JP2013514388A - 間質性膀胱炎の処置の方法 - Google Patents

間質性膀胱炎の処置の方法 Download PDF

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Abstract

本発明は、間質性膀胱炎および/もしくは疼痛性膀胱症候群および/もしくは膀胱疼痛症候群と関連した疼痛および/もしくは下部尿路症状(LUTS)の処置のためのアダリブマブ(HumiraTM)の使用に関する。本発明は、治療上有効な量のHumira(登録商標)を投与することによって、間質性膀胱炎の症状の処置もしくは軽減を必要とする被験体における間質性膀胱炎の症状を処置もしくは軽減するための方法を提供する。Humira(登録商標)は、当該分野で公知の任意の方法によって投与され得る。

Description

(関連出願)
本願は、2009年12月16日に出願された米国仮特許出願第61/287,134号の利益を主張し、この米国仮特許出願は、本明細書中に参考として援用される。
(発明の分野)
本発明は、間質性膀胱炎と関連した徴候および症状を、TNF−αアンタゴニスト(例えば、アダリブマブ(すなわち、Humira(登録商標)))で処置することに関する。
(発明の背景)
間質性膀胱炎(IC)は、不特定の原因の衰弱性の膀胱疾患である。これに、米国において100万人ほどの患者が罹患しており、これら患者のうち女性が90%を構成する。症状としては、膀胱、骨盤部、および/もしくは会陰部の疼痛、頻尿(urinary frequency)、切迫、ならびに夜間頻尿が挙げられる。これら症状は、非常に重篤な病的状態を生じるので、ICスコアを有する患者は、終末期透析状態の患者よりクオリティーオブライフ試験が劣る
ICの診断は、常に、難題であった。ICを有する患者の診断においては、通常、遅れ、最も一般的には、数年の遅れがある。ICの診断を明確に確立する特異的診断試験はない。上記患者の症状は変動するが、膀胱が満たされたときの膀胱痛、頻尿、切迫、切迫、夜間頻尿および女性においては性交痛が挙げられる。O’Leary−Sant症状指数および問題指数を含む、ICについて患者をスクリーニングするために質問事項が開発された。排尿日誌は、上記患者において診断するにあたってのみならず、処置の有効性を評価するにあたっても有用であり得る。上記患者は、しばしば、通常の尿分析および尿培養を有する。しかし、ICを有する多くの患者は、顕微鏡による血尿を有する。健康診断は、腹診および双手診の両方における膀胱の柔らかさを除いて、正常である。膀胱水圧拡張術(bladder hydro distension)での麻酔科での膀胱鏡検査は、膀胱壁の点状出血を示し、これは、ICと一致している。これはまた、ヒューナー潰瘍を示し得、これは、ICの症状を示す。膀胱の生検は、炎症と、増大したマスト細胞を示す。カリウム感受性試験は、カリウムの溶液が膀胱中に滴下された場合に、増大した膀胱の不快感を示す。上記患者の詳細な評価は、他の疾患を除外するために、ICの正確な診断をもたらす。
ICの治癒はなく、処置は、症状軽減に限られている。患者は、彼らの膀胱を刺激する特定の食品を避けなければならない。ICの処置のためにFDAが承認した薬物は、わずか2種類しかない。1978年に、FDAは、ICの処置についてジメチルスルホキシド(DMSO)を承認した。1996年の9月には、FDAは、ICの処置についてElmiron(ペントサンポリ硫酸ナトリウム)を承認した。これら薬物は、上記患者のうちのわずか40〜80%を助けるに過ぎず、それらの患者は、部分的な改善に気づくのみである8,9。大部分のIC患者は、なお徴候を示し、毎日膀胱症状を伴う不快感の中で生活している。長年にわたって、ICの新たな処置は存在しなかった。従って、現在利用可能な治療の有害効果もなく、有効性も限定されず、間質性膀胱炎および/もしくは疼痛性膀胱症候群(painful bladder syndrome)および/もしくは膀胱疼痛症候群(bladder pain syndrome)の疼痛および/もしくは下部尿路症状のための新規で有効な処置を提供することは必要である。
(発明の要旨)
本発明は、治療上有効な量のHumira(登録商標)を投与することによって、間質性膀胱炎の症状の処置もしくは軽減を必要とする被験体における間質性膀胱炎の症状を処置もしくは軽減するための方法を提供する。Humira(登録商標)は、当該分野で公知の任意の方法によって投与され得る。好ましくは、Humira(登録商標)は、皮下投与される。治療上有効な量は、臨床的利益を有する、すなわち、間質性膀胱炎の少なくとも1つの症状を軽減する任意の量である。好ましくは、上記治療上有効な量は、40mgである。
いくつかの局面において、Humira(登録商標)は、初期負荷用量、続いて、維持用量で投与される。必要に応じて、第2の負荷容量は、上記維持用量の前に投与される。いくつかの実施形態において、上記初期負荷用量は、2日間連続で投与される。
負荷用量は、例えば、160mgもしくは80mgである。維持用量は、40mgである。上記維持用量は。2週間に1回もしくは10日に1回投与される。
別段定義されなければ、本明細書で使用されるすべての技術用語および科学用語は、本発明が属する分野の当業者によって一般に理解されるのと同じ意味を有する。本明細書に記載される材料および方法に類似のものが本発明の実施において使用され得るが、適切な方法および材料が、以下に記載される。本明細書で言及されるすべての刊行物、特許出願、特許、および他の参考文献は、それらの全体において明示的に参考として援用される。矛盾する場合には、定義を含め、本明細書が優先する。さらに、本明細書に記載される材料、方法、および例は、例示に過ぎず、限定するとは意図されない。
本発明の他の特徴および利点は、以下の詳細な説明および特許請求の範囲から明らかであり、これらによって包含される。
(発明の詳細な説明)
本発明は、間質性膀胱炎および/もしくは疼痛性膀胱症候群および/もしくは膀胱疼痛症候群に関連した疼痛および/もしくは下部尿路症状(LUTS)を、TNFαインヒビター(例えば、ヒトTNFα抗体、もしくはその抗原結合部分)で処置するための改善された使用および組成物を提供する。好ましくは、上記TNFαインヒビターは、Humira(登録商標)である。間質性膀胱炎を処置するための方法および使用に関連する組成物および製造物品(キットを含む)はまた、本発明の一部として企図される。
間質性膀胱炎(IC)は、主に膀胱に罹患する慢性的な状態であり、原因は未知である。ICは、疼痛(例えば、骨盤痛)、および下部尿路症状(LUTS)(例えば、増大した頻尿もしくは切迫(特に、持続性の衝動)の症状によって特徴付けられる。より最近になって、用語法は、ICとともに、膀胱疼痛症候群(PBS)(MacDiarmidら,Rev.Urol.,9(1),9−1 6(2007))もしくは膀胱疼痛症候群(BPS)(van der Merveら,European Urology,53,60−67(2008))を含むように変化してきた(すなわち、この症状複合体をまとめて記載するために、IC/PBS/BPS)。
IC、PBSもしくはBPSと関連した疼痛は、下腹部(骨盤)痛、膀胱痛、恥骨上痛、膣痛、陰茎、精巣、陰嚢もしくは会陰部における疼痛、尿道痛、性交痛(dyspareneuria)、または膀胱が満たされたときに増大し得る疼痛、プレッシャーもしくは不快感を含む。
下部尿路症状は、尿症状の3つの群を含む。これらは、蓄尿(刺激性)症状、排尿(閉塞性)症状および排尿後症状として定義され得る。
蓄尿症状は、切迫、頻尿、夜間頻尿、切迫性失禁および緊張性失禁を含む。排尿症状は、躊躇、不十分な流れ、断続性、力み(straining)および排尿困難を含む。排尿後症状は、終末時尿滴下(terminal dribbling)、排尿後尿滴下(post−void dribbling)および残尿感(sense of incomplete emptying)を含む。用語「切迫」は、我慢するのが困難な、排尿したいという突然のやむにやまれぬ欲求の不定愁訴としてInternational Continence Societyによって定義される。これは、失禁の懸念もしくは恐れ、悪化する疼痛の懸念もしくは恐れ、プレッシャーもしくは不快感、または下部尿路に関連した別の不愉快な症状の始まりもしくは悪化の懸念もしくは恐れと関連し得る。間質性膀胱炎/疼痛性膀胱症候群/膀胱疼痛症候群を有するいくらかの患者において、この切迫感は、不定愁訴および/もしくは悪心の増大する感覚が付随し得る。
ICの原因および病態生理は、未だ明確には確立されていない。多くの理論が、提唱されてきた。これら理論としては、自己免疫、膀胱粘膜のグリコサミノグリカン(GAG)保護層の破壊、および炎症性ニューロペプチドを放出する感覚神経10が挙げられる。不快にする原因因子は、最終的に、膀胱尿路上皮炎症を引き起こし、関連した刺激症状を生じる11
IC病因の臨床モデルおよび実験モデルは、マスト細胞によって放出される炎症性メディエーターを伴う。膀胱筋層における過度なマスト細胞は、ICを有する患者の膀胱生検12,13およびICの実験的マウス研究14において認められる。マスト細胞数は、しばしば、いくつかの膀胱症候群において増大し、このマスト細胞インフラックスは、膀胱癌、間質性膀胱炎および慢性膀胱炎において観察されてきた15,16。マスト細胞活性化は、間質性膀胱炎において実証されてきた17。マスト細胞が膀胱病原において重要である可能性はまた、炎症性疾患(例えば、喘息、過敏性腸疾患、関節炎およびアトピー性皮膚炎、ならびにクローン病)においてそれらの示された重要性と一致する18,19,20
