JP2013517006A - 経皮弁構造体を微調節するための方法及び装置 - Google Patents

経皮弁構造体を微調節するための方法及び装置 Download PDF

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Abstract

本発明は、人工弁デバイスを微調節するためのデバイスと、埋込み移植後に人工弁の位置を調節する方法とを提供する。調節機構が、弁部材上の相補的構造体と、弁部材とデバイスフレーム(したがって天然血管)との間の相対的軸方向運動及び/又は角運動を可能にするように協働するデバイスフレームとを含む。本発明の調節機構は、弁部材及びデバイスフレームの相対位置を選択的に維持するための手段をさらに含んでもよい。このデバイス及び方法は、体腔内において組み立てられるモジュール式人工弁デバイスと共に使用するのに特に適用可能である。

Description

本出願は、2009年1月12日に出願された米国仮特許出願第61/144,007号明細書の優先権の利益を主張するものである。
本発明は、経皮人工弁デバイスの位置を微調節するための調節機構に関する。さらに、本発明は、高い精度で体腔の標的位置に経皮人工弁を位置決めする方法に関する。本発明の装置及び方法は、事前組立てされる弁デバイス又はモジュール式弁デバイス、すなわち分解された状態で送達され、体内で組み立てることが可能な人工弁に対して適用可能である。
人体には、例えば心臓弁、食道弁、胃弁、腸弁、及びリンパ系内の弁などの多様な天然弁が含まれる。天然弁は、疾病及び経年等々の様々な理由により変質する可能性がある。機能不全を生じた弁は、最小限の圧力損失で単一方向への体液流を維持することができない。機能不全を生じた弁の一例は、狭窄症(すなわち弁の弁尖が完全には開かない)又は閉鎖不全(すなわち弁の弁尖が適切に閉じない)の可能性のある心臓弁である。弁が関係する器官の適切な機能を回復するためには、弁機能を回復させることが望ましい。例えば、心臓における適切な弁機能により、血流は、最小限の圧力損失で弁を介して単一方向へと維持され、それにより、血液循環及び血圧を維持することが可能となる。同様に、適切な食道弁機能により、酸性胃液分泌が食道の内層に炎症を生じさせることも永続的な損傷を与えることもなくなる。
いくつかの経皮人工弁システムが説明されている。Andersen等(米国特許第5,411,552号明細書)に記載されている一例は、拡張性ステントと、展開前にこのステント上に設置される折り畳み弁とを備える。Spenser等(米国特許第6,893,460号明細書)は、生体材料又は合成材料から作製される弁構造体とステントなどの支持構造体とを備える、別の人工弁デバイスを説明している。Spenser人工弁は、入口及び出口を有する導管からなり、この出口に折り畳み可能壁部をもたらすように構成された柔軟材料から作製された、圧着可能(crimpable)なリーフ弁(leafed-valve)アセンブリである。この弁アセンブリは、展開前に支持ステントに取り付けられる。完成した弁デバイスは、バルーンカテーテル又は同様のデバイスなどの展開手段を使用して、体内管路内の標的位置にて展開される。医療デバイス、特に人工弁の経皮移植は、胸部の大部分を開口する必要性を伴わない移植を可能にするため、好まれる処置である。
現行の経皮弁デバイスを既存の生得的な解剖学的構造に対して正確に配置することは、特に大動脈弁の置換の場合にしばしば問題となる。大動脈弁の場合における弁の配置の不具合の結果としてもたらされることには、大動脈弁の遠位の冠状動脈の孔の機能的及び/又は物理的閉塞、及び/又は心臓の電気伝導装置に対する圧力の上昇及びこの装置の破壊が含まれる。すなわち、過度に遠位方向に(すなわち大動脈の方向に)配置された人工弁は、冠状動脈の孔内への流れを遮断するか又は妨げるおそれがある。例えば、冠状動脈口の位置によっては、大動脈壁部に対して押し付けられた人工弁又は大型の天然弁尖のスカートが、孔を物理的に又は機能的に塞ぎ、冠状動脈流を妨げる場合がある。例えば、Piazza, N., et al., "Anatomy of the Aortic Valvar Complex and Its Implications for Transcatheter Implantation of the Aortic Valve," CIRCULATION CARDIOVASCULAR INTERVENTIONS, 1:74-81 (2008); Webb, JG, et al., "Percutaneous aortic valve implantation retrograde from the femoral artery," CIRCULATION, 113:842-850 (2006)を参照されたい。この閉塞は、物理的なものであることも、機能的なものであることもある。すなわち、冠状動脈の孔は、物理的に開いていても、人工弁により生じた流れパターンの変化により、冠状動脈内への流れが部分的に妨げられる。過度に近位方向に(すなわち左心室の流出路の方向に)配置された人工弁が、僧帽弁の後方弁尖、房室結節、又はヒス束(伝導組織)の妨げとなるおそれがある。人工弁を経皮的に体内に設置される約30%の患者が、ペースメーカを要する。その理由は、この弁が、左脚に過度に近接した状態で、又は左脚上にある状態で、心室端部に配置され、電気伝導装置に対して圧力をかけるからである。例えば、Piazza, N., et al., "Early and persistent intraventricular conduction abnormalities and requirements for pacemaking following percutaneous replacement of the aortic valve," JACC CARDIOVASCULAR INTERVENTIONS, 1:310-316 (2008); Piazza, N., et al., "Anatomy of the Aortic Valvar Complex and Its Implications for Transcatheter Implantation of the Aortic Valve," CIRCULATION CARDIOVASCULAR INTERVENTIONS, 1:74-81 (2008)を参照されたい。
