JP2013515238A - 携帯式血液凝固モニタリング機器および血液凝固反応の評価方法 - Google Patents

携帯式血液凝固モニタリング機器および血液凝固反応の評価方法 Download PDF

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Abstract

少量の血液検体を、2枚の平行な平面間において、線形運動軌道が付与されるせん断力とせん断応力にさらす装置、システムおよび方法が開示される。検体の凝血塊の形成または凝固が、2枚の平行する平面間で発生する動的機械的連成から測定される。血液凝固反応の検出は、光プロービングを通じて、または平面に結合する血液検体の物理的効果を測定し、その運動を制限することによって達成することができる。
【選択図】図1

Description

関連出願の相互参照
本願は、2009年12月18日出願の米国仮出願第61/287,780号に関連し、その優先権を主張するものであり、同仮出願の開示全体を本願に明確に援用する。
本発明は、血液凝固反応の迅速な評価を可能にする機器および方法に関する。特に、本発明は血液凝固反応に関する、たとえば血小板機能やフィブリン重合を含む大量の複雑な情報を提供して、特に外傷性血液凝固異常だけでなく、血液凝固の遺伝的または後天的異常、たとえばフォンヴィレブランド病または血友病の診断に対する適切な治療プロトコルを選択できるようにする機器および方法に関する。
失血に対する体の防御工程は、血液凝固と呼ばれる。血液凝固には、凝血塊(血栓)の形成が含まれ、破綻した組織、血管または器官からのそれ以上の失血を阻止する。これは、血液中で循環し、破綻した血管上に血小板血栓を形成する役割を果たす血小板と呼ばれる細胞からなる細胞システムと、協働してフィブリン塊を生成するように機能する複数のタンパク質(血液凝固因子と呼ばれる)の作用に基づく第二のシステムが関わる複雑な工程である。これら2つのシステムは協働して凝血塊を形成し、いずれかのシステムに障害が生じると、凝血塊の形成が過剰または過少となりうる。
血小板には3つの基本的な機能がある。すなわち、(1)破綻した血管に吸着する(血小板粘着と呼ばれる現象)、(2)他の血小板に吸着し、形成血栓を肥大させる(血小板凝集と呼ばれる現象)、および(3)血液凝固系の工程を支援する(血小板表面上の分子はいくつかの重要な反応を大幅に加速させる)機能である。
血管が破綻すると、通常は血流と直接接触していない物質が露出する。これらの物質(主としてコラーゲンとこれに吸着する多重体フォンヴィレブランド因子)により、血小板が破綻表面に吸着できる。血小板は、いったん表面に吸着すると、破綻領域にさらに多くの血小板を引き付ける血小板凝集と呼ばれる現象を引き起こす化学物質を放出する。このような2つの工程が一次止血反応である。タンパク質に基づくシステム(血液凝固系)は、形成された血栓を安定化させ、さらに傷を密閉する役割を果たす。
血液凝固系に対する血小板の支援的役割は、一部で、血小板外側の要素の1つの、リン脂質と呼ばれるものによって提供され、これは凝血塊形成系の中の反応の多くに必要である。この系の目標はフィブリンの形成であり、これが血小板凝集体の内部に網を形成して、凝血塊を安定化させる。すべての因子に不活性形態と活性形態がある。因子は、いったん活性化されると次の因子を活性化させ、これが連続して最終的にフィブリンが形成される。血液凝固系は、血小板が凝集した血管破綻部位において起こる。フィブリンは網を形成し、この網は血小板と協働して血管壁の傷をふさぐ。フィブリン網はその後、凝血塊を架橋結合するその他の因子によってさらに安定化される(補強されたフィブリン繊維の複雑な網状構造の形成とよく似ている)。
外傷性出血の場合、出血の治療に適切な療法を施し、外傷を適切に処置するためには、特定の個人の凝血反応を非常に素早く理解することが重要である。一次(吸着、フォンヴィレブランド因子の相互作用)および二次(フィブリンポリマの組織化と重合、インテグリン機能)の両方の血小板機能の不良が、長時間に及ぶ非圧縮性出血の特に重要な誘因として認められている。外傷患者の止血障害の発現と、これに関連する出血性およびその他のショック状態の進行は、異なる因子による可能性があるため、異なる治療が必要である。
現在、トロンボエラストグラフィ(TEG)が全血凝固効率試験の臨床標準として受け入れられている。本願の解釈において、留意すべき点として、「全血」とは全血と1つまたはそれ以上の物質との混合物、全血の1つまたはそれ以上の成分を含む微量の全血、1つまたはそれ以上の非血液物質と混合された微量の全血、または血小板または血漿等の精製血液成分、再構成された血液製剤、改質された血液検体、または代用血液を意味する。
TEGシステムは1948年にドイツで最初に開発され、それ以降、改良が重ねられてきた。しかしながら、その動作原理は同じままである。
従来のTEGには、比較的大きな量の血液検体、すなわち小量カップに約0.36mlが必要となる。ピンが血液中に挿入されて、低周波数で小さな角度だけ正弦波振動で回転される。この機器は、ある時間にわたって回転させることによって生じる連成運動を測定する。これは血小板の吸着を測定せず、フィブリンの重合のみを測定し、せん断力による血液凝固反応の機械的活性化は行わない。それゆえ、TEG分析から得られる情報は、今日、血液凝固反応について理解されているものよりはるかに乏しく、非常に長い時間を要するため、外傷に対して不適切な治療が行われる可能性があり、それが患者にとって不利な結果、時には死亡につながることさえある。
PFA−100として一般に知られている別の機器は、開口部を有するフィルタへと至る狭い流路の中に血液を強制的に流すことによって、血管を模倣しようとするものである。この機器は開口部が閉塞する時間を測定し、基本的に、閉塞の基因となる血小板の機能反応を示す。開口部の閉塞時間は、血小板反応による凝血塊形成の間接的な指標となる。TEGやPFA−100等の機器を使用するには、徹底した実験室での訓練と技能の維持が必要であり、現場で容易に使用されることはない。
