イル)アニリンを暗色のガラス状固体(300 mg, 93%)として得た。この固体を、さらに精製することなく次の工程に用いた。
(ii) カップリング反応
粗2-アミノ-4-(4’-ヒドロキシピペリジン-1’-イル)アニリン(300 mg, 1.45 mmol, 上記(i)で調製したもの)を、エチル 4-アミノ-3-ニトロベンゼンカルボキシイミダート塩酸塩(7) (376 mg, 1.53 mmol)、次いで無水エタノール(10 ml)および氷酢酸(5 ml)で処理した。この反応混合物を、窒素下で17時間還流させた。次いで、室温に冷却し、溶媒をロータリーエバポレーターによって除去した。残渣を、アンモニア水(2.7 M, 20 ml)とn-ブタノール(20 ml)との間で分配させ、ブタノール抽出液を水で洗浄(3 x 20 ml)し、蒸発させて、赤色オイルを得た。この物質を、エタノール(10 ml)で処理し、一晩静置すると、微細な赤色沈殿物が得られた。これを集め、乾燥させて、4-(5’-(4”-ヒドロキシピペリジン-1”-イル)ベンズイミダゾール-2’-イル)-2-ニトロアニリンを、赤色粉末として得た(349 mg, 68%)。mp 206〜209℃。
1H nmr (400 MHz, d4-MeOH + 4滴のd-TFA) δ 2.02, m, 2H, H3”/5”; 2.24, m, 2H, H3"/5"; 3.61, m, 2H, H2"/6"; 3.91, m, 2H, H2"/6"; 4.09, tt (J = 3.8, 7.6 Hz), 1H, H4"; 7.25, d (J = 8.8 Hz), 1H, H6; 7.78, dd (J = 2.2, 9.0 Hz), 1H, H6'; 7.89, d (J = 9.2 Hz), 1H, H7'; 7.99, d (J = 1.6 Hz), 1H, H4'; 8.04, dd (J = 2.2, 9.0 Hz), 1H, H5; 9.02, d (J = 2.4 Hz), 1H, H3. 13C nmr (125 MHz, d4-MeOH + 12滴のHOAc) δ 34.5, C3”/5”; 50.3, C2”/6”; 67.5, C4”; 102.1, C4’; 114.5, C4; 115.5, 117.8, 121.1, 126.2, C3, C6, C6’, C7’; 131.4, 132.1, C2, C3a’ or C7a’; 133.7, C5; 137.1, C2, C3a’ or C7a’; 149.0, 149.2, 150.2, C1, C2’, C5’. MS (ESI +ve) m/z 707 (M2H+, 55%), 354 (MH+, 100). HRMS (ESI +ve) m/z 354.15608, C18H20N5O3の理論質量:354.15607 (△= 0.0 ppm).
(C) 2-(5’-(5”-(4’’’-ヒドロキシピペリジン-1’’’-イル)ベンズイミダゾール-2”-イル)ベンズイミダゾール-2’-イル)ピリジンの調製
(i) 水素化
4-(5’-(4”-ヒドロキシピペリジン-1”-イル)ベンズイミダゾール-2’-イル)-2-ニトロアニリン(206 mg, 0.58 mmol)の4:1の酢酸エチル/メタノール(20 ml)中の懸濁液に、5%の活性炭担持パラジウム(50 mg)を添加し、反応混合物を、水素雰囲気下で20時間激しく撹拌した。次いで、この反応混合物を、セライトを通してろ過し、濾過された固体をメタノールで洗浄し、合わせた濾液および洗液を蒸発させて、2-アミノ-4-(5’-(4”-ヒドロキシピペリジン-1”-イル)ベンズイミダゾール-2’-イル)アニリンを、淡橙色固体として得た。これを即座に次の工程に用いた。
1H nmr (400 MHz, d4-MeOH + 4滴のd-TFA) δ 2.04, m, 2H, H3”/5”; 2.28, m, 2H, H3”/5”; 3.65, m, 2H, H2”/6”; 3.91, m, 2H, H2”/6”; 4.10, m, 1H, H4”; 7.11, d (J = 8.8 Hz), 1H, H6; 7.82, dd (J = 2.2, 9.0 Hz), 1H, H6’; 7.90, m, 2H, H5, H7’; 8.00, d (J = 2.0 Hz), 1H, H4’; 8.10, d (J = 1.6 Hz), 1H, H3.
(ii) カップリング反応
2-シアノピリジン(87 mg, 0.84 mmol)に、ナトリウムメトキシドのメタノール溶液(0.087 M, 1.0 ml, 0.087 mmol)を添加し、溶液を、窒素下、40℃の油浴中で90分間加熱した。次いで、粗2-アミノ-4-(5’-(4”-ヒドロキシピペリジン-1”-イル)ベンズイミダゾール-2’-イル)アニリン(0.58 mmol, 上記(i)で調製したもの)の、無水メタノール(7 ml)中の溶液、次いで氷酢酸 (0.1 ml, 1.75 mmol)を添加し、混合物を、窒素下で23時間穏やかに還流させた。冷却後、溶媒をロータリーエバポレーターによって除去し、希アンモニア溶液(2.7 M, 15 ml)で処理した。この混合物を40分間撹拌して、均一な懸濁液を得、この懸濁液を遠心分離し、上清を除去した。残渣を、さらなる希アンモニア溶液(2.7 M, 5 ml)、次いでアセトニトリル(2 x 5 ml)で処理した(各処理において遠心分離し、上清を除去した)。残った固体を減圧下で乾燥させて、2-(5’-(5”-(4’’’-ヒドロキシピペリジン-1’’’-イル)ベンズイミダゾール-2”-イル)ベンズイミダゾール-2’-イル)ピリジンを、黄色粉末として得た(169 mg, 71%)。mp 226〜229℃。
1H nmr (400 MHz, d4-MeOH + 4滴のd-TFA) δ 2.02, m, 2H, H3’’’/H5’’’; 2.25, m, 2H, H3’’’/5’’’; 3.62, m, 2H, H2’’’/6’''; 3.92, m, 2H, H2'''/6'''; 4.10, tt (J = 3.6, 7.2 Hz), 1H, H4'''; 7.70, ddd (J = 1.0, 4.8, 7.8 Hz), 1H, H5; 7.75, dd (J = 2.2, 9.0 Hz), 1H, H6"; 7.93, d (J = 8.8 Hz), 1H, H7"; 8.01, d (J = 2.0 Hz), 1H, H4"; 8.07, dd (J = 0.8, 8.8 Hz), 1H, H7'; 8.15, dt (J = 1.6, 8.0 Hz), 1H, H4; 8.27, dd (J = 1.6, 8.8 Hz), 1H, H6'; 8.41, br d (J = 8.0 Hz), 1H, H3; 8.64, d (J = 1.2 Hz), 1H, H4'; 8.89, m, 1H, H6. 13C nmr (125 MHz, d4-MeOH + 4滴のHOAc) δ 34.8, C3’’’/5’’’; 49.9, C2’’’/6’’’; 68.0, C4’’’; 101.3, C4”; 115.3, 115.6, 116.9, 117.6, C4’, C6”, C7’, C7”; 122.1, C5’; 122.8 (overlap), C3, C6’; 126.1, C5; 131.4, C7a”; 137.2, C3a”; 138.3, C4; 140.3, C3a’; 141.6, C7a’; 148.4, C2; 150.1, C5”; 150.7, C6; 151.3, 154.3, C2’, C2”. MS (ESI +ve) m/z 821 (M2H+, 6%), 411 (MH+, 100). HRMS (ESI +ve) m/z 411.19275, C24H23N6Oの理論質量:411.19279 (△= 0.1 ppm).
細胞毒性および放射線防護性の結果
C50 = 266.0
PF = 21.3
DMFm = 2.20
DMF10 = 1.47
[実施例23]:3-(5’-(5”-(4’’’-ヒドロキシピペリジン-1’’’-イル)ベンズイミダゾール-2”-イル)ベンズイミダゾール-2’-イル)イソキノリン
3-イソキノリンカルボニトリル(170 mg, 1.1 mmol)を、メタノール性ナトリウムメトキシド(0.07 M, 1.6 ml, 0.11 mmol)、次いで無水メタノール (1.5 ml)で処理した後、窒素下、40℃の油浴で2時間加熱した。次いで、2-アミノ-4-(5’-(4”-ヒドロキシピペリジン-1”-イル)ベンズイミダゾール-2’-イル)アニリン(242 mg, 0.75 mmol)(調製についてはじっしれい22のC(i)の部分を参照)の無水メタノール(10 ml)中の溶液、次いで氷酢酸 (0.13 ml, 2.2 mmol)を添加し、暗色の混合物を窒素下で19時間穏やかに還流させた。次いで、溶媒をロータリーエバポレーターによって除去し、残渣を希アンモニア溶液(0.9 M, 30 ml)と、n-ブタノール(30 ml)との間で分配させた。n-ブタノール抽出液を水で洗浄(3 x 30 ml)し、蒸発させて、茶色のガラス状固体(413 mg)を得た。この物質を塩基性アルミナのショートカラム(40 x 120 mm)にタンジさせ、5:1の酢酸エチル/メタノールで溶出させて、3-(5’-(5”-(4’’’-ヒドロキシピペリジン-1’’’-イル)ベンズイミダゾール-2”-イル)ベンズイミダゾール-2’-イル)イソキノリンを、黄色粉末として得た(196 mg, 57%)。mp 222℃ (分解)。
1H nmr (400 MHz, d4-MeOH + 4滴のd-TFA) δ 2.01, m, 2H, H3’’’/H5’’’; 2.24, m, 2H, H3’’’/5’’’; 3.61, m, 2H, H2’’’/6’’’; 3.91, m, 2H, H2’’’/6’’’; 4.09, m, 1H, H4'''; 7.71, dd (J = 2.2, 9.0 Hz), 1H, H6"; 7.87, ddd (J = 1.2, 7.6, 8.0 Hz), 1H, H6 or H7; 7.89, d (J = 8.8 Hz), 1H, H7"; 7.94, m, 1H, H7 or H6; 7.96, d (J = 2.0 Hz), 1H, H4"; 8.08, dd (J = 0.6, 8.6 Hz), 1H, H7'; 8.15, d (J = 7.6 Hz), 1H, H5 or H8; 8.22, d (J = 8.0 Hz), 1H, H8 or H5; 8.27, dd (J = 1.6, 8.8 Hz), 1H, H6'; 8.61, dd (J = 0.4, 1.6 Hz), 1H, H4'; 8.83, s, 1H, H1 or H4; 9.49, s, 1H, H4 or H1. 13C nmr (125 MHz, d4-MeOH + 4滴のHOAc) δ 34.9, C3’’’/5’’’; 49.4, C2’’’/6’’’; 68.0, C4’’’; 100.5, C4”; 114.4, 115.2, 116.7, 117.4, C4’, C6”, C7’, C7”; 119.6, C4; 120.6, C5’; 122.1, C6’; 128.2, 128.5, 129.3, C5, C7, C8; 129.8, 130.1, C7a”, C8a; 131.9, C6; 136.3, 136.5, 139.5, 141.1, 141.6, C3, C3a’, C3a”, C4a, C7a’; 150.2, 150.3, C2’ or C2”, C5”; 153.2, C1; 154.3, C2” or C2’. MS (ESI +ve) m/z 461 (MH+, 100%). HRMS (ESI +ve) m/z 461.20849, C28H25N6Oの理論質量:461.20844 (△= 0.1 ppm).
細胞毒性および放射線防護性の結果
C50 = 588.6
PF = 36.5
DMFm = 2.26
DMF10 = 2.13
[実施例24]:2-(5’-(5”-(ピペリジン-1’’’-イル)ベンズイミダゾール-2”-イル)ベンズイミダゾール-2’-イル)ピリジン
2-ピリジンカルボキシアルデヒド(130 mg, 1.17 mmol)のエタノール(10 ml)中の溶液を、メタ重亜硫酸ナトリウム(0.25 g, 1.29 mmol)の水(2 ml)中の溶液で処理し、合わせた混合物を、2-アミノ-4-(5’-(ピペリジン-1”-イル)ベンズイミダゾール-2’-イル)アニリン(7)(1.10 mmolの2-ニトロ-4-(5’-(ピペリジン-1”-イル)ベンズイミダゾール-2’-イル)アニリンの水素化によって調製したもの)のエタノール(15 ml)中の溶液に添加した。この混合物を、窒素下で一晩穏やかに還流させた後、溶媒をロータリーエバポレーターによって除去した。残渣をアンモニア溶液(2.7 M, 20 ml)で処理し、30分間撹拌して、もろい物質の均一な懸濁液を得た。得られた懸濁液を遠心分離し、上清を除去し、次いで固体を希アンモニア(2.7 M, 15 ml)、次いでアセトニトリル(2 x 5 ml)で再び処理した(各処理において遠心分離し、上清を除去した)。次いで、固体を減圧下で乾燥させて、-(5’-(5”-(ピペリジン-1’’’-イル)ベンズイミダゾール-2”-イル)ベンズイミダゾール-2’-イル)ピリジン(196 mg, 47%)を黄褐色粉末として得た。mp 196〜203℃。
1H nmr (500 MHz, d4-MeOH + 4滴のd-TFA) δ 1.84, m, 2H, H4’’’; 2.09, m, 4H, H3’’’/5’’’; 3.74, m, 4H, H2’’’/6’’’; 7.68, ddd (J = 1.0, 4.8, 7.8 Hz), 1H, H5; 7.80, dd (J = 2.3, 8.8 Hz), 1H, H6"; 7.96, d (J = 9.0 Hz), 1H, H7"; 8.06, d (J = 8.5 Hz), 1H, H7'; 8.13, m, 2H, H4, H4"; 8.28, dd (J = 1.5, 8.5 Hz), 1H, H6'; 8.40, d (J = 8.0 Hz), 1H, H3; 8.64, d (J = 1.0 Hz), 1H, H4'; 8.88, br d (J = 4.0 Hz), 1H, H6. 13C nmr (125 MHz, d4-MeOH + 4滴のHOAc) δ 24.7, C4’’’; 26.7, C3’’’/5’’’; 53.8, C2’’’/6’’’; 102.2, C4”; 115.3, 115.7, 116.9, 117.6, C4’, C6”, C7’, C7”; 122.7, C5’; 122.77, 122.84, C3, C6’; 126.1, C5; 132.5, C7a”; 137.8, C3a’ or C3a”; 138.3, C4; 140.4, C3a” or C3a’; 141.7, C7a’; 148.5, C2; 149.8, C5”; 150.8, C6; 151.9, C2’ or C2”; 154.3, C2” or C2’. MS (ESI +ve) m/z 789 (M2H+, 20%), 395 (MH+, 100). HRMS (ESI +ve) m/z 395.19784, C24H23N6の理論質量:395.19787 (△= 0.1 ppm).
細胞毒性および放射線防護性の結果
C50 = 24.0
PF = 7.5
DMFm = 1.42
DMF10 = 1.35
[実施例25]:2-(5’-(5”-(4’’’-メチル-1’’’,4’’’-ジアゼパン-1’’’-イル)ベンズイミダゾール-2”-イル)ベンズイミダゾール-2’-イル)ピリジン
(A) 5-(4’-メチル-1’,4’-ジアゼパン-1’-イル)-2-ニトロアニリンの調製
5-クロロ-2-ニトロアニリン(1.20 g, 7.0 mmol)、1-メチルホモピペラジン(1.03 g, 9.0 mmol, 1.3 eq)、および無水炭酸カリウム(0.97 g, 7.0 mmol)の無水N,N-ジメチルアセトアミド(20 ml)中の混合物を、窒素下、125℃に一晩加熱した。得られた混合物を、室温に冷却し、氷-水(30 ml)に注ぎ、n-ブタノールで抽出した(2 x 50 ml)。抽出液を蒸発させ、赤色の残渣を、メタノールで溶出させるカラムクロマトグラフィー(シリカゲル)にかけて、5-(4’-メチル-1’,4’-ジアゼパン-1’-イル)-2-ニトロアニリンを得た(1.21 g, 69%)。
1H nmr(9) (400 MHz, CDCl3) δ 2.01, m, 2H, H6’; 2.39, s, 3H, 4’-MeN; 2.57, m, 2H, NCH2; 2.70, m, 2H, NCH2; 3.53, m, 2H, NCH2; 3.60, m, 2H, NCH2; 5.76, d (J = 2.4 Hz), 1H, H6; 6.13, m, 3H, 1-NH2, H4; 8.00, d (J = 10.0 Hz), 1H, H3.
(B) 4-(5’-(4”-メチル-1”,4”-ジアゼパン-1”-イル)ベンズイミダゾール-2’-イル)-2-ニトロアニリンの調製
(i) 水素化
5-(4’-メチル-1’,4’-ジアゼパン-1’-イル)-2-ニトロアニリン(0.415 g, 1.66 mmol)の4:1の酢酸エチル/メタノール(40 ml)中の溶液に、5%の活性炭担持パラジウム(142 mg)を添加し、混合物を、水素雰囲気下、室温で一晩撹拌した。次いで、この反応混合物を、セライトを通してろ過し、濾過された固体をメタノールで洗浄し、合わせた濾液および洗液を蒸発させて、粗2-アミノ-4-(4’-メチル-1’,4’-ジアゼパン-1’-イル)アニリンを、暗赤色物質として得た。これをさらに精製することなく次の工程に用いた。
(ii) カップリング反応
粗2-アミノ-4-(4’-メチル-1’,4’-ジアゼパン-1’-イル)アニリン(1.66 mmol, 上記(i)で調製したもの)を、エチル 4-アミノ-3-ニトロベンゼンカルボキシイミダート塩酸塩(7) (449 mg, 1.83 mmol)、次いで、無水エタノール(20 ml)および氷酢酸(10 ml)で処理した。反応混合物を、窒素下で48時間穏やかに撹拌した後、室温に冷却し、溶媒をロータリーエバポレーターによって除去した。残渣を水(55 ml、濃アンモニア溶液を用いて(pH 12)に塩基性にしたもの)に溶解させ、30分間0℃にて激しく撹拌して、均一な黒い溶液を得た。この物質を、メタノールで溶出させるカラムクロマトグラフィー(シリカゲル)にかけて、4-(5’-(4”-メチル-1”,4”-ジアゼパン-1”-イル)ベンズイミダゾール-2’-イル)-2-ニトロアニリンを、暗赤色粉末として得た(262 mg, 43%)。mp 237〜238℃。
1H nmr (500 MHz, d6-dmso) δ 1.91, m, 2H, H6"; 2.25, s, 3H, 4"-MeN; 2.44, m, 2H, NCH2; 2.63, m, 2H, NCH2; 3.45, m, 2H, NCH2; 3.52, m, 2H, NCH2; 6.66, m, 2H, H4', H6'; 7.11, d (J = 8.8 Hz), 1H, H6 or H7'; 7.33, d (J = 9.2 Hz), 1H, H7' or H6; 7.72, br, 2H, 1-NH2; 8.12, dd (J = 2.0, 9.2 Hz), 1H, H5; 8.70, d (J = 2.0 Hz), 1H, H3. MS (ESI +ve) m/z 367 (MH+, 100%). HRMS (ESI +ve) m/z 367.18771, C19H23N6O2 の理論質量:367.18770 (△= 0 ppm).
(C) 2-(5’-(5”-(4’’’-メチル-1’’’,4’’’-ジアゼパン-1’’’-イル)ベンズイミダゾール-2”-イル)ベンズイミダゾール-2’-イル)ピリジンの調製
(i) 水素化
4-(5’-(4”-メチル-1”,4”-ジアゼパン-1”-イル)ベンズイミダゾール-2’-イル)-2-ニトロアニリン (209 mg, 0.57 mmol)の4:1の酢酸エチル/メタノール(25 ml)中の溶液に、5%の活性炭担持パラジウム(71 mg)を添加し、混合物を、水素雰囲気下、室温で22時間撹拌した。この反応混合物を、セライトを通してろ過し、メタノールで洗浄し、合わせた濾液および洗液を蒸発させて、粗2-アミノ-4-(5’-(4”-メチル-1”,4”-ジアゼパン-1”-イル)ベンズイミダゾール-2’-イル)アニリンを、暗赤色物固体として得た。これをさらに精製することなく次の工程に用いた。
(ii) カップリング反応
2-シアノピリジン(90 mg, 0.864 mmol)に、ナトリウムメトキシドのメタノール溶液(0.09 M, 1.0 ml, 0.09 mmol)を添加し、溶液を、窒素下、50℃で1.5時間加熱した。次いで、粗2-アミノ-4-(5’-(4”-メチル-1”,4”-ジアゼパン-1”-イル)ベンズイミダゾール-2’-イル)アニリン (0.57 mmol, 上記(i)で調製したもの)の、無水メタノール(15 ml)および酢酸(0.105 ml)中の溶液を添加し、暗褐色溶液を、窒素下で20時間還流させた。反応液を室温に冷却し、溶媒を減圧下で除去し、残渣をアンモニア溶液(10 ml)で処理した後、n-ブタノールで抽出した。抽出液を塩水(20 ml)で洗浄し、蒸発させて、ガラス状物質を得た。この物質をメタノールから再結晶させて、2-(5’-(5”-(4’’’-メチル-1’’’,4’’’-ジアゼパン-1’’’-イル)ベンズイミダゾール-2”-イル)ベンズイミダゾール-2’-イル)ピリジンを、黄褐色固体として得た(162 mg, 67%)。mp185 ℃ (分解)。
1H nmr (500 MHz, d4-MeOH + 4滴のd-TFA) δ 2.36, m, H6’’’; 2.98, s, 3H, 4’’’-MeN; 3.40, m, 2H, NCH2; 3.56-3.78, m, 4H, 2 x NCH2; 3.84-4.00, m, 2H, NCH2; 7.06, d (J = 2.0 Hz), 1H, H4’’; 7.22, dd (J = 2.2, 9.2 Hz), 1H, H6”; 7.70, m, 2H, H5, H7”; 8.08, d (J = 8.5 Hz), 1H, H7’; 8.15, dt (J = 1.5, 7.8 Hz), 1H, H4; 8.19, dd (J = 1.5, 8.5 Hz), 1H, H6’; 8.42, d (J = 7.5 Hz), 1H, H3; 8.59, app. s, 1H, H4’; 8.89, d (J = 4.5 Hz), 1H, H6. 13C nmr (125 MHz, d4-MeOH + 10滴のHOAc) δ 25.6, C6’’’; 44.9, 4’’’-MeN; 46.4, C2’’’; 48.8, C7’’’; 57.1, 58.5, C3’'', C5'''; 96.0, C4''; 113.6, C4'; 115.8 (overlap), 117.3, C6", C7', C7"; 120.6, C5'; 123.0 (overlap), C3, C6'; 126.5, C5; 128.1, C7a''; 136.3, C3a' or C3a"; 138.6, C4; 140.6, C3a" or C3a'; 142.1, C7a'; 148.4, 148.6, C2, C5''; 150.2, C2' or C2"; 151.0, C6; 154.8, C2" or C2'. MS (ESI +ve) m/z 424 (MH+, 100%). HRMS (ESI +ve) m/z 424.22421, C25H26N7の理論質量:424.22442 (△= 0.5 ppm).
細胞毒性および放射線防護性の結果
C50 = 123.0
PF = 16.7
DMFm = 2.14
DMF10 = 1.77
[実施例26]:2-(5’-(5”-(3’’’-ヒドロキシピペリジン-1’’’-イル)ベンズイミダゾール-2”-イル)ベンズイミダゾール-2’-イル)ピリジン
(A) 5-(3’-ヒドロキシピペリジン-1’-イル)-2-ニトロアニリンの調製
5-クロロ-2-ニトロアニリン(1.73 g, 10 mmol)、3-ヒドロキシピペリジン(2.53 g, 25 mmol)、および無水炭酸カリウム(1.38 g, 10 mmol)の、無水N,N-ジメチルアセトアミド(20 ml)中の混合物を、窒素下、120〜130℃の油浴中で21時間加熱した。次いで、反応混合物を室温に冷却し、冷水(100 ml)に注ぎ、45分間激しく撹拌して、もろいの均一な懸濁液を得た。この黄色〜褐色の固体を濾過によって集め、水で注意深く洗浄(2 x 10 ml)した後、五酸化リンで乾燥させて、5-(3’-ヒドロキシピペリジン-1’-イル)-2-ニトロアニリンを淡黄土色の粉末として得た(2.04 g, 86%)。
1H nmr(10) (400 MHz, d6-dmso) δ 1.32-1.49, m, 2H, H4’ and/or H5’; 1.72, m, 1H, H4’ or H5’; 1.88, m, 1H, H4’ or H5’; 2.83, dd (J = 8.8, 12.8 Hz), 1H, H2’; 2.96, m, 1H, H6’; 3.50, m, 1H, H3’; 3.59, m, 1H, H6’; 3.68, dd (J = 4.0, 12.8 Hz), 1H, H2’; 4.90, d (J = 4.4 Hz), 1H, 3’-OH; 6.18, d (J = 2.8 Hz), 1H, H6; 6.33, dd (J = 2.6, 9.8 Hz), 1H, H4; 7.22, br s, 2H, 1-NH2; 7.77, d (J = 10.0 Hz), 1H, H3. 13C nmr (100 MHz, d6-dmso) δ 21.7, C5’; 32.4, C4’; 46.0, C6’; 53.3, C2’; 64.4, C3’; 96.2, 104.9, C4, C6; 121.9, C2; 126.8, C3; 148.0, 154.2, C1, C5.
(B) 4-(5’-(3”-ヒドロキシピペリジン-1”-イル)ベンズイミダゾール-2’-イル)-2-ニトロアニリンの調製
(i) 水素化
5-(3’-ヒドロキシピペリジン-1’-イル)-2-ニトロアニリン(593 mg, 2.5 mmol)の4:1の酢酸エチル/メタノール(40 ml)中の溶液に、5%の活性炭担持パラジウム(160 mg)を添加し、混合物を、水素雰囲気下、室温で23時間撹拌した。次いで、この反応混合物を、濾過助剤を通して濾過し、残渣をメタノールで洗浄した。合わせた濾液および洗液を蒸発させて、粗2-アミノ-4-(3’-ヒドロキシピペリジン-1’-イル)アニリンを、暗緑色オイルとして得た(539 mg, 100%)。これを、さらに精製することなく次の反応に用いた。
(ii) カップリング反応
粗2-アミノ-4-(3’-ヒドロキシピペリジン-1’-イル)アニリン(539 mg, 2.5 mmol)を、エチル 4-アミノ-3-ニトロベンゼンカルボキシイミダート塩酸塩(7) (650 mg, 2.65 mmol, 1.06 eq)、次いで、無水エタノール(20 ml)および氷酢酸(10 ml)で処理した。この反応混合物を、窒素下で21時間還流させた後、室温に冷却し、溶媒をロータリーエバポレーターで除去した。残渣を、希アンモニア水溶液(2.7 M, 25 ml)とn-ブタノール(25 ml)との間で分配し、ブタノール抽出液を水で洗浄(3 x 20 ml)し、蒸発させた。残渣を、エタノールで粒状化させ(2 x 10 ml)、エタノールに不溶な物質を減圧下で乾燥させて、4-(5’-(3”-ヒドロキシピペリジン-1”-イル)ベンズイミダゾール-2’-イル)-2-ニトロアニリンを暗紫色粉末として得た(645 mg, 73%)。mp 255-260℃(分解)。
1H nmr (400 MHz, d4-MeOH + 4滴のd-TFA) δ 1.74, m, 1H, H4” or H5”; 1.89, m, 1H, H4” or H5”; 1.99, m, 1H, H4” or H5”; 2.23, m, 1H, H4" or H5"; 3.30, m (obs), H2" or H6"; 3.40, m, 1H, H2" or H6"; 3.70, m, 1H, H2" or H6"; 3.75, dd (J = 2.6, 12.0 Hz), 1H, H2" or H6"; 4.10, tt (J = 3.2, 6.4 Hz), 1H, H3"; 7.22, d (J = 9.2 Hz), 1H, H6; 7.64, dd (J = 2.0, 8.8 Hz), 1H, H6'; 7.79, m, 2H, H4', H7'; 8.02, dd (J = 2.2, 9.0 Hz), 1H, H5; 8.95, d (J = 2.4 Hz), 1H, H3. 13C nmr (125 MHz, d4-MeOH + 25滴のHOAc) δ 23.4, C5”; 32.9, C4”; 52.0, C6”; 58.8, C2”; 67.4, C3”; 101.1, C4’; 112.4, C4; 115.1, 118.3, 121.3, 126.8, C3, C6, C6’, C7’; 128.8, 132.0, C2, C3a’ or C7a’; 133.5, C5; 135.6, C2, C3a’ or C7a’; 149.0, 149.2, 150.2, C1, C2’, C5’. MS (ESI +ve) m/z 354 (MH+, 100%). HRMS (ESI +ve) m/z 354.15609, C18H20N5O3の理論質量:354.15607 (△= 0.1 ppm).
(C) 2-(5’-(5”-(3’’’-ヒドロキシピペリジン-1’’’-イル)ベンズイミダゾール-2”-イル)ベンズイミダゾール-2’-イル)ピリジンの調製
(i) 水素化
4-(5’-(3”-ヒドロキシピペリジン-1”-イル)ベンズイミダゾール-2’-イル)-2-ニトロアニリン(219 mg, 0.62 mmol)の2:1の酢酸エチル/メタノール(24 ml)中の懸濁液に、5%の活性炭担持パラジウム(50 mg)を添加し、この反応混合物を、水素雰囲気下、室温で20時間激しく撹拌した。次いで、この反応混合物を、濾過助剤を通して濾過し、残渣をメタノール(約130 ml)で洗浄した。合わせた濾液および洗液を蒸発させて、粗2-アミノ-4-(5’-(3”-ヒドロキシピペリジン-1”-イル)ベンズイミダゾール-2’-イル)アニリンを、くすんだ橙色オイルとして得た(539 mg, 100%)。これを、さらに精製することなく用いた。
(ii) カップリング反応
2-シアノピリジン(102 mg, 0.98 mmol)に、ナトリウムメトキシドのメタノール溶液(0.087 M, 1.2 ml, 0.10 mmol)を添加し、溶液を、窒素下、40℃の油浴中で75分間加熱した。次いで、粗2-アミノ-4-(5’-(3”-ヒドロキシピペリジン-1”-イル)ベンズイミダゾール-2’-イル)アニリン(0.62 mmol, 上記(i)で調製したもの)の無水メタノール(10 ml)中の溶液、次いで氷酢酸 (0.12 ml, 2.0 mmol)を添加し、混合物を、窒素下で21時間穏やかに撹拌した。冷却後、溶媒をロータリーエバポレーターで除去し、残渣を希アンモニア溶液(2.7 M, 15 ml)とn-ブタノール(20 ml)との間で分配させた。ブタノール抽出液を水で洗浄(2 x 15 ml) し、蒸発させて、暗色のガラス状固体を得た。この物質を、9:1の酢酸エチル/メタノール(10 ml)で処理し、65分間撹拌して、均一な懸濁液を得、これを遠心分離し、上清を除去した。残渣を、9:1の酢酸エチル/メタノール(5 ml)でさらに処理し、遠心分離し、上清を除去した。次いで、残った灰色〜茶色の固体を、シリカゲルのプラグ(30 x 70 mm)に担持させ、メタノールで溶出させて、2-(5’-(5”-(3’’’-ヒドロキシピペリジン-1’’’-イル)ベンズイミダゾール-2”-イル)ベンズイミダゾール-2’-イル)ピリジンを、淡黄褐色粉末として得た(185 mg, 73%)。mp 278-282℃。
1H nmr (500 MHz, d4-MeOH + 4滴のd-TFA) δ 1.78, m, 1H, H4’’’ or H5’’’; 1.92, m, 1H, H4’’’ or H5’’’; 2.00, m, 1H, H4’’’ or H5’’’; 2.28, m, 1H, H4’’’ or H5’’’; 3.37, dd (J = 6.0, 12.0 Hz), 1H, H2’’’; 3.47, m, 1H, H6’’’; 3.74, m, 1H, H6’’’; 3.79, dd (J = 2.5, 12.0 Hz), 1H, H2’''; 4.14, tt (J = 3.5, 7.0 Hz), 1H, H3'''; 7.70, m, 2H, H5, H6"; 7.90, d (J = 9.0 Hz), 1H, H7"; 7.93, d (J = 2.5 Hz), 1H, H4"; 8.08, d (J = 8.5 Hz), 1H, H7'; 8.14, dt (J = 1.5, 7.8 Hz), 1H, H4; 8.27, dd (J = 1.5, 8.5 Hz), 1H, H6'; 8.41, d (J = 8.0 Hz), 1H, H3; 8.64, d (J = 1.0 Hz), 1H, H4'; 8.89, d (J = 4.5 Hz), 1H, H6. 13C nmr (125 MHz, d4-MeOH + 20滴のHOAc) δ 23.6, C5’’’; 33.2, C4’’’; 51.3, C6’’’; 58.3, C2’’’; 67.5, C3’’’; 100.2, C4”; 115.0, 115.8, 117.2, 118.2, C4’, C6”, C7’, C7”; 119.2, C5’; 122.7, 123.1, C3, C6’; 126.4, C5; 128.0, C7a”; 135.1, C3a”; 138.5, C4; 140.0, C3a’; 141.9, C7a’; 147.8, C2; 149.7, C5”; 150.7, C6; 150.9, 154.4, C2’, C2”. MS (ESI +ve) m/z 821 (M2H+, 15%), 411 (MH+, 100). HRMS (ESI +ve) m/z 411.19270, C24H23N6Oの理論質量:411.19279 (△= 0.2 ppm).
