JP2013516093A - 通信ネットワークにおいて伝送をスケジューリングする方法、対応する通信ノード及びコンピュータプログラム製品 - Google Patents
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Abstract
Description
インターネットは当初、信頼できるパケット転送を念頭において設計された。事実、プロトコルスタックの全ての下位層は、例えばシーケンス番号、タイムアウト、チェックサム(巡回冗長検査等)、前方誤り訂正(FEC)、自動再送要求(ARQ)等の、信頼できる通信を保証するためのメカニズムを含んでいる。これは、インターネットがまずはコンピュータデータネットワークであると考えられており、コンピュータデータの正確さ及び保全性がキー属性であるためである。
センダ側(すなわちUE1)では、第1のコンポーネントはエンコーダ100であり、これは第1のユーザU1(すなわち話し手)の音声信号を周期的にサンプリングする。多種多様なエンコーダが利用可能であり、品質及び帯域幅消費間のバランスでトレードオフ点が異なる。エンコーダはサンプルベース又はフレームベースであることが通常である。前者のエンコーダ(例えば、G.711コーデックに基づく)は、個々の音声サンプルを周期的に符号化し、後者のエンコーダ(例えば、G.729コーデックに基づく)は、一定数のサンプルを数ミリ秒の時間ウィンドウ(すなわちフレーム)にグループ化する。そのため、フレームベースのエンコーダは、より高い圧縮率及びより小さいデータレートを達成することが多いが、ただし符号化/復号化の複雑度は上がることが通常である。
ここでR0は、基本信号対ノイズ比(回線ノイズ及び音響ノイズに対する受信音声レベル)であり、Isは音声信号と共に発生する劣化であり、Idは遅延及びエコーの影響による全ての劣化の合計であり、Ie,effは、実効装置劣化要因であって、コーデック及び、ランダムなパケット損失に対するその耐性を考慮するものである。
Ie,eff=Ie+(95−Ie)・Ppl/(Ppl+Bpl) (2)
のように計算され、ここでIeは装置劣化要因であり、これは低ビットレートのコーデックの振る舞いを特徴づけるために用いられ、Pplはパケット損失の確率であり、Bplはコーデックのパケット損失頑健性要因である。
本発明の発明者は、フィードバック情報に基づくアプリケーションレベルにおけるQoEの最適化にはいくつかの欠点があることに注目した。例えば、このようなフィードバックベースの技術はアプリケーションを過度に複雑化し、そして同期を必要とするか、又はラウンドトリップタイムに頼るかのいずれかであるが、ラウンドトリップタイムは対称ではないので片道遅延よりもはるかに不正確である。
本明細書に記載のさまざまな実施形態は、通信ノード(例えば、基地局)からレシーバ(例えば、移動体端末)に向けたデータストリームの伝送をスケジューリングするために用いられ、データパケットは、レシーバの復元バッファを介してのプレイアウトのためのものである。
さまざまな実施形態は、絶対時刻の参照が付加されると、MACレベルでの集中型制御を有するブロードバンド無線ネットワークにおいて適用することもでき、この集中型制御は、例えば、802.11e ハイブリッドコーディネーション機能(Hybrid Coordination Function:HCF)集中制御アクセス(Centralized Control Access:HCCA)、802.16、又はTDMAシステム(例えば、微調整されたTDMAドライバを有する802.11 WLAN)である。
さまざまな実施形態は、平均オピニオン評点(MOS)は通信ネットワークレベルで直接使用することができる、という認識に依存する。
−損失及び遅延等の(客観的な)エンドツーエンドネットワークレベルの測定値からユーザが感知した(主観的)品質を推定するための確立した手段、すなわちEモデル又は平均オピニオン評点(MOS)があり、かつ
−レシーバ側(詳細には、レシーバ側のプレイアウトバッファリング機構)における音声アプリケーションの振る舞いは、極めて予測可能であるため、音声レシーバの損失及び遅延への(無視できない)寄与を推測することが可能である。
−復元バッファエミュレーションの空間コストは非常に手頃であり、実装フレームワーク全体で必要とするのはフローにつき通常100バイト未満であることから、廉価である。
