JP2013511549A - ヘッジホッグ関連癌の治療のための方法及び組成物 - Google Patents

ヘッジホッグ関連癌の治療のための方法及び組成物 Download PDF

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Abstract

本明細書に提供されたものは、ヘッジホッグ阻害剤を、単独で又は別の抗癌剤(例えば、パクリタキセル又はパクリタキセル剤、チロシンキナーゼ阻害剤(受容体チロシンキナーゼ(RTK)阻害剤)又はmTOR阻害剤)と併用して被験者に投与することによって、ヘッジホッグ関連癌(例えば、神経内分泌癌、肉腫(例えば、軟骨肉腫及び骨肉腫のような筋骨格肉腫)から選択されたヘッジホッグリガンド依存性癌細胞増殖)、頭頚部癌、又は肺癌を治療又は予防するための方法及び組成物である。

Description

関連出願の相互参照
本願は、2010年4月16日に出願された米国特許出願第12/762,008号の一部継続出願である。本願は、2009年11月20日に出願された米国特許仮出願第61/263,184号、2010年1月11に出願された米国特許仮出願第61/294,029号、2010年4月16日に出願された米国特許仮出願第61/324,934号、2010年4月23日に出願された米国特許仮出願第61/327,373号、2010年5月4日に出願された米国特許仮出願第61/331,365号、2010年6月3日に出願された米国特許仮出願第61/351,082号、並びに2010年9月27日に出願された米国特許仮出願第61/386,763号に対する優先権の利益を主張するものでもある。上記出願の内容は、参照によりその全体を本明細書に組み込まれている。
ヘッジホッグシグナル伝達は、多くの発育段階において、特に左右対称性の形成において影響を及ぼす。ヘッジホッグシグナル伝達の損失又は低減は、多発性発生欠損及び奇形に導き、その最も顕著な例は単眼症である。
多くの癌及び増殖病態は、ヘッジホッグ経路に依存することが確認されている。このような細胞の増殖及び生存は、本明細書に開示された化合物での処置により影響され得る。ヘッジホッグ経路突然変異の活性化が、散発性基底細胞癌中で発生すること(非特許文献1)並びに中枢神経系の初期神経外胚葉腫中で発生することが報告されている(非特許文献2)。ヘッジホッグ経路の無制御の活性化もまた、膵臓癌、食道癌、胃癌を含む胃腸管癌(非特許文献3、非特許文献4)、肺癌(非特許文献5)、前立腺癌(非特許文献6、非特許文献7、非特許文献8)、乳癌(非特許文献9、非特許文献10)、及び肝細胞癌(Sicklickら、(2005年)「ASCO会議」、Mohiniら(2005年)「AACR会議」)のような多くの癌型でも認められている。
新しい癌治療、特にヘッジホッグ作用調節に反応を示す癌の治療のための、ヘッジホッグ阻害剤の単独または他の治療薬剤と併用された新しい使用を特定するための要求が未だに存在している。
Xieら著(1998年)「Nature」391:90−2頁 Reifenbergerら著、(1998年)「Cancer Res」58:1798−803頁 Bermanら著、(2003年)「Nature」425:846−51頁 Thayerら著、(2003年)「Nature」425:851−56頁 Watkinsら著(2003年)「Nature」422:313−317頁 Karhadkarら著、(2004年)「Nature」431:707−12頁 Shengら著、(2004年)「Molecular Cancer」3:29−42頁 Fanら著、(2004年)「Endocrinology」145:3961−70頁 Kuboら著、(2004年)「Cancer Research」64:6071−74頁 Lewisら著、(2004年)「Journal of Mammary Gland Biology and Neoplasia」2:165−181頁
本発明は、少なくとも部分的には、単独薬剤又は他の抗癌剤と併用してのヘッジホッグ(Hh)阻害剤が、ヘッジホッグ関連癌の細胞増殖を低減し得ることを開示する。一実施形態では、出願者は、ヘッジホッグ阻害物質の投与が、単独またはチロシンキナーゼ阻害剤(例えば、スニチニブ)と併用されて、インビボにおける神経内分泌癌増殖及び/又は腫瘍進行を低減させることを発見した。更に、ヘッジホッグ阻害剤の投与が、神経内分泌癌の周囲の間質中でヘッジホッグ依存性マーカー(例えば遺伝子)の発現を低減させるが、一方では神経内分泌腫瘍細胞中ではヘッジホッグ依存性マーカー(例えば遺伝子)に及ぼす顕著な効果が検出されないことを見出した。
他の実施形態では、ヘッジホッグ阻害剤の投与は、それが単独であってもmTOR阻害剤又は他の抗癌剤(例えば、1つ又はそれより多くのドキソルビシン、シスプラチン、イフォスファミド、又はメトトレキサート(例えば、高用量メトトレキサート))と併用されても、軟骨肉腫及び骨肉腫などのような筋骨格肉腫の増殖及び/又は腫瘍進行を低減させる。出願者は、ヘッジホッグ阻害剤の投与が、腫瘍細胞及び周囲の間質中のシグナル伝達経路を減少させて、これによって、ヘッジホッグリガンドと腫瘍との間の直接的シグナル伝達機構を支援し、並びに周囲の間質を介して腫瘍に及ぼす間接的影響を支援することを発見した。
更に別の実施例では、パクリタキセル又はパクリタキセル剤と併用したヘッジホッグ阻害剤の投与は、膵臓癌、例えば転移性膵臓癌のような膵臓癌の増殖及び/又は腫瘍進行を、それぞれの薬剤の単独投与よりもはるかに大きな程度で減少させる。ヘッジホッグ阻害剤とパクリタキセル又はパクリタキセル剤の併用は、ゲムシタビン(例えば、GEMZAR(登録商標))を更に含み得る。ヘッジホッグ阻害剤の投与は、ヘッジホッグ阻害剤を併用しないパクリタキセル又はパクリタキセル剤(及び/又はゲムシタビン)の使用と比べて、併用使用された場合、パクリタキセル又はパクリタキセル薬剤及び/又はゲムシタビンの送達の増強をもたらすと考えられる。一実施形態では、被験者は、転移性膵臓癌患者である。別の実施形態では、被験者は、事前の癌治療を受けていない(例えば、他の抗癌剤、外科的又は放射線療法への事前の曝露がないこと、彼らの疾患に対して事前の癌治療がないこと)膵臓癌又は進行性膵臓癌の患者である。
更に別の実施形態では、VEGF(血管内皮成長因子)拮抗剤、例えば抗−VEGF抗体(例えばベバシズマブ)と併用されたヘッジホッグ阻害剤の投与は、いずれかの薬剤の単独投与よりもはるかに大きな程度に膵臓癌の増殖及び/又は腫瘍進行を減少させる。
他の実施形態では、チロシンキナーゼ阻害剤(例えば、EGFR阻害剤のような受容体チロシンキナーゼ(RTK)阻害剤)と併用されたヘッジホッグ阻害剤の投与は、頭頚部癌及び/又は肺癌(例えば、非小細胞肺癌)の増殖及び/又は腫瘍進行を低減させる。一実施形態では、ヘッジホッグ阻害剤は、別の抗癌剤(例えば、チロシンキナーゼ阻害剤)の治療を実施している又は先行治療を受けた被験者の無再発生存率を延ばす。一実施形態では、チロシンキナーゼ阻害剤は、ゲフィチニブ又はセツキシマブである。例えば、ヘッジホッグ阻害剤は、チロシンキナーゼ阻害剤による治療が有効性に劣る又は無効である(例えば、チロシンキナーゼ阻害剤による治療の後に、被験者に再発がある場合、又は腫瘍がチロシンキナーゼ阻害剤に耐性を生じている場合)後に、ヘッジホッグ関連癌の腫瘍再増殖を低減又は阻害する。一実施形態では、被験者は、ゲフィチニブ治療後に再発した肺癌(例えば非小細胞肺癌)を持つ患者である。別の実施形態では、被験者は、チロシンキナーゼ阻害剤(例えば、セツキシマブのようなEGFRチロシンキナーゼ阻害剤)による治療を実施中又は治療実施後の頭頸部扁平上皮細胞癌(HNSCC)の患者である。
すなわち、被験者にヘッジホッグ阻害剤を、単独または別の抗癌剤(例えば、パクリタキセル又はパクリタキセル剤、チロシンキナーゼ阻害剤(例えば、受容体チロシンキナーゼ(RTK)阻害剤)又はmTOR阻害剤など)と併用して投与することによる、ヘッジホッグ関連癌(例えば、神経内分泌癌、肉腫(軟骨肉腫、骨肉腫、滑液膜肉腫又は脂肪肉腫などのような筋骨格肉腫又は軟組織肉腫)、頭頚部癌、又は肺癌から選択されるヘッジホッグリガンド依存性癌細胞増殖)を治療又は予防するための方法及び組成物が開示されている。
したがって、一態様では、本発明は、被験者における腫瘍又は癌、例えばヘッジホッグ関連腫瘍又は癌の増殖を低減又は阻害する方法を特徴とする。本発明はまた、腫瘍又は癌、例えばヘッジホッグ関連癌又は腫瘍を有する、若しくは癌又は腫瘍を有する危険性がある被験者の治療法を特徴とする。方法は、ヘッジホッグ阻害剤、例えば本明細書に記載されたような1つ又はそれより多くのヘッジホッグ阻害剤を、被験者の腫瘍細胞増殖を低減又は阻害させるのに十分な量、及び/若しくは癌又は腫瘍を治療又は予防するのに十分な量で、被験者に投与することを含む。特定の実施形態では、ヘッジホッグ阻害剤は、単独薬剤として、又は他の抗癌剤と併用して(例えば、パクリタキセル又はパクリタキセル剤、チロシンキナーゼ阻害剤(例えば、受容体チロシンキナーゼ(RTK)阻害剤)、mTOR阻害剤又はVEGF阻害剤と併用)投与される。特定の実施形態では、ヘッジホッグ関連腫瘍又は癌は、神経内分泌癌、肉腫(軟骨肉腫、骨肉腫、滑液膜肉腫又は脂肪肉腫などのような筋骨格肉腫又は軟組織肉腫)、膵臓癌、頭頚部癌、前立腺癌、卵巣癌、又は肺癌(例えば小細胞又は非小細胞肺癌)のうちの1つ又はそれより多くから選択されたヘッジホッグリガンド依存性癌細胞増殖である。
別の態様では、本発明は、ヘッジホッグ阻害を必要とする被験者において、ヘッジホッグ関連癌又は腫瘍を治療する方法を特徴とする。方法は、第1の抗癌剤及び第2の抗癌剤を、癌又は腫瘍を治療するのに十分な量で被験者に投与することを含み、第1の抗癌剤はヘッジホッグ阻害剤である。特定の実施形態では、ヘッジホッグ関連癌又は腫瘍及び第2の抗癌剤は、(i)ヘッジホッグ関連癌又は腫瘍が肉腫であり、並びに第2の抗癌剤が、mTOR阻害剤、ドキソルビシン、シスプラチン、イフォスファミド、又はメトトレキサートのうちの1つ又はそれより多くから選択され、(ii)ヘッドホッグ関連癌又は腫瘍が神経内分泌癌であり、並びに第2の抗癌剤がチロシンキナーゼ阻害剤であり、(iii)ヘッジホッグ関連癌又は腫瘍が頭頸部扁平上皮細胞癌であり、並びに第2の抗癌剤がチロシンキナーゼ阻害剤であり、(iv)ヘッジホッグ関連癌又は腫瘍が膵臓癌であり、並びに第2の抗癌剤がパクリタキセル剤であり、(v)ヘッジホッグ関連癌又は腫瘍が膵臓癌であり、並びに第2の抗癌剤がVEGF阻害剤であり、又は(vi)ヘッジホッグ関連癌又は腫瘍が肺癌であり、並びに第2の抗癌剤がスニチニブ、エルロチニブ、ゲフィチニブ、又はソラフェニブから選択されるチロシンキナーゼ阻害剤である、からそれぞれ選択される。特に明示されない限り、本明細書で使用するとき、用語「第1の」、「第2の」又は「第3の」薬剤は、特別な投与の順序を意図したものではない。これは、使用される薬剤の異なる部類を明確にするよう意図されている。
別の態様では、本発明は、腫瘍又は癌、例えばヘッジホッグ関連腫瘍又は癌を有する被験者における再発を低減又は予防する方法を特徴とする。方法は、ヘッジホッグ阻害剤、例えば本明細書で記載された1つ又はそれより多くのヘッジホッグ阻害剤を、被験者において腫瘍又は癌の再増殖又は再発を低減若しくは阻害するために十分な量で被験者に投与することを含む。特定の実施形態では、ヘッジホッグ阻害剤は、単独薬剤として、或いは他の抗癌剤と併用して(例えば、パクリタキセル又はパクリタキセル剤、チロシンキナーゼ阻害剤(例えば、受容体チロシンキナーゼ(RTK)阻害剤)又はmTOR阻害剤との併用)投与される。特定の実施形態では、ヘッジホッグ関連腫瘍又は癌は、神経内分泌癌、肉腫(軟骨肉腫、骨肉腫のような筋骨格肉腫、若しくは滑液膜肉腫又は脂肪肉腫などのような軟組織肉腫)、膵臓癌、頭頚部癌、又は肺癌(例えば小細胞又は非小細胞肺癌)のうちの1つ又はそれより多くから選択されるヘッジホッグリガンド依存性癌細胞増殖である。特定の実施形態では、被験者は、癌治療を実施中の(例えば、他の抗癌剤、外科的及び/又は放射線治療による治療)患者である。特定の実施形態では、被験者は、癌治療(例えば他の抗癌剤、外科的及び/又は放射線治療による治療)を実施した患者である。一実施形態では、低減又は防止された再発が、チロシンキナーゼ阻害剤治療後、例えば、チロシンキナーゼ阻害剤治療による治療を実施した又は実施中の被験者で発生する。いくつかの実施形態では、癌は肺癌(例えば非小細胞肺癌)又は頭頚部扁平上皮細胞癌である。
本発明の方法によって治療されるこれら被験者では、治療としては、限定されるものではないが、腫瘍増殖を阻害すること、腫瘍質量又は体積を減少させること、転移性病巣の寸法及び数を減少させること、新しい転移性病巣の発生を阻害すること、1つ又はそれより多くの非侵襲的腫瘍体積、代謝を減少させること、延長された生存率、延長された無進行生存率、進行までの延長された時間、及び/又は向上された生活の質が挙げられる。
一実施形態では、ヘッジホッグ阻害剤は、ヘッジホッグシグナル伝達経路を低減又は阻害する。例えば、ヘッジホッグ阻害剤は、ヘッジホッグ受容体、例えばSmoothenedの活性を低減又は阻害する。一実施形態では、ヘッジホッグ阻害剤は、ヘッジホッグ受容体、例えばPatchedへのヘッジホッグリガンドの結合を減少又は阻害する。
他の実施形態では、ヘッジホッグ阻害剤は、ヘッジホッグリガンド依存性癌又は腫瘍を標的にし、例えば1つ又はそれより多くの腫瘍細胞、腫瘍微小環境、又はヘッジホッグリガンドに反応を示す他の残存病変を標的にする(例えば、図19に示されたような、標的腫瘍細胞、標的腫瘍微小環境、及び/又は標的残存病変)。いくつかの実施形態では、ヘッジホッグ阻害剤は、ヘッジホッグリガンド依存性癌又は腫瘍の腫瘍微小環境(膵臓癌及び/又は神経内分泌腫瘍などのような癒着性腫瘍)を標的にし、それによって、(i)癒着性間質及び/又は腫瘍に提供される間質支援の枯渇又は減少、(ii)腫瘍の血管新生の増加、或いは(iii)化学療法に対する接触可能性の腫瘍への供与、のうちの1つ又はそれより多くをもたらす。このような実施形態では、ヘッジホッグ阻害剤は、線維化を低減させ得、それによって、改善された薬剤送達及び/又は生存へと導く。
他の実施形態では、ヘッジホッグ阻害剤は、ヘッジホッグリガンド非依存性癌又は腫瘍、例えばヘッジホッグ受容体中に遺伝子突然変異を有する癌又は腫瘍(例えば、Patched変異体腫瘍)を標的にする。代表的なヘッジホッグリガンド非依存性癌又は腫瘍としては、限定されるものではないが、基底細胞癌(例えば進行性基底細胞癌)及び神経髄芽細胞腫が挙げられる。
特定の実施形態では、治療される腫瘍又は癌、例えばヘッジホッグ関連癌又は腫瘍としては、限定されるものではないが、固形腫瘍、軟組織腫瘍(例えば、ヘム悪性腫瘍)、及び転移性病巣、例えば本明細書に開示されたいずれかの癌の転移性病巣が挙げられる。
一実施形態では、ヘッジホッグ阻害剤で治療される腫瘍又は癌、例えばヘッジホッグ関連癌又は腫瘍は、肉腫、例えば骨又は軟組織肉腫(滑液膜肉腫、脂肪肉腫、骨及び軟骨肉腫、軟骨肉腫、骨肉腫などの筋骨格肉腫)である。一実施形態では、ヘッジホッグ阻害剤単独又は第二の薬剤(例えば、mTOR阻害剤及び/又は他の抗癌剤(例えば、1以上の:ドクソルビシン、シスプラチン、イフォスファミド又はメトトレキサート(例えば、高用量メトトレキサート)))との併用が、局所性又は転移性肉腫の浸潤を低減又は阻害する。一実施形態では、ヘッジホッグ阻害剤単独又はmTOR阻害剤との併用が、軟骨肉腫を治療又は予防する。他の実施形態では、ヘッジホッグ阻害剤単独又はmTOR阻害剤との併用が、骨肉腫、例えば再発した又は治療抵抗性骨肉腫を治療又は予防する。
他の実施形態では、ヘッジホッグ阻害剤によって治療される腫瘍又は癌、例えばヘッジホッグ関連癌又は腫瘍は、神経内分泌癌又は腫瘍である。一実施形態では、治療される癌又は腫瘍は、例えば膵臓の神経内分泌癌(例えば、膵臓内分泌腫瘍)、肺、虫垂、十二指腸、回腸、直腸、小腸の神経内分泌癌、又は副腎髄質、下垂体、副甲状腺、甲状腺内分泌島、膵臓内分泌島、若しくは呼吸器又は胃腸管中の分散された内分泌細胞からの神経内分泌癌のうちの1つ又はそれより多くから選択される神経内分泌癌である。他の実施形態では、治療される癌又は腫瘍は、カルチノイド腫瘍、例えば機能的又は非機能的カルチノイド神経内分泌癌である。特定の実施形態では、ヘッジホッグ阻害剤は、神経内分泌腫瘍を治療又は予防するのに十分な量で、チロシンキナーゼ阻害剤(例えば、1つ又はそれより多くの受容体チロシン阻害剤(RTK)、例えばスニチニブ)と併用されて投与される。一実施形態では、ヘッジホッグ阻害剤とチロシンキナーゼ阻害剤とが、同時に投与される。他の実施形態では、ヘッジホッグ阻害剤とチロシンキナーゼ阻害剤とが、順次に投与される。例えば、ヘッジホッグ阻害剤が、チロシンキナーゼ阻害剤による治療が開始する前に、又はチロシンキナーゼ阻害剤による治療が終了した後に投与され得る。ヘッジホッグ阻害剤及びチロシンキナーゼ阻害剤の投与は、互いにその一部が重複し得、並びにそのいずれかが、他による治療の終了後に、単独薬剤として継続され得る。
更に別の実施形態では、腫瘍又は癌、例えばヘッジホッグ関連癌又は腫瘍は、膵臓癌であり、ヘッジホッグ阻害剤とパクリタキセル又はパクリタキセル剤(例えば、TAXOL(登録商標)のようなパクリタキセル製剤、アルブミン安定化ナノ粒子パクリタキセル製剤(例えばABRAXANE(登録商標)又はリポソームパクリタキセル製剤、例えばEndo Tag1)の併用によって治療される。特定の実施形態では、ヘッジホッグ阻害剤は、パクリタキセル又はパクリタキセル剤と同時に投与される。他の実施形態では、ヘッジホッグ阻害剤とパクリタキセル又はパクリタキセル剤は、順次に投与される。例えば、ヘッジホッグ阻害剤が、パクリタキセル又はパクリタキセル剤による治療が開始する前に、又はそれらによる治療が終了した後に投与され得る。更に他の実施形態では、ヘッジホッグ阻害剤の投与は、パクリタキセル又はパクリタキセル剤による治療と重なり、並びにパクリタキセル又はパクリタキセル剤による治療が終了後に継続される。他の実施形態では、ヘッジホッグ阻害剤とパクリタキセルは、追加の治療用薬剤(例えば、ゲムシタビン、シスプラチン、エピルビシン、5−フルオロウラシル、ロイコボリン、オキサリプラチン、VEGF拮抗剤、例えば抗VEGF抗体(例えば、ベバシズマブ)、又はこれらの組み合わせから選択された第3の抗癌剤)と併用されて投与される。特定の実施形態では、ヘッジホッグ阻害剤、パクリタキセル剤及び第3の抗癌剤は、同時に、順次に、又は部分的に重複したスケジュールで投与される。他の実施形態では、第3の抗癌剤は、ヘッジホッグ阻害剤とパクリタキセル又はパクリタキセル剤による治療に先立って、又はそれらによる治療が終了した後に投与される。一実施形態では、ヘッジホッグ阻害剤とパクリタキセル又はパクリタキセル剤の併用は、ゲムシタビン(例えばGEMZAR(登録商標))を更に含み得る。一実施形態では、被験者は、転移性膵臓癌を持つ患者である。別の実施形態では、被験者は、事前の癌治療を受けていないような(例えば、彼らの転移性疾患などの疾患に対する事前の癌治療がないような、他の抗癌剤、外科的又は放射線療法に対する事前の曝露がないこと)、膵臓癌又は転移性膵臓癌の患者である。
他の実施形態では、腫瘍又は癌、例えばヘッジホッグ関連癌又は腫瘍は、膵臓癌であり、ヘッジホッグ阻害剤によって治療され、並びにパクリタキセル、パクリタキセル剤、VEGF拮抗剤、例えば抗VEGF抗体(例えばベバシズマブ)、5−フルオロウラシル、又はオキサリプラチンのうちの1つ又はそれより多くを更に含み得る。
他の実施形態では、腫瘍又は癌、例えばヘッジホッグ関連癌又は腫瘍は、膵臓癌であって、ヘッジホッグ阻害剤とパクリタキセル又はパクリタキセル剤の併用で治療され、並びにVEGF拮抗剤、例えば抗VEGF抗体(例えばベバシズマブ)、5−フルオロウラシル、又はオキサリプラチンのうちの1つ又はそれより多くを更に含み得る。
他の実施形態では、ヘッジホッグ阻害剤によって治療される腫瘍又は癌、例えばヘッジホッグ関連癌又は腫瘍は、頭頚部扁平上皮細胞癌である。特定の実施形態では、頭頚部扁平上皮細胞癌を治療又は予防するために、ヘッジホッグ阻害剤は、チロシンキナーゼ阻害剤と併用して(例えば、抗EGFR抗体(例えばセツキシマブ)のようなEGFR−チロシンキナーゼ阻害剤である1つ又はそれより多くの受容体チロシンキナーゼ阻害剤(RTK)と併用して)投与される。一実施形態では、ヘッジホッグ阻害剤とチロシンキナーゼ阻害剤とは、同時に投与される。他の実施形態では、ヘッジホッグ阻害剤とチロシンキナーゼ阻害剤は、順次に投与される。例えば、ヘッジホッグ阻害剤は、チロシンキナーゼ阻害剤による治療を開始する前に、又はそれによる治療が終了した後に投与され得る。一実施形態では、ヘッジホッグ阻害剤の投与が、チロシンキナーゼ阻害剤による治療と重なり、並びにチロシンキナーゼ阻害剤による治療が終了した後に継続する。
更に別の実施形態では、ヘッジホッグ阻害剤によって治療される腫瘍又は癌、例えばヘッジホッグ関連癌又は腫瘍は、肺癌、例えば小細胞肺癌又は非小細胞肺癌である。一実施形態では、肺癌は非小細胞肺癌である。特定の実施形態では、肺癌を治療又は予防するために、ヘッジホッグ阻害剤は、チロシンキナーゼ阻害剤と併用して(例えば、受容体チロシンキナーゼ阻害剤(RTK)、例えばゲフィチニブ又はVEGF阻害剤の1つ又はそれより多くと併用して)投与される。一実施形態では、肺癌は非小細胞肺癌であって、ヘッジホッグ阻害剤は、カルボプラチン及び/若しくはパクリタキセル又はパクリタキセル剤と組み合わされて、VEGF阻害剤(例えば、ベバシズマブのような抗VEGF抗体)と併用されて投与される。一実施形態では、ヘッジホッグ阻害剤とチロシンキナーゼ阻害剤又は他の薬剤阻害剤は、同時に投与される。他の実施形態では、ヘッジホッグ阻害剤とチロシンキナーゼ阻害剤又は他の薬剤は、順次に投与される。例えば、ヘッジホッグ阻害剤は、チロシンキナーゼによる治療が開始する前に、又はそれによる治療が終了した後に投与され得る。一実施形態では、ヘッジホッグ阻害剤の投与は、チロシンキナーゼ阻害剤又は他の薬剤による治療と重複し、並びにチロシンキナーゼ阻害剤又は他の薬剤による治療が終了した後に継続する。
特定の実施形態では、チロシンキナーゼ阻害剤は、受容体チロシンキナーゼ阻害剤である。一実施形態では、チロシンキナーゼ阻害剤は、スニチニブ、エルロチニブ、ゲフィチニブ、又はソラフェニブから選択される。特定の実施形態では、チロシンキナーゼ阻害剤は、EGFR−チロシンキナーゼ阻害剤である。特定の実施形態では、EGFR−チロシンキナーゼ阻害剤は、小分子EGFR−チロシンキナーゼ阻害剤である。一実施形態では、小分子EGFR−チロシンキナーゼ阻害剤は、エルロチニブ、ゲフィチニブ、イコチニブ、ラパチニブ、ネラチニブ、バンデタニブ、BIBW2992又はXL−647のうちの1つ又はそれより多くから選択される。他の実施形態では、小分子EGFR−チロシンキナーゼ阻害剤は、ゲフィチニブ又はエルロチニブである。特定の実施形態では、小分子EGFR−チロシンキナーゼ阻害剤は、ゲフィチニブである。他の実施形態では、小分子EGFR−チロシンキナーゼ阻害剤は、エルロチニブである。特定の実施形態では、EGFR−チロシンキナーゼ阻害剤は、モノクローナル抗体である。特定の実施形態では、モノクローナル抗体は、セツキマブ、パニツムマブ、ザルツムマブ、ニモツズマブ、ネシツムマブ又はマツズマブから選択される。一実施形態では、モノクローナル抗体は、セツキマブである。
本発明の方法及び組成物は、本明細書に記載されたような他の治療形態、例えば1つ又はそれより多くの抗癌剤、及び/若しくは外科的及び/又は放射線療法と併用して、必要に応じて用いられてもよい。
本発明の追加的実施形態又は特徴は、以下のとおりである。一実施形態では、治療される被験者は、哺乳類、例えば霊長類で、典型的にはヒト(例えば、本明細書に記載されたような癌又は腫瘍を有する、又その危険性を有する)である。別の実施形態では、治療される被験者は、ヘッジホッグ阻害剤を必要としている(上昇したヘッジホッグレベルを示すと判定された)被験者である。特定の実施形態では、被験者は、ヘッジホッグ関連腫瘍又は癌を有する、又はその危険性を有するヒトである。一実施形態では、被験者は、ヘッジホッグリガンド非依存性腫瘍又は癌を有する、又はその危険性を有するヒトである。別の実施形態では、被験者は、ヘッジホッグリガンド依存性癌又は腫瘍を有する、又はその危険性を有するヒトである。一実施形態では、被験者は、神経内分泌癌、肉腫(例えば、軟骨肉腫及び骨肉腫などのような筋骨格肉腫)、膵臓癌、頭頚部癌、又は肺癌(例えば小細胞又は非小細胞肺癌)のうちの1つ又はそれより多くから選択されたヘッジホッグリガンド依存性癌又は腫瘍を有する、又はその危険性を有するヒトである。一実施形態では、被験者は、1型多発性内分泌腺腫を発症した患者である。他の実施形態では、被験者は、軟骨肉腫、又は再発した又は難治性骨肉腫のような骨肉腫を発症した患者である。
別の実施形態では、被験者は、ヘッジホッグ阻害剤による単独治療を、又は本明細書に記載されたようないずれかの抗癌剤と併用治療を必要としている、又は必要であると考えられる被験者である。被験者は、疾患を有する危険性のある、例えばその疾患に罹患した血縁者を有する、又はその疾患に関する危険性に関連する遺伝形質を有する被験者であり得る。一実施形態では、被験者は、症候性又は無症候性であり得る。特定の実施形態では、被験者は、EGFR遺伝子又は遺伝子生成物中の改変を宿している。特定の実施形態では、被験者は、癌治療(例えば、他の抗癌剤、外科的及び/又は放射線療法)を実施している患者である。特定の実施形態では、被験者は、癌治療(例えば、他の抗癌剤、外科的及び/又は放射線療法)を実施した患者である。一実施形態では、被験者は、チロシンキナーゼ阻害剤(例えば、スニチニブ、セツキマブ又はゲフィチニブ)によって治療されている。特定の実施形態では、被験者は、先の抗癌治療に対して部分的又は完全に耐性を発現している、例えば、チロシンキナーゼ阻害剤(例えば、スニチニブ、セツキマブ又はゲフィチニブ)による治療に対して良好に反応しない被験者である。
一実施形態では、被験者は、例えば転移性膵臓癌のような、転移性癌を有する患者である。別の実施形態では、被験者は、癌又は転移性癌(例えば膵臓癌又は転移性膵臓癌)を有する患者で、並びに事前の癌治療を受けていない(例えば、彼らの転移性疾患のような彼らの疾患に関して事前の癌治療がないような、他の抗癌剤、外科的又は放射線療法への事前の曝露がない)患者である。
一実施形態では、本発明の方法又は組成物中で使用されるヘッジホッグ阻害剤は、式Iの化合物、又はその医薬上許容し得る塩である。
式Iの化合物の医薬上許容し得る塩の例は、塩化水素塩である。
いくつかの実施形態では、ヘッジホッグ阻害剤は、ヘッジホッグ阻害剤、又はその医薬上許容し得る塩、及び医薬上許容し得る賦形剤を含む医薬組成物として投与される。
特定の実施形態では、ヘッジホッグ阻害剤が投与されるか、又は例えば医薬組成物のような組成物中に存在する。
本明細書に記載されたヘッジホッグ阻害剤は、全身的に(例えば、経口的、非経口的、皮下的、経静脈内、直腸内、筋肉内、腹腔内、鼻腔内、経皮的、又は吸入又は腔内設置によって)被験者に投与され得る。典型的には、ヘッジホッグ阻害剤は、経口的に投与される。
一実施形態では、ヘッジホッグ阻害剤はIPI−926である。IPI−926は、単独又は本明細書に記載された第2の薬剤と併用して、約20mg〜200mgの投与量にて、典型的には約50〜150mg、75〜140mg、及びより典型的には120〜130mgの投与量で、毎日のスケジュールで経口的に投与され得る。
本発明の方法及び組成物は、必要に応じて、他の治療形態、例えば1つ又はそれより多くの追加の抗癌剤と併用して、及び/若しくは外科的及び/又は放射線療法と併用して使用される。他の実施形態では、本発明の方法及び組成物は、外科的及び/又は放射線療法と併用して使用される。ヘッジホッグ阻害剤と他の治療形態とのいかなる組み合わせも使用され得る。例えば、ヘッジホッグ阻害剤と他の治療形態は、疾患が活発な期間中、又は疾患の寛解又は活性が劣る期間中に投与され得る。ヘッジホッグ阻害剤と他の治療形態は、治療前、治療と同時に、治療後、又は疾患の寛解中に投与され得る。一実施形態では、抗癌剤は、ヘッジホッグ阻害剤と同時に又は順次に投与される。
他の実施形態では、ヘッジホッグ阻害剤と抗癌剤は、別個の組成物、例えば医薬組成物として投与される。他の実施形態では、ヘッジホッグ阻害剤と抗癌剤は、別個に、しかし同一の経路を介して(例えば双方ともに経口的に又は双方ともに経静脈内的に)投与される。更に他の例において、ヘッジホッグ阻害剤と抗癌剤は、同一の組成物中、例えば医薬組成物中で投与される。
いくつかの実施形態では、ヘッジホッグ阻害剤は、癌、例えばヘッジホッグ関連癌又は腫瘍のための第一選択療法であり、すなわち、癌を治療するよう意図された別の薬剤を事前に投与されていない被験者で使用される。
他の実施形態では、ヘッジホッグ阻害剤は、癌、例えばヘッジホッグ関連癌又は腫瘍のための第二選択療法であり、すなわち、癌を治療するよう意図された別の薬剤を事前に投与されている被験者で使用される。
他の実施形態では、ヘッジホッグ阻害剤は、癌、例えばヘッジホッグ関連癌又は腫瘍のための第三又は第四選択療法であり、すなわち、癌を治療するよう意図された2つ又は3つの他の薬剤を事前に投与されている被験者で使用される。
他の実施形態では、ヘッジホッグ阻害剤は、術前補助療法として、すなわち、別の治療に先立って投与される。
他の実施形態では、ヘッジホッグ阻害剤は、補助療法として、すなわち、一次治療に追加しての治療として投与される。
いくつかの実施形態では、ヘッジホッグ阻害剤は、例えばヘッジホッグ関連癌又は腫瘍のような癌の外科的切除/除去に先立って、又は続いて被験者に投与される。
いくつかの実施形態では、ヘッジホッグ阻害剤は、例えばヘッジホッグ関連癌又は腫瘍のような癌の放射線療法前、放射線療法中及び/又は後に、被験者に投与される。
いくつかの実施形態では、ヘッジホッグ阻害剤は、例えば癌治療を実施中又は癌治療を実施した(例えば、別の抗癌剤による治療、放射線療法及び/又は手術)癌患者のような被験者に投与される。他の実施形態では、ヘッジホッグ阻害剤は、癌治療と同時に投与される。同時投与の例では、ヘッジホッグ阻害剤は、癌治療が終了した後に、投与されることを継続し得る。他の実施形態では、ヘッジホッグ阻害剤は、癌治療に引き続いて投与される。例えば、ヘッジホッグ阻害剤は、癌療法による治療が開始される前に、又は癌療法による治療が終了した後に投与され得る。一実施形態では、ヘッジホッグ阻害剤の投与は、癌療法と重複し、並びに癌療法が終了した後に継続する。一実施形態では、ヘッジホッグ阻害剤は、癌療法が終了した後に投与される(すなわち、癌療法と重なる期間はない)。例えば、癌療法とヘッジホッグ阻害剤は、同時に、順次に、又は抗癌剤又はヘッジホッグ阻害剤のいずれかによる単独治療に続く同時投与の併用として投与され得る。
一実施形態では、方法は、第1の治療薬剤としてヘッジホッグ阻害剤を投与すること、続いて癌療法の適用(例えば、第2の治療薬剤(例えば、他の抗癌剤)による治療、放射線療法及び/又は手術)が行われることを含む。別の実施形態では、方法は、先ず初めに癌療法を適用すること(第1の治療薬剤(例えば別の抗癌剤)による治療、放射線療法及び/又は手術)、続いて第2の治療薬剤としてのヘッジホッグ阻害剤の投与を行うことを含む。
更に他の実施形態では、方法は、第2、第3又はそれより多くの追加の治療薬剤(例えば、本明細書に記載された抗癌剤)と併用してヘッジホッグ阻害剤を投与することを含む。例えば、ヘッジホッグ阻害剤と別の抗癌剤(例えば、チロシンキナーゼ阻害剤、パクリタキセル又はパクリタキセル剤、mTOR阻害剤から選択された第2の抗癌剤)が、更に別の治療薬剤(例えば、ゲムシタビン、シスプラチン、エピルビシン、5−フルオロウラシル、VEGF拮抗剤(例えば、抗VEGF抗体(ベバシツマブ)、ロイコボリン、オキサリプラチン、又はそれらの組み合わせ)から選択される第3の抗癌剤)と併用されて投与される。一実施形態では、ヘッジホッグ阻害剤、第2及び第3の抗癌剤が、同時に投与される。他の実施形態では、第3の抗癌剤が、ヘッジホッグ阻害剤と第2の抗癌剤とによる治療が開始される前に、又はそれらによる治療が終了した後に投与される。ヘッジホッグ阻害剤と第2、第3又はそれより多くの抗癌剤との投与のいかなる順序及び組み合わせも、本発明の範囲内である。
他の実施形態では、1つ又はそれより多くのヘッジホッグ阻害剤(例えば、本明細書に記載されたような1つ又はそれより多くのヘッジホッグ阻害剤)が、併用されて投与される。一実施形態では、複数個のヘッジホッグ阻害剤は、同時に投与される。別の実施形態では、複数個のヘッジホッグ阻害剤が順次に投与される。例えば、IPI−926とGDC−0449などのような組み合わせが、同時又は順次に投与される。一実施形態では、GDC−0049が先ず初めに投与されて、続いて重複する期間を伴い又は伴わず、IPI−926が投与される。別の実施形態では、IPI−926が先ず初めに投与されて、続いて重複する期間を伴い又は伴わず、GDC−0049が投与される。
一実施形態では、ヘッジホッグ阻害剤と併用して使用される抗癌剤は、細胞障害剤又は細胞増殖抑制剤である。代表的な細胞障害剤としては、微小管阻害剤、トポイソメラーゼ阻害剤(例えば、イリノテカン)、又はタキサン(例えば、ドセタキセル)、代謝拮抗剤、有糸分裂阻害剤、アルキル化剤、挿入剤、シグナル伝達経路を妨害することが可能な薬剤、アポトーシス及び放射を推進する薬剤などが挙げられる。更に他の実施形態では、方法は、免疫調節剤、例えばIL−1、2、4、6、又は12、又はインターフェロンα又はγ、GM−CSFのような免疫細胞成長因子と併用して使用され得る。一実施形態では、抗癌剤は、例えばイリノテカンのようなトポイソメラーゼ阻害剤である。
他の実施形態では、ヘッジホッグ阻害剤と併用して使用される抗癌剤は、パクリタキセル又はパクリタキセル剤、チロシンキナーゼ阻害剤(例えば、EGFR阻害剤、ゲフィチニブ、スニチニブなどのような受容体チロシンキナーゼ(RTK)阻害剤)又はmTOR阻害剤である。
特定の実施形態では、抗癌剤は、チロシンキナーゼ阻害剤(例えば受容体チロシンキナーゼ(RTK)阻害剤)である。したがって、特定の実施形態では、本発明の方法は、治療を必要としている、又は癌を有している危険性のある被験者に、チロシンキナーゼ阻害剤(例えば、受容体チロシンキナーゼ(RTK)阻害剤)と併用された、本明細書に記載されたヘッジホッグ阻害剤を、癌又は腫瘍、例えば本明細書に記載されたようなヘッジホッグリガンド依存性癌又は腫瘍を低減又は治療するために有効な量で投与することを含む。一実施形態では、チロシンキナーゼ阻害剤としては、限定されるものではないが、上皮細胞成長因子(EGF)経路阻害剤(例えば、上皮細胞成長因子受容体(EGFR)阻害剤)、血管内皮成長因子(VEGF)経路阻害剤(例えば、血管内皮成長因子受容体(VEGFR)阻害剤(例えば、VEGFR−1阻害剤、VEGFR−2阻害剤、VEGFR−3阻害剤)、血小板由来成長因子(PDGF)経路阻害剤(例えば、血小板由来成長因子受容体(PDGFR)阻害剤(例えば、PDGFR−β阻害剤))、RAF−1阻害剤、KIT阻害剤及びRET阻害剤などが挙げられる。いくつかの実施形態では、ヘッジホッグ阻害剤と併用して使用される抗癌剤は、アキチニブ(AG013736)、ボスチニブ(SKI−606)、セディラニブ(RECENTIN(商標)、AZD2171)、ダサチニブ(SPRYCEL(登録商標)、BMS−354825)、エルロチニブ(TARCEVA(登録商標))、ゲフィチニブ(IRESSA(登録商標))、イマチニブ(Gleevec(登録商標)、CGP57148B、STI−571)、ラパチニブ(TYKERB(登録商標)、TYVERB(登録商標))、レスタウルチニブ(CEP−701)、ネラチニブ(HKI−272)、ニロチニブ(TASIGNA(登録商標))、セマキサニブ(セマキニブ、SU5416)、スニチニブ(SUTENT(登録商標)、SU11248)、トセラニブ(PALLADIA(登録商標))、バンデタニブ(ZACTIMA(登録商標)、ZD6474)、バタラニブ(PTK787、PTK/ZK)、トラスツズマブ(HERCEPTIN(登録商標))、ベバシズマブ(AVASTIN(登録商標))、リツキシマブ(RITUXAN(登録商標))、セツキシマブ(ERBITUX(登録商標))、パニツムマブ(VECTIBIX(登録商標))、ラニビズマブ(Lucentis(登録商標))、ニロチニブ(TASIGNA(登録商標))、ソラフェニブ(NEXAVAR(登録商標))、アレムツズマブ(CAMPATH(登録商標))、ゲムツズマブオゾガミシン(MYLOTARG(登録商標))、ENMD−2076、PCI−32765、AC220、乳酸ドビチニブ(TKI258、CHIR−258)、BIBW 2992(TOVOK(商標))、SGX523、PF−04217903、PF−02341066、PF−299804、BMS−777607、ABT−869、MP470、BIBF 1120(VARGATEF(登録商標))、AP24534、JNJ−26483327、MGCD265、DCC−2036、BMS−690154、CEP−11981、チボザニブ(AV−951)、OSI−930、MM−121、XL−184、XL−647、及び/又はXL228からなる群から選択される。選択されたチロシンキナーゼ阻害剤は、スニチニブ、エルロチニブ、ゲフィチニブ、又はソラフェニブから選択される。特定の実施形態では、チロシンキナーゼ阻害剤は、セツキシマブ、ベバシズマブ、パニツムマブ、ザルツムマブ、ニモツズマブ、ネシツムマブ、又はマツズマブから選択される。
一実施形態では、ヘッジホッグ阻害剤は、mTOR阻害剤、例えば1つ又はそれより多くのmTOR阻害剤と併用して投与され、これらmTOR阻害剤は、ラパマイシン、テムシロリムス(TORISEL(登録商標))、エベロリムス(RAD001、AFINITOR(登録商標))、ラダフォロリムス、AP23573、AZD8055、BEZ235、BGT226、XL765、PF−4691502、GDC0980、SF1126、OSI−027、GSK1059615、KU−0063794、WYE−354、INK128、テムシロリムス、(CCI−779)、Palomid 529(P529)、PF−04691502、又はPKI−587のうちの1つ又はそれより多くから選択される。一実施形態では、mTOR阻害剤は、TORC1及びTORC2を阻害する。TORC1及びTORC2二重阻害剤の例としては、例えばOSI−027、XL765、Palomid 529、及びINK 128が挙げられる。ヘッジホッグ阻害剤は、mTOR阻害剤と同一又はそれとは異なる経路を介して投与され得る。一実施形態では、mTOR阻害剤は、全身的に、例えば経口的に、皮下的に、又は経静脈内的に投与される。
