JP2013501582A - 棘突起間インプラントおよび方法 - Google Patents
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Abstract
本発明は、棘突起インプラントおよび関連する方法を提供する。本発明の一態様において、インプラントは棘突起間の最大間隔を制限する。本発明の他の態様において、スペーサは、組織内方成長を容易にするために少なくとも1つの横開口を有する。本発明の他の態様において、インプラントは、スペーサと、スペーサと係合可能な別個の延在部とを含む。スペーサは、様々な長さおよび上下面の間隔で設けられる。本発明の他の態様において、インプラントは、スペーサと、使用時にスペーサの中線からオフセットするセルクラージュ要素とを含み、それにより、スペーサが支点を形成し、セルクラージュ要素がスペーサ周りのモーメントを椎骨に与えるように作用する。本発明の他の態様では、インプラントを挿入するための器具が提供される。本発明の他の態様では、脊椎疾患を処置するための方法が提供される。
【選択図】 図1
【選択図】 図1
Description
[0001]本出願は、2007年4月17日に出願された米国仮特許出願第60/912,273号および2007年1月11日に出願された米国仮特許出願第60/884,581号の利益を主張する2007年11月2日に出願された米国特許出願第11/934,604号の一部継続出願である2009年8月10日に出願された米国特許出願第12/538,710号の一部継続出願であり、これらの出願の全ては全体を参照することにより本願に組み入れられる。
[0002]本出願は、2009年8月10日に出願された米国仮特許出願第61/232,680号の利益を主張する。
[0003]本開示は、棘突起インプラントおよび関連する器具並びに方法に関する。
[0004]人の脊椎の椎骨は、椎骨が互いに上下に位置する柱をなして配置される。椎間板は、隣り合う椎骨間で力を伝えるとともに椎骨間にクッションを与えるべく隣り合う椎骨間に位置する。椎間板により脊椎が曲がってねじれることができる。年齢に伴って、椎間板が壊れ始め、あるいは変性して椎間板内の流体が失われ、その結果、椎間板の柔軟性が低下する。同様に、椎間板が薄くなり、それにより、椎骨が互いに近接して移動するようになる。また、変性は、椎間板の外層すなわち輪に裂け目や亀裂をもたらす場合もある。椎間板は外側に出っ張り始める場合がある。より深刻なケースでは、椎間板の内側材料すなわち核が実際に椎間板から外側に押し出る場合がある。椎間板の変性変化に加え、自動車事故、落下、力仕事、および、他の活動による外傷に起因して脊椎が変化を受ける場合がある。また、脊髄の狭窄として知られるプロセスでは、過度の骨成長、脊柱管内の組織(靭帯など)の厚肉化、あるいは、これらの両方に起因して脊柱管が狭くなる。これらの全ての病状では、脊髄および脊髄神経根が通過する空間が狭くなる場合があり、それにより、神経組織に圧力が作用し、その結果、身体の様々な部分に痛み、しびれ、脆弱化、あるいは、更には麻痺を引き起こす可能性がある。最後に、隣り合う椎骨間の小関節面が変性して局所的なおよび/または放散性の痛みを引き起こす場合がある。前述した病状の全ておよび具体的に言及されていない他の病状を本明細書中では総称して脊椎疾患と称する。
[0005]従来、医師は、隣り合う椎骨間を通常の間隔に回復させようと試みることによって脊椎疾患を処置する。これは、患部の神経組織から圧力を取り除くのに十分かもしれない。しかしながら、しばしば、神経組織に影響を与える椎間板材料、骨、または、他の組織を外科的に取り除くことおよび/または小関節面を外科的に切除することが必要である。殆どの場合、椎骨間隔の回復は、骨、金属、または、プラスチックからなる硬質スペーサを隣り合う椎骨間の椎間腔内に挿入して椎骨が単一の骨片へ一緒に成長しあるいは融合できるようにすることによって達成される。椎骨は、一般に、この融合プロセス中に、隣り合う椎骨に締結される骨プレートおよび/または椎弓根スクリューを用いて安定化される。
[0006]椎間スペーサ、プレート、および、椎弓根スクリュー固定システムを配置するための技術は最近では低侵襲になってきているが、これらの技術は、依然として、脊椎に隣接する手術部位の深部にハードウェアを配置する必要がある。そのような手術からの回復は、数日の入院と、通常の活動レベルに至るまでの長期にわたるゆっくりとしたリハビリとを必要とし得る。
[0007]近年、治験責任医師は、可動性温存インプラントの使用と、隣り合う椎骨が互いに対して移動することが許容される技術の使用とを奨励してきた。ある程度の成果しか得られない1つのそのようなインプラントは人工椎間板インプラントである。これらは、一般に、椎間腔内に挿入される柔軟な材料または2部品の関節ジョイントを含む。他のそのようなインプラントは、延在ストッパとして作用し、且つ脊椎が伸びているときに棘突起間を最小間隔に維持するために隣り合う椎骨の後方に延びる棘突起間に挿入される棘突起スペーサである。棘突起スペーサにより、脊椎が屈曲されるにつれて隣り合う棘突起が離間できる。
[0008]添付図面を参照して本発明の様々な例について説明する。これらの図面は、本発明の単なる例示的な実施形態を描いており、本発明の範囲の限定と見なされるべきではない。
[0059]本発明に係る棘突起インプラントの実施形態は、スペーサと、該スペーサから外側に延びる延在部とを含む。延在部は、時として、スペーサと関連付けられる1つ以上の突出部であると見なされる。棘突起インプラントは、頸椎、胸椎、および/または、腰椎の隣接する棘突起間に挿入されるように構成されてもよい。スペーサは、患者間の解剖学的なばらつきおよび空間補正の様々な程度に対応するために様々なサイズで設けられてもよい。スペーサは、棘突起からの組織内方成長などのスペーサを椎体に固定するための組織内方成長を容易にするための開口を含んでも良い。スペーサは、上側棘突起および下側棘突起からの組織内方成長が隣接する棘突起の融合を引き起こすように構成されてもよい。開口は、比較的大きくてもよく、および/または、スペーサの中空内部に連通してもよい。中空内部は、例えば中空内部へ骨成長促進物質を詰め込むことにより、骨成長促進物質を受けるように構成されてもよい。開口は、比較的小さくてもよく、および/または、スペーサ表面の少なくとも一部にわたって孔または相互接続孔を備えてもよい。開口が骨成長促進物質で満たされてもよい。
[0060]スペーサは、任意の適した断面形状を有してもよい。例えば、その断面形状は、円筒、D形状、C形状、H形状であってもよく、分離された片持ち梁、および/または、他の適した形状を含んでもよい。形状は、例えば椎弓板および/または小関節面などの解剖学的特徴を受け入れるために、面取り、フィレット、逃げカット、および/または、他の特徴を含んでもよい。
[0061]延在部は、隣接する棘突起間にスペーサを維持するために、スペーサからスペーサの長手方向軸線に対して垂直方向に延びてもよい。単一の延在部が1つ以上の方向に延びてもよく、あるいは、複数の方向に延びる複数の延在部が設けられてもよい。1つ以上の延在部は、該延在部を棘突起に対して横方向に位置決めできるように、互いに対しておよび/またはスペーサに対して長手方向に調整できてもよい。スペーサおよび他の延在部に対して軸方向に移動できる可動延在部が設けられてもよい。あるいは、複数の可動延在部が設けられてもよい。例えば、延在部は、棘突起を互いに対して固定して隣接する椎骨間の融合を促進するために棘突起の側面を挟持してもよい。延在部は、棘突起と係合可能な留め具を含んでもよい。留め具は、縫合糸、ワイヤ、ピン、ストラップ、クランプ、スパイク、ねじ、歯、接着剤、および/または、他の適した留め具を含んでもよい。留め具は、延在部に組み込まれてもよく、あるいは、モジュールであってもよい。モジュール留め具は、強固な固定から非固定にまで至る固定の種類や質に合わせることができるように、調整可能、交換可能、および/または、取り外し可能であってもよい。スペーサ、延在部、および/または、留め具は異なる材料から有利に形成されてもよい。例えば、スペーサおよび延在部が比較的柔軟な材料から形成されてもよく、一方、留め具が比較的硬質な材料から形成されてもよい。例えば、スペーサおよび/または延在部が高分子および/または他の比較的柔軟な材料から形成されてもよく、また、留め具が金属および/または他の比較的硬質な材料から形成されてもよい。
[0062]棘突起インプラントを安定させおよび/または他の利点を与えるためにセルクラージュが使用されてもよい。例えば、ワイヤ、ストラップ、バンド、ケーブル、コード、他の長尺部材が、椎弓根、椎弓板、棘突起、横突起、および/または、他の脊椎構造を取り囲んでもよい。セルクラージュは、脊椎屈曲を十分に抑制するために比較的拡張しなくてもよく、あるいは、セルクラージュは、屈曲耐性を高めるために比較的拡張できてもよい。セルクラージュは、織布などのように比較的柔軟でドレープ性があってもよく、あるいは、金属バンドなどのように比較的硬質であってもよい。セルクラージュは、埋め込み後にそれを事前に設定された形状に回復させる形状記憶特性を有してもよい。セルクラージュは、棘突起インプラントから独立していてもよく、あるいは、棘突起インプラントと係合してもよい。例えば、セルクラージュは、棘突起インプラントの中空内部を通過してもよくおよび/または延在部と係合してもよい。セルクラージュは、椎間板を除去しおよび/または椎間腔を開放するためにスペーサからオフセットしてスペーサを支点として使用する引張力を与えてもよい。
[0063]インプラントには、棘突起、椎弓板、横突起、小関節面、および/または、他の脊椎構造の間で隣り合う椎骨の融合を容易にするために骨成長促進物質が補われてもよい。骨成長促進物質は、インプラントから離間されてもよく、インプラントに隣接して配置されてもよく、インプラントとその下に横たわる骨との間に挟まれてもよく、インプラントの内側に配置されてもよく、インプラント上にコーティングされてもよく、および/または、さもなければ、インプラントに対して配置されてもよい。骨成長促進物質がインプラント上にコーティングされる場合、骨成長促進物質は、インプラント全体を覆ってもよく、延在部、留め具、スペーサの棘突起接触部、および/または、他の部分などのインプラントの選択された部分だけを覆ってもよい。
[0064]本明細書で使用される骨成長促進物質は、骨ペースト、骨粉、骨ストリップ、構造的骨移植片、血小板由来成長因子、骨髄穿刺液、幹細胞、骨成長タンパク質、骨成長ペプチド、骨結合タンパク質、骨結合ペプチド、水酸燐灰石、リン酸カルシウム、他の適した骨成長促進物質、および/または、これらに組み合わせを含んでもよい。
[0065]インプラントおよび任意の関連するセルクラージュまたは他の構成要素は、他の金属、吸収性セラミック、非吸収性セラミック、吸収性高分子、非吸収性高分子を含む任意の適した生体適合性材料から形成されてもよい。幾つかの特定の例としては、ステンレス鋼、チタンおよびニッケル-チタン合金を含むその合金、タンタル、水酸燐灰石、リン酸カルシウム、骨、ジルコニア、アルミナ、カーボン、バイオガラス、ポリエステル、ポリ乳酸、ポリグリコール酸、ポリオレフィン、ポリアミド、ポリイミド、ポリアクリレート、ポリケトン、フッ素重合体、および/または、他の適した生体適合性材料、および、その組み合わせが挙げられる。
[0066]棘突起インプラントは、過度棘靭帯犠牲的後方アプローチ、過度棘靭帯温存的後方アプローチ、側方アプローチ、および/または、他の適したアプローチを含む様々な外科手術手技で脊椎疾患を処置するために使用されてもよい。棘突起インプラントは、隣り合う椎骨を融合することにより、あるいは隣り合う椎骨間の動きを維持することにより脊椎疾患を処置するために使用されてもよい。棘突起インプラントは、スペーサなどの延在ストッパのみ、柔軟なセルクラージュ要素などの屈曲ストッパのみ、または、棘突起留め具などの延在および屈曲の両方のストッパを含んでもよい。棘突起インプラントは、椎間関節に作用する負荷を減らすため、棘突起間隔を増大するため、椎間板に作用する負荷を減らすため、前椎間腔を増大するため、および/または、さもなければ、脊椎疾患を処置するために使用されてもよい。先の効果は、スペーサの後方の脊椎要素にテンションをかけて機械的な利点を脊椎構造に適用することによって達成されてもよい。棘突起インプラントのための技術は、手術部位の組織を改質しない状態のまま残すこと、切り取る、擦る、粗面化するなどのように組織を改質すること、および/または、さもなければ、インプラント部位の組織を改質することを含んでもよい。
