JP2013508318A - 置換されたベンゾスルホンアミド誘導体 - Google Patents

置換されたベンゾスルホンアミド誘導体 Download PDF

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Abstract

本発明は、一般式(I):
Figure 2013508318

(I)
[式中:R1、R2、R3、R4、R5およびAは、特許請求の範囲に定義のとおりである]
で示される置換されたベンゾスルホンアミド化合物、該化合物の調製方法、該化合物を含む医薬組成物および組み合わせ物ならびに単独の物質としてまたは他の活性成分と組み合わせて、疾患、特に、過剰増殖性疾患および/または血管新生疾患の処置または予防のための医薬組成物の製造における該化合物の使用に関する。

Description

本発明は、本明細書に記載または定義の、置換されたベンゾスルホンアミド誘導体(以下、「一般式(I)で示される化合物」と称する)、該化合物の調製方法、該化合物を含む医薬組成物および組み合わせ物ならびに単独の物質としてまたは他の活性成分と組み合わせて、疾患、特に、過剰増殖性疾患および/または血管新生疾患の処置または予防のための医薬組成物の製造における該化合物の使用に関する。
本発明の背景
癌は、組織の異常成長に起因する疾患である。特定の癌は、局部組織に侵入し、さらに、遠隔臓器に転移する可能性がある。該疾患は、種々の異なる臓器、組織、および細胞型で発症しうる。そのため、「癌」なる語は、一千以上の異なる疾患の一群をいう。
2002年には、全世界の4.4百万以上の人々が、乳癌、大腸癌、卵巣癌、肺癌、または前立腺癌と診断され、2.5百万以上の人々が、これらの診断疾患で死亡している(Globocan 2002 Report)。米国単独で、2005年には、1.25百万以上の新規症例および500,000以上の癌による死が予測されていた。これらの新規症例の大多数は、大腸癌(約100,000)、肺癌(約170,000)、乳癌(約210,000)および前立腺癌(約230,000)であると予測されていた。癌の発症率および罹患率は両方とも、1.4%の平均成長率を示しながら、向こう10年かけて約15%増加すると予測されている[1]。
累積根拠は、癌が、癌遺伝子および腫瘍抑制遺伝子の発現および/または機能に作用する細胞ゲノムの変化が、細胞増殖、分化、およびプログラム細胞死(アポトーシス)を正常に制御するシグナル伝達に最終的に作用する、「シグナル伝達病」として想定されることを示唆する。
ヒトの癌において制御不能であるシグナル伝達経路を解明することは、増加している作用機序に基づく治療剤の設計をもたらしている[2]。ヒト悪性腫瘍の治療的戦略としてシグナル伝達抑制は、近年、「分子標的」療法の新時代の到来を告げる、慢性骨髄性白血病(CML)および消化管間質腫瘍(GIST)の処置のためのGleevecの開発などの、著しい成果を得ている[3−5]。
マイトジェン活性化タンパク質キナーゼ(MAPK)モジュールは、増殖、分化および生存に対する種々の細胞外刺激に関連するシグナル伝達カスケードの間の重要な統合点である。ここ20年間の科学的研究は、該経路のかなり詳細な分子的精査をもたらしており、それは現在、異なる分子的および機能的特徴を有する、5種の異なるMAPKサブファミリー[細胞外シグナル制御キナーゼERK−1/2、c−Jun−N−末端キナーゼ(JNK)、p38キナーゼ、ERK−3/4、およびERK−5]を含むまでになった[6−8]。特定のサブファミリー、例えば、p38ファミリーは、炎症性および増殖性疾患の治療標的になっているが、RasからERK−1/2に進行するMAPKカスケード(ペプチド成長因子によって開始される主要なマイトジェン経路)は、異なる種類のヒトの癌の分子的療法の第一標的として現れ始めいる[9−11]。MAPK経路は、アポトーシス刺激に対する増殖および耐性の増加をもたらす、遺伝的および後成的変化の結果として多数のヒトの腫瘍で異常に活性化される。特に、突然変異したRasの発癌形態は、50%の大腸癌および>90%の膵臓癌で見出される[12]。最近になって、BRAF変異は、>60%の悪性黒色腫で見出された[13]。これらの変異は、構成的に活性化したMAPK経路をもたらす。さらに、特定の受容体チロシンキナーゼの過剰発現または突然変異による活性化はまた、Raf−MEK−ERK経路の活性化を増大しうる。
Raf/MEK/ERKカスケードのモジュラー機能は、MEKによって制御される交差点で多面的ではなくなる[14]。MEKの基質は、ERK−1/2以外は同定されていない。リン酸化ERKはMEK活性の生成物であるので、癌細胞および腫瘍細胞におけるその検出はMEK阻害の直接的測定を提供する。二重リン酸化型および活性化型のERKに対して特異的な抗体の有用性に関連するERK1/2に対するMEKの選択性は、MEKを抗癌剤開発の魅力的な標的とする。さらに、MEK活性化がマトリックス石灰化を調節することが最近になって示されたことにより(Blood 2007,40,68)、MEK活性の調節はまた、組織石灰化の調節異常をもたらすかまたはそれを伴う疾患の処置、より具体的には、骨石灰化の調節異常をもたらすかまたはそれを伴う疾患の処置に適用されうる。
第一世代のMEK阻害薬、PD98059[15]およびU0126[16]は、ATPと競合しそうにないので、固有のMEKの結合部位を有する可能性が高い;これらの化合物は、ERK1/2に対する生物活性に起因するインビトロおよびインビボのモデル系において広く用いられている。第二世代のMEK1/2阻害薬、PD184352(現在のCI−1040)は、バイオアベイラビリティが増強された、低いナノモル範囲のIC50を有し、さらに、アロステリック非ATP競合機構を介して作用するように思われる[17]。マウスモデルでは、CI−1040での経口処置がインビボにて大腸癌増殖を阻害することが示されており[18]、該化合物は、不十分な効果により最終的には失敗したヒトのフェーズI/II臨床試験にて評価された[19]。近年、さらなるアロステリックMEK阻害薬が臨床試験に入っているが、制限、例えば、弱い曝露プロファイル、制限された効果および/または毒性問題を有することが見出された。低分子MEK阻害薬は、米国特許出願公開番号第2003/0232869号、第2004/0116710号、第2003/0216420号ならびに米国特許出願番号第10/654,580号および第10/929,295号など(その各々は、出典明示により本明細書の一部とする)に開示されている。米国特許第5,525,6625号;WO98/43960;WO99/01421;WO99/01426;WO00/41505;WO00/41994;WO00/42002;WO00/42003;WO00/42022;WO00/42029;WO00/68201;WO01/68619;WO02/06213;WO03/077914;WO03/077855;WO04/083167;WO05/0281126;WO05/051301;WO05/121142;WO06/114466;WO98/37881;WO00/35435;WO00/35436;WO00/40235;WO00/40237;WO01/05390;WO01/05391;WO01/05392;WO01/05393;WO03/062189;WO03/062191;WO04/056789;WO05/000818;WO05/007616;WO05/009975;WO05/051300;WO05/051302;WO05/028426;WO06/056427;WO03/035626;およびWO06/029862を含む、多数のさらなる特許出願が、この数年間に現れている。
技術的に進歩しているにも関わらず、癌治療および抗癌化合物は未だに必要なままである。より具体的には、バランスの取れた効果−特性プロフィールを有する、構造上新規なMEK阻害薬が未だに必要なままである。強力なMEK阻害と互換性があることが未だに実証されていない、構造モチーフを組み込む新規MEK阻害薬を同定するのが特に望ましい。これらの構造モチーフが、MEK効果の改善および/または化合物特性(物理化学的、約力学的および薬物動態的特性を含む)の調節をさらに可能にする場合が特に好ましい。
WO2008/138639(Bayer Schering Pharma Aktiengesellschaft)は、置換されたフェニルアミノベンゼン化合物、該化合物を含有する医薬組成物および過剰増殖性疾患および/または血管新生疾患の処置のための該化合物または組成物の使用に関する。該化合物は、強力かつ選択的MEK阻害薬であることが見出された。該化合物は、フェニル骨格の6位にさらに特異的に置換された側鎖を有する1−置換−2−フェニルアミノ−フェニル骨格から生じる。公表されたフェニル骨格由来MEK阻害薬の調査および以前の構造−活性相関分析(例えば、Haile Tecle/Pfizer Global Research:「MEK inhibitors」,Drew Universityで発表,2006年6月15日を参照)は、フェニル骨格に基づくMEK阻害薬では、より大きな6−置換基が高MEK阻害能をもたらすのに弊害となるということを示唆していたので、該所見は驚くべきものであった。該化合物は、強力なMEK阻害薬であり、MEK−ERK経路の活性化を阻害する。
しかしながら、上記の先行技術には、本明細書に記載および定義の、および、以下「本発明の化合物」という、中心のフェニル環の1位の選択された置換基(一般式-NHS(O)R3で示される選択されたスルホンアミド基)を有し、かつ、西側のフェニル基の4位の選択された置換基(一般式-NHS(O)R4で示される具体的に選択されたスルホンアミド基)を有する、本発明の一般式(I)で示される選択された化合物またはその立体異性体、互変異性体、N−オキシド、水和物、溶媒和物、もしくは塩、または同種の混合物、あるいはそれらの薬理活性については何ら記載されていない。
本発明の該化合物が予期せぬ有利な特性を有することが現在見出されており、このことは本発明の基盤となる。
特に、本発明の該化合物は、驚くべきことに、B−Raf変異ヒトA375メラノーマ細胞のみならず、K−Ras−変異ヒトA549非小細胞肺癌細胞およびK−Ras変異ヒトHCT116 結腸直腸癌細胞においても癌細胞増殖を有効に強く阻害することが見出された。さらに驚くべきことに、本発明の化合物は、先行技術文献WO2008/138639由来の化合物に比べて、より強い癌細胞増殖阻害作用を示す。
したがって、本発明の一般式(I)で示される該化合物は、制御されない細胞成長、増殖および/または生存、不適当な細胞性免疫応答、または不適当な細胞性炎症反応の疾患あるいは制御されない細胞成長、増殖および/または生存、不適当な細胞性免疫応答、または不適当な細胞性炎症反応を伴う疾患、特に制御されない細胞成長、増殖および/または生存、不適当な細胞性免疫応答、または不適当な細胞性炎症反応がマイトジェン活性化プロテインキナーゼ(MEK−ERK)経路によってもたらされる疾患、例えば、血液腫瘍、固形腫瘍および/またはその転移腫瘍、例えば、白血病および骨髄異形成症候群、悪性リンパ腫、脳腫瘍および脳転移腫瘍を含む頭頸部腫瘍、非小細胞および小細胞肺腫瘍を含む胸部の腫瘍、胃腸腫瘍、内分泌腫瘍、乳腺および他の婦人科腫瘍、腎、膀胱および前立腺腫瘍を含む泌尿器系腫瘍、皮膚腫瘍、および肉腫、および/またはその転移腫瘍などの処置または予防のために用いられうる。
本発明の開示
第1の態様によれば、本発明は一般式(I):
Figure 2013508318
[式中:R1は、水素原子またはフッ素原子であり;
R2は、ハロゲン原子またはC−アルキニル基であり;
R3は、−NH、−NH(C−C−アルキル)、−N(C−C−アルキル)、−C−C−アルキル、または−C−C−シクロアルキル基であり;
R4は、−NH、−NH(C−C−アルキル)、−N(C−C−アルキル)、−C−C−アルキル、または−C−C−シクロアルキル基であり;
R5は、ハロゲン原子、または−C−C−アルキルまたはO−C−C−アルキル基であり;
Aは、−(CH−(n=0または1である)である]
で示される化合物またはその互変異性体、立体異性体、N−オキシド、塩、水和物、溶媒和物、代謝産物、もしくはプロドラッグを包含する。
定義
本明細書に記載の用語は、好ましくは、以下の意味を有する:
「ハロゲン原子」または「ハロ」なる語は、フッ素、塩素、臭素またはヨウ素原子を意味すると理解される。
「C−C10−アルキル」なる語は、1、2、3、4、5、6、7、8、9または10個の炭素原子、特に1、2、3、4、5または6個の炭素原子を有する、直線状または分枝、飽和、一価の炭化水素基、例えば、メチル、エチル、プロピル、ブチル、ペンチル、ヘキシル、イソ−プロピル、イソ−ブチル、sec−ブチル、tert−ブチル、イソ−ペンチル、2−メチルブチル、1−メチルブチル、1−エチルプロピル、1,2−ジメチルプロピル、ネオ−ペンチル、1,1−ジメチルプロピル、4−メチルペンチル、3−メチルペンチル、2−メチルペンチル、1−メチルペンチル、2−エチルブチル、1−エチルブチル、3,3−ジメチルブチル、2,2−ジメチルブチル、1,1−ジメチルブチル、2,3−ジメチルブチル、1,3−ジメチルブチル、もしくは1,2−ジメチルブチル基、またはその異性体を好ましくは意味するものと理解される。特に、該基は、1、2または3個の炭素原子を有する(「C−C−アルキル」)、メチル、エチル、n−プロピル−またはイソ−プロピル。
「ハロ−C−C10−アルキル」なる語は、直線状または分枝、飽和、一価の炭化水素基(ここで、「C−C10−アルキル」なる語は上記の定義と同義であり、1個または複数の水素原子は、同一のまたは異なる位置において、ハロゲン原子で置き換えられる、すなわち、1個のハロゲン原子は別のものから独立している)を好ましくは意味するものと理解される。特に、該ハロゲン原子はFである。該ハロ−C−C10−アルキル基は、例えば、−CF、−CHF、−CHF、−CFCF、または−CHCFである。
「C−C10−アルコキシ」なる語は、式−O−アルキル(ここで、「アルキル」なる語は上記の定義と同義である)の直線状または分枝、飽和、一価の炭化水素基、例えば、メトキシ、エトキシ、n−プロポキシ、イソ−プロポキシ、n−ブトキシ、イソ−ブトキシ、tert−ブトキシ、sec−ブトキシ、ペントキシ、イソ−ペントキシ、もしくはn−ヘキソキシ基、またはその異性体を好ましくは意味するものと理解される。
「ハロ−C−C10−アルコキシ」なる語は、直線状または分枝、飽和、一価の、上記に定義されるC−C10−アルコキシ基(ここで、1個または複数の水素原子は、同一のまたは異なる位置において、ハロゲン原子で置き換えられる)を好ましくは意味するものと理解される。特に、該ハロゲン原子はFである。該ハロ−C−C10−アルコキシ基は、例えば、−OCF、−OCHF、−OCHF、−OCFCF、または−OCHCFである。
「C−C10−アルコキシ−C−C10−アルキル」なる語は、直線状または分枝、飽和、一価の上記に定義されるアルキル基(ここで、1個または複数の水素原子は、同一のまたは異なる位置において、上記に定義される、C−C10−アルコキシ基で、置き換えられる)、例えば、メトキシアルキル、エトキシアルキル、プロピルオキシアルキル、イソ−プロポキシアルキル、ブトキシアルキル、イソ−ブトキシアルキル、tert−ブトキシアルキル、sec−ブトキシアルキル、ペンチルオキシアルキル、イソ−ペンチルオキシアルキル、ヘキシルオキシアルキル基(ここで、「C−C10−アルキル」なる語は上記の定義と同義である)、またはその異性体を好ましくは意味するものと理解される。
「ハロ−C−C10−アルコキシ−C−C10−アルキル」なる語は、直線状または分枝、飽和、一価の上記に定義されるC−C10−アルコキシ−C−C10−アルキル基(ここで、1個または複数の水素原子は、同一のまたは異なる位置において、ハロゲン原子で置き換えられる)を好ましくは意味するものと理解される。特に、該ハロゲン原子はFである。該ハロ−C−C10−アルコキシ−C−C10−アルキル基は、例えば、−CHCHOCF、−CHCHOCHF、−CHCHOCHF、−CHCHOCFCF、または−CHCHOCHCFである。
「C−C10−アルケニル」なる語は、1個または複数の二重結合を含有し、かつ、2、3、4、5、6、7、8、9または10個の炭素原子、特に2または3個の炭素原子を有する(「C−C−アルケニル」)、直線状または分枝、一価の炭化水素基を好ましくは意味するものと理解され、該アルケニル基が1以上の二重結合を含有する場合には、前記二重結合が相互に分離されうるかまたは共役されうると理解される。該アルケニル基は、例えば、ビニル、アリル、(E)−2−メチルビニル、(Z)−2−メチルビニル、ホモアリル、(E)−ブト−2−エニル、(Z)−ブト−2−エニル、(E)−ブト−1−エニル、(Z)−ブト−1−エニル、ペント−4−エニル、(E)−ペント−3−エニル、(Z)−ペント−3−エニル、(E)−ペント−2−エニル、(Z)−ペント−2−エニル、(E)−ペント−1−エニル、(Z)−ペント−1−エニル、ヘキシ−5−エニル、(E)−ヘキシ−4−エニル、(Z)−ヘキシ−4−エニル、(E)−ヘキシ−3−エニル、(Z)−ヘキシ−3−エニル、(E)−ヘキシ−2−エニル、(Z)−ヘキシ−2−エニル、(E)−ヘキシ−1−エニル、(Z)−ヘキシ−1−エニル、イソプロペニル、2−メチルプロプ−2−エニル、1−メチルプロプ−2−エニル、2−メチルプロプ−1−エニル、(E)−1−メチルプロプ−1−エニル、(Z)−1−メチルプロプ−1−エニル、3−メチルブト−3−エニル、2−メチルブト−3−エニル、1−メチルブト−3−エニル、3−メチルブト−2−エニル、(E)−2−メチルブト−2−エニル、(Z)−2−メチルブト−2−エニル、(E)−1−メチルブト−2−エニル、(Z)−1−メチルブト−2−エニル、(E)−3−メチルブト−1−エニル、(Z)−3−メチルブト−1−エニル、(E)−2−メチルブト−1−エニル、(Z)−2−メチルブト−1−エニル、(E)−1−メチルブト−1−エニル、(Z)−1−メチルブト−1−エニル、1,1−ジメチルプロプ−2−エニル、1−エチルプロプ−1−エニル、1−プロピルビニル、1−イソプロピルビニル、4−メチルペント−4−エニル、3−メチルペント−4−エニル、2−メチルペント−4−エニル、1−メチルペント−4−エニル、4−メチルペント−3−エニル、(E)−3−メチルペント−3−エニル、(Z)−3−メチルペント−3−エニル、(E)−2−メチルペント−3−エニル、(Z)−2−メチルペント−3−エニル、(E)−1−メチルペント−3−エニル、(Z)−1−メチルペント−3−エニル、(E)−4−メチルペント−2−エニル、(Z)−4−メチルペント−2−エニル、(E)−3−メチルペント−2−エニル、(Z)−3−メチルペント−2−エニル、(E)−2−メチルペント−2−エニル、(Z)−2−メチルペント−2−エニル、(E)−1−メチルペント−2−エニル、(Z)−1−メチルペント−2−エニル、(E)−4−メチルペント−1−エニル、(Z)−4−メチルペント−1−エニル、(E)−3−メチルペント−1−エニル、(Z)−3−メチルペント−1−エニル、(E)−2−メチルペント−1−エニル、(Z)−2−メチルペント−1−エニル、(E)−1−メチルペント−1−エニル、(Z)−1−メチルペント−1−エニル、3−エチルブト−3−エニル、2−エチルブト−3−エニル、1−エチルブト−3−エニル、(E)−3−エチルブト−2−エニル、(Z)−3−エチルブト−2−エニル、(E)−2−エチルブト−2−エニル、(Z)−2−エチルブト−2−エニル、(E)−1−エチルブト−2−エニル、(Z)−1−エチルブト−2−エニル、(E)−3−エチルブト−1−エニル、(Z)−3−エチルブト−1−エニル、2−エチルブト−1−エニル、(E)−1−エチルブト−1−エニル、(Z)−1−エチルブト−1−エニル、2−プロピルプロプ−2−エニル、1−プロピルプロプ−2−エニル、2−イソプロピルプロプ−2−エニル、1−イソプロピルプロプ−2−エニル、(E)−2−プロピルプロプ−1−エニル、(Z)−2−プロピルプロプ−1−エニル、(E)−1−プロピルプロプ−1−エニル、(Z)−1−プロピルプロプ−1−エニル、(E)−2−イソプロピルプロプ−1−エニル、(Z)−2−イソプロピルプロプ−1−エニル、(E)−1−イソプロピルプロプ−1−エニル、(Z)−1−イソプロピルプロプ−1−エニル、(E)−3,3−ジメチルプロプ−1−エニル、(Z)−3,3−ジメチルプロプ−1−エニル、1−(1,1−ジメチルエチル)エテニル、ブタ−1,3−ジエニル、ペンタ−1,4−ジエニル、ヘキサ−1,5−ジエニル、またはメチルヘキサジエニル基である。具体的には、該基は、ビニルまたはアリルである。
「C−C10−アルキニル」なる語は、1個または複数の三重結合を含有し、2、3、4、5、6、7、8、9または10個の炭素原子、好ましくは2または3個の炭素原子を含有する(「C−C−アルキニル」)、直線状または分枝、一価の炭化水素基を好ましくは意味するものと理解される。該C−C10−アルキニル基は、例えば、エチニル、プロプ−1−イニル、プロプ−2−イニル、ブト−1−イニル、ブト−2−イニル、ブト−3−イニル、ペント−1−イニル、ペント−2−イニル、ペント−3−イニル、ペント−4−イニル、ヘキシ−1−イニル、ヘキシ−2−イニル、ヘキシ−3−イニル、ヘキシ−4−イニル、ヘキシ−5−イニル、1−メチルプロプ−2−イニル、2−メチルブト−3−イニル、1−メチルブト−3−イニル、1−メチルブト−2−イニル、3−メチルブト−1−イニル、1−エチルプロプ−2−イニル、3−メチルペント−4−イニル、2−メチルペント−4−イニル、1−メチルペント−4−イニル、2−メチルペント−3−イニル、1−メチルペント−3−イニル、4−メチルペント−2−イニル、1−メチルペント−2−イニル、4−メチルペント−1−イニル、3−メチルペント−1−イニル、2−エチルブト−3−イニル、1−エチルブト−3−イニル、1−エチルブト−2−イニル、1−プロピルプロプ−2−イニル、1−イソプロピルプロプ−2−イニル、2,2−ジメチルブト−3−イニル、1,1−ジメチルブト−3−イニル、1,1−ジメチルブト−2−イニル、または3,3−ジメチルブト−1−イニル基である。具体的には、該アルキニル基は、エチニル、プロプ−1−イニル、またはプロプ−2−イニルである。
