JP2013512940A - 少なくとも1種の金属元素を錯化することができる新規な化合物およびこれらの化合物をベースとする配位錯体 - Google Patents

少なくとも1種の金属元素を錯化することができる新規な化合物およびこれらの化合物をベースとする配位錯体 Download PDF

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Abstract

本発明は、以下の式(I):A-T-Z(式中:Aは、ピリジン、ビピリジン、フェナントロリンまたはフタロシアニン基から選択される、少なくとも1種の金属元素を錯化できる基であり;Tは、A基に直接結合しているトリアゾール基であり;Zは、ハロゲン原子、ニトロ基、シアノ基、アルキル基、アリール基、複素環式基、式-NR1R2の基、式-SR1の基、式-S(=O)2(OR1)の基、式-O-S(=O)2(OR1)の基、式-O-S(=O)2(R1)の基、式-S(=O)(OR1)の基、式-S(=O)(R1)の基、式-S(=O)2R1の基,式-PR1R2の基、式-P(=O)(OR1)(OR2)の基、式-O-P(=O)(OR1)(OR2)の基、式-O-P(=O)(OR1)(R2)の基、式-OR1の基または式-CO-R1の基であり、R1およびR2は、独立に、水素原子、アルキル基またはアリール基を表し、前記アルキル基またはアリール基は、任意選択で置換されていてもよい)に相当する化合物に関する。金属元素との配位錯体を形成するためのこれらの化合物の適用にも関する。

Description

本発明は、少なくとも1種の金属元素を錯化することができる新規な化合物、および、これらの化合物と、ルテニウムなどの1種または数種の金属元素との配位錯体に関する。
これらの化合物、およびこれらをベースとする配位錯体は、光化学特性を有する可能性、すなわち、酸化還元化学反応などの化学反応にその後関与し得る電子および/またはプロトンを生成することによって、光エネルギーの化学エネルギーへの変換を誘起することができる可能性がある。
したがって、これらの化合物は、光がエネルギー源として関与する多くの分野、例えば、燃料の製造分野、酸化還元反応が関与する合成生成物の製造分野、酸化還元反応がやはり関与する治療または診断の分野、発電の分野において有用であると考えられる。
したがって、これらの化合物には非常に多様な応用分野があるので、多くの研究チームが、錯化により金属元素を結合した後に光化学特性を有することができる化合物の開発を目標としている。
特に、Graetzelら(Coord. Chem. Rev.、2004年、248、1447〜1453頁)の場合がこれに該当する。この文献は、式:[Ru(Bipy(COO)2)2(NCS)2]のルテニウムをベースとする錯体を提示しており、したがってこのルテニウムは、2個のカルボキシル基を有する2個のビピリジン基(式中、(Bipy(COO)2)2で表される)および2個のイソチアシアナト基(式中、(NCS)2によって表される)によってキレート(配位結合)されている。この錯体は光起電装置(photovoltaic device)に使用され、光起電装置では、この錯体は二酸化チタン粒子を含む電極の表面に吸着され、この電極はアノードの役割を果たす。可視光線に接触すると、この錯体は光子を吸収し、引き換えに電子を放出し、電子は、電極の粒子を構成している二酸化チタンの伝導帯に捕捉され、次いで、前記電子は、アノードに接続されているカソードの方向に運ばれ、ここで、電子リレーの役割を果たす酸化還元対(I3 -/I-)の還元を誘起する。
金属元素を錯化することができ、したがって光化学特性を有し得る化合物の用途の枠を広げるために、一部の著者は、錯化基に加えて、特にスペーサー基によって前記錯化基に結合している他の基を含む有機化合物の設計に取り組んだ。これらの他の基は、種々の機能、例えば、様々な担体上への共有結合によるアンカー性、触媒特性、および/またはアドレス特性(addressing property)(すなわち、所与のセル、セルコンパートメントなどの目的物に対する親和性を有する能力)を有することができる。これらの化合物は、モジュラー化合物と記述されることがある。
こうして、一部の著者は、上記基を、スペーサー基、例えば、アミドのスペーサー基(J. Am. Chem. Soc.、2000年、122、3932〜3936頁に記載されたとおりの基)またはイミダゾールスペーサー基(Angew. Chem. Int. Ed.、2005年、44、1536〜1540頁に記載されたとおりの基)によって結合することによって、このようなモジュラー化合物を開発した。しかし、この種のスペーサー基を用いることによるこのような化合物の製造は、特に大規模では適用することが難しい条件下で達成されている。
これらの合成の欠点を克服するために、一部の著者は、適用が簡単で効率的な前記基間のカップリング反応(すなわち、アジド官能基を有する基とアルキン官能基を有する基とのヒュスゲン型の1,3-双極子環状付加の反応)に基づいて、錯化基を別の基とカップリングさせることによって、モジュラー化合物を適所に配置し、これにより、錯化基がトリアゾールスペーサー基によって別の基に結合している化合物を得ている。このことは、とりわけ、WinterらのSynthesis、2009年、第9号、1506〜1512頁に当てはまる。この文献は、テルピリジン基がトリアゾールスペーサー基によって他の基(特にアリール基)に結合し、このテルピリジン基がルテニウムを錯化している化合物を記載している。この文献の著者は、トリアゾール基によって互いに隔てられたアリール基とテルピリジン基との間の電子伝達は不良であり、不良な電子伝導はこのトリアゾール基の不良な伝導特性によるものであると見ている。
