JP2013507977A - 増加した硬度を有するトマト果実 - Google Patents

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Abstract

本発明は、遺伝要素を有しない対照トマト植物由来の果実と比較して、トマト果実を産生する栽培植物における少なくとも1つの遺伝要素(または量的形質遺伝子座、QTL)の存在に起因した、著しく増加した硬度を有するトマト果実に関する。著しく増加した果実硬度を有するトマト果実を産生する栽培トマト植物および著しく増加した果実硬度と関連付けられるQTLを検出するための方法も提供される。

Description

全ての果実産物について、消費者の期待を満たし、場合によってはそれを上回る目的にかなった果実硬度が必須である。消費者は、香味および色等の他の品質特性が良好または優良であったとしても、受け入れ難い果実硬度を有する産物を拒否する。さらに、サプライチェーンは、小売店へ高品質の果実を効率的に配送するために、果実硬度の適正水準を必要とする。原料の品質を向上させることは、より健康的な食生活の発展を奨励することにもなる。
トマトは、広範囲に及ぶ遺伝子源およびゲノム源の理由から、果実熟成を研究するためのモデル系である。トマトの果実硬度は、細胞壁構造、膨圧、および表皮特性を含むいくつかの要因により決定される。果実硬度は複雑な形質であり、多くの遺伝子の作用に依存する。このため、細胞壁分解酵素の変化に焦点を当てることにより果実硬度の変化を決定する事象を分析することが困難になっている。
熟成が始まった時にトマト果実を収穫すれば、可視的な皮の色に基づくため、成熟度決定がより容易になり、かつ完全な品質開発が保証されるであろう。収穫後、熟成が継続して軟化が進み、出荷時の損傷に対する果実の感受性が増加し、市場に出回る期間が限定される。熟成期および軟化期を遅延させることは、部分的に熟しているが硬い果実の収穫、輸送、および保存を可能にするであろう(T.Chanthasombath et al,2008)。
無色の非熟成および熟成阻害剤等のトマト中の熟成変異体は、熟成を調整し、果実硬度を調節する新生遺伝子フレームワークへの重要な洞察をもたらした(Thompson et al,1999、Vrebalov et al,2002、Eriksson et al,2004、Manning et al,2006)。熟成および軟化を遅らせることは、トマトを含む多くの果実および野菜の保存期間を延長する、簡易で安価な方法として広く研究されている調整雰囲気包装(MAP)を採用することにより達成することができるが(Batu & Thompson,1998、Exama et al,1993、Geeson et al,1985)、これは、果実の包装および出荷の費用を増加させる。従来の植物育種プログラムにおいて果実硬度を高めるための既存の方法は、成熟植物から収穫される果実における果実硬度の差異をスクリーニングすることに依存する。このシナリオにおける強化された果実硬度の任意の同定は、主として偶然の所産である。現在のところ、多数の植物を生長させ、かつ表現型を評価する費用ならびに複雑さの理由から、強化された果実硬度のために育種することは経済的に実行可能または効率的ではない。
果実熟成の調整の新生モデルと、果実硬度の制御に関与する成分に関する完全な知識との間のギャップを埋めるには、既知の細胞壁関連タンパク質の遺伝子を標的とすること、または多面的熟成変異体を検討することのいずれかに基づくものに対して追加の戦略を必要とする。果実硬度は、多くの遺伝子を含む量的形質であるが、これらの遺伝子の大部分の同一性は理解しにくいままである。
野生トマト種は、豊かかつ主として未開拓の新規の遺伝的変異源を育種者に提供する。TanksleyおよびZamir(Frary et al,2000、Fridman et al,2004)は、この遺伝的多様性の供給源を用いて、重要な果実品質形質の分子基盤を理解し、育種に新しい物質を提供することができることを実証した。
したがって、果実がより長期間蔓茎に留まるように、特にトマト果実の硬度を改変し、かつトマト果実の軟化を遅らせる必要性が存在することは、従来技術から明らかである。その後、果実は、より多くの香気成分および呈味成分を蓄積しながら硬いままの状態を保ち、したがって、早期に収穫され、例えばガスで人工的に成熟させられた果実と比較して、最終的により良好な風味を示すであろう。出荷、梱包、およびスーパーの棚への配送のステップに不利であろう関連した軟化が起こることなく、果実を蔓茎に残したままにすることができるため、果実のそのような増加した硬度は、より長い期間の収穫を可能にするであろう。
公的に入手可能な「Zamir」系統(Eshed and Zamir,1994)におけるトマト果実の機械的特性の量的形質遺伝子座(QTL)の分布に関する検討を実施した。これらは、ソラヌム・リコペルシクムバックグラウンド(cv.M82)において生成される一組の76個のソラヌム・ペンネリイ遺伝子移入系統(IL)である。これらのILは、遺伝子地図を単数または重複するS.ペンネリイ区分により定義される107個の瓶に分割する。QTLの「メンデル化(Mendelisation)」を可能にするこの標的化集団は、環境効果を考慮に入れるために、管理可能な実験系を用いながら形質のマッピングおよび分解を許容する。
本発明者は、トマトにおける著しく増加した果実硬度に意外にも関連付けられる遺伝要素(またはQTL)を定義した。したがって、本発明は、第1の態様において、収穫期、好ましくは緑熟期、またはブレーカ期プラス7日の著しく増加した果実硬度を有するトマト果実に関し、該増加した果実硬度は、該トマト果実を産生する栽培トマト植物中の該遺伝要素に関連付けられ、該硬度は、これらの遺伝要素を有しない対照トマト植物由来の果実の硬度よりも1.2〜2倍、あるいは1.2〜1.5倍大きい。(それぞれ、受入番号LA4038およびLA4039として寄託される)遺伝子移入系統IL2−3およびIL2−4ならびにこれらの遺伝要素を有する遺伝子移入系統は、IL2−3で観察された最も顕著な効果を有するM82親対照と比較して、果実硬度において著しい増加を示した。これらの遺伝要素の優性効果がF1世代に存在し、形質は、熟したトマト果実において最も明白である。
上述のような増加した硬度を有するトマト果実を産生する栽培トマト植物も提供され、該植物は、a)少なくとも1つの遺伝要素が、NT3853、NT3907、TG14、HOX7A、CT277、HB2600、TG353、Lm0127、Lm1650、LE5100、およびLE5200から成る群から選択される少なくとも1つのDNAマーカーと関連付けられること、ならびに/またはb)少なくとも1つの遺伝要素が、S.ペンネリイ系統IL2−3およびIL2−4中の対応する遺伝要素と相補的であることを特徴とすることができ、IL2−3およびIL2−4中の該遺伝要素は、(a)の該群から選択される少なくとも1つのDNAマーカーに関連する。
少なくとも1つの遺伝要素が、a)DNAマーカーNT3853、NT3907、およびTG14のうちの少なくとも1つに関連付けられるQTL1、b)DNAマーカーHOX7AおよびCT277のうちの少なくとも1つに関連付けられるQTL2、c)DNAマーカーHB2600、TG353のうちの少なくとも1つに関連付けられるQTL3、d)DNAマーカーLm0127およびLm1650のうちの少なくとも1つに関連付けられるQTL4、e)DNAマーカーLE5100およびLE5200のうちの少なくとも1つに関連付けられるQTL5、ならびにこれらのQTLのそれらの組み合わせから選択される1つ以上のQTLである、栽培トマト植物も提供される。
上述の栽培トマト植物も提供され、QTLは、DNAマーカーNT3853、NT3907、およびTG14のうちの少なくとも1つに関連付けられるQTL1であり、内側の果皮にのみ存在する。
上述の栽培トマト植物も提供され、該植物は、近交系、2倍体、または雑種である。特定の実施形態において、植物は雄性不稔である。
本発明の栽培トマト植物を産生するトマト種子も提供される。
本明細書に記載の栽培トマト植物の植物部分も提供される。特定の実施形態において、本明細書に記載の栽培トマト植物の植物部分から入手可能な植物原料を提供する。
上で同定されたDNAマーカーは、定義された遺伝領域を含有する栽培トマト植物を選択するための迅速なアッセイおよび研究手段を表す。これらのDNAマーカーは、増加した果実硬度に関連付けられる非常に小さい特定の遺伝領域を操作する可能性をもたらす。このことは、DNAマーカーの望ましい組み合わせのために、発達における非常に初期の段階での多数の(1000個の)植物のスクリーニングを可能にするという利点を有し、商業品種のトマトの果実硬度の強化を可能にする。
対照トマト植物と比較して、上述の栽培トマト植物由来の果実の著しく増加した果実硬度に関連付けられるQTLを検出するための方法も提供され、a)ドナートマト植物を受容トマト植物と交配させて、子孫植物を提供するステップと、b)該子孫植物の果実の硬度を定量的に決定するステップと、c)観察される増加した果実硬度を、該子孫植物における該ドナー植物由来の少なくとも1つのDNAマーカーの存在と関連付ける遺伝子連鎖地図を確立するステップと、d)QTLに、著しく増加した果実硬度と関連付けられる該地図上のDNAマーカーに割り当てるステップと、を含む。
好ましくは、該ドナー植物は、該受容植物と比較して、著しく増加した果実硬度を有する果実を有する。
好ましくは、ドナー植物はS.ペンネリイであり、受容植物はS.リコペルシクムである。子孫植物の果実硬度範囲は、収穫期の対照トマト植物から産生される果実の果実硬度範囲よりも1.2〜2倍大きいか、またはあるいは1.2〜1.5倍大きい。好ましくは、収穫期は緑熟期である。好ましくは、少なくとも1つのDNAマーカーは、NT3853、NT3907、TG14、HOX7A、CT277、HB2600、TG353、Lm0127、Lm1650、LE5100、およびLE5200から選択される。好ましくは、該QTLは、a)DNAマーカーNT3853、NT3907、およびTG14のうちの少なくとも1つに関連付けられるQTL1、またはb)HOX7AおよびCT277のうちの少なくとも1つDNAマーカーに関連付けられるQTL2、c)HB2600、TG353のうちの少なくとも1つDNAマーカーに関連付けられるQTL3、d)Lm0127およびLm1650のうちの少なくとも1つDNAマーカーに関連付けられるQTL4、またはe)LE5100およびLE5200のうちの少なくとも1つDNAマーカーに関連付けられるQTL5のうちの1つ以上である。
1つの実施形態において、該QTLは、DNAマーカーNT3853、NT3907、およびTG14のうちの少なくとも1つに関連付けられるQTL1であり、内側の果皮にのみ存在する。
本明細書に記載の方法により検出される栽培トマト植物の果実の増加した果実硬度に関与するQTLも提供される。
1つの実施形態において、該QTLは、第2染色体長腕上に位置する。
1つの実施形態において、NT3853、NT3907、TG14、HOX7A、CT277、HB2600、TG353、Lm0127、Lm1650、LE5100、およびLE5200から成る群から選択される少なくとも1つのDNAマーカーに関連付けられる本明細書に記載のQTLが提供される。
1つの実施形態において、本明細書に記載のQTLが提供され、該QTLは、a)DNAマーカーNT3853、NT3907、およびTG14のうちの少なくとも1つに関連付けられるQTL1、b)DNAマーカーHOX7AおよびCT277のうちの少なくとも1つに関連付けられるQTL2、c)DNAマーカーHB2600、TG353のうちの少なくとも1つに関連付けられるQTL3、d)DNAマーカーLm0127およびLm1650のうちの少なくとも1つに関連付けられるQTL4、またはe)DNAマーカーLE5100およびLE5200のうちの少なくとも1つに関連付けられるQTL5のうちの1つ以上である。
1つの実施形態において、本明細書に記載のQTLが提供され、該QTLは、DNAマーカーNT3853、NT3907、およびTG14のうちの少なくとも1つに関連付けられるQTL1であり、内側の果皮にのみ存在する。
本明細書に記載のQTLを含むトマト植物から得られる単離DNA試料も提供される。
本明細書に記載の増加した果実硬度を有する果実を提供するトマト植物を産生する方法も提供される。
増加した果実硬度を有する果実を提供する子孫栽培トマト植物を産生する方法も提供され、増加した果実硬度に関連付けられるQTLを検出するための方法を実行するステップと、そのように検出された少なくとも1つのQTLを含む核酸を、ドナートマト植物から受容トマト植物に移植するステップを含み、該増加した果実硬度が、対照トマト植物由来の果実と比較して、子孫栽培トマト植物由来の果実において測定される。核酸の移植を、当技術分野で既知のいくつかの方法のうちのいずれか、例えば、形質転換、プロトプラスト融合、倍加半数体技術、または胚救出により実行することができる。
好ましくは、子孫トマト植物の果実硬度範囲は、緑熟期、またはあるいはブレーカ期プラス7日の対照トマト植物由来の果実よりも大きい。果実硬度範囲は、1.2〜2倍大きいか、またはあるいは1.2〜1.5倍大きい場合もある。好ましくは、ドナー植物はS.ペンネリイであり、受容植物はS.リコペルシクムである。好ましくは、該QTLは、a)DNAマーカーNT3853、NT3907、およびTG14のうちの少なくとも1つに関連付けられるQTL1、またはb)DNAマーカーHOX7AおよびCT277のうちの少なくとも1つに関連付けられるQTL2、またはc)DNAマーカーHB2600、TG353のうちの少なくとも1つに関連付けられるQTL3、またはd)DNAマーカーLm0127およびLm1650のうちの少なくとも1つに関連付けられるQTL4、またはe)DNAマーカーLE5100およびLE5200のうちの少なくとも1つに関連付けられるQTL5のうちの1つ以上である。
1つの実施形態において、該QTLは、DNAマーカーNT3853、NT3907、およびTG14のうちの少なくとも1つに関連付けられるQTL1であり、内側の果皮にのみ存在する。
本明細書に記載の方法により入手可能なトマト植物またはその一部も提供される。
本明細書に記載の増加した果実硬度に関与するQTLを含む栽培トマト植物も提供される。
本明細書に記載のトマト植物を、商業的に望ましい特性を示すトマト植物と交配させることにより入手可能な雑種トマト植物またはその一部も提供される。
本明細書に記載のトマト植物を生長させることにより産生されるトマト種子も提供される。
対照植物と比較して、著しく増加した果実硬度を有する植物を得るように、本明細書に記載のトマト植物を、望ましい表現型形質を有する植物と交配させることにより産生されるトマト種子も提供される。
対照植物と比較して、増加した果実硬度を有するトマト植物の産生のために、本明細書に記載のQTLの使用も提供される。
トマト果実の収穫期間を拡大するため、および/または生食用カット野菜市場(fresh cut market)における使用のため、もしくは食品加工のためのトマト植物の使用も提供される。
本明細書に記載の少なくとも1つのQTLを含むトマト植物から製造される加工食品も提供される。
(A)IL2−3、(B)IL2−4、および(C)QTL−NIL301遺伝子移入の表示である。近位および遠位マーカーは、(黒色で示された)遺伝子移入領域と(灰色で示された)M82領域を区切るために使用される。 IL2−3F1系統の(A)外側の果皮および(B)内側の果皮における機械的測定は、M82対照と比較して、ブレーカ期プラス7日以上の強化した果実硬度を呈する。それぞれのグラフは、Y軸に最大荷重(N)およびX軸に果実発育期を示す。系統M82は実線で表される。系統IL2−3F1は点線で表される。果実発育期:MGが緑熟期、Bがブレーカ期、B+3がブレーカ期プラス3日、B+5がブレーカ期プラス5日、B+7がブレーカ期プラス7日、B+10がブレーカ期プラス10日である。 Syngenta SSRならびに公開されたRFLPおよびPCRベースのマーカーに関する組換え事象の分布を示すための、(A)IL2−3 F2および(B)IL2−4 F3のランダムに選択された系統の遺伝子型決定である。記号解:A=M82、B=S.ペンネリイ、H=ヘテロ接合体、*=欠測値。SSRマーカーは、左欄に示される。選択された系統は、上列に示される。 (A)外側の果皮および(B)内側の果皮の果実硬度を測定することにより決定された、トマトの第2染色体上の増加した果実硬度についてのQTLの位置である。QTLは、黒色の実線バーで示される。外側の果皮について、QTLは、左から右に、QTL2、QTL4、QTL5、およびQTL3に対応する。内側の果皮について、QTLは、左から右に、QTL1、QTL2、QTL4、QTL5、およびQTL3に対応する。マーカー位置およびそれらの間の距離(センチモルガン単位)は、X軸上のQTL位置の下に示される。LODスコアは、Y軸上に示される。 2007年および2008年の選択されたヘテロ接合性組換え個体ならびに親系統の外側および内側の果皮の平均果実硬度決定である。Y軸は最大荷重(N)を示し、X軸は系統番号を表す。(A)2007年の外側の果皮、(B)2007年の内側の果皮、(C)2008年の外側の果皮、(D)2008年の内側の果皮。 M82親と比較して、IL2−3で高レベルの発現を示すペクチンメチルエステラーゼ/ペクチンメチルエステラーゼ阻害剤(PME)である。PMEの規準化されたmRNA発現レベルは、Y軸上に示される。開花後の日数がX軸上に示される。記号解:白色のバー=IL2−3、実線バー=M82。 (A)外側の果皮および(B)内側の果皮において測定された、緑熟期(Mで示される)またはブレーカ期(Bで示される)の系統M82、IL2−4、IL2−3、1088、301、769、および910中のエチレン応答因子12の規準化された相対mRNA濃度である。(C)外側の果皮および(D)内側の果皮に関する同一の系統からの質感データが示される。H文字は、系統がヘテロ接合遺伝子移入を有することを示す。 (A)外側の果皮および(B)内側の果皮において測定された、緑熟期(Mで示される)またはブレーカ期(Bで示される)の系統M82、IL2−3、124、142、301、および331中のペクチンメチルエステラーゼの規準化された相対mRNA濃度である。(C)外側の果皮および(D)内側の果皮に関する同一の系統からの質感データが示される。H文字は、系統がヘテロ接合遺伝子移入を有することを示す。 (A)外側の果皮および(B)内側の果皮において測定された、緑熟期(Mで示される)の系統M82、IL2−4、およびIL2−3中のdof亜鉛フィンガータンパク質6の規準化された相対mRNA濃度である。 (A)は、マーカー位置を示す外側の果皮についての詳細なQTL地図であり、(B)マーカー位置を示す内側の果皮についての詳細なQTL地図である。
定義
本出願の範囲内で使用される技術用語および表現は、概して、別途以下の本明細書に示されない限り、植物育種および栽培の関連技術において、それらに一般に適用される意味をもたらすべきである。
本明細書および添付の特許請求の範囲で使用される、単数形「ある(a)」、「ある(an)」、および「その(the)」は、文脈が別途明確に示さない限り、複数形参照対象を含む。したがって、例えば、「ある植物」への言及は、1つ以上の植物を含み、「ある細胞」への言及は、細胞および組織の混合物等を含む。
本明細書で使用される「約」という用語は、質量、重量、時間、体積、濃度、もしくは割合の値または量を指すとき、そのような変形が開示の方法を実行するのに適切であるとして、規定量からいくつかの実施形態では±20%、いくつかの実施形態では±10%、いくつかの実施形態では±5%、いくつかの実施形態では±1%、いくつかの実施形態では±0.5%、およびいくつかの実施形態では±0.1%の変形を包含するよう意図されている。
