JP2013506757A - 結晶構造を作るための方法および構成 - Google Patents

結晶構造を作るための方法および構成 Download PDF

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Abstract

基板上にコーティングを作るために、基板をターゲットの近傍に配置する。連続する多数のパルスをターゲット上にフォーカスすることにより、ターゲットからコールド・アブレーションにより材料が除去され、こうして、多数の連続するプラズマ・フロントが作り出され、少なくともその一部が基板へ向かって移動する。連続する各レーザ・パルス間の時間差は、連続する多数のプラズマ・フロントに起因する成分が基板表面上に核を形成できる程度に短い。そこでは、成分の平均エネルギが、結晶構造の自発的成長を許容する。

Description

本発明は、表面上のコーティングとして、あるいは自由空間における結晶粒子として、結晶構造を作ることに関する。
コーティングを作る方法は、代表的には、コーティングすべき基板を、液体、蒸気、またはプラズマ(あるいは、これらの混合物)として現われるコーティング材料にさらすことを含んでいる。原子、イオン、分子、または他の成分粒子が基板表面に付着し、その結果、付着した粒子の表面密度が十分となったとき、最終的にコーティングが形成される。コーティング方法は、コーティング材料の液体、蒸気、またはプラズマ状態がどのようにして作り出されたかに依存して、互いに大きく異なる。
レーザ・アブレーションによるコーティングは、コーティング方法の1つの特別な部門であって、コーティングすべき基板の近傍までコーティング材料が固体の形で運ばれる。強力なパルス状のレーザ・ビームが、コーティング材料(それは、ターゲットとして知られている)の固体表面上に繰り返しフォーカスされる。その結果、各レーザ・パルスが、顕微鏡レベルの大きさのコーティング材料を、高エネルギ・プラズマに変える。
プラズマ・プルームの成分は、基本的に、レーザ・パルスがヒットした位置から自由な方向に外側に向かって飛行する。幾何学配置が正しい場合、ほとんどのプラズマは、コーティングすべき基板をヒットして、そこに強固に付着する。何故なら、到達時の速度が非常に大きいからである。レーザ・アブレーション・コーティングの有利な特性の1つは、材料効率が高いことである。それは、ターゲットから打ち出されたコーティング材料が非常に高いパーセンテージで最終的なコーティングに到達するということを意味している。
レーザ・アブレーションの特性は、レーザ・パルスによってターゲットへと運ばれたパワー密度を含む多くのパラメータに依存して変わる。そのうちの1つの要因は、パルス長である。各ターゲット材料は、特有のアブレーション閾値を有しており、それは、プラズマを作り出すためには、臨界パワー密度が達成されなければならないということを意味している。ナノセカンド・レーザは、ナノ秒レベルの範囲にあるパルス長を届ける。なお、ピコセカンドおよびフェムトセカンドのレーザも知られていて、さらに短い波長が目標とされている。
ピコセカンド・レーザは、コールド・アブレーションを生じさせ得るものとして知られており、それは、レーザ・パルスの本質的に全エネルギがプラズマの運動エネルギに変換され、熱の形態でターゲットに吸収されるエネルギがほとんど無いことを意味している。
コールド・アブレーションの有利な特性は、PCT/FI2007/000045、PCT/FI2007/000046、PCT/FI2007/000048、PCT/FI2007/000049、およびPCT/FI2007/000050等の特許出願に記載されている。それらは、引用することによって本願明細書に取り込まれる。
いくつかの用途において、コーティングが多少なりとも結晶構造を有していれば、それは有利なことであろう。結晶と考えられるものは、定義の問題である。広く容認された一般的な特性決定に従えば、固体材料の成分である原子、分子、またはイオンが3次元のすべての方向において繰返しパターンで整然と並んでいる場合、その固体材料は、結晶構造を有すると考えられる。
原則として、固体コーティングの微視的構造は、完全な非結晶(長い範囲においてまったく無い)から、絶対的に純粋な単結晶までに渡る連続的なスケールのあらゆる場所に存在する。そこでは、規則的な結晶格子が、粒界または格子欠陥が存在することなくコーティング全体に渡って連続している。
上記スケールの両端間のいずれかの場所に存在する興味あるサブ範囲は、微細結晶質コーティング構造を示しており、そこでは、コーティングは、非常に多くの隣接する顕微鏡サイズの結晶粒子から構成されている。あるコーティングが、非結晶、準結晶性、準結晶、微晶質、多結晶、単結晶のいずれと考えるべきかの決定は、例えば、コーティング構造をX線回折で検査し、当該回折計測において支配的な応答が何であるかを見ることによって行うことができる。
また、他に知られている方法がある。それは、与えられた固体材料の結晶化度を検査することである。しかし、結晶化度の異なる形態間における変遷がシャープではないので、検査された材料は、排他的に1つのものとして分類されるのではなく、1つの形態が優勢であると報告されることが代表的である。
コーティングに加えて、自由空間における結晶粒子の形態においても、結晶構造には有用性がある。ナノテクノロジーは、ナノメーターからマイクロメーターまでのサイズ範囲にある粒子が、多様な目的で使用可能であって、それらは、巨視的スケールにおける同じ材料が有する通常の特性とは大きく異なる驚くべき特性を有していることを示した。
これまで、コールド・アブレーションは、結晶構造を作るためのプロセスとして、良い候補であるとは考えられていなかった。実際のところ、この事実は「コールド」であることの結果である。ターゲットおよび基板の巨視的な温度は、たとえ基板がターゲットの比較的近くに配置された場合であっても、その一方または両方として使用される、例えば、紙、ポリマーまたは他の感熱材料にとって、十分に低い温度のままに維持され得る。コールドな基板をヒットしたプラズマ成分は、非常に速く冷やされるが、それは、原子、イオン、または分子が、可動性を無くす前に適切な格子位置にまで移動できないということを意味している。
コールド・アブレーションで作られたコーティング中での結晶化度を増加させるための方法が、これまで幾つか提案された。それらには、例えば、コーティングが形成された後で、コーティングされた基板を加熱し、そして冷やすことが含まれる。これにより、コーティングは、一種のアニーリングを受けることとなる。
加熱を使用すると、再度プロセスを感熱性材料には不適切なものとするという不利益が伴う。さらに、加熱は、基板とコーティング材料との境界において望ましくない拡散、および酸化のような望ましくない化学反応を生じさせる。
本発明の有利なコーティング態様により、コーティングを形成するためのプラズマを作り出すためにコールド・アブレーションを使用するプロセスにおいて、結晶性コーティングを作るための方法および構成が提供される。本発明のもう一つの有利なコーティング態様により、そのような種類の方法および装置であって、基板の過剰な加熱を必要としない方法および装置が提供される。
本発明の更にもう一つの有利なコーティング態様により、基板およびコーティングの両方として選択できる広範囲に適用可能な材料を使用して結晶性コーティングを作る方法および装置が提供される。本発明の更にもう一つの有利なコーティング態様により、広範囲の異なる幾何学的形状を伴って基板上に結晶性コーティングを作る方法および構成が提供される。
本発明の有利な粒子態様によれば、粒子を形成するためのプラズマを作り出すためにコールド・アブレーションを使用するプロセスにおいて、結晶構造を有する粒子を作る方法および構成が提供される。
本発明の有利な態様は、次のようにして達成される。すなわち、1つのレーザ・パルスによって放出されたプラズマ成分が、次のレーザ・パルスによって放出されたプラズマ成分が到着する前に、核形成および結晶化を許容する温度以下にまで冷やされることがないように、ターゲットに除去用のレーザ・パルスを連続的に素早く届ける。それによって、結晶構造が形成されるために十分に長い時間の間、コーティングまたは粒子の成分のエネルギレベルを十分に高く維持する。
本発明の有利な実施態様による方法は、次の点に特徴を有する。すなわち、
- 基板をターゲットの近傍に配置する。そして、
- 連続する多数のレーザ・パルスをターゲット上にフォーカスしてコールド・アブレーションによりターゲットから材料を除去し、それにより、連続する多数のプラズマ・フロントを作り出し、当該プラズマ・フロントの少なくとも一部分を上記基板に向かって移動させる。
そこでは、連続する多数の各レーザ・パルス間の時間差は、連続する多数のプラズマ・フロントに起因する成分が基板表面上に核を形成できる程度に短く、成分の平均エネルギが、結晶構造の自発的成長を許容する。
本発明の有利な実施態様による構成は、次のものを備える。
- ターゲットを所定位置に保持するように構成されたターゲット保持ユニット。
- 基板を上記ターゲットの近傍に保持し、かつ移動させるように構成された基板保持・移動ロボティクス。
- コールド・アブレーションにより上記ターゲットの材料を除去することができるパルス状のレーザ・ビームを発生するように構成されたレーザ・パルス発生ユニット。
- 連続する多数のプラズマ・フロントを作り出すため、パルス状のレーザ・ビームを上記ターゲットへと案内するように構成されたレーザ・オプティクス。そのようなプラズマ・フロントは、少なくともその一部分が上記基板に向かって移動する。
そして、当該構成は、次の点に特徴を有する。つまり、レーザ・パルス発生ユニットは、連続する多数の各レーザ・パルス間の時間差が短いものを使用するように構成されている。当該時間間隔は、連続する多数のプラズマ・フロントに起因する成分が基板上に核を形成できる程度に短く、成分の平均エネルギが、結晶構造の自発的成長を許容する。
本発明の有利な実施態様によるコーティングおよび製造物は、上に説明したような方法によって作られたという点に特徴がある。
本発明の有利な実施態様による、結晶構造を有する粒子を作る方法は、次のステップを含む。
- 連続する多数のレーザ・パルスをターゲット上にフォーカスすることで、コールド・アブレーションによりターゲットから材料を除去し、それによって、連続する多数のプラズマ・フロントを作り出す。そのようなプラズマ・フロントは、その少なくとも一部分がターゲットから離れる方向へと移動する。
そこでは、連続する多数の各レーザ・パルス間の時間差は、連続する多数のプラズマ・フロントに起因する成分がターゲットから離れた反応空間に核を形成できる程度に短く、成分の平均エネルギが、結晶構造の自発的成長を許容する。
本発明の有利な実施態様による、結晶構造を有する粒子を作るための構成は、次のものを含む。
- ターゲットを所定位置に保持するように構成されたターゲット保持ユニット。
- コールド・アブレーションにより上記ターゲットから材料を除去することができるパルス状のレーザ・ビームを発生するように構成されたレーザ・パルス発生ユニット。