したがって、従来技術を見ると、2個の基の少なくとも一方が少なくとも1種の金属元素を錯化する基である2個の基の間に架橋を形成するトリアゾール基を用いる技術が、
- 光化学特性を有し;
- トリアゾールスペーサー基を介する錯化基と他の基の間の良好な電子伝導性を有する化合物を得るための実質的な先験的技術として存在する。
Coord. Chem. Rev.、2004年、248、1447〜1453頁 J. Am. Chem. Soc.、2000年、122、3932〜3936頁 Angew. Chem. Int. Ed.、2005年、44、1536〜1540頁 Synthesis、2009年、第9号、1506〜1512頁
本発明者らは、化合物の構成基の少なくとも1つが、少なくとも1種の金属元素の錯化基であり、金属元素との錯化後に光の刺激の存在下で光化学特性を有し、この錯化基が、スペーサー基を介して多様な官能基(例えば、担体へのアンカー官能基、触媒官能基など)を有していてもよいもう1つの基に結合しており、その電子伝導が、錯化基と前記のもう1つの基との間で有効でなければならない新規な化合物を提示することを目標とした。
本発明者らは、驚くべきことに、先験的な既存の技術にもかかわらず、錯化基を適切に選択することによって、先行技術の化合物の場合と同様にトリアゾールスペーサー基によって錯化基と他の基の間の電子伝導性を中断または低下させることなく、トリアゾールスペーサー基を介して別の基に結合した前記錯化基を含む化合物が得られることを発見した。
したがって、本発明は、以下の式(I):
A-T-Z
(I)
(式中:
Aは、ピリジン、ビピリジン、フェナントロリンまたはフタロシアニン基から選択される、少なくとも1個の金属元素を錯化することができる基であり;
Tは、該基Aに直接結合しているトリアゾール基であり;
Zは、ハロゲン原子、ニトロ基、シアノ基、アルキル基、アリール基、複素環式基、式-NR1R2の基、式-SR1の基、式-S(=O)2(OR1)の基、式-O-S(=O)2(OR1)の基、式-O-S(=O)2(R1)の基、式-S(=O)(OR1)の基、式-S(=O)(R1)の基、式-S(=O)2R1の基,式-PR1R2の基、式-P(=O)(OR1)(OR2)の基、式-O-P(=O)(OR1)(OR2)の基、式-O-P(=O)(OR1)(R2)の基、式-OR1の基または式-CO-R1の基であり、R1およびR2は、独立に、水素原子、アルキル基またはアリール基を表し、前記アルキル基またはアリール基は、任意選択で置換されている)
に相当する化合物に関する。
著者らは、驚くべきことに、基Aを適切に選択することによって、この基が、それが結合しているトリアゾール基の電子伝導性を改善できることを発見したが、このトリアゾール基は、特にテルピリジン基などの基に結合している場合には不良な電子伝導体であることが知られている。したがって、この化合物は、電子電荷を伝導することができ、また、例えば、それらを表面にグラフト化することができる素子(device)に向けて電子電荷を運ぶことが(このような装置の表面にグラフト化できる官能基を有する基Zを適切に選択することによって)可能である化合物として使用することができる。
さらに、トリアゾール基は、熱的および化学的に非常に安定であり、特に、非常に厳しい酸化および還元条件に耐える。
上述した基Aは、ルテニウムなどの金属元素を錯化する能力も有する。
本発明の化合物は、トリアゾールT基を得るために単純なカップリング反応、いわゆる、アジド官能基とアルキン官能基の間の「クリックケミストリー反応」によって基Aを基Zに結合することができるため、設計がシンプルである。
本発明によれば、本発明の化合物の基Aは、ピリジン、ビピリジン、フタロシアニン、またはフェナントロリン基であり、前記基は、任意選択で置換されていてもよい。
ピリジン基は、以下の式:
Figure 2013512940
の基であって、炭素-炭素結合の中間に位置する結合によって、トリアゾール基への結合が、ピリジン環を形成する炭素原子のいずれによって行われてもよいことが示されている基を意味する。前記ピリジン基は、基Tに結合しているものを除くピリジン環の構成炭素原子に位置する、1個または数個の置換基で置換されていてもよい。
ビピリジン基は、以下の式:
Figure 2013512940
の基であって、炭素-炭素結合の中間に位置する結合によって、トリアゾール基への結合が、ビピリジン環を形成する炭素原子のいずれかによって行われてもよいことが示されている基を意味する。前記ビピリジン基は、基Tに結合しているものを除くその環の構成炭素原子に位置する、1個または数個の置換基で置換されていてもよい。
フタロシアニン基は、以下の式:
Figure 2013512940
の基であって、炭素-炭素結合の中間に位置する結合によって、トリアゾール基への結合がフタロシアニン基のフェニル環の構成炭素原子のいずれによって行われてもよいことが示されている基を意味する。前記フタロシアニン基は、基Tに結合しているものを除くフェニル環の構成炭素原子に位置する、1個または数個の置換基で置換されていてもよい。
フェナントロリン基は、以下の式:
Figure 2013512940
の基であって、炭素-炭素結合の中間に位置する結合によって、トリアゾール基への結合がフェナントロリン環の構成炭素原子のいずれを介するものであってもよいことが示されている基を慣例的に意味する。前記フェナントロリン基は、基Tに結合しているものを除くその環の構成炭素原子に位置する、1個または数個の置換基で置換されていてもよい。
基Aが置換されている場合、少なくとも1個のハロゲン原子、および/または、アルキル、アリール、アミノ、アルコキシもしくはヒドロキシル基から選択される少なくとも1個の基で置換されていてもよい。