−各フローには一定数のオペレーションが必要とされるのが通常であることから、時間オーバーヘッドを無視できる。
−最も複雑な計算(すなわち、最適事後的なプレイバック時点の計算)にほんの少しのメモリアクセスしか必要としないのが通常であり、無音期間すなわち数百ミリ秒の間に完了する。
−結果として生じる構成が頑健である。かなり粗いクロック誤差(+−10ミリ秒程度)であっても許容され、また感知できるほどの品質の劣化もない。そのため一時的な同期の損失は(長時間であっても)スケジューリングのプロセスに影響を与えることがほとんどない。
−結果として生じる構成は、例えば周知のアーリエスト・デュー・デート(Earliest Due Date:EDD)等の任意の期限ベースのスケジューラ、又はユーザ依存型及び時間依存型チャネル状況の無線ネットワークであれば、期限及びチャネル状態の両方を考慮するスケジューラと協働することができる。
−フレームワークは、とりわけ次のような条件に合う通信シナリオを含む多様な通信技術に適用することができる。
a)パケットソース及びスケジューリングノードが(例えば、GPSを通じて)同期される。
b)各パケットがタイムスタンプを含む。
c)スケジューリングコンポーネントが、到着時のパケットタイムスタンプ及び送出時の絶対時刻を読むことができる。
d)パスのダウンストリームセグメントのみが、プレイアウトバッファに加えて、追加的な遅延であってオンラインで測定可能なもの(例えば、H−ARQ再送による遅延)及び推定可能なもの(例えば、伝搬遅延及び処理遅延)のうちの一方又は双方を含む。
図2は例示的な通信シナリオを示しており、データパケット内で整理された音声ストリームが、RTPプロトコルを用いて2つのLTEモバイル機器UE1及びUE2の間で伝送される。
考慮される実施形態では、パケットが基地局BSに時刻ai,kに到着する場合、それらには制御モジュール200で期限di,kが割り当てられる。割り当てられた期限di,kを有し、制御モジュール200から出たパケットは、次に、スケジューラSによりスケジューリングされ、スケジューラSは、該パケットの期限を考慮して、パケットを、eNodeBキューにおける該パケットの滞在時間が期限di,kを超えた場合にドロップすることができる。なぜなら、これらパケットはレシーババッファでドロップされる可能性が高く、したがってこのようなパケットを送信することは無線資源の無駄遣いにすぎないであろうからである。
dl=Tproc+Tow+(m−1)・TH−ARQ (3)
ここで、Tprocは、レシーバの物理層及びMAC層における処理遅延の推定を表す。Towは、ダウンリンクセグメントを介してPDUを送信するための時間(すなわち、H−ARQプロセスからパケットをレシーバへ配送するのにかかる時間であり、そこにACK/NACKの生成及び報告は含まれない)であり、TH−ARQはH−ARQ伝送サイクルのための時間であり、mは、パケットのための考慮される伝送数である。
qi,k=ti,k+dli,k (4)
であり、ネットワーク全体でのフレームiの遅延は、次のように定められる。
さまざまな実施形態では、δi,kのシーケンスは、エミュレートされたプレイアウトバッファBに入力として与えられ、期限di,kを求めることが可能になる。詳細には、エミュレートされた最適なプレイアウトバッファBは、モバイル機器UE2のプレイアウトバッファをエミュレートし、その目的は、最適なプレイアウト時点poiは何であればよかったか、つまり、そのトークスパートの最も高いMOSを保証したであろうものを、事後的に(すなわち、トークスパートiの終了後に)特定することである。
di,k=poi−(ai,k−gi,k)−dl (6)
poiは、レシーバでのi番目のトークスパートの推定プレイアウト遅延であり、プレイアウト遅延は、トークスパート中の首尾よく再生された任意のパケットの生成時刻とプレイアウト時刻との間隔として定められる。そしてdlは、レシーバにおける無線インターフェース及び処理(プレイアウトバッファにより生成されるもの以外)による遅延の推定である。
