JP2013257159A - 放射線又は放射能を測定するための測定装置及び測定方法 - Google Patents

放射線又は放射能を測定するための測定装置及び測定方法 Download PDF

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Abstract

【課題】水底に沈殿している測定対象の放射線量や放射能濃度を安全かつ他の場所にある放射性物質の放射線の影響を受けることなく、正確に測定することができる放射線又は放射能測定装置を提供する。
【解決手段】放射線量を測定する放射線量計12と、水底Bに沈殿している測定対象を採取する採取位置及び水底Bから所定距離離間した水中の退避位置の間を移動可能に構成された測定対象採取器13とを備え、前記放射線量計12が、前記退避位置において前記測定対象採取器13により採取された測定対象の放射線量を測定するように構成した。
【選択図】図2

Description

本発明は、測定対象の放射線量又は放射能濃度を測定するための測定装置及び測定方法に関するものである。
近年、大気中や土壌中に含まれる放射性物質による放射線量や放射能濃度の測定が関心事となっている。
ところで、大気中や土壌中等に含まれている放射性物質は、雨等に流されることにより最終的に河川、池、沼、海、下水処理場等の水底に汚泥等に含まれる形で沈殿し堆積することになると予想されている。
従って、大気中や土壌中だけでなく水底の汚泥等を測定対象として放射線量や放射能濃度の評価し、安全性の確認等を進めることが現在求められつつある。
水底にある測定対象からの放射線を測定するための測定システムとしては例えば、特許文献1に示されるように海底からのγ線等の放射線を測定するための放射線測定システムが挙げられる。
このものは、海上の母船と有線接続された海底付近を航行する無人潜水艇に放射線検出器を搭載したものであり、前記無人潜水艇を移動させることで海底の各地点での放射線を検出するように構成されたものである。
しかしながら、特許文献1で示される放射線測定システムでは、無人潜水艇が海底近傍で放射線を測定しているため、無人潜水艇の直下の汚泥等からだけでなく、付近の他の場所にある汚泥等からの放射線も測定してしまうことになり、放射能の強度を定量的に評価することが難しい。
また、現在行われている海底の汚泥による放射線の別の測定方法としては、海底における各地点の汚泥を直接採取し、その後、汚泥を陸上の研究室等にある放射能測定装置まで搬送して放射線の測定を行う方法が挙げられる。
このような方法であれば、汚泥に含まれる放射性物質や放射線について定量的に評価することができるものの、海底から陸上にある研究所等まで測定対象である汚泥を搬送する必要があるため非常に手間がかかってしまう。加えて、研究所等に配備されている放射能測定装置は非常に高価なものが多く、配備数を増やして放射能測定にかかる時間を短縮することは難しい。
また、仮に汚泥に高濃度の放射性物質が含まれている場合には、汚泥の採取時や搬送時に作業者が被ばくする恐れもあり安全性の点でも問題がある。
さらに、研究所等まで搬送された汚泥は、放射性物質を多量に含んでいる可能性があるため、簡単に処分することができず、最終処分地が決まらない場合には研究所等で保管し続けなくてはならない。例えば海底汚泥の放射能強度マップを広範囲において正確に作成しようとすると、非常に多量の汚泥が研究所に持ち込まれることになるので研究所等の保管能力を超える場合には汚泥等の持ち込みが制限されて、放射線量のマッピングを進めるのに支障をきたす恐れがある。
特開2008−58113号公報
本発明は上述したような問題を一挙に解決して、水底に沈殿している測定対象の放射線量や放射能濃度を安全かつ他の場所にある放射性物質の放射線の影響を受けることなく、正確に測定することができる測定装置及び測定方法を提供することを目的とする。
すなわち、本発明の放射線又は放射能を測定するための測定装置は、放射線量を測定する放射線量計と、水底に沈殿している測定対象を採取する採取位置及び水底から所定距離離間した水中の退避位置の間を移動可能に構成された測定対象採取器とを備え、前記放射線量計が、前記退避位置において前記測定対象採取器により採取された測定対象の放射線量を測定するように構成されたことを特徴とする。
また、本発明の放射線又は放射能を測定するための測定方法は、水底に沈殿している測定対象を採取する採取ステップと、前記採取ステップ後に水底から所定距離離間した水中の退避位置において測定対象の放射線量を測定する測定ステップとを備えたことを特徴とする。
