JP2013503021A - 過分極材料及びそれらの混合物を作製するシステムおよび方法 - Google Patents

過分極材料及びそれらの混合物を作製するシステムおよび方法 Download PDF

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Abstract

本開示は、過分極状態にある高度の分極した核を含む材料の製造、輸送及び送達のための多様な方法及びシステムを提供する。

Description

関連出願への相互参照
本出願は、2009年8月31日に提出された米国仮特許出願第61/238,647号に基づく優先権を主張するものである。更に本出願は、2006年2月21日に提出された米国仮特許出願第60/775,196号、2006年5月23日に提出された米国仮特許出願 No. 60/802,699 号、2008年4月3日に提出された米国仮特許出願 No. 61/042,239 号、2008年4月4日に提出された米国仮特許出願 No. 61/042,398号、2008年11月4日に提出された米国仮特許出願 No. 61/111,050号、2009年8月31日に提出された米国仮特許出願 No. 61/238,647号、2008年8月18日に提出された米国仮特許出願12/193,536号及び2009年4月6日に提出された国際出願PCT/US2009/39696号にも関する。前述の特許出願の各開示の全文を、引用をもってここに援用することとする。
背景
開示の分野
本開示は、過分極核を含む優れた材料と、同材料を作製する技術とに関する。
関連技術の説明
最近の実験では、多様な核の過分極が、化学反応中に起きる、一つの分子から別の分子の遷移を生き延びることができることが実証されている。例えば、ピルビン酸ナトリウム中の過分極(「HP」)13C 核は癌組織の代謝を受けて、過分極乳酸塩、アラニン等を生じることができることが示されている。
更なる例は、まずフマル酸中で核を過分極させ、その後この酸の塩基溶液と反応させてHPフマル酸塩を形成することにより製造することのできるHPフマル酸塩の作製に見ることができる。HPピルビン酸ナトリウム(即ち、過分極した核を含むピルビン酸ナトリウム)は同様な態様で製造できよう。これらなどの反応においては、化学反応中に失われる分極の量は小さいことが示されている。
これらは、化学反応において少なくとも一つの前駆分子が分極する結果、化学反応の最終生成物のうちの少なくとも一つがひいては過分極しているような化学反応の例である。
前述の例のそれぞれにおいては、ダイナミック・ニュークリア・ポラライゼーション(DNP)を用いて前駆分子を過分極させた。このプロセスにおいては、過分極させる分子を、遊離電子のソース、典型的にはトリチル・ラジカル(TA)、を含有する分極剤と混合する。場合によっては、電子常磁性薬剤 (EPA) を、TAと併用しても、あるいはそれのみを用いてもよい。
この過分極方法は、in vivoの用途には問題がある。なぜなら、TA/EPA はin vivo用途には強く禁忌だからである。従ってこのTA/EPA は、HP材料の注射前には厳密に取り除かれねばならない。しかしながら、TA/EPAのろ過後も生き残る、HP材料中の分極レベルは現在のところ明確ではない。更に、少量のTA/EPAへの安全な暴露レベルがFDAによって確立されてはいない。更に、この技術の使用は、過分極材料の容易な輸送又は保管にはなじまない。
当業で公知の多様な方法を用いて、非ゼロ・スピンの核を含有する材料で大変高い核分極を生じさせることができる。これらのうちで最も簡単なものは、材料を大変高い磁場
(典型的には、B
> 10 T) 及び大変低い温度(典型的には、T
< 100 mK) に晒すことであり、このとき、いずれかの非ゼロ・スピン核の飽和核分極は大変高い。
残念ながら、このような条件下では、大半の核の緩和時間は極度に長いが、これはなぜなら、低温では、核磁気緩和の主要な原因である分子運動が大きく減衰するからである。この欠点に対処するために、ジスポシウム、ガドリニウム、酸素及び他を含む多様な緩和剤が、高いB/T環境でT1を減らすために用いられてきた。
緩和剤の利用の代替法は、トリチル・ラジカルなどの分極剤を取り入れた後、標的材料中で該薬剤から核へと分極を移行させる方法である。このアプローチは、このような低温又は高磁場を必要としないという利点を有し、少量の材料でも大変大きな分極を実証可能に生じさせるために用いられてきた。それは商標名Hypersense(登録商標)で市販のものを利用可能な研究装置の基礎となっている。
しかしながら、外的な緩和剤又な分極剤の混合は多数の欠点を有する。第一に、それらは、高B/T環境から移動させてすぐの固体状態にまだある材料を脱分極させる上では等しく有効である。こうして、過分極後の材料を分極装置から離れた距離に保管/輸送することが大変困難になるため、過分極後の材料を用いた研究を行おうとするMR機器に大変近い所に分極装置を配置する必要がある。第二に、大半の緩和又は分極剤は毒性である場合が多い。こうしてこのような薬剤をin vivoでのMR研究で用いるには問題となっている。
これを理由として、非毒性であり、更に、材料を脱分極させることなく取り除くことのできる緩和剤が開発されてきた。例えば、米国特許第6,651,459号は、過分極させようとする材料から構築された高表面積基質上の3He
層を吸着することによる、3Heの緩和剤としての使用を教示している。3He
被覆層における量子トンネル効果により、その下の材料が急速に緩和して、高B/T環境で核分極が急速に飽和する。3He
は化学的に不活性であり、更に、高B/T環境からウォーム-アップ前に材料から完全に取り除くことができるため、
vivo での利用の問題に対処することができる。米国特許第No.
6,651,459号は更に、4He
を用いて3He
を分極後の材料表面から取り除くことで、ウォーム・アップ時の脱分極を減らすことを教示している。
米国特許第6,651,459号
上記のプロセスの一局面は、3He
は、それが密に接触している基質層を有効に緩和させることができるという点である。このように、当該材料は分極前に大変高面積の基質に作成されねばならず、材料の扱いが困難になりかねない。
従って、当業においては、材料をいずれの種類の外的な緩和剤又は分極剤とも混合しない、過分極(「HP」)材料を製造する方法が求められている。より広くは、当業においては、高度に分極した材料を製造、輸送及び使用するための優れたアプローチが依然、求められている。本開示はこれらの問題への解決策を提供するものである。
開示の概要
本開示の利点を以下に記載するが、以下の説明からも明白となるであろう。本開示の更なる利点は、ここの記載及び請求項に特に指摘された方法及びシステムや、付属の請求項からも理解され、また達成されるであろう。
これらの及び他の利点を達成するために、そしてここで実体化した本開示の目的に従って、ある実施態様では、本開示は、過分極核を含有する材料を作製する方法を提供するものである。本方法は、高表面積形状に第一材料を構成するステップを含む。次に、分極クライオスタットで、第一材料中の少なくとも一つの核の分極を実質的に増加させるのに充分な態様で、第一材料を3Heに約10K未満の温度及び磁場で暴露する。次に、該第一材料を融解又は昇華させることなく、該第一材料の温度を上げることで、第一材料中の核を過分極させる。必要に応じ、その後第一材料を少なくとも一つの他の材料と反応させて、過分極核を含む混合物を形成する。
更に本発明によれば、該混合物は溶液であってもよい。必要に応じて、第一材料を反応ステップの前に、又は反応ステップの一部として、融解させてもよい。第一材料は、第一材料を3Heを暴露した後に4Heに暴露してもよい。必要に応じて、第一材料を過分極条件で別のクライオスタットで保管してもよい。また第一材料を別のクライオスタットに入れて、過分極させた場所から離れた場所に輸送してから、
該第一材料を少なくとも一つの他の材料に反応させて、過分極核を含む混合物を形成してもよい。好適な実施態様では、第一材料中の核は、13C、15N、1H、31P 及び29Siから成る群より選択される少なくとも一つの材料を含む。
本開示に更によれば、本方法は、第一材料中の核を過分極させる最初の温度上昇後に、前記材料を融解又は昇華させることなく、第一材料の温度を実質的にあげるステップを更に含んでもよい。例えば、当該温度は、第一材料のT1が最小値になる温度を実質的に下回る第一温度から、第一材料のT1が最小値になる温度を実質的に上回る第二温度まで上昇させてもよい。ある実施態様では、第一材料の温度を、約10K未満の温度から、約200Kの温度まで上昇させる。別の実施態様では、第一材料中の核にもたらさせた分極の約90%が失われるような速度で、第一材料の温度を磁場の存在下で上昇させてもよい。いくつかの好適な実施態様では、第一材料の温度を、第一材料中の核にもたらされた分極の約80、70、60、50、40、30、20、10 又は5 パーセント未満が失われるような速度で磁場の存在下で上昇させてもよい。必要に応じて、第一材料が第二温度に達した後に、第一材料を、MRシステムのフリンジ磁場内の位置に輸送してもよい。
本開示によれば、本方法には、第一材料中の核を過分極させた初回の温度上昇後に、分極用クライオスタットから第一材料を移動させるステップを含めてもよい。更なる例としては、本方法には、第一材料中の核を過分極させた初回の温度上昇後に、第一材料を輸送用クライオスタット内に移送するステップを付加的に含めてもよい。従って、該輸送用クライオスタットをエンド・ユーザーに輸送してもよい。次に、第一材料を輸送用クライオスタットから移送容器内へと移送してもよい。移送容器には、第一材料を磁場内に維持するための永久磁石又は電磁石を含めてもよい。本方法には、更に、第一材料のT1が最小値になる温度より低い第一温度から、第一材料のT1が最小値になる温度より高い第二温度まで上昇させるステップを含めてもよい。該温度は、第一材料を移送容器に移動させるのと実質的に同じ時点で第二温度まで上昇させてもよい。温度は、約0.1 テスラ乃至約10 テスラの強度を有する磁場内で約30秒未満かけて第二温度まで上昇させてもよい。
開示された実施態様に更によれば、本方法は更に、MRシステムのフリンジ磁場内の混合装置内に第一材料を配置するステップを含んでもよい。好ましくは、前記反応ステップの少なくとも一部分が該混合装置内で起きるとよい。移送容器を用いる場合、移送容器の磁石は好ましくは、MRシステムの稼働前にはスイッチが切られているか、あるいは、作動しないように、あるいは遮蔽されているとよい。
本開示に更によれば、第一材料は酸を含んでもよく、そして少なくとも一つの他の材料が塩基を含んでもよい。他方、第一材料が塩基を含み、そして少なくとも一つの他の材料が酸を含んでもよい。従って、酸には、酢酸、ギ酸、乳酸、及びピルビン酸から成る群より選択される酸が含まれよう。好ましくは、前記酸は13Cでその炭素部位のうちの一つ以上を同位体濃縮されているとよい。ある実施態様では、少なくとも一つの他の材料には、水酸化ナトリウム及び/又は重炭酸ナトリウムの形などのナトリウムがある。更なる局面では、第一材料は標準温度及び圧力(「STP」)で液体、固体、及び/又は気体であってよい。ある実施態様では、第一材料を、約0.1 m2/gを超える表面積対体積比をそれが有するような高表面積形状で凍結させてもよい。
更に本開示によれば、ヒト又は他の生物を含む対象の磁気共鳴(MR)検査法が提供される。本方法は、ここに記載する通りの過分極核を含む混合物を作製するステップと、混合物を対象に投与するステップと、過分極核中で核スピン遷移を励起するように選択された周波数の放射線に対象を暴露するステップと、対象から磁気共鳴シグナルを検出するステップとを含む。
更に本開示によれば、本方法は、画像、動的流れデータ、拡散データ、潅流データ、生理データ又は代謝データのうちの少なくとも一つを、検出されたシグナルから生成するステップを更に含んでもよい。混合物中の過分極核は、好ましくは、範囲0.01-5 T の磁場強度と、20-40℃の範囲の温度で少なくとも5秒間というT1値を有するとよい。
本開示は更に、過分極核を含む材料を作製する方法も提供する。本方法は、遊離電子(例えば上に論じたTA)又は常磁性不純物(例えば上に論じたEPA)のソースの非存在下で、磁場の存在下で約10Kより低い温度で第一材料の分極状態を高めるステップと、第一材料を融解させることなくその温度を上げることで第一材料中の核を過分極させるステップと、第一材料を少なくとも一つの他の材料と反応させて、過分極核を含む混合物を形成するステップとを含む。混合物には、他の種類の混合物もあるが、とりわけ溶液が含まれよう。
本開示に更によれば、ここで解説する本方法には、第一材料がメチル基を含む実施態様も含まれよう。更なる例としては、ここで解説する本方法には、結果できる混合物が対になった接着核を含む実施態様も含まれよう。好ましくは、接着核の少なくとも一部分は過分極しているとよい。
