液晶表示(LCD)パネルまたはLCOS(Liquid Crystal on Silicon)ディスプレイの透過率を局所的に変化させた場合、上記パネルの領域を通過するバックライト光の強度が変化するので、多様な強度で画素を表示することができる。バックライト光源から発せられた光が上記パネルを通過して観察者に届くか、または、上記パネルによって遮られるかは、ライトバルブ内の液晶分子の配向によって決定される。
液晶自身は発光しないので、可視表示を行うためには外部光源が必要である。小型で廉価なLCDパネルでは、このような外部光源として、上記パネルを通過後に観察者へと反射される外光を使用している。しかし、上記LCDパネルは完全に透明ではなく、上記LCDパネルを通過する光の相当量は吸収されるので、こうした種類のパネルに表示される画像は、最良の照明環境以外の環境下では見えづらい。一方、コンピュータディスプレイおよびビデオ画面に適用されるLCDパネルの背面は、通常、パネルの側面または背面に備え付けられた蛍光管または発光ダイオード(LED)アレイからの光によって照らされる。ディスプレイをより均一に照射するため、点光源または線光源からの光は、通常、観察者側への光の透過を制御するライトバルブに到達する前に拡散パネルによって分散される。
上記ライトバルブの透過率の制御は、第1偏光子と第2偏光子とからなる一組の偏光子の間に設けられた液晶層によって行われる。上記第1偏光子に到達する上記光源からの光は、複数の面で振動する電磁波からなる。このうち、上記第1偏光子の光軸と同一の面で振動する電磁波のみが、上記第1偏光子を通過する。LCDでは、各偏光子の光軸をずらして配置することで、上記第1偏光子を通過した光が上記第2偏光子を通過することを通常防いでいる。しかし、半透明の液晶層が上記偏光子間のセルギャップを埋めている。上記液晶分子の物理的な配向を制御することができるので、上記セルギャップの一方側から他方側へ連なる液晶分子の列を透過する光の上記振動面を各偏光子の光軸と一致するように、または一致しないように、回転させることができる。
上記セルギャップの壁を構成する上記第1偏光子の表面と上記第2偏光子の表面とに溝を設けて、上記セルギャップの壁に隣接する液晶分子の向きを上記溝の方向に一致させるので、上記液晶分子の向きが各偏光子の光軸の向きに一致する。隣接する液晶分子同士の向きを揃えるように分子力が作用する結果、上記セルギャップの一方側から他方側に配列される液晶分子列が全域に渡ってねじれる。同様に、上記液晶分子列を通過する光の振動面は、上記第1偏光子の光軸から上記第2偏光子の光軸まで“ねじられる”。上記液晶分子がこうした配向状態にあるとき、上記光源からの光は上記半透明なパネルアセンブリの上記第1偏光子と上記第2偏光子とを通過するので、上記パネルを前方から見た場合、表示表面の領域が明るく照らされる。
画素を暗くするため、そして画像を形成するために、特に、薄膜トランジスタによって制御する電圧を上記セルギャップの壁に形成された電極アレイの任意の電極に印加する。これにより発生する場(フィールド)によって、上記電極近傍に隣接する液晶分子が上記場へと引き付けられ、上記場の向きと一致するように回転する。上記液晶分子が電界によって回転するので、上記液晶分子列の“ねじれが解消”し、上記セルギャップの壁に隣接する液晶の光軸が、対応する偏光子の光軸からずれるように回転する。その結果、上記ライトバルブの透過率が局所的に次第に低下し、上記対応する表示画素の光強度も次第に低下する。表示画素を構成する複数の原色(典型的には、赤、緑、青)素子の各々について透過光の光強度を変化させることで、カラーLCD表示を実現する。
LCDは、明るく高解像度のカラー表示を実現でき、陰極線管(CRT)に比べて、薄くて軽いうえ、消費される電力も低い。その結果、LCDは、ノート型パソコンのディスプレイ、デジタル時計および腕時計のディスプレイ、電気製品のディスプレイ、音声画像機器のディスプレイ、および他の電子装置のディスプレイに広く用いられている。画像診断およびグラフィックアートなどの特定の“高級品市場”においてLCDを使用するためには、陰極管バックライト型のLCDに利用可能なダイナミックレンジよりも大きなダイナミックレンジが求められる場合がある。
