JP2013258352A - 配線基板の製造方法、および配線基板 - Google Patents

配線基板の製造方法、および配線基板 Download PDF

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Abstract

【課題】従来のメッキ処理によるバンプ形成に比べて、バンプの高さバラツキを低減し、かつ生産性を向上させることができる技術を提供する。
【解決手段】配線基板1の製造工程として、絶縁基板2上に形成された銅箔11上にバンプ本体部41の形状等に対応するレジストパターン13を形成し、これをマスクに用いて銅箔11をハーフエッチングすることにより、バンプ本体部41を形成する工程と、銅箔11上のバンプ本体部41と重なる位置に、配線3の形状等に対応するレジストパターン17し、これをマスクに用いて銅箔11をフルエッチングすることにより、絶縁基板2上に配線3を形成する工程と、絶縁基板2上に、バンプ本体部41を露出させる開口部20を有するレジストパターン19を形成し、これをマスクに用いて無電解メッキを行うことにより、バンプ本体部41の表面を硬質の被膜42で被覆する工程と、を有する。
【選択図】図6

Description

本発明は、配線上にバンプを有する配線基板の製造方法、および配線基板に関する。
配線基板の一つの形態として、可撓性を有する絶縁基板上に配線のパターンを形成したものがある。この種の配線基板としては、たとえば、TAB(Tape Automated Bonding)用のテープ(以下、「TABテープ」という。)が広く知られている。TABテープには、その使用目的等の違いにより、幾つかの形態がある。その一つとして、BOF(Bump On Film)構造のTABテープが知られている(たとえば、特許文献1を参照)。
BOF構造のTABテープでは、フィルム状の絶縁基板上に配線を形成するとともに、この配線上にバンプを形成している。このようなTABテープを、たとえば半導体チップとの電気的接続に用いる場合は、半導体チップに形成されている電極パッドの位置にあわせて絶縁基板上に配線やバンプを形成する必要がある。
以下に、従来のBOF構造のTABテープの製造方法について説明する。
まず、絶縁基板上に銅箔を貼り合わせた構造の銅張基材を用意したら、その銅箔を感光性のレジストからなるレジスト層で覆った後、このレジスト層に露光・現像処理を施すことにより、所望の配線パターンにあわせてレジストパターンを形成する。次に、レジストパターンをマスクに用いて絶縁基板上の銅箔をエッチングする。これにより、絶縁基板上の銅箔がレジストパターンの形状にならって加工される。その後、上記エッチングで使用したレジストパターンを絶縁基板から除去しておく。
次に、絶縁基板上の配線をレジスト層で覆った後、このレジスト層に露光・現像処理を施すことにより、バンプの形成予定位置に開口部を有するレジストパターンを形成する。このとき、レジストパターンの開口部において配線の一部が露出した状態となる。次に、上記開口部において露出させた配線上に電解メッキ(セミアディティブ法)によって金属を堆積させることによりバンプを形成する。次に、電解メッキで使用したレジストパターンを絶縁基板から除去する。次に、絶縁基板上の配線およびバンプの表面を保護用のメッキ層で覆う。その後、必要に応じて、絶縁基板上の主要部(配線の一部を含む)を絶縁性の保護膜で覆う。
特開2006−216694号公報
上記従来の技術においては、配線上に電解メッキによってバンプを形成している。このため、たとえば、バンプの高さを高くしたい場合に、以下のような不都合が生じる。
(1)電解メッキでは、バンプの成長速度に局所的な差が生じる。このため、メッキ後に得られるバンプの高さにバラツキが生じやすい。特に、バンプの高さが高くなると、メッキの成長速度差に起因するバンプの高さバラツキが大きくなる。
(2)バンプを高くするには、メッキ金属を分厚く成長させる必要がある。このため、メッキ処理の所要時間が長くなり、生産性の低下につながる。
本発明の主な目的は、絶縁基板の配線上にバンプを形成する場合に、従来のメッキ処理
によるバンプ形成に比べて、バンプの高さバラツキを低減し、かつ生産性を向上させることができる技術を提供することにある。
本発明の第1の態様は、
絶縁基板と、前記絶縁基板上に形成された配線と、前記配線上に形成されたバンプと、を備える配線基板の製造工程として、
前記絶縁基板の少なくとも片面に形成された導体層上に、前記バンプの主要部となるバンプ本体部の形状および寸法に対応する第1のレジストパターンを形成する第1のレジストパターン形成工程と、
前記第1のレジストパターンをマスクに用いて前記導体層をハーフエッチングすることにより、前記導体層の表面に前記バンプ本体部を突状に形成する第1のエッチング工程と、
前記導体層上の前記バンプ本体部と重なる位置に、前記配線の形状および寸法に対応する第2のレジストパターンを形成する第2のレジストパターン形成工程と、
前記第2のレジストパターンをマスクに用いて前記導体層をフルエッチングすることにより、前記絶縁基板上に前記配線を形成する第2のエッチング工程と、
前記絶縁基板上に、前記バンプ本体部を露出させる開口部を有する第3のレジストパターンを形成する第3のレジストパターン形成工程と、
