JP2013258676A - 弾性波デバイス及びその製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】フィルタ特性の劣化を抑制することができる中空パッケージを有する弾性波デバイスの構造及びその製造方法を提供する。
【解決手段】基板10と、基板10上に形成された弾性波素子の機能部である電極12と、基板10上に前記弾性波素子を囲むように形成され、前記弾性波素子の上面より高い上面を有する環状金属層26と、環状金属層26上に、前記弾性波素子の機能部上が中空部となるように形成された樹脂蓋体30と、を備える。中空構造の側壁を金属で、蓋体を樹脂でそれぞれ形成することにより、電極の腐食を抑制し、フィルタ特性の劣化を抑制することができる。
【選択図】図4
【解決手段】基板10と、基板10上に形成された弾性波素子の機能部である電極12と、基板10上に前記弾性波素子を囲むように形成され、前記弾性波素子の上面より高い上面を有する環状金属層26と、環状金属層26上に、前記弾性波素子の機能部上が中空部となるように形成された樹脂蓋体30と、を備える。中空構造の側壁を金属で、蓋体を樹脂でそれぞれ形成することにより、電極の腐食を抑制し、フィルタ特性の劣化を抑制することができる。
【選択図】図4
Description
本発明は、中空パッケージ構造を有する弾性波デバイス及びその製造方法に関する。
移動体通信機器等に使用されるデュプレクサ或いはフィルタとして、弾性波デバイス(例えば、弾性表面波(SAW:Surface Acoustic Wave)デバイス、圧電薄膜共振器(FBAR:Film Bulk Acoustic Resonator)デバイス等)が広く使用されている。また、これらのデバイスにおける小型化のために、基板上に形成された弾性波素子を樹脂により被覆し、当該樹脂をパッケージの代わりとして利用する所謂ウエハレベルパッケージが開発されている。このとき、弾性波素子の特性を維持するために、弾性波素子の機能部上に中空部(空洞)を設ける所謂中空パッケージ構造が採用されている(例えば、特許文献1及び2を参照)。そして、かかる封止用の樹脂としては、そのパターニングを容易にするために、感光性樹脂を用いることが一般的である。
前述の如き、従来の弾性波デバイスでは、気密封止用の蓋(カバー)として用いられる感光性樹脂に含まれているハロゲンイオンが、PCT(Pressure Cooker Test)試験などの際に高温水蒸気等により抽出され、ハロゲンガスが発生してしまう場合があった。その結果、ハロゲンガスが弾性波素子に付着して電極金属などの腐食を引き起こし、フィルタ特性の劣化が生じてしまうという課題があった。
本発明は上記の課題に鑑みなされたものであり、中空パッケージ構造を有する弾性波デバイスにおいて、フィルタ特性の劣化を抑制することを目的とする。
本発明は、基板と、前記基板上に形成された弾性波素子と、前記基板上に前記弾性波素子を囲むように配置され、前記弾性波素子の上面より高い上面を有する環状金属層と、前記環状金属層上に、前記弾性波素子の機能部上が中空部となるように形成された樹脂蓋体と、を備えることを特徴とする弾性波デバイスである。
上記構成において、前記樹脂蓋体は、非感光性樹脂を含む構成とすることができる。
上記構成において、前記樹脂蓋体は、前記環状金属層と接触するエポキシ系の第1樹脂層と、前記第1樹脂層上に形成されたポリイミド系の第2樹脂層と、を含む構成とすることができる。
上記構成において、前記基板上における前記環状金属層の内側に形成され、前記弾性波素子と電気的に接続された配線層を備える構成とすることができる。
上記構成において、前記樹脂蓋体に形成された貫通孔に設けられ、前記配線層と接続された貫通電極を備える構成とすることができる。
上記構成において、前記配線層の厚みは、前記環状金属層の厚みとほぼ等しい構成とすることができる。かかる構成によれば、配線層と環状金属層を同時に形成することができるため、プロセスを簡略化することができる。