細胞毒性および放射線防護性の結果
C50 = 77.9
PF = 14.7
DMFm = 1.90
DMF10 = 1.33
[実施例27]:2-(5’-(5”-(4’’’-メトキシピペリジン-1’’’-イル)ベンズイミダゾール-2”-イル)ベンズイミダゾール-2’-イル)ピリジン
(A) 5-(4’-メトキシピペリジン-1’-イル)-2-ニトロアニリンの調製
5-クロロ-2-ニトロアニリン (0.375 g, 2.17 mmol)、4-メトキシピペリジン(0.50 g, 4.34 mmol, 2.0 eq)、および無水炭酸カリウム(0.36 g, 2.6 mmol)の無水N,N-ジメチルアセトアミド(5 ml)中の混合物を、窒素下、110℃にて21時間加熱した。得られた混合物を室温に冷却し、水(30 ml)に注ぎ、90分間激しく撹拌して、均一な懸濁液を得た。この物質を遠心濾過し、上清を除去し、残渣を、水(3 x 15 ml)、次いでアセトニトリル(2 x 2 ml)で処理した(各処理において、遠心濾過し、上清を除去した)。次いで、残渣を減圧下で乾燥させて、5-(4’-メトキシピペリジン-1’-イル)-2-ニトロアニリを、くすんだ黄色粉末として得た(0.312 g, 57%)。mp 142-144℃。
さらなる物質を、アセトニトリルに可溶な物質を、シリカゲルのプラグに通し、1:1の酢酸エチル/へキサンで溶出させることによって、さらに100 mg得た(合計収率75%)。
1H nmr (500 MHz, d6-dmso) δ 1.44, m, 2H, H3’/H5’; 1.88, m, 2H, H3’/5’; 3.13, ddd (J = 3.5, 9.5, 13.5 Hz), 2H, H2’/6’; 3.26, s, 3H, 4’-MeO; 3.42, app tt (J = 4.0, 8.0 Hz), 1H, H4’; 3.61, m, 2H, H2’/6’; 6.21, d (J = 2.5 Hz), 1H, H6; 6.37, dd (J = 2.5, 9.5 Hz), 1H, H4; 7.21, br, 2H, 1-NH2; 7.78, d (J = 10.0 Hz), 1H, H3. 13C nmr (125 MHz, d6-dmso) δ 30.0, C3’/5’; 44.2, C2’/6’; 55.1, 4’-MeO; 75.1, C4’; 97.3, 105.6, C4, C6; 122.8, C2; 127.5, C3; 148.6, 154.7, C1, C5. MS (ESI +ve) m/z 252 (MH+, 100%). HRMS (ESI +ve) m/z 252.13414, C12H18N3O3の理論質量:252.13427 (△= 0.5 ppm).
(B) 4-(5’-(4”-メトキシピペリジン-1”-イル)ベンズイミダゾール-2’-イル)-2-ニトロアニリンの調製
(i) 水素化
5-(4’-メトキシピペリジン-1’-イル)-2-ニトロアニリン(0.30 g, 1.2 mmol)の、2:1の酢酸エチル/メタノール(45 ml)中の溶液に、10%活性炭担持パラジウム(50 mg)を添加し、混合物を、水素雰囲気下、室温で23時間撹拌した。次いで、この反応混合物を、濾過助剤を通して濾過し、濾過された固体をメタノールで洗浄し、合わせた濾液および洗液を蒸発させて、粗2-アミノ-4-(4’-メトキシピペリジン-1’-イル)アニリンを、暗色の粘性オイルとして得た(258 mg, 98%)。これをさらに精製することなく次の工程に用いた。
(ii) カップリング反応
粗2-アミノ-4-(4’-メトキシピペリジン-1’-イル)アニリン(258 mg, 1.16 mmol)を、エチル 4-アミノ-3-ニトロベンゼンカルボキシイミダート塩酸塩(7) (300 mg, 1.22 mmol)、次いで無水エタノール(10 ml)および氷酢酸(5 ml)で処理した。この反応混合物を、窒素下で18時間穏やかに還流させた後、室温に冷却し、溶媒をロータリーエバポレーターによって除去した。残渣を、希アンモニア溶液(2.7 M, 20 ml)で処理し、90分間激しく撹拌して、均一で微細な赤色懸濁液を得た。この物質を遠心分離し、上清を除去し、残渣を水(2 x 10 ml)、次いでアセトニトリル(3 x 4 ml)で処理した(各処理において、遠心分離し、上清を除去した)。次いで、残渣を減圧下で乾燥させて、4-(5’-(4”-メトキシピペリジン-1”-イル)ベンズイミダゾール-2’-イル)-2-ニトロアニリン(336 mg, 78%)を、微細な赤色粉末として得た。mp 193-197℃。
1H nmr (400 MHz, d4-MeOH + 5滴のd-TFA) δ 2.13, m, 2H, H3"/5"; 2.26, m, 2H, H3"/5"; 3.44, s, 3H, 4"-MeO; 3.61, m, 2H, H2"/6"; 3.68, m, 1H, H4"; 3.86, m, 2H, H2"/6"; 7.25, d (J = 9.2 Hz), 1H, H6; 7.78, dd (J = 2.2, 9.0 Hz), 1H, H6'; 7.89, d (J = 8.8 Hz), 1H, H7'; 8.01, d (J = 1.6 Hz), 1H, H4'; 8.05, dd (J = 2.4, 9.2 Hz), 1H, H5; 9.01, d (J = 2.4 Hz), 1H, H3. 13C nmr (100 MHz, d4-MeOH + 15滴のHOAc) δ 31.1, C3”/5”; 50.0, C2”/6”; 56.0, 4”-MeO; 76.3, C4”; 102.1, C4’; 113.7, C4; 115.4, 117.9, 121.2, 126.5, C3, C6, C6’, C7’; 130.8, 132.1, C2, C3a’ or C7a’; 133.7, C5; 136.7, C2, C3a’ or C7a’; 149.0, 149.1, 150.0, C1, C2’, C5’. MS (ESI +ve) m/z 368 (MH+, 100%). HRMS (ESI +ve) m/z 368.17154, C19H22N5O3の理論質量:368.17172 (△= 0.5 ppm).
(C) 2-(5’-(5”-(4’’’-メトキシピペリジン-1’’’-イル)ベンズイミダゾール-2”-イル)ベンズイミダゾール-2’-イル)ピリジンの調製
(i) 水素化
4-(5’-(4”-メトキシピペリジン-1”-イル)ベンズイミダゾール-2’-イル)-2-ニトロアニリン(281 mg, 0.765 mmol)の4:1の酢酸エチル/メタノール (25 ml)中の溶液に、5%の活性炭担持パラジウム(55 mg)を添加し、混合物を、水素雰囲気下、室温で20時間撹拌した。この反応混合物を、濾過助剤を通して濾過し、濾過された固体をメタノールで洗浄し、合わせた濾液および洗液を蒸発させて、粗2-アミノ-4-(5’-(4”-メトキシピペリジン-1”-イル)ベンズイミダゾール-2’-イル)アニリンを、暗赤色ガラス状固体として得た。これをさらに精製することなく次の工程に用いた。
(ii) カップリング反応
2-シアノピリジン(119 mg, 1.14 mmol)に、ナトリウムメトキシドのメタノール溶液(0.09 M, 1.3 ml, 0.119 mmol)を添加し、溶液を、窒素下、40℃にて2時間加熱した。次いで、2-アミノ-4-(5’-(4”-メトキシピペリジン-1”-イル)ベンズイミダゾール-2’-イル)アニリン(0.765 mmol, 上記(i)で調製したもの)の無水メタノール(15 ml)中の溶液、次いで酢酸 (0.13 ml)を添加し、暗褐色となった溶液を、窒素下で21時間撹拌した。この混合物を室温に冷却し、溶媒をロータリーエバポレーターで除去し、残渣をアンモニア溶液(5 ml)で処理した後、n-ブタノール(2 x 10 ml)で抽出した。この抽出液を塩水(10 ml)で洗浄し、蒸発させて、ガラス状物質を得た。この物質を、1:4のメタノール/酢酸エチルで溶出させるカラムクロマトグラフィー(シリカゲル)にかけて、2-(5’-(5”-(4’’’-メトキシピペリジン-1’’’-イル)ベンズイミダゾール-2”-イル)ベンズイミダゾール-2’-イル)ピリジン(252 mg, 78%)を、橙色粉末として得た。mp 203℃ (分解)。
1H nmr (500 MHz, d4-MeOH + 4滴のd-TFA) δ 2.04, m, 2H, H3’’’/5’’’; 2.23, m, 2H, H3’’’/5’’’; 3.43, s, 3H, 4’’’-MeO; 3.49, m, 2H, H2’’’/6’’’; 3.64, tt (J = 3.3, 6.5 Hz), 1H, H4’’’; 3.79, m, 2H, H2’’’/6’’’; 7.62, m, 2H, H5, H6’’; 7.82, d (J = 8.5 Hz), 1H, H7’’; 7.83, d (J = 2.0 Hz), 1H, H4’’; 7.96, d (J = 8.5 Hz), 1H, H7’; 8.06, dt (J = 1.5, 7.8 Hz), 1H, H4; 8.15, dd (J = 1.8, 8.8 Hz), 1H, H6’; 8.34, dd (J = 0.5, 8.0 Hz), 1H, H3; 8.51, s, 1H, H4’; 8.80, dd, (J = 1.0, 4.5 Hz), 1H, H6. 13C nmr (125 MHz, d4-MeOH + 5滴のHOAc) δ 31.7, C3’’’/C5’’’; 49.9, C2’’’/C6’’’; 55.8, 4’’’-MeO; 77.2, C4’’’; 101.7, C4’’; 115.1, 115.9, 116.9, 117.4, C4’, C6”, C7’, C7”; 122.7, 122.8, C3, C6’; 123.6, C5’; 126.0, C5; 133.0, C7a’’; 138.3 (overlap), C3a’’, C4; 140.5, C3a’; 141.5, C7a’; 148.6, C2; 150.1, C5’’; 150.8, C6; 152.0, 154.2, C2’, C2”. MS (ESI +ve) m/z 425 (MH+, 100%). HRMS (ESI +ve) m/z 425.20842, C25H25N6Oの理論質量:425.20844 (△= 0.1 ppm).
細胞毒性および放射線防護性の結果
C50 = 69.3
PF = 15.7
DMFm = 1.70
DMF10 = 1.37
[実施例28]:2-(5’-(5”-(ジメチルアミノ)ベンズイミダゾール-2”-イル)ベンズイミダゾール-2’-イル)ピリジン
(A) 5-ジメチルアミノ-2-ニトロアニリンの調製
密封された肉厚チューブ内の5-クロロ-2-ニトロアニリン(4.14 g, 24.0 mmol)のエタノール(62 ml)中の溶液に、40%ジメチルアミン水溶液(22.5 ml, 178 mmol, 7.4 eq)を添加し、この混合物を、90℃の油浴で2日間加熱した(高圧に注意)。冷却後、追加の40%ジメチルアミン水溶液(7.5 ml)を添加し、さらに3日間過熱を続けた。反応混合物を室温に冷却し、内容物を氷(250 ml)に注いだ。撹拌後、懸濁液を濾過し、水(200 ml)で洗浄し、減圧下で乾燥させて、5-ジメチルアミノ-2-ニトロアニリンを、明黄色固体として得た(4.16 g, 96%)。mp 138.5〜139.8℃(文献(8)ではmp 140℃)。
1H nmr (500 MHz, CDCl3) δ 3.04, s, 6H, Me2N; 5.76, d (J = 2.7 Hz), 1H, H6; 6.12, dd (J = 2.7, 9.8 Hz), 1H, H4; 7.99, d (J = 9.8 Hz), 1H, H3. 13C nmr (125 MHz, CDCl3) δ 40.4, Me2N; 96.0, C6; 104.5, C4; 124.2, C2; 128.6, C3; 147.4, C1; 155.1, C5.
(B) 4-(5’-(ジメチルアミノ)ベンズイミダゾール-2’-イル)-2-ニトロアニリンの調製
(i) 水素化
5-ジメチルアミノ-2-ニトロアニリン(1.94 g, 10.7 mmol)の4:1の酢酸エチル/メタノール(200 ml)中の溶液に、5%の活性炭担持パラジウム(1.12 g)を添加し、水素雰囲気下、室温で20.5時間撹拌した。この懸濁液を、セライトを通して速やかに濾過し、残渣をメタノールで洗浄し、合わせた濾液および洗液を濃縮して、粗2-アミノ-4-(ジメチルアミノ)アニリンを、暗褐色オイルとして得た。これをさらに精製することなく次の工程に用いた。
(ii) カップリング反応
粗2-アミノ-4-(ジメチルアミノ)アニリン(上記(i)で調製したもの)およびエチル 4-アミノ-3-ニトロベンゼンカルボキシイミダート塩酸塩(7) (2.79 g, 11.4 mmol)を、無水エタノール(60 ml)および氷酢酸(30 ml)中、窒素下で20時間還流させた。室温に冷却した後、溶媒をロータリーエバポレーターによって除去し、残渣を希アンモニア溶液(2.7 M)を用いて塩基性にした後、室温で4日間撹拌した。この懸濁液を、濾過し、暗褐色固体を水、次いでジエチルエーテルで洗浄して、4-(5’-(ジメチルアミノ)ベンズイミダゾール-2’-イル)-2-ニトロアニリンを、暗赤色〜褐色固体として得た(2.85 g, 90%)。mp 249-251℃。
1H nmr (500 MHz, d4-MeOH + 5滴のd-TFA) δ 3.27, s, 6H, Me2N; 7.26, d (J = 9.0 Hz), 1H, H6; 7.53, dd (J = 2.4, 9.0 Hz), 1H, H6’; 7.57, d (J = 2.2 Hz), 1H, H4’; 7.79, dd (J = 0.5, 9.0 Hz), 1H, H7’; 8.02, dd (J = 2.4, 8.9 Hz), 1H, H5; 8.99, d (J = 2.2 Hz), 1H, H3. 13C nmr (125 MHz, d4-MeOH + 5滴のHOAc) δ 41.4, Me2N; 95.8, C4’; 113.3, C4; 113.5, 115.2, C6’, C7’; 121.0, C6; 125.8, C3; 127.8, 131.8, C2, C7a’; 133.1, C5; 136.2, C3a’; 147.9, 148.8, 149.8, C1, C2’, C5’. MS (ESI +ve) m/z 298 (MH+, 100%). HRMS (ESI +ve) m/z 298.12984, C15H16N5O2の理論質量:298.12985 (△= 0.0 ppm).
(C) 2-(5’-(5”-(ジメチルアミノ)ベンズイミダゾール-2”-イル)ベンズイミダゾール-2’-イル)ピリジンの調製
(i) 水素化
4-(5’-(ジメチルアミノ)ベンズイミダゾール-2’-イル)-2-ニトロアニリン(0.358 g, 1.20 mmol)の4:1の酢酸エチル/メタノール(40 ml)中の溶液を、5%の活性炭担持パラジウム(0.20 g)を添加し、水素雰囲気下、室温で17時間撹拌した。この懸濁液を、セライトを通して速やかに濾過し、残渣をメタノールで洗浄し、合わせた濾液および洗液を濃縮して、粗2-アミノ-4-(5’-(ジメチルアミノ)ベンズイミダゾール-2’-イル)アニリンを、褐色オイルとして得た。これをさらに精製することなく次の工程に用いた。
(ii) カップリング反応
メタ重亜硫酸ナトリウム(0.269 g, 1.41 mmol)の1:1のethanol/水(5 ml)中の溶液を、エタノール(5 ml)中の2-ピリジンカルボキシアルデヒド(0.157 g, 1.47 mmol)に添加し、混合物を穏やかに5分間加熱した。次いで、この溶液を、2-アミノ-4-(5’-(ジメチルアミノ)ベンズイミダゾール-2’-イル)アニリン(上記(i)で調製したもの)のエタノール(40 ml)中の溶液に添加し、混合物を窒素下で22時間還流させた。冷却後、溶媒をロータリーエバポレーターによって除去し、残渣を希アンモニア溶液(2.7 M, 30 ml)で処理し、0℃にて24時間静置した。得られた懸濁液を、遠心分離し、上清を除去して、暗褐色の残渣を得た。これを、水(2 x 13 ml)、ジエチルエーテル(2 x 13 ml)、および酢酸エチル(15 ml and 10 ml)で処理した(各処理において、遠心分離し、上清を除去した)。得られた固体を減圧下で乾燥して、2-(5’-(5”-(ジメチルアミノ)ベンズイミダゾール-2”-イル)ベンズイミダゾール-2’-イル)ピリジンを、淡褐色固体(0.190 g, 45%)として得た。mp 180℃(分解)。
1H nmr (500 MHz, d4-MeOH + 5滴のd-TFA) δ 3.23, s, 6H, Me2N; 7.41, d (J = 1.2 Hz), 1H, H4”; 7.42, dd (J = 2.2, 9.0 Hz), 1H, H6”; 7.70, dd (J = 5.4, 7.5 Hz), 1H, H5; 7.78, d (J = 9.0 Hz), 1H, H7”; 8.08, d (J = 8.8 Hz), 1H, H7’; 8.15, dt (J = 1.5, 8.0 Hz), 1H, H4; 8.21, dd (J = 1.7, 8.5 Hz), 1H, H6’; 8.42, d (J = 7.8 Hz), 1H, H3; 8.58, d (J = 1.1 Hz), 1H, H4’; 8.90, d (J = 4.4 Hz), 1H, H6. 13C nmr (125 MHz, d4-MeOH + 5滴のHOAc) δ 41.2, Me2N; 95.5, C4”; 113.7, C6”; 115.2, C7”; 115.4, C4’; 117.1, C7’; 120.2, C5’; 122.5, C6’; 122.8, C3; 126.3, C5; 127.3, C7a”; 135.9, C3a”; 138.4, C4; 140.3, C3a’; 142.0, C7a’; 148.4, C2; 149.3, C2”; 150.0, C5”; 150.8, C6; 154.6; C2’. MS (ESI +ve) m/z 355 (MH+, 100%). HRMS (ESI +ve) m/z 355.16654, C21H19N6の理論質量:355.16657 (△= 0.1 ppm).
細胞毒性および放射線防護性の結果
C50 = 60.8
PF = 13.5
DMFm = 1.57
DMF10 = 1.30
[実施例29]:2-(5’-(5”-(4’’’-(ジメチルアミノ)ピペリジン-1’’’-イル)ベンズイミダゾール-2”-イル)ベンズイミダゾール-2’-イル)ピリジン
(A) 5-(4’-(N-BOC-アミノ)ピペリジン-1’-イル)-2-ニトロアニリンの調製
5-クロロ-2-ニトロアニリン(0.86 g, 5.0 mmol)、4-(N-BOC-アミノ)ピペリジン (1.50 g, 7.5 mmol)、および炭酸カリウム(0.72 g, 5.2 mmol)の無水N,N-ジメチルアセトアミド(9 ml)中の混合物を、窒素下、125-135℃の油浴中で25時間撹拌した。得られた混合物を室温に冷却し、氷(50 ml)を添加した後、18時間激しく撹拌した。重い沈殿を濾過によって集め、水(3 x 15 ml)、次いでジエチルエーテル(2 x 15 ml)で注意深く洗浄した後、減圧下で乾燥させて、くすんだ黄色粉末(1.46 g)を得た。一部をシリカゲルのプラグ(40 x 60 mm)に担持させ、酢酸エチルで溶出させt、純粋な5-(4’-(N-BOC-アミノ)ピペリジン-1’-イル)-2-ニトロアニリンを黄色粉末として得た(0.57 g)。
1H nmr (400 MHz, base-washed CDCl3) δ 1.45, m, 11H, O-t-Bu and H3’/5’; 2.04, m, 2H, H3’/5’; 3.01, dt (J = 2.4, 12.4 Hz), 2H, H2’/6’; 3.70, br, 1H, H4’; 3.82, br d, 2H, H2’/6’; 4.46, br, 1H, NH; 5.94, d (J = 2.8 Hz), 1H, H6; 6.13, br, 2H, NH2; 6.26, dd (J = 2.6, 9.8 Hz), 1H, H4; 8.00, d (J = 9.2 Hz), 1H, H3.
(B) 4-(5’-(4”-(N-BOC-アミノ)ピペリジン-1”-イル)ベンズイミダゾール-2’-イル)-2-ニトロアニリンの調製
(i) 水素化
5-(4’-(N-BOC-アミノ)ピペリジン-1’-イル)-2-ニトロアニリン(0.57 g, 1.7 mmol)の2:1の酢酸エチル/メタノール(60 ml)中の懸濁液に、10%活性炭担持パラジウム(0.10 g)を添加し、水素雰囲気下、室温で18時間撹拌した。次いで、この反応混合物を、濾過助剤を通して濾過し、濾過された固体をメタノール(150 ml)で洗浄し、合わせた濾液および洗液を濃縮して、粗2-アミノ-4-(4’-(N-BOC-アミノ)ピペリジン-1’-イル)アニリンを、くすんだカーキ色固体として得た(0.51 g, 98%)。これをさらに精製することなく次の工程に用いた。
1H nmr (400 MHz, base-washed CDCl3) δ 1.45, s, 9H, O-t-Bu; 1.54, m, 2H, H3’/5’; 2.02, m, 2H, H3’/5’; 2.71, dt (J = 2.4, 12.0 Hz), 2H, H2’/6’; 3.39, m, 2H, H2’/6’; 3.55, br, 1H, H4’; 4.47, br, 1H, BOC-NH; 6.32, dd (J = 2.8, 8.4 Hz), 1H, H5; 6.37, d (J = 2.4 Hz), 1H, H3; 6.62, d (J = 8.4 Hz), 1H, H6.
(ii) カップリング反応
粗2-アミノ-4-(4’-(N-BOC-アミノ)ピペリジン-1’-イル)アニリン(0.51 g, 1.66 mmol)を、エチル 4-アミノ-3-ニトロベンゼンカルボキシイミダート塩酸塩7(0.429 g, 1.74 mmol)、次いで無水エタノール(20 ml)および氷酢酸(10 ml)で処理した。この反応混合物を、窒素下で19時間還流させた後、室温に冷却し、溶媒をロータリーエバポレーターで除去した。残渣を希アンモニア溶液(2.7 M, 20 ml)で処理し、40分間撹拌して、微細な赤色沈殿を得た。この懸濁液を遠心分離し、上清を除去し、残渣を水(2 x 10 ml)、次いでアセトニトリル(2 x 4 ml)で処理した(各処理において、遠心分離し、上清を除去した)。残渣を減圧下で乾燥させて、4-(5’-(4”-(N-BOC-アミノ)ピペリジン-1”-イル)ベンズイミダゾール-2’-イル)-2-ニトロアニリンを暗赤色粉末として得た(0.498 g, 66%)。mp 155-160℃。
1H nmr (400 MHz, d4-MeOH + 4滴のd-TFA) δ 1.46, s, 9H, O-t-Bu; 1.97, m, 2H, H3”/5”; 2.24, m, 2H, H3”/5”; 3.63, dt (J = 1.3, 12.0 Hz), 2H, H2”/6”; 3.79, m, 3H, H2”/6”, H4”; 7.25, d (J = 9.2 Hz), 1H, H6; 7.74, dd (J = 2.2, 9.0 Hz), 1H, H6’; 7.86, d (J = 8.8 Hz), 1H, H7’; 7.92, d (J = 2.0 Hz), 1H, H4’; 8.04, dd (J = 2.4, 9.2 Hz), 1H, H5; 9.01, d (J = 2.4 Hz), 1H, H3. 13C nmr (125 MHz, d4-MeOH + 25滴のHOAc) δ 28.8, OCMe3; 32.6, C3”/5”; 48.4, C4”; 51.3, C2”/6”; 80.3, OCMe3; 101.5, C4’; 113.0, C4; 115.2, 118.2, 121.3, 126.7, C3, C6, C6’, C7’; 129.7, 132.1, C2, C3a’ or C7a’; 133.6, C5; 136.0, C2, C3a’ or C7a’; 149.2, 149.5, 149.6, C1, C2’, C5’: 157.7, O(C=O)N. MS (ESI +ve) m/z 905 (M2H+, 22%), 453 (MH+, 100). HRMS (ESI +ve) m/z 453.22448, C23H29N6O4の理論質量:453.22448 (△= 0.0 ppm).
(C) 2-(5’-(5”-(4’’’-(N-BOC-アミノ)ピペリジン-1’’’-イル)ベンズイミダゾール-2”-イル)ベンズイミダゾール-2’-イル)ピリジンの調製
(i) 水素化
4-(5’-(4”-(N-BOC-アミノ)ピペリジン-1”-イル)ベンズイミダゾール-2’-イル)-2-ニトロアニリン(350 mg, 0.77 mmol)の1:1の酢酸エチル/メタノール(20 ml)中の懸濁液に、10%活性炭担持パラジウム(50 mg)を添加し、水素雰囲気下、21時間激しく撹拌した。次いで、この反応混合物を、濾過助剤を通して濾過し、残渣をメタノール(約100 ml)で洗浄し、合わせた濾液および洗液を濃縮して、粗2-アミノ-4-(5’-(4”-(N-BOC-アミノ)ピペリジン-1”-イル)ベンズイミダゾール-2’-イル)アニリンを、橙色〜褐色固体として得た(331 mg, 99%)。これをさらに精製することなく次の工程に用いた。
1H nmr (400 MHz, d4-MeOH + 4滴のd-TFA) δ 1.46, s, 9H, O-t-Bu; 1.94, m, 2H, H3”/5”; 2.23, m, 2H, H3”/5”; 3.62, dt (J = 2.8, 12.0 Hz), 2H, H2”/6”; 3.79, m, 3H, H2”/6”, H4”; 7.11, d (J = 8.8 Hz), 1H, H6; 7.71, dd (J = 2.2, 9.0 Hz), 1H, H6’; 7.85, m, 2H, H5, H7’; 7.91, d (J = 1.6 Hz), 1H, H4’; 7.95, d (J = 2.0 Hz), 1H, H3.
(ii) カップリング反応
2-シアノピリジン(133 mg, 1.28 mmol)に、ナトリウムメトキシドのメタノール溶液(0.075 M, 1.7 ml, 0.128 mmol, 0.1 eq)を添加し、この溶液を、窒素下、40℃の油浴中で80分間加熱した。次いで、粗2-アミノ-4-(5’-(4”-(N-BOC-アミノ)ピペリジン-1”-イル)ベンズイミダゾール-2’-イル)アニリン(331 mg, 0.78 mmol)の無水メタノール(15 ml)中の溶液、次いで氷酢酸(0.14 ml, 2.45 mmol)を添加し、混合物を窒素下で16時間穏やかに撹拌した。冷却後、溶媒をロータリーエバポレーターで除去し、残渣を希アンモニア溶液(2.7 M, 20 ml)で処理し、40分間撹拌して、均一な懸濁液を得、これを遠心分離し、上清を除去した。この残渣を水(15 ml)、次いでアセトニトリル(4 x 3 ml)で処理した(各処理において、遠心分離し、上清を除去した)。残った固体を、シリカゲルの短いプラグ(30 x 70 mm)に担持させ、メタノールで溶出させて、2-(5’-(5”-(4’’’-(N-BOC-アミノ)ピペリジン-1’’’-イル)ベンズイミダゾール-2”-イル)ベンズイミダゾール-2’-イル)ピリジンを褐色粉末として得た(261 mg, 65%)。mp 197℃(分解)。
1H nmr (400 MHz, d4-MeOH + 4滴のd-TFA) δ 1.47, s, 9H, O-t-Bu; 1.93, m, 2H, H3’’’/H5’’’; 2.23, m, 2H, H3’’’/5’’’; 3.59, dt (J = 2.6, 12.0 Hz), 2H, H2’’’/6’’’; 3.80, m, 3H, H2’’’/6’’’, H4’’’; 7.71, m, 2H, H5, H6”; 7.89, m, 2H, H4”, H7”; 8.08, d (J = 8.8 Hz), 1H, H7’; 8.16, dt (J = 1.6, 8.0 Hz), 1H, H4; 8.23, dd (J = 1.8, 8.6 Hz), 1H, H6’; 8.41, d (J = 7.6 Hz), 1H, H3; 8.63, d (J = 0.8 Hz), 1H, H4’; 8.90, m, 1H, H6. 13C nmr (125 MHz, d4-MeOH + 4滴のHOAc) δ 28.8, OCMe 3 ; 33.0, C3’’’/5’’’; 48.8, C4’’’; 51.1, C2’’’/6’’’; 80.1, OCMe3; 101.2, C4”; 115.3, 115.6, 116.9, 117.6, C4’, C6”, C7’, C7”; 122.2, C5’; 122.8 (overlap), C3, C6’; 126.1, C5; 131.5, C7a”; 137.3, C3a”; 138.3, C4; 140.3, C3a’; 141.6, C7a’; 148.4, C2; 150.4, C5”; 150.7, C6; 151.3, 154.3, C2’, C2”; 157.7, O(C=O)N. MS (ESI +ve) m/z 510 (MH+, 100%). HRMS (ESI +ve) m/z 510.26192, C29H32N7O2の理論質量:510.26192 (△= 1.4 ppm).