「対立遺伝子」は、本発明の範囲内において、それらが相同染色体中の同一の遺伝子座に位置付けられるため、遺伝において代替物である、遺伝子または任意の種類の同定可能な遺伝要素の異なる形態と同一であるか、あるいはそれに関連付けられる種々の遺伝単位の代替物もしくは変形を指すと理解される。そのような代替物もしくは変形は、単一ヌクレオチド多型、挿入、逆位、転座、または欠失の結果であり得るか、あるいは例えば、化学もしくは構造修飾、転写調節、または翻訳後修飾/調節によって引き起こされる遺伝子調節の結果であり得る。2倍体細胞もしくは生物において、所与の遺伝子または遺伝要素の2つの対立遺伝子は、典型的には、一対の相同染色体上で対応する遺伝子座を占有する。
量的形質に関連付けられる対立遺伝子は、単一の遺伝子もしくは複数の遺伝子またはそれらの産物、あるいはさらには該QTLで表される表現型に寄与する遺伝因子を破壊する遺伝子、またはそれによって制御される遺伝子と同一であるか、あるいはそれに関連付けられる遺伝単位を含む、種々の遺伝単位の代替物もしくは変形を含み得る。
本明細書で使用される「戻し交配」という用語およびその文法的変形は、育種者が、雑種子孫を親の1つ、例えば、第一代雑種F1を、F1雑種の親遺伝子型のうちの1つに戻して交配させる過程を指す。いくつかの実施形態では、戻し交配は繰り返し実行され、1回の戻し交配の子孫個体自体が、同一の親遺伝子型に戻し交配される。
本明細書で使用される「育種」という用語およびその文法的変形は、子孫個体を生成する任意の過程を指す。育種は、有性もしくは無性、またはそれらの任意の組み合わせであり得る。育種の例示的な種類には、交配、自家受粉、倍加半数体誘導体生成、およびそれらの組み合わせが挙げられるが、それらに限定されない。
本発明の目的で、「共分離」という用語は、形質の対立遺伝子およびマーカーの対立遺伝子が同一の染色体上で物理的に近接しているため、それらがともに伝送される(それらの物理的近接の理由から、それらの間の組換えを減少させる)傾向があり、それらの対立遺伝子の非ランダム会合をもたらすという事実を指す。「共分離」は、その少なくとも1つが遺伝子的であり、偶然であっても容易に説明することができない、単一植物中の2つ以上の形質の存在も指す。
「栽培トマト植物」は、本発明の範囲内において、もはや天然の状態ではないが、人の手入れにより、かつ人による使用および/または消費のために開発された植物を指すと理解される。「栽培トマト植物」は、天然の形質および/またはそれらの天然の遺伝的特徴の一部として、この本発明の主題である形質を含む野生型種を除外するとさらに理解される。野生型種がタバコモザイクウイルスへの耐性を示さない一方で、栽培トマト植物は、典型的には、タバコモザイクウイルスへの耐性も示す。
2つの主なトマト生長の種類に、有限生長および無限生長がある。有限生長は「ブッシュ」トマトを産生し、コンパクト性の理由から育種される。頂果が熟成した時点で全ての植物の生長が止まり、果実の残り全てが同時に熟成し、その後植物が枯死する。無限生長は、高さ最大10フィートまで生長することができるトマト(いわゆる「バイン」トマト)を産生し、霜で枯れた時にのみ生長が止まる。それらの果実は順に完熟する。典型的な植物において、全ての生長は、それぞれが3枚の葉および複数の花をつけた花序を産生するモジュラー仮軸ユニットの反復から生じる。M82を含む、全ての屋外で生長した品種のトマトは、それらの芽が平均6つの仮軸ユニットを産生し、それぞれ、生長の早期終了前にその中でその葉の数が徐々に減少する単一の花序を持つ、有限植物である。概して、有限トマトは、露地生産に好適である。中限および無限「栽培」品種は、露地または保護ネットにおける杭で区画された栽培および温室栽培に好適である。本発明の目的で、S.ペンネリイ遺伝子移入系統、例えば、IL2−3およびIL2−4が、栽培系統と見なされない一方で、親系統M82および組換え系統、例えば、QTL−NIL301は、栽培系統と見なされる。
本明細書で使用される「二ゲノム性半数体系」という用語は、別の培養物に由来する安定した近交系統を指す。特定の培地および環境で栽培されるいくつかの花粉粒(半数体)栽培は、n染色体を含有する小植物を生み出すことができる。次に、これらの小植物は「倍加され」、2n染色体を含有する。これらの小植物の子孫は、「二ゲノム性半数体」と命名され、本質的にはもはや分離しない(安定している)。
本明細書で使用される「遺伝子」という用語は、染色体上の特定の位置を占有し、かつ生物における特定の特性または形質に関する遺伝的指示を含有するDNAの配列を含む遺伝的ユニットを指す。
本明細書で使用される「QTLにおける遺伝的構造」という用語は、関心の表現型形質と統計的に相関し、かつ関心の表現型形質根本的な遺伝学的基礎を表すゲノム領域を指す。
「遺伝子操作」、「形質転換」、および「遺伝子修飾」は全て、DNA、通常、別の生物の染色体DNAまたはゲノムへの単離およびクローン化遺伝子の移植を表すための同義語として本明細書で使用される。
本明細書で使用される「遺伝子マーカー」、「DNAマーカー」、または「分子マーカー」という語句は交換可能であり、1つ以上の関心の遺伝子座に関連付けられる個体のゲノム(例えば、個体のゲノムに存在するヌクレオチドもしくはポリヌクレオチド配列)の特長を指す。いくつかの実施形態において、遺伝子マーカーは、状況に応じて、関心の集団または多型によって占有される遺伝子座において多型である。遺伝子マーカーには、例えば、多くの他の例において、単一ヌクレオチド多型(SNP)、挿入欠失(すなわち、挿入/欠失)、単純配列反復(SSR)制限断片長多型(RFLP)、ランダム増幅多型DNA(RAPD)、切断増幅多型配列(CAPS)マーカー、多様性配列技術(DArT)マーカー、および増幅断片長多型(AFLP)が含まれる。遺伝子マーカーを、例えば、表現型形質の可変性に寄与する染色体上に対立遺伝子を含有する遺伝子座を位置付けるために用いることができる。「遺伝子マーカー」という語句は、プローブとして使用される核酸の配列等のゲノム配列と相補的なポリヌクレオチド配列も指すことができる。遺伝子または分子マーカーを、それが関連付けられる遺伝子座に対して遠位または近位である(すなわち、それぞれ、遺伝子内または遺伝子外にある)染色体上の位置に物理的に位置付けることができる。つまり、例えば、関心の遺伝子座に対応する遺伝子の外側の制御要素内の遺伝子または機能的変異の染色体上の位置が同定されず、かつ遺伝子マーカーと関心の遺伝子座との間の非常に遅い速度の組換えが存在する場合に、遺伝子マーカーが典型的には採用される一方で、本開示の主題は、遺伝子座の境界内(例えば、これに制限されないが、遺伝子のイントロンまたはエクソン内の多型等の遺伝子に対応するゲノム配列の内側)に物理的に存在する遺伝子マーカーを採用することもできる。本開示の主題のいくつかの実施形態において、1つ以上の遺伝子マーカーは、1〜10個のマーカーを含み、いくつかの実施形態では、1つ以上の遺伝子マーカーは、10個超の遺伝子マーカーを含む。
本明細書で使用される「遺伝子型」という用語は、細胞または生物の遺伝子構成を指す。個体の「一式の遺伝子マーカーにおける遺伝子型」は、個体のハプロタイプ中に存在する1つ以上の遺伝子マーカー遺伝子座における特定の対立遺伝子を含む。当分野で既知であるように、遺伝子型は、遺伝子座が関係しているか否か、および/または関連付けられるか否かに関わらず、単一遺伝子座または複数の遺伝子座に関連し得る。いくつかの実施形態では、個体の遺伝子型は、遺伝子のうちの1つ以上が関心の表現型(例えば、本明細書で定義される量的形質)の発現に関与することに関連する、1つ以上の遺伝子に関連する。したがって、いくつかの実施形態において、遺伝子型は、量的形質のうちの1つ以上の遺伝子座における個体内に存在する1つ以上の対立遺伝子の概略を含む。いくつかの実施形態において、遺伝子型は、ハプロタイプの観点から表される(以下の本明細書に定義される)。
「ヘテロ接合体」は、本発明の範囲内で、相同染色体上のうちの1つ以上の対応する遺伝子座における同様の対立遺伝子を指すと理解される。
「ホモ接合体」は、本発明の範囲内で、相同染色体上のうちの1つ以上の対応する遺伝子座における同様の対立遺伝子を指すと理解される。
本明細書で使用される、植物育種の文脈における「雑種」という用語は、2つの近交系統間の交配を含むが、それに限定されない異なる系統または品種もしくは種の植物を交配させることにより産生される遺伝的に異なる親の子孫である植物を指す。
本明細書で使用される「ハイブリダイズ」という用語は、従来のハイブリダイゼーション条件、好ましくは、5×SSPE、1%SDS、1×Denhardts溶液が溶液として用いられ、および/またはハイブリダイゼーション温度が35℃〜70℃、好ましくは、65℃である、ハイブリダイゼーション条件を指す。ハイブリダイゼーション後、好ましくは、35℃〜75℃、具体的には、45℃〜65℃であるが、特に59℃の温度で、最初に2×SSC、1%SDS、その後、0.2×SSCで洗浄を行う(SSPE、SSC、およびDenhardts溶液の定義に関しては、Sambrook et al.(2001)を参照のこと)。例えば、Sambrook et al.(2001)で説明される高ストリンジェンシーのハイブリダイゼーション条件が特に好ましい。特に好ましいストリンジェントなハイブリダイゼーション条件は、例えば、ハイブリダイゼーションおよび洗浄が上述のように65℃で起こる場合に存在する。例えば、45℃でハイブリダイゼーションおよび洗浄が行われる非ストリンジェントなハイブリダイゼーション条件は、比較的好ましくなく、35℃ではさらに比較的好ましくない。
本明細書で使用される「近交系統」という語句は、遺伝的にホモ接合性またはほぼホモ接合性の集団を指す。近交系統を、例えば、兄弟/姉妹繁殖もしくは自家受粉のいくつかのサイクルを通して、または二ゲノム性半数体産生において得ることができる。いくつかの実施形態において、近交系統繁殖は、1つ以上の関心の表現型形質に当てはまる。「近交系」、「近交系個体」、または「近交系子孫」は、近交系統からサンプリングされる個体である。
本明細書で使用される「遺伝子移入」、「遺伝子移入される」、および「遺伝子移入する」という用語は、これらの種を交配させることによって、1つの種、種類、もしくは品種の遺伝子、QTL、またはハプロタイプが、別の種、種類、もしくは品種のゲノムの中に移動されることによる過程を指す。交配は、自然または人工的であり得る。その親のうちの1つとの種間雑種の繰り返しの戻し交配を介する、別の種の遺伝子プール内への1つの種の遺伝子の浸潤を指す場合に、この過程を、任意で、反復親に戻し交配させることにより完了することができる。遺伝子移入を、受容植物のゲノム内に安定して組み込まれる異種遺伝物質として説明してもよい。
本明細書で使用される「連鎖」という用語およびその文法的変形は、いくつかの実施形態において、それらの物理的近接の結果として、それらの伝送が独立している場合に、偶然にも予想されるであろうよりも高い頻繁でともに分離する、同一の染色体上の異なる遺伝子座における対立遺伝子の傾向を指す。連鎖は、遺伝子座間の組換え率により測定される(センチモルガン、cM)。
本明細書で使用される「連鎖群」という語句は、同一の染色体上に位置する遺伝子または遺伝形質の全てを指す。連鎖群内で、相互に十分に近接したこれらの遺伝子座は、遺伝的交配における連鎖を示すことができる。交差の確立が染色体上の遺伝子座間の物理的距離とともに増加するため、位置が連鎖群内で相互から離れて除去される遺伝子座が、直接遺伝子検査において任意の検出可能な連鎖を示さない場合もある。「連鎖群」という用語は、染色体の配置が依然として行われていない遺伝系における連鎖作用を示す遺伝子座を指すために主に使用される。したがって、当業者であれば、連鎖群を所与の染色体の(すなわち、完全な状態に満たない)領域に相当するように定義することもできることを理解するが、本文脈における「連鎖群」という用語は、染色体の物理的実体と同義である。
「遺伝子座」は、本発明の範囲内で、形質に寄与する遺伝子または任意の他の遺伝要素もしくは因子を含む、染色体上の領域を指すと理解される。
本明細書で使用される「マーカー対立遺伝子」という用語は、表現型形質の可変性に寄与する染色体上に対立遺伝子を含有する遺伝子座を位置付けるためのマーカーとして使用される時に、本明細書の上で定義される遺伝単位の代替物または変形を指す。
「マーカーに基づく選択」は、本発明の範囲内で、例えば、植物から1つ以上の核酸を検出するための遺伝子マーカーの使用を指すと理解され、これらの植物を選択的な育種プログラムで使用する(または回避する)ことができるように、核酸が、遺伝子、QTL、またはハプロタイプを担持する植物を同定するように、所望の形質に関連付けられる。
「マーカー利用選抜」は、栽培植物から1つ以上の核酸を検出することにより、1つの栽培植物または複数の栽培植物における1つの所望の形質または複数の所望の形質を選択する過程を指し、核酸は、所望の形質に関連付けられる。
本明細書で使用される「マーカー遺伝子座」は、個体のゲノム中に存在し、かつ1つ以上の関心の遺伝子座に関連付けられるヌクレオチドまたはポリヌクレオチド配列を含む染色体上の領域を指し、形質に寄与する遺伝子または任意の他の遺伝要素もしくは因子を含み得る。「マーカー遺伝子座」は、染色体上の領域も指し、プローブとして使用される核酸の配列等のゲノム配列と相補的なポリヌクレオチド配列を含む。
「マイクロサテライトまたはSSR(単純配列反復)マーカー」は、本発明の範囲内において、DNA塩基の短配列の幾多の繰り返しから成る遺伝子マーカーの一種を指すと理解され、植物のゲノムにわたって遺伝子座で見つけられ、かつ高度に多型である可能性を有する。
「核酸」または「オリゴヌクレオチド」もしくは「ポリヌクレオチド」または本明細書で使用されるその文法的に同等のものは、ともに共有結合した少なくとも2つのヌクレオチドを意味する。オリゴヌクレオチドは、典型的には、約7、8、9、10、12、15、18、20、25、30、40、50個または最大約100個のヌクレオチド長である。核酸およびポリヌクレオチドは、例えば、200、300、500、1000、2000、3000、5000、7000、10000等のより長い長さを含む、任意の長さのポリマーである。一部の例では、例えば、ホスホロアミデート、ホスホロチオエート、ホスホロジチオエート、またはO−メチルホスホロアミダイト連結(Eckstein,1991を参照のこと)、ならびにペプチド核酸骨格および連結を含む代替骨格を有し得る核酸類似体が含まれるが、本発明の核酸は、概して、リン酸ジエステル結合を含有する。自然発生核酸および類似体の混合物を使用することができる。オリゴヌクレオチドの特に好ましい類似体は、ペプチド核酸(PNA)である。
本明細書で使用される「子孫」植物という用語は、1つ以上の親植物もしくはその子孫からの栄養生殖または有性生殖からの子孫として生じる任意の植物を指す。例えば、親植物のクローン化もしくは自家受粉により、または2つの親植物を交配させることにより子孫植物を得ることができ、自家受粉、ならびにF1もしくはF2またはさらに先の世代を含む。F1は、親から産生される第一代子孫であり、その親のうちの少なくとも1つが形質のドナーとして始めて使用される一方で、第二代(F2)または次の世代(F3、F4等)の子孫は、F1、F2等の自家受粉から産生される検体である。したがって、F1が、(真の育種は形質においてホモ接合体である)2つの真の育種親の間の交配から生じる雑種であり得る(いくつかの実施形態では雑種である)一方で、F2は、F1雑種の自家受粉から生じる子孫であり得る(いくつかの実施形態では雑種である)。
「PCR(ポリメラーゼ連鎖反応)」は、本発明の範囲内において、比較的大量のゲノム中のDNAまたはサブセットの特定の領域を産生し、それによって、これらの領域に基づく種々の分析を可能にする方法を指すと理解される。
「PCRプライマー」は、本発明の範囲内において、DNAの特定の領域のPCR増幅において使用される単鎖DNAの比較的短い断片を指すと理解される。
本明細書で使用される「表現型」または「表現型形質」という表現は、そのゲノム、プロテオーム、および/もしくはメタボロームと環境との相互作用から生じる、個体の存在または他の検出可能な特性を指す。
「植物」は、任意の発達段階における任意の植物、具体的には、種子植物である。
「植物細胞」は、プロトプラストおよび細胞壁を含む、植物の構造および生理学的単位である。植物細胞は、単離した単一組織もしくは培養細胞の形態であるか、あるいは例えば、植物細胞、植物器官、または植物全体等のより高度に組織化された単位の一部であり得る。
「植物細胞培養」とは、例えば、様々な発達段階における、プロトプラスト、細胞培養細胞、植物組織中の細胞、花粉、花粉管、胚珠、胚嚢、接合子、および胚芽等の植物単位の培養を意味する。
「植物原料」は、葉、茎、根、花もしくは花部、果実、花粉、卵細胞、接合子、種子、挿し木、細胞もしくは組織培養物、または植物の任意の他の部分もしくは産物を指す。
本明細書で使用される「植物部分」という語句は、植物中で無傷である植物細胞、細胞集塊、および植物を再生することができる組織培養物等の単一の細胞および細胞組織を含む植物の一部を指す。植物部分の例として、花粉、胚珠、葉、胚、根、根端、葯、花、果実、茎、芽、および種子、ならびに接ぎ穂、根茎、プロトプラスト、カルス等由来の単一の細胞および組織が挙げられるが、それらに限定されない。
本明細書で使用される「植物組織」は、構造および機能単位に組織化される植物細胞の一群を意味する。植物体または培養物中の植物の任意の組織が含まれる。この用語は、植物全体、植物器官、植物種子、組織培養物、および構造および/または機能単位に組織化される植物細胞の任意の群を含むが、それらに限定されない。上に列挙されるような、あるいはさもなければこの定義により包含されるような任意の特定の種類の植物組織と併せた、またはその不在下でのこの用語の使用は、任意の他の種類の植物組織を除外するようには意図しない。
「多型」は、本発明の範囲内において、例えば、選択的スプライシング、DNAメチル化等を介して入手可能である遺伝子、遺伝子マーカー、または遺伝形質もしくは遺伝子産物のうちの2つ以上の異なる形態の集団における存在を指すと理解される。
本明細書で使用される「集団」という用語は、共通の遺伝的誘導を共有する植物の遺伝的に異種の収集物を意味する。
本明細書で使用される「プローブ」は、特定の標的分子または細胞構造を認識し、かつそれに結合することができ、したがって、標的分子または構造の検出を可能にする、原子もしくは分子の群を指す。具体的には、「プローブ」は、分子ハイブリダイゼーションにより相補配列の存在を検出し、かつそれを定量化するために使用することができる、標識化DNAまたはRNA配列を指す。
本明細書で使用される「子孫」という用語は、特定の交配の子孫を指す。典型的には、いくつかの種(具体的には、いくつかの植物および雌雄両性動物)を自家受粉する(すなわち、同一の植物が雄性および雌性配偶子の両方のドナーとして機能する)ことができるが、子孫は、2つの個体の育種から生じる。子孫は、例えば、F1、F2、または任意の次世代であり得る。
「QTL」という用語は、本明細書において、その当技術分野で認識される意味で使用される。「トマトの増加した果実硬度に関連付けられるQTL」という用語、ならびに「増加した果実硬度についてのQTL」というより短い用語は、増加した果実硬度に関与する少なくとも1つの遺伝子に関連付けられるトマトの特定の染色体上に位置する領域、または少なくとも1つの制御領域、すなわち、増加した果実硬度に関与する1つ以上の遺伝子の発現を制御する染色体の領域を指す。QTLは、例えば1つ以上の遺伝子を含む場合もあり、それらの産物は、増加した果実硬度を与える。あるいは、QTLは、例えば制御遺伝子または配列を含む場合もあり、それらの産物は、植物のゲノム中の他の遺伝子座上の遺伝子の発現に影響を与え、それによって、増加した果実硬度を与える。本発明のQTLは、1つ以上の分子ゲノムマーカーを用いて、それぞれの野生トマト系統種のゲノム中のそれらの遺伝子の位置を示すことにより定義することができる。1つ以上のマーカーは、順に、特定の遺伝子座を示す。遺伝子座間の距離は、通常、同一の染色体上の遺伝子座間の交差の頻度により測定される。2つの遺伝子座が離れているほど、交差がその間で起こる可能性は高い。逆に、2つの遺伝子座が近接している場合、交差がその間で起こる可能性は低い。原則として、1センチモルガン(cM)は、遺伝子座(マーカー)間の1%組換えに等しい。QTLを複数のマーカーで示すことができるとき、終点マーカー間の遺伝的距離は、QTLの大きさを示す。