本開示は更に、過分極核を含有する材料を作製する方法も提供するものである。本方法は、メチル基を含む第一材料を高表面積形状に構成するステップと、第一材料の核分極を増すステップと、第一材料の温度を、第一材料のT1が最小値になる温度より低い第一温度から、第一材料のT1が最小値になる温度より高い第二温度まで、第一材料を融解又は昇華させることなく、約30秒間未満内で上昇させるステップとを含む。本開示は更に、過分極核を含有する材料を作製する方法も提供する。本方法は、メチル基を含む第一材料を高表面積形状に構成するステップと、第一材料の核分極を増すステップと、第一材料の核分極を増すステップと、第一材料の温度を、第一材料のT1が最小値になる温度より低い第一温度から、第一材料のT1が最小値になる温度より高い第二温度まで、第一材料を融解又は昇華させることなく、約30秒間未満内で上昇させるステップとを含み、このとき、分極の約90パーセント未満が温度上昇時に失われる。更に本開示によれば、第一材料を少なくとも一つの他の材料に反応させて、過分極核を含む混合物を形成させてもよい。いくつかの好適な実施態様によれば、分極の約80、70、60、50、40、30、20、10 又は5 パーセント未満が、温度上昇時に失われる。
更に本開示は、過分極核を含有する材料を作製する方法も提供する。本方法は、第一材料を過分極させるステップと、第一材料の温度を、第一材料のT1が最小値になる温度より低い第一温度から、第一材料のT1が最小値になる温度より高い第二温度まで、第一材料を融解又は昇華させることなく上昇させるステップとを含む。
更に本開示は、過分極核を含有する材料を作製する方法も提供する。本方法は、第一材料を高表面積形状に構成するステップと、第一材料を3Heに約10K未満の温度及び第一材料の分極を実質的に増すのに充分な態様の磁場で分極用クライオスタット内で暴露するステップとを含む。
更に本方法は、第一材料を少なくとも一つの他の材料に反応させて過分極核を含む混合物を形成するステップも含む。
更に本開示は、過分極核を含む前駆体を提供するステップと、前駆体をMRシステムの漂遊磁場に配置するステップと、前駆体を少なくとも一つの他の材料に反応させて、過分極核を含む混合物を形成するステップとを含む、過分極核を含む混合物を作製する方法も提供するものである。
更に本開示によれば、過分極核を含有する材料を作製するためのシステムの一実施態様が提供される。本システムは、高表面積に構成された第一材料を約10K未満より低い温度で3Heに暴露するための容器と、第一材料の分極を実質的に増すために充分な態様で磁場を提供するように適合及び構成された磁石とを有する分極用クライオスタットを含む。更に本システムは、第一材料を融解又は昇華させることなく第一材料の温度を上昇させることで、第一材料中の核を過分極させるための第一熱源を含む。本システムは更に、第一材料を少なくとも一つの他の材料と反応させて、過分極核を含む混合物を形成するための混合装置も提供する。
本開示に更によれば、混合物は溶液であってもよい。本システムには更に、第一材料を融解させて第一材料を反応可能にするための第二熱源を含めてもよい。該第二熱源には、混合装置内で第一材料を混合させる相手である材料を含めてもよい。例えば、第一材料は、第一材料を混合する相手である材料中にそれを滴下することによって融解させてもよい。例を挙げると、第一材料は、第一材料を混合する相手である材料に接触させる前に融解させてもよい。本システムは更に、第一材料を3Heに暴露した後に、第一材料を4Heに暴露する手段を含んでもよい。
更なる局面では、本システムは更に、過分極状態にある第一材料を保管する輸送用クライオスタットを含んでもよい。輸送用クライオスタットは好ましくは、第一材料を過分極させた箇所から遠く離れた場所に第一材料を輸送するために適しているとよい。好適な実施態様では、第一材料中の核は、13C、15N、1H、31P 及び29Siから成る群より選択される少なくとも一つの材料を含む。
別の局面によれば、本システムは、第一材料を過分極させた後に、材料を融解又は昇華させることなく第一材料の温度を実質的に上昇させる手段を含んでもよい。本システムを、第一材料のT1が最小値になる温度より実質的に低い第一温度から、第一材料のT1が最小値になる温度より実質的に高い第二温度まで、温度を上昇させるように適合及び構成してもよい。本システムは、好ましくは、約10Kより低い温度から約200Kの温度まで第一材料の温度を上昇させるように適合及び構成されているとよい。
更に本開示によれば、本システムに、輸送用クライオスタットから第一材料を受け取るための移送容器を含めてもよい。移送容器は、好ましくは、第一材料を磁場に維持するための磁石を含むとよい。更なる実施態様によれば、本システムは、移送容器から第一材料を受け取るための混合装置を含む。混合装置及び移送容器は、好ましくは、MRシステムのフリンジ磁場内で作動するように適合及び構成されているとよい。移送容器の磁石は、MRシステムの作動を行う前にスイッチが切られるように適合及び構成することができる。
本システムに更によれば、第一材料はSTPで液体、固体、及び/又は気体であってよい。第一材料は好ましくは、約 0.1 m2/gを超える表面積対体積比を有する高表面積形状であるとよい。
本開示は、ヒトの対象又は他の生物を含む対象の磁気共鳴(MR)検査システムを提供するものである。本MRシステムは、ここに記載する通りの過分極核を含む混合物を作製する手段と、該混合物を対象に投与するための注射器とを含む。更に本システムは、過分極後の核に核スピン遷移を励起するように選択された周波数の放射線に対象を暴露するための少なくとも一つの高周波コイルと、対象からの磁気共鳴シグナルを検出するための検出器とを含む。
本開示に更によれば、本システムは更に、画像、動的流れデータ、拡散データ、潅流データ、生理データ又は代謝データのうちの少なくとも一つを、検出器から受け取ったシグナルから生成する手段を含んでもよい。
更に本開示は、過分極核を含む材料を作製するためのシステム例も提供する。本システムは、遊離電子又は常磁性不純物のソースの非存在下で、約10Kより低い温度で、磁場の存在下で第一材料の分極状態を高める手段を含む。更に本システムは、第一材料の温度を、それを融解させることなく上げることで、第一材料中の核を過分極させるための手段を含む。更に本システムは、第一材料を少なくとも一つの他の材料と反応させて、過分極核を含む混合物を形成するための手段も含む。
本開示に更によれば、開示されたシステムは、メチル基を含む第一材料を利用するものでもよい。必要に応じ、開示されたシステムは、対になった接着核を含む混合物を作製するために用いられてもよい。このましくは、接着核の少なくとも一部分は過分極しているとよい。
開示された実施態様に更によれば、過分極核を含有する材料を作製するためのシステムが提供される。本システムは、メチル基を含む第一材料を高表面積形状に構成する手段と、第一材料の核分極を増す手段とを含む。更に本システムは、第一材料の温度を、第一材料のT1が最小値になる温度より低い第一温度から、第一材料のT1が最小値になる温度より高い第二温度まで、第一材料を融解又は昇華させることなく、約30秒間未満内で上昇させる手段を含む。
本開示に更によれば、過分極核を含有する材料を作製するためのシステムが提供される。本システムは、メチル基を含む第一材料を高表面積形状に構成する手段と、第一材料の核分極を増す手段とを含む。更に本システムは、第一材料の温度を、第一材料のT1が最小値になる温度より低い第一温度から、第一材料のT1が最小値になる温度より高い第二温度まで、第一材料を融解又は昇華させることなく、約30秒間未満内で上昇させる手段を含み、このとき分極の約90パーセント未満が加温ステップ中に失われる。いくつかの好適な実施態様によれば、分極の約80、70、60、50、40、30、20、10 又は5 パーセントが加温ステップ中に失われる。
本開示に更によれば、本システムは、第一材料を少なくとも一つの他の材料に反応させて、過分極核を含む混合物を形成する手段を含んでもよい。
本開示に更によれば、過分極核を含有する材料を作製するシステムが提供される。本システムは、第一材料を過分極させる手段と、第一材料の温度を、第一材料のT1が最小値になる温度より低い第一温度から、第一材料のT1が最小値になる温度より高い第二温度まで、第一材料を融解又は昇華させることなく上昇させる手段とを含む。
本開示に更によれば、過分極核を含有する材料を作製するシステムが提供される。本システムは、第一材料を高表面積形状に構成する手段と、第一材料を3Heに約10K未満の温度で暴露する手段を有する分極用クライオスタットと、第一材料の分極を実質的に増すために充分な態様で磁場を生成する磁石とを含む。本システムは更に、第一材料を少なくとも一つ他の材料と反応させて、過分極核を含む混合物を形成するための混合装置も含む。
開示された実施態様に更によれば、過分極核を含む混合物を作製するためのシステムが提供される。本システムは、過分極核を含む前駆体を提供する手段と、MRシステムの漂遊磁場に前駆体を配置する手段とを含む。更に本システムは、前駆体を少なくとも一つの他の材料に反応させて、過分極核を含む混合物を形成する手段も含む。
別の実施態様によれば、本開示は、過分極材料を製造する更なる実施態様を提供する。このような方法の一例は、分極させようとする第一材料を提供するステップと、第一材料中に含まれた少なくとも一つの核の分極を増すステップと、第一材料中の少なくとも一つの核の増した分極を他の核に移動ステップとを含む。
更なる局面では、第一材料は、好ましくはメチル回転基を含み、メチル回転基中の少なくとも一つの水素核の分極を分極ステップで増し、少なくとも一つの水素核の増した分極を、第一材料の他の核に、移動ステップで移動させるとよい。第一材料は好ましくは、分極前に常磁性物質及び分極剤を実質的にパージしてあるとよい。例えば第一材料は好ましくは、分極前にTA及びEPAを実質的にパージしてあるとよい。第一材料は好ましくは、その原子位置のうちの少なくとも一つを、129Xe、13C、15N、1H、2H、31P、19F 及び29Siのうちの少なくとも一つと置換することにより、同位体濃縮されているとよい。

別の局面によれば、分極ステップは好ましくは、第一材料を分極環境に暴露するステップを含むとよい。これは好ましくは、(i)第一材料の温度を下げるステップと、(ii)第一材料を、増強された磁場に晒すステップであって、このとき第一材料は、第一材料に含まれた少なくとも一つの水素核を熱力学的平衡に至るまで分極させるのに充分な時間、分極環境下に暴露される、ステップ、のうちの少なくとも一つを含むとよい。第一材料は、STPで固体でも、液体でも、及び/又は気体でもよい。好ましくは、本方法が、第一材料が固体状態にあるうちの第一材料を分極環境(例えばクリソスタット(原語:crysostat)から抽出するステップを含むとよい。また、分極時間は、好ましくは、メチル基中の少なくとも一つの水素核を分極させるのに充分であるとよい。
別の好適な局面によれば、本方法は更に、第一材料を分極環境から、減衰した磁場の一領域を通って第二位置に指向させることで、分極ステップ後に第一材料中の少なくとも一つの核から他の核へ分極が移動し易くするステップを含むことができる。好ましくは、第一第一材料を分極環境から、減衰した磁場の領域を通って第二位置に、T2を超えるがT1未満の時間をかけて移動させるとよい。例えば、第一材料を分極環境から第二位置に、必要に応じて1.0秒以内、0.1 秒未満、0.01未満、又は約0.001秒以内で移動させることができる。
更なる局面によれば、第二位置には、磁場を持つ低温環境を含めることができる。例えば第二位置に、磁石を含む輸送用クライオスタットを含めることができ、但しこのときの磁石は、第一材料に低温で磁場を印加するものである。好ましくは第一材料が、分極ステップ後に固体状態であり、第一材料が、流体圧力によってそれが加速されることで、第二位置に指向されるとよい。圧縮ガスで導管を通じて第一材料を指向することで、それを指向することができる。例えば10 m/s、100 m/s 又は1000 m/sを超える速度の圧縮ガスで導管を通じて第一材料を指向することができる。圧縮ガスは好ましくはヘリウムを含むとよく、また3Heを含んでもよい。
更なる局面では、第二位置には、第一材料を融解させるための融解容器を含めることができる。一実施態様では、減衰した磁場の領域には、この減衰した磁場の領域の磁場の強度を、地球のバックグラウンド磁場未満の大きさまで低下させるための磁気遮蔽を含めることができる。必要に応じ、本方法には更に、排除前に分極環境中にあるうちに第一材料を加温するステップを含めることができる。この加温ステップは、好ましくは、第一材料の温度を、第一材料のT1が最小値(Tmin)になる温度より低い温度から、第一材料のT1が最小値(Tmin)になる温度より高い第二温度まで、第一材料を実質的に融解又は昇華させることなく上昇させるものであるとよい。
