JP2013503189A - Raf阻害化合物およびその使用方法 - Google Patents

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Abstract

式IIの化合物は、Rafキナーゼの阻害に有用である。哺乳動物細胞のこのような障害、または関連する病理学的状態のインビトロ、インサイツ、およびインビボ診断、予防または治療ための、式IIの化合物ならびにその立体異性体、互変異性体、プロドラッグおよび薬学的に許容可能な塩の使用方法が開示されている。本発明の別の態様では、哺乳動物の過剰増殖疾患の治療方法が提供され、この方法は、治療有効量の本発明の化合物を哺乳動物に投与することを含む。

Description

発明の優先権
本出願は、35U.S.C.119(e)に基づき2009年8月28日出願の米国特許仮出願第61/238、108号の優先権を主張する。本件は、その内容の全体が本明細書に組み込まれる。
発明の分野
本発明は、新規化合物、その化合物を含む医薬品組成物、その化合物を製造するプロセス、およびその化合物の治療への使用に関する。さらに詳細には、本特許は、Rafキナーゼを阻害し、その結果、媒介される障害を治療するために有用な特定の置換化合物に関する。
現状技術の説明
Raf/MEK/ERK経路は、細胞の生存、成長、増殖および腫瘍形成に重要である。非特許文献1。Rafキナーゼは、3つのアイソフォーム、A−Raf、B−RafおよびC−Rafとして存在する。3つのアイソフォームの内で、研究によって、B−Rafが主要MEK活性化因子として機能することが明らかになっている。B−Rafは、ヒト癌で最も頻繁に変異しているものの1つである。B−Rafキナーゼは、臨床前の標的検証、疫学および薬らしさ(drugability)に基づく抗癌治療の優れた標的である。
B−Rafの小分子阻害剤は、抗癌治療用として開発中である。Nexavar(登録商標)(ソラフェニブトシラート)は、B−Rafの阻害を含むマルチキナーゼ阻害剤で、進行性腎細胞癌および切除不能な肝細胞癌の患者の治療用として認可されている。また、他のRaf阻害剤も開示されているか、または、例えば、RAF−265、GSK−2118436、PLX−4032、PLX−3603、およびXL−281は、臨床試験中である。他のB−Raf阻害剤も知られており、例えば、特許文献1、特許文献2、特許文献3、特許文献4、特許文献5、特許文献6、特許文献7、特許文献8、特許文献9および特許文献10を参照のこと。
特許文献11、特許文献12および特許文献13もまた、キナーゼ阻害剤を開示している。
米国特許出願公開第2006/0189627号明細書 米国特許出願公開第2006/0281751号明細書 米国特許出願公開第2007/0049603号明細書 米国特許出願公開第2009/0176809号明細書 国際公開第2007/002325号 国際公開第2007/002433号 国際公開第2008/028141号 国際公開第2008/079903号 国際公開第2008/079906号 国際公開第2009/012283号 国際公開第2006/066913号 国際公開第2008/028617号 国際公開第2008/079909号
Li、Nanxin、et al.「癌治療のためのB−Rafキナーゼ阻害剤」Current Opinion in Investigational Drugs.Vol.8、No.6(2007):452−456
一態様では、本発明は、Rafキナーゼ阻害剤、特に、B−Raf阻害剤である化合物に関する。特定の過剰増殖障害は、Rafキナーゼ機能の、例えば、変異またはタンパク質の過剰発現による過剰活性化、を特徴とする。従って、本発明の化合物は、癌等の過剰増殖障害の治療に有用である。
さらに具体的には、本発明の一態様では、式II:
Figure 2013503189
の化合物およびその立体異性体、互変異性体ならびに薬学的に許容可能な塩が提供され、式中、R、R、R、R、R、R、W、X、およびYは、本明細書で定義されている。
本発明の別の態様では、式I:
Figure 2013503189
の化合物および立体異性体、その互変異性体ならびに薬学的に許容可能な塩が提供され、式中、R、R、R、R、R、R、X、およびYは、本明細書で定義されている。
本発明の別の態様では、B−Rafにより調節される疾患または障害の予防または治療の方法が提供され、この方法は、このような治療を必要としている哺乳動物に、有効量の本発明の化合物またはその立体異性体、互変異性体、プロドラッグもしくは薬学的に許容可能な塩を投与することを含む。このような疾患や障害の例には、これに限定されないが、過剰増殖障害(黒色腫および他の皮膚癌を含む癌、等)神経変性、心臓肥大、疼痛、片頭痛および神経外傷性疾患が含まれる。
本発明の別の態様では、B−Rafにより調節される疾患または障害の予防または治療の方法が提供され、この方法は、このような治療を必要としている哺乳動物に、有効量の本発明の化合物またはその立体異性体、互変異性体もしくは薬学的に許容可能な塩を投与することを含む。このような疾患や障害の例には、これに限定されないが、過剰増殖障害(黒色腫および他の皮膚癌を含む癌、等)、神経変性、心臓肥大、疼痛、片頭痛および神経外傷性疾患が含まれる。
本発明の別の態様では、癌の予防または治療の方法が提供され、この方法は、このような治療を必要としている哺乳動物に、有効量の本発明の化合物またはその立体異性体、互変異性体、プロドラッグもしくは薬学的に許容可能な塩を、単独または1つまたは複数の抗癌特性を有する別の化合物と組み合わせて、投与することを含む。
本発明の別の態様では、癌の予防または治療方法が提供され、この方法は、このような治療を必要としている哺乳動物に、有効量の本発明の化合物またはその立体異性体、互変異性体、もしくは薬学的に許容可能な塩を、単独または1つまたは複数の抗癌特性を有する別の化合物と組み合わせて、投与することを含む。
本発明の別の態様では、哺乳動物の過剰増殖疾患の治療方法が提供され、この方法は、治療有効量の本発明の化合物を哺乳動物に投与することを含む。
本発明の別の態様では、腎臓疾患の予防または治療の方法が提供され、この方法は、このような治療を必要としている哺乳動物に、有効量の本発明の化合物またはその立体異性体、互変異性体、プロドラッグもしくは薬学的に許容可能な塩を、単独または1つまたは複数の別の化合物と組み合わせて投与することを含む。本発明の別の態様では、多発性嚢胞腎疾患の予防または治療の方法が提供され、この方法は、このような治療を必要としている哺乳動物に、有効量の本発明の化合物またはその立体異性体、互変異性体、プロドラッグもしくは薬学的に許容可能な塩を、単独または1つまたは複数の別の化合物と組み合わせて投与することを含む。
本発明の別の態様では、治療に使用するための本発明の化合物が提供される。
本発明の別の態様では、過剰増殖疾患の治療に使用するための本発明の化合物が提供される。さらなる実施形態では、過剰増殖疾患は、癌(またはさらに本明細書で定義される特定の癌)であってもよい。
本発明の別の態様では、腎臓疾患の治療に使用するための本発明の化合物が提供される。さらなる実施形態では、腎臓疾患は、多発性嚢胞腎疾患であってよい。
本発明の別の態様では、過剰増殖疾患の治療用の薬剤の製造における本発明の化合物使用が提供される。さらなる実施形態では、過剰増殖疾患は、癌(またはさらに本明細書で定義される特定の癌)であってもよい。
本発明の別の態様では、腎臓疾患の治療用の薬剤の製造における本発明の化合物使用が提供される。さらなる実施形態では、腎臓疾患は、多発性嚢胞腎疾患であってもよい。
本発明の別の態様では、癌治療を行っている患者の治療にB−Raf阻害剤として使用するための薬剤の製造における本発明の化合物使用が提供される。
本発明の別の態様では、多発性嚢胞腎疾患治療を行っている患者の治療にB−Raf阻害剤として使用するための薬剤の製造における本発明の化合物使用が提供される。
本発明の別の態様では、過剰増殖疾患の治療に使用するための本発明の化合物を含む医薬品組成物が提供される。
本発明の別の態様では、癌の治療に使用するための本発明の化合物を含む医薬品組成物が提供される。
本発明の別の態様では、多発性嚢胞腎疾患の治療に使用するための本発明の化合物を含む医薬品組成物が提供される。
本発明の別の態様では、本発明の化合物、その立体異性体、互変異性体、プロドラッグまたは薬学的に許容可能な塩、および薬学的に許容可能なキャリアーまたは賦形剤を含む医薬品組成物が提供される。
本発明の別の態様では、本発明の化合物または薬学的に許容可能なその塩、および薬学的に許容可能なキャリアーまたは賦形剤を含む医薬品組成物が提供される。
本発明の別の態様では、式I〜IcおよびIIの化合物を調整するための中間体が提供される。式I〜IcおよびIIの特定の化合物は、式I〜IcおよびIIの他の化合物の中間体として使用可能である。
本発明の別の態様では、本発明の化合物の調整方法、分離方法および生成方法が含まれる。
発明の詳細な説明
これ以降、実施例に付随する構造および式を使って説明される特定の本発明の実施形態について言及する。本発明は、列挙した実施形態と連携して説明されるが、本発明をこれらの実施形態に制限する意図はないことは理解されよう。むしろ、本発明では、l請求項で定められた本発明の範囲に含まれると考えられる全ての代替物、改変体、および等価物を含有することが意図されている。当業者なら、本発明の実施に際し使用可能な、本明細書記載のものに類似または等価な多くの方法と物質に気付くであろう。本発明は、記載の方法と物質に少しも限定されるものではない。1つまたは複数の組み込まれた文献および類似の資材が、用語、用語使用法、記載技術、等を含む(これに限定されない)本出願と異なる、または矛盾する場合は、本出願が優先される。
定義
用語の「アルキル」は、炭素原子の直鎖または分岐鎖ラジカルを含む。一例では、アルキルラジカルは、1〜6炭素原子(C〜C)である。他の例では、アルキルラジカルは、C〜C、C〜CまたはC〜Cである。一部のアルキル成分は、例えば、メチル(「Me」)、エチル(「Et」)、プロピル(「Pr」)およびブチル(「Bu」)のように省略され、さらに化合物の特定の異性体を示すために、例えば、次のような省略が用いられる:1−プロピルまたはn−プロピル(「n−Pr」)、2−プロピルまたはイソプロピル(「i−Pr」)、1−ブチルまたはn−ブチル(「n−Bu」)、2−メチル−1−プロピルまたはイソブチル(「i−Bu」)、1−メチルプロピルまたはs−ブチル(「s−Bu」)、1、1−ジメチルエチルまたはt−ブチル(「t−Bu”)、等。アルキル基の他の例には、次のものが含まれる:1−ペンチル(n−ペンチル、−CHCHCHCHCH)、2−ペンチル(−CH(CH)CHCHCH)、3−ペンチル(−CH(CHCH)、2−メチル−2−ブチル(−C(CHCHCH)、3−メチル−2−ブチル(−CH(CH)CH(CH)、3−メチル−1−ブチル(−CHCHCH(CH)、2−メチル−1−ブチル(−CHCH(CH)CHCH)、1−ヘキシル(−CHCHCHCHCHCH)、2−ヘキシル(−CH(CH)CHCHCHCH)、3−ヘキシル(−CH(CHCH)(CHCHCH))、2−メチル−2−ペンチル(−C(CHCHCHCH)、3−メチル−2−ペンチル(−CH(CH)CH(CH)CHCH)、4−メチル−2−ペンチル(−CH(CH)CHCH(CH)、3−メチル−3−ペンチル(−C(CH)(CHCH)、2−メチル−3−ペンチル(−CH(CHCH)CH(CH)、2、3−ジメチル−2−ブチル(−C(CHCH(CH)および3、3−ジメチル−2−ブチル(−CH(CH)C(CH。元素の省略および化学構造、例えば、メタノール(「MeOH」)またはエタノール(「EtOH」)、と関連して省略が用いられることもある。
本出願全体で用いられる別の省略には、例えば、ベンジル(「Bn」)、フェニル(「Ph」)およびアセチル(「Ac」がある。
下記の用語は省略される:ジメチルスルホキシド(「DMSO」)、ジメチルホルムアミド(「DMF」)、ジクロロメタン(「DCM」)およびテトラヒドロフラン(「THF」)。
用語の「アルケニル」は、少なくとも1つの部位の不飽和、すなわち、炭素−炭素二重結合を有する直鎖または分岐鎖の一価炭化水素基を指し、アルケニルラジカルは、任意選択で、本明細書記載の1つまたは複数の置換基で独立に置換されてもよく、また、「シス」および「トランス」配位、または代替命名の、「E」および「Z」配位を有するラジカルを含む。一例では、アルケニルラジカルは、2〜6炭素原子(C〜C)である。他の例では、アルケニルラジカルは、C〜C、C〜CまたはC〜Cである。例には、これに限定されないが、エテニルまたはビニル(−CH=CH)、プロパ−1−エニル(−CH=CHCH)、プロパ−2−エニル(−CHCH=CH2)、2−メチルプロパ−1−エニル、ブタ−1−エニル、ブタ−2−エニル、ブタ−3−エニル、ブタ−1、3−ジエニル、2−メチルブタ−1、3−ジエン、ヘキサ−1−エニル、ヘキサ−2−エニル、ヘキサ−3−エニル、ヘキサ−4−エニル、ヘキサ−1、3−ジエニルが挙げられる。
用語の「アルコキシ」は、式−O−アルキルのラジカルを指す。
用語の「アルキニル」は、少なくとも1つの部位の不飽和、すなわち、炭素−炭素三重結合を有する直鎖または分岐の一価炭化水素基を指し、アルキニルラジカルは、任意選択で、本明細書記載の1つまたは複数の置換基で独立に置換されてもよい。一例では、アルキニルラジカルは、2〜6炭素原子(C〜C)である。他の例では、アルキニルラジカルは、C〜C、C〜CまたはC〜Cである。例には、これに限定されないが、エチニル(−C≡CH)、プロパ−1−イニル(−C≡CCH)、プロパ−2−イニル(プロパルギル、CHC≡CH)、ブタ−1−イニル、ブタ−2−イニルおよびブタ−3−イニルが挙げられる。
「シクロアルキル」は、非芳香族の飽和または部分的に不飽和の炭化水素環基を指し、シクロアルキル基は、任意選択で、本明細書記載の1つまたは複数の置換基で独立に置換されてもよい。一例では、シクロアルキル基は、3〜6炭素原子(C〜C)である。他の例では、シクロアルキルは、C〜CまたはC〜Cである。別の例では、シクロアルキル基は、単環として、C〜CまたはC〜Cである。別の例では、シクロアルキル基は、2環として、C〜C12である。単環式シクロアルキルの例には、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、1−シクロペンタ−1−エニル、1−シクロペンタ−2−エニル、1−シクロペンタ−3−エニル、シクロヘキシル、1−シクロヘキサ−1−エニル、1−シクロヘキサ−2−エニル、1−シクロヘキサ−3−エニル、シクロヘキサジエニル、シクロヘプチル、シクロオクチル、シクロノニル、シクロデシル、シクロウンデシル、およびシクロドデシルが挙げられる。7〜12環原子を有する代表的2環式配置のシクロアルキルには、これに限定されないが、[4、4]、[4、5]、[5、5]、[5、6]または[6、6]環システムが含まれる。代表的架橋2環式シクロアルキルには、これに限定されないが、ビシクロ[2.2.1]ヘプタン、ビシクロ[2.2.2]オクタン、およびビシクロ[3.2.2]ノナンが含まれる。
用語の「複素環式」または「複素環」または「ヘテロシクリル」は、飽和または部分的不飽和(すなわち、環内に1つまたは複数の二重および/または三重結合を有する)環式基を指し、少なくとも1つの環原子が窒素、酸素、および硫黄から独立に選択されるヘテロ原子であり、残りの環原子が炭素である。一実施形態では、ヘテロシクリルには、飽和または部分的不飽和の4〜6員ヘテロシクリル基が含まれ、別の実施形態では、5〜6員ヘテロシクリル基が含まれる。ヘテロシクリルは、任意選択で、1つまたは複数の本明細書記載の置換基で置換されてもよい。代表的ヘテロシクリル基には、これに限定されないが、下記が挙げられる:オキシラニル、アジリジニル、チイラニル、アゼチジニル、オキセタニル、チエタニル、1、2−ジチエタニル、1、3−ジチエタニル、ピロリジニル、ピペリジニル、ジヒドロピリジニル、テトラヒドロピリジニル、モルホリニル、チオモルホリニル、チオキサニル、ピペラジニル、ホモピペラジニル、ホモピペリジニル、アゼパニル、オキセパニル、チエパニル、1、4−オキサチアニル、1、4−ジオキセパニル、1、4−オキサチエパニル、1、4−オキサアゼパニル、1、4−ジチエパニル、1、4−チアゼパニルおよび1、4−ジアゼパン1、4−ジチアニル、1、4−アザチアニル、オキサゼピニル、ジアゼピニル、チアゼピニル、ジヒドロチエニル、ジヒドロピラニル、ジヒドロフラニル、テトラヒドロフラニル、テトラヒドロチエニル、テトラヒドロピラニル、テトラヒドロチオピラニル、1−ピロリニル、2−ピロリニル、3−ピロリニル、インドリニル、2H−ピラニル、4H−ピラニル、1、4−ジオキサニル、1、3−ジオキソラニル、ピラゾリニル、ピラゾリジニル、ジチアニル、ジチオラニル、ピラゾリジニルイミダゾリニル、イミダゾリジニル、ピリミジノニル、1、1−ジオキソ−チオモルホリニル、3−アザビシコ[3.1.0]ヘキサニル、3−アザビシクロ[4.1.0]ヘプタニルおよびアザビシクロ[2.2.2]ヘキサニル。複素環には、酸素、窒素および硫黄から選択される1つまたは2つのヘテロ原子を含む4〜6員環が含まれる。
用語の「ヘテロアリール」は、少なくとも1つの環原子が窒素、酸素および硫黄から独立に選択されるヘテロ原子であり、残りの環原子が炭素である芳香族環式基を指す。ヘテロアリール基は、任意選択で、本明細書記載の1つまたは複数の置換基で置換されてもよい。一例では、ヘテロアリールは、5〜6員ヘテロアリール基を含む。他のヘテロアリール基例には、これに限定されないが、次のものが含まれる:ピリジニル、イミダゾリル、イミダゾピリジニル、ピリミジニル、ピラゾリル、トリアゾリル、ピラジニル、テトラゾリル、フリル、チエニル、イソオキサゾリル、チアゾリル、オキサゾリル、イソチアゾリル、ピロリル、キノリニル、イソキノリニル、インドリル、ベンゾイミダゾリル、ベンゾフラニル、シンノリニル、インダゾリル、インドリジニル、フタラジニル、ピリダジニル、トリアジニル、イソインドリル、プテリジニル、プリニル、1、2、3−トリアゾリル、1、3、4−トリアゾリル、1−オキサ−2、3−ジアゾリル、1−オキサ−2、4−ジアゾリル、1−オキサ−2、5−ジアゾリル、1−オキサ−3、4−ジアゾリル、1−チア−2、3−ジアゾリル、1−チア−2、4−ジアゾリル、1−チア−2、5−ジアゾリル、1−チア−3、4−ジアゾリル、フラザニル、ベンゾフラザニル、ベンゾチオフェニル、ベンゾチアゾリル、ベンゾオキサゾリル、キナゾリニル、キノキサリニル、ナフチリジニル、およびフロピリジニル。ヘテロアリールには、酸素、窒素および硫黄から選択される2つまたは3つのヘテロ原子を含む5〜6員芳香族環が含まれる。
「ハロゲン」は、F、Cl、BrまたはIを指す。
「TLC」は、薄層クロマトグラフィーの略語である。
用語の「治療する」または「治療」は、治療的、予防的、対症療法的または防止的手段を指す。一例では、治療には、治療的および対症療法的処置が含まれる。本発明の目的のために、有益なまたは望ましい臨床的結果には、これに限定されないが、検出可能な場合でもそうでない場合でも、症状の軽減、疾患の程度の低減、疾患の安定化(すなわち、悪化しない)状態、疾患進行の遅延または緩徐化、疾患状態の改善または緩和、および寛解(部分または全体の)、が含まれる。また、「治療」には、治療を受けない場合に期待される生存に比較した生存の延長を意味してもよい。治療を必要としている人には、すでに状態または障害になっている人、ならびに状態または障害になりやすい人または状態または障害が予防されている人が含まれる。
成句の「治療有効量」または「有効量」は、このような治療を必要としている哺乳動物に投与した場合、(i)特定の疾患、状態または障害を治療または防ぐ、(ii)特定の疾患、状態または障害の1つまたは複数の症状を弱める、回復させる、もしくは取り除く、または(iii)本明細書記載の特定の疾患、状態または障害の1つまたは複数の症状の発症を防ぐまたは遅らせる、ために十分な本発明の化合物の量を意味する。このような量に対応する化合物の量は、特定の化合物、疾患状態およびその重症度、治療を必要としている哺乳動物の特性(例えば、体重)等、の因子に依存すると思われるが、それでも、当業者なら、日常的に決定することが可能である。
用語の「癌」および「癌性の」は、通常、異常なまたは未制御の細胞増殖を特徴とする哺乳動物の生理学的条件を指す、または説明する。「腫瘍」は、1つまたは複数の癌細胞を含む。癌の例には、これに限定されないが、癌、リンパ腫、芽細胞腫、肉腫、および白血病またはリンパ性腫瘍が含まれる。このような癌のさらに詳細な例には、りん状細胞癌(例えば、扁平上皮癌)、小細胞肺癌、非小細胞肺癌(「NSCLC」)、肺腺癌および肺扁平上皮癌を含む肺癌、腹膜癌、肝細胞癌、消化管癌を含む胃癌、膵臓癌、神経膠芽細胞腫、頚部の癌、卵巣癌、肝臓癌、膀胱癌、肝細胞腫、乳癌、結腸癌、直腸の癌、結腸直腸癌、子宮内膜または子宮癌、唾液腺癌、腎臓または腎性癌、前立腺癌、外陰癌、甲状腺癌、肝癌、肛門の癌、陰茎癌、ならびに頭頸部癌、が挙げられる。用語の癌は、種々のタイプの癌を含めて総称的にも、あるいは、特異的にも(上記のように)使うこともできる。
成句の「薬学的に許容可能な」は、物質または組成物が、製剤および/またはそれで治療される哺乳動物を含む他の成分と化学的におよび/または毒物学的に適合性のあることを示す。
本明細書で使われる成句の「薬学的に許容可能な塩」は、薬学的に許容可能な本発明の化合物の有機または無機塩を指す。
また本発明の化合物には、必ずしも薬学的に許容可能な塩ではない化合物、および本発明の化合物の調製および/または精製用および/または本発明の化合物の鏡像異性体の分離用の中間体として有用でありうる化合物のほかの塩が含まれる。
用語の「哺乳動物」は、本明細書記載の疾患に罹っている、またはその疾患に罹る危険のある温血動物を意味し、これに限定されないが、モルモット、イヌ、ネコ、ラット、マウス、ハムスター、およびヒトを含む霊長類が挙げられる。
用語の「本発明の化合物(compound of this invention)」および「本発明の化合物(compounds of the present invention)」、「式IIの化合物」には、別に指示がなければ、式I、Ia、Ib、IcおよびIIの化合物、その立体異性体、互変異性体、溶媒和物、代謝物、塩(例えば、薬学的に許容可能な塩)およびプロドラッグが含まれる。他に記載がなければ、本明細書に示した構造は、また、1つまたは複数の同位体に富んだ原子の存在のみが異なる化合物を含むことを意味する。例えば、1つまたは複数の水素原子が重水素またはトリチウムで置換されている、または1つまたは複数の炭素原子が13Cまたは14Cを多く含む炭素によって置換されている式I、Ia、Ib、Ic、の化合物は、本発明の範囲に入る。
B−RAF阻害化合物
本発明は、B−Rafによって調節される疾患、状態および/または障害の治療に使用可能な化合物、およびその医薬製剤を提供する。
本発明の一実施形態では、式II:
Figure 2013503189
の化合物、その立体異性体、互変異性体、プロドラッグおよび薬学的に許容可能な塩が提供され、式中:
点線は、任意選択の二重結合を示し;
Wは、NR、OまたはSであり;
Xは、NまたはCRであり;
Yは、NRまたはCRであり;
およびRは、独立に水素、ハロゲン、CN、C〜CアルキルおよびC〜Cアルコキシから選択され;
は、水素、ハロゲンまたはC〜Cアルキルであり;
は、C〜Cシクロアルキル、C〜Cアルキル、C〜Cアルケニル、C〜Cアルキニル、フェニル、5〜6員ヘテロアリールまたはNR1011であり、シクロアルキル、アルキル、アルケニル、アルキニル、フェニルおよびヘテロアリールは、任意選択で、OR12、ハロゲン、フェニル、C〜Cシクロアルキル、またはC〜Cアルキル(任意選択によりハロゲンで置換されている)で置換され;
は、水素、C〜Cアルキル、C〜Cアルケニル、C〜CアルキニルまたはC〜Cシクロアルキルであり、Rは、任意選択によりハロゲンで置換され;
は、水素またはC〜Cアルキルであり;
は、水素、C〜Cアルキル、C〜Cアルケニル、C〜CアルキニルまたはC〜Cシクロアルキルであり、Rは、任意選択によりハロゲンで置換され;
は、水素、ハロゲン、オキソの、チオキソ、C〜CアルコキシまたはC〜Cアルキルであり、各C〜CアルコキシおよびC〜Cアルキルは、任意選択で置換ハロゲン、OR13、SR13、NR1314、C〜Cシクロアルキル、4〜6員ヘテロシクリル、5〜6員ヘテロアリールまたはフェニルで置換され;
は、水素、ハロゲン、C〜Cアルコキシ、C〜Cアルキル、4〜6員ヘテロシクリル、5〜6員ヘテロアリール、フェニルもしくはC〜Cシクロアルキルであり、前記アルコキシ、アルキル、ヘテロシクリル、ヘテロアリール、フェニルおよびシクロアルキルは、独立に、任意選択で、ハロゲン、OR15、SR15、NR1516、C〜Cシクロアルキル、4〜6員ヘテロシクリル、5〜6員ヘテロアリール、フェニルもしくはC〜Cアルキル(任意選択によりハロゲンで置換されている)で置換され;または
およびRは、結合している原子と一緒になって縮合5〜6員ヘテロシクリルもしくはC〜Cシクロアルキルを形成し;
10およびR11は、独立に水素もしくはC〜Cアルキルであり、任意選択でハロゲンで置換され;または
10およびR11は、独立に、結合している原子と一緒になって3〜6員ヘテロシクリルを形成し、任意選択で、ハロゲン、オキソもしくはC〜Cアルキルで置換され;
12は、水素または任意選択でハロゲンで置換されているC〜Cアルキルであり;
13およびR14は、独立に水素もしくは任意選択でハロゲンで置換されているC〜Cアルキル;または
13およびR14、独立に、結合している原子と一緒になって、任意選択によりハロゲン、オキソまたはC〜Cアルキルで置換されている3〜6員ヘテロシクリルを形成し;さらに
15およびR16は、独立に、水素もしくは任意選択でハロゲンで置換されているC〜Cアルキル;または
15およびR16は、独立に、結合している原子と一緒になって、任意選択によりハロゲン、オキソまたはC〜Cアルキルで置換されている3〜6員ヘテロシクリルを形成している。
別の実施形態では、式I:
Figure 2013503189
の化合物、その立体異性体、互変異性体、プロドラッグおよび薬学的に許容可能な塩が含まれ、式中:
Xは、NまたはCRであり;
Yは、NまたはCRであり;
およびRは、独立に、水素、ハロゲン、CN、C〜CアルキルおよびC〜Cアルコキシから選択され;
は、水素、ハロゲンまたはC〜Cアルキルであり;
は、C〜Cシクロアルキル、C〜Cアルキル、C〜Cアルケニル、C〜Cアルキニル、フェニル、5〜6員ヘテロアリールまたはNR1011であり、シクロアルキル、アルキル、アルケニル、アルキニル、フェニルおよびヘテロアリールは、任意選択で、OR12、ハロゲン、フェニル、C〜Cシクロアルキル、またはC〜Cアルキル(任意選択によりハロゲンで置換されている)で置換され;
は、水素、C〜Cアルキル、C〜Cアルケニル、C〜CアルキニルまたはC〜Cシクロアルキルであり、Rは任意選択によりハロゲンで置換され;
は、水素、C〜Cアルキル、C〜Cアルケニル、C〜CアルキニルまたはC〜Cシクロアルキルであり、Rは任意選択によりハロゲンで置換され;
は、水素、C〜CアルコキシまたはC〜Cアルキルであり、各C〜CアルコキシおよびC〜Cアルキルは、任意選択でハロゲン、OR13、SR13、NR1314、C〜Cシクロアルキル、4〜6員ヘテロシクリル、5〜6員ヘテロアリールまたはフェニルで置換され;
は、水素、C〜CアルコキシまたはC〜Cアルキルであり、各C〜CアルコキシおよびC〜Cアルキルは、任意選択で、ハロゲン、OR15、SR15、NR1516、C〜Cシクロアルキルで置換され;
10およびR11は、独立に水素もしくはC〜Cアルキルであり、任意選択でハロゲンで置換され;または
10およびR11は、独立に、結合している原子と一緒になって3〜6員ヘテロシクリルを形成し、任意選択で、ハロゲン、オキソまたはC〜Cアルキルで置換され;
12は、水素または任意選択によりハロゲンで置換されているC〜Cアルキルであり;
13およびR14は、独立に、水素もしくは任意選択によりハロゲンで置換されるC〜Cアルキルであり;または
13およびR14は、独立に、結合している原子と一緒になって、任意選択によりハロゲン、オキソもしくはC〜Cアルキルに置換されている3〜6員ヘテロシクリルを形成し;さらに
15およびR16は、独立に、水素もしくは任意選択によりハロゲンで置換されているC〜Cアルキルであり;または
15またはR16は、独立に、結合している原子と一緒になって、任意選択によりハロゲン、オキソもしくはC〜Cアルキルに置換されている3〜6員ヘテロシクリルを形成する。
特定の実施形態では、Wは、NRである。特定の実施形態では、Wは、NHである。
特定の実施形態では、Wは、Oである。
特定の実施形態では、Wは、Sである。
特定の実施形態では、WはNR、XはNおよびYはCRである。特定の実施形態では、WはNH、XはNおよびYはCRである。
特定の実施形態では、WはNR、XはCRおよびYはNRである。特定の実施形態では、WはNH、XはC=OまたはC=S、およびYはNHである。
特定の実施形態では、WはO、XはCRおよびYはCRである。
特定の実施形態では、WはS、XはCRおよびYはCRである。
特定の実施形態では、WはNR、およびXとYはNである。特定の実施形態では、WはNH、およびXとYはNである。
特定の実施形態では、XはNである。特定の実施形態では、XはNおよびYはCRである。特定の実施形態では、XとYはNである。
特定の実施形態では、XはCRである。特定の実施形態では、XはCRおよびYはNである。
特定の実施形態では、XはCRおよびYはCRである。
特定の実施形態では、R、RおよびRは、独立に、水素、ハロゲンまたはC〜Cアルキルから選択され;Rは、C〜Cシクロアルキルまたは任意選択によりOH、ハロゲンまたはC〜Cシクロアルキルで置換されているC〜Cアルキルであり;Rは、水素またはC〜Cアルキルであり;Rは、水素またはC〜Cアルキルであり;Rは、水素であり;さらにRは、水素、C〜CアルコキシまたはC〜Cアルキルであり、各C〜CアルコキシおよびC〜Cアルキルは、任意選択でOHで置換される。
特定の実施形態では、RおよびRは、独立に、水素、ハロゲン、CN、C〜CアルキルまたはC〜Cアルコキシから選択される。
特定の実施形態では、R、RおよびRは、独立に、水素、ハロゲンまたはC〜Cアルキルから選択される。
特定の実施形態では、R、RおよびRは、独立に、水素、F、Clまたはメチルから選択される。
特定の実施形態では、RおよびRは、独立に、水素、ハロゲンまたはC〜Cアルキルから選択され、さらにRはClである。特定の実施形態では、RおよびRは、独立に水素、F、Clおよびメチルから選択され、さらにRはClである。
特定の実施形態では、Rは、水素、ハロゲン、CN、C〜CアルキルまたはC〜Cアルコキシである。
特定の実施形態では、Rは水素である。
特定の実施形態では、Rはハロゲンである。特定の実施形態では、RはFまたはClである。
特定の実施形態では、RはC〜Cアルキルである。特定の実施形態では、Rはメチルである。
特定の実施形態では、Rは水素、ハロゲン、CN、C〜CアルキルまたはC〜Cアルコキシである。
特定の実施形態では、Rは水素である。
特定の実施形態では、Rはハロゲンである。特定の実施形態では、RはFまたはClである。
特定の実施形態では、RはC〜Cアルキルである。特定の実施形態では、Rは、メチルである。
特定の実施形態では、RはClである。
特定の実施形態では、Rは水素である。
特定の実施形態では、RはC〜Cアルコキシである。特定の実施形態では、Rはメトキシである。
特定の実施形態では、Rは水素、ハロゲンまたはC〜Cアルキルである。
特定の実施形態では、Rは水素である。
特定の実施形態では、Rはハロゲンである。特定の実施形態では、RはFまたはClである。
特定の実施形態では、RおよびRはF、さらにRは水素である。
特定の実施形態では、RはF、RはCl、Rは水素である。
特定の実施形態では、RはCl、RはF、Rは水素である。
特定の実施形態では、RはF、RとRは水素である。
特定の実施形態では、RとRは水素、RはFである。
特定の実施形態では、RとRはF、Rは水素である。
特定の実施形態では、RはCl、RとRは水素である。
特定の実施形態では、R、R、RはFである。
特定の実施形態では、RはF、Rはメチル、Rは水素である。
特定の実施形態では、Rはメチル、RはF、Rは水素である。
特定の実施形態では、RはF、RとRは水素である。
特定の実施形態では、RはCl、RとRは水素である。
特定の実施形態では、RはF、RとRは水素である。
特定の実施形態では、Rはメトキシ、RはF、Rは水素である。
特定の実施形態では、式I〜IIの残基:
Figure 2013503189