他の実施形態では、ヘッジホッグ阻害剤は、インシュリン様成長因子受容体(IGF−1R)の阻害剤と共に投与される。代表的IGF−1R阻害剤としては、限定されるものではないが、小分子IGR−1R拮抗剤(例えば、GSK1904529A)、抗体拮抗剤、IGF−1Rペプチド拮抗剤、又はアンチセンス又は他の核酸拮抗剤が挙げられる。
更に別の実施形態では、ヘッジホッグ阻害剤は、ALKキナーゼ阻害剤(複数可)と併用して投与される。例示的なALK阻害剤としては、TAE−684(本明細書では「NVP−TAE694」としても称される)、PF02341066(本明細書では「クリゾチニブ」又は「1066」としても称される)、及びAP26113が挙げられる。ALKキナーゼ阻害剤の追加的例は、Garcia−Echeverria Cらによる、WO第2005016894号の実施例3−39に記載されている。
いくつかの実施形態では、ヘッジホッグ阻害剤は、フォルフィリノクスと併用して投与される。フォリフィリノクスは、オキサリプラチン85mg/m2及びイリノテカン180mg/m2、これに加えてロイコボリン400mg/m2を含み、1日目にボーラスのフルオロウラシル(5−FU)400mg/m2、次いで46時間連続輸注として5−FU 2,400mg/m2が続く。
いくつかの実施形態では、ヘッジホッグ阻害剤は、PI3K阻害剤と併用して投与される。一実施形態では、PI3K阻害剤は、PI3Kのδ及びγイソ型の阻害剤である。別の実施形態では、PI3K阻害剤は、P13KとmTORの二重阻害剤である。ヘッジホッグ阻害剤と併用して使用され得る例示的PI3K阻害剤としては、限定されるものではないが、GSK2126458、GDC−0980、GDC−0941、Sanofi XL147、XL756、XL147、PF−46915032、BKM120、CAL−101、CAL263、SF1126、PX−886、及び二重PI3K阻害剤(例えばNovartis BEZ235)が挙げられる。一実施形態では、PI3K阻害剤は、イソキノリノンである。一実施形態では、PI3K阻害剤は、INK1197又はそれらの誘導体である。他の実施形態では、PI3K阻害剤は、INK1117又はそれらの誘導体である。
いくつかの実施形態では、ヘッジホッグ阻害剤は、BRAF阻害剤、例えばGSK2118436、RG7204、PLX4032、GDC−0879、PLX4720、及びトシル酸ソラフェニブ(Bay43−9006)と併用して投与される。
いくつかの実施形態では、ヘッジホッグ阻害剤は、MEK阻害剤、例えば、ARRY−142886、GSK1120212、RDEA436、RDEA119/BAY869766、AS703026、AZD6244(セルメチニブ)、BIX02188、BIX02189、CI−1040(PD184352)、PD0325901、PD98059、及びU0126などと併用して投与される。
いくつかの実施形態では、ヘッジホッグ阻害剤は、JAK2阻害剤、例えばCEP−701、INCB18424、CP−690550(タソシチニブ)などと併用して投与される。
他の実施形態では、ヘッジホッグ阻害剤は、血管破壊剤(例えばDMXAA、バジメザン)と併用して投与される。
上記併用は、本明細書に記載されたいかなる癌及び転移性増殖の治療にも使用され得る。本明細書に記載された併用は、いかなる順序にても投与され得る。別に明記しない限り、本明細書で使用するとき、「第1」、「第2」又は「第3」の薬剤は、投与の特別な順序を与えるよう意図したものではない。これは、使用される薬剤の異なる部類を明確にすることを意図している。
更に他の実施形態では、単独又は抗癌剤と併用されたヘッジホッグ阻害剤は、治療上有効な量で、例えば所定の投与量スケジュールにて投与される。
ヘッジホッグ阻害剤がチロシンキナーゼ阻害剤と併用して使用されるような特定の実施形態では、方法は、ヘッジホッグ阻害剤及び/又はチロシンキナーゼ阻害剤を、準細胞毒性性レベルにて投与することを含む。いくつかの実施形態では、チロシンキナーゼ阻害剤は、一日当たり、少なくとも約10mg、約25mg、約37.5mg、約50mg、約70mg、約87.5mg、約100mg、約125mg、又は約150mgの投与量(例えば、経口投与量)にて、被験者に投与される。いくつかの実施形態では、チロシンキナーゼ阻害剤は、一日当たり、約37.5mg、約50mg、又は約87.5mgの投与量(例えば、経口投与量)にて、被験者に投与される。いくつかの実施形態では、チロシンキナーゼ阻害剤は、一日当たり約50mgの投与量(例えば、経口投与量)にて、被験者に投与される。いくつかの実施形態では、チロシンキナーゼ阻害剤は、一日当たり、1回、2回、3回、又はそれより多い回数で、被験者に投与される。いくつかの実施形態では、チロシンキナーゼ阻害剤は、一日当たり、1回、被験者に投与される。いくつかの実施形態では、チロシンキナーゼ阻害剤は、約1週間、2週間、3週間、4週間又はそれより多くの週の期間で、毎日被験者に投与される。いくつかの実施形態では、チロシンキナーゼ阻害剤は、約4週間の期間で、毎日被験者に投与される。
例えば、スニチニブが、ヘッジホッグ阻害剤と併用して投与されるチロシンキナーゼ阻害剤であるような実施形態では、一日当たり約50mg、一日当たり50mg未満、例えば一日当たり37.5mg、又は一日当たり50mg以上、例えば一日当たり62.5mgの投与量にて投与される。一実施形態では、チロシンキナーゼ阻害剤(例えばスニチニブ)は、1週間、2週間、3週間、4週間又は5週間にわたって毎日投与され、それに続く1週間、2週間又は3週間の期間には投与されない。特定の実施形態では、スニチニブは、経口的に投与される。
本発明の方法は、例えばEGFR遺伝子又は遺伝子産物中の変化の存在又は不在を検出するために、腫瘍、癌細胞又は被験者からのサンプルを判定する工程を更に含む。方法は、腫瘍、癌細胞、又は被験者(例えば、癌又は腫瘍を有する、若しくは癌又は腫瘍を生じる危険性を有する被験者)を、ヘッジホッグ阻害剤と併用されたEGFR阻害剤を含む治療に反応する可能性を有する(例えば、増加した又は減少した可能性)ものとして、同定又は選択するために使用され得る。判定評価され得る及び/又は治療され得るEGFR遺伝子又は遺伝子産物中の変化の例示的変化としては、限定されるものではないが、EGFRエクソン欠失(例えばEGFRエクソン19欠失、E746−A750欠失)、及び/又はエクソン突然変異(例えば、L858R/T790M EGFR突然変異)が挙げられる。他の例示的な変化としては、限定されるものではないが、EGFR_D770_N771>AGG、EGFR_D770_N771insG、EGFR_D770_N771insG、EGFR_D770_N771insN、EGFR_E709A、EGFR_E709G、EGFR_709H、EGFR_E709K、EGFR_E709V、EGFR_E746_A750del、EGFR_E746_A750del,T751A、EGFR_E746_A750del,Vins、EGFR_E746_T751del,Iins、EGFR_E746_T751del,S752A、EGFR_E746_T751del,S752D、EGFR_E746_T751del,Vins、EGFR_G719A、EGFR_G719C、EGFR_G719S、EGFR_H773_V774insH、EGFR_H773_V774insNPH、 EGFR_H773_V774insPH、EGFR_H773>NPY、EGFR_L747_E749del、EGFR_L747_E749del,A750P、EGFR_L747_S752del、EGFR_L747_S752del,P753S、EGFR_L747_S752del,Qins、EGFR_L747_T750del,Pins、EGFR_L747_T751del、EGFR_L858R、EGFR_L861Q、EGFR_M766_A767insAI、EGFR_P772_H773insV、EGFRS752_1759del、EGFR_S768I、EGFR_T790M、EGFR_V769_D770insASV、EGFR_V769_D770insASV,及びEGFR_V774_C775insHVが挙げられる。
本発明の方法は、次の項目のうちの1つ又はそれより多くの例えば変化(例えば、増加または減少)に関して、被験者を監視する工程を更に含み得、これらは、腫瘍の寸法;ヘッジホッグレベル又はシグナル伝達;間質活性化;1つ又はそれより多くの癌マーカーのレベル;骨スキャンなどでの新しい病巣の出現率;1つ又はそれより多くの非侵襲的腫瘍体積、代謝、低酸素症発生及び/又は腫瘍骨合成;新しい疾患関連症状の出現;軟組織質量の寸法、例えば減少されたか又は安定化されたか;疾患随伴疼痛、骨痛の量などの生活の質;軟骨の合成、糸葉体分葉化、及び/又は有糸分裂細胞の存在又は不在などのような組織学的解析;腫瘍攻撃力、原発腫瘍の血管新生、転移の拡がり;多モード画像撮影技術(例えば、18F−FDG PET、18FNA、MRI 18FMISOシンチグラィーなど)を使用して可視化可能である腫瘍寸法及び位置;臨床転帰に関する任意の他のパラメータなどである。被験者は、以下に示した1つ又はそれより多くの期間で監視され得、期間は、治療開始前、治療中、又は1つ又はそれより多くの治療要素が投与された後である。監視は、ヘッジホッグ阻害剤単独又は同一の抗癌剤と併用しての同一のヘッジホッグ阻害剤による更なる治療の必要性、又は追加の薬剤による追加的治療の必要性を評価するために使用され得る。一般的に、上記の1つ又はそれより多くのパラメータの減少は、改善された被験者の病状を示唆するが、血清ヘモグロビンレベルに関しては、その増加が被験者の改善された病状に関係し得る。
本発明の方法は、例えば被験者の遺伝子型を解析することなどの被験者からの核酸又は蛋白質を分析する工程を更に含み得る。一実施形態では、ヘッジホッグ蛋白質、又はヘッジホッグリガンド及び/又はヘッジホッグシグナル伝達の上流又は下流成分(複数可)、例えば受容体、ヘッジホッグ活性化物質又は阻害物質をコード化する核酸が分析される。上昇したヘッジホッグリガンドは、血液、尿、循環する腫瘍細胞、腫瘍生検又は骨髄生検中で検出することができる。上昇したヘッジホッグリガンドはまた、ヘッジホッグリガンドに対する抗体の標識を付した形態の全身投与及びそれに続く画像撮影によって、検出され得る。これら分析は、例えば、代替療法の適合性を評価するため、又は代替療法のどちらかを選択するために使用され得、例えばこれらは特別な投与量、送達方式、送達の時間、第2の薬剤と併用しての投与などのような補助療法の介入などであり、或いは一般的には、被験者の推定薬物反応が表現型であるか遺伝子型であるかを決定するために、分析が使用され得る。核酸又は蛋白質は、治療の任意の段階にて分析され得るが、ヘッジホッグ阻害剤及び/又は抗癌剤の投与に先立って分析されるのが好ましく、これによって、被験者の予防的又は治療的処置のために、ヘッジホッグ阻害剤の適切な投与量(複数可)及び治療計画(複数可)(例えば、1回の治療当たりの量又は治療の頻度)を決定する。
特定の実施形態では、本発明の方法は、ヘッジホッグ阻害剤を患者に投与する前又は後に、被験者の上昇したヘッジホッグリガンドを検出する工程を更に含む。上昇したヘッジホッグリガンドは、血液、尿、循環する腫瘍細胞、腫瘍生検又は骨髄生検中で検出することができる。上昇したヘッジホッグリガンドはまた、ヘッジホッグリガンドに対する抗体の標識を付した形態の全身投与及びそれに続く画像撮影によって、検出され得る。上昇したヘッジホッグリガンドを検出する工程は、他の癌療法の投与前に患者のヘッジホッグリガンドを測定すること、他の癌療法の投与後に患者のヘッジホッグリガンドを測定すること、並びに他の化学療法の投与後のヘッジホッグリガンドの量が、他の化学療法投与前のヘッジホッグリガンドの量よりも大きいかどうかを決定することの工程を含み得る。他の癌治療は、例えば、化学療法又は放射線療法などであり得る。
別の態様では、方法は、腫瘍(例えば、神経内分泌癌又は肉腫)内のヘッジホッグリガンド発現を上昇させる1つ又はそれより多くの抗癌剤を同定すること、並びに腫瘍内でヘッジホッグリガンド発現を上昇させる1つ又はそれより多くの抗癌剤の治療上有効な量と、ヘッジホッグ阻害剤の治療上有効な量を投与することを更に含む。ヘッジホッグ発現を上昇させる抗癌剤を同定する工程は、腫瘍からの細胞をインヴィトロで1つ又はそれより多くの抗癌剤に曝す工程と、細胞中のヘッジホッグリガンドを測定する工程を含み得る。
別の態様では、本発明は、1つ又はそれより多くのヘッジホッグ阻害剤、例えば本明細書に記載されたようなヘッジホッグ阻害剤と、1つ又はそれより多くの抗癌剤(例えば本明細書に開示されたような抗癌剤)を含有する組成物、例えば医薬組成物を特徴とする。組成物は、薬剤的に許容し得る担体又は賦形剤を更に含み得る。
別の態様では、本発明は、本明細書に記載されたようなヘッジホッグ関連癌又は腫瘍などのような癌又は腫瘍の治療に使用されるための組成物、或いは単独で又は本明細書に記載されたような抗癌剤(例えば、パクリタキセル又はパクリタキセル剤、チロシンキナーゼ阻害剤、mTOR阻害剤、及び/又はIGF−IR拮抗剤)と併用してのヘッジホッグ阻害剤の使用を特徴とする。
別の態様では、本発明は、本明細書に記載されたようなヘッジホッグ関連癌又は腫瘍などの癌の治療に使用するための、単独で又は本明細書に記載されたような抗癌剤(例えば、パクリタキセル又はパクリタキセル剤、チロシンキナーゼ阻害剤、mTOR阻害剤、及び/又はIGF−IR拮抗剤)と併用してのヘッジホッグ阻害剤と、使用説明書を含有する治療用キットを特徴とする。
本明細書に記載された全ての公開論文、特許出願、特許、及び他の参照文献は、参照によりその全体が組み込まれている。
本発明の他の特徴、目的、及び利点は、記述及び図面、並びに特許請求の範囲から明らかになるであろう。
用語の意味
特定の官能基及び化学用語の意味が、以下に詳細に記載されている。本発明の目的のために、化学元素は、元素の周期表、CAS版、Handbook of Chemistry and Physics、第75版、内表紙に従って同定され、並びに特定の官能基は、それに記載されているように一般的に定義される。更には、有機化学の一般的原理、並びに特定の官能性部分及び反応性は、例えば「Organic Chemistry」,Thomas Sorrell,University Science Books,Sausalito,1999年、SmithとMarch Msrchの「Advanced Organic Chemistry」,第5版、John Wiley&Sons,Inc.,New York,2011年、Larock,「Comprehensive Organic Transformations」,VCH Piblishers,Inc.,New York,1989年、及びCarruthers,「Some Modern Methods of Organic Synthesis」,第3版、Cambridge University Press,Cambridge,1987年に記載されている。
本発明の特定の化合物は、1つ又はそれより多くの非対称中心を含み得るので、種々の異性体型、例えば立体異性体(鏡像異性体、ジアステレオマー、シス−トランス異性体、E/Z異性体など)が存在し得る。したがって、本発明の化合物及び医薬組成物は、個々の鏡像異性体、ジアステレオマー又は他の幾何異性体の形であり得、或いは立体異性体の混合物であり得る。鏡像異性体、ジアステレオマー及び他の幾何異性体は、キラル体高速液体クロマトグラフィー(HPLC)及びキラル体塩又は非対称合成による調製物の形成及び結晶化を含む当業者に既知の任意の方法によって、混合物(ラセミ体混合物を含む)から単離され得、例えば、Jacquesら著、「Enantiomers,Racemate and Resolutions」(Wiley Interscience,New York,1981年)、Wilen,S.H.ら著、「Tetrahedron 33:2725(1977年)、Eliel,E.L.「Stereochemistry of Carbon Compounds」(McGraw−Hill,NY,1962年)、Wilen,S.H.「Tables of Resolving Agents and Optical Resolutions」268頁(E.L.Eliel版、Univ.of Notre Dame Press,Notre Dame,IN 1992年)を参照されたい。
別に特記されない限り、炭素原子は、必要に応じて、1つ又はそれより多くの置換基によって置換されている。置換基の数は、一般的には炭素原子上の利用可能な原子価の数によって限定され、並びに非置換基上で利用可能であるような1つ又はそれより多くの水素原子の交換によって置換され得る。適切な置換基は当業者に既知であり、限定されるものではないが、アルキル、アルケニル、アルキニル、アルコキシ、アリール、アリールオキシ、アリールチオ、アラルキル、ヘテロアリール、ヘテロアラルキル、シクロアルキル、ヘテロシクリル、ハロ、アジド、ヒドロキシル、チオ、アルクチオオキシ、アミノ、ニトロ、ニトリル、イミノ、アミド、カルボン酸、アルデヒド、カルボニル、エステル、シリル、アルキルチオ、ハロアルキル(例えば、−CFのようなペルフルオロアルキル)、=O、=Sなどが挙げられる。
数値の範囲が表示される場合、それは、それぞれの数値及び範囲内の部分範囲を包含するよう意図されている。例えば、1〜6個の炭素原子を含有するアルキル基(C1−6アルキル)は、C、C、C、C、C、C、C1−6、C2−6、C3−6、C4−6、C5−6、C1−5、C2−5、C3−5、C4−5、C1−4、C2−4、C3−4、C1−3、C2−3、及びC1−2アルキルを包含するよう意図されている。
本明細書で使用するとき、用語「アルキル」とは、1〜30個の炭素原子を含有する飽和した、直鎖又は分岐鎖炭化水素残基を指す。特定の実施形態では、アルキル基は、1〜20個の炭素原子を含有する。別に特記されない限り、アルキル基は、必要に応じて、1つ又はそれより多くの置換基で置換されている。特定の実施形態では、アルキル基は1〜10個の炭素原子を含有する。特定の実施形態では、アルキル基は、1〜6個の炭素原子を含有する。特定の実施形態では、アルキル基は、1〜5個の炭素原子を含有する。特定の実施形態では、アルキル基は、1〜4個の炭素原子を含有する。特定の実施形態では、アルキル基は、1〜3個の炭素原子を含有する。特定の実施形態では、アルキル基は、1〜2個の炭素原子を含有する。特定の実施形態では、アルキル基は、1個の炭素原子を含有する。アルキル残基の例としては、限定されるものではないが、メチル、エチル、n−ピロピル、イソプロピル、n−ブチル、イソ−ブチル、sec−ブチル、sec−ペンチル、イソ−ペンチル、tert−ブチル、n−ペンチル、ネオペンチル、n−ヘキシル、sec−ヘキシル、n−ヘプチル、n−オクチル、n−デシル、n−ウンデシル、ドデシルなどが挙げられる。
本明細書で使用するとき、用語「アルケニル」とは、単一の水素原子を除去することによって少なくとも1つの炭素−炭素二重結合を有し、並びに2〜30個の炭素原子を含有する直鎖又は分岐鎖炭化水素残基を指す。別に特記されない限り、アルケニル基は、1つ又はそれより多くの置換基によって置換され得る。特定の実施形態では、アルケニル基は、2〜20個の炭素原子を含有する。特定の実施形態では、アルケニル基は、2〜10個の炭素原子を含有する。特定の実施形態では、アルケニル基は、2〜6個の炭素原子を含有する。特定の実施形態では、アルケニル基は、2〜5個の炭素原子を含有する。特定の実施形態では、アルケニル基は、2〜4個の炭素原子を含有する。特定の実施形態では、アルケニル基は、2〜3個の炭素原子を含有する。特定の実施形態では、アルケニル基は、2個の炭素原子を含有する。アルケニル基としては、例えば、エテニル、プロペニル、ブテニル、1−メチル−2−ブテン−1−イルなどが挙げられる。
本明細書で使用するとき、用語「アルキニル」とは、単一の水素原子の除去によって、少なくとも1つの炭素−炭素三重結合を有し、並びに2〜30個の炭素原子を含有する直鎖又は分岐鎖の炭化水素残基を指す。別に特記されない限り、アルキニル基は、必要に応じて1つ又はそれより多くの置換基に置換され得る。特定の実施形態では、アルキニル基は、2〜20個の炭素原子を含有する。特定の実施形態では、アルキニル基は、2〜10個の炭素原子を含有する。特定の実施形態では、アルキニル基は、2〜6個の炭素原子を含有する。特定の実施形態では、アルキニル基は、2〜5個の炭素原子を含有する。特定の実施形態では、アルキニル基は、2〜4個の炭素原子を含有する。特定の実施形態では、アルキニル基は、2〜3個の炭素原子を含有する。特定の実施形態では、アルキニル基は、2個の炭素原子を含有する。代表的なアルキニル基としては、限定されるものではないが、エチニル、2−プロピル(プロパルジル)、1−プロピニルなどが挙げられる。
単独で又はより大きな部分の一部として使用するとき、用語「シクロアルキルと」は、3〜15個の炭素環員を有する飽和された単環式又は二環式炭化水素環系を指す。シクロアルキル基は、別に特記されない限り、1つ又はそれより多くの置換基によって置換され得る。特定の実施形態では、シクロアルキル基は、3〜10個の炭素環員を含有する。特定の実施形態では、シクロアルキル基は、3〜9個の炭素環員を含有する。特定の実施形態では、シクロアルキル基は、3〜8個の炭素環員を含有する。特定の実施形態では、シクロアルキル基は、3〜7個の炭素環員を含有する。特定の実施形態では、シクロアルキル基は、3〜6個の炭素環員を含有する。特定の実施形態では、シクロアルキル基は、3〜5個の炭素環員を含有する。シクロアルキル基としては、限定されるものではないが、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、シクロヘプチル、及びシクロオクチルが挙げられる。用語「シクロアルキル」はまた、1つ又はそれより多くのアリール又はヘテロアリール環に融合した飽和炭化水素環系を含み、これらは結合の点が飽和炭化水素環上にあるような、デカヒドロナフチル又はテトラヒドロナフチルなどである。
単独又はより大きな部分の一部として(「アラルキル」中として)使用するとき、用語「アリール」とは、全体で6〜10個の炭素環員を有する芳香族単環式及び二環式炭化水素環系を指す。別に特記されない限り、アリール基は、必要に応じて、1つ又はそれより多くの置換基によって置換され得る。本発明の特定の実施形態では、「アリール」は、限定されるものではないが、1つ又はそれよりも多い置換基を保持し得る、フェニル、ビフェニル、ナフチル、アントランシルなどが挙げられる芳香族環系を指す。本明細書で使用するとき、用語「アリール」の範囲内に更に含まれるものは、その中のアリール環が、結合の点がアリール環上にある、インダニル、フタルイミジル又はテトラヒドロナフタリルなどのような1つ又はそれより多くの非芳香族環に融合されている基である。
用語「アラルキル」とは、本明細書で定義されたようなアルキル基を指し、結合の点がアルキル基上にあるような、本明細書で定義されたアリール基によって置換されているものを指す。
用語「ヘテロ原子」とは、ホウ素、リン、セレニウム、窒素、酸素又はイオウを指し、並びに窒素又はイオウの任意の酸化型、及び脱塩基窒素の任意の四級化型を含む。
単独又は、例えば「ヘテロアラルキル」のようなより大きな部分の一部として使用されるとき、用語「ヘテロアリール」とは、環原子が、炭素原子に加えて5〜10個のヘテロ原子を含むような5〜10個の環原子を有する芳香族単環式又は二環式炭化水素環系を指す。別に特記されない限り、ヘテロアリール基は、1つ又はそれより多くの置換基に置換され得る。ヘテロアリール基の環原子と関連して使用される場合、用語「窒素」は、置換された窒素を含む。ヘテロアリール基としては、限定されるものではないが、チエニル、フラニル、ピロリル、イミダゾリル、ピラゾリル、トリアゾリル、テトラゾリル、オキサゾリル、イソキサゾリル、オキサジアゾリル、チアゾリル、イソチアゾリル、チアジアゾリル、ピリジル、ピリダジニル、ピリミジニル、ピラジニル、インドリジニル、プリニル、ナフチリジニル、及びプテリジニルが挙げられる。本明細書で使用するとき、用語「ヘテロアリール」及び「heteroar−」はまた、ヘテロアリール環が1つ又はそれより多くのアリール、シクロアルキル又はヘテロシクロアルキル環に融合されている基を含み、この中で、結合の点は、ヘテロアリール環上にある。非限定的例としては、インドリル、イソインドリル、ベンゾチエニル、ベンゾフラニル、ジベンゾフラニル、インダゾリル、ベンズイミダゾリル、ベンズチアゾリル、キノリル、イソキノリル、シンノリニル、フタラジニル、キナゾリニル、キノキサリニル、4H−キノリジニル、カルバゾリル、アクリジニル、フェナジニル、フェノチアジニル、フェノキサジニル、テトラヒドロキノリニル、及テトラヒドロイソキノリニルが挙げられる。
用語「ヘテロアラルキル」とは、本明細書で定義されたようなヘテロアリール基によって置換された、本明細書で定義されたようなアルキル基を指し、この中で、結合の点は、アルキル基上にある。
本明細書で使用するとき、用語「ヘテロシクロアルキル」又は「ヘテロシクリル」とは、飽和された又は必要に応じて不飽和であり、並びに炭素原子に加えて、1つ又はそれより多くのヘテロ原子を有するような、安定な非芳香族5〜7員の単環式炭化水素又は安定な非芳香族7〜10員の二環式炭化水素を指す。ヘテロアルキル又はヘテロシクリル基は、別に特記されない限り、1つ又はそれより多くの置換基で置換され得る。ヘテロシクロアルキル基の環原子に関連して使用される場合、用語「窒素」は、置換された窒素を含む。ヘテロシクロアルキル基の結合の点は、結果的に安定な構造をもたらすような、そのヘテロ原子又は炭素環原子のいずれかに存在し得る。ヘテロシクロアルキル基の例としては、限定されるものではないが、テトラヒドロフラニル、テトラヒドロチエニル、ピロリジニル、ピロリドニル、ピペラジニル、ピロリニル、テトラヒドロキノリニル、テトラヒドロイソキノリニル、デカヒドロキノリニル、オキサゾリジニル、ピペラジニル、ジオキサニル、ジオキソラニル、ジアゼピニル、オキサゼピニル、チアゼピニル、モルホリニル、及びキヌクリジニルが挙げられる。「ヘテロシクロアルキル」はまた、その中でヘテロシクロアルキル環が、結合基又は結合点がヘテロシクロアルキル環上にあるような、インドリニル、クロマニル、フェナントリジニル、又はテトラヒドロキノリニルなどのような1つ又はそれより多くのアリール、ヘテロアリール又はシクロアルキル環に融合されている基を含む。
本明細書で使用するとき、用語「不飽和」とは、一部分が1つ又はそれより多くの二重結合または三重結合を有することを意味する。
本明細書で使用するとき、用語「部分的に不飽和」とは、少なくとも1つの二重結合または三重結合を含有する環部分を指す。用語「部分的に不飽和」は、不飽和の複数個の部位を有する環を包含することを意図しているが、本明細書で定義されたようなアリール又はヘテロアリール部分のような芳香族を含むことを意図していない。
本明細書で使用するとき、用語「ジラジカル」とは、本明細書で定義されたアルキル、アルケニル、アルキニル、アリール、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アラルキル、ヘテロアリール、及びヘテロアラルキル基を指し、この中で、二価の部分を形成するために、2つの水素原子が除去されている。ジラジカルは、典型的には「−ene」の接尾語を伴う末端である。例えば、アルキルジラジカルは、アルキレン類(例えば、
及び−(CR’−、式中R’は水素又は他の置換基で、xは1、2、3、4、5又は6である)と呼ばれ、アルケニルジラジカルは、「アルケニレン」と呼ばれ、アルキニルジラジカルは、「アルキニレン」と呼ばれ、アリール及びアラルキルジラジカルは、それぞれ「アリーレン」及び「アラルキレン」と呼ばれ(例えば、
)、ヘテロアリール及びヘテロアラルキルジラジカルは、それぞれ「ヘテロアリーレン」及び「ヘテロアラルキレン」と呼ばれ(例えば、
)、シクロアルキルジラジカルは、「シクロアルキレン」と呼ばれ、ヘテロシクロアルキルジラジカルは、「ヘテロシクロアルキレン」などのように呼ばれる。
本明細書で使用するとき、用語「ハロ」、「ハロゲン」及び「ハライド」とは、フッ素(フルオロ、F)、塩素(クロロ、Cl)、臭素(ブロモ、Br)、及びヨウ素(ヨード、I)から選択される原子を指す。
本明細書で使用するとき、用語「ハロアルキル」とは、アルキル基の1つ又はそれより多くの水素原子が、1つ又はそれより多くのハロゲン原子によって置き換えられているような、本明細書にて定義されたアルキル基を指す。特定の実施形態では、ハリアルキル基は、ペルハロアルキル基であり、これは、ハロゲン(例えば、ペルフルオロアルキル基―CF)によって置換されたアルキル基の全ての水素原子を有する。
本明細書で使用するとき、用語「アジド」とは、基−Nを指す。
本明細書で使用するとき、用語「ニトリル」とは、基―CNを指す。
本明細書で使用するとき、用語「ニトロ」とは、基―NOを指す。
本明細書で使用するとき、用語「ヒドロキシル」又は「ヒドロキシ」とは、基―OHを指す。
本明細書で使用するとき、用語「チオール」とは、基−SHを指す。
本明細書で使用するとき、用語「カルボン酸」とは、基−COHを指す。
本明細書で使用するとき、用語「アルデヒド」とは、基−CHOを指す。
本明細書で使用するとき、用語「アルコキシ」とは、基―OR’を指し、式中R’は、本明細書で定義されたようなアルキル、アルケニル又はアルキル基である。
本明細書で使用するとき、用語「アリールオキシ」とは、基―OR’を指し、式中それぞれのR’は、本明細書で定義されたアリール又はヘテロアリール基である。
本明細書で使用するとき、用語「アルクチオオキシ」とは、基−SR’を指し、式中それぞれのR’は、独立して、本明細書で定義されたようなアルキル、アルケニル、又はアルキニル基のような炭素部分である。
本明細書で使用するとき、用語「アリールチオ」は、基−SR’を指し、式中それぞれのR’は、本明細書で定義されたようなアリール、ヘテロアリール基である。
本明細書で使用するとき、用語「アミノ」とは、基―NR’を指し、式中それぞれのR’は、独立して、例えば本明細書で定義されたような、アルキル、アルケニル、アルキニル、アリール又はヘテロアリール基であり、若しくは2つのR’基は、それらに結合されている窒素原子と一緒に5〜8員環を形成する。
本明細書で使用するとき、用語「カルボニル」とは、基―C(=O)R’を指し、式中R’は、独立して、例えば本明細書で定義されたようなアルキル、アルケニル、アルキニル、アリール又はヘテロアリール基のような炭素部分である。
本明細書で使用するとき、用語「エステル」とは、基―C(=O)OR’又は−OC(=O)R’を指し、式中それぞれのR’は、独立して、例えば本明細書で定義されたようなアルキル、アルケニル、アルキニル、アリール又はヘテロアリール基のような炭素部分である。
本明細書で使用するとき、用語「アミド」とは、基―C(=O)N(R’)又は−NR’C(=O)R’を指し、式中それぞれのR’は、独立して、水素又は、例えば本明細書で定義されたアルキル、アルケニル、アルキニル、アリール又はヘテロアリールのような炭素部分であるか、若しくは2つのR’基は、それらに結合されている窒素原子と一緒に5〜8員環を形成する。
用語「スルホンアミド、sulfonamido」又は「スルホンアミド、sulfonamide」とは、基―N(R’)SOR’又は−SON(R’)を指し、式中それぞれのR’は、独立して、水素、又は例えば本明細書で定義されたようなアルキル、アルケニル、アルキニル、アリール又はヘテロアリール基のような炭素部分であるか、若しくは2つのR’基は、それらに結合されている窒素原子と一緒に5〜8員環を形成する。
用語「スルファミド、sulfamido」又は「スルファミド、sulfamide」とは、基−NR’SON(R’)を指し、式中それぞれのR’は、独立して、水素、又は本明細書で定義されたようなアルキル、アルケニル、アルキニル、アリール又はヘテロアリール基のような炭素部分であるか、若しくは2つのR’基が、それらの結合している窒素原子と一緒に5〜8員環を形成する。
本明細書で使用するとき、用語「イミド、imide」又は「イミド、imido」とは、基―C(=NR’)N(R’)又は−NR’C(=NR’)R’を指し、式中それぞれのR’は、独立して、水素、又は本明細書で定義されたようなアルキル、アルケニル、アルキニル、アリール又はヘテロアリール基のような炭素部分であるか、若しくは2つのR’基が、それらの結合している窒素原子と一緒に5〜8員環を形成する。
本明細書で使用するとき、「シリル」とは、基−SiR’を指し、式中R’は、例えばアルキル、アルケニル、アルキニル、アリール又はヘテロアリール基のような炭素部分である。
いくつかの場合で、ヘッジホッグ阻害剤は、1つ又はそれより多くの塩基性官能基(例えば、アミノ基のような)を含有し得、したがって、薬剤的に許容し得る酸と共に薬剤的に許容し得る塩を形成することが可能である。これら具体例における用語「薬剤的に許容し得る塩」とは、相対的に非毒性の、無機または有機酸添加塩を指す。これら塩は、投与用ビヒクル又は投薬形態製造工程中、インサイチュで調製され得、又はその遊離塩基形での化合物を適切な酸で別個に処理することによって調製され得る。薬剤的に許容し得る、無機酸からの非毒性酸添加塩の例としては、限定されるものではないが、塩酸、臭化水素酸、リン酸、硫酸、硝酸及び過塩素酸添加塩が挙げられ、有機酸からの酸添加塩の例としては、限定されるものではないが、酢酸、アジピン酸、アルギン酸、アスコルビン酸、アスパラギン酸、2−アセトキシ安息香酸、ベンゼンスルホン酸、安息香酸、ビスルホン酸、ホウ酸、酪酸、カンフル酸、カンフルスルホン酸、クエン酸、シクロペンタンプロピオン酸、ジグルコン酸、ドデシルスルホン酸、エタンスルホン酸、1,2−エタンスルホン酸、ギ酸、フマル酸、グルコヘプト酸、グリセロホスホン酸、グルコン酸、ヘミスルホン酸、ヘプタン酸、ヘキサン酸、ヨウ化水素酸、2−ヒドロキシエタンスルホン酸、ヒドロキシマレイン酸、イソチオン酸、ラクトビオン酸、乳酸、ラウリン酸、ラウリルスルホン酸、リンゴ酸、マレイン酸、マロン酸、メタンスルホン酸、2−ナフタレンスルホン酸、ナプチル酸、ニコチン酸、オレイン酸、シュウ酸、パルミチン酸、パモ酸、ペクチン酸、ペルスルホン酸、3−フェニルプロピオン酸、ピクリン酸、ピバリン酸、プロピオン酸、フェニル酢酸、ステアリン酸、ウンデカン酸、及び吉草酸添加塩などが挙げられる。他の場合では、ヘッジホッグ阻害剤は、1つ又はそれより多くの酸性官能基を含有し得、並びにこれによって、薬剤的に許容し得る塩基と共に薬剤的に許容し得る塩を形成することが可能である。これら具体例における用語「薬剤的に許容し得る塩」とは、相対的に非毒性の、無機及び有機塩基添加塩を指す。これら塩は、同様に、投与用ビヒクル又は投薬形態製造工程中、インサイチュで調製され得、又はその遊離酸形での化合物を適切な塩基で別個に処理することによって調製され得る。適切な塩基の例としては、限定されるものではないが、金属水酸化物、金属の炭酸塩又は金属重炭酸塩などが挙げられ、この中で、金属は、リチウム、ナトリウム、カリウム、カルシウム、マグネシウム、又はアルミニウムなどのようなアルカリ又はアルカリ土類金属である。更に適切な塩基としては、アンモニア又は有機一級アミン、二級アミン又は三級アミンが挙げられる。塩基添加塩の形成のために有用な代表的な有機アミンとしては、例えば、エチルアミン、ジエチルアミン、エチレンジアミン、エタノールアミン、ジエタノールアミン、ピペラジンなどが挙げられる(例えば、Bergeら著、supra参照)。
用語「溶媒和物」とは、化合物に結合された、化学量論量又は非化学量論量のいずれかの溶媒を有する本発明の化合物を指す。溶媒は水であり得(すなわち水和物)、並びに阻害剤のそれぞれの分子は、水の1つ又はそれより多くの分子に結合され得る(例えば、一水和物、二水和物、三水和物など)。溶媒は、アルコール(例えば、メタノール、エタノール、プロパノール、イソプロパノールなど)、グリコール(例えば、プロピレングリコール)、エーテル(例えば、ジエチルエーテル)、エステル(例えば、酢酸エチル)、又は任意の他の適切な溶媒であり得る。ヘッジホッグ阻害剤はまた、混合された溶媒和物として(すなわち、2つ又はそれより多くの異なる溶媒と結合して)存在し得る。
本明細書で使用するとき、用語「糖」とは、天然又は非天然の単糖類、二糖類、若しくは1つ又はそれより多くのピラノース又はフラノース環を含むオリゴ糖類を指す。糖は、エーテル結合を経て又はアルキル結合を経て、本発明のステロイド性アルカロイドに共有結合され得る。特定の実施形態では、糖類部分は、糖類環のアノマー中心にて、本発明のステロイド性アルカロイドに共有結合され得る。糖としては、限定されるものではないが、リボース、アラビノース、キシロース、リキソース、アロース、アルトロース、グルコース、マンノース、グロース、イドース、ガラクトース、タロース、トレハロースが挙げられる。
本明細書で使用するとき、冠詞「a」及び「an」とは、冠詞の文法上の目的の1つ又は1つ以上(例えば、少なくとも1つ)を指す。
本明細書で使用されている用語「又は」は、文脈が別途明確に示されない限り、用語「及び/又は」と互換的に使用される。
「約」及び「およそ」は、測定の所定の質又は精度で測定された量の誤差の許容可能な範囲を一般的に意味するべきである。具体的な誤差範囲は、所定の値又は値の範囲の20パーセント(%)以内であり、典型的には、10%以内であり、並びにより典型的には5%以内である。