「C−C10−シクロアルキル」なる語は、飽和、一価の、3、4、5、6、7、8、9、または10個の炭素原子、好ましくは3、4、5、または6個の炭素原子を含有する(「C−C−シクロアルキル」)単環式または二環式炭化水素環を好ましくは意味するものと理解される。該C−C10−シクロアルキル基は、例えば、単環式炭化水素環、例えば、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、シクロヘプチル、シクロオクチル、シクロノニルもしくはシクロデシル基、または二環式炭化水素環、例えば、ペルヒドロペンタレニレン(perhydropentalenylene)またはデカリン環である。該シクロアルキル環は、1個または複数の二重結合を所望により含有していてもよい、例えば、シクロアルケニル、例えば、シクロプロペニル、シクロブテニル、シクロペンテニル、シクロヘキセニル、シクロヘプテニル、シクロノネニル、またはシクロデセニル基、ここで、残りの分子と該環の間の結合は、該環の任意の炭素原子に対するものであり、飽和または不飽和でありうる。
「アルキレン」なる語は、1、2、3、4、5、または6個の炭素原子を有する、所望により置換されていてもよい炭化水素鎖(または「テザー(tether)」)、すなわち、所望により置換されていてもよい−CH−(「メチレン」または「一員テザー」または、例えば、−C(Me)−)、−CH−CH−(「エチレン」、「ジメチレン」、または「二員テザー」)、−CH−CH−CH−(「プロピレン」、「トリメチレン」、または「三員テザー」)、−CH−CH−CH−CH−(「ブチレン」、「テトラメチレン」、または「四員テザー」)、−CH−CH−CH−CH−CH−(「ペンチレン」、「ペンタメチレン」または「五員テザー」)、または−CH−CH−CH−CH−CH−CH−(「ヘキシレン」、「ヘキサメチレン」、または「六員テザー」)基を好ましくは意味するものと理解される。特に、該アルキレンテザーは、1、2、3、4、または5個の炭素原子、より好ましくは、1または2個の炭素原子を有する。
本明細書全体に用いられる、例えば、「C−C−アルキル」、「C−C−ハロアルキル」、「C−C−アルコキシ」、または「C−C−ハロアルコキシ」の定義の中における、「C−C」なる語は、1〜6個の有限個の炭素原子、すなわち、1、2、3、4、5、または6個の炭素原子を有するアルキル基を意味するものと理解される。「C−C」なる該用語は、その中に含まれる任意の小範囲、例えば、C−C、C−C、C−C、C−C、C−C、C−C、C−C、C−C;具体的にはC−C、C−C、C−C、C−C、C−C;より具体的にはC−C;「C−C−ハロアルキル」または「C−C−ハロアルコキシ」の場合において、さらにより具体的にはC−Cとして解釈されるべきものとさらに理解する。
同様に、本明細書全体に用いられる、例えば、「C−C−アルケニル」および「C−C−アルキニル」の定義の中における、本明細書に用いられる、「C−C」なる語は、2〜6個の有限個の炭素原子、すなわち、2、3、4、5、または6個の炭素原子を有するアルケニル基またはアルキニル基を意味するものと理解される。「C−C」なる該用語は、その中に含まれる任意の小範囲、例えば、C−C、C−C、C−C、C−C、C−C、C−C;具体的にはC−Cとして解釈されるべきものとさらに理解する。
さらに、本明細書全体に用いられる、例えば、「C−C10−シクロアルキル」の定義の中における、本明細書に用いられる、「C−C10」なる語は、3〜10個の有限個の炭素原子、すなわち、3、4、5、6、7、8、9または10個の炭素原子、具体的には3、4、5または6個の炭素原子を有するシクロアルキルを意味するものと理解される。「C−C10」なる該用語は、その中に含まれる任意の小範囲、例えば、C−C10、C−C、C−C、C−C;具体的にはC−Cとして解釈されるべきものとさらに理解する。
本明細書に用いられる、例えば、本発明の一般式で示される化合物の置換基の定義における、「1回または複数回」なる語は、「1、2、3、4または5回、具体的には1、2、3または4回、より具体的には1、2または3回、さらにより具体的には1または2回」を意味するものと理解される。
化合物、塩、多形、水和物、溶媒和物などの用語の複数形が本明細書で用いられる場合、これは、単一の化合物、塩、多形、異性体、水和物、溶媒和物などを意味するとも解釈される。
本発明の化合物は、種々の所望の置換基の位置および性質に応じて、1または複数の不斉中心を含有しうる。不斉炭素原子は、単一の不斉中心の場合にはラセミ混合物、および複数の不斉中心の場合にはジアステレオマー混合物をもたらす(R)または(S)立体配置で存在しうる。ある場合には、非対称はまた、所定の結合、例えば、特定の化合物の2つの置換された芳香族環に隣接している中心結合についての制限された結合のため存在しうる。
環上の置換基はまた、シス型またはトランス型のいずれかで存在しうる。(エナンチオマーおよびジアステレオマーを含む)あらゆる該立体配置が本発明の範囲内に含まれることを意図とする。
好ましい化合物は、より望ましい生物学的活性をもたらすものである。本発明の化合物の、分離された、純粋なまたは部分的に精製された異性体および立体異性体またはラセミ混合物またはジアステレオマー混合物はまた、本発明の範囲内に含まれる。かかる物質の精製および分離は、当該技術分野にて周知の標準的技法によって達成されうる。
光学異性体は、従来方法にしたがって、例えば、光学的に活性な酸もしくは塩基を用いるジアステレオ異性体塩の形成または共溶媒ジアステレオマーの形成によってラセミ混合物の分解によって得られうる。適当な酸の例には、酒石酸、ジアセチル酒石酸、ジトルオイル酒石酸およびカンファースルホン酸がある。ジアステレオ異性体の混合物は、当該技術分野にて周知の方法によって、例えば、クロマトグラフィーまたは分別結晶によって、その物理的および/または化学的相違点に基づいて、その個々のジアステレオマーに分離されうる。次いで、光学的に活性な塩基または酸は、分離されたジアステレオマー塩から解離される。光学異性体の異なる分離法は、エナンチオマーの分離を最大にするために最適に選択される、従来の誘導体化の有無に関わらない、キラルクロマトグラフィー(例えば、キラルHPLCカラム)の使用に関する。適当なキラルHPLCカラムは、多数の他のもの、通常選択可能なあらゆるものの中からDiacel、例えばChiracel ODおよびChiracel OJによって製造される。誘導体化の有無に関わらない、酵素的分離もまた、有用である。同様に、本発明の光学的に活性な化合物は、光学的に活性な出発物質を利用するキラル合成によって得られうる。
相互に異なる種類の異性体を限定するために、IUPAC命名規則Section E(Pure Appl Chem 45,11−30,1976)を参照。
本発明は、単一立体異性体として、または任意の割合の、前記立体異性体の任意の混合物として本発明の化合物のあらゆる可能な立体異性体を含む。本発明の化合物の単一立体異性体、例えば、単一エナンチオマーまたは単一ジアステレオマーの単離は、任意の適当な従来の方法、例えば、クロマトグラフィー、特にキラルクロマトグラフィーなどによって達成されうる。
さらに、本発明の化合物は、互変異性体として存在しうる。例えば、ヘテロアリール基としてピラゾール部を含有する本発明の任意の化合物は、例えば、1H互変異性体、もしくは2H互変異性体として、または2種の互変異性体の任意の量の混合物として存在しうる、あるいは例えばトリアゾール部は、1H互変異性体、2H互変異性体、もしくは4H互変異性体、または前記1H、2Hおよび4H互変異性体の任意の量の混合物、すなわち:
Figure 2013508318
として存在しうる。
本発明は、単一互変異性体として、または任意の割合の、前記互変異性体の任意の混合物として本発明の化合物のあらゆる可能な互変異性体を含む。
さらに、本発明の化合物は、本発明の化合物の少なくとも1つの窒素が酸化されていることが定義される、N−オキシドとして存在しうる。本発明は、あらゆる可能な該N−オキシドを含む。
本発明はまた、本明細書に記載の化合物の有用な形態、例えば、代謝産物、水和物、溶媒和物、プロドラッグ、塩、特に医薬上許容される塩、および共沈物に関する。
本発明の化合物は、水和物として、または溶媒和物として存在しうる、ここで、本発明の化合物は、例えば、化合物の結晶格子の構造要素として極性溶媒、特に水、メタノールまたエタノールを含有する。極性溶媒、特に水の量は、化学量論的または非化学量論的割合で存在しうる。化学量論的溶媒和物、例えば、水和物の場合には、ヘミ、(セミ)、モノ、セスキ、ジ、トリ、テトラ、ペンタなどの溶媒和物または水和物それぞれが、生じうる。本発明は、あらゆる該水和物または溶媒和物を含む。
さらに、本発明の化合物は、遊離形態で、例えば、遊離塩基として、または遊離酸として、または両性イオンとして存在しうるか、あるいは塩の形態で存在しうる。該塩は、薬学分野において慣習的に用いられる、任意の塩、有機または無機付加塩のいずれか、具体的には任意の医薬上許容される有機または無機付加塩でありうる。
「医薬上許容される塩」なる語は、比較的毒性のない、本発明の化合物の無機または有機酸付加塩を示す。例えば、S.M.Berge,ら.「Pharmaceutical Salts,」J.Pharm.Sci.1977,66,1−19.を参照。
適当な本発明の化合物の医薬上許容される塩は、例えば、高塩基性である、鎖中または環中に窒素原子を有する本発明の化合物の酸付加塩、例えば、無機酸、例えば、塩酸、臭化水素酸、ヨウ化水素酸、硫酸、重硫酸、リン酸、または硝酸との酸付加塩、あるいは有機酸、例えば、ギ酸、酢酸、アセト酢酸、ピルビン酸、トリフルオロ酢酸、プロピオン酸、酪酸、ヘキサン酸、ヘプタン酸、ウンデカン酸、ラウリン酸、安息香酸、サリチル酸、2−(4−ヒドロキシベンゾイル)−安息香酸、ショウノウ酸、桂皮酸、シクロペンタンプロピオン酸、ジグルコン酸、3−ヒドロキシ−2−ナフトエ酸、ニコチン酸、パモ酸、ペクチン酸、過硫酸、3−フェニルプロピオン酸、ピクリン酸、ピバル酸、2−ヒドロキシエタンスルホネート、イタコン酸、スルファミン酸、トリフルオロメタンスルホン酸、ドデシル硫酸、エタンスルホン酸、ベンゼンスルホン酸、パラ−トルエンスルホン酸、メタンスルホン酸、2−ナフタレンスルホン酸、ナフタレンジスルホン酸、カンファースルホン酸、クエン酸、酒石酸、ステアリン酸、乳酸、シュウ酸、マロン酸、コハク酸、リンゴ酸、アジピン酸、アルギン酸、マレイン酸、フマル酸、D−グルコン酸、マンデル酸、アスコルビン酸、グルコヘプタン酸(glucoheptanoic)、グリセロリン酸、アスパラギン酸、スルホサリチル酸、ヘミ硫酸、またはチオシアン酸などとの酸付加塩でありうる。
さらに、高酸性である本発明の化合物の別の適当な医薬上許容される塩は、アルカリ金属塩、例えば、ナトリウムまたはカリウム塩、アルカリ土類金属塩、例えば、カルシウム塩またはマグネシウム塩、アンモニウム塩または生理学上許容されるカチオンを提供する有機塩基との塩、例えば、N−メチル−グルカミン、ジメチル−グルカミン、エチル−グルカミン、リジン、ジシクロヘキシルアミン、1,6−ヘキサジアミン、エタノールアミン、グルコサミン、サルコシン、セリノール、トリス−ヒドロキシ−メチル−アミノメタン、アミノプロパンジオール、ソバック(sovak)−塩基、1−アミノ−2,3,4−ブタントリオールとの塩である。さらに、塩基性窒素含有基は、低級ハロゲン化アルキル、例えば、塩化、臭化およびヨウ化メチル、エチル、プロピル、およびブチル;硫酸ジメチル、ジエチル、およびジブチルのような硫酸ジアルキル;ならびに、硫酸ジアミル、長鎖ハロゲン化物、例えば、塩化、臭化およびヨウ化デシル、ラウリル、ミリスチルおよびステアリル、臭化ベンジルおよびフェネチルのようなハロゲン化アラルキルなどの物質で四級化されてもよい。
当業者であれば、本願化合物の酸付加塩が、多数の周知方法のいずれかを介して該化合物と適当な無機または有機酸との反応によって調製されうることをさらに認識するであろう。あるいは、本発明の酸性化合物のアルカリおよびアルカリ土類金属塩は、種々の周知方法を介して本発明の化合物を適当な塩基と反応させることによって調製される。
本発明は、単塩として、または任意の割合の、前記塩の任意の混合物として本発明の化合物のあらゆる可能な塩を含む。
本明細書に用いられる、「インビボ加水分解性エステル」なる語は、カルボキシまたはヒドロキシ基を含有する本発明の化合物のインビボ加水分解性エステル、例えば、親酸またはアルコールを産生するためにヒトまたは動物の体内で加水分解される医薬上許容されるエステルを意味するものと理解される。カルボキシに対する適当な医薬上許容されるエステルは、例えば、アルキル、シクロアルキルおよび所望により置換されていてもよいフェニルアルキル、特にベンジルエステル、C−Cアルコキシメチルエステル、例えば、メトキシメチル、C−Cアルカノイルオキシメチルエステル、例えば、ピバロイルオキシメチル、フタリジルエステル、C−Cシクロアルコキシ−カルボニルオキシ−C−Cアルキルエステル、例えば、1−シクロヘキシルカルボニルオキシエチル;1,3−ジオキソレン−2−オニルメチルエステル、例えば、5−メチル−1,3−ジオキソレン−2−オニルメチル;およびC−C−アルコキシカルボニルオキシエチルエステル、例えば、1−メトキシカルボニルオキシエチルを含み、本発明の化合物中の任意のカルボキシ基で形成されうる。
ヒドロキシ基を含有する本発明の化合物のインビボ加水分解性エステルには、無機塩、例えば、リン酸エスエルおよび[α]−アシルオキシアルキルエーテルならびにエステルのインビボ加水分解の結果として、親ヒドロキシ基を得るために分解する関連化合物が含まれる。
[α]−アシルオキシアルキルエーテルの例として、アセトキシメトキシおよび2,2−ジメチルプロピオニルオキシメトキシが挙げられる。ヒドロキシに対するインビボ加水分解性エステル形成基の選択肢には、アルカノイル、ベンゾイル、フェニルアセチルおよび置換ベンゾイルおよびフェニルアセチル、アルコキシカルボニル(炭酸アルキルエステルを得るため)、ジアルキルカルバモイルおよびN−(ジアルキルアミノエチル)−N−アルキルカルバモイル(カルバメートを得るため)、ジアルキルアミノアセチルおよびカルボキシアセチルが含まれる。本発明は、かかる全てのエステルを包含する。
さらに、本発明は、単一多形として、または任意の割合の、1以上の多形の混合物として、本発明の化合物のあらゆる可能な結晶形、または多形を含む。
第2の態様によれば、本発明は、上記の一般式(I):
[式中:R1は、水素原子またはフッ素原子であり;
R2は、フッ素原子またはC−アルキニル基であり;
R3は、−NH、−NH(C−C−アルキル)、−N(C−C−アルキル)、−C−C−アルキル、または−C−C−シクロアルキル基であり;
R4は、−NH、−NH(C−C−アルキル)、−N(C−C−アルキル)、−C−C−アルキル、または−C−C−シクロアルキル基であり;
R5は、フッ素原子またはメチル基であり;
Aは、−(CH−(n=0または1である)である]
で示される化合物またはその互変異性体、立体異性体、N−オキシド、塩、水和物、溶媒和物、代謝産物、もしくはプロドラッグを包含する。
第3の態様によれば、本発明は、上記の一般式(I):
[式中:R1は、水素原子またはフッ素原子であり;
R2は、フッ素原子またはC−アルキニル基であり;
R3は、−NH、−NH(C−C−アルキル)、−N(C−C−アルキル)、−C−C−アルキル、または−C−C−シクロアルキル基であり;
R4は、−NH、メチル、エチル、n−プロピル、イソ−プロピルまたはシクロプロピルまたはシクロブチル基であり;
R5は、フッ素原子またはメチル基であり;
Aは、−(CH−(n=0または1である)である]
で示される化合物またはその互変異性体、立体異性体、N−オキシド、塩、水和物、溶媒和物、代謝産物、もしくはプロドラッグを包含する。
第4の態様によれば、本発明は、上記の一般式(I)
[式中:R1は、水素原子またはフッ素原子であり;
R2は、フッ素原子またはC−アルキニル基であり;
R3は、−NH、メチル、エチル、n−プロピル、イソ−プロピルまたはシクロプロピルまたはシクロブチル基であり;
R4は、−NH、メチル、エチル、n−プロピル、イソ−プロピルまたはシクロプロピルまたはシクロブチル基であり;
R5は、フッ素原子またはメチル基であり;
Aは、−(CH−(n=0または1である)である]
で示される化合物またはその互変異性体、立体異性体、N−オキシド、塩、水和物、溶媒和物、代謝産物、もしくはプロドラッグを包含する。
上記の態様のさらなる実施態様において、本発明は、一般式(I)(式中:Rは、水素原子またはフッ素原子である)で示される化合物に関する。
上記の態様のさらなる実施態様において、本発明は、一般式(I)(式中:R2は、ハロゲン原子またはC−アルキニル基である)で示される化合物に関する。
上記の態様のさらなる実施態様において、本発明は、一般式(I)(式中:R3は、−NH、−NH(C−C−アルキル)、−N(C−C−アルキル)、−C−C−アルキル、または−C−C−シクロアルキル基である)で示される化合物に関する。
上記の態様のさらなる実施態様において、本発明は、一般式(I)(式中:R4は、−NH、−NH(C−C−アルキル)、−N(C−C−アルキル)、−C−C−アルキル、または−C−C−シクロアルキル基である)で示される化合物に関する。
上記の態様のさらなる実施態様において、本発明は、一般式(I)(式中:R5は、ハロゲン原子、または−C−C−アルキルまたは−O−C−C−アルキル基である)で示される化合物に関する。
上記の態様のさらなる実施態様において、本発明は、一般式(I)(式中:Aは、−(CH−(n=0である)である)で示される化合物に関する。
上記の態様のさらなる実施態様において、本発明は、一般式(I)(式中:Aは、−(CH−(n=1である)である)で示される化合物に関する。
上記の態様のさらなる実施態様において、本発明は、一般式(I)(式中:R5は、フッ素原子またはメチル基である)で示される化合物に関する。
上記の態様のさらなる実施態様において、本発明は、一般式(I)(式中:R4は、−NH、メチル、エチル、n−プロピル、イソ−プロピル、シクロプロピルまたはシクロブチル基である)で示される化合物に関する。
上記の態様のさらなる実施態様において、本発明は、一般式(I)(式中:R3は、−NH、メチル、エチル、n−プロピル、イソ−プロピル、シクロプロピルまたはシクロブチル基である)で示される化合物に関する。
本発明は、上記の一般式(I)で示される化合物の本発明の任意の実施態様内の任意の部分的な組み合わせ(subcombination)に関すると理解される。
さらなる態様において、本発明は、下記の本明細書の実施例欄に開示されている一般式(I)で示される化合物を包含する。
別の態様によれば、本発明は、本発明の化合物の調製方法、本明細書に記載の工程を含む方法を包含する。
さらなる態様によれば、本発明は、一般式(I)で示される本発明の化合物の調製、特に特に本明細書に記載の方法において有用である中間化合物を包含する。特に、本発明は、一般式(4):
Figure 2013508318
[式中:R1、R2、R4、R5およびAは、上記の一般式(I)の記載と同義である]
で示される化合物、および一般式(8):
Figure 2013508318
[式中:R1、R2、R3、R5およびAは、上記の一般式(I)の記載と同義である]
で示される化合物、および一般式(12):
Figure 2013508318
[式中:R1、R2、R3、R5およびAは、上記の一般式(I)に定義されるとおりであり、PGは、酸に不安定な保護基を示す]
で示される化合物を包含する。
さらなる態様によれば、本発明は、上記の一般式(I)で示される化合物の調製のための、上記の一般式(4)で示される中間化合物、または上記の一般式(8)で示される中間化合物、または上記の一般式(12)で示される中間化合物の使用に関する。
実験の詳細および一般的製法
略語および頭字語
当該技術分野における有機化学者によって用いられる略語の総覧は、The ACS Style Guide(第3版)またはthe Guidelines for Authors for the Journal of Organic Chemistryに掲載されている。該総覧に含まれる略語、および当該技術分野における有機化学者によって用いられるあらゆる略語は、出典明示により本明細書の一部とする。本発明のために、化学元素は、元素周期表,CAS version,Handbook of Chemistry and Physics,第67版,1986−87にしたがって特定される。
より具体的には、以下の略語が本開示にわたって用いられる場合、それらは以下の意味を有する:
AcO 無水酢酸
ACN アセトニトリル
AcO(またはOAc) 酢酸塩
anhyd 無水
aq 水性
Ar アリール
atm 気圧
ATP アデノシン三リン酸
b.i.d. 1日2回
Biotage シリカゲルクロマトグラフシステム,Biotage Inc.
Bn ベンジル
bp 沸点
Bz ベンゾイル
BOC tert−ブトキシカルボニル
n−BuOH n−ブタノール
t−BuOH tert−ブタノール
t−BuOK カリウムtert−ブトキシド
calcd 算出した
CDI カルボニルジイミダゾール
CDOD メタノール−d
Celite(登録商標) 珪藻土濾過剤,Celite Corp.
