JP2013505230A - 酸化ストレス関連障害を処置するためのペプチド - Google Patents

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Abstract

単離されたDJ−1関連ペプチドが開示され、酸化ストレス関連障害を処置するためにそれを含む医薬組成物も開示される。
【選択図】なし

Description

本発明は、そのいくつかの実施形態において、酸化ストレス関連障害を処置するためのペプチド薬剤に関連する。
フリーラジカルは、生物学的系における著しい破壊を引き起こす極めて反応性の化学種である。フリーラジカルが生物学的分子と無差別的に反応することにより、細胞および細胞構成成分(例えば、ミトコンドリア)の破壊がもたらされ得るので、生理学的プロセスが、細胞がその構造および/または機能を失うことによって影響を受ける。
生物学的系において、フリーラジカルは「活性酸素種」(ROS)と一般に呼ばれる。ROSは酸素含有化学種の代謝により内因性起源に由来し、また、外因性起源(例えば、毒素および大気汚染物質など)に由来する。
生物学的分子に対するROSの攻撃は「酸化ストレス」と呼ばれる。酸化ストレスは数多くの変性疾患において原因的要因として関係づけられている。
パーキンソン病(PD)は、遺伝的要因および環境的要因の両方によって引き起こされる多因性疾患である。ほとんどのPD罹患患者が散発性疾患を有するが、いくつかの遺伝的原因が近年では特定されている。PDの遺伝性形態を引き起こす遺伝子の増大する数は、この疾患の根底にある機構に対する新しい洞察のための機会を提供している。これらの遺伝子には、α−シヌクレイン、パーキン、PINK1、ダーダリン(LRRK2)およびDJ−1が含まれる。
PDの病理発生の現在の考えは、ROSの形成、および、黒質緻密部に対する酸化損傷をもたらす酸化ストレスの開始に集中している。広範囲に及ぶ死後研究は、PDの病理発生における酸化ストレスの関与を裏付ける証拠をもたらしている;具体的には、これらには、脳の鉄含有量における変化、損なわれたミトコンドリア機能、抗酸化性保護系における変化(最も注目されるのが、スーパーオキシドジスムターゼ[SOD]および還元型グルタチオン[GSH])、ならびに、脂質、タンパク質およびDNAに対する酸化損傷の証拠が含まれる。鉄は酸化ストレスを誘導する可能性があり、黒質内注入は、進行性パーキンソン症候群のモデルを誘導することが示されている。
多発性硬化症(MS)は、神経学的機能不全の様々な症状によって特徴づけられる中枢神経系(CNS)の炎症性脱髄疾患である。MSおよびその動物モデル(実験的自己免疫性脳脊髄炎(EAE))は、自己免疫媒介による活性化された免疫細胞(例えば、Tリンパ球およびBリンパ球など)、ならびに、マクロファージおよびミクログリアから生じると考えられる。病理学的には、MSは、プラークと呼ばれる脱髄性病変をもたらす、CNS実質内へのリンパ球およびマクロファージの静脈周囲浸潤によって特徴づけられる。これらのプラークは、MSの顕著な特徴である一方で、希突起神経膠細胞の死、軸索損傷およびニューロン喪失を伴う。MSが炎症性の神経変性疾患であると見なされ得るという見解が、急性プラークから離れた領域におけるニューロン傷害および軸索傷害を明らかにする研究によって、同様にまた、正常に見える白質および灰白質における変化を明らかにする画像化研究によって裏付けられる。
MSの病因は未だ完全には解明されておらず、遺伝的原因および環境的原因の両方に起因すると考えられている。蓄積しつつあるデータは、酸化ストレスがMSの病理発生において大きな役割を果たすことを示している。活性酸素種(ROS)(これは酸化ストレスをもたらし、主に活性化ミクログリアによって過剰に生じる)が、MSおよびEAEの両方において脱髄および軸索損傷の媒介因子として関係づけられている。
神経伝達物質のグルタミン酸が、主にそのイオンチャネル型受容体の活性化によるMSにおける酸化ストレスの起源の1つである。希突起神経膠細胞(CNSのミエリン産生細胞)はまた、主としてAMPA/カイニン酸受容体を介して、グルタミン酸の興奮毒性に対して非常に傷つきやすい。ROSが、主要な細胞成分(例えば、脂質、タンパク質および核酸など)に対する損傷を引き起こし、これにより、細胞死を生じさせる。ROS影響に対する増大した脆弱性をもたらす、MS患者のCNSにおける弱まった細胞抗酸化防御系はCNS損傷を増大させるかもしれない。
筋萎縮性側索硬化症(ALS)はルーゲーリッグ病とも呼ばれ、合衆国では毎年、30000人もの多くのアメリカ人が冒され、5000人の新たな症例が発生する進行性の致命的な神経学的疾患である。この障害は、運動ニューロン疾患として知られる一群の障害に属する。随意運動を制御する脳および脊髄における特定の神経細胞が徐々に変性するとき、ALSが生じる。家族性筋萎縮性側索硬化症(FALS)は、その家族性背景のみによって、より一般的な散発性異型から区別されるALSの形態である。
酸化ストレスが運動ニューロンの死の一因であるという仮説を裏付ける実質的証拠が存在する。例えば、抗酸化酵素であるスーパーオキシドジスムターゼ1(SOD1)の変異が疾患を有意な少数派の症例において引き起こすことが発見されている。
DJ−1は、多種多様な生物種を通して至るところで発現され、かつ、高度に保存される189アミノ酸の小さいタンパク質である。蓄積しつつあるデータは、様々な細胞プロセスにおけるその関与、とりわけ、酸化ストレスにおけるその関与を明らかにした。DJ−1は、等電点が5.5〜7の間にあるいくつかのイソ型を有することが知られており、アルカリ性イソ型が正常な状態では優勢である。ROSにさらされたとき、システイン残基の酸化を介して媒介されるDJ−1のより酸性のイソ型の蓄積が認められる[Bandopadhyay R他、Brain、127:420〜430、2004;Canet−Aviles他、Proc Natl Acad Sci USA、101:9103〜9108、2004]。
DJ−1は脳に広く分布し、かつ、非常に発現され、1つだけの機能的系または解剖学的場所に限定されない。DJ−1が、異なる神経伝達物質表現型のニューロンにおいて、また、すべてのグリア細胞タイプ(例えば、星状膠細胞、ミクログリアおよび希突起神経膠細胞など)において発現される。近年、DJ−1の変異が発見され、家族性パーキンソン病(PD)に関連していた[Bonifati他、2003、Science、299:256〜9、2003]。コントロールに対する散発性PDの脳から得られる脳サンプルの死後研究では、DJ−1の酸性イソ型がPDの脳にはより多く存在することが見出された[Bandopadhyay R他、Brain、127:420〜430、2004]。DJ−1の免疫反応性が、多系統萎縮症、アルツハイマー病、進行性核上麻痺、第17染色体に連鎖するパーキンソン症候群を伴う前頭側頭型認知症、および、ピック病を含む他の神経変性疾患において検出された[Bandopadhyay R他、Brain、127:420〜430、2004;Neumann N.他、Acta Neuropathol(Berl)、107:489〜496、2004;Rizzu P.他、Ann Neurol、55:113〜118、2004]。
国際公開WO2007/119237は、酸化ストレス関連障害を診断するためのDJ−1のレベルおよび活性の分析を議論する。
米国特許出願公開第20060153807号および米国特許出願公開第20060171935号は、ベクター媒介による遺伝子調節、例えば、神経変性疾患(例えば、パーキンソン病など)を処置するためのDJ−1関連薬剤のベクター媒介遺伝子調節を議論する。
国際公開WO2008/111063は、DJ−1依存性VMAT2の転写を神経変性疾患の処置のためにアップレギュレーションすることができるペプチド薬剤を議論する。
本発明のいくつかの実施形態の1つの局面によれば、配列番号3に示されるような配列を含む、最大でも25アミノ酸である単離されたペプチドであって、酸化ストレス条件のもとでの細胞の生存能力を増大させる単離されたペプチドが提供される。
本発明のいくつかの実施形態の1つの局面によれば、配列番号1に示されるようなアミノ酸配列に由来する少なくとも2つの連続するアミノ酸を含む最大でも25アミノ酸である単離されたペプチドまたはそのペプチド模倣体と、医薬的に許容されるキャリアとを含む医薬組成物であって、単離されたペプチドが酸化ストレス条件のもとでの細胞の生存能力を増大させる医薬組成物が提供される。
本発明のいくつかの実施形態の1つの局面によれば、配列番号2に示されるようなアミノ酸配列に由来する少なくとも2つの連続するアミノ酸を含む最大でも25アミノ酸である単離されたペプチドまたはそのペプチド模倣体を含む医薬組成物であって、単離されたペプチドが酸化ストレス条件のもとでの細胞の生存能力を増大させる医薬組成物が提供される。
本発明のいくつかの実施形態の1つの局面によれば、酸化ストレス関連障害をその必要性のある対象において処置する方法であって、本発明の医薬組成物の治療効果的な量をそのような対象に投与し、それにより、酸化ストレス関連障害を処置することを含む方法が提供される。
本発明のいくつかの実施形態の1つの局面によれば、配列番号1に示されるようなアミノ酸配列に由来する少なくとも2つの連続するアミノ酸を含む最大でも25アミノ酸である単離されたペプチドまたはそのペプチド模倣体と、医薬的に許容されるキャリアとが提供され、この場合、単離されたペプチドは酸化ストレス条件のもとでの細胞の生存能力を増大させる。
本発明のいくつかの実施形態の1つの局面によれば、配列番号2に示されるようなアミノ酸配列に由来する少なくとも2つの連続するアミノ酸を含む最大でも25アミノ酸である単離されたペプチドまたはそのペプチド模倣体が提供され、この場合、単離されたペプチドは酸化ストレス条件のもとでの細胞の生存能力を増大させる。
本発明のいくつかの実施形態によれば、単離されたペプチドは、配列番号3に示されるような配列を含む。
本発明のいくつかの実施形態によれば、単離されたペプチドは、配列番号14に示されるような配列を含む。
本発明のいくつかの実施形態によれば、単離されたペプチドは、配列番号24に示される通りである。
本発明のいくつかの実施形態によれば、単離されたペプチドは、配列番号1に示されるようなアミノ酸配列に由来する少なくとも5個の連続するアミノ酸を含む。
本発明のいくつかの実施形態によれば、単離されたペプチドは、配列番号2に示されるようなアミノ酸配列に由来する少なくとも5個の連続するアミノ酸を含む。
本発明のいくつかの実施形態によれば、単離されたペプチドは、配列番号1に示されるようなアミノ酸配列に由来する最大でも15個の連続するアミノ酸を含む。
本発明のいくつかの実施形態によれば、単離されたペプチドは、配列番号2に示されるようなアミノ酸配列に由来する最大でも15個の連続するアミノ酸を含む。
本発明のいくつかの実施形態によれば、単離されたペプチドは、最大でも20アミノ酸である。
本発明のいくつかの実施形態によれば、単離されたペプチドは、配列番号38に示されるような配列を含む。
本発明のいくつかの実施形態によれば、単離されたペプチドは、配列番号39に示されるような配列を含む。
本発明のいくつかの実施形態によれば、単離されたペプチドは、配列番号10に示されるような配列を含む。
本発明のいくつかの実施形態によれば、単離されたペプチドは、配列番号11に示されるような配列を含む。
本発明のいくつかの実施形態によれば、単離されたペプチドは、配列番号1または配列番号3に示されるような配列を含む。
本発明のいくつかの実施形態によれば、単離されたペプチドは、配列番号40に示されるような配列を含む。
本発明のいくつかの実施形態によれば、単離されたペプチドは、配列番号13に示されるような配列を含む。
本発明のいくつかの実施形態によれば、単離されたペプチドは、配列番号41に示されるような配列を含む。
本発明のいくつかの実施形態によれば、単離されたペプチドは、配列番号42に示されるような配列を含む。
本発明のいくつかの実施形態によれば、単離されたペプチドは、配列番号2に示されるような配列を含む。
本発明のいくつかの実施形態によれば、アミノ酸の少なくとも1つが、天然に存在するアミノ酸である。
本発明のいくつかの実施形態によれば、アミノ酸の少なくとも1つが合成アミノ酸である。