本発明の、ビヒクル及びIPI−926で処置されたBxPC−3膵臓腫瘍異種移植片に関して、経時的な腫瘍体積での変化を示すグラフである。 本発明の、ビヒクル及びIPI−926で処置されたBxPC−3膵臓腫瘍異種移植片中のヒトGli−1レベルを示すグラフである。 本発明の、ビヒクル及びIPI−926で処置されたBxPC−3膵臓腫瘍異種移植片中のネズミGli−1レベルを示すグラフである。 本発明の、ビヒクル、IPI−926、ゲムシタビン、及びIPI−926とゲムシタビンの併用で処置されたBxPC−3膵臓腫瘍異種移植片に関する、経時的な腫瘍体積での変化を示すグラフである。 本発明の、ビヒクル、IPI−926、ゲムシタビン、及びIPI−926とゲムシタビンの併用で処置されたMiaPaCa膵臓腫瘍異種移植片に関する、経時的な腫瘍体積での変化を示すグラフである。 本発明の、ビヒクル、IPI−926、エトポシド/カルボプラチン、及びIPI−926とエトポシド/カルボプラチンとの併用で処置されたLX22小細胞肺癌腫瘍異種移植片に関する、経時的な腫瘍体積での変化を示すグラフである。 本発明の、ビヒクル、IPI−926、エトポシド/カルボプラチン然る後ビヒクル、及びエトポシド/カルボプラチン然る後IPI−926で処置されたLX22小細胞肺癌腫瘍異種移植片に関する、経時的な腫瘍体積での変化を示すグラフである。 本発明の、エトポシド/カルボプラチン然る後ビヒクル又はIPI−926で処置された、LX22小細胞肺癌腫瘍異種移植片中のネズミのインディアンヘッジホッグレベルを示すグラフである。 本発明の、エトポシド/カルボプラチン然る後ビヒクル又はIPI−926で処置された、LX22小細胞肺癌腫瘍異種移植片中のヒトのインディアンヘッジホッグレベルを示すグラフである。 本発明の、エトポシド/カルボプラチン然る後ビヒクル又はIPI−926で処置された、LX22小細胞肺癌腫瘍異種移植片中のネズミのGli−1発現レベルを示すグラフである。 本発明の、エトポシド/カルボプラチン然る後ビヒクル又はIPI−926で処置された、LX22小細胞肺癌腫瘍異種移植片中のヒトのGli−1発現レベルを示すグラフである。 本発明の、未処置UMUC−3膀胱癌腫瘍異種移植片と比較して、ゲムシタビンで処置されたUMUC−3膀胱癌腫瘍異種移植片中のネズミのヘッジホッグリガンド発現レベルでの変化を示すグラフである。 本発明の、未処置UMUC−3膀胱癌腫瘍異種移植片と比較して、ゲムシタビンで処置されたUMUC−3膀胱癌腫瘍異種移植片中のヒトのヘッジホッグリガンド発現レベルでの変化を示すグラフである。 本発明の、未処置UMUC−3膀胱癌腫瘍細胞と比較して、ドキソルビシンで処置されたUMUC−3膀胱癌腫瘍細胞中のヒトのソニック、インディアン及びデザートヘッジホッグリガンド発現での変化を示すグラフである。 本発明の、未処置A2780卵巣癌腫瘍細胞と比較して、カルボプラスチン又はドセタキセルで処置されたA2780卵巣癌腫瘍細胞中のヒトのソニック、インディアン及びデザートヘッジホッグリガンド発現での変化を示すグラフである。 本発明の、未処置IGROV−1卵巣癌腫瘍細胞と比較して、カルボプラスチン又はドセタキセルで処置されたIGROV−1卵巣癌腫瘍細胞中のヒトのソニック、インディアン及びデザートヘッジホッグリガンド発現での変化を示すグラフである。 本発明の、未処置H82小細胞肺癌腫瘍細胞と比較して、カルボプラスチン又はドセタキセルで処置されたH82小細胞肺癌腫瘍細胞中のヒトのソニック、インディアン及びデザートヘッジホッグリガンド発現での変化を示すグラフである。 本発明の、正常酸素状態に曝されたUMUC−3膀胱癌腫瘍細胞と比較して、低酸素状態に曝されたUMUC−3膀胱癌腫瘍細胞中のソニック、インディアン及びデザートヘッジホッグリガンド発現での変化を示すグラフである。 本発明の、免疫組織化学法による、虫垂(A)、十二指腸(B)、回腸(C)、膵臓(D)、直腸(E)、小腸(F)、又は肺(G)からの良性又は腫瘍組織中のヒトのソニックヘッジホッグ(SHH)発現の検出を示すグラフである。N/Aはスポットなし/解釈不能な染色、−は陰性、−/+は全体的に明るい染色、+は5〜25%、++は25〜50%、+++は50〜75%、++++は75〜100%である。 本発明の、免疫組織化学法による、虫垂(A)、十二指腸(B)、回腸(C)、膵臓(D)、直腸(E)、小腸(F)、又は肺(G)からの良性又は腫瘍組織中のヒトのソニックヘッジホッグ(SHH)発現の検出を示すグラフである。N/Aはスポットなし/解釈不能な染色、−は陰性、−/+は全体的に明るい染色、+は5〜25%、++は25〜50%、+++は50〜75%、++++は75〜100%である。 本発明の、免疫組織化学法による、虫垂(A)、十二指腸(B)、回腸(C)、膵臓(D)、直腸(E)、小腸(F)、又は肺(G)からの良性又は腫瘍組織中のヒトのソニックヘッジホッグ(SHH)発現の検出を示すグラフである。N/Aはスポットなし/解釈不能な染色、−は陰性、−/+は全体的に明るい染色、+は5〜25%、++は25〜50%、+++は50〜75%、++++は75〜100%である。 本発明の、免疫組織化学法による、虫垂(A)、十二指腸(B)、回腸(C)、膵臓(D)、直腸(E)、小腸(F)、又は肺(G)からの良性又は腫瘍組織中のヒトのソニックヘッジホッグ(SHH)発現の検出を示すグラフである。N/Aはスポットなし/解釈不能な染色、−は陰性、−/+は全体的に明るい染色、+は5〜25%、++は25〜50%、+++は50〜75%、++++は75〜100%である。 本発明の、免疫組織化学法による、虫垂(A)、十二指腸(B)、回腸(C)、膵臓(D)、直腸(E)、小腸(F)、又は肺(G)からの良性又は腫瘍組織中のヒトのソニックヘッジホッグ(SHH)発現の検出を示すグラフである。N/Aはスポットなし/解釈不能な染色、−は陰性、−/+は全体的に明るい染色、+は5〜25%、++は25〜50%、+++は50〜75%、++++は75〜100%である。 本発明の、免疫組織化学法による、虫垂(A)、十二指腸(B)、回腸(C)、膵臓(D)、直腸(E)、小腸(F)、又は肺(G)からの良性又は腫瘍組織中のヒトのソニックヘッジホッグ(SHH)発現の検出を示すグラフである。N/Aはスポットなし/解釈不能な染色、−は陰性、−/+は全体的に明るい染色、+は5〜25%、++は25〜50%、+++は50〜75%、++++は75〜100%である。 本発明の、免疫組織化学法による、虫垂(A)、十二指腸(B)、回腸(C)、膵臓(D)、直腸(E)、小腸(F)、又は肺(G)からの良性又は腫瘍組織中のヒトのソニックヘッジホッグ(SHH)発現の検出を示すグラフである。N/Aはスポットなし/解釈不能な染色、−は陰性、−/+は全体的に明るい染色、+は5〜25%、++は25〜50%、+++は50〜75%、++++は75〜100%である。 本発明の、IPI−926で処置された、Bon−1膵臓神経内分泌癌(NET)異種移植片中のネズミ(A)又はヒト(B)のGli−1mRNAレベルを示すグラフである(p<0.005) 本発明の、IPI−926で処置されたBon−1膵臓神経内分泌癌(NET)異種移植片中のヒトのソニックヘッジホッグ(SHH)(A)又はインディアンヘッジホッグ(IHH)(B)のmRNAレベルを示す棒グラフである。 本発明の、免疫染色によって検出されたBon−1膵臓神経内分泌癌(NET)異種移植片中のヒトのソニックヘッジホッグ(SHH)の発現を示す画像(10×対物レンズ) 本発明の、ビヒクル、IPI−926、スニチニブ、又はIPI−926とスニチニブの併用で処置された、Bon−1膵臓神経内分泌癌(NET)異種移植片中の経時的な腫瘍体積での変化を示すグラフである。 本発明の、ヘッジホッグ阻害剤、例えばIPI−926で処置され得るような癌の概要である。 本発明の、ラット軟骨肉腫モデルの検出及び組織学的特性を示す写真のパネルである。パネル(A)は、腫瘍移植11日後の移植片部位にての、及び周辺の筋肉(矢印)中の腫瘍小葉のMRI画像である。パネル(B)は、筋膜によって分離された小葉を備えた軟骨肉腫の典型的なパターンの組織構造を示している。パネル(C)は、グレードII軟骨肉腫として本モデルで分類された軟骨及び有糸分裂細胞の存在を示している。 本発明の、骨肉腫異種移植片モデルの腫瘍及び間質細胞中のHhシグナル伝達を減少させることへのIPI−926の効果を示している棒グラフのパネルである。図21A〜21Bは、IPI−926で処置された異種移植片A及びB動物からの腫瘍細胞中でのPTCH1及びGli1のmRNA発現での対照と比較しての減少を示している。PTCH1及びGli1 mRNA発現における同様な減少が、対照と比較して、IPI−926で処置された間質細胞中で検出されている(図21C〜21D)。 本発明の、骨肉腫異種移植片モデルの腫瘍及び間質細胞中のHhシグナル伝達を減少させることへのIPI−926の効果を示している棒グラフのパネルである。図21A〜21Bは、IPI−926で処置された異種移植片A及びB動物からの腫瘍細胞中でのPTCH1及びGli1のmRNA発現での対照と比較しての減少を示している。PTCH1及びGli1 mRNA発現における同様な減少が、対照と比較して、IPI−926で処置された間質細胞中で検出されている(図21C〜21D)。 本発明の、骨肉腫異種移植片モデル中の増殖及びアポトーシスにおけるIPI−926の効果を示している棒グラフのパネルである。図22Aと22Cは、対照と比較して、IPI−926に反応する2つの異なる動物におけるKi−67染色を示している、細胞のパーセンテージによって検出された腫瘍細胞の増殖での減少を示す。図22Bと22Dは、対照と比較された、IPI−926への反応でのTunel染色によって検出されたアポトーシスの増加を示す。 本発明の、骨肉腫異種移植片モデル中の増殖及びアポトーシスにおけるIPI−926の効果を示している棒グラフのパネルである。図22Aと22Cは、対照と比較して、IPI−926に反応する2つの異なる動物におけるKi−67染色を示している、細胞のパーセンテージによって検出された腫瘍細胞の増殖での減少を示す。図22Bと22Dは、対照と比較された、IPI−926への反応でのTunel染色によって検出されたアポトーシスの増加を示す。 本発明の、ビヒクル対照と比較された、IPI−926で処置された腫瘍細胞中のHh経路マーカーの阻害を示している棒グラフである。 本発明の、IPI−926処理初期軟骨肉腫異種移植片と他の化学療法との比較を示している棒グラフである。 本発明の、複数の阻害剤で処置された初期軟骨肉腫異種移植片モデルでのヒトGli1調節における効果の概要を示している棒グラフである。 本発明の、ビヒクル、ABRAXANE(登録商標)、及びIPI−926とABRAXANEとの併用で処置されたL3.6pl膵臓腫瘍異種移植片に関する、経時的な腫瘍体積での変化を示す図である。 本発明の、ビヒクル、ABRAXANE、及びABRAXANEとIPI−926との併用を比較している、L3.6pl腫瘍モデル上のホスホヒストン3(PH3)染色を示している画像である。 本発明の、図27Aの染色された腫瘍部分当たりのPH3陽性の腫瘍性核の%を定量化しているグラフである。 本発明の、ビヒクル、IPI−926、ABRAXANE、及びIPI−926とABRAXANEとの併用で処置されたASPC−1腫瘍保持Ncrヌードマウスに関する、経時的な腫瘍増殖での変化を示すグラフである。 本発明の、ビヒクル、IPI−926、パクリタキセル、及びIPI−926とパクリタキセルとの併用で処置されたASPC−1腫瘍保持Ncrヌードマウスに関する、経時的な腫瘍増殖での変化を示すグラフである。 本発明の、ビヒクル、IPI−926単独、ABRAXANE+/−IPI−926、Gemzer(登録商標)+/−IPI−926、ABRAXANE+Gemzar、及びABRAXANE+Gemzar+IPI−926で処置されたL3.6pl腫瘍保持マウスに関する、経時的な腫瘍増殖での変化を示すグラフである。 本発明の、ビヒクル、IPI−926単独、ABRAXANE単独、及びABRAXANEとIPI−926との併用で処置されたL3.6pl腫瘍保持マウスに関する、経時的な腫瘍増殖での変化を示すグラフである。 本発明の、ビヒクル、IPI−926単独、ABRAXANE+/−IPI−926、Gemzer+/−IPI−926、ABRAXANE+Gemzar、及びABRAXANE+Gemzar+IPI−926で処置されたL3.6pl腫瘍保持マウスの生存を比較するグラフである。 本発明の、ビヒクル、IPI−926単独、ABRAXANE単独、及びABRAXANEとIPI−926との併用で処置されたL3.6pl腫瘍保持マウスの生存を比較するグラフである。 本発明の、ビヒクル処置動物中の腫瘍潅流を示している造影強化超音波画像である。 本発明の、IPI−926処置動物中の腫瘍潅流を示している造影強化超音波画像である。 本発明の、ビヒクル処置動物中の腫瘍潅流を示している造影強化超音波画像の定量化を示す図である。 本発明の、IPI−926処置動物中の腫瘍潅流を示している造影強化超音波画像の定量化を示す図である。 本発明の、対照に対する、L3.6pl膵臓細胞系及びASPC−1膵臓細胞系中の切除されたIPI−926処置腫瘍中のGli−1阻害の量を示すグラフである。 本発明の、頭頚部扁平上皮細胞癌(HNSCC)の直接的患者腫瘍モデル(DPTM)におけるIPI−926及びセツキマブ(ERBITUX(登録商標))の治療用試験を示すグラフである。3継代CUHN004腫瘍が、ヌードマウスに皮下移植され、対照(ビヒクル)、ERBITUX(登録商標)(腹腔内注入投与によって、ERBITUXを40mg/kg/日で、週2回、5週間)、IPI−926(IPI−926を40mg/kg/日で、経口投与、5週間)、及び併用(ERBITUX+IPI−926、)5週間)の群に割付けされた。群当たりN=10であった。処置後5週間で、腫瘍保持動物は、腫瘍再増殖について観察され、更に2か月間観察された。腫瘍体積が指示されたように測定され、ベースラインに標準化されて(処置前1日目)表された。 本発明の、ゲフィチニブ処置後に、非小細胞癌NCI−H1650異種移植片モデル中で、IPI−926が再増殖を遅延させることを示すグラフである。NCI−H1650は、ヌードマウスに皮下移植されて増殖された。腫瘍保持マウスにゲフィニチブ(40mg/kg、経口投与)が7日間投与されて、続いて(fb)IPI−926(40mg/kg、経口投与)が一日おきに投与された。インヴィヴォでのゲフィニチブに対するH1650の感応性(病変退縮)は、IPI−926処置による腫瘍再増殖の65%阻害(p<0.02)に引き続いて生じた。 本発明の、ゲフィチニブ処置後に、非小細胞癌HCC827異種移植片モデル中で、IPI−926が再増殖を遅延させることを示すグラフである。HCC827細胞は、ヌードマウスに皮下移植されて増殖された。ゲフィニチブ(10mg/kg、経口投与)が3日間投与されて、続いて(fb)IPI−926(40mg/kg、経口投与)が一日おきに投与された。ゲフィニチブによる病変退縮後の腫瘍再増殖の70%阻害(p<0.03)が、IPI−926処理によって観察された。 本発明の、ゲフィチニブ処置後に、非小細胞癌NCI−H1650異種移植片モデル中で、腫瘍ヒトヘッジホッグリガンドIHh及びDHhがアップレギュレートされることを示しているグラフである。 本発明の、ゲフィチニブ処置後に、非小細胞癌NCI−H1650異種移植片モデル中で、IPI−926が間質細胞Gli1及びGli2のアップレギュレーションを阻害することを示しているグラフである。ネズミGli1は、ビヒクル処理腫瘍に比べて、治療後にアップレギュレートされ(p<0.05)、並びにIPI−926処理によってダウン調節される(p<0.0001)。ネズミGli2は、ビヒクルと比較される場合、標的処置後にアップレギュレートされ(p<0.01)、並びにIPI−926処置によってダウン調節される(p<0.03)。 本発明の、BXPC3腫瘍保持マウスにおけるIPI−926、Avastin(登録商標)、又はIPI−926及びAvastinの併用の効果を示している線グラフである。
ヘッジホッグ(Hh)経路の悪性活性化は、複数の腫瘍型に関連していて、少なくとも3つのモードを介して特定の癌の増殖を促進し得、これらは、腫瘍細胞間のHhリガンド依存性シグナル伝達、腫瘍細胞とそれらの微小環境との間のHhリガンドシグナル伝達、及びHh受容体であるPatched又はSmoothened中の突然変異によって生じるリガンド非依存性シグナル伝達である。図19は、IPI−926のようなヘッジホッグ阻害剤によって治療され得る癌の概要を提供している。例えば、ヘッジホッグ阻害剤は、腫瘍を直接的に標的にし得る。他の実施形態では、Hh阻害剤は、リガンド依存性癌(例えば、膵臓癌及び/又は神経内分泌癌のような線維形成癌)の腫瘍微小環境を標的にすることができる。このような実施形態では、ヘッジホッグ阻害剤は、線維化を低減し得、これによって、改善された薬剤送達及び/又は生存へと導く。他の実施形態では、ヘッジホッグ阻害剤は、リガンド依存性の残存病変を標的にすることができる。更に他の実施形態では、ヘッジホッグ阻害剤は、リガンド非依存性癌を標的にすることができる。
特定の癌(膵臓癌、卵巣癌、前立腺癌、結腸直腸癌、小細胞肺癌)において、Hhリガンドは、パラクリンの役割を介して作用すると考えられ、この場合、周辺の間質細胞微小環境中でHh経路を活性化するHhリガンドを癌細胞が生成する。他の癌では、Hhリガンドが周辺の間質組織を介することとは対照的に、腫瘍又は癌細胞に直接的にシグナル伝達し得る。Hhリガンドによって直接的に活性化されると考えられる代表的腫瘍又は癌細胞としては、慢性骨髄性白血病(CML)、慢性リンパ球性白血病(CLL)、急性リンパ芽球性白血病(ALL)、多発性骨髄腫、小細胞肺癌、軟骨肉腫及び骨肉腫が挙げられる。癌の他の部類は、それらがHh受容体Patched又はSmoothened中に遺伝子突然変異を含有するために、Hhリガンド非依存性であると考えられる。このような癌の例としては、限定されるものではないが、ゴーリン症候群、基底細胞癌(BCC)及び神経髄芽細胞腫が挙げられる。
IPI−926は、固形腫瘍及び転移性膵臓癌で現在臨床試験中の潜在的かつ選択的Smoothened(Smo)阻害剤である。Smoは、Hhリガンド依存性及びリガンド非依存性癌の双方において、ヘッジホッグ経路の転移性活性化での重要な役割を果たすと考えられている。したがって、IPI−926は、Hhリガンド依存性及びリガンド非依存性癌の双方の転移性活性化を阻害すると考えられている。例えば、IPI−926は、間質内のSmoを阻害することによって、膵臓癌を阻害すると信じられている。腫瘍微小環境内のSmoの阻害は、線維形成性間質を枯渇させて、腫瘍の血管新生を増加させて、並びにそれを化学療法に対してより接触可能にさせると考えられている。このモデルと同様に、IPI−926は、数個の膵臓異種移植片モデルの腫瘍随伴間質細胞中のHhシグナル伝達をブロックするが、その癌細胞中のHhシグナル伝達はブロックせず、異種移植片の低減された増殖をもたらす。このことが、間質組織の枯渇へと導く。Krs、膵臓癌のp53モデルでの研究が、IPI−926が線維形成性間質を減少させて、化学療法が腫瘍細胞に接触することを可能にし、これが低減された腫瘍転移の発現率及び増加した生存期間の中間値へと導くことを立証した。膵臓癌モデルの改善された生存率は、IPI−926がゲムシタビンと併用投与された場合に認められる。
一実施形態では、出願者は、ヘッジホッグ阻害剤の単独又はチロシンキナーゼ阻害剤(この場合は、スニチニブ)との併用投与が、インヴィヴォでの膵臓神経内分泌癌細胞の増殖を低減させることを示した(実施例14〜15)。ソニックヘッジホッグ(SHH)リガンドの発現が、種々の臓器、例えば膵臓、十二指腸、肺、直腸、及び小腸の神経内分泌腫瘍中で検出された(実施例13)。ヘッジホッグ阻害剤の投与が、神経内分泌癌を取り巻く間質中のHh依存性遺伝子の発現を減少させるが、一方神経内分泌腫瘍中のHh依存性遺伝子の顕著な減少が検出されないことが更に発見され、したがって、周囲の間質中のヘッジホッグ分泌腫瘍とヘッジホッグシグナル伝達経路との間の膵臓シグナル伝達機構を裏付けた(実施例14)。他の実施形態では、ヘッジホッグ阻害剤は、腫瘍微小環境中のヘッジホッグ受容体、例えばSmoothened及び/又はPatchedの活性を低減させて、これによって、(i)線維形成性間質を枯渇又は減少させる、(ii)腫瘍の血管新生を増加させる、又は(iii)腫瘍を化学療法により接触可能にさせる、のうちの1つ又はそれより多くを生じさせる。したがって、被験者にヘッジホッグ阻害剤の単独、又はチロシンキナーゼ阻害剤(例えば、受容体チロシンキナーゼ(RTK)阻害剤)と併用して投与することによって、癌(例えば神経内分泌癌)を治療又は予防するための方法及び組成物が開示されている。
他の実施形態では、軟骨肉腫及び骨肉腫細胞系におけるヘッジホッグシグナル伝達の阻害剤を使用する前臨床試験は、筋骨格肉腫治療のための更なる薬剤としてのHh阻害剤の潜在能力に関する証拠を提供した(実施例16)。Hh経路を阻害することが、抗腫瘍及び抗間質活性を有すると考えられ、したがって肉腫侵襲(局所性及び転移性)を制限又は防止するために用いられ得る。先の研究は、mTOR経路の阻害が、軟骨肉腫のような肉腫に向かう強い抗腫瘍活性を有することを立証した(Brown,R.E.(2004年)「Annals of Clinical&Laboratory Science」34:397−399頁、Chan,S.(2004年)「Br J Cancer」91(8):1420−4頁、Geryk−Hall,Mら著(2009年)「Curr Oncol Rep.」11(6):446−53頁などを参照)。したがって、ヘッジホッグ阻害剤の単独またはmTOR阻害剤と併用しての投与は、軟骨肉腫、滑液膜肉腫、脂肪肉腫、及び骨肉腫のような筋骨格肉腫又は軟組織肉腫の増殖及び/又は腫瘍進行を低減させることが期待される。
更に他の実施形態では、パクリタキセル又はパクリタキセル剤と併用したヘッジホッグ阻害剤の投与が、それぞれの薬剤が単独で投与される場合よりもなおいっそう大きな程度まで膵臓癌の増殖及び/又は腫瘍進行を減少させる(実施例17〜19)。この併用は、ゲムシタビン及び/又はVEF阻害剤(例えばベバシズマブ)を追加的に含み得る。理論に束縛されるものではないが、ヘッジホッグ阻害剤の投与は、パクリタキセル又はパクリタキセル剤と併用して使用される場合に、パクリタキセル剤の単独使用と比較して、パクリタキセル又はパクリタキセル剤の送達の増強をもたらすことが信じられている。
他の実施形態では、チロシンキナーゼ阻害剤(例えば、EGFR阻害剤のような受容体チロシンキナーゼ(RTK)阻害剤)と併用してのヘッジホッグ阻害剤の投与が、ヘッジホッグ関連癌又は腫瘍(例えば頭頚部癌及び/又は肺癌(例えば非小細胞肺癌))の増殖及び/又は腫瘍進行を低減させる(実施例22〜25)。一実施形態では、ヘッジホッグ阻害剤は、抗癌剤(例えば、チロシンキナーゼ阻害剤)治療を実施中又は既に実施した被験者の無再発生存率を延ばす。一実施形態では、チロシンキナーゼ阻害剤は、ゲフィチニブ又はセツキシマブである。例えば、チロシンキナーゼ阻害剤による治療が有効でない又は無効である(例えば、チロシンキナーゼ阻害剤による治療後に被験者が再発を有するような)後に、ヘッジホッグ阻害剤は、ヘッジホッグ関連癌の腫瘍再増殖を低減又は阻害する。一実施形態では、被験者は、ゲフィチニブ治療後に再発した肺癌(例えば非小細胞肺癌)を有する患者である。別の実施形態では、被験者は、チロシンキナーゼ阻害剤(例えば、セツキマブのようなEGFRチロシンキナーゼ阻害剤)による治療を実施中又は治療を既に実施後の頭頚部扁平上皮細胞癌(HNSCC)を有する患者である。
したがって、被験者に、ヘッジホッグ阻害剤を単独又は他の抗癌剤(例えば、パクリタキセル又はパクリタキセル剤、チロシンキナーゼ阻害剤(例えば、受容体チロシンキナーゼ(RTK)阻害剤)又はmTOR阻害剤)と併用して投与することによって、ヘッジホッグ関連癌(例えば、神経内分泌癌、肉腫(例えば、軟骨肉腫及び骨肉腫のような筋骨格肉腫)、頭頚部癌、又は肺癌)を治療又は予防するための方法及び組成物が開示されている。
本発明の種々の態様が、以下に更に詳細に記載されている。追加の定義は、明細書全体にわたって提示されている。
ヘッジホッグ阻害剤
適切なヘッジホッグ阻害剤としては、例えば、それらの全体の開示が参照により本明細書に組み込まれた、米国特許第7,230,004号、米国特許出願公開第2008/0293754号、米国特許出願公開第2008/0287420号、及び米国特許出願公開第2008/0293755号に記載及び開示されているヘッジホッグ阻害剤が挙げられる。他の好適なヘッジホッグ阻害剤の例としては、米国特許出願公開第US2002/006931号、同第US2007/0021493号及び同第US2007/0060546号、並びに国際特許出願公開第WO2001/19800号、同第WO2001/26644号、同第WO2001/27135号、同第WO2001/49279号、同第WO2001/74344号、同第WO2003/011219号、同第WO2003/088970号、同第WO2004/020599号、同第WO2005/013800号、同第WO2005/033288号、同第WO2005/032343号、同第WO2005/042700号、同第WO2006/028958号、同第WO2006/050351号、同第WO2006/078283号、同第WO2007/054623号、同第WO2007/059157号、同第WO2007/120827号、同第WO2007/131201号、同第WO2008/070357号、同第WO2008/110611号、同第WO2008/112913号、及び同第WO2008/131354号に記載されているヘッジホッグ阻害剤が挙げられる。
Hh阻害剤の追加例は、Yauch,R.Lら著(2009年)「Science326」:572−574頁 Sciencexpress:1−3(10.1126/science.1179386)、Rudin,C.ら著(2009年)「New England J of Medicine」361−366頁(10.1056/nejima0902903)に記載されている。
例えば、ヘッジホッグ阻害剤は、以下の構造を有する化合物又はその薬剤的に許容し得る塩であり得、
式中、RはH、アルキル、−OR、アミノ、スルホンアミド、スルファミド、−OC(O)R、−N(R)C(O)R、又は糖であり;
はH、アルキル、アルケニル、アルキニル、アリール、シクロアリール、ニトリル、又はヘテロシクロアルキルであり;
若しくはRとRは一緒に=O、=S、=N(OR)、=N(R)、=N(NR)、又は=C(R)を形成し;
R3はH、アルキル、アルケニル、又はアルキニルであり;
R4はH、アルキル、アルケニル、アルキニル、アリール、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アラルキル、ヘテロアリール、ヘテロアラルキル、ハロアルキル、−OR、−C(O)R、−CO、−SO、−C(O)N(R)(R)、−[C(R)−R、−[(W)−N(R)C(O)]、−[(W)−C(O)]、−[(W)−C(O)O]、−[(W)−OC(O)]、−[(W)−SO、−[(W)−N(R)SO、−[(W)−C(O)N(R)]、−[(W)−O]、−[(W)−N(R)]、−W−NR 又は−[(W)−S]R5であり;
それぞれのWは独立に、ジラジカルであり;
それぞれのqは独立に1、2、3、4、5、又は6であり;
Xはハライドであり;
それぞれのRは独立に、H、アルキル、アルケニル、アルキニル、アリール、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アラルキル、ヘテロアリール、ヘテロアラルキル又は−[C(R)−Rであり;
若しくは同一の置換基上の任意の2つのRは、一緒に、N、O、S、及びPから選択された0〜3のヘテロ原子を含有する4〜8員の必要に応じて置換された環を形成し;
pは0〜6であり;
それぞれのRは、独立に、ヒドロキシル、−N(R)COR、−N(R)C(O)OR、−N(R)SO(R)、−C(O)N(R)、−OC(O)N(R)(R)、−SON(R)(R)、−N(R)(R)、−COOR、−C(O)N(OH)(R)、−OS(O)OR、−S(O)OR、−OP(O)(OR)(OR)、−NP(O)(OR)(OR)、又は−P(O)(OR)(OR)であり;
、RがHであり、かつRがヒドロキシルであるとき、Rはヒドロキシルであり得なく;
、R、及びRがHのとき、Rはヒドロキシルであり得なく;並びに、
、R、及びRがHのとき、Rは糖であり得ない。
化合物の例としては、
、並びにそれらの薬剤的に許容し得る塩である。
本発明の方法のために好適なヘッジホッグ阻害剤の一例は、式Iの化合物:
又はその薬剤的に許容し得る塩である。薬剤的に許容し得る塩の例は、式Iの化合物(本明細書では「化合物42」又は「IPI−926」と呼ばれる)塩酸塩である。
IPI−926は、Hhリガンド依存性癌及びHhリガンド非依存性癌の双方で、ヘッジホッグ経路の悪性活性化を阻害すると考えられている。IPI−926は、C3H10細胞中で7〜15nMのEC50を示し、並びに1〜2nMのIC50でSmo結合を阻害する。IPI−926は、一日一回又は連続的に経口投与され得、単回投与後に20〜40時間の活性半減期を有する。
本発明で有用なヘッジホッグ阻害剤は、アミノ又はアルキルアミノのような塩基性官能基を含有し、したがって、薬剤的に許容し得る酸と薬剤的に許容し得る塩を形成することが可能である。この点における用語「薬剤的に許容し得る塩」とは、本発明の化合物の相対的に非毒性の、無機及び有機酸添加塩を指す。これら塩は、投与用ビヒクル又は投与剤形製造工程において、或いは遊離塩基形の化合物を適切な有機又は無機酸で別個に処理することによって、インサイチュで調製され得、続く精製中で、このように形成された塩を単離する。代表的な塩としては、臭素酸塩、塩酸塩、硫酸塩、重硫酸塩、リン酸塩、硝酸塩、酢酸塩、吉草酸塩、オレイン酸塩、パルミチン酸塩、ステアリン酸塩、ラウリン酸塩、安息香酸塩、乳酸塩、トシル酸塩、クエン酸塩、マレイン酸塩、フマル酸塩、コハク酸塩、酒石酸塩、ナプチル酸塩、メシル酸塩、ベシル酸塩、グルコヘプトン酸塩、ラクトビオン酸塩、及びラウリル硫酸塩などが挙げられる(例えば、Bergeら著(1977年)「Pharmaceutical Salts」、J.Pharm.Sci.66:1〜19頁を参照)。
本発明の薬剤的に許容し得る塩は、例えば非毒性有機又は無機酸からの、化合物の通常の非毒性塩又は四級アンモニウム塩を含む。例えば、このような通常の非毒性塩は、塩酸、臭化水素酸、硫酸、スルファミン酸、リン酸、硝酸などの無機酸から誘導された塩を含み、並びに酢酸、プロピオン酸、コハク酸、グリコール酸、ステアリン酸、乳酸、リンゴ酸、酒石酸、クエン酸、アスコルビン酸、パルミチン酸、マレイン酸、ヒドロキシマレイン酸、フェニル酢酸、グルタミン酸、安息香酸、サリチル酸、スルファニル酸、2−アセトキシ安息香酸、フマル酸、トルエンスルホン酸、メタンスルホン酸、ベンゼンスルホン酸、エタンジスルホン酸、シュウ酸、イソチオン酸などの有機酸から調製された塩を含む。
その他の場合では、本発明の化合物は、1つ又はそれより多くの酸性官能基を含有し得、したがって、薬剤的に許容し得る塩基と薬剤的に許容し得る塩を形成することが可能である。これらの例における用語「薬剤的に許容し得る塩」とは、本発明の化合物の相対的に非毒性の、無機及び有機塩基添加塩を指す。これら塩は、投与用ビヒクル又は投与剤形製造工程において、或いは遊離酸形の化合物を適切な塩基、例えば薬剤的に許容し得る金属陽イオンの水酸化物、炭酸塩又は重炭酸塩、アンモニアで、或いは薬剤的に許容し得る第一級、第二級又は第三級アミンで別個に処理することによって、インサイチュで同様に調製され得る。代表的アルカリ又はアルカリ土類金属塩としては、リチウム塩、ナトリウム塩、カリウム塩、カルシウム塩、マグネシウム塩、及びアルミニウム塩などが挙げられる。塩基添加塩の形成のために有用である代表的な有機アミンとしては、エチルアミン、ジエチルアミン、エチレンジアミン、エタノールアミン、ジエタノールアミン、ピペラジンなどが挙げられる(例えば、Bergeら著、「supra」を参照)。
医薬組成物
本発明の方法を実行するために、ヘッジホッグ阻害剤及び/又は化学療法剤は、1つ又はそれより多くの薬剤的に許容し得る賦形剤と一緒に調合された、治療上有効な量の1つ又はそれより多くのヘッジホッグ阻害剤及び/又は1つ又はそれより多くの化学療法剤を含む、薬剤的に許容し得る組成物の形で供給され得る。いくつかの例では、ヘッジホッグ阻害剤と化学療法剤は、別個の医薬組成物中で投与され、並びに(例えば、異なる物理的及び/又は化学的特性のために)異なる経路(例えば、1つの治療薬は経口投与され、一方他の治療薬は経静脈投与される)によって投与され得る。他の例では、ヘッジホッグ阻害剤と化学療法剤は、別個ではあるが、同一の経路(双方ともに経口又は経静脈)を介して投与され得る。更に他の例では、ヘッジホッグ阻害剤と化学療法剤は、同一の医薬組成物中で投与され得る。
医薬組成物は、固形又は液体形で投与されるために特別に製剤化され得、以下のように適合された医薬組成品が挙げられ、それらは例えば、灌注(水性又は非水性溶液又は懸濁液)、錠剤(例えば頬側、舌下、及び全身吸収を標的にした錠剤)、カプセル、丸薬、粉末剤、顆粒剤、舌に適用するためのペーストなどのような経口投与用;例えば、無菌溶液又は懸濁液、若しくは持続放出性製剤のための皮下注射、筋肉内注射、静脈内注射又は硬膜外注射による非経口投与用;例えば、クリーム、軟膏、又は制御放出パッチ又は皮膚に適用されるスプレーなどのような局所適用用;例えば坐剤又は泡沫剤のような膣内又は直腸内投与用;舌下投与用;点眼用;経皮投与用;肺投与用;又は経鼻投与用である。
医薬組成物中で採用され得る好適な水性又は非水性担体としては、水、エタノール、ポリオール(例えば、グリセロール、プロピレングリコール、ポリエチレングリコールなど)、及びそれらの好適な混合物、オリーブ油のような植物油、並びにオレイン酸エチルのような注入可能な有機エステルが挙げられる。例えば、レシチンのようなコーティング材料を使用することによって、分散液の場合は必要とされる粒子サイズの維持によって、並びに界面活性剤の使用によって、適切な流動性が維持され得る。
これら組成物はまた、防腐剤、湿潤剤、乳化剤、分散剤、滑沢剤、及び/又は酸化防止剤のような補助剤を含有し得る。本発明の化合物への微生物の作用の防止は、種々の抗細菌剤及び抗カビ剤、例えばパラベン、クロロブタノール、ソルビン酸フェノールなどを封入によって確実にすることができる。糖、塩化ナトリウムなどのような等張剤を組成物中に含有させることも更に望ましい。更には、注入可能な薬剤形態の延長された吸収は、モノステアリン酸アルミニウムとゼラチンのような吸収を遅延させる薬剤の封入によってもたらし得る。
これら製剤又は組成物の調製の方法は、ヘッジホッグ阻害剤及び/又は化学療法剤を担体と、必要に応じて1つ又はそれよりも多くの補助成分と混合する工程を含む。一般的に、製剤は、本発明の化合物を液体担体と均一かつ完全に混合することによって、又は固体担体に微粉砕されることによって、若しくはその双方によって調製され、次いで、必要に応じて製剤が成形される。
本発明のヘッジホッグ阻害剤と化学療法剤は、それ自体で、又は、薬剤的に許容し得る担体と組み合わされた、例えば活性成分の約0.1〜99%、又は約10〜50%、又は約10〜40%、又は約10〜30%、又は約10〜20%、又は約10〜15%を含有する医薬組成物として与えられ得る。本発明の医薬組成物中の活性成分の実際の投与量レベルは、患者に対して毒性がない状態で、患者、組成物、及び投与のモードに対する所望の治療応答を達成するために有効である活性成分の量を獲得するために、変動され得る。
選択された投与量レベルは、例えば、採用される特定の化合物の活性、投与の経路、投与の時間、採用される化合物の排泄又は代謝の速度、吸収の速度及び範囲、治療期間、採用される特定の化合物と併用して使用される他の薬剤、化合物及び/又は材料物質、治療される患者の年齢、性、体重、病状、全身状態及び既往歴、及び医薬分野で周知である同様な因子などを含む種々の因子に依存するであろう。
一般的に、ヘッジホッグ阻害剤及び/又は化学療法剤の適切な日々の投与量は、治療的効果を生み出すために有効な最低投与量である化合物の量であるだろう。このような有効投与量は、一般的に上記の因子に依存するであろう。一般的には、所定の効果のために使用される場合、本発明の化合物の被験者に対する経口、経静脈及び皮下投与量は、一日当たり約0.0001mg〜約100mg、又は一日当たり約0.001mg〜約100mg、又は一日当たり約0.01mg〜100mg、又は一日当たり約0.1mg〜約100mg、又は約0.0001mg〜約500mg、又は一日当たり約0.001mg〜約500mg、又は一日当たり約0.01mg〜約500mg、又は一日当たり約0.1mg〜500mgの範囲であろう。
本治療を受ける対象は、治療を必要としている動物であり、霊長類、特にヒト、ウマ、ウシ、ブタ、ヒツジ、家禽類、イヌ、ネコ、マウス及びラットが挙げられる。
化合物は、毎日、隔日、1週間に3回、1週間に2回、毎週、又は毎2週で投与され得る。投与計画は、「薬剤休日」すなわち、薬剤を2週間投与後1週間休み、又は3週間投与後1週間休み、又は4週間投与後1週間休みなど、を含むことが可能で、若しくは薬剤休日がなく連続的に投与され得る。化合物は、経口、静脈内、腹腔内、局所的、経皮、経筋肉、皮下、経鼻、舌下、又は任意の他の経路によって投与され得る。
ヘッジホッグ阻害剤は、他の療法(例えば追加の化学療法、放射線療法又は外科的療法など)と併用して投与されるために、それぞれの薬剤又は療法の投与量は、単一薬剤治療のための相当する投与量よりは低くなり得る。単一薬剤治療のための投与量は、例えば、毎日、体重1kg当たり約0.0001〜約200mg、又は約0.001〜約100mg、又は約0.01〜約100mg、又は約0.1〜約100mg、又は約1〜約50mgの範囲であり得る。投与のモードの決定および好適な投与量は、臨床医の知識の十分な範囲内である。
治療方法
一態様では、本発明は、ヘッジホッグ阻害剤を単独で又は第2の治療用薬剤、例えば抗癌剤(例えば、受容体チロシンキナーゼ阻害剤、パクリタキセル又はパクリタキセル剤、mTOR阻害剤、及び/又はIGF−1R拮抗剤)と併用して投与することによって癌を治療する方法に関する。
本明細書で使用するとき、並びに別に特記されない限り、用語「治療する、treat」、「治療すること、treating」及び「治療、treatment」とは、患者が癌を発症すると同時に発生する、癌の重篤度を低減させるか、或いは癌の進行を遅延又は遅らせる行為を意図しているものである。
本明細書で使用するとき、別に特記されない限り、用語「予防する、prevent」、「予防すること、preventing」及び「予防、prevention」とは、患者が癌の再増殖を発症する前に発生する行為であり、及び/又は癌の重篤度を低減させるために発生する行為を意図しているものである。
本明細書で使用するとき、並びに別に特記されない限り、用語「管理する、manage」、「管理すること。managing」及び「管理、management」とは、すでに癌を発症した患者における癌の再発の予防、及び/又は癌を発症した患者が寛解を維持する時間を延長させることを包含している。この用語は、癌の閾値、進行及び/又は期間を調節すること、或いは患者が癌に反応する方法を変えることを包含する。