したがって、現場において外傷性血液凝固障害を診断するための、少量の血液検体から血液凝固に関わる複雑な機序に関する大量の情報を含む結果を迅速に提供する携帯式の血液凝固モニタリング機器を提供することが望ましい。より具体的には、救急救命措置を施す上で重要な初期時間と考えられるもののうち45分またはそれ以上の遅れを生じさせ、実際の血液凝固工程に代わるものとして活性剤とイニシエータで処理する必要のない、抗凝固処理の行われていない血液検体を使用する先行技術によるシステムや機器と比較して、現場で遭遇する状況下で最初に対応する者が使用でき、出血事象に対して即刻治療が行えるようなリアルタイムの情報を提供する機器を提供することが重要である。
1つの態様において、本発明は、天然の、抗凝固処理が行われていない血液検体における血液凝固反応を測定する機器に関する。この機器は、各々が相互に対面する表面を有し、比較的少量の検体が、それらの間に空間ができないように同時に両表面と接触できるような量だけ離間されている2つの部材、すなわちプレートを含む。
プレートは、平行かつ線形方向に相互に関して移動可能であり、血液の成分が各表面への凝集または吸着を開始できるような間隔で離間されている。駆動機構が両部材のいずれか一方に接続されて、血液検体がその表面に接触すると、一方または他方を相互に関して直線的に移動させる。光検出センサシステムが設置され、2つの部材間に配置された血液検体との光の相互作用を検出し、光の相互作用とその検出結果は血液検体の血液凝固反応の指標となる。より具体的には、光源と検出器を適正に位置付けて、ある時間にわたり、特定のせん断速度を発生させるための部材の移動の変化にしたがって、血液凝固中の両血小板反応、フィブリン反応および血液成分のその他の反応に関する情報を得ることができる。
より具体的には、この機器により、血液の生物物理学的反応が一部で血液とそれが接触する表面間の相対的せん断速度に依存するとの知識に基づいて、血液凝固反応の測定を行うことができる。より具体的には、せん断速度が速いほど血小板反応が大きく、それによって、血小板がプレートの表面に吸着し、これがフィブリン重合の引き金となり、一方のプレートだけがモータにより駆動された時に、2枚のプレートの運動を連成する。より具体的には、出血事象において血小板は素早く反応する必要があるため、短時間の速いせん断速度を使用することにより、これらの状況での血小板反応を正確に評価できることが認識されている。その後、相互に関するプレートまたは部材の相対的運動に関して、より遅いせん断速度を使用してフィブリン反応を正確に評価するか、または、中程度のせん断速度でフィブリンおよび血小板の両反応を正確に評価できる。
ここで「せん断」とは、静止固体(ガラス板の表面)との界面における流体(血液)の移動中の総体流の中の粒子にかかる加速力と定義される。せん断「速度」は、その粒子の断面領域の異なる地点にかかる速度の差であり、その粒子の、静止面からの距離に依存する。
好ましい態様において、第一の部材と第二の部材は、機器から取り外し可能な血液検体収集カートリッジを構成するプレートである。一方または両方のプレートを相互に関して移動する場合、この機器は、せん断に関して上で述べたように、プレートを相互に関して異なる速度で移動させて、血液検体の血液凝固反応に関わる異なる機序を検出するようにプログラムされる。
光検出システムは、血液検体が表面と結合して、プレートの相互に関する運動を連成することを、血液凝固における血小板の反応の指標として検出するようになされる。これに加えて、このシステムはまた、フィブリン反応をプローブで調べることもできる。
この機器のその他の特徴と詳細は、以下の詳しい説明、本明細書の付属書類および付属の特許請求の範囲に記載されており、これらの中では本発明が非限定的な方法で説明される。
他の態様において、血液検体における血液凝固反応を測定する方法が提供される。血液検体の小滴を、対向して配置されたプレートの対面する表面間に設置し、これらと接触させる。プレートの少なくとも一方または両方を、所定の速度で相互に関して移動させる。小滴の血液凝固反応を光学的手段により検出する。
2種類の血液凝固反応を検出するために、プレートを第一の速度で相互に関して移動させ、反応を光学的手段により検出し、その後、第一の速度より遅い第二の速度で移動させ、第二の応答、一般的にフィブリン重合を光学的手段により検出することができる。これに加えて、1枚のプレートだけを移動させる場合、当然のことながら、両プレートの表面上の血液検体の粘弾性反応が、第一のプレートの運動を起こさせ、これが第二のプレートの運動を誘発させる可能性があり(「連成運動」という)、これは血液の粘弾性反応の指標として測定でき、最終的に、血液凝固反応に関して推論されうる結論が得られる。さらに、プレートをある時間にわたり異なる速度で移動させることによって、凝血塊が形成される際の血液検体の粘弾性状態の変化を測定してもよく、これもまた、血液凝固反応の指標となる。
光学的検出は、光を検体小滴に透過させ、それぞれの光検出器において、検体小滴を通じた光の透過、反射および回折の少なくとも1つを検出することによって行ってもよい。検出結果から、検体小滴における血液の血液凝固特性を表すアナログ信号を生成してもよい。プレートは好ましくはガラス、より具体的には透明ガラスで作製して、入射光の強度の90%またはそれ以上の光透過を可能にする。
本発明を特徴付ける上記およびその他の利点と特性は、本明細書に付属し、本明細書の別の部分を構成する特許請求の範囲に記載されている。しかしながら、本発明およびその使用を通じて実現される利益と目的をよりよく理解するために、図面と、引用によってその全体が特に本明細書に組み込まれる付属書類I、II、IIIおよびIVを含む添付の説明事項を参照するべきであり、その中には本発明の例示的実施形態が記載されている。