(式中、波形ラインは、式I〜IIの残基の結合点を示す)は、下記から選択される:
Figure 2013503189
Figure 2013503189
特定の実施形態では、RはC〜Cシクロアルキル、C〜Cアルキル、C〜Cアルケニル、C〜Cアルキニル、フェニル、5〜6員ヘテロアリールまたはNR1011であり、シクロアルキル、アルキル、アルケニル、アルキニル、フェニルおよびヘテロアリールは、任意選択で、OR12、ハロゲン、フェニル、C〜Cシクロアルキル、またはC〜Cアルキル(任意選択によりハロゲンで置換されている)で置換される。
特定の実施形態では、RはC〜Cシクロアルキル、任意選択によりハロゲンもしくはC〜Cシクロアルキルで置換されているC〜Cアルキル、またはNR1011である。特定の実施形態では、R10およびR11は独立に水素およびC〜Cアルキルから選択される。
特定の実施形態では、RはC〜Cシクロアルキル、C〜Cアルキル、C〜CアルケニルまたはC〜Cアルキニルであり、シクロアルキル、アルキル、アルケニルおよびアルキニルは、任意選択でOR、ハロゲンまたはC〜Cシクロアルキルで置換される。
特定の実施形態では、Rは、シクロプロピル、エチル、プロピル、ブチル、イソブチル、−CHCl、−CHCF、−CHCHCHF、−CHCHCF、フェニルメチル、シクロプロピルメチル、フェニル、2−フルオロフェニル、3−フルオロフェニル、4−フルオロフェニル、2、5−ジフルオロフェニル、4−クロロ−3−トリフルオロメチルフェニル、1−メチル−1H−イミダゾール−4−イル、フラン−2−イル、ピリジン−2−イル、ピリジン−3−イル、チオフェン−2−イル、−NHCHCH、−NHCHCHCH、−N(CH)CHCH、−N(CH、またはピロリジンである。
特定の実施形態では、Rは、シクロプロピル、プロピル、ブチル、イソブチル、−CHCl、−CHCF、−CHCHCHF、−CHCHCF、シクロプロピルメチル、−NHCHCHCH、−N(CH)CHCH、−N(CH、またはピロリジンである。
特定の実施形態では、Rは、シクロプロピル、プロピル、ブチル、イソブチル、−CHCl、−CHCF、−CHCHCHF、−CHCHCF、シクロプロピルメチルまたは−NHCHCHCHである。
特定の実施形態では、Rは、プロピル、ブチル、イソブチル、−CHCHCHF、
−CHCHCFまたはシクロプロピルメチルである。
特定の実施形態では、RはC〜Cシクロアルキルまたは任意選択によりOH、ハロゲンもしくはC〜Cシクロアルキルで置換されているC〜Cアルキルである。
特定の実施形態では、Rは、C〜Cシクロアルキルである。特定の実施形態では、Rや、C〜Cシクロアルキルである。特定の実施形態では、Rは、シクロプロピルまたはシクロブチルである。
特定の実施形態では、Rは、C〜Cアルキルである。特定の実施形態では、Rは、エチル、プロピル、ブチルまたはイソブチルである。特定の実施形態では、Rはプロピルである。
特定の実施形態では、Rは、任意選択によりハロゲンで置換されているC〜Cアルキルである。特定の実施形態では、Rは、−CF、−CHCl、−CHCF、−CHCHCHF、−CHCHCF、−CFCFまたは−CFCFCFである。
特定の実施形態では、Rは、任意選択によりOH、ハロゲンまたはC〜Cシクロアルキルで置換されているC〜Cアルキルである。特定の実施形態では、Rは、シクロプロピルメチル(−CH−シクロプロピル)またはシクロブチルメチル(−CH−シクロブチル)である。特定の実施形態では、Rは、シクロプロピルメチル(−CH−シクロプロピル)である。
特定の実施形態では、Rは、人選択によりフェニルで置換されているC〜Cアルキルである。特定の実施形態では、Rは、フェニルメチルである。
特定の実施形態では、Rは、OR12、ハロゲン、C〜Cシクロアルキル、またはC〜Cアルキル(ハロゲンで任意選択により置換されている)で任意選択により置換されているフェニルである。特定の実施形態では、Rは、任意選択によりハロゲンで置換されているフェニルである。特定の実施形態では、Rは、C〜Cアルキル(ハロゲンで任意選択により置換されている)で任意選択により置換されているフェニルである。特定の実施形態では、Rは、ハロゲン、およびC〜Cアルキル(ハロゲンで任意選択により置換されている)で任意選択により置換されているフェニルである。特定の実施形態では、Rは、フェニルである。特定の実施形態では、Rは、フェニル、2−フルオロフェニル、3−フルオロフェニル、4−フルオロフェニル、2、5−ジフルオロフェニルまたは4−クロロ−3−トリフルオロメチルフェニルである。
特定の実施形態では、Rは、OR、ハロゲン、C〜CシクロアルキルまたはC〜Cアルキル(任意選択によりハロゲンで置換されている)で置換されている5〜6員ヘテロアリールである。特定の実施形態では、Rは、C〜Cアルキルで任意選択により置換されている5〜6員ヘテロアリールである。特定の実施形態では、Rは、5〜6員ヘテロアリールであり、ヘテロアリールは酸素、窒素および硫黄からなる群より選択される1つまたは2つのヘテロ原子を含む。特定の実施形態では、Rは、5〜6員ヘテロアリールであり、ヘテロアリールは、イミダゾリル、フラニル、ピリジニルまたはチオフェニルである。特定の実施形態では、Rは、1−メチル−1H−イミダゾール−4−イル、フラン−2−イル、ピリジン−2−イル、ピリジン−3−イルまたはチオフェン−2−イルである。
特定の実施形態では、Rは、NR1011である。特定の実施形態では、R10およびR11は、独立に、水素およびC〜Cアルキルから選択される。特定の実施形態では、Rは、水素である。特定の実施形態では、R10は、C〜Cアルキルである。特定の実施形態では、R10は、メチル、エチルまたはプロピルである。特定の実施形態では、R11は、水素またはメチルである。特定の実施形態では、Rは、−NHCHCH、−NHCHCHCH、−N(CH)CHCHおよび−N(CHからなる群より選択される。
特定の実施形態では、R10およびR11は、結合している窒素原子と一緒に4〜6員複素環を形成する。特定の実施形態では、R10およびR11は、結合している窒素原子と一緒に4〜6員複素環を形成し、複素環は1つの窒素ヘテロ原子を含む。特定の実施形態では、Rは、ピロリジンである。
特定の実施形態では、Rは、プロピル、シクロプロピルメチル、−CHCHCHFおよびフェニルから選択される。さらなる実施形態では、Rは、プロピル、シクロプロピルメチルおよび−CHCHCHFから選択される。
特定の実施形態では、Rは、水素またはメチルである。
特定の実施形態では、Rは、水素である。
特定の実施形態では、Rは、水素またはメチルである。
特定の実施形態では、Rは、水素である。
特定の実施形態では、Rは、水素、ハロゲン、C〜Cアルキル、C〜Cアルコキシまたはチオキソであり、前記アルキルおよびアルコキシは、独立に任意選択によりハロゲンで置換されている。
特定の実施形態では、Rは、水素、メチル、チオキソ、−CFまたはブロモである。
特定の実施形態では、Rは、水素またはC〜Cアルコキシである。
特定の実施形態では、Rは、水素である。
特定の実施形態では、Rは、水素、ハロゲン、C〜Cアルキル、C〜Cアルコキシまたは5〜6員ヘテロシクリルであり、前記アルキル、アルコキシおよびヘテロシクリルはハロゲン、C〜Cアルキル(任意選択によりハロゲンハロゲンまたはOR15に置換されている)で、任意選択により独立に置換されている。
特定の実施形態では、Rは、水素、メトキシ、エトキシ、−O(CHOH、メチル、モルホリニルまたはピロリジニルである。
特定の実施形態では、RおよびRは、結合している原子と一緒に縮合C〜Cシクロアルキルを形成する。
特定の実施形態では、RおよびRは、結合している原子と一緒に縮合シクロペンチルを形成する。
特定の実施形態では、Rは、水素またはOHで任意選択により置換されているC〜Cアルコキシである。特定の実施形態では、Rは、水素、エトキシ、メトキシ、3−ヒドロキシプロポキシ、または2−ヒドロキシエトキシである。
式Iの特定の実施形態では、RおよびRはF、Rは水素、RはプロピルおよびRは水素であり、化合物は式Ia:
Figure 2013503189
の構造を有する。
式Iの特定の実施形態では、RはClおよびRはF、Rは水素、RはプロピルおよびRは水素であり、化合物は式Ib:
Figure 2013503189
の構造を有する。
式Iの特定の実施形態では、RはFおよびRはCl、Rは水素、RはプロピルおよびRは水素であり、化合物は式Ic:
Figure 2013503189
の構造を有する。
本発明の化合物は、非対称またはキラル中心を含んでもよく、その結果、異なる立体異性体で存在することは理解されよう。ジアステレオマー、鏡像異性体およびアトロプ異性体、ならびにラセミ混合物のようなこれらの混合物を含む(これに限定されない)本発明の化合物の全ての立体異性体も本発明の一部を構成することが意図されている。
本明細書で示されている構造において、どの特定のキラル原子の立体化学も指定されていない場合、全ての立体異性体が意図され、本発明の化合物に含まれる。立体化学が特定の立体配置を示す実線の楔型または点線で指定されている場合、その立体異性体はそのように特定され、定められている。
また、式I〜IcおよびIIの化合物は、互変異性型を含むことは理解されよう。互変異性体は、互変異性化により相互転換できる化合物である。通常、この現象は水素原子または水素イオンの移動と、同時に発生する一重結合および隣接する二重結合の切り替えにより起こる。式I〜IcおよびIIの互変異性体は、置換に依存して、スルホンアミドまたはR位置を含む(これに限定されない)位置で形成可能である。式I〜IcおよびIIの化合物は、互変異性型を含むことが意図されている。
また、式I〜IcおよびIIの特定の化合物は、式I〜IcおよびIIのさらに反応の進んだ化合物用の中間体として使用可能であることも理解されよう。
もさらに、本発明の化合物は、溶媒和されていない形、ならびに水、エタノール、等の薬学的に許容可能な溶剤で溶媒和された形で存在可能であることも理解されよう。また、本発明は、溶媒和された形および溶媒和されていない形の両方を包含することが意図されている。
本出願で使われる用語の「プロドラッグ」は、本発明の化合物の前駆物質または誘導体型を指し、この物質は、親化合物または薬剤に比べ活性が低いか不活性であり、インビボでより活性な親の形に代謝されうる。例えば、Wilman、「癌の学療法におけるプロドラッグ」、Biochemical Society Transactions、14、pp.375−382、615th Meeting Belfast(1986)およびStella et al.、「プロドラッグ:標的薬剤送達に対する化学的アプローチ」、Directed Drug Delivery、Borchardt et al.、(ed.)、pp.247−267、Humana Press(1985)、を参照のこと。本発明のプロドラッグには、これに限定されないが、以下が含まれる:N−メチルプロドラッグ(N−メチルスルホンアミドプロドラッグを含む)、リン酸塩含有プロドラッグ、チオ燐酸塩含有プロドラッグ、硫酸塩含有プロドラッグ、ペプチド含有プロドラッグ、D−アミノ酸修飾プロドラッグ、グリコシル化プロドラッグ、β−ラクタム含有プロドラッグ、任意選択で置換されたフェノキシアセトアミド含有プロドラッグ、任意選択で置換されたフェニルアセトアミド含有プロドラッグ、5−フルオロサイトシンおよびより活性な細胞障害性遊離薬剤に転換可能な他の5−フルオロウリジンプロドラッグ。
式I〜IcおよびIIの化合物のプロドラッグは、アッセイにおいて実施例Aで記載の式I〜IcおよびIIの化合物ほど活性ではない可能性がある。しかし、プロドラッグは、インビボでより活性な式I〜IcおよびIIの化合物の代謝物に転換可能である。
化合物の合成
本発明の化合物は、特に、本明細書にある説明を考慮して、化学の分野でよく知られた手法に類似のプロセスを含む合成経路により合成できる。出発物質は、通常、シグマアルドリチ(St.Louis、MO)、アルファエイサー(Ward Hill、MA)、またはTCI(Portland、OR)等の、市販の入手源から入手可能であり、また、当業者によく知られた方法を使って容易に調製できる(例えば、Louis F.Fieser and Mary Fieser、有機合成のための試薬.v.1−23、New York:Wiley1967−2006ed.(Wiley InterScience(登録商標)ウエブサイト経由でも入手できる)、またはバイルシュタイン有機化学ハンドブック、4、Aufl.ed.Springer−Verlag、Berlin、別冊を含む(オンラインデータベース経由での入手も可能)にある一般的な方法により合成できる)。
説明の目的で、スキーム1〜8に、本発明の化合物、ならびに主要な中間体の調製のための一般的方法を示す。個々の反応ステップのさらなる詳細説明については、下記の実施例の節を参照されたい。当業者なら、他の合成経路を使って本発明の化合物を合成できることを理解するであろう。以下のスキームでは、特定の出発物質と試薬を示して考察したが、他の出発物質と試薬によって容易に置換でき、種々の誘導体および/または反応条件を与えることができる。さらに、下記に記載の方法で調製された多くの化合物は、本開示を考慮して、当業者によく知られた従来の化学手法を使ってさらに改良することができる。
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スキーム1は、化合物1.6を調製する一般的方法を示し、式中、R、R、RおよびRは、本明細書で定義されている。安息香酸1.1は、MeOH中のトリメチルシリルジアゾメタンでの処理により、またはMeOH中のトリメチルシリル塩化物(「TMSCl」)による処理、等のフィッシャーエステル化条件下、エステル化され、メチルベンゾアート1.2が得られる。ニトロ中間体1.2のそのアミノ類似体1.3への還元は、Pd/CとHによる処理、等の標準的条件を使って行う。ビス−スルホンアミド1.4は、アニリン1.3をNEt等の塩基の存在下、有機溶媒、ジクロロメタン(「DCM」)等の有機溶剤中で塩化スルホニルRSOClで処理して得られる。化合物1.4の加水分解は、NaOH水溶液等の塩基性条件下、THFおよび/またはMeOH等の適切な溶媒系中で行い、カルボン酸1.5を得る。THF等の適切な溶媒中のこの化合物をジフェニルホスホン酸アジド(「DPPA」)およびトリエチルアミン等の塩基で処理し(クルチウス転位条件)、その後、加水分解してアミン1.6が得られる。
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スキーム2は、アニリン中間体2.7の合成について記載し、式中、R、R2’、RおよびR、およびR’’は本明細書で定義されている。安息香酸エステル2.1をメタノール等の適切な溶媒中でアルコキシドNaOR’(R’はC1〜C3アルキル)で処理し、エーテル中間体2.2を得る。ニトロ基の還元により、アニリン2.3が得られ、これをピリジン等の塩基の存在下、塩化スルホニルRSOClと反応させ、スルホンアミド中間体2.4を得る。任意選択により置換されたハロゲン化ベンジル、例えば、塩化p−メトキシベンジル、(Lは、クロロ、ブロモ、ヨード、トリフラート、トシラート等の脱離基;さらにR’’は水素、C〜CアルキルまたはC〜Cアルコキシ;さらに一例では、R’’は水素、別の例では、R’’はOMeである)を用いて、ナトリウムヒドリド等の塩基の存在下、ベンジル化を行い、保護されたスルホンアミドエステル2.5を得て、これをNaOH等の塩基水溶液で加水分解して酸2.6を作る。最後のステップで、クルチウス転位条件を適用し、続く加水分解によりアミノ中間体2.7を得る。
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スキーム3は、化合物3.2を調製する一般的方法を示し、式中、R、R、RおよびRは、本明細書で定義されている。アニリン3.1をDCM等の有機溶媒中で、NEt等の塩基の存在下スルホニル化して化合物3.2を得る。
Figure 2013503189
スキーム4は、化合物4.1を調製する一般的方法を示し、式中、R、R、RおよびRは、本明細書で定義されている。THF等の適切な溶媒中のカルボン酸1.5をDPPAおよびトリエチルアミン等の塩基で処理し、その後、フェノール等のアルコール(RはC〜Cアルキルまたはフェニル)で処理して、カルバマート4.1を得る。
Figure 2013503189
スキーム5は、化合物5.2を調製する一般的方法を図示している。式5.1のカルボニトリル誘導体、例えば、スキーム5aに記載した一般的方法を使って合成したもの、はホルムアミジンアセタートを使って加熱環化させて複素環式中間体5.2を得る。
Figure 2013503189
スキーム5aは、式5.1の化合物のサブセットである式5a.3の化合物を調製する一般的方法を図示している(式中、RはOR、Rはハロゲン、OR15、SR15、NR1516、C〜Cシクロアルキル、4〜6員ヘテロシクリル、5〜6員ヘテロアリールまたはフェニルで任意選択により置換されているC〜Cアルキルである)。高温のテトラシアノエチレン5a.1を尿素とアルコールROH(両方とも反応剤と溶媒として機能する)と反応させ、ジシアノケテンジアルキルアセタール5a.2を得る。その後のヒドラジンおよび水との反応により中間体5a.3が得られる。
Figure 2013503189
スキーム6は、化合物6.3を調製する一般的方法を示し、式中、R、R、R、R、R、XおよびYは、本明細書で定義されている。THF等の適切な溶媒中のカルボン酸1.5をDPPAおよびトリエチルアミン等の塩基で処理し、イソシアナート中間体6.1を得る。この中間体を単離しないで、同じポット中で複素環式アミン6.2とさらに反応させ化合物6.3を得る。
Figure 2013503189
スキーム6aは、化合物6.3を調製するためのスキーム6の変法を示す。THF等の適切な溶媒中の保護されたカルボン酸6a.1をDPPAおよびトリエチルアミン等の塩基で処理し、イソシアナート中間体6a.2を得る。保護基は、ベンジル(R”=H)またはメトキシベンジル(R”=OMe)である。得られた中間体を精製せず、同じポット中で複素環式アミン6.2とさらに反応させ、化合物6a.3を得る。化合物6a.3は、例えば、トリフルオロ酢酸等の強酸を使って脱保護し、化合物6.3を得る。
Figure 2013503189
スキーム7は、化合物6.3を調製する別の一般的方法を図示し、式中、R、R、R、R、R、XおよびYは、本明細書で定義されている。カルバマート4.1をDMSO等の適切な溶媒中で複素環式アミン6.2と反応させ化合物6.3を得る。
Figure 2013503189
スキーム8は、化合物6.3を調製する別の一般的方法を図示し、式中、R、R、R、R、R、XおよびYは、本明細書定義されている。THF等の適切な溶媒中の複素環式アミン6.2を炭酸セシウム、および塩化カルバモイル(RはC〜Cアルキル、フェニルまたはベンジル)、例えば、フェニル−またはベンジル−カルバモイルクロリド、等の塩基で処理し、カルバマート8.1を得る。アニリン3.1とさらに反応させ、化合物6.3が得られる。
式I〜IcおよびIIの化合物の調製の際、中間体の遠位の官能性(例えば、一級または二級アミン、等)に保護が必要になる可能性もある。このような保護の必要性は、遠位の官能性の性質および調整方法の条件によって変わる。適切なアミノ保護基(NH−Pg)には、アセチル、トリフルオロアセチル、t−ブチルオキシカルボニル(「Boc」)、ベンジルオキシカルボニル(「CBz」)および9−フルオレニルメチレンオキシカルボニル(「Fmoc」)が含まれる。このような保護の必要性は、当業者なら容易に判断できる。保護基の一般的説明とその使用に関しては、T.W.Greene、et al.有機合成におけるグリーンの保護基、New York:Wiley Interscience、2006、を参照のこと。
分離方法
反応生成物を相互におよび/または出発物質から分離することは好都合であると思われる。各ステップまたは一連のステップの所望の生成物は、当技術分野で一般的な技術を使って、所望の程度の均質性に分離および/または精製(以降は分離とする)される。典型的には、このような分離は、多相抽出、溶媒または溶媒混合物からの結晶化、蒸留、昇華、またはクロマトグラフィーを含む。クロマトグラフィーには、多くの方法があり、例えば:逆相および順相;サイズ排除;イオン交換;高、中および低圧力液体クロマトグラフィー法および装置;小形分析;擬似移動床式(「SMB」)および分取薄層または厚層クロマトグラフィー、ならびに小形薄層およびフラッシュクロマトグラフィーの技術が含まれる。当業者なら、所望の分離を達成できる最も可能性の高い技術を適用するであろう。
ジアステレオマー混合物は、物理化学的差異に基づいて当業者にはよく知られた方法、例えば、クロマトグラフィーおよび/または分別晶出、によってその個々のジアステレオマーに分離可能である。鏡像異性体は、エナンチオマ混合物を適切な光学的活性化合物(例えば、キラルアルコールまたはモーシェル酸クロリド等のキラル補助基)と反応させてジアステレオマー混合物に変換し、ジアステレオマーを分離し、個々のジアステレオマーを対応する純粋な鏡像異性体に変換(例えば、加水分解)することにより、分離可能である。鏡像異性体もまた、キラルHPLCカラムを使用することにより分離可能である。
実質的にその立体異性体を含まない単一立体異性体、例えば、鏡像異性体、は、ラセミ混合物を光学的に活性な分離試薬を使ったジアステレオマーの形成、等の方法を使って分離することにより得ることができる(Eliel、E.and Wilen、S.、有機化合物の立体化学、New York:John Wiley & Sons、Inc.、1994;Lochmuller、C.H.、et al.「鏡像異性体のクロマトグラフによる分離:個別概説」J.Chromatogr.、113(3)(1975):pp.283−302)。本発明のキラル化合物のラセミ混合物は、以下を含む適切な方法で分離および単離できる:(1)キラル化合物とのイオン性ジアステレオマー塩の形成および分別晶出または他の方法による分離、(2)キラル誘導体化試薬とジアステレオマー化合物の形成およびジアステレオマーの分離、さらに純粋な立体異性体への変換、ならびに(3)実質的に純粋なまたは濃縮立体異性体のキラル条件下での直接的分離。Wainer、Irving W.、Ed.薬剤の立体化学:分析方法と薬理学、New York:Marcel Dekker、Inc.、1993、を参照のこと。
方法(1)に従って、ジアステレオマー塩を、鏡像異性的に純粋なキラル塩基、例えば、ブルシン、キニーネ、エフェドリン、ストリキニーネ、a−メチル−b−フェニルエチルアミン(アンフェタミン)、等を、非対称の酸性官能性を有する化合物、例えば、カルボン酸およびスルホン酸と反応させることにより形成できる。ジアステレオマー塩は、分別晶出またはイオンクロマトグラフィーにより分離される。アミノ化合物の光学的異性体の分離のために、キラルカルボン酸またはスルホン酸、例えば、ショウノウスルホン酸、酒石酸、マンデル酸、または乳酸の添加によりジアステレオマー塩を形成することができる。
あるいは、方法(2)に従って、分離すべき基質をキラル化合物の1つの鏡像異性体と反応させ、ジアステレオマー対を形成する(Eliel、E.andWilen、S.、有機化合物の立体化学、NewYork:JohnWiley&Sons、Inc.、1994、p.322)。ジアステレオマー化合物は、非対称の化合物を鏡像異性的にメンチル誘導体、等の純粋なキラル誘導体化試薬と反応させて、次いでジアステレオマーの分離および加水分解により純粋なまたは濃縮鏡像異性体を得ることにより作製できる。光学的純度を測定する方法は、塩基、またはモーシェルエステル、a−メトキシ−a−(トリフルオロメチル)フェニルアセタートの存在下、メンチルエステル、例えば、(−)メンチルクロロホルマート等のラセミ混合物のキラルエステルを作ること(JacobIII、Peyton.「(±)−5−ブロモノルニコチンの分離。高鏡像異性純度(R)−および(S)−ノルニコチンの合成」、J.Org.Chem.Vol.47、No.21(1982):pp.4165−4167)、およびH NMRスペクトルにより、2つのアトロプ異性鏡像異性体またはジアステレオマーの存在を分析することを含む。アトロプ異性化合物の安定ジアステレオマーは、アトロプ異性のナフチル−イソキノリンの分離方法(WO96/15111)を採用して、順相−および逆相クロマトグラフィーにより分離と単離ができる。
方法(3)に従って、2つの鏡像異性体のラセミ混合物は、キラル固定相を使ってクロマトグラフィーで分離できる(Lough、W.J.、Ed.、キラル液体クロマトグラフィー、NewYork:Chapman and Hall、1989;Okamoto、Yoshio、et al.「キラル固定相として多糖類のフェニルカルバマートを使った、高速液体クロマトグラフィーによるジヒドロピリジン鏡像異性体の光学的分離」、J.Chromatogr.Vol.513(1990):pp.375−378)。濃縮または精製鏡像異性体は、非対称の炭素原子、例えば、旋光および円偏光二色性、を有する他のキラル分子を区別するのに使われる方法を使って区別できる。
生物学的評価
B−Raf変異体タンパク質447−717(V600E)は、Hsp90と複合化したシャペロンタンパク質Cdc37と同時発現した(Roe、S.Mark、etal.「タンパク質キナーゼ特異的コシャペロンp50cdc37によるHsp90調節機序」Cell.Vol.116(2004):pp.87−98;Stancato、LF、etal.「Rafは、無細胞系で再構成されうるネイティブHsp90およびp50とのヘテロ複合体として存在する」、J.Biol.Chem.268(29)(1993):pp.21711−21716)。
検体中のRafの活性の測定は、多くの直接的および間接的検出方法により可能である(米国公開特許2004/0082014)。ヒト組換え型B−Rafタンパク質の活性は、米国特許2004/0127496および国際公開特許WO03/022840に従って、放射性標識リン酸塩の、組換え型マップキナーゼ(MEK)(B−Rafの既知の生理的基質)、への組み込みのアッセイによりインビトロで評価可能である。V600E完全長B−Rafの活性/阻害は、放射性標識リン酸塩の[g−33P]ATPからFSBA修飾野性型MEKへの組み込みを測定することにより評価した(実施例A参照)。
投与および医薬製剤
本発明の化合物は、治療する状態に適した任意の都合のよい経路により投与することができる。適切な経路には、経口、非経口(皮下、筋肉内、静脈内、動脈内、皮内、髄腔内および硬膜外を含む)、経皮、直腸、鼻、局所的(頬側および舌下を含む)、腟、腹腔内、肺内および鼻腔内が含まれる。
化合物は、都合のよい任意の投与剤形、例えば、錠剤、粉末、カプセル剤、溶液、分散液、懸濁液、シロップ剤、スプレー、坐剤、ゲル、乳剤、貼付剤、等で投与可能である。このような組成物は、製剤に従来から使われる成分、例えば、希釈剤、キャリアー、pH調節剤、甘味料、増量剤、およびさらに活性な試薬、を含んでもよい。非経口の投与が所望される場合、組成物は、無菌で、注射または注入用に適切な溶液または懸濁液形態となろう。
典型的な製剤は、本発明の化合物およびキャリアーまたは賦形剤を混合して調製される。適切なキャリアーおよび賦形剤は、当業者にはよく知られており、詳細については、例えば、Ansel、Howard C.、et al.、アンセルの医薬品剤形および薬剤デリバリーシステム、Philadelphia:Lippincott、Williams & Wilkins、2004;Gennaro、AlfonsoR.、et al.Remington:薬学の科学と実践、Philadelphia:Lippincott、Williams & Wilkins、2000;またはRowe、Raymond C.、医薬品賦形剤のハンドブック、Chicago、Pharmaceutical Press、2005、に詳細に記載されている。また、製剤は、薬剤(すなわち本発明の化合物またはその医薬品組成物)に上質な見栄えを与えるため、または医薬製品(すなわち、薬品)の製造を支援するため、1つまたは複数の緩衝液、安定化試薬、界面活性剤、湿潤剤、潤滑剤、乳化剤、懸濁剤、防腐剤、抗酸化剤、不透明化剤、滑剤、加工助剤、着色剤、甘味料、芳香剤、調味料、希釈剤および他の既知の添加物を含んでもよい。
本発明の一実施形態では、式I〜IcおよびIIの化合物、またはその立体異性体もしくは薬学的に許容可能な塩を含む医薬品組成物が含まれる。さらなる実施形態では、本発明は、式I〜IcおよびIIの化合物、またはその立体異性体もしくは薬学的に許容可能な塩を、薬学的に許容可能なキャリアーもしくは賦形剤と一緒に含む医薬品組成物を提供する。
本発明の別の実施形態では、過剰増殖疾患の治療に使用するための式I〜IcおよびIIの化合物を含む医薬品組成物が提供される。
本発明の別の実施形態では、癌の治療に使用するための式I〜IcおよびIIの化合物を含む医薬品組成物が提供される。
