JP2013258246A - Cigs系薄膜太陽電池およびその製造方法 - Google Patents

Cigs系薄膜太陽電池およびその製造方法 Download PDF

Info

Publication number
JP2013258246A
JP2013258246A JP2012132842A JP2012132842A JP2013258246A JP 2013258246 A JP2013258246 A JP 2013258246A JP 2012132842 A JP2012132842 A JP 2012132842A JP 2012132842 A JP2012132842 A JP 2012132842A JP 2013258246 A JP2013258246 A JP 2013258246A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
layer
connection wiring
cigs
film substrate
solar cell
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2012132842A
Other languages
English (en)
Inventor
Hideaki Matsuyama
秀昭 松山
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Fuji Electric Co Ltd
Original Assignee
Fuji Electric Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Fuji Electric Co Ltd filed Critical Fuji Electric Co Ltd
Priority to JP2012132842A priority Critical patent/JP2013258246A/ja
Publication of JP2013258246A publication Critical patent/JP2013258246A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Images

Classifications

    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02EREDUCTION OF GREENHOUSE GAS [GHG] EMISSIONS, RELATED TO ENERGY GENERATION, TRANSMISSION OR DISTRIBUTION
    • Y02E10/00Energy generation through renewable energy sources
    • Y02E10/50Photovoltaic [PV] energy
    • Y02E10/541CuInSe2 material PV cells
    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02PCLIMATE CHANGE MITIGATION TECHNOLOGIES IN THE PRODUCTION OR PROCESSING OF GOODS
    • Y02P70/00Climate change mitigation technologies in the production process for final industrial or consumer products
    • Y02P70/50Manufacturing or production processes characterised by the final manufactured product

Landscapes

  • Photovoltaic Devices (AREA)

Abstract

【課題】CBD法による溶液の悪影響を防止したCIGS系薄膜太陽電池を提供する。
【解決手段】フィルム基板の一方の面の面の上に裏面電極を形成し(S106)、CIGS半導体層を形成し(S114)、そしてCBD法によりバッファー層を溶液成長させる(S118)。CBD法を行なうまでに、CBD法のための薬液の接触を防ぐための保護層を、フィルム基板の他方の面に予め形成しておく(S116)。バッファー層を形成したのち、保護層を除去し(S120)、他方の面に接続配線層(第2接続配線層)を形成する。
【選択図】図3