本明細書で使用するとき、並びに別に特記されない限り、化合物の「治療的有効量」とは、癌の治療又は管理において治療的有益性を提供するために十分な量、又は癌に関連する1つ又はそれより多くの症状を遅延又は最小限にとどめるために十分な量である。化合物の治療的有効量は、癌の治療又は管理において治療的有益性を提供するような、治療用薬剤の単独の量又は他の治療用薬剤と併用された量を意味する。用語「治療的有効量」は、治療の全体にわたって改善し、症状又は癌の原因を低減又は回避し、若しくは別の治療用薬剤の効果を増強させる量を包含し得る。
本明細書で使用するとき、並びに別に特記されない限り、化合物の「予防的有効量」とは、癌の再増殖、又は癌に関連する1つ又はそれより多くの症状を防止するために十分な量、或いはその再発を防止するために十分な量である。化合物の予防的有効量は、癌の予防において予防的有益性を提供する、単独での又は他の治療用薬剤と併用された化合物の量を意味する。用語「予防的有効量」は、予防の全体にわたって改善し、又は別の予防用薬剤の効果を増強させる量を包含し得る。
本明細書で使用するとき、「癌」及び「腫瘍」は同義語である。
本明細書で使用するとき、「癌療法、cancer therapy」及び「癌治療、cancer treatment」は同義語である。
本明細書で使用するとき、「化学療法、chemotherapy」及び「化学療法剤、chemotherapeutic」並びに「化学療法剤、chemotherapeutic agent」は同義語である。
本明細書で使用するとき、「患者」又は「被験者」は、動物を指し、治療、観察、及び/又は実験の対象とされる、或いは対象とされた動物を指し、一般的にはヒト(すなわち、任意の年齢、例えば小児患者(例えば幼児、小児、青少年)又は成人患者(若年成人、中年成人又は高齢成人)の群の男性又は女性)、又は他の哺乳類、例えば霊長類(カニクイザル、アカゲザルなど)、ウシ、ブタ、ウマ、ヒツジ、ヤギ、ネコ、及び/又はイヌなどの市販されている哺乳類、及び/又はニワトリ、アヒル、ガチョウ及び/又は七面鳥などの市販されている鳥類を含む鳥類である。用語が、化合物または薬剤の投与と同時に使用される場合、前記患者は、治療、観察、および/または前記化合物または薬剤の投与における、対象となっている。
ヘッジホッグ阻害剤は、癌のための第一選択療法であり、すなわち、癌を治療することを意図した別の薬剤が先に投与されていない被験者で使用されるものである。
他の実施形態では、ヘッジホッグ阻害剤は、癌のための第二選択療法であり、すなわち、癌を治療することを意図した別の薬剤で先に治療された患者で使用されるものである。
他の実施形態では、ヘッジホッグ阻害剤は、癌のための第三又は第四選択療法であり、すなわち、癌を治療することを意図した、2つ又は3つの別の薬剤で先に治療された患者で使用されるものである。
いくつかの実施形態では、ヘッジホッグ阻害剤は、癌の外科的切除/除去に続いて、被験者に投与される。
いくつかの実施形態では、ヘッジホッグ阻害剤は、癌の放射線療法前、療法中、又は療法後に被験者に投与される。
他の実施形態では、ヘッジホッグ阻害剤は、術前補助療法として、すなわち、別の治療に先立って投与される。
他の実施形態では、ヘッジホッグ阻害剤は、補助療法として、すなわち、一次治療に追加しての治療として投与される。
特定の実施形態では、方法は、第1の治療用薬剤と第2の治療用薬剤の投与を含み、この中で、第2の治療用薬剤はヘッジホッグ阻害剤である。2つの薬剤は、同時に(すなわち、実質的に同じ時間に、又は同じ治療内において)投与され得、若しくは順次に(すなわち、一方が他方の直後に、或いは2つの薬剤の投与の間に間隔をあけて)投与され得る。いくつかの実施形態では、ヘッジホッグ阻害剤は、順次に(すなわち第1の薬剤の投与後に)投与される。第1の治療用薬剤は、順次又は併用して投与される1つの化学療法剤、又は複数個の化学療法剤であり得る。
別の態様では、本発明は、第1の治療用薬剤を被験者に投与し、次いで第2の治療用薬剤と併用して第1の治療用薬剤を投与する工程を含む方法に関し、この中で、第2の治療用薬剤はヘッジホッグ阻害剤である。
別の態様では、本発明は、第1の治療用薬剤及び第2の治療用薬剤を投与することによって、ヘッジホッグ経路によって媒介された病状を治療するための方法に関し、この中で第2の治療用薬剤はヘッジホッグ阻害剤である。2つの薬剤は、同時に(すなわち、実質的に同じ時間に、又は同じ治療内において)投与され得、若しくは順次に(すなわち、一方が他方の直後に、或いは2つの薬剤の投与の間に間隔をあけて)投与され得る。いくつかの実施形態では、ヘッジホッグ阻害剤は、順次に(すなわち第1の薬剤の投与後に)投与される。第1の治療用薬剤は、化学療法剤があり得る。
別の態様では、本発明は、第1の治療薬剤を被験者に投与し、次いで第2の治療用薬剤と併用して第1の治療用薬剤を投与することを含む、ヘッジホッグ経路によって媒介された病状を治療する方法に関し、この中で、第2の治療用薬剤はヘッジホッグ阻害剤である。
本発明はまた、患者にヘッジホッグ阻害剤の治療的有効量を投与することによって、癌治療を実施中又は癌治療を既に実施した(例えば化学療法(抗体などの小分子及びバイオ療法剤を含む)による治療、放射線療法、手術、RNAi療法及び/又はアンチセンス療法)癌患者における無再発生存率を延長させる方法に関する。「無再発生存率」とは、当業者に理解されているように、その期間で臨床的に定義された癌の再発がないような癌治療の特定ポイント後の時間の長さである。いくつかの実施形態では、ヘッジホッグ阻害剤は、癌療法と同時に投与される。同時投与の例では、ヘッジホッグ阻害剤は、癌療法が終了後に、投与が継続され得る。他の実施形態では、ヘッジホッグ阻害剤は、癌療法が終了した後に投与される(すなわち、癌療法と重複する期間はない)。ヘッジホッグ阻害剤は、癌療法が終了した直後投与され得るか、又は癌療法の終了とヘッジホッグ阻害剤の投与との間の時間的間隔(例えば約1日、1週間、1か月、6か月、又は1年に及ぶ)が存在し得ない。ヘッジホッグ阻害剤による治療は、無再発生存率が維持される限りにおいて、継続し得る(例えば、約1日、1週間、1か月、6か月、1年、2年、3年、4年、5年、又はそれよりも長期にわたって)。
一態様では、本発明は、癌療法が終了した後に、患者にヘッジホッグ阻害剤の治療的有効量を投与することによって、癌治療を先に実施した(例えば化学療法(抗体などの小分子及びバイオ療法剤を含む)による治療、放射線療法、手術、RNAi療法及び/又はアンチセンス療法)癌患者における無再発生存率を延長させる方法に関する。ヘッジホッグ阻害剤は、癌療法が終了した直後に投与され得るか、又は癌療法の終了とヘッジホッグ阻害剤の投与との間の時間的間隔(例えば約1日、1週間、1か月、6か月、又は1年に及ぶ)が存在し得ない。
双方共に参照によって本明細書に組み込まれた、PCT公開第WO2008083252号及び同第WO2008083248号に記載された、例えばIPI−926のようなヘッジホッグ阻害剤が、膵臓癌、神経髄芽細胞腫、肺癌、多発性骨髄腫、急性リンパ球性白血病、骨髄異形成症候群、非ホジキン型リンパ腫、ホジキン病及びリンパ球性白血病を持つ患者に由来するヒト細胞系のインヴィトロ増殖を阻害することが示されている。
IPI−926のようなヘッジホッグ阻害剤はまた、多くの前臨床的インヴィヴォモデルにおける腫瘍増殖阻害を示していて、例えばこれらモデルは神経髄芽細胞腫(Pinkら著、「American Association for Cancer Research」,1588、2008年、Villavicenciaら著、「American Association for Canser Research」,2009年)、小細胞肺癌(Travaglioneら著,「American Association for Cancer Research」、4611,2008年;Peacock et al.,American Association for Cancer Research,2009年)、及び卵巣癌(Growdonら著、「Society of Gynecologic Oncologists Annual Meeting on Women‘s Cancer」,2009年)である。
更には、IPI−926のようなヘッジホッグ阻害剤は、ヒト膵臓癌のモデルにおける単回投与後に、ヘッジホッグシグナル伝達の下流仲介媒体である間質細胞中の、急速かつ持続されたヘッジホッグ経路阻害を立証した(Traviglioneら著,「EORTC−NCI−AACR Symposiumu on“Molecular Targets and Cancer Therapeutics”」2008年)。
ヘッジホッグ経路の阻害は、種々の癌の増殖を低減又は阻害することが示されていて、これら癌は、急性リンパ球性白血病(ALL)(Jiら著,「Journal of Biological Chemistry(2007年)282:37370−37377頁」、基底細胞癌(Xieら著、「Nature」(1998年)391:90−92頁、Williamsら著,「PNAS」(2003年)100:4616−4621頁、BaleとYu著(2001年)「Human Molecular Genetics(2001年)10:757−762頁」、胆管癌(Bermanら著,「Nature」(2003年)425:846−851頁、WO第2005/013800号)、脳腫瘍及び神経膠腫(Clementら著,「Current Biology」(2007年)17:1−8頁、Ehteshamら著,「Ongogene」(2007年)1−10頁)、膀胱癌、乳癌(Kuboら著,「Cancer Research」(2004年)64:6071−6074頁、Lewisら著,「J.Mammary Gland Biology and Neoplasia」(2004年)2:165−181頁)、軟骨肉腫(Wunderら著,「Lancet Oncology(2007年)513−524頁」、慢性リンパ球性白血病(CLL)(Hedgeら著「Mol.Cancer Res.」(2008年)6:1928−1936頁)、慢性骨髄性白血病(CML)(Dierksら著,「Cancer Cell」(2008年)14:238−249頁)、結腸癌(YangとHinds著、「BMC Developmental Biology」(2007年)7:6頁)、食道癌(Bermanら著,「Nature」(2003年)425:846−851頁、WO第2005/013800号)、胃癌(Bermanら著,「Nature」(2003年)425:846−851頁、Maら著、「Carcinogenesis」(2005年)26:1698−1705頁、WO第2005/013800号、Shiotaniら著,「J.Gastroenterol.Hepatol」(2008年)S161−S166、Ohtaら著、「Cancer Research」(2005年)65:10822−10829頁、Maら著、「WorldJ.Gastroenterol」(2006年)12:396−3969頁)、胃腸間質性腫瘍(GIST)(Yoshizakiら著,「WorldJ.Gastroenterol」(2006年)12:5687−5691頁)、肝細胞癌(Sicklickら著,「Carcinogenesis」(2006年)27:748−757、Patilら著,「Cancer Biology & Therapy」(2006年)5:111−117頁)、腎臓癌(Cutcliffeら著,「Human Cancer Biology」(2005年)11:7986−7994頁)、肺癌(Watkinsら著,「Nature」(2003年)422:313−317頁)、神経髄芽細胞腫(Bermanら著,「Science(2002年)297:1559−1561頁、Pietschら著,「Cancer Research」(1997年)57:2085−2088頁」、黒色腫(Steccaら著,「PNAS」(2007年)104:5895−5900頁、Gengら著,「Angiogenesis」(2007年)10:259−267頁)、多発性黒色腫(Peacockら著,「PNAS USA」(2007年)104:4048−4053頁、Dierksら著,「Nature Medicine」(2007年)13:944−951頁)、神経外胚葉腫瘍(Reifenbergerら著,「Cancer Research」(1998年)58:1798−1803頁)、非ホジキン型リンパ腫(NHL)(Dierksら著,「Nature Medicine」(2007年)13:944−951頁、Lindemann著,「Cancer Research(2008年)68:961−964頁」、骨肉腫(Warzechaら著,「J.Chemother.」(2007年)19:554−561頁)、卵巣癌(Stegら著,「J.Molecular Diagnostics」(2006年)8:76−83頁)、膵臓癌(Thayerら著,「Nature」(2003年)425:851−856頁、Bermanら著,「Nature」(2003年)425:846−851頁、WO第2005/013800号)、前立腺癌(Karhadkarら著,「Nature」(2004年)431:707−712頁、Shengら著,「Molecular Cancer」(2004年)3:29−42頁、Fanら著,「Endocrinology」(2004年)145:3961−3970頁)、及び精巣癌(Dormeyerら著,「J.Proteome Res.」(2008年)7:2936−2951頁)である。
治療され得る病状の例としては、肺癌(例えば小細胞肺癌又は非小細胞肺癌)、膵臓癌、膀胱癌、卵巣癌、乳癌、結腸癌、多発性黒色腫、急性骨髄性白血病(AML)、慢性骨髄性白血病(CML)、神経外胚葉癌、及び肉腫(例えば軟骨肉腫及び骨肉腫のような筋骨格肉腫)が挙げられる。
本明細書で記載された方法を使用して治療され得る増殖性疾患及び癌のより包括的リストとしては、例えば肺癌(小細胞肺癌又は非小細胞肺癌を含む)、肺系の他の癌、神経髄芽細胞腫及び他の脳腫瘍、膵臓癌、基底細胞癌、乳癌、前立腺癌及び他の尿生殖器癌、胃腸間質性癌(GIST)及び胃腸管の他の癌、結腸癌、結腸直腸癌、卵巣癌、造血器系の癌(多発性骨髄腫、急性リンパ球性白血病、急性骨髄性白血病、慢性骨髄性白血病、慢性リンパ球性白血病、ホジキンリンパ腫、非ホジキンリンパ腫、及び骨髄異形成症候群を含む)、1次性赤血球増加症、ワルデンストローム・マクログロブリン血症、H鎖病、線維肉腫のような軟組織肉腫、粘液肉腫、脂肪肉腫、軟骨肉腫、骨肉腫、脊索腫、血管肉腫、内皮肉腫、リンパ管肉腫、リンパ管内皮肉腫、滑膜腫、中皮腫、Ewing腫瘍、平滑筋肉腫、横紋筋肉腫、扁平上皮癌、基底細胞癌、黒色腫、及び他の皮膚癌、腺癌、汗腺癌、脂腺癌、乳頭癌、乳頭腺癌、乳頭状嚢胞腺癌、髄質癌、気管支癌、腎細胞癌、肝細胞癌、胆管癌、絨毛膜癌腫、胎児性癌、腎芽細胞腫、子宮頚癌、子宮癌、精巣癌、膀胱癌、及び他の尿生殖器癌、上皮癌、神経膠腫、神経膠星状細胞腫、神経髄芽細胞腫、頭蓋咽頭管腫瘍、脳室上衣腫、松果体腫、血管芽細胞腫、聴神経腫、希突起神経膠腫、脳膜腫、神経芽細胞腫、網膜細胞腫、子宮体癌、濾胞性リンパ腫、びまん性大細胞型B細胞性リンパ腫、暗殻細胞リンパ腫、肝細胞癌、甲状腺癌、胃癌、食道癌、頭頚部癌、小細胞癌、本能性血小板血症、原因不明骨髄様化生、過好酸性症候群、全身性肥満細胞症、家族性過好酸球増加症、慢性好酸球性白血病、神経内分泌癌、及びカルチノイド腫瘍が挙げられる。
特定の実施形態では、癌は、膀胱癌、脳腫瘍、乳癌、結腸直腸癌、食道癌、子宮体癌、胃癌、頭頚部癌、腎臓癌、肝臓癌、肺癌、リンパ腫、白血病、神経髄芽細胞腫、黒色腫、多発性黒色腫、神経内分泌癌、骨肉腫、卵巣癌、膵臓癌及び前立腺癌から選択される。
特定の実施形態では、癌は肺癌である。特定の実施形態では、肺癌は、小細胞肺癌(SCLC)である。特定の実施形態では、肺癌は非小細胞癌(NSCLC)である。
特定の実施形態では、癌は結腸直腸癌である。
特定の実施形態では、癌は神経内分泌癌である。
神経内分泌癌(胃腸膵管系腫瘍又は胃腸膵管系神経内分泌癌としても知られている)は、内分泌(ホルモン)系と神経系との間の境界にての細胞に由来する癌である。大部分の神経内分泌癌は、2種類、つまり癌様体と膵臓内分泌腫瘍(内分泌膵臓腫瘍又は島細胞腫瘍としても知られている)に分類される。2種類の主な分類に加えて、神経内分泌癌の他の型が存在し、これらは胃腸膵管系よりはむしろ呼吸器系から発生する神経内分泌肺腫瘍が挙げられる。神経内分泌癌は、副腎髄質、下垂体、及び副甲状腺などの内分泌腺、並びに甲状腺又は膵臓の内分泌島、更に呼吸管及び胃腸管内の分散された内分泌細胞に由来する。合衆国内の神経内分泌癌の全発生率は、毎年約9,000件の新規症例である。
例えば、治療される癌は、膵臓、肺、盲腸、十二指腸、回腸、直腸又は小腸の神経内分泌癌などのうちの1つ又はそれより多くが選択される神経内分泌癌であり得る。他の実施形態では、神経内分泌癌は、膵臓内分泌腫瘍、神経内分泌肺腫瘍、若しくは副腎髄質、下垂体、副甲状腺、甲状腺内分泌島、膵臓内分泌島、又は呼吸管又は胃腸管内に分散された内分泌細胞からの神経内分泌癌のうちの1つ又はそれより多くから選択される。
膵臓内分泌腫瘍は、被験者において種々の症状を引き起こし得る生物学的に活性なペプチド(例えばホルモン)を分泌し得る。このような腫瘍は機能的又は分泌的腫瘍と呼ばれる。機能的腫瘍は、もっとも強力に分泌されるホルモンによって分類され得る。機能的膵臓内分泌腫瘍の例としては、ガストリン産生腫瘍(過剰のガストリンを産生し、Zollinger−Ellison症候群を発症させる)、インシュリン産生腫瘍(過剰のインシュリンを産生する)、グルカゴン産生腫瘍(過剰のグルカゴンを産生する)、血管作動性ペプチド産生腫瘍(VIP産生腫瘍、過剰の血管作動性ペプチドを産生する)PP産生腫瘍(過剰の膵臓ポリペプチドを産生する)、ソマトスタチン産生腫瘍(過剰のソマトスタチンを産生する)、水様下痢低カリウム血症無胃酸症(WDHA)、CRH産生腫瘍(過剰のコルチコトロピン放出ホルモンを産生する)、GHRH産生腫瘍(過剰の成長ホルモン放出因子を産生する)、ニューロテンシノーマ(過剰のニューロテンシンを産生する)、ACTH産生腫瘍(過剰の副腎皮質刺激ホルモンを産生する)、GRF産生腫瘍(過剰の成長ホルモン放出因子を産生する)、及び副甲状腺ホルモン関連ペプチド腫瘍が挙げられる。いくつかの例では、膵臓内分泌腫瘍は、下垂体腺又は膵臓島細胞中で頻繁に発生する多発性内分泌腺腫症1型(MEN1)を有する被験者において発生し得る。ペプチド(例えばホルモン)を分泌しない膵臓内分泌腫瘍は、非機能的(又は非分泌性又は非機能性)腫瘍と呼ばれる。一実施形態では、治療される癌は、膵管腺癌である。
他の実施形態では、治療される癌は、癌様性神経内分泌癌のような癌様性腫瘍である。癌様性腫瘍は、膵臓内分泌腫瘍よりもゆっくりと増殖する傾向がある。癌様性腫瘍は、セロトニン、すなわちカルチノイド症候群と呼ばれる特異的セットの症状を引き起こす生体分子のような生物学的に活性な分子を産生し得る。生物学的に活性な分子を産生する癌様腫瘍は、機能的癌様腫瘍としばしば称され、一方このような分子を産生しない癌様腫瘍は非機能的癌様腫瘍と称される。いくつかの実施形態では、神経内分泌癌は機能的癌様腫瘍(例えばセロトニンのような生物学的に活性な分子を産生できる癌様腫瘍)である。他の実施形態では、神経内分泌癌は非機能的癌様腫瘍である。特定の実施形態では、癌様腫瘍は、胸腺、胃、小腸(十二指腸、空腸、回腸)、大腸(盲腸、結腸)、直腸、膵臓、虫垂、卵巣及び精巣癌様腫瘍からの腫瘍である。
癌様腫瘍は、肺、胸腺、胃、小腸(十二指腸、空腸、回腸)、大腸(盲腸、結腸)、直腸、膵臓、虫垂、卵巣及び精巣などの発生点に依存して、更に分離され得る。
いくつかの実施形態では、神経内分泌癌は癌様性腫瘍である。他の実施形態では、神経内分泌癌は、膵臓内分泌腫瘍である。更に他の実施形態では、神経内分泌癌は、神経内分泌肺腫瘍である。特定の実施形態では、神経内分泌癌は、副腎髄質、下垂体、副甲状腺、甲状腺内分泌島、膵臓内分泌島、又は呼吸管又は胃腸管内に分散された内分泌細胞に由来する。
治療され得る神経内分泌癌の更なる例としては、限定されるものではないが、甲状腺の髄質癌、メルケル細胞癌(索状癌)、小細胞肺癌(SCLC)、大細胞神経内分泌癌(肺の)、肺外小細胞癌(ESCC又はEPSCC)、子宮頚部の神経内分泌癌、多発性内分泌腺腫症1型(MEN−1又はMEN1)、多発性内分泌腺腫症2型(MEN−2又はMEN2)、神経線維腫症1型、結節硬化症、フォンヒッペル‐リンダウ(VHL)病、神経細胞腫、クロム親和性細胞腫(phaeochromocytoma)傍神経節腫、下垂体前葉の神経内分泌癌、及び/又はカーニー複合などが挙げられる。
他の実施形態では、治療される癌又は腫瘍は、筋骨格肉腫(例えば骨及び軟骨肉腫)のような肉腫である。代表的な筋骨格肉腫としては、限定されるものではないが、骨肉腫(例えば通常の骨原性肉腫)、軟骨肉腫(例えば、通常の軟骨肉腫)、Ewing肉腫、退行分化型軟骨肉腫、傍骨性骨原性肉腫、骨膜性骨原性肉腫、間葉性軟骨肉腫、骨の巨細胞腫、アダマンチノーマ、脊索腫、及び悪性線維症組織球種(MFH、[これは高悪性度分化型多形性肉腫又はHGUPSとも称する])線維肉腫、平滑筋肉腫、加えて血管肉腫などのような骨において更に発生し得る、成人の軟組織内で局所的に発生する他の肉腫が挙げられる。これら肉腫のそれぞれが、以下の本明細書にてより詳細に説明されている。
比較的一般的な骨及び軟骨肉腫亜種の例としては、限定されるものではないが、骨肉腫(例えば、通常の骨原性肉腫)、軟骨肉腫(通常の軟骨肉腫)、Ewing肉腫、及び退行分化型軟骨肉腫である。
骨原性肉腫(骨肉腫とも呼ばれる)は、もっとも一般的な骨の腫瘍である。合衆国では、毎年、骨原性肉腫の約800〜1000の症例がみられる。骨肉腫、典型的には、骨のパジェット病に関連した骨肉腫の発生率の第2のピークは、80代で発生する。骨肉腫は、典型的に青年期に発症し、並びに一般的には膝関節周辺の骨で発症するが身体のいかなる骨でも発症し得る。治療は、典型的には最高の治癒率を達成するための化学療法及び手術を含む。使用される標準的薬剤は、成人ではドキソルビシンとシスプラチン、小児、青年期又は若年成人では高投与量のメトトレキサートが加えられた同一の2つの薬剤を含む。イフォスファミドの使用については、未だ議論の余地がある。再発は、典型的には肺で起こる。これは、手術で根治され得るような1つの場合であり、すなわち、初期骨肉腫からの肺転移の切除が、安全に除去し得、かつ30〜35%の治癒率が組み合わされ得るような少数の肺小結節がある場合の標準的な治療である。一般的に、骨肉腫は、Li−Fraumeni症候群(p53遺伝子中の突然変異を包含する)、網膜芽細胞腫(Rb遺伝子中の突然変異を包含する)、及びRothmund−Thomson症候群などのような肉腫に関連した家族性症候群で発生する。
通常の軟骨肉腫は、治療するのに困難な腫瘍であり得る。これは高齢な患者で頻繁に発生し、並びに骨盤中で頻繁に発生する。結果として、複数の医学的診断を有する人々が、機能の損失に導くような術後合併症の危険を伴う非常に広範囲な手術を必要する状況に置かれる。他の部位に発症した軟骨肉腫に関しては、手術は罹患性が低く、標準的治療に相当する。転移性疾患を有する患者は、化学療法に良好に反応しないことが多い。等級1の軟骨肉腫はほとんど転移せず、等級2の軟骨肉腫は転移の危険性はわずか10〜15%であり、並びに等級3の軟骨肉腫は、2/3又はそれ以上の転移の危険性を有する。結果的に、等級3の軟骨肉腫を有する何人かの人々は、補助的な化学療法が与えられるであろう。透明細胞軟骨肉腫と呼ばれる軟骨肉腫の変型は、転移の中等度の危険性を有するが、治療は典型的には手術のみである。
Ewing肉腫は、骨の肉腫では第三番目に一般的であり、並びに小児では第二番目に一般的である。同じ腫瘍は、成人の軟組織で、骨で発生するより多く発生する。合衆国では、年間500症例よりも少ないと推定される。化学療法なしでは、治癒率は最高で10%であるが、化学療法によって、治癒率は小児では75%まで上昇し、成人では50〜60%まで上昇するとみられる。より高い治癒率を可能にするために、手術及び放射線療法もまた、初期腫瘍の治療として一般的に使用されている。Ewing肉腫は、体のいかなる部位にも出現し得る。それらが再発する際には、肺及び骨での再発がもっとも一般的である。
退行分化型軟骨肉腫は、軟骨肉腫のより攻撃的な変型であり、典型的には青年期と60歳以上の人々で発生する。これは、軟骨肉腫と、軟骨肉腫への関連性の手掛かりさえも示さないMFH(悪性線維性組織球腫)のような低分化型腫瘍の両方の特徴を示す。この軟骨肉腫の変型は、再発の高い危険性を有し、これは3等級の通常の軟骨肉腫(上述のような)よりも更に高い。
稀な骨及び軟骨肉腫亜種としては、傍骨性骨原性肉腫、骨膜骨原性肉腫、間葉性軟骨肉腫、骨の巨細胞腫瘍、アダマンチノーマ、及び脊索腫が挙げられる。
傍骨性骨肉腫は、骨膜と呼ばれる、骨の表面接続組織をリフトオフすることなく骨の表面から成長する低悪性度骨肉腫である。これは、非常に一般的に、30代成人の後方の大腿骨遠位部に沿って発生する。この骨肉腫の稀な型の治療は、たいていは手術のみであるが、退行分化型又は高悪性度成分のような攻撃的な特徴が認められた場合は、化学療法も頻繁に提供される。
骨膜骨肉腫は、骨の表面から成長し、骨膜と呼ばれる骨の表面接続組織をリフトオフする低悪性度骨肉腫であり、持ち上げられた骨膜の領域中での新しい骨形成にも関連している。これは、典型的には10〜30歳の間で発生する。骨肉腫のこの稀な変型のための治療は、一般的には手術のみである。このタイプの骨肉腫に化学療法が有益であるかどうかは明確ではないが、腫瘍が通常よりも攻撃性を示した場合、化学療法がしばしば提供される。
間葉性軟骨肉腫は、より典型的な低悪性度の軟骨肉腫と混合された攻撃的な小さい円形の青色細胞の混合物を示す稀な骨腫瘍である。これらは、たいてい15〜30歳の人々で発症し、再発の高いリスクを有する。化学療法の有益性は知られていないが、化学療法は頻繁に使用される。補助療法(又は同様に転移性状況で)で使用される典型的な化学療法剤は、Ewing肉腫及び同様な肉腫のために使用される薬剤である。
骨の巨細胞腫瘍は、典型的に20〜40歳で発症する骨の腫瘍であり、顕微鏡下での特徴的な外観を有する。これは、典型的に膝と脊椎下部の領域で発生する。腫瘍を削り取ることで治療され、更に腫瘍腔をセメント(これは腫瘍を加熱し、結果的に腫瘍を崩壊させる)又は液体窒素(腫瘍をその場で凍結及び融解し、残存する細胞を大抵は殺傷する)で処置する。同様に、その領域を再建することを意図して、骨移植片が頻繁に使用される。いくつかの場合、他の組織を損傷することなく、腫瘍が一断片として除去され得、並びにこのような場合、骨移植が同様に実施され得る。通常の巨細胞腫瘍は、再発を開始するリスクを有するが、肺へ実際に転移する機会は低い。巨細胞腫瘍は、動脈瘤性骨嚢腫から必ず分化される。
アダマンチノーマは、歯の形成に役割を果たす細胞と同様であり得る骨形成に関連する細胞の非常に稀な腫瘍である。歯の形成に役割を果たす細胞は、上顎よりも下顎に多く癌を形成し得、エナメル上皮腫と称される。アダマンチノーマは、ほとんどの場合脛骨にも発症し、手術で治療される。稀な症例は、体のどこかに転移し、この時点で、寿命を延ばすために、化学療法が用いられる。
脊索腫は、発達中の脊椎、いわゆる脊索を形成した胎児細胞の細胞に非常に類似する腫瘍である。この種の腫瘍は典型的には50歳を過ぎた人々で発症するために、子宮内で胎児が成長すると同時に、骨の発達への関係を理解することは困難である。この腫瘍は、典型的には、頭蓋骨の基底部で、又は仙骨中(骨盤内の脊椎の最も基底部)で発症する。このような位置であるために、外科的除去は不可能なことが多い。これは、外科的除去が不可能である腫瘍であっても治療するという意図によって、放射線に反応し得る腫瘍であり、並びにプロトンビーム放射を試みるために理想的なタイプの腫瘍でもある。再発する腫瘍に関しては、イマチニブ(Gleevec(登録商標))がいくつかに使用可能であるヒントがあるが、他の化学療法剤に反応がみられることは非常に稀である。
成人の軟組織中で典型的に発生する他の肉腫は、骨でもまた発生し得る。これらは、悪性線維性組織球種(MFH[高悪性度未分化型多形性肉腫又はHGUPSとも称される])、線維肉腫、平滑筋肉腫、及び血管肉腫などが挙げられる。
本発明の特定の方法は、既存の化学療法剤に良好に反応するが、高再発率を呈するような癌の治療に特に有効であり得る。これらの例では、ヘッジホッグ阻害剤による治療は、患者の無再発生存時間又は生存率を増強させ得る。このような癌の例としては、肺癌(例えば小細胞癌又は非小細胞癌)、膀胱癌、卵巣癌、乳癌、結腸癌、多発性黒色腫、急性骨髄性白血病(AML)、慢性骨髄性白血病(CML)、神経内分泌癌、及び肉腫が挙げられる。
本発明はまた、癌患者で無再発生存率を延長させる方法で使用するための、1つ又はそれより多くの医薬品の調製における化学療法剤とヘッジホッグ阻害剤の使用も包含する。本発明はまた、化学療法剤で既に治療された癌患者の無再発生存を延長させる方法で使用するための、医薬品の調製におけるヘッジホッグ阻害剤の使用にも関する。本発明は、更に膵臓癌患者を治療する方法で使用するための医薬品の調製におけるヘッジホッグ阻害剤の使用も包含する。
複数の腫瘍型が、化学療法後(本明細書の実施例11及び12参照)並びに低酸素状態のようなストレスに反応して(実施例12参照)、Hhリガンドのアップレギュレーションを示すことが発見されている。アップレギュレートされるHhリガンドのタイプ(すなわち、ソニック、インディアン及び/又はデザート)及びアップレギュレーションの程度は、腫瘍型と化学療法剤に強く依存する。理論に束縛されるものではないが、これらの結果は、ストレス(化学療法を含む)は、保護的又は生存的機構として、腫瘍細胞内におけるヘッジホッグリガンドの生成を誘導することを示唆している。この結果は、化学療法後の腫瘍由来Hhリガンドのアップレギュレーションが、腫瘍の再発にとって重要であるHh経路に依存する細胞集団の生存に影響を及ぼし得、これによって、Hh経路の阻害に感受性を示し得ることを、更に示唆している。
したがって、本発明の一態様は、化学療法中又は化学療法後に、1つ又はそれより多くのヘッジホッグリガンドの発現が増加したかどうかを決定することによって、次いでヘッジホッグ阻害剤を投与することによって癌を治療する方法である。リガンド発現は、末梢血液及び/又は尿中のリガンドの可溶型の検出によって(例えば、ELISAアッセイ又はラジオイムノアッセイによって)、循環する腫瘍細胞中(例えば蛍光活性化−細胞選別法(FACS)アッセイ、免疫組織化学アッセイ、又は逆転写ポリメラーゼ連鎖反応(RT−PCR)アッセイによって)で、若しくは腫瘍又は骨髄生検中(例えば、免疫組織化学アッセイ、RT−PCRアッセイ、又はインサイチュハイブリダイゼーションによって)で測定され得る。所定の患者の腫瘍内でのヘッジホッグリガンドの検出は、前立腺癌患者でのPSMAの検出(Bander著,「NH Nat Clin Pract Urol」2006年,3:216−225頁)と同様に、ヘッジホッグリガンドに対する抗体の標識付型の全身投与とそれに続く画像撮影によって、インヴィヴォにて評価され得る。患者での発現レベルは、少なくとも2時点にて測定され得、リガンド誘導が発生したことを決定される。例えば、ヘッジホッグリガンド発現は、化学療法前かつ化学療法後、化学療法前かつ化学療法実施中の1つ又はそれより多くの時点にて、若しくは化学療法実施中の2つ又はそれより多くの異なる時点にて測定され得る。ヘッジホッグリガンドがアップレギュレートされたことが確認できた場合、ヘッジホッグ阻害剤が投与され得る。したがって、患者のヘッジホッグリガンド誘導の測定によって、他の化学療法と併用して、又はそれに続く化学療法を伴ってヘッジホッグ経路阻害剤を患者に投与されるべきであるか否かを決定することができる。
本発明の別の態様は、癌腫瘍中のヘッジホッグリガンドの発現を上昇させる1つ又はそれより多くの化学療法剤を同定することによって、並びにヘッジホッグリガンド発現を上昇させる1つ又はそれより多くの化学療法剤とヘッジホッグ阻害剤を投与することによって患者の癌を治療する方法に関する。いずれの化学療法剤がヘッジホッグ発現を上昇させるかを決定するために、治療前に患者から腫瘍細胞を切除し、生体外にて化学療法剤のパネルに曝し、ヘッジホッグリガンド発現における変化を測定するよう試験する(例えば、Am.J.Obstet著,「Gynecol.」,2003年11月,189(5):1301−7頁、「J.Neurooncol.」,2004年2月,66(3):365−75頁を参照)。1つ又はそれより多くのヘッジホッグリガンドでの増加を引き起こす化学療法剤が、次いで患者に投与される。1つ又はそれより多くのヘッジホッグリガンドでの増加を引き起こす化学療法剤が、単独で、若しくは1つ又はそれより多くのヘッジホッグリガンドでの増加を引き起こし得る又は引き起こし得ない1つ又はそれより多くの異なる化学療法剤と併用して投与され得る。ヘッジホッグ阻害剤と化学療法剤は、同時に(すなわち、実質的に同一時間にて、又は同一治療内で)、又は順次に(すなわち、1つの投与直後に他方を投与、或いは2つの薬剤の投与の間に間隔をおいて)投与され得る。ヘッジホッグ阻害剤による治療は、化学療法剤による治療が終了後に継続し得る。したがって、化学療法剤は、ヘッジホッグリガンド発現をアップレギュレートするその能力に基づいて(同様に腫瘍をヘッジホッグ経路に依存させるように)選択されて、このことが、ヘッジホッグ阻害剤による治療に腫瘍をより感受性にさせることができる。
本発明の別の態様は、EGFR遺伝子又は遺伝子生成物中の変化を同定することによって、患者の癌を治療する方法に関する。EGFR遺伝子又は遺伝子生成物の変化としては、限定されるものではないが、細胞遺伝学的異常、非可逆的転座、再構成、染色体内部逆位、突然変異、点変異、欠失、遺伝子コピー数の変化、転写物中の突然変異、遺伝子又は遺伝子生成物の発現中の変化が挙げられる。特定の実施形態では、転写物中の突然変異は、mRNA突然変異、rRNA突然変異又はtRNA突然変異である。特定の実施形態では、発現レベル、構造(例えば、リン酸化などのような翻訳後修飾)及び/又は1つ又はそれより多くの癌遺伝子ポリペプチドの活性が評価される。関連する実施形態では、発現レベル、構造、及び/又は1つ又はそれより多くの変異体癌遺伝子イソ型、例えば1つまたはそれより多くの選択的スプライシングに起因するイソ型の活性、フレームシフト、細胞中の種々の癌原遺伝子発現生成物の翻訳及び/又は翻訳後事象、例えば高増殖性細胞(癌性又は腫瘍細胞)などが検出される。
EGFR突然変異の例は、例えば、Couzin J著,(2004年)「Science」305:1222−1223頁、Fukuoka,M.ら著,(2003年)「J.Clin.Oncol.」21:2237−46頁、Lynchら著,(2004年)「NEJM」350(21):2129−2139頁、Paezら著,(2004年)「Science」304:1497−1500頁、Pao,W.ら著,「Proc Natl Acad Sci USA.」(2004年)101(36):13306−11ページ、Gazdar A.F.ら著,「Trends Mol Med.」(2004年)10(10):481−6頁、Huang S.F.ら著,(2004年)「Clin Cancer Res.」10(24):8195−203頁、Couzin J.著,「Science」(2004年)305(5688):1222−3頁、Sordella R.ら著,(2004年)305(5687):1163−7頁、Kosaka T.ら著,(2004年)「Cancer Res.」64(24):8919−23頁、Marchetti A.ら著,「J Clin Oncol.」(2005年)23(4):857−65頁、Tokumo M.ら著,(2005年)「Clin Cancer Res.」11(3):1167−1173頁、Han S.W.ら著,(2005年)「J Clin Oncol.」23(11):2493−501頁、Mitsudomi T.ら著,(2005年)「J Clin Oncol.」23(11):2513−20頁、Shigematsu H.ら著,「J Natl Cancer Inst.」97(5):339−46頁、Kim K. S.ら著,(2005)「Clin Cancer Res.」11(6):2244−51頁、Cappuzzo F.ら著,(2005年)「J Natl Cancer Inst.」97(9):643−55頁、Cortes−Funes H.ら著,「Ann Oncol.」(2005年)16(7):1081−6頁、Sasaki H.ら著,(2005年)「Clin Cancer Res.」11(8):2924−9頁、Chou T. Y.ら著,(2005年)「Clin Cancer Res.」11(10):3750−7頁、Pao W.ら著,(2005年)「PLoS Med.」2(3):e73、Sasaki H.ら著,(2005年)「Int J Cancer.」118(1):180−4頁、Eberhard D.A.ら著,(2005年)「J Clin Oncol.」23(25):5900−9頁、Takano T.ら著,(2005)「J Clin Oncol.」23(28):6829−37頁、Tsao M.S.ら著,(2005年)「N Engl J Med.」353(2):133−44頁、Mu X.L.ら著,(2005年)「Clin Cancer Res.」11(12):4289−94頁、Sonobe M.ら著,(2005年)「Br J Cancer.」93(3):355−63頁、Taron M.ら著,(2005年)「Clin Cancer Res.」11(16):5878−85頁、 Mukohara T.ら著,(2005年)「J Natl Cancer Inst.」97(16):1185−94頁、Zhang X.T.ら著,(2005年「Oncol.」16(8):1334−42頁に記載されている。EGFR遺伝子又は遺伝子生成物中の変化の例としては、限定されるものではないが、EGFRエクソン欠失(例えば、EGFRエクソン19欠失)、及び/又はエクソン突然変異(例えば、L858R/T790M EGFR突然変異)が挙げられる。他の代表的変化としては、限定されるものではないが、EGFR_D770_N771>AGG、EGFR_D770_N771insG、EGFR_D770_N771insG、EGFR_D770_N771insN、EGFR_E709A、EGFR_E709G、EGFR_709H、EGFR_E709K、EGFR_E709V、EGFR_E746_A750del、EGFR_E746_A750del,T751A、EGFR_E746_A750del,Vins、EGFR_E746_T751del,Iins、EGFR_E746_T751del,S752A、EGFR_E746_T751del,S752D、EGFR_E746_T751del,Vins、EGFR_G719A、EGFR_G719C、EGFR_G719S、EGFR_H773_V774insH、EGFR_H773_V774insNPH、 EGFR_H773_V774insPH、EGFR_H773>NPY、EGFR_L747_E749del、EGFR_L747_E749del,A750P、EGFR_L747_S752del、EGFR_L747_S752del,P753S、EGFR_L747_S752del,Qins、EGFR_L747_T750del,Pins、EGFR_L747_T751del、EGFR_L858R、EGFR_L861Q、EGFR_M766_A767insAI、EGFR_P772_H773insV、EGFRS752_1759del、EGFR_S768I、EGFR_T790M、EGFR_V769_D770insASV、EGFR_V769_D770insASV,及びEGFR_V774_C775insHVが挙げられる。