本発明の別の実施形態では、腎臓疾患の治療に使用するための式I〜IcおよびIIの化合物を含む医薬品組成物が提供される。さらなる本発明の実施形態では、多発性嚢胞腎疾患の治療に使用するための式I〜IcおよびIIの化合物を含む医薬品組成物が提供される。
本発明の化合物による治療方法
本発明は、1つまたは複数の本発明の化合物、またはその立体異性体もしくは薬学的に許容可能な塩の投与による疾患もしくは状態の治療または予防方法を含む。一実施形態では、ヒトの患者が、B−Raf活性を検出可能な程度に阻害する量の式I〜IcおよびIIの化合物、またはその立体異性体もしくは薬学的に許容可能な塩、および薬学的に許容可能なキャリアー、アジュバント、または賦形剤で治療される。
別の実施形態では、ヒトの患者が、B−Raf活性を検出可能な程度に阻害する量の式I〜IcおよびIIの化合物、またはその立体異性体、互変異性体、プロドラッグもしくは薬学的に許容可能な塩、および薬学的に許容可能なキャリアー、アジュバント、または賦形剤で治療される。
本発明の別の実施形態では、治療有効量の式I〜IcおよびIIの化合物、またはその立体異性体、互変異性体、プロドラッグもしくは薬学的に許容可能な塩を哺乳動物に投与することを含む哺乳動物の過剰増殖疾患の治療方法が提供される。
本発明の別の実施形態では、治療有効量の式I〜IcおよびIIの化合物、またはその立体異性体、互変異性体、もしくは薬学的に許容可能な塩を哺乳動物に投与することを含む哺乳動物の過剰増殖疾患の治療方法が提供される。
本発明の別の実施形態では、治療有効量の式I〜IcおよびIIの化合物、またはその立体異性体、互変異性体、プロドラッグもしくは薬学的に許容可能な塩を哺乳動物に投与することを含む哺乳動物の腎臓疾患の治療方法が提供される。本発明の別の実施形態では、治療有効量の式I〜IcおよびIIの化合物、またはその立体異性体、互変異性体、もしくは薬学的に許容可能な塩を哺乳動物に投与することを含む哺乳動物の腎臓疾患の治療方法が提供される。さらなる実施形態では、腎臓疾患は多発性嚢胞腎疾患である。
別の実施形態では、このような治療を必要としている哺乳動物の癌の治療または予防方法が提供され、この方法は、治療有効量の式I〜IcおよびIIの化合物、またはその立体異性体、互変異性体、もしくは薬学的に許容可能な塩を前記哺乳動物に投与することを含む。癌は次から選択される:乳、卵巣、子宮頸部、前立腺、精巣、尿生殖路、食道、喉頭、神経膠芽細胞腫、神経芽腫、胃、皮膚、ケラトアカントーマ、肺、類表皮癌、大細胞癌、NSCLC、小細胞癌、肺腺癌、硬骨、結腸、腺腫、膵臓、腺癌、甲状腺、濾胞状癌、未分化癌、乳頭癌、セミノーマ、黒色腫、肉腫、膀胱癌、肝臓癌および胆汁道、腎臓癌、骨髄疾患、リンパ系障害、ヘアリー細胞、頬側口腔および咽頭(経口)、唇、舌、口、咽頭、小腸、結腸−直腸、大腸、直腸、脳および中枢神経系、ホジキンおよび白血病。本発明の別の実施形態では、癌の治療用の薬剤の製造における式I〜IcおよびIIの化合物、またはその立体異性体、互変異性体、もしくは薬学的に許容可能な塩の使用が提供される。
別の実施形態では、このような治療を必要としている哺乳動物の癌の治療または予防方法が提供され、この方法は、治療有効量の式I〜IcおよびIIの化合物、またはその立体異性体、互変異性体、プロドラッグ、もしくは薬学的に許容可能な塩を前記哺乳動物に投与することを含む。
本発明の別の実施形態では、癌の治療用の薬剤の製造における式I〜IcおよびIIの化合物、またはその立体異性体、互変異性体、プロドラッグ、もしくは薬学的に許容可能な塩の使用が提供される。
本発明の別の実施形態では、本発明の別の実施形態では、腎臓疾患の治療用の薬剤の製造における式I〜IcおよびIIの化合物、またはその立体異性体、互変異性体、プロドラッグ、もしくは薬学的に許容可能な塩の使用が提供される。本発明の別の実施形態では、本発明の別の実施形態では、腎臓疾患の治療用の薬剤の製造における式I〜IcおよびIIの化合物、またはその立体異性体、互変異性体、もしくは薬学的に許容可能な塩の使用が提供される。
別の実施形態では、このような治療を必要としている哺乳動物に、有効量の式I〜IcおよびIIの化合物、またはその立体異性体、互変異性体、プロドラッグ、もしくは薬学的に許容可能な塩を、単独または1つもしくは複数の抗癌特性を有する別の化合物と組み合わせて投与することを含む予防または治療方法が提供される。
別の実施形態では、このような治療を必要としている哺乳動物に、有効量の式I〜IcおよびIIの化合物、またはその立体異性体、互変異性体、もしくは薬学的に許容可能な塩を、単独または1つもしくは複数の抗癌特性を有する別の化合物と組み合わせて投与することを含む予防または治療方法が提供される。
さらなる一実施形態では、癌は肉腫である。
さらなる別の実施形態では、癌は細胞腫である。さらなる一実施形態では、癌は扁平上皮癌である。さらなる別の実施形態では、癌は腺腫または腺癌である。
別の実施形態では、このような治療を必要としている哺乳動物に、有効量の式I〜IcおよびIIの化合物、またはその立体異性体、互変異性体、もしくは薬学的に許容可能な塩を投与することを含む、B−Rafによって調節される疾患または障害の治療または予防方法が提供される。このような疾患および障害の例には、これに限定されないが、癌が含まれる。癌は次から選択される:乳、卵巣、子宮頸部、前立腺、精巣、尿生殖路、食道、喉頭、神経膠芽細胞腫、神経芽腫、胃、皮膚、ケラトアカントーマ、肺、類表皮癌、大細胞癌、NSCLC、小細胞癌、肺腺癌、硬骨、結腸、腺腫、膵臓、腺癌、甲状腺、濾胞状癌、未分化癌、乳頭癌、セミノーマ、黒色腫、肉腫、膀胱癌、肝臓癌および胆汁道、腎臓癌、骨髄疾患、リンパ系障害、ヘアリー細胞、頬側口腔および咽頭(経口)、唇、舌、口、咽頭、小腸、結腸−直腸、大腸、直腸、脳および中枢神経系、ホジキンおよび白血病。
別の実施形態では、このような治療を必要としている哺乳動物に、有効量の式I〜IcおよびIIの化合物、またはその立体異性体、互変異性体、プロドラッグ、もしくは薬学的に許容可能な塩を投与することを含む、B−Rafによって調節される疾患または障害の治療または予防方法が提供される。
別の実施形態では、このような治療を必要としている哺乳動物に、有効量の式I〜IcおよびIIの化合物、またはその立体異性体、互変異性体、プロドラッグ、もしくは薬学的に許容可能な塩を、単独または1つもしくは複数の別の化合物と組み合わせて投与することを含む、腎臓疾患の予防または治療方法が提供される。本発明の別の実施形態では、このような治療を必要としている哺乳動物に、有効量の式I〜IcおよびIIの化合物、またはその立体異性体、互変異性体、プロドラッグ、もしくは薬学的に許容可能な塩を、単独または1つもしくは複数の別の化合物と組み合わせて投与することを含む、多発性嚢胞腎疾患の予防または治療方法が提供される。
本発明の別の実施形態では、癌の治療用の薬剤の製造における式I〜IcおよびIIの化合物、またはその立体異性体、互変異性体、もしくは薬学的に許容可能な塩の使用が提供される。癌は次から選択される:乳、卵巣、子宮頸部、前立腺、精巣、尿生殖路、食道、喉頭、神経膠芽細胞腫、神経芽腫、胃、皮膚、ケラトアカントーマ、肺、類表皮癌、大細胞癌、NSCLC、小細胞癌、肺腺癌、硬骨、結腸、腺腫、膵臓、腺癌、甲状腺、濾胞状癌、未分化癌、乳頭癌、セミノーマ、黒色腫、肉腫、膀胱癌、肝臓癌および胆汁道、腎臓癌、骨髄疾患、リンパ系障害、ヘアリー細胞、頬側口腔および咽頭(経口)、唇、舌、口、咽頭、小腸、結腸−直腸、大腸、直腸、脳および中枢神経系、ホジキンおよび白血病。さらなる実施形態では、癌治療を受けている患者の治療でb−Raf阻害剤として使用するための薬剤の製造における式I〜IcおよびIIの化合物の使用が提供される。
本発明の別の実施形態では、癌の治療用の薬剤の製造における式I〜IcおよびIIの化合物、またはその立体異性体、互変異性体、プロドラッグ、もしくは薬学的に許容可能な塩の使用が提供される。
本発明の別の実施形態では、多発性嚢胞腎疾患の治療用の薬剤の製造における式I〜IcおよびIIの化合物、またはその立体異性体、互変異性体、プロドラッグ、もしくは薬学的に許容可能な塩の使用が提供される。さらなる実施形態では、腎臓疾患は、多発性嚢胞腎疾患.
本発明の別の実施形態では、治療での使用のための式I〜IcおよびIIの化合物が提供される。
本発明の別の実施形態では、過剰増殖疾患の治療での使用のための式I〜IcおよびIIの化合物が提供される。さらなる実施形態では、過剰増殖疾患は癌である(さらに限定するには、前記から個別に選択してもよい)。
本発明の別の実施形態では、腎臓疾患の治療での使用のための式I〜IcおよびIIの化合物が提供される。さらなる実施形態では、腎臓疾患は多発性嚢胞腎疾患である。
併用療法
本発明の化合物、その立体異性体、互変異性体および薬学的に許容可能な塩は、単独または他の治療薬と組み合わせて使用可能である。本発明の化合物は、1つまたは複数の別の薬剤、例えば、抗過剰増殖、抗癌、または化学療法剤と組み合わせて使用可能である。医薬品組み合わせ製剤または投与計画の2番目の化合物は、本発明の化合物に対し相補的な活性を有し、相互に悪影響を起こさないようにするのが好ましい。このような試薬は、意図している目的に効果的な量の組み合わせで適切に共存する。化合物は、単一の医薬品組成物としても、または別々に投与してもよく、また、別々に投与する場合は、同時でも、任意の順番で順次投与してもよい。このような順次投与は、接近した時間内に行っても、時間間隔を開けて行ってもよい。
「化学療法剤」は、作用機序を問わず、癌の治療に有用な化学化合物である。化学療法剤には、「標的治療」および従来の化学療法で使用される化合物が含まれる。組み合わせ治療薬として使われる多くの好適化学療法剤が本発明の方法での使用に意図されている。本発明は、これに限定されないが、アポトーシス誘導剤;ポリヌクレオチド(例えば、リボザイム);ポリペプチド(例えば、酵素);薬剤;生物学的模倣薬;アルカロイド;アルキル化剤;抗腫瘍抗生物質;代謝拮抗物質;ホルモン;白金化合物;抗癌剤と複合化したモノクローナル抗体、毒素、および/または放射性核種;生物学的応答調節物質(例えば、インターフェロン[例えば、IFN−a、等]およびインターロイキン[例えば、IL−2、等]、等);養子免疫治療剤;造血因子;腫瘍細胞分化誘導剤(例えば、オールトランスレチノイン酸、等);遺伝子治療剤;アンチセンス治療剤およびヌクレオチド;腫瘍ワクチン剤;血管新生阻害剤、等の多くの抗癌試薬の投与を考慮している。
化学療法剤の例には、次のものが含まれる:エルロチニブ(タルセバ(登録商標)、ジェネンテック/OSI Pharm.)、ボルテゾミブ(ベルケイド(登録商標)、Millennium Pharm.)、フルベストラント(ファスロデックス(登録商標)、アストラゼネカ)、スニチニブ(スーテント(登録商標)、ファイザー)、レトロゾール(フェマーラ(登録商標)、ノバルティス)、イマチニブメシレート(グリベック(登録商標)、ノバルティス)、PTK787/ZK222584(ノバルティス)、オキサリプラチン(エロキサチン(登録商標)、Sanofi)、5−FU(5−フルオロウラシル)、ロイコボリン、ラパマイシン(シロリムス、ラパミューン(登録商標)、Wyeth)、ラパチニブ(タイケルブ(登録商標)、GSK572016、グラクソスミスクライン)、ロナファーニブ(SCH66336)、ソラフェニブ(ネクサバール(登録商標)、バイエル)、イリノテカン(カンプト(CAMPTOSAR)(登録商標)、ファイザー)およびゲフィチニブ(イレッサ(登録商標)、アストラゼネカ)、AG1478、AG1571(SU5271;Sugen)、アルキル化剤、例えば、チオテパおよびシトキサン(登録商標)シクロスホスファミド;アルキルスルホナート、例えば、ブスルファン、インプロスルファンおよびピポスルファン;アジリジン、例えば、ベンゾドパ、カルボコン、メツレドパ、およびウレドパ;アルトレトアミン、トリエチレンメラミン、トリエチレンホスホルアミド、トリエチレンチオホスホルアミドおよびトリメチルオメラミンを含むエチレンイミンならびにメチルアメラミン;アセトゲニン(特にブラタシンおよびブラタシノン);カンプトテシン(合成類似体トポテカンを含む);ブリオスタチン;カリスタチン;CC−1065(そのアドゼレシン、カルゼレシンおよびビセレシン合成類似体を含む);クリプトフィシン(特にクリプトフィシン1およびクリプトフィシン8);ドラスタチン;デュオカルマイシン(合成類似体、KW−2189およびCB1−TM1を含む);エリュテロビン;パンクラチスタチン;サルコジクチイン;スポンギスタチン;ナイトロジェンマスタード、例えば、クロラムブシル、クロルナファジン、クロロホスファミド、エストラムスチン、イホスファミド、メクロレタミン、メクロレタミンオキシド塩酸塩、メルファラン、ノブエンビキン、フェネステリン、プレドニムスチン、トロホスファミド、ウラシルマスタード;ニトロソ尿素、例えば、カルムスチン、クロロゾトシン、ホテムスチン、ロムスチン、ニムスチン、およびラニムスチン;抗生物質、例えば、エンジイン抗生物質(例えば、カリチアマイシン、特に、カリチアマイシンガンマ1IおよびカリチアマイシンオメガI1(Angew Chem.Intl.Ed.Engl.(1994)33:183−186);ダイネミシンAを含むダイネミシン;ビスホスホネート、例えば、クロドロナート;エスペラミシン;ならびにネオカルチノスタチン発色団および関連する色素蛋白質エンジイン抗生物質発色団)、アクラシノマイシン、アクチノマイシン、オートラマイシン、アザセリン、ブレオマイシン、カクチノマイシン、カラビシン、カルミノマイシン、カルジオリピン、クロモマイシン、ダクチノマイシン、ダウノルビシン、デトルビシン、6−ジアゾ−5−オキソ−L−ノルロイシン、アドリアマイシン(登録商標)(ドキソルビシン)、モルフォリノドキソルビシン、シアノモルフォリノドキソルビシン、2−ピロリノドキソルビシンおよびデオキシドキソルビシン)、エピルビシン、エソルビシン、イダルビシン、マルセロマイシン、マイトマイシン、例えば、マイトマイシンC、ミコフェノール酸、ノガラマイシン、オリボマイシン、ペプロマイシン、ポルフィロマイシン、ピューロマイシン、クエラマイシン、ロドルビシン、ストレプトニグリン、ストレプトゾシン、ツベルシジン、ウベニメクス、ジノスタチン、ゾルビシン;抗代謝物、例えば、メトトレザトおよび5−フルオロウラシル(5−FU);葉酸類似体、例えば、デノプテリン、メトトレザト、プテロプテリン、トリメトレキサート;プリン類似体、例えば、フルダラビン、6−メルカプトプリン、チアミプリン、チオグアニン;ピリミジン類似体、例えば、アンシタビン、アザシチジン、6−アザウリジン、カルモフール、シタラビン、ジデオキシウリジン、ドキシフルリジン、エノシタビン、フロクスウリジン;アンドロゲン、例えば、カルステロン、プロピオン酸ドロモスタノロン、エピチオスタノール、メピチオスタン、テストラクトン;抗副腎物質、例えば、アミノグルテチミド、ミトタン、トリロスタン;葉酸補充物、例えば、フロリン酸;アセグラトン;アルドホスファミド配糖体;アミノレブリン酸;エニルウラシル;アムサクリン;ベストラブシル;ビサントレン;エダトラキサート;デフォファミン;デメコルチン;ジアジクオン;エルフォルニチン;エリプチニウム酢酸塩;エポチロン;エトグルシド;ガリウム硝酸塩;ヒドロキシ尿素;レンティナン;ロニダイニン;マイタンシノイド、例えば、マイタンシンおよびアンサマイトシン;ミトグアゾン;ミトキサントロン;モピダンモール;ニトラエリン;ペントスタチン;フェナメット;ピラルビシン;ロソキサントロン;ポドフィリン酸;2−エチルヒドラジド;プロカルバジン;PSK(登録商標)多糖複合体(JHS Natural Products、Eugene、OR);ラゾキサン;リゾキシン;シゾフィラン;スピロゲルマニウム;テヌアゾン酸;トリアジクオン;2、2’、2’’−トリクロロトリエチルアミン;トリコテセン類(特に、T−2毒素、ベラクリンA、ロリジンAおよびアングイジン);ウレタン;ビンデシン;ダカルバジン;マンノムスチン;ミトブロニトール;ミトラクトール;ピポブロマン;ガシトシン;アラビノシッド(「Ara−C」);シクロホスファミド;チオテパ;タキソイド、例えば、タキソール(登録商標)(パクリタキセル;Bristol−Myers Squibb Oncology、Princeton、N.J.)、アブラキサン(登録商標)(無クレモホール)、製剤パクリタキセルのアルブミン処理ナノ粒子(American Pharmaceutical Partners、Schaumberg、Illinois)、およびタキソテール(登録商標)(ドキセタキセル;Rhone−Poulenc Rorer、Antony、France);クロラムブシル;ジェムザール(登録商標)(ゲムシタビン);6−チオグアニン;メルカプトプリン;メトトレザト;白金類似体、例えば、シスプラチンおよびカルボプラチン;ビンブラスチン;エトポシド(VP−16);イホスファミド;ミトキサントロン;ビンクリスチン;ナベルビン(登録商標)(ビノレルビン);ノバントロン;テニポシド;エダトレキサート;ダウノマイシン;アミノプテリン;カペシタビン(ゼローダ(登録商標));イバンドロン酸;CPT−11;トポイソメラーゼ阻害剤RFS2000;ジフルオロメチルオルニチン(DMFO);レチノイド、例えば、レチノイン酸;ならびに上記のいずれかの薬学的に許容可能な塩、酸および誘導体。
さらに、「化学療法剤」の定義には次のものが含まれる:(i)例えば、タモキシフェン(ノルバデックス(登録商標);タモキシフェンクエン酸塩を含む)、ラロキシフェン、ドロロキシフェン、4−ヒドロキシタモキシフェン、トリオキシフェン、ケオキシフェン、LY117018、オナプリストン、およびフェアストン(登録商標)(トレミフェンクエン酸塩)を含む抗エストロゲンおよび選択的エストロゲン受容体調節薬(SERM)、等の腫瘍に対するホルモン作用を調節または阻害する抗ホルモン剤;(ii)例えば、4(5)−イミダゾール、アミノグルテチミド、MEGASE(登録商標)(酢酸メゲストロール)、アロマシン(登録商標)(エキセメスタン;ファイザー)、フォルメスタニー、ファドロゾール、RIVISOR(登録商標)(ボロゾール)、フェマーラ(登録商標)(レトロゾール;ノバルティス)、およびアリミデックス(登録商標)(アナストロゾール;アストラゼネカ)、等の副腎でのエストロゲン産生を調節する酵素アロマターゼを阻害するアロマターゼ阻害剤、;(iii)抗アンドロゲン、例えば、フルタミド、ニルタミド、ビカルタミド、リュープロリド、およびゴセレリン;ならびにトロキサシタビン(1、3−ジオキソランヌクレオシドシトシン類似体);(iv)タンパク質キナーゼ阻害剤;(v)脂質キナーゼ阻害剤;(vi)アンチセンスオリゴヌクレオチド、特に、例えば、PKC−アルファ、RafおよびH−Ras等の異常細胞増殖に関連するシグナル伝達経路の遺伝子の発現を阻害するもの;(vii)VEGF発現阻害剤(例えば、アンギオザイム(登録商標))およびHER2発現阻害剤、等のリボザイム;(viii)遺伝子治療ワクチン剤、例えば、ALLOVECTIN(登録商標)、ロイベクチン(登録商標)、およびVAXID(登録商標)、等のワクチン剤;プロリュウキン(登録商標)rIL−2;ルートテカン(登録商標)等のトポイソメラーゼ1阻害剤;アバレリックス(登録商標)rmRH;(ix)ベバシズマブ(アバスチン(登録商標)、ジェネンテック)等の抗血管新生剤;(x)GDC−0941(2−(1H−インダゾール−4−イル)−6−(4−メタンスルホニル−ピペラジン−1−イルメチル)−4−モルホリン−4−イル−チエノ[3、2−d]ピリミジン)、XL−147、GSK690693およびテムシロリムスを含むPI3k/AKT/mTOR経路阻害剤;(xi)Ras/Raf/MEK/ERK経路阻害剤;および(xii)上記のいずれかの薬学的に許容可能な塩、酸および誘導体。
さらに、「化学療法剤」の定義には次のものが含まれる:治療抗体、例えば、アレムツズマブ(キャンパス)、ベバシズマブ(アバスチン(登録商標)、ジェネンテック);セツキシマブ(ERBITUX(登録商標)、Imclone);パニツムマブ(ベクチビックス(登録商標)、Amgen)、リツキシマブ(リツキサン(登録商標)、ジェネンテック/バイオジェンアイデック)、ペルツズマブ(オムニターグ(登録商標)、2C4、ジェネンテック)、トラスツズマブ(ハーセプチン(登録商標)、ジェネンテック)、トシツモマブ(ベキサール、Corixia)、および抗体医薬複合体、ゲムツズマブオゾガマイシン(マイロターグ(登録商標)、Wyeth)。
本発明のRaf阻害剤と組み合わせて化学療法剤として治療能力を有するヒト化モノクローナル抗体には、次のものが含まれる:アレムツズマブ、アポリズマブ、アセリズマブ、アトリズマブ、バピネオズマブ、ベバシズマブ、ビバツズマブメルタンシン、カンツズマブメルタンシン、セデリズマブ、セルトリズマブペゴール、シドフシツズマブ、シドツズマブ、ダクリズマブ、エクリズマブ、エファリズマブ、エプラツズマブ、エルリズマブ、フェルビズマブ、ホントリズマブ、ゲムツズマブオゾガマイシン、イノツズマブオゾガマイシン、イピリムマブ、ラベツズマブ、リンツズマブ、マツズマブ、メポリズマブ、モタビズマブ、モトビズマブ、ナタリズマブ、ニモツズマブ、ノロビズマブ、ヌマビズマブ、オクレリズマブ、オマリズマブ、パリビズマブ、パスコリズマブ、ペクフシツズマブ、ペクツズマブ、ペルツズマブ、パキセリズマブ、ラリビズマブ、ラニビズマブ、レスリビズマブ、レスリズマブ、レシビズマブ、ロベリズマブ、ルプリズマブ、シブロツズマブ、シプリズマブ、ソンツズマブ、タカツズマブテトラキセタン、タドシズマブ、タリズマブ、テフィバズマブ、トシリズマブ、トラリズマブ、トラスツズマブ、ツコツズマブセルモロイキン、ツクシツズマブ、ウマビズマブ、ウルトキサズマブ、およびビジリズマブ。
実施例
本発明を説明するために、次の実施例を記載する。しかし、これらの実施例は、本発明を制限するものではなく、本発明を実施するための1つの方法を提案しているに過ぎないことは理解させるべきである。当業者なら、記載の化学反応が、本発明の他の多くの化合物の調製に容易に適合するようにでき、また、本発明の化合物を調製する別法も本発明の範囲に入ると見なされることを認めるであろう。例えば、当業者には明らかな変更、例えば、干渉する基を適切に保護することにより、記載にあるもの以外の当技術分野で既知の適切な試薬を使うことにより、および/または反応条件のルーチン的な変更を行うことにより、本発明の実施例に無い化合物の合成を成功させることができる。あるいは、本明細書で開示の、または当技術分野で既知の他の反応が、本発明の他の化合物の調製に適用できることがわかるであろう。
下記に記載した実施例に関し、他に指示がなければ、全ての温度は摂氏度である。試薬は、シグマアルドリッチ、Alfa Aesar、またはTCI等の市販品納入業者からから購入し、特に明記されていなければ、それ以上の精製をせずに使用した。
下記の反応は、通常、窒素もしくはアルゴンの正の圧力下、または乾燥管を用い(他に明記されなければ)、無水溶剤中で行った。また、通常、反応フラスコにゴム密栓を取り付け、シリンジを介して基質と試薬を導入した。ガラス器具は、オーブン乾燥および/または熱乾燥した。
カラムクロマトグラフィー精製は、シリカゲルカラムもしくはシリカSepPakカートリッジ(Waters)を備えたBiotage system(メーカー:Dyax Corporation)、または充填済みシリカゲルカートリッジを使ってTeledyne Isco Combiflash精製システムにより行った。HNMRスペクトルは、Bruker AVIII 400MHzもしくはBruker AVIII 500MHz、またはVarian 400MHz NMRスペクトロメータを使って記録した。
H−NMRスペクトルは、CDCl、CDCl、CDOD、DO、DMSO−d、アセトン−dまたはCDCN溶液(ppmで記載)とし、参照標準として、テトラメチルシラン(0.00ppm)または残留溶媒(CDCl:7.25ppm;CDOD:3.31ppm;DO:4.79ppm;DMSO−d:2.50ppm;d−アセトン:2.05ppm;CDCN:1.94ppm)を使用して採取した。ピーク多重度を記載する場合には、次の省略を使用した:s(1重線)、d(2重線)、t(3重線)、q(4重線)、qn(5重線)、sx(6重線)、m(多重線)、br(幅広線)、dd(ダブレット・オブ・ダブレット(doublet of doublet))、dt(ダブレット・オブ・トリプレット(doublet of triplet))。結合定数を記載する場合には、ヘルツ(Hz)で示した。
実施例A
B−Raf IC 50 アッセイプロトコル
ヒト組換え型B−Rafタンパク質の活性は、米国公開特許2004/0127496および国際特許WO03/022840に記載されているように、放射性標識リン酸塩の組換え型MAPキナーゼ(MEK)(既知のB−Rafの生理的基質)への組み込みのアッセイによりインビトロで評価可能である。触媒活性ヒト組換え型B−Rafタンパク質は、ヒトB−Raf組換え型バキュロウイルス発現ベクターに感染したsf9昆虫細胞から精製することにより得られる。
V600E完全長B−Rafの活性/阻害は、放射性標識リン酸塩の[g−33P]ATPからFSBA修飾野性型MEKへの組み込みを測定することにより評価した。25mMNa Pipes、pH7.2、100mM KCl、10mM MgCl、5mM β−グリセロ燐酸塩、100μM Naバナジン酸塩、4μM ATP、500nCi[γ−33P]ATP、1μM FSBA−MEKおよび20nM V600E完全長B−Raf、を含む30−μLのアッセイ混合物を作製した。Costar 3365プレート(Corning)を用いて22℃でインキュベーションを行った。アッセイの前に、B−RafおよびFSBA−MEKの1.5x(それぞれ、30nMおよび1.5μMの20μL)をアッセイ緩衝液中で一緒に15分間前保温し、その後、10μLの10μM ATPを添加してアッセイを開始した。60分インキュベーション後、アッセイ混合物を100μLの25%TCAを添加して反応を停止させ、プレートを回転振盪機で1分間混合し、生成物をTomtec Mach III Harvesterを使ってPerkin−Elmer GF/Bフィルタープレートで捕捉した。プレートの底面をシール後、35μLのBio−Safe II(Research Products International)シンチレーション混合物を各ウエルに添加し、プレートをトップシールした後、Topcount NXT(Packard)で計数した。
実施例1〜13および15〜23の化合物を上記アッセイにより試験し、1μM未満のIC50であることが明らかになった。実施例1〜7、9〜13および15〜23の化合物を上記アッセイにより試験し、500nM未満のIC50であることが明らかになった。
実施例A1
細胞内ERK1/2リン酸化アッセイ
基底ERK1/2のリン酸化阻害を次のインビトロ細胞増殖アッセイにより測定した。このアッセイは、細胞を式IIの化合物と共に1時間インキュベートし、固定した細胞で蛍光pERKシグナルを定量し、さらに全体ERKシグナルに対して正規化することを含む。
材料および方法:Malme−3M細胞をATCCから入手し、10%胎仔ウシ血清を補充したRPMI−1640中で成長させた。細胞を24、000細胞/ウエルで96−ウエルプレートに蒔き、37℃、5%COで16〜20時間接着させた。培地を除去し、DMSO希釈した化合物を最終濃度1%DMSOとなるようにRPMI−1640中に添加した。細胞を化合物と共に37℃、5%COで1時間インキュベートした。細胞をPBSで洗浄し、3.7%ホルムアルデヒドのPBS中溶液中で15分間固定した。次に、PBS/0.05%Tween20で洗浄し、−20℃、100%MeOH中で15分間透過処理した。細胞を、PBS/0.05%Tween20で洗浄後、Odysseyブロッキング緩衝液(LI−COR Biosciences)中で1時間ブロッキングした。燐酸化ERK(1:400、細胞内シグナル伝達#9106、モノクローナル)および全体ERK(1:400、Santa Cruz Biotechnology#sc−94、ポリクローナル)に対する抗体を細胞に添加し、4℃で16〜20時間インキュベートした。PBS/0.05%Tween20で洗浄後、細胞を蛍光標識二次抗体(1:1000ヤギ抗ウサギIgG−IRDye800、Rocklandおよび1:500ヤギ抗マウスIgG−Alexa Fluor680、分子プローブ)と共にさらに1時間インキュベートした。次に、細胞を洗浄し、両波長でOdyssey赤外画像処理システム(LI−COR Biosciences)を使って蛍光の分析を行った。燐酸化ERKシグナルを全体ERKシグナルに対し正規化した。
実施例1〜5、7〜13、16、17および19〜22の化合物を上記アッセイで試験し、1μM未満のIC50を有することが明らかになった。実施例1〜5、9〜13、16、17、19および22の化合物を上記アッセイで試験し、500nM未満のIC50を有することが明らかになった。例として挙げると、上記アッセイで測定して、次の化合物が次のIC50を有していた(μM):実施例3(0.0135)、実施例5(0.0479)、実施例19(0.1765)および実施例21(0.5221)。
実施例B
Figure 2013503189