(D) 2-(5’-(5”-(4’’’-アミノピペリジン-1’’’-イル)ベンズイミダゾール-2”-イル)ベンズイミダゾール-2’-イル)ピリジンの調製
2-(5’-(5”-(4’’’-(N-BOC-アミノ)ピペリジン-1’’’-イル)ベンズイミダゾール-2”-イル)ベンズイミダゾール-2’-イル)ピリジン(200 mg, 0.39 mmol)に、ジクロロメタン(3 ml)、次いでトリフルオロ酢酸(3 ml)を添加し、この暗紫色溶液を、室温、栓をしたフラスコ内で100分撹拌した。次いで、溶媒をロータリーエバポレーターで除去し、オイル状の残渣を氷で冷やし、希アンモニア溶液(2.7 M, 10 ml)で注意深く処理した。得られた重い懸濁液を45分間撹拌した後、遠心分離し、上清を除去した。残渣を水(15 ml)、次いでアセトニトリル(4 x 3 ml)で処理した(各処理において、遠心分離し、上清を除去した)。残った固体を減圧下で乾燥させて、2-(5’-(5”-(4’’’-アミノピペリジン-1’’’-イル)ベンズイミダゾール-2”-イル)ベンズイミダゾール-2’-イル)ピリジンを黄色粉末として得た(116 mg, 72%)。mp 270℃(分解)。
1H nmr (400 MHz, d4-MeOH + 4滴のd-TFA) δ 1.86, app. dq (J = 4.0, 12.4 Hz), 2H, H3’’’/H5’’’; 2.18, m, 2H, H3’’’/5’’’; 3.04, dt (J = 1.8, 12.0 Hz), 2H, H2’’’/6’’’; 3.36, m, 1H, H4’’’; 3.90, m, 2H, H2’’’/6’’’; 7.33, d (J = 2.0 Hz), 1H, H4”; 7.42, dd (J = 2.2, 9.0 Hz), 1H, H6”; 7.67, m, 1H, H5; 7.70, d (J = 9.2 Hz), 1H, H7”; 8.05, d (J = 8.4 Hz), 1H, H7’; 8.12, dt (J = 1.2, 8.0 Hz), 1H, H4; 8.17, dd (J = 1.8, 8.6 Hz), 1H, H6’; 8.40, d (J = 8.0 Hz), 1H, H3; 8.56, d (J = 0.8 Hz), 1H, H4’; 8.86, m, 1H, H6. 13C nmr (125 MHz, d4-MeOH + 4滴のHOAc) δ 31.2, C3’’’/5’’’; 49.7, C4’’’; 50.5, C2’’’/6’’’; 102.2, C4”; 115.2, 116.0, 117.0, 117.4, C4’, C6”, C7’, C7”; 122.8, 123.0, C3, C6’; 123.8, C5’; 126.1, C5; 133.2, C7a”; 138.4, C4; 138.5, C3a”; 140.4, C3a’; 141.6, C7a’; 148.6, C2; 149.8, C5”; 150.8, C6; 152.3, 154.2, C2’, C2”. MS (ESI +ve) m/z 819 (M2H+, 4%), 410 (MH+, 100). HRMS (ESI +ve) m/z 410.20870, C24H24N7の理論質量:410.20877 (△= 0.2 ppm).
(E) 2-(5’-(5”-(4’’’-(ジメチルアミノ)ピペリジン-1’’’-イル)ベンズイミダゾール-2”-イル)ベンズイミダゾール-2’-イル)ピリジンの調製
2-(5’-(5”-(4’’’-アミノピペリジン-1’’’-イル)ベンズイミダゾール-2”-イル)ベンズイミダゾール-2’-イル)ピリジン(42 mg, 0.10 mmol)およびシアノ水素化ホウ素ナトリウム(15 mg, 0.24 mmol, 2.4 eq)のメタノール(1 ml)中の溶液に、酢酸(40 mg, 0.67 mmol, 6.7 eq)、次いで40%ホルムアミド溶液(30μl, 0.40 mmol, 4.0 eq)を添加し、混合物を、窒素下、室温で16時間撹拌した。炭酸カリウム(50 mg, 0.36 mmol)を、最少容量の水に溶解させ、この反応混合物に添加した後、溶媒をロータリーエバポレーターによって除去した。残渣を、n-ブタノール(5 ml)と水(5 ml)との間で分配させ、ブタノール層を水で洗浄(2 x 4 ml)し、蒸発させて、粗生成物を淡褐色ガラス状物質として得た(44 mg)。この物質をアセトニトリル(2 x 2 ml)で粒状化させた後、減圧下で乾燥させて、2-(5’-(5”-(4’’’-(ジメチルアミノ)ピペリジン-1’’’-イル)ベンズイミダゾール-2”-イル)ベンズイミダゾール-2’-イル)ピリジンを、淡黄褐色粉末として得た(36 mg, 80%)。mp 198-205℃。
1H nmr (500 MHz, d4-MeOH + 4滴のd-TFA) δ 1.94, app. dq (J = 4.0, 12.0 Hz), 2H, H3’’’/5’’’; 2.25, m, 2H, H3’’’/5’’’; 2.93, s, 6H, 4’’’-Me2N; 2.98, m, 2H, H2’’’/6’’’; 3.43, m, 1H, H4’’’; 4.00, m, 2H, H2’’’/6’’’; 7.30, d (J = 2.0 Hz), 1H, H4”; 7.42, dd (J = 2.0, 9.3 Hz), 1H, H6”; 7.71, m, 2H, H5, H7”; 8.08, d (J = 8.5 Hz), 1H, H7’; 8.15, dt (J = 1.5, 8.0 Hz), 1H, H4; 8.19, dd (J = 1.5, 8.5 Hz), 1H, H6’; 8.42, d (J = 7.5 Hz), 1H, H3; 8.59, d (J = 1.5 Hz), 1H, H4’; 8.89, m, 1H, H6. 13C nmr (100 MHz, d4-MeOH + 5滴のHOAc) δ 27.5, C3’’’/5’’’; 40.3, 4’’’-Me2N; 50.9, C2’’’/6’’’; 64.7, C4’’’; 102.3, C4”; 115.5, 116.1, 117.0, 117.6, C4’, C6”, C7’, C7”; 122.9, 123.2, C3, C6’; 123.8, C5’; 126.3, C5; 133.2, C7a”; 138.6, C3a”, C4 (overlap); 140.7, C3a’; 141.7, C7a’; 148.7, C2; 149.7, C5”; 150.9, C6; 152.5, 154.4, C2’, C2”. MS (ESI +ve) m/z 438 (MH+, 100%). HRMS (ESI +ve) m/z 438.23995, C26H28N7の理論質量:438.24007 (△= 0.3 ppm).
細胞毒性および放射線防護性の結果
C50 = 46.9
PF = 18.2
DMFm = 1.76
DMF10 = 1.54
[実施例30]:2-(4’-メトキシ-6’-(5”-(4’’’-メチルピペラジン-1’’’-イル)ベンズイミダゾール-2”-イル)ベンズイミダゾール-2’-イル)ピリジン
(A) エチル 4-アミノ-3-メトキシ-5-ニトロベンゼンカルボキシイミダート塩酸塩の調製
4-アミノ-3-メトキシ-5-ニトロベンゾニトリル(11) (341 mg, 1.77 mmol)の無水エタノール(18 ml)中の懸濁液に、無水塩化水素ガスを、室温にて3時間場バブリングさせて通した。この間に、固体が溶解し、再び沈殿が形成された。次いで、ガスの注入口を塩化カルシウム乾燥管に置き換え、撹拌を21時間続けた。この重い黄色懸濁液を、無水ジエチルエーテル(100 ml)に注ぎ、しばらく撹拌した後、濾過した。濾過された固体をジエチルエーテル(3 x 10 ml)で注意深く洗浄し、減圧下で乾燥させて、エチル 4-アミノ-3-メトキシ-5-ニトロベンゼンカルボキシイミダート塩酸塩を、黄色固体として得た(428 mg, 88%)。mp 246-248℃。
1H nmr (500 MHz, d6-dmso) δ 1.47, t (J = 7.0 Hz), 3H, OEt; 3.98, s, 3H, 3-OMe; 4.60, q (J = 6.8 Hz), 2H, OEt; 7.92, d (J = 1.5 Hz), 1H, H2; 7.97, br, 2H, 4-NH2; 8.39, d (J = 1.5 Hz), 1H, H6; 11.60, br, 2H, imidate H2N+.
13C nmr (125 MHz, d6-dmso) δ 13.5, OCH2CH3; 57.2, OMe; 69.2, OCH2CH3; 110.0, C1; 111.2, C2 or C6, 121.0, C6 or C2; 129.5, C4; 141.9, C5; 148.2, C3; 168.7, imidate. MS (ESI +ve) m/z 240 (M-Cl, 100%). HRMS (ESI +ve) m/z 240.09782, C10H14N3O4の理論質量:240.09788 (△= 0.2 ppm).
(B) 2-メトキシ-4-(5’-(4”-メチルピペラジン-1”-イル)ベンズイミダゾール-2’-イル)-6-ニトロアニリンの調製
(i) 水素化
5-(4’-メチルピペラジン-1’-イル)-2-ニトロアニリン(7) (294 mg, 1.24 mmol)の4:1の酢酸エチル/メタノール(20 ml)中の懸濁液に、5%の活性炭担持パラジウム(62 mg)を添加し、混合物を、水素雰囲気下、室温で6時間激しく撹拌した。次いで、この反応混合物を、セライトを通してろ過して触媒および残渣を除去し、メタノールで洗浄した。合わせた濾液および洗液を、蒸発させて、粗2-アミノ-4-(4’-メチルピペラジン-1’-イル)アニリンを得た。これを、即座に次の工程で反応させた。
(ii) カップリング反応
粗2-アミノ-4-(4’-メチルピペラジン-1’-イル)アニリン(1.24 mmol, 上記(i)で調製したもの)の2:1のethanol/酢酸(18 ml)中の溶液に、エチル 4-アミノ-3-メトキシ-5-ニトロベンゼンカルボキシイミダート塩酸塩(350 mg, 1.27 mmol)を添加し、混合物を窒素下で17時間還流させた。この反応混合物を冷却し、固体を濾過により除去し、希アンモニア溶液(2.7 M, 2 x 20 ml)で注意深く洗浄した後、減圧下および五酸化リンの存在下で乾燥させて、暗赤色固体を得た。濾液を蒸発させて、残渣を水(10 ml)に溶解させ、強塩基性になるまで希アンモニア溶液(2.7 M、約15 ml)で処理した。沈殿物を濾過し、水で洗浄した後、減圧下で乾燥させて、さらなる55 mgの物質を得た。合わせた物質を、メタノール (20 ml)に溶解し、シリカゲルのプラグ(50 x 50 mm)に担持させ、メタノールで溶出させて、2-メトキシ-4-(5’-(4”-メチルピペラジン-1”-イル)ベンズイミダゾール-2’-イル)-6-ニトロアニリンを、赤色ガラス状固体として得た(405 mg, 85%)。mp 148℃(分解)。
1H nmr (400 MHz, d4-MeOH + 3滴のd-TFA) δ 3.00, s, 3H, 4”-MeN; 3.17, t (J = 12.4 Hz), 2H, NCH2; 3.31, m (隠されている), NCH2; 3.67, d (J = 11.6 Hz), 2H, NCH2; 3.86, d (J = 13.2 Hz), 2H, NCH2; 4.01, s, 3H, 2-OMe; 7.07, d (J = 2.0 Hz), 1H, H4’; 7.18, dd (J = 9.2, 2.0 Hz), 1H, H6’; 7.44, d (J = 9.2 Hz), 1H, H7’; 7.47, d (J = 2.4 Hz), 1H, H3; 8.28, d (J = 2.0 Hz), 1H, H5. 13C nmr (100 MHz, d4-MeOH + 3滴のHOAc) δ 43.6, 4”-MeN; 49.2, C2”/6”; 54.7, C3”/5”; 57.1, 2-OMe; 102.1, C4’; 111.2, C6’; 115.5, C4; 116.1, 116.4, 116.5, C3, C5, C7’; 131.5, C6; 134.4, C7a’; 139.0, C3a’; 140.1, C1; 148.3, C5’; 149.9, C2; 151.4, C2’. MS (ESI +ve) m/z 383 (MH+, 100%). HRMS (ESI +ve) m/z 383.18251, C19H23N6O3の理論質量:383.18262 (△= 0.3 ppm).
(C) 2-(4’-メトキシ-6’-(5”-(4’’’-メチルピペラジン-1’’’-イル)ベンズイミダゾール-2”-イル)ベンズイミダゾール-2’-イル)ピリジンの調製
(i) 水素化
2-メトキシ-4-(5’-(4”-メチルピペラジン-1”-イル)ベンズイミダゾール-2’-イル)-6-ニトロアニリン(274 mg, 0.72 mmol)の4:1の酢酸エチル/メタノール(20 ml)中の溶液に、5%の活性炭担持パラジウム(60 mg)を添加し、混合物を、水素雰囲気下、室温で21時間激しく撹拌した。次いで、この反応混合物を、セライトを通してろ過して触媒および残渣を除去し、メタノールで洗浄した。合わせた濾液および洗液を蒸発させて、2-アミノ-3-メトキシ-5-(5’-(4”-メチルピペラジン-1”-イル)ベンズイミダゾール-2’-イル)アニリンを、淡橙色固体として得た238 mg (94%)。これを即座に次の工程に用いた。
1H nmr (400 MHz, d4-MeOH) δ 2.99, s, 3H, 4”-MeN; 3.18, t (J = 11.8 Hz), 2H, NCH2; 3.33, m (隠されている), NCH2; 3.66, d (J = 12.0 Hz), 2H, NCH2; 3.92, d (J = 13.6 Hz), 2H, NCH2; 4.05, s, 3H, 3-OMe; 7.30, d (J = 2.0 Hz), 1H, H4’; 7.35, dd (J = 8.6, 2.0 Hz), 1H, H6’; 7.56, d (J = 2.0 Hz), 1H, H4 or H6; 7.61, d (J = 2.0 Hz), 1H, H6 or H4; 7.66, d (J = 8.8 Hz), 1H, H7’.
(ii) カップリング反応
ピリジン-2-カルボキシアルデヒド(78 mg, 0.728 mmol)のエタノール(5 ml)中の溶液と、メタ重亜硫酸ナトリウム(151 mg, 0.794 mmol)の水(1 ml)中の溶液とを混合し、2-アミノ-3-メトキシ-5-(5’-(4”-メチルピペラジン-1”-イル)ベンズイミダゾール-2’-イル)アニリン(228 mg, 0.647 mmol)のエタノール(10 ml)中の溶液に、10分かけて滴下により添加した。追加のエタノール(2 ml)および水(1 ml)を用いて移送を完了させた。次いで、この混合物を、窒素下で17時間還流させた後、冷却し、溶媒を蒸発させた。残渣を希アンモニア溶液(6%, 30 ml)で洗浄し、n-ブタノール(30 ml)で抽出した。抽出液を水(30 ml)、塩水(30 ml)で洗浄し、乾燥(MgSO4) し、蒸発させて、橙色のガラス状固体を得た。この物質を、アルミナ(中性, 33 x 190 mm)を用い、50:3:1の酢酸エチル/メタノール/トリエチルアミンで溶出させるカラムクロマトグラフィーにかけて、2-(4’-メトキシ-6’-(5”-(4’’’-メチルピペラジン-1’’’-イル)ベンズイミダゾール-2”-イル)ベンズイミダゾール-2’-イル)ピリジンを黄色粉末として得た(39 mg, 14%)。mp 200℃(分解)。
1H nmr (400 MHz, d4-MeOH + 4滴のd-TFA) δ 3.01, s, 3H, 4’’’-MeN; 3.21, t (J = 13.2 Hz), 2H, NCH2; 3.35, m (obs), NCH2; 3.68, d (J = 12.0 Hz), 2H, NCH2; 3.97, d (J = 12.8 Hz), 2H, NCH2; 4.26, s, 3H, 4’-MeO; 7.36, d (J = 2.0 Hz), 1H, H4”; 7.44, dd (J = 2.4, 9.2 Hz), 1H, H6”; 7.70, ddd (J = 1.2, 4.8, 7.6 Hz), 1H, H5; 7.76, d (J = 9.2 Hz), 1H, H7”; 7.78, d (J = 1.2 Hz), 1H, H5’; 8.15, dt (J = 1.6, 8.0 Hz), 1H, H4; 8.20, d (J = 1.6 Hz), 1H, H7’; 8.43, dt (J = 8.0, 1.0 Hz), 1H, H3; 8.89, ddd (J = 0.8, 1.6, 4.8 Hz), 1H, H6. 13C nmr (100 MHz, d4-MeOH + 4滴のHOAc) δ 43.6, 4’’’-MeN; 48.9, C2’’’/6’’’; 54.6, C3’’’/5’’’; 56.4, 4’-OMe; 101.8, 102.6, C4” and C5’ or C7’; 107.3, C7’ or C5’; 116.0, 117.0, C6”, C7”; 122.7, C3; 123.4, C6’; 125.9, C5; 132.6, 133.6, C7a’ and C7a”; 137.6, C3a’ or C3a”; 138.3, C4; 139.9, C3a” or C3a’; 148.3, 148.7, C2 and C5”; 150.6, C6; 150.9, C4’; 152.1, 153.0, C2’ and C2”. MS (ESI +ve) m/z 440 (MH+, 58%), 220.6 (MH2 2+, 100). HRMS (ESI +ve) m/z 440.21942, C25H26N7Oの理論質量:440.21933 (△= 0.2 ppm).
細胞毒性および放射線防護性の結果
C50 = 158.5
PF = 13.3
DMFm = 1.97
DMF10 = 1.78
[実施例31]:2-(6’-(5”-(4’’’-メチルピペラジン-1’’’-イル)ベンズイミダゾール-2”-イル)インドール-2’-イル)ピリジン
(A) (E)-2-(4’-シアノ-2’-ニトロスチリル)ピリジンの調製
2-ピリジンカルボキシアルデヒド(1.13 g, 10.5 mmol)に、4-メチル-3-ニトロベンゾニトリル(1.62 g, 10.0 mmol)、次いでピペリジン (0.32 g, 3.8 mmol)を添加し、混合物を、窒素下、120℃の油浴中で1時間加熱した。次いで、粘ちょうな暗色のスラリーを、室温で23時間撹拌した。その後、酢酸エチル(10 ml)を添加し、ガラス棒で暗色の塊を壊した後、濾過した。濾過された固体を酢酸エチルで洗浄し、減圧下で乾燥させて、(E)-2-(4’-シアノ-2’-ニトロスチリル)ピリジンを、淡オリーブ〜緑色粉末として得た(1.43 g, 57%)。mp 166〜167℃。
1H nmr (400 MHz, CDCl3) δ 7.29, dt (J = 1.2, 6.2 Hz), 1H, H5; 7.31, d (J = 16.0 Hz), 1H, olefinic H; 7.53, d (J = 7.6 Hz), 1H, H3; 7.77, dt (J = 1.6, 7.6 Hz), 1H, H4; 7.88, ddd (J = 0.6, 1.6, 8.2 Hz), 1H, H5’; 7.95, d (J = 8.4 Hz), 1H, H6’; 8.05, d (J =16.0 Hz), 1H, olefinic H; 8.27, d (J = 2.0 Hz), 1H, H3’; 8.66, m, 1H, H6.
(B) 6-シアノ-2-(ピリジン-2’-イル)インドールの調製
(E)-2-(4’-シアノ-2’-ニトロスチリル)ピリジン(1.20 g, 4.78 mmol)を、亜リン酸トリエチル(26 ml)で処理し、150〜160℃の油浴中、窒素下で21時間加熱した。冷却後、過剰の亜リン酸トリエチルを、短経路蒸留装置を用いる減圧蒸留によって除去した。暗色の残渣を、水(100 ml)で処理し、炭酸ナトリウム溶液(0.5 M, 2.5 ml)で塩基性にした後、酢酸エチルで抽出した(3 x 100 ml)。この酢酸エチル抽出液を、水(100 ml)、塩水(100 ml)で洗浄し、乾燥(MgSO4)し、蒸発させて、暗色オイルを得た。ヘキサン(5 x 8 ml)で粒状化して痕跡量の亜リン酸トリエチルを除去して、粘ちょうな暗色オイルを得た(0.97 g)。これをジクロロメタン(10 ml)に溶解させて取り出し、アルミナのプラグ(40 x 50 mm)に担持させ、ジクロロメタン、99:1のジクロロメタン/メタノールで溶出させた。適切なフラクション(TLC)を合わせて、物質をメタノールから再結晶させて、6-シアノ-2-(ピリジン-2’-イル)インドールを淡褐色粉末として得た(323 mg, 31%)。mp 199〜201℃。さらなる物質が、ヘキサンの上清から静置による析出によって得られ、再結晶の濾液をクロロホルムで溶出させるシリカゲルカラムに通すことによっても得られ、529 mg(50%)の合計収量を得た。
1H nmr (500 MHz, d6-dmso) δ 7.30, dd (J = 1.0, 2.5 Hz), 1H, H3; 7.33, dd (J = 1.5, 8.5 Hz), 1H, H5; 7.39, ddd (J = 1.0, 5.0, 7.5 Hz), 1H, H5’; 7.75, d (J = 8.0 Hz), 1H, H4; 7.86, m, 1H, H7; 7.92, dt (J = 2.0, 8.0 Hz), 1H, H4’; 8.08, dt (J = 8.0, 1.0 Hz), 1H, H3’; 8.68, ddd (J = 1.0, 2.0, 5.0 Hz), 1H, H6’; 12.22, s, 1H, 1-NH. 13C nmr (125 MHz, d6-dmso) δ 101.2, C3; 103.6, C6; 116.9, C7; 120.8, CN; 120.9, C3’; 122.0, C4; 122.2, C5; 123.5, C5; 131.8, C3a; 136.0, C7a; 137.5, C4’; 141.2, C2; 149.5, C2’; 149.6, C6’. MS (ESI +ve) m/z 220 (MH+, 100%). HRMS (ESI +ve) m/z 220.08693, C14H10N3の理論質量:220.08692 (△= 0.1 ppm).
(C) エチル 2-(ピリジン-2’-イル)インドール-6-カルボキシイミダート塩酸塩の調製
6-シアノ-2-(ピリジン-2’-イル)インドール(0.385 g, 1.76 mmol)を、無水エタノール(50 ml)に懸濁させ、この混合物に、撹拌しながら無水HClガス流をバブリングさせて通した。HClを導入するとまもなく、懸濁していた固体が溶解し、その後新たな重い沈殿が形成された。これに伴って、反応混合物の温度が35℃に上昇した。3時間後、ガスの注入口を塩化カルシウム乾燥管に置き換え、反応混合物を一晩撹拌した。HClガス流を再び反応混合物に3時間導入した後、再びガスの注入口を塩化カルシウム乾燥管に置き換え、反応混合物を一晩撹拌した。次いで、反応混合物に、無水ジエチルエーテル(50 ml)を添加し、撹拌を15分間続けた後、固体を窒素下で濾過した。集めた固体を無水ジエチルエーテル(20 ml)で洗浄し、減圧下で乾燥させて、エチル 2-(ピリジン-2’-イル)インドール-6-カルボキシイミダート塩酸塩(0.525 g, 99%)を、黄色粉末として得た。mp 270℃(分解)。
1H nmr (400 MHz, d6-dmso) δ 1.51, t (J = 7.0 Hz), 3H, OEt; 4.66, q (J = 6.9 Hz), 2H, OEt; 7.41, d (J =1.2 Hz), 1H, H3; 7.47, ddd (J = 1.2, 4.8, 7.6 Hz), 1H, H5’; 7.77, dd (J = 1.8, 8.6 Hz), 1H, H5; 7.81, d (J = 8.4 Hz), 1H, H4; 8.01, dt (J = 1.6, 7.8 Hz), 1H, H4’; 8.20, d (J = 8.0 Hz), 1H, H3’; 8.25, br s, 1H, H7; 8.71, br d (J = 4.0 Hz), 1H, H6’; 11.04, br, 1H, 1-NH or C=NH2 +; 11.79, br, 1H, 1-NH or C=NH2 +; 12.62, br, 1H, 1-NH or C=NH2 +. MS (ESI +ve) m/z 266 (M-Cl+, 100%). HRMS (ESI +ve) m/z 266.12878, C16H16N3Oの理論質量:266.12879 (△= 0.04 ppm).
(D) 2-(6’-(5”-(4’’’-メチルピペラジン-1’’’-イル)ベンズイミダゾール-2”-イル)インドール-2’-イル)ピリジンの調製
2-アミノ-4-(4’-メチルピペラジン-1’-イル)アニリン(調製については実施例30のB(i)を参照されたい) (61 mg, 0.29 mmol)の2:1のエタノール/酢酸(6 ml)中の溶液に、エチル 2-(ピリジン-2’-イル)インドール-6-カルボキシイミダート塩酸塩(91 mg, 0.30 mmol)を添加し、この赤色混合物を、窒素下、100℃の油浴中で17時間加熱した。次いで、この反応混合物を冷却し、溶媒をロータリーエバポレーターで除去し、残渣を希アンモニア溶液(2.7 M, 10 ml)で処理した。得られた黄色懸濁液を遠心分離し、上清を除去した後、残渣を希アンモニア(2.7 M, 5 ml)、アセトニトリル(2 x 5 ml)、およびジエチルエーテル(2 x 5 ml)で処理した(各処理において、遠心分離し、上清を除去した)。得られた個体を減圧下で乾燥させて、2-(6’-(5”-(4’’’-メチルピペラジン-1’’’-イル)ベンズイミダゾール-2”-イル)インドール-2’-イル)ピリジンを、淡黄褐色粉末として得た(93 mg, 78%)。mp 245〜247℃。
1H nmr (500 MHz, d4-MeOH + 5滴のd-TFA) δ 3.00, s, 3H, 4’’’-MeN; 3.20, t (J = 12.1 Hz), 2H, NCH2; 3.33, m (obs), NCH2; 3.68, d (J = 12.2 Hz), 2H, NCH2; 3.94, d (J = 13.2 Hz), 2H, NCH2; 7.30, d (J = 2.0 Hz), 1H, H4”; 7.38, dd (J = 2.3, 9.2 Hz), 1H, H6”; 7.52, d (J = 0.7 Hz), 1H, H3’; 7.70, d (J = 9.0 Hz), 1H, H7”; 7.76, ddd (J = 1.2, 5.6, 7.6 Hz), 1H, H5; 7.79, dd (J = 1.7, 8.6 Hz), 1H, H5’; 7.98, dd (J = 0.6, 8.4 Hz), 1H, H4’; 8.32, m, 1H, H7’; 8.34, dt (J = 8.1, 1.0 Hz), 1H, H3; 8.41, dt (J = 1.6, 8.0 Hz), 1H, H4; 8.77, ddd (J = 0.7, 1.7, 5.6 Hz), 1H, H6. 13C nmr (125 MHz, d4-MeOH + 4滴のHOAc) δ 43.6, 4’’’-MeN; 49.2, C2’’’/6’’’; 54.6, C3’’’/5’’’; 102.2, C3’ and C4” (overlap); 111.8, C7’; 115.8, C7”; 117.3, C6”; 119.4, C5’; 121.6, C3; 121.8, C6’; 122.7, C4’; 123.8, C5; 132.65, 132.69, C3a’ and C7a”; 138.0, C3a”; 138.4, C4 and C7a’ (overlap); 141.3, C2’; 149.0, C5”; 150.4, C6; 151.4, C2; 153.4, C2”. MS (ESI +ve) m/z 817 (M2H+, 12%), 409 (MH+, 100). HRMS (ESI +ve) m/z 409.21387, C25H25N6の理論質量:409.21352 (△= 0.9 ppm).
細胞毒性および放射線防護性の結果
C50 = 19.8
PF = 22.8
DMFm = 2.20
DMF10 = 2.09
[実施例32]:2-(5’-メトキシ-6’-(5”-(4’’’-メチルピペラジン-1’’’-イル)ベンズイミダゾール-2”-イル)ベンズイミダゾール-2’-イル)ピリジン
(A) メチル 4-アセトアミド-2-メトキシベンゾエートの調製
メチル 4-アミノ-2-メトキシベンゾエート(501 mg, 2.77 mmol)のエタノール(8 ml)中の溶液に、無水酢酸(0.42 ml, 4.44 mmol, 1.6 eq)を添加し、この透明な溶液を60〜65℃に2時間加熱した。室温に冷却した後、溶媒をロータリーエバポレーターによって除去し、残渣を水(10 ml)および飽和重炭酸ナトリウム溶液(10 ml)で処理した後、酢酸エチルで抽出した(20 ml, 2 x 10 ml)。合わせた酢酸エチル抽出液を、水、塩水で洗浄し、乾燥(MgSO4) し、蒸発させて、メチル 4-アセトアミド-2-メトキシベンゾエートを白色個体として得た(545 mg, 88%)。
1H nmr1 (400 MHz, d6-dmso) δ 2.07, s, 3H, 4-AcNH; 3.74, s, 3H, 2-OMe or COOMe; 3.77, s, 3H, COOMe or 2-OMe; 7.19, br d (J = 8.8 Hz), 1H, H5; 10.22, s, 1H, NH.
参考文献17: J. Med. Chem. 2007, 50(15), 3561-3572
(B) メチル 4-アセトアミド-2-メトキシ-5-ニトロベンゾエートの調製
窒素下、-10℃で撹拌されているメチル 4-アセトアミド-2-メトキシベンゾエート(299 mg, 1.34 mmol)の無水酢酸(3 ml)中の溶液に、濃硝酸(0.35 ml)を滴下により添加した。その後、0℃で10分間撹拌し、混合物を酢酸エチル(20 ml)と水(20 ml)との間で分配させた。水性層をさらに酢酸エチル(2 x 10 ml)で抽出し、合わせた有機抽出液を、飽和重炭酸ナトリウム溶液(2 x 10 ml)、塩水(2 x 10 ml)で洗浄し、乾燥(MgSO4) し、蒸発させて、メチル 4-アセトアミド-2-メトキシ-5-ニトロベンゾエートをくすんだ橙色粉末として得た(301 mg, 84%)。
1H nmr (400 MHz, CDCl3) δ 2.33, s, 3H, AcNH; 3.91, s, 3H, 2-MeO or COOMe; 4.03, s, 3H, COOMe or 2-MeO; 8.63, s, 1H, H3 or H6; 8.84, s, 1H, H6 or H3; 10.89, br, NH.
(C) エチル 4-アミノ-2-メトキシ-5-ニトロベンゾエートの調製
メチル 4-アセトアミド-2-メトキシ-5-ニトロベンゾエート(135 mg, 0.50 mmol)のエタノール(10 ml)中の溶液に、濃塩酸(0.5 ml)を滴下により添加し、混合物を窒素下で一晩還流させた。次いで、この反応混合物を冷却し、溶媒を除去し、残渣を、1:1 酢酸エチル/ヘキサンで溶出させるカラムクロマトグラフィー(シリカゲル)によって精製して、エチル 4-アミノ-2-メトキシ-5-ニトロベンゾエートを、黄色固体として得た(110 mg, 91%)。
1H nmr (500 MHz, d6-dmso) δ 1.27, t (J = 7.0 Hz), 3H, COOEt; 3.82, s, 3H, 2-MeO; 4.21, q (J = 7.0 Hz), 2H, COOEt; 6.53, s, 1H, H3; 7.83, br s, 2H, 4-NH2; 8.47, s, 1H, H6. 13C nmr (125 MHz, d6-dmso) δ 14.2, OEt; 56.1, 2-MeO; 60.2, OEt; 98.7, C3; 108.8, C1; 124.2, 131.2, C5, C6; 150.1, C4; 163.2, 163.4, C2, C=O. MS (ESI +ve) m/z 263 (MNa+, 100%). HRMS (ESI +ve) m/z 263.0638, C10H12N2NaO5の理論質量:263.0638 (△= 0 ppm).
(D) エチル 4,5-ジアミノ-2-メトキシベンゾエートの調製
エチル 4-アミノ-2-メトキシ-5-ニトロベンゾエート(248 mg, 1.03 mmol)のメタノール(20 ml)中の溶液に、5%の活性炭担持パラジウム(85 mg)を添加し、混合物を、水素雰囲気下、室温にて18時間激しく撹拌した。次いで、この反応混合物を、セライトを通してろ過し、触媒/残渣をメタノールで洗浄し、合わせた濾液および洗液を濃縮して、粗エチル 4,5-ジアミノ-2-メトキシベンゾエートを暗褐色物質として得た(220 mg, 100%)。これを、さらに精製することなく次の工程に用いた。
1H nmr (400 MHz, CDCl3) δ 1.35, t (J = 7.0 Hz), 3H, COOEt; 3.82, s, 3H, 2-MeO; 4.29, q (J = 7.1 Hz), 2H, COOEt; 6.29, s, 1H, H3; 7.33, s, 1H, H6.