遺伝子又は遺伝子生成物中の変化は、当該技術分野で使用可能な検出の任意の方法によって検出され得、これらは、限定されるものではないが、1つ又はそれより多くの核酸ハイブリダイゼーションアッセイ、増幅ベースのアッセイ(例えば、ポリメラーゼ連鎖反応(PCR)、PCR−RFLPアッセイ、リアルタイムPCR、配列化、スクリーニング解析(標準核型法による分裂中期細胞遺伝学的解析、FISH、分光核型決定法又はMFISH、比較ゲノムハイブリダイゼーションを含む)、インサイチュハイブリダイゼーション、SSP、HPLC又は質量分析遺伝子型決定法などが挙げられる。
併用療法
上記及び本明細書で記載されたようなヘッジホッグ阻害剤は、1つ又はそれより多くの追加療法、例えば放射線療法、手術及び/又は1つ又はそれより多くの治療用薬剤と併用して、本明細書に記載されたような癌に投与され得ると理解されるであろう。
「併用して」とは、療法又は療法剤が同時に投与されるべき及び/又は一緒に送達するよう製剤化されることを暗示することを意図しているものではなく、これら送達の方法は本発明の範囲内である。医薬組成物は、1つ又はそれより多くの他の追加的療法又は療法剤と同時に、それに先立って、或いは順次に投与され得る。一般的に、それぞれの薬剤は、それら薬剤で決定された投与量及び/又はタイムスケジュールにて投与されるであろう。この組み合わせで使用される追加的療法剤は、単一の組成物中で投与され得るか、又は異なる組成物中で別個に投与され得ることを更に理解されたい。投薬計画で用いるための特別な組み合わせでは、本発明の医薬組成物と追加療法の活性薬剤及び/又は達成されるべき治療的効果との適合性が考慮されるであろう。
一般的に、併用して使用される追加的療法剤は、それらが個々で使用される場合のレベルを超えないレベルにて使用されることが予期される。いくつかの実施形態では、併用して使用されるレベルは、個々に使用される場合のレベルよりも低いであろう。
特定の実施形態では、本明細書で記載された方法によって治療される癌は、例えば、神経髄芽細胞腫、肉腫(例えば、骨又は軟組織肉腫(例えば、滑液膜肉腫、脂肪肉腫など)、骨及び軟骨肉腫、骨肉腫、及び軟骨肉腫のような筋骨格肉腫、膵臓癌、肺癌(例えば、小細胞肺癌(SCLC)又は非小細胞肺癌(NSCLC))、結腸直腸癌、卵巣がん、頭頚部扁平上皮癌(HNSCC)、慢性骨髄性白血病(CML)、慢性リンパ球性白血病(CLL)、急性リンパ芽球性白血病(ALL)、急性骨髄性白血病(AML)、多発性骨髄腫、及び前立腺癌から選択され得る。
小細胞肺癌の治療のために、ヘッジホッグ阻害剤と併用して使用される好適な療法剤の例としては、限定されるものではないが、例えば、エトポシド、カルボプラチン、シスプラチン、イリノテカン、トポテカン、ゲムシタビン、リポソーマルSN−38、ベンダムスチン、テモゾロミド、ベロテカン、NK012、FR901228、フラボピリドールなどの化学療法剤;チロシンキナーゼ阻害剤(例えばEGFR阻害剤(例えばエルロチニブ、ゲフィチニブ、セツキマブ、パニツムマブ);マルチキナーゼ阻害剤(例えばソラフェニブ、スニチニブ);VEGF阻害剤(例えばベバシズマブ、バンデタニブ);癌ワクチン(例えばGVAX);Bcl−2阻害剤(例えばナトリウムオブリメルセン、ABT−263);プロテアソーム阻害剤(例えばボルテゾミブ(Velcade)、NPI−0052)、パクリタキセル又はパクリタキセル剤;ドセタキセル;IGI−1受容体阻害剤(例えばAMG 479);HGF/SF阻害剤(例えばAMG 102、MK−0646);クロロキン;オーロラキナーゼ阻害剤(例えばMLN8237);放射線免疫療法(例えばTF2);ヘッジホッグ阻害剤(例えばIPI−493、IPI−504、タネスピマイシン、STA−9090);mTOR阻害剤(例えばエベロリムス);Ep−CAM−/CD3−二重特異性抗体(例えばMT110);CK−2阻害剤(例えばCX−4945);HDAC阻害剤(例えばベリノスタット);SMO拮抗剤(例えばBMS 833923);アムルビシン、ペプチド癌ワクチン、及び放射線療法(例えば、強度変調放射線療法(IMRT)、少分割放射線療法、低酸素誘導放射線療法)、手術、及びこれらの組み合わせが挙げられる。
非小細胞肺癌の治療のために、ヘッジホッグ阻害剤と併用して使用される好適な療法剤の例としては、限定されるものではないが、例えば、ビノレルビン、シスプラチン、ドセラキセル、二ナトリウムペメトレキセド、エトポシド、ゲムシタビン、カルボプラチン、リポソーマルSN−38、TLK286、テモゾロミド、トポテカン、二ナトリウムペメトレキセド、アザシチジン、イリノテカン、カリウムテガフール−ギメラシル−オテラシル、サパシタビンなどの化学療法剤;チロシンキナーゼ阻害剤(例えばEGFR阻害剤(例えばエルロチニブ、ゲフィチニブ、セツキマブ、パニツムマブ、ネシシツムマブ、PF−00299804、ニモツズマブ、RO5083945)、MET阻害剤(例えばPF−02341066、ARQ197)、P13Kキナーゼ阻害剤(例えばXL147、GDC−0941)、Raf/MEK二重キナーゼ阻害剤(例えばRO5126766)、PI3K/mTOR二重キナーゼ阻害剤(例えばXL765)、SRC阻害剤(例えばダサチニブ)、二重阻害剤(例えばBIBW2992、GSK1363089、ZD6474、AZD0530、AG−013736、ラパチニブ、MEHD7945A、リニファニブ)、マルチキナーゼ阻害剤(例えばソラフェニブ、スニチニブ、パゾパニブ、AMG706、XL184、MGCD265、BMS−690514、R935788)、VEGF阻害剤(例えばエンドスタル、エンドスタチン、ベバシズマブ、セディラニブ、BIBF1120、アキシチニブ、チボザニブ、AZD2171)、癌ワクチン(例えばボルテゾミブ、カルフィルゾミブ、NPI−0052、MLN9708)、パクリタキセル又はパクリタキセル剤、ドセタキセル、IGF−1受容体阻害剤(例えばシクスツムマブ、MK−0646、OSI906、CP−751,871、BIIB022)、ヒドロキシクロロキン、ヘッジホッグ阻害剤(例えばIPI−493、IPI−504、タネスピマイシン、STA−9090、AUY922、XL888)、mTOR阻害剤(例えばエベロリムス、テムシロリムス、ラダフォロリムス)、Ep−CAM−/CD3−二重特異的抗体(例えばMT110)、CK−2阻害剤(例えばCX−4945)、HDAC阻害剤(例えばMS275、LBH589、ボリノスタット、バルプロン酸、FR901228)、DHFR阻害剤(例えばプララトレキサート)、レチノイド(例えばベキサロテン、トレチノイン)、抗体−薬剤結合体(例えばSGN−15)、ビスフォスフォネート(例えばゾレドロン酸)、癌ワクチン(例えばベラゲンプマツセル−L)、低分子量ヘパリン(LMWH)(例えばチンザパリン、エノキサパリン)、GSK1572932A、メラトニン、タラクトフェリン、ディメスナ、トポイソメラーゼ阻害剤(例えばアムルビシン、エトポシド、カレニテシン)、ネルフィナビル、シレンジタイド、ErbB3阻害剤(例えばMM−121、U3−1287)、サバイビン阻害剤(例えばYM155、LY2181308)、エリブリンメシル酸塩、COX−2阻害剤(例えばセレコキシブ)、ペグフィルグラスチム、ポロ様キナーゼ1阻害剤(例えばBI6727)、TRAIL受容体2(TR−2)拮抗剤(例えばCS−1008)、CNGRCペプチド−TNFα結合体、ジクロロアセテート(DCA)、HGF阻害剤(例えばSCH900105)、SAR240550、PPAR−γ作用薬(例えばCS−7017)、γ−セクレターゼ阻害剤(例えばAZD6244)、サイクリン依存性キナーゼ阻害剤(例えばUCN−01)、コレステロールーFus1、抗チューブリン剤(例えばE7389)、ファルネシル−OH−トランスフェラーゼ阻害剤(例えばロナファルニブ)、免疫毒素(例えばBB−10901、SS1(dsFv)PE38)、フォンダパリヌクス、血管破壊剤(例えばAVE8062)、PD−L1阻害剤(例えばMDX−1105、MDX−1106)β−グルカン、NGR−hTNF、EMD521873、MEK阻害剤(例えばGSK1120212)、エポチロン類似体(例えばイキサベピロン)、キネシンスピンドル阻害剤(例えば4SC−205)、テロメア標的剤(例えばKML−001)、P70経路阻害剤(例えばLY2584702)、AKT阻害剤(例えばMK−2206)、血管新生阻害剤(例えばレナリドミド)、Notchシグナル伝達阻害剤(例えばOMP−21M18)、放射療法、手術、及びこれらの組み合わせが挙げられる。
結腸直腸癌の治療のために、ヘッジホッグ阻害剤と併用して使用される好適な療法剤の例としては、限定されるものではないが、5−フルオロウラシル(5FU−TS阻害剤);イリノテカン(Topo I毒素);オキサリプラチン(DNA付加体)、すなわちEGFRに対するモノクローナル抗体、例えばErbitux(登録商標)及びVectabix、FOLFOX:5−フルオロウラシル+ロイコボリン+オキサリプラチン;FOLFIRI:5−フルオロウラシル+ロイコボリン+イリノテカン、単独又は5FUと併用されたVEGF阻害剤(例えば抗―VEGF抗体)及びこれらの組み合わせが挙げられる。
神経髄芽細胞腫の治療のために、ヘッジホッグ阻害剤と併用して使用される好適な療法剤としては、限定されるものではないが、化学療法剤(例えばロムスチン、シスプラチン、カルボプラチン、ビンクリスチン、及びシクロフォスファミド)、放射線療法、手術、及びこれらの組み合わせが挙げられる。
軟骨肉腫の治療のために、ヘッジホッグ阻害剤と併用して使用される好適な療法剤としては、限定されるものではないが、化学療法剤(例えばドキソルビシン、シスプラチン、イフォスファミド、又はメトトレキサート(抗投与量メトトレキサート)、トラベクテジン、トリパラノール、又はDARTのうちの1つ又はそれより多く)、mTOR阻害剤、NOTCH阻害剤(例えばγセクレターゼ阻害剤(例えばRO499097))、放射線療法(例えば陽子線療法)、手術、及びこれらの組み合わせが挙げられる。ヘッジホッグ阻害剤と併用して使用され得る追加的薬剤は、肉腫治療のために使用される他の抗癌剤を含む。
骨肉腫の治療のために、ヘッジホッグ阻害剤と併用して使用される好適な療法剤の例としては、限定されるものではないが、化学療法剤(例えば、ドキソルビシン、シスプラチン、メトトレキサート(例えば高投与量メトトレキサート)(例えば、単独又はロイコボリンレスキューと併用して)、ゲムシタビン、ドセタキセル、アドリアマイシン、イフォスファミド(例えば単独又はメスナと併用して)、BCG(カルメットとゲランの菌)、エトポシド、ムラミルトリペプチド(MTP)のうちの1つ又はそれよりも多く)、放射線療法、手術、及びこれらの組み合わせが挙げられる。一実施形態では、ヘッジホッグ阻害剤は、ゲムシタビン及びドセタキセルと併用して使用される。ヘッジホッグ阻害剤と併用して使用され得る追加的薬剤としては、肉腫治療のために使用される他の抗癌剤を含む。
膵臓癌の治療のために、ヘッジホッグ阻害剤と併用して使用される好適な療法剤の例としては、限定されるものではないが、化学療法剤、例えばパクリタキセル又はパクリタキセル剤(例えばTAXOL(登録商標)のようなパクリタキセル製剤)、アルブミン安定化ナノ粒子パクリタキセル製剤(例えばABRAXANE(登録商標))又はリポソーマルパクリタキセル製剤);ゲムシタビン(例えばゲムシタビン単独又はAXP107−11と併用して);オキサリプラチン、5−フルオロウラシル、カペシタビン、ルビテカン、エピルビシン塩酸塩、NC−6004、ススプラチン、ドセタキセル(例えばTAXOTERE(登録商標))、ミトマイシンC、イフォスファミドのような他の化学療法剤;インターフェロン;チロシンキナーゼ阻害剤(例えばEGFR阻害剤(例えばエルロチニブ、パニツムマブ、セツキシマブ、ニモツズマブ);HER2/neu受容体阻害剤(例えばトラスツズマブ);二重キナーゼ阻害剤(例えばソラフェニブ、スニチニブ、XL184、パゾパニブ);VEGF阻害剤(ベバシズマブ、AV−951、ブリバニブ);放射免疫療法(例えばXR303)、癌ワクチン(例えばGVAX、スバイビンペプチド);COX−2阻害剤(例えばセレコキアシブ);IGI−1受容体阻害剤(例えばAMG479、MK−0646);mTOR阻害剤(例えばエベロリムス、テムシロリムス);IL−6阻害剤(例えばCNTO328)、サイクリン依存性キナーゼ(例えばP276−00、UCN−01);変更エネルギー代謝監督(AEMD)化合物(例えばCPI−613);HDAC阻害剤(例えばボリノスタット);TRAIL受容体2(TR−2)作用薬(例えばコナツムマブ);MEK阻害剤(例えばAS703026、セルメチニブ、GSK1120212);Raf/MEK二重キナーゼ阻害剤(例えばRO5126766);Notchシグナル伝達阻害剤(例えばMK0752);モノクローナル抗体−抗体融合蛋白質(例えばL19IL2);クルクミン;ヘッジホッグ阻害剤(例えばIPI−493、IPI−504、タネスピマイシン、STA−9090);rIL−2;デニロイキンジフチトクス;トポイソメラーゼI阻害剤(例えばイリノテカン、PEP02);スタチン(例えばシムバスタチン);VIIa因子阻害剤(例えばPCI−27483);AKT阻害剤(例えばRX−0201);低酸素活性化プロドラッグ(例えばTH−302);メトフォルミン塩酸塩、すなわちγ−セクレターゼ阻害剤(例えばRO4929097);リボヌクレオチド還元酵素阻害剤(例えば3−AP);免疫毒素(例えばHuC242−DM4);PARP阻害剤(例えばKU−0059436、ベリパリブ);CTLA−4阻害剤(例えばCP−675,206、イピリムマブ);AdV−tk療法;プロテアゾーム阻害剤(例えばボルテゾミブ(Velcade)、NPI−0052);チアゾリジネジオン(例えばピオグリタゾン);NPC−1C;オーロラキナーゼ阻害剤(例えばR763/AS703569)、CTGF阻害剤(例えばFG−3019);siG12D LoDER;及び放射線療法(例えばトモセラピー、定位放射線、陽子線療法)、手術、及びこれらの組み合わせが挙げられる。特定の実施形態では、パクリタキセル又はパクリタキセル剤及びゲムシタビンとの組み合わせが、ヘッジホッグ阻害剤と共に使用され得る。いくつかの実施形態では、膵臓癌の治療のために、ヘッジホッグ阻害剤がフォルフィリノクスと併用して使用される。フォルフィリノクスとは、オキサリプラチン85mg/m2及びイリノテカン180mg/m2、これに加えてロイコボリン400mg/m2を含み、続いて1日目にボーラスフルオロウラシル(5−FU)400mg/m2、次いで(5−FU)2,400mg/m2を46時間連続輸注する療法である。
卵巣癌治療のために、ヘッジホッグ阻害剤と併用して使用される好適な療法剤としては、限定されるものではないが、化学療法剤(例えばパクリタキセル又はパクリタキセル剤;ドセタキセル;カルボプラチン;ゲムシタビン;ドキソルビシン;トポテカン;シスプラチン;イリノテカン、TLK286、イフォスファミド、オラパリブ、オキサリプラチン、メルファラン、二ナトリウムペメトレキセド、SJG−136、シクロフォスファミド、エトポシド、デシタビン);グレリン拮抗剤(例えばAEZS−130)、免疫療法(例えばAPC8024、オレゴボマブ、OPT−821)、チロシンキナーゼ阻害剤(例えばEGFR阻害剤(例えばエルロチニブ)、二重阻害剤(例えばE7080)、マルチキナーゼ阻害剤(例えばAZD0530、JI−101、ソラフェニブ、スニチニブ、パゾパニブ)、ON01910.Na)、VEGF阻害剤(例えばベバシズマブ、BIBF1120、セディラニブ、AZD2171)、PDGFR阻害剤(例えばIMC−3G3)、パクリタキセル、トポイソメラーゼ阻害剤(例えばカレニテシン、イリノテカン)、HDAC阻害剤(例えばバルプロ酸塩、ボリノスタット)、葉酸受容体阻害剤(例えばファルレツズマブ)、アンジオポイエチン阻害剤(例えばAMG386)、エポチロン同類体(例えばイクサベピロン)、プロテアゾーム阻害剤(例えばカーフィルゾミブ)、IGF−1受容体阻害剤(例えばOSI906 AMG479)PARP阻害剤(例えばベリパリブ、AG014699、イニパリブ、MK−4827)、オーロラキナーゼ阻害剤(例えばMLN8237、ENMD−2076)、血管新生阻害剤(例えばレナリドミド)、DHFR阻害剤(例えばプララトレキセート)、放射免疫療法剤(例えばHu3S193)、スタチン(例えばロバスタチン)、トポイソメラーゼ1阻害剤(例えばNKTR−102)、癌ワクチン(例えばp53合成長ペプチドワクチン、自家OC−DCワクチン)、mTOR阻害剤(例えばテムシロリムス、エベロリムス)、BCR/ABL阻害剤(例えばイマチニブ)、ET−A受容体拮抗剤(例えばZD4054)、TRAIL受容体2(TR−2)作用薬(例えばCS−1008)、HGF/SF阻害剤(例えばAMG 102)、EGEN−001、ポロ様キナーゼ1阻害剤(例えばBI6727)、γ−セクレターゼ阻害剤(例えばRO4929097)、Wee−1阻害剤(例えばMK−1775)、抗チューブリン剤(例えばビノレルビン、E7389)、免疫毒素(例えばデニロイキンジフチトクス)、SB−485232、血管破壊剤(例えばAVE8062)、インテグリン阻害剤(例えばEMD525797)、キネシン−スピンドル阻害剤(例えば4SC−205)、レブリミド、HER2阻害剤(例えばMGAH22)、ErrB3阻害剤(例えばMM−121)、放射線療法;トラベクタジン、及びこれらの組み合わせが挙げられる。
本発明による慢性骨髄性白血病(CML)の治療のために、ヘッジホッグ阻害剤と併用して使用される好適な療法剤としては、限定されるものではないが、化学療法剤(例えばスタラビン、ヒドロキシウレア、クロファラビン、メルファラン、チオテパ、フルダラビン、ブスルファン、エトポシド、コルジセピン、ペントスタチン、カペシタビン、アザシチジン、シクロフォスファミド、クラドリビン、トポテカン)、チロシンキナーゼ阻害剤(例えばBCR/ABL阻害剤(例えばイマチニブ、ニロチニブ)、ON 01910.Na、二重阻害剤(例えばダサチニブ、ボスチニブ)、マルチキナーゼ阻害剤(例えばDCC−2036、ポナチニブ、ソラフェニブ、スニチニブ、RGB−286638))、インターフェロンα、ステロイド、アポトーシス薬剤(例えばオマセタキシンmepeスクシネート)、免疫療法(例えば同種CD4+記憶Th1様T細胞/微小粒子結合抗−CD3/抗−CD28、自家サイトカイン誘導キラー細胞(CIK)、AHN−12)、CD52標的剤(例えばアレムツズマブ)、ヘッジホッグ阻害剤(例えばIPI−493、IPI−504、タネスピマイシン、STA−9090、AUY922、XL888)、mTOR阻害剤(例えばエベロリムス)、SMO拮抗剤(例えばBMS833923)、リボヌクレオチド還元酵素阻害剤(例えば3−AP)、JAK−2阻害剤(例えばINCB018424)、ヒドロキシクロロキン、レチノイド(例えばフェンレチニド)、サイクリン依存性キナーゼ阻害剤(例えばUCN−01)、HDAC阻害剤(例えばベリノスタット、ボリノスタット、JNJ−26481585)、PARP阻害剤(例えばベリパリブ)、MDM2拮抗剤(例えばRO5045337)、オーロラBキナーゼ阻害剤(例えばTAK−901)、放射免疫療法(例えばアクチニウムー225標識付抗―CD33抗体HuM195)、ヘッジホッグ阻害剤(例えばPF−04449913)、STAT3阻害剤(例えばOPB−31121)、KB004、癌ワクチン(例えばAG858)、骨髄移植、肝細胞移植、放射療法、及びこれらの組み合わせが挙げられる。
慢性リンパ球性白血病(CLL)の治療のために、ヘッジホッグ阻害剤と併用して使用される好適な療法剤の例としては、限定されるものではないが、化学療法剤(例えばフルダラビン、シクロフォスファミド、ドキソルビシン、ビンクリスチン、クロラムブシル、ベンダムスチン、ブスルファン、ゲムシタビン、メルファラン、ペントスタチンミトキサントロン、5−アザシチジン、二ナトリウムペメトレキセド)、チロシンキナーゼ阻害剤(例えばEGFR阻害剤(例えばエルロチニブ)、BTK阻害剤(例えばPCI−32765)、マルチキナーゼ阻害剤(例えばMGCD265、RGB−286638))、CD−20標的剤(例えばリツキシマブ、オファツムマブ、RO5072759、LFB−R603)、CD52標的剤(例えばアレムツズマブ)、プレドニソロン、ダルベポエチンα、レナリドミド、Bcl−2阻害剤(例えばABT−263)、免疫療法(例えば同種CD4+記憶Th1様T細胞/微小粒子結合抗CD3/抗CD28、自家サイトカイン誘導キラー細胞(CIK))、HDAC阻害剤(例えばボリノスタット、バルプロン酸、LBH589、JNJ−26481585、AR−42)、XIAP阻害剤(例えばAEG35156)、CD−74標的剤(例えばミラツズマブ)、mTOR阻害剤(例えばエベロリムス)、AT−101、免疫毒素(例えばCAT−8015、抗Tac(Fv)−PE38(LMB−2))、CD37標的剤(例えばTRU−016)、放射免疫療法(例えば131−トシツモマブ)、ヒドロキシクロロキン、ペリフォシン、SRC阻害剤(例えばダサチニブ)、タリドミド、PI3Kδ阻害剤(例えばCAL−101)、レチノイド(例えばフェンレチニド)、MDM2拮抗剤(例えばRO5045337)、プレリキサフォル、オーロラキナーゼ阻害剤(例えばMLN8237、TAK−901)、プロテアゾーム阻害剤(例えばボルテゾミブ)、CD−19標的剤(例えばMEDI−551,MOR208)、MEK阻害剤(例えばABT−348)、JAK−2阻害剤(例えばINCB018424)、低酸素活性化プロドラッグ(例えばTH−302)、パクリタキセル又はパクリタキセル剤、ヘッジホッグ阻害剤、AKT−阻害剤(例えばMK2206)、HMG−CoA阻害剤(例えばシムバスタチン)、GNKG186、放射線療法、骨髄移植、幹細胞移植、及びこれらの組み合わせが挙げられる。
急性リンパ球性白血病(ALL)の治療のために、ヘッジホッグ阻害剤と併用して使用される好適な療法剤の例としては、限定されるものではないが、化学療法剤(例えばプレドニソロン、デキサメタゾン、ビンクリスチン、アスパラギナーゼ、ダウノルビシン、シクロフォスファミド、シタラビン、エトポシド、チオグアニン、メルカプトプリン、クロファラビン、リポソーマルアナマイシン、ブスルファン、カペシタビン、デシタビン、アザシタビン、トポテカン、テモゾロミド)、チロシンキナーゼ阻害剤(例えばBCR/ABL阻害剤(例えばイマチニブ、ニロチニブ)、ON01910.Na、ムルチキナーゼ阻害剤(例えばソラフェニブ))、CD−20標的剤(例えばリツキシマブ)、CD52標的剤(例えばアレムツズマブ)、ヘッジホッグ阻害剤(例えばSTA−9090)、mTOR阻害剤(例えばエベロリムス、ラパマイシン)、JAK−2阻害剤(例えばINCB018424)、HER2/neu受容体阻害剤(例えばトラスツズマブ)、プロテアゾーム阻害剤(例えばボルテゾミブ)、メトトレキサート、アスパラギナーゼ、CD−22標的剤(例えばエプラツズマブ、イノツズマブ)、免疫療法(例えば自家サイトカイン誘導キラー細胞(CIK)、AHN−12)、ブリナツモマブ、サイクリン依存性キナーゼ阻害剤(例えばUCN−01)、CD45標的剤(例えばBC8)、MDM2拮抗剤(例えばRO5045337)、免疫毒素(例えばCAT−8015、DT2219ARL)、HDAC阻害剤(例えばJNJ−26481585)、JVRS−100、パクリタキセル又はパクリタキセル剤、STAT3阻害剤(例えばOPB−31121)、PARP阻害剤(例えばベリパリブ)、EZN−2285、放射線療法、ステロイド、骨髄移植、幹細胞移植、又はこれらの組み合わせが挙げられる。
急性骨髄性白血病(AML)の治療のために、ヘッジホッグ阻害剤と併用して使用される好適な療法剤の例としては、限定されるものではないが、化学療法剤(シタラビン、ダウノルビシン、イダルビシン、クロファラビン、デシタビン、ボサロキシン、アザシタジン、リバビリン、CPX−351、トレオスルファン、エラシタラビン)、チロシンキナーゼ阻害剤(例えばBCR/ABL阻害剤(例えばイマチニブ、ニロチニブ)、ON01910.Na、マルチキナーゼ阻害剤(例えばミドスタウリン、SU11248、キザルチニブ、ソラフィニブ))、免疫毒素(例えばゲムツズマブオゾガミシン)、DT388IL3融合蛋白質、HDAC阻害剤(例えばボリノスタット、LBH589)、プレリキサフォル、mTOR阻害剤(例えばエベロリムス)、SRC阻害剤(例えばダサチニブ)、ヘッジホッグ阻害剤(例えばSTA−9090)、レチノイド(例えばベキサロテン)、オーロラキナーゼ阻害剤(例えばBI811283)、JAK−2阻害剤(例えばINCB018424)、ポロ様キナーゼ阻害剤(例えばBI6727)、セネルセン、CD45標的剤(例えばBC8)、サイクリン依存性キナーゼ阻害剤(例えばUCN−01)、MDM2拮抗剤(例えばRO5045337)、LY573636−ナトリウム、ZRx−101、MLN4924、レナリドミド、免疫療法(例えばAHN−12)、ヒスタミン二塩化水素化物、放射線療法、骨髄移植、幹細胞移植、及びこれらの組み合わせが挙げられる。
多発性骨髄腫(MM)の治療のために、ヘッジホッグ阻害剤と併用して使用される好適な療法剤の例としては、限定されるものではないが、化学療法剤(例えばメルファラン、アミフォスチン、シクロフォスファミド、ドキソルビシン、クロファラビン、ベンダムスチンフルダラビン、アドリアマイシン、SyBL−0501)、タリドミド、レナリドミド、デキサメタゾン、プレドニゾン、ポマリドミド、プロテアゾーム阻害剤(例えばボルテゾミブ、カーフィルゾミブ、MLN9708)、癌ワクチン(例えばGVAX)、CD−40標的剤(例えばSGN−40、CHIR−12.12)、ペリフォシン、ゾレドロン酸、免疫療法(例えばMAGE−A3、NY−ESO−1、HuMax−CD38)、HDAC阻害剤(例えばボリノスタット、LBH589、AR−42)、アピリジン、サイクリン依存性キナーゼ阻害剤(例えばPD−0332991、ジナシクリブ)、三酸化ヒ素、CB3304、ヘッジホッグ阻害剤(例えばKW−2478)、チロシンキナーゼ阻害剤(例えばEGFR阻害剤(例えばセツキシマブ)、マルチキナーゼ阻害剤(例えばAT9283))、VEGF阻害剤(例えばベバシズマブ)、プレリキサフォル、MEK阻害剤(例えばAZD6244)、IPH2101、アトルバスタチン、免疫毒素(例えばBB−10901)、NPI−0052、放射免疫療法剤(例えばイットリウム90イブリツモマブ・チウキセタン)、STAT3阻害剤(例えばOPB−31121)、MLN4924、オーロラキナーゼ阻害剤(例えばENMD−2076)、IMGN901、ACE−041、CK−2阻害剤(例えばCX−4945)、放射線療法、骨髄移植、幹細胞移植、及びこれらの組み合わせが挙げられる。
頭頚部癌の治療のために、ヘッジホッグ阻害剤と併用して使用される好適な療法剤の例としては、限定されるものではないが、化学療法剤(パクリタキセル又はパクリタキセル剤、カルボプラチン、ドセタキセル、アミフォスチン、シスプラチン、オキサリプラチン)、チロシンキナーゼ阻害剤(例えばEGFR阻害剤(例えばエルロチニブ、ゲフィチニブ、イコチニブ、セツキシマブ、パニツムマブ、ザルツムマブ、ニモツズマブ、ネシツムマブ、マツズマブ)、二重阻害剤(例えばラパチニブ、ネラチニブ、バンデチニブ、BIBW2992、マルチキナーゼ阻害剤(例えばXL−647))、VEGF阻害剤(例えばベバシズマブ)、レオウィルス、放射療法、手術、及びこれらの組み合わせが挙げられる。
前立腺癌の治療のために、ヘッジホッグ阻害剤と併用して使用される好適な療法剤の例としては、限定されるものではないが、化学療法剤(例えばドセタキセル、カルボプラチン、フルダラビン)、ホルモン療法(例えばフルタミド、ビカルタミド、ヌルタミド、シプロテロン酢酸塩、ケトコナゾール、アミノグルテチミド、アバレリクス、デガレリクス、ロイプロリド、ゴセレリン、トリプトレリン、ブセレリン)、チロシンキナーゼ阻害剤(例えば二重キナーゼ阻害剤(例えばラパタニブ)、マルチキナーゼ阻害剤(例えばソラフェニブ、スニチニブ))、VEGF阻害剤(例えばベバシズマブ)、TAK−700、癌ワクチン(例えばBPX−101、PEP223)、レナリドミド、TOK−001、IGF−1受容体阻害剤(例えばシクスツムマブ)、TRC105、オーロラキナーゼ阻害剤(例えばMLN8237)、プロテオゾーム阻害剤(例えばボルテゾミブ)、OGX−011、放射免疫療法(例えばHuJ591−GS)、HDAC阻害剤(例えばバルプロン酸、SB939、LBH589)、ヒドロキシクロルキン、mTOR阻害剤(例えばエベロリムス)、ドミチニブ硫酸塩、ジインドリルメタン、エファビレンツ、OGX−427、ゲニステイン、IMC−3G3、バフェチニブ、CP−675,206、アビラテロン(CB−7598)、チトクロームP450 17α−ヒドロキシラーゼ−17,20−リアーゼ阻害剤(CYP17)、CB−7598及びプレドニゾン、放射線療法、手術、アンドロゲン除去、又はこれらの組み合わせが挙げられる。アンドロゲン除去は、ゴセレリン酢酸塩及びロイプロリド酢酸塩を含み得る。
いくつかの実施形態では、ヘッジホッグ阻害剤は、mTOR阻害剤と併用して使用される。本明細書で使用するとき、「mTOR阻害剤」とは、mTORキナーゼ(mammalian Target Of Rapamycin、哺乳類ラパマイシン標的蛋白質)を直接的又は間接的に標的にする、若しくはmTORキナーゼの活性/機能を低減又は阻害する薬剤を指す。いくつかの報告では、軟骨細胞分化におけるmTORの役割を記載していて、例えば、Brown,R.E.著(2004年)「Annals of Clinical & Laboratory Science」34:397−399頁、Chan,S.著(2004年)「Br J Cancer」91(8):1420−4頁、及びGeryk−Hall.Mら著(2009年)「Curr Oncol Rep.」!!(&):446−53頁を参照されたい。本発明で使用されるために適切なmTOR阻害剤は、多くの参考文献で記載されていて、限定されるものではないが、WO第94/02136号(16−O−置換誘導体);米国特許第5,258,368号(40−O−置換誘導体);WO第94/9010号(O−アリール及びO−アルキル誘導体);WO第92/05179(カルボン酸エステル);米国特許第5,118,677号及び同第5,118,677号(アミドエステル);米国特許第5,118,678号(カルバメート);米国特許第5,100,883号(フッ化エステル);米国特許第5,151,413号(アセタール);米国特許第5,120,842号(シリルエステル);WO第93,11130号(メチレン誘導体);WO第94/02136号(メトキシ誘導体);WO第94/02385号及びWO第95/14023号(アルケニル誘導体);米国特許第5,256,790号(32−O−ジヒドロ又は置換誘導体);欧州特許第96/02441号;米国特許第2004/023562号(炭水化物誘導体);米国特許第4,316,885号(モノ及びジアシル化誘導体);米国特許第5,120,725号(二環式誘導体);米国特許第5,120,727号(ラパマイシン二量体);欧州特許第467606号(ラパマイシンの27−オキシム);米国特許第5,023,262号(42−オキソ同類体);米国特許第5,177,203号(アリールスルホン酸塩及びスルファミン酸塩);米国特許第5,177,203号などが挙げられる。更に、種々のラパマイシンプロドラッグが、米国特許第4,650,803号、同第5,672,605号、同第5,583,189号、同第5,527,906号、同第5,457,111号、同第5,995,100号、及び同第6,146,658号に記載されている。治療方法で使用されるために特に興味深いものは、Novaritisが所有する特許(米国特許第5,665,772号、同第5,912,253号、同第5,985,890号、同第5,912,253号、同第6,200,985号、同第6,384,046号、及び同第6,440,990号)、Ariadが所有する特許(WO第96/41865号)、並びにWyethが所有する特許(米国特許第5,362,718号、同第6,399,625号、同第6,399,627号、同第6,432,973号、同第6,440,991号、同第6,677,357号、及び同第6,680,718号)に記載されている誘導体である。代表的なmTOR阻害剤としては、限定されるものではないが、ラパマイシン、テムシロリムス(TORISEL(登録商標))、エベロリムス(RAD001、AFUNITOR(登録商標))、リダフォロリムス、AP23573、AZD8055、BEZ235、BGT226、XL765、PF−4691502、GDC0980、SF1126、OSI−027、GSK1059615、KU−0063794、WYE−354、INK128、テムスロリムス(CCI−779)、パロミド529(P529)、PF−04691502、又はPKI−587が挙げられる。一実施形態では、mTOR阻害剤は、TORC1とTORC2を阻害する。TORC1及びTORC2二重阻害剤の例としては、例えばOSI−027、XL765、パロミド529、及びINK128が挙げられる。
いくつかの実施形態では、ヘッジホッグ阻害剤は、インシュリン様成長因子受容体(IGF−1R)の阻害剤と併用して使用される。IGF−1R(EC2.7.112、CD221抗原としても知られている)は、膜貫通蛋白質チロシンキナーゼの族に属し(Ullrichら著「Cell」,61:203−212頁,(1990年)、LeRoithら著「Endocrin.Rev.」,16:143−163頁(1995年)、Traxler著「Exp.Opin.Ther.Patents」,7:571−588(1997年)、Adamsら著「Cell.Mol.Life.Sci.」,57:1050−1063頁(2000年))、並びに小児期の発育に関与する(Liuら著「Cell」,75:59−72頁(1993年)、Abuzzahabら著「N Engl J Med」,349:2211−2222(2003年))。IGF系は、数個の癌に関与してきた。例えば、Pollakら著「Nat Rev Cancer」,4:505−518頁(2004年)、Yee著,「British J. Cancer」,94:465−468頁(2006年)、Bohulaら著「Anti−Cancer Drugs」,14:669−682頁(2003年)、Surmacz著「Oncogene」,22:6589−97頁(2003年)、Bahr及びGroner著「Growth Hormone and IGF Research」14:287−295頁(2004年)、Guillemard及びSaragovi著「Current Cancer Drug Targets」,4:313−326頁(2004年)、Jeromeら著「Seminars in Oncology 31/1 Suppl.」3(54−63頁)(2004年)、Zhang及びYee著「Breast Disease」,17:115−124頁(2003年)、Samani及びBrodt著「Surgical Oncology Clinics of North America」,10:289−312頁(2001年)、Nahtaら著「Oncologist」,8:5−17頁(2003年)、Dancey及びChen「Nature Reviews」,5:649−659頁(2006年)、Jonesら著「Endocr. Relat. Cancer」,11:793−814頁(2004年)、Schedin著「Nature Reviews」,6:281−290頁(2006年)、Thome及びLee著「Breast Disease」,17:105−114頁(2003年)、Minchinton及びTannock著「Nature Reviews」,6:583−592頁(2006年)、及びKurmasheva及びHoughton著「Biochim.Biophys.Acta」1766:1−22頁(2006年)を参照されたい。肉腫(例えば、軟骨肉腫、脊索腫、Ewing肉腫、又は骨肉腫)中のIGF−1Rシグナル伝達に関する役割については、例えば、Matsumura,T.ら著(2000年)「J.Orthop Res.」18(3):351−5頁、Ho,L.ら著(2009年)「Cancer Cell」16:126−136頁、Sommer,J.ら著(2010年)「J.Pathol.」220(5):608−17頁、Geryk−Hall,M.ら著(2009年)「Curr Oncol Rep.」11(6):446−53頁に記載されている。
阻害性ペプチド標的IGF−1Rは、インヴィトロ及びインヴィヴォにて抗増殖活性を所有するものから生成された(Pietrzkowskiら著「Cancer Res.」,52:6447−6451頁(1992年)、Haylorら著「J.Am. Soc.Nephrol.」11:2027−2035頁(2000年))。IGF−Iのペプチド同類体を用いて、増殖がまた阻害された(Pietrzkowskiら著「Cell Growth&Diff.」,3:199−205頁(1992年)、Pietrzkowskiら著「Mol. Cell. Biol.」,12:3883−3889頁(1992年))。更に、IGF−1Rの優性阻害変異体(Liら著「J.Biol.Chem.」,269:32558−32564頁(1994年)、Jiangら著「Oncogene」,18:6071−6077頁(1999年)、Scotlandiら著「Int.J.Cancer」,101:11−16頁(2002年)、Seelyら著「BMC Cancer」,2:15頁(2002年))が、形質転換された表現型を逆転させ得、癌発現を阻害し得、並びに転移表現型の損失を誘導し得る。IGF−1RのC末端ペプチドがアポトーシスを誘導し、並びに腫瘍増殖を著しく阻害することが示された(Reissら著「J.Cell.Phys.」,181:124−135頁(1999年))。更に、IGF−1Rの可溶型が、インヴィヴォにおいて腫瘍増殖を阻害した(D’Ambrosioら著「Cancer Res.」,56:4013−4020頁(1996年))。