従来、LCDの上記ダイナミックレンジを増大させる主要な試みは、LCD構成に使用される材料の特性を向上することに向けられていた。こうした試みの結果、LCDの導入以来、LCDのダイナミックレンジは向上されてきた。また、高品質なLCDでは、300:1以上のダイナミックレンジが実現可能になった。これは、充分に明るい室内で操作される場合では、標準的な品質のCRTのダイナミックレンジと比べても遜色ないものである。しかし、暗室では、よく調整されたCRTで得られる1000:1のダイナミックレンジと比較して大幅に低く、特定のプラズマディスプレイで実現可能な最大で3000:1のダイナミックレンジと比較しても大幅に低い。
LCD構成の他の種類は、発光ダイオード型のバックライトアレイを備える。このようなバックライトアレイでは、上記バックライトアレイの個々の素子の輝度を互いに独立して選択すること可能になる。上記素子の選択的な照明により、上記ディスプレイの異なる領域の明かりを選択的に薄暗くするか、消してもよく、これにより、上記ディスプレイのダイナミックレンジを向上させる。このような表示手法により、高品質のCRTのダイナミックレンジまたは標準的な冷陰極蛍光灯型のLCDディスプレイのダイナミックレンジよりも大きなダイナミックレンジを実現してもよい。また、画像画素の光強度値の範囲を変更させて、ディスプレイのダイナミックレンジを向上させてもよい。しかしながら、このようにして表示される画像は、特に画像の暗領域において、大きなノイズおよび輪郭アーチファクトを示す傾向がある。
よって、特に高ダイナミックレンジでの表示においてもノイズおよび輪郭アーチファクトを低減する表示システムが求められている。
図1では、バックライト型ディスプレイ20は、通常、バックライト22と、拡散器24と、上記バックライトからパネル28の表面に表示される映像を視認するユーザ側へ発光される光の透過率を制御するライトバルブ26(26の括弧内に示す)とを備える。上記ライトバルブは、一般的には液晶装置を備えており、絵素または画素の光透過率を電子的に制御するように構成されている。液晶自体は光を発光しないため、可視画像を形成するために外部光源が必要となる。デジタル時計または電子計算機などに使用する小型で安価なLCDでは、上記外部光源として、パネルを通過後に上記パネルの裏面に反射される光を使用してもよい。同様に、LCOS(Liquid Crystal On Silicon)装置では、ライトバルブの背面に反射される反射光によって表示画素を照らしている。しかし、上記アセンブリを通過する光のうちのかなりの部分はLCDに吸収されてしまう。そこで、図1に示すように蛍光管または光源30(例えば、発光ダイオード(LED))の配列を備える上記バックライト22などの人工光源を使用して、可視性の高い可視画像を構成するのに十分な光強度を持つ画素を実現したり、明かりの乏しい照明条件下で上記ディスプレイを照らしたりている。そのため、通常、点光源または線光源からの光を拡散パネル24によって分散させて、上記パネル28の表面を照らす光をより均一にさせている。大抵の場合、光源の密集度は、上記液晶層の画素の密集度と比較して大幅に低い。
上記バックライト22の上記光源30から放射される光は、ランダムな面で振動する電磁波からなる。この電磁波のうち、偏光子の光軸と同一の面で振動している光波のみが、上記偏光子を通過することができる。上記ライトバルブ26は第1偏光子32と第2偏光子34とを備え、各偏光子の光軸をずらして配置することで、通常、光が上記第1偏光子32と上記第2偏光子34との両方を通過することができないようにしている。上記第1の偏光子32と上記第2の偏光子34との間に設けられた液晶層36の領域を局所的に電気制御することで、上記光の振動面の並びを偏光子の光軸と相対的に変化させ、且つ、表示画素列の各画素36に対応する上記パネルの領域の透過率を局所的に変化させる。このため、画像が表示可能になる。