更なる実施態様によれば、本開示は、 分極させようとする第一材料を高表面積粉末の形状で提供するステップと、(i)第一材料の温度を低下させるステップ、及び(ii)第一材料を、増強した磁場に晒すステップ、のうちの少なくとも一つを行うことにより、第一材料中に含まれた少なくとも一つの核の分極を、分極環境にある溶液内で増すステップとを含む、過分極材料を製造する方法を提供するものである。第一材料は、第一材料中に含まれた少なくとも一つの核を熱力学的平衡に至るまで分極させるのに充分な時間、分極環境に暴露される。更に本方法は、第一材料を分極環境から、減衰した磁場の領域を通って第二位置に指向させている間、増した分極を、第一材料中で少なくとも一つの核から他の核へ移動ステップを含む。
更なる局面では、高表面積の第一材料を、材料中に含まれた少なくとも一つの核を分極させるのに充分な時間、3Heに暴露することができる。3He への暴露に続き、高表面積に構成された第一材料を4Heに暴露し3Heを取り除くことができる。4Heへの暴露後、第一材料を実質的に融解又は昇華させることなく、第一材料を加温することで、材料中の核を過分極させることができる。加温は好ましくは、第一材料の温度を、第一材料のT1が最小値(Tmin)になる温度より低い温度から、第一材料のT1が最小値(Tmin)になる温度より高い第二温度まで、第一材料を実質的に融解又は昇華させることなく上昇させるものであるとよい。第一材料を、加温ステップ中、磁場に維持することもできる。好ましくは、第一材料を、分極環境から第二位置にT2 を超え、しかしT1未満の時間で指向させるとよい。 第二位置は好ましくは磁場を持つ低温環境を含むとよい。例えば、第二位置には、磁石を含む輸送用クライオスタットを含めることができ、但しこの場合の磁石は、低温で第一材料に磁場を印加するものとする。
本方法の更なる局面では、第一材料を、(i)動的核分極、(ii)核オーバーハウザー効果、(ii)パラ水素誘導型分極、(iii)第一材料の核を、予め過分極させた気体の過分極核に暴露すること、(iv)第一材料をブルートフォース(原語:brute force )環境に暴露すること、及びこれらの組合せから成る群より選択される技術を用いて分極させることができる。
本開示は、上に記載した通りのSTPで液体である第一材料を過分極させるステップと、第一過分極材料を第二材料と混合して溶液を形成するステップとを含む、過分極溶液を形成する方法を更に提供する。第一材料は第二材料と反応させることで溶液を形成することができる。第一材料には酸を含めることができ、そして第二材料には塩基を含めることができ、あるいはこれらの逆にすることもできる。酸には酢酸、乳酸、ピルビン酸及びギ酸のうちの一つ以上を含めることができる。ある実施態様では、酸を、13C、15N、1H、2H、31P、19F 及び29Siから成る群より選択される一つ以上の同位体の置換により、その原子部位の一つ以上で同位体濃縮することができる。更なる局面によれば、第二材料には、水酸化ナトリウム及び/又は重炭酸ナトリウムの形でなど、ナトリウムを含めることができる。
更なる局面では、第一材料はSTPでは溶液であってよく、そして本方法には更に、第一材料を第二材料と混合して第二溶液を形成するステップを含めることができる。別の実施態様では、第一材料がSTPで固体であり、そして本方法が更に、第一材料を第二材料と混合して溶液を形成する、上に記載した通りの方法が提供される。更に別の実施態様では、本方法には更に、第一材料を第二材料と混合して懸濁液を形成するステップを含めることができる。ある実施態様では、第一材料はSTPで固体であり、そして本方法には更に、第一材料と第二材料と混合してコロイドを形成するステップを含めることができる。別の実施態様では、第一材料はSTPで固体であってよく、そして本方法には更に、第一材料を第二材料と混合して乳濁液を形成するステップを含めることができる。更に別の実施態様では、第一材料はSTPで固体であってよく、本方法には更に、第一材料を第二材料と混合して複合材料を形成するステップを含めることができる。別の実施態様では、本方法には、第一材料を封入剤中に封入するステップを含めることができる。封入剤は多孔質であってもよい。
別の局面によれば、本方法には更に、過分極状態の第一材料を輸送用クライオスタットに保管するステップと、輸送用クライオスタット中の第一材料を、それを過分極させた場所から離れた場所に輸送するステップとを含めることができる。必要に応じ、第一材料をMRシステムのフリンジ磁場内の位置に輸送することができる。本方法には、従って、第一材料の温度を、Tminより低い第一温度からTminより高い第二温度に上昇させるステップを含めることができる。次に第一材料をMRシステムのフリンジ磁界内の混合装置に配置することができる。次に第一材料を混合装置内の第二材料に(例えば化学的に)反応させることができる。好ましくは、移送容器の磁石を、MRシステムの作動を行う前にオフにするとよい。上記のステップは、第一材料を過分極させるのに用いられる最初の機構とは関係なしに行うことができる。更に別の実施態様によれば、第一材料を部分的又は完全に重水素化する。
別の実施態様によれば、上に記載した通りの、しかし、第一材料が輸送用クライオスタット中に配置されている間、又は移送容器に指向されている間に、第一材料の温度を、Tminより低い第一温度からTminより高い第二温度に上昇させるステップを更に含む方法が提供される。必要に応じ、次に第一材料を移送容器に指向することができ、但しこの場合の移送容器は、第一材料を、増した磁場、そして第一材料の融解点よりも低い温度に維持するように適合及び構成されているものとする。例えば、移送容器には磁石を含めることができ、また第一材料の温度を移送容器内で、ドライアイスの助けにより少なくとも部分的に維持することができる。更なる局面によれば、本方法には更に、第一材料を第二材料と混合して混合物を形成するステップを含めることができる。混合ステップには、高めた磁場の存在下で第一材料を融解させるステップを含めることができる。混合ステップは、第一材料を移送容器内に指向する間、第一材料が移送容器内にある間、又は更には、MRシステムのフリンジ磁場内の更なる容器内にある間に、行うことができる。第一材料は第二材料に移送容器内で反応させることができる。
更に本開示は、過分極材料を製造するためのシステムも提供するものである。本システムは、分極させようとする第一材料を分極領域に送達する手段と、分極領域にある間に第一材料内に含まれた少なくとも一つの核の分極を増す手段と、少なくとも一つの核の増した分極を第一材料中の他の核に移動させる手段とを含む。必要に応じ、第一材料にはメチル回転基を含めることができ、メチル回転基中の少なくとも一つの水素核の分極を、分極を増す手段によって増すことができ、そしてこの少なくとも一つの水素核の増した分極を、第一材料中の他の核に、移動手段によって移動させることができる。第一材料は、好ましくは常磁性物質及び分極剤を、分極前に実質的にパージしてあるとよい。
本システムの更なる局面によれば、移動させる手段には、第一材料を分極領域から、減衰した磁場の領域を通じて第二位置へと指向することで、第一材料中の少なくとも一つの核から他の核へと分極が移動し易くする手段を含めることができる。指向する手段は、第一材料を分極環境から、減衰した磁場の領域を通じて第二位置へと、T2 を超えるがT1未満の時間をかけて移動させるように適合及び構成することができる。指向する手段は、好ましくは、第一材料を分極環境から、減衰した磁場の領域を通じて第二位置へと、例えば必要に応じて1.0 秒未満、0.1 秒未満、0.01 秒未満、又は約0.001
秒で移動させるように適合及び構成されるとよい。
更なる局面によれば、第二位置には、磁場を持つ低温環境を含めることができる。例えば第二位置には、磁石を含む輸送用クライオスタットを含めることができ、但しこの場合、該磁石は、低温で第一材料に磁場を印加するものとする。好ましくは、第一材料が、分極後に固体状態であり、第一材料が、第二位置に、それに流体圧が加速されることにより指向されるとよい。ある実施態様では、10 m/sを超える、100 m/sを超える、1000
m/sを超える、あるいは必要に応じた速度で、圧縮ガスにより導管を通じて第一材料を指向することにより、それが第二位置に指向される。圧縮ガスにはヘリウムを含めることができ、また3Heを含めてよい。更なる例としては、第二位置には、第一材料を融解させるための融解容器を含めることができる。ある実施態様では、減衰した磁場の領域には、減衰した磁場の領域での磁場の強度を地球のバックグラウンド磁場よりも小さい大きさに低下させるための磁気遮蔽が含まれる。別の局面では、本システムには、分極環境中にあるうちに第一材料を加温するための手段(例えば電気抵抗ヒーター)を更に含めることができる。加温手段は、好ましくは、第一材料の温度を、第一材料のT1が最小値になる温度より低い温度(Tmin)から、第一材料のT1が最小値(Tmin)になる温度より高い第二温度まで、第一材料を実質的に融解又は昇華させることなく上昇させるとよい。更なる局面によれば、第一材料は、分極前には高表面積粉末の形状であってよい。更に、第一材料の核は、(i)動的核分極、(ii)核オーバーハウザー効果、(ii)パラ水素誘導型分極、(iii)第一水素の核を、予め過分極させた気体の過分極核に暴露すること、(iv)第一材料をブルートフォース(原語:brute force )環境に暴露すること、及びこれらの組合せから成る群より選択される技術を用いて最初に分極させることができる。更に本開示は、少なくとも一つのメチル基を有する材料を含む有利な作用物質であって、但しこの場合、該メチル基中の炭素核が過分極させてあり、該有利な作用物質は、分極用クライオスタットの外では固体であるように適合及び構成されている、作用物質を提供するものである。該有利な作用物質は、ここの教示のいずれに従っても、作製することができる。
更に本開示は、NMR分光法を行う方法も提供する。本方法は、ここの教示のいずれかに従って作製された過分極材料を、目的の領域に導入するステップと、電磁エネルギーのパルスを目的の領域に送ることで、過分極した封入材料を励起するステップと、目的の領域からのNMRスペクトルを受け取るステップとを含む。in vitro 又はin vivo 試料のNMRスペクトルを分析することができる。更なる局面によれば、ここでの教示のいずれかに従って生理的プロセスで代謝させるのに適した材料を過分極するステップと、過分極材料を目的の領域に導入するステップと、過分極材料の代謝の指標であるNMRデータ又はMR画像を受け取るステップとを含む別の方法が提供される。
本明細書に取り入れられ、かつその一部を構成する添付の図面は、開示された方法及びシステムを描写し、更に理解されるように含まれている。本説明と併せて、これら図面は本開示の原則を説明するために資する。
図1は、数種の異なるプロトン化及び重水素化した凍結1-13C濃縮酢酸試料の様々な磁場における核分極崩壊時間(「T1」)対温度を示す。 図2は、開示された実施態様による方法及びシステム例の概略図を示す。
(好適な実施態様の詳細な説明)
開示された実施態様の好適な実施態様を以下、詳細に参照するが、その例を添付の図面でも図示する。開示された実施態様の方法及び対応するステップを、本システムの詳細な説明と関連付けて解説する。
TA/EPAなどの毒性触媒又は他の触媒あるいはいずれの分極剤(毒性であるか、ないかに関係なく)の添加(又は使用)を必要とせずに、多様な分子中の核を過分極させ得る方法例を提供することが、本開示の目的の一つである。好適な実施態様では、分子中の核を過分極させるが、これを次に、溶液中の酢酸塩及びピルビン酸塩などの生理的な対象の13C担持分子に反応させてもよい。
特に好適な実施態様によれば、過分極核を含む酢酸ナトリウムが提供されよう。酢酸ナトリウムは、特に重要な役割を、代謝プロセスのレポーターとして果たすことができる。酢酸ナトリウムは典型的には血中で有意なレベルで見られる基質ではないが、それは容易に取り込まれ、活性化してアセチル-CoAとなる。アセチル-CoAはTCAサイクルによりミトコンドリア内で酸化して二酸化炭素 (CO2)を形成する。アセチル-CoA 酸化のプロセスにおいてNADH が生成されるが、このNADHが酸化的リン酸化を駆動し、酸素処理量の減少がO2 の消費とアセチル-CoA のフラックスとに、TCAサイクルを通じて密に共役している。このように、TCAサイクル・フラックスの測定は、心臓機能に必要な代謝を報告するものである。
ある実施態様例によれば、過分極核を含む酢酸ナトリウム溶液を作製する方法が作製されよう。これは例えば酢酸を重炭酸ナトリウム、水及び二酸化炭素ガスと反応させて酢酸ナトリウムを生成させるなどにより達成してもよく、但しこの場合、前駆体のうちの少なくとも一つの中の核が過分極されるものとする。こうしてこの反応により、選択的には緩衝液、生理食塩水又は他の化学物質と配合したときに、トレーサーとして、及び/又は、代謝情報のソースとしてin vivoでの応用になじむ、溶液などの混合物が天然で生じる。乳酸、ピルビン酸及びギ酸などの他の酸も付加的又は代替的に用いてよい。
