JP2013519410A - 血行動態モニタおよび血行動態モニタの方法 - Google Patents

血行動態モニタおよび血行動態モニタの方法 Download PDF

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Abstract

1回拍出量を決定するための装置および方法に関する。該装置は動脈圧力波形を受信し、および圧力波形の異所性心拍、心房細動または圧力波形のベースラインの変化の影響を受けた心拍の圧力波形の一部を補正するように構成される。該装置は、補正された波形から1回拍出量を演算するように構成される手段も含む。

Description

本発明は、心臓の左心室の1回拍出量を決定するための方法および装置に関する。特に本発明は、異常な、または不規則な心拍条件、若しくは血圧が変化する条件で1回拍出量を決定することに関する。
患者の心臓の血行動態/心拍出量の正確な知識によって、医師は患者の医学的な状態を推定することが可能になる。心拍出量(例えば、リッター/分で測定される)、心拍数(例えば、脈拍/分で測定される)および1回拍出量(例えば、mlで測定される)の要素も有用な情報である。1回拍出量、または心臓1回拍出量は、大動脈弁から大動脈への心臓収縮期の各心収縮期に、左心室によって放出される血液量である。この体積は通常、心臓収縮期の終了の左心室から、左心室の心臓収縮期前の心臓拡張体積を引いた血液量に対応する。これは特に緊急時には正しく、例えば、患者が集中治療ユニットにいる場合、または患者が手術中に、例えば、麻酔中および麻酔後の輸液管理および薬物管理で1回拍出量が使用される場合である。さらに、患者の心拍出量の知識、またはその要素は、患者のモニタリングが通常望まれる状態などの、あまり緊急でない場合、または人命に関わる場合ではない状況でも有用である。
心拍出量ばかりではなく1回拍出量および心拍数も、動脈血圧波形の解析に基づいて決定できることが知られている。心臓の出力を決定する従来から提案されている方法の要約が、その全体が参照によって本明細書に援用される、本発明の譲受人による先行特許の開示である国際出願公開WO97/00017、およびA.Rhodes,R.Sunderland、「Arterial Pulse Power Analysis:LiDCO(登録商標)plus System」、Functional Hemodynamic Monitoring Update in Intensive Care and Emergency Medicine,42,pp.183−192,2005」に開示されている。
国際出願公開WO97/00017には、体積変換を実施し、その後に患者の心臓の第1のおよび第2の圧力パルスを含む変換された圧力波形の部分に自己相関操作を実施することによって、動脈圧力波形を評価することが開示されている。この特性の解析には、データが解析される前に、第2の心拍を示すデータが最初に要求され、および、1回拍出量、心拍数および/または心拍出量を含む患者の血行動態が示されることが開示される。従って、患者の血行動態の表示は、ほんの少し遅れて提供される。
各心拍に対して心拍出量/血行動態を表示できるように、患者の実際の心拍出量をリアルタイムで追跡する心拍出量の表示が望まれることが分かる。該心拍毎の追跡には、単一心拍だけに関する圧力データに基づいて、1回拍出量が決定されることが必要である。したがって、単一心拍に関するデータが、動脈圧力波形から抽出されることが望まれる。
本発明の態様によれば、心臓1回拍出量を決定するための装置は、一時的な動脈圧力波形を受信するための入力、さらに収縮期動脈圧力増加の開始時に波形内でデータ解析するために、開始点を決定するための手段、および、さらなるデータ解析のために任意ではなく決定される終了点を、決定するために配置される手段を含む。前記開始点と実質的に同一値を有する波形の一部分またはポイントを特定し、または、波形が開始点と実質的に同一値を有する一部分またはポイントを含まない場合には、心臓拡張期の終了から開始点と実質的に同一の値であるポイントに波形を外挿すること、の少なくとも一つ、または両方を実施することによって終了点が決定される。心臓拡張期の終了は、このような状況で、圧力値の低減後に、新たな圧力増加が開始するポイントであると想定される。さらに装置は、一部分の波形、または開始点と終了点との間に延在する外挿された波形から1回拍出量を演算するための手段を含む。
通常の心拍は、心臓収縮期および心臓拡張期の2つの連続する期間から構成される。心室収縮による心臓収縮期の間に、心臓の左心室内部の圧力は、大動脈弁が開き、および血液が大動脈に放出されるポイントまで増加する。これによって大動脈の圧力が増加し、および結果として大動脈が弾性拡張する。大動脈の圧力は、大動脈弁が閉じる直前までの短い時間に増加する。次に大動脈弁は、心臓内の圧力が大動脈圧力未満に降下した直後に閉じる。その後、血液が再び次の心臓収縮期に、心臓の心室から放出されるまでの間、放出された血液が大動脈から末梢に流れるにしたがって、大動脈の圧力は(その最低値−拡張期圧力)まで低減する。しかしながら、心臓拡張期間の大動脈圧力のこの低減は、体循環の総末梢抵抗に対して大動脈の弾性収縮を介して実施されるので緩やかである。心臓収縮期に、左心室の1回拍出量の割合を貯蔵する、バッファリングチャンバとして挙動する大動脈のこの機能はウインドケッセル機能と称する。
上述の内容を考慮すると、心拍出量または1回拍出量が、本発明のように、例えば尺側皮、橈骨、大腿骨、腋窩または足の動脈などを基に、大動脈圧力または末梢動脈で測定される圧力を使用して推定されるならば、動脈の収縮期圧力が増加する開始ポイントから動脈圧力が低減して開始圧力に下がるポイントまでの、検討されるべき大動脈圧力波形の全体が分かる。動脈圧力波形が特定の脈拍間に、心臓の実際の心拍出量/1回拍出量に関連しない出来事によって歪むこと場合があることが想定される。例えば、左心室収縮開始時に頻繁に異所性心拍または心房細動が発生すると、この異所性脈拍によって生成される大動脈圧力増加が重ね書きされて、先行する脈拍の動脈圧力波形の心臓拡張下降部分の邪魔をする。先行する脈拍の圧力波形の一部が歪む、または、該追加のまたは先の脈拍によってカットされるという事実は、言うまでもなく、心拍出量および1回拍出量を演算する目的のために、先の脈拍によって生成された大動脈の弾性拡張による寄与が無い、または無視できることを意味しない。それどころか、先行する心拍の放出フェーズで生成された収縮期圧力増加時の、伸縮拡張期に与えられたエネルギーの一部を大動脈は弾性的に記憶/保持する(ポテンシャルエネルギーとして)。先行する脈拍/拍動の体積を適切に評価するためには、それが有したであろう、または、追加/先の異所性心拍によって生成される干渉によって有しなかった形態を評価するために、動脈圧力波形の全心臓拡張部分が入手可能であることが望まれるということが分かる。