上記第1偏光子32と上記第2偏光子34との各表面を壁とするセルギャップを液晶分子36の層が埋めている。上記セルギャップの各壁を擦り、微細な溝を形成する。この溝は、対応する偏光子の光軸の向きと一致するように配置している。上記溝により、上記セルギャップの壁近傍の液晶分子層の向きが、対応する偏光子の光軸の向きと一致する。上記セルギャップ一方側から他方側に延びる各液晶分子列では、隣接する液晶分子同士の向きを揃えるように分子力が作用する。この結果、液晶分子層は、上記セルギャップの片側から反対側へねじれて伸びる無数の液晶分子列を含む。光源素子42から発光し、上記第1偏光子32を通過した光40が液晶分子列を構成する半透明な各液晶分子を通過するにつれ、上記光40の振動面が“ねじられる”。そのため、上記光40が上記セルギャップの入射側とは反対の側に到達したとき、上記振動面の向きは、上記第2偏光子34の光軸の向きと一致する。上記第2偏光子34の光軸面で振動する光44は上記第2偏光子34を通過すること可能なので、上記ディスプレイ28の表面に点灯画素38が実現される。
上記点灯画素38を暗くするために、上記セルギャップの壁に矩形の配列をなすように形成した透明電極のうちの上記点灯画素38と空間的に対応する透明電極に電圧を印加する。これにより発生する電界によって、上記透明電極に隣接する液晶分子が上記電界の向きと一致するように回転する。上記液晶分子が電界によって回転するので、上記液晶分子列の“ねじれが解消(untwist)”し、上記電界の強度が増すにつれて上記光の振動面が次第に上記第2偏光子34の光軸からずれ、且つ、上記ライトバルブ26の透過率が低減するという効果を奏す。そして、上記ライトバルブ26の透過率が低減するにつれて、上記光源42からの上記光40の減衰が最大限に達するまで、上記点灯画素38が徐々に暗くなる。表示画素を構成する複数の原色(典型的には、赤、緑、および青)素子の各々に対する透過光の光強度を変化させることで、カラーLCD表示を実現する。
ダイナミックレンジを拡大した上記バックライト型ディスプレイ20では、上記バックライト22が、局所的に制御可能な光源30の配列を備える。上記バックライトの各光源30として、発光ダイオード(LED)、蛍光体および小型レンズからなる構成、または他の好適な発光装置を使用してよい。上記バックライト配列22の各光源30は、他の光源が発光する光の輝度レベルから独立した輝度レベルの光を発光するように互いに独立して制御可能であるため、対応する画像画素の輝度に応じて各光源を変調することが可能である。
上記画像がカラー画像の場合、データ処理ユニットが上記画素データから上記表示画素の輝度を抽出すればよい。例えば、上記画素データの赤緑青(RGB)の各色の成分の加重和(例えば、0.33R+0.57G+0.11B)を算出することで、上記輝度信号を得ることができる。一方、上記画像が白黒画像の場合には、上記画像データから上記輝度を直接得ることができるので、上記抽出工程を省略することができる。上記拡散器24が作用する上記光源30からの照明のプロファイルと人間の視覚体系の特性とによってパラメータが決定されるフィルタを使用して、上記輝度信号をローパスフィルタリングしてよい。フィルタリング後、上記輝度信号をサブサンプリングして、上記バックライトアレイ22の光源30に対応する空間的座標上の光源照明信号を生成する。こうして得られた画像画素のラスタデータを順次使用して上記LCDライトバルブ26の上記表示画素を駆動しつつ、サブサンプリングした輝度信号を使用して上記光源ドライバに電源信号を出力して、上記画像画素の輝度と上記光源の輝度との関係に応じた輝度レベルを出力するように適切な光源を駆動する。上記バックライト光源30を変調させた場合、主に“暗画素”の照明を減衰させる一方、完全にオン状態にある画素内の照明は通常変化させないで、上記LCDの画素のダイナミックレンジを増大させる。