分極材料の保管及び移送:
放射性トレーサーとは異なり、過分極核を含む材料に特徴的な核分極崩壊時間(T1)はそれらの周囲環境の関数である。材料(液体、固体、気体等)の温度、磁場及び物理状態はすべて、誘導された核分極が、熱平衡に抗して崩壊するまでのどのくらい存続するのかを決定する上で役割を果たす。適した条件下では、T1は極めて長くすることができる。崩壊時間を長くすると、長距離にわたってHP材料(即ち、過分極核を含む材料)を輸送する可能性が開かれる。このように、HP材料をその後、消費可能なように提供することができ、ユーザーがその施設に分極剤を配置する必要がなくなり、コスト負荷が軽減する。
温度及び磁場に加え、材料の物理的状態及び化学的組成はその核分極崩壊時間に影響する。出願人は酢酸及び酢酸ナトリウムのT1を幅広い温度及び磁場について測定した。出願人は、酢酸ナトリウム中の過分極核のT1が、幅広い温度に渡って(例えば4K乃至300K)極めて短いことを発見した。これは、分極を大きく失うことなく、いずれかの種類の妥当な磁場でいずれかの妥当な距離、輸送するためには、過分極させた酢酸ナトリウムにとっては短すぎる。しかしながら、(重水素化させた)酢酸のT1は、 T < 15 K や、磁場が中程度(典型的には B ~ 0.1 T)では大変短くなる。この発見により、HP酢酸(即ち、過分極核を含む酢酸)を長距離にわたって輸送し、それを消費可能な物品として供給することが可能になる。それは酢酸ではなく、in vivo用薬剤として用いることが必要な、酢酸ナトリウムであるため、使用直前に酢酸を酢酸ナトリウムに添加させる。
上述のDNP法は、過分極材料の長時間の輸送又は保管にはあまり適さない。その理由の一つは、凍結させたHP材料中に存在するTA/EPA は固体状態におけるT1
を短縮する。TA/EPA は、材料を融解させてその液体状態にさせることなく、取り除くことができる。しかしながら、液体状態での材料中の13CのT1は典型的には10乃至60秒のオーダーである。これを理由として、DNPを用いて過分極させた材料の長時間の保管及び/又は輸送は、実現可能ではない。その結果、DNP 分極剤は典型的には、それらが生じるHP材料を分析するために用いられるNMR/MRIシステムに大変近くに配置される。
分極剤をNMR/MRIシステムの近くに配置するのは数多くの理由から問題である。第一に、これらの機器の高コストは、資本設備及び間接資金の両方の点でエンド・ユーザーにとって大変大きな費用上の負担となる。加えて、DNP機器の積載重量検尺可能性が限られていることは、ごく僅かな回数のスキャンしか、単位時間当たり行うことができないことを意味する。ひいてはこのことから、DNP技術を用いて分極させたHP材料を用いて得ることのできる診断情報に限界があることになる。最終製品をその液体型でDNP分極剤から患者に輸送することは、時間もかかり、またこの時間は、所望の代謝プロセスの観察には使えないことになる。
従って、HP材料を保管及び/又は輸送するための方法及びシステムを解説することが、本開示の別の目的である。ある好適な実施態様によれば、過分極核を含む、生理的目的の材料(例えば溶液)を製造するために化学反応において前駆体として用いてもよい材料を保管及び/又は輸送する方法及びシステムが提供される。本開示により、HP材料を、第一位置で製造され、エンド・ユーザーに輸送される消費可能な材料として提供できよう、かなりの距離に渡る輸送が可能となる。
クライオスタットからのHP材料の抽出
生理的目的の数多くの分子がメチル基を含有する。このような分子には、酢酸ナトリウム、ピルビン酸ナトリウム等がある。メチル基の存在は、HP材料の扱いに深い影響を有する。図2に見られるように、酢酸のT1
はその融解点より遥かに低い温度に最小値を有する。その最小値の位置はいくらか磁場依存的である。T1 の最小値は、メチルの炭素に結合した三つの1H 核の回転の結果である。これらの水素核は低温でも回転し続け、近くの核を、さもなければT1が大変高くなりかねない磁場/温度状態でも緩和させる。
この最小値のために、低温過分極法は今日までのところ、大変急速な加温スキームに依存することで、分極環境からの抽出中に多様な材料の分極を保管してきた。典型的にはこれには、材料を、過熱させた水又はメタノールに磁場の存在下で暴露することで、 << T1で、最小値よりも遥かに上の温度に試料をすることが含まれる。
このアプローチでは、材料を急速に加温できるように材料の量を少なく維持する必要がある。また、分析に用いられるNMR/MRIシステムの大変近くに分極剤がなければならないことも、これは意味している。これでは、空間が貴重である多くのユーザーの施設では大変に不利である。加えて、DNPを用いて材料を過分極させる場合は、このDNP装置は、標的装置(NMR/MRI システム)から特定の最小距離に維持しなければならない。
上述したように、数多くの代謝基質はメチル基を含有するため、分極温度と融解温度との間の温度にT1の最小値がある必要がある。出願人は、最小値よりもはるかに温かい、しかし材料の融解又は昇華温度よりも遥かに低い温度でも、T1はやはり充分に長いため、短時間の保管/輸送なら可能であることを発見した。これにより、分極剤(及び/又は、分極後の材料を容れた輸送用クライオスタット)を、MR磁石の近傍から充分に離して配置することが可能になる。この発見を正しく利用するには、分極後の材料の温度を、最小値から充分に低い温度からそれより高い温度にこのプロセス中のいずれにおいても緩和時間T1よりも短い温度で、材料を融解又は昇華させることなく、変化させることが必要である。材料が融解すると、そのT1 は極めて短くなり、それをすぐに用いねばならない。
出願人は、過分極させようとする材料を、例えば粉末又は焼結品など、表面積対体積比の高い形状に構成することで、材料の熱緩和時間を大変短くすることができることを発見した。これによって、その温度を大変迅速に調節することができる。これは、対象となる材料の温度プロファイルのどこかにあるT1が短い結果起きかねない、融解及び/又は不当な分極消失を起こさせることなく、長時間の保管/輸送に必要な大変低い温度(例えばT < 10 K)から、短時間の輸送に適したより中程度の温度(例えばT ~ 200 K)に、材料を加温できるという顕著な利点を有する。いくつかの好適な実施態様によれば、過分極材料の温度を、磁場の存在下で、第一材料中の核にもたらされた分極の約90、80、70、60、50、40、30、20、10 又は5 パーセント未満が失われるような速度で上昇させてもよい。
この態様で分極材料を調製する利点は、それらをその後、容易に入手できる低温材料(例えば液体窒素又はドライアイス)を用いて短距離(例えばユーザーの施設の一箇所から別の箇所へなど)、そして比較的に低磁場で輸送できる点である。別の利点は、材料の融解時間が、その開始点と融解温度との間の温度差が小さくなったために減少したことである。
室温で固体である材料を高表面積の粉末へ構成することは、比較的に簡単である。例えば、ボール・ミリングなどの公知の技術を用いて、固体材料の粒子サイズを必要に応じてミクロン未満に減らすことができる。粉末化させる材料が室温では固体である場合、異なるアプローチを用いなければならない。ボール・ミリングは、ミリングの熱で粒子が融解するため、多くの凍結液体には有用ではない。出願人は、通常の標準的な温度及び圧力下では液体であり、内因的に、又は化学反応の結果、HR MR研究目的の適した代謝基質となるような多様な材料の高表面積凍結粉末を作製するための方法を開発してきた。適した方法は、例えば2008年8月18日に提出された、出願人の米国特許出願 No. 12/193,536号などに解説されている。更に上述の特許出願は、本開示に従って達成可能な多様な他の混合物も開示している(例えばコロイド、懸濁液等)
量子緩和スイッチ「QRS」プロセス
これまでは、気体以外の材料中に高レベルの核分極を生じさせるために「ブルートフォース」環境を用いることには問題があった。なぜなら、大半の核の緩和時間はこのような条件下ではとても長いからである。出願人は、分極させる材料を高表面粉末として構成し、この粉末の表面を3Heに暴露することにより、磁気緩和時間をより短くし、産業レベルの生産になじませることができることを発見した。更に出願人は、材料の表面からの3He除去は、材料を4Heに暴露することにより達成できることを発見した。これにより、材料のT1が大きく増加し、分極を不当に失うことなく、室温までそれを加温することができる。材料が室温まで戻ると、材料中の核は「過分極」する。上で暗示したように、材料中のいくつかの核の核分極は、熱平衡で起き得るよりも大きい。こうして、「過分極した」核を含む材料は、多様なNMR/MRIプロトコルに用いることができる。最も注目すべきことに、材料は、それ単独で、in vivo MR材料として用いることも、あるいは、前駆体として別の材料と反応させて、NMR/MRI材料としてそれ自体が有用である第三の材料を形成することもできる。
(その全文を引用をもってここに援用することとする)米国特許第6,651,459号は、過分極気体(即ち、標準的な状態で気体である材料)を作製する技術を解説したものである。これは以下のステップ例によって行うことができる:
1)気体を高表面積粉末又は焼結品として構成する。例示的な非限定的例として、これは、材料をエーロゾルの表面上で凍結させるか、あるいはより有利には、高表面積の「雪」として凍結させることにより、行うことができる。
2)気体を冷却して、平衡核分極が大変高い「ブルートフォース」(大変低い温度、大変高い磁場)状態にすること。
3)凍結させた気体を3Heの被覆層に暴露する。熱緩和のための通路を提供することに加え、この3Heの層は、「ブルートフォース」状態では高分極している、凍結気体の最上層中の核を効率的に磁気緩和することで熱平衡に至らせる働きをする。この意味で、3Heの固有の特性は、核の緩和を高分極状態に促す緩和剤として用いられる。
4)凍結気体を4Heの被覆層に暴露する。4Heの層は、凍結気体の表面から3Heを効率的に取り除く作用をする。これにより核が効果的に絶縁され、分極を不当に失うことなく、それらを室温まで加温することができる。
上記のプロセスは「量子緩和スイッチ」(QRS) として公知である。なぜならそれは、ブルートフォース環境にある核の効率的な緩和をスイッチ「オン」及び「オフ」することで、室温まで加温することのできる高度に分極した核を生じさせて、多様なNMR/MRI用途に向けたHP前駆体材料を作製できる技術を解説しているからである。このプロセスにはいずれの触媒の添加も必要でなく、また、ブルートフォース環境は高度に無菌的に作り得ることに留意することが重要である。
出願人は、QRSプロセスは、標準的な状態で気体である材料だけでなく、幅広い材料で運用できるように拡張可能であることを発見した。これには、過分極させようとする材料が高表面積に構成されていることが必要である。出願人は更に、幅広い液体を、それらの表面積対体積比が大変高くなるように凍結及び粉末化できることを発見した。特に、化学反応したときに、注射及びin vivo NMR/MRI プロトコルに適した代謝基質の溶液となる酢酸などの液体が好ましい。
上に記載した多様な発見は、多様な材料を高表面積凍結粉末として構成したり、材料を触媒に暴露することなく材料を分極させたり、過分極(HP)するように低温環境から分極後の材料を抽出したり、過分極材料をエンド・ユーザーの場所へと輸送したりすることを完全に可能にする方法及びシステムを成すものである。ここでの「過分極材料」という限定は、過分極核を含む材料を言及することを意図したものだと認識されよう。必要に応じて、過分極材料を他の材料と反応させて、MRI/NMR 用途(例えば in vivo
MRI用途)で用いられる第三のHP材料を形成してもよい。ある好適な実施態様では、生物学的MRI用途に向けた目的分子を含有する材料を用いる。以下の例は、部分的に経験、そして部分的には洞察に基づくものである。
実施例1:
重水素化酢酸をLN2に微細に分割された液滴形状で導入することにより、これらを凍結させて高表面積ペレットにする。このペレットの表面積をBETで~ 5 m2/gと測定する。ペレットを希釈冷蔵庫の試料チャンバー内に配置し、10 T磁場の存在下で T < 100 mK に冷却する。3He を試料チャンバーに加えて、磁気緩和を促す。試料が分極したら(NMRを用いて観察することができるプロセス)、4He を試料チャンバーに加え、試料表面から3Heを取り除く。試料をT ~ 5 K まで加温し、ヘリウムガスを取り除く。ペレットを分極用クライオスタットのチャンバーから取り出すが、その間、温度は T < 10 Kにそして磁場は > 0.1 テスラに維持する。ペレットを、同様の磁場/温度を維持する輸送用クライオスタットに移す。輸送後、ペレットの温度を T < 10 K からT ~ 77 Kに、例えばそれらを液体窒素に浸漬することにより、急速に上げる。その後、ペレットを輸送用クライオスタットから取り出し、MRシステムの近くに、分極を維持するために小さな磁場及び適した低温材料を用いて運ぶことができる。ペレットを磁場の存在下で、加熱した水酸化ナトリウム溶液に滴下することでそれらを急速に融解させて、例えば過分極した酢酸ナトリウム溶液(即ち、過分極した核を含む酢酸ナトリウム溶液)の形でなど、過分極混合物を生じさせてもよい。