前記第3のレジストパターンをマスクに用いて無電解メッキを行うことにより、前記バンプ本体部の表面を、当該バンプ本体部よりも硬度が高い金属の被膜で被覆するメッキ工程と、
を有することを特徴とする配線基板の製造方法である。
本発明の第2の態様は、
前記メッキ工程においては、前記無電解メッキとして無電解ニッケルメッキを行うことにより、前記バンプ本体部の表面を、リンまたはホウ素を含有するニッケルの被膜で被覆する
ことを特徴とする上記第1の態様に記載の配線基板の製造方法である。
本発明の第3の態様は、
絶縁基板と、
前記絶縁基板上に形成された配線と、
前記配線上に形成されたバンプと、を備え、
前記バンプは、当該バンプの主要部となるバンプ本体部と、前記バンプ本体部の表面を被覆する被膜とを有し、
前記被膜は、無電解メッキにより形成されるとともに、前記バンプ本体部よりも硬度が高い金属によって構成されている
ことを特徴とする配線基板である。
本発明によれば、絶縁基板の配線上にバンプを形成する場合に、従来のメッキ処理によるバンプ形成に比べて、バンプの高さバラツキを低減し、かつ生産性を向上させることができる。
本発明の実施の形態に係る配線基板の一構成例を示す概略平面図である。 図1に示す配線基板の要部断面図である。 図2のP部拡大図である。 本発明の実施の形態に係る配線基板の製造方法の一例を示す工程図(その1)である。 本発明の実施の形態に係る配線基板の製造方法の一例を示す工程図(その2)である。 本発明の実施の形態に係る配線基板の製造方法の一例を示す工程図(その3)である。 絶縁基板上に第1のレジストパターンを形成した段階の絶縁基板の状態を示す平面図である。 絶縁基板上に第2のレジストパターンを形成した段階の絶縁基板の状態を示す平面図である。 絶縁基板上に第3のレジストパターンを形成した段階の絶縁基板の状態を示す平面図である。
以下、本発明の実施の形態について図面を参照しつつ詳細に説明する。
本発明の実施の形態においては、次の順序で説明を行う。
1.配線基板の構成
2.配線基板の製造方法
2−1.第1のレジストパターン形成工程
2−2.第1のエッチング工程
2−3.第2のレジストパターン形成工程
2−4.第2のエッチング工程
2−5.第3のレジストパターン形成工程
2−6.メッキ工程
2−7.後工程
3.実施の形態に係る効果
4.変形例等
<1.配線基板の構成>
図1は本発明の実施の形態に係る配線基板の一構成例を示す概略平面図である。また、図2の(A)は図1におけるx1−x1断面図であり、(B)は図1におけるy1−y1断面図である。なお、図1においては、説明の便宜上、配線基板1の一辺と平行な方向を「X方向」とし、これと直角をなす方向を「Y方向」とし、配線基板1の厚み方向を「Z方向」としている。これら3つの方向は、互いに直交する関係となる。
図示した配線基板1は、絶縁基板2と、この絶縁基板2上に形成された配線3と、この配線3上に形成されたバンプ4と、を備えている。
配線基板1は、電気的な絶縁性を有する絶縁基板2をベースに構成されている。絶縁基板2は、たとえば、可撓性を有する樹脂フィルムからなるもので、全体に矩形に形成されている。この場合、配線基板1は、フレキシブル配線基板となる。また、配線基板1の配線3上にはバンプ4が存在している。ここで記述するバンプ4とは、配線3の上面3aよりも上側に突出する部分であって、配線3を含まない部分をいう。配線基板1は、配線3上のバンプ4の存在により、BOF構造のフレキシブル配線基板となっている。絶縁基板2には、たとえば、厚み12.5〜125μmの樹脂フィルムを用いることができる。
絶縁基板2は、好ましくは、ポリイミド樹脂を用いて構成することができる。ただし、この他にも、たとえば、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエチレンナフタレート(PEN)、ポリフェニレンサルファイド(PPS)、ポリアミドイミド(PAI)、アラミドのいずれかを、絶縁基板2の主材料とすることができる。また、絶縁基板2の構成材料としては、BT(ビスマレイミドトリアジン)レジン、LCP(Liquid Crystal
Plastic)等を用いることもできる。絶縁基板2は、たとえば、長尺のフィルム(テープ
)形状をなすベース基材を元にして、そのベース基材を、後述する配線基板1の製造工程において、所望の形状(図例では矩形)および寸法に切り出すことにより、個片に分離されるものである。
ただし、配線基板1は、個片に分離される前の状態を一つの基板製品として流通させてもよいし、個片に分離された後の状態を一つの基板製品として流通させてもよい。
絶縁基板2の片面(以下、「主面」ともいう。)2aには配線3が形成されている。配線3は、たとえば、銅等の導電材料を用いて構成されている。配線3は、あらかじめ決められたパターンの形状にあわせて形成されている。絶縁基板2上における配線3の位置、形状、寸法等は、この配線3と電気的に接続される対象物(不図示)に応じて、任意に設定または変更が可能である。ちなみに、図1においては、絶縁基板2上に複数の配線3をそれぞれ直線状のパターンで平行に並べて形成してある。このため、配線3の幅方向がX方向に対応し、配線3の長さ方向がY方向に対応し、配線3の厚み方向がZ方向に対応している。