図2に、冷陰極蛍光型のバックライトをそれぞれ備えたCRTディスプレイと従来のLCDディスプレイとについて、画像符号値に応じた輝度を示す。図示されているように、上記従来のLCDディスプレイの光源レベルの最小値は、上記CRTディスプレイの光源レベルの最小値より大きい。最新のLCDディスプレイと最新のLEDバックライト型ディスプレイとでは、CRT型ディスプレイのダイナミックレンジと同等か又はそれより大きくなるようにLCDディスプレイのダイナミックレンジを増大している。
図3に、ディスプレイのダイナミックレンジの増加を示す。図3では上記ディスプレイの従来のダイナミックレンジを示し、上記画像の入力データのビット深度は通常8である。上記ディスプレイの外周に発光ダイオードを設置する構成などを採用してバックライト技術を向上させて、上記ダイナミックレンジを多少向上した。通常、上記画像の入力データの入力画像ビット深度を8に保持する一方、対応する符号値で示すコントラストを多少増加する。標準的なLCDと改良型のLCDに表示する画像とでは、表示する画像の見た目に然したる差異はない。“高”ダイナミックレンジのディスプレイは、通常、上記ディスプレイの異なる部位を選択的に照射するよう構成されたLEDアレイ(または、他の選択的発光素子)を備える。通常、上記画像の入力データの入力画像ビット深度を8に保持する一方で、対応する符号値で示す各符号値あたりのコントラストを大幅に増加させる。場合によっては、処理のため、上記画像のビット深度を表示内において増加させる。この結果表示される画像では符号値に対するコントラストが大幅に増加するが、輪郭アーチファクトおよびノイズの高まりなどのより深刻な画像アーチファクトが発生する傾向がある。上記ノイズの高まりは、特に、量子ノイズおよび暗電流ノイズが優位を占めがちな階調スケールの暗領域において強くなる傾向がある。
図4では、入力画像300を処理して、上記LED層にLED駆動信号302(第1信号)を供給し、上記ディスプレイのLCD層にLCD駆動信号304(第2信号)を供給している。上記入力画像300を受信し、その後、処理306(第1フィルタリング処理)において、受信した上記入力画像300を上記LEDアレイに応じて非線形フィルタリングおよびサブサンプリングしてもよい。LED逆階調応答曲線(“TRC”)に応じたルックアップテーブル(“LUT”)308を使用して、上記処理306において非線形フィルタリングおよびサブサンプリングを行った画像データに対応するLED駆動信号302を生成する。その後、処理310では、上記処理306において非線形フィルタリングおよびサブサンプリングを行った上記画像をアップサンプリングおよび変調して、上記LED層の予測照明をシミュレーションする。そして、処理312(除算操作)では、上記処理310で得られたアップサンプリング画像によって上記入力画像300を除算する。この結果バックライトからの光によって表示される液晶層画像314は、上記入力画像300を正確にシミュレーションするものである。そして、上記LCD逆TRCに応じたルックアップデータ316を参照して、上記液晶層画像314に対応するデータを上記LCD駆動信号304として生成する。しかし、ユーザに視認可能なノイズは、高ダイナミックレンジの表示に起因して発生する傾向があり、こうしたノイズの発生は、特に、上記階調スケールにおいて上記量子ノイズおよび上記暗電流ノイズが優位を占めがちな上記暗領域において強くなる。
図5では、ノイズを低減可能な一方法として、入力画像400をノイズ低減処理420によって処理している。上記ノイズ低減処理420は、高周波数成分を減衰するローパスフィルタ、任意のフィルタ、コアリング操作、サブサンプリング、またはそれら以外を含むものでよい。上記ノイズ低減処理420によって得られる、ノイズ低減された上記画像を処理して、上記LED層にLED駆動信号402を供給し、上記ディスプレイのLCD層にLCD駆動信号404を供給する。次に処理406では、上記ノイズ低減処理420においてノイズ低減した上記画像を上記LEDアレイに応じて非線形フィルタリングおよびサブサンプリングしてもよい。