- 連続する多数のプラズマ・フロントを作り出すために、パルス状のレーザ・ビームを上記ターゲットへと案内するように構成されたレーザ・オプティクス。そのようなプラズマ・フロントは、その少なくとも一部分がターゲットから離れる方向へと移動する。
そして、当該構成は、次の点に特徴を有する。つまり、レーザ・パルス発生ユニットは、連続する多数の各レーザ・パルス間の時間差が短いものを使用するように構成されている。当該時間間隔は、連続する多数のプラズマ・フロントに起因する成分がターゲットから離れた反応空間に核を形成できる程度に短く、成分の平均エネルギが、結晶構造の自発的成長を許容する。
プラズマ・プルームの成分(それは、ターゲット表面をヒットするレーザ・パルスによって作り出された)は、アブレーション(除去)ポイントからコーティングすべき基板の表面へ向かって飛行している間、非常に高いエネルギ状態にある。他の機械的な減エネルギ化と同様に、基板の固形分との相互作用も、ある時定数により特徴付けられるプロセス中でこのエネルギを消失させる原因となるであろう。
上記時定数は、多くのパラメータに依存する。それらには、レーザ・パルスの出力およびパルス長だけでなく、基板およびコーティング材料の選択、基板表面のトポロジーおよび結晶レベル構造、基板表面で考えられるプライマ化、ターゲットおよび基板本体の巨視的な温度、反応領域周辺雰囲気の圧力および材料組成、ターゲットと基板の距離および幾何学的要因が含まれるが、それらに限定されるものではない。
本発明の目的のため、上記時定数が有限であることに留意することが重要である。つまり、プラズマ成分が基板表面上で減エネルギ化されるプロセスは、瞬間的に発生することはない。基板をヒットした後のある時間長において、コーティングを形成するプラズマ成分は、形成されるコーティングの格子構造内での可動性を許容する程に十分に高いエネルギ状態に、依然としてある。
十分に多数のコーティング成分が基板上で互いに十分に近く存在し、かつ十分な数の当該成分が可動性を許容するに十分なエネルギを保有する場合、それらは自身をコーティング材料の特徴的な結晶構造に配列させて、関連する融解潜熱を放出する傾向がある。
本発明の一態様によれば、核形成および結果としての結晶化のために好ましい条件は、素早く連続的にコールド・アブレーティング・レーザ・パルスをターゲットへと繰り返し届けることで確立することができる。
直観的に、人は次のような状況を考える。すなわち、1つのプラズマ・プルームに起因するコーティング成分は、次のプラズマ・フロントが到達するとき、基板上で依然として「シューシューと言っているような」状態にある。そして、このプロセスは何回も繰り返され、その結果、シューシュー言っているコーティング成分のほとんど流動性の層は、最終的には、核を形成するのに十分な時間および密度を有する。その後、少なくとも部分的に固化して結晶を形成する。
核という用語は、原子核と混同されるべきではない。その説明は、結晶構造の開始点として核生成に関連する。その意味で、核形成とは、明確な熱力学相(本ケースでは、固相)の非常に局所的な出芽を意味すると考えられる。この種の核が十分に安定していて、また、熱力学の条件が適切である場合、その結果として、核によって形成された開始点の周囲における結晶構造が成長する。
コールド・アブレーションに使用するパルス・レーザにおける連続するパルスの周波数を増加させることは、システム・セットアップにおける固有の制限および(または)不利な副作用のため、困難である。しかしながら、バースト・モードのレーザを使用して、レーザ・パルス列を作り出すことができる。そこでは、繰返し周波数が非常に高い複数のパルスからなる1つのバーストの後に、それよりも長い休止期間が続く。その後、同じサイクルが再度スタートする。
素早い複数のパルスからなる1つのバーストにおいて作り出された繰り返す複数のプラズマ・フロントは、基板表面上に局所的に有利な結晶化条件を作り出し、それが少なくともある程度は、最終的なコーティング中の結晶構造につながる。
上に説明したバースト・モードのレーザの有利な特性は、コーティングではなく結晶粒子を形成することにも適用可能である。プラズマ成分の減速および核形成開始を制御するための様々な方法が存在する。したがって、飛行するプラズマ中で核形成および結晶化を生じさせることが可能で、その結果として、結晶構造を有する粒子を作ることができる。その場合、コーティングの場合と同じ意味での基板は必要ではない。しかしその代りに、何らかの粒子回収手段が採用されて、形成された結晶粒子を後の使用のために回収する。
本発明の特性であると考えられる新規な特徴は、添付の特許請求の範囲において規定される。しかしながら、本発明それ自体は、その構造および操作方法の両方に関して、その追加的な目的および利点とともに、添付図面を参照しつつ特定の実施形態に関する以下の説明から最も良く理解できるであろう。
本件特許出願において説明する本発明の例示的実施形態は、添付の特許請求の範囲の適用可能性を限定するものと解釈されるべきではない。本件特許出願において、「含む」という動詞は、記載されていない他の構成の存在を除外するものではないオープン・リミテイションとして使用される。添付の特許請求の範囲に記載した特徴は、明示的な否定がない限り、互いに自由に組み合わせることが可能である。
コーティングを形成するための構成を示している。 連続するプラズマ・フロントの原理を示している。 コーティングの結晶構造を示している。 コールド・アブレーションによって浸食された部分の深さプロファイルを示している。 レーザ・パルスを発生させる場合のバーストモードの原理を示している。 アニーリング段階を含む構成を示している。 本発明の一実施形態に係る方法を示している。 結晶粒子を作るための構成を示している。 ドーピングしたターゲットの使用を示している。 複合材ターゲットの使用を示している。 コールド・アブレーションのために平行な2つのパルス・レーザを使用することを示している。 コールド・アブレーションのために光線を分割するレーザ・オプティクスを使用することを示している。 プラズマ含浸イオン注入を実行するための構成を示している。
図1は、コールド・アブレーションを利用してコーティングを生成する構成のシステムレベルを図示している。パルス・レーザ・ビームは、レーザ・パルス発生ユニット101で生成される。レーザ・オプティクス102は、パルス・レーザ・ビームをターゲット103へ案内すること、およびターゲット表面上の焦点スポットをトラック(一般に、アブレーション経路と呼ばれる)に沿って移動させること、のために用いられる。ターゲットは、ターゲット保持・移動ユニット104によって、所定位置に保持される。
基板105は、所定位置に保持されていて、典型的には更に移動もさせられる。これらのことは、基板保持・移動ロボティクス106によって行われる。ターゲット103、基板105、並びに典型的には、ターゲット保持・移動ユニット104、基板保持・移動ロボティクス106、およびレーザ・オプティクス102の少なくとも一部は、反応チャンバ107内に位置する。反応チャンバ107内の雰囲気は、反応雰囲気制御ユニット108によって制御可能である。
代表的な要求は、比較的低密度のガス雰囲気(つまり、少なくとも産業グレードの真空)をターゲットおよび基板の周囲に存在させる、ということである。これは、反応雰囲気制御装置108が少なくとも真空ポンプを、そして多くの場合に制御可能な幾つかのガス源も含まなければならない、ということを意味する。1または2以上のコンピューターおよび測定装置等が、上記構成の制御可能な部分に連結されて、プロセス制御構成109が実行される。
図2は、高速で繰り返されるプラズマ・フロントの概念を模式的に示している。この単純化された図面において、我々は、プラズマ成分が平行で直線的な軌道に沿って下方から上方へと移動すると考える。基板105の表面において、プラズマ成分201の1層が当該表面に今ぶつかったところである。基板との相互作用によって、プラズマ成分の運動エネルギが消失するプロセスが始まるが、プラズマ成分のもとのエネルギのうちのいくらかは依然として残っている。
同時に、プラズマ成分202の次のフロントが迫っており、プラズマ成分203の第3フロントがそれに続いている。連続するプラズマ成分のフロントは、連続的なレーザ・パルスをその源としている。連続的なレーザ・パルスがターゲットを繰り返しヒットする。基板105をヒットする各プラズマ・フロント間の平均時間は、プラズマ成分のエネルギ消失プロセスに特有の代表的な時定数(time constant characteristic)よりも短い。
図2で使用した概略的な図表現は、2以上のやり方で本質的に単純化している。例えば、原子、イオン、分子、および(または)プラズマ・フロントの他の成分は、単一の十分に定義されたフロントとしては伝達しない。しかし、異なったタイミングおよび速度の分布として、そのうちのいくらかの部分だけが、ターゲットから基板の方向に向けられる。
しかしながら、そのことを説明するため、我々は、プラズマ・フロントの構成密度および速度分布を考慮する場合、それがある空間的な特性を有していて、それは、プラズマ・フロントの時間に依存する場所として表され、プラズマ・フロントの相当部分が代表的にはどのように挙動するのかを説明している、と考える。
図2における成分の列は、対応する3つの連続したプラズマ・フロントの時間に依存する場所を図示していると、考えてよい。
図3は、結果を模式的に図示している。図3では、基板105の表面上の領域301全体に渡って、プラズマ成分(今やコーティングを形成している)が、結晶格子を構成する繰返しパターンに従って並んでいる。
結晶構造を構成することに対する主たる貢献は、次の事実から来ている。すなわち、連続する多数のプラズマ・フロントに起因する十分な数のプラズマ成分が、プラズマ成分の平均エネルギ準位がかなり低くなって格子の可動性が阻害される前に、十分な速さで基板表面上に核を形成した。このようにして、核内におけるプラズマ成分の平均エネルギは、結晶構造の自発的な生成を可能にした。
核形成プロセスは、ホモゲネオスとヘテロゲネオスに分類できる。ホモゲネオス核形成は、過冷の液相において、とりわけ、問題となる材料において、固形状態での単位容積当たりの自由エネルギが、液体状態での単位容積当たりの自由エネルギより小さい場合に、生じると知られている。
単位容積当たりの自由エネルギは、容積の変化に際して獲得または消費されたエネルギと、境界の変更に際して獲得または消費されたエネルギと、の間でバランスする。容積を形成することにより放出されるエネルギがその表面を形成するのに十分ではない場合、仮説の核は、非常に小さく、従って不安定である。その場合、核形成は進行しない。
他の周囲材料との相互作用が無視できる場合、核の臨界的安定性は、本質的にその半径によって決定される。いわゆる核形成の臨界半径よりも半径が大きい場合、核形成が進行する。
ヘテロゲネオス核形成は、実際問題として、ホモゲネオス核形成よりも頻繁に生じる。ヘテロゲネオス核形成は、相境界、不純物および他の明確な配置が存在している点で有利である。それらの存在により、核形成の初期化および進行に要求される有効表面エネルギを減じることができる。