マスト細胞炎症応答は、腫瘍壊死因子(TNF)によって媒介され得る21,22。膀胱内スプラタストトシル酸塩は、膀胱炎症を阻害するために実験モデルにおけるマスト細胞分泌をもたらすことによって、腫瘍壊死因子の放出を阻害する23。膀胱内ナノ結晶性銀は、膀胱炎症を阻害するために実験モデルにおいてマスト細胞分泌をもたらすことによって、腫瘍壊死因子の放出を阻害し、質性膀胱炎において有用であり得る24。Remicade(インフリキシマブ)からの放出を受けた、37年のIC病歴を有する63歳齢の女性の間質性膀胱炎サポートグループフォーラムにおいて、ある報告がある25。Remicade(登録商標)はまた、TNFブロッカーであり、2ヶ月に1回の注入物として使用された。TNFの放出に伴うマスト細胞活性化の重要性が議論されている、ICに関する総説記事があった26。彼らは、Remicade(登録商標)およびEmbrel(登録商標)がTNFをブロックするが、ICの処置には一度も使用されてこなかったということを述べている。マスト細胞応答の活性化を阻害し、腫瘍壊死因子の効果を低下させることは、間質性膀胱炎を処置するにおいて有用であり得る。
Humiraは、TNFブロッカーである医薬である。Humira(登録商標)は、他の炎症性疾患(例えば、関節リウマチ、多関節型特発性関節炎、乾癬性関節炎、およびクローン病)において有益であることが示されてきた。Humira(登録商標)は、ICの処置において有益であるはずである。
(定義)
用語「ヒトTNFα」(本明細書において、hTNFα、もしくは単にhTNFと省略される)は、本明細書で使用される場合、17kD分泌系対および26kD膜会合形態(この生物学的に活性な形態は、非共有結合した17kD分枝のトリマーから構成される)として存在するヒトサイトカインに言及することが意図される。hTNFαの構造は、例えば、Pennica,D.,ら.(1984)Nature 312:724−729;Davis,J.M.,ら.(1987)Biochemistry 26:1322−1326;およびJones,E.Y.,ら.(1989)Nature 338:225−228にさらに記載される。用語ヒトTNFαは、組換えヒトTNFα(rhTNFα)を含むことが意図され、これは、標準的な組換え発現方法によって調製され得るか、もしくは商業的に購入され得る(R & D Systems,Catalog No.210−TA,Minneapolis,Minn.)。TNFαはまた、TNFといわれる。
用語「TNFαインヒビター」とは、TNFα活性を妨害する因子を含む。上記用語はまた、抗TNFαヒト抗体および本明細書で記載される抗体部分、ならびに以下に記載されるものの各々を含む:米国特許第6,090,382号;同第6,258,562号;同第6,509,015号、および米国特許出願第09/801,185号および同第10/302,356号。一実施形態において、本発明において使用される上記TNFαインヒビターは、抗TNFα抗体、もしくはそのフラグメント(インフリキシマブ(Remicade(登録商標),Johnson and Johnsonを含む);米国特許第5,656,272号(本明細書に参考として援用される)に記載される)、CDP571(ヒト化モノクローナル抗TNF−α IgG4抗体)、CDP 870(ヒト化モノクローナル抗TNF−α抗体フラグメント)、抗TNF dAb(Peptech)、CNTO 148(ゴリムマブ;Medarex and Centocor,WO 02/12502を参照のこと)、およびアダリブマブ(HUMIRA(登録商標) Abbott Laboratories、ヒト抗TNF mAb、米国特許第6,090,382においてD2E7として記載される)である。本発明において使用され得るさらなるTNF抗体は、米国特許第6,593,458号;同第6,498,237号;同第6,451,983号;および同第6,448,380号(これらの各々は、本明細書に参考として援用される)に記載される。別の実施形態において、上記TNFαインヒビターは、TNF融合タンパク質(例えば、エタネルセプト(Enbrel(登録商標),Amgen;WO 91/03553およびWO 09/406,476(本明細書に参考として援用される)に記載される)である。別の実施形態において、上記TNFαインヒビターは、組換えTNF結合タンパク質(r−TBP−I)(Serono)である。
用語「抗体」とは、本明細書で使用される場合、4個のポリペプチド鎖(ジスルフィド結合によって相互連結された2個の重(H)鎖および2個の軽(L)鎖)から構成される免疫グロブリン分子をいうことが意図される。各重鎖は、重鎖可変領域(本明細書においてHCVRもしくはVHと省略される)および重鎖定常領域から構成される。上記重鎖定常領域は、3個のドメイン(CH1、CH2およびCH3)から構成される。各軽鎖は、軽鎖可変領域(本明細書においてLCVRもしくはVLと省略される)および軽鎖定常領域から構成される。上記軽鎖定常領域は、1個のドメイン(CL)から構成される。上記VHおよびVL領域は、より保存され、フレームワーク領域(FR)といわれる領域が散在している超可変領域(相補性決定領域(CDR)といわれる)へとさらに細かく分けられ得る。各VHおよびVLは、アミノ末端からカルボキシ末端へと、以下の順序で配列された3個のCDRおよび4個のFRから構成される:FR1、CDR1、FR2、CDR2、FR3、CDR3、FR4。本発明の抗体は、米国特許第6,090,382号;同第6,258,562号;および同第6,509,015号(これらの各々は、その全体が本明細書に参考として援用される)にさらに詳細に記載される。
用語抗体の「抗原結合部分」もしくは「抗原結合フラグメント」(もしくは単に「抗体部分」)は、本明細書で使用される場合、抗原(例えば、hTNFα)に特異的に結合する能力を保持する抗体の1個以上のフラグメントをいう。抗体の上記抗原結合機能は、全長抗体のフラグメントによって行われ得ることが示されてきた。結合フラグメントは、Fab、Fab’、F(ab’)、Fabc、Fv、一本鎖、および一本鎖抗体を含む。用語抗体の「抗原結合部分」内に包含される結合フラグメントの例としては、(i)Fabフラグメント(上記VL、VH、CLおよびCH1ドメインからなる一価フラグメント);(ii)F(ab’)フラグメント(ヒンジ領域においてジスルフィド架橋によって連結された2個のFabフラグメントを含む二価フラグメント);(iii)上記VHおよびCH1ドメインからなるFdフラグメント;(iv)抗体の1本のアームの上記VLおよびVHドメインからなるFvフラグメント、(v)dAbフラグメント(Wardら.(1989)Nature 341:544−546)(これは、VHドメインからなる);ならびに(vi)単離された相補性決定領域(CDR)が挙げられる。さらに、上記Fvフラグメントの2個のドメイン(VLおよびVH)は、別個の遺伝子によってコードされるが、上記2個のドメインは、組換え法を使用して、上記VLおよびVH領域が対になって、上記ドメインを一価の分子を形成する1本のタンパク質鎖として作製し得る(一本鎖Fv(scFv)として公知;例えば、Birdら.(1988)Science 242:423−426;およびHustonら.(1988)Proc.Natl.Acad.Sci.USA 85:5879−5883)を参照のこと)合成リンカーによって、結合され得る。このような一本鎖抗体はまた、用語抗体の「抗原結合部分」内に包含されることが意図される。一本鎖抗体の他の形態(例えば、ダイアボディー)はまた、包含される。ダイアボディーは、同じ鎖の上記2個のドメインの間の対形成を可能にするには短すぎるリンカーを使用することを除いて、VHおよびVLドメインが一本のポリペプチド鎖で発現され、それによって、上記ドメインを別の鎖の相補的ドメインと対形成させ、2個の抗原結合部位を作り出す、二重特異性(bispecific)抗体である(例えば、Holligerら.(1993) Proc.Natl.Acad.Sci.USA 90:6444−6448;Poljakら.(1994)Structure 2:1121−1123を参照のこと)。本発明の抗体部分は、米国特許第6,090,382号、同第6,258,562号、同第6,509,015号(これらの各々は、その全体が本明細書に参考として援用される)にさらに詳細に記載される。
なおさらに、抗体もしくはその抗原結合部分は、上記抗体もしくは抗体部分と1個以上の他のタンパク質もしくはペプチドとの共有結合的もしくは非共有結合的な会合によって形成されるより大きな免疫接着性分子の一部であり得る。このような免疫接着性分子の例は、テトラマーscFv分子を作製するためのストレプトアビジンコア領域の使用(Kipriyanov,S.M.,ら.(1995)Human Antibodies and Hybridomas 6:93−101)およびシステイン残基の使用、二価およびビオチン化scFv分子を作製するためのマーカーペプチドおよびC末端ポリヒスチジンタグ(Kipriyanov,S.M.,ら.(1994)Mol. Immunol.31:1047−1058)を含む。抗体部分(例えば、FabおよびF(ab’)フラグメント)は、従来技術(例えば、それぞれ、完全な抗体のパパインもしくはペプシン消化)を使用して完全な抗体から調製され得る。さらに、抗体、抗体部分および免疫接着性分子は、本明細書に記載されるように、標準的な組換えDNA技術を使用して得られ得る。
「保存的アミノ酸置換」とは、本明細書で使用される場合、あるアミノ酸残基が類似の側鎖を有する別のアミノ酸残基で置換されるものである。類似の側鎖を有するアミノ酸残基のファミリーは、当該分野で既に定義されており、上記ファミリーは、塩基性側鎖(例えば、リジン、アルギニン、ヒスチジン)、酸性側鎖(例えば、アスパラギン酸、グルタミン酸)、荷電していない極性側鎖(例えば、グリシン、アスパラギン、グルタミン、セリン、スレオニン、チロシン、システイン)、非極性側鎖(例えば、アラニン、バリン、ロイシン、イソロイシン、プロリン、フェニルアラニン、メチオニン、トリプトファン)、β−分枝側鎖(例えば、スレオニン、バリン、イソロイシン)および芳香族側鎖(例えば、チロシン、フェニルアラニン、トリプトファン、ヒスチジン)を含む。