有利には、基Aは、以下の式:
Figure 2013512940
に相当するビピリジン基であり、環の1つを横切る結合によって、ビピリジン基が、ビピリジン環の構成炭素原子のいずれを介してトリアゾール基Tに結合していてもよいことが示されている。
上述したように、基Tは、前記基Aに直接結合しているトリアゾール基であり(すなわち、基Tは、基Aの芳香族環の構成炭素原子の1個に直接結合している)、このトリアゾール基は、以下の式:
Figure 2013512940
に相当し、炭素-炭素二重結合を横切る結合によって、トリアゾール基が、この二重結合の構成炭素原子の1つを介して基Aまたは基Zに結合していることが示されており、窒素原子に結合した結合によって、トリアゾールがこの窒素原子を介して他の基(AまたはZ)に結合していることが示されている。
上述したように、Zは、ハロゲン原子、ニトロ基、シアノ基、アルキル基、アリール基、複素環式基、式-NR1R2の基、式-SR1の基、式-S(=O)2(OR1)の基、式-O-S(=O)2(OR1)の基、式-O-S(=O)2(R1)の基、式-S(=O)(OR1)の基、式-S(=O)(R1)の基、式-S(=O)2R1の基、式-PR1R2の基、式-P(=O)(OR1)(OR2)、式-O-P(=O)(OR1)(OR2)の基、式-O-P(=O)(OR1)(R2)の基、式-OR1の基または式-CO-R1の基であり、R1およびR2は、互いに独立に、水素原子、アルキル基またはアリール基を表し、前記アルキル基またはアリール基は、(基Zについて、それがアルキル基もしくはアリール基を表す場合にかかわらず、あるいは基R1およびR2について、それらがアルキルもしくはアリール基を表す場合にかかわらず)任意選択で置換されていてもよい。
ハロゲン原子は、上記及び下記において、塩素原子、臭素原子、フッ素原子、ヨウ素原子であり得る原子を慣例的に意味する。
ニトロ基は、上記及び下記において、慣例的に式-NO2の基を意味する。
シアノ基とは、上記及び下記において、慣例的に式-CNの基を意味する。
任意選択で置換されていてもよいアルキル基は、炭素数が例えば1から6の直鎖または分岐アルキル基(例えば、メチル、エチル、n-プロピル、イソプロピル、n-ブチル、イソブチル、t-ブチル)であって、アルキル基の水素原子の少なくとも1個が、例えば、ハロゲン原子、ニトロ基、シアノ基、アルキル基、アリール基、複素環式基、式-NR1R2の基、式-SR1の基、式-S(=O)2(OR1)の基、式-O-S(=O)2(OR1)、式-O-S(=O)2(OR1)の基、式-S(=O)(OR1)の基、式-S(=O)(R1)の基、式-S(=O)2R1の基,式-PR1R2の基、式-P(=O)(OR1)(OR2)、式-O-P(=O)(OR1)(OR2)の基、式-O-P(=O)(OR1)(R2)の基、式-OR1の基、式-CO-R1の基、または式-CO2R1の基で置換されていてもよく、R1およびR2が、独立に、水素原子、アルキル基またはアリール基を表し、前記アルキル基またはアリール基が、任意選択で置換されていてもよいアルキル基であってよい基であると規定される。
任意選択で置換されていてもよいアリール基は、炭素数6から18のアリール基(例えば、フェニル基、ナフチル基)であって、この基の芳香族環の少なくとも1つが有する水素原子の少なくとも1個が、例えば、ハロゲン原子、ニトロ基、シアノ基、アルキル基、アリール基、複素環式基、式-NR1R2の基、式-SR1の基、式-S(=O)2(OR1)の基、式-O-S(=O)2(OR1)の基、式-O-S(=O)2(R1)の基、式-S(=O)(OR1)の基、式-S(=O)(R1)の基、式-S(=O)2R1の基,式-PR1R2の基、式-P(=O)(OR1)(OR2)、式-O-P(=O)(OR1)(OR2)の基、式-O-P(=O)(OR1)(R2)の基、式-OR1の基、式-CO-R1の基、または式-CO2R1の基で任意選択で置換されていてもよく、R1およびR2が、独立に、水素原子、アルキル基またはアリール基を表し、前記アルキル基またはアリール基が、任意選択で置換されていてもよいアリール基であってよい基であると規定される。
有利には、Zは、少なくとも1個のハロゲン原子、および/または、少なくとも1個の-NR1R2もしくは-CO2R1基で任意選択で置換されていてもよいアリール基であってよく、R1およびR2は、上に定義したとおりである。
基Zは、その化学的性質のためにさまざまな機能を果たすことができ;
− Zは、担体上への本発明の化合物のグラフト化を可能とするよう意図された基であってよく、このグラフト化は、基Zが有する官能基と担体の官能基との間の化学反応によって起こり、担体は、例えば、シリカ担体、二酸化チタン担体、ケイ素担体、金属担体(例えば、金担体など)、炭素担体、スズおよびインジウム酸化物担体[ITO(インジウムスズ酸化物)担体とも称される]であることができ、この担体は、光起電装置の電極であることができ;
− Zは、触媒機能を果たすよう意図された基であってよく、すなわち、基Zは、金属元素への錯化した後の基Aから、光励起後に、電子を他の化合物に向けて運び、これらの化合物の酸-還元反応を確実にすることができ;
− Zは、別の基のそれが結合している基への特性、例えば、基Aの特性を制御する機能を果たすよう意図された基であってよく;
− Zは、アドレス機能を果たすよう意図された基であってよく、すなわち、所与の目的物、例えば、所与のセル、所与のセルコンパートメント、所与の分子(例えば、核酸分子など)への化学的親和性を有していてよい。
本発明による特に有利な化合物は、Aがビピリジン基であり、Zが任意選択で置換されていてもよいアリール基である化合物である。