CI−MS 化学イオン化質量分析
13C NMR 炭素−13核磁気共鳴
conc 濃縮した
DCC ジシクロヘキシルカルボジイミド
DCE ジクロロエタン
DCM ジクロロメタン
dec 分解
DIBAL 水酸化ジイソブチルアンモニウム
DMAP 4−(N,N−ジメチルアミノ)ピリジン
DME 1,2−ジメトキシエタン
DMF N,N−ジメチルホルムアミド
DMSO ジメチルスルホキシド
DTT ジチオスレイトール
E 反対側(立体配置)
e.g. 例えば
EI 電子衝撃
ELSD 蒸発光散乱検出器
eq 当量
ERK 細胞外シグナル調節キナーゼ
ESI エレクトロスプレーオン化
ES−MS エレクトロスプレー質量分析
et al. など
EtOAc エチル アセテート
EtOH エタノール(100%)
EtO ジエチルエーテル
EtN トリエチルアミン
GC ガスクロマトグラフィー
GC−MS ガスクロマトグラフィー−質量分析
h 時間、時間(複数)
H NMR プロトン核磁気共鳴
HCl 塩酸
HEPES 4−(2−ヒドロキシエチル)−1−ピペラジンエタンスルホン酸
Hex ヘキサン
HMPA ヘキサメチルホスホラミド
HMPT ヘキサメチルリン酸トリアミド
HPLC 高速液体クロマトグラフィー
IC50 50%阻害に要する薬物濃度
i.e. すなわち
insol 不溶性
IPA イソプロピルアミン
IR 赤外線
J 結合定数(NMR分光法)
LAH 水素化リチウムアルミニウム
LC 液体クロマトグラフィー
LC−MS 液体クロマトグラフィー−質量分析
LDA リチウムジイソプロピルアミド
MAPK マイトジェン活性化プロテインキナーゼ
MeCN アセトニトリル
MEK MAPK/ERKキナーゼ
MHz メガヘルツ
min 分、分(複数)
μL マイクロリットル
mL ミリリットル
μM マイクロモル
mp 融点
MS 質量スペクトル、質量分析
Ms メタンスルホニル
m/z 質量対電荷比
NBS N−ブロモスクシンイミド
nM ナノモル
NMM 4−メチルモルホリン
obsd 観測された
p 頁
PBS リン酸緩衝生理食塩水
pp 頁(複数)
PdCldppf [1,1’−ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン]ジク
ロロパラジウム(II)
Pd(OAc) パラジウム アセテート
pH 水素イオン濃度の負の対数
pK 平衡定数の負の対数
pK 結合平衡定数の負の対数
PS−DIEA ポリスチレン結合ジイソプロピルエチルアミン
q カルテット(nmr)
qt クインテット(nmr)
保持因子(TLC)
RT 保持時間(HPLC)
rt 室温
TBAF フッ化テトラ−n−ブチルアンモニウム
TBST tween含有トリス緩衝生理食塩水
TEA トリエチルアミン
THF テトラヒドロフラン
TFA トリフルオロ酢酸
TFFH フルオロ−N,N,N’,N’−テトラメチルホルムアミジニ
ウム ヘキサフルオロホスフェート
TLC 薄層クロマトグラフィー
TMAD N,N,N’,N’−テトラメチルエチレンジアミン
TMSCl 塩化トリメチルシリル
Ts p−トルエンスルホニル
v/v 容量当たりの容量
w/v 容量当たりの重量
w/w 重量当たりの重量
Z 同じ側(立体配置)
一般的製法
次のパラグラフにおいて、本発明の重要な中間体および化合物の合成についての詳細な一般的製法が記載されている。
下記のスキームおよび製法は、本発明の一般式(I)で示される化合物への一般的合成経路を説明するものであり、限定することを意図とするものではない。スキームに例示される転換の順序が種々の方法で変更されうることは当業者に自明である。したがって、スキームに例示される転換の順序は、限定することを意図とするものではない。さらに、置換基、R1, R2, R3, R4またはR5のいずれかの相互変換は、例示された転換の前および/または後に達成されうる。これらの変更は、例えば、保護基の導入、保護基の開裂、官能基の還元または酸化、ハロゲン化、メタル化、置換あるいは当業者に周知の他の反応でありうる。これらの転換には、置換基のさらなる相互変換を可能にする官能基を導入するものが含まれる。適当な保護基ならびにその導入および開裂は、当業者に周知である(例えば、T.W.Greene and P.G.M.Wuts in Protective Groups in Organic Synthesis,第3版,Wiley 1999を参照のこと)。具体例は、次のパラグラフに記載されている。
一般式(I)で示される化合物の調製の一般的経路は、スキーム1に記載されている。
Figure 2013508318
一般式(G)で示される適当に置換された1,3,5−トリフルオロ−2−ニトロベンゼンは、−78℃から室温の範囲の温度、好ましくは室温にて適当な塩基、例えば、ヘキサメチルジシラザンリチウムなどの存在下において、適当な溶媒系、例えば、THF中で一般式(B)で示される適当に置換された2−フルオロ−アニリンと反応し、一般式(1)で示される3,5−ジフルオロ−N−(2−フルオロフェニル)−2−ニトロアニリン中間体を得る。
次いで、一般式(1)で示される中間体は、室温と各溶媒の沸点の間の温度にて適当な塩基、例えば、炭酸カリウムなどの存在下において、適当な溶媒系、例えば、DMF中で一般式(C)で示される適当に置換されたフェノール、例えば、3−アミノフェノールと反応して、一般式(2)で示される中間体に転換される。
一般式(2)で示される中間体は、所望により0℃から室温の範囲の温度にて適当な溶媒、例えば、ジクロロメタン中で所望により溶媒としても作用しうる、適当な塩基、例えば、ピリジンなどの存在下において、一般式(D)で示される適当な塩化スルホニル、例えば、塩化エチルスルホニルと反応し、一般式(3)で示される中間体を得る。
次いで、一般式(3)で示される中間体は、室温から溶媒の沸点の範囲の温度にて適当な溶媒、例えば、THF/水混合液中で適当な還元剤、例えば、亜ジチオン酸ナトリウムなどと反応して、一般式(4)で示される中間体に転換される。ニトロ基を還元するための別の試薬および条件は、当該分野にて周知である。
次いで、一般式(4)で示される中間体は、所望により0℃から室温の範囲の温度にて適当な溶媒、例えば、ジクロロメタン中で所望により溶媒としても作用しうる、適当な塩基、例えば、ピリジンなどの存在下において、一般式(E)で示される適当な塩化スルホニル、例えば、塩化シクロプロパンスルホニルと反応する。
あるいは、一般式(I)で示される化合物は、スキーム2に示される製法にしたがって合成されうる。化合物D、EおよびHは、症状的に入手可能であるかまたは以下の具体的な実験記載に記載されるように調製される。
Figure 2013508318
一般式(1)で示される中間体は、室温と各溶媒の沸点の間の温度にて適当な塩基、例えば、炭酸セシウムなどの存在下において、適当な溶媒系、例えば、DMF中で一般式(H)で示される適当に保護された置換されたフェノール、例えば、tert−ブチル (3−ヒドロキシフェニル)カルバメートと反応して、一般式(5)で示される中間体に転換される。
次いで、一般式(5)で示される中間体は、室温から溶媒の沸点の範囲の温度にて適当な溶媒、例えば、THF中で適当な還元剤、例えば、亜ジチオン酸ナトリウムと反応して、一般式(6)で示される中間体に転換される。
次いで、一般式(6)で示される中間体は、0℃から室温の範囲の温度にて、適当な溶媒、例えば、ピリジンなどの存在下において、一般式(E)で示される適当な塩化スルホニル、例えば、塩化シクロプロパンスルホニルと反応して、一般式(7)で示される中間体に転換される。
一般式(7)で示される中間体は、室温から溶媒の沸点の範囲の温度にて、適当な溶媒、例えば、DCM中で適当な酸、例えば、TFAなどの存在下において、当業者に周知の方法による保護基の開裂、例えば、tert−ブトキシカルボニル(Boc)基の開裂によって一般式(8)で示される中間体に転換される。
次いで、一般式(8)で示される中間体は、0℃から室温の範囲の温度にて適当な溶媒、例えば、ピリジン中で適当な塩基、例えば、ピリジンなどの存在下において、一般式(D)で示される適当な塩化スルホニル、例えば、塩化イソプロピルスルホニルと反応して、一般式(I)で示される化合物を得る。
あるいは、一般式(Ic)で示される化合物は、スキーム3に示される製法にしたがって合成されうる。化合物EおよびJは、商業的に入手可能である。
Figure 2013508318
一般式(J)で示される適当に置換されたフェノールは、0℃から室温の範囲の温度、好ましくは室温にて適当な塩基、例えば、トリエチルアミンの存在下において、クロロスルホニルイソシアネートおよびtert−ブタノールと反応して、一般式(9)で示される対応するtert−ブチルオキシカルボニル(BOC)保護スルファモイル誘導体に転換される[例えば、Tetrahedron 1993,49,65−76を参照のこと]。
一般式(9)で示される中間体は、室温と各溶媒の沸点の間の温度にて、適当な塩基、例えば、炭酸セシウムなどの存在下において、適当な溶媒系、例えば、DMF中で一般式(1)で示される中間体と反応して、一般式(10)で示される中間体に転換される。
次いで、一般式(10)で示される中間体は、室温から溶媒の沸点の範囲の温度にて、適当な溶媒、例えば、THF中で適当な還元剤、例えば、亜ジチオン酸ナトリウムなどと反応して、一般式(11)で示される中間体に転換される。
次いで、一般式(11)で示される中間体は、0℃から室温の範囲の温度にて、適当な溶媒、例えば、ピリジン中で適当な塩基、例えば、ピリジンなどの存在下において、一般式(E)で示される適当な塩化スルホニル、例えば、塩化シクロプロパンスルホニルと反応して、一般式(12)で示される中間体に転換される。
一般式(12)で示される中間体は、室温から溶媒の沸点の範囲の温度にて、適当な溶媒、例えば、DCM中で適当な酸、例えば、TFAなどの存在下において、当業者に周知の方法による保護基の開裂、例えば、tert−ブトキシカルボニル(Boc)基の開裂によって一般式(Ic)で示される化合物に転換される。
一般式(Ia)で示される化合物は、スキーム4に示される製法にしたがって、一般式(Ib)で示される化合物に転換される。
Figure 2013508318
一般式(Ia)で示される化合物は、当業者に周知のカップリング反応、好ましくは
アセチレンまたはアセチレン等価物との薗頭または薗頭型カップリング反応によって一般式(Ib)で示される化合物に転換される(下記参照)。
例えば、一般式(Ia)で示されるヨードまたはブロモ含有中間体は、溶媒、例えば、DMFの存在下および所望により塩基、例えば、トリアルキルアミン塩基などの存在下において、触媒量のPd触媒、例えば、PdCl(PPhなど、触媒量のヨウ化銅の存在下において、アセチレンと反応して、対応するアルキン誘導体(Ib)を形成しうる。あるいは、モノトリアルキルシリル保護アセチレン、例えば、トリメチルシリル(TMS)アセチレンは、上記の条件下で薗頭型カップリング、次いで、例えば、メタノール中フッ化テトラブチルアンモニウムまたは炭酸カリウムでの処置によるトリアルキルシリル基の開裂に用いられうる。あるいは、薗頭型カップリングの塩基としてフッ化テトラブチルアンモニウムを用いることによって、TMSアセチレンのカップリングおよびTMS−基の開裂は、ワンポット転換で達成されうる。(ヘテロ)アリールハライドとアルキンおよびトリアルキルシリルアルキンとの遷移金属触媒カップリングは、当業者に周知である(例えば、(a)Chinchilla,R.;Najera,C.Chem.Rev.2007,107,874;(b)Negishi,E.−i.,Anastasia,L.Chem.Rev.2003,103,1979を参照のこと;また、(c)Eur.J.Org.Chem.2005,20,4256;(d)J.Org.Chem.2006,71,2535およびその中の参考文献;(e)Chem.Commun.2004,17,1934を参照のこと)。種々のパラジウム触媒/共触媒/リガンド/塩基/溶媒組み合わせは、カップリングパートナー上の広範の付加的な官能基を考慮するために必要な反応条件の微調整を可能にする科学文献に掲載されている(上記の引用された総説の参考文献を参照のこと)。さらに、例えば、亜鉛アセチリド、アルキニルマグネシウム塩またはアルキニルトリフルオロホウ酸塩を用いる最近になって開発された製法は、該方法の範囲をさらに広範にする。
具体的な実験的記載
以下の実験欄におけるNMRピーク型は、スペクトルに現れるように示されており、起こり得る高次効果は考慮されていない。ACD/Name Batch version 12.00を用いて、化合物名を付けた。ある場合には、一般に認められた名称の商業的に入手可能な試薬を用いた。マイクロ波照射を用いる反応は、ロボットユニットを所望により装備していてもよいBiotage Initator(登録商標)マイクロ波オーブンで実施されうる。マイクロ波加熱を用いる報告された反応時間は、所定の反応温度に達した後の一定の反応時間として理解されることを意図する。本発明の方法にしたがって製造される化合物および中間体は、精製を必要としうる。有機化合物の精製は当業者に周知であり、同一化合物を精製する方法が複数存在しうる。ある場合には、精製を必要としなくてもよい。ある場合には、化合物は、結晶化により精製されうる。ある場合には、不純物は、適当な溶媒を用いて除去されうる。ある場合には、化合物は、適当なクロマトグラフシステム、例えば、Flashmaster II(Separtis)またはIsoleraシステム(Biotage)および溶離液、例えば、ヘキサン/酢酸エチルまたはDCM/メタノールの勾配などと組み合わせて、例えば、プレパックシリカゲルカートリッジ、例えば、Separtisからのもの、例えば、Isolute(登録商標)フラッシュシリカゲルまたはIsolute(登録商標)フラッシュNH2シリカゲルを用いて、クロマトグラフィー、特にフラッシュクロマトグラフィーに付して精製されうる。ある場合には、化合物は、例えば、適当なプレ充填逆相カラムおよび添加剤、例えば、トリフルオロ酢酸、ギ酸または水性アンモニアを含有しうる水およびアセトニトリルの勾配などの溶離液を組み合わせて、ダイオードアレイ検出器および/またはオンライン式エレクトロスプレーオン化質量分析計を装備したWaters autopurifierを用いて、分取HPLCに付して精製されうる。ある場合には、上記の精製法は、塩の形態で高い塩基性または酸性機能を有する本発明の化合物を提供しうる、例えば、高塩基性である本発明の化合物の場合には、例えば、トリフルオロ酢酸塩またはギ酸塩、あるいは、高酸性である本発明の化合物の場合には、例えば、アンモニウム塩。この種類の塩は、当業者に周知の種々の方法によって、その遊離塩基または遊離酸それぞれに転換されうるか、あるいは次の生物学的アッセイで塩として用いられうる。本明細書に記載の単離された本発明の化合物の特定の形態(例えば、塩、遊離塩基など)は必ずしも、特定の生物学的アッセイを定量化するために該化合物が生物学的アッセイに適用されうる形態のみではないことが理解される。
以下の実施例に記録される収率は、最小モル容量で用いられた出発物質に基づいている。外気および湿気感受性液体および溶液を、シリンジまたはカニューレを介して移し、ゴム隔膜を介して反応槽に加えた。商用グレード試薬および溶媒はさらに精製することなく用いられた。「減圧下で濃縮した」なる語は、約15mmのHgの最低圧力でのBuchiロータリーエバポレーターの使用を示す。あらゆる温度は、セ氏温度(℃)で訂正せずに記録される。
本発明をもっと理解するために、以下の実施例を示す。これらの実施例は、説明のみを目的とするものであり、いかなる方法によっても本発明の範囲を限定するものと解釈されるものではない。本明細書に記載のあらゆる刊行物は、全体を出典明示により一部とする。
次のパラグラフにおいて、本発明の重要な中間体および化合物の合成についての詳細な一般的製法が記載されている。
一般的製法1(GP1):スルホンアミド形成
1当量の各アミンを、ピリジン(約4mL/mmolアミン)に溶解し、1.2ないし2当量の各塩化スルホニルで処理した。LCMS分析が完全に出発物質を消費したことを示すまで、反応混合物を室温にて撹拌した。所望により、さらなるアリコートの各塩化スルホニルを加え、撹拌を終了した。反応混合物を水でクエンチし、ジクロロメタンで数回抽出した。合した有機層を、ブラインで洗浄し、濾過し、真空中で濃縮して、粗標的化合物を得た。分取HPLC精製またはフラッシュカラムクロマトグラフィーに付して、各標的化合物を得た。
分析的LCMS条件A:
次の具体的な実験的記載に示されるLCMSデータは、(特に明記しない限り)以下の条件をいう:
Figure 2013508318
分取HPLC条件B:
次の具体的な実験的記載における「分取HPLCによる精製」は、(特に明記しない限り)以下の条件をいう:
Figure 2013508318
Figure 2013508318
キラルHPLC条件C:
次の具体的な実験的記載に示されるキラルHPLCデータは、以下の条件をいう:
Figure 2013508318
Figure 2013508318
フラッシュカラムクロマトグラフィー条件A
次の具体的な実験的記載に示される「(フラッシュ)カラムクロマトグラフィーによる精製」は、Biotage Flashmaster IIまたはIsolera (SP4)精製システムの使用をいう。技術的明細事項については、www.biotage.com.の「Biotage product catalogue」を参照のこと。
旋光度条件の決定
旋光度を、DMSO中、589nm波長、20℃、濃度1.0000g/100ml、積分時間10秒、フィルム厚100.00mmの条件で測定した。
合成中間体
中間体1.A
3,5−ジフルオロ−N−(2−フルオロ−4−ヨードフェニル)−2−ニトロアニリンの調製
Figure 2013508318
25gの1,3,5−トリフルオロ−2−ニトロベンゼン(141.2mmol、1当量)および33.5gの2−フルオロ−4−ヨードアニリン(141.2mmol、1当量)を、250mL乾THFに溶解し、氷塩で−10〜0℃に冷却すると、424mLヘキサメチルジシラジドリチウム(LiHMDS)溶液(THF中1M;424mmol、3当量)を1時間かけてゆっくりと加えた。塩基を加え終わると、反応混合物を室温に昇温して、5日間撹拌し続けた。反応混合物を0.5N塩酸でクエンチし、酢酸エチルで希釈した。飽和塩化アンモニウム溶液を加え、相分離を促進した。分離した水相を酢酸エチルで2回再抽出した。合した有機層を、ブラインで洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過し、真空中で濃縮して、暗色固体残渣を得た。残渣を、溶離液としてヘキサンおよびヘキサン/酢酸エチル 8:2でシリカゲルのフラッシュカラムクロマトグラフィー条件に付して精製し、わずかに褐色の固体として45.8グラム(収率82%)の分析的に純粋な標的化合物を得た。
H−NMR(d−DMSO;400MHz):δ=8.86(s,1H);7.73(dd,1H);7.55(dd,1H);7.13(t,1H);6.96(ddd,1H);6.40−6.44(m,1H).
LC−MS:保持時間:1.5分
MS ES:392.9[M−H]
中間体2.A
3−(3−アミノフェノキシ)−5−フルオロ−N−(2−フルオロ−4−ヨードフェニル)−2−ニトロアニリンの調製
Figure 2013508318
18.4gの3,5−ジフルオロ−N−(2−フルオロ−4−ヨードフェニル)−2−ニトロアニリン(46.9mmol、1当量)、5.6gの3−アミノフェノール(51.6mmol、1.1当量)および9.7gの炭酸カリウム(70.3mmol、1.5当量)を丸底フラスコに秤量した。300mL乾DMFを加え、得られたスラリーを室温にて3日間撹拌した。反応混合物を水の添加によりクエンチし、酢酸エチルで希釈し、相を分離した。分離した水層を酢酸エチルで2回再抽出した。合した有機層を、ブラインで洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過して、真空中で濃縮した。残渣を、溶離液として純粋ヘキサンからヘキサン/酢酸エチル 1:1の勾配でシリカゲルのフラッシュカラムクロマトグラフィーに付して精製し、少量の位置異性体5−(3−アミノフェノキシ)−3−フルオロ−N−(2−フルオロ−4−ヨードフェニル)−2−ニトロアニリンを含有する11.6g(収率51%)の標的化合物を得た。一般的に、該立体異性体混合物を次の転換を介して進行させ、純粋な立体異性体実施例化合物への分離を最終転換後に分取HPLCによって行った(下記参照)。
H−NMR(d−DMSO;300MHz):δ=8.45(s,1H);7.68(dd,1H);7.52(dd,1H);7.07(t,1H);7.01(t,1H);6.38(dd,1H);6.26−6.31(m,1H);6.16−6.24(m,3H);5.34(s,2H).
LC−MS:保持時間:1.56分
MS ES:484.20[M+H]
中間体3.A
N−(3−{5−フルオロ−3−[(2−フルオロ−4−ヨードフェニル)アミノ]−2−ニトロフェノキシ}−フェニル)エタンスルホンアミドの調製
Figure 2013508318
11.7gの3−(3−アミノフェノキシ)−5−フルオロ−N−(2−フルオロ−4−ヨードフェニル)−2−ニトロアニリン(24.3mmol、1当量;少量の位置異性体5−(3−アミノフェノキシ)−3−フルオロ−N−(2−フルオロ−4−ヨードフェニル)−2−ニトロアニリン含有)を、98mL ピリジンに溶解し、窒素圧下にセットし、3.4mL塩化エチルスルホニル(36.4mmol、1.5当量;ピリジンに溶解)で連続して処理した。得られた反応混合物を室温にて20分間撹拌し、その後、LCMC分析は最終的撹拌を示した。反応混合物を水の添加によりクエンチし、酢酸エチルで希釈し、相を分離した。分離された水層を酢酸エチルで2回再抽出した。合した有機層を、ブラインで洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過し、真空中で濃縮して、(少量の位置異性体N−(3−{3−フルオロ−5−[(2−フルオロ−4−ヨードフェニル)アミノ]−2−ニトロフェノキシ}−フェニル)エタンスルホンアミドを含有する)14.8gの粗標的化合物を得、次の転換においてさらに精製することなく用いた。
H−NMR(d−DMSO;300MHz):δ=9.97(s,1H);8.52(s,1H);7.70(dd,1H);7.52(br.d,1H);7.34(t,1H);7.10(t,1H);7.04(dd,1H);6.92(s,1H);6.79(dd,1H);6.34−6.39(m,2H);3.10(q,2H);1.15(t,3H).
LC−MS:保持時間:1.49分
MS ES:576.01[M+H]
中間体4.A
N−(3−{2−アミノ−5−フルオロ−3−[(2−フルオロ−4−ヨードフェニル)アミノ]フェノキシ}−フェニル)エタンスルホンアミドの調製
Figure 2013508318
14.8gの粗N−(3−{5−フルオロ−3−[(2−フルオロ−4−ヨードフェニル)アミノ]−2−ニトロフェノキシ}−フェニル)エタンスルホンアミド(中間体3.A)(25.9mmol、1当量;少量の位置異性体N−(3−{3−フルオロ−5−[(2−フルオロ−4−ヨードフェニル)アミノ]−2−ニトロフェノキシ}−フェニル)エタンスルホンアミドを含有)を、560mLのTHFに溶解し、50℃(浴温度)に加熱し、76g亜ジチオン酸ナトリウム(440mmol、17当量)の420mL水中溶液で30分以内に処理した。50℃の浴温度にて150分間撹拌し続けると、LCMS分析は完全な回転を示した。反応混合物を室温に冷却し、THFを真空中で除去し、残渣を飽和重炭酸ナトリウム溶液と酢酸エチルの間に分配した。相分離後、分離された水層を酢酸エチルで2回再抽出した。合した有機層を、ブラインで洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過し、真空中で濃縮して、粗標的化合物を得た。溶離液としてヘキサン/メチル−tert−ブチルエーテル勾配でシリカゲルのフラッシュカラムクロマトグラフィーに付して、少量の位置異性体 N−(3−{2−アミノ−3−フルオロ−5−[(2−フルオロ−4−ヨードフェニル)アミノ]フェノキシ}−フェニル)エタンスルホンアミドを含有する11.8gの標的化合物(21.6mmol、84%収率)を得た。
H−NMR(d−DMSO;300MHz):δ=9.85(br.s,1H);7.52(dd,1H);7.42(s,1H);7.31(br.d,1H);7.25(t,1H);6.90(dd,1H);6.84(t,1H);6.55−6.65(m,3H);6.48(dd,1H);4.47(s,2H);3.07(q,2H);1.14(t,3H).
LC−MS:保持時間:1.46分
MS ES:546.14[M+H]
中間体5.A
3−(3−アミノ−2−メチルフェノキシ)−5−フルオロ−N−(2−フルオロ−4−ヨードフェニル)−2−ニトロアニリンの調製
Figure 2013508318
3.6gの3,5−ジフルオロ−N−(2−フルオロ−4−ヨードフェニル)−2−ニトロアニリン(中間体1A;9.2mmol、1当量)、1.1gの3−アミノ−2−メチルフェノール(9.2mmol、1当量)および4.5g炭酸セシウム(13.8mmol、1.5当量)を、35mL DMFに懸濁し、室温にて16時間撹拌した。LCMS分析は、完全な回転を示した。反応混合物を酢酸エチルで希釈し、飽和塩化ナトリウム揺曳でクエンチし、層を分離し、水層を酢酸エチルで再抽出した。合した有機層を乾燥し、濾過し、真空中で濃縮した。粗生成物を、フラッシュカラムクロマトグラフィー(n−ヘキサン/酢酸エチル勾配)に付して精製し、 1.18の所望の生成物を得た(収率26%)。
H−NMR(d−DMSO;400MHz):δ=8.44(s,1H);7.69(dd,1H);7.52(dd,1H);7.08(t,1H);6.92(t,1H);6.53(d,1H);6.19−6.24(m,2H);5.84(dd,1H);5.17(s,2H);1.84(s,3H).
LC−MS:保持時間:1.67分
MS ES:497.8[M+H]
中間体6.A
N−(3−{5−フルオロ−3−[(2−フルオロ−4−ヨードフェニル)アミノ]−2−ニトロフェノキシ}−2−メチルフェニル)エタンスルホンアミドの調製
Figure 2013508318
1.18g 3−(3−アミノ−2−メチルフェノキシ)−5−フルオロ−N−(2−フルオロ−4−ヨードフェニル)−2−ニトロアニリン(2.3mmol、1当量)を、9.6mLピリジンに溶解し、0℃に冷却し、292μL塩化エチルスルホニル(3.1mmol、1.2当量)で処理し、0℃にて3時間撹拌した。反応混合物をトルエンで希釈し、真空中で濃縮した。残渣を水と酢酸エチルの間に分配した。水層を酢酸エチルで再抽出した。合した有機層を乾燥し、濾過し、真空中で濃縮して、1.6gの粗生成物を得、それをトルエンに溶解し、再度真空中で濃縮した。粗生成物を、さらに精製することなく次の転換において用いた。
H−NMR(d−DMSO;300MHz):δ=9.25(br.s,1H);8.51(s,1H);7.70(dd,1H);7.52(dd,1H);7.05−7.26(3H;残存トルエンによって見えない);6.95(dd,1H);6.26−6.31(m,1H);5.99(dd,1H);3.09(q,2H);2.12(s,3H);1.22(t,3H).
LC−MS:保持時間:1.48分
MS ES:587.9[M−H]
中間体7.A
N−(3−{2−アミノ−5−フルオロ−3−[(2−フルオロ−4−ヨードフェニル)アミノ]フェノキシ}−2−メチルフェニル)エタンスルホンアミドの調製
Figure 2013508318
1.6gの粗N−(3−{5−フルオロ−3−[(2−フルオロ−4−ヨードフェニル)アミノ]−2−ニトロフェノキシ}−2−メチルフェニル)−エタンスルホンアミド(2.7mmol、1当量)を、40mL THF/EtOH 1:1に溶解し、3.1g塩化スズ二水和物(SnCl 2HO)(13.6mmol、5当量)で処理し、得られた混合物を16時間還流した。反応混合物を濃縮し、残渣を26%NHでクエンチし、DCMで抽出した。合した有機層を、塩化アンモニウム溶液および飽和塩化ナトリウム溶液で洗浄し、乾燥し、濾過して、真空中で濃縮した。残渣をフラッシュカラムクロマトグラフィーに付して精製し、996mgの標的化合物を得た(収率65%)。
H−NMR(d−DMSO;300MHz):δ=9.18(br.s,1H);7.51(dd,1H);7.40(s,1H);7.32(br.d,1H);7.15(t,1H);7.06(d,1H);6.68(dd,1H);6.61(t,1H);6.51(dd,1H);6.18(dd,1H);4.51(s,2H);3.07(q,2H);2.19(s,3H);1.23(t,3H).
LC−MS:保持時間:1.47分
MS ES:560.14[M+H]
中間体8.A
tert−ブチル (3−{5−フルオロ−3−[(2−フルオロ−4−ヨードフェニル)アミノ]−2−ニトロフェノキシ}フェニル)カルバメートの調製
Figure 2013508318
3.0gの3,5−ジフルオロ−N−(2−フルオロ−4−ヨードフェニル)−2−ニトロアニリン(中間体1A;純度70%、5.3mmol、1当量)、1.1g N−Boc−3−アミノフェノール(5.3mmol、1当量)および3.4g炭酸セシウム(10.7mmol、1.5当量)を、30mL DMFに懸濁し、室温にて16時間撹拌した。LCMS分析は完全な反転を示した。反応混合物を水と酢酸エチルの間に分配し、層を分離し、水層を酢酸エチルで再抽出した。合した有機層を乾燥し、濾過し、真空中で濃縮した。粗生成物を、フラッシュカラムクロマトグラフィー(n−ヘキサン/酢酸エチル勾配)に付して精製し、1.35の所望の生成物を得た(収率44%)。
H−NMR(d−DMSO;300MHz):δ=9.50(s,1H);8.48(s,1H);7.69(dd,1H);7.52(dd,1H);7.22−7.32(m,3H);7.09(t,1H);6.69(dt,1H);6.30−6.36(m,1H);6.26(dd,1H);1.43(s,9H).