ここで、水底とは少なくとも河川、池、沼、湖、海、下水処理等の貯水池、プール等の水に満たされた場所における底を含む概念である。
このようなものであれば、前記放射線量計が、前記退避位置において前記測定対象採取器により採取された測定対象の放射線量を測定するように構成されているので、水底にある測定対象以外の放射性物質から測定対象を十分離間している状態であり、測定対象以外からの影響を前記放射線量計が受けないようにしてから測定対象の放射線量を測定することができる。
しかも、水中において測定を行っているので水底と前記放射線量計との間に存在する水は放射線の遮蔽物となるため、測定対象の放射線量のみをより正確に測定することができる。つまり、測定対象以外からの放射線の影響を受けにくいので、安価で分解能の低い放射線量計を用いたとしても水底の放射線を正確に測定することができ、測定装置を構成するためのコストを低減することもできる。
さらに、前記測定対象採取器により水底に沈殿している測定対象を採取した後、水上に揚げることなく水底から所定距離離間した水中の退避位置において放射線量の測定が行われるので、例えば、研究所等に測定対象を搬送する手間が発生せず、しかも、作業者が直接測定対象と接触することがないので被ばくの恐れもない。
従って、本発明によれば測定時における手間を軽減し、作業者の安全性を確保しながらも、水底に沈殿している測定対象の放射線量について正確に測定することができ、例えば、海底等に貯まった汚泥中に含まれる放射線量を示した放射線マップ等を精度よく容易に作成できるようになる。
前記測定対象採取器により採取された測定対象の放射線量を最も精度よく測定するには、前記測定対象採取器により測定対象が採取されていない状態において前記放射線量計により測定される放射線量が所定値以下の位置に設定されていればよい。例えば、自然界において通常存在するレベルのバックグラウンドの放射線量値以下に前記所定値を設定する、あるいは、水底から放射線量計を上昇させていくにつれて測定される放射線量が一定値に収束する場合の値に前記所定値を設定して、測定時に水底の放射性物質からの影響を受けないようにすればよい。
水底に沈殿している測定対象に含まれる放射能濃度を測定できるようにするには、前記測定対象採取器により採取された測定対象の重量を測定する重量測定部と、前記放射線量計により測定された測定対象の放射線量及び前記重量測定部により測定された測定対象の重量に基づいて測定対象の放射能濃度を算出する放射能濃度算出部とを更に備えたものであればよい。
前記測定対象採取部により採取された測定対象の重量を簡単な構成で精度よく測定できるようにするための具体例としては、少なくとも前記測定対象採取器を懸架し、水中における長さを変更可能に構成されたケーブルを更に備え、前記重量測定部が、前記ケーブルにかかる張力を測定するテンションメーターと、水中の導電率を測定する導電率計と、前記テンションメーターにより測定される測定対象の採取前後における各張力及び前記導電率計により測定される導電率から算出される浮力に基づいて測定対象の重量を算出する重量算出部とから構成された。
採取位置から確実に所定距離離間して、水底からの他の放射性物質からの放射線を前記放射線量計が測定しないようにするとともに、前記測定対象採取器の移動距離を必要最小限にして測定時間を短縮できるようにするには、前記測定対象採取器のある水深を測定する水深計を更に備え、前記水深計により測定される水深に基づいて前記採取位置と前記退避位置との離間距離が所定値となるように前記測定対象採取器の水中における位置が制御されるものであればよい。
採取された測定対象の処分に関する問題が発生しないようにし、作業者の被ばく等に対する安全性を確保するには、前記測定対象採取器が、前記放射線量計による測定対象の放射線量の測定が終了した後に測定対象を前記採取位置に戻すように構成されたものであればよい。
このように本発明の放射線又は放射能を測定するための測定装置及び測定方法によれば、水底から所定距離離間した水中の退避位置において、採取された測定対象の放射線量を測定するようにしているので、水底にある他の放射性物質からの放射線による影響を受けることなく、測定対象だけの放射線量を正確に測定することができる。また、採取された測定対象を水上に揚げずに、採取してすぐに水中で測定することができるので、測定対象を陸上にある研究所等に搬送する手間がなく、また、測定に従事する作業者に対して測定対象が近接することによる被ばくを防ぐことができ、安全性も高いものとすることができる。