したがって、本明細書で開示された治療と併用して使用され得るIGF−1Rの拮抗剤又は阻害剤としては、限定されるものではないが、小分子IGF−1R拮抗剤(例えばGSK1904529A)、抗体拮抗剤、IGF−1Rペプチド拮抗剤、又はアンチセンス又は他の核酸拮抗剤が挙げられる。代表的なIGF−1R阻害剤としては、限定されるものではないが、BMS−536924、GSK1904529A、AMG479、MK−0646、シクスツムマブ、OSI906、フィギツムマブ(CP−751,871)、及びBIIB022が挙げられる。
一実施形態では、IGF−1R拮抗剤は、例えばSabbatini,P.ら著(2009年)「Mol Cancer Ther」8(10):2811−20頁、Sabbatini,P.ら著(2009年)「Clin Cancer Res.」,3058頁に記載されているGSK1904529Aである。更なるIGF−1Rの小分子阻害剤が、例えば、Garcia−Echeverriaら著「Cancer Cell」,5:231−239頁(2004年)、Mitsiadesら著「Cancer Cell」,5:221−230頁(2004年)、及びCarboniら著「Cancer Res」,65:3781−3787頁(2005年)に記載されている。更には、IGF−1Rに特異的であると思われるシクロリグナン、ピクロポドフィリンを記載しているVasilcanuら著「Oncogene」,23:7854−7862頁(2004年)のような受容体活性化を破壊するような化合物が開発されている(Gimitaら著「Cancer Res」、64:236−242(2004年)、Strombergら著「Blood」,107:669−678(2006年))。ノルジヒドログアイヤレチン酸(NDGA)もまた、IGF−1R機能を破壊する(Youngrenら著「Breast Cancer Res Treat」,94:37−46(2005年))。更には、小分子阻害剤の例としては、WO第2002/102804号、WO第2002/102805号、WO第2004/55022号、米国特許第6,037,332号、WO第2003/48133号、US第2004/053931号、US第2003/125370号、米国特許第6,599,902号、米国特許第6,117,880号、WO第2003/35619号、WO第2003/35614号、WO第2003/35616号、WO第1998/48831号、米国特許第6,337,338号、US第2003/0064482号、米国特許第6,475,486号、米国特許第6,610,299号、米国特許5,561,119号、WO第2006/080450号、WO第2006/094600号及びWO第2004/093781号が挙げられる。同様に、WO第2007/099171号(ビシクロ−ピラゾール阻害剤)及びWO第2007/099166号(ピラゾロ−ピリジン誘導体阻害剤)を参照されたい。更に、Abbott Corporationの「molecule A−928605」にての(Hubbardら著「AACR−NCI−EORTC Int Conf Mol Targets Cancer Ther」(10月22−26日,San Francisco)2007年,Abst A227)も参照されたい。
IGF−1Rに拮抗し又はIGF−Iが関与して癌を治療する代表的ペプチドとしては、米国特許第6,084,085号、米国特許第5,942,489号、WO第2001/72771号、WO第2001/721119号、US第2004/0086863号、米国特許第5,633,263号、及びUS第2003/0092631号に記載されたようなペプチドが挙げられる。更に、米国特許第7,173,005号、「Bioworld Today」2006年5月19日出版(第17巻、1頁)も参照されたい。
IGF−1Rに拮抗する代表的アンチセンス及び核酸が、例えばWraightら著「Nat.Biotech.」,18:521−526頁(2000年)、米国特許第5,643,788号、米国特許第6,340,674号、US第2003/0031658号、米国特許第6,340,674号、米国特許第5,456,612号、米国特許第5,643,788号、米国特許第6,071,891号、WO第2002/101002号、CN第1237582A号、CN第1117097B号、WO第1999/23259号、WO第2003/100059号、US第2004/127446、US第2004/142895号、US第2004/110296号、US第2004/006035号、US第2003/206887号、US第2003/190635号、US第2003/170891号、US第2003/096769号、米国特許第5,929,040号、米国特許第6,284,741号、US第2006/0234239号、及び米国特許第5,872,241号に記載されている。更には、US第2005/0255493号には、短い二重鎖RNAを使用するRNA干渉によるIGR−1R発現の低減化が開示されている。
いくつかの実施形態では、ヘッジホッグ阻害剤が、チロシンキナーゼ阻害剤(例えば、受容体チロシンキナーゼ(RTK)阻害剤)と併用して使用されている。代表的なチロシンキナーゼ阻害剤としては、限定されるものではないが、上皮細胞成長因子(EGF)経路阻害剤(例えば、上皮細胞成長因子受容体(EGFR)阻害剤)、血管内皮成長因子(VEGF)経路阻害剤(例えば、血管内皮成長因子受容体(VEGFR)阻害剤(例えばVEGFR−1阻害剤、VEGFR−2阻害剤、VEGFR−3阻害剤))、血小板由来成長因子(PDGF)経路阻害剤(例えば、血小板由来成長因子受容体(PDGFR)阻害剤(例えばPDGFR−β阻害剤))、RAF−1阻害剤、KIT阻害剤及びRET阻害剤が挙げられる。いくつかの実施形態では、ヘッジホッグ阻害剤と併用して使用される抗癌剤は、アキシチニブ(AG013736)、ボスチニブ(SKI−606)、セディラニブ(RECENTIN(商標)、AZD2171)、ダサチニブ(SPRYCEL(登録商標)、BMS−354825)、エルロチニブ(TARCEVA(登録商標))、ゲフィチニブ(IRESSA(登録商標))、イマチニブ(Gleevec(登録商標)、CGP57148B、STI−571)、ラパチニブ(TYKERB(登録商標)、TYVERB(登録商標))、レスタウルチニブ(CEP−701)、ネラチニブ(HKI−272)、ニロチニブ(TASIGNA(登録商標))、セマキサニブ(セマキサニブ、SU5416)、スニチニブ(SUTENT(登録商標)、SU11248)、トセラニブ(PALLADIA(登録商標))、バンデタニブ(ZACTIMA(登録商標)、ZD6474)、バタラニブ(PTK787、PTK/ZK)、トラスツズマブ(HERCEPTIN(登録商標))、ベバシズマブ(AVASTIN(登録商標))、リツキシマブ(RITUXAN(登録商標))、セツキシマブ(ERBITUX(登録商標))、パニツムマブ(VECTIBIX(登録商標))、ラニビズマブ(Lucentis(登録商標))、ニロチニブ(TASIGNA(登録商標))、ソラフェニブ(NEXAVAR(登録商標))、アレムツズマブ(CAMPATH(登録商標))、ゲムツズマブオゾガミシン(MYLOTARG(登録商標))、ENMD−2076、PCI−32765、AC220、ドビチニブ乳酸塩(TKI258、CHIR−258)、BIBW 2992(TOVOK(商標))、SGX523、PF−04217903、PF−02341066、PF−299804、BMS−77607、ABT−869、MP470、BIBF 1120(VARGATEF(登録商標))、AP24534、JNJ−26483327、MGCD265、DCC−2036、BMS−690154、CEP−11981、チボザニブ(AV−951)、OSI−930、MM−121、XL−184、XL−647、XL228、AEE788、AG−490、AST−6、BMS−599626、CUDC−101、PD153035、ペリチニブ(EKB−569)、バンデタニブ(ザクチマ)、WZ3146、WZ4002、WZ8040、ABT−869(リニファニブ)、AEE788、AP24534(ポナチニブ)、AV−951(チボザニブ)、アキシチニブ、BAY 73−4506(レゴラフェニブ)、ブリバニブアラニナト(BMS−582664)、ブリバニブ(BMS−540215)、セディラニブ(AZD2171)、CHIR−258(ドビチニブ)、CP 673451、CYC116、E7080、Ki8751、マシチニブ(AB1010)、MGCD−265、モテサニブ二リン酸塩(AMG−706)、MP−470、OSI−930、パゾパニブ塩酸塩、PD173074、ソラフェニブトシル酸塩(Bay43−9006)、SU5402、TSU−68(SU6668)、バタラニブ、XL880(GSK1363089、EXEL−2880)からなる群から選択される。選抜されたチロシンキナーゼ阻害剤は、スニチニブ、エルロチニブ、ゲフィチニブ、又はソラフェニブから選択される。一実施形態では、チロシンキナーゼ阻害剤はスニチニブである。
いくつかの実施形態では、本明細書に記載された癌及び転移性増殖、例えば膵臓癌を治療するために、ヘッジホッグ阻害剤は、フォルフィリノクスと併用して使用される。フォルフィリノクスは、オキサリプラチン85mg/m2とイリノテカン180mg/m2に加えてロイコボリン400mg/m2を含み、続いて1日目にボーラスフルオロウラシル(%−FU)400mg/m2、次いで46時間連続輸注にての5−FU 2,400mg/m2を含む。
いくつかの実施形態では、ヘッジホッグ阻害剤は、PI3K阻害剤と併用して使用される。一実施形態では、PI3K阻害剤は、PI3Kのδ及びγイソ型である。別の実施形態では、ヘッジホッグ阻害剤は、二重PI3K/mTOR阻害剤と併用して使用される。併用して使用され得る代表的Pi3K阻害剤は、例えばWO2010/036380号、WO第2010/006086号、WO第09/114870号、WO第05・113556号に記載されている。医薬組成物と併用して使用され得る追加のPI3K阻害剤としては、限定されるものではないが、GSK 2126458、GDC−0980、GDC−0941、Sanofi XL147、XL756、XL147、PF−46915032、BKM 120、CAL−101、CAL263、SF1126、PX−886、及び二重PI3K阻害剤(例えばNovaritis BEZ235)が挙げられる。一実施形態では、PI3K阻害剤はイソキノリノンである。一実施形態では、PI3K阻害剤はINK1197又はその誘導体である。他の実施形態では、PI3K阻害剤はINK1117又はその誘導体である。
いくつかの実施形態では、ヘッジホッグ阻害剤は、BRAF阻害剤、例えばGSK2118436、RG7204、PLX4032、GDC−0879、PLX4720、及びソラフェニブトシル酸塩(Bay43−9006)などと、及び/又は他の抗癌剤と併用して投与される。
いくつかの実施形態では、ヘッジホッグ阻害剤は、MEK阻害剤、例えばARRY−142886、GSK1120212、RDEA436、RDEA119/BAY869766、AS703026、AZD6244(セルメチニブ)、BIX02188、BIX02189、CI−1040(PD184352)、PD0325901、PD98059、及びU0126などと、及び/又は他の抗癌剤と併用して投与される。
いくつかの実施形態では、ヘッジホッグ阻害剤は、JAK2阻害剤、例えばCEP−701、INCB18424、CP−690550(タソシチニブ)などと併用して投与される。
いくつかの実施形態では、本明細書で記載されたヘッジホッグ阻害剤と併用して、1つ又はそれより多くの以下の薬剤が使用され、これらは、B−Rafの阻害剤(例えば、ソラフェニブ、PLX4032)、Mek(例えばPD032901)、Erk(例えばPD98059)、Cdk4/6(例えばPD0332991)、及びEGFR(例えばTarceva(登録商標))である。
いくつかの実施形態では、ヘッジホッグ阻害剤は、パクリタキセル又はパクリタキセル剤、例えばTAXOL、蛋白質結合パクリタキセル(例えばABRAXANE(登録商標))など、及び/又は他の抗癌剤と併用して投与される。
本明細書で使用するとき、「パクリタキセル」とは、以下の構造を有する化合物:
、又はその薬剤的に許容し得る塩を指す。
TAXOL(Bristol−Myers Squibb,Princeton,NJ)として市販されているパクリタキセルは、薬剤可能性を増強させるために、非イオン性界面活性剤のCremophr EL(ポリオキシエチレン化ヒカシ油)とエタノール中に製剤化されていている(Dorrら著「Ann.Pharmacother.」,(1994年)28:S11−S14)。Cremophor ELは、一般的に融合中に発生する、詳しく記載された超過敏反応を生み出す又は関与することによって、パクリタキセルの毒性作用を増加させる可能があり、これによって治療された患者の25〜30%に影響を及ぼす(Weissら著「J.Clin.Oncol.」(1990年)8:1263−1268頁及びRowinskyら著「N.Eng.J.Med.」(1995年)332:1004−1014頁)。これら反応の発生及び重症度を最小限にとどめるために、ヒスタミン1及び2ブロッカー、並びにグルココルチコイド(例えばデキサメタゾン)による前投薬が、標準的実施法になってきた(Finleyら著「Ann.Pharmacother.」(1994年)28:S27−S30)。前投薬として使用されるデキサメタゾンの累積的副作用は、治療関連疾患を増加させる可能性があり、時には治療の早期中断という結果をもたらす。Cremaphor ELはまた、末梢神経疾患のような慢性パクリタキセル毒性作用を増加させ得る(Windebankら著「J.Pharmacol.Exp.Ther.」(1994年)268:1051−1056)。Cremophorとエタノール溶媒から生じる更なる問題は、ルーチンの臨床用使用におけるPVCバッグ及び輸液セットからの可塑化剤の浸出である(Waughら著「Am.J.Hosp.Pharm.」(1991年)48:1520−1524頁)。したがって、TAXOLとして市販されているパクリタキセルは、ガラス瓶又は非PVC輸液システムのいずれか並びにインライン濾過を備えたシステムで調製されねばならない。これら諸問題が、水溶液中での改善された溶解性を備えたパクリタキセルの新しい製剤の開発における関心に拍車をかけてきた。
本明細書で使用するとき、「パクリタキセル剤」とは、パクリタキセルの製剤(例えばTAXOL)又はパクリタキセル等価物(例えば、パクリタキセルのプロドラッグ)を指す。代表的なパクリタキセル等価物としては、限定されるものではないが、ナノ粒子アルブミン結合パクリタキセル(Abraxis Bioscienceから市販されているABRAXANE)、ドコサヘキサエン酸結合パクリタキセル(Protargaから市販されているDHA−パクリタキセル、Taxoprexin)、ポリグルタミン酸結合パクリタキセル(Cell Therapeuticから市販されているPG−パクリタキセル、パクリタキセルポリグルメクス、CT−2103、XYOTAX)、腫瘍活性化プロドラッグ(TAP)、ANG105(ImmunoGenから市販されているパクリタキセルの3分子に結合されたAngiopep−2)、パクリタキセル−EC−1(erbB2識別ペプチドEC−1に結合されたパクリタキセル、Liら著「Biopolymers」(2007年)17:617−620参照)、及びグルコース複合パクリタキセル(例えば、2’−パクリタキセルメチル2−グルコピラノシルスクシネート、Liuら著「Bioorganic&Medicinal Chemistry Letters」(2007年)17:617−620参照)が挙げられる。
特定の実施形態では、ヘッジホッグ阻害剤と追加の抗癌剤とは、同時に投与される(すなわち、2つの薬剤の同時間又は同日にての投与、若しくは同治療計画内での投与)か、又は順次に投与される(1つの薬剤の一期間時間にわたっての投与、次いで第2の期間時間に他の薬剤の投与、若しくは2つの薬剤の異なる治療計画内での投与)。
特定の実施形態では、ヘッジホッグ阻害剤と追加の抗癌剤は同時に投与される。例えば、特定の実施形態では、ヘッジホッグ阻害剤と追加の抗癌剤とは、同一時間にて投与される。特定の実施形態では、ヘッジホッグ阻害剤と追加の抗癌剤とが、同日に投与される。特定の実施形態では、ヘッジホッグ阻害剤が、追加の抗癌剤が投与された後の同日に、又は同じ治療計画内で投与される。特定の実施形態では、ヘッジホッグ阻害剤が、追加の抗癌剤が投与される前の同日に、又は同じ治療計画内で投与される。
特定の実施形態では、ヘッジホッグ阻害剤が、ある期間時間で追加の抗癌剤と同時に投与され、追加の抗癌剤による治療が中止された時点後に、ヘッジホッグ阻害剤による治療が継続する。
他の実施形態では、ヘッジホッグ阻害剤が、ある期間時間で追加の抗癌剤と同時に投与され、ヘッジホッグ阻害剤による治療が中止された時点後に、追加の抗癌剤による治療が継続する。
特定の実施形態では、ヘッジホッグ阻害剤と追加の抗癌剤とが、順次に投与される。例えば、特定の実施形態では、追加の抗癌剤の治療計画が終了した後に、ヘッジホッグ阻害剤が投与される。特定の実施形態では、ヘッジホッグ阻害剤の治療計画が終了した後に、追加の抗癌剤が投与される。
2つ又は3つのステップの併用療法の特定の代表的な実施形態が、第2の薬剤(例えばパクリタキセル剤)とヘッジホッグ阻害剤との併用に基づいて以下のように提供されている。これらは、本明細書に開示された他の併用療法に修正を加え、及び/又はそれに応用され得る併用療法を説明するよう意図されている。
一態様では、第2の薬剤(例えばパクリタキセル剤)とヘッジホッグ阻害剤とが、同時に投与される。特定の実施形態では、第2の薬剤(例えば、パクリタキセル剤)及びヘッジホッグ阻害剤が同日に同時に患者に投与される。特定の実施形態では、第2の薬剤(例えば、パクリタキセル剤)が先ず初めに投与され、ヘッジホッグ阻害剤もまた、同日に患者に投与されることが提供される。他の実施形態では、ヘッジホッグ阻害剤が先ず初めに投与され、第2の薬剤(例えば、パクリタキセル剤)もまた、同日に患者に投与されることが提供される。更に他の実施形態では、第2の薬剤(例えば、パクリタキセル剤)とヘッジホッグ阻害剤とが、同日の同時に(同一時間にて)患者に投与される。或いは、特定の実施形態では、第2の薬剤(例えば、パクリタキセル剤)とヘッジホッグ阻害剤とが、異なる日及び/又は異なるスケジュールで投与され(例えば、1つの薬剤が毎日投与され、一方他の薬剤が毎週投与される)、両薬剤に関する治療計画が、同日に開始および終了するよう提供される。
別の態様では、第2の薬剤(例えば、パクリタキセル剤)とヘッジホッグ阻害剤とが、経時的に投与される。例えば、特定の実施形態では、第2の薬剤(例えば、パクリタキセル剤)の投与が終了した後に、ヘッジホッグ阻害剤が投与される。特定の実施形態では、ヘッジホッグ阻害剤は第2の薬剤(パクリタキセル剤)の投与が終了した直後に投与される(すなわち、第2の薬剤(例えば、パクリタキセル剤)による治療が終了した日と同日に)か、又は特定の実施形態では、第2の薬剤(例えば、パクリタキセル剤)投与の終了とヘッジホッグ阻害剤投与の開始との間に、ある期間(例えば、1日間、2日間、1週間、2週間、1か月間、2か月間、6か月間、1年間など)が存在する。或いは、特定の実施形態では、ヘッジホッグ阻害剤の投与が終了した後に、第2の薬剤(例えば、パクリタキセル剤)が投与される。特定の実施形態では、ヘッジホッグ阻害剤の投与が終了した直後に、第2の薬剤(例えばパクリタキセル剤)が投与される(すなわち、ヘッジホッグ阻害剤による治療が終了した日と同日に)か、又は、特定の実施形態では、ヘッジホッグ阻害剤投与の終了と第2の薬剤(例えば、パクリタキセル剤)投与の開始との間に、ある期間(例えば、1日間、2日間、1週間、2週間、1か月間、2か月間、6か月間、1年間など)が存在する。
特定の実施形態では、第2の薬剤(例えば、パクリタキセル剤)とヘッジホッグ阻害剤とが、ある期間時間で同時に投与され、その後、第2の期間時間(すなわち、第2の薬剤(例えば、パクリタキセル剤)の投与が終了した)にてのヘッジホッグ阻害剤の投与が続く。特定の実施形態では、第2の薬剤(例えば、パクリタキセル剤)とヘッジホッグ阻害剤との同時投与が終了した直後に(すなわち、それと同日に)、ヘッジホッグ阻害剤の投与が継続する。或いは、特定の実施形態では、第2の薬剤とヘッジホッグ阻害剤との同時投与が終了した後のある期間時間(例えば、1日間、2日間、1週間、2週間、1か月間、2か月間、6か月間、1年間など)後に、ヘッジホッグ阻害剤による治療が開始する。これら実施形態のそれぞれでは、第2の期間時間中のヘッジホッグ治療計画が、第1の期間時間中にヘッジホッグ阻害剤が第2の薬剤(例えば、パクリタキセル剤)と同時に投与された場合の治療計画と同一であり得るか、又は第2の期間時間中のヘッジホッグ阻害剤治療計画が、第1の期間時間中にヘッジホッグ阻害剤が第2の薬剤(例えば、パクリタキセル剤)と同時に投与された場合の治療計画と異なり得る。
他の実施形態では、第2の薬剤(例えば、パクリタキセル剤)とヘッジホッグ阻害剤とが、第1の期間時間で同時に投与され、続いて第2の薬剤(例えば、パクリタキセル剤)が第2の期間時間(すなわち、ヘッジホッグ阻害剤の投与期間が終了している)で投与される。特定の実施形態では、第2の薬剤(例えば、パクリタキセル剤)とヘッジホッグ阻害剤との同時投与が終了した直後に(すなわち、それと同日に)、第2の薬剤(例えば、パクリタキセル剤)の投与が継続する。或いは、特定の実施形態では、第2の薬剤(例えば、パクリタキセル剤)とヘッジホッグ阻害剤との同時投与が終了後のある期間時間(例えば、1日間、2日間、1週間、2週間、1か月間、2か月間、6か月間、1年間など)後に、第2の薬剤(例えば、パクリタキセル剤)の投与が開始する。これら実施形態のそれぞれでは、第2の期間時間中の第2の薬剤(例えば、パクリタキセル剤)治療計画が、第1の期間時間中に第2の薬剤(例えば、パクリタキセル剤)がヘッジホッグ阻害剤と同時に投与された場合の治療計画と同一であり得るか、又は第2の期間時間中の第2の薬剤(例えば、パクリタキセル剤)治療計画が、第1の期間時間中に第2の薬剤(例えば、パクリタキセル剤)がヘッジホッグ阻害剤と同時に投与された場合の治療計画と異なり得る。
特定の実施形態では、第2の薬剤(例えば、パクリタキセル剤)が、第1の期間時間で患者に投与され、続いて第2の期間時間での第2の薬剤(例えば、パクリタキセル剤)とヘッジホッグ阻害剤との併用投与が実施される。特定の実施形態では、第2の薬剤(例えば、パクリタキセル剤)とヘッジホッグ阻害剤との同時投与は、第2の薬剤(例えば、パクリタキセル剤)の投与が終了した直後に(すなわち、それと同日に)開始する。或いは、特定の実施形態では、第2の薬剤(例えば、パクリタキセル剤)とヘッジホッグ阻害剤との同時投与は、第2の薬剤(例えば、パクリタキセル剤)の投与が終了した後のある時間期間(例えば、1日間、2日間、1週間、2週間、1か月間、2か月間、6か月間、1年間など)後に開始する。これら実施形態のそれぞれでは、第2の期間時間中の第2の薬剤(例えば、パクリタキセル剤)治療計画が、第1の期間時間における治療計画と同一であり得、又は、第2の期間時間中の第2の薬剤(例えば、パクリタキセル剤)治療計画が、第1の期間時間における治療計画と異なり得る。いくつかの実施形態では、ヘッジホッグ阻害剤の投与が、同時投与が終了後に継続する(すなわち、第2の薬剤(例えば、パクリタキセル剤)の第1の期間時間での投与、続いて第2の投与期間時間での第2の薬剤(例えば、パクリタキセル剤)とヘッジホッグ阻害剤との同時投与、続いて第3の期間時間でのヘッジホッグ阻害剤の投与が実施される)。他の実施形態では、第2の薬剤(例えば、パクリタキセル剤)の投与が、同時投与が終了した後に継続する(すなわち、第2の薬剤(例えば、パクリタキセル剤)の第1の期間時間での投与、続いて第2の投与期間時間での第2の薬剤(例えば、パクリタキセル剤)とヘッジホッグ阻害剤との同時投与、続いて第3の期間時間での第2の薬剤(例えば、パクリタキセル剤)の投与が実施される)。
特定の実施形態では、ヘッジホッグ阻害剤が、第1の期間時間に患者に投与され、続いて第2の投与期間時間での第2の薬剤(例えば、パクリタキセル剤)とヘッジホッグ阻害剤との同時投与が実施される。特定の実施形態では、第2の薬剤(例えば、パクリタキセル剤)とヘッジホッグ阻害剤との同時投与は、ヘッジホッグ阻害剤の投与が終了した直後(すなわち、それと同日に)開始する。或いは、特定の実施形態では、ヘッジホッグ阻害剤の投与が終了した後のある期間時間(例えば、1日間、2日間、1週間、2週間、1か月間、2か月間、6か月間、1年間など)後に、第2の薬剤(例えば、パクリタキセル剤)とヘッジホッグ阻害剤との同時投与が開始する。これら実施形態のそれぞれでは、第2の期間時間中のヘッジホッグ阻害剤の治療計画が、第1の期間時間中の治療計画と同一であり得、又は第2の期間時間中のヘッジホッグ阻害剤の治療計画が、第1の期間時間中の治療計画と異なり得る。いくつかの実施形態では、ヘッジホッグ阻害剤の投与が、同時投与が終了した後に継続する(すなわち、第1の期間時間でのヘッジホッグ阻害剤の投与、続いて第2の期間時間での第2の薬剤(例えば、パクリタキセル剤)とヘッジホッグ阻害剤との同時投与、続いて第3の期間時間でのヘッジホッグ阻害剤の投与が実施される)。他の実施形態では、第2の薬剤(例えば、パクリタキセル剤)の投与が、同時投与が終了した後に継続する(すなわち、第1の期間時間でのヘッジホッグ阻害剤の投与、続いて第2の期間時間での第2の薬剤(例えば、パクリタキセル剤)とヘッジホッグ阻害剤との同時投与、続いて第3の期間時間での第2の薬剤(例えば、パクリタキセル剤)の投与が実施される)。
第2の薬剤(例えば、パクリタキセル剤)の治療的有効量と、ヘッジホッグ阻害剤の治療的有効量と、追加の治療用薬剤の治療的有効量とを患者に投与することによって、癌を治療する方法が更に提供されている。第2の薬剤(例えば、パクリタキセル剤)、ヘッジホッグ阻害剤、及び追加の治療用薬剤は、同時に又は順次に投与され得、若しくは同時投与と順次投与の組み合わせを使用して投与され得る。
いくつかの実施形態では、第2の薬剤(例えば、パクリタキセル剤)、ヘッジホッグ阻害剤、及び追加の治療用薬剤は、同時に投与される。例えば、特定の実施形態では、第2の薬剤(例えば、パクリタキセル剤)、ヘッジホッグ阻害剤、及び追加の治療用薬剤は、同日に患者に投与されるか、又は、特定の実施形態では、これらは同日の同時に投与される。或いは、特定の実施形態では、第2の薬剤(例えば、パクリタキセル剤)、ヘッジホッグ阻害剤、及び追加の治療用薬剤は、異なる日に及び/又は異なるスケジュールで投与され(例えば、1つが毎日又は隔日に投与され、一方他が毎週投与される)、すべての薬剤に関する治療計画が同日に開始または終了するよう提供される。
特定の実施形態では、第2の薬剤(例えば、パクリタキセル剤)、ヘッジホッグ阻害剤、及び追加の治療用薬剤は、順次に投与される。例えば、特定の実施形態では、第1の期間時間で追加の治療用薬剤が投与され、その後、第2の期間時間で第2の薬剤(例えば、パクリタキセル剤)とヘッジホッグ阻害剤との同時投与が続く。特定の実施形態では、第2の薬剤(例えば、パクリタキセル剤)とヘッジホッグ阻害剤との同時投与が、第3の薬剤の投与が終了した直後に(すなわち、それと同日に)開始する。或いは、特定の実施形態では、第3の薬剤の投与が終了後のある時間期間(例えば、1日間、2日間、1週間、2週間、1か月間、2か月間、6か月間、1年間など)後に、第2の薬剤(例えば、パクリタキセル剤)とヘッジホッグ阻害剤との同時投与が開始する。本方法はまた、第1の期間時間でのヘッジホッグ阻害剤の投与、それに続く第2の期間時間での第2の薬剤(例えば、パクリタキセル剤)と第3の薬剤の投与、並びに第1の期間時間での第2の薬剤(例えば、パクリタキセル剤)の投与、それに続く第2の期間時間でのヘッジホッグ阻害剤と第3の薬剤の投与も考えられる。これら実施形態のいずれにおいても、第2の薬剤(例えば、パクリタキセル剤)、ヘッジホッグ阻害剤、及び/又は第3の治療用薬剤のうちのいずれの1つも、第2の期間時間での同時投与に続く第3の期間時間で投与され得る。
更には、第2の薬剤(例えば、パクリタキセル剤)、ヘッジホッグ阻害剤、及び第3の治療用薬剤が、第1の期間時間で投与され得、続いて、第2の期間時間での第2の薬剤(例えば、パクリタキセル剤)、ヘッジホッグ阻害剤、及び第3の治療用薬剤の同時投与が実施される。例えば、第2の薬剤(例えば、パクリタキセル剤)が第1の期間時間で投与され得、その後、第2の期間時間での第2の薬剤(例えば、パクリタキセル剤)、ヘッジホッグ阻害剤、及び第3の治療用薬剤の同時投与が続く。同時投与に続いて、第3の期間時間には、第2の薬剤(例えば、パクリタキセル剤)、ヘッジホッグ阻害剤、及び/又は第3の治療用薬剤のいずれか1つが投与され得る。
いくつかの例では、第2の薬剤(例えば、パクリタキセル剤)、ヘッジホッグ阻害剤、及び第3の治療用薬剤が、第1の期間時間で投与され得、その後、第2の期間時間での、第2の薬剤(例えば、パクリタキセル剤)、ヘッジホッグ阻害剤及び第3の治療用薬剤のうちの1つ又は2つの投与が続く(すなわち、第2の薬剤(例えば、パクリタキセル剤)、ヘッジホッグ阻害剤及び第3の治療用薬剤のうちの1つ又は2つの投与が終了し、その一方で他の薬剤の投与が継続する)。例えば、第2の薬剤(例えば、パクリタキセル剤)、ヘッジホッグ阻害剤、及び第3の治療用薬剤が、第1の期間時間で投与され得、その後、第2の期間時間でのヘッジホッグ阻害剤の投与が続く。第2の期間時間に引き続いて、第2の薬剤(例えば、パクリタキセル剤)、ヘッジホッグ阻害剤及び第3の治療用薬剤のうちのいずれか1つが、第3の期間時間で投与され得る。
第2の薬剤(例えば、パクリタキセル剤)の治療的有効量、ヘッジホッグ阻害剤の治療的有効量、及び必要に応じて第3の薬剤の治療的有効量を投与することによって、癌治療を実施中又は実施した膵臓癌患者の無再発生存を延長させる方法が、更に提供されている。
本明細書に記載されたように、第2の薬剤(例えば、パクリタキセル剤)とヘッジホッグ阻害剤は、同時投与され得、順次投与され得、又は同時及び順次投与の組み合わせを使用して投与され得る。いくつかの実施形態では、第2の薬剤(例えば、パクリタキセル剤)及び/又はヘッジホッグ阻害剤が、癌治療と共に同時に投与される。同時投与の例では、癌治療が終了した後に、第2の薬剤(例えば、パクリタキセル剤)及び/又はヘッジホッグ阻害剤は、投与されることが継続し得る。他の実施形態では、癌治療が終了した後に、第2の薬剤(例えば、パクリタキセル剤)及び/又はヘッジホッグ阻害剤が投与される(すなわち、癌治療と重複する期間を伴わない)。第2の薬剤(例えば、パクリタキセル剤)及び/又はヘッジホッグ阻害剤は、癌治療が終了した直後に投与され得るか、又は癌治療の終了と第2の薬剤(例えば、パクリタキセル剤)及び/又はヘッジホッグ阻害剤の投与との間に時間的ギャップ(例えば、1日、1週間、1か月、6か月、又は1年に及ぶ)が存在し得る。第2の薬剤(例えば、パクリタキセル剤)及び/又はヘッジホッグ阻害剤による治療は、無再発生存が維持される限り長く(例えば、1日、1週間、1か月、6か月、1年、2年、3年、4年、5年、またはそれ以上長期にわたって)継続し得る。
癌治療が終了した後、第2の薬剤(例えば、パクリタキセル剤)の治療的有効量とヘッジホッグ阻害剤の治療的有効量とを患者に投与することによって、癌治療をすでに実施した膵臓癌患者の無再発生存を延長させる方法が、更に提供されている。本明細書に記載されているように、第2の薬剤(例えば、パクリタキセル剤)とヘッジホッグ阻害剤は、同時投与され得、順次投与され得、又は同時及び順次投与の組み合わせを使用して投与され得る。第2の薬剤(例えば、パクリタキセル剤)とヘッジホッグ阻害剤は、癌治療が終了した直後に投与され得るか、又は癌治療の終了と第2の薬剤(例えば、パクリタキセル剤)及び/又はヘッジホッグ阻害剤の投与との間に時間的ギャップ(例えば、1日、1週間、1か月、6か月、又は1年に及ぶ)が存在し得る。
第2の薬剤(例えば、パクリタキセル剤)の治療的有効量とヘッジホッグ阻害剤の治療的有効量を投与することによって、患者の膵臓腫瘍及び/又は転移癌を治療(例えば腫瘍の量又は発生を減らす)又は予防するための方法も、更に提供されている。本明細書に記載されたように、第2の薬剤(例えば、パクリタキセル剤)とヘッジホッグ阻害剤は、同時投与され得、順次投与され得、又は同時及び順次投与の組み合わせを使用して投与され得る。
他の実施形態では、本明細書で記載されたヘッジホッグ阻害剤及び併用療法は、他の化学療法剤、放射線療法、又は外科手術手技のうちの1つ又はそれより多くと併用して更に使用され得る。
実施例
ここまで一般的に説明されてきた本発明は、以下の実施例を参照することによってより容易に理解されるであろうが、この実施例は、本発明の特定の態様及び実施形態の単なる例示目的で挙げられたものであり、本発明を限定しようとするものではない。
実施例1:ヘッジホッグ経路における活性
癌細胞殺傷効果に特異的なヘッジホッグ経路は、以下のアッセイ法によって確認され得る。C3H10T1/2細胞は、ソニックヘッジホッグペプチド(Shh−N)に接触する場合に、骨芽細胞へと分化する。分化の際に、これら骨芽細胞は、酵素アッセイ法で測定され得る高レベルのアルカリホスファターゼ(AP)を産生する(Nakamuraら著,1997年、「BBRC」237:465頁)。したがって、C3H10T1/2の骨芽細胞への分化をブロックする(Shh依存性事象)化合物は、AP生成の低減によって同定され得る(van der Horstら著,2003年,「Bone」33:899頁)。アッセイ法の詳細は、以下に記載されている。
細胞培養
マウス胎児中胚葉繊維芽細胞C3H10T1/2細胞(ATCCから入手)を、10%熱不活性化FBF(Hyclone)、50単位/mlのペニシリン及び50ug/mlのストレプトマイシン(Gibco/Invitrogen)を補充したBasal MEM培地(Gibco/Invitrogen)中、5%のCOを含む大気中、37℃で培養した。
アルカリホスファターゼアッセイ
C3H10T1/2細胞を、8×10細胞/ウェルの細胞密度で、96ウェル中にプレートした。細胞を集密になるまで増殖した(72時間)。ソニックヘッジホッグ(250ng/ml)及び/又は化合物での処置後、細胞を溶解緩衝液(50mM Tris pH7.4、0.1% TritonX100)110μL中で溶解させて、プレートを音波処理し、並びに溶解物を、0.2μmPVDFプレート(Corning)を通して回転させた。溶解物40μLを、1mg/mlのp−ニトロフェニルホスフェートを含有するアルカリ緩衝溶液(Sigma)中のAP活性について評価分析した。37℃にて30分間のインキュベーション後、Envisionプレートリーダー上、405nmにてプレートを読み取った。総蛋白質を、Pierceから入手したBCA蛋白質アッセイキットによって、製造者の使用説明書に従って定量化した。AP活性は、総蛋白質に対して標準化された。上記アッセイを使用することによって、IPI−926は、20nM未満のIC50を備えたヘッジホッグ経路の拮抗剤であることが示された。
実施例2:膵臓癌単剤療法モデル
IPI−926の活性を、ヒト膵臓癌モデルでテストした。BxPC−3細胞を、マウス右脚の側部に皮下移植した。腫瘍移植後42日目に、マウスを、ベヒクル(30%HPBCD)又はIPI−926のいずれかを投与される2つの群に無作為割付けした。IPI−926は、40mg/kg/日で投与された。25日間の毎日投与後に、IPI−926は、ベヒクル対照と比較した場合、約40%まで腫瘍体積を統計学的に減少させた(p=0.0309)(図1参照)。
研究の最後で、最終投与から4時間後に腫瘍を収穫し、ヘッジホッグ経路遺伝子のq−RT−PCR解析によって、標的反応を評価した。図2Aで示されたように、ヒトGli−1は、ベヒクル又は処置群のいずれでも調節されなかった。しかしながら、ネズミGli−1 mRNAレベルは、ベヒクル処置群と比較した場合、IPI−926処置群で著しくダウンレギュレートされた(図2B参照)。
実施例3:膵臓癌同時併用療法モデル
BxPC−3膵臓癌異種移植片を保持する動物が、IPI−926と同時併用されて化学療法剤ゲムシタビンで処置された。ゲムシタビンは、腹腔内注入によって、1週間に2回、100mg/kgの投与量で投与され、一方IPI−926は、経口強制給飼によって、40mg/kg/日の投与量で投与された。図3で示されたように、これら状況下において、腫瘍はゲムシタビン単独に対して33%、IPI−926単独に対して55%、及びIPI−926とゲムシタビンの併用に対して67%の反応を示した。
別のモデルでは、MiaPaCa膵臓癌異種移植片を保持する動物が、IPI−926と同時併用された化学療法剤ゲムシタビンで処置された。ゲムシタビンは、腹腔内注入によって、1週間に1回、100mg/kgの投与量で投与され、一方IPI−926は、経口強制給飼によって、40mg/kg/日の投与量で投与された。図4で示されたように、これら状況下において、腫瘍は、ゲムシタビン単独に対して52%の反応、IPI−926単独に対して50%の反応、及びIPI−926とゲムシタビンの併用に対して70%の反応を示した。
実施例4:肺癌同時併用療法モデル
ヒト小細胞肺癌腫瘍モデルにおけるIPI−926の活性をテストするために、LX22細胞を、オスNcrヌードマウスの右脚側部に皮下移植した。LX22は、化学療法歴のない患者から誘導されたSCLCの初期異種移植モデルであり、マウスからマウスへの継代によって維持されてきたものである。この腫瘍は、臨床的設定に極めて似た、エトポシド/カルボプラチン化学療法に反応する。LX22は、化学療法中に退行し、寛解期を経て、次いで再発を開始する。