上記構成において、前記基板上に形成され、前記弾性波素子の上面より高い上面を有する入力用配線層と、前記基板上に形成され、前記弾性波素子の上面より高い上面を有する出力用配線層と、前記環状金属層上に、前記弾性波素子の機能部上が中空部となるように形成された蓋体樹脂部分と、前記蓋体樹脂部分の前記基板側である第一主面上に形成された前記環状金属層と導通する第一パターンと、前記第一主面上に形成された前記入力用配線層と導通する第二パターンと、前記第一主面上に形成された前記出力用配線層と導通する第三パターンと、前記蓋体樹脂部分の前記基板の逆側である第二主面上に形成された前記第一パターンと導通するグランド端子と、前記第二主面上に形成された前記第二パターンと導通する入力端子と、前記第二主面上に形成された前記第三パターンと導通する出力端子と、を有する構成とすることができる。
上記構成において、前記蓋体樹脂部分は液晶ポリマーからなる樹脂を含む構成とすることができる。
上記構成において、前記入力端子又は出力端子は、前記第一パターンと、第二又は第三パターンとの間に形成された領域を覆う構成とすることができる。
本発明は、前記基板上に弾性波素子を形成する工程と、前記基板上に、前記弾性波素子を囲むように、前記弾性波素子の上面より高い上面を有する環状金属層を形成する工程と、前記環状金属層上に、前記弾性波素子の機能部上が中空部となるように樹脂蓋体を形成する工程と、を備えることを特徴とする弾性波デバイスの製造方法である。
上記構成において、前記樹脂蓋体を形成する工程は、前記環状金属層の上面に非感光性の樹脂シートを配置する工程を含む構成とすることができる。
上記構成において、前記樹脂蓋体を形成する工程の前に、前記基板上における前記環状金属層の内側に、前記弾性波素子と電気的に接続された配線層を形成する工程と、前記樹脂蓋体に選択的に貫通孔を形成する工程と、前記貫通孔に、前記配線層と接続された貫通電極を形成する工程と、を備える構成とすることができる。
上記構成において、前記基板上に、前記弾性波素子の上面より高い上面を有する入力用配線層を形成する工程と、前記基板上に、前記弾性波素子の上面より高い上面を有する出力用配線層を形成する工程と、前記環状金属層上に、前記弾性波素子の機能部上が中空部となるように蓋体樹脂部分を形成する工程と、前記蓋体樹脂部分の前記基板側である第一主面上に、前記環状金属層と導通する第一パターンを形成する工程と、前記第一主面上に、前記入力用配線層と導通する第二パターンを形成する工程と、前記第一主面上に、前記出力用配線層と導通する第三パターンを形成する工程と、前記蓋体樹脂部分の前記基板の逆側である第二主面上に、前記第一パターンと導通するグランド端子を形成する工程と、前記第二主面上に、前記第二パターンと導通する入力端子を形成する工程と、前記第二主面上に、前記第三パターンと導通する出力端子を形成する工程と、を有する構成とすることができる。
本発明によれば、中空パッケージ構造を有する弾性波デバイスにおいて、フィルタ特性の劣化を抑制することができる。
図1〜図4は、実施例1に係る弾性波デバイスの製造工程を示す断面模式図である。ここでは、弾性表面波(SAW)素子を形成する場合を例に説明を行う。最初に、図1(a)に示すように、基板10上に電極12及び配線14を形成する。基板10には、例えばタンタル酸リチウム(LiTaO3(LT))、ニオブ酸リチウム(LiNbO3(LN))等を用いることができる。電極12は、SAW素子における櫛形電極(IDT:Interdigital Transducer)や反射電極等の電極パターンであり、配線14は、これらの電極パターンと接続された配線パターンである。電極12及び配線14には、例えば基板10側からアルミニウム(Al)及び銅(Cu)を積層した金属膜を用いることができ、その厚みは例えば350nmとすることができる。電極12及び配線14の形成は、蒸着法またはスパッタリング法により金属膜を成膜した後、所望の形状にドライエッチングすることで行うことができる。また、ドライエッチングに代えてリフトオフ法を用いることもできる。