本発明の一実施形態に係る放射能測定装置の使用例を示す模式図。 同実施形態における放射能測定装置の構成を示す模式図。 同実施形態における測定対象採取時及び放射能測定時の状態を示す模式図。 同実施形態における放射能測定装置の機能ブロック図。 同実施形態における放射能測定時の動作を示すフローチャート。
本発明の放射能測定装置100及び放射能測定方法の一実施形態について図1乃至5を参照しながら説明する。
本実施形態の放射能測定装置100は、水底Bに沈殿している測定対象の放射線量及び放射能濃度を測定するためのものである。本実施形態では特に波の安定している港湾や入り江等の海底に沈殿している汚泥中に含まれる放射性物質による放射線量及び放射能濃度を測定しており、海底の各地点で得られた放射能測定データは海底に関する放射線マップを作製するために用いられる。ここで、本実施形態では海底に沈殿している汚泥を測定対象としているが、例えば、河川、池、沼、湖、下水処理場の処理槽、プール等の底に沈殿しているその他のものを測定対象とすることもできる。
本実施形態の放射能測定装置100は、図1及び図2に示すように、測定結果等の演算及び表示が行われる本体部2と、海底の汚泥の採取及び採取された汚泥の放射線量の測定が行われる測定部1と、前記本体部2に基端が接続され、先端が前記測定部1に接続されたケーブル31及び前記ケーブル31にかかる張力を測定するテンションメーター32からなる懸架部3とから構成してある。図1に示すように前記放射能測定装置100は、海上の船Sから前記懸架部3の先端に接続された測定部1を水中に投下して使用するものであり、前記懸架部3の巻き取り機33(図1及び2には図示しない)からケーブル31のリリースされる量を調整することで水中における長さを変更して、前記測定部1の水深を調節できるようにしてある。
各部について詳述する。
前記測定部1は、図2に示すように概略卵型をしたカプセル状の収容体11と、前記収容体11の内部に収容された放射線量計12と、前記収容体11の下部に取り付けられた測定対象を採取するための測定対象採取器13と、前記収容体11の外部表面に一部が露出するように取り付けられた水深計14及び導電率計15とから構成してある。前記水深計14は水圧に基づいて前記放射線量計12及び前記測定対象採取器13のある水深を測定するものであり、前記導電率計15は、測定部1周囲の水の導電率を測定するためのものであり、本実施形態では導電率により塩分濃度を算出するために用いられる。
前記収容体11には、前記放射線量計12のセンシング部が常に直下にある測定対象採取器13との相対位置関係が変化しないように固定してある。また、前記放射線量計12、前記水深計14、前記導電率計15で測定された測定結果を前記懸架部3内の信号線を介して前記本体部2に送信するための配線等も収容してある。
前記放射線量計12は、前記測定対象採取部で採取された測定対象の放射線量を測定するためのものである。例えば、放射線により発光するCsI(Tl)シンチレータ(図示しない)と、当該CsIシンチレータの発光を検出するフォトダイオード(シリコンフォトダイオード)(図示しない)と、当該フォトダイオードにより得られた検出信号(電流信号)により放射線量を算出する演算器(図示しない)とを有するものである。なお、前記放射線量計12は、NaI(Tl)シンチレータを用いたものや、半導体、GM管を用いたものであってもよい。また、演算器により算出される測定値は1秒間あたりの放射線の計数率であるCPSとして出力するように構成してあるが、例えば、適宜換算係数を乗じて線量等量率Sv/hとして出力するものであってもよいし、一分間あたりの放射線の計数率であるCPMとして出力するものであってもよい。
前記測定対象採取器13は、例えば前記収容体11の下部に取り付けられたドリルであって、図3(a)に示しているような水底Bに沈殿している測定対象を採取する採取位置及び図3(b)に示しているような水底Bから所定距離離間した水中の退避位置との間を移動可能に構成したものである。本実施形態では、船S上における前記ケーブル31の巻きとり量を変化させることにより当該測定対象採取器13を水中において移動可能に構成してある。より具体的には、前記放射能測定装置100は、前記測定対象採取器13を少なくとも前記採取位置と、前記退避位置との間で移動させるための移動機構Pを備えたものであり、本実施形態では前記移動機構Pは、前記ケーブル31、前記巻き取り機33、後述する機器制御部21とから構成してある。