本明細書で使用される「QTL1」、「QTL2」、「QTL3」、「QTL4」、および「QTL5」という用語は、それぞれ、マーカーNT3853、NT3907およびTG14、HOX7AおよびCT277、HB2600およびTG353、Lm0127およびLm1650、ならびにLE5100およびLE5200により定義される増加したトマト硬度に関連付けられるゲノム領域を指す。本開示の目的で、これらのマーカーは、S.ペンネリイの第2染色体上に存在すると考えられている。
「定量的に決定する」という用語は、量および数の観点で、測定、具体的には、測定可能な態様の測定を伴う様式で確証または評価することとして本明細書で定義される。重大度の決定およびより大きい、より多い、より小さい、もしくは同等、または増加もしくは減少した規模の指示は、「定量的に決定する」という本用語に含まれず、この用語は、究極的には絶対値を決定するための目的の計数機構の存在を暗示する。
「受容トマト植物」という用語は、増加した果実硬度のQTLを含むドナートマト植物から得られるDNAを受容するトマト植物を示すために本明細書で使用される。該「受容トマト植物」は、果実硬度において1つ以上のQTLをすでに含む場合もあり、あるいは含まない場合もあり、その場合、本用語は、追加のQTLを受容する植物を示す。
「生まれつきの遺伝的バックグラウンド」という用語は、QTLの最初の遺伝的バックグラウンドを示すために本明細書で使用される。そのようなバックグラウンドは、例えば、トマトの野生系統種のゲノムであり得る。例えば、本発明のQTLは、S.ペンネリイの第2染色体上の特定の位置で見つけられた。例として、S.ペンネリイは、S.ペンネリイの第2染色体上にQTL1、2、3、4、および5の生まれつきの遺伝的バックグラウンドを示す。逆に、S.ペンネリイの第2染色体から別のトマト種、好ましくは栽培S.リコペルシクムの第2染色体上の同一の位置への、これらのQTLまたはその果実硬度付与部分を含むDNAの移植を伴う方法は、これらのQTLまたは該果実硬度付与部分をもたらし、その生まれつきの遺伝的バックグラウンドには存在しない。
この適用において、「組換え事象」は、減数分裂交差を意味すると理解される。
「配列相同性」または「配列同一性」は、本明細書で同義に使用される。2つ以上の核酸またはタンパク質配列の文脈において「同一」もしくは「パーセント同一性」という用語は、以下の配列比較アルゴリズムのうちの1つを用いて、または目視検査によって測定される最大一致において比較および調整される時、同一であるか、あるいは同一であるアミノ酸残基またはヌクレオチドの特定の割合を有する2つ以上の配列もしくは部分列を指し、相互に比較される2つの配列が長さの点で異なる場合、配列同一性は、好ましくは、より長い配列のヌクレオチド残基と同一であるより短い配列のヌクレオチド残基の割合に関する。配列同一性を、Bestfitプログラム(Wisconsin Sequence Analysis Package,Version 8 for Unix,Genetics Computer Group,University Research Park,575 Science Drive Madison,Wl 53711)等のコンピュータプログラムを使用して、従来方式で決定することができる。Bestfitは、2つの配列間の最大配列同一性を有する区分を見つけるために、SmithおよびWaterman(1981)の局所相同性アルゴリズムを利用する。特定の配列が、例えば、本発明の参照配列と95%の同一性を有するかを決定するために、Bestfitまたは別の配列アラインメントプログラムを用いる時、パラメータは、好ましくは、同一性の割合が参照配列の全長にわたって計算されるように、かつ参照配列中のヌクレオチドの総数の最大5%の相同性ギャップが許容される調整される。Bestfitを用いる時、いわゆる任意のパラメータは、好ましくは、それらの既定(「初期」)値で放置される。所与の配列と上述の本発明の配列との間の比較で見られる偏差は、例えば、付加、欠失、置換、挿入、または組換えにより引き起こされる場合もある。そのような配列比較を、好ましくは、プログラムfasta20u66"(William R.Pearsonおよびバージニア大学による1998年9月のバージョン2.0u65;W.R.Pearson(1990)、添付の例、およびhttp://workbench.sdsc.edu/も参照のこと)を用いて行うこともできる。このために「初期」パラメータ設定を用いることができる。
2つの核酸配列が実質的には同一であるということは、2つの分子がストリンジェントな条件下で相互にハイブリダイゼーションすることを別に示す。「特異的にハイブリダイズする」という語句は、特定のヌクレオチド配列が複雑な混合物(例えば細胞全体の)DNAまたはRNA中に存在する場合、ストリンジェントな条件下でその配列にのみ分子が結合、二重鎖形成またはハイブリダイズすることを指す。「実質的に結合する」は、プローブ核酸と標的核酸との間の相補的ハイブリダイゼーションを指し、標的核酸配列の所望の検出を達成するために、ハイブリダイゼーション媒体のストリンジェンシーを低下させることによって適合させることができる小規模のミスマッチを含む。
本明細書で使用される「有性的に交配した」および「有性生殖」という語句は、本開示の主題の文脈において、(植物の受粉により種子を産生する等の、例えば、受精によって)子孫を産生するための配偶子の融合を指す。「有性交配」または「交配受精」は、いくつかの実施形態において、1つの個体の別の個体との受精である(例えば、植物の交配受粉)。「自家受粉」という用語は、いくつかの実施形態において、自家受精または自家受粉による種子の産生を指し、すなわち、花粉および胚珠が同一の植物由来である。
「単一ヌクレオチド多型」(SNP)は、ゲノム中の単一のヌクレオチドA、C、G、T(またはミトコンドリアDNAとしての他の共有配列)が、個体の一組の(対合)染色体間で異なるか、あるいは種のメンバー間で異なる場合に起こるDNA配列変動である。
「標準温室条件」および「標準条件」という用語は、例えば、罹患果実硬度の表現型を特徴付ける目的で、標準とされる、植物が生長するか、あるいはインキュベートされる、光、湿度、温度等の条件を指す。生長条件は、例えば、16時間(光合成光量子束(PPF)50〜1000μmol nv2 s1)の光周期、好ましくは、8時間暗黒の体制、日中約20℃および夜間18℃の空気温度、大気中の酸素濃度および大気中の空気圧(概して、1008hPa)における約60%〜85%の相対湿度(RH)に相当する約4.4g m3の水蒸気圧欠損であり得る。水および栄養素を、液滴で、またはスプレーもしくは噴霧の形態で茎付近に与えてもよい。
サザンおよびノーザンハイブリダイゼーション等の核酸ハイブリダイゼーション実験の文脈において、「ストリンジェントなハイブリダイゼーション条件」および「ストリンジェントなハイブリダイゼーション洗浄条件」とは、配列依存的であり、異なる環境パラメータ下で異なる。より長い配列は、より高い温度で特異的にハイブリダイズする。核酸のハイブリダイゼーションへの広範囲に及ぶ指針は、Tijssen(1993)Laboratory Techniques in Biochemistry and Molecular Biology−Hybridization with Nucleic Acid Probes part 1 chapter 2“Overview of principles of hybridization and the strategy of nucleic acid probe assays"Elsevier,New Yorkで見出される。概して、高度にストリンジェントなハイブリダイゼーションおよび洗浄条件は、規定のイオン強度およびpHで、特定の配列において、熱融解点よりも約5℃低くなるように選択される。典型的には、「ストリンジェントな条件」下で、プローブは、その標的部分列にハイブリダイズするが、他の配列にはハイブリダイズしない。
熱融解点は、(定義されるイオン強度およびpH下で)標的配列の50%が、完全に一致するプローブにハイブリダイズする温度である。非常にストリンジェントな条件は、特定のプローブの融解温度と等しくなるように選択される。サザンまたはノーザンブロットにおけるフィルタ上に100個超の相補的残基を有する相補的核酸のハイブリダイゼーションのためのストリンジェントなハイブリダイゼーション条件の例は、42℃で1mgのヘパリンを有する50%のホルムアミドであり、ハイブリダイゼーションは終夜行われる。高度にストリンジェントな洗浄条件の例は、72℃で約15分間の0.15M NaClある。ストリンジェントな洗浄条件の例として、65℃で15分間の0.2倍のSSC洗浄がある(SSC緩衝液の記述については、以下、Sambrookを参照のこと)。多くの場合、高ストリンジェンシー洗浄は、バックグラウンドプローブ信号を除去するために、低ストリンジェンシー洗浄から始まる。例えば、100個を超えるヌクレオチドの二重鎖のための中程度のストリンジェンシー洗浄の例は、45℃で15分間の1倍のSSCである。例えば、100個を超えるヌクレオチドの二重鎖のための低ストリンジェンシー洗浄の例は、40℃で15分間の4〜6倍のSSCである。短いプローブ(例えば、約10〜50個のヌクレオチド)に関して、ストリンジェントな条件は、典型的には、約1.0M未満のナトリウムイオン濃度の塩濃度、典型的には、pH7.0〜8.3の約0.01〜1.0Mのナトリウムイオン濃度(または他の塩)を伴い、温度は、典型的には、少なくとも約30℃である。ストリンジェントな条件を、ホルムアミド等の不安定化剤の添加を伴って達成することもできる。概して、特定のハイブリダイゼーションアッセイにおいて無関係のプローブについて観察されるものの2倍(またはそれ以上)の信号対ノイズ比は、特異的ハイブリダイゼーションの検出を示す。ストリンジェントな条件下で相互にハイブリダイズしない核酸は、それらがコードするタンパク質が実質的に同一である場合、依然として実質的に同一である。これは、例えば、核酸のコピーが遺伝子コードによって許可される最大のコドン縮重を用いて作成される時に起こる。
本明細書で使用される「トマト」という用語は、ソラヌム・リコペルシクム種(同義語は、リコペルシコン・リコペルシクム(Lycopersicon lycopersicum)もしくはリコペルシコン・エスクレンタム(Lycopersicon esculentum)である)、またはL.セラシフォルム(L.cerasiforme)、L.ケエスマニイ(L.cheesmanii)、L.チレンセ(L.chilense)、L.クミリウスキイ(L.chmielewskii)、L.エスクレンタム(L.esculentum)(現在はS.ペンネリイ)、L.ヒルスタム(L.hirsutum)、L.パルビポラム(L.parviborum)、L.ペンネリイ(L.pennellii)、L.ペルビアナム(L.peruvianum)、L.ピンピネリフォリウム(L.pimpinellifolium)、もしくはS.リコペルシコイデス(S.lycopersicoides)を含むが、これらに限定されないリコペルシコン(Lycopersicon)の属名下でかつて知られていた種の範囲内の任意の品種、系統、または集団を意味する。L.エスクレンタムについて新たに提案された学名は、S.ペンネリイである。同様に、野生種の名前は変わり得る。L.ペンネリイはS.ペンネリイになり、L.ヒルスタムはS.ハブロカイテス(S.habrochaites)になってもよく、L.ペルビアナムをS.'Nペルビアナム'(S.'N peruvianum')およびS.'カレヨンデヒュアイレス'(S.'Callejon de Huayles')、S.ペルビアナム、ならびにS.コルネリオムエルレリ(S.corneliomuelleri)に分けてもよく、L.パルビフロラム(L.parviflorum)はS.ネオリキイ(S.neorickii)になってもよく、L.クミリウスキイはS.クミリウスキイになってもよく、L.チレンセはS.チレンセになってもよく、L.ケエスマニアエ(L.cheesmaniae)はS.ケエスマニアエ(S.cheesmaniae)もしくはS.ガラパゲンセ(S.galapagense)になってもよく、L.ピンピネリフォリウムはS.ピンピネリフォリウムになってもよい(Knapp(2005)。
「形質」は、本発明の範囲内において、特性または表現型、例えば、増加した果実硬度を指すと理解される。形質は、優性もしくは劣性様式で継承されてもよく、あるいは単一遺伝子性または多遺伝子性であってもよい。
「単一遺伝子性」は、本発明の範囲内において、単一の遺伝子座により決定されることを指すと理解される。
「多遺伝子性」は、本発明の範囲内において、2つ以上の遺伝子座により決定されることを指すと理解される。
「優性」は、本発明の範囲内において、ヘテロ接合またはホモ接合状態において存在する時に表現型を決定する対立遺伝子を指すと理解される。
「劣性」対立遺伝子は、ホモ接合状態に存在する時にのみ表示される。
「同質遺伝子的」は、本発明の範囲内において、栽培植物が異種DNA配列の存在または不在により異なり得ることを除いて、遺伝的に同一である栽培植物を指すと理解される。
「収穫期」は、本発明の範囲内において、収穫日、すなわち、トマト果実が植物から除去される日を意味すると理解される。
「緑未熟期(Immature Green stage)」は、果実が未熟であり、依然として大きく生長している段階であると定義される。この段階は、熟成過程の第1の段階であると理解される。
「緑熟期」は、果実が完全に大きくなって成熟したが、熟しておらず、熟成過程の「緑未熟期」に続く段階であると定義される。緑熟トマトは、花床に白色から黄色の「星形」を有する。緑熟期に収穫される伝統的なトマトは、より熟した段階よりも手荒な出荷に高い耐性を示し、かつ保存、輸送、およびスーパーマーケットの棚においてそれらの形状を最長に保持するため、民間の生鮮市場に最適であるが、完全な芳香および風味にどことなく乏しい。
「ブレーカ期」は、果物が最初に赤色になるサインと定義され、典型的には、緑熟期の24時間以内に起こる。「ブレーカ期」に収穫されるトマトは、通常、より良質の香味および風味を有するが、硬度が減少し、緑熟期のトマトよりも出荷、包装、および輸送に若干不適である。
「赤熟期」は、果実が緑色がない完全な赤色である段階であると定義される。これらの果実は、最適な風味および香味に達したが、硬度不足であり、かつ過剰な出荷に耐えることができないため、それらを輸送することができない。
「遺伝要素」および「遺伝要素またはその一部」は、本発明の範囲内において、最終ポリペプチド産物の翻訳、転写、および/または活性化のレベルで、DNAのレベル自体での硬度形質の発現に影響を与える、すなわち、遺伝子型の表現型発現につながるトマト果実の果肉の代謝を調整することにより、植物の果実の硬度に寄与することができるQTLまたはその部分(具体的には、QTL下の染色体上に存在する遺伝子)を意味すると理解される。
「内側の果皮」および「外側の果皮」は、本発明の範囲内において、外側の果皮が外側表皮直下および維管束組織層の真上にある層(約2mm)である果実組織を意味すると理解される。内側の果皮は、維管束層の下および内側の表皮の前から3mm〜最大10mmである。
「商業的に望ましい特性」は、本発明の範囲内において、上級の果実品質、病害抵抗性、虫害抵抗性、均一な形状、および大きさを含むが、それらに限定されないと理解される。
「収穫期間」は、本発明の範囲内において、委託販売の目的として、収穫期から果実が熟しすぎて収穫できない時までの期間を意味すると理解される。典型的には、収穫期間は、栽培品種および環境条件に応じて、緑熟期から始まり、ブレーカ期プラス2〜5日まで続く。
「ドナートマト植物」は、本発明の範囲内において、著しく増加した果実硬度に関連付けられる少なくとも1つの遺伝要素を提供するトマト植物を意味すると理解される。
本発明のDNAマーカーのうちの少なくとも1つDNAマーカー「〜に関連付けられる」および「〜を特徴とする」または「〜と関連した」は、本発明の範囲内において、増加した果実硬度形質に関与する遺伝要素に遺伝的に関係のあるDNA配列を意味すると理解され、特定のマーカー配列は、その遺伝子の特定の対立遺伝子に関連付けられる。2つのマーカー/配列が、遺伝的に関係があると考えられる時、2つのマーカー/配列間の組換え頻度は低く、両方のこれらのマーカー/配列が連帯して継承されると予想することができる。本明細書に記載の植物の集団に関して、QTLに関連付けられるとして命名されるマーカーは、1cM未満離れている。相互に1cM離れたマーカーは、単一世代における組換え事象により1%の相互から分離される可能性を有する。
「QTLの果実硬度付与部分」は、本発明の範囲内において、実施例で説明される機械的測定により決定される増加したトマト果実硬度に関与する遺伝要素またはその部分を意味すると理解される。
「果実硬度の増加」および「増加した果実硬度」は、本発明の範囲内において、対照植物由来の果実と比較して、統計的に著しい、P0.05未満またはP0.01未満の(例えば、実施例1で説明される)増加した最大荷重値を有するトマト果実を意味すると理解される。
最大荷重は、組織の完全性の失敗を引き起こすのに必要な最大の荷重(ニュートン(N)単位)を表す値として定義される。
「対照トマト植物」は、本発明の範囲内において、本発明の栽培トマト植物と同一の遺伝的バックグラウンドを有するトマト植物を意味すると理解され、対照植物は、増加した果実硬度に関連付けられる本発明の少なくとも1つの遺伝要素またはその一部のいずれも有しない。具体的には、対照トマト植物は、同一の植物種に属し、かつ少なくとも1つの遺伝要素またはその一部のいずれも含まないトマト植物である。対照トマト植物を、本発明の栽培トマト植物と同一の期間および同一の条件下で生長させる。植物種は、本明細書において、UPOVの定義に従って理解される。したがって、対照トマト植物は、対照植物が増加した果実硬度に関連付けられる本発明の少なくとも1つの遺伝要素またはその一部のいずれも有しないことを除いて、それらが本発明のトマト植物と同一の遺伝的バックグラウンドを有するという条件で、近交系統または雑種であってもよい。
「開花」は、本発明の範囲内において、花が完全に開き、花粉が放出される間の期間を意味すると理解される。
「加工食品」は、本発明の範囲内において、その自然状態から変化した食品を意味すると理解される。食品を加工するために使用される方法には、缶詰、凍結、冷凍、脱湿、および防腐処置加工が含まれるが、それらに限定されない。
「生食用カット野菜市場」は、本発明の範囲内において、最小限に加工された市場に出ている野菜を意味すると理解される。
「最初の本葉」は、本発明の範囲内において、子葉または双葉の出現後に最初の葉が出現する時を意味すると理解される。
植物育種
農業および園芸における育種プログラムの目的は、それらの遺伝的構成物を向上させることにより植物の能力を高めることである。本質的には、この向上は、関心の能力特性に影響を与える遺伝子にとって最も好ましい対立遺伝子の頻度を増加させることにより生じる。
野生植物系は、豊富な遺伝的変異および表現型変異源を提供する。伝統的に、農業および園芸作業において、所望の遺伝子型または潜在的な表現型特性を有する野生植物系列もしくはその子孫を選択し、それを追加の所望の遺伝子型または潜在的な表現型特性を有する系統と交配させ、かつそれらを所望の遺伝子型または潜在的な表現型特性(またはその増加した頻度)を示す子孫植物から選択することによりこの変異を利用する。