LC−MS:保持時間:1.68分
MS ES:582.0[M−H]
中間体9.A
tert−ブチル (3−{2−アミノ−5−フルオロ−3−[(2−フルオロ−4−ヨードフェニル)アミノ]フェノキシ}フェニル)カルバメートの調製
Figure 2013508318
1.35gのtert−ブチル (3−{5−フルオロ−3−[(2−フルオロ−4−ヨードフェニル)アミノ]−2−ニトロフェノキシ}フェニル)カルバメート(2.3mmol、1当量)を43mL THFに溶解し、50℃に加熱すると、6.8g亜ジチオン酸ナトリウム(39mmol、17当量)の35mL水中溶液を加え、該温度にて1時間撹拌し続けた。層を分離し、水層を酢酸エチルで再抽出した。合した有機層を乾燥し、濾過し、真空中で濃縮した。粗生成物(1.5g)をさらに精製することなく用いた。
H−NMR(d−DMSO;300MHz):δ=9.39(s,1H);7.51(dd,1H);7.41(s,1H);7.31(d,1H);7.09−7.23(m,3H);6.52−6.62(m,3H);6.41(dd,1H);4.42(s,2H);1.42(s,9H).
LC−MS:保持時間:1.62分
MS ES:553.9[M+H]
中間体10.A
tert−ブチル (3−{2−[(シクロプロピルスルホニル)アミノ]−5−フルオロ−3−[(2−フルオロ−4−ヨードフェニル)アミノ]フェノキシ}フェニル)カルバメートの調製
Figure 2013508318
1.5gの粗tert−ブチル (3−{2−アミノ−5−フルオロ−3−[(2−フルオロ−4−ヨードフェニル)アミノ]フェノキシ}フェニル)カルバメート(2.7mmol、1当量)を、10mL ピリジンおよび457mg塩化シクロプロピルスルホニル(3.3mmol、1.2当量)に溶解し、該温度にて16時間撹拌し続けた。反応混合物をトルエンで希釈し、真空中で濃縮した。残渣をDCMと水の間に分配し、水層をDCMで再抽出した。合した有機層を乾燥し、濾過し、真空中で濃縮した。粗生成物をフラッシュカラムクロマトグラフィーに付して精製し、1.19gの標的化合物を得た(収率67%)。
H−NMR(d−DMSO;300MHz):δ=9.47(s,1H);9.11(br.s,1H);7.64(dd,1H);7.57(s,1H);7.44(d,1H);7.23−7.31(m,3H);7.12(t,1H);6.68−6.73(m,1H);6.55(dd,1H);6.04(dd,1H);2.60−2.70(m,1H);1.42(s,9H);0.80−0.90(m,4H).
LC−MS:保持時間:1.63分
MS ES:655.9[M−H]
中間体11.A
N−{2−(3−アミノフェノキシ)−4−フルオロ−6−[(2−フルオロ−4−ヨードフェニル)アミノ]フェニル}シクロプロパンスルホンアミドの調製
Figure 2013508318
1.19gのtert−ブチル (3−{2−[(シクロプロピルスルホニル)アミノ]−5−フルオロ−3−[(2−フルオロ−4−ヨードフェニル)アミノ]フェノキシ}フェニル)カルバメート(1.8mmol、1当量)を、15mL DCMに溶解し、2mL TFAで処理し、室温にて6時間撹拌した。反応混合物を0℃に冷却し、1N水酸化ナトリウムでpH10に調整した。層を分離し、水層をDCMで再抽出した。合した有機層を乾燥し、濾過し、真空中で濃縮して、776mgの粗生成物を得(収率77%)、さらに精製することなく用いた。
H−NMR(d−DMSO;400MHz):δ=9.08(br.s,1H);7.63(dd,1H);7.53(s,1H);7.44(d,1H);7.11(t,1H);7.02(t,1H);6.53(dd,1H);6.38(dd,1H);6.28(t,1H);6.22(dd,1H);6.03(dd,1H);5.29(s,2H);2.60−2.67(m,1H);0.81−0.91(m,4H).
LC−MS:保持時間:1.46分
MS ES:557.8[M+H]
中間体12.A
3−(3−アミノ−4−フルオロフェノキシ)−5−フルオロ−N−(2−フルオロ−4−ヨードフェニル)−2−ニトロアニリンの調製
Figure 2013508318
1gの3,5−ジフルオロ−N−(2−フルオロ−4−ヨードフェニル)−2−ニトロアニリン(中間体 1A;2.537mmol、1当量)、194mg 3−アミノ−4−フルオロフェノール(1.522mmol、0.6当量)および1.240g炭酸セシウム(3.806mmol、1.5当量)を、12mL DMFに懸濁し、室温にて72時間撹拌した。反応混合物を、ブタン−2−オンと半飽和ブラインの間に分配した。層を分離し、水層をエチル ブタン−2−オンで2回再抽出した。合した有機層を、ブラインで洗浄し、乾燥し、濾過し、真空中で濃縮した。粗生成物を、フラッシュカラムクロマトグラフィー(n−ヘキサン/酢酸エチル勾配)に付して精製し、同一保持時間で溶離したそのパラ位置異性体を有する、450mgの所望の生成物の混合物を得た(63% UV純度)。該物質をさらに精製することなく用いた。
LC−MS: 保持時間:1.54分
MS ES:502.39 [M+H]
中間体13.A
N−(2−フルオロ−5−{5−フルオロ−3−[(2−フルオロ−4−ヨードフェニル)アミノ]−2−ニトロフェノキシ}フェニル)硫酸ジアミドの調製
Figure 2013508318
溶液A:254mgクロロスルホニルイソシアネート(1.797mmol、2当量)を0.427mL DCMに溶解し、混合物を40℃に加熱し、次いで、ギ酸で処理し、71μLギ酸(1.887mmol、2.1当量)および1.3μl DMA(0,014mmol、0.016当量)で滴下処理していると、ガス発生が起こった。混合物をさらに15分間加熱還流した。
450mg粗3−(3−アミノ−4−フルオロフェノキシ)−5−フルオロ−N−(2−フルオロ−4−ヨードフェニル)−2−ニトロアニリン(0.898mmol、1当量)を3.5mL DMAに溶解し、235μL DIPEA(1.348mmol、1.5当量)で処理した。0℃に冷却すると、溶液Aを滴下し、得られた混合物を室温にて18時間撹拌した。反応混合物を水とエチルエーテルの間に分配し、水層をエチルエーテルで2回再抽出した。合した有機層を半飽和ブラインで1回、ブラインで1回洗浄し、乾燥し、濾過し、真空中で濃縮して、597mgの標的化合物およびそのパラ立体異性体の混合物(71%オルト体、11%パラ体)を含有する粗生成物を得、さらに精製することなく次の転換において用いた。
LC−MS:保持時間:1.40分
MS ES:581.27[M+H]
中間体14.A
N−(5−{2−アミノ−5−フルオロ−3−[(2−フルオロ−4−ヨードフェニル)アミノ]フェノキシ}−2−フルオロフェニル)硫酸ジアミドの調製
Figure 2013508318
597mg粗N−(2−フルオロ−5−{5−フルオロ−3−[(2−フルオロ−4−ヨードフェニル)アミノ]−2−ニトロフェノキシ}フェニル)硫酸ジアミド(1.028mmol、1当量)を、20mL THFに溶解し、50℃に昇温し、3.044g亜ジチオン酸ナトリウム(17.484mmol、17当量)の16mlの水中溶液で30分かけて滴下処理した。得られた混合物をさらに5時間該温度にて撹拌した。室温に冷却すると、相が分離した。有機層を分離し、真空中で濃縮し、酢酸エチルに再溶解した。水層を飽和重炭酸ナトリウム溶液で希釈し、次いで、酢酸エチルで2回抽出した。合した有機層を、半飽和ブラインで1回および飽和ブラインで1回洗浄し、乾燥し、濾過し、真空中で濃縮して、547mgの粗生成物を得、さらに精製することなく次の転換において用いた。
LC−MS:保持時間:1.34分
MS ES:551.41 [M+H]
中間体15.A
tert−ブチル [(3−ヒドロキシベンジル)スルファモイル]カルバメートの調製
Figure 2013508318
溶液A:6,321gクロロスルホニルイソシアネート(44,659mmol、1.1当量)を60ml乾ジクロロメタンに溶解した。tert.ブタノールの30ml乾ジクロロメタン中溶液を室温にて加え、さらに5分間撹拌した。
溶液B:5g 3−(アミノメチル)フェノール(40,599mmol、1当量)を、110mL乾ジクロロメタンに懸濁し、6,791mlトリエチルアミン(48,719mmol、1.2当量)を加え、混合物を0℃に冷却すると、溶液Aを滴下した。室温にて1時間撹拌し続けた。
反応混合物を、半濃縮塩化アンモニウム溶液の添加によってクエンチし、ジクロロメタンで希釈し、相を分離した。分離された水相をジクロロメタンで2回抽出した。合した有機層を、ブラインで洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過し、真空中で濃縮して、粗生成物を得た。残渣を結晶化により精製し、6.469グラム(収率53%)の標的化合物を得た。
H−NMR(d−DMSO;300MHz):δ=10.79(br.s,1H);9.30(s,1H);8.04(dd,1H);7.05(dd,1H);6.72−6.65(m,2H);6.59(dm,1H);3.89(d,2H);1.37(s,9H).
LC−MS:保持時間:0.88分
MS ES:301.2[M−H]
中間体16.A
tert−ブチル [(3−{5−フルオロ−3−[(2−フルオロ−4−ヨードフェニル)アミノ]−2−ニトロフェノキシ}ベンジル)スルファモイル]カルバメートの調製
Figure 2013508318
2.0gの3,5−ジフルオロ−N−(2−フルオロ−4−ヨードフェニル)−2−ニトロアニリン(中間体1A;純度64%、3.25mmol、1当量)、0.98g tert−ブチル [(3−ヒドロキシベンジル)スルファモイル]カルバメート(中間体2A;3.24mmol、1当量)および1.6g炭酸セシウム(4.9mmol、1.5当量)を、25mL DMFに懸濁し、密閉バイアル中で室温にて3日間撹拌した。追加の0.4当量のtert−ブチル [(3−ヒドロキシベンジル)スルファモイル]カルバメートおよび0.4当量の炭酸セシウムを加え、2日間撹拌し続けた。反応混合物を、塩化ナトリウム溶液とエーテルの間に分配し、層を分離し、水層をエーテルで再抽出した。合した有機層を乾燥し、濾過し、真空中で濃縮して、3.08gの粗生成物を得(いくつかの未反応出発物質を含有する位置異性体混合物として)、さらに精製することなく次の反応において用いた。
LC−MS:保持時間:1.55分
MS ES:674.8[M−H]
中間体17.A
tert−ブチル [(3−{2−アミノ−5−フルオロ−3−[(2−フルオロ−4−ヨードフェニル)アミノ]フェノキシ}ベンジル)スルファモイル]カルバメートの調製
Figure 2013508318
3.08gのtert−ブチル [(3−{5−フルオロ−3−[(2−フルオロ−4−ヨードフェニル)アミノ]−2−ニトロフェノキシ}ベンジル)スルファモイル]カルバメート(4.55mmol、1当量)を、88mL THFに溶解し、50℃に加熱すると、13.5g亜ジチオン酸ナトリウム(77.4mmol、17当量)の70mL水中溶液を加え、該温度にて5時間撹拌し続けた。層を分離し、THF層を真空中で濃縮した。残渣を酢酸エチルに溶解し、重炭酸ナトリウム溶液および塩化ナトリウム溶液で洗浄し、乾燥し、濾過し、真空中で濃縮した。残渣をフラッシュカラムクロマトグラフィー(ヘキサンからヘキサン/酢酸エチル 1:1勾配)に付してさらに精製し、886mg(収率30%)の標的化合物を得た(2−3:1位置異性体混合物として)。
LC−MS:保持時間:1.51分
MS ES:646.9[M+H]
中間体18.A
tert−ブチル [(3−{2−[(シクロプロピルスルホニル)アミノ]−5−フルオロ−3−[(2−フルオロ−4−ヨードフェニル)アミノ]フェノキシ}ベンジル)スルファモイル]カルバメートの調製
Figure 2013508318
864mgの粗tert−ブチル [(3−{2−アミノ−5−フルオロ−3−[(2−フルオロ−4−ヨードフェニル)アミノ]フェノキシ}ベンジル)スルファモイル]カルバメート(1.37mmol、1当量)を、13mLピリジンおよび250mg塩化シクロプロピルスルホニル(1.78mmol、1.3当量)に溶解し、該温度にて16時間撹拌し続けた。反応混合物をトルエンで希釈し、真空中で濃縮した。残渣を、酢酸エチルと水の間に分配し、水層を酢酸エチルで再抽出した。合した有機層を乾燥し、濾過し、真空中で濃縮した。残渣を、フラッシュカラムクロマトグラフィー(ヘキサンからヘキサン/酢酸エチル 1:1勾配)に付してさらに精製し、814mgの標的化合物を得(70%UV−純度)、次の転換に用いた。
LC−MS:保持時間:1.52分
MS ES:748.8[M−H]
実施例化合物
実施例1
N−(2−{3−[(エチルスルホニル)アミノ]フェノキシ}−4−フルオロ−6−[(2−フルオロ−4−ヨードフェニル)アミノ]フェニル)シクロプロパンスルホンアミドの調製
Figure 2013508318
154mgのN−(3−{2−アミノ−5−フルオロ−3−[(2−フルオロ−4−ヨードフェニル)アミノ]フェノキシ}−フェニル)エタンスルホンアミド(中間体4.A)(0.28mmol、1当量;少量の位置異性体N−(3−{2−アミノ−3−フルオロ−5−[(2−フルオロ−4−ヨードフェニル)アミノ]フェノキシ}−フェニル)エタンスルホンアミドを含有)を、1mLピリジンに溶解し、79.4mg塩化シクロプロパンスルホニル(0.565mmol、2当量)で処理した。反応混合物を室温にて48時間撹拌した。反応混合物を水でクエンチし、ジクロロメタンで数回抽出した。合した有機層を、ブラインで洗浄し、濾過し、真空中で濃縮して、粗標的化合物を得た。分取HPLCに付して精製し、62mgの分析的に純粋な標的化合物を得た(0.09mmol、収率32%)。
H−NMR(d−DMSO;300MHz):δ=9.92(br.s,1H);9.09(br.s,1H);7.64(dd,1H);7.59(br.s,1H);7.45(br.d,1H);7.34(t,1H);7.12(t,1H);7.00−7.04(m,1H);6.96(t,1H);6.81(dd,1H);6.57(dd,1H);6.15(dd,1H);3.10(q,2H);2.63−2.71(m,1H);1.15(t,3H);0.82−0.88(m,4H).
LC−MS:保持時間:1.51分
MS ES:650.17[M+H]
以下の実施例化合物2〜5を、ピリジンの存在下においてN−(3−{2−アミノ−5−フルオロ−3−[(2−フルオロ−4−ヨードフェニル)アミノ]フェノキシ}−フェニル)−エタンスルホンアミド(中間体4.A)を各商業的に入手可能な塩化スルホニルで処理することによって実施例化合物1に類似の方法で調製した。
Figure 2013508318
Figure 2013508318
実施例6
N−(3−{5−フルオロ−3−[(2−フルオロ−4−ヨードフェニル)アミノ]−2−(スルファモイルアミノ)フェノキシ}フェニル)エタンスルホンアミドの調製
Figure 2013508318
244mg N−(3−{2−アミノ−5−フルオロ−3−[(2−フルオロ−4−ヨードフェニル)アミノ]フェノキシ}−フェニル)エタンスルホンアミド(0.448mmol、1当量)を、10mL DCMに溶解し、0.781mL DIPEA(4.5mmol、10当量)および388mg塩化スルファモイル(3.36mmol、7.5当量)で処理し、得られた溶液を室温にて4日間撹拌した。反応混合物を、塩化アンモニウム溶液とDCMの間に分配し、水層をDCMで再抽出し、合した有機層を乾燥し、濾過し、真空中で濃縮した。フラッシュカラムクロマトグラフィーに付して、97mgの標的化合物を得た(収率35%)。第二の生成物画分を、薄層クロマトグラフィー(溶離液としてヘキサン/酢酸エチル 1:1)に付してさらに精製し、付加的な67mgの標的化合物を得た(収率22%)。
H−NMR(d−DMSO;400MHz):δ=9.94(br.s,1H);8.58(br.s,1H);7.60−7.63(m,2H);7.46(br.d,1H);7.32(t,1H);7.14(t,1H);6.96−7.02(m,4H);6.82(dd,1H);6.48(dd,1H);6.01(dd,1H);3.10(q,2H);1.16(t,3H).
LC−MS:保持時間:1.37分
MS ES:624.7[M+H]
実施例7
N−(2−{3−[(エチルスルホニル)アミノ]−2−メチルフェノキシ}−4−フルオロ−6−[(2−フルオロ−4−ヨードフェニル)アミノ]フェニル)シクロプロパンスルホンアミドの調製
Figure 2013508318
185mg N−(3−{2−アミノ−5−フルオロ−3−[(2−フルオロ−4−ヨードフェニル)アミノ]フェノキシ}−2−メチルフェニル)エタンスルホンアミド(0.33mmol、1当量)を、3mLピリジンに溶解し、49mg塩化シクロプロピルスルホニル(0.33mmol、1当量)で処理し、室温にて16時間撹拌した。さらなる15mg塩化シクロプロピルスルホニルを加え、4時間撹拌し続けた。追加の15mg塩化シクロプロピルスルホニルを加え、一晩撹拌し続けた。反応混合物を、水でクエンチし、トルエンで希釈し、真空中で濃縮した。残渣を、水と酢酸エチルの間に分配し、水層を酢酸エチルで再抽出し、合した有機層を乾燥し、濾過し、真空中で濃縮した。フラッシュカラムクロマトグラフィーに付して、150mgの標的化合物を得た(収率64%)。
H−NMR(d−DMSO;300MHz):δ=9.16(br.s,2H);7.62−7.65(m,2H);7.45(br.d,1H);7.11−7.24(m,3H);6.90(d,1H);6.51(dd,1H);5.78(dd,1H);3.10(q,2H);2.67−2.70(m,1H);2.15(s,3H);1.23(t,3H);0.83−0.86(m,4H).
LC−MS:保持時間:1.47分
MS ES:663.8[M+H]
実施例8
N−(3−{5−フルオロ−3−[(2−フルオロ−4−ヨードフェニル)アミノ]−2−(スルファモイルアミノ)フェノキシ}−2−メチルフェニル)エタンスルホンアミドの調製
Figure 2013508318
溶液A:65mgクロロスルホニルイソシアネートを、0.11mL DCMに溶解し、加熱還流し、18μLギ酸および350μL DMAで処理した。
140mg N−(3−{2−アミノ−5−フルオロ−3−[(2−フルオロ−4−ヨードフェニル)アミノ]フェノキシ}−2−メチルフェニル)エタンスルホンアミド(0.233mmol、1当量)を、0.79mL DMAに溶解し、61μL DIPEAで処理した。溶液Aをシリンジで加え、得られた混合物を室温にて16時間撹拌した。反応混合物を、水と酢酸エチルの間に分配し、水層を酢酸エチルで再抽出し、合した有機層を乾燥し、濾過し、真空中で濃縮した。フラッシュカラムクロマトグラフィーに付して、53mgの標的化合物を得た(収率34%)。
H−NMR(d−DMSO;400MHz):δ=9.15(br.s,1H);8.59(br.s,1H);7.64−7.68(m,2H);7.46(br.d,1H);7.12−7.24(m,3H);7.05(s,2H);6.94(d,1H);6.43(dd,1H);5.64(dd,1H);3.10(q,2H);2.16(s,3H);1.24(t,3H).
LC−MS:保持時間:1.35分
MS ES:636.9[M−H]
実施例9
N−(2−{3−[(エチルスルホニル)アミノ]フェノキシ}−6−[(4−エチニル−2−フルオロフェニル)アミノ]−4−フルオロフェニル)シクロプロパンスルホンアミドの調製
Figure 2013508318
工程1
100mg N−(2−{3−[(エチルスルホニル)アミノ]フェノキシ}−4−フルオロ−6−[(2−フルオロ−4−ヨードフェニル)−アミノ]フェニル)シクロプロパンスルホンアミド(0.154mmol、1当量)、3.5mg Pd(dba)(0.006mmol;4mol%)、1.2mgヨウ化銅(I)(0.006mmol;4mol%)および8mgトリフェニルホスフィン(0.03mmol;20mol%)をマイクロ波バイアルに秤量し、1.5mLトリエチルアミンに溶解し、アルゴン雰囲気下に置き、128μLトリメチルシリルアセチレン(0.924mmol、6当量)を供給する。バイアルを覆い、3時間60℃に加熱すると、LCMS分析は完全な反転を示した。反応混合物を真空中で濃縮し、粗生成物をさらに生成することなく用いた。
LC−MS:保持時間:1.61分
MS ES:618.0[M−H]
工程2
工程1からの粗生成物を、2mL THFに溶解し、0.24mL TBAF溶液(THF中1.0M;0.24mmol、1.55当量)で処理し、室温にて6時間撹拌した。反応混合物を、酢酸エチルで希釈し、飽和重炭酸ナトリウム溶液で、次いで、飽和塩化ナトリウム溶液で洗浄し、乾燥し、濾過した。真空中で濃縮した後、残渣を分取薄層クロマトグラフィー(5 DCプレート 20x20cm;溶離液としてヘキサン/酢酸エチル 1:1)に付して精製し、26mgの標的化合物を得た(2工程かけて収率31%)。
H−NMR(d−DMSO;400MHz):δ=9.92(br.s,1H);9.14(br.s,1H);7.75(br.s,1H);7.38(dd,1H);7.34(dd,1H);7.28(dd,1H);7.21(dd,1H);7.02(dd,1H);6.96(dd,1H);6.81(dd,1H);6.71(dd,1H);6.21(dd,1H);4.14(s,1H);3.10(q,2H);2.63(m,1H);1.15(t,3H);0.87−0.81(m,4H).
LC−MS:保持時間:1.35分
MS ES:548.0[M+H]
実施例10
N−(3−{3−[(4−エチニル−2−フルオロフェニル)アミノ]−5−フルオロ−2−(スルファモイルアミノ)フェノキシ}フェニル)エタンスルホンアミド[ギ酸塩]の調製
Figure 2013508318
工程1
100mg N−(3−{5−フルオロ−3−[(2−フルオロ−4−ヨードフェニル)アミノ]−2−(スルファモイルアミノ)−フェノキシ}フェニル)エタンスルホンアミド(0.16mmol、1当量)、3.7mg Pd(dba)(0.006mmol;4mol%)、1.2mg CuI(0.006mmol;4mol%)および8.4mg PPh(0.03mmol;20mol%)を、マイクロ波バイアルに秤量し、1.6mL EtNに溶解し、Ar雰囲気下に置き、133μLトリメチルシリルアセチレン(0.961mmol、6当量)を供給する。バイアルを覆い、3時間60℃に加熱すると、LCMS分析は完全な反転を示した。反応混合物を真空中で濃縮し、粗生成物(未反応出発物質を含有)をさらに精製することなく用いた。
LC−MS:保持時間:1.52分
MS ES:593.4[M−H]
工程2
工程1からの粗生成物を、2mL THFに溶解し、0.24mL TBAF溶液(THF中1.0M;0.24mmol、1.55当量)で処理し、室温にて16時間撹拌した。反応混合物を、酢酸エチルで希釈し、飽和重炭酸ナトリウム溶液で、次いで、飽和塩化ナトリウム溶液で洗浄し、乾燥し、濾過した。真空中で濃縮した後、残渣を分取HPLC精製に付して精製し、2.2mgの標的化合物を得た(2工程かけて収率3%)。
H−NMR(d−DMSO;300MHz):δ=8.61(br.s,1H);7.82(s,1H);7.10−7.40(m,5H);6.99−7.05(m,4H);6.83(d,1H);6.62(d,1H);6.07(dd,1H);4.15(s,1H);3.10(q,2H);1.16(t,3H).