しかしながら、特に、核形成のかかる中心の空間的発生を制御することができない場合、結果的に結晶化は非常にランダムかつ不均一に生じるので、最終的なコーティング表面の品質は最適よりも劣る。結晶化プロセスの均質化を目的とする場合、ヘテロゲネオス核形成よりもホモゲネオス核形成が好ましい。しかし、その適正な条件を達成するのは難しい。後にこの明細書内において、我々は、ヘテロゲネオス核形成においてもコントロラビリティを実現するため、核形成の中心の空間的発生を制御するのに可能な幾つかの方法について考察する。
顕微鏡レベルでの基板表面は、核形成がどのように開始するのか、また、結晶化がどのように進行するのかについて、重要な影響を与える。一例として、シリコン表面あるいは他の結晶の基板表面をダイヤモンドペーストで研磨して、核形成の中心を形成する。基板表面に、プライマ層をさらに適用してもよい。
プライマ層の結晶構造が、既に適当なユニットセルを呈している場合、それらは、最終的なコーティングの結晶構造の成長方向を、好ましい方向へと有利に導くことができる。プライマ層として使用するのに適した材料として、イリジウム、ロジウム、プラチナ、レニウムおよびニッケルを挙げることができるが、それらに限定されるものではない。
バーストモードのコールド・アブレーション・レーザおよびプライマ材料を含んだ適切なターゲットを利用して、プライマ層を生成することができる。
注意しておくべき重要なことは、結晶構造を形成する原子、イオン、分子、および(または)他の成分は、必ずしももとのターゲット材料の原子、イオンあるいは分子そのものではないということである。ターゲットおよび基板を取り巻く空間に制御されたガス雰囲気が生成された場合、当該ガス雰囲気の一部または全部が反応ガスを含んでいてもよい。この反応ガスの要素は、プラズマ成分と混合または反応することが可能なものである。したがって、「プラズマ・フロントに起因する成分」なる表現には、ターゲット材の成分と反応ガスの成分とが反応した結果の反応結果物も含まれる。
さらに別の可能性は、同時にあるいは順次コールド・アブレーションを施した異なる材料からなる2または3以上のターゲットを使用することである。その結果、2または3以上の異なるターゲット材料、あるいはそれと反応ガスの混合物および(または)反応結果物が、実際のコーティングを形成することとなる。
不活性ガスは、制御されたガス雰囲気中で使用することができる。それによって、制御されたガス雰囲気の圧力を制御することで、ターゲットから飛び出すプラズマの減速を制御できる。
図4は、上述のプロセスを容易にする有利な条件を作り出すために、ターゲット表面上で焦点スポットをスキャンするとき、考慮すべきいくつかの要因を図示している。図4中の右上部分においてオーバーラップする楕円は、連続する10回のレーザ・パルスがヒットされたターゲット表面上のスポットを図示している。
図4において、我々は、焦点スポット(すなわち、単一のレーザ・パルスの光学パワーの大部分が届いた、ターゲット表面上の領域)は、やや楕円の形状であると考える。軸方向の直径は、ほぼ25×40μmである。
さらに、我々は、レーザ・オプティクス領域では、図4において左から右への水平移動として現れる直線軌道に沿って焦点スポットを移動させるように、走査機構が構成されたと考える。
さらに図4において、1回のレーザ・パルスによって、焦点スポットの全的に楕円の形態の全体に渡って、ターゲット材料の100nmの均一層が除去された、と考える。そのためには、焦点スポットの領域全体に届いたパワー密度が、アブレーション閾値を越えていて、かつ均一に分配されることが必要となる。
ピコセカンドのレーザの使用経験から、様々な材料のアブレーション閾値の変動は、0.1〜2J/cm2(ジュール/平方センチメートル)と比較的小さく、それらは、材料タイプ、波長およびパルス長の経時的変化等の要因に応じて変化することが分かっている。
単一のピコセコンド・レーザ・パルス(それは、この明細書を書いた時点において、一般に使用されている種類のものである)によって浸食された空間の深さは、10〜100ナノメータとなる傾向がある。焦点スポットの直径は、代表的には、5〜50μmの範囲で選択される。
図4において、隣接するパルス間のオーバーラップ量は、焦点スポットの短軸(横軸)長さの90%である。図4において、隣接するパルス間において、焦点スポットの水平移動量は2.5μmである。このことは、例えば、走査速度用を5m/s、パルス反復周波数を2MHzとしたときに達成できる。
パルス長をピコセカンドのオーダーとしているので、パルス反復周波数の逆数(500 ns)は、連続するパルス間のダークタイム(dark time)と本質的に同じである。
図4において、下方および左側に位置するグラフは、前述した連続10回のレーザ・パルスによって、ターゲット表面上に形成されたクレータの(理論上の)深さプロファイルを図示しており、それぞれ、A−A線およびB−B線に沿って測定したものである。スケールは、μm表示であるが、グラフの軸によって異なることに注意すべきである。
実際のところ、クレータは、その幅と比較して非常に浅い。そうではあるが、表面粗さは、μmのオーダーで鉛直方向の差異を含んでいて、多くの用途に対しては非常に荒いと考えられる、ことにも注意すべきである。
例えば、ターゲットが既に1ラウンドのコールド・アブレーションに使用されていて、その結果、ターゲット表面にこの大きさレベルで鉛直方向の差異が現れている場合、同じターゲットを再度使用すると、ターゲット材料の破断片が破壊されて、プラズマ内に混ざることが起こり得る。
アブレーション経路、パルス反復周波数、および走査速度が最適でない場合には、同じような破断片の形成は、まさに最初のアブレーションラウンドにおいても生じ得る。最終的に、破断片の幾つかは、コーティングされるべき表面に付着して、結晶化プロセスをひどく妨害し、結果的に、最適以下の微視的構造および表面品質を招く。
走査速度を十分に大きくすれば、連続するレーザ・パルス間のオーバーラップは完全に回避できる。図4の例において、水平方向の走査速度を50m/sよりも大きくすれば、隣接する各レーザ・パルスは、ターゲットの新しい部分だけをヒットすることが確実となる。しかしながら、ターゲット上で焦点スポットを移動させると、それに対応して、次のパルスからプラズマを受け取る基板上の領域が反射的に変化する。
上述した通り、コーティング中に結晶構造を形成するのに適切な条件を達成するには、十分なエネルギを有する(すなわち、新しく到着した)、十分な数のコーティング材料成分が、十分な濃度で基板表面上に存在していることが必要である。
パルスとパルスの間において、焦点スポットを非常に速く、非常に遠くに移動させると、この目的を弱める傾向がある。次のプラズマ・フロントの大部分が、基板の完全に新しい部分をヒットすることとなるからである。
使用されるレーザ波長に対してターゲット材料が比較的透明である場合にも、ターゲット材料が破断することは問題となる。透明度が高いということは、レーザ・パルスのフォトンが、ターゲット材料の原子および分子と相互作用する前に、当該ターゲット材料内に比較的深く入り込むことを意味する。この現象は、シリコンで作られたターゲット上に、あるいは多量のシリコンを含む化合物上に、赤外線領域レーザをフォーカスした場合に、特に顕著である。
レーザ・ビームの最もシャープな焦点がターゲット材料の内部に位置する場合、それは、一種の内部エクスプロージョンの原因となり、その場合、目に見えるサイズの破断片がターゲットの実際の表面から飛ばされる。したがって、生成されたコーティングが最適以下の表面粗さであることは、単なる1つの結果である。
ターゲットに対して次のレーザ・パルスを非常に速く、かつ非常に制御された方法で提供することが目的である場合には、プロセス中にターゲット表面がランダムになっていくとは、その目的を非常に困難なものとする。
連続する多数のプラズマ・フロントを生成するに当たって考慮すべき別の要因は、既に生成されたプラズマによるシェーディング効果である。原理的には、プラズマ・プルームは、すべての方向に自由に拡がる。その結果、平坦なターゲットから、プラズマが2xpiステラジアン(steradian)の空間角度で均等に飛び出す。
マイクロ機械加工の用途では、レーザ・ビームをターゲット表面に垂直に位置合わせすること、およびレーザ・パルスを正確に同じスポットに繰り返し適用して孔を形成すること、が慣習的である。孔が深くなるにつれて、生成されたプラズマが利用可能な自由角度も小さくなる。そして最終的には、理論的な限度として、プラズマは、次のレーザ・パルスがやって来るのと同じラインに沿って後ろ向きに飛ぶことだけが可能となる。
コーティングの用途において、ターゲットに対して斜角にレーザ・ビームを位置合わせすることが有利である。それは、例えば図1に示している。ある種のクレータを既に呈しているターゲット上の位置にレーザ・パルスが今ヒットする場合、ターゲット表面上の局所的トポロジーは、プラズマの優勢な飛行方向がレーザ・ビームの光学軸と一致しない方向であるが、いっそう基板に向かう方向に、プラズマ・プルームの向きを決める傾向がある。
そうであったとしても、多くのレーザ・パルスがターゲットに次々に当てられれば、結局のところ、放射線がやって来る経路上に一種のプラズマ・クラウドが見られ、それがアブレーション効率を減じるであろう。
図5は、直ぐ後に続くプラズマ・フロントの生成およびプラズマシェーディングの回避の両方に対して、非常に有利な効果を有する解決策を提案している。図5において、グラフはいわゆるバーストモードの時間的局面を描いているので、鉛直軸のスケールは重要ではない。パルス・レーザは、連続的には作動しておらず、バーストモードで作動している。バーストモードでは、連続するレーザ・パルスからなる第1バースト501はターゲット上にフォーカスされ、各パルス間の遅れは、第1遅れ502である。この第1遅れ502は非常に短いので、基板上において、第1バースト501のパルスにより生成されたプラズマ・フロントに起因する成分が核を形成する。そこでは、成分の平均エネルギが結晶構造の自発的な生成を可能にしている。
第1のバースト501の後、第1遅れ502よりも長い第2遅れ503が生じている。第2遅れ503の後、連続するレーザ・パルスからなる第2バースト504が、ターゲット上にフォーカスされる。ここでも、各パルス間の遅れは第1遅れである。個々のパルスの時間長は、ピコセカンドのオーダーであり、これは、図示した時間スケール上にデルタ・スパイク(delta spikes)を構成すると考えることができる、ということを意味している。
各バースト間の遅れは、多くの理由において有利である。第1に、この明細書を書いている日付において知られているレーザソースの技術を取り入れて、非常に速いパルス繰返し速度を達成することが非常に簡単である(1つのバースト内において必要とされる繰返し速度)。ただしそれは、同じような非常に速いパルス繰返し速度を連続的に維持することが必要ではなく、各バースト間に長い休止があってもよい場合である。