[0067]棘突起インプラントは、隣り合う棘突起間に棘突起インプラントを挿入するのに役立つように、第2の方向の寸法よりも小さい寸法を第1の方向に有してもよい。例えば、棘突起インプラントは、長手方向軸線を有してもよく、また、長手方向軸線の一端の近傍に先端を有してもよい。先端は、長手方向軸線に対して垂直な第2の寸法よりも小さい長手方向軸線に対して垂直な第1の寸法を有してもよく、それにより、棘突起インプラントは、挿入を容易にするために第1の寸法が隣り合う棘突起間の空間と位置合わせされた状態で方向付けられてもよく、その後、棘突起を第2の寸法に等しい距離で離間させるために第2の寸法が棘突起と位置合わせされた状態で方向付けられてもよい。
[0068]棘突起インプラントの挿入は、棘突起間空間を増大させるために互いに交互に係合可能で、且つ隣り合う棘突起間で棘突起インプラントを操作するのに役立つように棘突起インプラントと係合可能な一組の器具によって容易にされてもよい。
[0069]棘突起インプラントの挿入は、隣り合う棘突起間に挿入可能で且つ隣り合う棘突起間で棘突起インプラントを操作するのに役立つように棘突起インプラントと係合可能な導入体によって容易にされてもよい。導入体は、硬質、柔軟であってもよく、あるいは、硬質部分および柔軟部分の両方を含んでもよい。導入体は、棘突起インプラントの内面および/または外面と係合してもよい。導入体は、棘突起インプラントの比較的小さい部分または比較的大きい部分と係合してもよい。例えば、導入体は、入れ子関係で棘突起インプラントの内面または外面と係合可能なスリーブおよび/またはトラカールを含んでもよい。例えば、硬質スリーブは、隣り合う棘突起間に位置された後に棘突起インプラントを受けてもよく、その場合、スリーブが引き抜かれると、インプラントが棘突起間にとどまるようになっている。そのようなスリーブは、最初に、トラカ−ルをスリーブ内に取り付けることによって挿入されてもよい。導入体は、その後に棘突起間の導入体および/または棘突起インプラントを引き出すために隣り合う棘突起間にねじ込み可能な柔軟なリーダを含んでもよい。例えば、導入体は、比較的小さい直径の柔軟なリーダが第1の端部から延びるスリーブを含んでもよく、また、第2の端部で棘突起インプラントと係合可能であってもよく、それにより、導入体が棘突起インプラントと組み付けられた後、リーダを引くことにより組付体が棘突起間に引き込まれてもよい。あるいは、導入体は、棘突起間に引き込まれた後、インプラントと結合されてもよい。スリーブは、例えばインプラントの内面を押圧することによっておよび/またはインプラントの外面の周囲で伸びることによって棘突起インプラントに弾性的に結合するように柔軟であってもよい。導入体が中実または中空であってもよい。導入体が硬質または柔軟であってもよい。導入体は、金属、プラスチック、および/または、他の適した材料から形成されてもよい。導入体は、棘突起インプラントと摺動関係をなすように緩く係合してもよく、あるいは、インプラントが導入体と共に移動させられるように棘突起インプラントと係合してもよい。導入体は、摩擦嵌合または積極的な係合によって棘突起インプラントと係合してもよい。
[0070]図1および図2は、腰椎10の一対の隣り合う椎骨の後面図および側面図を描いている。上側椎骨12は椎間板16によって下側椎骨14から分離される。それぞれの椎骨は、一対の横突起18、19と、後方に突出する棘突起20、21と、横突起18、19を棘突起20、21に接続する一対の椎弓板22、23とを含む。椎間板16による接続に加えて、椎骨12、14は一対の椎間関節24で関節結合する。
[0071]図1〜図9は典型的な棘突起インプラント100を示している。インプラント100は、棘突起20、21間に位置されるスペーサ102を含む。インプラント100の幾何学的形状は、スペーサにおける長さ(l)方向、高さ(h)方向、および、幅(w)方向を規定する軸線を用いて示される。インプラント100が患者に埋め込まれると、スペーサ102の高さ方向が一般に患者の生体構造の上/下方向に沿って向けられ、スペーサ102の幅方向が一般に患者の生体構造の前/後方向に沿って向けられ、また、スペーサ102の長さ方向が一般に患者の生体構造の横/内側方向に沿って向けられる。
[0072]スペーサ102の高さ104(図1)は、棘突起20、21が接近して一緒に移動できる度合を制限する。したがって、スペーサ102は棘突起20、21間の最小距離を維持する。隣接する椎骨の後部沈下を含む脊椎疾患の場合には、棘突起20、21間へのスペーサ102の挿入が、椎骨を離間させて、神経組織および椎間関節24に作用する圧力を軽減する。
[0073]図3に示されるように、スペーサ102は、第1の端部106と、第2の端部108と、第1の端部から第2の端部に延びる長手方向軸線110とを含む。スペーサ102は、長手方向軸線110と略平行で上下の外面114、116を含む側壁112を有する。組織内方成長を容易にするために横開口118(図6も参照)が上下の外面114、116から内部へ連通している。典型的なスペーサ102は内面122により境界付けられる中空内部120を含み、それにより、開口118が外面14、116から中空内部120へ連通する。棘突起20、21間の骨成長による椎骨12、14の融合を促すため、図1および図2には骨成長促進物質124が中空内部120に詰め込まれて示されている。
[0074]棘突起インプラント100は、上下の棘突起20、21とほぼ並行して位置するようにスペーサ102からスペーサ高さ方向hに沿って長手方向軸線110に対して垂直に外側に突出する第1の延在部126を更に含む。第1の延在部126と棘突起20、21との当接は、スペーサ102の横方向の移動を防止するのに役立ち、それにより、棘突起20、21間にスペーサ102が保持される。典型的な棘突起インプラント100では、第1の延在部126がスペーサ102に対して固定され、また、インプラントは、第1の延在部126に対して軸方向に動けるようにスペーサに装着可能な第2の延在部128を含む。第2の延在部128は、棘突起20、21の幅に近づけてインプラント100を良好に安定させるために第1の延在部126へ向けて移動されてもよい。第2の延在部は、位置決めねじ130(図3)をスペーサ102に対して締め付けることにより所定の位置に固定される。延在部126、128は、棘突起20、21と係合してスペーサ102を棘突起20、21に固定するために延在部126、128から突出する留め具132、134、136を含む。図1は、棘突起の側面に沿う骨成長を促して椎骨12、14の融合を更に高めるために棘突起20、21の側面に沿って延在部126、128間に挟まれる骨ストリップ125の形状の更なる骨成長促進物質を描いている。延在部126、128は、融合が行なわれる間に棘突起20、21を互いに対して固定するために随意的に下側棘突起に取り付くようにスペーサ102から下方におよび上方に延びることが好ましい。
[0075]留め具132、134、136は任意の適した形状でもよい。留め具は、例えば留め具を延在部と共に機械加工するあるいは鋳造することよって延在部126、128と一体に形成されてもよく、あるいは、別個に形成されて延在部126、128に取り外し不能に取り付けられてもよい。留め具132は延在部126と螺合する尖ったスパイクである。螺合により、留め具132を異なる留め具132と交換することができる。例えば、留め具132が異なる形状、異なるサイズ、異なる材料、または、異なる表面コーティングを有する留め具と交換されてもよい。また、螺合は、留め具132を延在部126から様々な量で延びるように調整して留め具が骨と係合する度合を変えことができるようにする。したがって、留め具132を異なる形状の骨に適合するようにあるいは、様々な量で骨に入り込むように調整できる。例えば、複数のねじ付き留め具132を湾曲したあるいは斜めの骨に適合するように異なる量で延びるべく調整することができる。最後に、螺合により、ユーザは、屈曲を制限することなく延在ストッパとして非融合処置でインプラント100を使用することが望ましいときなど固定が望ましくないときに留め具132を取り外すことができる。
[0076]図3において最も良く分かるように、留め具134、136は、複数のスパイクを素早く調整し、交換し、あるいは、省くことができるようにするマルチスパイクポッドとして設けられる。留め具134は、延在部126の非円形開口140と係合可能な非円形タブ138を含む。非円形係合は留め具134が回転しないようにする。タブ138は、圧入、スナップ嵌合、または、開口140との他の適した係合を形成してもよい。タブ138は、補助ねじ142によって更に固定されてもよい。留め具136は、留め具136の長さを調整できるようにするため、ベース部材146と螺合されるねじ付きシャフト144を含む。シャフト144は延在部126と回転および旋回する様式で係合し、それにより、留め具136を骨表面と係合するように回転可能および傾斜可能に調整できる。図示の実施形態において、シャフト144は、3つの自由度をもつようにボール−ソケット配置で開口140と係合する球状ボール148で終端する。しかしながら、任意の数の自由度を可能にする任意の機構が使用されてもよい。留め具136は、延在部126が骨へ向けて押圧されるにつれて留め具136が骨表面の角度に適合するように使用時に移動できてもよい。また、留め具136は、関節での張力を調整するためおよび/または留め具136を所定の方向で結合および/またはロックするために例えばねじ142によって固定されてもよい。
[0077]図4は、対向する延在部126、128上の留め具の軸方向関係を示している。図示のインプラント100において、インプラント100の上部の留め具132は、延在部126、128に対して略垂直な共通軸線150に沿って位置合わせされて示されている。インプラント100の下部の留め具134は、それらが骨に押し込まれるにつれて必要に応じてそれらが交互配置できるようにオフセットして示されている。留め具のタイプ、数、および、位置合わせの任意の組み合わせがインプラント100に与えられてもよい。
[0078]図5および図6から分かるように、スペーサ102の端部106、108は前面取り152を含む。これらの面取り152により、端部106、108は、椎間関節24などの椎骨12、14の後方に面する構造との干渉を回避できる。また、図5および図6から分かるように、スペーサ102は延在部126、128に対して前方に(スペーサ幅方向wで)オフセットしており、それにより、スペーサ102の長手方向軸線110が延在部126、128の正中面154(図6、図8)の前方にある。スペーサ102の前方オフセットにより、スペーサは、延在部126、128が棘突起20、21と並行して取り付いている状態で棘突起20、21間に深く嵌ることができる。
[0079]図3および図8から最も良く分かるように、第2の延在部128は、スペーサ102の断面形状にほぼ適合する開口155を形成する。図1〜図9の例示的な実施形態において、開口155は「C」形状を形成するように前方に開放する。タブ156がスペーサ102の上面および下面の細長いスロット158と摺動可能に係合するように開口の上部と下部から内側に延びる。第2の延在部128を第1の延在部126へ向けて及び第1の延在部126から離れるようにスペーサ長さlに沿って長手方向に並進させることができる。位置決めねじ130をスペーサ102の後側面160に対して締め付けると、タブ156がスロット158の側面に対して後方に押し付けられ、第2の延在部128が長手方向で所定位置にロックされる。スペーサ102の後側面160は、位置決めねじ130をより良く把持するために図示のように粗面化されてもよい。位置決めねじ130は、スペーサ102を積極的に把持するために締め付け時にスペーサ102の表面に食い込んでもよい。開口155(図3、図8)は、第2の延在部128を第1の延在部126に対して略平行な動きに制約するために、スペーサ102に対して密に適合してもよい。あるいは、開口155は、図7に示されるように第1の延在部126に対する第2の延在部128の所定量の角度調整を許容して延在部128が対応する骨表面に適合できるように、所定の大きさだけスペーサ102より大きくてもよい。
