JP2013258310A - 太陽電池ストリング、太陽電池モジュールおよび配線シートの製造方法 - Google Patents

太陽電池ストリング、太陽電池モジュールおよび配線シートの製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】キャリアの再結合防止効果を高くすることができる太陽電池ストリング、太陽電池モジュールおよび配線シートの製造方法を提供する。
【解決手段】第1の太陽電池セルと、第2の太陽電池セルと、を備え、第1の太陽電池セルは、第1導電型の第1半導体基板と、第1半導体基板上に設けられた、絶縁膜と、絶縁膜上の透明導電膜と、第1導電型用電極とを有し、第2の太陽電池セルは、第1導電型の第2半導体基板と、第2半導体基板に設けられた第2導電型用電極とを有し、透明導電膜と第2導電型用電極とが電気的に接続されている、太陽電池ストリング、太陽電池モジュールおよびその太陽電池モジュールの製造に用いられる配線シートの製造方法である。
【選択図】図1

Description

本発明は、太陽電池ストリング、太陽電池モジュールおよび配線シートの製造方法に関する。
従来の結晶シリコン系の太陽電池セルの中には、p型またはn型の不純物がわずかにドープされたシリコン基板の受光面側にn型半導体層(n+層)を有するものがある。このn+層は、太陽電池セルのカソード(陰極)の働きをする。また、当該太陽電池セルの裏面側にはp型不純物が多くドープされたp型半導体層(p+層)が設けられており、このp+層は、太陽電池セルのアノード(陽極)の働きをする。
上記の構成を有する太陽電池セルに光が入射すると電子が叩き出され、電子が叩き出された後に正孔が残り、太陽電池セルの内部に電子と正孔とのペアが生じる。ここで、電子は負のキャリアであり、正孔は正のキャリアである。
太陽電池セルの受光面側のn+層の領域内で生成したキャリアが出力に寄与するためには、キャリアが拡散してn+層を通り抜け、太陽電池セルの内部のpn接合に到達する必要がある。しかしながら、キャリアの一部は、n+層を拡散する原子と再結合する。そのため、これらの再結合したキャリアは太陽電池の電流に寄与せず、太陽電池の効率が低下することになる。
太陽電池セルの受光面側のn+層におけるキャリアの再結合を防止するために、パッシベーション効果のある膜を設けることが一般的に行なわれている。パッシベーション効果のある膜としては、酸化物膜または窒化物膜が一般的に用いられる。
また、電界を利用してパッシベーションの効果を得る方法も検討されている。
たとえば特許文献1には、基層のバイアスをかける領域に隣接し、軽度にドープされた基層から重度にドープされた捕集層および入射層の少なくとも1つに向かう電荷キャリアの動きを促進するようにバイアスがかけられるエンハンスメント層を有する太陽電池が開示されている。
また、たとえば特許文献2には、光が入射することによって、導電層に負電圧が印加され、導電層の直下のp型層中に正孔が高濃度に蓄積した蓄積層が形成されることにより、キャリアの再結合を防止する光電変換素子が開示されている。
特表平5−508267号公報 特開2008−227269号公報
しかしながら、上記の特許文献1に記載の太陽電池においては、エンハンスメント層にかけられるバイアスが十分ではなく、キャリアの再結合を十分に防ぐことができないことがあった。
また、上記の特許文献2に記載の光電変換素子においては、導電層に印加される負電圧の大きさが十分ではなく、キャリアの再結合を十分に防ぐことができないことがあった。
上記の事情に鑑みて、本発明の目的は、キャリアの再結合防止効果を高くすることができる太陽電池ストリング、太陽電池モジュールおよび配線シートの製造方法を提供することにある。
本発明は、第1の太陽電池セルと、第2の太陽電池セルと、を備え、第1の太陽電池セルは、第1導電型の第1半導体基板と、第1半導体基板上に設けられた、絶縁膜と、透明導電膜と、第1導電型用電極とを有し、第2の太陽電池セルは、第1導電型の第2半導体基板と、第2半導体基板に設けられた第2導電型用電極とを有し、透明導電膜は、絶縁膜上に設けられており、透明導電膜と第2導電型用電極とが電気的に接続されている、太陽電池ストリングである。
本発明の太陽電池ストリングにおいては、第1導電型用電極と第2導電型用電極とが電気的に接続されていることが好ましい。
また、本発明の太陽電池ストリングにおいては、第1の太陽電池セルと第2の太陽電池セルとの間に第3の太陽電池セルが配置されており、第3の太陽電池セルは、第1導電型の第3半導体基板と、第3半導体基板に設けられた、第2の第1導電型用電極と、第2の第2導電型用電極とを有し、第1導電型用電極と第2の第2導電型用電極とが電気的に接続されており、第2の第1導電型用電極と第2導電型用電極とが電気的に接続されていることが好ましい。
また、本発明は、上記の太陽電池ストリングが封止材中に封止されてなる太陽電池モジュールである。
さらに、本発明は、上記の太陽電池ストリングの製造に用いられる配線シートを製造する方法であって、絶縁性基材上に導電性物質を設置する工程と、導電性物質をパターンニングすることによって、絶縁性基材上に、第1導電型用配線、第2導電型用配線、および透明導電膜と第2導電型用電極とを電気的に接続するための接続部とを同時に形成する工程と、を含む、配線シートの製造方法である。
本発明によれば、キャリアの再結合防止効果を高くすることができる太陽電池ストリング、太陽電池モジュールおよび配線シートの製造方法を提供することができる。