Description

本発明はCIGS系薄膜太陽電池およびその製造方法に関する。さらに詳細には、本発明は、フレキシブル基板を利用するCIGS系薄膜太陽電池およびその製造方法に関する。
従来、生産のための環境負荷が小さい太陽電池として薄膜太陽電池が注目されている。特に、軽量、設置の容易性、高い生産性を誇る太陽電池モジュールとして、樹脂フィルム基板やステンレス基板などの可撓性(フレキシブル)基板を採用したフレキシブル薄膜太陽電池モジュールが開発されている。フレキシブル薄膜太陽電池モジュールの光電変換層には、アモルファスまたは微結晶のシリコン、シリコンゲルマニウムといったシリコン系の薄膜層のように、可撓性を妨げないものが採用される。特に、基板を絶縁性の樹脂フィルム基板とした場合、基板の前面(受光面、一方の面)側ばかりではなくその逆の背面(他方の面)をも利用して直列接続構造を実現することが可能となる。特許文献1(特開平6−342924号)には、SCAF(Series-Connection through Apertures on Film)構造と呼ばれるシリコン系薄膜を可撓性樹脂基板に形成して直列接続構造とした太陽電池モジュールが開示されている。SCAF構造の太陽電池では、基板の前面の光電変換層が、一つひとつがユニットセルとなる複数の光電変換領域に区切られている。同様に、接続配線層も、複数の接続配線領域に区切られている。一の光電変換領域においては、同じ前面の裏面電極が、基板を貫通する貫通孔穴(直列ホール)を通して背面側の接続配線領域に接続される。その一方、その隣の別のユニットセルの光電変換層では、前面の透明電極層が、別の基板の貫通穴(集電孔)を通して背面側の接続配線領域に接続されている。そして、基板の背面の接続電極を利用した直列接続が確立される。このSCAF構造は、パターニングの精度が比較的低くてすむことから、フィルム基板の薄膜太陽電池において直列接続を確立するために有利な構造といえる。
一方、薄膜太陽電池のうち発電効率の高いものとして、カルコパイライト系と呼ばれるI−III−VI族化合物半導体であるCIS(CuInS)、CIGS(Cu(In,Ga)Se)、そしてCIGSS(Cu(In,Ga)(Se,S))の薄層を発電に採用する太陽電池(以下総称して「CIGS系薄膜太陽電池」という)も開発されている。CIGS系薄膜太陽電池においては、モリブデン(Mo)などの金属膜の面の上にCIGSによる半導体層が形成され、その半導体層の面の上にCdSなどによるバッファー層が形成されている。このバッファー層の有望な形成方法として、CBD(Chemical Bath Deposition)法などとも呼ばれる溶液成長法が採用される。なお、バッファー層を形成した後、必要に応じて酸化亜鉛などの高抵抗透明電極層(または高抵抗バッファー層とも呼ばれる)が形成され、さらに、低抵抗透明電極層が配置される。発電のための光は、低抵抗透明電極層および高抵抗透明電極層をこの順に通って、上記バッファー層および上記CIGS半導体層に入射し、この層内のpn接合において電荷分離を生じさせて電力を生成する。
特開平6−342924号公報
本願の発明者は、フレキシブル太陽電池モジュールにおいて、CIGS系半導体層を採用し、高い発電効率を実現する太陽電池(以下、「フレキシブルCIGS太陽電池」という)を作製することを着想した。そして実際にフレキシブルCIGS太陽電池により上記SCAF構造のフレキシブル太陽電池モジュール(以下、「SCAF太陽電池」という)を作製しようと試みたところ、実用性の観点から問題となる現象に遭遇した。
それは、SCAF太陽電池の構造において、直列接続を確立するために利用される背面側の接続配線層に剥離が生じることである。具体的には、基板の背面に配置される接続配線層は、通常、基板の背面において基板の近くに配置される第1電極層と、その第1電極層に重ねて配置される第2電極層とにより構成される。従来のシリコン系薄膜太陽電池にSCAF構造を適用する場合には、第1電極層と第2電極層とは互いに十分な付着力が得られており、両層の間での剥離が問題になることは無い。ところが、フレキシブルCIGS太陽電池のためにSCAF構造を適用したところ、第2電極層が第1電極層から容易に剥離してしまい、太陽電池モジュール全体の耐久性に悪影響を及ぼすことが懸念される事態となった。
本発明は、かかる問題点の少なくともいずれかを解決することを課題とする。本発明は、高い発電効率を期待することができるCIGS系太陽電池を、軽量であり設置が容易なばかりか、生産性も高いフレキシブル太陽電池モジュールに適用する際の信頼性を高めることにより、実用性の高いフレキシブルCIGS太陽電池を作製することに貢献するものである。
本願の発明者が上記剥離の原因として着目したのは、バッファー層の形成工程であるCBD法(溶液成長法)である。この工程は、金属塩(CdSOなど)、硫化物(チオウレア)、錯化材(アンモニア)を含む水溶液(以下、「CBD薬液」という)のウエットプロセスとなっている点において、他のスパッタリングやCVD(化学気相成長)等の真空プロセスとは異質な工程である。また、本願の発明者が従来から検討してきたシリコン系薄膜太陽電池の製造プロセスから見ても、CBD法の工程はCIGS系薄膜太陽電池に特有の工程といえる。しかし、だからといってCIGS系薄膜太陽電池のバッファー層の形成を他の手法(例えば、真空蒸着法)で行なった場合には、発電効率が低下してしまい、CIGS系太陽電池を採用する意義が薄れてしまう。
そこで、本願の発明者は、上述した剥離に対してCBD法がどのような影響を及ぼしているかを鋭意検討し、CIGS系太陽電池特有の工程を可能な限り踏襲しつつも、CBD法の悪影響を克服することが可能な手法を探索した。そして、その解決策となる具体的手法を見出し、さらにその解決策が、所期の目的を実際にも達成することを確認し本発明を完成させた。
本発明はCIGS系薄膜太陽電池の製造方法として実施される。すなわち、本発明のある態様においては、絶縁性のフィルム基板の一方の面の上に裏面電極を形成する工程と、該裏面電極に接するCIGS半導体層を形成する工程と、該CIGS半導体層に接するバッファー層を溶液成長により形成する溶液成長工程と、該バッファー層の面の上に透明電極層を形成することにより、前記裏面電極、前記CIGS半導体層、前記バッファー層および前記透明電極層を前記フィルム基板の側からこの順に有する光電変換層を前記一方の面において形成する工程と、前記溶液成長工程より後に、前記フィルム基板の他方の面の上に、前記一方の面における前記光電変換層を利用した直列接続を確立するための接続配線層の少なくとも一部を形成する接続配線層形成工程とを含み、前記溶液成長工程より前に、前記バッファー層の溶液成長のための薬液の接触を防ぐための保護層を前記フィルム基板の前記他方の面の上に密着させて配置する保護層形成工程と、前記溶液成長工程より後かつ前記接続配線層形成工程より前に、前記保護層を除去する保護層除去工程とをさらに含むCIGS系薄膜太陽電池の製造方法が提供される。
さらに、本発明は、CIGS系薄膜太陽電池としても実施される。すなわち、本発明のある態様においては、絶縁性のフィルム基板の一方の面の上に形成された、裏面電極、CIGS半導体層、バッファー層および透明電極層を有する光電変換層と、前記フィルム基板の他方の面の上に形成された、前記一方の面における前記光電変換層を利用した直列接続を確立するための接続配線層とを備え、前記バッファー層は、前記接続配線層の少なくとも一部を形成する前に、薬液の接触を防ぐための保護層を前記フィルム基板の前記他方の面の上に密着させて配置しながら溶液成長されたものであり、前記接続配線層の前記少なくとも一部が前記保護層を除去した後に形成されているCIGS系薄膜太陽電池も提供される。