[0080]図8から最も良く分かるように、第2の延在部128は、第1の突出部中心線162を有する第1の下側突出部161と、第2の突出部中心線166を有する第2の上側突出部164とを含む。図示の実施形態では、第1の突出部中心線162と第2の突出部中心線166とが平行に離間されており、そのため、第2の延在部128は略「Z」形状の平面形状を有する。この形状により、多段階手術(図9に示される)では一方のインプラント100の延在部が必要に応じて他方のインプラント100と交互配置でき、それにより、インプラントの間隔を近づけることができ、および/または、延在部の突出部を更に長くして骨係合を更に広範囲に及ばせることができる。また、第1の下側突出部161は、第2の上側突出部164に隣接して形成される半円上側凹面165に対してほぼ相補的な半円凸形状を有する。同様に、第2の上側突出部164は、第1の下側突出部161に隣接して形成される半円下側凹面163に対して形状がほぼ相補的な半円凸形状を有する。図8に示されるように、第1の下側突出部161は下側凹面163に隣接し、また、延在部の正中面154は第1の下側突出部161と下側凹面163との間に位置される。第2の上側突出部164は上側凹面165に隣接し、また、延在部の正中面154は第2の上側突出部164と上側凹面165との間に位置される。また、第1の下側突出部の半径r1は上側凹面の半径r4にほぼ等しく、一方、第2の上側突出部の半径r3は下側凹面の半径r2にほぼ等しい。その結果、2つのインプラントが隣り合う脊椎高さに配置される場合には、上側インプラントの第1の下側突出部161が下側インプラントの上側凹面165内に嵌め込まれてもよい(しかし、医学的に示唆されるものに応じて、そのようにする必要はない)。また、下側インプラントの第2の上側突出部164が上側インプラントの下側凹面163に嵌め込まれてもよい。図1〜図9の例示的な実施形態では、第1の下側突出部161および第2の上側突出部164が一体の第2の延在部128を形成する。別に描かれていないが、第1の延在部126も互いに対して同様に構成されて方向付けられる相補的な突出部を有する。
[0081]図9に示されるように、複数の棘突起インプラント100が脊椎の隣り合う高さに配置されてもよい。図示のように、第1の上側インプラント100は、そのスペーサ102が第1の上側棘突起と第2の中間棘突起との間に位置され、一方、第2の下側インプラント100は、そのスペーサ102が第2の中間棘突起と第3の下側棘突起との間に位置される。上下のインプラントの第1の延在部126は患者の矢状面の第1の側に位置され、一方、上下のインプラントの第2の延在部128は患者の矢状面の第2の側に位置される。
[0082]図1〜図9の例示的な実施形態において、延在部の突出部中心線162、166は、第2の延在部128の正中面154から等距離でオフセットされる。別に示されないが、第1の延在部126も同様に構成される。中心線162、166は、平行でなくてもよく、また、異なる形状を形成して異なる椎骨の生体構造に対応するために非対称にオフセットしてもよい。例えば、形状は、脊椎10の異なる部分に合わせられてもよい。図1〜図9の例示的な実施形態において、第1の延在部126は第2の延在部128と同じ形状を有する。しかしながら、形状は、第1および第2の延在部126、128間で異なってもよい。
[0083]図10は、スペーサ202と第1および第2の延在部204、206とを有するインプラント200を描いている。スペーサ202は、組織が成長できるように孔208を含む。孔208は、互いに離間される個々の開口、相互に接続する開口、または、個々の開口と相互に接続する開口との組み合わせであってもよい。スペーサ202は、全体にわたって均一な多孔率を有するモノリシックブロックであってもよい。あるいは、スペーサ202が異なる組成の外側多孔質層210および内側層212を含んでもよい。例えば、内側層212は、中実、多孔質、中空、または、何らかの他の構造であってもよい。多孔質の内側層は、外側層210とは異なるサイズおよび/または分布の孔を有してもよい。同様に、任意の多孔部が、均一な多孔率、あるいは、孔径または密度が異なる多孔率を有してもよい。様々な孔構造が適する。孔径は約1μm〜約2mmの範囲であることが好ましい。より好ましくは、孔径は約1μm〜約500μmの範囲である。更に好ましくは、孔径は約75μm〜約300μmの範囲である。孔は、粒子の焼結、材料からの可溶性成分の浸出、マット仕上げ、ウィービング、あるいは、さもなければ、繊維の組み合わせなどの様々なプロセスによって、および/または、任意の他の知られたプロセスによって形成されてもよい。孔径は、硬組織成長、軟組織成長、または、硬組織成長と軟組織成長との組み合わせを優先的に促進させるように設定されてもよい。延在部204、206は、中実であってもよく、あるいは、延在部204、206内でのおよび/または延在部204、206の周囲での骨成長を促すように大きい開口および/または小さい開口を有してもよい。スペーサ202および/または延在部204、206が前述したようにコーティングされてもよい。
[0084]延在部204、206が固定されてもよくおよび/または調整可能であってもよい。図10の例示的なインプラント200では、第1の延在部204がスペーサ202の一端に固定され、第2の延在部206は、延在部を棘突起に隣接して配置できるようにスペーサ202の長さに沿って並進できる。延在部204、206は、棘突起20、21を互いに対して固定するために棘突起20、21と係合し得る随意的な留め具、例えばスパイク214を伴って示されている。
[0085]図10は、インプラント200とセルクラージュとの併用も描いている。例えば、屈曲を阻止するために1つ以上の柔軟なバンド216が椎弓板22、23の周囲に配置される。バンド216は、脊椎屈曲中にスパイク214に及ぼされる負荷を支えるのに役立ってもよい。バンド216に代えてあるいはバンド216に加えて、1つ以上のバンド218、220が横突起18、19の周囲に配置されてもよい。
[0086]図11〜図13は、本開示に係る棘突起インプラント300とセルクラージュとの併用の更なる実施例を描いている。インプラントは、隣り合う棘突起20、21間に配置するためのスペーサ302と、延在部304とを含む。図11の実施形態では、柔軟材料のバンド310が棘突起20、21の周囲に巻回される。棘突起がスペーサ302と接触する領域312、314の背後にバンド310を配置することにより、オフセット318がもたらされる。バンド310の締め付けは、隣接する椎骨12、14間の椎間板16に作用する圧力の一部を除去するモーメント320、322を各椎骨12、14にもたらす。バンド310の締め付けを高めるに伴い、椎骨12、14の前側の間隔324が実際に増大される場合がある。したがって、バンド310と組み合わせて棘突起インプラント300を使用することにより、椎骨12、14をてこの作用でインプラント300から離間させてもよい。この場合、インプラントは支点として使用される。既に言及した利点に加えて、この組み合わせは、典型的な椎間板離間処置よりも侵襲性が低い後棘突起処置により前側椎間腔効果を生み出す。
[0087]図12および図13の実施形態において、インプラント300は、セルクラージュバンド310をインプラント300に取り付けるための機構を含む。図12の実施形態では、機構が延在部304の上端および下端に開口330、332を含む。バンド310を延在部304に取り付けることにより、バンド310および延在部304が互いに前後に変位しないように安定するのに役立つ。また、この取り付けは、バンド310をスペーサ302から所定のオフセット318で位置決めするのに役立つ。図13の実施形態では、バンド310がスペーサ302自体の中空内部を通じて巻回される。この実施形態では、バンドがオフセットせずに椎骨に対して最小のモーメントをもたらしあるいはモーメントをもたらさない。
[0088]図14〜図24は、可動延在部を図1のインプラントに取り付けるための別の機構を示している。図14を参照すると、インプラント400は、スペーサ402、第1の延在部404、および、第2の可動延在部406を含む。可動延在部406は、内面410がスペーサ402の外面にほぼ適合するリング408の形状の本体を含み、それにより、リングをスペーサ402上で摺動自在に受けることができる。可動延在部406をスペーサ402上の所望位置で固定するために位置決めねじ412がスペーサ402に対して締め付けられる。位置決めねじ412の締め付けは、可動延在部406をスペーサ402に抗して後方へ付勢する。この後方付勢に抗して位置決めねじ412が可動延在部406をロックできるようにリングの前部414がスペーサ402の前部416を押圧する。スペーサ402は、所定の軸方向位置で位置決めねじ412との積極的な係合を引き起こすために複数の窪み418を含んでもよい。リング408は、スペーサ402に対する可動延在部406の所定量の傾きを許容するように寸法付けられてもよい。
[0089]図15を参照すると、インプラント500は、スペーサ502、第1の延在部504、および、第2の可動延在部506を含む。スペーサ502は、第1の延在部504から離れるように長手方向軸線512と平行に突出する複数の片持ち梁508、510を含む。図15の実施形態では、スペーサ502が一対の対向する「C」形状梁508、510を含み、この場合、これらの梁の凹面が内側で対向する。スペーサ502は、梁508、510を貫通する開口514を含むとともに、前後の梁間に細長い開口516、518を形成する。可動延在部506は中断リング520の形状の本体を含む。リング520は前方に開放しており、開口の縁が後方に向けられたフック522、524を形成する。リングの内面526は梁508、510の外面にほぼ適合し、そのため、スペーサ502上でリングを摺動自在に受けることができる。リング520の前方開放構成は、生体内のリング内での摺動を容易にするためのクリアランスを与える。可動延在部506をスペーサ上の所望の長手方向位置で固定するために位置決めねじ528がスペーサ502に対して締め付けられる。フック522、524は、位置決めねじ528が締め付けられるときのスペーサ502に対するリングの後方への並進を食い止めるために梁508、510の前縁の一部に沿って曲がる。
[0090]図16を参照すると、スペーサ602、第1の延在部604、および、可動延在部606を有する図15のインプラント500に類似するインプラント600が描かれている。しかしながら、図15のリング520よりもかなり大きな前方クリアランスを与えるためにリング608の前方が断ち切られている。リング608は、梁614、616の内面612と係合してスペーサ602に対するリングの後方への並進を食い止めるためにリング608の後側から前方に突出して上下に広がるキー610を含む。また、キー610は、スペーサ602の中空内部618を部分的に遮って、該内部618に随意的に詰め込まれる材料を保持するのに役立つ。