実施の形態1の太陽電池ストリングの模式的な断面図である。 実施の形態1の太陽電池ストリングの模式的な平面図である。 (a)〜(h)は、実施の形態1の太陽電池ストリングの製造において、第1の裏面電極型太陽電池セルと配線シートとを接続する方法の一例について図解する模式的な断面図である。 図2のIV−IVに沿った模式的な断面図である。 実施の形態2の太陽電池ストリングの模式的な構成図である。 実施の形態2の太陽電池ストリングの模式的な拡大平面図である。 図6のVII−VIIに沿った模式的な断面図である。 (a)は実施の形態3の太陽電池ストリングの模式的な拡大平面図であり、(b)は(a)の破線で取り囲んだ箇所の模式的な拡大平面図である。 シミュレーションが行なわれた裏面電極型太陽電池セルの模式的な断面図である。 裏面電極型太陽電池セルの受光面側のn+層のn型不純物濃度と裏面電極型太陽電池セルの変換効率との関係を示すシミュレーション結果である。 裏面電極型太陽電池セルの受光面側にn+層がある場合とn+層がない場合において、ITO膜に印加される電圧の大きさと裏面電極型太陽電池セルの変換効率との関係を示すシミュレーション結果である。 裏面電極型太陽電池セルの受光面側にn+層および印加電圧が共にない場合、n+層があって印加電圧がない場合、ならびにn+層がなく印加電圧がある場合において、受光面の表面再結合速度と裏面電極型太陽電池セルの変換効率との関係を示すシミュレーション結果である。
以下、本発明の実施の形態について説明する。なお、本発明の図面において、同一の参照符号は、同一部分または相当部分を表わすものとする。
<実施の形態1>
図1に、本発明の太陽電池ストリングの一例である実施の形態1の太陽電池ストリングの模式的な断面図を示す。実施の形態1の太陽電池ストリングは、第1の裏面電極型太陽電池セル100aと第2の裏面電極型太陽電池セル100bとを備えている。
(太陽電池セル)
第1の裏面電極型太陽電池セル100aは、n型シリコン基板1aと、n型シリコン基板1aの受光面側に設けられたn+層6aと、n+層6a上に設けられた絶縁膜7aと、絶縁膜7a上に設けられた透明導電膜8aと、n型シリコン基板1aの裏面側に設けられたn+層4aおよびp+層5aと、n型シリコン基板1aの裏面に設けられた裏面側絶縁膜9aと、n+層4aの裏面側に設けられたn電極2aと、p+層5aの裏面側に設けられたp電極3aとを備えている。
第2の裏面電極型太陽電池セル100bは、n型シリコン基板1bと、n型シリコン基板1bの受光面側に設けられたn+層6bと、n+層6b上に設けられた絶縁膜7bと、絶縁膜7b上に設けられた透明導電膜8bと、n型シリコン基板1bの裏面側に設けられたp+層5bと、n型シリコン基板1bの裏面に設けられた裏面側絶縁膜9bと、p+層5bの裏面側設けられたp電極3bとを備えている。
太陽電池の変換効率を低下させる要因の1つであるキャリアの再結合は、結晶欠陥があると起こりやすい。絶縁膜7a、絶縁膜7b、裏面側絶縁膜9aおよび裏面側絶縁膜9bは、結晶欠陥を不活性化する効果、いわゆるパッシベーション効果を有する膜である。
なお、図示はしていないが、n型シリコン基板1bの裏面側にはp+層5bと間隔を空けてn+層が形成されており、n+層の裏面側にn電極が設けられている。
n型シリコン基板1a,1bとしては、たとえばn型の多結晶または単結晶シリコンインゴットをスライスすることによって生じたスライスダメージをアルカリ水溶液などでエッチングしてなるものを用いることができる。n型シリコン基板1a,1bの大きさおよび形状は特に限定されないが、n型シリコン基板1a,1bの厚さは、たとえば50μm以上400μm以下とすることができる。また、図示はしていないが、n型シリコン基板1a,1bの受光面にテクスチャ構造が形成されていてもよい。
n+層4a,6a,4b,6bは、n型シリコン基板1a,1bに、たとえばリンなどのn型不純物を拡散させることにより、n型シリコン基板1a,1bよりもn型不純物濃度を高くした層である。n型不純物の拡散方法としては、たとえばPOCl3などのn型不純物を含むガスを用いた気相拡散などの方法を用いることができる。
p+層5a,5bは、n型シリコン基板1a,1bに、たとえばボロンなどのp型不純物を拡散させることにより、n型シリコン基板1a,1bよりもp型不純物濃度を高くした層である。p型不純物の拡散方法としては、たとえばBBr3などのp型不純物を含むガスを用いた気相拡散などの方法を用いることができる。
n電極2aおよびp電極3a,3bは、たとえばn型シリコン基板1a,1bの裏面に銀ペーストを塗布した後に焼成することによって形成された焼成銀電極である。なお、第2の裏面電極型太陽電池セル100bのn型シリコン基板1bの裏面のn+層上に設けられるn電極についても、上記と同様の構成とすることができる。
絶縁膜7a,7bは、たとえばCVD(Chemical Vapor Deposition)法などによって形成された酸化シリコン膜などを用いることができる。ここで、絶縁膜7a,7bの厚さは、10nm以上100nm以下とすることが好ましい。
透明導電膜8a,8bは、たとえばスパッタリング法などによって形成されたITO(Indium Tin Oxide)膜などを用いることができる。ここで、透明導電膜8a,8bの厚さは、10nm以上100nm以下とすることが好ましい。
裏面側絶縁膜9a,9bとしては、たとえば、酸化シリコン膜、窒化シリコン膜、または酸化シリコン膜と窒化シリコン膜との積層体などを用いることができるが、これらに限定されるものではない。ここで、裏面側絶縁膜9a,9bは、たとえば、熱酸化法またはプラズマCVD法などの方法により形成することができる。裏面側絶縁膜9a,9bの厚さは、たとえば0.05μm以上1μm以下とすることができ、特に0.2μm程度とすることが好ましい。
実施の形態1の太陽電池ストリングにおいては、第1の裏面電極型太陽電池セル100aのn電極2aと第2の裏面電極型太陽電池セル100bのp電極3bとが電気的に接続されているとともに、第2の裏面電極型太陽電池セル100bのp電極3bと第1の裏面電極型太陽電池セル100aの透明導電膜8aとが接続部材10によって電気的に接続されている。