メチル2、6−ジフルオロ−3−(N−(プロピルスルホニル)プロピルスルホンアミド)ベンゾアート
ステップA:1Lのフラスコに2、6−ジフルオロ−3−ニトロ安息香酸(17.0g、83.7mmol)およびMeOH(170mL、0.5M)に入れた。フラスコを冷水浴中に置き、ヘキサン(209mL、419mmol)中のトリメチルシリル(「TMS」)ジアゾメタンの2M溶液を入れた添加漏斗をフラスコに取り付けた。TMSジアゾメタン溶液を反応フラスコに2時間かけてゆっくり添加した。試薬の追加時のNの発生停止により判断して、反応を完結するには大過剰の試薬が必要であった。揮発分を真空中で除去し、メチル2、6−ジフルオロ−3−ニトロベンゾアート(18.2g)を固体として得た。この物質を直接ステップBで使った。
ステップB:メチルメチル2、6−ジフルオロ−3−ニトロベンゾアート(18.2g、83.8mmol)を入れた1Lフラスコに、窒素雰囲気下、活性炭坦持10%(wt.)Pd(4.46g、4.19mmol)を添加した。EtOH(350mL、0.25M)を添加し、反応混合物中に15分間Hを通過させた。反応混合物を2つのHバルーンを使って一晩攪拌した。翌日、反応混合物に新しいHバルーンで再度Hを流し、さらに4時間攪拌した。TLCで測定して出発材料と中間体のヒドロキシルアミンが無くなると、Nガスを反応混合物中に流した。次に混合物をガラスミクロファイバーフィルター(「GF/F」)ペーパー使って2回濾過した。揮発分を除去しメチル3−アミノ−2、6−ジフルオロベンゾアート(15.66g)をオイルとして得た。この物質を直接次のステップに使用した。
ステップC:プロパン−1−スルホニルクロリド(23.46mL、209.3mmol)を冷水浴中で維持された、メチル3−アミノ−2、6−ジフルオロベンゾアート(15.66g、83.7mmol)およびトリエチルアミン(35.00mL、251.1mmol)のCHCl(175mL、0.5M)中溶液にゆっくり添加した。反応混合物を室温で1時間攪拌した。水(300mL)を添加し、有機層を分離させ、水(2x300mL)、ブライン(200mL)で洗浄した後、乾燥した(NaSO)し、濾過後オイルに濃縮した。粗生成物を、カラムクロマトグラフィーを用いて15%酢酸エチル(「EtOAc」)/ヘキサンで溶出して精製した。単離画分をヘキサンでトリチュレートしてメチル2、6−ジフルオロ−3−(N−(プロピルスルホニル)プロピル−スルホンアミド)ベンゾアートを固体として得た(24.4g、3ステップトータル収率73%)。H NMR(400MHz、CDCl)δ7.52−7.45(m、1H)、7.08−7.02(m、1H)、3.97(s、3H)、3.68−3.59(m、2H)、3.53−3.45(m、2H)、2.02−1.89(m、4H)、1.10(t、J=7.4Hz、6H).m/z(APCI−neg)M−(SOPr)=292.2。
実施例C
Figure 2013503189