図1は、本発明による機器とシステムを構成する各種の構成要素を描いた概略図である。 図2は、検体の小滴を装填してもよく、たとえば図1に示されるような本発明による携帯式血液凝固モニタの例示的実施形態において使用してもよい検体カセットの概略図である。 図3は、血液と接触した2枚のプレートを相互に移動させて、せん断を発生させ、凝血塊形成反応を開始させる様子を描いた概略図である。 図4は、本発明の機器のある実施形態の斜視図である。 図5は、本発明の機器のある実施形態の分解図である。
図1は、たとえば、長期的な衰弱事象または死亡さえ引き起こすことを防止するという点において、最初の1時間がきわめて重要であるような重篤な現場状況において、治療を最適化するために血液凝固反応を評価することが重要な外傷またはその他の関連する血液凝固障害を診断するための例示的な携帯式血液凝固モニタまたはアッセイ機器11を概略的に描いたものである。
この機器は耐衝撃性筐体13の中に格納されており、この筐体にはすべての構成要素が従来の方法で格納されている。
少なくとも1つ、および好ましくは1対のリニアボイスコイルアクチュエータモータ15と17が、図2により詳細に描かれている、取り外し可能な血液検体カセットの中のサンプルプレートの運動を駆動するために設けられている。モータ15と17および取り外し可能な血液検体カセット19については簡単に説明したが、残りの構成要素については、概して図を参照しながら、機器の左上角のデータカードポート21から時計回りに説明する。
データカードポート21は、FDカードまたはあらゆるメモリモジュールを受けるのに有益であり、このモジュールには、機器11を較正するため、および/またはデータを機器11から取り出して、そのデータを分析可能な他のシステムに入力するためのデータが含まれる。UBSポート23により、たとえば医師がより複雑な分析を行うために制御するコンピュータと直接インタフェースさせることができる。
マイクロコントローラ25はEEPROM 26と動作し、USBポートおよびデータカードポート21からのデータを扱い、LCDディスプレイ等のユーザインタフェース(図示せず)のための制御を提供することができ、LCDディスプレイは機器を使用している使用者に対し、最初に取得したデータとその分析結果を提供する。リニアボイスコイルアクチュエータモータ15と17および、取り外し可能な血液検体カセット19については簡単に説明しており、後でより詳しく述べる。
たとえばRFまたはIRスペクトルのデータを送信するための無線リンク27もまた設置され、データとプログラミングを機器へ、または機器から通信するためのまた別の手段となる。光学的変位センサ29と31は、リニアボイスコイルアクチュエータモータ15と17がどこにあるかを検出し、その運動の限界を制御する。デジタルシンセサイザモジュール33は、ボイスコイルアクチュエータモータ15と17を駆動するために必要な波長を生成することによって、モータドライバ35を通じてモータ15と17の動作を制御する役割を果たす。
ADCモジュール37はアナログ−デジタル変換器であり、取り外し可能な血液カセット19の中の検体について行われた光学的または物理的測定からのデータを取得し、このデータをデジタル形式に変換し、これをマイクロコントローラ39に供給し、マイクロコントローラ39は得られたデータを管理して、機器の使用者に有益な結果を提供する。
3軸加速度計41は従来のデバイスであり、機器11に対する外的影響と振動を考慮し、検体の分析結果として収集されたあらゆるデータに対するこれらの振動の影響を打ち消す役割を果たす。
取り外し可能な血液検体カセット19が図2に概略的に示されており、これは上側サンプルプレート101と下側サンプルプレート103を含み、それらの間に血液の検体小滴を設置することができる。機器のボイスコイルアクチュエータモータとの連結部105が設置され、これは上側線形柔軟機構107と下側線形柔軟機構109に接続され、これらはそれぞれ上側および下側プレートの運動を駆動する役割を果たす。光センサ111が、サンプルプレートに関して、たとえばレーザまたはその他の光源(図示せず)からプレート間の検体を通り、また検体の中に投射される光を検出する位置に設置される。光はその後、検体を透過した、反射された、回折した、または検体を通る光路内でその他変調された光として検出することができ、光センサ111によって検出されて、血液検体の血液凝固特性に関する情報が提供される。
電源リンク113は、たとえば、バッテリまたはその他の形態の電源等の電力供給源に接続する役割を果たす。データリンク115もまた、検体から収集され、EEPROM 117に保存されたデータを機器からダウンロードできるようにするために設置できる。この点において、当業者にとっては当然のことながら、データリンク115とEEPROM 117は、カセット19が機器11に受けられると、機器11の中の各種の電子構成要素と接続されて、データをそこにアップロードおよびダウンロードすることができる。
これもまた当業者にとって当然のことかもしれないが、図3はさらに、本発明による機器であって、平行なプレートを有し、一般にこれらの平行なプレートの間に約50から約250μmの小さなギャップを有する機器の動作を描いている。これらは、制御された速度で相互に行き違いになるように摺動して、プレートの間にせん断応力を発生させ、これはT=μV/Dで示され、式中、Tはせん断応力であり、μ=粘度、V=V1+V2(Vはプレートの相対的線形速度である)、D=プレート間のギャップである。