[0091]図17を参照すると、インプラント700は、スペーサ702、第1の延在部704、および、第2の可動延在部706を含む。スペーサ702は、外面710と内面712とを形成する側壁708を含む。図17の実施形態では、スペーサ702が「D」形状断面を有する中空の扁平な円筒形状である。しかしながら、スペーサ702は任意の望ましい形状をなすことができる。スペーサ702は、外面710から内面712へ通じる複数の開口714を含む。可動延在部706は、スペーサ702とほぼ同様に構成されるがスペーサ702内で伸縮自在に摺動するように寸法付けられる突出部716を含む。突出部(またはスペーサ)は、随意的に、延在部704、706を所望の長手方向間隔を隔ててロックするための1つ以上の固定機構を含んでもよい。固定機構は、位置決めねじ718、溝722または他の特徴とのスナップ嵌合を形成する隆起部720、開口714と係合可能な戻り止め724、および/または、他の適した固定機構を含んでもよい。これらの機構のうちの任意の1つあるいは組み合わせが使用されてもよく、また、これらが図示の方向と逆にされてもよい。
[0092]図18〜図20を参照すると、インプラント800は、スペーサ802、第1の延在部804、および、第2の可動延在部806を含む。スペーサ802は、この実施形態では3つの梁808、810、812が存在する点を除いて図15および図16に類似する複数の片持ち梁を含む。梁は、第1の延在部804から離れるように長手方向軸線814と平行に突出する。図18の実施形態では、前梁812が後方に開放する溝816を含む。後梁808、810および前梁812は、それらの間に、上下に開放する細長いスロット818を形成する。後梁808、810は、それらの間に、後方に開放する細長いストッロ820を更に形成する。図20は、第1の延在部804を貫通して突出される溝816およびスロット818、820の突出により形成される十字形の開口822を示している。可動延在部806は、スロット818と摺動自在に係合するように寸法付けられる本体824を含む。第1の延在部804に対する可動延在部806の傾きを抑制するために随意的なラグ826が溝816内へ前方に突出できる。ラグ826は、溝816内に密に嵌合して可動延在部806の傾きを防止するように寸法付けることができ、所定量の傾きを許容するように溝816よりも小さく寸法付けることができる。可動延在部806をスペーサ802にロックするために位置決めねじ828が設けられる。
[0093]図21を参照すると、図16のインプラントとほぼ同様に構成されるインプラント900が描かれている。しかしながら、第1の延在部904に隣接する端壁902が貫通孔906を含み、可動延在部908が貫通孔912を有するキー910を含む。孔906、912は、延在部904、908を最大の間隔を隔てて固定して延在部の離間移動を防止するために留め具を受ける。留め具としては、ねじ、ボルト、ナット、ケーブル、ワイヤ、紐、ロッド、および/または、任意の他の適した留め具が挙げられる。図21の実施形態において、留め具は、ケーブルなどの細長い圧着受け部材914と、フェルールまたは圧縮性ビーズなどの圧着部材916、918とを含む。
[0094]図22を参照すると、インプラント1000は、スペーサ1002と、第1の延在部1004と、第2の延在部1006とを含む。スペーサ1002は外面1008を含み、外面1008は、外面1008に沿って第1の延在部1004を貫通して延びる1つ以上の長手方向溝1010を形成する。第1の延在部1004は、第1の延在部1004を貫通して溝1010と連通する径方向外側に延びる部分1014を有する1つ以上の対応するスロット1012を含む。スロット1012は、溝1010の端部に肩部1018を形成する径方向内側に延びる部分1016を有する。第2の延在部1006は、第1の延在部1004へ向けて長手方向に突出して径方向内側に向けられるタブ1022で終端する1つ以上の対応する突出部1020を含む。第2の延在部1006は、スペーサ1002の円錐状の自由端1026と係合可能な円錐状の開口を有する心出し孔1024を更に含む。第2の延在部1006は、タブ1022をスペーサ1002の円錐端1026に押し付けてタブ1022が溝1010と係合するまで突出部を外側に撓ませて広げることによりスペーサ1002に取り付けられる。タブ1022は、それらがスロット1012を抜け出てタブ1022が肩部1018を越えて内側で部分1016に嵌り込むまで溝1010に沿って摺動される。肩部1018に対するタブ1022の当接は、第1および第2の延在部1004、1006が離間するのを防止する。スペーサ1002の円錐端1026と孔1024との係合は、径方向の安定性をアセンブリに対して与える。
[0095]図23を参照すると、インプラント1100は、スペーサ1102、第1の延在部1104、および、第2の延在部1106を含む。スペーサ1102は、拡大ヘッド1112を有する中心ボス1110を伴う垂直溝1108を含む。第2の延在部1106は、溝1108内に嵌り込むように寸法付けられる部分1114と、1つ以上の傾斜タブ1118によって境界付けられる開口1116とを含む。第2の延在部1106は、中心ボス1110が開口1116へ向けられる状態で部分1114を溝1108に押し込むことによってスペーサに組み付けられる。中心ボス1110が開口1116に押し通されるにつれて、中心ボス1110が通過できるようにタブ1118が外側に曲がる。中心ボス1110がタブ1118を通り過ぎると、タブ1118がそれらの当初の位置に戻るように移動して拡大ヘッド1112の背後にスナップ係合する。この構成では、中心ボス1110が第2の延在部1106を長手方向で保持するとともに、第2の延在部1106がインプラント1100の長手方向軸線周りに回転するのを溝1108が防止する。
[0096]図24を参照すると、インプラント1200は、スペーサ1202、第1の延在部1204、および、第2の延在部1206を含む。スペーサ1202は、中空内部1210を画定する穴がない円筒状の側壁1208を含む。延在部1204、1206は、同様に構成されており、それぞれがスペーサ1202の内側に嵌合するように寸法付けられる突出部1212、1214を含む。延在部1204、1206は、突出部1212、1214とスペーサ1202との圧入、スナップ嵌合、螺合、および/または、さもなければ係合によって、スペーサに取り付いてもよい。これに代えてあるいはこれに加えて、延在部1204、1206は、図3に示されるような位置決めねじあるいは図21に示されるような細長い留め具などの先に描かれた取り付け機構のうちのいずれかを用いてスペーサ1202に取り付いてもよい。図24の実施形態において、延在部1204、1206は、スペーサ1202に押し込む柔軟なペタル1216を形成するために長手方向にすり割りが設けられる。延在部1204、1206は、組織成長を可能にし、セルクラージュ部材の取り付けを許容し、および/または、棘突起に取り付けられる更なる留め具を受けるための開口1218を含む。
[0097]図24のスペーサ1202は、他の実施形態の一部に示されるような開口を有することができる。同様に、他の実施形態が図24にっ示されるような穴のない面を有することができる。同様に、任意の実施形態の延在部は、開口がなくてもよく、開口を有してもよく、あるいはさもなければ、有利に構成されてもよい。
[0098]本発明に係るインプラントは、様々な外科的アプローチおよび技術を使用して埋め込まれてもよい。外科的アプローチは、過度棘靭帯犠牲的後方アプローチ、過度棘靭帯温存的後方アプローチ、側方アプローチ、および/または、他の適したアプローチを含んでもよい。技術は、手術部位の組織を改質しない状態のまま残すこと、または、切り取る、擦る、粗面化するなどのように組織を改質すること、および/または、さもなければ、組織を改質することを含んでもよい。例えば、図1では、側方アプローチが使用され、棘突起間空間を拡大してインプラント100を受けるために下側棘突起がその上面26でカットされる。棘突起間空間が作られた後、スペーサ102が棘突起間空間内に挿入される。第1の延在部126が存在する場合には、第1の延在部が1つ以上の棘突起の近傍に位置しあるいは1つ以上の棘突起と当接するように内側に押圧されてもよい。第2の延在部128が使用される場合には、第2の延在部がスペーサ102と係合されるとともに随意的に内側に押圧される。図1では、内側に向けられる骨留め具を有する対向する延在部126、128が使用されて内側に押圧され、それにより、留め具132が棘突起20、21と係合されるようになっていた。留め具132と下側棘突起21との係合は図1に示されていない。
[0099]図25A〜図29を参照すると、図1の棘突起インプラントに類似する棘突起インプラント1250はスペーサ1252を含んでおり、該スペーサは、第1の端部1254と、第2の端部1256と、第1の端部1254からスペーサの長さ方向lに沿って第2の端部1256に延びる長手方向軸線1258とを有する。スペーサは、インプラントの長手方向軸線1258と略平行な長さを有する略湾曲した側壁1259を有する。略湾曲した側壁1259は、上側スロット1264a1および下側スロット1264a2によってその長さの少なくとも一部に沿って分離され、それにより、第1の側壁1261aと第2の側壁1261bとが形成される。側壁1259は上下の外面1260、1262を含む。スロット1264a1、1264a2および開口1264b、1264c、1264d(図27)は、組織成長を容易にするために上下の外面1260、1262から内側に連通している。特定の典型的な実施形態では、開口1264bが第2の前側側壁1261bに設けられない。典型的なスペーサ1252は、スロット1264a1、1264a2および横開口1264b、1264c、1264dが外面1260、1262から中空内部1266へ連通するように内面1268によって境界付けられる中空内部1266を含む。
[00100]棘突起インプラント1250は、上下の棘突起の一方または両方とほぼ並行して位置するように長手方向軸線1258に対して垂直にスペーサ1252から外側に突出する第1の延在部1270を更に含む。図25A〜図29の典型的な実施形態において、第1の延在部1270は、スペーサ1252からスペーサ高さ方向hで上下の両方に延びている。第1の延在部1270は、スペーサ高さ方向hに沿うスペーサ1252の略上/下寸法1274(図27)よりも大きいスペーサ高さhに沿う略上/下寸法1272を規定する。第1の延在部1270と上下の棘突起との当接は、スペーサ1252が側方へ移動するのを抑制してスペーサ1252を棘突起間に維持するのに役立つ。図25A〜図29の例示的な実施形態では、第1の延在部1270がスペーサ1252から僅かに後方へも延びており、それにより、スペーサ幅方向wに沿って後方突出寸法1276(図26)が規定される。スペーサ1252は、スペーサ幅方向wに沿うとともにスペーサ上/下寸法1274(図27)に対して垂直な略前/後寸法1278(図26)を規定する。インプラント1250が患者の棘突起間に埋め込まれると、前側壁1261bがインプラント1250の最前面であり、一方、延在面1255(図25Aおよび図25C)がインプラント1250の最後面である。
[00101]図25A〜図25D〜図29の典型的な実施形態では、前/後寸法1278が上/下寸法1274よりも小さく、また、小さい方の前/後寸法1278がスペーサ1252の前側壁1261bの一部1280を取り除くことによって形成される。典型的な実施形態では、スペーサ前側壁1261bの長手方向の長さ(すなわち、スペーサ長さ方向lに沿う長さ)は、棘突起インプラント1250の長手方向の長さ1294の全体の約1/4に等しい距離1282だけ、スペーサ後側壁1261aの長手方向の長さよりも短い。典型的な棘突起インプラント1250は、第1の延在部1270に対して移動できるようにスペーサ1252に装着可能な第2の延在部(図示しないが、図1〜図24の実施形態の第2の延在部に類似する)を含む。
[00102]図25Bを参照すると、スペーサの第2の端部1256から見た棘突起インプラント1250の端面図が与えられている。図示のように、スペーサ前側壁1261bの前面1263は最上点1269aと最下点1269bとを含む。それに対応して、スペーサ後側壁1261aの後側壁面1265が最上点1267aと最下点1267bとを含む。なお、「最上」および「最下」は、表示のためのものであり、スペーサ1252の絶対的な上点と下点と必ずしも一致しない。前面1263が最上点1269aから最下点1269bへ横断される際の(スペーサ1252の長さに沿う所定位置での)前側壁1261bの前面1263の表面長さは、後面1265が最上点1267aから最下点1267bまで横断される際の(スペーサ1252の長さに沿う所定位置での)後面1265の表面長さよりも短い。