2、6−ジフルオロ−3−(プロピルスルホンアミド)安息香酸
1N NaOH水溶液(150mL、150mmol)をメチル2、6−ジフルオロ−3−(N−(プロピルスルホニル)プロピルスルホンアミド)ベンゾアート(20.0g、50.1mmol)の4:1 THF/MeOH(250mL、0.2M)中溶液に添加した。反応混合物を室温で一晩攪拌した。次に、大部分の有機溶剤を真空除去した(温度35℃の水浴中)。この混合物に1N HCl(150mL)をゆっくり添加し、得られた固形物を濾過後、水(4x50mL)で洗浄した。次に、この物質をEtO(4x15mL)で洗浄し、2、6−ジフルオロ−3−(プロピルスルホンアミド)安息香酸を固体として得た(10.7g、77%収率)。H NMR(400MHz、DMSO−d)δ9.74(s、1H)、7.57−7.50(m、1H)、7.23−7.17(m、1H)、3.11−3.06(m、2H)、1.79−1.69(m、2H)、0.98(t、J=7.4Hz、3H).m/z(APCI−neg)M−1=278.0。
実施例D
Figure 2013503189

2、6−ジフルオロ−3−(N−(プロピルスルホニル)プロピルスルホンアミド)安息香酸
プロパン−1−スルホニルクロリド(1.225mL、10.92mmol)を、3−アミノ−2、6−ジフルオロ安息香酸(0.573g、3.310mmol)、トリエチルアミン(2.030mL、14.56mmol)およびCHCl(17mL、0.2M)の0℃に冷却した混合物に添加した。この反応混合物を室温まで暖まらせ、1時か間攪拌した。次に、混合物を飽和NaHCO(100mL)と酢酸エチル(75mL)の間で分配した。水性層を酢酸エチル(50mL)で洗浄後、濃HClでpHを約1に酸性化した。酸性化した水性層を酢酸エチル(2X50mL)で抽出し、合わせた酢酸エチル抽出物を乾燥(NaSO)し、濾過、濃縮した。得られた残渣をヘキサンでトリチュレートし2、6−ジフルオロ−3−(N−(プロピルスルホニル)プロピル−スルホンアミド)−安息香酸を固体として得た(0.948g、74%収率)。H NMR(400MHz、DMSO−d)δ7.90−7.84(m、1H)、7.39−7.34(m、1H)、3.73−3.58(m、4H)、1.88−1.74(m、4H)、1.01(t、J=7.5Hz、6H).m/z(APCI−neg)M−(SO2Pr)=278.1.
実施例E
Figure 2013503189