第2に、長い遅れが存在することで、プラズマのシェーディング効果において光学パワーのロスを回避できる。1つのバースト内における各パルスは、ターゲットからの十分な材料を除去するのに十分パワフルであって、基板上に核を形成し、最終的に核形成および結晶化が行われる。とりわけ、そのように強力なパルスが使用される場合、バースト直後にターゲット上で焦点スポットの周囲が曇り、ターゲットにパルスをさらに提供し続けようとすると、その結果として、プラズマ内での吸収および回折により光学パワーの大部分を失ってしまう。
第3に、多数のパルスを互いに非常に近接させて提供し、その後に休止を設ける戦略は、最適なアブレーション経路を設計することを助ける。それにより、例えば、バースト内の各パルスはターゲット上で比較的大きなオーバーラップを有するが、次のバーストが始まる前に、焦点がターゲット表面の新しい部分に移動されるか、あるいは、第1バーストの各パルスが提供されていた位置から大きく側方に離れた位置へと移動される。
一例として、我々は、レーザ・パルス発生ユニットとして、ドイツのOpelstr 10 D-67661、Kaiserslauternに住所を置くLUMERA LASER GmbHから入手可能な50WのLUMERA LASER Hyper Hyper Rapid ピコセカンド・レーザを使用することを考慮する。2009年秋に入手可能なこのレーザソースのモデルは、数ピコセカンドのパルスを、20ナノセカンドの間隔で発することができ、パルスエネルギは10〜50μジュールの範囲にある。
50μジュールのパルスエネルギが使用され、ターゲット材料のアブレーション閾値が1ジュール/cm2と仮定される場合、焦点スポットの領域全体に渡ってアブレーション閾値を超えるためには、円形焦点スポットの直径の理論上の上限は78μmとなる。実際のところ、システムロスおよび高調波発生のため、パルスエネルギのいくらかのリザーブが必要となる。しかし、それでも実際の焦点スポットのサイズは、数十μmの直径を有する範囲にある。
製造業者の報告によると、マイクロ機械加工の用途においては、上記のレーザソースは、バーストモードで作動する場合、ステンレススチールについては10mm3/分の速度で、ガラスについては20〜60mm3/分の速度で、有機的および生体材料については100mm3/分以内の速度で、材料をコールド・アブレーションで除去できる。計算例を幾つか示す。
計算例1

焦点スポットの直径: 25μm
アブレーション深さ: 100nm
アブレーション速度: 60mm3/分
バースト内のパルス数: 5
バースト内のパルス間隔: 20ナノ秒

これらの値が達成された場合、第2遅れ(つまり、第1バースト内の最後のパルスから第2バースト内の最初のパルスまでのダークタイム)は、170ナノ秒となるべきである。それは、1秒間に4×106回のバーストが発生したことを意味している。この第2遅れの値は、やや短いと考えられる。第2遅れは、200ナノ秒またはそれ以上となるべきと考えられているからである。
計算例2

焦点スポットの直径: 25μm
アブレーション深さ: 100nm
アブレーション速度: 60mm3/分
バースト内のパルス数: 10
バースト内のパルス間隔: 20ナノ秒

これらの値が達成された場合、第2遅れ(つまり、第1バースト内の最後のパルスから第2バースト内の最初のパルスまでのダークタイム)は、320ナノ秒となるべきである。それは、1秒間に2×106回のバーストが発生したことを意味している。
計算例3

焦点スポットの直径: 50μm
アブレーション深さ: 100nm
アブレーション速度: 60mm3/分
バースト内のパルス数: 5
バースト内のパルス間隔: 20ナノ秒

これらの値が達成された場合、第2遅れ(つまり、第1バースト内の最後のパルスから第2バースト内の最初のパルスまでのダークタイム)は、900ナノ秒となるべきである。それは、1秒間に1.02×106回のバーストが発生したことを意味している。
正確に言って、1つのバースト内において、各パルスを互いにどの程度近接さなければならないかは、例えば次の事項に依存する設計パラメータである。すなわち、ターゲットおよび基板を囲むガス雰囲気の構成および圧力に依存することは勿論で、ターゲットおよび基板の材料選択、ターゲットと基板の距離、パルスエネルギ、および焦点サイズにも依存する。
現在のところ、1つのバースト内における各パルス間の遅れは、200ナノ秒未満とすべであって、好ましくは、20ナノ秒またはそれ以下と考えられている。上に説明した計算例は、対応する第2遅れの値が代表的には200〜2000ナノ秒であることを示している。
図4の例と同じ走査速度(つまり5m/s)の場合、1つのバーストを構成する5つのパルス(間隔は20ナノ秒)が、ターゲット上の本質的に同じ位置に落ちる。当該バーストの最初と最後のパルス間において、焦点スポットの移動距離は、400nmだけである。しかしながら、バーストとバーストの間隔が1000ナノ秒を超えない場合は、走査速度が5m/sで一定であるということは、1つのバーストの開始から次のバーストの開始まで、焦点スポットが5μmを超えて移動しないことを意味しており、結果として、バーストクレータ間のオーバーラップが大きくなる。
マイクロ機械加工においては確かに望ましいことではあるが、目的がコーティングプロセスのために品質が高く破断片の無いプラズマを生成することである場合には、そのような大きなオーバーラップはほとんど望ましくない。何故なら、ターゲットの表面粗さが数十μmにまですぐに増大し、破断片が生じるリスクが増加するからである。
コーティングの用途では、ガルボヘッド(galvo head)またはウォブラータイプ(wobbler-type)の走査装置では達成できない程の非常に大きな走査速度が要求されると予見できる。何故なら、可動部分の慣性が大きくなり過ぎるからである。十分な大きさの走査速度は、タービン走査装置によって慣例的に達成されている。タービン走査装置では、レーザ・ビームの進路を転換する反射面は、頂面および底面に直交する軸線回りに回転する多角形プリズムの側面である。
1つのバースト中におけるパルス数については、いくらかの考察を要する。明らかに、バースト中におけるパルスの最小限度の数は1つであるが、2つと言った方が明快であるかも知れない。何故なら、単一パルスからなる規則的な「複数のバースト」は、単に通常の以前から知られていたピコセカンド・レーザに過ぎないからである。
しかしながら、すべてのバースト中に、安定した一定数のパルスを有していることは、発明の必須要件ではない。しかし、異なるバーストは、異なる数のパルスを有している。この明細書を書いている時点において、バーストは、1バースト当たり1〜10のパルスを有すべきと考えられているが、1バースト当たり50もの多数のパルスを有する可能性は排除されていない。
共通の1つのバーストに属する複数のパルスは、連続する多数のプラズマ・フロントに起因する成分が核を形成して、結晶化することを許容できる程に、十分速いつの1つのサイクル内に来る。そのように仮定して、我々は、バーストとバースト間の遅れに関連させて、1つのバースト内のパルス数を制御することによって、核形成および結晶化の各ラウンドに寄与する量を制御可能である、と結論を出した。
また、次のことに留意すべきである。コールド・アブレーションは、定義によって「コールド」となっているが、比較的高い巨視的な温度が局所的に存在すると言える状態に熱力学系が近くなるに従って、考慮すべきプラズマも多量になる。
コーティング(例えば、ダイヤモンドコーティング)内で使用できる多くの材料は、準安定状態を呈するが、その状態は巨視的な温度が高い場合には存続しない。準安定状態において十分なプラズマ成分を生成して、核形成および結晶化を可能にするために、しかも同時に、上記プラズマ成分が破壊されないようにするために、近接して連なる多数のレーザ・パルス間において遅れを有すること(すなわち、レーザをバーストモードで使用すること)が有利である。
そのような用途において、1つのバースト当たりのパルス数を選択することは、コーティング結果の外観(準安定状態に起因すると知られている)を観察することによって、および観察されたコーティング結果の外観が最良となるまで1つのバースト当たりのパルス数および(または)バースト間の遅れを変更することによって、実験的に行うことが可能である。
連続するパルス間の間隔が短いレーザ・パルスが来るようにすること、すなわち、バーストモードを使用することが、プラズマ密度に影響を与えるため(それは、ひいては、核形成および結晶化を可能にするために重要である)の唯一可能な方法ではない、ということに留意すべきである。プラズマ密度を高めるための他の手段には、例えば、反応領域の幾何形状を適切に選択することが含まれる。
プラズマは、ターゲットから本質的に全ての方向に飛び出すので、プラズマ・プルーム内の成分密度は、ターゲットからの距離に大まかに反比例する。ターゲットに対して基板を十分近く配置することによって、基板上に到着する成分の密度を増加させることができる。
プラズマ密度に影響を及ぼす全ての要因はプロセスパラメータであり、全てのプロセスパラメータを全体として適切に最適化するだけで、コーティングの望ましい特性が結果的に最良になるであろう。
以上において、我々は、十分なエネルギレベルを有する十分な成分を、十分速く基板表面に届けるという視点だけから、コーティング中に結晶構造を形成することを考慮してきた。その原理は本発明にとって重要であるが、それは、上記構造の生成を支援する他の方法を、同時にまたは別個に使用することを除外するものではない。
コーティングを生成するプロセスに対して反応物質として反応ガスを運ぶことにおいて、および(または)ターゲットと基板の間におけるプラズマの減速を制御することを可能にすることにおいて、制御されたガス雰囲気が重要な役割を演じるということは、既に説明した。
プラズマ成分がその経路上で遭遇したガスと反応するとき、核形成プロセスが始まって、飛行中に核を作り出す。これらが基板表面に付着して中心として機能し続け、そこから結晶成長が継続する。この成長は、格子内における可動性が存在しなくなる限界値よりも低いところにコーティング成分の平均エネルギレベルが減少するまで、継続する。結晶構造の形成を刺激するにおけるガス雰囲気の影響は、プロセス全体の温度に加え、ガス種を選択すること、およびその分圧を御することによって、制御することができる。
結晶構造の形成を支援するために使用できる別クラスの実施形態としては、上記基板の表面上の成分(それは連続するプラズマ・フロントに起因したものである)を、光学的放射の1または2以上のバーストにさらすことが挙げられる。これにより、上記成分により形成されたコーティングに対して、一種のアニーリング(annealing)が生じる。光学的に支援された結晶形成の亜属は、フラッシュ・ランプ・アニーリングと呼ばれる。その用途は、図6を参照して、以下に説明する。
図6は、連続的な基板ウェブの両面コーティングが可能な構成の概略図である。基板は、いわゆるロール・トゥ・ロール法によって取り扱われる。入力ロール601から未コーティングの基板が提供され、コーティングプロセスを経た後、コーティングされた基板は、出力ロール602に巻き取られる。基板ウェブの幅は、数デシメートル(例えば、30cm)、あるいは1mかそれ以上である。
