本発明は、これらの要素の全部又は多くを本発明の歯ブラシの設計及び構造に用いており、よって本発明の歯ブラシは歯の物理的な面に対応して、歯の掃除及び手入れにおいて歯磨き過程をより有効なものにする。
本発明の1つの態様の歯ブラシは、柄部分と、ベース部材とベース部材から上方に延在して空間を形成する第1及び第2の側壁とを有するヘッド部分とを備え、ベース部材と第1及び第2の側壁とは空間内へと延在する毛を有し、第1及び第2の側壁の少なくとも一方は、側壁が力に呼応して空間の中及び外へと移動することが可能なようにベース部材に対して枢動可能とされている。
1つの形態において、第1及び第2の側壁の少なくとも一方はベース部材に接続されて、第1及び/又は第2の側壁が力に呼応して空間の中及び外へと枢動するようになっている。ベース部材と第1及び第2の側壁との接続点がこの枢動を容易にする。
好ましくは、この接続点は小さくなった接続部であって、軟弱点を構成してベース部材に対する第1及び/又は第2の側壁の枢動を可能にする。第1及び第2の側壁の両方がベース部材に対して枢動可能とされうる。
好ましくは、第1及び第2の側壁の少なくとも一方は1つ以上の壁部分によって構成され、各々の壁部分が別々にベース部材に接続され、他の壁部分と無関係にベース部材に対して枢動することができるようになっている。1つの実施形態において、第1及び第2の側壁の両方が2つ以上の壁部分によって構成される。第1又は第2の側壁は3つの壁部分によって構成されうる。
好ましくは、ベース部材は、磨かれる歯の咬合面を掃除するために部材上に選択的に配置される従来のナイロン毛を有する。更に、各々の側壁は、磨かれる歯の滑らかな側面を掃除し且つ磨くために側壁上に散在的に取り付けられ且つ選択的に配置される従来のナイロン毛とゴム毛との複合体を有する。1つの実施形態において、従来毛とゴム毛とは空間内へと延在するように取り付けられ、それぞれ第1及び第2の側壁に対して約45度の角度をなしている。第1及び第2の側壁は、1組の下毛と下毛より若干長く歯肉溝又は歯肉部の下を掃除するように構成される1組の上毛とを有する。
好ましくは、ベース部材上に取り付けられる従来毛は歯の裂溝及び窪みに到達して掃除するように設計される輪郭設定された上面を有する。
好適な実施形態において、歯ブラシは更に、液体及び残渣を歯ブラシから流出させやすくするために第1及び第2の側壁とベース部材との間に形成される少なくとも1つの開口を含む。歯ブラシのヘッド上に舌クリーナーも形成されうる。
本発明の他の態様の歯ブラシは、柄部分と、ベース部材とベース部材から上方に延在して空間を形成する第1及び第2の側壁とを有するヘッド部分とを備え、ベース部材は空間内へと延在するナイロンの従来毛を含み、第1及び第2の側壁は空間内へと延在する従来のナイロン毛とゴム毛との複合体を含む歯ブラシを提供する。
好ましくは、第1及び第2の側壁上の従来毛とゴム毛とは空間内へと延在するように取り付けられ、それぞれ第1及び第2の側壁に対して約45度の角度をなしている。第1及び第2の側壁上の毛は、1組の下毛と、下毛より若干長く歯肉溝又は歯肉部の下を掃除するように構成される1組の上毛とを含む。第1及び第2の側壁の少なくとも一方又は両方はベース部材に対して枢動可能とされて、側壁が力に呼応して空間の中及び外へと移動することが可能になっている。
本発明の更に他の態様は、柄とヘッドとを含む可撓性歯ブラシであって、ヘッドはベース部材とベース部材から上方に延在する第1の側壁と、第1の側壁に離間するようにベース部材から上方に延在する第2の側壁とを有し、ベース部材と第1及び第2の側壁とが空間を形成すると共に断面において略U形をなしている。
ヘッドは空間内へと延在する1組のベース毛を有し、第1及び第2の側壁の各々は、それぞれ同様に空間内へと延在する1組の第1及び第2の側方毛を有する。組状のベース毛と組状の第1及び第2の側方毛とは共同で開放無毛領域を空間内に残存させ、使用時にこれから歯ブラシで磨かれる1本又は複数本の歯を収容する。