LC−MS:保持時間:1.44分
MS ES:545.8[M+HCOH]
実施例11
N−{4−フルオロ−2−[(2−フルオロ−4−ヨードフェニル)アミノ]−6−[3−(スルファモイルアミノ)フェノキシ]フェニル}シクロプロパンスルホンアミドの調製
Figure 2013508318
溶液A:63mgクロロスルホニルイソシアネートを、0.11mL DCMに溶解し、加熱還流し、18μLギ酸および340μL DMAで処理した。
125mg N−{2−(3−アミノフェノキシ)−4−フルオロ−6−[(2−フルオロ−4−ヨードフェニル)アミノ]フェニル}−シクロプロパンスルホンアミド(0.224mmol、1当量)を、0.76mL DMAに溶解し、47μL DIPEAで処理した。溶液Aをシリンジで加え、得られた混合物を室温にて16時間撹拌した。反応混合物を、水と酢酸エチルの間に分配し、水層を酢酸エチルで再抽出し、合した有機層を乾燥し、濾過し、真空中で濃縮した。フラッシュカラムクロマトグラフィーに付して、77mgの標的化合物を得た(収率34%)。
H−NMR(d−DMSO;400MHz):δ=9.66(br.s,1H);9.12(br.s,1H);7.64(dd,1H);7.58(s,1H);7.44(d,1H);7.29(t,1H);7.15(s,2H);7.11(t,1H);6.99(dd,1H);6.91(t,1H);6.70(dd,1H);6.56(dd,1H);6.06(dd,1H);2.62−2.69(m,1H);0.81−0.90(m,4H).
LC−MS:保持時間:1.36分
MS ES:636.7[M−H]
実施例12
N−(4−フルオロ−2−[(2−フルオロ−4−ヨードフェニル)アミノ]−6−{3−[(イソプロピルスルホニル)アミノ]フェノキシ}フェニル)シクロプロパンスルホンアミドの調製
Figure 2013508318
125mg N−{2−(3−アミノフェノキシ)−4−フルオロ−6−[(2−フルオロ−4−ヨードフェニル)亜ミノ]フェニル}−シクロプロパンスルホンアミド(0.22mmol、1当量)を、1mLピリジンに溶解し、31μL塩化イソプロピルスルホニル(0.27mmol、1.2当量)で処理し、室温にて16時間撹拌した。反応混合物を水でクエンチし、トルエンで希釈し、真空中で濃縮した。残渣を水と酢酸エチルの間に分配し、水層を酢酸エチルで再抽出し、合した有機層を乾燥し、濾過し、真空中で濃縮した。分取HPLC精製、次いで、フラッシュカラムクロマトグラフィーに付して、70mgの標的化合物を得た(収率47%)。
H−NMR(d−DMSO;400MHz):δ=9.89(br.s,1H);9.10(br.s,1H);7.64(dd,1H);7.59(br.s,1H);7.44(d,1H);7.32(t,1H);7.12(t,1H);7.03(dd,1H);6.97(t,1H);6.79(dd,1H);6.57(dd,1H);6.11(dd,1H);3.21−3.28(m,1H);2.61−2.67(m,1H);1.20(d,6H);0.80−0.88(m,4H).
LC−MS:保持時間:1.49分
MS ES:663.8[M+H]
以下の実施例化合物13を、ピリジンの存在下においてN−{2−(3−アミノフェノキシ)−4−フルオロ−6−[(2−フルオロ−4−ヨードフェニル)アミノ]フェニル}シクロプロパンスルホンアミド(中間体11.A)を各商業的に入手可能な塩化スルホニルで処理することによって、実施例化合物12に類似の方法で調製した。
Figure 2013508318
実施例14
N−{4−フルオロ−2−[(2−フルオロ−4−ヨードフェニル)アミノ]−6−[4−フルオロ−3−(スルファモイルアミノ)フェノキシ]フェニル}シクロプロパンスルホンアミドの調製
Figure 2013508318
547mgの粗N−(5−{2−アミノ−5−フルオロ−3−[(2−フルオロ−4−ヨードフェニル)アミノ]フェノキシ}−2−フルオロフェニル)硫酸ジアミド(中間体14.A)(0.993mmol、1当量)を、8.5mLピリジンに溶解し、0℃に冷却し、140mg塩化シクロプロペンスルホニル(0.993mmol、1当量)で処理した。反応混合物を、室温にて16時間撹拌した。さらに70mgの塩化シクロプロパンスルホニル(0.497mmol、0.5当量)を加え、24時間撹拌し続けた。反応混合物をトルエンで希釈し、真空中で濃縮した。残渣を水と酢酸エチルの間に分配し、水層を酢酸エチルで2回再抽出した。合した有機層を、半飽和ブラインで1回およびブラインで1回洗浄し、濾過し、真空中で濃縮した。粗生成物を、フラッシュカラムクロマトグラフィー(n−ヘキサン/酢酸エチル勾配)に付して精製し、40mgの所望の生成物を得た(収率6%)。
H−NMR(d−DMSO;400MHz):δ=9.38(br.s,1H);9.11(br.s,1H);7.64(dd,1H);7.58(br.s,1H);7.44(br.d,1H);7.28−7.22(m,2H);7.17(d,2H);7.11(dd,1H);6.83(dm,1H);6.55(dd,1H);6.07(dd,1H);2.71(m,1H);0.89−0.82(m,4H).
LC−MS:保持時間:1.37分
MS ES:655.34[M+H]
実施例15
N−(5−{2−[(シクロプロピルスルホニル)アミノ]−5−フルオロ−3−[(2−フルオロ−4−ヨードフェニル)アミノ]フェノキシ}−2−フルオロフェニル)シクロプロパンスルホンアミドの調製
Figure 2013508318
26.06mg(0.04mmol、収率4%)のN−(5−{2−[(シクロプロピルスルホニル)アミノ]−5−フルオロ−3−[(2−フルオロ−4−ヨードフェニル)アミノ]フェノキシ}−2−フルオロフェニル)シクロプロパンスルホンアミドを、実施例化合物14の反応混合物から副生成物として単離した。
H−NMR(d−DMSO;300MHz):δ=9.79(br.s,1H);9.09(br.s,1H);7.65(dd,1H);7.60(br.s,1H);7.45(br.d,1H);7.31(dd,1H);7.17−7.09(m,2H);6.98(m,1H);6.55(dd,1H);6.08(dd,1H);2.73−2.61(m,2H);0.95−079(m,8H).
LC−MS:保持時間:1.44分
MS ES:679.7[M+H]
実施例16
N−(2−フルオロ−5−{5−フルオロ−3−[(2−フルオロ−4−ヨードフェニル)アミノ]−2−(スルファモイルアミノ)フェノキシ}フェニル)硫酸ジアミドの調製
Figure 2013508318
2.36mg(3.64μmol、収率0.37%)のN−(2−フルオロ−5−{5−フルオロ−3−[(2−フルオロ−4−ヨードフェニル)アミノ]−2−(スルファモイルアミノ)フェノキシ}フェニル)硫酸ジアミドを、実施例化合物14の反応混合物から副生成物として単離した。
H−NMR(d−DMSO;300MHz):δ=9.35(br.s,1H);8.59(br.s,1H);7.64(dd,1H);7.64(br.s,1H);7.29−7.10(m,7H);6.99(br.s,1H);6.83(ddd,1H);6.47(dd,1H);5.99(dd,1H).
LC−MS:保持時間:1.24分
MS ES:630.3[M+H]
実施例17
N−(4−フルオロ−2−[(2−フルオロ−4−ヨードフェニル)アミノ]−6−{3−[(スルファモイルアミノ)メチル]フェノキシ}フェニル)シクロプロパンスルホンアミドの調製
Figure 2013508318
814mgのtert−ブチル [(3−{2−[(シクロプロピルスルホニル)アミノ]−5−フルオロ−3−[(2−フルオロ−4−ヨードフェニル)アミノ]フェノキシ}ベンジル)スルファモイル]カルバメート(中間体18A;1.08mmol、1当量)を、30mL DCMに溶解し、1.67mL TFAを加えた。反応混合物を室温にて一晩撹拌した。反応混合物を、飽和水性重炭酸ナトリウム溶液とジクロロメタンの間に分配した。pHを、水性2N水酸化ナトリウム溶液でpH=8に調整した。層を分離し、水層をジクロロメタンで2回再抽出した。合した有機層を、ブラインで1回洗浄し、濾過し、真空中で濃縮した。粗生成物を、分取HPLCに付して精製し、322mgの所望の生成物を得た(収率46%)。
H−NMR(d−DMSO;400MHz):δ=9.11(br.s,1H);7.64(dd,1H);7.58(br.s,1H);7.44(br.d,1H);7.34(dd,1H);7.18(d,1H);7.15−7.08(m,3H);6.99(br.d,1H);6.62(s,2H);6.55(dd,1H);6.02(dd,1H);4.07(d,2H);2.68(m,1H);0.89−0.82(m,4H).
LC−MS:保持時間:1.37分
MS ES:650.8[M+H]
さらに、本発明の式(I)で示される化合物は、当業者に周知である任意の方法によって、本明細書に記載の任意の塩に転換されうる。同様に、本発明の式(I)で示される化合物の任意の塩は、当業者に周知である任意の方法によって、遊離化合物に転換されうる。
本発明の化合物の医薬組成物
本発明はまた、1種または複数の本発明の化合物を含有する医薬組成物に関する。これらの組成物は、それを必要とする患者への投与によって所望の薬理効果を達成するのに利用されうる。本発明のための、患者は、特定の病態または疾患の治療を必要としている、ヒトを含む、哺乳動物である。そのため、本発明は、医薬上許容される担体および医薬上有効な量の本発明の化合物またはその塩からなる医薬組成物を含む。医薬上許容される担体は、好ましくは、担体に起因する任意の副作用が活性成分の有利な効果を損なわないように活性成分の効果的な活性と一致する濃度で患者に対し比較的毒性がなく、かつ、無害な担体である。医薬上有効な量の化合物は、好ましくは、成果を挙げるかまたは治療を受けている特定の病態に影響を及ぼす量である。本発明の化合物は、経口的、非経口的、局所的、経鼻的、点眼的、光学的、舌下的、経直腸的、経膣的に即放性、徐放性および持続放出性製剤を含む、任意の有効な慣習的投与単位形態を用いて当該分野にて周知の医薬上許容される担体と共に投与されうる。
経口投与のために、化合物は、固体または液体製剤、例えば、カプセル剤、ピル、錠剤、トローチ剤、ロゼンジ、溶解物、粉末、溶液、懸濁液、またはエマルション中に処方され得、医薬組成物の製造のために当該技術分野に周知の方法にしたがって調製されうる。固体単位剤形は、例えば、界面活性剤、滑沢剤、および不活性充填剤、例えば、ラクトース、スクロース、リン酸カルシウム、およびコーンスターチを含有する通常の硬または軟シェルゼラチン型でありうるカプセル剤でありうる。
別の実施態様において、本発明の化合物は、結合剤、例えば、アカシア、コーンスターチまたはゼラチン、投与後の錠剤の分解および溶解を補助するための崩壊剤、例えば、ジャガイモデンプン、アルギン酸、コーンスターチ、およびグァーガム、トラガカントゴム、錠剤造粒の流れを改善し、錠剤ダイスおよびパンチの表面に対する錠剤物質の接着を防止するための滑沢剤、例えば、タルク、ステアリン酸、またはステアリン酸マグネシウム、カルシウムもしくは亜鉛、錠剤の美的品質を増強し、それらを患者に受け入れさせるための、染料、着色剤、および香味剤、例えば、ハッカ油、冬緑油、またはチェリー香味剤と組み合わせて、通常の錠剤基剤、例えば、ラクトース、スクロースおよびコーンスターチと錠剤化されうる。
経口液体剤形に用いるための適当な賦形剤には、医薬上許容される界面活性剤、懸濁化剤または乳化剤の添加の有無に関わらない、リン酸二カルシウムならびに希釈剤、例えば、水およびアルコール類、例えば、エタノール、ベンジルアルコール、およびポリエチレンアルコールが含まれる。種々の他の物質は、コーティング剤として存在しうるかあるいは投与単位の物理的形状を改良しうる。例えば、錠剤、ピルまたはカプセル剤は、セラック、糖または両方で被覆されうる。
分散性粉末および顆粒は、水性懸濁液の調製に適している。それらは、分散剤または湿潤剤、懸濁化剤および1種または複数の保存剤と混合して活性成分を提供する。適当な分散剤または湿潤剤および懸濁化剤は、すでに上記されているもので例示されている。さらなる賦形剤、例えば、上記の甘味剤、香味剤および着色剤もまた、存在しうる。
本発明の医薬組成物はまた、水中油型エマルションの形態でありうる。油相は、植物油、例えば、液体パラフィンまたは植物油の混合物でありうる。適当な乳化剤は、(1)天然由来のゴム、例えば、アカシアゴムおよびトラガカントゴム、(2)天然由来のリン脂質、例えば、大豆およびレシチン、(3)脂肪酸およびヘキシトール無水物から得られるエステルまたは部分エステル、例えば、モノオレイン酸ソルビタン、(4)前記部分エステルとエチレンオキシドとの縮合生成物、例えば、モノオレイン酸ポリオキシエチレンソルビタンでありうる。乳化剤はまた、甘味剤および香味剤を含有しうる。
油性懸濁液は、植物油、例えば、ラッカセイ油、オリーブ油、ゴマ油またはヤシ油中、あるいは鉱油、例えば、液体パラフィン中で活性成分を懸濁化することによって処方されうる。油性懸濁液は、増粘剤、例えば、ビーズワックス、固形パラフィン、またはセチルアルコールなどを含有しうる。懸濁液はまた、1種または複数の保存剤、例えば、p−ヒドロキシ安息香酸エチルまたはn−プロピル;1種または複数の着色剤;1種または複数の香味剤;および1種または複数の甘味剤、例えば、スクロースまたはサッカリンを含有しうる。
シロップ剤およびエリキシル剤は、甘味剤、例えば、グリセロール、プロピレングリコール、ソルビトールまたはスクロースと処方されうる。かかる処方物はまた、頭痛薬、ならびに保存剤、例えば、メチルおよびプロピルパラベンならびに香味剤および着色剤を含有しうる。
本発明の化合物はまた、医薬上許容される界面活性剤、例えば、石けんもしくは洗剤、懸濁化剤、例えば、ペクチン、カルボマー、メチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、もしくはカルボキシメチルセルロース、または乳化剤および他の補助剤の添加の有無に関わらず、滅菌液または液体の混合液、例えば、水、セイライン、水性デキストロースおよび関連糖溶液、アルコール、例えば、エタノール、イソプロパノール、またはヘキサデシルアルコール、グリコール、例えば、プロピレングリコールまたはポリエチレングリコール、グリセロールケタール、例えば、2,2−ジメチル−1,1−ジオキソラン−4−メタノール、エーテル、例えば、ポリ(エチレングリコール)400、油、脂肪酸、脂肪酸エステル、または脂肪酸グリセリド、またはアセチル化脂肪酸グリセリドでありうる医薬担体との好ましくは生理学上許容される希釈剤中の化合物の注射剤形として非経口、すなわち、皮下、静脈内、眼内、滑液嚢内、筋肉内、または腹腔内投与されうる。
本発明の非経口処方物に用いられうる油の例は、石油、動物油、植物油、または合成油、例えば、ピーナッツ油、大豆油、ゴマ油、綿実油、トウモロコシ油、オリーブ油、ワセリンおよび鉱油である。適当な脂肪酸には、オレイン酸、ステアリン酸、イソステアリン酸およびミリスチン酸が含まれる。適当な脂肪酸エステルは、例えば、オレイン酸エチルおよびミリスチン酸イソプロピルである。適当な石けんには、脂肪酸アルカリ金属、アンモニウム、およびトリエタノールアミン塩が含まれ、適当な洗剤には、陽イオン洗剤、例えば、ジメチルジアルキルアンモニウムハライド、アルキルピリジニウムハライド、および酢酸アルキルアミン;陰イオン洗剤、例えば、アルキル、アリール、およびオレフィンスルホン酸塩、アルキル、オレフィン、エーテル、およびモノグリセリド硫酸塩、およびスルホコハク酸塩;非イオン性洗剤、例えば、脂肪酸アミンオキシド、脂肪酸アルカノールアミド、およびポリ(オキシエチレン−オキシプロピレン)またはエチレンオキシドまたはプロピレンオキシドコポリマー;および両性洗剤、例えば、アルキル−β−アミノプロピオナート、および2−アルキルイミダゾリン第四級アンモニウム塩、ならびに混合物が含まれる。
本発明の非経口組成物は、典型的には、溶液中に約0.5重量%〜約25重量%の活性成分を含有するであろう。保存剤および緩衝剤はまた、有利に用いられうる。注射部位での刺激を最小限するかまたは取り除くために、かかる組成物は、好ましくは約12〜17の親水性・親油性バランス(HLB)を有する非イオン性界面活性剤を含有しうる。かかる処方物中の界面活性剤の量は、好ましくは、約5重量%〜約15重量%の範囲に及ぶ。界面活性剤は、上記のHLBを有する単一成分でありうるかまたは所望のHLBを有する2種もしくは複数の成分の混合物でありうる。
非経口処方物中に用いられる界面活性剤の例は、ポリエチレンソルビタン脂肪酸エステル群、例えば、モノオレイン酸ソルビタンおよびプロピレンオキシドとプロピレングリコールとの縮合によって形成される、エチレンオキシドと親油性基剤との高分子量付加物である。
医薬組成物は、滅菌注射水性懸濁液の形態でありうる。かかる懸濁液は、適当な分散剤または湿潤剤および懸濁化剤、例えば、カルボキシメチルセルロースナトリウム、メチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、アルギン酸ナトリウム、ポリビニルピロリドン、トラガカントゴムおよびアカシアゴムなどを用いて周知の方法にしたがって処方されうる;天然由来のリン脂質、例えば、レシチン、アルキレンオキシドと脂肪酸との縮合生成物、例えば、ステアリン酸ポリオキシエチレン、エチレンオキシドと長鎖脂肪族アルコールとの縮合生成物、例えば、ヘプタデカ−エチレンオキシセタノール、エチレンオキシドと脂肪酸およびヘキシトールから得られる部分エステルとの縮合生成物、例えば、モノオレイン酸ポリオキシエチレンソルビトール、またはエチレンオキシドと脂肪酸およびヘキシトール無水物から得られる部分エステルとの縮合生成物、例えば、モノオレイン酸ポリオキシエチレンソルビタンでありうる分散剤または湿潤剤。
滅菌注射製剤はまた、無毒性非経口的に許容される希釈剤または溶媒中の滅菌注射溶液または懸濁液でありうる。用いられうる希釈剤および溶媒は、例えば、水、リンガー溶液、等張塩化ナトリウム溶液および等張グルコース溶液である。さらに、滅菌固定油は、通常、溶媒または懸濁化剤として用いられる。このため、合成モノまたはジグリセリドを含む、任意の無刺激固定油は、用いられうる。さらに、脂肪酸、例えば、オレイン酸は、注射剤の調製に用いられうる。
本発明の組成物はまた、薬物の直腸投与のために坐剤の形態で投与されうる。これらの組成物は、薬物と常温では固体だが、直腸温では液体である適当な無刺激賦形剤を混合することによって調製されうるので、薬物を放出するために直腸中で溶けるであろう。かかる物質は、例えば、ココアバターおよびポリエチレングリコールである。
本発明の方法にて用いられる別の処方物は、経皮デリバリーデバイス(「パッチ剤」)を用いる。かかる経皮パッチ剤は、制御された量で本発明の化合物の連続注入または不連続注入を提供するために用いられうる。医薬物質のデリバリーのための経皮パッチ剤の構築および使用は当該分野において周知である(例えば、1991年6月11日発行の米国特許番号第5,023,252号(出典明示により本明細書の一部とする)を参照)。かかるパッチ剤は、医薬物質の連続的、パルス、またはオンデマンドデリバリーのために構成されうる。
非経口投与用制御放出型処方物には、当該分野にて既知である、リポソーム、高分子ミクロスフェアおよび高分子ゲル処方物が含まれる。
機械的デリバリーデバイスを介して患者に医薬組成物を導入するのが望ましいかまたは必要でありうる。医薬物質のデリバリーのための機械的デリバリーデバイスの構築および使用は、当該分野において周知である。例えば、脳に直接的に薬物を投与するための直接法は、通常、血液脳関門をバイパスするために患者の心室系への薬物デリバリーカテーテルの挿入に関与する。身体の特定の解剖領域への薬物の輸送のために用いられる、その中の植え込み型デリバリーシステムは、1991年4月30日発行の米国特許番号第5,011,472号に記載されている。
本発明の組成物はまた、必要に応じてまたは所望により、一般的に担体または希釈剤と称される、他の通常の医薬上許容される化合物成分を含有しうる。適当な剤形においてかかる組成物を調製するための慣習的製法が利用されうる。かかる成分および製法には、以下の参考文献(その各々は出典明示により本明細書の一部とする)に記載されるものが含まれる:Powell,M.F.ら,「Compendium of Excipients for Parenteral Formulations」 PDA Journal of Pharmaceutical Science & Technology 1998,52(5),238−311;Strickley,R.G「Parenteral Formulations of Small Molecule Therapeutics Marketed in the United States (1999)−Part−1」 PDA Journal of Pharmaceutical Science & Technology 1999,53(6),324−349;およびNema,S.ら,「Excipients and Their Use in Injectable Products」 PDA Journal of Pharmaceutical Science & Technology 1997,51(4),166−171。
その目的とする投与経路のための組成物を処方するのに適当なものとして用いられうる一般的に用いられる医薬成分には、以下のものが含まれる:
酸性化剤(例として、限定されるものではないが、酢酸、クエン酸、フマル酸、塩酸、硝酸が挙げられる);
アルカリ化剤(例として、限定されるものではないが、アンモニア溶液、炭酸アンモニウム、ジエタノールアミン、モノエタノールアミン、水酸化カリウム、ホウ酸ナトリウム、炭酸ナトリウム、水酸化ナトリウム、トリエタノールアミン、トロラミンが挙げられる);
吸着剤(例として、限定されるものではないが、粉末セルロースおよび活性炭が挙げられる);
エアゾール噴射剤(例として、限定されるものではないが、二酸化炭素、CCl、FClC−CClFおよびCClFが挙げられる);
空気置換剤(例として、限定されるものではないが、窒素およびアルゴンが挙げられる);
抗真菌性保存剤(例として、限定されるものではないが、安息香酸、ブチルパラベン、エチルパラベン、メチルパラベン、プロピルパラベン、安息香酸ナトリウムが挙げられる);
抗菌性保存剤(例として、限定されるものではないが、塩化ベンズアルコニウム、塩化ベンゼトニウム、ベンジルアルコール、塩化セチルピリジニウム、クロロブタノール、フェノール、フェニルエチルアルコール、硝酸フェニル水銀およびチメロサールが挙げられる);
抗酸化剤(例として、限定されるものではないが、アスコルビン酸、パルミチン酸アスコルビル、ブチル化ヒドロキシアニソール、ブチル化ヒドロキシトルエン、次亜リン酸、モノチオグリセロール、没食子酸プロピル、アスコルビン酸ナトリウム、重硫酸ナトリウム、ホルムアルデヒド・スルホキシル酸ナトリウム、メタ重亜硫酸ナトリウムが挙げられる);
結合剤(例として、限定されるものではないが、ブロック重合体、天然および合成ゴム、ポリアクリレート、ポリウレタン、シリコーン、ポリシロキサンおよびスチレン−ブタジエン共重合体が挙げられる);
緩衝化剤(例として、限定されるものではないが、メタリン酸カリウム、リン酸二カリウム、酢酸ナトリウム、クエン酸ナトリウム無水物およびクエン酸ナトリウム二水和物が挙げられる);
運搬剤(例として、限定されるものではないが、アカシアシロップ剤、芳香族シロップ剤、芳香族エリキシル剤、チェリーシロップ剤、ココアシロップ剤、オレンジシロップ剤、シロップ剤、トウモロコシ油、鉱油、ラッカセイ油、ゴマ油、静菌性塩化ナトリウム注射剤および静菌性注射用水が挙げられる);
キレート剤(例として、限定されるものではないが、エデト酸二ナトリウムおよびエデト酸が挙げられる);
着色剤(例として、限定されるものではないが、FD&C Red No.3、FD&C Red No.20、FD&C Yellow No.6、FD&C Blue No.2、D&C Green No.5、D&C Orange No.5、D&C Red No.8、カラメルおよび酸化鉄レッドが挙げられる);
清澄剤(例として、限定されるものではないが、ベントナイトが挙げられる);
乳化剤(例として、限定されるものではないが、アカシア、セトマクロゴール、セチルアルコール、モノステアリン酸グリセリル、レクチン、モノオレイン酸ソルビタン、モノステアリン酸ポリオキシエチレン50が挙げられる);
封入剤(例として、限定されるものではないが、ゼラチンおよび酢酸フタル酸セルロースが挙げられる);
香味剤(例として、限定されるものではないが、アニス油、桂皮油、ココア、メントール、オレンジ油、ハッカ油およびバニリンが挙げられる);