LX−22小細胞肺癌異種移植片を保持する動物が、IPI−926と同時併用して、化学療法剤エトポシドとカルボプラチンで処置された。この実験では、エトポシドは、静脈内経路によって12mg/kgの投与量で3日間連続して投与され、次いで最初の投与から2週間後に、単回投与された。カルボプラチンは、毎週60mg/kgの投与量にて3週間、静脈内注入によって投与された。IPI−926は、エトポシド/カルボプラチン処置と同時に、又はエトポシド/カルボプラチン処置の直後に、毎日40mg/kgの投与量にて、経口強制給飼によって投与された。図5で示されたように、これら条件下において、エトポシド/カルボプラチン単独投与された動物と比較した場合、腫瘍は、全ての処置に対して全体として40%の反応を示した。
実施例5:化学療法耐性再発モデル
LX22モデルでは、IPI−926単独薬剤活性及びその化学療法耐性再発を調節する能力がテストされた。腫瘍移植後32日目に、マウスを、ベヒクル(30%HBPCD)、IPI−926、又はエトポシドとカルボプラスチン(E/P)の多剤併用化学療法を与えられる群に無作為割付けした。IPI−926は40mg/kg/日の投与量で投与され、エトポシドは、12mg/kgの投与量で、移植後34、35、36及び48日目に静脈内投与され、並びにカルボプラスチンは、60mg/kgの投与量で、移植後34、41、及び48日目に静脈内投与された。16日間の連続投与後には、IPI−926で処置された群とベヒクル処置群との間には、測定可能な差異はなかった(図6参照)。50日目に、E/P処置マウスが、ベヒクル(30%HPBCD)又はIPI−926追加処置のいずれかを受ける群に更に無作為割付けされた。IPI−926は40mg/kg/日の投与量で投与された。図6で示されたように、IPI−926の35日間の連続投与後に、ベヒクル群と比較して、処理群で腫瘍再発の実質的な遅延(82%)が存在した(p=0.0101)。
実施例6:結腸癌併用療法モデル
Colo205結腸癌異種移植片を保持する動物が、IPI−926と併用して、化学療法剤5−フルオロウラシルで処置された。5−フルオロウラシルは、50mg/kg又は100mg/kgのいずれかの投与量にて、1週間に1回、腹腔内注入として2週間投与された。IPI−926は、40mg/kgの投与量にて、毎日、経口強制給飼として21日間投与された。これら条件下において、腫瘍は、5−フルオロウラシル単独又はIPI−926との併用に対して、腫瘍は68%の反応を示した。
実施例7:結腸癌化学療法耐性再発モデル
動物に、SW620結腸癌細胞を移植する。腫瘍保持動物の腫瘍が化学療法処置に反応するような期間に、動物にパクリタキセルが投与される。これら動物が、一方がベヒクルが投与される、並びにもう一方がIPI−926が投与される2つの群に無作為割り付けされた。異なる療法に対する腫瘍反応が、本明細書で説明されたように決定される。
或いは、Colo205結腸癌細胞が、実験動物に移植される。腫瘍保持動物の腫瘍が化学療法処置に反応するような期間に、動物に5−フルオロウラシルを投与される。次いで、これら動物を、一方がベヒクルを投与される、もう一方がIPI−926を投与される2つの群に無作為割付けする。異なる療法への腫瘍反応が、本明細書で説明されたように決定される。
実施例8:卵巣癌モデル
IGROV−1卵巣癌異種移植片を保持するマウスが、40mg/kgにてのIPI−926の投与量で、毎日、21日間連続で処置された。腫瘍増殖への実質的影響は、この特別な卵巣癌細胞異種移植片でのこの投与量では観測されなかった。更なる研究において、IGROV−1卵巣癌異種移植片保持マウスが、15mg/kgの投与量にてのパクリタキセルによる5日間連続投与、続いて40mg/kgの投与量にてのIPI−926による21日間連続投与で処置された。同様に、腫瘍増殖に及ぼす実質的な影響は、この特別な卵巣癌細胞異種移植片で、この投与量では観測されなかった。
他の卵巣癌細胞型がIPI−926による処置に反応するかどうかを判断するために、SKOV−3、OVCAR−4又はOVCAR−5卵巣癌細胞が、実験動物に移植される。単剤療法及び同時併用療法の効果を決定するために、腫瘍保持動物に、パクリタキセル又はカルボプラスチン単独で、IPI−926単独で、若しくはIPI−926及びパクリタキセル又はカルボプラスチンの併用が投与される。連続併用療法の効果を判断するために、腫瘍保持動物に、その腫瘍が化学療法に反応するような期間に、パクリタキセル又はカルボプラスチンが投与される。次いで、これら動物を、一方がベヒクルを投与され、他方がIPI−926を投与される2つの群に無作為割付けする。異なる療法に対する腫瘍反応が、本明細書で説明されたように決定される。
実施例9:膀胱癌モデル
単剤療法及び同時併用療法の効果を決定するために、UMUC−3膀胱癌細胞が動物に移植される。次いで腫瘍保持動物に、ゲムシタビン/シスプラチン単独、IPI−926単独、又は3つの薬剤を併用して投与される。異なる療法に対する腫瘍反応が、本明細書で説明されたように決定される。
連続併用療法の効果を判断するために、動物にUMUC−3膀胱癌細胞が移植され、次いで腫瘍保持動物に、その腫瘍が化学療法に反応する期間に、ゲムシタビンとシスプラチンが併用して投与される。次いで、これら動物を、一方がベヒクルを投与され、他方がIPI−926を投与される2つの群に無作為割付けする。異なる療法に対する腫瘍反応が、本明細書で説明されたように決定される。
或いは、SW780膀胱癌細胞が、実験動物に移植される。単剤療法及び同時併用療法の効果を決定するために、腫瘍保持動物に、ゲムシタビン/シスプラチン単独で、IPI−926単独で、若しくは3つの薬剤を併用して投与される。連続併用療法の効果を決定するために、腫瘍保持動物に、その腫瘍が化学療法に反応する期間に、ゲムシタビンとシスプラチンとを併用して投与する。次いで、これら動物を、一方がベヒクルを投与され、他方がIPI−926を投与される2つの群に無作為割付けする。異なる療法に対する腫瘍反応が、本明細書で説明されたように決定される。
実施例10:非小細胞癌モデル
単剤療法及び同時併用療法の効果を決定するために、動物にNCI−H1650非小細胞肺癌細胞が移植される。次いで腫瘍保持動物に、ゲフィチニブ単独、IPI−926単独、又は2つの薬剤を併用して投与される。異なる療法に対する腫瘍反応が、本明細書で説明されたように決定される。
連続併用療法の効果を判断するために、動物にNCI−H1650非小細胞肺癌細胞が移植され、次いで腫瘍保持動物に、その腫瘍がゲフィチニブ処置に反応する期間に、ゲフィニチブ投与される。次いで、これら動物を、一方がベヒクルを投与され、他方がIPI−926を投与される2つの群に無作為割付けする。異なる療法に対する腫瘍反応が、本明細書で説明されたように決定される。
実施例11:ヘッジホッグリガンド誘導研究
LX22モデルでの追跡研究が、エトポシド及びカルボプラチン(E/P)処置後のIPI−926によるHh経路の調節を検討するようにデザインされた。上記実施例4で記載されたように、LX22小細胞肺癌異種移植片保持動物が、エトポシド及びカルボプラチンで処置された。回収されるそれぞれの時点の24時間前に、IPI−926単回投与(40mg/kg)が投与された。化学療法処置に先立って、ベースラインのために、未処置腫瘍が5匹の動物から回収された。4匹の動物からの腫瘍が、1、4、7、及び10日目に、3匹の動物からの腫瘍が、14日目に回収された。q−RT−PCR解析及び組織学/免疫組織化学法評価のために、サンプルが回収された。RNAが抽出され、更にcDNAの第1変換によって、次いで一段階マスターミックス(7900でのFAST法)を使用して、q−RT−PCR分析が完了した。
本研究の結果は、RT−PCR法及び免疫組織化学法の双方で測定されたように、Hhリガンド、特にインディアンHh(IHH)が、ヒト腫瘍細胞中及び周辺のネズミ間質細胞中でアップレギュレートされることを示した(図7A及び7B参照)。更に、間質由来ネズミGli−1及び腫瘍由来ヒトGli−1が、腫瘍由来リガンドに応答して誘導された。ネズミGli−1発現は、未処置腫瘍での発現レベルに比べて、E/P処置の中断後少なくとも14日間で上昇したままであり、並びにIPI−926の投与によって阻害され(図8A参照)、一方ヒトGli−1発現は、IPI−926の投与によって影響されなかった(図8B参照)。いかなる理論にも束縛されるものではないが、化学療法後の腫瘍由来Hhリガンドのアップレギュレーションは、腫瘍再発にとって重要であるようなHh経路に依存する細胞集団の生存に影響を与え得ると考えられる。これらの所見は、先にHhシグナル伝達のために重要であると示された(Yauchら著、2008年、「Nature」455:406−410頁)、観測された腫瘍と周辺間質との間のパラクリン相互干渉と合致している。
実施例12:ヘッジホッグリガンド誘導研究
化学療法後のHhリガンドの誘導もまた、他の癌腫瘍モデルにおいて研究された。インヴィヴォで、UMUC−3膀胱癌異種移植片保持マウスに、100mg/kgのゲムシタビンが、1週間に1回、4週間投与された。最終投与後24時間で、腫瘍は、LX22モデルで観測されたものと同様な増加したIHH発現を示した(図9A及び図9B参照)。インヴィトロ研究では、ドキソルビシン又はゲムシタビンのいずれかに12〜24時間曝されたUMUC−3細胞中で、全てのHhリガンド(ソニック、インディアン及びデザート)がアップレギュレートされることを示した(図10中のドキソルビシンデータを参照)。追加のインヴィトロ研究は、カルボプラチンによる処置後に、A2780卵巣癌細胞中で、IHH発現が増加されるが、一方ソニックHh(SHH)発現は影響されないこと(図11参照)、並びにSHHが最大程度までアップレギュレートされることを伴って、IHHとSHHの双方がIGROV−1細胞中で増加されること(図12参照)を示した。更なるインヴィトロ研究は、少細胞肺癌H82細胞中で、ドセタキセルによってSHHがアップレギュレートされるが、カルボプラチンではアップレギュレートされず、一方IHHは、これらいずれの薬剤によってもアップレギュレートされないことを示した(図13参照)。
化学療法以外で、細胞性ストレスがHhリガンド発現をアップレギュレートするかどうかを判断するために、UMUC−3細胞が、インヴィトロにて低酸素を含む種々のストレス源に曝された。非毒性対照と比較された場合、SHHリガンド発現は、RNA及び蛋白質レベルの双方で増加された(図14参照)。
要約すると、複数の腫瘍型が、化学療法後のHhリガンドのアップレギュレーションを表す。アップレギュレートされるHhリガンドの型(すなわち、ソニック、インディアン及び/又はデザート)及びアップレギュレーションの程度は、腫瘍型及び化学療法剤に依存して変化する。いかなる理論にも束縛されるものではないが、これら結果は、ストレス(化学療法を含む)は、保護又は生存機構として、腫瘍細胞中のヘッジホッグリガンド生産を誘導することを示唆している。これら結果は、生存する亜集団は、Hh経路に依存し得ること、したがって、Hh経路阻害への感受性を示し得ることを更に示唆している。まとめると、これら結果は、ヘッジホッグ阻害は、初期は化学療法に反応性であるが、最終的に再発するような臨床適応(例えば小細胞肺癌、非小細胞肺癌、膀胱癌、結腸癌、又は卵巣癌のような)における無再発生存率を増大し得ることを示唆している。
実施例13:ソニックヘッジホッグ(SHH)を検出するための免疫組織化学(IHC)研究
ヒト神経内分泌サンプルで、免疫組織化学分析によって、ソニックヘッジホッグ(SHH)リガンドが検出され得るかどうかを決定するために、神経内分泌組織マイクロアレイ(TMA)HTMA17(Dana−Farber Cancer Institute(DFCI)から入手)が、SHH免疫染色に関してテストされた。染色のための部分が、先ず初めに脱パラフィン化され、一連の段階的なアルコール中で水和処理され、次いで、加圧下、120℃にて、クエン酸緩衝液(pH=6)中で20分間、熱誘導エピトープ検索(HIER)を経て処理された。次に、サンプルが室温に戻されて、SHH免疫組織化学(IHC)法のために調製された。ウサギ抗−ヒトSHH抗体(EP1190Y)(Abcamカタログ#ab53281)を、第一抗体として1:2000希釈にて使用された。Rabbit−on−Rodent Polymer(Biocareカタログ#RMR622L)が、第二ポリマーシステムとして使用された。DAB液基質緩衝液+クロモゲンシステム(DAKOカタログ#K3468)を、顕色及び染色の検出のために使用した。
それぞれのTMAスポットに関する肉眼的観察によって計算された染色のパーセンテージに基づいて、データが評価された。起源の臓器でサンプルをグループ分けすることによって、データが整理された(良性対腫瘍性)。図15A〜15Gに示されたように、SHHリガンドの発現は、虫垂、十二指腸、回腸膵臓直腸、小腸及び肺を含む異なる起源の臓器の複数の神経内分泌癌中で検出された。
実施例14:神経内分泌癌モデルにおけるIPI−926の効果
神経内分泌癌(NET)モデルにおけるIPI−926の効果を決定するために、Bon−1細胞が、オスNcrヌードマウスに移植された(5×10細胞/マウス)。Bon−1(Purdue Universityから入手)は、ヒト膵臓神経内分泌癌細胞系であり、10%FBSと1%ペニシリン/ストレプトマイシンで補充されたRPMI1460培地中で維持された。IPI−926による処置は、腫瘍体積が一旦約200mmに到達してから開始された。腫瘍保持マウスが、5%HPBCD中のIPI−926の単回投与で、投与量40mg/kgで経口強制給飼によって処置された(8ml/kg)。
RT−PCR分析
サンプルが、IPI−926の単回投与処置後、24、48及び72時間で回収され、qRT−PCR分析のために、急速凍結された。未処置腫瘍が回収され、IPI−926処置腫瘍と比較するための対照として供給した。標準TRIZOL(登録商標)(Invitrogen)法を使用して、全ての腫瘍から総RNAが抽出され、RNEASY(登録商標)Mini Kit(Qiagen)を使用して洗浄された。次に、RNAがcDNAに変換され、ネズミGli1、ヒトGli1、及びヒトヘッジホッグリガンド(ソニックHh(SHH)及びインディアンHh(IHH)))の発現のqRT−PCR分析のための各反応/サンプル中で、50ngのcDNAが使用された。全てのサンプルは、繰り返しテストされた。
図16A〜16Bで示されたように、間質由来ネズミGli−1 mRNAの発現は、IPI−926による処置後、72時間に至るまでダウンレギュレートされたが、一方、腫瘍由来ヒトGli−1の発現は、IPI−926に対して顕著には調節されなかった。図16C〜16Dに示されたように、ヒトソニックヘッジホッグ(hSHH)とヒトインディアンヘッジホッグ(hIHH)は、IPI−926で処置された腫瘍中では、著しく影響されることはなかった。これらの結果は、腫瘍細胞から分泌されるHhリガンドは、腫瘍細胞と間質との間で発生するパラクリンシグナル伝達カスケード中の周辺の間質細胞微小環境を活性化することを示唆している。Hh経路の活性化は、膵臓NETs中の腫瘍微小環境を維持する上で、重要な役割を果たす。
ソニックヘッジホッグ(SHH)免疫染色
腫瘍が切除され、10%中性緩衝ホルマリン中で24時間固定された。翌日、サンプルを70%エタノール中の保存に切り替えた。腫瘍が、標準プロトコールに従って処理され、埋設された。埋設された腫瘍組織が、SHH免疫組織化学(IHC)法のために、5um部分に区分化された。染色される部分が、先ず初めに脱パラフィン化され、一連の段階的アルコール中で水和され、次いで、クエン酸緩衝液(pH=6)中、加圧化120℃にて20分間、熱誘導エピトープ検索(HIER)を通過させた。次に、サンプルを室温に戻し、SHH免疫組織化学(IHC)法のために調製した。ウサギ抗−ヒトSHH抗体(EP1190Y)(Abcamカタログ#ab53281)を、1:2000希釈にて、第一抗体として使用した。Rbbito−on−Rodent Polymer(Biocareカタログ#RMR622L)を、第二ポリマーシステムとして使用した。DAB液体基質緩衝液+クロモゲンシステム(DAKOカタログ#K3468)を、顕色及び染色の検出のために使用した。図17に示されたように、ヒトSHHの発現は、ヒト腫瘍細胞中及び周囲のネズミ間質細胞中で検出された。
実施例15:神経内分泌癌細胞モデルにおける、IPI−926単独又はスニチニブと併用された場合のIPI−926の効果
神経内分泌癌(NET)モデルにおける、IPI−926の単独又はスニチニブと併用された場合の効果を決定するために、Bon−1細胞を、オスNcrヌードマウスに移植した(5×10細胞/マウス)。移植前に、Bon−1細胞を、10%FBSと1%ペニシリン/ストレプトマイシンで補充されたRPMI1460培地中で培養した。腫瘍体積が約200mmに一旦到達した時点で、処置が開始された。
腫瘍細胞移植後13日目に、マウスを、ベヒクル対照(5%HPBCD)、5%HPBCD中のIPI−926、スニチニブ(水溶液)、又はIPI−926と併用したスニチニブを投与する3つの投与群に無作為割付けした。13日目から33日目に至るまで、IPI−926は、投与量40mg/kgで隔日、経口強制給飼によって投与された(8ml/kg)。スニチニブは、投与量40mg/kgで毎日、経口強制給飼によって投与された(8ml/kg)。したがって、この実験では、Bon−1膵臓神経内分泌癌細胞を保持するマウスは、合計でIPI−926の10回投与及び/又はスニチニブの20回投与を受けたことになる。体重と腫瘍測定が、1週間に3回行われた。腫瘍測定は、カリパスを使用して、二寸法(幅×長さ)で測定され、並びに腫瘍体積は長さ×幅/2に等しい。処置の開始日から20%より大きい体重減少又は3000mm以上の腫瘍体積は、動物を安楽死させた。分析のためのサンプルを、最終投与後24時間で回収した。回収された腫瘍は分析的評価及びqRT−PCR解析のために急速凍結された。病理組織検査のために、サンプルを70%エタノール中に移す前に、腫瘍を10%ホルマリン中で24時間固定化した。
図18に示されたように、腫瘍測定の最終日に、IPI−926単独投与群は、対照群と比較した場合に、35%の腫瘍増殖阻害(TGI)を示し、一方スニチニブ(「Sutent」として表示)単独投与群は、対照群と比較した場合に、60%のTGIを示した。スニチニブとIPI−926を併用投与されたマウスは、72%のTGIを示した。ベヒクル対照と比較した全ての%TGIは、統計的に有意であった(IPI−926単独群ではp=0.0096、スニチニブ単独群ではp=0.0028、IPI−926とスニチニブ併用群ではp=0.0002)。IPI−926とスニチニブの併用投与群は、IPI−926単独(p=0.1631)又はスニチニブ単独(p=0.3593)群と比較した場合、統計的に有意な%TGIを示さなかった。これら結果は、IPI−926とスニチニブが併用投与された場合に、対照群と比較して腫瘍体積増殖の減少における効果での統計的に有意な増加を示した。
実施例16A:ラット同系軟骨肉腫モデルにおける術前補助療法及び補助療法でのIPI−926の効果
軟骨肉腫の治療的課題
軟骨肉腫は、一般的に腫瘍細胞による軟骨様マトリックスの産生を有する新生細胞の異種群を構成する。骨格悪性疾患の2番目の位置を占めるこれらタイプの臨床管理は、過去30年間大きく変わらないままである。それらの細胞外マトリックス、分裂細胞の低パーセンテージ、及び劣悪な血管分布のために、軟骨系腫瘍は、比較的に化学療法及び放射線療法耐性であると一般的に信じられている。したがって、この腫瘍の主たる治療法として、手術が未だ広く普及している。軟骨肉腫の臨床管理を改善することは課題であり、並びに革新的な治療手段を開発することが、軟骨肉腫の患者の治療においての重要なゴールである。
肉腫治療のためのHh経路の阻害
ヘッジホッグ(Hh)遺伝子は、胚発生中の増殖及び分化のシグナル伝達経路において重要である。この経路の無制御の活性化は、癌の特異的型をもたらし、並びにHhシグナル伝達の阻害が、腫瘍増殖を抑制することが可能であるという証拠がある。軟骨肉腫及び骨肉腫細胞系中のヘッジホッグシグナル伝達の阻害剤を使用する前臨床的研究は、筋骨格肉腫治療のための今後の薬剤としてのHh阻害剤の有効性に関する証拠を提供した。Hh経路の阻害は、抗癌活性を有し、並びに肉腫侵襲(局所的又は転移)を制限又は阻害するために使用され得ると考えられている。先の研究は、mTOR経路の阻害は、軟骨肉腫へ向けられる強い抗腫瘍活性を有することを確立した。これらデータに基づいて、Hh阻害剤とmTORの阻害剤の組み合わせが、付加的抗腫瘍効果のために注目すべき組み合わせを構成する。
以下に記載されているのは、Hh−特異的阻害剤IPI−926(本明細書では化合物42とも称される)の単独又はmTORの特異的阻害剤と併用されての使用が、軟骨肉腫進行を阻害し得るかどうかを評価することを意図するインヴィヴォ実験(臨床関連設定における)である。これを評価するために、ラット同系軟骨肉腫モデルが、2つの主要な設定において特性評価され得る。
設定1.軟骨肉腫のための治癒的治療としてIPI−926を評価
IPI−926の腫瘍増殖に及ぼす効果が、同系軟骨肉腫モデルにおいて評価され得る。この設定では、処置は、腫瘍移植後10日目に開始されるであろう(実験プロトコール参照)。IPI−926の治療的効果(単独又はmTOR阻害剤との併用)は、通常の化学療法の1つ(アドリアマイシン)及びmTORの阻害剤と比較され得る。
設定2.「再発した」軟骨肉腫に及ぼすIPI−926治療的効果を評価
実験の第2の設定では、IPI−926とIPI−926をベースにする薬剤の組み合わせが、病巣内掻爬後に発生した腫瘍増殖に及ぼす効果が評価され得る。これらシリーズでは、病巣内掻爬が、進行性腫瘍を持つ(すなわち、1000mm3の腫瘍体積を備える)ラットで実施されるであろう。この設定では、処置は、掻爬後1日目に開始される。第1の設定のように、IPI−926の治療的効果は、通常の化学療法の1つ(アドリアマイシン)及びmTORの阻害剤と比較され得る。
それぞれの設定に関して、IPI−926及び通常の細胞毒性薬剤療法の治療的効果の比較は、腫瘍体積変化(MRI及びカリパスを使用した腫瘍測定)、腫瘍壊死パーセンテージ及び有糸分裂指数、腫瘍MVD定量化、及びIPI−926処置群と対照群との間の全体的生存分析を使用する。
IPI−926は、インヴィヴォにての軟骨肉腫腫瘍進行を低減させる有益的効果を有すると期待される。他の群と比較して、IPI−926処置群では、よりゆっくりと腫瘍が進行することが予期される。第2のステップでは、単独又はmTOR阻害剤と併用してのIPI−926の抗腫瘍及び抗転移効果を評価するために、同一のプロトコールが骨肉腫モデルで実施され得た。
本明細書でもたらされたデータは、軟骨肉腫又は再発した/治療抵抗性の骨肉腫を持つ患者の補助療法のためのIPI−926の添加の有益性を評価するための更なる研究をデザインすることへの堅固な実験的根拠を提供する。
実験デザイン
動物モデル
2つの同所性肉腫モデルが、以下に簡単に提示されている。
軟骨肉腫モデル
移植可能な同所性Schwarm軟骨肉腫モデルが使用され得る。先に記載された方法に従って、21〜28日齢のSprague−Dawleyラットに、腫瘍が移植される。簡単に説明すると、側面法を用いて、6〜8mmの腫瘍断片が脛骨骨幹に隣接して配置され、次いで、皮膚及び筋肉創部が縫合される。腫瘍は、移植後8〜11日目に、触診及び図20のMRI画像撮影(A)によって、移植部位にて検出され得た。組織学分析では、このモデルを、軟骨の合成、図20の小葉パターン(B)、及び有糸分裂細胞の存在によって特徴付けられるグレードII軟骨肉腫として分類した。
骨肉腫モデル
ラットでの骨髄内及び転移性骨肉腫モデルが開発された。簡単に説明すると、超増殖性骨原性腫瘍領域から採取された小腫瘍断片(100mm)が、3週齢の免疫適格ラットに移植される。側面法を用いて、腫瘍断片が動物の大腿骨骨幹内に配置され、次いで、皮膚及び筋肉創部が縫合される。腫瘍は、触診及び18FDG PETスキャンによる形態学的画像撮影法によって、移植部位にて、95%の動物で移植後9日目に検出され得る。このモデルは、攻撃性、初期腫瘍の血管形成性、及び初期腫瘍の肺への血行性拡大という点に関して、ヒト同等物を疑似する。移植後21〜24日で、80%の動物で肺転移が検出される。通常の組織学的分析と並行して、非侵襲的に腫瘍体積、代謝、低酸素発生及び腫瘍性骨合成を評価するために、多様な撮像技術(18FDG PET、18FNa、MRI 18FMISOシンチグラフィー)が成功裏に使用された。
処置スケジュール
2つの治療スケジュールが実施され得る。
I).肉腫の治癒可能な治療としてのIPI−926
腫瘍移植後10日目に、動物が以下の処置群(8匹の実験動物/群;5治療群)に分割され得、これらは(i)IPI−926、(ii)アドリアマイシン、(iii)mTOR阻害剤、(iv)IPI−926+mTOR阻害剤、(v)対照(生理食塩水)である。処置群または対照群のそれぞれのラットは、安楽死(40日目)に至るまで移植後10日に開始される対応する処置を加えられる(同一の頻度で、同一の投与経路を使用して)。腫瘍があまりに大きく増殖した場合、及び動物の生命が脅かされた場合、動物は致死させ得る。
IPI−926及びIPI−926をベースとした薬剤併用の投与量及び投与の頻度は、IPI−926ラットPK/PD研究に基づいて選択され得る。
II).肉腫の補助薬物療法としてのIPI−926
第2の設定において、腫瘍再発を予防するためのIPI−926の効果を判定するために、治療が、病巣内腫瘍掻爬後1日目に開始し得る。この設定では、病巣内掻爬が、進行性腫瘍を有する動物で実施され得る(すなわち、腫瘍が体積1000mmに到達するときに)。手術後1日目に、動物が以下の処置群(8匹の実験動物/群;5治療群)に分割され、これらは(i)IPI−926、(ii)アドリアマイシン、(iii)mTOR阻害剤、(iv)IPI−926+mTOR阻害剤、(v)対照(生理食塩水)である。IPI−926処置群のラットは、IPI−926をベースとした薬剤併用を与えられ(現決定下でのIPI−926投与量及び頻度)、これは病巣内掻爬後1日目から開始し、安楽死(40日目)まで行われる。アドリアマイシン群、mTOR阻害剤群及び対照群からの動物は、同一の頻度で対応する溶液が与えられるであろう。腫瘍があまりに大きく増殖した場合、及び動物の生命が脅かされた場合、動物は致死させ得る。
IPI−926治療的効果の評価
腫瘍は1週間に2回カリパスで測定され、並びに腫瘍体積はCarlsonnの式に従って計算され得る。治療全体にわたる軟骨肉腫の変化はまた、MRIを使用して追跡される。画像作成は、治療の開始時(T0)、次いで安楽死まで10日毎に、動物で実施される。実験の最終には、全ての動物から、腫瘍、筋肉、骨、肺が回収される。回収した組織のサンプルは、免疫組織学法及び分子分析のために、急速凍結され、−80℃で保存される。
画像診断観察は、処置及び対照群からの動物の腫瘍及び組織部分で実施された免疫組織化学分析と相関性が示され得る。この目的のために、抗−MMPs、CD31、Glut−1、Ki67抗体が使用されるであろう。IPI−926によって誘導された腫瘍壊死が、安楽死に時点で回収されたH&E染色された腫瘍標本の顕微鏡検査で評価される。それぞれの腫瘍に関して、壊死及び有糸分裂指数が、腫瘍の1/4遠位部、中間部及び1/4近位部からの全腫瘍部分で概算され、システムに従って、前腫瘍体積のパーセンテージとして表される。石灰化/骨分化マーカー並びに侵入性のマーカーの分析が、適切なプライマーのセット(すなわち、Runx2、コラーゲンI、II型、sox9、インディアンHhインテグリン)を使用するRT−PCRqによって実施される。
研究に関わる動物の所定の数によって、実験は2段階で実施され得る。第1の工程では、IPI−926の軟骨肉腫の治癒的治療としての効果が評価される。次いで第2の工程では、再発した軟骨肉腫へのIPI−926の効果が評価される。投与の2つの設定は、2つの臨床的に異なる状態を再現し、相補的である。
実施例16B:IPI−926はインヴィヴォにての骨肉腫及び軟骨肉腫の増殖及び生存に影響を及ぼす
本実施例は、インヴィヴォにおいて骨肉腫及び軟骨肉腫の増殖及び生存に及ぼすIPI−926の効果の実験的な立証を提供する。
骨肉腫異種移植モデル
骨肉腫異種移植モデル(異種移植モデルA〜C)からの腫瘍細胞及び間質細胞中のHhリガンドとHh受容体のmRNA発現が、ヒト及びマウス特異的プライマーを使用して定量化された。IHH mRNA及びGli1 mRNAの上昇した発現が、腫瘍−間質結合細胞と比較して、腫瘍細胞中で検出された(データ表示なし)。PTCH1 mRNAの発現が、腫瘍細胞と腫瘍−間質結合細胞の双方で上昇された(データ表示なし)。
IPI−926によって低減された腫瘍増殖と可能な血管形成は、対照動物と比較して骨肉腫異種移植モデルで存在する。例えば、異種移植モデルAに関しては、平均腫瘍重量は、0.23のP値で、対照動物では2.49gまでの減少であったのに比較して、IPI−926処置動物では1.83gまで減少した。異種移植モデルCに関しては、平均腫瘍体積は、0.04のP値で、対照動物では5.19cmまでの減少であったのに比較して、IPI−926処置動物では2.95cmまで減少され、平均腫瘍重量は、0.05のP値で、対照動物では3.34gまでの減少であったのに比較して、IPI−926処置動物では2.05gまで減少した。処置された異種移植モデルBに関しては、体積又は重量での差異は観測されなかった。
図21A〜21Dは、骨肉腫異種移植モデルの腫瘍及び間質細胞中のHhシグナル伝達の減少でのIPI−926の効果を示している。図21A〜21Bは、対照動物と比較して、IPI−926で処置された異種移植モデルA及びBからの腫瘍細胞中でのPTCH1及びGli1 mRNA発現での減少を示している。PTCH1及びGli1 mRNA発現の同様な減少が、対照動物と比較してIPI−926で処置された間質細胞中で検出されている(図21C〜21D)。異種移植モデルBでは、腫瘍細胞Hhシグナル伝達での変化は検出されなかった。
図22A〜22Dは、骨肉腫異種移植モデルでの増殖及びアポトーシスにおけるIPI−926の効果を示している。図22Aと22Cは、対照動物と比較して、IPI−926に反応しての2つの動物モデルでのKi−67染色を示す細胞のパーセンテージによって検出された、腫瘍細胞の増殖における減少を示している。図22Bと22Dは、対照動物と比較して、IPI−926に反応するTunel染色によって検出されたアポトーシスでの増加を示している。
本明細書に示された結果は、骨肉腫におけるHhシグナル伝達の自己分泌及びパラクリンのメカニズムの双方共に、少なくともその一部分がSmoothened(Smo)受容体によって媒介されることを裏付けている。Smo活性はIPI−926によって阻害されうる。
軟骨肉腫異種移植モデル
軟骨肉腫は、IHH、PTCH1及びGli1などのようなHh経路遺伝子の高レベルを発現する(Tietら著(2006年)「American J.Pathology」168(1):321−330頁)。Hhリガンドは、インヴィトロにおいて初期軟骨肉腫細胞の増殖を増加させる。
これら所見のインヴィヴォモデルへの関連性を評価するために、本明細書で記載されたような初期軟骨肉腫異種移植モデルを、40mg/kg;PO(経口投与)QD(1日1回)、5回の投与量にてIPI−926で処置した。本研究は、腫瘍体積、腫瘍及び間質中でのHh経路阻害の薬物動力学的特性、及び腫瘍形態に及ぼすIPI−926の効果を評価した。40mgQD(6〜10週間の経口毎日投与)にて投与されたIPI−926は、3つの独立した腫瘍モデルにおいて、37〜55%まで腫瘍体積を減少させることが確認された。
IPI−926は、腫瘍細胞の増殖を阻害する、並びに間質を介さない直接的効果を有することが示された。図23は、ヒト細胞でのヒトGli1及びPTCH1の発現の阻害を示している棒グラフである。したがって、軟骨肉腫は、腫瘍細胞へと向かうHhリガンド依存性シグナル伝達を有する固形癌の例を提供している。Hh阻害は、周辺の腫瘍間質に及ぼす効果を有することもまた示された。IPI−926による処置の際に、処置されたサンプルで石灰化が検出され、このサンプルでは軟骨細胞は殆ど又は全く検出できなかった。これとは対照的に、多くの軟骨細胞が、未処置の初期腫瘍で検出された(データ表示なし)。
IPI−926処置腫瘍は、初期軟骨肉腫異種移植モデルの他の化学療法と比較して、44%、p+0.0123の腫瘍増殖阻害を示す(図24)。図24に概説された初期軟骨肉腫異種移植モデルの処置研究は、NSGマウスへの腫瘍移植後1か月で開始された。経口IPI−926は、40mg/kgの投与量にて、5日/週で合計3週間投与された。本研究に関連するため処置群としては、5日/週で経口、400mg/kgの投与量にて投与されたトリパラノール、3日/週、隔日で静脈内、5mg/kgの投与量にて投与されたドキソルビシン、1週間に1回、8mg/kgの投与量で投与されたシスプラチン、並びに3日/週、隔日で静脈内、10mg/kgの投与量にて投与されたDAPTである。IPI−926で処置された動物のみが、ヒトHh経路(Gli1)遺伝子発現で、対照群と比較して、統計的に有意な変化を示した群であった(図25)。
要約すると、Hh経路は、軟骨細胞の生物学と軟骨肉腫において、重要な役割を果たす。IPI−926は、1°軟骨肉腫腫瘍異種移植モデルにおいて、腫瘍増殖阻害に導く。軟骨肉腫異種移植モデルでのHh経路の阻害は、形態的変化を導く。
実施例17:L3.6pl腫瘍保持マウスにおけるパクリタキセルとヘッジホッグ阻害剤の併用研究
本実施例は、L3.6pl腫瘍保持動物における、Abraxane(登録商標)単独又はIPI−926(HCL塩)との併用の効果について記載するものである。
実験デザイン
マウスモデル
5週齢のオスNcrヌードマウス(体重20〜25g)を、Taconic Farms,Inc.(Hudson,NY)から購入した。
細胞系
L3.6plは、ATCCから購入された膵臓腫瘍モデルである。細胞を、10%FBSと1%P/Sで補充された最新式DMEM培地中で培養した。トリプシンを用いて、細胞を収穫し、生細胞計測を、死細胞のトリパンブルー排除法を用いて実施した。細胞をDMEM培地(血清フリー)中に再懸濁させて、2×10細胞/100uL/マウスにて右側腹部に皮下移植した。
マウスモデル実験
腫瘍細胞移植後9日目に、ベヒクル投与(5%ヒドロキプロピルβシクロデキストリン(HPBCD)中)(N=7)、ABRAXANE単独投与(生理食塩水中)(N=8)、又はABRAXANE(生理食塩水中)+IPI−926(5%HPBCD中)(N=7)の併用投与の3つの投与グループに、マウスを無作為割付けした。9日目から27日目まで、IPI−926が、隔日、経口で1日おきに(QOD)40mg/kgの投与量にて、合計10回投与で投与された。9日目に、ABRAXANEが、2mg/kgの投与量にて静脈内投与され、並びに13、20及び27日目に、ABRAXANEが20mg/kgの投与量にて静脈内投与された(9日目に、ABRAXANE投与量の調製中に計算違いがあった。13、20及び27日目に、計算が訂正され、これらの日には20mg/kgの完全な投与量が投与された)。27日目に、ABRAXANE単独とABRAXANE+IPI−926群が、処置の最終投与を受けた。最終投与後24時間で、分析のためのサンプルが回収された。
対照動物の複数の動物が腫瘍内に潰瘍を有し、それがIACUCガイドライン下、動物を致死させるための基準となるために、20日目に排除された。20日目に、ABRAXANE単独投与群は、ベヒクル投与群と比較した場合、27%の腫瘍増殖阻害(TGI)を示したが、一方、ABRAXANE+IPI−926併用投与群は、ベヒクル投与群と比較した場合、68%のTGIを示した。投与の最終日(27日目)には、ABRAXANE+IPI−926併用投与群は、ABRAXANE単独投与群と比較した場合、71%のTGIを示した。スチューデントのT検定が、全ての群に関して、20日目と27日目に実施され、報告された全ての%TGIが統計的に有意であることが確認された。本実験の結果は、図26及び以下の表1に要約されている。データは、ABRAXANEとIPI−926が併用して投与された場合、対照又はABRAXANE単独投与と比較して、効能での統計的に有意な増加を示している。
免疫組織化学分析
ホスホヒストン3(PH3)は、後期G/M相の細胞の核マーカーである。パクリタキセルは、後期G/M相の細胞を抑制し得る微小管の解縮を阻害し、細胞が有糸分裂を実行することを防止し得る。IPI−926が腫瘍薬剤レベルを増強させるならば、PH3染色での増加が、IPI−926+Abraxane処置腫瘍部分で検出されるはずである。
27日目に、IPI−926とABRAXANEの最終投与後24時間で、腫瘍が回収され、10%中性緩衝ホルマリン中で一夜固定させた。翌日に、サンプルを70%ETOH中での保存に切り替えた。標準的プロコールに従って、腫瘍が処理され、埋設された。埋設された腫瘍組織が、ホスホヒストン3(PH3)の免疫染色のために、5um部分に切断された。染色する部分を脱パラフィン化し、一連のキシレンと100%、95%及び70%ETOH中で水和した。染色される部分をクエン酸緩衝液中に浸漬させて、加圧下で20分間加熱した。サンプルを室温に戻し、DAKO自動染色装置でPH3免疫染色するよう調製された。ウサギ抗−ヒトPH3(se10)(cell signaling#9701L)が、1:100にて使用された。Rabbit on Rodentポリマー(Biocare#RMR622L9が、第2ポリマーシステムとして使用された。DAB液体基質緩衝液+クロモゲンシステム(DAKO#K3468)が、顕色及び染色の検出に用いられた。
PH3で染色された部分が、Aperioスキャナーシステムを使用してスキャンされ、画像が携帯計測的解析を受けた(図27A;L3.6pl腫瘍モデルでのPH3染色の200×画像を参照)。Genieパターン認識ツール及び核アルゴリズムを使用して、染色した腫瘍部分当たりの%PH3陽性腫瘍性核を定量化した(図27B)。陽性腫瘍性核の計測数は、ABRAXANE単独投与群で20%のPH3陽性の増加であったのに対し、IPI−926+ABRAXANE併用群では30%PH3陽性の増加を示した。これらデータは、IPI−926+ABRAXANE併用で処置されたL3.6pl腫瘍でのPH3染色の増加を立証し、並びにIPI−926が併用して使用された場合に、対照又はABRAXANE単独投与と比較して、ABRAXANE送達が増強されることを示唆している。
腫瘍の終点のPKデータ