(太陽電池セルの接続)
第1の裏面電極型太陽電池セル100aと第2の裏面電極型太陽電池セル100bとはたとえば以下のようにして接続することができる。
まず、たとえば図2の模式的平面図に示す構成を有する配線シート200を準備する。配線シート200は、絶縁性基材11と、絶縁性基材11の表面上に設置されたn配線12と、p配線13と、接続用配線14と、接続部32とを備えている。
ここで、n配線12と、p配線13、接続用配線14および接続部32は、導電性の部材から構成されている。n配線12およびp配線13は櫛形状に形成されており、接続用配線14および接続部32は帯状に形成されている。
そして、絶縁性基材11上において、n配線12の櫛歯に相当する部分とp配線13の櫛歯に相当する部分とが1本ずつ交互に噛み合わさるように配置されており、n配線12の櫛歯の反対側は、他のp配線13の櫛歯の反対側と接続用配線14によって電気的に接続されている。
また、接続部32は、p配線13の櫛歯の反対側から外側に突出するように、p配線13に電気的に接続されている。
配線シート200は、たとえば以下のようにして製造することができる。まず、絶縁性基材11を準備する。
絶縁性基材11としては、電気絶縁性の材質であれば特に限定なく用いることができ、たとえば、ポリエチレンテレフタレート(PET:Polyethylene terephthalate)、ポリエチレンナフタレート(PEN:Polyethylene naphthalate)、ポリフェニレンサルファイド(PPS:Polyphenylene sulfide)、ポリビニルフルオライド(PVF:Polyvinyl fluoride)およびポリイミド(Polyimide)からなる群から選択された少なくとも1種の樹脂を含むものを用いることができる。
絶縁性基材11の厚さは、特に限定されず、たとえば25μm以上150μm以下とすることができる。また、絶縁性基材11は、1層のみからなる単層構造であってもよく、2層以上からなる複数層構造であってもよい。
次に、絶縁性基材11上に導電性物質を設置する。ここで、導電性物質としては、導電性の材質のものであれば特に限定なく用いることができ、たとえば、銅、アルミニウムおよび銀からなる群から選択された少なくとも1種を含む金属などを用いることができる。
また、導電性物質の厚さも特に限定されず、たとえば10μm以上50μm以下とすることができる。また、導電性物質も、1層のみからなる単層構造であってもよく、2層以上からなる複数層構造であってもよい。
絶縁性基材11上への導電性物質の設置は、たとえば、所定の幅にカットされた絶縁性基材11のロールを引き出し、絶縁性基材11の一方の表面に接着剤を塗布し、絶縁性基材11の幅よりやや小さくカットされた金属箔などの導電性物質のロールを重ね合わせて加圧・加熱することで貼り合わせることができる。
次に、絶縁性基材11の表面に貼り合わされた導電性物質の一部をフォトエッチングなどにより除去して導電性物質をパターンニングすることによって、絶縁性基材11の表面上にパターンニングされた導電性物質からなるn配線12、p配線13、接続用配線14および接続部32を同時に形成する。以上により、図2に示される配線シート200を作製することができる。
そして、上記のようにして作製された配線シート200に第1の裏面電極型太陽電池セル100aおよび第2の裏面電極型太陽電池セル100bを接続する。ここで、第1の裏面電極型太陽電池セル100aおよび第2の裏面電極型太陽電池セル100bは、n電極がn配線と電気的に接続され、p電極がp配線と電気的に接続されるようにして、設置される。なお、第1の裏面電極型太陽電池セル100aおよび第2の裏面電極型太陽電池セル100bと同様にして、第3の裏面電極型太陽電池セル100cも配線シート200に接続することができる。
(太陽電池セルと配線シートとの接続)
以下、図3(a)〜図3(h)の模式的断面図を参照して、第1の裏面電極型太陽電池セル100aと配線シート200との接続方法の一例について説明する。なお、ここでは、第1の裏面電極型太陽電池セル100aを例に挙げて説明するが、第2の裏面電極型太陽電池セル100bおよび第3の裏面電極型太陽電池セル100cも同様にして接続することができることは言うまでもない。
まず、図3(a)に示すように、第1の裏面電極型太陽電池セル100aを準備する。ここでは、説明の便宜のため、n型シリコン基板1a、n電極2aおよびp電極3aのみが記載されている。
次に、図3(b)に示すように、第1の裏面電極型太陽電池セル100aのn型シリコン基板1aのn電極2aとp電極3aとの間、第1の裏面電極型太陽電池セル100aの周縁部とn電極2aとの間、および裏面電極型太陽電池セル100aの周縁部とp電極3aとの間に、未硬化の固定樹脂22aを設置する。
このように、第1の裏面電極型太陽電池セル100aの電極間だけでなく、第1の裏面電極型太陽電池セル100aの電極(n電極2a、p電極3a)と周縁部との間にも固定樹脂22aを設置することが好ましい。この場合には、第1の裏面電極型太陽電池セル100aと配線シート200との機械的な接続の安定性をさらに向上することができるとともに、n電極2aとp電極3aとの間の短絡を防ぐことができる。
ここで、固定樹脂22aの設置方法としては、たとえば、スクリーン印刷、ディスペンサ塗布またはインクジェット塗布などの方法を挙げることができる。なかでも、固定樹脂22aの設置方法としては、スクリーン印刷を用いることが好ましい。スクリーン印刷により固定樹脂22aを設置する場合には、簡易に、低コストで、かつ短時間で固定樹脂22aを設置することができる。