現在入手可能な事前組立てされる弁デバイスを使用する経皮人工大動脈弁置換方法における1つの制約は、弁を位置決めするための精度が所望のレベルに満たないことであることが、当業者に認識されている。Ussia, G.P., et al., The "Valve-in-Valve Technique: Transcatheter Treatment of Aortic Bioprosthesis Malposition," CATHETERIZATION CARDIOVASCULAR INTERVENTIONS, 73:713-716 (2009); Ghanbari, H., et al., "Percutaneous Heart Valve Replacement: An Update," TRENDS CARDIOVASCULAR MEDICINE, 18:117-125, (2008); Lutter, G., et al., "Percutaneous Valve Replacement: Current State and Future Prospects," ANNALS THORACIC SURGERY, 78:2199-2206 (2004)を参照されたい。
再位置決め方法が提案されてきた。かかる方法は、以前の位置からの調節ではなく、弁デバイス全体の再位置決めを伴う。経皮人工弁を再位置決めする一方法は、弁のためのフレームとしての役割を果たすステントを圧縮又は弛緩させることを伴う。Zegdi, R. et al., "A Repositionable Valve Stent for Endovascular Treatment of Deteriorated Bioprostheses," J. AMERICAN COLLEGE CARDIOLOGY, 48(7):1365-1368 (2006)を参照されたい。かかる方法は、弁の軸方向位置又は角度位置に関する細かい制御が仮にできるとしても殆ど不可能であり、デバイス全体の大幅な位置ずれ及び/又は組織に対する損傷というリスクをもたらす。経皮人工弁を再位置決めする別の方法は、ステントが定位置に来るまでステントが完全に拡張するのを防ぐこと、又はステントを再位置決めするためにステントを若干収縮させることを伴う。Buellesfeld, et al., "Percutaneous Implantation of the First Repositionable Aortic Valve Prosthesis in a Patient with Severe Aortic Stenosis," CATHETERIZATION CARDIOVASCULAR INTERVENTIONS, 71:579-584 (2008); Salahieh等に対する米国出願公開第2005/0137688A1号明細書。かかる方法は、弁の軸方向位置又は角度位置に関する細かい制御が仮にできるとしても殆ど不可能であり、移植部位又はその付近におけるステントの拡張及び圧縮を繰り返すことにより、組織に損傷を与えるリスクをもたらす。
したがって、当技術においては、移植後に弁の位置に対して微調節を行うための、すなわち適切な位置決めが実現するまで弁を微増分で移動させるための装置及び方法が必要である。この調節方法により、各調節が最終位置に関する漸増的な改善となる反復フィードバックプロセスが可能となる。さらに、例えば血管壁に対する損傷を最小限に抑えるなど高い安全性で、及び調節プロセスの制御を良好にしつつ、人工弁を送達する方法に対する必要性が存在する。送達の際、及び/又は例えばフレームではなく弁の調節など弁の位置の調節の際に、体腔の壁部に対してさらなる損傷を与えることなく血管内に配置され得るデバイスが、非常に望ましい。
米国特許第5,411,552号明細書 米国特許第6,893,460号明細書 米国出願公開第2005/0137688A1号明細書
Piazza, N., et al., "Anatomy of the Aortic Valvar Complex and Its Implications for Transcatheter Implantation of the Aortic Valve," CIRCULATION CARDIOVASCULAR INTERVENTIONS, 1:74-81 (2008) Webb, JG, et al., "Percutaneous aortic valve implantation retrograde from the femoral artery," CIRCULATION, 113:842-850 (2006) Piazza, N., et al., "Early and persistent intraventricular conduction abnormalities and requirements for pacemaking following percutaneous replacement of the aortic valve," JACC CARDIOVASCULAR INTERVENTIONS, 1:310-316 (2008) Ussia, G.P., et al., The "Valve-in-Valve Technique: Transcatheter Treatment of Aortic Bioprosthesis Malposition," CATHETERIZATION CARDIOVASCULAR INTERVENTIONS, 73:713-716 (2009) Ghanbari, H., et al., "Percutaneous Heart Valve Replacement: An Update," TRENDS CARDIOVASCULAR MEDICINE, 18:117-125, (2008) Lutter, G., et al., "Percutaneous Valve Replacement: Current State and Future Prospects," ANNALS THORACIC SURGERY, 78:2199-2206 (2004) Zegdi, R. et al., "A Repositionable Valve Stent for Endovascular Treatment of Deteriorated Bioprostheses," J. AMERICAN COLLEGE CARDIOLOGY, 48(7):1365-1368 (2006) Buellesfeld, et al., "Percutaneous Implantation of the First Repositionable Aortic Valve Prosthesis in a Patient with Severe Aortic Stenosis," CATHETERIZATION CARDIOVASCULAR INTERVENTIONS, 71:579-584 (2008)