本発明のいくつかの実施形態によれば、単離されたペプチドは細胞浸透性作用因子に結合される。
本発明のいくつかの実施形態によれば、単離されたペプチドは共有結合により結合される。
本発明のいくつかの実施形態によれば、細胞浸透性作用因子はペプチド薬剤である。
本発明のいくつかの実施形態によれば、ペプチド細胞浸透性作用因子は、配列番号21〜配列番号23からなる群から選択されるアミノ酸配列を含む。
本発明のいくつかの実施形態によれば、単離されたペプチドは配列番号24〜配列番号36に示される通りである。
本発明のいくつかの実施形態によれば、細胞はニューロン細胞を含む。
本発明のいくつかの実施形態によれば、ROS状態は、6−ヒドロキシドーパミン毒性、過酸化水素毒性、UV線およびドーパミン毒性からなる群から選択される。
本発明のいくつかの実施形態によれば、酸化ストレス関連障害は神経変性疾患である。
本発明のいくつかの実施形態によれば、神経変性疾患は、パーキンソン病、多発性硬化症、ALS、多系統萎縮症、アルツハイマー病、卒中、進行性核上麻痺、第17染色体に連鎖するパーキンソン症候群を伴う前頭側頭型認知症、および、ピック病からなる群から選択される。
本発明のいくつかの実施形態によれば、単離されたペプチドは、酸化ストレス関連障害を処置することにおける使用のためのものである。
別途定義されない限り、本明細書で使用されるすべての技術的用語および/または科学的用語は、本発明が属する技術分野の当業者によって一般に理解されるのと同じ意味を有する。本明細書に記載される方法および材料と類似または同等である方法および材料を本発明の実施または試験において使用することができるが、例示的な方法および/または材料が下記に記載される。矛盾する場合には、定義を含めて、本特許明細書が優先する。加えて、材料、方法および実施例は例示にすぎず、限定であることは意図されない。
本明細書では本発明のいくつかの実施形態を単に例示し添付の画像を参照して説明する。特に詳細に図面を参照して、示されている詳細が例示として本発明の実施形態を例示考察することだけを目的としていることを強調するものである。この点について、図面について行う説明によって、本発明の実施形態を実施する方法は当業者には明らかになるであろう。
図1A−1Dは、DJ−1関連ペプチドTAT2a(配列番号24)が酸化的毒性傷害に対してインビトロで保護することを例示する棒グラフである。増大した細胞生存能力(A)、低下したミトコンドリア損傷(B)および増大した代謝活性(C)が、Hへの暴露によって誘導される酸化ストレスにさらされた後、生理的食塩水単独と比較した場合、DJ−1関連ペプチド処置に関して見出された。細胞増殖が、[H]チミジン取り込みを定量することによって測定された。ペプチドへの暴露による増大した細胞増殖が何ら認められなかった(D)。 図1E−1Fは、DJ−1関連ペプチドTAT2a(配列番号24)が酸化的毒性傷害に対してインビトロで保護することを例示する棒グラフである。6−ヒドロキシドーパミン毒性およびドーパミン毒性に対する保護が図1Eおよび図1Fにそれぞれ示される。示された実験はヒト神経芽細胞腫SH−SY5Y細胞に対して行われ、少なくとも3回繰り返された。p<0.05(ビヒクルにより処置され、同じ毒性傷害にさらされたコントロール細胞と比較した場合)。
図2A−2Bは、DJ−1関連ペプチドが6−ヒドロキシドーパミン毒性に対してインビトロで保護することを例示する棒グラフである。増大した代謝活性が、生理的食塩水と比較した場合、6−ヒドロキシドーパミン暴露前に、ヒト神経芽細胞腫細胞SH−SY5YがDJ−1関連ペプチドにより前処理されたときに見出された。DJ−1関連ペプチド#2の誘導体による6−ヒドロキシドーパミン毒性に対する保護が図2Aに示され、DJ−1関連ペプチド#5の誘導体による6−ヒドロキシドーパミン毒性に対する保護が図2Bに示される。変異ペプチドは、図2A〜図2Bに示されるように、6−ヒドロキシドーパミン毒性に対して保護することができなかった。示された実験はヒト神経芽細胞腫SH−SY5Y細胞に対して行われ、少なくとも3回繰り返された。p<0.05(同じ毒性傷害にさらされたコントロール細胞と比較した場合)。
図3は、DJ−1関連ペプチドが6−ヒドロキシドーパミン毒性に対してインビトロで保護することを例示する。増大した生存能力が、生理的食塩水と比較した場合、6−ヒドロキシドーパミン暴露前に、ヒト神経芽細胞腫細胞SH−SY5YがDJ−1関連ペプチドII(配列番号8)により前処理されたときに見出された。p<0.05(同じ毒性傷害にさらされたコントロール細胞と比較した場合)。
図4Aは、DJ−1関連ペプチドが血清欠乏に対して保護することを例示する棒グラフである。増大した生存能力が、生理的食塩水と比較した場合、血清欠乏期間中に、ヒト神経芽細胞腫細胞SH−SY5YがDJ−1関連ペプチドI(配列番号10)、DJ−1関連ペプチドII(配列番号8)およびDJ−1関連ペプチドshort2a(配列番号9)により前処理されたときに見出された。p<0.05。
図4Bは、コントロールのDJ−1関連ペプチドが酸化的な毒素誘導毒性に対して保護しないことを例示する棒グラフである。細胞が、コントロールペプチドのXおよびY(神経保護を誘導することが見込まれなかった配列)による前処理を伴って、または伴うことなく、増大する用量の6−ヒドロキシドーパミン(0〜25uM)に、または、過酸化水素(H、0〜50uM)にさらされた。示された実験はヒト神経芽細胞腫SH−SY5Y細胞に対して行われ、3回繰り返された。有意差が、ビヒクルにより処置され、同じ毒性用量にさらされたコントロール細胞と比較して何ら認められなかった。
図5A−5Bは、初代培養物におけるTAT2a(配列番号24)ペプチドによる、Hおよび6−ヒドロキシドーパミンの毒性に対する保護を例示する棒グラフである。増大する濃度の過酸化水素および6−ヒドロキシドーパミンに対する類似した保護が、生後の野生型C57/blマウスの皮質から得られる初代混合ニューロン・グリア培養物において明らかにされた。それぞれの実験が3回繰り返された。p<0.05(ビヒクルにより処置され、同じ毒性傷害にさらされたコントロール細胞と比較した場合)。
図6は、DJ−1関連ペプチドI(配列番号23)およびDJ−1関連ペプチドII(配列番号8)が、ニューロン分化したマウス神経幹細胞において酸化傷害に対して保護することを例示する棒グラフである。増大した生存能力が、生理的食塩水と比較した場合、過酸化水素(H)暴露前に、これらの細胞がDJ−1関連ペプチドIまたはDJ−1関連ペプチドIIにより前処理されたときに見出された。p<0.05(同じ毒性傷害にさらされたコントロール細胞と比較した場合)。
図7A−7Bは、α−シヌクレインについての免疫組織化学染色を、ナイーブ神経芽細胞腫細胞(図7A)、および、A53T変異型α−シヌクレインにより安定的にトランスフェクションされた細胞(図7B)において例示する写真である。α−シヌクレインがAlexa−568コンジュゲート化二次抗体によって赤く染まる。核がDAPIによって対比染色された(青色)。実験が三連で3回繰り返された。
図8は、α−シヌクレインのグラフィック定量を例示する棒グラフ、ならびに、モックトランスフェクションされた神経芽細胞腫細胞、および、野生型(WT)α−シヌクレインまたはA53T変異型α−シヌクレインにより安定的にトランスフェクションされた細胞におけるα−シヌクレインについての代表的なウエスタンブロットの写真である。実験が三連で3回繰り返された。
図9は、変異型α−シヌクレインを過剰発現する細胞におけるペプチド#2の誘導体による、6−ヒドロキシドーパミン毒性に対する保護を例示する棒グラフである。著しく増大した代謝活性が、DJ−1関連ペプチド#2の誘導体により処理されたとき、6−ヒドロキシドーパミンにさらされた、A53Tα−シヌクレインを過剰発現する神経芽細胞腫細胞において明らかにされた。それぞれの実験が3回繰り返された。p<0.05(ビヒクルにより処置され、同じ毒性傷害にさらされたコントロール細胞と比較した場合)。
図10は、変異型α−シヌクレインを過剰発現する細胞におけるペプチドTAT2a(配列番号24)による、過酸化水素毒性に対する保護を例示する棒グラフである。著しく増大した生存能力が、DJ−1関連ペプチドTAT2a(配列番号24)により処理されたとき、過酸化水素にさらされた、A53Tα−シヌクレインを過剰発現する神経芽細胞腫細胞において明らかにされた。p<0.05(ビヒクルにより処置され、同じ毒性傷害にさらされたコントロール細胞と比較した場合)。
図11は、DJ−1関連ペプチドがドーパミン毒性に対してインビトロで保護することを例示する棒グラフである。細胞が、DJ−1関連ペプチド#2の誘導体による前処理を伴って、または伴うことなく、増大する用量のドーパミン(0〜50uM)にさらされた。示された実験はヒト神経芽細胞腫SH−SY5Y細胞に対して行われ、3回繰り返された。p<0.05(ビヒクルにより処置され、同じドーパミン用量にさらされたコントロール細胞と比較した場合)。
図12A−12Bは、DJ−1関連ペプチドがNSC−34細胞において過酸化水素およびSIN−Iの毒性に対して保護することを例示する棒グラフである。増大した生存能力が、生理的食塩水と比較した場合、過酸化水素(図12A)またはSIN−I(図12B)の毒性暴露前に、NSC−34細胞がDJ−1関連ペプチドTAT2a(配列番号24)またはDJ−1関連ペプチドTAT2b(配列番号25)により前処理されたときに見出された。p<0.05、**p<0.01(同じ毒性傷害にさらされたコントロール細胞と比較した場合)。
図13は、DJ−1関連ペプチド#2の誘導体がALSの細胞モデルにおいて保護することを例示する棒グラフである。増大した代謝活性が、生理的食塩水と比較した場合、SIN−I毒性暴露前に、NSC−34細胞がDJ−1関連ペプチド#2の誘導体により前処理されたときに見出された。変異ペプチド#2は、示されるように、SIN−I毒性に対して保護することができなかった。示された実験は3回繰り返された。p<0.05(同じ毒性傷害にさらされたコントロール細胞と比較した場合)。
図14は、DJ−1関連ペプチドがUV線に対して細胞モデルにおいて保護することを例示する棒グラフである。増大した代謝活性が、生理的食塩水と比較した場合、UV線暴露前に、HaCaT細胞がDJ−1関連ペプチドII(配列番号8)またはDJ−1関連ペプチドTAT2a(配列番号24)により前処理されたときに見出された。示された実験は3回繰り返された。p<0.05(コントロールと比較した場合)。
図15A−15Bは、線条体内へのTAT2aペプチド注入がインビボ6−ヒドロキシドーパミン片側パーキンソン症候群マウスモデルに対して保護することを例示する棒グラフである。生理的食塩水に溶解された100μMペプチドTAT2a(配列番号24)または生理的食塩水単独の2μlが6−ヒドロキシドーパミン傷害化の1時間前に右側線条体に定位注入された。傷害後2週間および4週間での著しく低下したアンフェタミン誘発回転が、コントロールと比較した場合、ペプチド処置マウスにおいて見出された。p<0.01(図15A)。そのうえ、傷害マウスのより少ない割合がアンフェタミン注入に応答して回転した(図15B)。実験が2回繰り返された。
図16A−16Bは、静脈内(IV)へのペプチドTAT2a(配列番号24)注入がインビボ6−ヒドロキシドーパミン片側パーキンソン症候群マウスモデルに対して保護することを例示する棒グラフである。50μgのペプチドTAT2a(配列番号24)または生理的食塩水単独が6−ヒドロキシドーパミン傷害化の4時間前にIV注入された。著しく低下したアンフェタミン誘発回転が、コントロールと比較した場合、IVペプチド処置マウスにおいて見出された。p<0.01(図16A)。傷害マウスのより少ない割合がアンフェタミン注入に応答して回転した(図16B)。
図17は、ペプチド(配列番号25)の皮下注入がMPTPパーキンソンモデルに対して保護することを例示する棒グラフである。
多くの神経変性障害が酸化ストレスに関連すると考えられる(例えば、パーキンソン病および卒中など)。蓄積しつつあるデータは、DJ−1(189アミノ酸の小さいタンパク質)が、様々な細胞プロセスに、とりわけ、酸化ストレスに関与することを明らかにしており、神経変性疾患を処置するためのその使用が提案されている。