図6は、平面図として理解することができる。つまり、実際の装置において、ロール601、602の回転軸は鉛直方向である。同様の幾何学的取扱い(すなわち、平坦な基板を鉛直面に配置して、コーティングフェーズを通って1方向に移動させる)は、ガラスパネル等のロール上に巻き取ることが適切ではない剛性基板に対しても当然に適用される。
コーティングは、反応チャンバ107で行われる。反応チャンバ107は、基板入力スリットおよび出力スリットにおいてシャッター603を有しており、このシャッター603は、制御されたガス雰囲気を作り出すのに十分な程に反応チャンバを閉じる。最後に述べた目的のため、この構成は、反応雰囲気制御ユニット108を含んでいる。
この構成においては、2つのレーザ・パルス発生ユニット101(基板の両側にそれぞれ1つ)と、それに対応するレーザ・オプティクス102を含んでいる。基板の両側において、ターゲット103が所定位置に保持されている(潜在的に移動される)。
異なる種類のターゲット保持・移動ユニットを広く使用可能であることを図示するため、図6では、鉛直に組み立てられたターゲットロールの円筒面にターゲットが配置されると考える。ターゲットロールは、鉛直方向において、基板ウェブの幅と同程度の距離だけ延在している。
基板の異なる面において、異なるターゲット形態および(または)ターゲット材料を使用することができる。あるいは、基板の片表面だけをコーティングしてもよく、その場合には、パーツ101、102および103が当該片側においてのみ必要となる。あるいは、図6の例示的構成に対して何らかの変更を加えたものであってもよい。
図6の例と同じ反応チャンバ内において、後に、コーティングのフラッシュ・ランプ・アニーリングが行われる。基板ウェブの両側に、光学的放射を行うソース604がある(例えば、キセノン・フラッシュ・ランプ)。コーティングのフラッシュ・ランプ・アニーリングに使用される光学的放射の強度は、代表的には数J/cm2のオーダーであって、結晶化を高めたい1つの領域毎に、1回または数回のバーストによって届けられたものである。
図6のようなプロセスにおいて(それは、基板の連続移動またはステップ移動を可能にしている)、フラッシュ・ランプ・アニーリング段階で選択可能なパラメータとしては、「基板の移動速度に対するフラッシュ周波数」、「フラッシュランプの数および配置」、「コーティング面とフラッシュランプ間の距離」、「コーティング塗布からフラッシュ・ランプ・アニーリングにさらすまでの時差」、「各フラッシュにおいてコーティング上に届く光学的放射の強度」、および「フラッシュにおいて生成された光学的放射の波長分布」がある(ただし、それらに限定されるものではない)。
図6では、コールド・アブレーションが行われるのと同じ反応チャンバ内において、コーティングのフラッシュ・ランプ・アニーリングが行われ(しかし、それは異なるプロセスステップとして行われる)、2つのステップを分離する幾つかのウェブ制御ロールが使用される。
アニーリング・ステップは、プロセスのかなり後の部分で行ってもよく、その場合には例えば、基板をコーティング後に再度巻き取って、別個のアニーリング領域へと転送することができる。
他方、アニーリングステップを、コールド・アブレーションと同じステップにおいて行ってもよい。その場合には、アニーリングの光学的放射を行うバーストは、レーザ・パルスが届くのと同時に、あるいはそこからほんの少しだけ遅れて、届けられる。後者の場合、光学的放射によってコーティング成分に届けられる追加的なエネルギは、その一部が、もともとの結晶構造の形成にも寄与する。
光学的放射を利用してアニーリングを行う他の方法として、レーザ・アニーリングが知られている。レーザ・アニーリングは、形成されたコーティングをレーザ放射で処理することを含んでいる。レーザ放射は、連続的であるか、あるいは高いエネルギを有するパルスとして届けられる。
目的は、コーティングにレーザ放射の十分なエネルギを吸収させ、それをコーティング成分のエネルギに変換することである。その結果、少なくとも局所的に、コーティング成分の平均エネルギレベルは、格子に可動性を与える程に十分高く上昇する。
コーティングを生成するためにもともとコールド・アブレーションが使用されていたコーティング・プロセスにおいて、レーザ・アニーリングのために、基板のコーティング面を走査するよう構成された別個のアニーリング・レーザを使用してもよい。そのような別個のアニーリング・レーザは、ピコセカンド・レーザであってもよい。しかし今回は、レーザを当てて表面を加熱することが、回避すべきではなく、むしろ達成されるべきであるので、ナノセカンド・レーザ、または他の種類のレーザであってもよい。図6において、アニーリング・レーザは、参照番号605で模式的に示している。
代替的に(あるいは、追加的に)、同じレーザを、コールド・アブレーション・フェーズとレーザ・アニーリング・フェーズとの両方に使用してもよい。その場合例えば、走査幾何を制御下で変更して、レーザがターゲットではなく基板のコーティング面を走査可能とすることができる。そして同時に、1つのパルス当たりに届けられるパワー密度を低下させ、その結果として、アニーリング効果がコーティング上に現れる(コーティングから新たに材料を除去するのではない)。
パワー密度を低下させることは、いろいろな方法で達成することができる、そこには、「焦点スポットのサイズを大きくする」、「レーザが表面をヒットする場合の入射角を変更する」、「レーザのパワー設定を調整すること」、および「入射してくるレーザ・ビームを、ターゲット上のたった1つまたは数個の位置ではなく、基板のコーティング面上の複数の位置へと分割するディバイダを使用する」が含まれる。しかし、それらに限定されるものではない。
この明細書を書いている時に知られているレーザは、10ナノメータの良好な精度で、有効深さ(そこでは、レーザがヒットした表面において、殆どの吸収が生じる)を制御することが可能である。その結果、熱的に敏感な基板上に形成されたコーティングに対して、レーザ・アニーリングを良好に行なうことができる。何故なら、コーティングに対するエネルギの吸収を有効に制限することができ、その際に、大きな加熱、およびそれに関連する基板への望ましくない影響が無いからである。
コールド・アブレーションを用いたコーティングの形成と組み合わせることのできる他のアニーリング態様には、「核および(または)結晶構造をマイクロ波にさらして、そこからエネルギをコーティング内に吸収する」、「コーティングにイオンを照射する」、および「本来コーティングの材料を提供する主要ターゲット以外の幾つかのソースからのプラズマ流に、コーティングをさらす」が含まれる。しかし、それらに限定されるものではない。
図7は、本発明の一実施形態に従って基板上にコーティングを形成する方法を示す系統的な流れ図である。図7に示された全てのステップが、本発明にとって本質的であるというわけではない。
ステップ701は、ターゲットに隣接させて基板を配置することを示しており、ステッププ702は、これらターゲットおよび基板を囲む空間に、制御されたガス雰囲気を作り出すことを表わしている。
ステップ703は、コールド・アブレーションによって、ターゲットから材料を除去することを表わしている。このステップは、連続する多数のレーザ・パルスをターゲット上にフォーカスして、それにより、少なくとも部分的に基板の方向に移動する連続する多数のプラズマ・フロントを作り出すことによって実行される。
前記の連続するレーザ・パルス間の時間差は非常に短いので、基板上において、連続する多数のプラズマ・フロントに起因する成分が核を形成する。そこでは、成分の平均エネルギが、結晶構造の自発的な形成を可能にする。
ステップ705および706によれば、ステップ703は、2つのサブステップが繰り返すサイクルを含んでいてもよい。サブステップ705は、連続する複数のレーザ・パルスからなる第1バーストをターゲット上にフォーカスすることを表している。各パルス間の第1遅れは非常に短いので、連続する多数のプラズマ・フロントに起因する成分が上記基板上に核を形成する。そこでは、成分の平均エネルギが、結晶構造の自発的な形成を可能にする。
ステップ706は、連続する複数のレーザ・パルス(各パルス間の遅れは、第1遅れである)からなる第2バーストをターゲット上にフォーカスする前に、第2遅れ(それは、第1遅れよりも長い)だけ待機することを表わしている。
ステップ704は、上記基板の表面上の成分(それは、上記連続するプラズマ・フロントに起因している)を、上記成分によって形成されたコーティングをアニーリングする光学的放射の1または2以上のバーストにさらすことを表している。
コーティング・プロセスは、代表的には、プログラム可能制御装置(つまり、コンピューター)によって制御される。図7も、コンピュータ・プログラム製品を表わすものとして理解することができ、それは、プロセッサ上で実行されたときに対応する方法ステップを実行する、機械で読取り可能な指令で構成される。
図8は、結晶構造を有する粒子を製造するための構成を図示している。この構成がコーティングを形成するための構成とは異なる点は、基板は必要ではないが、当該構成によって作り出された結晶を集めるように構成された粒子回収ユニット801を含んでいる、という点である。ターゲット保持ユニット104は、ターゲット103を所定位置に保持するよう構成される。レーザ・パルス発生ユニット101は、ターゲット103からコールド・アブレーションにより材料を除去することが可能なパルス・レーザ・ビームを発生するように構成される。
コーティングのための構成の場合と全く同じように、レーザ・オプティクス102は、パルス・レーザ・ビームをターゲット103へと案内するように構成されている。それにより、連続する多数のプラズマ・フロントが生成され、それはこの場合において、広範囲の方向に向かってターゲットから離れるよう移動する。
レーザ・パルス発生ユニット101によって生じる連続する各レーザ・パルス間の時間差は非常に短いので、ターゲットから離れた位置に存在する反応空間において、連続する多数のプラズマ・フロントに起因する成分が核を形成する。そこでは、上記成分の平均エネルギが結晶構造の自発的な生成を可能にしている。
この場合においても、光学的アニーリングによって、飛行する粒子の結晶化を助けることが可能である。一例として、図8では、光学的放射のソース604を模式的に示している。光学的放射のバーストは、ソース604により放射されて、飛行する粒子の方へ導かれる。
この光学的放射からのエネルギを吸収して、飛行する粒子の局所的な温度が上昇する。あるいは少なくとも、核内における平均エネルギレベルが結晶構造の形成を許容するものとして十分に高くなっている時間ピリオドを長くすることを助ける。
ターゲットを囲んでいる制御されたガス雰囲気の圧力および構造は、核および結晶粒子の形成について重要な影響を有する。その中をプラズマが飛行するガス媒体の圧力が高くなるということは、プラズマの成分間における衝突が多くなることを意味していて、それは、代表的には核形成の速度を高める。
ガス媒体の原子または分子は、ヘテロゲネオスの核形成について、核形成の中心としても作用することが可能であって、および(または)結晶粒子を形成すべくプラズマ成分と反応する。その結晶粒子は、もとのターゲット材料以外のものも含んでいる。