次に、図1(b)に示すように、電極12、配線14の表面を含む基板10の上面に、保護膜16を形成する。保護膜16は、電極12ならびに配線14を腐食などから保護するための絶縁膜であり、最終的には電極12ならびに配線14の表面に残存する。保護膜16には、例えば酸化シリコン(SiO2)または窒化シリコン(SiN)等のケイ素系化合物を用いることができる。
次に、図1(c)に示すように、後述の配線層24及び環状金属層26を形成すべき領域が開口部となるように、基板10上に第1レジスト18を選択的に形成する。第1レジスト18は、後に中空部となるべき電極12の上部にも形成される。第1レジスト18には、例えばネガ型の感光性レジストを用い、露光によりパターン形成を行うことができる。第1レジスト18の形成後、第1レジスト18の開口部に存在する保護膜16を除去する。これにより、基板10及び配線14の表面の一部が露出する。
次に、図1(d)に示すように、基板10、配線14及び第1レジスト18の上面に、シード層20を形成する。シード層20としては、例えば、基板10側からチタン(Ti)及び銅(Cu)を順に積層した金属膜を用いることができる。
次に、図2(a)に示すように、シード層20上の領域のうち、パッケージの完成時に中空となる領域に、第2レジスト22を選択的に形成する。第2レジスト22は、電極12の上部を含む領域に形成され、配線14ならびに後述する配線層24及び環状金属層26を形成すべき領域にシード層20が表出されるように選択的に形成される。第2レジスト22には、例えば第1レジストと同じネガ型の感光性レジストを用いることができる。
次に、図2(b)に示すように、シード層20を電極として用いて、また、第2レジスト22をマスクとして、金属メッキを行い、配線14上のシード層20上に配線層24を、基板10上のシード層20上に環状金属層26をそれぞれ形成する。配線層24及び環状金属層26には、例えば銅(Cu)等の金属を用いることができ、その厚みは電極12より大きく(例えば、650nm)なるようにする。配線層24及び環状金属層26の形成は、例えば蒸着法及びリフトオフ法を用いて行うことができる。配線層24の上面は、その下に位置する配線14の分だけ、環状金属層26の上面に比べて高い位置に形成されるが、後述の樹脂封止工程の際に、上記の段差は吸収される。
次に、図2(c)に示すように、第1レジスト18及び第2レジスト22を除去する。これにより、電極12の上部を含む基板10上の領域に、中空部が選択的に形成される。
図1(a)〜図2(c)に示される弾性波デバイスの製造工程は、所謂ウェハレベルで実施される。このため、図
2(c)に示した工程の後には、図3(a)に示すように、同一圧電基板10上に、複数個(此処では3個)の弾性波デバイスの活性領域が並んで形成される。
2(c)に示した工程の後には、図3(a)に示すように、同一圧電基板10上に、複数個(此処では3個)の弾性波デバイスの活性領域が並んで形成される。
次に、図3(a)に示すように、配線層24及び環状金属層26の上部に、メッキ法により金属層28を形成する。金属層28には、例えば基板側からニッケル(Ni)及び銅(Cu)が順に積層された金属膜を用いることができ、その厚みは例えば20μmとすることができる。
次に、図3(b)に示すように、配線層24及び環状金属層26の上部の金属層28の表面に、樹脂蓋体30となる樹脂シートを貼り付ける。樹脂シートは、非感光性の樹脂を材料とすることが好ましい。本実施例では、樹脂蓋体30(樹脂シート)が二重構造となっており、基板10に近い第1樹脂層32(下側)には例えばエポキシ系樹脂を、基板10から遠い第2樹脂層34(上側)には例えばポリイミド系樹脂を用いることができる。樹脂蓋体30によりラミネート封止を行うことで、電極12(弾性波素子の機能部)上の領域が中空となり、ウェハレベルの中空パッケージ構造が形成される。当該工程において、配線層24及び環状金属層26の段差が、樹脂蓋体30により吸収される(以降の工程図では、配線層24及び環状金属層26の上面を平坦化して図示する)。樹脂蓋体30の厚みは、例えば80μmとすることができる。また、第1樹脂層32の厚みは、例えば20μmとすることができる。