本開示は、そのいくつかの実施形態において、酸化ストレス関連障害を処置するために有用であるDJ−1関連ペプチドに関連する。治療活性を構成するDJ−1タンパク質における2つの最小コア配列が本開示に関連して特定されている。そのようなコア配列の1つまたは複数を含んだ数多くのペプチドが調製されており、神経保護特性が明らかにされている。
具体的には、これら2つのコア配列の少なくとも1つを含むDJ−1関連ペプチドは、インビトロ細胞系における、6−ヒドロキシドーパミン、ドーパミンおよびHを含む毒性傷害に対して保護することができ(図1A〜図1F、図2A〜図2B、図3、図11、図12A)、同様にまた、血清欠乏に対して保護することができ(図4A)、一方、特定されたコア配列のどちらも含まない他のDJ−1関連ペプチドはそのような神経保護特性を何ら構成しないこと(図4B)が見出されている。実験が初代培養物(図5A〜図5B)および分化した神経幹細胞(図6)において繰り返され、同じ結果であった。
本開示の別の局面が、変異型A53Tα−シヌクレインを神経芽細胞腫細胞において過剰発現する、パーキンソン病のインビトロ細胞モデルに関連する。本開示の実施形態のDJ−1関連ペプチドは、このインビトロ細胞モデルにおいて6−ヒドロキシドーパミン毒性(図9)およびH毒性(図10)に対して保護することが明らかにされた。
本開示のさらに別の局面が、ALSおよびUV照射についての細胞モデルに関連し、このモデルにおいて、本開示の実施形態のDJ−1関連ペプチドが、これらのアッセイにおいて同様に保護することが明らかにされた(図13および図14)。
最後に、本開示の実施形態のDJ−1関連ペプチドがパーキンソン病のインビボモデルにおいて試験される。ある種のDJ−1関連ペプチドが局所投与(図15A〜図15B)および全身投与(図16A〜図16B)の両方の後で治療活性を示した。
まとめると、本開示によれば、DJ−1に由来するペプチド(「DJ−1関連ペプチド」)が酸化ストレス関連障害の処置のために使用され得ることが見出されている。表現「酸化ストレス状態」は、本明細書中で使用される場合、正常なレベルを超えて活性酸素種(ROS)のレベルを上昇させる状態を示す。述べられるように、これは、抗酸化剤の不足から、または、多すぎるフリーラジカルから生じるかもしれない。例示的なROS状態は、6−ヒドロキシドーパミン毒性、過酸化水素毒性、UV線およびドーパミン毒性を含むが、これらに限定されない。
いくつかの実施形態において、本開示のいくつかの局面は、本明細書中により詳しく記載されるように、長さが最大でも20アミノ酸である短いDJ−1関連ペプチドに関連する。より具体的には、本開示の1つの局面によれば、配列番号1に示されるようなアミノ酸配列に由来する少なくとも2つの連続するアミノ酸を含む最大でも25アミノ酸である単離されたDJ−1関連ペプチドまたはそのペプチド模倣体(ただし、単離されたペプチドは酸化ストレス条件のもとでの細胞の生存能力を増大させる)が提供される。
KGAEEMETVIPVDVMRRAGI−(配列番号1;これはまた、本明細書中では#ペプチド2として示される)
本開示のこの局面の実施形態によれば、ペプチドは、配列番号1に示されるようなアミノ酸配列に由来する少なくとも3個、4個、5個、6個、7個、8個、9個、10個、11個、12個、13個、14個、15個、16個、17個、18個、19個または20個の連続するアミノ酸を含む。
KGAEEMETVIPVDVMRRAGI−(配列番号1)
本開示のこの局面の1つの実施形態によれば、ペプチドは、配列番号1の最大でも10個の連続するアミノ酸を含む。
本開示のこの局面の他の実施形態によれば、ペプチドは、配列番号1の最大でも15個の連続するアミノ酸を含む。
本開示のこの局面のペプチドに含まれる例示的配列には、配列番号1〜配列番号12、配列番号38または配列番号39が含まれる。
本開示の別の局面によれば、配列番号2に示されるようなアミノ酸配列に由来する少なくとも2つの連続するアミノ酸を含む最大でも25アミノ酸である単離されたペプチドまたはそのペプチド模倣体(ただし、単離されたペプチドは酸化ストレス条件のもとでの細胞の生存能力を増大させる)が提供される。
EGPYDVVVLPGGNLGAQNLS−(配列番号2;これはまた、本明細書中ではペプチド#5として示される)
本開示のこの局面の実施形態によれば、ペプチドは、配列番号2に示されるようなアミノ酸配列に由来する少なくとも3個、4個、5個、6個、7個、8個、9個、10個、11個、12個、13個、14個、15個、16個、17個、18個、19個または20個の連続するアミノ酸を含む。
本開示のこの局面の1つの実施形態によれば、ペプチドは、配列番号2の最大でも10個の連続するアミノ酸を含む。
本開示のこの局面の他の実施形態によれば、ペプチドは、配列番号2の最大でも15個の連続するアミノ酸を含む。
本開示のこの局面のペプチドに含まれる例示的配列には、配列番号2、配列番号13〜配列番号20、配列番号40〜配列番号42が含まれる。
本明細書において使用される用語「ペプチド」には、天然のペプチド(分解産物または合成的に合成されたポリペプチドまたは組換えポリペプチドのいずれか)、ペプチド模倣体(典型的には合成的に合成されたペプチド)そしてポリペプチドアナログであるペプトイドおよびセミペプトイドを含む、天然または合成アミノ酸のポリマーを示し、これらは、例えば、ペプチドを体内でより安定化させる修飾、またはペプチドの細胞浸透能力を高める修飾を有し得る。
そのような修飾には、N末端修飾、C末端修飾、ポリペプチド結合の修飾(CH−NH、CH−S、CH−S=O、O=C−NH、CH−O、CH−CH、S=C−NH、CH=CHまたはCF=CHを含むが、これらに限定されない)、骨格の修飾、および残基の修飾が含まれるが、これらに限定されない。ペプチド模倣体化合物を調製するための方法はこの分野では十分に知られており、例えば、Quantitative Drug Design,C.A.Ramsden Gd.,Chapter 17.2,F.Choplin Pergamon Press(1992)に具体的に記載される(これは、全体が本明細書中に示されるように参考として組み込まれる)。これに関するさらなる詳細が本明細書中下記に示される。
ポリペプチド内のポリペプチド結合(−CO−NH−)は、例えば、N−メチル化結合(−N(CH)−CO−)、エステル結合(−C(R)H−C−O−O−C(R)−N−)、ケトメチレン結合(−CO−CH−)、o−アザ結合(−NH−N(R)−CO−)(式中、Rは任意のアルキル(例えば、メチル)である)、カルバ結合(−CH−NH−)、ヒドロキシエチレン結合(−CH(OH)−CH−)、チオアミド結合(−CS−NH−)、オレフィン二重結合(−CH=CH−)、レトロアミド結合(−NH−CO−)、ポリペプチド誘導体(−N(R)−CH−CO−)(式中、Rは、炭素原子において自然界で示される「通常」の側鎖である)によって置換することができる。
これらの修飾は、ポリペプチド鎖に沿った結合の任意のところに存在させることができ、そして同時に数カ所(2カ所〜3カ所)においてさえ存在させることができる。
天然の芳香族アミノ酸(Trp、TyrおよびPhe)は、フェニルグリシン、Tic、ナフチルアラニン(Nal)、Pheの環メチル化誘導体、Pheのハロゲン化誘導体、またはo−メチル−Tyrなどの合成された非天然型の酸に置換することができる。
上述のことに加えて、本発明のポリペプチドは一以上の修飾されたアミノ酸または一以上の非アミノ酸モノマー(例えば脂肪酸、複合体炭水化物など)も含むことができる。
従って、本明細書において使用される用語「アミノ酸」には、20個の天然に存在するアミノ酸;インビボで多くの場合には翻訳後修飾されたそのようなアミノ酸(例えば、ヒドロキシプロリン、ホスホセリンおよびホスホトレオニンを含む);および他の非通常型アミノ酸(2−アミノアジピン酸、ヒドロキシリシン、イソデスモシン、ノルバリン、ノルロイシンおよびオルニチンを含むが、これらに限定されない)が含まれることが理解される。さらに、用語「アミノ酸」には、この用語が本明細書中で定義されるように少なくとも1つの付加アミノ酸にペプチド結合またはペプチド結合アナログを介して連結されるD−アミノ酸およびL−アミノ酸(異性体)の両方が含まれる。
下記の表1〜表2には、天然に存在するアミノ酸のすべて(表1)および非通常型アミノ酸または修飾型アミノ酸(表2)が示される。
本発明のペプチドのアミノ酸は、保存的または非保存的のどちらでも置換され得る。
用語「保存的置換」は、本明細書中で使用される場合、ペプチドにおける天然配列に存在するアミノ酸が、類似する立体的特性を有する天然に存在するアミノ酸または天然に存在しないアミノ酸あるいはペプチド模倣体により置き換えられることを示す。置換されることになる天然アミノ酸の側鎖が極性または疎水性のどちらかである場合、保存的置換は、(置換されたアミノ酸の側鎖と同じ立体的特性を有することに加えて)同様に極性または疎水性である天然に存在するアミノ酸、天然に存在しないアミノ酸、または、ペプチド模倣体成分によるものでなければならない。
天然に存在するアミノ酸は典型的には、それらの特性に従ってグループ分けされるので、天然に存在するアミノ酸による保存的置換は、本発明によれば、立体的に類似する非荷電アミノ酸による荷電アミノ酸の置換は保存的置換として見なされるという事実を念頭において容易に決定することができる。
天然に存在しないアミノ酸による保存的置換を生じさせるために、この技術分野では広く知られているアミノ酸アナログ(合成アミノ酸)を使用することもまた可能である。天然に存在するアミノ酸のペプチド模倣体が、当業者に知られている文献において十分に記録されている。
保存的置換に影響するとき、代用アミノ酸は、元のアミノ酸と同じまたは類似する官能基を側鎖に有しなければならない。
表現「非保存的置換」は、本明細書中で使用される場合、親配列に存在するようなアミノ酸が、異なる電気化学的特性および/または立体的特性を有する別の天然に存在するアミノ酸または天然に存在しないアミノ酸によって置き換えられることを示す。したがって、代用アミノ酸の側鎖は、置換される天然アミノ酸の側鎖よりも著しく大きく(または小さく)することができ、かつ/または、置換されるアミノ酸とは著しく異なる電子的特性を有する官能基を有することができる。このタイプの非保存的置換の例には、アラニンに代わるフェニルアラニンまたはシクロヘキシルメチルグリシンへの置換、グリシンに代わるイソロイシンへの置換、アスパラギン酸に代わる−NH−CH[(−CH−COOH]−CO−への置換が含まれる。本発明の範囲に含まれるそれらの非保存的置換は、抗菌特性を有するペプチドを依然として構成する非保存的置換である。
述べられたように、本発明のペプチドのN末端およびC末端は官能基によって保護することができる。好適な官能基が、GreenおよびWuts、“Protecting Groups in Organic Synthesis”(John Wiley and Sons、第5章および第7章、1991)に記載される(その教示は参照によって本明細書中に組み込まれる)。好ましい保護基は、保護基に結合した化合物の細胞内への輸送を、例えば、化合物の親水性を低下させ、また、化合物の親油性を増大させることによって容易にするものである。
これらの成分は、細胞の内部で、加水分解または酵素的のどちらかによってインビボで切断され得る。ヒドロキシル保護基には、エステル、カルボナートおよびカルバマート保護基が含まれる。アミン保護基には、N末端保護基について上記で記載されるように、アルコキシカルボニル基およびアリールオキシカルボニル基が含まれる。カルボン酸保護基には、C末端保護基について上記で記載されるように、脂肪族エステル、ベンジル型エステルおよびアリールエステルが含まれる。1つの実施形態において、本発明のペプチドにおける1つまたは複数のグルタミン酸残基またはアスパラギン酸残基の側鎖におけるカルボン酸基が、好ましくはメチルエステル、エチルエステル、ベンジルエステルまたは置換ベンジルエステルにより保護される。