胸部圧力も動脈圧力波形の出現に影響を及ぼす。例えば、隔膜および胸郭の移動によって、吸入および呼気にそれぞれ要求される負圧力値と正圧力値(大気圧に比較して)の間で、胸部の圧力を動的に変動させる。この場合に胸部圧力が異なる正の圧力値の間で変化する場合であっても(再び周囲の大気圧と比較した場合)、胸部圧力による同様の連続的または動的変化が人工呼吸器の患者に存在する。
当然のことながら、胸部圧力の該変動は、単一心拍の経過中に、周囲の中心静脈、肺動脈および大動脈の圧力を変化させる。これは、測定された動脈圧力波形のベースライン変動という形で明らかになる。例えば、患者が自然に息を吐き出す場合には、関連する胸部圧力の増加によって、心臓収縮期の終了後の動脈がその値までリラックスする圧力である拡張期圧力(最小血圧)を生じる場合には、現在の心拍の開始時の前の心拍終了時の対応する拡張期圧力よりも高くなる。しかしながら、心室からの血液の放出は、心臓拡張期の終了時に大動脈で発生した圧力とは異なる値で始まる。これに基づいて、脈拍/拍動の容積を適切に評価できることが分かり、動脈圧力波形の心臓拡張部分は、患者の呼気による圧力変動が無い場合の形態から評価されることが望まれる。
当然のことながら上述の現象は、患者が自然に息を吸い込む場合の心拍にも起こる。胸部圧力は、吸入の開始時に徐々に低減するので、従って、血液を放出するためにおよび弾性的に大動脈を拡張させるために心臓に必要とされる心収縮の開始時の圧力は、大動脈圧力波形の心臓拡張部分の終了時の圧力よりも高い。これによって、適切に評価されるべき脈拍/拍動の容積に対しては、患者の呼吸による圧力変動が無い場合の形態から、動脈圧力波形の心臓拡張部分が評価されることが望まれることが再び分かる。
実施例によって上記で論じた要因などを含む多くの要因が、動脈圧力波形の出現に影響を及ぼすということが分かる。胸部圧力の呼吸変化などのいくつかの該影響は、該測定が多数の心拍の平均値に基づけば、心拍出量の測定に不当な劣化をもたらさない場合もあるが、単一拍動(1回拍出量)時の心臓から排出される血液量を決定する場合にはこれらの影響はより顕著になる。
動脈圧力波形の出現に影響を及ぼす、心房細動などの他の影響は、年齢が増加するにつれてより一般的になることが知られている。心房細動の場合には、洞房結節によって生成される通常の電気インパルスが、心房に起因する無秩序な電気インパルスによって混乱させられ、心室に不規則なインパルスが伝達されて、不規則な心室収縮/心拍が発生する。該不規則な心拍は心房細動として知られ、急性発作として数分間から数週間または数ヶ月間続く。心房細動は何年にもわたって存在する。患者の平均年齢がしばらくの間上昇し、および将来にわたって増加することを考えれば、該悪条件下でも機能するように考え出された、1回拍出量および心拍出量を決定する正確な方法が望まれる。
本発明は、1つの心拍に関する動脈圧力波形の一部を検討するだけによって、上記の問題の少なくともいくつかを緩和し、または解決する。この目的のために、これらのデータを検討するための開始点が、収縮期動脈圧力が増加する開始時のデータポイントによって決定される。このポイントでのデータ値は参照値として使用され、さらにポイントは同一動脈圧力値が再び発生するポイントを探すために使用される。さらにこのポイントによってデータ処理のために心拍の終了点が決定され、次に開始点と終了点との間の圧力波形部分を考慮することによって1回拍出量が決定される。従って患者の呼吸または換気によって発生する動脈圧力のいかなる降下も、単純に無視される。二回の心拍の分析に基づいて1回拍出量が決定される技術に比較すると、このように動脈圧力波形を処理することによって、1回拍出量を決定することができない場合および不適切に決定される場合を低減できることが見出された。
上述したように、呼吸が影響し、または次の心拍が早く発生することによって、次の心拍の前に、動脈圧力が心拍の開始時の値に降下しない場合が想定される。このような状況では、心拍の1回拍出量を決定するために使用される圧力波形の一部の終了点は、次の心拍の「開始」時点を越えて決定される。次の/追加の脈拍の開始までの動脈圧力カーブの形状または下り勾配(血液が末梢に流れ出ることによる圧力低減によって特徴付けられる)が、心拍の開始時の値に対応する値を有する時間ポイントまで外挿される。該外挿は線形に降下する一連の値によって実施される。該線形外挿を使用することによる利点は、通常非線形に下降する拡張期圧力波形からのわずかなずれは、ロバストに無視できることである。動脈圧力の低減は、実質的に指数関数に従うということが知られている(例えばLiu,Z.R.,Ting,C.T.,Zhu,S.X.,Yin,F.,「Aortic compliance in human hypertension」,Hypertension、1989、14:129−136)。コンピュータ的に安価な線形外挿は、臨床的症状に有意な動脈圧力範囲で、この指数関数に適切に近似できる。すなわち、指数関数は、動脈圧力が低減する入手可能なデータポイントに適合し、予測/外挿される圧力は開始点での圧力と同一となるポイントに外挿できる。心拍の1回拍出量を決定するために使用されるべき圧力波形の一部の終了点が、心拍の開始時点の波形値を実質的に有する外挿ポイントによって決定される。このように外挿することによって、再び患者の呼吸による圧力変動を単純に無視することができる。しかしながら、より重要なのは、追加の心拍によって歪みまたはマスクされる、圧力波形のこれらの一部を評価するには、明細書に開示された外挿技術が十分であることである。次の心拍の開始点が決定され、この開始点が圧力波形を外挿するための参照ポイントとして使用される。心拍の開始点を決定するための方法がある。動脈圧力波形から心拍開始点を決定する1つの方法は、圧力波形の勾配が負から正に変化するポイントを検出することである。
必要であれば、圧力波形を外挿することは、圧力波形の後方部分のトレンドを決定する方法であってもよく、例えば、検討対象となっている脈拍の決定された開始点と次の脈拍の決定された開始点との間の該波形の後半部分、または3分の一、4分の一または5分の一であって、対応する値が現在の心拍の開始時の値に到達するまでこのトレンドが続く部分である。例えば、これは、波形のこの後方部分の勾配を決定し、および、対応する値が現在の心拍の開始時の値に到達するまでのこの勾配を使用して、外挿による波形を続けることによって達成される。しかしながら、外挿は、いかなる他の適切な方法によっても達成できる。例えば、動脈圧力波形の後方部分のデータに適合する適切な関数を決定し、および、対応する値が現在の心拍の開始時の値に到達するまでデータポイントを越えて、従って適切な関数を適用することによって、圧力波形が外挿されることが想定できる。