必要に応じ、前駆体を用いて過分極混合物を作製する場合には、MRシステムの漂遊磁場を用いることで、過分極前駆体全体に渡って磁場を維持することができる。例えば、過分極前駆体(例えば過分極核を含む酸又は塩基)を、近くにある場合の分極用クライオスタット(又は輸送用クライオスタット)から移送容器に、図2に示すように輸送してもよい。その後、過分極前駆体の温度を、第一材料のT1が最小値になる温度よりも低い第一温度から、第一材料のT1が最小値になる温度よりも高い第二温度まで上昇させてもよい。好ましくは、過分極前駆体の温度を、第一材料のT1が最小値になる温度よりも実質的に低い第一温度から、第一材料のT1が最小値になる温度よりも実質的に高い第二温度まで(例えば約1K未満から約200Kまでなど)、上昇させるとよい。これは例えば、13CのT1が最小値となる温度よりも高い温度に沸点を有する、液体アルゴン、窒素、キセノン又はクリプトンなどの低温液体に前駆体を浸漬することにより、達成されよう。代替的には、約200Kに加温した気体をその表面全体に通過させることにより、前駆体を加熱することができる。
図2に示すように、高表面積形状に構成した材料をクライオスタット 1で分極させる。好ましくは、材料を約1mK乃至100mk、より好ましくは約10mK乃至約40mKの温度で分極するとよい。次に、材料の温度を上昇させて過分極させる(即ち、通常では熱平衡となるより上の分極状態)。次に材料を抽出し、材料の核分極の崩壊が遅くなる温度及び磁場環境を維持する輸送用クライオスタット 2 内に保管する。その後、この過分極材料を輸送用クライオスタット 2 を介し、病院などの保管又は最終位置に輸送してよい。次に、過分極材料を輸送用クライオスタット 2から、短時間の輸送に適した高温及び低磁場に過分極材料を維持する中間クライオスタット又は移送容器 3 に抽出する。過分極材料を移送容器3に移送する前、移送中又は移送後に、その温度を可能な限り素早く、材料のT1が最小値となる温度に上昇させておくことが好ましい。
例えば、温度の上昇は、30、20、10未満、又は最も好ましくは5秒の時間で行われることが好ましい。好ましくは、移送容器3の印加磁場は、NMR/MRI システムに近くに安全にそれを運べるように500ガウスを超えないとよい。次に、過分極材料を移送容器3から混合装置4へ駆出して、この混合装置4で
好ましくはin vivoへの注射に適した溶液などの混合物に変換する。過分極溶液は無菌のライン5から患者6へと注射される。その後、NMR/MRI システム7を用いて多種のNMR/MRIプロトコルを行う。
移送容器3は、過分極前駆体材料を受け取るための区画8を含み、移送プロセス中、材料全体に磁場を維持するための電磁石又は永久磁石などの磁石9を含む。好ましくは、混合装置4及び移送容器3は、MRシステム7の漂遊磁場10内に配置されるとよい。図示した磁場線は単に描写を意図したものであることは留意されよう。有利なことに、これによって、過分極材料をMRシステムの近傍で融解させることができ、ひいては、その間に分極が崩壊しかねない、できた溶液を対象に送達するのにかかる時間を削減することができる。図2に更に示すように、分極用クライオスタット 1 は、それに磁場を印加するための磁石11、過分極させようとする材料を含有するための容器、及び、材料の温度を上昇させて過分極を促すための熱源、を含む。更に、分極用クライオスタット1は3Heの源及び4Heの源とも連携して作動可能であることが描かれている。第二熱源16は、過分極材料を、過分極材料が最小値T1となる温度より低い温度から、より高い温度へと加熱するために用いることのできる材料源であり、これもまた描かれている。図2は更に、システム7が、伝送RFコイル 17、検出器18 (受信コイル・アレイ及び支援ハードウェアなど)や、データを受け取り、受け取ったデータを処理するためのコンピューター端末/プロセッサ19も含むことを示す。ある好適な実施態様では、磁石9は電磁石である。これにより、移送容器3の磁場を選択的に失活させて、移送容器3の磁場がMRシステムの作動を妨げないようにすることができる。代替的には、磁場をよく遮蔽して干渉を抑えることができる。必要に応じ、過分極混合物を作製するための過分極前駆体を、MRシステムに比較的に近い箇所で作製してもよい。
緩和剤の代替案
上述したものなどの外的な緩和剤又は分極剤の代替案は、高B/T状態で内因的に迅速な緩和速度を有する核を含有する材料を直接分極させることである。このような核は珍しい。なぜならこれらの条件下では、上に記載した通り、T1は典型的には大変な低温ではとても長く、100mk未満の温度では数週間から数か月のオーダーである場合もあるほどである。しかしながら、一つ以上のクラスの迅速に緩和する核を同定することにより、いずれかの種類の不純な触媒又は外的薬剤を必要とせずに、高B/T条件で妥当な短い時間で高度の分極を生じさせることが可能になる。
酢酸カリウムなど、メチル回転基を含有する分子中の高速プロトン核緩和時間は10Kまで観察されている。水素核中の異常に速い緩和時間は、CH3基の回転状態間での量子トンネル効果の結果であると考えられ、CH3基を含有する数多くの分子で観察されてきた。トンネル効果が起きるのは、メチルのプロトンがそれらの対称軸周りを比較的に自由に回転できるからである。回転にとっての障害ポテンシャルは、メチルのプロトンとそれらの環境との間の分子間及び分子内相互作用が原因で生じる。このように、メチル回転子は、分子環境の詳細や固体状態での結晶構造に左右される障害ポテンシャルを持つ3次元量子化調和振動子として、よく描写することができる。
メチルのプロトンを分離する障害ポテンシャルが大変高い場合は、プロトン回転子は固定した位置にある。回転子には三つの縮退位置がある。障害ポテンシャルが低い場合、これらの位置の間での量子トンネル効果が可能になる。これにより縮退が分かれ、一個の基底状態(典型的にはAと表される)と、時計回り方向及び反時計回り方向の回転に相当する二つの励起状態(典型的には Ea 及びEbと表される)とがあることになる。 充分に低い温度(典型的にはT < 10 K)では、メチル回転子はそれらの基底状態にあり、A及びE状態環の量子トンネル効果は、w0T で表される固定周波数で続く。
固体の3He層での量子トンネル効果は、任意の低温まで続いて固体の3Heの比較的に急速な緩和速度につながる温度非依存的効果であることが観察されてきた。3Heにおける量子トンネル効果の存在は第6,651,459号に記載された方法の基盤である。同様に、CH3基の回転状態間の量子トンネル効果は、ともすればT →0となるほど非常に長くなることが予測される、メチル基の緩和速度を低下させる。低温限界では、メチルのプロトンのT1緩和時間は以下の等式によって支配される:
Figure 2013503021
このときtc=相関時間であり、そしてCEE=定数である。w0Tは周囲磁場にも温度にも依存していないため、この等式は、低温限界ではT1は定数であることを示している。
従って、充分に低い温度で、 w0T > wL (プロトンについてwL= ラーモア周波数 =
42.6 MHz/テスラ) の磁場では、メチル回転子のプロトンのT1 は、温度及び磁場の両者について非依存的である。これは、T1がこの範囲の温度減少に対して指数関数的に増加すると予測される量子トンネル効果を示さない分子のT1からは大変異なる。これの驚くべき結果は、CH3基のプロトンの飽和分極を、大変高いB/T条件下でも急速に生じさせられることである。これは、CH3基のプロトンの温度非依存的トンネル効果の結果、トリチル・ラジカルなどの分極剤、又は外的に添加される緩和剤などの添加なしに起きるものである。
In vivoでのMRの関心となる多くの分子はメチル基を含有する。これらには、とりわけ、酢酸及びピルビン酸がある。他の分子では、メチル基は当業で公知の化学プロセスを通じて導入し得るため、少なくとも一つ以上のメチル基を分子に付着させることができる。
本開示の一局面は、CH3基中のプロトンなど、一分子中の一組の核の飽和分極を迅速に生じさせる方法に関する。関心の分子上で核を直接分極させることは、外的な緩和剤又は分極剤を用いるよりも多くの利点を有する。第一に、上に記載したように、数多くの緩和剤及び分極剤は毒性である。外的薬剤の適正な分散について何の心配もないため、材料の扱いは遥かに簡単になる。また、好適な緩和剤として3Heを用いるため、高表面積形状で材料を構成する必要もない。
メチルのプロトン自体は、in vivo MRにとってはさほどの関心事ではない。なぜならそれらの室温の溶液中での緩和速度は概して速すぎるからである。より大きな関心事は、近くのメチル及びカルボニルの炭素である。これらはより長いT1s
(特にカルボニル)を有する傾向にある。更に、炭素の化学シフトはプロトンのそれよりも遥かに幅広いため、分光法研究でそれらを解析することはより容易である。これを理由として、本開示の更なる局面は、ある一つの分子中の核間で分極を効率的に移動させる方法に関し、特にメチルプロトンから近くのメチル及び/又はカルボニルの炭素に移動させて、それらをMR研究で用いられるようにする方法に関する。
ある一つの分子中の核環で分極を移動させる、いくつかの方法が当業に存在する。例えば、パルス・シーケンスを用いて核間で分極を移動させることができる。しかしながらこれらは過分極した材料の検尺可能な生産には適さない。なぜならそれらには、高度に均質な磁石や、一度に少量の材料しか扱えないことの多いNMR共鳴子が必要だからである。より簡単でより検尺可能な方法は材料を低磁場に暴露する方法である。分子を低磁場に暴露することにより、その中の核間で分極を移動させられる。これは低磁場熱混合(「LFTM」)として公知である。このプロセスでは、ある核に別の近くにある核に対する局部的双極性磁場が周囲の磁場を超えないように充分に低い磁場に分子を暴露する。これらの環境下では、二つの核の「スピン温度」は:
Figure 2013503021
に等しい速度で平衡になり、このときBは周囲磁場であり、BL は、核2に対する核1の局部的双極性磁場であり、そしてγ1,2
はそれぞれ核1、2の磁気回転比である。BL
は典型的には、ある一つの分子中の隣り合った核については 1
− 5 G のオーダーであるため、B は、分極の迅速な移動のためにもこのオーダーでなくてはならない。B
< BLについては、τ → T2であることが容易に見て取れる。固体状態におけるT2
は、典型的には、数十マイクロ秒のオーダーであるため、分極の交換は B
< BLでは大変高速に起きる。
LFTMは固体状態の分極材料を作製するために用いられてきた。例えば米国特許第 6,466,814号では、固体の 2-13C-2,2-ビス(トリジューテロメチル)-1,1,3,3-テトラジューテロプロパン-1,3-ジオール試料を、それを繰り返し分極用磁石及び ~ 70 Gの漂遊磁場に~
1 秒間、出し入れすることで6.65 T 及び2.5 Kで 13C 熱力学的平衡に分極している。これらの例及び他は、低磁場熱混合を用いて、プロトンから13Cなどの異核に分極を移動させることが可能であることを実証するものである。
低磁場に材料を暴露することは急速な脱分極にもつながりかねない。なぜなら固体状態でのT1
は、典型的には周囲の磁場の強力な関数だからである。例えば米国特許第6,466,814号では、固体 2-13C-2,2-ビス(トリジューテロメチル)-1,1,3,3-テトラジューテロプロパン-1,3-ジオールをLFTMを用いて分極させ、それを分極用クライオスタットから試料スティックの末端で引き出すことで抽出し、最後に溶解させて溶液を形成させている。その結果の13Cに対する強調因数を溶液中で測定すると~ 12と出た。総ポテンシャル・ゲイン、又は強調因数は ~
> 100 だったため、高B/Tで誘導された分極のうちの90%を超えるものが、抽出中に失われた。
従来、「強調因数」は、過分極したNMRシグナル強度(それ自体はフーリエ変換線の積分と定義される)を、熱平衡にある分子のNMRシグナル強度で除算した比であるとみなされている。実際にこの量を測定するためには、過分極させた試料がNMR磁石内にあった直後に、一連のNMRパルス中のrfチューニング・セットで一連の自由誘導減衰(「FID」)を補正するのが典型的である。こうして試料が熱平衡に達した後、この検査を繰り返すが、その熱平衡とはあらゆる実用的な目的について、例えば酢酸の場合には ~