上述の本発明の各態様において、保護層とは、CBD薬液が浸透したり侵入したりすることによってフィルム基板の他方の面(背面)に薬液が接触することを、少なくとも一時的に防止するための除去可能な任意の層である。そしてこのような保護層を利用することにより、付着力低下をもたらす原因が一掃され、上記課題が解決される。
なお、何らかの面の上に形成されている(formed on or over a surface)状態やその処理は、面に接して形成される状態や処理と、他の何らかの層を介して、当該面の側に形成される状態や処理との双方を含んでいる。
本発明のいずれかの態様によれば、CIGS系半導体層を利用したフレキシブル薄膜太陽電池においてバッファー層の形成のためにCBD法を採用する場合の信頼性を高めることが可能となる。
本発明のある実施形態のフレキシブルCIGS太陽電池の構造を示す概略断面図である。 本発明のある実施形態のフレキシブルCIGS太陽電池において保護層によりフィルム基板の他方の面の表面が保護されて処理される各段階の様子を示す模式図である。 本発明のある実施形態のフレキシブルCIGS太陽電池を製造する工程の概略を説明するフローチャートである。 本発明のある実施形態におけるSCAF−CIGS太陽電池の構成を示す概略斜視図である。 本発明のある実施形態のSCAF−CIGS太陽電池の平面図である。 本発明のある実施形態のSCAF−CIGS太陽電池の概略断面図である。 本発明のある実施形態においてSCAF−CIGS太陽電池を作製する場合の工程を示すフローチャートである。 本発明のある実施形態におけるいくつかの工程を、長尺基板のロールを利用して処理する一例の処理工程の状態を示す模式図である。
以下、本発明の実施形態について説明する。以下の説明に際し特に言及がない限り、全図にわたり共通する部分または要素には共通する参照符号が付されている。また、図中、各実施形態の要素のそれぞれは、必ずしも互いの縮尺比を保って示されてはいない。
[1 フレキシブルCIGS系薄膜太陽電池の実施形態]
本発明は典型的には、フレキシブルCIGS系薄膜太陽電池として、またその製造方法として実施される。すなわち、本実施形態において作製される薄膜太陽電池は、フレキシブル基板として絶縁性の樹脂フィルム基板(以下「フィルム基板」と呼ぶ)を利用するとともに、SCAF構造の太陽電池の光電変換のためにCIGS系半導体層を採用するものである。
[1−1 フレキシブルCIGS系薄膜太陽電池の構造]
図1は、本実施形態にて提供されるフレキシブルCIGS太陽電池1000(以下、「太陽電池1000」と記す)の構造を示す概略断面図である。また図2は、保護層200によりフィルム基板100の他方の面100Bの表面が保護されて処理される各段階の様子を示す模式図である。
太陽電池1000は、絶縁性のフィルム基板100の一方の面100Aの上に、つまり、一方の面100Aの表面に接して、または一方の面100Aの表面に配置された他の層を介して配置された光電変換層300を有している。太陽電池1000は、フィルム基板100の他方の面100Bの上に形成された接続配線層400も備えている。光電変換層300は、裏面電極310、CIGS半導体層320、バッファー層330および透明電極層340を有している。光電変換層300には、透明電極層340を通して紙面上の上方に位置するバッファー層330の側から、発電のための太陽光hνが入射する。
バッファー層330は、接続配線層400の少なくとも一部、例えば第2接続配線層420を形成する前に、薬液の接触を防ぐための保護層200をフィルム基板100の他方の面100Bの上に密着させて配置しながらCBD法により形成したものである(図2(a)および(b))。そして、保護層200を除去した後に(図2(c))、接続配線層400の少なくとも一部(第2接続配線層420)が、形成されている(図2(d))。なお、接続配線層400は、CIGS半導体層320を利用した直列接続を確立するために利用される。具体的には、第2接続配線層420は、第2貫通孔104の内部において透明電極層340と接続配線層400とを接続する役割を有するとともに、接続配線層400のシート抵抗低減の作用も有する。太陽電池1000は全体として、直列接続が確立されたサブストレート型の集積型薄膜太陽電池として機能し、絶縁体であるフィルム基板100に形成されたフレキシブルなCIGS系薄膜太陽電池となる。保護層200の詳細については、「1−4 保護層の詳細」の欄において詳述する。
[1−2 CIGS系太陽電池の詳細]
本実施形態の太陽電池1000は、例えばポリイミドフィルムなどの可撓性基板であるフィルム基板100を用いて作製される。太陽電池1000のために採用することができるフィルム基板100の材質は絶縁性プラスチックフィルム一般であるが、非限定的な例を示せば、ポリイミド以外には、アラミド、ポリエーテルサルホン(PES)、ポリエチレンナフタレート(PEN)、ポリエチレンテレフタレート(PET)などである。フィルム基板100の厚みは、例えばステッピングロール方式あるいはロール・ツー・ロール方式による成膜の際にロールに巻き取ることが可能であるかどうか、また、機械的強度が十分であるかどうかを勘案して決定することができる。
裏面電極310の材質は、典型的にはMoである。CIGS半導体層320は、その裏面電極310の面に接して蒸着法などの手法によって形成される。CIGS半導体層320と裏面電極310との界面には、セレン(Se)とモリブデンの化合物の安定性の高い層が形成されるため、CIGS半導体層320の結晶成長が促進される。
CIGS半導体層320の組成であるCIGSとは、Cu、In、Ga、およびSe(銅、インジウム、ガリウム、セレン)などの元素により、例えばCu(In1−xGa)Seと表現されるものである。ここで、CIGS半導体層320では、p型の導電型となるように、Cuと、(In+Ga)との間で組成が調整される。また、作製される太陽電池1000はGaの比率に比例し開放電圧(VOC)が増大する性質を示す。
また、CIGS半導体層320に積層されるバッファー層330は、典型的には、CBD薬液を利用して硫化カドミウム(CdS)を形成するCBD法により形成されたバッファー層である。また、バッファー層330の別の組成として、ZnS、ZnO、ZnOHなどや、ZnSe、ZnInSe、In、ZnMgO等を採用することができる。いずれの材料を採用する場合であっても、本実施形態の太陽電池1000における、バッファー層330はCBD法により形成される。
透明電極層340は典型的には、高抵抗透明電極層342および低抵抗透明電極層344を含んでいる。つまり、高抵抗透明電極層342はバッファー層330に接して配置され、その高抵抗透明電極層342の表面に接して低抵抗透明電極層344が配置される。また、高抵抗透明電極層342や低抵抗透明電極層344の透明導電性材料は、各種の透明導電性材料を用いることが可能でありその材質は特に限定されない。高抵抗透明電極層342は例えばZnO層とされる。また、低抵抗透明電極層344の透明導電性材料は、典型的には、ITO、SnO、TiO、ZnO、IZO(In−ZnO、登録商標)などの金属酸化物の透明導電性材料のいずれかまたはその組み合わせ(積層体または混合物)を選択することができる。
[1−3 フレキシブルCIGS系薄膜太陽電池の製法]
次に、図1および図2を参照して説明した太陽電池1000を作製する手法について説明する。図3は、本実施形態の太陽電池1000を製造する工程の概略を説明するフローチャートである。まず、フィルム基板100の一方の面100Aの上に裏面電極310となる層を形成する(裏面電極層形成工程S106)。次にフィルム基板100の他方の面100Bの上に第1接続配線層410となる層を形成する(第1接続配線層形成工程S108)。次いで、裏面電極310に接するCIGS半導体層320を形成する(CIGS層形成工程S114)。CIGS半導体層320の形成手法は、フィルム基板100の耐熱性の観点から、例えば多源蒸着法(同時蒸着法)が好適である。さらに、CIGS半導体層320に接するバッファー層330をCBD法などの溶液成長法により形成する(S118)。バッファー層330の面の上には、高抵抗透明電極層342および低抵抗透明電極層344からなる透明電極層340が形成される(高抵抗透明電極層形成工程S122、低抵抗透明電極層形成工程S124)。これにより、裏面電極310、CIGS半導体層320、バッファー層330および透明電極層340を有する光電変換層300が一方の面100Aの面において形成される。