保湿剤(例として、限定されるものではないが、グリセロール、プロピレングリコールおよびソルビトールが挙げられる);
研和剤(例として、限定されるものではないが、鉱油およびグリセリンが挙げられる);
油(例として、限定されるものではないが、ラッカセイ油、鉱油、オリーブ油、ピーナッツ油、ゴマ油および植物油が挙げられる);
軟膏基剤(例として、限定されるものではないが、ラノリン、親水軟膏、ポリエチレングリコール軟膏、ワセリン、親水性ワセリン、白色軟膏、黄色軟膏およびバラ水軟膏が挙げられる);
浸透促進剤(経皮デリバリー)(例として、限定されるものではないが、モノヒドロキシまたはポリヒドロキシアルコール、一価または多価アルコール、飽和または不飽和脂肪酸アルコール、飽和または不飽和脂肪酸エステル、飽和または不飽和ジカルボン酸、精油、ホスファチジル誘導体、セファリン、テルペン類、アミド類、エーテル類、ケトン類および尿素類が挙げられる)
可塑剤(例として、限定されるものではないが、フタル酸ジエチルおよびグリセロールが挙げられる);
溶媒(例として、限定されるものではないが、エタノール、トウモロコシ油、綿実油、グリセロール、イソプロパノール、鉱油、オレイン酸、ピーナッツ油、精製水、注射用水、注射用滅菌水および潅注用滅菌水が挙げられる);
硬化剤(例として、限定されるものではないが、セチルアルコール、セチルエステルワックス、微結晶ワックス、パラフィン、ステアリルアルコール、白色ワックスおよび黄色ワックスが挙げられる);
坐剤基剤(例として、限定されるものではないが、ココアバターおよびポリエチレングリコール(混合物)が挙げられる);
界面活性剤(例として、限定されるものではないが、塩化ベンズアルコニウム、ノノキシノール10、オクトキシノール9、ポリソルベート80、ラウリル硫酸ナトリウムおよびソルビタンモノパルミテートが挙げられる);
懸濁化剤(例として、限定されるものではないが、寒天、ベントナイト、カルボマー、カルボキシメチルセルロースナトリウム、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、カオリン、メチルセルロース、トラガカントおよびビーガムが挙げられる);
甘味剤(例として、限定されるものではないが、アスパルテーム、デキストロース、グリセロール、マンニトール、プロピレングリコール、サッカリンナトリウム、ソルビトールおよびスクロースが挙げられる);
錠剤の抗接着剤(例として、限定されるものではないが、ステアリン酸マグネシウムおよびタルクが挙げられる);
錠剤の結合剤(例として、限定されるものではないが、アカシア、アルギン酸、カルボキシメチルセルロースナトリウム、圧縮糖、エチルセルロース、ゼラチン、液状グルコース、非架橋ポリビニルピロリドン、およびアルファ化デンプンが挙げられる);
錠剤およびカプセル剤の希釈剤(例として、限定されるものではないが、二塩基性リン酸カルシウム、カオリン、ラクトース、マンニトール、微結晶セルロース、粉末セルロース、沈降炭酸カルシウム、炭酸ナトリウム、リン酸ナトリウム、ソルビトールおよびデンプンが挙げられる);
錠剤の被覆剤(例として、限定されるものではないが、液状グルコース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、メチルセルロース、エチルセルロース、酢酸フタル酸セルロースおよびセラックが挙げられる);
錠剤の直接圧縮賦形剤(例として、限定されるものではないが、二塩基性リン酸カルシウムが挙げられる);
錠剤の崩壊剤(例として、限定されるものではないが、アルギン酸、カルボキシメチルセルロースカルシウム、微結晶セルロース、ポラクリリンカリウム、架橋ポリビニルピロリドン、アルギン酸ナトリウム、デンプングリコール酸ナトリウムおよびデンプンが挙げられる);
錠剤の流動促進剤(例として、限定されるものではないが、コロイド状シリカ、コーンスターチおよびタルクが挙げられる);
錠剤の滑沢剤(例として、限定されるものではないが、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸マグネシウム、鉱油、ステアリン酸およびステアリン酸亜鉛が挙げられる);
錠剤/カプセル剤の不透明化剤(opaquant)(例として、限定されるものではないが、二酸化チタンが挙げられる);
錠剤の研磨剤(例として、限定されるものではないが、カルナウバワックスおよび白色ワックスが挙げられる);
造粘剤(例として、限定されるものではないが、ビーズワックス、セチルアルコールおよびパラフィンが挙げられる);
等張化剤(例として、限定されるものではないが、デキストロースおよび塩化ナトリウムが挙げられる);
粘度増加剤(例として、限定されるものではないが、アルギン酸、ベントナイト、カルボマー、カルボキシメチルセルロースナトリウム、メチルセルロース、ポリビニルピロリドン、アルギン酸ナトリウムおよびトラガカント);および
湿潤剤(例として、限定されるものではないが、ヘプタデカエチレンオキシセタノール、レシチン、モノオレイン酸ソルビトール、モノオレイン酸ポリオキシエチレンソルビトール、およびステアリン酸ポリオキシエチレンが挙げられる)。
本発明に記載の医薬組成物は、以下のように説明されうる:
滅菌静脈注射用溶液:本発明の所望の化合物の5mg/mL溶液は、滅菌注射用水を用いて調製され得、pHは必要に応じて調整される。溶液を、投与のために滅菌5%デキストロースで1−2mg/mLまで希釈し、約60分かけて静脈内注射として投与される。
静脈内投与用凍結乾燥粉末:滅菌製剤は、(i)100〜1000mgの凍結乾燥粉末としての本発明の所望の化合物、(ii)32〜327mg/mLクエン酸ナトリウム、および(iii)300〜3000mgデキストラン40とともに調製されうる。処方物を、10〜20mg/mLの濃度に滅菌注射セイラインまたは5%デキストロースで再構成し、それを0.2〜0.4mg/mLにセイラインまたは5%デキストロースでさらに希釈し、15〜60分かけて静脈内ボーラスまたは静脈内注射のいずれかで投与する。
筋肉内懸濁液:以下の溶液または懸濁液は、筋肉内注射のために調製されうる:
50mg/mLの本発明の所望の不水溶性化合物
5mg/mL カルボキシメチルセルロースナトリウム
4mg/mL TWEEN80
9mg/mL 塩化ナトリウム
9mg/mL ベンジルアルコール
硬シェルカプセル:多数の単位カプセルは、標準的ツーピースの硬ゼラチンカプセル各々に100mgの粉末活性成分、150mgのラクトース、50mgのセルロースおよび6mgのステアリン酸マグネシウムを充填することによって調製される。
軟ゼラチンカプセル:活性成分の消化性油、例えば、大豆油、綿実油またはオリーブ油中混合物を調製し、容積型ポンプを用いて溶融ゼラチンに注入して100mgの活性成分を含有する軟ゼラチンカプセルを形成する。カプセルを洗浄し、乾燥する。活性成分を、ポリエチレングリコール、グリセリンおよびソルビトールの混合物中に溶解して、水混和性医薬混合物を調製しうる。
錠剤:投与単位が、100mgの活性成分、0.2mgのコロイド性二酸化ケイ素、5mgのステアリン酸マグネシウム、275mgの微結晶セルロース、11mgのデンプン、および98.8mgのラクトースとなるように多数の錠剤を通常の製法によって調製する。適当な水性および非水性コーティングは、味を良くするか、品質(elegance)および安定性を改善するかまたは吸収を遅らせるのに適用されうる。
即放性錠剤/カプセル:これらは、通常のおよび新規の方法によって作製された固体経口剤形である。これらの単位は、薬物の即時溶解および輸送のための水を含有せずに経口投与される。活性成分を、成分、例えば、糖、ゼラチン、ペクチンおよび甘味料を含有する液体中で混合する。これらの液体は、凍結乾燥および固相抽出法によって固体錠剤またはカプレットに固化する。薬物化合物を、粘弾性および熱弾性糖およびポリマーまたは発泡性成分とともに圧縮し、水を必要としない、即時放出を目的とする多孔質マトリックスを製造しうる。
組み合わせ療法
本発明の化合物は、医薬物質単独としてまたは組み合わせが許容されない副作用をもたらさない場合に1種もしくは複数の他の医薬物質と組み合わせて投与されうる。本発明はまた、かかる組み合わせに関する。例えば、本発明の化合物は、既知の抗過剰増殖剤または他の薬剤など、ならびにその混合物および組み合わせ物と組み合わせられうる。他の薬剤には、限定されるものではないが、血管新生阻害剤、分裂抑制剤、アルキル化剤、代謝拮抗剤、DNA挿入抗生剤、成長因子阻害剤、細胞周期阻害剤、酵素阻害剤、トポイソメラーゼ阻害剤、生物反応修飾物質、または抗ホルモン剤が含まれる。
さらなる医薬物質は、アルデスロイキン、アレンドロン酸、アルファフェロン、アリトレチノイン、アロプリノール、アロプリム、アロキシ、アルトレタミン、アミノグルテチミド、アミホスチン、アムルビシン、アムサクリン、アナストロゾール、アンゼメット(anzmet)、アラネスプ、アルグラビン、三酸化ヒ素、アロマシン、5−アザシチジン、アザチオプリン、BCGまたはタイスBCG、ベスタチン、酢酸ベタメタゾン、リン酸ベタメタゾンナトリウム、ヘキサロテン、硫酸ブレオマイシン、ブロクスウリジン、ボルテゾミブ、ブスルファン、カルシトニン、キャンパス、カペシタビン、カルボプラチン、カソデックス、セフェソン、セフェゾン(cefesone)、セルモロイキン、セルビジン、クロラムブシル、シスプラチン、クラドリビン、クラドリビン、クロドロン酸、シクロホスファミド、シタラビン、ダカルバジン、ダクチノマイシン、ダウノキソーム、デカドロン、リン酸デカドロン、デレストロゲン、デニロイキンジフチトクス、デポメドール、デスロレリン、デクスラゾキサン、ジエチルスチルベストロール、ダイフルカン、ドセタキセル、ドキシフルリジン、ドキソルビシン、ドロナビノール、DW−166HC、エリガード、エリテック、エレンス、エメンド、エピルビシン、エポエチンα、エポジェン、エプタプラチン、エルガミゾール(ergamisol)、エストラス(estrace)、エストラジオール、リン酸エストラムスチンナトリウム、エチニルエストラジオール、エチオール、エチドロン酸、エトポホス、エトポシド、ファドロゾール、ファルストン(farston)、フィルグラスチム、フィナステリド、フリグラスチム、フロクスウリジン、フルコナゾール、フルダラビン、モノリン酸5−フルオロデオキシウリジン、5−フルオロウラシル(5−FU)、フルオキシメステロン、フルタミド、ホルメスタン、ホステアビン、ホテムスチン、フルベストラント、ガンマガード、ゲムシタビン、ゲムツズマブ、グリベック、グリアデル、ゴセレリン、グラニセトロンHCl、ヒストレリン、ハイカムチン、ヒドロコルトン、エリスロ−ヒドロキシノニルアデニン、ヒドロキシウレア、イブリツモマブ・チウキセタン、イダルビシン、イホスファミド、インターフェロンα、インターフェロン−α2、インターフェロンα−2A、インターフェロンα−2B、インターフェロンα−n1、インターフェロンα−n3、インターフェロンβ、インターフェロンγ−1a、インターロイキン−2、イントロンA、イレッサ、イリノテカン、イレッサ、イリノテカン、カイトリル(kytril)、硫酸レンチナン、レトロゾール、ロイコボリン、ロイプロリド、酢酸ロイプロリド、レバミゾール、レボホリン酸カルシウム塩、レボチロイド、レボキシル、ロムスチン、ロニダミン、マリノール、メクロレタミン、メコバラミン、酢酸メドロキシプロゲステロン、酢酸メゲストロール、メルファラン、メネスト、6−メルカプトプリン、メスナ(Mesna)、メトトレキサート、メトビックス(metvix)、ミルテホシン、ミノシクリン、マイトマイシンC、ミトタン、ミトキサントロン、モドレナル(Modrenal)、ミオセット(Myocet)、ネダプラチン、ニューラスタ、ニューメガ、ニューポジェン、ニルタミド、ノルバデックス、NSC−631570、OCT−43、オクトレオチド、オンダンセトロンHCl、オラプレド、オキサリプラチン、パクリタキセル、ペジアブレド、ペグアスパラガーゼ、ペガシス(Pegasys)、ペントスタチン、ピシバニル、ピオカルピンHCl、ピラルビシン、プリカマイシン、ポルフィマーナトリウム、プレドニムスチン、プレドニゾロン、プレドニゾン、プレマリン、プロカルバジン、プロクリット、ラルチトレキセド、レビフ(rebif)、レニウム−186エチドロネート、リツキシマブ、ロフェロン−A、ロムルチド、サラジェン、サンドスタチン、サルグラモスチム、セムスチン、シゾフィラン、ソブゾキサン、ソル・メドール、スパルホス酸、幹細胞治療剤、ストレプトゾシン、塩化ストロンチウム−89、シシンスロイド、タモキシフェン、タムスロシン、タソネルミン、タストラクトン、テセロイキン、テモゾロミド、テニポシド、プロピオン酸テストステロン、テストレッド(testred)、チオグアニン、チオテパ、チロトロピン、チルドロン酸、トポテカン、トレミフェン、トシツモマブ、トラスツズマブ、トレオスルファン、トレチノイン、トレキサル(trexall)、トリメチルメラミン、トリメトレキサート、酢酸トリプトレリン、パモ酸トリプトレリン、UFT、ウリジン、バルルビシン、ベスナリノン、ビンブラスチン、ビンクリスチン、ビンデシン、ビノレルビン、ビルリジン、ザインカード(zinecard)、ジノスタチン・スチマラマー、ゾフラン、ABI−007、アコルビフェン、アクティミューン、アフィニタック、アミノプテリン、アルゾキシフェン、アソプリスニル、アタメスタン、アトラセンタン、ソラフェニブ、アバスチン、CCI−779、CDC−501、セレブレックス、セツキシマブ、クリスナトール、酢酸シプロテロン、デシタビン、DN−101、ドキソルビシン−MTC、dSLIM、デュタステリド、エドテカリン、エフロルニチン、エキサテカン、フェンレチニド、ヒスタミン二塩酸塩、ヒストレリンヒドロゲルインプラント、ホルミウム−166 DOTMP、イバンドロン酸、インターフェロンγ、イントロン−PEG、イクサベピロン、スカシガイヘモシアニン(keyhole limpet hemocyanin)、L−651582、ランレオチド、ラソホキシフェン、リブラ(libra)、ロナファルニブ、ミプロキシフェン、ミノドロネート、MS−209、リポソームMTP−PE、MX−6、ナファレリン、ネモルビシン、ネオバスタット、ノラトレキシド、オブリメルセン、オンコ(onco)−TCS、オシデム(osidem)、ポリグルタメート化パクリタキセル、パミドロネート二ナトリウム、PN−401、QS−21、クアゼパム、R−1549、ラロキシフェン、ランピルナーゼ、13−cis−レチノイン酸、サトラプラチン、セオカルシトール、T−138067、タルセバ、タキソプレキシン、チモシンα1、チアゾフリン、チピファルニブ、チラパザミン、TLK−286、トレミフェン、TransMID−107R、バルスポダール、バプレオチド、バタラニブ、ベルテポルフィン、ビンフルニン、Z−100、ゾレドロン酸またはその組み合わせでありうる。
組成物に加えられうる所望の抗過剰増殖剤には、限定されるものではないが、Merck Index,(1996)の第11版(出典明示により本明細書の一部とする)において癌化学療法投薬計画に列挙された化合物、例えば、アスパラギナーゼ、ブレオマイシン、カルボプラチン、カルムスチン、クロラムブシル、シスプラチン、コラスパーゼ(colaspase)、シクロホスファミド、シタラビン、ダカルバジン、ダクチノマイシン、ダウノルビシン、ドキソルビシン(アドリアマイシン)、エピルビシン、エトポシド、5−フルオロウラシル、ヘキサメチルメラミン、ヒドロキシウレア、イホスファミド、イリノテカン、ロイコボリン、ロムスチン、メクロレタミン、6−メルカプトプリン、メスナ、メトトレキサート、マイトマイシンC、ミトキサントロン、プレドニゾロン、プレドニゾン、プロカルバジン、ラロキシフェン、ストレプトゾシン、タモキシフェン、チオグアニン、トポテカン、ビンブラスチン、ビンクリスチン、およびビンデシンが含まれる。
本発明の組成物と共に用いるのに適当な他の抗過剰増殖剤には、限定されるものではないが、Goodman and Gilman’s The Pharmacological Basis of Therapeutics(Ninth Edition),editor Molinoffら,publ.by McGraw−Hill,pages 1225−1287,(1996)(出典明示により本明細書の一部とする)において腫瘍性疾患の処置に用いられることが承認されている化合物、例えば、アミノグルテチミド、L−アスパラギナーゼ、アザチオプリン、5−アザシチジン クラドリビン、ブスルファン、ジエチルスチルベストロール、2’,2’−ジフルオロデオキシシチジン、ドセタキセル、エリスロヒドロキシノニルアデニン、エチニルエストラジオール、5−フルオロデオキシウリジン、5−フルオロデオキシウリジン一リン酸、リン酸フルダラビン、フルオキシメステロン、フルタミド、カプロン酸ヒドロキシプロゲステロン、イダルビシン、インターフェロン、酢酸メドロキシプロゲステロン、酢酸メゲストロール、メルファラン、ミトタン、パクリタキセル、ペントスタチン、N−ホスホノアセチル−L−アスパラギン酸(PALA)、プリカマイシン、セムスチン、テニポシド、プロピオン酸テストステロン、チオテパ、トリメチルメラミン、ウリジン、およびビノレルビンが含まれる。
本発明の組成物と共に用いるのに適当な他の抗過剰増殖剤には、限定されるものではないが、他の抗癌剤、例えば、エポチロンおよびその誘導体、イリノテカン、ラロキシフェンならびにトポテカンが含まれる。
本発明の化合物はまた、タンパク質治療と組み合わせて投与されうる。癌または他の血管新生疾患の処置および本発明の組成物とともに用いるのに適当なかかるタンパク質治療には、限定されるものではないが、インターフェロン(例えば、インターフェロンα、β、またはγ)超作動性モノクローナル抗体、Tuebingen、TRP−1タンパク質ワクチン、Colostrinin、抗FAP抗体、YH−16、ゲムツズマブ、インフリキシマブ、セツキシマブ、トラスツズマブ、デニロイキンジフチトクス、リツキシマブ、チモシンα1、ベバシズマブ、メカセルミン、メカセルミンリンファバート、オプレルベキン、ナタリズマブ、rhMBL、MFE−CP1+ZD−2767−P、ABT−828、ErbB2−特異的イムノトキシン、SGN−35、MT−103、リンファバート、AS−1402、B43−ゲニステイン、L−19に基づく放射線免疫療法、AC−9301、NY−ESO−1ワクチン、IMC−1C11、CT−322、rhCC10、r(m)CRP、MORAb−009、アビスクミン、MDX−1307、Her−2ワクチン、APC−8024、NGR−hTNF、rhH1.3、IGN−311、エンドスタチン、ボロシキシマブ、PRO−1762、レクサツムマブ、SGN−40、ペルツズマブ, EMD−273063、L19−IL−2融合タンパク質、PRX−321、CNTO−328、MDX−214、チガポチド(tigapotide)、CAT−3888、ラベツズマブ、α粒子放射ラジオアイソトープ結合リンツズマブ、EM−1421、HyperAcuteワクチン、ツコツズマブ・セルモロイキン、ガリキシマブ、HPV−16−E7、ジャベリン(Javelin)−前立腺癌、ジャベリン−黒色腫、NY−ESO−1ワクチン、EGFワクチン、CYT−004−MelQbG10、WT1ペプチド、オレゴボマブ、オファツムマブ、ザルツムマブ、シントレデキン・ベスドトックス、WX−G250、アルブフェロン(Albuferon)、アフリバーセプト、デノスマブ、ワクチン、CTP−37、エフングマブ(efungumab)、または131I−chTNT−1/Bが含まれる。タンパク質治療として有用なモノクローナル抗体には、限定されるものではないが、ムロモナブ−CD3、アブシキシマブ、エドレコロマブ、ダクリズマブ、ゲムツズマブ、アレムツズマブ、イブリツモマブ、セツキシマブ、ベバシズマブ(bevicizumab)、エファリズマブ、アダリムマブ、オマリズマブ、ムロモナブ(muromomab)−CD3、リツキシマブ、ダクリズマブ、トラスツズマブ、パリビズマブ、バシリキシマブ、およびインフリキシマブが含まれる。
一般的に、本発明の化合物または組成物と組み合わせる細胞毒性剤および/または細胞増殖抑制剤の使用は、以下において有用である:
(1)いずれかの薬剤単独の投与に比べて、腫瘍の成長を低下させるのにより良い効果を提供するかまたは腫瘍を除去する、
(2)より少量の投与された化学療法剤の投与を提供する、
(3)単剤化学療法および特定の他の組み合わせ療法で観察されるよりも有害が少ない薬理的合併症を伴う患者に十分に耐性である化学療法的処置を提供する、
(4)哺乳動物、特にヒトにおいて広域スペクトルの異なる癌種の治療を提供する、
(5)治療患者のより高い反応速度を提供する、
(6)標準的化学療法的処置に比べて、治療患者により長い生存時間を提供する、
(7)腫瘍進行により長い時間を提供する、および/または
(8)他の抗癌剤併用が拮抗作用をもたらす既知の事例に比べて、単独で用いられる薬剤のものと少なくとも同等の有効性および耐性結果を提供する。
放射線に対し細胞を過敏にする方法
本発明の明確な実施態様において、本発明の化合物は、放射線に対し細胞を過敏にするために用いられうる。すなわち、細胞の放射線処置前の本発明の化合物での細胞の処置は、細胞が本発明の化合物で処置されない場合に比べて細胞がDNA損傷および細胞死を生じやすくなる。1の態様において、細胞は、少なくとも1種の本発明の化合物で処置される。
したがって、本発明はまた、細胞に通常の放射線療法と組み合わせて1種または複数の本発明の化合物を投与する、細胞を破壊する方法を提供する。
本発明はまた、細胞が細胞死をより生じやすくなる方法であって、該細胞を、細胞死をもたらすかまたは誘発するために細胞の処理前に1種または複数の本発明の化合物で処理する、方法を提供する。1の態様において、細胞を1種または複数の本発明の化合物で処理した後、正常細胞の機能を阻害または細胞を破壊する目的でDNA損傷をもたらすために、細胞を、細胞を少なくとも1種の化合物、または少なくとも1の方法、またはその組み合わせで処理する。
1の実施態様において、細胞は、少なくとも1種のDNA損傷剤で細胞を処理することによって破壊される。すなわち、細胞が細胞死に過敏になるように1種または複数の本発明の化合物で細胞を処理した後に、細胞を破壊するために細胞を少なくとも1種のDNA損傷剤で処理する。本発明に有用なDNA損傷剤には、限定されるものではないが、化学療法剤(例えば、シスプラチン)、電離放射線(X線、紫外線放射)、発癌物質、および突然変異誘発物質が含まれる。
別の実施態様において、DNA損傷をもたらすかまたは誘発するために少なくとも1の方法で細胞を処理することによって、細胞を破壊する。かかる方法には、限定されるものではないが、経路を活性化するとDNA損傷をもたらす細胞シグナル伝達経路の活性化、経路を阻害するとDNA損傷をもたらす細胞シグナル伝達経路の阻害、およびDNA損傷をもたらす、細胞中の生化学的変化の誘発が含まれる。非限定的な例として、細胞中のDNA修復経路は阻害され、その結果、DNA損傷の修復を阻害および細胞中のDNA損傷の異常蓄積をもたらしうる。
本発明の1の態様において、本発明の化合物は、放射または細胞中のDNA損傷の他の誘導前に細胞に投与される。
本発明の別の態様において、本発明の化合物は、放射または細胞中のDNA損傷の他の誘導と同時に投与される。本発明のさらに別の態様において、本発明の化合物は、放射または細胞中のDNA損傷の他の誘導が開始した直後に細胞に投与される。
別の態様において、細胞はインビトロである。別の実施態様において、細胞はインビボである。
上記のように、本発明の化合物は、意外にも、同種−MEKを有効に阻害することが見出されたので、制御されない細胞成長、増殖および/または生存、不適当な細胞性免疫応答、または不適当な細胞性炎症反応の疾患、あるいは制御されない細胞成長、増殖および/または生存、不適当な細胞性免疫応答、または不適当な細胞性炎症反応を伴う疾患、特に制御されない細胞成長、増殖および/または生存、不適当な細胞性免疫応答、または不適当な細胞性炎症反応が、同種−MEKによってもたらされる疾患、例えば、血液系腫瘍、固形腫瘍、および/またはその転移腫瘍など、例えば、白血病および骨髄異形成症候群、悪性リンパ腫、脳腫瘍および脳転移腫瘍を含む頭頸部腫瘍、非小細胞および小細胞肺腫瘍を含む胸部の腫瘍、胃腸腫瘍、内分泌腫瘍、乳腺および他の婦人科腫瘍、腎、膀胱および前立腺腫瘍を含む、泌尿器系腫瘍、皮膚腫瘍、および肉腫、および/またはその転移腫瘍の処置または予防のために用いられうる。
したがって、別の態様によれば、本発明は、上記の疾患の処置または予防に用いるための、本明細書に記載および定義の、一般式(I)で示される化合物、またはその立体異性体、互変異性体、N−オキシド、水和物、溶媒和物、もしくは塩、特にその医薬上許容される塩、またはその混合物を包含する。