IPI−926とABRAXANEの併用又はABRAXANE単独で処置されたL3.6pl腫瘍中のパクリタキセルレベルを測定するために、並びにIPI−926による処置が、腫瘍中での増加したパクリタキセルレベルへと導くかどうかを決定するために、実験を行った。27日目に、IPI−926とABRAXANEの最終投与後24時間で、それぞれのマウスからのL3.6pl腫瘍50〜300mgを、腫瘍パクリタキセルレベルの薬物動力学的(PK)評価のために急速凍結した。これら腫瘍のPK分析は、ABRAXANE単独処置動物に対して、ABRAXANE+IPI−926併用処置腫瘍中の腫瘍パクリタキセルレベルの28%の増加(ng/組織のg)を示した(ベヒクル対照群は、パクリタキセルの低い検出レベルであった)。上述したPH3実験と同様な実験では、IPI−926が、L3.6pl腫瘍に対してパクリタキセルレベルを増強させることが可能であった。
実施例18:ASPC−1腫瘍保持Ncrヌードマウスにおける代表的パクリタキセル剤及び代表的ヘッジホッグ阻害剤の併用研究
本実施例は、ASPC−1腫瘍保持マウスのIPI−926(HCl塩)とABRAXANE又はパクリタキセルによる処置の併用効果を記載するものである。
実験デザイン
マウスモデル
ASPC−1は膵臓腫瘍モデルである。
細胞系
細胞を、10%FBS及び1%P/Sで補充された最新式RPMI8226培地で培養した。細胞は、ATCCから購入された。トリプシンを使用して、細胞を収穫し、トリパンブルー排除法を用いて、生細胞が判定された。細胞を、5×106細胞/マウス/100uLで、右側腹部に皮下移植した。
実験及び結果
腫瘍体積が〜200mmの間に一旦到達した時点で、処置が開始された。IPI−926が、5%HPBCD@中、40mg/kg(8ml/kg)の投与量で、1日おきに、すなわちQODで経口強制給餌によって投与された。生理食塩水中のABRAXANE又はパクリタキセルは、27ゲージ針Q1Wを使用して、20mg/kgの投与量にて静脈内投与された。体重及び腫瘍測定が、1週間に2回測定された。体重減少が処置開始日から20%以上又は腫瘍体積が3000mm以上の動物は、安楽死させた。研究デザインは、表2中に要約されている
腫瘍細胞移植後20日目に、ベヒクル投与対照、IPI−926単独投与、Abraxane+/−IPI−926投与又はパクリタキセル+/−IPI−926投与の6つのグループに、マウスを無作為割付けした(図28A〜28B)。IPI−926は、40mg/kgの投与量にて、経口QODで、21〜41日の間、合計11回投与された。Abraxaneとパクリタキセルの双方は、20mg/kgの投与量で、1週間に1回、Q1Wで、21、28及び35日に静脈投与された。41日目に、最後のIPI−926が投与され、再増殖が監視された。表3は、対照群に対して、全てのテスト群の41日目に得られた%腫瘍増殖阻害(TGI)を要約していて、更にp値が、JMPスタットプログラムを使用して計算された(平均値比較スチューデントt検定)。
実施例17と同様に、L3.6pl異種移植モデル中において、Abraxane+IPI−926は、ベヒクル対照、IPI−926単独、又はAbraxane単独投与群と比較して、併用投与される場合に、相乗的効果を示した。腫瘍再発が監視され、並びにAbraxane +IPI−926群は、IPI−926又はAbraxane単独処置群と比較して、同一の腫瘍体積に到達するまでに15日間の遅延がみられた。
IPI−926とパクリタキセルが併用された場合に、それほど顕著ではないが、併用効果が存在した。41日目には、IPI−926とパクリタキセルの併用は、パクリタキセル単独処置群と著しい差異はなかったが、48日目には、研究の再増殖期中に、統計的に有意である47%のTGIが存在した(p=0.006)。
実施例19:L3.6pl腫瘍保持マウスにおける、パクリタキセル剤、ヘッジホッグ阻害剤及び追加の療法剤の三剤併用研究
本実施例は、L3.6pl腫瘍保持動物における、Abraxane、IPI−926(HCL塩)及びゲムシタビン(GEMZAR)の併用効果を記載するものである。
実験デザイン
マウスモデル
5週齢のNcrヌードマウス(体重20〜25g)を、Taconic Farms,Inc.(Hudson,NY)から購入した。
細胞系
L3.6plは、ATCCから購入された膵臓腫瘍モデルである。細胞を、10%FBSと1%P/Sで補充された最新式DMEM培地中で培養した。トリプシンを用いて、細胞を収穫し、生細胞計測を、死細胞のトリパンブルー排除法を用いて実施した。細胞をDMEM培地(血清フリー)中に再懸濁させて、2×10細胞/100uL/マウスにて右側腹部に皮下移植した。
実験及び結果
腫瘍細胞移植後10日目に、マウスを、ベヒクル投与群、IPI−926単独投与群、Abraxane単独投与群、Gemzar単独投与群、Abraxane+IPI−926投与群、Gemzar+IPI−926投与群、Abraxane+Gemzar投与群、及びAbraxane+Gemzar+IPI−926投与群の8つの群に無作為割付けした(累積結果に関しては図29A参照。図29Bは、図29Aの結果のサブセットを示している。IPI−926は、10日〜31日に、合計11回の投与で、40mg/kgの投与量にて経口QOD投与された。Abraxaneは、10日目から開始して、10、17及び24日目に、20mg/kgの投与量にて、静脈内に、1週間に1回、すなわちQ1Wで投与された。10日目に開始して、Gemzarは、10、13、17、20、24及び31日目に、100mg/kgの投与量にて、静脈内に1週間に2回(火曜日/金曜日スケジュール)投与された。31日後に、処置を継続しながら、生存を監視するために、研究が継続された(累積結果については、図29Cを参照。図29Dは、図29Cの結果のサブセットを示している)。
ベヒクル対照群の全ての動物は、26日までに致死させた。ベヒクル対照と比較した場合、最も顕著なパーセント腫瘍増殖阻害(%TGI)をもたらした群は、Abraxane+IPI−926群であった。26日目には、Abraxane+IPI−926群は、ベヒクル対照と比較して、83.3%TGIを示した。Abraxane単独、Abraxane+Gemzar、及びAbraxane+Gemzar+IPI−926の全ては、ベヒクル対照と比較した場合、それぞれ61.3%、57.2%及び66.5%の%TGIを示した。この特別なモデルでは、IPI−926又はGenzarの統計的に有意な単一薬剤活性は存在せず、並びに2つの薬剤を併用することの付加的有益性も存在しなかった(図29A及び29C並びに表4〜5参照)。26日目に、全てのグループについて、JMPスタットプログラムを使用して、平均値比較スチューデントのt検定が実施された。表4は、全てのテスト群の26日目に取得された%腫瘍増殖阻害(TGI)、並びにJMPスタットプログラムを使用して計算されたp値(平均値比較スチューデントのt検定)を要説している。
腫瘍進行に対する時間もまた記録された(図29C〜29D及び表5)。処置中の進行が、それぞれの腫瘍が1000mmに到達するのに要する時間として測定された。腫瘍が一旦1000mmと測定された場合、動物は致死され、Kaplan−Meier曲線としてプロットするために、その日が記録された。進行のための平均時間は、全ての他の群と比較した場合、Abraxane +IPI−926併用群で著しく増加することが見出された。
実施例20:腫瘍潅流実験
本実施例は、IPI−926(HCl塩)とABRAXANEの併用の相乗的効果が、増加された腫瘍潅流を介してのマウス間質に及ぼすIPI−926の効果を通しての、腫瘍へのABRAXANEの増強された送達によるものであるかどうかを評価した。
マウスモデル
5週齢のNcrヌードマウス(体重20〜25g)を、Taconic Farms,Inc.(Hudson,NY)から購入した。
細胞系
L3.6plは、ATCCから購入された膵臓腫瘍モデルである。細胞を、10%FBSと1%P/Sで補充された最新式DMEM培地中で培養した。トリプシンを用いて、細胞を収穫し、生細胞計測を、死細胞のトリパンブルー排除法を用いて実施した。細胞をDMEM培地(血清フリー)中に再懸濁させて、2×10細胞/100uL/マウスにて右側腹部に皮下移植した。
実験及び結果
腫瘍潅流を、造影強化超音波画像法を使用してIPI−926(HCl塩)処置及び未処置動物で直接的に測定した。L3.6pl腫瘍細胞系を皮下注入し、IPI−926による処置を開始した。IPI−926又はベヒクルが、40mg/kgの投与量にて7日間連続して経口投与された。8日目に、画像撮影手技中、潅流造影強化法(マイクロバブル)を使用して、動物が超音波画像解析にかけられた。
IPI−926で処置された腫瘍保持動物では、超音波画像データは、IPI−926によるより大きな腫瘍潅流が示された(図30A/30Cを30B/30Dと比較)。超音波を介して撮影されたベヒクル処置動物は、IPI−926処置動物よりも、より少ない造影剤を示している。ピーク値の造影剤に到達する時間が測定され、ベヒクル処置動物に比べて、IPI−926処置動物では、その時間の低減が示された。平均で、造影剤レベルに関するピーク時間は、ベヒクル対IPI−926処置動物で、それぞれ11.0秒から4.75秒へと減少した(p=0.0321)(表6)。これらデータは、IPI−926とABRAXANEとの併用の相乗的効果が、増加された腫瘍潅流を介してのマウス間質へのIPI−926が及ぼす効果を通して、ABRAXANEの腫瘍への薬剤送達が増強される傾向にあることを示唆している。
*対照値と比較して統計的に有意、p<0.05スチューデントT検定
実施例21:Gli−1レベルの測定
図31は、実施例17(L3.6pl膵臓細胞系)及び実施例18(ASPC−1膵臓細胞系)の切除されたIPI−926処置された腫瘍のQ−RT−PCR分析の結果を示している。Q−RT−PCR分析は、IPI−926によるネズミGli−1の阻害を明らかにした。ヒトHhリガンドが検出され、並びにヒトGli−1レベルは、処置によって調節されなかった。これらのデータは、Hhパラクリンシグナル伝達が、膵臓異種移植腫瘍モデル中でパラクリン的に作用して発生し得ることを示唆していて、ここでは腫瘍細胞はHhリガンドを提供していて、ネズミGli1を活性化し、これがIPI−926処置によって阻害される。
実施例22:頭頚部癌モデル
実施例22の目的は、頭頚部扁平上皮細胞癌(HNSCC)におけるヘッジホッグ経路の関連性、HNSCCの直接的患者腫瘍モデル(DPTM)におけるERBIRUX(登録商標)(セツキマブ)との併用でのヘッジホッグ阻害剤、つまりIPI−926の効果、並びに治療後の再発にける癌幹細胞(CSC)の役割を解明することであった。
42個のHNSCC及び14個の頭頚部正常組織(GSE6791)を備えたHNSCC遺伝子発現データセットでの普遍性大域経路分析が、遺伝子セット富化分析(GSEA)を使用して、正常の部類の細胞に対して癌細胞で富化された経路を比較し、ヘッジホッグ経路が正常な部類と比較して、癌表現型で富化されていることを示した。ヘッジホッグ経路の活性化をテストするために、30個のHNSCCと10個の正常組織サンプルの組織マイクロアレイ(TMA)をリガンドソニックヘッジホッグ(SHH)蛋白質発言に関して染色した。癌の35%が陰性又はわずかに陰性であり、65%が陽性又は強陽性であり、正常組織の78%が陰性又はわずかに陰性であり、22%が強い陽性ではないサンプルを備えた陽性であった。3個のDPTM(CUH002、CUHN004、及びCUHN013)と異種移植片由来の細胞系(HN11、HN12、及びUMMC22)からの6個の腫瘍サンプルは、陽性又は強陽性であった。ERBITUX(エルビタクス)(セツキマブ)、IPI−926、及びそれらの併用による3つのDTPMの場合のインヴィヴォでの処置は、全ての3つの場合で、ERBITUX処置腫瘍は、治療後4〜8週間で再増殖したが、一方併用処置されたマウスは、治療後3か月は、均一な無再発生存を示した(図32)。
ERBITUX処置が、推定的癌幹細胞(CSC)の増加を導くかどうかを解決するために、全ての3つのDTPMの場合で、ERBITUXで処置された腫瘍中の推定的CSC亜集団CD24/44及びCD24/ALDHを、フルーサイトメトリーによって測定した。我々は、ERBITUXで処置された腫瘍中でのこれら細胞型が蓄積されたが、併用処置された腫瘍でのCSCの絶対的減少を見出した。単離されたCD24/44及びCD24/ALDH陽性細胞は、100倍の細胞数希釈にもかかわらず、それぞれ腫瘍を発生させて、重要なHhシグナル伝達要素SMO及びGLI1転写因子遺伝子は、陰性細胞中よりもそれぞれ200倍及び700倍高く発現された。
結論:データが自己シグナル伝達を示唆しているようなCSC亜集団中でみられる過発現を伴って、ヘッジホッグ経路はHNSCC中で活性である。ERBITUXと併用される場合、IPI−926によるHh経路阻害はCSC(これが元の腫瘍の再増殖の部分的な原因であり得る)を低減し、このことがHNSCCの腫瘍増殖の再発を防止する。
実施例23:ゲフィチニブ療法後の非小細胞肺癌NCI−H1650異種移植モデル
本実施例は、ゲフィチニブによる標的療法後のNCI−H1650腫瘍異種移植モデルにおけるIPI−926の活性を評価するものである。
モデル
NCI−H1650肺癌細胞系(ATCC#CRL−5883)は、1987年に27歳のコーカサス系男性喫煙者から単離された腺癌である。これら細胞は、EGFRチロシンキナーゼドメイン中に後天性突然変異(E746−A750欠失)を有する。この突然変異は、ゲフィニチブのようなEGFRチロシンキナーゼ阻害剤に対してそれらを感受性にする。H1650細胞がATCCから入手され、1%ペニシリン/ストレプトマイシン及び10%ウシ胎児血清が補充されたRPMI 1640培地中で培養された。細胞をトリプシンで収穫し、死細胞のトリパンブルー排除法を使用して、生細胞計測を実施した。細胞をRPMI 1640培地(血清フリー)中に再懸濁し、5〜6週齢のオス無胸腺マウス(TaconicNcrNu−M)の右腹部に2×10細胞/100uL/マウスにて皮下移植した。
研究概要
腫瘍体積が150〜200mmの間に一旦到達したら、マウスを無作為割付けし、処置を開始した。無作為割付けされたマウスを、ベヒクル(5%HPBCD)、40mg/kgのゲフィチニブ、経口投与、QD、7日間投与、次いで40mg/kgのIPI−926又はベヒクルのいずれかで処置した。
投与群
(1)ベヒクル(5%HPBCD);(2)ゲフィチニブ(1%カルボキシメチルセルロース)40mg/kg投与量にて、経口投与、QD、次いでベヒクル(5%HPBCD);(3)ゲフィチニブ(1%カルボキシメチルセルロース)40mg/kg投与量にて、経口投与、QD、次いでIPI−926(5%HPBCD)40mg/kg投与量にて、QOD。
投与計画
IPI−926、8ml/kgの投与用量にて、経口投与、QOD、3週間;ゲフィチニブ、8ml/kgの投与用量にて、経口投与、QD、7日間。
実験及び結果
腫瘍移植後34日目に、マウスを2つの投与群、すなわちベヒクル、腹腔内投与、QD、又はゲフィチニブ(40mg/kg、経口投与、QD)のいずれかに無作為割付けした。次いで41日目に、ゲフィチニブ処置マウスを、ベヒクル、経口投与、QD、又はIPI−926(40mg/kg、経口投与、QOD)25日間のいずれかに無作為割付けした。最終投与後24時間で、分析のためのサンプルを回収した。67日目に、ゲフィチニブ次いでIPI−926(ゲフィチニブ→IPI−926)群は、ゲフィチニブ次いでベヒクル(ゲフィチニブ→ベヒクル)群と比較した場合に、65%腫瘍増殖阻害(TGI)を示した(図33)。
JMPスタットプログラムを使用して、全ての群で平均値比較スチューデントのT検定を実施し、報告されたすべての%TGIが、統計的に有意であった。TGI及びp値は、以下の表7に要説されている。本研究からのデータは、ゲフィチニブによる退縮後にIPI−926が投与された場合に、腫瘍増殖阻害での統計的に有意な増加を示している。
実施例24:ゲフィチニブ療法後の非小細胞肺癌HCC827異種移植モデル
本実施例は、ゲフィチニブによる標的療法後のHCC827腫瘍異種移植モデルにおけるIPI−926の活性を評価するものである。
モデル
HCC827腫瘍細胞は、非小細胞肺癌(NSCLC)の患者から単離された。これら細胞は、EGFRチロシンキナーゼドメイン中に後天性突然変異(E746−A750欠失)を有する。この突然変異が、それらをチロシンキナーゼ阻害剤であるゲフィチニブによる標的療法に対して感受性にする。HCC827細胞がATCCから入手され、1%ペニシリン/ストレプトマイシン及び5%ウシ胎児血清が補充されたRPMI 1640培地中で培養された。細胞をトリプシンで収穫し、死細胞のトリパンブルー排除法を使用して、生細胞計測を実施した。細胞をRPMI 1640培地(血清フリー)中に再懸濁し、5〜6週齢のオス無胸腺マウス(TaconicNcrNu−M)の右腹部に5×10細胞/100uL/マウスにて皮下移植した。
研究概要
腫瘍体積が150〜200mmの間に一旦到達したら、マウスを無作為割付けし、処置を開始した。無作為割付けされたマウスを、ベヒクル(5%HPBCD)、10mg/kgのゲフィチニブ、経口投与、QD、3日間投与、次いで40mg/kgのIPI−926又はベヒクルのいずれかで処置した。
投与群
(1)ベヒクル(5%HPBCD);(2)ゲフィチニブ(1%カルボキシメチルセルロース)10mg/kg投与量にて、経口投与、QD、次いでベヒクル(5%HPBCD);(3)ゲフィチニブ、10mg/kg投与量にて、経口投与、QD、次いでIPI−926(5%HPBCD)(40mg/kg投与量にて、QOD;(4)IPI−926(5%HPBCD)40mg/kg投与量にて、経口投与、QOD。
投与計画
ゲフィチニブ、8ml/kgの投与用量にて、経口投与、QD、3日間;IPI−926、8ml/kgの投与用量にて3週間。
実験及び結果
腫瘍移植後18日目に、マウスを3投与グループ、すなわちベヒクル(腹腔内投与、QD)、はゲフィチニブ(40mg/kg、経口投与、QD)又はIPI−926(40mg/kg、経口投与、QOD)のいずれかに無作為割付けした。次いで20日目に、ゲフィチニブ処置マウスを、ベヒクル(経口投与、QD)、又はIPI−926(40mg/kg、経口投与、QOD)36日間のいずれかに無作為割付けした。最終投与後24時間で、分析のためのサンプルを回収した。56日目に、ゲフィチニブ次いでIPI−926(ゲフィチニブ→IPI−926)群は、ゲフィチニブ次いでベヒクル(ゲフィチニブ→ベヒクル)群と比較した場合に、70%腫瘍増殖阻害(TGI)を示した(図29)。JMPスタットプログラムを使用して、全ての群で平均値比較スチューデントのT検定を実施し、報告された全ての%TGIが、統計的に有意であった。TGI及びp値は、以下の表8に要説されている。本研究からのデータは、ゲフィチニブによる退縮後にIPI−926が投与された場合に、腫瘍増殖阻害での統計的に有意な増加を示している。
実施例25:ゲフィチニブ退縮後の非小細胞肺癌NCI−H1650異種移植モデルにおけrHh経路プロファイル発現
本実施例の目的は、ゲフィチニブ処置直後のインヴィヴォにてのHh経路発現プロファイルを理解するためのものであった。
モデル
NCI−H1650肺癌細胞系(ATCC#CRL−5883)は、1987年に27歳のコーカサス系男性喫煙者から単離された腺癌である。これら細胞は、EGFRチロシンキナーゼドメイン中に後天性突然変異(E746−A750欠失)を有する。この突然変異は、ゲフィニチブのようなEGFRチロシンキナーゼ阻害剤に対してそれら細胞を感受性にする。H1650細胞がATCCから入手され、1%ペニシリン/ストレプトマイシン及び10%ウシ胎児血清が補充されたRPMI 1640培地中で培養された。細胞をトリプシンで収穫し、死細胞のトリパンブルー排除法を使用して、生細胞計測を実施した。細胞をRPMI 1640培地(血清フリー)中に再懸濁し、5〜6週齢のオス無胸腺マウス(TaconicNcrNu−M)の右腹部に2×10細胞/100uL/マウスにて皮下移植した。
研究概要
腫瘍体積が150〜200mmの間に一旦到達したら、マウスを無作為割り付けし、処置を開始した。無作為割り付けされたマウスを、ベヒクル(5%HPBCD)、40mg/kgのゲフィチニブ、経口投与、QD、5日間投与又は腫瘍退縮50%の場合、次いで40mg/kgのIPI−926又はベヒクルのいずれかで処置した。
投与群
(1)ベヒクル(5%HPBCD);(2)ゲフィチニブ(1%カルボキシメチルセルロース)、40mg/kg投与量にて、経口投与、QD、次いでベヒクル;(3)ゲフィチニブ、40mg/kg投与量にて、経口投与、QD、次いでIPI−926(5%HPBCD)、40mg/kg投与量にて、QOD。
投与計画
IPI−926、8ml/kgの投与用量にて、経口投与、QD、1、4、7又は10日;ゲフィチニブ、8ml/kgの投与用量にて、経口投与、QD、5日間。
実験及び結果
ゲフィチニブ処置後1、4、7及び10日目に、ヘッジホッグリガンド調節に関して、腫瘍サンプルを分析した。本研究からのデータは、ヒトヘッジホッグリガンドIHh及びDHhが、ゲフィチニブ処置後にアップレギュレートされること(図35及び表9)、並びにIPI−926が、間質細胞Gli1及びGli2のアップレギュレーションを阻害すること(図36)を示している。例えば、ネズミGli1は、ベヒクル処置腫瘍と比較して療法後にアップレギュレートされ、並びにIPI−926処置の際にダウン調節される。ネズミGli2は、ベヒクルと比較した場合、標的療法後にアップレギュレートされ、並びにIPI−926処置の際にダウン調節される。
実施例23のNCSLC異種移植モデルNCI−H1650では、ゲフィチニブ療法後にIPI−926は腫瘍再増殖を著しく阻害する。実施例25データは、この異種移植モデルにおけるゲフィチニブ療法後に、Hhリガンドがアップレギュレートされること、並びにヘッジホッグ阻害剤IPI−926が間質Gli1及びGli2をダウンレギュレートすることを示唆している。実施例23及び実施例25データを組み合わせると、Hhシグナル伝達経路の治療的阻害は、最初の時点では療法に反応するがその後再発するような患者における無進行生存率を延長させるために、更にNSCLCの患者におけるIPI−926を評価するための理論的根拠を提供するために、重要な戦略である。
本願全般に引用された全ての参考文献、係属中の特許出願及び公開された特許出願の内容は、個々の公開又は特許出願が、参照により組み込まれるように特別かつ個別に指示されているかのように、参照によりその全体を本明細書に組み込まれている。
実施例26:BXPC−3におけるIPI−926とアバスチンの投与
本実施例は、膵臓腫瘍モデルであるBXPC3の血管系及び間質に及ぼすIPI−926とアバスチンの効果について記載するものである。
腫瘍体積が100〜200mmに一旦到達してから、処置が開始された。IPI−926の経口投与は、40mg/kg、経口投与、QODにて投与される。アバスチンは、5mg/kgの投与量にて、腹腔内投与、1週間当たり2回投与される。2週間の処置後に、イソレクチンとマレイミドが、安楽死前30分に静脈内注射される。
投与群:
1.ベヒクル
2.IPI−926、40mg/kg/日の投与量にて、経口投与、QOD
3.アバスチン、5mg/kgの投与量にて、腹腔内投与、毎週2回
4.IPI−926、40mg/kg/日投与量にて、経口投与+アバスチン、腹腔内投与、5mg/kg投与量にて、毎週2回
材料及び方法
A.細胞培養
細胞を、1%FBS及び1%P/Sで補充された最新式RPMI8226培地中で培養した。細胞は、ATCCから購入された。細胞を収穫し、1×10細胞/マウスで移植した。
B.動物
品種:Ncrヌード
週齢:5週齢
性別:オス
体重:20〜25g
群当たりのN数:投与群に依存
発注日及び販売元:02/16/09(Taconic)
受領日:02/18/09
移植日:02/23/09
処置開始日:03/31/09
飼育管理:オスのマウスを、ステンレススチール製吊ケージ中で、1ケージ当たり4匹の群に分けて飼育し、餌と水を自由に摂取させた。動物室の環境調節が、10回の室内大気交換/時間で、18〜26℃、相対湿度30〜70%に維持するよう設定され、12時間光の中/12時間暗所のサイクルに保持された。
C.被験物質
5%HPBCD中のIPI−926HCl/IPA
生理食塩水中のアバスタチン
D.薬剤投与
IPI−926は、毎週8ml/kgの投与用量にて強制給餌を介して経口投与され得る。アバスチンは、1週間に2回、8ml/kgの投与用量にて、27G針を介して腹腔内投与される。
E.最終時点
回収された腫瘍は、分析的評価及びRT−PCRのために急速凍結される(Gli、Ptch、Smo、HH及び有効な肝細胞マーカーは、現在開発中である)。
病理組織学検査:サンプルを70%エタノール中に移動する前に、腫瘍を10%ホルマリン中で24時間固定する。
腫瘍測定
毎週2回、カリパスを使用して2寸法(幅×長さ)で行われる。
腫瘍体積=長さ×幅/2
死亡率
臨床的観察
体重
実験及び結果
腫瘍体積が平均で100mmに一旦到達してから、処置が開始された。IPI−926は、経口強制給餌によって隔日で、QODで40mg/kg(8mL/kg)の投与量及び投与用量で、5%HPBCO中、投与された。生理食塩水中のアバスチン又はベバシズマブは、1週間に2回、27ゲージ針を使用して5mg/kgの投与量にて腹腔内投与される。体重及び腫瘍測定が、毎週2回実施された。処置の開始日からの体重減少が20%以上又は腫瘍体積が3000mm以上の動物は、安楽死させた。
腫瘍細胞移植後31日目に、マウスを、ベヒクル対照投与、IPI−926単独投与、アバスチン+/−IPI−926投与の4つの投与群に無作為割付けした。IPI−926は、40mg/kgの投与量にて経口、QODで合計13回投与された。アバスタチンは、5mg/kgの投与量にて、腹腔内、毎週2回、合計で8回投与された。表11は、対照群に対する全てのテスト群の56日目に取得された%腫瘍増殖阻害(TGI)、及びJMPスタットプログラムを使用して計算されたp値(平均値比較スチューデントのT検定)を概説している。これら結果は、図37にまとめられている。
同等物
当業者は、ルーチンの実験法以上のものを用いなくても、本明細書に記載される本発明の特定の実施形態には多くの同等物があることを認識するであろうし、または確認することが可能であろう。このような同等物は、以下の特許請求の範囲に包含されるよう意図している。

Claims (53)

  1. ヘッジホッグ阻害を必要とする被験者におけるヘッジホッグ関連癌又は腫瘍を治療する方法であって、前記方法は、被験者に、第1の抗癌剤と第2の抗癌剤とを、癌又は腫瘍を治療するのに十分な量で投与することを含み、前記第1の抗癌剤がヘッジホッグ阻害剤であり、並びに前記ヘッジホッグ関連癌又は腫瘍と前記第2の抗癌剤が、
    a)前記ヘッジホッグ関連癌又は腫瘍が肉腫であり、並びに前記第2の抗癌剤が、mTOR阻害剤、ドキソルビシン、シスプラチン、イフォスファミド、又はメトトレキサートの1つまたはそれより多くから選択されることと、
    b)前記ヘッジホッグ関連癌又は腫瘍が神経内分泌癌であり、並びに前記第2の抗癌剤が、チロシンキナーゼ阻害剤であることと、
    c)前記ヘッジホッグ関連癌又は腫瘍が頭頚部扁平上皮癌であり、並びに前記第2の抗癌剤がチロシンキナーゼ阻害剤であることと、
    d)前記ヘッジホッグ関連癌又は腫瘍が膵臓癌であり、並びに前記第2の抗癌剤がパクリタキセル剤であることと、
    e)前記ヘッジホッグ関連癌又は腫瘍が膵臓癌であり、並びに前記第2の抗癌剤がVEGF阻害剤であることと、
    f)前記ヘッジホッグ関連癌又は腫瘍が肺癌であり、並びに前記第2の抗癌剤がスニチニブ、エルロチニブ、ゲフィチニブ、又はソラフェニブから選択されるチロシンキナーゼ阻害剤であることと、からなる群からそれぞれ選択される、方法。
  2. 被験者でのチロシンキナーゼ阻害剤による療法後に、ヘッジホッグ関連癌又は腫瘍の再発を低減又は予防する方法であって、前記方法は、癌又は腫瘍の再増殖又は再発を低減又は阻害するのに十分な量で、ヘッジホッグ阻害剤を被験者に投与することを含み、前記被験者が前記チロシンキナーゼ阻害剤による療法を実施中又は実施された被験者であり、並びにヘッジホッグ関連癌又は腫瘍が肺癌又は頭頚部扁平上皮細胞癌である、方法。
  3. 前記ヘッジホッグ阻害剤が、腫瘍細胞、腫瘍微小環境、又はヘッジホッグリガンドに反応する他の残存病変の1つ又はそれより多くを標的とする、請求項1又は2に記載の方法。
  4. 前記ヘッジホッグ阻害剤がSmoothened拮抗剤である、請求項1又は2に記載の方法。
  5. 前記ヘッジホッグ阻害剤が、式Iの化合物:
    、又はその薬剤的に許容し得る塩である、請求項1に記載の方法。
  6. 前記ヘッジホッグ阻害剤が、式Iの化合物:
    、又はその薬剤的に許容し得る塩である、請求項2に記載の方法。
  7. 前記肉腫が、骨の肉腫、軟組織の肉腫、滑液膜の肉腫、脂肪肉腫、筋骨格肉腫、軟骨の肉腫、軟骨肉腫又は骨肉腫のうちの1つ又はそれより多くから選択される、請求項1又は5に記載の方法。
  8. 前記ヘッジホッグ阻害剤が、mTOR阻害剤と同時に又は順次に投与される、請求項7に記載の方法。
  9. 前記ヘッジホッグ阻害剤とmTOR阻害剤が、局所的又は転移性肉腫侵襲を低減又は阻害する、請求項8に記載の方法。
  10. 前記ヘッジホッグ阻害剤とmTOR阻害剤が再発した又は治療抵抗性骨肉腫を低減又は阻害する、請求項8に記載の方法。
  11. 前記mTOR阻害剤が、ラパマイシン、テムシロリムス(TORISEL(登録商標))、エベロリムス(RAD001、AFINITOR(登録商標))、リダフォロリムス、AP23573、AZD8055、BEZ235、BGT226、XL765、PF−4691502、GDC0980、SF1126又はOSI−027のうちの1つ又はそれより多くから選択される、請求項8に記載の方法。
  12. 前記神経内分泌癌が、膵臓、肺、虫垂、十二指腸、回腸、直腸、又は小腸の神経内分泌癌;副腎髄質、下垂体、副甲状腺、甲状腺内分泌島、膵臓内分泌島、呼吸管又は胃腸管に分散された内分泌細胞からの神経内分泌癌;あるいは、機能的又は非機能的癌様体神経内分泌癌のうちの1つ又はそれより多くから選択される、請求項1又は5に記載の方法。
  13. 前記ヘッジホッグ阻害剤が、前記チロシンキナーゼ阻害剤と同時に又は順次に投与される、請求項12に記載の方法。
  14. 前記ヘッジホッグ阻害剤が、前記チロシンキナーゼ阻害剤による治療が開始される前に、又は前記チロシンキナーゼ阻害剤による治療が終了した後に投与され、若しくは互いに部分的に重複し、並びにそのいずれかが他の薬剤による治療が終了した後に、単独投与薬剤として継続される、請求項13に記載の方法。
  15. 前記ヘッジホッグ関連癌又は腫瘍が、頭頚部扁平上皮癌であり、並びに前記チロシンキナーゼ阻害剤がEGFR−チロシンキナーゼ阻害剤である、請求項1、2、5又は6に記載の方法。
  16. 前記ヘッジホッグ阻害剤が、前記EGFR−チロシンキナーゼ阻害剤と同時又は順次投与される、請求項15に記載の方法。
  17. 前記ヘッジホッグ阻害剤が、前記EGFR−チロシンキナーゼ阻害剤による治療が終了した後に投与されるか、又は互いに部分的に重複して投与され、並びに前記EGFR−チロシンキナーゼ阻害剤による治療が終了した後に、単独投与薬剤として継続される、請求項16に記載の方法。
  18. 前記肺癌が、小細胞肺癌又は非小細胞肺癌から選択される、請求項1、2、5又は6に記載の方法。
  19. 前記ヘッジホッグ阻害剤が、前記チロシンキナーゼ阻害剤と同時又は順次に投与され、前記チロシンキナーゼ阻害剤がゲフィチニブである、請求項18に記載の方法。
  20. 前記ヘッジホッグ阻害剤が、ゲフィチニブによる治療が終了した後に投与されるか、又は互いに部分的に重複して投与され、並びにゲフィチニブによる治療が終了した後に単独投与薬剤として継続される、請求項19に記載の方法。
  21. 前記チロシンキナーゼ阻害剤が、スニチニブ、エルロチニブ、ゲフィチニブ、又はソラフェニブから選択される、請求項12に記載の方法。
  22. 前記EGFR−チロシンキナーゼ阻害剤が、エルロチニブ、ゲフィチニブ、イコチニブ、ラパチニブ、ネラチニブ、バンデタニブ、BIBW2992又はXL−647のうちの1つ又はそれより多くから選択される小分子EGFR−チロシンキナーゼ阻害剤である、請求項15に記載の方法。
  23. 前記EGFR−チロシンキナーゼ阻害剤が、セツキマブ、パニツムマブ、ザルツムマブ、ニモツズマブ、ネシツムマブ又はマツズマブから選択されるモノクローナル抗体である、請求項15に記載の方法。
  24. 前記ヘッジホッグ関連癌又は腫瘍が膵臓癌であり、前記第2の抗癌剤がパクリタキセル剤である、請求項1又は5に記載の方法。
  25. 前記パクリタキセル剤が、アルブミン安定化ナノ粒子パクリタキセル製剤又はリポソーマルパクリタキセル製剤から選択される、請求項24に記載の方法。
  26. 前記ヘッジホッグ阻害剤と前記パクリタキセル剤が、順次又は連続的に投与される、請求項24に記載の方法。
  27. 前記ヘッジホッグ阻害剤の前記投与が、前記パクリタキセル剤による治療と重複し、並びに前記パクリタキセル又は前記パクリタキセル剤による治療が終了した後に継続する、請求項26に記載の方法。
  28. 前記ヘッジホッグ阻害剤と前記パクリタキセル剤が、ゲムシタビン、シスプラチン、エピルビシン、5−フルオロウラシル、VEGF阻害剤(例えば、抗−VEGF抗体)、ロイコボリン、オキサリプラチン、又はそれらの組み合わせから選択される第3の抗癌剤と併用して投与される、請求項26に記載の方法。
  29. 前記被験者が、第3の抗癌剤、手術及び/又は放射線療法による治療を実施中、又は実施した患者である、請求項1に記載の方法。
  30. 前記被験者が、1つ又はそれより多くの追加の抗癌剤、手術及び/又は放射線療法による治療を実施中、又は実施した患者である、請求項2に記載の方法。
  31. 前記第3の抗癌剤が、インシュリン様成長因子受容体(IGF−1R)阻害剤、PI3K阻害剤、フォルフィリノクス、BRAF阻害剤、MEK阻害剤、JAK2阻害剤、細胞毒性剤又は細胞増殖抑制剤のうちの1つ又はそれより多くから選択される、請求項29に記載の方法。
  32. 前記1つ又はそれより多くの抗癌剤が、インシュリン様成長因子受容体(IGF−1R)阻害剤、PI3K阻害剤、フォルフィリノクス、BRAF阻害剤、MEK阻害剤、JAK2阻害剤、細胞毒性剤又は細胞増殖抑制剤のうちの1つ又はそれより多くから選択される、請求項30に記載の方法。
  33. 前記ヘッジホッグ阻害剤と前記第2の又は第3の抗癌剤が、別個の又は同一の医薬組成物で同時に投与される、請求項31に記載の方法。
  34. 前記ヘッジホッグ阻害剤と前記第2の又は第3の抗癌剤が、順次に投与される、請求項31に記載の方法。
  35. 前記チロシンキナーゼ阻害剤が、経口投与量として、1日当たり、少なくとも約10mg、約25mg、約37.5mg、約50mg、約70mg、約87.5mg、約100mg、約125mg、又は約150mgで被験者に投与される、請求項20に記載の方法。
  36. 前記チロシンキナーゼ阻害剤が、約1週、2週、3週、4週又はそれより多くの週の期間、毎日被験者に投与される、請求項20に記載の方法。
  37. 第3の抗癌剤、手術又は放射線療法のうちの1つ又はそれより多くから選択された癌治療を更に含む、請求項5に記載の方法。
  38. 第3の抗癌剤、手術又は放射線療法のうちの1つ又はそれより多くから選択された癌治療を更に含む、請求項6に記載の方法。
  39. 前記ヘッジホッグ阻害剤が、癌治療前に、癌治療と同時に、治療後に、又は癌の寛解状態中に、前記被験者に投与される、請求項37又は38に記載の方法。
  40. 前記ヘッジホッグ阻害剤が、
    前記ヘッジホッグ関連癌又は腫瘍の第一選択治療、
    前記ヘッジホッグ関連癌又は腫瘍の第二選択治療、
    前記ヘッジホッグ関連癌又は腫瘍の第三又は第四選択治療、
    術前補助療法、或いは、
    補助療法、の1つ又はそれより多くの治療として投与される、請求項1又は5に記載の方法。
  41. 前記ヘッジホッグ阻害剤が、前記ヘッジホッグ関連癌又は腫瘍の外科的切除/除去の前又は後に、被験者に投与される、請求項1、2、5又は6のうちのいずれか一項に記載の方法。
  42. 前記ヘッジホッグ阻害剤が、前記ヘッジホッグ関連癌又は腫瘍の放射線療法前、放射線療法中又はその後に、被験者に投与される、請求項1、2、5又は6のうちのいずれか一項に記載の方法。
  43. 腫瘍サイズ、ヘッジホッグレベル又はシグナル伝達、間質活性化、1つ又はそれより多くの癌マーカーのレベル、新しい病巣の出現速度、新しい疾患関連症状の出現、軟組織腫瘤のサイズ、生活の質、又は臨床転帰に関連する任意の他のパラメータのうちの1つ又はそれより多くでの変化に関して、前記被験者を監視する工程を更に含む、請求項1、2、5又は6のうちのいずれか一項に記載の方法。
  44. 前記被験者からの核酸又は蛋白質を分析する工程を更に含む、請求項1、2、5又は6のうちのいずれか一項に記載の方法。
  45. ヘッジホッグリガンド、ヘッジホッグリガンドをコードする核酸、又は前記ヘッジホッグシグナル伝達の上流又は下流成分のうちの1つ又はそれより多くが分析される、請求項44に記載の方法。
  46. 前記ヘッジホッグリガンドが、血液中、尿中、循環する腫瘍細胞中、腫瘍生検中又は骨髄生検中で検出される、請求項45に記載の方法。
  47. EGFR遺伝子又は遺伝子生成物中の変化の存在又は不在を検出するために、前記腫瘍、前記癌細胞又は前記被験者からのサンプルを評価する工程を更に含む、請求項1、2、5又は6のうちのいずれか一項に記載の方法。
  48. ヘッジホッグ阻害剤と併用してのEGFR阻害剤を含む治療に反応する傾向を有するとして腫瘍、癌細胞、又は被験者を同定又は選択する工程を更に含み、前記EGFR遺伝子又は遺伝子生成物の前記変化の存在が、前記治療に対する増加した反応性の指標である、請求項47に記載の方法。
  49. 前記EGFR遺伝子又は遺伝子生成物中の前記変化が、EGFRエクソン欠失、及び/又はエクソン突然変異である、請求項48に記載の方法。
  50. 請求項1〜49のうちのいずれかに記載の前記ヘッジホッグ関連腫瘍又は癌の治療で使用されるための組成物。
  51. 薬剤的に許容し得る担体又は賦形剤中に、ヘッジホッグ阻害剤とパクリタキセル若しくはパクリタキセル剤、チロシンキナーゼ阻害剤、又はmTOR阻害剤とを含む医薬組成物。
  52. 請求項51に記載の前記医薬組成物を製造するための方法。
  53. ヘッジホッグ阻害剤とパクリタキセル若しくはパクリタキセル剤、チロシンキナーゼ阻害剤、又はmTOR阻害剤、並びにヘッジホッグ関連癌又は腫瘍の治療のための使用に関する使用説明書を含むキット。
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