動脈圧力波形は、橈骨動脈などの患者の動脈の1つにカテーテルを使用するために要求される圧力測定から、あるいは、例えばすでに適切な位置にあれば、大動脈カテーテルから生成できる。動脈圧力モニタは市販され、従って本発明の装置に本質的ではないが、本発明の装置は動脈圧力波形それ自体を測定するための手段を含むが、言うまでもなく該手段は本発明の装置の1部として備えられる。しかしながら、もっと手軽に、16Orsman Road、ロンドン、N15QJ、英国のLiDCOLtd.から入手可能な、市販されている侵襲的動脈圧力モニタリングシステム、LiDCOrapidすなわちLiDCO(登録商標)と血行動態モニタなどの出力から、動脈圧力波形が受信されてもよい。または、動脈圧力は非侵襲的な方法、FinapresおよびPortapres(Lysander et al.,Non invasive pulsatile arterial pressure from the human finger.Experimental Physiology,90:4,427−446,2005)を使用して指からモニタされてもよい。
当然のことながら、他の情報から遮断されている動脈圧力波形は、各脈拍の心臓から放出された血液量の絶対値を示すわけではない。これは、第1に動脈部分の弾性特性は心臓拡張から収縮期圧力範囲で線形ではないという事実とペアになった、上で参照したウインドケッセル機能によって、圧力の増加は心臓から放出された血液量に比例しないからである。心拍期間中の心臓から放出された血液量の絶対値を得るためには、圧力波形を非線形変換させることが必要である。これは、例えば、圧力の増加と脈拍(1回拍出量)中に、心臓から放出された血液量とを関連付ける情報を含むルックアップテーブルを使用することによって可能となる。すなわち、上述したように本願に援用され、および参照される、本明細書では繰り返し便宜のために使用されている論文、A.Rhodesに開示された式によって、動脈圧力で検出される変化を体積変化に変換することで可能となる。
V=cal.250(l−e−k.BP)(1)
ここでVは、開始時のリラックスした/心臓拡張体積から動脈部分の所望の等価的に超過/追加された体積であり、BPは血圧mmHgであり、kはカーブ係数であり、および250mlが大気圧で充填された体積を超える動脈システムの典型的な飽和体積であり、動脈システムに追加できる最大追加体積である。カーブ係数k=0.0092は、血圧がmmHgで測定される動脈部分で、等価的に/超過して追加された体積を適切に決定できるようするために示される。校正係数cal.は飽和値を各患者に対して調節するために提供される。さらに動脈血液量と動脈血圧とを関連付ける開示情報は、C.B.Wolff,B.S.GoochおよびJ.S.Douglas in 「A Simple Volume Related Model of Arterial Blood PressureGeneration」,Adv.Exp.Med.Biol.,vol614,pgs109−117,2008によって示される。この開示の全体は参照によって本明細書に組み込まれる。
当然のことながら飽和容積は患者によって異なり、従って患者の1回拍出量の絶対値が生成されることが望まれるのであれば、式(1)の校正値cal.は患者毎に決定される必要がある。しかしながら、当然のことながら、特定の患者の校正値cal.が分からなくとも、式(1)は、患者の1回拍出量の経時的で有用な心拍毎の変化情報を提供できる。この場合に校正値cal.は、(最大追加容積250mLに等価の)名目値1.0に設定されるので、相対情報を抽出できる。
校正値cal.は多くの校正技術の1つを使用して生成でき、例えば、開示の全体が参照によって本明細書に組み込まれる、M.Jonas,D.HettおよびJ.Morgan in 「Real Time, Continuous Monitoring of Cardiac Output and Oxygen Delivery」,in International Journal of Intensive Care,2002,Vol.9、No.1に記載された、国際出願公開WO93/09427に開示されたセンサなどの適切なセンサを使用した、周知のリチウム「色素(dye)」校正技術などで生成できる。この技術は、塩化リチウム溶液のボーラスを中心静脈に投与し、およびボーラスの第1のパス中で、末梢動脈のプラズマリチウムイオン濃度の増加を記録することによる。このように記録された希釈曲線の総領域は、総心拍出量に反比例し、および周知の方法でcal.を導き出すだめに使用できる。他の同様の校正技術が使用されてもよい。該技術には、国際出願公開WO93/09427に開示されている熱希釈技術、他の色素希釈技術、Fick方法および経食道ECHO心電図が挙げられる。
さらに、患者の年齢および体重に関連する経験的データに基づいて校正係数を推定することが可能である。校正係数は年齢および体重と共に増加することが知られている。当然のことながら、校正係数がこのような方法で推定されたとしても、校正係数は、まだ患者に特有のものである。上述したLiDCOrapid血行動態モニタは、この方法で校正係数を推定する。
当然のことながら、動脈圧力センサによって記録された血圧は多くの要因によって異なる。1回拍出量を決定するために関心のある要因は、言うまでもなく、心臓から血液が放出されることによって生じる動脈血圧の周期的変化である。動脈系を介して放出される血液は、動脈血圧にも影響を及ぼし、および患者の末梢抵抗によって決定される。末梢抵抗は、言うまでもなく時間と共に変化するが、心拍またはいくつかの心拍期間にわたって一定であると考えることができる。従って動脈系からの血液の排液はオフセットとして考えることができ、これは、心臓収縮期中の心臓から大動脈への血液の流入によって生じる(AC)動的圧力変化のDC背景要素である。したがって、1回拍出量すなわち入力される血液量関数を決定/区別するために、脈動変化動脈圧力曲線、すなわち関連する体積曲線だけを解析することが望まれる。
国際出願公開WO97/00017に開示された方法では、上記のように、自己相関関数をこの目的のために適用する。この自己相関関数の使用方法は本発明にも適用でき、波形の抽出された部分がコピーされおよびそれ自体にコピーされ、波形の抽出された部分の2つの同一のコピーが自己相関関数の入力として使用できることが分かる。波形の抽出された部分をコピーし、およびこのように解析することによって、実施された解析が心拍毎の解析となることを確実にする。さらに自己相関の結果、複数の心拍などの長期間に関するデータよりはむしろ、検討中の心拍だけに関するようになる。抽出波形の1つのコピーを抽出波形の別のコピーに追加することによって、最初に記録された波形の周期とは異なる周期性を有する波形を生成できることに注意するべきである。それは、本発明の好ましい実施形態は、上述したように、単一脈拍に関連する波形の一部を切り取りまたは伸張していることによる。したがって、このデータから患者の複数の拍動心拍数を決定することは不可能であって、したがって患者の複数の拍動心拍数は異なる方法で決定され、例えばECG測定または国際出願公開WO97/00017に開示される自己相関関数を最初に獲得された波形の多数の心拍に実施することによって決定される。