分子遺伝的手段と併用したメンデルの遺伝の法則のさらなる理解および利用が、前世紀にこの選択過程を容易にした。例えば、所望の遺伝子型または潜在的な表現型特性を有する植物を選択する方法は、植物を量的形質遺伝子座(QTL)の存在、すなわち、連続的に分散した(定量的な)表現型形質の発現に関連付けられる対立遺伝子を含有する遺伝要素の存在における植物の試験に基づいて利用可能になった。通常、QTLは、表現型形質の量的変化に統計学的に関連する1つ以上のマーカーを特徴とし、遺伝子と本質的に同義である。QTLマッピングは、関心の形質の発現に影響を及ぼす遺伝要素の同定を可能にする。植物育種において、これは、それらの植物中のQTL関連マーカーを検出することにより、マーカー利用選抜(MAS)、すなわち、好ましい対立遺伝子を有する植物の選択を可能にする。
種々の形質の遺伝の知識は、増加した果実硬度に関連付けられるQTLに対してホモ接合性の系統の選択を可能にするであろう。育種プログラムにおける所望の形質の遺伝的原因および局在の知識の使用は、従来の育種プログラムと比較して、予測育種結果の精度を増加させることができ、かつ選択速度を高めることができる。例えば、所望の対立遺伝子に対してホモ接合性の親が、形質を全てではないがほとんどの子孫に渡すため、所望の形質の遺伝学的基礎が別の形質に遺伝的に関連するという事実は、子孫の間でそれら2つの形質の均一性の増加を支援することができ、子孫の分離の減少をもたらす。
本開示の主題は、マーカー利用選抜(MAS)のより優れたモデルを提供する。本開示の主題は、植物育種の方法、およびトマト植物、具体的には、育種プログラムまたは所望の遺伝子型もしくは潜在的な表現型特性を有する栽培トマト植物における使用のために育種者が植え付ける際に栽培トマト植物を選択するための方法、具体的には、収穫期に増加した果実硬度を有するトマト果実を産生する方法に関する。
したがって、該トマトを産生する栽培トマト植物中の少なくとも1つの遺伝要素に関連付けられる、収穫期に増加した果実硬度を有するトマト果実が提供され、該硬度は、該少なくとも1つの遺伝要素を有しない対照トマト植物由来の果実の硬度よりも1.2〜2.0倍大きい。
収穫期は、好ましくは緑熟期である。あるいは、収穫期は、緑未熟期、急成長期、緑熟期、ブレーカ期、または赤熟期、あるいはこれらの期のうちのいずれかの1、2、3、4、5、6、7、8、9、もしくは10日後を含むが、それらに限定されない、トマト果実の発達における任意の選択された時点であり得る。1つの実施形態において、収穫期は、ブレーカ期プラス7日である。
特定の実施形態において、該トマトを産生する栽培トマト植物中の少なくとも1つの遺伝要素に関連付けられる、緑熟期に増加した果実硬度を提供するトマト果実が提供され、該硬度は、該少なくとも1つの遺伝要素を有しない対照トマト植物由来の果実の硬度よりも1.2〜2.0倍大きい。別の実施形態において、該硬度は、該少なくとも1つの遺伝要素を有しない対照トマト植物由来の果実の硬度よりも1.2〜1.5倍大きい。
特定の実施形態において、該トマトを産生する栽培トマト植物中の少なくとも1つの遺伝要素により引き起こされる、ブレーカ期プラス7日に増加した果実硬度を提供トマト果実が提供され、該硬度は、該少なくとも1つの遺伝要素を有しない対照トマト植物由来の果実の硬度よりも1.2〜2.0倍大きい。別の実施形態において、該硬度は、該少なくとも1つの遺伝要素を有しない対照トマト植物由来の果実の硬度よりも1.2〜1.5倍大きい。
果実硬度は、好ましくは、栽培トマト植物の外側の果皮および内側の果皮で測定される。あるいは、果実硬度を、内側の果皮のみで測定することができる。好ましくは、果実硬度は、機械的手段により測定される。典型的には、実施例の項で説明されるように、Lloyd LRX機が使用される。
そのような測定は、従来の針入度計アッセイと非常に相関する果実硬度における高感度の機械的測定を表すが、実質的により繊細かつ再現性のある結果をもたらす。さらに、これらの測定は、果実硬度の官能/感覚描写とも非常に相関する(King et al,2001)。しかしながら、Causse et al(2002)で説明される方法等の当業者には既知である果実硬度を測定するための代替法を採用することもでき、その全内容は、それらの全体が本明細書に組み込まれる。
好ましくは、対照トマト植物は、寄託番号NCIMB41661のM82である。
あるいは、対照植物は、栽培トマト植物の増加した果実硬度に関与する少なくとも1つの遺伝要素またはその一部の不在の理由から、本質的にはその子孫とは異なる任意のトマト植物であり得る。対照トマト植物を、ソラヌム・リコペルシクム種(同義語は、リコペルシコン・リコペルシクムもしくはリコペルシコン・エスクレンタムである)、またはL.セラシフォルム、L.ケエスマニイ、L.チレンセ、L.クミリウスキイ、L.エスクレンタム(現在はS.ペンネリイ)、L.ヒルスタム、L.パルビポラム、L.ペンネリイ、L.ペルビアナム、L.ピンピネリフォリウム、もしくはS.リコペルシコイデスを含むが、これらに限定されないリコペルシコンの属名下でかつて知られていた種の範囲内の任意の品種、系統、または集団から選択することができる。L.エスクレンタムについて新たに提案された学名は、S.ペンネリイである。同様に、野生種の名前は変わり得る。L.ペンネリイはS.ペンネリイになり、L.ヒルスタムはS.ハブロカイテスになってもよく、L.ペルビアナムをS.'Nペルビアナム'およびS.'カレヨンデヒュアイレス'、S.ペルビアナム、ならびにS.コルネリオムエルレリに分けてもよく、L.パルビフロラムはS.ネオリキイになってもよく、L.クミリウスキイはS.クミリウスキイになってもよく、L.チレンセはS.チレンセになってもよく、L.ケエスマニアエはS.ケエスマニアエもしくはS.ガラパゲンセになってもよく、L.ピンピネリフォリウムはS.ピンピネリフォリウムになってもよい(Knapp(2005)。
好ましくは、本発明の著しく増加した果実硬度に関与する遺伝要素は、トマトの第2染色体上に存在する。好ましくは、少なくとも1つの遺伝要素は、S.ペンネリイの第2染色体上に存在する。より好ましくは、少なくとも1つの遺伝要素は、S.ペンネリイの第2染色体長腕上に存在する。最も好ましくは、少なくとも1つの遺伝要素は、S.ペンネリイの第2染色体長腕上に存在し、かつQTL1〜5のうちのいずれか1つ、2つ、3つ、4つ、または全てである。
さらなる態様において、本明細書に記載のトマト果実を産生する栽培トマト植物が提供され、該植物は、NT3853、NT3907、TG14、HOX7A、CT277、HB2600、TG353、Lm0127、Lm1650、LE5100、およびLE5200から成る群から選択される少なくとも1つのDNAマーカーを特徴とする少なくとも1つの遺伝要素を含む。
さらなる態様において、トマト果実を産生する栽培トマト植物が提供され、該植物は、それぞれ、受入番号LA4038およびLA4039として寄託されるS.ペンネリイ系統IL2−3および/またはIL2−4中の対応する遺伝要素と相補的な少なくとも1つの遺伝要素を含み、S.ペンネリイIL2−3および/またはIL2−4中の該遺伝要素は、NT3853、NT3907、TG14、HOX7A、CT277、HB2600、TG353、Lm0127、Lm1650、LE5100、およびLE5200から成る群から選択される少なくとも1つのDNAマーカーを特徴とすることができる。
対照トマト植物由来の果実と比較して、増加した果実硬度を有するトマト果実を産生する栽培トマト植物も提供され、該栽培トマト植物は、a)DNAマーカーNT3853、NT3907、およびTG14のうちの少なくとも1つに関連付けられるQTL1、またはb)DNAマーカーHOX7AおよびCT277のうちの少なくとも1つに関連付けられるQTL2、またはc)DNAマーカーHB2600、TG353のうちの少なくとも1つに関連付けられるQTL3、またはd)DNAマーカーLm0127およびLm1650のうちの少なくとも1つに関連付けられるQTL4、またはe)DNAマーカーLE5100およびLE5200のうちの少なくとも1つに関連付けられるQTL5から選択されるQTLである1つの遺伝要素を有する。
対照トマト植物由来の果実と比較して、増加した果実硬度を有するトマト果実を産生する栽培トマト植物も提供され、該栽培トマト植物は、少なくとも1つの遺伝要素を含み、その遺伝要素は、DNAマーカーNT3853、NT3907、およびTG14のうちの少なくとも1つに関連付けられるQTL1、ならびにDNAマーカーHOX7AおよびCT277のうちの少なくとも1つに関連付けられるQTL2である。
対照トマト植物と比較して、増加した果実硬度を有するトマト果実を産生する栽培トマト植物も提供され、該栽培トマト植物は、少なくとも1つの遺伝要素を含み、その遺伝要素は、DNAマーカーNT3853、NT3907、およびTG14のうちの少なくとも1つに関連付けられるQTL1、ならびにDNAマーカーHB2600およびTG353のうちの少なくとも1つに関連付けられるQTL3である。
対照トマト植物と比較して、増加した果実硬度を有するトマト果実を産生する栽培トマト植物も提供され、該栽培トマト植物は、少なくとも1つの遺伝要素を含み、その遺伝要素は、DNAマーカーNT3853、NT3907、およびTG14のうちの少なくとも1つに関連付けられるQTL1、ならびにDNAマーカーLm0127およびLm1650のうちの少なくとも1つに関連付けられるQTL4である。
対照トマト植物と比較して、増加した果実硬度を有するトマト果実を産生する栽培トマト植物も提供され、該栽培トマト植物は、少なくとも1つの遺伝要素を含み、その遺伝要素は、DNAマーカーNT3853、NT3907、およびTG14のうちの少なくとも1つに関連付けられるQTL1、ならびにDNAマーカーLE5100およびLE5200のうちの少なくとも1つに関連付けられるQTL5である。
対照トマト植物と比較して、増加した果実硬度を有するトマト果実を産生する栽培トマト植物も提供され、該栽培トマト植物は、少なくとも1つの遺伝要素を含み、その遺伝要素は、DNAマーカーHOX7AおよびCT277のうちの少なくとも1つに関連付けられるQTL2、ならびにDNAマーカーHB2600およびTG353のうちの少なくとも1つに関連付けられるQTL3である。
対照トマト植物と比較して、増加した果実硬度を有するトマト果実を産生する栽培トマト植物も提供され、該栽培トマト植物は、少なくとも1つの遺伝要素を含み、その遺伝要素は、DNAマーカーHOX7AおよびCT277のうちの少なくとも1つに関連付けられるQTL2、ならびにDNAマーカーLm0127およびLm1650のうちの少なくとも1つに関連付けられるQTL4である。
対照トマト植物と比較して、増加した果実硬度を有するトマト果実を産生する栽培トマト植物も提供され、該栽培トマト植物は、少なくとも1つの遺伝要素を含み、その遺伝要素は、DNAマーカーHOX7AおよびCT277のうちの少なくとも1つに関連付けられるQTL2、ならびにDNAマーカーLE5100およびLE5200のうちの少なくとも1つに関連付けられるQTL5である。
対照トマト植物と比較して、増加した果実硬度を有するトマト果実を産生する栽培トマト植物も提供され、該栽培トマト植物は、少なくとも1つの遺伝要素を含み、その遺伝要素は、DNAマーカーHB2600およびTG353のうちの少なくとも1つに関連付けられるQTL3、ならびにDNAマーカーLm0127およびLm1650のうちの少なくとも1つに関連付けられるQTL4である。
対照トマト植物と比較して、増加した果実硬度を有するトマト果実を産生する栽培トマト植物も提供され、該栽培トマト植物は、少なくとも1つの遺伝要素を含み、その遺伝要素は、DNAマーカーHB2600およびTG353のうちの少なくとも1つに関連付けられるQTL3、ならびにDNAマーカーLE5100およびLE5200のうちの少なくとも1つに関連付けられるQTL5である。
対照トマト植物と比較して、増加した果実硬度を有するトマト果実を産生する栽培トマト植物も提供され、該栽培トマト植物は、少なくとも1つの遺伝要素を含み、その遺伝要素は、DNAマーカーLm0127およびLm1650のうちの少なくとも1つに関連付けられるQTL4、ならびにDNAマーカーLE5100およびLE5200のうちの少なくとも1つに関連付けられるQTL5である。
対照トマト植物と比較して、増加した果実硬度を有するトマト果実を産生する栽培トマト植物も提供され、該栽培トマト植物は、少なくとも1つの遺伝要素を含み、その遺伝要素は、DNAマーカーNT3853、NT3907、およびTG14のうちの少なくとも1つに関連付けられるQTL1、ならびにDNAマーカーHOX7AおよびCT277のうちの少なくとも1つに関連付けられるQTL2、ならびにDNAマーカーHB2600、TG353のうちの少なくとも1つに関連付けられるQTL3、ならびにDNAマーカーLm0127およびLm1650のうちの少なくとも1つに関連付けられるQTL4、ならびにDNAマーカーLE5100およびLE5200のうちの少なくとも1つに関連付けられるQTL5である。
対照トマト植物と比較して、増加した果実硬度を有するトマト果実を産生する栽培トマト植物も提供され、該栽培トマト植物は、少なくとも1つの遺伝要素を含み、その遺伝要素は、DNAマーカーNT3853、NT3907、およびTG14のうちの少なくとも1つに関連付けられるQTL1であり、内側の果皮にのみ存在する。
本発明のさらなる態様において、本明細書に記載の栽培トマト植物が提供され、該植物は、近交系、二ゲノム性半数体、または雑種である。特定の実施形態において、栽培トマト植物は、雄性不稔である。
本発明のさらなる態様において、本明細書に記載の栽培トマト植物を産生するトマト種子が提供される。
本発明のさらなる態様において、本明細書に記載の栽培トマト植物植物部分のが提供される。
さらなる態様において、本明細書に記載の栽培トマト植物の植物部分から入手可能な植物原料が提供される。
トマトの増加した果実硬度に関連付けられるQTLの同定
本開示の主題は、対照トマト植物由来の果実と比較して、増加した硬度を伴う果実を有する栽培トマト植物を選択するための方法も提供する。そのような方法は、栽培トマト植物において、本明細書で定義されるQTL1〜5の存在のうちの1つ以上を検出することを含む。概して、本方法は、(a)トマト植物由来のゲノムDNAの試料を提供すること、および(b)ゲノムDNAの試料において、QTL1〜5から成る群から選択されるQTLに関連付けられる少なくとも1つの分子マーカーを検出することを含む。いくつかの実施形態では、検出ステップは、QTL1〜5のうちの少なくとも1つを検出する少なくとも1つの分子マーカーの群から少なくとも1つの分子マーカーを検出するステップを含み得る。トマト植物由来のゲノムDNAの試料の提供を、当技術分野で周知のDNA単離法で実行することができる。
いくつかの実施形態では、分子マーカーの検出(ステップ(b))は、分子マーカーを定義する核酸配列と実質的に相補的であり、かつ核酸プローブがストリンジェントな条件下で分子マーカーを定義する核酸配列と特異的にハイブリダイズする塩基配列を有する核酸プローブの使用を含み得る。好適な核酸プローブは、例えば、マーカーに対応する一本鎖の増幅産物であり得る。分子マーカーの検出は、1つ以上のQTLを検出するために、ゲノムDNA上で核酸増幅反応を実行することも含み得る。これを、一組のマーカー特異的プライマーを用いてPCR反応を実行することにより行うことができる。いくつかの実施形態では、検出は、QTL1〜5のうちの1つ以上に関連付けられる1つ以上のマーカーを定義する少なくとも1組のプライマー、またはストリンジェントな条件で、QTL1〜5のうちの1つ以上に関連付けられる1つ以上のマーカーの核酸配列と特異的にハイブリダイズする一組のプライマーの使用を含み得る。
本開示の方法は、QTLの存在に関連付けられる増幅DNA断片を検出することも含み得る。いくつかの実施形態では、QTLの存在に関連付けられる増幅断片は、予測された長さまたは核酸配列を有し、予測された長さまたは予測された核酸配列を有する増幅DNA断片の検出は、増幅DNA断片が、その中でマーカーが最初に検出された植物由来のDNAに類似した同一のプライマーとの反応に基づく予想された長さ(数個前後の塩基、例えば、大体1個、2個、もしくは3個の塩基長)に相当する長さ、またはその中でマーカーが最初に検出された植物中のそのQTLに関連付けられるマーカーの配列に基づく(いくつかの実施形態では、80%超、いくつかの実施形態では、90%超、いくつかの実施形態では、95%超、いくつかの実施形態では、97%超、およびいくつかの実施形態では、99%超の相同性を有する)予想された配列に相当する核酸配列を有するように実行される。当業者であれば、特定の形質の存在を検出するためのマーカーの不在を試験することが最適ではないが、増加した果実硬度を有する果実を提供する植物中で不在であるマーカーは、それらが対照親(いわゆるトランスマーカー)中に存在する一方で、子孫植物の間の増加した果実硬度を検出するためのアッセイにおいて有用でもあり得ることを理解する。予測された長さまたは予測された核酸配列を有する増幅DNA断片の検出を、標準のゲル電気泳動技術を含むが、それに限定されない、いくつかの技術のうちのいずれかで、または自動DNAシーケンサーを用いて実行することができる。これらの方法は、当業者には周知である。
分子マーカーおよびQTL
分子マーカーは、核酸配列における差異の可視化のために使用される。この可視化は、制限酵素(RFLP)での消化後のDNA−DNAハイブリダイゼーション技術、および/またはポリメラーゼ連鎖反応を用いる技術(例えば、STS、SSR/マイクロサテライト、AFLP等)に起因し得る。いくつかの実施形態では、2つの親遺伝子型の間の全ての差異は、これらの親遺伝子型の交配に基づいてマッピング集団内で分離する。異なるマーカーの分離を比較することができ、組換えの頻度を計算することができる。植物中のマーカーをマッピングするための方法が、例えば、Glick & Thompson,1993、Zietkiewicz et al.,1994に開示される。
異なる染色体上の分子マーカーの組換え頻度は、概して、50%である。同一の染色体上に位置する分子マーカーの間の組換え頻度は、概して、マーカー間の距離に依存する。低い組換え頻度は、染色体上のマーカー間の短い遺伝距離に相当する。全ての組換え頻度の比較は、染色体上の分子マーカーの最も論理的な順序をもたらす。この最も論理的な順序を、連鎖地図において示すことができる(Paterson,1996)。増加したレベルの果実硬度に関連付けられる連鎖地図隣接または近接マーカーの群は、増加した果実硬度に関連付けられるQTLの位置を提供することができる。
本明細書で同定されるマーカーを、本開示の主題の種々の態様において用いることができる。しかしながら、本開示の主題の態様は、本明細書で同定されるマーカーの使用に制限されない。本態様は、本明細書で明確に開示されないマーカー、またはさらにはまだ同定されていないマーカーを使用することもできることが強調される。表現型発現が予測することができない数々の要因に依存する遺伝単位「遺伝子」以外に、遺伝単位「QTL」は、表現型の定量化可能な形質に直接関連しているゲノム上の領域を意味する。
本明細書で同定される5つのQTLは、トマトの第2染色体上に位置し、それらの位置は、いくつかの別様の任意のマーカーを特徴とすることができる。本検討において、マイクロサテライトマーカー(例えば、SSR)および単一ヌクレオチド多型(SNP)が使用されたが、制限断片長多型(RFLP)マーカー、増幅断片長多型(AFLP)マーカー、挿入変異マーカー、配列特徴付け増幅領域(SCAR)マーカー、切断増幅多型配列(CAPS)マーカー、もしくはアイソザイムマーカー、またはこれらのマーカーの組み合わせも使用された可能性もある。
概して、QTLは、数百万個の塩基の領域に及び得る。したがって、QTLに全配列情報を提供することは、QTLが一連の近接ゲノムマーカーの存在と特定の表現型形質の存在との間で観察された相関を解して最初に検出される方法によって、子植物集団の中で特定の表現型形質を示す遺伝的潜在能力を有する植物を追跡することができるとして、実質的に実行不可能であるが、不必要でもある。したがって、マーカーの非限定的リストを提供することにより、本発明の主題は、育種プログラムにおける本開示のQTLの効果的な使用を提供する。