本発明の1つの目的は、弁を固定するフレームに対する弁の位置を微調整するための機構を含む経皮人工弁デバイスを提供することである。さらに、本発明の1つの目的は、送達の際に低侵襲性であり、フレームに対する弁の位置を微調節させ得る機構を含む、経皮弁デバイスを提供することである。本発明の別の目的は、デバイスの位置を調節するための反復フィードバックプロセスを含む、経皮弁デバイスを経皮送達する方法を提供することである。本発明の他の目的は、適度な精度で体腔内に経皮的に人工弁デバイスを配置し、その後に弁の位置を微調節する方法を提供することである。
本発明は、経皮人工弁デバイスの弁部材の位置を微調節するための装置及び方法を提供する。弁部材の位置を調節するための装置は、調節機構である。本発明による調節機構は、弁部材の軸方向位置(すなわちデバイスの長手方向軸に沿った位置)を調節するための手段、及び/又はデバイスフレームに対する弁部材の角度位置を調節するための手段を含む。本発明の調節機構は、ロッキング機構と同様の位置維持手段をさらに含んでもよい。
本発明の調節機構により、人工弁デバイスの弁部材とデバイスフレームとの間の相対的な運動範囲(range)が可能となり、したがって移植後及び/又は移植時の弁部材の軸方向位置及び/又は角度位置の最適化が可能となる。例えば、デバイスフレームが、天然血管/天然組織に固定される場合には、デバイスフレームに対する弁部材の軸方向調節は、天然血管/天然組織に対する弁部材の軸方向調節をさらに可能にする。本発明の調節機構は、弁部材上に配置される第1の構造体と、デバイスフレーム上の第2の構造体とを含んでもよく、これら第1の構造体及び第2の構造体は、相補的構成対を構成する。相補的構成対により、デバイスフレームに対する弁部材の位置の調節が可能となる。相補的構成対の第1の構成要素及び/又は第2の構成要素は、弁部材又はデバイスフレームの固有の構造的特徴部であってもよい。
本発明は、送達され次いでインビボ組立てされる複数のデバイスモジュールを含むモジュール式人工弁デバイス、及び事前組立てされる経皮弁デバイスに対して適用可能である。例えば、事前組立てされる経皮弁は、本発明の調節機構を含むように製造されてもよく、それにより、送達後に弁部材が、デバイスフレームに対して調節され得る。
本発明により実現され得る利点には、弁デバイスの位置を微細に及びより正確に調節することが可能となることが含まれる。本発明の別の利点は、調節機構により弁の位置の移植後微調整が可能となるので、初めに若干低い精度で経皮弁デバイスを埋め込むことにより、迅速に弁機能を回復させることが可能となることである。モジュール式弁デバイスと共に使用される場合の本発明の別の利点は、モジュール式弁デバイスのかさばりが低減されることによって、より小さな送達デバイスの使用が可能となり、装填される送達デバイスの可撓性が高まることである。
支持構造体に対して弁モジュールを調節しロックするためのクイックリリース機構を示す図である。 支持構造体に対して弁モジュールを調節しロックするための被制御スナップ嵌め機構を示す図である。 支持構造体に対して弁モジュールを調節しロックするためのラチェット位置決め機構を示す図である。 支持構造体に対して弁モジュールを調節しロックするためのスナップリベット機構を示す図である。 支持構造体に対して弁モジュールを調節しロックするための自由懸下機構を示す図である。 支持構造体に対して弁モジュールを調節しロックするための螺旋状レール微調整機構を示す図である。 調節機構と共に使用するためのデバイスフレーム上のポストの一実施形態を示す図である。
本発明は、人工弁デバイスの弁部材の位置に対する微調節を行うための調節機構と、かかる調節機構を含む人工弁デバイスと、人工弁デバイスの弁部材の位置を調節する方法とを提供する。特に、本発明は、モジュール式経皮人工弁デバイス又は事前組立てされる経皮弁デバイスのいずれかのための調節機構を提供する。本発明の調節機構により、オペレータは、デバイスフレーム(例えば、モジュール式経皮弁デバイスの支持構造体又は事前組立てされる経皮弁デバイスのフレームなど)に対して、及びデバイスフレームが埋め込まれている天然血管に対して、弁部材を軸方向に及び/又は角度的に微増分にて移動させることによって、弁デバイスの移植後に経皮弁デバイスの弁部材を細かく位置決めすることが可能となる。「弁部材」は、正常に機能する天然弁の作用と同様に一方向流体流を可能にするように開閉する弁尖と、多くの場合においては画定し得る入口端部及び出口端部とを備える、人工弁デバイスの部分を意味する。「デバイスフレーム」は、移植部位に弁部材を設置し、そこにそれを固定するように機能する、人工弁デバイスの部分を意味する。さらに、本発明は、体腔内における弁部材の位置決めを向上させるためのシステムと、体腔内における弁部材の正確な位置決めを容易にするための方法とを提供する。
本発明は、デバイスフレームに対する弁部材の位置を選択的に維持し、例えばある特定の方向に力を適切に印加することなどによりこの位置を再設定するための手段を含んでもよい。さらに、本発明は、人工弁が必要な体腔まで人工弁を送達した後に、デバイスフレームに対する弁部材の位置を調節する方法を包含する。
本発明による調節機構は、軸方向への弁部材の位置を調節するための手段、及び/又は角度方向への弁部材の位置を調節するための手段を包含する。一般的には、本発明の調節機構は、第1の構成を有する第1の構造体を弁部材上に備え、第2の構成を有する構造体をデバイスフレーム上に備える、相補的構成対を含む。移植部位に弁部材を設置するデバイスフレームは、例えばモジュール式弁デバイスの支持構造体などであってもよい。第1の構造体及び第2の構造体は、好ましくは共に取り付けられて、弁部材とデバイスフレームとの間の被制御相対運動を可能にするので、相補的構成を有する。例えば、一実施形態においては、相補的構成対は、螺旋状レールと、レール上に取り付けられるローラとを含む。別の実施形態においては、相補的構成対は、有角リッジ及び有角溝であってもよい。