絶縁基板2の配線3上にはバンプ4が形成されている。バンプ4は、絶縁基板2上において、あらかじめ決められた位置に形成されている。バンプ4は、配線3の上面3aよりもZ方向に突出する状態で形成されている。バンプ4の上面4aは、絶縁基板2の主面2aと平行をなすように平坦に形成されている。また、バンプ4は、平面視円形に形成されている。配線3上におけるバンプ4の位置、形状、寸法等は、このバンプ4と物理的に接続(接合)または接触される対象物の電極等の位置に応じて、任意に設定または変更が可能である。
バンプ4は、第1の導電材料からなるバンプ本体部41と、第1の導電材料とは異なる第2の導電材料からなる被膜42とによって構成されている。バンプ本体部41は、バンプ4の主要部であって、バンプ4の全体形状を形作っている。バンプ4の主要部とは、バンプ4を構成する部分のうち、体積比率が最も高い部分をいう。このため、バンプ本体部41は、バンプ4全体の中で被膜42よりも高い体積比率を有している。また、バンプ本体部41は、配線3の形成に用いられている導電材料と同じ材料(本形態例では銅)を用いて、配線3と一体に形成されている。すなわち、配線3とバンプ本体部41とは、両者の間に結晶が不連続となる境界(結晶粒界)が存在しない状態で一体的に形成されている。
被膜42は、バンプ本体部41の表面を覆う状態で設けられている。具体的には、被膜42は、バンプ本体部41の全面に相当する、バンプ本体部41の上面および側面を覆う状態で設けられている。ここで記述するバンプ本体部41の表面とは、少なくともバンプ本体部41の上面を含む面、好ましくは、バンプ本体部41の上面および側面の両方を含む面をいう。このため、バンプ4の上面4aは、バンプ本体部41の上面を覆う被膜42によって構成されている。被膜42は、バンプ本体部41を構成する材料よりも硬度(Hv:ビッカース硬さ)が高い金属によって形成されている。たとえば、バンプ本体部41を銅で構成した場合は、それよりも硬度が高い金属、たとえば、ニッケルによって被膜42が形成されている。被膜42は、配線3上においてバンプ4の形成部位だけに形成されている。バンプ4の形成部位とは、少なくとも上記バンプ本体部41の表面を含む部分であるが、当該部分に限らず、バンプ4の形成の土台となる配線3の部分までを含んでもよい。
ここで、配線基板1における各部の寸法について、図3を用いて説明する。
図3は図2のP部拡大図である。図中の符号Wは、バンプ4の形成部位(土台部分)の配線3の幅寸法を示し、符号Lbは、配線3の幅方向Xにおけるバンプ4全体の寸法を示し、符号Lhは、同方向のバンプ本体部41の寸法を示している。また、図中の符号Tは
配線3の厚み寸法を示し、符号Hはバンプ4の高さ寸法を示している。
図から分かるように、バンプ4の寸法Lbは、配線3の幅寸法Wよりも小さく設定されている。また、配線3の幅方向Xにおけるバンプ本体部41の寸法Lhは、上述したバンプ4の寸法Lbよりも小さくなっている。これは、バンプ4の寸法Lbが、バンプ本体部41の寸法Lhと、バンプ本体部41の側面を覆う被膜42の厚み寸法とを足し合わせた寸法になっているからである。
バンプ4の高さ寸法Hは、バンプ本体部41の高さ寸法Hbと被膜42の厚み寸法Hsとを足し合わせた寸法となっている。これらの寸法は、接続の対象物や配線基板1の用途等によって適正な範囲が異なる。
本実施の形態においては、バンプ4が平面視円形に形成されている。このため、バンプ4の寸法Lbは、バンプ4の直径に相当するものとなっている。また、バンプ4の高さ方向Zにおいて、絶縁基板2から遠い側の端部をバンプ4の頂部(最上部)とし、絶縁基板2に近い側の端部をバンプ4の底部(最下部)とすると、バンプ4の底部は、全周にわたって配線3の上面3aに接している。つまり、バンプ4の底部の周囲には、全周にわたって配線3の上面3aが存在している。
<2.配線基板の製造方法>
続いて、本発明の実施の形態に係る配線基板の製造方法の一例について、図4〜図6を用いて説明する。図4および図5においては、図1のx1−x1位置における断面を左側に、図1のy1−y1位置における断面を右側にそれぞれ示している。また、図6においては、図1のx1−x1位置における断面を示している。以下に、配線基板の製造工程を、「第1のレジストパターン形成工程」、「第1のエッチング形成工程」、「第2のレジストパターン形成工程」、「第2のエッチング工程」、「第3のレジストパターン形成工程」、「メッキ工程」、「後工程」に分けて説明する。このうち、「第1のレジストパターン形成工程」、「第1のエッチング形成工程」、「第3のレジストパターン形成工程」、「メッキ工程」は、それぞれ「バンプ形成工程」に属する。また、「第2のレジストパターン形成工程」、「第2のエッチング工程」は、それぞれ「配線形成工程」に属する。バンプ形成工程は、バンプ4を形成する工程であり、配線形成工程は、配線3を形成する工程である。
(2−1.第1のレジストパターン形成工程)