図4は、本発明による機器11を組み立てた状態を描いたものであり、その各種の構成要素を示している。図4からわかるように、機器はポケットサイズで、好ましくは全体の寸法はiPhoneと同程度であり、約12cm×約6cm×約2cmである。機器11は、衝撃と振動を補償する内部の加速度計により耐久性が強化されている。設計上、これは多目的であり、幅広いせん断ダイナミックレンジにわたって、血小板とフィブリン凝血塊形成を測定することができる。またさらに、機器11は周辺機器としてUSBハブ電源で動作でき、その構成要素は容易に製造され、組み立てられる。一般に、生物物理学的分解能は約2μ未満の変位であり、機器11では、広い範囲のせん断応力の利用と完全な光アクセスが可能となる。
図5の分解図にさらに描かれているように、機器11は好ましくは、Acetal,6A1−4V Ti,2024A1等の材料でCNC機械加工された一体の筐体で構成される。下側サンプルウィンドウ203は上側サンプルウィンドウ205と協働し、これらは変位センサアーム207によって移動される。一般にアルミニウムで作製される一体の柔軟な4バー機構209が変位センサアーム207と関連付けられる。モータアセンブリ211、一般にVCAモータコイルアセンブリは、各種の構成要素を移動させる役割を果たし、一般に希土類で構成される磁石アセンブリ213に関連付けられる。光センサアレイ215は、凝血塊形成反応を調べ、測定する役割を果たす。センサアレイ215は一般に、赤外線差動変位センサアレイである。
好ましくは、機器において、プレート101と103の第一と第二の面を、少なくとも、テクスチャ、物質またはその他の材料でコーティングし、血液凝固工程を誘発し、遅らせ、またはその他変調させて、診断またはその他の目的のために、検体の血液凝固の特定の面にとって有利に、または不利になることを選択できるようにしてある。表面の改質には、血小板または血中タンパク質の結合反応性または活性化を促進するものを含めることができる。同様に、このような改質は、血小板または血中タンパク質の結合反応性または活性化を低減させることができ、これは、かかる処理またはコーティングに関する以下の詳細な説明からより明らかとなるであろう。
機器は、新鮮全血または微量の新鮮全血の血液レオロジと血液凝固を、組織因子、カオリン、イニシエータ、クエン酸塩およびその他のような外的試薬を添加することなく、分析することができる。このような物質およびその他は、詳細な分析上の理由によって選択的に添加してもよいが、機器の最も好ましい実施形態においては、これらは不要である。
アセンブリによれば、機器11は、同一の人または動物からの連続的な検体によって、血栓形成促進処理が行われた止血状態と抗血栓処理が行われた止血状態間の動的釣り合いをリアルタイムで、またはわずかな遅延で測定するように構成される。より好ましい態様において、モータ15と17はリニアボイスコイルアクチュエータモータであるが、線形運動を駆動できる、他のどのようなタイプの機器であってもよい。
1つの実施形態において、血液凝固の検出は、検体流体の粘度の変化とプレート表面との結合から生じるプレート101と103の第一と第二の表面間の機械的相互作用を測定することにより、光学的に行われる。好ましい態様において、2枚のプレート101と103間の相対的運動は、任意に選択された波形を生成するように制御されて、選択された振幅、周波数、持続時間およびシーケンスの所望の流体せん断速度を発生させ、それによって機器はDC(せん断ゼロ)から、流体キャビテーションおよびその後の検体の細胞構成要素の破壊の原因となるようなせん断速度までの非常に広い範囲にわたり、所望の流体せん断を模倣でき、この範囲にはこれら2つの地点間のせん断速度スペクトルにおけるすべての地点が連続的に含まれる。
より具体的には、せん断速度は一連の数値において制御されて、標的とされる診断または分析の目標のための具体的なプロトコルまたはプレート移動パラダイムが生成され、この目標とはたとえば、一次凝固を急速に開始させること、初期、中期または後期の凝血塊形成の破壊的または非破壊的粘弾性評価を行うこと、他の商用または実験用機器と比較するための、臨床的に受け入れられている、またはその他認定されているせん断速度プロトコルを模倣すること、または既知の標準に照らした検証試験を行うことである。光を光学的検出に使用できるが、電磁波スペクトル全体を使用して、一次および二次両方の血液凝固機序のための検体小滴の血液凝固特性を表すアナログ信号を生成できることは明らかである。
留意すべき点として、「血液検体」という用語が本明細書で使用される時、これは、全血、全血と1つまたはそれ以上の物質との混合物、全血の1つまたはそれ以上の成分を含む微量の全血、1つまたはそれ以上の非血液物質と混合された微量の全血、または血小板または血漿等の精製血液成分、再構成された血液製剤、改質された血液検体または代用血液等を意味することが意図される。
具体的な実施形態において、相互に交換可能なサンプルカセット19を使用することができ、各々が異なる分析および保守または較正機能を果たす。1つのカセット19を、機器11の定期的な較正および検証用とすることができる。あるいは、このような使い捨ての交換可能なカセット19は、機器11を較正し、血液検体を受け、血液検体を保持し、異なる試験プロトコルのために検体格納室の形状を変えることができ、試験中に検体を利用可能な状態に維持する役割を果たし、たとえば凍結、凍結乾燥等、保存のために検体を安全に取り出し、または血液検体に曝されずに検体を処分するのに役立つ。1つの実施形態において、カセット19は、単純な毛管現象作用によって血液検体を収集できるため、検体抽出および測定器の使用が不要である。
当業者には当然のことながら、カセット19は、サンプルプレートの間隔が異なり、表面の化学的および光学的特性が異なり、分析と検証試験のためのバリエーションが同様である異なる試験や用途に合わせて製造してもよい。