上に記載された方法で延長されまたは切り取られただけの、一回の拍動に関する圧力波形データに基づいて決定された心拍数は、他に断りがないかぎり、医師に有用な情報としてのみ提供されることに注意すべきである。これは、該一回の拍動心拍数データは短期間の変動をあらわしがちだからである。該変動は心臓周囲の状態の短期間の変化に対応して生じたものであり、したがって該短期間の変化を示す。1回拍出量に影響を及ぼす典型的な変化は胸部圧力の呼吸変動であり、それは心臓に戻る静脈血液を低減または増加させ、したがって心臓収縮期に心室から放出されるべき利用可能な血液量を変化させる。後に議論されるように、胸部圧力の該変化は、心臓収縮期の開始点の圧力に対応する心臓拡張圧力に合わせたポイントに影響を与える。従って、一回の拍動心拍数を決定することによって、胸部圧力の呼吸変動などの短期間の影響の推測、またはさらに定量化する方法を提供できる。例えば、単一心拍だけに関するデータから決定される心拍数の情報は、1回拍出量/心拍出量の呼吸に依存する変動を決定できる。この情報は、患者に起こりえる液体反応性に対して、有用な見識を提供できるが、これについては以下に詳細に説明する。
自己相関技術には、コンプライアンス補正された波形の平均の減算、このように生成された波形のコピー、および2つのコピー波形をお互いに対してシフトすることを含む。シフト動作の各ステップでは、2つのコピー波形の値をお互いに乗算し、およびこれらの乗算の結果は合計される。従って、例えばデータポイントを零シフトさせるためには、第1の波形の第1のデータポイントは第2の波形の第1のデータポイントで乗算され、第1の波形の第2のデータポイントは第2の波形等の第2のデータポイントで乗算され、およびこれらの乗算の結果は合計される。1つのデータポイントをシフトさせる場合には、第1の波形の第1のデータポイントは第2の波形の第2のデータポイントで乗算され、第1の波形の第2のデータポイントは第2の波形等の第3のデータポイントで乗算される。およびこれらの乗算の結果は合計される。2つのコピー波形間のシフトは、τと称する。τの各値は、合計値をデータポイントの数で除算によって演算された平均である。各平均は自動共分散/相関プロット上のポイントである。
波形の脈動変化は以下の式によって評価できる。
拍動性=(R(0))1/2+(−R(τmin))1/2(2)
ここでR(τ)は自己相関関数であり、τminは自己相関関数が最小のτの値を示す。R(0)は自己相関関数の最大値(τは0である)。拍動性は患者の相対1回拍出量に対応し、それに基づいて患者の心拍出量の変化をモニタできる。絶対1回拍出量は、上述の校正係数cal.で拍動に乗算することによって決定できる。
言うまでもなく、波形の拍動性を推定する他の方法も想定され、および周波数領域で次のフーリエ変換によって波形の脈動要素を検討する方法も知られている。代わりに、その平均値の減算に続いて波形二乗平均平方根値を決定する他の方法が動脈圧力波形の拍動性を決定するために使用されてもよい。
当然のことながら、代わりに、動脈圧力波形の脈動要素を、最初に非線形補正を適用せずに解析することができる。解析の結果は、後に、式(1)を参照した上に記載された方法で、非線形適合補正の対象とされる。または、非補正動脈圧力波形の該解析結果は、そのまま、これはあまり正確でないとしても、患者の心臓の入力の変化を示すものとして使用してもよい。
心拍に関する動脈圧力波形の一部を記録された圧力波形から抽出する方法に戻り、本発明をより一般的に検討すると、当然のことながら、収縮期圧力が開始値よりも低い値に低下し、すなわち開始値に戻らない場合には、この低減挙動は、例えば胸部圧力の変化による動脈血圧データのベースライン変化が単に発現したのである。
該変化の補正は本権利自体において有利な点であると認識され、および本発明の別の態様によれば、心臓1回拍出量を決定するための装置は、動脈圧力波形を受信するための入力、動脈圧力波形のベースライン変化を特定するために構成される手段、単一心拍に関する圧力波形の一部を特定するように構成される手段、前記ベースライン変化をもたらす特定部分を補正するように構成される手段、および、波形の補正された部分から拍動/1回拍出量を演算するように構成される手段を含む。
当然のことながら、心拍の開始時に有していた値に動脈血圧が戻らないことは、不規則な心拍の存在に起因する。この場合に動脈血圧曲線は、上述したように、現在の圧力値が心拍開始時の圧力に達するまで延長される。他の言葉で言えば、追加のまたは不規則な心拍によって生じる血圧のいかなる増加も、前の脈拍の1回拍出量を評価する目的のために無視される。これは、本権利自体において有利な点であると認識され、および本発明の別の態様によれば、1回拍出量を決定するための装置は、動脈圧力波形を受信するための入力を含み、該装置は圧力波形の異所性心拍または心房細動の影響を除去する方法で、単一心拍に関する圧力波形の一部を補正するように構成され、該装置はさらに、単一心拍に関する補正された波形から1回拍出量を演算するように構成される手段を含む。
装置は、1つの心拍の波形の後半、3分の1、4分の1または5分の1の部分のデータ値の低減するトレンドを特定し、および特定されたトレンドが開始点値に実質的に対応する値に到達するまで継続するとして、波形を外挿するように構成されてもよい。トレンドを決定することには、波形の後方部分の勾配を決定すること、および決定された勾配を使用して波形を延長させることでトレンドを継続できることを含む。当然のことながらトレンドは異なる方法で特定することもでき、例えば、数学的関数または曲線を波形の後半の一部に適合させることで特定できる。この場合に適合させた曲線に基づいて外挿することで、トレンドは継続できる。
一旦1回拍出量が決定されると、心拍出量は、いくつかの脈拍で平均化された心拍数、または、上述したように決定された拍動心拍数のどちらかによる患者の心拍数で、1回拍出量を乗算することによって生成できる。
拍動体積値すなわち心拍出量値はある期間にわたって、すなわち多くの心拍に対して決定される。一回の拍動心拍数または心拍出量が時間と共に所定の値を越える場合には、指標は1回拍出量の変動として示される。上述の説明から、胸部圧力が心拍の圧力波形の開始圧および終了圧に影響するということは明らかである。胸部圧力の変化は実際の1回拍出量に影響を与え、すなわち、胸部圧力が増加するときの1回拍出量を低減させ、およびこれと反対の現象も起こる。胸部圧力による1回拍出量の変化は、患者の循環系の血液量を低減させる場合に顕著であるとして知られている。従って、呼吸サイクルでの1回拍出量の変化は、患者の血行動態を示す指標として使用でき、並びに、患者の流体量を増加させるか否か、および/または1回拍出量および心拍出量を増加させることで応答しているか否かを決定するには有用である。例えば、一回の呼吸または複数の呼吸サイクルにわたる1回拍出量の変化が、所定の値、例えば、10%を越えているかを判断することができる装置が想定される。臨床医が、患者に投与する液体量の増加を決定する基になる1つの指標として、該装置を使用することができる。同様に、1回拍出量の変化が所定の値よりも小さい場合には、臨床医は装置によって提供される指標を、患者に利尿物質を投与するべきか否か、および/または、患者への輸液を低減するべきか否かを決定する有用な情報としてさらに活用する。あらかじめ定められた値は、臨床的に許容できる血液量に関連しているとして知られる流体変動値である。該所定の値は、例えば、経験的データに基づいてもよい。