汚泥の採取に関する構成についてより詳述すると、この測定対象採取器13は、前記ケーブル31が巻き取り機33からリリースされ、水底Bに接触した状態で正転することでドリルの刃の間に汚泥等の測定対象を採取するものである。また、当該測定対象採取器13を逆転させることにより、採取された測定対象を水底のいずれかの位置又は採取した元の位置に戻せるようにもしてある。
前記本体部2は、CPU、メモリ、A/D、D/Aコンバータ、入出力端末等を備えたいわゆるコンピュータであって、前記メモリに格納されたプログラムを実行することにより、図4の機能ブロック図に示すような少なくとも機器制御部21、重量算出部22、放射能濃度算出部23としての機能を発揮するものである。
前記機器制御部21は、前記水深計14で測定される前記測定部1の現在ある水深に基づいて少なくとも前記放射線量計12、前記測定対象採取器13、前記巻き取り機33の動作を制御するものである。すなわち、前記機器制御部21は、各部を連携させることにより前記測定対象採取部を水底に移動させ、測定対象を採取し、水底Bから所定距離上方へと退避したのちに、前記放射線量計12による測定対象の放射能測定を開始させるものである。詳細については後述する本実施形態の動作とともに説明する。
前記重量算出部22は、前記測定対象採取部に採取された測定対象の重量を算出するものである。より具体的には前記重量測定部Wは、前記テンションメーター32により測定される測定対象の採取前後における各張力及び前記導電率計15により測定される導電率から算出される浮力に基づいて測定対象の重量を算出するものである。すなわち、採取前後における張力の差は前記測定対象の重量により生じるものであり、その重量の増加分を前記導電率計15で測定される導電率により算出される塩分濃度を用いて、前記測定対象にかかる浮力を算出し、その分を補正して実際の測定対象の質量を算出するように前記重量算出部22は構成してある。なお、本実施形態では、前記テンションメーター32、前記導電率計15、前記重量算出部22とから重量測定部Wが構成されている。
前記放射能濃度算出部23は、前記放射線量計12により測定された1秒間当たりの放射線量CPSと前記重量算出部22で算出された測定対象の重量とに基づいて、前記測定対象の放射能濃度Bq/kgを算出するものである。より具体的には、前記放射線濃度算出部23は、放射線線量については前記測定部1が前記退避位置にあり、測定対象が採取された状態において測定される放射線量と、測定対象が無い状態において測定されるバックグラウンドの放射線量の値を引いた正味の測定対象の放射線量を用いるように構成してある。
そして、前記本体部2は、前記放射能濃度算出部23で算出される放射能濃度と、その放射能濃度が測定された測定ポイントの位置データとを関連付けて記憶していくように構成してある。ここで前記本体部2は、位置データについて図示しない別途用意されたスマートフォン等のGPSを備えた機器から逐次取得できるように構成してある。
このように構成された放射能測定装置100における放射能測定時の動作について図5のフローチャートを参照しながら説明する。
まず、前記測定部1が船Sから水中へと投下されると(ステップS1)、前記機器制御部21が、前記巻き取り機33にケーブル31をリリースさせて前記測定対象採取部を水底Bの採取位置まで移動させる(ステップS2)。
次に、前記機器制御部21は前記巻き取り機33にケーブル31を回収させて、前記測定対象採取部を所定距離だけ上昇させる(ステップS3)。前記測定対象採取器13の移動後において前記放射線量計12で測定される放射線量が所定値以下となるまで(ステップS4)、前記ステップS3を繰り返す。ここで、前記所定値は自然界において通常測定されるバックグラウンドの放射線量値に設定してある。
前記放射線量計12により所定値以下の放射線量しか測定されなくなった時点において前記水深計14が示している退避位置での水深と、前記水深計14が採取位置において示していた水深の差分を前記機器制御部21が記憶する。また、前記放射線濃度算出部は、前記退避位置に設定された水深において前記放射線量計12により測定される放射線量をバックグラウンドの放射線量として記憶し、以降における測定対象の正味の放射線量を算出するために用いる(ステップS5)。前記移動機構Pは記憶された採取位置と退避位置の水深の差分に基づいて次回から採取位置から退避位置へと前記放射線量計12及び前記測定対象採取器13を移動させる際の前記巻き取り機33の巻き取り量を制御する。このようにすることで測定ごとにおける採取位置と退避位置の離間距離を一定に保ち、かつ、その移動距離を最も短くすることができる。従って、前記測定部1の測定を開始するまでにかかる移動時間を最も短くしつつ、水底Bにある他の放射性物質からの放射線が測定時に測定されることがないようにして、正確に測定対象の放射線量を測定できるようになる。