カセット19には、光学的手段により検出可能な血液状態、血液型、pH、酸素化、代謝産物、毒素またはその他の測定対象の検出を可能にする光学的操作観察用電子部品を含めてもよい。機器11は、その電子部品を通じて、顕微鏡等、その他の実験システムと接続することができるというものである。プレート101と103は、好ましくは光学的に透明であり、光信号が血液検体を通過し、平面間の血液検体の一部または全部を直接、光学的に視覚化することができる。これによって、レーザビームまたはその他の光表面の透過、反射、内部反射、選択的吸収、偏向または旋光、減衰内部反射(部分または全部)および伝導が可能となる。
前述のように、カセット19は、EEPROM 117のような不揮発性永久メモリストレージデバイスを含んでいてもよく、これはカセット、ロット、製造日、および構成の詳細を識別する初期データを含むほか、ユーザが設定する検体識別情報、試験開始時刻、試験継続時間、および明記された試験出力データと結果等の重要データを各検体とともに、破壊されるまで永久的に保管する。
カセット19は、添加剤、保存剤、シール剤または緩衝剤およびその他、試験前、試験中または試験後に血液検体に添加し、またその上に重ねることのできる同様の化学物質等、別の流体またはその他の材料を含んでいてもよい。図に具体的に示されていない1つの実施形態において、線形運動の代わりに、前述の線形変位に追加して、またはその代わりに、回転運動を使用してせん断を発生させることができる。
その構成により、機器11は、前述のデジタルシンセサイザ33、一般にはデュアルチャネルシンセサイザを使用して、0.0001Hzから1000Hzを含む、広いダイナミックレンジの機械的振動で血液検体に機械的せん断をかけることができ、このシンセサイザは、異なるデューティサイクル、周波数および振幅の正弦波、三角波、方形波等、一定周期の波形を生成する能力と、スルーレート、振幅等のすべてのパラメータが急速に変化する任意の波形を生成する能力を有するか、平面のいずれか一方または両方の一定した(DC)機械的変位を保持してもよい。モータ15と17は、ドライバ35によって、いずれか一方または両方の駆動機構がモータ15と17に連結されて、遷移運動を起こさせるために同時に利用できるような方法、またはいずれかを単独で、または機械的変位のための精密センサの役割を果たす他の機構と一緒に使用できるような方法で駆動してもよい。このようなシステムにおいては、たとえば4バーまたはマルチバーの一体型柔軟機構のような機械的特徴を組み込み、血液検体そのものに伴うもの以外の、摺動または回転する軸受面の使用から生じる機械的ヒステリシスを除去する。
データ分析およびデータ整理ソフトウェアを機器の電子部品に組み込んで、測定結果である血液凝固のパラメータを後で読み出すために保管し、コンピュータまたは、表示、保存または分析用のその他の機器に転送し、グラフィックで表示し、物理単位の数値で表示し、または具体的な診断、臨床指標または臨床的意義のパラメータの変化を示すアイコンや記号の形態で表示できるようにしてもよい。このソフトウェアを用いれば、結果として得られたデータを、使用者がその結果を同様の機能を有する他の機器から得られると予想されるような同様の、または類似の結果と直接比較できるように再構成し、または血液凝固パラメータに関する、容認されている標準的な数値または範囲と比較できるような方法で表示することが可能となるように表現することができるであろう。この点において、機器にLCDユーザインタフェース等のユーザインタフェース(図示せず)が実装されることがわかる。
機器11は、データ分析およびデータ整理ソフトウェアと連結された、プレート101と103の運動プロトコルを利用して、たとえば血小板の機能、血液凝固系の機能、赤血球(RBC)のレオロジ、RBC凝集、血液凝固促進剤または抗凝固剤の影響、線溶および、血液凝固のその他の特徴等を直接評価することが可能である。適当な使用者の要求事項とユーザインタフェースを備える機器11は、家庭内および非熟練者による使用が可能な、「単純」(CLIAの分類で「waived」)に分類してもよい。使い捨てカセットは、流体検体の単純で簡単な収集を通じて血液検体を収集し、保持するように構成されており、測定用ピペット、シリンジまたはその他、血液検体採取のための測定器を使用する必要がない。カセット19により、収集された血液検体を安全に取り扱い、保管し、取り出し、処分することができ、また、カセット19は、プレートの表面積とプレート間間隔を調節して、ごく微量の血液、一般に約1mL未満の血液を使用できるように製造されてもよい。
機器11とカセット19によれば、標準型および倒立型の両方の顕微鏡構成を利用して、血液凝固分析前、分析中または分析後の検体体積の大部分または全部を光学顕微鏡によって検査できる。機器11は、疾患および血液凝固異常の診断と定量化に利用でき、その疾患等の例としては、これらに限定されないが、誘発性、後天的および先天的状態、たとえば外傷性血液凝固異常(TIC)、フォンヴィレブランド病(vWD)、血液凝固因子消費、血小板消費、血小板無力症、代謝による血小板の枯渇、血液希釈、プロテインC、Sおよび線溶系の活性異常亢進、RBCレオロジの変化および不適正に行われた血液凝固調節のための治療、ならびに血液凝固に関わるその他の疾患や状態がある。
またさらに、機器11は、傷害または外傷の現場、搬送中、または救助、初期対応、治療、外科的介入または回復中の他のいずれの時点においても、15分未満、好ましくは4分未満の時間内に、その場で血液凝固異常を迅速に評価できる。フィードバックおよびフィードフォワード方式は、血液検体を安定化させ、外的な機械的ノイズ、振動および衝突による衝撃に抵抗できるようにする役割を果たす。外傷および失血に対する医療的対処の早期段階における一次および二次の両血液凝固の経時変化の試験に影響を与えることができる。同様に、一次および二次血液凝固の手術中の試験および手術中のこれらの機序の変更を実現できる。