上記特徴の指標は、いかなる出力手段で提供されてもよく、例えば視覚または可聴できる形態であるが、最も好適には表示装置で表示される。該表示装置の表示は、現在の1回拍出量、現在の心拍数、複数の以前の1回拍出量および複数の以前の心拍数の少なくとも一つの指標を出力する。
患者の呼吸による1回拍出量の周期的な変化は、患者の呼吸数(速度)の測定の基礎としても使用できる。これは、得られた圧力波形を解析することによって実施され、平均動脈圧力、または、ある期間、例えば数十秒間にわたって演算された1回拍出量の変動を決定することによって解析される。これは、例えば、一連の決定された1回拍出量または心拍出量値の自己相関を使用して、若しくは一連の1回拍出量または心拍出量値のフーリエ変換によって実施される。
本発明は、言うまでもなく、上述の装置に限定されることはなく、さらに対応する方法に拡張することができる。本発明の別の態様によれば、心臓1回拍出量を決定する方法は、入力として動脈圧力波形を受信する工程、収縮期に動脈圧力が増加する開始時に、波形の1回拍出量を決定する目的のために開始点を決定する工程、開始点と実質的に同一の値となる波形の部分またはポイントを特定する工程または心臓拡張期の終了から心臓収縮期の開始時と実質的に同一の値を有するポイントまで波形を外挿する工程の少なくとも一つ、または両方の工程を実施することによって、1回拍出量を決定する目的のために終了点を決定する工程、および、開始点と決定された終了点との間に延在する波形または外挿された波形の全圧力値を含む、現在補正された単一血圧心臓周期の全体から1回拍出量を演算する工程とを含む。
本発明の別の態様によれば、1回拍出量を決定する方法は、入力で動脈圧力波形を受信する工程、動脈圧力波形のベースライン変化を特定する工程、心拍に関する圧力波形の一部を特定する工程、前記ベースライン変化をもたらす特定部分を補正し、および補正された波形から1回拍出量を演算する工程を含む。
本発明の別の態様によれば、1回拍出量を決定する方法は入力で動脈圧力波形を受信する工程、圧力波形の異所性心拍または心房細動の影響を除去する方法で、単一心拍に関する圧力波形の一部を補正する工程、および補正された波形から1回拍出量を演算する工程を含む。
本発明の別の態様によれば、患者の流体動態をモニタする方法は、上述のいずれかの方法を使用して患者の心拍出量または1回拍出量をモニタする工程、および1回拍出量または心拍出量の変動が呼吸サイクルにわたって、10%などの所定の値を越えたか否かを決定する工程を含む。方法は、さらに、該変動が前記所定の値以上か、以下かによって、患者に投与される流体を増加または低減する工程を含む。
本発明の別の態様によれば、患者の流体動態をモニタする方法は、上述のいずれかの方法を使用して患者の心拍出量または1回拍出量をモニタする工程、および呼吸サイクルにわたる1回拍出量または心拍出量の変動が所定の値未満であるか否かを決定する工程を含む。変動が所定の値未満である場合には、患者の身体の流体が過剰であることを示すので、従って、利尿物質が患者に投与される。
本発明の別の態様によれば、患者の呼吸をモニタする方法は、上述のいずれかの方法を使用してある期間の患者の心臓1回拍出量決定する工程、および、1回拍出量のベースライン変化などの周期的変化に基づいて患者の呼吸数(速度)を決定する工程を含む。
上で説明したいずれの方法も、さらに、人工呼吸器から圧力信号を得る工程を含む。患者の呼吸に関連している周期性はこの圧力信号に基づいて予測でき、および1呼吸サイクルの間に決定できる。呼吸期間の1回拍出量の変動は、決定された呼吸サイクルの長さおよび1回拍出量情報に基づいて決定できる。吸入または呼気フェーズの開始、および呼気および吸入フェーズのそれぞれの終了は、さらに人工呼吸器からの圧力信号に基づいて決定でき、例えば、圧力信号の勾配が負から正に変化する(このポイントは吸入フェーズの開始/呼気フェーズの終了を示す)圧力信号のポイントを決定することによって、および、圧力信号の勾配が正から負に変化する(このポイントは吸入フェーズの終了/呼気フェーズの開始を示す)圧力信号のポイントを決定することによって可能になる。
本発明の実施形態によるバルサルバ試験中にわたる、動脈血圧および1回拍出量の変化の測定記録の結果を示す。 図1Aに示される1回拍出量に基づいて演算された心拍出量を示す。 図1Aの動脈血圧波形の1部を示し、および図示された波形データを処理する好ましい実施形態の方法を図示する。 図1Aの動脈血圧波形の1部を示し、および図示された波形データを処理する好ましい実施形態の方法を図示する。 図1Aの動脈血圧波形の別の1部を示し、および図示された波形データを処理する好ましい実施形態の方法を図示する。 図1Aの動脈血圧波形の別の1部を示し、および図示された波形データを処理する好ましい実施形態の方法を図示する。 好ましい実施形態のフローチャートを示す。 本発明の実施形態を実施できる血行動態モニタの外観を示す。 血行動態モニタで実施されるデータ処理ステップを図示する。
図1Aは、バルサルバ試験の試験中および試験前後にわたる血圧BPの変動をmmHgで示す。図1Aに、結果として生じるmL単位の1回拍出量SVを時間経過とともに示す。より急激に周期的に変動する曲線は、収縮期血圧値であるピークを有する血圧を示す曲線である。図1Bは、図1Aに示される1回拍出量波形から、1回拍出量を現在の心拍数と乗算することによって決定される、それぞれの心拍に対する心拍出量を示す。
図1Aから分かるように、測定の開始後、約18秒までは最大血圧および最小血圧は、非常に周期的である。この変動はこの被検体の呼吸によるものであり、1回拍出量に必然的な変動をもたらす。約22秒には、1回拍出量だけではなく、最大血圧値と最小血圧値の両方が著しく増加することが観察される。この増加は、この被検体の胸部の初期圧力増加により、これによって、この被検体の胸部の動脈部分から、この被検体の動脈系のより末梢部分に血液が最初に排出される。このフェーズはデータ記録の開始後約23秒で終了し、およびその後最大血圧値および最小血圧値が急に減少する。これは、胸部圧力が増加することによって、血液で膨らみ次に血液を排出する能力がある心臓を応圧することによって制約されるからである。胸部圧力が増加すると、心臓が血液を送り出す能力に影響を及ぼすだけではなく、胸部の静脈も圧迫するので、心臓拡張期に心臓を満たすことができる心臓の上流の血液量を低減させる。約30秒でのバルサルバ試験の終了後、つまり人工的に増加した胸部圧力が取り除かれた後には、1回拍出量とともに最小血圧値および最大血圧値は、正常値まで増加する。
図1Aから明らかなようにバルサルバ試験の間は、心拍の終了時の最小血圧のいずれも初期値には戻らず(図1Aの約22秒から24秒および約30秒から35秒の場合のように)すなわち開始値未満の値に戻る(図1Aの約24秒から30秒の場合のように)。上述したように、このような状況では、動脈血圧波形によって演算された1回拍出量は、それぞれ、過少または過剰推定されることが予想される。図2Aおよび図3Aは、それぞれ、心拍終了時の拡張期血圧が、心拍開始時の拡張期血圧未満になる状態、および心拍終了時の拡張期血圧が、心拍開始時の拡張期血圧未満にならない状態を図示する。