次に、図3(c)に示すように、配線層24の上部に位置する樹脂蓋体30に、貫通孔40を選択的に形成する。貫通孔の形成は、例えばレーザにより行うことができる。配線層24が金属であるため、レーザによる配線層24の損傷は限定的である。
次に、図4(a)に示すように、貫通孔40の内部に金属バンプ42を形成する。金属バンプ42の形成は、例えばペースト状の錫(Sn)銀(Ag)半田を印刷法により貫通孔40に塗布し、リフローすることにより行うことができる。金属バンプ42は、配線層24を介して電極12と電気的に接続される。これにより、電極12とパッケージ外部との電気的接続を図ることができる。
次に、図4(b)に示すように、ダイシングにより弾性波デバイスを個片化する。ダイシングライン上には、環状金属層26及び配線層24が形成されていないため、ダイシングは基板10及び樹脂蓋体30を切断することにより行うことができる。かかる切断方法としては、例えば、所謂ブレードダイシング法を適用することができる。
図5(a)は、以上の様な製造工程を経て製造され、個片化された弾性波デバイスの断面図であり、図5(b)はその上面図である。図5(a)の断面は、図5(b)に於ける線A−Aの於ける断面を示している(電極指の方向及び各部の寸法等については、模式的に示すものとする)。図5(b)は、樹脂蓋体30透過して見た図であり、中空部に対応する領域を白地で示し、金属部分をハッチで示している。本発明による弾性波デバイスは、圧電基板10と、当該圧電基板10上に形成された電極12、配線14を含む弾性波素子、当該圧電基板10上にあって前記弾性波素子を囲繞して配設された環状金属層26、前記環状金属層26上に前記弾性波素子上に中空部を形成して配設された樹脂蓋体30、ならびに樹脂蓋体30を貫通し、且つ前記配線14に接続された金属バンプ42などを具備している。電極12及びその上部の中空部は、環状金属層26と、樹脂シートからなる樹脂蓋体30により封止されている。
実施例1に係る弾性波デバイスによれば、ウェハレベルの中空パッケージ構造において、側壁が環状金属層26で、蓋体が樹脂蓋体30で、それぞれ形成されている。側壁に環状金属層26を用いることで、感光性樹脂を用いなくとも、環状金属層のパターニングを行うことができる。これにより、感光性樹脂に含まれるハロゲンイオンを原因とする電極12の腐食を抑制し、フィルタ特性の劣化を抑制することができる。より具体的には、フィルタの耐湿性を向上させることができる。
また、側壁と蓋体の両方を金属とするのではなく、蓋体を樹脂蓋体30で形成することにより、基板10と金属の熱膨張率の差による応力の発生を低減し、基板10におけるクラックの発生を抑制することができる。また、蓋体が樹脂蓋体30であるため、貫通孔40をレーザにより任意の位置に形成することができる。これにより、環状金属層26の内側に位置する配線層24に対しても、外部と直接電気的接続を行うことができ、設計の自由度を高めることができる。
また、樹脂蓋体30として非感光性樹脂を含む材料または非感光性樹脂のみからなる材料を使用することにより、感光性樹脂に含まれるハロゲンイオンを原因とする電極12の腐食を更に抑制することができる。前述のように貫通孔40をレーザにより形成する方法であれば、樹脂蓋体30として非感光性樹脂を用いた場合でも、貫通孔40の形成を容易に行うことができる。
実施例1において、樹脂蓋体30は1種類の樹脂により形成されていてもよいが、2層構造の樹脂を用いることがより好ましい。具体的には、配線層24及び環状金属層26と接触する第1樹脂層32に、金属との密着性に優れた樹脂(例えば、エポキシ系樹脂)を用い、その上の第2樹脂層34に、硬化性に優れた樹脂(例えば、ポリイミド系樹脂)を用いることが好ましい。これにより、蓋体と側壁の密着性を向上させると共に、中空構造の維持を容易にすることができ、弾性波デバイスの信頼性を更に向上させることができる。