この定義を満たす化合物は、以下の式(II):
Figure 2013512940
に相当する化合物であり、Xは、水素原子、ハロゲン原子、-NR1R2基、または-CO2R1基を表し、R1およびR2は、上に示したものと同じ定義に相当する。
最も詳細には、Xは、水素原子、フッ素原子、-N(CH3)2基、または-CO2-CH3基であることができる。
上述したように、本発明の化合物は、ヒュスゲン型の1,3-双極子環状付加(それによってトリアゾール基Tが得られる)の原理による、基Aまたはその前駆体が有するアジド(またはアルキン)官能基と、基Zまたはその前駆体が有するアルキン(またはアジド)官能基との間の単純なカップリング反応による基Aと基Zの間の架橋の形成によって合成することができる点において、設計が容易である。このカップリング反応は、塩の形態の銅(例えば、アスコルビン酸ナトリウムなどの還元剤の存在下の硫酸銅、または、例えば、ヨウ化銅CuIもしくは臭化銅CuBrなど)によって触媒できる。この反応は、水を含む溶媒中で行わせることができる。
上述したとおり、本発明の化合物は、少なくとも1個の金属元素を錯化することができる、すなわち、少なくとも1個の金属元素に少なくとも1個の配位結合を介して結合することができる特定の基Aを含む。
したがって、本発明は、第2の目的によって、少なくとも1種の金属元素と、上に定義した少なくとも1種の本発明の化合物との配位錯体に関する。
配位錯体は、金属元素を含み、その周りに本発明の化合物に属する基(この場合、本発明の場合には基A)が配位結合によって結合している多原子構造を慣例的に意味し、この配位結合は、前記基に属する電子二重項(electron doublet)が金属元素の空軌道中に導かれることによって生じる。
金属元素は、遷移金属、例えば、Ti、Zr、Hf、V、Nb、Re、Ru、Ta、ランタニド元素、アクチニド元素、ならびに元素Al、Ga、Ge、In、Sn、Sb、Tl、Pb、BiおよびPoであってよい。
特に、金属元素は、有利には、遷移金属、例えばルテニウムRuなどである。
本発明による化合物に加えて、上で定義した錯体は、前記金属元素を錯化することができる本発明の化合物以外の化合物、例えば、ピリジンおよびビピリジンなどのリガンド化合物を含むことができる。
本発明の錯体の構造に入ることができる本発明の特に有利な化合物は、以下の式(II):
Figure 2013512940
(式中、Xは、水素原子、ハロゲン原子、-NR1R2基ま、たは-CO2R1基を表し、R1およびR2は、上に示したものと同じに定義される)
の化合物であり、これらの化合物は、ビピリジンなどの他の化合物と共に組み合わせて同じ錯体において使用することができる。
したがって、本発明による有利な錯体は、以下の式(III):
Figure 2013512940
に相当することができ、Xは、上に定義したとおりであり、Mは、金属元素、例えばルテニウムなどであり、破線の結合は、配位結合を表す。
特に、Xは、水素原子、フッ素原子、ジエチルアミノ基-N(CH3)2、または-CO2CH3基であってよい。
このような錯体の場合、光子の作用下の金属元素は、光子により励起状態となり、1個の電子を放出し、この電子が、基Aの特定の選択によって良好な電子伝導体となっているトリアゾール基を介して循環し得ることが認められ、基Zが電子受容体官能基(例えば、フッ素などのハロゲン原子)を含む場合には、基Zを介して、その移動が特に迅速に行われる。
基Zが、電子供与体官能基を含む場合(特に、Zが、少なくとも1個の-NR1R2基で置換されたフェニル基である場合)には、光子の作用下で基Zから金属元素で錯化された基Aに向かって、迅速な電子移動が起こると考えられる。
したがって、このことから、基Aと基Zの間に架橋を形成するトリアゾール基が、リガンド内の最も供与性の基から最も受容性の基への優先的な光誘起電子移動を可能にすると推測することができる。この特性は、光誘起電子移動現象が起こる分野でよく求められている。
トリアゾール基は、基Aから基Z(逆もまた同様)の間の電子の迅速な移動を可能にする場合でも、基Aで錯化された金属元素の励起状態を決して変化させないことにも留意すべきである。
本発明の化合物およびそれらから得られる配位錯体は、基Aから基Zへ(逆もまた同様)電子を迅速に移動させることができることによって、それ自体が、前記電子を受容する他の実体(例えば、電極、化合物、生体細胞)と接触することができ、電子移動が必要な全ての分野に応用することができ、これには以下の分野が該当する:
− 酸化還元反応が関与する燃料の製造分野、例えば、水の光誘起分解または二酸化炭素の光誘起還元による水素および酸素の製造分野。これらの反応は、再生可能なエネルギー源、光エネルギーから燃料を製造する、生態学的に適合する手段であり、この場合、本発明の錯体は、光触媒反応セル、より詳細には光アノードに、例えば、二酸化チタンに含めることができ、ここで、反応剤の酸化(例えば、水が酸素に酸化される)が起こり、次いで、この反応により生じた電子は、別の反応剤の還元(例えば、プロトンの還元)が起こる光カソードに向け導かれ、この酸化還元反応から生じる生成物は、燃料として使用できる;
− 前駆体の酸化または還元によって製造される合成生成物の製造分野;
− 生体分子を酸化または還元することが必要と考えられる治療または診断の分野;
− 発電の分野、本発明の錯体は、光起電装置の構造に組み込むことができる。
電子の光誘起移動が関与する場合において、上記以外の用途も企図されていることが理解されるであろう。
本発明を以下の実施例に基づいて説明するが、これらは例証として示すものであって、限定として示すものではない。
この実施例は、本発明の化合物の調製に必要な前駆体化合物:4'-アジド-2,2'-ビピリジンN'-オキシドの調製を例証する。この中間体化合物は、以下の式に相当する:
Figure 2013512940
この前駆体化合物の調製は、2,2'-ビピリジンN'-オキシドをニトロ化して、4'-ニトロ-2,2'-ビピリジンN'-オキシドを得て、続いてニトロ基をニトリド基で置換することによって行う。これらの反応は、以下の反応スキームによって要約することができる:
Figure 2013512940
4'-ニトロ-2,2'-ビピリジンN'-オキシドを調製するための操作手順は、以下のとおりである:
2,2'-ビピリジンN'-オキシド(2.00g、11.6mmol)を、撹拌しながら濃硫酸(12.0mL、22.1g、225mmol、19.4当量)に溶解させる。濃硫酸(10.0mL、18.4g、188mmol、16.2当量)中の発煙硝酸(19.0mL、28.9g、459mmol、39.5当量)を、前記混合物に10分間かけて添加し、それにより得られた反応混合物を4.5時間還流させる(すなわち、120℃)。次いで、反応混合物を氷(80g)中に注ぎ入れ、氷浴で冷却しながら、pH8を得るまで38%ソーダ水溶液を添加することにより中和する。形成された、淡黄色の沈殿物をろ過し、水で洗浄する。次いで、この固体沈殿物を塩化メチレンに溶解させ、水を加え、得られた混合物を塩化メチレンで抽出する。次いで、有機相を合わせ、硫酸ナトリウムで脱水し、ろ過し、次いで、濃縮して、以下の式:
Figure 2013512940
の4'-ニトロ-2,2'-ビピリジンN'-オキシドに相当する、ベージュ色の固体834mg(33%収率)を得る。
4'-アジド-2,2'-ビピリジンN'-オキシドを調製するための操作手順は、以下のとおりである:
4'-ニトロ-2,2'-ビピリジンN'-オキシド(400mg、1.84mmol、1当量)および窒化ナトリウム(426mg、6.55mmol、3.6当量)を無水ジメチルホルムアミド(DMF)(20.0mL)に懸濁させ、次いで、アルゴン雰囲気下で100℃に20時間加熱する。蒸発後、水を添加し(25mL)、この混合物を塩化メチレン(3×20mL)で抽出する。合わせた有機相を硫酸ナトリウムで脱水し、ろ過し、濃縮して、茶色がかった油を得る。得られた粗物質を、シリカゲルを用いるカラムによるクロマトグラフィー(CH2Cl2/CH3OH、95/5)により精製し、以下の式:
Figure 2013512940
の4'-アジド-2,2'-ビピリジンN'-オキシド190mg(すなわち、49%収率)を得る。
この実施例は、以下の式:
Figure 2013512940
に相当する、本発明による化合物:4'-(4''-フェニル-1H-1'',2'',3''-トリアゾール-1''-イル)-2,2'-ビピリジンの調製を例証する。
この化合物は、4'-4''-フェニル-1H-1'',2'',3''-トリアゾール-1''-イル)-2,2'-ビピリジンN-オキシドを調製する第1のステップと、4'-4''-フェニル-1H-1'',2'',3''-トリアゾール-1''-イル)-2,2'-ビピリジンを調製する第2のステップとの2ステップで調製する。これらのステップは、以下の反応スキームによって要約することができる:
Figure 2013512940
a)4'-(4''-フェニル-1H-1'',2'',3''-トリアゾール-1''-イル)-2,2'-ビピリジンN'-オキシドの調製
実施例1により調製した4'-アジド-2,2'-ビピリジン-N'-オキシド(42.6mg、200μmol、1当量)を、アルゴン雰囲気下で塩化メチレン(1.67mL)中に懸濁させる。フェニルアセチレン(22.0μL、20.4mg、200μmol、1当量)を前の混合物に添加し、次いで、水(1.51mL)、アスコルビン酸ナトリウム(80μL、水1mL当たり49.5mg、20μmol、0.1当量)および硫酸銅5水和物(80μL、水1mL当たり31.2mg、10μmol、0.05当量)を順次添加する。この反応混合物を室温で20時間撹拌する。この時間後、CH2Cl2/メタノール(9/1)中薄層クロマトグラフィーによって、カップリング反応が定量的であることが示される。次いで、反応混合物をCH2Cl2/H2O(1/1)混合物6mLで希釈し、塩化メチレン(3×6mL)で抽出する。有機相を合わせ、水で洗浄し、硫酸ナトリウムで脱水し、ろ過し、濃縮して、以下の式:
Figure 2013512940
の4'-(4''-フェニル-1H-1'',2'',3''-トリアゾール-1''-イル)-2,2'-ビピリジンN'-オキシドに相当する、わずかに黄色の固体61.5mg(すなわち、98%収率)を得る。
b)4'-(4''-フェニル-1H-1'',2'',3''-トリアゾール-1''-イル)-2,2'-ビピリジンの調製
塩化メチレン(3.8mL)中の、あらかじめ調製した4'-(4''-フェニル-1H-1'',2'',3''-トリアゾール-1''-イル)-2,2'-ビピリジンN'-オキシド(59.8mg、190μmol、1当量)の溶液に、アルゴン雰囲気下で三塩化リン(49.7μL、78.3mg、570μmol、3.0当量)を0℃で添加する。この反応混合物を3時間還流させ、次いで、氷4mL中に注ぎ入れ、38.5%水酸化ナトリウム水溶液で中和する。水相を、塩化メチレン(3×5mL)で数回抽出する。次いで、有機相を合わせて、水で洗浄し、次いで、硫酸ナトリウムで脱水し、ろ過し、濃縮する。残渣をシリカゲル上のフラッシュクロマトグラフィー(CH2Cl2/メタノール、95/5)で精製して、以下の式:
Figure 2013512940
の4'-(4''-フェニル-1H-1'',2'',3''-トリアゾール-1''-イル)-2,2'-ビピリジンに相当する淡黄色の固体49.2mg(すなわち、87%収率)を得る。