LED逆TRCに応じたルックアップテーブル408を使用して、上記処理406において非線形フィルタリングおよびサブサンプリングを行った画像データに対応するLED駆動信号402を生成する。その後、処理410では、上記処理406において非線形フィルタリングおよびサブサンプリングを行った上記画像をアップサンプリングおよび変調して、上記LED層の照明をシミュレーションする。その後、処理412では、上記ノイズ低減処理420から得られる非線形フィルタリングを行った上記入力画像を、上記処理410においてアップサンプリングした画像によって除算する。この結果、バックライトからの光に応じて表示される液晶層画像414は、上記入力画像400を正確にシミュレーションする。そして、上記LCD逆TRCに応じたルックアップデータ416を使用して、上記液晶層画像414に対応するデータを上記LCD駆動信号404として生成する。しかし、上記ノイズ低減処理420を行った場合でも、ユーザが視認可能なノイズが高ダイナミックレンジの表示に起因して発生する傾向があり、こうしたノイズの発生は、特に、上記階調スケールにおいて上記量子ノイズおよび上記暗電流ノイズが優位を占めがちな上記暗領域において強くなる。
しかし、上記画像を前置フィルタリングする上述の手法では、上記ノイズ信号が上記問題領域において極めて低く(符号値にして1または2など)、重要な信号もこの範囲に含まれるという問題がある。通常、このような符号値の差異は(特に階調スケールの暗領域の端部では)認識され難いものであり、特に高周波数成分の(および高周波数のため、閾値未満である)ノイズにおいては、上記符号値の差異が認識され難い。しかし、ダイナミックレンジを増大したディスプレイによりコントラスト/符号値が増大されると、上記差異が上記照明領域において増幅され、視覚閾値を超える。
図6では、入力画像500を処理して、上記LED層にLED駆動信号502(第1信号)を供給し、上記ディスプレイのLCD層にLCD駆動信号504(第2信号)を供給する。上記入力画像500を受信し、その後、処理506(第1フィルタリング処理)において、受信した上記入力画像500を上記LEDアレイに応じて非線形フィルタリングおよびサブサンプリングしてもよい。LED逆TRCに応じたルックアップテーブル(“LUT”)508を使用して、上記処理506において非線形フィルタリングおよびサブサンプリングを行った画像データに対応するLED駆動信号502を生成する。その後、処理510では、上記処理506において非線形フィルタリングおよびサブサンプリングを行った上記画像をアップサンプリングおよび変調して、上記LED層の予測照明をシミュレーションする。そして、処理512(除算操作)では、上記処理510でアップサンプリングした上記画像によって上記入力画像500を除算する。この結果、バックライトからの光に応じて表示される液晶層画像514(液晶層画像)(LUT516後)は、上記入力画像500を正確にシミュレーションする。しかし、このように生成した液晶層画像514では、上記コントラスト/符号値の増大に部分的に起因して、視認閾値より大きいために容易に視認可能なノイズが発生することになる。したがって、上記液晶層画像514をノイズ低減処理520(第2ノイズ低減処理)に供給してもよい。上記ノイズ低減処理520は、ローパスフィルタ、任意のフィルタ、コアリング作業、サブサンプリング、またはそれら以外を含むものでよい。上記LCD逆TRCに対応するルックアップテーブル516を使用して、上記画像514(画像データ514)に対応するデータを上記LCD駆動信号504として出力する。
上記ノイズ低減処理520は、ノイズ除去フィルタ、または、上記画像514に使用される他の空間強調フィルタであってよい。すなわち、LED光源アレイのシミュレーションした光強度によって上記入力画像を除算した後、上記画像を変調する。この除算により、上記符号値が増幅する。さらに、通常、符号値あたりのコントラストを高くして上記除算を行うため、ノイズの振幅が+/−1または2である符号値の範囲がより広くなり、振幅分解能がより高くなる(これは、上記入力画像の振幅分解能よりも分解能を高くして、上記LEDシミュレーションを行うためである)。これらの要因により、上記ノイズ除去手法を上記除算工程後に行った場合、信号をノイズから分離する力がより大きくなる。好ましくは、上記ノイズ除去工程を、上記除算工程後であって上記LCDのTRC較正工程前に行う。すなわち、好ましくは、上記ノイズ除去工程を上記LED−LCD分離手法と関連して行う。