まず、図4(A)に示すように、絶縁基板2の少なくとも片面に、金属箔としての銅箔11をラミネート等により形成してなる銅張基材を用意する。銅箔11は、上述した厚み寸法の範囲内で、たとえば、35μmの厚みを有する。銅箔11の厚み寸法は、上記図3に示す配線3の厚み寸法Tとバンプ本体部41の高さ寸法Hbを足し合わせた寸法に相当する。銅張基材における銅箔11の厚み寸法の精度は、たとえば、±0.1μm以下となっている。銅箔11は、絶縁基板2の片面に形成された「導体層」に相当する構成要素となる。導体層は、銅以外の金属箔で形成されたものでもよい。ただし、絶縁基板2の片面に形成される導体層の表面の平坦性や、導体層の厚み寸法の精度等を考慮すると、金属箔としての銅箔を片面または両面に備える銅張基材を用いることが望ましい。この段階では、銅張基材からなる絶縁基板2が、長尺のフィルム形状をなしているものとする。
次に、図4(B)に示すように、絶縁基板2の片面に銅箔11を覆う状態で第1のレジスト層12を形成する。第1のレジスト層12の形成は、絶縁基板2の片面に、たとえば、厚み15μmのドライフィルムレジストをラミネートすることにより行う。ドライフィルムレジストの厚みは、後述する第1のエッチング工程で使用するエッチング液の組成や所望するエッチング量等に応じて、適宜変更が可能である。ドライフィルムレジストのラ
ミネートを行う装置(以下、「ラミネータ」という。)には、圧力雰囲気の違いによって2つのタイプがある。一つは、常圧雰囲気でラミネートするタイプであり、もう一つは、常圧よりも低い減圧雰囲気(真空雰囲気を含む)でラミネートするタイプである。このうち、生産効率や製造コスト等の観点では、前者のラミネータを用いることが望ましく、気泡の混入等を防止するという観点では、後者のラミネータを用いることが望ましい。図4(B)の段階では、銅箔11の表面が平坦になっているため、前者のラミネータを用いることが好ましい。
次に、上述したバンプ本体部41の形状および寸法に適合するフォトマスクを用いて第1のレジスト層12を露光した後、現像によって第1のレジスト層12の不要部分を除去することにより、図4(C)に示すように、バンプ本体部41の形状および寸法に対応する第1のレジストパターン13を銅箔11上に形成する。第1のレジストパターン13は、後述する第1のエッチング工程でのエッチングに用いるマスクであるため、耐エッチング性を有している。
図7は絶縁基板2上に第1のレジストパターン13を形成した段階の絶縁基板2の状態を示す平面図である。図示のように、第1のレジストパターン13は、上記図1に示すバンプ4の形成予定位置に、バンプ本体部41の形状、寸法等にあわせて形成されている。
(2−2.第1のエッチング工程)
次に、図4(D)に示すように、第1のレジストパターン13をマスクに用いて、銅箔11をエッチングする。ただし、この段階では、絶縁基板2の厚み方向において、銅箔11の一部(下部)を残すようにエッチングする「ハーフエッチング」を適用する。ハーフエッチングを適用すると、第1のレジストパターン13で覆われた部分はエッチングされず、第1のレジストパターン13で覆われていない部分(露出部分)がエッチングされる。ただし、エッチングによる深さ寸法は、エッチング前の銅箔11の厚み寸法よりも小さい寸法となる。このため、ハーフエッチングした後の銅箔11の表面状態は、第1のレジストパターン13で覆われた部分だけが突出した状態となる。そして、この突状の部分がバンプ本体部41となる。
次に、図4(E)に示すように、上記の第1のレジストパターン13を絶縁基板2から除去する。第1のレジストパターン13の除去は、たとえば、レジスト剥離剤を用いて行う。これにより、銅箔11の表面に複数のバンプ本体部41が突状に形成された構造が得られる。
ここで、第1のエッチング工程における銅箔11のエッチング方法について詳しく説明する。第1のエッチング工程においては、以下に記述する方法により、銅箔11をハーフエッチングする。
まず、銅箔11のエッチングは、エッチング液を用いたウェットエッチングで行う。その際、好ましくは、エッチング阻害剤(インヒビタ)を添加したエッチング液を用いて、等方的なエッチングを抑制しつつ銅箔11をエッチングするとよい。具体的には、たとえばスプレイ方式等を採用して、絶縁基板2上の銅箔11に対し、エッチング阻害剤を添加したエッチング液を垂直に噴射することにより、銅箔11をハーフエッチングするとよい。エッチング液としては、たとえば、塩化第二鉄(FeCl)溶液、塩化第二銅(CuCl)溶液等を用いることができる。また、エッチング阻害剤としては、たとえば、アミン類、エーテル類、グリコール類、アゾール類等の化合物等を用いることができる。
このようなエッチング阻害剤を添加したエッチング液をスプレイ等により銅箔11に垂直に噴射すると、第1のレジストパターン13で覆われていない銅箔11の表面には、エッチング液が直接吹き付けられる。また、エッチング液は銅箔11に向けて垂直に噴射さ
れるため、銅箔11の表面にはエッチング液の噴射圧力が加わる。これに対して、第1のレジストパターン13で覆われた銅箔11の部分は、エッチング液の噴射に対して第1のレジストパターン13により遮蔽(保護)される。このため、第1のレジストパターン13で覆われた銅箔11の部分には、エッチング液が直接吹き付けられることがない。