(E) エチル 6-メトキシ-2-(ピリジン-2’-イル)ベンズイミダゾール-5-カルボキシレートの調製
2-シアノピリジン(161 mg, 1.55 mmol)に、メタノール性ナトリウムメトキシド溶液(0.09 M, 1.7 ml, 0.15 mmol)を添加し、窒素下、50〜60℃の油浴中で90分間撹拌した。粗ジアミン(220 mg, 1.03 mmol)のメタノール(15 ml)および酢酸(0.2 ml)中の溶液を添加し、得られた暗色溶液を窒素下で20時間還流させた。次いで、溶媒を除去し、残渣を希アンモニア溶液(3 M, 10 ml)で処理した後、n-ブタノールで抽出した(2 x 20 ml)。有機抽出液を濃縮し、残渣を、酢酸エチルで溶出させるカラムクロマトグラフィー(シリカゲル)を用いて精製して、エチル 6-メトキシ-2-(ピリジン-2’-イル)ベンズイミダゾール-5-カルボキシレートを、淡褐色固体として得た(268 mg, 87%)。
1H nmr (400 MHz, d4-MeOH + 4滴のd-TFA) δ 1.33, t (J = 7.2 Hz), 3H, COOEt; 3.99, s, 3H, 6-MeO; 4.36, q (J = 7.2 Hz), 2H, COOEt; 7.39, s, 1H, H7; 7.70, ddd (J = 0.8, 4.8, 7.6 Hz), 1H, H5’; 8.12, s, 1H, H4; 8.14, m (obs), H4’; 8.27, dt (J = 8.0, 1.0 Hz), 1H, H3’; 8.88, ddd (J = 1.2, 1.6, 4.6 Hz), 1H, H6’. 13C nmr (125 MHz, d4-MeOH + 3滴のHOAc) δ 14.6, OEt; 56.8, 6-MeO; 62.0, OEt; 97.8, br, C7; 118.3, C5; 120.8, br, C4; 122.4, 126.0, C3’, C5’; 135.1, br, C3a; 138.5, C4’; 142.2, br, C7a; 148.9, C2, C2’ or C6; 150.9, C6’; 154.1, 158.1, C2, C2’ or C6; 168.2, C=O. MS (ESI+ve) m/z 298 (MH+, 100%). HRMS (ESI +ve) m/z 298.1186, C16H16N3O3の理論質量:298.1186 (△= 0 ppm).
(F) 6-メトキシ-2-(ピリジン-2’-イル)ベンズイミダゾール-5-カルボン酸の調製
エチルエステル(248 mg, 0.834 mmol)のエタノール(10 ml)中の溶液に、水酸化カリウム(185 mg, 3.3 mmol)の水(5 ml)中の溶液を添加し、混合物を2時間還流させた。次いで、エタノールを減圧下で除去し、1Mの塩酸溶液を用いて水性層を注意深く酸性(約pH 4)にした。次いで、混合物を酢酸エチル(2 x 20 ml)で抽出し、有機抽出物を塩水で洗浄し、乾燥(MgSO4)し、蒸発させて、6-メトキシ-2-(ピリジン-2’-イル)ベンズイミダゾール-5-カルボン酸を、淡橙色固体として得た。
1H nmr (500 MHz, d4-MeOH + 4滴のd-TFA) δ 4.02, s, 3H, 6-MeO; 7.42, s, 1H, H7; 7.72, dd (J = 4.5, 7.5 Hz), 1H, H5’; 8.16, dt (J = 1.5, 7.8 Hz), 1H, H4’; 8.23, s, 1H, H4; 8.29, dd (J = 0.8, 7.8 Hz), 1H, H3’; 8.90, m, 1H, H6’.
(G) 2-(5’-メトキシ-6’-(5”-(4’’’-メチルピペラジン-1’’’-イル)ベンズイミダゾール-2”-イル)ベンズイミダゾール-2’-イル)ピリジンの調製
2-アミノ-4-(4’-メチルピペラジン-1’-イル)アニリン(64 mg, 0.31 mmol)に、6-メトキシ-2-(ピリジン-2’-イル)ベンズイミダゾール-5-カルボン酸(125 mg, 0.46 mmol, 1.5 eq)を加え、これらの2種の固体を十分に混合した。ポリリン酸(5 g)、次いで五酸化リン(0.8 g)を添加し、混合物を窒素下で180℃に9時間加熱した。室温に冷却した後、水(30 ml)を添加し、暗オリーブ色の懸濁液を、3Mのアンモニア溶液を用いてpH 8〜9の塩基性にした。この褐色の懸濁液を、n-ブタノールで抽出し(2 x 50 ml)、抽出液を水で洗浄(2 x 50 ml)し、蒸発させて、褐色のガラス状物質を得た。この物質を、アルミナ(塩基性, Act I, 25 x 200 mm)を用い、50:3:1の酢酸エチル/メタノール/トリエチルアミンで溶出させるカラムクロマトグラフィーにかけた。有意なUV吸収を有する全てのフラクションを合わせ、蒸発させて、短いシリカゲルカラム(25 x 130 mm)に担持させた。メタノールによる溶出により、2-(5’-メトキシ-6’-(5”-(4’’’-メチルピペラジン-1’’’-イル)ベンズイミダゾール-2”-イル)ベンズイミダゾール-2’-イル)ピリジンが黄色粉末として得られた(37 mg, 27%)。mp 190〜195℃。
1H nmr (400 MHz, d4-MeOH + 4滴のd-TFA) δ 3.01, s, 3H, 4’’’-MeN; 3.21, t (J = 12.0 Hz), 2H, NCH2; 3.35, m (obs), NCH2; 3.68, d (J = 12.4 Hz), 2H, NCH2; 3.96, d (J = 13.6 Hz), 2H, NCH2; 4.23, s, 3H, 5’-MeO; 7.35, d (J = 2.0 Hz), 1H, H4”; 7.44, dd (J = 2.0, 9.2 Hz), 1H, H6”; 7.63, s, 1H, H4’; 7.70, ddd (J = 1.2, 4.8, 7.6 Hz), 1H, H5; 7.77, d (J = 9.2 Hz), 1H, H7”; 8.15, dt (J = 1.6, 7.8 Hz), 1H, H4; 8.39, br d (J = 8.0 Hz), 1H, H3; 8.52, s, 1H, H7’; 8.88, br d (J = 4.0 Hz), 1H, H6. 13C nmr (125 MHz, d4-MeOH + 3滴のHOAc) δ 43.7, 4’’’-MeN; 49.4, C2’’’/6’’’; 54.8, C3’’’/5’’’; 56.8, 5’-OMe; 97.9, C4’; 102.5, C4”; 113.4, C6’; 116.1, 117.6, C6”, C7”; 118.5, C7’; 122.7, C3; 126.2, C5; 132.3, C7a”; 135.8, C7a’; 137.7, C3a”; 138.6, C4; 142.3, C3a’; 148.9, 149.0, C2 and C5”; 150.3, C2’, C2” or C5’; 150.9, C6; 154.4, 156.5, C2’, C2” or C5’. MS (ESI +ve) m/z 440 (MH+, 100%). HRMS (ESI +ve) m/z 440.21927, C25H26N7Oの理論質量:440.21933 (△= 0.1 ppm).
細胞毒性および放射線防護性の結果
C50 = 112.0
PF = 23.6
DMFm = 1.56
DMF10 = 1.32
[実施例33]:2-(5’-(5”-(4’’’-イソプロピルピペラジン-1’’’-イル)ベンズイミダゾール-2”-イル)ベンズイミダゾール-2’-イル)ピリジン
(A) 5-(4-イソプロピルピペラジン-1-イル)-2-ニトロフェニルアミンの調製
5-クロロ-2-ニトロアニリン(1.35 g, 7.8 mmol)、1-イソプロピルピペラジン(2.0 g, 15.6 mmol)、および無水炭酸カリウム(1.18 g, 8.6 mmol)のN,N-ジメチルアセトアミド(2.5 ml)中の混合物を、130℃、窒素下で1日間撹拌した。サンプルのNMR分析により、出発物質が完全に変換されていることが分かった。次いで、得られた混合物を室温に冷却し、冷水に注ぎ、激しく3時間撹拌した。得られた褐色沈殿物を濾過によって集め、水で十分に洗浄した後、濾過用漏斗上で乾燥させた。得られた褐色個体をジエチルエーテル中でスラリー化し、ろ過し、さらなるジエチルエーテルで洗浄し、乾燥して、5-(4-イソプロピルピペラジン-1-イル)-2-ニトロ-フェニルアミンを得た(1.1 g, 53 %)。これを、さらに精製することなく次の工程に用いた。
1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ 1.0, d (J=6.6 Hz), 6H; 2.6, m, 4H; 2.17, m, 1H; 3.3, m, 4H; 5.9, d, (J=3.54 Hz), 1H; 6.1, s (broad), 2H; 6.24, dd (J=2.3, 7.4 Hz), 1H; 7.96, d (J=10.8 Hz)
(B) 4-[5-(4-イソプロピルピペラジン-1-イル)-1H-ベンズイミダゾール-2-イル]-2-ニトロ-フェニルアミンの調製
(i) 水素化
5-(4-イソプロピルピペラジン-1-イル)-2-ニトロ-フェニルアミン(1.1 g, 4.2 mmol)の1:1の酢酸/エタノール(100 ml)中の溶液に、窒素下で、5%の活性炭担持パラジウム(0.32 g)を添加した。得られた混合物を脱気し、次いで、水素雰囲気下、室温にて1日間撹拌した。次いで、この反応混合物を、窒素雰囲気下で、セライトを通して直接濾過して、エチル 4-アミノ-3-ニトロベンゼンカルボキシイミダート塩酸塩(7) (1.02 g, 4.2 mmol)が入った丸底フラスコに入れ、カップリング工程に用いた。
(ii) カップリング反応
工程(i)から得られたスラリーを、窒素下、80〜90℃で17時間加熱した後、室温に冷却し、溶媒をロータリーエバポレーターで除去した。得られた粘度が高い暗赤色オイルを、希アンモニア水溶液(水中5%、20 ml)で処理し、激しく混合し、一晩4℃に保った。次いで、上清をデカンテーションし、残渣をさらなる水で洗浄した。得られた個体をろ過し、ろ過漏斗上で乾燥したあと、ジエチルエーテルで洗浄した。これにより、粗生成物がレンガ色粉末として1 g得られた(粗収率62%)。この物質を、さらに精製することなく次の工程に直接用いた。
1H NMR (400 MHz, DMSO-d6 + TFA 1滴) δ 1.25, d (J=6.6Hz), 6H; 3.1, m, 2H; 3.19, m, 2H; 3.5, m, 3H; 3.90, m, 2H; 7.12, d (J=1.95Hz); 7.19, d (J=8.99 Hz) 1H; 7.28, dd, (J=1.95, 7.7 Hz), 1H; 7.62, d (J=8.99Hz), 8.3 dd (J=1.15, 7.03Hz), 1H; 8.9 d(J=2.15Hz), 1H.
(C) 2-(5’-(5”-(4’’’-イソプロピルピペラジン-1’’’-イル)ベンズイミダゾール-2”-イル)ベンズイミダゾール-2’-イル)ピリジンの調製
(i) 水素化
4-[5-(4-イソプロピルピペラジン-1-イル)-1H-ベンズイミダゾール-2-yl]-2-ニトロ-フェニルアミン(500 mg, 1.3 mmol)の4:1の酢酸エチル/メタノール(50 ml)中の溶液に、5%の活性炭担持パラジウム(120 mg)を添加し、混合物をまず脱気した後、水素雰囲気下、室温で1日撹拌した。反応混合物をセライトを通して濾過し、メタノールで洗浄し、合わせた濾液および洗液を濃縮して、粗4-[5-(4-イソプロピルピペラジン-1-イル)-1H-ベンズイミダゾール-2-yl]-ベンゼン-1, 2-ジアミンを、橙色固体として得、精製することなく次の工程に用いた。
(ii) カップリング反応
粗4-[5-(4-イソプロピルピペラジン-1-イル)-1H-ベンズイミダゾール-2-yl]- ベンゼン-1, 2-ジアミン (1.3 mmol, 上記(i)のとおりに調製したもの)を、メタノール(20 ml)に溶解させた。これに、直前にメタノール(2 mL)中のナトリウムメトキシド(0.195 mmol)で処理(窒素下、40℃にて1時間)した2-シアノピリジン(203 mg, 1.95 mmol)の溶液を添加した。この混合物に、次に、酢酸(0.28 ml, 4.9 mmol)を添加した。
この混合物を、窒素下で1日間80℃に加熱した後、室温に冷却し、溶媒を減圧下で除去した。次いで、残渣を5%アンモニア水溶液で処理し、2日間5℃に置き、水性層をデカンテーションし、水で十分に洗浄した。得られた個体を濾過し、水で十分に洗浄し、ろ過漏斗上で乾燥し、アセトニトリルで洗浄した。これにより、生成物が暗赤色粉末として400 mg得られた(収率70%)。
MP: 188-191℃
1H NMR (400 MHz, CD3OD+ TFA 2 drops) δ 1.4, d (J=6.6Hz), 6H, C(CH 3)2; 3.18, m, 2H, NCH2; 3.34, m, 2H, NCH2; 3.6, m, 3H, NCH2 , HC(CH3)2 ; 4.0, m, 2H, NCH2; 7.30, d (J=2.15Hz), 1H; 7.4, dd (J=2.15, 6.84Hz), 1H; 7.61, m, 1H; 7.72, d (J=9.18Hz), 1H; 8.00, d (J = 8.6 Hz), 1H; 8.04-8.14, m, 2H; 8.39, d (J = 8.0 Hz), 1H; 8.52, d (J = 1.5 Hz), 1H; 8.82, d (J = 4.7 Hz), 1H.
13C NMR (100 MHz, CD3OD+HOAc 1滴) δ 15.9, 48.2, 48.4, 57.8, 101.7, 113.9, 115.3, 115.4, 115.7, 121.6, 122.0, 124.1, 124.9, 134.2, 137.2, 138.6, 139.4, 140.3, 147.1, 147.7, 149.7, 152.3, 153.0
細胞毒性および放射線防護性の結果
C50 = 100.8
PF = 17.4
DMFm = 2.04
DMF10 = 1.87
[実施例34]:2-(5’-(5”-(4’’’-ブチルピペラジン-1’’’-イル)ベンズイミダゾール-2”-イル)ベンズイミダゾール-2’-イル)ピリジン
(A) 5-(4-ブチルピペラジン-1-イル)-2-ニトロ-フェニルアミンの調製
5-クロロ-2-ニトロアニリン(4.05 g, 23.5 mmol)、1-n-ブチルピペラジン(10.0 g, 70 mmol)、および無水炭酸カリウム(3.6 g, 26 mmol)のN,N-ジメチルアセトアミド(10 ml)中の混合物を、窒素下、13℃で1日間撹拌した。サンプルのNMR分析により、出発物質が完全に変換されたことが分かった。次いで、得られた混合物を室温に冷却し、冷水に注ぎ、3時間激しく撹拌した。得られた黄褐色沈殿を濾過によって集め、水で洗浄した後、濾過漏斗上で乾燥させた。得られた黄褐色個体を、ジエチルエーテル中でスラリー化し、濾過し、さらなるジエチルエーテルで洗浄し、乾燥して、5-(4-ブチルピペラジン-1-イル)-2-ニトロ-フェニルアミンを黄色粉末として得(4.4 g, 67 %)、さらに精製することなく次の工程に用いた。
1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ 0.9, t (J=7.43Hz), 3H, CH 3CH2CH2CH2; 1.3, m, 2H, CH3CH 2CH2CH2; 1.5, m, 2H, CH3CH2CH 2CH2; 2.3, t (J=7.62Hz), 2H, CH3CH2CH2CH 2; 3.0-3.4, m, 6H, CH3CH2CH2CH 2+2(NCH2); 2.5, m, 4H, 2(NCH2); 3.5, m, 4H, 2(NCH2)
(B) 4-[5-(4-ブチルピペラジン-1-イル)-1H-benzoimidazol-2-yl]-2-ニトロ-フェニルアミンの調製
(i) 水素化
5-(4-ブチルピペラジン-1-イル)-2-ニトロ-フェニルアミン(2.0 g, 7.1 mmol)の1:1の酢酸/エタノール(100 ml)中の溶液に、窒素下、5%の活性炭担持パラジウムを添加した。得られた混合物を脱気した後、水素雰囲気下、室温で1日間撹拌した。次いで、この反応混合物を、窒素下で、セライトを通して直接濾過してエチル 4-アミノ-3-ニトロベンゼンカルボキシイミダート塩酸塩(7) (1.77 g, 7.1 mmol)が入った丸底フラスコに入れ、次のカップリング工程に手順を進めた。
(ii) カップリング反応
工程(i)から得られたスラリーを、窒素下で17時間90℃に撹拌した後、室温に冷却し、溶媒をロータリーエバポレーターで除去した。得られた粘度の高い暗赤色のガム状物を、希アンモニア水溶液(5% in water, 20 ml)で処理し、激しく混合し、2日間4℃に置いた。次いで、上清をデカンテーションし、残渣をさらなる水で洗浄した。得られた固体を濾過し、濾過漏斗上で乾燥した後、ジエチルエーテルで洗浄した。これにより、粗生成物が暗赤色粉末として2.45 g得られた(粗収率87.5%)。この物質を、さらに精製することなく次の工程に用いた。
1H NMR (400 MHz, DMSO-d6 + TFA 1滴) δ 0.9, t (J=7.43Hz), 3H, CH 3CH2CH2CH2; 1.3, m, 2H, CH3CH 2CH2CH2; 1.6, m, 2H, CH3CH2CH 2CH2; 3.0-3.4, m, 6H, CH3CH2CH2CH 2+ N(CH2)2; 3.55, m, 2H, NCH2; 3.85, m, 2H, NCH2; 7.1, s , 1H; 7.19, d (J=8.99 Hz) 1H; 7.26, crude dd, , 1H; 7.61, d (J=8.99Hz); 8.1 crude d, 1H; 8.9 d(J=2.15Hz), 1H.
(C) 2-(5’-(5”-(4’’’-ブチルピペラジン-1’’’-イル)ベンズイミダゾール-2”-イル)ベンズイミダゾール-2’-イル)ピリジンの調製
(i) 水素化
4-[5-(4-ブチルピペラジン-1-イル)-1H-ベンズイミダゾール-2-イル]-2-ニトロ-フェニルアミン(1.0g, 2.5 mmol)の4:1の酢酸エチル/メタノール(100 ml)中の溶液に、窒素下で、5%の活性炭担持パラジウム(120 mg)を添加し、混合物を最初に脱気した後、水素雰囲気下、室温で1日間撹拌した。次いで、この反応混合物を、セライトを通してろ過し、1:1の酢酸エチル/メタノール(10 mL)で洗浄し、合わせた濾液および洗液を濃縮して、粗4-[5-(4-ブチルピペラジン-1-イル)-1H-ベンズイミダゾール-2-イル]-ベンゼン-1,2-ジアミンを、橙色固体として得た。これを精製することなく次の工程に用いた。
(ii) カップリング反応
粗4-[5-(4-ブチルピペラジン-1-イル)-1H-ベンズイミダゾール-2-イル]-ベンゼン-1,2-ジアミン(2.5 mmol, 上記(i)で調製したもの)を、メタノール(40 ml)に溶解させた。これに、直前にメタノール(4 mL)中のナトリウムメトキシド(0.375 mmol)で処理(窒素下、40℃にて1時間)した2-シアノピリジン(390 mg, 3.75 mmol)の溶液を添加した。この混合物に、次に、酢酸(0.537 ml, 9.4 mmol)を添加した。
この混合物を、窒素下で一晩80℃に加熱した後、室温に冷却し、溶媒を減圧下で除去した。次いで、残渣を5%アンモニア水溶液で処理し、2日間5℃に置き、水性層をデカンテーションし、水で十分に洗浄した。得られた赤色個体を濾過し、水で十分に洗浄し、ろ過漏斗上で乾燥し、アセトニトリルで洗浄した。これにより、粗生成物がレンガ橙色粉末として得られた。これを、アセトニトリル(20mL)中で2日間スラリー化し、濾過し、乾燥させて、生成物をレンガ橙色粉末として500 mg得た(収率44.6%)。
MP (impure): 142-145oC (分解)
1H NMR (400 MHz, CD3OD+ TFA 2 drops) δ 1.0, t, 3H, CH 3CH2CH2CH2; 1.4, m, 2H, CH3CH 2CH2CH2; 1.8, m, 2H, CH3CH2CH 2CH2; 3.2-3.3, m, 6H, CH3CH2CH2CH 2+ N(CH2)2; 3.7, m, 2H, NCH2; 3.9, m, 2H, NCH2; 7.30, d (J=2.15Hz), 1H; 7.4, dd (J=2.35, 6.84Hz), 1H; 7.69-7.74, m, 2H; 8.10, d (J = 8.8 Hz), 1H; 8.15 dt (J=1.76 Hz, 6.25Hz), 1H; 8.24, dd (J=1.6, 7.04 Hz), 1H; 8.4, d (J = 7.82 Hz), 1H; 8.63, m, 1H; 8.88, d (J = 4.9 Hz), 1H.
13C NMR (100 MHz, CD3OD+HOAc 1滴 ) : δ 12.7, 19.7, 26.0, 52.1, 56.7, 102.1, 114.4, 115.3, 115.5, 119.7, 121.6, 122.1, 123.9, 124.6, 125.0, 132.9, 134.5, 137.4, 139.3, 147.2, 147.8, 149.7, 152.7, 153.1
細胞毒性および放射線防護性の結果
C50 = 47.0
PF = 27.6
DMFm = 2.27
DMF10 = 2.05
[実施例35]:2-(5’-(5”-(2’’’-メトキシエチルアミノ)ベンズイミダゾール-2”-イル)ベンズイミダゾール-2’-イル)ピリジン
(A) N1-(2-メトキシエチル)-4-ニトロ-ベンゼン-1,3-ジアミンの調製
5-クロロ-2-ニトロアニリン(21.6 g, 125 mmol)、2-メトキシエチルアミン(28.1 g, 375 mmol)、および無水炭酸カリウム(18.9 g, 137 mmol)のN,N-ジメチルアセトアミド(40 ml)中の混合物を、窒素下、135℃で2日間撹拌した。サンプルのNMR分析により、出発物質が完全に変換されたことが分かった。次いで、得られた混合物を室温に冷却し、冷水に注ぎ、30分間激しく撹拌した。得られた沈殿を濾過によって集め、水で洗浄した後、濾過漏斗上で乾燥させた。得られた個体を、ジエチルエーテル中でスラリー化し、濾過し、さらなるジエチルエーテルで洗浄し、乾燥して、N1-(2-メトキシエチル)-4-ニトロ-ベンゼン-1,3-ジアミンを黄色〜橙色の粉末として得(16 g, 61 %)、さらに精製することなく次の工程に用いた。
1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ 3.27, dd (J=5.3, 5.3 Hz), 2H; 3.56, t (J=5.1 Hz), 2H; 5.65, d, (J=2.35 Hz), 1H; 5.92, dd (J=2.4, 7.0 Hz), 1H; 6.1, s (broad), 2H; 7.91, d (J=9.4 Hz)
(B) [2-(4-アミノ-3-ニトロ-フェニル)-1H-ベンズイミダゾール-5-イル]-(2-メトキシエチル)-アミンの調製
(i) 水素化
N1-(2-メトキシエチル)-4-ニトロ-ベンゼン-1,3-ジアミン(1.25 g, 5.9 mmol)の1:2の酢酸 /エタノール(50 ml)中の溶液に、窒素下で、5%の活性炭担持パラジウム(0.20 g)を添加した。得られた混合物を脱気した後、水素雰囲気下、室温で1日間撹拌した。次いで、この反応混合物を、セライトを通して直接ろ過して丸底フラスコに移した。これによって、(約4.7 mmolの還元された物質を含む)溶液40 mLを、エチル 4-アミノ-3-ニトロベンゼンカルボキシイミダート塩酸塩(7) (1.16 g, 4.7 mmol)が入った丸底フラスコに移し、次のカップリング工程に手順を進めた。
(ii) カップリング反応
工程(i)から得られたスラリーを、窒素下、90℃で17時間加熱した後、室温に冷却し、溶媒をロータリーエバポレーターで除去した。得られた粘度が高い赤色ガム状物を、希アンモニア水溶液(水中5%, 50 ml)で処理し、激しく混合し、2日間4℃に置いた。次いで、上清をデカンテーションし、残渣をさらなる水で洗浄した。得られた固体を濾過し、濾過漏斗上で乾燥した後、ジエチルエーテルで洗浄した。これにより、粗生成物が暗赤色粉末として1.1 g得られた(粗収率72 %)。この物質を、さらに精製することなく次の工程に直接用いた。
1H NMR (400 MHz, DMSO-d6 + TFA 1滴) δ 3.3, crude t, 2H; 3.48, crude t, 2H; 7.03, s 1H; 7.06, d (J=8.8 Hz), 1H; 7.16, d, (J=8.9 Hz), 1H; 7.52, d (J=8.8Hz), 8.0 dd (J=1.6, 7.4Hz), 1H; 8.85 d(J=1.8Hz), 1H.
(C) 2-(5’-(5”-(2’’’-メトキシエチルアミノ)ベンズイミダゾール-2”-イル)ベンズイミダゾール-2’-イル)ピリジンの調製
(i) 水素化
[2-(4-アミノ-3-ニトロ-フェニル)-1H-ベンズイミダゾール-5-イル]-(2-メトキシエチル)アミン(0.5 g, 1.5 mmol)の4:1の酢酸エチル/メタノール(50 ml)中の溶液に、窒素下で、5%の活性炭担持パラジウム(120 mg)を添加した。得られた混合物を脱気した後、水素雰囲気下、室温で1日間撹拌した。次いで、この反応混合物を、セライトを通してろ過し、1:1の酢酸エチル/メタノール(10 mL)で洗浄し、合わせた濾液および洗液を濃縮して、粗4-[5-(2-メトキシ-エチルアミノ)-1H-ベンズイミダゾール-2-イル]-ベンゼン-1,2-ジアミンを得、これを精製することなく次の工程に用いた。
(ii) カップリング反応
粗4-[5-(2-メトキシ-エチルアミノ)-1H-ベンズイミダゾール-2-イル]-ベンゼン-1,2-ジアミン(1.5 mmol, 上記(i)のとおりに調製したもの)をメタノール(20 ml)に溶解させた。これに、直前にメタノール(3 mL)中のナトリウムメトキシド(0.229 mmol)で処理(窒素下、40℃にて1時間)した2-シアノピリジン(238 mg, 2.29 mmol)の溶液を添加した。この混合物に、次に、酢酸(0.327 ml, 5.7 mmol)を添加した。
この混合物を、窒素下で一晩80℃に加熱した後、室温に冷却し、溶媒を減圧下で除去した。次いで、残渣を5%アンモニア水溶液で処理し、水性層をデカンテーションし、水で十分に洗浄した。得られた黒い半個体を減圧下で乾燥し、アセトニトリル(5 mL)でスラリー化し、得られた固体を濾過した。この固体を、アセトニトリル(10 mL)中で再び一晩スラリー化し、濾過し、乾燥して、生成物を褐色粉末として200 mg得た(単離収率34%)。
MP: 220-225oC
1H NMR (400 MHz, CD3OD+ TFA 2 drops) δ 3.31 , t (J=5.47 Hz), 2H, NCH2; 3.57, t (J=5.47 Hz), 2H, OCH2; 6.86, d (J=1.76 Hz), 1H; 6.96, dd (J=2.15, 6.84 Hz), 1H; 7.46, d (J=8.8 Hz), 1H; 7.5, crude dd, 1H; 7.87, d (J = 8.6Hz), 1H; 7.9-7.96, m, 2H; 8.24, d (J = 5.9 Hz), 1H; 8.28, d (J=1.4 Hz) , 1H; 8.7, d (J=8.0 Hz), 1H.
13C NMR (100 MHz, CD3OD+HOAc 1滴) : δ 44.0, 48.0, 70.9, 94.4, 113.4, 114.0, 115.2, 115.8, 121.6, 121.8, 122.6, 125.1, 128.5, 130.1, 137.3, 138.2, 146.7, 147.4, 149.7, 150.2, 153.3 (芳香族ピーク1つは重なっているかまたは非常に弱い).
細胞毒性および放射線防護性の結果
C50 = 125.7
PF = 21.9
DMFm = 2.19
DMF10 = 1.66
[実施例36]:2-(5’-(5”-チオモルホリノベンズイミダゾール-2”-イル)ベンズイミダゾール-2’-イル)ピリジン
(A) 2-ニトロ-5-チオモルフィン-4-イル-フェニルアミンの調製
5-クロロ-2-ニトロアニリン(5.6 g, 32 mmol)、チオモルホリン(10.0 g, 97 mmol)、および無水炭酸カリウム(4.98 g, 36 mmol)のN,N-ジメチルアセトアミド(10 ml)中の混合物を、窒素下、135℃で1日間加熱した。サンプルのNMR分析により、出発物質が完全に変換されたことが分かった。次いで、得られた混合物を室温に冷却し、冷水に注ぎ、3時間激しく撹拌した。得られた褐色沈殿を濾過によって集め、水で洗浄した後、濾過漏斗上で乾燥させた。得られた褐色個体を、ジエチルエーテル中で洗浄し、濾過し、さらなるジエチルエーテルで洗浄し、乾燥して、2-ニトロ-5-チオモルフィン-4-イル-フェニルアミンを褐色粉末として得(7.0 g, 91.5 %)、さらに精製することなく次の工程に用いた。
1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ 2.6, m, 4H; 3.75 m, 4H; 5.95, d, (J=2.34 Hz), 1H; 6.1, s (broad), 2H; 6.18, dd (J=2.3, 7.3 Hz), 1H; 7.98, d (J=9.6 Hz)
(B) 2-ニトロ-4-(5-チオモルフィン-4-イル-1H-ベンズイミダゾール-2-イル)-フェニルアミンの調製
(i) 水素化
2-ニトロ-5-チオモルフィン-4-イル-フェニルアミン(2.0 g, 8.4 mmol)の1:1の酢酸/エタノール(100 ml)中の溶液に、窒素下で、5%の活性炭担持パラジウム(0.32 g)を添加した。得られた混合物を脱気した後、水素雰囲気下、室温で1日間撹拌した。次いで、この反応混合物を、セライトを通して直接ろ過して、エチル 4-アミノ-3-ニトロベンゼンカルボキシイミダート塩酸塩(7) (2.0 g, 8.1 mmol)が入った丸底フラスコに移し、次のカップリング工程に手順を進めた。
(ii) カップリング反応
工程(i)から得られたスラリーを、窒素下、90℃で17時間加熱した後、室温に冷却し、溶媒をロータリーエバポレーターで除去した。得られた粘度が高い暗赤色オイルを、希アンモニア水溶液(水中5%, 20 ml)で処理し、激しく混合し、2日間4℃に置いた。次いで、上清をデカンテーションし、残渣をさらなる水で洗浄した。得られた固体を濾過し、濾過漏斗上で乾燥した後、ジエチルエーテルで洗浄した。これにより、粗生成物が暗赤色粉末として2.0 g得られた(粗収率66.9%)。この物質を、さらに精製することなく次の工程に直接用いた。
1H NMR (400 MHz, DMSO + TFA 1滴) δ 3.15, m, 4H; 3.5, m, 4H; 7.04, s 1H; 7.18, d (J=9.2 Hz), 1H; 7.23, dd, (J=1.85, 7.2 Hz), 1H; 7.57, d (J=8.9Hz), 8.0 dd (J=2.1, 7.0Hz), 1H; 8.89 d(J=2.15Hz), 1H.