本実施形態の太陽電池1000を製造する工程は、接続配線層を形成する工程(第2接続配線層形成工程S126)をさらに含んでいる。第2接続配線層形成工程S126は、フィルム基板100の他方の面100Bの面の上に、一方の面100Aの面における光電変換層300を利用した直列接続を確立するための接続配線層400の少なくとも一部(例えば第2接続配線層420)を形成する工程である。第2接続配線層形成工程S126が実行されるのは、溶液成長工程S118より後のいずれかのタイミングである。
本実施形態の太陽電池1000を製造する工程は、さらに、保護層形成工程(S116)と保護層除去工程(S120)とを含んでいる。保護層形成工程S116は、バッファー層330のCBD法のCBD薬液の接触を防ぐための保護層200を配置する工程であり、溶液成長工程S118より前のいずれかのタイミングに実行される。この保護層形成工程S116において、保護層200は、フィルム基板100の他方の面100Bの上に、つまり、その他方の面100Bの表面またはその時点で形成されている膜または層の表面に密着させて配置される。これに対し保護層除去工程S120は、保護層を除去する工程であり、溶液成長工程S118より後かつ接続配線層形成工程である第2接続配線層形成工程S126より前のいずれかのタイミングに実行される。したがって、図3に示した保護層形成工程S116および保護層除去工程S120の処理のタイミングは例示のものに過ぎない。
[1−4 保護層の詳細]
[1−4−1 保護層の作用]
次に、保護層200についてその詳細を説明する。保護層200は、CBD薬液がフィルム基板100の他方の面100B側の表面に接触することを防ぐために形成される。CBD法のためにその時点での太陽電池1000全体が当該CBD薬液に浸漬される。このようなバッファー層330の形成手法は、一般に、一方の面100Aの側において、CIGS半導体層320の表面または表面付近の内部に対して、pn接合の形成等の作用を及ぼすことにより、太陽電池1000の発電効率を高めることに寄与するとされている。ただし、フィルム基板100の他方の面100Bの側においては、他方の面100Bの表面またはその時点において当該他方の面100Bの側に形成されている膜または層の表面にも付着力低下の悪影響を及ぼす。本願の発明者は、上記付着力低下の原因は、CdSなどのバッファー層の材料による薄層が他方の面100Bの面にも形成されるためと推測している。
なお、上述した推測は、本実施形態を説明するためのものに過ぎず、その正確性は本実施形態の手法の有効性とは無関係である。例えば、バッファー層と同一の材料による薄層が形成されることではなく、溶液成長のために薬液に浸漬する工程によって、第1接続配線層410の表面に薬液の何らかの成分が残留したり、第1接続配線層410を通してフィルム基板100が吸湿するなどの影響を受けたり、といった別のメカニズムが付着力の低下に関与している可能性も否定しがたい。ただし、そうであったとしても、保護層200を適時に形成し除去することは十分に有効である。保護層200によりCBD薬液の接触を回避することは、CBD法の溶液成長によりもたらされる付着力の低下を未然に防ぐための有効な手段であることを確認している。
[1−4−2 保護層の形成および除去の典型例]
本実施形態において保護層200を形成するための具体的手段は限定されるものではない。同様に、保護層200を除去するための具体的手段も限定されない。これらの具体的手段は、保護層200が適切に形成され除去される限り任意の手段を組み合わせて行なうことができる。そして典型的な保護層200は、適当な基材と粘着層を積層した粘着フィルムである。その際、保護層形成工程S116は、保護層200である粘着フィルムの粘着面を、フィルム基板100の他方の面100Bの表面に接触させることにより、または他方の面100Bに形成されている膜または層(例えば第1接続配線層410)の表面に接触させることにより、粘着フィルムを密着させて配置するものである。そして、保護層除去工程S120は、粘着フィルムを他方の面から剥離する工程である。このような工程に好適な保護層200の具体例は、例えばダイシングテープなどとも呼ばれるシリコンウエハー仮固定用の樹脂フィルムである。また、一般にマスキングテープなどと呼ばれるテープを採用することもできる。
[1−4−3 他の保護層の例]
本実施形態における保護層200にはさらに広汎な技術が利用可能である。例えば、剥離可能なマスキング用樹脂層またはレジスト層を形成するコーティング、といった技術を採用することができる。また、粘着ではなく吸着性のあるフィルムを貼着することも有効である。一時的に接着できる層を形成することであってもよい。いずれにしても、第1にCBD薬液の接触を防ぐことができる層または膜であること、第2にフィルム基板100の他方の面100Bの上に密着させられること、第3に事後的に除去できること、という条件を満たせば、任意の層を本実施形態における保護層200の候補とすることができる。そして、密着させるための具体的な手法も、フィルムであれば、例えばローラーによる加圧、溶液であれば塗布および乾燥といった任意の手法を採用することができる。
[1−5 SCAF構造のフレキシブルCIGS系薄膜太陽電池]
図4は、本実施形態において直列接続を確立するためにSCAF構造を採用する、フレキシブルCIGS太陽電池1200(以下、「SCAF−CIGS太陽電池1200」)の構成を示す概略斜視図であり、図4(a)はSCAF−CIGS太陽電池1200の全体構成の概略を示し、図4(b)、(c)は、それぞれ、第1貫通孔102および第2貫通孔104付近の電流の様子を示す部分拡大図である。SCAF−CIGS太陽電池1200において、光電変換層300は、互いに区切られた複数の光電変換領域300、300となっている。同様に、接続配線層400も、互いに区切られた複数の接続配線領域400、400となっている。各接続配線領域(例えば、接続配線領域400)は、フィルム基板100の一方の面100Aの側において互いに隣接する二つの光電変換領域300、300にフィルム基板100を挟んで対向するようにして他方の面100Bの側に配置されている。より詳細には、図4(b)に示すように、一の光電変換領域300の裏面電極310が、フィルム基板100を貫通する第1貫通孔102の内壁に延びた当該裏面電極310の延長部を通じて第1貫通孔102の内壁に延びた一の接続配線領域400に接続している。また、図4(c)に示すように、別の光電変換領域300の透明電極層340は、フィルム基板100を貫通する第2貫通孔104の内壁に延びた当該透明電極層340の延長部を通じて第2貫通孔104の内壁に延びた、一の接続配線領域400に接続している。こうして、複数の光電変換領域300、300の直列接続が複数の接続配線領域400、400により確立されている。
[1−6 SCAF構造のフレキシブルCIGS系薄膜太陽電池の製法]
次に、本実施形態の太陽電池1000のためにSCAF構造を採用する場合の製法を詳述する。図5は、本実施形態のSCAF−CIGS太陽電池1200の平面図であり、図6は概略断面図である。また、図7は、本実施形態においてSCAF−CIGS太陽電池1200を作製する場合の工程を示すフローチャートである。なお、図7において、既に説明した図3に対応する工程があるものには同一の符号を付している。