5 T1のオーダー、又は約4
- 5 分である。二つのFIDシグナルの比が強調因数である。強調因数は当然ながら、試料を最初にどれだけ早く測定できるかの影響を受けることは理解されよう。上述したものなどの12の強調因数は、過分極溶液からのシグナル強度が、試料が強調されなかった場合に同じ分光計で同じ溶液を計った場合の12倍であったことを意味する。
上に論じた理由から、大半の過分極スキームは、材料が決して低磁場に暴露されないように、分極材料を分極用クライオスタットに直接溶解させることに依拠してきた。液体状態になりさえすれば、外的な薬剤を素早く取り除くことができ、HP材料のT1も外的緩和剤及び/又は磁場の変化に対して感受性が低くなる。米国特許第7,102,354号は、熱湯の注入により材料を溶解させる、これを行う方法を解説している。
しかしながら、上に記載した通り、これの負の結果は、過分極材料は長時間保管できないか、あるいは、かなりの距離にわたっては輸送できないことである。例外として貴ガスでは、これは材料を固体状態に維持できる場合にのみ実現可能である。このように、分極を不当に失うことなく、分極用クライオスタットから分極材料を固体状態で抽出する方法が、当業では求められている。本開示は、この目的をどのように達成するかを下で解説する。
ある実施態様によれば、in vivo MR用途の場合、過分極材料をin
vivoに導入することのできる形状にする。用途及び材料に応じて、これは溶液、懸濁液、コロイド又は他の種類の混合物の形を採ることができる。懸濁液には更に、生理的に許容できる液体に懸濁させた固形ペレット、あるいは、固体又は液体過分極材料の封入物も含まれよう。
米国特許第6,466,814 号及び米国特許第6,278,893号は、過分極させた固体を生理的に許容できる液体に溶解させることによるHP溶液の製造を解説している。しかしそれらは液体及び/又は予め溶解させた溶液の使用を教示していない。多くの用途にとっては、過分極材料がSTPで液体であるか、あるいは予め溶解させた溶液であった方がよいであろう。これの理由の一つは、液体は、例えばそれらを液体窒素などの低温液体に滴下することにより、直接ペレット化することができることである。固体、特に粉末である固体をペレット化するには、ペレット中の過分極化可能材料の全体的正味重量を減らすような結合剤又は他の添加剤とそれを混合する必要があるであろう。更に、液体は急速に溶解及び混合するため、溶液形成中により良好の分極を保管する。米国特許第6,6466,814
号及び米国特許第6,278,893 号はどのように懸濁液、コロイド又は他の種類の混合物を形成するかを教示しておらず、またそれらは封入材料をどのように分極するかについては解説していない。この開示の更なる局面は、過分極材料を用いてこれらの種類の混合物を作製する方法を教示している。
このように本開示は、新規な態様で過分極溶液を製造するプロセスを解説する。更にそれは、過分極懸濁液及び/又は他の混合物の製造も教示する。開示された方法には、不純な触媒の使用を必要としないため、潜在的に毒性の物質が取り除かれ、更に、固体状態で分極剤から材料を抽出することを可能にする。必要に応じて、前記材料を適した液体、又は液体の組合せ、又は溶液に溶解又は分散させることにより、分極用クライオスタットから離れた場所で使用できるように、過分極材料を保管/輸送してもよい。
従って出願人は、トリチル・ラジカルなどの触媒を導入しない、材料を分極する方法開発した。本方法では、固体状態にあるうちに材料を分極環境から抽出することができるため、過剰な分極消失なく、それらを保管/輸送することができる。更に本方法は、過分極材料を溶液、懸濁液、封入物等の形状で提供可能にするため、それらをin vivo MR 研究で用いることができよう。
スピン1/2核(例えば13C、129Xe、15N、1H等々) から成るスピン・アンサンブルを外的磁場に配置する場合、核の量子化磁気モーメント (m = ±1/2) と磁場との相互作用により、システムから二つの可能なエネルギー状態が生じる。典型的には、これらの状態は「アップ」 (m = 1/2) 及び「ダウン」 (m = 1/2)と表され、核の磁気モーメントが周囲磁場に対して平行であるか、逆平行であるかを言う。
非ゼロ磁場では、「アップ」状態は「ダウン」状態よりもエネルギー構成が低い。これを理由として、熱力学的平衡状態では、「アップ」状態のスピンの集団は「ダウン」状態のそれを超えるであろう。「アップ」状態の核スピンの「ダウン」状態のそれに対する比は、このシステムの「ゼーマン分極」又は「ボルツマン分極」として公知である。それはいずれかの温度Tについて、等式P =
tanh μB/kT (但し式中、 μ = スピンの磁気回転比及び
k = ボルツマンの定数で計算することができる。ここで記述する場合の「過分極」とは、熱力学的平衡を超える核分極の発生を言う。
「過分極した」スピンのアンサンブルは熱力学的平衡に戻ろうと緩和に向かいたがる。典型的には緩和は時間に対して指数関数的であり、これが起きる時間定数は当業において「T1」として公知である。NMR 用語においては、T1
は核磁気のz成分(即ち、周囲磁場に対して平行な Mz)の回復の時間定数であり、スピン・アンサンブルと格子との間の相互作用を述べたものである。 T1 は、過分極した核種の関数であるだけでなく、温度、磁場、分子構造、又は上述のすべての組合せの関数でもあることに注目されたい。
NMR実験のもう一つの特徴的な時間定数はT2である。これは、正式には核磁気化の Mx,y 成分(即ち、周囲磁場に対して直交する)の回復の時間定数として公知である。より正式には、それはスピン対スピン相互作用を描写した時間定数であり、通常、フーリエ空間中のNMRシグナルの線幅と関係する。T1と同様、T2 もまた、温度、磁場、分子構造等の関数であり得る。注目すべきことに、固体では、 T2 は常にT1
よりも小さいが、液体ではT2 ~ T1である。艇磁場熱混合実験においては、核間の分極から移動までの時間は典型的には ~ T2である。格子全体についての分極から崩壊までの時間は ~ T1である。従って、過分極材料の低磁場への暴露の時間が(他の核(例えばメチル基の炭素核)とのメチル基中のプロトンの熱混合が可能なように)が T2 > t > T1であることが重要である。
第一の例示的な実施態様によれば、材料を構成するステップをまず含む方法が提供される。本方法は、好ましくは、少なくとも一つのCH3 メチル基と、非ゼロ・スピンを持つ核とを含有する分子を含有するとよい。好ましくは、核はSTPで高T1
の材料であるとよい。こうして本方法は、選択的には、分極用クライオスタット内の高B/T環境内に迅速に導入し、かつそこから抽出できるように試料をペレット化するステップを明示したものである。
出願人は以前の出願で(例えば2009年4月6日、PCT/US2009/39696) 例えば液体をLN2中に滴下するなど、どのようにそれをペレット化するかについて解説している。これは、例えば氷状酢酸の凍結ペレットを作製するために用いられてきた。同様なプロセスを溶液、乳濁液、懸濁液等に用いることができる。気体もペレット化してよい。非排他的な例としては、これはそれらを粉末表面上に凍結させることにより、行うことができる。
MRI研究で用いるために、室温で液体である分子をペレット化することは当業で解説されてきた。例えば米国特許第5,617,859号は、それらを高磁場に晒すことによって分極することのできるペレット化液体の使用を解説している。しかしながら、この教示は、メチル回転子又は量子トンネル効果をベースとした現象を用いて大変高いB/T環境で一組の核を急速に緩和させることは開示していない。更にそれは、低磁場を用いて、分子中の一つの核から別の核へと分極を移動させることも解説していない。最後に、分極環境からペレットを抽出する際の不当な緩和消失を避けるために、ペレットの温度/磁場を制御することも、それは教示していない。これらのステップは、ここで開示するように、分極した分子、特にCH3メチル基を含有する分子を製造し、液体、懸濁液又は他の種類の混合物を形成するために室温で流体と一緒にそれらを取り込むために用いられる。
更なる局面では、前記の例示的な方法は更に、材料中の少なくとも一つの核種(特に、CH3基中のメチルプロトン)に高レベルの分極を生じさせるために充分な時間量、高磁場の超伝導磁石及び低温クライオスタットを用いて生じさせられるものなど、高B/T環境にペレットを暴露することを提案する。また本方法は、ペレットを、磁石の高磁場領域から、地球の周囲磁場(〜0.5G)又はミューメタルなどの遮蔽容器によって提供されるものなどの低磁場に短時間、それが暴露されるように指向することも提案する。放出方法は、好ましくは、推進剤としてヘリウムガスを用いて行われるとよく、ペレットの速度は、好ましくは低磁場への暴露時間tが T2
< t < T1となるようなものであるとよい。
出願人は、特定の温度では、メチル基を含有する分子の緩和時間が大変速い場合があることを発見した。分子がこのような周囲条件下で余りに長時間、残っていると、 Tminとして公知のこれらの温度が脱分極の経路となる場合があり、これは低磁場ではより劇的である。このように、本例示的な方法は、低磁場環境への暴露中に、その核緩和時間が大変速くなる温度から充分に遠い温度になるように、ペレットの温度を選択的に制御することを更に提案する。例えばペレットをTmin よりも充分に高い温度に加温してから、高B/T環境から指向することができる。
更なる局面では、本方法は、高磁場からの放出後にも材料に固体状態を保持させることができる。分極用クライオスタットを出たらすぐに、関心の異種核のT1 が所望の長さの時間である温度に、ペレットを維持することができる。例えばこれは、4 Kに、そして永久磁石が提供するような > 0.1 テスラの磁場にペレットを保管することにより、行うことができる。こうして、過分極させた材料をすぐに、又はいくらかの将来/位置で利用して溶液、懸濁液、コロイド、又は他の混合物を形成することができ、その後これらを用いて画像、動的流れデータ、拡散データ、潅流データ、生理データ又は代謝データを生成できよう。以下の更なる実施例は同様に、部分的には経験に基づき、そして部分的には洞察に基づくものである。
実施例2
液体1-13C 標識酢酸を、液体窒素(「LN2」)中に滴下することでそれを凍結させてペレットにする。このペレットを採集し、高B/T環境(例えば8-10 テスラのバックグラウンド磁場で約150 mKの低温環境など)に導入する。酢酸中のメチル(「CH3」)基中のプロトンが完全に緩和するまで、これらを高B/T環境に維持するが、これは、NMRを用いるか、あるいはこのような条件下でのプロトンT1を前もって測定しておくことで、観察することができる。次にペレットを、高B/T環境から高圧ヘリウムガスを用いて導管を通じて指向/放出する。光凍結ペレットを加速する実例は、一般的に、例えば凍結水素ペレットを1000 m/秒のオーダーの速度で融合トカマクに導入する分野などで、公知であることは認識されよう。これらが放出されるときには、ペレットは分極磁場から大変に低磁場の領域へと送られるため、分極はプロトンから近くの13C 標識されたカルボニルへと流れる。ペレットはある一定量にして、ペレットの周囲温度/磁場環境を独立に制御することのできる、高B/T環境の外で採集される。非排他的な例としては、体積を、 ~ 200 K にドライアイスを用いて維持することができる。小さな永久磁石を用いてペレット上の磁場を維持することができる。このような条件下では、酢酸中の13C のT1は数分のオーダーであり、分極後の酢酸を短距離、輸送するには充分な長さである。その後、ペレットをその体積で融解させ、加温した緩衝液と反応させて、高度に分極した酢酸ナトリウム溶液を生成することができる。
実施例3
実施例1で解説した通り、液体1-13C 酢酸ペレットを製造し、高B/T 条件まで冷却する。CH3
基中のプロトンが分極したら、まだ分極用磁場にあるうちに、Tmin よりも高いが、それらの融解温度より低い温度までこのペレットを加温する(酢酸の場合のTmelt ~ 17°C)。次にこれらを分極用クライオスタットから指向/放出させて、これらを保管/輸送できるように採集するか、あるいはすぐ使用できるように融解させることができる。
実施例4
粉末化させた無水1-13C 標識済み酢酸ナトリウムを、例えば緩衝液又は生理食塩水などのin vivo MR 用途に適した溶媒に混合する。次に、例えばこの溶液をLN2中に滴下するなどにより、これを凍結させてペレットにする。次にこのペレットを高B/T環境に暴露する。これらを、酢酸ナトリウム中のCH3基中のプロトンが完全に緩和するまで、高B/T環境に維持する。
次にペレットを高B/T環境から高圧ヘリウムガスを用いて指向/放出する。その後、例えばペレットを、加熱した水又は生理食塩水などの混合することで融解させて、高度に分極した酢酸ナトリウム溶液を生成することができる。