概して、マーカーは、特定の家系系統に対して特異的である。したがって、特定の形質を、特定のマーカーに関連付けることができる。本明細書に開示のマーカーは、QTLの位置を示すのみならず、植物中の特定の表現型形質の存在と相関する。ゲノム上のQTLの位置を示す近接ゲノムマーカーは、原則として、任意または非限定的であることに留意する。概して、QTLの位置は、表現型形質との統計的相関を示す一連の近接マーカーで示される。マーカーがその一連の外側で見つけられた時点で(すなわち、マーカーが離れすぎて領域におけるマーカーとQTLとの間の組換えが頻繁に起こりすぎ、マーカーの存在が統計的に著しい様式で表現型の存在と相関しないことを示す、ある特定の閾値未満のLODスコアを有するマーカー)、QTLの境界が設定されたと見なすことができる。したがって、特定の領域内に位置する他のマーカーによりQTLの位置を示すことも可能である。近接ゲノムマーカーを個々の植物におけるQTLの(したがって、表現型の)存在を示すために使用することもでき、それらをマーカー利用選抜(MAS)手順において使用することができることを意味する場合もあることをさらに留意する。
原則として、潜在的に有用なマーカーの数は限られているが、非常に多い可能性もあり、当業者であれば、本出願で具体的に開示されるマーカーに加えてさらにマーカーを容易に特定することができる。(例えば、閾値を超える確立されたLODスコアを有するマーカーが広がるゲノム領域の物理的境界内に収まり、それによって、交配においてマーカーとQTLとの間の組換えが全くまたはほとんど起こらないことを示す)QTLに関連付けられる任意のマーカー、ならびに連鎖不均衡である任意のマーカー、およびQTL内の実際の原因となる変異を表すマーカー)をMAS手順で使用することができる。このことは、マーカーNT3853、NT3907、TG14、HOX7A、CT277、HB2600、TG353、Lm0127、Lm1650、LE5100、およびLE5200等のQTLと関連付けられる本出願で同定されるマーカーが、MAS手順における使用に好適であるマーカーの単なる例にすぎないことを意味する。さらに、QTLまたはその特定の形質付与部分が別の遺伝的バックグラウンドの中(すなわち、別のトマトまたは別の植物種のゲノムの中)に遺伝子移入される時、いくつかのマーカーは、もはや子孫では見つけられない場合もあるが、形質はその中に存在し、このことは、そのようなマーカーが、最初の親系統におけるQTLの特定の形質付与部分を表すゲノム領域の外側にのみ存在し、新しい遺伝的バックグラウンドが異なるゲノム機構を有することを示す。その不在が子孫における遺伝要素の導入に成功したことを示すそのようなマーカーは、「トランスマーカー」と呼ばれる(上記を参照のこと)。
QTLの同定の際に、QTL効果(すなわち、増加した果実硬度)を、例えば、検討中のQTLに対する分離した子孫の果実硬度を評価することにより確認することができる。果実硬度の評価を、当技術分野で既知のように、果実硬度を測定することにより適切に実行することができる。
本開示の主題により提供されるマーカーを、増加した果実硬度を有するトマト植物中の本開示の主題のQTLにおける1つ以上の増加した果実硬度対立遺伝子の存在を検出するために使用することができ、したがって、増加した果実硬度を有するトマト植物のマーカー利用育種および選抜を伴う方法において使用することができる。いくつかの実施形態では、本開示の主題のQTLの存在の検出は、本明細書で定義されるQTLについてのマーカーのうちの少なくとも1つを用いて実行される。したがって、本開示の主題は、別の態様において、増加した果実硬度についてのQTLの存在を検出するための方法に関し、トマト植物中のQTLの核酸配列の存在を検出することを含み、その存在を、本明細書に開示のマーカーの使用により検出することができる。
本開示の主題のQTLのヌクレオチド配列を、例えば、QTLに関連付けられる1つ以上のマーカーのヌクレオチド配列決定することにより、かつマーカー配列の外側のQTLの配列をさらに決定するために後に使用することができるマーカー配列のために内部プライマーを設計することにより解明することができる。例えば、本明細書に開示のSSRマーカーのヌクレオチド配列を、対象植物のゲノムにおけるマーカーの存在の決定において使用される電気泳動ゲルからマーカーを単離することにより、かつ例えば、当技術分野で周知のジデオキシ連鎖停止配列決定法によってマーカーのヌクレオチド配列を決定することにより得ることができる。トマト植物中のQTLの存在を検出するためのそのような方法の実施形態において、本方法は、ストリンジェントなハイブリダイゼーション条件下でハイブリダイズすることができるオリゴヌクレオチドまたはポリヌクレオチドを、いくつかの実施形態において、本明細書に開示のマーカーから選択されるQTLに関連付けられるマーカーの核酸配列に提供すること、オリゴヌクレオチドまたはポリヌクレオチドを、トマト植物の消化されたゲノム核酸と接触させること、および消化されたゲノム核酸に対するオリゴヌクレオチドまたはポリヌクレオチドの特異的ハイブリダイゼーションの存在を決定することも含み得る。
いくつかの実施形態では、原位置ハイブリダイゼーション法を採用することもできるが、本方法は、トマト植物から得られる核酸試料上で実行される。あるいは、当業者は、QTLのヌクレオチド配列が決定された時点で、QTLの核酸配列に対して、ストリンジェントなハイブリダイゼーション条件下でハイブリダイズすることができる特異的ハイブリダイゼーションプローブまたはオリゴヌクレオチドを設計することができ、トマト植物中の本明細書に開示のQTLの存在を検出するための方法においてそのようなハイブリダイゼーションプローブを使用することができる。
本発明のさらなる態様において、対照トマト植物と比較して、栽培トマト植物由来の果実の著しく増加した果実硬度に関連付けられるQTLを検出するための方法が提供され、a)ドナートマト植物を受容トマト植物と交配させて子孫植物を提供するステップ、b)該子孫植物の果実の果実硬度を定量的に決定するステップ、c)観察される増加した果実硬度を、該子孫植物中の該ドナー植物由来の少なくとも1つのDNAマーカーの存在に関連付ける遺伝子連鎖地図を確立するステップ、およびd)QTLに、著しく増加した果実硬度に関連付けられる該地図上のDNAマーカーを割り当てるステップを含む。
特定の実施形態において、ドナー植物は、該受容植物と比較して、著しく増加した果実硬度を伴う果実を有する。
ドナー植物は、好ましくはS.ペンネリイであり、受容植物は、好ましくはS.リコペルシクムである。全ての事例において、受容植物は対照植物である。
ドナー植物または受容植物は、以下:ソラヌム・リコペルシクム種(同義語は、リコペルシコン・リコペルシクムもしくはリコペルシコン・エスクレンタムである)、またはL.セラシフォルム、L.ケエスマニイ、L.チレンセ、L.クミリウスキイ、L.エスクレンタム(現在はS.ペンネリイ)、L.ヒルスタム、L.パルビポラム、L.ペンネリイ、L.ペルビアナム、L.ピンピネリフォリウム、もしくはS.リコペルシコイデスを含むが、これらに限定されないリコペルシコンの属名下でかつて知られていた種の範囲内の任意の品種、系統、または集団のうちのいずれか1つであり得る。L.エスクレンタムについて新たに提案された学名は、S.ペンネリイである。同様に、野生種の名前は変わり得る。L.ペンネリイはS.ペンネリイになり、L.ヒルスタムはS.ハブロカイテスになってもよく、L.ペルビアナムをS.'Nペルビアナム'およびS.'カレヨンデヒュアイレス'、S.ペルビアナム、ならびにS.コルネリオムエルレリに分けてもよく、L.パルビフロラムはS.ネオリキイになってもよく、L.クミリウスキイはS.クミリウスキイになってもよく、L.チレンセはS.チレンセになってもよく、L.ケエスマニアエはS.ケエスマニアエもしくはS.ガラパゲンセになってもよく、L.ピンピネリフォリウムはS.ピンピネリフォリウムになってもよい(Knapp(2005)。
特定の実施形態において、子孫植物の果実硬度範囲は、収穫期に対照トマト植物から産生される果実の硬度よりも1.2〜2.0倍大きい。
特定の実施形態において、子孫植物の果実硬度範囲は、収穫期に対照トマト植物から産生される果実の硬度よりも1.2〜1.5倍大きい。
収穫期は、好ましくは緑熟期である。あるいは、収穫期は、緑未熟期、急成長期、緑熟期、ブレーカ期、赤熟期、またはこれらの期のうちのいずれかの1、2、3、4、5、6、7、8、9、もしくは10日後、好ましくは、ブレーカ期の7日後を含むが、これらに限定されない、トマト果実の発達の任意の選択された時点であり得る。
特定の実施形態において、少なくとも1つのDNAマーカーは、S.ペンネリイ中で見つけられる。あるいは、少なくとも1つのDNAマーカーは、ソラヌム・リコペルシクム種(同義語は、リコペルシコン・リコペルシクムもしくはリコペルシコン・エスクレンタムである)、またはL.セラシフォルム、L.ケエスマニイ、L.チレンセ、L.クミリウスキイ、L.エスクレンタム(現在はS.ペンネリイ)、L.ヒルスタム、L.パルビポラム、L.ペンネリイ、L.ペルビアナム、L.ピンピネリフォリウム、もしくはS.リコペルシコイデスを含むが、これらに限定されないリコペルシコンの属名下でかつて知られていた種の範囲内の任意の品種、系統、または集団中で見つけられる場合もある。L.エスクレンタムについて新たに提案された学名は、S.ペンネリイである。同様に、野生種の名前は変わり得る。L.ペンネリイはS.ペンネリイになり、L.ヒルスタムはS.ハブロカイテスになってもよく、L.ペルビアナムをS.'Nペルビアナム'およびS.'カレヨンデヒュアイレス'、S.ペルビアナム、ならびにS.コルネリオムエルレリに分けてもよく、L.パルビフロラムはS.ネオリキイになってもよく、L.クミリウスキイはS.クミリウスキイになってもよく、L.チレンセはS.チレンセになってもよく、L.ケエスマニアエはS.ケエスマニアエもしくはS.ガラパゲンセになってもよく、L.ピンピネリフォリウムはS.ピンピネリフォリウムになってもよい(Knapp(2005)。
NT3853、NT3907、TG14、HOX7A、CT277、HB2600、TG353、Lm0127、Lm1650、LE5100、およびLE5200から選択される少なくとも1つのDNAマーカーも提供される。
本発明のQTLは、a)DNAマーカーNT3853、NT3907、およびTG14のうちの少なくとも1つに関連付けられるQTL1、またはb)DNAマーカーHOX7AおよびCT277のうちの少なくとも1つに関連付けられるQTL2、またはc)DNAマーカーHB2600、TG353のうちの少なくとも1つに関連付けられるQTL3、またはd)DNAマーカーLm0127およびLm1650のうちの少なくとも1つに関連付けられるQTL4、またはe)DNAマーカーLE5100およびLE5200のうちの少なくとも1つに関連付けられるQTL5のうちの1つ以上である。
特定の実施形態において、QTLは、DNAマーカーNT3853、NT3907、およびTG14のうちの少なくとも1つに関連付けられるQTL1であり、内側の果皮にのみ存在する。
さらなる態様において、栽培トマト植物により提供される果実の増加した果実硬度に関連付けられるQTLが提供される。好ましくは、QTLは、本明細書に記載の方法で検出される。あるいは、QTLを、当業者に既知の任意の方法で検出することができる。
好ましくは、本発明の少なくとも1つのQTLは、トマトの第2染色体上に存在する。より好ましくは、少なくとも1つのQTLは、S.ペンネリイの第2染色体上に存在する。より好ましくは、少なくとも1つのQTLは、S.ペンネリイの第2染色体長腕上に存在する。最も好ましくは、少なくとも1つのQTLは、S.ペンネリイの第2染色体長腕上に存在し、かつQTL1〜5のうちのいずれか1つ、2つ、3つ、4つ、または全てである。
特定の実施形態において、本発明のQTLは、NT3853、NT3907、TG14、HOX7A、CT277、HB2600、TG353、Lm0127、Lm1650、LE5100、およびLE5200から成る群から選択される少なくとも1つのDNAマーカーに関連付けられる。
本発明のQTLは、a)DNAマーカーNT3853、NT3907、およびTG14のうちの少なくとも1つに関連付けられるQTL1、b)DNAマーカーHOX7AおよびCT277のうちの少なくとも1つに関連付けられるQTL2、c)DNAマーカーHB2600、TG353のうちの少なくとも1つに関連付けられるQTL3、d)DNAマーカーLm0127およびLm1650のうちの少なくとも1つに関連付けられるQTL4、e)DNAマーカーLE5100およびLE5200のうちの少なくとも1つに関連付けられるQTL5、およびそれらの組み合わせのうちの1つ以上である。
特定の実施形態において、QTLは、DNAマーカーNT3853、NT3907、およびTG14のうちの少なくとも1つに関連付けられるQTL1であり、内側の果皮にのみ存在する。
QTL1〜5のうちのいずれか1つ、2つ、3つ、4つ、または全てを含むトマト植物から得られる単離DNA試料がさらに提供される。DNA試料を、実施例で説明されるように、または当業者に知られている任意の他の手段によって単離することができる。
形質転換方法による増加した硬度を有するトマト果実の産生
本開示の主題の別の態様に従って、QTL1〜5のうちの1つ以上またはその果実硬度付与部分を含む核酸(いくつかの実施形態では、DNA)配列を、対照トマト植物と比較して、増加した硬度を有する果実を提供するトマト植物の産生のために使用することができる。この態様において、本開示の主題は、対照トマト植物と比較して、増加した硬度を有する果実を提供するトマト植物を産生するために、本明細書で定義されるQTLまたはその増加した果実硬度付与部分の使用を提供し、その使用は、QTLを含む核酸配列の好適な受容植物への導入を含む。提示されるように、核酸配列を、対照トマト植物と比較して、増加した果実硬度を有する好適なドナー植物から得ることができる。QTL1〜5のうちのいずれかとして本明細書で同定される増加した果実硬度の遺伝子座に好適な供給源は、S.ペンネリイである。様々な程度の増加した果実硬度を有するいくつかのトマト栽培品種が市販されている。
本明細書に記載の増加した果実硬度の遺伝子座の供給源は、Dani Zamirおよび同業者(Eshed & Zamir,1994)により元来生成された系統IL−2およびIL−3に遺伝子移入される。これらの系統は、Tomato Genetics Resource Centre at Davis,California(http://tgrc.ucdavis.edu/)またはDani Zamir at the Hebrew University of Jerusalem,Israelから得られた。好適なドナー植物において同定されると、増加した果実硬度についてのQTLまたはその増加した果実硬度付与部分を含む核酸配列を、任意の利用可能な方法により好適な受容植物に移植することができる。例えば、ドナートマト植物を受容植物と交配させることにより、すなわち、遺伝子移入、形質転換、プロトプラスト融合、倍加半数体技術、胚救出、または任意の他の核酸移植システムにより、核酸配列を移植することができ、その後、本開示のQTLのうちの1つ以上を含み、かつ増加した果実硬度を示す子孫植物を選択することができる。移植における形質転換方法について、増加した果実硬度についてのQTLまたはその増加した果実硬度付与部分を含む核酸配列を、当技術分野で既知の方法を用いてドナー植物から単離することができ、そのように単離された核酸配列を、形質転換方法により、例えば、ベクターを用いて、配偶子または核酸配列で被覆された弾道粒子等の任意の他の好適な移植要素において、受容植物に移植することができる。
植物の形質転換は、概して、植物細胞で機能する発現ベクターの構成を伴う。本開示の主題において、そのようなベクターは、増加した果実硬度についてのQTLまたはその増加した果実硬度付与部分を含む核酸配列を含み、そのベクターは、プロモーター等の制御要素の制御下にあるか、あるいはそれに操作可能に結合される増加した果実硬度付与遺伝子を含み得る。発現ベクターは、その組み合わせの遺伝子のうちの少なくとも1つが増加した果実硬度をコードするという条件で、1つ以上のそのような操作可能に結合される遺伝子/制御要素の組み合わせを含有することができる。ベクターは、プラスミドの形態であってもよく、単独で、または他のプラスミドと組み合わせて使用して、当技術分野で既知の転換方法を用いて、アグロバクテリウム形質転換システム等の増加した果実硬度を有する形質転換された植物を提供することができる。
本発明者は、QTL1〜5を分子レベルで特徴付け、発現ベクターにおける使用のためのいくつかの推定上の候補遺伝子を同定した。候補遺伝子のリストは以下の通りである:TG451、すなわち、配列によりペチュニア属遺伝子pMADS3(Tsuchimoto et al.1993.Plant Cell 5,843−853)に関連しているMADSボックス転写因子に関連する、本明細書に記載のQTL1、エチレン応答性転写因子(SL1.00sc00226_365.1)位置3895565〜3896029(−鎖)に対応するオープンリーディングフレームに関連する、本明細書に記載のQTL2、ペクチンエステラーゼ/ペクチンエステラーゼ阻害剤(Syngenta GeneChipプローブID,Le0023899)に対応するオープンリーディングフレームに関連する、本明細書に記載のQTL3、dof亜鉛フィンガータンパク質6(SL1.00sc00226_436.1.1)位置4475868〜4476845(+鎖)に対応するオープンリーディングフレームに関連する、本明細書に記載のQTL4、受動拡散型ヌクレオシド輸送体ファミリータンパク質(SL1.00sc00226_511.1)位置5133572〜5135660(−鎖)に対応するオープンリーディングフレームに関連する、本明細書に記載のQTL5。エチレン応答性転写因子、dof亜鉛フィンガー6、および受動拡散型ヌクレオシド輸送体タンパク質についてのさらなる詳細を、http://solgenomics.net/で見つけることができる。
発現ベクターは、マーカーを含有する形質転換された細胞を、(選択可能なマーカー遺伝子を含有しない細胞の成長を阻害することによる)負の選択または(マーカー遺伝子によりコードされる産物をスクリーニングすることによる)正の選択のいずれかによって回復させる制御要素(プロモーター等)に操作可能に結合される、少なくとも1つのマーカー遺伝子を含み得る。植物の形質転換において一般に使用される多くの選択可能なマーカー遺伝子は、当技術分野で既知であり、例えば、抗生剤もしくは除草剤であり得る選択的な化学物質を代謝的に解毒する酵素をコードする遺伝子、または阻害剤に鈍感な変化した標的をコードする遺伝子を含む。マンノース選択等のいくつかの正の選択法が当技術分野で既知である。あるいは、少ないマーカーでの形質転換を用いて、前述のマーカー遺伝子を有さない植物を得ることができ、その技術も当技術分野で既知である。
発現ベクターを植物中に導入するための一方法は、アグロバクテリウムの自然形質転換システムに基づいている(例えば、Horsch et al.,1985を参照のこと)。A.ツメファシエンスおよびA.リゾゲネスは、植物細胞を遺伝的に形質転換する植物病原性土壌細菌である。それぞれ、A.ツメファシエンスおよびA.リゾゲネスのTiおよびRiプラスミドは、植物の遺伝形質転換に関与する遺伝子を担持する(例えば、Kado,1991を参照のこと)。発現ベクターを植物組織中に導入する方法には、アグロバクテリウム・ツメファシエンスとの直接感染または植物細胞の共栽培が含まれる(Horsch et al.,1985)。アグロバクテリウムベクターシステムの説明およびアグロバクテリウムの媒介による遺伝子移植のための方法は、Gruber & Crosby,1993,Moloney et al.,1989、ならびに米国特許第号5,591 ,616号により提供される。植物発現ベクターおよびレポーター遺伝子の概要および形質転換プロトコル、ならびにアグロバクテリウムベクターシステムの説明およびアグロバクテリウムの媒介による遺伝子移植のための方法を、Gruber & Crosby,1993で見出すことができる。植物組織を培養する一般法は、例えば、Miki et al.,1993およびPhillips et al.,1988によって提供される。分子クローン化技術および好適な発現ベクターに関する参考手引きは、Sambrook & Russell(2001)である。