いくつかの実施形態においては、調節機構は、位置維持手段を含んでもよい。一般的には、位置維持手段は、ピン又はリッジが複数の様々に又は直列状に位置決めされたスロット又はラチェットタイプ構成体のいずれかの中に嵌入する構成など、適切な量及び方向の力の印加時にデバイスの位置を前進させることだけが可能な物理的力又は磁力である。例えば、ボタン及びハーバーの相補的構成対は、ハーバーからボタンを押し出すためにボタンに対してしきい値力量が必要となるように、ボタンがばね荷重を受けるように、設計されてもよい。別の実施形態においては、相補的対構成は、ラチェット機構と同様に、ある特定の方向へのしきい値力量の印加時にデバイスフレームに対して弁部材を進めることが可能となるように設計されてもよい。
これらのデバイス、システム、及び方法は、経皮大動脈弁置換における使用に特に適合されるが、例えば肺動脈弁、僧帽弁、及び三尖弁などの他の心臓弁、並びに抹消血管系中の又は例えば食道などの消化管、リンパ管、集合胆管、及び弁の置換を要するか若しくは弁の移植が必要な任意の他の体腔などの他の体腔中の弁の代替物として使用することもできる。経皮弁デバイスが、大動脈弁と置換するために設計されたモジュール式弁デバイスである場合には、これは、例えば上行大動脈中、下行大動脈中、左心室中、移植部位、又は一部分が移植部位に及び一部分が大動脈中において、組み立てられてもよい。これらのデバイス、システム、及び方法は、人体の体腔内における利用のために特に適合されるが、動物における適用もまた可能である。
次に、添付の図面を参照として、前述の実施形態、並びに他の実施形態、送達方法、別の設計、及び別のタイプのデバイスを論じ、説明する。図面は、本発明の1つの例示的な理解として、及び本発明の特定の実施形態を概略的に示すために、提示されるものであることに留意されたい。同様に、本発明の範囲内において他の同様の例が、当業者には容易に認識されよう。図面は、添付の特許請求の範囲において規定されるような本発明の範囲を限定するようには意図されない。
この調節機構により、様々な手段による、人工弁デバイスのデバイスフレームに対する弁部材の位置の微調節が可能となる。本発明の範囲内に含まれる調節機構の例示的な実施形態が、分解された状態で送達され体内で組み立てられるモジュール式経皮弁デバイスを参照として、図1〜7に図示される。しかし、本発明は、非モジュール式の事前組立てされる人工弁デバイスにも適用することができる。モジュール式弁デバイスは、米国優先仮特許出願第61/144,007号明細書の段落29〜30、32〜34、39〜49及び図1〜4c、本出願と同日に出願された「Modular Percutaneous Valve Structure and Delivery Method」と題された同時係属米国特許出願第 号明細書(モジュール式)の段落37〜47、60〜62、65〜82及び図1〜6c、並びに本出願と同日に出願された「Self-Assembling Modular Percutaneous Valve and Methods of Folding, Assembly and Delivery」と題された同時係属米国特許出願第 号明細書(自己組織化)の段落43、48〜57及び図1〜4bに詳細に説明されている。該出願は、参照により本明細書に組み込まれる。約言すれば、モジュール式弁デバイスは、送達のための複数のデバイスモジュールを含む。例えば、複数のデバイスモジュールは、弁モジュール及び支持構造体を含んでもよく、これらは、体内において組み立てられるように設計される。弁モジュールは、弁尖を有する弁デバイスの部分であり、組み立てられると入口端部及び出口端部を有する導管を形成する。弁モジュールは、それ自体において複数のデバイスモジュールを含んでもよい。したがって、一実施形態においては、弁モジュールは、インビボ組立てされて弁アセンブリを形成し得る、複数の弁セクションをさらに含んでもよい。モジュール式弁デバイスの弁アセンブリは、本発明による弁部材の均等物である。支持構造体は、デバイスの枠組みすなわち骨組みをなし、弁モジュールを収容し、体内において弁モジュールを定位置に保持する。モジュール式弁デバイスの支持構造体は、本発明によるデバイスフレームの均等物である。
図1A及び図1Bに図示される本発明の一実施形態においては、調節機構は、第2の構造体としての相補的「ハーバー」125との組合せにおいて、第1の構造体としての「ボタン」105又は「バンプ」を備える、クイックリリースボタンロッキング機構を含む。図1Aに図示されるように、弁部材110は、リング100に対して取り付けられてもよく、又はリング100を含んでもよい。リング100は、その外方表面上に規定の間隔でリング100の外周部の周囲に配置された複数の「ボタン」105又は「バンプ」を備える。デバイスフレーム(明瞭化のため図示せず)は、図1Bに図示されるように、それに対してその内方表面上に取り付けられ、軸方向に配向された複数のポスト135を備える。複数のポスト135は、デバイスフレームに対して、リング100上のボタン105と合致する規定の間隔で内方外周部の周囲に取り付けられる。各ポスト135が、内方表面上に、複数の「ハーバー」125(例えば切欠溝など)を備える。リング100は、クイックリリース機構を備えるボタン105を介してデバイスフレーム(図示せず)に対して取り付けられるポスト135上のハーバー125に対してロックされて、例えば大動脈弁が置換される位置である大動脈基部の軸に沿ってなど、弁デバイスの長手方向軸に沿ったデバイスフレームに対する弁部材の位置の調節を可能にすることができる。
この実施形態の一態様においては、安全装置を引く又は押すことにより、クイックリリース機構を作動又は作動停止させることができる。例えば、安全装置を作動させた場合には、ボタン105が、リング100の外方表面から外方に突出することにより、ポスト135のハーバー125内にロックするように、作動される。同様に、安全装置を作動停止させた場合には、ボタン105は、リング100の外方表面と実質的に同一平面に見えるようにハーバー125から引き込まれることにより、デバイスフレームから弁部材をロック解除するように、作動停止される。本発明の代替的な一態様においては、ボタン105は、ばね式であり、ばねが係合されるか又は係合解除されるかに応じて作動及び作動停止する。図1Bにおいて1つのボタン105と1つのポスト135上の複数のハーバー125とによって示されるように、リング100は、デバイスフレームに対して取り付けられた複数のポスト135上のハーバー125の複数のセットの中のいずれかの中にドッキングして、大動脈基部の軸に沿った調節を可能にすることができる。好ましくは、ハーバー125同士は、約0.5〜3mmだけ離間される。図1A及び図1Bに図示される実施形態においては、弁デバイスは、4対の第1の構造体及び第2の構造体を含むが、他の実施形態においては、弁デバイスは、3対の又は6対若しくは8対もの第1の構造体及び第2の構造体を有してもよい。