[00103]図25Bおよび図26に示されるように、スペーサ前側壁1261bは、スペーサ1252の長さの少なくとも一部に沿って上側間隔距離l1および下側間隔距離l2だけスペーサ後側壁1261aから離間される。距離l1、l2は、スロット1264a1、1264a2の幅に対応しており、一般的に等しいが必ずしもそうである必要はない。また、後側の側面1261aは部分円錐台内面1273を含んでおり、この部分円錐台内面1273は、該部分円錐台内面1273がスペーサの第2の端部1256からスペーサの第1の端部1254へスペーサの長さ方向lに沿って横断されるにつれてスペーサ1252の内部1266へ向けて且つ前側壁1261bへ向けて傾斜する。
[00104]特定の実施では、スペーサ1252の中空内部1266に骨成長促進物質を含むことが有益な場合がある。そのような材料の挿入および保持を容易にするため、スペーサ1252は内側に突出する後側および前側リップ1277a、1277b(図25C)を含む。内側に突出する後側リップ1277aは、スペーサ端部1256から長手方向に離間される円錐台内面1273の端部に形成される。内側に突出する前側リップ1277bは前側壁1261bの自由端に隣接して形成される。内側に突出するリップは、第1の延在部1270に隣接するスペーサ端部のスペーサの開放断面積A1(図25C)と比べて、前側壁1261bの自由端(すなわち、第1の延在部1270から離間される端部)のスペーサの開放断面積A2(図25B)を減少させる。したがって、骨成長促進物質をスペーサの第1の端部1254で中空内部1266に挿入してリップ1277a、1277bにより中空内部1266内に少なくとも部分的に保持することができる。
[00105]棘突起インプラント1250は、図1〜図24に示される実施形態のいずれかとほぼ同様の本体構成および他の適した構成を有してもよい。少なくともスペーサの第2の端部1256は、スペーサ高さ方向hに沿う上/下寸法1274(図27)よりも小さいスペーサ幅方向wに沿う前/後寸法1278(図26)を有することが好ましい。寸法1274、1278間のこの関係は、以下で更に説明するように埋め込みを容易にする。同様に、棘突起インプラント1250は、図1〜図24に示される第2の延在部のいずれかとほぼ同様に構成される第2の延在部および他の適した構成と共に使用されてもよい。したがって、一実施形態において、第2の延在部は、第2の延在部がスペーサ長さ方向lに沿って摺動可能にスペーサ1252と係合してスペーサ長さ方向lに沿う第1および第2の延在部間の距離を調整できるようにするために、スペーサの上下のスロット1264a1、1264a2と係合可能な第2の延在部128のタブ156(図3)などのタブを含む。また、第2の延在部がスペーサ1252に取り付けられる場合、第1および第2の延在部は、スペーサ長さ方向lに沿って離間される一対の上側突出部と、スペーサ長さ方向lに沿って離間される一対の下側突出部とを備える。特定の実施形態では、図4〜図6の実施形態に示されるようにスペーサ長さ方向lに沿って見たときに第1および第2の延在部の上側突出部が互いにほぼ位置合わせされ、また、第1および第2の延在部の下側突出部も同様である。
[00106]第1の延在部1270は、図8の延在部128の形状に類似する形状を有する。図25Cを参照すると、第1の延在部1270は第1の上側突出部1271aと第2の下側突出部1271bとを含む。第1の上側突出部1271aおよび第2の下側突出部1271bは、互いにほぼ同一平面上にあり、スペーサ高さ方向hに沿って互いに離間される。また、第1の上側突出部1271aはスペーサ1252から上側に離間するように突出し、一方、第2の下側突出部1271bはスペーサ1252から下側に離間するように突出する。図25A〜図25Dの実施形態において、突出部1271a、1271bは、単一の延在部1270を形成するためにスペーサ1252と一体に形成される。しかしながら、突出部1271a、1271bがスペーサ1252に接続されない、あるいは互いに接続されない多物品インプラントシステムが設けられてもよい。突出部1271a、1271bが丸みを帯びて示されているが、これらの突出部は正方形、三角形、または、他の形状であってもよい。
[00107]図25Cに示されるように、第1の延在部1270は、スペーサ高さ方向hに沿って規定される中心線1277を有する。第1の上側突出部1271aは、第1の延在部の中心線1277から距離w1だけ後方に離間される中心線1279aを有し、一方、第2の下側突出部1271bは、第1の延在部の中心線1277から距離w2だけ前方に離間される中心線1279bを有する。特定の実施では、突出部中心線1279a、1279bと第1の延在部の中心線1277との間の距離がほぼ等しい。
[00108]図25Cを再び参照すると、第1の上側突出部1271aは第1の凹面1287aの後方に隣接しており、一方、第2の下側突出部1271bは第2の凹面1287bの前方に隣接している。図9に示されるインプラント100と同じ様式で脊椎の隣り合う高さ間に複数のインプラント1250が埋め込まれてもよい。第1の上側突出部1271aは第2の下側凹面1287bに対して相補的となるように形成されており、そのため、2つの脊椎インプラントが隣り合う脊椎高さに配置されると、最も下側のインプラントの第1の上側突出部1271aが最も上側のインプラントの第2の凹面1287bに嵌り込むことができる。したがって、第1の上側突出部1271aは、第2の凹面1287bの曲率半径r6にほぼ等しい曲率半径r5を有する。同様に、第2の下側突出部1271bは、第1の上側凹面1287aに対して相補的となるように形成されており、そのため、2つの脊椎インプラントが隣り合う脊椎高さに配置されると、最も上側のインプラントの第2の下側突出部1271bが最も下側のインプラントの第1の上側凹面1287aと嵌合できる。したがって、第2の下側突出部1271bは、第1の凹面の曲率半径r8にほぼ等しい曲率半径r7を有する。
[00109]使用時、棘突起インプラント1250は、最初に、図28に示されるように、スペーサの第2の端部1256の小さい方の前/後寸法1278が隣り合う棘突起1284、1286間の上/下間隔と平行になる状態で埋め込まれる。この方向では、棘突起インプラント1250を棘突起1284、1286間により容易に挿入できる(図28)。第2の端部1256が棘突起1284、1286間に挿入されると、大きい方の上/下寸法1274を棘突起1284、1286間に形成される上/下間隔と平行に向けるようにインプラントを回転させることができる。これにより、棘突起インプラントを図29の完全挿入位置へ移動させることができる。その後、第2の延在部、セルクラージュ要素、および/または、他の更なる要素を図1〜図24に関連して前述したように所望により埋め込むことができる。
[00110]ここで、前述したタイプの脊椎疾患を処置するために棘突起インプラント1250を使用する典型的な方法について説明する。該方法によれば、脊椎疾患の評価に基づいて、2つの隣り合う棘突起が最初に選択される。選択された棘突起間の棘間靭帯は、インプラント1250を患者の矢状面を貫いて位置させることができるように穿刺されあるいはカットされる。必要に応じて、骨成長促進物質がスペーサ1252の中空内部空間1266に配置されてもよい。図28に示されるように、インプラント1250は、選択された棘突起間に形成される上下間隔と平行に前/後寸法1278が位置される状態で、選択された棘突起間に挿入される。インプラント1250が選択された棘突起間に位置されると、インプラント1250は、上/下寸法1274が棘突起間の上下間隔と平行に位置されるまでスペーサ1252の長手方向軸線1258周りに回転される。その結果、第1の延在部1270が選択された棘突起と当接係合して配置される。この時点で、スペーサの第2の端部1256が患者の矢状面を貫いて越えて突出する。留め具が第1の延在部1270に設けられる場合には、留め具が患者の矢状面の一方側で上下の棘突起と係合されてもよい。
[00111]必要に応じて、その後、図3〜図8の第2の延在部128などの第2の延在部が、タブ156と上下のスペーサスロット1264a1、1264a2との摺動可能な係合により、スペーサ1252に対して移動可能に取り付けられてもよい。その後、第2の延在部128は、第2の延在部128が選択された棘突起と当接係合するまで、スペーサ長さlに沿って患者の矢状面へ向けて内側に摺動される。所望の位置に達すると、位置決めねじ130を使用して、スペーサ長さlに沿う第2の延在部128の位置を固定してもよい。
[00112]図30および図31を参照すると、棘突起間空間内へのインプラントの側方挿入を容易にするために一組の器具1300の形状の導入体が提供される。一組の器具は複数の挿入体1302、1303を含み、各挿入体1302、1303は、第1の部分すなわちハンドル部1304と、第2の部分すなわち作用部1306とを有する。作用部1306は棘突起間空間内に挿入できる。ハンドル部1304は、作用部1306が棘突起間空間内にある状態で挿入体1302、1304の保持および操作を容易にするために作用部1306に対して垂直に延びることが好ましい。ハンドル部1304および作用部1306は、湾曲、角度、オフセット、および/または、任意の他の適した横方向を規定してもよい。図30の実施形態では、挿入体1302、1303が略「L」形状である。作用部1306は、その自由端1308から離間される第1の部分1307の比較的大きい断面寸法から、その自由端1308の比較的小さい断面寸法へ先細っている。図示の実施形態において、作用部は、円錐状であり、大きい直径から小さい直径に先細っている。挿入体1303の自由端1308は開口1310を有する中空チップを形成する。一組の器具1300には、一方の挿入体1302の自由端1308が他方の挿入体1303のチップの開口1310内に嵌合するように異なるサイズの作用部1306を有する複数の同様に構成される挿入体が設けられる。随意的に、作用部1306は、対向するハンドル1314、1316に取り付けられる対向する半体に分離されてもよい。対向するハンドル1314、1316が互いに対して移動されるにつれて、作用部1306の対向する半体が互いに対して移動する。図示の実施形態では、ハンドル1314、1316を互いの方へ向けて握り込むと、作用部1306が広がり、作用部1306の対向する半体が互いに外側に離間するように開放する。
[00113]使用時、第1の挿入体1302が棘突起間空間に挿入される。挿入を容易にするために第1の挿入体1302は比較的小さい。自由端1308が更に挿入されるにつれて、テーパ状の作用部1306が棘突起間空間を拡張させる。随意的に、作用部が棘突起間空間内にある状態で例えばハンドル1314、1316を握り込んで作用部を広げることにより棘突起間空間を更に拡張させることができる。第2の大きい方の挿入体1303は、その中空のチップを第1の挿入体1302のチップ上にわたって配置することにより第1の挿入体1302と係合され、その後、重なり合う器具を棘突起空間を通じて戻し通すことにより、第1の挿入体1302が除去されて、第2の挿入体1303が挿入される。第2の挿入体1303の端部が更に挿入されるにつれて、テーパ状の作用部が棘突起間空間を拡張する。随意的に、作用部1306が棘突起間空間内にある状態で作用部1306を広げることにより棘突起間空間を更に拡張させることができる。このようにして、棘突起間空間が所望のサイズに広げられるまで徐々に大きい挿入体を挿入することができる。所望のサイズに達したら、最後の挿入体のサイズに留意することにより、適したインプラントサイズが決定されてもよい。インプラントのサイズ決定を更に容易にするために、挿入体は、随意的に、テーパ状の作用部1306上に、異なるスペーササイズに対応する印1320を含んでもよい。インプラントは、図31に示されるようにスペーサ1402(図31)を第2の挿入体1303の作用部1306と係合させることにより挿入される。インプラントが挿入体の中空チップの内側に係合されてもよく、あるいは、図示のように挿入体のチップがインプラントの中空チップと係合してもよい。第2の挿入体1303が引き出されるにつれてスペーサ1402が棘突起間空間へ引き込まれる。必要に応じて、その後、図1〜図24に関して前述したように第2の延在部がスペーサ本体に取り付けられてもよい。