フィルム基板100にはまず、第1貫通孔102(直列接続孔)のための開口を形成する。このために打ち抜き金型(パンチ)によりフィルム基板100の所定の位置に開口を設ける(第1貫通孔形成工程S102)。次いで、フィルム基板100を減圧下にて加熱することにより、フィルム基板100の材質のポリイミドフィルムから放出されるガスを除去する脱ガス処理S104を行なう。なお、この脱ガス処理S104は第1貫通孔形成工程S102の前後いずれかもしくは両方において実施してもかまわない。
その後、フィルム基板100の一方の面100Aに裏面電極310となる層を形成し(S106)、次いで、フィルム基板100の他方の面100Bに接続配線層400のフィルム基板100側の層となる第1接続配線層410を形成する(第1接続配線層形成工程S108)。裏面電極310となる層としては、例えばモリブデン(Mo)を膜厚500nmとなるようにスパッタリング法により形成する。また、第1接続配線層410の材質としても、例えば裏面電極310となる層と同じくMoを採用する。これら裏面電極310となる層および第1接続配線層410を形成する際の成膜法はスパッタリング法に限られず、真空蒸着法やスプレー成膜法、印刷法、塗布法、めっき法を採用することもできる。
裏面電極層形成工程S106と第1接続配線層形成工程S108とを終えた状態では、フィルム基板100の一方の面100Aに形成した裏面電極310となる層と他方の面100Bに形成した第1接続配線層410の層とが第1貫通孔102(直列接続孔)の内側にも回り込む。このため、これらの層は、第1貫通孔102の内壁面またはその付近において直接重なり、互いに電気的に接続される(図6)。
第1接続配線層形成工程S108を終えると、任意選択として、第1面パターニング工程S110を行い、その時点においてフィルム基板100の一方の面100A(第1面)に形成されている裏面電極310を分離線SL1にて分離する。その後、第1貫通孔102の場合とは別の打ち抜き金型を用いフィルム基板100に第2貫通孔104(集電孔)のための開口を形成する(第2貫通孔形成工程S112)。この際には、フィルム基板100のみならず、その段階においてフィルム基板100に形成されている裏面電極310となる層および第1接続配線層410をも貫通して第2貫通孔104を形成する。第2貫通孔形成工程S112においては、裏面電極310および第1接続配線層410が第2貫通孔104断面できれいに切断され、第2貫通孔104の内部には、この段階では電極が存在しない。なお、この第2貫通孔104(集電孔)は最終的には集電用として用いられ、その内部にて、第2接続配線層420(第2接続配線層形成工程S126にて形成)と透明電極層340(低抵抗透明電極層形成工程S124にて形成)とが接続される。第2貫通孔104は十分な数だけ形成されていれば、仮に透明電極層340がシート抵抗の高い透明導電性材料であったとしても、フィルム基板100全体の電力損失を増大しにくくすることが可能である。
さらに、フィルム基板100の一方の面100A側にはCIGS半導体層などを含む光電変換層300を形成する。具体的には、光電変換層300として、CIGS層形成工程S114により裏面電極310に接するCIGS半導体層320を形成する。なお本実施形態においてCIGS半導体層320を形成する際の成膜手法は特段限定されない。さらに、保護層形成工程S116において、保護層200を他方の面100Bの面の側に形成する。例えば保護層200が粘着フィルムであれば、他方の面100Bに形成されている膜の表面に粘着層を密着させて貼着する。そして、溶液成長工程S118において、一方の面100AのCIGS半導体層320に接してバッファー層330が形成される。その際、その時点でのSCAF−CIGS太陽電池1200全体がCBD薬液に浸漬されるものの、保護層200(図6には図示しない)が配置される他方の面100Bに形成されている第1接続配線層410にはCBD薬液は接触しない。そして溶液成長工程S118に続き、保護層200を取り除く保護層除去工程S120が行なわれる。
この時点で一方の面100Aにはバッファー層330が形成されているため、高抵抗透明電極層形成工程S122および低抵抗透明電極層形成工程S124にて、透明電極層340が形成される。高抵抗透明電極層342と低抵抗透明電極層344は、それぞれの材料のターゲットを利用したスパッタリング法により形成される。この際、光電変換層300の両側最端部(図5)、すなわち、第1貫通孔102が設けられる部分には、マスクを掛けて透明導電性材料を堆積させないようにする。こうして、この部分において光電変換層300を露出させ、透明電極層340を第1貫通孔102の領域に形成させないようにする。また、他方の面100Bは、既に保護層200が除去されているため、第1接続配線層410の表面に第2接続配線層420が形成される。なお、高抵抗透明電極層形成工程S122および低抵抗透明電極層形成工程S124の具体的手法としてはRFスパッタリング、DCスパッタリング、印刷法、塗布法なども採用することができる。
次いで、フィルム基板100の他方の面100B側の全面に、第1接続配線層410とともに接続配線層400をなす第2接続配線層420の層が形成される(第2接続配線層形成工程S126)。第1接続配線層410の表面には、CBD薬液が一度も接触していないため、第2接続配線層420の付着力の低下は防止することができる。この第2接続配線層420の層としては、例えばニッケルなどの金属材料などの低抵抗の導電層が形成される。第2接続配線層形成工程S126を終えると、フィルム基板100の一方の面100Aに形成した透明電極層340となる層とフィルム基板100の他方の面100Bに形成した第2接続配線層420の層とが第2貫通孔104の内壁面またはその付近にて直接重なり、互いに電気的に接続される(図6)。なお、第2接続配線層420はフィルム基板100の他方の面100Bにおいて第1接続配線層410にも接するように形成される。このため、他方の面100Bにおける第1接続配線層410および第2接続配線層420は互いに電気的に接続され、接続配線層400のための積層膜をなしている。
第2接続配線層形成工程S126の後、フィルム基板100の一方の面100A(第1面)側に、再び分離線SL1によるパターニングを行なう(第1面パターニング工程S128)。このパターニングの結果、CIGS半導体層320およびバッファー層330が裏面電極310と同一の形状を有することとなる。透明電極層340は、第1貫通孔102の付近には形成されてはいないが、分離線SL1の付近は裏面電極310と同じ位置において区切られる。こうして、分離線SL1に囲われる形状のうち、端部付近を除き、裏面電極310、CIGS半導体層320、バッファー層330、透明電極層340がこの順に積層された単位セルが形成される。
また、単位セルを形成する工程をより確実に行うため、ここに示した第1面パターニング工程S128に加えて予備的なパターニング処理(例えば第1面パターニング工程S110)を行なうことも好ましい。この予備的なパターニング処理は、例えば、裏面電極層形成工程S106よりも後であって、CIGS層形成工程S114よりも前となるいずれかの段階にて実施する。この予備的なパターニング処理の際にも、裏面電極310が区切るようにパターニングされるのは分離線SL1の位置である。
最後に、フィルム基板100の他方の面100B(第2面)の側に対しても分離線SL2の位置にレーザー加工を施す(第2面パターニング工程S130)。この第2面パターニング工程S130においては、第2接続配線層420と第1接続配線層410とを同時に分離する。これらのパターニングは典型的にはレーザーを利用したスクライブ処理(レーザースクライブ)により行なわれる。以上の処理により、SCAF−CIGS太陽電池1200を作製することができる。その後、耐久性を確保するために、封止材や保護シート(いずれも図示しない)により封止される。