N末端保護基の例には、アシル基(−CO−R1)およびアルコキシカルボニル基またはアリールオキシカルボニル基(−CO−O−R1)(式中、R1は、脂肪族基、置換脂肪族基、ベンジル基、置換ベンジル基、芳香族基または置換芳香族基である)が含まれる。アシル基の具体的な例には、アセチル、(エチル)−CO−、n−プロピル−CO−、iso−プロピル−CO−、n−ブチル−CO−、sec−ブチル−CO−、t−ブチル−CO−、ヘキシル、ラウロイル、パルミトイル、ミリストイル、ステアリル、オレオイル、フェニル−CO−、置換フェニル−CO−、ベンジル−CO−および(置換ベンジル)−CO−が含まれる。アルコキシカルボニル基およびアリールオキシカルボニル基の例には、CH3−O−CO−、(エチル)−O−CO−、n−プロピル−O−CO−、iso−プロピル−O−CO−、n−ブチル−O−CO−、sec−O−ブチル−CO−、t−ブチル−O−CO−、フェニル−O−CO−、置換フェニル−O−CO−およびベンジル−O−CO−、(置換ベンジル)−O−CO−が含まれる。アダマンタン、ナフタレン、ミリストレイル、ツルエン、ビフェニル、シンナモイル、ニトロベンゾイル、トルオイル、フロイル、ベンゾイル、シクロヘキサン、ノルボルナン、Z−カプロン酸。N−アシル化を促進させるために、1個〜4個のグリシン残基を分子のN末端に存在させることができる。
化合物のC末端におけるカルボキシル基は、例えば、アミド(すなわち、C末端におけるヒドロキシル基が、−NH、−NHRおよび−NRにより置換される)またはエステル(すなわち、C末端におけるヒドロキシル基が−ORにより置換される)によって保護することができる。RおよびRは独立して、脂肪族基、置換脂肪族基、ベンジル基、置換ベンジル基、アリール基または置換アリール基である。加えて、窒素原子と一緒になって、RおよびRは、約0個〜2個のさらなるヘテロ原子(例えば、窒素、酸素またはイオウなど)を有するC4〜C8の複素環式環を形成することができる。好適な複素環式環の例には、ピペリジニル、ピロリジニル、モルホリノ、チオモルホリノまたはピペラジニルが含まれる。C末端保護基の例には、−NH、−NHCH、−N(CH、−NH(エチル)、−N(エチル)、−N(メチル)(エチル)、−NH(ベンジル)、−N(C1〜C4アルキル)(ベンジル)、−NH(フェニル)、−N(C1〜C4アルキル)(フェニル)、−OCH、−O−(エチル)、−O−(n−プロピル)、−O−(n−ブチル)、−O−(iso−プロピル)、−O−(sec−ブチル)、−O−(t−ブチル)、−O−ベンジルおよび−O−フェニルが含まれる。
本発明のDJ−1関連ペプチドは浸透性作用因子に(共有結合または非共有結合のどちらによってでも)結合することができる。
本明細書中で使用される場合、表現「浸透性作用因子」は、細胞膜を横断する結合ペプチドのいずれかの転位置を高める作用因子を示す。
1つの実施形態によれば、浸透性作用因子はペプチドであり、ペプチド結合を介して(直接的または非直接的のどちらでも)DJ−1関連ペプチドに結合される。
典型的には、ペプチド浸透性作用因子は、正荷電アミノ酸(例えば、リシンまたはアルギニンなど)の比較的大きい存在量を含有するアミノ酸組成を有するか、または、極性/荷電アミノ酸および非極性の疎水性アミノ酸の交互パターンを含有する配列を有するかのどちらかである。
ペプチド浸透性作用因子の例には、配列番号21〜配列番号23に示されるものが含まれる。限定されない例として、細胞浸透ペプチド(CPP)配列を、細胞内浸透を高めるために使用することができる。CPPは、TATの短い形態および長い形態(YGRKKRR−配列番号21、および、YGRKKRRQRRR−配列番号22)、ならびに、PTD(RRQRR−配列番号23)を含むことができる。しかしながら、開示はそのように限定されず、当業者によって知られているように、好適な浸透性作用因子はどれも使用することができる。
具体的な実施形態によれば、本発明のペプチドは最大でも25アミノ酸である(これには、何らかのさらなる結合した配列(例えば、上記で記載されるような細胞浸透ペプチドなど)と一緒にDJ−1関連ペプチドが含まれる)。
本発明のペプチドはまた、非アミノ酸成分を含むことができる;例えば、ペプチドに結合される疎水性成分(様々な線状、分岐型、環式、多環式または複素環式の炭化水素および炭化水素誘導体);ペプチド以外の浸透性作用因子;とりわけ、化合物が線状である場合には、分解を低下させるために化合物の末端に結合される様々な保護基など。化合物に存在する化学的(非アミノ酸)基は、様々な生理学的特性を改善するために含まれ得る:例えば、低下した分解またはクリアランス;様々な細胞ポンプによる低下した反発など、免疫原性活性を改善する、様々な投与様式を改善する(例えば、様々なバリアを介した浸透、消化管を介した浸透などを可能にする様々な配列の結合など);増大した特異性、増大した親和性、低下した毒性およびその他。
本発明のペプチドのアミノ酸配列成分を他の非アミノ酸作用因子に結合することは、本発明の最終的なペプチドを製造するために、共有結合により連結することによって;非共有結合による複合体化によって、例えば、分解または切断されて、これにより、持続した放出が可能である化合物を生じさせることができる疎水性ポリマーへの複合体化によって;ペプチドのアミノ酸部分をリポソームまたはミセルに閉じ込めることによって行うことができる。連携を、本発明の最終的なペプチドを製造するために、アミノ酸配列を他方の成分(リポソーム、ミセル)の中に閉じ込めることによって、または、アミノ酸配列をポリマー内に含浸することによって行うことができる。
本発明のペプチドは線状または環状とすることができる(環化は安定性を改善することができる)。環化を、この技術分野で知られているどのような手段によってでも行うことができる。化合物が主としてアミノ酸から構成される場合、環化は、N末端からC末端への環化、N末端から側鎖への環化およびN末端から骨格への環化、C末端から側鎖への環化、C末端から骨格への環化、側鎖から骨格への環化および側鎖から側鎖への環化、同様にまた、骨格から骨格への環化により行うことができる。ペプチドの環化はまた、ペプチドに含まれる非アミノ酸有機成分を介して行うことができる。
本発明のペプチドは、例えば、標準的な固相技術を使用することなどによって生化学的に合成することができる。これらの方法には、もっぱらの固相合成、部分的固相合成法、フラグメント縮合、古典的溶液合成が含まれる。固相ポリペプチド合成手順がこの技術分野では広く知られており、John Morrow StewartおよびJanis Dillaha Youngによってさらに記載される(Solid Phase Polypeptide Syntheses、第2版、Pierce Chemical Company、1984)。
大規模ペプチド合成がAnderssonによって記載される(Biopolymers、2000、55(3):227〜50)。
合成ペプチドは調製用高速液体クロマトグラフィーによって精製することができ[Creighton T.(1983)、Proteins,structures and molecular principles、WH Freeman and Co.、N.Y.]、その組成をアミノ酸配列決定によって確認することができる。
組換え技術もまた、本発明のペプチドを作製するために使用することができる。本発明のペプチドを、組換え技術を使用して製造するためには、本発明のペプチドをコードするポリヌクレオチドが核酸発現ベクターに連結される。この場合、核酸発現ベクターは、ポリヌクレオチド配列を、本発明のポリペプチドの構成的転写、組織特異的転写または誘導可能な転写を宿主細胞において導くために好適なシス調節配列(例えば、プロモーター配列)の転写制御下に含む。
宿主細胞において合成可能であることに加えて、本発明のペプチドはまた、インビトロ発現システムを使用して合成することができる。これらの方法はこの技術分野では広く知られており、また、このシステムの構成成分が市販されている。
述べられるように、本発明のペプチドは、酸化ストレス関連障害を処置するために使用することができる。
本明細書中で使用される場合、表現「酸化ストレス」は、酸化剤の数が抗酸化剤の数を上回る望ましくない不均衡を示す。ROS産生の速度が、存在する抗酸化性防御を圧倒するならば、この状況が生じ得る。そのような環境では、ROS産生における一層より大きい増大をもたらし得る一連の細胞応答が生じ得る。過度なROS産生およびその異なった効果的でない調節は細胞および組織にとって有害となり得るので、究極的には細胞死(アポトーシス)を引き起こし得る細胞損傷を誘導する。酸化ストレス関連損傷はまた、アポトーシスの代わりに細胞の増殖を生じさせ得る、細胞の構造的一体性および機能的一体性に対する望ましくない変化を引き起こし得る。加えて、酸化損傷を受けた、細胞の高分子は、疾患を引き起こし得る免疫応答を誘発し得る。一般には、D.G.Lindsay他(2002)、Mol.Aspects of Med.、23:1〜38を参照のこと(これは参照によって本明細書中に組み込まれる)。
酸化ストレスが、疾患を開始させるか、または、そうでなければ、疾患を生じさせることに関わっているかもしれないことが理解されるであろう。代替において、または、加えて、疾患の進行が何らかの生じた酸化ストレスによって影響され得る。
したがって、表現「酸化ストレス関連障害」は、本明細書中で使用される場合、その発症または進行が酸化ストレスによって促進される疾患または医学的状態(症候群を含む)を示す。酸化ストレスは、多くの神経学的疾患、心臓疾患、悪性疾患および加齢関連疾患の病理発生に関わっていると考えられるので、本発明では、すべてのそのような疾患が意図され、これらには、例えば、アテローム性動脈硬化、自己免疫疾患、ガン、心臓血管疾患、白内障、認知症、糖尿病および糖尿病性血管症、ならびに、神経変性疾患が含まれる。
例示的な神経変性疾患には、パーキンソン病、多発性硬化症、ALS、多系統萎縮症、アルツハイマー病、卒中、進行性核上麻痺、第17染色体に連鎖するパーキンソン症候群を伴う前頭側頭型認知症、および、ピック病が含まれるが、これらに限定されない。
本発明のペプチドは、それ自体で、あるいは、本発明のペプチドが好適なキャリアまたは賦形剤と混合される医薬組成物の一部として提供され得る。
本明細書中で使用される「医薬組成物」は、本明細書中に記載される有効成分の1つまたは複数と、他の化学的成分(例えば、生理学的に好適なキャリアおよび賦形剤など)との調製物を示す。医薬組成物の目的は、生物に対する化合物の投与を容易にすることである。
本明細書中において、用語「有効成分(活性成分)」は、生物学的効果を説明することができるDJ−1関連ペプチドを示す。
本明細書中以降、表現「生理学的に許容されるキャリア」および表現「医薬的に許容されるキャリア」は、交換可能に使用され得るが、生物に対する著しい刺激を生じさせず、かつ、投与された化合物の生物学的な活性および性質を妨げないキャリアまたは希釈剤を示す。アジュバントはこれらの表現に包含される。
本明細書中において、用語「賦形剤」は、有効成分の投与をさらに容易にするために医薬組成物に添加される不活性な物質を示す。賦形剤の非限定的な例としては、炭酸カルシウム、リン酸カルシウム、様々な糖およびデンプン、セルロース誘導体、ゼラチン、植物油およびポリエチレングリコールが挙げられる。
薬物の配合および投与のための技術が「Remington’s Pharmaceutical Sciences」(Mack Publishing Co.、Easton、PA、最新版)に見出されることができ、これは参考として本明細書中に組み込まれる。
好適な投与経路には、例えば、経口送達、直腸送達、経粘膜送達、特に経鼻送達、腸管送達、または非経口送達(これには、筋肉内注射、皮下注射および髄内注射、ならびに、クモ膜下注射、直接的な脳室内注射、例えば、総冠状動脈中への右又は左心室中への心内注射、静脈内注射、腹腔内注射、鼻内注射または眼内注射が含まれる)が含まれることができる。
中枢神経系(CNS)への薬物送達のための従来からの取り組みには、下記が含まれる:神経外科的方策(例えば、脳内注射、脳室内注入);BBBの内因性輸送経路の1つを利用する試みでの薬剤の分子的操作(例えば、BBBを自身が越えることができない薬剤との組合せで、内皮細胞表面分子に対する親和性を有する輸送ペプチドを含むキメラな融合タンパク質の製造);薬剤の脂質溶解性を増大させるために設計される薬理学的方策(例えば、脂質キャリアまたはコレステロールキャリアへの水溶性薬剤のコンジュゲート化);および、高浸透圧破壊によるBBBの一体性の一時的破壊(これは、頸動脈へのマンニトール溶液の注入、または、生物学的活性薬剤(例えば、アンギオテンシンペプチドなど)の使用から生じる)。しかしながら、これらの方策のそれぞれが制限を有する:例えば、侵襲的外科的手順に関連する固有的危険性、内因性輸送系において固有的な制限によって負わされるサイズ制限、CNS以外において活性であり得るキャリアモチーフから構成されるキメラ分子の全身投与に関連する潜在的に望ましくない生物学的副作用、および、BBBが破壊される脳の領域の内部における脳損傷の起こり得る危険性(これはこの方策を最適でない送達方法にする)など。