その中で結晶化が生じる媒体は、ガスである必要はなく、液相であってもよい。粒子回収ユニット801の構造および操作は、本発明において重要ではない。ナノおよびミクロ粒子を製造するのに使用される別の技術分野から、粒子を回収する機能を実行するために可能性のある多くの方法が知られている。
図1中に示した原理と、図8中に示した原理とのある種の混成と言える構成においては、飛行するプラズマ成分が飛行中において既に核形成および結晶化に至る。それでも、それれは、基板表面をヒットして、一種のコーティングを形成する。
そのような場合、意味するところは、明確なナノ粒子を含み、それ故ある所望の表面粗さを有するコーティングが形成されるということである。例えば、生体組織と接触して共に成長するインプラントにおいては、50ナノメートルのオーダーの表面粗さは、インプラント表面への組織細胞の付着を刺激する、ということが分かった。
他に意味するところは、単に基板を結晶化したナノ粒子を集める通路として使用すると、その場合には、プロセスの後方にくる幾つかのステップにおいて、ナノ粒子は基板表面から落とされて出力側へと運ばれる、ということである。
目的がコーティングを作ることか、あるいは結晶粒子を作ることかとは無関係に、プラズマ・プルームおよび(または)基板表面に対して意図的に核形成の中心を与えることによって、核形成プロセスを制御する方法を提案するにおいて有利な効果が得られる。核形成の中心をそのように意図的に与えるための様々な方法が存在する。
図9は、ドーピングしたターゲット901の使用を図示している。図9において、実際のターゲット材料のマトリックスは、混合注入された異なる物質の原子、イオン、および(または)分子902を、選択された量だけ含んでいる。
レーザ・パルス903によって、コールド・アブレーションが起こり、その間にプラズマ・プルーム904が生じる。その成分は、実際のターゲット材料の原子、イオン、および(または)分子、並びにドーピングされた材料の原子、イオン、および(または)分子である。それらは、イオンおよび(または)核形成の中心として機能する。
ターゲットにおいて、ドーパントの濃度が一定である必要はない。しかし、変動するドーパント濃度を使用して、核形成の中心が生成される方法に影響を与えることができる。例えば、ターゲット表面上に、ドープされた物質の非常に薄い層だけを存在させてもよい。その場合、プロセスの初期段階の後において(そのとき、ターゲットのまさにその層が浸食されて無くなっている)、プラズマ・プルーム内に、これ以上の核形成の中心は意図的には提供されない。
図10は、複合材ターゲット1001の使用を図示している。複合材ターゲット1001は、実際のターゲット材料からなる第1領域1002と、核形成中心を提供する材料からなる第2領域1003とを含む。これらの領域は、機械的に単一の1ピース内の別部分であってもよいし、あるいは、両領域が機械的に完全に別個のピースであってもよい。
レーザ・パルス1004、1005は、第1領域および第2領域のそれぞれに対して、別々にフォーカスされ、両領域に対してコールド・アブレーションを起こす。その結果、プライマリー・プラズマ・プルーム1006およびセカンダリー・プラズマ・プルームが生じる。プライマリー・プラズマ・プルーム1006の成分は、実際のターゲット材料の原子、イオン、および(または)分子である。セカンダリー・プラズマ・プルームの成分は、核形成中心を供給する原子、イオン、および(または)分子1007である。
コーティングまたは結晶粒子が、ヒ化ガリウムまたは他のさらに複雑な組合せ等の組合せ半導体から成るべき場合には、複合材ターゲットは、本質的に有益である。所望の組合せを含む単一のターゲットを製造するのは容易ではないが、異なるターゲット、あるいは当該組合せの要素材料から成る異なるターゲット領域を製造するのは十分可能である。
複合材ターゲットが有用な他の用途は、ドーピングされた半導体からなるコーティングの製造、あるいは異なる態様でドーピングされた半導体からなる層の製造である。何故なら、その場合には、バルク半導体が第1ターゲット(または、ターゲット領域)から来て、ドーパントは、当該ターゲットまたはターゲット領域から来るからである。
コーティングプロセスの異なるフェーズにおいて、異なるターゲットまたはターゲット領域へのレーザ・パルス照射を制御することによって、全プロセス中において反応チャンバを開ける必要なしに、単一のコールド・アブレーション・プロセスで、異なる層では異なるドーピングがなされた複雑な層構造を製造することが可能となる。
図11は、それぞれがレーザ・オプティクス102を備える2つの平行なレーザ・パルス発生ユニット101を使用する原理を示している。各レーザ・オプティクス102は、レーザ・パルスを異なるターゲット103(または、例えば、図10に示したような複合材ターゲットのような同じターゲット上の異なる領域)上にフォーカスさせる。
そのような構成によって、各ターゲット(または、ターゲットの各領域)に提供されるレーザ・パルス特性を個別に制御する大きな自由度が実現可能となる。例えば、第1レーザ・パルス発生ユニットからのレーザ・パルス特性は、実際のターゲット材料におけるコールド・アブレーションのために最適化し、また第2レーザ・パルス発生ユニットからのレーザ・パルス特性を、核形成中心を供給する基板におけるコールド・アブレーションのために最適化する。
個別に制御可能なレーザ・パラメータには、レーザ波長、パルス幅、パルス・パワー、焦点スポットのサイズ、1つのバースト当たりのパルス数、1つのバースト内における連続する各パルス間の時間間隔、連続する各バースト間における時間間隔が含まれる。しかし、それらに限定されるものではない。
別々の2つのソースからのパルス照射を正確に制御することにより、相対的タイミングおよび強度に関して、非常に正確な制御が可能となる。当該相対的タイミングおよび強度において、核形成中心のフロントが発生し、プラズマ成分のフロントが実際のコーティング材料を形成する。
図12は、単一のレーザ・パルス発生ユニット101を用いるが、特定の種類のレーザ・オプティクス1202を使用する原理を示している。レーザ・オプティクス1202は、レーザ・パルスを異なるターゲット103(または、例えば、図10に示したような複合材ターゲットのような同じターゲット上の異なる領域)に別々に提供するように構成されている。
個別の各ターゲット(または、ターゲットの別部分)までの光学経路の長さは、同じであってもよし、異なるターゲットに対して異なる時間にレーザ・パルスが到着するように、意図的に異ならせていてもよい。
第1ターゲットをヒットしたレーザ・パルスが全て第2レーザ・パルスをもヒットすることにはならない(あるいはその逆)ように、レーザ・オプティクス1202がゲート制御するように構成されていてもよい。この構成は、各ターゲット(または、ターゲットの別部分)へのレーザ・パルスの照射を非常に正確に同期させるという利点を有する。何故なら、各レーザ・パルスが同じソースから来ていて、別々のターゲットへの照射に関して、光学経路の長さ以外に他の差異が必然的に存在しないからである。
図9、10、11、および12に関連して説明した2つのターゲットおよび(または)ターゲット内の2つの材料に関する記述は、その性質上、3またはそれ以上のターゲットおよび(または)ターゲット内の3またはそれ以上の材料に対しても簡単に一般化できる。多くの種類の組合せが可能である。例えば、純粋に1つの材料からなるターゲットと、ドーピングした材料かなる別のターゲットと、複合材ターゲットであるさらに別のターゲットと、を有する組合せである。
実施例: シリコン基板上のナノ結晶性シリコン
図13は、ホウ素でドーピングされたシリコン薄膜の透過型電子顕微鏡(TEM)画像を示している。このシリコン薄膜は、50WのLUMERA hyper Rapidピコセカンド・レーザをバースト・モードで使用してシリコン基板上に形成されたものである。コーティングは、チャンバ内にガス媒体を加えることなく、5×10−7ミリバールの圧力において製造された。
画像は、明らかに、堆積したシリコン膜のナノ結晶の特性を示しており、それは、図14に示されるように、IRラマン分析によってさらに確認された。それは、図15に示された純粋なシリコン結晶のIRラマンスペクトルと比較することができる。ラマン分光学は、よく知られていて、この種の特性決定のために広く使用されている方法である(例えば、O.Vetterlらによる「Preparation of microcrystalline silicon seed-layers with defined structual properties」、Thin Solid Films 427, 2003、46〜50頁を参照)。
この結晶構造は、スペクトルのXRD分析を通してさらに確認することができ、それは、ナノ結晶性のシリコン材料における典型的な広げられたピーク特性を示している。
堆積は、ホウ素をドーピングしたシリコンターゲット(Okmetic Oyjが製造したもの)上に、赤外線波長(1064nm)のレーザ・パルスを45度の角度でフォーカスすることによって、室温にて行われた。ターゲット中のホウ素濃度は、2×10−18であった。レーザ・パルスは、70mmの広いラインに沿って、ターゲットを横切るようにして走査された。このとき、XおよびYの両方向において、パルスとパルスの間における相対的オーバーラップが制御されていた。焦点スポットのサイズは、直径が約30マイクロメータで、ターゲットと基板の距離は30mmに維持されていた。堆積時間は5分であった。
LUMERA hyper Rapidは、その通常の作動モードにおいて、50ワットの平均出力を発生する。バースト・モードにおいては、バースト中の各パルスは、50MHzで繰り返され、平均電力が高い。
ここで説明したサンプルに対しては、各バーストは、それぞれ5つのパルスを含み、各バーストが500kHzで繰り返された。さらに、レーザの最大出力の50%が使用された。このことは、出力エネルギが25μジュール/バーストよりも大きく、かつ5μジュール/パルスよりも大きいということを意味している(オプティクスによって生じるロスは、無視している)。この光学システムおよび光線照射経路の合計透過率は、約50%である。
バースト・モードでの(ナノ)結晶性シリコン膜の堆積は、赤外線波長のレーザを使用することに制限されないが、同様の結晶性シリコン膜を、緑波長(532nm)におけるバースト・モードを使用して堆積させた。さらに、赤外線および緑の両方の波長におけるバースト・モードを使用して、結晶性シリコン膜をステンレス鋼基板上に堆積させた。
シリコンターゲットにおけるもとのホウ素ドーピング・レベル(2×10−18)が、堆積されたフィルム中においても保たれていた。ステンレス鋼基板上に堆積したホウ素でドーピングした(2×10−18)シリコン膜におけるホウ素含有量を示す1つの例示的なSIMS(二次イオン質量分析)を図16に示した。