発現ベクターを植物中に導入するための別の方法は、微小投射物の媒介による形質転換に基づいており、DNAは、微小投射物の表面で担持される。発現ベクターは、植物細胞壁および膜に侵入するのに十分な300〜600m/sの速度まで 微小投射物を加速させる弾道デバイスを用いて、植物組織の中に導入される(例えば、Sanford et al.,1987、Klein et al.,1988、Sanford,1988、Sanford,1990、Klein et al.,1992、Sanford et al.,1993を参照のこと)。DNAを植物中に導入するための別の方法は、標的細胞の超音波処理を介する(Zhang et al.,1991を参照のこと)。あるいは、リポソームまたはスフェロプラスト融合を用いて、発現ベクターを植物中に導入することができる(例えば、Deshayes et al.,1985およびChristou et al.,1987を参照のこと)。CaCI2沈殿、ポリビニルアルコール、またはポリ−L−オルニチンを使用したプロトプラスト中へのDNAの直接摂取も報告されている(例えば、Hain et al.1985およびDraper et al.,1982を参照のこと)。プロトプラストならびに全細胞および組織の電気穿孔も説明されている(D'Halluin et al.,1992およびLaursen et al.,1994)。
トマトゲノムの一部が、バクテリア大腸菌中で見つけられる自然発生F因子プラスミドに基づいて(Zhao & Stodoisky,2004)、細菌人工染色体(BAC)、すなわち、大腸菌細胞中の1つのDNA断片(100〜300kbの挿入サイズ、平均150kb)をクローン化するために使用されるベクターの中に導入される、BACの使用等の他の周知の技術を、例えば、Bi BACシステム(Hamilton,1997)と組み合わせて採用して、形質転換された植物を産生することができる。過剰発現ベクターの一例には、pGWB405がある(Nakagawa T,Suzuki T,Murata S at el..Improved Gateway Binary Vectors:High−performance Vectors for CREATION of Fusion Constructs in Transgenic Analysis of Plants.Bioscience biotechnology Biochemistry,71(8)2095−2010,2007)。過剰発現構築物の産生について、トマト果実硬度の調節に関与する候補遺伝子の全オープンリーディングフレームに対応する配列を、制限部位の必要性を回避するGatewayクローンシステムを用いることにより、CaMV 35Sプロモーターの前でクローン化することができる。そのような構築物は、反対端にCaMVターミネーターも含有する。RNAi構築物の産生について、トマト果実硬度の調節に関与する候補遺伝子に特有のコード配列の断片を、例えば、GatewayシステムRNAiベクターpK7GWIWG2(I)においてクローン化することができる。
トマト標的組織の形質転換後、上述の選択可能なマーカー遺伝子の発現は、標準の再生法および選択法を用いることにより、形質転換された細胞、組織、および/または植物の優先的選択を可能にする。
その発現レベルがより大きい果実硬度を有する組換え体において変化する、5個の遺伝子も提供される。それら5個の遺伝子は、TG451(MADSボックス転写因子)、エチレン応答性転写因子12、ペクチンメチルエステラーゼ、dof亜鉛フィンガータンパク質6、および受動拡散型ヌクレオシド輸送体ファミリータンパク質をコードし、それぞれ、QTL1〜5の位置と相関することが見出された。mRNA発現分析は、エチレン応答性転写因子12がブレーカ期に増加した硬度と負の相関性があったが、ペクチンメチルエステラーゼは正の相関性があったことを示した(図8)。dof亜鉛フィンガータンパク質のmRNAレベルは、野生型M82と比較して、遺伝子移入系統IL2−4およびIL2−3の方が低かった(図9)。このデータを踏まえて、下方調節されたレベルのエチレン応答性転写因子12および/またはdof亜鉛フィンガータンパク質6を有するか、あるいはそれらが不在であるトマト植物等の植物、ならびに上方調節された(もしくは過剰発現された)レベルのペクチンメチルエステラーゼを有する植物は、増加した果実硬度を示すであろうことが予測される。MADSボックス転写因子であるTG451、および受動拡散型ヌクレオシド輸送体ファミリータンパク質は、向上した果実硬度に関与した(実施例9を参照のこと)。
したがって、本発明は、a)以下のエチレン応答性転写因子12またはペクチンメチルエステラーゼまたはdof亜鉛フィンガータンパク質6またはTG451または受動拡散型ヌクレオシド輸送体ファミリータンパク質に対応するオープンリーディングフレームまたはその一部に対応するヌクレオチド配列、b)a)のヌクレオチド配列と少なくとも80%同一であるヌクレオチド配列、c)a)のヌクレオチド配列の少なくとも21個の連続的ヌクレオチドを含むヌクレオチド配列、d)ストリンジェントな条件下で、a)〜c)のヌクレオチド配列のうちのいずれかの相補体にハイブリダイズするヌクレオチド配列、およびe)a)〜d)のうちのいずれか1つのヌクレオチド配列の相補体であるヌクレオチド配列から成る群から選択される、単離したヌクレオチド配列を提供する。1つの実施形態において、ステップb)のヌクレオチド配列は、a)のヌクレオチド配列と少なくとも90%同一である。
1つの実施形態において、本発明の単離したヌクレオチド配列は、TG451、MADSボックス転写因子である。別の実施形態では、本発明の単離したヌクレオチド配列は、エチレン応答性転写因子12である。別の実施形態では、本発明の単離したヌクレオチド配列は、ペクチンメチルエステラーゼである。別の実施形態では、本発明の単離したヌクレオチド配列は、dof亜鉛フィンガータンパク質6である。別の実施形態では、本発明の単離したヌクレオチド配列は、受動拡散型ヌクレオシド輸送体ファミリータンパク質である。
本発明の単離したヌクレオチド配列を含むベクターも提供される。1つの実施形態において、単離したヌクレオチド配列は、センス配向である。別の実施形態では、単離したヌクレオチド配列は、アンチセンス配向である。
本発明のベクターを発現する宿主細胞も提供される。
本発明の宿主細胞を含む形質転換された植物またはその一部も提供される。1つの実施形態において、形質転換された植物またはその一部は、単子葉植物である。別の実施形態では、植物またはその一部は、双子葉植物、例えばトマトである。
本発明に記載の、宿主細胞から植物を再生することを含む、形質転換された植物を産生するための方法も提供される。
本発明に記載の方法により産生される栽培植物またはその一部も提供される。
該植物を本発明のベクターで形質転換することを含む、形質転換された植物、例えばトマト植物の果実の質感を操作する方法も提供される。1つの実施形態において、果実の熟成速度は、形質転換されていない植物由来の果実と比較して増加する。別の実施形態では、果実の熟成速度は、形質転換されていない植物由来の果実と比較して減少する。1つの実施形態において、トマトの熟成速度は、ブレーカ期に測定される。
該植物を本発明のベクターで形質転換することを含む、形質転換された植物の果実、例えばトマト植物のトマト果実の色素含量を操作する方法も提供される。1つの実施形態において、果実の色素含量は、形質転換されていない植物由来の果実と比較して増加する。1つの実施形態において、果実の色素含量は、形質転換されていない植物由来の果実と比較して減少する。1つの実施形態において、果実の色素含量は、ブレーカ期に測定される。
植物、例えば、本発明の方法により得られるトマト植物またはその一部も提供される。
DNAを該植物および該植物のうちの1つもしくは両方の親から単離すること、本発明の単離した配列に対応する配列で、またはそれに接近して該DNAの領域内の遺伝子マーカーについてスクリーニングすること、および1つもしくは両方の親から該個体への該マーカーの共遺伝を決定することを含む、ナス科の植物のトマト質感を示す遺伝子マーカーを検出する方法も提供される。
本発明の遺伝子マーカーを検出する方法により検出可能な遺伝子マーカーも提供される。
トマト果実を有することができる栽培トマト植物の産生のための本発明の遺伝子マーカーの使用も提供される。
本発明の方法により産生される栽培トマト植物またはその一部も提供される。
生食用カット野菜市場における、または食品加工のための、本発明に記載の栽培トマト植物またはその一部の使用も提供される。
植物、好ましくはトマト植物の果実の熟成速度または色素含量の操作における本発明の単離したヌクレオチド配列の使用も提供され、該操作は、該植物の遺伝子修飾により達成される。
本発明に記載の方法の使用も提供され、該遺伝子修飾は、トランスポゾン挿入突然変異誘発、T−DNA挿入突然変異誘発、TILLING、部位特異的突然変異誘発、指向進化、および相同組換えから成るリストから選択される方法により導入される。1つの実施形態において、遺伝子修飾は、TILLINGにより導入される。
非形質転換方法による増加した果実硬度を有するトマト植物の産生
増加した果実硬度を有するトマト植物の産生についてのいくつかの実施形態では、ドナー植物から受容植物への核酸の移植のために、プロトプラスト融合を用いることができる。プロトプラスト融合は、1つ、2つ、または複数の核細胞を産生するための、(その細胞壁が酵素処理により除去される)2つ以上のプロトプラスト間の体細胞ハイブリダイゼーション等の誘発された結合または自発的結合である。実際は異種交配することができない植物種で得ることもできる融合細胞は、望ましい形質の組み合わせを示す雑種植物の中に組織培養される。より具体的には、第1のプロトプラストを、トマト植物または増加した果実硬度を示す他の植物系統から得ることができる。第2のプロトプラストを、第2のトマト植物または他の植物品種、好ましくは商業的に有用な特性を含むトマト植物系統から得ることができる。次に、プロトプラストは、当技術分野で既知の従来のプロトプラスト融合手順を用いて融合される。
あるいは、胚救出を、ドナートマト植物から受容トマト植物への本明細書に記載の1つ以上のQTLを含む核酸の移植において採用することができる。胚救出を、胚を交配種から単離する手順として用いることができ、植物は、生育し得る種子を産生することができない。この過程において、植物の受精した子房または未熟種子は、新しい植物を作成するために組織培養される(Pierik,1999)。本開示の主題は同様に、増加した果実硬度を有するトマト植物を産生するための方法に関し、本明細書に記載のドナートマト植物の増加した果実硬度に関連付けられるQTLの存在を検出するための方法を実行すること、およびそのように検出された少なくとも1つのQTLまたはその増加した果実硬度付与部分を含む核酸配列を、ドナー植物から受容トマト植物に移植することを含む。核酸配列の移植を、本明細書で先に説明された方法のうちのいずれかで実行することができる。
そのような方法の模範的な実施形態は、植物を交配させることによる、ドナートマト植物から受容トマト植物への核酸配列の遺伝子移入による移植を含む。したがって、この移植を、従来の育種技術を用いることにより適切に遂行することができる。いくつかの実施形態では、QTLは、マーカー利用選抜(MAS)またはマーカー利用育種(MAB)を用いて、市販のトマト品種に遺伝子移入される。MASおよびMABは、所望の形質をコードする遺伝子のうちの1つ以上を含有するそれらの子孫植物の同定および選択ために、分子マーカーのうちの1つ以上の使用を伴う。本開示の主題との関連において、そのような同定および選択は、本開示の主題のQTLまたはそれに関連するマーカーの選択に基づいている。MASを、関心のQTLを保持する準同質遺伝子系統(NIL)を開発するために用いることもでき、それぞれのQTL効果のより詳細にわたる研究を可能にし、戻し交雜自殖系統(BIL)集団の開発のための効率的な方法でもある(例えば、Nesbitt & Tanksley,2001、van Berloo et al.,2001を参照のこと)。これらの実施形態に従って開発されるトマト植物は、それらの形質の大部分を受容植物から有利に得ることができ、かつ増加した果実硬度をドナー植物から得ることができる。本明細書で議論されるように、従来の育種技術を、増加した果実硬度をコードする核酸配列を受容トマト植物に遺伝子移入するために用いることができる。いくつかの実施形態では、増加した果実硬度を示し、かつ増加した果実硬度をコードする核酸配列を含むドナートマト植物は、いくつかの実施形態では、商業的に望ましい特性を示す受容トマト植物と交配させられる。
(F1雑種と表される)得られた植物集団は、次に、自家授粉し、種子(F2種子)を蒔く。次に、F2種子から生長したF2植物は、当業者に既知の方法で増加した果実硬度についてスクリーニングされる。
増加した果実硬度を有するトマト植物系統を、循環選抜および戻し交配、自家受粉、ならびに/もしくは二ゲノム性半数体の技術、または親系統を作製するために用いられる任意の他の技術を用いて開発することができる。循環選抜および戻し交配の方法において、反復親を、反復親とは異なり、かつ本明細書において「非反復親」と称される第1のドナー植物と交配させることにより、増加した果実硬度を、標的受容植物(反復親)に遺伝子移入することができる。反復親は、増加した果実硬度を有さないが、商業的に望ましい特性を有する植物である。
いくつかの実施形態では、非反復親は、増加した果実硬度を示し、かつ増加した果実硬度をコードする核酸配列を含む。非反復親は、反復親と交雑受精する任意の植物品種または近交系統であり得る。
反復親と非反復親との間の交配に起因する子孫は、反復親に戻し交配される。次に、得られた植物集団は、増加した果実硬度についてスクリーニングされる。マーカー利用選抜(MAS)を、本明細書に記載の分子マーカーのうちの1つ以上を用いて、またはハイブリダイゼーションプローブもしくはポリヌクレオチドを用いて実行し、増加した果実硬度をコードする核酸配列を含むそれらの子孫を同定することができる。同様に、MASを、定量的な果実硬度の測定から得られる結果を確認するために用いることができる。
スクリーニング後、次に、増加した果実硬度の表現型、またはいくつかの実施形態では、遺伝子型を示し、したがって、増加した果実硬度をコードする必要な核酸配列を含むF1雑種植物が選択され、トマト植物が次第に近交になることを可能にするために、いくつかの世代にわたって反復親に戻し交配する。この過程を、2世代、3世代、4世代、5世代、6世代、7世代、8世代以上にわたって実行することができる。原則として、反復親を増加した果実硬度の非反復親と交配させる過程に由来する子孫は、増加した果実硬度をコードする1つ以上の遺伝子に対してヘテロ接合性である。
概して、所望の形質を雑種トマト品種に導入する方法は、以下:
(a)近交系トマト親を1つ以上の所望の形質を含む別のトマト植物と交配させて、F1子孫植物を産生することであって、所望の形質は、増加した果実硬度であり、
(b)いくつかの実施形態において、本明細書に記載の分子マーカーを用いて、所望の形質を有するF1子孫植物を選択して、選択したF1子孫植物を産生すること、
(c)選択した子孫植物を近交系トマト親植物に戻し交配させて、戻し交配子孫植物を産生すること、
(d)近交系トマト親植物の所望の形質ならびに形態学的および生理学的特性を有する戻し交配子孫植物を選択することであって、選択は、本明細書に記載のいくつかの実施形態において、ゲノムDNAの単離、ならびにQTL1、QTL2、QTL3、QTL4、および/またはQTL5に対する少なくとも1つの分子マーカーの存在についてDNAを試験することを含み、
(e)ステップ(c)および(d)を2回以上連続して繰り返して、選択した第3世代以上の戻し交配子孫植物を産生すること、
(f)ホモ接合植物を同定するために選択した戻し交配子孫を任意で自家受粉させること、および
(g)同一の環境条件で生長させる時に、戻し交配子孫または自家受粉した植物のうちの少なくとも1つを別の近交系トマト親植物と交配させて、雑種トマト品種の所望の形質ならびに形態学的および生理学的特性の全てを有する雑種トマト品種を生成すること、を含み得る。
示されるように、最後の戻し交配世代を、増加した果実硬度を有するホモ接合純粋繁殖(近交系)子孫を提供するために自家受粉させることができる。したがって、循環選抜、戻し交配、および自家受粉の結果は、増加した果実硬度に関連付けられる遺伝子、ならびにいくつかの実施形態では、商業的関心の形質に関連付けられる他の遺伝子と遺伝的に同種である系統の産生である。
したがって、本明細書に記載の増加した果実硬度を有する果実を提供するトマト植物を産生する方法が提供される。
特定の実施形態において、本明細書に記載の増加した果実硬度を有する果実を提供するトマト植物を産生する方法が提供され、本明細書に記載の増加した果実硬度に関連付けられるQTLを検出するための方法を実行するステップ、およびそのように検出された少なくとも1つのQTLを含む核酸を、ドナートマト植物から受容トマト植物に移植するステップを含み、該増加した果実硬度は、対照トマト植物由来の果実と比較して、子孫栽培トマト植物由来の果実において測定される。
特定の実施形態において、本明細書に記載の増加した果実硬度を有する果実を提供する栽培トマト植物を産生する方法が提供され、核酸の該移植は、形質転換、プロトプラスト融合、倍加半数体技術、または胚救出により実行される。
特定の実施形態において、本明細書に記載の増加した果実硬度を有する果実を提供する栽培トマト植物を産生する方法が提供され、子孫トマト植物の果実硬度範囲は、収穫期の対照トマト植物の果実よりも1.2〜2.0倍大きい。あるいは、子孫トマト植物の果実硬度範囲は、収穫期の対照トマト植物由来の果実よりも1.2〜1.5倍大きい。好ましくは、収穫期は緑熟期である。あるいは、収穫期は、緑未熟期、急成長期、ブレーカ期、または赤熟期、あるいはこれらの期のうちのいずれかの1、2、3、4、5、6、7、8、9、もしくは10日後であり得る。
特定の実施形態において、本明細書に記載の増加した果実硬度を有する果実を提供するトマト植物を産生する方法が提供され、果実硬度範囲は、ブレーカ期プラス7日まで上がったままである。
さらなる態様において、本明細書に記載の増加した果実硬度を有する果実を提供するトマト植物を産生する方法が提供され、ドナー植物は、S.ペンネリイであり、受容植物は、S.リコペルシクムである。あるいは、ドナー植物または受容植物は、以下:ソラヌム・リコペルシクム種(同義語は、リコペルシコン・リコペルシクムもしくはリコペルシコン・エスクレンタムである)、またはL.セラシフォルム、L.ケエスマニイ、L.チレンセ、L.クミリウスキイ、L.エスクレンタム(現在はS.ペンネリイ)、L.ヒルスタム、L.パルビポラム、L.ペンネリイ、L.ペルビアナム、L.ピンピネリフォリウム、もしくはS.リコペルシコイデスを含むが、これらに限定されないリコペルシコンの属名下でかつて知られていた種の範囲内の任意の品種、系統、または集団のうちのいずれか1つであり得る。L.エスクレンタムについて新たに提案された学名は、S.ペンネリイである。同様に、野生種の名前は変わり得る。L.ペンネリイはS.ペンネリイになり、L.ヒルスタムはS.ハブロカイテスになってもよく、L.ペルビアナムをS.'Nペルビアナム'およびS.'カレヨンデヒュアイレス'、S.ペルビアナム、ならびにS.コルネリオムエルレリに分けてもよく、L.パルビフロラムはS.ネオリキイになってもよく、L.クミリウスキイはS.クミリウスキイになってもよく、L.チレンセはS.チレンセになってもよく、L.ケエスマニアエはS.ケエスマニアエもしくはS.ガラパゲンセになってもよく、L.ピンピネリフォリウムはS.ピンピネリフォリウムになってもよい(Knapp(2005)。