本発明の好適な態様において、第1及び第2の側壁は、ある程度の可撓性を与えられる態様でベース部材に取り付けられる。これに関しては、可撓性の側壁は、弾性であるために屈曲することができると共に、空間の中及び外へと移動することができる。歯ブラシのヘッドと特に側壁とが歯形態に呼応して移動し且つ変形して、全ての歯が歯ブラシに対し可能な限り最高の向きになるようにし、よって最適なクリーニングを提供するので、このような構造の有意な利点は、使用者の歯形態によって必要時に側壁が若干押し出されて、互いに完璧に整列していない1組の歯でも丹念に磨くことができるようになることである。
1つの実施形態において、側壁の可撓性は、側壁とベース部材間のより薄い又は軟弱化された接続点によって達成され、この様に側壁が歯の整列又は不整列に呼応して接続点で若干移動することを可能にする。
好ましくは、異なる種類の毛が歯ブラシのヘッドに用いられるとよい。ヘッドはゴム毛に加え、従来のナイロン又その他の材料の毛を有しうる。側方アーム上には従来毛とゴム毛との複合体があり、ベース部材は従来毛のみを有する。
従来毛とゴム毛との複合体は、歯の頬側及び舌側の両表面を掃除する際により高い効果を有する。これら表面は滑らかである。これら表面及び領域上では、エナメル質は、咀嚼に用いられるためにより厚く且つ摩損及び他の物質との接触により耐えることができる咬合面上のエナメル質より薄いことがある。従来毛は歯垢及びその他の残渣をかき出す際により優れた効果を有する一方で、ゴム毛は歯の表面上を移動しながらエナメル質を磨く。従って、この設計は、ゴムを部分的若しくは全面的に用いる場合又は通常の従来毛のみに加えて用いる場合には、エナメル質がより少なく、より繊細でより薄い歯の部分における摩損の可能性を減らす。
従来毛とゴム毛との両方を用いる歯のこの二重手入れは、本発明による歯ブラシを用いて歯磨きをする度に歯が掃除されかつ磨かれるため、歯科医で行われる種類の処置をより厳密に模することができる。
好ましくは、歯ブラシのヘッドの側壁とベース部材との間に開口又は穴が構成されるとよい。これは、歯磨き中に歯ブラシにより除去される歯垢及び残渣の出口となり、これらの残渣の少なくとも一部が歯ブラシ内又は歯ブラシ上に残らないようにすることで、歯ブラシの衛生性を高める。これにより、歯から口内への残渣の流れ又は除去が最適化されて、残渣が歯ブラシに取り込まれて細菌の繁殖を招きかねない基盤がなくなる。
毛の長さ及び配向も様々である。歯ブラシのヘッドのベース部材上の毛については、一部のものを長めに、一部のものを短めにして、窪み及び溝内の残渣に到達し且つ歯垢を除去するように設計された毛表面にすることができる。上述したように、ベース部材上の毛は、本発明の1つの態様によれば、他の種類の毛を用いることもできるが、もっぱら従来の種類の毛である。これは、咬合部のエナメル質は歯の滑らかな側面上のエナメル質よりはるかに厚いためである。
ベース部材上において、従来毛は、王冠状の形状を有すると共に中央部で山状をなし、裂溝部分に適正に入り込んで掃除する。歯の裂溝及び小窩は、歯垢及び残渣が非常に詰まりやすくなっている深い開口又は窪みである。これらの部分に溜まる歯垢は、擦り落し及び除去が非常に困難であり、ベース部材上の従来毛は、一般に歯の咀嚼面又は咬合面上を磨くため最適である。このような毛は咬合部を最もうまく清拭すると共に、カリエス、即ち虫歯ができる可能性を低下させるのに役立つ。
側壁上の毛は好ましくは、効果を最大限に高めるために、選択的に配置される従来毛とゴム毛との複合体がよい。この複合体は、咬合面と比べるとより薄いエナメル質を有する滑らかな表面である歯の頬側及び舌側の表面のクリーニングを担う。この毛の複合体において、一般に上述したように従来毛は歯垢をかき出すと共に残渣を除去する一方で、ゴム毛は同時にエナメル質を磨く。従って、この複合体は、従来毛のみの使用と比べると摩損の可能性を低下させると共に、本発明に従った歯ブラシを用いて歯を磨く時はいつでも同時に歯のクリーニングと研磨との両方を行う効果を有する。
本発明の1つの好適な実施形態において、従来式の毛とゴム毛との両方の毛は、ある角度に配向され、好ましくは上向きの角度で空間内へと延在するとよい。更に、側壁の上部(即ちベース部材から遠い方)の毛は、本発明の1つの実施形態では、残りの毛より約1ミリメートル程度だけわずかに長いとよい。これらの長めの毛は、より効果的に使用者の歯肉に到達するように構成されており、歯肉をマッサージすること又は歯肉溝に入り込んで掃除することの有益性は周知であると共に、口腔衛生及びケアの賢明な方法として認められている。