[1−7 保護層の形成および除去の手法]
本実施形態において、太陽電池1000およびSCAF−CIGS太陽電池1200において、CIGS半導体層320の形成の際に成膜処理の処理効率を高めるための他の工夫も有用である。例えば、フィルム基板100が長尺基板である場合、フィルム基板100を連続搬送させながら連続成膜するロール・ツー・ロール方式は、本実施形態のための好ましい工程として採用することができる。これ以外にも、搬送モードと成膜モードとを繰りかえすように動作して、成膜モードにおいては基板を停止させた状態となるようにし成膜処理を進める手法(ステッピングロール法)もまた本実施形態の好ましい工程として採用することができる。これに応じて、保護層形成工程S116、溶液成長工程S118、保護層除去工程S120(図3、図7)のためにも長尺基板であることを活かした効率のよい処理を行なうことができる。
図8は、保護層200の形成S116(図8(a))、溶液成長工程S118(図8(b))、保護層200の除去S120(図8(c))の各工程を、長尺基板のロールを利用して処理する一例の処理工程の状態を示す模式図である。図8において、太陽電池1000またはSCAF−CIGS太陽電池1200の製造途中のフィルム基板100である処理中基板100Dと保護層200は、ともに長尺のものとされる。保護層形成工程S116として、図8(a)に示すように、まずCIGS層形成工程S114まで処理した長尺のフィルムの処理中基板100DのロールであるロールRW1から処理中基板100Dを巻出す。保護層200も、ロールRC1から巻出し、ロール対RP1、RP2により保護層200をフィルム基板100に貼着する。保護層200の粘着面は、図の紙面上の上方を向いており、フィルム基板100の他方の面100Bの面である処理中基板100Dの紙面上下方の面に対して貼着される。保護層200が貼着された処理中基板100Dは巻取られてロールRW2とされる。次いで、溶液成長工程S118として、図8(b)に示すように、ロールRW2から保護層200付きの処理中基板100Dを巻出して、CBD法のためのCBD薬液が貯留されているバスCBに通される。CBD薬液は、温度、濃度が管理されて図示しない攪拌手段により攪拌されている。薬液バスCBを通った保護層200付きの処理中基板100Dは、紙面上上面にはバッファー層330が形成されている。その後、図示しないエアナイフなどによりCBD薬液が除去されて巻取られ、ロールRW3とされる。保護層除去工程S120では、このロールRW3から図8(c)に示すように保護層200付きの処理中基板100Dが巻出される。そして、保護層200が剥離されて処理中基板100Dが再びロールRW4に巻取られ、一方の保護層200も巻取られてロールRC2とされる。ロールRW4における処理中基板100Dの他方の面100Bの第1接続配線層410の表面には、CBD薬液は一度も接触しない。
このような処理を行なうことにより、長尺基板を用いて生産効率が高められている太陽電池1000またはSCAF−CIGS太陽電池1200の生産効率を低下させにくい保護層形成工程S116、溶液成長工程S118、そして保護層除去工程S120を実行することができる。
[2 実施例]
上述した実施形態のSCAF−CIGS太陽電池1200の効果を実施例により確認した。以下の実施例に示す材料、使用量、割合、処理内容、処理手順、要素または部材の向きや具体的配置等は本発明の趣旨を逸脱しない限り適宜変更することかできる。したがって、本発明の範囲は以下の具体例に限定されるものではない。
実施例として、SCAF−CIGS太陽電池1200の構造のサンプル(実施例サンプル)を図6の工程に従って作製し、第2接続配線層420の剥離力を調査した。この際、比較例として、保護層200を利用せず他方の面100B側の面に形成された第1接続配線層410にもCBD薬液が接触する状態で作製したサンプル(比較例サンプル)も作製した。比較例サンプルは、保護層形成工程S116、保護層除去工程S120を実行せずに作製した。
具体的には、フィルム基板100としては厚さ25μmポリイミドフィルムを採用した。なお25μm厚のポリイミドフィルムは、幅50cm、長さ100mもの長尺のものも容易に入手可能なものである。このフィルム基板100に、直列接続のために用いる第1貫通孔102を開けた(図6、S102)。脱ガス処理S104の後、フィルム基板100の一方の面100Aに、裏面電極310を形成し(S106)、他方の面100Bに第1接続配線層410を形成した(S108)。第1面パターニング工程S110により裏面電極310を分離線SL1にて分離する。そして、第2貫通孔形成工程S112において、第2貫通孔104を穿孔した。第2貫通孔形成工程S112の後、CIGS層形成工程S114として、裏面電極310の上にCIGS半導体層320を形成した。そして、保護層形成工程S116により保護層200を他方の面100Bに形成した。そして、その時点の保護層200付きのフィルム基板100をCBD薬液に浸漬してCBD法によりバッファー層330を溶液成長させた(S118)。その後、保護層除去工程S120により保護層200を除去した。高抵抗透明電極層形成工程S122、低抵抗透明電極層形成工程S124により、高抵抗透明電極層342、低抵抗透明電極層344を形成して透明電極層340とした。次に、他方の面100Bの第1接続配線層410の上に第2接続配線層420を形成した(S126)。続いて、上面の分離線SL1において、既に分離されている裏面電極310に加え、CIGS半導体層320、バッファー層330、高抵抗透明電極層342、低抵抗透明電極層344、を複数の光電変換部に分離した(S128)。さらに、フィルム基板100の他方の面100Bの分離線SL2において、接続配線層400を除去して各直列接続セルの分離を行った(S130)。
このようにして、SCAF−CIGS太陽電池1200(図4、図5、図6)の構造のSCAF構造のCIGS太陽電池の実施例サンプルを作製した。また、保護層形成工程S116と保護層除去工程S120とを行なわず、保護層200を使用しないで他方の面100BにCBD薬液を接触させた以外は実施例サンプルと同様にして比較例サンプルも作製した。
実施例サンプルと比較例サンプルを対象にして、接続配線層400の第1接続配線層410と第2接続配線層420との間の付着力を評価した。評価はテープ剥離試験とし、実施例サンプルと比較例サンプルそれぞれから試験片を10片ずつ切り出して行なった。その結果、実施例サンプルでは10片のうち第2接続配線層420が剥離したものはみられなかった。その一方、比較例サンプルは、10片のうち6片において、第2接続配線層420の一部分が剥離した。
以上、本発明の実施形態を具体的に説明した。上述の実施形態、実施例は、発明を説明するために記載されたものであり、本出願の発明の範囲は、特許請求の範囲の記載に基づいて定められるべきものである。また、実施形態の他の組合せを含む本発明の範囲内に存在する変形例もまた、特許請求の範囲に含まれるものである。
本発明はフレキシブル薄膜太陽電池を利用する任意の電気機器に適用することができる。
1000 フレキシブルCIGS太陽電池
1200 フレキシブルCIGS太陽電池(SCAF−CIGS太陽電池)
100 フィルム基板
100A 一方の面(第1面)
100B 他方の面(第2面)
100D 処理中基板
102 第1貫通孔(直列接続孔)
104 第2貫通孔(集電孔)
200 保護層
300 光電変換層
300、300 光電変換領域
310 裏面電極
320 CIGS半導体層
330 バッファー層
340 透明電極層
342 高抵抗透明電極層
344 低抵抗透明電極層
400 接続配線層
400、400 接続配線領域
410 第1接続配線層
420 第2接続配線層
SL1、SL2 分離線
RW1〜RW3 ロール
RC1、RC2 ロール
RP1、RP2 ロール対