本明細書に記載の増加した果実硬度を有する果実を提供するトマト植物を産生する方法も提供され、該QTLは、a)DNAマーカーNT3853、NT3907、およびTG14のうちの少なくとも1つに関連付けられるQTL1、またはb)DNAマーカーHOX7AおよびCT277のうちの少なくとも1つに関連付けられるQTL2、またはc)DNAマーカーHB2600、TG353のうちの少なくとも1つに関連付けられるQTL3、d)DNAマーカーLm0127およびLm1650のうちの少なくとも1つに関連付けられるQTL4、e)DNAマーカーLE5100およびLE5200のうちの少なくとも1つに関連付けられるQTL5のうちの1つ以上である。
本明細書に記載の増加した果実硬度を有する果実を提供するトマト植物を産生する方法も提供され、該QTLは、DNAマーカーNT3853、NT3907、およびTG14のうちの少なくとも1つに関連付けられるQTL1であり、内側の果皮にのみ存在する。
特定の実施形態において、本明細書に記載の増加した果実硬度を有する果実を提供するトマト植物を産生する方法が提供され、該QTLは、DNAマーカーNT3853、NT3907、およびTG14のうちの少なくとも1つに関連付けられるQTL1、ならびにDNAマーカーHOX7AおよびCT277のうちの少なくとも1つに関連付けられるQTL2である。
特定の実施形態において、本明細書に記載の増加した果実硬度を有する果実を提供するトマト植物を産生する方法が提供され、該QTLは、DNAマーカーNT3853、NT3907、およびTG14のうちの少なくとも1つに関連付けられるQTL1、ならびにDNAマーカーHB2600、TG353のうちの少なくとも1つに関連付けられるQTL3である。
特定の実施形態において、本明細書に記載の増加した果実硬度を有する果実を提供するトマト植物を産生する方法が提供され、該QTLは、DNAマーカーNT3853、NT3907、およびTG14のうちの少なくとも1つに関連付けられるQTL1、ならびにLm0127およびLm1650のうちの少なくとも1つに関連付けられるQTL4である。
特定の実施形態において、本明細書に記載の増加した果実硬度を有する果実を提供するトマト植物を産生する方法が提供され、該QTLは、DNAマーカーNT3853、NT3907、およびTG14のうちの少なくとも1つに関連付けられるQTL1、ならびにLE5100およびLE5200のうちの少なくとも1つに関連付けられるQTL5である。
特定の実施形態において、本明細書に記載の増加した果実硬度を有する果実を提供するトマト植物を産生する方法が提供され、該QTLは、DNAマーカーHOX7AおよびCT277のうちの少なくとも1つに関連付けられるQTL2、ならびにDNAマーカーHB2600、TG353のうちの少なくとも1つに関連付けられるQTL3である。
特定の実施形態において、本明細書に記載の増加した果実硬度を有する果実を提供するトマト植物を産生する方法が提供され、該QTLは、DNAマーカーHOX7AおよびCT277のうちの少なくとも1つに関連付けられるQTL2、ならびにLm0127およびLm1650のうちの少なくとも1つに関連付けられるQTL4である。
特定の実施形態において、本明細書に記載の増加した果実硬度を有する果実を提供するトマト植物を産生する方法が提供され、該QTLは、DNAマーカーHOX7AおよびCT277のうちの少なくとも1つに関連付けられるQTL2、ならびにLE5100およびLE5200のうちの少なくとも1つに関連付けられるQTL5である。
特定の実施形態において、本明細書に記載の増加した果実硬度を有する果実を提供するトマト植物を産生する方法が提供され、該QTLは、DNAマーカーHB2600およびTG353のうちの少なくとも1つに関連付けられるQTL3、ならびにLm0127およびLm1650のうちの少なくとも1つに関連付けられるQTL4である。
特定の実施形態において、本明細書に記載の増加した果実硬度を有する果実を提供するトマト植物を産生する方法が提供され、該QTLは、DNAマーカーHB2600およびTG353のうちの少なくとも1つに関連付けられるQTL3、ならびにLE5100およびLE5200のうちの少なくとも1つに関連付けられるQTL5である。
特定の実施形態において、本明細書に記載の増加した果実硬度を有する果実を提供するトマト植物を産生する方法が提供され、該QTLは、Lm0127およびLm1650のうちの少なくとも1つに関連付けられるQTL4、ならびにLE5100およびLE5200のうちの少なくとも1つに関連付けられるQTL5である。
特定の実施形態において、本明細書に記載の増加した果実硬度を有する果実を提供するトマト植物を産生する方法が提供され、該QTLは、DNAマーカーNT3853、NT3907、およびTG14のうちの少なくとも1つに関連付けられるQTL1、ならびにDNAマーカーHOX7AおよびCT277のうちの少なくとも1つに関連付けられるQTL2、ならびにDNAマーカーHB2600、TG353のうちの少なくとも1つに関連付けられるQTL3、ならびにLm0127およびLm1650のうちの少なくとも1つに関連付けられるQTL4、ならびにLE5100およびLE5200のうちの少なくとも1つに関連付けられるQTL5である。
特定の実施形態において、本明細書に記載の増加した果実硬度を有する果実を提供するトマト植物を産生する方法が提供され、該QTLは、DNAマーカーNT3853、NT3907、およびTG14のうちの少なくとも1つに関連付けられるQTL1であり、内側の果皮にのみ存在する。
さらなる態様において、本明細書に記載の方法により入手可能である、トマト植物またはその一部が提供される。
さらなる態様において、本明細書に記載の増加した果実硬度に関与するQTLを含む栽培トマト植物が提供される。
さらなる態様において、本明細書に記載のトマト植物を商業的に望ましい特性を示すトマト植物と交配させることにより入手可能である、雑種トマト植物またはその一部が提供される。
さらなる態様において、本明細書に記載のトマト植物を生長させることにより産生されるトマト種子が提供される。
さらなる態様において、対照植物と比較して、著しく増加した果実硬度を得るように、本明細書に記載の栽培トマト植物を望ましい表現型形質を有する植物と交配させることにより産生されるトマト種子が提供される。
さらなる態様において、対照植物と比較して、増加した果実硬度を有するトマト植物の産生のために、本明細書に記載のQTLの使用が提供される。
さらなる態様において、トマト果実の収穫期間を拡大するために、本明細書に記載の増加した果実硬度を有するトマト植物の使用が提供される。収穫期間を、1、2、3、4、5、6、7、8、9、または10日のうちのいずれか1つだけ拡大することができる。
さらなる態様において、生食用カット野菜市場における、または食品加工のための、本明細書に記載の増加した果実硬度を有するトマト植物の使用が提供される。
さらなる態様において、本明細書に記載の少なくとも1つのQTLを含むトマト植物から作られる加工食品が提供される。
本発明の実施形態
実施形態1:トマト果実を産生する栽培トマト植物中の少なくとも1つの遺伝要素に関連付けられる、収穫期に著しく増加した果実硬度を有するトマト果実であり、該硬度は、該少なくとも1つの遺伝要素を有さない対照トマト植物由来の果実の硬度よりも1.2〜2.0倍大きい、トマト果実。
実施形態2:収穫期は緑熟期である、実施形態1に記載のトマト果実。
実施形態3:果実硬度は、該少なくとも1つの遺伝要素を有さない対照トマト植物から産生される硬度よりも1.2〜1.5倍大きい、実施形態1または2に記載のトマト果実。
実施形態4:該硬度範囲は、ブレーカ期プラス7日に測定される、実施形態1〜3のいずれか1つに記載のトマト果実。
実施形態5:少なくとも1つの遺伝要素は、第2染色体長腕上に位置する、任意の前記実施形態に記載のトマト果実。
実施形態6:該植物は、a)少なくとも1つの遺伝要素が、NT3853、NT3907、TG14、HOX7A、CT277、HB2600、TG353、Lm0127、Lm1650、LE5100、およびLE5200から成る群から選択される少なくとも1つのDNAマーカーに関連付けられること、ならびに/またはb)少なくとも1つの遺伝要素が、それぞれ、受入番号LA4038およびLA4039として寄託されるソラヌム・ペンネリイ系統IL2−3およびIL2−4中の対応する遺伝要素と相補的であることを特徴とすることができ、LA4038およびLA4039中の該少なくとも1つの遺伝要素は、NT3853、NT3907、TG14、HOX7A、CT277、HB2600、TG353、Lm0127、Lm1650、LE5100、およびLE5200から成る群から選択される少なくとも1つのDNAマーカーに関連付けられる、実施形態1〜5のいずれかに記載のトマト果実を産生する栽培トマト植物。
実施形態7:少なくとも1つの遺伝要素は、a)DNAマーカーNT3853、NT3907、およびTG14のうちの少なくとも1つに関連付けられるQTL1、またはb)DNAマーカーHOX7AおよびCT277のうちの少なくとも1つに関連付けられるQTL2、またはc)DNAマーカーHB2600、TG353のうちの少なくとも1つに関連付けられるQTL3、またはd)DNAマーカーLm0127およびLm1650のうちの少なくとも1つに関連付けられるQTL4、またはe)DNAマーカーLE5100およびLE5200のうちの少なくとも1つに関連付けられるQTL5から選択される1つ以上のQTLである、実施形態6に記載の栽培トマト植物。
実施形態8:QTLは、DNAマーカーNT3853、NT3907、およびTG14のうちの少なくとも1つに関連しているでQTL1あり、内側の果皮にのみ存在する、実施形態7に記載の栽培トマト植物。
実施形態9:該植物は、近交系、二ゲノム性半数体、または雑種である、実施形態6〜8のいずれか1つに記載の栽培トマト植物。
実施形態10:該植物は雄性不稔である、実施形態9に記載の栽培トマト植物。
実施形態11:実施形態6〜10のいずれか1つに記載の栽培トマト植物を産生する、トマト種子。
実施形態12:実施形態11に記載の栽培トマト植物の植物部分。
実施形態13:実施形態12に記載の栽培トマト植物の植物部分から入手可能である、植物原料。
実施形態14:対照トマト植物と比較して、栽培トマト植物由来の果実の著しく増加した果実硬度に関連付けられるQTLを検出するための方法であって、a)ドナートマト植物を受容トマト植物と交配させて、子孫栽培トマト植物を提供するステップと、b)該子孫植物の果実の硬度を定量的に決定するステップと、c)観察された増加した果実硬度を、該子孫植物における該ドナー植物由来の少なくとも1つのDNAマーカーの存在と関連付ける遺伝子連鎖地図を確立するステップと、d)QTLに、著しく増加した果実硬度に関連付けられる該地図上のDNAマーカーを割り当てるステップと、を含む、方法。
実施形態15:該ドナー植物は、該受容植物と比較して、著しく増加した果実硬度を有する、実施形態14に記載の方法。
実施形態16:ドナー植物はソラヌム・ペンネリイであり、受容植物はソラヌム・リコペルシクムである、実施形態14または15に記載の方法。
実施形態17:子孫植物の果実硬度範囲は、収穫期に対照トマト植物から産生される果実の硬度よりも1.2〜2.0倍大きい、実施形態14〜16のいずれか1つに記載の方法。
実施形態18:子孫植物の果実硬度範囲は、収穫期に対照トマト植物から産生される果実の硬度よりも1.2〜1.5倍大きい、実施形態17に記載の方法。
実施形態19:収穫期は緑熟期である、実施形態17〜18のいずれか1つに記載の方法。
実施形態20:少なくとも1つのDNAマーカーは、ソラヌム・ペンネリイ中で見つけられる、実施形態14〜19のいずれか1つに記載の方法。
実施形態21:少なくとも1つのDNAマーカーは、NT3853、NT3907、TG14、HOX7A、CT277、HB2600、TG353、Lm0127、Lm1650、LE5100、およびLE5200から選択される、実施形態14〜20のいずれか1つに記載の方法。
実施形態22:該QTLは、a)DNAマーカーNT3853、NT3907、およびTG14のうちの少なくとも1つに関連付けられるQTL1、またはb)DNAマーカーHOX7AおよびCT277のうちの少なくとも1つに関連付けられるQTL2、またはc)DNAマーカーHB2600、TG353のうちの少なくとも1つに関連付けられるQTL3、またはd)DNAマーカーLm0127およびLm1650のうちの少なくとも1つに関連付けられるQTL4、またはe)DNAマーカーLE5100およびLE5200のうちの少なくとも1つに関連付けられるQTL5のうちの1つ以上である、実施形態14〜21のいずれか1つに記載の方法。
実施形態23:該QTLは、DNAマーカーNT3853、NT3907、およびTG14のうちの少なくとも1つに関連しているQTL1であり、内側の果皮にのみ存在する、実施形態22に記載の方法。
実施形態24:実施形態14〜23のいずれか1つに記載の方法により検出される栽培トマト植物により提供される、果実の増加した果実硬度に関与する、QTL。
実施形態25:第2染色体長腕上に位置する、実施形態24に記載のQTL。
実施形態26:NT3853、NT3907、TG14、HOX7A、CT277、HB2600、TG353、Lm0127、Lm1650、LE5100、およびLE5200から成る群から選択される少なくとも1つのDNAマーカーに関連している、実施形態24〜25のいずれか1つに記載のQTL。
実施形態27:該QTLは、a)DNAマーカーNT3853、NT3907、およびTG14のうちの少なくとも1つに関連付けられるQTL1、b)DNAマーカーHOX7AおよびCT277のうちの少なくとも1つに関連付けられるQTL2、c)DNAマーカーHB2600、TG353のうちの少なくとも1つに関連付けられるQTL3、d)DNAマーカーLm0127およびLm1650のうちの少なくとも1つに関連付けられるQTL4、e)DNAマーカーLE5100およびLE5200のうちの少なくとも1つに関連付けられるQTL5のうちの1つ以上である、実施形態24〜26のいずれか1つに記載のQTL。
実施形態28:該QTLは、DNAマーカーNT3853、NT3907、およびTG14のうちの少なくとも1つに関連付けられるQTL1であり、内側の果皮にのみ存在する、実施形態27に記載のQTL。
実施形態29:実施形態24〜28のいずれか1つに記載のQTLを含むトマト植物から得られる、単離DNA試料。
実施形態30:実施形態1〜5のいずれか1つに記載の著しく増加した果実硬度を有する果実を提供する栽培トマト植物を産生する、方法。
実施形態31:実施形態14〜23のいずれか1つに記載の著しく増加した果実硬度に関連しているQTLを検出するための方法を実行するステップと、そのように検出された少なくとも1つのQTLを含む核酸を、ドナートマト植物から受容トマト植物に移植するステップと、を含み、該増加した果実硬度は、対照トマト植物由来の果実と比較して、子孫栽培トマト植物由来の果実において測定される、実施形態30に記載の増加した果実硬度を有する果実を提供する栽培トマト植物を産生する方法。
実施形態32:核酸の該移植は、形質転換、プロトプラスト融合、倍加半数体技術、または胚救出により実行される、実施形態30〜31のいずれか1つに記載の増加した果実硬度を有する果実を提供する栽培トマト植物を産生する方法。
実施形態33:ドナートマト植物の果実硬度範囲は、緑熟期の対照トマト植物の果実よりも1.2〜2.0倍大きい、実施形態30〜32のいずれか1つに記載の増加した果実硬度を有する果実を提供する栽培トマト植物を産生する方法。
実施形態34:果実硬度範囲は、ブレーカ期プラス7日に測定される、実施形態30〜33のいずれか1つに記載の増加した果実硬度を有する果実を提供する栽培トマト植物を産生する方法。
実施形態35:ドナー植物はソラヌム・ペンネリイであり、受容植物はソラヌム・リコペルシクムである、実施形態31〜34のいずれか1つに記載の増加した果実硬度を有する果実を提供する栽培トマト植物を産生する方法。
実施形態36:該QTLは、a)DNAマーカーNT3853、NT3907、およびTG14のうちの少なくとも1つに関連付けられるQTL1、またはb)DNAマーカーHOX7AおよびCT277のうちの少なくとも1つに関連付けられるQTL2、またはc)DNAマーカーHB2600、TG353のうちの少なくとも1つに関連付けられるQTL3、またはd)DNAマーカーLm0127およびLm1650のうちの少なくとも1つに関連付けられるQTL4、またはe)DNAマーカーLE5100およびLE5200のうちの少なくとも1つに関連付けられるQTL5のうちの1つ以上である、実施形態31〜35のいずれか1つに記載の増加した果実硬度を有する果実を提供する栽培トマト植物を産生する方法。
実施形態37:該QTLは、DNAマーカーNT3853、NT3907、およびTG14のうちの少なくとも1つに関連付けられるQTL1であり、内側の果皮にのみ存在する、実施形態36に記載の増加した果実硬度を有する果実を提供する栽培トマト植物を産生する方法。
実施形態38:実施形態30〜37のいずれか1つに記載の方法により入手可能である、栽培トマト植物またはその一部。
実施形態39:実施形態24〜28のいずれか1つに記載の増加した果実硬度に関与するQTLを含む、栽培トマト植物。
実施形態40:実施形態6〜10および38〜39に記載の栽培トマト植物を、商業的に望ましい特性を示すトマト植物と交配させることにより入手可能である、雑種トマト植物またはその一部。
実施形態41:実施形態6〜10および38〜40のいずれか1つのトマト植物を生長させることにより産生される、トマト種子。
実施形態42:対照植物と比較して、著しく増加した果実硬度を有する植物を得るように、実施形態6〜10および38〜40のいずれか1つの栽培トマト植物を、望ましい表現型形質を有する植物と交配させることにより産生される、トマト種子。
実施形態43:対照トマト植物と比較して、著しく増加した果実硬度を有するトマト植物の産生のための、実施形態24〜28のいずれか1つに記載のQTLの使用。
実施形態44:トマト果実の収穫期間を拡大するための、実施形態6〜10および38〜40のいずれか1つに記載のトマト植物の使用。
実施形態45:生食用カット野菜市場における、または食品加工のための、実施形態6〜10および38〜40のいずれか1つに記載のトマト植物の使用。
実施形態46:生食用カット野菜市場における、または食品加工のための、実施形態1〜5のいずれか1つに記載のトマト果実の使用。
実施形態47:実施形態6〜10に記載の少なくとも1つの遺伝要素を含むトマト植物から作られる、加工食品。
寄託された系統
以下の種子試料は、Syngenta Participations AGの名目で、ブダペスト条約の条項の下、2009年10月22日にNCIMB,Ferguson Building,Craibstone Estate,Bucksbum,Aberdeen AB21 9YA,Scotland,UKに寄託された:
ソラヌム・リコペルシクムCV M82、寄託番号NCIMB41661
ソラヌム・リコペルシクムQTL NIL301、寄託番号NCIMB41662
系統の詳細:系統IL2−3のF2組換え体および系統IL2−4のF3組換え体を、増加した果実硬度について試験した。QTL組換え系統301を含む極めて硬い系統を同定した。このヘテロ接合体組換え301のF3種子を蒔き、ホモ接合体個体を、マーカーを用いて同定した。F4種子を収集し、5つの系統を再生長させ、葉のDNAを、マーカーを用いて調査した。次に、F5種子を収集し、系統301由来のQTL−NIL種子として寄託した。CV M82由来の種子も栽培親として寄託した。