したがって、本発明の別の特定の態様は、疾患の処置または予防のための医薬組成物を製造するための上記の一般式(I)で示される化合物の使用である。
前二段落に言及される疾患は、制御されない細胞成長、増殖および/または生存、不適当な細胞性免疫応答、または不適当な細胞性炎症反応の疾患、あるいは制御されない細胞成長、増殖および/または生存、不適当な細胞性免疫応答、または不適当な細胞性炎症反応を伴う疾患、特に制御されない細胞成長、増殖および/または生存、不適当な細胞性免疫応答、または不適当な細胞性炎症反応がMps−1によってもたらされる疾患、例えば、血液系腫瘍、固形腫瘍、および/またはその転移腫瘍など、例えば、白血病および骨髄異形成症候群、悪性リンパ腫、脳腫瘍および脳転移腫瘍を含む頭頸部腫瘍、非小細胞および小細胞肺腫瘍を含む胸部の腫瘍、胃腸腫瘍、内分泌腫瘍、乳腺および他の婦人科腫瘍、腎、膀胱および前立腺腫瘍を含む泌尿器系腫瘍、皮膚腫瘍、および肉腫、および/またはその転移腫瘍である。
本発明における、特に、本明細書に用いられる「不適当な細胞性免疫応答、または不適当な細胞性炎症反応」における、「不適当な」なる語は、正常に満たないか、または正常を超える反応であって、前記疾患の病理に付随するか、関与するか、またはそれをもたらす反応を好ましくは意味するものと理解される。
好ましくは、血液腫瘍、固形腫瘍、および/またはその転移腫瘍である、疾患の処置または予防に用いられる。
過剰増殖性疾患の処置方法
本発明は、哺乳動物の過剰増殖性疾患を処置するための、本発明の化合物およびその組成物の使用方法に関する。化合物は、細胞増殖および/または細胞分裂の抑制、阻害、低下、減少など、ならびに/あるいはアポトーシスの誘発に利用されうる。該方法は、ヒトを含む、それを必要とする哺乳動物に本発明の化合物、またはその医薬上許容される塩、異性体、多形、代謝産物、水和物溶媒和物またはエステルなどの障害を処置するのに有効な量を投与することを含む。過剰増殖性障害には、限定されるものではないが、例えば、乾癬、ケロイド、および皮膚に影響を及ぼす過形成、前立腺肥大症(BPH)、固形腫瘍、例えば、胸部、呼吸器、脳、生殖器、消化器、尿路、目、肝臓、皮膚、頭頸部、甲状腺、副甲状腺およびそれらの遠隔転移の癌が含まれる。それらの障害はまた、リンパ腫、肉腫、および白血病を含む。
乳癌の例として、限定されるものではないが、浸潤性腺管癌、浸潤性小葉癌、非浸潤性乳管癌、および上皮内小葉癌が含まれる。
呼吸器の癌の例として、限定されるものではないが、小細胞および非小細胞肺癌、ならびに気管支腺腫および胸膜肺芽腫が含まれる。
脳癌の例として、限定されるものではないが、脳幹および視床下部膠腫、小脳および大脳星細胞腫、髄芽腫、上衣腫、ならびに神経外胚葉性および松果体腫瘍が含まれる。
男性生殖器の腫瘍には、限定されるものではないが、前立腺および精巣癌が含まれる。女性生殖器の腫瘍には、限定されるものではないが、子宮内膜、子宮頸部、卵巣、膣、および外陰癌、ならびに子宮肉腫が含まれる。
消化管の腫瘍には、限定されるものではないが、肛門、結腸、結腸直腸、食道、胆嚢、胃、膵臓、腎臓、小腸、および唾液腺癌が含まれる。
尿路の腫瘍には、限定されるものではないが、膀胱、陰茎、腎臓、腎盂、尿管、尿道およびヒト乳頭状腎臓癌が含まれる。
眼癌には、限定されるものではないが、眼内黒色腫および網膜芽細胞腫が含まれる。
肝臓癌の例として、限定されるものではないが、肝細胞癌(線維層板(fibrolamellar)変種を伴うまたは伴わない肝細胞癌)、胆管癌(肝内胆管癌)、および混合肝細胞胆管癌が含まれる。
皮膚癌には、限定されるものではないが、扁平上皮癌、カポジ肉腫、悪性黒色腫、メルケル細胞皮膚癌、および非メラノーマ皮膚癌が含まれる。
頭頸部癌には、限定されるものではないが、咽頭、下咽頭、鼻咽頭、口腔咽頭癌、口唇および口腔癌および扁平上皮癌が含まれる。リンパ腫には、限定されるものではないが、AIDS関連リンパ腫、非ホジキンリンパ腫、皮膚T細胞リンパ腫、バーキットリンパ腫、ホジキン病、および中枢神経系のリンパ腫が含まれる。
肉腫には、限定されるものではないが、軟組織の肉腫、骨肉腫、悪性線維性組織球腫、リンパ肉腫、および横紋筋肉腫が含まれる。
白血病には、限定されるものではないが、急性骨髄性白血病、急性リンパ性白血病、慢性リンパ性白血病、慢性骨髄性白血病、および有毛細胞白血病が含まれる。
これらの疾患は、ヒトにおいてよく特徴づけられるが、他の哺乳動物における同様の病因でも存在しており、本発明の医薬組成物を投与して処置されうる。
本開示全体に記載の「処置すること」または「処置」なる語は、通常、例えば、疾患または障害、例えば、癌の状態を治療、軽減、低下、緩和、改善することなどを目的とする対象の管理または治療に用いられる。
キナーゼ疾患の処置方法
本発明はまた、限定されるものではないが、脳卒中、心不全、肝腫大、心肥大、糖尿病、アルツハイマー病、嚢胞性線維症、異種移植拒絶反応の症状、敗血性ショックまたは喘息を含む、異常なマイトジェン細胞外キナーゼ活性に付随する疾患の処置方法を提供する。
本発明の化合物の有効量は、上記の背景技術部分に記載の疾患(例えば、癌)を含む、かかる疾患を処置するのに用いられうる。にもかかわらず、かかる癌および他の疾患は、作用機序およびキナーゼと疾患の間の関係に関わらず、本発明の化合物で処置されうる。
「異常なキナーゼ活性」または「異常なチロシンキナーゼ活性」なる語句には、キナーゼをコードする遺伝子またはそれをコードするポリペプチドの異常な発現または活性が含まれる。かかる異常な活性の例として、限定されるものではないが、遺伝子またはポリペプチドの過剰発現;遺伝子増幅;構造上活性なまたは過剰に活性なキナーゼ活性をもたらす変異;遺伝子変異、欠失、置換、付加などが挙げられる。
本発明はまた、キナーゼ活性、特にマイトジェン細胞外キナーゼの阻害方法であって、有効量の本発明の化合物(その塩、多形、代謝産物、水和物、溶媒和物、プロドラッグ(例:エステル)、およびそのジアステレオ異性体を含む)を投与することを含む、方法を提供する。キナーゼ活性は、細胞(例、インビトロ)、または哺乳動物対象、特に治療を必要とするヒト患者の細胞において阻害されうる。
血管新生疾患の処置方法
本発明はまた、過度のおよび/または異常な血管新生に付随する障害および疾患の処置方法を提供する。
血管新生の不適当かつ異所性発現は、生物に有害でありうる。多数の病態は、外部血管の成長に付随する。これらには、例えば、糖尿病性網膜症、虚血性網膜静脈閉塞、および未熟児網膜症[Aielloら.New Engl.J.Med.1994,331,1480;Peerら.Lab.Invest.1995,72,638]、加齢性黄斑変性症[AMD;Lopezら.Invest.Opththalmol.Vis.Sci.1996,37,855を参照]、血管新生緑内障、乾癬、水晶体後部線維増殖症、血管線維腫、炎症、関節性リウマチ(RA)、再狭窄、ステント内再狭窄、血管移植片再狭窄などが含まれる。さらに、癌性および新生物組織に付随する血液供給の増加は、急速な腫瘍の増大および転移をもたらす、成長を促進する。その上、腫瘍における新しい血管およびリンパ管の成長は、癌の転移およびその結果としての癌の広がりを促進する、反乱細胞の避難経路を提供する。したがって、本発明の化合物は、例えば、血管形成を阻害および/または減少させることによって;内皮細胞増殖または血管新生に関与する他の種類を抑制、阻害、低下、減少などさせること、ならびにかかる細胞型の細胞死またはアポトーシスをもたらすことによって前述の血管新生疾患のいずれかを処置および/または予防するために利用されうる。
用量および投与
過剰増殖性疾患および血管新生疾患の処置に有用な化合物を評価することが知られている標準的実験技法に基づき、標準的毒性試験および哺乳動物における上記の病態の処置の決定のための標準的薬理アッセイによって、ならびにこれらの結果とこれらの病態を処置するのに用いられる既知の医薬の結果との比較によって、本発明の化合物の有効投与量を、各所望の適応症の処置のために容易に決定しうる。これらの病態の1つの処置において投与される活性成分の量は、特定の化合物および用いられる剤形、投与経路、処置期間、治療される患者の年齢および性別、ならびに治療される病態の特性および程度などの検討事項にしたがって大きく変化しうる。
投与される活性成分の全量は、一般的に、約0.001mg/kg〜約200mg/kg体重/日、好ましくは約0.01mg/kg〜約20mg/kg体重/日の範囲に及ぶであろう。臨床上有用な投与スケジュールは、1日1ないし3回投与から4週に1回投与の範囲に及ぶであろう。さらに、患者がある期間薬物を投与しない「休薬期間」は、薬理効果および耐性の間の全体的バランスに有用でありうる。単位投与量は、活性成分を約0.5mgから約1500mg含有していてもよく、1日1回または複数回投与されうるかまたは1日1回未満しか投与されえない。静脈内、筋肉内、皮下および非経口注射を含む、注射投与、および注入法の使用のための平均1日投与量は、好ましくは、0.01から200mg/kg全体重であろう。平均1日直腸投薬計画は、好ましくは、0.01から200mg/kg全体重であろう。平均1日膣投薬計画は、好ましくは、0.01から200mg/kg全体重であろう。平均1日局所投薬計画は、好ましくは、1日1〜4回投与される0.1から200mgであろう。経皮濃度は、好ましくは、0.01から200mg/kgの1日量を維持するのに必要な濃度であろう。平均1日吸入投薬計画は、好ましくは、0.01から100mg/kg全体重であろう。
もちろん、各患者のための特定の開始および継続投薬計画は、担当診断医によって決定される病態の性質および重症度、用いられる特定の化合物の活性、患者の年齢および一般的状態、投与期間、投与経路、薬物の排出速度、薬物組み合わせなどにしたがって異なるであろう。所望の治療方法および本発明の化合物またはその医薬上許容される塩もしくはエステルもしくは組成物の投与回数は、通常の処置試験を用いて当業者によって確認されうる。
好ましくは、該方法の疾患は、血液系腫瘍、固形腫瘍および/またはその転移腫瘍である。
本発明の化合物は、特に、腫瘍成長および転移の、特に腫瘍成長の前処置の有無に関わらず、あらゆる兆候および段階の固形腫瘍における、治療および防止、すなわち、予防において用いられうる。
特定の生理学的または医薬的特性について試験する方法は、当業者に周知である。
本明細書に記載の実施例の試験的実験は本発明を説明するのに有用であり、本発明は所定の実施例に限定されるものではない。
生物学的評価
本発明の化合物の有用性は、例えば、下記のインビトロ腫瘍細胞増殖アッセイにおけるインビトロでのそれらのアッセイによって説明されうる。インビトロの腫瘍細胞増殖アッセイにおける活性と臨床現場における抗腫瘍活性の間の関係は、当該分野において十分に確立されている。例えば、タキソール(Silvestriniら.Stem Cells 1993,11(6),528−35)、タキソテール(Bisseryら.Anti Cancer Drugs 1995,6(3),339)、およびトポイソメラーゼ阻害剤(Edelmanら.Cancer Chemother.Pharmacol.1996,37(5),385−93)の治療有用性は、インビトロ腫瘍増殖アッセイの使用で立証された。
本発明の化合物の活性は、当該技術分野において周知であるインビトロ、エクスビボ、およびインビボアッセイを介して立証されうる。
生物学的アッセイ
インビトロ腫瘍細胞増殖アッセイ:
Cell Titer Glo増殖アッセイ
本発明の化合物を試験するために用いられる接着腫瘍細胞増殖アッセイは、Promegaによって開発されたCell Titre−Gloと称される読み出しに関連する(Cunningham,BA「A Growing Issue: Cell Proliferation Assays.Modern kits ease quantification of Cell growth」 The Scientist 2001,15(13),26,およびCrouch,S Pら,「The use of ATP bioluminescence as a measure of cell proliferation and cytotoxicity」 Journal of Immunological Methods 1993,160,8 1−88)。
アッセイ1:HCT116 Cell Titer Glo(CTG)増殖アッセイ:
HCT116細胞[BRAF V600E変種を発現する、ヒト結腸直腸細胞株]を、37℃にてインキュベートされた10%ウシ胎児血清(FBS)および安定なグルタミンを含む100μl/ウェルのDMEM培地(DMEM/Ham’s F12)で96ウェル黒色/透明底組織培養プレート(Costar 3603黒色/透明底)にて3000細胞/ウェルの密度で播種した。ゼロ時間を決定するための別々のプレートにおいて、シスターウェルにプレートした。すべてのプレートを37℃にて一晩インキュベートした。ゼロ時間プレートを取り出す:100μl/ウェル CTG溶液(Promega Cell Titer GIo solution)を、シスタープレート中のゼロ時間ウェルに加えた;プレートを、細胞を溶解するために、プレートをオービタルシェーカー上で2分間混合し、10分間インキュベートし、発光をVICTOR 3(Perkin Elmer)で読み取った。細胞播種の24時間後、試験化合物を50μlの培地中で希釈し、0.4%の最終DMSO濃度で連続希釈した試験化合物の活性にしたがって最大10μMから最小300pMの範囲の最終濃度で加えた。試験化合物を加えた後に細胞を37℃にて72時間インキュベートした。次いで、Promega Cell Titer GIo Luminescent(登録商標)アッセイキットを用いて、酵素ルシフェラーゼおよびその基質、ルシフェリン混合物を含有する100μl溶解バッファーを各ウェルに加え、発光シグナルを安定させるために暗所で室温にて10分間インキュベートした。発光プロトコルを用いて、試料をVICTOR 3(Perkin Elmer)で読み取った。ゼロ時点プレートの消光(=0%)および未処置(0μM)細胞の消光(=100%)に対する測定値を標準化することによって、細胞増殖の変化率を算出した。自社ソフトウェアを用いて4−パラメーター適合法によって、IC50値を決定した。
アッセイ2:A549 Cell Titer Glo(CTG)増殖アッセイ:
A549細胞[K−Ras G12S変種を発現する、ヒト非小細胞肺癌細胞株]を、37℃にてインキュベートされた100μl/ウェルの10%ウシ胎仔血清(FBS)および適当なグルタミンを含むDMEM培地(DMEM/Ham’s F12)で96ウェル黒色−透明底組織培養プレート(Costar 3603黒色/透明底)において2000細胞/ウェルの密度で播種した。HCT116細胞について上記される同一プロトコルにしたがって、A549細胞のCell Titer Glo増殖アッセイを行った。
アッセイ3:Colo205 Cell Titer Glo(CTG)増殖アッセイ:
Colo205細胞を、96ウェル組織培養プレート中で3,000細胞/ウェルにて10%FBSを含有するRPMI 1640成長培地に播種した。細胞を、37℃にて5%COを含有する加湿インキュベート中で一晩インキュベートした。翌日、試験化合物を10%FBSおよび0.03%DMSOを含有するRPMI 1640培地で連続希釈した、ウェルに加え、プレートを37℃にて72時間インキュベートした。150μlのCell Titer Glo試薬(cat#G7572,Promega,Madison WI)を各ウェルに加え、次いで、室温にて10分間ローター上でプレートをインキュベートし、次いで、Victor3機器で発光を読み取ることによって、細胞密度の評価を異なる時点(投与後0時間および72時間)で行った。IC50分析用Analyze5ソフトウェアを用いて、データ分析を行った。
アッセイ4:A375 Cell Titer Glo(CTG)増殖アッセイ
A375細胞[BRAF V600E変種を発現する、ヒト悪性黒色腫細胞、ATCC#CRL−1619]を、37℃にてインキュベートされた100μL/ウェルの10%ウシ胎仔血清(FBS)および適当なグルタミンを含むDMEM培地(Biochrom;FG0435;+3,7g/L重炭酸ナトリウム;+4,5g/L D−グルコース)で96ウェル黒色−透明底組織培養プレート(Costar 3603黒色/透明底)にて3000細胞/ウェルの密度で播種した。ゼロ時間を決定するための別々のプレートにおいて、シスターウェルにプレートする。すべてのプレートを37℃にて一晩インキュベートする。ゼロ時間プレートを取り出す:67μL/ウェル CTG溶液(Promega Cell Titer Glo溶液)をシスタープレート中ゼロ時間ウェルに加える;細胞を溶解するために、プレートをオービタルシェーカー上で2分間混合し、10分間インキュベートして、VICTOR 3(Perkin Elmer)で発光を読み取る。細胞播種の24時間後、50μL培地で希釈された試験化合物を0.4%の最終DMSO濃度で連続した試験化合物の活性にしたがって最大10μMから最小300pMの範囲の最終濃度で加える。試験化合物を加えた後に、細胞を37℃にて72時間インキュベートした。次いで、Promega Cell Titer Glo Luminescent(登録商標)アッセイキットを用いて、酵素ルシフェラーゼおよびその基質、ルシフェリン混合物を含有する100μl溶解バッファーを各ウェルに加え、発光シグナルを安定させるために暗所で室温にて10分間インキュベートした。発光プロトコルを用いて、試料をVICTOR 3(Perkin Elmer)で読み取った。ゼロ時点プレートの消光(=0%)および未処置(0μM)細胞の消光(=100%)に対する測定値を標準化することによって、細胞増殖の変化率を算出した。自社ソフトウェアを用いて4−パラメーター適合法によって、IC50値を決定した。
あるいは、細胞増殖を、クリスタルバイオレット(CV)染色によって測定した:
アッセイ5:A375クリスタルバイオレット増殖アッセイ
A375細胞の細胞増殖[BRAF V600E変種を発現する、ヒトメラノーマ細胞株]を、クリスタルバイオレット(CV)染色によって測定した:培養ヒトA375細胞を、96ウェルマルチタイタープレートにて200μlの成長培地(10%FBSおよび2mMグルタミンを含むDMEM/HAMS F12)で1500細胞/測定点の密度で播種した。24時間後、プレート(ゼロプレート)からの細胞をクリスタルバイオレットで染色したのに対し(下記参照)、他のプレート中の培地を、試験物質が種々の濃度(0μM、および0.3nM−30μMの範囲;溶媒ジメチルスルホキシドの最終濃度は0.5%であった)で加えられた、新しい培地(200μl)に交換した。4日間試験物質の存在下において細胞をインキュベートした。細胞をクリスタルバイオレットで染色することによって細胞増殖を決定した:室温にて15分間20μl/測定点の11%グルタルアルデヒド溶液を加えて細胞を固定した。固定された細胞を水で3回洗浄した後、プレートを室温にて乾燥した。100μl/測定点の0.1%クリスタルバイオレット溶液(酢酸を加えてpHをpH3に調整)を加えて細胞を染色した。染色された細胞を水で3回洗浄した後、プレートを室温にて乾燥した。100μl/測定点の10%酢酸溶液を加えて染料を溶解し、消光を595nmの波長で測光法によって決定した。ゼロ時点プレートの消光(=0%)および未処置(0μM)細胞の消光(=100%)に対する測定値を標準化することによって、細胞増殖の変化率を算出した。自社ソフトウェアを用いて4−パラメーター適合法によって、IC50値を決定した。
あるいは、クリスタルバイオレット(CV)染色アッセイは、以下のように実施されうる:
アッセイ6:A375クリスタルバイオレット増殖アッセイの別条件
培養ヒトA375細胞を、96ウェルマルチタイタープレートにて200μlの成長培地(10%FBSおよび2mMグルタミンを含むDMEM/HAMS F12(Biochrom;FG4815))に1500細胞/測定点の密度で播種した。24時間後、プレート(ゼロプレート)からの細胞をクリスタルバイオレットで染色したのに対し(下記参照)、他のプレート中の培地を、試験物質が種々の濃度(0μM、0.3nM−30μMの範囲;溶媒ジメチルスルホキシドの最終濃度は0.5%であった)で加えられた、新しい培地(200μl)に交換した。4日間試験物質の存在下において細胞をインキュベートした。細胞をクリスタルバイオレットで染色することによって細胞増殖を決定した:室温にて15分間20μl/測定点の11%グルタルアルデヒド溶液を加えて細胞を固定した。固定された細胞を水で3回洗浄した後、プレートを室温にて乾燥した。100μl/測定点の0.1%クリスタルバイオレット溶液(酢酸を加えてpHをpH3に調整)を加えて細胞を染色した。染色された細胞を水で3回洗浄した後、プレートを室温にて乾燥した。100μl/測定点の10%酢酸溶液を加えて染料を溶解し、消光を595nmの波長で測光法によって決定した。ゼロ時点プレートの消光(=0%)および未処置(0μM)細胞の消光(=100%)に対する測定値を標準化することによって、細胞増殖の変化率を算出した。自社ソフトウェアを用いて4−パラメーター適合法によって、IC50値を決定した。
さらなる癌細胞株の増殖のインビトロ阻害は、上記の方法に類似の方法で測定されうる。さらなる腫瘍細胞の例を下記に詳述する:
Figure 2013508318
さらに、以下のアッセイは、本発明の化合物の生物学的重要性を評価するために用いられうる:
アッセイ6
MEK生化学アッセイ:DELFIA
MEK阻害薬の活性を測定するために、DELFIA MEKキナーゼアッセイを用いた。最初に70マイクロLのキナーゼ反応バッファー(50mM HEPES pH7.5、5mM NaF、5mMグリセロホスフェート、1mMバナジウム酸ナトリウム、10mM MgCl、1mM DTTおよび1%(v/v)DMSO)を20nM GST−MEK、20nM His−Rafおよび100nMビオチン化ERK1(最終濃度)と合して、キナーゼ反応を96ウェルマイクロ滴定プレート中で行った。次いで、用量反応阻害曲線を得るために、1μM、0.3μM、0.1μM、0.03μM、0.01μM、0.003μM、0.001μM、0.0003μMおよび0μMの最終濃度を有する化合物を加えた。20μLのATP(最終濃度100μM)を加えてキナーゼ反応を開始した。2時間インキュベートした後、20μlの0.5M EDTAを加えて反応を終了した。次いで、100μLの反応混合物を、96ウェルストレプトアビジンプレート(cat#15120,Pierce Inc.Rockford,IL)に移し、次いで、2時間インキュベートした。ビオチン化基質ERK1を回収した後、プレートをTBSTで洗浄した。ホスホ−p44/42 MAPK(cat#91065,Cell Signaling Technologies,Danvers,MA)に対する抗体を加え、リン酸化基質に結合させた。次いで、ユーロピウム標識抗マウス抗体(cat#AD0124,Wallac Inc,Turku,Finland)とインキュベートし、次いで、洗浄工程を行った。ユーロピウムイオンを溶液に解離するために増強溶液(Enhancement Solution)を加え、その場合、増強溶液の成分を有する強い蛍光を発するキレートを形成した。各試料の蛍光は、キナーゼ活性に比例しており、VICTOR5機器(Wallac Inc.)でカウントした。IC50分析用のAnalyze5ソフトウェアを用いてデータ分析を行った。
アッセイ7
MEK1活性化キナーゼアッセイ
その活性化ループをリン酸化することによって、キナーゼCot1はMEK1を活性化する。MEK1の該活性化に対する本発明の化合物の阻害活性を、以下のパラグラフに記載のHTRFアッセイを用いて定量化した。
昆虫細胞(SF21)にて発現され、Ni−NTAアフィニティークロマトグラフィーによって精製された、N−末端His6−標識ヒトCot1の組換えキナーゼドメイン(アミノ酸30−397,Milliporeから購入,cat.no 14−703)を、キナーゼとして用いた。キナーゼ反応の基質として、不活性化C−末端His6−標識GST−MEK1融合タンパク質(Millipore cat.no 14−420)を用いた。