(C) 2-(5’-(5”-チオモルホリノベンズイミダゾール-2”-イル)ベンズイミダゾール-2’-イル)ピリジンの調製
(i) 水素化
2-ニトロ-4-(5-チオモルフィン-4-イル-1H-ベンズイミダゾール-2-イル)-フェニルアミン(1.0g, 2.8 mmol)の4:1の酢酸エチル/メタノール(80 ml)中の溶液に、窒素下で、5%の活性炭担持パラジウム(240 mg)を添加した。得られた混合物を脱気した後、水素雰囲気下、室温で1日間撹拌した。次いで、この反応混合物を、セライトを通してろ過し、1:1の酢酸エチル/メタノール(10 mL)で洗浄し、合わせた濾液および洗液を濃縮して、粗4-(5-チオモルフィン-4-イル-1H-ベンズイミダゾール-2-イル)-ベンゼン-1,2-ジアミンを得、これを精製することなく次の工程に用いた。
(ii) カップリング反応
粗4-(5-チオモルフィン-4-イル-1H-ベンズイミダゾール-2-イル)-ベンゼン-1,2-ジアミンをメタノール (40 ml)に溶解させた。これに、直前にメタノール(4 mL)中のナトリウムメトキシド(0.42 mmol)で処理(窒素下、40℃にて1時間)した2-シアノピリジン(427mg, 4.2 mmol)の溶液を添加した。この混合物に、酢酸(0.6 ml, 10.5 mmol)を添加した。
この混合物を、窒素下で一晩80℃に加熱した後、室温に冷却し、溶媒を減圧下で除去した。次いで、残渣を5%アンモニア水溶液(60 mL)で処理し、30分後に水性層をデカンテーションしたところ、オイルが固化した。
この固体を水で十分に洗浄し、ろ過し、水で十分に洗浄し、濾過漏斗上で乾燥させた後、さらにアセトニトリルで洗浄した。これを乾燥して、生成物を橙色粉末として900 mg得た(収率77.6%)。
MP: 187-193 oC
1H NMR (400 MHz, CD3OD+ TFA 2 drops) δ 2.9 , m, 4H, S(CH2)2; 3.7, m, 4H, N(CH2)2; 7.48-7.54, m, 2H; 7.70, m, 1H; 7.77, dd (J=0.58, 8.4 Hz), 1H; 8.00, dd (J = 0.58, 8.0 Hz), 1H; 8.15, dt (J=1.76, 7.25 Hz), 1H; 8.24 dd (J=1.56, 7.03Hz), 1H; 8.4, d (J = 7.81 Hz), 1H; 8.61, m , 1H; 8.89, m, 1H.
13C NMR (100 MHz, CD3OD+HOAc 1 drop) : δ 27.0, 54.0, 101.9, 113.9, 115.1, 115.7, 116.7, 121.6, 121.9, 123.7, 124.9, 128.8, 133.3, 137.3, 138.1, 139.5, 140.4, 147.7, 149.7, 151.7, 153.1
細胞毒性および放射線防護性の結果
C50 = 31.3
PF = 16.4
DMFm = 1.53
DMF10 = 1.49
[実施例37]:2-(5’-(5”-(4’’’-(ジメチルカルバモイル)ピペラジン-1’’’-イル)ベンズイミダゾール-2”-イル)ベンズイミダゾール-2’-イル)ピリジン
(A) 4-(3-アミノ-4-ニトロ-フェニル)-ピペラジン-1-カルボン酸 tert-ブチルエステルの調製
(i)
5-クロロ-2-ニトロアニリン(5.0 g, 29 mmol)、ピペラジン-1-カルボン酸 ブチルエステル(17 g, 9.1 mmol)および無水炭酸カリウム(4.4 g, 32 mmol)のN,N-ジメチルアセトアミド(20 ml)中の混合物を、窒素下、120℃で2日間撹拌した。サンプルのNMR分析により、出発物質がほとんど変換されたことが分かった。次いで、得られた混合物を室温に冷却し、冷水(50 mL)に注ぎ、2時間激しく撹拌した。得られた黄色沈殿を濾過によって集め、水で洗浄した後、濾過漏斗上で乾燥させた。得られた黄色個体を、ジエチルエーテル中で洗浄し、濾過し、さらなるジエチルエーテルで洗浄し、乾燥して、4-(3-アミノ-4-ニトロ-フェニル)-ピペラジン-1-カルボン酸 tert-ブチルエステルを黄色粉末として得(8.0 g, 85.7 %)、さらに精製することなく次の工程に用いた。
1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ 1.4, s, 9H; 3.3, m, 4H; 3.45, m, 4H; 5.9, d (J=2.35 Hz), 1H; 6.15, s (broad), 2H; 6.22, dd (J=2.54, 7.23 Hz), 1H; 8.0, d (J=9.57 Hz), 1H
(ii)
4-(3-アミノ-4-ニトロ-フェニル)-ピペラジン-1-カルボン酸 tert-ブチルエステル(40.0g, 120 mmol)を、ジクロロメタン(500 mL)中に溶解させた。これに、トリフルオロ酢酸 (123 g, 1.08 mol)をゆっくりと加えた。一晩撹拌した後、混合物をビーカーに注ぎ、氷中で冷却し、水(100 mL)中に溶解させた水酸化ナトリウム(43.2 g, 1.08 mol)をゆっくりと加えると、生成物の一部が析出した。この混合物を、30分間撹拌した。この固体をろ過し、乾燥させて、生成物13 gを得た。
母液から有機層を分離し、水性層をジクロロメタンで抽出した(3x 100 mL)。合わせた有機層を、無水にし、蒸発させて、9bgのさらなる生成物を得た。合わせた固体により、生成物2-ニトロ-5-ピペラジン-1-イル-フェニルアミン22gが82.5%の収率で得られた。
1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ 2. 6, m, 4H; 3.1, m, 4H; 6.1, s, 1H; 6.25, d (J=8.99 Hz), 1H; 6.12, s (broad), 2H; 8.0, d (J=9.57 Hz), 1H
(iii)
窒素雰囲気下で、トリエチルアミン(0.546 g, 5.4 mmol)を、無水DMF(8 mL)中の2-ニトロ-5-ピペラジン-1-イル-フェニルアミン(1.0 g, 4.5 mmol)に加え、混合物を氷水浴中で冷却した。この反応混合物に、シリンジで、ジメチルカルバミルクロライド(0.581g, 5.4 mmol)をゆっくりと添加し、混合物を室温に戻し、一晩撹拌した。一晩撹拌した後、この反応混合物をゆっくりと冷水(100 mL)に注ぎ、1時間撹拌して生成物を凝固させた。これを濾過し、乾燥させて、生成物4-(3-アミノ-4-ニトロ-フェニル)- ピペラジン-1-カルボン酸 ジメチルアミドを黄色固体として1.2g得た(収率92.4%)。これを、さらに精製することなく用いた。
1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ 2.8, s, 6H; 3.35 , s, 8H; 5.9, d (J=2.74 Hz), 1H; 6.12, s (broad), 2H; 6.22, dd (J=2.54, 7.03 Hz), 1H; 8.0, d (J=9.57 Hz), 1H
(B) 4-[2-(4-アミノ-3-ニトロ-フェニル)-1H-ベンズイミダゾール-5-イル]-ピペラジン-1-カルボン酸 ジメチルアミドの調製
(i) 水素化
4-(3-アミノ-4-ニトロ-フェニル)- ピペラジン-1-カルボン酸 ジメチルアミド(1.2 g, 4.1 mmol)の1:1の酢酸/エタノール(60 ml)中の溶液に、窒素下で、5%の活性炭担持パラジウム(0.175 g)を添加した。得られた混合物を脱気した後、水素雰囲気下、室温で1日間撹拌した。次いで、この反応混合物を、窒素雰囲気下、セライトを通して直接ろ過して、エチル 4-アミノ-3-ニトロベンゼンカルボキシイミダート塩酸塩(7) (1.0 g, 4.1 mmol)が入った丸底フラスコに移し、次のカップリング工程に手順を進めた。
(ii) カップリング反応
工程(i)から得られたスラリーを、窒素下、90℃で24時間加熱した後、室温に冷却し、溶媒をロータリーエバポレーターで除去した。得られた粘度が高い黒色ガム状物を、希アンモニア水溶液(水中5%, 25 ml)で処理し、激しく混合し、1日間4℃に置いた。次いで、上清をデカンテーションし、さらなる水で洗浄した。得られた固体を濾過し、減圧下で乾燥した後、ジエチルエーテル(20 mL)で2日間洗浄およびスラリー化した。これにより、生成物4-[2-(4-アミノ-3-ニトロ-フェニル)-1H-ベンズイミダゾール-5-イル]-ピペラジン-1-カルボン酸 ジメチルアミドが橙色粉末として1.5 g得られた(粗収率89.8%)。この物質を、さらに精製することなく次の工程に直接用いた。
1H NMR (400 MHz, DMSO-d6) δ 2.7, s, 6H; 3.05 , m, 4H; 3.21, m, 4H; 6.87, dd (J=2.15, 6.6 Hz) 1H; 6.92 s, 1H; 7.09, d (J=9.0 Hz), 1H; 7.36, d (J=8.8 Hz), 1H; 7.7, s (broad), 2H; 8.1, dd (J=2.15, 6.84Hz), 1H; 8.7, d (J=2.15 Hz), 1H.
(C) 2-(5’-(5”-(4’’’-(ジメチルカルバモイル)ピペラジン-1’’’-イル)ベンズイミダゾール-2”-イル)ベンズイミダゾール-2’-イル)ピリジンの調製
(i) 水素化
4-[2-(4-アミノ-3-ニトロ-フェニル)-1H-ベンズイミダゾール-5-イル]-ピペラジン-1-カルボン酸 ジメチルアミド(1.0g, 2.4 mmol)の4:1の酢酸エチル/メタノール(100 ml)中の溶液に、窒素下で、5%の活性炭担持パラジウム(240 mg)を添加した。得られた混合物を脱気した後、水素雰囲気下、室温で1日間撹拌した。次いで、この反応混合物を、セライトを通してろ過し、1:1の酢酸エチル/メタノール(10 mL)で洗浄し、合わせた濾液および洗液を濃縮して、粗4-[2-(3,4-ジアミノ-フェニル)-1H-ベンズイミダゾール-5-イル]- ピペラジン-1-カルボン酸 ジメチルアミドを橙色固体として得、これを精製することなく次の工程に用いた。
(ii) カップリング反応
粗4-[2-(3,4-ジアミノ-フェニル)-1H-ベンズイミダゾール-5-イル]-ピペラジン-1-カルボン酸 ジメチルアミド(2.5 mmol, 上記(i)のとおりに調製したもの)を、メタノール(40 ml)に溶解させた。これに、直前にメタノール(3.7 mL)中のナトリウムメトキシド(0.366 mmol)で処理(窒素下、40℃にて1時間)した2-シアノピリジン(380 mg, 3.66 mmol)の溶液を添加した。この混合物に、次に、酢酸(0.52 ml, 9.0 mmol)を添加した。
この混合物を、窒素下で1日間80℃に加熱した後、室温に冷却し、溶媒を減圧下で除去した。次いで、残渣を5%アンモニア水溶液(60 mL)で処理し、2時間の間5℃に置き、水性層をデカンテーションし、水で十分に洗浄した。得られた粘性のある個体を減圧下で乾燥し、アセトニトリル中で2日間スラリー化した。これを濾過することにより、わずかに不純物を含む物質を褐色固体として450 mg得た(粗収率40.5%)。
150 mgのこの物質を、吸引式の焼結漏斗(sinter funnel)上のシリカゲルプラグ(6 cm x 3.5 cm)を通して溶出させた(シリカゲルは、メタノール性アンモニアで最初に処理し、生成物をエタノールで溶出させた)。これにより、生成物2-(5’-(5”-(4’’’-(ジメチルカルバモイル)ピペラジン-1’’’-イル)ベンズイミダゾール-2”-イル)ベンズイミダゾール-2’-イル)ピリジンが、褐色粉末として75 mg得られた。MP: >230 oC。
1H NMR (400 MHz, CD3OD+ HOAc 1滴) δ 2.85, s, 6H, 2(CH3); 3.19 , m, 4H, N(CH2)2; 3.41, m, 4H, N(CH2)2; 7.04-7.12, m, 2H; 7.46, m, 1H 7.77, dd (J=0.39, 9.2 Hz), 1H; 8.00, dd (J = 0.58, 8.9 Hz), 1H; 7.9-7.98, m, 2H; 8.26-8.3, m, 2H; 8.7, m, 1H.
13C NMR (100 MHz), CD3OD+HOAc: δ 37.5, 50.7, 100.8, 114.2, 115.1, 115.6, 115.9, 121,6, 122.0, 123.6, 125.9, 137.4, 137.9, 147.8, 149.1, 149.8, 151.7, 153.3, 165.0 (芳香族ピーク3つが重なっているかまたは非常に弱い)。
細胞毒性および放射線防護性の結果
C50 = 119.9
PF = 34.6
DMFm = 1.82
DMF10 = 1.49
[実施例38]:2-(5’-(5”-((2’’’-メトキシエチル)(メチル)アミノ)ベンズイミダゾール-2”-イル)ベンズイミダゾール-2’-イル)ピリジン
(A) N1-(2-メトキシエチル)-N1-メチル-4-ニトロ-ベンゼン-1,3-ジアミンの調製
5-クロロ-2-ニトロアニリン(2.2 g, 12.7 mmol)、(2-メトキシエチル)-メチル-アミン(3.0 g, 33.7 mmol)、および無水炭酸カリウム(1.93 g, 14 mmol)のN,N-ジメチルアセトアミド(5 ml)中の混合物を、窒素下、115〜120℃で2日間撹拌した。サンプルのNMR分析により、出発物質が完全に変換されたことが分かった。次いで、得られた混合物を室温に冷却し、冷水(20 mL)に注ぎ、5℃で一晩激しく撹拌した。得られた黄褐色沈殿を濾過によって集め、水で十分に洗浄した後、濾過漏斗上で乾燥させた。得られた黄褐色個体を、ジエチルエーテル(20 mL)中で洗浄し、濾過し、さらなるジエチルエーテルで洗浄し、乾燥して、N1-(2-メトキシエチル)-N1-メチル-4-ニトロ-ベンゼン-1,3-ジアミンを黄褐色粉末として得(2.1 g, 72 %)た。
1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ 3.0, s, 3H; 3.35, s, 3H; 3.9, m, 4H; 5.7, d (J=2.54 Hz), 1H; 6.0-6.3および6.22, d + broad s, overlapping, 3 H; 8.0, d (J=9.5 Hz), 1H
(B) [2-(4-アミノ-3-ニトロ-フェニル)-1H-ベンズイミダゾール-5-イル]-(2-メトキシエチル)-メチル-アミンの調製
(i) 水素化
N1-(2-メトキシエチル)-N1-メチル-4-ニトロ-ベンゼン-1,3-ジアミン(1.0 g, 4.4 mmol)の1:1の酢酸 /エタノール(60 ml)中の溶液に、窒素下で、5%の活性炭担持パラジウム(0.075 g)を添加した。得られた混合物を脱気した後、水素雰囲気下、室温で1日間撹拌した。次いで、この反応混合物を、窒素雰囲気下、セライトを通して直接ろ過して、エチル 4-アミノ-3-ニトロベンゼンカルボキシイミダート塩酸塩(7) (1.09 g, 4.4 mmol)が入った丸底フラスコに移し、次の工程の手順を進めた。
(ii) カップリング反応
工程(i)から得られたスラリーを、窒素下、80℃で36時間加熱した後、室温に冷却し、溶媒をロータリーエバポレーターで除去した。得られた粘度が高いガム状物を、希アンモニア水溶液(水中5%, 30 ml)で処理し、激しく混合し、2日間4℃に置いた。次いで、上清をデカンテーションし、さらなる水で洗浄した。得られた固体を濾過し、濾過漏斗上で乾燥した後、ジエチルエーテルでスラリー化した。これにより、粗生成物が粉末として1.0 g得られた(粗収率66.6 %)。この物質を、さらに精製することなく次の工程に直接用いた。
1H NMR (400 MHz, DMSO-d6) δ 2.96, s, 3H; 3.32, s, 3H; 3.42-3.58 two crude m (6H) ; 6.8, m, 2H; 7.07, d (J=8.6 Hz) 1H; 7.39, d (J=9.2 Hz) 1H; 8.0, d (J=9.77 Hz), 1H; 8.7, s 1H
(C) 2-(5’-(5”-((2’’’-メトキシエチル)(メチル)アミノ)ベンズイミダゾール-2”-イル)ベンズイミダゾール-2’-イル)ピリジンの調製
(i) 水素化
[2-(4-アミノ-3-ニトロ-フェニル)-1H-ベンズイミダゾール-5-イル]-(2-メトキシエチル)-メチル-アミン(0.65 g, 1.9 mmol)の4:1の酢酸エチル/メタノール(50 ml)中の溶液に、窒素下で、5%の活性炭担持パラジウム(100 mg)を添加し、混合物を脱気した後、水素雰囲気下、室温で1日間撹拌した。次いで、この反応混合物を、セライトを通してろ過して、1:1の酢酸エチル/メタノール(10 mL)で洗浄し、合わせた濾液および洗液を濃縮して、粗4-{5-[(2-メトキシエチル)-メチル-アミノ]-1H-ベンズイミダゾール-2-イル}-ベンゼン-1, 2-ジアミンを、粘度の高いオイルとして得た。これを、さらに精製することなく次の工程に用いた。
(ii) カップリング反応
粗4-{5-[(2-メトキシエチル)-メチル-アミノ]-1H-ベンズイミダゾール-2-イル}-ベンゼン-1, 2-ジアミン(1.9 mmol, 上記(i)のとおりに調製したもの)を、メタノール(20 ml)に溶解させた。これに、直前にメタノール(2.9 mL)中のナトリウムメトキシド(0.29 mmol)で処理(窒素下、40℃にて1時間)した2-シアノピリジン(297 mg, 2.9 mmol)の溶液を添加した。この混合物に、次に、酢酸(0.415 ml, 7.25 mmol)を添加した。
この混合物を、窒素下で1日間80℃に加熱した後、室温に冷却し、溶媒を減圧下で除去した。次いで、残渣を5%アンモニア水溶液で処理し、一晩5℃に置いた。次いで、水性層をデカンテーションし、残渣を水で洗浄し、減圧下で乾燥した。得られた半個体を、アセトニトリル中で一晩スラリー化して、褐色粉末を得た。これを濾過することにより、わずかに不純物を含む物質を褐色固体として250 mg得た(粗収率38.6%)。
150 mgのこの物質を、吸引式の焼結漏斗上のシリカゲルプラグ(6 cm x 3.5 cm)を通して溶出させた(シリカゲルは、メタノール性アンモニアで最初に処理し、生成物をジクロロメタン中5%のエタノールからジクロロメタン中10%のエタノールまでの勾配で溶出させた)。これにより、生成物2-(5’-(5”-((2’’’-メトキシエチル)(メチル)アミノ)ベンズイミダゾール-2”-イル)ベンズイミダゾール-2’-イル)ピリジンが、暗赤色粉末として59 mg得られた。MP: 150〜155℃。
1H NMR (400 MHz, CD3OD) δ 2.99, s, 3H (NCH3); 3.37, s, 3H (OCH3); 3.51, t, (J=5.66 Hz) (3H) (CH2) ; 3.58, t, (J=5.47 Hz) (3H) (CH2); 6.8-6.9, m, 2H; 7.4-7.5 , m, 2H; 7.7, d (J = 8.2 Hz), 1H; 7.9-8.0, m, 2H; 8.2-8.3, m, 2H; 8.7, d (J=4.7 Hz) , 1H.
13C NMR (100 MHz , CD3OD+HOAc 1滴) : δ 38.8, 53.3, 57.9, 70.2, 95.5, 112.1, 113.9, 114.99, 115.7, 121.6, 121.7, 122.3, 124.9, 130.0, 136.9, 137.2, 140.4, 147.6, 147.7, 149.7, 149.8, 153.2 (1つの芳香族ピークは重なっているかまたは非常に弱い)
細胞毒性および放射線防護性の結果
C50 = 41.2
PF = 8.8
DMFm = 1.55
DMF10 = 1.32
[実施例39]:2-(5’-(5”-(2’’’-(2””-メトキシエトキシ)エチルアミノ)ベンズイミダゾール-2”-イル)ベンズイミダゾール-2’-イル)ピリジン
(A) N1-[2-(2-メトキシエトキシ)-エチル]-4-ニトロ-ベンゼン-1,3-ジアミンの調製
5-クロロ-2-ニトロアニリン(1.6 g, 9.3 mmol)、2-(2-メトキシエトキシ)-エチルアミン(2.0 g, 16.8 mmol)および無水炭酸カリウム(1.38 g, 10 mmol)のN,N-ジメチルアセトアミド(3 ml)中の混合物を、窒素下、120℃で3日間撹拌した。サンプルのNMR分析により、出発物質が80%変換されたことが分かった。次いで、得られた混合物を室温に冷却し、冷水(30 mL)に注ぎ、酢酸エチルで抽出した。有機抽出液を塩水で洗浄し、蒸発させ、乾燥した。得られた橙黄色オイルを、5 cm x 6cmのシリカゲルプラグによるシリカゲル濾過にかけて50%酢酸エチル/石油スピリット(40-60oC)、次いで100% 酢酸エチルで溶出させた。これを蒸発させて、橙色〜赤色の液体1.1 gを得た(収率45.8%)。
1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ 3.2, q (J=5.28 Hz), 2H; 3.34, s, 3H; 3.5, m, 2H; 3.6, m, 2H; 3.65 , t (J=5.1 Hz), 2H; 5.6, d (J=2.54 Hz), 1H; 5.9, dd (J=2.35, 7.03 Hz), 1H, 6.20 broad s , 2H; 7.87, d (J=9.4 Hz), 1H
(B) [2-(4-アミノ-3-ニトロ-フェニル)-1H-ベンズイミダゾール-5-イル]-[2-(2-メトキシエトキシ)-エチル]-アミンの調製
(i) 水素化
N1-[2-(2-メトキシエトキシ)-エチル]-4-ニトロ-ベンゼン-1,3-ジアミン(1.1 g, 4.3 mmol)の1:1の酢酸 /エタノール(60 ml)中の溶液に、窒素下で、5%の活性炭担持パラジウム(0.075 g)を添加した。得られた混合物を脱気した後、水素雰囲気下、室温で1日間撹拌した。この反応混合物を、窒素雰囲気下、セライトを通して直接ろ過して、エチル 4-アミノ-3-ニトロベンゼンカルボキシイミダート塩酸塩(7) (1.00 g, 4.1 mmol)が入った丸底フラスコに移し、次のカップリング工程に手順を進めた。
(ii) カップリング反応
工程(i)から得られたスラリーを、窒素下、80℃で17時間加熱した後、室温に冷却し、溶媒をロータリーエバポレーターで除去した。得られた粘度が高いオイルを、希アンモニア水溶液(水中5%, 30 ml)で処理し、激しく混合し、一晩4℃に置いた。次いで、上清をデカンテーションし、さらなる水で洗浄した。得られた半固体を減圧下で乾燥し、ジエチルエーテル(150 mL)で1時間スラリー化した。生成物がまだ半固体の形態(1.4g, 88% crude yield)であったため、この物質を、さらなる精製を試みることなく次の工程に直接用いた。
1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ 3.17 t (J=5.7 Hz), 2H; 3.2, s, 3H; 3.4, m, 2H; 3.5, m, 2H; 3.56 , t (J=6.1 Hz), 2H; 6.55, m, 2H; 7.1, d (J=8.8 Hz), 1H, 7.24, d (J=9.18 Hz), 8.64 , d (J=2.14 Hz), 1H
(C) 2-(5’-(5”-(2’’’-(2””-メトキシエトキシ)エチルアミノ)ベンズイミダゾール-2”-イル)ベンズイミダゾール-2’-イル)ピリジンの調製
(i) 水素化
[2-(4-アミノ-3-ニトロ-フェニル)-1H-ベンズイミダゾール-5-イル]-(2-メトキシエチル)-メチル-アミン(0.8 g, 2.1 mmol)の4:1の酢酸エチル/メタノール(50 ml)中の溶液に、窒素下で、5%の活性炭担持パラジウム(100 mg)を添加し、混合物を脱気した後、水素雰囲気下、室温で1日間撹拌した。次いで、この反応混合物を、セライトを通してろ過して、1:1の酢酸エチル/メタノール(10 mL)で洗浄し、合わせた濾液および洗液を濃縮して、粗4-{5-[2-(2-メトキシエトキシ)-エチルアミノ]-1H-ベンズイミダゾール-2-イル}-ベンゼン-1,2-ジアミンを、粘度の高いオイルとして得た。これを、さらに精製することなく次の工程に用いた。
(ii) カップリング反応
粗4-{5-[2-(2-メトキシエトキシ)-エチルアミノ]-1H-ベンズイミダゾール-2-yl}-ベンゼン-1, 2-dジアミン(2.1 mmol, 上記(i)のとおりに調製したもの)を、メタノール(25 ml)に溶解させた。これに、直前にメタノール(2.9 mL)中のナトリウムメトキシド(0.32 mmol)で処理(窒素下、40℃にて1時間)した2-シアノピリジン(336 mg, 3.2 mmol)の溶液を添加した。この混合物に、次に、酢酸(0.46 ml, 8.0 mmol)を添加した。
この混合物を、窒素下で1日間80℃に加熱した後、室温に冷却し、溶媒を減圧下で除去した。次いで、残渣を5%アンモニア水溶液で処理し、3時間5℃に置いた。次いで、水性層をデカンテーションし、残渣を水で洗浄し、減圧下で乾燥した。得られた半個体を、ジエチルエーテル中でまずスラリー化した後、アセトニトリルで一晩スラリー化した。これを濾過することにより、わずかに不純物を含む物質を褐色粉末として得た(粗収率49 %)。
100 mgのこの物質を、吸引式の焼結漏斗上のシリカゲルプラグ(6 cm x 3.5 cm)を通して溶出させた(生成物をジクロロメタン中2%のエタノールからジクロロメタン中120%のエタノールまでの勾配で溶出させた)。これにより、生成物2-(5’-(5”-(2’’’-(2””-メトキシエトキシ)エチルアミノ)ベンズイミダゾール-2”-イル)ベンズイミダゾール-2’-イル)ピリジンが、暗赤褐色粉末として25 mg得られた。MP: 183〜186℃。
MP: 183〜186 oC
1H NMR (400 MHz, CD3OD) δ 3.3, m, 2H , (CH2); 3.39, s, 3H, (CH3) ; 3.59, m, 2H, (CH2) ; 3.6 , m, 2H, (CH2); 3.7, t (J=5.5 Hz), 2H, (CH2); 6.7, dd (J=1.56, 7.2 Hz), 1H; 6.8, s, 1H; 7.4 , d (J=8.6 Hz), 1H; 7.44, crude t, 1H; 7.72, d (J = 8.4 Hz), 1H; 7.88-7.98 , m, 2H; 8.2-8.3, m, 2H; 8.7, crude d, 1H.
13C NMR (100 MHz, CD3OD+ 1drop HOAc): 44.0, 57.9, 69.4, 69.9, 71.8, 94.3, 113.1, 113.6, 115.1, 115.7, 121.5, 122.5, 124.8, 128.4, 137.0, 138.2, 139.1, 140.3, 143.8, 146.4, 147.4, 149.5, 150.1, 152.9,
細胞毒性および放射線防護性の結果
C50 = 173.0
PF = 171.5
DMFm = 2.70
DMF10 = 1.50
[実施例40]:2-(5’-(5”-(4’’’-(2””-メトキシエチル)ピペラジン-1’’’-イル)ベンズイミダゾール-2”-イル)ベンズイミダゾール-2’-イル)ピリジン
(A) 5-[4-(2-メトキシエチル)-ピペラジン-1-イル]-2-ニトロ-フェニルアミンの調製
5-クロロ-2-ニトロアニリン(1.4 g, 8.1 mmol)、1-(2-メトキシエチル)-ピペラジン(2.0 g, 14.0 mmol)、および無水炭酸カリウム(1.38 g, 10.0 mmol)のN,N-ジメチルアセトアミド(3 ml)中の混合物を、窒素下、120〜130℃で1日間撹拌した。サンプルのNMR分析により、出発物質が完全に変換されたことが分かった。次いで、得られた混合物を室温に冷却し、冷水(15 mL)に注ぎ、激しく撹拌した。得られた黄褐色沈殿を濾過によって集め、塩水で洗浄し、濾過漏斗上で乾燥した。得られた黄褐色固体を、ジエチルエーテル(20 mL)中でスラリー化し、濾過し、洗浄し、さらなるジエチルエーテルで洗浄し、乾燥させて、5-[4-(2-メトキシエチル)-ピペラジン-1-yl]-2-ニトロ-ジフェニルアミンを、黄褐色粉末として得た(1.7 g, 75 %)。
1H NMR (400 MHz, DMSO-d6) δ 2.40-2.50, m, 6H; 3.19, s, 3H; 3.25, m, 4H; 3.41, t (J=5.9 Hz), 2H; 6.16, d (J=2.7 Hz), 1H; 6.34, dd (J=2.54, 7.23 Hz), 1H, 7.20 broad s , 2H; 7.76, d (J=9.8 Hz), 1H
(B) 4-{5-[4-(2-メトキシエチル)-ピペラジン-1-イル]-1H-ベンズイミダゾール-2-イル}-2-ニトロ-フェニルアミンの調製
(i) 水素化
5-[4-(2-メトキシエチル)-ピペラジン-1-イル]-2-ニトロ-フェニルアミン(1.0 g, 3.6 mmol)の1:1の酢酸/エタノール(60 ml)中の溶液に、窒素下で、5%の活性炭担持パラジウム(0.075 g)を添加した。得られた混合物を脱気した後、水素雰囲気下、室温で1日間撹拌した。次いで、この反応混合物を、窒素雰囲気下、セライトを通して直接ろ過して、エチル 4-アミノ-3-ニトロベンゼンカルボキシイミダート塩酸塩(7) (0.83 g, 3.4 mmol)が入った丸底フラスコに移し、次のカップリング反応に手順を進めた。
(ii) カップリング反応
工程(i)から得られたスラリーを、窒素下、80℃で24時間加熱した後、室温に冷却し、溶媒をロータリーエバポレーターで除去した。得られた粘度が高いガム状物を、希アンモニア水溶液(水中5%, 30 ml)で処理し、激しく混合し、1日間4℃に置いた。次いで、上清をデカンテーションし、残渣をさらなる水で洗浄した。得られた固体をろ過し、濾過漏斗上で乾燥した後、ジエチルエーテルでスラリー化した。これにより、粗生成物が、橙色粉末として1.0 g得られた(粗収率74.6 %)。この物質を、さらに精製することなく次の工程に直接用いた。
1H NMR (400 MHz, DMSO-d6) δ 2.40-2.60, m, 6H; 3.0-3.10, m, 4H; 3.20, s, 3H; 3.42, t (J=5.9 Hz), 2H; 8.7, m, 1H, 8.1, d (J=9.18 Hz), 1H; 7.4, d (J=8.6 Hz), 1H; 7.1 (d (J=8.9 Hz), 6.8-6.9, m, 2H
(C) 2-(5’-(5”-(4’’’-(2””-メトキシエチル)ピペラジン-1’’’-イル)ベンズイミダゾール-2”-イル)ベンズイミダゾール-2’-イル)ピリジンの調製
(i) 水素化
4-{5-[4-(2-メトキシエチル)-ピペラジン-1-イル]-1H-ベンズイミダゾール-2-イル}-2-ニトロ-フェニルアミン(0.5 g, 1.2 mmol)の4:1の酢酸エチル/メタノール(60 ml)中の溶液に、窒素下で、5%の活性炭担持パラジウム(100 mg)を添加し、混合物をまず脱気した後、水素雰囲気下、室温で1日間撹拌した。次いで、この反応混合物を、セライトを通してろ過して、1:1の酢酸エチル/メタノール(10 mL)で洗浄し、合わせた濾液および洗液を濃縮して、粗4-{5-[4-(2-メトキシエチル)-ピペラジン-1-イル]-1H-ベンズイミダゾール-2-イル}-ベンゼン-1,2-ジアミンを、粘度の高いオイルとして得た。これを、さらに精製することなく次の工程に用いた。
(ii) カップリング反応
粗4-{5-[4-(2-メトキシエチル)-ピペラジン-1-イル]-1H-ベンズイミダゾール-2-イル}-ベンゼン-1,2-ジアミン(1.2 mmol, 上記(i)のとおりに調製したもの)を、メタノール(20 ml)に溶解させた。これに、直前にメタノール(1.8 mL)中のナトリウムメトキシド(0.18 mmol)で処理(窒素下、40℃にて1時間)した2-シアノピリジン(190 mg, 1.8 mmol)の溶液を添加した。この混合物に、次に、酢酸(0.26 ml, 4.6 mmol)を添加した。
この混合物を、窒素下で1日間80℃に加熱した後、室温に冷却し、溶媒を減圧下で除去した。次いで、残渣を5%アンモニア水溶液で処理し、一晩5℃に置いた。次いで、水性層をデカンテーションし、残渣を水で洗浄し、減圧下で乾燥した。得られた半個体を、アセトニトリルで2日間にわたってスラリー化すると、淡褐色粉末が得られた。これを濾過し、アセトニトリルで洗浄することにより、生成物2-(5’-(5”-(4’’’-(2””-メトキシエチル)ピペラジン-1’’’-イル)ベンズイミダゾール-2”-イル)ベンズイミダゾール-2’-イル)ピリジンを淡褐色粉末として得た(収率55.1%)。MP: 164〜166℃。
1H NMR (400 MHz, CD3OD) δ 2.62, t (J=5.7 Hz), 2H, CH2; 2.70, m, 4H, N(CH2)2; 3.0-3.10, m, 4H, N(CH2)2; 3.20, s, 3H; 3.42, t (J=5.4 Hz), 2H; 7.0, dd (J=2.15, 6.64 Hz), 1H; 7.08 , s, 1H; 7.4-7.5 , m, 2H; 7.7, d (J = 8.0 Hz), 1H; 7.9-8.0, m, 2H; 8.2-8.3, m, 2H; 8.69, crude d, 1H.