各歯は、歯肉溝すなわちポケットと、歯肉から出てくるところで歯の周りを包む遊離したすなわち付着していない歯ぎんとを有する。健康な大人では、ポケットの深さは1〜約2ミリメートル以上である。このため、本発明の歯ブラシの側壁の毛は、他より約1ミリメートル程度長くされて、歯ぎんを損傷することなしに、よりうまく歯肉溝に入り込んでクリーニングとマッサージとを行うことができるようになっている。
1つの実施形態において、本発明の歯ブラシヘッドはベース部材とその両側に側壁とを有する。しかし、本発明のその他の実施形態では、ベース部材の両側に1つ以上の側壁があってよく、すなわち代案として各側壁が2つ以上、好ましくは3つの部分によって構成されうる。各部分は本明細書に開示する可撓的態様で独立して動き、完璧には整列せずに1箇所以上で曲がっていることがある歯のクリーニング及び研磨において、本発明の歯ブラシの掃除効果を最も良好に最適化しうるようになっている。
本発明の歯ブラシは更にまた、ヘッドの外面上に形成されうる、舌を擦って掃除する舌磨き器を含み、これによって歯ブラシは、多目的を有すると共に全てが一体に組み込まれた口腔クリーニング用具を構成する器具となりうる。
次に、柄14とヘッド16とを有する本発明による歯ブラシ12の略図である図面の図1を参照する。ヘッド16は、ベース部材18と第1の側壁20と第2の側壁22とを含む。ベース部材18と第1及び第2の側壁20及び22は、以下に更に説明するように、図面の図2に最もわかりやすく示されている略U形の構造を形成する。ベース部材28と第1及び第2の側壁20及び22とが、歯磨きの最中に使用者の歯を収容する空間24を形成することに注目されたい。
第1及び第2の側壁20及び22は、選択的に配置される従来毛26とゴム毛28と有する。従来毛26とゴム毛28とは、歯ブラシが歯の上で移動する時に共同で歯のクリーニングと研磨との両方を行う作用をする。
図面の図2に、図面の図1に全体的に示された歯ブラシヘッド16の端面図を示す。側壁20及び22の各々が接続点30においてベース部材18に接続されることがわかる。接続点30は、その構造及びレイアウトに関して図面の図3によりわかりやすく示されている。接続点30は実際には小さくなった部分すなわち直径の取付け部分であり、これによって側壁20及び22とベース部との間における接続部の剛直性が若干弱められて、以って側壁20及び22は何らかの加力又は加圧に呼応して前後に移動できるようになる。これに関する更なる詳細事項を以下に説明する。可撓環32が接続点30を取り巻く。
図面の図2に戻ると、ベース部材18は上方に延在する1組の毛36を有しており、これらの毛は中央山部と側方山部とを含む輪郭設定された上面38を有することがわかる。上面38の輪郭は、大体において厚めのエナメル質を有する歯の咀嚼面又は咬合部に略係合すると共に、歯ブラシの往復運動によって、これらの部分から残渣及び歯垢を除去するのを助ける。
更にまた、側壁20及び22上の毛26及び28は、約45°の角度で上方に延在することがわかる。毛26及び28は、以下に説明するパターンで選択的に分散され且つ配置され、側壁上の毛の2つの目的、即ち歯のクリーニングと研磨とに最もうまく対応しうる。
図面の図2から、上部の組の毛40はそれより下の毛より若干長いことがわかる。上述したように、これらの長めの毛の目的は、これらを歯肉溝、即ち歯と歯を取り巻く歯ぎん、即ち歯肉との間の隙間に到達させて、その中に溜まったあらゆる残渣を擦り取り且つ一掃することができるようにすることである。
接続点30の周りの環32は、ゴムによって構成され、付加的な可撓性を達成するのを助ける。この構成は、歯に受動的な圧力のみが加わることを促して、以ってエナメル質の摩損を加速させることに繋がりかねない歯への過剰な力を防ぐのに役立つ。
この設計の歯ブラシ、特に、この構成の毛26及び28を有するベース部及び側壁20及び22は、主に咀嚼面である咬合部に対する圧力と力とを切り離す。これらの表面は、滑らかな表面である歯の顔面側、頬側及び舌側領域と比べてより硬く且つ厚い。従って、毛の配置と毛が取り付けられる土台と使用される毛の種類とその角度との全てが、歯の咀嚼面にはより大きい圧力とクリーニング強度とをもたらす一方で、歯のより滑らかな面、即ち側面にはより小さい圧力をもたらすように選択され且つ構成される。