「キメラ抗体」とは、重鎖および軽鎖のアミノ酸配列の各々の一部が、特定の種に由来するかもしくは特定のクラスに属する抗体中の対応する配列に相同である一方で、上記鎖の残っているセグメントが別の種に由来する対応する配列に相同である抗体をいう。一実施形態において、本発明は、軽鎖および重鎖の両方の可変領域が1つの哺乳動物種に由来する抗体の可変領域を模倣する一方で、上記定常部分が、別の種に由来する抗体中の配列に相同である、キメラ抗体もしくは抗原結合フラグメントを特徴とする。本発明の好ましい実施形態において、キメラ抗体は、ヒト抗体のフレームワーク領域上にマウス抗体に由来するCDRをグラフト化することによって作製される。
「ヒト化抗体」とは、ヒト抗体鎖(アクセプター免疫グロブリンもしくはアクセプター抗体といわれる)に実質的に由来する可変領域フレームワーク残基を含む少なくとも1個の鎖および非ヒト抗体(例えば、マウス)に実質的に由来する少なくとも1個の相補性決定領域(CDR)を含む抗体をいう。上記CDRのグラフト化に加えて、ヒト化抗体は、代表的には、アフィニティーおよび/もしくは免疫原性を改善するために、さらなる改変を受ける。
用語「多価抗体」とは、1個より多くの抗原認識部位を含む抗体をいう。例えば、「二価」抗体は、2個の抗原認識部位を有するのに対して、「四価」抗体は、4個の抗原認識部位を有する。用語「単一特異性(monospecific)」、「二重特異性(bispecific)」、「三重特異性(trispecific)」、「四重特異性(tetrapecific)」などは、多価抗体に存在する異なる抗原認識部位特異性の数に言及する(抗原認識部位の数とは対照的に)。例えば、「単一特異性抗体」の抗原認識部位は、すべて同じエピトープを結合する。「二重特異性(bispecific)」もしくは「二重特異的(dual specific)」抗体は、第1のエピトープを結合する少なくとも1個の抗原認識部位および第1のエピトープとは異なる第2のエピトープを結合する少なくとも1個の抗原認識部位を有する。「多価単一特異性」抗体は、同じエピトープをすべて結合する複数の抗原認識部位を有する。「多価二重特異性」抗体は、複数の抗原認識部位を有し、そのうちのある数は、第1のエピトープを結合し、そのうちのある数は、上記第1のエピトープとは異なる第2のエピトープを結合する。
用語「ヒト抗体」とは、本明細書で使用される場合、ヒト生殖細胞系免疫グロブリン配列に由来する可変領域および定常領域を有する抗体を含むことが意図される。本発明のヒト抗体は、例えば、上記CDRにおいておよび特にCDR3において、ヒト生殖細胞系免疫グロブリン配列によってコードされないアミノ酸残基(例えば、インビボでのランダム変異誘発もしくは部位特異的変異誘発によって、またはインビボでの体細胞変異によって導入される変異)を含み得る。しかし、用語「ヒト抗体」は、本明細書で使用される場合、別の哺乳動物種(例えば、マウス)の上記生殖細胞系に由来するCDR配列がヒトフレームワーク配列上にグラフト化された抗体を含むことは意図されない。
用語「組換えヒト抗体」は、本明細書で使用される場合、組換え手段によって調製されるか、発現されるか、作られるかもしくは単離されるすべてのヒト抗体(例えば、宿主細胞(以下にさらに記載される)へとトランスフェクトされる組換え発現ベクターを使用して発現される抗体、組換えコンビナトリアルヒト抗体ライブラリー(以下にさらに記載される)から単離された抗体、ヒト免疫グロブリン遺伝子に対してトランスジェニックである動物(例えば、マウス)から単離された抗体(例えば、Taylorら.(1992)Nucl.Acids Res.20:6287を参照のこと)またはヒト免疫グロブリン遺伝子配列の、他のDNA配列へのスプライシングを含む任意の他の手段によって調製されるか、発現されるか、作られるかもしくは単離される抗体を含むことが意図される。このような組換えヒト抗体は、ヒト生殖細胞系免疫グロブリン配列に由来する可変領域および定常領域を有する。しかし、特定の実施形態において、このような組換えヒト抗体は、インビトロでの変異誘発に供され(もしくは、ヒトIg配列に対してトランスジェニックの動物が使用される場合には、インビボでの体細胞変異誘発)、従って、上記組換え抗体のVH領域およびVL領域のアミノ酸配列は、ヒト生殖細胞系VH配列およびVL配列に由来し、これらに関連する一方で、インビボでの上記ヒト抗体生殖細胞系レパートリー内に天然に存在しない可能性がある配列である。
このようなキメラ抗体、ヒト化抗体、ヒト抗体、および二重特異的抗体は、当該分野で公知の組換えDNA技術によって(例えば、PCT国際出願第PCT/US86/02269号;欧州特許出願第184,187号;欧州特許出願第171,496号;欧州特許出願第173,494号;PCT国際公開WO 86/01533;米国特許第4,816,567号;欧州特許出願第125,023号;Betterら.(1988)Science 240:1041−1043;Liuら.(1987)Proc.Nat.Acad.Sci.USA 84:3439−3443;Liuら.(1987)J.Immunol.139:3521−3526;Sunら.(1987)Proc.Nat.Acad.Sci.USA 84:214−218;Nishimuraら.(1987)Cancer Res.47:999−1005;Woodら.(1985)Nature 314:446−449;Shawら.(1988)J.Natl.Cancer Inst.80:1553−1559);Morrison(1985)Science 229:1202−1207;Oiら.(1986)BioTechniques 4:214;米国特許第5,225,539号;Jonesら.(1986)Nature 321:552−525;Verhoeyanら.(1988)Science 239:1534;およびBeidlerら.(1988)J.Immunol.141:4053−4060,Queenら.,Proc.Natl.Acad.Sci.USA 86:10029−10033(1989)、米国特許第5,530,101号、同第5,585,089号、同第5,693,761号、同第5,693,762号、Selickら.,WO 90/07861、ならびにWinter,米国特許第5,225,539号に記載される方法を使用して、生成され得る。
「単離された抗体」とは、本明細書で使用される場合、異なる抗原特異性を有する他の抗体を実質的に含まない抗体(例えば、hTNFαを特異的に結合する単離された抗体は、hTNFα以外の抗原を特異的に結合する抗体を実質的に含まない)をいうことが意図される。しかし、hTNFαを特異的に結合する単離された抗体は、他の抗原(例えば、他の種に由来するTNFα分子)に交差反応性を有し得る。さらに、単離された抗体は、他の細胞物質および/もしくは化学物質を実質的に含まない可能性がある。
「中和抗体」、本明細書で使用される場合、(もしくは「hTNFα活性を中和した抗体」)は、hTNFαへの結合がhTNFαの生物学的活性の阻害を生じる抗体に言及することが意図される。hTNFαの生物学的活性の阻害は、hTNFα生物学的活性の1種以上の指標(例えば、hTNFα誘導性細胞傷害性(インビトロもしくはインビボのいずれか)、hTNFα誘導性の細胞活性化およびhTNFαレセプターへのhTNFα結合)を測定することによって、評価され得る。hTNFα生物学的活性のこれら指標は、当該分野で公知のいくつかの標準的なインビトロもしくはインビボでのアッセイのうちの1種以上によって評価され得る(米国特許第6,090,382号を参照のこと)。好ましくは、抗体がhTNFα活性を中和する能力は、L929細胞のhTNFα誘導性細胞傷害性の阻害によって評価される。hTNFα活性のさらなるもしくは代替のパラメーターとして、抗体がHUVECでのELAM−1のhTNFα誘導性発現を阻害する能力は、hTNFα誘導性細胞活性化の尺度として評価され得る。
用語「表面プラズモン共鳴」は、本明細書で使用される場合、例えば、BIAcoreシステム(Pharmacia Biosensor AB,Uppsala,Sweden and Piscataway,N.J.)を使用して、バイオセンサーマトリクス内のタンパク質濃度における変化を検出することによって、リアルタイム生体特異的相互作用の分析を可能にする光学的現象をいう。さらなる記載については、米国特許第6,258,562号の実施例1およびJonssonら.(1993)Ann.Biol.Clin.51:19;Jonssonら.(1991)Biotechniques 11:620−627;Johnssonら.(1995)J.Mol.Recognit.8:125;ならびにJohnnsonら.(1991)Anal.Biochem.198:268を参照のこと。
用語「Koff」とは、本明細書で使用される場合、上記抗体/抗原複合体からの抗体の解離についてのオフ速度定数(off rate constant)をいうことが意図される。
用語「K」とは、本明細書で使用される場合、特定の抗体−抗原相互作用の解離定数をいうことが意図される。
用語「IC50」とは、本明細書で使用される場合、目的の生物学的エンドポイントを阻害する(例えば、細胞障害活性を中和する)ことが必要とされるインヒビターの濃度をいうことが意図される。
化合物もしくは薬学的組成物の「有効量」とは、臨床的結果を含む有益もしくは所望の結果(例えば、疼痛感覚の軽減もしくは低下)をもたらすために十分な量である。有効量は、1回以上の投与において投与され得る。本発明の目的のために、薬物、化合物、もしくは薬学的組成物の有効量は、間質性膀胱炎および/もしくは疼痛性膀胱症候群および/もしくは膀胱疼痛症候群と関連した疼痛もしくは下部尿路症状を処置、軽減、その強度を低下、そして/または予防するために十分な量である。いくつかの実施形態において、上記「有効量」は、安静時疼痛(安静痛)もしくは機械的に誘導される疼痛(運動後の疼痛を含む)、または両方を低下させ得、疼痛刺激前、その間もしくはその後に投与され得る。臨床的状況において理解されるように、化合物もしくは薬学的組成物の有効量は、別の薬物、化合物、もしくは薬学的組成物とともに達成されてもよいし、そうでなくてもよい。従って、「有効量」とは、1種以上の治療剤を投与する状況において考えられ得、単一の薬剤は、1種以上の他の薬剤とともに、望ましい結果が達成され得るかもしくは達成される場合、有効量で与えられると考えられ得る。