[00114]図32〜図37を参照すると、トラカール器具1500およびスリーブ器具1550の形状の導入体が図25の棘突起インプラント1250と共に示されている。トラカール器具1500は、ハンドル軸線1504と略平行に延びるハンドル1502を含む。図示の実施形態において、ハンドル1502は、基端1506がほぼ円形をなしており、先端側ほど全体的に薄くなり長方形に近づく。基端1506は、他の器具、グリップ等に接続するための取り付け部1508を含む。ハンドル1502の先端1510は、ハンドル軸線1504に対して略垂直に、且つヘッド軸線1514と略平行にハンドル1502から外側へ延びるヘッド1512に接続する。ヘッド1512は、円柱状、卵形状、多角形、および/または、任意の他の形状であってもよい。図32の例示的な実施形態では、ヘッドがヘッド軸線1514周りに略円柱状である。隣り合う棘突起間へのヘッド1512の挿入を容易にするために、テーパ状の先端1516がヘッド軸線1514にほぼ沿ってヘッドから突出する。先端1516は、円錐状、プリズム状、および/または、任意の他の適した形状であってもよい。図32の例示的な実施形態において、先端1516は、互いに略鏡像の対向する円筒側面1518(その一方が図示されている)と、対向する円筒側面1518に隣接してこれらの間に配置される一点に集まる平面状の側面1520(その一方が図示されている)とによって形成される円筒とプリズムとの混成体である。この構成により、平面状の側面1520を隣り合う棘突起間に挿入できるとともに、ヘッド1512をヘッド軸線1514周りに回転させて棘突起をこじ開けることができる。先端1516の部分的な挿入により、ヘッド1512を棘突起間に十分に挿入できるまでヘッド1512を回転させて更なる挿入を許容するべく棘突起間空間を開放することができる。ヘッド1512は、ヘッド1512の側面に擦り部1522を更に含む。図示の実施形態において、擦り部1522は、ヘッド1512の両側に形成される複数のカッタを含む。例示的なカッタは、ヘッド表面に鋭利なエッジを有する窪みである。ヘッド1512が棘突起間に十分に挿入された状態で、棘突起が擦り部1522の窪みに押し込まれ、そのため、ヘッド1512をヘッド軸線1514周りに回転させると、軟組織、骨表面、および/または、他の組織が擦り取られ、棘突起インプラント1250を受けるための棘突起が前処理される。棘突起を前処理することにより、棘突起インプラント1250内への、棘突起インプラント上への、および/または、棘突起インプラントを貫く棘突起間の骨の成長が促される。
[00115]スリーブ器具1550は、ハンドル軸線1554と略平行に延びるハンドル1552を含む。図示の実施形態において、ハンドル1552は、基端1556が略長方形であり、先端側に向かって薄くなる。ハンドル1552の背面1558は、略平坦であり、基端1556のハンドルの背面に凹部1560を含む。ハンドルの先端1562は、ハンドル軸線1554に対して略垂直に且つスリーブ軸線1566と略平行にハンドル1552からリム1568により形成される先端まで外側へ延びるスリーブ1564に接続する。スリーブ1564は、円筒状、楕円形、多角形、および/または、任意の他の適した形状であってもよい。図32の例示的な実施形態において、スリーブ1564は、略円筒状であり、トラカール器具のヘッド1512上にわたって緊密嵌合関係で摺動するように寸法付けられる。スリーブ1564がトラカール器具のヘッド1512上にわたってスライドされると、スリーブ器具のハンドル1552の平坦な背面1558がトラカール器具のハンドル1502の平坦な前面にぴったり接して位置するとともに、トラカール器具のハンドル1502の基端1506の円形部がスリーブ器具のハンドル1552の凹部1560に入り込む。両方のハンドル1502、1552が先端1510、1562付近で比較的薄いため、ハンドル1502、1522は、先端側であまり空間を占めず、ハンドル1502、1522からのスリーブ1564およびヘッド1512の延出を最大にしつつ手術部位に更に容易に嵌り込む。スリーブ1564は、棘突起とスリーブ1564の外面との係合を促して棘突起間からのスリーブの滑り抜けに抗する一連の環状溝1570あるいは隆起部を更に含む。スリーブ1564はリム1568の第1の領域を形成する解放部1572を更に含み、前記第1の領域は、解放部1572から離間して位置される第2の領域でリム1568がハンドル1552から離間される距離よりも小さい距離でハンドル1552から離間される。スリーブ1564は、棘突起インプラント1250と係合するように寸法付けられる。図32の例示的な実施形態において、スリーブ1564は、スリーブ軸線1566に沿って緊密嵌合関係でスペーサ1252を受けることができる内側寸法を伴って寸法付けられる。また、図示の実施形態において、解放部1572は、以下で更に十分に説明するようにスリーブ1564内へのスペーサの挿入を容易にするために解放部1572に沿って摺動関係でスリーブ軸線1566に対して垂直にスペーサを受けるように寸法付けられる。図示の実施形態において、解放部の中間点1573は、ハンドル軸線1554からオフセットした位置でリム1568に位置付けられており、それにより、棘突起インプラント1250は、図33に示されるようにハンドル軸線1554に対して角度をなす係合軸線1574に沿って解放部1572と係合する。図33の例示的な実施形態において、係合軸線1574とハンドル軸線1554との間の角度は、0°〜約90°の範囲であり、特に0°〜約40°の範囲であり、とりわけ約20°である。解放部の中間点1573をハンドル軸線1554に対して角度をなして位置させることにより、ハンドル1552およびユーザの手が棘突起インプラント1250の挿入経路を妨げない。トラカール器具1500およびスリーブ器具1550は、棘突起インプラント1250の複数のサイズに対応する複数のサイズで設けられてもよい。
[00116]図34図図37は、患者の隣り合う棘突起間に棘突起インプラント1250を埋め込む方法にしたがったトラカール器具1500およびスリーブ器1550の使用を示している。最初に、ヘッド1512が患者の矢状面に延びてこれを貫くように棘間靭帯が除去されあるいは貫通される。図34では、トラカール器具1500のヘッド1512が隣り合う棘突起1284、1286間で作用されており、ヘッドがヘッド軸線1514周りで往復回転されることにより、隣り合う棘突起1284、1286の対向する表面が擦られ、棘突起インプラント1250を受けるように前記表面が前処理される。トラカール器具1500が取り外されてスリーブ器具1550と係合され、そのアセンブリが図35に示されるように棘突起間に再挿入される。その後、トラカール器具1500が取り外されて、スリーブ器具1550が所定位置に残される。あるいは、トラカール器具1500とスリーブ器具1550とを係合させることなく、トラカール器具1500の取り外し後にスリーブ器具1550が棘突起間に挿入されてもよい。図36に示されるように、スペーサ1252と解放部1572とを係合軸線1574に沿って係合させた後に棘突起インプラント1250をその長手方向軸線1258がスリーブ軸線1566と平行になるまで回転させると同時にスペーサ1252をスリーブ1564内に押し込むことにより、棘突起インプラント1250がスリーブ1564内に挿入される。棘突起インプラント1250は、棘突起インプラントが図37に示されるように位置されるまでスリーブ1564内に押し込まれる。その後、スリーブ器具1550が取り外された後、第2の延在部、セルクラージュ要素、および/または、他の更なる要素が図1〜図24に関連して前述したように所望により埋め込まれてもよい。前述したように解放部1572を使用することにより、棘突起インプラント1250を埋め込むために必要な切開のサイズを最小限に抑えることができる。あるいは、棘突起インプラント1250は、最初に解放部と係合させて棘突起インプラント1250を回転させることなく、スリーブ軸線1566に沿って挿入されてもよい。あるいは、スリーブ器具1550が取り外される前に棘突起インプラント1250が部分的にのみ挿入され、その後、引き続いて、棘突起インプラント1250が位置決めされてもよい。
[00117]図38〜図40を参照すると、柔軟なガイド1600の形状の導入体は、係合部1602と、比較的幅狭いリーダ1606と、係合部1602とリーダ1606との間で先細る移行部1604とを含む。ガイド1600は、隣り合う棘突起間でのガイド1600の牽引を容易にするためにガイド1600の全てあるいは一部が曲がることができるようにする柔軟な材料を含む。図38の例示的な実施形態において、ガイド1600の全体は、ポリシロキサン、天然ゴム、合成ゴム、ポリエチレン、ポリエステル、ポリテトラフルオロエチレン、および/または、任意の他の適した材料などの柔軟材料から形成される。ガイド1600は、成形され、鋳造され、押し出し成形され、機械加工され、編組され、編み込まれ、および/または、さもなければ、形成されてもよい。係合部1602、移行部1604、および、リーダ1606は、一体に形成されてもよく、別個の構成要素として形成されて互いに結合されてもよい。図38の例示的な実施形態では、ガイド1600が合成ゴムから一体に成形される。係合部1602が棘突起インプラント1250と積極的におよび/または摩擦的に係合してもよい。係合部1602が棘突起インプラント1250の内面および/または外面と係合してもよい。図38の例示的な実施形態において、係合部は、スペーサ1252の外面を摩擦的に把持するべく伸長する中空スリーブを備える。
[00118]使用時、リーダ1606は、隣り合う棘突起1284、1286間に通されて、図39に示されるように棘突起1284、1286間で移行部1604を牽引するために使用される。図40に示されるように棘突起1284、1286間で棘突起インプラント1250を案内するべくリーダ1606が更に牽引されるにつれて、棘突起インプラント1250が所定の位置に押し込まれて回転される。その後、ガイド1600が除去され、第2の延在部、セルクラージュ要素、および/または、他の更なる要素が図1〜図24に関連して前述したように所望により埋め込まれてもよい。
[00119]ここで、図41〜図44を参照して、棘突起間インプラント1700の他の例を図示して説明する。棘突起間インプラント1700は、スペーサ1702、第1の延在部またはプレート1704、および、第2の延在部またはプレート1706を含む。スペーサ1702は、第1および第2の延在部1704、1706の一方または両方に対して調整可能にあるいは取り外し不能に接続されてもよい。一例では、スペーサ1702が第1の延在部1704に取り外し不能に接続され、また、第2の延在部1706がスペーサ1702に対して調整可能に接続されてもよい(例えば、スペーサ1702の長さに沿って軸方向に移動でき、調整された位置で固定される)。
[00120]スペーサ1702は、長手方向軸線1724に沿って離間される第1および第2の端部1720、1722を含んでもよい。スペーサ1702は第1および第2の側壁部1726、1728(図41および図44)を更に含んでもよく、第1および第2の側壁部1726、1728の少なくとも一方が1つ以上のスロット部1730を含んでもよく、この典型的なスペーサ1702では第1の側壁部1726の後部にスロット1730を有する。スロット1730は、融合材料を空間内に埋め込むことを可能にし、特に更なる組織内方成長経路を与える。第1および第2の側壁部1726、1728は、スペーサ1702の上面と下面の少なくとも1つのスロット部1732によって分けられてもよい。第1および第2の側壁部1726、1728が異なる長さ、形状、および、サイズを有してもよい。