アッセイのために、50nlの試験化合物のDMSO中100倍濃縮溶液を、黒色低容量384ウェルマイクロタイタープレート(Greiner Bio−One,Frickenhausen,Germany)にピペットし、3μlの24nM GST−MEK1および166.7μMアデノシン三リン酸(ATP)のアッセイバッファー中溶液[50mM Tris/HCl pH7.5、10mM MgCl、2mMジチオスレイトール、0.01%(v/v)Igepal CA 630(Sigma)、5mM β−ホスホ−グリセロール]を加え、混合物を22℃にて10分間インキュベートして、GST−MEK1に試験化合物を予め結合させた後に、キナーゼ反応を開始した。次いで、2μlのCot1のアッセイバッファー中溶液を加えて、キナーゼ反応を開始し、得られた混合物を22℃にて20分の反応時間インキュベートした。アッセイ中のCot1濃度を、酵素ロットの活性に応じて調整し、アッセイが直線範囲になるように適当に選択した。典型的な酵素濃度は、約2ng/μl(5μlアッセイ容量中最終濃度)の範囲であった。水性EDTA−溶液(100mM EDTA、500mM KF、100mM HEPES/NaOH pH7.5中0.2%(w/v)ウシ血清アルブミン)中HTRF検出試薬(13nM抗GST−XL665[#61GSTXLB,Fa.Cis Biointernational, Marcoule,France]、1nM Eu−クリプテート標識抗ホスホMEK 1/2(Ser217/221)[#61P17KAZ,Fa.Cis Biointernational],)の5μlの溶液を加えて反応を停止した。
得られた混合物を22℃にて2時間インキュベートして、抗GST−XL665およびEu−クリプテート標識抗ホスホMEK 1/2抗体にリン酸化GST−MEK1を結合させた。次いで、Ser217/Ser221−リン酸化基質の量を、Eu−クリプテート標識抗ホスホMEK抗体から抗GST−XL665への共鳴エネルギー移動を測定して評価した。そのため、350nmでの励起後の620nmおよび665nmでの蛍光発光を、HTRFリーダー、例えば、Rubystar(BMG Labtechnologies,Offenburg,Germany)またはViewlux(Perkin−Elmer)で測定した。665nmおよび622nmでの発光の割合を、リン酸化基質の量の測定値として得た。データを正規化した(阻害薬を伴わない酵素反応=0%阻害、他のすべてのアッセイ成分だが、酵素なし=100%阻害)。通常は、20μM〜1nMの範囲の10の異なる濃度(20μM、6.7μM、2.2μM、0.74μM、0.25μM、82nM、27nM、9.2nM、3.1nMおよび1nM、連続1:3希釈で100倍濃縮ストック溶液の濃度でアッセイ前に調製された希釈系列)にて同一マイクロタイタープレート上で試験化合物を各濃度について2回試験し、自社ソフトウェアを用いて4パラメーター適合法によって、IC50値を算出した。
アッセイ8
ホスホ−ERKメカニズムアッセイ
A375およびColo205細胞を、96−ウェル組織培養プレートにおいてウェル当たり25,000細胞で10%FBSが補充されたRPMI 1640増殖培地に播種した。細胞を、37℃にて5%CO含有加湿インキュベーター中で一晩インキュベートした。翌日、アッセイプレートを調製するために、抗ウサギMeso−Scale Discovery MSD)プレート(cat#L41RA−1,Meso−Scale Discovery,Gaithersburg,MD)を、室温にて1時間100μlの5%MSD阻害バッファーで阻害し、その後、それらを200μlのTBSTバッファーで3回洗浄した。2.5%のMSD Blocker A−TBST中に1:200で希釈されたホスホ−ERKウサギポリクローナル抗体(cat#9101,Cell Signaling Technologies,Danvers,MA)を各ウェルに加え(25μl)、次いで、プレートを振盪させながら室温にて1時間インキュベートした。次いで、プレートをリン酸緩衝生理食塩水(PBS)で1回洗浄し、細胞溶解物を得るために準備をした。アッセイプレートの調製を継続しながら、試験化合物を10%FBS、0.1%ウシ血清アルブミン(BSA)および0.03%DMSOを含有するRPMI 1640培地で連続希釈された、前日からの細胞含有プレートのウェルに加え、プレートを37℃にて1.5時間インキュベートした。該インキュベーション後、化合物処理プレートをPBSで3回洗浄し、30μlのBio−Rad溶解バッファー(cat#98601,Bio−Rad Laboratories,Hercules,CA)中で溶解し、次いで、30分間氷上で振盪させた。次いで、溶解物をホスホ−ERK被覆MSDプレート上に装填し、プレートを4℃にて一晩インキュベートした。翌日、プレートをTBSTで3回洗浄し、25μlの1:3000希釈の全ERKモノクローナル抗体(Cat#610123,BD Biosciences,San Diego,CA)をプレートに加え、次いで、振盪させながら室温にて1時間インキュベートした。インキュベーション後、上記の通り、プレートをTBSTで3回洗浄し、1:1000希釈の25μlのMSD sulfo−標識抗マウス抗体(cat#R32AC−5)を各ウェルに加えた。プレートを振盪させながら室温にて1時間インキュベートし、次いで、TBSTで4回洗浄した。プレートを直前に、150μlのMSDリードバッファーTを加え、プレートをMSD装置上ですぐに読み取った。IC50分析用Analyze5ソフトウェアを用いて、データ分析を行った。
アッセイ9
メカニズムpERKアッセイの別条件
腫瘍細胞株におけるERK1/2リン酸化の測定のため、singleplex Mesoscale Discovery(MSD)アッセイを用いる。該アッセイを、サンドイッチ免疫測定法のように構築する。連続希釈MEK阻害化合物で処置された異なる腫瘍細胞株から得られる細胞溶解物を、MSDプレート上に装填した。サンプル中に存在するリン酸化ERK1/2は、作用電極表面に固定される補足抗体と結合する。固定ホスホ−ERK1/2に対する検出抗体の結合によって、サンドイッチを完了する。該検出抗体を、電子−化学発光化合物で標識する。平板電極に電圧を印加することは、抗体−ホスホERK1/2サンドイッチ複合体を介して電極表面に結合する、標識を発光させる。発光の測定値を、サンプル中に存在するリン酸化ERK1/2の量の定量的決定を可能にする。詳細には、ホスホERKシグナルの測定値の直線範囲を、異なる細胞数を滴定することによってアッセイに用いられる細胞株ごとに決定しなければならない。最終アッセイについて、予め決定された細胞数を96ウェルプレートに播種する。播種の24時間後、細胞を、連続希釈したアロスティックMEK阻害化合物で1.5時間処理した後、細胞を溶解し、該溶解物をMSDアッセイプレートに移した。製造業者のプロトコルから、検出抗体に対するリン酸化ERKの結合工程を、室温にて3時間実施する代わりに4℃にて一晩実施して、よりよいシグナル強度をもたらすという点が変更された。
A375またはColo205細胞を、それぞれ、96ウェル組織培養プレートにおいてウェル当たり45000細胞で50μLの10%FBS(Biochrom #S0410)が補充されたDMEM成長培地(Biochrom FG 0435)(A375)に、10%FBS(Biochrom #S0410)、10mM HEPES(Biochrom L1613)、4.5g/Lグルコースおよび1mMピルビン酸ナトリウム(Biochrom L0473)が補充されたRPMI成長培地(Biochrom FG1215)(Colo−205)に播種した。細胞を37℃にて5%CO含有加湿インキュベーター中で一晩インキュベートした。
製造業者の推奨にしたがって、Mesoscale Discoveryによるホスホ−ERK(MSD)(#K111DWD)アッセイを行った。すなわち、プロトコルは以下のとおりであった:
細胞播種の翌日、アッセイプレートを調製するために、MSDを150μlのMSD阻害バッファーで室温にて1時間阻害し、その後、150μlのトリス洗浄バッファーで4回洗浄した。アッセイプレートの調製を継続しながら、試験化合物を前日からの細胞含有プレートのウェルに加え、10%FBSおよび0.1%DMSOを含有するそれぞれの成長培地で連続希釈し、プレートを37℃にて1.5−2時間インキュベートした。該インキュベーション後、培地を吸引し、細胞を50μl溶解バッファーに溶解し、次いで、4℃にて30分間振盪し、次いで、25μLの溶解物を阻害されたMSDプレートに充填し、プレートを4℃にて一晩インキュベートした。翌日、プレートをトリス洗浄バッファーで4回洗浄し、25μlの検出抗体溶液をプレートに加え、次いで、振盪しながら室温にて1時間インキュベートした。インキュベーション後、プレートをトリス洗浄バッファーで4回洗浄し、150μlのMSDリードバッファーTを加え、MSD機器で即座にプレートを読み取った。IC50分析用自社ソフトウェアを用いて、データ分析を行った。
アッセイ10
インビボ有効性試験:段階的ヒト異種移植モデル
リード化合物のインビボ抗腫瘍活性を、ヒトBRAF変種黒色腫および大腸癌異種移植モデルを用いてマウスにおいて評価した。雌無胸腺NCRヌードマウスは、アメリカン・タイプ・カルチャー・コレクション(American Type Culture Collection)(ATCC,Maryland)から得られたヒト黒色腫株(LOX)、またはヒト大腸癌株(Colo205)のいずれかが皮下に移植された。腫瘍の大きさが約100mgに達した場合に処置を開始した。化合物を経口投与し、PEG/水(それぞれ80%/20%)中で新たに調製した。マウスの一般的健康状態を観察し、死亡率を日々記録した。腫瘍の大きさおよび体重を、初日の処置を開始してから1週間に2回記録した。Bayer IACUC基準にしたがって、動物を安楽死させた。20%異常の致死率および/または正味20%の体重減少をもたらす処置を「毒性」と判断した。
1週間に3回、腫瘍成長を電子キャリバーで測定し、以下の式:[長さ(mm)x幅(mm)]/2にしたがって腫瘍重量(mg)を算出した。抗腫瘍効果を、腫瘍成長阻害率(%TGI)の機能として決定した。測定日、以下の式:(100−処置された平均腫瘍値(T)/平均腫瘍の対照値(C)x100)=%T/Cを用いてTGIを算出する。算出に用いられる対照は、「未処置対照」または「ビヒクル」のいずれかであり、いずれの場合でも、最も保守的なデータを表示する。50%以上のTGIを立証する化合物は、活性と判断される。片側または両側スチューデントのT−検定を用いて、統計的有意性を決定する。試験された化合物は、LOXおよびColo205モデル両方において有意な用量依存性腫瘍成長阻害を示した。
本発明の化合物を、上記の1または複数のアッセイ法を用いて活性について試験した。
下表は、次のように、先行技術文献WO2008/138639の化合物のIC50値と比較した、本発明の化合物の上記のアッセイ1、2および5で得られるIC50値を示す。
Figure 2013508318


Figure 2013508318
当業者が、前述の情報および当該技術分野にて利用可能な情報を用いて、最大限に本発明を利用しうると考えられている。本発明が、実際に本明細書にて説明されている本発明の精神または範囲から逸脱することなく開示された構造、物質、組成物および方法に関する変化を伴って行われうることならびにかかる変化が本発明の範囲内にあると見なされることは当業者であれば認識するであろう。実施例に記載の化合物は、本発明の具体例を意図とするものであり、本発明の範囲を実施例の範囲によって限定されるものではないことは理解されるであろう。上記の主題の表題は、特定の情報を本願において見出しうるガイドラインとして意味されるものであるが、かかる主題の情報が見出されうる単なる出願の情報源であることを意図とするものではない。上記のあらゆる刊行物および特許は、出典明示により本明細書の一部とする。
参考資料
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Claims (18)

  1. 一般式(I):
    Figure 2013508318
    [式中:
    R1は、水素原子またはフッ素原子であり;
    R2は、ハロゲン原子またはC−アルキニル基であり;
    R3は、−NH、−NH(C−C−アルキル)、−N(C−C−アルキル)、−C−C−アルキル、または−C−C−シクロアルキル基であり;
    R4は、−NH、−NH(C−C−アルキル)、−N(C−C−アルキル)、−C−C−アルキル、または−C−C−シクロアルキル基であり;
    R5は、ハロゲン原子、または−C−C−アルキルまたはO−C−C−アルキル基であり;
    Aは、−(CH−(n=0または1である)である]
    で示される化合物またはその互変異性体、立体異性体、N−オキシド、塩、水和物、溶媒和物、代謝産物、もしくはプロドラッグ。
  2. R1が、水素原子またはフッ素原子であり;
    R2が、フッ素原子またはC−アルキニル基であり;
    R3が、−NH、−NH(C−C−アルキル)、−N(C−C−アルキル)、−C−C−アルキル、または−C−C−シクロアルキル基であり;
    R4が、−NH、−NH(C−C−アルキル)、−N(C−C−アルキル)、−C−C−アルキル、または−C−C−シクロアルキル基であり;
    R5が、フッ素原子またはメチル基であり;
    Aが、−(CH−(n=0または1である)である、請求項1記載の化合物またはその互変異性体、立体異性体、N−オキシド、塩、水和物、溶媒和物、代謝産物、もしくはプロドラッグ。
  3. R1が、水素原子またはフッ素原子であり;
    R2が、フッ素原子またはC−アルキニル基であり;
    R3が、−NH、−NH(C−C−アルキル)、−N(C−C−アルキル)、−C−C−アルキル、または−C−C−シクロアルキル基であり;
    R4が、−NH、メチル、エチル、n−プロピル、イソ−プロピル、シクロプロピルまたはシクロブチル基であり;
    R5が、フッ素原子またはメチル基であり;
    Aが、−(CH−(n=0または1である)である、請求項1または2記載の化合物またはその互変異性体、立体異性体、N−オキシド、塩、水和物、溶媒和物、代謝産物、もしくはプロドラッグ。
  4. R1が、水素原子またはフッ素原子であり;
    R2が、フッ素原子またはC−アルキニル基であり;
    R3が、−NH、メチル、エチル、n−プロピル、イソ−プロピル、シクロプロピルまたはシクロブチル基であり;
    R4が、−NH、メチル、エチル、n−プロピル、イソ−プロピル、シクロプロピルまたはシクロブチル基であり;
    R5が、フッ素原子またはメチル基であり;
    Aが、−(CH−(n=0または1である)である、請求項1〜3のいずれか1項に記載の化合物またはその互変異性体、立体異性体、N−オキシド、塩、水和物、溶媒和物、代謝産物、もしくはプロドラッグ。
  5. N−(2−{3−[(エチルスルホニル)アミノ]フェノキシ}−4−フルオロ−6−[(2−フルオロ−4−ヨードフェニル)アミノ]フェニル)シクロプロパンスルホンアミド;
    N−(3−{5−フルオロ−3−[(2−フルオロ−4−ヨードフェニル)アミノ]−2−[(メチルスルホニル)−アミノ]フェノキシ}−フェニル)エタンスルホンアミド;
    N−(3−{2−[(エチルスルホニル)アミノ]−5−フルオロ−3−[(2−フルオロ−4−ヨードフェニル)アミノ]−フェノキシ}フェニル)−エタンスルホンアミド;
    N−(2−{3−[(エチルスルホニル)アミノ]フェノキシ}−4−フルオロ−6−[(2−フルオロ−4−ヨードフェニル)アミノ]−フェニル)プロパン−2−スルホンアミド;
    N−(2−{3−[(エチルスルホニル)アミノ]フェノキシ}−4−フルオロ−6−[(2−フルオロ−4−ヨードフェニル)アミノ]−フェニル)シクロブタン−スルホンアミド;
    N−(3−{5−フルオロ−3−[(2−フルオロ−4−ヨードフェニル)アミノ]−2−(スルファモイルアミノ)フェノキシ}フェニル)エタンスルホンアミド;
    N−(2−{3−[(エチルスルホニル)アミノ]−2−メチルフェノキシ}−4−フルオロ−6−[(2−フルオロ−4−ヨードフェニル)アミノ]フェニル)シクロプロパンスルホンアミド;
    N−(3−{5−フルオロ−3−[(2−フルオロ−4−ヨードフェニル)アミノ]−2−(スルファモイルアミノ)フェノキシ}−2−メチルフェニル)エタンスルホンアミド;
    N−(2−{3−[(エチルスルホニル)アミノ]フェノキシ}−6−[(4−エチニル−2−フルオロフェニル)アミノ]−4−フルオロフェニル)シクロプロパンスルホンアミド;
    N−(3−{3−[(4−エチニル−2−フルオロフェニル)アミノ]−5−フルオロ−2−(スルファモイルアミノ)フェノキシ}フェニル)エタンスルホンアミド[ギ酸塩];
    N−{4−フルオロ−2−[(2−フルオロ−4−ヨードフェニル)アミノ]−6−[3−(スルファモイルアミノ)フェノキシ]フェニル}シクロプロパンスルホンアミド;
    N−(4−フルオロ−2−[(2−フルオロ−4−ヨードフェニル)アミノ]−6−{3−[(イソプロピルスルホニル)アミノ]フェノキシ}フェニル)シクロプロパンスルホンアミド;
    N−(4−フルオロ−2−[(2−フルオロ−4−ヨードフェニル)アミノ]−6−{3−[(メチルスルホニル)アミノ]フェノキシ}フェニル)シクロプロパンスルホンアミド;
    N−{4−フルオロ−2−[(2−フルオロ−4−ヨードフェニル)アミノ]−6−[4−フルオロ−3−(スルファモイルアミノ)フェノキシ]フェニル}シクロプロパンスルホンアミド;
    N−(5−{2−[(シクロプロピルスルホニル)アミノ]−5−フルオロ−3−[(2−フルオロ−4−ヨードフェニル)アミノ]フェノキシ}−2−フルオロフェニル)シクロプロパンスルホンアミド;
    N−(2−フルオロ−5−{5−フルオロ−3−[(2−フルオロ−4−ヨードフェニル)アミノ]−2−(スルファモイルアミノ)フェノキシ}フェニル)硫酸ジアミド;および
    N−(4−フルオロ−2−[(2−フルオロ−4−ヨードフェニル)アミノ]−6−{3−[(スルファモイルアミノ)メチル]フェノキシ}フェニル)シクロプロパンスルホンアミド
    からなる群より選択される、請求項1〜4のいずれか1項に記載の化合物。
  6. 請求項1〜5のいずれか1項に記載の一般式(I)で示される化合物の調製方法であって、一般式(4):
    Figure 2013508318
    [式中:R1、R2、R4、R5およびAは、請求項1〜5のいずれか1項に記載の一般式(I)の記載と同義である]
    で示される中間化合物を一般式E:
    Figure 2013508318

    [式中:R3は、請求項1〜5のいずれか1項に記載の一般式(I)の記載と同義である]
    で示される塩化スルホニルと反応させて、一般式I:
    Figure 2013508318
    [式中:R1、R2、R3、R4、R5およびAは、請求項1〜5のいずれか1項に記載の一般式(I)の記載と同義である]
    で示される化合物を得る工程を含む、方法。
  7. 請求項1〜5のいずれか1項に記載の一般式(I)で示される化合物の調製方法であって、一般式(8):
    Figure 2013508318
    [式中:R1、R2、R3、R5およびAは、請求項1〜5のいずれか1項に記載の一般式(I)の記載と同義である]
    で示される中間化合物を一般式D:
    Figure 2013508318
    [式中:R4は、請求項1〜5のいずれか1項に記載の一般式(I)の記載と同義である]
    で示される塩化スルホニルと反応させて、一般式I:
    Figure 2013508318
    [式中:R1、R2、R3、R4、R5およびAは、請求項1〜5のいずれか1項に記載の一般式(I)の記載と同義である]
    で示される化合物を得る工程を含む、方法。
  8. 請求項1〜5のいずれか1項に記載の一般式(Ic)で示される化合物の調製方法であって、一般式(12):
    Figure 2013508318
    [式中:R1、R2、R3、R5およびAは、請求項1〜5のいずれか1項に記載の一般式(I)に定義されるとおりであり、Pgは、酸に不安定な保護基、例えば、tert−ブトキシカルボニル(Boc)基を示す]
    で示される中間化合物を酸、例えば、塩酸またはTFAと反応させて、式(Ic):
    Figure 2013508318
    [式中:R1、R2、R3、R5およびAは、請求項1〜5のいずれか1項に記載の一般式(I)の記載と同義である]
    で示される化合物を得る工程を含む、方法。
  9. 疾患の処置または予防に用いるための、請求項1〜5のいずれか1項に記載の、一般式(I)で示される化合物、またはその立体異性体、互変異性体、N−オキシド、水和物、溶媒和物、もしくは塩、特にその医薬上許容される塩、またはそれらの混合物。
  10. 請求項1〜5のいずれか1項に記載の、一般式(I)で示される化合物、またはその立体異性体、互変異性体、N−オキシド、水和物、溶媒和物、もしくは塩、特にその医薬上許容される塩、またはそれらの混合物、および医薬上許容される希釈剤または担体を含む医薬組成物。
  11. −1種または複数の、請求項1〜5のいずれか1項に記載の、一般式(I)で示される化合物、または立体異性体、互変異性体、N−オキシド、水和物、溶媒和物、もしくは塩、特にその医薬上許容される塩、またはそれらの混合物;および
    −1種または複数の、タキサン、例えば、ドセタキセル、パクリタキセル、またはタキソール;エポチロン、例えば、イクサベピロン、パツピロン、またはサゴピロン;ミトキサントロン;プレドニゾロン;デキサメタゾン;エストラムスチン;ビンブラスチン;ビンクリスチン;ドキソルビシン;アドリアマイシン;イダルビシン;ダウノルビシン;ブレオマイシン;エトポシド;シクロホスファミド;イホスファミド;プロカルバジン;メルファラン;5−フルオロウラシル;カペシタビン;フルダラビン;シタラビン;Ara−C;2−クロロ−2’−デオキシアデノシン;チオグアニン;抗アンドロゲン、例えば、フルタミド、酢酸シプロテロン、またはビカルタミド;ボルテゾミブ;白金誘導体、例えば、シスプラチン、またはカルボプラチン;クロラムブシル;メトトレキサート;およびリツキシマブ
    を含む、医薬組み合わせ剤。
  12. 疾患の予防または処置のための、請求項1〜5のいずれか1項に記載の、一般式(I)で示される化合物、またはその立体異性体、互変異性体、N−オキシド、水和物、溶媒和物、もしくは塩、特にその医薬上許容される塩、またはそれらの混合物の使用。
  13. 疾患の予防または処置のための医薬の製造における、請求項1〜5のいずれか1項に記載の、一般式(I)で示される化合物、またはその立体異性体、互変異性体、N−オキシド、水和物、溶媒和物、もしくは塩、特にその医薬上許容される塩、またはそれらの混合物の使用。
  14. 該疾患が、制御されない細胞成長、増殖および/または生存、不適当な細胞性免疫応答、または不適当な細胞性炎症反応の疾患であり、特に、制御されない細胞成長、増殖および/または生存、不適当な細胞性免疫応答、または不適当な細胞性炎症反応の疾患が、マイトジェン活性化プロテインキナーゼ(MEK−ERK)経路によってもたらされるものであり、より具体的には、制御されない細胞成長、増殖および/または生存、不適当な細胞性免疫応答、または不適当な細胞性炎症反応の疾患が、血液腫瘍、固形腫瘍および/またはその転移腫瘍、例えば、白血病および骨髄異形成症候群、悪性リンパ腫、脳腫瘍および脳転移を含む頭頸部腫瘍、非小細胞および小細胞肺腫瘍を含む胸部の腫瘍、胃腸腫瘍、内分泌腫瘍、乳腺および他の婦人科腫瘍、腎、膀胱および前立腺腫瘍を含む泌尿器系腫瘍、皮膚腫瘍、および肉腫、および/またはその転移腫瘍である、請求項9、11または12に記載の使用。
  15. 一般式(4):
    Figure 2013508318
    [式中:R1、R2、R4、R5およびAは、請求項1〜5のいずれか1項に記載の一般式(I)の記載と同義である]
    で示される化合物。
  16. 一般式(8):
    Figure 2013508318
    [式中:R1、R2、R3、R5およびAは、請求項1〜5のいずれか1項に記載の一般式(I)の記載と同義である]
    で示される化合物。
  17. 一般式(12):
    Figure 2013508318
    [式中:R1、R2、R3、R5およびAは、請求項1〜5のいずれか1項に記載の一般式(I)の記載と同義であり、PGは、酸に不安定な保護基を示す]
    で示される化合物。
  18. 請求項1〜5のいずれか1項に記載の一般式(I)で示される化合物の調製のための、請求項15記載の一般式(4)で示される中間化合物、または請求項16記載の一般式(8)で示される中間化合物、または請求項17記載の一般式(12)で示される中間化合物の使用。
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