機器11は、一次または二次血液凝固機序に影響を与えようと意図される生物活性化合物の迅速な体外スクリーニングに使用できる。これはまた、一次または二次血液凝固機序における疾患の臨床治療の指針にも使用できる。
同様に、機器11はとカセット19は、臨床および研究上、関心のあるその他の身体物質、たとえば嚢胞性線維症の治療の研究と臨床的指針のための、たとえば肺粘膜の流動学的特性を測定するような、専用に設計されたカセット(使い捨て)と専用の試験プロトコルおよびファームウェアを必要とする用途に、またはレオロジの異なる新たな新規流体の研究で使用するように改変してもよい。
機器11は、光電子および無線手段を利用して、個々に試験開始時刻が異なり、試験持続時間が異なり、または検体格納室の試験プロトコルが異なる複数の機器を同時に、または複数の検体で使用し、中央コンピュータまたはデータ収集表示機器に血液凝固に関する豊富なデータ群を提供する。これによって、多くの検体を同時にモニタし、手術または回復中、または搬送または現場での治療中に、ある個人から血液の凝固状態の動的変化を追跡することが可能となる。
前述のように、本発明の特定の実施形態は、プレート101と105、一般にガラスプレートの、血液検体と接触する表面上にコーティングを追加した形態をとってもよい。これらのコーティングは、血小板の付着と活性化を促進する特性を有するものであってもよく、たとえば、人または牛由来のコラーゲン、より具体的にはIV型コラーゲン等である。同様に、コーティングは、培養された繊維芽細胞の細胞外マトリクス(ECM)から、または培養された内皮から得ても、または人または動物由来の生体血管の天然の皮内下層組織から得てもよい。マトリクスの特定の分子成分、たとえばビトロネクチンまたはフィブロネクチンはコーティングを構成しても、または、吸着特性を増強するためのマトリクスの強化された特徴であってもよい。コーティングはまた、血小板の吸着および/または活性化を促進するための合成による性質を有していてもよく、たとえばポリアミドやポリグルコサミン、より具体的には天然または合成のβ−N−アセチルポリグルコサミン等である。その他の実施形態は、プレート101と105の上に、血小板機能を変調させるコーティング、たとえば血小板機能の活性化因子、たとえばアデノシン二リン酸またはエピネフリン、あるいは血小板機能の阻害因子、たとえばプロスタサイクリンまたはプロスタグランディンE−1を放出できる材料を組み込んでもよい。
本発明の他の実施形態は、プレート101と105の上に、血液凝固およびフィブリン重合の工程を促進、開始または変調するコーティングを追加した形態をとってもよい。これらのコーティングは、微粉シリカ、またはカオリン、または組織因子(天然型または組み換え型)、または血液凝固系の中のステップを促進することが知られているその他の作用因子を放出することのできる材料の形態をとってもよい。コーティングはまた、血液検体中に存在するかもしれない抗凝固因子を逆行させる性質のもの、たとえばヘパリンを除去するためのヘパリン分解酵素、またはクエン酸塩を除去するための石化カルシウムであってもよい。このようなコーティングは、せん断によって誘発される血小板活性化機序により血液凝固を開始するのに十分な血小板の数または機能を持たない患者の血液を試験する場合に好ましいかもしれない。同じ理由で、コーティングには、天然または合成のリン脂質の放出源を取り入れるか、あるいはプロトロンビン時間(PT)または部分トロンボプラスチン時間(PTT)等の標準的な臨床血液凝固試験において用いられる作用因子を模倣するために、部分または全トロンボプラスチンを含んでいてもよい。
本発明のまた別の実施形態において、プレートに、血液検体中の線溶亢進の影響を阻害または変調または逆行させるコーティング、たとえばイプシロンアミノカプロン酸(EACA)、またはトラネキサム酸、またはアプロチニン、またはプラスミンという酵素の作用に影響を与えるその他の抗プラスミン化合物または化学物質を追加してもよい。これらのコーティングは、試験系におけるプラスミンの即効を除去しなければ、検体(および、それゆえ患者)の血液凝固/止血システムに関するその他の有益な情報を抽出する能力を損なうような深刻な線溶亢進を来している患者の血液を試験する際に望ましかもしれない。同様に、コーティングは、血液検体のpHをpH7.2から7.4の最適な所望のレベル、または検体が患者の重篤な状態によって過剰に酸性状態または塩基性である場合に情報の損失を回避するためのその他の特定のレベルに調節するために、酸性または塩基性の緩衝化合物を含んでいてもよい。これらの緩衝化合物は、放出された塩またはアミノ酸、あるいは所望のpHを生成し、これを維持する目的のために血液と生体適合性のあるその他の両性イオン基を有する高分子可溶性化合物の形態をとってもよい。
本発明のプレート101と105に上記およびその他のコーティングを追加しても、一般に、プレート101と105間の血液検体用空間の形状または、モータを用いた機構によるプレート101と105の運動と制御は、システムを必要なギャップが規定内に維持されるように調製できなくなるまで変化しない。その理由により、ガラスプレート上のこのようなコーティングを製造する好ましい方法は、所望の材料を帯電および堆積によってガラス部材と直接接触させること、または血液検体と接触した時に直ちに活性化するのに適した、放出可能な形態で所望の作用因子を含む、薄い分子ヒドロゲルおよびキャリアエマルジョンを積層することを含んでいてもよい。