以下の式:
Figure 2013512940
の配位錯体を、上記で合成した化合物とビピリジン化合物とから調製した。
この錯体の吸収および発光スペクトルを測定した。これらのスペクトルは、458nmに最大吸収ピークおよび632nmに最大発光ピークを有する(これに対して、3個の非置換ビピリジン基を有するルテニウム錯体の場合は、それぞれ451nmおよび608nmである)。したがって、このことから、トリアゾール基の存在が、ルテニウムに基づく発色団の吸収および発光特性を乱さないと推測することができる。
この実施例は、以下の式:
Figure 2013512940
に相当する本発明による化合物:4'-(4''-(4'''-(ジメチルアミノ)フェニル)-1H-1'',2'',3''-トリアゾール-1''-イル)-2,2'-ビピリジンの調製を例証する。
この化合物は、4'-(4''-(4'''-(ジメチルアミノ)フェニル)-1H-1'',2'',3''-トリアゾール-1''-イル)-2,2'-ビピリジンN'-オキシドを調製する第1のステップと4'-(4''-(4'''-(ジメチルアミノ)フェニル)-1H-1'',2'',3''-トリアゾール-1''-イル)-2,2'-ビピリジンを調製する第2のステップとの2ステップで調製する。これらのステップは、以下の反応スキームによって要約することができる:
Figure 2013512940
a)4'-(4''-(4'''-(ジメチルアミノ)フェニル)-1H-1'',2'',3''-トリアゾール-1''-イル)-2,2'-ビピリジンN'-オキシドの調製
実施例1によって調製した、一部の4'-アジド-2,2'-ビピリジンN'-オキシド(32.0mg、150μmol、1当量)および4-エチニル-N,N-ジメチルアニリン(22.5mg、97%、150μmol、1当量)を、アルゴン雰囲気下で塩化メチレン(1.20mL)中に懸濁させる。水(1.08mL)をこの反応混合物に添加し、続いて、アスコルビン酸ナトリウム(60μL、水1mL当たり49.5mg、15μmol、0.1当量)および硫酸銅5水和物(60μL、水1mL当たり31.2mg、7.5μmol、0.05当量)を順次添加する。この反応混合物を室温で20時間撹拌する。この時間後、CH2Cl2/メタノール(9/1)を用いる薄層クロマトグラフィーによって、カップリング反応が定量的であることが示される。次いで、反応混合物をCH2Cl2/H2O(1/1)混合物5mLで希釈し、塩化メチレン(3×5mL)で抽出する。有機相を合わせ、水で洗浄し、硫酸ナトリウムで脱水し、ろ過し、濃縮して、以下の式:
Figure 2013512940
の4'-(4''-(4'''-(ジメチルアミノ)フェニル)-1H-1'',2'',3''-トリアゾール-1''-イル)-2,2'-ビピリジンN'-オキシドに相当するオレンジ色の固体51.4mg(すなわち、96%収率)を得る。
b)4'-(4''-(4'''-(ジメチルアミノ)フェニル)-1H-1'',2'',3''-トリアゾール-1''-イル)-2,2'-ビピリジンの調製
塩化メチレン(3.0mL)中の、あらかじめ調製した4'-(4''-(4'''-(ジメチルアミノ)フェニル)-1H-1'',2'',3''-トリアゾール-1''-イル)-2,2'-ビピリジンN'-オキシド(53.4mg、149μmol、1当量)の溶液に、アルゴン雰囲気下で三塩化リン(39.0μL、61.4mg、447μmol、3.0当量)を0℃で添加する。この反応混合物を3時間還流させ、次いで、氷3mL中に注ぎ入れ、38.5%水酸化ナトリウム水溶液で中和する。水相を塩化メチレン(3×5mL)で数回抽出する。次いで、有機相を合わせて、水で洗浄し、次いで、硫酸ナトリウムで脱水し、ろ過し、濃縮する。残渣をシリカゲル上のフラッシュクロマトグラフィー(CH2Cl2/メタノール、95/5)で精製して、以下の式:
Figure 2013512940
の4'-(4''-(4'''-(ジメチルアミノ)フェニル)-1H-1'',2'',3''-トリアゾール-1''-イル)-2,2'-ビピリジンに相当する黄色の粉末40.1mg(すなわち、79%収率)を得る。
以下の式:
Figure 2013512940
の配位錯体を、上記で合成した化合物およびビピリジン化合物から調製した。
この錯体の吸収および発光スペクトルを測定した。この錯体は、458nmに最大吸収ピークおよび627nmに最大発光ピークを有する(これに対して、3個の非置換ビピリジン基を含むルテニウム錯体の場合は、それぞれ451nmおよび608nmである)。したがって、このことから、トリアゾール基の存在が、ルテニウムに基づく発色団の吸収および発光特性を乱さないと推測することができる。
励起光(エネルギー:10mJ;波長λ=450nm;吸光度A=0.36)下、メチルビオゲン(外部電子受容体)(アセトニトリル中10mMのメチルビオゲン)の存在下でこの錯体を用いて行った試験により、ジメチルアミノ基からルテニウムを含む発色団(Ru3+の形態で)に向けての分子内電子移動の可能性が確認された。この移動は、Ru2+状態を回復する反応速度論により示されるとおりに非常に速い(50ns未満)。それにより、外部電子受容体の還元状態は、非常に迅速に形成され、数百マイクロ秒間安定であることが判明する。
したがって、このことから、トリアゾール基を介するジメチルアミノ基からルテニウムを含む発色団への電子移動が非常に有効であることを推測することが可能である。
比較として、以下の式:
Figure 2013512940
の錯体を用いて同様の試験を行った。
トリアゾール基を介するジメチルアミノ基とルテニウムを含む発色団との間の分子内電子移動は、本発明の錯体についてのもの(50ns未満の移動時間)より、あまり有効でない(20μsを超える移動時間)ことが確認された。