固定樹脂22aとしては、Bステージ化可能な樹脂が用いられることが好ましい。Bステージ化可能な樹脂とは、液体状態の未硬化の固定樹脂22aを加熱したときに、粘度が上昇して硬化状態(第1の硬化状態)となった後に粘度が低下して軟化し、その後に再度粘度が上昇して硬化状態(第2の硬化状態)となる樹脂のことである。上記の第1の硬化状態がBステージと言われる。Bステージ化可能な樹脂としては、たとえば、液体状態から溶媒を揮発させて固体状態(Bステージ)とすることができる樹脂などがある。また、Bステージ化可能な樹脂としては、たとえば、第2の硬化状態の後に、第1の裏面電極型太陽電池セル100aの裏面の電極間および配線シート200の配線間の短絡を防止することができる程度の絶縁性を有するとともに、太陽電池ストリングおよび太陽電池モジュールの長期信頼性を保つために第1の裏面電極型太陽電池セル100aと配線シート200との間の機械的な接続強度を保持することができる程度の接着力を有する樹脂を用いることができる。
また、固定樹脂22aとしては、膨潤タイプの樹脂を用いることも好ましい。膨潤タイプの樹脂は、未硬化で液体状態の樹脂と、微粒子状態の樹脂と、の混合物である。膨潤タイプの樹脂の熱挙動はたとえば以下のようである。膨潤タイプの樹脂を微粒子状態の樹脂のガラス転移温度以上に加熱すると、微粒子状態の樹脂の分子間に液体状態の樹脂が入り込む。これにより、見かけ上、微粒子状態の樹脂の体積が膨張した状態(膨潤状態)となって粘度が上昇するため、見かけ上硬化状態(第1の硬化状態)となる。しかしながら、液体状態の樹脂は未硬化であるため、再度加熱すると、微粒子状態の樹脂の分子間に入り込んだ液体状態の樹脂が流動可能な状態となり粘度が低下して軟化状態となる。そして、さらに加熱を続けると、液体状態の樹脂が硬化して硬化状態(第2の硬化状態)となる。
固定樹脂22aとして、たとえばBステージ化可能な樹脂や膨潤タイプの樹脂を用いた場合には、未硬化の固定樹脂22aが、第1の硬化状態および軟化状態を経た後に、第2の硬化状態とすることができる。
なお、本実施の形態においては、第1の裏面電極型太陽電池セル100aの電極間に固定樹脂22aを設置する場合について説明するが、配線シート200の配線間に固定樹脂22aを設置してもよく、第1の裏面電極型太陽電池セル100aの電極間および配線シート200の配線間のそれぞれに固定樹脂22aを設置してもよい。
次に、図3(c)に示すように、未硬化の固定樹脂22aを硬化して第1の硬化状態の固定樹脂22bとする。
ここで、未硬化の固定樹脂22aは、たとえば、加熱および/または紫外線などの光の照射などによって硬化して第1の硬化状態となる。これにより、未硬化の固定樹脂22aの状態と比べて、粘着力および流動性が低下した第1の硬化状態の固定樹脂22bを得ることができる。
また、第1の硬化状態の固定樹脂22bは、常温(約25℃)における未硬化状態と比べて粘度が高く、形状保持性(外力を加えない限り変形しない性質)を有しており、かつ接着性の低い状態(固定樹脂22bの表面に第1の裏面電極型太陽電池セル100aや配線シート200を接触させても第1の裏面電極型太陽電池セル100aや配線シート200に固定樹脂22bが付着しない程度の接着性を有する状態)であることが好ましい。この場合には、後述する接合部材を設置する工程において、生産性の高い印刷工程を採用することが可能となる。さらには、後述する第1の裏面電極型太陽電池セル100aと配線シート200とを重ね合わせる工程において、第1の裏面電極型太陽電池セル100aと配線シート200とを重ね合わせた後においても、第1の裏面電極型太陽電池セル100aと配線シート200とを容易に取り外しできる傾向にある。そのため、第1の裏面電極型太陽電池セル100aの電極と配線シート200の配線との位置合わせを容易かつ高精度に行なうことができる傾向にある。
未硬化状態の固定樹脂22aを第1の硬化状態の第1の固定樹脂22bとする手段が加熱による場合は、第1の硬化状態の第1の固定樹脂22bとなる温度は、後述する第1の硬化状態の第1の固定樹脂22bが軟化する温度および軟化状態の第1の固定樹脂22cが第2の硬化状態となる温度よりも低いことが好ましい。これにより、未硬化状態の固定樹脂22aを第1の硬化状態の第1の固定樹脂22bとする工程における加熱温度を制御した場合には、未硬化状態の固定樹脂22aが軟化状態や第2の硬化状態まで進行してしまうことを防止することができる。
次に、図3(d)に示すように、第1の裏面電極型太陽電池セル100aのn型シリコン基板1aの裏面のn電極2aおよびp電極3aの表面に接合部材21を設置する。
接合部材21としては、導電性物質を含む材質を用いることができ、たとえば半田などを用いることができる。
接合部材21は、たとえば、スクリーン印刷、ディスペンサ塗布またはインクジェット塗布などの方法により設置することができる。接合部材21の設置方法としては、なかでも、スクリーン印刷を用いることが好ましい。スクリーン印刷により接合部材21を設置する場合には、簡易に、低コストで、かつ短時間で接合部材21を設置することができる。
なお、固定樹脂22aを設置した後に接合部材21をスクリーン印刷により設置する場合には、粘着力の高い固定樹脂22aとスクリーン印刷の印刷マスクとが接触して接合部材21を設置することができないという問題がある。
また、固定樹脂22aを設置した後に接合部材21をディスペンサ塗布またはインクジェット塗布により設置する場合には、固定樹脂22aの粘着力が高い場合でも接合部材21を設置することはできるが、処理時間が長く、生産性が悪化するおそれがある。
さらに、固定樹脂22aの流動性が高い状態で接合部材21を設置した場合には、後述するように第1の裏面電極型太陽電池セル100aと配線シート200とを重ね合わせた後に加圧しながら加熱する場合に、固定樹脂22aが接合部材21に流入して接合部材21と配線シート200の配線との電気的な接続を阻害したり、第1の裏面電極型太陽電池セル100aと配線シート200との接合力が低下したり、接合部材21が溶融して固定樹脂22aと混ざり合ってしまうことによって、隣り合う接合部材21間が短絡するおそれもある。