上記のコーティングは、1つの目的のための単独の作用因子を含んでいても、あるいは複数の支援目的のためのいくつかの、またはそれ以上の上記コーティングを組み合わせた混合体であってもよい。1つの実施形態は、2つの面の上に異なるコーティングを設けることを含んでいてもよく、一方は1つのタイプでもう一方は異なるタイプまたは異なる密度であるか、あるいは対向する部材の上の同様のコーティングが改質されてもよい。他の実施形態において、1つまたはそれ以上のコーティングを一方または両方の表面の異なる領域において異なる密度または濃度で、あるいは一方または両方の表面上に線形、放射状またはその他の密度勾配のコーティングを設けてもよい。各タイプのコーティングのパターンまたは勾配は、同じまたは対向する表面上の他の表面コーティング処理のそれとは異なっていてもよい。ある例示的実施形態において表面はガラスであるが、表面は、その上にコーティングを受け、また所期の方法で機能できるその他のどの材料であってもよく、これは当業者にとって明らかであろう。
本発明を各種の実施形態の説明によって解説し、これらの実施形態をごく詳細に説明したが、これが付属の特許請求の範囲をこのような詳細に制限する、または何らかの方法で限定することは出願人の意図ではない。本発明はしたがって、より広いその態様において、具体的な詳細、代表的な機器と方法、および図と説明文に示された例示のための事例に限定されない。したがって、せん断により誘発される血小板の活性化と血液凝固反応を全面的に利用する携帯式機器において止血機能全体をモニタするという出願人の包括的な発明性のある着想の真の主旨と範囲から逸脱することなく、かかる詳細に変更を加えることができる。

Claims (31)

  1. 血液検体における血液凝固反応を測定する機器において、
    第一の表面を有する第一の部材と第二の表面を有する第二の部材であり、前記第一の部材は前記第一の表面が前記第二の部材の前記第二の表面と対面するように位置付けられ、血液検体小滴が前記第一の表面と前記第二の表面と接触して、血液凝固を開始するのに十分な量だけ離間され、前記第一の部材と第二の部材が相互に関して線形に移動可能であるような第一の部材と第二の部材と、
    前記第一の部材と前記第二の部材の少なくとも一方に接続され、血液検体が前記第一の表面と前記第二の表面に接触すると、前記第一の部材と前記第二の部材を相互に関して平行に線形に移動させる駆動機構と、
    前記第一の部材と第二の部材間に配置された血液検体と光の相互作用を、前記血液検体の血液凝固反応の指標として検出する光検出センサシステムと、
    を備えることを特徴とする機器。
  2. 請求項1に記載の機器において、
    前記第一の部材と第二の部材が、前記機器から取り外し可能な血液検体収集カートリッジを構成することを特徴とする機器。
  3. 請求項2に記載の機器において、
    前記血液検体収集カートリッジは、試験対象の血液検体に関するデータを保存するためのメモリデバイスを前記カートリッジ上にさらに備えることを特徴とする機器。
  4. 請求項1に記載の機器において、
    前記駆動機構が、血液検体の血液凝固反応に関わる異なる機序を検出するために、前記第一の部材と第二の部材を相互に関して異なる速度で移動させるようにプログラムされることを特徴とする機器。
  5. 請求項1に記載の機器において、
    前記光検出センサシステムが、前記第一の表面と前記第二の表面への前記血液検体の結合を、血液凝固における血小板反応の指標として検出するようになされていることを特徴とする機器。
  6. 請求項1に記載の機器において、
    前記第一と第二の表面(1と2)の少なくとも一方が、前記検体他の目的の血液凝固の特定の局面にとって有利に、または不利になることを選択するように、血液凝固工程を誘発し、遅らせ、または変調させるように処理されていることを特徴とする機器。
  7. 請求項6に記載の機器において、
    前記表面の前記処理が血小板または血中タンパク質の結合、反応性または活性化を促進することを特徴とする機器。
  8. 請求項6に記載の機器において、
    前記表面の前記処理が血小板または血中タンパク質の結合、反応性または活性化を低減させることを特徴とする機器。
  9. 請求項1に記載の機器において、
    外部試薬を添加することなく、新鮮な全血または微量の新鮮な全血の血液レオロジと血液凝固を分析するように構成されていることを特徴とする機器。
  10. 請求項1に記載の機器において、
    同一の人または動物からの連続的な検体によって、血栓形成促進処理が行われた止血状態と抗血栓処理が行われた止血状態間の動的釣り合いを、機能的遅延を発生させずに測定するように構成されていることを特徴とする機器。
  11. 請求項1に記載の機器において、
    前記駆動機構と光検出センサシステムの動作を制御する、少なくとも1つのマイクロコントローラをさらに備えることを特徴とする機器。
  12. 請求項1に記載の機器において、
    前記第一の部材と前記第二の部材間の相対的運動の量を検出し、制御する、少なくとも1つの変位センサをさらに備えることを特徴とする機器。
  13. 請求項1に記載の機器において、
    前記機器と外部システム間を接続し、通信させるための接続インタフェースをさらに備えることを特徴とする機器。
  14. 請求項1に記載の機器において、
    前記駆動機構が線形運動を駆動できるデバイスを備えることを特徴とする機器。
  15. 請求項1に記載の機器において、
    光検出センサシステムに接続され、血液検体の血液凝固反応を示すアナログ信号を、それを保存するためにデジタル信号に変換するためのアナログ−デジタル変換器をさらに備えることを特徴とする機器。
  16. 血液検体の血液凝固反応を測定する方法において、
    血液検体小滴を対向して配置された実質的に平行なプレートの第一と第二の対面する表面の間に、これらと接触するように設置するステップと、
    少なくとも一方のプレートを所定の速度でもう一方のプレートに関して線形に移動させるステップと、