13C NMR (100 MHz, CD3OD+ 1drop HOAc): δ 49.3, 52.9, 56.8, 57.9, 68.2, 101.1, 113.7, 115.1, 115.4, 115.7, 121.5, 121.9, 124.8, 134.4, 137.1, 138.7, 139.3, 140.2, 147.7, 147.8, 149.6, 152.1, 152.8 (芳香族ピーク1つは重なっているかまたは非常に弱い)
細胞毒性および放射線防護性の結果
C50 = 80.7
PF = 20.2
DMFm = 1.98
DMF10 = 1.77
[実施例41]:2-(5’-(5”-(4’’’-(2””-ヒドロキシエチル)ピペラジン-1’’’-イル)ベンズイミダゾール-2”-イル)ベンズイミダゾール-2’-イル)ピリジン
(A) 2-[4-(3-アミノ-4-ニトロ-フェニル)-ピペラジン-1-イル]-エタノールの調製
5-クロロ-2-ニトロアニリン(5.0 g, 29.0 mmol)、2-ピペラジン-1-イル-エタノール(11.3 g, 87.0 mmol)、および無水炭酸カリウム(4.4 g, 31 mmol)のN,N-ジメチルアセトアミド(10 ml)中の混合物を、窒素下、120〜125℃で1日間撹拌した。サンプルのNMR分析により、出発物質が完全に変換されたことが分かった。次いで、得られた混合物を室温に冷却し、冷水(30 mL)に注ぎ、激しく撹拌し、一晩5℃に冷却した。得られた黄色沈殿を濾過によって集め、水で十分に洗浄し、濾過漏斗上で乾燥した。得られた黄褐色固体を、ジエチルエーテル(30 mL)中でスラリー化し、濾過し、洗浄し、さらなるジエチルエーテルで洗浄し、乾燥させて、2-[4-(3-アミノ-4-ニトロ-フェニル)-ピペラジン-1-イル]-エタノールを、黄色粉末として得た(6.0 g, 77 %)。
1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ 2.50-2.60, m, 6H; 3.30, m, 4H; 3.60, m, 2H; 5.9, crude d (J=2.15 Hz), 1H; 6.1 broad s, 2H; 6.25, crude dd (not resolved), 1H, 7.76, d (J=9.77 Hz), 1H
(B) 2-{4-[2-(4-アミノ-3-ニトロ-フェニル)-1H-ベンズイミダゾール-5-イル]-ピペラジン-1-イル}-エタノールの調製
(i) 水素化
2-[4-(3-アミノ-4-ニトロ-フェニル)-ピペラジン-1-イル]-エタノール(1.75 g, 6.6 mmol)の1:1の酢酸/エタノール(100 ml)中の溶液に、窒素下で、5%活性炭担持パラジウム(0.150 g)を添加した。得られた混合物を脱気した後、水素雰囲気下、室温で1日間撹拌した。次いで、この反応混合物を、窒素雰囲気下、セライトを通して直接ろ過して、エチル 4-アミノ-3-ニトロベンゼンカルボキシイミダート塩酸塩(7) (1.50 g, 6.3 mmol)が入った丸底フラスコに移し、次のカップリング工程に手順を進めた。
(ii) カップリング反応
工程(i)から得られたスラリーを、窒素下、80℃で1日間加熱した後、室温に冷却し、溶媒をロータリーエバポレーターで除去した。得られた粘度が高い半固体を、希アンモニア水溶液(水中5%, 30 ml)で処理し、激しく混合し、1日間4℃に置いた。次いで、上清をデカンテーションし、残渣をさらなる水で洗浄した。得られた固体をろ過し、濾過漏斗上で乾燥した後、ジエチルエーテルで洗浄した。これにより、粗生成物が、レンガ橙色粉末として1.9 g得られた(粗収率79.2 %)。この物質を、さらに精製することなく次の工程に直接用いた。
1H NMR (400 MHz, DMSO-d6+TFA) δ 3.1, crude t, 2H; 3.20, broad m, 4H; 3.60 , broad d, 2H; 3.7 broad m, 2H, 3.85, broad d, 2H, 7.6, s, 1H; 7.2, d (J=9.18 Hz), 1H; 7.27, d (d=7.62 Hz), 1H; 8.04 , d (J=8.8 Hz), 1H; 8.9, s, 1H
(C) 2-(5’-(5”-(4’’’-(2””-ヒドロキシエチル)ピペラジン-1’’’-イル)ベンズイミダゾール-2”-イル)ベンズイミダゾール-2’-イル)ピリジンの調製
(i) 水素化
2-{4-[2-(4-アミノ-3-ニトロ-フェニル)-1H-ベンズイミダゾール-5-イル]-ピペラジン-1-イル}-エタノール(1.0 g, 2.6 mmol)の4:1の酢酸エチル/メタノール(100 ml)中の溶液に、窒素下で、5%の活性炭担持パラジウム(200 mg)を添加し、混合物をまず脱気した後、水素雰囲気下、室温で1日間撹拌した。次いで、この反応混合物を、セライトを通してろ過して、1:1の酢酸エチル/メタノール(10 mL)で洗浄し、合わせた濾液および洗液を濃縮して、粗2-{4-[2-(3,4-ジアミノ-フェニル)-1H-ベンズイミダゾール-5-イル]-ピペラジン-1-イル}-エタノールを、赤色固体として得た。これを、さらに精製することなく次の工程に用いた。
(ii) カップリング反応
粗2-{4-[2-(3,4-diアミノ-フェニル)-1H-ベンズイミダゾール-5-イル]-ピペラジン-1-イル}-エタノール(2.6 mmol, 上記(i)のとおりに調製したもの)を、メタノール(40 ml)に溶解させた。これに、直前にメタノール(4.0 mL)中のナトリウムメトキシド(0.32 mmol)で処理(窒素下、40℃にて1時間)した2-シアノピリジン(408 mg, 3.9 mmol)の溶液を添加した。この混合物に、次に、酢酸(0.55 ml, 9.83 mmol)を添加した。
この混合物を、窒素下で1日間80℃に加熱した後、室温に冷却し、溶媒を減圧下で除去した。次いで、残渣を5%アンモニア水溶液で処理し、一晩5℃に置いた。次いで、水性層をデカンテーションし、残渣を水で洗浄し、減圧下で乾燥した。得られた半個体を、アセトニトリルで一晩スラリー化すると、赤褐色粉末が得られた。これを濾過することにより、わずかに不純物を含む物質800 mgを褐色粉末として得た(粗収率52.6%)。
100 mgのこの物質を、吸引式の焼結漏斗上のシリカゲルプラグ(6 cm x 3.5 cm)を通して溶出させた(シリカゲルを最初にメタノール性アンモニアで処理し、生成物をエタノールからエタノール中10%のメタノール性アンモニアまでの勾配で溶出させた)。これにより、生成物2-(5’-(5”-(4’’’-(2””-ヒドロキシエチル)ピペラジン-1’’’-イル)ベンズイミダゾール-2”-イル)ベンズイミダゾール-2’-イル)ピリジンが、暗赤褐色粉末として44 mg得られた。MP: 218〜221℃。
MP: 218-221 oC
1H NMR (400 MHz, CD3OD) δ 2.5, t (J=5.7 Hz), 2H, CH2; 2.70, m, 4H, N(CH2)2; 3.10, m, 4H N(CH2)2; 3.62, t (J=5.4 Hz), 2H, CH2; 6.94, dd (J=2.15, 6.64 Hz), 1H; 7.03, broad s, 1H; 7.34-7.42 , m, 2H; 7.66, broad d, 1H; 7.82-7.9 , m, 2H; 8.20-8.25, m, 2H; 8.63, crude d, 1H.
13C NMR (100 MHz), CD3OD+HOAc: δ 52.4, 55.5, 58.5, 102.0, 114.3, 115.1, 115.7 121.7, 122.1, 124.0, 125.1, 133.8, 137.4, 138.8, 139.7, 142.4, 147.4, 147.8, 149.8, 152.5, 153.5 (芳香族ピーク1つは重なっているかまたは非常に弱い).
細胞毒性および放射線防護性の結果
C50 = 90.6
PF = 19.6
DMFm = 1.95
DMF10 = 1.44
[実施例42]:2-(5’-(5”-(モルホリノアミノ)ベンズイミダゾール-2’’-イル)ベンズイミダゾール-2’-イル)ピリジン
(A) N1-モルホリン-4-イル-4-ニトロ-ベンゼン-1,3-ジアミンの調製
5-クロロ-2-ニトロアニリン(6.7 g, 40 mmol)、モルホリン-4-イルアミン(10.0 g, 9.8 mmol)、および無水炭酸カリウム(6.1 g, 44 mmol)のN,N-ジメチルアセトアミド(10 ml)中の混合物を、窒素下、120℃で2日間撹拌した。サンプルのNMR分析により、出発物質が完全に変換されたことが分かった。次いで、得られた混合物を室温に冷却し、冷水(100 mL)に注ぎ、激しく撹拌し、一晩5℃に冷却した。得られた沈殿を濾過によって集め、水で十分に洗浄し、濾過漏斗上で乾燥した。得られた固体を、ジエチルエーテル中でスラリー化し、濾過し、洗浄し、さらなるジエチルエーテルで洗浄し、乾燥させて、N1-モルホリン-4-yl-4-ニトロ-ベンゼン-1,3-ジアミン(6.0 g, 63 %)を得た(6.0 g, 77 %)。
1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ 3.30, m, 4H, N(CH2)2; 3.80 , m, 4H, O(CH2)2; 5.9, d (J=2.55 Hz), 1H; 6.1 broad s , 2H; 6.25, dd (J=2.54, 7.03 Hz), 1H, 8.0, d (J=9.8 Hz), 1H
(B) [2-(4-アミノ-3-ニトロ-フェニルl)-1H-ベンズイミダゾール-5-イル]-モルホリン-4-イル-アミンの調製
(i) 水素化
N1-モルホリン-4-イル-4-ニトロ-ベンゼン-1,3-ジアミン(1.0 g, 4.2 mmol)の1:1の酢酸/エタノール(50 ml)中の溶液に、窒素下で、5%の活性炭担持パラジウム(0.075 g)を添加した。えら得た混合物を脱気した後、水素雰囲気下、室温で1日間撹拌した。次いで、この反応混合物を、窒素雰囲気下、セライトを通して直接ろ過して、エチル 4-アミノ-3-ニトロベンゼンカルボキシイミダート塩酸塩(7) (0.98 g, 4.0 mmol)が入った丸底フラスコに移し、次の工程に手順を進めた。
(ii) カップリング反応
工程(i)から得られたスラリーを、窒素下、80℃で24時間加熱した後、室温に冷却し、溶媒をロータリーエバポレーターで除去した。得られた粘度が高いガム状物を、希アンモニア水溶液(水中5%, 30 ml)で処理し、激しく混合し、一晩4℃に置いた。次いで、上清をデカンテーションし、残渣をさらなる水で洗浄した。得られた固体をろ過し、濾過漏斗上で乾燥した後、ジエチルエーテルで洗浄した。これにより、粗生成物が、暗赤色粉末として1.0 g得られた(粗収率70.9 %)。この物質を、さらに精製することなく次の工程に直接用いた。
1H NMR (400 MHz, DMSO-d6 + TFA 1滴) δ 3.10, m, 4H,; 3.70, m, 4H; 7.0, s, 1H; 7.3, m, 2H; 7.55, d, (J=8.4 Hz) 1H; 8.0, d (J=8.4 Hz), 1H; 8.1 (broad s), 2H; 8.85, s, 1H
(C) 2-(5’-(5”-(モルホリノアミノ)ベンズイミダゾール-2’’-イル)ベンズイミダゾール-2’-イル)ピリジンの調製
(i) 水素化
[2-(4-アミノ-3-ニトロ-フェニル)-1H-ベンズイミダゾール-5-イル]-モルフィン-4-イル-アミン(0.5 g, 1.4 mmol)の4:1の酢酸エチル/メタノール(50 ml)中の溶液に、窒素下で、5%の活性炭担持パラジウム(100 mg)を添加し、混合物をまず脱気した後、水素雰囲気下、室温で1日間撹拌した。次いで、この反応混合物を、セライトを通してろ過して、1:1の酢酸エチル/メタノール(10 mL)で洗浄し、合わせた濾液および洗液を濃縮して、粗4-[5-(モルフィン-4-イルアミノ)-1H-ベンズイミダゾール-2-yl]-ベンゼン-1,2-ジアミンを、粘度の高いオイルとして得た。これを、さらに精製することなく次の工程に用いた。
(ii) カップリング反応
粗4-[5-(モルホリン-4-イルアミノ)-1H-ベンズイミダゾール-2-イル]-ベンゼン-1,2-ジアミン(1.4 mmol, 上記(i)のとおりに調製したもの)を、メタノール(20 ml)に溶解させた。これに、直前にメタノール(2.1 mL)中のナトリウムメトキシド(0.21 mmol)で処理(窒素下、40℃にて1時間)した2-シアノピリジン(219 mg, 2.1 mmol)の溶液を添加した。この混合物に、次に、酢酸(0.300 ml, 5.25 mmol)を添加した。
この混合物を、窒素下で36時間80℃に加熱した後、室温に冷却し、溶媒を減圧下で除去した。次いで、残渣を5%アンモニア水溶液で処理し、5時間5℃に置いた。次いで、水性層をデカンテーションし、残渣を水で洗浄し、減圧下で乾燥した。得られた半個体を、アセトニトリルで36時間スラリー化すると、褐色粉末が得られた。これを濾過することにより、わずかに不純物を含む物質200 mgを褐色粉末として得た(粗収率35.1%)。
100 mgのこの物質を、シリカゲルカラム(2 cm x 14 cm)を通すクロマトグラフィーにかけた(物質をジクロロメタン中5%のエタノールからジクロロメタン中100%のエタノールまでの勾配で溶出させた)。これにより、生成物2-(5’-(5”-(モルホリノアミノ)ベンズイミダゾール-2’’-イル)ベンズイミダゾール-2’-イル)ピリジンが、暗赤褐色粉末として40 mg得られた。
MP: 198〜205℃
1H NMR (400 MHz, CD3OD) δ 3.10, m, 4H, N(CH2)2; 3.80, m, 4H, O(CH2)2; 6.98, dd (J=2.15, 6.64 Hz), 1H; 7.03, s, 1H; 7.40-7.48, m, 2H; 7.68, d (J=8.4 Hz), 1H; 7.82-7.94 , m, 2H; 8.20-8.25, m, 2H; 8.63, broad d (J=4.3 Hz), 1H.
13C NMR (100 MHz, CD3OD+HOAc 1滴): δ 50.7, 66.7, 99.7, 114.1, 114.9, 115.2, 115.7, 121.6, 121.8, 122.7, 125.0, 132.1, 137.3, 139.9, 147.6, 149.2, 149.3, 149.7, 151.1, 153.2 (芳香族ピーク1つは重なっているかまたは非常に弱い).
細胞毒性および放射線防護性の結果
C50 = 206.4
PF = 17.8
DMFm = 1.86
DMF10 = 1.38
[実施例43]:2-(5’-(5”-(2’’’-(ジメチルアミノ)エチルアミノ)ベンズイミダゾール-2”-イル)ベンズイミダゾール-2’-イル)ピリジン
2-(5’-(5”-(2’’’-(ジメチルアミノ)エチルアミノ)ベンズイミダゾール-2”-イル)ベンズイミダゾール-2’-イル)ピリジンを、上述した2-(5’-(5”-(モルホリノアミノ)ベンズイミダゾール-2’’-イル)ベンズイミダゾール-2’-イル)ピリジンと同様の方法で、上記スキームに従って合成した。第一の工程で用いた求核剤は、N1,N1-ジメチルエタン-1,2-ジアミンであった。最終生成物(2-(5’-(5”-(2’’’-(ジメチルアミノ)エチルアミノ)ベンズイミダゾール-2”-イル)ベンズイミダゾール-2’-イル)ピリジン)は、暗赤色液体として単離し、蒸発させて固体/粉末とした。
1H NMR (400 MHz, CD3OD + TFA) δ 2.94, s, 6H, N(CH3)2; 3.40, t (J=5.9 Hz), 2H, NCH2; 3.60, t (J=5.9 Hz), 2H, NCH2; 6.95, d (J=1.76 Hz), 1H; 7.02, dd (J=2.15, 6.80Hz) , 1H; 7.56, d (J=8.8 Hz), 1H; 7.70, dq (J=0.98, 3.91, 1.95 Hz), 1H; 8.06-8.22, m, 3H; 8.4 , m, 1H, H3; 8.56, m, 1H; 8.86, m, 1H.
細胞毒性および放射線防護性の結果
C50 = 117.7
PF = 11.2
DMFm = 1.61
DMF10 = 1.28
[実施例44]:2-(5’-(5”-(2’’’-(ジメチルアミノ)エトキシ)ベンズイミダゾール-2”-イル)ベンズイミダゾール-2’-イル)ピリジン
2-(5’-(5”-(2’’’-(ジメチルアミノ)エトキシ)ベンズイミダゾール-2”-イル)ベンズイミダゾール-2’-イル)ピリジンを、上述した2-(5’-(5”-(モルホリノアミノ)ベンズイミダゾール-2’’-イル)ベンズイミダゾール-2’-イル)ピリジンと同様の方法で、上記スキームに従って合成した。第一の工程で用いた求核剤は、2-ジメチルアミノ-エタノールであった。最終生成物2-(5’-(5”-(2’’’-(ジメチルアミノ)エトキシ)ベンズイミダゾール-2”-イル)ベンズイミダゾール-2’-イル)ピリジンは、黄褐色固体として単離した。
1H NMR (400 MHz, CD3OD + TFA) δ 3.00, s, 6H, N(CH3)2; 3.70, t (J=4.9 Hz), 2H, NCH2; 4.5, t (J=4.9 Hz), 2H, OCH2 ; 7.30, dd (J=2.35, 6.60Hz), 1H; 7.40, d (J=1.95 Hz), 1H ; 7.60, broad m, 1H; 7.74, d (J=8.99 Hz), 1H; 8.00-8.20, m, 3H; 8.4, d (J=7.82 Hz), 1H; 8.56, broad s, 1H; 8.80, broad m, 1H.
細胞毒性および放射線防護性の結果
C50 = 145.6
PF = 17.6
DMFm = 1.88
DMF10 = 1.50
[実施例45]:2-(5’-(5”-(テトラヒドロピリダジン-1’’’-イル)ベンズイミダゾール-2”-イル)ベンズイミダゾール-2’-イル)ピリジン
(A) 2-ニトロ-5-(テトラヒドロピリダジン-1-イル)-フェニルアミンの調製
5-クロロ-2-ニトロアニリン(2.36 g, 13.6 mmol)、ヘキサヒドロ-ピリダジン塩酸塩(5.0 g, 41 mmol)、および無水炭酸カリウム(11.3 g, 82 mmol)のN,N-ジメチルアセトアミド(20 ml)中の混合物を、窒素下、115〜120℃で3日間撹拌した。サンプルのNMR分析により、出発物質が完全に変換されたことが分かった。次いで、得られた混合物を室温に冷却し、冷水(200 mL)に注ぎ、激しく撹拌し、一晩4℃に冷却した。得られた褐色沈殿を濾過によって集め、水で十分に洗浄し、濾過漏斗上で乾燥した。これを、ジエチルエーテル中でスラリー化し、濾過し、洗浄し、さらなるジエチルエーテルで洗浄し、乾燥させて、2-ニトロ-5-(テトラヒドロピリダジン-1-イル)-フェニルアミンを得た(1.9 g, 62.5 %)。この粗生成物を、さらに精製することなく次の工程に用いた。
1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ1.8 (m, 4H); 3.1 (m, 2H); 3.5 (m, 2H); 6.37, (dd, 1H); 6.41, (d, 1H); 7.95, (d, 1H)
(B) 2-ニトロ-4-[5-(テトラヒドロピリダジン-1-イル)-1H-ベンズイミダゾール-2-イル]-フェニルアミンの調製
(i) 水素化
2-ニトロ-5-(テトラヒドロピリダジン-1-イル)-フェニルアミン(1.6 g, 7.2 mmol)の1:1の酢酸/エタノール(100 ml)中の溶液に、窒素下で、5%活性炭担持パラジウム(0.20 g)を添加した。得られた混合物を脱気した後、水素雰囲気下、室温で1日間撹拌した。次いで、この反応混合物を、窒素雰囲気下、セライトを通して直接ろ過して、エチル 4-アミノ-3-ニトロベンゼンカルボキシイミダート塩酸塩(7) (1.9 g, 7.9 mmol)が入った丸底フラスコに移し、次のカップリング工程に手順を進めた。
(ii) カップリング反応
工程(i)から得られたスラリーを、窒素下、80〜90℃で36時間加熱した後、室温に冷却し、溶媒をロータリーエバポレーターで除去した。得られた紫色オイルを、希アンモニア水溶液(水中3%, 50 ml)で処理し、激しく混合し、一晩4℃に置いた。適切な量の沈殿が無かったため(底に半固体が少量濃化していた)、溶液をデカンテーションし、両方の部分(濃化した半固体および水性フラクション)を別個に蒸発させて水を除去した。次いで、得られた濃い液体を、無水エタノールで共蒸発させて、残った水を共沸によって除去した。両方のフラクションに生成物が含まれていた。半固体フラクションの純度がより高い一方、水性フラクションは1.7 gあったがそれほど純度が高くなかった。合計粗収率は83.3%であった。この粗生成物を、さらに精製することなく次の工程に用いた。
1H NMR (400 MHz, DMSO-d6) δ1.6 (m, 4H); 2.8 (m, 2H); 3.0 (m, 2H); 7.02, (d, 1H); 7.08, (d, 1H); 7.8, (dd, 1H); 7.9, (broad peak, 1H), 8.08 (dd, 1H); 8.5 (d, 1H).
(C) 2-(5’-(5”-(テトラヒドロピリダジン-1’’’-イル)ベンズイミダゾール-2”-イル)ベンズイミダゾール-2’-イル)ピリジンの調製
(i) 水素化
2-ニトロ-4-[5-(テトラヒドロピリダジン-1-イル)-1H-ベンズイミダゾール-2-イル]-フェニルアミン(1.99 g, 5.9 mmol)の2:1の酢酸エチル/メタノール(150 ml)中の溶液に、窒素下で、5%の活性炭担持パラジウム(240 mg)を添加し、混合物をまず脱気した後、水素雰囲気下(バルーン)、室温で1日間撹拌した。次いで、この反応混合物を、セライトを通してろ過し、メタノールで洗浄し、合わせた濾液および洗液を濃縮して、粗ジアミンを、紫色オイルとして得た。これを、精製することなく次の工程に用いた。
(ii) カップリング反応
粗ジアミン(上述したとおりに調製したもの)を、メタノール(125 ml)に溶解させた。これに、直前にメタノール(12 mL)中のナトリウムメトキシド(0.85 mmol)で処理(窒素下、40℃にて1時間)した2-シアノピリジン(884 mg, 8.5 mmol)の溶液を添加した。これら全ての混合物に、酢酸(1.2 ml, 21 mmol)を添加した。
この混合物を、窒素下で1日間80℃に加熱した後、室温に冷却し、溶媒を減圧下で除去した。次いで、得られたえび茶色の残渣を5%アンモニア水溶液(30 ml)で処理し、1日間5℃に置いた。次いで、水性層をデカンテーションし、残渣を水で十分に洗浄してデカンテーションした。得られた残渣を、無水エタノールを用いて共蒸発させて水を除去し、アセトニトリル中で一晩スラリー化した。このアセトニトリルをデカンテーションし、得られた半固体を乾燥した。これをにより、生成物が暗赤色半固体として1 g得られた(粗収率43.4%)。
0.4 gのこの物質を、メタノール中1%のトリエチルアミンで予め処理した1.2 gのシリカゲルに予め吸着させた。これを、2x10 cmのシリカゲルカラム(2 cm x 14 cm)(ジクロロメタン中の20%メタノール+1%のトリエチルアミンで平衡化させておいたもの)にチャージし、ジクロロメタン中の20%メタノール(+ 1%トリエチルアミン)からジクロロメタン中の100%メタノール(+ 1%トリエチルアミン)、さらに最終的にはメタノール中の10%のメタノール性アンモニアまでの勾配で溶出させた。生成物は、主としてメタノール中の10%のメタノール性アンモニアで溶出した。溶媒を除去すると、240 mgの生成物が得られた。
1H NMR (400 MHz, CD3OD) δ 1.8 (m, 2H); 3.15 (m, 2H); 3.4 (m, 2H); 6.68 (m, 1H); 6.72 (unresolved, 1H); 7.3-7.4 (m, 2H); 7.8 (m, 1H); 7.9 (m, 2H), 8.25 (m, 1H); 8.3 (d, 1H), 8.7 (d, 1H).
[実施例46]:2-(5’-(5”-(2’’’,2’’’-ジメチルヒドラジニル)ベンズイミダゾール-2”-イル)ベンズイミダゾール-2’-イル)ピリジン
(A) 5-(N',N'-ジメチルヒドラジノ)-2-ニトロ-フェニルアミンの調製
5-クロロ-2-ニトロアニリン(20 g, 116 mmol)、N,N-ジメチルヒドラジン(44 mL, 580 mmol)、および無水炭酸カリウム(17.6g, 128 mmol)のN,N-ジメチルアセトアミド(50 ml)中の混合物を、窒素下、125℃で3日間撹拌した。サンプルのNMR分析により、出発物質が完全に変換されたことが分かった。次いで、得られた混合物を室温に冷却し、冷水(400 mL)に注ぎ、激しく撹拌し、一晩4℃に冷却した。得られた褐色沈殿を濾過によって集め、水で十分に洗浄し、濾過漏斗上で乾燥した。これを、ジエチルエーテル中でスラリー化し、濾過し、洗浄し、さらなるジエチルエーテルで洗浄し、乾燥させて、5-(N',N'-ジメチルヒドラジノ)-2-ニトロ-フェニルアミンを黄色固体として得た(10.7 g, 収率47%)。この粗生成物を、さらに精製することなく次の工程に用いた。
1H NMR (400 MHz, CDCl3): δ 3.0 (s, 6H); 5.7, (d, 1H); 6.1, (dd, 1H); 7.95, (d, 1H)
(B) 4-[5-(N',N'-ジメチルヒドラジノ)-1H-ベンズイミダゾール-2-イル]-2-ニトロ-フェニルアミンの調製
(i) 水素化
5-(N',N'-ジメチルヒドラジノ)-2-ニトロ-フェニルアミン(1.56 g, 8.0 mmol)の1:1の酢酸/エタノール(100 ml)中の溶液に、窒素下で、5%活性炭担持パラジウム(0.20 g)を添加した。得られた混合物を脱気した後、水素雰囲気(バルーン)下、室温で1日間撹拌した。次いで、この反応混合物を、窒素雰囲気下、セライトを通して直接ろ過して、エチル 4-アミノ-3-ニトロベンゼンカルボキシイミダート塩酸塩(7) (2.0 g, 8.0 mmol)が入った丸底フラスコに移し、次のカップリング工程に手順を進めた。この還元生成物は不安定であるようであり、急速に暗色化する。
(ii) カップリング反応
工程(i)から得られたスラリーを、窒素下、80〜90℃で72時間加熱した後、室温に冷却し、溶媒をロータリーエバポレーターで除去した。得られた紫色オイルを、希アンモニア水溶液(水中3%, 60 ml)で処理し、激しく混合し、一晩4℃に置いた。上清をデカンテーションし、沈殿を再び水で洗浄し、デカンテーションし、残った水を蒸発によって除去した。
得られた固体を、エーテル(100 mL)中で一晩スラリー化し、濾過して、褐色固体1.9 gを得た(粗収率76%)。
この粗生成物を、さらに精製することなく次の工程に用いた。
1H NMR (400 MHz, DMSO-d6) δ3.0, (s, 6H); 6.7, (d, 1H); 7.08, (d, 1H); 7.3, (d, 1H); 7.7, (s, 1H), 8.1 (dd, 1H); 8.65 (d, 1H).
(C) 2-(5’-(5”-(2’’’,2’’’-ジメチルヒドラジニル)ベンズイミダゾール-2”-イル)ベンズイミダゾール-2’-イル)ピリジンの調製
(i) 水素化
粗2-ニトロ-4-[5-(テトラヒドロピリダジン-1-イル)-1H-ベンズイミダゾール-2-yl]-フェニルアミン(1.0 g, 3.2 mmol)の4:1の酢酸エチル/メタノール(100 ml)中の溶液に、窒素下で、5%の活性炭担持パラジウム(200 mg)を添加し、混合物をまず脱気した後、水素雰囲気下(バルーン)、室温で1日間撹拌した。次いで、この反応混合物を、セライトを通してろ過し、メタノールで洗浄し、合わせた濾液および洗液を濃縮して、粗ジアミンを、暗褐色オイルとして得た。これを、精製することなく次の工程に用いた。
(ii) カップリング反応
粗ジアミン(上述したとおりに調製したもの)を、メタノール(50 ml)に溶解させた。これに、直前にメタノール(5 mL)中のナトリウムメトキシド(0.48 mmol)で処理(窒素下、40℃にて1時間)した2-シアノピリジン(499 mg, 4.8 mmol)の溶液を添加した。これら全ての混合物に、酢酸(0.67 ml, 12 mmol)を添加した。
この混合物を、窒素下で1日間80℃に加熱した後、室温に冷却し、溶媒を減圧下で除去した。次いで、得られた赤褐色の残渣を5%アンモニア水溶液(20 ml)で処理し、1日間5℃に置いた。固体が形成されなかったが粗生成物が粘度の高いオイルとして容器のそこに分離した。次いで、水性層をデカンテーションし、残渣を水で十分に洗浄し、得られた暗赤色フィルムをアセトニトリルと共に撹拌して、粗固体0.5gを得た(粗収率42%)。この固体0.25gを、酢酸エチル中1%のトリエチルアミンで平衡化させた2x9シリカゲルカラム上、酢酸エチル中1〜10%のメタノールで溶出させるクロマトグラフィーにかけた。生成物65 mgを、暗赤褐色固体として単離した。
1H NMR (400 MHz, CD3OD) δ 3.0 (s, 6H); 6.9 (m, 2H); 7.44 (m, 2H); 7.7 (unresolved d, 1H); 7.9 (m, 2H); 8.26 (m, 2H), 8.68 (d, 1H).