実施例5
粉末化させた無水1-13C標識済み酢酸ナトリウムを、例えば緩衝液又は生理食塩水などのin vivo MR 用途に適した溶媒に混合する。次に、この溶液を薄層ポリマー・シェル中に封入して、in vivo用途にとって充分に小さい個々のビーズに形成する。ペレットは選択的には、例えば線維種又は腫瘍などの所望のin vivo構造に結合させるなど、所望のin vivo機能を生じるように官能化させることができる。選択的に官能化させたカプセルは、酢酸ナトリウム中のCH3基のプロトンが完全に緩和するまで、高B/T環境に維持される。次にペレットを高B/T環境から高圧ヘリウムガスを用いて指向/放出させ、生理的な許容可能な溶液と混合して、過分極懸濁液を形成する。
更に本開示は、NMR分光法を行う方法の一つを提供する。本方法は、ここの教示のいずれかによって作製された過分極材料を、目的の領域に導入するステップと、電磁エネルギーのパルスを目的の領域に送ることで、過分極させた封入材料を励起するステップと、目的の領域からNMRスペクトルを受け取るステップとを含む。従って、ここに提供された材料を用いて、in vitro 又は in vivo 試料のNMRスペクトルを解析することができる。更に、更なる局面によれば、ここでの教示のいずれかにより生理的プロセスで代謝させるのに適した材料を過分極させることが可能であり、過分極材料を目的の領域に導入するステップと、過分極材料の代謝の指標であるNMRデータ又はMR画像を受け取るステップとを含む。このような技術は、引用をもってその全文をここに援用することとする2008年8月18日提出の米国特許出願第12/193,536号に記載された通り、特定の種類の組織の存在を診断するために有用であり得る。
ここに記載した通りのメチル基中のプロトンは、例えば(i)量子緩和スイッチ、(ii)動的核分極、(iii)核オーバーハウザー効果、(iv)パラ水素誘導型分極、(v)第一材料の核を、予め過分極させた気体の過分極核に暴露する、(vi)第一材料をブルートフォース環境及びそれらの組合せに暴露するなど、多種の技術によって分極させることができることも、当業者であれば理解されよう。
動的核分極(「DNP」)は、一般的には、電子スピンから近くの核スピンへの分極の移動を含み、典型的には、排他的という訳ではないが、マイクロ波照射を用いた電子共鳴線の飽和を通じる。特許文献中のDNPの一例には、引用をもってその全文をここに援用することとする米国特許第6,008,644号がある。本開示の実施態様のうちのいくつかの文脈では、DNPは、例えば、ある材料のメチル基中のプロトンを過分極させるために用いることができる。
核オーバーハウザー効果は一般に、ある一組の核からスピンへ、別の組の近くの核スピンへという核分極の移動を含み、典型的には、排他的というわけではないが、第一組のスピン核共鳴線の飽和を通じる。文献中の核オーバーハウザー効果の例は、引用をもってその全文をここに援用することとするSchlichter, Principles of Magnetic Resonance, 2nd ed. Springer
Velas, Berlin, 1978に解説されている。本発明の実施態様のいくつかの文脈では、核オーバーハウザー効果は、メチル基中の水素核に通常よりも高い分極を有させることにより、利用することができる。
パラ水素誘導型分極(「PHIP」)を用いて、メチル基中の水素原子を過分極させることができる。PHIPは一般に、p-H2,により触媒された水素添加の分極移動と、続く、目的の核へのスピン-オーダー移動とを含む。特許文献中のPHIPの例には、例えば、引用をもってその全文をここに援用することとする米国特許第6,574,495号がある。
量子緩和スイッチ(ここでは「QRS」と言及される)を用いることが好ましいが、ブルートフォース過分極を用いて、メチル基中の水素原子を過分極させることができる。当業で用いられる用語として、ブルートフォースとは、過分極させようとする材料を大変な低温、高磁場条件に暴露することを言う。「ブルートフォース」環境中の材料は自然に緩和して高核分極状態になる傾向がある。しかしながら、付加的なメカニズムを用いないと、過分極を達成するための時間は一般的には実用するには長すぎる。3Heなどの過分極推進剤を用いることにより、3Heによりもたらされる量子緩和スイッチは、ブルートフォース状態にあるうちの材料の緩和を促すことで、この材料の過分極を急速に誘導する。次に4Heの印加を用いて、メチル基中の水素原子から3Heを取り除くことで、過分極を不当に失うことなく、室温までそれを加温することができる。特許文献中のQRSの一例には、引用をもってその全文をここに援用することとする米国特許第6,651,459 号がある。
メチル基中の水素原子はまた、予め過分極させた気体の過分極核にそれらを暴露することでも、過分極させられよう。これは、例えば第一材料を液化過分極129Xeに浸漬したり、あるいは気体性の分極キセノンを材料を通じて発泡させたりするなどにより、多様な方法行うことができる。
特許文献中での、気体からの核過分極移動の一例は、引用をもってその全文をここに援用することとする米国特許第6,426,058 号に見ることができる。
「オーバーハウザー効果」は、電子から核への核の移動だと考えられる。ここで更に解説するように、「核オーバーハウザー効果」は、移動が一つの核から別の核へであることを例外として、同様な現象である。それぞれの場合において、分極は一組のスピン(「オーバーハウザー効果」の場合、電子−核へ、であり、「核オーバーハウザー効果」の場合、核−核へ、である)から移動する。この技術は、高周波(「RF」)パルスの材料への印加を用いる、又は、二組のスピン(即ち(i)電子−核又は(ii)核−核)が相互に対して運動しているかに依存して、用いない場合がある。
本開示の方法及びシステムは、上に解説し、図面で示した通り、優れた過分極材料と、同材料を作製する方法を提供するものである。ここで引用された全ての特許、特許出願及び参考文献の全文を、引用をもってここに援用することとする。多様な改良及び変更を、開示の実施態様の精神又は範囲から逸脱することなく、開示された実施態様の装置及び方法に対して行うことができることは当業者には明白であろう。従って、本開示には、本開示及び均等物の範囲内にある改良及び変更が含まれることが意図されている。

Claims (115)

  1. a)分極させようとする第一材料であって、メチル回転基を含む第一材料、を提供するステップと、
    b)第一材料のメチル基中の少なくとも一つの水素核の分極を増加させるステップと、
    c)第一材料中の少なくとも一つの水素核の増加した分極を、他の核へ移動させるステップと
    を含む、過分極材料を製造するプロセス。
  2. 第一材料が、129Xe、13C、15N、1H、2H、31P、19F及び29Siのうちの少なくとも一つを、その原子部位の一つ以上を置換することにより同位体濃縮されている、請求項1に記載の方法。
  3. 第一材料が、分極前に常磁性物質及び分極剤を実質的にパージしてある、請求項1に記載の方法。
  4. 分極ステップが、(i)第一材料の温度を下げるステップと、(ii)第一材料を、増強された磁場に晒すステップであって、このとき第一材料は、第一材料に含まれた少なくとも一つの水素核を熱力学的平衡に至るまで分極させるのに充分な時間、分極環境下に暴露される、ステップ、のうちの少なくとも一つを含む、第一材料を分極環境に暴露するステップを含む、請求項1に記載の方法。
  5. 第一材料がSTPで気体である、請求項1に記載の方法。
  6. 第一材料がSTPで液体である、請求項1に記載の方法。
  7. 第一材料がSTPで固体である、請求項1に記載の方法。
  8. 第一材料を分極環境から、減衰した磁場の一領域を通って第二位置に指向させることで、分極ステップ後に第一材料中の少なくとも一つの核から他の核へ分極が移動し易くするステップを更に含む、請求項4に記載の方法。
  9. 第一材料を分極環境から、減衰した磁場の領域を通って第二位置に、T2を超えるがT1未満の時間をかけて移動させる、請求項8に記載の方法。
  10. 第一材料を分極環境から第二位置に1.0秒未満で移動させる、請求項9に記載の方法。
  11. 第一材料を分極環境から第二位置に0.1秒未満で移動させる、請求項9に記載の方法。
  12. 第一材料を分極環境から第二位置に0.01秒未満で移動させる、請求項9に記載の方法。
  13. 第一材料を分極環境から第二位置に約0.001秒で移動させる、請求項9に記載の方法。
  14. 分極時間が、メチル基中の水素核を分極させるために充分である、請求項4に記載の方法。
  15. 第二位置が磁場を持つ低温環境を含む、請求項8に記載の方法。
  16. 第二位置が、磁石を含む輸送用クライオスタットを含み、この場合、磁石は磁場を低温で第一材料に印加する、請求項15に記載の方法。
  17. 第一材料が分極ステップ後に固体状態であり、第一材料を流体圧で加速することにより、第二位置に指向する、請求項8に記載の方法。
  18. 第一材料を圧縮ガスで導管を通じて指向することにより、第二位置に指向する、請求項17に記載の方法。
  19. 第一材料を10 m/sを超える速度の圧縮ガスで導管を通じて指向する、請求項18に記載の方法。
  20. 第一材料を100 m/sを超える速度の圧縮ガスで導管を通じて指向する、請求項18に記載の方法。
  21. 第一材料を1000 m/sを超える速度の圧縮ガスで導管を通じて指向する、請求項18に記載の方法。
  22. 圧縮ガスがヘリウムを含む、請求項18に記載の方法。
  23. 圧縮ガスが3Heを含む、請求項22に記載の方法。
  24. 第二位置が、第一材料を融解させるための融解容器を含む、請求項8に記載の方法。
  25. 減衰した磁場の領域が、減衰した磁場の領域での磁場の強度を地球のバックグラウンド磁場よりも小さい大きさに低下させるための磁気遮蔽を含む、請求項8に記載の方法。
  26. 放出前に、分極環境にあるうちの第一材料を加温するステップを更に含む、請求項8に記載の方法。
  27. 加温ステップが、第一材料の温度を、第一材料のT1が最小値(Tmin)になる温度より低い温度から、第一材料のT1が最小値(Tmin)になる温度より高い第二温度まで、第一材料を実質的に融解又は昇華させることなく、上昇させる、請求項26に記載の方法。
  28. a)分極しようとする第一材料を高表面積粉末の形状で提供するステップと、
    b)b)(i)第一材料の温度を下げるステップ、及び(ii)第一材料を、増強された磁場に晒すステップであって、第一材料を、第一材料に含まれた少なくとも一つの核を分極させて熱力学的平衡に至らせるのに充分な時間、分極環境に暴露するステップ、のうちの少なくとも一つを行うことにより、分極環境にある容器内の第一材料に含まれた少なくとも一つの核の分極を増加させるステップと、
    c)第一材料を、分極環境から減衰した磁場の領域を通じて第二位置に指向している間、第一材料中の少なくとも一つの核の増加した分極を他の核に移動させるステップと
    を含む、過分極材料を製造する方法。
  29. 高表面積に構成された第一材料を、材料に含まれた少なくとも一つの核を分極させるのに充分な時間、3Heに暴露する、請求項28に記載の方法。
  30. 3Heへの暴露に続き、高表面積の第一材料を4Heに暴露して3Heを取り除く、請求項28に記載の方法。
  31. 4Heへの暴露に続き、第一材料を実質的に融解又は昇華させることなく加温して、材料中の核を過分極させる、請求項28に記載の方法。
  32. 加温ステップが、第一材料の温度を、第一材料のT1が最小値(Tmin)になる温度より低い温度から、第一材料のT1が最小値(Tmin)になる温度より高い第二温度まで、第一材料を実質的に融解又は昇華させることなく、上昇させる、請求項28に記載の方法。
  33. 加温中、材料を磁場に維持する、請求項28に記載の方法。
  34. 第一材料を、分極環境から第二位置に、T2を超えるがT1未満の時間で指向する、請求項28に記載の方法。
  35. 第二位置が磁場を持つ低温環境を含む、請求項34に記載の方法。
  36. 第二位置が、磁石を含む輸送用クライオスタットを含み、この場合、磁石が第一材料に低温で磁場を印加する、請求項35に記載の方法。
  37. 第一材料を、(i)動的核分極、(ii)核オーバーハウザー効果、(ii)パラ水素誘導型分極、(iii)第一材料の核を、予め過分極させた気体の過分極核に暴露すること、(iv)第一材料をブルートフォース(原語:brute force )環境に暴露すること及びこれらの組合せから成る群より選択される技術を用いて分極させる、請求項1に記載の方法。
  38. STPでは液体である第一材料を請求項1に従って過分極させるステップと、第一過分極材料を第二材料と混合して溶液を形成するステップとを含む、過分極溶液を形成する方法。