    前記検体流体の粘度の変化と前記プレートの表面への結合から生じる、前記第一と第二の表面間の機械的相互作用を測定することによって、前記血液小滴の血液凝固反応を光学的手段により検出するステップと、
    を含むことを特徴とする方法。
  17. 請求項16に記載の方法において、
    少なくとも一方のプレートを第一の速度で移動させるステップと、前記血液検体小滴の前記プレートの前記表面への吸着を光学的手段により検出し、血液凝固における血小板反応を判断するステップと、をさらに含むことを特徴とする方法。
  18. 請求項17に記載の方法において、
    続いて少なくとも一方のプレートを、前記第一の速度より遅い第二の速度で移動させるステップと、前記血液検体の血液凝固レベルを、フィブリン重合反応の指標として光学的手段により検出するステップと、をさらに含むことを特徴とする方法。
  19. 請求項16に記載の方法において、
    前記2枚のプレート間の相対的運動が、選択された振幅、周波数、持続時間およびシーケンスの所望の流体せん断速度を発生させ、前記機器がDC(せん断ゼロ)から、流体キャビテーションおよびその後の前記検体の細胞構成要素の破壊の原因となるようなせん断速度までであり、これら2つの地点間のせん断速度スペクトルにおけるすべての地点を連続的に含むような非常に広い広範囲にわたって所望の流体せん断を模倣できるように、任意に選択された波形を生成するように制御されることを特徴とする方法。
  20. 請求項19に記載の方法において、
    前記せん断速度が一連の数値において制御され、一次凝固の急速な開始、初期、中期または後期の凝血塊形成の破壊的または非破壊的粘弾性評価、他の商用または実験用機器と比較するための、臨床的に受け入れられている、またはその他認定されているせん断速度プロトコルの模倣、または既知の標準に照らした検証試験等、標的とされる診断または分析の目標のための具体的なプロトコルまたはプレート移動パラダイムが生成されることを特徴とする方法。
  21. 請求項16に記載の方法において、
    前記プレートが、血液凝固を測定するための機器に挿入可能なカセットの一部であり、前記プレートが透明であることを特徴とする方法。
  22. 請求項21に記載の方法において、
    前記カセットがメモリをさらに備え、その上に、前記光検出により得られた血液凝固反応に関する情報を保存するステップをさらに備えることを特徴とする方法。
  23. 請求項16に記載の方法において、
    前記光検出が、前記検体小滴に電磁波を透過させ、それぞれの光検出器において前記検体小型滴を通じた前記電磁波の透過、吸収、反射および回折の少なくとも1つを検出して、一次および二次血液凝固機序のための前記検体小滴における前記血液の血液凝固特性を表すアナログ信号を生成することによって行われることを特徴とする方法。
  24. 請求項23に記載の方法において、
    前記信号デジタル信号に変換するステップと、前記デジタル信号を保存するステップと、前記保存されたデジタル信号を所定の方法で分析して、前記検体小滴における前記血液の前記血液凝固反応に関する選択された情報を取得するステップと、をさらに含むことを特徴とする方法。
  25. 請求項16に記載の方法において、
    少なくとも一方のプレートに接続可能であり、前記少なくとも一方のプレートを移動させる、少なくとも1つのボイスコイルアクチュエータモータと、前記少なくとも一方のプレートを前記モータにより移動させるステップと、をさらに備えることを特徴とする方法。
  26. 請求項25に記載の方法において、
    前記モータに接続されたプロセッサと、その動作を前記プロセッサにより所定の方法で制御するステップと、をさらに備えることを特徴とする方法。
  27. 請求項16に記載の方法において、
    一方のプレートを他方のプレートに関して、前記他方のプレートを前記血液と前記他方のプレート間の粘弾性による連成によって移動させるような方法で移動させるステップと、前記他方のプレートの前記運動から前記血液の粘弾性特性を判断するステップと、をさらに含むことを特徴とする方法。
  28. 請求項16に記載の方法において、
    前記血液検体により引き起こされた、前記一方のプレートと前記他方のプレート間の粘弾性による連成によって引き起こされた前記一方のプレートと前記他方のプレートの運動によって発生した歪み速度を検出するステップと、前記2枚のプレート間の機械的連成とその結果得られた前記歪み速度から判断された前記血液検体の粘弾性に基づく推測分析により、前記血液の血液凝固状態を判断するステップと、をさらに含むことを特徴とする方法。
  29. 請求項16に記載の方法において、
    ある時間にわたり前記血液の粘弾性を継続的に測定して、前記血液の血液凝固反応の経時変化をモニタするステップをさらに含むことを特徴とする方法。
  30. 血液検体中の血液凝固反応を測定する方法において、
    血液検体小滴を対向して配置されたプレートの対面する表面の間に、これらに接触させて設置するステップと、
    少なくとも一方のプレートを他方のプレートに関して、第一の速度で線形に移動させるステップと、
    前記血液中の血小板反応を示す前記血液の一次血液凝固反応を光学的手段により検出するステップと、
    少なくとも一方のプレートを他方のプレートに関して、第二の速度で線形に移動させるステップと、
    フィブリン重合を示す前記血液の二次血液凝固反応を光学的手段により検出するステップと、
    を含むことを特徴とする方法。
  31. 請求項30に記載の方法において、
    ある時間にわたって前記血液の粘弾性を継続的に測定し、前記血液の血液凝固反応の経時変化をモニタするステップをさらに含むことを特徴とする方法。
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