この実施例は、以下の式:
Figure 2013512940
に相当する本発明による化合物:4'-(4''-(4'''-フルオロフェニル)-1H-1'',2'',3''-トリアゾール-1''-イル)-2,2'-ビピリジンの調製を例証する。
この化合物は、4'-(4''-(4'''-フルオロフェニル)-1H-1'',2'',3''-トリアゾール-1''-イル)-2,2'-ビピリジンN'-オキシドを調製する第1のステップと4'-(4''-(4'''-フルオロフェニル)-1H-1'',2'',3''-トリアゾール-1''-イル)-2,2'-ビピリジンを調製する第2のステップとの2ステップで調製する。これらのステップは、以下の反応スキームによって要約することができる:
Figure 2013512940
a)4'-(4''-(4'''-フルオロフェニル)-1H-1'',2'',3''-トリアゾール-1''-イル)-2,2'-ビピリジンN'-オキシドの調製
実施例1により調製した一部の4'-アジド-2,2'-ビピリジンN'-オキシド(32.0mg、150μmol、1当量)を、アルゴン雰囲気下で塩化メチレン(1.20mL)中に懸濁させる。この懸濁液に、一部の1-エチニル-4-フルオロベンゼン(17.5μL、18.4mg、98%、150μmol、1当量)を添加し、続いて、水(1.08mL)、アスコルビン酸ナトリウム(60μL、水1mL当たり49.5mg、15μmol、0.1当量)および硫酸銅5水和物(60μL、水1mL当たり31.2mg、7.5μmol、0.05当量)を順次添加する。この反応混合物を室温で20時間撹拌する。この時間後、CH2Cl2/メタノール(9/1)を用いる薄層クロマトグラフィーによって、カップリング反応が定量的であることが示される。次いで、反応混合物をCH2Cl2/H2O(1/1)混合物5mLで希釈し、塩化メチレン(3×5mL)で抽出する。有機相を合わせ、水で洗浄し、硫酸ナトリウムで脱水し、ろ過し、濃縮して、以下の式:
Figure 2013512940
の4'-(4''-(4'''-フルオロフェニル)-1H-1'',2'',3''-トリアゾール-1''-イル)-2,2'-ビピリジンN'-オキシドに相当する黄色の固体49.2mg(すなわち、98%収率)を得る。
b) 4'-(4'',(4'''-フルオロフェニル)-1H-1'',2'',3''-トリアゾール-1''-イル)-2,2'-ビピリジンの調製
塩化メチレン(2.9mL)中の、あらかじめ調製した4'-(4''-(4'''-フルオロフェニル-1H-1'',2'',3''-トリアゾール-1''-イル)-2,2'-ビピリジンN'-オキシド(47.5mg、143μmol、1当量)の溶液に、アルゴン雰囲気下、三塩化リン(37.4μL、58.9mg、429μmol、3.0当量)を0℃で添加する。この反応混合物を3時間還流させ、次いで、氷3mL中に注ぎ入れ、38.5%水酸化ナトリウム水溶液で中和する。水相を塩化メチレン(3×5mL)で数回抽出する。次いで、有機相を合わせて、水で洗浄し、次いで、硫酸ナトリウムで脱水し、ろ過し、濃縮する。残渣を、シリカゲル上のフラッシュクロマトグラフィー(CH2Cl2/メタノール、95/5)により精製して、以下の式:
Figure 2013512940
の4'-(4''-(4'''-フルオロフェニル)-1H-1'',2'',3''-トリアゾール-1''-イル)-2,2'-ビピリジンに相当する淡黄色の粉末27.2mg(すなわち、収率82%)を得る。
以下の式:
Figure 2013512940
の配位錯体を、上で合成した化合物およびビピリジン化合物から調製した。
この錯体の吸収および発光スペクトルの測定を測定した。この錯体は、458nmに最大吸収ピークおよび633nmに最大発光ピークを有する(これに対して、3個の非置換ビピリジン基を含むルテニウム錯体の場合は、それぞれ451nmおよび608nmである)。したがって、このことから、トリアゾール基の存在が、ルテニウムに基づく発色団の吸収および発光特性を乱さないことを推測することができる。
この実施例は、以下の式:
Figure 2013512940
に相当する本発明による化合物:4'-(4''-(4'''-(メトキシカルボニル)フェニル)-1H-1'',2'',3''-トリアゾール-1''-イル)-2,2'-ビピリジンの調製を例証する。
この化合物は、4'-(4''-(4'''-(メトキシカルボニル)フェニル)-1H-1'',2'',3''-トリアゾール-1''-イル)-2,2'-ビピリジンN'-オキシドを調製する第1のステップと4'-(4''-(4'''-(メトキシカルボニル)フェニル)-1H-1'',2'',3''-トリアゾール-1''-イル)-2,2'-ビピリジンを調製する第2のステップとの2ステップで調製する。これらのステップは、以下の反応スキームによって要約することができる:
Figure 2013512940
a)4'-(4''-(4'''-(メトキシカルボニル)フェニル)-1H-1'',2'',3''-トリアゾール-1''-イル)-2,2'-ビピリジンN'-オキシドの調製
実施例1によって調製した一部の4'-アジド-2,2'-ビピリジンN'-オキシド(32.0mg、150μmol、1当量)を、アルゴン雰囲気下、塩化メチレン(2.50mL)中に懸濁させる。この懸濁液に、メチル-4-エチニルベンゾエート(24.0mg、150μmol、1当量)を添加し、続いて、水(2.38mL)、アスコルビン酸ナトリウム(60μL、水1mL当たり49.5mg、15μmol、0.1当量)、および硫酸銅5水和物(60μL、水1mL当たり31.2mg、7.5μmol、0.05当量)を順次添加する。この反応混合物を室温で40時間撹拌する。この時間後、CH2Cl2/メタノール(9/1)を用いる薄層クロマトグラフィーによって、カップリング反応が定量的であることが示される。次いで、反応混合物を、CH2Cl2/H2O(1/1)混合物10mLで希釈し、塩化メチレン(3×10mL)で抽出する。有機相を合わせ、水で洗浄し、硫酸ナトリウムで脱水し、ろ過し、濃縮して、以下の式:
Figure 2013512940
の4'-(4''-(4'''-(メトキシカルボニル)フェニル)-1H-1'',2'',3''-トリアゾール-1''-イル)-2,2'-ビピリジンN'-オキシドに相当する黄色の固体54.8mg(すなわち、98%収率)を得る。
b) 4'-(4''-(4'''-(メトキシカルボニル)フェニル)-1H-1'',2'',3''-トリアゾール-1''-イル)-2,2'-ビピリジンの調製
塩化メチレン(6.0mL)中の、あらかじめ調製した4'-(4''-(4'''-(メトキシカルボニル)フェニル)-1H-1'',2'',3''-トリアゾール-1''-イル)-2,2'-ビピリジンN'-オキシドの溶液に、アルゴン雰囲気下で三塩化リン(80.0μL、126.0mg、916μmol、6.2当量)を0℃で添加する。この反応混合物を3時間還流させ、次いで、氷5mL中に注ぎ入れ、38.5%水酸化ナトリウム水溶液で中和する。水相を塩化メチレン(3×5mL)で数回抽出する。次いで、有機相を合わせて、水で洗浄し、次いで、硫酸ナトリウムで脱水し、ろ過し、濃縮する。残渣を、シリカゲル上のフラッシュクロマトグラフィー(CH2Cl2/メタノール、97/3)により精製して、以下の式:
Figure 2013512940
の4'-(4''-(4'''-(メトキシカルボニル)フェニル)-1H-1'',2'',3''-トリアゾール-1''-イル)-2,2'-ビピリジンに相当する淡黄色の粉末34.0mg(すなわち、65%収率)を得る。
以下の式:
Figure 2013512940
の配位錯体を、上で合成した化合物およびビピリジン化合物から調製した。
次いで、この錯体を、エステル基-CO2CH3を介して二酸化チタンTiO2基質上にしっかり固定した。それによりしっかり固定された錯体の発光スペクトルを、精密に測定した。この錯体は、640nmに向けて最大発光ピークを示した。
したがって、このことから、トリアゾール基が、ルテニウムを含む発色団から基質に向かう電子移動を可能にすることが推測される。

Claims (15)

  1. 以下の式(I):
    A-T-Z
    (I)
    (式中:
    Aは、ピリジン、ビピリジン、フェナントロリンまたはフタロシアニン基から選択される、少なくとも1種の金属元素を錯化することができる基であり;
    Tは、基Aに直接結合しているトリアゾール基であり;
    Zは、ハロゲン原子、ニトロ基、シアノ基、アルキル基、アリール基、複素環式基、式-NR1R2の基、式-SR1の基、式-S(=O)2(OR1)の基、式-O-S(=O)2(OR1)の基、式-O-S(=O)2(R1)の基、式-S(=O)(OR1)の基、式-S(=O)(R1)の基、式-S(=O)2R1の基、式-PR1R2の基、式-P(=O)(OR1)(OR2)の基、式-O-P(=O)(OR1)(OR2)の基、式-O-P(=O)(OR1)(R2)の基、式-OR1の基または式-CO-R1の基であり、R1およびR2は、独立に、水素原子、アルキル基またはアリール基を表し、前記アルキル基またはアリール基は、任意選択で置換されていてもよい)
    に相当する化合物。
  2. Aがビピリジン基である、請求項1に記載の化合物。
  3. 基Zが、任意選択で置換されていてもよいアリール基である、請求項1または2に記載の化合物。
  4. アリール基が、少なくとも1個の基-NR1R2、少なくとも1個の基-CO2R1(R1およびR2は、請求項1で定義したとおりである)、および/または少なくとも1個のハロゲン原子で置換されている、請求項3に記載の化合物。
  5. 以下の式(II):
    Figure 2013512940
    (Xは、水素原子、ハロゲン原子、基-NR1R2、または基-CO2R1を表し、R1およびR2は、請求項1で定義したものと同じ定義に相当する)
    に相当する、請求項1から4のいずれか一項に記載の化合物。
  6. Xが水素原子である、請求項5に記載の化合物。
  7. Xが基-N(CH3)2である、請求項5に記載の化合物。
  8. Xが基-CO2CH3である、請求項5に記載の化合物。
  9. Xがフッ素原子である、請求項5に記載の化合物。
  10. 少なくとも1種の金属元素と、請求項1から9のいずれか一項に記載の少なくとも1種の化合物との配位錯体。
  11. 金属元素が、遷移金属、ランタニド元素、アクチニド元素、元素Al、Ga、Ge、In、Sn、Sb、Tl、Pb、Bi、およびPoから選択される、請求項10に記載の配位錯体。
  12. 金属元素が遷移金属である、請求項10または11に記載の配位錯体。
  13. 金属元素がルテニウムである、請求項10から12のいずれか一項に記載の配位錯体。
  14. ビピリジン、ピリジンから選択されるリガンド化合物をさらに含む、請求項10から13のいずれか一項に記載の配位錯体。
  15. 以下の式(III):
    Figure 2013512940
    (Xは、請求項5で定義したとおりであり、Mは、金属元素である)
    に相当する、請求項10から14のいずれか一項に記載の配位錯体。
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