用語「用量」とは、本明細書で使用される場合、被験体に投与されるTNFαインヒビターの量に言及する。
用語「投与(dosing)」とは、本明細書で使用される場合、治療目的(例えば、間質性膀胱炎の処置)を達成するために、物質(例えば、抗TNFα抗体)の投与(administration)に言及する。
「投与レジメン」とは、TNFαインヒビターについての処置スケジュール(例えば、長期間にわたるおよび/もしくは処置過程全体にわたる処置スケジュール(例えば、0週目にTNFαインヒビターの第1の用量、続いて、2週間に1回の投与レジメンにおいてTNFαインヒビターの第2の用量を投与する)を記載する。あるいは、0週目のTNFαインヒビターの第1の用量、続いて、10日に1回のTNFαインヒビターの第2の用量。
用語「複数の可変性の用量(multiple−variable dose)」とは、治療的処置のために被験体に投与されるTNFαインヒビターの種々の用量を含む。「複数の可変性の用量レジメン」もしくは「複数の可変性の用量治療」とは、処置の過程全体にわたって種々の時点でTNFαインヒビターの種々の量を投与することに基づいた処置スケジュールを記載する。複数の可変性の用量レジメンは、PCT出願番号PCT/US05/12007およびUS 20060009385(これらは、本明細書に参考として援用される)に記載される。
用語「維持治療」もしくは「維持投与レジメン」とは、被験体もしくは患者が所定の状態(例えば、寛解)に彼らの健康を維持することを可能にするために、障害/疾患(例えば、間質性膀胱炎)を有すると診断された上記被験体もしくは患者の処置スケジュールに言及する。一般に、間質性膀胱炎の処置の第1の目的は、必要な被験体における寛解を誘導することである。次の挑戦は、上記被験体を寛解の状態で維持することである。維持用量は、疾患の寛解を達成したか、または有利である上記疾患の状態(例えば、症状の低下)に達した被験体における寛解を維持するための維持治療において使用され得る。一実施形態において、本発明の維持治療は、被験体もしくは患者が上記疾患と関連した症状が完全にない状態に彼らの健康を維持することを可能にするために、障害/疾患(例えば、間質性膀胱炎)を有すると診断された上記被験体もしくは患者のために使用され得る。一実施形態において、本発明の維持治療は、被験体もしくは患者が、上記疾患と関連した症状が実質的にない状態に彼らの健康を維持することを可能にするために、障害/疾患(例えば、間質性膀胱炎)を有すると診断された被験体もしくは患者のために使用される。一実施形態において、本発明の維持治療は、被験体もしくは患者が、上記疾患と関連した状態の有意な低下がある状態に彼らの健康を維持することを可能にするために、障害/疾患(例えば、間質性膀胱炎)を有すると診断された被験体もしくは患者のために使用される。
用語「誘導用量」もしくは「負荷用量」は、本明細書で交換可能に使用され、間質性膀胱炎の寛解を誘導するために最初に使用されるTNFαインヒビターの第1の用量に言及する。しばしば、上記負荷用量は、上記その後の維持用量もしくは処置用量と比較して、より大きい。上記誘導用量は、単一用量であり得るか、または代わりに、用量のセットであり得る。例えば、上記誘導用量は、2用量で投与される。一実施形態において、誘導用量は、その後、TNFαインヒビターのより小さな用量(例えば、上記処置用量もしくは維持用量)の投与が続く。上記誘導用量は、治療の上記誘導相もしくは負荷相の間に投与される。本発明の一実施形態において、上記誘導用量は、上記処置用量の所定の量の少なくとも2倍である。本発明の一実施形態において、上記誘導用量は、160mgである。本発明の一実施形態において、上記誘導用量は、80mgである。一実施形態において、第2の誘導用量は、上記第1の誘導用量の2週間後に与えられる。例えば、160mgの第1の誘導用量は、0週間目に与えられ、80mgの第2の誘導用量が、2週間目に与えられる。上記第1の誘導用量は、1日で与えられ得るか、または2日間連続で投与され得る。
用語「処置相」もしくは「維持相」は、本明細書で使用される場合、所望の治療効果を維持する(すなわち、間質性膀胱炎の寛解を維持する)ために、被験体へのTNFαインヒビターの投与を包含する処置期間に言及する。
用語「維持用量」もしくは「処置用量」とは、所望の治療効果を維持もしくは継続するために被験体が摂取したTNFαインヒビターの量である。維持用量は、単一の用量であり得るか、または代わりに、用量のセットであり得る。維持用量は、治療の処置相もしくは維持相の間に投与される。一実施形態において、維持用量は、上記誘導用量より小さく、連続して投与される場合、互いに等量であり得る。一実施形態において、本発明は、1週間おきに(すなわち、2週間に1回)寛解状態にある被験体に皮下投与される40mgのアダリブマブの維持用量を提供する。一実施形態において、上記維持用量は、処置の1週間目に始まって、1週間おきに投与される。あるいは、上記維持用量は、処置の2週間目、3週間目、もしくは4週間目に始まって、1週間おきに投与される。必要に応じて、上記維持用量は、上記初期負荷用量の後に10日に1回投与される。
用語「2週間に1回の投与レジメン」、「2週間に1回投与」および「2週間に1回の投与」とは、本明細書で使用される場合、物質(例えば、抗TNFα抗体)を被験体に投与して、治療目的を達成する(例えば、処置過程全体を通じて)時間経過に言及する。上記2週間に1回の投与レジメンは、1週間に1回の投与レジメンを含むとは意図しない。好ましくは、上記物質は、9〜19日間に1回、より好ましくは、11〜17日間に1回、さらにより好ましくは、13〜15日間に1回、および最も好ましくは、14日間に1回投与される。一実施形態において、上記2週間に1回の投与レジメンは、処置の0週目に被験体で開始される。別の実施形態において、維持用量は、2週間に1回の投与レジメンで投与される。一実施形態において、上記負荷用量および維持用量の両方が、2週間に1回の投与レジメンに従って投与される。一実施形態において、2週間に1回の投与は、TNFαインヒビターの用量が、0週間目、1週間目、2週間目、3週間目、4週間目に始まって、1週間ごとに被験体に投与される投与レジメンを含む。一実施形態において、2週間に1回の投与は、TNFαインヒビターの用量が、所定の期間(例えば、4週間、8週間、16週間、24週間、26週間、32週間、36週間、42週間、48週間、52週間、56週間など)にわたって、連続して1週間おきに被験体に投与される投与レジメンを含む。2週間に1回の投与法はまた、US 20030235585(本明細書に参考として援用される)に記載される。
語句「第2の薬剤との組み合わせにおける第1の薬剤」の中にあるような用語「組み合わせ」とは、第1の薬剤および第2の薬剤の同時投与を包含し、これらは、例えば、同じ薬学的に受容可能なキャリア中に溶解もしくは混合されてもよいし、第1の薬剤の投与、続いて、第2の薬剤の投与でもよいし、上記第2の薬剤の投与、続いて、上記第1の薬剤の投与でもよい。従って、本発明は、組み合わせ治療処置および組み合わせ薬学的組成物の方法を含む。
語句「付随した治療処置」の中にあるような用語「付随した」とは、第2の薬剤の存在下である薬剤を投与することを包含する。組み合わせ治療処置法は、上記第1、第2、第3、もしくはさらなる薬剤が同時投与される方法を包含する。組み合わせ治療処置法はまた、上記第1もしくはさらなる薬剤が、第2もしくはさらなる薬剤の存在下で投与され、上記第2もしくはさらなる薬剤が、例えば、以前に既に投与されていてもよい方法を包含する。組み合わせ治療処置法は、異なる関係者によって段階的に行われてもよい。例えば、ある関係者が被験体に第1の薬剤を投与してもよいし、第2の関係者が、上記被験体に第2の薬剤を投与してもよいし、上記投与工程は、上記第1の薬剤(およびさらなる薬剤)が、上記第2の薬剤(およびさらなる薬剤)の存在下で投与後である限りにおいて、同時に、もしくはほぼ同時に、もしくは別個の時間に行われてもよい。上記関係者および上記被験体は、同じ実体(例えば、ヒト)であってもよい。
用語「組み合わせ治療」とは、本明細書で使用される場合、2種以上の治療物質(例えば、抗TNFα抗体および別の薬物)の投与に言及する。その他の薬物は、抗TNFα抗体の投与と同時、その前、もしくはその後に、投与され得る。
本明細書で使用される場合、「処置」は、治療手段、軽減手段、抑制手段および予防的処置を含み、有益なもしくは所望の臨床結果を得るためのアプローチである。本発明の目的のために、有益なもしくは所望の臨床結果としては、以下のうちの1つ以上が挙げられるが、これらに限定されない:間質性膀胱炎および/もしくは疼痛性膀胱症候群および/もしくは膀胱疼痛症候群と関連した投与および/もしくは下部尿路症状のあらゆる局面の改善もしくは軽減。本発明の目的のために、有益なもしくは所望の臨床結果としては、以下のうちの1つ以上が挙げられるが、これらに限定されない:間質性膀胱炎および/もしくは疼痛性膀胱症候群および/もしくは膀胱疼痛症候群と関連した疼痛および/もしくは下部尿路症状の重篤度の低下、軽減(疼痛のあらゆる局面(例えば、疼痛の持続時間の短縮、疼痛重篤度もしくは感覚の低下)を含む)。