各バーストにおけるパルス数、およびプラズマ影響(ほとんどは、ターゲットから基板までの距離に影響を受ける)等の他のパラメータを調節することによって、シリコン膜中における結晶のサイズおよび量を正確に調整することが可能であった。そのことは、XRD測定およびラマン測定によって証明された。
バーストで堆積されたこの結晶性フィルム上に非晶質のシリコン層が堆積した場合、バーストで堆積されたシリコン中の結晶は、厚い結晶性フィルムを作り出す火炉またはフラッシュのアニーリング段階において続いて行われる熱処理の間に、結晶成長のための核形成場所として有効に機能する。
実施例: ガラス基板上のナノ結晶性ニオブ
ガラス基板上へのニオブ・フィルムの室温における堆積は、50WのLUMERA hyper Rapidピコセカンド・レーザを用いて、1.5×10−6ミリバールの圧力で行われた。赤外線波長(1064nm)のレーザ・パルスが、金属ニオブのターゲット上に60度の角度でフォーカスされ、その表面を横切るように80mmの走査幅をもって走査された。このとき、XおよびYの両方向において、パルスとパルスの間における相対的オーバーラップが制御されていた。焦点スポットのサイズは、直径が約30マイクロメータで、ターゲットと基板の距離は15mmに維持されていた。堆積時間は13分であった。
ここで説明したサンプルに対しては、各バーストは、それぞれ10のパルスを含み、各バーストが1MHzで繰り返された。さらに、レーザの最大出力の33%が使用された。このことは、出力エネルギが約16.5μジュール/バーストであるということを意味している。
作り出されたニオブ・フィルムの結晶構造は、XRD分析によって確認された。図17におけるスペクトルは、ナノ結晶性ニオブに関連する明らかなピークを示している。純粋なニオブに加えて、比較的適度の真空条件によって生じた酸化物コンタミネーションに起因した小さいピークが見られる。
実施例: ガラス基板上のナノ結晶性アルミナ
ガラス基板上への酸化アルミニウム・フィルムの室温における堆積は、50WのLUMERA hyper Rapidピコセカンド・レーザを用いて、5.8×10−6ミリバールの圧力で行われた。赤外線波長(1064nm)のレーザ・パルスが、セラミック酸化アルミニウムのターゲット上に55度の角度でフォーカスされ、その表面を横切るように80mmの走査幅をもって走査された。このとき、XおよびYの両方向において、パルスとパルスの間における相対的オーバーラップが制御されていた。堆積中においては、酸素を追加することもなく、他のいかなるガスも使用されなかった。焦点スポットのサイズは、直径が約30マイクロメータで、ターゲットと基板の距離は10mmに維持されていた。堆積時間は32分であった。
ここで説明したサンプルに対しては、各バーストは、それぞれ10のパルスを含み、各バーストが1MHzで繰り返された。さらに、レーザの最大出力の40%が使用された。このことは、出力エネルギが約20μジュール/バーストであるということを意味している。
作り出された酸化アルミニウム・フィルムの結晶化度は、XRD分析によって検査され、ナノ結晶の核形成は非常に少ないことが明らかとなった。堆積中において、酸素雰囲気が追加されなかったという事実は興味深い。何故なら、そのことが、酸化アルミニウムのコーティングを形成するのに、酸化アルミニウムのターゲットを使用可能であることを示しているからである。
更なる考察
図18は、コーティングのよりよい表面を形成するのを容易にするためにバースト・モードでのコールド・アブレーションに組み合わせることができる更に別の原理を示している。直流または交流による電磁界を用いて、基板へ向かう途中のプラズマ成分の少なくとも幾つかを加速させる原理は、一般に知られている。特に無線周波数に適用される1つの実施態様は、プラズマ含浸イオン注入(PIII)である。
その構成は、第1電極(図18の例では、ターゲット103の後方に配置されたケーブル1301のグリッドからなる)、および第2電極(図18の例では、コーティングされるべき基板105である)を備える。電極の幾何学的配置は、適切な極性の電圧を連結することで電極間に電界が形成される場合、プラズマ成分のうちの適切な符号の電荷を有するものが基板105に向かって加速されるよう構成されている。
図18においては、幾何学的配置は、特に次のように構成されている。すなわち、電界の磁力線は、基板105に近い位置において最も密になる。それは、適切チャージされたプラズマ成分が遭遇する加速力が、当該プラズマ成分が基板105に近づく程に強くなるということを意味している。
コーティング・プロセスにPIIIを組み合わせることにより得られる利点は、非平坦基板の場合に、コーティングがより均一となることである。基板表面が凹部または孔部のような何らかの巨視的なトポロジーを有している場合、これらのエッジおよび湾曲面が、所望のプラズマ成分を加速させる電界の助けを借りて、より一層均一にコーティングされる。
電界が同様に全ての帯電物質に影響を及ぼすので、周囲のガス雰囲気(それが存在する場合)中のイオンも電界によって基板表面へと引き付けられるということに留意すべきである。この効果は、最終的なコーティングを構成する様々な材料の実際の組成を設計するにおいて利用できる。
除去レーザがパルスとなってやって来て、そして、その結果として生じるプラズマ成分が明確なフロントとなってやって来るので、加速PIII電圧を絶えずオンにしておく必要は必ずしもない。加速PIII電圧の非常に短いパルスを、必要となる度に負荷すれば十分である。それは、代表的には、正確にプラズマ・プルームが生成された瞬間である。
パルス状の加速PIII電圧の本質は、図18中の一番左端に模式的に示されている。パルス状のコールド・アブレーション・レーザと同期させて電圧パルスを繰り返すということは、実際問題として、加速PIII電圧は、適切な振幅、周波数、および位相を有する交流電圧であるということを意味している。また、加速PIII電圧が交流であるという本質は、基板が導電性材料である必要はないということを意味するものでもある。何故なら、適切な符号および大きさを有する正味の電荷を、コーティングされるべき基板の表面上に作り出すために、誘電性基板内で生じる内部分極を利用することができるからである。
ここまでに説明した本発明の例示的な実施形態に対して、添付の特許請求の範囲に規定される保護範囲から逸脱することなく、大きな範囲に渡る変更および改変を行うことが可能である。
例えば、複数の材料からなるコーティング、あるいは広い基板上へのコーティングは、タービン走査装置を通してレーザ・パルスを案内することでこれを行うことができる。そのタービン走査装置においては、回転するプリズムの反射側面の全てが当該プリズムの回転軸に対して同じ角度であるということではない。
それぞれが異なる方向に向けられた各側面は、異なるターゲットへと反射させることができる。同一のタービン走査装置と一緒に2以上のレーザ・ソースが使用される場合、ターゲットおよび基板の多様な幾何学的配置をカバーすることができる。
コーティングは、基板表面上でただ1つの層である必要はなく、異なる目的をもって積み重ねられた複数の層で構成されていてもよい。1つの例として、基板表面に最も近いところにプライマ層を設けてもよい。プライマ層の目的の少なくとも1つは、良好な付着性を保証すること、核形成中心を与えること、適切な結晶セル構造および配向を与えること、および基板とコーティング材料間における拡散を停止させることである。
さらに、積層コーティングの他の機能層の間において、拡散バリア層および他の中間層を使用してもよい。積層コーティング内の幾つかの層は、例えば、所望のある種の電磁特性を有していてもよい。そして、他の層は、機械的強度、外観、非付着性特質、その他のために最適化されていてもよい。
相当な厚を有する結晶性コーティング層を作り出すことを目的にすると、柱状の成長を招くというリスクを伴う。それは、コーティングすべき面内において結晶が整然とは成長せず、結晶が柱または崖を作るということを意味する。当該柱または崖は、それらが存在しなければスムースである表面から突出する。コーティングが結晶性要素の層と、非結晶性要素の層とを交互に有するように作ることで、柱状の成長を減じることができる。
本発明の助けを借りれば、そのことは極めて容易である。何故なら、結晶性要素の層は、コールド・アブレーション・レーザをバースト・モードで使用することで作ることができ、そしてその後で、単にバースト・モードをオフにすることによって、または1バースト当たりのパルス数を1つに減じることによって、正に同じターゲットを用いて非結晶性要素の層を作ることができるからである(1つに減じるとは、より一般化すると、速く連続するレーザ・パルスによる結晶化を高める効果が、もはや重大な大きさにおいては観察されない程に、パルス数を少なくするということである)。
以上の説明においては、明瞭に図示することを目的として、コーティングされるべき基板表面が平坦であるとしている。これは、本発明における必須事項ではない。何故なら、第1に、プラズマ・フロントに起因する成分は、非平坦である基板表面の細部にも到達することができるからである。第2に、基板を移動させるロボットティクスは、任意の基板を回転させるのに利用可能で、それ故、コーティングを受けるべき全ての表面を適切にターゲットに接近させることができるからである。
ロボットティクスは、平坦な基板とともに使用する場合が最もシンプルなものとなり、あるいは、単純な移動戦略を伴う平坦面にまでその幾何学的な外観を減じることができる。例えば、円筒状の基板がその円筒対称軸を中心として回転する場合、外側表面は平坦面にまで有効に減じることができる。
制御されたガス雰囲気に関して、コールド・アブレーションの利点の1つは、ターゲットおよび基板を互いに非常に近接して配置できるということである。何故なら、その両者を過度に加熱する必要は必ずしもないからである。ターゲットと基板の距離には、プラズマが一方から他方へとどのように飛行するのかに関して、重要な役割がある。例えばその理由は、両者の間にガスが存在すると、プラズマとガスの相互作用によってプラズマが減速されるからである。
限定的なケースにおいては、大気中でコールド・アブレーションを行うことができる。何故なら、プラズマは、特別な雰囲気条件が必要ではない程に短い距離を飛行することだけを単に必要とするからである。制御されたガス雰囲気の成分として適切なガスは、とりわけ、ヘリウム、アルゴン(不活性ガスの雰囲気が必要な場合)、および酸素(ガス雰囲気が反応特性を有すべき場合)である。

Claims (30)

  1. 基板上にコーティングを作る方法であって、
    基板をターゲットの近傍に配置するステップと、
    連続する多数のレーザ・パルスをターゲット上にフォーカスしてコールド・アブレーションによりターゲットから材料を除去し、それにより、連続する多数のプラズマ・フロントを作り出し、当該プラズマ・フロントの少なくとも一部分を基板に向かって移動させるステップと、
    ターゲット表面上で、レーザ・パルスの焦点スポットを走査するステップと、を含んでおり、
    連続する多数の各レーザ・パルス間の時間差は、連続する多数のプラズマ・フロントに起因する成分が基板上に核を形成できる程度に短く、成分の平均エネルギが、結晶構造の自発的成長を許容する、方法。