[00121]第1および第2の延在部1704、1706のそれぞれはスペーサ1702に対して上下方向に延びてもよい。第1および第2の延在部1704、1706のそれぞれは、スパイク、ピン、ねじ、釘などの第1の組の留め具1708と、スパイク、ピン、ねじ、釘などの第2の組の留め具1710とを含んでもよく、これらの留め具は第1および第2の延在部1704、1706の接触面1712から延びる(図43において最も良く見える)。接触面1712は、本明細書中で既に説明したように1つ以上の棘突起と対向して接触するように配置される。第1および第2の組の留め具1708、1710は、接触面1712から垂直に延びるように示されており、例えば患者の棘突起、椎弓板、または、これらの組み合わせなどの脊椎の後部要素を把持するようになっている。留め具1708、1710は、特定の生体構造に適合するように接触面に対して垂直以外の角度で装着されてもよい。図3に関して説明したように、留め具1708、1710は、接触面1712に対して角度をなす何らかの自由を有してもよい。
[00122]接触面1712は、棘突起間インプラント1700が図44に示されるように組み付けられるときにスペーサ1702の長手方向軸線1724に垂直なラインに対して鋭角1714で配置される。一例において、角度1714は、約0°〜約45°の範囲、より好ましくは約20°〜約30°の範囲である。接触面1712は、第1および第2の組の留め具1708、1710が矢状面へ向けて前方に方向付けられるように前方に傾けられる。すなわち、接触面1712は前後方向で収束する。第1および第2の組の留め具1708、1710は、比較的強力な骨であってもよい脊椎の部分の骨で固定を行なうために、棘突起の前部に、椎弓板と棘突起との間の接合部に、または、椎弓板の一部に位置するようになっていてもよい。スペーサ1702に対する第1および第2の延在部1704、1706の傾斜配置は、S1としばしば関連付けられる小さいあるいは存在しない棘突起が与えられるL5−S1椎骨に対する接続に特に良く適する場合がある。第1および第2の延在部1704、1706の傾斜配置は、接触面1712の前縁に第1の距離1’を与えるとともに、接触面1712の後縁に第2の距離1”を与えてもよい(図44)。
[00123]別の配置において、第1および第2の延在部1704、1706の接触面1712は、スペーサ1702の長手方向軸線1724に対して異なる角度で配置されてもよい。例えば、接触面1712のうちの一方が長手方向軸線1724に対して垂直に配置されてもよく、また、接触面1712のうちの他方が長手方向軸線1724に対して垂直でない角度1714で配置されてもよい。
[00124]第1および第2の組の留め具1708、1710の方向は、長手方向軸線1724に垂直なラインに対して角度1711でもよい。幾つかのケースでは、角度1711が接触面1712と垂直であってもよい。しかしながら、角度1711は、程度の差はあるが留め具1708、1710の組が患者のニーズに従って骨へ貫通するように90°以外であってもよい。幾つかの配置では、接触面1712の角度1714にかかわらず第1および第2の組の留め具1708、1710が互いに平行に配置されてもよい。
[00125]図示の例において、第2の延在部1706は、スペーサ1702とは別個のものであり、スペーサ1702に対して長手方向軸線1724に沿って並進できる。したがって、第2の延在部1706は、第2の延在部1706をスペーサ1702に取り外し可能に取り付けるための装着部1719を含んでもよい。装着部1719は位置決めねじ孔1718を形成する。図3に示される位置決めねじ130などの位置決めねじが位置決めねじ孔1718と螺合されてスペーサ1702の一部(例えば、第1の側壁部1726)と接触するように延び、それにより、第2の延在部1706が所定の軸方向位置でスペーサ1702に固定され、特に、スロット1730の側面が位置決めねじの先端と係合するように先細っていてもよい。
[00126]また、第2の延在部1706は、スペーサ1702の一部を受けるように寸法付けられるスペーサ開口1716を含んでもよい。一例において、スペーサ開口1716は第1の側壁部1726を受けるように寸法付けられる。スペーサ開口1716は、棘突起間インプラント1700が図42〜図44に示されるように組み付けられるときに第2の延在部1706とスペーサ1702との間の相対的な横方向の動きあるいは回転動作を許容するあるいは制限するように寸法付けられてもよい。
[00127]ここで図45〜図49Bを参照して、スペーサ1802、第1の延在部またはプレート1804、および、第2の延在部またはプレート1806を含む他の例の棘突起間インプラント1800を図示して説明する。スペーサ1802は、第1および第2の延在部1804、1806の一方または両方に対して取り外し不能にあるいは調整可能に接続されてもよい。少なくとも1つの例において、スペーサ1802は、第1の延在部1804に取り外し不能に接続されるとともに、第2の延在部1806に調整可能に接続される。少なくとも1つの例では、第1の延在部1804が単一部品としてスペーサ1802と一体形成され、また、第2の延在部1806がスペーサ1802の長さにわたって長手方向軸線1824(図48)に沿って軸方向に移動できる別個の部品である。
[00128]スペーサ1802は長手方向軸線1824に沿って離間される第1および第2の端部1820、1822を含んでもよく、それにより、第1の端部1820が第1の延在部1804に隣接し、第2の端部1822が第1の延在部1804よりも先端側にある。スペーサ1802は第1および第2の側壁部1826、1828を更に含んでもよく、その場合、各側壁部が1つ以上の孔または貫通穴1830を含んでもよい。第1および第2の側壁部1826、1828は、上下のスロット1832、1834などの1つ以上のスロットまたは切り欠きによって分けられてもよい。
[00129]第1の側壁部1826は、第1の延在部1804の接触面1812から測定される長さX1を有し、また、第2の側壁部は、第1の延在部1804の接触面1812から測定される長さX2を有する。この実施形態において、長さX1は長さX2よりも小さい。図41〜図44に示される棘突起間インプラント1700などの他の実施形態では、第1の側壁部1726が第2の側壁部1728の長さよりも大きい長さを有する。第2の側壁部の長さが小関節面を除去するように与えられてもよい。
[00130]第1および第2の延在部1804、1806がスペーサ1802から上下両方向で延びてもよい。第1および第2の延在部1804、1806のそれぞれは、接触面1812から延びるスパイク、ピン、ねじ、釘などの第1および第2の組の留め具1808、1810を含んでもよい。第1および第2の延在部1804、1806は、曲面または湾曲1844を規定する張り出し部1840、1842を両端に更に含んでもよい(図48)。曲面1844は、接触面1812の一部であってもよく、あるいは、接触面1812との連続的な湾曲であってもよい。第1および第2の組の留め具1808、1810が接触面1812および曲面1844から延びてもよい。実施形態に示されるように、留め具1808、1810は図49Aに示されるように長さを変えることができてもよい。例えば、留め具は、留め具の端部が該端部によって規定される面内に存在するように更に延びてもよい。少なくとも1つの例において、第1および第2の組の留め具1808、1810は、互いに略平行に配置され、また、幾つかの配置では、対向する延在部1804、1806の留め具と同一直線上にあるいはオフセットして配置されてもよい。また、留め具1808、1810が曲面1844の接線に対して垂直に延びてもよく、それにより、留め具が接触面1812および/または曲面1844から延びるにつれて留め具の一部が発散するようになっていてもよい。
[00131]曲面1844が一定の半径r10を伴って弓状にあるいは曲線状に延びてもよい。半径r10は、張り出し部1840、1842に沿って移動するにつれて増大しあるいは減少してもよい。曲面1844は前方向の屈曲面または張り出し面である。張り出し部1840、1842の使用は、様々な形状を有する棘突起に配置できる第1および第2の組の留め具1808、1810の能力を高める。例えば、張り出しが僅かなあるいは存在しない棘突起1850(すなわち、棘突起が略平坦な垂直骨表面を有する)では、第1および第2の組の留め具1808、1810が図49Aに示されるように骨を貫通して骨に食い込む。張り出し量がより大きい棘突起1850(すなわち、棘突起が楔状に形成されあるいは湾曲する)では、張り出し部1840、1842により、図49Bに示されるように第1および第2の延在部1804、1806の前部からの干渉が骨と当接して貫通を制限することなく、第1および第2の組の留め具1808、1810が骨に食い込むことができる。また、張り出し部1840、1842により、第1および第2の延在部1804、1806が椎弓板1857に近接して位置することができ、それにより、第1および第2の延在部1804、1806を最初に位置決めして棘突起間インプラント1800と骨との生体力学的な連結を高めるのに役立つ。更に、留め具1808、1810が張り出し部1840、1842の接線に対して垂直に延びるように配置される場合には、留め具が椎弓板1857に食い込む。
[00132]第2の延在部1806は、例えば第1の側壁部1826などのスペーサ1802の一部を受けるように寸法付けられるスペーサ開口1816を含んでもよい。また、第2の延在部1806は、位置決めねじ孔1818が形成される装着部1819を含んでもよい。位置決めねじ孔1818は、スペーサ1802および第1の延在部1804に対して第2の延在部1806を所定の軸方向位置で固定するために、位置決めねじ孔1818を貫通して延び且つ第1の側壁部1826などのスペーサ1802の一部と接触するねじ込み位置決めねじなどの留め具を受けるように寸法付けられてもよい。位置決めねじが第1の側壁部1826と係合するのを容易にするために、第1の側壁部1826の後側対向面は条痕やローレット切りなどの表面テクスチャを有してもよい。
[00133]ここで、図50〜図52を参照すると、スペーサ1902、第1の延在部またはプレート1904、および、第2の延在部またはプレート1906を有する他の例の棘突起間インプラント1900が示されている。この例では、棘突起間インプラント1900のためのモジュール構造を与えるために、スペーサ1902が第1および第2の延在部1904、1906とは別個の部品として形成される。スペーサ1902、および、第1および第2の延在部1904、1906は、患者の生体構造との望ましい適合を達成するために相互作用的に組み合わされてもよい様々なサイズおよび形状で設けられてもよい。例えば、図52に示されるように、同じ第1および第2の延在部1904、1906が異なるサイズのスペーサ1902、1902A、1902Bと共に使用されてもよい。
[00134]スペーサ1902並びに第1および第2の延在部1904、1906は本明細書中で既に特定された高分子および金属などの異なる材料を備えてもよい。一例では、第1および第2の延在部1904、1906が金属材料を備えてもよく、また、スペーサ1902が高分子材料を備えてもよい。スペーサ1902は、例えば、医学画像による視覚化を容易にするために放射線透過性であってもよい。
[00135]スペーサ1902は、長手方向軸線1924に沿って離間される第1および第2の端部1902、1922を備えてもよい。スペーサ1902は、第1の側壁部1926A、1926Bと、第2の側壁部1928とを含む。側壁部1926A、1926B、1928は、横断壁部1925により長手方向軸線1924に沿って接続されてもよく、また、1つ以上の分割スロット1932により互いに分離されあるいは分割されてもよい。第1の側壁部1926A、1926Bが第1および第2の延在部1904、1906の開口1916を貫通して延びるように寸法付けられ、それにより、以下で更に説明するようにこれらの間で調整可能な接続を行なってもよい。また、スペーサ1902がチャンネルまたは貫通穴1930を有してもよい。