例えば、用語処置は、間質性膀胱炎および/もしくは疼痛性膀胱症候群および/もしくは膀胱疼痛症候群の始まりの前もしくは後のTNFαインヒビターの投与を含み得、それによって、上記疾患もしくは障害の徴候を予防もしくは除去し得る。別の例としては、間質性膀胱炎および/もしくは疼痛性膀胱症候群および/もしくは膀胱疼痛症候群と関連した上記症状ならびに/もしくは合併症および障害と戦うための、間質性膀胱炎および/もしくは疼痛性膀胱症候群および/もしくは膀胱疼痛症候群の臨床的発現の後のTNFαインヒビターの投与は、上記疾患の「処置」を含む。さらに、始まりの後、ならびに臨床的症状および/もしくは合併症の後の上記薬剤の投与が展開され、ここで上記疾患もしくは障害の臨床パラメーターに投与が影響を及ぼし、おそらく、上記疾患の緩和は、間質性膀胱炎および/もしくは疼痛性膀胱症候群および/もしくは膀胱疼痛症候群の「処置」を含む。一実施形態において、被験体における間質性膀胱炎の処置は、被験体における間質性膀胱炎および/もしくは疼痛性膀胱症候群および/もしくは膀胱疼痛症候群の寛解を誘導し、維持する工程を包含する。
間質性膀胱炎および/もしくは疼痛性膀胱症候群および/もしくは膀胱疼痛症候群と関連した疼痛および/もしくは下部尿路症状の「発生率の低下」とは、重篤度(この状態に対して一般に使用される他の薬物および/もしくは治療(例えば、オピエートが挙げられる)の必要性および/もしくは量(例えば、これらへの曝露を)を低下させることを含む)、継続期間、および/もしくは頻度(例えば、固体における疼痛の時間を遅らせるかもしくは増大させることを含む)を低下させる任意の手段を意味する。当業者によって理解されるように、個体は、彼らの処置への応答の観点において変動し得、よって、例えば、「個体における間質性膀胱炎および/もしくは疼痛性膀胱症候群および/もしくは膀胱疼痛症候群と関連した疼痛および/もしくは下部尿路症状の発生率を低下させるための方法」は、そのような投与が、その特定の個体における発生率のそのような低下をおそらく引き起こし得るという妥当な予測に基づいて、上記化合物を投与することを示す。
間質性膀胱炎および/もしくは疼痛性膀胱症候群および/もしくは膀胱疼痛症候群と関連した疼痛および/もしくは下部尿路症状を「緩和する(ameliorating)」とは、上記化合物を投与しなかった場合と比較して、間質性膀胱炎および/もしくは疼痛性膀胱症候群および/もしくは膀胱疼痛症候群と関連した疼痛および/もしくは下部尿路症状のうちの1つ以上の症状の低下もしくは改善(improvement)を意味する。「緩和する」とはまた、症状の持続時間の短縮もしくは減少を含む。
間質性膀胱炎および/もしくは疼痛性膀胱症候群および/もしくは膀胱疼痛症候群と関連した疼痛および/もしくは下部尿路症状の「軽減処置」とは、上記化合物で処置した個体もしくは個体の集団において1つ以上の望ましくない症状の程度を低下させることを意味する。
本明細書で使用される場合、疼痛の発生を「遅らせる」とは、間質性膀胱炎および/もしくは疼痛性膀胱症候群および/もしくは膀胱疼痛症候群と関連した疼痛および/もしくは下部尿路症状の進行を延期する(defer)か、妨げる(hinder)か、遅らせる(slow)か、遅らせるか(retard)、安定化するか、そして/または延期する(postpone)ことを意味する。この遅延は、上記疾患および/もしくは処置されている個体の病歴に依存して、種々の長さの時間にわたり得る。当業者に明らかであるように、十分なもしくは顕著な遅延は、実際に、上記個体が疼痛を発生させないという点で予防を含み得る。上記症状の発生を「遅延させる」方法は、上記方法を使用しなかった場合と比較したとき、所定の時間枠で上記症状を発生させる可能性を低くし、そして/または所定の時間枠で上記症状の程度を低下させる方法である。このような比較は、代表的には、統計的に有意な数の被験体を使用する臨床試験に基づく。
「疼痛」とは、本明細書で使用される場合、任意の原因の疼痛(急性および慢性の疼痛、ならびに炎症成分による任意の疼痛が挙げられる)をいう。本明細書で使用される場合、「疼痛」とは、侵害受容および疼痛の感覚を含み、疼痛は、疼痛スコアおよび当該分野で周知の他の方法を使用して、客観的および主観的に評価され得る。上記疼痛は、当該分野で周知であるように、一次痛もしくは二次痛であり得る。
「間質性膀胱炎および/もしくは疼痛性膀胱症候群および/もしくは膀胱疼痛症候群と関連した疼痛」とは、本明細書で使用される場合、主に、下腹部(骨盤)痛、膀胱痛、恥骨上痛、膣痛、陰茎、精巣、陰嚢もしくは会陰部における疼痛、尿道痛、性交痛、または膀胱が満たされたときに増大し得る疼痛、プレッシャーもしくは不快感に言及する。
「間質性膀胱炎および/もしくは疼痛性膀胱症候群および/もしくは膀胱疼痛症候群と関連した下部尿路症状」とは、本明細書で使用される場合、主に、泌尿器症状の3つの群に言及し、これら群は、蓄尿(刺激性)症状、排尿(閉塞性)症状および排尿後症状として定義され得る。蓄尿症状は、切迫、頻尿、夜間頻尿、切迫性尿失禁および緊張性失禁を含む。排尿症状は、躊躇、不十分な流れ、断続性、力みおよび排尿困難を含む。排尿後症状は、終末時尿滴下、排尿後尿滴下および残尿感を含む。用語「切迫」とは、我慢するのが困難な、排尿したいという突然のやむにやまれぬ欲求の不定愁訴としてInternational Continence Societyによって定義される。これは、失禁の懸念もしくは恐れ、悪化する疼痛の懸念もしくは恐れ、プレッシャーもしくは不快感、または下部尿路に関連した別の不愉快な症状の始まりもしくは悪化の懸念もしくは恐れと関連し得る。間質性膀胱炎/疼痛性膀胱症候群および/もしくは膀胱疼痛症候群を有するいくらかの患者において、この切迫感は、不定愁訴および/もしくは悪心の増大する感覚が付随し得る。
「処置が必要な」ものとは、既に間質性膀胱炎を有する哺乳動物(例えば、ヒト)(上記疾患もしくは障害が予防されるべきであるものを含む)を含む。
(TNFインヒビター)
本発明の方法および組成物において使用されるTNFαインヒビターは、TNFα活性を妨害する任意の因子を含む。好ましい実施形態において、上記TNFαインヒビターは、TNFα活性(特に、間質性膀胱炎、ならびに関連合併症および症状と関連した有害なTNFα活性)を中和し得る。
一実施形態において、本発明において使用されるTNFαインヒビターは、TNFα抗体、もしくはその抗原結合フラグメント(キメラ抗体、ヒト化抗体、およびヒト抗体を含む)である。本発明において使用され得るTNFα抗体の例としては、インフリキシマブ(Remicade(登録商標),Johnson and Johnson;米国特許第5,656,272号(本明細書に参考として援用される)に記載される)、CDP571(ヒト化モノクローナル抗TNF−α IgG4抗体)、CDP 870(ヒト化モノクローナル抗TNF−α抗体フラグメント)、抗TNF dAb(Peptech)、CNTO 148(ゴリムマブ;Medarex and Centocor,WO 02/12502を参照のこと)、およびアダリブマブ(HUMIRA(登録商標) Abbott Laboratories,ヒト抗TNF mAb,米国特許第6,090,382号にD2E7として記載される)が挙げられるが、これらに限定されない。本発明において使用され得るさらなるTNF抗体は、米国特許第6,593,458号;同第6,498,237号;同第6,451,983号;および同第6,448,380号(これらの各々は、本明細書に参考として援用される)に記載される。本発明の方法および組成物において使用されるTNFαインヒビターの他の例としては、エタネルセプト(Enbrel,WO 91/03553およびWO 09/406,476に記載される)、可溶性TNFレセプタータイプI、peg化可溶性TNFレセプタータイプI(PEGs TNF−R1)、p55TNFR1gG(Lenercept)、および組換えTNF結合タンパク質(r−TBP−I)(Serono)が挙げられる。
一実施形態において、本発明は、間質性膀胱炎を処置し、間質性膀胱炎の処置についてのTNFαインヒビターの有効性を決定するための使用および組成物を特徴とし、ここで上記TNFα抗体は、高親和性および低いオフ定数でヒトTNFαに結合し、高い中和能力をも有する、単離されたヒト抗体、もしくはその抗原結合部分である。好ましくは、本発明において使用されるヒト抗体は、組換え中和ヒト抗hTNFα抗体である。本発明の最も好ましい組換え中和抗体は、本明細書でD2E7といわれる(HUMIRA(登録商標)もしくはアダリブマブともいわれる)。D2E7(アダリブマブ/HUMIRA(登録商標))の特性は、Salfeldら、米国特許第6,090,382号、同第6,258,562号、および同第6,509,015号(これらは、各々本明細書に参考として援用される)に記載されている。本発明の方法はまた、関節リウマチの処置の臨床試験を経たキメラおよびヒト化マウス抗hTNFα抗体(例えば、Elliott,M.J.,ら.(1994)Lancet 344:1125−1127;Elliot,M.J.,ら.(1994)Lancet 344:1105−1110;Rankin,E.C.,ら.(1995)Br.J.Rheumatol.34:334−342を参照のこと)を使用して行われ得る。
一実施形態において、本発明の方法は、間質性膀胱炎の処置に関するD2E7抗体および抗体部分、D2E7関連抗体および抗体部分、またはD2E7に等価な特性(例えば、低い解離反応速度および高い中和能でのhTNFαへの高親和性結合)を有する他のヒト抗体および抗体部分の効力を決定する工程を包含する。一実施形態において、本発明は、ヒトTNFαから、1×10−8 M以下のKおよび1×10−3 −1以下のKoff速度定数(両方とも表面プラズモン共鳴によって決定される)で解離する単離されたヒト抗体、もしくはその抗原結合部分での処置を提供し、1×10−7M以下のIC50を有する標準的なインビトロL929アッセイにおいてヒトTNFα細胞傷害性を中和する。より好ましくは、上記単離されたヒト抗体、もしくはその抗原結合部分は、ヒトTNFαから、5×10−4 −1以下のKoffで、さらにより好ましくは、1×10−4 −1以下のKoffで解離する。より好ましくは、上記単離されたヒト抗体、もしくはその抗原結合部分は、標準的なインビトロL929アッセイにおいて、1×10−8 M以下のIC50で、さらにより好ましくは、1×10−9M以下のIC50で、およびなおより好ましくは、1×10−10M以下のIC50で、ヒトTNFα細胞傷害性を中和する。好ましい実施形態において、上記抗体は、単離されたヒト組換え抗体、もしくはその抗原結合部分である。