  39. 第一材料を第二材料と反応させて溶液を形成する、請求項38に記載の方法。
  40. 第一材料が酸を含み、第二材料が塩基を含む、請求項38に記載の方法。
  41. 第一材料が塩基を含み、第二材料が酸を含む、請求項38に記載の方法。
  42. 酸が酢酸を含む、請求項40に記載の方法。
  43. 酸が乳酸を含む、請求項40に記載の方法。
  44. 酸がピルビン酸を含む、請求項40に記載の方法。
  45. 酸がギ酸を含む、請求項40に記載の方法。
  46. 酸が、13C、15N、1H、2H、31P、19F 及び29Siから成る群より選択される一つ以上の同位体の置換により、その原子位置の一つ以上で同位体濃縮される、請求項40に記載の方法。
  47. 第二材料がナトリウムを含む、請求項40に記載の方法。
  48. 第二材料が水酸化ナトリウムを含む、請求項47に記載の方法。
  49. 第二材料が重炭酸ナトリウムを含む、請求項47に記載の方法。
  50. 第一材料がSTPで溶液であり、そして前記方法が、第一材料を第二材料に混合して第二溶液を形成するステップを更に含む、請求項1に記載の方法。
  51. 第一材料がSTPで固体であり、そして前記方法が、第一材料を第二材料に混合して第二溶液を形成するステップを更に含む、請求項1に記載の方法。
  52. 第一材料がSTPで固体であり、そして前記方法が、第一材料を第二材料に混合して第二懸濁液を形成するステップを更に含む、請求項1に記載の方法。
  53. 第一材料がSTPで固体であり、そして前記方法が、第一材料を第二材料に混合してコロイドを形成するステップを更に含む、請求項1に記載の方法。
  54. 第一材料がSTPで固体であり、そして前記方法が、第一材料を第二材料に混合して乳濁液を形成するステップを更に含む、請求項1に記載の方法。
  55. 第一材料がSTPで固体であり、そして前記方法が、第一材料を第二材料に混合して複合材料を形成するステップを更に含む、請求項1に記載の方法。
  56. 封入用媒質中に第一材料を封入するステップを更に含む、請求項1に記載の方法。
  57. 封入用媒質が多孔質である、請求項56に記載の方法。
  58. 第一材料を過分極状態で輸送用クライオスタット中に保管するステップと、輸送用クライオスタット中の第一材料を、それを過分極させた場所から離れた場所に輸送するステップとを更に含む、請求項16に記載の方法。
  59. 第一材料を、MRシステムのフリンジ磁場内の位置に輸送するステップを更に含む、請求項58に記載の方法。
  60. 第一材料の温度を、Tminより低い第一温度からTminより高い第二温度まで上昇させるステップを更に含む、請求項59に記載の方法。
  61. MRシステムのフリンジ磁場内の混合装置中に第一材料を配置するステップを更に含む、請求項60に記載の方法。
  62. 第一材料を第二材料に混合装置内で反応させる、請求項61に記載の方法。
  63. 輸送容器の磁石がMRシステムの作動が行われる前にスイッチ・オフされる、請求項62に記載の方法。
  64. 第一材料を過分極状態で輸送用クライオスタット中に保管するステップと、輸送用クライオスタット中の第一材料を、それを過分極させた場所から離れた場所に輸送するステップとを更に含む、請求項36に記載の方法。
  65. 第一材料を、MRシステムのフリンジ磁場内の位置に輸送するステップを更に含む、請求項64に記載の方法。
  66. 第一材料の温度を、Tminより低い第一温度からTminより高い第二温度まで上昇させるステップを更に含む、請求項65に記載の方法。
  67. MRシステムのフリンジ磁場内の混合装置中に第一材料を配置するステップを更に含む、請求項66に記載の方法。
  68. 第一材料を第二材料に混合装置内で反応させる、請求項67に記載の方法。
  69. 輸送容器の磁石がMRシステムの作動が行われる前にスイッチ・オフされる、請求項68に記載の方法。
  70. 第一材料が輸送用クライオスタット内に配置されている間、又は、輸送容器中に指向されている間に、第一材料の温度を、Tminより低い第一温度からTminより高い第二温度まで上昇させるステップを更に含む、請求項58に記載の方法。
  71. 第一材料を輸送容器内に指向するステップを更に含み、この場合、輸送容器は、第一材料を、上昇させた磁場と、第一材料の融解点よりも低い温度とに維持するように適合され、構成されている、請求項70に記載の方法。
  72. 輸送容器が磁石を含み、そして第一材料の温度が、少なくとも部分的にドライアイスの助けを借りて輸送容器内で維持される、請求項71に記載の方法。
  73. 第一材料を第二材料に混合して混合物を形成するステップを更に含む、請求項71に記載の方法。
  74. 混合するステップが、上昇させた磁場の存在下で第一材料を融解させるステップを含む、請求項73に記載の方法。
  75. 混合するステップが、第一材料が輸送容器内、又は、MRシステムのフリンジ磁場内の更なる容器内に配置されている間に行われる、請求項73に記載の方法。
  76. 第一材料を第二材料に輸送容器内で反応させる、請求項73に記載の方法。
  77. 輸送容器の磁石が、MRシステムの作動を行う前にスイッチ・オフされる、請求項73に記載の方法。
  78. 第一材料を重水素化させる、請求項1に記載の方法。
  79. 第一材料を部分的に重水素化させる、請求項78に記載の方法。
  80. 第一材料を完全に重水素化させる、請求項78に記載の方法。
  81. a)分極させようとする第一材料を、メチル回転子基を含む分極領域に送達する手段と、
    b)第一材料のメチル回転子基に含まれた少なくとも一つの水素核の分極を、分極領域中にあるうちに増加させる手段と、
    c)第一材料中で少なくとも一つの水素核の増加した分極を他の核に移動させる手段と
    を含む、過分極材料を製造するためのシステム。
  82. 第一材料が、分極前に常磁性物質及び分極剤を実質的にパージされている、請求項81に記載のシステム。
  83. 移動させる手段が、第一材料を分極領域から、減衰した磁場の一領域を通って第二位置に指向させることで、第一材料中の少なくとも一つの核から他の核へ分極が移動し易くする、指向する手段を更に含む、請求項81に記載のシステム。
  84. 指向する手段が、第一材料を分極環境から、減衰した磁場の領域を通って第二位置に、T2を超えるがT1未満の時間をかけて移動させるように適合され、構成されている、請求項83に記載のシステム。
  85. 指向する手段が、第一材料を分極環境から、減衰した磁場の領域を通って第二位置に、1.0秒未満で移動させるように適合され、構成されている、請求項84に記載のシステム。
  86. 指向する手段が、第一材料を分極環境から、減衰した磁場の領域を通って第二位置に、0.1秒未満で移動させるように適合され、構成されている、請求項84に記載のシステム。
  87. 指向する手段が、第一材料を分極環境から、減衰した磁場の領域を通って第二位置に、0.01秒未満で移動させるように適合され、構成されている、請求項84に記載のシステム。
  88. 指向する手段が、第一材料を分極環境から、減衰した磁場の領域を通って第二位置に、0.001秒未満で移動させるように適合され、構成されている、請求項84に記載のシステム。
  89. 第二位置が、磁場を持つ低温環境を含む、請求項83に記載のシステム。
  90. 第二位置が、磁石を含む輸送用クライオスタットを含み、この場合、磁石は磁場を低温で第一材料に印加する、請求項89に記載のシステム。
  91. 第一材料が分極後に固体状態であり、第一材料を流体圧で加速することにより、第一材料を第二位置に指向する、請求項83に記載のシステム。
  92. 第一材料を圧縮ガスで導管を通じて指向することにより、第二位置に指向する、請求項91に記載のシステム。
  93. 第一材料を10 m/sの速度の圧縮ガスで導管を通じて指向する、請求項92に記載のシステム。
  94. 第一材料を100 m/sを超える速度の圧縮ガスで導管を通じて指向する、請求項92に記載のシステム。
  95. 第一材料を1000m/sを超える速度の圧縮ガスで導管を通じて指向する、請求項92に記載のシステム。
  96. 圧縮ガスがヘリウムを含む、請求項92に記載のシステム。
  97. 圧縮ガスが3Heを含む、請求項92に記載のシステム。
  98. 第二位置が、第一材料を融解させるための融解容器を含む、請求項92に記載のシステム。
  99. 減衰した磁場の領域が、減衰した磁場の領域での磁場の強度を地球のバックグラウンド磁場よりも小さい大きさに低下させるための磁気遮蔽を含む、請求項83に記載のシステム。
  100. 放出前に、分極環境にあるうちの第一材料を加温する手段を更に含む、請求項83に記載のシステム。
  101. 加温手段が、第一材料の温度を、第一材料のT1が最小値(Tmin)になる温度より低い温度から、第一材料のT1が最小値(Tmin)になる温度より高い第二温度まで、第一材料を実質的に融解又は昇華させることなく、上昇させる、請求項100に記載のシステム。
  102. a)分極しようとする第一材料を高表面積粉末の形状で提供する手段と、
    b)b)(i)第一材料の温度を下げる手段、及び(ii)第一材料を、増強された磁場に晒す手段、のうちの少なくとも一つを行うことにより、分極環境にある容器内の第一材料に含まれた少なくとも一つの核の分極を増加させる手段と、
    c)第一材料を、分極環境から減衰した磁場の領域を通じて第二位置に指向している間、第一材料中の少なくとも一つの核の増加した分極を他の核に移動させる手段と
    を含む、過分極材料を製造するシステム。
  103. (i)動的核分極、(ii)核オーバーハウザー効果、(ii)パラ水素誘導型分極、(iii)第一材料の核を、予め過分極させた気体の過分極核に暴露すること、(iv)第一材料をブルートフォース(原語:brute force )環境に暴露すること及びこれらの組合せから成る群より選択される技術を用いて第一材料の核を分極させる、請求項81に記載のシステム。
  104. 第一材料を容器内で分極させ、第一材料を容器から固相のままで抽出する、請求項1に記載の方法。
  105. a)分極させようとする第一材料を提供するステップと、
    b)第一材料中に含まれた少なくとも一つの核の分極を容器内で増加させるステップと、
    c)第一材料中の少なくとも一つの核の増加させた分極を他の核に移動させるステップと、
    d)第一材料を固相のままで容器から抽出するステップと
    を含む、過分極材料を製造する方法。
  106. a)第一材料がメチル回転子基を含み、
    b)メチル回転子基中の少なくとも一つの水素核の分極が、分極ステップで増加させられ、
    c)少なくとも一つの水素核の増加した分極を、第一材料の他の核に移動させるステップで移動させる、
    請求項105に記載の方法。
  107. 第一材料を、移動させるステップの前に容器から抽出する、請求項105に記載の方法。
  108. 第一材料が、分極前にTA及びEPAを実質的にパージしてある、請求項3に記載の方法。
  109. a)請求項1乃至80又は104乃至108のいずれかに従って作製された過分極材料を関心の領域に導入するステップと、
    b)電磁エネルギーのパルスを関心の領域に送ることで、過分極した封入材料を励起するステップと、
    c)関心の領域からNMRスペクトルを受け取るステップと
    を含む、NMR分光法を行う方法。
  110. in vitro試料のNMRスペクトルを解析する、請求項109に記載の方法。
  111. in vivo試料のNMRスペクトルを解析する、請求項109に記載の方法。
  112. a)請求項1乃至80又は104乃至108のいずれかに従い、生理学的プロセスで代謝されるのに適した材料を過分極させるステップと、
    b)過分極材料を関心の領域に導入するステップと、
    c)過分極材料の代謝の指標であるNMRデータ又はMR画像を受け取るステップと
    を含む方法。
  113. 第一材料が、129Xe、13C、15N、1H、2H、31P、19F 及び29Siのうちの少なくとも一つで、その原子部位の一つ以上を置換されることにより、同位体濃縮される、請求項104又は105に記載の方法。
  114. 請求項1乃至80又は104乃至108のいずれかに記載のプロセスに従って形成された過分極材料を含む有利な作用物質。
  115. 少なくとも一つのメチル基を含み、メチル基中の炭素核が過分極している有利な作用物質であって、分極用クライオスタットの外では固体状態であるように適合及び構成されている、作用物質。
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