特に、図2Aは、データ記録の開始後23秒から25秒に延在する、図1Aの血圧波形の一部の抜粋を示し、これは、血圧値が減少しながら開始するバルサルバ試験のフェーズ間である。心拍開始時の動脈拡張期圧力は、心拍開始時の、100で標識された開始点で約100mmHgである。心拍終了時の動脈血圧は、しかしながら、圧力波形に重ね合わされた水平線から分かるように、この開始値未満に低減する。1回拍出量を演算する場合に、この低減が考慮されれば、生成された1回拍出量は正確になるということが見出された。
図2Bは、この問題を解決する本発明の一実施形態の方法を示す。図2Bから分かるように、波形が重ねられた水平線と交差する、開始点100から終了点120まで延在する部分である、開始点100の動脈血圧値を超える図2Aの波形の一部110が抽出された。波形の抽出された部分120のコピー130が、波形の抽出された部分に付け加えられた。従って、この波形の組み合わせは、拍動、1回拍出量および心拍出量を決定する、上述の自己相関手法の入力として、適切なデータシーケンスを提供する。
図3Aは、胸部圧力の低減に続くバルサルバ試験の一部の間の、データ記録開始後の31秒から33.5秒の間の図1Aの波形の一部を示す。図3Aから分かるように、心拍を開始した開始点150の動脈圧力は、圧力波形の上に重ねられた水平線によって再び示されるように、次の心拍を開始するポイント160の動脈圧力よりも小さい。上述したように、これによって、間違った方法で、1回拍出量を動脈圧力波形から決定する事態に再び導いてしまう。
図3Aは、正確な1回拍出量をそれでも演算できることを確実にする、拡張期圧力のこの変化に対処する実施形態の方法も示す。特に図3Aから分かるように、圧力波形の後方部分170は、開始点150での圧力値に対応する圧力値に到達するまで延長された。次の心拍の開始を伴う圧力増加180が図3Aに示されるが、この圧力増加180はこの図だけに示されるので、心拍に関連する波形がどのように延長されたかを明確に示す。1回拍出量を決定する場合に、圧力増加180の一部のデータは、言うまでもなく考慮されない。従って、図3Aに示される波形の後部の関連部分は、終了点190に延長された下降部分である。
図3Bは、図3Aに示される開始点150と終了点190の間に延在する、同一波形がコピーされ、延長/外挿され、および抽出された図3Aの波形部分の連結を示す。次の脈拍の開始部分を形成する圧力増加180は、図3Bに再び示され、波形が延長された方法を明確に図示する。これらの圧力増加180は、次のデータ解析に含まれるデータとはならない。図3Bに示される波形は、拍動、1回拍出量および心拍出量を決定するために上述した自己相関方法のための好適な入力を再び形成する。
図4は、実施形態による方法のフローチャートを示す。該方法はステップ200で開始され、および、圧力波形データはステップ210で受信される。ステップ220で、収縮期動脈圧力増加の開始にあたる、開始点100または150などの開始点が決定され、およびそのポイントの動脈圧力値が、例えばレジスタにそれを記憶することによって記録される。それと同時に、カウンタCNTRが開始値1に設定され、最大カウンタ値CNTRmaxが定義される。最大カウンタ値CNTRmaxは、開始点に続くデータが解析されるループを中断するためのものである。
CNTRmaxの値は、予期される期待心拍数ばかりではなく、患者の動脈圧力をサンプリングするために使用されるサンプリング周波数によっても異なり、および、ループ(以下により詳細に説明される)が全心拍に関連することが期待されるデータに加えて、さらに安全マージンを提供するいくつかのデータポイントをカバーするように上手く設定されるべきである。次のデータポイントがステップ230で解析される。開始点から空間的に離れているこの「現在の(current)」データポイントの数が、カウンタCNTRの値に対応する。次に、比較の結果、データ値が開始値よりも小さい場合には、方法は終了点(すなわちカウンタCNTRによって示される位置のデータポイント)を特定し、ステップ240に進む。ステップ240では、開始点と新たに特定された終了点との間に延在する波形の一部が抽出される。比較の結果データ値が開始点のデータ値よりも大きい場合には、カウンタ値は最大カウンタ値CNTRmaxと比較される。
CNTRがCNTRmaxよりも小さい場合には、次にプロセスは、カウンタCNTRを1つだけ増加させるステップ250を介してステップ230に戻る。そうでなければ、圧力波形の一部が抽出されるプロセスステップ260に進む。この部分は、開始点から、開始点から離れたポイントであるCNTRmaxデータポイントにまで延在する。このように抽出された波形の後半は、ステップ270で解析され、および、図3Aに示されるポイント160などの動脈圧力が増加し始めるポイントが検出される。ステップ280では、抽出データセットは、検出されたポイントから抽出データセットの終了までのデータ値を除外するように切除される。ステップ290では、残った波形の後半部分の平均勾配が決定され、および、このように決定された勾配は、外挿される圧力値が該波形の開始時点の動脈圧力以下になるまで、該波形を外挿するために使用される。
該方法は、ステップ240およびステップ290の両方からステップ300に進む。したがって、ステップ300では波形が元の圧力波形から抽出される、該方法で、ステップ240からステップ300に進んだ場合には、あるいは、該方法でステップ290からステップ300に進んだ場合、詳細に上述したように波形が抽出および外挿される。結果として生じる波形は、ステップ300で複製され、およびこの波形の1つのコピーが他のコピーに追加される。ステップ310では、自己相関が詳細に上述した方法で使用され、波形の拍動性を式(2)に基づいて導き出し、名目1回拍出量を演算する。任意にステップ320で校正値を受信し、または、決定し、および、ステップ330で名目1回拍出量から実際の1回拍出量を演算するために使用される。心拍数はステップ340で決定され、例えば最初に記録された波形に基づき国際出願公開WO97/00017記載された方法で、または、単一脈拍に関連する波形に基づいて、自己相関を使用する。ステップ350で心拍数が名目または実際の1回拍出量に乗算され、現在の名目心拍出量値または実際の心拍出量値を演算する。
当業者であれば、上述の方法は、本発明を実施するためのいくつかの可能性がある方法の1つにすぎないことを理解できるであろう。したがって上述の方法を変更することが想定される。例えば、ステップ260を省略すること、および、プロセスで直接ステップ270に進むことが想定され、この場合には、外挿されたデータは単に元の望ましくないデータを置き換える。さらにカウンタCNTRがステップ250で2つ以上増分されでもよいことが想定される。これによって、拡張期圧力が現在の動脈圧力波形の開始点時の拡張期を下回るポイントを、より早く検出することが可能になる。一旦、開始動脈圧力未満の動脈圧力ポイントが検出されると、現在検討されているポイントと以前に検討されたデータポイントとの間のデータポイントを、波形の開始時点の動脈圧力と1つずつ比較でき、開始動脈圧力未満に低減した動脈圧力の波形の最初のポイントを特定できる。