抗体の重鎖および軽鎖のCDR3ドメインが、抗原に対する抗体の結合特異性/親和性において重要な役割を果たすことは、当該分野で周知である。よって、別の局面において、本発明は、hTNFαとの会合について低い解離反応速度を有し、D2E7のものに構造的に同一もしくは関連した軽鎖および重鎖のCDR3ドメインを有するヒト抗体を投与することによって、間質性膀胱炎を処置することに関する。上記D2E7 VL CDR3の9位は、実質的に上記Koffに影響を与えることなく、AlaもしくはThrが占有し得る。よって、上記D2E7 VL CDR3のコンセンサスモチーフは、アミノ酸配列:Q−R-Y-N-R−A−P−Y−(T/A)(配列番号1)を含む。さらに、上記D2E7 VH CDR3の12位は、実質的に上記Koffに影響を与えることなく、TyrもしくはAsnが占有し得る。よって、上記D2E7 VH CDR3のコンセンサスモチーフは、アミノ酸配列:V−S−Y−L−S−T−A−S−S−L−D−(Y/N)(配列番号2)を含む。さらに、米国特許第6,090,382号の実施例2に示されるように、上記D2E7の重鎖および軽鎖のCDR3ドメインは、実質的に上記Koffに影響を与えることなく、単一のアラニン残基での置換(上記VL CDR3内の1位、4位、5位、7位もしくは8位または上記VH CDR3内の2位、3位、4位、5位、6位、8位、9位、10位もしくは11位において)に影響を受けやすい。なおさらに、当業者は、上記D2E7 VLドメインおよびVH CDR3ドメインの、アラニンによる置換に対する影響の受けやすさを考慮すれば、上記CDR3ドメイン内での他のアミノ酸の置換が、上記抗体の低いオフ速度定数をなお保持しながら可能であり得る(特に、保存的アミノ酸での置換)ことを理解する。好ましくは、わずか1〜5個の保存的アミノ酸置換が、上記D2E7 VLドメインおよび/もしくはVH CDR3ドメイン内で作製される。より好ましくは、わずか1〜3個の保存的アミノ酸置換は、上記D2E7 VLドメインおよび/もしくはVH CDR3ドメイン内で作製される。さらに、保存的アミノ酸置換は、hTNFαへの結合に重要なアミノ酸位置においては作製されるべきでない。上記D2E7 VL CDR3の2位および5位、ならびに上記D2E7 VH CDR3の1位および7位は、hTNFαとの相互作用に重要であるようであり、よって、保存的アミノ酸置換は、好ましくは、これら位置では作製されない(しかし、上記のように、上記D2E7 VL CDR3の5位でのアラニン置換は許容される)(米国特許第6,090,382号を参照のこと)。
本発明の方法および組成物において使用されるTNFα抗体は、間質性膀胱炎の改善された処置のために改変され得る。いくつかの実施形態において、上記TNFα抗体もしくはその抗原結合フラグメントは、所望の効果を提供するために化学的に改変される。例えば、本発明の抗体および抗体フラグメントのpeg化は、例えば、以下の参考文献に記載されるように、当該分野で公知のpeg化反応のうちのいずれかによって行われ得る:Focus on Growth Factors 3:4−10(1992);EP 0 154 316;およびEP 0 401 384(これらの各々は、その全体が本明細書に参考として援用される)。好ましくは、上記peg化は、反応性ポリエチレングリコール分子(もしくは類似の反応性水溶性ポリマー)とのアシル化反応もしくはアルキル化反応を介して行われる。本発明の抗体および抗体フラグメントをpeg化するために好ましい水溶性ポリマーは、ポリエチレングリコール(PEG)である。本明細書で使用される場合、「ポリエチレングリコール」は、他のタンパク質を誘導体化するために使用されてきたPEGの形態のうちのいずれか(例えば、モノ(Cl−ClO)アルコキシ−ポリエチレングリコールもしくはアリールオキシ−ポリエチレングリコール)を含むことが意味される。
本発明のpeg化抗体および抗体フラグメントを調製するための方法は、一般に、(a)上記抗体もしくは抗体フラグメントとポリエチレングリコール(例えば、PEGの反応性エステルもしくはアルデヒド誘導体)とを、上記抗体もしくは抗体フラグメントが1個以上のPEG基に結合される条件下で反応させる工程、および(b)上記反応生成物を得る工程を含む。至適反応条件もしくは公知のパラメーターおよび所望の結果に基づくアシル化反応を選択することは、当業者に明らかである。
Peg化抗体および抗体フラグメントは、一般に、本明細書で記載されるTNFα抗体および抗体フラグメントの投与によって、間質性膀胱炎を処置するために使用され得る。一般に、上記peg化抗体および抗体フラグメントは、上記非peg化抗体および抗体フラグメントと比較すると、増大した半減期を有する。上記peg化抗体および抗体フラグメントは、単独で、一緒に、もしくは他の薬学的組成物と組み合わせて使用され得る。
本発明のなお別の実施形態において、TNFα抗体もしくはそのフラグメントは、改変され得る。ここで上記抗体の定常領域は、非改変抗体と比較して少なくとも1つの定常領域媒介性の生物学的エフェクター機能を低下させるように改変される。本発明の抗体を、上記Fcレセプターへの低下した結合性を示すように改変するために、上記抗体の免疫グロブリン定常領域セグメントは、Fcレセプター(FcR)相互作用に必要な特定の領域において変異させられ得る(例えば、Canfield,S.M.and S.L.Morrison(1991)J.Exp.Med.173:1483−1491;およびLund,J.ら.(1991)J.of Immunol.147:2657−2662)を参照のこと)。上記抗体のFcR結合能の低下はまた、FcR相互作用に依存する他のエフェクター機能(例えば、オプソニン作用およびファゴサイトーシスおよび抗原依存性細胞傷害性)を低下させ得る。
本発明の方法において使用される抗体もしくは抗体部分は、誘導体化され得るかもしくは別の機能性分子(例えば、別のペプチドもしくはタンパク質)に連結され得る。よって、本発明の抗体および抗体部分は、本明細書に記載されるヒト抗hTNFα抗体の誘導体化された形態およびほかに改変された形態(免疫接着性分子を含む)を含むことが意図される。例えば、本発明の抗体もしくは抗体部分は、1個以上の他の分子実体(例えば、別の抗体(例えば、二重特異性抗体もしくはダイアボディー))、検出可能な分子、細胞障害性因子、薬剤、および/または上記抗体もしくは抗体部分の、別の分子(例えば、ストレプトアビジンコア領域もしくはポリヒスチジンタグ)との会合を媒介し得るタンパク質もしくはペプチドに機能的に(化学的カップリング、遺伝子融合、非共有結合的会合もしくは他の方法で)連結され得る。
誘導体化抗体の1つのタイプは、2個以上の抗体(例えば、二重特異性抗体を作るために、同じタイプもしくは異なるタイプの)を架橋することによって生成される。適切な架橋剤は、適切なスペーサー(例えば、m−マレイミドベンゾイル−N−ヒドロキシスクシンイミドエステル)によって分離される2個の異なる反応性である基を有するヘテロ二官能性であるものまたはホモ二官能性(例えば、ジスクシンイミジルスベレート)であるものを含む。このようなリンカーは、Pierce Chemical Company(Rockford,Ill.)から入手可能である。
(間質性膀胱炎を処置するための使用および組成物)
本発明の一実施形態において、TNFαインヒビターは、間質性膀胱炎および/もしくは疼痛性膀胱症候群および/もしくは膀胱疼痛症候群と関連した疼痛および/もしくは下部尿路症状(LUTS)を処置するために使用される。
本明細書で記載される処置法は、治療目的(例えば、間質性膀胱炎および/もしくは疼痛性膀胱症候群および/もしくは膀胱疼痛症候群と関連した疼痛および/もしくは下部尿路症状(LUTS)の処置)を達成するために被験体のTNFαインヒビターの投与を含み得る。また、本発明の範囲内に含まれるのは、治療目的(例えば、間質性膀胱炎および/もしくは疼痛性膀胱症候群および/もしくは膀胱疼痛症候群と関連した疼痛および/もしくは下部尿路症状(LUTS))を達成するための医薬の製造におけるTNFαインヒビターの使用である。従って、方法が本明細書に記載される場合、上記方法の目的のための医薬の製造における上記TNFαインヒビターの使用がまた、本発明の範囲内にあると考えられることは、本発明の一部であることもまた意図される。同様に、治療目的を達成するという目的のための医薬の製造におけるTNFαインヒビターの使用が記載される場合、上記治療目的を生じる処置法はまた、本発明の一部であることが意図される。
一実施形態において、間質性膀胱炎の処置は、ヒトTNFα抗体もしくはその抗原結合部分を、間質性膀胱炎を有する被験体に投与することによって達成され、ここで上記ヒトTNFα抗体もしくはその抗原結合部分は、2週間に1回の投与レジメンで投与される。2週間に1回の投与レジメンは、TNFα活性が有害である障害を処置するために使用され得、米国特許出願第10/163,657号(US 20030235585)(本明細書に参考として援用される)にさらに記載される。一実施形態において、2週間に1回の投与は、TNFαインヒビターの用量が、1週間目、2週間目、3週間目もしくは4週間目に始まって1週間おきに被験体に投与される投与レジメンを含む。一実施形態において、2週間に1回の投与は、TNFαインヒビターの用量が、所定の期間(例えば、4週間、8週間、16週間、24週間、26週間、32週間、36週間、42週間、48週間、52週間、56週間など)にわたって連続して1週間おきに被験体に投与される投与レジメンを含む。2週間に1回の投与は、好ましくは、非経口投与される(皮下を含む)。別の実施形態において、上記投与レジメンは、10日に1回である。一実施形態において、上記ヒトTNFα抗体もしくはその抗原結合部分は、約40mgの用量で投与される。一実施形態において、上記ヒトTNFα抗体もしくはその抗原結合部分は、アダリブマブである。本発明はまた、間質性膀胱炎関連障害を処置するための方法を提供し、上記方法は、TNFαインヒビターを被験体に投与する工程を包含する。本発明において使用されるTNFαインヒビターは、当該分野で公知の種々の方法によって投与され得るが、多くの治療適用に関して、好ましい投与経路/投与態様は非経口である(静脈内注射もしくは皮下注射を含む)。