そうした場合、第1のレジストパターン13で覆われていない銅箔11の表面には、エッチング液が打力を伴って吹き付けられる。このため、エッチング阻害剤を添加したエッチング液を用いた場合でも、第1のレジストパターン13で覆われていない銅箔11の表面は、垂直にエッチングが進行していく。これに対して、第1のレジストパターン13で覆われた銅箔11の部分には、エッチング液の噴射圧力(打力)がほとんど作用しない。また、エッチング液にはエッチング阻害剤が添加されているため、上述した垂直方向へのエッチングの進行と並行してバンプ4(バンプ本体部41)の側壁に難溶性化合物が生成される。この難溶性化合物の生成により、バンプ4の側壁にエッチング保護膜が形成される。このため、第1のレジストパターン13で覆われた銅箔11の部分には、水平方向のエッチング(サイドエッチング)がほとんど進行しない。したがって、第1のレジストパターン13で覆われた銅箔11の部分は、第1のレジストパターン13の形状、寸法等を忠実に再現するかたちでバンプ本体部41として残る。このため、エッチング後に得られるバンプ本体部41は、その上部から下部に向かって一様な寸法に形成される。
(2−3.第2のレジストパターン形成工程)
次に、図5(A)に示すように、絶縁基板2上に銅箔11およびバンプ本体部41を覆う状態で第2のレジスト層16を形成する。第2のレジスト層16の形成は、たとえば上記同様に、銅箔11を覆うように絶縁基板2の片面にドライフィルムレジストをラミネートすることにより行う。この段階では銅箔11の表面がバンプ本体部41の存在によって凹凸状になっている。このため、第1のレジストパターン形成工程で使用するドライフィルムレジストよりも厚いドライフィルムレジストを用いることが望ましい。たとえば、第1のレジストパターン形成工程で使用するドライフィルムレジストの厚さが15μmであるとすると、第2のレジストパターン形成工程では、それよりも厚い25〜30μmのドライフィルムレジストを用いることが望ましい。ただし、第2のレジストパターン形成工程で使用するドライフィルムレジストの厚みは、後述する第2のエッチング工程で使用するエッチング液の組成や所望するエッチング量等に応じて、適宜変更が可能である。また、使用するラミネータに関しては、上述した2つのタイプのラミネータのうち、気泡の混入等を抑制するのに有効な減圧雰囲気でラミネートするタイプを用いることが好ましい。
次に、上述した配線3のパターンの形状および寸法に適合するフォトマスクを用いて第2のレジスト層16を露光した後、現像によって第2のレジスト層16の不要部分を除去することにより、図5(B)に示すように、銅箔11上でかつバンプ本体部41と重なる位置に、配線3の形状および寸法に対応する第2のレジストパターン17を形成する。バンプ本体部41と第2のレジストパターン17の位置合わせに関しては、たとえば、絶縁基板2上にアライメントマークを設け、このアライメントマークを用いて行えばよい。具体的には、アライメントマークの位置を画像処理等により認識し、この認識結果を基に、絶縁基板2に対してフォトマスクを位置決めすればよい。第2のレジストパターン17は、後述する第2のエッチング工程でのエッチングに用いるマスクであるため、耐エッチング性を有している。
図8は絶縁基板2上に第2のレジストパターン17を形成した段階の絶縁基板2の状態を示す平面図である。図示のように、第2のレジストパターン17は、上記図1に示す配線3の形成予定位置に、配線3の形状、寸法等にあわせて形成されている。また、第2のレジストパターン17は、上記の第1のエッチング工程において銅箔11の表面に形成されたバンプ本体部41の全面を覆う状態に形成されている。
(2−4.第2のエッチング工程)
次に、図5(C)に示すように、第2のレジストパターン17をマスクに用いて、銅箔11をエッチングする。この段階では、絶縁基板2の厚み方向において、第2のレジストパターン17で覆われていない銅箔11の部分を残さずにエッチングする「フルエッチング」を適用する。つまり、第2のレジストパターン17で覆った部分を除いて、上記の第1のエッチング工程のハーフエッチング後に残った銅箔11をフルエッチングによって完全に除去する。また、上記図3に示すように、配線3の幅寸法Wがバンプ本体部41の寸法Lhよりも大きくなるように、銅箔11をフルエッチングする。このとき、バンプ4の全面を覆うように第2のレジストパターン17を形成しておくと、銅箔11をエッチングした際に、バンプ本体部41の底部が、全周にわたって配線3の上面3aに接した構造が得られる。
上記第2のエッチング工程においては、エッチング阻害剤を添加しないエッチング液を用いた通常のウェットエッチングを適用してもよい。ただし、配線3の寸法や形状などを高精度に維持したい場合などは、必要に応じて、上記の第1のエッチング工程と同様にエッチング阻害剤を添加したエッチング液を用いて、等方的なエッチングを抑制しつつ銅箔11をエッチングすることが望ましい。この点は、上記第1のエッチング工程において、銅箔11をハーフエッチングする場合にも同様である。
次に、図5(D)に示すように、上記の第2のレジストパターン17を絶縁基板2から除去する。第2のレジストパターン17の除去は、たとえば、レジスト剥離剤を用いて行う。これにより、絶縁基板2上に配線3が形成されるとともに、この配線3上にバンプ本体部41が形成された構造が得られる。
(2−5.第3のレジストパターン形成工程)