また、実施例1において、配線層24及び環状金属層26の厚さは異なっていてもよいが、ほぼ同じであることがより好ましい。配線層24及び環状金属層26の厚みを実質的に等しくすることにより、両者を同一工程で一括して形成することができ、工程数を削減することができる。
図6(a)は、実施例2にかかる弾性波デバイス200を示す図である。弾性波デバイス200は、素子基板100と蓋体360からなる。図6(b)は、図6(a)に示した点線で囲まれた部分の拡大図を示している。図6(a)は、前記実施例1における図5(a)に相当する断面を示しており、対応する部位には同じ参照番号を付している。図6(a)に示すように、基板10上に空隙90を形成するように配置される蓋体樹脂部分36の、基板10側である第一主面上には、金属、例えば銅(Cu)からなる第一パターン72、第二パターン52、第三パターン62が形成されている。基板10とは逆側となる蓋体樹脂部分36の第二主面上には、入力端子50、出力端子60、グランド端子70が形成されている。第一パターン72はグランド端子70と、第二パターン52は入力端子50と、第三パターン62は出力端子60と、それぞれ蓋体樹脂部分36を貫通する複数のビア80を介して導通している。ビア80は、例えば銅により形成することができる。ここで主面とは、略直方体形状である蓋体樹脂部分36及び蓋体360の外形の六面のうち最も面積の広い二面をいい、かかる二面を第一主面、第二主面と呼ぶこととする。
一方、基板10上には、配線14、弾性波素子となる電極(図示なし)、及び、環状金属層26が形成されている。配線14上には、入力用配線層54、出力用配線層64、グランド用配線層74が形成されている。配線層54、64、74は配線14上に形成されているため、配線層54、64、74の上面は、電極(図示なし)である弾性波素子の上面よりも高い位置に形成されている。第一パターン72は環状金属層26及びグランド用配線層74と、第二パターン52は入力用配線層54と、第三パターン62は出力用配線層64と、それぞれ金錫(Au-Sn)半田ASを介して接合され、導通している。第一パターン72、第二パターン52、第三パターン62、環状金属層26、入力用配線層54、出力用配線層64、及びグランド用配線層74上は、ニッケル(Ni)膜Niがメッキ法等により形成されている。ニッケル膜の厚みは、例えば10μmとすることができる。銅とニッケルは密着がよく、ニッケルと金錫は密着がよいため、Cu/Ni/Au-Sn/Ni/Cuの層構成で接合することで、弾性波デバイス200の信頼性が向上する。また、配線層54、64、74は配線14上に形成されるため、基板10上に形成される環状金属層26よりも配線14の厚み分高く形成されるが、図6(b)に示すように、金錫半田ASにより、高さの差は吸収される。
図7は実施例2にかかる弾性波デバイスの蓋体360を示す。図7(a)は蓋体360の第二主面を示し、図7(b)は蓋体360の第一主面を示し、図7(c)は図7(a)及び図7(b)のB−B断面図を示す。図7(a)に示すように、蓋体樹脂部分36の第二主面上に、入力端子50、出力端子60、グランド端子70が形成されている。図7(b)は、蓋体360を、図7(a)の裏から見た図である。図7(b)に示すように、基板10と対向する蓋体樹脂部分36の主面上に、第一パターン72、第二パターン52、第三パターン62が形成されている。第一パターン72が蓋体樹脂部分36の大部分を覆い、第一パターン72と環状金属層26は、Cu/Ni/Au−Sn/Ni/Cuの層構成で密着するため、弾性波デバイスの耐湿性を高めることができる。図7(c)に示すように、第一パターン72はグランド端子70と、第二パターン52は入力端子50と、第三パターン62は出力端子60と、それぞれ蓋体樹脂部分36を貫通するビア80を介して導通している。