図2に図示される本発明の別の実施形態において示されるように、調節機構は、第2の構造体としての相補的開口239を有するポスト235との組合せにおいて第1の構造体としてのスナップ嵌めパッド205を備える、被制御スナップ嵌めロッキング機構を含んでもよい。この実施形態においては、弁部材210は、リング200に対して取り付けられるか、又はリング200を備える。リング200は、リング200の下方に規定の間隔でリング200の外周部の周囲に設置された複数のスナップ嵌めパッド205を備える。デバイスフレーム(明瞭化のため図示せず)は、それに対してその内方表面上に取り付けられ、軸方向に配向された複数のポスト235を備える。複数のポスト235は、デバイスフレームに対して、リング200上のスナップ嵌めパッド205と合致する規定の間隔で内方外周部の周囲に取り付けられる。各ポスト235が、内方表面上の複数の開口239と、ポスト235の開口239内にスナップ嵌めパッド205をロックするための安全スライド237とを備える。好ましくは、開口239同士は、約0.5〜3mmだけ離間される。スナップ嵌めパッド205はそれぞれ、ポスト235の開口239内に挿入するための有角ヘッド206を備える。安全スライド237が解除されると、弁部材210は、スナップ嵌めパッド205が所望の開口239に係合するまで調節され得る。次いで、スナップ嵌めパッド205は、有角ヘッド206及び安全スライド237を介してポスト235の開口239内にロックされ得る。
この実施形態の一態様においては、スナップ嵌めパッド205は、ばね式であってもよく、安全スライド237を近位方向に移動させ得るように押し下げることによって、スナップ嵌めパッド205の有角ヘッド206が開口239に係合した後に、ポスト235の開口239内にロックされてもよい。安全スライド237の新たなより近位の位置が、開口239を部分的にブロック解除し、それにより、開口239内にスナップ嵌めパッド205の有角ヘッド206がロックされる。別の実施形態においては、スナップ嵌めパッド205は、逆転方法によって、すなわち安全スライド237を遠位方向に移動させて開口239をブロック解除することによって、ポスト235の開口239からロック解除され、有角ヘッド206が開口239から係合解除するのを可能にすることができる。さらに別の実施形態においては、安全スライド237は、近位方向又は遠位方向のいずれかに移動されて、開口239をブロック解除することができる。安全スライド237は、プルワイヤ又はプッシュロッドを使用して移動されてもよい。図2に図示される実施形態においては、弁デバイスは、4対の第1の構造体及び第2の構造体を含むが、他の実施形態においては、弁デバイスは、3対の又は6対若しくは8対もの第1の構造体及び第2の構造体を有してもよい。弁リングは、十分な位置決めが達成されるまで大動脈基部に沿って軸方向に移動され得る。
図3A及び図3Bに図示される本発明のさらに別の実施形態においては、調節機構は、第2の構造体としての相補的ラチェットを有するポストであるラチェットポスト335との組合せにおいて、第1の構造体としてのリング300に対して取り付けられるか又はリング300を備える弁部材310を備える、ラチェット機構を含む。デバイスフレーム(明瞭化のため図示せず)は、それに対してその内方表面上に取り付けられ、軸方向に配向された、複数のラチェットポスト335を備える。複数のラチェットポスト335は、デバイスフレームに対して規定の間隔で内方外周部の周囲に取り付けられる。ラチェットポスト335は、複数の溝337を備える。好ましくは、ラチェットポスト335同士は、約0.5〜3mmだけ離間される。図3Aに図示されるように、溝337aが、遠位方向に(例えば大動脈から離れるように)角度付けられてもよく、又は図3Bに図示されるように、溝337bが、近位方向に(例えば大動脈の方向に)角度付けられてもよい。溝337は、デバイスフレームに対してある特定の位置にリング300を、したがって弁部材310をロックするように作動する。リング300は、より容易な移動及び微調整を可能にするために、比較的小径に圧縮されてもよい。図3A〜3Bに図示される実施形態においては、弁デバイスは、4対の第1の構造体及び第2の構造体を含むが、他の実施形態においては、弁デバイスは、3対の又は6対若しくは8対もの第1の構造体及び第2の構造体を有してもよい。弁尖リングは、十分な位置決めが達成されるまで大動脈基部に沿って軸方向に移動される。
図4A〜4Cに図示される本発明の別の実施形態に示されるように、調節機構は、第2の構造体としての複数の相補的有角溝437を有するポスト435との組合せにおいて、第1の構造体としての少なくとも1つの有角リブ404を有する可撓性パッド403を備える、スナップリベットロッキング機構を含む。弁部材410が、リング400に対して取り付けられるか、又はリング400を備える。リング400は、それに取り付けられた複数の可撓性パッド403を備える。可撓性パッド403はそれぞれ、パッドの長さ部分に対して垂直に延在する少なくとも1つの有角リブ404を備える。デバイスフレーム(明瞭化のため図示せず)は、複数のポスト435を備え、これらのポストはそれぞれ、可撓性パッド403の少なくとも1つの有角リブ404とインターロッキングするための複数の有角溝437を備える。好ましくは、有角溝437同士は、約0.5〜3mmだけ離間される。複数のポスト435が、デバイスフレームに対してその内方表面上に取り付けられ、軸方向に配向され、デバイスフレームに対して、リング400上の可撓性パッド403と合致する規定の間隔で内方外周部の周囲に取り付けられる。図4に図示される実施形態においては、弁デバイスは、4対の第1の構造体及び第2の構造体を含むが、他の実施形態においては、弁デバイスは、3対の又は6対若しくは8対もの第1の構造体及び第2の構造体を有してもよい。弁部材410の位置は、図4Aに図示されるように、十分な位置決めが達成されるまで、大動脈基部に対して軸方向に、可撓性パッド403がデバイスフレーム中に引き込まれた状態で(引き込まれた可撓性パッド403a)リング400を移動させることによって、調節され得る。次いで、可撓性パッド403は、図4Bに図示されるように、それらの有角溝437が、図4Cに図示されるようにポスト435の有角溝437と係合し(係合される可撓性パッド403b)インターロッキングすることが可能となるように、解放され得る。