次に、図6(A)に示すように、絶縁基板2上に配線3およびバンプ本体部41を覆う状態で第3のレジスト層18を形成する。第3のレジスト層18の形成は、たとえば上記同様に、絶縁基板2の片面にドライフィルムレジストをラミネートすることにより行う。この段階では絶縁基板2の主面2aが配線3およびバンプ4の存在によって凹凸状になっている。このため、バンプ本体部41の上面を覆うことができる程度の厚さを有するドライフィルムレジストを用いて第3のレジスト層18を形成する。第3のレジストパターン形成工程で使用するドライフィルムレジストの厚みは、後述する第3のエッチング工程で使用するエッチング液の組成や所望するエッチング量等に応じて、適宜変更が可能である。また、使用するラミネータに関しては、上述した2つのタイプのラミネータのうち、気泡の混入等を抑制するのに有効な減圧雰囲気でラミネートするタイプを用いることが好ましい。
次に、上述したバンプ本体部41の形状および寸法に適合するフォトマスクを用いて第3のレジスト層18を露光した後、現像によって第3のレジスト層18の不要部分を除去することにより、図6(B)に示すように、絶縁基板2上に第3のレジストパターン19を形成する。第3のレジストパターン19は、バンプ4の形成予定位置に、バンプ本体部41を露出させる開口部20を有する。開口部20の開口径は、上記図3に示すバンプ本体部41の寸法Lhよりも大きく、かつ配線3の幅寸法Wよりも小さい寸法になっている。このため、第3のレジストパターン19の開口部20においては、バンプ本体部41が露出した状態となっている。バンプ本体部41と開口部20の位置合わせに関しては、上記同様にアライメントマーク等を用いて行えばよい。開口部20を有する第3のレジスト層18は、後述するメッキ工程での無電解メッキに用いるマスクであるため、メッキ液に対して耐性を有している。
図9は絶縁基板2上に第3のレジストパターン19を形成した段階の絶縁基板2の状態を示す平面図である。図示のように、第3のレジストパターン19の開口部20は、上記図1に示すバンプ4の形成予定位置に、バンプ4の形状、寸法等にあわせて、バンプ本体部41よりも一回り大きい寸法で円形に形成されている。また、第3のレジストパターン19は、バンプ4の形成予定位置(開口部20の内側)を除いて、絶縁基板2の主面2aと配線3を覆う状態に形成されている。
(2−6.メッキ工程)
次に、第3のレジストパターン19をマスクに用いて無電解メッキを行うことにより、図6(C)に示すように、バンプ本体部41の表面を、バンプ本体部41よりも硬度が高い金属の被覆42で被覆する。本実施の形態においては、好ましい形態の一つとして、上記の無電解メッキとして無電解ニッケルメッキを行うことにより、バンプ本体部41の表面をニッケルの被膜42で被覆する。被膜42の厚み寸法は、たとえば、2〜10μmの範囲内で適宜設定すればよい。無電解ニッケルメッキによって得られる被膜42の組成は、ニッケルを主成分として、リンを含有するものとなる。一例として記述すると、無電解ニッケルメッキによって形成される被膜42の組成は、ニッケルが87〜98%、リンが2〜13%となる。ただし、被膜42の成分としては、リンに代えてホウ素を含有するものであってもよい。また、メッキ析出後に熱処理(たとえば、300〜500℃、1時間)を行って被膜42の硬度を高め、耐摩耗性を向上させてもよい。その場合は、熱処理温度に耐えられる絶縁基板2を用いることが望ましい。
無電解ニッケルメッキの処理条件としては、たとえば、以下の条件を適用可能である。
ドライフィルム:旭化成 イーマテリアルズ株式会社製 AQ4059
無電解ニッケルメッキ:日本エレクトロプレイティング・エンジニヤース株式会社製 LECTROLESS NP7600
処理温度:80℃
次に、図6(D)に示すように、上記の第3のレジストパターン19を絶縁基板2上から除去する。第3のレジストパターン19の除去は、たとえば、レジスト剥離剤を用いて行う。これにより、絶縁基板2の配線3上に、バンプ本体部41および被膜42からなるバンプ4が形成された状態となる。
(2−7.後工程)
その後、図示はしないが、配線3およびバンプ4の表面に保護用のメッキ層を形成する。このメッキ層の形成は、たとえば、金メッキによって行う。このとき、保護用のメッキ層を過度に厚く形成すると、配線基板1の可撓性を阻害するだけでなく、配線基板1を曲げたりよじったりしたときにメッキ層に割れ等が生じやすくなる。このため、保護用のメッキ層は、上述した被膜42よりも十分に薄く、最大でも1μm厚程度に形成することが望ましい。
次に、バンプ4の部分を除いて配線3の主要部を覆うように、絶縁基板2上に樹脂の保護膜を形成する。この保護膜の形成は、必要に応じて行えばよい。
次に、絶縁基板2をパンチング等によって個片化する。ただし、個片に分離する前の、長尺のフィルム形状の配線基板1を製品として流通させる場合は、個片化の工程を行う必要はない。
以上の製造工程により、本発明の実施の形態に係る配線基板1が得られる。
<3.実施の形態に係る効果>
本形態の配線基板1の製造方法においては、絶縁基板2に形成された銅箔11を、第1のレジストパターン13をマスクに用いてハーフエッチングした後、第2のレジストパターン17をマスクに用いてフルエッチングすることにより、バンプ本体部41を形成し、その後、無電解メッキによって被膜42を形成している。この方法によれば、配線3上に