図7(a)〜(c)からわかるように、端子50,60,70のパターンのそれぞれと、第一乃至第三パターンのそれぞれは、絶縁を確保するために物理的に分離して形成されているため、外気から蓋体樹脂部分36を透過して図6(a)に示す空隙90へ侵入してくる水分等を防ぐことができない。特に、銅やアルミニウムからなるIDTは水分による劣化に弱い。よって、耐湿性を高めるために、耐湿性の高い樹脂である液晶ポリマー(LCP)を用いて蓋体樹脂部分36を形成することが望ましい。
図7(a),(b)に示すように、蓋体360を平面視した場合に、入力端子50及び出力端子60は、図7(c)に示す第二パターン52及び第三パターン62が第一パターン72と絶縁を確保するための領域567を完全に覆う構成となっている。蓋体樹脂部分36の膜厚は、例えば25μmと、薄く形成される場合がるため、たとえ耐湿性に優れるLCPを用いたとしても、より耐湿性を確保することが望ましいからである。つまり、耐湿性を向上させるために、図7(a)に示す端子が形成されない領域(樹脂が剥き出しの部分)から、領域567までの最短距離は、できるだけ長く確保することが望ましい。このような構成により、金属で完全に囲んで封止する気密封止の耐湿性により近づけることができる。
図8は、実施例2にかかる弾性波デバイスの蓋体360以外の構成を示す図であり、かかる構成を便宜的に素子基板100とする。図8に示すように、基板10上には、配線14と、配線14により接続された弾性波素子である複数の電極12が形成されている。配線14及び電極12の高さは、実施例1と同様に、例えば、350nmとすることができる。なお、図8に示す複数の電極12は所謂ラダー型フィルタを構成している。図8(a)のC−C断面図である図8(b)に示すように、配線14の上に、入力用配線層54、出力用配線層64、グランド用配線層74が形成されている。配線層54,64,74の高さは、例えば、20μmとすることができる。配線14と電極12は同等の高さであるため、入力用配線層54、出力用配線層64、グランド用配線層74の高さは電極12よりなる弾性波素子の高さよりも高く形成される。また基板10上に、配線14、電極12を囲うように環状金属層26が形成されている。環状金属層26の高さは、例えば、20μmとすることができ、弾性波素子の高さより高く形成される。配線層54,64,7
4の高さと、環状金属層26の高さを、20μmとした場合、配線14上に形成される配線層54,64,74の高さの方が、環状金属層26の高さよりも高くなる。
4の高さと、環状金属層26の高さを、20μmとした場合、配線14上に形成される配線層54,64,74の高さの方が、環状金属層26の高さよりも高くなる。
図6〜図8から明らかなように、実施例2にかかる弾性波デバイスは、入力用配線層54と第二パターン52、出力用配線層64と第三パターン62、及び、グランド用配線層74及び環状金属層26と第一パターン72とが、金錫半田ASを介して、電気的に導通するよう接合されている。
次に、実施例2にかかる弾性波デバイスの製造方法について説明する。図8に示す素子基板100の製造方法は、後述する張り合わせの工程までは実施例1における図2等を用いて説明した製造方法と同様であるためその説明は省略する。図9(a)〜(d)は蓋体360の製造方法を説明するための図である。
図9(a)に示すように、蓋体樹脂部分36となる樹脂シートの主面に、銅などの金属層MLを選択的に形成する。金属層の形成方法としては、メッキ法、蒸着法、スパッタリング法などから適宜選択することができ、また、当該金属層のパターニング方法としては、所謂フォトエッチング法、或いは選択メッキ法などを用いることができる。これにより、パターン52、62、72を形成する。個の工程により、第一主面のパターンが形成される。樹脂シートは、例えば耐湿性の高いLCP樹脂からなり、樹脂シートの膜厚は、例えば25μmとすることができ、金属膜の膜厚は、例えば20μmとすることができる。
さらに、図6(b)に示すように、電解メッキ法等により、銅の膜の上にニッケルの膜Niを形成してもよい。ニッケルの膜厚は、例えば10μmとすることができる。さらに、図示はしないが、ニッケルの膜の上に金を形成してもよい。金の膜厚は、例えば0.04μmとすることができる。金の膜があると、後述する張り合わせの工程において、金錫半田との濡れ性が向上し、接合の信頼性がさらに向上する。