図7では、入力画像600を処理して、上記LED層にLED駆動信号602を供給し、上記ディスプレイのLCD層にLCD駆動信号604を供給する。処理606において、上記入力画像600を上記LEDアレイに応じて非線形フィルタリングおよびサブサンプリング606してもよい。LED逆TRCに応じたルックアップテーブル608を使用して、上記処理606において非線形フィルタリングおよびサブサンプリングを行った画像データに対応するLED駆動信号602を出力する。その後、処理610では、上記処理606において非線形フィルタリングおよびサブサンプリングを行った上記画像をアップサンプリングおよび変調して、上記LED層の予期照明をシミュレーションする。そして、処理612では、上記処理610においてアップサンプリングした上記画像によって上記入力画像600を除算する。この結果バックライトからの光に応じて表示される液晶層画像614(LUT616後)は、上記入力画像600を正確にシミュレーションする。しかし、このように生成した液晶層画像614では、上記コントラスト/符号値の増大に部分的に起因して、視認閾値より大きいために容易に視認可能なノイズが発生することになる。したがって、上記液晶層画像614をノイズ低減処理620に供給してもよい。上記ノイズ低減処理620は、ローパスフィルタ、任意のフィルタ、コアリング作業、サブサンプリング、またはそれら以外を含むものでよい。上記LCD逆TRCに対応するルックアップテーブル616を使用して、上記画像614の画像データに対応するデータを上記LCD駆動信号604として出力する。
上記ノイズ低減処理620は、ノイズ除去フィルタ、または上記LCD画像614に使用される他の空間強調フィルタであってよい。すなわち、上記入力画像を上記LED光源アレイのシミュレーションした光強度によって除算した後、上記画像を変調する。この除算により、上記符号値が増幅する。さらに、通常、符号値あたりのコントラストを高くして上記除算を行うため、ノイズの振幅が、+/−(プラスまたはマイナス)1または2である符号値の範囲がより広くなり、振幅分解能がより高くなる(これは、上記入力画像の振幅分解能よりも分解能を高くして、上記LEDシミュレーションを行うためである)。これらの要因により、上記ノイズ除去手法を上記除算工程後に行った場合、信号をノイズから分離する力がより大きくなる。好ましくは、上記ノイズ除去工程を、上記除算工程後であって上記LCDのTRC較正工程前に行う。すなわち、好ましくは、上記ノイズ除去工程を上記LED−LCD分離手法と関連して行う。上記ノイズ低減処理620は、上記ノイズ除去手法における階調レベル依存性を更に含んでよく、上記階調レベル依存性を上記ノイズ除去手法が行われる上記画像614(上記除算工程より得られる)から決定するのではなく、上記LED画像に応じて決定する。また、アップサンプリング工程と他のシミュレーション工程(好ましい実施形態)とを行った後に、上記ノイズ依存性を上記LED層から決定してもよい。または、上記ノイズ依存性を上記サブサンプルLED画像または上記入力画像600から決定することもできる。
図8では、曲線で示す標準的なノイズ視認性について、階調レベルに応じてノイズを低減する好ましい手法を調整している。上記LED層から入力される上記階調レベルは、12ビット(0〜4096)の範囲の値としてよい。暗領域の端部は0としてよい。上記LCD層において、上記ノイズ低減要素をノイズ除去パラメータとして使用する。上記好ましい手法では、最終的に表示される画像の暗領域において、大きなノイズ低減が得られる。