一実施形態において、間質性膀胱炎の処置は、処置の複数の種々の投与法を使用して達成される。このような複数の種々の投与レジメンの例は、PCT出願番号PCT/US05/12007(本明細書に参考として援用される)に記載される。例えば、約160mgのTNFαインヒビターの負荷用量は、第1に、間質性膀胱炎を有する被験体に投与され得、続いて、80mgの第2の負荷用量および約40mgの維持用量もしくは処置用量が投与され得る。あるいは、約80mgのTNFαインヒビターの負荷用量が、第1に、間質性膀胱炎を有する被験体に投与され得、約40mgの維持用量もしくは処置用量が投与され得る。
一実施形態において、本発明は、被験体における間質性膀胱炎を処置するための方法を提供し、上記方法は、初期負荷用量のTNFαインヒビターを0週間目に上記被験体に投与する工程を包含する。一実施形態において、上記初期用量は、全体が1日に与えられるか、または2日間に分割される。一実施形態において、上記初期用量は、皮下投与される。上記初期負荷用量の投与の後、上記TNFαインヒビターの第2の用量(すなわち、負荷用量)が、上記被験体に投与され得る。ここで上記第2の用量は、上記初期負荷用量の約半分の用量である。上記第2の負荷用量の投与の後、上記TNFαインヒビターの第3の用量(すなわち、維持用量もしくは処置用量)が、上記被験体に投与され得る。ここで上記第2の用量は、上記第2の負荷用量の約半分の用量である。あるいは、上記初期負荷用量の投与後に、上記TNFαインヒビターの第2の用量(すなわち、維持用量もしくは処置用量)が、上記被験体に投与され得る。ここで上記第2の用量は、上記初期負荷用量の約半分の用量である。一実施形態において、上記第2の用量は、上記第1の用量の約1週間後に、上記被験体に投与される。別の実施形態において、上記第2の用量は、上記第1の用量の約2週間後に投与される。一実施形態において、上記第3の用量は、上記第2の用量の約2週間後に投与される。一実施形態において、上記第2の用量は、皮下投与される。皮下用量は、上記被験体の処置を達成するために、上記第2もしくは第3の用量の後に投与され得る。
別の実施形態において、上記ヒトTNFα抗体もしくはその抗原結合部分の上記初期用量は、80mgを含み、0週間目に与えられ得、続いて、上記ヒトTNFα抗体もしくはその抗原結合部分の少なくとも1回の維持用量(40mgを含む)が2週間に1回の投与レジメンもしくは10日に1回の投与レジメンで投与される。
さらに別の実施形態において、上記ヒトTNFα抗体もしくはその抗原結合部分の上記初期用量は、160mgを含み、0週間目に与えられ得、続いて、上記ヒトTNFα抗体もしくはその抗原結合部分の少なくとも1回の維持用量(40mgを含む)は、2週間に1回の投与レジメンもしくは10日間に1回の投与レジメンで投与される。
さらなる実施形態において、上記ヒトTNFα抗体もしくはその抗原結合部分の上記初期用量は、160mgを含み、0週間目に与えられ得、続いて、80mgの少なくとも第2の負荷用量、続いて、上記ヒトTNFα抗体もしくはその抗原結合部分の少なくとも1回の維持用量(40mgを含む)が、2週間に1回の投与レジメンもしくは10日間に1回の投与レジメンで投与される。
投与単位形態は、本明細書で使用される場合、処置されるべき上記哺乳動物被験体のために単位用量として適した物理的に別個の単位に言及する;各単位は、上記必要とされる薬学的キャリアと会合した状態で所望の治療効果を生じるように計算された活性化合物の所定の量を含む。本発明の上記投与単位形態の仕様は、(a)上記活性化合物の特有の特徴および達成されるべき特定の治療効果もしくは予防効果、ならびに(b)個体における感度に関して上記処置のためのそのような活性化合物を化合する分野に固有の制限、によって必然的に決まり、直接依存する。
本明細書に記載される投与レジメンは、本明細書中の教示を考慮して、最適な望ましい応答(例えば、間質性膀胱炎の寛解の維持)を提供するように調製され得る。投与量の値は、間質性膀胱炎のタイプおよび重篤度に伴って変動し得ることは、注意されるべきである。任意の特定の被験体について、特定の投与レジメンは、本明細書の教示、上記個体の必要性、および上記組成物を投与するひともしくは上記組成物の投与を監督するひとの専門的な判断に従って経時的に調節され得、本明細書に記載される投与量および範囲は、例示に過ぎず、本願発明の範囲もしくは実施を限定するとは意図されないことが、さらに理解されるべきである。
(さらなる治療剤)
TNFαインヒビター(TNFα抗体、もしくはその抗原結合部分を含む)は、単独で、もしくはさらなる治療剤との組み合わせのいずれかで、本発明の方法、使用、および組成物において使用され得る。上記TNFαインヒビターが、単独で、もしくはさらなる薬剤(例えば、ある治療剤)との組み合わせで使用され得ることは理解されるべきであり、上記さらなる薬剤は、その意図された目的のために当業者によって選択される。例えば、上記さらなる薬剤は、上記TNFαインヒビターによって処置される上記疾患もしくは状態を処置するために有用であると当該分野で認識される治療剤であり得る。上記さらなる薬剤はまた、上記治療組成物に有益な特性を付与する薬剤(例えば、上記組成物の粘性をもたらす薬剤)であり得る。
本発明内に含まれるべき組み合わせが、それらの意図された目的に有用な組み合わせであることは、さらに理解されるべきである。以下に示される薬剤は、目的のための例示であり、限定されることを意図しない。本発明の一部である組み合わせは、本発明のTNFαインヒビターおよびDMSOもしくはペントサンポリ硫酸ナトリウム(Elmiron(登録商標))から選択される少なくとも1種のさらなる薬剤であり得る。上記組み合わせはまた、上記組み合わせが、上記形成される組成物がその意図された機能を発揮し得るようにする場合、1種より多いさらなる薬剤、例えば、2種もしくは3種のさらなる薬剤を含み得る。
(薬学的組成物)
本発明の方法において使用するための抗体、抗体部分、および他のTNFαインヒビターは、被験体への投与に適した薬学的組成物へと組み込まれ得る。代表的には、上記薬学的組成物は、抗体、抗体部分、もしくは他のTNFαインヒビター、および薬学的に受容可能なキャリアを含む。本明細書で使用される場合、「薬学的に受容可能なキャリア」は、生理学的に適合性である、任意のおよびすべての溶媒、分散媒、コーティング、抗菌剤および抗真菌剤、等張剤および吸収遅延剤などを含む。薬学的に受容可能なキャリアの例としては、水、生理食塩水、リン酸緩衝か生理食塩水、デキストロース、グリセロール、エタノールなど、およびこれらの組み合わせのうちの1種以上が挙げられる。多くの場合において、等張剤(例えば、上記組成物中の糖、多価アルコール(例えば、マンニトール、ソルビトール)、もしくは塩化ナトリウム)を含むことは、好ましい。薬学的に受容可能なキャリアは、微量の補助物質(例えば、湿潤剤もしくは乳化剤、保存剤もしくは緩衝化剤)をさらに含み得、これらは、上記抗体、抗体部分もしくは他のTNFαインヒビターの貯蔵期間もしくは有効性を増強する。
本発明の方法および組成物において使用するための組成物は、種々の形態にある。これらは、例えば、液体、半固体および固体の投与形態(例えば、液体の溶液(例えば、注射溶液および注入溶液)、分散物もしくは懸濁物、錠剤、丸剤、散剤、リポソームおよび坐剤)を含む。好ましい形態は、投与および治療的適用の意図された態様に依存する。代表的な好ましい組成物は、注射溶液もしくは注入溶液の形態(例えば、他の抗体もしくは他のTNFαインヒビターでのヒトの受動免疫のために使用されるものに類似の組成物)にある。好ましい投与態様は、非経口(例えば、静脈内、皮下、腹腔内、筋肉内)である。好ましい実施形態において、上記抗体もしくは他のTNFαインヒビターは、静脈内注入もしくは注射によって投与される。別の好ましい実施形態において、上記抗体もしくは他のTNFαインヒビターは、筋肉内注射もしくは皮下注射によって投与される。
治療組成物は、代表的には、製造および貯蔵の条件下で、無菌かつ安定でなければならない。上記組成物は、溶液、マイクロエマルジョン、分散物、リポソーム、もしくは高い薬物濃度に適した他の秩序だった構造として処方され得る。滅菌注射溶液は、上記活性化合物(すなわち、抗体、抗体部分、もしくは他のTNFαインヒビター)を、必要な場合には、上記に挙げられる成分のうちの1つもしくは組み合わせを有する適切な溶媒中に必要とされる量で組み込み、続いて、濾過滅菌することによって調製され得る。一般に、分散物は、上記活性化合物を、塩基性分散媒および上記に挙げられるものから必要とされる他の成分を滅菌ビヒクルに組み込むことによって調製される。滅菌注射溶液の調製のための滅菌粉末の場合、好ましい調製法は、上記活性成分と任意のさらなる所望の成分の粉末を、あらかじめ滅菌濾過したその溶液から生じる、真空乾燥および凍結乾燥である。溶液の適切な流動性は、例えば、コーティング(例えば、レシチン)の使用によって、分散物の場合には、必要とされる粒径の維持によって、および界面活性剤の使用によって、維持され得る。注射組成物の長期吸収は、上記組成物中に、吸収を遅延させる薬剤(例えば、モノステアレート塩およびゼラチン)を含めることによってもたらされ得る。
一実施形態において、本発明は、有効なTNFαインヒビターおよび薬学的に受容可能なキャリアを含む薬学的組成物を包含し、ここで上記有効なTNFαインヒビターは、間質性膀胱炎を処置するために使用され得る。