次に、前記機器制御部21は前記巻き取り機33に再びケーブル31をリリースさせ、測定対象採取器13を水底Bの採取位置まで移動させる(ステップS6)。そして、前記機器制御部21は前記測定対象採取器13を正転させて、水底Bに沈殿している汚泥である測定対象を採取させる(ステップS7)。
測定対象の採取が完了すると、前記機器制御部21は前記巻き取り機33にステップS5で設定された離間距離分だけケーブル31を回収させて前記測定対象採取器13及び放射線量計12を退避位置へと移動させる(ステップS8)。この際、ステップS5で設定された離間距離分だけ水深計14の示す値が小さくなるまで前記機器制御部21は前記巻き取り機33にケーブル31の回収をさせるようにしている。
そして、前記機器制御部21は前記放射線量計12に採取された測定対象の放射線量の測定を開始させる(ステップS9)。
次に前記放射能濃度算出部23が、ステップS9において前記放射線量計12で測定された放射線量とステップS5において記憶されたバックグラウンドの放射線量の差分及び前記重量算出部22で算出された測定対象の重量に基づいて測定対象の放射能濃度を算出する(ステップS10)。
測定対象の放射能測定が終了すると、前記機器制御部21は前記測定対象採取器13を逆転させて採取した測定対象を水底Bへと戻させる(ステップS11)。
そして、船Sを移動させることにより測定ポイントを変更して(ステップS12)、ステップS6からステップS11を全ての測定ポイントで繰り返す(ステップS13)。
このように本実施形態の放射能測定装置100によれば、水底Bに沈殿している測定対象である汚泥等を前記測定対象採取器13により採取した後に、水底Bにある他の放射性物質による放射線が水により遮断される退避位置まで移動させて前記放射線量計12により測定対象の放射線量を測定するように構成してあるので、採取した測定対象に含まれる放射性物質だけの放射線量を正確に測定することができる。
したがって、水底Bの各地点における放射線量や放射能濃度等を精度よく測定でき、スマートフォン等から取得された測定ポイントの位置データと、その測定ポイントで測定された放射線量及び放射能濃度を紐づけることにより海底等の放射線マップを正確に作成することができる。
また、本実施形態の放射能測定装置100によれば、採取した測定対象を水上に揚げることなく、水中において即時に測定することができるので、測定対象を研究所等に搬送する必要がなく測定にかかる手間を少なくすることができる。
さらに、水上に測定対象が揚げられることがなく、測定に従事する作業者が測定対象に近接することもないので、被ばくする恐れがなく安全性を高い水準で保つことができる。
加えて、前記放射能測定装置100では採取した測定対象については測定終了後に元々あった水底に戻すことができるので、放射性物質の含まれる可能性のある測定対象の処分に関する問題を生じないようにすることができる。
その他の実施形態について説明する。
前記実施形態の放射能測定装置では、水底として海底を対象とし、そこに沈殿している汚泥の放射能測定を目的としたものであったが、その他の水底に沈殿している物質を測定対象とすることもできる。例えば、湖底等の堆積物に含まれる放射性物質の評価のために本発明の放射能測定装置を適用しても構わない。また、前記放射線量計は、前記実施形態に記載した測定原理のものに限られず、他の測定原理に基づいたものであってもよい。また、前記実施形態では本発明の測定装置を放射能測定装置として構成したが、本発明の測定装置を放射線量を測定する放射線測定装置として構成しても構わない。さらに、放射線量及び放射能濃度を両方測定、表示する測定装置として構成しても構わない。
前記測定対象採取器は、前記実施形態に示したドリルに限られるものではなく、その他の採取のための構成を有したものであっても構わない。例えば、ショベルカーに用いられるバケットのようなものや、エクマンバージ型採泥器や、スミス・マッキンタイヤ型採泥器のようなものであっても構わない。