エナメル質の摩損の主要な原因のひとつは誤った歯磨きであって、硬い毛を有する歯ブラシを使用したことだけではなしに、歯磨き時にある一定の時間にわたってエナメル質に対して過剰な力をかけた結果でもあることは一般に認められている。
図面の図5に、柄14とヘッド16とを含む歯ブラシ12の略側面図が示されている。第1の側壁20と2つの接続点30とが図示されている。側壁20はその2つの接続点上で若干揺動又は枢動し、歯の位置と歯ブラシの動作とに呼応して空間24の中及び外へと前後に移動する。
図5を見ると、開口44が設けられて、残渣と歯垢とを含みうる流体の流れを可能にして、これらが歯ブラシに永久的に固着又は付着しないようになっていることがわかる。このように、開口44は、適切な流れを可能にして可能な範囲内で衛生状態を保たせる。
様々な毛26及び28のレイアウトが図面の図5に概略的に示されている。円形の表示は従来毛を表す一方で、正方形の表示はゴム毛28を表す。従来毛26とゴム毛28とは互いに効果的に組み合わさって、上述したように、それぞれクリーニングと研磨との両方の作用をもたらす。
図面の図6は、ベース部材18上に示される組状の毛36の詳細図である。図6には、この組状の毛36の1つの特定の構成又は配置を示す。基礎部18、即ち中央部分上のこの組状の毛は、好ましくはもっぱら従来の種類の毛であって、一般に側壁上に取り付けられるゴム毛とは組み合わされない。咬合部のエナメル質は歯の滑らかな表面上のエナメル質よりはるかに厚いため、これらの従来毛はベース部材上に配置されることがより適切であり、王冠のような形状をなすと共に中央部で山状になっていて、歯の裂溝部に適正に入り込んで掃除する。裂溝は、歯垢及び残渣が非常に詰まりやすい深い開口又は窪みである。この部分に溜まる歯垢は非常に除去しにくい。従来毛はこの歯垢と残渣とをかき出す良好な一次機構となり、こうした理由により組状の毛36は略全面的に(必ずしもそうとは限らないが)これらの従来毛によって構成される。このようにすると、咬合部にある裂溝及び窪み等から残渣が適正に清拭され且つ排除されて、以ってカリエスの発生を防ぎやすくなる。
図面の図7に、図5に示した歯ブラシのような、本発明による歯ブラシの背面図が示されている。歯ブラシの裏側には、ゴムによって構成されうる舌磨き器50が含まれる。この舌磨き器50を舌の上で動かし、舌に固着した物質をかき取って舌を掃除する。更に、図7には、良好な衛生を促進するために歯ブラシ12に組み込まれる、歯ブラシヘッド16の側部の穴44も示されている。これらの開口がなければ、除去された歯垢及び残渣と口内のその他の残渣とが歯ブラシを被覆又は歯ブラシに付着しかねず、且つ細菌の繁殖を招く基盤ともなりかねない。
図面の図8に、本発明の更に他の態様による歯ブラシが示されている。歯ブラシ60は、柄62とヘッド64とを有する。ヘッド64はベース部材66と第1の側壁68と第2の側壁70とによって構成される。
この図8に示される実施形態において、各々の側壁68及び70は3つの独立して移動可能な壁部分72によって構成される。ベース部材66は上方に延在する組状の従来毛を有する一方で、第1及び第2の側壁68及び70は従来毛76とゴム毛78との複合体を有する。第1及び第2の側壁68及び70の各々が、ベース部材66に別々に取り付けられる3つの独立して移動可能な各壁部分72を有することによって、各壁部分72はその他の壁部分72とは無関係に且つ歯の形態及び位置によってもたらされる受動的な力に呼応して前後に移動することが可能になっている。
各壁部分72は接続点80によりベース部材に固定されており、この接続点は、1つの実施形態では、各壁部分72がある程度の弾性を有することができ且つ歯の位置と使用者の歯磨き動作とに従って空間84の中及び外へと移動することができる程度に小さくなった接続部によって構成されることがわかる。各々の壁部分72の接続点80は更にまた、図面の図3および4に関して上述した環と略同様の種類及び構成の環86を有する。