以上の観点から、固定樹脂22aを硬化して第1の硬化状態の固定樹脂22bとした後に接合部材21を設置することによって、第1の裏面電極型太陽電池セル100aと配線シート200との機械的な接続の安定性および第1の裏面電極型太陽電池セル100aの電極と配線シート200の配線との電気的な接続の安定性を向上して、太陽電池ストリングおよび太陽電池モジュールの生産性をさらに高くすることができる。
なお、本実施の形態においては、第1の裏面電極型太陽電池セル100aの電極上に接合部材21を設置する場合について説明するが、配線シート200の配線上に接合部材21を設置してもよく、第1の裏面電極型太陽電池セル100aの電極上および配線シート200の配線上のそれぞれに接合部材21を設置してもよい。また、固定樹脂22aと接合部材21との両方を第1の裏面電極型太陽電池セル100a若しくは配線シート200に設置するようにしなくてもよく、たとえば、第1の裏面電極型太陽電池セル100aの電極間に固定樹脂22aを設置して、配線シート200の配線上に接合部材21を設置してもよい。
次に、図3(e)に示すように、第1の裏面電極型太陽電池セル100aと配線シート200とを重ね合わせる。
第1の裏面電極型太陽電池セル100aと配線シート200との重ね合わせは、たとえば、第1の裏面電極型太陽電池セル100aのn電極2aおよびp電極2bがそれぞれ配線シート200の絶縁性基材11上に設けられたn配線12およびp配線13と接合部材21を介して対向するようにして行なわれる。
次に、上記のようにして重ね合わせた第1の裏面電極型太陽電池セル100aと配線シート200とを加圧しながら加熱および/または光を照射する。これにより、第1の硬化状態の固定樹脂22bは粘度が低下して軟化し、図3(f)に示すような軟化状態の固定樹脂22cになる。
そして、図3(g)に示すように、第1の裏面電極型太陽電池セル100aの電極間に位置する軟化状態の固定樹脂22cは、第1の裏面電極型太陽電池セル100aと配線シート200との間の加圧によって変形して、配線シート200の配線間に入り込む。また、接合部材21中の導電性物質も加熱されることによって溶融し、図3(g)に示すように、第1の裏面電極型太陽電池セル100aと配線シート200との間の加圧によって、第1の裏面電極型太陽電池セル100aの電極と配線シート200の配線との間で変形する。
その後、図3(h)に示すように、軟化状態の固定樹脂22cがさらに加熱および/または紫外線などの光の照射によって粘度が上昇して再度硬化し、第2の硬化状態の固定樹脂22dになる。第2の硬化状態は樹脂の架橋反応による硬化であるため、第2の硬化状態の固定樹脂22dは再度軟化することなく状態が安定する。
ここで、第2の硬化状態の固定樹脂22dは、第1の硬化状態の固定樹脂22bの粘度が一旦低下した後に再度上昇することによって接着可能となる状態であることが好ましい。この場合には、第1の硬化状態で第1の裏面電極型太陽電池セル100aと配線シート200との位置関係を調整した後に第2の硬化状態とすることによって、所望の位置関係で第1の裏面電極型太陽電池セル100aと配線シート200とを接着することができる傾向にある。これにより、生産性、第1の裏面電極型太陽電池セル100aと配線シート200との機械的な接続の安定性、および第1の裏面電極型太陽電池セル100aの電極と配線シート200の配線との電気的な接続の安定性を向上することができる傾向が大きくなる。
ここで、接合部材21の導電性物質の溶融開始温度が第1の硬化状態の固定樹脂22bの軟化開始温度よりも高い場合には、接合部材21が加熱されて接合部材21中の導電性物質が溶融し始めたときでも、軟化状態の固定樹脂22cが配線シート200の配線間および第1の裏面電極型太陽電池セル100aの電極間に既に入り込んでいるため、隣りの配線および電極に向かって流出しない。そのため、隣り合う電極間および配線間が接合部材21の導電性物質で短絡するのを有効に防止することができる。したがって、接合部材21の導電性物質の溶融開始温度は、第1の硬化状態の固定樹脂22bの軟化開始温度よりも高いことが好ましい。
軟化状態の固定樹脂22cが配線シート200の配線間に入り込むことによって配線シート200の表面のより広い領域に軟化状態の固定樹脂22cを接触させることができ、その後、軟化状態の固定樹脂22cが硬化して第2の硬化状態の固定樹脂22dとなることによって、第1の裏面電極型太陽電池セル100aと配線シート200とを強固に接合することができる。
以上のようにして、配線シート200と、第1の裏面電極型太陽電池セル100a、第2の裏面電極型太陽電池セル100bおよび第3の裏面電極型太陽電池セル100cとを接続する。
その後、図4の模式的断面図に示すように、第1の裏面電極型太陽電池セル100aと第2の裏面電極型太陽電池セル100bとの間の配線シート200の接続部32と、第1の裏面電極型太陽電池セル100aの透明導電膜8aとを接続部材10によって電気的に接続する。これにより、第2の裏面電極型太陽電池セル100bのp電極3bと第1の裏面電極型太陽電池セル100aの透明導電膜8aとが接続部材10によって電気的に接続される。
また、上記と同様にして、第2の裏面電極型太陽電池セル100bと第3の裏面電極型太陽電池セル100cとの間の配線シート200の接続部32と、第2の裏面電極型太陽電池セル100aの透明導電膜8bとを接続部材10によって電気的に接続する。これにより、第3の裏面電極型太陽電池セル100cのp電極と第2の裏面電極型太陽電池セル100bの透明導電膜8bとが接続部材10によって電気的に接続される。以上により、実施の形態1の太陽電池ストリングが作製される。