他の手法はエッジ選択的なノイズ低減を使用し、上記ノイズ低減では、輪郭マップが上記ノイズ低減要素を制御する。上記処理の典型的な両極性は、エッジ付近ではノイズ低減を弱めるか、または、ノイズ低減を行わないことである。
ノイズ低減技術を図9に示す。入力画像900が受信されると、LED処理906に応じてLED駆動信号902が決定される。上記LED処理906は、非線形フィルタリング、サブサンプリング、および/またはルックアップテーブルの使用を含むものでよい。処理910では、上記バックライトの予測を上記LED処理906に応じてシミュレーションする。除算演算912では、上記バックライトの予測910によって上記入力画像900を除算する。上記除算演算912の結果、LCD画像914を得る。上記入力画像900とノイズ低減画像922をもたらす上記LCD画像914とに応じて、ノイズ低減処理920を行う。上記階調曲線を調整するためにルックアップテーブルを使用してもよく、上記ルックアップテーブルを上記LCD層へ供給するLCD信号として設けてもよい。
上記ノイズ低減処理920を図10に示す。上記入力画像900に輪郭検出マッピング処理930を行う。また、上記入力画像900に対して、上記ディスプレイのLED分解能に基づいた滲みマッピング処理932を行う。これにより、ノイズ除去マップが決定し、閾値化操作934を行う。その後、上記LCD画像914と上記入力画像900とを2チャネル分解フィルタ936へ送る。これにより、上記画像の低域ベースチャンネル938を決定し、上記画像の残余チャンネル940を決定する。上記閾値化操作934の出力と、上記低域ベースチャンネル938と、上記残余チャンネル940との組み合わせ942を行い、フィルタ処理出力922を生成する。
上述の方法と共に使用することができるシステムを図11に示す。このシステムでは、受信器1000が、上記ディスプレイに表示する入力画像を受信する。
第1フィルタ1006が、受信した上記入力画像を第1フィルタリング処理によって変調させて、上記ディスプレイの互いに独立して選択可能な発光素子を2次元に配列したバックライトアレイの駆動信号(LED駆動信号1002)を決定する。上記第1フィルタ1006は、非線形フィルタおよび/または上記入力画像をサブサンプリングするサブサンプリング器を備えていてもよい。LEDの逆TRCに対応するルックアップテーブル1008を使用して、上記第1フィルタ1006から得られるフィルタ処理サブサンプリング画像データに応じた上記LED駆動振動1002を出力する。
その後、アップサンプリング器1010が、上記第1フィルタ1006から出力される非線形にサブサンプリングされた画像をアップサンプリングして、上記バックライトアレイの予測照明をシミュレーションする。そして、上記アップサンプリング器1010から出力されるアップサンプリング画像によって、上記受信器1000に受信された上記入力画像を分離1012する。この結果得られる液晶層画像1014は、第2フィルタ1020によって受信される。そして、上記第2フィルタ1020が、上記液晶層画像1014を第2ノイズ低減処理によって変調することで、上記ディスプレイの画素を画定する2次元の液晶層の駆動信号を決定する。
上記第2フィルタ1020は、ノイズ除去フィルタ、または上記液晶層画像1014に使用される他の空間強調フィルタであってもよい。上記液晶層画像1014の画像データについては、上記LCDの逆TRCに応じたルックアップテーブル(LUT)1016を使用して得られたデータを、上記LCD駆動信号1004として供給する。
このシステムでは、上記バックライトアレイを構成する上記発光素子の密集度は、上記2次元の液晶層が画定する上記ディスプレイの画素の密集度と異なる。
本明細書の上述の説明において使用したタームならびに表現は本発明を説明するものであり、何ら制限を加えるものではない。したがって、このようなタームおよび表現の使用において、図示および説明した構成またはその一部と同等の構成を排除する意図はなく、本発明の範囲を下記のクレームのみによって規定および制限していることが認識されるであろう。