Claims (4)

  1. 絶縁性のフィルム基板の一方の面の上に裏面電極を形成する工程と、
    該裏面電極に接するCIGS半導体層を形成する工程と、
    該CIGS半導体層に接するバッファー層を溶液成長により形成する溶液成長工程と、
    該バッファー層の面の上に透明電極層を形成することにより、前記裏面電極、前記CIGS半導体層、前記バッファー層および前記透明電極層を前記フィルム基板の側からこの順に有する光電変換層を前記一方の面において形成する工程と、
    前記溶液成長工程より後に、前記フィルム基板の他方の面の上に、前記一方の面における前記光電変換層を利用した直列接続を確立するための接続配線層の少なくとも一部を形成する接続配線層形成工程と
    を含み、
    前記溶液成長工程より前に、前記バッファー層の溶液成長のための薬液の接触を防ぐための保護層を前記フィルム基板の前記他方の面の上に密着させて配置する保護層形成工程と、
    前記溶液成長工程より後かつ前記接続配線層形成工程より前に、前記保護層を除去する保護層除去工程と
    をさらに含む
    CIGS系薄膜太陽電池の製造方法。
  2. 前記保護層が粘着フィルムであり、
    前記保護層形成工程は、該粘着フィルムの粘着面を、前記フィルム基板の前記他方の面の上に接触させることにより、前記粘着フィルムを密着させて配置するものであり、
    前記保護層除去工程が、前記粘着フィルムを前記他方の面から剥離する工程である
    請求項1に記載のCIGS系薄膜太陽電池の製造方法。
  3. 絶縁性のフィルム基板の一方の面の上に形成された、裏面電極、CIGS半導体層、バッファー層および透明電極層を有する光電変換層と、
    前記フィルム基板の他方の面の上に形成された、前記一方の面における前記光電変換層を利用した直列接続を確立するための接続配線層と
    を備え、
    前記バッファー層は、前記接続配線層の少なくとも一部を形成する前に、薬液の接触を防ぐための保護層を前記フィルム基板の前記他方の面の上に密着させて配置しながら溶液成長されたものであり、前記接続配線層の前記少なくとも一部が前記保護層を除去した後に形成されている
    CIGS系薄膜太陽電池。
  4. 前記光電変換層が互いに区切られた複数の光電変換領域となっており、
    前記接続配線層が互いに区切られた複数の接続配線領域となっており、
    各接続配線領域は、前記フィルム基板の前記一方の面の側において互いに隣接する二つの光電変換領域に前記フィルム基板を挟んで対向するようにして前記他方の面の側に配置されており、
    一の光電変換領域の裏面電極が、前記フィルム基板を貫通する第1貫通孔の内壁に延びた当該裏面電極の延長部を通じて該第1貫通孔の内壁に延びた一の接続配線領域に接続しており、
    別の光電変換領域の透明電極層が、前記フィルム基板を貫通する第2貫通孔の内壁に延びた当該透明電極層の延長部を通じて該第2貫通孔の内壁に延びた前記一の接続配線領域に接続しており、
    これにより、前記複数の光電変換領域の直列接続が前記複数の接続配線領域により確立されている
    請求項3に記載のCIGS系薄膜太陽電池。
JP2012132842A 2012-06-12 2012-06-12 Cigs系薄膜太陽電池およびその製造方法 Pending JP2013258246A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2012132842A JP2013258246A (ja) 2012-06-12 2012-06-12 Cigs系薄膜太陽電池およびその製造方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2012132842A JP2013258246A (ja) 2012-06-12 2012-06-12 Cigs系薄膜太陽電池およびその製造方法