また、前記実施形態では前記放射線量計と前記測定対象採取器は一体となって採取位置と退避位置との間を移動可能に構成されていたが、前記放射線量計を退避位置において固定しておき、前記測定対象採取器のみを採取位置と退避位置との間で移動可能に構成してもよい。また、前記測定対象採取器を移動させるための移動機構は前記実施形態に限られるものではなく、その他の移動機構であっても構わない。例えば、移動機構が、前記測定対象採取器の移動方向を案内するガイドと、前記測定対象採取器を上下方向に移動させる駆動部とを有するものであってもよいし、前記測定対象採取器に取り付けられて、取水又は排水を調節することで浮力を制御する浮力制御機構であってもよい。
前記実施形態では水深計の示す水深に基づいて前記採取位置と退避位置との離間距離が一定に保たれるようにしているが、例えば、ケーブルの巻き取り量に基づいて各測定ポイントにおける採取位置と退避位置との離間距離が一定に保たれるようにしてもよい。また、測定ポイントを変更する度にバックグラウンド測定として放射線量計により放射線が測定されない退避位置を探索してから、採取、測定を行うようにしてもよい。
淡水中での測定しか意図していない場合には、前記導電率計を省略して放射能測定装置を簡素化しても構わない。
採取された測定対象の重量を測定する重量測定部は、テンションメーターを用いたものでなくてもよく、例えば、前記測定部を支持する竿等のしなり具合の変化に基づいて重量を測定してもよい。また、重量測定部は、採取される測定対象の体積と、推定される密度から重量を算出するものであってもよい。
その他、本発明の趣旨に反しない限りにおいて様々な実施形態の変形や組み合わせを行っても構わない。
100 :放射能測定装置(測定装置)
1 :測定部
11 :収容体
12 :放射線量計
13 :測定対象採取器
14 :水深計
15 :導電率計
2 :本体部
21 :機器制御部
22 :重量算出部
23 :放射能濃度算出部
3 :懸架部
31 :ケーブル
32 :テンションメーター
B :水底
CPS :放射線量
S :船
W :重量測定部
P :移動機構

Claims (8)

  1. 放射線又は放射能を測定するための測定装置であって、
    放射線量を測定する放射線量計と、
    水底に沈殿している測定対象を採取する採取位置及び水底から所定距離離間した水中の退避位置の間を移動可能に構成された測定対象採取器とを備え、
    前記放射線量計が、前記退避位置において前記測定対象採取器により採取された測定対象の放射線量を測定するように構成されたことを特徴とする測定装置。
  2. 前記退避位置が、前記測定対象採取器により測定対象が採取されていない状態において前記放射線量計により測定される放射線量が所定値以下の位置に設定されている請求項1記載の測定装置。
  3. 前記測定対象採取器により採取された測定対象の重量を測定する重量測定部と、
    前記放射線量計により測定された測定対象の放射線量及び前記重量測定部により測定された測定対象の重量に基づいて測定対象の放射能濃度を算出する放射能濃度算出部とを更に備えた請求項1又は2記載の測定装置。
  4. 少なくとも前記測定対象採取器を懸架し、水中における長さを変更可能に構成されたケーブルを更に備え、
    前記重量測定部が、前記ケーブルにかかる張力を測定するテンションメーターと、水中の導電率を測定する導電率計と、前記テンションメーターにより測定される測定対象の採取前後における各張力及び前記導電率計により測定される導電率から算出される浮力に基づいて測定対象の重量を算出する重量算出部とから構成された請求項3記載の測定装置。
  5. 前記測定対象採取器のある水深を測定する水深計を更に備え、
    前記水深計により測定される水深に基づいて前記採取位置と前記退避位置との離間距離が所定値となるように前記測定対象採取器の水中における位置が制御される請求項2乃至4のいずれかに記載の測定装置。
  6. 前記測定対象採取器が、前記放射線量計による測定対象の放射線量の測定が終了した後に測定対象を水底に戻すように構成された請求項1乃至5のいずれかに記載の測定装置。
  7. 放射線又は放射能を測定するための測定方法であって
    水底に沈殿している測定対象を採取する採取ステップと、
    前記採取ステップ後に水底から所定距離離間した水中の退避位置において測定対象の放射線量を測定する測定ステップとを備えたことを特徴とする測定方法。
  8. 前記測定ステップの後に、採取された測定対象を水底に戻す測定対象戻しステップを更に備えた請求項7記載の測定方法。
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