あるいは、例えば、患者の組織領域に直接的に医薬組成物の注射をすることによって、全身的な方法よりも局所的に医薬組成物を投与することができる。
本発明の医薬組成物は、この分野で十分に知られているプロセスによって、例えば、従来の混合、溶解、造粒、糖衣錠作製、研和、乳化、カプセル化、包括化または凍結乾燥のプロセスによって製造されることができる。
本発明に従って使用される医薬組成物は、医薬品として使用されることができる調製物への有効成分の加工を容易にする賦形剤および補助剤を含む1つまたは複数の生理学的に許容されるキャリアを使用して従来の様式で配合されることできる。適正な配合は、選ばれた投与経路に依存する。
注射の場合、医薬組成物の有効成分は、水溶液において、好ましくは生理学的に適合しうる緩衝液(例えば、ハンクス溶液、リンゲル溶液、または生理学的な食塩緩衝液など)において配合されることができる。経粘膜投与の場合、浸透されるバリヤーに対して適切な浸透剤が配合において使用される。そのような浸透剤はこの分野では一般に知られている。
経口投与の場合、医薬組成物は、活性化合物をこの分野でよく知られている医薬的に許容されるキャリアと組み合わせることによって容易に配合されることができる。そのようなキャリアは、医薬組成物が、患者によって経口摂取される錠剤、ピル、糖衣錠、カプセル、液剤、ゲル、シロップ、スラリー剤および懸濁物などとして配合されることを可能にする。経口使用される薬理学的調製物は、固体の賦形剤を使用し、得られた混合物を場合により粉砕し、錠剤または糖衣錠コアを得るために、望ましい好適な補助剤を添加した後、顆粒の混合物を加工して作製されることができる。好適な賦形剤は、特に、ラクトース、スクロース、マンニトールまたはソルビトールを含む糖などの充填剤;セルロース調製物、例えば、トウモロコシデンプン、コムギデンプン、コメデンプン、ジャガイモデンプン、ゼラチン、トラガカントゴム、メチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ナトリウムカルボメチルセルロースなど;および/またはポリビニルピロリドン(PVP)などの生理学的に許容され得るポリマーである。もし望むなら、架橋されたポリビニルピロリドン、寒天、またはアルギン酸もしくはその塩(例えば、アルギン酸ナトリウムなど)などの崩壊剤が加えられることができる。
糖衣錠コアには、好適なコーティングが施される。この目的のために、高濃度の糖溶液を使用することができ、この場合、糖溶液は、場合により、アラビアゴム、タルク、ポリビニルピロリドン、カルボポールゲル、ポリエチレングリコール、二酸化チタン、ラッカー溶液、および好適な有機溶媒または溶媒混合物を含有しうる。色素または顔料は、活性化合物の量を明らかにするために、または活性化合物の量の種々の組合せを特徴づけるために、錠剤または糖衣錠コーティングに加えられることができる。
経口使用されうる医薬組成物としては、ゼラチンから作製されたプッシュ・フィット型カプセル、ならびに、ゼラチンおよび可塑剤(例えば、グリセロールまたはソルビトールなど)から作製された軟いシールされたカプセルが挙げられる。プッシュ・フィット型カプセルは、充填剤(例えば、ラクトースなど)、結合剤(例えば、デンプンなど)、滑剤(例えば、タルクまたはステアリン酸マグネシウムなど)、および場合により安定化剤との混合で有効成分を含有することができる。軟カプセルでは、有効成分は、好適な液体(例えば、脂肪油、流動パラフィンまたは液状のポリエチレングリコールなど)に溶解または懸濁されることができる。さらに、安定化剤が加えられることができる。経口投与される配合物はすべて、選ばれた投与経路について好適な投薬形態でなければならない。
口内投与の場合、組成物は、従来の方法で配合された錠剤またはトローチの形態を取ることができる。
鼻吸入による投与の場合、本発明による使用のための有効成分は、好適な噴射剤(例えば、ジクロロジフルオロメタン、トリクロロフルオロメタン、ジクロロテトラフルオロエタンまたは二酸化炭素)の使用により加圧パックまたはネブライザーからのエアロゾルスプレー提示物の形態で都合よく送達される。加圧されたエアロゾルの場合、投与量は、計量された量を送達するためのバルブを備えることによって決定されることができる。ディスペンサーにおいて使用される、例えば、ゼラチン製のカプセルおよびカートリッジは、化合物および好適な粉末基剤(例えば、ラクトースまたはデンプンなど)の粉末混合物を含有して配合されることができる。
本明細書中に記載される医薬組成物は、例えば、ボーラス注射または連続注入による非経口投与のために配合されることができる。注射用配合物は、場合により保存剤が添加された、例えば、アンプルまたは多回用量容器における単位投薬形態で提供されることができる。組成物は、油性ビヒクルまたは水性ビヒクルにおける懸濁物または溶液剤またはエマルションにすることができ、懸濁化剤、安定化剤および/または分散化剤などの配合剤を含有することができる。
非経口投与される医薬組成物には、水溶性形態の活性調製物の水溶液が含まれる。さらに、有効成分の懸濁物は、適切な油性または水性の注射用懸濁物として調製されることができる。好適な親油性の溶媒またはビヒクルとしては、脂肪油(例えば、ゴマ油など)、または合成脂肪酸エステル(例えば、オレイン酸エチルなど)、トリグリセリドまたはリポソームが挙げられる。水性の注射用懸濁物は、懸濁物の粘度を増大させる物質、例えば、ナトリウムカルボキシメチルセルロース、ソルビトールまたはデキストランなどを含有することができる。場合により、懸濁物はまた、高濃度溶液の調製を可能にするために、有効成分の溶解性を増大させる好適な安定化剤または薬剤を含有することができる。
あるいは、有効成分は、好適なビヒクル(例えば、無菌の、パイロジェン不含水溶液)を使用前に用いて構成される粉末形態であることができる。
本発明の医薬組成物はまた、例えば、カカオ脂または他のグリセリドなどの従来の座薬基剤を使用して、座薬または停留浣腸剤などの直腸用組成物に配合されることができる。
本発明に関連した使用のために好適な医薬組成物として、有効成分が、その意図された目的を達成するために有効な量で含有される組成物が含まれる。より具体的には、「治療有効量」は、処置されている対象の疾患(例えば、パーキンソン病)の症状を予防、緩和あるいは改善するために効果的であるか、または、処置されている対象の生存を延ばすために効果的である、有効成分(DJ−1関連ペプチド)の量を意味する。
治療有効量の決定は、特に本明細書に与えられた詳細な開示に照らして、十分に当業者の能力の範囲内である。
本発明の方法において使用されるいかなる調製物についても、投与量または治療有効量は、生体外および細胞培養アッセイから最初に推定されることができる。例えば、投与量は、所望の濃度または力価を達成するために動物モデルにおいて決定されることができる。そのような情報は、ヒトにおける有用な投与量をより正確に決定するために使用されることができる。
本明細書中に記載される有効成分の毒性および治療効力は、生体外、細胞培養物、または実験動物における標準的な薬学的手法によって決定されることができる。これらの生体外、細胞培養アッセイおよび動物研究から得られたデータは、ヒトにおける使用のための投与量範囲を定めるために使用されることができる。投与量は、用いられる投薬形態および利用される投与経路に依存して変化しうる。正確な配合、投与経路および投与量は、患者の状態を考慮して個々の医師によって選択されることができる(例えば、Finglら、(1975)「The Pharmacological Basis of Therapeutics」,Ch.1 p.1を参照のこと)。
投薬量および投薬間隔は、生物学的効果を誘導または抑制するために十分である有効成分の脳内レベルまたは血中レベル(最小有効濃度、MEC)に合わせて個々に調節することができる。MECはそれぞれの調製物について異なるが、インビトロデータから見積もることができる。MECを達成するために必要な投薬量は個々の特徴および投与経路に依存する。検出アッセイを、血漿中の濃度を求めるために使用することができる。
処置される状態の重篤度および応答性に依存して、投薬は、単回または複数回投与で行われることができ、この場合、処置期間は、数日から数週間まで、または治療が達成されるまで、または疾患状態の軽減が達成されるまで続く。
投与される組成物の量は、当然のことではあるが、処置されている対象、苦痛の重篤度、投与様式、処方医の判断などに依存するだろう。
本発明の組成物は、所望されるならば、有効成分を含有する1つまたは複数の単位投薬形態物を含有し得るパックまたはディスペンサーデバイス(例えば、FDA承認キットなど)で提供され得る。パックは、例えば、金属ホイルまたはプラスチックホイルを含むことができる(例えば、ブリスターパック)。パックまたはディスペンサーデバイスには、投与のための説明書が付随し得る。パックまたはディスペンサーデバイスはまた、医薬品の製造、使用または販売を規制する政府当局によって定められた形式で、容器に関連した通知によって適応させることがあり、この場合、そのような通知は、組成物の形態、あるいはヒトまたは動物への投与の当局による承認を反映する。そのような通知は、例えば、処方薬物について米国食品医薬品局によって承認されたラベル書きであり得るか、または、承認された製品添付文書であり得る。適合し得る医薬用キャリアに配合された本発明の調製物もまた、上でさらに詳述されたように、示された疾患を処置するために調製され、適切な容器に入れられ、かつ標識され得る。
本明細書中で使用される用語「約」は、±10%を示す。
用語「含む/備える(comprises、comprising、includes、including)」、「有する(having)」、およびそれらの同根語は、「含むが、それらに限定されない(including but not limited to)」ことを意味する。
用語「からなる(consisting of)」は、「含み、それらに限定される(including and limited to)」ことを意味する。
表現「から本質的になる(consisting essentially of)」は、さらなる成分、工程および/または部分が、主張される組成物、方法または構造の基本的かつ新規な特徴を実質的に変化させない場合にだけ、組成物、方法または構造がさらなる成分、工程および/または部分を含み得ることを意味する。
本明細書中で使用される場合、単数形態(「a」、「an」および「the」)は、文脈がそうでないことを明確に示さない限り、複数の参照物を包含する。例えば、用語「化合物(a compound)」または用語「少なくとも1つの化合物」は、その混合物を含めて、複数の化合物を包含し得る。
本開示を通して、本発明の様々な態様が範囲形式で提示され得る。範囲形式での記載は単に便宜上および簡潔化のためであり、本発明の範囲に対する柔軟性のない限定として解釈すべきでないことを理解しなければならない。従って、範囲の記載は、具体的に開示された可能なすべての部分範囲、ならびに、その範囲に含まれる個々の数値を有すると見なさなければならない。例えば、1〜6などの範囲の記載は、具体的に開示された部分範囲(例えば、1〜3、1〜4、1〜5、2〜4、2〜6、3〜6など)、ならびに、その範囲に含まれる個々の数値(例えば、1、2、3、4、5および6)を有すると見なさなければならない。このことは、範囲の広さにかかわらず、適用される。
数値範囲が本明細書中で示される場合には常に、示された範囲に含まれる任意の言及された数字(分数または整数)を含むことが意味される。第1の示された数字および第2の示された数字「の範囲である/の間の範囲」という表現、および、第1の示された数字「から」第2の示された数「まで及ぶ/までの範囲」という表現は、交換可能に使用され、第1の示された数字と、第2の示された数字と、その間のすべての分数および整数とを含むことが意味される。