モジュール式弁デバイスに特に適用可能な、図5に図示される本発明のさらに別の実施形態においては、調節機構は、ロッキング機構とは別個に作動する。この実施形態においては、弁アセンブリ510が、例えば、可撓性ストリング548により、例えば支持構造体のポストに対してなど支持構造体520に対して緩く固定されてもよい。可撓性ストリングは、代替的として、例えばネット又はプルワイヤなどの可撓性ワイヤであってもよい。可撓性ストリング548は、第1のアンカ549aにより弁アセンブリに対して取り付けられてもよく、支持構造体を貫通して輪を作ることにより支持構造体520に対して弁アセンブリ510を連結させてもよい。一実施形態においては、可撓性ストリングの自由端部が、モジュール式弁を送達するために使用される送達デバイスの近位端部から(すなわち体外に)出てもよい。別の実施形態においては、可撓性ストリングの非固定端部が、送達デバイスに連結されてもよい。この実施形態においては、送達システム内の機構が、支持構造体に対する弁アセンブリの位置を調節するために可撓性ストリング548の操作を補助してもよい。かかる機構は、当技術の範囲内に含まれる。図5に図示されるように、可撓性ストリング548は、第1のアンカ549aに連結され、支持構造体上の穴又はストリングループ(図示せず)の周囲に輪を作って、弁アセンブリ510を緩く懸下させるための第2のアンカ549bを形成する。可撓性ストリングの自由端部を操作することにより、可撓性ストリング548は、ロッキング機構を使用して支持構造体に弁アセンブリをロックする前に、支持構造体520に対する弁アセンブリ510の位置を微調節するように使用され得る。
図6は、弁部材610の位置が、螺旋状レール605に沿ってそれを押す及び引くことにより、その最適位置まで軸方向に及び角度的に微調整され得る、本発明のさらに別の実施形態を図示する。この実施形態においては、第1の構造体は、螺旋状レール605であり、第2の構造体は、デバイスフレーム620に対して取り付けられたローラ607である。図6に図示されるように、螺旋状レール605は、好ましくは、例えば弁構成要素などの弁部材に連結され、螺旋状レール605と協働するローラ607は、デバイスフレーム620又は支持構造体に対して取り付けられる。螺旋状レール605及びローラ607は、図示されるように、長手方向軸を中心とした及び螺旋状レール605の「ライン」の中の1つに沿った弁部材610の回転を可能にするように協働する。弁部材610の調節は、示唆される方向にローラ607を介して弁部材610を滑動させるように、螺旋状レール605に沿って弁部材610を引く又は押すことによって達成されてもよい。弁部材は、プルワイヤ又はプッシュロッドを使用して螺旋状レールに沿って移動されてもよい。螺旋状レールは、ワイヤであってもよく、特に形状記憶ワイヤであってもよい。弁デバイスが、モジュール式弁デバイスである場合には、螺旋状レール605は、例えばニチノールなどの形状記憶金属から製造されてもよく、複数の相互連結されるセグメントから構成されてもよい。形状記憶螺旋状レール605は、小さな送達プロファイルを可能にする送達形態で送達されてもよく、次いで、形状記憶螺旋状レール605は、(図6に図示されるように)展開後に事前調整された螺旋状コイル形状に復帰するように作動されてもよい。例えば、形状記憶螺旋状レール605は、事前設定された螺旋体の直径よりも小さな送達直径を実現するために、非コイル状態で又はコイル状態で送達されてもよい。螺旋状レール605の事前調整された螺旋状コイル形状のピッチは、約0.5〜2mmであってもよい。しかし、微調節の適切な度合いに適した他の増分ピッチが使用されてもよい。モジュール式弁デバイスと共に使用される場合には、螺旋状レール605は、ローラ607に対する「自動」部分組立て及び連結のために、送達システムから支持構造体内に弁モジュール(例えば弁構成要素又は一連の弁セクションなど)と共に展開されてもよい。
図6の実施形態の一代替形態においては、弁部材は、それを螺旋状溝(図示せず)に沿って押す及び引くことにより、その最適位置まで軸方向に及び角度的に微調整されてもよい。この実施形態においては、螺旋状溝は、デバイスフレーム上の第2の構造体であってもよく、第1の構造体は、弁部材上に配置された複数の相補的突出部であってもよい。突出部は、螺旋状溝と係合するために、固定されるか又はばね荷重を受けてもよい。
本明細書における既述に基づき当業者が容易に理解するように、上述の実施形態の殆どにおいては、第1の構造体及び第2の構造体として指定された構造体の位置は、逆であってもよい。例えば、弁部材上の第1の構造体として指定された構造体が、デバイスフレーム上の第2の構造体として用意されてもよく、デバイスフレーム上の第2の構造体として指定された相補的構造体が、弁部材上の第1の構造体として用意されてもよい。
図7に図示されるように、この実施形態においてはステントとして例示されるデバイスフレーム720又は支持構造体が、3次元デバイスフレームの一部としてのポスト735を含んでもよい。図7は、図1〜7の実施形態のいずれかによるポスト735が、構造体の拡張性を阻害することなく、ステントであるデバイスフレーム720に対して取り付けられ得る態様を図示する。好ましくは、ポスト735は、デバイスフレームの軸方向可撓性を過度に阻害しないように十分な可撓性を有するが、それが使用される特定の実施形態における必要に応じて機能するのに十分な剛性を有する。ポスト735は、デバイスフレームと同一の材料から、又はデバイスフレームの材料と化学的に相互作用を生じない同等の材料から構成されてもよい。本発明は、適切である場合には、デバイスフレーム上のポストを溝で代用することを包含する。
調節機構は、金属又は非金属から製造されてもよい。特にリング構造体である弁部材の基部は、金属、又は好ましくは塑性ポリマーであるポリマーから構成されてもよい。弁デバイスが、モジュール式弁デバイスである場合には、リング構造体は、本出願と同日に出願された同時係属米国特許出願第 号明細書(自己組織化)の段落36〜38及び図2a〜10に記載されるような、その事前設定構成にある自己組織化部材であってもよい。該出願は、参照により本明細書に組み込まれる。