[00136]第1および第2の延在部1904、1906はスペーサ1902から上下方向に延びる。第1および第2の延在部1904、1906のそれぞれは、第1および第2の接触面1912、1913から延びる第1および第2の組の留め具1908、1910を含んでもよい。第1の接触面1912はスペーサ1902の長手方向軸線1924に対して略垂直に配置されてもよい。第2の接触面1913は、長手方向軸線1924に対して合成角または他の角度関係で配置されてもよい。例えば、第2の接触面1913は図54に示されるように前方下側に傾く合成角でもよく、それにより、棘突起間インプラント1900を特にL5−S1に適合させるようにしてもよい。
[00137]第1および第2の組の留め具1908、1910は第1および第2の接触面1912、1913のそれぞれに対して略垂直に延びてもよい。図示の例において、第1の組の留め具1908は、整列されあるいはオフセットされていようとなかろうと、第1および第2の延在部1904、1906で互いに略平行に配置されてもよい。第2の組の留め具1910は、少なくとも図54に示されるように、第1および第2の延在部1904、1906で互いに対して非平行な角度で配置されてもよい。第1の組の留め具1908は、第1の接触面1912により規定される面に対して垂直に延びてもよい。第2の組の留め具1910は、図54に示されるように第1の接触面1912により規定される面に対して角度1915で配置される。
[00138]第1および第2の延在部1904、1906は、スペーサ1902の側壁部1926A、1926B、1928の一部を受けるように寸法付けられるスペーサ開口1916を含んでもよい。図50は、第1および第2の延在部1904、1906のそれぞれのスペーサ開口1916を貫通して延びる第1の側壁部1926A、1926Bを示している。スペーサ開口1916は、スペーサ1902の長手方向軸線1924に沿う相対的な軸方向動作に加えてスペーサ1902の何らかの相対的な横方向動作および回転動作を許容するために第1の側壁部1926A、1926Bのサイズよりも大きく寸法付けられてもよい。
[00139]第1および第2の延在部1904、1906は、ロッキングブロック1952を受けるように寸法付けられる孔1918を更に含んでもよい。ロッキングブロック1952は、第1および第2の延在部1904、1906をスペーサ1902に対して所定の軸方向位置で固定するために、スペーサ1902の第1の側壁部1926A、1926Bと解放可能に接触するように配置されてもよい。ロッキングブロック1952は、その先端に嵌め合い面1953を含み、その基端に位置決めねじ切り欠き1954を含むとともに、位置決めねじ切り欠き1954内に嵌合するように寸法付けられる位置決めねじ1956を含んでもよい。孔1918は、位置決めねじ1956のねじと螺合するねじを含んでもよい。位置決めねじ1956の回転が嵌め合い面1953を先端側に押し進めて第1の側壁部1926A、1926Bと接触させてもよい。
[00140]スペーサ開口1916が同一直線上にないように配置されて孔1918に対して開放してもよい。ロッキングブロック1952の嵌め合い面1953は、該嵌め合い面1953がスペーサ開口1916内へ延びてスペーサ開口19167内で第1の側壁部1926A、1926Bを自動心出し関係で捕捉するように傾斜されてもよい。別の配置では、スペーサ開口1916が同一直線上にあり、また、ロッキングブロック1952の嵌め合い面1953がその幅にわたって略平坦であり、それにより、第1の側壁部1926A、1926Bをロッキングブロック1952を用いて所定位置にクランプする前にスペーサ開口1916内で移動させることによって、スペーサ1902を第1および第2の延在部1904、1906に対して垂直方向および軸方向の両方で調整できる。
[00141]ここで図53〜図54を参照すると、スペーサ2002と、図50〜図52を参照して前述した第1および第2の延在部またはプレート1904、1906とを有する他の例の棘突起間インプラント2000が示されている。スペーサ2002が2つの別個の半体に分離されてもよく、その場合、第1の半体が第1の側壁部2026Aと第2の側壁部2028Aとを含み、第2の半体が第1の側壁部2026Bと第2の側壁部2028Bとを含む。スペーサ2002はそれに形成される少なくとも1つのスロット2030を含んでもよい。
[00142]第1の側壁部2026A、2026Bは、第1および第2の延在部1904、1906のスペーサ開口1916を通じて延びるように寸法付けられてもよい。ロッキングブロック1952は、棘突起間インプラント1900に関して前述したようにスペーサ2002のアームを第1および第2の延在部1904、1906に対して固定する。スペーサ2002の位置および高さを変えるために、スペーサ2002の独立した半体は、個別に、垂直、横方向に調整されてもよく、また、第1および第2の延在部1904、1906に対する角度が調整されてもよい。一例において、緩く組み付けられた棘突起間インプラント2000がスペーサ2002を隣接する棘突起間に位置させた状態で配置された後、骨延長工具が、スペーサ2002の半体と係合されるとともに、スペーサ2002の半体を分離して棘突起を所望の間隔まで離間させるように作動されてもよい。その後、その間隔を固定するためにロッキングブロック1952が使用されてもよい。
[00143]あるいは、位置決めねじ1956の回転によるロッキングブロック1952の前進がスペーサ2002の半体を押し離すようにスペーサ開口1916およびロッキングブロック1952が配置されてもよい。
[00144]第2の接触面1913を形成する第1および第2の延在部1904、1906の部分は、第2の組の留め具1910を支持する下側留め具パッド1980として形成されてもよい。留め具パッド1980は、留め具パッド1980が下側に広げられて前方に回転される合成角を形成するように仙骨傾斜軸線周りで回転されてもよい。この合成角は、S1椎骨を把持するのに特に適する場合がある。
[00145]留め具パッド1980の方向が固定されてもよくあるいは調整できてもよい。調整可能性は、屈曲領域1958(図53参照)を組み入れることによって与えられてもよい。屈曲領域1958は、第1および第2の延在部1904、1906に薄くて比較的曲げ易い部分を設けることによって形成されてもよい。また、調整可能性は、第1および第2の延在部1904、1906の残りの部分に対する留め具パッド1980の接続点にヒンジ、ボール-ソケット、枢軸、または、他の適したジョイントなどのジョイント(図示せず)を組み入れることによって与えられてもよい。ジョイントは、アンロック位置とロック位置との間で調整可能であってもよい。その場合、アンロック位置では、第2の組の留め具1910が骨に食い込んでジョイントを安定させてもよい。ジョイントは、第1および第2の延在部1904、1906の残りの部分に対してジョイントが達成された時点で留め具パッド1980の方向を固定するために例えば位置決めねじを使用してロックされてもよい。
[00146]ここで図55〜図56を参照すると、別のスペーサ構成22102が示されている。スペーサ2102は、外面2138から延びる1つ以上のフック部2136を含んでもよい。フック部2136は、任意の方向に延びてもよく、また、任意の形状およびサイズを有してもよい。フック部2136は、スペーサ2102を棘突起に固定するのに役立つように、棘突起または椎弓板などの隣接する骨に食い込むあるいは隣接する骨の背後に引っ掛かるようになっていてもよい。
[00147]図55〜図56は、下方に延びて後方に湾曲されるフック部2136を示している。フック部2136のこの配置は、任意の椎骨、特にS1椎骨の上縁に引っ掛かるようにうまく適合されてもよい。スペーサ2102は、本明細書中に記載される様々なインプラントの第1および第2の延在部のうちのいずれかと組み合わされてもよい。フック部2136は、特にL5椎骨およびS1椎骨に固定するようになっている棘突起間インプラントとの組み合わせに良く適し得る。特定の態様では、フック部2136が前述したスペーサのうちのいずれかに設けられてもよい。S1椎骨と関連して使用される際には、第1および/または第2の延在部の下部、突出部、または、プレートが減少されあるいは更には排除されてもよい。
[00148]ここで図57〜図58を参照して、棘突起間インプラント1900を更に詳しく図示して説明する。第1および第2の延在部1904、1906のうちの少なくとも一方は、その両端部に第1および第2の突出部1960、1962を含んでもよい(第2の延在部1906が図57〜図58に示されている)。突出部は半径r11、r12をそれぞれ伴う外周面を有する。中心線1964が第1の突出部1960から第2の突出部1962に延びている。
[00149]第2の延在部1906は、更に、半径r13、r14をそれぞれ有する第1の凹面1966、1968を一方の側面に沿って含むとともに、半径r15、r16をそれぞれ有する一対の第2の凹面1970、1972を反対側の側面に沿って含む。半径r13、r14、r15、r16は半径r11、r12とサイズが同様であってもよい。例えば、半径r13、r14、r15、r16が半径r11、r12よりも約5%〜約30%大きいあるいは小さい範囲内であってもよい。第1の延在部1904も同様の寸法を有するが、便宜上、図示されていない。
[00150]第1の突出部1960は、第1の凹面1966の前方に隣接し且つ凹面1970の後方に隣接する上側突出部と称されてもよい。第2の突出部1962は、第1の凹面1968の前方に隣接し且つ第2の凹面1972の後方に隣接する下側突出部と称されてもよい。第1および第2の突出部1960、1962の半径は同様であってもよく、その場合には、2つの棘突起間インプラント1900が隣り合う脊椎高さに配置されると、第1および第2の突出部1960、1962が隣接する凹面1966、1968、1970、1972と置き換え可能に嵌合し合うことができる。患者の生体構造および他の外科的な考慮に応じて、棘突起間インプラント1900は、図57に示される複数の棘突起間インプラント1900、1900A〜1900Dとの図示の任意の組み合わせで第1または第2の突出部1960、1962と前方であるいは後方で嵌合し合ってもよい。また、棘突起間インプラント1900は、図58に示されるように相互嵌合関係を維持しつつ前方にあるいは後方に傾けられてもよい。この場合、棘突起間インプラント1900A〜1900Dの傾斜した中心線1974が中心線1964に対して角度で配置される。
[00151]棘突起インプラントおよび関連する器具並びに技術の実施形態を詳しく図示して説明してきたが、言うまでもなく、これらは単なる例示として意図されるものであり、限定的に解釈されるべきではない。したがって、棘突起インプラント、器具、および、技術における変形および改良は当業者に明らかであり、また、以下の請求の範囲がそのような改良および等価物の全てを網羅するようになっている。
Claims (1)
- 脊椎における互いに隣り合う椎骨の棘突起間に配置するためのインプラントであって、
第1の端部と、第2の端部と、前記第1の端部から前記第2の端部に延びる長手方向軸線とを有するスペーサであり、前記長手方向軸線と略平行な側壁を有するとともに、前記棘突起と当接して前記棘突起同士を離間関係に保つようになっている上面および下面を有し、前記上面および前記下面が前記棘突起間の所定の最小間隔に対応する距離を隔てて離間されている、スペーサと、
互いに隣り合う前記椎骨の前記棘突起とほぼ並行して位置するように前記長手方向軸線に対して垂直に前記スペーサから突出する第1の延在部であり、前記棘突起間の最大間隔を制限するように前記棘突起と係合可能となっている、第1の延在部と、
を備えるインプラント。
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