次に、図9(b)に示すように、第一主面の逆の主面(第二主面)から、前記金属層に至る開孔82を選択的に形成する。開孔82の形成手段としては、フォトエッチング法、或いはレーザー光を用いた穿孔法を適用することができる。なお図9(b)は図9(a)をひっくり返した図となっている。
次に、図9(c)に示すように、メッキ法などによりビア80を形成する。ビア80は例えば銅により形成する。次に、第二主面上に、図9(a)における上記説明と同様の方法により金属膜を形成する。
次に、図9(d)に示すように、入力端子50、出力端子60、グランド端子70を形成する。かかる工程は前記金属層のパターニング方法と同様の手段を用いることができる。入力端子50、出力端子60、グランド端子70の膜厚は、例えば、20μmとすることができる。以上の工程により、蓋体360を製造することができる。
図9(e)に示すように、蓋体360と素子基板100を熱圧着等により張り合わせれば、実施例2にかかる弾性波デバイスを得ることができる。張り合わせる前に、素子基板100の環状金属層26及び配線層54、64、74上にニッケル膜Ni及び金錫半田ASを電解メッキ法などにより形成する。ニッケル膜Ni及び金錫半田ASの膜厚は、例えば、それぞれ10μmとすることができる。張り合わせは、例えば300〜350℃で、圧着時間は10分程度で行うことができる。この張り合わせ工程において、配線層54,64,74と環状金属層26の高さの差は、配線層54,64,74上の金錫半田ASの方が、環状金属層26上の金錫半田ASよりも、圧着により延びることによって、吸収される。また、融点の高い金錫半田ASを蓋体360と素子基板100の接合に用いたのは、弾性波デバイス200がモジュール基板に実装される際のリフローに耐えるようにするためである。
蓋体360及び素子基板100を複数個同時に形成し、張り合わせることにより、より効率的に弾性波デバイスを得ることができる。かかる場合、張り合わせた後にダイシング処理をすることにより個片化された個々の弾性波デバイスを得ることができる。
また、実施例1及び2では、弾性表面波(ASW)デバイスを例に説明を行ったが、本構成は機能部上に中空パッケージ構造を有する他の弾性波デバイス(例えば、圧電薄膜共振子(FBAR)等)に対しても、同様に適用することが可能である。ASWデバイスにおける機能部は、振動する櫛形電極(IDT)の電極指を含み、FBARにおける機能部は、上部電極及び下部電極が圧電薄膜を挟んで対向する共振領域を含む。いずれの形態においても、環状金属層26及び樹脂蓋体30により、弾性波デバイスの機能部上の領域が中空部となるように、環状金属層26の高さを調節する(環状金属層26の上面が、弾性波素子の上面より高くなるようにする)ことが好ましい。
以上、本発明の実施例について詳述したが、本発明はかかる特定の実施例に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載された本発明の要旨の範囲内において、種々の変形・変更が可能である。
10 基板 12 電極 14 配線 16 保護膜 18 第1レジスト 20 シード層 22 第2レジスト 24 配線層 26 環状金属層 30 樹脂蓋体(樹脂シート) 32 第1樹脂層 34 第2樹脂層 40 貫通孔 42 金属バンプ
Claims (13)
- 基板と、 前記基板上に形成された弾性波素子と、 前記基板上に前記弾性波素子を囲むように配置され、前記弾性波素子の上面より高い上面を有する環状金属層と、 前記環状金属層上に、前記弾性波素子の機能部上が中空部となるように形成された樹脂蓋体と、 を備えることを特徴とする弾性波デバイス。
- 前記樹脂蓋体は、非感光性樹脂を含むことを特徴とする請求項1に記載の弾性波デバイス。