よって、図8に示す歯ブラシは実質的に、優れた可撓性を有する7つの個別ヘッドを有する。この実施形態は、特に、完璧な整列歯群のためだけに設計された歯ブラシではなく、更にまた軽度から中等度の歯列不正の人により適する歯ブラシを示す。
図面の図9は、1つの側方アーム68の側面図であり、ベース部材66に取り付けられる各々の壁部分72を示している。各壁部分72は、上述したような環86を有する接続点80により取り付けられる。図9Aは図9の詳細図であり、各壁部分72が隣接する壁部分72からごくわずかに離間して、以って各壁部分72は上記の力に呼応して空間84の中及び外へと前後に移動することが可能になっていることがわかる。図9Aにおいて、隣接する壁部分の角は四角くなっている。図9Bに、図9Aとは別の態様が示されており、隣接する壁部分72の角は丸くなっている。この構造は、壁部分72が歯磨きの力又は歯並びによって互いの方へと屈曲しうる場合に角が若干重なり合うのを防ぐのに役立つ。
図9には、2つの穴90及び92の位置も明確に示されている。流体、残渣及びその他の物質はその穴を通って歯ブラシから流出し且つ流れ去ることができ、衛生状態が促進且つ維持される。
図10は図面の図8に示した歯ブラシの端面図を示し、図11は1つの側方アームの上面図を示し、各々の側方アーム上の3つの壁部分72が示されている。図12は、穴90及び92を含むと共に舌磨き器を示す背面図である。図13は本発明の1つの態様によるベース部材上の毛の構成を示している。本発明の範囲及び概念の範囲内で多くの異なる毛構成を使用しうることが理解されるであろう。
図14は、図面の図1及び2に示すように、側壁が隙間のないすなわち連続した部材である歯ブラシの略図である。このため、これらの側壁にも便宜のために符号20及び22が付されている。各々の側壁20及び22は、ベース部に枢着されることにより、矢印100で示される方向に前後に移動可能であることがわかる。この種の構成は、全体的によく整列した歯列の人により適するが、歯形態が完璧でないこともある使用者にも十分に適する。
図面の図15に、中等度に不整列である1組の歯104の図が示されている。この図において、継続及び便宜のために参照符号68及び70を有する各々の側壁は、図面の図8にも示されているように3つの壁部分72を有していることがわかり、このため、図8の参照符号と同様の参照符号が図15に用いられている。図15から、各々の壁部分72とそれに取り付けられる毛76及び78は、組状の歯104のある空間84内へと前後に、それぞれ別な矢印106により示される対向する両方向に移動可能であることがわかる。この図から、壁部分72の弾性とこれらが歯の位置に呼応して空間84内で前後に移動可能であることとによって、歯に沿った歯ブラシの一掃作用はきわめて最適な態様で全ての歯に効果的に届くことがはっきりとわかる。
図面の図16に、本発明によるまた他の歯ブラシ120が示されている。この歯ブラシ120は、ベース部材122と側壁124及び126とを含む。側方アーム124及び126は、上述したように基点128の周りに移動する。ベース部材122は1組の毛130を有し、各側壁はそれぞれ1組の毛132及び134を有する。毛132及び134は、長さと形状との点で、いずれも歯肉溝に入り込むことができるように構成される。この様子は歯138とその歯肉溝140とを示す図面の図17に実際に示されている。組状の毛132及び134の長い方の端部の毛が歯肉溝に入り込んでいることがわかる。図面の図19は図17の詳細図であり、歯肉溝140と歯138と歯肉溝に入り込む毛132及び134とを示している。
図17は、側壁124及び126が圧力又は力に呼応してどのように移動することができるかも示している。これらの側壁124及び126は、静止位置において実線で示され、歯の位置と歯磨き動作の力とに従ったまた別の位置において極細線で示されている。
図面の図16は、ベース部材122上の組状の毛130がその上面において輪郭144を有することを示しており、図18はこの特殊設計の輪郭設定面が最適なクリーニング効果のために実際にどのように歯の裂溝及び窪みに入り込むかを示す詳細図である。
図面の図20に、互いに隣接する3つの壁部分154、156及び158を有する1つの側壁126の側面図を示している。従来毛及びゴム毛160及び162はそれぞれ上述したように側壁126上に配置される。図20において、壁部分154、156及び158の端部166は丸味をつけられ、即ち円弧状の形状とされる。図20Aは、壁部分間の隙間170を示す、図20の詳細図である。