  2. 連続する複数のレーザ・パルスからなる第1バーストをターゲット上にフォーカスし、各レーザ・パルス間の第1遅れは非常に短いので、連続する多数のプラズマ・フロントに起因する成分が上記基板上に核を形成し、そこでは、成分の平均エネルギが、結晶構造の自発的な形成を可能にするステップと、
    連続する複数のレーザ・パルス(各パルス間の遅れは、第1遅れである)からなる第2バーストをターゲット上にフォーカスする前に、第2遅れ(それは、第1遅れよりも長い)だけ待機するステップと、
    を含んでいる、請求項1記載の方法。
  3. 上記第1遅れは、200ナノセカンドよりも短く、上記第2遅れが200ナノセカンドよりも長い、請求項2記載の方法。
  4. 上記第1遅れは実質的に20ナノセカンドで、上記第2遅れが200〜2000ナノセカンドである、請求項3記載の方法。
  5. 上記ターゲットおよび基板を囲む空間に、制御されたガス雰囲気を作り出すステップを含んでいる、請求項1〜4のいずれか1つに記載の方法。
  6. 上記制御されたガス雰囲気は、反応ガスを含んでおり、
    プラズマ・フロントに起因する上記成分は、ターゲット材料の成分と反応ガスの成分との反応結果物を含んでいる、請求項5記載の方法。
  7. 上記制御されたガス雰囲気は、不活性ガスを含んでおり、
    当該制御されたガス雰囲気の圧力を制御することによって、ターゲットから飛び出すプラズマの減速を制御するステップを含んでいる、請求項5または6記載の方法。
  8. 上記連続するプラズマ・フロントに起因する基板上の成分を、光学的放射の1または2以上のバーストにさらして、上記成分で形成されたコーティングに対してアニーリングを行うステップを含んでいる、請求項1〜7のいずれか1つに記載の方法。
  9. 上記基板をターゲットの近傍外へ移動させた後、別のプロセスステップにおいて、光学的放射がコーティング上に届けられる、請求項8記載の方法。
  10. 上記コールド・アブレーションが行われているのと同じ空間において、光学的放射がコーティング上に届けられ、その結果、上記アニーリングと上記コールド・アブレーションとが1つの組み合わされた方法ステップを構成する、請求項8記載の方法。
  11. 連続する多数のレーザ・パルスを第1ターゲット上にフォーカスすることによって、第1ターゲットからコールド・アブレーションによって第1材料を除去するステップと、
    連続する多数のレーザ・パルスを第2ターゲット上にフォーカスすることによって、第2ターゲットからコールド・アブレーションによって第2材料を除去するステップと、を含んでいる、請求項1〜10のいずれか1つに記載の方法。
  12. 上記第1材料に起因するプラズマ成分が核形成中心として働き、そこに上記第2材料の核が形成される、請求項11記載の方法。
  13. 2つの別個のレーザ・パルス発生ユニットが使用されて、それぞれが1つのターゲットに対しレーザ・パルスを発生してコールド・アブレーションを行う、請求項11記載の方法。
  14. 1つのレーザ・パルス発生ユニットが使用されて、ビーム分割オプティクスを用いて上記第1ターゲットと第2ターゲットへとレーザ・パルスが提供される、請求項11記載の方法。
  15. 第1材料を用いて第2材料をドーピングしてなる1つの共通のターゲットから、当該第1および第2材料をコールド・アブレーションにより除去する、請求項1〜14のいずれか1つに記載の方法。
  16. 上記第1材料に起因するプラズマ成分が核形成中心として働き、そこに上記第2材料の核が形成される、請求項15記載の方法。
  17. 基板上にコーティングを作るための構成であって、
    ターゲット(103)を所定位置に保持するように構成されたターゲット保持ユニット(104)と、
    基板(105)を上記ターゲット(103)の近傍に保持し、かつ移動させるように構成された基板保持・移動ロボティクス(106)と、
    コールド・アブレーションにより上記ターゲット(103)の材料を除去することができるパルス状のレーザ・ビームを発生するように構成されたレーザ・パルス発生ユニット(101)と、
    連続する多数のプラズマ・フロントを作り出すため、パルス状のレーザ・ビームを上記ターゲット(103)へと案内するように構成されたレーザ・オプティクス(102)と、を備えていて、当該プラズマ・フロントは、少なくともその一部分が上記基板に向かって移動するものであり、
    上記レーザ・パルス発生ユニット(101)は、連続する多数の各レーザ・パルス間の時間差が短いものを使用するように構成されており、当該時間間隔は、連続する多数のプラズマ・フロントに起因する成分(201、202、203)が基板(105)上に核を形成できる程度に短く、成分の平均エネルギが、結晶構造の自発的成長を許容することを特徴とする、構成。
  18. 上記レーザ・パルス発生ユニット(101)およびレーザ・オプティクス(102)は、連続する複数のレーザ・パルスからなる第1バーストをターゲット(103)上にフォーカスするよう構成されており、各レーザ・パルス間の第1遅れは非常に短いので、連続する多数のプラズマ・フロントに起因する成分(201、202、203)が上記基板(105)上に核を形成し、そこでは、成分の平均エネルギが、結晶構造の自発的な形成を可能にしており、かつ
    連続する複数のレーザ・パルス(各パルス間の遅れは、第1遅れである)からなる第2バーストをターゲット上にフォーカスする前に、第2遅れ(それは、第1遅れよりも長い)だけ待機するよう構成されていることを特徴とする、請求項17記載の構成。
  19. 上記第1遅れは、200ナノセカンドよりも短く、上記第2遅れが200ナノセカンドよりも長いことを特徴とする、請求項18記載の構成。
  20. 上記第1遅れは実質的に20ナノセカンドで、上記第2遅れが200〜2000ナノセカンドであることを特徴とする、請求項19記載の構成。
  21. 上記ターゲット(103)および基板(105)の周囲空間に、制御されたガス雰囲気を作り出すよう構成された反応チャンバ(107)および反応雰囲気制御ユニット(108)を含むことを特徴とする、請求項17〜20のいずれか1つに記載された構成。
  22. 上記連続するプラズマ・フロントに起因する基板上の成分を、光学的放射の1または2以上のバーストにさらして、当該成分により形成されたコーティングに対してアニーリングを行うよう構成された光学的放射のソース(604)を含むことを特徴とする、請求項17〜21のいずれか1つに記載の構成。
  23. 第1材料を含む第1ターゲットと、
    第2材料を含む第2ターゲットと、
    上記第1および第2のターゲットに、連続する多数のレーザ・パルスをフォーカスする手段と、
    を含むことを特徴とする、請求項17〜22のいずれか1つに記載の構成。
  24. 上記フォーカスする手段は、2つの別個のレーザ・パルス発生ユニットで構成され、各レーザ・パルス発生ユニットが1つのターゲットに対してレーザ・パルスを発生してコールド・アブレーションを行うよう構成されていることを特徴とする、請求項23記載の構成。
  25. 上記フォーカスする手段は、1つのレーザ・パルス発生ユニットおよびビーム分割オプティクスで構成され、それらは、上記第1ターゲットと第2ターゲットへとレーザ・パルスを提供するよう構成されていることを特徴とする、請求項23記載の構成。
  26. 第2材料で構成されるとともに第1材料でドーピングされたターゲットを含むことを特徴とする、請求項17〜25のいずれか1つに記載の方法。
  27. 次のプロセスによって作られたコーティングであって、
    上記プロセスは、
    基板をターゲットの近傍に配置するステップと、
    連続する多数のレーザ・パルスをターゲット上にフォーカスしてコールド・アブレーションによりターゲットから材料を除去し、それにより、連続する多数のプラズマ・フロントを作り出し、当該プラズマ・フロントの少なくとも一部分を基板に向かって移動させるステップと、
    ターゲット表面上で、レーザ・パルスの焦点スポットを走査するステップと、を含んでおり、
    連続する多数の各レーザ・パルス間の時間差は、連続する多数のプラズマ・フロントに起因する成分が基板上に核を形成できる程度に短く、成分の平均エネルギが、結晶構造の自発的成長を許容する、コーティング。
  28. 次のプロセスによって作られた製造物であって、
    上記プロセスは、
    製造物の本体をターゲットの近傍に配置するステップと、
    連続する多数のレーザ・パルスをターゲット上にフォーカスしてコールド・アブレーションによりターゲットから材料を除去し、それにより、連続する多数のプラズマ・フロントを作り出し、当該プラズマ・フロントの少なくとも一部分を上記本体に向かって移動させるステップと、
    ターゲット表面上で、レーザ・パルスの焦点スポットを走査するステップと、を含んでおり、
    連続する多数の各レーザ・パルス間の時間差は、連続する多数のプラズマ・フロントに起因する成分が上記本体上に核を形成できる程度に短く、成分の平均エネルギが、結晶構造の自発的成長を許容する、製造物。
  29. 結晶構造を有する粒子を作る方法であって、
    連続する多数のレーザ・パルスをターゲット上にフォーカスすることで、コールド・アブレーションによりターゲットから材料を除去し、それによって、連続する多数のプラズマ・フロントを作り出し、そのようなプラズマ・フロントは、その少なくとも一部分がターゲットから離れる方向へと移動するステップと、
    ターゲット表面上で、レーザ・パルスの焦点スポットを走査するステップと、を含んでおり、
    連続する多数の各レーザ・パルス間の時間差は、連続する多数のプラズマ・フロントに起因する成分がターゲットから離れた反応空間に核を形成できる程度に短く、成分の平均エネルギが、結晶構造の自発的成長を許容する、方法。
  30. 結晶構造を有する粒子を作るための構成であって、
    ターゲット(103)を所定位置に保持するように構成されたターゲット保持ユニット(104)と、
    コールド・アブレーションにより上記ターゲット(103)から材料を除去することができるパルス状のレーザ・ビームを発生するように構成されたレーザ・パルス発生ユニット(101)と、
    連続する多数のプラズマ・フロントを作り出すために、パルス状のレーザ・ビームを上記ターゲット(103)へと案内するように構成されたレーザ・オプティクス(102)と、を備えていて、当該プラズマ・フロントは、その少なくとも一部分がターゲットから離れる方向へと移動するものであり、
    上記レーザ・パルス発生ユニット(101)は、連続する多数の各レーザ・パルス間の時間差が短いものを使用するように構成されており、当該時間間隔は、連続する多数のプラズマ・フロントに起因する成分(201、202、203)がターゲットから離れた反応空間に核を形成できる程度に短く、成分の平均エネルギが、結晶構造の自発的成長を許容する、構成。
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