本発明の調節機構は、あらゆる経皮人工弁デバイスに対して適用可能であるが、モジュール式弁デバイスとの組合せが特に有用である。ロッキング機構が、使用される特定の調節機構と適合性のあるものである場合には、デバイスフレームと弁部材を固定又は合体させるために使用されてもよい。モジュール式弁デバイスのデバイスモジュール同士を合体させるのに有用なロッキング機構の例が、米国優先出願第61/144,007号明細書の段落50〜58及び図5a〜6a、並びに本出願と同日に出願された同時係属米国特許出願第 号明細書(モジュール式)の段落48〜51、84〜113及び図7〜15に記載されている。該出願は、参照により本明細書に組み込まれる。ロッキング機構は、好ましくは、遠隔位置から容易に係合される種類の取付具であるが、さらに使用時には係合解除しない固定取付具を提供する。
また、本発明は、事前組立てされる経皮弁デバイスに対しても適用され得る。事前組立てされる弁デバイスは、一個構成として疾患を被った血管まで送達され、弁の位置の調節は、標的部位での移植後には不可能となる。したがって、本発明は、事前組立てされる経皮弁の製造に、新規の微調節機構を組み込むことを包含し、それにより、相補的な第1の構成及び第2の構成を有する第1の構造体及び第2の構造体が、送達前に(すなわち体外で)事前組立てされるデバイスの部材上の定位置に置かれる。本発明の機構が中に組み込まれ得る事前組立てされる経皮人工弁の例は、例えば米国特許第5,411,552号明細書及び米国特許第6,893,460号明細書などに記載されており、例えばMedtronic/CoreValve Inc.(Irvine, CA, USA)社製のCoreValve Revalving(商標)System、Edwards Lifesciences(Irvine, CA, USA)社製のEdwards-Sapien又はCribier-Edwards弁、並びに、例えばAortTx社(Palo Alto, CA, USA)、Sadra Medical, Inc.社(Campbell, CA, USA)、Direct Flow Medical社(Santa Rosa, CA, USA)、Sorin Group社(Saluggia, Italy)により開発中のデバイス、並びに人工弁の任意の他の変種を含む。弁の位置を調節する以前の方法は、フレームすなわちステントの再位置決めを伴う。Salahieh等に対する米国特許出願公開第2005/0137688号明細書、Buellesfeld, L., et al., "Percutaneous Implantation of the First Repositionable Aortic Valve Prosthesis in a Patient With Severe Aortic Stenosis," CATHETERIZATION CARDIOVASCULAR INTERVENTIONS, 71:579-584 (2008); Zegdi, R., et al., "A Repositionable Valve Stent for Endovascular Treatment of Deteriorated Bioprostheses," Journal American College Cardiology, 48:1365-1368 (2006)を参照されたい。かかる再位置決め方法は、弁位置の微調節を可能にせず、第1の場合における位置決めの誤差が後の場合においても繰り返される可能性があることが当然ながら予期され得るため、精度がより低い。これとは対照的に、本発明は、弁が正確な位置へと漸増的に移動され得る弁位置の微調節を可能にし、このアプローチにより、再位置決め方法によってなされるようなランダムな配置ではなく反復的なプロセスによって配置の精度が高められる。
人工弁デバイスは、適切な弁機能及び患者に対する安全性を確保するために、正確に血管(又は体腔)内に配置されることが重要である。したがって、本発明の装置及び方法は、米国優先出願第61/144,007号明細書の段落67〜82及び図7a〜8、並びに本出願と同日に出願された「A System and Method for Placing a Percutaneous Valve Device」と題された同時係属米国特許出願第 号明細書の段落24〜42及び図1a〜2に説明されている、モジュール式デバイスを配置する配置システム及び配置方法と組み合わせて使用することができる。該出願は、参照により本明細書に組み込まれる。
上述の実施形態は、もっぱら例示のものであり、本明細書における教示から、2つの構造体間における被制御相対運動を可能にする様々な機構が存在することが、当業者には理解されよう。例えば、相補的な構成を有する他の予期される第1の構造体及び第2の構造体は、弁デバイスが様々な位置の間で着脱式に再設置されるのを可能にする、支持構造体に沿った様々な軸方向位置/角度位置のノッチ、弁デバイスが支持構造体に対して様々な位置で固定されるのを可能にするフック/クランプ、例えば弁モジュール上のアイレットなどのためのトラックを与える支持構造体に沿ったワイヤ、又はある構造体に対する別の構造体の被制御位置調節を行うために任意の他の機構である。
本発明の趣旨又は範囲から逸脱することなく、実施形態として本明細書において特に示し説明したものに対して、多数の変形、追加、変更、及び他の応用を行い得ることが、当業者には理解されよう。したがって、本発明の範囲は、以下の特許請求の範囲により規定されるように、予測可能なあらゆる変形、追加、変更、又は応用を包含するように意図される。
この調節機構により、様々な手段による、人工弁デバイスのデバイスフレームに対する弁部材の位置の微調節が可能となる。本発明の範囲内に含まれる調節機構の例示的な実施形態が、分解された状態で送達され体内で組み立てられるモジュール式経皮弁デバイスを参照として、図1〜7に図示される。しかし、本発明は、非モジュール式の事前組立てされる人工弁デバイスにも適用することができる。モジュール式弁デバイスは、米国優先仮特許出願第61/144,007号明細書の段落29〜30、32〜34、39〜49及び図1〜4c、2010年1月12日に出願された「Modular Percutaneous Valve Structure and Delivery Method」と題された同時係属米国特許出願第12/686,335号明細書(モジュール式)の段落37〜47、60〜62、65〜82及び図1〜6c、並びに2010年1月12日に出願された「Self-Assembling Modular Percutaneous Valve and Methods of Folding, Assembly and Delivery」と題された同時係属米国特許出願第12/686,338号明細書(自己組織化)の段落43、48〜57及び図1〜4bに詳細に説明されている。