接続部材10は、導電性の部材であれば特に限定されないが、たとえば導電性フィルムなどを用いることができる。また、第1の裏面電極型太陽電池セル100aおよび第2の裏面電極型太陽電池セル100bの端面での短絡を防止するために、導電性フィルムの表面の一部に絶縁膜が設置されているものを用いてもよい。
以上の構成を有する実施の形態1の太陽電池ストリングの第1の裏面電極型太陽電池セル100aの透明導電膜8aおよび第2の裏面電極型太陽電池セル100bの透明導電膜8bには、接続部材10によって、複数の裏面電極型太陽電池セルの光起電力に相当する電界が印加されることになる。
したがって、実施の形態1の太陽電池ストリングにおいては、従来の特許文献1の太陽電池および特許文献2に記載の光電変換素子と比較して、第1の裏面電極型太陽電池セル100aの透明導電膜8aおよび第2の裏面電極型太陽電池セル100bの透明導電膜8bにより高い電圧を印加することができるため、キャリアの再結合防止効果を高くすることができる。
また、上記のようにして作製された実施の形態1の太陽電池ストリングは、表面保護材と裏面保護材との間の封止材中に封止されることにより、太陽電池モジュールとすることができる。
実施の形態1の太陽電池ストリングの封止材中への封止は、たとえば、ガラスなどの表面保護材に備えられたエチレンビニルアセテート(EVA)などの封止材と、ポリエステルフィルムなどの裏面保護材に備えられたEVAなどの封止材との間に実施の形態1の太陽電池ストリングを挟み込み、表面保護材と裏面保護材との間を加圧しながら加熱することによって、これらの封止材を一体化して行なうことができる。
なお、上記においては、n型シリコン基板を用いた場合について説明したが、n型シリコン基板に代えてp型シリコン基板を用いてもよい。なお、p型シリコン基板を用いた場合には、受光面側のn+層はp+層とされる。
また、上記においては、受光面側のパッシベーション効果を上げる場合について説明したが、本発明は裏面側のパッシベーション効果を上げる場合にも適用することができる。
また、上記においては、太陽電池ストリングおよび太陽電池モジュールを構成する太陽電池セルとして、裏面のみに電極を有する裏面電極型太陽電池セルを用いたが、受光面および裏面のそれぞれに電極を有する両面電極型太陽電池セルを用いてもよい。
<実施の形態2>
実施の形態2の太陽電池ストリングは、裏面電極型太陽電池セルの透明導電膜とその隣りの裏面電極型太陽電池セルのp電極とが電気的に接続されるのではなく、さらにその隣の裏面電極型太陽電池セルのp電極とが電気的に接続されることを特徴としている。
図5に、実施の形態2の太陽電池ストリングの模式的な構成図を示す。図5に示すように、実施の形態2の太陽電池ストリングは、第1の裏面電極型太陽電池セル100a、第3の裏面電極型太陽電池セル100c、第2の裏面電極型太陽電池セル100bおよび第4の裏面電極型太陽電池セル100dの順に配列されている。
ここで、第1の裏面電極型太陽電池セル100aの透明導電膜は、その隣の第3の裏面電極型太陽電池セル100cのp電極ではなく、さらにその隣の第2の裏面電極型太陽電池セル100bのp電極と電気的に接続される。また、第3の裏面電極型太陽電池セル100cの透明導電膜は、その隣の第2の裏面電極型太陽電池セル100bのp電極ではなく、さらにその隣の第4の裏面電極型太陽電池セル100dのp電極と電気的に接続される。
図6に、実施の形態2の太陽電池ストリングの模式的な拡大平面図を示す。図6に示すように、実施の形態2の太陽電池ストリングの配線シート200の絶縁性基材11上においては、第1の裏面電極型太陽電池セル100aの透明導電膜と第2の裏面電極型太陽電池セル100bのp電極とを電気的に接続するための接続部51と、第3の裏面電極型太陽電池セル100cの透明導電膜と第4の裏面電極型太陽電池セル100dのp電極とを電気的に接続するための接続部52とが設けられている。
なお、図示はされていないが、接続部51は、第2の裏面電極型太陽電池セル100bのp電極が電気的に接続される配線シート200のp配線13に電気的に接続されており、接続部52は、第4の裏面電極型太陽電池セル100dのp電極が電気的に接続される配線シート200のp配線13に電気的に接続されている。
また、第1の裏面電極型太陽電池セル100aのn電極は、第1の裏面電極型太陽電池セル100aに隣り合う第3の裏面電極型太陽電池セル100cのp電極と配線シート200の配線を介して電気的に接続されている。
また、第3の裏面電極型太陽電池セル100cのn電極は、第3の裏面電極型太陽電池セル100cに隣り合う第2の裏面電極型太陽電池セル100bのp電極と配線シート200の配線を介して電気的に接続されている。
図7に、図6のVII−VIIに沿った模式的な断面図を示す。図7に示すように、第3の裏面電極型太陽電池セル100cは、n型シリコン基板1cと、n型シリコン基板1cの受光面側に設けられたn+層6cと、n+層6c上に設けられた絶縁膜7cと、絶縁膜7c上に設けられた透明導電膜8cと、n型シリコン基板1cの裏面側に設けられたn+層4cおよびp+層5cと、n型シリコン基板1cの裏面に設けられた裏面側絶縁膜9cと、n+層4c上に設けられたn電極2cと、p+層5c上に設けられたp電極3cとを備えている。
そして、第3の裏面電極型太陽電池セル100cの透明導電膜8cは、接続部材10によって接続部52と接続されている。これにより、第3の裏面電極型太陽電池セル100cの透明導電膜8cと、第4の裏面電極型太陽電池セル100dのp電極とが電気的に接続される。なお、接続部51は、第3の裏面電極型太陽電池セル100cの裏面側絶縁膜9cと対向しているため、第3の裏面電極型太陽電池セル100cと接続部51との間における電気的な短絡の発生を抑制することができる。また、第1の裏面電極型太陽電池セル100aの透明導電膜と接続部51との接続も上記と同様にして行なうことができる。