2−クロロ−6−フルオロ−3−(プロピルスルホンアミド)安息香酸
ステップA:20Lの四つ口丸底フラスコに、2−クロロ−4−フルオロベンゼンアミン(1300g、8.82mol、1.00当量、99%)のトルエン(10L)、4−メチルベンゼンスルホン酸(3.1g、17.84mmol、99%)、およびヘキサン−2、5−ジオン(1222.5g、10.62mol、1.20当量、99%)中溶液を入れた。得られた溶液をオイルバス中で1時間加熱還流し、冷却した。ナトリウム炭酸塩(1mol/L)で溶液のpH値を8に調節した。得られた混合物を1x5000mLの水で洗浄し、真空下濃縮した。粗生成物を蒸留により精製し、140℃で画分を集めて1−(2−クロロ−4−フルオロフェニル)−2、5−ジメチル−1H−ピロールを得た(1700g、収率:85%)。
ステップB:不活性の窒素雰囲気でパージし、維持されている5000mLの四つ口丸底フラスコに、1−(2−クロロ−4−フルオロフェニル)−2、5−ジメチル−1H−ピロール(390g、1.65mol、1.00当量、95%)のテトラヒドロフラン(2000mL)中溶液を入れた。反応容器を−78℃に冷却した。その反応容器にn−BuLi(800mL、1.10当量、2.5%)を80分かけて攪拌しながら滴下し、さらにメチルカルボノクロリダート(215.5g、2.27mol、1.20当量、99%)を90分かけて攪拌しながら滴下した。反応溶液を−78℃でさらに60分攪拌し、1000mLのNHCl/水を添加した反応を停止させた。得られた溶液を1500mLの酢酸エチルで抽出した。有機層を合わせて、1x1500mLの水と1x1500mLの塩化ナトリウム(水溶液)で洗浄した後、無水硫酸マグネシウム上で乾燥し、真空下濃縮してメチル2−クロロ−3−(2、5−ジメチル−1H−ピロール−1−イル)−6−フルオロベンゾアート(粗製物、566.7g)を得た。
ステップC:5個の5000mLの四つ口丸底フラスコに、メチル2−クロロ−3−(2、5−ジメチル−1H−ピロール−1−イル)−6−フルオロベンゾアート(1500g、5.05mol、1.00当量、95%)のエタノール/HO(7500/2500mL)、NHOH−HCl(5520g、79.20mol、15.00当量、99%)、およびトリエチルアミン(2140g、20.98mol、4.00当量、99%)中の溶液を入れた。得られた溶液をオイル浴中で18時間還流し、室温に冷却し、濃縮して、3x3000mLの酢酸エチルで抽出した。有機層を合わせ、無水硫酸ナトリウム時で乾燥後、真空下濃縮した。残渣をシリカゲルカラムを使って、PE:EA(20:1〜10:1)で溶出して精製し、メチル3−アミノ−2−クロロ−6−フルオロベンゾアートを得た(980g、収率:95%)。
ステップD:4個の5000mLの四つ口丸底フラスコに、メチル3−アミノ−2−クロロ−6−フルオロベンゾアート(980g、4.76mol、1.00当量、99%)のジクロロメタン(8000mL)中溶液を入れた。トリエチルアミン(1454g、14.25mol、3.00当量、99%)を0℃で80分かけて攪拌しながら滴下し、次いで、プロパン−1−スルホニルクロリド(1725g、11.94mol、2.50当量、99%)を添加した。得られた溶液を室温で2時間攪拌し、1000mLの水で希釈した。有機層を1x1000mLの塩酸と1x1000mLの水で洗浄し、硫酸ナトリウム上で乾燥した後、濃縮してメチル2−クロロ−6−フルオロ−3−(プロピルスルホンアミド)ベンゾアートを褐色固体として得た(1500g、97%)。
ステップE:10000mLの四つ口丸底フラスコに、メチル2−クロロ−6−フルオロ−3−(プロピルスルホンアミド)ベンゾアート(1500g、4.61mol、1.00当量、95%)のテトラヒドロフラン/HO(3000/3000mL)および水酸化カリウム(1000g、17.68mol、4.50当量、99%)中の溶液を入れた。得られた溶液を2時間還流し、室温に冷却した後、3x2000mLの酢酸エチルで抽出した。水性層を合わせ、塩酸(2mol/L)でpHを2に調節した。得られた溶液を2x3000mLのジクロロメタンで抽出した。有機層を合わせ、無水硫酸ナトリウム上で乾燥後、濃縮して2−クロロ−6−フルオロ−3−(プロピルスルホンアミド)安息香酸を得た(517.5g、収率:37%)。H NMR(400MHz、CDCl):δ1.058−1.096(m、J=15.2Hz、3H)、1.856−1.933(m、2H)、3.073−3.112(m、2H);6.811(1H、s)、7.156−7.199(d、J=17.2Hz、1H)、7.827−7.863(d、J=14.4Hz、1H);(ES、m/z):[M+H]296。
実施例F
Figure 2013503189

6−クロロ−2−フルオロ−3−(プロピルスルホンアミド)安息香酸
ステップA:撹拌棒とゴム密を備えたフレーム乾燥したフラスコに、4−クロロ−2−フルオロアニリン(5.00g、34.35mmol)および無水THF(170mL)を入れた。この溶液を−78℃に冷却し、n−BuLi(14.7mL、1.07当量の2.5Mヘキサン溶液)を15分かけて添加した。この混合物を−78℃で20分攪拌後、1、2−ビス(クロロジメチルシリル)エタン(7.76g、1.05当量)の、THF溶液(25mL)を10分かけて混合物にゆっくり添加した。これを1時間攪拌後、2.5Mn−BuLiのヘキサン中溶液(15.11mL、1.1当量)をゆっくり添加した。混合物を1時間かけて室温まで暖めた後、混合物を−78℃に冷却した。3回目のn−BuLi(15.66mL、1.14当量)をゆっくり添加し、混合物を−78℃で75分間攪拌した。次に、ベンジルクロロホルマート(7.40g、1.2当量)をゆっくり添加し、混合物を−78℃で1時間攪拌した。ここで冷却浴を取り除いた。混合物を室温まで30分かけて暖め、水(70mL)と濃HCl(25mL)で反応を停止させた。混合物を室温まで暖め続けた。混合物をEtOAcで抽出した。抽出物を飽和NaHCO溶液で2回、水で1回抽出した後、硫酸ナトリウム上で乾燥し、濃縮した。得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(30%酢酸エチル/ヘキサン)で精製し、ベンジル3−アミノ−6−クロロ−2−フルオロベンゾアートをオイルとして得た(4.3g、45%)。H NMR(DMSO−d、400MHz)δ7.37−7.48(m、5H)、7.07(dd、J=8Hz、2Hz、1H)、6.87(t、J=8Hz、1H)、5.61(brs、2H)、5.40(s、2H)。
ステップB:ベンジル3−アミノ−6−クロロ−2−フルオロベンゾアート(4.3g、15.37mmol)を無水ジクロロメタン(270mL)に溶解した。トリエチルアミン(5.36mL、2.5当量)を添加し、混合物を0℃に冷却した。次に、プロパン−1−スルホニルクロリド(3.63mL、32.3mmol、2.1当量)をシリンジ経由添加し、沈殿物が生成した。添加が終わるとすぐ、混合物を室温に暖められ、TLC(3:1ヘキサン:酢酸エチル)で測定して、出発物質は消費された。混合物をジクロロメタン(200mL)で希釈し、2M HCl水溶液(2X100mL)、飽和NaHCO溶液で洗浄後、硫酸ナトリウム上で乾燥し、濃縮した。得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(40%酢酸エチル/ヘキサン)で精製し、ベンジル6−クロロ−2−フルオロ−3−(N−(プロピルスルホニル)プロピルスルホンアミド)ベンゾアート(5.5g、72%)をオイルとして得たが、静置によりゆっくり固化した。H NMR(CDCl、400MHz)δ7.28−7.45(m、7H)、5.42(s、2H)、3.58−3.66(m、2H)、3.43−3.52(m、2H)、1.08(t、J=8Hz、6H)。
ステップC:ベンジル6−クロロ−2−フルオロ−3−(N−(プロピルスルホニル)プロピルスルホンアミド)ベンゾアート(5.4g、10.98mmol)をTHF(100mL)および1M KOH水溶液(100mL)に溶解した。この混合物を16時間還流し、室温まで冷却させた。次に、混合物を2M HCl水溶液でpH2に酸性化し、EtOAc(2x)で抽出した。抽出物を水で洗浄後、硫酸ナトリウム上で乾燥し、濃縮して固形物を得て、これをヘキサン/エーテルでトリチュレートして6−クロロ−2−フルオロ−3−(プロピルスルホンアミド)安息香酸を固体として得た(2.2g、68%)。H NMR(DMSO−d、400MHz)δ9.93(s、1H)、7.49(t、J=8Hz、1H)、7.38(dd、J=8Hz、2Hz、1H)、3.11−3.16(m、2H)、1.68−1.78(m、2H)、0.97(t、J=8Hz、3H)。
実施例G
Figure 2013503189

N−(3−アミノ−2、4−ジフルオロフェニル)プロパン−1−スルホンアミド
2、6−ジフルオロ−3−(プロピルスルホンアミド)安息香酸(4.078g、14.6mmol)のTHF(60mL)中溶液に、トリエチルアミン(4.68mL、33.59mmol)およびジフェニルホスホン酸アジド(3.73mL、16.79mmol)を添加した。反応混合物を室温で3時間攪拌後、80℃まで2時間かけて暖めた。水(10mL)を添加し、混合物を80℃で15時間攪拌した。反応混合物を300mLのEtOAcで希釈し、有機層を飽和NaHCO水溶液とブラインで洗浄した。溶媒を減圧下除去し、残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィーを使って30/70EtOAc/ヘキサンを使って溶出して精製して2.03g(55%)の標記化合物を得た。H NMR(400MHz、DMSO−d)δ9.32(s、1H)、6.90−6.80(m、1H)、6.51(td、J=8.7Hz、5.5Hz、1H)、5.28(s、2H)、3.05−2.96(m、2H)、1.82−1.64(m、2H)、1.01−0.90(m、3H).LC/MS:m/z251.1[M+1]。
実施例H
Figure 2013503189

N−(3−アミノ−4−クロロ−2−フルオロフェニル)プロパン−1−スルホンアミド
出発物質として2、6−ジフルオロ−3−(プロピルスルホンアミド)安息香酸の代わりに、6−クロロ−2−フルオロ−3−(プロピルスルホンアミド)安息香酸を使って、実施例Gで記載のプロセスに従い、化合物を作製した。H NMR(500MHz、DMSO−d)δ9.54(s、1H)、7.02(d、1H)、6.58(t、1H)、5.50(s、2H)、3.09−2.95(t、2H)、1.81−1.64(sx、2H)、0.96(t、3H).LC/MS:m/z267.1[M+1]。
実施例I
Figure 2013503189

N−(3−アミノ−2−クロロ−4−フルオロフェニル)プロパン−1−スルホンアミド
出発物質として2、6−ジフルオロ−3−(プロピルスルホンアミド)安息香酸の代わりに、2−クロロ−6−フルオロ−3−(プロピルスルホンアミド)安息香酸を使って、実施例Gで記載のプロセスに従い、化合物を作製した。H NMR(400MHz、DMSO−d)δ9.20(s、1H)、7.28−6.99(m、1H)、6.63(td、J=8.7Hz、5.5Hz、1H)、5.45(s、2H)、3.07−2.99(m、2H)、1.88−1.69(m、2H)、1.03−0.95(m、3H).LC/MS:m/z267.1[M+1]。
実施例J
Figure 2013503189