図面の図21は本発明のまた他の設計の歯ブラシを示し、その歯ブラシは歯ぎんとの適正な適合のために歯ぎん縁のスカラップ状の輪郭に倣ったもので、各歯それぞれの歯肉溝と歯ぎん部の適正なすなわち最適なクリーニングを促進するものである。
図22(a)〜22(c)に、互いに移動することができる5つ、即ち側部に4つとベース部に1つとのヘッドを有する、本発明に従った歯ブラシの側面図、上面図及び端面図が示されている。図23(a)〜23(d)は、6つ、即ち側部に4つ、つまり各側部に2つとベース部に2つとのヘッドを有する、本発明のまた他の態様による歯ブラシの側断面図、背面図、上面図及び端面又は正面図である。この実施形態及び本明細書に示すその他の実施形態において、可撓性側部は、使用者の歯の輪郭及び形状により適切に適合させるように各々別のヘッドが独立して移動することを可能にする。
図24(a)〜24(d)は、本発明による歯ブラシの側断面図、背面図、上面図及び正面図であり、この歯ブラシは、各側部に3つずつの6つの側部ヘッドとベース部上の3つとの9つのヘッドを有する。本発明の図25(a)〜25(d)は、更にまた他の実施形態の歯ブラシの側断面図、背面図、上面図及び正面図を示しており、この歯ブラシは、図面の図24に示したものと幾分類似するが丸い縁部ではなしに四角い縁部を有する、側部に6つとベース部に3つとの9つのヘッドを有する。
図26(a)〜26(c)は、本発明の更にまた他の実施形態を示し、各側部に4つずつの8つの側部ヘッドとベース部の1つとを含む9つのヘッドを有する歯ブラシの側断面図、上面図及び正面図が示されている。図27(a)〜27(e)は、本発明の更にまた他の実施形態の歯ブラシの側断面図、背面図、上面図、正面図及び平面図を示しており、この歯ブラシは、各側部の4つを含む8つの側部ヘッドとベース部の3つとの11個のヘッドを有する。図28(a)〜28(e)は、四角い側部ヘッドに対して丸い側部ヘッドを有する、図面の図27に示されたものと大体において同様のまた他の歯ブラシの図である。
図面の図32は本発明による歯ブラシの側面図であり、歯ブラシのベース部が側方の両方向に移動することを可能にするだけではなしに側方毛が略あらゆる制御方向に前後及び上下移動することも可能にする構成要素を有するすなわち可撓性プラスチックコイルを有するものである。これらの動きは全ての毛と個別の歯面との接触を促進すると共に、受動的に接触しながら過大な力を加えることなしに歯列弓形態を真似て倣うものである。このため、これらが適正な口腔清拭と衛生とを補助する。
図面の図29に歯ブラシが示されているが、側部毛の形状及び個数は子供用と大人用との歯ブラシ型式で異なりうることに注意するべきである。図面の図30は、歯ブラシの一部分の背面図であり、矢印は可能な可撓性の動きを示している。図31は、可撓性プラスチックコイルを有する歯ブラシの端面図すなわち正面図であり、同図に矢印で可能な可撓性の動きを示している。
図33に、上顎歯から第2小臼歯までの咬合面を観た図が、この場合も、本発明による歯ブラシの可撓性を示す異なる多数の矢印と共に示されている。図34には、本発明による歯ブラシと、可撓性コイルを有する11ヘッド付き歯ブラシの側部毛の動作メカニズムとが後方歯から前歯までの上顎歯の咬合面を観た図に示されている。全ての毛が、個別の各歯の表面に対する予測可能な接触と適合性とにより、歯列弓に適正に倣うことができる。図35は、直前の図と同様のまた他の図であり、歯ブラシが上顎永久歯の咬合面を観た図に示されている。この場合も矢印は可撓性を示す。図36は、後方歯とコイルを含む歯ブラシとを示す図である。歯のうちで1本高くなっているものが米印で示されており、周りの歯形態との相違にもかかわらず、コイルの可撓性の動作はこの輪郭と高さとに倣っていることに注目されたい。この場合も、矢印は、可撓性コイルを利用したベース毛の可撓性の動きを示す。
本発明は、本明細書に記載された正確な詳細に制限されるわけではない。壁部分の個数等に加え、毛の種類、寸法、長さ、設計、材料、配向、硬さ又は軟らかさ及び構成にも多くの改変が加えられうる。