形成されるバンプ4の高さは、ハーフエッチングのエッチング量とメッキ析出量で決まるため、従来のメッキ処理によるバンプ形成に比べて、バンプ4の高さバラツキが小さくなる。また、同じメッキ処理であっても、無電解メッキを採用した方が、電解メッキを採用する場合よりもバンプ高さのバラツキが小さくなる。その理由は、電解メッキの場合は、電流の集中等によってメッキの成長速度にバラツキが生じやすいのに対して、無電解メッキの場合は、そのような現象が起こらず全体的に均一にメッキが成長するからである。
以上のことから、従来のメッキ処理(電解メッキ)によるバンプ形成に比べて、バンプの高さバラツキを低減し、かつ生産性を向上させることができる。
さらに、本形態の配線基板1の製造方法によれば、上記の効果に加えて、以下のような効果が得られる。
まず、バンプ形成工程として、第1のエッチング工程においては、銅箔11をハーフエッチングしてバンプ本体部41を形成し、メッキ工程においては、バンプ本体部41の表面をニッケルの被膜42で被覆することにより、バンプ4を形成している。このため、たとえば、バンプ4全体を電解ニッケルメッキにより形成した場合に比べて、バンプ4の表面を硬質化することができる。その理由は、無電解ニッケルメッキによって得られる被膜42は、リンを含有するニッケルの被膜となり、電解ニッケルメッキに比べて、被膜の硬度が高くなるからである。これにより、下記のようなメリットがある。
まず、配線基板1を半導体チップの実装用基板(TABテープ)として用いる場合は、配線基板1のバンプ4の機械的な特性として、バンプ4の表層部(被膜42)が内部(バンプ本体部41)よりも硬くなるため、実装時の接合方法に好適な超音波振動等を利用して、半導体チップの電極パッドとバンプ4とを接合することができる。ちなみに、配線基板1を実装用基板として用いる場合の具体例としては、樹脂フィルムを基材とした配線基板1に半導体素子を直接実装するCOF(Chip On Film)構造の半導体装置を製造する場合などが考えられる。特に、LCD(Liquid Crystal Display)やPDP(Plasma Display Panel)に代表されるFPD(Flat Panel Display)用のドライバIC(Integrated Circuit)をCOF方式で実装する場合に配線基板1を好適に用いることができる。
また、それ以外の用途、たとえば、配線基板1を検査用プローブ基板として用いる場合は、バンプ4の耐摩耗性が向上するため、検査用プローブ基板の長寿命化を図ることができる。検査用プローブ基板は、たとえば、ウエハ上にマトリクス状の配列で形成された各々の半導体素子の電気的特性を検査する場合に用いられるものである。個々の半導体素子には複数の電極パッドが形成されている。このため、半導体素子の電気的特性を検査する場合は、半導体素子の電極パッドに検査用プローブ基板のバンプを接触させ、かつその接触を半導体素子ごとに繰り返す必要がある。したがって、バンプ4の耐摩耗性の向上は、検査用プローブ基板の長寿命化に寄与するものとなる。
また、本実施の形態においては、バンプ4の一構成部分として被膜42を形成し、バンプ4以外の部分には被膜42を形成していない。このため、配線基板1の折り曲げ性を良好に維持することができる。したがって、たとえば、個片化前の製造工程におけるロール・ツー・ロール方式の基板搬送にも好適に対応することが可能である。また、配線3上においては、バンプ4の形成部位だけに被膜42を形成するため、被膜42の形成に伴う材料費等が安く抑えられ、コスト的にも有利になる。
また、バンプ本体部41の上面を覆うように被膜42を形成しているため、バンプ4の高さ寸法Hを被膜42の存在によって嵩上げすることができる。これにより、バンプ本体部41だけでバンプを構成した場合に比べて、バンプ4の高さを高くすることができる。また、検査用プローブ基板として配線基板1を用いる場合は、仮に半導体素子上に異物があっても、この異物を跨ぐようにして半導体素子の電極パッドにバンプ4を接触させるこ
とができる。このため、異物の影響を受けにくくなる。したがって、検査用プローブ基板として用いる場合にも好適なものとなる。
また、本実施の形態のようにバンプ本体部41の上面および側面の両方(全面)を覆う
ように被膜42を形成すれば、バンプ本体部41の上面だけを被膜42で覆った構造に比べて、バンプ本体部41と被膜42の結合力が高くなる。このため、機械的強度に優れたバンプ4を配線3上に形成することができる。
さらに、本形態の製造方法を適用すると、バンプ4の高さバラツキが小さくなるため、半導体素子に形成された複数の電極パッドに対して、検査用プローブ基板(配線基板1)に形成された複数のバンプ4を同時に接触させることができる。しかも、バンプ4の上面4aは平坦に形成されているため、電極パッドとバンプ4との間に安定した接触状態が得られる。
また、本形態の配線基板1の製造方法においては、第2のレジストパターン形成工程において、バンプ本体部41の全面を覆う状態で第2のレジストパターン17を形成している。このため、その後の第2のエッチング工程においては、バンプ本体部41の全面を第2のレジストパターン17で保護しながら、銅箔11をフルエッチングして配線3を形成することができる。これにより、バンプ本体部41の寸法、形状等が、第2のエッチング工程におけるフルエッチングによって崩れることがない。したがって、第1のエッチング工程で得られるバンプ本体部41の寸法、形状等を、第2のエッチング工程でも、そのまま高精度に維持することができる。また、その後のメッキ工程においては、バンプ本体部41の形状に倣って被膜42が形成されるため、最終的に得られるバンプ4の形状および寸法も精度的に高いものとなる。