本明細書中で使用される用語「方法(method)」は、所与の課題を達成するための様式、手段、技術および手順を示し、これには、化学、薬理学、生物学、生化学および医学の技術分野の実施者に知られているそのような様式、手段、技術および手順、または、知られている様式、手段、技術および手順から、化学、薬理学、生物学、生化学および医学の技術分野の実施者によって容易に開発されるそのような様式、手段、技術および手順が含まれるが、それらに限定されない。
本明細書で使用される場合、用語「治療する/処置する」には、状態の進行を取り消すこと、実質的に阻害すること、遅くすること、または、逆向きにすること、状態の臨床的症状または審美的症状を実質的に改善すること、あるいは、状態の臨床的症状または審美的症状の出現を実質的に防止することが含まれる。
明確にするため別個の実施形態の文脈で説明されている本発明の特定の特徴が、単一の実施形態に組み合わせて提供されることもできることは分かるであろう。逆に、簡潔にするため単一の実施形態で説明されている本発明の各種の特徴は別個にまたは適切なサブコンビネーションで、あるいは本発明の他の記載される実施形態において好適なように提供することもできる。種々の実施形態の文脈において記載される特定の特徴は、その実施形態がそれらの要素なしに動作不能である場合を除いては、それらの実施形態の不可欠な特徴であると見なされるべきではない。
本明細書中上記に描かれるような、および、下記の請求項の節において特許請求されるような本発明の様々な実施形態および態様のそれぞれは、実験的裏付けが下記の実施例において見出される。
次に下記の実施例が参照されるが、下記の実施例は、上記の説明と一緒に、本発明を非限定様式で例示する。
本願で使用される用語と、本発明で利用される実験方法には、分子生化学、微生物学および組み換えDNAの技法が広く含まれている。これらの技術は文献に詳細に説明されている。例えば以下の諸文献を参照されたい:「Molecular Cloning:A laboratory Manual」Sambrookら、(1989);「Current Protocols in Molecular Biology」I〜III巻、Ausubel,R.M.編(1994);Ausubelら、「Current Protocols in Molecular Biology」、John Wiley and Sons、米国メリーランド州バルチモア(1989);Perbal「A Practical Guide to Molecular Cloning」、John Wiley & Sons、米国ニューヨーク(1988);Watsonら、「Recombinant DNA」Scientific American Books、米国ニューヨーク;Birrenら編「Genome Analysis:A Laboratory Manual Series」1〜4巻、Cold Spring Harbor Laboratory Press、米国ニューヨーク(1998);米国特許の第4666828号、同第4683202号、同第4801531号、同第5192659号および同第5272057号に記載される方法;「Cell Biology:A Laboratory Handbook」I〜III巻、Cellis,J.E.編(1994);「Culture of Animal Cells−A Manual of Basic Technique」,Freshney,Wiley−Liss,N.Y.(1994),第3版;「Current Protocols in Immunology」I〜III巻、Coligan,J.E.編(1994);Stitesら編「Basic and Clinical Immunology」(第8版)、Appleton & Lange、米国コネティカット州ノーウォーク(1994);MishellとShiigi編「Selected Methods in Cellular Immunology」、W.H. Freeman and Co.、米国ニューヨーク(1980);利用可能な免疫アッセイ法は、特許と科学文献に広範囲にわたって記載されており、例えば:米国特許の第3791932号、同第3839153号、同第3850752号、同第3850578号、同第3853987号、同第3867517号、同第3879262号、同第3901654号、同第3935074号、同第3984533号、同第3996345号、同第4034074号、同第4098876号、同第4879219号、同第5011771号および同第5281521号;「Oligonucleotide Synthesis」Gait,M.J.編(1984);「Nucleic Acid Hybridization」Hames,B.D.およびHiggins S.J.編(1985);「Transcription and Translation」Hames,B.D.およびHiggins S.J.編(1984);「Animal Cell Culture」Freshney,R.I.編(1986);「Immobilized Cells and Enzymes」IRL Press(1986);「A Practical Guide to Molecular Cloning」Perbal,B.(1984)および「Methods in Enzymology」1〜317巻、Academic Press;「PCR Protocols:A Guide To Methods And Applications」、Academic Press、米国カリフォルニア州サンディエゴ(1990);Marshakら、「Strategies for Protein Purification and Characterization−A Laboratory Course Manual」CSHL Press(1996);これらの文献の全ては、あたかも本願に完全に記載されているように援用するものである。その他の一般的な文献は、本明細書を通じて提供される。それらの文献に記載の方法は当業技術界で周知であると考えられ、読者の便宜のために提供される。それらの文献に含まれるすべての情報は本願に援用するものである。
材料および方法
DJ−1関連ペプチド:DJ−1タンパク質のバイオインフォマティックデータおよびスクリーニングに基づいて、DJ−1に基づく20アミノ酸のいくつかのペプチド配列を選択することができる。神経保護特性を明らかにするペプチド配列がペプチド#2およびペプチド#5として設計され、それらの配列は下記の通りである:
ペプチド#2:KGAEEMETVIPVDVMRRAGI−配列番号1
ペプチド#5:EGPYDVVVLPGGNLGAQNLS−配列番号2
ペプチド#2のより短いペプチド誘導体を下記のように合成することができる:
KGAEEMETVIPVD(Pep2a;配列番号3);TVIPVDVMRRAGI(Pep2b;配列番号4);EMETVIPVDVMRR(Pep2c;配列番号5);KGAEEMETVIPVDVM(配列番号6);METVIPVDVMRRAGI(配列番号7);VDVMRRAGI(PepII;配列番号8);KGAEEMETVIPV(Pep short2a;配列番号9);GAEEME−(PepI;配列番号10);DVMRRAGI(Pep short II;配列番号11);TVIPV−(PepIII;配列番号37);VIP(PepIV;配列番号12)。
ペプチド#5のより短いペプチド誘導体を下記のように合成することができる:
DVVVLPGG(PepV;配列番号13);EGPYDVVVLPGGN(配列番号14);VLPGGNLGAQNLS(配列番号15);DVVVLPGGNLGAQ(配列番号16);EGPYDVVVLPGGNLG(配列番号17);VVVLPGGNLGAQNLS(配列番号18);EGPYDVVVL(配列番号19);およびGNLGAQNLS(配列番号20)。
これらのペプチドが、製造者の説明書を使用して、PULSin法を使用して細胞に導入される。
これらのペプチドはその後、細胞内浸透を高めるために細胞浸透ペプチド(CPP)配列に結合される。使用されたCPPには、TATの短い形態および長い形態(YGRKKRR−配列番号21、および、YGRKKRRQRRR−配列番号22)、ならびに、PTD(RRQRR−配列番号23)が含まれた。
ペプチド#2のペプチド誘導体(これらは細胞浸透ペプチドに結合される)は下記の通りである:
Pep2 TATa:YGRKKRRKGAEEMETVIPVD−配列番号24
Pep2 TATb:YGRKKRRTVIPVDVMRRAGI−配列番号25
Pep2 TATc:YGRKKRREMETVIPVDVMRR−配列番号26
Pep2 PTD−5a:RRQRRKGAEEMETVIPVDVM−配列番号27
Pep2 PTD−5b:RRQRRMETVIPVDVMRRAGI−配列番号28
Pep2 nuc TAT:YGRKKRRQRRRVDVMRRAGI−配列番号29
ペプチド#5のペプチド誘導体(これらは細胞浸透ペプチドに結合される):
Pep5 TATa:YGRKKRREGPYDVVVLPGGN−配列番号30
Pep5 TATb:YGRKKRRVLPGGNLGAQNLS−配列番号31
Pep5 TATc:YGRKKRRDVVVLPGGNLGAQ−配列番号32
Pep5 PTD−5a:RRQRREGPYDVVVLPGGNLG−配列番号33
Pep5 PTD−5b:RRQRRVVVLPGGNLGAQNLS−配列番号34
Pep5 nuc TATa:YGRKKRRQRRREGPYDVVVL−配列番号35
Pep5 nuc TATb:YGRKKRRQRRRGNLGAQNLS−配列番号36
細胞:ヒト神経芽細胞腫SH−SY5Y細胞が、American tissue Type Culture Collection(ATCC、Rockville、米国)から得られる。細胞を、5%COの加湿雰囲気において37℃で、10%熱不活化ウシ胎児血清(FCS)、ゲンタマイシン(50mg/ml)およびグルタミン(5mM)が補充されるDMEM培地で単層として無菌条件下で成長させる。培地を4日毎に定期的に交換し、細胞を8日後に継代する。すべての実験が、ほぼコンフルエンスである細胞に対して行われる。
不死化されたヒトHaCaTケラチノサイト細胞が、UV線誘導傷害に対して保護するDJ−1関連ペプチドの能力を試験するために使用される。細胞を、5cmのペトリ皿において、0.075mM Ca2+(MEM−75)および10%FCSを含有する最少必須培地で維持し、3日毎〜4日毎に継代培養する。
初代培養物および神経幹細胞:神経始原細胞/幹細胞が生後c57/blマウスのマウス皮質から単離され、ニューロスフェアとして培養される。神経およびアストログリアの分化が誘導される。
分化した神経始原細胞/幹細胞および未分化の神経始原細胞/幹細胞の、酸化的毒性傷害に対する感受性が、DJ−1関連ペプチドによる事前の前処理を行って、または行うことなく求められる。
生後c57/blマウスの皮質組織に由来するマウスのニューロン・星状膠細胞の初代培養物が、DJ−1関連ペプチドの潜在的保護能を調べるために調製され、使用される。
細胞の安定的トランスフェクション:ヒトの野生型またはA53T変異型のα−シヌクレインcDNAのコード領域がpcDNA3.1プラスミド(BD Biosciences、Clonetech)にサブクローン化される。A53T変異型α−シヌクレインの過剰発現を達成するために、SH−SY5Y神経芽細胞腫細胞が、A53T変異型α−シヌクレインを含有するプラスミドにより安定的にトランスフェクションされる。トランスフェクションが、リポフェクタミン2000試薬(Invitrogen、Carlsbad、CA)を使用して行われる。トランスフェクション細胞の選抜が、細胞を致死量のジェネティシン(G−418)により処理することによって行われる。ナイーブ神経芽細胞腫細胞、ならびに、空ベクターにより安定的にトランスフェクションされた細胞がコントロールとして使用される。
安定的トランスフェクションが、リアルタイムPCRおよびウエスタンブロッティングを使用してα−シヌクレインのmRNAレベルおよびタンパク質レベルを測定することによって確認される。