図5は、本発明の実施形態を実装できる血行動態モニタ400の外観を示す。血行動態モニタは、デバイスにアナログ圧力波形を供給するように結合でき、および、それを介してアナログ圧力波形を血行動態モニタに入力できる入力ポート410を含む。アナログデジタルコンバータ420は、入力ポート410を介して受信されたすべてのアナログ圧力波形をデジタル信号に変換するように構成される。デジタル信号は、以下に説明するように、さらに処理するためにバス430に置かれる。さらに血行動態モニタ400は、マイクロプロセッサ440、バッファとして機能できるRAM450、ハードドライブ460として供給される永久記憶手段、およびいくつかの入力/出力手段470を含む。該入力/出力手段の例には、モニタ、プリンタおよびキーボード等が挙げられる。
図6は、好ましい実施形態の血行動態モニタで実施されるデータ処理ステップを図示する。ステップ500では、外部デバイスからアナログ圧力波形が受信される。アナログデジタルコンバータ420は、ステップ510でアナログ圧力波形をデジタル信号に変換し、およびステップ520で、それを内部バッファ/RAM450に転送する。デジタル圧力波形はステップ530で、ハードドライブ470に記憶されてもよい。デジタル信号は、次にマイクロプロセッサ440によってステップ540でフィルタリングされ、ノイズが抑制される。ステップ540のフィルタリングには、ローパスフィルターが使用されてもよい。ステップ550で、マイクロプロセッサは、圧力波形の一回の拍動または複数の拍動の心拍数を決定する。決定された心拍数が、ステップ560で、ハードドライブ460に記憶されてもよい。
ステップ570では、マイクロプロセッサ440は、動脈圧力波形から、最大/収縮期血圧値(図6のステップ570で「Sys」と示す)、最小血圧/拡張期血圧値(図6のステップ570で「Dia」と示す)および平均動脈圧力値(図6のステップ570で「MAP」と示す)を決定する。上記で論じたように切り捨てられまたは延長された、一回の心拍に関するデータに基づいて、またはいくつかの心拍のデータから平均動脈圧力値は生成できる。
決定された圧力値は、ステップ580でハードドライブ460に記憶されてもよい。
ステップ590では、マイクロプロセッサは、上述のアルゴリズムを使用して、一回の心拍に対する1回拍出量SVを決定し、およびステップ600で、このように決定された1回拍出量値をハードドライブ460に記憶してもよい。ステップ610では、心拍数HR(複数拍動心拍数または一回の拍動心拍数である)と1回拍出量SVからの生成される心拍出量CO、平均動脈圧力MAPと心拍出量COとの商としてのSVR、10秒時間窓にわたる1回拍出量の変化((1回拍出量最大−1回拍出量最小)/平均1回拍出量)としての1回拍出量変動SVV%(パーセンテージで表される)、10秒時間窓などの時間窓にわたるパルス圧力の(収縮期圧力−拡張期圧力)パルス圧力最大−パルス圧力最小間の差の変化としてのパルス圧力変動PPV%(パーセンテージで表される)、および、10秒時間窓などの時間窓にわたる平均心拍数からの心拍数の標準偏差と、この時間窓にわたる平均心拍数との商としての心拍数(HRV)の変動をマイクロプロセッサが演算する。HRVは、一回の拍動心拍数情報または複数鼓動心拍数情報に基づいて決定できる。当然のことながら、上述の10秒期間などの比較的短期間で、複数の心拍に関する情報に基づいて決定された心拍数値に基づくHRVは、一回の拍動心拍数データに基づいて決定されたHRV値よりもばらつきがより小さい。このように生成された値は、ステップ620でハードドライブ460に記憶されてもよい。測定された値および/または生成された値の一部または全部は、次に、ディスプレイ上に表示されてもよい。
当然のことながら本発明の上述の説明は、本発明を説明するためだけに、例として記載されたものである。当業者であれば、本発明は、提供された例に限定されるものではないことを理解するであろう。例えば、当然のことながら、図2Bおよび図3Bに示される圧力波形は、圧力波形を分析するための上述の自己相関手法を使用して、分析されなければならないわけではなく、抽出されたデータに基づいて1回拍出量および/または心拍出量を決定するために、代わりに、動脈圧力データを分析するための他の適切な方法が使用されてもよい。さらに当然のことながら、上述の好ましい実施形態に対する他の変更は、特許請求の範囲から逸脱しない範囲で実施することができる。例えば、本明細書で示される実施例のアーキテクチャとは異なる、アーキテクチャの血行動態モニタを想定することができる。例えば、圧力波形が、デジタル形態で受信できれば、アナログからデジタルへのコンバータが必要なくなる。または、血行動態モニタ自体は、外部動脈圧力測定デバイスに依存するべきというよりも、上述の分析が基づくべき動脈血圧信号を測定するための手段を含む。

Claims (31)

  1. 1回拍出量を決定するための装置であって、
    動脈圧力波形を受信するための入力と、
    心拍の心室収縮フェーズの収縮期動脈圧力増加の開始時に、前記波形の開始点を決定する手段と、
    動脈圧力値が前記開始点と実質的に同一になる、前記波形の一部またはポイントを特定することによって、前記心拍の終了点を決定し、および、前記開始点の前記動脈圧力値が再取得できない場合には、前記開始点と実質的に同一の動脈圧力値を有するポイントまで前記波形を外挿するように構成される手段と、
    前記開始点と前記終了点との間の前記波形または前記外挿される波形の部分から前記1回拍出量演算する手段を含む装置。
  2. 心臓1回拍出量を決定するための装置であって、
    動脈圧力波形を受信するための入力と、
    前記動脈圧力波形のベースライン変化を特定するように構成される手段と、
    心拍に関する前記圧力波形の一部を特定するように構成される手段と、
    前記ベースライン変化をもたらす特定部分を補正するように構成される手段と、
    前記波形の補正された部分から前記1回拍出量を演算するように構成される手段を含む装置。
  3. 心臓1回拍出量を決定するための装置であって、
    動脈圧力波形を受信するための入力を含み、前記圧力波形の異所性心拍、または、心房細動、若しくは、呼吸変化による影響のために、前記装置は単一心拍に関する圧力波形の一部またはポイントを補正するように構成され、前記装置はさらに単一心拍の前記波形の補正された部分から前記1回拍出量を演算するように構成される手段を含む装置。
  4. 請求項1、請求項2または請求項3に記載の装置において、
    さらに、1つの心拍の前記波形の後半、3分の1、4分の1または5分の1の部分のトレンドを特定し、および、開始点の値に実質的に対応する値に到達するまで特定されたトレンドが継続するとして前記波形を外挿するように構成される装置。