該出願は、参照により本明細書に組み込まれる。約言すれば、モジュール式弁デバイスは、送達のための複数のデバイスモジュールを含む。例えば、複数のデバイスモジュールは、弁モジュール及び支持構造体を含んでもよく、これらは、体内において組み立てられるように設計される。弁モジュールは、弁尖を有する弁デバイスの部分であり、組み立てられると入口端部及び出口端部を有する導管を形成する。弁モジュールは、それ自体において複数のデバイスモジュールを含んでもよい。したがって、一実施形態においては、弁モジュールは、インビボ組立てされて弁アセンブリを形成し得る、複数の弁セクションをさらに含んでもよい。モジュール式弁デバイスの弁アセンブリは、本発明による弁部材の均等物である。支持構造体は、デバイスの枠組みすなわち骨組みをなし、弁モジュールを収容し、体内において弁モジュールを定位置に保持する。モジュール式弁デバイスの支持構造体は、本発明によるデバイスフレームの均等物である。
調節機構は、金属又は非金属から製造されてもよい。特にリング構造体である弁部材の基部は、金属、又は好ましくは塑性ポリマーであるポリマーから構成されてもよい。弁デバイスが、モジュール式弁デバイスである場合には、リング構造体は、2010年1月12日に出願された同時係属米国特許出願第12/686,338号明細書(自己組織化)の段落36〜38及び図2a〜10に記載されるような、その事前設定構成にある自己組織化部材であってもよい。該出願は、参照により本明細書に組み込まれる。
本発明の調節機構は、あらゆる経皮人工弁デバイスに対して適用可能であるが、モジュール式弁デバイスとの組合せが特に有用である。ロッキング機構が、使用される特定の調節機構と適合性のあるものである場合には、デバイスフレームと弁部材を固定又は合体させるために使用されてもよい。モジュール式弁デバイスのデバイスモジュール同士を合体させるのに有用なロッキング機構の例が、米国優先出願第61/144,007号明細書の段落50〜58及び図5a〜6a、並びに2010年1月12日に出願された同時係属米国特許出願第12/686,335号明細書(モジュール式)の段落48〜51、84〜113及び図7〜15に記載されている。該出願は、参照により本明細書に組み込まれる。ロッキング機構は、好ましくは、遠隔位置から容易に係合される種類の取付具であるが、さらに使用時には係合解除しない固定取付具を提供する。
人工弁デバイスは、適切な弁機能及び患者に対する安全性を確保するために、正確に血管(又は体腔)内に配置されることが重要である。したがって、本発明の装置及び方法は、米国優先出願第61/144,007号明細書の段落67〜82及び図7a〜8、並びに2010年1月12日に出願された「A System and Method for Placing a Percutaneous Valve Device」と題された同時係属米国特許出願第12/686,337号明細書の段落24〜42及び図1a〜2に説明されている、モジュール式デバイスを配置する配置システム及び配置方法と組み合わせて使用することができる。該出願は、参照により本明細書に組み込まれる。

Claims (9)

  1. 経皮弁デバイスの弁部材の位置を調節するための装置であって、
    前記弁部材上に配置される第1の調節構造体と、
    デバイスフレーム上に配置される第2の調節構造体と
    を備え、前記第1の構造体が、前記第2の構造体上の第2の構成体と相補的に共に取り付けられる第1の構成体を有して、前記弁部材と前記デバイスフレーム間の相対位置の範囲を可能にし、前記弁部材及び前記デバイスフレームが共に前記弁デバイスを構成する、装置。
  2. 第1の構造体及び第2の構造体が、ボタン及びハーバー、スナップ嵌めパッド及び開口、リング及びラチェットポスト、有角リブ及び有角溝、螺旋状レール及びローラ、並びに螺旋状溝及び突出部からなる群より選択される、請求項1に記載の装置。
  3. 位置維持手段をさらに含む、請求項1に記載のデバイス。
  4. 弁デバイスが、モジュール式弁デバイスであり、弁部材が、弁モジュールであり、デバイスフレームが、ステントであり、前記弁モジュール及び前記ステントが、前記弁デバイスが必要な体腔内において前記弁デバイスへと組み立てられ得る、請求項1に記載のデバイス。
  5. 以下のステップを含む、経皮弁デバイスの位置を調節する方法。
    経皮弁デバイスを備える送達デバイスを用意するステップであり、前記弁デバイスが、弁部材上の第1の調節構造体と、デバイスフレーム上の第2の調節構造体とを含み、前記第1の構造体が、前記第2の構造体上の第2の構成体と相補的に共に取り付けられる第1の構成体を有して、前記弁部材と前記デバイスフレーム間の相対位置の範囲を可能にし、前記弁部材及び前記デバイスフレームが共に前記弁デバイスを構成する、ステップ;
    前記送達デバイスから前記弁デバイスを展開するステップ;
    前記第1の調節構造体及び前記第2の調節構造体により前記弁フレームの位置に対して前記弁部材の位置を調節するステップであり、前記第1の調節構造体及び前記第2の調節構造体が、前記弁部材と前記デバイスフレーム間の相対位置の範囲を可能にするように相補的に協働する、ステップ
  6. 弁デバイスが、モジュール式弁デバイスであり、弁部材が、弁モジュールであり、デバイスフレームが、支持構造体であり、展開するステップが、前記弁モジュールを展開し前記支持構造体を展開するステップを含む方法であって、
    前記弁モジュール及び前記支持構造体を前記弁デバイスへと組み立てるステップをさらに含む、請求項5に記載の方法。
  7. 第1の調節構造体及び第2の調節構造体が、位置維持手段をさらに含む方法であって、
    前記位置維持手段により前記第1の構造体と前記第2の構造体を合体させるステップ
    をさらに含む、請求項6に記載の方法。
  8. デバイスが、プルワイヤをさらに含む方法であって、デバイスフレームに対する弁部材の位置を調節するために前記プルワイヤを使用することを含む、請求項5に記載の方法。
  9. ロッキング機構を使用して弁部材とデバイスフレームを共にロックするステップをさらに含む、請求項5に記載の方法。
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