また、第3の裏面電極型太陽電池セル100cのn型シリコン基板1c、n電極2c、p電極3c、n+層4c、p+層5c、n+層6c、絶縁膜7c、透明導電膜8cおよび裏面側絶縁膜9cとしては、実施の形態1の第1の裏面電極型太陽電池セル100aと同様のものを用いることができる。
実施の形態2の太陽電池ストリングにおいては、第1の裏面電極型太陽電池セル100aの透明導電膜および第2の裏面電極型太陽電池セル100bの透明導電膜にそれぞれ裏面電極型太陽電池セル3個の光起電力分の電界を印加することができる。
したがって、実施の形態2の太陽電池ストリングにおいては、従来の特許文献1の太陽電池および特許文献2に記載の光電変換素子と比較して、第1の裏面電極型太陽電池セルの透明導電膜および第2の裏面電極型太陽電池セルの透明導電膜により高い電圧を印加することができるため、キャリアの再結合防止効果を高くすることができる。
また、実施の形態2においては、第1の裏面電極型太陽電池セル100aの透明導電膜に裏面電極型太陽電池セル3個の光起電力分の電界を印加する場合について述べたが、裏面電極型太陽電池セル4個以上の光起電力分の電界を印加することもできる。たとえば、裏面電極型太陽電池セル4個の光起電力分の電界を印加する場合には、第1の裏面電極型太陽電池セル100aの透明導電膜と、裏面電極型太陽電池セル2個を挟んだ位置にある第4の裏面電極型太陽電池セル100dのp電極とを電気的に接続すればよい。後に説明するが、印加する電界が大きくなるほど、高いパッシベーション効果を得ることが可能となる。
実施の形態2における上記以外の説明は、実施の形態1と同様であるため、ここではその説明については省略する。
<実施の形態3>
実施の形態3の太陽電池ストリングは、ウエハカットの際に生じる裏面電極型太陽電池セルの隙間に小型の裏面電極型太陽電池セルを配置して、裏面電極型太陽電池セルの受光面側の透明導電膜に電圧を印加することを特徴としている。
図8(a)に実施の形態3の太陽電池ストリングの模式的な拡大平面図を示し、図8(b)に図8(a)の破線で取り囲んだ箇所の模式的な拡大平面図を示す。図8(a)に示すように、第1の裏面電極型太陽電池セル100a、第2の裏面電極型太陽電池セル100b、第3の裏面電極型太陽電池セル100cおよび第4の裏面電極型太陽電池セル100dの隣接部分においては、裏面電極型太陽電池セルのウエハカット部分によって取り囲まれた領域300が形成される。
そして、図8(b)に示すように、領域300に、小型の裏面電極型太陽電池セル100e,100f,100gを設置し、これらを接続部材10で直列に接続するとともに、その両端を、たとえば、第1の裏面電極型太陽電池セル100aの受光面側の透明導電膜8aと、他の裏面電極型太陽電池セルのp電極に電気的に接続する配線シートの接続部32とに接続部材10で電気的に接続する。
これにより、実施の形態3の太陽電池ストリングにおいては、小型の裏面電極型太陽電池セル100e,100f,100gの3個分の光起電力をさらに追加して第1の裏面電極型太陽電池セル100aの受光面側の透明導電膜8aに印加することができるため、キャリアの再結合防止効果を高くすることができる。
実施の形態3における上記以外の説明は、実施の形態1および2と同様であるため、ここではその説明については省略する。
図9に示す断面を有する裏面電極型太陽電池セル1000について、以下のシミュレーションを行なった。ここで、図9に示す裏面電極型太陽電池セル1000は、n型シリコン基板101(n型不純物濃度:約1×1015個/cm3)と、n型シリコン基板101の受光面側に設けられたn+層106と、n+層106上に設けられた厚さ75nmのSiO2膜107と、SiO2膜107上に設けられた厚さ75nmのITO膜108と、n型シリコン基板101の裏面側に設けられたn+層104(n型不純物濃度:約1×1020個/cm3)およびp+層105(p型不純物濃度:約1×1019個/cm3)と、n型シリコン基板101の裏面に設けられた裏面側絶縁膜109と、n+層104上に設けられたnコンタクト102と、p+層105上に設けられたpコンタクト103とを備えている。
n型シリコン基板101の厚さT1は100μmであり、n+層106の厚さT6は約0.5μmである。
また、n型シリコン基板101の幅W1は1500μmであり、n+層104の幅W4は250μmであり、p+層105の幅W5は1250μmである。
上記の構成を有する図9に示す裏面電極型太陽電池セル1000のn+層106のn型不純物濃度を変化させ、ITO膜108に0V、1Vおよび2Vの電圧を印加したときの裏面電極型太陽電池セル1000の変換効率についてシミュレーションした。その結果を図10に示す。
図10に示すように、ITO膜108に印加する電圧が大きいほど、裏面電極型太陽電池セル1000の変換効率が高くなり、n+層106のn型不純物濃度が低いほど、その傾向が顕著になった。
次に、図9に示す裏面電極型太陽電池セル1000の受光面にn+層106を設けなかった場合と、n+層106を設けた場合(n型不純物濃度:5×1018個/cm3)とで、ITO膜108に印加する電圧の大きさを変化させたときの裏面電極型太陽電池セル1000の変換効率についてシミュレーションした。その結果を図11に示す。
図11に示すように、ITO膜108に印加する電圧が大きいほど、裏面電極型太陽電池セル1000の変換効率が高くなる傾向があり、さらにn+層106を設けなかった場合の方がその傾向が顕著になった。したがって、これらの結果から、上記の実施の形態1〜3の太陽電池ストリングにおいては、太陽電池ストリングを構成する裏面電極型太陽電池セルの直列接続数が多い方が変換効率が高くなると考えられる。さらに、n+層106のn型不純物濃度が低いほど、変換効率が高くなる効果が大きくなると考えられる。