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2013258246A true JP2013258246A (ja) 2013-12-26

Family

ID=49954438

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2012132842A Pending JP2013258246A (ja) 2012-06-12 2012-06-12 Cigs系薄膜太陽電池およびその製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2013258246A (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2019161207A (ja) * 2018-03-14 2019-09-19 北京▲伯▼陽頂栄光伏科技有限公司 複合材料、化学水浴堆積方法とcigsソーラーモジュールの製造方法

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2019161207A (ja) * 2018-03-14 2019-09-19 北京▲伯▼陽頂栄光伏科技有限公司 複合材料、化学水浴堆積方法とcigsソーラーモジュールの製造方法

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US20110155209A1 (en) Thin film solar cell and photovoltaic string assembly
US20080053522A1 (en) Thin Film Solar Cell With Finger Pattern
EP2487724A2 (en) Photovoltaic power-generating apparatus and method for manufacturing same
US20120174977A1 (en) Solar Power Generation Apparatus and Manufacturing Method Thereof
KR100999797B1 (ko) 태양광 발전장치 및 이의 제조방법
KR101154786B1 (ko) 태양전지 및 이의 제조방법
CN103515454A (zh) 薄膜太阳能电池模块及其制造方法
KR101114099B1 (ko) 태양광 발전장치 및 이의 제조방법
KR20130042206A (ko) 태양광 발전장치 및 이의 제조방법
CN113169241B (zh) 光伏模组
KR20130065882A (ko) 태양전지 모듈 및 이의 제조방법
KR20110047724A (ko) 태양전지 및 이의 제조방법
KR101338610B1 (ko) 태양광 발전장치 및 이의 제조방법
JP2013258246A (ja) Cigs系薄膜太陽電池およびその製造方法
KR101241467B1 (ko) 태양전지 및 이의 제조방법
KR101172186B1 (ko) 태양광 발전장치 및 이의 제조방법
KR20130136739A (ko) 태양전지 및 이의 제조방법
KR101231284B1 (ko) 태양전지 및 이의 제조방법
KR101306525B1 (ko) 태양전지 모듈 및 이의 제조방법
KR101063721B1 (ko) 태양전지 및 이의 제조방법
KR101144447B1 (ko) 태양광 발전장치 및 이의 제조방법
KR20150094944A (ko) 그래핀을 후면전극으로 적용한 cigs계 태양전지의 연결전극 형성방법
KR101209982B1 (ko) 태양전지 및 이의 제조방법
KR20120022231A (ko) 태양광 발전장치 및 이의 제조방법
KR101393743B1 (ko) 태양전지 및 이의 제조 방법