処置:神経芽細胞腫細胞を、ROS形成を生じさせるために、過酸化水素(H)(0〜1mM;Sigma,Chemicals Co.、St.Louis、MO、米国)、6−ヒドロキシドーパミン(0〜100μM;Sigma,Chemicals Co.、St.Louis、MO、米国)、ドーパミン(0〜500μM;Sigma,Chemicals Co.、St.Louis、MO、米国)および3−(4−モルホリニル)−シドノンイミン(SIN−I)(0〜5mM;Sigma)(これはペルオキシニトリト系のフリーラジカルドナーである)と接触させる。
細胞毒性アッセイおよび細胞生存能力アッセイ:いくつかの方法が、細胞代謝活性、ミトコンドリア活性および細胞生存能力に対する、酸化傷害、神経毒およびドーパミンの毒性影響を求めるために使用される。
Alamarブルー:細胞をウエルあたり5000細胞の濃度で96ウエルプレートに播種し、一晩接着させる。翌日、細胞が、血清非含有培地において、増大する用量のドーパミン(0〜500uM)に4時間さらされる。Alamarブルーは、代謝活性に応答して色を変化させるレドックス指標を取り込む非毒性試薬である。還元により誘導される色変化が細胞数および時間に関して比例して変化する。10%のalamarブルーの溶液が、増大する用量のドーパミンにさらした4時間後に血清非含有培地において2時間加えられる。Alamarブルーの蛍光を544nmの励起波長および590nmの放射波長でFLUOstar分光蛍光計によって測定する。それぞれの実験がそれぞれの処置について三連で行われる。実験が3回繰り返される。
乳酸デヒドロゲナーゼ(LDH)細胞毒性:損傷細胞によって細胞培養上清に放出されるLDHが、製造者の説明書に従ってLDH細胞毒性検出キット(Clontech laboratories、CA、米国)を使用して求められる。LDH活性の量が培養物における損傷細胞の数に相関する。培養上清に存在するLDHは、黄色のテトラゾリウム塩を赤色のホルマザン産物に変換する共役反応に加わる。死細胞の百分率が吸光度値の下記式によって計算される:
(三連吸光度−低コントロール)/(最大吸収−低コントロール)×100。
最大吸収が、細胞を1%のTriton X−100により処理することによって得られる。酵素活性の量が490nmにおける吸光度によってマイクロプレートリーダーで測定される。それぞれの実験がそれぞれの処置について三連で行われる。実験が3回繰り返される。
Hoechst33342:アポトーシス細胞の核の形態学における変化を調べるために、細胞が核染料Hoechst33258で標識され、蛍光顕微鏡法で調べられる。Hoechst33342は、DNAに対する親和性を有する細胞蛍光性透過性色素である。毒素暴露後、細胞を冷70%エタノールにより固定処理し、Hoechst33258(10ug/ml)とインキュベーションする。核の形態学を蛍光顕微鏡(Olympus、bx52、Leeds、Minneapolis、MN)で観察する。低下した核サイズ、クロマチン凝縮、強い蛍光および核の断片化を示した細胞が、アポトーシスしていると見なされる。
Hoechst33342は、無傷の膜または損傷した膜を有する細胞に入り、DNAを青く染色し、それにより、それぞれのウエルにおける細胞数の評価を同様に可能にする。FLUOstar分光蛍光計マイクロプレートリーダーを、種々の用量の様々な毒素に対する暴露の後でのそれぞれのウエルにおける細胞数を評価するために使用することができる。励起が346nmで行われ、放射波長が460nmで測定される。実験がそれぞれの処置について三連で行われる。すべての実験が少なくとも3回繰り返される。
ウエスタンブロッティング:WT型および変異型のα−シヌクレインの過剰発現が、ウエスタンブロットを使用して求められる。細胞をPBSにより洗浄し、トリプシン処理し、遠心分離によって集める。全細胞溶解物を調製するために、細胞を溶解緩衝液(これは、50mM Tris−HCl、0.1%SDS、1% Triton X−100、1mM EDTA、1%デオキシコール酸ナトリウム、および、プロテアーゼ阻害剤のカクテル(Sigma)を含有する)に再懸濁する。タンパク質濃度を、タンパク質アッセイキット(Pierce)を使用して求める。それぞれのサンプルから得られる総タンパク質の25マイクログラムを12%SDS−PAGEゲルによって分離し、ニトロセルロースメンブランに転写する。メンブランを5%脱脂乳において室温で1時間ブロッキング処理し、その後、モノクローナル抗α−シヌクレイン抗体(LB509、1:2000;Zymed Laboratories)と4℃で一晩インキュベーションし、その後、西洋ワサビペルオキシダーゼコンジュゲート化二次抗体(1:10000;Sigma)とインキュベーションし、ECLplus検出システム(Amersham Pharmacia Biotech)により発色させる。メンブランはまた、α−シヌクレインの発現レベルをβ−アクチンのレベルに対して正規化するために、マウス抗β−アクチン抗体(1:10000、Sigma)とインキュベーションされ、その後、西洋ワサビペルオキシダーゼコンジュゲート化二次抗体(1:10000;Sigma)とインキュベーションされ、ECLplus検出システムにより発色させられる。
α−シヌクレインについての免疫細胞化学:細胞を4%パラホルムアルデヒドにより固定処理し、0.5%のTriton X−100により透過処理した。続いて、固定処理された細胞をブロッキング溶液においてインキュベーションし、その後、モノクローナル抗α−シヌクレイン抗体(LB509、1:2000;Zymed Laboratories)と4℃で一晩インキュベーションし、その後、alexa−568結合二次抗体とインキュベーションした。核をDAPI(Sigma)によって対比染色する。核の形態学を蛍光顕微鏡(Olympus、bx52、Leeds、Minneapolis、MN)で観察する。
免疫細胞化学によるアポトーシス割合の評価:細胞を4%パラホルムアルデヒドにより固定処理し、0.5%のTriton X−100により透過処理する。その後、固定処理された細胞をブロッキング溶液においてインキュベーションし、その後、Hoechst33258(10ug/ml)とインキュベーションする。核の形態学を蛍光顕微鏡(Olympus、bx52、Leeds、Minneapolis、MN)で観察する。低下した核サイズ、クロマチン凝縮、強い蛍光および核の断片化を示した細胞が、アポトーシスしていると見なされる。
インビボでの6−ヒドロキシドーパミン誘導片側パーキンソン症候群マウスモデル:オスのc57/blマウスがPDのこのインビボモデルのために使用される。マウスは、(0.02%のアスコルビン酸を含有する2μlの生理的食塩水に溶解された)4μgの6−ヒドロキシドーパミン臭化水素酸塩の片側線条体内注入を、定位手術手順を使用して受けた。注入が、下記の座標を使用して中心線条体に対して向けられる:ブレグマに対して0.7mm前方、ブレグマに対して2.0mm側方、および、3.5mmの深さ。
線条体内6−ヒドロキシドーパミン傷害化の行動影響が、加速ロータロッド試験および腹腔内アンフェタミン(2.5mg/kg)誘導回転行動によって評価される。
高速液体クロマトグラフィー(HPLC)によるカテコールアミンレベルの測定、および、免疫組織化学によって評価されるような病理学的損傷の程度の測定が、傷害化後1ヶ月で行われる。
統計学的分析:統計学的分析が、SPSSソフトウエアを使用して行われる。2つの群の間での比較が、両側スチューデントt検定を使用して行われる。3つ以上の群の間での統計学的分析が、分散分析(ANOVA)、その後、最小有意差(LSD)事後比較を使用して行われる。結果が、平均±標準偏差によって表される。群間の差は、誤差確率(p)が5%未満(p≦0.05)であったならば、有意であると見なされる。
実施例1
細胞株において分析されるような本発明のペプチドの神経保護活性の分析
結果
Tat2A(配列番号24)が、インビトロ細胞プラットホームを使用して、神経毒に対するその保護効果を求めるために調べられる。ペプチドが、PULSinキット(Polyplus)によって、続いて、細胞浸透ペプチドへの結合によって神経芽細胞腫細胞に送達される。図1A〜図1Fに例示されるように、試験されたペプチドのいくつかは、血清欠乏、過酸化水素、6−ヒドロキシドーパミンおよびドーパミンへの暴露によって誘導される酸化的神経毒性傷害に対する著しい保護効果を示した。これらのペプチドは、(MTTアッセイによって評価される)ミトコンドリア損傷を低下させ、(Alamarブルー法によって示される)代謝損傷を低下させ、(LDH細胞毒性検出キット(Clontech)によって評価される)細胞毒性を低下させ、かつ、(Hoechst染色による)細胞生存能力を増大させた。
DJ−1変異ペプチドは、いくつかのDJ−1関連ペプチドの保護効果を示す図2A〜図2Bに例示されるように、それらの対応する非変異ペプチドの保護効果を示さなかった(p<0.05)。
図3は、DJ−1関連ペプチドが6−ヒドロキシドーパミン毒性に対してインビトロで保護することを例示し、これに対して、図4Aは、DJ−1関連ペプチドが血清欠乏に対して保護することを例示する。
様々な非保存的DJ−1関連ペプチドが、本発明のペプチドの特異的な効果を確認するためにコントロールとして使用された。これらのペプチドへの神経芽細胞腫細胞の暴露は、図4Bに例示されるように、6−ヒドロキシドーパミンまたは過酸化水素の処置によって誘導される傷害から細胞を保護しなかった。
実施例2
初代マウス培養物において分析されるような本発明のペプチドの神経保護活性の分析
結果
初代培養物に対する、また、C57/blマウスの脳から得られる分化した神経幹細胞および未分化の神経幹細胞に対するDJ−1ペプチドの保護効果が評価された。結果は、選択されたDJ−1関連ペプチドが、過酸化水素および6−ヒドロキシドーパミンの毒性に対して著しく保護したことを示す。具体的には、図5A〜図5Bは、生後マウスの脳から得られる初代混合ニューロン・星状膠細胞培養物における酸化的毒性傷害に対するTat2Aの保護を例示する。神経始原細胞/幹細胞を生後c57/blマウスのマウス皮質から単離し、ニューロスフェアとして培養した。神経およびアストログリアの分化を誘導した。
分化した神経始原細胞/幹細胞および未分化の神経始原細胞/幹細胞の、酸化的毒性傷害に対する感受性を、図6に例示されるように、DJ−1関連ペプチドによる事前の前処理を行って、または行うことなく求めた。
実施例3
変異型α−シヌクレインの毒性に対する保護
A53T変異型α−シヌクレインは遺伝性パーキンソン病についての原因の1つである。変異α−シヌクレインを過剰発現する神経芽細胞腫細胞を、パーキンソン病についての細胞プラットホームとして使用した。A53T変異型α−シヌクレインの過剰発現を達成するために、SH−SY5Y神経芽細胞腫細胞を、A53T変異型α−シヌクレインを含有するプラスミドにより安定的にトランスフェクションした。
α−シヌクレインの過剰発現の確認が、α−シヌクレインについての免疫細胞化学染色により行われた。図7Aは、ナイーブ神経芽細胞腫細胞のα−シヌクレイン染色を例示し、一方、図7Bは、A53T変異型α−シヌクレインによりトランスフェクションされた細胞のα−シヌクレイン染色を例示する。
α−シヌクレインタンパク質の定量を、図8に例示されるように、ウエスタンブロッティングを使用して行った。
DJ−1関連ペプチドは、変異型A53Tα−シヌクレインを過剰発現する神経芽細胞腫細胞において6−ヒドロキシドーパミン毒性に対して保護すること(図9)、および、過酸化水素(H)暴露によって誘導される純粋な酸化傷害に対して保護すること(図10)が示された。
実施例4
DJ−1関連ペプチドはドーパミン毒性に対して保護する
神経芽細胞腫SH−SY5Y細胞を、DJ−1関連ペプチドによる事前の前処理を行って、または行うことなく、増大する用量のドーパミンにさらした。ドーパミンに対する脆弱性が、図11に例示されるように、DJ−1関連ペプチド処置によって統計学的に有意に弱まった。
実施例5
筋萎縮性側索硬化症(ALS)の細胞モデルに対する保護
NSC−34細胞をALSについての細胞モデルとして使用した。増大する用量の過酸化水素およびSIN−I(NOドナー)(これらはALSの病理発生に関係している)を使用した。DJ−1関連ペプチド#2は、図12A〜図12Bおよび図13に例示されるように、ALSのこの細胞モデルにおいてHおよびSIN−Iの毒性に対する保護効果を示した。