- 前記樹脂蓋体は、 前記環状金属層と接触するエポキシ系の第1樹脂層と、 前記第1樹脂層上に形成されたポリイミド系の第2樹脂層と、を含むことを特徴とする請求項2に記載の弾性波デバイス。
- 前記基板上における前記環状金属層の内側に形成され、前記弾性波素子と電気的に接続された配線層を備えることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の弾性波デバイス。
- 前記樹脂蓋体に形成された貫通孔に設けられ、前記配線層と接続された貫通電極を備えることを特徴とする請求項4に記載の弾性波デバイス。
- 前記配線層の厚みは、前記環状金属層の厚みとほぼ等しいことを特徴とする請求項4または5に記載の弾性波デバイス。
- 基板上に弾性波素子を形成する工程と、 前記基板上に、前記弾性波素子を囲むように、前記弾性波素子の上面より高い上面を有する環状金属層を形成する工程と、 前記環状金属層上に、前記弾性波素子の機能部上が中空部となるように樹脂蓋体を形成する工程と、 を備えることを特徴とする弾性波デバイスの製造方法。
- 前記樹脂蓋体を形成する工程は、前記環状金属層の上面に非感光性の樹脂シートを配置する工程を含むことを特徴とする請求項7に記載の弾性波デバイスの製造方法。
- 前記樹脂蓋体を形成する工程の前に、前記基板上における前記環状金属層の内側に、前記弾性波素子と電気的に接続された配線層を形成する工程と、 前記樹脂蓋体に選択的に貫通孔を形成する工程と、 前記貫通孔に、前記配線層と接続された貫通電極を形成する工程と、 を備えることを特徴とする請求項7または8に記載の弾性波デバイスの製造方法。
- 前記基板上に形成され、前記弾性波素子の上面より高い上面を有する入力用配線層と、前記基板上に形成され、前記弾性波素子の上面より高い上面を有する出力用配線層と、前記環状金属層上に、前記弾性波素子の機能部上が中空部となるように形成された蓋体樹脂部分と、前記蓋体樹脂部分の前記基板側である第一主面上に形成された前記環状金属層と導通する第一パターンと、前記第一主面上に形成された前記入力用配線層と導通する第二パターンと、前記第一主面上に形成された前記出力用配線層と導通する第三パターンと、前記蓋体樹脂部分の前記基板の逆側である第二主面上に形成された前記第一パターンと導通するグランド端子と、前記第二主面上に形成された前記第二パターンと導通する入力端子と、前記第二主面上に形成された前記第三パターンと導通する出力端子と、を有する請求項1に記載の弾性波デバイス。
- 前記蓋体樹脂部分は液晶ポリマーからなる樹脂を含む請求項10に記載の弾性波デバイス。
- 前記入力端子又は出力端子は、前記第一パターンと、第二又は第三パターンとの間に形成された領域を覆うことを特徴とする請求項10又は11に記載の弾性波デバイス
- 前記基板上に、前記弾性波素子の上面より高い上面を有する入力用配線層を形成する工程と、前記基板上に、前記弾性波素子の上面より高い上面を有する出力用配線層を形成する工程と、前記環状金属層上に、前記弾性波素子の機能部上が中空部となるように蓋体樹脂部分を形成する工程と、前記蓋体樹脂部分の前記基板側である第一主面上に、前記環状金属層と導通する第一パターンを形成する工程と、前記第一主面上に、前記入力用配線層と導通する第二パターンを形成する工程と、前記第一主面上に、前記出力用配線層と導通する第三パターンを形成する工程と、前記蓋体樹脂部分の前記基板の逆側である第二主面上に、前記第一パターンと導通するグランド端子を形成する工程と、前記第二主面上に、前記第二パターンと導通する入力端子を形成する工程と、前記第二主面上に、前記第三パターンと導通する出力端子を形成する工程と、を有する請求項7に記載の弾性波デバイスの製造方法。
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- 2012-11-16 JP JP2012252223A patent/JP2013258676A/ja active Pending
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