  5. 請求項4に記載の装置において、
    前記トレンドを特定することには、前記波形の前記部分の勾配を決定することを含み、および前記トレンドを継続させることには、前記決定された勾配を使用して前記波形を延長させることを含む装置。
  6. 請求項1乃至5のいずれかに記載の装置において、
    非線形補正を前記波形に適用するようにさらに構成される装置。
  7. 請求項1乃至6のいずれかに記載の装置において、
    開始点と終了点との間の心拍の前記波形の拍動性を決定することによって、1回拍出量を演算するようにさらに構成される装置。
  8. 請求項7に記載の装置において、
    前記拍動性に患者に特有の校正係数を乗算することによって絶対1回拍出量を決定するようにさらに構成される装置。
  9. 請求項1乃至8のいずれかに記載の装置において、
    1回拍出量に心拍数を乗算して心拍出量を決定するように構成される装置。
  10. 請求項1乃至9のいずれかに記載の装置において、
    1回拍出量または複数の心拍の心拍出量を記憶し、所定の値を越える1回拍出量または心拍出量の変動を示すように構成される装置。
  11. 請求項1乃至10のいずれかに記載の装置において、
    複数の連続した脈拍にわたって前記波形に自己相関を実施することによって、受信した波形に基づいて心拍数を決定するようにさらに構成される装置。
  12. 請求項1乃至11のいずれかに記載の装置において、
    現在の1回拍出量、現在の心拍数、複数の以前の1回拍出量および複数の以前の心拍数の少なくとも一つの指標を出力するように構成される出力手段をさらに含む装置。
  13. 請求項1乃至12のいずれかに記載の装置を含む患者呼吸をモニタするための装置において、
    前記装置は、1回拍出量または心拍出量の周期的変化に基づいて呼吸数(速度)を決定するように構成される装置。
  14. 心臓1回拍出量を決定する方法において、
    入力で動脈圧力波形を受信する工程と、
    収縮期動脈圧力増加の開始時に波形の心拍の開始点を決定する工程と、
    前記開始点と実質的に同一の値となる前記波形の部分またはポイントを特定する工程、および、心臓拡張期の終了から前記開始点と実質的に同一の値であるポイントに前記波形を外挿する工程のいずれかまたは両方を実施して前記心拍の終了点を決定する工程と、
    前記開始点と前記終了点との間の波形部分または外挿された波形から1回拍出量を演算する工程とを含む方法。
  15. 心臓1回拍出量を決定する方法において、
    入力で動脈圧力波形を受信する工程と、
    前記動脈圧力波形のベースライン変化を特定する工程と、
    心拍に関する前記圧力波形の一部を特定する工程と、
    前記ベースライン変化をもたらす前記特定部分を補正する工程と、
    前記波形の補正された部分から1回拍出量を演算する工程を含む方法。
  16. 心臓1回拍出量を決定する方法において、
    入力で動脈圧力波形を受信する工程と、前記圧力波形の異所性心拍または心房細動の影響を除去する方法で、単一心拍の前記圧力波形の一部を補正する工程と、前記波形の補正された部分から1回拍出量を演算する工程を含む方法。
  17. 請求項14、請求項15または請求項16に記載の方法によれば、さらに、心拍の前記波形の後半、3分の1、4分の1または5分の1の部分のトレンドを特定し、および、開始点の値に実質的に対応する値に到達するまで前記特定されたトレンドが継続するとして前記波形を外挿する工程を含む方法。
  18. 請求項17に記載の方法によれば、前記トレンドを特定する工程には、前記波形の前記部分の勾配を決定する工程を含み、および、前記トレンドを継続させる工程には、前記決定された勾配を使用して前記波形を延長させる工程を含む方法。
  19. 請求項14乃至18のいずれか一項に記載の方法において、
    前記波形に非線形補正を適用する工程をさらに含む方法。
  20. 請求項14乃至19のいずれか一項に記載の方法において、
    前記開始点と前記終了点との間の心拍に関する前記波形の拍動性を決定することによって、前記1回拍出量を演算する工程をさらに含む方法。
  21. 請求項20に記載の方法において、
    前記拍動性に患者に特有の校正係数を乗算して絶対1回拍出量を決定する工程をさらに含む方法。
  22. 請求項14乃至21のいずれか一項に記載の方法において、
    1回拍出量を心拍数で乗算することによって心拍出量を決定する工程をさらに含む方法。
  23. 請求項14乃至22のいずれか一項に記載の方法において、
    1回拍出量または複数の心拍の心拍出量を記憶して、所定の値を越える1回拍出量または心拍出量の変動があるか否かを示す工程をさらに含む方法。
  24. 請求項14乃至23のいずれか一項に記載の方法において、
    複数の連続した脈拍にわたって受信した前記波形に自己相関を実施することによって、前記波形に基づいて心拍数を決定する工程をさらに含む方法。
  25. 請求項14乃至24のいずれか一項に記載の方法において、
    現在の1回拍出量、いくつかの心拍の現在の心拍数、現在の1回の拍動心拍数、複数の以前の1回拍出量、いくつかの心拍の複数の以前の心拍数、および複数の以前の一回の拍動心拍数の少なくとも一つを示す出力工程をさらに含む方法。
  26. 請求項14乃至25のいずれか一項に記載の方法において、
    人工呼吸器から圧力信号を得て、前記圧力信号の呼吸周期性を検出する工程と、呼吸期間の1回拍出量の変動を決定する工程をさらに含む方法。
  27. 患者の流体動態をモニタする方法は、請求項14乃至26のいずれかに記載の方法を使用して、前記患者の1回拍出量または心拍出量をモニタする工程、および1回拍出量または心拍出量の変動が呼吸サイクルにわたって所定の値を越えたか否かを決定する工程を含む方法。
  28. 患者の流体動態制御する方法は、請求項27による患者の流体動態をモニタする方法を含み、前記変動が前記あらかじめ決定された値以上である場合に、前記患者へ投与する流体を増やす工程をさらに含む方法。
  29. 患者の流体動態をモニタする方法は、請求項14乃至26のいずれかに記載の方法を使用して、前記患者の1回拍出量または心拍出量をモニタする工程と、および、呼吸サイクルにわたる拍動体積または心拍出量の変動が所定の値未満であるか否かを決定する工程を含む方法。
  30. 患者の流体動態制御する方法は請求項29による患者の流体動態をモニタする方法を含み、前記変動が前記あらかじめ決定された値よりも小さい場合に、患者に利尿物質を投与する工程をさらに含む方法。
  31. 患者の呼吸をモニタする方法は、請求項14乃至26のいずれか一項に記載の方法を使用して、ある期間にわたる前記患者の心臓1回拍出量を決定する工程と、1回拍出量の周期的変化に基づいて患者呼吸数(速度)を決定する工程を含む方法。
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