実施例6
DJ−1関連ペプチドのUV線に対して保護する能力
培養されたケラチノサイトを、UV線の損傷影響に対して保護するDJ−1関連ペプチドの能力を調べるために使用した。いくつかのDJ−1関連ペプチドが、図14に示されるように、UV線により誘導される細胞死に対する著しい保護効果を示した。
実施例7
DJ−1関連ペプチドはパーキンソン病のインビボモデルに対して保護する
近年の研究では、tatに結合したタンパク質が、静脈内投与および腹腔内投与の後、脳に浸透し、脳に影響することが示されている[Kim他、2010;Doeppner他、2010]。本発明者らは、ペプチド2a(13アミノ酸)をtatに結合し、このペプチドを十分に確立されている6−ヒドロキシドーパミン片側パーキンソン症候群マウスモデルにおいて調べた。
次に、線条体内注入されたDJ−1関連ペプチドの保護能を調べた。2つの群のオスc57/blマウスが、生理的食塩水に溶解された100μMのTAT2a DJ−1関連ペプチド(配列番号24)または生理的食塩水単独のどちらかの2μlを右側線条体に定位注入されて受けた。1時間後、4μgの6−ヒドロキシドーパミンを、同じ座標を使用して注入した。行動研究には、アンフェタミン誘導回転行動および加速ロータロッド試験が含まれた。
6−ヒドロキシドーパミンモデルにおけるDJ−1関連ペプチドの影響が2回試験された。合計で10匹のc57/blのオスマウスが最初の実験のために使用され、26匹が2回目の実験で使用された。両方において、ペプチド処置マウスにおける著しく低下したアンフェタミン誘導回転が、コントロールと比較して見出された(p<0.01)。これは2回の実験のそれぞれにおいて2回確認された:図15A〜図15Bに例示されるように、最初は6−ヒドロキシドーパミン線条体傷害化後の2週間後、続いて、4週間後。
加速ロータロッド試験では、有意差(p=0.02)が、TAT2aペプチド(配列番号24)処置マウスと、生理的食塩水処置コントロールとの間で明らかにされた。チロシンヒドロキシラーゼ(TH)についての免疫組織化学染色では、傷害された線条体におけるTH染色の6−ヒドロキシドーパミン誘導喪失が、tat2a DJ−1関連ペプチド(配列番号24)によって取り消されたことが明らかにされた。
次に、DJ−1関連ペプチドの全身投与の影響を調べた。ペプチドの静脈内送達を、6−ヒドロキシドーパミン片側パーキンソン症候群マウスモデルを調節するための手段として使用した。50μgのペプチドを6−ヒドロキシドーパミン傷害化の4時間前に静脈内投与した。コントロールと比較して、傷害化後2週間および4週間でのペプチド処置マウスにおけるアンフェタミン誘導回転における劇的な低下が見出された(図16Aおよび図16B)。
実施例8
パーキンソン病についての動物モデルを作製するために、マウスを1−メチル−4−フェニル−1,2,3,6−テトラヒドロピリジン(MPTP)により処置した。5匹のマウス(C57/bl)に、DJ−1関連ペプチド(0.4mMの皮下;配列番号25)の存在下および非存在下で、20mg/kgのMPTP(i.p.)を5日間連続して注射した。18日後、マウスを屠殺し、2つの半球におけるドーパミンレベルをHPLCによって測定した。
結果
実験の結果が図17に明らかにされる。
本発明はその特定の実施態様によって説明してきたが、多くの別法、変更および変形があることは当業者には明らかであることは明白である。従って、本発明は、本願の請求項の精神と広い範囲の中に入るこのような別法、変更および変形すべてを包含するものである。
本明細書で挙げた刊行物、特許および特許出願はすべて、個々の刊行物、特許および特許出願が各々あたかも具体的にかつ個々に引用提示されているのと同程度に、全体を本明細書に援用するものである。さらに、本願で引用または確認したことは本発明の先行技術として利用できるという自白とみなすべきではない。節の見出しが使用されている程度まで、それらは必ずしも限定であると解釈されるべきではない。
配列番号1〜42は、合成ペプチドの配列である。

Claims (38)

  1. 配列番号3に示される配列を含む、最大でも25アミノ酸である単離されたペプチドであって、酸化ストレス条件のもとでの細胞の生存能力を増大させる単離されたペプチド。
  2. 酸化ストレス関連障害をその必要性のある対象において処置する方法であって、配列番号1に示されるアミノ酸配列に由来する少なくとも2つの連続するアミノ酸を含む最大でも25アミノ酸である単離されたペプチドまたはそのペプチド模倣体の治療効果的な量と、医薬的に許容されるキャリアとをそのような対象に投与し、単離されたペプチドが酸化ストレス条件のもとでの細胞の生存能力を増大させ、それにより、酸化ストレス関連障害を処置することを含む方法。
  3. 酸化ストレス関連障害をその必要性のある対象において処置する方法であって、配列番号2に示されるアミノ酸配列に由来する少なくとも2つの連続するアミノ酸を含む最大でも25アミノ酸である単離されたペプチドまたはそのペプチド模倣体の治療効果的な量と、医薬的に許容されるキャリアとをそのような対象に投与し、単離されたペプチドが酸化ストレス条件のもとでの細胞の生存能力を増大させ、それにより、酸化ストレス関連障害を処置することを含む方法。
  4. 配列番号1に示されるアミノ酸配列に由来する少なくとも2つの連続するアミノ酸を含む最大でも25アミノ酸である単離されたペプチドまたはそのペプチド模倣体であって、単離されたペプチドは、酸化ストレス関連障害を処置するのに使用するための酸化ストレス条件のもとでの細胞の生存能力を増大させる、単離されたペプチドまたはそのペプチド模倣体。
  5. 配列番号2に示されるアミノ酸配列に由来する少なくとも2つの連続するアミノ酸を含む最大でも25アミノ酸である単離されたペプチドまたはそのペプチド模倣体であって、単離されたペプチドは、酸化ストレス関連障害を処置するのに使用するための酸化ストレス条件のもとでの細胞の生存能力を増大させる、単離されたペプチドまたはそのペプチド模倣体。
  6. 前記酸化ストレス関連障害は神経変性疾患である、請求項2〜5のいずれかに記載の方法または単離されたペプチド。
  7. 前記神経変性疾患は、パーキンソン病、多発性硬化症、ALS、多系統萎縮症、アルツハイマー病、卒中、進行性核上麻痺、第17染色体に連鎖するパーキンソン症候群を伴う前頭側頭型認知症、および、ピック病からなる群から選択される、請求項6に記載の方法または単離されたペプチド。
  8. 配列番号1に示されるアミノ酸配列に由来する少なくとも2つの連続するアミノ酸を含む最大でも25アミノ酸である単離されたペプチドまたはそのペプチド模倣体と、医薬的に許容されるキャリアとを含む医薬組成物であって、単離されたペプチドが酸化ストレス条件のもとでの細胞の生存能力を増大させる、医薬組成物。
  9. 配列番号2に示されるアミノ酸配列に由来する少なくとも2つの連続するアミノ酸を含む最大でも25アミノ酸である単離されたペプチドまたはそのペプチド模倣体と、医薬的に許容されるキャリアとを含む医薬組成物であって、単離されたペプチドが酸化ストレス条件のもとでの細胞の生存能力を増大させる、医薬組成物。
  10. 前記単離されたペプチドは、配列番号3に示される配列を含む、請求項2,4または8に記載の方法、ペプチドまたは医薬組成物。
  11. 前記単離されたペプチドは、配列番号14に示される配列を含む、請求項3,5または9に記載の方法、ペプチドまたは医薬組成物。
  12. 前記単離されたペプチドは、配列番号24に示される通りである、請求項1または10に記載の方法、ペプチドまたは医薬組成物。
  13. 前記単離されたペプチドは、配列番号1に示されるアミノ酸配列に由来する少なくとも5個の連続するアミノ酸を含む、請求項2,4または8に記載の方法、ペプチドまたは医薬組成物。
  14. 前記単離されたペプチドは、配列番号2に示されるアミノ酸配列に由来する少なくとも5個の連続するアミノ酸を含む、請求項3,5または9に記載の方法、ペプチドまたは医薬組成物。
  15. 前記単離されたペプチドは、配列番号1に示されるアミノ酸配列に由来する最大でも15個の連続するアミノ酸を含む、請求項2,4または8に記載の方法、ペプチドまたは医薬組成物。
  16. 前記単離されたペプチドは、配列番号2に示されるアミノ酸配列に由来する最大でも15個の連続するアミノ酸を含む、請求項3,5または9に記載の方法、ペプチドまたは医薬組成物。
  17. 前記単離されたペプチドは、最大でも20アミノ酸である、請求項2〜9のいずれかに記載の方法、ペプチドまたは医薬組成物。
  18. 前記単離されたペプチドは、配列番号38に示される配列を含む、請求項2,4または8に記載の方法、ペプチドまたは医薬組成物。
  19. 前記単離されたペプチドは、配列番号39に示される配列を含む、請求項2,4または8に記載の方法、ペプチドまたは医薬組成物。
  20. 前記単離されたペプチドは、配列番号10に示される配列を含む、請求項2,4または8に記載の方法、ペプチドまたは医薬組成物。
  21. 前記単離されたペプチドは、配列番号11に示される配列を含む、請求項2,4または8に記載の方法、ペプチドまたは医薬組成物。
  22. 前記単離されたペプチドは、配列番号1または配列番号3に示される配列を含む、請求項2,4または8に記載の方法、ペプチドまたは医薬組成物。
  23. 前記単離されたペプチドは、配列番号40に示される配列を含む、請求項3,5または9に記載の方法、ペプチドまたは医薬組成物。
  24. 前記単離されたペプチドは、配列番号13に示される配列を含む、請求項23に記載の方法、ペプチドまたは医薬組成物。
  25. 前記単離されたペプチドは、配列番号41に示される配列を含む、請求項3,5または9に記載の方法、ペプチドまたは医薬組成物。
  26. 前記単離されたペプチドは、配列番号42に示される配列を含む、請求項25に記載の方法、ペプチドまたは医薬組成物。
  27. 前記単離されたペプチドは、配列番号2に示される配列を含む、請求項3,5または9に記載の方法、ペプチドまたは医薬組成物。
  28. 前記アミノ酸の少なくとも1つが、天然に存在するアミノ酸である、請求項2〜9のいずれかに記載の方法、ペプチドまたは医薬組成物。
  29. 前記アミノ酸の少なくとも1つが合成アミノ酸である、請求項2〜9のいずれかに記載の方法、ペプチドまたは医薬組成物。
  30. 前記単離されたペプチドは細胞浸透性作用因子に結合される、請求項1〜29のいずれかに記載の方法、ペプチドまたは医薬組成物。
  31. 前記単離されたペプチドは共有結合により結合される、請求項30に記載の方法、ペプチドまたは医薬組成物。
  32. 前記細胞浸透性作用因子はペプチド薬剤である、請求項30に記載の方法、ペプチドまたは医薬組成物。
  33. 前記ペプチド細胞浸透性作用因子は、配列番号21〜配列番号23からなる群から選択されるアミノ酸配列を含む、請求項32に記載の方法、ペプチドまたは医薬組成物。
  34. 前記単離されたペプチドは配列番号24〜配列番号36に示される通りである、請求項33に記載の方法、ペプチドまたは医薬組成物。
  35. 前記細胞はニューロン細胞を含む、請求項1〜9のいずれかに記載の方法、ペプチドまたは医薬組成物。
  36. 前記ROS状態は、6−ヒドロキシドーパミン毒性、過酸化水素毒性、UV線およびドーパミン毒性からなる群から選択される、請求項1〜9のいずれかに記載の方法、ペプチドまたは医薬組成物。
  37. 配列番号1に示されるアミノ酸配列に由来する少なくとも2つの連続するアミノ酸を含む最大でも25アミノ酸である単離されたペプチドまたはそのペプチド模倣体であって、単離されたペプチドは酸化ストレス条件のもとでの細胞の生存能力を増大させる、単離されたペプチドまたはそのペプチド模倣体。
  38. 配列番号2に示されるアミノ酸配列に由来する少なくとも2つの連続するアミノ酸を含む最大でも25アミノ酸である単離されたペプチドまたはそのペプチド模倣体であって、単離されたペプチドは酸化ストレス条件のもとでの細胞の生存能力を増大させる、単離されたペプチドまたはそのペプチド模倣体。
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