N−(3−アミノ−2、4−ジフルオロフェニル)エタンスルホンアミド
出発物質として2、6−ジフルオロ−3−(プロピルスルホンアミド)安息香酸の代わりに、2、6−ジフルオロ−3−(エチルスルホンアミド)安息香酸を使って、実施例Gで記載のプロセスに従い、化合物を作製した。H NMR(400MHz、DMSO−d)δ9.37(d、J=9.6Hz、1H)、6.86(ddd、J=10.7Hz、9.1Hz、1.9Hz、1H)、6.52(td、J=8.7Hz、5.5Hz、1H)、5.28(s、2H)、3.03(q、J=7.3Hz、2H)、1.25(td、J=7.3Hz、2.5Hz、3H).LC/MS:m/z237.1[M+1]。
実施例K
Figure 2013503189

2−クロロ−6−フルオロ−3−(エチルスルホンアミド)安息香酸
プロパン−1−スルホニルクロリドの代わりに、エタンスルホニルクロリドを使って、実施例Eで記載のプロセスに従い、化合物を作製した。H NMR(500MHz、DMSO)δ14.16(brs、1H)、9.89(s、1H)、7.49(t、J=8.6Hz、1H)、7.38(dd、J=8.8、1.0Hz、1H)、3.16(q、J=7.3Hz、3H)、1.25(t、J=7.3Hz、3H)。
実施例L
Figure 2013503189

6−クロロ−2−フルオロ−3−(エチルスルホンアミド)安息香酸
プロパン−1−スルホニルクロリドの代わりに、エタンスルホニルクロリドを使って、実施例Fで記載のプロセスに従い、化合物を作製した。H NMR(400MHz、DMSO)δ9.60(s、1H)、7.54(dd、J=9.0、5.7Hz、1H)、7.35(t、J=8.8Hz、1H)、3.14(q、J=7.3Hz、2H)、1.28(t、J=7.3Hz、3H)、−COOHプロトンは認められず。
実施例M
Figure 2013503189

N−(3−アミノ−2、4−ジフルオロフェニル)エタンスルホンアミド
出発物質として、2、6−ジフルオロ−3−(プロピルスルホンアミド)安息香酸の代わりに、2、6−ジフルオロ−3−(エチルスルホンアミド)安息香酸を使って、実施例Gで記載のプロセスに従い、化合物を作製した。H NMR(400MHz、DMSO−d)δ9.37(d、J=9.6Hz、1H)、6.86(ddd、J=10.7Hz、9.1Hz、1.9Hz、1H)、6.52(td、J=8.7Hz、5.5Hz、1H)、5.28(s、2H)、3.03(q、J=7.3Hz、2H)、1.25(td、J=7.3Hz、2.5Hz、3H).LC/MS:m/z237.1[M+1]。
実施例N
Figure 2013503189

N−(3−アミノ−4−クロロ−2−フルオロフェニル)エタンスルホンアミド
出発物質として、2、6−ジフルオロ−3−(プロピルスルホンアミド)安息香酸の代わりに、6−クロロ−3−(エチルスルホンアミド)−2−フルオロ安息香酸を使って、実施例Gで記載のプロセスに従い、化合物を作製した。H NMR(500MHz、DMSO−d)δ9.48(s、1H)、7.02(dd、J=8.8Hz、1.7Hz、1H)、6.59(t、J=8.3Hz、1H)、5.44(s、2H)、3.07(q、J=7.3Hz、2H)、1.24(t、J=7.3Hz、3H).LC/MS:m/z253.2[M+1]。
実施例O
Figure 2013503189

N−(3−アミノ−2−クロロ−4−フルオロフェニル)エタンスルホンアミド
2−クロロ−6−フルオロ−3−(エチルスルホンアミド)安息香酸(3.3g、12.0mmol)をチオニルクロリド(21.0mL、0.29mmol)で処理し、15時間加熱還流した。反応混合物を濃縮した後、トルエン(2x20mL)と共沸させた。残渣をナトリウムアジド(3.1g、48.0mmol)の水(20mL)およびアセトン(20mL)中溶液で処理した。室温で1時間攪拌後、中間体アシルアジドを酢酸エチル(2x25mL)で抽出し、硫酸マグネシウムで乾燥して、濃縮した。残渣をジオキサン(40mL)および水(5mL)中に溶解し、3時間加熱還流した。室温に冷却後、生成物をジクロロメタン(2x25mL)で抽出し、硫酸マグネシウムで乾燥して、濃縮した。残渣をフラッシュシリカゲルクロマトグラフィー(ジクロロメタン中の2〜30%イソプロパノール)で精製し、N−(3−アミノ−2−クロロ−4−フルオロフェニル)エタンスルホンアミドを得た(2.0g、66%)。H NMR(400MHz、DMSO−d)δ9.15(s、1H)、7.02(dd、J=10.7Hz、8.8Hz、1H)、6.64(dd、J=8.8Hz、5.1Hz、1H)、5.45(s、2H)、3.06(q、J=7.3Hz、2H)、0.96(t、J=7.3Hz、3H).LC/MS:m/z253.0[M+1]。
実施例P
Figure 2013503189

6−フルオロ−2−メトキシ−3−(N−(4−メトキシベンジル)プロピルスルホンアミド)安息香酸
ステップA:250mLの丸底フラスコに、メチル2、6−ジフルオロ−3−ニトロベンゾアート(10.03g、46.18mmol)およびメタノール(60mL、1000mmol)を入れ、ブライン/氷浴を使って−4℃で20分冷却した。添加の間の反応温度を−4℃に保持しながら、5Mナトリウムメトキシドのメタノール(11.98mL、59.88mmol)中溶液をこの溶液に20分かけて滴下した。反応混合物を一晩撹拌して、徐々に室温にまで温度を上げた。メタノールを減圧下除去し、残ったオイルを重炭酸カリウム飽和水溶液(250mL)で急冷した。有機層を残しておき、水性層を酢酸エチル(250mL)で2回抽出した。合わせた有機層をブラインで1回洗浄し、硫酸マグネシウム上で乾燥後、濾過、濃縮した。粗生成物を0〜50%の酢酸エチル:ヘプタンの勾配を使ってフラッシュクロマトグラフィー(330g ISCOカラム)で精製し、メチル6−フルオロ−2−メトキシ−3−ニトロベンゾアートをオイルとして得た(3.37g.32%)。H NMR(400MHz、DMSO−d)δ=8.23(dd、J=9.3、5.9、1H)、7.39(t、J=8.9、1H)、3.94(s、3H)、3.89(s、3H)。
ステップB:250mLの丸底フラスコに、メチル6−フルオロ−2−メトキシ−3−ニトロベンゾアート(3.37g、14.71mmol)のメタノール(125mL、3080mmol)中溶液を入れた。窒素を反応混合物に通過させ、活性炭坦持10%パラジウム(1.3g、1.2mmol)を添加した。フラスコに蓋をし、排気後、室温および大気圧下の水素雰囲気中、60時間攪拌した。次に、混合物をセライト(登録商標)を通して濾過し、固体触媒を除去した後、メタノール(500mL)で洗浄した。濾液を濃縮して、メチル3−アミノ−6−フルオロ−2−メトキシベンゾアートをオイルとして得た(2.95g、100%)。H NMR(400MHz、DMSO−d)δ=6.74−6.84(m、2H)、4.98(s、2H)、3.85(s、3H)、3.68(s、3H)。
ステップC:250mLの丸底フラスコに、メチル3−アミノ−6−フルオロ−2−メトキシベンゾアート(3.656g、18.36mmol)のメチレンクロリド(100mL)中溶液を入れた。この反応混合物に、4−ジメチルアミノピリジン(113mg、0.925mmol)、ピリジン(7.45mL、92.1mmol)およびプロパン−1−スルホニルクロリド(8.25mL、73.6mmol)のメチレンクロリド(10mL)中溶液を5分かけて添加した。反応混合物を室温で14時間攪拌した。有機溶媒を減圧下除去後、100mLの重炭酸ナトリウム飽和水溶液を添加し、続いて、10分間攪拌した。水性混合物を200mLの酢酸エチル(2x)で抽出した。合わせた有機層をブラインで洗浄して、硫酸マグネシウム上で乾燥後、濾過、濃縮した。粗生成物をフラッシュクロマトグラフィーを使って、0〜30%酢酸エチル/ヘプタンで溶出して精製し、メチル6−フルオロ−2−メトキシ−3−(プロピルスルホンアミド)ベンゾアートをオイルとして得た(4.914g、85%)。HNMR(400MHz、DMSO−d)δ=9.27(s、1H)、7.48(dd、J=9.1、6.1、1H)、7.09(t、J=9.0、1H)、3.89(s、3H)、3.85−3.74(m、3H)、3.29(s、15H)。
ステップD:100mLの丸底フラスコに、メチル6−フルオロ−2−メトキシ−3−(プロピルスルホンアミド)ベンゾアート(4.91g、16.1mmol)のN、N−ジメチルホルムアミド(16mL、210mmol)中溶液を入れ、氷/ブライン浴上で冷却した。ナトリウムヒドリド(0.676g、16.9mmol)を4回に分けて添加した。激しいバブリングが収まった後、反応混合物を室温で1時間攪拌した。反応混合物を氷/ブライン浴上で冷却し、p−メトキシベンジルクロリド(2.646g、16.90mmol)を添加した。反応物を3時間をかけて室温に暖め、塩化アンモニウム半飽和水溶液(200mL)を0℃で添加して反応停止させた。室温で一晩攪拌後、水性層を廃棄し、残ったオイルをヘプタンで洗浄しミネラルオイルを除去した。残渣オイルを酢酸エチルに溶解し、硫酸マグネシウム上で乾燥後、濾過、濃縮して酢酸エチルを除去した。粗生成物を0〜100%酢酸エチル:ヘプタンの勾配を使ってフラッシュクロマトグラフィー(120gカラム)で精製して、メチル6−フルオロ−2−メトキシ−3−(N−(4−メトキシベンジル)プロピルスルホンアミド)ベンゾアートをオイルとして得た(3.71g、57%)。H NMR(400MHz、DMSO−d)δ=7.28(dd、J=9.0、6.3、1H)、7.12(d、J=8.7、2H)、6.98(t、J=8.9、1H)、6.84(dd、J=6.8、4.8、2H)、4.65(s、2H)、3.90(d、J=7.6、3H)、3.73(s、3H)、3.70(s、3H)、3.28−3.21(m、2H)、1.84−1.70(m、2H)、1.00(q、J=7.2、3H).。
ステップE:250mLの丸底フラスコに、メチル6−フルオロ−2−メトキシ−3−(N−(4−メトキシベンジル)プロピルスルホンアミド)ベンゾアート(4.42g、10.4mmol)のテトラヒドロフラン(70mL、900mmol)中溶液を入れた。1M水酸化ナトリウムの水(67.8mL、67.8mmol)中水溶液を添加し、混合物を60℃で48時間攪拌した。冷却後、減圧下THFを除去した。塩基性水溶液を水で100mLの容量に希釈し、酢酸エチル(200mL)で1回抽出した。水性層を濃塩酸(5mL)でpH2に酸性化し、酢酸エチル(100mL)で3回抽出した。合わせた有機層を硫酸マグネシウム上で乾燥した後、濾過、濃縮して6−フルオロ−2−メトキシ−3−(N−(4−メトキシベンジル)プロピルスルホンアミド)安息香酸を固体として得た(4.2529g、99%)。H NMR(400MHz、DMSO−d)δ=13.86(s、1H)、7.19(dd、J=8.9、6.3、1H)、7.12(d、J=8.6、2H)、6.93(t、J=8.8、1H)、6.83(d、J=8.7、2H)、4.65(s、2H)、3.80(s、3H)、3.70(s、3H)、3.27−3.19(m、2H)、1.78(dd、J=15.3、7.5、2H)、1.01(t、J=7.4、3H)。
実施例Q
Figure 2013503189

フェニル2、6−ジフルオロ−3−(プロピルスルホンアミド)フェニルカルバマート
2、6−ジフルオロ−3−(プロピルスルホンアミド)安息香酸(4g、14mmol)を1、4−ジオキサン(100mL)、およびトリエチルアミン(2.2mL、16mmol)に溶解し、ジフェニルホスホン酸アジド(3.4mL、16mmol)を添加した。反応混合物を室温で3時間攪拌し、フェノール(15g、160mmol)の1、4−ジオキサン(100mL)中溶液に100℃で滴下した。混合物を100℃で3時間攪拌し、室温に冷却した。シリカを添加し、混合物を濃縮した。フラッシュクロマトグラフィー(勾配溶出、溶媒:ヘプタン中の0〜30%酢酸エチル)で精製して、フェニル2、6−ジフルオロ−3−(プロピルスルホンアミド)フェニルカルバマート(2.9g、55%収率)を得た。H NMR(400MHz、DMSO−d)δ9.85(s、1H)、9.68(s、1H)、7.49−7.30(m、3H)、7.30−7.11(m、4H)、3.11−3.03(m、2H)、1.83−1.61(m、2H)、0.96(t、J=7.4、3H)。
実施例R
Figure 2013503189

3−メトキシ−1H−ピラゾロ[3、4−d]ピリミジン−4−アミン
ステップA:テトラシアノエチレン(300g、2.34mol)および尿素(47.7g、0.79mol)の混合物に、室温でメタノール(1L)を添加した。反応混合物を35℃で20分間加熱し、室温に冷却後、ジエチルエーテル(4L)で希釈した。混合物を−78℃で3時間冷却後、濾過し、冷エーテル(400mL)で洗浄して、減圧下乾燥し、2−(ジメトキシメチレン)マロノニトリル(200g、62%)を白色固体として得て、これを直接次のステップで使用した。
ステップB:2−(ジメトキシメチレン)マロノニトリル(200g、1.45mol)のHO(2.7L)中混合物に、室温でヒドラジン一水和物(78mL、1.63mol)を添加した。反応混合物を14時間攪拌し、濾過後、HO(400mL)で洗浄し、減圧下乾燥して、5−アミノ−3−メトキシ−1H−ピラゾール−4−カルボニトリル(140g、70%)を淡黄色固体として得た:H NMR(400MHz、DMSO−d)δ11.04(bs、1H)、6.35(bs、2H)、3.76(s、3H)。
ステップC:5−アミノ−3−メトキシ−1H−ピラゾール−4−カルボニトリル(140g、1.01mol)およびホルムアミジンアセタート(140g、1.34mol)の混合物を145℃で1時間加熱し、室温に冷却してHO(1.2L)で希釈した。混合物を激しく2時間攪拌し、濾過した。固形物をメタノール(400mL)で洗浄後、減圧下乾燥して、3−メトキシ−1H−ピラゾロ[3、4−d]ピリミジン−4−アミン(105g、64%)を褐色固体として得た:H NMR(400MHz、DMSO−d)δ12.31(bs、1H)、8.07(s、1H)、7.48(bs、1H)、6.63(bs、1H)、3.94(s、3H)。
実施例S
Figure 2013503189

3−エトキシ−1H−ピラゾロ[3、4−d]ピリミジン−4−アミン
5−アミノ−3−エトキシ−1H−ピラゾール−4−カルボニトリル(1.0g、6.57mmol)およびホルムアミジンアセタート(3.08g、29.6mmol)をマイクロ波バイアル中で混合し、ヒートガンで加熱した。混合物は溶融し、加熱をガス放出が止むまで継続した。混合物を冷却し、加熱メタノール水溶液中に溶解した。脱色活性炭を添加し、混合物を高温で濾過した。溶液を氷浴中で冷却後、濾過して3−エトキシ−1H−ピラゾロ[3、4−d]ピリミジン−4−アミン(255mg、22%収率)を得た。濾液を濃縮し、得られた固形物を水に懸濁し、追加の生成物(214mg、18%収率)を得た。H NMR(400MHz、DMSO−d)δ 12.16(s、1H)、8.07(s、1H)、7.39(s、1H)、6.46(s、1H)、4.32(q、J=7.0、2H)、1.39(t、J=7.0、3H)。
実施例T
Figure 2013503189

3−(ピロリジン−1−イル)−1H−ピラゾロ[3、4−d]ピリミジン−4−アミン
市販の5−アミノ−3−(ピロリジン−1−イル)−1H−ピラゾール−4−カルボニトリルおよびホルムアミジンアセタートを実施例O、ステップCに記載のように反応させ、3−(ピロリジン−1−イル)−1H−ピラゾロ[3、4−d]ピリミジン−4−アミンを得た。H NMR(400MHz、DMSO−d)δ12.28(s、1H)、8.06−8.02(m、1H)、6.78(brs、2H)、3.38−3.31(m、4H)、2.00−1.79(m、4H)。
実施例U
Figure 2013503189

3−モルホリノ−1H−ピラゾロ[3、4−d]ピリミジン−4−アミン
市販の5−アミノ−3−モルホリノ−1H−ピラゾール−4−カルボニトリルおよびホルムアミジンアセタートを実施例O、ステップCに記載のように反応させて、3−モルホリノ−1H−ピラゾロ[3、4−d]ピリミジン−4−アミンを得た、H NMR(400MHz、DMSO−d)δ12.58(s、1H)、8.14−8.08(m、1H)、6.80(brs、2H)、3.80−3.66(m、4H)、3.25−3.06(m、4H)。
実施例1
Figure 2013503189


プロパン−1−スルホン酸{2、4−ジフルオロ−3−[3−メチル−3−(9H−プリン−6−イル)−ウレイド]−フェニル}−アミド
2、6−ジフルオロ−3−(プロピルスルホンアミド)安息香酸(248mg、0.89mmol)をTHF(10mL)に溶解し、トリエチルアミン(0.248mL、2.04mmol)およびジフェニルホスホン酸アジド(0.22mL、1.02mmol)を添加した。反応混合物を室温で3時間攪拌し、N−メチル−9H−プリン−6−アミン(165.6mg、1.11mmol)のTHF(2mL)中溶液に100℃で滴下した。混合物を100℃で3時間攪拌し、室温に冷却し後、水で希釈し、濾過した。固形物を水で洗浄し、標記化合物(10.1mg、3%収率)を得た。H NMR(400MHz、DMSO−d)δ12.04(s、1H)、10.13−9.28(m、1H)、8.63(s、1H)、8.49(s、1H)、7.33(dd、J=14.5、8.7、1H)、7.19(d、J=8.7、2H)、3.89(s、3H)、3.06(dd、J=16.8、9.1、2H)、1.92−1.65(m、2H)、0.98(t、J=7.4、3H).LC/MS:m/z426.1[M+1];RT=3.56分。
実施例2
Figure 2013503189