細胞毒性および放射線防護性の結果
C50 = 74.6
PF = 27.9
DMFm = 1.71
DMF10 = 1.29
[実施例47]:5-フルオロ-2-(5’-(5”-(4’’’-メチルピペラジン-1’’’-イル)ベンズイミダゾール-2”-イル)ベンズイミダゾール-2’-イル)ピリジンの調製
5-フルオロピリジン-2-カルボニトリル(200 mg, 1.64 mmol)に、メタノール中のナトリウムメトキシド溶液(0.1 M, 1.7 ml, 0.1 eq.)を添加し、この溶液を、窒素下、40〜45℃の油浴中で100分間加熱した。次いで、2-アミノ-4-(5’-(4”-メチルピペラジン-1”-イル)ベンズイミダゾール-2’-イル)アニリン(277 mg, 0.86 mmol)の無水メタノール(15 ml)および氷酢酸(0.19 ml, 3.3 mmol)中の溶液を添加し、混合物を窒素下で穏やかに一晩撹拌した。冷却後、溶媒をロータリーエバポレーターで除去し、残渣を水(10 ml)に溶解させ、希アンモニア溶液(3.0 M)を用いてpH 8の塩基性にした。40分間撹拌した後、淡褐色懸濁液を、遠心分離し、上清を除去した。次いで、この固体を水(3 x 5 ml)、次いでアセトニトリル(4 x 3 ml)で処理した(各処理において、遠心分離し、上清を除去した)。残った固体を減圧下で乾燥させて、褐色のガラス状固体(270 mg)を得た。次いで、この物質をメタノール(2 ml)に溶解させ、シリカカートリッジ(KP-Sil 25g)にチャージし、メタノールで溶出させて、5-フルオロ-2-(5’-(5”-(4’’’-メチルピペラジン-1’’’-イル)ベンズイミダゾール-2”-イル)ベンズイミダゾール-2’-イル)ピリジンを、くすんだ黄色粉末として得た(235 mg, 64%)。mp 196〜199℃。
1H nmr (500 MHz, d4-MeOH + 5滴のd-TFA) δ 3.00, s, 3H, 4’’’-MeN; 3.21, t (J = 12.0 Hz), 2H, NCH2; 3.34, m (obs), NCH2; 3.69, d (J = 12.0 Hz), 2H, NCH2; 3.96, d (J = 13.5 Hz), 2H, NCH2; 7.32, d (J = 1.5 Hz), 1H, H4”; 7.41, dd (J = 2.5, 9.0 Hz), 1H, H6”; 7.73, d (J = 9.0 Hz), 1H, H7”; 7.90, ddd (J = 3.0, 8.5, 8.5 Hz), 1H, H4; 8.02, dd (J = 0.5, 8.5 Hz), 1H, H7’; 8.14, dd (J = 1.8, 8.8 Hz), 1H, H6’; 8.46, dd (J = 4.0, 8.5 Hz), 1H, H3; 8.53, dd (J = 0.5, 1.5 Hz), 1H, H4’; 8.74, d (J = 3.0 Hz), 1H, H6. 13C nmr (125 MHz, d4-MeOH + 5滴のHOAc) δ 43.6, 4’’’-MeN; 49.3, C2’’’/6’’’; 54.6, C3’’’/5’’’; 102.5, C4”; 115.0, 116.3, 116.8 (overlap), C4’, C6”, C7’, C7”; 122.9, C6’; 124.0, C5’; 124.2, d (3JCF = 5 Hz), C3; 125.0, d (2JCF = 19 Hz), C4; 134.1, C7a”; 138.8, C3a’ or C3a”; 139.0, d (2JCF = 25 Hz), C6; 140.3, C3a” or C3a’; 141.5, C7a’; 145.0, C2; 148.5, C5”; 152.7, 153.1, C2’, C2”; 161.4, d (1JCF = 258 Hz), C5. MS (ESI +ve) m/z 428 (MH+, 100%). HRMS (ESI +ve) m/z 428.19934, C24H23FN7の理論質量:428.19935 (△= 0.0 ppm).
細胞毒性および放射線防護性の結果
C50 = 537.5
PF = 40.0
DMFm = 2.46
DMF10 = 2.20
[実施例48]:2-(5’-(5”-(4’’’-メチルピペラジン-1’’’-イル)ベンズイミダゾール-2”-イル)ベンズイミダゾール-2’-イル)-4-(トリフルオロメチル)ピリジンの調製
4-トリフルオロメチル-2-ピリジンカルボニトリル(262 mg, 1.52 mmol)に、メタノール中のナトリウムメトキシド溶液(0.1 M, 1.5 ml, 0.1 eq.)を添加し、この溶液を、窒素下、40〜45℃の油浴中で105分間加熱した。次いで、2-アミノ-4-(5’-(4”-メチルピペラジン-1”-イル)ベンズイミダゾール-2’-イル)アニリン(295 mg, 0.92 mmol)の無水メタノール(15 ml)および氷酢酸(0.18 ml, 3.1 mmol)中の溶液を添加し、混合物を窒素下で穏やかに19時間撹拌した。冷却後、溶媒をロータリーエバポレーターで除去し、残渣を水(10 ml)に溶解させ、希アンモニア溶液(3.0 M)を用いてpH 8の塩基性にした。オイル状の沈殿を、40分間撹拌して、もろいの淡褐色懸濁液を得、これを遠心分離し、上清を除去した。次いで、この固体を水(3 x 8 ml)、次いでアセトニトリル(3 x 4 ml)で処理した(各処理において、遠心分離し、上清を除去した)。残った固体を減圧下で乾燥させて、くすんだ黄色粉末(358 mg)を得た。この物質の一部(250 mg)をメタノール(1〜2 ml)に溶解させ、シリカカートリッジ(KP-Sil 25g)にチャージし、メタノールで溶出させて、2-(5’-(5”-(4’’’-メチルピペラジン-1’’’-イル)ベンズイミダゾール-2”-イル)ベンズイミダゾール-2’-イル)-4-(トリフルオロメチル)ピリジンを、黄色粉末として得た(236 mg, 77%)。mp 203〜208℃。
1H nmr (400 MHz, d4-MeOH + 5滴のd-TFA) δ 3.01, s, 3H, 4’’’-MeN; 3.21, t (J = 12.0 Hz), 2H, NCH2; 3.35, m (obs), NCH2; 3.68, d (J = 12.0 Hz), 2H, NCH2; 3.96, d (J = 13.6 Hz), 2H, NCH2; 7.32, d (J = 2.0 Hz), 1H, H4”; 7.41, dd (J = 2.5, 9.2 Hz), 1H, H6”; 7.73, d (J = 8.8 Hz), 1H, H7”; 7.88, m, 1H, H5; 8.01, dd (J = 0.6, 8.6 Hz), 1H, H7’; 8.09, dd (J = 2.5, 8.8 Hz), 1H, H6’; 8.52, m, 1H, H4’; 8.66, s, 1H, H3; 9.05, d (J = 4.8 Hz), 1H, H6. 13C nmr (125 MHz, d4-MeOH + 5滴のHOAc) δ 43.6, 4’’’-MeN; 49.4, C2’’’/6’’’; 54.7, C3’’’/5’’’; 102.7, C4”; 115.4, 116.4, 116.8, 117.1, C4’, C6”, C7’, C7”; 118.0, 121.2, C3, C5; 123.4, C6’; 124.1, q (1JCF = 273 Hz), 4-F3C; 124.9, C5’; 134.6, C7a”; 139.2, C3a’ or C3a”; 140.3, d (2JCF = 34 Hz), C4; 140.5, C3a” or C3a’; 141.4, C7a’; 148.5, C5”; 150.2, C2; 152.2, C6; 152.7, 152.9, C2’, C2”. MS (ESI +ve) m/z 478 (MH+, 100%). HRMS (ESI +ve) m/z 478.19599, C25H23F3N7の理論質量:478.19615 (△= 0.3 ppm).
細胞毒性および放射線防護性の結果
C50 = 23.3
PF = 63.8
DMFm = 2.75
DMF10 = 2.58
[実施例49]:2-(5’-(5”-(4’’’-メチルピペラジン-1’’’-イル)ベンズイミダゾール-2”-イル)ベンズイミダゾール-2’-イル)-5-(トリフルオロメチル)ピリジンの調製
5-(トリフルオロメチル)ピリジン-2-カルボニトリル(261 mg, 1.52 mmol)に、メタノール中のナトリウムメトキシド溶液(0.1 M, 1.5 ml, 0.15 mmol)を添加し、この溶液を、窒素下、40〜45℃の油浴中で90分間加熱した。次いで、2-アミノ-4-(5’-(4”-メチルピペラジン-1”-イル)ベンズイミダゾール-2’-イル)アニリン(295 mg, 0.92 mmol)の無水メタノール(15 ml)および氷酢酸(0.18 ml, 3.1 mmol)中の溶液を添加し、混合物を窒素下で穏やかに19時間撹拌した。冷却後、溶媒をロータリーエバポレーターで除去し、残渣を水(10 ml)に溶解させ、希アンモニア溶液(3.0 M)を用いてpH 9の塩基性にした。オイル状の沈殿が、ガラスの表面に堆積した。水性液体を、除去し、物質を水40分間撹拌して、もろいの淡褐色懸濁液を得、これを遠心分離し、上清を除去した。次いで、この固体を水(10 ml)で処理し、激しく掻き回してもろい固体を得た。40分間撹拌した後、懸濁液を遠心分離し、上清を除去した。次いで、この固体を、水(2 x 8 ml)、次いでアセトニトリル(2 x 5 ml)で処理した(各処理において、遠心分離し、上清を除去した)。この固体を減圧下で乾燥させて、くすんだ黄色粉末(328 mg)を得た。この物質の一部(250 mg)をメタノール(3〜4 ml)に溶解させ、シリカカートリッジ(KP-Sil 25g)にチャージし、メタノールで溶出させて、2-(5’-(5”-(4’’’-メチルピペラジン-1’’’-イル)ベンズイミダゾール-2”-イル)ベンズイミダゾール-2’-イル)-5-(トリフルオロメチル)ピリジンを、黄色粉末として得た(228 mg, 68%)。mp 320 ℃(分解)。
1H nmr (400 MHz, d4-MeOH + 5滴のd-TFA) δ 3.00, s, 3H, 4’’’-MeN; 3.21, t (J = 12.0 Hz), 2H, NCH2; 3.34, m (obs), NCH2; 3.68, d (J = 12.4 Hz), 2H, NCH2; 3.97, d (J = 12.8 Hz), 2H, NCH2; 7.32, d (J = 2.0 Hz), 1H, H4”; 7.41, dd (J = 2.2, 9.0 Hz), 1H, H6”; 7.73, d (J = 9.2 Hz), 1H, H7”; 8.02, d (J = 8.8 Hz), 1H, H7’; 8.09, dd (J = 1.8, 8.6 Hz), 1H, H6’; 8.38, dd (J = 1.6, 8.4 Hz), 1H, H4; 8.53, d (J = 1.2 Hz), 1H, H4’; 8.56, d (J = 8.4 Hz), 1H, H3; 9.11, s, 1H, H6. 13C nmr (125 MHz, d4-MeOH + 5滴のHOAc) δ 43.6, 4’’’-MeN; 49.4, C2’’’/6’’’; 54.7, C3’’’/5’’’; 102.7, C4”; 115.3, 116.4, 116.8, 117.2, C4’, C6”, C7’, C7”; 122.4, C3; 123.4, C6’; 124.8, q (1JCF = 271 Hz), 5-CF3; 125.1, C5’; 127.9, q (2JCF = 33 Hz), C5; 134.8, C7a”; 135.7, C4; 139.4, 140.5, C3a’, C3a”; 141.5, C7a’; 147.5, C6; 148.5, C5”; 152.0, 152.5, 152.9, C2, C2’, C2”. MS (ESI +ve) m/z 478 (MH+, 100%). HRMS (ESI +ve) m/z 478.19601, C25H23F3N7の理論質量:478.19615 (△= 0.1 ppm).
細胞毒性および放射線防護性の結果
C50 = 12.2
PF = 33.1
DMFm = 2.38
DMF10 = 2.21
[実施例50]:2-(5’-(5”-(4’’’-ヒドロキシピペリジン-1’’’-イル)ベンズイミダゾール-2”-イル)ベンズイミダゾール-2’-イル)-4-メチルピリジンの調製
4-メチルピリジン-2-カルボニトリル(135 mg, 1.14 mmol)に、メタノール中のナトリウムメトキシド溶液(0.1 M, 1.1 ml, 0.11 mmol)を添加し、この溶液を、窒素下、40〜45℃の油浴中で110分間加熱した。次いで、2-アミノ-4-(5’-(4”-ヒドロキシピペリジン-1”-イル)ベンズイミダゾール-2’-イル)アニリン(0.60 mmol)の無水メタノール(10 ml)および氷酢酸(0.12 ml, 2.1 mmol)中の溶液を添加し、混合物を窒素下で穏やかに19時間撹拌した。冷却後、溶媒をロータリーエバポレーターで除去し、残渣を水(9 ml)に溶解させ、3Mアンモニア溶液を用いてpH 8〜9の塩基性にした。さらなる水(約10 ml)を添加し、油状の懸濁液をn-ブタノール(20 ml)で抽出した。ブタノール抽出液を、水(20 ml)で洗浄し、蒸発させて、褐色オイルを得た。このオイルを、アセトニトリル(2 ml)で処理し、40分間撹拌してもろいオリーブ色固体を得、さらにアセトニトリル(2 x 2 ml)で粒状化した。この固体を、メタノール(3 ml)に加熱しながら溶解させ、シリカゲルカートリッジ(Reveleris 12 g)にチャージし、酢酸エチル/メタノールの勾配で溶出させて、2-(5’-(5”-(4’’’-ヒドロキシピペリジン-1’’’-イル)ベンズイミダゾール-2”-イル)ベンズイミダゾール-2’-イル)-4-メチルピリジンを、黄色粉末として得た(155 mg, 61%)。mp 204〜209℃。
1H nmr (500 MHz, d4-MeOH + 4滴のd-TFA) δ 2.00, m, 2H, H3’’’/H5’’’; 2.25, m, 2H, H3’’’/5’’’; 2.58, s, 3H, 4-Me; 3.61, m, 2H, H2’’’/6’’’; 3.91, m, 2H, H2’’’/6’’’; 4.09, tt (J = 3.5, 7.0 Hz), 1H, H4’’’; 7.58, dq (J = 5.0, 0.7 Hz), 1H, H5; 7.74, dd (J = 2.2, 8.8 Hz), 1H, H6”; 7.92, d (J = 8.5 Hz), 1H, H7”; 7.99, d (J = 2.0 Hz), 1H, H4”; 8.07, dd (J = 0.8, 8.8 Hz), 1H, H7’; 8.27, m, 2H, H3, H6’; 8.64, dd (J = 0.5, 1.5 Hz), 1H, H4’; 8.73, d (J = 5.0 Hz), 1H, H6. 13C nmr (125 MHz, d4-MeOH + 5滴のHOAc) δ 21.1, 4-Me; 34.8, C3’’’/5’’’; 49.7, C2’’’/6’’’; 68.0, C4’’’; 101.0, C4”; 115.1, 115.5, 116.9, 117.6, C4’, C6”, C7’, C7”; 121.5, C5’; 122.6, 123.4, 126.9, C3, C5, C6’; 130.9, C7a”; 136.9, C3a”; 140.0, C3a’; 141.6, C7a’; 148.0, C2; 149.9, 150.1, C4, C5”; 150.4, C6; 150.9, 154.3, C2’, C2”. MS (ESI +ve) m/z 425 (MH+, 100%). HRMS (ESI +ve) m/z 425.20844, C25H25N6Oの理論質量:425.20844 (△= 0.0 ppm).
細胞毒性および放射線防護性の結果
C50 = 134.3
PF = 23.5
DMFm = 1.79
DMF10 = 1.33
[実施例51]:2-(5’-(5”-(4’’’-ヒドロキシピペリジン-1’’’-イル)ベンズイミダゾール-2”-イル)ベンズイミダゾール-2’-イル)-5-メチルピリジンの調製
5-メチルピリジン-2-カルボニトリル(135 mg, 1.14 mmol)に、メタノール中のナトリウムメトキシド溶液(0.1 M, 1.1 ml, 0.11 mmol)を添加し、この溶液を、窒素下、40〜45℃の油浴中で110分間加熱した。次いで、2-アミノ-4-(5’-(4”-ヒドロキシピペリジン-1”-イル)ベンズイミダゾール-2’-イル)アニリン(0.60 mmol)の無水メタノール(10 ml)および氷酢酸(0.12 ml, 2.1 mmol)中の溶液を添加し、混合物を窒素下で穏やかに19時間撹拌した。冷却後、溶媒をロータリーエバポレーターで除去し、残渣を水(10 ml)に溶解させ、3Mアンモニア溶液を用いてpH 8〜9の塩基性にした。この混合物を40分間撹拌すると、もろい灰色固体の均一な懸濁液が得られ、これを遠心分離し、上清を除去した。残渣を水(10 ml)、次いでアセトニトリル(3 x 2 ml)で処理した(各処理において、遠心分離し、上清を除去した)。残った固体をメタノール(2ml)に溶解させ、シリカゲルカートリッジ(Reveleris 12 g)にチャージし、メタノールで溶出させて、2-(5’-(5”-(4’’’-ヒドロキシピペリジン-1’’’-イル)ベンズイミダゾール-2”-イル)ベンズイミダゾール-2’-イル)-5-メチルピリジンを、黄色粉末として得た(112 mg, 44%)。mp 208〜213℃。
1H nmr (500 MHz, d4-MeOH + 4滴のd-TFA) δ 2.00, m, 2H, H3’’’/H5’’’; 2.24, m, 2H, H3’’’/5’’’; 2.51, s, 3H, 5-Me; 3.60, m, 2H, H2’’’/6’’’; 3.91, m, 2H, H2’’’/6’’’; 4.09, tt (J = 3.5, 7.0 Hz), 1H, H4’’’; 7.72, dd (J = 2.5, 9.0 Hz), 1H, H6”; 7.91, d (J = 8.5 Hz), 1H, H7”; 7.97, m, 2H, H4, H4”; 8.06, d (J = 8.8 Hz), 1H, H7’; 8.28, m, 2H, H3, H6’; 8.62, d (J = 1.5 Hz), 1H, H4’; 8.75, m, 1H, H6. 13C nmr (125 MHz, d4-MeOH + 5滴のHOAc) δ 18.4, 5-Me; 34.9, C3’’’/5’’’; 49.7, C2’’’/6’’’; 68.0, C4’’’; 100.9, C4”; 115.0, 115.4, 116.7, 117.5, C4’, C6”, C7’, C7”; 121.2, C5’; 122.2, 122.4, C3, C6’; 130.7, C7a”; 136.5, C5; 136.8, C3a”; 138.4, C4; 139.9, C3a’; 141.5, C7a’; 145.5, C2; 150.0, C5”; 150.8, C2’ or C2”; 151.0, C6; 154.3, C2” or C2’. MS (ESI +ve) m/z 425 (MH+, 100%). HRMS (ESI +ve) m/z 425.20846, C25H25N6Oの理論質量:425.20844 (△= 0.1 ppm).
細胞毒性および放射線防護性の結果
C50 = 123.9
PF = 58.7
DMFm = 2.07
DMF10 = 1.90
[実施例52]:2-(5’-(5”-(cis-2’’’,6’’’-ジメチルモルホリノ)ベンズイミダゾール-2”-イル)ベンズイミダゾール-2’-イル)ピリジンの調製
(A) 5-(cis-2’,6’-ジメチルモルホリノ)-2-ニトロアニリンの調製
cis-2,6-ジメチルモルホリン(4.15 g, 36.0 mmol, 1.8 eq)の無水N,N-ジメチルアセトアミド(35 ml)中の溶液に、炭酸カリウム(2.94 g, 21.2 mmol, 1.05 eq)、次いで5-クロロ-2-ニトロアニリン(3.44 g, 19.9 mmol)を添加し、混合物を、窒素下、120℃の油浴中で46時間撹拌した。この反応混合物を室温に冷却し、水(200 ml)に注ぎ、1時間撹拌した。懸濁液を濾過し、集めた固体を水(3 x 30 ml)、次いでエチルエーテル(2 x 20 ml)で注意深く洗浄した後、P2O5上、減圧下で乾燥させて、5-(cis-2’,6’-ジメチルモルホリノ)-2-ニトロアニリンを、淡黄土色粉末として得た(3.67 g, 73%)。
1H nmr1 (400 MHz, CDCl3) δ 1.26, d (J = 6.4 Hz), 6H, 2’,6’-diMe; 2.56, dd (J = 10.8, 12.4 Hz), 2H, H3’/5’; 3.58, m, 2H, H3’/5’; 3.72, m, 2H, H2’/6’; 5.94, d (J = 2.8 Hz), 1H, H6; 6.14, br, 2H, 1-NH2; 6.27, dd (J = 2.8, 9.6 Hz), 1H, H4; 8.02, d (J = 9.6 Hz), 1H, H3.
参考文献10: WO 02/20500A2
(B) 4-(5’-(cis-2”,6”-ジメチルモルホリノ)ベンズイミダゾール-2’-イル)-2-ニトロアニリンの調製
(i) 水素化
5-(cis-2’,6’-ジメチルモルホリノ)-2-ニトロアニリン(1.26 g, 5.03 mmol)の4:1の酢酸エチル/メタノール(75 ml)中の溶液に、5%活性炭担持パラジウム(0.24 g)を添加した。得られた反応混合物を、水素雰囲気下、25時間撹拌した。次いで、この反応混合物を、セライトを通してろ過し、濾過した固体をメタノールで洗浄し、合わせた濾液および洗液を減圧下で濃縮して、粗2-アミノ-4-(cis-2’,6’-ジメチルモルホリノ)アニリンを得た(1.08 g, 97%)。これを次の工程に即座に用いた。
(ii) カップリング反応
粗2-アミノ-4-(cis-2’,6’-ジメチルモルホリノ)アニリン(1.08 g, 4.9 mmol, 上記(i)で調製したもの)およびエチル 4-アミノ-3-ニトロベンゼンカルボキシイミダート塩酸塩(1.27 g, 5.2 mmol)を、無水エタノール(25 ml)および氷酢酸(12.5 ml)中、窒素下で19時間還流させた。この反応混合物を室温に冷却し、溶媒をロータリーエバポレーターで除去し、残渣を水(100 ml)に懸濁させ、濃アンモニア水を用いて約pH 11にまで塩基性にした。2〜3時間撹拌した後、生成した赤い沈殿を集め(por 3の焼結漏斗)、水で注意深く洗浄した後、減圧下、P2O5上で一晩乾燥させて、4-(5’-(cis-2”,6”-ジメチルモルホリノ)ベンズイミダゾール-2’-イル)-2-ニトロアニリンを、暗赤色粉末として得た(1.62 g, 90%)。mp 147℃(分解)。
1H nmr (400 MHz, d4-MeOH + 4滴のd-TFA) δ 1.26, d (J = 6.4 Hz), 6H, 2”,6”-diMe; 2.54, dd (J = 11.2, 11.6 Hz), 2H, H3”/5”; 3.62, d (J = 10.8 Hz), 2H, H3”/5”; 3.86, m, 2H, H2”/6”; 7.21, d ( J = 2.0 Hz), 1H, H4’; 7.23, d (J = 9.2 Hz), 1H, H6; 7.37, dd (J = 2.0, 9.2 Hz), 1H, H6’; 7.62, d (J = 9.2 Hz), 1H, H7’; 7.96, dd (J = 2.2, 9.0 Hz), 1H, H5; 8.92, d (J = 2.4 Hz), 1H, H3. 13C nmr (100 MHz, d4-MeOH + 15滴のHOAc) δ 19.2, 2”,6”-diMe; 56.4, C3”/5”; 73.0, C2”/6”; 99.6, C4’; 113.1, C4; 115.3, 117.0, 121.2, 126.4, C3, C6, C6’ and C7’; 129.1, C2; 132.0, C3a’ or C7a’; 133.5, C5; 135.8, C7a’ or C3a’; 148.9, 149.1, 150.7, C1, C2’ and C5’. MS (ESI +ve) m/z 735 (M2H+, 6%), 368 (MH+, 100). HRMS (ESI +ve) m/z 368.17163, C19H22N5O3の理論質量:368.17172 (△= 0.2 ppm).
(C) 2-(5’-(5”-(cis-2’’’,6’’’-ジメチルモルホリノ)ベンズイミダゾール-2”-イル)ベンズイミダゾール-2’-イル)ピリジンの調製
(i) 水素化
4-(5’-(cis-2”,6”-ジメチルモルホリノ)ベンズイミダゾール-2’-イル)-2-ニトロアニリン (0.38 g, 1.03 mmol)の4:1の酢酸エチル/メタノール(40 ml)中の溶液に、5%活性炭担持パラジウム(100 mg)を添加し、得られた反応混合物を、水素雰囲気下、21時間撹拌した。次いで、この反応混合物を、セライトを通してろ過し、濾過した固体をメタノールで洗浄し、合わせた濾液および洗液を減圧下で濃縮して2-アミノ-4-(5’-(cis-2”,6”-ジメチルモルホリノ)ベンズイミダゾール-2’-イル)アニリンを得た(350 mg, 100%)。これを次の工程に即座に用いた。
(ii) カップリング反応
2-シアノピリジン(207 mg, 1.99 mmol)を、メタノール性ナトリウムメトキシド溶液(0.07 M, 2.9 ml, 0.20 mmol)で処理し、窒素下、40〜45℃の油浴中で2時間加熱した。次いで、加熱を停止し、2-アミノ-4-(5’-(cis-2”,6”-ジメチルモルホリノ)ベンズイミダゾール-2’-イル)アニリン(350 mg, 1.03 mmol)の無水エタノール(15 ml)中の溶液、次いで氷酢酸(12.5 ml)を添加し、混合物を窒素下で19時間穏やかに還流させた。この反応混合物を室温に冷却し、溶媒をロータリーエバポレーターで除去し、残渣を希アンモニア溶液(3.0 M, 15 ml)で処理し、1時間撹拌した。黄褐色の懸濁液を遠心分離し、上清を除去し、残渣を水(2 x 10 ml)、次いでアセトニトリル(3 x 3 ml)で処理した(各処理において、遠心分離し、上清を除去した)。残渣をメタノール(約3 ml)に溶解させ、シリカゲルカラム(32 x 170 mm)にチャージし、4:1の酢酸エチル/メタノールで溶出させて、2-(5’-(5”-(cis-2’’’,6’’’-ジメチルモルホリノ)ベンズイミダゾール-2”-イル)ベンズイミダゾール-2’-イル)ピリジンを橙色ガラス状固体として得た(246 mg, 56%)。mp 195-197℃。
1H nmr (500 MHz, d4-MeOH + 4滴のd-TFA) δ 1.27, d (J = 6.5 Hz), 6H, 2’’’,6’’’-diMe; 2.52, dd (J = 10.5, 12.0 Hz), 2H, H3’’’/5’’’; 3.64, app. d (J = 10.5 Hz), 2H, H3’’’/5’’’; 3.86, m, 2H, H2’’’/6’’’; 7.23, d (J = 2.0 Hz), 1H, H4”; 7.40, dd (J = 2.5, 9.0 Hz), 1H, H6”; 7.65, ddd (J = 1.0, 4.5, 7.5 Hz), 1H, H5; 7.69, d (J = 9.0 Hz), 1H, H7”; 8.03, d (J = 9.0 Hz), 1H, H7’; 8.11, m, 2H, H4,H6’; 8.40, br d (J = 8.0 Hz), 1H, H3; 8.51, d (J = 1.0 Hz), 1H, H4’; 8.85, m, 1H, H6.
13C nmr (125 MHz, d4-MeOH + 4滴のHOAc) δ 19.2, 2’’’/6’’’-Me; 56.6, C3’’’/5’’’; 72.9, C2’’’/6’’’; 99.9, C4”; 115.1, 115.7, 116.3, 116.9, C4’, C6”, C7’, C7”; 122.1, C5’; 122.6, 122.8, C3 and C6’; 126.1, C5; 131.2, C7a”; 137.2, C3a’, C3a” or C7a’; 138.3, C4; 140.2, 141.6, C3a’, C3a” or C7a’; 148.5, 150.0, C2, C5” and C2’ or C2”; 150.7, C6; 151.0, C2, C5” and C2’ or C2”; 154.2, C2” or C2’. MS (ESI +ve) m/z 849 (M2H+ 7%), 397 (MH+, 100). HRMS (ESI +ve) m/z 425.20831, C25H25N6Oの理論質量:425.20844 (△= 0.3 ppm).
細胞毒性および放射線防護性の結果
C50 = 133.5
PF = 55.9
DMFm = 1.75
DMF10 = 1.40
[実施例53]:2-(5’-(5’’-(4’’’-メチルピペラジン-1’’’-イル)-1H-インドール-2’’-イル)ベンズイミダゾール-2’-イル)ピリジンの合成
(A) 6-(4-メチルピペラジン-1-イル)-1-(トルエン-4-スルホニル)-1H-インドールの合成
250 mlの丸底フラスコに、6-ブロモ-1-(トルエン-4-スルホニル)-1H-インドール(4 g, 11.4 mmol)、Cs2CO3 (7.4 g, 22.8 mmol)、Pd2dba3 (0.104 g, 0. 114 mmol)、RuPHOS (0.106 g, 0. 23 mmol)、トルエン(150 mL)、N-メチルピペラジン(1.9 mL, 17.2 mol)を入れ、脱気し、窒素をフラッシュさせた。次いで、反応フラスコを100oCに週末の間加熱した。この時点での分析により、出発物質の大部分が生成物に変換されていた。室温に冷却した後、この溶液をEtOAc (150 mL)で希釈し、セライトの層を通して濾過し、さらなるEtOAc (150 mL)で洗浄し、蒸発させた。得られたオイルをシリカゲル上のクロマトグラフィーにかけて、生成物を粘度の高いオイル(静置により結晶化した)として3.1 g得た(73.8% yield)。
1H NMR (CDCl3, 400MHz): δ 7.7 (d,2H), 7.48(d, 1H), 7.38 (d,1H), 7.33 (d, 1H), 7.16 (d, 2H), 6.9 (dd, 1H), 6.5 (dd, 1H), 3.2 (m, 4H), 2.6 (m, 4H) , 2.33 (s, 3H), 2.3 (s, 3H)
(B) 6-(4-メチルピペラジン-1-イル)-1-(トルエン-4-スルホニル)-2-トリブチルスズ-1H-インドールの合成
6-(4-メチルピペラジン-1-イル)-1-(トルエン-4-スルホニル)-1H-インドール( 3.43 g, 9.3 mmol)を、最初に強度に乾燥させた後、無水THF (50 mL)に溶解させ、-70℃に冷却した。次いで、同じ内温に保ちながらnBuLi (ヘキサン中2.5 M, 5 mL, 12.5 mmol)を滴下により添加した。この混合物を-70℃で撹拌し、これに、15 mLのTHF中の塩化トリブチルスズ(3.4 mL, 12.5 mmol)を滴下により添加した。この温度で1時間撹拌した後、反応混合物を室温に戻し、一晩撹拌した。反応を、水(50 mL)の添加によって停止させ、EtOAc (150 mL)で抽出し、抽出液を水で繰り返し洗浄した(5 x 100 mL)。有機層をMgSO4で乾燥させ、蒸発させて、粗生成物7.8gを得た。次いで、これをシリカゲルのカラムクロマトグラフィーにかけて生成物(いくらかのトリブチルスズ不純物がまだ混入していた)を単離し、褐色の粘度の高いオイルとして4.7g得た(77% yield)。
1H NMR (CDCl3, 400MHz): δ 7.5 (d,2H), 7.3 (m, 1H), 7.13 (d,1H), 6.85 (dd, 1H), 6.65 (s, 1H), 3.2 (m, 4H), 2.56 (m, 4H), 2.3 (s, 3H), 2.28 (s, 3H), 1.5 (m, 6H), 1.3 (m, 6H), 1.1 (m, 6H), 0.85(m, 9H).