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実施例1
遺伝子移入系統の果実硬度測定
76個のS.ペンネリイILを、2006年夏に(「定義」の項で説明される)標準の温室条件下で生長させた。果実硬度を測定するために、特製刃物上に実装された両刃を用いて果実の中心から横断面に切断し、ちょうど6mmの区分を得た。この区分を平皿上に設置した。次に、10Nのロードセルを装備したLloyd LRX機を用いて、10mm/分(最大荷重)で移動する6mmのプローブによって外側および内側の果皮組織に侵入するのに必要とされる力を測定した。熟成果実におけるこれらの果実硬度の測定は、M82対照と比較して、IL2−3およびIL2−4系統が熟成中に著しく増加した果実硬度を有したことを実証した。IL2−3において最も顕著な効果が見られ、この系統の外側および内側の果皮のデータが、以下の表1および表2に示される。
それぞれの表において、硬度は、最大荷重(N)の測定により表される。残差最尤法(Residual Maximum Likelihood:REML)統計値を用いて生成された値は、2年後(2007年および2008年)の系統についての予測手段であり、果実重量、房状につく実の数、収穫日、および温室内の位置から生じた変動率を考慮に入れる。
Figure 2013507977
Figure 2013507977
*これらの系統を多くの他の系統とともに用いて、QTL地図を生成した。それらはF2系統であり、したがって、いくつかの遺伝子座において以前としてヘテロ接合体である。
実施例2
IL2−3およびIL2−4遺伝子移入系統における組換え事象を描写するためのマーカーの開発ならびに実験で使用される遺伝子型の確認
トマト遺伝子地図(Tanksley et al,1992、www.sgn.cornell.edu)に基づいて、第2染色体上の2−3および2−4遺伝子移入を区別し、区切るためのマーカーを選択した。単一ヌクレオチド多型(SNP)を、S.リコペルシクムおよびS.ペンネリイの間で同定した。これらを用いて、本実験で使用する全ての7200系統の遺伝子型を検証した。次に、CT255、TG353、TG451、およびTG583(図1)に対してTaqmanに基づくマーカーを生成し、有益な組換え体についてのハイスループットスクリーニングを可能にした。図1は、(A)IL2−3、(B)IL2−4、および(C)QTL−NIL301を描写するマーカーを示す図案である。
実施例3
増加した果実硬度の形質が優性または劣性であるかの確立ならびに組換え事象についてのスクリーニングのために生長させられるIL2−3×M82F2およびIL2−4×M82F2種子の十分な収集
IL2−3とM82との間の戻し交配のF1系統由来の果実がM82親よりも硬かったため、S.ペンネリイの果実硬度対立遺伝子は、M82対立遺伝子よりも優性であることが示された。IL2−3×M82とIL2−4×M82との間の交配由来の種子を、Dani Zamir(The Hebrew University of Jerusalem)から得た。ほとんどの事例においてF1種子を生長させたが、一部の事例ではこれを使用することができず、F2種子を自家受粉およびヘテロ接合性F2個体の選択により得た。これらの個体由来の種子を収集して、組換え体についてスクリーニングした。
次に、標準の条件下での生長後、これらのF1およびF2ヘテロ接合体系統の熟成果実を機械的性質について試験した。最初の赤色のサイン(ブレーカの翌日)の7日後に果実を収集した。特製刃物上に実装された両刃を用いて果実の中心から横断面に切断し、ちょうど6mmの区分を得た。この区分を平皿上に設置した。次に、10Nのロードセルを装備したLloyd LRX機を用いて、10mm/分(最大荷重)で移動する6mmのプローブによって外側および内側の果皮組織に侵入するのに必要とされる力を測定した。それぞれの果実上のそれぞれの果皮層について、この測定を3回繰り返した。最大荷重は、プローブが組織を貫通する間に達成される最大抵抗力である。別途明言されない限り、少なくとも5個の果実を、それぞれの発育段階のそれぞれの系統から採取した。M82対照と比較して、IL2−3親系統の果実およびIL2−3 F1系統の果実は、熟成の後期にわたって著しい硬度を保持した。例えば、M82と比較して、B+5およびB+7(果実が消費される段階)のIL2−3 F1(図2A+B)の外側の果皮は、同等の熟成期において著しく(P0.01未満)硬かった。IL2−4系統について、同様にM82と比較して果実硬度の差異も明らかであったが、この系統の尻腐れによる果実数の低下は、正確な統計分析を妨げた。第2染色体に対する追加のIL(IL2−3−1)をDani Zamirから得た。これは、IL2−3と2−4との間の重複部分を超える(隣接マーカーCT176およびTG554に対応する)IL2−3遺伝子移入のちょうど上限を包含した。この系統由来の果実は、同様の果実硬度特性(すなわち、最大荷重)を有するか、あるいは全ての熟成期においてM82よりも軟らかかった(データ示されず)。
B+7で全ての系統由来の果実が成熟して完全な赤色になった(すなわち、果皮の表面全体が赤色になり、内部の果皮組織においても同様であった)。
実施例4
組換え事象についての苗木のスクリーニング、組換え体の選択、および10個の個別の果実/系統の果実硬度試験
1200本のIL2−3×M82F2およびIL2−4×M82F3苗木を標準の生長条件下で生長させ、標準の方法を用いてDNAを最初の本葉から抽出した。この領域におけるそれらの大きな重複部分がQTLを保持する可能性があっため、組換え事象を、両方の遺伝子移入を用いてスクリーニングした。Taqmanに基づくマーカーを用いて、組換え個体を同定した。第1の1200個の系統から、89個の組換え体を同定した。これらの植物の1つは、分裂組織を産生することができず、枯死した。残りの植物を、SNPの配列決定を介して再スクリーニングし、78個の個体の遺伝子型を検証した。Taqmanによりヘテロ接合体として得た10個の系統を、SNPアッセイで確認することができなかった。
実施例5
組換え系統の遺伝子型決定
次に、78個の組換え個体を、Syngenta SSRプラットフォーム上のさらなる38個のマーカーを用いて遺伝子型同定した。マーカーを、JoinMapを用いて順序付けし、次に、それぞれの系統について遺伝子型データを用いてMicrosoft Excelに表示した。示される系統を選択して、得られた種々の組換え体を示した(図3)。これらのマーカーは、IL2−3および2−4遺伝子移入に及んだ。これらのマーカーを、RFLP源から得られたいくつかの追加のSNPマーカーを用いて組換え体を遺伝子型決定することにより、トマト遺伝子地図の脈絡においてより正確に設定した(図7Aおよび図7BのQTL地図を参照のこと)。SSRプラットフォームは、組換え事象のランダム分布を示す。したがって、50cMの間隔にわたる78個の組換え体を用いて、果実硬度QTLのかなりの分解能を達成した。
実施例6
果実硬度QTLのための5センチモルガン未満のマッピング間隔の確立
上述のように、78個の組換え系統のそれぞれ由来のブレーカ期プラス7日での10個の個別の果実において、果実硬度測定を行った。次に、ポジショナルクローニング実験に焦点を合わせた5センチモルガン未満(5cM未満)の領域を描写した(図4Aおよび図4B)。この領域に隣接するマーカーを、トマト遺伝子地図、ゲノム配列データ、および必要に応じてSyngenta超高密度地図から開発した。次に、これらを用いて、マッピング間隔における有益な組換え体について、さらに6000本のF2苗木をスクリーニングした(実施例8を参照のこと)。
QTL1は、ブレーカ期プラス7日の内側の果皮にのみ存在し、外側の果皮には存在しなかった(図4)。本質的には同一の結果を有するMapQTLおよびQTL Cartographerを含むいくつかの確立した統計パッケージを用いて、QTL分析を始めた:van Ooijen JW,Maliepaard C(1996)MapQTL(登録商標)バージョン4.0:遺伝子地図上のQTL位置の計算のためのソフトウェア;CPRO−DLO,Wageningen、van Oijen JW,Voorips RE(2001)JoinMap(登録商標)3.0:遺伝子連鎖地図の計算のためのソフトウェア;Plant Research International,Wageningen,Netherlands、Wang S.,C.J.Basten、およびZ.−B.Zeng(2007);Windows QTL CartoGrapher 2.5 Department of Statistics,North Carolina State University,Raleigh,NC。
大きな果実硬度QTL1〜5を保持するある特定の亜系統において、果実硬度への実質的な相加効果が、IL親において明らかである亜系統上で観察された(図5)。果実硬度におけるこれらの差異は、大きく、非常に有意であった(P0.001未満)。
実施例7
M82と関連の第2染色体遺伝子移入との間の第2染色体における遺伝子発現の比較のためのSyngentaのトマトGeneChipの使用
M82対照と比較して、IL2−3における遺伝子発現の特性を検討するための実験を、SyngentaトマトGeneChipを用いて行った。RNA抽出およびトマトGeneChip分析のために、開花期の花に連日正午12時前にタグ付けした。果実を、開花期から15日後(dpa)(緑未熟)、25dpa(急速な拡大期)、40dpa(緑熟)、および54dpa(赤熟)に植物から回収した。果実を液体窒素中で急速冷凍した。3個の果実を1個の生物学的複製を表すためにプールした。RNA抽出プロトコルは、(製造業者のプロトコルに従って)RNA抽出緩衝液RNAwiz(商標)(Ambion(Europe)Ltd.UK,カタログ番号9736)を用いる方法に基づいた。次に、トマトGeneChip分析を行った。
配列データを、遺伝子型差異の二方向ANOVAで分析した(GeneSpring,Agilent Technologies,UKを用いて、データを標準化し、統計分析を実行した)。多数の遺伝子が、開花から15、25、40、および54日後にM82と系統IL2−3との間で特異的発現を示した。最も明らかな変化には、特に開花から40日後の緑熟になるまでのIL2−3系統における上昇したレベルのペクチンメチルエステラーゼプローブID Le002389が含まれた(図6)。
合計29個の遺伝子モデルを、QTL2下の親系統に対してRT−PCRで試験し、17個の遺伝子モデルを、QTL4および5のそれぞれについて試験した。
エチレン応答性転写因子12(QTL2)、ペクチンメチルエステラーゼ(QTL3)、dof亜鉛フィンガータンパク質6(QTL4)、および受動拡散型ヌクレオシド輸送体ファミリータンパク質(QTL5)のmRNA濃度レベルを、緑熟期およびブレーカ期のM82、IL2−4、IL2−3、および種々の組換え系統において測定した。質感データも、対応する果実の外側および内側の果皮から得た。
エチレン応答性転写因子12は、ブレーカ期のM82果実において高レベルで発現したが、遺伝子移入系統およびいくつかの組換え系統においては低レベルで発現した(図7)。低発現レベルが、特に組換え系統301および769において観察され、図3に示されるように、組換え系統910よりも高度のS.ペンネリイからの遺伝子移入を有する。対応する質感データは、組換え系統301および769が系統910よりも硬い果実を有することを示す。
ペクチンメチルエステラーゼは、M82果実において低レベルで発現したが、遺伝子移入系統およびいくつかの組換え系統においては高レベルで発現した(図8)。高発現レベルが、特に組換え系統301において観察され、図3に示されるように、組換え系統124および142よりも高度のS.ペンネリイからの遺伝子移入を有する。対応する質感データは、組換え系統301が系統124および142よりも硬い果実を有することを示す。
dof亜鉛フィンガータンパク質6は、M82果実において高レベルで発現したが、遺伝子移入系統においては低レベルで発現した(図9)。RT−PCRは、さらなる候補遺伝子、受動拡散型ヌクレオシド輸送体ファミリータンパク質が、M82と遺伝子移入系統IL2−3との間で特異的に発現したことを裏付けた(データ示されず)。
これらの結果は、例えば、上記の候補遺伝子の過剰発現または発現抑制を伴うGMアプローチを用いて、トマト果実の質感表現型に影響を与える可能性を示す。増加したトマト果実質感は、より高いレベルのペクチンメチルエステラーゼと一致するが、より低いレベルのエチレン応答性転写因子12およびdof亜鉛フィンガータンパク質6とは一致しないようである。
実施例8
約4000個の個体の追加のF2 NIL集団のスクリーニングによる0.5センチモルガン未満へのマッピング間隔のさらなる分割、ならびにQTLの物理的地図およびゲノム配列への固定
6000個のIL2−3×M82F2個体を、標準の温室条件下で生長させ、主要なQTLおよび比較的重要でないQTLならびにマーカーTG451〜TG353を含めた間隔にわたる組換え事象についてスクリーニングした(図1を参照のこと)。遺伝子型同定された6000個のF2系統のうち、合計222個の組換え体を、5個のQTL下のマッピング間隔に収まる42個のみの追加の組換え体で回収した。これは、合計120個の有用な組換え個体をもたらし、QTL地図を生成するために使用した(図10Aおよび図10B)。
実施例9
候補果実硬度関連遺伝子の指名
DNA分子マーカー情報に加えて、本発明は、記載される形質を制御する推定上の候補遺伝子の同定にも関する。これらのQTLは分子レベルで特徴付けられ、これらの遺伝子座における候補遺伝子が同定された。候補遺伝子の現在のリストは、以下の通りである:QTL1、ペチュニア属遺伝子pMADS3に配列関係のあるTG451MADSボックス転写因子。類似の遺伝子は、シロイヌナズナにおける初期の葉緑体発育の調節に関与している(Chi et al(2008))。QTL2、エチレン応答性転写因子12(SL1.00sc00226_365.1)。QTL3、ペクチンエステラーゼ/ペクチンエステラーゼ阻害剤(Syngenta GeneChipプローブID,Le0023899)。
可能であれば、QTLをトマト物理的地図に固定させた。QTL3の候補配列は、3つの推定上のペクチンエステラーゼ(pme)/ペクチンエステラーゼ阻害剤遺伝子のうちの1つである。Syngenta配列上のプローブは、これらのpme遺伝子のうちの3つ全てとの相同性を示す。これらの遺伝子が配列内で非常に類似しているため、3’末端配列を使用してもそれらの個々の発現パターンを識別するのは困難である。3つの単一遺伝子は、SGN−U585819、SGN−U585820、SGN−U58523である。
QTL4候補遺伝子は、dof亜鉛フィンガータンパク質6(SL1.00sc00226_436.1.1)位置4475868〜4476845(+鎖)に対応するオープンリーディングフレームである。QTL5候補遺伝子は、受動拡散型ヌクレオシド輸送体ファミリータンパク質(SL1.00sc00226_511.1)位置5133572〜5135660(−鎖)に対応するオープンリーディングフレームである。
実施例10
本明細書で使用されるマーカー配列
Figure 2013507977
Figure 2013507977

Claims (19)

  1. 収穫期に著しく増加した果実硬度を有するトマト果実であって、前記果実硬度は、前記トマト果実を産生する栽培トマト植物の少なくとも1つの遺伝要素と関連付けられ、前記硬度は、前記少なくとも1つの遺伝要素を有しない対照トマト植物由来の果実の硬度よりも1.2〜2.0倍大きい、トマト果実。
  2. 前記収穫期は緑熟期である、請求項1に記載のトマト果実。
  3. 前記植物は、a)前記少なくとも1つの遺伝要素が、NT3853、NT3907、TG14、HOX7A、CT277、HB2600、TG353、Lm0127、Lm1650、LE5100、およびLE5200から成る群から選択される少なくとも1つのDNAマーカーと関連付けられること、ならびに/またはb)前記少なくとも1つの遺伝要素が、それぞれ、受入番号LA4038およびLA4039として寄託されるソラヌム・ペンネリイ系統IL2−3およびIL2−4中の対応する遺伝要素と相補的であることを特徴とすることができ、LA4038およびLA4039中の前記少なくとも1つの遺伝要素は、NT3853、NT3907、TG14、HOX7A、CT277、HB2600、TG353、Lm0127、Lm1650、LE5100、およびLE5200から成る群から選択される少なくとも1つのDNAマーカーと関連付けられる、請求項1または2のいずれかに記載のトマト果実を産生する栽培トマト植物。
  4. 請求項3に記載の栽培トマト植物を産生する、トマト種子。
  5. 請求項4に記載の栽培トマト植物の植物部分。
  6. 対照トマト植物と比較して、栽培トマト植物由来の果実の著しく増加した果実硬度と関連付けられるQTLを検出するための方法であって、a)ドナートマト植物を受容トマト植物と交配させて、子孫栽培トマト植物を提供するステップと、b)前記子孫植物の果実の硬度を定量的に決定するステップと、c)観察される増加した果実硬度を、前記子孫植物における前記ドナー植物由来の少なくとも1つのDNAマーカーの存在と関連付ける遺伝子連鎖地図を確立するステップと、d)QTLに、著しく増加した果実硬度と関連付けられる前記地図上の前記DNAマーカーを割り当てるステップと、を含む、方法。
  7. 請求項6に記載の方法により検出される栽培トマト植物により提供される、果実の増加した果実硬度に関与する、QTL。
  8. 請求項7に記載のQTLを含むトマト植物から得られる、単離DNA試料。
  9. 請求項1または2に記載の著しく増加した果実硬度を有する果実を提供する栽培トマト植物を産生する、方法。
  10. 請求項6に記載の著しく増加した果実硬度に関連付けられるQTLを検出するための方法を実行するステップと、そのようにして検出された少なくとも1つのQTLを含む核酸を、ドナートマト植物から受容トマト植物に移植するステップと、を含み、前記増加した果実硬度が、対照トマト植物由来の果実と比較して、子孫栽培トマト植物由来の果実において測定される、請求項9に記載の増加した果実硬度を有する果実を提供する栽培トマト植物を産生する方法。
  11. 請求項9または10のいずれか1項に記載の方法により入手可能である、栽培トマト植物またはその一部。
  12. 請求項7に記載の増加した果実硬度に関与するQTLを含む、栽培トマト植物。
  13. 請求項3および11〜12に記載の栽培トマト植物を、商業的に望ましい特性を示すトマト植物と交配させることにより入手可能である、雑種トマト植物またはその一部。
  14. 請求項3および11〜13のいずれか1項に記載のトマト植物を生長させることにより産生される、トマト種子。
  15. 対照植物と比較して、著しく増加した果実硬度を有する植物を得るように、請求項3および11〜13のいずれか1項に記載の栽培トマト植物を、望ましい表現型形質を有する植物と交配させることにより産生される、トマト種子。
  16. 対照トマト植物と比較して、著しく増加した果実硬度を有するトマト植物の産生のための、請求項7に記載のQTLの使用。
  17. トマト果実の収穫期間を拡大するための、請求項3および11〜13のいずれか1項に記載のトマト植物の使用。
  18. 生食用カット野菜市場(fresh cut market)における、または食品加工のための、請求項3および11〜13のいずれか1項に記載のトマト植物の使用。
  19. 生食用カット野菜市場における、または食品加工のための、請求項1または2のいずれか1項に記載のトマト果実の使用。
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