さまざまな実施形態では、非因果的な最適再生アルゴリズムが用いられる。より詳細には、さまざまな実施形態では、プレイアウトバッファは、所与のトークスパートのフレームの全ての組がスケジューラに到着して伝送(又はドロップ)されるのを待ち、それから、それに従えば最善の音声品質が達成されたであろう再生遅延を―到着、伝送、及びドロップのパターンに基づいて―選択する。このような最適なプレイアウトバッファを含むことの目的は、巧妙な応用プレイアウトバッファリングアルゴリズムがすることを予測するためである。例えば、これは、早いパケットを遅延させること及びプレイアウトされる可能性の低いパケットをドロップすることのうちの一方又は双方を可能にする。
したがって、プレイアウトバッファBの自由度は、プレイアウト遅延poiである。
−トークスパートiが終わってから、最適なプレイアウト遅延poi optが計算される。
−その後、指数平均(exponential average)を用いて、次のトークスパート(i+1)について生じ得るプレイアウト遅延を推測する。
−そして、poi+1は次のトークスパートにおけるパケットの期限を式(6)に従って設定するために用いられる。
さまざまな実施形態は、RTPタイムスタンプが第1の(又は最後の)音声フレームの生成時刻を意味するものとする。その場合、各フレームの生成時刻は、例えばコーデック周期(codec period)に基づいて計算される。
したがって、さまざまな実施形態は、パケットがシーケンス番号を搬送できるようにする。このようにして、スケジューラは他にk0個のパケットが紛失しているとこれらパケットの生成時刻にかかわらずに判定することができる。
最適なプレイアウト遅延の計算は、ネットワーク遅延をソートして、可能なネットワーク遅延のそれぞれについてR要因を計算することにより実行することができる。M個のパケットがトークスパート内にあると仮定すると、時間のオーバーヘッドO(M)をもたらすことになる。実際の場合には、Mは非常に大きな数になるとは予想されないが(トークスパートの長さの平均はおよそ1秒である)、時間のオーバーヘッドは、この仮定によらず制限されてもよい。
さらに、可能なネットワーク遅延の全てを記憶するかわりに、限定数であるB+1整数の遅延カウンタが用いられてもよい。
このようにして、パケットが最適なプレイアウトバッファに到着するときは常に、関係するカウンタが一定時間で増加し、コストはO(B)に低減される。実際のところ、遅延がQ個のバケットに分割されると(例えば、0から10ミリ秒の遅延幅を有するバケット、11から20ミリ秒の遅延幅を有するバケット、21から30ミリ秒の遅延幅を有するバケット等)、所与の遅延を有するパケットの到着が即座に個々のバケットに関連付けされる。したがって、可能な遅延のアレイをスキャンする必要がなく、1つのオペレーションのみが必要とされる。したがって、このオペレーションを実行するために必要な時間は、全ての可能な遅延で一定である。
一般に、バケットの遅延幅は、同一サイズである必要がないこと及び時間とともに変動してもよいことのうちの一方又は双方のことがある。実のところ、特に長距離の呼(long−range call)には、プログレッシブ遅延幅(progressive delay range)が実行可能な解決策である。
Claims (15)
- 通信ネットワークにおいてノード(BS)からレシーバ(UE2)へのデータストリームの伝送をスケジューリングする方法であって、前記データストリームは、前記レシーバ(UE2)の復元バッファ(B)を介してプレイアウトするためのデータパケットを含み、該方法は、前記ノード(BS)において前記データパケットを少なくとも1つのスケジューリングキュー(SQ)に配置するステップと、データパケットを前記スケジューリングキュー(SQ)から、前記スケジューリングキュー(SQ)における該データパケットの滞在時間(t)が所与のドロップの期限(d)を超えた場合にドロップするステップとを含み、該方法は、
前記ノード(BS)において前記データのための前記復元バッファ(B)をエミュレートして、前記データパケットの個々のプレイアウト値(po)を求めるステップであって、該個々のプレイアウト値(po)は、前記データパケットに対する前記復元バッファ(B)による予想プレイアウト時点(p)を示す、ステップと、
前記ドロップの期限(d)を、前記個々のプレイアウト値(po)の関数として、前記データパケットに割り当てるステップ(200)と
を含む、方法。 - 請求項1記載の方法において、前記データパケットは、該データパケットの生成時刻を示すタイムスタンプ(g)を含む、方法。