また、図11に示すように、n+層106を設けない場合には、ITO膜108に負の印加電圧を加えても、裏面電極型太陽電池セル1000の変換効率が高くなる傾向があることがわかった。このことから、実施の形態1で示した第2の裏面電極型太陽電池セル100bの透明導電膜と、第1の裏面電極型太陽電池セル100aのp電極とを電気的に接続した場合にも、高いキャリアの再結合防止効果を得ることができることが推測される。よって、太陽電池ストリングのいずれの方向からもITO膜108に印加する電圧を取り出すことができるため、太陽電池ストリングを構成するすべての裏面電極型太陽電池セルにおいて、キャリアの再結合を防止し、高い変換効率を得ることが可能となる。
次に、図9に示す裏面電極型太陽電池セル1000の受光面にn+層106を設けずにITO膜108に電圧を印加しなかった場合と、n+層106を設けて(n型不純物濃度:5×1018個/cm3)ITO膜108に電圧を印加しなかった場合と、n+層106を設けずにITO膜108に電圧を印加した場合(印加電圧:1V)とで、受光面における表面再結合速度を100(cm/s)、1000(cm/s)および10000(cm/s)と変化させたときの裏面電極型太陽電池セル1000の変換効率についてシミュレーションした。その結果を図12に示す。
図12に示すように、表面再結合速度が高くなるほど、裏面電極型太陽電池セル1000の変換効率が低くなる傾向にあったが、ITO膜108に電圧を印加することによってn+層106を設けなかった場合でもその傾向が抑えられることが確認された。
以上のシミュレーション結果から、ITO膜108への電圧の印加は、受光面側のn+層106の形成と同様のパッシベーション効果があると考えられる。これにより、ITO膜108への電圧の印加によって、受光面側にn+層106を形成する必要がなくなるため、太陽電池ストリングおよび太陽電池モジュールの製造プロセスを簡略化することができる。また、n+層106にはn型不純物を添加する必要があるため、n+層106には当該n型不純物の添加に起因するキャリアの再結合に起因する変換効率の損失が発生し得るが、ITO膜108への電圧の印加に代替した場合にはn型不純物の添加に起因するキャリアの再結合が発生しないため、変換効率の損失が発生しない。
したがって、上記の実施の形態1〜3のように、受光面側の透明導電膜に電圧を印加する構成を採用した場合には、変換効率を向上させる観点からは、受光面側に不純物拡散層を設けないことが好ましいと考えられる。
以上のように本発明の実施の形態および実施例について説明を行なったが、上述の各実施の形態および各実施例の構成を適宜組み合わせることも当初から予定している。
今回開示された実施の形態および実施例はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
本発明は、太陽電池ストリング、太陽電池モジュールおよび配線シートの製造方法に好適に利用することができる。
1a,1b,1c n型シリコン基板、2a,2c n電極、3a,3b,3c p電極、4a,4c n+層、5a,5b,5c p+層、6a,6b,6c n+層、7a,7b,7c 絶縁膜、8a,8b,8c 透明導電膜、9a,9b,9c 裏面側絶縁膜、10 接続部材、11 絶縁性基材、12 n配線、13 p配線、14 接続用配線、21 接合部材、22a 未硬化の固定樹脂、22b 第1の硬化状態の固定樹脂、22c 軟化状態の固定樹脂、22d 第2の硬化状態の固定樹脂、32,51,52 接続部、100a 第1の裏面電極型太陽電池セル、100b 第2の裏面電極型太陽電池セル、100c 第3の裏面電極型太陽電池セル、100d 第4の裏面電極型太陽電池セル、101 n型シリコン基板、102 nコンタクト、103 pコンタクト、104 n+層、105 p+層、106 n+層、107 SiO2膜、108 ITO膜、109 裏面側絶縁膜、200 配線シート、1000 裏面電極型太陽電池セル。

Claims (5)

  1. 第1の太陽電池セルと、
    第2の太陽電池セルと、を備え、
    前記第1の太陽電池セルは、第1導電型の第1半導体基板と、前記第1半導体基板上に設けられた、絶縁膜と、透明導電膜と、第1導電型用電極とを有し、
    前記第2の太陽電池セルは、第1導電型の第2半導体基板と、前記第2半導体基板に設けられた第2導電型用電極とを有し、
    前記透明導電膜は、前記絶縁膜上に設けられており、
    前記透明導電膜と前記第2導電型用電極とが電気的に接続されている、太陽電池ストリング。
  2. 前記第1導電型用電極と前記第2導電型用電極とが電気的に接続されている、請求項1に記載の太陽電池ストリング。
  3. 前記第1の太陽電池セルと前記第2の太陽電池セルとの間に第3の太陽電池セルが配置されており、
    前記第3の太陽電池セルは、第1導電型の第3半導体基板と、前記第3半導体基板に設けられた、第2の第1導電型用電極と、第2の第2導電型用電極とを有し、
    前記第1導電型用電極と前記第2の第2導電型用電極とが電気的に接続されており、
    前記第2の第1導電型用電極と前記第2導電型用電極とが電気的に接続されている、請求項1に記載の太陽電池ストリング。
  4. 請求項1から3のいずれか1項に記載の太陽電池ストリングが封止材中に封止されてなる、太陽電池モジュール。
  5. 請求項1から3のいずれか1項に記載の太陽電池ストリングの製造に用いられる配線シートを製造する方法であって、
    絶縁性基材上に導電性物質を設置する工程と、
    前記導電性物質をパターンニングすることによって、絶縁性基材上に、第1導電型用配線、第2導電型用配線、および前記透明導電膜と前記第2導電型用電極とを電気的に接続するための接続部とを同時に形成する工程と、を含む、配線シートの製造方法。
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