プロパン−1−スルホン酸{2−クロロ−4−フルオロ−3−[3−(3−メトキシ−1H−ピラゾロ[3、4−d]ピリミジン−4−イル)−ウレイド]−フェニル}−アミド
2−クロロ−6−フルオロ−3−(プロピルスルホンアミド)安息香酸(182.3mg、0.62mmol)をTHF(5mL)に溶解し、トリエチルアミン(0.229mL、1.61mmol)およびジフェニルホスホン酸アジド(0.178mL、0.82mmol)を添加した。反応混合物を室温で3時間攪拌し、3−メトキシ−1H−ピラゾロ[3、4−d]ピリミジン−4−アミン(34mg、0.2mmol)のTHF(2mL)中溶液に100℃で滴下した。反応混合物を100℃で3時間攪拌し、室温に冷却後、水で希釈して、濾過した。固形物を水で洗浄して、標記化合物(17.3mg、18%収率)を得た。H NMR(400MHz、DMSO−d)δ13.10(s、1H)、11.29(s、1H)、9.65(s、1H)、8.56(s、1H)、8.48(s、1H)、7.39(ddd、J=36.4、13.7、7.2、2H)、4.05(s、3H)、3.20−2.97(m、2H)、1.84−1.65(m、2H)、1.02−0.89(m、3H).LC/MS:m/z458.0[M+1];RT=3.89分。
表1に挙げた実施例3〜7は、適切な出発物質を使って、実施例1または2に記載のプロセスを適用して調製された。
Figure 2013503189
Figure 2013503189
実施例8
Figure 2013503189

プロパン−1−スルホン酸{4−フルオロ−2−メトキシ−3−[3−(3−メトキシ−1H−ピラゾロ[3、4−d]ピリミジン−4−イル)−ウレイド]−フェニル}−アミド
実施例1または2に記載のものに類似のプロセスを使って合成した、N−(4−フルオロ−2−メトキシ−3−(3−(3−メトキシ−1H−ピラゾロ[3、4−d]ピリミジン−4−イル)ウレイド)フェニル)−N−(4−メトキシベンジル)プロパン−1−スルホンアミド(89mg、0.00016mol)をメチレンクロリド(5mL、0.08mol)に溶解し、トリフルオロ酢酸(5mL、0.06mol)を添加した。反応混合物を室温で30分攪拌し、減圧下濃縮した。得られた白色固形物をエチルエーテルから再結晶化し、真空オーブン中で一晩乾燥して、N−(4−フルオロ−2−メトキシ−3−(3−(3−メトキシ−1H−ピラゾロ[3、4−d]ピリミジン−4−イル)ウレイド)フェニル)プロパン−1−スルホンアミドをエチルエーテル溶媒和物(0.2当量)(41mg、58%)として得た。H NMR(DMSO−d6、400MHz)δ13.09(s、1H)、11.09(s、1H)、9.20(s、1H)、8.56(s、1H)、8.40(s、1H)、7.30(dd、J=9.1、5.7、1H)、7.07(t、J=9.2、1H)、4.05(s、3H)、3.82(s、3H)、3.14−3.07(m、2H)、1.83−1.70(m、2H)、0.99(t、J=7.4、3H).LC/MS:m/z454.1[M+1]。
実施例9
Figure 2013503189

N−(3−(3−(3−エトキシ−1H−ピラゾロ[3、4−d]ピリミジン−4−イル)ウレイド)−2、4−ジフルオロフェニル)プロパン−1−スルホンアミド
フェニル2、6−ジフルオロ−3−(プロピルスルホンアミド)フェニルカルバマート(318mg、0.86mmol)および3−エトキシ−1H−ピラゾロ[3、4−d]ピリミジン−4−アミン(310mg、1.7mmol)をジメチルスルホキシド(1mL)中に懸濁した。混合物を60℃で14時間攪拌した。混合物を室温に冷却し、シリカゲルにロードした。フラッシュクロマトグラフィーで、ヘプタン中の0〜50%(酢酸エチル中の15%メタノール(v/v))の勾配を使って溶出を行いN−(3−(3−(3−エトキシ−1H−ピラゾロ[3、4−d]ピリミジン−4−イル)ウレイド)−2、4−ジフルオロフェニル)プロパン−1−スルホンアミドを白色粉末(115mg、29%収率)として得た。HNMR(400MHz、DMSO−d)δ13.06(s、1H)、11.15(s、1H)、9.69(s、1H)、8.55(s、1H)、8.41(s、1H)、7.37(dd、J=14.4、8.8、1H)、7.21(t、J=9.2、1H)、4.43(q、J=7.0、2H)、3.14−3.00(m、2H)、1.84−1.65(m、2H)、1.45(t、J=7.0、3H)、0.98(t、J=7.4、3H).LC/MS:m/z456.1[M+1]。
表2に挙げた実施例10〜27は、適切な出発物質を使って、実施例9に記載のプロセスを適用して調製された。
Figure 2013503189
Figure 2013503189
Figure 2013503189
Figure 2013503189
実施例α
Figure 2013503189

プロパン−1−スルホン酸酸{2、4−ジフルオロ−3−[3−(3−メトキシ−1H−ピラゾロ[3、4−d]ピリミジン−4−イル)−ウレイド]−フェニル}−メチル−アミド
ステップA:2、6−ジフルオロ−3−(プロピルスルホンアミド)安息香酸(20.0g、71.6mmol)をアセトン(400mL)に溶解し、炭酸カリウム(29.7g、215mmol)を添加した。5分間攪拌後、ヨウ化メチル(13.4mL、215mmol)を添加した。反応混合物を一晩攪拌した。反応混合物を濾過し、濾液を濃縮した。粗生成物を酢酸エチルと水の間で分配し、有機層をブラインで洗浄後、MgSO上で乾燥し、濃縮乾固した。真空下、さらに溶媒を除去し、メチル2、6−ジフルオロ−3−(N−メチルプロピルスルホンアミド)ベンゾアートを淡黄色固体として得た(17.0g、77%収率)。H NMR(500MHz、CDCl)δ7.57(td、1H)、7.10−6.89(m、1H)、3.96(s、3H)、3.31(s、3H)、3.13−2.96(m、2H)、2.01−1.81(m、2H)、1.07(t、3H)。
ステップB:メチル2、6−ジフルオロ−3−(N−メチルプロピルスルホンアミド)ベンゾアート(17.0g、55mmol)をテトラヒドロフラン/メタノール/水(1:1:1;150mL)に溶解し、水酸化リチウム(6.96g、166mmol)を添加した。混合物を室温で18時間攪拌し、濃縮した。粗生成物を酢酸エチルと水の間で分配し、水性層を2MHClでpHを1未満に酸性化した後、酢酸エチルで抽出し、ブラインで洗浄して、MgSO上で乾燥した。減圧下溶媒を除去して、2、6−ジフルオロ−3−(N−メチルプロピルスルホンアミド)安息香酸を白色固体として得た(15.7g、97%)。H NMR(400MHz、CDCl)δ7.64(td、1H)、7.03(td、1H)、3.31(s、3H)、3.13−2.97(m、2H)、1.99−1.79(m、2H)、1.07(t、3H)。
ステップC:2、6−ジフルオロ−3−(N−メチルプロピルスルホンアミド)安息香酸(5.0g、17.0mmol)を1、4−ジオキサン(40mL)に溶解し、トリエチルアミン(2.6mL、18.8mmol)、ジフェニルホスホン酸アジド(4.0mL、18.0mmol)を添加した。混合物を室温で3時間攪拌し、水(1.5mL、85.2mmol)の1、4−ジオキサン(20mL)中溶液に95℃で滴下した。混合物を95℃で18時間攪拌し、室温に冷却した。水、重炭酸ナトリウム飽和溶液および酢酸エチルを添加し、有機層をブラインで洗浄後、MgSO上で乾燥し、濃縮した。粗生成物をフラッシュクロマトグラフィー(勾配溶出、溶媒:ヘプタン中の0〜40%酢酸エチル)を使って精製し、N−(3−アミノ−2、4−ジフルオロフェニル)−N−メチルプロパン−1−スルホンアミド(3.23g、72%)を得た。H NMR(400MHz、CDCl)δ6.78(ddt、2H)、3.80(s、2H)、3.27(s、3H)、3.14−2.95(m、2H)、2.11−1.78(m、2H)、1.06(t、3H)。
ステップD:N−(3−アミノ−2、4−ジフルオロフェニル)−N−メチルプロパン−1−スルホンアミド(2.0g、7.6mmol)をTHF(25ml)に溶解し、炭酸カリウム(4.2g、30.3mmol)およびフェニルクロロホルマート(3.2mL、25.0mmol)を添加した。反応混合物を室温で一晩攪拌後濃縮した。残渣を酢酸エチル/飽和NaHCO溶液間で分配し、水性層を酢酸エチルで抽出した。合わせた有機層をブラインで洗浄後、MgSO上で乾燥し、濃縮した。粗生成物をフラッシュクロマトグラフィー(勾配溶出、溶媒:ヘプタン中の0〜40%酢酸エチル)を使って精製し、フェニル2、6−ジフルオロ−3−(N−メチルプロピルスルホンアミド)フェニルカルバマート(2.8g、96%)を得た。H NMR(500MHz、CDCl)δ7.45−7.33(m、3H)、7.29−7.13(m、3H)、7.06−6.96(m、1H)、6.43(s、1H)、3.30(s、3H)、3.11−3.01(m、2H)、1.95−1.82(m、2H)。
ステップE:フェニル2、6−ジフルオロ−3−(N−メチルプロピルスルホンアミド)フェニルカルバマート(364mg、0.757mmol)のTHF中懸濁液に、3−メトキシ−1H−ピラゾロ[3、4−d]ピリミジン−4−アミン(100mg、0.605mmol)、およびトリエチルアミン(0.338mL、2.42mmol)を添加した。混合物を50℃で3時間加熱し、冷却した。水(1mL)を添加し、次にEtOAcで抽出した。有機層をブラインで洗浄後、MgSO上で乾燥し、濃縮して、酢酸エチルでトリチュレートした。濾過後、減圧下溶媒を除去して、標記化合物を白色固体として得た(115mg、41%)。H NMR(400MHz、DMSO−d)δ13.09(s、1H)、11.15(s、1H)、8.55(s、2H)、7.52(d、1H)、7.26(d、1H)、4.05(s、3H)、3.26−3.13(m、2H)、1.90−1.53(m、2H)、1.00(t、3H).LC/MS:m/z456.1[M+1];RT=4.07分。
実施例β
Figure 2013503189

プロパン−1−スルホン酸{3−[3−(3−エトキシ−1H−ピラゾロ[3、4−d]ピリミジン−4−イル)−ウレイド]−2、4−ジフルオロ−フェニル}−メチル−アミド
例えば、アルファ、に記述したものと類似のプロセスを使って、標記化合物を得た。H NMR(400MHz、DMSO−d)δ13.07(s、1H)、11.19(s、1H)、8.54(s、1H)、8.43(s、1H)、7.52(d、1H)、7.26(t、1H)、4.43(q、J=6.9、2H)、3.25−3.17(m、2H)、1.85−1.63(m、2H)、1.44(t、J=7.0、3H)、1.00(t、3H).LC/MS:m/z470.1[M+1];RT=4.36分。
表3は、上記B−RAF V600E阻害アッセイ(実施例A)で試験した特定の本発明の化合物の活性を示す。
Figure 2013503189
列挙した実施形態に関連づけて本発明を説明してきたが、本発明をこれらの実施形態に限定する意図はないことは理解されよう。むしろ、本発明は、請求項で定められる本発明の範囲に含まれると思われる全ての代替物、変形物、および等価物を包含することが意図されている。従って、先述の記載は本発明の原理の例示の目的のみのものと見なされる。
2009年8月28日出願の米国特許仮出願第61/238、108に対し明確な参照がなされているが、本特許は、参照によってその全体が、あらゆる目的のために、本明細書に組み込まれる。
本明細書および次の請求項で使われる場合、用語の「comprise」、「comprising」、「include」、「including」、および「includes」は、述べられた特性、整数、成分、またはステップの存在を規定することが意図されるが、1つまたは複数の他の特性、整数、成分、ステップ、またはそれらのグループの存在または追加を排除するものではない。

Claims (20)

  1. 式II:
    Figure 2013503189
    から選択される化合物、その立体異性体、互変異性体、プロドラッグおよび薬学的に許容可能な塩であって、式中:
    点線は、任意選択の二重結合を示し;
    Wは、NR、OまたはSであり;
    Xは、NまたはCRであり;
    Yは、NRまたはCRであり;
    およびRは、独立に水素、ハロゲン、CN、C〜CアルキルおよびC〜Cアルコキシから選択され;
    は、水素、ハロゲンまたはC〜Cアルキルであり;
    は、C〜Cシクロアルキル、C〜Cアルキル、C〜Cアルケニル、C〜Cアルキニル、フェニル、5〜6員ヘテロアリールまたはNR1011であり、シクロアルキル、アルキル、アルケニル、アルキニル、フェニルおよびヘテロアリールは、任意選択で、OR12、ハロゲン、フェニル、C〜Cシクロアルキル、またはC〜Cアルキル(任意選択によりハロゲンで置換されている)で置換され;
    は、水素、C〜Cアルキル、C〜Cアルケニル、C〜CアルキニルまたはC〜Cシクロアルキルであり、Rは、任意選択によりハロゲンで置換され;
    は、水素またはC〜Cアルキルであり;
    は、水素、C〜Cアルキル、C〜Cアルケニル、C〜CアルキニルまたはC〜Cシクロアルキルであり、Rは、任意選択によりハロゲンで置換され;
    は、水素、ハロゲン、オキソ、チオキソ、C〜CアルコキシまたはC〜Cアルキルであり、各C〜CアルコキシおよびC〜Cアルキルは、任意選択で、ハロゲン、OR13、SR13、NR1314、C〜Cシクロアルキル、4〜6員ヘテロシクリル、5〜6員ヘテロアリールまたはフェニルで置換され;
    は、水素、ハロゲン、C〜Cアルコキシ、C〜Cアルキル、4〜6員ヘテロシクリル、5〜6員ヘテロアリール、フェニルまたはC〜Cシクロアルキルであり、前記アルコキシ、アルキル、ヘテロシクリル、ヘテロアリール、フェニルおよびシクロアルキルは、ハロゲン、OR15、SR15、NR1516、C〜Cシクロアルキル、4〜6員ヘテロシクリル、5〜6員ヘテロアリール、フェニルまたはC〜Cアルキル(任意選択によりハロゲンで置換されている)で任意選択により、独立に置換され;または
    およびRは、結合している原子と一緒になって縮合5〜6員ヘテロシクリルもしくはC〜Cシクロアルキルを形成し;
    10およびR11は、独立に、水素もしくはC〜Cアルキルであり、任意選択でハロゲンで置換され;または
    10およびR11は、独立に、結合している原子と一緒になって3〜6員ヘテロシクリルを形成し、任意選択で、ハロゲン、オキソもしくはC〜Cアルキルで置換され;
    12は、水素または任意選択でハロゲンで置換されているC〜Cアルキルであり;
    13およびR14は、独立に、水素もしくは任意選択でハロゲンで置換されているC〜Cアルキルであり;または
    13およびR14は、独立に、結合している原子と一緒になって、任意選択によりハロゲン、オキソまたはC〜Cアルキルで置換されている3〜6員ヘテロシクリルを形成し;および
    15およびR16は、独立に、水素もしくは任意選択でハロゲンで置換されているC〜Cアルキルであり;または
    15およびR16は、独立に、結合している原子と一緒になって、任意選択によりハロゲン、オキソまたはC〜Cアルキルで置換されている3〜6員ヘテロシクリルを形成している化合物、その立体異性体、互変異性体、プロドラッグおよび薬学的に許容可能な塩。
  2. WがNR、XがNおよびYがCRである、請求項1に記載の化合物。
  3. WがNR、XがCRおよびYがNRである、請求項1に記載の化合物。
  4. WがO、XがCRおよびYがCRである、請求項1に記載の化合物。
  5. WがS、XがCRおよびYがCRである、請求項1に記載の化合物。
  6. WがNR、ならびにXおよびYがNである、請求項1に記載の化合物。
  7. およびRがハロゲンおよびC〜Cアルコキシから独立に選択され、Rが水素である、請求項1〜6のいずれか1項に記載の化合物。
  8. およびRがFであり、Rが水素である、請求項1〜7のいずれか1項に記載の化合物。
  9. が任意選択でハロゲンにより置換されているC〜Cアルキルである請求項1〜8のいずれか1項に記載の化合物。
  10. がエチルまたはプロピルである請求項1〜9のいずれか1項に記載の化合物。
  11. が水素である請求項1〜10のいずれか1項に記載の化合物。
  12. が水素である請求項1〜11のいずれか1項に記載の化合物。
  13. が水素、メチル、−CF、チオキソまたはブロモである請求項1、3〜5および7〜12のいずれか1項に記載の化合物。
  14. が水素、ハロゲン、C〜Cアルキル、C〜Cアルコキシ、4〜6員ヘテロシクリル、5〜6員ヘテロアリール、フェニルまたはC〜Cシクロアルキルであり、前記アルキル、アルコキシ、ヘテロシクリル、ヘテロアリール、フェニルおよびシクロアルキルがハロゲン、C〜Cアルキル(任意選択でハロゲンにより置換されている)またはOR15で任意選択により独立に置換されている、請求項1〜5および7〜13のいずれか1項に記載の化合物。
  15. が水素、エトキシ、メトキシ、3−ヒドロキシプロポキシ、ヨード、メチル、モルホリニルまたはピロリジニルである、請求項1〜5および7〜14のいずれか1項に記載の化合物。
  16. 実施例1〜27から選択される請求項1〜15のいずれか1項に記載の化合物。
  17. 請求項1〜16のいずれか1項に記載の化合物、および薬学的に許容可能なキャリアーまたは賦形剤を含む医薬品組成物。
  18. b−Rafによって調節される疾患または障害を予防または治療する方法であって、このような治療を必要としている哺乳動物に有効量の請求項1〜16のいずれか1項に記載の化合物を投与することを含む、方法。
  19. 治療に使用するための請求項1〜16のいずれか1項に記載の化合物。
  20. 過剰増殖疾患の治療のための薬剤の製造における請求項1〜16のいずれか1項に記載の化合物の使用。
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