- 請求項1又は請求項2記載の方法において、該方法は、推定伝送遅延(δ)の関数として、前記個々のプレイアウト値(po)を求めるステップを含み、該推定伝送遅延(δ)は、前記通信ネットワークにおけるセンダ(UE1)での前記パケットの生成時刻(g)と前記レシーバ(UE2)での前記パケットの到着時刻(q)との間の推定伝送遅延である、方法。
- 請求項3記載の方法において、前記推定伝送遅延(δ)は、
前記データパケットが前記センダ(UE1)で生成される時刻(g)を示す第1の値と、
前記データパケットが前記ノード(BS)で受けられる時刻(a)を示す第2の値と、
前記データパケットが前記ノード(BS)から前記レシーバ(UE2)へ伝送される予想時刻(t)を示す第3の値と、
前記データパケットの前記通信ノード(BS)から前記レシーバ(UE2)へ伝送するための推定遅延を示す第4の値と
の関数として求められる、方法。 - 請求項3又は請求項4のいずれかに記載の方法において、該方法は、前記復元バッファ(B)を、前記ノード(BS)において、適応プレイアウトバッファとしてエミュレートするステップを含む、方法。
- 請求項5記載の方法において、前記個々のプレイアウト値(po)はサービス品質及び体感品質のうちの一方又は双方の関数として求められる、方法。
- 請求項6記載の方法において、前記個々のプレイアウト値(po)は、平均オピニオン評点すなわちMOSの関数として求められる、方法。
- 請求項7記載の方法において、前記データストリームは、ボイス・オーバー・アイピー・データストリームであり、前記平均オピニオン評点はEモデルにより計算される、方法。
- 請求項6から8のいずれか一項に記載の方法において、前記個々のプレイアウト値(po)は、最適なプレイアウト遅延(po)を以前の伝送遅延(δ)の関数として求めることにより、事後的に求められることを特徴とする方法。
- 請求項9記載の方法において、前記データストリームは、ボイス・オーバー・アイピー・データストリームであり、前記個々のプレイアウト値(po)は、所与のトークスパートの全てのデータパケットの予想プレイアウト時点(p)を示すように、それ以前のトークスパートの最適なプレイアウト値(po)を求めることにより求められる、方法。
- 請求項9又は請求項10記載の方法において、前記個々のプレイアウト値(po)は、該個々のプレイアウト値にとっての以前の値(po)も考慮した指数平均により求められる、方法。
- 請求項1から11のいずれか一項に記載の方法において、前記ドロップの期限(d)を、前記個々のプレイアウト値(po)の関数として、前記データパケットに割り当てる前記ステップ(200)は、前記データストリームの各データパケットに期限(d)を割り当てるステップ(200)であって、データパケットが、該データパケットの予想伝送時刻(t)が該データパケットの予想プレイアウト時点(p)を超える場合にドロップされるようにする、ステップ(200)を含む、方法。
- 通信ネットワークにおけるレシーバ(UE2)へのデータストリームのスケジューリングされた伝送のための通信ノード(BS)であって、前記データストリームは、前記レシーバ(UE2)の復元バッファ(B)を介してプレイアウトするためのデータパケットを含み、該通信ノード(BS)は制御モジュール(200)を備え、該制御モジュール(200)は、前記少なくとも1つのスケジューリングキュー(SQ)に前記データパケットを配置するステップと、前記少なくとも1つのスケジューリングキュー(SQ)から前記データパケットをドロップするステップと、前記復元バッファ(B)をエミュレートするステップとを、請求項1から12のいずれか一項に記載の方法に従って実行する、通信ノード(BS)。
- 請求項13記載の通信ノード(BS)において、前記通信ノード(BS)は、ユニバーサル移動体通信システム・ロング・ターム・エボリューション及びハイスピード・ダウンリンク・パケット・アクセスのうちの一方又は双方の通信ノードである、通信ノード(BS)。
- コンピュータプログラム製品であって、少なくとも1つのコンピュータのメモリにロード可能であり、該製品がコンピュータ上で実行されたときに請求項1から12のいずれか一項に記載の方法のステップを実行するためのソフトウェアコード部分を含むコンピュータプログラム製品。
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