<4.変形例等>
本発明の技術的範囲は上述した実施の形態に限定されるものではなく、発明の構成要件やその組み合わせによって得られる特定の効果を導き出せる範囲において、種々の変更や改良を加えた形態も含む。
たとえば、配線3上に形成するバンプ4の形状は、円形に限らず、多角形、楕円形等であってもよい。また、配線3上に形成されるバンプ4の位置は、配線3の途中ではなく、配線3の端部またはその近傍であってもよい。また、バンプ4の構成としては、バンプ本体部41の全面を被膜42で被覆することが望ましいものの、たとえば検査用プローブ基板の用途でバンプ4の耐摩耗性を向上させるという観点では、バンプ本体部41の少なくとも上面を被膜42で被覆した構成になっていればよい。また、被膜42は、無電解メッキによって形成されるニッケルの被膜の他に、たとえば、同様のメッキによって形成されるパラジウムまたはロジウムの被膜で構成されていてもよい。また、後工程における保護用のメッキ層は、フラッシュメッキによってニッケルの薄膜を形成したものでもよい。
また、第1のレジストパターン形成工程および第2のレジストパターン形成工程では、ドライフィルムレジストに代えてフォトレジストを用いてもよく、レジストのタイプについても、ポジ型およびネガ型のいずれを用いてもよい。
また、上記実施の形態においては、配線基板1の製造方法として、銅箔11が片面に形成された絶縁基板2を用いた場合を例示しているが、銅箔11が両面に形成された絶縁基板2を用いてもよい。その場合は、上述した第2のレジストパターン形成工程において、絶縁基板2の両面にそれぞれ所望の配線パターンに応じて第2のレジストパターンを形成し、その後の第2のエッチング工程において、絶縁基板2の両面の銅箔11を同時進行でエッチング(フルエッチング)すればよい。これにより、絶縁基板2の両面に同時に配線
形成を行うことができる。
また、上述した配線基板1の製造工程において、被膜42を形成する工程と、保護用のメッキ層を形成する工程の順序を入れ替えてもよい。さらに、保護用のメッキ層の形成に代えて、たとえば、OSP(Organic Solderbility Preservative)処理を行ってもよい。
また、本発明に係る配線基板の製造方法は、絶縁基板2が可撓性を有するか否かにより、フレキシブル配線基板およびリジット配線基板のいずれの製造方法にも適用することが可能である。同様に、絶縁基板2に関しても、フレキシブル基板およびリジット基板のいずれであってもよい。
1 配線基板
2 絶縁基板
3 配線
4 バンプ
11 銅箔
12 第1のレジスト層
13 第1のレジストパターン
16 第2のレジスト層
17 第2のレジストパターン
18 第3のレジスト層
19 第3のレジストパターン
20 開口部
41 バンプ本体部
42 被膜

Claims (3)

  1. 絶縁基板と、前記絶縁基板上に形成された配線と、前記配線上に形成されたバンプと、を備える配線基板の製造工程として、
    前記絶縁基板の少なくとも片面に形成された導体層上に、前記バンプの主要部となるバンプ本体部の形状および寸法に対応する第1のレジストパターンを形成する第1のレジストパターン形成工程と、
    前記第1のレジストパターンをマスクに用いて前記導体層をハーフエッチングすることにより、前記導体層の表面に前記バンプ本体部を突状に形成する第1のエッチング工程と、
    前記導体層上の前記バンプ本体部と重なる位置に、前記配線の形状および寸法に対応する第2のレジストパターンを形成する第2のレジストパターン形成工程と、
    前記第2のレジストパターンをマスクに用いて前記導体層をフルエッチングすることにより、前記絶縁基板上に前記配線を形成する第2のエッチング工程と、
    前記絶縁基板上に、前記バンプ本体部を露出させる開口部を有する第3のレジストパターンを形成する第3のレジストパターン形成工程と、
    前記第3のレジストパターンをマスクに用いて無電解メッキを行うことにより、前記バンプ本体部の表面を、当該バンプ本体部よりも硬度が高い金属の被膜で被覆するメッキ工程と、
    を有することを特徴とする配線基板の製造方法。
  2. 前記メッキ工程においては、前記無電解メッキとして無電解ニッケルメッキを行うことにより、前記バンプ本体部の表面を、リンまたはホウ素を含有するニッケルの被膜で被覆する
    ことを特徴とする請求項1に記載の配線基板の製造方法。
  3. 絶縁基板と、
    前記絶縁基板上に形成された配線と、
    前記配線上に形成されたバンプと、を備え、
    前記バンプは、当該バンプの主要部となるバンプ本体部と、前記バンプ本体部の表面を被覆する被膜とを有し、
    前記被膜は、無電解メッキにより形成されるとともに、前記バンプ本体部よりも硬度が高い金属によって構成されている
    ことを特徴とする配線基板。
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