(C) 4-[6-(4-メチルピペラジン-1-イル)-1-(トルエン-4-スルホニル)-1H-インドール-2-イル]-2-ニトロ-フェニルアミンの合成
DMF(50 mL)中の6-(4-メチルピペラジン-1-イル)-1-(トルエン-4-スルホニル)-2-トリブチルスタンニル-1H-インドール(粗) (5.0 g, 7.6 mmol)および4-ブロモ-2-ニトロアニリン (2.05 g, 9.5 mmol)を、RBフラスコに入れた後、脱気し、窒素をフラッシュさせた。Pd(PPh3)4 (0.22 g, 0. 19 mmol)を添加し、窒素下で100℃に一晩過熱した。この時点での分析により、出発物質が全て生成物に変換されたことが示された。後処理は、EtOAc (200 mL)で希釈し、飽和NH4Clで繰り返し洗浄し(5x 50 ml)することによった。組成生物のNMRスペクトルは、生成物の窒素原子の酸化状態がさまざまであることにより、複雑であった。この粗生成物を、クロマトグラフィーによって精製した(16 cm x 6 cmシリカゲルカラム、ジクロロメタンからジクロロメタン中の10%メタノールまでの勾配で溶出)。関連するフラクションを全て集め(橙色の粘度の高いオイル、3.0 g)、さらなる精製または化学シフトの帰属をすることなく次の工程に直接用いた。
(D) 6-[6-(4-メチルピペラジン-1-イル)-1-(トルエン-4-スルホニル)-1H-インドール-2-イル]-2-ピリジン-2-イル-1H-ベンズイミダゾールの合成
4-[6-(4-メチルピペラジン-1-イル)-1-(トルエン-4-スルホニル)-1H-インドール-2-イル]-2-ニトロ-フェニルアミン(0.5g, 0.99 mmol)を、7:3のMeOH/HOAc(100 ml)に溶解させ、5%の活性炭担持パラジウム(100 mg)の存在下で一晩水素化した。次いで、この溶液を、セライトを通して濾過し、メタノール(50 ml)で洗浄し、蒸発させた。得られたジアミンをメタノール(20 ml)に溶解させた。これに、直前にメタノール(2 mL)中のナトリウムメトキシド(0.15 mmol)で処理(窒素下、40℃にて1.5時間)した2-シアノピリジン(154 mg, 1.5mmol)の溶液を添加した。この混合物に、酢酸(0.21 ml, 3.8 mmol)を添加した。
この混合物を、窒素下で一晩80℃に加熱した後、室温に冷却し、溶媒を減圧下で除去した。次いで、残渣を5%アンモニア水溶液で処理し、5℃に1日間置き、水性層をデカンテーションし、水で十分に洗浄した。得られた淡褐色固体を単離し、エーテルで洗浄して、生成物150 mgを得た(収率15%)。この物質は完全に純粋ではないが、次の工程に用いることができた。
1H NMR (CD3OD, 400MHz): (低い純度に起因して、ピークの帰属および強度は近似である) δ 8.6 (unresolved ,1H), 8.2 (d, 1H) , 7.9 (m, 2H), 7.8 (unresolved, 1H), 7.65 (m,3H), 7.4 (m, 1H), 7.3 (d, 1H), 7.2 (m, 1H), 7.1 (d, 1H), 6.95 (dd, 1H), 6.5, (s, 1H) , 2.9 (m, 4H) , 2.5 (m, 4H), 2.4 (s, 3H), 2.3 (s, 3H)
(E) 2-(5’-(5’’-(4’’’-メチルピペラジン-1’’’-イル)-1H-インドール-2’’-イル)ベンズイミダゾール-2’-イル)ピリジンの合成
粗6-[6-(4-メチルピペラジン-1-イル)-1-(トルエン-4-スルホニル)-1H-インドール-2-イル]-2-ピリジン-2-イル-1H-ベンズイミダゾール(0.5g, 0.9 mmol)を、メタノール(100 mL)に溶解させ、これに、削り屑状のMg(1.2 g)を添加した。この混合物を、超音波洗浄機で3 x 90分間超音波処理した。得られたスラリーを蒸発させて、大部分の溶媒を除去し、ジクロロメタン(250 mL)に溶解させた。この橙色抽出液を、飽和NH4Clで繰り返し洗浄し、無水にし、蒸発させた。エマルジョンが形成されたため、回収率が少なく(100 mg)、これをクロマトグラフィーにかけることにより(シリカゲルカラム、9:1のジクロロメタンで予め処理した4cm x 2cmのカラム、ジクロロメタン中の10%メタノールからジクロロメタン中の20%メタノール、次いでメタノールまでの勾配で溶出させた)、約80〜90%の純度の生成物20 mg (収率5%)が得られた。
1H NMR (CD3OD + TFA, 400MHz): δ 8.9 (unresolved d,1H), 8.4 (d, 1H), 8.3 (m, 1H), 8.2 (unresolved, 1H), 8.1 (m, 2H), 7.9 (m,1H), 7.8 (m, 1H), 7.7 (m, 1H), 7.5 (m, 1H), 7.0, (s, 1H), 3.8 (m, 2H), 3.6 (m, 2H), 3.1 (m, 2H), 2.9 (m, 2H)2.9 (s, 3H).
細胞毒性および放射線防護性の結果
C50 = 34.1
PF = 4.9
DMFm = 1.30
DMF10 = 1.21
[実施例54]:2-(5’-(5’’-(3’’’-ヒドロキシエチル-1’’’-メチルアミノ)ベンズイミダゾール-2’’-イル)ベンズイミダゾール-2’-イル)ピリジンの合成
(A) 2-[(3-アミノ-4-ニトロ-フェニル)-メチル-アミノ]-エタノールの合成
5-クロロ-2-ニトロアニリン(5 g, 29 mmol)、2-メチルアミノ-エタノール(7 mL, 87 mmol)、および無水炭酸カリウム(5.3g, 38 mmol)のN,N-ジメチルアセトアミド(10 ml)中の混合物を、窒素下、125℃で1日間撹拌した。サンプルのNMR分析により、出発物質が完全に変換されたことが分かった。次いで、得られた混合物を室温に冷却し、冷水(30 mL)に注ぎ、激しく撹拌し、一晩4℃に冷却した。得られた黄色沈殿を濾過によって集め、水で十分に洗浄し、濾過漏斗上で乾燥した。これを、ジエチルエーテル中でスラリー化し、濾過し、洗浄し、さらなるジエチルエーテルで洗浄し、乾燥させて、2-[(3-アミノ-4-ニトロ-フェニル)-メチル-アミノ]-エタノールを黄色固体として得た(5.4 g, 収率88%)。この粗生成物を、さらに精製することなく次の工程に用いた。
1H NMR (400 MHz, DMSO): δ 7.75, (d, 1H); 7.2 (broad s, 2H); 6.2, (d, 1H); 5.95, (s, 1H ); 4.75 (crude t, 1H); 3.55 (m, 2H); 3.4 (m, 2H); 2.95 (s, 3H) (NH2およびOHのプロトン)
(B) [2-(4-アミノ-3-ニトロ-フェニル)-1H-ベンズイミダゾール-5-イル]-メチル-プロピル-アミンの合成
(i) 水素化
2-[(3-アミノ-4-ニトロ-フェニル)-メチル-アミノ]-エタノール(1.0 g, 4.7 mmol)の1:1の酢酸/エタノール(60 ml)中の溶液に、窒素下で、5%の活性炭担持パラジウム(0.075 g)を添加した。得られた混合物を脱気し、次いで水素雰囲気下(バルーン)、室温で1日間撹拌した。次いで、この反応混合物を、窒素雰囲気下、セライトを通してエチル 4-アミノ-3-ニトロベンゼンカルボキシイミダート塩酸塩(1.1 g, 4.5 mmol)が入った丸底フラスコに直接濾過し、次のカップリング工程に手順を進めた。
(ii) カップリング反応
工程(i)から得られたスラリーを、窒素下、80℃で24時間加熱した後、室温に冷却し、溶媒をロータリーエバポレーターで除去した。得られた暗色オイルを、希アンモニア水溶液(水中5%, 50 ml)で処理し、激しく混合し、一晩4℃に置いた。上清をデカンテーションし、沈殿した固体を再び水で洗浄し、デカンテーションし、残った水を蒸発によって除去した。
得られた黒色固体を、エーテル(100 mL)中で一晩スラリー化し、濾過して、生成物を、1.0 gの黒色〜紫色の固体を得た(粗収率66%)。この粗生成物を、さらに精製することなく次の工程に用いた。
1H NMR (400 MHz, DMSO):δ 8.6 (s, 1H); 8.05, (d, 1H); 7.65 (broad s, 2H); 7.3, (unresolved , 1H); 7.0, (d, 1H ); 6.65 (unresolved s, 1H); 6.6 (unresolved s, 1H); 4.6 (broad, 1H); 3.55 (crude t, 2H); 3.3 (unresolved-H2Oと重なっている, 2H); 2.95 (s, 3H) (NH2およびOHプロトンを含む)
(C) 2-(5’-(5’’-(3’’’-ヒドロキシエチル-1’’’-メチルアミノ)ベンズイミダゾール-2’’-イル)ベンズイミダゾール-2’-イル)ピリジンの合成
(i) 水素化
粗[2-(4-アミノ-3-ニトロ-フェニル)-1H-ベンズイミダゾール-5-イル]-メチル-プロピル-アミン(0.5 g, 1.5 mmol)の3:1の酢酸エチル/メタノール(60 ml)中の溶液に、窒素下で、5%の活性炭担持パラジウム(100 mg)を添加した。得られた混合物を最初に脱気し、次いで水素雰囲気下(バルーン)、室温で1日間撹拌した。次いで、この反応混合物を、セライトを通して濾過し、メタノールで洗浄し、合わせた濾液および洗液を濃縮して、粗ジアミンを暗褐色オイルとして得、これを精製することなく次の工程に用いた。
(ii) カップリング反応
粗ジアミン(上述のとおりに調製したもの)を、メタノール(20 ml)に溶解させた。これに、直前にメタノール(2.2 mL)中のナトリウムメトキシド(0.23 mmol)で処理(窒素下、40℃にて1時間)した2-シアノピリジン(238 mg, 2.3 mmol)の溶液を添加した。これら全ての混合物に、酢酸(0.33 ml, 5.8 mmol)を添加した。
この混合物を、窒素下で1日間80℃に加熱した後、室温に冷却し、溶媒を減圧下で除去した。次いで、得られた案赤色オイルを5%アンモニア水溶液(20 ml)で処理し、1日間5℃に置いた。この上清をデカンテーションし、沈殿した固体を水で再び洗浄し、デカンテーションし、残った水を蒸発によって除去した。得られた固体をアセトニトリル(50 mL)で3日間にわたってスラリー化し、濾過して、粗生成物270 mgを褐色粉末として得た(粗収率48.2%)。この固体130 mgを、9:1のジクロロメタン:メタノール性アンモニアで平衡化させた2cm x 9cmのシリカゲルカラム上、ジクロロメタン中10%のエタノールからジクロロメタン中50%のエタノールまでの勾配で溶出させるクロマトグラフィーにかけた。生成物30 mgを、赤褐色固体として単離した。
1H NMR (400 MHz, CD3OD):δ 8.62 (poorly resolved d, 1H); 8.2 (m, 2H); 7.82 (t, 1H); 7.8 (d, 1H); 7.65 (d, 1H); 7.4, (m, 2H); 7.0, (d, 1H ); 6.8 (s, 1H); 3.6 ( t, 2H); 3.4 (t, 2H); 2.95 (s, 3H);
細胞毒性および放射線防護性の結果
C50 = 94.3
PF = 20.2
DMFm = 1.87
DMF10 = 1.15
[実施例55]:マウス舌の口腔粘膜の局所放射線防護
(マウス)
近交系C3H/Neu系のマウスは、the Medical Faculty Carl Gustav Carus、Dresden、Germanyにおける繁殖コロニーから供給された。これらの動物を、規定の病原体フリー条件下で繁殖および飼育した。飼育は、湿度(30〜50%)および温度(21〜24℃)の管理された条件下とした。自動化光プログラムは、午前6時から午後6時までの点灯で12/12時間の明/暗リズムに制御した。マウスは、おがくず床敷上で、ケージ当たり最高で10匹を、サイズ3 Macrolonケージ中に保った。標準マウス飼料(Altromin 1326、Altrogge)および標準パースペクス飲水瓶からの濾過した市水道水を自由に与えた。
(照射)
マウス舌の下面中央の3mm×3mmの照射野に、毎分3.78Gyの線量率が得られる20ミリアンペアの管電流および15cmの焦点-皮膚間距離で操作されるDarpac 150-MC装置(Forward Raytech Ltd、Swinbume、UK)から25kVのx線を照射した。麻酔マウス(ペントバルビトンナトリウム; 1kg当たり60mg)を、予め温められたアルミニウムブロック(おおよそ35℃)の中央円筒孔(直径25mm)内に仰臥位で置いた。舌を、ピンセットを使用してブロックの天井の孔(直径3mm)を通して導き、舌の上面を、両面接着テープでブロックの外面に固定した。頭を、ポリスチレンの楔により支え、舌の底部の牽引および結果としての低酸素症を回避した。コリメーターは、舌の下面にわたって中央に位置する3×3mm2ウィンドウ付きの1mm厚アルミニウムプレートとした。10匹のマウスの群に、10〜20Gyの範囲で5つの異なる線量を照射した。
(照射前処置)
照射の1時間前に、製剤10マイクロリットルを、置換式マイクロピペットを使用して麻酔マウスの舌の下面に適用した。30分後、製剤の第二の10マイクロリットルアリコートを適用し、マウスを、30分後に照射した。
(局所製剤)
プロピレングリコール中または水中の適切な薬物のストック溶液を、Poloxamer 407ゲル(BASF Lutrol F 127)の水溶液および/またはプロピレングリコール中のヒドロキシプロピルセルロース(おおよその平均MW 80,000; Aldrich cat no 435007)の溶液で、ならびに、水および/またはプロピレングリコールで希釈し、2つの製剤の各々を製造した:
製剤1-水中の30%プロピレングリコール中にPoloxamer 407 20%およびヒドロキシプロピルセルロース1%中の薬物10または30mMを含有したゲル、および
製剤2-ヒドロキシプロピルセルロース1%の最終濃度を含有するプロピレングリコール中に薬物10、30または60mMを含有した液体。
製剤3-ヒドロキシプロピルセルロース2%の最終濃度を含有する水中に薬物30mMを含有した液体。
(点数化およびデータ解析)
照射後の様々な時間に、麻酔マウスの舌の下面を毎日調べた。使用する計数的評価項目(エンドポイント)は、融合性粘膜炎RTOG/EORTCグレード3に対応する粘膜潰瘍とした。図例にプロットされているデータは、粘膜潰瘍のエンドポイントについて、少なくとも連続2日にわたって点数化された10匹のマウスの群の割合である。放射線量効果曲線は、Prism 5.0曲線フィッティングプログラムを使用し、単一パラメーターシグモイド形相関(ロジスティック関数
)で作成し、群中のマウスの50%が粘膜潰瘍エンドポイントに達する、補間後の放射線量に対応するED50値を出した。
結果を、図3〜7に示す。
[実施例56]:静脈内2PHによるマウス空腸の放射線防護
C3H/HeJマウスに、5匹の群で、0.73 Gy/分の線量率にて137Csγ線(GammaCell 40 Irradiator、Nordion International Inc.、Canada)での全身照射(最高で19Gyまで)の2時間前に、静脈内(尾静脈)注射による2PH(pH5の酢酸緩衝溶液中の30mM溶液;150mg/kg)を投与した。マウスを、照射後3日と14時間に安楽死させ、空腸を切除した。5つの1cm空腸切片を、各マウスから採取し、微小孔テープで束ねた後に中性緩衝ホルマリン中で固定した。次いで、サンプルをパラフィン包埋し、切片化し、ヘマトキシリン-エオシンで染色する。生存陰窩クロノゲンの増殖から生じる濃染コロニー(>10細胞)をカウントし、1周当たりのコロニーに基づいて点数化した。
図8は、放射線単独対照と比較した2PH処置マウスについての再生性陰窩クロノゲンについての生存曲線を示している。2つの実験群の各々についてのデータを、式:
(式中:
N0は、1周当たりのクロノゲンの初期数であり、
N(D)は、DGyの放射線量後の1周当たりの生存クロノゲン数であり、
Sは、陰窩当たりのクロノゲン数であり、
αは、致死事象に対応する放射線量の逆数である)にフィットさせた。
カーブフィッティングにより誘導されるαについての値は:
Α対照=0.529+/-0.048Gy-1
α2PH=0.431+/-0.039Gy-1(p<0.0001)であった。
これらの2つの値から、1.23+/-0.15の線量修飾係数が得られた。
[実施例57]:皮下M2PBによるマウス空腸の放射線防護。
2-ヒドロキシプロピル-β-シクロデキストリン(HPCD、Sigma-Aldrich、典型的なMW 1540)ビヒクル溶液を、リン酸緩衝溶液(PBS)9.3mLにHPCD 3.6gを溶かして30% v/w溶液とすることにより調製した。M2PB/HPCDストック溶液は、HPCDビヒクル溶液2mLに約30mgのM2PB(MW 396.45)を溶かすことにより調製し、極めて水溶性の錯体を形成させた。M2PBの濃度は、345nmにおける吸光係数4×108M-1cm-1を使用して、45% MeOH 0.1% TFA中に適切に希釈した後で測定した。M2PB/HPCDストック溶液を、HPCDビヒクル中で8.75mg/mL(22mM)まで希釈して最終M2PB/HPCD製剤を調製し、体重1g当たり8×10-3mlの容積で肩甲骨(頸部の首筋)間に、マウスに皮下注射した。
それに続く照射および解析は、実施例56について記載した通りであった。
結果を、図9に示す。例えば、ポリエチレングリコール(MW 400)中のメチルプロアミン、2PHまたはM2PBの溶液の皮下投与を使用する空腸モデルによる同様の実験において観察されていた、皮下注射部位における局所の反応または毒性の徴候はなかった。
(参考文献)

Claims (20)

  1. 式Iの放射線防護剤化合物:
    (式中、Xは、NまたはNHを表し、ここで、
    は、XがNの場合は二重結合であり、XがNHの場合は単結合であり、
    X'は、NまたはNHを表し、ここで、XとX'は異なり、
    は、X'がNの場合は二重結合であり、X'がNHの場合は単結合であり、
    Qは、メトキシルまたはHを表し、
    Yは、O、メチレン、ヒドロキシメチルまたはメチルアミノを表し、
    Aは、場合により置換されていてもよい2-ピリジル、場合により置換されていてもよい2-ピリミジル、場合により置換されていてもよい2-ピラジニル、場合により置換されていてもよい3-ピラゾリル、場合により置換されていてもよい5-ピラゾリル、場合により置換されていてもよい2-フラニル、場合により置換されていてもよい2-キノリニル、場合により置換されていてもよい1-イソキノリニルまたは場合により置換されていてもよい3-イソキノリニルを表す)
    および薬学的に許容できるその誘導体。
  2. Yが、メチルアミノまたはヒドロキシメチルを表す、請求項1に記載の化合物。
  3. Aが、場合により置換されていてもよい2-ピリジルを表す、請求項1かまたは請求項2に記載の化合物。
  4. 式IIの放射線防護剤化合物:
    [式中、Wは、-N(R1R2)(式中、R1およびR2は、同時に水素ではなく、それらは、一緒になって5、6または7員の環構造を形成していてもよい)、-NHN(R1R2)、-NHR3N(R1R2)、-NHR3OR2、-N(R3)R3OR2、-N(R1)R3OR3OR3、-OR3NR1R2、-OR3を表すか、あるいは、Wは、ピペリジル、ピペラジニル、モルホリニル、チオモルホリニルまたはジアゼパニルを表し、これらはそれぞれ、C1〜C4アルキル、C2〜C4アルケニル、-N(CO)N(R1R2)、-N(CO)OR1、-N(CO)OR3OH、-(CO)NR1R2、-R3(CO)NR1R2、-R3OR1、-OR1、-N(R1R2)または-NH-により場合により置換されていてもよく、
    R1およびR2は、同じであるかまたは異なり、水素、C1〜C4アルキルまたはC2〜C4アルケニルから選択され、
    R3は、C1〜C4アルキルまたはC2〜C4アルケニルの基または鎖であり、
    Zは、同じであるかまたは異なり、NまたはCHを表し、
    Z'は、同じであるかまたは異なり、NまたはCを表し、
    Xは、CH、NまたはNHを表し、ここで、
    は、XがCHまたはNの場合は二重結合であり、XがNHの場合は単結合であり、
    X'は、NまたはNHを表し、ここで、XがCHまたはNの場合は、X'はNHであり、XとX'は異なり、さらに、
    は、X'がNの場合は二重結合であり、X'がNHの場合は単結合であり、
    Qは、H、アルコキシル、-NR1R2、FまたはClを表し、
    Q1は、Z'がNの場合は存在せず、Z'がCの場合はH、アルコキシル、-NR1R2、FまたはClを表し、
    Aは、複素環のNまたはOがオルト位に位置する5〜10員の単環構造または多環構造を表し、前記環は、任意選択で二重結合、置換および/または他のヘテロ原子を含んでいてよい]
    および薬学的に許容できるその誘導体。
  5. Aが、場合により置換されていてもよい2-ピリジル、場合により置換されていてもよい2-ピリミジル、場合により置換されていてもよい2-ピラジニル、場合により置換されていてもよい3-ピラゾリル、場合により置換されていてもよい5-ピラゾリル、場合により置換されていてもよい2-フラニル、場合により置換されていてもよい2-キノリニル、場合により置換されていてもよい1-イソキノリニル、または場合により置換されていてもよい3-イソキノリニルを表す、請求項4に記載の化合物。
  6. Aの任意選択の置換が、クロロ、フルオロ、C1〜C4フルオロアルキル、C1〜C4アルキル、C2〜C4アルケニル、C1〜C4アルコキシ、C1〜C4アルコキシアルキル、C1〜C4アルキルアミノ、C2〜C4ジ-アルキルアミノ、またはC1〜C4アミノアルキルによる、請求項5に記載の化合物。
  7. Aの任意選択の置換が、メチルまたはメトキシルによる、請求項5かまたは請求項6に記載の化合物。
  8. 少なくとも1つのQが、メトキシルを表す、請求項4から7のいずれか一項に記載の化合物。
  9. 2-(5'-(5''-(4'''-メチルピペラジン-1'''-イル)ベンズイミダゾール2''-イル)ベンズイミダゾール2'-イル)ピリジン
    4-メチル-2-(5'-(5''-(4'''-メチルピペラジン-1'''-イル)ベンズイミダゾール2''-イル)ベンズイミダゾール2'-イル)ピリジン
    4-クロロ-2-(5'-(5''-(4'''-メチルピペラジン-1'''-イル)ベンズイミダゾール2''-イル)ベンズイミダゾール2'-イル)ピリジン
    4-メトキシ-2-(5'-(5''-(4'''-メチルピペラジン-1'''-イル)ベンズイミダゾール2''-イル)ベンズイミダゾール2'-イル)ピリジン
    1-(5'-(5''-(4'''-メチルピペラジン-1'''-イル)ベンズイミダゾール2''-イル)ベンズイミダゾール2'-イル)イソキノリン
    3-(5'-(5''-(4'''-メチルピペラジン-1'''-イル)ベンズイミダゾール2''-イル)ベンズイミダゾール2'-イル)イソキノリン
    3-(5'-(5''-(4'''-メチルピペラジン-1'''-イル)ベンズイミダゾール2''-イル)ベンズイミダゾール2'-イル)インダゾール
    2-(5'-(5''-モルホリノベンズイミダゾール2''-イル)ベンズイミダゾール2'-イル)ピリジン
    2-(5'-(5''-モルホリノベンズイミダゾール2''-イル)ベンズイミダゾール2'-イル)-4-メチルピリジン
    3-(5'-(5''-モルホリノベンズイミダゾール2''-イル)ベンズイミダゾール2'-イル)イソキノリン
    2-(5'-(5''-(4'''-メチル-1''',4'''-ジアゼパン-1'''-イル)ベンズイミダゾール2''-イル)ベンズイミダゾール2'-イル)ピリジン
    2-(5'-(5''-(4'''-メトキシピペリジン-1'''-イル)ベンズイミダゾール2''-イル)ベンズイミダゾール2'-イル)ピリジン
    2-(4'-メトキシ-6'-(5''-(4'''-メチルピペラジン-1'''-イル)ベンズイミダゾール2''-イル)ベンズイミダゾール2'-イル)ピリジン
    2-(6'-(5''-(4'''-メチルピペラジン-1'''-イル)ベンズイミダゾール2''-イル)インドール-2'-イル)ピリジン
    2-(5'-(5''-(モルホリノアミノ)ベンズイミダゾール2''-イル)ベンズイミダゾール2'-イル)ピリジン
    2-(5'-(5''-(4'''-イソプロピルピペラジン-1'''-イル)ベンズイミダゾール2''-イル)ベンズイミダゾール2'-イル)ピリジン
    2-(5'-(5''-(4'''-ブチルピペラジン-1'''-イル)ベンズイミダゾール2''-イル)ベンズイミダゾール2'-イル)ピリジン
    2-(5'-(5''-((2'''-メトキシエチル)(メチル)アミノ)ベンズイミダゾール2''-イル)ベンズイミダゾール2'-イル)ピリジン
    5-メチル-2-(5'-(5''-(4'''-メチルピペラジン-1'''-イル)ベンズイミダゾール2''-イル)ベンズイミダゾール2'-イル)ピリジン
    2-(5'-メトキシ-6'-(5''-(4'''-メチルピペラジン-1'''-イル)ベンズイミダゾール2''-イル)ベンズイミダゾール2'-イル)ピリジン
    3-(5'-(5''-(4'''-ヒドロキシピペリジン-1'''-イル)ベンズイミダゾール2''-イル)ベンズイミダゾール2'-イル)イソキノリン
    2-(5'-(5''-(4'''-(2''''-メトキシエチル)ピペラジン-1'''-イル)ベンズイミダゾール2''-イル)ベンズイミダゾール2'-イル)ピリジン
    2-(5'-(5''-(2'''-(2''''-メトキシエトキシ)エチルアミノ)ベンズイミダゾール2''-イル)ベンズイミダゾール2'-イル)ピリジン
    5-フルオロ-2-(5'-(5''-(4'''-メチルピペラジン-1'''-イル)ベンズイミダゾール2''-イル)ベンズイミダゾール2'-イル)ピリジン
    2-(5'-(5''-(4'''-ヒドロキシピペリジン-1'''-イル)ベンズイミダゾール2''-イル)ベンズイミダゾール2'-イル)-5-メチルピリジン
    から選択される、請求項4に記載の化合物。
  10. 2-(5'-(5''-(4'''-メチルピペラジン-1'''-イル)ベンズイミダゾール2''-イル)ベンズイミダゾール2'-イル)ピリジン
    4-クロロ-2-(5'-(5''-(4'''-メチルピペラジン-1'''-イル)ベンズイミダゾール2''-イル)ベンズイミダゾール2'-イル)ピリジン
    4-メチル-2-(5'-(5''-(4'''-メチルピペラジン-1'''-イル)ベンズイミダゾール2''-イル)ベンズイミダゾール2'-イル)ピリジン
    2-(5'-(5''-モルホリノベンズイミダゾール2''-イル)ベンズイミダゾール2'-イル)ピリジン
    2-(4'-メトキシ-6'-(5''-(4'''-メチルピペラジン-1'''-イル)ベンズイミダゾール2''-イル)ベンズイミダゾール2'-イル)ピリジン
    2-(5'-(5''-(4'''-ブチルピペラジン-1'''-イル)ベンズイミダゾール2''-イル)ベンズイミダゾール2'-イル)ピリジン
    2-(5'-メトキシ-6'-(5''-(4'''-メチルピペラジン-1'''-イル)ベンズイミダゾール2''-イル)ベンズイミダゾール2'-イル)ピリジン
    4-メトキシ-2-(5'-(5''-(4'''-メチルピペラジン-1'''-イル)ベンズイミダゾール2''-イル)ベンズイミダゾール2'-イル)ピリジン
    3-(5'-(5''-(4'''-ヒドロキシピペリジン-1'''-イル)ベンズイミダゾール2''-イル)ベンズイミダゾール2'-イル)イソキノリン
    2-(5'-(5''-(2'''-(2''''-メトキシエトキシ)エチルアミノ)ベンズイミダゾール2''-イル)ベンズイミダゾール2'-イル)ピリジン
    2-(5'-(5''-(4'''-イソプロピルピペラジン-1'''-イル)ベンズイミダゾール2''-イル)ベンズイミダゾール2'-イル)ピリジン
    5-フルオロ-2-(5'-(5''-(4'''-メチルピペラジン-1'''-イル)ベンズイミダゾール2''-イル)ベンズイミダゾール2'-イル)ピリジン
    から選択される、請求項4に記載の化合物。
  11. 電離放射線の損傷効果から生物材料を防護する方法であって、電離放射線による前記材料の被曝の前および/またはそれと同時に、有効量の請求項1から10のいずれか一項に記載の化合物を前記材料に投与することを含む方法。
  12. 前記生物材料が、放射線治療を受けているヒト患者または動物患者を含む、請求項11に記載の方法。
  13. 前記生物材料が、電離放射線による被曝が関わる診断手順を受けているヒト患者または動物患者を含む、請求項11に記載の方法。
  14. 電離放射線による被曝の危険性があるヒトにおいて電離放射線の損傷効果を予防する方法であって、電離放射線によるヒトの可能な被曝の前に、有効量の請求項1から10のいずれか一項に記載の化合物を前記ヒトに投与することを含む方法。
  15. 電離放射線の損傷効果からの生物材料の防護における、請求項1から10のいずれか一項に記載の化合物の使用。
  16. 前記生物材料が、放射線治療を受けているヒト患者または動物患者を含む、請求項15に記載の使用。
  17. 前記生物材料が、電離放射線による被曝が関わる診断手順を受けているヒト患者または動物患者を含む、請求項15に記載の使用。
  18. 電離放射線によるヒトの可能な被曝の前に請求項1から10のいずれか一項に記載の化合物をヒトに投与することを含む、電離放射線による被曝の危険性があるヒトにおける電離放射線の損傷効果の予防における、前記化合物の使用。
  19. 電離放射線の損傷効果から生物材料を防護するための医薬品の調製における、請求項1から10のいずれか一項に記載の化合物の使用。
  20. 請求項1から10のいずれか一項に記載の化合物を、1種または複数種の薬学的に許容できるまたは獣医学的に許容できる担体と組み合わせて含む、組成物。
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