一実施形態において、本発明の方法において使用するための抗体もしくは抗体部分は、PCT/IB03/04502および米国出願第20040033228(本明細書に参考として援用される)に記載されるように、薬学的処方物へと組み込まれる。この処方物は、上記抗体D2E7(アダリブマブ)の濃度50mg/mlを含む。ここで1つのあらかじめ充填されたシリンジは、皮下注射のために40mgの抗体を含む。
本発明の抗体、抗体部分、および他のTNFαインヒビターは、当該分野で公知の種々の方法によって投与され得るが、多くの治療適用に関して、好ましい投与経路/投与態様は、非経口(例えば、皮下注射)である。別の実施形態において、投与は、静脈内注射もしくは注入である。
当業者によって理解されるように、上記投与経路および/もしくは投与態様は、所望の結果に依存して変動する。特定の実施形態において、上記活性化合物は、迅速放出に対して上記化合物を保護するキャリアとともに調製され得る(例えば、制御放出処方物(インプラント、経皮パッチ、および微小被包送達系を含む)。生分解性の生体適合性ポリマーが使用され得る(例えば、エチレンビニルアセテート、ポリ無水物、ポリグリコール酸、コラーゲン、ポリオルトエステル、およびポリ乳酸)。このような処方物の調製のための多くの方法は、特許化されているか、もしくは一般に、当業者に公知である。例えば、Sustained and Controlled Release Drug Delivery Systems,Robinson,ed.,Dekker,Inc.,New York,1978を参照のこと。
一実施形態において、本発明において使用されるTNFα抗体およびインヒビターは、被験体の皮下に送達される。一実施形態において、上記被験体は、上記TNFαインヒビター(TNFα抗体、もしくはその抗原結合部分が挙げられるが、これらに限定されない)を、彼自身/彼女自身に投与する。
本発明において使用されるTNFα抗体およびインヒビターはまた、コーティングされた粒子を形成するために、ポリマーキャリア内に微小被包化されたタンパク質結晶の組み合わせを含むタンパク質結晶処方物の形態で投与され得る。上記タンパク質結晶処方物のコーティングされた粒子は、球状の形態を有し得、直径が最大500μmまでのミクロスフェアであってもよいし、いくつかの他の形態を有していてもよく、微粒子であってもよい。タンパク質結晶の増強された濃度は、本発明の抗体が皮下送達されることを可能にする。一実施形態において、本発明のTNFα抗体は、タンパク質送達系を介して送達される。ここでタンパク質結晶処方物もしくは組成物のうちの1つ以上は、TNFα関連障害を有する被験体に投与される。完全抗体結晶もしくは抗体フラグメント結晶の滅菌処方物を調製するための組成物および方法はまた、WO 02/072636(これは、本明細書に参考として援用される)に記載される。一実施形態において、PCT/IB03/04502および米国出願第20040033228(これらは本明細書に参考として援用される)に記載される上記結晶か抗体フラグメントを含む処方物は、本発明の処置法を使用して、関節リウマチを処置するために使用される。
特定の実施形態において、本発明の抗体、抗体部分、もしくは他のTNFαインヒビターは、例えば、不活性希釈剤もしくは同化可能な食用キャリアとともに、経口投与され得る。上記化合物(および所望であれば、他の成分)はまた、硬質殻もしくは軟質殻のゼラチンカプセル中に閉じ込められ得るか、錠剤に圧縮され得るか、または上記被験体の食餌の中に直接組み込まれ得る。経口的治療投与のために、上記化合物は、賦形剤とともに組み込まれ得、摂取可能な錠剤、口腔錠、トローチ、カプセル剤、エリキシル剤、懸濁物、シロップ剤、ウェハなどの形態において使用され得る。本発明の化合物を非経口投与以外によって投与するために、上記化合物をその不活性化を妨げるための物質でコーティングするか、または上記化合物をその不活性化を妨げるための物質と同時投与することが必要であり得る。
補助的活性化合物はまた、上記組成物へと組み込まれ得る。特定の実施形態において、本発明の方法において使用するための抗体もしくは抗体部分は、1種以上のさらなる治療剤(間質性膀胱炎を処置するために使用される組成物を含む)と、同時処方され、そして/または同時投与される。例えば、本発明の抗hTNFα抗体もしくは抗体部分は、TNFα関連障害と関連した他の標的を結合する1種以上のさらなる抗体(例えば、他のサイトカインを結合するかもしくは細胞表面分子を結合する抗体)、1種以上のサイトカイン、可溶性TNFαレセプター(例えば、PCT公開番号WO 94/06476を参照のこと)および/もしくはhTNFα生成もしくは活性を阻害する1種以上の化学薬剤(例えば、PCT公開番号WO 93/19751に記載されるようなシクロヘキサン−イリデン誘導体)またはこれらの任意の組み合わせと、同時処方され得、そして/または同時投与され得る。さらに、本発明の1種以上の抗体は、前述の治療剤のうちの1種以上と組み合わせて使用され得る。このような組み合わせ治療は、上記投与される治療剤の低い投与量を有利には利用し得、従って、考えられる副作用、合併症、もしくは種々もモノセラピーと関連した上記患者による低レベルの応答を回避する。
本発明の薬学的組成物は、本発明の抗体もしくは抗体部分の「治療上有効な量」もしくは「予防状有効な量」を含み得る。「治療上有効な量」とは、所望の治療結果を達成するために必要な投与量および期間にわたる、所望の治療結果を達成するために有効な量に言及する。上記抗体、抗体部分、もしくは他のTNFαインヒビターの治療上有効な量は、上記疾患の状態、上記個体の年齢、性別および体重、ならびに上記抗体、抗体部分、他のTNFαインヒビターが上記個体において所望の応答を誘発する能力のような因子に従って変動し得る。治療上有効な量はまた、上記抗体、抗体部分、もしくは他のTNFαインヒビターの任意の毒性効果もしくは有害な効果に、上記治療上有益な効果が勝る量である。「予防上有効な量」とは、所望の予防的結果を達成するために必要な投与量および期間にわたる、所望の予防的結果を達成するために有効な量に言及する。代表的には、予防的用量は、疾患のより初期の段階より前にもしくはその段階で被験体において使用されるので、上記予防上有効な量は、上記治療上有効な量より低い。
本発明はまた、本発明の抗TNF抗体を間質性膀胱炎の処置のために投与するための、パッケージされた薬学的組成物もしくはキットに関する。本発明の一実施形態において、上記キットは、TNFαインヒビター(例えば、抗体)および間質性膀胱炎の処置のために上記TNFαインヒビターを投与するための指示書を含む。上記指示書は、どのように(例えば、皮下に)、およびいつ(例えば、0週間目、2週間目、4週間目になど)、異なる用量のTNFαインヒビターが処置のために被験体に投与されるべきかを記載し得る。
本発明の別の局面は、TNFαインヒビター(例えば、抗体)、および薬学的に受容可能なキャリアを含む薬学的組成物、ならびび間質性膀胱炎を処置するために有用なさらなる治療剤および薬学的に受容可能なキャリアを各々含む1種以上の薬学的組成物を含むキットに関する。あるいは、上記キットは、抗TNFα抗体、間質性膀胱炎を処置するために有用な1種以上の薬物、および薬学的に受容可能なキャリアを含む単一の薬学的組成物を含む。上記指示書は、どのように(例えば、皮下に)、およびいつ(例えば、0週間目、2週間目、4週間目になど)、上記異なる用量のTNFαインヒビターおよび/もしくは上記さらなる治療剤が処置のために被験体に投与されるべきかを記載し得る。
上記キットは、間質性膀胱炎の処置のために上記薬学的組成物を投与するための指示書を含み得る。
上記パッケージもしくはキットは、代わりに、上記TNFαインヒビターを含み得、本明細書で記載される障害についての使用もしくは処置について、上記パッケージ内にもしくは添付情報を通じてかのいずれかで、使用について促進され得る。上記パッケージされた薬剤もしくはキットは、第2の薬剤(本明細書に記載されるとおり)をさらに含み得、上記第2の薬剤は、上記第2の薬剤と第1の薬剤(本明細書に記載されるとおり)とを使用するための指示書とともにパッケージされるかまたは同時に促進される。
参考文献
Figure 2013514388
Figure 2013514388
(実施例1:ケーススタディー)
間質性膀胱炎のために1ヶ月に1回(monthy)DMSOの膀胱内注入が処置されていた男性患者は、Humira(登録商標) 40mgを受けた後に、彼の膀胱症状の改善に気がついた。彼は、負荷用量のHumira(登録商標)、続いて、40mg量の維持用量を10日に1回受けて、彼のクローン病を処置した。彼は、10年間余りにわたって膀胱痛、尿切迫、排尿頻度、および夜間頻尿を訴えてきた。すべてのこれら症状は、Humira(登録商標)を受けて以来解決した。

Claims (11)

  1. 間質性膀胱炎の症状の処置もしくは軽減を必要とする被験体において、間質性膀胱炎の症状を処置もしくは軽減するための方法であって、該方法は、治療上有効量のHumira(登録商標)を投与する工程を包含する、方法。
  2. 前記Humira(登録商標)は、皮下投与される、請求項1に記載の方法。
  3. 前記治療上有効な量は、40mgである、請求項1に記載の方法。
  4. 前記Humira(登録商標)は、初期負荷容量、続いて維持用量で投与される、請求項1に記載の方法。
  5. 前記負荷用量は、160mgである、請求項4に記載の方法。
  6. 前記維持用量は、40mgである、請求項4に記載の方法。
  7. 前記維持用量は、2週間に1回投与される、請求項4に記載の方法。
  8. 前記初期負荷用量の後に、第2の負荷容量が投与される、請求項4に記載の方法。
  9. 前記第2の負荷用量は、80mgである、請求項8に記載の方法。
  10. 前記初期負荷用量は、2日間連続で投与される、請求項4に記載の方法。
  11. 前記維持用量は、10日に1回投与される、請求項4に記載の方法。
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